大阪市議会 > 2017-11-29 >
11月29日-05号

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  1. 大阪市議会 2017-11-29
    11月29日-05号


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    平成29年第3回定例会(平成29年9~12月)◯大阪市会(定例会)会議録(平成29年11月29日)    ◯議事日程    平成29年11月29日午後2時開議第1 一般質問    ---------------------------------◯出席議員86人   1番    こはら孝志君   2番    前田和彦君   3番    福田武洋君   4番    杉山幹人君   5番    宮脇 希君   6番    岡田妥知君   7番    高山美佳君   8番    武 直樹君   9番    岸本 栄君   10番    梅園 周君   11番    永田典子君   12番    永井広幸君   13番    則清ナヲミ君   14番    山本智子君   15番    藤岡寛和君   16番    佐々木りえ君   17番    高見 亮君   18番    金子恵美君   19番    徳田 勝君   20番    奥野康俊君   21番    川嶋広稔君   22番    太田晶也君   23番    荒木 肇君   24番    山本長助君   25番    岩崎けんた君   26番    小川陽太君   27番    井上 浩君   28番    尾上康雄君   29番    寺戸月美君   30番    永井啓介君   31番    森山よしひさ君   32番    西川ひろじ君   33番    北野妙子君   34番    有本純子君   35番    市位謙太君   36番    守島 正君   37番    飯田哲史君   38番    今井アツシ君   39番    藤田あきら君   40番    竹下 隆君   41番    上田智隆君   42番    不破忠幸君   43番    土岐恭生君   44番    西崎照明君   45番    島田まり君   46番    西 徳人君   47番    山田正和君   48番    佐々木哲夫君   49番    辻 義隆君   50番    八尾 進君   51番    明石直樹君   52番    杉田忠裕君   53番    高山 仁君   54番    金沢一博君   55番    前田修身君   56番    小笹正博君   57番    伊藤良夏君   58番    杉村幸太郎君   59番    大橋一隆君   60番    ホンダリエ君   61番    丹野壮治君   62番    出雲輝英君   63番    岡崎 太君   64番    田辺信広君   65番    片山一歩君   66番    高野伸生君   67番    木下吉信君   68番    足高將司君   69番    多賀谷俊史君   70番    荒木幹男君   71番    床田正勝君   72番    黒田當士君   73番    加藤仁子君   74番    江川 繁君   75番    瀬戸一正君   76番    山中智子君   77番    新田 孝君   78番    改発康秀君   79番    大内啓治君   80番    辻 淳子君   81番    東 貴之君   82番    木下 誠君   83番    山下昌彦君   84番    広田和美君   85番    角谷庄一君   86番    井戸正利君    ---------------------------------◯職務のため出席した事務局職員               市会事務局長           松本高秋               次長               巽 功一               議事担当課長           西 正道               議事担当課長代理         竹田幸二               議事担当係長           西山 清    ---------------------------------◯議場に出席した執行機関及び説明員               市長               吉村洋文               副市長              田中清剛               副市長              中尾寛志               副市長              鍵田 剛               住之江区長            西原 昇               中央区長             田端尚伸               西淀川区長            塩屋幸男               副首都推進局長          手向健二               市政改革室長           羽東良紘               ICT戦略室長          田畑龍生               人事室長             中村一男               都市交通局長           角田悟史               政策企画室長           黒住兼久               危機管理監            藤原正樹               経済戦略局長           柏木陸照               IR推進局長           坂本篤則               総務局長             上田隆昭               市民局長             谷川友彦               財政局長             稲森隆司               契約管財局長           松元基泰               都市計画局長           川田 均               福祉局長             諫山保次郎               健康局長             甲田伸一               こども青少年局長         内本美奈子               環境局長             北辻卓也               都市整備局長           國松弘一               建設局長             永井文博               港湾局長             藪内 弘               会計管理者会計室長       東山 潔               消防局長             藤井茂樹               交通局長             塩谷智弘               水道局長             河谷幸生               教育委員会教育長         山本晋次               行政委員会事務局長        小川英明    --------------------------------- △開議      平成29年11月29日午後2時開議 ○議長(山下昌彦君) これより市会定例会会議を開きます。 本日の会議録署名者山田正和君、井上浩君の御両君にお願いいたします。 ○議長(山下昌彦君) これより議事に入ります。 ○議長(山下昌彦君) 日程第1、一般質問を行います。 ○議長(山下昌彦君) 田辺信広君の質問を許します。 64番田辺信広君。     (64番田辺信広君登壇) ◆64番(田辺信広君) 私は、大阪維新の会大阪市会議員団を代表し、就任から2年を迎え、折り返し地点に立つ吉村市政を振り返るとともに、今後の市政について、さまざまな観点から質問させていただきます。 現在、大阪の成長戦略等に関しては、府市の互いの権限や利害関係にとらわれることなく、市長と知事がともに大阪全体の発展を考え、広域行政に係る意思決定の一本化が進んでおります。この府市連携によって、これまで各種取り組みが進められてきましたが、この間の具体的な事業及びその効果について、ここで改めて市長に御説明をお願いいたします。 一方、府市連携が進みながらも、いまだ解消できない本市の課題についてはどのようにお考えか、御見解をお聞かせください。 また、大阪における望ましい統治機構のあり方として、いわゆる大阪都構想の議論が進められておりますが、この大阪都構想による特別区の設置については、基礎自治の機能が充実するなど本質的な効果があると考えますが、この点についてもあわせて市長の御見解をお伺いいたします。 ○議長(山下昌彦君) 理事者の答弁を許します。 吉村市長。     (市長吉村洋文君登壇) ◎市長(吉村洋文君) 大阪は、現在、少し明るい兆しが見えつつあるというふうに思っておりますが、東京一極集中と、それから大阪の長期低迷というのが長いスパンで見れば続いているという現状にあると思っています。それから、人口の減少、超高齢化社会をいち早く迎えるのが大阪でもあるというふうに思っています。 そんな中で、大阪を再生させて成長させていくために必要な都市機能の強化、二重行政、二元行政の解消を実現するとともに、限られた財源の中で、住民の皆さんに身近なサービスを身近なところで決定できる仕組みである住民自治をさらに拡充していくことが必要だと思っています。 これまで、副首都推進本部の会議の場を通じてさまざまな取り組みを進めてきましたが、現行の制度のままではこうした課題の根本的な解決は困難であるというふうに認識をしております。大阪にふさわしい新たな大都市制度の確立が必要だと思っております。また、そういった認識がありましたので、私自身がみずからの市長選挙で都構想の再挑戦ということを選挙公約にも掲げたところであります。 現在、私と松井知事との間で同じ問題意識と価値観を共有して、今できること、府、大阪市の間で一定の協議を持ちながら進めていくということもやっております。例えばですけれども、観光分野は大阪版DMOとして機能を強化しました大阪観光局を中心としまして各種取り組みを行っています。来阪の外国人旅行者数は、平成22年は235万人でしたけども、28年には約4倍の940万人、恐らく今年は1,000万人を突破するという増加も見せているところです。 それから、大阪・光の饗宴についてですが、平成24年度までは大阪府が御堂筋のイルミネーション、大阪市が光のルネサンスを個別に実施していました。その当時は、合計で年間450万人の来場でした。25年度からは、これはもう一緒にやっていこうということで、府、市、民間もタッグを組んで、大阪・光の饗宴として実施しています。25年度に517万人の来場、それから年々増加しておりまして、昨年度は1,293万人、経済波及効果も665億円となっているところです。 大阪駅の北側のいわゆるうめきた2期ですけれども、おおむね8ヘクタールのみどりと関西のイノベーションのハブを生み出すという、うめきた2期のまちづくりの推進もともに進めているところでありますし、大阪・関西全体の成長を目指した広域インフラであります淀川左岸線の延伸部であったり、なにわ筋線の事業化に向けた府市の決定、そして府市負担の速やかな決定といった都市インフラの充実といった点についても府市ともに進めてまいりました。 ただ、これは、私と松井知事の人的関係に基づくものでありますので、これを恒久的なものにしていくことが大阪の成長につながるというふうに思っています。広域行政を一本化して指揮官を1人にする、大阪の大きな成長については、そういったことをすることが大阪の成長に、大阪の未来に必要だと考えています。 それから、特別区を設置することで、公選の特別区長、それから区議会が置かれることになります。地域の実情や住民のニーズに応じてそのサービスを決定することができる、きめ細やかな住民サービスをスピーディーに決定することができる、住民に身近なところで施策を決定していくニア・イズ・ベターを実現することが可能になるというふうに考えておりますので、これを進めてまいりたいと思っています。 ○議長(山下昌彦君) 田辺信広君。     (64番田辺信広君登壇) ◆64番(田辺信広君) 市長、ありがとうございます。 これまでの府市連携による取り組みとその効果について確認させていただきました。我が会派としましては、今後、市長と知事が別々の方向を向き、大阪の成長、発展の阻害とならないよう、恒久的な広域行政の一元化を望むところでございます。 また、これから特別区の設置に係る設計図の詳細を進めるに際しては、今、御答弁にありました住民自治の拡充が図られることに加え、住民の皆様にその効果を十分に御理解いただけるよう取り組んでいただきたいと申し上げます。 次に、市政改革について質問いたします。 本市では、ここ数年、従前にはなし得なかった市政改革が進められ、この取り組みによって、経営形態の見直しや職員数の削減を初めさまざまなコスト削減も進捗してまいりました。 一方、今後においては、人員やコストの削減にとどまらず、労働生産性を向上させ、より効率的な行政運営を目指すべきと考えます。生産性の向上によって業務が効率化すれば、職員の働き方改革にも寄与することになり、さらに業務フロー業務システムを改善させることによって市民に対する利便性の向上へつなげる視点も極めて重要であります。 生産性の向上に関して、現代マネジメントの父とも呼ばれるピーター・F・ドラッカー氏によれば、知識労働やサービス労働において生産性を向上させる方法として、まず何を行うべきか、何を実現しようとしているのか、なぜそれを行わなければならないのかを明確にし、そして必要のない仕事をやめるべきであるとされています。 このような観点について、現在、本市では、市政改革プラン2.0において5S、ムダ取りの徹底というテーマで取り上げられており、今年度から市政改革室職員アンケートの声をもとに、会議のあり方や決裁事務の効率化などに取り組んでいるとのことでございますが、まずは市政改革室長にこの点について御所見をお伺いしたいと思います。 ○議長(山下昌彦君) 羽東市政改革室長。     (市政改革室長羽東良紘君登壇) ◎市政改革室長羽東良紘君) 議員お尋ねの生産性の向上とは、限られた経営資源のもと、市民サービスの維持、向上を図るため、事業や業務のコストや時間の無駄を継続的に省くことであり、官民関係なく組織マネジメントの基本中の基本だと考えております。 毎年行っております職員アンケートや現場訪問で職員の声を聞く中で、せっかく予算で購入した機器が活用されていないであるとか、発言せず報告を聞くだけの形式的な会議への出張がまだあるなど、事業や業務プロセスの無駄について指摘がございます。しかし、無駄がありましても、伝統ある事業、長いことやっている事業や上司の会議運営に物申すことは恐れ多い、また問題を指摘してもどうせ変わらないという、何もしないことがよしとされる組織風土では無駄取りは進みません。 そのため、まずは市政改革室内に若手職員中心の3つの業務改革チームを立ち上げ、庁内会議、決裁事務消耗品購入などの業務執行に係る無駄をフルコスト分析等の手法を用いてまずは見える化し、問題解決に当たり、目標設定を行いつつ進めております。 一方で、持続可能な生産性の向上を行うためには、職員自身がより無駄に気づき、そしてみずから進んで改善に取り組めるような仕組みが必要です。このことから、区政編を含む市政改革プラン2.0では既に全庁的な5S、標準化に着手しており、職員の意識改革を進めるとともに、今後、研修や評価のあり方も再構築を進めてまいります。 ○議長(山下昌彦君) 田辺信広君。     (64番田辺信広君登壇) ◆64番(田辺信広君) 室長、ありがとうございます。 今、御答弁いただいた、何もしないことがよしとされる組織風土というのがあるのであれば、ぜひ変革していただくように取り組みをお願いいたします。 市政改革室長の御答弁をいただいたところでございますけれども、生産性の向上を図るためには、市政改革室だけでなく各職場での取り組みを確実に実施する必要がございます。役所の業務における生産性については、民間企業等の営業部門や製造部門と異なり、アウトプット面を数値で測定できない部分もございますけれども、かけ声だけに終わることなく、実効性のある取り組みにするためには、何らかの数値目標の設定やモニタリングの仕組みも工夫していただければと考えます。 そこで、本市の全職場において、業務の効率化、生産性の向上に向けて、トップの明確なメッセージが必要と考えますので、この点につき、市長の御所見をお伺いしたいと思います。 また、市長御自身が業務を執行される上で何か無駄等についてお感じになられていることがございましたら、あわせて御所見をお願いいたします。 ○議長(山下昌彦君) 吉村市長。     (市長吉村洋文君登壇) ◎市長(吉村洋文君) 市役所業務の生産性を高めていくためには、職員一人一人が現状に対する問題意識であったり危機感を持って、改善手法あるいはICTの活用なんかを効果的に取り入れて、事業、業務のプロセスの見直しに取り組んでいく、無駄を継続的に排除していくということが必要だと思っています。常に市民の税金がかかっているということを認識しなければなりません。 こういった観点から、今年度、市政改革室が、会議のあり方であったり、あるいは決裁事務の効率化といった業務執行に係る全庁的な課題に対して、トップダウンで業務改革を進めているところであります。中でも、会議のあり方については、私自身も以前から問題意識を持っていたところですので、既に見直したものもありますが、今後とも私もこの会議の無駄について率先して指摘をしていきます。市長が参加する会議、例えば答弁調整会議でも、明らかに発言する場がない局長なんかについては、そもそも会議の場に参加しないというような仕組みも、これは局長からは言えませんから、僕からそういう旗振りをして実施するということもやっています。今、市政改革室でいろんな会議の標準化についてのシートなんかもつくってくれてますので、このことを徹底的にやっていきたいと思っています。 ボトムアップでの各所属における意識改革、それから標準化や改善の取り組みについては、各所属の取り組み状況について確認して、適切な指標の設定とモニタリングを行い、優良事例については職員を評価するなど、強力に進めていきたいと思っています。 今後は、生産性の向上について、市政改革プラン2.0に位置づけて、それによって生み出された人や時間、お金、これを市民サービスの向上に再投資していくということをやりたいと思っています。 ○議長(山下昌彦君) 田辺信広君。     (64番田辺信広君登壇) ◆64番(田辺信広君) 市長、ありがとうございます。 市長御自身も、業務執行される上で何点か無駄に感じられており、できるところから改善を進めておられるということでございます。 今、市政改革室長、そして市長から御答弁いただきましたけれども、きょうは本会議ということで各部局の長も御出席されておられます。このような取り組みは、市政改革室だけではできません。聞いておりますところ、一部、業務改善を意識しておられる部署においては、職場単位による改善提案や所属内での発表会の開催など切磋琢磨して取り組んでおられるところもあるように聞いております。各所属長の皆様には、全部署において、まずは今の業務のやり方、手法をいま一度見直していただき、無駄があればそれを省き、業務の効率化を進め、職員一人一人が必要な仕事にしっかり集中できるよう努めていただくよう強く要望いたします。 次に、ICTの活用について質問いたします。 先ほど、市政改革に関連して、業務の効率化、生産性の向上について質問いたしましたが、今後の市政運営において引き続き改革という名称を用いるのであれば、改革と言えるレベルで役所における生産性の向上、業務の効率化を追求していただきたいと思います。 これを進めるに際しては、ICTを有効に活用することが重要になってまいります。また、市民サービスの面においても、ICTを積極的に活用することにより、市民の利便性向上にもつながります。今後のICT化取り組みについて、市長の御所見をお伺いいたします。 ○議長(山下昌彦君) 吉村市長。     (市長吉村洋文君登壇)
    ◎市長(吉村洋文君) ICTを徹底的に活用することで、コストダウンを図りながら業務も効率化する、そして市民の利便性が向上できると私は思っています。そういった思いから、ICT戦略を掲げて、ICT戦略室市長就任後、立ち上げたところであります。 市政改革を進めるに当たって、無駄の削減と市民サービスの向上というのは徹底して進めていかなければならない事項です。具体的に言うと、職員の業務支援におけるAIの活用なども進めていますし、消防隊の非常招集アプリであったり、外国人がふえてきてますので救急の翻訳問診アプリを導入するなど、さまざまな分野において、今、ICTを活用していっていますが、これをさらに積極的に活用していきたいと思っています。 ICTでできることはICTでやるということを目標にしながら、まずICTに係る人材の教育、職員の人材育成というのも大事だと思っています。アクションプランに掲げますICT戦略取り組みを達成できるように着実に進めていきたいと思います。 ○議長(山下昌彦君) 田辺信広君。     (64番田辺信広君登壇) ◆64番(田辺信広君) 市長、よろしくお願いいたします。 生産性の向上に続き、ICT活用について質問させていただきましたが、たまたま一昨日の日経新聞において、こういう記事が出ておりました。「行政こそ生産性革命を」ということでございます。ここでは、主に政府に係る業務について書かれておりますが、一部、地方自治体の業務についても掲載されております。この中では、行政手続の電子化のおくれが住民や民間企業の活動におけるコスト、時間にも影響を与えており、役所の業務の電子化を進めることにより民間の活動も大きく効率化すると書かれております。 今、市長から御答弁いただきましたICTでできることはICTでやるという方針のもと、職員においては、人がやるべき仕事に集中し、あわせてワーク・ライフ・バランスにも寄与できるよう体制を構築し、また市民の利便性向上民間企業業務効率化に寄与するようしっかりと取り組んでいただくようお願いいたします。 また、このICTの活用についても、ICT戦略室だけで進めるものではありません。各所属長の皆様には、それぞれの部署において、ICT戦略室や関係部署とも連携して進めていただくよう強く要望いたします。 次に、教員の働き方について質問いたします。 昨今、教員の労働時間の長時間化が問題となっており、また、長時間勤務とあわせて授業以外の業務に係る負担の見直しが必要と言われております。この点に関しては、先日の決算特別委員会において、私から教育委員会に対して次のような質疑、提言を行いました。 まずは、教員において、どのような業務にどの程度の時間や労力がかかっているのかといった実態調査が必要ではないか、次に、実態を把握した上で、教員が本来担うべき業務とは何か、そうでない業務は何かについて検討し、仕分けを行う必要があるのではないか、そして、教員が本来担うべきではないとされた業務については、他の職員で代替できる業務であればその方法を検討し、一方で必要性の低い業務であれば縮減や廃止するといった対応が必要であるといったことでございます。 この私の質疑に対しまして、教育委員会の担当者からは、業務改善策を策定するため、民間のコンサルタント会社への業務委託を検討するとの御答弁でございました。 教員の業務改善については、検討するというだけではなく、子供たちの学校生活は日々過ぎていきますので、早急に解決すべき課題だと考えます。この点について、教育長の御所見をお伺いいたします。 ○議長(山下昌彦君) 山本教育委員会教育長。     (教育委員会教育長山本晋次君登壇) ◎教育委員会教育長(山本晋次君) 民間のコンサルタント会社への業務委託につきましては、民間事業者のノウハウを活用し、効果的な手法を用いて学校現場の課題を可視化しますとともに、専門的な見地から実効性のある業務改善策を策定する方向で検討を進めており、議員から御指摘をいただきました教員が担っている業務の仕分けの観点につきましても、業務改善策の中に含めるよう事業者と調整をしてまいります。 教員の長時間勤務の問題につきましては、ただいま御説明を申し上げましたコンサルタント会社による業務改善策の実施やその他の業務改善取り組みをしっかりと進めることにより、教員の長時間労働を解消して教員が一人一人の子供と向き合う時間を確保し、みずからの指導力を十分に磨き、発揮できる環境を整備していくことが必要であると考えています。そうすることにより、学校園が、全ての子供たちが明るく落ちついた教育環境の中で生き生きと学習に取り組み、心身ともに健全に成長できる活気にあふれた場となり、教員も同じく生き生きと働くことができると考えております。 また、そのこととあわせまして、学校園が、校園長のリーダーシップのもと、組織としての自主性、自立性を高め、特色ある教育実践を展開することも必要であると考えており、その両輪のもと、教員の長時間勤務の解消に向け、取り組みを進めてまいりたいと考えております。 ○議長(山下昌彦君) 田辺信広君。     (64番田辺信広君登壇) ◆64番(田辺信広君) 教育長、この点はしっかりお願いいたします。 この点、けさの読売新聞ですけれども、教員の働き方改革を議論している中央教育審議会の特別部会からも改革案がまとめられているということでございますので、あわせてしっかりとよろしくお願いいたします。 教員の負担軽減につきましては、教員の長時間労働の解消だけでなく、教育の質にも十分かかわってくると思います。 本市における子供の学力向上については、教員の指導力向上に係る施策等にも取り組んでおられますけれども、指導力といった技術面はもちろん大切ではございますが、あわせて教員の心身が充実していることも極めて大切であります。同じ1時間の授業を行うに当たっても、ほかのことで負担を感じ、疲れて行う授業と心身充実して行う授業とではその質が異なってくるのではないでしょうか。教員が本来の教育活動に専念し、授業を初め学校園の中において教員と子供たちが接する時間の質を高めるため、しっかりと取り組んでいただけるよう改めて要望いたします。 次に、教員の給与制度について質問いたします。 法律が改正され、今年度より、教員の給与費負担や給与・勤務条件制度の権限が大阪府から本市に移譲されたところでございます。これによって、人事権と給与等の決定権とのねじれが解消され、人事制度と一体となったより効果的な給与制度の構築、運用が可能になると考えられます。 そこで、教員においても、職務・職責に応じた給料表の設定など、教員のモチベーションがより向上する給与制度の構築が望ましいと考えますが、この点に関して市長の御所見をお伺いいたします。 ○議長(山下昌彦君) 吉村市長。     (市長吉村洋文君登壇) ◎市長(吉村洋文君) 教員の給与制度につきましては、僕自身は、頑張っている先生がきちんと評価される制度でなければならない、さらにモチベーションが上がるような制度でなければならないと思っています。頑張っている先生も頑張っていない先生も一緒というんであれば、僕はこれはモチベーションにはつながらないというふうに思ってますし、給与制度としておかしいと思っています。 今年度から、教員の給与制度等の権限が大阪府から移譲されたことを受けまして、教育委員会とも連携して、教員のモチベーション向上と優秀な人材の確保を骨子としました新たな給与制度について検討しています。具体的には、教員の大量退職に伴いまして若手教員がふえていますので、教諭と首席指導教諭の間に新たな教諭の職を設置するとともに、職務、職責に応じた給料表を設定する。これに対応する新たな人事評価制度と研修体系を構築するということにより、教員の資質向上を図ってまいります。もちろんモチベーションというのはお金だけでははかれませんので、職員のやる気を生み出すような研修体系というものも大切だと、教員みずからが自分の能力を向上できると感じられるようなものも、これはモチベーションにつながると考えています。 それから、教育水準のさらなる向上を図るためにも、多くの優秀な教員に大阪市に入ってもらう、獲得する必要があると思ってますので、さまざまな人事確保策というのを複合的に実施していくことが重要だと思っています。とりわけ、新規採用者の初任給水準の向上、これは喫緊の課題であり、必要不可欠だと思っています。