平成27年第1回定例会(平成27年2・3月)◯大阪市会(定例会)会議録(平成27年2月26日)
◯議事日程 平成27年2月26日午前10時開議第1 議案第104号 平成27年度大阪市
一般会計予算第2 議案第105号 平成27年度大阪市
食肉市場事業会計予算第3 議案第106号 平成27年度大阪市市街地再
開発事業会計予算第4 議案第107号 平成27年度大阪市
駐車場事業会計予算第5 議案第108号 平成27年度大阪市
土地先行取得事業会計予算第6 議案第109号 平成27年度大阪市
母子父子寡婦福祉貸付資金会計予算第7 議案第110号 平成27年度大阪市
国民健康保険事業会計予算第8 議案第111号 平成27年度大阪市
心身障害者扶養共済事業会計予算第9 議案第112号 平成27年度大阪市
介護保険事業会計予算第10 議案第113号 平成27年度大阪市
後期高齢者医療事業会計予算第11 議案第114号 平成27年度大阪市
中央卸売市場事業会計予算第12 議案第115号 平成27年度大阪市
港営事業会計予算第13 議案第116号 平成27年度大阪市
下水道事業会計予算第14 議案第117号 平成27年度大阪市
自動車運送事業会計予算第15 議案第118号 平成27年度大阪市
高速鉄道事業会計予算第16 議案第119号 平成27年度大阪市
水道事業会計予算第17 議案第120号 平成27年度大阪市
工業用水道事業会計予算第18 議案第121号 平成27年度大阪市
公債費会計予算第19 議案第122号 平成27年度大阪市西町外16財産区予算第20 議案第123号 職員の
配偶者同行休業に関する条例案第21 議案第124号 技能職員等の退職手当の特例に関する条例案第22 議案第125号 大阪市
職員定数条例の一部を改正する条例案第23 議案第126号 一般職の任期付職員の採用及び給与の特例に関する条例の一部を改正する条例案第24 議案第127号 一般職の任期付職員の採用及び給与の特例に関する条例の特例に関する条例の一部を改正する条例案第25 議案第128号 職員の給与に関する条例の一部を改正する条例案第26 議案第129号 職員の給与に関する条例の一部を改正する条例の一部を改正する条例案第27 議案第130号 単純な労務に雇用される職員の給与の種類及び基準に関する条例の一部を改正する条例案第28 議案第131号 職員の給与に関する条例等の特例に関する条例の一部を改正する条例案第29 議案第132号 特別職の職員の給与に関する条例の特例に関する条例の一部を改正する条例案第30 議案第133号 職員の
特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例案第31 議案第134号 職員の期末手当及び勤勉手当に関する条例の一部を改正する条例案第32 議案第135号 職員の旅費に関する条例の一部を改正する条例案第33 議案第136号 非常勤の職員の報酬及び費用弁償に関する条例の特例に関する条例の一部を改正する条例案第34 議案第137号 大阪市
職員互助会条例の一部を改正する条例案第35 議案第138号 大阪市
教育委員会委員の定数に関する条例の一部を改正する条例案第36 議案第139号
政治的中立性を確保するための組織的活動の制限に関する条例の一部を改正する条例案第37 議案第140号 職員個人を被告とする
損害賠償請求訴訟に係る弁護士費用の負担に関する条例案第38 議案第141号 区の事務所の名称、位置及び所管区域に関する条例の一部を改正する条例案第39 議案第142号
区役所出張所の設置並びに名称、位置及び所管区域に関する条例の一部を改正する条例案第40 議案第143号
大阪市立男女共同参画センター条例の一部を改正する条例の一部を改正する条例案第41 議案第144号 大阪市
特別会計条例の一部を改正する条例案第42 議案第145号 大阪市市税条例の一部を改正する条例案第43 議案第146号
包括外部監査契約の締結について第44 議案第147号 大阪市教育長の給与等に関する条例の一部を改正する条例案第45 議案第148号
教育委員会所管の学校の教員等の
特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例案第46 議案第149号 大阪市
教育行政基本条例の一部を改正する条例案第47 議案第150号
大阪市立学校の授業料等及び幼稚園の保育料等に関する条例の一部を改正する条例案第48 議案第151号 大阪市奨学条例の一部を改正する条例案第49 議案第152号
大阪市立図書館条例の一部を改正する条例案第50 議案第153号 大阪市保育の実施に関する条例を廃止する条例案第51 議案第154号
大阪市立児童福祉施設条例の一部を改正する条例案第52 議案第155号 大阪市
児童福祉施設の設備及び運営に関する基準を定める条例の一部を改正する条例案第53 議案第156号 大阪市
生業資金貸付基金条例を廃止する条例案第54 議案第157号
大阪市立老人福祉センター条例の一部を改正する条例案第55 議案第158号 大阪市
介護保険条例の一部を改正する条例案第56 議案第159号 大阪市
国民健康保険条例の一部を改正する条例案第57 議案第160号 大阪市
保険福祉センター条例の一部を改正する条例案第58 議案第161号 大阪市環境衛生、医事及び
薬事関係手数料条例の一部を改正する条例案第59 議案第162号 大阪市廃棄物の減量推進及び適正処理並びに生活環境の清潔保持に関する条例の一部を改正する条例案第60 議案第163号 大阪市
食肉処理場条例の一部を改正する条例案第61 議案第164号 大阪市うめきた
先行開発地区エリアマネジメント活動事業分担金条例案第62 議案第165号 大阪市手数料条例の一部を改正する条例案第63 議案第166号 大阪市
建築基準法施行条例の一部を改正する条例案第64 議案第167号 大阪府
道高速大阪池田線等に関する事業の変更の同意について第65 議案第168号
土地区画整理事業基金条例の一部を改正する条例案第66 議案第169号 大阪市
道路占用料条例の一部を改正する条例案第67 議案第170号 大阪市下水道条例の一部を改正する条例案第68 議案第171号 大阪市公園条例の一部を改正する条例案第69 議案第172号 大阪市
港湾施設条例の一部を改正する条例案第70 議案第173号 大阪市水道事業及び
工業用水道事業の設置等に関する条例の一部を改正する条例案第71 議案第174号 特別区設置協定書の承認について
---------------------------------◯出席議員85人 1番 福島真治君 2番 武 直樹君 3番 佐々木哲夫君 4番 山田正和君 5番 今井アツシ君 6番 藤田あきら君 7番 欠員 8番 川嶋広稔君 9番 太田晶也君 10番 こはら孝志君 11番 岩崎けんた君 12番 小川陽太君 13番 永井啓介君 14番 西川ひろじ君 15番 冨岡朋治君 16番 村上満由君 17番 飯田哲史君 18番 守島 正君 19番 市位謙太君 20番 伊藤良夏君 21番 土岐恭生君 22番 西崎照明君 23番 島田まり君 24番 西 徳人君 25番
森山よしひさ君 26番 田中ひろき君 27番 小林道弘君 28番 長尾秀樹君 29番 山本修子君 30番 辻 義隆君 31番 八尾 進君 32番 明石直樹君 33番 杉田忠裕君 34番 高山 仁君 35番 河崎大樹君 36番 丹野壮治君 37番 ホンダリエ君 38番 大橋一隆君 39番 村上栄二君 40番 杉村幸太郎君 41番 梅園 周君 42番 柳本 顕君 43番 黒田當士君 44番 加藤仁子君 45番 有本純子君 46番 北野妙子君 47番 尾上康雄君 48番 寺戸月美君 49番 山中智子君 50番 北山良三君 51番 井上 浩君 52番 床田正勝君 53番 荒木幹男君 54番 多賀谷俊史君 55番 足高將司君 56番 木下吉信君 57番 高野伸生君 58番 新田 孝君 59番 出雲輝英君 60番 岡崎 太君 61番 田辺信広君 62番 片山一歩君 63番 井戸正利君 64番 木下一馬君 65番 角谷庄一君 66番 広田和美君 67番 待場康生君 68番 青江達夫君 69番 前田修身君 70番 石原信幸君 71番 小玉隆子君 72番 漆原良光君 73番 金沢一博君 74番 奥野正美君 75番 福田賢治君 76番 松崎 孔君 77番 小笹正博君 78番 改発康秀君 79番 坂井良和君 80番 大内啓治君 81番 辻 淳子君 82番 美延映夫君 83番 東 貴之君 84番 木下 誠君 85番 山下昌彦君 86番 船場太郎君
---------------------------------◯職務のため出席した事務局職員
市会事務局長 藤原正樹 次長 中出美樹
議事担当課長 巽 功一
調整担当課長 西 正道
議事担当係長 竹田幸二
---------------------------------◯議場に出席した執行機関及び説明員 市長 橋下 徹 副市長 村上龍一 副市長 田中清剛 副市長 京極 務 西淀川区長 西田淳一 港区長 田端尚伸 住吉区長 吉田康人 大阪府
市大都市局長 山口信彦
市政改革室長 中尾寛志 人事室長 黒住兼久
政策企画室長 鍵田 剛 危機管理監 東 信作
経済戦略局長 井上雅之 総務局長 村上栄一 市民局長 谷川友彦 財政局長 稲森隆司
契約管財局長 高橋敏夫
都市計画局長 川田 均 福祉局長 西嶋善親 健康局長 上平康晴
こども青少年局長 内本美奈子 環境局長 山本 仁
都市整備局長 國松弘一 建設局長 福井 聡 港湾局長 徳平隆之 会計管理者兼会計室長 名倉嘉史 消防局長 打明茂樹 交通局長 藤本昌信 水道局長 玉井得雄
教育委員長職務代理者 林 園美 教育長 山本晋次
行政委員会事務局長 小川英明 ---------------------------------
△開議 平成27年2月26日午前10時開議
○議長(床田正勝君) これより
市会定例会会議を開きます。 本日の
会議録署名者を田中ひろき君、寺戸月美君の御両君にお願いいたします。
○議長(床田正勝君) これより議事に入ります。
○議長(床田正勝君) 日程第1、議案第104号、平成27年度大阪市
一般会計予算ないし日程第71、議案第174号、特別区設置協定書の承認についてを一括して議題といたします。
○議長(床田正勝君) これより質疑に入ります。 丹野壮治君の質疑を許します。 36番丹野壮治君。 (36番丹野壮治君登壇)
◆36番(丹野壮治君) 私は、大阪維新の会大阪市会議員団を代表いたしまして、平成27年度大阪市予算案並びに関係諸案件について質問をさせていただきます。 我が会派は、次世代にこれまでの放漫な市政のツケを残さないためには今何をしなければならないのかを追求して、この間、外郭団体、いわゆる天下り団体の徹底した改革を初め、民間でできることは民間で行うことを基本に様々な改革に取り組んでまいりました。 一昨日の予算説明で橋下市長は、就任後、活力ある大阪を取り戻すため、この3年間現役世代が活力を生み出せるよう支援し、その活力を高齢者にも還元するとともに成長を通じて市民の安全・安心を守る取り組みを充実する、そのために政策転換と市政改革に全力を投じてきたとおっしゃっていました。具体には、市政改革の取り組みとして、市役所をゼロベースとしてグレートリセットするという考えのもと、施策・事業の見直しを実行し、3年間の累計で432億円もの削減効果額を生み出し、その効果を政策推進に活用してこられました。特に現役世代の重点投資においては、市長就任前には67億円であった予算が、平成27年度予算では336億円と約5倍に充実されております。このようなこれまでの改革における成果は十分評価されますが、真に大阪の再生を目指すには、今後は新しい統治機構による大都市大阪にふさわしい成長をもたらす府市一体となった成長戦略やニア・イズ・ベターによるコミュニティーの強化と
住民サービスの充実を実現させる必要があると考えております。 そこで、大阪都構想について、まずお聞きいたします。 平成27年2月6日、特別区設置協定書について国から特段の意見なしとの回答を得て、改めて今回議案が提出されました。議会で承認となれば、残すは究極の民主主義である住民投票であります。いよいよ大阪都構想の実現に向けた最終段階に入ったと認識しております。 そこで、大阪都構想の2つの意義のうち、二重行政の解消については、あす、我が会派の
村上栄二議員が質問するということで、私からは住民自治の充実に関する質問と、あわせて住民投票に向けた広報活動についてお聞きいたします。 まず、住民自治の充実についてお聞きいたします。 大阪市の人口は約270万人でありますが、約270万人の自治を本当に一人で担えるのでしょうか。ほかの政令市や市町村と比べても現在の市役所が住民から遠いのは歴然であります。基礎自治体として住民自治の充実を目指すなら、選挙で選ばれた一人の市長より選挙で選ばれた5人の区長とするほうが住民に近いものになるのは明白であります。 大阪市のそれぞれの地域で暮らす270万人の住民にはさまざまなニーズがあるはずで、本来であればそうした住民の声をきめ細やかに施策に反映すべきではないでしょうか。 しかしながら、現在は区役所ごとの特色を出そうと頑張っておられますが、市域一律の施策がベースにあり、このままでは地域の特色を生かしたまちづくりも限界で、この状況を続けるのが果たして住民のためなのか考える時期が来ているのではないでしょうか。 特別区になればこうした特色に沿って事業の優先度がはかられ、必要性の高い事業が強化されます。それぞれの地域に合った施策が、限られた財源の中、効果的に行えるようになります。例えば、東京の特別区である世田谷区では、世田谷区教育要領に基づいて小中の9年教育が実施されておりますが、こうした特色ある施策が実現、実施されていきます。そのためには、公選区長と区議会が不可欠で、現在の区役所強化の取り組みをさらに推し進めるには、役人区長では限界があると考えております。 住民の信託を受けて、住民に責任を負う公選職とすることで、区長が住民の声に耳を傾け施策を判断し、区議会で住民の立場から議決することで住民みずからが地域の施策について責任を持って決めることができるようになります。これがまさに自治であります。 住民自治の充実を図り、住民がみずからの判断で地域のことを決めていく真の自治を実現するためには都構想しかないと考えておりますが、市長の御所見をお伺いいたします。 そして、あわせてこうした住民自治の充実に大きな意義を持つ特別区の設置に関して、大阪府にお金を取られるため権限も財源も不十分になり
サービス水準が低下する、特別区の財政規模によってサービスに格差が生じるなどの論もありますが、このようなことは批判にも当たりません。協定書を見れば特別区は中核市並みの権限を持つことがはっきり明記されており、そうした事務を担う特別区の行政運営を確保するための
財政調整制度も組まれております。にもかかわらず、本当に大阪府が実行するかわからないといった見立ては、都構想をなきものとするために考え出した批判と言わざるを得ません。さらに、区役所がなくなるといった話まで流布されていますが、こうした根拠のない批判は厳に慎むべきであると考えます。 そこで、こうした的外れの批判に対してどのように考えておられるのか、市長の御所見をあわせてお伺いいたします。
○議長(床田正勝君) 理事者の答弁を許します。 橋下市長。 (市長橋下徹君登壇)
◎市長(橋下徹君) 住民自治の充実についてなんですが、これはもう大阪市長という仕事をやってみたらわかるとしか言いようがないと思うんですが、知事の仕事の場合には、直接住民の皆さんと会話をする必要性というものが市長よりも弱いです。ただ、市長という仕事の場合には、やはり直接住民の皆さんと会話をしなければ、また話をしなければ解決しない課題が多くて、これは議員の皆さんが自分のみずからの区で一体4年間でどれぐらいの住民の皆さんと直接接触することができるのかを考えてもらえれば、市長という仕事がこの86名の議員の皆さんの接触しているその住民の皆さんの数を一人で、これ会話をとれ、コミュニケーションをとれといっても、これは土台無理な話です。 学校の統廃合一つとっても、これは今区長が頑張ってやってくれていますが、本来であればこれも4年も5年もかけて普通は首長が間に入って話をしなければなりませんが、学校だけでも何百校もあるこの大阪市において、学校の統廃合に全部市長が入れるわけもありません。 また、これ商店街についても、今度はミナミの商店街はほかの商店街と違って非常に土地の価格が高い。こういうところで自転車置き場の設置義務を課すことが、大阪一律のルールに基づいて設置義務を課すことが本当に妥当なのかどうなのか、こういうことをしっかり話をして、またそのミナミの地域に合わせたルールをつくらなきゃいけないのに、こういうことも今の
大阪市役所体制ではできません。 とにかく、言えば切りがないんですけれども、本来の市町村がやらなければいけない、また市長がやらなければいけない、市会議員がやらなければいけない、そういう仕事が非常におろそかになっているのが今の大阪市役所、大阪市会の体制だと思っております。少なくとも大阪市内に5名の公選区長を置いて、選挙で選ばれた区長を置いて、また選挙で選ばれた区議会議員を置いて、当該地域の住民の皆さんの声をできる限り今よりも細かく酌んで、きちっとした行政をやるべきだと考えております。 それから、大阪都構想についていろんな批判が出ていますが、根拠のない批判が非常に多いです。区役所がなくなるといっても、今の区役所はきちっと残りますし、中でも非常に問題のある批判は、
住民サービスが低下するということなんですが、これは特別区設置協定書4ページ2番の事務の承継(二)のところに、「事務の承継に当たっては、これまで大阪府及び大阪市が蓄積してきた行政のノウハウ及び高度できめ細かな
住民サービスの水準を低下させないよう、大阪府及び大阪市は、適正に事務を引き継ぐものとする。」と、特別区に事務を引き継ぐものとするということになっておりますし、また、お金の面もきちっとこれは今大阪市役所が提供している
住民サービスにかかっているお金は特別区にきちっと渡す。それに加えて、今大阪市会で反対されている改革案件、これも大阪都構想が実現できれば、今大阪市会、維新の会以外で反対されている改革案件もきちっと進んで、今よりも税金、これをきちっと浮かすことができて、そのお金をきちっと
住民サービスに回すことができます。 また、大阪府に何か税金が取られるとか、そういうような批判がありますが、これは大阪市会からすれば大阪府議会や大阪府知事は敵なのかもわかりませんが、市民から見れば大阪市会も大阪府議会も大阪市長も大阪府知事もみずから選挙で選んだ代表で、全くこれは敵でも何でもありません。単に仕事の役割分担が大阪市会から大阪市長から大阪府議会、大阪府知事に移るだけであって、仕事をとられる大阪市会は、お金を奪われた、仕事を奪われたと言うのかもわかりませんが、市民からすればどちらの担当がいいのかというだけの話でありまして、
住民サービスが上がることがあったとしても、
住民サービスが下がることは絶対にありません。
○議長(床田正勝君) 丹野壮治君。 (36番丹野壮治君登壇)
◆36番(丹野壮治君)
住民サービス向上のために大阪都構想実現に向けてしっかり頑張っていただきますよう、よろしくお願いいたします。 次に、住民投票に向けた広報活動についてお聞きいたします。 我々は、5年にわたって都構想を看板施策に掲げ、その実現に全力を挙げて取り組んできました。大阪の再生には都構想しかありません。住民から遠い市役所を身近な特別区に再編することで優しい大阪を実現する、その信念で今まで走ってきて、ようやくここまでたどり着きました。議会で承認されれば、いよいよ住民投票であります。ここ大阪でこのような住民投票が行われること自体、まさに歴史的快挙であります。 これまで市町村、政令市、中核市などの自治体の形は国が決めてきました。それが今回の都構想では、上から決められるのではなく、市民みずからが大阪における新しい自治の姿を決めることになり、大阪から新たな地方自治がスタートすることになります。このような画期的な取り組みであればこそ市民の選択は極めて重いものがあります。市民が十分に理解して投票所に足を運び、判断していただくことが大変重要になります。 我が会派、またそれぞれの会派ももちろん住民投票に向けた取り組みを当然に進めることになると思います。市長は、大都市法に基づき、市民の理解が促進されるようわかりやすい説明をしっかり行うべきであると考えております。 そこで、議会で承認されれば、住民投票に向けてどのように広報活動を行っていかれるのか、市長の御所見をお伺いいたします。
○議長(床田正勝君) 橋下市長。 (市長橋下徹君登壇)
◎市長(橋下徹君) 住民説明会の開催やパンフレットなどの印刷物の作成・配布など、さまざまな媒体を用いてより多くの市民に情報をお届けするための方策を検討しているところであります。また、住民説明会は、法律上は大阪市長としての説明を果たすと。これは大阪市長に義務づけられているところでありまして、僕自身がある意味一人で住民の皆さんに説明をすればいいという形になっています。法律上はそうなっていますが、ただ、賛成・反対双方の意見を聞いてもらって、住民の皆さんに判断していただきたいと思いますので、僕の説明だけではなく、そこに反対を唱える維新の会以外の議員の方にぜひ来ていただいて、住民の皆さんにその討論の状況を見ていただいて判断をしていただくというような説明会の方法も考えております。ただ、これは維新の会以外の各会派の皆さんが嫌だと言えば、それであれば法律に基づいて僕一人で説明をしていきますし、そのほうが公の施設を使えるので費用も格段に安いです。これは法律上の話なんですが、反対派の人が入ってきた中での討論会という形にすると、公の施設を使えず民間施設になります。ですから、あとは維新の会以外の各会派の皆さんがこの説明会に参加されるかどうかを御判断いただいて、それに合わせた形で住民説明会を開いていきたいと思っています。
○議長(床田正勝君) 丹野壮治君。 (36番丹野壮治君登壇)
◆36番(丹野壮治君) 広報活動については、市長、しっかり取り組んでいただきますよう、よろしくお願いいたします。 次に、交通事業におけるICカード戦略についてお聞きいたします。 先日公表されました交通局における平成27年度以降の重要施策におきまして、平成27年度を初年度とした今後のICカード戦略について取りまとめられておりましたが、具体的な戦略の内容につきまして、交通局長にお伺いいたします。
○議長(床田正勝君) 藤本交通局長。 (交通局長藤本昌信君登壇)
◎交通局長(藤本昌信君) お答えをいたします。 交通局では、平成18年2月のICカード、PiTaPa導入から間もなく10年を迎えるに当たりまして、IC乗車券サービスを次のステージに進めるべく、新しくICカード戦略Next Stageを取りまとめたところであります。 この戦略では、これまでの運賃後払い方式のPiTaPaを中心とした取り組みから先払い方式であるICOCAも活用し、それぞれの特徴を生かして目指すべきサービス体系を模索、実現してまいります。その結果、関東では既に到達しているIC化率80%を達成し、IC乗車券をスタンダードサービスへと飛躍させることをビジョンとしております。 具体的な施策といたしましては、第1弾として、来年春にはPiTaPaの新サービスを導入。第2弾として、平成29年春にはICOCA及びICOCA定期券の発売、さらに第3弾として、平成30年以降には他社とのIC連絡定期券を発売するほか、これらの取り組みに先立つプロローグといたしまして、本年9月から平成28年6月までの10カ月間限定で、お客様への還元とあわせてPiTaPaの利用拡大を図るため、PiTaPa御利用者の運賃割引率を10ポイントアップをさせまして、20%とするPiTaPaトリプル10キャンペーンを実施することとしております。 この戦略に基づき、連続的かつ段階的にICカードサービスを展開、拡充していくことで、さらなるお客様の利便性の向上及びIC乗車券の普及促進に取り組み、IC乗車券サービスのトップランナーとして関西の鉄道事業者を牽引してまいる所存であります。
○議長(床田正勝君) 丹野壮治君。 (36番丹野壮治君登壇)
◆36番(丹野壮治君) 次に、地下鉄事業における運賃値下げについてお聞きいたします。 大阪維新の会は、都市機能を高め、経済活動を活発化し、市民生活を豊かにすることを目指し、都市インフラの整備及び運用に民間資本を導入し、咲洲トンネルや菅原城北大橋、なみはや大橋などの
