○議長(
広田和美君)
松井市長。
◎市長(
松井一郎君) 一時保護所を含めた
こども相談センターを4カ所運営するには、国による配置基準の見直しもあって、職員の大幅な増員が喫緊の課題と認識しています。 一方で、その業務の専門性から、丁寧に人材を育成しながら計画的に職員を配置し、着実に
体制強化を図る必要があります。また、計画的な配置を進める間は、基準に沿った職員体制を確保できないが、少しでも職員体制を補完できるような応急的な対策も必要と考えています。 具体的には、来年度以降、過去に
児童相談所で
児童福祉司として従事をしていた者を期限つきで採用し、新任
児童福祉司とともに相談援助業務を実践することで援助技術を教えるなど、
児童福祉司等の育成を強化します。また、児童福祉や児童心理に関する職務経験者を採用し、即戦力の職員として活躍をしてもらう検討もしています。
児童相談所には一時保護など期限が付与されており、時には保護者と対立するなど厳しい対応も求められるが、子供の権利擁護の最後のとりでとしての重要な役割に魅力を感じて頑張っている職員も多くいます。現に頑張っている職員を初め、今後そうした分野で頑張りたいと考えている方が継続的に勤務し、専門性を積み上げていくため、職員の処遇改善を含め、どのような方策が有効なのか検討してまいります。
○議長(
広田和美君)
西徳人君。
◆64番(
西徳人君) 今後、2021年には3カ所目、また2026年には4カ所目と順次開設予定となっておりますけれども、児童虐待の相談件数が増加傾向にありまして、一時保護所の定員超過も続いておりますので、現状でさえ大変な状況との声を数多く伺っております。採用、また人材育成のプログラムなど、きめ細かな計画の策定の検討を重ねて要望させていただきます。 次に、教育委員会事務局の4ブロック化と教育の質の向上についてお伺いします。 昨日、教育委員会を4つのブロックに分け、指導主事を段階的に増員していくことで、各学校の実情にきめ細かく対応していく方向性が示されました。教育委員会が現場とより近くなり、一体となって学力向上などのさまざまな教育課題に対応していくことは、かねてより我が会派が求めてきた姿勢であり、推進すべきと考えます。特に、学校現場と教育委員会をつなぐ、この役割を担う指導主事は、きめ細かい学校への支援を行う上で重要であり、4ブロック化を段階的に進めるに当たり、増員していく必要があります。 しかしながら、一方で、現在、採用後10年以内の教員が全体の5割を占める状況となっており、こうした若手教員の人材育成が急務であります。また、学校運営のかなめである教頭のなり手不足や講師の補充も難しいような状況がここ数年続いており、4ブロック化を担う人材を提供すべき学校現場では、その余裕はないと感じております。 教育長は、所信表明において、教育の質の向上を取り組むべき施策の方向性として述べられました。教育の質の向上で欠くことのできない要素は教員の資質であります。教育委員会の4ブロック化に際し、教員の資質向上、人材育成を行って、どのように教育の質の向上を図っていくのか、教育長の御所見をお伺いします。
○議長(
広田和美君) 山本
教育委員会教育長。
◎
教育委員会教育長(山本晋次君) 教育の質の向上には、優秀な人材を確保しますとともに、ICT環境の整備や学校適正規模の確保、教員の負担軽減に加えまして、子供たちにじかに接する教員自身が研究と修養を積むことができる組織体制や学び続ける環境を整備して、学校現場がその持てる力を最大限に発揮できるようにしていく必要があると考えております。 本市では、将来の教頭を担う人材を育成するために校務のかなめとなります首席を積極的に登用するほか、首席等の中堅職員を補佐する役割を担う主務教諭制度を導入したところであり、現在、制度の浸透を図っているところでございます。 4ブロック化に当たりましては、その一環として、現在、校長、教頭級に限っている指導主事の任用範囲を拡大することなどにより、人材育成と事務局の増員を並行して行い、円滑な移行を図っていくことを考えているところでございます。また、教育委員会事務局の業務の全てを4つに分けるのではなく、学校をきめ細かく支援して成果を上げるため、学力や子供の安心・安全にかかわる業務から段階的に移行していく考えでございます。教員の採用や研修といった一元的に行ったほうが効率的なものについては、今後も一体的に実施する方向で検討することになると考えております。 特に、教員の資質の向上を担う教育
センターにつきましては、新時代に求められます授業力や今日的課題に対応できる専門性などの育成に向け、今後は研究部門も充実させ、より現場実践に根差した専門性の高い研修につなげていくことが求められておりますことから、積極的に大学の知見を活用できますよう、大学と密接に連携した新たな教育
センターの設置を検討し、教員の学び続ける環境の整備とそれに必要な体制の整備を図っていきたいと考えているところでございます。