これは実施します。具体的な内容について、今後、教育委員会と協議を行っていきます。 それから、この権限移譲の機会を捉えまして、時期を失することなくこういった制度改正をすることで、本当に頑張っている教員が報われるというような、頑張る気持ちになるというような、めり張りのついた給与制度を構築していきたいと思ってます。 ○議長(山下昌彦君) 田辺信広君。     (64番田辺信広君登壇) ◆64番(田辺信広君) 市長、ありがとうございます。 教員も現代を生きる人でございますから、教員一人一人の経済的な面においても、より頑張れるような制度設計をぜひよろしくお願いいたします。 次に、SNSを活用したいじめ等に関する相談体制について質問いたします。 学校におけるいじめに関する問題は、我が会派としても大きな課題と考えており、そのような悩みを抱えている子供たちの気持ちを受けとめる窓口については、幅広く構えていく必要があるのではないかと考えております。 本市においては、電話や電子メールにより、いじめ等に関する相談や通報の窓口を設置し、対策が行われているところでございます。 しかしながら、現代の子供たちのコミュニケーションツールの大半を占めているのはSNSです。 我が会派では、いじめで苦しんでいる児童・生徒がより相談しやすくなるよう、従来の電話や電子メールの相談窓口に加え、SNSを活用した相談窓口を設置することで、いじめの早期発見、早期対応へとつながり、児童・生徒をいち早く救う手段となり得ると考えております。 そのような中、文部科学省においては、SNSを活用したいじめ等に関する相談体制の構築について検討が進められており、また大津市や長野県では、既にSNSを活用したいじめの相談窓口を試行的に実施し、想定以上の相談が寄せられるなど、その有効性についても明らかになってきています。 反面、寄せられた全ての相談に対応することができなかった等、SNSによる相談のノウハウや手法についての課題もあがっていると聞いております。 一方、あわせて本市では、小学生の45%、中学生の75%がスマートフォンを持っているという調査結果からも、メディアリテラシー教育のさらなる充実も必要になると考えております。 このような課題を整理しながら、SNSを活用した相談体制を構築していただきたいと考えますが、教育委員会の御見解をお聞かせください。 ○議長(山下昌彦君) 山本教育委員会教育長。     (教育委員会教育長山本晋次君登壇) ◎教育委員会教育長(山本晋次君) 教育委員会といたしましては、子供たちのスマートフォンやSNSの利用につきましては、毎年、児童・生徒を対象にアンケートを実施し、全市の実態を把握することで、子供たちがトラブルや犯罪に巻き込まれることのないよう各校の指導に活用しているところでございます。あわせまして、各学校におきましては、外部講師を活用した講演や授業を行うなど、保護者とともに正しい通信機器の使い方やメディアリテラシーについて学ぶ取り組みも推進をいたしております。 また、議員御指摘のとおり、子供たちのコミュニケーションツールとしてSNSが中心となってきておりますことから、SNSを活用した相談体制の構築の必要性については十分に認識をしておるところでございます。10月には、試行的に実施された長野県への視察を行いましたが、SNSによる相談につきましては、幅広く相談を受け入れられる効果がある反面、人材の確保や相談相手とのコミュニケーションの取り方、相談内容の見きわめなど、さまざまな課題があることも明らかになっております。 SNSによる教育相談の実施に向けましては、十分にこうした課題を整理し、相談体制を構築していく必要があると考えており、平成30年度に向けまして、文部科学省の調査研究のための委託事業を申請するなど前向きに取り組み、こども相談センターの教育相談事業とも連携を図りながら、本格実施に向けて取り組みを進めてまいりたいと考えております。 教育委員会といたしましては、このような取り組みを充実させ、子供たちのいじめ等の悩みに円滑に対応できる仕組みづくりに取り組んでまいりたいと考えております。 ○議長(山下昌彦君) 田辺信広君。     (64番田辺信広君登壇) ◆64番(田辺信広君) 教育長、今、御答弁いただいた前向きな取り組み、検討、よろしくお願いいたします。 SNSに関しましては、それ自体がいじめに使われていたり、何らかのトラブルや犯罪に子供たちが巻き込まれるといった事件も起きております。繰り返しになりますけれども、いじめの早期発見、早期対応への手法として、SNSによる相談体制の検討を進めることとあわせて、今後、SNSを初めネット社会における子供たちへの教育活動についても、本市としてしっかり取り組んでいただけるよう要望いたします。 次に、子供の貧困対策について質問いたします。 本市では市長がトップとなって、こどもの貧困対策推進本部を立ち上げ、昨年には「子どもの生活に関する実態調査」が実施されたところでございます。 この実態調査の結果からは、支援の必要な子供や子育て世帯では複合的な問題を抱えていることが改めて明らかとなっており、課題の解決には、家庭環境、学校環境、社会環境等さまざまな観点からの対応が必要とされています。全ての子供が夢や希望を持って成長できるためには、社会全体で取り組みを進めることが求められております。 そこで、従来の支援制度とあわせて一つ提案させていただきたいのが、地域で実施される子供食堂や居場所における大学生によるボランティア活動の仕組みです。 大学生は、一般の大人と比較して子供たちと年齢が近く、子供たちにとっては人生のロールモデルとなる人物に出会うことができます。大阪市近郊には、大阪市立大学を初め多くの大学があり、各大学から学生ボランティアへの協力を得るため、例えば沖縄の大学コンソーシアムのように大学と地域のつながりを仲介する仕組みを進めていただければと考えますが、このように大学の協力を得る取り組みに関して、市長の御所見をお伺いいたします。 ○議長(山下昌彦君) 吉村市長。     (市長吉村洋文君登壇) ◎市長(吉村洋文君) 子供の貧困対策については、貧困の連鎖を断ち切って、子供の将来がそれぞれの家庭、生まれ育った環境にできる限り左右されずに、自分の可能性を追求できる社会、これが僕は理想の社会だと思っています。もちろん、資本主義社会ですので、理想だとわかってますが、現実を理想に近づけることが政治、行政の役割だと思っています。 そういった点から、子供に焦点を当てた施策が必要だと思っておりまして、子供食堂であったり居場所、それから社会的養護施設などで大学生ボランティアと接するというのは、身近なロールモデルと出会う非常に有意義な機会になると思っています。さらに、大学生の側から見ても、教員や福祉職を目指す大学生が課題を抱える子供や世帯に直接接するということは、机の上の勉強では体験できないようなことを体験する、その大学生にとっても人材育成の面で非常に効果があると私は思っています。つまり、子供の立場からも大学生の立場からも、双方にとって有意義なことであると思っています。 また、教員を目指す学生が、インターンシップであったり現場実習を通じて学校現場を早い段階から知って、養成段階から資質を高める仕組みづくりというのが必要であると思ってまして、ここはもう具体的に大阪教育大学を初めとして、大学と連携して検討を始めています。 加えて、学校や子供食堂なんかで実施している学習支援ボランティアに継続的に参加した大学生については教員採用試験で加点をすると、そういった仕組みをつくるというのを教育委員会と検討して、それを実現させていこうと考えています。 加えて、大学生を巻き込む、一緒にやってもらうには、大学自身も参加してもらうことが必要ですし、子供の貧困対策については、大学だけじゃなくて経済界にも参加してもらう必要があると思っています。そういった意味で、私をトップとします子供の貧困対策チームについては経済界にも入ってもらって、その協力を要請して、現に前向きに検討してもらっているところです。 子供の貧困対策については、単なる市の福祉施策と捉えるんじゃなくて、社会全体で取り組んでいくということが必要であると思ってますし、最終的には社会全体に、大阪に返ってくることだと私は思っています。ですので、今後とも市を挙げてこの取り組みを進めていきたいと思ってます。 ○議長(山下昌彦君) 田辺信広君。     (64番田辺信広君登壇) ◆64番(田辺信広君) 市長、ありがとうございます。ぜひ、お願いいたします。 数年前、住吉区で実施されております「すみよし学びあいサポート」というのを現地視察させていただいたんですけど、本当に大学生の方と地元の中学生の方が、大人と子供との関係以上に、非常に緩やかな温かい関係で勉強されている姿を拝見しまして、本当にこういう取り組み、ぜひ進めていただきたいと思います。まず、初めの第一歩を踏み出していただいて、将来的には、今、府立大学等でされてるんでしたかね、ちょっと聞いた話なんですけど、単位取得できるようなプログラムも将来的には御検討いただけたらというふうに思います。 次に、待機児童対策について質問いたします。 これまで、市長は、待機児童の解消に向けて大号令をかけて取り組んでこられ、さまざまな手法を駆使して問題解決に当たってこられたと認識しております。 昨年7月に設置された大阪市待機児童解消特別チームでは、市長御自身がトップとなり、検討を重ね、市役所本庁舎や区役所庁舎など市有財産を活用した小規模保育事業所等の開設を初め保育送迎バス事業、保育所用地提供者への固定資産税等相当額の補助制度創設など、あらゆる手法による対策に取り組んでこられました。 そのような中、現行では国の制度がボトルネックになっている点や、一方で課題解消のための特区制度もあると聞いております。 また、認可保育所等の開設に係る公募エリアについては、現行の行政区単位では、区の境界にある保育ニーズを十分に拾い切れていないケースもあり、隣接区を含めた横断的な公募エリアを設定するなど、広域的に取り組むことが保育ニーズへの的確な対応につながると考えます。 さらに、本市の事業ではありませんが、企業主導型保育事業は、待機児童解消には有効と考えられ、本市としては民間への取り組みを促すよう努めていただきたいと考えます。 こうした課題への認識を含め、待機児童解消について、これまでの総括と今後の取り組みについて、市長に御見解をお伺いいたします。 ○議長(山下昌彦君) 吉村市長。     (市長吉村洋文君登壇) ◎市長(吉村洋文君) 待機児童ゼロは無理だと言われてますが、僕は諦めていませんし、待機児童ゼロを目指してこれからもあらゆる施策を続けていきます。 ことしも、あらゆる手法で取り組んできました。今年度の保育所の入所枠ですけども、例年は大体約2,000人でしたが、2倍となる4,007人が確保できる見込みとなっています。私自身が市長に就任した後、この2年間でほぼ6,000人の入所枠を確保できたというのは一つの大きな成果だと思っています。 それ以外にも、待機児童対策として取り得る施策については、私自身がリーダーになって、音頭をとってこれからも進めていきたいと思っています。 それから、地域型保育事業については、都市部の待機児童対策として有効ではありますが、保育所等を連携先として確保するというのが必須になっています。これがなかなか壁になっておりまして、連携施設の役割の一つの代替保育の提供については、現場の実態にそぐわないといった課題も多く、連携施設確保が進まない大きな原因にもなっています。平成31年度末までは、連携施設がなくても可能な経過措置の期間中ですが、それまでに確保できなければ認可要件を満たさなくなるということになっています。連携施設の確保のために、国家戦略特区制度を活用しまして、代替保育の提供を必須要件から努力義務にするように提案いたします。 それから、保育事業者の募集エリアに係る隣接行政区との調整については、既に対応してる区もありますが、実施する区を広げるよう検討を指示します。 企業主導型保育事業については、今月1日現在で市内に60施設が設置されています。これは、本市の事業ではありませんが、保育枠の拡大につながることから、待機児童対策にとっては有効な手段だと思っています。今後、経済3団体との意見交換の場において、私から積極的に経済界に呼びかけていきたいと考えています。 待機児童対策は、都市の魅力を高めれば高めるほど都市への流入がふえる、入所申し込みが増加するという、そういった需要の掘り起こし、需要の喚起に結びつくという側面があります。私が率先してやってます幼児教育の無償化等々の効果も加わりますと、保育ニーズがさらに増加するというような傾向にある。そういった中でも、待機児童対策については率先して取り組んでいく必要があると思っています。全ての児童の入所枠の確保について、今後も進める必要があると思っています。 来年度以降も、あらゆる手法を検討して、この待機児童対策については取り組んでまいります。 ○議長(山下昌彦君) 田辺信広君。     (64番田辺信広君登壇) ◆64番(田辺信広君) 市長、ありがとうございます。引き続き、待機児童対策への問題、取り組んでいただきたいと思います。 次に、保育・幼児教育センターについて質問いたします。 市長は、子供たちへの教育を大阪の未来への投資と位置づけ、幼児教育の充実が不可欠であるとし、昨年度から5歳児の幼児教育費の無償化、そして今年度からは4歳児及び一定の基準を満たした認可外保育施設を対象に、幼児教育の無償化を拡充されたところでございます。 このような中、先日の決算特別委員会においては、次の3歳児の無償化に先立ち、まずは幼児教育の質の向上に力を入れるといった市長の御答弁がございました。 我が会派としても、幼児教育については、無償化だけでなく、幼児教育や保育自体の質の向上が非常に重要であり、本市としてもしっかり対応し、総合的に大阪市の幼児教育、保育の質の向上を図る必要があると考えております。 そこで、本年4月からスタートした本市の幼児教育、保育の充実のため重要な拠点となる保育・幼児教育センターに関して、その機能の充実、拡充が必要と考えますが、市長の御見解をお伺いいたします。 ○議長(山下昌彦君) 吉村市長。     (市長吉村洋文君登壇) ◎市長(吉村洋文君) 幼児期に、全ての子供たちが、それぞれの家庭の経済状況はあるにせよ、高い幼児教育が受けられる環境づくりが必要だと思っています。