○議長(
片山一歩君)
横山市長。 (
市長横山英幸君登壇)
◎市長(
横山英幸君)
学校選択制は、平成23年度当時の市長の公約が起点となり、
PTA代表、
学識経験者、
公募委員などから成る熟議や
教育委員会会議の議論等を経て、平成26年度の入学から
制度導入されたものと認識しております。
教育委員会が行った検証結果では、
子供たちやその保護者が自分たちの意思で学校を選択できることなどの理由により、多くの保護者からよい評価を得ていることなどから、
課題解消を図りながら、今後もよりよい制度として取り組むとしております。 私としては、
子供たちや保護者の期待に応えるためにも、引き続き選択する機会を設けることは意義があることと考えております。
教育委員会が行った検証作業においては、通学の安全や
地域コミュニティーについても検証したと聞いておりますが、議員から指摘のあった課題も含め、
教育委員会や関係所属においてしっかりと
課題解消に努め、将来世代も含め、全ての
子供たちを取り巻く教育環境を整えることが重要と考えており、私としても支援してまいります。
○議長(
片山一歩君)
森山よしひさ君。 (62番
森山よしひさ君登壇)
◆62番(
森山よしひさ君) 他都市では、
学校選択制を導入したが、廃止した都市もたくさんあります。
子供たちが自分自身で学校を決めるということですが、小学校入学前の子供の場合、実態は保護者が決めており、例えば風評などを理由に決められていることが問題であると認識しています。また、通学の安全や
地域コミュニティーの問題も解決されていないと考えています。 市長におかれましては、
学校選択制の問題点を整理し、しっかりと検証した上で、課題を解決する取組をお願いいたします。 次に、学力向上についてお伺いいたします。 本市においては、学力向上のための様々な施策を打ち出し、取り組んできていると思います。 子供の学力に関わっては、国の調査によりますと、家庭の経済事情が進学率や学力、子供の体験の豊かさなどに大きな影響を及ぼしていると指摘されており、本市においても、子どもの生活に関する実態調査の結果から、世帯の経済状況や生活状況が
子供たちの学習理解度にも影響を与えることが確認されています。 私も、大阪市で育ってきましたが、小学校時代から課題のある学校は、今も変わらず課題が残っており、固定化されているのではないでしょうか。 さきの
決算特別委員会においても、学力向上に向けた質疑を行ったところであり、本市の厳しい学力状況を克服するためには、
子供たちが誰一人取り残されないよう、実効性のある取組をより一層推進していくことが重要であると考えますが、市長の御所見をお伺いいたします。
○議長(
片山一歩君)
横山市長。 (
市長横山英幸君登壇)
◎市長(
横山英幸君) 私は、本市の全ての
子供たちが、将来にわたり力強く生き抜き、未来を切り開く力を身につけるためには、地域の実情に応じた教育環境を整えることが必要だと考えております。 議員御指摘のとおり、子供の学力には親の所得など家庭環境が影響していることは認識しております。本市の全ての
子供たちが、その生まれ育った環境によって未来の希望が閉ざされるようなことがあってはならないと考えており、私がトップとなる大阪市こどもの貧困対策推進本部におきまして、区、局が重点的に取り組む事業について取りまとめ、学校、区、地域が連携して、社会全体で子供を支える仕組みの構築など、貧困の世代間連鎖を断ち切るべく、取組を進めております。 学力向上の取組では、学力に課題の見られる児童・生徒の割合が多いなど、継続して課題のある小中学校90校に対する放課後学習の実施といった重点的な支援も進めてきたところでございます。 私としては、きめ細やかな教育が重要だと認識しており、今後も
教育委員会と相互の連携を緊密に行い、支援が必要な学校や
子供たちに、さらなる支援が行き届くよう施策を検討し、施政方針演説でも述べましたが、日本一の子育て・教育サービスを実現して、子育て世代に選ばれるまちを実現していきたいと思います。
○議長(
片山一歩君)
森山よしひさ君。 (62番
森山よしひさ君登壇)
◆62番(
森山よしひさ君) 市長、よろしくお願いいたします。 次に、民間活用の在り方についてお伺いいたします。 市政改革がスタートして以降、本市の様々な事業分野において業務の民間委託が推進されてきている中、課題が出てきていると考えます。 例えば、区役所の窓口サービスについては、平成24年度から委託化が進められ、現在では24区で民間事業者への委託が導入されています。このことが区役所業務の効率化や職員数の見直しにつながってきた一方で、近年では物価や人件費の高騰などにより、委託費用も年々上昇していると聞いております。その結果、経費削減効果が縮小し、効果が年々薄れているんではないかと感じています。 また、委託化によって、職員が窓口の実務に従事する機会が大幅に減少し、業務知識を継承することも、より難しくなってきていると感じています。 一方、他の事例では、委託化に伴う業務執行体制の見直しが行われたものの、結果的に事業の形態を見直したものも出てきており、委託化により、事業の安定性や継続性という公共の担うべき役割が脆弱になるのではないかと懸念するところであります。 本市におきましては、委託化が長年にわたって継続されている事業もあり、そこで生じた問題点も指摘される中、公共の役割について改めて検討し、住民にとって何が最も重要であるかを念頭に、いま一度、民間活用における課題等を分析、検証する必要があると考えますが、市長の御所見をお伺いいたします。