○議長(
広田和美君)
西徳人君。
◆64番(
西徳人君) 学校現場をしっかりとサポートできる体制をぜひともよろしくお願いいたします。 次に、ひきこもり対策についてお伺いいたします。 先日の
決算特別委員会において、我が会派から質疑を行いましたが、本市でのひきこもり状態にある人を内閣府の調査をもとに推計しますと2万6,000人以上にもなるとのことですが、本市では調査そのものを実施しておらず、実態の把握すらできていない上に、実際に相談に応じている人数は、この推計と比較してもごくわずかであります。また、健康局のひきこもり対策に係る平成30年度決算額はわずか約280万円、ひきこもり専門相談電話が平日の10時から12時までと、とても十分な支援が行われるような体制とはなっておりません。 ひきこもり状態にある人やその家族、それに至る経緯、またさまざまな事情を抱えながら生きづらさの中で葛藤し、中には生活に困っていても相談もできず、現状を諦めてしまっている人もおられます。 先日、我が会派から市長へ申し入れを行いましたが、このような人々に適切なサービスや支援を届けられますよう、ひきこもり状態にある人の人数やニーズを把握するために早急に調査を実施すべきであります。また、支援を行う専門人材を育成、確保するとともに、アウトリーチの充実や居場所の確保など、相談支援体制を強化すべきと考えます。さらに、ひきこもり状態にある人については、地域や社会との関係性が希薄であり、そのつながりを取り戻すことが重要であります。市民に対してひきこもりに関する正しい知識と理解の促進を図ることも必要ではないかと考えますが、市長の御所見をお伺いします。
○議長(
広田和美君)
松井市長。
◎市長(
松井一郎君) ひきこもり状態にある人への支援については、ひきこもり地域支援
センターや生活困窮者自立相談支援機関、区役所、若者サポートステーションなどが相互に連携しながら取り組んでおります。 ひきこもりの状態にある人やその家族は、それぞれが異なる事情を抱えておられると思います。支援に当たっては、それぞれが生きづらさと孤立の中で日々葛藤されていることも踏まえ、個々の状況に応じて時間をかけて寄り添う姿勢が重要であると認識をいたします。 今後、関係局間の連携を強化し、当事者団体や家族会など外部の方の意見も伺いながら、ひきこもり状態にある人の状況等を把握するための調査については来年度の実施を目指し、手法や内容等について検討を進めてまいります。また、本人やその家族などの声をしっかり受けとめるために、SNS等を活用するなど、より相談しやすい環境づくりと心情に寄り添った切れ目のない丁寧な支援が行えるように、専門人材の育成、確保やアウトリーチの充実と相談支援体制の強化に向けて取り組んでいきます。さらに、生きづらさを抱えている方一人一人が尊重され、その本人に合った形で社会とつながるように、今後ともひきこもりに関する知識と理解を広めるための普及啓発を積極的に行っていきます。
○議長(
広田和美君)
西徳人君。
◆64番(
西徳人君) これまで本市におきましては、
取り組みがなかなか進まなかったひきこもり対策でありますが、複雑な事案やケース・バイ・ケースで判断しなければならない事案など、経験と専門性を必要とする課題でありますので、しっかりとした
サポート体制がとれますよう、手厚い財源の確保も求めておきたいと思います。 次に、就職氷河期世代の就労支援についてお伺いします。 いわゆる就職氷河期世代につきましては、30歳代半ばから40歳代半ばまでの世代で、正規雇用を希望していながら不本意に非正規雇用で働かれている、あるいは就職を希望しながら、さまざまな事情により就職活動をせず、長期間無業の状態にある、このような人は都道府県別での国の推計によりますと、大阪では約7万3,000人に上るということであります。そのような人は、概して能力開発の機会が少なく、職務経験も積めていないのが現状です。加齢や採用慣行等により安定した職業に転職する機会も制約されやすく、不安定な就労状態にあるため、収入が低く、生活基盤が脆弱といったさまざまな課題に直面していると認識しています。 一方で、専門的知識やスキルを持った人も多く、本来であれば、時の経済情勢に翻弄されることなく、希望する仕事について活躍されていたかもしれないことを考えますと、御本人の気持ちを察するに余りがあります。 本年6月、政府の骨太の方針、「就職氷河期世代・支援プログラム」が盛り込まれ、国においては就職氷河期世代の活躍の場をさらに広げる支援を令和2年度から3年間にわたり集中的に取り組むとしています。また、宝塚市では、就職氷河期世代に限定した市職員の採用試験も行われております。 こうした前向きな姿勢で、本市においても就職支援のためのプロジェクトが必要であり、さらにしっかりと数値目標を定めて取り組むべきと考えます。市として、このような就職氷河期世代の人々に対してどのように取り組むのか、市長の御見解をお伺いいたします。
○議長(
