平成29年第3回定例会(平成29年9~12
月)◯大阪市会(定例会)会議録(平成29年11月22日)
◯議事日程 平成29年11月22日午後2時開議第1 報告第31号 平成28年度大阪市
歳入歳出決算報告について (
一般会計、
食肉市場事業会計、
駐車場事業会計、
母子父子寡婦福祉貸付資金会計、
国民健康保険事業会計、
心身障害者扶養共済事業会計、
介護保険事業会計、
後期高齢者医療事業会計、
公債費会計)第2 報告第32号 平成28年度大阪市西町外16財産区
歳入歳出決算報告について -----------(以下
追加議事日程)-----------第3 諮問第3号
人権擁護委員候補者の推薦について第4 議員の派遣について(大阪市
会議員海外視察団)
---------------------------------◯出席議員86人 1番 こはら孝志君 2番 前田和彦君 3番 福田武洋君 4番 杉山幹人君 5番 宮脇 希君 6番
岡田妥知君 7番 高山美佳君 8番 武 直樹君 9番 岸本 栄君 10番 梅園 周君 11番 永田典子君 12番 永井広幸君 13番
則清ナヲミ君 14番 山本智子君 15番 藤岡寛和君 16番
佐々木りえ君 17番 高見 亮君 18番 金子恵美君 19番 徳田 勝君 20番 奥野康俊君 21番 川嶋広稔君 22番
太田晶也君 23番 荒木 肇君 24番 山本長助君 25番 岩崎けんた君 26番
小川陽太君 27番 井上 浩君 28番 尾上康雄君 29番 寺戸月美君 30番 永井啓介君 31番
森山よしひさ君 32番 西川ひろじ君 33番 北野妙子君 34番 有本純子君 35番 市位謙太君 36番 守島 正君 37番 飯田哲史君 38番
今井アツシ君 39番 藤田あきら君 40番 竹下 隆君 41番 上田智隆君 42番 不破忠幸君 43番 土岐恭生君 44番 西崎照明君 45番 島田まり君 46番 西 徳人君 47番 山田正和君 48番
佐々木哲夫君 49番 辻 義隆君 50番 八尾 進君 51番 明石直樹君 52番 杉田忠裕君 53番 高山 仁君 54番 金沢一博君 55番 前田修身君 56番 小笹正博君 57番 伊藤良夏君 58番
杉村幸太郎君 59番 大橋一隆君 60番
ホンダリエ君 61番 丹野壮治君 62番 出雲輝英君 63番 岡崎 太君 64番 田辺信広君 65番 片山一歩君 66番 高野伸生君 67番 木下吉信君 68番
足高將司君 69番 多賀谷俊史君 70番 荒木幹男君 71番 床田正勝君 72番
黒田當士君 73番 加藤仁子君 74番 江川 繁君 75番 瀬戸一正君 76番 山中智子君 77番 新田 孝君 78番 改発康秀君 79番 大内啓治君 80番 辻 淳子君 81番 東 貴之君 82番 木下 誠君 83番
山下昌彦君 84番 広田和美君 85番 角谷庄一君 86番
井戸正利君
---------------------------------◯職務のため出席した
事務局職員 市会事務局長 松本高秋 次長 巽 功一
議事担当課長 西 正道
議事担当課長代理 竹田幸二
議事担当係長 西山 清
---------------------------------◯議場に出席した執行機関及び説明員 市長 吉村洋文 副市長 田中清剛 副市長 中尾寛志 副市長 鍵田 剛
住之江区長 西原 昇 中央区長 田端尚伸
西淀川区長 塩屋幸男 副
首都推進局長 手向健二
市政改革室長 羽東良紘
ICT戦略室長 田畑龍生 人事室長 中村一男
都市交通局長 角田悟史
政策企画室長 黒住兼久
危機管理監 藤原正樹
経済戦略局長 柏木陸照
IR推進局長 坂本篤則
総務局長 上田隆昭
市民局長 谷川友彦
財政局長 稲森隆司
契約管財局長 松元基泰
都市計画局長 川田 均
福祉局長 諫山保次郎 健康局長 甲田伸一
こども青少年局長 内本美奈子 環境局長 北辻卓也
都市整備局長 國松弘一
建設局長 永井文博
港湾局長 藪内 弘
会計管理者兼
会計室長 東山 潔
消防局長 藤井茂樹 交通局長 塩谷智弘
水道局長 河谷幸生
教育委員会教育長 山本晋次
行政委員会事務局長 小川英明 ---------------------------------
△開議 平成29年11月22日午後2時1分開議
○議長(
山下昌彦君) これより
市会定例会会議を開きます。 本日の
会議録署名者を
