◆8番(
福田武洋君) 第4波の
学校運営では、学校現場や保護者、子供たちの間で混乱がありました。第5波の際には、感染者数が非常に増え多くの学校が臨時休校となっている中、また、ほかの自治体では一斉休校措置を行うケースが出ているにもかかわらず、本市では学校ごとの対応とされました。 次に向けては、学校や保護者の混乱を避け、あらかじめ準備や心積もりができるよう、一斉休校や
オンライン学習となる基準やその際の
オンライン学習の取組内容、例えば急に休校が決定した際1人1台端末をどのように持って帰らせるか、どのように活用するかなど、場面を想定した例をあらかじめ示しておくべきです。それがひいては
コロナ対応に限らず、インフルエンザなどによる学級休業の場合での活用にもつながると考えています。
教育委員会で今後検討してもらうよう要望しておきます。 ただいま経過を教育長に御答弁いただいたところでありますが、市長が先行して報道機関に
オンライン学習を実施すると公表し、
教育委員会がその判断に沿う形で対応を検討したとのことであります。第4波の
オンライン学習の準備や環境が整っていない状況で、市長が
教育委員会と十分に調整することなく発信したことに問題があったと認識しています。子供たちの学びの保障をするというのであれば、
教育委員会と協議しながら通信環境や体制などを整えた上で実施に踏み切るべきだったのではないでしょうか。 第4波における対応の決定は、
オンライン学習に対する認識が甘く、拙速な決定であったと言わざるを得ません。その結果として学校において混乱が生じたことも踏まえ、市長の受け止めと今後の対応についてお伺いします。
○副議長(
西川ひろじ君) 松井市長。 (
市長松井一郎君登壇)
◎市長(松井一郎君) まず、子供の学習の保障は非常に大切であり、その観点からも対面授業を行うことが基本と考えてます。ただ、4月には
先ほど教育長が答弁を申し上げました状況があり、大阪市
新型コロナウイルス感染症対策本部長として子供の命を守ることを第一に考え、家庭での学習を基本とする方針を打ち出したところです。
オンライン学習については、
危機管理下における対応であり、完璧になるのを待ってから実施するのではなく、少しでも子供たちに学習の保障をするべきであると考え、
教育委員会と協議をしながら、できる範囲で取り組むこととしたものであります。
オンライン学習の課題については、
教育委員会で洗い出して改善につなげており、それが第5波に向けて
学校休業等となった多くの学校での
オンライン学習の取組につながっていると認識をしています。引き続き、ICTを活用して子供の多様な教育機会の確保、学習の保障につなげていけるように、
教育委員会と連携しながら取り組んでいきます。
○副議長(
西川ひろじ君)
福田武洋君。 (8番
福田武洋君登壇)
◆8番(
福田武洋君) 我が会派が実施した市内の全小中学校への
アンケート結果により、
オンライン学習の実施に当たり何らかの問題が生じましたかの問いに対して、84%が「問題が生じた」と回答しています。そして、問題が生じた理由は何ですかとの質問に対して実に約70%が「急な決定による混乱」との回答がありました。それが事実であります。そこに原因があったことは明らかであります。市長が
教育委員会ときっちり調整することなく先行してマスコミに発信したこと、それによる影響をしっかりと受け止めていただきたいと思います。 本市には416の小中学校があります。そして、そこには約16万6,000人の児童・生徒が通っています。コロナ禍の学校生活で多くの犠牲を強いられている子供たち、これ以上の不便をかけることがないよう、ぜひとも市長、そこを真摯に受け止めていただきたいと思います。 次に、市民利用施設である各区スポーツセンター、プールの管理運営費に対する財政補填の考え方についてお尋ねします。 コロナ禍にあって我々の生活スタイルも変化し、家にいる時間が増えたことで体を動かすことの必要性を再認識するようになりました。市民にとっては、身近で健康増進のために日常利用している各区のスポーツセンターやプールも非常に重要な施設であると考えています。しかしながら、
新型コロナウイルス感染症の影響により、昨年4月から5月の緊急事態措置期間中は休館、また、それ以降も繰り返されたまん延防止等重点措置や緊急事態措置によって、ほぼ年間を通じた施設の利用制限や市民の行動抑制で利用状況や施設の経営も非常に厳しくなっています。 現に私の地元の芸術創造館では、コロナ禍において専門人材の安定的な確保が難しいといった理由により、
指定管理者が多くの契約期間を残した状況で撤退し、再公募する事態となっています。このような不測の事態が起きた場合には、
指定管理者が安定した運営を行っていけるのか非常に心配であります。 スポーツセンターやプールも
指定管理者制度を導入しており、一定の代行料を支払い、民間企業の経営努力により運営されていますが、社会情勢の変化もあり、
指定管理者制度導入当初のようなコスト削減は既に限界に来ており、
指定管理者が自力でコロナの影響に対応する余力はないものと考えています。したがって、コロナの影響による利用制限等の補填は行政の責任としてきちんとした基準で措置すべきものと考えています。 本市においては新型コロナウイルスの影響による施設の管理運営費の赤字に対して補填しているとのことですが、どのような考え方に基づいているのか。また、今後コロナが収束し施設の利用制限や市民の行動制限が解除されたとしても、コロナ前の利用状況まで回復するには時間がかかることが想定されます。そうした場合もきちんと行政の責任として財政補填すべきものと考えますが、市長の見解をお伺いします。
○副議長(
西川ひろじ君) 松井市長。 (
市長松井一郎君登壇)
◎市長(松井一郎君) 昨年から続いています
新型コロナウイルス感染症の影響による施設の利用制限により、スポーツセンターやプール、施設運営に関してはスポーツ教室等をはじめとしたイベントの開催中止が多数発生しており、利用者も大変減少しています。このコロナの影響に伴う施設利用者の減少については
指定管理者の当初計画時には予期しない事象であり、本市業務を代行する
指定管理者の安定的な施設運営のため、本市としても一定の補償を行う必要があります。 補填の考え方については、スポーツセンターやプールは利用料金制を導入しているために、一定割合の事業者負担を差し引いた額としています。 コロナ収束後の補填の在り方については、各施設の運営状況も異なり、施設の収支状況も徐々に回復することも想定されるために、まずは
指定管理者の経営努力による利用状況の回復に努めてもらうことを前提に、今後、施設の利用状況を見極めながら適切に対処してまいります。
○副議長(
西川ひろじ君)
福田武洋君。 (8番
福田武洋君登壇)
◆8番(
福田武洋君)
指定管理者への補填について、このような危機事象発生時にどのような対応を行うか、契約条項も含めてしっかりと検討・整理していただくよう要望しておきます。 次に、万博のレガシーについてお尋ねします。 9月30日には大阪パビリオン出展基本計画案(Ver.1)が取りまとめられ、現時点の粗い試算ではありますが、160億円という事業規模が示されたところであります。その経費負担は、公民一体となったパビリオンを出展するため、半分の約80億円を限度に府市で負担し、残り80億円は協賛金などの民間資金を集めるとされています。このような多額の企業協賛を確保しなければならないため、大企業ばかりが重要視されてしまうのではないかと懸念されるところであります。地元大阪のパビリオンであるにもかかわらず、大阪の中小企業や市民が置き去りにされ、大阪らしさが失われてしまうのではないでしょうか。 大阪府市としても多額の税を負担するわけですから、商いのまち大阪、ものづくりのまち大阪といった大阪らしさの発信・発展に向けて地方自治体としての役割を果たすことが重要であると思いますが、見解をお伺いします。 また、出展基本計画案では、ハードレガシーとして、出展のメインとなる未来の医療サービスを行う建物部分を残すとされています。多額の公費負担を伴うことからも単なるイベントで終わらせることはあってはならないため、我が会派としてもレガシーの継承については重要な課題であると認識しています。 しかしながら、今回示された計画案では民間事業者による運営を想定しており、レガシーの継承や事業の継続性が担保されるのか大いに疑問であります。民間事業者に任せた結果、大阪パビリオンのレガシーとは何ら関係のない営利目的の事業が行われないか、懸念も拭えません。多額の公費を投じた建物の活用方法として適切なのか、以上2点について市長の見解をお伺いします。
○副議長(
西川ひろじ君) 松井市長。 (
市長松井一郎君登壇)
◎市長(松井一郎君) 大阪は、高度な技術力を有するものづくり中小企業が集積し、高いポテンシャルを保持しています。大阪パビリオンは、この高いポテンシャルを世界に発信し、経済発展につなげるためのオール大阪での事業であり、府市による負担のほか民間資金の活用を前提としています。また、中小企業やスタートアップの参画についても大阪商工会議所や大阪産業局と連携しながら検討を進めているところであります。万博開催のインパクトを生かし、多くの中小企業の経営力強化につなげてまいりたいと考えるところです。 次に、ハードレガシーについては、最先端の医療技術やライフサイエンスなどのレガシーを大阪から世界に発信し続けるため、建物の一部を将来残す方針を示したところであります。万博後、建物の有効活用については、民間事業者からの提案を広く募ることとしております。その際は、大阪の経済発展に資する事業が長期にわたって継続できるように、民間事業者と意見交換を行いながら検討を進めてまいります。