広田和美君)
松井市長。
◎市長(
松井一郎君) 豊かな大阪の実現のためには、大阪を支える人材力の強化が必要不可欠であり、就職氷河期世代を初め全ての世代において、意欲ある方々がその能力を十分に発揮し、活躍できる環境を整備することが重要と考えます。 これまでから就職困難者を対象に就労相談から就職マッチングまでの支援を行ってきたところであります。とりわけ、この30歳代半ばから40歳代半ばまでの、本来、まさに働き盛りであるはずの就職氷河期世代の方々の活躍をより一層促進していくに当たっては、一人でも多くの就職氷河期世代の方に就労相談窓口の存在を広く知ってもらい、利用していただくという流れをつくることが必要であります。さらに、この相談窓口において、資格の取得など就業に必要なスキルを実際に身につけていただきやすくするような後押しをすることも必要であると考えます。 そこで、本市としては、ハローワークと一体的に運用するこの窓口機能の強みを生かし、国が新たに導入を予定する就職氷河期世代支援プログラムに誘導するなど、就職氷河期世代の方々が正規雇用として就職したり、より幅の広い職業選択をしていただけるように、国、大阪府と数値目標や事業計画を共有し、局横断的に連携を図りつつ、個々の人の状況に応じた自治体ならではのきめ細かい支援を推進してまいります。
○議長(
広田和美君)
西徳人君。
◆64番(
西徳人君) 東京に本社を置く総合物流会社におきましては、就職氷河期世代に限定をした中途採用枠を設け、正社員の雇用を発表するなど、企業における
取り組みも進みつつあります。ハローワークにつなぐだけではなく、本市がみずから旗振り役となって、企業さえもリードするような支援策の創設など、前向きに検討していただきたいと思います。 次に、災害時における被災者支援等についてお伺いします。 本市は、昨年、大阪府北部地震や台風21号により被災しました。さらに、ことし9月の台風15号による千葉県を中心とした暴風被害、あるいは10月の台風19号による東海、関東、東北にかけての大雨、河川氾濫被害のすさまじさ、これを目の当たりにしますと、改めて平時における防災・減災の
取り組みの重要性と災害時におけるきめ細かな支援が必要であることを痛感したところであります。 その一つが、一部損壊家屋の被害に対する支援です。適用する法律や自治体の被害規模によって支援内容は異なるものの、いずれの場合におきましても、これまでの国の制度としては全壊及び半壊家屋に対する支援であり、一部損壊家屋は対象外とされていました。そのため独自の支援制度を創設して、一部損壊家屋への支援を行う自治体もある中で、本市にはそうした制度がないのが現状であります。 本市も、いつまた被災するかもわからない昨今の気象状況下では、一部損壊家屋に対する支援についても真剣に考えておかなければならない課題と考えますが、市長の御所見をお伺いします。 また、避難所における女性への対応については、我が会派としてかねてより質疑してまいりました。避難所生活が長期化しますと、なれない場所での寝食等のストレスから避難者の心身の疲労が蓄積し、二次的な健康被害も懸念されます。とりわけ女性は、過去の災害においても、着がえの場所や女性用品の配付など、さまざまな場面で問題になっており、間仕切りにもなる段ボールベッドやワンタッチ式プライベート空間が確保できるテントなどにつきましては、ある程度の数量を備蓄すべきだと考えます。避難所でのプライバシーの確保等、特に女性に対する配慮の必要性について、市長のお考えをお伺いします。
○議長(
広田和美君)
松井市長。
◎市長(
松井一郎君) 本市としては、この間、大阪府や大阪府市長会と連携をし、関係省庁などに台風21号による暴風被害等への対応として一部損壊家屋への災害救助法、被災者生活再建支援法の適用について要望を行ってきました。 一方で、今般の台風15号や19号の被災をきっかけに、本年10月23日に災害救助法における住宅の応急修理の対象が拡大され、損害割合が10%以上20%未満の一部損壊家屋には30万円以内の支援が受けられるという制度化が図られ、本年8月28日から遡及適用されることになりました。 しかしながら、昨年の大阪府北部地震や台風21号にまでは遡及適用されていないことや、損害割合が10%未満の一部損壊家屋への対応については課題であると認識をしており、引き続き大阪府や大阪府市長会等と連携し、国に対して要望を行うとともに、自治体独自の支援制度について検討してまいります。 また、災害で被災された方々が安心して避難所生活を送っていただけるように、女性の視点を取り入れた避難所運営を行うことは重要であると認識しています。例えば女性を初めとする多様な方々が避難所運営委員会に参画することなどについて、避難所開設・運営ガイドラインに掲載し、更衣室や授乳室など女性専用スペース、子供の広場の確保などの周知に取り組んでいます。避難所におけるプライバシー確保に向けては、間仕切りにもなる段ボールベッドを製作している西日本段ボール工業組合と大阪府が協定を締結し、本市にも提供いただくことになっておりますが、より迅速に確保するために、本市としての協定締結に向けて取り組んでいるところです。 今後、本市として段ボールベッドやワンタッチ式テントを備蓄するのかということについては、備蓄スペースの問題等もあることから、他市の事例なども参考にして検討をします。