太田晶也君、岸本栄君の御両君にお願いいたします。
○議長(
山下昌彦君) これより議事に入ります。
○議長(
山下昌彦君) 日程第1、報告第31号、平成28年度大阪市
歳入歳出決算報告について及び日程第2、報告第32号、平成28年度大阪市西町外16財産区
歳入歳出決算報告についてを一括して議題といたします。
○議長(
山下昌彦君)
決算特別委員長より審査の報告を求めます。 86番
決算特別委員長井戸正利君。 (86番
決算特別委員長井戸正利君登壇)
◆86番(
井戸正利君)
決算特別委員会に付託されました報告第31号、平成28年度大阪市
歳入歳出決算報告について外1件に関する審査の結果と経過の概要を御報告申し上げます。 本委員会は、去る10月25日の本会議において審査の付託を受けて以来、昨日まで、実地調査を含め8日間にわたり慎重かつ熱心なる審査を行いました結果、お手元に配付の報告書に記載のとおり、
決算報告2件はいずれも認定すべきものと決した次第であります。 以下、委員会における質疑応答の概要につきまして、重点的に御報告いたします。 まず、本市の
財政状況や新公会計制度について質疑がありました。 これに対して理事者から、平成28年度
一般会計決算は、2つの
特別会計の廃止に伴い、前年度に比べ、歳入・歳出とも大幅な減となっているが、廃止の影響を除いた実質的な比較において、歳入では
個人市民税の増税があるものの、法人税割の一部
国税化等の税制改正に伴う
法人市民税の減などにより、前年度とほぼ横ばい、歳出では扶助費が依然として増加しているものの、引き続き
歳出全般の抑制を図ったことなどにより、
決算規模は抑制基調を維持し、その結果、
実質収支は28年連続の黒字となった。 しかし、
財政収支概算では、当面は
通常収支不足が見込まれることに加え、
公共施設等の
維持管理経費を一定額見込んだことなどにより、単
年度通常収支不足額は前回と比較して悪化する見込みとなっており、引き続き自律的な改革に取り組むとともに、事業の選択と集中を進めることなどにより、持続可能な財政構造を構築する必要がある。 市債残高については、起債発行を極力抑制してきたことにより、
一般会計では3年連続の減であり、
臨時財政対策債を除いた
一般会計及び全会計の市債についても12年連続の減となっており、引き続き起債の厳格な管理に努めていく。 また、平成27年度に導入した新公会計制度については、財務諸表の
活用方策の検討を進めてきており、平成28年度末までに活用の視点やそれに沿った想定事例を
財務諸表活用方策として取りまとめ、各所属に周知するとともに、
債権管理や
資産マネジメントへの活用を視野に入れ、モデル的な
取り組みを行う
パイロット事業を選定し、
活用方策の実践、検証を行ってきた。本年5月には、
市政改革室や
財政局等の関係所属とともに、
財務諸表等の
活用促進調整会議を設置し、財務情報を使った
事業見直しや予算編成など、各所属が
マネジメントに生かすことができる
仕組みづくりを進めている旨、答弁がありました。 次に、
住吉市民病院の閉院に関して、多くの委員から質疑がありました。 まず、
住吉市民病院の
医療機能の継承についてただされたのに対し、理事者から、課題となっている
重症心身障害児者の
医療型短期入所については、平成30年4月に開設予定の(仮称)大阪府市
共同住吉母子医療センターで1床、
市民病院機構で1床を確保する。現在受け入れを行っている
民間病院に対してもさらなる協力をお願いすることで、
住吉市民病院の利用件数は、数字の上ではカバーできる状況になっている。
発達障害専門外来については、現在、
住吉市民病院で従事している医師及び
臨床心理士が平成30年4月から当分の間、
住吉母子医療センターで実施する方向で調整している。未受診妊婦や
若年妊婦等の特定妊婦の受け入れについては、
住吉母子医療センターが継承する旨、答弁がありました。 また、
住吉母子医療センターの運営への大阪市のかかわりについてただされたのに対し、理事者から、府、市と両
病院機構の4者で平成27年3月に締結した協定書において、運営の主体は府の
病院機構とされているが、協定書に定めのない事項または解釈について疑義が生じたとき及び協定書の締結後に事情の変化が生じたときは、4者が誠意をもって協議の上、決定する旨、定められており、必要に応じて府側への