通行料金を無料にする取り組みをしてきました。しかし、1日約230万人が利用する地下鉄の運賃値下げは、それらに比べても大変大きなインパクトがあります。そうした中、交通局では平成26年4月の消費税改定の実施に時を合わせて、初乗り運賃についてそれまでの200円から180円に引き下げを行いました。鉄道についていえば、利用料金、中でも初乗り運賃がその一つの指標とされます。しかし、初乗り運賃と2区運賃の格差が大きくなっており、さらに都市機能を高めるためにも格差の是正をすべきであると考えております。利用促進という観点からいうと、運賃割引という方策もありますが、以上の観点からすると、基本運賃の見直しのほうが重要であると考えております。 昨年の秋以降、市長は、地下鉄運賃のさらなる値下げについて言及されてこられましたが、今後の地下鉄運賃についてどのようにお考えなのか、市長の御所見をお伺いいたします。
○議長(床田正勝君) 橋下市長。 (市長橋下徹君登壇)
◎市長(橋下徹君) 地下鉄の初乗り運賃を平成26年4月に200円から180円に20円値下げをしました。このことについては、初乗り区間以外のところは2区以上の区間は値上げをしたんだから、こんな初乗り運賃を値下げしたことだけで大騒ぎするなという御批判もいただきましたが、なぜ2区以外の運賃を上げたかといえば、自民党、民主党、公明党が消費税を上げたからです。これは消費税増税に伴う運賃の値上げでありまして、これは何も運賃の値上げというよりも、消費税増税分をきちんと転嫁をしただけです。これは自民党、民主党、公明党が消費税を上げたことによって仕方なく2区以上は運賃値上げとしました。しかし、そんな中で初乗り運賃は200円から180円に引き下げた。消費税の増税分、ここを転嫁せずにさらに20円引き下げたということは、これは僕は自信を持って言えることだと思っています。 さらに、交通局といろいろ協議をした結果、平成29年4月に消費税率の引き上げが予定をされていますが、そのタイミングでシステム改修をしなければいけません。これも自民党、民主党、公明党の協議の中で消費税の増税をしていくんでしょうが、そういう中であったとしても、2区間目、2区運賃と1区運賃の格差是正をするというそういう目的で、少なくとも2区については現行より10円は値下げの実施をしていきたいと考えております。
○議長(床田正勝君) 丹野壮治君。 (36番丹野壮治君登壇)
◆36番(丹野壮治君) やっぱり地下鉄は2区間以上の利用の方もかなりおられますんで、しっかりと値下げを実現していただきますよう、よろしくお願いいたします。 次に、新公会計制度の導入についてお聞きいたします。 現行の官庁会計は、現金主義、単式簿記であり、民間の方から見ればなじみが薄く、資産や負債の状況を示すストック情報、また減価償却費や引当金といった現金収支を伴わないコスト情報が決算情報に反映されておりません。現状、企業的会計手法を取り入れた財務書類を作成・公表しておりますが、これは官庁会計方式による決算統計を組みかえて作成されたもので、真の現状分析には不十分であると言わざるを得ません。 私は、自治体において本当の財政状態を分析するには、新公会計制度の導入が必要不可欠であると考えております。 本市においても、橋下市長が府知事時代の平成23年度に大阪府において導入したものと同様の新公会計制度を平成27年4月より導入すると聞いておりますが、東京都や大阪府といった都道府県よりも本市のような住民に直結した事業を多く抱える都市のほうがより有効に情報を活用することができるものと考えております。 新公会計制度の導入により、本市はどのように変わっていくのか、導入に向けた市長の意気込みをお伺いいたします。 そして、幾ら新公会計制度を導入したとしても、作成される財務諸表が正確でなければ、また職員が十分に使いこなせなければ、財政状況を正確に把握、説明したり、マネジメントに生かすこともままならず、十分に機能しないのではないかと危惧しております。新公会計制度の導入に向けた職員への教育はどのような状況であるのか。また、作成される財務諸表について、所属やシステムによるチェックだけではなく、専門家の活用など外部の目線である第三者的チェックも必要であると考えますが、あわせて市長の御所見をお伺いいたします。
○議長(床田正勝君) 橋下市長。 (市長橋下徹君登壇)
◎市長(橋下徹君) 先ほどの地下鉄の運賃なんですが、民営化が否決されても初乗り運賃の20円値下げ、2区間10円値下げ、ここまで経営改革をやりました。民営化ができればもっと値下げができます。ぜひ民営化実現に向けて維新の会の皆さんにも議会の了承を得られるように頑張っていただきたいと思います。民営化をすればもっと値下げできるんですから。こんな値下げ今までできなかったんで、お願いしたいと思います。 会計制度につきましては、新公会計制度は大阪府と同様の発生主義、複式簿記、日々仕訳による方式であり、企業会計に近い先進的、画期的なものであります。現行の官庁会計は単式簿記で、現金のフローしか把握できません。ことしの4月から本格的に仕訳情報の登録を開始しまして、秋ごろには開始貸借対照表を作成し、民間並みに資産・負債といったストック情報が明らかになります。 さらに、来年度には27年度決算に係る財務諸表を作成し、固定資産における減価償却費などを含めたフルコストによる情報により、本市の財政状況を的確にあらわすことができるようになります。それにより市民や議会の皆さんに実情を可視化して説明責任を向上させます。また、権限と責任に対応した事業単位で財務諸表を作成し、これらの情報を分析・評価して市民利用施設における受益者負担の適正化や事業見直しの検討などに活用し、さらなるマネジメントの強化を図ります。 新公会計制度は、責任ある行政経営を実践していくための重要なツールであり、的確なストック情報とコスト情報によって中長期の財政運営や行政サービスの提供に必要な真のコストが見えてくるため、今まで以上に効率的な行政運営を行っていけると考えております。 なお、制度導入に向けた職員の教育は何より重要であり、所属において正確な財務諸表を作成し、コストやストックの意識を持って事務を遂行できるよう意識改革を図るとともに、課長級以上の幹部には事業分析やマネジメントへの活用等に主眼を置いた研修を行うなど、役割に応じた人材育成を図っていきます。 また、財務諸表の作成に当たりましては、システムなどによるチェックを行い、さらに監査法人などの専門家による業務分析、評価を受けた上で公表し、市民などに信頼される財務諸表にしていきます。
○議長(床田正勝君) 丹野壮治君。 (36番丹野壮治君登壇)
◆36番(丹野壮治君) 次に、「子ども・子育て支援新制度」における保育料についてお聞きいたします。 平成27年4月から施行される子ども・子育て支援新制度においては、保育所や幼稚園を利用する際の保育料について、国の定める範囲内で市町村が定めることとなっております。一方、本市においては昨年8月に素案として保育料についての考え方を公表し、これまで実施してきた保育所等の国基準からの保育料軽減のための財源と市立幼稚園の保育料増収分を財源として、公私幼保を問わず国基準から同程度の軽減を図るというものでありました。 私立幼稚園の保育料については、これまで各設置者が保育料を設定することとなっていましたが、新制度においては、市町村が保育料を設定するのであれば利用者負担及び税投入の公平性の観点から公立か私立かにかかわらず利用者負担額の差を設けないという考えは当然のことであると考えております。 さて、今回上程されました平成27年度予算案では、保育料についての新たな案が出されていますが、その中で1号認定、いわゆる幼稚園等に通園する園児の保育料については、国基準に対して素案の76.6%から90.8%となっており、月額5,000円の増となる所得階層もあります。予算編成過程において財源等の問題もあり、素案を見直すということについては一定理解できるものの、素案をもとに家計を考えていた世帯もあると思います。入園を4月に控えたこの時期も考慮すると、素案からの大幅な増については配慮すべきであると考えますが、市長の御所見をお伺いいたします。
○議長(床田正勝君) 橋下市長。 (市長橋下徹君登壇)
◎市長(橋下徹君) 僕は、税の投入は公平にあるべきという考えから幼稚園と保育所を同じように扱いまして、税の投入を同じように扱ってみずからの案を作成しました。それは国基準額に対して大体76.6%の保育料と、今の私立の幼稚園からするとかなりの大幅な値下げとなるような、そういう案を作成したんですが、ただ、議会の皆さんからは保育所のほうにより税金を投入して、保育所のほうの保育料をより下げるべきだという御意見が圧倒的に多いものと感じましたので、仕方なく保育所のほうに税投入を多く入れるような形での案をまとめました。こういう形で今回の案は国基準からの軽減を行って、国基準から90.8%、幼稚園のほうがそういうような基準になってしまいました。 幼稚園の保育料については、市立幼稚園も私立幼稚園も基本的な教育標準時間で提供するサービスは同じであり、市立と私立で保育料に差を設けることは、これは明らかに著しい不公平、不公正だと考えておりますので、新制度のもとでは市立幼稚園、私立幼稚園、この保育料額は同一であるべきと考えています。ただし、市立幼稚園の在園児については一定の経過措置を設けています。 保育料の負担のあり方については、今後予算審議の中で議会の皆さんと建設的な議論をさせてもらい、最終的に決定をしていきたいと思っております。
○議長(床田正勝君) 丹野壮治君。 (36番丹野壮治君登壇)
◆36番(丹野壮治君) 市長、将来的には公私幼保の一元化にしっかり取り組んでいただきたいと私は考えております。 次に、「こども医療費助成事業」についてお聞きいたします。 市長は、就任当初から現役世代への重点投資を掲げ、待機児童対策や塾代助成制度の創設など、さまざまな子供・子育て支援施策や教育施策を大幅に拡充してこられました。この点について我が会派としても非常に高く評価するものであります。 その中で、こども医療費助成については、平成24年11月に中学校修了まで対象年齢を拡充したものの、所得制限の撤廃についてはこれまで実施されませんでした。他都市においては、堺市を初め、さいたま市、名古屋市など中学校修了まで所得制限を撤廃しております。我が会派としても社会全体で子育てを支えていくという理念から子育て支援施策については、全ての子育て世帯を対象にすべきであると考えており、対象年齢の拡充だけではなく所得制限の撤廃についても取り組んでいくべきだと繰り返し要望してきたところであります。 平成27年度予算案において、ようやく12歳、小学校修了まで所得制限が撤廃され、また中学生についても一定所得制限が緩和されることとなりました。市長の御判断により我が党の拡充要望に応えていただき、今までこの制度の対象外となっていた子育て世帯も大変喜ばれることだと思います。 そこで、今回こども医療費助成制度を拡充することとした考え方について、市長の御所見をお伺いいたします。
○議長(床田正勝君) 橋下市長。 (市長橋下徹君登壇)
◎市長(橋下徹君) 今、議員から他都市比較をされましたけれども、大阪市には特殊なマイナスの部分がたくさんあります。ごみ収集事業はある意味、大阪市だけと言い切れるぐらい公務員直営でやっていますし、他都市はもうほとんど民間委託でやっています。公立幼稚園の数もはるかにほかの都市よりも多いです。それから何といっても信託事業の失敗、これは大阪市特有の事象でありまして、先日も650億円、これキャッシュで賠償金を払わなければいけない。これだけの負の遺産を抱えておきながら、また改革は進んでいない、こういう状況の中で医療費助成を拡充するというのは非常に難しかったんですが、何とか改革を進めながら今回27年度で1億9,000万円、通年ベースで5億5,000万円の財源を新たに投入しまして、所得制限の撤廃を含むこども医療費助成の拡充を実施することができました。子育て世帯、中間所得者層、そこをしっかりと支えることで活力ある社会を生み出していく、そういう思いで今回こども医療費助成の拡充をしたところであります。
○議長(床田正勝君) 丹野壮治君。 (36番丹野壮治君登壇)
◆36番(丹野壮治君) 市長、ありがとうございます。 次に、塾代助成事業についてお聞きいたします。 塾代助成事業は、西成区での試行実施を経て、平成25年12月から全区で展開して実施し、1年2カ月が経過いたしました。文科省の調査では、中学3年生で学習塾へ通っている生徒の割合は68%という実態があり、また、塾代などの学校外教育に支出する金額が高い世帯の生徒ほど成績が高いという結果もあります。このことからも子供たちの学習環境に学習塾等の学校外教育が担う役割は大きくなっていると言えます。この事業を実施することによって、子育て世帯の経済的な負担の軽減はもちろんのこと、昨年12月に実施したアンケート調査の結果では、回答した生徒の69%が「この事業を利用して新たに学習塾や文化・スポーツ教室へ通うことができた」、「受講科目をふやすことができた」と回答し、さらには60%の生徒が「学校の成績が向上した」と回答しております。中学生に学校外教育を受ける機会を提供するという目的を達成し、効果を上げているという認識をしております。 この事業は、市長の就任直後から幅広い所得者層を対象にしたいという強い思いを持って取り組んでこられた事業であり、平成27年度予算案では、助成対象者を拡大し、一部の高所得者層を除いて、市内在住中学生の約8割を助成対象とするとのことでありますが、助成対象者を拡大する狙いと決意を市長にお伺いいたします。
○議長(床田正勝君) 橋下市長。 (市長橋下徹君登壇)
◎市長(橋下徹君) 低所得者の世帯の子供に対しては、その家計の所得にかかわらず、しっかり学校外教育を受ける機会を与えてあげるというところが狙いです。中間所得者層はどうなのかといえば、こちらのほうはある意味、今アベノミクスで大企業や株価、株を持っている人に対しての恩恵があるような政策を国が旗を振ってやっている中で、中間所得者層のほうにもしっかり税を投入して可処分所得をしっかりふやすということが、ひいては日本の活力を生み出すんではないかという思いで、中間所得者層についてはその可処分所得を増額するという、そういう狙いもあります。また、バウチャー方式をとりますので、このバウチャーというものを狙ってさまざまな学校外教育が大阪市内に集まって来るんではないかというような考えもあります。 そして、一番重要なことは、これ財源、こんなにお金を使ってどうなんだというような声があるかもわかりませんが、僕の思いは信託事業で失敗して、これが650億円、年に65億円ずつ賠償金、弁償金を銀行、金融機関に払うんです。こんなことやるんだったら徹底的に改革をやって、中間所得者層のほうにきちっと還元するような施策もやらなきゃいけないと、そういう思いで、今回の財務マネジメントもいろいろ徹底して各指標を見て判断をしました。その起債残高とか、それからいろいろな財務指標、それから将来の収支の予測とか、それから財政調整基金の積み上げの状況とかを見た結果、これぐらいの政策は十分できると。650億円もこれ金融機関に賠償金払うぐらいだったらこれぐらいの事業をやって、中間所得者層、市民のほうに還元をするということをやらないと市民の皆さんに申しわけが立たないと思っています。
○議長(床田正勝君) 丹野壮治君。 (36番丹野壮治君登壇)
◆36番(丹野壮治君) 次に、市長の教育ビジョンについてお聞きいたします。 我が大阪維新の会では、将来の大阪を支え、発展させていくためには、その人材となる本市の児童・生徒に対する充実した教育を行い、自主、自立の精神を持った人材を育成することが不可欠であると考えております。 しかしながら、本市の子供たちの現状は、学力や体力、運動能力の問題に関しては、全国調査における全国平均と本市平均の差は徐々に縮まっているものの、その差は依然として大きく、また授業規律の確保や学習意欲の向上が喫緊の課題となっております。活力ある大阪を取り戻すためには、教育を初めとする未来への投資を行い、教育改革を不断に推進していくことが必要であり、教育委員会任せの学校教育を抜本的に改革する必要があると考えております。 市長は、活力ある大阪の実現に向けた政策推進の中で現役世代への重点投資を掲げておられ、これまでも英語イノベーション事業や校長経営戦略予算などの新規施策を打ち出して教育改革に取り組んでこられました。私は、加速する昨今のグローバル社会に十分対応できる人材を育成するためには、できるだけ早い時期から英語教育を行うことが必要であるとともに、学校間の競争を促進し、校長がリーダーシップを発揮して学校をマネジメントすることが必要と考えているところであり、引き続き教育改革に取り組んでもらいたいと考えておりますが、今後の教育施策の展開についてどのようなビジョンを持っておられるのか、市長の御所見をお伺いいたします。
○議長(床田正勝君) 橋下市長。 (市長橋下徹君登壇)
◎市長(橋下徹君) 教育については、公選職である我々がどこまで関与するのかというところは慎重に考えなければいけないと思っていますが、ただ、大きな方向性を示すのは我々であると思っています。 ただ、中身について、今度は細かく、今度は逆に公選職の我々がああだこうだ言うのも、これも違うと思っています。大きな方向性としては、やっぱり格差の是正の一番の方策は教育の機会均等、とにかくお金のあるなしにかかわらず良質な教育をどの子供たちにも与えるということを徹底することが格差是正、格差の固定を解消する一番の方策だと思っていますので、この教育というところにしっかり予算を、とにかく入れるんだというところ、これが政治家の役割だと思ってます。 これまでの大阪市政を見てみますと、ベースとなる経常費を除いて重点政策経費として教育に投じられていたお金は本当にスズメの涙のような情けない限りの予算で、これはもうやっぱり政治家の、僕は役割を果たしていない、教育にしっかり予算を入れるんだというところをまず決めるのが政治家の役割だと思ってます。 あとは学校のほうで、今教員がそれぞれ個人商店的にやっている教育を学校の組織としてしっかりと教育をやっていくという、こういう大きな方向性を出さなければいけないと思っています。 あとは、英語とICTと、この2つをしっかりやっていくんだと、ここまでを政治が決めればいいわけで、そのやり方について、これはもう教育現場や教育の専門家がいろんなやり方を考えるわけですから、あとはその細かなことは余り言わないと。この大きな方向性を示してしっかり予算をつけるということが政治家の、また公選職の役割だと思っています。
○議長(床田正勝君) 丹野壮治君。 (36番丹野壮治君登壇)
◆36番(丹野壮治君) 私も中学生になってから英語を初めて学んだんですけど、正直、市長と同じで僕も全然しゃべれず、やっぱりこれからは国際化の中でしっかりと英語が使える人材を育成してほしいと要望しておきます。 次に、教育現場の現状認識と学校教育への影響についてお聞きいたします。 これまで、教育委員会は教員の校務負担の軽減策として、教員1人1台のパソコンを整備し、学期末の成績、統計処理や会議のための事前準備、議事録の作成等、校務の効率化を図るための校務支援ICT活用事業や、学校だけでは困難な事案に対応するための弁護士、精神科医等の第三者専門家チームを派遣するなどの施策を推進してこられました。そして、教育委員会は校務支援ICT活用事業を継続するとともに、さらなる教員の負担軽減のための施策として、学校現場の負担軽減と校長のマネジメントの確立や部活動のあり方研究事業を来年度予算に計上しておられます。 教員の負担軽減にこのような予算を計上する前提として、今学校現場では教員の労働環境についてどのような実態があるのか、それが学校教育にどのような影響を及ぼしているのか、学校を所管する教育長の御所見をお伺いいたします。
○議長(床田正勝君) 山本教育長。 (教育長山本晋次君登壇)
◎教育長(山本晋次君) 教員は、児童・生徒の登校時における指導に始まり、授業を行い、放課後には部活動の指導、成績の処理、授業における指導案の作成や教材研究、学校内外におきます研修、職員会議や職員間の打ち合わせ、保護者・PTAへの対応など、多種多様にわたる業務に携わっております。 平成25年のOECD(国際教員指導環境調査)によりますと、我が国の教員の勤務時間は1週あたり53.9時間となっておりまして、OECD加盟国等の平均である38.3時間を大きく上回っております。また、平成18年度の文部科学省調査におきましても、小中学校の教員の1日の勤務時間は約11時間となっており、教員は大変繁忙な状況にございます。そのため、児童・生徒一人一人とじっくり向き合い指導を行うことや、教材研究や学力向上に向けた指導方法の研究などに十分な時間をかけることができていないといった状況が生じておるところでございます。
○議長(床田正勝君) 丹野壮治君。 (36番丹野壮治君登壇)
◆36番(丹野壮治君) 次に、教員負担軽減と教育の充実についてお聞きいたします。 ただいまの答弁でもありましたように、教員の多忙化は大阪市においても同様であり、喫緊の課題である学力の向上に取り組むためには教員の負担軽減もあわせて行う必要があります。 市長は、就任してすぐに、これまでなかなか進まなかった学校のICT環境の整備に取り組まれ、教員の1人1台のパソコン整備や校務支援システムを導入するなど、教員業務の効率化を実行され、副校長のモデル配置にも取り組まれてきました。特に校務支援ICT活用事業については、教頭は年間136.3時間、クラス担任は168.1時間の時間が生み出されたような成果が出ているところであり、試験導入校からは、数値以上にもっと効果が出ているという実感がある、ルーチン作業から解放され、時間でははかれない効果がある、試験導入校で2年目を迎え、以前と比べてさらに効率化が図られているという声も寄せられているところであります。 しかしながら、学校現場においてはさまざまな教育課題に対応しなければならず、校務が複雑・多様化しており、今教育長から答弁があったように、教員はなお繁忙な状況にあるため、本来最も力を注ぐべき学力向上に十分取り組めているのか疑問であります。特に教頭は、教育活動全体のコーディネーターとして教職員を指導していく必要がありますが、教育委員会からの調査などの事務的な業務や地域行事など、さまざまな対応に追われ、その機能を果たせていないように感じております。 また、教員についても事務的な業務やクラブ活動の比重が大きく、本来の授業に十分な時間を割けていない状況があるのではないでしょうか。一人一人の教員が、その持てる能力を十分に発揮し、学校教育の質を向上させるために、どのように学校現場の負担を軽減し、教育の充実を図るお考えなのか、市長の御所見をお伺いいたします。
○議長(床田正勝君) 橋下市長。 (市長橋下徹君登壇)
◎市長(橋下徹君) 教員の個人商店型の教育から、組織対応型の教育へということを大号令をかけて、今教育改革、これを教育委員会のほうに頑張って進めてもらっているところであります。このためにはお金はつけるというような方針を示していろんなことを考えてもらいましたが、この先生に対する、教員に対する1人1台のパソコン、この整備すら大阪市の教育現場では行われていなかった。大阪都構想について、今の政令市のほうが
住民サービスがいいんだと、大阪都構想を実現すると
住民サービスが下がると言ってるんですが、今の政令市でどこが
住民サービスが高いのか、本当によくわかりません。ずっとお金がない、お金がないと言って、教員1人に1台のパソコンも与えられない、本当に非常に情けない状況です。やはり改革をしっかり進めてお金を生み出せば、こういうことがしっかりできますので、大阪都構想を実現して改革を進めて、さらに
住民サービスを上げていかなければいけないと、本当に痛切に感じています。 やっとこの教員の1人1台パソコンを実現できまして、相当な効果が出ているという報告を聞いています。さらに副校長の配置を拡大したり、教頭補佐、教頭補助の配置も、これも税を投入して行っていきたいと思っております。 いろいろ先生は負担が多いというところなんですが、これは先生一人一人が全部、全責任を負って全ての課題を抱えてしまうというところがあるかと思いますので、組織対応ができるような、そういう新しい学校組織にしていかなければいけない。クラブ活動も顧問をやりたいという先生は頑張ってもらえればいいんですが、そうでない先生で過剰負担になっている先生もたくさんいますので、このクラブ活動についても一度民間団体に委託をできないかということも考えていきたいと思っております。 いずれにせよ、大阪市の教育現場は、非常に本当に情けないほどの予算しかこれまでつけられていなかった。そんな状況ですので、ここを徹底して変えていきたいと思っています。
○議長(床田正勝君) 丹野壮治君。 (36番丹野壮治君登壇)
