○議長(
丹野壮治君) これより採決に入ります。 まず、議案第6号について起立により採決いたします。委員長の報告は可決であります。
委員長報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。 (
賛成者起立)
○議長(
丹野壮治君) 多数であります。よって議案第6号は
委員長報告のとおり可決されました。
○議長(
丹野壮治君) 次に、議案第3号について起立により採決いたします。委員長の報告は可決であります。
委員長報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。 (
賛成者起立)
○議長(
丹野壮治君) 多数であります。よって議案第3号は
委員長報告のとおり可決されました。
○議長(
丹野壮治君) 次に、報告第1号並びに議案第4号、5号及び7号ないし51号について一括して採決いたします。委員長の報告は、議案についてはいずれも可決、報告については承認であります。
委員長報告のとおり決することに御異議ありませんか。 (「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(
丹野壮治君) 御異議なしと認めます。よって
委員長報告のとおり、報告第1号は承認、議案第4号、5号及び7号ないし51号はいずれも可決されました。
◆7番(
山本長助君) 動議を提出いたします。この際、日程の順序を変更し、日程第82及び日程第83を先議されることを望みます。
○議長(
丹野壮治君) 7番議員の動議に御異議ありませんか。 (「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(
丹野壮治君) 御異議なしと認めます。よって日程の順序は変更されました。
○議長(
丹野壮治君) 日程第82、
教育委員会教育長の任命についてを議題といたします。
○議長(
丹野壮治君) 理事者の説明を求めます。
松井市長。 (
市長松井一郎君登壇)
◎市長(
松井一郎君)
教育委員会教育長の任命について御説明を申し上げます。
教育委員会教育長、
山本晋次氏の任期が、来る令和4年3月31日をもって満了いたしますので、その後任につきまして慎重に選考を進めました結果、
多田勝哉氏を新たに任命したいと存じます。 同氏の経歴については、お手元配付の履歴書のとおりでございまして、人格、識見ともに優れ、本市
教育委員会教育長として適任と存じますので、何とぞ御審議の上、御同意を賜りますようにお願いをいたします。
○議長(
丹野壮治君) 続いて、
教育長候補者の所信表明を求めます。 多田候補者。 (
教育長候補者多田勝哉君登壇)
◎
教育長候補者(
多田勝哉君) 教育長の任命に当たりまして、私の所信の一端を述べさせていただきます。 私は、昭和58年に大阪市に奉職し、住吉区役所、教育委員会事務局、こども青少年局の勤務を通じて、長年にわたり教育こども行政に携わってまいりました。その中で、子供たちの最善の利益の実現を目指し、学校や保育所など子供に関わる現場を支援し、子供たちが良好な環境で健やかに成長していけるよう環境整備に努めてまいりました。 平成31年4月からは、教育次長として事務局を総括する立場となり、大阪市
教育振興基本計画など
本市教育行政が掲げる目標に向かって、目まぐるしく変化する現代社会を力強く生き抜くことができるよう子供たちを育成するために、教育長を補佐し、事務局を指揮監督しながら様々な施策を進めてまいりました。 本市の全ての子供たちが、家庭の経済状況などの様々な社会的背景にかかわらず、ひとしく良好な教育をしっかりと受けられる環境をつくり、次代の大阪、そして日本を担う人材として育成していくことが教育長に課せられた使命であると考えており、そのことが、ひいては本市が将来にわたって豊かで活気ある元気なまちであり続けることにつながると考えております。 今後も引き続き、全ての子供たちが安心して学び、そして健やかに成長していけるよう、誰一人取り残さないという視点で子供たちの教育環境の充実に努めてまいります。 以下、今後、私が特に力を入れて取り組みたいと考えております施策を述べさせていただきます。 1つ目は、本市会に上程いたします大阪市
教育振興基本計画の着実な推進であります。 これまでの計画において、約10年にわたり現役世代への重点投資として教育施策に取り組み、様々な改革を進めてきたことにより、小中学校ともに暴力行為の件数が減少するなど一定の成果が見られました。 新たな計画では、これまでの教育改革の方向性を継続し、「安全・安心な教育の推進」や「未来を切り拓く学力・体力の向上」といった2つの最重要目標を引き続き掲げるとともに、急速に進む社会のデジタル化への対応や喫緊の課題である教員の働き方改革などにも対応していくため、新たに「学びを支える教育環境の充実」を最重要目標に加え、これらの目標の達成に向けて取組を相互に連携させ、教育施策全体の構造化を図りながら推進してまいりたいと思います。 任命に御同意をいただけましたならば、任期となります今後の3年間は、学校現場をはじめ教育に関わる方々へこの計画の浸透を図るとともに、施策を進める中で成果や課題を客観的、経年的に分析、検証して、計画の進捗が順調でないものについては必要な見直しを行ってまいります。それに当たりましては、学校現場の声にも真摯に耳を傾け、市会でも御議論を賜りながら適切な進捗管理に努めてまいります。 2つ目は、教育の質の向上であります。 行政運営に当たりましては、常に組織及び運営の効率化に努め、最少の経費で最大の効果を挙げなければなりません。市政改革プラン3.0を踏まえ、これまでのICT化により集積された教育データを分析、活用して、効果的な指導法や施策の選択・集中を行うとともに、直接子供たちに関わる教職員一人一人の資質を高める人材育成の取組を進め、学校において多様性を備えたしなやかな