そのために、幼児教育の無償化とともに、公立、私立に限らず、それから幼稚園、保育所に限らず、幼児教育、保育の質の向上のためにこの保育・幼児教育センターを立ち上げたところです。 まずは公私、それから幼保合同での研修を始めて、施設別の研修であったり、保幼小の接続に関する研修といった教職員の資質の向上に努めてまいりたいというふうに思います。そういった研修を充実させていくということです。公立はもちろん、私立も含めた就学前教育、これをしっかりと充実させるものにしてまいりたいと思います。 もちろん、これは私立、それから公立、それから幼稚園、保育所ということで、さまざまに形態が違うのはわかっていますが、大きな方向性としては、この幼児期に充実した教育を受けられるような仕組みというのが必要だと思っています。 保育・幼児教育センターを設立しましたので、それを核として、小1プロブレムの解消を含め、小学校教育との円滑な接続も含めて、幼児教育の専門家である特別参与も入ってもらっていますので、そこのアドバイスも受けながら、大阪市における幼児教育、保育の質の向上を図っていきたいと思います。 ○議長(山下昌彦君) 田辺信広君。     (64番田辺信広君登壇) ◆64番(田辺信広君) 市長、よろしくお願いいたします。 次に、学校等と民間事業者施設等との合築について質問いたします。 大阪市内においては、人口偏在が加速する中、市内中心部においては児童・生徒数が急増し、教室が不足していくという問題が起こっております。吉村市長は、この喫緊の課題に対して、みずから東京と埼玉の先進事例を視察に行かれ、その後の市政改革特別委員会において、児童急増地域の学校の建設に当たっては、高層化やオールインワン型の学校も有効な選択肢の一つであると御答弁されておられます。 我が会派も、限られた敷地を有効に活用し、児童・生徒の教育環境を整えていくためには、学校校舎の高層化という手法は有効な解決策だと考えます。しかしながら、長期的に見れば、今後児童・生徒数のピークが過ぎた後には、整備した教室が余る状況も想定されると思います。 そこで、今後、新設校を整備していくようなケースにおいては、民間施設や公共施設との合築についても選択肢として検討していくべきと考えますが、市長の御見解をお伺いいたします。 ○議長(山下昌彦君) 吉村市長。     (市長吉村洋文君登壇) ◎市長(吉村洋文君) この間、プロジェクトチームで、高層のオールインワン型の校舎を持つ学校の建設など、対応策について議論しているところです。まず、議員も指摘のとおり、ピーク後の教室の活用については、私も当然無駄にならないような方策を検討すべきだと思っています。 これまで、教育委員会においては、6年間という短期のスパンで学校の建設とか増改築を検討してきた経緯がありますが、私自身はそれではだめだと思っております。もっと中長期的なスパンで児童数を推計し、そして計画をする必要があるというふうに思っておりまして、それをもとに、今般、専門家にもこの推計の依頼をしているところであります。それをもとに、また議論するという形になっています。 議員から、合築も検討すべきとの提案でありました。視察した学校でも、公民館などとの合築のケースがありまして、これは動線を明確に分けたりすることで安全の確保と、そういったレイアウトも工夫されていました。敷地を有効に活用する、特に都心部においては、もう土地がありませんから、それで有効に活用するというようなことでありました。 今後、新設校を建設することになった場合には、教育委員会には、先ほど申し上げた中長期的な児童推計も踏まえて、学校にどれだけの敷地や建物が必要かということも試算してもらいたいと思っています。その上で、関係所属が連携しまして、民間施設であったり公共施設のニーズも見きわめて、長期的な視点を持って、限られたストックの有効活用に取り組んでいきたいと思います。 ○議長(山下昌彦君) 田辺信広君。     (64番田辺信広君登壇) ◆64番(田辺信広君) 市長、よろしくお願いいたします。 次に、道路占用料に関して質問いたします。 本市事業の着実な推進には、市税以外の積極的な財源の確保も必要とされ、中でも約90億円を占める道路占用料の収入増については、以前より我が会派から問題提起してきたところでございます。 この道路占用料については、従前は道路占用許可が申請主義であり、道路管理者が積極的に道路利用を呼びかけてこなかった経緯があります。 しかし、平成27年の道路法改正により、道路利用者の利便性増進のために設置される収益性を有する物件については、占用料の多寡により占用者を選定する占用入札制度が導入され、申請を待つのではなく、道路管理者が占用希望者を募ることが可能となりました。この占用入札制度には、道路管理者にとって、道路占用料収入の増加だけでなく、これまで以上に許可手続の公平性や透明性の向上、さらに占用施設によっては地域の活性化にも寄与するというメリットもあると考えられ、本市においても新たな道路占用許可を行う物件については今後広く活用していってはどうかと考えます。 また、既存の占用物件については、長年にわたり運用されてきた制度を前提として設置を許可された経緯もあり、占用者の理解を得た上で精査し、検討が必要であるものの、我が会派からは、収益を上げている既存の占用物件については、利用実態に応じて増収となるよう制度の改正を求めてきたところであります。 これら道路占用許可の制度に関し、現在の検討状況について、市長にお尋ねいたします。 ○議長(山下昌彦君) 吉村市長。     (市長吉村洋文君登壇) ◎市長(吉村洋文君) 道路占用料につきましては、占用入札制度の導入は、許可の公平性、透明性や道路占用料の増収の観点だけでなく、例えば高架下における占用物件を核とした地域の拠点づくり、にぎわいの創出、まちの活性化といった観点からも非常に有効なものだと考えています。 新たな占用許可につきましては、来年度からの導入を視野に、建設局において、制度設計や課題整理、入札可能箇所の選定を初め、道路占用料が道路施設の維持管理の財源となるような仕組みなどの検討を進めさせます。 これまでに占用許可を受けている既存の占用物件の占用料制度の見直しにつきましては、占用料を滞納した場合に、国税滞納の場合と同様に強制徴収の手続が行われるなど非常に義務性が高いものであることから、制度の見直しに際しては、客観的、合理的、そして納得性を有した制度が必要だというふうに考えております。そのため、建設局において、昨年、収益に応じた道路占用料に関する検討会議を設置の上、弁護士、不動産鑑定士、国交省職員にアドバイザーとして参画をお願いし、会議を重ね、これまでにさまざまな御意見をいただいています。 今後、これらの意見を踏まえて制度設計を慎重に行い、来年度予算案へ反映できるように進めていきます。 ○議長(山下昌彦君) 田辺信広君。     (64番田辺信広君登壇) ◆64番(田辺信広君) 市長、よろしくお願いいたします。 次に、エネルギー施策について質問いたします。 東日本大震災に伴う福島第一原発事故以来、我が国のエネルギー事情が大きく変わり、再生可能エネルギーの拡大とともに、地方の特徴を生かしたエネルギー地産地消の取り組みが進められています。 本市における事例として、現在、産学官の連携により、うめきた地区で地下水を活用した効率的なエネルギー創出に係る実証実験が行われており、先日、私自身も現地を視察してきたところであります。大阪市域は、地下水に恵まれており、夏は冷たく、冬は暖かい地下水の性質を生かすことでビル空調の省エネルギーを可能にする技術が確立すれば、地下水のくみ上げ規制の緩和を国に働きかけることにより、まさに地産地消のエネルギーシステムが実現すると伺いました。 また、現在、誘致活動が進められている2025年万博においても、サブテーマが「持続可能な社会・経済システム」となっており、我が国の招致提案書(ビッド・ドシエ)にも、臨海部の特徴を生かした帯水層蓄熱技術や蓄電池技術等の導入の可能性が取り上げられています。先日の誘致プレゼンテーションにおいて、市長は、国連が定める持続可能な開発目標に対して、大阪にはイノベーションを生み出す力があると、民間が持つ技術力をアピールされたところでございます。 新しいエネルギー社会を実現させるためには、こうした民間の技術を一層生かしていく必要があると考えますが、今後のエネルギー施策について、市長の御所見をお尋ねいたします。 ○議長(山下昌彦君) 吉村市長。     (市長吉村洋文君登壇) ◎市長(吉村洋文君) エネルギー施策についてですが、エネルギーコストの削減と、それからエネルギーセキュリティーの確保のみならず、CO2の排出削減を進めていくためにも、エネルギーの地産地消の推進というのは重要だと思っています。そのためにも、帯水層の蓄熱であったり蓄電池の技術など、大阪が持つ特徴的な強みを生かした官民連携による取り組みが重要だと認識しております。これは、続けているところ、取り組んでいるところです。 うめきた2期の暫定利用区域において進めている実証実験ですが、大規模な地下水の熱利用としては我が国初のものでありまして、今後、本市としても、実証実験の成果を見きわめつつ、国に対して地下水の採取規制の見直しを求めて、実用化と普及の拡大を進めていきます。 また、蓄電池については、大阪、関西には電池産業が集積しています。この強みを生かして、咲洲地区に世界最大規模の試験設備NLABを誘致したところです。 本市としては、新たなエネルギー社会の実現に向けて、こういった技術力を磨く民間と制度的課題を解決する官による連携を進めることで、万博を契機に世界の共創プロジェクトをさらに集めるということもしてまいりたいと思っています。環境・エネルギー関連産業の振興を図って、大阪の成長につなげていきたいと思っています。 ○議長(山下昌彦君) 田辺信広君。     (64番田辺信広君登壇) ◆64番(田辺信広君) では次に、万博の誘致活動について質問いたします。 市長におかれましては、先日、博覧会国際事務局、いわゆるBIEの総会に出席されたばかりですが、まずはこのときの手応え、感想等をお聞かせいただきたいと思います。 万博の誘致に関しては、開催地を決定するBIE総会での投票が来年11月となっており、ここでは候補地における国内支持率も評価ポイントに含まれているとのことでございます。この国内支持率に関してですが、その一つの目安となる賛同会員数について、11月16日付の日経新聞の記事によりますと、現在、約15万人となっており、年末までに40万人とした目標には遠く及ばず、国内機運の醸成が課題となっていると述べられております。 また、来年2月から3月にBIEの調査団が来日する予定と聞いておりますけれども、この点に関し、11月15日付の日経新聞では、BIE事務局次長へ取材した記事が掲載されており、ここでは同事務局次長のコメントとして、万博は市民のためのものであり、国内機運の高まりは非常に重要である、人々の盛り上がりは現地視察の際にも確認すると述べられております。 しかしながら、万博の開催候補地であるここ大阪の機運醸成の状況を見ますと、まだまだ十分とは言えないと感じる次第でございます。 そこで、賛同会員数のさらなる増加に加え、BIE調査団の来日に向けて、国内機運の醸成等、今後どのように取り組んでいかれるのか、また1年後に迫った開催地決定に向けた市長の御決意をお伺いいたします。 ○議長(山下昌彦君) 吉村市長。     (市長吉村洋文君登壇) ◎市長(吉村洋文君) 先日のBIE総会ですが、海外で安全な水の普及に取り組む大阪の企業の方であったり、あるいは関西に留学経験のある外国人のルワンダの方とともに、私自身も直接壇上からプレゼンテーションを行いました。国連が掲げます持続可能な開発目標、いわゆるSDGsへの貢献であったり、大阪、関西の魅力、それから会場のイメージについては、強くBIEの皆さんに印象づけることができたんだろうと思っています。 一方で、フランス、ロシア、アゼルバイジャンのプレゼンテーションもすばらしかったと思いますし、いずれも強力なライバルだと思っています。 BIE調査団への対応についてですが、現在、国、誘致委員会を中心に検討されていますが、調査団には、立候補の申請文書でありますいわゆるビッド・ドシエの内容と、その計画がいかに実現可能なものであるのかといったこと、そして大阪、関西の魅力、これを十分に御理解いただく絶好の機会だと思っています。私も、誘致にかける熱意、意気込みをぜひ直接お伝えしたいと思っています。 議員御指摘の全国的な賛同者数の増であったり地元の機運醸成についても、まずはこのBIE調査団の来日を一つのターゲットとして、府、誘致委員会と連携してさらに積極的に進めていきます。 また、開催国の決定まで、誘致活動の柱であります海外誘致活動、それから国内での機運醸成について、市会や市民の皆さんの力もおかりして、国、誘致委員会と一体となって全力で取り組み、ぜひとも誘致をかち取りたいと考えています。 ○議長(山下昌彦君) 田辺信広君。     (64番田辺信広君登壇) ◆64番(田辺信広君) 市長、ありがとうございます。 BIE総会でのプレゼンテーションに続き、帰国されてからも関西の経済界の方々との活動等、新聞等で拝見しております。本当に御尽力いただいておりますが、調査団の来日が来年2月から3月ということであれば、本当にそれまで時間は限られております。国内機運の醸成には、我々もしっかりと努めてまいりますし、早急かつ強力に取り組んでいただけるようお願いいたします。 マスコミ報道によると、フランスは強敵のようでございます。賛同会員の数値についても、圧倒的な差を出すぐらいに取り組んでいただきたいと思います。 この万博の誘致に関しては、取り組んだ以上、絶対に誘致するという強い決意で臨む必要があると思います。誘致できなければ、これまでに投入した、そしてこれから投入する労力、時間、コストが無駄に終わってしまいますので、ぜひ、必ず誘致するという強い決意で引き続きよろしくお願いいたします。 次に、首都機能のバックアップについて質問いたします。 周知のとおり、北朝鮮をめぐる情勢は緊迫した状況になっており、けさも未明にミサイルが発射されたとのニュースを聞いております。