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03月03日-03号

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  1. 大阪市議会 2022-03-03
    03月03日-03号


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    令和4年第1回定例会(令和4年2・3月)◯大阪市会(定例会)会議録(令和4年3月3日)    ◯議事日程    令和4年3月3日午前10時30分開議第1 議案第52号 令和4年度大阪市一般会計予算第2 議案第53号 令和4年度大阪市食肉市場事業会計予算第3 議案第54号 令和4年度大阪市駐車場事業会計予算第4 議案第55号 令和4年度大阪市母子父子寡婦福祉貸付資金会計予算第5 議案第56号 令和4年度大阪市国民健康保険事業会計予算第6 議案第57号 令和4年度大阪市心身障害者扶養共済事業会計予算第7 議案第58号 令和4年度大阪市介護保険事業会計予算第8 議案第59号 令和4年度大阪市後期高齢者医療事業会計予算第9 議案第60号 令和4年度大阪市中央卸売市場事業会計予算第10 議案第61号 令和4年度大阪市港営事業会計予算第11 議案第62号 令和4年度大阪市下水道事業会計予算第12 議案第63号 令和4年度大阪市水道事業会計予算第13 議案第64号 令和4年度大阪市工業用水道事業会計予算第14 議案第65号 令和4年度大阪市公債費会計予算第15 議案第66号 令和4年度大阪市西町外16財産区予算第16 議案第67号 大阪市職員定数条例の一部を改正する条例案第17 議案第68号 職員の給与に関する条例の一部を改正する条例案第18 議案第69号 大阪市職員互助会条例の一部を改正する条例案第19 議案第70号 包括外部監査契約の締結について第20 議案第71号 大阪市学校給食の実施及び学校給食費等の管理に関する条例の一部を改正する条例案第21 議案第72号 大阪市教育振興基本計画の策定について第22 議案第73号 大阪市立児童福祉施設条例の一部を改正する条例案第23 議案第74号 大阪市国民健康保険条例の一部を改正する条例案第24 議案第75号 地方独立行政法人大阪健康安全基盤研究所が徴収する料金の上限の変更の認可について第25 議案第76号 大阪市国際戦略総合特別区域における産業集積の促進及び産業の国際競争力の強化に係る事業計画の認定並びに法人の市民税、固定資産税、事業所税及び都市計画税の課税の特例に関する条例の一部を改正する条例案第26 議案第77号 大阪・夢洲地区特定複合観光施設設置運営事業に関する条例案第27 議案第78号 執行機関の附属機関に関する条例の一部を改正する条例案第28 議案第79号 大阪府市IR事業評価委員会の共同設置に関する協議について第29 議案第80号 大阪・夢洲地区特定複合観光施設区域の整備に関する計画の認定の申請の同意について第30 議案第81号 大阪市公園条例の一部を改正する条例案第31 議案第82号 大阪市工業用水道事業給水条例の停止に関する条例案    ---------------------------------◯出席議員81人(欠は欠席者)   1番    田中ひろき君   2番    岸本 栄君   3番    くらもと隆之君   4番    海老沢由紀君   5番    大西しょういち君   6番    坂井はじめ君   7番    山本長助君   8番    福田武洋君   9番    長岡ゆりこ君   10番    前田和彦君   11番    野上らん君   12番    黒田まりこ君   13番    伊藤亜実君   14番    中田光一郎君   15番    今田信行君   16番    小山光明君   17番    山口悟朗君   18番    原口悠介君   19番    山田はじめ君   20番    西 拓郎君   21番    塩中一成君   22番    橋本まさと君   23番    花岡美也君   24番    石川博紀君   25番    寺戸月美君   26番    森山よしひさ君   27番    藤岡寛和君   28番    佐々木りえ君   29番    高見 亮君   30番    金子恵美君欠  31番    佐々木哲夫君   32番    山本智子君   33番    太田晶也君   34番    荒木幹男君   35番    山田正和君   36番    西 徳人君   37番    梅園 周君   38番    飯田哲史君   39番    藤田あきら君   40番    竹下 隆君   41番    上田智隆君   42番    北野妙子君   43番    西川ひろじ君   44番    山中智子君   45番    有本純子君   46番    加藤仁子君   47番    多賀谷俊史君   48番    杉村幸太郎君   49番    大橋一隆君   50番    ホンダリエ君   51番    丹野壮治君   52番    出雲輝英君欠  53番    岡崎 太君   54番    八尾 進君   55番    辻 義隆君   56番    土岐恭生君   57番    西崎照明君   58番    松崎 孔君   59番    明石直樹君   60番    杉田忠裕君   61番    小笹正博君   62番    大内啓治君   63番    辻 淳子君   64番    東 貴之君   65番    木下 誠君   66番    山下昌彦君   67番    広田和美君   68番    片山一歩君   69番    田辺信広君   70番    新田 孝君   71番    木下吉信君   72番    足高將司君   73番    井上 浩君   74番    川嶋広稔君   75番    永井啓介君   76番    吉見みさこ君   77番    高山美佳君   78番    岡田妥知君   79番    宮脇 希君   80番    杉山幹人君   81番    永井広幸君   82番    永田典子君   83番    武 直樹君    ---------------------------------◯職務のため出席した事務局職員               市会事務局長           三井陽一               次長               西 正道               議事担当課長           中村忠雄               議事担当課長代理         明見繁夫               議事担当係長           左海義和    ---------------------------------◯議場に出席した執行機関及び説明員               市長               松井一郎               政策企画室長           吉村公秀               財政局長             阿形公基               教育委員会教育長         山本晋次    --------------------------------- △開議      令和4年3月3日午前10時30分開議 ○議長(丹野壮治君) これより市会定例会会議を開きます。 本日の会議録署名者を松崎孔君、井上浩君の御両君にお願いいたします。 ○議長(丹野壮治君) これより議事に入ります。 ○議長(丹野壮治君) 日程第1、議案第52号、令和4年度大阪市一般会計予算ないし日程第31、議案第82号、大阪市工業用水道事業給水条例の停止に関する条例案を一括して議題といたします。 ○議長(丹野壮治君) これより質疑に入ります。 ○議長(丹野壮治君) 宮脇希君の質疑を許します。 79番宮脇希君。     (79番宮脇希君登壇) ◆79番(宮脇希君) 私は、大阪維新の会大阪市会議員団を代表して、令和4年度予算案並びに関連諸案件について質問いたします。 ロシアがウクライナに対する軍事侵攻を開始して、はや1週間が過ぎました。いかなる国であろうとも、力による一方的な現状変更は断じて認められません。武力の行使を禁ずる国際法の深刻な違反であり、国連憲章の重大な違反であるこのロシアの行動に強く非難させていただくことをまず冒頭に申し上げさせていただき、質疑に入らせていただきたいと思います。 新型コロナウイルス感染症の感染拡大は依然として続いており、まん延防止等重点措置の期間が延長される中、知事を筆頭として、大阪市でも様々な対策を講じています。 保健所の逼迫する状況を改善するための応援体制の拡充や、ファーストタッチの手法見直し、また、3回目のワクチン接種を積極的に進めるなど、感染状況や国の動向を踏まえながら、今できることを最大限行っていると感じており、まずは大阪一丸となってこの第6波を乗り越えるとともに、今後の大規模感染症への対策として、保健所機能の一元化などをしっかりと進めていただきたいと思います。 また、市民生活や地域経済にも引き続き大きな影響を及ぼしていることから、生活に困っている方への支援も継続して粘り強く進めていくことが大切であり、切れ目のない支援をお願いいたします。 一方で、この状況だからこそ見えてきた課題、問題点もあります。例えば、DXの推進など行政運営の効率化を行うことは、市民サービスの拡充のみならずコロナの対策としても有効であり、この機を捉えて加速度的に取り組んでいくことが、これからの時代に求められる自治体の姿ではないでしょうか。 また、2025年日本国際博覧会の開催まで約3年となり、会場やパビリオンの建設が本格化していく中で、脱炭素社会の実現に向けた取組やイノベーションの創出、都市インフラの整備などをスピード感を持って進めていくことで、国際競争力を高め、魅力ある都市として発信していくことが必要であります。 さらに、今後の人口減少社会を見据え、人口減少をいかに食い止め、まちの活力を維持させるかが大阪の発展のために非常に重要であり、そのための各施策を横断的に推進していくことが必要であります。 新型コロナウイルス感染症の収束が見通せない中、引き続き難しいかじ取りを強いられることになりますが、今、必要な対策と、ポストコロナや2025年日本国際博覧会を見据えた施策を両輪として、しっかりと取り組んでいかなければなりません。 このような観点から、昨年12月末に我が会派から予算要望や政策提言を行ってきた内容も含め、以下、具体的にお伺いします。 初めに、令和4年度当初予算及び今後の財政運営についてお伺いします。 大阪市は、将来世代に負担を先送りしないため、補填財源に依存するのではなく、収入の範囲内で予算を組むことを原則とし、行財政改革を徹底的に行うことで、単年度での通常収支の均衡を目指していますが、令和4年度当初予算は、補填財源として財政調整基金を取り崩さずに収支が均衡し、通常収支の均衡が図られたとのことです。 この通常収支の均衡は、ちょうど10年前、橋下市長時代に掲げられた目標で、当時の平成24年度予算では454億円の収支不足でありました。しかも、この数字は、施策、事業の見直しなど改革効果を織り込んだものであって、それがなければ500億円を超える収支不足でありました。この500億円という非常に大きな収支不足額を解消できたのは、この間の市政改革の取組を進めてきた成果であり、評価できます。 一方で、新型コロナウイルス感染症はいまだ猛威を振るっており、令和4年度も感染拡大防止に向けた対策や、生活に困っている方への支援など、多くの取組を継続的に行っていく必要があります。 また、引き続き、子育て・教育施策の充実を図るのはもちろんのこと、2025年日本国際博覧会に向けたインフラの整備、市民利用施設緊急安全対策など、早急に対応しなければならない事業も多くあります。 真に必要な事業に係る予算をしっかり確保した上での収支均衡でなければ意味がありませんが、市長はどのような考えで令和4年度当初予算を編成されたのでしょうか。また、現在の財政状況を踏まえ、今後の財政運営をどのように行っていくのか、市長の御所見をお伺いします。 ○議長(丹野壮治君) 理事者の答弁を許します。 松井市長。     (市長松井一郎君登壇) ◎市長(松井一郎君) 令和4年度当初予算は、まず新型コロナウイルス感染拡大防止が重要であり、3回目のワクチン接種など、必要な予算を確保しています。 また、これまで子育て・教育環境の充実に特に力を入れてきましたが、児童虐待防止対策や子供の貧困に対する取組に加え、新たにヤングケアラーの支援や、不登校特例校の設置などを進めていきます。 さらに、コロナを乗り越えた先の新しい大阪の成長・発展に向けて、2025年日本国際博覧会の開催や、2029年開業予定のIRの実現をはじめとした都市魅力の向上、インフラの充実に取り組んでまいります。 こうした中で、令和4年度当初予算は、補填財源として財政調整基金を取り崩すことなく、収入の範囲内で予算を編成することができました。通常収支の均衡を目標に掲げた平成24年度の当時は、府市の二重行政や経費の無駄が多く、通常収支不足が500億円という非常に厳しい財政状況でありました。 そうした状況から、現状を打ち破る取組や現役世代への重点的な投資に着手し、また、約10年にわたり市政の抜本的な改革を継続して取り組んできたところです。 通常収支の均衡は、まさにこれまでの不断の取組が実を結んだものであり、経常収支比率などの財政指標から見ても、財政の健全化が進んでいるのは明らかです。 今後は、これを継続し、財政を以前の厳しい状況に後戻りさせないことが大事であり、将来世代に負担を先送りしないように、引き続き市政改革に取り組み、持続可能な財政構造にしてまいります。 ○議長(丹野壮治君) 宮脇希君。     (79番宮脇希君登壇) ◆79番(宮脇希君) 次に、大阪市におけるDXについてお伺いします。 本市では、平成28年度に、市長直轄組織としてICT戦略室を設置し、大阪市ICT戦略に基づき、ICTの徹底活用により市民サービスの向上や行政運営の効率化などに取り組んできたところです。 その取組を担ってきたICT戦略室が、今年の4月1日にデジタル統括室に改められ、新たに本市のデジタルトランスフォーメーションの司令塔に位置づけられると聞いています。 DXは、デジタル技術やデータを活用して業務の効率化や市民サービスの向上を改革するものであることから、市長の強力なリーダーシップの下、デジタル統括室が全庁的に取組を先導していく必要があると考えますが、市長の御所見をお伺いします。 また、今後、このDXを進めるに当たって、例えばコロナ対応に追われている保健所業務について、デジタル統括室の専門的、技術的知見を踏まえ、具体的に支援していく必要があると思いますが、併せて市長の御所見をお伺いします。 ○議長(丹野壮治君) 松井市長。     (市長松井一郎君登壇) ◎市長(松井一郎君) 市長直轄の組織としてICT戦略室を設置して以降、行政手続のプラットフォームとして大阪市行政オンラインシステムの運用を開始したことなど、様々なデジタル施策を着実に進めてまいりました。 こうした取組を継承しつつ、今後は、人口減少社会における住民サービスの持続的かつ安定的な提供と都市力の向上のために、既存の制度、業務を大胆に再構築し、デジタル技術を最大限に活用した変革であるDXを進めていくことが必要と考えています。 令和4年度から、DXの司令塔としてデジタル統括室が各部局を強力に牽引することとしていますが、まずは取組の基礎となる戦略や全庁的な推進体制等について検討するように指示をしています。 また、保健所における新型コロナウイルス感染症に関する対応については、今回の第6波の感染状況が想定を大幅に上回り業務が逼迫した状況を踏まえ、さらなるICTの活用を含め、これまでの手法にとらわれない抜本的な見直しが急務となっております。 このため、本日からICT戦略室の職員を保健所に派遣し、次の波に備え、コロナ関連業務の効率化に向けた体制の検討に入っています。 令和4年度には、デジタル統括室と保健所から成るプロジェクトチームを立ち上げ、デジタル統括室は、デジタル技術の活用の観点から業務の見直しを積極的に支援してまいります。 ○議長(丹野壮治君) 宮脇希君。     (79番宮脇希君登壇) ◆79番(宮脇希君) デジタル統括室には、問題の大小にかかわらず積極的に踏み込んでいく、また、受け入れる側も積極的に協力していくという認識をしっかりと持ち、速やかなデジタルトランスフォーメーションが今後は行われていくことを期待します。 昨年の夏から、保健所のDXに関しては市長要望を上げてまいりました。今一番DXが必要とされる保健所にプロジェクトチームで対応していくということで、保健所の業務改善について最優先で取り組んでいただくようお願いいたします。 次に、働き方改革における今後の取組についてお伺いします。 働き方改革については、令和2年11月の一般質問及び令和3年3月の代表質問において我が会派から、2025年の大阪・関西万博以降を見据え、これまでの常識にとらわれない抜本的な働き方改革を着実に進めるためにも、その目標像、絵姿を示すべきであると指摘してまいりました。 市長からは、令和4年度中には、万博以降の大阪市役所の働き方、その絵姿を組織内外に示すことができるよう取組を進めてまいりたいと答弁いただいたところでございます。 しかしながら、どのような目的を持って抜本的な働き方改革を進めていくのか、その目的を示さなければ、いずれの取組も手段止まりとなり、定着しないのではないかと危惧します。 例えば、既存の仕組みとしてテレワークが導入されていますが、利用率はまだ低く、働き方の一つとして定着しているというよりも、主に新型コロナウイルス感染症感染拡大防止のための一つの手段として利用されているだけのような印象があります。 テレワークの利用促進も含め、抜本的な働き方改革に向けての検討状況と今後に向けた市長の御所見をお伺いします。 ○議長(丹野壮治君) 松井市長。     (市長松井一郎君登壇) ◎市長(松井一郎君) まず、テレワーク制度利用促進に関しては、働き方の多様化、柔軟化の選択肢の一つとして各職場に定着させていくために、今年度から所属別のテレワーク実施状況を庁内で共有しているほか、テレワークの積極的な利用を進めるために、幹部職員が率先してテレワークに取り組むように指示をしています。 しかしながら、議員御指摘のとおり、感染症予防対策として有効に活用しているものの、常時テレワークで業務を行うという意識が定着しているとまでは言い難い状況です。 一方、業務内容にもよりますが、急に在宅勤務が必要になった際には、スムーズにテレワークに切り替えて業務を遂行できるようになってきており、働き方の一つとして徐々に一般化していることも感じています。 テレワークを含めた働き方改革については、今後の労働力人口の減少に備え、誰もが働きやすい職場環境を実現することで、業務効率化、生産性向上等を図り、職員の心身の健康等を確保するとともに、市民サービスの向上を図ることが目的であります。 そのため、例えば全員が同じ時間、場所といった従来の考え方、働き方を大きく転換し、かつ、職員一人一人が生活に応じた働き方を選択できるようになることが重要です。現在、抜本的な働き方改革の絵姿を示していくために、人事室を中心に関係部局でのワーキンググループを立ち上げ全庁的に取り組んでいますが、同時に、全職員を対象に働き方に関するアンケートを実施し、利用実態も把握しながら検討を進めています。 職員から寄せられた意見や、庁舎のインフラ、技術面における課題等を整理し、テレワークの定着のみならず、従来の制度を改善することにとどまらない抜本的な改革を目指してまいります。 ○議長(丹野壮治君) 宮脇希君。     (79番宮脇希君登壇) ◆79番(宮脇希君) 私には今2歳の娘がおりますが、子育てと仕事の両立には様々な壁があると感じます。場所にとらわれない仕事が実現できれば、その壁も少しずつ壊していくことができると思っています。 そして、御答弁で、働き方改革だけではなく、業務効率化、生産性向上についても目的にしていただけるとのことでありますので、場所にとらわれない業務実現の結果、浮いてくる庁舎スペースなど、本市のアセットマネジメントも変わってくるかと思います。その観点からも改革を進めていただくようお願いいたします。 柔軟な働き方を進めていく上で、幹部職員が率先してテレワークなどを行うことは効果的だと考えますが、幹部職員だけでなく、市長、副市長もさらに活用いただければと思います。そもそも、市長、副市長は特別職であり、法律上は勤務時間の概念がなく、市役所に登庁されないときも重責を担っていることは承知しておりますが、市長、副市長がテレワークを実践していただくことで、職員の利用が一層進むことも期待できます。 働き方改革に当たっては、テレワークを利用している職員に任意でアンケートを取って意見を聞くことも大事ではありますが、業務としてしっかりモニタリング、検証を行って、強力に推進していただきたいです。 次に、水道の管路更新事業についてお伺いします。 全国の中でも管路の老朽化が進んでいる課題解消に向けて、これまでコンセッション方式によるPFI管路更新事業の取組が進められてきましたが、結果としては、残念ながら昨年9月に全ての応募者が辞退し、公募手続が終了することとなりました。 しかしながら、南海トラフ巨大地震の脅威が迫る中、本市水道の課題解消に向けた管路耐震化の促進について検討が必要であります。 水道局においては、今回の公募結果を受け、本年1月に、従来プランの総括と今後の基本的方策を取りまとめたところでありますが、ライフラインである水道の安心・安全の確保に向け、今後、管路耐震化をどのように促進していくのか、市長の御所見をお伺いします。