○議長(
片山一歩君)
横山市長。 (
市長横山英幸君登壇)
◎市長(
横山英幸君) 本市業務の民間委託についてでございますが、これまで民間にできることは民間でといった基本的な考え方の下、民間活力の活用の一つの手法として進めてきたものでございます。 例示いただいた区役所の窓口サービスの委託化につきましては、導入によって経費削減効果を生み出してまいりましたが、当初と比べると委託経費は上昇していると認識しており、経費上昇の要因分析を行うとともに、業務知識の継承につきましては、職員への学習サポートなどに取り組むことにより、職員スキル、ノウハウを維持するための対策を講じてまいりました。引き続き、委託経費の動向や職員のスキル、ノウハウ、サービス水準など、様々な角度から状況を注視してまいります。 また、御指摘いただきました公共の担うべき役割の検討につきましては、例えば技能職員の業務について、今後も民間委託等を継続し、職員数を削減してはいくものの、緊急災害時対応など市民の安心・安全のために真に必要な業務等の観点から、将来にわたって最低限必要となる部門ごとの職員数を精査し、職員の高齢化や技術の継承等の課題も踏まえ、今年度から採用を再開しております。 本市の民間活用につきましては、本市の果たすべき責任を念頭に置き、公共サービスの安定的かつ継続的な提供と、その向上を図り、加えて財政効果を含めた事業の効率化など、そのメリットを最大限に発揮できるよう検証しながら、多様化する市民ニーズに効果的、効率的に対応するため、今後も進めてまいります。
○議長(
片山一歩君)
森山よしひさ君。 (62番
森山よしひさ君登壇)
◆62番(
森山よしひさ君) 今までは、経費削減第一の民間への委託を進めてきましたが、現在、転換期を迎えていると思います。今後は、必要な職員を確保するなど、市民サービスを第一に考えた施策に取り組むようにお願いいたします。 次に、組織の魅力向上についてお伺いします。 これまで、市政改革プランに基づき職員数の削減に取り組んできましたが、基礎自治体として市民の生活を守り、事業施策を推し進めていくためには、優秀な人材をしっかりと確保し、育成していく必要があります。近年は、民間企業や国、他都市においても人材獲得が困難になっており、地方公務員の受験者数も減少傾向にある中、民間企業との採用の競合がますます激しくなり、この傾向は今後さらに加速化していくものと思われます。 このような状況において、大阪市役所という組織の魅力を一層向上させることが喫緊の課題と考えます。魅力ある組織とは、職員が高いモチベーションを持ち、生き生きと働けるものだと考えています。 その職員のモチベーションに大きく関係する人事評価制度において、本市は相対評価を導入しています。過去に我が会派から、制度の目的にかなわない運用になることがあれば、改正も考える必要があるのではないかと言及してきました。現に、期待レベルに達しているにもかかわらず、下位に位置づけられ、モチベーションを低下させている職員がいるのであれば、頑張りがきちんと評価され、さらなる意欲の向上や成長につながる制度へと改正すべきであります。 働きやすく、やりがいを感じられる職場環境づくりを推進することで、よりよい人材が集まり、組織の魅力がさらに向上するという好循環が生まれると考えますが、今後、市としてどのように取り組んでいくのか、市長の御所見をお伺いいたします。
○議長(
片山一歩君)
横山市長。 (
市長横山英幸君登壇)
◎市長(
横山英幸君) 今後、全ての自治体で若年労働力の絶対量が不足し、経営資源が大きく制約されると言われております。組織の要は人であり、複雑多様化する行政課題に的確に対応し、将来にわたって市民サービスを持続的、安定的に供給していくためには、必要となる人材をしっかりと確保し、育成することにより、職員の力を最大限発揮させることが重要であると認識しております。 議員から御指摘のあった人事評価制度における相対評価につきましても、職員の資質、能力及び執務能力の向上を目的として導入したものでありますが、職員がさらにモチベーションを高められる制度となるよう、議員の皆様の御理解を得た上で速やかに改正してまいりたいと考えております。 あわせまして、職員の多様なライフステージや価値観にも柔軟に対応しつつ、安心して働くことのできる職場環境づくりに向けまして、私自ら先頭となって働き方改革を強力に進め、優秀な人材の確保にもつなげてまいります。 今後、人事評価、人材の確保・育成、働き方改革などを通じまして、職員一人一人がやりがいや成長を実感できる組織をつくることにより、魅力ある大阪市役所となるよう取り組んでまいります。