もし、我が国の首都である東京がミサイル攻撃を受け、政府の中枢や中央省庁が被災し、これらが機能低下または機能停止することになれば、日本全体の防衛機能、防災機能に甚大な影響を及ぼすことになります。 万一、政府の中枢拠点が危機状況となり、その機能が損なわれる事態になった場合、この点、私から先日の決算特別委員会でも質疑させていただきましたが、国のいわゆる政府BCPにおいては、首都直下地震や、それ以外の武力攻撃等での危機が発生し、総理大臣官邸が使用できない場合には、1番目が内閣府、2番目が防衛省、3番目が立川広域防災基地の順序に従い代替拠点を確保するとのことのようでございますが、しかし、これらはいずれも首都圏に在しております。 首都機能のバックアップ体制の必要性については、これまで大阪や関西のみならず、国においても調査・研究や提言がなされてきました。東日本大震災の後では、国交省関連の国土審議会において、東京圏の機能をどう分担し、あるいはバックアップしていくのかについて検討することが必要との提言がなされており、また関西広域連合等からは、平成25年5月に「関西での首都機能バックアップ構造の構築に関する意見」が出されており、ここでは大阪を初めとする関西は、バックアップ機能を担う上で最適な都市圏であるとして、首都圏で非常事態が生じた場合に備え、早急に代替対応や拠点整備に向けた具体的な検討を行うこと等の提言が行われています。 これらに対して、内閣府においては、平成29年度に政府中枢機能の代替拠点に関する具体的な調査に着手、平成30年度にも関連する予算を概算要求していると聞いておりますが、本市としても、国に委ねるだけではなく、副首都ビジョンにおいて、副首都・大阪が目指すべき役割の一つとして首都機能のバックアップを位置づけ、また有識者を交えた研究会も設置されていますので、今後、研究、提言にとどまらず、国に対して強く働きかける必要があると考えますが、市長の御所見をお伺いいたします。 ○議長(山下昌彦君) 吉村市長。     (市長吉村洋文君登壇) ◎市長(吉村洋文君) 東京一極集中というのは、日本の国家構造を考えたときにも大きなリスク要因であると思ってまして、それは我が国全体の課題であるとも認識しています。 副首都ビジョンを大阪府市で定めましたが、首都機能の麻痺により日本全体が機能不全に陥らないように何が必要なのか、東京との同時被災のおそれが少ない大阪、関西がバックアップする拠点になる、代替機能を備えることが副首都・大阪の果たすべき役割の一つだと思っています。これは、国に言われるのを待つのではなくて、大阪が率先的に働きかけていくというのが必要だと思っています。 大阪は、東京に次いで、政治、行政、経済、金融、都市インフラが集積している西日本随一の都市でもあります。議員御指摘のとおり、大阪を中心とした関西地域がバックアップの拠点を担い得るさまざまな資源を有するということは、関西広域連合等での提言であったり、その前年に行われた調査でも示されているところであります。 こういった状況も踏まえて、今年度、副首都推進局が有識者や関西広域連合などから成ります首都機能のバックアップに係る研究会を設置しました。大阪、関西みずからの取り組みであったり、国への働きかけに向けた方向性について、今、具体的な議論を進めているところであります。 今後とも、首都圏で地震等の大災害が発生した場合に備えるため、国家の、日本の危機管理の観点から、首都圏以外で最も都市機能が集積する大阪、関西を首都機能のバックアップエリアに位置づけるように、大阪が率先して積極的に国に求めていきます。 ○議長(山下昌彦君) 田辺信広君。     (64番田辺信広君登壇) ◆64番(田辺信広君) 市長、ぜひよろしくお願いいたします。 今の国の危機管理では、本当に不十分だと思います。大阪が首都機能のバックアップ体制、しっかりと代替機能を備えるように、我が大阪が強い都市機能を有していくように我々も頑張ってまいりたいと思いますので、市長、よろしくお願いいたします。 以上、多岐にわたり質問させていただきました。市長におかれましては、この一般質問を受けての取り組みをしっかり進めていただきますようお願い申し上げ、私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(山下昌彦君) お諮りいたします。この際、暫時休憩することに決して御異議ありませんか。     (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○議長(山下昌彦君) 御異議なしと認めます。よって暫時休憩いたします。     午後3時6分休憩     午後3時30分再開 ○議長(山下昌彦君) これより休憩前に引き続き会議を開きます。 ○議長(山下昌彦君) 北野妙子君の質問を許します。 33番北野妙子君。     (33番北野妙子君登壇) ◆33番(北野妙子君) 私は、自由民主党・市民クラブ大阪市会議員団を代表して、吉村市長に質問をいたします。 本日は、これまでの維新市政の検証をテーマに、市政各般にわたり質問していきたいと思います。 まず初めに、維新の看板政策である都構想について質問いたします。 市長は、これまで、特別区設置協定書のバージョンアップをするとおっしゃってこられました。しかし、今回示された特別区の素案は、2年前の住民投票で否決された協定書と比較して、府の事務処理特例条例に基づく不安定な事務配分や依然として脆弱な特別区の財政基盤など、重要な問題点が全くと言っていいほど改善されておらず、とてもバージョンアップされたとは言えません。 当然、バージョンアップすると市民に約束されたからには、前回の協定書が否決された要因を分析した上で抜本的な見直しをされることが当然であると考えます。まずは、どこがどのようにバージョンアップされたのか、お伺いします。 ○議長(山下昌彦君) 理事者の答弁を許します。 吉村市長。     (市長吉村洋文君登壇) ◎市長(吉村洋文君) 今回の特別区素案についてですが、前回の協定書の骨格となります部分、二重行政の解消、二元行政の解消、大阪全体の成長戦略について、広域行政については一本化していくと、司令塔を一本化していくというところ、それから住民の身近なサービスについては住民の身近なところで決定できる仕組み、区長、区議会をつくっていくという骨格的な部分、骨格となる目的、それについては維持しながらも、議会あるいは市民の皆さんからのさまざまな反対意見、批判もございましたので、それを受けとめて、修正すべき点は修正を加え、具体的な考えや詳しい内容を明示したものと考えています。それがバージョンアップの基本的な思想です。 そして、中身についてですが、例えばですけれども、前回、5区案でしたが、これを4区、6区案とし、それぞれの特別区の財政基盤の安定化、均衡に配慮した4区、6区の区割りとしました。その際、前回不安の声がありました湾岸エリアを一まとめにしないということも行いました。 それから、本市が実施している特色のある住民サービスについては、内容や水準の維持に努めることを明示いたしました。 財政調整制度の中で必要な財源が確保されることといたしました。財政調整制度については、府に配分される財源については、現在、大阪市が行う広域的な役割を果たすための事業に充てることを明記いたしました。 それから、地域コミュニティーの維持あるいは窓口サービスの継続といった観点から、24区単位で新たに地域自治区を設置し、地域協議会を通じて住民意見を反映するとしたところであります。 その他さまざまありますが、概要としては、前回の協定書の骨格となる目的は維持しつつ、批判、反対があった部分について、修正すべき点は修正を加え、バージョンアップをしたと考えております。 ○議長(山下昌彦君) 北野妙子君。     (33番北野妙子君登壇) ◆33番(北野妙子君) 今の御答弁では、区割りや区の名称が否決された要因であるとお考えなのかもしれませんけれども、それは法定協議会において、これから結論を出すということで、バージョンアップではありません。 また、住民サービスについてもお答えいただきましたが、内容や水準の維持に努めるということを明示したとおっしゃいましたけれども、この水準を維持すると明示したわけではなく、努めること、すなわち努力目標を明示しただけです。 地域自治区の設置につきましては、大阪市が残る前提ではない中、総合区と特別区の違いをよりわかりにくくさせ、市民の目をごまかすためだけです。いずれもバージョンアップとは言えない中身でした。 次に、住民投票後の移行期間についてですが、旧協定書では2年とされていたものを、今回の素案では3~4年に変更されています。このことは、特別区が独立した地方公共団体として、庁舎やシステムなどの整備を行った上で、滞りなく行政サービスを提供するための準備期間としては、この2年間というものはどだい無理があったということを認めておられるんでしょうか。どのような分析をもとに変更することになったんでしょうか、お伺いします。 ○議長(山下昌彦君) 吉村市長。     (市長吉村洋文君登壇) ◎市長(吉村洋文君) まず、特別区の案については、法定協議会で成案とするということになっていますので、私が申し上げるこのバージョンアップというのも、最後、市民に諮るとき、そのときに当然議会の皆さんと議論をし、そして法定協議会でも議論をし、そしてその中身をバージョンアップさせていって、最終的に市民の皆さんの判断に諮るとき、それが僕は基準時だろうと思ってます。よりよい案をこれからつくっていくという努力をしてまいりたいと思います。 それから、設置の日についての御質疑ですが、職員体制の整備あるいはシステムの改修、庁舎の整備などの項目について検討を行いました結果、住民サービスの継続、区長マネジメントの発揮が可能であるとの判断のもと、前回では約2年後と決定されたものであります。 今回の特別区の素案におきましては、この前回の案の際に議会や市民の皆さんからも不安の声があった点でもありますし、住民サービスに支障が出ないこと、十分な周知と関係機関との調整に係る期間をより確保する必要があるだろうという観点から、設置の日を住民投票から3~4年後としたところであります。 ○議長(山下昌彦君) 北野妙子君。     (33番北野妙子君登壇) ◆33番(北野妙子君) 要は、移行に必要な期間ですら読み切れていなかったということだと思います。 この移行に係るコストはもとより、財源や事務分担などの制度設計を一体、今の答弁ではどれだけ把握できていたのか、非常に不安を覚える次第です。 今回の特別区の素案では、宝くじの収益金や市税等、約2,000億円もの財源を大阪市から大阪府に渡し、庁舎整備やシステム構築に最大で800億円もつぎ込むことが書かれていますが、基礎自治サービスの拡充につながるような財源が、特別区にどの程度還元されるのかといったことや、その効果額がどれくらい見込めるのか、全く示されていません。 今回の財政シミュレーションで示された効果額は、大阪市のままであっても得られる効果であって、特別区の設置に伴う効果ではありません。住民の方々に自分が住んでいる自治体のあり方を判断いただくのであれば、特別区を設置することでしか発現し得ない効果に絞って整理し、適切な判断材料を市民に示すことが市長としての義務であり、そして責任です。政令市である大阪市を廃止して特別区を設置することで、どれだけの効果額が生み出されるのか、お答えください。 ○議長(山下昌彦君) 吉村市長。     (市長吉村洋文君登壇) ◎市長(吉村洋文君) まず、特別区制度については、広域と基礎の役割分担を明確に図る、それを徹底的にするということを通じて、現在の大阪市が提供しているサービスについて、その事務分担に応じた財源を特別区と大阪府に配分し、責任ある主体のもとで効率的、効果的に執行していくと。大阪を成長させ、住民サービスの向上を目指すためにも、この制度が必要だというふうに思っています。 特別区制度の効果としては、広域機能を一元化することで都市機能の整備、これを迅速、強力かつ効果的に推進できるようにするためのものでありまして、大阪の成長を将来にわたって確固たるものにしていくということができると考えています。現在、松井知事と私の人間関係で大阪府市の改革は進めておりますけれども、これを将来にわたり制度的に担保する必要があると思っています。 それから、住民みずからが選ぶ身近な区長、特に基礎自治サービスについては、身近な区長、区議会によって決定されるのがあるべき姿だと思っています。地域の実情、住民ニーズに応じたサービスを展開することができるようにすることで、限られた財源の中で、住民サービスをより一層充実することができるというふうに考えています。素案においては、経済成長であったり広域交通ネットワーク、保育、子育て支援なんかの事例を示しているところです。 効果額についてですけれども、効果を数字的に明確に示すべきだという御指摘でありますが、その効果について数値化しようとすると、どういった方法が考えられるのか、そういったところを、今、副首都推進局に指示しているところであります。 ○議長(山下昌彦君) 北野妙子君。     (33番北野妙子君登壇) ◆33番(北野妙子君) 質問では、明確に効果額について聞いているのであります。効果額をはっきりとお答えください。 ○議長(山下昌彦君) 吉村市長。     (市長吉村洋文君登壇) ◎市長(吉村洋文君) 財政シミュレーションを出しているのは、要は特別区が財政的に成立し得るのかどうかということです。 効果額ということですけれども、数字で出す点については、今、僕と知事が、これまでの大阪府市でできていなかったことをやってきたわけでありますから、それを数量的に出せないかということを、これは専門家の意見も踏まえながらやるべきだと思っておりまして、それを、今、副首都推進局に指示しているところであります。数値として出せる時期が来れば、これはしっかりと出していきたいと思っています。 ○議長(山下昌彦君) 北野妙子君。     (33番北野妙子君登壇) ◆33番(北野妙子君) 例えば、過去にさかのぼって、たらればの話を効果額に盛り込むなどはもってのほかだと考えています。この間、知事がおっしゃっていました、今まで30年とまっていたなにわ筋線、これが動き出す経済効果に、10年先延ばしされたことによる逸失利益まで含めてなどとおっしゃっていました。そんなものまで有識者に数値化させるなど、正気の沙汰とは思えません。