○議長(
広田和美君)
西徳人君。
◆64番(
西徳人君) 次に、Wi-Fi整備についてお伺いをいたします。 平成29年10月に台風21号が襲来した際、大和川の水位が上がり、住之江区、住吉区、東住吉区、平野区の流域4区に避難勧告が発令されたことは記憶に新しいと思います。台風が近づく中、避難した住民は、被害がどれだけ広がるのかとても不安であったと思います。個人のスマートフォンなどで情報収集するしかないといったような状況の中で、学校のWi-Fi設備を災害時にも使えるよう、本市として校舎に避難した住民に対し、学校のWi-Fi環境の提供を考えていないのでしょうか。 また、災害によっては学校だけではなく、区役所でも避難者を受け入れることがあると聞いております。区役所においてもWi-Fi環境を提供できれば、手続等の待ち時間の際にも活用できると思います。加えて災害時の情報収集にも活用できる環境を提供することで、市民サービスの向上につながると考えます。市民利用施設である市役所、区役所にもWi-Fi環境を整備すべきであると考えますが、市長の御見解をお伺いします。
○議長(
広田和美君)
松井市長。
◎市長(
松井一郎君) 平成29年の台風21号のときは大和川が危険水位に到達し、流域の住之江区、住吉区、東住吉区、平野区の27万4,000人に避難勧告を発令しました。一時は4区合わせて66カ所の避難所を開設し、約3,670人が避難所に避難をしていました。 避難所指定を受けている学校の教育ICT設備については、現在のところ、教育用として整備を行い、インターネットを用いた授業などに活用をしております。今後、学校に整備されるWi-Fi環境を利用し、避難された住民の方々がスマートフォンなどで情報を収集できるといった災害時の活用ができるか検討してまいります。 また、市役所、区役所には、手続のために来庁いただくのみならず、特に区役所は災害時に臨時の避難所として利用することがあります。災害時における市役所、区役所での情報収集には、ファイブゼロジャパンという仕組みが活用できると考えます。ファイブゼロジャパンとは、民間の通信事業者が平時には各社のサービスとして提供している公衆無線LANを、大規模災害時には無料で開放する仕組みであり、スマートフォンなどの通信機器を用いれば、誰でも公衆無線LANを利用してインターネットに接続し、情報を収集することができます。現在、市役所及び多くの区役所で民間事業者の公衆無線LANが設置されていることから、大規模災害時にはこのファイブゼロジャパンは情報収集のインフラとして活用できると考えます。 平時における市役所、区役所のWi-Fi環境の整備については、民間事業者と連携することにより、実現に向けて検討してまいります。
○議長(
広田和美君)
西徳人君。
◆64番(
西徳人君) ただいま市長のほうからも、平時における市役所、区役所のWi-Fi整備については民間事業者と連携することによりまして、実現に向けて検討するという御答弁でございましたけれども、市長の責任におきまして民間事業者さんとの連携を進めていただけるのかどうか、再度の御答弁をよろしくお願いします。
○議長(
広田和美君)
松井市長。
◎市長(
松井一郎君) 今後、スマートシティの
取り組みを進めていく中で、市民ニーズや都市の課題に応じた通信手段を見きわめまして、あらゆる機会を捉え、民間事業者に対して積極的に働きかけるなど、効果的な連携方策を検討します。
○議長(
広田和美君)
西徳人君。
◆64番(
西徳人君) これまでも民間事業者に働きかけてはきていただいてると思うんですが、なかなか進んでこなかったという現状がございますので、実現に向けた
取り組みをぜひとも市長、よろしくお願いしたいと思います。 次に、無電柱化の推進についてお伺いいたします。 これまで、我が会派では、繰り返し無電柱化の推進を求めてまいりましたが、平成30年度末時点で本市の幹線道路の無電柱化率は33%と余り進んでおりません。 先日の
決算特別委員会では、整備計画を策定し、緊急交通路の重点14路線を中心に、今後10年間の整備計画をまとめ、大阪から奈良、生駒方面に通じる緊急交通路を最優先で整備するとの答弁がありました。 昨年の台風21号に引き続き、ことしの台風15号においても千葉県を中心に多くの電柱が倒壊し、道路交通網が大きく寸断されるなど、地域社会に大きな影響を及ぼしました。非常に強い台風に備えた災害に強いまちづくりには、都市基盤施設の強靱化が必要不可欠である一方、あらゆる担い手が役割を果たすことが重要であります。いわゆる無電柱化法では、国、地方公共団体、関西電力を初めとした電線管理者の役割が定められており、おのおのがその役割を果たすことで大きな効果、成果が得られると思います。 改めて市長に無電柱化に対する本市の姿勢を伺うとともに、あわせて共同事業者である電線管理者が役割を果たせるようにする
