大阪市議会 2018-11-30
11月30日-08号
平成30年第3回定例会(平成30年9~12月)◯大阪市会(定例会)会議録(平成30年11月30日)
◯議事日程 平成30年11月30日午後2時開議第1 一般質問第2 議案第142号 平成30年度大阪市
一般会計補正予算(第4回)第3 議案第143号 平成30年度大阪市
港営事業会計補正予算(第1回)第4 議案第144号 平成30年度大阪市
公債費会計補正予算(第2回)第5 議案第145号
地方独立行政法人大阪市民病院機構に係る中期計画の一部変更の認可について第6 議案第146号 技能職員等の退職手当の特例に関する条例案第7 議案第147号
当せん金付証票の発売について第8 議案第148号
扇町小学校建設工事請負契約締結について第9 議案第149号
淀川中学校建設工事請負契約締結について第10 議案第150号
大阪市立母子生活支援施設条例の一部を改正する等の条例案第11 議案第151号
地方独立行政法人大阪市民病院機構に係る中期目標の制定について第12 議案第152号 大阪市こども本の
森中之島条例案第13 議案第153号
地方独立行政法人大阪市博物館機構への職員の引継ぎに関する条例案第14 議案第154号
地方独立行政法人大阪市博物館機構に係る中期目標の制定について第15 議案第155号
地方独立行政法人大阪市博物館機構に承継させる財産について第16 議案第156号
地方独立行政法人大阪市博物館機構の重要な財産を定める条例案第17 議案第157号
地方独立行政法人大阪産業技術研究所定款の一部変更について第18 議案第158号
地方独立行政法人大阪産業技術研究所に係る出資等に係る不要財産の納付の認可について第19 議案第159号 大阪市豊新2丁目
地区地区計画の区域内における建築物の制限に関する条例案第20 議案第160号 大阪市湊町
地区地区計画の区域内における建築物の制限に関する条例等の一部を改正する条例案第21 議案第161号 土地の処分について第22 議案第162号 和解について(港湾局関係)第23 議案第163号 損害賠償額の決定について(水道局関係)第24 議案第164号 損害賠償額の決定について(水道局関係)第25 議案第165号 損害賠償額の決定について(水道局関係)第26 議案第166号 指定管理者の指定について(
大阪市立長谷川羽曳野学園)第27 議案第167号 指定管理者の指定について (大阪市立北区
北老人福祉センター及び大阪市立北区
大淀老人福祉センター)第28 議案第168号 指定管理者の指定について(
大阪市立都島区
老人福祉センター)第29 議案第169号 指定管理者の指定について(
大阪市立福島区
老人福祉センター)第30 議案第170号 指定管理者の指定について(
大阪市立此花区
老人福祉センター)第31 議案第171号 指定管理者の指定について (
大阪市立中央区
東老人福祉センター及び
大阪市立中央区
南老人福祉センター)第32 議案第172号 指定管理者の指定について(大阪市立西区
老人福祉センター)第33 議案第173号 指定管理者の指定について(大阪市立港区
老人福祉センター)第34 議案第174号 指定管理者の指定について(
大阪市立大正区
老人福祉センター)第35 議案第175号 指定管理者の指定について(
大阪市立天王寺区
老人福祉センター)第36 議案第176号 指定管理者の指定について(
大阪市立浪速区
老人福祉センター)第37 議案第177号 指定管理者の指定について(
大阪市立西淀川区
老人福祉センター)第38 議案第178号 指定管理者の指定について(
大阪市立東淀川区
老人福祉センター)第39 議案第179号 指定管理者の指定について(
大阪市立東成区
老人福祉センター)第40 議案第180号 指定管理者の指定について(
大阪市立生野区
老人福祉センター)第41 議案第181号 指定管理者の指定について(大阪市立旭区
老人福祉センター)第42 議案第182号 指定管理者の指定について(
大阪市立鶴見区
老人福祉センター)第43 議案第183号 指定管理者の指定について(
大阪市立阿倍野区
老人福祉センター)第44 議案第184号 指定管理者の指定について(
大阪市立住之江区
老人福祉センター)第45 議案第185号 指定管理者の指定について(
大阪市立住吉区
老人福祉センター)第46 議案第186号 指定管理者の指定について(
大阪市立東住吉区
老人福祉センター)第47 議案第187号 指定管理者の指定について(
大阪市立平野区
老人福祉センター)第48 議案第188号 指定管理者の指定について(
大阪市立西成区
老人福祉センター)第49 議案第189号 指定管理者の指定について(
大阪市立社会福祉センター)第50 議案第190号 指定管理者の指定について(
大阪市立早川福祉会館)第51 議案第191号 指定管理者の指定について(
南港中央野球場及び
南港中央庭球場)第52 議案第192号 指定管理者の指定について(靱庭球場及び
靱テニスセンター)第53 議案第193号 指定管理者の指定について(旭プールほか5施設)第54 議案第194号 指定管理者の指定について(
大阪市立千島体育館ほか3施設)第55 議案第195号 指定管理者の指定について(
大阪市立東淀川体育館ほか3施設)第56 議案第196号 指定管理者の指定について(
大阪市立北スポーツセンターほか2施設)第57 議案第197号 指定管理者の指定について(
大阪市立都島スポーツセンターほか3施設)第58 議案第198号 指定管理者の指定について(
大阪市立此花スポーツセンターほか2施設)第59 議案第199号 指定管理者の指定について(
大阪市立中央スポーツセンターほか3施設)第60 議案第200号 指定管理者の指定について(
大阪市立天王寺スポーツセンターほか2施設)第61 議案第201号 指定管理者の指定について(
大阪市立浪速スポーツセンター及び
大阪市立浪速屋内プール)第62 議案第202号 指定管理者の指定について(
大阪市立西淀川スポーツセンターほか3施設)第63 議案第203号 指定管理者の指定について(
大阪市立生野スポーツセンターほか2施設)第64 議案第204号 指定管理者の指定について(
大阪市立鶴見スポーツセンター及び
大阪市立鶴見緑地プール)第65 議案第205号 指定管理者の指定について(
大阪市立東住吉スポーツセンターほか2施設)第66 議案第206号 指定管理者の指定について(
大阪市立淀川屋内プール)第67 議案第207号 指定管理者の指定について(
大阪市立長居プール)第68 議案第208号 指定管理者の指定について(
大阪市立住まい情報センター)第69 議案第209号 指定管理者の指定について(
泉南メモリアルパーク)第70 議案第210号 指定管理者の指定について(瓜破霊園ほか4施設)第71 議案第211号 指定管理者の指定について(住吉霊園ほか4施設)第72 議案第212号 指定管理者の指定について(
大阪市立此花屋内プールほか3
施設) -----------(以下
追加議事日程)-----------第73 議案第213号 平成30年度大阪市
一般会計補正予算(第5回)第74 議案第214号 平成30年度大阪市
港営事業会計補正予算(第2回)第75 議案第215号 平成30年度大阪市
下水道事業会計補正予算(第1回)第76 議案第139号 一般職の任期付職員の採用及び給与の特例に関する条例の一部を改正する条例案第77 議案第140号 職員の給与に関する条例の一部を改正する条例案第78 議案第141号 職員の期末手当及び勤勉手当に関する条例の一部を改正する条例案第79 議員の派遣について(大阪市会代表団)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 報告第35号 平成29年度
公立大学法人大阪市立大学の業務実績に関する評価結果報告について 報告第36号 第2期
中期目標期間に係る
公立大学法人大阪市立大学の業務実績に関する評価結果報告について 報告第37号 平成29
事業年度地方独立行政法人大阪市民病院機構の業務実績に関する評価結果報告について 報告第38号 第1期
中期目標期間(見込)に係る
地方独立行政法人大阪市民病院機構の業務実績に関する評価結果報告について 報告第39号 平成29
事業年度地方独立行政法人大阪健康安全基盤研究所の業務実績に関する評価結果報告について 報告第40号 平成29
事業年度地方独立行政法人大阪産業技術研究所の業務実績に関する評価結果報告について 報告第41号
民事訴訟等専決処分報告について 報告第42号 損害賠償額の決定に関する
専決処分報告について
---------------------------------◯出席議員85人 1番 梅園 周君 2番 小川陽太君 3番 こはら孝志君 4番 前田和彦君 5番 福田武洋君 6番 山本長助君 7番 藤岡寛和君 8番 杉山幹人君 9番 欠員 10番 宮脇 希君 11番 岡田妥知君 12番 高山美佳君 13番 永井広幸君 14番 永田典子君 15番 岸本 栄君 16番 武 直樹君 17番 則清ナヲミ君 18番 山本智子君 19番 佐々木哲夫君 20番 山田正和君 21番 西 徳人君 22番 佐々木りえ君 23番 高見 亮君 24番 金子恵美君 25番 徳田 勝君 26番 奥野康俊君 27番 不破忠幸君 28番 上田智隆君 29番 竹下 隆君 30番 藤田あきら君 31番 森山よしひさ君 32番 永井啓介君 33番 川嶋広稔君 34番 太田晶也君 35番 荒木 肇君 36番 岩崎けんた君 37番 井上 浩君 38番 尾上康雄君 39番 江川 繁君 40番 寺戸月美君 41番 西川ひろじ君 42番 福島真治君 43番 北野妙子君 44番 有本純子君 45番 加藤仁子君 46番 黒田當士君 47番 出雲輝英君 48番 丹野壮治君 49番 ホンダリエ君 50番 大橋一隆君 51番 杉村幸太郎君 52番 伊藤良夏君 53番 市位謙太君 54番 守島 正君 55番 飯田哲史君 56番 八尾 進君 57番 辻 義隆君 58番 土岐恭生君 59番 西崎照明君 60番 島田まり君 61番 明石直樹君 62番 杉田忠裕君 63番 高山 仁君 64番 金沢一博君 65番 岡崎 太君 66番 田辺信広君 67番 片山一歩君 68番 井戸正利君 69番 角谷庄一君 70番 広田和美君 71番 山下昌彦君 72番 木下 誠君 73番 東 貴之君 74番 新田 孝君 75番 高野伸生君 76番 木下吉信君 77番 足高將司君 78番 多賀谷俊史君 79番 荒木幹男君 80番 床田正勝君 81番 瀬戸一正君 82番 山中智子君 83番 大内啓治君 84番 辻 淳子君 85番 小笹正博君 86番 前田修身君
---------------------------------◯職務のため出席した事務局職員
市会事務局長 松本高秋 次長 巽 功一
議事担当課長 西 正道
議事担当課長代理 竹田幸二
議事担当係長 明見繁夫
---------------------------------◯議場に出席した執行機関及び説明員 市長 吉村洋文 副市長 田中清剛 副市長 中尾寛志 副市長 鍵田 剛 住之江区長 西原 昇 副
首都推進局長 手向健二
市政改革室長 羽東良紘
ICT戦略室長 田畑龍生 人事室長 中村一男 政策企画室長 山本剛史
経済戦略局長 柏木陸照 財政局長 東山 潔 水道局長 河谷幸生
教育委員会教育長 山本晋次
---------------------------------
△開議 平成30年11月30日午後2時開議
○議長(角谷庄一君) これより
市会定例会会議を開きます。 本日の
会議録署名者を佐々木りえ君、荒木肇君の御両君にお願いいたします。
○議長(角谷庄一君) この際申し上げます。議事日程に記載のとおり、議決を要しない報告等が提出されておりますので、お手元に配付いたしております。
○議長(角谷庄一君) これより議事に入ります。
○議長(角谷庄一君) 日程第1、一般質問を行います。
○議長(角谷庄一君) 土岐恭生君の質問を許します。 58番土岐恭生君。 (58番土岐恭生君登壇)
◆58番(土岐恭生君) 私は、公明党大阪市会議員団を代表いたしまして、吉村市長に対し、現在編成中の来年度予算及び市政運営に関して具体的な提案も含めて質問をいたします。 (議長退席、副議長着席)
◆58番(土岐恭生君) (続)皆様御存じのとおり、2025年万博を見事かち取ることができました。これは、国主導のもと経済界、大阪府、大阪市が一体となって取り組んできた結果であり、我が会派といたしましても誘致実現に向けて尽力してまいりましたので、大変うれしく思います。これまで誘致に取り組まれてこられた市長をねぎらい、ともに喜びを分かち合いたいと思います。 今後、来年6月に行われるG20サミットを皮切りに、9月には
ラグビーワールドカップ、2020年
東京オリンピック・
パラリンピック、そして2021年
ワールドマスターズゲームズ等が開催され、大阪市が国際的に担う役割がますます重要になってまいります。2025年大阪万博に向けて、本市が大きく飛躍する千載一遇のチャンスと捉え、これを契機に大阪の地域経済の発展、市民生活の向上を目指し、関西、ひいては日本を牽引する世界の有力都市へと成長していかなければならないと考えます。 さて、大阪万博の誘致成功はゴールではなく、これからがスタートであると思います。万博の事業を進めていくに当たり、組織体制と予算をしっかりマネジメントしていく必要があります。 予算に関しては、国の計画書では会場建設費で1,250億円、関連事業費で730億円以上となっていて、大阪市も多くの市税が必要となります。会場建設費については、過去の愛知万博や花博では、大幅な費用の増加はないものの撤去費等の追加により当初計画を上回っております。さらには
東京オリンピック・
パラリンピックのように大幅に事業費が膨れ上がるのではないかと一部心配されている声もあり、資材や人件費の高騰により事業費が増大する懸念は拭えません。 また、関連事業費としては埋め立ての追加費用や鉄道や道路などが含まれていますが、万博のために必要な事業の総額はどのぐらいになるのかは示されておらず、今後、市民の負担がふえるのではないかとも懸念されます。また、府市の負担なども明確にしていく必要があります。早急に総事業費を示していただきたいと思います。 また、万博を成功させていく上で早期の
組織体制づくりが必要であると考えています。愛知万博では開催地決定後、法人が設立され、開催主体として準備から開催までの活動を行っていたと聞いています。大阪万博においてもしっかりした組織体制を速やかに立ち上げるべきと考えますが、これらの点について市長の御所見をお伺いいたします。
○副議長(辻義隆君) 理事者の答弁を許します。 吉村市長。 (
市長吉村洋文君登壇)