組織体制を整備することによって、学校教育の質を向上させてまいります。 具体的には、個別最適化された学びや協働的な学びの実現に向けてICT機器の活用を進めるとともに、これまでの進めてまいりましたキャリアステージに応じた研修などの総合的な人事制度や、大学と連携した学び続ける教員の育成などを通じて、教員の資質の向上を図り、質の高い学校教育を提供していきたいと考えております。 3つ目は、子供たちの健全育成、豊かな心の育成です。 子供たちが成長し、豊かな人生を送っていくためには、自らがかけがえのない大切な存在であると実感できるように、学校教育活動だけではなく家庭、地域との連携を図り、子供たちの自尊感情を高め、他者を思いやる気持ちを育んでいく必要があります。
新型コロナウイルス感染症の拡大が子供たちに与えた影響は学力面、体力面とも多大でありますが、心の面に与えた影響も大きいものと考えております。この
新型コロナウイルス感染症の収束が見えない中ではございますが、子供たちがその生活の多くを過ごす学校において意識的に文化的・体験的な活動を取り入れ、多様な考え方に触れさせるとともに、地域をはじめとした連携した取組などにより子供たちに居場所や役割を与え、自己肯定感、自己有用感を醸成することが必要になっているのではないかと考えております。 また、子供たちが将来に向けて夢や希望を持って学習や運動に取り組むためには、それが社会でどのように役立つかということを系統立てて学習するキャリア教育を意識的に取り組んでいく必要があります。 本市の子供たちが心豊かに力強く生き抜き、未来を切り開く力を備え、多様な人々と協働しながら持続可能な社会を創造し、その担い手となるようにするために、学校や家庭が地域社会や企業と連携しながら、社会総がかりで子供たちを育成していく仕組みづくりに努めてまいりたいというふうに考えております。 これら以上の3点につきまして、子供たちにじかに響く施策をスピード感を持って展開してまいる所存でございまして、教育委員会が
執行機関として最大限の力を発揮できるよう教育長としてマネジメントしてまいります。 その際、これまでの市会での御指摘も踏まえ、教育委員会での議論がより透明性が高く有意義なものとなるよう、運営について不断の見直しを図ってまいりますとともに、教育長、教育委員による学校現場等の視察の回数を増やし、現場の声を聞く仕組みを導入してまいります。これらにより教育委員会としてしっかりと学校現場とコミュニケーションを取ることで、議論のさらなる活性化を図るとともに現場の意見を施策へ反映するなど、教職員が意欲を持って教育活動や学校運営に取り組めるように教育委員会として支援を充実していきます。 また、新型コロナ対策など、危機管理事象の対応におきましては、対策本部長の市長と密接な連携の下で迅速な対応を行ってまいりますが、平時の施策等の検討、実施に当たりましては、学校や地域、保護者等の意見を聞き、学校現場や地域に身近な区役所とも連携をし、保護者等を交え支援するという視点を常に持って丁寧に学校教育行政を進めてまいりたいというふうに考えております。 甚だ微力ではございますが、私に課せられた使命に真摯に向き合い、教育長としてさらなるリーダーシップを発揮しながら、教育委員、教育委員会及び学校総体の力を結集し、子供たちの最善の利益を実現して、学校教育に寄せる保護者、市民の期待に応えることができますように、一丸となって本市の教育行政を推進するべく全身全霊をかけて取り組む所存でございます。どうぞよろしくお願いを申し上げます。
◆7番(
山本長助君) 動議を提出いたします。ただいま議題となっております
教育委員会教育長の任命については、委員会付託を省略されることを望みます。
○議長(
丹野壮治君) 7番議員の動議に御異議ありませんか。 (「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(
丹野壮治君) 御異議なしと認めます。よって
教育委員会教育長の任命については委員会付託を省略することに決しました。
○議長(
丹野壮治君) 質疑の通告がありますから、これを許します。
坂井はじめ君の質疑を許します。 6番
坂井はじめ君。 (6番
坂井はじめ君登壇)
◆6番(
坂井はじめ君) 私は、大阪維新の会大阪市会議員団を代表して、
教育委員会教育長の任命について候補者に質問いたします。 本市の教育行政においては、平成24年度に教育行政基本条例と学校活性化条例が制定され、以後、両条例の方向性を踏まえた
教育振興基本計画に基づいて、これまでの教育行政の在り方を大きく変える教育改革が進められてきました。 これまでの約10年にわたって、現役世代への重点投資として教育施策に重点が置かれ、市長と教育委員会が緊密に連携しながら、幼児教育の普及や英語力の向上、中
学校給食の実施、1人1台の学習者用端末の整備など、様々な教育環境の改善、整備に取り組まれ、取組の成果も見られています。 一方、本市の不登校の子供の人数は、令和2年度調査では小学校で約1,400人、中学校で約3,300人と年々増加をしています。また、全国学力・学習状況調査においては、全国平均との差は縮小しているものの全国水準には届いていないといった現状もあり、解決すべき課題も残っているところです。 課題の解消に向けて、まずあるべきは、子供が自らがかけがえのない大切な存在であるということを実感できることです。自己肯定感、自己有用感を高めていくことで学習など様々なことに意欲を持って取り組み、将来の夢や希望を持つことにつながっていくと考えます。 令和4年度からは、新たに策定されている
教育振興基本計画に基づいた取組が始まりますが、先ほどの所信表明でも述べられたように、本計画の着実な推進が非常に重要です。子供たちが自立した個人として豊かな人生を切り開き、次代の大阪を担う人材となるために、一人一人の状況を丁寧に把握しながら、先ほど述べた課題である不登校への対応や学力向上の取組をしっかりと進めてもらいたいと思います。 また、そのためには、オンライン学習をはじめとするICTの活用の充実が必須です。加えて、学校現場と教育委員会がより一層のコミュニケーションを図り、現場の声を吸い上げて学校にとって必要な施策を展開するとともに、教育の長時間勤務を解消し、教員が子供たちの前で健康で生き生きと働くことができ、子供たち一人一人に向き合う時間を確保していくことが特に重要です。 本市の教育行政のさらなる発展に向けて、具体的にどのように取り組んでいかれるのか、候補者の見解をお伺いします。