取り組みについて御所見をお伺いします。
○議長(
広田和美君)
松井市長。
◎市長(
松井一郎君) ことしの3月に策定をいたしました大阪市無電柱化推進計画には、無電柱化をより効率的、効果的に進めるため、多様な整備手法の活用とコストの縮減の促進や道路法第37条による占用制限の実施等の
取り組みを位置づけており、電線管理者との協議のもと進めることとしております。 特に、今年度策定する無電柱化整備計画では、今後10年間で都市防災機能の向上を目的に、緊急交通路重点14路線の無電柱化に重点的に取り組んでまいりますが、この整備計画を確実に完了させるためには、関西電力やNTT西日本などの電線管理者との連携強化は極めて重要な
取り組みであると考えます。 一方、電線管理者は、いわゆる無電柱化法において、道路上の電柱等の設置抑制や撤去、または地方公共団体などと連携をして無電柱化の推進につながる技術開発が責務とされています。 このような電線管理者の責務が果たされ、無電柱化が促進されるように、本市の担当部局に対して、電線管理者との連携強化を図るための
仕組みづくりを指示したところであり、今年度に策定する整備計画が確実に達成できるように、この新たな仕組みを活用して、電線管理者に強く働きかけをしてまいりたいと思います。
○議長(
広田和美君)
西徳人君。
◆64番(
西徳人君) 台風19号が昨年本市を襲いましたけども、やはり電柱の倒壊そのものが既に凶器となるように思います。そうした意味でも、ぜひとも防災対策としても、また2025年の大阪・
関西万博に向けました都市景観の向上に向けても、大阪の無電柱化というものは待ったなしであると思います。今後、計画の前倒しを含めまして、本市が先頭に立って、関西電力を初めとした電線管理者を取りまとめて無電柱化を強力に推進していただきますよう強く要望しておきます。 次に、大学統合についてお伺いします。 大学統合について、8月の副首都推進本部会議において、新大学基本構想が大学法人から提出されました。基本構想において新大学の教育研究組織は、同種分野を一つの学部等に再編する方針が示されています。また、キャンパスについては、現在、市大・府大双方にある理学、工学、看護学などを集約するための施設を整備し、さらに主に1回生から2回生が学ぶ基幹教育等を森之宮で実施し、メーンキャンパスとして整備する計画となっております。キャンパスの再編は2025年度までに行うとのことであります。これらの整備は、いずれも大事業となるものでありまして、設立団体である府市がまずしっかりと支援することが必要であります。 これまでにも、新大学の設置に当たりまして、その投資や運営費交付金は府市が均等に負担するべきとの見解が示されていました。この考え方は、大学統合後の学舎等の建て替えや改修も同様で、府市は対等に新大学を支えていくものと思いますが、市長のお考えをお伺いします。 また、新たに大きな投資を行うからには、新大学はこれまで以上に市民、府民の期待に応えるものになるべきと考えます。大学法人からの基本構想が示されている中ではありますが、設立団体としてどのような大学を目指しておられるのか、市長のビジョンをぜひともお聞かせいただきたいと思います。その上で、2025年度までのキャンパス整備をどのように進めていかれるのかお考えもあわせてお伺いします。
○議長(
広田和美君)
松井市長。
◎市長(
松井一郎君) 18歳人口が減少し、大学間競争が激しさを増す中、優秀な学生を集められずに質が低下し、十分な成果を生み出せなくなる大学が今後ふえていくことが予想されます。私といたしましては、そういう思いを持ちながらこれまで大学統合に取り組んでまいりました。 府大、市大の統合による新大学は、両大学の歴史、伝統を継承して、お互いのよいものを持ち寄り、新しい研究分野を開拓して高度な成果を生み出していくことや、質の高い教育を提供して有為な人材を輩出していくことができるものと考えます。そして、大阪の成長や市民生活の質の向上に貢献していくことを期待いたします。それらの実績によって、大学の評価価値を向上させ、世界の大学と競争できる力を持って、これからの日本を牽引する大学として認知させなければならない、国内外で知名度を上げ、選ばれる大学になることを私は目指しています。 そうした大学を実現するためには、教育、研究の場であるキャンパスの整備も必要であると思います。同種の分野の学部等の集約や、都心にあって関西圏から広く人材を引きつけ、多くの企業などと連携できる環境づくりは新大学にとっては重要です。 そのため、初期投資や統合後のランニングコスト、施設の更新等の財政支援は、私も府市で折半することが基本であると考えます。府市が力を結集してこそ新大学は発展していくものであります。府や法人との緊密な連携のもと、キャンパス再編など新大学の基盤を早急に整えていく必要があります。法人案で示されている2025年度に向けて鋭意取り組んでまいります。