申し入れ等を行っていく。また、運営費の検証についても、府と共同して必要なデータや実績を踏まえて適切に行っていく旨、答弁がありました。 次に、
教育施策に関して質疑がありました。 まず、全国学力・
学習状況調査の結果に対する認識と
学力向上に向けた
取り組みについて質疑がありました。 これに対して理事者から、今年度の結果については、依然として厳しい状況であると重く受けとめている。
学力向上の
取り組みとして、
小学校学力経年調査や
学校力UP支援事業等を進め、客観的、経年的な分析により、子供の学力をつぶさに見たり、学校の課題を明らかにしたりしながら、継続した指導、個に応じた支援の充実に努めていく。また、平成30年度から実施する
校長裁量拡大特例校では、
学校現場のリーダーシップを格段に強化し、学校力のアップに努めていく旨、答弁がありました。 次に、
学校現場の
負担軽減についてただされたのに対し、理事者から、教職員の
負担軽減のため、教員1人に1台のパソコンを配置した
校務支援システムの活用による校務の効率化や中学校の部活動において委託した民間団体からの指導者を活用する
モデル事業などを実施している。また、管理職の
負担軽減に向けては、平成25年度から開始した副校長の配置や27年度から開始した教頭補佐の配置を拡充するとともに、
新任教頭配置校等には、
非常勤嘱託職員も配置している。さらに、教育委員会独自の調査・照会文書の削減に重点を置き、25%の削減を目標に取り組んでいる。今後、
業務改善策の策定に民間の
コンサルタント会社の活用を検討していくとともに、引き続き
学校業務改善ワーキンググループにおいて、教職員の長時間勤務の解消に向け、さまざまな
取り組みを進めていく旨、答弁がありました。 次に、万国博覧会の
誘致活動の状況、国内機運の醸成について質疑がありました。 これに対して市長は、海外での
誘致活動については手応えを感じており、今後も引き続き積極的にアピールを行う。機運醸成についても、大阪市が率先して取り組んでいく。また、
万博誘致の活動と
地域活性化を絡めて、相乗効果が出るように取り組んでいく。開催地が決定する来年11月まで、海外での
誘致活動、
国内機運醸成に積極的に力を入れ、国、
地方自治体、経済界が一体となって
万博誘致を成し遂げたい旨、答弁されました。 次に、夢洲への
IR誘致に関する課題などについて質疑がありました。 これに対して理事者から、
ギャンブル等依存症対策に関しては、府とともに発症、進行、再発の各段階に応じた防止、回復のための対策として、国の規制や海外の先進事例に加え、大阪独自の対策をミックスした総合的かつシームレスな
取り組みを構築し、カジノはもとより、既存の
ギャンブル等も含めて依存症の抑制に努めていく旨、答弁がありました。 また、市長は、
インフラ整備については今後、
IR実施法などで明らかになる諸条件を加味したIRの事業性も踏まえ、公共と民間との役割分担を整理し、具体的な
事業スキームの検討を進めていく旨、答弁されました。 次に、
職員給与の
減額措置について質疑がありました。 これに対して理事者から、本市の厳しい
財政状況への対応として、9年間、
給与減額措置に取り組んできているが、条例上、実施期間は今年度末までとなっているため、一定の時期に何らかの意思決定が必要と考えている。また、
人事委員会の報告書において、「職員の
執務意欲等に影響を与えることへの強い懸念もあり、地公法に定められた
給与勧告制度趣旨と相反する
給与減額措置については、早急に解消されるべきであることを再三申し述べてきた」との意見が記されたことに対しては、
人事委員会が行う
民間給与実態調査に基づく公民の較差解消を基本とした
給与改定の勧告は、公務員の
給与決定の客観性を支える非常に重要なものであり、本市としても本勧告を重く受けとめている。しかし、現在実施している
給与減額措置は、本市の厳しい
財政状況、収入の範囲内で予算を組むという
予算編成方針を踏まえて
歳出削減に取り組むため、公民均衡とは別の観点から判断し実施している旨、答弁がありました。 なお、来年度以降の
給与減額措置の取り扱いについて、市長は、本市の
財政状況、
市政改革の進捗状況、これまでの
取り組み経過など、総合的に検討して慎重に判断していく旨、答弁されました。 以上のほか、本委員会におきましては、副
首都ビジョン、ICTの
取り組み、職員の人材育成、
市政改革の
取り組み、台風21号の対応、大阪産(もん)のPR、美術館及び博物館の