○議長(
片山一歩君)
森山よしひさ君。 (62番
森山よしひさ君登壇)
◆62番(
森山よしひさ君) 今後は、職員が働きやすい、大切にされていると感じることができる、市民のために働こうという意欲が増すような組織づくりを進めていくべきだと考えます。
職員基本条例制定から10年がたちますが、制定時、我が会派は附帯決議を付した上で賛成したという経緯があります。 現制度の相対評価では、下位区分が必ず一定割合生じることになることが問題でした。人事評価については、速やかに改正すると答弁をいただきましたが、今後も制度の目的にかなった運用となるように見直しを行ってもらいたいと考えます。働く場としての大阪市の魅力がますます高まるよう、働き方改革をはじめ、あらゆる角度から既存制度の見直しや新たな取組を推進していただくようにお願いいたします。 次に、地域活動協議会についてお伺いいたします。 さきの
決算特別委員会において、地活協補助金の制度改正を行う方向性であることが明らかになりました。 地活協に対する補助金は、平成25年度こそ暫定措置として100%補助でしたが、翌年からは50%補助とされ、みなし人件費を経費に加え、実質75%補助とされてきました。 こうした動きに対し、我が会派からは当初から地活協の補助金を100%補助にすべきであるというふうに要望してきました。昨年も、多賀谷前議員が松井前市長に対し、地活協の皆様は、まちをよくするため、ボランティアとして活動しているにもかかわらず、なぜ自己負担が必要なのかと問うたところであります。 このたびの地活協補助金制度の改正は、予算の範囲内で補助率を100%とするとのことであります。しかしながら、予算の範囲内というこれまでの補助金額のままであれば、地域の自主財源が必要となる点は変わっておりません。そもそも、地活協補助金は、この10年間、様々な変動要素があるにもかかわらず、実質的には増額されていません。 地域活動の将来を見据えて、また昨今の物価上昇も考えればなおさら、自主財源を充てなくても活動規模を維持できるよう補助金の予算を増額すべきと考えるんですけども、市長の御所見をお伺いいたします。
○議長(
片山一歩君)
横山市長。 (
市長横山英幸君登壇)
◎市長(
横山英幸君) 地域活動協議会は、本市の目指す地域社会づくりにとって必要不可欠であり、地域の皆さんが日々様々な活動に御尽力いただいていることに対し敬意を表し、深く感謝申し上げる次第でございます。 地域活動協議会補助金につきましては、地域課題に対応し、まちづくりを推進するための自主的な活動に対して財政的支援を行うものでございます。 今回の制度改正は、地活協を取り巻く社会環境も変化し、地活協に期待される役割が高度化し、活動の負担が大きくなっていることから、今後も継続して取組を続けていただけるよう、負担軽減の一環として制度面から支援を強化するものでございます。 地活協補助金予算につきましては、物価高騰など社会状況の変化も加味した上で、地域の実情に合わせて、各区長判断の下、必要な措置が取られることとしており、引き続き適切な支援に努めてまいります。
○議長(
片山一歩君)
森山よしひさ君。 (62番
森山よしひさ君登壇)
◆62番(
森山よしひさ君) 業務の多様化により、地域の方々の負担はますます増えていっております。地域の方は、あくまでボランティアで頑張ってくださっています。地域の方々に対し、少しでも負担が少なくなるような支援をする必要があるのではないかと考えております。 市長におかれましては、地活協の予算について、物価上昇や社会状況を加味した上で、改めてしっかりと地域の声を聞き、実情を踏まえて、必要に応じた予算を上げる措置を行っていただけるよう要望します。 次に、ふるさと納税についてお伺いします。 本市では、これまで積極的に返礼品競争に参加するのではなく、寄附メニューの充実に努めてきたとのことです。 国が返礼割合の上限を3割とする中、独自の基準により取り組んできましたが、ふるさと納税制度における個人市民税寄附金税額控除による本市の市税流出額は年々増加しており、本市の財政への影響を考えれば、基準の見直しも必要ではないかと考えております。 本市と同様に多額の税流出が生じている政令指定都市においては、それぞれの特色を生かした返礼品の充実に取り組み、数十億円の寄附金収入を実現している市もあります。 大阪にも、なにわの伝統野菜をはじめとする大阪産(もん)や、和菓子、洋菓子、水産加工品、調味料といった大阪産(もん)が充実しているほか、全国的にも有名な食、文化芸術、エンタメといった強みがあります。こうした本市の強みを積極的に活用すれば、寄附金額が増加するとともに、地場産業や地域経済の活性化にもつながると思いますが、市長の御所見をお伺いいたします。