○副議長(
西川ひろじ君)
福田武洋君。 (8番
福田武洋君登壇)
◆8番(
福田武洋君) 大阪パビリオンを万博のレガシーとして活用していくための検討を進めていくとのことであり、万博後もハードレガシーとして残す場合、夢洲全体のまちづくりの方向性を示すことが必要です。 一方、大阪市では、夢洲とうめきた2期を対象に、国のスーパーシティ構想に対してこの10月に内閣府に対して再提案を行いました。スーパーシティ構想は、最先端技術を活用しつつ複数分野にまたがる規制改革を進め、未来の暮らしを先行実現するまるごと未来都市を目指す取組であり、我が会派としても強く推しているところであります。大阪がスーパーシティの区域に指定された暁には、万博時の事業推進はもとより、その後のまちづくりにも活用できる最先端技術の実証・実装、規制改革が実現できるものと期待されています。 万博時に実証的に行われる空飛ぶ車や自動運転車の実装など、社会の在り方を根本から変えるような世界最先端のまちづくりを進め、近未来都市のビジュアル化を実現することで、万博の成果を夢洲のまちづくりにつなげていくべきではないでしょうか。ついては、スーパーシティの区域指定を勝ち取り、万博後にどのようなまちづくりを目指しているのか、市長に見解をお伺いします。
○副議長(
西川ひろじ君) 松井市長。 (
市長松井一郎君登壇)
◎市長(松井一郎君) 今回のスーパーシティの再提案では、特に万博から万博開催後のまちづくりを見据えて、誰もが質の高い医療をいつでも受けることができる未来の健康社会、自動運転や空飛ぶ車を活用したストレスフリーな最適移動社会、ビジネスが生まれるデータ駆動型社会をビジョンに掲げて、医療やモビリティについての規制・制度改革を求めております。 スーパーシティの区域指定を勝ち取ることにより、複数分野にまたがる規制・制度改革を進め、まずは大阪・関西万博において最先端のサービスを実現できる環境づくりを行います。万博後の夢洲まちづくりにおいても引き続きそれを生かして、夢洲まちづくり基本方針に記載のとおり、万博の理念を継承し、大阪が強みを有する健康医療などの産業や最先端技術の実践・実証の取組などを進めてまいります。 夢洲第2期区域においては、第1期区域のIRを中心としたまちづくりに併せて国際観光拠点の形成を目指しており、これらスーパーシティを活用した取組も踏まえ、民間事業者の募集に向けた条件を検討してまいります。
○副議長(
西川ひろじ君)
福田武洋君。 (8番
福田武洋君登壇)
◆8番(
福田武洋君) 夢洲では、スーパーシティ制度を活用し万博の理念を継承しながら、健康医療にも着目したまちづくりを進めるとのことであります。一方で北区の中之島4丁目では、2024年春の開業を目指し、民間事業者により未来医療国際拠点の整備が進められているところです。これに対して、スーパーシティ制度の活用を目指す夢洲では、大胆な規制改革の下、中之島4丁目とも違うほかではできない医療の提供が重要と考えますが、市長の見解をお伺いします。
○副議長(
西川ひろじ君) 松井市長。 (
市長松井一郎君登壇)
◎市長(松井一郎君) 議員御案内の中之島4丁目の未来医療国際拠点では、都心にある中之島地区のポテンシャルを生かし、再生医療をベースに最先端の未来医療の産業化を推進するとともに、難治性疾患に苦しむ国内外の患者への未来医療の提供を目指すものであります。現在、2024年の春の開業に向けて、拠点に入居する事業者の募集を進めているところです。 こういった先端医療をさらに発展させるため、夢洲においてはスーパーシティ制度の活用により規制・制度改革を進めることで、遠隔医療やAI・ロボットによる診療の支援などの先端医療サービスの展開、英語による外国人医師・看護師の国家試験の実施、国内では未承認ながら海外で承認された薬の院内処方などを実現し、先端医療サービスを国籍や場所を問わず日常的に享受できる環境の整備を目指したものであります。 スーパーシティを活用して安心して質の高い医療を受けることができる環境づくりに取り組み、ひいてはこの取組を夢洲から大阪全体、全国へと展開してまいる所存です。
○副議長(
西川ひろじ君)
福田武洋君。 (8番
福田武洋君登壇)
◆8番(
福田武洋君) 万博の理念の継承のためのレガシーとして、民間事業者に提案を募る前に、本市がきちんと夢洲第2期区域まちづくりの方向性を示すべきであります。そこが明確になっていなければ、夢洲のまちづくりは継続性のあるものとはなりません。誰が音頭を取っていくのか責任の所在を明確にし、しっかりと取組を進めていただくよう要望しておきます。 続いて、IRについてお尋ねします。 IR事業予定者の選定結果の公表において、提案の概要に加え、事業実現に向けた課題として、
新型コロナウイルス感染症の影響や国の詳細制度設計、夢洲特有の課題なども併せて示されました。IRは民設民営の事業ということでありますが、液状化などの土地課題への対策に当たり市民に新たな負担が生じるものとなっています。 液状化対策については、大阪市の負担を判断する際のリーガルチェックの結果がIR推進局と大阪港湾局で異なっており、IR推進局の弁護士相談では、土地の適性は土地ごとに都市計画や土地利用の内容等に応じて異なるものであり、処分条件に差異が生じることは当然で、裁量権の逸脱または濫用に該当するなど、住民訴訟で敗訴する可能性があるとは考えられないとなっています。 一方で大阪港湾局の弁護士相談では、夢洲のほかの土地と同じような賃料設定をすれば不平等が生じ、住民訴訟リスクが生じる。不平等取扱いに関し合理的な説明ができなければ敗訴する可能性があると記載されていました。すなわち、住民訴訟リスクについては真逆の意見となっているわけであります。 そこでお伺いします。まず1点目、大阪市が液状化対策に対する費用を負担すべき法的根拠があるのでしょうか。また2点目として、IR推進局による弁護士相談結果を採用した根拠は何でしょうか。さらに3点目として、大阪港湾局の弁護士相談において指摘された住民訴訟リスクについてはどのように考えているのでしょうか、お伺いします。あわせて4点目として、概算負担額を区域整備計画と同時に年内をめどに公表するとのことですが、概算負担額は何を根拠に金額を算定するのか、また、上振れしないよう責任ある金額を示すことができるのでしょうか。以上4点を市長にお伺いします。
○副議長(
西川ひろじ君) 松井市長。 (
市長松井一郎君登壇)
◎市長(松井一郎君) 1点目については、IRは国内外から毎年2,000万人を超える来場者が訪れる国際観光拠点の核となる大規模集客施設であることから、IR事業用地としての適性の確保が必要で必須であります。そうした土地に起因する土地所有者の責任に加えまして、大阪臨海部のまちづくりなど政策的な観点も踏まえ、IR区域の液状化対策については土地所有者として市が負担を行うものとしたものであります。 2点目、3点目についてですが、夢洲においては産業物流拠点から国際観光拠点へと政策転換をしてきたもので、商業用地として賃料を算出しており、これまでの産業物流用地と同様の賃料設定ではありません。また、土地の適性は施設の用途、規模など土地の利用の内容等に応じて異なり、処分条件に差異が生じることは当然であるとのIR推進局の弁護士の意見を得ているものであります。 なお、大阪港湾局の弁護士は、同じような賃料設定をすれば不平等が生じ、合理的な説明がなければ敗訴する可能性があるというもので、一定の前提条件の下の意見であり、さきに述べたように、この条件には該当せず、双方の意見とも対立するものではなく、同趣旨のものであると認識をします。 4点目について、事業者の施設計画、施工計画等を踏まえ、工法や範囲などについてしっかり検討・精査の上、年内をめどに概算負担額をお示しし、債務負担行為として区域整備計画と併せて御審議いただけるように、2022年2月・3月議会にお諮りすることを予定としております。
○副議長(
西川ひろじ君)
福田武洋君。 (8番
福田武洋君登壇)
◆8番(
福田武洋君) 大阪港湾局とIR推進局の弁護士意見の相違について、対立するものではなく同趣旨のものであると認識しているとの御答弁でしたが、決してそれで大阪港湾局の弁護士意見で述べられている住民訴訟で敗訴するリスクが解消されたわけではありません。IR事業者に対し、土地所有者として、また政策的観点から本市が費用負担を行うのであれば、改めて政策的観点から費用負担することに対する住民訴訟リスクについて、そのリーガルチェックを行うべきであると考えています。市民負担に関わることですのでぜひとも御検討いただきたい、そのことを指摘しておきたいと思います。 次に、IRの展示施設については、募集要項において、開業時は2万平米以上、開業後15年以内に6万平米以上、事業期間内に10万平米以上の段階的な整備を認めているところでありますが、今回の事業者からの提案では、開業時は国基準の2万平米とのことでありました。大阪府市では当初、日本最大の複合MICE施設として国際会議場に加え10万平米以上の展示施設の整備を目指していたと思いますが、これでは世界最高水準と言えないのではないでしょうか。そもそもIRでは、この10万平米という規模が重要と考えていたのか、もしくはターゲットとするMICEなど中身が重要と考えていたのかなど、どのようなMICEを目指していたのか確認します。 また、段階的に10万平米以上の整備を進めていくということであれば、隣接する咲洲に位置し、展示面積が西日本最大の約7万平米を有するインテックス大阪をどうするのか気になるところであります。IRの段階的整備計画を踏まえたインテックス大阪の今後の在り方についてお聞きします。 例えば開業時の規模に関して言うと、足元ではコロナ禍で催事が減少しているものの、計画されている2万平米だけではこれまでインテックス大阪で開催してきた全てのMICEをカバーすることができないなど、最終的な10万平米の整備まではIRの展示施設だけでは不十分で、インテックス大阪の継続活用が必要と考えています。既にインテックス大阪は開業後35年が経過しており、IRの展示施設が6万平米になるのが2040年代半ばということは今後少なくとも20年以上維持する必要があることから、施設の老朽化に伴う大規模改修や建て替えなどの課題を長期的な視点から早急に検討していく必要もあると考えますが、市長に見解をお伺いします。