◎市長(吉村洋文君) 大阪万博の誘致が決まりましたが、まさに誘致がゴールではなくて、これからがスタートということになります。次は、万博の開催の成功に向けて引き続き国、府、それから経済界とともに協力して取り組んでいきます。 議員御指摘の万博の事業費についてですが、会場の建設費が1,250億円、これにつきましては国の試算に基づくもので、国がこの費用の管理を徹底していきますけども、本市としても6分の1を負担するということから、全体計画についてはきちんと把握して、費用の上振れには注意、留意しながら進めていきます。 また、関連事業費についてですが、万博に必要な経費については府市で折半することとしていますが、土地の所有者は大阪市でありますので、万博のみ、あるいは将来のまちづくりにつながる経費というのを整理しまして、万博に必要な経費については府に負担を求めていきます。 会場建設費については、今後立ち上がる新法人で精査していくことになりますが、
万博関連事業費については早急にまとめていきたいと思います。 また、万博開催に向けた組織体制についてですが、愛知万博と同様に国、経済界、地元の自治体であります府市によりまして万博開催に係る事業を一元的に担う法人を設立いたします。国とも連携した上で年内に法人を立ち上げるということを目指して今、準備を進めています。国に対しても、早期の法人の公益認定であったり特別措置法の制定についても働きかけてまいります。 本市の組織体制につきましても、法人との役割分担をしっかりとやりながら、万博開催に向けた準備室を設置するなど、必要な体制を構築し万全を期していきたいと思います。
○副議長(辻義隆君) 土岐恭生君。 (58番土岐恭生君登壇)
◆58番(土岐恭生君) 先日、市長は、万博にあわせて鶴見緑地でも一緒に盛り上げることをやりたいということで鶴見緑地の活用についても明言されておられましたけれども、ぜひとも活用していただきたいというふうに思いますが、いずれにいたしましても、大阪市全域が活気づくようにさまざまな手法を用いて万博を盛り上げていただきたいと思います。 次に、IRにおける
MICE施設の誘致についてお伺いいたします。 IRには、
MICE施設や
エンターテインメント施設、宿泊施設など多種多様な誘客施設が一体的に整備されるとのことでありますが、私は、大阪がIRを誘致する最大の目的は
MICE施設にあると考えています。昨年、日本で開催された
国際会議開催件数は414件でありましたが、そのうち大阪では17件、全体のわずか4%にとどまり、開催件数第1位で24%の東京や第2位で11%の京都と比較してもはるかに少ないと言わざるを得ません。
インテックス大阪は既に築33年で老朽化しており、展示場面積は7万平米を有するものの会議室が圧倒的に少ない状況であります。中之島の
大阪国際会議場も、
最大会議収容人数は東京や横浜の施設の半分程度であり、施設全体の使い勝手も悪いと聞いております。 先日、府市の
IR推進会議において大阪IRの
MICE施設について検討が行われ、その規模に関してもさまざまな意見が出たと伺っていますが、大阪IRで世界水準の
MICE施設ができれば国際会議や展示会の件数は必ず増加し、これまで大阪を訪れたことがなかった
外国人ビジネスマンや観光客に大阪に来ていただけるのではないかと思います。
IRイコールカジノと思っておられる市民の皆さんも多いわけですが、IRには国際会議場や展示場があり、それを整備することで大きな効果を出せるのが大阪であるということをもっと市民にアピールするべきであると考えます。 これまで市長自身も、多くのIR事業者の表敬を受け、IR事業者が大阪への進出に積極的だと言われてきました。それであるならば、大阪が目指すMICEの姿をしっかり示し、彼らに高い水準で、よりすばらしい提案を求めるべきだと思いますが、市長御自身は大阪IRでどのようなMICEを実現しようと考えておられるのか、お伺いいたします。
○副議長(辻義隆君) 吉村市長。 (
市長吉村洋文君登壇)
◎市長(吉村洋文君) IRは、観光や地域経済の振興といったまさに公益の実現を目指すものでもあります。夢洲にIRを核とする
国際観光拠点を形成するということになりますので、国内外から新たに人や物や投資を呼び込むことになります。非常に大きな経済効果を期待することができますし、本市の財政それ自身にも大きな影響、寄与するものがあるというものでもあります。まさに大阪の大きな成長に資するものがIRだというふうに思っています。 そして、大阪のIRによりまして
MICE施設が併設されることになります。これまでにないような国際的な展示、
会議ビジネスを展開しまして、新たなビジネスの起爆剤としていくことが必要というふうに考えています。
MICE施設が重要だということはまさに同じ認識です。 昨年8月に取りまとめをしました
大阪IR基本構想(案)中間骨子におきまして、世界水準の使いやすさ、世界ナンバー1のオールインワン型の
MICE施設を目指すということにしています。先日開催されました国の
IR推進会議においても、
MICE施設はこれまでにないクオリティーとスケールを有する我が国を代表する施設として、国際会議場は施設全体で収容人数が1万人以上、展示施設は最大規模として10万平米というのを挙げられ、そして議論されているところです。 具体的な方針については今後、国から示される基準であったりIRの事業性なども勘案した上で検討していくことになりますが、私としては、そういった国の観点も踏まえて、ここ大阪において世界水準の成長型IR、MICEというのを目指していきたいと思います。 いずれにしましても、
MICE施設を含めて国際競争力の高い魅力のあるIRを実現して、
国際観光拠点、観光振興、経済の活性化、都市魅力の向上、大阪・関西の持続的な成長に向けて取り組んでいきます。
○副議長(辻義隆君) 土岐恭生君。 (58番土岐恭生君登壇)
◆58番(土岐恭生君) 世界水準の使いやすさ、世界ナンバー1のオールインワンMICEの施設の誘致を期待いたしております。 それでは、次にG20に関連してお伺いします。 来年6月に、世界から約35の国や機関の首脳が一堂に会し、ここ大阪を舞台にG20サミットが開催されます。これを契機に大阪をアピールするとともに、これまで大阪市が積み重ねてきた経験や知見を世界各国と共有することが、大阪の国際的なプレゼンスを高めていく上で非常に重要だと思います。 昨年12月に、パリのイダルゴ市長、ブエノスアイレスのラレッタ市長が提唱され、Urban20という取り組みが始まりました。これは、地球規模の課題や社会経済の影響等に関する議論をより深めるためG20に対しての提言を行うものであり、パリ、ブエノスアイレスのほか、ニューヨーク、ロンドンを初め世界の有力都市が参画しています。 このUrban20に関しては、大阪でG20サミットが開催されることを受け、大阪市も来年2019年から参画することになったと伺いました。国同士の話し合いの場であるG20サミットに向けて都市の視点から提言するUrban20の取り組みは、さまざまな都市課題の解決を図る上でも、また大阪の存在感を国際的に示す上でも非常に意義深いものであり、これに参画するという方針を支持したいと思います。 来年5月には東京で世界の首長が集まるUrban20メイヤーズ・サミットという会議が開催され、6月の大阪サミットに向けた提言を取りまとめるとのことであります。そこで、このような国際的な取り組みに参画する上で市長の意気込みをお伺いいたします。
○副議長(辻義隆君) 吉村市長。 (
市長吉村洋文君登壇)
◎市長(吉村洋文君) Urban20の枠組み、加盟都市ですが、これはパリやニューヨーク、ロンドン、それからモスクワ、ローマ、北京、シドニー、東京都等々、まさに世界の名立たる大都市が加盟している枠組みでありますが、ここに大阪市も加入をいたします。 世界の課題を解決するために、それぞれ大都市の知見というのは非常に重要であると考えていますし、都市が直面する課題というのを解決するためにまさに世界規模の都市が情報を共有する、課題に取り組んでいくということは一つ意義があると思っています。 こういったUrban20の設立趣旨に賛同いたしましてこれに加入する、そして今回G20が大阪で開催されることになりますので、まさに絶好の機会だというふうに思っています。 来年のUrban20メイヤーズ・サミットにおいては、持続可能性、それから社会の統合及び包摂及び経済成長が大きなテーマになります。これらのテーマの中には、例えば水の環境といった大阪市において積み重ねていた知見を有する分野で活躍することができる、共有することができるとも考えています。 来年5月、東京都においてメイヤーズ・サミットがUrban20の枠組みで開催されますので、本市の有する知見・経験を共有する一方で、世界の諸都市から学ぶべきものは学んでいきたいというふうに思います。さらに、都市としての立場からG20の加盟国に対して積極的な提言を行って、G20サミットそのものが有意義になるように、提言という形で役割を果たしていきたいと思います。Urban20という活動も通じて、都市格の向上、世界でのプレゼンスというのをしっかり高めていくということを実現したいと思います。
○副議長(辻義隆君) 土岐恭生君。 (58番土岐恭生君登壇)
◆58番(土岐恭生君) 次に、我が会派がこの間さまざまな提言を行ってきました天王寺動物園についてお伺いします。 さらなる魅力向上を図るため、公立動物園としてのあるべき姿を示した天王寺動物園101計画の策定から2年が経過しました。策定直後の質疑で市長から、リーダーシップをとりながら天王寺動物園を大都市大阪にふさわしいものにしていくとの答弁をいただきました。その言葉どおり、ナイトZOOの実施を初め種々取り組みを進めていただき、昨年度の総入園者数が約174万人を記録し、国内では上野、東山動物園に次ぐ第3位となりました。もちろん動物園の頑張りは大いに評価できますが、背景にはインバウンドの影響もあると考えます。 昨年1年間に大阪を訪れた訪日外国人が過去最高の約1,111万人を突破したことは記憶に新しいですが、その中には天王寺動物園にお越しいただいた方々も多数いたことと思います。折しも、2025年の大阪万博の開催が決定し、本市には世界中から多くの方々がお越しになると予想されます。こうした機運を逃すことなく、長期的な展望に立ち、動物園もさらに取り組みを進めていく必要があると考えます。まずは、幅広い世代に人気のある動物の積極的な導入、動物たちが安心して暮らし、生き生きとした姿を見ていただけるような施設整備が重要であり、また、動物園の経営形態についても思い切った取り組みを考えるべきであります。 天王寺動物園を大都市大阪にふさわしいものとするため,さまざまな取り組みを着実に進めていく必要があると考えますが、市長のお考えをお伺いいたします。
○副議長(辻義隆君) 吉村市長。 (
市長吉村洋文君登壇)
◎市長(吉村洋文君) 天王寺動物園については、私も子供のころよく通いましたので非常に思い入れも強いですし、今なお多くの大阪の子供たちが天王寺動物園を愛しているというふうに思います。さらに近年、大阪のインバウンド自体が物すごくふえてきていますし、天王寺動物園がまた新たな取り組みというのを数多く、魅力向上施策というのをやっている状況であります。そういった施策も実を結びまして、天王寺動物園の入園者数というのは非常に増加しているという状況でもあります。こういった追い風に加えて、動物園としてのさらなる取り組みの推進というのが必要だと思っています。 まず、現在アドベンチャーワールドに貸し出ししています雄のホッキョクグマのゴーゴが、このたび天王寺動物園に戻るということが決まりました。今後、飼育中の雌のイッちゃんとともに繁殖に取り組むことで子グマが生まれれば、集客だけじゃなくて希少動物の種の保存にも貢献できると考えています。 動物の導入については、選択と集中を基本としました天王寺動物園コレクション計画に基づき、今後とも進めていきます。 次に、施設整備についてですが、101計画に基づきまして、現在てんしばのゲートエリアに飲食店、物販店、ボルタリング施設等を含むサービス施設を建設中でありまして、来年の秋ごろにオープンいたします。ペンギン・アシカ舎につきましては、人工的に波を起こす造波装置や水流をつくる仕掛けを初めとしまして、アクリル水槽を用いて入園者が動物と同じ水中で動物のダイナミックな動きを見ているかのような空間を演出するという施設設計を現在行っていまして、再来年度の工事を予定しています。また、動物福祉の観点に十分配慮いたしまして、複数飼育が可能で安定した繁殖に適したホッキョクグマ舎等の獣舎の整備につきましても今後検討していきます。 あわせて、動物園の経営形態の検討につきましては、有識者懇談会から地方独立行政法人が望ましいという御意見を頂戴いたしております。こういった御意見も踏まえつつ、引き続き検討を進めて議会に諮ってまいりたいと思います。
○副議長(辻義隆君) 土岐恭生君。 (58番土岐恭生君登壇)
◆58番(土岐恭生君) 次に、教育施策についてお伺いします。 これまで我が会派は、教育の基本的な姿勢について、長期的な視点で現場の実態を踏まえた施策を推進すべきであると提言してまいりました。教育施策の軸となるのは教育振興基本計画でありますが、現行の計画は来年3月で前半の2年を終えます。計画の推進により、教育環境や内容の充実につながった一方、新たな課題や社会情勢の変化が生じており、今後、計画に掲げられた施策の検証や見直しが必要であると考えています。 例えば、学校選択制は導入から5年が経過し、来年度から一部の地域を除く全区で実施されようとしています。そのような中、せっかく行きたい学校を選択しても場合によっては抽せんになり、結果として希望する学校に入学できなかった話を耳にします。本来はその学校ならではの取り組みややりたい部活動などを理由に学校を選択したにもかかわらず、子供の希望が実現されていないのが現状であります。学校選択制の導入から一定の年数が経過した中で、改善すべき点が出てきているのではないでしょうか。 教育委員会と区役所がしっかりと連携して、現場の声を聞くなど実態を把握し課題認識を持った上で検証に当たってもらいたいと考えますが、教育長の御見解をお伺いします。
○副議長(辻義隆君) 山本
教育委員会教育長。 (
教育委員会教育長山本晋次君登壇)
◎
教育委員会教育長(山本晋次君) 現行の教育振興基本計画につきましては、平成32年度が計画の終了年度でありますとともに、平成23年にお示しした10年間を見通した本市教育の方向性の区切りの年となりますことから、来年度にこれまでの施策の検証と次期計画への布石として現行計画の見直しを行い、次期計画の策定につなげてまいりたいと考えているところでございます。 また、学校選択制につきましては、平成26年度の入学者以降、各区で順次導入を進め、平成31年度入学者より生野区西部地域を除く全ての区で導入する予定となっております。これにより、保護者や児童・生徒が学校を選択できる機会を設けるという制度の趣旨が果たせるものと考えているところでございます。 平成30年度入学者の実施状況につきましては、就学予定者の約6.2%が学校選択制により通学区域外の学校へ就学しております。一方で、抽せんにより希望する学校に入学できなかった例もあることは、私どもとしても承知をいたしておるところでございます。 制度の検証につきましては、学校選択制により通学区域外の小学校に入学された児童が中学校に進学する際の活用状況等も踏まえ、進めていく必要があると考えております。経年的に保護者アンケートを実施するなど教育委員会と区役所が緊密に連携して実態把握に努めますとともに、既に検証を行った他都市等の事例を調査するなど、検証の手法につきましても検討を進めてまいりたいと考えているところでございます。