○議長(
丹野壮治君)
教育長候補者の答弁を求めます。 多田候補者。 (
教育長候補者多田勝哉君登壇)
◎
教育長候補者(
多田勝哉君) これまで、市長と緊密に連携しながら現役世代への重点投資として様々な教育改革を進めてきたところでございます。この教育改革の方向性は継続しながら、新たな
教育振興基本計画に掲げる3つの最重要目標の達成に向けて、さらに取組を発展させていく所存でございます。 具体的には、不登校については、全国と同様に大阪市におきましても増加傾向にあり、大きな課題であると認識をしております。これまでの取組に加え、令和6年度に設置予定の特例校など様々な選択肢を整えるとともに、未然防止や早期対応のための施策を講じ、子供、保護者と丁寧にコミュニケーションを取りながら一人一人に応じた支援を進めてまいります。 学力の向上に関しましては、これまで取り組んできた施策の成果を踏まえ、全ての学力に課題の見られる子供たちに支援が行き届くよう事業の再構築を行うとともに、読解力の育成に向けた取組を強化するなどして、誰一人取り残されることなく、社会で生き抜くために必要となる基礎的な知識や力を習得できるように徹底をいたします。 そして、ICTの活用に関しましては、1人1台の学習者用端末の整備など、いつでもどこでも主体的に学べる環境を整備し、デジタルドリルや協働学習支援ツールなどを効果的に活用して、子供の可能性を引き出す個別最適な学びと協働的な学びの実現に向けて取り組むとともに、子供の心の状態や日々の生活の状況を可視化することで子供の理解を深め、いじめや不登校の未然防止、早期発見を実現するなど、様々な分野での活用を進めます。また、子供たちが情報を正しく安全に利用できるよう情報モラル教育にも取り組んでまいります。 自己肯定感、自己有用感は、私も子供たちが健やかに成長し豊かな人生を送っていくために非常に重要だと認識をしております。しかしながら、本市では全国平均と比べて低い状況でございますので、学校ではもちろんのこと、家庭や地域、企業とも連携をしながら、自分らしい生き方の実現に向け道徳教育やキャリア教育等に積極的に取り組んでまいります。 教員の働き方改革に関しましては、専門スタッフの活用やICTの活用による学校運営の効率化等の多方面の取組により成果が出ております。教員が本来の業務である教育活動に専念し、子供たち一人一人に向き合えるよう取組を加速させてまいります。 これらの様々な取組を効果的に進めていくためには、学校現場の実情やニーズに合わせたじかに響く施策を実施していく必要がございます。そのためには、私自身が積極的に学校現場に足を運び、教職員や子供たちの様子を見るとともに、
事務局職員による学校現場との双方向コミュニケーションも徹底をしまして風通しのよい組織づくりに力を入れてまいります。教育長としてリーダーシップを発揮しながら、
教育振興基本計画の基本理念の実現を目指し、教育委員、事務局と共に全身全霊をかけて取り組んでまいります。
○議長(
丹野壮治君) 次に、北野妙子君の質疑を許します。 42番北野妙子君。 (42番北野妙子君登壇)
◆42番(北野妙子君) 私は、自由民主党・市民クラブ大阪市会議員団を代表いたしまして、
教育長候補者に3点お尋ねいたします。 1点目は、ICT教育についてです。 令和元年の12月に閣議決定された補正予算案において、児童・生徒向けの1人1台端末と高速大容量の通信ネットワークを一体的に整備するGIGAスクール構想が盛り込まれ、子供たち一人一人に公正に個別最適化され、資質、能力を一層確実に育成できる教育ICT環境の実現を目指すこととされました。 本市でも、今市会で新たに策定する
教育振興基本計画において、施策推進における9つの基本的な方向の一つにICTを活用した教育の推進を掲げ、教育におけるDX、デジタルトランスフォーメーションに取り組むこととされていますが、萩生田前文部科学大臣がメッセージで述べられているように、子供たちの可能性を広げる場所である学校が時代に取り残され、世界からも遅れたままではいられません。 本市でも、この間の
新型コロナウイルス感染症の拡大によりICT機器を活用した学びを求められ、1人1台の学習者用端末の整備については一定進んだと言えますが、昨年4月、突然、一斉に家庭に持ち帰ってのオンライン学習を実施するという展開をしたことによって大混乱が見られました。十分な通信環境も教職員の研修も子供たちのオンラインによる双方向学習に対する基本的な知識、経験もないままでは、期待する効果は得られません。 今年度末までには、今述べたような課題解決を図るということでございましたので、詳しくは常任委員会で確認させていただきますが、ICTを活用した教育の推進を教育長の立場でどのように進めようとお考えでしょうか。候補者の基本的な見解をお伺いいたします。 2点目に、学校再編問題についてお聞きいたします。 現在、少子化が進行し、学校によっては複式学級など課題が生じていることから、統合や校区の変更など、適正化という名の再編整備がある程度必要となることは理解しています。しかしながら、学校は、教育機関というだけでなく地域の活動の拠点、防災の拠点としての役割も大きく、その役割を無視して機械的に進めるべきではありません。 現在、本市においては、他都市とは異なり、学校再編については進め方が条例で定められていますが、地域の合意の前にスケジュールありきで進めるのはいかがなものかと考えます。学校の再編に当たり、候補者の見解をお伺いいたします。 最後に、教育委員会の政治的中立についてであります。 教育は国家百年の計と言われるように、子供たちの人格形成に影響を与える継続的な営みであり、画一的な、独善的な考えに支配されることなく、長期的な視野に立って取り組まなければなりません。 本市では、市長による教育への関与が条例などにより徐々に制度化され、その政治的な意向を反映した施策を展開してきました。さきに申し上げた昨年4月の一斉のオンライン授業も、市長の意向を最重視したことによるということは否定できないと思います。教育委員会として、学校現場の状況を把握し、その計画的な人材育成を継続的に行う立場から、市長にもしっかりと意見できる機関であってほしいと考えます。 以上3点、候補者の見解を伺います。