○副議長(
西川ひろじ君) 松井市長。 (
市長松井一郎君登壇)
◎市長(松井一郎君) 大阪府・大阪市では大阪IR基本構想において、世界水準の競争力を備えた日本最大の複合MICE施設として、国際会議場については最大会議室で6,000人以上が収容可能で1万2,000人の会議に対応できる規模、展示等の施設については展示面積が10万平米以上の規模の整備を目指すことといたしました。この一体配置をされた複合MICE施設やオール大阪でのMICE誘致推進体制の強化などにより、これまで国内で開催されてこなかった大規模国際会議や大阪・関西が強みを有する産業をテーマとした展示会等を誘致し、大阪・関西全体の経済の活性化と都市魅力の向上につなげることを目指しております。
新型コロナウイルス感染症の影響によりMICEを取り巻く環境が大きく変化したことから、開業時には国の基準に応じたIRとしてスタートさせ、MICEビジネスモデルの状況等を見極めながら段階的に整備を進めることで、ニーズに応じて常に時代の最先端となる施設・機能、そしてサービスを提供する、まさに大阪が目指す世界最高水準の成長型IRを追求していくこととしたものです。 次に、IRの段階的整備に伴うインテックス大阪の在り方でありますが、当面はインテックス大阪は必要であると認識してます。長期的には、今後のIRの整備状況に加え、経済情勢や利用者のニーズも勘案しながら、大阪全体でのMICE施設の適切かつ戦略的な配置という観点から検討を進めてまいります。 また、インテックス大阪は都市の成長につながるMICE振興に資する基盤施設であることから、今後とも役割を果たせるように、早急に対応すべき老朽化等の課題について取り組んでまいります。
○副議長(
西川ひろじ君)
福田武洋君。 (8番
福田武洋君登壇)
◆8番(
福田武洋君) ここまで万博、IRなど夢洲にまつわる様々な課題についてお聞きしてきましたが、IRやインテックス大阪も含めて大阪においてのMICE戦略をどうしていくのか、示していただく必要があります。その上で、最終的に市民負担がどれほど発生するのか、きっちり市民にも議会にも明らかにすべきであると申し上げておきます。 次に、御堂筋の道路空間再編についてお尋ねします。 現在、御堂筋では南エリアにおいて道路空間再編工事が進められています。御堂筋は、大正10年に第一次大阪都市計画事業の一つとして市内の特に緊急で施工すべき路線に位置づけられ、關一市長の100年先を見据えた都市大改造計画のメイン事業として進められました。当時の市民は、道幅6メートル、長さ1.3キロメートルの狭い道を幅44メートル、長さ4キロメートルとする構想に、船場の真ん中に飛行場でもつくる気かと大きな話題になったようですが、多くの市民の協力の下、昭和12年に完成しました。 その後、戦後の急激なモータリゼーションの進展に対応するため、市内では輸送機能の強化を図るべく道路整備が進められ、昭和45年の大阪万博の際には、市内中心部の道路交通の再編に伴い、周辺の四つ橋筋、堺筋の北行き一方通行化と併せて御堂筋は南行き一方通行となり、まさに大阪の大動脈として活躍してきました。 一方で、現在ミナミエリアにおいて進められている側道の空間再編に関しては、歩道を拡幅して円滑な歩行者環境を構築する必要性は一定理解するものの、渋滞などによる経済活動への影響には十分留意する必要があると思われます。 市が策定した御堂筋の将来ビジョンの中では、車両の進入を禁じた歩行者専用道路、いわゆるフルモールという構想を掲げていますが、大正10年に100年先を見据えて造られた大阪の背骨とも言える御堂筋については、将来の都市交通ネットワークを踏まえて大きな視点から十分な議論が必要と考えます。市長の御所見をお伺いします。
○副議長(
西川ひろじ君) 松井市長。 (
市長松井一郎君登壇)
◎市長(松井一郎君) 御堂筋は、昭和12年に完成して以降、大阪市における南北の都市軸として大阪の経済活動・文化活動を支える機能を果たし、近代大阪の建設の象徴ともなっている道路です。 御堂筋を取り巻く社会経済環境は大きく変化し、高度経済成長期であった約40年前に比べ、近年では自動車交通量が約5割減少しています。今後、
淀川左岸線の整備など環状道路ネットワークの充実により、都心部を通過する自動車交通量はさらなる減少が見込まれます。 近年、ミナミエリアでは歩行者交通量の増加が著しい状況となっており、コロナ前には道頓堀橋付近ではインバウンドも含めた多くの人であふれ危険な状況であったことから、道路空間を再編して歩道を拡幅していく必要があると、そういうふうに考えました。御堂筋をはじめとした都心部の道路は、時代に応じた役割を担い、必要な機能を有したそういう道へと改変していくべきであります。 このような中で、平成30年には多くの市民の意見を基に御堂筋将来ビジョンを官民で取りまとめており、新たな魅力や価値を創出することができるストリートとなるように御堂筋の役割を車中心から人中心へ転換することにより、都心の活性化を図り、本市の成長を促してまいります。
○副議長(
西川ひろじ君)
福田武洋君。 (8番
福田武洋君登壇)
◆8番(
福田武洋君) 御堂筋の空間再編を進めていくには、関係者も多く課題も山積しています。例えば、側道が閉鎖されることによる渋滞の発生や荷さばき活動への支障といった経済活動に与える影響が考えられ、停車可能である側道が歩行者空間化された後には、御堂筋本線の4車線部分が駐停車禁止であることから一般車やタクシーが御堂筋に停車できなくなるといった利用者の利便性が悪化する懸念もあります。また、歩道が広がることで走行する自転車の速度が速くなるといった歩行者の安全性が悪化する影響なども挙げられます。これらの課題認識をお持ちの関係者の方々に対して、しっかり対応されるのか危惧しています。 現在、コロナ禍にありインバウンドが戻ってきておらず、経済活動も十分に再開されているとは言えない状況であります。また、40年前に比べて交通量が5割減少したとはいえ、いまだ渋滞が解消されたわけではありません。道路としての機能と歩行者の空間整備のバランスを共存させるために、現実的な課題をどのように解決していくのか、市長のお考えをお聞きします。
○副議長(
西川ひろじ君) 松井市長。 (
市長松井一郎君登壇)
◎市長(松井一郎君) 都市の成長に必要である御堂筋側道の空間再編を進めるに当たっては、御堂筋の沿道の方々はもとより、周辺の商店街や地域住民の方々など広く地域の方々から意見を聞きながら進めてきております。 現在、万博開催に向けて整備を行うこととしている長堀通から千日前通の区間については、コロナ前の交通量調査に基づいて地域の方々などと共に現状課題の把握及び対策案の共有を行うなど、コロナ後の経済活動の回復を見据えて着実に進めてきたところです。整備に当たっては随時交通状況を把握し、御堂筋を利用される方々の安全性・利便性に留意しながら関係者との合意形成を図っていくように担当局には指示をしてきたところです。 大阪・関西万博に向けて長堀通から千日前通までの整備を完了させ、多くの来阪者が安全・快適に通行できる空間としていくことで、ミナミエリアはもとより大阪全体の活性化につなげてまいります。
○副議長(
西川ひろじ君)
福田武洋君。 (8番
福田武洋君登壇)
◆8番(
福田武洋君) 空間再編整備は一定理解していますが、インバウンドのために道路があるのではなく、御堂筋が都市交通ネットワークの中核をなす道路であるとの成り立ちを踏まえ、人と車の共存を図る空間再編整備となるよう課題解消をしっかりと行いながら進めていただくよう要望しておきます。 最後に、障がい者スポーツセンターについてお聞きします。 長居障がい者スポーツセンターが開設された昭和49年以降、長居や舞洲を御利用の方の中から多くのパラリンピアンが輩出されており、この8月に開催された東京2020パラリンピック競技大会においても大阪市ゆかりのアスリートが22名も出場され、活躍されたことは記憶に新しいところであります。このように、障がい者スポーツセンターは障害のある方の自立と社会参加を促進するために大きな役割を担う重要な施設であるとともに、障害者アスリートにとっても貴重な練習拠点となっています。 先日開催された戦略会議において、老朽化した長居障がい者スポーツセンターの建て替えが決定されたとのことです。建て替えに当たっては、今後のパラスポーツの発展を見据え、アスリートの声も聞きながら機能の充実を図り、今後もパラリンピアンを輩出し続けることができるような施設にするべきと考えますが、市長の見解をお伺いします。