○副議長(辻義隆君) 土岐恭生君。 (58番土岐恭生君登壇)
◆58番(土岐恭生君) 次に、不登校問題についてお伺いします。 先月公表された国の平成29年度調査結果では、全国の不登校児童・生徒のうち年間の出席日数が10日以下の児童・生徒数は約1万6,000人、本市においても約560人と、前年度と比較しても増加しています。 我が会派では、この間、不登校問題について、その取り組みの充実を常に訴えてまいりました。不登校の子供たちにとって、学校に復帰することを目標に取り組みを進めることは重要なことであると思います。しかし、学校という場所にこだわらず、まずは社会的自立を目的に、学校以外の場所での居場所や学習できる機会をつくることがより大切ではないでしょうか。 本市では、不登校の子供たちが通う通所ルーム、サテライトが14カ所あり、集団活動や体験活動を通して再登校を支援していると聞きます。また、生活指導サポートセンターでは不登校についての研究も行っているとのことであります。しかし、実際にサポートセンターを見に行きましたが、不登校専門の担当者は1名であり、これでは不登校の子供たちの対応はなかなか難しいのではないかと思います。 国においても、平成28年に「義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律」を制定するなど、その対策について進めており、学校外での学習の機会の確保やフリースクールとの連携など、取り組むべき課題はまだまだ数多くあります。 本市においては不登校が深刻な状況となっている以上、フリースクールの機能を持たせた施設を設置するなど取り組みをさらに推し進めるべきでありますが、市長のお考えをお伺いいたします。
○副議長(辻義隆君) 吉村市長。 (
市長吉村洋文君登壇)
◎市長(吉村洋文君) 本市の不登校児童・生徒数ですけども、増加傾向にありまして、本市が取り組むべき喫緊の課題の一つであるというふうに認識しています。 この間、本市においても、不登校児童通所事業としまして、不登校状態の小中学生に対して再登校を含む社会的自立を支援することを目的として、こども相談センター及び市内各所に通所ルームを開設し、不登校対策に取り組んできました。 学校はまさに全ての児童・生徒にとって安全で安心な場所でなければならないというその理念のもとで、学校の安全・安心に力を今入れているところであります。ただ一方で、一定のそういう学校という場所、そういうところになかなかなじむことができなくて、あるいはさまざまな理由で不登校になるという児童・生徒もいます。そういった場合、当該学校に登校するという結果のみを目標とするのではなくて、別の選択肢もあるんだということを僕はしっかりと示すべきだというふうに思います。児童・生徒がみずからの進路を主体的に捉えて、社会的に自立できるように支援することも必要だと思っています。 そういった児童・生徒の受け皿としては、こども相談センターにおける通所誘導を初めとしましてフリースクールなどの民間施設がありますし、不登校の児童・生徒たちのための居場所や学習の場にはそれぞれのニーズに応じたものが考えられると思います。 今後、「義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律」にのっとって、この間に本市が取り組んできた不登校対策の成果や課題を踏まえて、児童・生徒のニーズを早期に見きわめてさまざまな可能性を検討していく中で、現在ある生活指導サポートセンターの施設を活用して民間におけるフリースクールのような機能を持つ学習活動の場を提供するとともに、不登校特例校の設置についても研究を進めるなど、ニーズに応じた不登校対策の充実を図っていきたいと思います。
○副議長(辻義隆君) 土岐恭生君。 (58番土岐恭生君登壇)
◆58番(土岐恭生君) 次に、中学校給食に係る就学援助についてお伺いします。 一昨年のこの場で私から、遅くとも、全中学校が学校調理方式に移行し全校全員喫食となる平成31年度の2学期には、中学校も給食費の全額を就学援助の支給対象とするべきであると提案させていただきました。その際吉村市長は、移行完了時には支給率の課題の整理を行いたいと非常に前向きな見解を述べられました。 先日も市長は、学校調理方式への移行完了のめどが立ち、設備投資もピークを超え、あとは今後の市全体の施策を見て判断すると述べられました。 移行が完了し中学校の給食が小学校と同じになるのであれば、給食費に対する就学援助の支給率に差をつける理由はどこにもありません。市長は子供の貧困対策に力を注いでおられますが、就学援助はまさに低所得者世帯への支援であり、中学校の給食費の2分の1の負担がなくなれば、そうした世帯への支援につながるのではないでしょうか。 来年度の2学期からは、中学校給食の就学援助も小学校と同じように全額を支給対象とすべきと考えますが、市長のお考えを再度お伺いいたします。
○副議長(辻義隆君) 吉村市長。 (
市長吉村洋文君登壇)
◎市長(吉村洋文君) 温かい中学校給食の実現というのは私の公約でもあります。ですので、中学校給食につきましては開始当時の選択制のデリバリー給食から学校調理方式へと順次移行・転換しておりまして、平成31年度の2学期までに全ての中学校を移行する、完成させるということを最優先に取り組んできました。そして、現実にその予定でもあります。 この点、学校調理方式への移行については、設備投資など多額の経費が必要になります。本市の厳しい財政状況や移行が完了するまで選択制のデリバリー給食を継続する学校との公平性も考慮しまして、全校の移行が完了するまでは就学援助は2分の1の支給率を継続することといたしました。 平成31年度の予算については、今後予算編成作業を進め、市会の場で御審議いただくことになると思いますが、私としては、全ての生徒が望ましい食習慣を身につけて適切な栄養を摂取、より健やかに成長するといったことを目的に、学校調理方式による温かい給食、全員喫食というのを進めてきたところでありまして、学校調理方式への移行が完了し全ての中学校が全員喫食となった際には、中学校給食に対する就学援助も小学校と同じように全額支給にしたいと考えています。
○副議長(辻義隆君) 土岐恭生君。 (58番土岐恭生君登壇)
◆58番(土岐恭生君) これは、我が会派といたしましてもかねてより要望してまいりました施策でございますので、しっかりと進めていただきたいと思います。 次に、こども相談センターの建て替えについてお伺いします。 先日の一般会計等決算特別委員会においても、こども相談センターの機能強化として、築46年が経過した森之宮のこども相談センターを早期に建て替えるべきと指摘をいたしました。担当局からは、市長をトップとした大阪市児童虐待防止体制強化会議において検討中であるとの答弁でありました。 児童相談所は、子供の権利擁護の最終のとりでであり、一時保護等の措置を行うという重要な権限が付与されています。そのため、子供の安全確保が必要な場合にはちゅうちょなく一時保護ができ、また、保護された子供が安全・安心な環境で、適切にケアされることが必要であります。このようなことから、相談援助活動が効果的となるよう、一時保護所に入所する子供が安心して生活できる環境を整えていくことが不可欠であります。 今後、児童虐待対策を初めとした、こども相談センターの機能強化を図ることや一時保護ガイドラインに示されている新しい機能を付加していくためにも、今年度中にも建て替えの方針を打ち出すべきだと考えますが、市長の御所見をお伺いいたします。
○副議長(辻義隆君) 吉村市長。 (
市長吉村洋文君登壇)
◎市長(吉村洋文君) こども相談センターの機能強化に関しましては、本市においても二度と悲惨な児童虐待事件が発生することがないように、また、他都市ではありますが、目黒区のような事件が二度と発生することがないように、そういう思いで平成30年7月に私をトップとする大阪市児童虐待防止体制強化会議を立ち上げました。その中で、有識者や関係機関が率直に意見交換をして、取り組みの方向性を今、議論しているところであります。 また、ふえ続けます児童虐待の相談への的確な対応と一時保護所全体の入所定員数の増を図るために、児童相談所の複数設置に取り組んでいます。3カ所目の児童相談所となる北部こども相談センターの開設に向けて、今、鋭意進めているところです。 森之宮のこども相談センターにつきましては、平成30年7月に視察をいたしましたが、非常に小さくて窓もないような個室です。それから集団での寝室の部屋、まさに窓のない個室で勉強している子供と僕自身、じかに話をしました。そのとき痛感しましたけども、これは建て替えをしなければならないというふうに感じました。 あわせて、行政的に整理をいたしましても、老朽化していることに加えまして、児童福祉法施行規則の過去の最低基準は満たしていますが現行の規則の最低基準は満たしていないという状況でもありますから、やはり早急な改善が喫緊の課題だというふうに認識しています。 そういったことから、こども相談センターの建て替えについては、今後予定をしております大阪市児童虐待防止体制強化会議の議論も踏まえた上で、私としては今年度中に方針を決定して来年度の予算に反映できるように進めていきたいと思います。
○副議長(辻義隆君) 土岐恭生君。 (58番土岐恭生君登壇)
◆58番(土岐恭生君) 次に、小中学校の体育館へのエアコン設置についてお伺いします。 先日27日に、我が会派から市立小学校・中学校の体育館等への空調機の設置を求める要望書を市長に提出をいたしました。 学校の体育館は、日常における学校の授業や部活動はもとより、休日等の地域の行事に活用され、さらにことしは大阪北部地震や台風21号などの避難所や避難場所としても活用され、災害時においてもますます重要性が高まっています。今後想定される南海トラフ大地震など大規模な災害が発生した場合、多くの市民が長期間の避難所生活を余儀なくされます。仮にこれが真夏のシーズンに発生した場合、避難所内で熱中症が発生し二次災害も想定されます。早急に、避難所・避難場所となる小中学校の体育館に空調機を設置するべきであります。 災害はいつ発生するかわからず、現に平成28年の熊本地震の際には、避難所生活による痛ましい関連死が多数発生いたしました。災害弱者への配慮という観点からも、優先順位をつけて計画的に体育館への空調機の整備を行い、まずは緊急減災・防災事業債の対象年度が終わる平成32年度までに何らかの整備を進めていくべきであると考えています。 また、避難所生活をされておられる方々は物資や復旧等の情報が必要となりますが、現在の体育館には情報を得るために必要なツールが設置されていません。災害時に避難所生活をされる方のために、テレビが視聴できる環境やスマートフォンが活用できるWi-Fi環境の整備も必要であります。 国は、ことし全国のさまざまな場所で発生した地震・台風・風水害による大規模な災害を踏まえ、小中学校の普通教室への空調機の設置等、補正予算を組んで積極的に取り組んでおります。国が防災への取り組みに対して強い姿勢を示している中で、大阪市でも同様にしっかりと取り組むべきであります。 過去には、全国に先駆けて市立の小中学校で普通教室等に空調機を設置してきた経過があります。そういった姿勢を持って体育館への空調機の設置やWi-Fi環境等の整備を行うべきと考えますが、市長の御見解をお伺いいたします。
○副議長(辻義隆君) 吉村市長。 (
市長吉村洋文君登壇)
◎市長(吉村洋文君) ことしは、大阪の北部を震源とします地震、それから台風21号によりまして、多くの市民の皆さんが避難所・避難場所となる学校に避難をされたという経過があります。夏場の災害ということでありまして、避難所の開設に当たっては、高齢者など配慮を要する方については、空調設備のある特別教室や多目的室を使用するなど柔軟な対応を指示し、現にそのようにしてきたところであります。 しかしながら、一方で真夏の酷暑の時期に仮に大規模な災害が発生し多数の避難者が避難してきたという場合には、特別教室等の使用だけでは必ずしも対応できるとは限らないという状況でありますので、やはり災害弱者への二次災害防止という観点から体育館に空調を設置する必要性自体はあるかと思います。 ただ一方で、400校を超える小中学校の体育館全てに空調を設置するためには、設備費のみならず、維持費も含めて多額の費用と設置期間も要しますので、全ての学校の体育館に空調を設置するというのは現実的ではないと思います。優先順位を考えて選択と集中を図っていく必要があるんじゃないかというふうに考えています。 したがいまして、災害弱者に対する避難生活のセーフティーネットという観点から、緊防債を活用しながら費用面もしっかりと考慮に入れて、一定数の学校への計画的な整備について検討を進めるよう関係局に指示いたします。 また、災害時に避難所生活をされる方のためのテレビの使用については、テレビが設置されている教室等を活用できるように柔軟に対応していくことにしていきます。 さらに、Wi-Fiの環境についてですが、これは通信事業者との間で協議を重ねました結果、大規模災害時に避難所等を設置する際にはWi-Fi機器と充電機器を速やかに設置していただくということになっています。ことし6月に発生しました大阪府北部を震源とする地震の際にも、希望のあった避難所においては設置をいただいたところでありますので、民間との関係を重視していきたいと思います。
○副議長(辻義隆君) 土岐恭生君。 (58番土岐恭生君登壇)
◆58番(土岐恭生君) 小中学校の体育館へのエアコン設置については、例えばPFIを活用するなどさまざまな観点から検討していただいて、早急に整備していただきたいというふうに要望いたしておきます。 次に、地域集会所、老人憩の家についてお伺いいたします。 おおむね小学校区に設置されている地域集会所と老人憩の家については、地域の方々のさまざまな活動の拠点、コミュニティーの拠点となっており、大変重要な施設であります。また、ことしの大阪北部地震や台風21号、24号といった災害時には、地域の自主的な避難所としても機能しております。 しかしながら、整備補助等の支援制度、発足後既に40年以上が経過しており、施設によっては耐震安全性が確認されていない施設や耐用年数が経過している施設が少なくないことから、平成28年11月の一般質問において、この点質疑を行いました。市長からは、地域集会所、老人憩の家ともに地域住民のコミュニティーづくりのための重要な拠点施設であるとの認識のもと、補助の対象となっていない耐震診断の費用を補助対象にするなど、厳しい財政状況のもとではあるが検討を進めていきたいとの答弁をされました。 あれから2年が経過いたしますが、旧耐震基準で建築された179施設の耐震診断はいまだに行われておりません。耐震安全性が満たされているのかさえ把握ができていないということであります。 ことし起こった災害がまたいつ起こるかもしれない状況であり、地域の不安は高まるばかりであります。この2年間、一体どのような検討をされてこられたのでしょうか。少なくとも、179施設の耐震診断については早急に進めていかなければならないと思います。 また、ことしのように地震や台風などで地域集会施設が被災した場合は、速やかに当該施設の機能回復が図られるよう現行の補助制度を拡充するべきではないかと考えますが、改めて市長の御所見をお伺いいたします。
