○議長(
大橋一隆君)
松井市長。 (
市長松井一郎君登壇)
◎市長(
松井一郎君)
IR用地の
事業期間延長時の賃料の考え方については、
事業者公募を開始する前の2019年11月の
戦略会議において決定をしています。IRは、観光や地域経済の振興等の観点から、長期間にわたって安定的かつ継続的な
IR事業の運営が確保されることが極めて重要な前提条件となっています。このようなことから
事業期間は当初35年間とした上で、事業者は
事業期間満了に当たって延長を申し出ることができ、大阪・関西の持続的な
経済成長等の観点から、
事業継続を前提に延長後の
投資計画を含め、
延長条件等について府市と事業者で協議をすることとしています。 また、賃料についても、
不動産鑑定評価を踏まえた上で
事業実施状況、再
投資計画、
事業環境や延長前の賃料等の諸条件を総合的に勘案し、決定することとしています。 いずれにいたしましても、これらの内容については弁護士の確認も得ているものであり、
事業期間の延長は双方の協議、合意により決定されるもので、
事業延長時の賃料を決定する上で考慮されるべき事項をあらかじめ取り決めることは妥当と認識をしております。
○議長(
大橋一隆君)
多賀谷俊史君。 (59番
多賀谷俊史君登壇)
◆59番(
多賀谷俊史君) 35年の
定期借地契約が終了した後は、原則その時点における
不動産鑑定に基づく新たな賃料を設定すべきであります。
不動産鑑定評価によるだけではなく、様々な条件を加えることは
IR事業者に対する優遇措置であります。35年後の新たな賃料設定の際には、市が負担することとした
土壌汚染対策費788億円を上乗せした賃料を設定することも可能であるということを併せて申し上げておきます。 次に、IR以降の
夢洲国際観光拠点の第2期区域の開発についてお伺いいたします。 現在検討が進められている第2期区域の開発において、土地価格や
土地課題対策についてどのような対応を考えておられるのか、市長にお伺いいたします。
○議長(
大橋一隆君)
松井市長。 (
市長松井一郎君登壇)
◎市長(
松井一郎君) 万博後の
まちづくりとなる夢洲の
国際観光拠点の第2期区域は、万博の理念を継承した
まちづくりとして
最先端技術を活用した取組や大規模なエンターテインメント、
レクリエーション機能の導入などにより、IRの
まちづくりと併せ
国際観光拠点の形成を目指しております。 第2期区域については、
万博開催までに
まちづくりの目指す姿をお示しできるようにマーケットサウンディングの実施などにより、
民間事業者との対話を行った上で、土地の処分条件を整理をしてまいります。
○議長(
大橋一隆君)
多賀谷俊史君。 (59番
多賀谷俊史君登壇)
◆59番(
多賀谷俊史君) 昨年12月の大
規模事業リスク管理会議では、IRと
国際観光拠点の第2期、第3期エリアを合わせて
土地課題対策費用を1,578億円としていますが、第2期、3期エリアに関する費用については、あくまでも今後想定されるリスクとして見込んだものであり、現段階で費用負担を決定したものではないと認識しております。 我が会派で
リーガルチェックをすると、「公募に際し、事業者に対して土壌汚染や液状化といった土地課題を説明しておけば、
土地課題対策に必要な費用を大阪市が必ずしも負担しなければならないということではない。」とのことでした。 また、例えば
サファリパークといった建物が比較的少ない土地利用であれば、
IR事業用地のような
液状化対策等が必要とは思えません。第2期区域の
まちづくりに際しては、
土地課題対策の費用を大阪市が負担しなくてもいいような公募の仕方について検討するように意見をしておきます。 次に、令和2年度において国によるGIGAスクール構想で整備した児童・生徒への1人1台の学習者用端末に関してお伺いいたします。 さきの新聞報道において、学習者用端末について1年以上がたった現在、故障が相次ぎ、その修理経費が自治体への大きな負担となっているとの記事がありました。本市では経費比較を行い、1台当たり約2万円安価であるという理由からリース契約ではなく買入れ契約を選択したとのことであります。端末の故障が発生した場合は必要に応じて修理をしており、修理経費としては令和3年度では約980万円、令和4年度の9月末時点では約5,600万円が支出されているとのことであります。このような状況の下、教育委員会では現在、別途保守業務委託の導入を検討していると聞いています。リースではなく、買入れにより端末を調達することとした経緯と今後の方向性について教育長にお伺いいたします。
○議長(
大橋一隆君) 多田
教育委員会教育長。 (
教育委員会教育長多田勝哉君登壇)
◎
教育委員会教育長(多田勝哉君) 当時の国の補助金の交付の対象につきましては買入れ契約、リース契約のいずれも可能でございましたが、対象の経費は購入相当額単価で4万5,000円が上限となっておりまして、それを超える金額や保守・保険料、金利等は自治体負担となっておりました。本件につきましては、国の補助金等が充当されますものの多額の経費が総額で必要でございますために、契約手法の検討に当たりましては、耐用年数までのトータルの経費がより節減できる手法を採用することといたしました。 経費の比較としまして、買入れ契約におきましては故障による機器対応として児童・生徒数の10%に見合う予備機を、リース契約におきましては保守料、保険料、金利に加えまして児童・生徒数の0.5%に当たる予備機をそれぞれ必要経費として算出いたしましたところ、買入れ契約がより安価でありましたためにこの手法としたところでございます。 一方で、この間学校での運用を進める中で、想定以上の故障が発生したことによりまして急遽、予備機対応と並行して教育委員会事務局にて修理対応を行うこととし、当該の経費が発生するに至ったものでございます。 現状におきまして、故障発生の連絡を学校より受けた後に端末の回収、修理内容の確認、修理業者への発注、再配備の完了までに一定の時間を要しておりますことから、こういった一連の流れを円滑に進めるための手法につきまして、他都市の状況や市場調査を行った上で保守業務委託の導入も含め検討を進めているところでございます。
○議長(
大橋一隆君)
多賀谷俊史君。 (59番
多賀谷俊史君登壇)
◆59番(
多賀谷俊史君) 本件契約に関する決裁を含む関連資料を確認しましたところ、当初、修理は学校において対応すると想定していたとのことですが、実際には教育委員会事務局にて修理対応を行っています。 加えて、今になって当初想定していた事務フローを変更し、事務負担が大きいことを理由として別途保守業務委託の導入も含めて検討しているというのは、事業を執行する上で当初の見込みが甘かったと言わざるを得ません。新たに保守業務委託を行うのであれば、そもそも予備機が1万6,000台も必要ではなかったということになります。そのほか端末の処分費用が全く考慮されていないことや、リース契約と買入れ契約との間で1台当たり約2万円の差が本当に生じるかなど、令和2年度の予算編成時の経費比較について改めて検証すべきであると指摘しておきます。 次に、本件契約に関する契約手続についても確認させていただきます。国の補助金は、買入れ契約、リース契約のいずれの契約方法の場合においても充当可能な制度となっていますが、契約管財局に提出している資料には、補助金対象は買入れの場合に限られていると読み取れる表記があります。 また、本件は入札公告間近に仕様の一部を変更していますが、変更依頼文書ではできるだけ早期に調達する必要があるためとの表記のみであり、教育委員会が説明する「競争性を担保しつつ、公正公平な入札となるよう変更する」との表記はありませんでした。教育委員会として根拠のある説明ができているとは到底思えません。 とりわけ契約手続に関しては、局内での契約発注に関する決裁を経て、契約管財局による入札執行決裁が完了した後に端末の仕様書を一部変更するという通常ではあり得ない事務を行っています。仕様の検討に当たっては文部科学省の示した標準仕様書をベースにし、有識者を交えた学習者用端末会議での議論を経て決定したものであるにもかかわらず、その方針とは異なる内容で、また、一連の決裁処理が完了したタイミングでなぜ変更したのかについては非常に疑問を感じています。この一連の手続について教育長にお伺いいたします。
○議長(
大橋一隆君) 多田
教育委員会教育長。 (
教育委員会教育長多田勝哉君登壇)
◎
教育委員会教育長(多田勝哉君) 国の補助金につきましては、令和2年2月に国から示された補助金交付要綱におきまして、買入れ契約、リース契約ともに対象となっていることが明記されており、同年5月に契約管財局に提出している資料への表記につきましては、補助金対象が購入相当額のみであるとの趣旨で記載したものでございます。 あわせて、仕様の変更につきましては仕様書に合致する機種が一部限定され、そのままでは製品指定となるおそれがございましたことから、理由書に記載しましたとおり、取り扱える物品の範囲を広げることを考慮しまして一部変更を行ったものでございます。本来なら十分な市場調査を行った上で、契約担当である契約管財局へ資料提出することが望ましいことではございますが、一連の契約決裁が完了した後に判明したため、入札の公告の前、間近ではございましたが、競争性を担保し、公正公平な入札となりますようにその変更の手続を行ったものでございます。