取り組み、大学統合、
地域活動支援、
なにわ筋線の事業化、
あいサポート運動、地域における見守り活動、
発達障害者支援、
子育て支援、保育所への入所、
放課後等デイサービス事業、子供の貧困対策、幼児教育の無償化、
都市公園内の水景施設の整備、大規模公園の活性化、御堂筋80周年
記念事業、
決算審査意見書の総括意見など、市政の各般にわたり、真摯かつ活発な質疑が交わされた次第であります。 以上、簡単ではありますが、
決算特別委員会の審査の報告といたします。
○議長(
山下昌彦君) これをもって審査の報告は終了いたしました。
○議長(
山下昌彦君) これより討論に入ります。 まず、報告第31号に反対者の発言を許します。 26番
小川陽太君。 (26番
小川陽太君登壇)
◆26番(
小川陽太君) 私は、
日本共産党大阪市
会議員団を代表して、2016年度大阪市
一般会計決算認定に反対の討論を行います。 アベノミクスで株価が上がり、景気はいいと喧伝されていますが、実際は非正規雇用が広がり、実質賃金は下がり続け、たび重なる
社会保障費削減で、
高齢世帯を初め、
社会的弱者から暮らしの安心が奪われ、
市民生活は苦しさを増しています。こんなときこそ、自治体の本旨である福祉の増進を図り、市民の暮らしを守る大阪市の役割が求められているのです。 しかしながら、本決算にあらわれているのは、決着済みの都構想をめぐり空疎な議論に明け暮れ、何でも民営化、府市統合の推進、
成長戦略の中身は
大型開発への回帰、
市民いじめの
市政改革プラン押しつけの継続などであり、温かい福祉施策は追いやられているのです。到底認められません。 以下、具体に指摘いたします。 第1は、民意を無視し、大阪市廃止・分割である
都構想実現のために総合区を利用し、市民を欺く政治を行っている点についてです。 2015年5月17日に住民投票でもって否決、都構想に決着がつきました。しかし、吉村市長は、
ダブル選挙の勝利で民意を得たと居直り、副首都にふさわしい新たな
大都市制度が必要といって、総合区をだしに
法定協議会を設置、昨年は知事まで参加し、特別区の優位性をアピールして、都構想再挑戦の言いわけのような総合区・特別区説明会を開きました。市長は、ことし9月に支持者の集まりで、総合区はカムフラージュといって、市民を欺いていることを告白しましたが、両立し得ない方針をてんびんにかけ、市民を混乱させ、またぞろ
制度いじりに貴重なエネルギー、時間、税金をかけることは許されません。 第2の理由は、副首都のためといって、失敗を繰り返した
大型開発が
めじろ押しとなっている問題です。 副首都としての発展を遂げるための
経済成長戦略として、
カジノ誘致、
万博誘致を掲げています。大阪府・市、経済界のまとめた
夢洲まちづくり構想では、2025年までの第1期の開発で、カジノを核とした
統合型リゾート(IR)を整備し、年間1,500万人を集客するとしています。
IR基本構想では、世界中に類を見ない新しいエンターテインメントをつくると言っていますが、収益でも集客でも核となるのは
カジノ客であることは明白です。
カジノ推進会議の
谷岡大阪商業大学学長は、カジノのターゲットは
外国人観光客ではなく、10万円から100万円を自由に使える日本人と語っており、カジノは
国際観光拠点などにはなり得ません。何より、
カジノ収益が大きくなるほど、
ギャンブル依存症など深刻な問題が起きる心配があり、国の
IR推進会議は
世界最高水準の
カジノ規制を掲げました。ところが、大阪府・市は入場制限は要らない、
カジノ面積制限に反対というありさまです。 夢洲への鉄道建設540億円など、カジノ、IRのための基盤整備への
市民負担も不透明なままであり、今後の
開発計画にしても、
カジノ誘致以外、どんな施設をつくるのかなど、中身は全くのブラックボックスとなっています。しかも、松井知事が主導して、大阪市が所管する夢洲でこんなことが繰り広げられているわけで、これこそ都構想が目指す大阪市の権限、財源を奪って、1人の指揮官のもとで好き勝手に無駄な
大型開発に突き進む
構図そのものであります。刑法で禁止された賭博である
カジノ誘致など、およそ
地方自治体が血眼になってやる仕事ではなく、断じて認められないと申し上げます。 そして、副首都に必要な
都市機能の充実として掲げられているのが
淀川左岸線延伸部などの
高速道路と新たな地下鉄道、