○議長(
片山一歩君)
横山市長。 (
市長横山英幸君登壇)
◎市長(
横山英幸君) ふるさと寄附金制度につきましては、生まれ育った場所など、寄附者一人一人が選んだ場所をふるさととして応援することにより、その自治体への貢献の気持ちを表す市民参加型の取組であるとの認識の下、制度本来の趣旨を踏まえ、積極的に返礼品競争に参加するのではなく、寄附メニューの充実に努めてきたところでございます。 また、御寄附をいただいた方への謝意を表すための記念品につきましては、寄附者が本市に愛着を持っていただけるよう、寄附金の使途と関連したものとしており、商店街振興寄附金における大阪市あきないグランプリ受賞店舗等の商品や、スポーツ振興関係寄附金における大阪マラソン出走権など、品目の充実を図ってきております。 ふるさと寄附金制度におきまして、都市部である本市の市税流出が大きいことは認識しているところでございます。より多くの方に御寄附いただけるよう、引き続き寄附メニューの充実に取り組むとともに、地域資源を有効に活用し、魅力的な特産品などを提供できるよう、今後、検討してまいります。
○議長(
片山一歩君)
森山よしひさ君。 (62番
森山よしひさ君登壇)
◆62番(
森山よしひさ君) 返礼品の割合を国の基準である3割に合わせることで、本市の事業者が返礼品を出品しやすくなり、事業者の販路拡大、売上増や、ふるさと寄附金の増を活用した市民サービスの充実が期待できます。ふるさと納税が、市民にとってより有益な制度となるよう、基準の見直しをお願いいたします。 次に、デジタル技術を活用した地域経済の活性化についてお伺いいたします。 近年のデジタル技術の進展やキャッシュレス決済が普及されたこともあり、デジタル地域通貨を活用した地域活性化施策が注目を集めています。 先日、都市経済委員会においても、渋谷区のデジタル地域通貨事業「ハチペイ」の取組について、行政視察を行ったと聞いております。 ハチペイは、スマートフォンの専用アプリを使って、渋谷区内の参加店舗で使用することができるデジタル地域通貨です。区民や来街者を区内の店舗に呼び込むことで、地域経済の活性化が期待できるものと言えます。また、ハチペイで決済すると、決済金額の8%がポイント還元されるキャンペーンや、区が実施する様々なキャンペーンを通じてポイント付与を行うことで利用促進がされ、区内の消費喚起につながっております。 本市においても、デジタル地域通貨のようなデジタル技術を活用した地域経済の活性化施策に取り組むべきと考えますが、市長の御所見をお伺いいたします。
○議長(
片山一歩君)
横山市長。 (
市長横山英幸君登壇)
◎市長(
横山英幸君) コロナ禍におきまして、キャッシュレス決済をはじめとするデジタル化が急速に進み、デジタル技術の活用は企業活動や市民の利便性向上にとって必要不可欠であると認識しております。 本市では、昨年度及び今年度のプレミアム付商品券事業におきまして、スマートフォンアプリを活用した電子決済を採用し、参加店舗や利用者の利便性向上を図ってきたところでございます。 また、中小企業におきましては、デジタル技術を活用するための情報・知識不足などの課題があることから、大阪産業創造館での専門家相談やセミナーをはじめとした各種支援プログラムの実施を通じまして課題の解決の支援を行っております。 議員御案内のハチペイの事例や他都市のデジタル技術を活用した様々な取組事例を参考にしながら、中小企業におけるデジタル化の促進をしっかりと支援し、地域経済の活性化を図ってまいります。
○議長(
片山一歩君)
森山よしひさ君。 (62番
森山よしひさ君登壇)
◆62番(
森山よしひさ君) 本市においても、今年度はプレミアム付商品券事業を実施し、市民から好評を得ています。各地域でも様々な施策を実施していますが、来年度、本市においても、他都市の事例を参考にしていただき、経済活性化の観点から、さらなる事業の構築をお願いいたします。 次に、大阪・関西万博終了後の大屋根(リング)の活用についてお伺いいたします。 最近、万博閉幕後に、大屋根を現地で保存することや移設して保存するといった報道がありますが、大屋根については、本年4月に博覧会協会が公表した「持続可能な大阪・関西万博開催にむけた行動計画」において、「木造であることから、丁寧に解体した上でリユースしやすいモノに再加工できないかを検討する」とされております。この方針は、変わってないものと認識しています。 仮設建築物として工事されている大屋根を、現状のまま、もしくは部分的にでも現地に残すことは可能であるのか、また大屋根を現地に残すことについて、博覧会協会の副会長でもあります市長のお考え、御所見をお伺いいたします。
○議長(
片山一歩君)
横山市長。 (
市長横山英幸君登壇)
◎市長(