○議長(
丹野壮治君)
教育長候補者の答弁を求めます。 多田候補者。 (
教育長候補者多田勝哉君登壇)
◎
教育長候補者(
多田勝哉君) ICTを活用した教育の推進についてでございますが、Society5.0時代に生きる子供たちにとりまして、スマートフォンなどの端末は社会生活を行う上で欠くことのできない日常のものとなっております。 ICT機器の運用のための環境整備につきまして、今年度で完成をいたしますことから、これまで長年にわたって培ってきた本市の教育実践の蓄積の上にICT機器を活用した教育実践が効果的に積み重ねられるように、学校現場を支援していかねばならないと考えております。引き続き、教員への授業づくり、機器操作等の重点支援、授業における活用モデルの提示、実践を図り、学校運営や教育行政に至るまで、よりよい教育の在り方に向けた一体的な改革に取り組んでまいります。 次に、学校配置の適正化の取組についてでございますが、少子化が進展する中での学校再編は、小規模校同士が3校以上対象となるなど関係者が多く、意見が多様になり、なかなかまとまりにくいということとなっております。 学校の適正配置を進めるのはあくまでも行政側でございます。行政側が適正規模化のための再編整備計画を公表してまいりますが、地域住民など学校の関係者を構成員とする学校適正配置検討会議を開催しまして、計画に対する意見を丁寧にお聞きし、スケジュールありきの姿勢ではなく、その計画そのものについての修正、変更に柔軟に対応していくべきものであるというふうにも考えております。 今後も、条例、規則の趣旨を踏まえ、区長とも連携しながら学校配置の適正化を推進してまいります。 最後に、教育委員会の政治的中立についてでございます。 議員御指摘のとおり、教育は子供の人格形成に影響を与えること、中立性や継続性の要請から、教育委員会は市長とは独立した合議制の機関と位置づけられております。 一方で、大津市で発生をしましたいじめ事案などを契機としまして、平成27年に地方教育行政の組織及び運営に関する法律が改正施行され、教育委員会の責任体制の明確化や市民の代表でございます市長との施策協議、調整方法などを定めるなど、教育行政への市長の関与が制度化されました。この間、本市におきましても、総合教育会議等におきまして教育施策の方向性を共有し、一致して執行に当たってまいったところでございます。 今後とも、この緊密な連携に加え、学校現場からの意見や要請を把握しまして、より丁寧な教育行政の運営を図ってまいりたいと存じます。
○議長(
丹野壮治君) 42番北野妙子君。 (42番北野妙子君登壇)
◆42番(北野妙子君) ありがとうございます。 候補者に対しまして、3点目の教育の中立性についてもう少しだけお聞きしたいと思います。 市長や一部の有識者との連携を最優先されるのではなく、教育長として学校現場を何よりも大切にしていただきたいというふうに思います。 学校現場は、この
新型コロナウイルス感染症の拡大状況においても、子供たちの学習が中断しないように最前線で必死に頑張っておられます。その教育現場の意見を顧みず、取り上げることがなかったために、木川南小学校の久保校長が出されたような意見表明、そして、文書訓告の行政措置に対する撤回要望につながったのではありませんでしょうか。行政と学校現場の歯車がきちんとかみ合うように、現場の意見に耳を傾け、風通しのよい教育委員会になってもらいたいと考えます。再度、この点に関しまして候補者の見解をお伺いいたします。
○議長(
丹野壮治君) 多田候補者。 (
教育長候補者多田勝哉君登壇)
◎
教育長候補者(
多田勝哉君) 危機管理時におけます対応につきましては、迅速さが求められますとともに、指示が明確で徹底されることが必要でございます。一方で平時におきましては、議員御指摘のとおり、学校現場とのコミュニケーションを取り、その意見を施策へ反映することで、教職員が意欲を持って教育活動や学校運営に取り組めることができるということになるというふうに考えております。 これまでも、事務局では定期的に校長会との意見交換などを行ってまいりましたが、教育長、教育委員としましても、学校現場等の視察を通じて学校現場の声を聞き、丁寧な教育行政を進めてまいりたいというふうに考えております。
○議長(
丹野壮治君) 次に、太田晶也君の質疑を許します。 33番太田晶也君。 (33番太田晶也君登壇)
◆33番(太田晶也君) 私は、自由民主党・市民とつながる・くらしが第一大阪市会議員団を代表いたしまして、
教育長候補者に対し、2点お聞きをします。 本市会に上程されております次期大阪市
教育振興基本計画においては、これまでの「安全・安心な教育の推進」や「未来を切り拓く学力・体力の向上」といった最重要目標に「学びを支える教育環境の充実」を新たに加えた3つの目標を掲げており、これらの目標達成に向けて、取組を相互に連携させて、教育施策全体の構造化を図りながら推進していくこととしています。候補者には、ぜひともそれを実現できるよう子供たちのために頑張ってほしいと思います。 そこで、まずお聞きしたいのが現場からの意見聴取についてであります。
教育長候補者も所信表明で述べられたとおり、学校現場の声に耳を傾けること、非常にこれは重要であり、校長や教職員はもちろんのこと子供たちやその保護者の声にも積極的に耳を傾け、施策を実現してもらいたいと考えています。とりわけ、大阪市PTA協議会との意見交換をはじめ、保護者の声を聞くということはとても大切です。保護者の意見をしっかりと聞いた上で施策を進めてほしいと考えますが、所見をお伺いいたします。 また、将来を担う子供の育成には、生まれる前から乳幼児期を経て青年期に至るまでの幼児期、小学校、中学校と一貫して取り組む必要があることから、関係局がしっかりと連携をする必要があると考えています。 候補者自身、こども青少年局及び教育委員会事務局で数多くの経験を積み、また、保育ママ事業や国際バカロレアを取り入れた公設民営学校など、新規事業の立ち上げに御苦労されたと思います。これまでの経験を生かして、教育監をはじめとする教員経験者や子供施策を実施しているこども青少年局とも十分に連携協力をし、未来ある青少年の育成に尽力していただきたいと思いますが、その所見をお伺いいたします。