    ○議長(丹野壮治君) 松井市長。     (市長松井一郎君登壇) ◎市長(松井一郎君) 南海トラフ巨大地震上町断層帯地震などの大規模な地震への対策として管路の耐震化を進めていくことは、本市の水道事業にとって早急に対処すべき重要な課題であります。 これまで取組を進めてきましたPFI管路更新事業は、16年間をかけて市内の管路の耐震化レベルを全体的に引き上げることで課題に対処しようとするものでありましたが、応募者の辞退により、事実上実施が困難となったところであります。 これを受けて、このたび公表した管路耐震化の新たな方向性においては、一定の期間をかけて市内の管路の耐震化レベルを全体的に引き上げることではなくて、まずは切迫性が指摘されている南海トラフ巨大地震への対策をできるだけ早期に実施することとし、地震発生時の広域的な断水リスクの低減につながる基幹管路の更新を重点的に進めることとしているものです。 更新事業の進め方については、官民連携の手法の活用は、更新ペースを引き上げる上で有効な手法であると考えており、今後、民間事業者を対象に市場調査を行うなど詳細な検討を進め、令和4年度中には具体的な事業案を明らかにすることができるように取り組んでまいります。 ○議長(丹野壮治君) 宮脇希君。     (79番宮脇希君登壇) ◆79番(宮脇希君) 次に、学校のICT化についてお伺いします。 昨年11月、市会における一般質問において我が会派から、非常時のみならず平常時においても、昨年度整備した1人1台の学習者用端末を活用し、オンライン学習をはじめとするICTを活用した学習を充実すべきであるとの観点から質疑を行ったところであります。 令和3年度では、端末整備の初年度であり通信環境にも課題があった中で、新型コロナ感染症拡大の状況を受け、非常時における取組に注力せざるを得なかったことは一定理解します。 しかしながら、今後、社会全体のデジタル化が加速する中で、学校でも同様にICTを活用した教育の変革が求められており、本市においても多額の投資をしている以上は、子供の学びを充実させるためにも、スピード感を持って着実に取組を進めるべきであります。 昨年8月から、個別最適な学びの実現に向けたツールとして新たにデジタルドリルを導入していますが、現時点では、授業での実践的な活用とまではなっていないように感じられます。デジタルドリルを含むデジタル教材などの活用により授業の質を向上させることも、教育振興基本計画で基本的な方向性として示されている教育DXを推進する上での重要な取組の一つであります。 教育委員会として、今後の4年間はもとより、さらにその先を見据え、学校のICT化として目指す方向性を示していくべきではないでしょうか。今後、学校がどのように活用を進めていくべきかというビジョンを持つためにも、教育委員会が方向性を示し、そこに至るまでの道のりを明確にすることが必要であると考えますが、教育長の御所見をお伺いします。 ○議長(丹野壮治君) 山本教育委員会教育長。     (教育委員会教育長山本晋次君登壇) ◎教育委員会教育長(山本晋次君) 議員の御指摘のとおり、本年度は通信環境等の改善を図りながら、非常時における学びの保障として、家庭と学校をつなぐ双方向オンライン学習が全校で実施できるよう支援を進めてきたところでございます。 今後は、本年度の取組を基に、学習活動のほか、子供たちの安全・安心の観点から、心の天気など、学校生活の状況も含めた日常におけるICTの活用を深化させることが重要であると認識しております。 現在、教育委員会では、次期大阪市教育振興基本計画の策定に合わせ、令和4年度以降のICT活用推進に係る方向性を定めました大阪市学校教育ICTビジョンの改定を進めているところでございます。 本ビジョンでは、個別最適な学びと協働的な学びを実現するため、これまでの実践とICTを最適に組み合わせることにより、教育の質の向上を図ることを基本的な考えと位置づけ、具体的な取組方針を体系化して定めていくこととしております。 次年度以降におきましては、全ての教員が本ビジョンの策定の趣旨や方向性を理解した上で、学校CIOであります校長のマネジメントの下、自校の状況に応じたICT活用に係る目標を定め、検証、改善を図っていくこととしております。 あわせまして、教育委員会といたしましては、各校の取組が円滑に進みますよう、他都市を含む好事例の紹介をはじめ、ICT教育アシスタントの拡充配置による機器操作等の支援や、個々の学校の状況に応じた指導、助言を引き続き行ってまいります。 これら学校における取組の推進及び教育委員会による支援により、ICTを活用し、時間や場所にとらわれない多様な学びの機会が提供できますよう、スピード感を持って取り組んでいくことといたします。 なお、本ビジョンにつきましては、今後の国の動向や社会情勢、さらには情報通信技術の進展等に合わせ、適宜見直しを図っていく予定でございます。 ○議長(丹野壮治君) 宮脇希君。     (79番宮脇希君登壇) ◆79番(宮脇希君) 次に、不登校特例校についてお伺いします。 これまでも我が会派より、全国的にも増加傾向である不登校児童・生徒に係る対策について質疑を重ねてまいりました。 本市において、これまでも不登校対策については様々な調査研究を通じ、新たな不登校児童・生徒を生まない魅力ある学校づくりをはじめ、適切な支援に向けて取り組んでいることと認識しています。 一方で、不登校児童・生徒への支援については、学校以外の場で行う多様で適切な学習活動や、これまで以上のさらなる支援の充実が必要であります。 本市において、昨年度より教育支援センターを開設し、今年度は2か所増設の上、不登校の児童・生徒が通所しやすい学習スペースの設置や、ICTを活用した学習環境の整備など、施設環境の改善を進めることで、徐々に通所する児童・生徒が増加しているとの報告も受けました。 近年、増加傾向の一途である不登校対策については、不登校生徒が行う多様な学習活動の実情を踏まえ、個々の不登校生徒の状況に応じた必要な支援が行われ、社会的な自立に向けた教育を受けられる環境の整備や指導体制の充実が図られることが重要であると認識しています。 教育支援センターに加え、特別な教育課程を編成して教育を実施する学校、いわゆる不登校特例校の設置を検討しているとのことですが、その方向性について、教育長の見解をお聞きします。 ○議長(丹野壮治君) 山本教育委員会教育長。     (教育委員会教育長山本晋次君登壇) ◎教育委員会教育長(山本晋次君) 平成28年制定の義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律及び令和元年10月に示されました文部科学省通知によりプロジェクトチームを設置の上、特例校設置に向けた調査研究を進めますとともに、教育支援センターにおいて不登校児童・生徒の対応に努めておるところでございます。 本市3か所の教育支援センターにおきましては、集団生活への適応及び基本的生活習慣等の改善に向けた相談や支援を実施し、学校復帰や社会的自立を目指した取組を進めております。 特例校の設置へ向けましては、様々な人と協働して目的を達成する学校行事等多様な学習機会を設け、豊かな心を育む教育内容について検討を進めております。 また、特例校におきましては、各個人の有する能力を伸ばしつつ、社会において自立的に生きる基礎を養うという目的の下、自己肯定感を高めることのできる取組の構築及び個々の状況に応じた支援を行うことのできる特別の教育課程の編成を進めることが重要であると認識いたしております。 当該生徒の意思を第一に尊重した上で、生徒の個性や能力に応じてそれぞれの可能性を伸ばしていけるよう、誰もが通いやすく、主体的に社会的自立に向かうことのできる新たなる環境の整備や指導体制の充実に向けて検討を進めてまいりたいと考えております。 ○議長(丹野壮治君) 宮脇希君。     (79番宮脇希君登壇) ◆79番(宮脇希君) 従来の学校に戻すためだけの不登校対策ではなく、生徒の学びたいという意思を第一に、学びたいことを自分で選んで学べる、今までの学校らしくない学校を目指し、生徒の自律的に生きる基礎を養うことに主眼を置いた運営をよろしくお願いいたします。 次に、多様化するニーズに対応した教育の実現についてお伺いします。 まず、多様化するニーズに対応した教育方針と組織体制についてですが、大阪では、2025年の大阪・関西万博の開催、さらには開催後の将来に向け、国際都市大阪の新たなにぎわいをつくり出し活力を高めるとともに、世界への発信力を高める必要から、国際的な感覚とコミュニケーション力を有するグローバル人材の育成が求められています。 我が会派は、かねてより、国際社会で貢献できる人材の育成を目的とした国際バカロレア教育をはじめ、グローバル人材の育成や探究型学習の深化など、児童・生徒や保護者の多様なニーズに応えることができるような公教育の実現を求めてまいりました。 そして、大阪市では、平成31年に開校した公設民営学校である水都国際中学校・高等学校において、国際バカロレア教育により国際的な視野を持つとともに、探究心、知識、思いやりに富んだ、世界に通用するグローバル人材の育成を進めてきたところであります。 国際バカロレア教育の成果を継承するなど、将来の大阪の成長・発展を担う子供たちのために多様なニーズに対応した教育を、小学校、中学校においても推進していく必要があると考えますが、教育委員会としては具体的にどのように進めていくのか、教育長の御所見をお伺いします。 ○議長(丹野壮治君) 山本教育委員会教育長。     (教育委員会教育長山本晋次君登壇) ◎教育委員会教育長(山本晋次君) 多様化するニーズに対応した教育の実現についてでございますが、グローバル化が進展します世界におきまして、子供たちが多様な人々と協働しながら持続可能な社会を創造する担い手となることが重要であり、そのことは、次期大阪市教育振興基本計画の基本理念にも掲げたところでございます。 グローバル人材の育成や探究型学習の深化などにつきましては、次期教育振興基本計画の誰一人取り残さない学力の向上の中で、主体的、対話的で深い学びの推進や、英語教育の強化として盛り込んでおりますが、新時代に求められる子供や保護者の多様なニーズに対応いたしますためには、最新の研究結果や先進的な事例を収集し、教育内容を調査研究していくことが必要であると考えております。 そのため、今後、教育委員会に、新時代に求められる教育内容の実践につながるようワーキンググループを設置し、国における特定分野に特異な才能のある子供への支援の研究等の動向を注視し、小中学校でのバカロレア教育等の他自治体における先進事例を収集しますとともに、水都国際中学校・高等学校におけるバカロレア教育の実践を分析いたしますなど、多様化するニーズに対応した教育内容や教育委員会としての支援の在り方等について調査研究を推進してまいりたいと考えております。 ○議長(丹野壮治君) 宮脇希君。     (79番宮脇希君登壇) ◆79番(宮脇希君) 現代では、個々が活躍できる分野も多種多様になってきています。個々の個性、能力を開花、発揮していけるよう、教育委員会にバカロレアのような新しい教育を提供していくためのワーキンググループを設置していただけるということで、今後、水都国際のような学校をつくっていくための体制整備をよろしくお願いいたします。 次に、小中一貫校の見直しについてお伺いします。 大阪市では、施設一体型小中一貫校において、子供や保護者のニーズに応えた教育課程の特色化として、小学校低学年からの英語教育やICT環境を活用した教育など、他校に先駆けて推進してきたところであります。 しかし、全市募集を行っている小中一貫校の中には、通学区域外からの受入れ可能人数に余裕がある学校が生じてきております。近年、それらの特色ある教育が全ての小中学校で実施されるようになる中で、小中一貫校の魅力を出すのが難しくなってきているのではないかと思います。 このような状況を踏まえ、小中一貫校の魅力を創出するため、それぞれの学校の状況や、地域のニーズに対応した新たな特色を打ち出していくべきと考えますが、教育長の御所見をお伺いします。 ○議長(丹野壮治君) 山本教育委員会教育長。     (教育委員会教育長山本晋次君登壇) ◎教育委員会教育長(山本晋次君) 小中一貫校におきます新たな特色についてでございますが、施設一体型小中一貫校におきましては、これまで小学校低学年からの英語教育や、ICT環境を活用した教育などを先駆的に推進しますとともに、小学校高学年からの一部教科担任制や、中学校教員の小学校への乗り入れ指導、幅広い学年での異学年交流などの小中一貫校ならではの取組を行ってきたところでございます。 しかしながら、議員の御指摘のとおり、受入れ可能人数に余裕がある学校が生じておるのが現状でございます。 このような状況を踏まえ、小中一貫校におきましてこれまで積み上げてまいりました取組に加えまして、今後、教育委員会内のプロジェクトチームにおいて、多様化するニーズに対応しつつ、各校の状況や地域の実情なども踏まえながら小中一貫した教育の推進の考え方等について取りまとめ、小中一貫校の持つ魅力の向上につなげてまいりたいと考えておるところでございます。 ○議長(丹野壮治君) 宮脇希君。     (79番宮脇希君登壇) ◆79番(宮脇希君) 小中一貫校は、通学区域外からも募集しているにもかかわらず、区域外から通う生徒数が少ない学校もあり、小中一貫校の在り方を再検討すべき時期が来ていると感じます。プロジェクトチームにおいて対応していただけるということで、小中一貫校の魅力向上をよろしくお願いいたします。 次に、塾代助成についてお伺いします。 塾代助成事業については、平成24年9月に西成区の中学生を対象に実施して以来、対象者を拡充し、平成27年10月からは全市の中学生の約5割を対象として、学習塾や文化・スポーツ教室などに係る費用について、月額1万円を上限に、本市が助成を行っています。 現在、塾代助成カードの交付を受けた中学生のうち約1万5,000人が、市内の3,000を超える学習塾などを利用しており、利用者の満足度も高いものになっております。 一方で、小学生についても、低学年から高学年まで、スポーツや文化活動などの習い事や学習塾に通っており、文部科学省の平成30年度子供の学習費調査の結果によると、入学当初は習い事のニーズが高いですが、学年が進行するにつれて学習塾のニーズも高くなり、特に小学5年生からは家庭の経済的負担が増えている状況にあります。実際に、塾代助成事業の対象を小学5、6年生にまで広げてほしいという保護者の声も聞いております。 また、本市では、小学校における不登校の児童数が毎年増加しており、高学年になるほどその数も増え、民間のフリースクールに通っている実態もあります。フリースクールは塾代助成事業の対象になっており、小学生に拡大されれば、より利用しやすくなるのではないでしょうか。 このような状況を踏まえ、塾代助成事業の対象者を小学5、6年生まで広げ、多様なニーズへ対応するとともに、子育て世帯への支援を強化していくべきと考えますが、市長の御所見をお伺いします。 ○議長(丹野壮治君) 松井市長。     (市長松井一郎君登壇) ◎市長(松井一郎君) 塾代助成事業は、中学生のいる家庭の経済的な負担を軽減するとともに、中学生の学力や学習意欲の向上、個性や才能を伸ばす機会を提供することを目的として実施をしています。 本事業は、制度開始からおおむね10年が経過しており、市内の中学生やその保護者に定着しており、私自身も非常に意義ある事業だと、こう思っています。 ただいま議員から、小学生を持つ家庭にも新たに目を向け、習い事や学習塾に通うことに伴う経済的負担を踏まえ、塾代助成事業の助成対象を小学校5、6年生までに拡大すべきという御提案をいただきました。 実際に、子供たちは小学生のときから将来への夢を持ち、その実現に向けた習い事に通ったり学習塾を利用していることから、助成対象の小学生への拡大については、私自身もこの間考えてきたところであります。 今回の令和4年度当初予算案には、小学校5、6年生への助成対象拡大に必要な経費について計上していませんが、制度設計や市民への周知期間などを考慮し、令和5年4月からの実施を目指し、こども青少年局に対し、速やかに検討を行うように指示をします。 ○議長(丹野壮治君) 宮脇希君。     (79番宮脇希君登壇) ◆79番(宮脇希君) 令和5年からの小学5、6年生への助成対象拡大、ありがとうございます。今後も子育て支援施策のさらなる拡充をよろしくお願いいたします。 また、少子化対策や人口流入施策として、支給される方の所得制限額の引上げや、負担が大きくなる3人以上のお子さんをお持ちの家庭へは、さらなる支援も必要であると考えております。これらをスムーズに実現していくための体制やシステム変更についての検討もお願いいたします。 次に、不妊に悩む方への支援についてお伺いします。 不妊に悩む方への支援として、平成16年度に国が不妊に悩む方への特定治療支援事業を創設し、本市においても、国の制度に基づき、より高額な医療費がかかる体外受精、顕微授精を伴う治療に要する費用の一部を助成してきました。 我が会派として、これまで助成制度の所得制限の撤廃や、一部の民間企業などで導入されている不妊治療を受けるための勤務制度を本市でも導入することなど、支援の充実に関して要望してきたところであります。 令和4年4月から不妊治療が保険適用されることとなり、子供を望む多くの夫婦にとって経済的な負担軽減が図られることとなります。保険適用に伴って助成制度は廃止されるとのことですが、そもそも不妊治療は、初期段階の検査や治療費においても負担は数万円以上に上り、保険適用となったとしても、経済的な負担は一定残ってしまうと思われます。また、不妊に悩む方にとっては、治療にかかる経済的な負担のみならず、精神的な負担もとても大きいものであります。 不妊治療の保険適用後も、不妊に悩む方が安心して子供を産み育てられるよう、支援の手が届かないなどの不都合が生じないように検証してもらいたいと考えますが、市長の御所見をお伺いします。 ○議長(丹野壮治君) 松井市長。     (市長松井一郎君登壇) ◎市長(松井一郎君) 不妊に悩む方への支援については、令和2年10月から国に先んじて、助成の対象者要件である所得制限を撤廃する市独自の施策に取り組むなど、経済的な支援に加え、不妊に関する専門的な相談や心の悩みを受け付ける窓口として、不妊専門相談センターを令和元年12月から大阪府と共同で運営をしてきました。 本市としても、経済的な負担の軽減と、不妊に悩む方への心理的なケアの両輪で、支援の充実が引き続き必要だと考えています。 今般、国が不妊治療の保険適用を実施することについては、子供を持ちたいという方々の気持ちに寄り添い、不妊治療を希望する方々の経済的、精神的なハードルを下げ、安心して治療を受けることができるというメッセージになると考えています。 不妊治療の保険適用については、令和4年度から開始する治療の医療費は保険適用となるものの、現在治療中で年度をまたがる一連の治療については保険適用外となります。この場合も安心して不妊治療を続けていただけるように、国の方針に準じて、令和4年度においても経過措置として、年度をまたがる治療への助成を継続する予定です。 今後、国の動向や保険適用後の状況に対応しながら、不妊に悩み、不妊治療を受けておられる方への必要施策についても検証し、子供を望む方が安心して子供を産み育てられるように、これから取り組んでまいります。 ○議長(丹野壮治君) 宮脇希君。     (79番宮脇希君登壇) ◆79番(宮脇希君) 保険適用後も、自費でかかる検査なども含め、まだまだ負担が大きい不妊治療です。また、不妊治療は、1人目の妊娠だけではなく、2人目以降の妊娠を希望する夫婦の問題でもあります。再び大阪市が国に先駆けて不妊治療を牽引していけるよう、新たな助成を期待しています。 次に、子育て世帯の負担軽減についてお聞きします。 本市では、これまでも安心して子供を産み育てられるよう支援する仕組みの充実に向けて様々な取組を進め、幼児教育の無償化についても、国に先駆けて3歳から5歳児の無償化を実現してまいりました。 また、子育て世帯に対する支援策としては、保育所以外にもファミリーサポートセンター事業や一時預かり事業などがあり、保護者の様々なニーズに対応していただいていることはありがたいと考えています。 しかしながら、子育てにかかる保護者の負担はまだまだ大きいものがあります。そういった子育てで大変な保護者への支援策として、例えば保育所に入所できても、休日に急な仕事が入り保育が必要となった場合や、レスパイト的に保護者が選択できるサービスの一つとしてベビーシッターの活用が考えられます。 本市における独自施策として、子育て家庭の様々なニーズにきめ細かく対応する一つの手法としてベビーシッターの活用を進めることが必要ではないかと考えています。特に、ゼロ歳から2歳児については、ほとんどの世帯が幼児教育・保育の無償化の対象となっておらず、経済的な負担も大きい上、衣食住全てにおいて養育者の手助けが必要な年齢であることから、日々子育てされている方の負担は大変大きいものです。 そういった状況から、ゼロ歳から2歳児を養育されている方への子育て支援の強化が必要と考えますが、市長の御所見をお伺いします。 ○議長(丹野壮治君) 松井市長。     (市長松井一郎君登壇) ◎市長(松井一郎君) 本市では、全ての子供がひとしく教育を受けられる環境づくりを進めるという考えの下、国に先駆けて平成28年度から幼児教育の無償化を実施してまいりました。さらに、令和元年10月からは、国の幼児教育・保育の無償化制度が開始され、幼稚園、保育所等の保育料が、3歳から5歳児については無償となっております。 しかしながら、ゼロ歳から2歳児については、市民税の非課税世帯を除き、多くの世帯が無償化の対象となっておらず、乳幼児期の子育て家庭への支援の充実は課題であると認識しています。 一方で、ゼロ歳から2歳児は、保育施設を利用せず在宅で育児をする家庭も多く、その負担軽減に当たっては、ニーズの把握や公平性の観点など、あらゆる角度から幅広く分析することが重要であるとも考えております。 ただいま議員から御提案あったベビーシッターの活用を含め、乳幼児期の子育て負担の軽減策について検討するように、局に指示をいたします。 ○議長(丹野壮治君) 宮脇希君。     (79番宮脇希君登壇) ◆79番(宮脇希君) ゼロ歳から2歳のお子さんをお持ちのお母さん、お父さんの負担は、肉体的にも精神的にも非常に大きく、レスパイトケアの必要性は高いと感じております。使い勝手のいい、ベビーシッターを活用した子育て支援策などを進めていただき、どこの都市よりも子育てしやすい大阪を実現していただくようお願いいたします。 性的マイノリティーのパートナーシップ宣誓証明制度に関し、今後の課題についてお聞きします。 本市では、平成25年に淀川区が行ったLGBT支援宣言など、区役所の先行した取組の後、全市的には平成29年からLGBTなどの性的マイノリティーへの取組を始めました。 この動きをさらに前へ進めるべく、我が会派からも代表質問で質疑をし、平成30年7月にはパートナーシップ宣誓証明制度が導入されました。 この制度で、本市では、先月末までに381組に宣誓書受領証を交付しており、多くの当事者に宣誓してもらえる制度として、一定の成果を収めてきました。 しかし、当事者のカップルからは、まだまだ課題があるとの声も頂戴しています。性的マイノリティーのカップルの一方の成年者の子供と、他方の成年者、あるいはその成年者の子供との関係性の宣誓については、現在のパートナーシップ宣誓証明制度ではカバーできておらず、例えば病院での面会、医療行為の説明などについても十分に対応してもらえないという声も聞いています。 