○議長(
大橋一隆君)
多賀谷俊史君。 (59番
多賀谷俊史君登壇)
◆59番(
多賀谷俊史君) 国庫補助の対象や仕様の変更について、この間、教育委員会から聴取した説明内容を教育委員会が作成した公文書から読み取ることは困難であります。正確な公文書を残すことは、
説明責任を果たす大前提であります。加えて、本来であれば事前に十分な市場調査を行った上で契約手続を進めるべきところ、それができていなかったことも問題であったと考えます。 さらに、学習者用端末検討会議では、教育的な観点も踏まえた議論を経て仕様を決定したにもかかわらず、今回の仕様変更の必要性がどこまであったのかについても甚だ疑問であります。 学習者用端末の整備は単なる機器を整備するというものではなく、子供たちが日々の授業や家庭学習など学習活動に必要なツールを導入するものであります。令和2年度の整備においては、2つのOSのうち、いずれでもよいとして4つのブロックに分割して入札した結果、第1教育ブロックと、第2、第3、第4教育ブロックで異なるOSの端末が入ることとなりました。端末更新の際に整備方針がその都度変わることは、教育の観点からどうなのかとも思います。子供たちや教員の使いやすさを何よりも考慮し、教育の継続性が担保されるよう検討を進めることが教育委員会の責務ではないでしょうか。 今後の端末の更新に当たっては、経費的な観点も加え、学習活動における活用の観点もしっかり考慮した上で、当然ではありますが、適切な事務手続で進めていくべきものであります。教育委員会として今後の端末整備方針をどのように考えているのでしょうか、教育長へお伺いいたします。
○議長(
大橋一隆君) 多田
教育委員会教育長。 (
教育委員会教育長多田勝哉君登壇)
◎
教育委員会教育長(多田勝哉君) 本年度の買入れにおきましては、令和2年度の学習者用端末の整備の以前に設置をし、本年12月31日にリース期間が満了いたします現行、小学校1年生用として活用しておりましたタブレット端末の更新を行ったところでございます。この更新につきましては、この一部の学年を対象にしたものでございまして、学習者用端末のその後の学年の持ち上がりや縦割り活動など学年間を横断した学習活動も念頭に置いて、学校において統一したOSとなりますように製品の指定を行いました。 次期端末の更新に当たりましては、学習者用端末が子供たちの学習面や生活面をより充実させるツールであることに鑑み、これまでの課題分析を図るとともに、前回同様外部の有識者や学校現場の意見を十分踏まえまして、今後のOSや学習用アプリケーションにおける機能改善等の最新の動向や、円滑かつ効果的な学習活動に取り組む上で最適な機器の性能が確保されるなど、慎重に検討を進めてまいります。
○議長(
大橋一隆君)
多賀谷俊史君。 (59番
多賀谷俊史君登壇)
◆59番(
多賀谷俊史君) 今後の端末の更新に当たっては、子供たちや教員の使いやすさに重きを置くことを求めておきます。この学習者用端末に係る問題について、この間、教育委員会から説明を聞いてきましたが、説明内容がころころ変わり、また説明内容を公文書から読み取ることが困難であるとの印象を受けました。学習者用端末の調達や仕様の検討など全てがずさんであることに起因しているのではないでしょうか。 また、当初想定していなかった保守業務委託の導入によって、そもそもの調達に関する経費比較の前提が崩れることにもなります。根本的に学習者用端末の整備方針を見直すべきと申し上げておきます。 次に、学校選択制についてお伺いいたします。 制度が始まって10年近くたちますが、様々な課題があると考えています。風評によって学校が選択され、児童や生徒が減り続けている学校もあり、学校は頑張っているけれども、生徒が転出してしまうという話もあります。児童・生徒が少なくなると統廃合につながり、また学校運営上の課題もあると認識しています。 東京では、学校選択制によって児童・生徒が減っても廃校の理由にしないとしている区や通学の安全の観点から制度を見直した区もあります。本市の調査結果では、校区外の学校を選択する理由として、小学校では自宅から近い、きょうだいが通っている、友達が同じ学校に行く、中学校では、友達、部活動、自宅から近いが上位となっています。この結果は、選択制の導入目的に合っているのか疑問であります。指定校変更要件の緩和でも対応できるものではないかと思います。 まちにおいて学校の存在は大きいものであり、学校の小規模化や風評については重要な課題であり、簡単に解決できることでもないことから、我が会派として制度導入前から懸念し、指摘してきたことが放置され続けてきています。これら現実に起きている課題を解消する必要がありますが、教育長の見解をお伺いいたします。
○議長(
大橋一隆君) 多田
教育委員会教育長。 (
教育委員会教育長多田勝哉君登壇)
◎
教育委員会教育長(多田勝哉君) 学校選択制につきましては、大阪の教育力の向上、充実を図り、子供たちの最善の利益を図るために、子供や保護者が意見を述べ学校を選択できること、また学校教育に深い関心を持つことや特色ある学校づくりが進むことなど、こういったことを期待されるメリットとしまして平成26年度入学から制度の導入を図りました。現在、約7割を超える保護者からよい制度であると受け止めていただいておりまして、また児童・生徒の約1割がこの制度を利用し、校区外の学校へ就学するなど制度として定着してきていると考えております。 一方で、今、議員から御指摘いただきましたように、児童・生徒数の偏り、通学の安全、事実とは異なる風評による選択など、課題につきましては認識をしておりまして、本年度において検証の作業を進めているところでございます。今般、中間まとめを作成するなど、この後、年度末に予定しております検証の取りまとめに向けまして、区担当教育次長でございます区長とも連携をしつつ、課題解消の検討も含め、その作業を進めているところでございます。 引き続き課題のある学校への支援とともに、事実と異なる風評や偏見等により学校選択に影響がないように適切な情報発信を行いますとともに、区役所等の関係機関とも連携を図り、啓発等の取組を行うなど、課題の解消を図りつつ、よりよい制度となるように努め、子供たちの最善の利益の実現を目指してまいります。
○議長(
大橋一隆君)
多賀谷俊史君。 (59番
多賀谷俊史君登壇)
◆59番(
多賀谷俊史君) 校長へのアンケートを実施するなど、学校現場の声を聞き、風評被害、小規模校といった現実に起こっている課題を真摯に受け止め、学校選択制の導入時の目的に沿って、もう一度しっかりと検証していただきたいと思います。何も学校選択制をやめろと言っているわけではないので、よりよい制度に教育長がおっしゃったようにぜひしていただきたいというふうに思っております。 次に、水道事業における管路更新手法についてお伺いいたします。 水道局よりPFI手法を活用した基幹管路の更新事業について、本年9月末に新たなプランの方向性が示されました。しかし、先日、電気料金の急激な値上がりが今後の水道事業会計の収支予測に影響を及ぼすことを理由にインセンティブ路線と呼ばれる5キロ相当を取りやめ、事業量は40キロとするという事業対象見直しの方針が示されたところであります。これまで、この事業ではペースアップが見込まれると説明されてきましたが、更新量が僅かに増えるだけで私はほとんど変わらないと思います。インセンティブ路線をやめることで、さらに更新のペースの差がなくなったのではないでしょうか。 また、インセンティブ路線を見直したところで、短期的には水道事業の収支やキャッシュフローへの大きな影響はないと考えられ意味がないのではと思います。前回のコンセッションを活用した管路更新プランも撤回しており、何度も方針が変わっています。管路耐震化は進めなければならないですが、世界的なインフレの時期にPFI事業として実施し、今後8年間にわたり数百億円規模の事業費負担が固定化され、さらなる経営環境の変化があった場合、柔軟に対応ができるのでしょうか。PFIでやること自体が目的になっていると思われます。 また、今回示されたプランでは、物価変動等の事業費増加リスクについて市が一定のルールの下に負担するとありますが、長期契約の下では
民間事業者側に主導権が移り事業費が大幅に増加し、リスクを負うことにつながるのではないでしょうか。そもそもこれがPFI事業と言えるか疑問であります。今後の経営環境が見通せなくなった以上、市民にリスクが及ばないよう、事業対象の見直しではなく、当面、従来どおりの手法で管路更新を実施し、PFI事業の実施そのものを先送りすべきと考えますが、市長の御所見をお伺いいたします。
○議長(
大橋一隆君)
松井市長。 (
市長松井一郎君登壇)
◎市長(