○副議長(辻義隆君) 吉村市長。 (
市長吉村洋文君登壇)
◎市長(吉村洋文君) 地域集会所、老人憩の家については、ともに地域住民のコミュニティーづくりのための重要な拠点施設だという認識は今も同じです。現に地域の多くの方が両施設を利用されていますので、耐震安全性の確保というのは重要な課題であるというふうに認識していますし、耐震診断の費用を補助対象とすることを初めとした施設の維持のあり方について、区長会議での検討を指示したところです。 施設維持に当たっては、今後の人口減少を勘案した場合、現在耐用年数を経過しているものを含む490の地域集会所と老人憩の家の全てに対して、税を投入して維持し続けるのかどうか、建て替え等の施設更新が必要な場合はその要件をどうするのかなど、本市の厳しい財政状況のもとにおいては検討しなければならない課題が多くあると、そういう認識でもあります。 この間、区長会議においては、将来の地域のありようをしっかりと見据えて、地域コミュニティーの拠点施設としてはどの程度の規模と数が必要なのか、また、学校施設などの既存の市有施設の有効活用はできないのか、本市の財政状況に鑑み持続可能な支援制度としてはどういったものがあるのか、総合的かつ慎重に検討しているため時間を要しているところです。 一方で、御指摘のように、現在利用されている施設の耐震安全性の確保は緊急性の高い課題と認識していますので、耐震安全性は満たしているか否かの確認ができていない179施設につきましては、早急に耐震診断が実施されるようにしていく必要があると考えています。 区長会議に対して、今年度のできるだけ早い時期に、被災した場合の早急な機能回復も含めた地域集会施設に対して、必要となる施設の案と施策の案を取りまとめるよう改めて指示を行い、平成31年度から順次、耐震診断が実施されるように努めていきます。
○副議長(辻義隆君) 土岐恭生君。 (58番土岐恭生君登壇)
◆58番(土岐恭生君) 地域集会施設の耐震問題は待ったなしの状況であります。地域の方の重要な拠点でありますから、一日でも早く実施していただけるよう改めて要望しておきたいと思います。 次に、認知症施策についてお伺いします。 急激に高齢化が進む中、認知症施策は全国的な課題であります。75歳を超えると10人に1人、80歳を超えると4人に1人、85歳以上は実に2人に1人が認知症にかかっていると言われています。 国においては認知症施策を総合戦略として取り組んでおり、我が党では、認知症への対策を国の責務と定める認知症施策推進基本法の骨子を取りまとめ、現在、早期成立を目指しております。 特に、大阪市はこの6年間で認知症高齢者の増加率が高齢者人口の増加率の2倍となっており、認知症施策の推進は喫緊の課題でもあります。このため大阪市においても、認知症の人や家族が安心して地域で暮らし続けるため、認知症サポーターの地域活動促進事業や認知症強化型地域包括支援センターの各区設置、認知症アプリの運用などの施策を先進的に進めてまいりました。 しかしながら、今後ますます認知症高齢者数の増加が見込まれる中、認知症の早期発見と家族への支援など認知症施策のさらなる強化・充実が必要であります。 さらに、今後、進めるべき認知症施策の新たな視点として、認知症の人が尊厳を持って生きることができる社会を目指した取り組みが非常に重要であります。 認知症になった人が社会で生き生きと暮らすには、みずからが社会の中で役割を得て活躍する場が必要であり、そうした場を構築するための仕組みづくりが必要ではないかと思います。大阪市が率先して認知症の人が活躍できる社会の実現に向け取り組みを進めるべきと考えますが、市長のお考えをお伺いいたします。
○副議長(辻義隆君) 吉村市長。 (
市長吉村洋文君登壇)
◎市長(吉村洋文君) 認知症施策についてですけども、2025年には団塊の世代が後期高齢者となりまして、高齢者人口の増加とともに認知症高齢者の数も大幅な増加が見込まれるところです。とりわけ、ひとり暮らしの高齢者の割合が高いという本市の特徴がありますので、認知症高齢者の施策は重要かつ喫緊の課題だと認識しています。このため、認知症の早期発見・早期対応の取り組みを初めとして、認知症に関する正しい知識の普及・啓発、認知症高齢者への見守りネットワークの構築など、認知症施策を総合的に推進しています。今後も、より一層認知症の人や御家族への支援策の強化というのを図ってまいりたいと思います。 また、新たな視点に立った認知症施策についてですが、ことし2月に「認知症の人をささえるまち大阪宣言」を行った際に、認知症の人御本人とその御家族と直接お会いして御意見や要望をいただきました。その中で特に若年性の認知症の人から、周囲のサポートにより、まだまだできることがある、みずから外に出ていける場をたくさんつくってもらいたいという意見がありました。 認知症の人を、単に支えられる側と考えるんじゃなくて、認知症の人みずからが活躍していただくことというのは非常に大事な視点だと考えています。宣言にもあります「認知症の人がいきいきと暮らし続けることができるまち」の実現そのものが重要だと思っています。 そのため、認知症の人みずからが継続的に社会活動を行える場の創出や、認知症の人の雇用に関して企業等の意識が高まるよう啓発活動を行うなど、認知症の人が尊厳を持ってごく当たり前に活躍できる社会の実現を目指して、早期の施策実現に向けて検討を進めていきます。
○副議長(辻義隆君) 土岐恭生君。 (58番土岐恭生君登壇)
◆58番(土岐恭生君) 次に、大阪市の犯罪被害者等支援のための条例制定についてお伺いします。 誰もがある日突然、犯罪の被害者となるおそれがあり、被害に遭われた方やその御家族の方は、犯罪そのものによる被害だけではなく、その後の精神的なショックなど二次的な被害を受けることになるため、一人一人に寄り添ったきめ細やかな支援が必要であります。 現在、大阪市では、犯罪被害者を支援するための総合相談窓口の設置や市営住宅の優先入居などの施策を実施しているところでありますが、犯罪被害者が直面する状況の解決のために、さらに充実した取り組みが必要だと考えます。 昨日も大阪市に対して犯罪被害者の当事者団体等の方々から、全国の手本となるような犯罪被害者等支援の条例をつくってもらいたい、また、条例をつくる際には犯罪被害者等の当事者の意見を聞いて反映することができるような措置を講じてもらいたいとの要望が提出されたところであります。 大阪市は、犯罪発生件数が長年、政令市でワースト1と厳しい現状であります。そうした中、大阪府においては来年4月に犯罪被害者等支援条例を制定するとのことであります。 犯罪被害者等の支援については、やはり都道府県と基礎自治体である本市が適正な役割分担のもと、それぞれで条例を制定して取り組むことが非常に重要だと考えております。大都市大阪市にふさわしい条例を制定して、誰もが安心して暮らせるまちを目指すべきだと思います。その際には犯罪被害の当事者の方々からの御意見もしっかりと聞きながら進めるべきであると考えますが、市長の御所見をお伺いします。
○副議長(辻義隆君) 吉村市長。 (
市長吉村洋文君登壇)
◎市長(吉村洋文君) 犯罪被害者やその御家族の多くは、権利が尊重されてきたとは言いがたい上、十分な支援が受けられずに社会において孤立するということも余儀なくされて、また、犯罪等による直接的な被害だけじゃなくて、その後も副次的な被害に苦しめられるということも少なくないという、そういう状況であります。こうした犯罪被害者等の支援は、国や地方公共団体その他の関係機関等の連携のもとで、犯罪被害者等の状況に応じ、再び平穏な生活ができるようになるまで途切れることなく適切に行われる必要があると考えています。 本市においても、犯罪被害者等に向けた総合相談窓口の設置、市営住宅への優先入居のほか、被害者等の状況に応じた保健医療や福祉サービスの提供などさまざまな支援を実施するとともに、市民の理解促進のための啓発活動に取り組んでいます。 大阪府において犯罪被害者等支援条例の制定が進められていることは承知しており、本市においても条例を制定することにより、犯罪被害者等の支援に取り組む市の姿勢がより明確になり、市民の理解や協力の一層の促進も期待できると考えられますので、大阪府との適切な役割分担を図りながら、大阪市にふさわしい犯罪被害者支援の条例の制定に向けて取り組んでいきます。 条例の制定に当たっては、犯罪被害の当事者や有識者の方の意見もしっかりと聞く必要があることから、早急に検討を始めたいと思います。 不幸にして犯罪被害に遭われた方々が、その権利や利益の保護が図られて再び平穏な生活を一日も早く取り戻せる社会の実現に向けて、しっかりと取り組んでいきます。
○副議長(辻義隆君) 土岐恭生君。 (58番土岐恭生君登壇)
◆58番(土岐恭生君) 昨日も要望に立ち会わせていただきましたけれども、犯罪被害者とその御家族の方々は大変悲痛な思いをされておられます。当事者の御意見を反映した全国の模範となる条例の制定をぜひよろしくお願いいたします。 次に、生野区特区構想についてお伺いします。 先日の一般会計等決算特別委員会において、我が会派の山田議員が生野区のまちづくりについて質疑を行った際、区長より、生野区は日本の社会が抱えるさまざまな課題が縮図となってあらわれているとの答弁がありました。 生野区は、高齢化率、少子化率などが24区の中でも高く、人口減少が進み、それに伴って地域活動、経済活動の担い手不足が顕著にあらわれています。また、最近国でも議論されている外国人労働者の受け入れが進むことによる共生社会の構築も課題であります。さらに、空き家数、空き家率も非常に高く、まちの活力や地価にも影響を与えております。 そこで念頭に浮かぶのは、西成特区構想であります。人・物・金を集中的に投下し、局横断的な対応によって地域のさまざまな課題を総合的に解決していくことにより、西成では治安面、環境面の改善が図られ、福祉的支援の取り組みが進むなど、まちの状況が相当に変わりつつあります。地域課題を総合的に解決するための手法として、特区という手段は非常に有益であると思います。 生野区が地域課題の解決に取り組み、大阪の発展の牽引役として生まれ変わるため、西成区に次いで特区を導入すべきと考えますが、市長の御所見をお伺いいたします。
○副議長(辻義隆君) 吉村市長。 (
市長吉村洋文君登壇)
◎市長(吉村洋文君) 少子高齢化に伴う人口減少、それから担い手不足による地域活動、経済活動の停滞、空き家対策、大規模な外国籍労働者の受け入れに対する新たな多文化共生の仕組みの構築など、日本社会が抱える課題でありますが、それがまさに顕著にあらわれているのが生野区だということは私も認識をしています。 こういった課題解決のために西成区に次いで特区を導入してはどうかという御提案ですけれども、西成区の場合は、これまでの歴史的な経緯、それに加えて治安、衛生、福祉などこれまでの手法では解決できなかった積年の課題を打開するため、資源、人材を使って思い切ってここに投入してボトムアップで解決を図るものでありまして、生野区の場合は、課題の性質等から西成区の手法とは異なったものになると考えています。 現在、生野区特有の課題としては、学校再編、教育環境の改善に取り組んでいるところであり、ここは私も非常に重要な部分だと思っています。通常、統廃合による学校の跡地については売却が原則ですけれども、生野区においては防災上の理由から、学校跡地は単に売却するんではなくて、まずは防災拠点として活用します。 加えて、地域活動や観光・多文化共生の拠点とし、跡地周辺の空き家対策とつなげたエリアリノベーションなど、まちの再生につながることができれば新しいまちづくりのモデルになるんじゃないかということも十分期待できると考えています。 生野区の課題をチャンスに変えていくというためにも、生野区については24区横並びじゃなくて、市の制度の弾力的な運用を初めとしまして新たな公民連携の仕組みの構築など、多額の投資に頼らないまちの再生を目指して局横断的な推進体制も含めて幅広い観点から生野区の課題について検討して、対応していきたいと考えています。
○副議長(辻義隆君) 土岐恭生君。 (58番土岐恭生君登壇)
◆58番(土岐恭生君) ただいま市長から御答弁をいただいたとおり、局横断的に課題解決に取り組んでいただきまして、日本の新たなまちづくりのモデルケースとなるよう着実な推進をお願いしたいと思います。 最後に、多文化共生施策の推進についてお伺いいたします。 大阪市の外国籍住民は、これまで在日韓国・朝鮮の方々が多くを占めていましたが、その数は年々減少する一方、新たに中国やベトナムの方々が増加し、全体数についても増加傾向が続いております。平成30年9月末現在の外国人住民数は13万5,865人でありまして、住民比率は5%に上り、国籍は約140カ国に及びます。政令市の中で住民数、住民比率とも最多であり、まさにグローバルなまちとなっております。 大阪市は、平成16年に改定した大阪市外国籍住民施策基本指針に基づき、情報の多言語化を初めとする各種事業を実施しております。区役所などでも通訳を介した電話対応を行っておりますが、英語、中国語、韓国朝鮮語のみであり、また、相談窓口についても大阪国際交流センターの1カ所のみであります。また、防災や教育などさまざまな施策において多文化共生の視点が行き届いておらず、外国籍住民のニーズに十分に応えているとは言えません。 言語の理解の差異によって住民サービスが受けられないということは、あってはならないと思います。大阪市の多文化共生の方向性を明確にし、あらゆる施策に多文化共生の視点を持って事業を推進するため、指針の改定や行動計画の策定を行うべきと考えますが、市長の御所見をお伺いいたします。
○副議長(辻義隆君) 吉村市長。 (
市長吉村洋文君登壇)
◎市長(吉村洋文君) 大阪市が、多様な人材が交流して新しい価値を創造する都市として、まさに国際都市大阪のプレゼンスを高めていくためには、外国籍住民の一人一人が安心して生活でき、そしてその持てる能力を発揮することができる環境を整備していくというのが重要だと考えていますし、そのためには、防災や教育を初め大阪市の施策や事業の全てにわたりまして、常に外国籍住民への対応という視点を持つ必要があるんじゃないかというふうに考えています。 この間のグローバル化のさらなる進展などに伴いまして、市内の外国籍の住民はふえ続けています。また、その国籍やルーツ、在留資格も変化してきています。 各区役所や各部局では、現在の大阪市外国籍住民施策基本指針に基づき、こうした変化に対応した取り組みを進めていますが、外国籍住民のニーズに十分に応えるべく取り組みをさらに充実させていくためには、より総合的かつ体系的な施策の展開が必要だと考えます。 さらに、現在、国会では家族の帯同を認める新たな在留資格の創設などを盛り込みました出入国管理及び難民認定法改正案が審議されておりまして、これが通るという形になりますと、今後さらに外国籍の子供がふえるということが確実視されますので、こういった動向も踏まえながら、多文化共生の基本的な理念や今後の施策のあり方、方向性を示すとともに、防災や教育の課題への対応、多様性を認め合うコミュニティーづくり、多言語対応など国際都市大阪にふさわしい施策を実施していく観点から、施策のガイドラインとなる多文化共生施策の推進に係る指針・行動計画を新たに作成し、これを踏まえて具体的な事業を展開していきたいと思います。 増加し続ける外国籍住民の対応は既に喫緊の課題になっていますが、早急に検討を始めるよう担当部局に指示していきます。