○副議長(
西川ひろじ君) 松井市長。 (
市長松井一郎君登壇)
◎市長(松井一郎君) 障がい者スポーツセンターは、障害者の健康維持・増進のみならず、外出や他者との交流、生きがいや生活の質の向上により、自立と社会参加の促進につながる施設として大変重要な役割を果たしている施設であり、また多くのアスリートが練習拠点として利用されているところです。 長居障がい者スポーツセンターについては老朽化が進んでおり、今後も拠点施設として重要な役割を果たしていく必要があることから、先日、戦略会議において建て替えを決定したところです。 長居障がい者スポーツセンターの建て替えに当たっては、今後実施していく基本構想調査において利用者をはじめ長居や舞洲を練習拠点としているアスリートの意見もしっかり伺いながら、施設の機能などについて検討を行っていきます。
○副議長(
西川ひろじ君)
福田武洋君。 (8番
福田武洋君登壇)
◆8番(
福田武洋君) 以上、市政各般にわたり市長にお聞きしてまいりましたが、コロナによって社会構造が大きく変容していく中においても市民が安心して安全に暮らせる未来都市の実現のため、市民に開かれた信頼ある行政運営となるよう、我が会派といたしましても引き続き今後の委員会等において議論させていただくことを申し上げまして、私の質疑を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○副議長(
西川ひろじ君) 以上で、
福田武洋君の質問は終了いたしました。
○副議長(
西川ひろじ君) お諮りいたします。この際、暫時休憩することに決して御異議ありませんか。 (「異議なし」と呼ぶ者あり)
○副議長(
西川ひろじ君) 御異議なしと認めます。よって暫時休憩いたします。 午後2時55分休憩 午後3時20分再開
○議長(丹野壮治君) これより休憩前に引き続き会議を開きます。
○議長(丹野壮治君) 太田晶也君の質問を許します。 33番太田晶也君。 (33番太田晶也君登壇)
◆33番(太田晶也君) 私は、自由民主党・市民とつながる・くらしが第一大阪市会議員団を代表いたしまして、市政各般について市長に質問をさせていただきます。 我が会派は、市民・区民にしっかりと寄り添い、その声に耳を傾けながら、時代に合ったしなやかな改革を市政にもたらすことを目指す政策集団として、同志と共に本年4月に結成いたしました。本日は、こうした考え方の下、大阪の経済を活性化させ、市民の皆さんに元気で、また子供たちの笑顔を大切にできるまちに、との観点から、市政全般にわたり質問をしていきたいと思います。 まず、
新型コロナウイルス感染症に関する差別防止の取組についてお伺いをいたします。
新型コロナワクチン接種については、今月末をめどに、接種を希望する市民の方に対して2回目の接種を終えることができるよう進められています。また、2回目接種を終了した方のうち原則8か月以上経過した方を対象に来月から3回目の追加接種を始めるとのことです。そして、この間のワクチン接種の進展等を踏まえ、日常生活の制限を段階的に緩和しながら、社会経済活動の再開に向けて動き出しているところであります。我が会派としましても、引き続き感染症対策をしっかりと行いつつ、安心とにぎわいのある日常を取り戻せるような施策を進めていってほしいと考えます。 一方で、これまでコロナに感染した方、
医療従事者やエッセンシャルワーカーの方が不当な差別や誹謗中傷を受けるなど、許されない事象を耳にすることもありました。こうした中、新型コロナウイルス禍で生まれた差別や偏見に対し、愛媛県の有志の方々によりシトラスリボンプロジェクトという運動が始まり、本市をはじめ全国の多くの事業者や行政機関等が賛意を示し、差別や偏見をなくす取組が広がっています。 しかしながら、ワクチン接種が進むにつれ、未接種者への偏見や接種の強要など新たな問題が顕在化してきており、今後、ワクチンパスポートなどの活用に伴い、より深刻化する懸念もあります。このような事象に対して、本市としてしっかり差別や偏見をなくす取組を行うべきと考えますが、市長の御所見をお伺いいたします。
○議長(丹野壮治君) 理事者の答弁を許します。 松井市長。 (
市長松井一郎君登壇)
◎市長(松井一郎君)
新型コロナワクチン接種は、感染症の発症を予防し、死亡者や
重症者の発生をできる限り減らすことを目的にしていますが、接種は強制ではなくて、副反応などの情報も確認いただき御納得の上で接種を受けていただいております。また、医学的事由等により接種を受けられない方もおられることから、職場や周りの方などに接種を強制したり、接種を受けていないことを理由に差別的な行為を行うことがあってはなりません。
新型コロナウイルス感染症及びワクチンの接種に関連した誤解や偏見に基づく不当な差別は決して許されるものではなく、本市ホームページで周知・啓発を行うとともに、
新型コロナウイルス感染症に関する人権問題に対応する相談窓口の案内も行っております。また、私自らもユーチューブチャンネルにおいて「STOP!コロナ差別」として啓発メッセージを配信しています。 今後も、
新型コロナウイルス感染症及びワクチン接種に関連した不当な差別が起こらないように、しっかりと啓発に努めてまいります。
○議長(丹野壮治君) 太田晶也君。 (33番太田晶也君登壇)
◆33番(太田晶也君) 次に、学校園における
新型コロナウイルス感染症の第6波に備えた対応についてお伺いをします。 去る8月から9月にかけては、
新型コロナウイルス感染症による第5波が猛威を振るいました。2学期を迎えた学校園でも児童・生徒や教職員に多数の
新規感染者が判明し、多い日では1日の休校園数が88校園に上り、
学校運営において非常に大きな影響が出ました。 とりわけ小中学校においては、児童・生徒の安全確保のため休校することはやむを得ませんが、授業時数が減ることで授業内容自体が不十分なものとなりかねません。その結果、体育などが実施できないことによる運動不足、体力低下が危惧されます。また、新1年生においては、登校して学校に慣れるための貴重な機会が減ってしまいました。音楽や技術・家庭科などの作業を伴う教科では、共に触れ合いながら取り組むことによって学びが深まっていくものであり、休校が続くことで、これらの児童・生徒の成長に不可欠な時間の共有や直接の触れ合いの機会が減ってしまうことを私は強く懸念しています。 今後、第6波が発生することも考えられます。学校園における感染症対策が徹底されていることは承知していますが、12歳未満の児童はワクチン接種対象外となることから、幾ら対策を徹底していても感染者が増え、先般と同様に休校園が相次ぐことは十分に考えられます。学校現場における
感染拡大防止はもとより、学校休業が頻発した際の子供たちの学びの保障に向けて様々な対応が必要になると思いますが、今後それらの対応をどのように進めていくのか、教育長の御所見をお伺いいたします。
○議長(丹野壮治君)
山本教育委員会教育長。 (
教育委員会教育長山本晋次君登壇)
◎
教育委員会教育長(山本晋次君) 今後、感染が再拡大した場合には、その状況に応じた危機管理における本市の対応方針によるところではございますが、
学校運営につきましては、十二分に感染対策を取りながら対面による授業を基本としたいと考えておるところでございます。 これまでと同様、感染不安で登校できない児童・生徒への対応や、やむなく臨時休業とせざるを得ない場合の対応といたしまして、学びを止めないためにもICTの活用は有用でありますことから、引き続き、各校での活用における支援に取り組んでまいります。 とりわけ、教員のスキル向上に向け、学習者用端末の機器操作支援であるICT教育アシスタントや授業づくり支援であるICT教育推進アドバイザーによる訪問、学校の実情に応じた研修の実施などにより、支援の充実を進めてまいります。 なお、この間の取組としましては、非常時に比重を置いた取組を進めてまいりましたが、加速化する情報化社会の中で、平時におけるICTを活用した効果的な学習の在り方の検討についても並行して進めていくことといたします。 さらに、学校休業に伴う児童・生徒の学習の遅れによる取り残しを防ぐために、授業中のきめ細やかな指導の補助や学習教材の準備等、学校教育活動を支援する人員として学力向上支援サポーターの追加配置を行っております。そのほか、週当たりの授業時数を増やすことや土曜授業の活用、学校行事の精選をすることなど、各校において授業時数をより多く確保するための工夫に努めておるところでございます。 また、議員御指摘のように、学びの保障というものは、国語や算数・数学といった学習だけではなく、体育や音楽など実技を中心とするものも含まれております。さらに学校現場の教育活動は、教科の学習だけではなく、遠足や修学旅行などの学校行事、日々の給食や学級活動、さらには中学校・高等学校での部活動など、子供同士のコミュニケーションや触れ合いによって育まれる部分も非常に重要であり、それら全てが学校教育を構成しているものと認識をいたしております。今後、感染状況が悪化しました際にも円滑に
学校運営ができますよう、様々な対策を講じてまいりたいと考えております。
○議長(丹野壮治君) 太田晶也君。 (33番太田晶也君登壇)