◆36番(丹野壮治君) 教育委員会には、学校現場の負担を軽減し、教員の労働環境を改善することにより生み出した時間で教育の質を向上させるとともに、子供に向き合う時間をふやし、子供一人一人に応じたきめ細やかな対応を行っていくことを要望しておきます。 次に、中学校給食事業についてお聞きいたします。 中学校給食は、平成26年度全国学力・学習状況調査において見られるように、朝食を欠食傾向にある中学生が全国平均6.5%に対して、大阪市では11.9%であることなどにより、市長の強い思いで、成長期にある子供たちに栄養価に配慮した献立の給食を提供することが不可欠であるという状況を受けてデリバリー方式の給食をスタートさせ、今年度より全員喫食が始められています。 現行実施しているデリバリー方式の中学校給食については、昨年6月からカレーやシチューなど温かいおかずの提供や、8月からはおかわり用のごはんの提供、さらに新献立開発のためのモニター事業として、「かるしおレシピ」で調理した料理の試食会を8月に24区で開催し、その結果に基づいた献立内容への反映など、着実な改善の取り組みが進められていると思います。 しかし、多くの生徒が給食を残している実態があるように聞いており、現行実施しているデリバリー方式の中学校給食については、まずは最適化を目指すことが求められています。そのことができた上で、中学校給食の方向性としても検討を行うべきではないでしょうか。 来年度、阿倍野区の長池小学校、昭和中学校で小中親子方式をモデル校実施すると聞いていますが、各区の状況も相違するため、デリバリー方式やセンター方式を含め、今後特別区に移行した際に、地域の実情に合う対応をする必要があると考えておりますが、市長の御所見をお伺いいたします。
○議長(床田正勝君) 橋下市長。 (市長橋下徹君登壇)
◎市長(橋下徹君) 大阪は、大阪市も含めてなんですが、朝ごはんを食べずに学校に来る子供の割合が全国の中でも一番多いという非常に悲しい、そういう状況がありまして、何とかそこをまず、そこに対しての対処をしなければいけないという思いで、いろんな御意見はありましたけれども、全員喫食という形で給食事業を始めさせてもらいました。 この給食については、世間からも、またメディアからも、また議会からもおいしくないとか、いろんな御意見をいただきましたけれども、ただ、よく考えていただきたいのは、これは給食事業が始まる前に昼食提供事業というものをおそらく議会の皆さんは承認をして、もう既に始めていた。それをベースにこの中学校給食事業を始めております。むしろ、以前の昼食提供事業よりも温かい汁物を出したり、カレーを出したりとか、以前の昼食提供事業よりもはるかにいいものになっています。もし、以前の昼食提供事業は弁当との選択制だから、あの昼食提供事業でいいんだという意見があったら、これは大変なひどい意見でありまして、それは弁当を持ってこれない子供に対してはその程度の昼食提供事業でよくて、弁当を持ってこれる家庭のほうはいい弁当を食べたらいいじゃないかという、とんでもない議論ですから、そんなことを議会の皆さんが考えているはずはないと思っています。弁当を持ってこれる、持ってこれないにかかわらず、最低限この昼食提供事業でいいんだというようなことであの昼食提供事業の予算を議決したというふうに思っています。市会はそういう良心的な議会だと思っておりますので、そうであればそれをベースにした現在の給食事業が何か市会のほうから批判を受けることは僕はないと思っております。 ただ、さらにこの給食事業、さらにレベルの高いものにしていくことは、これはもちろんのことであります。温かいおかずの提供やアレルギー対応という点、この点も改善しなければいけません。本市の実態に見合った給食実施方式を検討することも必要であります。そのため平成27年度に小中親子方式を1校においてモデル校実施をしていく予定です。 また、今後特別区に移行した際にも、新たに実施する小中親子方式のモデル実施や、これまで培った自校調理方式の経験、デリバリー方式の課題なども踏まえて、教育委員会が公選区長と連携し、地域の実情に応じた新たな実施方式の検討を行っていくものと考えています。
○議長(床田正勝君) 丹野壮治君。 (36番丹野壮治君登壇)
◆36番(丹野壮治君) 給食に関しては、おいしい、おいしくないは当然あるのかもしれませんけど、まずやっぱり一番の前提は教育の一環として考えていただきますよう、よろしくお願いいたします。 次に、外国人等観光客受け入れ環境整備についてお聞きいたします。 大阪の成長戦略では、2020年の来阪外国人旅行者数の目標を650万人としており、外国人観光客の誘致は消費や雇用拡大などの成長戦略の観点から欠かせない要素であり、観光需要を取り込むことによる経済波及効果もはかり知れません。 昨年の関空の国際線を利用した外国人旅客数は、前年比36%増となり、3年連続で過去最高を更新しました。この要因は、格安航空会社の就航増加や円安、ビザの発給緩和などにより、アジアを中心に観光客がふえていることによるものであると考えております。 観光バス問題を解決することはもちろんのこと、より多くの観光客を受け入れるためにどのような環境整備を進めていかれるのか、市長の御所見をお伺いいたします。
○議長(床田正勝君) 橋下市長。 (市長橋下徹君登壇)
◎市長(橋下徹君) 去る2月16日からは大阪府警により堺筋の日本橋周辺の交通規制が変更され、観光バス乗降スペースを2枠から5枠に増設しており、一定の効果を期待しています。そのような中、観光バス対策は喫緊の課題であります。市内のバス駐車場が不足していることから、昨年には田中副市長をトップとする全市的なプロジェクトチームをつくり、この間対策に当たってきています。 新年度から日本橋のバス乗降所に誘導員を配置し、バスの誘導や乗降後のスムーズな移動、周辺駐車場の案内を行うとともに、ミナミからアクセスがよい新今宮駅北側の本市用地に観光バス駐車場の整備を予定するなど、バスの利便性を向上させる施策を積極的に行っていきます。 まずは、こうした取り組みを進めるとともに、引き続き観光客受け入れ環境の整備を強化し、2020年には来阪外国人旅行者数650万人の達成を目指していきます。
○議長(床田正勝君) 丹野壮治君。 (36番丹野壮治君登壇)
◆36番(丹野壮治君) 次に、天王寺動物園の魅力向上についてお聞きいたします。 昨年3月にあべのハルカスが開業するなど、天王寺・阿倍野エリアが注目されており、大変多くの人が訪れ、天王寺・阿倍野エリアの魅力向上が著しいものとなっております。 天王寺ターミナルと動物園をつなぐエントランスエリアなど、天王寺公園の一部区域を活用する事業者が決定したとのことでありますが、民間の活力を引き出す観点からの民間開放の取り組みとして、ターミナルに近いという立地条件や動物園、美術館、慶沢園など、魅力のある施設を有する天王寺公園の特性を生かし、民間の力により天王寺・阿倍野エリアの核にふさわしい公園として魅力的なものにリニューアルされることを期待しております。 エントランスエリアの活性化だけではなく、エリアのさらなる発展のためには中核施設である天王寺動物園の活性化が重要になってきます。天王寺・阿倍野エリアの核となる動物園の活性化に向け、夏休みの時期などに動物たちの夜の生態を見ることができるナイト・ズーを大阪府も協力して実施するとのことでありますが、単なる開園時間の延長ではなく、多くの方に来ていただけるよう話題性のある取り組みにしていただきたいと考えております。 ほかにも、子供たちが動物をさわることのできる触れ合いコーナーをつくるなど、動物園の魅力を高める新しい取り組みをぜひ実現してほしいと考えております。 天王寺動物園の今後の方向性について、市長の御所見をお伺いいたします。
○議長(床田正勝君) 橋下市長。 (市長橋下徹君登壇)
◎市長(橋下徹君) 天王寺動物園は非常にエリアの中で重要な拠点といいますか、スポットだというふうに思っています。以前、ズー何とかという計画があったと思うんですが、ただあれをどんどん進める以前に、職員意識を改めなければいけない。これはサービス意識というものを持ってもらわなきゃいけないのと、それから過大な投資をする前に、手すりがさびているとか、掃除用具がお客さんの目に見えるようなところに散乱しているとか、それから職員がその服装、身なり、やっぱりそれがちょっとだらしないような状況があったとか、売店がそのまま古臭いものが残っているとか、そういう状態で過大な計画を進めるということはおかしいということで、まず足元の改革をやろうということで、大号令をかけて今やっているところです。外部の人材、非常に動物園に詳しい外部の人材にも改革部長として担当してもらいながら、今確実に改革を進めております。そもそもああいう動物園でありながら、スタッフに制服がないという、こういうことに僕も気づかなかったんですけれども、この改革担当部長のほうが、これ制服がないのはおかしいということで、制服もこれからつくっていきたいと思います。 まずは、徹底したお客様に対するサービス意識というものを職員にきちっと持ってもらう。ですから、白浜のサファリとか、ああいうところで、たしか研修に行かせたんですけれども、そういうこともやりながら、まずはサービス精神をきちっと持つというところをやりながら、そしてきちっとお金を投じてこの動物園、魅力あるスポットにしていきたいと思っています。
○議長(床田正勝君) 丹野壮治君。 (36番丹野壮治君登壇)
◆36番(丹野壮治君) 次に、新たな文化行政の枠組みについてお聞きいたします。 先月、文楽の初春公演が終わり、今年度の国立文楽劇場での公演入場者数が約11万7,600人と、助成金の満額支給となる10万5,000人を大きく上回る結果となり、今年度文楽協会へ2,900万円、満額が支給されることとなりました。市長もこの結果に対して文楽サイドの努力のたまものと評価されたとのことであります。 市長は、就任されて以来、特定の文化・芸術に対して行政の価値判断のみで漫然と補助金が出される仕組みを問題視されてきたわけで、一方では文化についても努力に応じて助成していくとおっしゃられてこられたところであります。今回の予算で、芸術・文化関係団体や個人が行う事業に対して助成を行う芸術活動振興事業助成が大幅に増額されているのもそのあらわれであると考えております。 あわせて市長は、ふるさと寄附金制度を活用して、寄附者が支援する芸術・文化団体への活動助成制度を導入する意向を示され、次年度の予算案にも反映されております。私もこの制度については大いに賛成で、直接市民の意図にかなった団体への支援ができるわけで、それこそ文楽協会や大フィルなどに対しても個人の意思で助成できることになります。新しい文化への支援の形であり、ぜひ実現していただきたいと考えております。 また、発足して2年目のアーツカウンシルが大阪の文化の現状を分析し、新たに2つの事業を提案したと聞いております。事業の評価機能に加え、調査機能、企画機能が発揮されてきたわけで、今後の活動に大きく期待したいと考えております。 文化施策に関しては、この間市長が打ち出された新たな文化行政の仕組みが着実に機能し始めていると感じておりますし、次年度に向けては新たな取り組みも盛りだくさんでありますが、文化施策に対する市長の御所見をお伺いいたします。
○議長(床田正勝君) 橋下市長。 (市長橋下徹君登壇)
◎市長(橋下徹君) 文化については、予算さえつければいいという、そんな間違った考え方がこの行政の世界、政治の世界で多かったと思うんです。特に文楽についても、普段は何も文楽について語ってない人がちょっと文楽の予算をいじると急に文楽を守れ、文楽を守れと、そういう大騒ぎする人たちも非常に多い中、ちょっと大阪府や大阪市、大阪府議会、大阪市会で、これ間違っていたらまた議員のほうから指摘をしていただきたいんですが、ざっとこの七、八年、僕が知事、市長に就任して、その以前の議会の状況とかを見たら、文楽について議論したことなんて僕の確認ではないです。ですから、結局文楽について、じゃ、あのように衰退をしてきたとか、いろんなこと言われている中で何か手を打ったのかというと、全く議論も何もされていない。僕が6年前にいろんな改革をやって、いろいろ議論ありましたけれども、最終的には観客動員数は、この10年来で最高になりましたし、それから民放各局が文楽について支援のいろんなプロジェクトを行った。財界のほうも文楽についてサポートするような、そういう仕組みができた。結果としてこういう状況になっていると。 ありがたいことに、文楽の技芸員の皆さんも意識改革が行われ始めたと。やっぱりお客さんを獲得していかなければいけないという意識を持ち始めたというような声も出てきておりまして、これまでいろいろ批判はありましたけども、こういう形で補助金改革をやって本当によかったなと思っております。 きちっと評価をする仕組みをつくらなきゃいけないということ。それから、団体運営を補助ではなくて、これ事業補助にしなければいけないということ。それから、基本的には文化を支えるのは寄附で行うべきだというのも、これももうある程度普通に文化について造詣の深い人であれば、みんなそういう考えを持っているんですけども、これを税でやれ、税でやれというのは、もうそういうことは時代の流れから逆行している。そういう意味でふるさと寄附金制度を使って、支えたい人が税金を納めるかわりに文化のほうに寄附ができる、そういう仕組みもつくっていきます。ですから、これ全国各地で、大阪の登録された文化団体に税金を払うぐらいだったら、この文化団体に寄附したいという人、そういう人がどんどん寄附をしてくれるような、そういう文化団体に大阪に集まってもらい、また文化団体もしっかりと努力をして、寄附が集まるような、そういう活動をしっかりやってもらいたいと思っています。
○議長(床田正勝君) 丹野壮治君。 (36番丹野壮治君登壇)
◆36番(丹野壮治君) ふるさと寄附金制度を活用してしっかりと文化行政を根底から支えていただきたいと考えております。 次に、商店街の活性化についてお聞きいたします。 市内の商店街を取り巻く環境は、商店主の高齢化や後継者不足などから空き店舗が増加し、シャッター街化が進むなど、非常に厳しい状況にあります。このような中、私の地元の阿倍野区にある文の里商店街では、大阪商工会議所や広告代理店と連携し、各店舗の魅力をPRするポスターを商店街に掲示するポスター展や、100円商店街などの独自性のある取り組みを通じて、商店街のにぎわいづくりや活性化に積極的に取り組んでおられます。 これまで我が会派では、全国には地域資源を生かして独自性かつ継続性のある取り組みを実践することで活性化している商店街が存在し、そうした事例を参考にして市内商店街の活性化につながるような支援策を構築していくことが必要であると指摘してきました。 今年度、全国の事例を調査したと聞いておりますが、その調査の結果と、それを踏まえて今後商店街に対してどのような支援を行っていかれるのか、市長の御所見をお伺いいたします。
○議長(床田正勝君) 橋下市長。 (市長橋下徹君登壇)
◎市長(橋下徹君) 単発的なイベントに補助を打つというような商店街政策はやめようということで、その商店街政策についても方向性を変えていきます。 まずは、他都市のいろいろな商店街の事例の調査を行いまして、その情報をデータベース化して、取り組める事例を大阪市内の商店街のほうにしっかりと紹介をしながら、それを根づかせていきたいという思いがあります。ただ、これは商店街の自主性によるところもあります。そこをしっかりとサポートしていく、こういう形での商店街政策にしていきたいと思っております。活動主体となり得る地域の人や団体を掘り起こしまして、マッチングしていくなどの運営上の仕組みづくりを支援すると。 また、商店街政策については、大阪府も、それから大阪商工会議所もいろいろしているところもあると思いますので、その役割分担もしっかり考えた上で大阪市としてやらなければいけない商店街政策をしっかりとやっていきたいと思っています。
○議長(床田正勝君) 丹野壮治君。 (36番丹野壮治君登壇)
◆36番(丹野壮治君) 国においては、消費喚起を促すために「プレミアム付商品券」の発行等に対して交付金が配布されると聞いており、こうした機会を捉えて商店街に消費を呼び込むための取り組みにもより一層努めていただきますよう要望させていただきます。 次に、市内への大学誘致についてお聞きいたします。 本格的な人口減少、少子高齢化社会に突入した今、喫緊の課題である大阪の成長を考える上で、次代の大阪の活力を担う若者をより多く市内に呼び込むことが望まれております。その一環として、大学など若者が学び、集う施設の立地を促進することができれば、これらの施設が核となって、市内の若者人口がふえ、まちのにぎわいにもつながり、地域の活性化につながるのではないかと考えております。 大学は、少子化の影響もあり、学生の獲得が難しい時代に突入しております。このため、最近では郊外に立地する複数の大学が交通の便など立地条件により大阪都心への進出や移転に関心を寄せていると聞き、大阪市への誘致のチャンスが到来していると思います。立地しやすい環境づくりなどを進めるなど、誘致策を工夫することにより、大学などの誘致にはずみをつける必要があると考えておりますが、市長の御所見をお伺いいたします。
○議長(床田正勝君) 橋下市長。 (市長橋下徹君登壇)
◎市長(橋下徹君) 本市では、これまでも助成制度を活用するなど、大学誘致に取り組んできたところでありますが、新たに昨年4月、キャンパス型大学誘致方針を定めるとともに、誘致策の一環として4年生大学、大学院大学の設置等を条件とする条件付一般競争入札を導入しており、誘致の取り組みを強化しているところであります。 この誘致方針に基づきまして、残念ながら不調に終わりましたが、港区市岡商業高校跡地において条件付一般競争入札を実施しました。また、北区中之島4丁目の未利用地についてもマーケットリサーチの結果を踏まえ、大学への売却を検討しているところであります。 今後とも都心部立地に向けた大学のニーズの把握を行い、積極的に大学等誘致を推進することで頑張っていきたいと考えております。
○議長(床田正勝君) 丹野壮治君。 (36番丹野壮治君登壇)
◆36番(丹野壮治君) 港区にある市岡商業高校跡地については、大学誘致に関して地元から要望書が出ていたとお聞きしております。引き続き地元の要望に配慮していただき、また大学側の進出ニーズを把握しながら市有地に関して大学へのあらゆる売り方を考えていただくことを要望させていただきます。 次に、密集住宅市街地整備の推進についてお聞きいたします。 近年、東日本大震災を初め大規模な地震が全国で頻発しており、防災・減災対策の一層の強化・推進は急を要する課題であると考えております。市内には、密集住宅市街地と呼ばれるエリアが広がっており、その面積は約1,300ヘクタールにも及びます。国交省によると、地震時などに著しく危険な密集住宅市街地は、全国で約6,000ヘクタールあり、実にその2割強が大阪市に存在することになります。このような密集住宅市街地においては、南海トラフ巨大地震などの大規模な地震が起これば火災が広がり大火となることや、建物の倒壊により道路が塞がれることを危惧しております。 密集住宅市街地整備には、老朽住宅の建て替えや除却、狭隘道路の拡幅など、さまざまな施策の推進が重要となりますが、今後空き家の除去、空き地の確保など、地道な取り組みを着実に積み上げていくことが防災性の向上の近道となるものと考えております。例えば、神戸市では老朽住宅を除却し、跡地を神戸市が無償で借りて地域で管理し、災害時の地域防災活動の場である防災空地として活用しています。 こうした観点を踏まえ、今後、密集住宅市街地の整備にどのように取り組んでいかれるのか、市長の御所見をお伺いいたします。
○議長(床田正勝君) 橋下市長。 (市長橋下徹君登壇)
◎市長(橋下徹君) 本市では、これまで老朽住宅の建て替えや除却の促進のための支援策などを実施してきましたが、今年度から市街地の不燃化や避難経路の確保に関する新たな目標を設定し、平成32年度の達成を目指して、重点整備エリアにおける集中的な取り組みを行う密集住宅市街地重点整備プログラムをスタートさせました。 一方、近年クローズアップされている老朽化した空き家は、建て替えや除却が進みにくいため、密集住宅市街地においても防災上問題を抱えており、一層の除却の促進が必要であります。 そこで、来年度に重点整備エリアにおいて、空き家を含めた老朽住宅の除却の促進と空地の確保を図るため、跡地を無償提供いただいて防災空地とする場合に除却費や整備費の補助を行う防災空地活用型除却費補助制度を創設します。この制度では、小さい面積の防災空地を短い期間確保する場合でも補助が適用できるようになります。あわせて防災空地は、土地の固定資産税等が非課税となるため、空き家などの老朽住宅の自主的な除却が促進されます。このようなインセンティブによって防災空地の事例を地域レベルでふやしていきたいと考えています。 今後とも防災性の一層の向上を目指し、スピード感を持ってさまざまな施策を総合的に進め、災害に強い安全で安心なまちづくりに向けて密集住宅市街地の整備に取り組んでいきます。
○議長(床田正勝君) 丹野壮治君。 (36番丹野壮治君登壇)
◆36番(丹野壮治君) 次に、高齢者施策についてお聞きいたします。 今般、高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画が平成23年度から3カ年の計画として策定されているとお聞きしております。高齢者世帯のうち、ひとり暮らしの高齢者世帯が全国平均で約25%に対して、大阪市では41%と非常に高い率を示しているとのことであります。高齢者のひとり暮らしは、地域とのつながりを持ちにくいことなどにより、いわゆる孤独死に至る場合が出るなどの問題が発生しており、孤独死問題は人としての尊厳に関わる大きな重要な問題であり、新聞紙上でも幾度となく取り上げられ、社会問題にもなっております。 一方、認知症高齢者問題は、大阪市のみならず全国でも大きな課題となっており、大阪市においては、認知症高齢者数は、高齢者人口の増加率が平成25年度までの過去5年間で8.5%であるのに対して、認知症高齢者の増加率は25.3%と急激に増加している状況にあります。 これらのことから、高齢者に対する施策は大変重要であり、橋下市長が進めてこられた真に支援が必要な人への支援という観点から考えても、介護を要する高齢者や認知症高齢者の課題解決に取り組んでいくことが重要であると考えております。 そこで、大阪市として、今回の高齢者保健福祉計画や介護保険事業計画において、どのような理念のもと高齢者施策を進めていこうとしておられるのか、市長の御所見をお伺いいたします。
○議長(床田正勝君) 橋下市長。 (市長橋下徹君登壇)
◎市長(橋下徹君) 高齢者施策についてでありますが、今回の高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画は、平成27年度から平成29年度までの3カ年を計画期間としており、平成37年度までの中長期的な視野に立った施策の展開を図ることを念頭に置いた計画としています。 平成37年の大阪市の姿は、後期高齢者の増加に伴い、医療と介護、両方のサービスを必要とする後期高齢者の増加、重度の要介護認定者の増加、そして認知症高齢者の増加が見込まれます。また、支え手となる生産年齢人口は減少し、核家族化、高齢者のみ世帯の増加などによる家族や親族の支え合いの希薄化など、地域の支え合い機能の低下も予想されます。現状では1人で外出等が可能な比較的元気な高齢者が多い状況の中、いつまでも元気で生き生きと暮らしていただけるよう、高齢者みずから健康状態の維持増進、社会参加等を通じた介護予防の取り組みに努めていただくとともに、元気で意欲のある高齢者の皆さんには不足が予測される支え手側に回っていただくなどの取り組みを進める必要があります。 このような状況から、平成37年の社会を見据え、高齢者も他の世代とともに社会を支えていくという考え方を基本として、高齢者の保健福祉を初めとする諸施策の充実と介護保険事業の円滑な運営を図ることにより、高齢者一人一人が住みなれた地域で自立した生活を安心して営み、長寿化した人生を健康で生き生きと豊かに尊厳を持って暮らす社会の実現を目指していきます。 また、本市の特徴であるひとり暮らし高齢者世帯の比率が非常に高い状況にあることを踏まえ、今後10年をかけて、医療、介護、介護予防、住まい及び自立した日常生活の支援が包括的に確保される体制である地域包括ケアシステムの構築を目指していきます。 特に認知症高齢者の問題については、国の新オレンジプラン等も勘案しながら、認知症になってもできる限り住み慣れた地域で自分らしく暮らし続けていけるよう、取り組みを強化するとともに、ひとり暮らし高齢者に対する支援を含めた在宅支援サービスの充実に努めていきたいと考えております。