こうした問題に対処するため、パートナーシップの証明だけでなく、子供を交えたファミリーシップとして宣誓を認める地方自治体が現れており、先日、パートナーシップ宣誓制度の素案を発表した東京都でも、証明書に子の名前の補記が可能とし、ファミリーシップの考え方が反映されているように考えられます。 LGBTなどの性的マイノリティーの課題に積極的に取り組んできた大阪市として、早期にファミリーシップ宣誓制度の導入準備を進めていくべきと考えますが、市長の御所見をお伺いします。 ○議長(丹野壮治君) 松井市長。     (市長松井一郎君登壇) ◎市長(松井一郎君) 議員御指摘のように、性的マイノリティーのカップルとその子供との関係性の証明も必要であるとして、ファミリーシップ宣誓制度を導入している地方自治体があることは本市としても承知しています。 今後、本市としては、こうした先行自治体での実績や問題点、本市で導入する場合に想定される具体的なニーズや課題も含めて十分に調査検討の上、子供を含めた制度について導入をしていきたいと考えています。 ○議長(丹野壮治君) 宮脇希君。     (79番宮脇希君登壇) ◆79番(宮脇希君) 子供を含めた制度の導入に踏み込んでいただき、ありがとうございます。これは、当事者の望みであり、ぜひともよろしくお願いいたします。 また、民間病院については、パートナーシップ宣誓証明制度でさえ、面会や医療行為の説明について対応してもらえないところがまだまだあると聞いているので、民間病院などの事業者団体に本市が直接呼びかけるなど、より一層の啓発についてお願いしておきます。 加えて、ほかの地方自治体との連携についても要望しておきたいと思います。G7の中で唯一我が国だけが同性婚もパートナーシップも認めていないなど、国の動きが依然鈍く、自治体の制度として対応せざるを得ない現状の中、ある自治体で宣誓したカップルでも、その自治体の枠を越えて引っ越しとなれば、現在の自治体に対して受領証を返還した上で、引っ越し先の自治体で改めて宣誓する必要があります。引っ越しにより人生の節目に当たる宣誓行為を繰り返すことは、法律上の婚姻カップルと比べても大きな負担であるため、現在、自治体間の連携により、性的マイノリティーのカップルの転居に伴う手続を簡略化し、負担を軽減する動きが活発になっています。また、これらをなるべくオンラインで済ましていけるような体制整備も重要かと思います。 パートナーシップ宣誓証明制度を導入している自治体が100を超える中で、本市における累積の宣誓証明数は、全国の自治体でトップを走ってきました。本市でもほかの自治体でもここまで浸透してきたパートナーシップ制度について、今後、自治体の枠を超えた連携を着実に進め広げていくことは、国レベルでの制度の検討について働きかけを行う上でも有効なものと思われ、また、市民の間での性的マイノリティーへのさらなる理解促進への大きな原動力になるとも考えています。 ほかの自治体との連携の検討について会派として要望し、ぜひとも今後実現を図ってほしいです。 次に、依存症対策についてお伺いします。 本議会において、IR整備法に基づき、区域認定の申請に向けて、大阪・夢洲地区特定複合観光施設区域の整備に関する計画(区域整備計画)案が上程されています。 区域整備計画については、住民説明会や公聴会において、依存症患者が増加するなど、様々な意見があったと聞いております。このような懸念や不安を払拭するためにも、身近なところで気軽に適切な相談などの支援ができる場が必要であると考えます。 区域整備計画では、大阪府市で実施する依存症対策として、(仮称)大阪依存症センターを交通至便な場所に設置するとの記載があります。 今現在も、ギャンブルに限らず、依存症で困っている方がたくさんおられることから、IR開業を待たずに設置を検討すべきであると考えます。また、設置場所については、交通至便な本市関連施設の有効活用も含め検討すべきと考えますが、今後どのようにして(仮称)大阪依存症センターの設置に取り組んでいかれるのか、市長の御所見をお伺いします。 ○議長(丹野壮治君) 松井市長。     (市長松井一郎君登壇) ◎市長(松井一郎君) IRの区域整備計画では、依存症で困っている方々が気軽に相談等の必要な支援を受けることができるように、大阪独自にワンストップで対応する(仮称)大阪依存症センターを新たに設置し、同センターを中心とする総合的な支援体制の強化、拡充を図ります。 センターにおいては、医師、相談員、心理士など多職種による相談と併せて、自助グループや司法書士等の関係団体による相談をワンストップで受け付け、相談者の抱える様々な問題の整理と支援の方向性を検討し、必要に応じて身近な地域サービスにつなげるとともに、依存症対策の企画立案、調査研究、普及啓発などを行います。 今後、センターの設置に当たっては、有識者の意見等を踏まえ、できるだけ早期に府市共同で設置時期や場所も含めたセンターの在り方についてしっかり検討し、依存症問題に正面から取り組み、有効な施策を着実に実施していきます。 ○議長(丹野壮治君) 宮脇希君。     (79番宮脇希君登壇) ◆79番(宮脇希君) IR実現を待たず、できるだけ早期に大阪依存症センター実現に向け動いていただき、ありがとうございます。 IRが実現する、しないにかかわらず、既に全国においても様々な依存症の問題が存在しております。これらに一刻も早く対応していくため、正面から取り組んでいただくようお願いいたします。 次に、淀川左岸線2期事業についてお伺いします。 淀川左岸線2期について、地盤を改良する工事の施工中に、一部の区間で、近接する沿道に影響が出たことに関して、マスコミなどでは1,000億円もの増額の可能性があると報道されました。すぐに確保できる金額ではないかと思われますので、財源の確保を考える必要があるのではないでしょうか。 また、淀川左岸線2期は、万博開催時のアクセスルートとして暫定的に利用すると以前から聞いておりますが、それ自体が困難となったと受け取れるような報道もありました。 万博時のアクセスルートとしての暫定利用ができなくなったのでしょうか、市長の見解をお伺いします。 ○議長(丹野壮治君) 松井市長。     (市長松井一郎君登壇) ◎市長(松井一郎君) 淀川左岸線は、大阪都市再生環状道路の一部となる路線で、高速道路のミッシングリンクを解消することでネットワークの拡充を図り、関西圏の成長を実現させるために必要不可欠な道路であると認識をしています。 今回、軟弱な地盤の改良のために、地下に砂の杭を造る工事を行っていた際に近隣への影響が確認されたことから、現在、対応策等について検討を行っているところであり、一定の想定をした場合、1,000億程度の事業費の増加の可能性があります。 引き続き安全に工事を行い、市民の皆さんの安全・安心を確保するためにしっかりと技術的検討を行い、着実に事業を進めていく所存であります。 コストの縮減の検討とともに、これまでと同様に国費が確保できるように、国へ働きかけを行ってまいります。 また、議員御質問のシャトルバスのアクセスルートとしての活用については、もともと万博に合わせた整備を進めてきたものではなく、淀川左岸線の工事中の区間を暫定利用するとしていたものでありまして、今回の事象にかかわらず、アクセスルートとして確保してまいります。 ○議長(丹野壮治君) 宮脇希君。     (79番宮脇希君登壇) ◆79番(宮脇希君) 市民の皆さんの安全・安心を第一とした認識の下、安全な工法をしっかり検討してもらいたいです。 淀川左岸線2期は、高速道路におけるミッシングリンク解消のために進めてきた事業であり、さらに万博開催時のアクセスルートとしても大いに期待している事業であります。 一部報道では、全通困難とか、仮設の代替路を検討と取られるような報道が見受けられ、全通できない結果、別の場所に代替路を造るかのような誤解を生じさせているようですが、もともと工事中区間を万博期間に暫定利用するものであります。着実に事業を推進し、大阪の成長、万博の成功、この両方を必ず実現してもらいたいです。 次に、大阪・関西万博の催事を活用した大阪の魅力発信についてお伺いします。 万博では、華やかなパビリオンにどうしても目が行きますが、会場の各所で行われる催事も、万博を彩る大きな魅力であります。 大阪・関西万博の催事について、基本計画では、催事場や屋外イベント広場、ウォーターワールド、メッセなどにおいて、多様な主体により様々な催事が行われるとされており、現在、昨年12月に就任した催事企画プロデューサーの下で具体的な企画が検討されています。 愛知万博においても、各地域がそれぞれの特色を生かし、市民も参加して地域の魅力をPRするような催しが、会期を通じて大々的に披露されたと聞いております。 万博の会期中に、多くの市民や団体、中小企業が催事に参加して、会場を大阪一色としていくような、大阪デーのような特別な機会をつくるべきだと思っておりますが、地元として出展する大阪パビリオンにおいても同様のことが言えるのではないでしょうか。 そのように、自分たちも主役となって会場を盛り上げていくことになれば、準備段階の会期前から会期中を通じて、地元の機運も高まっていくかと思われます。 ぜひ、そのような催しが実現できるよう取り組んでもらいたいと考えますが、市長の御所見をお伺いします。 ○議長(丹野壮治君) 松井市長。     (市長松井一郎君登壇) ◎市長(松井一郎君) 大阪・関西万博は、世界中の国々から集まる多くの方々に対し、大阪の強みであるライフサイエンスや健康関連産業、歴史、文化といった魅力をアピールできる絶好の機会です。 議員お示しのとおり、この機会を捉え、会場ににぎわいをもたらす催事に、府民、市民や地元企業などが参加することで、大阪全体が活気づき、さらなる機運の盛り上がりにもつながっていくと考えます。 今後、博覧会協会において催事企画の検討が進められるに当たり、会場の様々なエリアにおいて、人情味あふれる大阪のおもてなしや、中小企業の世界に誇る技術等を発信できる機会を設けるように、博覧会協会に働きかけをしてまいります。 また、大阪パビリオンにおいても、できるだけ多くの府民、市民が万博に関心を持ち参加いただけるように、府内市町村の参加型イベントや地元中小企業の出展など、様々な地元参加の場を提供してまいります。 ○議長(丹野壮治君) 宮脇希君。     (79番宮脇希君登壇) ◆79番(宮脇希君) 次に、万博を起爆剤とするイノベーションの創出についてお伺いします。 大阪・関西万博は、「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマに掲げ、健康・医療をはじめ、カーボンニュートラルやデジタル化といった取組を体現していくとともに、世界の英知とベストプラクティスを大阪、関西地域に集約し、多様な価値観を踏まえた上での諸課題の解決策を提示していくこととしています。 気候変動や健康寿命の延伸などの世界的な課題に対応するためには、革新的な新技術を使った製品やサービスなどが求められていますが、大阪でそうしたイノベーションの創出が進めば、世界に貢献できるだけでなく、ポストコロナの経済社会を見据えた大阪の再生・成長にもつながります。 大阪、関西では、様々な新技術が研究されていると聞いており、万博を起爆剤として、こうした新技術を生かしたイノベーションの創出を進めるべきと考えますが、市長の御所見をお伺いします。 ○議長(丹野壮治君) 松井市長。     (市長松井一郎君登壇) ◎市長(松井一郎君) 大阪、関西の大学などでは、カーボンニュートラルやライフサイエンスなどの分野で世界的な課題の解決につながる最先端の新技術が研究されています。 京阪神地域は、スタートアップの拠点都市に選ばれ、こうした新技術を生かしたスタートアップの支援が進みつつあります。 大阪の再生・成長に向けて、新技術を生かしたビジネスを次々と生み出していくことが重要であり、本市として有望な技術を活用したスタートアップを発掘し、ビジネスプランの作成やビジネス化を進める人材とのマッチングなどの新たな支援に、スピード感を持って取り組んでまいります。 そして、世界から多くの人々が集まる大阪・関西万博での出展や実証実験へと導き、様々な課題解決や経済成長に貢献するイノベーションの創出につなげてまいります。 ○議長(丹野壮治君) 宮脇希君。     (79番宮脇希君登壇) ◆79番(宮脇希君) 以上、多岐にわたり質問させていただきました。 約500億近い収支不足の中、着実な市政改革の取組の成果から、ようやく通常収支が均衡するところまで持ってくることができました。そして、改革を続けながらも、市民サービスの拡充に常に取り組み、塾代助成の小学5、6年生への拡充、保険適用後の不妊治療施策の検討、ベビーシッターを活用した子育て世帯への負担軽減の検討など、ニーズに応じた子育て世代への支援をしていく方向を確認できました。 子供たちの教育環境の面でも、この間、特色ある教育を掲げ、小中一貫校の整備や、水都国際中学校・高等学校の整備を進めてきました。 今後は、本日の御答弁のとおり、不登校特例校としての今までの枠組みにとらわれない教育の実現、バカロレアなどの新しい教育を継続的に実現していくための体制づくり、小中一貫校の見直しなど、さらに大阪の教育を加速させていく方向性も確認できました。 持続的に成長可能な大阪を目指していくためにも、市民サービスの拡充や万博の成功をはじめ、さらなる大阪の発展を目指していく必要があろうかと思います。 刻々と変わる人々の生活をリードしていけるような大阪にしていきたいと思います。ポストコロナを見据えながら、大阪を前に進めていくための市政運営を実現していただくよう要望いたしまして、私の質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(丹野壮治君) 以上で、宮脇希君の質疑は終了いたしました。 ○議長(丹野壮治君) お諮りいたします。この際、暫時休憩することに決して御異議ありませんか。     (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○議長(丹野壮治君) 御異議なしと認めます。よって暫時休憩いたします。     午前11時43分休憩     午後1時再開 ○議長(丹野壮治君) これより休憩前に引き続き会議を開きます。 ○議長(丹野壮治君) 山田正和君の質疑を許します。 35番山田正和君。     (35番山田正和君登壇) ◆35番(山田正和君) 私は、公明党大阪市会議員団を代表いたしまして、今回上程されております令和4年度の大阪市予算案並びに関連諸案件に関し、市長に対して質問をさせていただきます。 世界中で未曽有の新型コロナウイルス感染症が拡大し、2年がたちました。日本においても、政府主導によりワクチン接種や飲み薬の開発など、あらゆる手段でこの危機に立ち向かい、一日も早い収束に向けて取り組んでいかなければなりません。 こうした中、世界の各国は2030年までに持続可能でよりよい世界を目指すSDGsの取組を進めています。SDGsは、2001年のミレニアム開発目標の後継として、2015年9月に国連サミットで採択された持続可能な開発目標を指しています。これは、17のゴール、169のターゲットから構成された国際目標を定め、地球上の誰一人取り残さないことを誓っています。 一方、大阪市は、2025年の大阪・関西万博を控え、開催都市として世界から大きな注目が集まっています。今後、本市がこのSDGsの取組をいかに具体的に進め、世界最先端の施策を実現し発信していけるのか。これこそが、2025大阪・関西万博に向けて重要なことではないでしょうか。 万博開催都市として、2030年を目標としたSDGsの取組において世界をリードし、誰一人取り残さない大阪を築くべく、以下、SDGsの様々なゴールに照らしながら、具体的な提案を含めて質問をさせていただきます。 まず初めに、SDGsが掲げる目標の10、「人や国の不平等をなくそう」の観点から、大阪市の財政問題についてお伺いします。 令和4年度一般会計当初予算については、経済環境の改善を受けた企業収益の増などにより、市税収入が3年度に比べて533億円の増と3年ぶりに増加したことや、市債残高の減に伴い公債費が137億円の減となったことなどにより、補填財源に依存せずに通常収支が均衡となっています。 また、今後の収支見通しについては、大阪パビリオン整備などの万博関連経費の増や、新型コロナウイルス感染症対策関連経費を織り込んだ上でも大きく好転しています。 国が定める財政指標である健全化判断比率はいずれも良好な水準であり、令和2年度決算では、実質公債費比率が2.7%、将来負担比率が5.3%と、横浜市、名古屋市、京都市、神戸市のいわゆる五大市の中でも最も良好な数値となっています。 新型コロナウイルス感染症が発生した令和元年度以降、本市は幾度にもわたる補正予算により様々な対策を機動的に講じてきたところではありますが、令和3年度末の財政調整基金残高見込みは2,128億円と大きく積み増しています。 これらの状況を見ますと、これまでの市政改革の取組により、本市財政は着実に健全化が進んできたと言えますが、一方で、依然として生活困窮から将来を不安に思う市民も多いのが現状であり、今後、改革の果実をどう生かしていくのかが重要であると考えます。 コロナにしっかりと対応することはもちろんではありますが、それに加え、今こそポストコロナを見据え、大阪のさらなる成長に向けて積極的に投資を行い、市民への還元を進めていくべきと考えます。 現在の財政状況に係る市長の御認識と今後の財政運営に対する御所見をお伺いいたします。 ○議長(丹野壮治君) 理事者の答弁を許します。 松井市長。     (市長松井一郎君登壇) ◎市長(松井一郎君) 本市財政状況は、これまでの市政改革の取組が実を結び、令和4年度当初予算では通常収支が均衡し、今後10年間の財政収支の見通しにおいても、当面はそれを維持することが見通せるところまで来ましたが、財政状況を以前に後戻りさせないことが大事であり、将来世代に負担を先送りしないように、引き続き市政改革に取り組み、持続可能な財政構造にしていく必要があります。 令和4年度当初予算では、ワクチン接種やPCR検査、所得減少世帯、住民税非課税世帯等に対する臨時特別給付金など、コロナ対策は確保した上で、子育て・教育環境の充実においても、新たにヤングケアラーの支援や、誰一人取り残さない学力向上に向けた施策などを盛り込むとともに、2025年万博に向け都市魅力の向上やインフラの充実に取り組むなど、コロナを乗り越えた先の新しい大阪の成長・発展のための予算を確保しております。 今後も、ウィズコロナにおいては、感染防止対策を行いつつ、経済や市民の暮らしを着実に支え、ポストコロナに向けては、万博をインパクトに、健康・医療関連産業のリーディング産業化など、大阪の再生・成長に向けた新戦略における5つの重点分野の取組を加速させるとともに、成長を支える都市インフラの整備など投資も進め、大阪の再生と成長を確たるものとすることで新たな財源を生み出し、市民サービスの拡充につなげてまいります。 ○議長(丹野壮治君) 山田正和君。     (35番山田正和君登壇) ◆35番(山田正和君) 都市インフラの整備などを通し市民サービスの拡充を図るという答弁でした。今後、市民サービスとして還元できるよう、前向きに施策を実行していただきたいと思います。 次に、目標の3、「すべての人に健康と福祉を」の観点から、保健所の体制についてお伺いします。 新型コロナウイルス感染症に係る第6波については、1月中旬以降急速に拡大し、かつ、第5波を大きく上回る感染者数となっています。保健所業務も逼迫し、保健所からの連絡がない、電話がつながらないなど、市民や感染者においては非常に不安なまま過ごされる状況がいまだ続いています。 第6波に向けては、新規感染者数に応じた応援体制を構築するなど、保健所においても一定体制構築を進め対応してきたとは思いますが、新規感染者数が想定を大幅に超える状況下では、ファーストタッチの遅れやデータ入力の遅れなど、マンパワー不足による様々な問題が顕在化しています。また、とりわけ発生届のおよそ6割が手書きによるファクスでの届出とのことで、こういった状況も改善する必要があると考えています。 今回の第6波に向けた体制強化は本当にこれでよかったのか、何が課題だったのかを明らかにすべきと考えます。今回の波で浮き彫りになった様々な課題に対して、原因を追及し、もっと踏み込んだ解決策の検討が必要です。 現在は、まだ第6波への対応が続いていますが、次の第7波に備えて、できるだけ早く、より踏み込んだ検討に取りかかる必要があります。今後の方向性について、市長の御所見をお伺いいたします。 ○議長(丹野壮治君) 松井市長。     (市長松井一郎君登壇) ◎市長(松井一郎君) 新型コロナウイルス感染症対策に係る保健所の体制については、これまでも感染の波が訪れるたびに大きな波になっていることを踏まえ、計画的な体制強化に努めてきましたが、第6波においては、これまでの想定をはるかに上回る規模の感染が急拡大したことにより、ファーストタッチやデータ入力の遅れなど、様々な部分で業務の逼迫が生じたところであります。 業務逼迫の主な要因は、マンパワーや業務の効率化、重点化が、感染の規模や拡大スピードに即応できなかったことにあると認識をしています。 こうした課題を踏まえ、今後は、先を見据えた体制強化として、ICT化を含めたさらなる業務の省力化や、データ入力作業をはじめとした民間活用の拡充など一層の見直しを行うとともに、平常時と非常時に分けた、より迅速で柔軟な応援体制の構築など、これまでの方法や考え方にとらわれず、第7波に備えた抜本的な対応策を講じてまいります。 ○議長(丹野壮治君) 山田正和君。     (35番山田正和君登壇) ◆35番(山田正和君) 市民の皆様からも、コロナ対策についてはたくさんの悲痛な訴えをいただきました。二度と第6波と同様の事態を繰り返さないよう、迅速に課題を総括、検証することを強く要望しておきます。 次に、ワクチン接種についてお伺いします。 感染拡大防止策として、迅速に追加接種を行うことが非常に重要です。また、職域接種も順次開始され、5歳から11歳の小児への初回接種も実施されていくところです。 現在、本市においては約1,700の個別医療機関と7か所の集団接種会場において、ファイザー社製ワクチンとモデルナ社製ワクチンを使用して接種を行っています。 ファイザーのワクチンについては、主に医療機関で接種を行うこととなっており、取扱い医療機関が大幅に増えたことは、接種機会の拡充につながるものではありますが、医療機関からは、ワクチンが足りないといった声も聞きます。高齢者の方の多くは、かかりつけの医療機関で接種したい、初回接種と同じワクチンを打ちたいといったことから、ファイザーへの予約が集中しています。 また、モデルナについては、主に5か所の集団接種会場で接種を行っており、当初は予約が埋まらない状況も見受けられましたが、64歳以下の接種券を配り出してからは、予約もほぼ埋まってきているようです。 