○副議長(辻義隆君) 土岐恭生君。 (58番土岐恭生君登壇)
◆58番(土岐恭生君) これまで、多岐にわたり質問をさせていただきました。本日の議論を踏まえまして、改めて後日、来年度予算編成に向けて要望をさせていただくとともに、引き続き、市民の暮らしを守り、大阪市の地域経済の発展のためしっかりと議論をさせていただくことを申し上げまして、私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○副議長(辻義隆君) お諮りいたします。この際、暫時休憩することに決して御異議ありませんか。 (「異議なし」と呼ぶ者あり)
○副議長(辻義隆君) 御異議なしと認めます。よって暫時休憩いたします。 午後3時1分休憩 午後3時30分再開
○議長(角谷庄一君) これより休憩前に引き続き会議を開きます。
○議長(角谷庄一君) 井上浩君の質問を許します。 37番井上浩君。 (37番井上浩君登壇)
◆37番(井上浩君) 私は、日本共産党大阪市会議員団を代表して市長に質問いたします。 まず、万博についてであります。 今回の万博開催地の投票結果は、「いのち輝く未来社会」を万博用のスローガンにとどめるのではなく、文字どおり市民一人一人の命を輝かせる市政運営へと転換を図る契機と受けとめるべきであり、巨大開発に突き進むのではなく、喫緊の被災者支援や防災・減災対策、市民の暮らしや中小企業の支援こそ優先する自治体本来の姿を取り戻すべく、我が党は全力を尽くす決意であります。 今回の投票結果を受け、万博開催に向けた準備が進められていくことになります。既に夢洲の埋め立て費用が当初の試算よりふえることが明らかになったように、1,250億円とされる会場建設費、540億円と言われる地下鉄延伸費などが一体どこまで膨れ上がるのか、全く不透明なままであり、国や府、経済界との間で費用負担についての話し合いがスムーズに進むのかも懸念される中、今の計画をそのまま進めていけば巨額の市民負担は免れないということははっきりしているのであります。少なくない市民の中から大きな負担が待ち受けているのではないかという懸念の声が上がっていますが、巨額の万博資金計画についての情報が市民の中へ伝わるほどに懸念の声が広がっていくことは間違いありません。 気の遠くなるような財政負担を回避し簡素な万博を目指すべきだとの思いから、例えば埋め立てがほぼ完了している夢洲3区で十分万博は開催できるのではという声もありますが、市民と本市財政の負担にならないような簡素な万博にすることを前提に、知恵と力を尽くし、あらゆる面から検討を尽くすべきだと考えます。御答弁を求めます。
○議長(角谷庄一君) 理事者の答弁を許します。 吉村市長。 (
市長吉村洋文君登壇)
◎市長(吉村洋文君) 会場の夢洲についてですが、これは関西国際空港からのアクセスも非常にいいですし、まさに今、人が居住していないエリアであると。人工島として非日常の空間を創出することもできる、大阪・関西の観光のエリア、ビジネスの拠点としてネットワークも形成しやすい、非常に大きなポテンシャルを有しているのが夢洲のエリアであります。まさに夢洲は万博の開催地としてふさわしいと考えています。 万博の開催候補地につきましては、155ヘクタールのエリアにつきまして既にビッド・ドシエでBIEに提出しておりまして、それを前提に国際選挙も受け、誘致活動もし、今進めているところであります。 会場の建設費についてですが、国、自治体、経済界がそれぞれ1対1対1で費用負担することになっておりまして、自治体負担分は府市で折半することにしています。 会場建設費の1,250億円ですが、これは国の試算に基づくものであります。国においても費用の管理の徹底を図っていくことは当然のことながら、市としても6分の1の費用を負担するということから、全体計画についてはきちんと把握して、費用の上振れには留意しながら進めていきたいと思います。 会場建設や万博に関連する事業に係るコストのリスクマネジメントについては、市の大規模事業の実施に当たりまして、財政に重大な負担を生じさせないようにする事業所管、所属による自律的な管理に加えまして、統括的なリスク管理の強化を図るために新たに設置しました大規模事業リスク管理会議の外部委員からの御意見も伺いながら、財務リスクをチェックして進めていきたいと考えています。
○議長(角谷庄一君) 井上浩君。 (37番井上浩君登壇)
◆37番(井上浩君) 私は夢洲3区ということで具体に挙げて質問しましたけれども、市長からは夢洲3区についての言及はありませんでした。 夢洲の他の場所も含めて検討をという声が上がるのは巨額の資金計画を懸念しているからこそでありますが、結局はIRありきだということであります。万博とIR・カジノをセットでやろうとしているからこそ無理が生じ、夢洲2区への急速施工が必要だと136億円もの巨費を投じようとしているのであり、夢洲3区をIR・カジノ用地の聖域にすれば費用負担が際限なくふえていくことを示しているのであります。 そもそも夢洲は、しゅんせつ土砂や建設残土、そして焼却ごみの貴重な最終処分場として、公有水面の埋め立てを行ってつくられたものです。そうした趣旨を全く踏まえず、まるでお荷物のように負の遺産だというのは、常住人口4万5,000人のまちをつくるとかオリンピックの選手村にするとか、そうした名目をつくっては土地造成や基盤整備などに莫大な税金をつぎ込んだあげく、それらがことごとく失敗したからにほかなりません。つまり負の遺産とは、夢洲そのものを指すのではなく、夢洲で無謀な巨大開発を進めてきたかつての市政を指すのであって、今まさにいつか来た道を再びたどるのか、それとも市民の暮らしや中小企業を支援する真っ当な大阪市政へ立ち返るのか、分水嶺に立っているのであります。 さて、夢洲への地下鉄延伸に必要な整備費は約540億円と言われております。わずか半年間の万博のために莫大な費用を要する地下鉄を建設するのは無謀であり、やめるべきではないでしょうか、御答弁を求めます。
○議長(角谷庄一君) 吉村市長。 (
市長吉村洋文君登壇)
◎市長(吉村洋文君) 万博については、世界中の皆さんが御承知のとおり世界的なイベントでありまして、今回の万博においても経済効果は2兆円と試算されています。まさに大阪・関西の経済成長が活性化する起爆剤になることは間違いありませんし、経済効果だけじゃなくて、新たな大阪、そして日本の未来社会を見ることができる、まさに将来の夢を見て次の世界に進んでいくことができる、そういった希望というのも非常に国にとって、そして大阪のエリアにとっては重要なものだというふうに思っています。さらに、大阪の都市力の向上にもつながるものだというふうに思っています。大阪・夢洲で開催できるということは非常に意義のあることだと考えています。 そして、万博を開催するとなったときの2025年ですけれども、非常に多くの来場者の方を夢洲に輸送する必要があります。鉄道というのは重要な輸送手段であり、整備が必要だと考えています。 万博のみならず、夢洲では2024年に開業を目指しますIRを核とする
国際観光拠点づくりに今取り組んでいます。そこでは多くの集客が見込まれますので、そのためにも鉄道は必要であります。 IRを立地した場合には、受益者として利益を得る部分もありますので、鉄道の整備費用のうち港営会計が本来負担するべき部分を基本としまして受益者である民間事業者にそこを負担していただきたいというふうに考えていますし、その方針で進めてまいります。 鉄道の延伸につきましては、既に444億円を投資済みでありまして、夢咲トンネルまでの約2.3キロの躯体部分は既に完成しています。それが今ストップしている状況です。今後、鉄道については、夢洲の新駅までの残る約0.9キロについて着実に整備を進めてまいりたいと思います。
○議長(角谷庄一君) 井上浩君。 (37番井上浩君登壇)
◆37番(井上浩君) 今回誘致が決まった万博は、半年間の期間限定のイベントなのであって、そのために540億円かけて鉄道を延伸するなどということは財政を破綻に導くものでしかありません。万博の関連事業費などではなく、夢洲を拠点にしようとしているIR・カジノの関連事業費と言うほかありません。仮に地下鉄を延伸したとして、万博後、地下鉄の採算がとれるという保証はあるのでしょうか。人の住まない人工島に地下鉄を通すなど論外であり、全てはIR・カジノのためのお膳立てだということがはっきりしたのではないでしょうか。 万博は半年間の期間限定である一方、IRは永続的に営業していく前提ですが、IRが経営的に行き詰まってきたら一体どうするつもりなんでしょうか。まさか市民の射幸心をあおってカジノに誘導するなどということはないでしょうが、頼みのIR・カジノが下火になれば、まちづくりのやり直しだと言ってまた巨費を投入し続けることになりかねないのであります。 IR・カジノ頼みの夢洲のまちづくりでは、万博後の明るい未来社会の展望は何ら示せず、リスクしか残らないのであります。こんな無謀な開発計画は決して市民に理解されませんし、我が党としても絶対に認められないと申し上げておきます。 次に、IR・カジノ誘致についてであります。 前市政以降、夢洲へのカジノ誘致をもくろんだものの、カジノ単体では夢洲を舞台にした巨額のインフラ整備等を正当化するのに無理があるため、カジノの呼び水にと名乗りを上げたのが万博誘致活動の発端なのであります。過去のベイエリア開発失敗の反省の上に立ち、万博を口実に無駄な巨大開発を絶対に推進してはならないのであります。 万博誘致に向けたオフィシャルパートナーにカジノ企業5社が名を連ねていることが全てを語っていますが、そもそもカジノとセットの万博誘致計画が公衆の教育を主たる目的とした万博の趣旨とは相入れないのであり、市民のカジノに対する不安や懸念に対し市長は正面から答えることができるのでしょうか。いのち輝く未来社会とカジノは共存し得ないと考えますが、IR誘致は断念するべきではないでしょうか、御答弁を求めます。
○議長(角谷庄一君) 吉村市長。 (
市長吉村洋文君登壇)
◎市長(吉村洋文君) 万博をIRの呼び水にということですけれども、そもそも万博よりもIRのほうを先んじて主張してきてますし、IRの誘致というのを先行して主張してきたところで、そして現実的に、これは国の法律改正が必要だったわけですけれども、それに対しても積極的に働きかけをし、国の法律、理念法、そして実施法ができ上がってきたという経緯があります。 だから、万博とIRをなぜそこまで関連づけようとするのかちょっとよくわからないんですけれども、IRはIRとして僕は非常に大きな意義があると思ってますから、それは大阪に誘致すべきだと思っています。観光、地域経済の振興、カジノ収益のまさに社会還元、そういったものを通じて公益の実現というのを目指すものでもあります。 夢洲にIR(統合型リゾート)を核とします
国際観光拠点、オールインワン型のMICEの拠点が形成されます。そこに多くの海外のビジネスマン、富裕層の方、日本国民の皆さんも含めまして多くの方が大阪を訪れられる、そこで人・物・お金・投資を呼び込むことができるというふうに考えています。 万博とIRというのは異なるプロジェクトでありますが、いずれも大阪成長の起爆剤になる非常に大きな経済効果が生じるものであると思いますし、それにつなげてまいりたいと思います。 IRの立地についてですけれども、経済波及効果も年間6,900億円、雇用の創出効果も8万人ということで、非常に大きな経済効果が見込まれます。本市の財政にも大きく寄与するところでもありますし、多くのビジネスの機会が生じるというそういったところ、また、多くのエンターテインメントを楽しむことができる、そういったエリアになるというふうに思っていますので、プラス面をしっかりと引き出したいと思います。 あわせて、課題とされてるギャンブル依存症については、これまで国においてほとんどここが議論をされてこなかったところですが、IRの議論、これをまさに契機としまして、ことし7月にパチンコなんかも含めた依存症対策の基本法が成立しまして、IRの議論が始まることでまさに本格的な議論、対策が打ち出されているというところでもあります。 大阪においても、これをきっかけとしまして、海外の先進事例を参考として全国に先駆けてIR推進局において依存症対策についても議論しているところであります。専門家であったり患者、家族団体の代表者の方にも入ってもらった研究会を設置して、大阪の実情を踏まえた依存症の対策ということも検討しています。 今、大阪でも多くの依存症の方がいらっしゃいますので、IRをきっかけに、きちっと今までやってこなかった国それから大阪も挙げて対策し、依存症患者の方の最少化を図っていくという形に向けて取り組んでいきたいと思います。 いすれにしても、プラスの面を最大限引き出して、課題とされてる面については正面から向き合うということで、大阪の成長を図っていきたいと思います。
○議長(角谷庄一君) 井上浩君。 (37番井上浩君登壇)
◆37番(井上浩君) 道路を挟んだすぐ隣でカジノを営業し万博来場者を呼び込むなどという計画自体、万博の理念にも反するのであり、結局、万博はIR・カジノのための隠れみのだということであります。道路を挟んですぐ目の前で営業するのに、異なるプロジェクトとは言えないと思います。 マッキンゼー日本支社長を歴任した大前研一氏は、カジノが成長戦略の起爆剤などというのは全くの幻想で噴飯ものです。私は、世界の主なカジノを訪ね、経営の内部資料まで見せてもらっていますが、もはや斜陽産業です。そもそもカジノは、かつての韓国や冷戦後の東欧、旧ソ連圏など観光資源がないところに、とりあえず人を呼ぶためにつくられました。しかし、日本は既に3,000万人の外国人が訪れる観光立国です。さらに、観光客をふやすには、大都市だけでなく自然豊かな地方にもっと呼び込み、何度も足を運んでもらうことですと語っております。全くそのとおりだと共感します。 ギャンブル依存症対策を強化する契機にするなどとも言われましたが、ギャンブル依存症患者をふやす新たな温床をこれ以上つくらないことが最も初歩的な留意事項なのであり、カジノをつくらないことが最大の依存症対策なのであります。 韓国は経済効果よりも経済的損失のほうが4.7倍になると政府機関が明らかにしているように、経済的損失の危険を冒してまで、突き進もうとすること自体、一か八かのギャンブル的発想にほかならないのであり、IRは断念するべきであります。 次に、都構想についてであります。 万博開催が決定したことを受け、府市が連携した成果だ、やっぱり都構想が必要だと言われていますが、これは、あからさまに万博を政治利用するものだと言わなければなりません。 そもそも都構想は、そのことだけを市民に問うた住民投票で否決されているのであり、蒸し返すこと自体民意に反する行為であります。法定協議会や特別委員会等において議論をすればするほど矛盾が噴出し、何らの効果も生まれないばかりか、逆に莫大なコストを要することが明らかになっています。都構想にこれ以上税金と時間と労力を費やすのは不毛の一言に尽きます。 市民のためにやるべき仕事は山ほどあるのであり、そちらにもっと持てる力を発揮するべきではないでしょうか。市民の未来のためにも都構想は断念するべきだと考えますが、御答弁を求めます。