なにわ筋線の建設です。 70メートルの大深度で建設を予定している
淀川左岸線延伸部は、
豊崎~門真間8.7キロで、総事業費は4,000億円、実に1キロ当たり460億円と巨額です。大阪市は、
淀川左岸線2期事業とあわせて、
大阪都市再生環状道路といい、
市内交通の渋滞緩和のために必要な道路といいますが、現在、
大阪市内の幹線道路の
交通状況は、1988年のピーク時と比べ、2015年の
交通センサスでは25%も減少しています。人も車も減少するのに、これほどの税金を使って新たな
高速道路をつくる必要はありません。 また、新たな
地下鉄道なにわ筋線は、関空までの
アクセス強化のためとして、梅田から難波まで7.4キロメートルを3,300億円かける
巨大事業です。1キロメートル当たりの建設費は446億円で、
なにわ筋線は相当高額な路線であります。しかも、この
なにわ筋線ができても、
関空~梅田間の所要時間短縮はわずか5分にしかなりません。海外からの観光客をふやすためといいますが、見込んでいる利用客20万人のうち、関空客は実績以上に多く見積もっても1割程度、国交省の最初の見立てはわずか1.4万人でしかありません。見込んでいる乗客のほとんどが
地下鉄御堂筋線や四つ橋線からの転換に過ぎない路線であり、既に交通至便な大阪市の中心部に、さらに大型投資を行おうとしているのです。まさに不要不急の
大型開発の推進であり、断じて認められません。 反対理由の第3は、無駄で無謀な
大型開発に血道を上げる一方で、一番大事な安全・安心や潤いのある
まちづくりなどへの投資を減らして、市民にとって住みにくいまちにしているからです。 まずは、
市営住宅についてです。私の地元、平野区には多くの
市営住宅が建ち並んでいますが、どこに行っても高齢化のために、掃除する人が減って大変、植木の手入れができないから全て抜いてほしい、75歳で若いから役員せなあかんでと言われる、もう限界など、
自治会活動や自主管理する意欲の低下など深刻な
コミュニティの崩壊に直面しています。 2015年度に策定された
大阪市営住宅ストック総合活用計画は、今後10年間の
住宅施策の方針が示され、前回に引き続き、今回の計画でも
コミュニティの再生が掲げられています。しかし、
市営住宅における60歳以上の割合は、2007年度末、45%から2016年度末では52%と7ポイント上昇、大阪市全体の2016年度末の31%、10年間の上昇率2ポイントと比べても格段に高齢化が進んでいます。原因は、
ストック活用総合計画で
市営住宅の建て替えの際、
従前居住者分しか建て替えないこととし、住宅の
管理戸数を削減し、新規募集を行わないからです。しかし、厳しい経済情勢のもと、
市営住宅の
子育て世帯向けの応募は、2014年度、2,228件から2016年度、2,781件へと大幅に増加しており、
市営住宅戸数削減から転換し、現役層の入居を促進することが求められているのです。 また、低所得者向けの福祉的役割を強調していながら、約11万戸の
市営住宅のうち、浴槽が設置されていない住宅が約6万戸もあり、浴槽をつけるお金がないからと倍率の高い浴槽設備のある住宅に応募せざるを得ない人が多くいます。銭湯がない地域も広がっており、浴槽設置は急務です。最低居住水準も満たさず、空き戸数全体の約7割にもなる浴槽のない住宅を放置したままなどということは認められません。 また、
都市公園の整備もひどいものであります。用地取得と整備をあわせた公園事業費は、2002年度予算では160億円あったのに、2016年度にはわずか31億円と激減しています。背景には、今世紀の中庸までに市民1人当たり6平方メートルの公園整備を目指すとしていた「大阪市緑の基本計画」を2013年度に5平方メートルに減らした上、達成時期の目標まで消す新しい基本計画に大改悪したことがあります。1平方メートル減らすということは、260万平方メートルの公園整備を放棄することです。しかも、それすら今のペースでいけば、100年先の22世紀まで先延ばししたことになります。 それだけではありません。決算委員会では、2011年、東日本大震災での電力不足を契機にとめてきた公園のせせらぎ等の96カ所の水景施設のうち90施設を原則廃止するということが明らかになりました。全国の政令市で東日本大震災を口実に公園の水景施設を廃止するなんて暴挙はどこも行っておらず、このようなことは断じて認められないと申し上げておきます。 