横山英幸君) 大阪・関西万博の大屋根(リング)につきましては、現在、博覧会協会が仮設建築物として整備を進めているところでございます。 建築基準法をあずかる本市としては、大屋根(リング)を本設の建築物として現地に残すことについては、法への適合性を適切に確認、検討いただく必要があると考えております。 いずれにしましても、万博後のリングの利活用につきましては、議員御指摘のように、博覧会協会は、「象徴的な施設(大屋根リング)が木造であることから、丁寧に解体した上でリユースしやすいモノに再加工できないかを検討する」としており、この方針は現時点で変わっていないものと認識しております。
○議長(
片山一歩君)
森山よしひさ君。 (62番
森山よしひさ君登壇)
◆62番(
森山よしひさ君) 仮設建築物である大屋根を本設の建築物として現地に残すことについては、法適合性について確認、検討が必要だということであります。大屋根(リング)は、世界最大級の木造建築物であるため、法適合性の確認、検討の結果、改修工事が必要となり、相応の費用や工事期間が必要となることや、万博の跡地利用についても影響があることが想定されることから、現地に残すことは実質困難ではないかと思います。 これらのことから、残す、残さないの議論は、様々なことに大きな影響を及ぼしてきますので、慎重に検討のほうをよろしくお願いしたいと思います。 次に、シニア層の万博入場料の負担軽減についてお伺いします。 万博への来場促進に向けては、子供の無料招待など、若い世代への来場を促そうという施策は大変重要であると思います。 一方、前回の大阪万博を経験し、様々な思い出を持ち、万博への思いも強いシニア層の方々にも、たくさん来場していただけるようにしていくことが重要だと思います。 また、今回の万博のテーマに照らし、シニア層の方々には、健康で長生きをしてもらうためにも、来場してもらうことによって、万博に何らかの形で参加をしてもらうことも重要だと考えております。 過去の実績を見ると、愛・地球博では65歳以上の方を対象にシニア割引チケットが販売され、ドバイ万博では60歳以上の方は入場無料でした。また、USJや動物園、博物館などの公共施設入場料についてもシニア層に対する入場料の割引がありますが、今回の万博にはシニア層に対する割引が用意されていないとのことであります。 そうであれば、開催地である大阪市として、シニア層の万博会場の入場料に係る負担軽減について検討すべきと考えますが、市長の御所見をお伺いいたします。
○議長(
片山一歩君)
横山市長。 (
市長横山英幸君登壇)
◎市長(
横山英幸君) 市民の入場料支援につきましては、シニア層の方々に対する支援は考えておりませんが、今回の入場券種、料金は、より多くの方々が来場できるよう、開幕券や超早期購入割引など様々なバリエーションが用意されており、シニア層の方々にもお求めいただけるようになっております。 また、子供の無料招待につきましては、今般、大阪府と連携協力して、本市としても、夏パスの配布を決めたところでございます。 万博会場で次世代を担う
子供たちが世界の価値観や先進的な技術を直接体験することで、新しい未来社会の創造に向け、自らの将来にチャレンジしてもらいたいと考えております。
○議長(
片山一歩君)
森山よしひさ君。 (62番
森山よしひさ君登壇)
◆62番(
森山よしひさ君) シニア層への入場料の支援は考えていないということですけども、大阪市内の公共施設では、大半のところでシニア向けの割引が存在しています。今回の大阪・関西万博でも、シニア向けの割引は何らかの形で行うことは重要なことだというふうに思うんですけども、料金体系の中にシニア割引がないのであれば、開催地である大阪市において、ぜひともシニア市民に対する割引を実施していただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 次に、万博に向けた路上喫煙対策について、市長にお伺いします。 この間、我が会派から重ねて指摘してきましたが、市内全域で路上喫煙が禁止される令和7年1月からは、喫煙の自由を大きく制限することになります。それまでには、ルールを守るための喫煙場所を適切に確保していただきたいと考えます。 また、喫煙者と非喫煙者が共存できる環境を整備するためには、官と民が連携して取り組んでいくことが不可欠であります。民間事業者であれば、民間ならではの施設に喫煙所設置が望めるというふうに思います。 一方で、令和7年4月には大阪府受動喫煙防止条例が全面施行され、客席面積が30平米を超える飲食店は原則屋内禁煙となり、条例の規制違反には罰則が適用されることになります。同条例の全面施行により、屋内でたばこを吸えなくなった人が、建物から路上や広場、公園に出て喫煙することが容易に想定されます。 そういった背景も踏まえると、現在、市で計画している120か所の喫煙所では足りないというふうに思うんですけども、市長がどのようにお考えか、御所見をお伺いいたします。
○議長(
片山一歩君)
横山市長。 (
市長横山英幸君登壇)
◎市長(