○議長(床田正勝君) 丹野壮治君。 (36番丹野壮治君登壇)
◆36番(丹野壮治君) 孤独死の問題は、これからますます社会的な問題になると思いますので、人間の尊厳にかかわる問題でもありますので、しっかり市としても取り組んでいただくことを要望しておきます。 次に、十三市民病院の今後のあり方についてお聞きいたします。 市民病院については、昨年10月から地方独立行政法人大阪市民病院機構に移行しました。そのような中、十三市民病院については、政策医療として、結核や二次救急医療などに限定されており、厳しい財政状況のもと十三市民病院が今後将来にわたってどのような役割を果たしていくべきか、政策医療面からの位置づけや役割についていま一度検討していくことが必要と考えております。 本市では、現在認知症対応の専門的な医療機能は、吹田市にある弘済院附属病院が担っております。また、その機能を継承するため、現地で建て替えを行い、市民病院機構に移管することになっておりますが、吹田の立地では入院患者に占める大阪市民の割合が約2割にとどまっている点などを考慮すると、大阪市内に認知症医療の拠点があってもよいのではないかと考えております。 市長は、十三市民病院の今後の公的な役割について検討の必要性をどのように考えておられるのか。また、そうした検討を行う際には、例えば、認知症医療の扱いについても検討してもらいたいと考えておりますが、あわせて市長の御所見をお伺いいたします。
○議長(床田正勝君) 橋下市長。 (市長橋下徹君登壇)
◎市長(橋下徹君) 今般、独立行政法人化した市民病院機構について、今いろいろと検討しているところでありまして、これまで当然のように支出していた病院への運営交付金、これ政策医療名目で、ある意味、丼勘定で出していたところもありますので、ここをしっかりと見直していく、検証していくという、そういう作業がこれからの時代必要なんではないかという思いを持っています。これは松井知事と一緒に話をして、府立病院機構とも同じような形でやっていかなきゃいけないんじゃないかと話をしております。 そういう中で、十三市民病院のあり方も一つ大きな問題になってくるかと思うんですが、弘済院附属病院については、議会の皆さんからの御意見でこの機能はしっかりと存続させていこうと考えております。これは議会でも附帯決議が、そういう形で意思表示されたと思います。これからの国家戦略としても認知症の対策というところ、対応策ということをしっかりやっていかなければいけないとなっておりまして、これは弘済院附属病院を今の吹田のところでもう一度現地建て替えをして、あちらのほうに認知症の拠点をつくっていくのかどうなのか、議会の皆さんからはそういう意思を表示されたということは重く受けとめていますが、もう一度ちょっとそこは、議論はできないのかというふうに思っています。これは大阪市民の皆さんの税金で、多額な税金で認知症の拠点をつくっていく以上、できる限りこの大阪市内の皆さんが活用しやすいような、そういう拠点にしなければいけないというふうに思っていまして、そういう場合に十三市民病院を活用するかどうかはともかくとして、大阪市内に認知症の拠点というものを持ってこれないものなのか、もう一度議会の皆さんからの決議といいますか、意思表示は重く受けとめながら、そういうことも可能なのかどうなのかということは、ちょっとこれは市長部局のほうでも検討はしていきたいと思います。ただ、課題は多いです。課題は多いですけれども、それでもそれだけの多額の税を投入するのであれば、まずは市民の皆さんが活用できる、また市民の皆さんに対応しやすい、そういう拠点のあり方、大阪市内にそういう拠点を設けるべきなのではないかと考えております。
○議長(床田正勝君) 丹野壮治君。 (36番丹野壮治君登壇)
◆36番(丹野壮治君) 認知症医療も今後の社会的な問題にもなってきますので、しっかりと大阪市としても取り組んでいただきますよう要望しておきます。 次に、府市共同住吉母子医療センターについてお聞きいたします。 高齢出産がふえる中、現場の産科医の皆さんからも少しでも安全にお産ができるよう、分娩施設は集約してなるべく多くの医者のいる体制をつくっていってほしいと要望されています。そうした中で、大阪府と大阪市が共同して南部医療圏に(仮称)住吉母子医療センターを建設し、より高度な総合周産期医療センターを整備すれば多くの命が救えるのであります。 もちろん、跡地に病院を誘致して、地元の不安対策などを行うことは必要でしょうが、それが担保されないと命を救うための病院を整備しないというのは全くおかしな話であります。 再編計画における問題も一体として整備するというものの、計画が認められれば時期的な同時性は求めていません。当初計画より既に1年以上おくれており、これ以上市民に迷惑をかけることはできません。 大阪府のほうでも、きのう府議会本会議において、市会で予算が認められなければ単独整備も考えるべきではないかという質問に対して、松井知事からは、広域自治体としての責務を果たしていきたいと答弁されました。 住吉母子医療センター整備を再開すべきと思いますが、市長の御所見をお伺いいたします。
○議長(床田正勝君) 橋下市長。 (市長橋下徹君登壇)
◎市長(橋下徹君) この府市共同住吉母子医療センターの現在の状況は、府議会では進めよという意思表示がなされ、そして市会では否決だということで、既に府議会、市会でねじれ状態が生じています。まさにこういうことは、大阪都構想が実現されれば、こういうねじれは生じないと。ですから、大阪都構想の効果がゼロだと言われる方はそもそもおかしい話になっています。この病院の統合をすればランニングコストだけでも年数億のお金が節約できるわけですから、大阪都構想というものを実現できれば、少なくともこの病院のところだけでも実現できることは間違いありません。 府立急性期総合医療センターと、その住吉市立病院の小児周産期の機能、こちらを機能統合するメリットは、この間何度も説明していますが、再度申し上げます。 府立急性期総合医療センターと機能統合すれば、24時間365日の小児救急対応等に加え、最重症合併症分娩への対応も強化できることや、診療体制の充実による医師などの勤務環境の向上も図ることができます。また、イニシャル、初期コスト及び運営コストが抑制できるなど、市民にとっても大きなメリットがあります。民間病院の誘致につきましては、個別に現在アプローチをさせてもらっております。府立病院機構や市立病院機構からも医師の確保について協力を得られるという話になりましたので、この話をもって民間病院のほうにも提案をし、こちらのほうに民間病院の誘致の話を進めていきたいと考えております。 ただ、住吉市民病院の廃止が迫っている状況においては、市民に対する影響も考えますと、まずは早期に府市共同住吉母子医療センターを整備する必要があると考えます。 昨日の松井知事の答弁では、市会の良識からすればそういうことはないだろうけれども、場合によっては最終的にどうしようもなくなれば、広域行政としてもそこは責務を果たしていかなければいけないというような答弁もありましたが、だからといってこれまでの市役所、今は市民病院機構ですけれども、また市会の責務を放棄することはないと僕は思っておりますので、市会の皆さんの良識を信じて一刻も早く予算を可決されるよう求めたいと考えております。 とにかく府市共同住吉母子医療センターで大阪市南部の小児周産期の医療レベルが上がることは間違いありません。ですから早くこちらのほうを進めさせてもらって、その開院までの間のいろいろな小児周産期の医療の空白期間といいますか、そのようなその期間、空白期間がないように、できる限りこちらも努力していきたいと思っていますが、まずは府市共同住吉母子医療センター、こちらを進めることが大阪市民のためになることだと思っていますので、ぜひ予算の議決をお願いしたいと考えております。
○議長(床田正勝君) 丹野壮治君。 (36番丹野壮治君登壇)
◆36番(丹野壮治君) 以上、各般にわたり議論をさせていただきましたが、我が会派の党是である大阪都構想も最終局面まで来ており、ことし5月に実施予定の住民投票に向けて大阪維新の会大阪市会議員団も橋下市長とともに統治機構の大改革の実現のためにまい進していきたいと思います。そして、大阪の新しい道を切り拓き、未来への責任を持てる政治に全力で取り組んでまいりたいと思っております。 これで、私からの質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(床田正勝君) お諮りいたします。この際、暫時休憩することに決して御異議ありませんか。 (「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(床田正勝君) 御異議なしと認めます。よって暫時休憩いたします。 午前11時30分休憩 午後1時再開
○副議長(杉田忠裕君) これより休憩前に引き続き会議を開きます。
○副議長(杉田忠裕君) 明石直樹君の質疑を許します。 32番明石直樹君。 (32番明石直樹君登壇)
◆32番(明石直樹君) 私は、公明党大阪市会議員団を代表いたしまして、平成27年度大阪市予算案並びに関連諸案件などについて質問させていただきます。 大阪市は、この12年間にわたる行財政改革の結果として5兆4,762億円に上った債務を縮減し、現在は4兆5,677億円となりました。収支不足額は年々減少し、ほぼ収支均衡のめどがつき始めています。基金についても、公債償還基金は積み立てルールどおり4,298億円を積み上げ、財政調整基金は1,504億円、その他の基金も303億円があり、今後の大阪の成長戦略の原資となるもので、効果的、効率的な投資戦略が求められています。 本来ならば、アベノミクス効果に乗り、橋下市政の3年間に大阪の成長のエンジンを形づくる時期でありましたが、残念ながらその突破口を見出せず、打つ手、打つ手に問題が噴出している状況であります。先ごろ辞職されました観光局長は、イベント関連で訴訟の対象となり、交通局では恣意的な公募型プロポーザルや増大する随意契約問題、教育現場では公募校長の相次ぐ不祥事、また第三者機関からの問題行動を指摘された中原府教育長のパワハラなど、成長戦略とはほど遠い瑣末な問題が大阪の成長の足を引っ張り続けていると言わざるを得ません。 一方、大都市制度のあり方については、広域行政を担い、府下市町村の発展を支える立場である大阪府の財政状況は悪化の一途をたどっており、起債総額は、12年前は大阪市と同規模の5兆6,132億円であったものが、現在は6兆3,453億円にまで急速に膨れ上がっています。8年後には6兆7,000億円を突破する見通しで、起債許可団体から抜け出せるのは平成38年を待たねばなりません。大阪の成長のエンジンとして大阪市が果たす役割は、ますます増しているということでもあります。 新年度予算は、そのような経済環境の中で本来ならば大阪の次のステップを決定づけるものであるべきですが、残念ながら、さまざまな点において思い切った投資戦略もなく、大阪の中心をなす商業活性化や中小企業支援策も決定打はなく、中小企業振興条例に基づく市長の責任が果たされているとは言えません。そこから発生する雇用促進や女性の社会進出、待機児童解消、中学校給食、学力アップなど、さまざまな問題点を置き去りにしています。とはいえ、市民生活を守り、大阪の経済発展を志向する中で、真摯に議論し、結論を導いていくのが議会の使命であります。施策については、是々非々で不足分を補い、新たな提案を行う中で充実した予算編成となるよう以下質問をしてまいります。 まず、高齢者施策についてお伺いをします。 今般の介護保険法の改正により、予防給付の訪問介護及び通所介護について、全国一律の基準に基づくサービスから、市町村が地域の実情に応じて効果的かつ効率的に実施することができる新しい総合事業に移行されることになりました。この新しい総合事業については、既存の介護事業所によるサービスに加えてNPOや民間企業、ボランティアなど地域の多様な主体を活用して行うこととなっています。 現在、地域において子育て支援や障害者支援などを実施しておられる団体に御協力をいただくとともに、新たに団体を立ち上げようとしている方への支援も必要であると考えます。新たな総合事業の成否は、参画団体の確保にかかっていると思いますが、いかがお考えでしょうか。 また、60代、70代になっても元気な方はたくさんおられます。我が会派としては、これまでも高齢者がボランティア活動を通じ、社会参加や地域活動を行うことのインセンティブとなるよう高齢者ボランティアポイント事業の創設を要望してきたところでありますが、市長の御所見をお伺いします。
○副議長(杉田忠裕君) 理事者の答弁を許します。 橋下市長。 (市長橋下徹君登壇)
◎市長(橋下徹君) 高齢者施策についてですが、団塊の世代が75歳以上となる平成37年を目途に、重度な要介護状態となっても住みなれた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるように地域包括ケアシステムを構築することとしています。この地域包括ケアシステムについては、市町村が地域の自主性や主体性に基づき地域の特性に応じてつくり上げていくものとされており、その一環として、従来、予防給付として提供されていた訪問介護と通所介護について、全国一律の基準に基づくサービスから市町村が地域の実情に応じて実施する新しい総合事業へ、遅くとも平成29年4月までに移行することとなったところです。 この新しい総合事業については、多くのNPOや民間企業、ボランティアなど地域の多様な主体に参画していただいて初めて成立するものであり、御指摘のとおり団体の確保策が最も重要であると認識しています。このことから平成27年度は、3区においてモデル的に、子育て支援や障害者支援などを実施しておられる既存団体の実態を把握した上で、総合事業への参画についての調査や新規団体の立ち上げ支援を行うとともに、団体間のネットワーク化などにも取り組んでいくこととしており、高齢者の方が自立した日常生活を安心して送れるよう平成29年4月までに総合事業の全市展開を図っていきます。 次に、高齢者の社会活動への参加についてでありますが、本市においては、日常生活は自立し、交通機関を活用し一人で外出できる方が7割以上おられるなど、比較的元気な高齢者が多い中で、今後はその方々にできる限り高齢者を支える側に回っていただくとともに、引き続き健康を維持し、要介護状態とならないようにするための介護予防施策の充実を図っていく必要があると考えています。このことから、65歳以上の高齢者の特別養護老人ホームなどにおけるボランティア活動を支援する介護予防ポイント事業を実施することとしており、高齢者の積極的な社会参加を推進していきたいと考えております。 冒頭いろいろと御指摘をいただきました。反省すべきところは反省しながら新たな取り組みをやっていきたいと思いますが、やはり議員と僕の認識のちょっとした違いは、成長戦略はこれは広域行政がやるべきもの、基礎自治体は基礎自治体の仕事に徹するべきこと、特に、大阪市は基礎自治体の仕事をおろそかにしていたところが多々あります。特に教育です。公立中学校の給食も実施せず、それから小中学校のエアコンをつけることもせず、そういうところにやっぱりまず力を入れていかなければいけないというのが僕の思いであります。 大阪府の財政状況についても御指摘がありました。確かに絶対額についてはふえているところがありますが、これは全国の都道府県、皆同じです。臨時財政対策債という制度に基づいて、これは全国の府県が同じような状況で苦しんでおります。これは自民党、公明党の政権与党の皆さんにしっかりこの制度については改めてもらって、臨時財政対策債から、きちっとキャッシュで地方にお金を回す、ないしは税源移譲を行うようにしっかりと与党のほうに働きかけていただきたいと思います。 大阪市も起債残高は下がり、財政調整基金も積み上がっていますが、ただ、これはマクロ的にこういうことをやろうと思えば幾らでもできます。それは
住民サービスをきちんとやらなければいいだけの話で、大阪市の場合には、教育行政についてやるべきところをやらずに、小中学校のエアコンもつけずにゴーヤとヘチマを植えるようなそんなことをやってたら、そら借金は減って財政調整基金を積み上げることができるでしょうけども、中身の
住民サービスについては非常にひどい状態、そういうところを改めるのがまずは大阪市の役割だと思っています。
○副議長(杉田忠裕君) 明石直樹君。 (32番明石直樹君登壇)
◆32番(明石直樹君) 今、御答弁いただきましたことについては、これから一つ一つ議論をさせていただきたいと思いますのでお願いしたいと思います。特に、今のボランティアポイントについては、多くの方々に参画がいただけるようお願いしたいと思います。 次に、特別養護老人ホームの整備についてお伺いします。 特別養護老人ホームの待機高齢者ゼロに向けた具体的なプランニングと整備方針についてでありますが、平成26年10月1日現在で、在宅において特別養護老人ホームへの申し込みをされている要介護3以上の方は2,683人であり、2025年には団塊の世代が75歳以上になる中で、今後ますます入所ニーズの増加が見込まれます。市長は、平成29年度には特別養護老人ホームの入所待機者が解消できるように取り組むと発言されていましたが、どのように取り組まれるのでしょうか。 また、特別養護老人ホームの整備について、国は、平成14年度から個室ユニット型を中心にして進めることとしており、本市においても、新たに整備する場合は個室ユニット型のみとしています。利用者の立場からすると、多床室のほうが利用者同士のコミュニケーションがとれて、費用負担の面でもよいという方もおられます。個室ユニット型のみとするよりも多床室をミックスしたほうが、定員数をより多く整備することができ、待機者の早期解消につながります。我が会派としては、これまでから多床室と個室ユニット型の混合型を導入するよう要望してきましたが、次期計画における整備方針について市長の御所見をお伺いいたします。
◆32番(明石直樹君) 橋下市長。 (市長橋下徹君登壇)
◎市長(橋下徹君) 特別養護老人ホームの整備についてですが、介護が必要になっても可能な限り住みなれた地域で安心して暮らせるよう在宅の支援施策の充実を図る一方で、在宅での生活が困難な方には、特別養護老人ホームなどの施設・居住系サービスの充実に努めるなど、高齢者一人一人の状況に合ったサービスの提供が重要であると考えています。 現在、平成27年度から29年度の高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画の策定に取り組んでいますが、特別養護老人ホームの入所申し込み者のうち、必要性、緊急性の高い要介護3以上の方が、おおむね1年以内に入所できるよう平成29年度の整備目標を定員1万3,600人と設定し、毎年600人分の整備を進めていきます。引き続き必要な整備を進めるとともに、介護老人保健施設などさまざまな施設・居住系サービスを充実することにより総合的に特養の待機者解消を図っていきます。 また、特別養護老人ホームの個室ユニット化についてでありますが、国は高齢者の尊厳を支えるケアを確立するため、平成37年度までに全体の7割を個室ユニット型とすることを目標としていますが、本市においてはその割合が3割にも達していないことから、今後も基本的に個室ユニット化を推進していきたいと考えています。しかしながら、高齢者実態調査等において、従来型多床室に対して一定のニーズがあるという結果や低所得者の負担に配慮できることなどから、大規模な個室ユニット型特養の整備に合わせてプライバシーに配慮した多床室に限り一定割合での整備を新たに認めることとしながら、引き続き高齢者のニーズに応じた整備を進めていきます。
○副議長(杉田忠裕君) 明石直樹君。 (32番明石直樹君登壇)
◆32番(明石直樹君) 待機者の早急な解消に向けて整備をお願いいたします。 次に、認知症対策についてお伺いします。 新オレンジプランでは、2025年に認知症の人は約700万人前後となり、65歳以上高齢者に対する割合は、現状の7人に1人から約5人に1人に上昇する見込みとの結果が明らかとなり、認知症の人を単に支えられる側と考えるのでなく、認知症の人に寄り添いながらともによりよく生きていくことができるよう環境整備を行っていくことが求められております。認知症施策は、国を挙げて取り組む課題になっていると考えますが、市長の御所見をお伺いします。 また、本市では、附属病院と特別養護老人ホームが一体となり、認知症医療と介護の専門機能を有している弘済院があります。弘済院は、医療と介護で一体的に認知症の研究開発を行い、さらに市立大学とも老年医学研究などで連携して臨床研究や研修を行うことで、ほかの研究機関にはない全国でもまれに見る役割を果たしております。今後も、弘済院については、医療・介護が一体となって市立大学とも連携しながら取り組みを進めていくことが不可欠であると考えますが、いかがでしょうか。 さらに、こうした弘済院の認知症高齢者への取り組みについて、広く市民の方へ浸透させるためには、例えば長寿医療センターといった名称を掲げ、もっと積極的に情報発信していくべきではないかと考えますが、市長の御所見をお伺いいたします。
○副議長(杉田忠裕君) 橋下市長。 (市長橋下徹君登壇)
◎市長(橋下徹君) 認知症施策でありますが、平成27年1月に国が策定した新オレンジプランでは、認知症の方や家族の意思が尊重され、できる限り住みなれた地域のよい環境で自分らしく暮らし続けることができる社会の実現を目指すとされておりまして、認知症の容体に応じた適時適切な医療・介護等の提供や、認知症の人の介護者への支援、また認知症の人を含む高齢者に優しい地域づくりの推進などが柱に挙げられています。本市においても、これまでのオレンジプランに引き続き、新オレンジプランに基づいて認知症施策を総合的に進めていきます。 まず、認知症の容体に応じた適時適切な医療・介護等の提供のために、認知症の初期段階で、御本人やその家族に認知症の疑いも含む早い段階で適切な医療や介護サービスに結びつけるための支援を行う初期集中支援チームを平成26年度から設置しており、平成27年度以降事業を拡大していくこととしています。 次に、認知症の人の介護者への支援としては、認知症の方を介護する家族の負担は極めて大きいことから、介護者の急病等の場合に、認知症の方を福祉施設で受け入れる緊急ショートステイの実施や、認知症の方やその家族、地域の誰もが参加でき交流する場である認知症カフェに専門職の派遣を行うとともに開催場所等の情報発信を行い、少しでも御家族の負担軽減につなげる取り組みを進めていきます。 さらに、認知症の人を含む高齢者に優しい地域づくりの推進として、事前に登録した方が徘回などにより行方不明になった際にメール配信等を通じて早期発見につなげる事業を実施しながら、他都市の先進的な事例も参考にして地域での見守り体制のより一層の充実を図っていきます。 今後、認知症高齢者は確実に増加し、誰もが認知症とともに生きることになる可能性があり、また誰もが介護者等として認知症にかかわる可能性があることから施策を積極的に推進していきたいと考えております。 次に、弘済院では附属病院と特養が一体となり、市立大学とも連携を図りながら認知症に関する臨床研究や各種の検証を行ってきているところであり、こうした専門機能が重要であることから引き続き機能を継承していく必要があると認識しています。これは議会の皆さんの御意見もそうだったと思います。これまで弘済院が培ってきた認知症に関するスキルや知識を研修会や公開講座等でより一層情報発信することにより、医療・介護にかかわる専門職の人材育成、市民啓発に努めていきたいと考えております。 弘済院の機能は、しっかりと継承というよりもむしろ発展させていく方向にもなるのかと思うんですが、あとは場所の問題で、従前議論させてもらった弘済院の現地建て替えというのはやはり吹田市にあると。国家戦略で認知症対策をしっかりやらなければいけないという方針の中で、さらに市民病院機構に対する運営交付金、なぜ公の税金を入れなければいけないのか、そこを新たに検証していく中で、できましたら市内に長寿医療センター--まだ、これは例えばの名前で提案いただいたと思うんですけども--というようなそういう拠点を市内にしっかりつくることが本来の市民の皆さんの利益にかなうことだと思っていまして、これは今後またしっかりと議論させてもらいたいと思うんですけれども、市内にこういう長寿医療センターのような拠点をつくっていくような方向で考えていくべきではないかなと思ってますので、引き続きまた議論させてください。
○副議長(杉田忠裕君) 明石直樹君。 (32番明石直樹君登壇)