○議長(
丹野壮治君)
教育長候補者の答弁を求めます。 多田候補者。 (
教育長候補者多田勝哉君登壇)
◎
教育長候補者(
多田勝哉君) 新たな
教育振興基本計画に基づいた取組につきましても、これまでの教育改革の方向性を継続しながら、3つの最重要目標の達成に向け取組を進めてまいります。 ただいま議員が指摘をされました現場からの意見聴取につきましては、所信表明でも述べましたとおり、学校現場をはじめ教育に関わる方々へ振興計画の浸透を図り、施策を進める中で成果や課題を客観的、経年的に分析、検証し、より効果的な施策へつなげていくためにも、学校現場の声に真摯に耳を傾ける必要があると考えております。現場へ足を運び、しっかりと教職員の声を聞き、実情、ニーズを把握してまいります。 また、子供たちの健やかな成長のためには、学校教育活動だけではなく家庭、地域との連携を図り、社会総がかりで子供たちを育成していく仕組みづくりが必要であると考えております。 教育委員会におきましては、これまでも子供に関わる施策・事業を担うこども青少年局と連携を密にし、学校、家庭、地域における取組を推進してまいりました。私自身も、学校や保育所など子供に関わる現場を支援し、子供たちが良好な環境で健やかに成長していけるよう環境整備に努めてまいりました。 引き続き、本市の全ての子供たちがひとしく良好な教育を受けられる環境をつくり、次代を担う人材として育成できるよう、保護者からの声をしっかりと受け止め、その願いや思いに応えられるよう関係局、関係機関と連携して取り組んでまいります。
○議長(
丹野壮治君) 33番太田晶也君。 (33番太田晶也君登壇)
◆33番(太田晶也君) 最後に、要望をしていきたいと思います。 将来の大阪を担う人材の育成に精いっぱい取り組んでもらうことを期待しております。今の大阪市が抱えている教育課題は山積していますが、特に不登校が問題であると思っています。教員、子供、保護者、地域、行政が力を合わせて、子供たちが生き生きと楽しく学校生活が過ごせるように、様々な意見を聞きながら大阪市の子供たちを笑顔にするよう取り組んでもらいたいと願い、自由民主党・市民とつながる・くらしが第一大阪市会議員団からの質問とさせていただきます。
○議長(
丹野壮治君) 次に、井上浩君の質疑を許します。 73番井上浩君。 (73番井上浩君登壇)
◆73番(井上浩君) 私は、日本共産党大阪市会議員団を代表して、
教育長候補者に対し、大きく4点についてお尋ねいたします。 昨年4月、5月の緊急事態宣言下では、市長がオンライン学習を基本とする方針を急遽表明したことをきっかけに、接続テストも十分できていない学校現場は結果として混乱に陥りました。 そこでまず、教育の政治的中立について、どのように認識されているかお尋ねいたします。 次に、本市の小中学校での学力行政調査についてお尋ねいたします。 現在、本市では、小学校3年生から6年生の大阪市学力経年テスト、中学校1年生から3年生は大阪府チャレンジテスト、中学3年生はさらに大阪市中学校統一テスト、これらに定期テスト等が加わりますから息つく間もなくテストばかりが実施されており、児童・生徒たちは、文字どおりテスト漬けにされている状況であります。 本市の小中学校での学力行政調査について、その多さをどのように認識されているのか、また、学力行政調査を個人戦、団体戦などと銘打ち、生徒の評価に結びつけている自治体を本市以外に承知しておりませんが、その点をどのように認識されているのか、見解をお尋ねいたします。 次に、教員の多忙化についてお尋ねいたします。 近年、教員の多忙化が教育環境の整備との関わりでも、とりわけ重要な課題であることは言うまでもありません。
コロナ禍の下、感染症対策の徹底や児童・生徒の学びの保障など、懸命に取り組んでいただいているところではありますが、現場は教員不足も相まって疲弊しております。教員が児童・生徒や保護者にじっくりと向き合うことができないもとでは、学力や体力の向上が望めないばかりか、いじめや不登校、子供の貧困問題をはじめ、山積する困難な課題に対しても十分寄り添うことができないと考えます。 そこで、教員の多忙化の問題をどのように認識されているのか、見解をお尋ねいたします。 最後に、学校統廃合についてお尋ねいたします。 本市の学校活性化条例において、学校適正配置についての基準が明記されております。このような基準を条例に位置づけている自治体を本市以外に承知しておりませんが、その点をどのように認識されておられるでしょうか。また、この間の生野区での学校統廃合問題をどのように受け止めておられるのか、候補者の見解を以上、お伺いいたします。
○議長(
丹野壮治君)
教育長候補者の答弁を求めます。 多田候補者。 (
教育長候補者多田勝哉君登壇)
◎
教育長候補者(
多田勝哉君) まず、教育の政治的中立についてでございますが、教育関係の事務につきましては、その政治的中立を維持するということが強く要請されますことから、公選による独任制の機関とは別に合議体の
執行機関として教育委員会が設置をされております。 一方で、先ほど申し上げましたとおり、地方教育行政の組織及び運営に関する法律が改正され、本市におきましても、市長と教育委員会の協議の場である総合教育会議を活用するなど、市長と教育委員会が十分な意思疎通を図り、地域や教育の課題やあるべき姿を共有しているところでございます。引き続き、より一層民意を反映した教育行政の推進を図ってまいりたいと考えております。 次に、本市の小中学校での学力調査についてでございます。 本市では、全国学力・学習状況調査に加え、大阪市小学校学力経年調査、中学生チャレンジテスト等、全市共通のテストを実施しております。これらを通じて、客観的、経年的に行われる調査結果のデータを活用することにより、各学校や一人一人の児童・生徒の状況を把握し、誰一人取り残さない学力の向上に向け個別最適化された学びと協働的な学びを推進してまいります。また、調査やテスト等から見えてきた課題改善のための教材の作成、カリキュラムの開発の支援、教員の指導力の向上等、活用してまいりたいというふうに考えております。 高等学校入学者選抜の現行の制度につきましては、調査書に記載する評定における絶対評価の導入に伴いまして、評定の学校間格差を是正し公平性を確保する観点から導入をしてまいりました制度です。本市では、併せて個人の評定の妥当性を確認する取扱いも実施をしております。この間、大阪府におきまして制度の改善も行われ、定着が図られつつあるものと認識をしておりまして、引き続き大阪府と連携しながら適切に運用してまいります。 次に、教員の多忙化についてでございますが、現在、学校現場を取り巻く環境は複雑化、困難化するとともに、学校に求められる役割は拡大、多様化していること、このことが要因の一つと考えられます。とりわけ近年は、