◆33番(太田晶也君) 次に、コロナ禍における避難所開設・運営訓練の実施についてお伺いをします。 気象変動の影響からか昨今では大雨や台風による被害が頻発しています。もはや異常気象とは言えない気象環境に変容したのではないでしょうか。また、今後30年以内に南海トラフにおけるマグニチュード8から9クラスの大地震が起きる可能性は70%から80%あり、それに備えた訓練や啓発、備蓄物資の充実等の対策が欠かせません。ましてやコロナ禍です。
新型コロナウイルス感染症という新たな懸念を念頭に入れた対策が必要です。 コロナ禍であるがゆえに地域の避難所開設訓練もほとんど実施できていない現実は理解しますが、災害時に避難所となる学校等において実地訓練をしておかなければ、発災時にマニュアルどおりの対応ができず、避難所運営に支障を来してしまうのではないかと大変懸念しています。 現時点ではワクチン接種の浸透とともに新規陽性者数は激減しており、いよいよウィズコロナのフェーズに入ったのではないかと考えています。今こそ、コロナ禍における災害時避難の在り方を市民の皆さんに御理解いただき、災害が起きたとしても復旧・復興への歩みを助け合いながら進めていける社会にするためにも、早急にコロナ禍における避難所開設・運営訓練を再開し、防災・減災に関する市民意識の向上を図るべきではないかと考えます。市長の御所見をお伺いいたします。
○議長(丹野壮治君) 松井市長。 (
市長松井一郎君登壇)
◎市長(松井一郎君) 現在、
新型コロナウイルス感染症に係る
緊急事態宣言は解除されたものの、今後もゼロコロナの状態は考え難いため、ウィズコロナを前提に様々な工夫を行いながら活動を前に進めていかなければならない段階であると思っています。 災害に対する備えとしての訓練も同様であり、コロナ禍においても参加人数を絞って避難所開設の訓練を実施した事例や、区役所職員等が実施した避難所開設シミュレーションの内容を録画した動画を共有するなど、それぞれ創意工夫した取組を進めてきたところです。 今後とも、密集をできる限り避けながらもどうすれば訓練実施が可能となるのか、市民の皆さんに災害時の行動をどうすれば理解してもらえるのか、どうすれば訓練に参加してもらえるのか、行政として様々な工夫を凝らす努力が必要です。私のこうした考えを各区長に伝えまして、災害被害の軽減のためにもコロナ禍における地域の避難所開設・運営訓練を各区で実施してまいります。
○議長(丹野壮治君) 太田晶也君。 (33番太田晶也君登壇)
◆33番(太田晶也君) 次に、阿倍野防災センターについてお伺いをします。 先日、防災について見識を深めようと我が会派で阿倍野備蓄倉庫及び阿倍野防災センターに視察に行きました。阿倍野防災センターでは、地震や津波などの災害発生から被災地の一連の行動をツアー形式で体験学習してきました。我が会派の議員それぞれが、自分の暮らす地域の特性に応じた災害危険度を確認し、改めて自然災害の脅威を感じるとともに、来る災害にどう備えるべきか、学びを得ることができました。 中でも印象に残ったのは震度7体験でありました。東日本大震災や阪神・淡路大震災などの実際の揺れを起震装置と映像で再現しているのですが、その揺れを体感し、大きな衝撃を受けました。私自身、阪神・淡路大震災のときに大阪で感じた揺れとは全く比べものにならないほど強いもので、あの日、神戸など被災地ではこんなに強い揺れであったのかと身をもって恐怖を感じたところです。 昨年度から
新型コロナウイルス感染症の影響を受けて阿倍野防災センターも休館せざるを得ない状況が続いたため、来館者数が減少しているというふうに聞いています。しかしながら、まさに今、大規模災害が発生したとしても不思議ではなく、有事に備え、270万人の全市民に今すぐにでも阿倍野防災センターへ行って体験学習をしていただきたいと考えました。また、次世代を担う青少年の防災意識を高めるために、市内全小中学校、とりわけ津波浸水被害の危険性が高い区域の学校は直ちに行くべきではないでしょうか。 我々の会派のテーマである「市民の命、くらし、財産を守る」において、災害の備えは必須であります。阿倍野防災センターが、多くの市民が絶えず来館し防災の備えを学ぶ施設であり続けるためにどのように取り組んでいかれるのか、市長の御所見をお伺いいたします。
○議長(丹野壮治君) 松井市長。 (
市長松井一郎君登壇)
◎市長(松井一郎君) 阿倍野防災センターは、平成16年開設以来、毎年約10万人の方々に御来館いただいており、平成31年4月に愛称をあべのタスカルとして再整備を行いました。当センターは、東日本大震災当時、釜石東中学2年生だった男性が語り部として登場し防災の大切さを伝えるシアター映像や、津波により浸水していく様子をプロジェクションマッピングで実寸大で体験するといった最新技術を駆使した多数のメニューを用意し、防災を自らの問題として捉え、市民一人一人が具体的な行動につなげられるように、市民の災害対応力の強化に努めているところであります。 若い世代から大人まで、より多くの市民に阿倍野防災センターに御来館いただけるように、防災体験学習施設としての魅力の向上を図るとともに、より効果的・効率的に市民に防災知識や技術を普及させるための取組を進め、災害に強いまち大阪を目指し、さらなる防災力向上に努めてまいります。
○議長(丹野壮治君) 太田晶也君。 (33番太田晶也君登壇)
◆33番(太田晶也君) 次に、特別支援教育についてお伺いをします。 私の地元で障害のある子供を育てている保護者の方から、小学校や中学校に就学する際、特別支援学校を選択せず地域の小中学校に就学を希望したいという声を多く聞くようになりました。障害のある子供が共に学ぶインクルーシブ教育の理念の下、本市の障害のある子供の多くが地元の小中学校を選択するということは非常によいことだとは思いますが、一方で現場の先生方は、様々な障害へのきめ細やかな対応で指導に大変御苦労されているそうです。 先日公表された新たな大阪市教育振興基本計画の素案においても、インクルーシブ教育の推進につきましては今後重点的に取り組む事項として掲げられているところでありますが、改めて今後の本市の特別支援教育の推進について教育長の御所見をお伺いいたします。
○議長(丹野壮治君) 山本教育長。 (
教育委員会教育長山本晋次君登壇)
◎
教育委員会教育長(山本晋次君) 本市におきましては、これまで本人・保護者の意向を最大限尊重しつつ、地域において共に学び、共に育ち、共に生きる教育を推進してまいりました。そのため、児童・生徒の学習補助・生活補助の業務を担う特別支援教育サポーターの配置をはじめとして、専門的な視点から学校現場へ指導・助言できるよう巡回指導体制を強化したり、臨床心理士や作業療法士等専門職の配置を進めるなど、支援体制の充実を図ってまいりました。 一方で、障害の理解や認識の深まりとともに特別支援学級に在籍する児童・生徒は増加しており、引き続き、各校園の特別支援教育体制の充実を図ることや研修等を通じた教員のさらなる専門性の向上が求められております。 今後、人的配置や専門職による巡回指導など学校における支援体制の充実に引き続き取り組みますとともに、教員の発達障害を含む障害に対する理解や専門性を高めるために特別支援教育担当者への悉皆研修を実施するなど、特別支援学級に在籍する児童・生徒の自立と社会参加を見据えて、一人一人の教育的ニーズに応じた指導・支援が提供できますよう取り組んでまいります。
○議長(丹野壮治君) 太田晶也君。 (33番太田晶也君登壇)
◆33番(太田晶也君) 昨今、学習障害(LD)や注意欠陥・多動性障害(ADHD)などの発達障害の児童・生徒は、周囲の人との人間関係がうまく構築できないことや学習のつまずきが克服できないといった状況から不登校となってしまうケースも少なくありません。そういった事態にならないように、一人一人に寄り添い、個に応じた適切な支援を進め、障害のある子も障害のない子も生き生きと共に学ぶことができる特別支援教育を推進していただくことをお願いいたします。 次に、学校の制服・標準服についてお伺いをします。 本市のLGBTなど性的マイノリティーの支援として、パートナーシップ宣誓証明制度、LGBTリーディングカンパニー認証制度があります。ある広告代理店の調査によりますと、性的マイノリティーと言われる人たちの割合は人口の8.9%いると言われ、学校のクラスに換算しますと1クラスに1人から3人の当事者がいる計算となります。学校における取組について、性別違和による悩みを抱える子供たちに対する配慮として、制服や標準服のある学校で女子のスラックスを認めるなど選択できる幅を広げたり、ジェンダーレスの制服・標準服に取り組むなどの工夫をする学校が徐々に増えてきていると聞いています。 一方で、制服や標準服を変更することは学校にとって易しい課題ではなく、PTAや地域の賛同を得ながら進めていく必要があり、時間も労力も要することから議論が進んでいない学校があるのではないかと推察します。 最近では、全国的にも制服・標準服がブレザーに変更されてきていると聞きます。学生服業者の調査によりますと、令和元年度に制服の変更を行った中学校の数は全国で64校、その中でブレザーへの変更が86%と、圧倒的にブレザーが選ばれています。詰め襟、セーラー服に比べてブレザーのほうがデザイン的にも男女の差が強調されず、スラックスかスカートの選択がしやすいのではないでしょうか。現在、中学校で詰め襟、セーラー服などの制服・標準服が残っている学校はどれぐらいあるのかをお伺いいたします。 また、性別違和を自覚している子供たちにとって、制服・標準服は毎日のジェンダー表現の切実な問題であり、学校で議論できるよう支援を行う必要があると思いますが、教育長の御所見をお伺いいたします。
○議長(丹野壮治君) 山本教育長。 (