松井一郎君) 多くの経年管路を抱える本市の水道事業において、管路の耐震化は避けて通れない課題であり、とりわけ切迫性が指摘され、市民にとって重大なリスクとなっている南海トラフ巨大地震対策は急務です。 新たなプランは、南海トラフ巨大地震対策を優先して、PFI手法により基幹管路の更新ペースを引き上げ、従来の公共発注の手法で実施する場合と比較して、5年前倒しとなる令和13年度末までに事業を完了しようとするものです。 また、今回の見直しは本年9月のプラン公表以降、電気料金の急騰を受けて現在の収支見通しのさらなる悪化が見込まれる中で、将来の経営状況への影響を最小限にするために事業対象をさらに限定したものであって、新プランとしての基本的な考え方は一貫したものとなっております。 物価変動による事業費増加のリスクについては、新プランにおける本市負担の考え方は従来手法の場合と同様でありまして、むしろ施工条件の不確実性による事業費増加のリスクについては、従来手法よりも本市負担の軽減が図られます。新プランの実施を先送りにして従来の手法を当面続けた場合には、市民にとって重大かつ切迫するリスクである南海トラフ巨大地震への対策が遅れることになります。また、先送りによって収支の改善が見込まれる状況でもなく、かえって今後の労務費や資材費の上昇による事業費総額の増大の懸念があることも考慮すると、本プランを先送りするのではなくて一刻も早く管路の更新ペースを引き上げ、本格的な収支不足が見込まれる時期が来る前に事業を完了させる必要があると考えております。
○議長(
大橋一隆君)
多賀谷俊史君。 (59番
多賀谷俊史君登壇)
◆59番(
多賀谷俊史君) 従来の手法が、市民に大きなリスクをかぶせるという、耐震に対してですけども、本当にそうなんでしょうか。それほど大きな差があるとは私は思いません。PFI手法によって管路更新のペースが本当にアップするのか疑問であり、PFI手法の導入が目的化していると。現在世界的なインフレにより資材価格や人件費が高騰している状況で、わざわざこのような時期に8年にわたる長期間、数百億円規模の契約を行ってしまえばリスクは大変大きくなると思います。問題であると指摘しておきます。 次に、地域活動協議会についてお伺いいたします。 この間、地活協への支援についてはいろいろ議論されていますが、私のほうからも確認をしておきたいことがあります。現在、市内では326の地活協が地域課題の解決に尽力されており、各区役所や
まちづくりセンター等が地活協に対して物心両面から支援していることは承知しております。今般のコロナ禍によって地域住民の生活環境に様々な影を落とす中、それでも様々工夫をして地域の皆さんは地域課題の解決に尽力されており、改めて敬意を表します。 地活協は、地域の皆さんが話し合い、課題解決に取り組む住民自治の仕組みとして設立され、小学校区の全ての住民を対象として取組を進め公共活動を支えています。地域の全ての住民を対象にし、まちをよくするためのボランティアとして活動しているにもかかわらず、なぜ自己負担が必要な補助金なのでしょうか。少なくとも自然災害への備えや福祉課題の対応など、公共の分野を担っている活動については交付金であるべきと考えます。 また、現在、補助金申請に当たっては、使途についての行政のチェックが厳しく事務負担が大きく、もっとシンプルで透明性を確保する形とすべきと考えておりますが、いかがでしょうか。 さらに、この10年間を振り返って、地活協の制度の根本的な見直しが必要であり、行政として地域住民の声を一度聞いていただきたいと考えますが、市長の御所見をお伺いいたします。
○議長(
大橋一隆君)
松井市長。 (
市長松井一郎君登壇)
◎市長(
松井一郎君) 地域活動協議会の皆さんには、地域の様々な課題に対応をいただいており、感謝しております。地活協補助金については、団体運営に係る経費は100%交付し、地域の主体的な活動費は、地域の皆さんの労力を反映するみなし人件費を加算し、75%交付としてまいりました。補助金だけではなく地域の財源を一部加えることで、事業に対しての主体性が高まり、積極的に地域活動に関わることなどにより、地域への思いも広がると考えます。また、独自財源を見つけていく中で、企業や住民に対しより多くの参画を促すアイデアも生まれてくると考えます。 補助金申請に係る事務負担の軽減については、これまでも申請書のひな型の作成や記載項目の簡略化などに取り組んでまいりました。引き続き地域の皆さんの声に耳を傾け、地域活動の支援に努め、地域の皆さんが協力しながら、地域課題の解決に取り組む豊かなコミュニティーづくりを進めてまいります。
○議長(
大橋一隆君)
多賀谷俊史君。 (59番
多賀谷俊史君登壇)
◆59番(
多賀谷俊史君) 地域の主体的な活動というふうにおっしゃいましたですけども、現実的に防災対策などはかなり区役所等の指導が入っているわけです。そして、市長ね、地域の皆さんの声に耳を傾けるとおっしゃいましたけれども、行政として地域住民の声を一度聞いていただきたいと考えております。先ほどの教育委員会の選択制もそうですけども、やはり10年もたちますと、補助金もある程度はその地域でこなしていることもあります。それでもやはりそのことについて、一度、地域の人の声を聞くというのは必要ではないかというふうに思っておりますので、再度、市長の御所見をお伺いしたいと思います。
○議長(
大橋一隆君)
松井市長。 (
市長松井一郎君登壇)
◎市長(
松井一郎君) 私自身が全ての270万市民の皆さんの声を聞いて、それを吸収していくというのはこれはちょっと物理的にも難しいと思います。今、大阪市は、各区において区政会議を開催させていただいております。区政会議には多賀谷議員はじめ、議会の皆さんも参画をされております。24人の区長がおりますからそういう場を活用させていただいて、地域の皆さんの声をしっかりと行政に反映させていきたいと思っております。
○議長(
大橋一隆君)
多賀谷俊史君。 (59番
多賀谷俊史君登壇)
◆59番(
多賀谷俊史君) 私も町会長で一生懸命やってますけれども、区役所が一生懸命やってるというのは事実なんですけれども、それでもやっぱり区役所では独自に判断できないということがあります。市長に全部の地域の声を聞いてくれじゃなくって、行政としてやっぱりやっていただきたいということです。 制度ができてからもう10年になるんです。検証をし、見直しする時期に来ていると思います。地活協の自己資金を主に負担している町会の担い手が減っている現状を踏まえれば、今後、地活協が活動を続けられなくなるおそれもあります。地活協の事業は主体的な活動と言いますけれども、その中には行政としてやってもらわないと困る活動が含まれているのではないでしょうか。そのような実情に合わない部分については、補助金ではなく、行政の責任で負担すべき交付金とするよう改めて要望いたします。また、地域住民の声を聞き、区役所と一緒に、地活協の見直しについて地域の実情に合わせて検討していただくようにお願い申し上げます。 次に、大阪公立大学キャンパス周辺の
まちづくりについてお伺いいたします。 本年4月に大阪公立大学が開学し、新たなスタートを切ったところでありますが、新入生は杉本キャンパスと中百舌鳥キャンパスなどに分かれて学んでおります。新入生が一堂に会して学ぶことになる森之宮キャンパスについては、2025年度の開所を目指し整備が進められているところであり、着実に進めていただきたい。キャンパスが魅力あるものになるためには、大阪城公園の緑や第二寝屋川の水辺などを生かした調和の取れた環境整備や、豊里矢田線の美装化をはじめとするアクセス動線の整備も重要であるということを以前から申し上げてきました。 大阪城東部地区の
まちづくりの方向性では、1期開発として森之宮キャンパスを先導役として、民活導入によるキャンパス、Osaka Metroの車両工場跡地、元ごみ焼却工場跡地及びアクセス動線を含めできるだけ早期に実現されるよう要望したところです。 1期キャンパスとともに、周辺の
まちづくりを大学のあるまちとしてふさわしいものにしていかなければなりません。このため森之宮キャンパス周辺の1.5期開発の検討状況について市長の御所見をお伺いいたします。 また、森之宮キャンパスが完成し、杉本キャンパスから工学部が移転する一方で、中百舌鳥キャンパスから理学部が移転するなど、各キャンパスの学部が集約された後には、杉本キャンパスでは学生数が約7,000人から3,000人に減ることになり、現在の工学部があるエリアも利用されなくなるとのことであります。杉本キャンパス周辺は、長い歴史の中で大学のあるまちとして形成されており、学生が減ることによって、キャンパス周辺の活気が失われることが危惧されますが、どのように対応していただくのでしょうか。 移転後の工学部跡地の活用については、周辺地域にとって非常に重要であり、単純に土地売却をしてしまうのではなく、定期借地なども含めて、市としてプロジェクトチームを立ち上げて、しっかりと検討していくべきだと思いますが、今後どのように対応されていくのか、併せて市長の御見解をお伺いいたします。
○議長(
大橋一隆君)
松井市長。 (
市長松井一郎君登壇)
◎市長(
松井一郎君) 大阪城東部の地区につきましては、2020年9月に大阪府、大阪市で
まちづくりの方向性を策定し、大阪公立大学を先導役とする多世代、多様な人が集い交流する