横山英幸君) 2025年大阪・関西万博の開催を控え、路上喫煙対策は非常に重要な課題でございます。 喫煙所設置目標数につきましては、喫煙率や市民アンケートの結果なども踏まえまして算出したもので、120か所の設置を進めた上で、市内全域での路上喫煙禁止以降も、実効性が確保されているかなどについては継続して検証してまいりたいと考えております。 公設喫煙所の設置に当たっては、代表区長と環境局、建設局から成る喫煙所整備推進チームが中心となって、区役所と関係局が連携し、喫煙所設置に向けまして関係者一丸となって取り組んでおります。 一方、官民が連携して分煙環境の整備を進めていくという観点から、民間事業者が誰でも利用できる喫煙所を設置する場合等に令和5年4月から補助制度を創設し、現在、3次募集を行っているところでございます。 さらに、既存の民間喫煙所を本市の基準を満たすものに改修し、広く一般に開放していただく場合の改修整備への補助につきましても、令和5年度と令和6年度の2か年で合わせて20か所を目標に取り組んでおり、既存喫煙所の開放なども含めて、より多くの喫煙所を確保することで市内全域の路上喫煙禁止を実効性あるものとし、国際観光都市・大阪にふさわしい、安全・安心できれいなまちづくりを推進してまいります。
○議長(
片山一歩君)
森山よしひさ君。 (62番
森山よしひさ君登壇)
◆62番(
森山よしひさ君) 本来、各施設の中に喫煙場所が確保されていれば、道路や公園などで喫煙する必要はないはずなんですけども、民間事業者が積極的に喫煙所を整備するように促すことが周辺での路上喫煙防止につながると考えます。そのためにも、民間施設が喫煙所を整備することを、行政としてしっかりと後押しすることが必要であります。120か所を超えても、令和7年1月以降も喫煙所整備の補助制度を継続していただくとともに、市民に分かりやすい告知をしていただくように強く要望いたします。 次に、IRの実施協定における本市負担についてお伺いいたします。 IR誘致については、国の1年にわたる審査を経て、本年4月に区域認定の判断がなされ、9月に国から実施協定締結の認可を得て、事業者と実施協定等を締結しました。 IRについては、液状化対策や土壌汚染対策などの土地課題対策費として788億円を限度とする債務負担行為を設定しているところですが、一方で、これまでの市会での議論にもあったとおり、想定を著しく上回るような地盤沈下対策や、想定されていないような地中埋設物撤去については、市に費用負担の可能性が生じています。 これら地盤沈下対策と特定地中埋設物撤去については、どのような契約となっているのか、まず確認します。 また、2026年9月末までを行使期限とする事業前提条件に基づく事業者の解除権については、実施協定において、解除権の条件の一つとして、「著しい悪影響を与える本件土地又はその土壌に関する事象が生じていないこと」などとされており、当該事象の存在が判明した場合には、土地所有者は、費用の負担も含め、一定の適切な措置を講じることとの規定があります。 この規定によりますと、液状化や土壌汚染だけでなく、通常生じるような地盤沈下対策などについても市が負担することもあるのではないかと思いますが、今後、そのような費用負担がないのか、併せて市長に御所見をお伺いいたします。
○議長(
片山一歩君)
横山市長。 (
市長横山英幸君登壇)
◎市長(
横山英幸君) 地盤沈下対策につきましては、従来からの説明と変わる点はなく、建物建設時及び開業後の対応ともに事業者において適切に実施するものであり、市が使用した埋立材の原因により、通常の想定を著しく上回る大規模な地盤沈下等が生じた場合を除いて、市が費用負担を行わないこととしております。 なお、夢洲、咲洲、舞洲といった周辺埋立地におきまして、そのような事象が生じた事例は把握しておらず、IR用地におきましても、そういった事態が生じる可能性は極めて低いものと認識しております。 特定地中埋設物につきましては、既に存在が明らかな観測台等、債務負担行為の限度額788億円で負担することとしている地中障害物とは異なり、通常想定し得ない地中埋設物の存在が判明した場合のみ、市が除去工事等の費用を負担することとしております。 また、実施協定第99条の2第1項の規定につきましては、事業者が解除権を行使できる場合の条件を規定したものであり、当該規定により、本市として費用負担を含む適切な措置を講ずべき義務を負っているものではありません。 液状化対策等の土地課題対策に対する市の責任など、本市が事業用定期借地権設定契約等において既に定められている市の義務に違反し、事業者に損害を与えたような場合は別として、仮に前提条件未充足として解除がなされたとしても、当該解除を理由に、事業者がこれまで投じてきた費用を市が負担することになるものではありません。 いずれにしましても、土地課題対策費用の支払いにつきましては解除権失効以降としており、さらには事業者の帰責事由による実施協定等の解除の場合の返還義務も設定するとともに、地盤沈下対策などは本市の負担となる部分を相当に限定するなど、事業者のリスク分担を適切に行っているもので、IR実現に向けて、公民連携して引き続き取り組んでまいります。