◆32番(明石直樹君) 特に弘済院については、西日本の認知症対策の拠点となるよう整備をすべきだと思っておりますので、よろしくお願いします。 次に、発達障害者支援についてお伺いします。 我が会派は、かねてより発達障害のある方の支援の充実を求めてきました。その結果、全国的にも例のない先駆的な体制として局横断的な連携体制のもと、「発達障がい者支援室」が設置され、福祉、教育、保健の各分野において各種施策の充実が図られてきました。 しかし、早期発見、早期支援はもとより乳幼児期から学齢期、成人期まで切れ目のない支援体制の構築に向け取り組むべき課題はまだまだ多くあります。このため施策の現状を的確に把握し、各分野の関係者が情報を共有するとともに、今後の課題を明らかにするため、本市における発達障害者支援の基本的方向性を定める事業指針の策定を求めてきました。現在策定中の「大阪市発達障がい者支援指針」に基づき、引き続き当事者、御家族の切実な声をしっかりと受けとめ、発達障害のある方への施策を着実に前進させる必要があると考えますが、市長の御所見をお伺いします。
○副議長(杉田忠裕君) 橋下市長。 (市長橋下徹君登壇)
◎市長(橋下徹君) 発達障害のある方の支援については、発達障がい者支援室の設置を初め関係部局の横断的連携、区・地域の実情に応じた施策の展開、府との連携を図りながら各ライフステージの支援施策の充実強化に重点的に取り組んできました。 また、本市における発達障害者支援の事業指針については、当事者、家族、支援機関、学識経験者などの御意見を伺いながら今年度中に策定することとしています。平成27年度においては、専門療育機関の拡充による早期支援体制の強化とともに、成人期の支援として「障がい者就業・生活支援センター」の就労支援員の増員による就労支援体制の強化に取り組みます。発達障害のある方への支援についてはまだまだ多くの課題があり、今後はこの指針により関係者の情報の共有化と連携を強化し、当事者、御家族が安心して暮らせるよう今後の施策の充実につなげていきます。
○副議長(杉田忠裕君) 明石直樹君。 (32番明石直樹君登壇)
◆32番(明石直樹君) 発達障害者の方々への十分な支援をぜひともお願いします。 次に、子育て支援策についてお伺いします。 子育て支援は、国や自治体の取り組みにより妊娠、出産、子育てと切れ目のない支援策が講じられてきましたが、現在大きな課題となっておりますのは出産前と直後の対応であり、特に妊娠中から継続的な支援が必要であります。女性は出産により心身に大きな負担が生じ、特に出産直後から1カ月間は精神的に不安定になる傾向が強く、また良好な母子の愛着形成を促進する上で最も大事な時期であり、産後早期の親子関係が児童虐待や育児放棄を予防すると言われていることから、出産直後の母親への精神的、身体的なサポートは欠かせないものであります。このため、我が会派は出産直後に必要な支援としてショートステイやデイケアにより、母親の精神的、身体的サポートを行う産後ケア事業の早期実施を要望してきました。 一方、国では平成27年度から、妊娠期から子育て期にわたるさまざまなニーズに対して総合的相談支援を提供する子育て世代包括支援センターの整備を行うとともに、退院直後の母子への心身のケア等を行う産後ケア事業など、地域の特性に応じた切れ目のない妊娠・出産支援の強化を図るため妊娠・出産包括支援事業を実施するとしています。平成27年度予算案には我が会派が要望していた産後ケア事業費が計上されていますが、産後ケア事業などを含めた妊娠・出産包括支援事業の実施に当たっては、各区に子育て世代包括支援センターを整備すべきと考えますが、市長の御所見をお伺いします。
○副議長(杉田忠裕君) 橋下市長。 (市長橋下徹君登壇)
◎市長(橋下徹君) この点ちょっと局とも議論をしました。公明党の皆さんが子育て世代包括支援センターという名称にこだわられているということも聞きましたのでちょっと議論したんですが、恐らく議員も御認識はここは共通だと思うんですが、事業自体は保健福祉センターでしっかりやっていきます。御提案いただいた産後ケアの事業も保健福祉センターできちっとやっていくんですが、ただ、大阪市の区役所の保健福祉センターが、もう今は総合的ないわゆる保健福祉のそういう拠点になっていまして、これをもし子育て世代包括支援センターと言ってしまうと、今の保健福祉センターは違うこともたくさんやっていますので、ちょっとこの保健福祉センターにそういう名前はつけれないと。そうすると、どこかにそういう看板を掲げるのかということになるんですが、今保健福祉センターのほうの子育て支援室というものもあるんですね、そちらは保育所の話とかいろんなことをやってるところです。それと保健の分野があって、どうもこれ国のほうは保健の分野だけで子育て世代包括支援センターと名前をつけようとしてるんですが、ちょっとこれは国のほうに僕もこれから問い合わせていきたいと思うんですけど、ちょっと現場を知らずにこういう名前をつけてしまってるのかなと思ってます。ですから、保健福祉センターの今の子育て支援室とあわせたような形で、福祉と保健をあわせた形での子育て世代包括支援センターということであれば、これも市民の皆さんにはっきりわかりやすいところでもあるんですが、ちょっと行政上、福祉のほうと保健のほうで職員の動き方が違うところもあるので、委員会でもう少し詰めて議論させてもらって、保健福祉センターが子育て世代包括支援センターになるというところはもうそういうふうにしますけれども、あとは名前のつけ方をどうするかというところは、ちょっと委員会でもう少し詳しく議論させてもらいたいと思っています。
○副議長(杉田忠裕君) 明石直樹君。 (32番明石直樹君登壇)
◆32番(明石直樹君) 産後ケアも含めて、委員会で議論を十分させていただきたいと思います。 次に、子ども・子育て支援新制度についてお伺いします。 今回の予算案では、4月からスタートする新制度に対応した予算編成が行われていますが、本日は3点に絞って市長の見解をお伺いします。 1点目は、幼稚園・保育所保育料の問題であります。昨年8月の素案の発表以来、我が会派は保育料の値上げについて一貫して反対であるということを表明してきましたが、残念ながら今回の案においても、一部の利用者の保育料が値上げとなっております。子育て中の利用者に対して保育料を値上げするというのは、市長のおっしゃる現役世代の重点投資に逆行するものであります。保育料の現行の額を維持する追加財源については、昨年の決算委員会で議論のあった不用額を活用するべきであります。こども青少年局では、塾代助成などで一般会計歳出において約42億円、また市全体では約420億円の不用額が出ています。これだけの不用額があれば、保育料の追加財源に回すことはたやすいのではないでしょうか。 また現在、宝くじ収益金の配分割合を見直して、大阪府へ約20億円の財源を移管しようとしていますが、保育料の軽減にこそその財源を活用すべきであります。そもそも子育て施策は、こども青少年局だけではなく局を越えて対応すべきであります。保育料の値上げは断固として反対であることを強く申し上げますが、市長のお考えはいかがでしょうか。 2点目は、待機児童解消の問題であります。平成26年4月の待機児童数は224人、入所保留児童数も2,363人に上り、早急に解消すべきであります。大阪市内には、夜遅くまで預かってくれるベビーホテルなど認可外の施設が200カ所余りあります。これらの施設を活用するお考えはないのでしょうか。認可外施設に対して一定のハードルを設けた上で、大阪市として施設に補助を行い、児童の受け入れを促進していく必要があるのではないでしょうか。他都市でも実施している認証保育所の制度を導入すべき時期に来ていると考えますが、いかがでしょうか。 3点目は、保育ママ、小規模保育施設を卒園した3歳児の受け入れの問題であります。両施設ともに入所対象児童は2歳児までとなっているため、施設を卒園した後に引き続いて保育が必要となる場合、利用者は新たに入所できる保育施設を探す必要があります。区によっては卒園した3歳児が認可保育所に入れず、認可外の保育施設へ行かざるを得ないケースもあると聞いています。これは全国的な課題ではありますが、この問題に大阪市としてどのように取り組まれるのでしょうか。以上、3点にわたって市長の御所見をお伺いします。
○副議長(杉田忠裕君) 橋下市長。 (市長橋下徹君登壇)
◎市長(橋下徹君) 税投入は、やはり公平にしていかなければいけないと思っています。幼稚園であろうが、保育所であろうが、そこに通う市民からすれば、それはどの施設を選ぼうとも税の還元は等しく受けなければいけないと思いますので、保育所、幼稚園、これは同等に税投入しなければいけないというのがもともとの僕の考え方でした。 それと同時に、今大阪市がいわゆる待機児童がゼロの状態であればいいんですが、多くの子供がまだ入れない状態です。そうすると保育料だけをどんどん下げるために税を投入していくと、既に保育所に入っている人と入れていない人の間でも不公平が生じます。そうであれば保育料のほうにどんどんお金を投じる、そこも重要なんですけども、保育所の整備のほうにお金を投じるということも必要だというふうに思ってまして、あくまでもこれはバランスだと思うんですけれども、ですから従前、一時、保育所の整備の予算をちょっと縮減してきたところを一気にまた拡大して、今は保育所の整備に力を入れてるところでありまして、保育料のところだけにとにかく税金を入れろというのは、今保育所に通っている人、しかもそれは幼稚園じゃなく保育所に通っている人のところだけに税金を入れていくということなので、ちょっとそれはかなり不公平が生じるんではないのかなと思ってます。 ただ、議員からの御指摘は十分承りましたので、保育料についてはさらにどういう保育料の設定がいいのか考えさせてもらいたいと思うんですが、ただ、少なくとも市立幼稚園と私立幼稚園、ここはやっぱり同料金にするというところはここはやっぱり御理解をいただきたいと思っています。ただ、在園児についてはもちろん一定の経過措置は設けていきたいと思っております。 そして、もう一つ、保育料については税の投入の公平さのほかに、今回なぜ値上げというものが出てきたかというと、国のほうでいろいろ議論をしてもらった結果、保育の質の改善に伴う国基準保育料の増額と。質を上げるのでその分保育料もちょっと上げさせていただくというような思想の中で保育料の値上げという話が出てきていますので、やはり質を上げる、でも保育料はそのままということはちょっとこれは受益と負担の関係からはどうなのかなと思います。幼稚園と保育所の税投入の公平性、それから、今保育所に入っている人と入っていない人との公平性、こういうことを全体を考えながら保育料の設定をしていかなければいけないと思ってます。 不用額についての御指摘はそのとおりだと思ってまして、そういうものを、ですから保育所整備のほうにも充てさせてもらってると考えております。 宝くじ収益金の話は、これはちょっと保育料の話とは全く別に、これまで長年課題としてなかなか解決できなかった差等補助については完全解消、さらに大阪市だけで単独で進めることのできなかった広域的な事業については大阪府と一体的に取り組むというような方向性をきちっと示した上での財源移譲ということですので、今回の保育料とはちょっと別の観点での話だというふうに思っております。一応、保育料についてはさらに議論をさせてください。 待機児童対策についてはゼロを目指すだけでなく、保育を必要とする全ての児童の入所枠の確保に向けて、公募制の導入や株式会社などへの認可対象事業者の拡大、事業者の自主財源による整備、さらには従来の保育ママ事業に加えて新制度の先取りである小規模保育事業の実施など、あらゆる手法を駆使して取り組んでいます。新制度においては、これまで認可外保育施設であったものが一定の条件で地域型保育事業として給付の対象となりますので、議員御指摘のあった形で完全に大阪市単独の費用で進めていくような認証保育所のようなものはちょっともうしばらく待っていただきたいなと思います。まずはこの制度を最大限活用して、これまで株式会社を参入させることも大阪市はやってこなかったもんですからこういうこともまずやらさせてもらって、その後、まだ足りないということであれば、次どうするかというところで考えさせてもらいたいと思っております。 保育ママや小規模保育施設を卒園した3歳児の受け入れ先の確保については、これは議員御指摘のとおり非常に重要な問題です。新制度では、小規模保育や家庭的保育の事業者は3歳児の受け入れなどを行う連携施設を確保する必要があり、民間保育所、認定こども園、幼稚園の協力が不可欠であります。これらの施設が連携施設となれるような環境整備について検討していきたいと思います。
○副議長(杉田忠裕君) 明石直樹君。 (32番明石直樹君登壇)
◆32番(明石直樹君) 市長、今の宝くじ収益金について大阪府へ20億円を移管する。今、なぜこの時期にするのかということについて納得はできません。 そして、保育料については急激な値上げは認められないし、また常任委員会でそのことについてはしっかり議論をさせていただきたいと思います。 次に、「こども医療費助成」についてお伺いをいたします。 我が会派は、こども医療費助成について所得制限の緩和を毎年要望し、実績を上げてきたところであります。現在、大阪市では、ゼロ歳から中学校修了の15歳までの入院・通院について助成対象としていますが、3歳以上の子供については所得制限があります。平成27年度予算案について所得制限の撤廃・緩和のための予算が計上されていますが、15歳まで所得制限を撤廃している自治体や、高校生まで医療費助成の対象としている自治体もあることから、本市においても子育て支援策を一層充実させるため、こども医療費助成に係る所得制限のさらなる撤廃、高校生までを対象とする通院医療費助成など対象の拡大を実施すべきと考えますが、市長の御所見をお伺いします。
○副議長(杉田忠裕君) 橋下市長。 (市長橋下徹君登壇)
◎市長(橋下徹君) これもなかなか医療費助成の拡大はこれまでできなかったところだと思うんですが、いろいろ公明党の皆さんにも改革に御協力いただきまして、そこで財源を生み出した結果、何とか今のところまで医療費助成の拡大ができたところです。実は高校生までの拡大というものは考えました。考えた上で、その費用負担とそれから効果のところをいろいろ議論した結果、今回のようなところでとめたところです。といいますのは高校生の医療費といいますか、お医者さんに通う数というものがそんなに多くないというところがデータで出てきましたので、まずはお医者さんに通う頻度の高い年齢層のところに手厚く助成をしようということで3歳から12歳まで所得制限を新たに撤廃しまして、12歳から15歳の中学生についても所得基準を緩和するような形、現行の児童手当の基準まで緩和をしたと、これで9割の子供がその助成を受けられることになると報告を聞いております。 さらに高校生までという御主張は承りますけれども、それをやるのであれば、そのお金をできれば教育現場のほうに、これから今全国で広がりつつある教育のICTのほうに使わさせてもらえればというふうに思ってまして、こちらについてもまた議論もさせてもらいたいと、まずはここまで医療費助成の拡大をしたというところを御理解いただきたいと思っています。
○副議長(杉田忠裕君) 明石直樹君。 (32番明石直樹君登壇)
◆32番(明石直樹君) さらなる拡充に取り組むべきだと思っておりますので、お願いしたいと思います。 次に、児童相談所についてお伺いします。 昨年4月、平野区に2カ所目の一時保護所が設置されましたが相談件数等は増加を続けており、体制整備がおくれ、まだまだ不十分であります。市長は、平成25年12月の私の一般質問に対し、大阪市に複数の児童相談所があってもおかしくないと考えている。何カ所の児童相談所が適切なのかについて検討したい旨の答弁をされ、昨年11月の決算委員会では、児童相談所は3カ所を目指していくとのことでありました。しかし、3カ所目の設置場所、設置時期は未定であります。本来、相談部門と一時保護所は一体的な運用が必要であり、相談件数の多さ、児童虐待の急増などを見ても、児童相談所の複数化を早急に進めるべきであります。 しかし、その際、肝心なのは人であります。専門機関である児童相談所が子供たちの福祉を守る機能を果たすためには、特に専門職であるケースワーカーや心理士などの職員が一つ一つのケースに丁寧に対応できる時間と余裕を持てる体制をつくることが必要であります。ケースワーカーについては、依然として一人の担当するケース数が多く、時間外にも保護者面談や宿日直があり、安全確認に出動するなど職員の負担は大きくなっています。単に、現在の人数を分散して箇所数をふやすだけではそれぞれの児童相談所の
サービス水準の低下を招くだけであります。それぞれの児童相談所がきっちりと役割を果たせるよう必要な専門職等の人員確保を行い、児童虐待の急増など数多い相談件数に十分対応すべきと考えますが、市長の御所見をお伺いします。
○副議長(杉田忠裕君) 橋下市長。 (市長橋下徹君登壇)
◎市長(橋下徹君) 議員から指摘をされていることは僕も全てやりたいんですけれども、これは最後、予算編成で一番しんどいところが優先順位をつけなければいけないところで、できましたら議員からも優先順位を、これ何番目なんだろうということをいろいろ御要望の中で優先順位をつけていただくと、上から採用できるのかなというふうに思ってます。児童相談所も、複数設置はもうそのとおりだと思います。これまでやっぱり大阪市がやってこなかったというところで、とにかく一時保護所の2カ所目と、それから児童相談所のほうも、平野区の一時保護所に相談部門を拡充しまして市内南部の児童相談所とすることとして28年度中の開設を目指していきます。3カ所目も必要になるんでしょうが、後はやっぱりこれもすごいお金がかかりますので、先ほど言いました保育料の問題、医療費助成の問題、そういうものも兼ね合いを見ながらこの設置3カ所目についてできるように検討はしていきたいと思っています。
○副議長(杉田忠裕君) 明石直樹君。 (32番明石直樹君登壇)
◆32番(明石直樹君) しっかりとした対策をお願いしたいと思います。 次に、教育・子供施策についてお伺いします。 まずは、学校の管理職人事についてであります。今年度末の人事異動により、区長が校長人事に対して意見を述べる仕組みを導入すると報道されました。校長人事については、教育委員会が総合的な判断のもとに主体的に行うべきであります。区長には校長と学校の抱える課題を共有していただいた上で、学校を行政として積極的にサポートする役割を担うべきではないでしょうか。 また、教頭については応募者が必要数に満たず、昨年の状況では約30人の欠員が見込まれていることが明らかとなりました。学校現場の担い手が多忙で教頭へのなり手もない状況では、せっかくの現役世代への重点投資も効果を上げないのではないかと危惧してるところであります。この状況は教職員の年齢構成上、今後数年間は続きますから今年度の末の対策だけではなく中長期的な対策が必要であります。来年度予算において副校長の配置拡大や教頭を補佐する職員の配置の経費を計上していますが、これだけでは教頭不足は解消されません。職能、勤務実態に応じた処遇改善も検討するなど、教頭という職を魅力あるものにして、それを担う人材をしっかりと内部から育てていくという視点が必要であります。以上、2点について、教育委員会の見解をお伺いします。
○副議長(杉田忠裕君) 山本教育長。 (教育長山本晋次君登壇)
◎教育長(山本晋次君) 区長は地域の住民に近く、実情を最も把握できる立場にありますことから、教育の分野におきましても、これまでのように学校選択制や学校適正配置等に限らず、地域の総括責任者として区内教育行政全般にかかわっていただきたいと考えておるところでございます。今後、区ごとに設けられます区長と区内の校長による連絡調整のための会議等の場で課題の共有を図っていただき、区長が学校をサポートできるよう教育委員会としても支援をしてまいりたいと考えております。 また、区長が校長人事に対して意見を述べることにつきましては、その立場からの情報を活用することにより教育行政及び学校運営の活性化が図られることを期待しておるところでございます。ただし、あくまでも教育長を補佐する立場で意見を述べるものでございまして、その意見は教育委員会が人事異動等を行うに当たっての参考にとどまるものでございます。 いずれにいたしましても、区長の区内教育行政へのかかわりにつきましては、来年度より市長と教育委員会との協議の場となります総合教育会議等で引き続き議論をしてまいりたいと考えております。 教頭につきましては、その業務負担を軽減し教育活動への関与を高めるなど、職としての魅力の向上を図ることが喫緊の課題でございます。処遇面におきましては、今年度大阪府におかれて最低給を600万円程度から800万円程度に引き上げられるなど一定の改善が図られたところでございまして、引き続き大阪府に対してその改善を求めてまいります。負担軽減につきましては、教頭に業務が集中しないよう職種や年齢、経験に応じました役割を教職員に与えて教頭を補佐していく体制が必要となっております。この体制を整備いたしますため、管理職としての業務が多い大規模校で副校長の配置を拡大しますとともに、教頭と教諭の間で一定の校務を担う首席を全校に配置し、特に課題を有する学校におきましては、授業を免除した首席を教頭補佐としてモデル的に配置をしてまいります。現在、大量採用されました教員の年齢が35歳程度まで達しておりまして、これらの教員に首席など年齢や経験年数にふさわしい役割を与えて育成し、将来の教頭、校長への登用へとつなげてまいりたいと考えております。 さらに、副校長モデル校での実践を踏まえまして、副校長へ行政職員や学校事務職員を積極的に任用いたしまして教頭の事務的な負担を軽減いたしますとともに、新任教頭が配置される学校などには教頭の事務を補助する嘱託職員の配置を行い、学校の規模や課題状況に応じた適切な支援を行ってまいります。これら教頭の職としての魅力向上と人材の育成を進め、できるだけ早期に教頭不足の状況を改善できるよう取り組んでまいりたいと考えております。
○副議長(杉田忠裕君) 明石直樹君。 (32番明石直樹君登壇)
◆32番(明石直樹君) 教頭の職を魅力あるものにし、なり手をふやしていただきたいと思いますのでお願いします。 次に、大阪市の子供の学力についてお伺いします。 毎年実施されています全国学力・学習状況調査の平成26年度の結果を見ますと、小学校では2%から3%、中学校では3.5%から5%程度、平均正答率が全国平均を下回っています。市長は、就任以来さまざまな予算を計上して学力向上施策を講じているにもかかわらず、依然全国レベルを下回っていますが、この差を解消することは可能なのでしょうか。少なくとも教育振興基本計画に掲げた平成27年度までの目標は達成されるのでしょうか。それをどのように実現されるのでしょうか。 また、学力調査から本市では学力低位層の児童・生徒の分布が多いという結果が出ています。学力低位層の児童・生徒が偏在している原因はどこにあるとお考えでしょうか。我が会派としては、子供の生活環境や生活習慣の問題、いじめや不登校などさまざまな社会的要因がある中、総合的な視点で原因を分析し、全国平均はもとより、グローバル化が進む国際社会において力強く生き抜くことができるような学力を身につけることが必要であると考えています。 教育ICTについては、先般発生した契約問題によってこれまで目指してきたスタンダードモデルという方向が変わっているのではないでしょうか。ICT先進国のシンガポールでは、1997年から国家戦略に基づきICT環境整備、教職員の指導力向上、児童・生徒の活用力の育成など、教育のICT化を計画的に進めております。ICTのモデル校では、全生徒が家庭でも活用し学習効果を高めているようであります。 今回整備するタブレット端末の台数は1校当たり40台と聞いていますが、この台数では子供がタブレット端末で学習する時間が限られるため効果が十分に期待できず、単なるばらまきになるのではないでしょうか。我が会派としては、学校教育におけるICT化の推進には賛成でありますが、現在の進め方には疑問があります。現在、タブレットが導入されているのはモデル校の6校、小中一貫校を含めても8校のみであり、ネットワーク環境もその8校しか整備されていません。また、教員への研修にしても各学校1名の推進教員を対象とした研修が主で、全教員のICT利活用力、指導力の向上には非常に不十分な状況であります。 そのような中、来年度一気に全424校へ広げるのは余りにも性急であります。学校教育ICTについては、その事業計画を見直すべきであります。具体的には、来年度はICT先進校を設け、校長が手を挙げた学校から選定し、その学校で全生徒にタブレットを整備し、そこでしっかり効果検証をすべきでありますが、今後どのような事業展開を考えておられるのでしょうか。 あわせて体力についても全国下位に低迷している状況であります。これに対してどう取り組まれるのでしょうか。 以上、3点について、市長の御所見をお伺いします。