○議長(
広田和美君)
西徳人君。
◆64番(
西徳人君) 単に法人統合するだけでは、大学の
機能強化を図ることは困難ではないかと思います。市長におかれましては、設置者としての責任のもとで学生ファースト、具体的な大学ビジョン、これを打ち出していただきたいと思います。 次に、天王寺動物園の将来ビジョンについてお伺いします。 我が会派は、天王寺動物園を国内外からの来園者の方々に楽しんでいただき、本市が世界に誇ることのできる魅力ある動物園となるよう応援をしてまいりました。昨年の
一般質問でも新たな動物の積極的な導入、また動物が安心して暮らせるような施設の整備、そして経営形態の変更、この3点についてしっかりと取り組んでいくとの市長の答弁がありました。 私が9月に札幌市の円山動物園を視察した際に、ホッキョクグマの施設が非常に印象に残っております。昨年3月にオープンしたばかりでありまして、ホッキョクグマが水中トンネルをダイナミックに泳ぐところを見ることができます。見る者を楽しませると同時に、繁殖も念頭に置き、国際基準に基づいて整備をされております。天王寺動物園でも、ペンギン・アシカ舎を初めとして、順次、施設整備に着手しておりますが、他園のよいところは積極的に取り入れるべきであると考えます。 一方で、あべのハルカスやてんしば、先週オープンいたしました「てんしばi:na(イーナ)」など、この間、周辺に新しい施設が次々に整備をされていくのを見ますと、より動物園の施設の老朽化が際立っておるというふうに感じます。これら周辺の民間施設に負けないよう、着実に魅力的な都市型動物園にしていくためには、そのふさわしい経営形態といたしまして、地方独立行政法人化の検討を進めておられます。ぜひ、都心に立地する天王寺動物園ならではの、他の動物園には決してまねをすることのできない動物園づくりを実現すべきと考えます。 そこで、改めて市長の天王寺動物園に係る将来ビジョンについてお伺いをいたします。
○議長(
広田和美君)
松井市長。
◎市長(
松井一郎君) 私は、2025年万博開催を控え、大阪が世界の大都市と肩を並べていく上で、種の保存といった国際貢献に資する使命を担う動物園の存在は、今まで以上に重要になると考えております。 そのために、動物導入では、昨今、希少動物の入手が繁殖目的以外では困難なことから、飼育技術の向上に取り組むとともに、国内外の動物園との情報共有等の連携を強化してまいります。 施設整備では、令和4年度完成予定のペンギン・アシカ舎や次に建設予定のホッキョクグマ舎を初めとして、動物が安全、快適に暮らせるよう国際基準をクリアすることはもちろん、来園者が見て楽しめるようなものにしていくことが、引き続き他園の先行事例のよいところを取り入れるなどしてしっかりと進めてまいります。 今後とも、飼育技術の向上、施設整備といったソフト・ハード両面の
取り組みを一層推進することで、積極的な動物導入や動物の安全な
生活環境の確保を実現できると同時に、国際的評価も高まるものと確信しており、これらの
取り組みを迅速な意思決定により着実に進めていけるように、引き続き地方独立行政法人化に向け制度設計を行ってまいります。 以上のように、天王寺動物園のクオリティーをさらに向上させ、限られたスペースでも、都心に立地する強みを生かし、動物が安全に暮らせると同時に、楽しく見て過ごしていただける魅力的な大都市大阪の動物園として誇れるものにしたいと考えております。
○議長(
広田和美君)
西徳人君。
◆64番(
西徳人君) 子供さんからお年寄りまで、ぜひともわくわくするような将来ビジョンを達成するためにも、思い切った財源も必要であると思いますので、大都市大阪が誇れるよう、また天王寺動物園のために、しっかりと財源確保もお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。 最後に、SDGsの推進についてお伺いします。 最近、SDGsに関する理解も深まり、賛同している人がふえていることを実感しているところであります。ただいま議場にお集まりの皆様方も胸にこのSDGsのバッジをされてると思いますが、私にも、このSDGsのバッジはどこで売っているのかと、こういったことの問い合わせもふえております。 こうしたSDGsに基づく、これは2030年までに誰一人取り残さない社会の実現を目指すものでありまして、我が党は国連での採択直後の2016年に党内にSDGs推進委員会を立ち上げ、政府に政策提言を行うなど、政府のSDGs推進本部と連携し、与党の立場で国内外における理念の推進に積極的に取り組んでまいりました。我が会派から、友好都市の上海市と環境分野での覚書を締結するなど都市間交流を推進し、海外のSDGsの達成に貢献するよう要望いたしました。 本市では、大阪市まち・ひと・しごと創生総合戦略としてその