まちづくりを掲げています。その1期開発となる森之宮キャンパスでは、大学法人のイノベーションアカデミー構想に基づき、各キャンパスの強みを発揮して産学官の連携を推進し、地域の発展と世界レベルの課題解決に貢献をしていくこととしております。 1.5期開発については、大学キャンパスの民活導入、Osaka Metro、森之宮工場跡地の開発に向けたマーケットサウンディングを実施するとともに、水辺空間を活用したアクセス動線などについて大阪府、大阪市、大学法人、Osaka Metroなどの関係者で検討を進めているところです。2025年の1期キャンパス開所に続く、できるだけ早期の1.5期開発の実現に向け取り組んでまいります。 次に、杉本キャンパスにつきましては、学生数は減少するものの集約される理学や法学、経済学など文系、理系、双方の学部に加えまして、都市防災や人工光合成などの研究拠点を有するキャンパスとなり、これらの特色を生かすことで周辺地域も含めた大阪の発展に寄与してまいります。 工学部の移転跡地については、杉本町駅に面する区画であることを踏まえ、その土地の今後の方向性について、周辺の
まちづくりに寄与する観点にも留意し、関係局、区役所、大学法人の間で協議をしながら、必要に応じてプロジェクトチームを設置することも含めて検討してまいります。
○議長(
大橋一隆君)
多賀谷俊史君。 (59番
多賀谷俊史君登壇)
◆59番(
多賀谷俊史君) 近年の大阪市は、市中心部における
まちづくりや大規模開発には熱心に取り組んでいるとの印象を受けますが、杉本町など周辺部についてもしっかりと
まちづくりを考えていただくようにお願いいたします。 それと、先ほどの
パビリオンの件なんです。市長ね、この仕様書にあるようにきっちりできてなかったと僕は印象を持ってるんです。ですから、市長にはしっかりと再度、
説明責任を果たしていただくように要望しておきます。 以上、市政各般にわたり市長にお聞きしてまいりましたが、詳細については今後の常任委員会に譲りたいと思います。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(
大橋一隆君) 以上で、
多賀谷俊史君の質問は終了いたしました。
○議長(
大橋一隆君) お諮りいたします。この際、暫時休憩することに決して御異議ありませんか。 (「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(
大橋一隆君) 御異議なしと認めます。よって暫時休憩いたします。 午後2時55分休憩 午後3時29分再開
○議長(
大橋一隆君) これより休憩前に引き続き会議を開きます。
○議長(
大橋一隆君)
田中ひろき君の質問を許します。 1番
田中ひろき君。 (1番
田中ひろき君登壇)
◆1番(
田中ひろき君) 私は、自由民主党・市民とつながる・くらしが第一大阪市会議員団を代表いたしまして、市政各般について
松井市長に質問いたします。 まず、台湾有事に関する危機管理対応についてお伺いします。 台湾は、地理的に見て日本の近くに位置し、日本と同様、民主主義としての価値観を共有していることからこれまでも長い間、非政府間の経済、観光、文化、スポーツなど幅広い分野で交流を進めてきました。大阪市会においても、超党派の日台友好議員連盟が結成され、日本と台湾の友好交流のかけ橋となるべく活動をしているところであります。しかしながら、先月の中国共産党大会における習近平総書記の発言などから台湾海峡における緊張感はより一層高まっており、台湾有事が現実のものとなるのではないかと懸念をしております。 台湾有事は日本有事であり、中国による台湾侵攻が現実となった場合、我が国への影響は甚大なものとなることが想定されます。そこで、大阪市としても改めて危機管理対応の再点検を行うことにより、有事に備えるとともに人道的な観点から積極的に避難民の受入れを行うなどの取組についても検討を行うべきと考えますが、市長の御所見をお伺いします。
○議長(
大橋一隆君) 理事者の答弁を許します。
松井市長。 (
市長松井一郎君登壇)
◎市長(
松井一郎君) 我が国に対して武力攻撃事態などが発生した場合、国内に存住する外国人をはじめ、全ての国民を守るために国が国民保護法を適用して、対象とする事態の認定や措置の指示を行うこととなっており、その指示に基づき国・府及び市が連携協力をして住民の避難、避難住民の救援など、武力攻撃事態への対処の措置を取ることとなっております。今後とも、職員への研修や市民への周知に努めてまいります。 また、海外からの避難民の受入れについては、本年のロシアによるウクライナへの侵攻の事例では、国の支援表明を受けて本市でも受入れを行った経緯があります。今後、事態発生の際は、国の方針を踏まえ関係機関と連携して取り組んでまいります。
○議長(
大橋一隆君)
田中ひろき君。 (1番
田中ひろき君登壇)
◆1番(
田中ひろき君) つまり、台湾有事の際にはロシアによるウクライナ侵攻時と同じよう国の対応に準ずるということですが、我が会派としては、大阪市は人道的な観点から避難民を受け入れるなど国や関係機関などに働きかけるべきであると申し上げておきます。 次に、ポストコロナを見据えたものづくり企業の成長・発展についてお伺いします。 コロナ禍において、中小企業に対するコロナ関連融資をはじめとした国、大阪府の支援や大阪市独自の飲食・宿泊業、小売業への様々な支援により倒産件数は抑えられており、一定の成果があったと認識しています。 今後、ポストコロナにおいて、大阪が引き続き成長、発展していくためには、市内企業の99%を占める中小企業をしっかりと支援し、成長させていくことが重要です。とりわけ、大阪のものづくり企業は、大阪の技術力やノウハウを持ち地域経済の基盤となっており、その維持、発展こそが大阪経済の活力の源泉であると考えます。 一方、円安や燃料、原材料費等の価格上昇は、販売価格への転嫁が困難な小規模なものづくり企業へ大きな影響を与えており、コロナ禍で内部留保や融資によって何とか持ちこたえてきた企業が、来年は実質無利子・無担保融資の返済が本格化する中で、厳しい状況に置かれることが予想されます。 こうした企業は、高い技術力を有していても経営資源が必ずしも十分ではなく、単独の力で時代に合わせた新製品開発や販路開拓に取り組むことが難しく、国の補助金などの情報も十分把握できていない状況です。このままでは高度な技術や独創的なアイデアを生み出す大阪のアイデンティティーともいうべき創造性により、大阪の経済成長を支えてきた多くのものづくり企業が倒産、廃業することになるのではないかと危惧をしております。ものづくり企業に対して積極的に支援策を講じるべきと考えますが、市長の御所見をお伺いします。
○議長(
大橋一隆君)
松井市長。 (
市長松井一郎君登壇)
◎市長(
松井一郎君) 大阪市内のものづくり企業は付加価値の高い製品を生み出し、多くの雇用機会を創出しており、本市の基盤的な産業の一つであると認識しています。円安や燃料、原材料費の高騰など事業者を取り巻く経営環境が依然として厳しい状況の中で、ものづくり企業の経営基盤や競争力の強化に向けて様々な支援を行い、成長、発展させていくことは大阪経済の活力向上につながるものと考えます。 本市においては、信用保証制度を活用した資金繰り支援や大阪産業創造館での融資などの様々な経営に関する相談、展示商談会に加え、大阪産業技術研究所における技術面の問題解決や新技術開発に係る支援など、ものづくり企業に寄り添った層の厚い総合的な支援を行っており、特に大阪産業技術研究所の昨年度の利用者満足度は99.5%に達しております。 さらに、今年度から生産性向上につながるDXを重点的に進めるとともに、国、大阪府等の設備投資や事業再構築に係る支援情報を提供するなど、企業が新たな
事業環境の変化に対応できるように支援しています。今後も大阪経済の持続的な発展のために、本市のものづくり企業が成長、発展するように経営力や技術力の強化に向けた支援を一層進めてまいります。
○議長(
大橋一隆君)
田中ひろき君。 (1番
田中ひろき君登壇)
◆1番(
田中ひろき君) 支援策を講じていただいていることは理解いたしますが、現実は苦しんでいる方が多くいらっしゃいます。例えば業務を受注しても、それを製造する資金がないため、保証協会に相談に行っても融資の認定をするだけで、銀行からは融資が受けられないケースが多々あるのが現状です。この課題に対応できる支援をよろしくお願いいたします。 次に、塾代助成事業についてお伺いします。 本市の塾代助成事業の実施に当たっては、約10年にわたり現在の契約事業者との間に包括的業務委託による随意契約が続いていることから、今後、新たな事業者の参入を含め、競争性を十分に発揮させる必要があることを我が会派では繰り返し指摘してまいりました。これを受けて、市としては新たな事業者の参入の可能性や、より効率的な事業スキームの構築について検討するため、今年度にマーケットサウンディングなどの市場調査を開始したと聞いていますが、事業運営の在り方や契約手続の見直しの取組が一歩前進したということについては評価をいたします。 この塾代助成事業については、開始当初の目的を子育て家庭の経済状況によって生じる教育格差の是正と認識していますが、市内在住の中学生を助成対象としながらも、所得制限を設けていることから利用対象者はその約5割となっています。その助成対象について、来年4月からは小学5・6年生にも拡大する予定となっていますが、新型コロナウイルス感染症や最近の
物価高騰の影響から、子育て世帯の経済的負担感は日々増しています。 こうした状況を鑑みると、所得制限により対象外となる世帯に不公平感が芽生えても不思議ではないように思います。この塾代助成事業に係る所得制限については撤廃すべきではないかと考えていますが、市長の御所見をお伺いします。