○副議長(杉田忠裕君) 橋下市長。 (市長橋下徹君登壇)
◎市長(橋下徹君) まず、いろいろ御質問いただきましたけれども、僕が考えてた教育委員会制度、要は首長が全責任を持ち権限を持った教育委員会制度だと、こうします、ああしますということを全部答えていくんだと思うんですけども、これは、教育委員会制度の改正に当たっては公明党さんの意見が反映されて、やはり首長と教育委員会というものがある意味役割分担を行って総合協議をするというような形になっていますので、正直この学力問題については学力向上をまずしっかり目指してくれと、予算はつけるというところが基本的に首長の役割であって、その具体の中身は教育委員会でいろいろ考えてくれてます。その課題については指摘をしていってます。例えば校長マネジメントが弱い。校長が学力向上の目標を立てても、それをきちっと現場の教員が受けて組織として動かなければ学力向上なんか図れません。ですから、やっぱり僕は教育の今の公選職の役割というのは、その組織のあり方の問題点をどんどん教育委員会のほうに言って、かなりこれも改善してきてます。 公募校長についてはいろいろ御指摘ありましたけども、それでも今までの学校の組織のあり方というものは大きな問題があって、学力向上を掲げてもそれに向かって現場が動かないという現実があったんです。今は徐々にそういうマネジメントの改革が進んで、学力向上を目標に皆が、学校が取り組むような仕組みができました。あと、どうやっていくのかというのは、これは教育委員会のほうでしっかりとそのプランは立ててもらわなければいけないと思ってます。僕は教育の専門家ではありませんので、学力向上策は教育委員会にしっかり立ててもらいたいと思います。 それからICTについても同じで、もし教育ICTが必要だということになれば、僕が教育委員会に言ったのは、とにかくICTを進めてくれ、予算をつけるというところです。今回の案も、当初は僕は全員に配付すべきじゃないかとか、それぐらいの予算まで確保するという話をしたんですが、ICTの推進はいろいろ公明党の皆さんからも御意見いただきましたけれども、これはいろんな韓国の例、シンガポールの例もそのとおりで、まずは教員がそれだけのスキル、ノウハウを持たないと、機器だけを配付すると失敗するというところから教育委員会がいろいろ計画を立てて、まずはモデル校で実施し、そこの教員を研修しながらカリキュラムを立てて、次、今の段階は僕も40台だけでいいんですかねという話をしたんですが、まずはこれでやらさせてほしいと。今の教員対応能力を考えると、ここからやらさせてほしいということが教育現場からの声なんです。果たして、これを我々がこういう事業計画でやるべきだ、こうやるべきだということを言うのが適切かといったら僕はそれは違うと思います。これを動かしていくのには、さっき言った専任の教員をつけるのかどうなのか、進め方もある。それから、ネットワークの整備のやり方までいろいろある中で、まずはこれをやらさせてほしい、これだったらできると。次の段階で、今度はもう一段拡充していくというのが教育委員会の考え方、こういう形だったらきちっと進めることができますというような話だったので、僕はそれだったらやってくれという話もしました。 ですから、この事業計画については先ほども言いましたけれども、今の教育委員会制度を考えたときに、公選職がああだこうだ言っても現場がやることなので、僕はそれは違うと思うんです。方向性、それから予算をつけると、これでやってくれというところまでが僕らの役割であって、あと中身は考えてくれということではないのかなと思っていますので、僕は教育委員会が出してきたこの策をしっかりと推し進めていきたいと考えております。 体力については、これもしっかりやってくれということを言いました。もちろん予算もつけるし、もっと考えてほしい。これは既存のいろんなスポーツネットワークですね、そういうところも活用してしっかり考えてほしいということを言っております。後は、教育委員会のほうでその中身についてはもっと力を入れてもらわなければいけない。今までは子供の個性に合わせた何か教育をとか、いいとこ伸ばそうとか、それぐらいの漠っとしたフレーズしかなかったところを、今学力向上に向かってくれ、ICTに向かってくれ、体力向上に向かってくれ、予算はつけるということを言ってますので、その中で出てきた教育委員会のその案をしっかり応援してあげるのが我々の役割ではないかなと思っています。
○副議長(杉田忠裕君) 明石直樹君。 (32番明石直樹君登壇)
◆32番(明石直樹君) 市長、子供の体力の向上について御答弁をお願いしたいと思います。
○副議長(杉田忠裕君) 橋下市長。 (市長橋下徹君登壇)
◎市長(橋下徹君) しっかりやるようにということで、教育委員会のほうへ言ってます。予算も必要であればつけます。
○副議長(杉田忠裕君) 明石直樹君。 (32番明石直樹君登壇)
◆32番(明石直樹君) 特にICTは膨大な予算を投入する事業です。失敗は許されません。常任委員会でしっかり議論をさせていただきたいと思います。 次に、中学校給食についてお伺いします。 中学校給食では今年度より全員喫食が始まりましたが、アレルギー対応やおかずの冷たさ、分量調整などさまざまな課題があり、子供たちの食べ残しも多いと聞いています。子供が喜んで食べる食育にかなった給食になっていません。 また、中学校給食の中長期的な見直しについてでありますが、検討の材料として親子方式のモデル実施はたったの1校だけで、小中一貫校以外の単独での自校調理方式のモデル実施は一つもありません。教育委員会は、新しい方式の導入に10年かかると言われています。市長も、10年は余りにも時間がかかり過ぎるとおっしゃっています。子供は、中学校を3年で卒業してしまいます。長い時間をかけてはなりません。実施方式の検討に当たっては、各区で方向性を立てることができるよう保護者や地域の住民の意見を酌み上げる体制づくりが必要と考えますが、市長の御所見をお伺いします。
○副議長(杉田忠裕君) 橋下市長。 (市長橋下徹君登壇)
◎市長(橋下徹君) これももう学校数が多過ぎるんです。ですから組み合わせをやるのに、今回担当部長を置いてやっと1校できるというような話になったんですよ。これは公明党の皆さんからできるんじゃないかという話があって、僕も何遍もこれまでできるのかできないのか確認したら、できないと上がってくるわけですよ。でも、それ以上に僕が学校を回って全部点検するわけにはいきません。今回担当部長を置いて、担当部長が全部学校を回ったんです。その中で、この学校とこの学校だったらできるという話が上がってきたのが今回のモデル校なんです。ですから、まだほかにあるということであればその組み合わせとかそういうものもぜひ具体案を出していただいて、こういう組み合わせがあると。 小中一貫校については、施設一体型の場合には基本的には自校調理方式でやるという方向性にもう変えました。今までは公平性の観点からできないという話だったんですけど、これも小中一貫校はもう自校調理方式でやると。そのほか自校調理方式に目がけて、小中親子方式でもそうなんですが、その方式を目指してプランを立ててほしいというふうに言ってます。もちろんこれは財源の問題もありますし、じゃ、どういう組み合わせでやるのか、これはやっぱりきめ細かに組み合わせを考えていこうと思うと、やっぱりこれ結局区でやるかということになると、区のほうに予算編成権と決定権がないとできないんです。区長では、自分たちに予算編成権ないもんですから、この組み合わせでこんな莫大なお金がかかるといってもそれはできないわけです。だから、これは教育委員会のほうで今担当部長を置いてますので、今頑張ってやってくれてはいますが、できましたらそういう具体の提案があるんであれば、僕もいろいろこれ確認したらいろんな事情があって小中親子って簡単にできるもんではないんです。ですから、いろんな条件が整った場合に初めてできるような状況ですので、高槻市とかの18校かそれぐらいの中だとできるんですけども、100校を超えるような中学校の中でこの組み合わせを全部やっていくのは今の教育委員会の体制ではなかなか困難かと思います。ぜひ具体の提案をいただければ、それに向けて進めていきたいと思ってます。
○副議長(杉田忠裕君) 明石直樹君。 (32番明石直樹君登壇)
◆32番(明石直樹君) ぜひその辺を提案させていただいて常任委員会で議論をさせていただきたいと思います。また、各区での意見を吸い上げてということもしっかりお願いしたいというふうに思います。 次に、塾代助成事業についてお伺いします。 塾代助成事業は、本年10月から助成対象を約2万人から市内在住中学生の約8割となる5万人に拡大するため25億円もの予算が計上されております。しかし、現在の利用率はたったの3割程度と少なく、この事業の重要な目的の一つである中学生の学力が向上してるかどうかの検証も困難であります。こうした状況で、巨額の予算を計上するのは疑問であります。塾代助成事業の拡充については一旦立ちどまるべきであります。今後の展開については、こども青少年局と教育委員会が緊密に連携して取り組む体制を構築し、子供の学力がアップする政策に転換すべきと考えますが、市長の御所見をお伺いします。
○副議長(杉田忠裕君) 橋下市長。 (市長橋下徹君登壇)
◎市長(橋下徹君) まず、利用率についてはこれは評価の仕方だと思うんですけれども、全区で展開をしてから利用者数はふえ続け、この1月現在では約35%、僕は35%も活用してもらってると思っています。しかも、昨年12月に実施したアンケート調査の結果では、利用している生徒の69%が新たに学習塾などへ通えることができた、受講科目をふやせたと回答してくれています。活用してくれてる子供たちの約7割が、新たに塾に通えた、受講科目をふやせた、僕、これ非常に大きいんじゃないのかなと思います。大阪市でいろんな施策をやります。例えば中小企業支援策やいろんなことをやっても、じゃ、その活用率はどれぐらいなのかといえば35%もありません。いろんな政策をやっても義務的にやる分だったらそうなんですけども、でもこういう形でいろんな政策をやって、ありとあらゆる政策が9割も10割も使ってるような政策ばかりではありませんので、僕はこの35%という数字は非常に高い数字なんではないかと。決して、この生徒たちのことを無視できないようなそういう数字なんではないかと思ってます。 そして、先ほども言いましたけどもその6割、7割が新たに学習塾へ通えることができた、受講科目をふやせたと。60%の生徒が、この事業により学校の成績が向上したと回答しています。さらに、56%の生徒が学習に前向きになったと実感しております。中学生に学校外教育を受ける機会を提供し、学力や学習意欲の向上にも寄与していると確信をしています。 ただ、もちろんこの拡大に当たっては、低所得者の方へのサポートなのかといえばそうではなくなります。ただ、これは中間所得者層の可処分所得を拡大するという一つはそういう経済的な効果というものも狙ってのことでもあり、また就学前とそれから小学生と中学生、予算の投入額を見てみるとやっぱりここにアンバランスも生じています。就学前の保育所事業とか、見えないところで措置費で莫大な税が投入されてる。そういう現実も踏まえてもらった上で、今回医療費助成は中学生まで拡大しましたけれども、やっぱり中学生のところにまだ税投入がバランス的に弱いというふうに判断しましたので、あえて中学生のところにダイレクトに税の投入をやりました。保育料を下げろ下げろという御意見もわかるんですけれども、既に国基準よりも下げてることにもう相当なお金を使っているわけです。敬老パスでも60億使っている。保育料の軽減措置でも四十何億使ってる。もちろん、保育所の措置費でももっと何百億単位でお金を使ってる。そういうバランスを見た中で、中学生を抱えてるその世代に税投入が少ないという判断をしましたので、こういう形の塾代助成事業を打ち出しました。ぜひ、その税投入のバランスということも見た上で御理解いただければと思っています。
○副議長(杉田忠裕君) 明石直樹君。 (32番明石直樹君登壇)
◆32番(明石直樹君) 現状のままでは8割の拡充は余りにも無謀であると思ってます。一旦立ちどまって、もう一度やっぱり検証、考え直すべきであると思っております。 次に、文化施策についてお伺いします。 昨年5月の一般質問で、我が会派から、文化施策を拡充することが大阪の都市格を向上させるため何よりも重要であると申し上げました。これに対して市長は、平成27年度予算に向けて文化予算を拡充し、アーツカウンシルと担当局で力を合わせて文化施策をより発展させてもらいたいと答弁されました。現在の市の文化予算は、市全体予算に占める割合が0.14%であり、主要な政令市の中でも横浜0.36%、名古屋0.47%、京都1.24%、神戸0.22%と比べて最低であります。また、海外の都市でニューヨークは0.52%と本市の4倍近く、パリに至っては3%と約20倍であります。ソウルにおいても1.2%と9倍近くであります。市全体予算の1%程度となることを目指して、ぜひ大幅な増額を期待いたします。 この間、文楽協会への補助金の全廃などマイナス面ばかりが強調されています。やはり文化面での後退は、前回も申し上げたように都市格の低下を強く印象づけています。文化施策を拡充することこそが大阪の都市格を向上させるため何よりも重要であると考えますが、改めて市長の御所見をお伺いします。
○副議長(杉田忠裕君) 橋下市長。 (市長橋下徹君登壇)
◎市長(橋下徹君) 文化予算をふやせば都市格が上がるというのは僕は違うと思います。その予算の仕組みが重要であって、しっかり検証ができる、PDCAが回る、今回アーツカウンシルという仕組み、これは東京にもあるみたいですけども、ただ大阪のこの仕組みのほうがより僕はすぐれているというふうに思ってますが、その予算をふやす、額じゃなくて仕組みが重要だと思ってます。それと同時に、今回のふるさと寄附金ですか、この税制を使って文化を支えたい人が税金を納めるかわりに寄附できるというこの制度もつくりました。僕はそういう仕組みが重要だというふうに思ってます。 また、ベンチマークといいますか、他都市比較をやるときのこの割合は非常に誤解を生むので気をつけていただきたいんですが、やっぱりこういう比較をするときには基準をそろえなければいけないと思ってます。例えばですけれども、パリ市では図書館、公文書、劇場、ホールなどの関係費も含みます。ですから、そうであれば大阪市も入れてもらわなければいけないと思うんですね、ホールとか図書館も。ニューヨーク市では、動植物園等施設管理費も含みます。当然大阪市は入れておりません。京都市は動物園が入ってます、運営費が。動物園の再整備費も入ってます。動物園も文化費なんです。京都会館の再整備工事、二条城の運営整備、文化財保護事業費も入ってるんです。大阪市は入れておりません。いろんな文化遺産のその保護費なんてのは入っていません。横浜市は区民文化センターの整備事業費、市民ギャラリー移転事業費、スマートイルミネーション事業も含んでおります。名古屋市は職員人件費まで含んでおります。事務費も含んでいます。神戸市はレクリエーション事業の推進費を含んでおります。ですから、そうであれば文化予算という名前だけで比較をするんではなくて、どういう項目なのかということをしっかりと基準をそろえていただいてパーセンテージを出していただかないと、いかにも大阪が非常に文化予算が低いというような間違った情報が流れてしまいますので、そこはしっかりベンチマークをやる場合には基準をそろえていただきたいと思っております。 文化を発展させるということは重要であることはもう間違いありませんが、今回補助制度ですね、補助金の仕組み、これ僕は全国の自治体の中でも最先端を走ってるそういう仕組みになったかと思いますので、こういう大阪を目指してさまざまな文化団体が活躍をしてもらえればと思っています。
○副議長(杉田忠裕君) 明石直樹君。 (32番明石直樹君登壇)
◆32番(明石直樹君) 市長から今さまざま言われましたが、アーツカウンシルでやってる大阪市の今の事業の予算はずっと下がっております。残念ながら。そしてまた今の資料については理事者からいただいた資料をもとにしておりますし、また現在の文化予算では今のままでは不十分であります。都市格の向上に向けやっぱりしっかりと取り組みをしなければ、これから大阪が観光都市としてのそれはないというふうに考えておりますので、しっかりとまたこれについても議論をさせていただきたいと思っております。 次に、観光施策についてお伺いします。 昨年の訪日外国人旅行者数は円安の進行やビザの緩和などを追い風に前年比29%増の1,341万人となり、大阪を訪れた外国人旅行者も、平成25年の262万人に対し平成26年は推計で320万人を大きく超えたと聞いています。また、大阪の成長戦略では、2020年には現在の倍増ともなる650万人に目標を掲げています。現在でもキタ・ミナミは多くの外国人観光客が訪れ、ホテルやバスの駐車場の課題もある中で観光客の倍増に対応できるのでしょうか。JRでは、大阪環状線各駅の開発を順次進めております。成長戦略の柱となる観光施策を進める上において、キタ・ミナミだけに集中するのではなく大阪の観光拠点をさらに拡充していく取り組みが必要ではないでしょうか。中長期的な視点に立った市長の御所見をお伺いします。
○副議長(杉田忠裕君) 橋下市長。 (市長橋下徹君登壇)
◎市長(橋下徹君) 多くの外国人観光客に大阪に来ていただくということになれば、これは広域行政がしっかり広域的な視点で仕事をしてもらわなければいけないと思ってます。空港の利便性、空港から都市部へのアクセス性、それからホテルの利便性、都市内部の公共交通機関の利便性、こういうものは大阪全体の視点でやっていかなければいけない。 また、多くの観光客を数百万人単位で呼び寄せるということになれば、これは大型の観光コンテンツというものが必要になってきます。これは大阪城であり、難波宮であり、百舌鳥古墳群であり、こういうことも広域的な視点でやらなきゃいけないと思うんです。基礎自治体の視点でやっていっても、それは多くの外国人観光客に対応できません。ただ、基礎自治体としてやることは、コミュニティーをしっかり活用してその地域の特性を生かすようなそういう特徴あるまちづくりをやっていく、こういうことも必要だと思っていますので、広域行政でやることと基礎自治でやることをしっかり分けて外国人の皆さんに魅力を感じてもらえるようなそういう大阪をつくっていきたいと思っています。
○副議長(杉田忠裕君) 明石直樹君。 (32番明石直樹君登壇)
◆32番(明石直樹君) 市長、外国人観光客が大幅に増加してる今がチャンスであります。大阪が世界的な観光都市となるよう取り組みをぜひともお願いしたいと思います。 次に、天王寺動物園の活性化についてお伺いをします。動物園周辺の天王寺・阿倍野エリアにおいても、昨年3月のあべのハルカスのグランドオープンなどにより多くの観光客が訪れ、にぎわいを見せています。今後は、エリア全体を観光拠点化させる必要があります。そのためには、エリアの核となる動物園の活性化を図るとともに天王寺・阿倍野地区にある美術館やあべのハルカスといった文化・観光施設とともに連携して地域一帯の取り組みを進めていくべきであると考えます。 しかしながら、動物園に注目すれば、動物園のマスタープランである「ZOO21計画」に基づき、アジアの熱帯雨林ゾーンやアフリカのサバンナゾーンのような生態的展示を進めてきましたが、最近は新たな整備がとまった状況となっており、活性化の観点から心配しているところであります。天王寺動物園は施設の老朽化が進んでおり、レストラン、売店などのサービス施設も魅力に乏しい状況で、集客力を向上させるためにはこれらの施設の改修や新たな施設の整備を進めなければなりません。また、天王寺動物園のホームページも貧弱で情報発信の強化が必要であります。あわせて天王寺動物園オリジナルの商品開発への取り組みなど、民間活力も取り入れ魅力向上を図っていく必要があり、目標を設定し、早急に活性化を進めていただきたいと考えます。これらの動物園の活性化について、市長の御所見をお伺いします。
○副議長(杉田忠裕君) 橋下市長。 (市長橋下徹君登壇)
◎市長(橋下徹君) 天王寺動物園を魅力ある観光拠点にしていくという方針をしっかり打ち出しました。予算もつけていくということを言っております。ただ、何から何まで一気に進めるわけにはいきません。ZOO21計画、これもおもしろい計画だなとは思ったんですが、今から約20年前にできた計画で、本当に今これをそのままやっていくのかどうなのかは、それこそICTじゃないですけども、しっかり検証しなきゃいけないと思うんですよ。何が問題かというと、過大なその投資をする前に動物園自体がサービス精神というものを持っていたかどうか、そこに尽きると思います。ですから、今、議員から御指摘をいただいたZOO21の投資の部分を除いてのさまざまな御指摘をいただいた点は、動物園で働いてるスタッフ、職員がサービス業としてサービス精神を持ってくれるかどうか。動物園は、やっぱり以前はいわゆる動物の研究、生態保護という名目で学術的なそういう位置づけというものがすごい前面に出ていたんです。それを否定はしませんけれども、やっぱりお客さんを楽しませるサービス業というその視点をもっと明確に持ってもらうということがまず先にやらなきゃいけないことかなと思いまして、今、改革担当部長のほうにそういう指示を出して徹底したサービス精神の向上ということに努めてもらってます。 そういう中で、今までの動物園予算には近年ないぐらいの予算をつけまして、今、動物園改革を進めているところでありまして、順を追って今度はいろんな必要な投資もやっていかなきゃいけないと思ってますが、今の動物園の施設の中でも施設改修の案が上がってきていますので、そういうところも見ていただいて順を追って魅力ある動物園に持っていけるようにしていきたいと思ってます。
○副議長(杉田忠裕君) 明石直樹君。 (32番明石直樹君登壇)
◆32番(明石直樹君) ぜひとも天王寺動物園の魅力アップをお願いしたいと思います。 次に、シームレス運賃についてお伺いします。 地下鉄と私鉄の相互乗り入れによる広域的な交通ネットワークが実現できないのであれば、ソフト面からシームレス化を実現してはどうでしょうか。海外に目を移せば、例えばパリでは1種類の切符でいろんな交通機関を共通に利用できたり、ニューヨークでは中心部は地下鉄とバスを均一運賃で利用できたりするシームレスな運賃が採用されており、初めて訪れてもわかりやすく利用しやすい環境となっています。地下鉄は、現在多額の黒字を計上できていますが、中長期的には少子高齢化に伴う乗車人員の減少が避けられません。国内外からのインバウンドを念頭に置いた施策を積極的に打ち出し、需要の底上げを図っていくべきではないでしょうか。 大阪府市が公表している大阪の成長戦略では、国内外から多くの人々が訪れる世界最高水準のエンターテインメント都市の創出を目指しています。8,600億円の資産を持ち300億円もの経常利益を計上している交通局がリーダーシップをとって、関西の鉄道会社をリードし、ICカードを活用してインバウンドに対し地下鉄と私鉄を含めたシームレス運賃を実現してはどうかと考えますが、市長の御所見をお伺いします。
○副議長(杉田忠裕君) 橋下市長。 (市長橋下徹君登壇)
◎市長(橋下徹君) 今般、交通局ではICカードについて、これまでのスルッとKANSAIのPiTaPaだけでなくJR西日本のICOCAの積極的な活用を含めた新しい戦略Next Stageを立て、これまでの枠を超えて関西の鉄道事業者を牽引していくとの強い決意を示したところであります。 御提案のインバウンドへの対応については、現在、関西経済連合会の呼びかけを受けJR西日本、大手5私鉄、大阪市交通局において既存のICカードをベースとした関西統一交通パス、「KANSAI One Pass」について検討を進めているところであります。まずはその実現に注力していくとともに、それ以外の可能性についても他の鉄道事業者としっかり協議をしていくべきかと思っています。 ただ、こういう黒字が出たからこそ、僕は民間の合理的な経営判断に委ねていかなければいけないと思ってます。安全対策、それから交通のネットワークの利便性、このようなシームレスの運賃というのも利便性になるかと思うんですが、それからいわゆる株主に当たる役所への納付金、こういうものを組み合わせながらやっぱり合理的な判断をするということをやろうと思うと、これは申しわけないですけども、やっぱり市長部局や議会の皆さんにいろいろこういうことを言われるような交通局だと合理的な判断できないと思うんですよ。安全対策をやれ、シームレスをやれ、これをやれ、これをやれ、黒字をどう使うのか。僕は、これはしかるべき経営陣のもとで経営ボードをつくってもらった上で、どう役所のほうに配当するのか、どう次の投資に回すのか、利便性にどう充てるのか、これこそまさに経営者のいわゆる経営判断ということであって、我々政治家がやることではないと思ってます。ただ、交通局のほうはこういう形でKANSAI One Passということの検討を進めているということですのでこれをしっかりやってもらいたいと思っています。