またしても、特別区設置による効果ではないものまで見せかけの効果額として市民をミスリードしようとする。前回の反省は全くありません。 前回の協定書に盛り込まれた4,000億円という、とんでもないうその効果額は、たちまちに看破されましたが、コストというのと、それから効果額というのはセットです。効果があるからコストをかけてでもやるというのが市民の判断材料になるわけです。それをうやむやにして、何をもって判断せよというのでしょうか。 また、現在、市長と知事が連携して広域的な事業を積極的に進めている、うめきた、なにわ筋線淀川左岸線に限っても、市負担分は少なくとも1,000億円を超えると見込まれているとのことであります。 これらの事務に係る財源負担は、大阪市が政令市のままであれば、おおむね府と市で折半ということでございますけれども、しかしながら特別区設置と決まれば、こうした広域事業に係る事業費については当然府が負担するべきです。ところが、府の非常に厳しい財政運営を見る限り、確実な事業実施が可能かどうかはわかりません。 また、今回示された財政調整案では、大阪市が起債した公債費の償還については、財政調整財源で賄われることになっています。例えば、うめきた2期の整備費を大阪市が特別区設置の日までに起債で対応するのであれば、特別区設置後、府から渡される財政調整交付金のうち公債償還に使われる割合がふえて、特別区が住民サービスに活用できる財源が限られてしまうことになります。これでは、結局、もと大阪市民、特別区民が、数十年間にわたって広域行政に係る借金を負担し続けなければならないことになりかねません。 改めて聞きます。今後、膨らんでいく広域的な事業に係る財源負担は、大阪府が負担していくということで間違いないでしょうか、お答えください。 ○議長(山下昌彦君) 吉村市長。     (市長吉村洋文君登壇) ◎市長(吉村洋文君) ただいま、議員から御指摘がありました広域的事業については、これまでの府市の関係ではなかなか進まなかったものを含めまして、橋下前市長の時代から、そして今、私と松井知事との中で強力に連携することで事業化に至り、また進めているものでもございます。 今後、これらの広域事業については、基盤整備などが本格化していきますが、府市ともに厳しい財政状況の中で、施策の選択と集中を図りながら、財源の確保、起債の活用などにより対応可能というふうに考えています。 特別区素案においては、広域と基礎の役割分担を徹底することとし、広域機能を大阪府が一元化することを示したところでございます。大阪府に移管された事務については、財政調整により財源を配分することとしており、大阪府は配分された財源も活用して、大阪の発展に向け、成長の勢いをとめることがないように、広域機能の一元化の効果を最大限に発揮しながら、その責任を果たしていくと考えています。 それから、市が政令市として発行した起債については、広域事業だけじゃなくて基礎事業の部分をあわせて府が承継するとした上で、償還の費用について、特別区、それから府が事務分担に応じた割合で負担をして、財政調整制度を通じて財源を確保することにしています。 特別区設置までの間においても、大阪の成長に資する進捗については、市長としてしっかりと進めていくことが必要であるというふうに認識しています。 ○議長(山下昌彦君) 北野妙子君。     (33番北野妙子君登壇) ◆33番(北野妙子君) 特別区移行後の、移行後のですよ、広域と基礎の財源負担についての明確なお答えはいただけませんでしたが、最後におっしゃった特別区移行期の起債については、驚くべきことに現在の府市の負担割合がベースとなって、多くの負担がこの特別区に押しつけられるというふうに伺っております。駆け込み的に移行期の起債が乱発されて、たちまちに特別区が不利益をこうむることになるという事態も想定しておかなくてはなりません。 さて、先週の法定協議会でも我が会派から質問させていただきましたが、素案では、財政調整制度を安定的に運営していくためには地方交付税相当額を財政調整財源に加えることが不可欠であり、そのためには法改正が必要とのことであります。 法改正は国会の議決事項となりますが、法改正が可能かどうか何の担保もなしに住民投票を行う、このことに問題はないんでしょうか、お答えください。 ○議長(山下昌彦君) 吉村市長。     (市長吉村洋文君登壇) ◎市長(吉村洋文君) 地方交付税相当額を財政調整財源に加えるという点については、前回の協定書において、総務省の同意を得た制度設計と同様の内容になっています。 現在、特別区素案を法定協議会にお示しした後に、国に対して、法改正が必要な事項も含めて制度設計の内容について説明をし、協議をスタートしたところです。 住民投票までには、国との協議を経て、総務大臣の意見を付した協定書を大阪府、大阪市の各議会で議決を受けることになり、その後、住民投票で賛成多数となった場合には、「大都市地域における特別区の設置に関する法律」第8条第1項に基づき、大阪府と大阪市で特別区設置の申請を総務大臣に行うことになります。この申請を受けて、政府は、同法第9条第6項に基づき、申請日から六月をめどに必要な法制上の措置を講ずるものとされておりまして、国会においても同法の趣旨、手続を踏まえ、必要な法改正の手続を適切に進めていただけると考えています。 ○議長(山下昌彦君) 北野妙子君。     (33番北野妙子君登壇) ◆33番(北野妙子君) 今の御答弁にありました国との協議、つまり総務省が法改正の手続をすることと、国会の議決とは別のものであります。とりわけ、今回お聞きしているのは、この地方交付税制度の根幹にかかわる問題であるからこそお聞きしているんです。 地方交付税は、地方公共団体間で財源の不均衡を調整して、どの地域に住む国民にも一定の行政サービスを提供できるように財源を保障するためのもので、ナショナルミニマムを国が保障するものです。言いかえれば、特別区では、このナショナルミニマムが保障されなくなる可能性があります。 地方交付税の交付団体同士で都区制度を導入することなど、そもそも想定されていないはずです。地方交付税制度の目的、趣旨を踏まえて、国において地方自治法を改正してよいかどうか、慎重な議論が必要です。国における結論が出る前に住民投票があってはなりません。この点も、旧法定協では議論が全く欠如していた部分であることを強く指摘したいと思います。 次に、万博、IRについてお伺いいたします。 万博が2025年開催であるのに対し、IRはその前年の開業を目指しておられましたが、IR実施法制定時期が当初の想定からかなりおくれてきており、開業できる時期も不透明になってきています。 今後は、IR開業が万博より後になることも想定し、それによりどのようなリスクが発生するのか検証が必要です。 とはいえ、まだまだ万博、IRともに不確定要素が余りにも多く、さまざまなケースが考えられる中で、私が特に気にしているのは、万博とIRの両方が同時に開業、開催を迎える場合の交通渋滞です。 現在、想定されている交通インフラの整備内容によっては、もとからある大阪港唯一の大水深コンテナバースの大型車両の往来に加えて、工事期間が重なることによる大量の工事車両をさばききれるのか、またオープン時に両施設への大量の来場者をさばききれるのか、非常に心配しています。 現状の交通状況でさえ十分に把握されているとは思えません。この交通渋滞のリスクに対する市長の御所見をお伺いいたします。 ○議長(山下昌彦君) 吉村市長。     (市長吉村洋文君登壇) ◎市長(吉村洋文君) 夢洲における万博とIRの誘致に関してですが、想定されるあらゆる課題への的確な対応が必要であるということは十分認識しています。万博やIRの状況に応じたさまざまなパターンを想定した上で、さまざまな観点からシミュレーションを行うように関係部局に指示し、検討を進めているところであります。 議員指摘の円滑な交通アクセスの確保についてですが、万博とIRの成功に向けて重要度の高いものであるということから、万博とIRの両施設への来場者の輸送が可能となるように、別々に来場者数の想定をしているのではなく、同時に実現している場合の来場者数の想定、それから将来の物流、交通を想定した上で、これに基づいて、地下鉄中央線の延伸であったり此花大橋の拡幅を初めとする道路の整備など、夢洲への輸送力の増強に取り組んでいるところであります。 万博とIRの工事の進め方については、現時点では万博会場やIR施設の施設計画など不確定な要素がありますので、具体的な検討には至らないものの、今回、増強を計画している交通インフラを活用することで、相互の工事に支障を来すことがないように、関係先と十分に調整を進め、工事期間中の円滑な道路交通の確保に努めてまいります。 ○議長(山下昌彦君) 北野妙子君。     (33番北野妙子君登壇) ◆33番(北野妙子君) 成長が見込まれると一般的にはうたわれている施設の誘致によって、まずもって守られなくてはならない湾岸周辺地域の本市市民が、交通渋滞や、その他想定されるさまざまなリスクを負うことのないように、しっかりと対応していただきたいと思います。 次に、鉄道整備についてお伺いします。 橋下前市長は、IRは施設も交通インフラも民間が全て整備するから税投入は一切ないと断言されておりました。この間、吉村市長は、基本的に民間に負担を求めるとおっしゃっておりますが、もしIR実施法がさらにおくれ、万博開催が先行した場合の鉄道整備の費用負担はどのように考えておられるのでしょうか、市長の御見解をお伺いします。 ○議長(山下昌彦君) 吉村市長。     (市長吉村洋文君登壇) ◎市長(吉村洋文君) 昨年12月にIR推進法が成立、施行されまして、施行後1年以内をめどに必要となる法制上の措置を講じることとされています。 そういった状況を考えますと、2017年度から遅くとも2018年度上半期に国において実施法が成立し、基本方針が策定されれば、その後、事業者の公募手続等を行って、国からの区域認定を得て、2024年度にはIRが開業できるものと考えています。 IR開業よりも万博が先行した場合に、万博開催に合わせて整備する鉄道につきましては、公共として整備するものではありますが、そのうち受益者負担として民間事業者に負担を求めるべき部分については求めていく、その具体的な手法を引き続き検討してまいります。 いずれにしましても、大阪府市として、このIR実施法の早期成立、これは国がやることになりますが、それを踏まえた上で、この鉄道事業について、民間事業者に負担を求める部分については基本的に負担を求めていきたいと考えています。 ○議長(山下昌彦君) 北野妙子君。     (33番北野妙子君登壇) ◆33番(北野妙子君) 誘致が前後することにより市民負担が発生することのないよう、くれぐれもお願いしておきます。 次に、大阪健康安全基盤研究所について質問いたします。 我が会派では、これまでも市民の命と健康を守るという大事な役割を担う地方衛生研究所は、法人化せずに直営で維持すべきであると主張して、統合にも独法化についても反対してまいりました。昨年度の市会では、大阪健康安全基盤研究所については、機能強化を図り、西日本の中核となる研究所を目指すと繰り返し答弁されていたことを覚えております。 4月に法人が設置され、半年以上が経過していますが、統合後はどうなっているんでしょうか。 また、昨年3月の市会では、環境部門については、市直営の環境科学研究センターとして天王寺区に残すと説明されていましたが、同年9月市会では、施設統合にあわせて森之宮へ移設するとの説明でありました。副首都推進本部会議で、いつの間にか方針変更が決められ、決定事項だけが市会に諮られたということです。 森之宮の一元化施設整備といえば聞こえがいいです。しかし、実情は、府の公衆衛生研究所がちょうど老朽化によって建て替え時期が来ていたということで、移転を予定していた敷地内に立派な一元化施設を新築するわけです。一方で、大阪府所有の廃墟と化しており、実は10年足らずで頓挫していた旧健康科学センタービルを改修して、賃料を払って市の環境科学研究センターが間借りをする、これでは大阪府の都合のよいように利用されているとしか思えません。 そうであるならば、当然広域行政については、これから相談して決めるとされている費用負担も含めて全て大阪府に任せて、大阪市は基礎自治体として本来必要な機能を粛々と果たせばよいと考えますが、市長の御見解をお伺いいたします。 ○議長(山下昌彦君) 吉村市長。     (市長吉村洋文君登壇) ◎市長(吉村洋文君) 地方独立行政法人大阪健康安全基盤研究所につきましては、府市2つの地方衛生研究所を独法化という手法を使いまして統合し、機能強化を図ることで、大阪全体で起こり得る健康危機事象に積極的に対応し、市民、府民の健康と安全を守るといった重要な役割を果たせる地方衛生研究所として本年4月に発足いたしました。 同研究所が目指す機能強化につきましては、健康危機に係る情報収集や発信機能の充実、強化を図るとともに、公衆衛生情報の解析機能を充実させ、疫学調査などへの取り組みを涵養すること、また必要な人的・物的支援を確保して、公衆衛生行政の実施主体であります自治体、保健所に対して研究所が有する技術及び知見を提供するなど、中期目標に定めているところでもあります。 まだ、現在、半年しか経過しておりませんが、まずは組織体制の強化として健康危機管理部門、それから疫学解析研究部門及び精度管理部門、これを設置しまして体制の整備、強化を図っているところです。 また今後、一元化施設整備に伴う研究環境の整備であったり、これまで府市それぞれの研究所が蓄積してきた知見、ノウハウの集積、そういった職員間の研さんを図ることで、これまで以上に高い技術力、そして研究基盤を有する、まさに西日本を代表する地方衛生研究所として役割を果たしていくものと考えております。 今後、環境科学研究センターも同一敷地内に移転することで、法人全体の衛生部門との連携、協力が密になると考えています。 環境科学研究センター条例第2条第2項に定められていますが、健康危機事象発生時には法人とともに必要な業務を実施することで、これまで以上に迅速かつ的確に対応することが可能になります。 また、最新の検査機器の導入に当たりましては、可能な限り相互に共同使用を行うなど効率化が図られることから、法人施設と一体的な施設として整備を行うことで、将来にわたって持続可能な組織としての整備を進めていきたいと思っています。 