○議長(
片山一歩君)
森山よしひさ君。 (62番
森山よしひさ君登壇)
◆62番(
森山よしひさ君) 今の市長の答弁の中に、解除権に関して、事業者に損害を与えたような場合は別として、市は費用負担しないとの答弁が市長からあったんですけども、損害を与えたような場合というのはどのようなケースに該当するのか、再度聞きます。
○議長(
片山一歩君)
横山市長。 (
市長横山英幸君登壇)
◎市長(
横山英幸君) 事業用定期借地権設定契約等におきまして、土地課題対策について、土地引渡し及び建設着工が行われた場合に、つまり事業者の解除権失効以降に債務負担行為の範囲内で市が費用負担することなど、市の義務が設定されているものでございます。 土地課題対策費用につきましては、解除権失効後が支払いの前提であることから、前提条件未充足として解除がなされた場合には市に支払い義務は生じないものの、解除権失効以前に本市が当該土地課題対策費を負担しないと方針変更した場合などは、市が契約上の義務に違反した場合に該当するものと認識しております。 いずれにしましても、現時点において、そうした場合は想定されるものではなく、府市及び事業者双方それぞれが契約等にのっとって、引き続きIR事業の実現に向けまして、公民連携して取り組んでまいります。
○議長(
片山一歩君)
森山よしひさ君。 (62番
森山よしひさ君登壇)
◆62番(
森山よしひさ君) 市長の今の答弁では、液状化対策など土地課題対策費として設定されている788億円の債務負担行為について、市が方針を変更して支払いを拒否した場合、解除権を行使される条件に該当するとのことでした。 しかし、それ以外にも、例えば788億円の債務負担行為に含まれていない想定外の地盤沈下費用の負担を事業者に求められたときに、本市がその費用を払わないとした場合もこれに該当するというふうなことだと思うんですけども、その場合は、契約解除前に生じた土地改良費の負担を市に求められるものと思います。やはり、大きな負担リスクを負っているというふうに思います。非常に不利な条件の協定を結ばされていることを指摘しておきます。 以上、市政各般にわたり、市長に対し質問させていただきました。 本日の答弁において、万博チケットのシニア割引については考えていないということでしたけども、子供施策を重点的に行うことも大切ですけども、今まで本当に大阪市を支えてくださった高齢者の方に報いるような施策も必要ではないでしょうか。 現在の
大阪市政において、過去の市長から引き継がれた万博、IRなど様々な課題が山積しております。判断が難しい局面もあると思いますが、
大阪市政の諸課題に真正面から取り組んでいただきますようにお願い申し上げまして、私からの
一般質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(
片山一歩君) 以上で、質問は終了いたしました。
○議長(
片山一歩君) 日程第2、議案第171号、令和5年度大阪市
一般会計補正予算(第5回)ないし日程第74、議案第243号、
指定管理者の指定について(靱公園の一部ほか2施設)を一括して議題といたします。
○議長(
片山一歩君) 理事者の説明を求めます。
横山市長。 (
市長横山英幸君登壇)
◎市長(
横山英幸君) 本市会定例会に追加提出しました議案第171号から議案第243号までの73件につきまして、その概要を御説明いたします。 まず、議案第171号の補正予算案につきましては、橋梁建設工事に係る債務負担行為として、一般会計で33億2,100万円を追加するものです。 続きまして、一般議案ですが、議案第172号は、相対評価による人事評価の区分について、評価を受ける職員の総数に占める各区分の職員の割合を改めるものです。 議案第173号は、奈良県に係る広域にわたる産業の振興に関する事務等及び外国人観光旅客の来訪の促進等による国際観光の振興に関する法律に規定する協議会の組織に関する事務を関西広域連合が処理することとするとともに、規定を整備するため、規約の一部を変更するものです。 議案第174号は、令和6年度におきまして発売することができる
当せん金付証票の金額の範囲を定めるものです。 議案第175号及び議案第176号は、投票用紙読取集計機及び交付機の買入れについて、大阪市財産条例に基づき、本来ならば議会の議決をいただいてから買入れすべきところを、議決を得ることなく買入れを行っていたことが判明したため、本定例会において追認の議案を提出させていただき、改めて議会へお諮りするものです。 このような重大な事案が発生したことを重く受け止め、深くおわび申し上げますとともに、今後、二度とこうした事態を招くことのないよう再発防止策を徹底してまいりますので、何とぞよろしく御審議のほどお願い申し上げます。 議案第177号から議案第181号までの5件は、成育小学校ほか4校について、それぞれ建設工事請負契約の締結を行うものです。 議案第182号は、国民健康保険法施行令の一部改正に伴い、保険料を減額する基準を改めるとともに、規定を整備するものです。 議案第183号及び議案第184号は、元住吉市民病院跡地に整備する新病院ほか建設工事及び保健所庁舎改修工事について、それぞれ請負契約を締結するものです。 議案第185号から議案第191号までの7件は、