教育委員会教育長山本晋次君登壇)
◎
教育委員会教育長(山本晋次君) 制服・標準服の課題につきましては、平成29年度末におきましてスラックスとスカートの選択を可能にするなど何らかの配慮をしている市立の小中高等学校は6校にとどまっておりましたが、その後の啓発や研修等によりまして、令和元年度には149校、令和2年度には169校と増加をしてきております。 お尋ねの点に関しまして、平成29年度末の調査におきまして中学校の標準服として詰め襟の学生服を採用しております学校は約41%、セーラー服の採用は34%でございました。当時、標準服の変更を検討しているという中学校が16校ございまして、そのうち2校がブレザーへの変更を実施いたしております。 制服・標準服の変更につきましては、変更の
タイミングや保護者の費用負担面も含めまして多面的に検討する必要がございますため時間を要するところではありますものの、着実に広がってきているものと認識をいたしております。引き続き、学校・地域・PTA等にもLGBT等の性的マイノリティーへの理解促進を図りますため、さらなる啓発及び研修等を行い、制服・標準服につきましても広く議論が行える環境づくりに取り組んでまいりたいと考えております。
○議長(丹野壮治君) 太田晶也君。 (33番太田晶也君登壇)
◆33番(太田晶也君) 次に、障害者スポーツの振興についてお伺いをします。 今年は東京2020パラリンピック競技大会が開催されました。市長もお気づきになられたと思いますが、パラリンピックの競技種目は障害の種別や程度によって細分化されているため、オリンピックの競技種目よりもはるかに多くなっており、それだけ様々な競技を行うためには障がい者スポーツセンターは大変重要であります。 また、舞洲障がい者スポーツセンターではボッチャのナショナルトレーニングセンターの指定を受け力を入れており、東京パラリンピックのボッチャでは団体戦で大阪ゆかりの選手が銅メダルを獲得されました。また、大阪カップの愛称で親しまれている国際親善女子車いすバスケットボール大阪大会で活躍された選手が東京パラリンピックでも活躍されたところです。 大阪カップは平成15年から開催され、毎年海外から強豪チームを招くなど非常にレベルの高い大会となっており、東京パラリンピックの女子車いすバスケットボールで優勝したオランダをはじめ、入賞した多くのチームが大阪カップに出場経験があるチームとなっています。その大阪カップの開催と併せて実施している地域親善交流会では、各国の選手が市内の学校を訪問し、児童・生徒たちや地域の方々が車いすバスケットボールを体験し国際交流が図られるなど、非常に貴重な経験をされています。 舞洲や長居障がい者スポーツセンターは、このような様々な事業を展開することで障害者の社会参加の促進や障害者への理解促進に大きく寄与しています。また、利用者が目的等に応じて利用しており、混雑時には2館がお互いに補完し合い、重要な施設として機能してきました。今後の障害者スポーツ振興について市長の御所見をお伺いいたします。
○議長(丹野壮治君) 松井市長。 (
市長松井一郎君登壇)
◎市長(松井一郎君) 障がい者スポーツセンターは、障害者の健康維持・増進のみならず、外出や他者との交流、生きがいや生活の質の向上により、自立と社会参加の促進につながる施設として大変重要な役割を果たしている施設であります。また、東京2020パラリンピック競技大会では本市ゆかりの22名の選手が入賞され、そのうち障がい者スポーツセンターと関わりのある方が13名おられました。 長居障がい者スポーツセンターについては老朽化が進んでおり、今後も拠点施設として重要な役割を果たしていく必要があることから、先日、戦略会議において建て替えを決定しました。 障害者スポーツ振興に当たっては、身近な地域でスポーツに親しむことができる環境づくりが重要であることから、障がい者スポーツセンターが拠点施設として地域団体やスポーツ施設などとの連携を強化し、さらなる障害者スポーツの普及に努めてまいります。
○議長(丹野壮治君) 太田晶也君。 (33番太田晶也君登壇)
◆33番(太田晶也君) 舞洲と長居のスポーツセンターは日本における障害者スポーツの聖地であるということを申し添えて、次の質問に移ります。 次に、IRについてお伺いをします。 我が会派としましても、大阪・関西経済の成長や日本の魅力発信に寄与するものとして、世界最高水準のIRの誘致・実現に大いに期待してきたところでありますが、展示施設については段階整備を認めたことにより、開業時の面積が国基準の2万平方メートルの提案となっています。 MICEについては、大きな経済波及効果はもとより、ビジネス機会やイノベーションの創出、都市の競争力・ブランド力の向上に寄与するなど、IRにとって最も重要であると考えています。 世界では40万平方メートル以上の展示施設がある中、2万平方メートルでは世界どころか国内での競争にも勝てるとは到底思えません。世界最高水準のIRを目指すのであれば10万平方メートルでも少なく、日本最大となる20万平方メートルの展示施設を建設し、アジアや欧米など世界をターゲットに多くの展示会等を誘致していくことが大阪の経済にとって必ず必要と思いますが、市長の御所見をお伺いいたします。
○議長(丹野壮治君) 松井市長。 (
市長松井一郎君登壇)
◎市長(松井一郎君) 展示施設については、事業条件において国の基準に合わせ開業時は2万平方メートル以上とした上で、開業後10年以内に拡張計画を決定した後、開業後15年以内に6万平方メートル、事業期間内に10万平方メートル以上と計画しています。 ただし、段階整備の時期・規模等については、
新型コロナウイルス感染症による影響も含め、展示会等の需要動向やMICEビジネスモデル等を踏まえて必要に応じて見直すこととしております。 開業時は2万平方メートルでありますが、国際競争力の高い優れたクオリティーを有する最先端の施設機能やオールインワンMICE拠点としての強み、特性を生かしたサービス、MGMや国内外のパートナーのネットワークを活用したグローバルなセールス活動などにより、国際的な規模の展示会等の誘致・開催を目指してまいります。 今後、MICEビジネスモデルの変化・進展などを見極めながら柔軟に対応していく必要があるため、段階的に整備を進め、ニーズに応じて常に時代の最先端となる施設・機能・サービスを提供するポストコロナの時代の最先端MICE拠点をこの夢洲で実現してまいります。
○議長(丹野壮治君) 太田晶也君。 (33番太田晶也君登壇)
◆33番(太田晶也君) 次に、ゼロカーボンおおさかの推進と万博での取組についてお伺いをします。 国は、脱炭素社会の実現に向け、本年4月に2030年度の温室効果ガスの排出削減目標を2013年度比46%削減に引き上げ、6月には地域の脱炭素の取組を加速させるため地域脱炭素ロードマップを策定されました。 本市は、本年3月に2050年のゼロカーボンを目指す大阪市地球温暖化対策実行計画〔区域施策編〕を策定し、新たな施策を盛り込みましたが、2013年度比30%削減という2030年度の計画目標は、国の46%削減の目標改定を反映できていません。SDGs達成に貢献する環境先進都市を目指す本市の温室効果ガスの削減目標を高く引き上げ、我が国の脱炭素社会の実現を先導していくことが必要ではないでしょうか。 また、サステーナブルな社会への貢献をうたう2025年大阪・関西万博は、ゼロカーボン達成を一層推進していく上で非常に重要な機会となります。そのため、万博会場では先進的なエネルギー技術の導入を積極的に進め、来場者が未来へのわくわく感を感じながら脱炭素社会を体感できるようにしてもらいたいと考えます。 さらに、こうした体験を通じ、特に次代を担う子供たちが未来社会に対して夢や希望を持てるような万博にしてもらいたいと思います。市長の御所見をお伺いいたします。
○議長(丹野壮治君) 松井市長。 (
市長松井一郎君登壇)
◎市長(松井一郎君) 2050年に脱炭素化を目指す本市は、私をトップとする全庁的な推進体制である大阪市地球温暖化対策推進本部の下、地球温暖化対策の取組を総合的に推進しています。 2030年度の温室効果ガスの排出削減目標については、速やかに大阪市地球温暖化対策実行計画を改定し、その引上げを行い、最先端の環境エネルギー技術を取り入れるなど、持続可能な未来社会をつくる施策を展開してまいります。 また、大阪・関西万博は、脱炭素社会の実現に必要な取組を大きく加速させる機会として重要であります。未来社会の実験場となる会場では、最先端技術を実証・実装しながら、来場者に脱炭素社会ではどのように生活が変わるのかなどについて分かりやすく示すように博覧会協会に求めてまいります。とりわけ次代の主役となる子供たちが万博会場での未来社会の体験に心を躍らせ、将来に向け大きな夢を育むことができるように、引き続き、国や博覧会協会と連携し開催準備に取り組んでまいります。
○議長(丹野壮治君) 太田晶也君。 (33番太田晶也君登壇)
◆33番(太田晶也君) 次に、大阪港の物流とポートセールスについてお伺いをします。