取り組みを一体的に推進しておりますが、今後はどのように取り組んでいくのでしょうか。また、内閣府においては、自治体による目標達成に向けた
取り組みを公募しており、すぐれた
取り組みを提案する都市をSDGs未来都市、特に先導的な
取り組みを自治体SDGsモデル事業として選定していますが、事業が実施されるのは2020年度までの3年間であり、最終年度が来年度と迫る中で、本市はまだ応募に至っておりません。 持続可能な社会・経済システムをサブテーマとする大阪・
関西万博の開催都市として、SDGs未来都市及び自治体SDGsモデル事業へ本市もぜひとも応募すべきではないかと考えますが、あわせて市長の御見解をお伺いします。
○議長(
広田和美君)
松井市長。
◎市長(
松井一郎君) 大阪市においては、SDGsの誰一人取り残さない社会という理念と大阪市まち・ひと・しごと創生総合戦略の目指す方向性が同じであることから、一体で推進しております。 SDGsについては、上海市との環境分野での都市間交流を推進するなど、海外のSDGsの達成にも貢献しているところでありますが、引き続き全庁体制で取り組んでまいります。
取り組みに当たっては、持続可能な
経済成長、豊かな暮らしと地球規模の環境問題の解決についてバランスをとりながら総合的に推進してまいります。 また、SDGs未来都市及び自治体SDGsモデル事業については、自治体のSDGs達成に向けた
取り組みを支援し、成功事例の普及展開と地方創生の深化につながるものであります。とりわけモデル事業は、経済、社会、環境、それぞれに高い相乗効果の創出を求められるために、大阪市が取り組むことは非常に有意義だと考えます。大阪・
関西万博にふさわしい都市を目指して未来都市及びモデル事業に応募し、SDGsの
取り組みを一層進めてまいります。
○議長(
広田和美君)
西徳人君。
◆64番(
西徳人君) 未来都市及びモデル事業に応募するとの明確な御答弁をいただきました。今後、本市におきましても、未来都市及びモデル事業に選定いただけますよう、さらに具体的な
取り組みを推進していただきたいと改めて要望しておきます。 これまで、多岐にわたり質問させていただきました。本日の質疑を踏まえ、後日改めて来年度の予算要望を行いますとともに、引き続き市民の暮らしを守り、そして何よりも安心と希望あふれる大阪市を築くため、しっかりと議論させていただくことを申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。どうも御清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(
広田和美君) 以上で、質問は終了いたしました。 関係者の方々は自席にお戻り願います。
○議長(
広田和美君) 日程第2、議案第163号、
当せん金付証票の発売について、ないし日程第30、議案第191号、
指定管理者の指定について(大阪港咲洲トンネル)を一括して議題といたします。
○議長(
広田和美君) 理事者の説明を求めます。
松井市長。 (市長
松井一郎君登壇)
◎市長(
松井一郎君) 本市会定例会に追加提出をいたしました議案第163号ないし議案第191号について、その概要を説明させていただきます。 議案第163号は、令和2年度において発売することができる
当せん金付証票、いわゆる宝くじの金額の範囲を
令和元年度と同様、600億円以内と定めるために議会の議決を求めるものであります。 議案第164号は、行政財産の目的外使用に係る使用料の算定方法を改めるために、条例の一部を改正するものでございます。 議案第165号ないし議案第167号の3件は、新普通科系高等学校、東淀中学校、瓜破小学校において、それぞれ建設工事請負契約を締結するために議会の議決を求めるものでございます。 議案第168号は、総合生涯
学習センターほか2施設について
指定管理者を指定するために議会の議決を求めるものでございます。 議案第169号は、社会福祉法に基づき、
無料低額宿泊所の設備及び運営に関する基準を定めるために条例を制定するものでございます。 議案第170号及び議案第171号は、
社会福祉研修・
情報センター、
中央公会堂について、それぞれの
指定管理者を指定するために議会の議決を求めるものでございます。 議案第172号は、
国際観光地区内における建築物の用途に関する制限を定めるために条例を制定するものでございます。 議案第173号は、
工業保全地区が変更されたことに伴い、当該変更に係る地区内における建築物の用途に関する制限を定めるために条例の一部を改正するものであります。 議案第174号ないし議案第176号の3件は、男女共同参画
センター子育て活動支援館、東成区民
センター、阿倍野防災
センターについて、それぞれ