しかしながら、初回接種のときと比べて、追加接種については、すぐに予約が埋まらない会場もあり、高齢者の方の接種も遅れている状況にあります。 引き続き追加接種を進めていく中、接種対象である2回目接種を終えた18歳以上の方の接種はいつまでに終わらせるお考えなのか、市長の御所見をお伺いします。 また、今後、接種を迅速に進めていくために、具体的にどのような取組を行っていくお考えなのか、併せて市長の御所見をお伺いいたします。 ○議長(丹野壮治君) 松井市長。     (市長松井一郎君登壇) ◎市長(松井一郎君) 第6波における感染急拡大や、今もなお新規感染陽性者が高止まりの状況となっている中、ワクチン接種の迅速化は最重要課題であると認識しています。 本市では、昨年12月までに初回接種がおおむね完了したことから、追加接種については6か月以上の間隔を空ける必要があることを踏まえ、今年前半には希望する市民の皆さんが接種できるように体制を整えてきたところであります。 また、モデルナの接種体制については、現在、集団接種会場のほか、一定の接種回数を確保できる一部の医療機関のみで実施をしていますが、さらに身近でより多くの医療機関に参加をいただけるように、新たにワクチンの配送体制を整備し、個別医療機関に対し、モデルナによるワクチン接種の協力を要請しているところであります。 今後、より一層、追加接種の促進を図るために、ファイザーで初回接種した方でもモデルナで追加接種していただけるように、交互接種の有効性、安全性などの情報について、ホームページや広報紙、主要ターミナルにおけるデジタルサイネージなどを通じ広く周知を行うとともに、SNSを活用した様々な機会を捉えて、丁寧な情報発信に努めてまいります。 先日、ワクチン接種推進担当大臣とのオンライン会談においても、ファイザーの前倒し供給をはじめ、モデルナによる交互接種の促進について引き続き啓発していただけるように、直接、大臣に要望をいたしました。 今後も、希望する市民の皆さんが速やかに接種を受けられるように、全市を挙げて取り組んでまいります。 ○議長(丹野壮治君) 山田正和君。     (35番山田正和君登壇) ◆35番(山田正和君) 次に、目標の8、「働きがいも経済成長も」の観点から、大阪市の将来ビジョンについてお伺いします。 令和2年11月の一般質問において、大阪府と共に策定する大阪の再生・成長に向けた新戦略について市長に質疑を行い、スタートアップやイノベーションの創出、国際金融都市の実現に向けた挑戦を掲げるなど、5つの重点分野を中心とした経済面の取組を行い、大阪の再生と成長を加速させていくとの答弁がありました。 これまでも、大阪市では、大阪府と共に、大阪の成長戦略に基づき経済成長の取組を進めてきましたが、どのような成果があったのでしょうか。そして、現在、新戦略を推進していますが、この長期化するコロナ禍で、頼みの綱の観光分野などは非常に厳しい状況が続いており、目標の達成が危ぶまれる状況にあります。 今後、大阪・関西の核となる大阪市としては、どういったところで先導的な役割を果たしていくのでしょうか。例えば、脱炭素先進都市を将来ビジョンの柱とするなど、今後、大阪市の将来ビジョンをどのように描き、基礎自治体として市民に対してどのように還元していくのか、市長の御所見をお伺いいたします。 ○議長(丹野壮治君) 松井市長。     (市長松井一郎君登壇) ◎市長(松井一郎君) 大阪市では、これまで大阪府と共に成長戦略の取組を進めてまいりました。結果、来阪外国人旅行者数は、2019年に1,200万人を超え過去最高となったほか、イノベーション創出環境を整備し、大阪スタートアップ・エコシステムとして構築するなど、成果を上げてきたところであります。 これらの取組を土台として、新戦略では、ポストコロナにおいて、健康・医療、観光、イノベーションなどの5つを経済面の重点分野に掲げ、様々な事業を推進しています。とりわけ、大阪市として、スタートアップイノベーション創出において、官民連携でラボを設置し、5Gを活用した新たな製品、サービスの開発に向け支援を進めてきたほか、今後は、2050年脱炭素社会「ゼロカーボンおおさか」の実現に向け、カーボンニュートラルの分野でのビジネス化を支援するなど、引き続き先導的に事業を進めてまいります。 コロナの影響も注視しつつ、新戦略の取組により広く関西の成長にも貢献するとともに、DXの推進などにより、市民の暮らしの満足度やQOLを一層向上させることで、将来にわたり豊かな大阪を実現してまいります。 ○議長(丹野壮治君) 山田正和君。     (35番山田正和君登壇) ◆35番(山田正和君) 次に、目標の9、「産業と技術革新の基盤をつくろう」の観点から、大阪市のDX戦略についてお伺いします。 国においては、デジタルの活用により、一人一人のニーズに合ったサービスを選ぶことができ、多様な幸せが実現できる社会を目指し、昨年9月にデジタル庁を設置したところであります。 一方、地方自治体に対しても、自治体DX推進計画に基づき、令和7年度を目標に情報システムの標準化に取り組むこととするなど、国、地方を挙げてデジタル化を加速させています。 そのような中、大阪市においては、来年度からICT戦略室の名称と事務分掌を改め、デジタルトランスフォーメーション、DXを含めた本市全体のデジタル施策推進に係る支援や指導的役割を担う立場に位置づけられるデジタル統括室にするとのことです。 DXの推進に当たっては、例えば民間企業では、インターネットから商品を購入し配送まで実施するなど、家にいながらサービスを受けることができます。行政分野においても、市民生活にとってどのような効果をもたらすのか期待されるところではありますが、今後、大阪市はDXをどのように進めていこうと考えているのか、市長の御所見をお伺いいたします。 ○議長(丹野壮治君) 松井市長。     (市長松井一郎君登壇) ◎市長(松井一郎君) 今後、変化していく社会情勢の下において、持続可能な形で行政サービスを提供していくとともに、本市の都市としての強みや魅力を高めていくためには、デジタルの活用による変革、社会変容を生み出すDXに取り組んでいくことが重要であると認識をしております。 DXは、業務、サービスそのものを変革する市全体の取組であり、各部局が主体的に進めていくべきものでありますが、本市のデジタル施策の全般にわたって強力にガバナンスを利かせていく必要があることから、令和4年4月にICT戦略室デジタル統括室に改編することとしています。 このデジタル統括室の核としては、例えば各種申請のオンライン化だけではなくて、デジタル技術を活用し、様々な手続や、相談を役所に訪れなくても完結できる状態を目指すなど、サービス、まち、行政といった3つの視点から、本市のサービス、本市のあらゆる分野、施策において、デジタル活用と業務の見直しを前提に、市民、事業者の視点でデザインされ、いつでも簡単、便利、快適に利用できる行政サービスの提供や、効率的かつ質の高い業務運営に向けて着実にDXを推進し、市民QOLと都市力の向上を目指してまいります。 ○議長(丹野壮治君) 山田正和君。     (35番山田正和君登壇) ◆35番(山田正和君) デジタル統括室を核として積極的にDXを進めるという御答弁でしたが、デジタルを利用されない方にとっては、DXによって実現した便利なサービスを受けることができない格差、いわゆるデジタル格差、デジタルデバイドといった状況が生まれ、広がっていくことが懸念されます。 総務省が昨年夏に公表した令和3年度版情報通信白書によると、スマートフォンの世帯保有率は2010年以降急激に上昇し、現在では90%に近づく勢いとなる一方で、年齢別のスマートフォン、タブレットの利用状況に関するデータを見ると、年齢が上がるにつれて低下しており、70歳以上の高齢者では40%にとどまるといったデータが示されています。 高齢化が進む本市においては、DXを推進することはもちろん重要でありますが、それとともに、デジタルになじみのない高齢者等をはじめ広く市民の皆様に、デジタル機器に触れる機会を持ち、実際にサービスを体験して利便性を実感いただくことが大変重要であると考えます。 我が党は、国政レベルの重点政策において、小学校区単位でスマホ講習会や相談会の開催を掲げ、政府にも強く求めてきました。大阪市においても、生涯学習の拠点である小学校区単位でスマホ講習会を行うべきと考えており、今後、具体的な計画を立てていただきたいと考えますが、いつまでに行うのか、市長の御所見をお伺いいたします。 ○議長(丹野壮治君) 松井市長。     (市長松井一郎君登壇) ◎市長(松井一郎君) デジタル化がますます進展していく中、本市としてさらなる市民生活の利便性を追求するために、令和4年度からDXの推進を強力に進めていくところであります。 その一方で、DXによって市民のサービス間に、サービスを受けられる、受けられないといった格差が生まれることは避けねばならず、そのためには市民の皆さんのデジタル機器を扱うICTリテラシーの向上をすることが重要であると認識をしています。 そのためには、地域において可能な限り多くの市民がデジタルに触れる機会を提供する支援が有効であると考えます。小学校区単位でのスマホ講習会等に関しましては、令和3年度から国庫補助事業として、携帯電話ショップ等による講習会が実施されており、本市においても、各区の住民に身近な場所において講習会が開催されているところであります。 あわせて、令和4年度には本市として、行政オンラインシステムをはじめ本市デジタルサービスの設定方法から利用手順まで分かりやすく説明する動画を提供するとともに、区役所と地域団体との連携によるスマホ講習会等の機会を創出し、全ての市民がデジタル化のメリットを享受いただける状況を目指して取組を進めてまいります。 ○議長(丹野壮治君) 山田正和君。     (35番山田正和君登壇) ◆35番(山田正和君) 高齢者が、お住まいの地域でデジタルのメリットを享受できるよう、本市が責任を持って計画を提示していただきたいと、再度要望しておきます。 次に、マイナンバーカードの普及についてお伺いします。 マイナンバーカードについては、デジタル社会の基盤として、その普及が重要であり、国は、令和4年度末までに、ほぼ全ての国民にマイナンバーカードが行き渡ることを目指すとしています。 しかしながら、本年2月1日現在の大阪市民へのマイナンバーカード交付率は43.7%となっており、国が昨年末まで実施していたマイナポイント事業の効果により上昇はしてきているものの、目指すところとはまだ隔たりがあります。 国は、本年1月から、新規のカード取得者にポイントを付与するマイナポイント第2弾を開始し、本年6月からは、健康保険証の利用登録や公金受取口座の登録に対してもポイントを付与することとしているなど、マイナンバーカードの活用シーンの拡大を促進する取組を進めています。 このマイナポイント第2弾を契機として、マイナンバーカードを取得すれば便利になるというメリットをもっと打ち出していくとともに、カードの申請等に係るPRやサポートにも全力を挙げて進めていくべきと考えます。 来年度は、国が示す目標の最終年度となりますが、マイナンバーカードの普及促進に向けて、本市としてどのような取組を行っていくのか、市長の御所見をお伺いいたします。 ○議長(丹野壮治君) 松井市長。     (市長松井一郎君登壇) ◎市長(松井一郎君) マイナンバーカードについては、議員御指摘のとおり、国において健康保険証としての利用や給付金の速やかな受け取りが可能となる口座とのひもづけといった活用シーンの拡大が図られ、さらに今後、運転免許証としての利用や、スマートフォンだけで本人確認が可能となる機能の搭載など、利便性向上が抜本的に検討されております。 また、本市としても、住民票の写しなどの証明書をコンビニで取得することができるほか、厳格な本人確認が必要な行政手続について、マイナンバーカードを利用することで自宅などからパソコンやスマートフォンで手続を行うことができるように、オンライン申請の充実を進めるなど、利便性の向上に取り組んでいます。 今回、マイナポイントの第2弾をはじめとした取組を契機としてしっかり捉え、市民の皆さんにカードを取得するメリットをより感じていただける情報発信を積極的に行うことにより、取得意欲の喚起を図るとともに、区役所などで取得勧奨や、市や市内各所の商業施設や公共施設に臨時に出張申請窓口を設けるなど、申請しやすい環境を提供することで、国の掲げる目標に向けて、一人でも多くの市民の方にマイナンバーカードが行き渡るように、精力的に取り組んでまいります。 ○議長(丹野壮治君) 山田正和君。     (35番山田正和君登壇) ◆35番(山田正和君) 交付率の明確な目標を設定し、具体的な取組を推進していただきたいと思います。 次に、SDGs達成への貢献を目指す2025大阪・関西万博に向けた機運醸成についてお伺いします。 1970年の大阪万博は、高度成長期の日本人に未知の世界を数多く示し、強烈なインパクトを残しました。そのため、70年万博を経験した世代は、万博に対する具体的なイメージがあり、2025年の大阪・関西万博も楽しみにしているという方が非常に多いです。 しかし、例えば若い世代は、そもそも万博というものを知らないので具体的なイメージが湧かず、興味や期待感につながっていないように思います。 万博の成功のためには、万博経験世代だけでなく、若者や子育て世代などを含むあらゆる層に行ってみたいと思ってもらえるようなムードをつくり上げていくことが肝要です。 来年度は、7月に開催1,000日前といった節目のタイミングを迎えます。より幅広い層に万博への関心を高めてもらうため、こうしたタイミングを捉え、強く万博色を打ち出していくとともに、万博についての具体的なイメージを伝えていくべきです。 例えば、開催1,000日前などのタイミングを捉え、市役所へのカウントダウンボードの設置や、テーマソング、キャラクターの発表、日頃多くの人が訪れる区役所でのロゴマークのより一層の掲出などのインパクトあるPRにより、人々に、もうすぐ万博だということを意識づけるとともに、若者を含めたあらゆる層に、万博というのはこんなにすごいイベントだという具体的なイメージを伝えられるような取組を行ってはどうかと考えます。 また、万博誘致の際のような、メトロやシティバスの車両への装飾といった目に見える広報を行うことも、開催に向けたムードを高める上で効果的なのではないかと考えます。 今後の機運醸成に向けた市長の御所見をお伺いいたします。 ○議長(丹野壮治君) 松井市長。     (市長松井一郎君登壇) ◎市長(松井一郎君) 万博の成功には、国内外から年代を問わずあらゆる人々に来場いただくことが重要であり、そのためには万博の魅力発信と開催に向けた機運醸成を、万博協会等と連携をしながら効果的に進めていくことが必要であります。 万博では、各国の英知が結集されたパビリオンや、空飛ぶクルマをはじめとした新技術の体験など、多彩なプログラムが会場の至るところで展開される予定であり、それらは博覧会の大きな魅力となりますが、今後、順次具体化されていくものと考えます。 こうした具体的な内容については、開催1,000日前をはじめとした節目のタイミングやテーマソングの発表などの機会に幅広く発信するとともに、身近な区役所等におけるPRも強化することで、万博への興味や関心をさらに高めていきたいと思っています。 また、万博に向けて機運を一層盛り上げていくために、公共交通機関への車両装飾など、訴求力のある取組も進めてまいります。 ○議長(丹野壮治君) 山田正和君。     (35番山田正和君登壇) ◆35番(山田正和君) 次に、目標の11、「住み続けられるまちづくりを」の観点から、新たな移動サービスとして注目されているMaaSについてお伺いします。 モビリティー・アズ・ア・サービス、いわゆるMaaSは、地域住民や旅行者の移動ニーズに応じて、鉄道やバスなどの公共交通や、それ以外の移動サービスを最適に組み合わせて、スマートフォンのアプリ一つで出発地から目的地までの交通手段を検索し、予約、支払い等を一括で行うことができるサービスであります。 MaaSの導入によって交通手段の選択肢が広がり、公共交通の利用促進につながるほか、観光案内やホテルの予約、支払いなどの観光サービスとも連携することで回遊性が向上し、都市地域の活力や魅力の向上につながるものであり、世界の各都市をはじめ、全国で取組が広がりつつあります。 2025年大阪・関西万博を契機として、ポストコロナの大阪、関西の発展や地域振興のためにも、ぜひとも関西でMaaSを実現すべきだと考えます。 市として、MaaSの実現に向けて取り組んでいくべきだと考えますが、市長の御所見をお伺いいたします。 ○議長(丹野壮治君) 松井市長。     (市長松井一郎君登壇) ◎市長(松井一郎君) MaaSは、公共交通を中心とした移動の利便性の向上を図るものでありまして、観光など様々なサービスと連携することで回遊性の向上につながり、地域の活性化にも寄与する新しいサービスであると考えています。大阪の再生・成長に向けた新戦略においても、その導入を進めるとしています。 現在、Osaka Metroをはじめとする鉄道事業者7社が連携してMaaSの検討を進めており、国においても、府市及び鉄道事業者など関西の官民が一体となった会議が設置され、この広域的MaaSの取組を後押ししていくこととなっております。 本市としても、未来社会の実験場をコンセプトとする大阪・関西万博を絶好の機会として、オンデマンド交通等のさらなる充実などを進め、国や府とも連携して、世界に類を見ない、利用者や市民の目線に立った使いやすいMaaSの実現に向けて取り組み、ラストワンマイルを含む都市交通のシームレスな移動の実現を目指してまいります。 ○議長(丹野壮治君) 山田正和君。     (35番山田正和君登壇) ◆35番(山田正和君) 続いて、交通バリアフリー基本構想についてお伺いします。 本市では、平成15年から18年に交通バリアフリー基本構想を策定し、市内25地区の重点整備地区について、一体的、重点的なバリアフリー化を進めてきました。 国においては、平成18年の現在のバリアフリー法の制定以降、東京2020オリンピック・パラリンピック大会の開催など、社会的状況の変化に応じて、適宜、法改正がされてきました。 さらに、2025年に開催される大阪・関西万博を節目として、より多くの人々が大阪に訪れるため、SDGsが掲げる誰一人取り残さない社会を実現する必要があります。 一方で、基本構想の内容については、策定以降、一度も見直し等がされていないため、昨年11月の決算特別委員会において、今後、変更していくべき部分があるのではないかと指摘してきたところであります。 その際には、基本構想の取扱いについて、区長と連携しながら検討を行っていくとともに、変更に向けた具体的な検討を行っていく場合には、高齢者や障害のある方などの意見を聴取する方法についても検討していくとの答弁がありました。 私としては、耳を傾けるだけではなく、当事者である高齢者、障害のある方が協議の場に入っていただくべきと考えます。こうした取組は、SDGsが掲げる社会の実現にもつながっていくと考えますが、バリアフリー基本構想の見直しについて、市長の御所見をお伺いいたします。 ○議長(丹野壮治君) 松井市長。     (市長松井一郎君登壇) ◎市長(松井一郎君) 本市としても、これまでの法改正等や、万博に関連して策定されるガイドラインの考え方を踏まえ、本市における交通バリアフリー基本構想などの変更に向け、基本的理念や方針、整備内容等に係る検討が必要であると考えます。 このことから、まずは検討に向けて庁内の基本検討体制を構築するよう、関係部局に指示してまいります。また、具体的な基本構想の変更に当たっては、住民や高齢者、障害のある方などの意見を反映させるために必要な措置を講じる必要があることから、学識経験者や高齢者、障害のある方、交通事業者等で構成する協議会を令和4年度中に立ち上げてまいりたいと考えます。 こうした取組を進めることが、SDGsが掲げる誰一人取り残さない社会の実現につながるものであると考えており、引き続き、高齢者や障害のある方をはじめ、大阪に訪れる方々が安心して行動できる人に優しいまちづくりの推進に努めてまいります。 ○議長(丹野壮治君) 山田正和君。     (35番山田正和君登壇) ◆35番(山田正和君) 続いて、地域の実情や特性に即したまちづくりについてお伺いします。 平成30年11月の一般質問を皮切りに、我が会派から、生野区の様々な地域課題を総合的に解決するため、西成区に次いで特区の導入を提案し、新たなまちづくりのモデルケースとなるよう求めてきました。 生野区は、少子高齢化の課題が顕著でありますが、学校再編については、これまでの取組の結果、この4月に新たな小中一貫校が3校開校することになりました。また、閉校となる学校の跡地を活用して、まち全体の活性化につなげるための取組も着実に進んでいます。 昨年11月にも質疑しましたが、将来に向けて、最先端で人に優しい交通システムの在り方として、BRTいまざとライナー、AIオンデマンド交通の社会実験を契機とした高齢者へのスマートフォン普及を目指すシニアスマートシティの取組が行われています。 また、空き家対策、空き地などへの対応、利活用促進に向けて、シェアリングエコノミー事業者と連携し、これまでにない画期的な取組を始めました。 このように、課題最先端のまちであるがゆえに、まちを変える大きなチャンスとも言えます。これらの取組が、まちの再生、最先端のモデルケースとなり、ほかの区にも好影響が波及することを大いに期待していますが、まだ始まったばかりです。 生野区の取組は、前例にとらわれず、予算の重点的配分や局横断的な推進体制により進められてきましたが、今後の取組の継続、さらに進化させていくことが極めて重要でありますが、市長の御所見をお伺いいたします。 ○議長(丹野壮治君) 松井市長。     (市長松井一郎君登壇) ◎市長(松井一郎君) これまでも、区政の課題、特に、より身近な地域のまちづくり課題については、区長が区シティ・マネージャーとして局横断的に統括し、区の特性や地域の実情に即した施策を展開してまいりました。 生野区は、少子高齢化に伴う学校再編や地域福祉、空き家問題など様々な課題が複合していますが、教育環境の改善、整備と、学校跡地の活用によるまち全体の活性化により、職住一体となったまちの活性化が図られるものと期待をしています。 また、府市で策定したスマートシティ戦略を踏まえ、市民生活の質の向上や都市機能の向上を図ることとしていますが、モビリティー分野に関しては、生野区においてAIオンデマンド交通の社会実験が行われており、これを契機に高齢者に対するスマートフォンの利用促進なども行われております。 これらの生野区における取組は、人口減少社会における様々な課題に対応すべき区政運営において、他の区の課題解決のモデルともなり、ひいては市全体の課題解決につながるものと認識をしています。 これまで、義務教育学校の開設や学校跡地の活用など前例のない取組に対し、24区横並びではなくて、予算を重点的に配分するとともに、局横断的な推進体制により取り組んでまいりましたが、引き続き必要な財源や体制を確保した上で、幅広い観点から組織が一体となって検討、対応してまいります。