○議長(
大橋一隆君)
松井市長。 (
市長松井一郎君登壇)
◎市長(
松井一郎君) 塾代助成事業は、子育て世帯の経済的負担の軽減とともに、子供たちの学力、学習意欲や個性、才能を伸ばす機会の提供を目的に実施しており、本市の子育て世帯にとって重要な全国でも先駆的な事業となっております。令和5年度からは事業の助成対象を小学校5・6年生に拡大する予定であり、12月には来年の春に小学校5・6年生となる児童がいる全世帯に対して利用申請の案内を送付するなど、来年度からの制度利用に向けて必要な手続を進めているところです。 また、助成対象の拡大により学習塾以外にも習い事の利用者も増加することも見込まれることから、より一層子供たちのニーズに寄り添った事業となるように希望事業者のリサーチにも取り組んでいるところです。 塾代助成事業においては、来年度から事業拡大を円滑かつ適切に実施することが第一であり、今はそのための様々な準備をしっかり進めてまいります。子供や子育て世帯への支援については、現役世代への重点投資としてこれまでも様々な取組を進めてきたところでありますが、限られた財源をいかに効果的に活用できるかを考えながら、今後とも施策全般の中で必要性の高いものから取組を進めてまいります。
○議長(
大橋一隆君)
田中ひろき君。 (1番
田中ひろき君登壇)
◆1番(
田中ひろき君) 令和5年度からの小学5・6年生への事業拡大に向けた準備を今はしっかりと進めていくとのことですが、我が会派としては、今後この所得制限を設けたまま次は小学4年生、最終的には1年生にまで対象学年を広げ、不公平に感じる方がさらに増えるのではないかと懸念をしております。小学生もいずれは中学生になるのですから、公平に全中学生を対象とするほうが適切ではないかと考えます。 本事業は子育て世帯の経済的負担の軽減だけではなく、子供たちの学力や学習意欲、個性や才能を伸ばす機会の提供を目的としているとのことですが、事業開始から約10年が経過した今、一度立ち止まり本来の事業目的を見詰め直す機会ではないでしょうか。この事業が、子供たちや子育て世帯にとって本当に意義あるものとなるよう、しっかり検討するよう要望いたします。 次に、6月の教育こども委員会でも私から質疑を行いましたが、スマートフォンのアプリケーションを使用した保護者から学校への欠席連絡について改めてお伺いします。 委員会では私の質問に対し、教育長がスマートフォンのアプリケーションによる欠席連絡は保護者と学校の双方にとってメリットがあり、積極的に検討を進めてまいると答弁をされました。私としては、メリットが見込めるものであるならば、保護者や教職員の負担軽減を図るためにも早急に導入をしていただきたいと要望をしたところです。その後の検討状況と学校への欠席連絡アプリケーションの導入について、市長の御所見をお伺いいたします。
○議長(
大橋一隆君)
松井市長。 (
市長松井一郎君登壇)
◎市長(
松井一郎君) 子供や保護者のニーズを踏まえた教育行政は大切だと考えており、本年4月にスタートした大阪市教育振興基本計画においても、学びを支える教育環境の充実を新たな最重要目標と位置づけ、教員の負担軽減、働き方改革の取組を進めているところです。 本市では、既に全市でICTを活用した質の高い行政運営を進めてきていることもあり、スマートフォンのアプリケーションを使った欠席連絡もその一つとして保護者と学校の双方にとってメリットがあり、効果が期待できると考えており、私も直接アプリケーション導入を求める教員の声を聞いております。 教育委員会においては、来年度に全ての小中学校への導入ができるように、学校現場の意見も聞きながら早期に課題を整理し、準備を進めてもらいたいと考えております。
○議長(
大橋一隆君)
田中ひろき君。 (1番
田中ひろき君登壇)
◆1番(
田中ひろき君) 長年、連絡帳や電話による欠席連絡で保護者と教職員双方に負担感がありましたが、この欠席連絡アプリを導入することでそうした課題を解決することができます。これからも大阪市の教育現場のICT化を進めることで、教育環境の充実に取り組んでいただくよう要望いたします。 次に、子供たちが硬式野球のできる場所の整備についてお伺いします。 今年はプロ野球でもオリックスが日本一に輝き、2005年の阪神タイガースのリーグ優勝以来17年ぶりに御堂筋で優勝パレードが実施され、多くの市民が集まり一緒に喜びを分かち合ったところです。現在、サッカーのワールドカップが開催され日本全体が盛り上がっていますが、野球人気もまだまだ健在であり、将来甲子園に行ってプロ野球選手を目指したいという子供の声も多く聞かれます。実際、私の同級生の子供さんが甲子園で春夏連覇を成し遂げた姿を見て大変感動いたしました。その偉業達成の裏には、甲子園出場という夢の実現のために、幼少期からのたゆまぬ努力があったはずです。 また、大阪から親元を離れて他府県の高校へ野球留学し、甲子園を目指す熱意を持った子供たちも多くいます。このように大阪は少年野球が大変盛んであり、子供たちは夢の実現に向けて切磋琢磨しています。 しかしながら、大阪市内の公園などは硬式野球ができる場所が非常に少なく、チームによっては保護者が子供たちをマイクロバスに乗せて、練習のために近隣県にまで行っている、そういった実態があります。大阪市内で硬式野球ができる場所をもっと増やすことで子供たちも喜びますし、そうした子供たちが甲子園に出場し、プロ野球選手になるという夢や希望が育まれると考えていますが、市長の御所見をお伺いいたします。
○議長(
大橋一隆君)
松井市長。 (
市長松井一郎君登壇)
◎市長(
松井一郎君) 野球をはじめとした様々なスポーツを行ったり、観戦したりすることは競技力の向上はもとより健康増進、青少年の健全な育成、地域のコミュニティーの醸成など、市民生活の充実につながるものであると認識をしています。 本市には様々なスポーツ施設があり、現在、硬式野球が利用できる施設は、南港中央野球場、中島野球場など4か所、府立高校等の学校施設開放事業で21か所のグラウンドで利用ができる状況であります。硬式野球ができる施設の整備には広大な土地の確保が必要であり、打撃音等の騒音、飛打球等による危険性など課題も多いことから、公園をはじめ新たに野球場を整備することは難しい状況です。そのため、現在、利用可能な施設を活用しながら硬式野球を行っていただきたいと考えています。
○議長(
大橋一隆君)
田中ひろき君。 (1番
田中ひろき君登壇)
◆1番(
田中ひろき君) 4か所の野球場のほか、府立高校などの21のグラウンドで硬式野球が利用できるとのことでありますが、そうしたグラウンドでは軟式野球、ソフトボール、サッカー、ラグビーでも利用できることから抽せん倍率も高く、練習場所を確保するのが難しいのが現実です。 子供たちが夢を持って野球に取り組める環境を整えることは必要であり、その子供たちが夢を実現することが大阪の財産となります。新たに整備することは難しいとのことですが、例えば、万博会場の跡地を活用するなど、整備の可能性を引き続き検討いただくようお願いいたします。 次に、子供の貧困問題の取組の一つである性・生教育についてお伺いします。 本市では、平成28年度に実施した大阪市子どもの生活に関する実態調査の結果、ひとり親世帯、特に若年出産による母子世帯が貧困に陥るリスクが高いことなどが確認されたところです。本市では貧困の連鎖を断ち切ることを目的に様々な取組が進められているところでありますが、昨年度末、こども家庭庁の設置に向け、加藤現厚生労働大臣ほか国会議員が本市の事業を視察され、私も同席をいたしました。そのうちの一つは、本市の産前・産後母子支援事業を実施しているボ・ドームダイヤモンドルームです。この事業は、予期せぬ妊娠に悩む妊婦が周囲に知られたくないとの思いから周りに相談できないまま出産し、出産直後に遺棄することを防ぐための施策として相談窓口を開設し、必要に応じ一時的に住居の提供も行うというものであります。 もう一つは、性・生教育の先進的な取組を進めている大阪市立生野南小学校です。この学校では、子供たちの発達段階に応じたテーマで自分を大切にし、相手を思いやる気持ちを考えながら育む指導が展開されていました。私は、子供の時期から命の大切さや主体的に自らの将来を展望し生き抜く力を身につけるためには、小学校や中学校においてこのようにしっかりとした性に関する指導を行うことが重要であると考えています。 かつて、行き過ぎた性教育ということが問題となり、その影響で全国的に性に関する指導について萎縮が見られましたが、教育委員会においては、この課題を解決するために生きる力を育む性に関する指導を系統的に進めてきました。非常にすばらしい取組であると考えますが、今後、全小中学校における性・生教育の推進に当たりどのように取り組んでいくのか、教育長の御所見をお伺いします。
○議長(
大橋一隆君) 多田
教育委員会教育長。 (
教育委員会教育長多田勝哉君登壇)
◎