新型コロナウイルス感染症の影響により、校内の消毒作業など新たな業務も生じております。 教育委員会では、学校における働き方改革を着実に進め、教員の長時間勤務を解消するために、学校園における働き方改革推進プランを策定しまして、部活動指導員やスクールサポートスタッフといった専門スタッフの配置強化、充実を図り、学校への調査・照会文書の削減など、教員の負担軽減に向け様々な取組を行ってまいりました。 多忙化の要因や状況は学校によって様々ございます。今後の対応の検討、実施に当たりましても、引き続き、学校や地域、保護者等の御意見を賜りながら進めてまいりたいと考えております。 最後に、学校の適正配置についてでございますが、教育委員会では、子供たちが将来、社会生活を営む上で必要な社会性や困難に立ち向かう力を獲得して成長していくために、学校は一定の集団規模であることが必要なことから、学校配置の適正化に取り組んでおります。 生野区での学校配置の適正化につきましては、小規模校同士が3校以上対象となるなど関係者も多く、多様になり、意見がまとまりにくい状況であったことから、統一的なルールが必要でございました。今後もさらなる少子化が見込まれる中で、子供たちの教育環境改善といった観点を第一に考え、学校配置の適正化の取組を公平かつ持続的に運用していくために統一的なルールを条例等で定めたところでございます。 現在、生野中学校区、
大池中学校区、田島中学校区、これらにおきまして、条例に基づく意見聴取の場でございます学校適正配置検討会議を開催し、地域住民、保護者の方々から意見を賜りながら、新たな学校の設置に向け取組を進めております。 さらなる少子化を迎えるに当たり、子供たちに時宜に応じた最適な教育環境を提供していくことを第一に考え、今後とも区役所とも緊密に連携し、学校配置の適正化に努めてまいりたいと存じます。
○議長(
丹野壮治君) 73番井上浩君。 (73番井上浩君登壇)
◆73番(井上浩君) 踏み込んだ議論は後刻、常任委員会等で行いたいと思いますが、教育の政治的中立とは、政治的見解によって教育環境、教育施策が変遷することにより、教育の本質的、普遍的原理がゆがめられることのない制度設計を確立することを意味するのであります。だからこそ、政治的権力による教育内容への介入、支配は厳しく戒められているのであります。その点をしっかり踏まえるべきだと申し上げておきます。これまでの極端な政治介入がテスト回数を異常なまでに増やし、子供たちと教員に過重な負担をかけ、多忙化に拍車をかけていることを直視し、速やかに改善を図るべきと申し上げておきます。 また、学校統廃合について、教育長候補は、意見がまとまりにくかったから統一的なルールを決めたということでありましたが、根本的に私は考え方が間違っていると思います。結論ありきで無理やり押しつけてはならない案件だからであります。 文科省の手引の中に、学校規模の適正化に関する基本的な考え方が書かれております。私は、この考え方がまさに普遍的な教育の原理だと認識をしております。「学校規模の適正化や適正配置の具体的な検討については、行政が一方的に進める性格のものでないことは言うまでもありません。各市町村においては、学校が持つ多様な機能にも留意し、学校教育の直接の受益者である児童生徒の保護者や将来の受益者である就学前の子供の保護者の声を重視しつつ、地域住民の十分な理解と協力を得るなど「地域とともにある学校づくり」の視点を踏まえた丁寧な議論を行うことが望まれます。」と、このように書かれてあります。生野区での対応がこのような立場で行われてきたでしょうか。これまでの生野区での対応は現に省みるべきだということも併せて申し上げて、私の質疑を終わります。
○議長(
丹野壮治君) これをもって質疑を終結いたします。
○議長(
丹野壮治君) この際、お諮りいたします。本件については、本日はこの程度にとどめることにいたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。 (「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(
丹野壮治君) 御異議なしと認めます。よって議長発議のとおり決しました。
○議長(
丹野壮治君) 日程第83、
議員提出議案第5号、
介護職員の処遇改善に関する手続きの簡素化と対象職種の拡大を求める
意見書案を議題といたします。
◆7番(
山本長助君) 動議を提出いたします。ただいま議題となりました
議員提出議案第5号については、委員会付託を省略、原案どおり可決されることを望みます。
○議長(
丹野壮治君) 7番議員の動議に御異議ありませんか。 (「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(
丹野壮治君) 御異議なしと認めます。よって
議員提出議案第5号は委員会付託を省略、原案どおり可決されました。
○議長(
丹野壮治君) 日程第51、議案第52号、令和4年度大阪市
一般会計予算ないし日程第81、議案第82号、大阪市
工業用水道事業給水条例の停止に関する条例案を一括して議題といたします。
○議長(
丹野壮治君) 理事者の説明を求めます。
松井市長。 (
市長松井一郎君登壇)
◎市長(