    ○議長(丹野壮治君) 山田正和君。     (35番山田正和君登壇) ◆35番(山田正和君) 次に、IRに係る市民への効果と理解促進についてお伺いいたします。 IRの実現に向け、区域認定申請に対する同意の議案がこの市会に上程されています。 大阪府市では、昨年12月23日に区域整備計画案を公表し、説明会や公聴会等を実施してきましたが、寄せられた御意見を見ていると、課題や懸念ばかりがクローズアップされており、地域や市民全体にもたらす様々な効果や、魅力ある大阪IRの姿について、もっと理解を深めていってもらう必要があると考えております。 大阪IRでは、日本最大級の国際会議場等から成るMICE施設や最高級の宿泊施設だけでなく、市民にとって世界的なエンターテインメントや食などを楽しめる場が提供されるほか、納付金、入場料を活用した施策の実施などによる効果も期待されると市長はおっしゃっています。 課題や懸念に対してしっかりと応えることは大前提ではありますが、メリットが市民に十分に伝わっているとは思えず、市長がしっかりと訴えていくことが重要であると考えます。市長の御所見をお伺いいたします。 ○議長(丹野壮治君) 松井市長。     (市長松井一郎君登壇) ◎市長(松井一郎君) 大阪の目指すIRについては、これまでセミナーや出前講座、広報紙、動画やパンフレットなど様々なツールを活用して、懸念事項への対策や、大阪IRの意義やプラス効果の情報発信に努めてまいりました。 今般取りまとめました区域整備計画では、IRの立地により年間約1兆1,400億の経済波及効果や、年間約2,600億円の地元調達が見込まれるとともに、新たに1万5,000人の雇用が見込まれるなど、市民にとって雇用の拡大につながることが期待されます。 また、IR開業後には、納付金、入場料として新たに年間1,060億円、府市それぞれに年間530億円の収入を見込んでおり、子育てや教育環境の充実、健康・医療、文化の振興など、市民の暮らしの充実や、次の成長に向けた投資に活用することとしております。 こうした市民へのメリットなども含め、府内全域に大阪IRの概要をまとめたタブロイド紙の新聞折り込み等を行ったところであり、今後も様々な媒体を活用し、引き続き市民の皆さんの理解促進を図ってまいります。 ○議長(丹野壮治君) 山田正和君。     (35番山田正和君登壇) ◆35番(山田正和君) 次に、IR実現に向けた課題の解決についてお伺いします。 区域整備計画では、IRの事業実現に向けた主な課題として、新型コロナウイルス感染症の影響や、国の詳細制度設計のほか、約790億円と見込まれる夢洲の課題への対応が挙げられます。 IRの実現には、これらの課題の解決が必要不可欠ですが、それ以外にも市民からは様々な不安を感じていると聞いています。 例えば、今回の費用負担以外に新たな公金の投入はないのか、また、将来的に経営不振などにより事業者が破綻、撤退することも想定されますが、その場合の本市のリスクはどうなっているのでしょうか。さらに、夢洲では津波や高潮等の自然災害に対してきちんとした対策が講じられているのかなどの市民の声がありますが、これらの課題や不安に対してどのように取り組んでいくのか、市長の御所見をお伺いいたします。 ○議長(丹野壮治君) 松井市長。     (市長松井一郎君登壇) ◎市長(松井一郎君) 新型コロナウイルス感染症については、ワクチン接種等により感染が一定程度収束すれば、観光需要も中長期的には回復をしていくものと認識しており、また、国の詳細制度設計については、早期に法制化、明確化されるように働きかけをしていくこととしております。 また、夢洲の土地課題については、IR事業用地の適性確保に向けて、土地所有者である本市として適切に対応することとしており、今後、上程している債務負担行為の限度額内での執行となるように、適切に取り組んでまいります。 需要変動など、IR事業に係るリスクについては、基本的には事業者が負うこととしており、仮に事業者が破綻、撤退した場合にも、事業継承や再公募等により、IR事業の継続が図られるように努力するものとしています。 防災対策については、夢洲では地盤沈下を見込んだ50年後の地盤高でも、津波や高潮の想定高さ以上を確保するほか、夢洲へのアクセスとなる橋梁やトンネルの耐震性を確保することなどにより、安心・安全なまちの実現を図ることとしております。 大阪府市、事業者としては、これらの課題の解決とIR事業の実現に向け、引き続き、公民連携して取り組んでまいります。 ○議長(丹野壮治君) 山田正和君。     (35番山田正和君登壇) ◆35番(山田正和君) 次に、ギャンブル等依存症対策の充実強化についてお伺いします。 我が会派は、IRを誘致するならば、ギャンブル等依存症の対策にしっかりと取り組んでいかなければならないと訴えてきました。 市民の意見を見ても、カジノの設置によりギャンブル等依存症が増えるとの懸念が依然大きいですが、現在、競馬や競艇などの公営ギャンブルやパチンコなどのCMがテレビなどでも公然とされている反面、これまでギャンブル等依存症対策は大きく進展してきませんでした。 このような中、新たにカジノが設置されることについて懸念の声が上がるのは当然だと思います。IRの開業に向けては、市民の懸念を払拭するしっかりとした取組を明確に示すことが重要と考えますが、改めて市長の御所見をお伺いいたします。 ○議長(丹野壮治君) 松井市長。     (市長松井一郎君登壇) ◎市長(松井一郎君) 大阪府市とIR事業者は、世界の先進事例に加え、大阪独自の対策をミックスした総合的かつシームレスな取組を構築すべく、その内容を区域整備計画に取りまとめました。 IR事業者は、IR整備法の世界最高水準のカジノ規制を遵守した上で、MGM社の知見とノウハウを最大限活用した依存防止のためのプログラムや、時勢に応じた最新のICT技術の導入などにより、着実に依存防止対策を実施してまいります。 また、大阪府市においては、依存症対策の企画立案や、相談、医療、回復のワンストップ支援を行う拠点として、(仮称)大阪依存症センターを新たに設置することをはじめ、既存のギャンブルに起因するものも含め、普及啓発、相談、治療、回復支援に係る総合的な取組を強化してまいります。 シンガポールの例を見ますと、国を挙げて依存症対策に取り組むことで、カジノのオープン前後において、ギャンブル等の依存症が疑われる者の割合が減ってきており、大阪府市として、こうした好事例も参考にしながら、依存症対策のトップランナーを目指して、万全の対策を講じてまいります。 ○議長(丹野壮治君) 山田正和君。     (35番山田正和君登壇) ◆35番(山田正和君) 次に、目標の16、「平和と公正をすべての人に」の観点から、ヤングケアラーの支援についてお伺いします。 ヤングケアラーへの支援については、我が会派としては、対策が急務な重要課題であると捉えており、昨年3月の代表質問を皮切りに、9月、11月と重ねてその重要性を訴えてきました。 昨年の代表質問では、学校、福祉、保健、医療、行政窓口などの関係部署が連携した全庁的な取組を進めていく旨の答弁をいただき、5月に副市長をリーダーとするプロジェクトチームが立ち上げられました。そして、市立中学校の生徒を対象とする実態調査の実施、24区役所での相談窓口設置の明確化などの取組が進められてきました。 区役所窓口の設置については、12月には全区役所のホームページで公表されたとのことでありますが、9月から先行して取り組んでいる私の地元生野区役所でも、ヤングケアラーではないかという相談は1件あっただけだと聞いています。 一方、中学生調査に加え、昨年10月から12月にかけて行われた市立高校生徒を対象とする実態調査では、回答者の5.3%、193人が「世話をしている家族がいる」と回答しています。負担の程度は様々かもしれませんが、市立高校の生徒だけでも、少なくともこうした人数が確認されており、小学生、中学生なども合わせると、市内には相当数のヤングケアラーが存在します。 ヤングケアラーに支援を届けていくには、LINE相談などの子供が身近なところで気軽に相談できる環境づくりとともに、学校、福祉、医療、地域といった、子供やその家族と関わる関係者への研修や、広報啓発が対策の要だと考えます。 社会全体の気づきの感度を上げ、確実に支援につないでいくことが鍵となります。子供らしい生活を送ることができずに、日々悩み苦しんでいるヤングケアラー支援に取り組んでいただきたいと考えますが、市長の御所見をお伺いいたします。 ○議長(丹野壮治君) 松井市長。     (市長松井一郎君登壇) ◎市長(松井一郎君) ヤングケアラーに支援を届けていくためには、子供が相談しやすい環境整備をし、その声に耳を傾けるとともに、子供やその家族と接する様々な関係者に、その子供はヤングケアラーではないかという視点を持って接していただくことが重要であると考えます。 そこで、ヤングケアラー支援に向けて、来年度は、子供たちが相談しやすい環境の整備を図るためにスクールカウンセラーを増員し、全市立小中学校等でおおむね月1回以上の支援体制を構築してまいります。 また、元の当事者等が聞き手となれるオンラインサロンや、市内に拠点を構え相談を受けるピアサポートを行うとともに、希望に応じて区役所等の関係機関へ同行するなどの支援を実施することとしています。 さらに、子供やその家族と接する方々には、ヤングケアラーへの理解を深めていただくために、引き続き、学校、福祉、医療、地域の関係者への研修を実施し、気づきの感度を上げ、相談につないでいくようにしてまいります。 最後に、広報啓発については、本市では調査の結果、分析中ではあるものの、非常に高い回答率を伴う市立中学校生徒の実態調査を行っているので、令和4年度から令和6年度までの認知度向上の集中取組期間と位置づけた国の取組と連携させながら、調査結果に基づいて、地域のヤングケアラーの実情を市民に分かりやすく伝えていきます。 いずれにいたしましても、ヤングケアラーの課題については社会全体の理解を深め、子供やその家族に寄り添い、解消を図る必要があります。未来のある子供たちの支援に向けて、様々な関係者としっかり連携し、子供本人や関係者からの相談を、子供や家族への支援につなげていけるように、プロジェクトチーム会議で外部有識者と検討を重ね、全庁的な取組を全力で進めていきます。 ○議長(丹野壮治君) 山田正和君。     (35番山田正和君登壇) ◆35番(山田正和君) 悩み苦しんでいるヤングケアラーの支援は、待ったなしの状況です。スピード感を持って進めていただきたいと思います。 続いて、児童相談所の人材確保についてお伺いします。 先日の新聞報道では、コロナでの休校・休園などで親子が一緒の時間が増える一方で、学校園など外の目が届きにくく、昨年、警察が虐待疑いで児童相談所に通告した子供が10万人超と、17年連続で過去最多を更新しているとのことであり、全国的に児童虐待が深刻になっています。 そのような状況に対し、本市では、こども相談センターの整備が順次進められており、今年度4月に北部こども相談センターを開設し、令和8年度には、鶴見区に4か所目となるこども相談センターの開設を予定しています。 ところが、一部のセンターでは、発達相談について、まだその体制が十分でないために、子供の発達に不安を抱え、早く相談したいと思っている保護者がいるにもかかわらず、申し込んでからの待機日数が長くなっているところがあります。 3か所体制となった現時点で、保護者が希望する相談に迅速に対応できていないということであれば、さらに多くの人員が必要となる4か所体制になったときに、センター間で格差が広がったりしないか、業務を滞りなく行えるだけの必要な人材を確保できるのかを危惧しています。 優秀な人材を確保するためには、例えば処遇改善や働きやすい職場環境を整えるなど、こども相談センターにおいて速やかに児童に関する相談や、虐待へ対応するための安定的な体制を構築していくべきと考えますが、市長の御所見をお伺いいたします。 ○議長(丹野壮治君) 松井市長。     (市長松井一郎君登壇) ◎市長(松井一郎君) 重大な児童虐待ゼロを目指す中で、早期にその芽を発見し、迅速、的確に対応、支援していくことが重要です。 児童福祉の中核的専門機関であるこども相談センターにおいては、児童虐待を含め、児童に関する様々な相談に応じていますが、心理相談は、臨床心理士職員を中心に、専門的立場から対象児童の心理的アセスメントや助言、指導、心理治療を行っております。心理相談のうち発達相談は、保護者から直接お受けするもの、また、区役所の保健担当や子育て支援室から依頼されるものがありますが、12月の時点では、一部のセンターで、申込みから最長4か月半待っていただいたと聞いています。 臨床心理士職員については、児童相談所やその他様々な事業所で必要性が高まっており、その確保が困難な状況でありますが、国の配置基準を目指した計画的配置の一環として、こども相談センター全体として、この4月から相談業務に従事する本部職員をさらに10人増員する予定であり、待機期間を短縮できるものと考えます。 こども相談センターは、専門的な知識や技術を要する相談に対応しており、市民に最も身近な区役所等と連携し、子供と家庭を支援することが必要であります。 こども相談センターの4か所体制に向けては、人材の計画的な確保と採用後の育成に努めて、専門性を確保し、子供たちが健やかに成長できるような体制を整えてまいります。 ○議長(丹野壮治君) 山田正和君。     (35番山田正和君登壇) ◆35番(山田正和君) 市長が自ら公約に掲げられた重大な児童虐待ゼロに向けて、しっかりと取り組んでいただきたいと思います。 次に、目標の10、「人や国の不平等をなくそう」の観点から、医療的ケア児の対応を含む待機児童対策についてお伺いします。 待機児童の解消は喫緊の課題であり、我が会派としても、早期に解消するよう強く求めてきました。 市長は、この間、待機児童の解消を目指し取り組んでこられましたが、昨年4月時点での待機児童数は14人に減少したものの、いまだ利用保留児童は2,000人を超える状況です。 また、近年、待機児童数の減少に伴い、これまで潜在化していた障害児の待機が明らかとなったことから、我が会派としても、障害児の受入れの強化について指摘してきました。 特に、医療的ケアの必要な児童の受入れに当たり、安全・安心な保育を行うためには、保育士に加え、専属で従事する看護師の確保が必要となることから、市会でもその重要性を議論し、対策の強化を求めてきたところです。 本市では、このような状況を受け、看護師の人件費補助制度の創設などを実施した結果、医療的ケアの必要な児童を含む障害児の受入れが進んできました。 現在は、コロナ禍により保育所の利用申込みにも影響が出ているようですが、都心部において大規模マンションの建設が計画されているなど、今後も保育ニーズの増加に伴う入所枠不足も憂慮されることから、予断を許さないと考えます。 待機児童ゼロの実現を目指し、市長はどのように取り組まれるのか、御所見をお伺いします。 ○議長(丹野壮治君) 松井市長。     (市長松井一郎君登壇) ◎市長(松井一郎君) 待機児童対策については、市政の最重要施策の一つに位置づけ、保育を必要とする全ての児童の入所枠確保に向けて、あらゆる手法を駆使して取組を進めてきました。 その結果、最近の4年間で約9,500人分の入所枠を確保でき、待機児童数が過去最少となったことは大きな成果だと思っています。 また、この4月には、本市条例に基づく事前協議を踏まえた大規模マンションでの保育所の開設や、特別対策である都市公園内の保育所も開設するなど、待機児童対策は着実に進んでいると考えています。 医療的ケアを必要とした児童を含む障害児の受入れについても、民間保育所に対して、看護師の人件費補助の創設や、教材、物品費の補助など支援策の強化に取り組むとともに、公立保育所においても受入れ体制を強化したことから、令和3年4月では、前年の4月と比較して、公立、民間合わせて86人の障害児の受入れ増となり、そのうち医療的ケアを必要とする児童も、前年の8人から21人と大幅に増加しました。 令和4年4月に向けた保育施設の利用申込みは、コロナ禍の影響などにより昨年より減少していますが、今後、大阪・関西万博等により経済活動が活性化することも期待され、雇用状況の改善などにより、当面、保育ニーズは増大すると考えています。 引き続き、認可保育所等の整備や保育人材の確保策、障害児の受入れ促進策など、あらゆる手法を駆使して入所枠の拡大を図り、待機児童の解消を目指してまいります。 ○議長(丹野壮治君) 山田正和君。     (35番山田正和君登壇) ◆35番(山田正和君) 次に、目標の4、「質の高い教育をみんなに」の観点から、小中学校給食の恒久的無償化についてお伺いします。 我が会派は、教育は本来無償であるべきと考えており、教育費の無償化は、子育て世帯に対する教育費の負担軽減として、全員全額を無償とする完全無償化により行うよう一貫して求めてきました。 大阪市の公立小中学校においては、コロナ禍による厳しい状況を踏まえ、令和2年度及び3年度について、児童・生徒の給食費は、全員全額無償とされています。令和4年度についても、給食費の全員全額無償措置を継続する意向を市長は示されています。 現在、本市で行われている給食費の無償化措置は、コロナ禍においても子供をしっかりと守り、子育てを応援していく意義ある施策であり、我が会派の求めに応じて進めてこられた点は評価しています。 学校給食は、教育課程に位置づけられている重要な学校教育活動です。幼児教育の無償化と同様に、国に先駆けて本市から、恒久的な制度として給食費の完全無償化を実現すべきと考えますが、市長の御所見をお伺いします。 ○議長(丹野壮治君) 松井市長。     (市長松井一郎君登壇) ◎市長(松井一郎君) 本市の小中学校においては、新型コロナウイルスの感染拡大による厳しい社会情勢を踏まえ、緊急的な措置として、令和2年度及び令和3年度について、全ての児童・生徒の給食費の無償化をしております。 新型コロナウイルス感染症は経済にも深刻な影響を及ぼしており、市民の皆さんの生活に大きな負担となっています。新型コロナウイルス感染症については、いつ感染が収束するか、また、いつ落ち込んだ経済が回復できるのか、いまだに見通すことが難しい状況にあることから、令和4年度についても、学校給食費の無償化措置を継続したいと考えております。 給食費無償化の在り方については、引き続き、教育の一環として給食が果たす役割や財政状況など、様々な観点から検討を進めてまいります。 ○議長(丹野壮治君) 山田正和君。     (35番山田正和君登壇) ◆35番(山田正和君) 公明党は、給食は教育活動の一環であるとの観点から、徹して小中学校の給食の無償化を訴えていきたいと思います。大阪市の子供たちの健やかな成長のため、市長におかれましては前向きに検討していただきたいと、再度要望しておきます。 続いて、教育振興基本計画についてお伺いします。 本定例会で新たな教育振興基本計画が上程され、今後4年間の教育施策の方向性が議論されます。また、市長就任当初から掲げられた市立の高等学校の大阪府への移管、教育委員会事務局の4ブロック化により、これまで以上に義務教育に集中して、よりきめ細やかな支援を学校に行う体制が完成します。 その一方で、新型コロナウイルス感染症の影響として、先日公表された全国体力・運動能力、運動習慣等調査では、子供たちの体力が大きく低下しましたが、このように数値で測定できる能力に限らず、心や体の面で子供たちに深刻な影響を与えていることが懸念されます。 学校給食費の無償化に取り組まれるなど、経済的な支援は進んでいますが、子供たち自身がこの予測困難な現代社会を心豊かに力強く生き抜いて、自らの力で未来を切り開いていくためにも、教員が一人一人の子供に寄り添い、それぞれの個性に応じた指導を行いながら、意欲やコミュニケーション力といった基本的な能力を高めていくことが必要です。 その意味でも、子供たちに直接関わる教員の資質の向上や、子供たちがその時間の多くを過ごす学校が果たす役割は大きく、新たな体制が整った今後は、より意識的かつ重点的に取組を推進していくべきと考えます。 今後の教員の資質の向上や学校への支援の方向性について、市長の御見解をお伺いいたします。 ○議長(丹野壮治君) 松井市長。     (市長松井一郎君登壇) ◎市長(松井一郎君) 新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、運動会など学校行事や泊行事、部活動など、集団で行う活動が制限されたことから、子供たちには、御指摘のように目に見えにくい影響があるのではないかと懸念しています。私としても、できるだけ修学旅行などの学校行事が実施できるように支援をしてきたところです。 新型コロナウイルス感染症の収束が見えない中ではありますが、子供たちが心身ともに豊かになれるように、文化的、体験的な活動を積極的に支援してまいります。 議員御指摘のとおり、教員の資質向上や学校の教育基盤の整備は、子供たちの学びを支える重要なものであります。次期教育振興基本計画には、これまでの2大目標に加え、ICTを活用した教育の推進や、人材の確保育成など、学びを支える教育環境の充実を新たな最重要目標として掲げ、教育委員会と共に重点的に取り組みます。 ICTを活用して、学びの保障はもちろんのこと、心の天気やいじめアンケートなどにより子供の心の状態や日々の生活の状況を可視化し、いじめ、不登校などの未然防止や迅速な対応につなげてまいります。 また、直接子供に関わる教員が資質を高め、本来の業務である教育活動に専念できるように、引き続き教員の働き方改革に力を入れて取り組んでいきます。 さらに、令和6年度に開設する総合教育センターでは、大学と連携して、様々なデータや教育実践を蓄積し、分析、研究を行うシンクタンク機能や研修の強化を図ることとしています。 これらの施策に取り組み、教員の資質の向上、負担軽減、教育環境の充実を総合的に推進することで、次期教育振興基本計画の基本理念に掲げる子供たちの育成につなげてまいります。 ○議長(丹野壮治君) 山田正和君。     (35番山田正和君登壇) ◆35番(山田正和君) 次に、目標の8、「働きがいも経済成長も」の観点から、基本条例を踏まえた今後の中小企業振興についてお伺いします。 市内事業所の約99%を占める中小企業は、市民の雇用、生活を支えるとともに、今後の大阪の持続的発展や豊かな地域社会の実現に向けて必要不可欠な存在です。 