指定管理者を指定するために議会の議決を求めるものでございます。 議案第177号及び議案第178号は、本市及び大阪府における太陽光その他再生可能
エネルギーの普及、
エネルギーの消費の抑制並びに電力の需要の平準化及び供給の安定化に関する施策の検討をするために、市長及び知事の附属機関として大阪府
市エネルギー政策審議会を大阪府と共同して設置するために条例の一部を改正し、議会の議決を求めるものであります。 議案第179号、大阪市廃棄物の
減量推進及び適正処理並びに
生活環境の清潔保持に関する条例の一部を改正する条例案は、公共の場所の清潔保持の観点から、公共の場所またはその周辺において、ハト、カラスその他の動物に餌を与えた者が講ずべき措置等を定めるために条例の一部を改正するものであります。 議案第180号は、南港管路輸送施設真空式ごみ収集設備工事の請負契約を締結するために議会の議決を求めるものでございます。 議案第181号は、
環境局関係で、損害賠償請求事件について和解をするために議会の議決を求めるものでございます。 議案第182号は、環境局所管業務において生じた事故に係る
損害賠償額を決定するために議会の議決を求めるものであります。 議案第183号、大阪市
公園条例の一部を改正する条例案は、鶴見緑地野外卓を廃止するために条例の一部を改正するものであります。 議案第184号は、道頓堀川堤防耐震対策工事請負契約を締結するために議会の議決を求めるものであります。 議案第185号は、鶴見緑地の一部ほか11施設について
指定管理者を指定するために議会の議決を求めるものであります。 議案第186号及び議案第187号は、港湾局を廃止し、本市及び大阪府がそれぞれ所管する港湾及び海岸に関する事務を所掌する内部組織として
大阪港湾局を大阪府と共同で設置するために条例の一部を改正し、議会の議決を求めるものであります。 議案第188号ないし議案第190号の3件は、夢洲の土地造成事業の進捗に伴い、本市の区域内に新たに生じた土地を確認するとともに、当該地域を此花区の夢洲中の区域に編入し、町の区域の変更を行うために、それぞれ議会の議決を求めるとともに、条例の一部を改正するものであります。 最後に、議案第191号は、大阪港咲洲トンネルについて
指定管理者を指定するために議会の議決を求めるものであります。 以上、案件の概略を説明申し上げました。何とぞ御審議のほどよろしくお願いします。
○議長(
広田和美君) ただいま議題となっております諸案件は、お手元に配付いたしております審査付託表のとおり、各常任委員会に付託いたします。
○議長(
広田和美君) 日程第31、議案第160号、一般職の
任期付職員の採用及び給与の特例に関する条例の一部を改正する条例案ないし日程第33、議案第162号、職員の期末手当及び勤勉手当に関する条例の一部を改正する条例案を一括して議題といたします。
○議長(
広田和美君) なお、議案第160号ないし162号に対する人事委員会の意見は、お手元に配付の印刷物に記載のとおりであります。
○議長(
広田和美君) 財政総務委員長より審査の報告を求めます。 53番財政総務委員長藤田あきら君。 (53番財政総務委員長藤田あきら君登壇)
◆53番(藤田あきら君) 財政総務委員会に昨日付託されました議案第160号、一般職の
任期付職員の採用及び給与の特例に関する条例の一部を改正する条例案外2件に対する審査の結果と経過について御報告申し上げます。 本委員会は、本日審査を行いました結果、お手元に配付の報告書に記載のとおり、いずれも原案を可決すべきものと決した次第であります。 これらの議案の内容は、職員の給与改定に係るもので、去る10月の人事委員会の勧告に基づき、給料表の改定を実施するとともに、勤勉手当の年間支給月数を0.05月分引き上げるものであります。なお、これらの案件に対する質疑等はありませんでした。 以上、簡単ではありますが、財政総務委員会の審査の報告といたします。
○議長(
広田和美君) これをもって審査の報告は終了いたしました。
○議長(
広田和美君) これより採決に入ります。 議案第160号ないし162号について一括して採決いたします。委員長の報告はいずれも可決であります。委員長報告のとおり決することに御異議ありませんか。 (「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(
広田和美君) 御異議なしと認めます。よって議案第160号ないし議案第162号は委員長報告のとおりいずれも可決されました。
△閉議
○議長(
広田和美君) 本日の日程は以上で終了いたしました。
△散会
○議長(
広田和美君) 本日はこれをもって散会いたします。 午後3時9分散会 --------------------------------- 大阪市会議長
広田和美(印) 大阪市会議員
伊藤亜実(印) 大阪市会議員
福田武洋(印)◯大阪市会(定例会)会議録(
令和元年11月29日)(終)...