新型コロナウイルス感染症拡大の影響は非常に広範囲にわたっており、自動車業界では工場の操業停止や生産調整が続くなど、輸出産業への影響は顕著だと聞いています。港湾への影響も大きいのではないかと心配をしましたが、大阪港の外貿コンテナ貨物量は、昨年は対前年比で3%の減少、今年1月から9月までは前年比で3%増加し、コロナ前の2019年の水準にまで回復しているとの状況とのことで、輸出貨物が多い横浜港や名古屋港に比べれば、背後に一大消費圏を抱え輸入貨物の多い大阪港はそれほど大きな影響を受けなかったと言えます。 コロナ禍で冷え込んだ大阪・関西経済の早期回復が求められる中、観光や飲食業も非常に大切ですが、物流は経済・社会状況が変化する中でもしっかり維持すべき機能であり、市民生活と企業活動を支える港湾の重要性が改めて認識されるところであります。 大阪港は、2017年に開港150年を迎え、昨年10月には大阪府港湾局と統合し大阪港湾局を設置するなど、新たなステージに入りました。大阪・関西経済の成長に向けては、経済活動に不可欠な大阪港の物流機能をさらに強化することが必要だと思いますが、今後どのように取り組んでいくのか、市長の御所見をお伺いいたします。
○議長(丹野壮治君) 松井市長。 (
市長松井一郎君登壇)
◎市長(松井一郎君) 昨年2020年の大阪港のコンテナ貨物量は、
新型コロナウイルス感染症拡大の影響により前年より減少しましたが、巣籠もり需要などに対応し、国内主要港に比べるとその割合は軽微であるなど、輸入を中心とした都市型港湾として大阪・関西経済を支える大阪港の役割は非常に重要なものであると改めて認識しています。 昨年10月に設立した大阪港湾局では、大阪港と堺泉北港など府営港湾が連携し、取扱貨物量の増加や定期航路の新設・増便などにつなげるために新たな集貨インセンティブ制度を創設するとともに、今月の22日には大阪みなとセミナーを開催するなど、ポートセールスの活動を実施しています。 大阪港は、国際コンテナの戦略港湾として国や阪神国際港湾株式会社とも連携し、西日本から貨物を集める集貨や食の輸出促進など新たな貨物を創出する創貨、さらには夢洲のコンテナターミナルの施設整備などの競争力強化の取組を引き続き推進してまいります。 大阪港、堺泉北港をはじめ大阪府下の港湾の連携により、各施策を着実に実施し、物流機能をさらに強化することで、大阪・関西全体の経済の活性化に積極的に貢献してまいります。
○議長(丹野壮治君) 太田晶也君。 (33番太田晶也君登壇)
◆33番(太田晶也君) 次に、水道における管路更新事業についてお伺いをします。 先日、和歌山市で紀の川に架かる水道管専用の橋が崩落し、約6万世帯が断水しました。その際、本市の水道局は直ちに応援の職員を派遣し、約10日間、合計72名の職員が現地で応急給水などの支援に当たり、その姿がニュースでも報道されていたことを誇りに思うとともに、ライフラインである水道の大切さを改めて認識しました。 大阪市においても、南海トラフ巨大地震の危険性が叫ばれる中、いわゆるコンセッション方式による管路更新事業については今回応募者が辞退する結果となりました。しかし、管路耐震化を迅速に進めたいという趣旨については理解できます。 また、今般工業用水道の運営権事業で衛星画像解析による漏水調査の導入が予定されていますが、このような民間の先進的な取組に触れることで水道局職員が技術力を高めながら事業の継続が図られるのであれば、官民連携の意義も否定するものではありません。 一方、市内一円の配水管の工事や設計業務を現行の倍のペースで16年間という長期にわたって委ねるという手法に、民間事業者がついてこられなかった面があるのではないかと推測します。 近年、建設作業に従事する労働者は高年齢化し、人材確保や技術継承に大きな課題を抱えています。こうした民間事業者の実情をしっかりと認識するとともに、本市の事業として職員による技術継承の観点を踏まえつつ、少しでも早く管路耐震化が進むよう実現可能な方策を模索すべきだと考えますが、市長の御所見をお伺いいたします。
○議長(丹野壮治君) 松井市長。 (
市長松井一郎君登壇)
◎市長(松井一郎君) 今回公募手続を進めてきたPFI管路更新事業は、南海トラフ巨大地震の切迫性が高まる中、管路の耐震化を今まで以上に推進する有効な手段であると考え取り組んできたものであります。 本事業については、応募者が辞退したことにより、当面は現行の公共発注の手法により管路の耐震化を進めていくことになりますが、更新ペースの向上に向けて官民連携は有効な手段であると考えておりまして、今回応募者が辞退した理由や課題を詳しく分析した上で、引き続き事業内容、公募条件等の検討を行っていくこととしています。 民間事業者側での人材確保や技術継承の課題については、現行の公共発注の仕組みと比べ、まとまった事業期間の中で民間事業者の裁量の余地が広がる仕組みとすることにより、民間事業者にとってもそうした課題を克服する上でプラスの効果があると考えます。また、職員の技術継承などの本市水道事業の基盤強化についても、官民連携による事業を進める中で職員の技術継承や本市自体の技術力向上・発展が図られるものとなるようにしてまいります。
○議長(丹野壮治君) 太田晶也君。 (33番太田晶也君登壇)
◆33番(太田晶也君) 次に、大阪中之島美術館の開館と今後の魅力向上の取組についてお伺いをします。 大阪中之島美術館については、昭和58年に建設が構想されて以来、既に40年近くがたちました。そんな中、ようやく近代美術・文化の拠点ができることは大変喜ばしい限りであります。大阪中之島美術館は既に外観も姿を見せ、行き交う人々の注目を集めており、2022年2月2日の開館を待ち遠しく思っているのは私だけではないはずです。 しかし、予定されている展覧会のラインナップを見て一つ残念に思うことは、美術に興味があるコアな層をターゲットにしたコンテンツに感じられます。言い換えれば、美術に興味のない方々へのメッセージ性が少し弱いのではないかなという点であります。 中之島美術館は芝生広場が設けられており、市民の憩いの場として幅広い世代の方々が訪れるでしょうし、土曜日・日曜日などは、特に隣接する大阪市立科学館を訪れる多くのお子さんやその御家族の方も御利用されるのではないでしょうか。そうであれば、例えば夏休みの期間など子供連れの御家族が興味を持つような企画展を行うなど、これまで美術館に足を運んでいない方々や幅広い世代の方々に来館してもらい、興味を持ってもらえるようなバラエティーに富んだ取組をしていくことが重要ではないでしょうか。 また、大阪中之島美術館は国立国際美術館とも隣接しており、私は、これらの文化施設が一体となって相乗効果を生み出すことで、子供たちが美術に触れる機会やにぎわいを創出することができるのではないかと考えますが、市長の御所見をお伺いいたします。
○議長(丹野壮治君) 松井市長。 (
市長松井一郎君登壇)
◎市長(松井一郎君) 大阪中之島美術館については、来年の2月2日の開館まで残すところあと2か月ほどとなり、現在、作品の搬入など開館に向けた準備作業を鋭意進めております。 本美術館は、長きにわたり蓄積してきた第1級のコレクション約6,000点を所蔵しており、開館後、まずこれら市民の財産を広くお示しすべく、代表作を一堂に公開する展示会を皮切りにコレクションに関連した展示会を連続実施することで、この館の個性を強く打ち出すこととしております。 本市としても来館者の裾野を広げていくことは重要であると認識しており、今後、子供を含むより幅広い世代の方々に興味を持っていただけるような展覧会をはじめ、様々な取組を行うよう
博物館機構と検討してまいります。 また、本美術館はオープンな空間や複数のエントランスを設けており、行き交う人々が館内に入りやすい施設であります。その特性を生かしながら、隣接する大阪市立科学館や国立国際美術館などと連携したイベントを実施することにより、より多くの方々が来場し、広く文化に触れる機会を提供してまいります。 これらの取組により、多くの人々が集い愛される美術館としていくとともに、大阪を代表するエリアの一つである中之島の活性化と都市格の向上に資する美術館を目指してまいります。
○議長(丹野壮治君) 太田晶也君。 (33番太田晶也君登壇)
◆33番(太田晶也君) 最後に、冒頭申し上げましたが、我が会派の結成の理念を踏まえ、区民が区政に参画する上で重要な区政会議の運営の在り方についてお聞きをします。 地域コミュニティーの希薄化や担い手不足が言われていますが、地域振興会の加入率を見ても約10年前に比べて10ポイント以上低下しており、今年もさらに低下するようです。そうした中でも各区の区政会議では、委員に選ばれた地域の皆さんがボランティアでありながら自分たちで議論をして、自分たちの区を住みよいまちにしていこうという使命感を持って参加しており、頭が下がる思いです。 しかしながら、現実の区政会議は皆さんの使命感に応えられるものになっているのか、疑問を感じることがあります。 区政会議には我々市会議員も助言者として出席していますが、議題は区の予算要求や運営方針の実績がどうであるかなど、委員の皆さんにふだんなじみのない役所の専門的な話が中心となっています。区政運営の評価が会議の重要な役割であることは理解できますが、例えば放置自転車が多く撤去や啓発など役所と一緒にどう取り組もうかといったような生活に根差したテーマで議論できる機会があれば、自分たちで自分たちの区を住みやすいまちにするという委員の皆さんの使命感に応えられるのではないでしょうか。 また、委員の皆さんが真摯に議論なさった会議の内容や、会議を踏まえて区政運営の進め方について区役所から区民の皆さんにしっかりとお伝えできているのか、区役所からのPRという点でもいささか心もとなく感じています。区役所として、会議資料や議事録をホームページで載せるといったことだけではなく、区民の皆さんに会議の成果を実感していただけるような情報発信の工夫が求められるのではないでしょうか。 ただいま申し上げた区政会議の運営をめぐる課題について一つ一つを受け止め解決していただくことで、区政会議が区民の区政参画の場という本来の機能をこれまで以上に発揮できるようになり、我が会派が目指す区民に寄り添う、すなわちニア・イズ・ベターの区政へと近づくものと考えていますが、市長の御所見をお伺いいたします。
