○議長(
山下昌彦君) 74番
建設消防委員長江川繁君。 (74番
建設消防委員長江川繁君登壇)
◆74番(江川繁君)
建設消防委員会に付託されました議案第149号、
災害備蓄用毛布の取得について外9件の審査の結果と経過について御報告申し上げます。 本委員会は、21日の委員会において審査を行いました結果、お手元に配付の報告書に記載のとおり、いずれも原案を可決すべきものと決した次第であります。 議案の内容については、第149号ないし第151号は
南海トラフ巨大地震により想定される
避難所生活者に支給する
災害備蓄用の毛布、保存食、飲料水を取得するもので、第152号ないし第154号は住吉川及び道頓堀川における
耐震工事に係る契約を締結するものであります。 また、第157号及び第158号は、
救急自動車11台及び
ヘリコプター用エンジン1台を買い入れるものなどであります。 これら案件に対する質疑等はありませんでした。 以上、簡単ではありますが、
建設消防委員会の審査の報告といたします。
○議長(
山下昌彦君) 57番
交通水道委員長杉村幸太郎君。 (57番
交通水道委員長杉村幸太郎君登壇)
◆57番(
杉村幸太郎君)
交通水道委員会に付託されました議案第159号、大阪市
水道事業及び
工業用水道事業の設置等に関する条例の一部を改正する条例案に対する審査の結果と経過について御報告申し上げます。 本委員会は、9月22日の委員会において審査を行いました結果、お手元に配付の報告書に記載のとおり、原案を可決すべきものと決した次第であります。 本案件は、平成25年2月から休止している城東浄水場浄水施設の廃止に伴い、
工業用水道事業の1日最大給水量を変更するため、条例の一部を改正するものでありますが、特に質疑等はありませんでした。 以上、簡単ではありますが、
交通水道委員会の審査の報告といたします。
○議長(
山下昌彦君) これをもって審査の報告は終了いたしました。
○議長(
山下昌彦君) ただいま議題となっております諸案件のうち、議案第131号に対して2件の修正動議が提出されておりますので、まず自民の
黒田當士君外18名からの修正案について、提出者の説明を許します。 21番
川嶋広稔君。 (21番
川嶋広稔君登壇)
◆21番(
川嶋広稔君) 私は、自由民主党・市民クラブ大阪市会議員団を代表して、議案第131号、平成29年度大阪市
一般会計補正予算に対し、次に述べる点を修正することを望み、以下、修正理由を説明いたします。 まず、修正点ですが、総合区素案に関する
住民説明会の実施に係る費用400万6,000円を全額削除し、それに応じた歳入を減額修正するものであります。 次に、反対理由を3点申し上げます。 反対理由の1点目ですけれども、
住民説明会で説明しようとしている総合区素案に対する議会での議論が不十分だということです。我々議会に対しては今後の議論を踏まえ必要に応じ追加、修正していくと言いながら、8区に合区することが前提となっております。そもそも総合区を導入するに当たって合区をするか否かといった非常に重要な事項について議会で全く議論されておりません。よって、議論が不十分な状況で総合区素案の内容を住民に説明するのは時期尚早であると考えております。 ちなみに、大阪市と同様に
大都市制度改革に取り組んでいる横浜市では、市会との議論を経て、平成25年3月に横浜特別自治市大綱を策定し、議会での議決も行われ、これをもとに住民への説明が行われております。そのような真摯な
取り組みもないままに区割りや区役所の位置、事務分担などの具体的な姿を市民の皆さんに一方的に説明するというのは、既に8区の総合区が既定方針であるかのような印象を与えようとしているとしか思えません。 また、このような