○議長(角谷庄一君) 吉村市長。 (
市長吉村洋文君登壇)
◎市長(吉村洋文君) 今回の万博の誘致の成功についてですが、これは、やはり多くの市民の皆さん、府民の皆さんのお支えをいただいたオールジャパンの結集の成果だというふうに認識しています。 ただ、その前提として土俵に上がる必要があります。土俵に上がるときに、大阪府と大阪市がねじれていては土俵にすら上がることができない。この点、今回大阪府、大阪市一体になって大きな世界的プロジェクトに挑戦しようということが、いわゆる府市一体となったことが大きな成果だというふうに思っています。 万博誘致が決まった瞬間、前市長である平松市長はツイッターで早速万博に反対だとおっしゃっていましたので、平松市長と橋下知事であれば絶対に成功できなかったのがこの万博であり、そしてその背景にあるのは、やっぱり府市の関係であるだろうというふうに思っています。 府市が力を合わせれば大阪というのはかなり力があるというのは、僕はそのとおりだと思いますし、それを最大限に引き出すのが行政の本来のあり方なんじゃないのかなと思っています。 万博については誘致成功しましたから、今後さらに大阪の都市機能を向上させていく、都市格を高めていくためにも万博というのを成功させていきたいと思います。 僕と松井知事という人間関係で成り立ちましたが、これは余りにも脆弱な関係です。これを制度として改めるというのがまさに都構想でありまして、強力な府市一体の体制をつくっていくということであります。 民意にも反するという御指摘でしたが、その民意が出た後に僕自身は都構想に再挑戦させてくださいと市長選に出て、そして市長になりました。翌日の新聞各社、テレビ全てが「都構想再挑戦へ」というふうな見出しになりました。これはやはり、その段階で再挑戦への僕は民意を得たと思っていますから、その民意に基づいて大阪の成長を目指していく、都構想の住民投票を僕の任期で必ずやるというのが僕の使命だというふうに思っています。ですので、都構想については断念をしません。挑戦します。
○議長(角谷庄一君) 井上浩君。 (37番井上浩君登壇)
◆37番(井上浩君) 5区案で否決されたから今度は4区案で挑戦だと、こんな市民を愚弄した話はありません。大体、住民説明会は開いたものの市民的関心や議論は全く醸成されていないのであり、勝手な数字合わせの代物を市民に押しつけようとすること自体、自治ではなく統治の発想なのであります。 4区だ8区だと、いずれにせよコスト面でも文字どおり四苦八苦であります。制度いじりにいつまでも明け暮れている場合ではない。今の大阪市のままで住民自治を拡充してほしいと、こういう多くの市民の声に真摯に向き合うべきであります。変えるべきは政治の中身であると改めて申し上げておきます。 次に、大阪の経済成長戦略についてであります。 多くの識者が、戦後の大阪府市政において、湾岸部の開発にしても失敗の連続だった、大阪という地域の特徴を踏まえて大阪の持っている力をどう引き出すかということをまともに考えず、東京の後追いや比較ばかりで大阪経済そのものを足元から調べてこなかったからだと語っているとおり、一過性の打ち上げ花火のような成長戦略ではなく、ましてや人の不幸を土台に成り立つ産業を起爆剤などと位置づけるのではなく、地に足のついた成長戦略への転換こそ求められているのであります。 国際集客都市を目指すという看板のもと大型開発にのめり込んだ時代は去り、今や大阪への観光客は喜ばしいことに増加の一途をたどっておりますが、大阪の歴史・文化・芸能などに触れショッピングや食い倒れのまちを楽しむなどが観光の主な目的であることが、各種調査にもあらわれております。大阪ならではの豊かな観光資源の魅力をさらに引き出すことに力を注ぎつつ、外需頼みではなく内需拡大にもつなげていくことが求められているのではないでしょうか。 人が住まない人工島を舞台とした成長戦略などではなく、270万市民が住まい、なりわいを営み、地域に根を張る企業が集積する場所を成長戦略の宝庫と見直す発想へ根本から転換することが必要なのであります。 帝国データバンクの調査によりますと、2012年から2016年における政令市20都市別の本社を置く企業の転入転出状況では、本市は468社の転出超過となっており、20政令市中ワースト1となっております。これは大阪経済の基盤にかかわることであり、この原因についてどのようにお考えでしょうか。 また、本市から転出した企業に対し、その理由についてのヒアリングを行ったのでしょうか、御答弁を求めます。
○議長(角谷庄一君) 吉村市長。 (
市長吉村洋文君登壇)
◎市長(吉村洋文君) まず、大阪における開業率ですけども、2014年の段階では東京や愛知の開業率を下回っていましたが、2017年には6.4%に改善しまして、東京、愛知の率を超えて、全国平均の開業率も当然超えて、ここ数年大きく成長してきているところであります。また、開業率と廃業率の差ですけども、2年連続で廃業率を開業率が上回るという状況になっています。 加えて、大阪市内の主要なビジネスエリアにおけるオフィスの平均空室率ですが、2010年の10月段階では12%の空室率でしたけども、ことしの10月は3%を切っています。まさに、オフィスに入りたくても入れないというぐらいの経済状況です。 企業の転出入の御指摘がありましたが、マイナスの468社で政令市中最下位という御指摘です。大阪市には政令市において最も多い約18万事業所が存在していますので、当然ながら絶対数についてもこれに比例する部分があります。 議員指摘の同期間で見ますと、大阪市に1,250社の新たな転入がありましたので、転入数でいえば政令市1位になると。割合という観点が必要なのかなというふうに思います。 その割合という観点についても、他都市との比較もありますが、大事なのは過去の大阪との比較でありまして、過去の転出入の差の傾向、トレンドを見ますと、2007年から2011年の5年間は502社の転出超過でしたけども、現在、2012年から2016年では約304社と減少している。つまり、転出入の差というのは確実に転出超過の数が減少している傾向にあると、大阪の経済が復活しつつあるという状況にあると認識しています。 ただ、転出が多いというのは事実でありますので、平成28年2月から3月に転出した企業1,019社に対して、ヒアリング調査を実施しました。転出の理由としては、会社の統合・合併に伴う合理化、それから親会社の意向、そして事業所の狭隘化等が多いというふうになっておりました。 今後も、大阪市に本社を置きます大手・中堅企業を定期的に訪問するなどして、今後の投資意向や企業ニーズの把握に努めることで転出の抑制に努めていきたいと思います。 一方で、内外から新たな企業・人・投資を呼び込む仕組みというのが非常に重要だと思っています。新たなイノベーションを生む仕組みとビジネス環境づくりというのが重要でありまして、そういったイノベーションを生むベンチャー支援に関する、まさに拠点づくりに関する助成制度というのを今進めて、そして多く利用されているところでもあります。 加えまして、ライフサイエンスの分野であったりグリーンの分野における税優遇制度なんかも実施して、企業の誘致を図っているところであります。 いずれにしましても、府と一体になりまして大阪の成長ということを図って戦略を進めていく、そして開業率をどんどんふやしていく、そして企業の転出を減少させていくという、そういった努力をしてまいりたいと思います。
○議長(角谷庄一君) 井上浩君。 (37番井上浩君登壇)
◆37番(井上浩君) お隣の堺市は28社の転入超過となっており、1位の横浜市に次いで2位につけております。この要因をどのように分析しているのかを堺市の産業政策課にお聞きしたところ、2006年に政令市に移行し都市格が上がったことや、製造業の支援に力を入れていることなどを挙げておられました。政令市としての優位性を最大限生かし、地域に根差す企業を支援することが、ひいては都市の経済基盤を強め、企業を招き入れる好循環を生み出しているのではないでしょうか。 政令市としてのさらなる発展を目指すのではなく廃止を目指しているような都市には、新たに根を張ることへのちゅうちょが企業の側にあるのかもしれませんが、2016年7月の議会で副首都推進局は、企業や経済界等へのヒアリングを通じて流出状況の把握・分析に努めてまいりたいと答弁しているわけでありますから、ヒアリングをしっかり行って、その声を積極的に生かすべきであります。 先ほど市長の御答弁で、1,019社にヒアリングをしたということでありましたが、よくよくお聞きをいたしましたら、その中で実際に電話がつながったのは49社だけだったということでありまして、これでは分析の材料としては余りにも乏しいんではないかというふうに思いますんで、しっかりヒアリングをして施策に生かしていただきたいと思います。 学力テストの結果が政令市最下位だったことに神経をとがらせ教員に
責任転嫁するよりも、企業の転出が一番多く、大阪市の経済基盤が揺らいでいることのほうを気にかけられ、対策を練られたほうがよいのではないでしょうか。 次に、中小企業支援策についてであります。 本市の金融支援を除く産業振興関連予算、いわゆる中小企業支援予算は、2014年度約52億円でありましたが2018年度には約41億円へと、約11億円も減額されております。ちなみに大阪府も、中小企業へのものづくり支援予算を2007年度約8億7,000万円でありましたが、2017年度では約2億2,000万円へと約4分の1に減らし、小売業振興予算については、2007年度約6億2,000万円でありましたが2017年度約2,600万円へと25分の1に減らしてしまいました。 府も市も、事業所の約99%を占める中小企業を支援するどころか逆に支援を弱めていったことも、大阪経済の地盤沈下や府民・市民所得の低迷を招いた要因の一つであると考えますが、中小企業支援のための予算が減少している傾向をどのように受けとめ、今後どのような中小企業支援策を講じていかれるのか、御答弁を求めます。
○議長(角谷庄一君) 吉村市長。 (
市長吉村洋文君登壇)
◎市長(吉村洋文君) 大阪の経済の主要な担い手であります中小企業ですが、経済活動、それから雇用・暮らしを支える重要な存在です。大阪市中小企業振興基本条例に基づきまして、前向きに頑張る中小企業が存分にその力を発揮できるよう、効果的な支援策を着実に推進していきたいと思っています。 中小企業支援の予算額の減少ですが、全体で見れば、制度融資の部分についてはリーマンショック時の緊急対策時に膨れ上がったものが現在平常時に戻りつつありますので、そこが大きく減ってきていると。それから、役割を終えた産業関連の施設につきましても維持管理費が減少していると。全体として減少の傾向にあります。 ただ、予算編成については当然最少の費用で最大の効果が得られるようにするということが重要ですので、選択と集中を図っているところです。これについては、社会情勢の変化、それから多様化する中小企業のニーズがありますので、それに対応することが重要だと思ってます。 産業創造館において、創業から経理・労務に至るさまざまな経営課題に対するコンサルティング、それからセミナー、販路開拓に向けた展示会の開催、ビジネスマッチング、産技研における技術課題の解決支援と高付加価値サービスを開発するための新たなチャレンジの促進、そういった部分に重点を置いています。また、先ほども申し上げましたが、新たな企業が生まれるというそういった地盤づくりにも力を入れているところであります。 今後も、大阪を支える中小企業については、そのニーズをきちんと把握してしっかりと対応してまいりたいと思います。
○議長(角谷庄一君) 井上浩君。 (37番井上浩君登壇)
◆37番(井上浩君) やはり大阪は中小企業のまちでありますから、予算を減らしていってる、そういう傾向にあるということを直視して対策を講じていただきたいと思います。 万博頼みの成長戦略に依存する本質は、巨大開発によって何とか大阪経済の起死回生を図りたいという着想にほかなりませんが、過去の失敗に目をつぶれば同じ過ちを繰り返すだけであることを教訓とすべきであります。中小企業の実態把握や部局横断的な中小企業政策の進展は派手な政策とは対極にあると言えますが、こうした地道な地域発展の取り組みを積み重ねていくことが大阪市の地域性と特徴にかみ合った成長戦略なのであると申し上げておきます。 次に、被災者支援の具体化についてお聞きをいたします。 高槻市、枚方市、吹田市、茨木市、摂津市では、大阪北部地震及び台風21号について一部損壊への支援制度を創設しました。また、大阪北部地震、台風21号、いずれかに限定して支援制度を創設した自治体は2市1町となっています。支援内容については、茨木市は一部損壊8,000棟を見込み3億6,000万円を補正予算に計上、茨木市は一部損壊2,000棟を見込み2億5,000万円を補正予算にそれぞれ計上しています。高槻市については中小業者の店舗も、茨木市については個人商店や社会福祉法人も支援の対象としています。 一方、大阪市における一部損壊は北部地震で1,107棟、台風21号で4,552棟(11月22日現在)であり、仮に高槻市の1棟当たりの平均支援見込み額4万5,000円を大阪市の被災住家数に当てはめれば約2億5,000万円の予算で実施できるのであり、同様に茨木市の平均支援見込み額12万5,000円を大阪市に当てはめれば約7億円の予算で実施できるのであります。 ちなみに、高槻市の一般会計の予算規模は約1,200億円、同様に茨木市は約870億円でありますが、一般会計の予算規模が約1兆8,000億円の大阪市が1棟たりとも支援を見込まないという姿勢は、高槻市、茨木市を初め被災者支援に取り組む自治体と比較すれば非情と言うしかありません。目の前の被災者に寄り添うことこそが自治体の使命だと考えますが、大阪北部地震及び台風21号による一部損壊住宅及び被害を受けた中小業者の店舗、工場等への修繕費の一部を補助する制度を創設するべきだと考えます。御答弁を求めます。
○議長(角谷庄一君) 吉村市長。 (
市長吉村洋文君登壇)
◎市長(吉村洋文君) 自然災害で被災した住民の早急な生活再建のための行政としての必要な支援を行うことは重要であるというふうに考えています。 6月の地震、それから台風21号による被害ですが、ほぼ大阪府全域で発生しています。住家被害の支援策については、大阪府全域で発生している以上、広域的な視点に立って府で検討するということが適当だと考えています。 この点、独自の制度としまして、損壊した住宅の補修工事に関する無利子融資制度というのが新たに創設されました。一部損壊の住宅についても支援を受けられることになっておりまして、これは大阪市にも適用されます。 また、6月の地震の被害について、高槻市のみが被災者生活再建支援法の適用の対象となりましたことから、それとの均衡を図るために、それ以外の市町村に対しても、台風21号の被害も含めて法と同様の支援を受けることができるという府独自の制度を設けるという方針が出されました。これについては、大阪市についても府と協調して取り組んでまいりたいというふうに思います。 それから、店舗、工場等に被害を受けられた中小企業への対応としましては、特別相談窓口の設置、それから資金調達の円滑化の支援が重要だと思っています。 6月の地震、台風21号の際には、市内中小企業の状況を把握して大阪府を通じて国に要請を行いました。結果、災害の影響のある中小企業を支援するために、大阪市域にセーフティネット保証4号というのが発動されました。売上高が減少している市内の中小企業が本市の認定を取得することで、制度融資の申し込みが可能になっています。 また、産創館におきましてもさまざまな専門家に経営課題の解決を支援するなど、被害を受けられた中小企業の事業活動の支援に今積極的に取り組んでいるところです。