しかしながら、グローバル化に伴う急激な経営環境の変化や少子高齢化による内需の減退などにより、中小企業を取り巻く環境は日々厳しさを増しています。 そのような状況を踏まえ、中小企業振興に向けた基本理念を明らかにするとともに、市政の重要な柱の一つとして施策を総合的に推進することを目的として、約10年前の2011年に大阪市中小企業振興基本条例が、我が会派からの議員提出により可決、施行されたところです。 ただ、この10年間の中小企業の状況を振り返ると、インバウンドの増加等により、全体としては経済成長を見せる2011年度から、コロナ発生以前の2018年度であっても、製造業ではマイナス2.6%と、マイナス成長となっています。さらに、近年ではコロナ感染拡大や原材料不足なども追い打ちとなり、さらなる苦境を強いられている事業者が増加しています。 こうした現状を踏まえ、改めて基本条例の趣旨、目的を再認識いただきながら、事業継続に資する資金繰り支援や人材不足の解消に向けた支援等の中小企業振興にしっかりと取り組んでいただく必要があると考えますが、市長の御所見をお伺いいたします。 ○議長(丹野壮治君) 松井市長。     (市長松井一郎君登壇) ◎市長(松井一郎君) 本市では、条例の基本理念に基づき、国や経済団体等とも連携しつつ、大阪府市一体で大阪産業局を設立するなど支援機能の強化をしながら、中小企業振興施策に取り組んできました。 一方で、2011年度から2018年度までの市内総生産は、大阪市全体でプラス4.2%と成長を遂げている反面、製造業のように厳しい経営環境に置かれている業種があることも認識をしています。 このような事業者に対する事業継続支援については、コロナ禍における実質無利子無担保融資等の申込みに必要となる認定書を政令市で最多の7.8万件発行するなど、信用保証制度を活用した資金繰り支援に取り組んでいます。 今後も、国が新たに打ち出したコロナ関連融資の継続、拡充に対応し、引き続き認定書の発行体制を確保することにより、事業者の資金需要をしっかり支えてまいりたいと考えています。 また、来年度からは、人材不足に対応したDXによる生産性向上など、中小企業の収益力強化に資するDX推進支援にも力を入れていくことに加えまして、中小企業の外国人材の受入れに関する支援体制であるマッチングプラットフォームを府市で整備し、人材不足等の経営課題の解決を支援してまいります。 今後についても、国や関係団体等と緊密な連携並びに施策の一体的な展開を図るとともに、本市として中小企業の皆さんにしっかり寄り添った支援を行うことにより、その変革や成長・発展を促し、大阪の地域経済の活力向上につなげてまいります。 ○議長(丹野壮治君) 山田正和君。     (35番山田正和君登壇) ◆35番(山田正和君) 中小零細企業を回りますと、資金繰りなどに関するお声を多数いただきます。大阪の地域経済を支える中小零細企業への力強い支援を積極的に検討していただくことを求めておきます。 次に、目標の11、「住み続けられるまちづくり」の観点から、音楽関連施策の推進による芸術文化都市づくりについてお伺いします。 新型コロナウイルスの感染拡大により、様々な公演やイベントが中止、延期を余儀なくされるなど、芸術文化活動は深刻な影響を受けています。 これまでも、大阪は、歴史的にも芸術文化活動が盛んに行われ、有名な方もたくさん輩出してきました。これら築き上げられた芸術文化の灯を絶やすことのないよう、その回復や活性化に注力しなければなりません。 一方、今年2月の大阪中之島美術館の開館を契機として、市民の芸術文化に対する関心は非常に高まっており、芸術文化施策の展開で新たな流れを生み出す絶好の機会ではないかと考えます。 例えば、中央公会堂などの文化施設が集積し、歩行者空間化された広場も整備されている中之島のような場所において、その特性を生かしながら様々な音楽イベントを実施することは、市民の皆さんが音楽に触れる機会の拡大にもつながり、文化の裾野を広げる有効な手段だと考えます。 また、このような取組を広げていくことにより、大阪が音楽であふれるまちとなり、にぎわいの創出にも大いにつながるのではないかと考えます。 大阪・関西万博の開催も見据え、コロナで影響を受けた芸術文化活動の回復に合わせて、音楽に関連する施策の推進による芸術文化都市づくりにも積極的に取り組んでいくべきだと考えますが、市長の御所見をお伺いします。 ○議長(丹野壮治君) 松井市長。     (市長松井一郎君登壇) ◎市長(松井一郎君) 芸術文化活動は、人の心を豊かにし、安らぎと活力を与えるものとして、社会にとって大切な要素であり、新型コロナによる影響の回復は、大阪の多彩で豊かな芸術文化を次世代に継承する点でも重要と認識しています。 また、第3次大阪市文化振興計画においても、基本理念の一つとして「あらゆる人々が文化を享受できる都市」を掲げ、市民の自主性、創造性の発揮や、市民が芸術文化に参加できる環境整備など、文化共創都市大阪の実現に向けて取り組んでおります。 そうした中、人々が親しみやすい音楽についても、これまで大阪クラシック事業や大阪文化芸術創出事業などを通じて、市民の公演の機会や鑑賞の機会を創出してきたところです。 来年度は、文化芸術創出事業の規模拡大などコロナ関連施策の充実を図り、中之島など市内各エリアにおいて事業を展開するとともに、将来の芸術文化を担う次世代の育成に努めるなど、芸術文化都市として、ブランド力向上にもしっかり取り組んでまいります。 ○議長(丹野壮治君) 山田正和君。     (35番山田正和君登壇) ◆35番(山田正和君) 2025大阪・関西万博に向けて、エンターテインメントをはじめ、芸術文化の力は非常に大きいと考えます。大阪の芸術文化をより一層活性化させる施策の実施を要望しておきます。 次に、木材利用についてお伺いします。 森林は、SDGs目標13や15といった地球温暖化の防止や土砂災害の防止、水源の涵養、生物多様性の保全など、多面な機能を有しています。また、森林から生産される木材は再生産が可能な循環資源であり、建築物等で利用することによりリラックス効果をもたらすなど、環境や人に優しい素材です。 大阪市のように市街化された都市部において、我が国の木材を有効活用し、多面的な機能を有する森林の整備や保全に貢献していくことが、国の進める地域循環共生圏やSDGsの目標11の「住み続けられるまちづくりを」の観点から大変重要です。 そのため、これまで我が会派は、公共建築物や、2025年大阪・関西万博のようなシンボリックで発信力のある建築物などへの木材利用を進めていくべきと指摘してきたところであります。 国は、自治体の木材利用等の取組を後押しするため、令和元年度に森林環境譲与税を創設しましたが、令和4年度からは総額500億円に増額し、市町村への譲与割合を増やすこととしており、大阪市には約3億円が配分される予定です。 これまで、大阪市は、こうした国の財源を活用し、市民に身近な区役所や図書館など、公共施設の木質化を進めてきました。小中学校などには木製品の椅子や机を導入するなど木材利用を促進してきましたが、SDGsが達成された社会の実現を目指す2025年大阪・関西万博の開催都市として、森林環境譲与税を大いに活用すべきであります。 木材利用に積極的に取り組み、多くの市民、とりわけ将来を担う子供たちに木材のよさを肌で感じながら、SDGsの取組を実感してもらうことが重要であると考えますが、市長の御所見をお伺いします。 ○議長(丹野壮治君) 松井市長。     (市長松井一郎君登壇) ◎市長(松井一郎君) 国産木材の利用を促進し、森林の整備を進めることは、地球温暖化対策の重要な取組であるとともに、国土の強靱化や水源の涵養、ヒートアイランド現象の抑制など、多面的な効果が期待できます。 本市のような経済活動が活発な大都市が、森林を育てる地域で生産された木材を積極的に活用し、それぞれでの暮らしをより豊かにしていくことは、都市と地域が支え合う持続可能な社会づくり、いわゆるローカルSDGsにつながるものと認識しています。 木材利用については、これまでも、大阪市公共建築物等における木材利用基本方針に基づき、私がトップであります大阪市地球温暖化対策推進本部の枠組みを活用し、全庁的に進めてきたところであります。 引き続き、森林環境譲与税を有効に活用し、未来を担う子供たちをはじめ、広く市民に木材のよさを身近に感じてもらうなど、SDGsの視点を持って国産木材の積極的な利用に取り組み、2050年ゼロカーボン大阪の実現を目指してまいります。 ○議長(丹野壮治君) 山田正和君。     (35番山田正和君登壇) ◆35番(山田正和君) 最後に、全庁的なSDGsの推進についてお伺いします。 我が会派では、SDGsの掲げる持続可能な社会を実現するため、これまで市会での質疑や予算要望において、SDGsの全庁的な推進体制の構築や、内閣府のSDGs未来都市への応募など、様々な提案を行ってきたところであります。 それらを受けた大阪市の取組の結果、昨年度にはSDGs未来都市に大阪府と共に選定されて、評価しております。 しかしながら、市民の方から、各局、各区のSDGs担当窓口が分からないといった声を聞くほか、令和3年1月に公表された民間の全国市区SDGs先進度調査では、全国815市区団体中の49位となっており、万博開催までの3年でベストテンに入るくらいの勢いで、今後もSDGsを積極的に推進していく必要があると考えます。 そのためには、SDGs推進室などの設置や、各局、各区にSDGs担当職員を配置するなど推進体制を強化していくべきと考えますが、市長の御所見をお伺いします。 ○議長(丹野壮治君) 松井市長。     (市長松井一郎君登壇) ◎市長(松井一郎君) 本市では、言うまでもなくSDGsは重要な目標であると認識しており、大阪市まち・ひと・しごと創生総合戦略の中でその理念を位置づけて取組を進めるとともに、その推進体制については、平成30年に私をトップとする組織に改編して強化をしてまいりました。 令和2年7月にSDGs未来都市として国の選定を受け、「いのち輝く幸せな暮らし」、「多様なチャレンジによる成長」、「世界の未来をともにつくる」という3つの目標を掲げた計画の下、ペットボトルを使った循環型社会の実現に向けた取組や、各区等における市民への普及啓発の強化など、全庁的に取組を推進しています。 これにより、府民のSDGs認知度は、平成30年11月の17.9%から、令和3年9月の72.3%と、4倍に向上しました。 今後、各局、区役所にSDGs推進担当を設置するなど体制を強化し、市民や企業の方々にもSDGsを自分事として捉え、実際の行動につなげていただけるように、引き続き全庁挙げて取組を推進してまいります。 ○議長(丹野壮治君) 山田正和君。     (35番山田正和君登壇) ◆35番(山田正和君) 以上、市政全般にわたり質問をさせていただきました。 引き続き、一日も早いコロナの収束に向けて取り組んでいくとともに、誰一人取り残さない大阪を構築するため、各常任委員会においても、市民目線に立ち、より具体的な提案も含めて議論させていただくことを申し上げまして、私の質問を終了させていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(丹野壮治君) 以上で、山田正和君の質疑は終了いたしました。 ○議長(丹野壮治君) お諮りいたします。この際、暫時休憩することに決して御異議ありませんか。     (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○議長(丹野壮治君) 御異議なしと認めます。よって暫時休憩いたします。     午後2時23分休憩     午後3時再開 ○副議長(西川ひろじ君) これより休憩前に引き続き会議を開きます。 ○副議長(西川ひろじ君) 花岡美也君の質疑を許します。 23番花岡美也君。     (23番花岡美也君登壇) ◆23番(花岡美也君) 冒頭、質疑に先立ち申し上げます。新型コロナウイルス感染症によりお亡くなりになられた方々に謹んでお悔やみ申し上げるとともに、新型コロナウイルスと戦う医療従事者の方をはじめとする全ての方々に対し、心より敬意と感謝の意を表します。 また、ウクライナをめぐる国際情勢について、1日でも早く平和を取り戻すことを強く求めます。 私は、自由民主党・市民クラブ大阪市会議員団を代表いたしまして、令和4年度予算案並びに関連諸案件について、市長に質問させていただきます。 現在、大阪府やその他都道府県において、新型コロナウイルス感染症に関して、まん延防止等重点措置が実施されています。感染者は下降ぎみであるものの、依然、重症、中等症の陽性者もおられ、今なお予断を許さない状況にあります。 今後、新規感染者を抑え込み、現在行われている3回目のワクチン接種が迅速に行えるよう、全庁を挙げた新型コロナウイルス感染症対策をさらに推進していくことが重要であります。 本日は、新型コロナウイルス対策についてもお伺いいたしますが、大都市である大阪市が抱える都市問題を中心に、多岐にわたり市長にお伺いいたします。 それでは、人口減少問題についてお伺いします。 令和2年国勢調査の結果、前回の平成27年調査と比較をすると、市の中心部の人口増加により、市全体の人口は増加していますが、市の周辺部では人口減となっています。24区のうち9区では人口減となり、減少率では、西成区が5.2%と最も高く、次いで大正区が4.7%、住之江区が2.4%でありました。市の周辺部では少子高齢化も特に進んでおり、まちの活力が損なわれつつある状況です。 さらに、令和2年3月に市が公表した人口ビジョンにおいて、令和27年には、特に市の周辺部で人口減少が著しいと想定されており、地域の活力低下が懸念されています。 こういった状況を踏まえ、これまでも区CMの下、地域の特性や実情に即した住民サービスや地域魅力の発信など、人口減少に対する様々な施策を展開していると認識しています。 しかしながら、それだけでは不十分であり、私は、大阪市全体の都市政策ビジョンを示すとともに、人口減少問題など共通課題を持つ区の取組の方向性を、大阪市として明確に示すべきではないかと思います。 特に、市の周辺部での人口減少に対する取組をより強化していくために、全市を挙げて対策を推進していく必要があるのではないでしょうか。市長の御見解をお伺いします。 ○副議長(西川ひろじ君) 理事者の答弁を許します。 松井市長。     (市長松井一郎君登壇) ◎市長(松井一郎君) 本市では、大阪市人口ビジョンを踏まえ、大阪市まち・ひと・しごと創生総合戦略を策定し、子育て世帯への重点投資や、魅力や活力あふれる大阪の実現に向けた取組を推進するなど、多様な施策を総合的に推進してきた結果、市内全体の人口は増加基調となりました。 しかしながら、人口ビジョンでは中長期的に人口は減少に転じ、市内中心部以外の多くの区では減少するとも見込んでいます。 このため、引き続き総合戦略に基づく取組を強化するとともに、各区長がそれぞれの区の特性を生かしたまちづくりを進める中で、各区に共通する課題について、区長会議が主体となり、関係局と連携しながら課題解消に向けた取組を進め、将来にわたり活気ある誰もが安心して暮らせるまちとなるよう、様々な施策を展開してまいります。 ○副議長(西川ひろじ君) 花岡美也君。     (23番花岡美也君登壇) ◆23番(花岡美也君) 都市問題として、全市を挙げて取り組むことを要望いたします。 続いて、人口減少問題の取組として、企業誘致による都市の活性化についてお伺いします。 国においては、昨年6月に、対日直接投資促進戦略を策定しています。この戦略では、人口減少が進展する中で力強い成長を実現するためには、対日直接投資をてこに、海外活力を大胆に取り込んでいかなければならないとされています。さらには、外資系企業が東京を中心とした一部の大都市圏に集中していることから、対日直接投資を地方に波及させ、地域経済の活性化に結びつけていくことを、今後の課題としています。 本市においても、大阪府、大阪商工会議所と共に大阪外国企業誘致センター(O-BIC)を設置し、進出を希望する企業等に対してワンストップサービスを提供するなど、国内外からの企業等の誘致を進めてきてはいますが、最近進出した企業は、北区など市内中心部に立地している事例が多いとのことであります。 中長期的に本市、特に中心部以外の多くの区において人口減少が見込まれる中で持続的な成長を実現していくためには、企業等の誘致施策を一層充実・強化させることはもとより、例えば、地域の実情に精通した区が持つ情報を集約して誘致活動に生かすなど、区と局の連携強化により周辺区へも新たな企業等を呼び込み、大阪全体に誘致の効果を波及させていく視点が必要と考えます。 3月末にはドバイ万博が閉幕します。国内外からの注目は、次の万博開催地である大阪へ集まってくる中で、うめきた2期などの拠点形成や、国際金融都市の実現に向けた新たな取組も始まっていきます。 これらの好機を捉え、大阪へのさらなる企業誘致を進め、周辺区を含む大阪市域全体への効果の波及を目指していくべきと考えますが、市長の見解をお伺いします。 ○副議長(西川ひろじ君) 松井市長。     (市長松井一郎君登壇) ◎市長(松井一郎君) 中長期的に人口減少が見込まれる中で、大阪市としてはこの間、国の特区制度の活用と地方税のインセンティブの提供、イノベーションやスタートアップの創出を支援するエコシステム構築などを通じて大阪のビジネスの環境の優位性を高め、様々な機会を捉えて積極的に発信することで、国内外からの企業等の誘致を進めてきました。 令和4年度は、本社機能や金融系企業の進出を促進する助成制度の創出、地方税インセンティブの期間の延長のほか、周辺区にも新たな企業等を呼び込むことにより市全体の活力を高めていけるように、企業等の誘致を希望する区の持つ情報を共有し、進出企業等のニーズに応じ提供するなど、区と関係局の連携を強化していきます。 こうした取組を通じて、万博の開催で大阪に注目が集まるこの好機を逃がすことなく、企業等の進出が地域の活性化につながる流れを加速し、大阪の成長・発展につなげてまいります。 ○副議長(西川ひろじ君) 花岡美也君。     (23番花岡美也君登壇) ◆23番(花岡美也君) 続いて、西成特区構想に関連して何点かお伺いします。 西成特区構想は、西成区が抱える少子高齢化や人口減少などの諸課題の解決に向けて、平成25年度からスタートしたものであり、現在、平成30年度から令和4年度までの第2期西成特区構想が進められています。 西成特区構想では、これまでに、あいりん地域において、不法投棄ごみ対策などの環境整備の取組が重点的に行われるとともに、市営住宅と大阪社会医療センター附属病院の建て替えが完了し、あいりん地域のまちの姿は変わりつつあります。 そうした具体の成果が現れている一方で、さらなる取組が必要な部分もあるように感じています。 西成区では、生活困窮世帯が多く、児童・生徒の抱える学力や不登校等の課題が深刻であります。特区構想の中でも、子育てや教育に関する独自の取組もなされてきてはいます。私は、次世代を担う子供に対する施策は大変重要であると考えており、子育てや教育に関する課題に対して、さらに取組を推進する必要があると思います。 西成がよくなれば大阪がよくなると私は考えておりますが、令和4年度の西成特区構想関連予算は約9億3,400万円。しかし、その内訳は、あいりん地域を中心とした福祉局関連予算がおよそ4分の3もあり、西成区の子育てや教育に関する事業には、残り僅か4分の1しか充てられていません。 人口減少に歯止めをかけ、子育て世帯を増やしていくためには、西成区全体を対象とした西成特区構想の強化、拡充が必要です。令和4年度は西成特区構想第2期の最終年度となっておりますが、引き続き西成特区構想の下で、あいりん地域での取組の好影響を区内全域に広げ区のイメージアップを着実に図るなど、子育て世帯の増加につながる施策を展開していってもらいたいと思いますが、市長の見解をお伺いします。 ○副議長(西川ひろじ君) 松井市長。     (市長松井一郎君登壇) ◎市長(松井一郎君) 西成特区構想では、まず課題が山積していたあいりん地域において集中的にごみ不法投棄や迷惑駐輪の防止対策など、環境整備の取組を開始しました。その結果、まちがきれいになるなど大きな成果を上げることができております。また、警察との連携により実施した違法薬物や違法露店の取締りなどによって、薬物犯罪はもちろん街頭犯罪も減少し、西成の治安は回復をしてきております。 このようなあいりん地域の変化は、マスコミやSNSなどを通じて広く知られつつあります。また、こども生活・まなびサポート事業などの子供や教育に係る事業を区全体で展開するほか、府市の都市魅力創造戦略に位置づけられた新今宮エリアブランド向上事業なども並行して取り組んできております。 西成区では特に高齢化が進んでおり、大幅な人口減少が続いておりますが、転入転出の状況、いわゆる社会増減で見ると、社会増の状況にある特に20代の若者の人口が平成29年からは増加に転じるなど、明るい材料も見えています。これは、西成特区構想において進めてきた様々な取組の効果であると考えます。 これまでの取組は、特区構想開始に当たり、当時の橋下市長の指示の下、西成特区構想有識者座談会報告書の提言を踏まえて、順次、充実させてきたところであり、今後も、西成が変われば大阪が変わるという、そういう思いを持って引き続き一層取組を進めていきます。 ○副議長(西川ひろじ君) 花岡美也君。     (23番花岡美也君登壇) ◆23番(花岡美也君) 西成区の人口は、昭和35年をピークに減少を続け、近年では、平成7年から令和2年までの25年間で25%も減少しています。人口の社会増があるとはいうものの、それは西成特区構想の効果というよりは、都心部に近い割に地価が安いといった要因が大きく、20代の若者が多く転入してきますが、結婚し家庭を持つと西成区から転出してしまうという現象が起こっており、人口減少に歯止めがかかっていないため、以前は14校あった小学校が、現在は10校となっています。 廃校となったうちの1校は、西成特区構想の下、にしなりジャガピーパークとしてプレパーク事業を展開し、子供の生きる力を育む居場所として活用はされていますが、その他の廃校跡地においても、防災等地域の拠点としての機能は残しながら、子育て支援の施設、子供の居場所、子供の学び場など、子育て層にとってオールインワンの拠点として、PFIなど民間活用の手法も取り入れながら、西成特区構想の下での跡地利用を考えるべきではないかと提案をしておきます。 次に、子育て世帯が住みたいまち西成区という視点から、空き家、密集市街地対策に関してお伺いをします。 西成区では、広範囲に密集市街地が広がっており、道路の幅が狭いなどの要因もあって、空き家となったまま、建て替えがあまり進まず、その中には、長期間放置されたことにより老朽化したものも多くあると考えられています。 