住民説明会の開催の仕方では、市民に説明したというためのアリバイづくりにしか思えません。 2点目ですけれども、あくまでも総合区素案が合区ありきであるということです。総合区の議論と合区の議論はあくまでも別の議論であります。まずは今の行政区を総合区にしながら、権限や財源の拡充を段階的に行うことを進めるべきではないでしょうか。合区に関しては、過去の大阪市行政区審議会の例に倣い進めるべきであります。今回の総合区素案を説明しても総合区の本質を市民は理解できず、単なる区割りにのみ関心が寄せられ、区割り議論に終始するだけのものになってしまいます。 3点目ですけれども、市長のいわゆるカムフラージュ発言に見られるように、この総合区素案は住民投票を前提にした特別区の引き立て役となっていることであります。市長が、特別区を諦めて、大阪市にとって総合区が必要だと本気で思い、本気で進めるのなら必要な経費として認めることはできるでしょう。しかし、8区への合区を前提とした今回の総合区素案は明らかに総合区と特別区をただ単に比較しやすいようにする魂胆が透けて見えます。恐らく住民投票では、どうせ合区するなら区長を選挙で選べる特別区にしましょう、そういう主張をし、特別区に誘導しようとしていることは見え見えであります。 以上、修正内容並びに修正理由を申し上げましたが、議員各位におかれましては御賛同をお願いし、本
補正予算に対する修正案の趣旨説明とさせていただきます。御清聴ありがとうございました。
○議長(
山下昌彦君) 次に、日本共産党の瀬戸一正君外8名からの修正案について、提出者の説明を許します。 27番井上浩君。 (27番井上浩君登壇)
◆27番(井上浩君) 私は、日本共産党大阪市会議員団を代表して、議案第131号、2017年度大阪市
一般会計補正予算案に対する修正案について趣旨説明をいたします。 まず、総合区素案に関する
住民説明会の実施に係る経費400万円についてです。総合区、特別区の
住民説明会を行った際、参加者からは、今の24行政区でいいという市民の思いは全く配慮されないのですかという声がどの行政区からも多数上がっていたことは周知の事実であります。住民自治の拡充が目的の総合区について、市民的議論もないまま勝手に8区ありきと決めつけ、一方的に説明会を始めるなどということは、市民の中に混乱と不安をもたらすだけであり、全額削除するものであります。 次に、
万博誘致推進事業の追加経費5,600万円についてです。我が党は、万博の理念にはもちろん賛同いたします。しかしながら、夢洲を舞台にした
万博誘致はカジノ、IRとセットであるとともに、巨額の大型公共事業費が見積もられています。本市財政を圧迫した過去の失敗を繰り返す無謀な開発行政の復活のための経費は全額削除するものです。 最後に、
IR事業化の推進経費300万円及び
債務負担行為1億8,900万円についてです。カジノ、IRになりふり構わず突き進む姿は、住民福祉の増進を図るべき地方自治体として常軌を逸していると言うほかなく、全額削除するものです。 以上、修正案に議員各位の御賛同をお願いいたしまして、提案趣旨説明といたします。
○議長(
山下昌彦君) これより討論に入ります。 議案第131号の日本共産党の修正案に賛成、原案に反対者の発言を許します。 26番
小川陽太君。 (26番
小川陽太君登壇)
◆26番(
小川陽太君) 私は、日本共産党大阪市会議員団を代表して、議案第131号、2017年度大阪市
一般会計補正予算(第1回)について、日本共産党の修正案に賛成、原案に反対の討論を行います。 まず、総合区素案に関する
住民説明会の実施経費400万円についてですが、一体何のための説明会なのかということです。吉村市長は、自分は特別区論者だと公言しながら、特別区、総合区それぞれベストの案をつくって市民に選んでもらうと、今回総合区素案なるものが公表されました。そもそも全く次元の違う特別区と総合区を比較できるかのように見せかけること自体が市民を欺くものです。さらに、住民自治の拡充を目指す総合区であるはずなのに、今回の素案は市民的議論もなく、勝手に合区どころか再編ともいうべき8区ありきと決めつけ、コスト増を避けるという行政の都合だけで考えられたものであり、とてもではないですが市民への説明にふさわしい代物ではありません。まさに総合区はカムフラージュという市長の言葉どおり、市民を煙に巻き、混乱と困惑をもたらすようなものです。このような素案の説明会は断じて認められません。 次に、
万博誘致についてです。今回、誘致活動強化として5,600万円を計上。大阪府、市、経済界などで構成する