研究施設のあり方についてですが、昨年8月22日の副首都推進本部会議において、統合効果を最大限に発揮して地方衛生研究所であります両研究所の強みを生かしていくために一元化の方針が確認され、8月31日の府市の戦略会議において、施設を一元化すること、候補地については、健康危機事象が発生したときに知事及び市長からの要請に迅速に対応することができる指令塔機能、これを発揮させるためにも、大阪府庁、市役所に近い場所であること、アクセスにすぐれている点等々も考慮して、森之宮地区で整備する方針が決定されたところであります。 法人の運営につきましては、設立団体として府市それぞれが運営費交付金を負担していますが、一元化施設整備後の経費負担のあり方につきましては、今後、府と協議することになりますが、府市それぞれに求められる行政サービスのあり方に応じて適切に定める必要があると認識しておりまして、今後、適切な時期に議会にもお諮りしてまいります。 ○議長(山下昌彦君) 北野妙子君。     (33番北野妙子君登壇) ◆33番(北野妙子君) 統合が決まる前までは、環境部門は天王寺で、直営で残すとしておきながら、いざ統合が決まると、たった半年で方針を変更し、しかもよくよく見ると府にとって非常に都合のいい変更がなされています。これはまさしく、府のものは府のもの、市のものも府のものとされているのではないでしょうか。全く腑に落ちません。大阪市は、大阪府の財布がわりでもなければATMでもありません。そのことを強く申し上げておきたいと思います。 次に、地方独立行政法人大阪産業技術研究所について、同じ統合案件ということで質問してまいります。 ちょうど1年前、大阪市立工業研究所と大阪府立の産業技術総合研究所との新設統合に関する協議が可決され、半年後の本年4月に新法人が設立され、サービスが開始されました。しかし、統合して1つの法人となり、トップは1人となりましたが、サービスを提供する拠点は大阪市城東区にある森之宮センターと和泉市あゆみ野にある和泉センターで、これまでと同じくそれぞれが事業を継続している状況です。 この研究機関の統合の目指すところとして、それぞれの強みを統合したスーパー公設試を掲げられています。統合して半年がたちましたが、利用者である中小企業にとってどのように変わったんでしょうか、その統合の効果についてお伺いをいたします。 ○議長(山下昌彦君) 吉村市長。     (市長吉村洋文君登壇) ◎市長(吉村洋文君) 大阪の製造業は、全国一の事業所数を誇り、また多種多様な業種がバランスよく存在するという産業構造にもなっています。経済、雇用への波及効果が大きくて、大阪の成長を支える中核の産業だと思っています。 地方独立行政法人大阪産業技術研究所は、市、府の試験研究機関の技術支援力、研究開発力を結集して、新製品の開発であったり高い付加価値の創出にチャレンジする大阪の中小企業の製造業の皆様のニーズに対応するスーパー公設試を目指して、ことし4月に新法人としてスタートしたところであります。 ことし4月に新法人スタート後、両センターのどちらにお越しいただいても技術相談が既に可能になっており、ワンストップサービスが提供されています。また、両センターがこれまで培ってきました得意とする支援分野と支援ステージを融合することで、研究開発から製造までの一気通貫型の支援、これが実現できるようになっています。 研究部門の取り組みについて、成果は、まだ半年間といった短期間で結果があらわれるものではありませんが、両センターが保有する高度な機器の相互利用を行い、技術開発に資する高精度分析検討チームを既に編成、発足済みであり、環境・新エネルギー関連分野のプロジェクト研究を開始するなど、研究開発の一層の加速化に既に取り組んでいます。 スーパー公設試として両センターが保有する技術、企業や大学、研究機関とのネットワークを生かしながら、最先端の技術の確立、製品化に向けて、異分野の企業の連携を支援する取り組みをさらに進めることで、大阪経済の成長につなげていきたいと考えています。 ○議長(山下昌彦君) 北野妙子君。     (33番北野妙子君登壇) ◆33番(北野妙子君) やはり、主観的で抽象的な効果を述べられただけで、客観的に判断できる具体的な成果や、また効果については示していただけませんでした。 我が会派の議員が実際に現場を視察したところ、両センターのシステムが異なるために電子決裁が使えず、やむなく紙決裁を行うということで、スーパー公設試とはほど遠い現状がうかがえたようです。 別々の、そしてもともとの場所でこれまでどおりの事業をしている。さきに質疑した健康安全基盤研究所と違って、この産業技術研究所はコストをかけていない分だけまだましなのかもしれませんが、変わったのはトップが1人になっただけでした。 ともあれ、二重行政解消とは名ばかりです。すぐさま発現されてなくてはおかしいはずの統合の効果は出ていないのが現実であります。 これらを踏まえて、現在進行形の統合案件について聞いてまいります。 市立大学と府立大学の法人統合の問題です。 両大学を合わせると、1万6,000人を超える学生数と1,400人を超える教員、1,600人を超える職員を抱えているので、現時点だけでも約2万人に影響のある規模の法人統合を行うことになります。しかし、今回の法人統合では、そのコストに見合うだけの業務効率化などの効果が見当たりません。 ほかの統合案件同様に、この統合も公立大学が2つあるというだけの二重行政を解消するため、議論がスタートし、報道では今なお二重行政の象徴というふうにされていますけれども、いつの間にか市長は二重行政ではないという言い方に変わっておられます。 では、法人統合を何のためにするのか、お答えください。 ○議長(山下昌彦君) 吉村市長。     (市長吉村洋文君登壇) ◎市長(吉村洋文君) 市立大学、府立大学は、それぞれ130年を超える長い歴史の中で、高等教育の機会の提供、それから有為な人材の輩出、研究成果の還元を通じて大いにその役割を果たしてこられたところであります。 一方で、18歳人口の減少、グローバル化の進展の中で、国内外の大学間の競争が激しさを増してきています。両大学とも、国立の基幹大学あるいは世界の大学と戦うためには、教育、研究領域の多様性や規模の面で十分とは言えず、この厳しい大学間競争に打ち勝つ戦略性やスケール、こういったものが求められています。 この大学を統合することで、両大学の有するリソースを最大限に活用するとともに、選択と集中によるシナジー効果を発揮することで両大学の教育力、研究力、地域貢献力を一層向上させて、大阪から世界を展望する視点を重視した国際通用性のある研究、教育を推進する新大学の実現を目指していくものであります。単に、経費の削減、二重行政の解消だけを目的とするための統合ではありません。 その新大学の実現に向けたステップとして、まず法人の統合が必要であると考えています。もちろん、法人統合により、法人役員やスタッフの削減、集約化を行って、経費の抑制や業務の簡素化、効率化を図りますが、それだけを求めたものでなくて、むしろ法人統合により経営面の一元化を図り、一本化された新理事長のもとで、新大学における新たな機能や学部、学域等の研究、教育、組織のあり方、キャンパス再編などの整理検討を的確に進め、新大学への移行をより円滑に推進する必要があると考えています。 ○議長(山下昌彦君) 北野妙子君。     (33番北野妙子君登壇) ◆33番(北野妙子君) 今の御答弁では、定量的な経費面での効果もなく、教育、研究面で具体的に何か定性的な効果が生まれるわけでもなく、1つの大学にするためだけにまずは法人統合をするということだと認識いたしました。そうであれば、到達点である新大学に相当の効果が求められることになります。 大学統合まで含めると、教務関係のシステム開発費やキャンパス整備などでさらに相当のコストが必要と見込まれます。もちろん、これらのコストは、大きな組織の改編のためには必要な経費であり、よりよい大学をつくるために必要な投資であります。しかし、それについてはニューマネーを投入しないと知事が明言しておられます。 現行の市大と府大ではできなかった強化、充実を、まさか単に両大学を足すだけでできるとお考えなんでしょうか。新大学の具体的な将来像が全く示されない現状で、一体どうやって法人統合の可否をこの議会に判断せよとおっしゃるんでしょうか、お伺いいたします。 ○議長(山下昌彦君) 吉村市長。     (市長吉村洋文君登壇) ◎市長(吉村洋文君) 新法人の戦略につきましては、この間、副首都推進本部会議のもとに立ち上げました大阪府、大阪市、両大学から成ります新大学設計4者タスクフォースにおいて検討してまいりました。ことし8月には、その検討結果が報告されました。その報告によりますと、教育、研究、地域貢献の基本3機能の向上にとどまらず、両大学の伝統に裏づけられた多様な分野、公立大学で全国一のスケール、大都市立地、設立団体と緊密な関係という4つの強みを生かして、新大学では、新たに都市のシンクタンク機能、それから技術インキュベーション機能の2つの機能を充実、強化して、これまで以上に大阪の都市問題の解決や産業競争力の強化への貢献を目指していくこととされています。 新大学は、大阪における公立大学として、その存在意義をより一層発揮していくことと期待するところであります。 新法人、新大学への財政支援に関しては、現在の水準を維持しながら、自己収入の確保と経費の抑制の取り組みを継続させることで適正な支援を行い、またさらなる投資については、リターンやメリットが具体的に示されたものについて判断を行うという考えであります。 新大学の学部、学域などの研究、教育機関の組織、キャンパスのあり方については、法人統合が決まれば本格的に議論が進められ、一元化された新法人理事長のもと決定されることになります。コストについては、それらのあり方の検討、決定と並行して、何がどれだけ必要なのか、きちんと精査してまいります。 ○議長(山下昌彦君) 北野妙子君。     (33番北野妙子君登壇) ◆33番(北野妙子君) 今おっしゃった新たな2機能というものが、市長お考えの大学統合する意義だということであります。 しかし、非常に抽象的で、現行の市大と府大の枠組みではできないどのような取り組みが、どのような方策で図れるのかは具体的には示されておらず、実現性のあるものかどうかさえはかりかねます。 新しい機能を持つというのであれば、それに対応するだけの体制強化が必要であり、投資も求められるものです。具体的なことは法人統合してから法人が決めます、だから法人統合してくださいと、そうおっしゃっているんですけれども、余りにも無責任だと思います。大学統合のためのステップとしての法人統合であるならば、現時点で新大学の将来像を全く示していただけないのですから、我々も責任ある判断はできないとしか申し上げられません。 次に、住吉市民病院について聞いてまいりたいと思います。 住吉市民病院の民間病院誘致については、2回の公募に失敗した後、個別誘致にも失敗、そして今回、3回目の公募も失敗に終わりました。 この4度にわたる民間病院誘致の失敗の末、突然、弘済院附属病院を市立大学の附属病院にして誘致する案が打ち出されました。11月13日の市長囲み取材で記者発表されましたが、その時点で知っていたのはごく数人ということでした。当事者である弘済院附属病院にも市立大学にも健康局にも全く調整をせず、まずは発表してしまう手法には本当に驚きました。 住吉市民病院を急性期・総合医療センターとの二重行政と言っておきながら、ぐるっと回って結局は公立である市大病院を誘致せざるを得ないということは、やはり住吉市民病院と府立急性期・総合医療センターは二重行政ではなかったんですね、お伺いします。
    ○議長(山下昌彦君) 吉村市長。     (市長吉村洋文君登壇) ◎市長(吉村洋文君) まず、発表という手法をとったことについてですが、選定委員会が進められていく中で、担当局から公募についての状況報告もありましたので、今回の公募については事業者の予定者が選定されない可能性については認識していました。 また、弘済院、市立大学、健康局のほか、多くの関係先の理解を得ていく必要があることも認識していましたが、発表前、事前に相談した関係者というのは主要メンバーの最小限とし、まずは市長として私自身の考えを皆さんに示すことで進めていくべき案件だというふうに判断しましたので、発表することとしたものであります。 次に、二重行政かどうかについてですけども、住吉市民病院と急性期・総合医療センター、これは2キロも離れていないところに、どちらも小児・周産期医療をやっているにもかかわらず、住吉市民病院の建て替えが問題となっても府市で議論もされていなかったことに二重行政の問題があるというふうに思っています。 小児・周産期医療については、集中化を図るのが、現在の厚労省の考え方であり、そして適切な考え方であると思っています。 現在、弘済院附属病院の認知症専門医療の移管先として協議中の市立大学附属病院ですが、これは認知症の研究、医療の最高レベルの水準を有しておりまして、弘済院附属病院の移管については、かねてからこの議会の場でも答弁し、検証を進めてきたところであります。 この点において、急性期・総合医療センターとの関係においては、住吉市民病院の跡地においても役割分担ができていると考えていますので、二重行政になるとは考えていません。 ○議長(山下昌彦君) 北野妙子君。     (33番北野妙子君登壇) ◆33番(北野妙子君) 今の御答弁では、たった2キロという距離だけを理由に二重行政だと強弁されているだけです。同じ小児・周産期医療でも、担っている機能が全く違うということは、聡明な市長のことですから、もうとっくに理解されているはずです。それを一般には二重行政ではないと言うんですよ。 住吉市民病院では、既にことしの12月末までの分娩予定の方をもって分娩の受け付けを終了しておりますが、きょうも恐らく新しい命が住吉市民病院で誕生しています。来春3月には閉院してしまうわけですが、住之江区、西成区にお住まいの方々を中心とする住吉市民病院で受診中の妊婦さんの心中は、私も十三市民病院で2人の子を分娩しましたので、その心中は察するに余りがあります。 