ワクチンの買入れについて、議案第175号及び議案第176号と同様に、議決を得ることなく買入れを行っていたことが判明したため、追認の議案を提出させていただき、改めて議会へお諮りするものです。 議案第192号は、
地方独立行政法人大阪市民病院機構に係る第3期
中期目標を定めるものです。 議案第193号は、
地方独立行政法人大阪市
博物館機構に係る第2期
中期目標を定めるものです。 議案第194号は、高圧ガス保安法の一部改正に伴い、液化石油ガスに係る貯蔵施設または特定供給設備の完成検査に係る手数料を改定するものです。 議案第195号は、
区画整理記念・
交流会館建設工事請負契約の一部を変更するものです。 議案第196号、新木津川大橋耐震対策工事請負契約を締結するものです。 議案第197号は、本市所有地を売り払うものです。 議案第198号は、南港魚つり園護岸背後浸水対策工事請負契約を締結するものです。 議案第199号から議案第243号までの45件につきましては、
老人福祉センター、早川福祉会館、野球場、庭球場、スポーツセンター、港区民センター、港近隣センター、住まい情報センター、霊園、プール、駐車場、公園など107施設について、それぞれ
指定管理者を指定するものです。 以上、案件の概略を説明申し上げました。何とぞよろしく御審議のほどお願い申し上げます。
○議長(
片山一歩君) ただいま議題となっております諸案件は、審査付託表のとおり、各常任委員会に付託いたします。
○議長(
片山一歩君) 日程第75、議案第167号、一般職の
任期付職員の採用及び給与の特例に関する条例の一部を改正する条例案ないし日程第78、議案第170号、一般職の非常勤の職員の給与及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例案を一括して議題といたします。 なお、議案第167号ないし170号に対する人事委員会の意見は、資料に記載のとおりであります。
○議長(
片山一歩君) 財政総務委員長より審査の報告を求めます。 59番財政総務委員長
黒田まりこ君。 (59番財政総務委員長
黒田まりこ君登壇)
◆59番(
黒田まりこ君) 財政総務委員会に昨日付託されました議案第167号、一般職の
任期付職員の採用及び給与の特例に関する条例の一部を改正する条例案外3件に対する審査の結果と経過について御報告申し上げます。 本委員会は、本日審査を行いました結果、報告書に記載のとおり、いずれも原案を可決すべきものと決した次第であります。 これらの議案は、職員の給与改定に係るもので、去る9月の人事委員会からの勧告に基づき、民間給与との較差を解消するために給料表を引き上げる改定を実施するとともに、期末勤勉手当の年間支給月数を0.1月分引き上げるものなどであります。 なお、これらの案件に対する質疑等はありませんでした。 以上、簡単ではありますが、財政総務委員会の審査の報告といたします。
○議長(
片山一歩君) これをもって審査の報告は終了いたしました。
○議長(
片山一歩君) これより採決に入ります。 議案第167号ないし170号について一括して採決いたします。委員長の報告はいずれも可決であります。委員長報告のとおり決することに御異議ありませんか。 (「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(
片山一歩君) 御異議なしと認めます。よって議案第167号ないし170号は委員長報告のとおりいずれも可決されました。
○議長(
片山一歩君) 日程第79、議員の派遣について(大阪市
会議員海外視察団)を議題といたします。
○議長(
片山一歩君) お諮りいたします。議員の派遣については、資料に記載のとおり派遣することに御異議ありませんか。 (「異議なし」「異議あり」と呼ぶ者あり)
○議長(
片山一歩君) 異議がありますから起立により採決いたします。議長発議に賛成の諸君の起立を求めます。 (賛成者起立)
○議長(
片山一歩君) 多数であります。よって議員の派遣については、資料に記載のとおり派遣することに決しました。
△閉議
○議長(
片山一歩君) 本日の日程は以上で終了いたしました。
△散会
○議長(
片山一歩君) 本日はこれをもって散会いたします。 午後3時6分散会 --------------------------------- 大阪市会議長
片山一歩 大阪市会議員
出雲輝英 大阪市会議員 森 慶吾◯大阪市会(定例会)会議録(令和5年11月29日)(終)...