○副議長(杉田忠裕君) 明石直樹君。 (32番明石直樹君登壇)
◆32番(明石直樹君) しっかりとした取り組みをお願いしたいと思います。 次に、公共施設における公衆無線LANの整備についてお伺いします。大阪市の公共施設における公衆無線LANの設置状況については、現在設置されているのはたった166施設であります。一方、大阪を訪れる外国人観光客に対する受け入れ環境整備として、大阪観光局は平成26年1月から設置を進めているOsaka Free Wi-Fiでは、関西国際空港を初め公共交通機関の主要駅や民間の観光施設等において、昨年12月末現在で1,733拠点と着実にその設置数を伸ばしています。新たな都市魅力の創造、そして集客観光に取り組んでいくためには、また高度情報通信社会に対応した情報インフラ整備の観点から、市役所や区役所など公共施設における公衆無線LANの設置について積極的に取り組んでいくことが必要ではないでしょうか。市長の御所見をお伺いいたします。
○副議長(杉田忠裕君) 橋下市長。 (市長橋下徹君登壇)
◎市長(橋下徹君) 公衆無線LANについても検討の指示を出したところ、その利用率とかそういうことも勘案した上で今出てきているのが、とりあえず区の図書館にはつけると。それから、都島区役所はICT戦略のリーダーにもなっていますので、都島の田畑区長が、都島区役所は積極的につけていくという今回予算要求がありました。これはやはり利用者の利用率との兼ね合いがあります。民間のほうの業者がそういうものを考えて公衆無線LANの設置を進めてきてくれてるところもありますので、この需要と供給のバランスを考えるのはやっぱり我々がやるんではなくて、これは民間事業者などがここにつけたほうがいいだろうというところに、そこを積極的に我々はそういう機会を与えるというやり方なのかなというふうに思ってます。ただ、大阪全体に無料公衆無線LANが整備されることは必要だと思ってますので、今観光局が進めている無料Wi-Fiが広がるようにこれもしっかりとサポートしていきたいと思っています。
○副議長(杉田忠裕君) 明石直樹君。 (32番明石直樹君登壇)
◆32番(明石直樹君) しっかりと整備をお願いしたいと思います。 次に、経済活性化対策についてお伺いします。 民間調査会社の発表によりますと、大阪では10年連続で企業本社の転出が転入を上回り年間100社前後の転出超過が続いているとされ、地盤沈下、経済的地位の低下が続いています。このような中、国の緊急経済対策に対応し、平成26年度の補正予算に消費喚起効果の高い「プレミアム付商品券」発行事業費が計上されていますが、こうした取り組みは時期を逸することなく可能な限り早期に実施することが重要であり、できれば夏休みが始まるまでには実施できるよう準備を進めるべきであります。 また、経済を活性化し活力ある大阪を実現するためには、世界から人・物・投資等を呼び込む取り組みを戦略的に進めることが重要であります。円安の影響もあり来阪する外国人が急増しています。飲食を初め宿泊、土産品等の製造や販売といった裾野の広い観光関連産業、さらには観光施設にとどまらず、地域の個性豊かな商店街などへのプラスの波及効果をもたらすことが期待でき、この機を逃すことなく、中小企業や商店街等がビジネスチャンスをしっかりと取り組むための支援を行うことが重要であります。 しかしながら、市長は就任されて以来、大阪に投資を呼び込むためのトッププロモーションもほとんど行われないなど、残念ながら大阪経済の活性化対策について積極的に取り組んでいるとは感じられません。国際戦略総合特区における地方税が最大ゼロという特区税制も、平成26年度の実績はゼロ件であります。今後どのように経済活性化対策に取り組んでいかれるのか、市長の御所見をお伺いいたします。
○副議長(杉田忠裕君) 橋下市長。 (市長橋下徹君登壇)
◎市長(橋下徹君) 経済活性化対策というのはよくこういう議会なんかでも議論になるんですが、いわゆる市役所レベルでできること、広域行政体でできること、国ができること、役割分担をきちんと整理しなきゃいけないと思うんです。あれだけのいわゆる権限を持って財源を持った政府ですらですよ、アベノミクスをやって、じゃ、その景気を感じてる割合どうなんだというと20%は超えない状況なんです。それでも株価は上がってるし、円安になって企業業績が上がってるというところはありますけども、あれだけの権限と財源をもってしてもそういうものがある意味、経済活性化策でありまして、やっぱり僕は金融と税制とそれから規制のところ、ここの組み合わせで活性化策というものを考えていかなければいけないと思っています。 ただ、じゃ、地域でできることは何かといえば、最近よく言われるGとLの区割りがありますけども、Lのローカルの経済活性化策というのは、何か大阪全体がどーんと伸びるとかそういう話ではなくて、きめ細かく販路開拓のところをサポートするとか、困ってるところに対して相談に乗るとか、何か金融の仲介をするとか、そういう話は必要になってくると思うんですが、それは大阪府と大阪商工会議所と大阪市の役割分担がきちっとある意味できていまして、大阪市の場合には産業創造館が頑張ってくれていますし、大阪商工会議所もさまざまな施策をやっています。ですから、経済活性化対策を論じるときには、大阪府と大阪商工会議所と大阪市の役割分担を踏まえた上で大阪市が何をやらなければいけないのか。そして、産業創造館もやってることを踏まえて何をやらなければいけないのか、僕はもうある意味、基礎自治体としてやるべきことはもう十分にやってるのではないかなと思ってます。 また、自治体の長がトッププロモーションでどこかに出かけていっても、それだけで企業がどんどんどんどん呼び込まれるようなものではありませんので、ここは今、知事に任せているようなところでありますが、大阪市で今できる限りのことは十分やってると、僕はそのように認識をしています。もし案があれば、おっしゃっていただいたらしっかりやります。
○副議長(杉田忠裕君) 明石直樹君。 (32番明石直樹君登壇)
◆32番(明石直樹君) 市長、もう一つ、今の私の質問の中で、26年度補正予算の消費喚起効果の高いプレミアム付商品券、これについて市長のお考え、それをお聞きしたいと思います。
○副議長(杉田忠裕君) 橋下市長。 (市長橋下徹君登壇)
◎市長(橋下徹君) これは議員から指摘がありました国の緊急経済対策ですから、これは早期に実施しなければいけません。いろいろと当初はちょっと秋以降とかそういう議論もあったんですけれども、7月中の発行を目指してしっかりやっていきたいと思っています。
○副議長(杉田忠裕君) 明石直樹君。 (32番明石直樹君登壇)
◆32番(明石直樹君) 7月にプレミアム付商品券が活用できるよう大阪の活性化につなげていくべき取り組みをお願いしたいと思います。 最後に、地下街の浸水対策についてお伺いをします。 本市では地下街が発達し、これに地下駅やビルが接続され大規模な地下空間を形成しております。近年、全国各地で大雨による被害が発生しており、本市においても、一昨年8月に、ゲリラ豪雨により梅田地区において大規模な内水氾濫が発生しています。南海トラフ巨大地震が発生した場合の津波浸水も心配され、大都市特有の課題として本市における地下空間の浸水対策は大変重要な課題であります。 本市では、昨年10月に修正された大阪市地域防災計画において、地下空間の浸水対策として関係者が連携した避難計画や地上出入り口等における浸水防止対策を進めていくこととされています。これまでも、市会より地下街等の浸水対策として避難対策や止水板等の整備に伴う補助制度の新設を求めてきたところであります。特に、内水氾濫が発生した梅田地区においては、民間接続ビルにおける浸水防止対策は急務であり、止水板等の整備を早期に進めるべきでありますが、本市における地下空間浸水対策の取り組みと補助制度の新設について、市長の御所見をお伺いします。
○副議長(杉田忠裕君) 橋下市長。 (市長橋下徹君登壇)
◎市長(橋下徹君) 地下空間の浸水対策は大阪市における喫緊の課題であり、地下街、地下駅、接続ビルが連携して対策推進を図る必要があります。そのため、昨年3月に大阪市地下空間浸水対策協議会を設置し、専門家の御意見をいただきながら、本年3月6日には大阪駅周辺地区をモデル地区として地下空間管理者や接続ビルが連携した避難訓練を行い避難対策の検証を行うとともに、地上出入り口における浸水防止対策の取り組み方針を検討し、地下空間浸水対策ガイドラインを今年度末に取りまとめることとしています。 止水板等の設置に関する補助制度については、市会からの御意見もありまして本市としても国へ要望してきたところであります。国においては交付金制度を活用し、都市部の内水氾濫による地下街等の浸水防止対策を推進していくということとなりました。以上の状況を踏まえ、本市として大規模な浸水実績がある大阪駅周辺地区の地下街や接続ビルを対象に、地上出入り口における止水板等の設置に対する補助制度を平成27年度に創設します。議員御指摘のとおり、特に民間接続ビルにおける浸水防止対策が急務であり、本市補助制度を活用して対策を実施していただくよう積極的に働きかけていきます。
○副議長(杉田忠裕君) 明石直樹君。 (32番明石直樹君登壇)
◆32番(明石直樹君) 地下街の防災対策は喫緊の課題でありますので、早急に対策をしていただくようお願いをいたします。 以上、長時間にわたり議論をさせていただきました。保育料の問題、教育ICTの実施のあり方、塾代助成の事業の進め方、中学校給食の中長期的な問題、そして、そのほか現役世代の重点投資のあり方、また弘済院、経済対策、そして経済活性化のあり方、これらについては引き続き常任委員会で具体的な問題を議論させていただくことを申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。御清聴どうもありがとうございました。(拍手)
○副議長(杉田忠裕君) お諮りいたします。この際、暫時休憩することに決して御異議ありませんか。 (「異議なし」と呼ぶ者あり)
○副議長(杉田忠裕君) 御異議なしと認めます。よって、暫時休憩いたします。 午後2時30分休憩 午後3時1分再開
○議長(床田正勝君) これより休憩前に引き続き会議を開きます。
○議長(床田正勝君) 北野妙子君の質疑を許します。 46番北野妙子君。 (46番北野妙子君登壇)
◆46番(北野妙子君) 私は、自由民主党大阪市会議員団を代表し、橋下市長の市政運営について総括的に質問を行います。 平成23年の統一地方選挙において市民の皆様から御信任をいただいてから精いっぱい努めてまいりましたが、今回の代表質問が橋下市長に対して本会議場にて御質問する今任期最後の機会となります。 ところで市長、大阪市はお好きですか。 (「好きですよ」と言う者あり)
◆46番(北野妙子君) どうも最近の市長の言動をお聞きしていると、お好きでないように感じますが。これまで進めてこられた施策について振り返っても、市長が基礎自治体であり、かつ長い歴史を持つ大都市、大阪市の積み重ねてきたものを理解されているとは思えません。自治体の長がその自治体への思いもなしに解体をも視野に入れた無軌道な市政をされておられることは市民の不幸であり、代表たる私どもは見過ごすわけにはいかないものであります。市長の大阪市への思いを確認するという観点から以下、質問をさせていただきます。 まず初めに、中学校給食についてお伺いいたします。我が会派は、心身ともに大きく成長する中学生にとって、中学校給食は非常に大事であると考えております。今年度より中学校給食において新入生から、もしくは全学年一斉の全員喫食が導入されておりますが、我々としては、デリバリー方式により全員喫食を導入することについて、適温での提供や食物アレルギー対策などでさまざまな課題があると考え、この間の市会でもずっと指摘をしてまいりました。教育委員会が改善策を講じていることは認識していますが、学校現場を見ていても残食が非常に多く、子供たちには受け入れられていないと思われます。デリバリー方式による給食提供では、諸課題の解決には限界があると言わせていただきます。このまま新年度を迎えると、多くの学校で1年生と2年生が全員喫食となることから、半数を超える生徒が望んでもいない給食を無理やり食べさせられることになります。かつて市長は、全員喫食を実施することによって一部の生徒が救われる旨の発言をされていたと思いますが、それらの生徒は選択制において給食を選択すればよく、給食を望んでいない多くの生徒を巻き込んで全員喫食を続ける理由にはなりません。施策としての効果検証をしっかりと行い、家庭弁当との選択制に戻すという英断を下すべきだと思いますが、市長はいかがでしょうか。
○議長(床田正勝君) 理事者の答弁を許します。 橋下市長。 (市長橋下徹君登壇)
◎市長(橋下徹君) まず議員、大阪市が好きですかって、それはまたごちゃごちゃにした質問で、大阪市ってその市民、コミュニティーの話と市役所、市議会というのは別ですからね。僕が言っているのは、この市役所組織、市議会を含めてのこの自治体としては、やっぱり今後、新しい大阪を目指して新しい役所につくり変えていかなきゃいけないんじゃないですかと、これまで基礎自治体としての役割をきちっと本当に果たしていたんですかと、市民の皆さんに僕が大阪市を愛していないからそれを不幸だとか言われますけど、650億円の賠償金も払わせたのは、これは市役所であり市議会じゃないですか。650億円ですよこれ、年間65億円ですよ。何のこれ
住民サービスにも還元されないようなお金を650億円も払わせたこの市役所と市議会、そういうところも踏まえて、今の時代にふさわしい市役所なのか市議会なのかということをそういう視点で僕はふさわしくないと言ったわけで、大阪市が好きかどうかと言ったら、それは市民やコミュニティー、それは大阪好きだから僕、ずっと大阪でやってるわけですから、そこはごちゃごちゃにしないでいただきたいと思ってます。 それから給食についてなんですけども、議員からもずっとこれまでいろいろ御指摘をいただきましたけれども、じゃ、それだったらこの給食事業の前の昼食提供事業はそんないいかげんにあれ賛成したんですか、議論されなかったんですか、冷たいだとかアレルギーの問題だとかいろんなことを。選択制だから、じゃ、弁当を持ってこれない子供は、もうこんな昼食提供事業でいいやと、そんないいかげんに議論をして賛成したんですか。僕はそれは無責任だと思いますよ。これ以前、この給食事業をやる前の昼食提供事業、大阪市がやってた、議会の皆さんもどれだけ議論したのかわかりませんけれども、それをベースにさらにその昼食提供事業に加えて温かいお汁物を出したり、カレーをやったりとか今どんどんどんどん改善してるわけです。だから以前やっていたみずからがオーケーを出した昼食提供事業についての反省や振り返りをすることもなく、この今の給食事業の問題点だけをあげつらうのは、それはちょっと違うなと思いますね。 それから選択制をやれば、これはそういう一部の朝御飯を食べてきていない生徒が救われると本気で考えているんだったら、これは大問題だと思います。僕はこれは選択制にするか全員喫食にするかいろいろ悩んでいろいろ保護者の声を聞いたら、やっぱりこれは全員喫食じゃないと、周りがそういうふうに選択制で弁当持ってきていたら自分たちも弁当持っていかなきゃいけないという思いになってしまうと、お母さんが。自分が何か子供の弁当つくってないということで、やっぱりちょっと罪悪感を感じてしまうということと、それから朝御飯を食べてこれない子供たちに本当はきちっと生活指導しなきゃいけないんですけども、選択制にしたら結局これパンとかそういうものになってしまうんですよ。だから、今回は全員喫食という形で、以前の市議会の皆さんがよしとした昼食提供事業よりもさらにレベルアップしたものを給食事業としてこれをやりました。この給食事業がだめだだめだと言うんだったら、以前の昼食提供事業、なぜそんなものを賛成したのか、ぜひ理由を教えていただきたいなと思います。 それと同時に、今、いろいろアンケートをして回答得ていますけども、いろいろな改善を給食担当部長が一生懸命頑張ってやってくれまして、学校からは生徒の希望が取り入れられ、献立や味などを含め、給食がよくなってきた。温かいメニューを喜んでいる生徒もおり、残食も一定減ってきているという声もいただいております。もちろんまだまだ不十分な点はそれは指摘のとおりですが、朝御飯を食べてきていない、食べずに学校に来る生徒の割合が日本でも一番多いと言われているこの大阪において、しっかりとやっぱり昼食ぐらいは栄養管理の行き届いた御飯を食べさせてあげるという、それはやっぱり僕は今の大阪市役所の役割だと思ってます。 それともう一つ、生野区のある中学校で、食育授業でお弁当持ってくる日を決めていた学校があったらしいんです、生野区で。これは後で自民党の議員の方が多分その件よく知っていると思うので。お弁当持ってきたと。この件が全員喫食に反するんじゃないかということはいろいろ議論になって、学校はもうやめますというそんな話になったんです。僕は、食育授業だったらやっていいですよと。何もそんな僕とか維新の会にいろいろ気兼ねして、これ全員喫食ということで気兼ねして食育授業をやめるとかそんなこといいですよと、もうやってくださいと言ったら、学校長はこう言っていました。冬になってお弁当、これが冷たくて、むしろ今の給食事業のほうがおいしいと、そして汁物も出てくるしカレーとかも出てくるので、もうお弁当をつくる食育授業は新年度からやめますという、これは生野区のある中学ですから、自民党の議員の方はよく御存じだと思います。そういう事情も聞いていただいて、本当に今の給食事業がこれが生徒のために、子供たちのためになっていないのかどうなのか、それをしっかりと御判断していただきたいと思います。しかし、改善はしっかりやっていきたいと思っています。
○議長(床田正勝君) 北野妙子君。 (46番北野妙子君登壇)
◆46番(北野妙子君) 市長、御答弁ありがとうございました。選択制ならお弁当を持ってこられない子供も救われるんですよ。お弁当を持たせたい親も持っていかせられるということで、そのことを言っているんですね。 それともう一点、委員会で市長は、親の弁当の味を覚える前に給食に移す作戦はどうでしょうというふうなことをおっしゃってるんです。これは一人の母親として許すことはできません。 次にいきたいと思います。 学校ICTについてお伺いいたします。まず、最初に申し上げておきますが、学校教育現場でのICTの活用が時代の要請として必要なことであるということは十分に認識しております。それを大前提として、平成25年度からモデル校での実証研究を進めている学校教育ICT活用事業でございますが、今回の不正事案発覚に伴う入札の中止によって、全小中学校へのICT機器の整備時期がおくれると聞いております。来年度には機器が導入される予定であるとのことですが、学校側の準備は進んでいるんでしょうか。ICTを導入しなければ得られない教育効果を明確にし、ICT活用の意義や効果的な方法について教員が理解していなければ単に端末を配るだけになり、学校はタブレット操作を教えるだけになってしまうと危惧しています。実態としては、教員一人一人のICT活用指導力の差は大きいのではないでしょうか。このままではICTを効果的に活用した授業を受けられる子とそうでない子が生まれる可能性があります。そう考えると、まずもって必要なのは、教員のICT活用の資質の向上であります。市長は、タブレット端末1人1台の整備を公約とされておられます。そもそもその公約は実現しておりませんが、小中学校に1学級分40台ずつであるにしても予算総額約30億円はばらまきではないでしょうか。モデル校における効果検証もわずか2年足らずです。そのような状況下で全市展開を進めようとしている現状は大変危険であり、今回の入札中止を一つの契機として計画全体を再考すべきだと考えますが、市長の御見解をお伺いします。
○議長(床田正勝君) 橋下市長。 (市長橋下徹君登壇)
◎市長(橋下徹君) いや、給食で選択制のほうがより朝御飯を食べていない子供も救われるというのは、それは実態の把握がおかしいですよ。本当にそれで救われているのかどうなのか、それはやっぱり市議会議員として現場の声をよく聞いてください。僕もそれは十分いろいろ調査した上で、やっぱりそれ、昼食提供事業のあのときでも、やっぱり朝御飯も食べて来ずにパンをそのまま食べているとかそういう子供もいるんですよ。だからそういうところを何とかしてあげようと思ったら、とりあえず全員喫食にして、あと味とかアレルギーとかそういうところはきちっとやっていきます。だから、先ほども言ったように、生野区のある中学のその話聞いてみてくださいよ。お弁当持ってきて冷たくなったからやっぱり給食のほうがいいというそういう声が出ていたと。それから、確かにお弁当の味を知る前に給食にしてしまえというのは、それはしゃれです。しゃれでも通用しないということであれば、それは議員がお母さんの立場でそういうのを思うのはそうですけども、ただ、お母さん方の弁当がそれは好まれるのは、子供が好きなようなものにするからですよ。そのことと栄養の話はまた別なので、僕はやっぱりお弁当だけが全てでないと思っていますよ。栄養管理が必要なその年代においては、きちっとした給食を提供するというのもまたこれは子供たちのためになっていると思います。だって全国で80%以上の子供が給食を食べているわけですから、何で大阪の子供だけが弁当のほうがいいなんて言えるのかさっぱりわかりません。 ICTに関しては、こればらまきだと言いますけれども、そんなこと言うんだったら自民党が今回やった緊急経済対策で何ですか、この商品券か何かプレミアム付券をやるという、2,540億円と1,982億円、これこそばらまきじゃないですか。こんなばらまきやっておいて、このICT事業でちょっと20億か何かのお金できちっと教育環境整備をやるというんだったら、まずこの2,540億円とこの1,982億円のプレミアム付商品券なんていうこんな政策をまずとめるべきじゃないですか。何でこっち側のプレミアム付商品券はばらまきじゃなくて、ICTのほうだけがばらまきだというのかさっぱりわかりません。 ICTにつきましては、これは先ほども言いましたけども、教育委員会のほうでしっかりとプランを練ってもらいました。1人1台、その端末を配っていくというのは、それは僕はやりたいですけども、でも教育委員会のほうが、いやそこはまだ待ってほしいと、そこまでは対応できないと、いろんなプログラムを組んできたときに今はこの1校40台、ここまでは対応できるし、そういうプランでやってきたというようなそういう話がありましたから、これはICTというものを推進していくかどうかというところをまず政治が決めなければ、僕が市長に就任する前に全然こんな多額の税金使ってやろうなんてこんな話になってないじゃないですか。だからこれはICTやっていいよ、財源用意するよということで中身考えてくれといって、そのプランをつくってきたんですから、申しわけないけども、僕も含めて選挙で選ばれた我々が何でもかんでも知識持っているわけじゃないので、そういう中身についての進め方とかそういうのは教育委員会のやっぱりプロに任せたほうがいいと思いますよ。それは我々はICTの教育の進め方とかそんなことについて、そんな知識を深く持ってるわけじゃないという謙虚な姿勢で、このお金をつけて、それから方針を決める、そこまでがもう政治家の役割で、中身についてはこれは教育委員会のほうでしっかり考えてもらいましょうよ。ICTが必要だと思うんだったら進めていきましょう。
○議長(床田正勝君) 北野妙子君。 (46番北野妙子君登壇)