○議長(角谷庄一君) 井上浩君。 (37番井上浩君登壇)
◆37番(井上浩君) 先ほど茨木市を2回言ったようですが、一部損壊8,000棟を見込んでいるのは高槻市です。訂正させていただきます。 先日の一般質問での我が党議員の質問に対し、被災していない人の税を使って被災された方の一部損壊を補修することになると税の使い方の公平性を主張し、財産の移動になるとも市長は答弁されました。しかし、地方自治法は、地方公共団体は住民の福祉の増進を図ることを基本として、地域における行政を自主的かつ総合的に実施する役割を広く担うものとするとしているのであり、被災し困難に直面する市民への支援制度を創設することで市民から批判のそしりを受けるとでも考えているのでしょうか。市民の苦難に寄り添うという自治体本来の役割を発揮することこそ、市民の安全・安心の確保のために必要不可欠な政治姿勢なのであります。 地方自治法に照らせば、財産は住民の福祉の増進を図ることへ優先的に移動させなければならないのであり、住民の福祉に反するカジノのために市民の財産を移動させることこそ大問題だと指摘しておきます。 耐震診断・改修補助事業の実績は2017年度で耐震診断で169戸、耐震改修に至っては97戸とわずか2桁台であり、自然災害が相次ぐ中、災害に強いまちづくりを進める上でも、補助限度額を引き上げるなど制度の拡充を図るとともに、もっと広くPRに努めるべきではないでしょうか。 また、数字にあらわれているように、耐震診断を受けたにもかかわらず耐震改修まで進んだのは約58%となっており、この要因として申請手続の煩雑さを指摘する声も聞かれます。もっと市民が利用しやすい制度に改善するべきではないでしょうか。 耐震診断・改修補助事業以外の住宅改修補助事業としては、在宅高齢者住宅改修費給付事業や重度心身障がい者(児)住宅改修費給付事業などがありますが、これらは要介護認定を受けた高齢者や重度心身障害者を対象とした事業であり、耐震診断・改修補助事業についてもあくまで耐震診断と耐震改修に特化した事業なのであります。 これまで我が党が繰り返し提案してきた住宅リフォーム助成条例案は、屋根のふきかえ、外壁やベランダの改修等も対象工事としているのであり、一連の自然災害による住家被害にも対応できる内容であります。 耐震診断・改修補助事業やその他の住宅改修補助事業の対象にならない市民のためにも住宅リフォーム助成制度を創設するべきだと考えますが、御答弁を求めます。
○議長(角谷庄一君) 吉村市長。 (
市長吉村洋文君登壇)
◎市長(吉村洋文君) まず、議員はカジノで税金を使うという御指摘ですけども、統合型リゾート(IR)については完全に民設民営の事業でありますので、この事業そのものに公費を投入するというものではありません。さらに、地下鉄についても本来であればこれは公共でやるということなんでしょうけども、一民間事業者に地下鉄の大きな部分の負担をお願いするというのは普通はあり得ない状況だと思いますが、これについても今回お願いするということで進めていきたいと思います。 何か税金を統合型リゾート(IR)に多く突っ込むような御指摘があると思いますが、それはちょっと違うんじゃないかということだけ御指摘させていただきたいと思います。 それから、耐震化についてですけれども、これは、耐震性能を確保するというのは非常に重要なことだというふうに思っています。平成12年以前に建築されました住宅を対象にして耐震診断への補助というのを行うとともに、耐震診断の結果を踏まえて実施する耐震改修設計や改修工事に対して現在、補助を行っています。 これまでも、市民にとって使いやすい制度になるように、補助金額の引き上げ等制度の拡充を行ってまいりました。また、耐震診断と改修の設計のセット申請を可能にするといったように、申請手続の簡素化などについても今進めてきているところです。 引き続き、現行の補助制度を推進して、住宅の耐震化の促進に努めていきたいと思います。 次に、住宅のリフォーム制度についてですが、これについては、経済活性化の効果という観点から申し上げると、市内の総生産のうちで卸売・小売、これが大阪市では非常に大きなシェアを占めています、24%。それから情報・製造業、これも非常に大きなシェアを占めている。住宅リフォームに関連する部分については2.7%でありまして、全国平均の5.4%よりも低いという状況でありますので、本市の経済活性化を目的とした一般施策として住宅リフォーム助成制度が特段有効な手段だとは考えてはいない、補助の制度としてはそういう一般制度として適切なものだというふうには考えておりません。
○議長(角谷庄一君) 井上浩君。 (37番井上浩君登壇)
◆37番(井上浩君) カジノの関連事業に市民の財産を移動するのは不適切だと申し上げておきます。 住宅リフォーム助成制度は全国約600の自治体に広がり、政令市でも京都、北九州、相模原、新潟の4市が実施しており、経済波及効果も実証済みであります。何より、被災住家への改修支援という点からも、新たな制度構築の必要性を一連の自然災害による甚大な被害状況が示しているのであります。 社会資本整備総合交付金が2018年度で約250億円、本市に交付されていますが、耐震化に限定しない住宅リフォーム助成制度への活用を国も認めています。交付金の一部を活用して本市においても住宅リフォーム助成制度を創設するべきであると申し上げます。 次に、国保についてであります。 国民健康保険は、加入者に低所得者が多いなど構造的な問題を抱えており、保険料負担は非常に重いものになっております。本市の国保料は、昨年度までの5年間で7%の値上げを行った結果、夫婦と子供2人の4人世帯で年間所得300万円の場合、介護分を含めて年間約56万円であり、何と所得の2割近くにまで達しています。これは、一般的な社会保険である協会けんぽと比べて約2倍の高さであり、市民にとって耐えがたい負担となっています。 これを抜本的に解決していくためには国の公費拡充が不可欠であり、全国知事会は、高過ぎる国保料を協会けんぽ並みの保険料負担率まで引き下げるために、約1兆円の公費投入が必要であるとして国による基盤強化を求めており、我が党としても全面的に賛同できる内容であります。 市長も、知事会の提言に沿い公費拡充を国に求めると同時に、昨年度143億円であった本市独自の任意繰り入れを今年度68億円にまで減らしてしまうようなことはやめるべきであります。本市独自の繰り入れを、せめて大幅に減額する以前に戻し、国保料の軽減に努めるべきではないでしょうか。 また、国保は加入者数に応じて均等割保険料を負担しなければならず、子供の数が多いほど保険料が高くなる仕組みとなっており、これは昨今の子育て支援の流れに逆行するものであります。子供の数が多いほど国保料が上がる仕組みをやめて、国の制度改正を待つのではなく、本市が率先して均等割を軽減する制度を導入するべきではないでしょうか、あわせて御答弁を求めます。
○議長(角谷庄一君) 吉村市長。 (
市長吉村洋文君登壇)
◎市長(吉村洋文君) カジノの関連事業に税投入ということでしたけども、夢洲自体は今、トンネルにしても途中でとまってるじゃないですか。途中まで掘って事業をとめているという状況です。市長として当然まちづくりというのをやっていきたいと思いますし、特に湾岸エリア、港のエリアというのは、世界のどの成長する諸都市を見ても最も成長するエリアがまさに湾岸エリアですが、今、夜になったら真っ暗になります。ここをぜひ僕は、湾岸エリアというのは経済を活性化する、成長するエリアになる十分なポテンシャルがあると思っていますし、夢洲がこれまで十分に活用できてこなかった、これをしっかりと活用してまちづくりを進めていきたいと思っています。 国民健康保険ですけれども、これについては、その事業の運営については保険料と国庫支出金で賄うのがまず原則になっています。ただ、加入者に高齢者の方、それから低所得者の方が多いというので、その原則どおりでは保険料の負担というのが大きくなりますから、本市の財政状況も厳しい状況でありますが、平成30年度予算においても約357億円を一般会計から繰り入れて負担の軽減に努めています。 国においては、持続可能な医療保険制度を構築するために、全国で3,400億円の公費を拡充して国保の財政基盤の強化を図って、平成30年度からは国保は都道府県単位化されたところです。大阪府においては、昨年の12月に運営方針を策定しまして、府内の被保険者の負担の公平性を確保するという観点から保険料率等は統一する方針としております。本市としても府の運営方針に沿った対応をしているところです。 平成30年度の保険料につきましては、大阪府の算定に基づく1人当たりの平均保険料は4.84%の伸びとなりましたけども、国から市町村への追加公費などを活用しまして平成29年度と同額に据え置いたところです。6年かけて統一保険料率へ移行していきますが、保険料が急増する場合には激変緩和措置のための任意繰り入れを検討することとしています。 国保が安定的かつ持続的な制度として次の世代に引き継がれるように、子育て世帯の負担軽減措置を含むさらなる財政支援の拡充や医療保険制度の一本化など抜本的な改革について、引き続き国へ要望してまいります。
○議長(角谷庄一君) 井上浩君。 (37番井上浩君登壇)
◆37番(井上浩君) 冒頭にも申し上げましたけれども、莫大な市民の血税を使って先を見通せない無謀なまちづくりだけはやってはいけないという、この教訓をしっかり踏まえるべきであります。 国保については、国に要望するだけではなく、本市独自の繰り入れをふやして国保料の軽減に努め、市民生活を守るべきであります。 また、人間の頭数に応じて課税する人頭税は最も原始的で苛酷な税と言われておりますが、それが今日に至るまで均等割として公的医療制度に残っているのであり、この時代錯誤の仕組みこそ、国保料を低所得者や家族が多い世帯に重い負担を課している最大の要因なのであります。逆進的な制度を廃止し、所得に応じた保険料算定への改善を本市としても率先して行うべきであると、加えて申し上げておきます。 本市においては、かつて、みなし寡婦控除という制度を他都市に先駆けて、国に先駆けて創設いたしました。昨今、国でもみなし寡婦控除の実現に向けた税制改正を行うというような報道もありますけれども、大都市が率先して子育て世代を応援する、昨今の子育て支援の流れをしっかり推進していく、そういう立場に立っていただくこともつけ加えておきたいと思います。 さて、次に公衆浴場の問題についてであります。 大阪府公衆浴場組合の調査によりますと、府内の公衆浴場の7割以上が煙突や屋根が壊れるなどの被害を受けたとのことでありました。大阪市内でも多くの公衆浴場が被害を受け、廃業に追い込まれた公衆浴場もあります。 市政改革プランによる固定資産税の減免制度が改悪された当初の2013年度末時点で市内の公衆浴場は427件ありましたが、2018年度末には320件へと、実に100件近くが廃業に追い込まれているのであります。 20政令市中18市が公衆浴場の固定資産税減免割合を3分の2としておりますが、これは国が通知によって基準を示していることを根拠としております。つまり、公衆浴場において、生活衛生に寄与する活動を安定的に行ってもらうための恒常的な支援を自治体に促す内容であると理解しております。 多くの公衆浴場は大阪北部地震、台風21号の影響を受け一層苦境に立たされておりますが、固定資産税の減免を3分の2に戻すべきではないでしょうか、御答弁を求めます。
○議長(角谷庄一君) 吉村市長。 (
市長吉村洋文君登壇)
◎市長(吉村洋文君) 先を見通せない夢洲のまちづくりということですけれども、これは、かつての湾岸エリアの開発において大阪市が民間事業者と同じようなことをして、そして大きな痛手を負ったというのは僕も認識してまして、公共が民間のまねごとをするというのは僕は反対です。 ただ、今回の事業というのは、当然まちづくりはしていかなきゃいけない、基盤整備は役所として、市として当然のことですが、これはやっていきます。夢洲もほっとくわけにはいきませんので、しっかりとまちづくりはやりますが、いわゆるIR事業については民設民営の事業であります。もしここに事業性がないのであればIR事業者が参入することもないと。みずからそのリスクを負担するということですから、それは、事業性がないじゃないかと素人である議員や市長が言うのはちょっと違うんじゃないのかなと。 いずれにしても、まちづくりというのはほったらかしにするわけにはいきませんし、統合型リゾート(IR)というのは、世界の先進8カ国でも認めていないのは日本だけですから、これはしっかりとやっていきたいと思います。 一般公衆浴場いわゆる銭湯についてですが、市民の健康の増進、地域の交流促進、それから住民の福祉の向上、さまざまな役割を担っているところです。また、大規模災害時においては、被災された市民の皆様の入浴の機会の確保についてもその役割が期待されているところであります。今回の地震や台風21号によって影響を受けたということももちろん聞いています。 銭湯に係る固定資産税、都市計画税の減免については、平成24年の市政改革プランに基づいて検討を行いまして、減免率を67%から段階的に34%に見直すとともに、これらの基幹設備の更新や補修に関する補助制度を新たに導入したところです。この補助制度につきましては、平成26年度に導入して以降、これまでも浴場事業者の皆様の要望に応じて補助対象を拡大するなど、充実を図ってきたところであります。これをしっかりと続けていきたいというふうに思います。
○議長(角谷庄一君) 井上浩君。 (37番井上浩君登壇)