住民の命を守る堤防の耐震化整備について申し上げます。東日本大震災を経験し、近い将来、必ず来ると言われている南海トラフ巨大地震に備え、大阪市は2014年度からの堤防の耐震化計画を立てました。その中で短期目標として2018年度までに延長4.2キロメートルの堤防の耐震化を行うことを定めました。ところが、2016年度までに整備された実施延長はわずか1キロメートルにとどまっており、この3年間の予算93.3億円に対して確保された財源は46億円で、49.3%にとどまっており、結果、計画期間5年のうち3年が経過しましたが、工事の進捗は4分の1にも届いていません。市民の生命・財産を守る事業を後回しにしていることは見逃せません。 第4に、市民の暮らし、福祉、教育についてです。 まず、
住吉市民病院についてであります。 市会の附帯決議に基づいて行った3度目の
民間病院公募が失敗しました。吉村市長は、11月9日、この結果を受けてなお、
民間病院の誘致は最後までやり切りたいと発言しましたが、3度目の公募失敗は、
住吉市民病院の産科・小児科の機能を存続させる
民間病院の誘致などは不可能だったということであり、ないものねだりだったということではないでしょうか。そもそも、近くにあっても大きく機能が違う府立急性期・総合医療センターと
住吉市民病院を二重行政だと決めつけて無理やり統合しようとしたことが間違いだったのであります。吉村市長の今成すべきことは、この過ちを認めて、廃止する
住吉市民病院の跡地に、その機能を引き継ぐ病院を公立で建設するという現実的で実現可能な道に踏み出すことであり、それが市民の不安に応える最善の策だと申し上げておきます。 国保法改正によって、来年4月から国民健康保険が都道府県単位に一本化されますが、大阪府は統一保険料導入を目指しています。10月の時点で2017年度の本市の標準保険料率は、2016年度より6.74%高い1人当たり12万4,584円になると示されました。なぜ高くなるのかといえば、大阪府が各市町村の任意繰り入れは認めないとして、大阪市が2017年度に任意繰り入れをしている136億円を除いて計算しているからです。大阪府は、この任意繰り入れは6年で解消するべきだとしています。 これに対して
決算特別委員会で我が党委員が、
負担軽減のための任意繰り入れを継続し、大阪府に対してこれを認めるよう要請すべきだとただしたのに対して、吉村市長は、府の考えに沿った対応をすることが必要だと答弁されましたが、これは保険料を最終的に決めるのは保険者である大阪市であるという基本の立場を投げ捨てて、大阪府の言いなりになって、大阪市民に高い保険料を押しつけようとするものであり、到底認めることはできません。 最後に、教育について申し上げます。 大阪市は、国際教育課程の中高一貫教育校を設置し、その運営を民間に任せる公設民営、国際バカロレア認定国際学校の設置を進めていますが、全国的にも極めて異例なものであります。学校配置の適正化だとして、公立小中学校の統廃合は強硬に進める一方で、公設民営学校は公費で設置し、それを民間に運営させようというものであり、公教育のあり方そのものが問われる事態となっています。公教育は、公が全責任を担うのが当然の姿であり、大阪市が今やるべきは、建設費だけで約60億円もかかる国際バカロレア認定国際学校の設置などではなく、学校維持運営費や就学援助費の増額、少人数学級の推進、給食費の無償化など、全ての子供たちの成長、発達を保障するための教育条件の改善であると申し上げ、討論といたします。
○議長(
山下昌彦君) 次に、賛成者の発言を許します。 64番田辺信広君。 (64番田辺信広君登壇)
◆64番(田辺信広君) 私は、大阪維新の会大阪市
会議員団を代表し、今般の報告第31号、平成28年度大阪市
歳入歳出決算報告について、認定の立場から討論させていただきます。 本市の財政につきましては、平成23年12月の橋下徹前市長就任以降、補填財源に依存することなく、収入の範囲内で予算を組むことを原則とし、通常収支の均衡を目指す方針が打ち出され、人件費の削減や施策・事業の見直しなど、徹底した
市政改革が推進され、この方針、
取り組みが現在の吉村市長においても踏襲され、着実に実行されているところでございます。 この間の具体的な