松井一郎君) 本市会定例会に提出をいたしました議案第52号から議案第82号の令和4年度当初予算案並びに関連諸案件について、その大要を説明します。 新型コロナウイルス感染状況は、ワクチン接種の普及などにより昨年末には落ち着きを見せていたものの、新たな変異株の出現により、再び社会や市民の暮らしに大きな影響を及ぼしています。このような中においても、コロナを乗り越え、大阪の新しい未来を描いていくために、引き続き令和4年度予算においても、ウィズコロナでは、感染拡大の防止対策等の強化や市民サービスの充実、大阪経済の再生を進めるとともに、ポストコロナに向けては、経済成長に向けた戦略の実行や成長を支える都市インフラの整備、防災力の強化などを推進し、大阪の成長発展を促進してまいります。 こうした豊かな大阪を目指した政策推進と併せて、市民の暮らしの満足度向上を目指した市政改革、新たな自治の仕組みの構築の3つを柱として掲げ、着実に市政を前に進めていきます。 具体的に、まず1つ目の豊かな大阪を目指した政策推進についてです。 ウィズコロナにおける対策と大阪の再生に向けて、新型コロナウイルス感染拡大防止対策の充実に取り組みます。3回目のワクチン接種を速やかに進めるとともに、必要な検査需要に対するPCR検査体制の継続や保健所等における健康観察体制の強化などを行います。 次に、地域保健体制の強化として、今後の大規模感染症の発生時を想定し、感染症対応業務を一元的に担うことができる保健所施設を整備するとともに、より迅速、柔軟に対応できる応援体制を構築いたします。 次に、市民サービスの充実として、子育て・教育環境の充実に取り組みます。 まず、
コロナ禍における子供たちの学びの保障、成長を育む取組として、
学校給食費の無償化については、経済的影響を受けた保護者等の負担軽減を図るため、令和4年度も継続をいたします。 次に、重大な児童虐待ゼロに向けて、未然防止から早期発見・早期対応まで切れ目のない取組を推進いたします。SNSを活用した相談を本年11月より、これまでの週2日から毎日の実施とするとともに、こども相談センターの4か所体制に向けて整備を進めてまいります。 また、社会的養護を必要とする児童の環境整備として、老朽化している弘済のぞみ・みらい園について、現地建て替えに向けた設計に着手します。 次に、きめ細やかな質の高い学校教育の推進として、学力に課題の見られる全ての児童・生徒に支援が行き届くように、データ等の根拠に基づいた教員の授業力向上や子供一人一人の課題に応じた指導の充実により、誰一人取り残さない学力の向上の実現を目指します。学校教育ICTの活用事業では、1人1台の学習者用端末を効果的に活用し、個別最適化された学びと協働的な学びを推進いたします。 さらに、不登校生徒の多様な教育機会を確保するために、大阪市立の不登校特例校の令和6年度開設に向け、設計に着手をいたします。 次に、ヤングケアラーの支援として、オンラインサロンやピアサポートなどの寄り添い型の相談支援を行うとともに、子供たちの日々の変化に気づきやすい学校において、家庭のことも含め相談しやすい環境を整備するために、スクールカウンセラーを全ての小中学校等に配置、派遣をいたします。また、昨年11月に実施した本市独自の実態調査の結果を分析し、本格実施に向けた施策、支援策を検討します。 次に、安心して子供を産み育てられるように支援する仕組みの充実として、保育所等における事故防止の取組強化や、保育所、放課後児童クラブ等における医療的ケアを必要とする児童の受入れ強化のために、看護師等の配置に対する補助制度の創設などを行います。 待機児童対策については、令和5年4月に保育を必要とする全ての児童の入所枠を確保するために、保育施設の整備を促進するとともに、保育人材の確保に引き続き取り組みます。 また、塾代助成事業など、課外学習の支援や子供の貧困対策についても取組を進めてまいります。 次に、暮らしを守る福祉等の向上として、
コロナ禍において真に支援を必要とする人々の生活の安心を支えるために、住民税
非課税世帯等に対する臨時特別給付金のほか、所得減少世帯に対しても本市独自で給付金を支援するなど、セーフティーネットの確立を図ります。 また、高齢者、障害者の方が住み慣れた地域で自分らしく生き生きと安心して暮らし続けられるように、特別養護老人ホームの整備を引き続き進めるとともに、弘済院の認知症医療、介護機能を継承、発展させる新病院の整備や若年性認知症の支援強化を行います。さらに、健やかで心豊かに暮らせるための取組として、市民の健康づくりの推進やひきこもり支援策の充実を図ります。 次に、各区の特色ある施策の展開として、市民に身近なところで自律的に基礎自治行政を行うために、区長の権限と責任による区の特性や地域の実情に即した総合的な施策を展開していきます。 また、西成特区構想については、引き続き、地域の方々と行政が協働して環境改善などを推進いたします。 次に、大阪経済の再生に向け、中小企業等の事業継続の下支えとして、セーフティーネット保証制度の認定などに係る体制を引き続き強化し、迅速に対応します。さらに、消費や需要の喚起に向けて、大阪府と共同で大阪独自のクーポン等を旅行者へ配布するほか、大阪城天守閣を中心とした90周年記念イベントの開催により集客を促進いたします。 また、文化芸術やスポーツ活動の回復、活性化に向けた支援も行います。 次に、ポストコロナに向けた府市一体による大阪の成長については、経済成長に向けた戦略を実行していきます。大阪の魅力を全世界に発信する2025年日本国際博覧会については、実施主体となる2025年日本国際博覧会協会などとの連携の下、会場の建設や大阪パビリオンの出展に向けた建物の設計のほか、地下鉄の輸送力増強や機運醸成などの取組を成功に向けて着実に進めるとともに、会場となる夢洲の基盤整備や物流車両の交通円滑化に向けた対策を実施いたします。 次に、大阪・関西の持続的な経済成長のエンジンとなる世界最高水準の成長型IRについては、国への区域認定の申請など立地に向けた取組のほか、市民の理解促進やギャンブル依存症対策などを進め、早期実現に府市一体で取り組んでいきます。 さらに、スマートシティ戦略の推進については、現在、国において選定中のスーパーシティの区域指定後、大阪府と共同で基本構想の策定を行います。また、行政、サービス、都市、まちのデジタルトランスフォーメーションを推進するために、基本方針となる大阪市DX戦略を策定いたします。 