教育委員会教育長(多田勝哉君) 本市では、平成28年度に実施しました大阪市子どもの生活に関する実態調査の結果、若年出産世帯に貧困リスクが高いことが明らかになり、教育委員会ではこれを受けて、平成30年度から子供たちが自己肯定感を高め、自他の命を大切にし相手を思いやり、集団の場でよりよい人間関係を築き、子供たちがそれぞれ自分の将来について具体的な目標を持つことができるように、生きる力を育む性に関する指導を系統的に進めてきております。 一方で、実際に性に関する指導を実施する学校現場からは、具体的な指導案が欲しいといった声が多く、児童・生徒の発達段階を踏まえ学校全体での共通理解を図り、保護者や地域と連携し、集団指導と個別指導を組み合わせて教科横断的に実施できるように、先行事例や指導計画、指導案、授業等の動画コンテンツなどの指導教材を掲載いたしました手引書を作成をしたところでございます。令和4年度につきましては、全ての小中学校においてこの手引書を参考に、性に関する指導の年間計画を策定しまして実践を進めているところでございます。 教育委員会としましては、そこで得られた知見や効果的な取組を各学校の実情に応じ、活用できるように周知を図ってまいります。
○議長(
大橋一隆君)
田中ひろき君。 (1番
田中ひろき君登壇)
◆1番(
田中ひろき君) 性・生教育の内容は、命の誕生や自己肯定感の向上、自分を大切にする、自分を守るという観点から、これからも一層取り組んでいただきますよう要望をいたします。 また、我が会派としては、かつて行き過ぎた性教育として捉えられ、萎縮につながっている一因とされるはどめ規定や学習指導要領の在り方の議論が必要と考えています。大阪市での取組を一つのきっかけとして、国とも議論を進めていただくことを要望しておきます。 次に、産前産後支援にかかる助産師の活用についてお伺いします。 近年、児童虐待の相談件数の増加や望まない妊娠など、これまで以上に子育てに困難を抱える世帯への支援が必要となっていますが、身近に相談者がおらず、サポートを受けることが難しい方も多くいます。安心して子供を産み、育てることのできる環境づくりのためには、妊娠期からのできるだけ早い時期での支援につなげ、出産から子育てにわたる切れ目のない支援を行うことが重要です。 我が会派として、令和4年3月予算市会において、妊娠から出産、産後まで継続して関わる母子支援の専門職である助産師について、子育て支援の充実のために活用を検討すべきと要望したところです。助産師は、妊娠中の心身のケアをはじめ、安心して出産を迎えるための支援や出産後の乳腺炎でつらい、母乳の出が悪いなどの母乳に関する相談についての専門性を持っています。私の妻も乳腺炎でつらい思いをしたときに助産師の支援を受けた経験があり、助産師が産前産後の相談に対応することで、より充実した支援ができると考えています。 今後の母子保健施策の一層の充実に向け、助産師の活用について市長の御所見をお伺いいたします。
○議長(
大橋一隆君)
松井市長。 (
市長松井一郎君登壇)
◎市長(
松井一郎君) 本市において、安全で安心な妊娠、出産、育児の継続的な支援の充実に向けて様々な取組を行ってまいりました。各区の保健福祉センターでは、妊婦の妊娠の届出時から保健師が関わり、安心して出産を迎えられるように様々な相談に応じ、出産後は乳児家庭への全戸訪問などの機会を通じて、継続した支援を行っています。妊娠中の早い時期から関わりを持ち、気軽に相談できる環境を整えることで子育てが難しい状況にある家庭を早期に把握し、関係機関とも連携をしながら早い時期での支援につなげてまいりました。切れ目のない継続的な支援の充実のためには、様々な職種や機関が重層的に関わることが必要と考えます。 これまでも助産師の活用については、妊娠中の教室やセミナー、訪問事業や産後ケア事業など、助産師の専門性を生かして様々な事業に参画をいただいているところです。本市における母子保健施策の推進において、助産師との連携は不可欠であると考えており、今後も助産師の活用について引き続き検討をいたします。
○議長(
大橋一隆君)
田中ひろき君。 (1番
田中ひろき君登壇)
◆1番(
田中ひろき君) 現在も助産師を活用されていますが、母子に特化した専門職として助産師を母子支援に生かす取組が必要です。助産師さんにお聞きしますと、産後ケアは後追いケアなので、コストも時間もかかります。産前ケアを充実させることが、虐待リスクの低減のみならず産後鬱の低減につながるとのことです。保健師の業務は多岐にわたり過ぎているため、子育て支援の充実のためにも保健師と連携しながら、妊婦から産後までは、妊娠、出産、母乳、育児に関しての専門職である助産師の活用と、さらなる連携について取組を進めていただくよう要望しておきます。 次に、大阪中之島美術館の魅力向上についてお伺いします。 開館以降、展覧会の来館者数も好調でエリアのにぎわいにも貢献していると聞いています。我が会派としては、以前から展覧会の開催に加え、施設の特性を生かして様々な事業者と連携しイベントなどを実施すべきであると考えており、市長からもユニークベニューとしての活用を継続的に行っていくという考えをお示しいただいております。 開館から約9か月を経た現在、これまでの実施状況などについて確認したところ、2階多目的ホールでのファッションショー開催や芝生広場でのマルシェ開催など、多様な活用がなされているということです。 先月、大阪市会代表団としてミラノ市を訪問した際に視察したパラッツォ・モランド美術館においても、両市のファッション専門学校の生徒による合同展示会に展示室を提供しておりました。 ユニークベニューをはじめとする施設の多様な活用は、美術にあまり触れることがなかった方々に、大阪中之島美術館を知ってもらう機会となるとともに、来館者の増加にもつながることからさらに推進するべきです。 また、大阪・関西万博の際には国内外から多くの方々が大阪を訪れることから、
万博開催期間中はもとより、開催前から様々な趣向を凝らしたイベントを開催するなど大阪中之島美術館の認知度をさらに高め、にぎわいづくりによるエリア活性化をさらに推進していくべきと考えますが、市長の御所見をお伺いします。
○議長(
大橋一隆君)
松井市長。 (
市長松井一郎君登壇)
◎市長(
松井一郎君) 大阪中之島美術館においては、開館以降、所蔵作品による開館記念コレクション展をはじめ、モディリアーニ展、さらに現在は隣接する国立国際美術館と連携をした展覧会を開催するなど、多くの方々の御来場をいただいております。魅力的な展覧会の開催に加えまして、今日的な美術館の活用手法であるユニークベニューは、周辺のにぎわいを創出し、中之島エリアの魅力向上にもつながることから今後とも積極的に展開をしていきます。 大阪・関西万博に向けては、連携イベントやレセプション会場としての利用などを通じて大阪中之島美術館のブランド力をより一層高め、都市格の向上に資する美術館となるように大阪市博物館機構と連携して取り組んでまいります。
○議長(
大橋一隆君)
田中ひろき君。 (1番
田中ひろき君登壇)
◆1番(
田中ひろき君) ユニークベニューなど多様な活用に加え、ミュージアムショップなど美術館に附属する施設等の充実により、さらなるにぎわいの創出を図っていただくようお願いをいたします。 ただ、先日、大阪中之島美術館を訪れましたが、モディリアーニなど美術館が所蔵する代表的なコレクションが展示されておらず、大変残念な思いをしました。構想から数十年かけて開館した大阪中之島美術館のメインは当然美術コレクションであります。同じく残念な思いをされた鑑賞者もいると思いますので、今後は主要なコレクションを常設展示するよう、市長からも御提案をお願いいたします。 次に、来年、創立100周年を迎える大阪市音楽団への支援についてお伺いいたします。 先般の一般決算特別委員会において、これまで大阪市が行ってきた財政的支援と音楽団自身の努力、またOsaka Metroとのパートナーシップ提携などにより、大阪市音楽団は経営が安定しつつあるとのことです。世界では日本の吹奏楽のレベルは高く評価されていますが、その中で特にプロ吹奏楽団として大阪市音楽団が果たしてきた役割は大きなものがあり、大阪の大切な財産です。 100年という歴史と伝統を築いてきたことを高く評価したいですし、例えば来る大阪・関西万博のPRなども含め、国際的な舞台においてもその力を生かしていくべきではないかと考えます。 本市は、来年、シカゴと姉妹都市提携50周年を迎えますが、シカゴで毎年開催されている国際的な吹奏楽のイベントであるミッドウエスト・クリニックに大阪市音楽団が100周年を記念して参加する予定であると聞いています。参加に当たっては、関西の企業から協賛金を募ったり、様々な助成金を申請するなどして経費確保の努力をしているということです。長年、本市の文化振興の一端を担ってきた歴史ある大阪市音楽団が、来年100周年を迎えるに当たり、大阪市として何らかの支援をするべきであると考えますが、市長の御所見をお伺いします。
○議長(
大橋一隆君)
松井市長。 (
市長松井一郎君登壇)
◎市長(
松井一郎君) 大阪市音楽団については、市政改革プランに基づき平成26年度に大阪市から自立化したところであります。音楽団条例廃止の際に自立的な経営基盤の確立に向け、必要な期間において助成、その他支援を講じることとの附帯決議を踏まえ、本市が平成26年度から平成28年度の3年間で3億4,800万、さらに平成30年度から令和2年度の3年間で1億5,000万円を寄附金として交付してきました。 大阪市音楽団においても、Osaka Metroとのパートナーシップの提携のほか身を切る努力も重ね、本市からの寄附金の効果も相まって持続的な運営が可能になりつつあると聞いております。 その大阪市音楽団が来年100周年を迎えると聞き、私としても、吹奏楽の豊かなサウンドを通じて大阪市民に深く愛され、また市民を元気づけてきた大阪市音楽団の功績を心からたたえたいと思います。大阪市音楽団の100周年を広く市民みんなで祝ってもらえるように、100周年記念展示の実施やシカゴでの国際イベントも含め、様々な機会を捉えた周知など大阪市音楽団の活動の支援に努めてまいります。