これらの老朽化した空き家は、建物の一部が崩落するなど、隣の家や通行人に危害を及ぼすおそれがある特定空家となるものや、その予備軍もあり、このような課題については、西成区だけでなく、ほかにも同様な状況が見られる区もあるため、大阪市全体として取り組むべきと考えます。 多くの人が住みたいまち、住み続けたいまちになるよう、まずは市民の安全・安心を確保することが重要だと思いますが、今後、本市における空き家対策や密集市街地整備についてどのように取り組んでいかれるのか、市長の見解をお伺いします。 ○副議長(西川ひろじ君) 松井市長。     (市長松井一郎君登壇) ◎市長(松井一郎君) 空き家対策については、平成28年度から、区役所を拠点として取組を進めています。 具体の取組といたしましては、空き家が適切に管理されず放置されることを防ぐために、様々な専門家団体と連携し、空き家相談や利活用の提案を行っております。さらに、放置されている特定空家の所有者には、除却、補修等の指導も行っております。 それに加えまして、これまで所有者が不明のために是正できなかった物件について裁判所へ申し立て、選任された財産管理人により建物を除却するという新たな取組も活用し、空き家、特定空家の減少につなげているところです。 密集市街地については、これまでの取組により、災害時における燃えにくさや逃げやすさについて改善されてはいるものの、引き続き、防災性の向上は重要な課題と考えています。 そのために、昨年3月、新たな密集市街地整備プログラムを策定し、都市計画道路等の整備を進めるとともに、民間の老朽住宅の建て替え、誘導等を図るために、今年度から除却費に対する補助制度を拡充するなど、取組を強化しております。 今後とも、市民の安全・安心の確保の観点から、全市的な課題として着実に推進します。 ○副議長(西川ひろじ君) 花岡美也君。     (23番花岡美也君登壇) ◆23番(花岡美也君) 西成がよくなれば大阪がよくなるという考えの下、まずは西成特区構想を継続してもらいたい。その上で、第3次西成特区構想には、子育て支援の拡充、空き家、密集市街地対策なども盛り込むよう、来年度にはしっかりと検討していただきますことを要望しておきます。 続いて、コロナ対策についてお伺いします。 まずは、ワクチンの5歳から11歳への小児接種であります。 第6波においては、新型コロナウイルスの変異株、オミクロン株の感染急拡大を受け、児童や教職員が感染し、学校園において臨時休業が行われるなど、日常生活に大きな不安と混乱が生じているところであります。 そのような中、今月から、5歳から11歳の小児への初回接種が開始されます。小児においても中等症や重症例が確認されており、特に基礎疾患を有するなど重症化するリスクが高い小児には、接種の機会を提供することが望ましいと考えています。 一方で、本人や保護者の中には、小児への接種について疑問や不安をお持ちの方も多くいらっしゃると思います。こうした方々の疑問や不安を払拭することも非常に重要なことであります。 また、今後も様々な変異株の流行が想定されるため、あくまでも希望される方が安心して接種を受けられる体制を整えるべきだと考えます。 そのため、本市においても、安心して接種できる体制を構築する必要があります。あわせて、これまで以上に効果や安全性について丁寧な広報等を行い、さらに小児のための専用相談窓口を設置すべきと考えますが、この2点、市長の御所見をお伺いします。 ○副議長(西川ひろじ君) 松井市長。     (市長松井一郎君登壇) ◎市長(松井一郎君) 5歳から11歳の小児へのワクチンの接種に当たっては、ワクチンの効果や、若年層特有の副反応等について丁寧に説明を行う必要があることから、小児科もしくは小児の診療を行う取扱い医療機関での個別接種を基本としております。 また、本市としても、少しでも不安を解消して接種いただけるように、各区の健康福祉センターで様々な相談に応じるとともに、ホームページに小児接種のためのページを新たに開設し、ワクチンの効果や安全性などに関する正しい情報を分かりやすく発信していきます。国が作成したワクチン接種に係るお知らせを大阪市立の小学校及び幼稚園で周知するなど、広報に努めていきます。 いずれにしましても、接種を希望する方が安心、納得して接種していただけるように取組を進めます。 ○副議長(西川ひろじ君) 花岡美也君。     (23番花岡美也君登壇) ◆23番(花岡美也君) かかりつけの小児科医で接種の取扱いをしていない場合もあるので、相談窓口の設置について検討いただくよう要望をしておきます。 続いて、保健所の今後の対応についてお伺いします。 今年に入ってから新型コロナの新規感染者数が急増しており、2月上旬には市内でも7,000人を超え、想定の4倍を上回る新規感染者数となるなど、第6波は第5波を大きく上回る非常に大きな波となっています。 大阪は死者数も多く、2月14日時点の大阪府の死亡者数は全国最多の3,375人で、東京都の3,310人を上回っていました。また、大阪市内では、1月31日から2月6日の1週間に、緊急搬送まで48時間以上かかるケースがあったとのことで、入院患者待機ステーションは設置されているものの、入院が必要な患者がなかなか病床にたどり着けていないのが現状であります。 このような危機的な状況の中、第6波に向けた準備も進めてきた大阪市保健所においても、様々な部分で業務が逼迫しているとお聞きをしており、マンパワーの不足などからデータ入力やファーストタッチの遅れなどが聞こえてくるところであります。 保健所においては、これまで第6波に向けた準備をされてきたと思いますが、国の想定を大きく超えているとはいえ、これまでの大阪の感染状況を踏まえると、保健所体制の強化など、さらなる準備が必要ではなかったのでしょうか。 第7波に向けては、ここまでの様々な課題を総括し、これまでの延長線上ではない根本的な対策を検討すべきだと思いますが、市長の御所見をお伺いします。 ○副議長(西川ひろじ君) 松井市長。     (市長松井一郎君登壇) ◎市長(松井一郎君) 新型コロナウイルス感染症に向けた体制については、第6波に向け、これまでの波を上回る新規感染者数を想定し、感染ステージに応じた計画的な保健所体制の強化、病床確保に努めるとともに、疫学調査についても重点化、効率化を図ってきました。 しかしながら、第6波においてはこれまでの波を大幅に上回る感染規模となっており、再び保健所業務を逼迫し、様々な対応に遅れが生じる状況となりました。 こうした状況を解消し、高齢者の重症化を防止する観点からも、ワクチン接種の追加接種を早期に完了させることに全力で取り組んでいるところであります。 また、大阪府とも連携しながら、病床、医療提供体制の確保に努めていくほか、保健所体制についてはマンパワーの確保、業務の省力化や実施方法の変更など、これまでの方法や考え方にとらわれずに、第7波への備えに万全を期してまいります。 ○副議長(西川ひろじ君) 花岡美也君。     (23番花岡美也君登壇) ◆23番(花岡美也君) 続いて、万博についてお伺いします。 まずはバーチャル万博目玉展示についてであります。 大阪府市では、3Dモデリングされた大阪の観光地、都市空間等のメタバースとなるバーチャル大阪を開設しており、2月には大阪市内を抽象化したエリアを公開し、随時エリア拡張を行っていくとのことでありますが、今後、バーチャルの大阪パビリオンを搭載し、リアルな大阪パビリオンと連携しながら、大阪の魅力を世界中に発信することが期待されています。 このバーチャル大阪は、昨年末のテレビ番組と連携したイベントを行うことで、約8万アクセスに達したとのことでありました。会期前からバーチャル空間を活用することにより他のイベントとの連携が可能で、それを機に世界中から多くの方にアクセスいただけたらと思っております。 大阪・関西万博は、未来社会の実験場であり、新しい技術を見せる場でもあります。さらに、会場に来られない人々が万博を体験できるように、博覧会協会が実施するバーチャル万博などでも、新しい技術を活用することが重要になってきます。 これまでにない仕掛けで、世界中の人々をあっと驚かせていただき、万博の機運を高めてもらいたいと思います。 一方、博覧会協会では2,820万人の来場者を想定されていますが、70年万博では月の石、愛知万博では冷凍マンモスなど、目玉となる展示を目当てに多くの方が来場されました。大阪・関西万博でも、機を捉えて魅力あるパビリオンや展示をぜひ打ち出していただきたく、一人でも多くの来場者にお越しいただくために、パビリオンの目玉展示についてどのように考えているのか、市長の見解をお伺いします。 ○副議長(西川ひろじ君) 松井市長。     (市長松井一郎君登壇) ◎市長(松井一郎君) バーチャル大阪やバーチャル万博は、会期前から万博への期待感を高めるために、世界中の方々が時間の制約なく交流できる場を目指しているものです。 さきに本格オープンしたバーチャル大阪については、今後、発信力のあるコンテンツや著名人などを駆使した多彩なイベントの展開に加え、大阪の観光名所や歴史文化等の魅力発信も順次盛り込んでいくなど、世界の人々にインパクトを与えることで、万博の開催の機運をさらに高めていきたいと思います。 また、この大阪・関西万博の展示については、今回の万博はこれまでの展示型ではなくて、命をテーマとした人類共通の課題解決にチャレンジをする参加体験型の開催を目指しているところであり、博覧会協会において着実に準備が進められております。 先月18日には13の企業のパビリオンが内定をし、協会が主催する5つのシグネチャーパビリオンの協賛企業が発表されるなど、開催内容が順次具体化されております。 開催の出展の内容を、開催1,000日前などの節目のタイミングで発信をする、そうしたことで人々の話題性や注目度を高めて、多数の来場者でにぎわう万博をつくり上げたいと思います。 ○副議長(西川ひろじ君) 花岡美也君。     (23番花岡美也君登壇) ◆23番(花岡美也君) 次に、万博開催に向けた交通アクセスについてお伺いします。 大阪・関西万博を成功に導くためには様々な要素が必要であり、その一つが万博開催に向けた来場者の交通アクセスであります。 万博の基本計画によると、交通アクセスについては、鉄道、駅シャトルバス、会場外駐車場を利用した自家用車利用などによる分担が想定されているようですが、公表される情報は少なく、具体的な検討が進んでいるのか不安に思っている方も多いと思います。 また、新型コロナウイルスのような感染症等への対策として、密を避ける観点から交通を分散させることも重要であり、地下鉄の輸送力増強、駅シャトルバスの増便、舞洲以外や大阪市外での会場外駐車場の検討、水上アクセスの活用などについても考えるべきであります。 我が会派は、これまでも交通アクセスに関する質疑を重ねてまいりましたが、市民の生活や物流といった経済活動とも両立させながら、万博の成功のため、円滑な来場者輸送対策にどのように取り組むのか、改めて市長の見解をお伺いします。 ○副議長(西川ひろじ君) 松井市長。     (市長松井一郎君登壇) ◎市長(松井一郎君) 万博来場者の安全かつ円滑な来場を実現するために、博覧会協会で学識経験者や本市を含めた関係機関が参画する来場者輸送対策協議会を設置し、道路や鉄道、バス、輸送円滑化など個別の部会を設けて、アクセスについて具体的な検討を行っているところです。 本市としましても、会場周辺道路の立体交差化や拡幅及び地下鉄中央線の延伸、増便などを進めるとともに、水上アクセスについては、夢洲北岸に小型船の係留施設の整備に取り組んでいるところであります。 今後とも、博覧会協会など関係機関と連携して検討を進めるとともに、市民生活やその他様々な事業活動にも配慮しつつ、円滑な交通アクセスの実現を目指し、万博成功につなげてまいります。 ○副議長(西川ひろじ君) 花岡美也君。     (23番花岡美也君登壇) ◆23番(花岡美也君) 次に、万博の交通アクセスの重要な柱の一つである鉄道、北港テクノポート線の事業費の増加についてお聞きします。 北港テクノポート線は、鉄道を通すための本体構造物、いわゆるインフラ部の整備に250億円、また、軌道や改札などの鉄道施設の整備に290億円、合わせて540億円を全体事業費として整備を再開してまいりました。 整備に当たっては、昨年5月に事業費の増加が明らかになったとの報告があり、その後も事業費精査の結果、全体で96億円、事業費が増加することが明らかとなりました。さらに、(仮称)夢洲駅の本体増強などに必要となる33億円、加えて民間公募から公共整備へと切り換えたことに伴い、約3.3ヘクタールの駅前の開発のうち階段等の駅前施設の整備に30億円必要となっています。先ほどの540億円と増加分を合わせて699億円となります。 本路線は、大阪、関西の経済成長の起爆剤となる大阪・関西万博の成功や、夢洲における国際観光拠点と国際物流拠点の形成に不可欠な交通アクセスであり、大阪・関西万博の開幕までには必ず開業させなければなりませんが、市民への負担がこれ以上増えることは、言語道断です。 事業費については、徹底した予算管理とコスト縮減が求められると思いますが、市長の見解をお伺いします。 ○副議長(西川ひろじ君) 松井市長。     (市長松井一郎君登壇) ◎市長(松井一郎君) 北港テクノポート線については、(仮称)夢洲駅の増築に当たり必要な仮設工の補強や、施工中の安全確保のためのシールドマシンの追加、新たに判明したメタンガスによるトンネル構内での事故防止のための土砂排出方法の変更などにより追加対策が必要となり、事業費が増加することとなりました。 また、将来のまちづくりに向けて駅舎の補強をしていく対策なども合わせると、当初想定した事業費から129億円増加する見込みとなったものであります。 北港テクノポート線は、大阪ベイエリアの価値と万博の成功、そしてベイエリアの価値を高めるために必要なインフラでありまして、これ以上事業費を増やすことなく整備効果をしっかり発揮できるように、万博開業に向けて、コスト及びスケジュールの管理に徹底して取り組んでまいります。 ○副議長(西川ひろじ君) 花岡美也君。     (23番花岡美也君登壇) ◆23番(花岡美也君) 万博の交通アクセスに関連してもう一つ大きな役割を担う淀川左岸線2期の事業についてお聞きします。 淀川左岸線2期区間は、万博開催時にはシャトルバスのアクセスルートとして暫定利用されることとなっています。多くの方がお越しになられることから、来訪された方がストレスなく会場にお越しいただくには、来場者を円滑に輸送することが重要であります。 一方、先日、2月10日、建設港湾委員会において山本委員より、淀川左岸線2期の工事区間の一部で地盤が大きく変わったことにより沿道に影響が出たことについて、それに関する質疑がありました。その中で、万博のための暫定的な通行形態については、進捗状況を見極めるとのことでありました。 このような状況で、本当に淀川左岸線2期を万博開催時のシャトルバスのアクセスルートとして暫定利用できるのでしょうか。事業の進捗状況によっては、暫定利用できない場合、つまり別ルートの検討もしておかなければいけないのではないでしょうか。市長のお考えをお伺いします。 ○副議長(西川ひろじ君) 松井市長。     (市長松井一郎君登壇) ◎市長(松井一郎君) 淀川左岸線2期区間については、万博開催時に新大阪などから万博会場へ向かうシャトルバスの通行ルートとして活用することで、定時性の効果など、万博来場者の利便性の向上に寄与するものであるため、万博開催時に暫定利用できるように対応いたします。 より円滑な交通を確保できるよう、淀川左岸線2期の整備を進め、万博の成功につなげてまいります。 ○副議長(西川ひろじ君) 花岡美也君。     (23番花岡美也君登壇) ◆23番(花岡美也君) リスク管理を徹底し、万博までに間に合うよう適切な対応をお願いします。 全国からの鉄道の玄関口となる新大阪駅や大阪駅からのシャトルバスにとって、淀川左岸線2期の暫定利用は、万博来場者の円滑な輸送のために必要であると認識をしています。 万博開催時の整備形態や必要となる費用については、議会に対し報告していただき、議論してまいりたいと考えています。 地盤の対策などに、想定ではありますが1,000億円という非常に大きな事業費の増額の可能性が示されました。そのような巨額の事業費の増額となれば、財源の確保は大丈夫なのか、国がそのような金額を負担してくれるのか不安であります。財源の確保に対する市長の決意をお伺いします。 ○副議長(西川ひろじ君) 松井市長。     (市長松井一郎君登壇) ◎市長(松井一郎君) 1,000億程度の事業費の増加とは、一定の想定をした場合の可能性として示したものであります。淀川左岸線2期という大阪の成長に必要不可欠なインフラの整備に向けて、今後、国に対して国費の確保を働きかけるとともに、本市の負担を軽減できるようなあらゆる手段を講じてまいります。 ○副議長(西川ひろじ君) 花岡美也君。     (23番花岡美也君登壇) ◆23番(花岡美也君) 自民党として、淀川左岸線2期は、万博の開催にかかわらず、大阪都市再生環状道路の構築、ミッシングリンクの解消により高速道路のネットワークを強化して関西圏の成長を実現させるためには極めて重要なインフラであり、事業そのものを安全かつ着実に進めることは必要であると認識をしています。 しかしながら、費用が大きく上振れするようであれば、市民の皆様の理解がなかなか得られないのではないでしょうか。 今後の対策方法の決定に至るまでの経緯や事業費の精査などは、しっかりと議会に説明いただき、議会としてきっちりチェックをさせていただきます。その上で、淀川左岸線2期は極めて重要な事業でありますので、国費の確保に向けた国への働きかけについては、我が会派として協力してまいります。 次に、IRについてお伺いします。 国では、IR、統合型リゾートを進める意義の一つとして、民間の活力を生かして、これまでにないスケールとクオリティーを有するMICE施設を整備することにより、これまでにないような大型の国際的な会議やイベント等を展開し、新たなビジネスの起爆剤となることを掲げています。 大阪府市においても、当初は日本最大の複合MICE施設として、最大の会議室で6,000人以上が収容できる国際会議場に加え、国基準を上回る10万平米以上の展示施設の整備を目指してきました。 しかしながら、募集要項等が大きく修正され、展示施設については、開業時は2万平米以上、開業後15年以内に6万平米以上、事業期間内の35年のうちに10万平米以上の拡張をする計画となっていますが、本当に計画どおりに2万平米から段階的にMICE機能が拡大されるのでしょうか。 IR誘致の大きな目的は、MICE機能を観光産業の基幹産業に位置づけるということでありましたが、当初の目的の達成が見込めなくなったにもかかわらず、市長としてどのような理由からIR誘致を進めようと考えているのか、御所見をお伺いします。
    ○副議長(西川ひろじ君) 松井市長。     (市長松井一郎君登壇) ◎市長(松井一郎君) IRは、世界中から新たな人、物、投資を呼び込み、非常に大きな経済波及効果が見込まれるとともに、大阪の成長に大きく資するものであると思います。 大阪IRでは、世界のトップクラスのエンターテインメントや最高級の宿泊施設、世界最大級の複合MICE施設などにより、世界水準のオールインワンMICE拠点の形成や、国内外からの集客力強化への貢献、日本観光のゲートウエーの形成を図ることを目標として掲げています。 MICEについては、MICEを取り巻く環境が大きく今変化をしており、今後の動向を見極めていくことが必要であるため、開業時には国基準である2万平米でスタートさせ、段階的に整備を進めることで、ニーズに応じて常に時代の最先端となるMICEを実現し、まさに大阪が目指す世界最高水準の成長型IRを追求していきます。 大阪府市としては、世界最高水準の成長型IRの実現を図ることで、成長産業である観光分野の基幹産業化を図るとともに、大阪経済のさらなる成長を実現し、我が国の全体の観光及び経済振興の起爆剤となることを目指してまいります。 ○副議長(西川ひろじ君) 花岡美也君。     (23番花岡美也君登壇) ◆23番(花岡美也君) 咲洲には7万平米のインテックス大阪があり、2万平米の規模の小さなMICEを整備する意義は薄いと言わざるを得ません。大阪全体のMICE戦略を踏まえると、国際会議等を誘致できるだけの世界水準にも満たないことから、新たに整備するMICE施設が2万平米では到底足りないことは明らかであります。 次に、区域整備計画では、IRの立地により、年間約5,200億円の売上げ、うちゲーミングについては約8割となる約4,200億円の売上げが見込まれています。 また、事業効果については、年間2,000万人の来訪者をはじめ、年間約1兆1,400億円の経済波及効果や、年間約9.3万人の雇用創出効果、さらには年間約1,060億円の納付金、入場料収入が見込まれています。 こうした事業効果は、IR誘致の是非を判断する一つの要素ではありますが、その中でも来訪者数と売上げについては大阪府市への納付金などの根拠ともなっていることから、この計画を審議する上で特に重要な内容であります。 これらについては、大阪市がモデルとしているシンガポールのIR事業者のうち、セントーサでは2,000万人の来訪者により2,000億円の売上げ、一方、大阪市の計画では、同じ2,000万人の来訪者により5,200億円の売上げとなっています。 来訪者数が同じであるにもかかわらず、大阪市の計画は、シンガポールの事業者の実に2.5倍もの売上げを見込んでいます。大阪のIRの売上げ、来訪者数については、信憑性、妥当性があるものとは到底思えません。また、本当に経済波及効果もあるのでしょうか。どのような検証、評価を行ったのか、市長にお伺いいたします。 ○副議長(西川ひろじ君) 松井市長。     (市長松井一郎君登壇) ◎市長(松井一郎君) IRの事業計画、来場者数等については、IR事業者において、人口の統計や訪日外国客の統計等の統計情報を、既存のIR施設、近畿圏及び日本国内にある施設の実績、知見等を踏まえて推計されており、またそれらの来場者数を踏まえて売上げ等が見込まれているもので、合理的なものであると考えております。 これは、IR事業者がこの計画を出されていますので、今自民党ではこの事業者の参考人招致を求められているわけでしょう。日本の代表の事業者がぜひ説明をしたいと、こうおっしゃっているわけですから、ぜひ自民党、各会派において、事業者に出席をいただいて、このIR事業者から直接聞き取っていただきたいと思っております。 それから、このIRは、民設民営事業として、MGM、オリックスの中核企業2社に加えて、大阪・関西の企業、これ上場企業です。