誘致委員会全体では1億5,000万円となります。開催立候補国が2カ国から4カ国に増加して状況が変化したことで、各国の支持獲得のために南米やアフリカなどへプロモーションに出かけるための経費追加とのことですが、そこまでやるかと申し上げたい。現在、万博会場建設費だけでも1,200億円、関連事業費730億円と巨額の経費が見積もられています。この先、人件費の高騰など不確定な要素が多く、さらに先日経産省がBIEへ提案書ビッド・ドシエを提出いたしましたが、その中で万博会場面積が155ヘクタールと、従来の計画の約1.5倍に拡大していることなど、経費の増加が心配されます。その上、今回の
万博誘致は夢洲まちづくり構想に位置づけられており、IR誘致とセットであり、万博関連事業費とされる540億円の地下鉄建設費などの負担についても、関西財界、関係者からは、IRのためのインフラを万博にも活用する一体開発を求める声も上がっています。一方、BIE加盟国からカジノに対する批判的な見方も強く、開催地決定の投票への影響を心配する官邸からは、IRと万博をセットで議論するなと各省庁に指示が出されたとの報道などもあり、必要なインフラも一体誰が負担するのか、どのように整備していくのかなど、中身が全く決まらない、どうなるかわからないという状況です。我が会派は、万博の理念自体に反対するものではありませんが、市民負担が見通せない夢洲での無理な
万博誘致は反対であると申し上げておきます。 最後に、
IR事業化の推進予算についてです。統合型リゾート(IR)、つまりカジノ誘致のために専門家とアドバイザリー契約を結ぶために
補正予算300万円と、平成30年度から32年度の
債務負担行為1億8,900万円、府、市合わせて3億8,000万円にも上るものです。しかし、現在、国会の解散に伴い、実施法の成立は何ら見通せない状況です。にもかかわらず大阪市と府は、何が何でもカジノ誘致と躍起になっているのです。御存じのとおり、日本は既に世界有数のギャンブル依存症大国であり、多くの国民が懸念を持っています。国のIR推進会議の取りまとめでは、世界最高水準のカジノ規制を言わざるを得なくなっています。しかし、国の公聴会で大阪府市IR推進局は、
カジノ施設はIR収益の原動力と言い、カジノエリアの面積上限の基準の緩和を求めるとともに、入場回数制限を不要になどと主張しています。大阪IR基本構想(案)中間骨子では、世界最高水準の成長型IR、世界中から人、モノ、投資を呼び込み経済成長のエンジンになる、世界の幅広い層をターゲットにすると言いますが、これは幻想ではないでしょうか。IR研究者の大阪商業大学の谷岡学長は、海外客は1割以下で、国内客を中心に設計すべきとして、とりわけ10万円から100万円を自由に使える層がターゲットとあけすけに語っています。結局、大阪周辺の一般市民の所得、資産がカジノ事業者に吸い上げられるだけで、本来、地域経済に回るはずのお金が回らなくなり、ますます大阪の経済は冷え込んでしまいます。まさに過去の破綻済みの呼び込み型、無駄な大型開発の失敗の繰り返しではないでしょうか。 以上指摘してまいりましたが、今回一緒に提案されている就学援助金の
入学準備金の入学前支給2億6,000万円については賛同するものであると申し上げ、討論といたします。
○議長(
山下昌彦君) これをもって討論を終結いたします。
○議長(
山下昌彦君) これより採決に入ります。 まず、議案第131号について採決いたします。 採決の順序をあらかじめ申し上げます。 本件に対する自民及び日本共産党の修正案は、
住民説明会に係る部分は共通でありますので、まず両修正案の共通する部分を除く部分について、次に両修正案の共通部分について、最後に原案について採決いたします。 まず、両修正案の共通する部分を除く部分について、起立により採決いたします。 両修正案の共通する部分を除く部分に賛成の諸君の起立を求めます。 (賛成者起立)
○議長(
山下昌彦君) 少数であります。よって両修正案の共通する部分を除く部分は否決されました。
○議長(