◆37番(井上浩君) カジノを禁止している国も55カ国、世界ではあるということも知っておいていただきたいと思います。 とにかく、私は無駄な大型開発に絶対に前のめりになってはいけないと繰り返し申し上げているわけでありまして、今まさにそういう誤った道へ、かつての失敗をしたいつか来た道をたどろうとしている。本当に厳しく警告をしておきたいと思います。 大阪市会においては、2012年5月及び2013年9月の2回にわたって、固定資産税減免措置の現行どおりの継続を求める陳情書が全会一致で採択されております。公衆浴場が生活衛生に寄与する活動を継続するために、本当に必要としている制度はどのようなものなのか、改めて現場の声に耳を傾けるべきではないでしょうか。 2016年に実施された公衆浴場の基幹設備の補助制度に関するアンケートでは、緊急工事のため制度を利用できなかった、制度を利用したかったが手続が煩雑過ぎて諦めたという声が多数出されていたことも踏まえて、固定資産税の減免はもとの3分の2に戻して、社会的な使命を担っている公衆浴場をしっかりサポートしていただくように申し上げておきたいと思います。 最後に、教員の多忙化の問題についてであります。 厚生労働省がことしの過労死白書において、過重労働防止に必要な取り組みとして教職員の78.5%が教員の増員を挙げておりますが、本市の教育現場においても、慢性的な人員不足の中、年度途中の本務教員にかわる代替講師の配置が困難な状況が続いており、教育現場の負担は特に深刻な状況が続いております。根本的には、国が教員の授業負担をふやす一方で、それに必要な教員の定数配置を行わないことが大きな要因であり、本市として国に対し教員の定数増を強く求めるべきであります。 また、人員不足の問題にとどまらず、大阪市では年に13回テストをやっております。毎月テストを行っている勘定になりますが、これが公立中学校の一般的なテストの回数であり、テストが終わったと思ったらまたテスト、教員も生徒もテスト対策に追われ、このテスト回数の異常さも教員の多忙化に拍車をかけている大きな要因です。 国も自治体も、教職員の適正な労働に責任を負う当事者であります。異常な長時間労働がある以上、その一因となっているみずからの施策を厳しく見直すことも求められているのであり、この点で6つの県が独自の学力テストを中止したことは注目すべき変化であります。 教員の多忙化の原因をどのように考え、多忙化解消に向けた実効性のある対策を今後どのように講じていくのか、御答弁を求めます。
○議長(角谷庄一君) 吉村市長。 (
市長吉村洋文君登壇)
◎市長(吉村洋文君) 教員の多忙化の解消については僕も重要だと思ってまして、認識については共有しています。 教員の役割として、やはり子供たちと直接接し、そして学力もそうですし、学力以外の面も含めて子供たちの成長のところに力を注ぐことができる環境を整える。学力の御指摘がちょっとありましたけども、学力についてはやはり僕は、それが全てではないですが重要な要素だと思っています。 そして、そういった意味で教員の担うべき役割は大きいと認識していますが、まず教員の確保について、義務教育においては国が責任を持って必要な財源を確保して実施するものでありますので、本市としても引き続き国に要望していきます。 講師不足については、さまざまな媒体を通じて広報もして、講師の確保に努めていきたいと思っています。今後とも、教育委員会においては必要な講師の確保、優秀な講師の確保に向けて一層の努力をしていただきたいと思いますし、私自身もそれができるように全面的にバックアップしていきたいと思っています。 それから、多忙化について、現在、学校においてはさまざまな教育課題への対応が求められています。あわせていじめ・暴力行為の問題発生、それから特別な支援を必要とする児童・生徒数の増加、不登校の児童・生徒の割合の増加と学校現場を取り巻く環境というのは非常に複雑化して困難化しておりますので、やはり学校に求められる役割も拡大化、多様化している、そして教員も多忙化しているんだろうというふうに認識をしています。 そういった中で、教員がやりがいを持って勤務できるように、そして教員自身の質を高めることができるように環境を整備することが重要だと、教員の負担を軽減するという取り組みは重点的に進めていかなきゃいけないと思っています。 昨年の総合教育会議におきましても、私自身が教員の負担軽減策をやるべきだと、いわゆる教育以外の部分で負担になっている部分については教員から取り除いて、やめることをきちんと示していくべきだと、やめることのほうが難しいですから。それを意見して、そして教育委員会も共通の認識をしているところです。 この間、例えばですけども、業務時間外の電話については音声ガイダンスにして、もう対応しないということであったり、あるいは部活動の指導についても軽減のための部活指導員の導入というのに取り組んできました。音声ガイダンスの導入に当たっては、導入前の会見で私から保護者の方々、そして地域の方々に御理解と御協力をお願いするといったやり方もして、主体的に進めているところです。 また、時間外勤務が月80時間以上の長時間となっている教諭の多くは部活動です。ですので、部活動の軽減を図るために今年度から80名の部活指導員の予算を計上して、現在64名を配置しているところです。引き続き配置に努めていきます。あわせて、来年度はさらにこの人数を拡充していきたいと考えています。 あわせて、コンサルタント会社に教員の長時間労働解消に向けた調査研究業務というのを委託しています。現在、モデル校において、中間報告で掲げられた業務改善策、例えば印刷とか簡単な業務を教員以外が行う仕組みとしてのスクールサポートスタッフの導入など、試行実施しているところです。 来年3月に、全校展開に向けた業務の改善策、課題等を取りまとめた最終報告書の提出を受け取る予定になっています。それを踏まえて、教員がやらなくてもいいことは教員がやらない、教員がやるべきことに集中できるような体制を進めてまいりたいと思います。 教育委員会においても指針を策定する予定にしておりまして、教育委員会とも連携しながら実効性のある長時間勤務の解消策というのに努めていきたいと思いますし、教育委員会の実行について、市長として全面的にバックアップしたいと思います。
○議長(角谷庄一君) 井上浩君。 (37番井上浩君登壇)
◆37番(井上浩君) 本市として必要な人員確保に努め、少人数学級を推進するとともに、テスト回数を2013年度以前に戻し、教員が一人一人にしっかり向き合える環境をつくることが必要なのであり、表面的な対策だけではなく抜本的な対策を講じてこそ教員の多忙化解消にも道を切り開くことができるということを申し上げまして、私の質問を終わります。(拍手)
○議長(角谷庄一君) 以上で質問は終了いたしました。
○議長(角谷庄一君) 日程第2、議案第142号、平成30年度大阪市
一般会計補正予算(第4回)ないし日程第75、議案第215号、平成30年度大阪市
下水道事業会計補正予算(第1回)を一括して議題といたします。
○議長(角谷庄一君) 理事者の説明を求めます。 吉村市長。 (
市長吉村洋文君登壇)
◎市長(吉村洋文君) 本市会定例会に提出いたしました議案第142号ないし議案第212号の71件及び追加で提出しました議案第213号ないし議案第215号の3件、合計74件のうち、まず議案第142号ないし議案第145号の補正予算案並びに関連案件について、その概要を説明させていただきます。 議案第142号ないし議案第145号は、一般会計において、平成30年台風第21号に係る被害対応として本市公共施設の復旧や倒木の撤去等に係る経費をそれぞれ計上するとともに、社会福祉施設等災害復旧事業補助金の追加や被災農業者の営農継続を支援する新たな補助金を計上しております。 また、幼稚園の遊戯室等改築に係る実施設計費のほか、2019年G20大阪サミット開催に向けた環境整備費、住之江診療所の整備に係る市民病院機構への交付金の追加を含め、総じて35億7,340万円を計上しております。 その財源として、国庫支出金や市債などのほか、税等一般財源として財政調整基金からの繰入金を追加計上するとともに、別途、債務負担行為の補正として9億2,500万円を計上しております。 次に、特別会計については、港営事業会計において、同じく台風21号に係る被害対応として4億3,747万6,000円を計上するほか、別途債務負担行為の補正として6,200万円を計上するとともに、公債費会計においては所要の補正を241億6,700万円計上しております。 続きまして、一般案件等についてですが、議案第146号は、技能職員等の定年前早期退職に係る退職手当の基本額の算定方法の特例措置を講ずるため、条例を制定するものでございます。 議案第147号は、31年度において発売することができる
当せん金付証票、いわゆる宝くじの金額の範囲を30年度と同様600億円以内と定めるため、議会の議決を求めるものでございます。 議案第148号及び第149号は、扇町小学校、淀川中学校の建設工事請負契約を締結するため、それぞれ議会の議決を求めるものでございます。 議案第150号、
大阪市立母子生活支援施設条例の一部を改正する等の条例案は、東さくら園の指定管理者の指定を受けるべきものの選定手続の特例を定めるため条例の一部を改正し、東さくら園を廃止するため条例を廃止するものでございます。 議案第151号は、
地方独立行政法人大阪市民病院機構に係る中期目標を定めるため、議会の議決を求めるものでございます。 議案第152号は、建物等に係る負担つきの寄附を受納することから、子供等に対し文学を中心とした良質で多様な芸術・文化等に触れる機会を提供する施設として、こども本の森中之島を設置するため、条例を制定するものでございます。 議案第153号は、
地方独立行政法人大阪市博物館機構へ引き継ぐ職員の範囲を定めるため条例を制定するもので、次の議案第154号は同法人に係る中期目標を定めるため、議案第155号は同法人に承継させる財産を定めるため、そして議案第156号は、同法人の保有に係る重要な財産であって将来にわたる業務を確実に実施する上で必要がなくなったと認められる場合に、地方独立行政法人法の規定により処分しなければならないもの及び同法人が譲渡しまたは担保に供しようとするときに市長の認可を必要とする重要な財産を定めるため条例を制定するもので、それぞれ議会の議決を求めるものでございます。 議案第157号は、監事の任期及び法人の資本金に関する定めを改めるため、
地方独立行政法人大阪産業技術研究所定款の一部を変更する必要があるので、議会の議決を求めるものでございます。 議案第158号は、
地方独立行政法人大阪産業技術研究所に係る出資等に係る不要財産の大阪府への納付について認可をするため、議会の議決を求めるものでございます。 議案第159号は、豊新2丁目
地区地区計画の区域内における建築物の用途に関する制限を定めるため、条例を制定するものでございます。 議案第160号は、建築基準法等の一部改正に伴い、建築物の容積率の算定の基礎となる延べ面積の算定方法を改めるため、湊町
地区地区計画の区域内における建築物の制限に関する条例外12条例の一部を改正するものでございます。 議案第161号は、本市所有地をラサ工業株式会社に売り払うため、議会の議決を求めるものでございます。 議案第162号は、港湾局関係で、債務不存在確認請求事件及び土地賃料等支払反訴請求事件について和解をするため、議会の議決を求めるものでございます。 議案第163号ないし議案第165号の3件は、本市水道事業において生じた事故に係る損害賠償額を決定するため、それぞれ議会の議決を求めるものでございます。 議案第166号ないし議案第212号の47件については、長谷川羽曳野学園、
老人福祉センター、社会福祉センター、早川福祉会館、野球場等スポーツ施設、住まい情報センター、霊園など94施設について、それぞれ指定管理者を指定するものでございます。 最後に、議案第213号ないし議案第215号の補正予算は、2025年の万国博覧会の開催地が大阪・関西に決定されたことを受け、夢洲地区の土地造成など開催準備に係る債務負担行為として、一般会計に51億3,600万円を、港営事業会計に138億6,700万円を、下水道事業会計に7,000万円をそれぞれ追加するものでございます。 議案第142号ないし議案第145号の補正予算の総額につきまして、言い誤りがございましたので修正をさせていただきます。総額「35億7,340万円」と説明しましたが、「35億7,334万円」でございます。よろしくお願いします。 以上、案件の概略を説明申し上げました。何とぞよろしく御審議賜りますようお願い申し上げます。
○議長(角谷庄一君) ただいま議題となっております諸案件は、お手元に配付いたしております審査付託表のとおり、各常任委員会に付託いたします。
○議長(角谷庄一君) 日程第76、議案第139号、一般職の任期付職員の採用及び給与の特例に関する条例の一部を改正する条例案ないし日程第78、議案第141号、職員の期末手当及び勤勉手当に関する条例の一部を改正する条例案を一括して議題といたします。
○議長(角谷庄一君) なお、議案第139号ないし141号に対する人事委員会の意見は、お手元に配付の印刷物に記載のとおりであります。
○議長(角谷庄一君) 財政総務委員長より審査の報告を求めます。 55番財政総務委員長飯田哲史君。 (55番財政総務委員長飯田哲史君登壇)
◆55番(飯田哲史君) 財政総務委員会に付託されました議案第139号、一般職の任期付職員の採用及び給与の特例に関する条例の一部を改正する条例案外2件に対する審査の結果と経過について御報告申し上げます。 本委員会は、本日審査を行いました結果、お手元に配付の報告書に記載のとおり、いずれも原案を可決すべきものと決した次第であります。 これらの議案は、職員の給与を改定するもので、本年9月の人事委員会からの勧告に基づき、初任給及び主に40歳未満の職員の給料を引き上げること、また、期末・勤勉手当の年間支給月数を0.05月分引き上げることなどであり、人事委員会勧告のあり方について質疑がありました。 これに対し理事者から、人事委員会としては、職員給与と民間給与との均衡を基本とし、職員の給与改定について勧告している。具体的には、市内の企業規模50人以上かつ事業所規模50人以上の民間事業所から無作為に抽出し、それらの事業所の従業員の給与を調査している。その結果に基づき、ラスパイレス方式により公民比較をしている。さらに、国、他の政令指定都市の状況や国の基幹統計である賃金センサス結果に基づく役職階級ごとに比較した給与水準の状況などを総合的に判断して勧告している旨、答弁がありました。 以上、簡単ではありますが、財政総務委員会の審査の報告といたします。
○議長(角谷庄一君) これをもって審査の報告は終了いたしました。
○議長(角谷庄一君) これより採決に入ります。 議案第139号ないし141号について一括して採決いたします。委員長の報告はいずれも可決であります。委員長報告のとおり決することに御異議ありませんか。 (「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(角谷庄一君) 御異議なしと認めます。よって議案第139号ないし141号は委員長報告のとおりいずれも可決されました。
○議長(角谷庄一君) 日程第79、議員の派遣について(大阪市会代表団)を議題といたします。 お諮りいたします。議員の派遣については、お手元配付の書類に記載のとおり派遣することに御異議ありませんか。 (「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(角谷庄一君) 御異議なしと認めます。よって議員の派遣については、配付書類に記載のとおり派遣することに決しました。
△閉議
○議長(角谷庄一君) 本日の日程は以上で終了いたしました。
△散会
○議長(角谷庄一君) 本日はこれをもって散会いたします。 午後4時41分散会
--------------------------------- 大阪市会議長 角谷庄一(印) 大阪市会副議長 辻 義隆(印) 大阪市会議員 佐々木りえ(印) 大阪市会議員 荒木 肇(印)◯大阪市会(定例会)会議録(平成30年11月30日)(終)...