次に、大阪独自の個性と機能を持った国際金融都市の実現に向け、金融系外国企業等の誘致活動や大阪進出に向けた支援を行い、官民一体で世界中から投資を呼び込むための取組を推進していきます。 都市魅力の向上については、魅力共創都市・大阪の実現を目指し、重点エリアのマネジメントとして天王寺・阿倍野地区では、万博に向け天王寺動物園の獣舎の前倒し整備に着手するほか、御堂筋周辺地区、新今宮地区など、各エリアにおいて取組を進めます。また、中之島GATEエリアにおける橋のライトアップ整備をはじめとした水と光の魅力向上や、公園、道路などの公共空間の再編、活用による魅力の向上に取り組んでまいります。 次に、令和4年4月開学をする大阪公立大学については、令和7年度の開所を目指し森之宮に新キャンパスを整備するほか、感染症対策に貢献する研究を推進いたします。 このほか、元気あふれる大阪のまちを目指したスポーツ振興施策や、文化共創都市の実現に向けた大阪にふさわしい文化施策を実施いたします。 次に、2050年脱炭素社会「ゼロカーボン おおさか」の実現に向けては、万博会場へのアクセスに活用する電気バス等の導入補助制度を創設するほか、市民等と意識改革を促進する普及啓発を進めます。 また、SDGs未来都市として、大阪ブルー・オーシャン・ビジョンの推進など、循環共生型社会の形成に向けて取り組みます。 次に、都市インフラの充実について、新しいまちづくりのグランドデザインの策定や、うめきた2期区域、新大阪周辺地域、大阪城東部地区、夢洲において、都市基盤整備など関西経済を牽引するまちづくりを進めます。 また、なにわ筋線の整備や淀川左岸線2期事業の早期整備を進めるなど、交通ネットワークの充実を図ります。 このほか、老朽化が進み、今後多くが更新時期を迎えるインフラ施設・市設建築物について、安全確保や長寿命化に向けた計画的な
維持管理に引き続き取り組んでまいります。 次に、防災力の強化については、南海トラフ巨大地震や津波の被害想定を踏まえ、堤防、橋梁等の耐震対策や緊急交通路無電柱化等による通行機能の確保などに取り組みます。 次に、成長産業の育成については、「スタートアップ・エコシステム グローバル拠点都市」として、世界に伍するスタートアップ・エコシステムの構築やカーボンニュートラルの新たな市場の開拓のほか、中小企業における外国人材の受入れの支援に向けたマッチングプラットフォームの整備を大阪府や大阪産業局と連携しながら進めてまいります。 2つ目の市民の暮らしの満足度向上を目指した市政改革については、本格的なデジタル社会の到来などの状況の変化を踏まえ、市政改革プラン3.0を見直し、本年3月に市政改革プラン3.1を策定し、着実に改革を推進します。 まず、DX推進を視野に入れたデジタル技術を活用し、行政手続のオンライン化を促進するなど、市民が生活の質、QOLの向上を実感できる形でのICTの活用を進めてまいります。 また、経営システムの見直し等による官民連携の推進や、効果的、効率的な行財政運営、府市連携の推進に引き続き取り組みます。 3つ目の新たな自治の仕組みの構築については、副首都ビジョンを指針として、副首都・大阪の確立に向けた取組を進めるとともに、副首都ビジョンのバージョンアップに向けた検討を行います。 また、大阪の成長やまちづくりにおける府市の一体的な行政運営や、基礎自治機能の拡充に向けた取組を引き続き推進します。 以上のような考え方を踏まえ編成した令和4年度当初予算案は、一般会計で前年度に比べ0.6%増の1兆8,419億2,100万円、特別会計と合わせた総額は、前年度に比べ2.2%減の3兆4,626億7,100万円となっております。 まず、一般会計の歳入について、市税収入は、法人市民税の増等により、前年度に比べ533億2,700万円増の7,652億2,800万円を計上しました。 一方、地方交付税に臨時財政対策債を含めた実質的な地方交付税の総額は、市税収入等の増に伴い655億円減の564億円と見込んでおります。 また、国及び府支出金は、投資的経費や扶助費等の増に連動して、250億900万円増の6,021億4,800万円を計上いたしました。 次に、歳出は、公債費が元金償還金の減等により136億9,700万円の減となるものの、投資的経費が淀川左岸線2期事業の進捗等により156億7,000万円の増となるほか、行政施策経費が118億7,100万円の増などとなっております。 市民サービスの充実と大阪の成長を基本とする市政運営を行う中で、市政改革を取り組み続けたことにより、令和4年度の当初予算は、補填財源としての財政調整基金に依存することなく予算を編成することができました。 一方、このたび取りまとめました今後の財政収支概算(粗い試算)2022年2月版では、昨年度に公表したものから基調として好転をしていますが、期間終盤では、高齢化の進展に伴う扶助費の増等により通常収支不足が生じる見込みとなっています。 今後の財政運営については、税収、金利、物価等の不確定要素が収支に大きな影響を与える可能性がある中で、財政状況を以前に後戻りさせず、また、急激な環境変化にも対応できるように、引き続き市政改革に取り組み、持続可能な財政構造を構築してまいります。 以上、諸案件の大要について説明を申し上げました。何とぞよろしく御審議のほどお願いします。
◆7番(
山本長助君) 動議を提出いたします。本日の議事はこの程度で打ち切り、3月3日午前10時30分より会議を続行されることを望みます。
○議長(
丹野壮治君) 7番議員の動議に御異議ありませんか。 (「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(
丹野壮治君) 御異議なしと認めます。よって動議のとおり決しました。
△閉議
○議長(
丹野壮治君) 本日の日程は以上で終了いたします。
△散会
○議長(
丹野壮治君) 本日はこれをもって散会いたします。 午後3時28分散会 --------------------------------- 大阪市会議長
丹野壮治 大阪市会議員
野上らん 大阪市会議員
福田武洋◯大阪市会(定例会)会議録(令和4年2月25日)(終)...