取り組みの成果として、まず人件費については給与カットや職員数の削減等により、平成23年度決算では2,305億円であったものが平成28年度決算では1,857億円となり、約20%の削減となりました。また、市債残高については全会計ベースで見ると、平成23年度末の4兆9,992億円から平成28年度末には4兆2,768億円となり、約14%縮減され、大きく改善されております。また、
財政収支概算(粗い試算)によりますと、平成24年2月当時の見通しでは、毎年400億円から500億円の
通常収支不足になるとされていたものが、平成29年2月の試算では、最大でも年間260億円程度の不足まで改善されております。 このように、改革の実行によって本市財政が改善されたことで、吉村市政においては、施策の面でも充実や新たな
取り組みが見られました。 例えば高齢者福祉の面では、特別養護老人ホームについて、今年度末には入所希望者がおおむね1年以内に入所できるよう整備が進められ、いわゆる全国的にも問題となっております待機高齢者解消へ向けての
取り組みが本市では進展し、また教育、子育ての面では、4歳児と5歳児の幼児教育費の無償化が国に先駆け実現され、さらに中学校給食についても、温かい給食の導入への
取り組みも進んできております。これら改革を進めながら、あわせて教育等の施策が充実、進展されてきた吉村市政について高く評価させていただきます。 一方、平成27年度から導入された新公会計制度における財務諸表の数値で見ますと、平成28年度末の貸借対照表では、財政調整基金1,666億円を含む流動資産が2,972億円であることに対し、流動負債は3,146億円となっており、流動負債が流動資産を上回っている状態でございます。 また、キャッシュフロー計算書を見ますと、行政サービス活動における収支差額は、平成28年度で1,913億円のプラスであるものの、財務活動を見ますと、過去に積み上げられた地方債の償還額が平成28年度1年間で2,521億円となっており、地方債の年間の償還額は行政サービス活動の収支差額を約600億円上回っている状態でございます。 さらに、今後は少子高齢化が一層進むと予想され、また老朽化する社会インフラの問題もある中、先ほど申し上げました
財政収支概算におきましても、改善されたとはいえ、依然として収支不足が見込まれることには違いなく、楽観できる状況にはございません。このような状況下、市長初め理事者各位には、本市財政が過去に逆戻りして悪化することのないよう、引き続き規律ある行政運営に努めていただくとともに、今後は各部署における業務改善にもしっかりと
取り組み、働き方改革、生産性の向上といった観点も重視し、より効率的な市政運営に努めていただくよう申し上げます。 結びに、改めまして今般の平成28年度大阪市
歳入歳出決算報告につきましては、これまでの
市政改革の実行により、本市財政が健全化に向かっていること及びこれとあわせて吉村市政においては、教育、福祉、大阪の
成長戦略等への
取り組みがしっかり行われている点を高く評価し、認定を表明させていただきます。 議員各位におかれましては、本議案の認定に御賛同いただきますようお願い申し上げ、賛成討論とさせていただきます。御清聴ありがとうございました。
○議長(
山下昌彦君) これをもって討論を終結いたします。
○議長(
山下昌彦君) これより採決に入ります。 まず、報告第31号について起立により採決いたします。委員長の報告は認定であります。委員長報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。 (賛成者起立)
○議長(
山下昌彦君) 多数であります。よって報告第31号は委員長報告のとおり認定されました。
○議長(
山下昌彦君) 次に、報告第32号について採決いたします。委員長の報告は認定であります。委員長報告のとおり決することに御異議ありませんか。 (「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(
山下昌彦君) 御異議なしと認めます。よって報告第32号は委員長報告のとおり認定されました。
○議長(
山下昌彦君) 日程第3、諮問第3号、
人権擁護委員候補者の推薦について議題といたします。
◆31番(
森山よしひさ君) 動議を提出いたします。ただいま議題となりました諮問第3号については、委員会付託を省略、異議のない旨答申されることを望みます。
○議長(
山下昌彦君) 31番議員の動議に御異議ありませんか。 (「異議なし」と呼ぶ者あり)