そして、長期入院中の重症心身障害児やレスパイト入院で利用されていた方々を含め、4度にわたる民間病院誘致の失政によって不安を感じた市民に対して、市長はこれまできちんと謝罪をしたことがあったでしょうか。市民に不安ではなく安心を与えるのが市長の務めと考えます。市長の見解をお伺いいたします。 ○議長(山下昌彦君) 吉村市長。     (市長吉村洋文君登壇) ◎市長(吉村洋文君) まず、市民に安心を与えるのが市長の務めだというのは、まさにそのとおりだと思っています。ですので、僕は考えられるあらゆることをしているつもりですし、これからもしていきます。 まず、来年4月に大阪府市共同住吉母子医療センターができるということについて、これはこれまでの南部医療圏ではできなかったハイリスク出産・分娩に対応することができる、これまでは助からなかった命も助かる可能性がある、そんな病院が南部医療圏にできるということが非常に重要だと思っています。この点については、全然スポットが当てられませんが、それを来年の4月に設立させるということが、私にとって一番まず大切なことであるというふうに認識をしています。 それから、民間病院の誘致についてですが、これはこれまで附帯決議で民間病院の誘致というのがありました。これは、前市長から引き継ぐ形でありましたが、私はそれについて、一つたりとも手を抜いたつもりはありません。民間病院の誘致について、南港病院の個別誘致の際も、これは補助スキームに賛否両論はありました。賛否両論はありましたけれども、これは場合によっては住民訴訟のリスクすらあるというようなことも言われておりました。これは、法的にきちんと整理をして理論武装はしましたが、場合によっては住民訴訟が提起され、皆さんと違って僕自身が被告になり、僕が市長になる前から築いた全ての財産が一挙に吹っ飛ぶ可能性があることも含めた上で、それでも僕はきちんと民間病院の誘致を実現すべきだという思いで、そういう覚悟で提案したわけであります。最後の公募についても同じです。 何が言いたいかというと、民間病院の誘致について、僕は手を抜いたつもりはないし、これまで最大限の努力を図ってきたということは皆さんに申し上げたいと思います。 今回のこの住吉市民病院跡地でのいわゆる市立大学の附属病院の誘致についても、これは4回目の公募が実現しなかった、手を挙げる事業者がいたけども実現しなかったという段階で、もうこれは無理ですと、来年の4月には府市母子医療センターだけに注力しますという判断もあり得たと思いますが、僕は附帯決議がされているという趣旨を踏まえて、何とかできないかという思いで、今、これにチャレンジしているわけであります。 批判をするのは簡単でありますが、僕の中ではまだ話は続いている。この地域の皆さんのために小児・周産期医療、それから特にこれからは認知症医療というのが非常に重要になってくる中で、何とかできないかという考えの中で、非常にハードルは高いですけれども、挑戦しているということであります。 ですので、市長として市民の皆さんに不安を与えないように、できる限りのことをやっていくというのはこれからもやっていきます。まずは、平成30年4月の府市母子医療センターの開設に全力を尽くしていきます。これによって、ハイリスク出産の妊婦さんに対応することができる、南部医療圏の小児・周産期医療の機能は強化されます。もちろん、住吉市民病院が担ってきた11の機能についても、これまでの委員会でも議論されているとおり、その承継をしっかり図っていくという前提であります。 その上で、住吉市民病院跡地での小児・周産期医療の実現と、それから弘済院の認知専門医療を引き継ぐ市立大学での附属病院の開設、これはハードルが高いのは認識しておりますが、附帯決議の趣旨も尊重し、そして僕自身もこれはチャレンジするべきだという判断で今挑戦しているところであります。 ○議長(山下昌彦君) 北野妙子君。     (33番北野妙子君登壇) ◆33番(北野妙子君) 今、日影規制のことをおっしゃってるとすれば、虚偽答弁などで半年余りの隠蔽の末のことですから、議会のせいにするのは責任転嫁であると断じておきたいと思います。 そして、訴訟リスクの覚悟なくして市長をされているならば笑止千万であると申し上げておきたいと思います。 それも含めまして、先週の民生保健委員会で市長は住民説明会に出席すると答弁されておられましたけれども、そこでまずはしっかりと謝罪をしていただきたいということをお願いしておきます。 住吉市民病院の跡地で、仮に弘済院附属病院の認知症専門医療を引き継ぐ市立大学附属病院を開設することができて、そこで小児・周産期医療を提供できることになったとしても、病院が開設されるまでには医療空白が相当期間生じることになります。運営主体はともかく、この間の暫定運営は必須と考えますが、跡地での住吉市民病院を活用しての暫定運営などの対策は当然考えていただいているのでしょうか、お伺いいたします。 ○議長(山下昌彦君) 吉村市長。     (市長吉村洋文君登壇) ◎市長(吉村洋文君) まず、平成30年4月からこの府市共同住吉母子医療センターが開院すると、ここが僕は必ず必要だと思っています。そこに注力してまいりたいというふうに思います。 それから、この住吉市民病院跡地について、先ほど申し上げた点についてですが、いわゆる暫定診療に関してですが、病床移管を伴う病院の誘致に関しましては、これは今後、国との協議も必要になってきます。暫定診療の実施について、本格運営とあわせて、市立大学と協議も必要で、それは現に今、もう始めているところであります。 これを実現するためには、国との協議もそうですし、市立大学との協議、弘済院との協議、府市での協議、非常にハードルが高いことは認識していますが、諦めてやめるということではなくて、これについて、大阪の将来を考えたときに、この地に市大病院、認知症の最高レベルのものを持ってきて、そして小児・周産期の機能も担うことができるというのを実現させる努力のほうが僕は大事だと、市長としての役割だというふうに思っているから、これに挑戦したわけであります。 さまざまな批判、反論はあると思いますが、本当に大阪市民にとって何が大事なのかということをぜひ市会の皆さんとも議論したいと思いますし、実現するために何が必要なのかというのを考えるのも、二元代表制のもとで、これは市長だけではできませんから、市会の皆さんの協力をお願いしたいと思います。 ○議長(山下昌彦君) 北野妙子君。     (33番北野妙子君登壇) ◆33番(北野妙子君) 市長も御認識とは思いますが、弘済院附属病院の活用については、これまで我が会派も温めてきた腹案でもあり、さまざまな課題がクリアされれば方向性には賛同いたしますが、暫定運営はもちろんのこと、重症心身障害児者やレスパイト入院など、住吉市民病院が担うさまざまな医療機能の継承ができてこその賛同です。 我が会派が前回の委員会でも指摘し、今、市長もおっしゃったように、非常にタイトなスケジュールであります。ハードルが高いと思いますが、しっかりマネジメントをしていただきたいということを申し上げておきます。 続きまして、BRTの社会実験についてお伺いいたします。 BRTの社会実験については、12月に運行計画を公表することになっていたと思いますが、その検討状況はどうなっているのでしょうか。3月の交通水道委員会で、我が会派から具体的に、今里から湯里六丁目を経由して長居につながるルート、そして今里から杭全を経由してあべの橋へ向かうルート、この2つが御堂筋線につながり、需要の喚起、そして創出を図るなら現実的であるんではないかといった提案をさせていただきましたが、その後の検討状況はいかがでしょうか。 ○議長(山下昌彦君) 吉村市長。     (市長吉村洋文君登壇) ◎市長(吉村洋文君) BRTの運行経路については、12月の交通水道委員会で御説明できるように検討中であります。 運行ルートについては、今里から湯里六丁目を基本としながらも、起終点については、交通ネットワークのアクセスが向上し、より効果的に需要の喚起、創出が図れるよう柔軟に検討することにしてます。 自民会派より提案のありました2つのルートについても、大阪の大動脈であります御堂筋線とつながっており、需要喚起の効果が期待できるルートであることから、有力な候補として検討しています。 調査業務を委託している事業者の提案を踏まえまして、市として運行ルートを決定したいと考えています。 ○議長(山下昌彦君) 北野妙子君。     (33番北野妙子君登壇) ◆33番(北野妙子君) ルートや転回地、本数等もできるだけ速やかにお示しをいただきたいと思います。 次に、我が会派悲願の新美術館について質問いたします。 今回の素案によれば、新美術館の整備事業の指針は広域に仕分けをされています。これまで推進してきたのは大阪市であります。しかも、平成27年1月に橋下前市長と松井知事の間で交わされた覚書によれば、宝くじ財源約20億円を府に渡すかわりに、新美術館の整備を含む先行的広域事業に府が積極的に関与するとなっていましたが、現状を見れば、府の財源負担は全くないとのことであります。 これまでの府の文化施策を見れば、新美術館のような規模の大きい美術館の運営の経験が全くないことから、本当に任せても大丈夫なのかと不安を覚えます。また、もし特別区に移行するような事態になれば、学芸員ごとこの独立行政法人に移行してしまう道しかないわけであります。 市民の税金で買った作品、寄附による作品、合わせて8,300点もの膨大な美術品コレクション、これらは取得時の価格でさえ約630億円であり、現在の価値では数千億円になってるかもしれないものであります。 資金繰りに窮する府財政のもとで、過去にデトロイト美術館が危機を迎えたように、オークション等にかけられ、単純売却されてしまうリスクは全くないとは言えません。 これまで、市が計画・整備し、蓄えてきた、市民にとって貴重で、そして重要である資産、新美術館とこの収蔵コレクションは、都構想が実現すれば、もう手の届かないところに行ってしまう、物も言えないところに行ってしまう、そういうことだと思います。これは、市民にわかりやすい都構想の現実的な不利益であります。 これらの点について、市長の御見解をお伺いいたします。 ○議長(山下昌彦君) 吉村市長。     (市長吉村洋文君登壇) ◎市長(吉村洋文君) 今回、お示ししています特別区の素案ですが、特別区は、住民に身近な存在として、住民サービス、地域の生活、そういったところについて集中的に行う、大阪府については、大阪大都市圏における成長を支え、大阪全体の安心・安全を図るという事務の分担というのを基本的な考え方にしています。その考え方のもとで、新美術館所管の美術品コレクション並びに用地については、府に継承される案としています。 これらの財産についてですが、特別区設置に当たって、事務にあわせて必要な職員体制や、これまで培ってきた美術館運営に係るノウハウが府に継承、引き継がれることになりますので、府において適切に管理され、その美術品のコレクションの文化的・学術的価値が十分に生かされることになると考えています。 なお、今後、議会の同意が得られればですけども、大阪市所管の美術館、博物館施設は、平成31年4月に設立されます独立行政法人が新しい美術館も含めて運営を行うことになり、市が所有する美術品コレクションにおいても当該法人において適正に管理されることになると考えています。 ○議長(山下昌彦君) 北野妙子君。     (33番北野妙子君登壇) ◆33番(北野妙子君) どうしてこんなことを申し上げるのかといえば、とにかく府の財政状況が待ったなしの危機的状況にあるからです。顕在化している実質公債費比率18%超えは、5年前から起債許可団体転落というはっきりした形でのしかかってきているのはよく知られております。 しかしながら、意外と知られていない債務負担行為という形での負担の見込み額、これは7,000億円を超えているんですね。もし起債残高と合算しますと、約7兆円というとんでもない数字になる現実があります。だから、躍起になって市の財産をむしり取るなどという物騒な表現がかつて前知事の口から出てきていたのです。このことにも留意しながら、今後、引き続き議論をしていかなければなりません。 お答えは要りませんけれども、この状況を市長は御存じでしたか。 以上、市政の各般にわたり質問してまいりました。これまでの橋下市長、吉村市長という2代の市長のもとで行われました維新政治、我が会派は全てにおいて反対してきたわけではありません。市益を損うことについては反対をし、市民のためになることには積極的に賛成もしてまいりました。 しかし、振り返って見ると、これまで先人たちが営々と築き上げてきた文化・教育施設、そして研究機関など、有形無形の違いはあれども、かけがえのないものがたくさん失われました。 そう考えてまいりますと、大阪市を廃止・分割する大阪都構想実現のため、2代にわたる市長が行ってきたのは、ただただ既成事実づくりにすぎないということがよくわかります。 我々も、府市が連携、協調することは、これまでも、そしてこれからも大切であることは認識していますが、府だ、市だと言っているから発展しないなどというのは全くもって論理破綻していることを数々の失政が証明してくれました。府市を合わせて不幸せになる都構想については、反対であることを改めて申し上げておきます。 そして、市長と知事が同じ方向を向くことが大阪の発展につながるとよくおっしゃいますが、市長には市民のほうをまずはしっかりと見ていただいた上で、市長の役割というものを考えてほしいと申し上げ、私の質問を終わらせていただきたいと思います。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(山下昌彦君) 以上で、本日の質問は終了いたしました。 次回は、明30日午後2時より会議を開き、一般質問を行います。 △閉議 ○議長(山下昌彦君) 本日の日程は以上で終了いたしました。 △散会 ○議長(山下昌彦君) 本日はこれをもって散会いたします。     午後4時35分散会    ---------------------------------          大阪市会議長          山下昌彦(印)          大阪市会議員          山田正和(印)          大阪市会議員          井上 浩(印)◯大阪市会(定例会)会議録(平成29年11月29日)(終)...