山下昌彦君) 次に、両修正案の共通部分について、起立により採決いたします。 両修正案の共通部分に賛成の諸君の起立を求めます。 (賛成者起立)
○議長(
山下昌彦君) 少数であります。よって両修正案の共通部分は否決されました。
○議長(
山下昌彦君) 次に、原案について起立により採決いたします。委員長の報告は
附帯決議を付し可決であります。委員長報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。 (賛成者起立)
○議長(
山下昌彦君) 多数であります。よって議案第131号は委員長報告のとおり
附帯決議を付し可決されました。
○議長(
山下昌彦君) 次に、議案第136号、138号及び140号について一括して起立により採決いたします。委員長の報告はいずれも可決であります。委員長報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。 (賛成者起立)
○議長(
山下昌彦君) 多数であります。よって議案第136号、138号及び140号は委員長報告のとおりいずれも可決されました。
○議長(
山下昌彦君) 次に、議案第132号ないし135号、137号、139号、141号ないし143号、148号ないし159号及び諮問第2号について一括して採決いたします。委員長の報告は、議案についてはいずれも可決、諮問については異議のない旨答申であります。委員長報告のとおり決することに御異議ありませんか。 (「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(
山下昌彦君) 御異議なしと認めます。よって委員長報告のとおり議案第132号ないし135号、137号、139号、141号ないし143号、148号ないし159号はいずれも可決、諮問第2号は異議のない旨答申することに決しました。
○議長(
山下昌彦君) 日程第28、
議員提出議案第25号、サンフランシスコ市における
慰安婦像設置及び慰安婦の日制定について再検討を求める決議案を議題といたします。
◆31番(
森山よしひさ君) 動議を提出いたします。ただいま議題となりました
議員提出議案第25号については、委員会付託を省略されることを望みます。
○議長(
山下昌彦君) 31番議員の動議に御異議ありませんか。 (「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(
山下昌彦君) 御異議なしと認めます。よって
議員提出議案第25号は委員会付託を省略することに決しました。
○議長(
山下昌彦君) これより討論に入ります。 まず、反対者の発言を許します。 34番
有本純子君。 (34番
有本純子君登壇)
◆34番(
有本純子君) 私は、自由民主党・市民クラブ大阪市会議員団を代表して、
議員提出議案第25号、サンフランシスコ市における
慰安婦像設置及び慰安婦の日制定について再検討を求める決議案に対して、反対の立場から討論します。 サンフランシスコ市とは1957年に姉妹都市提携を結んで以来、交流事業などを通して友好関係を深めてきたところです。本年は姉妹都市提携60周年を迎え、新たな友好の一歩をまさに踏み出そうというこの時期に、このような決議案が議会に提出されました。 確かにサンフランシスコ市における
慰安婦像設置などの動きは、60年という長きにわたり積み上げ深めてきた友好関係に水を差すものであり、遺憾であります。しかしながら、慰安婦問題は国会の専決事項である外交問題であり、一昨年の12月に日韓両国政府がこの問題を最終的かつ不可逆的に解決すること、さらに今後国際社会において互いに非難・批判することを控えることで合意しており、現在も引き続き日韓両国政府が努力している最中にあります。そのような国の動きとは別に我々地方議会が先頭を切ってこのような決議を行い、都市間交流や友好関係を混乱に陥れる必要があるのか、全く理解できません。このような状況において大阪市がなすべきことは、姉妹都市提携を解消するというおどしによって関係を悪化させることではなく、60年かけて培ってきた友好関係のもとで慎重に対話を重ね、姉妹都市間の