この20社が自らの出資、金融機関からの借入れにより資金調達を行い、リスクを負って1兆円を超える投資を行うものでありまして、事業計画の立案に当たっても慎重に検討、精査されているものと認識をしております。 御承知のように、上場企業の投資については、株主代表訴訟という非常に経営者にとってはリスクもあるわけですから、そのようないいかげんな事業計画に立った上でこのような上場企業が出資を決めるとは、私は考えられないと思っております。 また、借入れについても、プロジェクトファイナンスによる借入れを予定しておりますし、既に事業者において金融機関から融資確約書を取得しているところでありますが、これ日本のメガバンクが融資確約書を出しているわけです。日本のメガバンク、世界の金融機関の中でも最も融資審査は厳しい、そういうバンクだと、私はそう思っておりまして、この審査を行っているということも、事業計画については非常に信憑性があるものだと、こう思ってます。 なお、補足といたしまして、シンガポールのIRとの比較においても、大阪のほうが域外からの旅行者数や居住人口等の後背地の市場規模が大きくて、高い需要のポテンシャルを有するものと考えておりまして、これらを総合的に勘案しますと、実効性のある相応のふさわしい計画であると認識をしています。 ○副議長(西川ひろじ君) 花岡美也君。     (23番花岡美也君登壇) ◆23番(花岡美也君) 例えば、経済波及効果の算出に使われた産業連関帳は、2005年、17年も前のものが使われています。事業者の数字を信じており、大阪市は何も検証されていないことが分かりました。 次に、本議会において、IRの区域整備計画と共に上程されている土地課題に対する対策費用788億円の債務負担行為の予算案については、定期借地権の設定契約の締結に当たって必要になるとのことです。35年の契約の中での土地代の収入は約880億円であり、それに対して支出が788億円も生じることとなり、それ以外にも、実際には夢洲のインフラ整備の費用もあり、それらを合わせると、実質的には土地代はゼロ円とも言えるような状況であります。 これまで市長は、IRは民設民営の事業であり、市からのお金は投じないということを言ってきましたが、IRに多額の公金が投じられることになっています。 さらに、今後の夢洲2期、3期の開発を含めると、土壌汚染、液状化対策等の土地課題への対応に1,578億円もの巨額の公金を投じることにもなりかねません。 今回の区域整備計画は、MICEも僅か2万平米に縮小されており、IRというよりは、まさにカジノ経営が主目的の計画となっているのではないかと考えます。 そのような、カジノがメインの民間事業者に公金投入を行い、実質的に民間事業を支援することをどのように考えているのか、市長へ確認いたします。 ○副議長(西川ひろじ君) 松井市長。     (市長松井一郎君登壇) ◎市長(松井一郎君) 賃料につきましては、年間約25億円で、35年間の借地期間で880億円の収入となりまして、またIR事業者からはインフラ整備に要する費用の負担金として、港営事業会計に202億5,000万円の収入を予定しております。さらには、夢洲の国際観光拠点の核となるIRが実現することで、臨海地域の活性化、夢洲2期、3期における土地利用等の促進などの効果に加えまして、IRの経済波及効果、雇用創出効果、それから納付金の収入も見込まれます。 IRが民設民営であることには変わりはなく、土壌汚染、液状化対策などの土地課題への対応について、事業者を支援するものではなくて、土地に起因するもので、土地所有者の責任として安全・安心な土地をお貸しする上で負担する、そういう土地をしっかりとつくるものと、そういうふうに考えています。 また、一般会計の税で負担するものではなくて、造成した土地の売却、賃貸収入等により、事業を実施している特別会計の港営会計で負担するものであります。 今、花岡議員から、このIRの在り方についてどうだというお話ありましたけど、自民党は夢洲をどうしたいんですかね。何もしないんですかね。だから、それ以外の案を提案してから言わないと駄目ですよ。ですから、自民党として何らかの案もないのに、国際観光拠点を否定する、そのことは非常に無責任だと、こう思ってます。 ○副議長(西川ひろじ君) 花岡美也君。     (23番花岡美也君登壇) ◆23番(花岡美也君) 土地所有者の責任の下、カジノがメインになった民間事業者に788億円もの公金を直接投入することが問題だと指摘をしておきます。 次に、この間の我が会派の都市経済委員会や建設港湾委員会などの質疑から、非常に短い期間で788億円もの公金負担の意思決定がなされるなど、新たな事実が次々と明らかとなっています。 また、12月には、大規模事業リスク管理会議においても、大阪港埋立て事業は資金不足に陥らないことを確認したとのことですが、強引にIRを推進する前提で議論がなされているとしか考えられません。 これまでのバブル期と同じ失敗を繰り返さないためにも慎重な意思決定が必要であり、証拠に基づく政策立案、いわゆるEBPMに基づいて行うべきだと思いますが、市長の御所見をお伺いします。 ○副議長(西川ひろじ君) 松井市長。     (市長松井一郎君登壇) ◎市長(松井一郎君) IR用地の土地の土壌汚染や液状化対策など、土地課題への対応については、土壌汚染、液状化の層の存在が公募の段階で判明したことも受け、必要に応じてリーガルチェックも受けながら、本市としての対応の方針の検討、精査を進めた上で、昨年2月、戦略会議において、土壌汚染対策費等について本市が負担する方針を、昨年6月、関係局会議において、液状化対策を本市が負担する方針を決定してきたものであります。 その後、昨年7月、事業者からの提案、昨年9月の事業者の選定を経て、事業者の施設の施工計画を踏まえ、市の概算負担額を算出し、昨年12月に、外部の専門家を含む大規模事業リスク管理会議において、港営事業会計の大阪港埋立て事業について、収支見込み等も確認した上で、戦略会議において、土壌汚染対策、液状化対策等に要する概算負担額を約790億円と決定してきたところであります。 IR事業用地として適正な確保に向けて、大阪市として土地課題への解決の取組を進めて、夢洲ベイエリアの新たなにぎわいの拠点としてつくり変えて、世界最高水準の成長型IR、そして、そのIRを活用しながら観光産業の確立とにぎわいの創出につなげていきたいと思っております。 自民党の皆さんは、この790億円支出することに非常に問題があるとおっしゃいますけれども、僕からしますと、未来都市をつくるとして、金利まで合わせると約1兆円の土地造成、埋立て事業をしたにもかかわらず、このように瑕疵のある土地をつくってしまったことが、僕は大問題だと思っております。そして、その投資した費用を何とか回収をするために大阪の経済成長をつくり上げる、そのために国際観光拠点として夢洲を活用していこうというのが我々の考え方であります。 ○副議長(西川ひろじ君) 花岡美也君。     (23番花岡美也君登壇) ◆23番(花岡美也君) 大規模事業リスク管理会議も戦略会議も市長がメンバーとして入っておられます。進める前提での議論に対して、冷静にEBPMに基づく検討をすべきと重ねて申し上げておきます。 続いて、Osaka Metroの不動産事業についてお伺いします。 Osaka Metroは、民営化してもうすぐ4年になりますが、鉄道、バス事業以外に柱となる事業をつくるということで、都市開発事業と称して不動産事業を手がけています。 しかし、民泊事業に参入を試みて、コロナウイルス感染症の影響とはいえ、一昨年には大きな売却損を出すという失敗があったのは記憶に新しいところであります。 本年1月に行われた大阪市会・Osaka Metro・シティバス連絡会議においても、都市開発事業の取組として、幾つかの外部アセットを取得した開発を展開していくと、Osaka Metroから説明がありました。 Osaka Metroは、民泊の反省を踏まえ、徹底したリスク分析や事業管理、ダブルチェックの体制など、万全を期していると言っていますが、個別の契約内容を聞くと、守秘義務を理由に答えられないという回答ばかりであります。 Osaka Metroは、民間会社とはいえ、市民の財産である市営交通を引き継いだ会社であり、大阪市は100%の株主であります。同じ株主の立場でも、関西電力に対しては、株主総会で株主提案をするなど、かなり厳しい対応を取ってきたにもかかわらず、Osaka Metroに対しては市の対応が甘いと言わざるを得ません。 市は、Osaka Metroに経営判断を任せきりにするのではなく、株主としてしっかり会社をチェックし、言うべきことは言うという姿勢が重要でありますし、都市開発事業でさらに失敗した場合などは到底許されることではなく、経営責任を問うべきだと考えますが、市長の見解をお伺いします。 ○副議長(西川ひろじ君) 松井市長。     (市長松井一郎君登壇) ◎市長(松井一郎君) Osaka Metroは、本市が100%出資している外郭団体であり、市民の貴重な財産であると認識しています。 安全・安心な市内交通の担い手として本市に貢献できるように、これまでから会社の事業計画や決算の状況等を把握するとともに、必要な情報を求めるなど、適切な監理に努めてきております。 一方、民営化のメリットを最大限発揮していくためには、所有と経営の分離により、個別の事業については、民間企業であるOsaka Metroが自らの経営判断ですべきものと考えます。ただし、経営判断に関する結果責任については、Osaka Metroにおいて役員報酬の減額を実施することで、新型コロナウイルス感染症拡大による影響や、民泊プロジェクトに関する責任も明確にしています。 株主である本市としては、今後も経営の結果については経営陣がその責任を負うのは当然のことと認識をいたします。 また、Osaka Metroの都市開発事業については、本市のまちづくり施策にも密接に関わることから、本市としても、その戦略や方向性についてしっかり注視をしつつ、意見も述べていきます。 ○副議長(西川ひろじ君) 花岡美也君。     (23番花岡美也君登壇) ◆23番(花岡美也君) 次に、学校選択制についてお伺いします。 平成26年度から学校選択制が導入され、令和3年度で8年目となり、一定の年数が経過したところであります。 学校選択制の利用状況は、制度開始時と比べて増えてきているようではありますが、一方で、受入れ可能人数が少ないために、保護者が就学を選択しても入れない学校や、多いところで50人前後が校区外の就学を選択される学校があるなど、学校間の偏りが出てきています。 また、多くの児童・生徒が校区外の学校を選択し、学級数が減ってしまった学校もあり、小規模化に拍車がかかり、適正配置の対象となるなど、課題も大きいところであります。 児童・生徒が減少している学校については、学力向上や生活指導など、教育委員会による学校支援を行っていると理解していますが、一部の学校では、減少に歯止めがかかっていないように感じています。なぜ、選択制により児童・生徒数が減少しているのかといった分析も必要なのではないでしょうか。 本市よりも先に学校選択制を導入した東京都の新宿区など、この学校選択制について一定の検証をした結果、制度の廃止、見直しをした自治体もあります。 本市でも、我が会派では、この間、学校選択制の検証を行い、しっかりと課題と成果を示し、速やかに制度が見直されることを要望してまいりましたが、教育長の見解をお伺いします。 ○副議長(西川ひろじ君) 山本教育委員会教育長。     (教育委員会教育長山本晋次君登壇) ◎教育委員会教育長(山本晋次君) 学校選択制につきましては、子供や保護者が意見を述べ、学校を選択できることや、開かれた学校づくりを推進する観点などから、平成26年度入学者以降、各区で順次導入を進め、平成31年度入学者より、全ての区において導入されることとなったところでございます。 この間、学校選択制の趣旨について一定理解が浸透し、通学区域外の学校に就学しました児童・生徒の割合が年々上昇してきている一方で、議員御指摘のように、通学区域外を選択する児童・生徒の割合が高い学校や、学校間の児童・生徒の偏りが生じているなどの課題は認識をいたしております。 平成26年度の制度導入時に、小学校で学校選択制を利用した児童・保護者が、令和2年度の中学校入学時に学校選択制を利用することとなったことから、このタイミングを捉えまして、よりよい制度改善に向けて、成果や課題についての検証を行うことが必要であると考えております。 検証に当たりましては、子供や保護者が意見を述べ、学校を選ぶことができること、学校教育に深い関心を持つことなどの当初期待されていた効果や、児童・生徒の通学の安全が確保されているかどうか、児童・生徒数の減少に伴う小規模校化や、児童急増地域の学校における受入れ枠の不足など、懸念されていた課題についても調査が必要であると考えており、令和2年度と3年度で、各区において調査分析を実施し、その分析結果に加え、これまでにいただいた御意見も併せ、令和4年度に大阪市全体での学校選択制の検証を進めてまいりたいと考えております。 ○副議長(西川ひろじ君) 花岡美也君。     (23番花岡美也君登壇) ◆23番(花岡美也君) 続いて、女性活躍社会についてお伺いします。 女性も男性も働きたい人全てが、性別にかかわりなく、その能力を十分に発揮しながら働くことができる環境の実現のためには、雇用の場における男女の均等な機会や待遇の確保が不可欠でありますが、女性の活躍や経済的自立に向けては、男女間の経済的格差が課題となっています。 世界経済フォーラムが2021年に公表したジェンダーギャップ指数の経済分野において、日本は156か国中117位と、他国に大きく後れを取っており、男女間の賃金格差が大きく、女性の水準が低い状況が続いています。 男女間の経済的格差の要因としては、女性に非正規雇用が多いことや、管理職における女性の割合が低いことが考えられ、働く女性がキャリアを諦めることなく安心して子供を産み育てることができる環境整備や、管理職として活躍する女性を育成する取組などが重要であります。 大阪市では、企業における女性の継続就労や管理職登用を推進するため、女性が働きやすい職場環境づくりに積極的に取り組む企業を認証する女性活躍リーディングカンパニー認証事業を実施し、登録企業数の増加に取り組まれていると聞いています。 この認証制度について、登録企業を増やす取組が必要である一方で、簡単に認証を取得できる制度では意味がなく、女性が活躍できる環境が整った企業を実質的に増やすためには、認証制度における質の確保も必要であると考えています。そのようにして認証制度のブランド力がさらに高まることで、登録企業にとっても優秀な人材の確保につながるはずです。 働きたいと考える女性が、仕事と出産、子育て等との二者択一を迫られることなく働き続け、あるいは、こうしたライフイベントを機に職場を離れても、安心して仕事に戻り活躍することができるよう、この認証事業の効果をより一層高めていただくとともに、女性が活躍できる環境整備に向けてどのように取り組んでいくのか、市長のお考えをお伺いします。 ○副議長(西川ひろじ君) 松井市長。     (市長松井一郎君登壇) ◎市長(松井一郎君) 意欲ある女性が、その能力を十分に発揮し活躍することができる社会を実現するためには、企業において女性の活躍推進に取り組む意義や必要性が広く浸透し、働きやすい職場環境の整備や、女性の管理職への登用を積極的に進められるように、中小企業をはじめとする企業への啓発、支援を推進する必要があると認識しています。 本市では、女性活躍リーディングカンパニー認証制度を設け、認証企業やその取組を広く周知することで、女性活躍の意義や重要性の普及啓発を進めているところであります。 この認証制度について、登録企業数の増加を図るべく積極的な広報啓発活動を進めるとともに、制度の社会的信用の一層の確保に向けて、時代の推移に合わせて制度のブラッシュアップを図っていくなど、量と質の両面からの取組により、女性が働きやすい職場環境が広く整備され、企業の第一線で働く女性が増えるという好循環を目指していきます。 女性の活躍に向けた企業の自律的な取組を後押しすべく、認証制度の充実に加えて、企業の取組を支援する国の制度の活用を促進するとともに、関係行政機関、経済団体等との連携による啓発活動など、官民一体となって女性の活躍推進の機運を醸成し、安心して女性が働き続け、活躍できる大阪の実現に努めてまいります。 ○副議長(西川ひろじ君) 花岡美也君。     (23番花岡美也君登壇) ◆23番(花岡美也君) 令和2年の大阪における女性の非正規雇用の割合は、全国平均よりも高くなっています。その理由が何であるのか要因分析をしていただき、必要な対策を講じていただくことを要望いたします。 最後に、防災について、特に女性に対する避難所対策についてお伺いします。 昨今、大雨や台風による被害が多発しており、また、各地で地震も頻発しています。大規模な災害が発生した際には、各地域で避難所が開設され、多くの避難者が共同での生活を強いられることとなりますが、東日本大震災においては、開設された避難所の現場において、女性が性暴力や性犯罪に遭ったり、女性特有の配慮が足りないことで不便を感じたりしている実態があったと聞いています。 国においても、このような実際の災害現場で起こったことを教訓に、女性の視点を踏まえた避難所運営がなされるよう、避難所運営ガイドラインに留意事項を盛り込んできました。 また、男女共同参画局の女性職員等による防災女子の会から、避難所等における性暴力、DVの防止等が重要であるとの提言が取りまとめられ、これを受けた内閣府特命担当大臣等からは、女性の視点からの防災・減災にこれまで以上に注力していく旨のメッセージが発出されています。 大阪市の避難所開設運営ガイドラインにも、女性に配慮した視点での留意事項が記載をされていますが、避難所を運営する方々がそれを十分認識し実行できなければ、全く意味のないものと言わざるを得ず、そうならないためにも、平常時からの実効性のある取組が重要となってきます。 コロナウイルス感染症の感染拡大により、各地域の避難所開設訓練等の実施にも影響を受けているとお聞きをしておりますが、災害時の避難所において不都合を感じる女性に対する理解と対応を地域全体で共有するためには、女性の視点を踏まえた避難所運営について、訓練等の場で繰り返し周知し、浸透させていかなければならないですし、女性自身の災害対応力を高めるための参加しやすい訓練、研修等の開発を通じて、女性自身の災害対応力の向上の工夫も必要ではないでしょうか。市長の御所見をお伺いします。 ○副議長(西川ひろじ君) 松井市長。     (市長松井一郎君登壇) ◎市長(松井一郎君) 災害時の避難所等での生活の中で、女性に対する性暴力やDVといった行為は絶対に許すことができない犯罪であることから、女性がそうした被害に遭わないためにも、女性の視点に立った避難所運営というのは極めて重要な取組です。 本市では、国が示した避難所運営における女性の視点での配慮すべき留意事項を本市の避難所開設運営ガイドラインに盛り込み、これまでから各区地域における訓練を実施していますが、より多くの市民の皆さんに女性への配慮事項について御理解を深めていただくためにも、コロナ禍であったとしても可能な限り繰り返し訓練を実施する必要があると考えています。 こうした私の考えを各区長に伝えまして、避難生活における女性の安心・安全の確保に向けた、より実効性の高い訓練を実施するとともに、各区における実施状況や、創意工夫した内容などを適時把握し、共有するように指示をいたします。また、女性の災害対応力が向上するような取組についても検討、実施してまいります。 ○副議長(西川ひろじ君) 花岡美也君。     (23番花岡美也君登壇) ◆23番(花岡美也君) 各区に任せきりではなく、大阪市として実効性の高い訓練を実施できているか確認、指導を行っていただきたいと要望をいたします。 以上、様々な観点から質問してまいりました。人口減少問題は全国的な課題であり、今後、この問題についてはクローズアップされることが多くなってくると思います。大阪市において、今は人口が増加している状況ではありますが、2045年には、現在の274万人から250万人へと人口減少が予想されています。特に、私の地元である大阪市西成区においては、都心部に近いが都心ではない、いわゆるインナーシティーと言われる地域となり、大規模開発が行われるという機会も少なく、都市問題だけでなく社会問題も多く抱えており、特に人口減少が顕著に進んでいます。 そのような地域でも、本日お伺いしました企業誘致や子育て支援、空き家、密集市街地対策などで、一人でも多くの方に定住の場所として選んでいただけるような施策を大阪市において作成し、しっかりと進めていただきたいと思います。 また、ここ数年、地方自治においてEBPM、証拠に基づく政策立案を推進する動きが広がっております。先ほど質疑しましたIRに関しても、当初の目的である10万平米以上のMICE施設の整備は大きく後退し、また、来訪者数、売上げ、経済波及効果の妥当性は検証されず、大阪港埋立て事業の収支見通しも、どこまで厳しく見積もられたことかも定かではありません。 このような点から、本当に証拠、客観的なデータに基づいて合理的な政策立案となっているのか、甚だ疑問であります。 大阪市も、政策の根拠や成果を意識するということは行政として当たり前のことですが、データを重視しながら、政策課題と、期待される成果や因果関係を強く意識して効果的な政策運営を行っていただきたいと要望いたしまして、我が会派の代表質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手)     (副議長退席、議長着席) ○議長(丹野壮治君) 以上で、花岡美也君の質疑は終了いたしました。 ◆7番(山本長助君) 動議を提出いたします。本日の質疑はこの程度で打ち切り、明4日午前10時30分より会議を開かれることを望みます。 ○議長(丹野壮治君) 7番議員の動議に御異議ありませんか。     (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○議長(丹野壮治君) 御異議なしと認めます。よって動議のとおり決しました。 △閉議 ○議長(丹野壮治君) 本日の日程は以上で終了いたします。 △散会 ○議長(丹野壮治君) 本日はこれをもって散会いたします。     午後4時17分散会    ---------------------------------          大阪市会議長          丹野壮治          大阪市会副議長         西川ひろじ          大阪市会議員          松崎 孔          大阪市会議員          井上 浩◯大阪市会(定例会)会議録(令和4年3月3日)(終)...