○議長(丹野壮治君) 松井市長。 (
市長松井一郎君登壇)
◎市長(松井一郎君) 区政会議がその目的を果たすためには、身近なテーマでの活発な議論と会議の成果を区民に分かりやすく伝える情報発信が求められると認識しています。区によっては、子育てなど生活に身近なテーマごとの部会設置や委員自ら議論のテーマを検討いただくことによって活発な議論がなされているところがあります。また、ホームページなどで区政会議委員の意見とそれに対する区役所の対応状況を分かりやすく紹介するなど、区民の目を引く情報発信に取り組んでいる区役所もあります。こうした好事例を24区長の間で共有させ、各区の取組を一層深めながら、丁寧な会議運営を通じて区民の区政参画を促進し、住民に寄り添った暮らしの満足度向上につながる区政の実現を図ってまいります。
○議長(丹野壮治君) 太田晶也君。 (33番太田晶也君登壇)
◆33番(太田晶也君) 私は、現行の大阪市、この形のままでは課題が山積していると考えています。我々自民くらし会派としましては、区の在り方を検討していく審議会を立ち上げるなど、都構想に代わる都市内分権を含めた議論を進めていきたいと考えていますので、その際は松井市長、どうぞよろしくお願いをいたします。 (「ほんまにええねんな」と言う者あり)
◆33番(太田晶也君) (続)しっかり審議会でもやっていきましょう。 (「ほんまに通るんやで。君らが賛成したら8区で通るんやから」と言う者あり)
◆33番(太田晶也君) (続)またこの数もまた含めて検討したいと思います。 以上、市政各般にわたり市長にお聞きしてまいりました。かつて、磯村市長から吉村市長の期間にわたり、自民党会派から委員会等において大阪市民の日を制定するよう質疑をしてきました。昨年11月1日には大阪市を廃止し特別区を設置するいわゆる大阪都構想が否決され、大阪市が存続することとなりました。現在、コロナ禍の中、特にエッセンシャルワーカー、学校園の先生、また飲食に携わる方々など、大変しんどい思いをされています。また、区政会議の質疑でも触れましたが、コロナ禍で地域の行事もできない中、地域のために尽力されている方は多くいらっしゃいます。今後は、大阪市としてこのような方々に感謝の気持ちを表すために、大阪市民の日を制定するべきではないでしょうか。ぜひ検討を進めていただくよう要望し、私の質疑を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(丹野壮治君) 以上で、質問は終了いたしました。
○議長(丹野壮治君) 日程第2、議案第180号、令和3年度大阪市
一般会計補正予算(第12回)ないし日程第31、議案第209号、土地の処分についてを一括して議題といたします。
○議長(丹野壮治君) 理事者の説明を求めます。 松井市長。 (
市長松井一郎君登壇)
◎市長(松井一郎君) 本市会定例会に追加提出いたしました議案第180号ないし議案第209号の30件のうち、まず議案第180号から議案第182号までの補正予算案について、その概要を説明します。 今回の補正予算は、まず一般会計において
新型コロナウイルスワクチン接種事業や
新型コロナウイルス感染症患者受入病床拡充協力金のほか、2025年日本国際博覧会大阪パビリオン建設におけるマネジメント支援事業など、総じて133億3,332万1,000円を追加します。その財源として、国庫支出金等のほか、財政調整基金からの繰入金を追加するとともに、別途、債務負担行為として63億5,700万円を追加いたします。 次に、特別会計では、港営事業会計において、(仮称)夢洲駅駅前施設整備として今年度予算額を3,000万円追加するとともに、別途、債務負担行為として7,000万円を追加するほか、公債費会計において所要の補正として505億3,900万円を追加いたします。これらを合わせた補正予算総額は639億232万1,000円となっております。 続きまして、一般案件ですが、条例の制定、一部改正や契約締結等の諸案件について議会の議決をお願いするものであります。 議案第183号は、令和4年度において発売することができる
当せん金付証票、いわゆる宝くじの金額の範囲を令和3年度と同様の600億円以内と定めるものです。 議案第184号から議案第187号の4件は、田川小学校外3校について、それぞれ建設工事請負契約の締結を行うものであります。 議案第188号は、相手方の有する土地と本市の有する借地権との交換をするものです。 議案第189号は、国民健康保険における出産育児一時金の額を改定するものであります。 議案第190号及び議案第191号は、
地方独立行政法人大阪健康安全基盤研究所及び大阪産業技術研究所について、それぞれ第2期中期目標を定めるものです。 議案第192号は、
森之宮北地区地区計画の区域内における建築物の敷地、構造及び用途に関する制限を定めるために条例を制定するものです。 議案第193号は、長期優良住宅の普及の促進に係る法律の一部改正に伴い、同法に基づく事務に係る手数料を改定するとともに規定の整備をするものです。 議案第194号は、
消防局関係で、債務者に対する給与の過払いによる返還金に係る債権等を放棄するものであります。 議案第195号は、
住之江区役所、総務局及び
福祉局関係で、面談強要行為等の差止め等を求めるために訴訟を提起するものです。 議案第196号から議案第203号の8件は、西三
国センター外7施設において
指定管理者を指定するものであります。 議案第204号は、扇町公園の管理を
指定管理者に行わせるものであります。 議案第205号から議案第207号の3件は、
淀川左岸線(2期)トンネル設備工事-1及び2、
淀川左岸線(2期)国道2号交差部トンネル整備工事について、それぞれ工事請負契約の一部を変更するものであります。 議案第208号は、安治川1
号港湾労働者休憩所外3施設について
指定管理者の指定をするものであります。 議案第209号は、本市所有地を売り払うものであります。 以上、案件の概略を説明申し上げました。何とぞ御審議賜りますようにお願いを申し上げます。
○議長(丹野壮治君) ただいま議題となっております諸案件は、審査付託表のとおり、各常任委員会に付託いたします。
○議長(丹野壮治君) 日程第32、議案第178号、一般職の
任期付職員の採用及び給与の特例に関する条例の一部を改正する条例案及び日程第33、議案第179号、職員の期末手当及び勤勉手当に関する条例の一部を改正する条例案を一括して議題といたします。 なお、議案第178号及び179号に対する人事委員会の意見は、資料に記載のとおりであります。
○議長(丹野壮治君) 財政総務委員長より審査の報告を求めます。 41番財政総務委員長上田智隆君。 (41番財政総務委員長上田智隆君登壇)
◆41番(上田智隆君) 財政総務委員会に昨日付託されました議案第178号、一般職の
任期付職員の採用及び給与の特例に関する条例の一部を改正する条例案外1件に対する審査の結果と経過について御報告申し上げます。 本委員会は、本日審査を行いました結果、報告書に記載のとおり、いずれも原案を可決すべきものと決した次第であります。 これらの議案は職員の期末手当の年間支給月数を改定するもので、本年9月の人事委員会からの勧告を踏まえて、一般職員は0.15月分引き下げ、また指定職職員、再任用職員及び特定
任期付職員は0.1月分引き下げるものであります。なお、これらの案件に対する質疑等はありませんでした。 以上、簡単ではありますが、財政総務委員会の審査の報告といたします。
○議長(丹野壮治君) これをもって審査の報告は終了いたしました。
○議長(丹野壮治君) これより採決に入ります。 議案第178号及び179号について一括して起立により採決いたします。委員長の報告はいずれも可決であります。委員長報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。 (賛成者起立)
○議長(丹野壮治君) 多数であります。よって議案第178号及び179号は委員長報告のとおりいずれも可決されました。
○議長(丹野壮治君) 日程第34、
議員提出議案第23号、大阪市会議員の報酬、費用弁償及び期末手当に関する条例の一部を改正する条例案を議題といたします。
◆7番(山本長助君) 動議を提出いたします。ただいま議題となりました
議員提出議案第23号については、委員会付託を省略、原案どおり可決されることを望みます。
○議長(丹野壮治君) 7番議員の動議に御異議ありませんか。 (「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(丹野壮治君) 御異議なしと認めます。よって
議員提出議案第23号は委員会付託を省略、原案どおり可決されました。
△閉議
○議長(丹野壮治君) 本日の日程は以上で終了いたしました。
△散会
○議長(丹野壮治君) 本日はこれをもって散会いたします。 午後4時24分散会 大阪市会議長 丹野壮治 大阪市会副議長
西川ひろじ 大阪市会議員 西 拓郎 大阪市会議員 岸本 栄◯大阪市会(定例会)会議録(令和3年11月26日)(終)...