信頼関係をさらに発展させ、課題解決に向けて着実に取り組むことではないでしょうか。 そもそも2013年6月18日にサンフランシスコ市議会が、1930年代から第二次世界大戦にかけて日本の占領下にあったアジア諸国において日本が行った性奴隷制度が軍事的に必要なものであり、日本政府によりみずからの意思に反し強要されて性奴隷になった証拠はないとした橋下市長の一連の発言を批判する決議をされたことが事の始まりです。これに対し橋下市長が2013年8月13日にサンフランシスコ市議会に送った書簡において、「私の政治家としての発言に関し」と書かれております。そもそもはサンフランシスコ市議会と政治家橋下徹との間の問題であり、大阪市とサンフランシスコ市の問題ではありませんし、大阪市会とサンフランシスコ市議会との問題でもありません。そのことを抜きにした吉村市長の発言と今回のような決議案を出された維新の無責任さを感じます。 姉妹都市提携の目的は、規模や性格の似ている2つの都市の市民が、人種や国境を越えた友情によって固く結ばれ、文化や経済などの交流を通じて互いの理解を深め、もって国際親善と世界平和に寄与しようとするものであります。その精神は、現在誘致活動を行っている万博、人類共通の課題解決を提言する場である国際博覧会にも通じるものであり、姉妹都市解消は誘致活動を阻害するものではないでしょうか。先日の駐日米国大使との面談時においても、大使は歴史的問題があることには理解を示されたものの、日韓両国が未来志向に立って解決することを望まれたと伺っています。 今、大阪市に求められているのは、過去の問題に固執して先の見えない議論をするのではなく、60年かけて培った姉妹都市関係のもと、両市が根気よく慎重に対話を重ね、この難局を乗り越えることにより強固な
信頼関係を築き、両市の輝かしい未来に向けた
取り組みを構築することではないかということを申し上げて、本決議案に反対する討論とします。
○議長(
山下昌彦君) 次に、賛成者の発言を許します。 16番高見亮君。 (16番高見亮君登壇)
◆16番(高見亮君) 私は、大阪維新の会市会議員団を代表いたしまして、ただいま上程されました
議員提出議案第25号、サンフランシスコ市における
慰安婦像設置及び慰安婦の日制定について再検討を求める決議案に賛成の立場から討論させていただきます。 サンフランシスコ市議会において、慰安婦像及び碑の設置日である2017年9月22日を慰安婦の日に制定する決議案が2017年9月19日に審議、可決され、サンフランシスコ市の公有地となる予定であるセントメリーズ公園の展示スペースに2017年9月22日に慰安婦像及び碑が設置されました。我が会派としては、これ以上ないくらい遺憾であり、同様の思いをお持ちの市民の方も多数いらっしゃるのではないでしょうか。 サンフランシスコ市における慰安婦の日制定の提案理由に、何十万もの女性や少女が旧日本帝国軍によって性的奴隷として強制連行され、この性的奴隷制度が人身売買の制度につながったという、日本人としては信じがたい表現があります。先ほど橋下市長の発言を批判するものがございましたが、日本政府が国連人権関連委員会に提出した慰安婦問題に関する公式見解では、日本政府が発見した資料には、軍や官憲によるいわゆる強制連行を確認できるものはなく、20万人という数字にも具体的な裏づけはなく、性奴隷といった表現は事実に反するということを表明しております。また、その見解の中で、慰安婦が強制連行されたという見方が広く流布された原因は、「私の戦争犯罪」という本の中で虚偽の事実を捏造して発表し、これがある大手の新聞社により事実であるかのように大きく報道されたためであるとあります。後にその新聞社も事実関係の誤りを認め正式にこの点につき読者に謝罪しているところであります。以上が現政権与党における公式見解であり、甚だ残念ではありますが、サンフランシスコ市における認識と著しく乖離するところでございます。 日韓両国政府間では、2015年12月28日、慰安婦問題が最終的かつ不可逆的に解決されることが確認されました。