○議長(
大橋一隆君)
田中ひろき君。 (1番
田中ひろき君登壇)
◆1番(
田中ひろき君) 平成23年まで予算市会の開会日には、この本会議場で大阪フィルハーモニー交響楽団による演奏が行われていました。現在そうした機会もなくなってしまいましたが、我が会派としては、いずれまたこの本会議場で交響楽や吹奏楽のすばらしい音楽を聞く、そういった機会が訪れることを願っております。 次に、地域文化の伝統行事への支援についてお伺いします。 大阪には地域ごとに特色ある伝統行事が数多く存在し、これらはその地域に暮らす人々の心のよりどころとして、また地域のコミュニティーを形成する上で極めて重要なものであり、地域の活性化に資する役割が期待されています。例えば私の地元の平野区では、9台のだんじりが曳行する平野郷夏まつりが毎年7月に開催され、大阪市内だけでなくその他の地域からも多くの見物客が平野区を訪れます。地域や関係機関も安全に開催できるよう相互に連携してくれていることもあり、このイベントは地域の伝統行事として定着し、次世代の担い手へと受け継がれています。 このような平野郷夏まつりなど地域の伝統行事に対して、現在、各区の状況に応じた支援をしていると思いますが、その支援の度合いには濃淡があります。大阪市全体で地域の伝統行事をしっかりと支援していただきたいと考えますが、市長の御所見をお伺いいたします。
○議長(
大橋一隆君)
松井市長。 (
市長松井一郎君登壇)
◎市長(
松井一郎君) 各地域における様々な伝統行事は人口減少や高齢化の進展による影響が様々な分野で想定される中で、次の担い手へと継承していくように地域と関係機関が連携して取り組むべきであります。また、地域活性化やまちのにぎわいの創出などに資する役割もあり、その積極的な活用が期待をされるところです。 このような地域の伝統行事については、本市としても地域文化や観光魅力の一つとして観光情報サイトによる広報や文化庁における補助制度を活用した伝統行事の用具の修理、後継者の養成など基盤整備を支援しています。また、地域の状況に応じて参加する市民の安全管理などの観点から行事のサポートや各区での広報、協力など側面支援を行っているところです。 議員御紹介の平野郷夏まつりのような地域の方々が多数参加する伝統行事については、今後も関係機関等で連携をしながらこれらの支援を行ってまいります。
○議長(
大橋一隆君)
田中ひろき君。 (1番
田中ひろき君登壇)
◆1番(
田中ひろき君) 平野郷夏まつりは、実行委員会が中心となり教育委員会の御協力で夏まつりのしおりやうちわを平野区内の小中学校などへ配布したり、Osaka Metro各駅でのポスターの掲示を行うほか、区役所も区内の青少年指導員が実施する見回りに同行したり、区役所青色防犯パトロールカーでの巡視を行っております。このように地域と関係機関が相互に連携を図り取り組んでいることで、安心・安全で全ての世代に喜ばれる夏まつりが開催され、平野区の活性化につながっております。今後、このような平野区での取組をよい事例として、ぜひ各区においても情報共有していただき、区の特性に応じてしっかりサポートをしていただきますよう要望をいたします。 また、地域の伝統や歴史文化を支援できるような条例制定を今後検討していくべきだと申し上げておきます。 次に、大阪ブルー・オーシャン・ビジョンについてお伺いします。 近年、地球規模に広がりを見せる海洋プラスチックごみによる海洋汚染問題が深刻化するにつれ、生態系や人の健康への影響が懸念されています。こうした中、2019年6月のG20大阪サミットで共有されました2050年までに海洋プラスチックごみによる追加的な汚染をゼロにすることを目指す大阪ブルー・オーシャン・ビジョンの実現に向け、国や都市などにおいて実効性のある取組が必要となっています。 大阪市ではビジョンの実現に貢献するため、大阪府と共同で大阪ブルー・オーシャン・ビジョン実行計画を策定し、海洋プラスチックごみ削減に向けた取組を進めております。また、行政としても市内の11の河川や大阪港内で水面清掃によるごみの回収を実施しているとともに、私の地元の平野区を流れている大和川では市民の皆様の協力を得て、ボランティアによる流域全体の河川敷での美化清掃活動なども実施されております。 しかしながら、海洋プラスチックごみの多くが陸域から流入したものであるということを踏まえると、ビジョンの実現に向けては、そもそも海洋プラスチックごみを発生させないための対策が重要であると考えます。そのためには、まずは市民の皆様が海洋プラスチック問題に関心を持ち、海洋汚染防止の意識を高め、日常生活でプラスチックごみを減らし、適正に分別排出する行動につなげていく必要があると考えますが、市長の御所見をお伺いいたします。
○議長(
大橋一隆君)
松井市長。 (
市長松井一郎君登壇)
◎市長(
松井一郎君) G20大阪サミットの開催地として、また大阪ブルー・オーシャン・ビジョンの実行計画を推進する大阪市として、海洋プラスチックごみ削減に積極的に取り組む必要があると認識をしております。 海洋プラスチックごみ削減の取組を広げていくには、全ての主体がプラスチックごみについて関心を持ち、正しく理解し、意識を高めることが重要と考えます。これまで出前授業や環境イベントなど様々な機会を捉えて、環境教育・啓発の推進に取り組んできたところでありますが、新たなプラスチックごみを発生させないためには、環境価値も持ち合わせた環境に配慮した消費行動など、ライフスタイルの変革が必要不可欠であります。 今後とも海洋プラスチックごみの削減に向け、あらゆるステークホルダーとの連携を強化しながら、幅広い普及啓発や広報にしっかり取り組み、市民が海洋プラスチックごみ問題を自分事として捉え、取り組んでいただけるように市民の環境意識の向上と環境に配慮する行動を促進してまいります。
○議長(
大橋一隆君)
田中ひろき君。 (1番
田中ひろき君登壇)
◆1番(
田中ひろき君) 大阪がごみのない世界一美しい都市と言われるよう、しっかり取り組んでいただくことを要望いたします。 次に、食品ロスについてお伺いをいたします。 世界では、全ての人が食べるのに十分な食料が生産されているにもかかわらず、9人に1人が飢餓状態にあり、3人に1人が何らかの栄養不良に苦しんでいると言われています。食品ロスの問題は、SDGsの取組にも関連し、世界全体の1人当たりの食料の廃棄を半減させることが目標に掲げられています。 一方、我が国に目を向けると、食料の多くを輸入に頼っているにもかかわらず1年間に522万トンもの食品ロスが発生していると聞いています。これは国民1人当たりでは、毎日おおよそ茶わん1杯分の食料を無駄に捨てていることになります。 大阪市では家庭から1年間に排出される生ごみが約10万3,000トンで、そのうち約3万4,000トンが食品ロスとして廃棄されていると伺っています。つまり、生ごみの3分の1が食品ロスとして捨てられており、非常に残念な状況になっております。 2025年大阪・関西万博の開催都市である本市はSDGsの実現に貢献していくことが求められていますが、例えばフードドライブの取組は、食品ロスの削減だけではなく日々の食事に困窮している家庭への支援にもなると思います。今後、大阪市としてなお一層、食品ロス削減に取り組んでいくべきと考えますが、市長の御所見をお伺いいたします。
○議長(
大橋一隆君)
松井市長。 (
市長松井一郎君登壇)
◎市長(
松井一郎君) 食品ロス対策はSDGsの目標にも盛り込まれており、貴重な食料資源を無駄なく消費する重要な取組であると認識します。議員御指摘のとおり、大量の食品ロスが発生する一方で、十分な食事が取れない方もいらっしゃる現状があります。これまでも本市では食品ロス削減のための各種啓発事業に取り組んできたほか、家庭で余っている食品を持ち寄って福祉団体や生活支援を必要とする方へつなぐフードドライブを推進しており、現在、区役所や連携協定を締結した
民間事業者の店舗、市内21区の45か所において実施しています。 食品ロス削減のためには、市民の皆さんがこの問題を他人事ではなく我が事として捉え、理解するだけにとどまらず行動に移していただくことが必要であると考えており、フードドライブを全ての区に広げていくことで、市民の皆さんに食品ロスに対するさらなる意識向上、そして食品を大事にするライフスタイルへの転換につなげてまいりたいと考えます。
○議長(
大橋一隆君)
田中ひろき君。 (1番
田中ひろき君登壇)
◆1番(