慰安婦問題は、当時、軍の関与のもとに多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題であり、日本政府は責任を痛感し、慰安婦としてあまたの苦痛を経験され心身にわたり癒やしがたい傷を負われた全ての方々に対し、心からおわびと反省の気持ちを表明しております。その上で、この問題が不可逆的に解決することに両国が合意した今、慰安婦像の設置は、米国連邦政府が支持、歓迎した2015年の日韓合意の精神に沿うものではなく、むしろ合意の円滑な実施の障害になっております。 慰安婦像及び碑の設置がなされるまでに、市長から設置の再検討を求める公開書簡をサンフランシスコ市長宛てに送付しておりました。我が会派からも設置の再検討を求める決議案を提出させていただきましたが、本会議において否決されたという経緯があります。先ほど、事を荒立てず、政府と連携して対応すべきだという意見もありましたが、結果、本市の要望は受け入れられることなく、慰安婦像及び碑は設置され、あまつさえ慰安婦の日まで制定されてしまった次第であります。 言うまでもなくサンフランシスコ市は我が大阪市と姉妹都市であります。姉妹都市とは明確な定義はありませんが、文化交流や親善を目的とした地方同士の関係を指すものと解されております。先ほど述べましたように、我が国の公式見解と著しく相違し、本市民にとってより屈辱的な方向に誤解されたままで、果たして両市の文化交流や親善は続けられるものなのでしょうか。この状態のまま放置するようでは、もはや市民の理解は得られません。こんなときにこそ物を言えない友好都市とは一体何なんでしょうか。政府間といった大きな枠組みではなく、地道に60年間友好関係を続けた我が大阪市にこそ、誤った認識を改めるための誠実な対話が求められるのではないでしょうか。対話というのは、まず相手に意思を伝えなければそもそも始まらない。どうも対話というものを履き違えている態度が議会において目につきます。我々は議会人としてまだ何も対話していない、議会としての意思を表明できない方々は、市民の代弁者でありながら一体どう申し開きするつもりなのでしょうか。 市長と議会は本市の両輪であり、市長の意思表示だけでは不十分であります。二元代表制の一翼を担う議会としての意思表明がなければ、サンフランシスコ市としても本市の意図を曲解する余地が出てしまいかねません。現にサンフランシスコ市議会は、慰安婦に対する認識を明確に決議案という形で表明されております。その一方で、残念なことではございますが、本市においては本年5月に慰安婦像の設置の再検討を求める決議案が議会で否決され、議会としての意思を表明することがいまだできておりません。むしろこの否決された事実を見て、結果として、サンフランシスコ市に対し本市の議会は慰安婦像を容認しているかもしれないといった、本市市民が全く思ってもいない誤ったメッセージを送ってしまっているかもしれないと考えると、余りにも事は深刻であり、議会人としてじくじたる思いであります。 今度こそ議会としてのメッセージをサンフランシスコ市に何としても届けたい。我々は今後もサンフランシスコ市と姉妹都市としてあるべき関係を続けたいがために、両市の
信頼関係の崩壊となり得る点の改善に向けて当決議案を提案するものであり、当該決議案への議員各位の賛同をお願いいたしまして、私の討論を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。
○議長(
山下昌彦君) これをもって討論を終結いたします。
○議長(
山下昌彦君) これより採決に入ります。
議員提出議案第25号を原案どおり可決することに賛成の諸君の起立を求めます。 (賛成者起立)
○議長(
山下昌彦君) 少数であります。よって
議員提出議案第25号は否決されました。
△閉議
○議長(
山下昌彦君) 本日の日程は以上で終了いたしました。
△散会
○議長(
山下昌彦君) 本日はこれをもって散会いたします。 午後2時58分散会 --------------------------------- 大阪市会議長
山下昌彦(印) 大阪市会議員
丹野壮治(印) 大阪市会議員 荒木 肇(印)◯大阪市会(定例会)会議録(平成29年9月27日)(終)...