田中ひろき君) フードドライブを全ての区に広げていくようお願いをいたします。 一方、小売商店においても、こども食堂などへの提供、食品ロスを二次加工して削減する取組など様々な対策を講じていただいており、売れ残った商品を閉店前に割引価格で販売しているお店もあります。このように食品ロスの削減に向けて努力していただいている小売商店は多数あると考えられます。大阪市としても、小売商店の食品ロス削減の取組を広報媒体などを活用してバックアップするなど、もったいない精神の啓発や食品ロス対策につなげていただくことを要望しておきます。 以上、市政各般にわたり市長にお聞きしてまいりましたが、しっかりと御確認をいただき、今後の市政へと反映していただきますよう重ねてお願い申し上げます。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(
大橋一隆君) 以上で、質問は終了いたしました。
○議長(
大橋一隆君) 日程第2、議案第179号、令和4年度大阪市
一般会計補正予算(第8回)ないし日程第20、議案第197号、和解について(大阪港湾局関係)を一括して議題といたします。
○議長(
大橋一隆君) 理事者の説明を求めます。
松井市長。 (
市長松井一郎君登壇)
◎市長(
松井一郎君) 本市会定例会に追加提出いたしました議案第179号から議案第197号の19件のうち、まず議案第179号、
補正予算案についてその概要を説明いたします。 本
補正予算案は、新型コロナウイルスワクチン接種事業として54億5,078万2,000円を追加し、その財源として国庫支出金を追加するほか、港湾施設築造工事に係る債務負担行為として2億9,300万円を追加するものです。 続きまして、一般案件ですが、議案第180号は、令和5年度において発売することができる
当せん金付証票、いわゆる宝くじの金額の範囲を令和4年度と同様の600億円以内と定めるものです。 議案第181号は、選挙公報への掲載文の掲載に係る手続を改めるものです。 議案第182号から議案第186号までの5件は、三津屋小学校ほか4校についてそれぞれの
建設工事請負契約の締結等を行うものです。 議案第187号及び議案第188号は、
経済戦略局関係で、賃料相当損害金等請求訴訟を提起するものです。 議案第189号は、
長原駅前地区地区計画の区域内における建築物の敷地、構造及び用途に関する制限を定めるために、新たに条例を制定するものです。 議案第190号は、大阪府
道高速大阪池田線等に関する事業の料金の額を変更することについて、阪神高速道路株式会社が同意を求めてきたものです。 議案第191号は、地域再生法に基づいて提出された大阪駅
周辺地区地域来訪者等利便増進活動計画について認定をするものです。 議案第192号及び議案第193号は、
大阪市立北斎場ほか3施設について
指定管理者を指定するものです。 議案第194号は、環境局所管業務において生じた事故に係る損害賠償請求額を決定するものです。 議案第195号は、舞洲東高架橋架設工事について、請負契約を締結するものです。 議案第196号は、扇町公園の一部及び扇町プールについて、
指定管理者を指定するものです。 議案第197号は、大阪港湾局関係で、土地明渡請求事件、賃料請求事件及び賃料減額確認等請求事件について和解をするものです。 以上、案件の概略の説明を申し上げました。何とぞ御審議をよろしくお願いします。
○議長(
大橋一隆君) ただいま議題となっております諸案件は、審査付託表のとおり、各常任委員会に付託いたします。
○議長(
大橋一隆君) 日程第21、議案第170号、令和4年度大阪市
一般会計補正予算(第7回)ないし日程第29、議案第178号、一般職の非常勤の職員の給与及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例案を一括して議題といたします。 なお、議案第175号ないし178号に対する人事委員会の意見は、資料に記載のとおりであります。
○議長(
大橋一隆君) 各常任委員長より審査の報告を求めます。 30番財政総務委員長
岡田妥知君。 (30番財政総務委員長
岡田妥知君登壇)
◆30番(
岡田妥知君) 財政総務委員会に昨日付託されました議案第170号、令和4年度大阪市
一般会計補正予算(第7回)外4件に対する審査の結果と経過について御報告申し上げます。 本委員会は、本日審査を行いました結果、報告書に記載のとおり、いずれも原案を可決すべきものと決した次第であります。 これらの議案は職員の給与改定に係るもので、去る9月の人事委員会からの勧告に基づき、民間給与との較差を解消するために給料表を引き上げる改定を実施するとともに、期末・勤勉手当の年間支給月数を0.1月分を引き上げるものなどであります。 この給与改定に伴う一般会計の
補正予算額は約62億6,300万円で、その財源は財政調整基金からの繰入金であります。なお、これらの案件に対する質疑等はありませんでした。 以上、簡単でありますが、財政総務委員会の審査の報告といたします。
○議長(
大橋一隆君) 56番教育こども委員長
佐々木りえ君。 (56番教育こども委員長
佐々木りえ君登壇)
◆56番(
佐々木りえ君) 教育こども委員会に昨日付託されました議案第170号、令和4年度大阪市
一般会計補正予算(第7回)に対する審査の結果と経過について御報告申し上げます。 本委員会は、昨日の委員会において審査を行いました結果、報告書に記載のとおり、原案を可決すべきものと決した次第であります。 本案件は給与改定に係る所要の補正であり、本委員会所管の一般会計補正額は約31億7,400万円でありますが、これに対する質疑等はありませんでした。 以上、簡単ではありますが、教育こども委員会の審査の報告といたします。
○議長(
大橋一隆君) 62番民生保健委員長有本純子君。 (62番民生保健委員長有本純子君登壇)
◆62番(有本純子君) 民生保健委員会に昨日付託されました議案第170号、令和4年度大阪市
一般会計補正予算(第7回)に対する審査の結果と経過について御報告申し上げます。 本委員会は、昨日の委員会において審査を行いました結果、報告書に記載のとおり、原案を可決すべきものと決した次第であります。 本件は給与改定に係る所要の補正であり、本委員会所管の一般会計補正額は約2億8,600万円でありますが、質疑等はありませんでした。 以上、簡単ではありますが、民生保健委員会の審査の報告といたします。
○議長(
大橋一隆君) 35番都市経済委員長永井広幸君。 (35番都市経済委員長永井広幸君登壇)
◆35番(永井広幸君) 都市経済委員会に昨日付託されました議案第170号、令和4年度大阪市
一般会計補正予算(第7回)外1件に対する審査の結果と経過について御報告申し上げます。 本委員会は、昨日の委員会において審査を行いました結果、報告書に記載のとおり、いずれも原案を可決すべきものと決した次第であります。 本件は給与改定に係る所要の補正であり、本委員会所管の補正額は、一般会計で約1億3,500万円、中央卸売市場事業会計で約2,400万円でありますが、質疑等はありませんでした。 以上、簡単ではありますが、都市経済委員会の審査の報告といたします。
○議長(
大橋一隆君) 40番市政改革委員長荒木幹男君。 (40番市政改革委員長荒木幹男君登壇)
◆40番(荒木幹男君) 市政改革委員会に昨日付託されました議案第170号、令和4年度大阪市
一般会計補正予算(第7回)に対する審査の結果と経過について御報告申し上げます。 本委員会は、昨日の委員会において審査を行いました結果、報告書に記載のとおり、原案を可決すべきものと決した次第であります。 本件は給与改定に係る所要の補正であり、本委員会所管の一般会計補正額は約15億2,700万円でありますが、質疑等はありませんでした。 以上、簡単でありますが、市政改革委員会の審査の報告といたします。
○議長(
大橋一隆君) 29番建設港湾委員長高山美佳君。 (29番建設港湾委員長高山美佳君登壇)
◆29番(高山美佳君) 建設港湾委員会に昨日付託されました議案第170号、令和4年度大阪市
一般会計補正予算(第7回)外3件に対する審査の結果と経過について御報告申し上げます。 本委員会は、昨日の委員会において審査を行いました結果、報告書に記載のとおり、いずれも原案を可決すべきものと決した次第であります。 本件は給与改定に係る所要の補正であり、本委員会所管の補正額は、一般会計で約5億8,900万円、港営、下水道及び水道の各事業会計合わせて約5億6,900万円でありますが、これらに対する質疑等はありませんでした。 以上、簡単ではありますが、建設港湾委員会の審査の報告といたします。
○議長(
大橋一隆君) これをもって審査の報告は終了いたしました。
○議長(
大橋一隆君) これより採決に入ります。 議案第170号ないし178号について一括して採決いたします。委員長の報告はいずれも可決であります。委員長報告のとおり決することに御異議ありませんか。 (「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(
大橋一隆君) 御異議なしと認めます。よって議案第170号ないし178号は委員長報告のとおりいずれも可決されました。
△閉議
○議長(
大橋一隆君) 本日の日程は以上で終了いたしました。
△散会
○議長(
大橋一隆君) 本日はこれをもって散会いたします。 午後4時35分散会 --------------------------------- 大阪市会議長
大橋一隆 大阪市会議員 梅園 周 大阪市会議員 岸本 栄◯大阪市会(定例会)会議録(令和4年11月30日)(終)...