◆46番(北野妙子君) 地に足のついた政令市の市長としての答弁を求めているのでありまして、国の施策とすりかえないでいただきたいと思います。 次に、塾代助成事業についてお伺いいたします。塾代助成事業については、我が会派がこれまで問題点を指摘してきたにもかかわらず、平成27年度の予算では、助成対象者をさらに拡大し、全中学生の8割を対象にしようとしておられます。当然ながら平成27年度の予算は、今年度の予算額よりも8億円増額の25億円となり、さらに28年度以降は毎年毎年約47億円という莫大な財源が必要です。そもそもこの事業は効果を検証することが難しく、また、もし特別区に移行した場合には継続して実施できるかどうかもわかりません。市長は、西成区で試行実施をする前の市会において、助成対象とする所得者層と地域を拡大すれば、学校外教育への消費が増大し、学習塾等の事業者がふえることで地域の雇用にもつながると答弁をされましたが、このような効果が確認をされたんでしょうか。また、全区で実施する前の市会では、家計が苦しい家庭に対して塾を選びたいという意思を尊重するために助成をするとも答弁をされておられましたが、助成対象者を年収800万円程度の層まで拡大するということは、既に学習塾に通っている生徒の家庭にも助成することになり、単にその家庭の負担額が1万円分減るだけのことです。当初の目的から大きくかけ離れ、ばらまき政策以外の何物でもありません。このような学校外教育の事業に貴重な財源を湯水のごとく投入するのではなく、本来の公の役割である学校教育や子育て支援にこそ重点を置き、投資をすべきと考えますが、市長の見解をお伺いいたします。
○議長(床田正勝君) 橋下市長。 (市長橋下徹君登壇)
◎市長(橋下徹君) ICTについては、東京の特別区は今どんどん進めてますね。これで大阪市でこのICTの推進ができなければ、もうはっきり言って東京の特別区以下ということになることは間違いないと思ってます。もう今、東京の特別区は旗を振って1人1台の端末配付、そこまでもう東京の特別区はいってるわけですから、せめてそこぐらいまでは大阪市でも、大阪市役所、大阪市議会大好きな議員もせめてその東京の特別区ぐらいまでは追いつくべきじゃないでしょうかね。何か特別区は村以下だとかそんなことを言ってますけども、今の現状見たって
住民サービスのレベルを考えたら、もう特別区のほうがどんどんどんどん先にいってしまってるじゃないですか。 それから、この塾代助成事業で、これはばらまきだ、ばらまきだと言いますけど、そしたらこのプレミアム付商品券の2,540億円とこの1,982億円のこれ何とかしてくださいよ。これ思想は一緒なんですよ。だから低所得者対策、低所得者に対しては学校外教育の機会均等ということですけども、中所得者に対してはボリューム増分の可処分所得を拡大するというそういうところで同じ思想なわけです。これ国のほうがいっときのこんなばらまきで継続的な効果も何もないです。今、可処分所得の話で1万円、塾代バウチャーやってもそれは負担が減るだけだと。そんなことを言い出したら、この商品券なんて全く同じですよ。これは日本全国民に対して今まで使ってたお金を、自分が払ってたお金をちょっと節約できるというような話をこういうことをしっかりやっていこうと。これは経済学の理屈の中でアベノミクスと同時に、こういう形で中間所得者層とかそういうところにダイレクトに税金を投入していくという話は、これは僕は自信を持って言えますけど、これは維新の党の僕が言ったからこの政策ができたと思っていますよ。アベノミクスだけでは足りないと。国民にダイレクトに税金を配るべきだと言った上でこういう話が出てきたわけです、公共工事というものをやめてね。同じように塾代助成についても学校外教育の機会均等と同時に中間所得者の可処分所得を増大させてあげるというところ、そこをしっかりやるかどうかです。僕はそう思ってます。だから効果検証については、この教育の部分と可処分所得の増大という二面がありますから、この塾代バウチャーというものは、もともとバウチャーというものは可処分所得が上がったことだけでもこれは効果になるわけです。そういうところもしっかり見ていただきたいと思います。 このアンケートについては、先ほどの答弁でも言いましたけども、「新たに学習塾に通うことができた」、「受講科目数をふやすことができた」という回答が利用しているうちの69%を占めて、前回アンケート調査よりも22ポイントふえております。また、「学力が向上したと実感している」と回答した生徒が60%を占めております。また、その登録事業者は、学習塾が1,075、スポーツ教室が63、文化教室が88。ちょっと今、伸び率は低減してきてますけれども、それでもこれだけの事業者が登録をしてきております。文部科学省の調査では、中学校3年生の約7割弱が学習塾に通っているという結果があります。これは学校外教育の機会均等、低所得者向けにはそういう趣旨、厚い中間所得者層をつくるということは安倍政権も言っているわけであって、まさに自治体でしっかりこういうことをやると。しかも国は借金ふやして、それから増税までやってこんなばらまきをやるわけですよ。僕の場合にはこれ借金を別にふやすことなく、増税もすることなく、改革をして将来の収支見通しということをしっかり出した上で今ある財源の中でやるんですから、国みたいにそんな借金ふやして増税までやってこんなばらまきをすること、そういうことをやっている自民党の皆さんにこの塾代助成がばらまきだなんてことは言われたくないです。
○議長(床田正勝君) 市長に申し上げます。現在の議員の質問にお答えいただきますように、また、質問に直接関係のない発言はお慎みいただきますようよろしくお願い申し上げます。
○議長(床田正勝君) 北野議員。 (46番北野妙子君登壇)
◆46番(北野妙子君) 冗長に話されますけれども、要はこの3点の子育て支援とか教育に関する市長肝いりの政策というものですが、これは先に強引なスケジュールありきで公約に拘泥して、それで果ては実施することそのものが目的となってしまっている、多額の税投入を行っているということに問題ありだと申し上げておきたいと思います。 次に、子ども・子育て支援新制度における保育料についてお伺いいたします。平成27年4月から、子ども・子育て支援新制度が施行されます。新制度では、これまで別々に取り扱われてきた幼稚園、保育所等を一元化して市町村が実施主体となり、質の高い教育・保育を実施していこうというものでございます。新制度においては、施設を利用する際の保育料について、国基準の範囲内で市町村が定めるということになっております。本市においては、昨年8月に素案として、保育料についての考え方を公表されましたが、要は新たな財源の投入による軽減はしないという考え方でした。また幼稚園、保育所等の施設種別や公私の別にかかわらず、国基準から同程度の軽減を図ることとしていたため、結果として保育所、市立幼稚園に通園する世帯の保育料負担がふえることとなっておりました。 このたび保育料についての新たな案を出されました。その中でも軽減のための財源の総額枠47億円は変わっておらず、素案から保育所保育料を下げるため、今度は幼稚園の保育料を上げるというものです。要はどちらかを軽減するためにどちらかに負担を求めるというものとなっております。 市長のおっしゃる現役世代への重点投資ということであれば、新たな財源を投入して総額をふやし、子育て世帯への負担軽減を図るべきです。また、これまでに比べ月額で1万円以上値上げとなる階層区分もあると聞いておりますが、現行の基準を参考に生活設計等をしている家庭も多いと思います。4月からの入所もようやく決まったと思ったやさきに保育料負担額が大幅にふえるというのは、子育て世帯の生活に大きな影響を与えます。繰り返し申し上げますが、新たな財源を投入し、負担軽減を図るべきです。新制度への移行に当たっては緩和措置を講じるのが当然だと考えますが、市長の見解をお伺いいたします。
○議長(床田正勝君) 橋下市長。 (市長橋下徹君登壇)
◎市長(橋下徹君) 限られた財源の中でとにかく
住民サービスを充実しろ充実しろと言っていればいい立場の議員の皆さんと、僕は責任持って予算編成しなければいけないという立場で、やっぱりこれはもう決定的に考え方が合わないところもあるのかなと思います。僕も保育料、下げたいですよ、下げれるんだったら。でもこれはバランスを考えきゃいけないと。幼稚園、それから保育所のバランス。これ保育所の保育料が上がった上がったと言いますけども、私立の幼稚園の保育料はぐっと下がるわけです。今まで保育所と比べて非常に私立の幼稚園に通っていた人たちは多くの保育料を払わされてたわけですよ。だからこれを同じように公平にしましょうというだけで、やっぱり保育所の保育料は、それは上がらざるを得ない。私立の幼稚園に通っていた保護者の人は余分に保育料を払わされてたんですから、そこは下がったと。だから上がるところもあれば下がるところもあるというところをしっかり見ていただきたいと思っています。 それと同時に、保育所に通えばこういう形で税投入の恩恵を受けれますけども、大阪市はこれ今まで株式会社の保育所の参加も認めてなかったようなそんな自治体だったもんですから、待機児童まだ解消できていません。そうなれば保育所に入っていない世帯は税投入の恩恵受けていないわけです。じゃ、そのバランスを考えたら保育所の整備費用のほうに充てていって、みんなが保育所に入れるように、そういうことをまずやらなければいけないということで、保育所の整備費用はかなり増額してこれやってますよ。だからトータルで見てほしいんですね。市立幼稚園と私立の幼稚園で何でこんなに保育料、差をつけなきゃいけないんですか。所得に応じて保育料負担できる範囲で負担してもらうというのはそれはわかりますけども、お金がある人も大阪市立の幼稚園に通ったら月額9,000円の保育料っておかしいじゃないですか。だからこれは私立と市立、公立の保育所も保育料をまず基準を合わせて、お金のない人には少ない負担にする、これは私立、市立ともにですね。もうちょっと税投入のあり方をバランスをとろう、公平性を図っていこうというところをしっかり考えていただきたいと思います。保育料がこれ上がってしまったというのは、私立幼稚園の保育料とのバランスを考えたこと、また国の方針でこれは自民党の皆さんが決めたことですけれども、保育の質の改善に伴って保育料を上げていきましょうと、そういう制度の趣旨なんです、この新制度は。そういうところも考えて保育料については検討していただきたいと思いますが、ただ議員からの指摘もいろいろありましたので、また僕が出した保育料の案については議論の上、最終判断をさせていただきたいと思っております。
○議長(床田正勝君) 北野妙子君。 (46番北野妙子君登壇)
◆46番(北野妙子君) ありがとうございました。先日のぶら下がりで、市長は、予算編成のコツをつかんだというふうに話されました。この件もそうですね。8月に保育料改定の素案をまず出されて、素案そのものも値上げだったんですけれども、一旦提示した額よりも大幅に値上げした今回の予算案ということで、いわゆるステークホルダーの方々は驚天動地ですよ。要望活動が起こって結局、素案に引き戻したら仮想の利益を与えられて、それで結局、着地するというふうな進め方ということでございますので、見事に的中するということなんでしょうかね。でもこういった件でいろんな方が振り回されて、この件だけじゃないんです。就学前教育は、とりわけ本当に振り回され続けた3年半でありました。 次に、大阪の都市魅力について3点の指摘をし、市長の見解をお聞きいたします。 第1に、観光施策の方向性についてであります。市長は、大阪の魅力向上策としてイベントを重視しているように思いますが、大阪城3Dマッピングは入場者数が前年割れしていると伺っておりますし、またジャズデイでは大赤字を出し、さらには道頓堀プールなど頓挫したイベントもございます。イベント自体を否定するものではありませんが、国内外の観光客が求めているのは、大阪だからこそできる体験であると思います。それは大阪発祥の文楽や能楽、落語など貴重な伝統文化であると考えます。外国人観光客の増加は、市長がこれまでやってきたイベント等の成果ではなく、これまで培われてきた大阪の文化、伝統、大阪らしさが外国人を引きつけ、そこに円安やビザの要件緩和、またLCCの増便など、外的要因がタイミング的にうまく合致した結果であると考えます。 第2に、そのような文化の中でもとりわけ文楽についてでございます。大阪が世界に誇れる他都市にない独自のものを本当に大事にしていかなければ都市の魅力などなくなってしまうわけですけれども、その最たるものが無形文化遺産、文楽であります。市長は切り捨てられようとしていました。文楽協会への補助金も集客数に連動させるなど、3年前に比べると半額近くに減少しています。伝統文化の世界では似つかわしくない経済合理性に基づく発想であり、文楽を軽視しているという思いを拭えません。文楽を愛する私から見れば、市長は文楽を利用しているとしか思えません。文楽協会への補助については、漫然と税が投入されてきたことが問題だと市長はおっしゃいますが、協会に対してのみならず、文楽本体に対しても何らかの形で補助を行ってこられたわけでもありません。幸い今年度は盛況であり満額が支給されるとのことです。新たに文楽を生かしたまちづくりもおっしゃっておられるのなら、文楽そのものが大切なのですから、文楽本体に対する補助を行うべきでないかと考えます。 第3に、大阪バイオサイエンス研究所についてですが、これも同様です。この研究所は、昭和62年の設立以降、バイオサイエンス・医学分野において国際的な研究活動をされ、世界的にも認められた研究機関でございます。大阪市がこの間、多額の補助金により支援してきたのは、このような研究が市民の生活、福祉の向上に役立つこと、若い研究者の育成などが国際都市大阪の機能を高める役割を果たすものであるからだと理解します。このことは他の都市にない都市の歴史、都市の格を感じるものだと思います。しかしながら、経済合理性を最優先に考える余り税金の投入を減らすという発想のみで市政改革を行っておられるように思います。関係者の努力で大阪バイオサイエンス研究所が理化学研究所に譲渡されることとなり、生命科学の研究が引き続き行われることは結果として喜ばしいことですが、本来の学術面における施策展開として正しかったのかどうかは疑問です。不採算なものであっても国際都市大阪、文化都市大阪として将来的なことを含め、発展につながるようなものは、大阪市にとって必要なものだったのではないでしょうか。これまで長年培ってきたものを一度消滅させると、もとに戻すことは容易ではありません。 以上、都市の魅力について文化、芸術、学術分野、3つの例を挙げて指摘してまいりましたが、経済合理性を優先する余りの市政運営には納得できるものではございません。市長の御見解をお伺いいたします。
○議長(床田正勝君) 橋下市長。 (市長橋下徹君登壇)
◎市長(橋下徹君) 経済合理性を全く度外視し続けるということも市民の不幸ですね。経済合理性もしっかり見た上で、しかし経済合理性だけでなくて、きちっと本当に必要かどうかというところも見ていく、そういうバランスが必要だと思います。ちょっとこれ議員から御指摘されましたけれども、勘違いがあるので言わさせてもらいますけど、大阪城3Dマッピング、全くこれ税、入っておりません。むしろ賃料をいただいてます。収入になってるんです。今まで西の丸庭園、放ったらかしで何も収入生まなかったものがこれちゃんと賃料をもらってます。それからジャズデイ、赤字は税の補填していません。それから道頓堀プール、これも民間イベントです。ですから何をもって僕の責任なのか、大阪市政の話にしているのか、非常にこれも何か印象操作をしようとすることが非常にありありだなというふうに思っております。 それから文楽については、これは議員が文楽を愛されるということであれば、これから、来年度からふるさと寄附金を使ってしっかりと寄附をしていただきたいなと思うんですが、ちょっと僕、訂正させてもらいたいんですが、先ほど議会で文楽について議論なかったんじゃないかというふうに言ったんですけども、ちょっと確認させてもらいました。代表質問で幾つか文楽についての質問がありましたが、それは振興だとか文楽週間、文楽デイというような話であって、僕が問題視したのは、この補助金の仕組みですよ。この文楽協会とそれから国のほうの劇場、あれ国の外郭団体がやってる、それと技芸員との関係、この仕組みがおかしいじゃないかということを延々やって一つの解が見つけられたので今回こういう仕組みにしたんです。ですから、別に僕は文楽というものを軽視しているわけでもないし、申しわけないけど僕、文楽、議員と議論させてもらったら、もう3日でも4日でも議論できるぐらい僕は文楽についてもしっかり勉強してきたつもりです。ですから、何が課題で何が問題でここを変えなきゃいけないという議論が今までの市議会ではなかったんじゃないですかという趣旨だということを先ほどの答弁、ちょっと変えさせてもらいたいと思います。ですから文楽については、しっかりとこれは事業助成という形で評価をし、そして寄附金できちっと支えられるようなそういう仕組みにしました。何も問題はありません。 それからバイオサイエンス研究所、これこそ大阪市が検証もなく税金を投入してきた本当に僕はこれ政策、バイオ研究所自体が悪いということではなくて、大阪市議会の考え方自体がやっぱりおかしかったんじゃないかと思います。これも後で僕、確認しようと思ってますけども、どれだけバイオ研究所について市議会で議論がなされていたのか本当に僕これ知りたいですよ。これ都市格だというんですけども、さっきICTのときには効果検証だ、塾代助成については効果検証だというんだったら、このバイオ研究所については効果検証してるんですかね。このバイオ研究所の研究結果は学会の世界では論文引用されていることは多数ありますけども、市民生活にどうプラスになったのかをぜひ効果検証していただきたいですよ。これははっきり言って大阪市が、基礎自治体がやるような仕事ではありません。もし莫大な財源がある中で余裕があるんだったらやったらいいですけども、公立の中学校に給食もできずに小学校、中学校にエアコンもつけれずに、医療費助成もやっと僕が市長に就任してから拡大ができた、こんな大阪市の
住民サービスの中でバイオサイエンス研究所に年間6億ですか、この税金を、キャッシュを入れ続けるなんていうのは優先順位がおかし過ぎます。全く市民のためになっていない。もっと基礎自治体の役割に徹して、今、本当に
住民サービスとして他都市と比べて非常におろそかになっている部分、たくさんありますから、そういう部分にまずお金を投入する。そして他都市でやっていないこういうバイオ研究所とか敬老パスとか、ああいうものについてはやっぱり見直しもしていく。敬老パスも今回、一部負担を求めましたけども、全国の自治体どこ見ても70歳以上、地下鉄・バス完全無料なんてそんなことやっている自治体ないんですから、もうちょっと市議会もしっかりしてもらいたいと思います。
○議長(床田正勝君) 北野妙子君。 (46番北野妙子君登壇)
◆46番(北野妙子君) 御答弁ありがとうございます。議会が議会がとおっしゃいますけれども、季節外れの虫みたいで、そう聞こえてなりません。 次に、経済対策についてお伺いいたします。大阪経済を支えているのは、市内事業所数の98%、従業者数約7割を占める中小企業であり、大阪経済の活性化に向けては、中小企業の活力を高め、新たな投資を促し、事業拡大等につなげていくことが重要です。しかしながら、中小企業を取り巻く経営環境は一層厳しさを増しており、人材の育成や販路の開拓、物づくり企業における高付加価値化や新製品の開発など、さまざまな課題に直面しておられます。特に最近よく耳にするのが後継者問題です。市内中小企業の事業所数の減少傾向が続く中、中小企業の経営者の平均年齢は上昇の一途であり、多くの中小企業が後継者がいないために廃業を余儀なくされておられます。そのような中小企業の実情や課題、ニーズに即応して、その企業に応じたきめ細やかな地に足のついた支援策を機動的に推進することが重要です。そのような観点からすると、現在の状況で十分に対応できているかといえば甚だ疑問であり、平成27年度予算に新たに目立った施策もなく、市長は中小企業を支援するという役割の重要性に思いが至っていないと感じられます。 市長は、大阪経済の活性化にはIR・統合型リゾートやうめきた2期開発などが重要だと言っておられますが、私は、それだけではなく地道に、また前向きに事業に取り組んでおられる中小企業の活性化も非常に大事なことであると考えています。経済活力の源泉とも言うべき中小企業の活性化に向けて、どのように取り組んでいかれるのか、市長の御所見を伺います。
○議長(床田正勝君) 橋下市長。 (市長橋下徹君登壇)
◎市長(橋下徹君) この中小企業の活性化というのは、府議会でもよく言われていたんですけども、ぜひ具体案があれば具体案出していただきたいと思うんです。ほぼもうやってると思います。といいますのも、これは役所のほうで今、市長部局のほうで予算を組むんではなくて、産業創造館というすばらしい団体があるわけですよ。そこでメニューがたくさんあるわけですね。さっきの教育委員会の話ではありませんが、ここに予算つけますよと、中小企業支援しっかりやってくださいよというところが我々の役割であって、中身については産業創造館のメンバーがプロなんですからいろんなこと考えてますよ。だからそういうものも見ていただいて何が足りないのかを出してもらいたいんですよ。だから今、大阪市役所のほうであえて何か積極的にまた予算を組んでやるよりも、子供・教育予算のほうで足りないところにお金を回さなきゃいけないからそっちのほうでやって、もしそれでもやらなきゃいけないというものがあるんだったら言っていただいたらそれはやりますから。特に議員は、大阪府がやっていることも念頭にないんじゃないでしょうかね、大阪府がやっている中小企業支援策。だから大阪府と大阪商工会議所と大阪市と合わさってこれはやってるわけなんです。先ほども言いましたけれども、グローバルのほうのGのほうは、これはもう大胆な金を投じて空港整備だとか鉄道整備だとかいろんなそういうことを特区制度を活用してやっていかなきゃいけませんが、このLのほうのローカルのほうの経済活性化策というものは、先ほども言いましたけれども、きめ細やかなコミュニケーションというものが重要で、これは大商のほうで中小企業・小規模事業者支援事業というものがありますよ。これは年間10億ぐらい大阪府が入れてるんじゃないですか。相談を受けたりとか、いろんなことの相談に乗ると。大阪商工会議所ではセミナーをさまざまやってるわけです。だから僕は販路開拓と、それからマッチングというところが役所の役割だろうということで中小企業の皆さんのデータベースをつくって販路開拓、マッチング、それから商品展示会みたいなもの、こういうものを支援した。産業創造館のほうでざっと見させてもらったら、ああ、これすごいいろんなことやってますよねと。まさにこれLのローカルの経済活性化策としていいじゃないですかと。これ以上に何か出せというんだったら、ぜひ案を出していただきたいと思います。それから、信用保証協会のほうの金融の商品開発もやってます。これは松井知事のほうとも話をして、僕が知事のときにもやりましたけども、保証協会の改革の中で新しい金融商品の開発もやってますよ。だからこういうことをやったらこれはいいんじゃないのというのがあれば、具体的案があれば言っていただきたいと思うんですけど、ほとんど多分、もう産業創造館や大阪商工会議所がほぼやっていると思いますよ。僕らは、そこまでの中小企業診断士みたいなプロでもないんですから、そこまで何か僕らが何でもかんでもアイデア出せるもんだとは思っていません。もし案があれば出してください、やります。
○議長(床田正勝君) 北野妙子君。 (46番北野妙子君登壇)
◆46番(北野妙子君) 御答弁ありがとうございました。ここまでさまざまな切り口から、これまでの橋下市政を振り返ってまいりましたが、そこから見えてくることは、市長は、基礎自治や大都市のあるべき姿、大阪固有の魅力について理解をされていないのではないかということです。そんな市長が一昨日、一度は議会の真摯な議論により数多くの不備があるとして否決された毒まんじゅう、特別区設置協定書を再度提案してこられました。毒味役の我々としては、毒が入っていることが明らかなものを市民の皆様の前にお出しするのは無念きわまりないことでありますが、こうなってはせめて、あるじである市民の皆様に毒が入っていることをお伝えすることがせめてもの御奉公であります。 改めて協定書の欠陥を指摘していきたいと思います。本協定書について2月6日付で総務大臣から、特段の意見はありませんとの回答が示されましたが、これは大都市法に定める事項が記載されていることと、その記載の範囲において現行法令に抵触していないという意味にすぎません。当然、協定書の内容の是非については、議会の議論に委ねられております。そもそも先ほども申し上げましたが、本協定書は、昨年10月の府市の両議会において内容に大きな問題があるとして不承認となったものと実質的に同じ内容であり、本来、議論に値しないものです。しかしながら、この協定書が承認されれば、この内容で住民投票に付されることから特に問題となる点を5点指摘し、この点に関する市長の認識をお伺いいたします。 まず第1に、大阪市廃止・分割プラン、いわゆる都構想の目的とされている二重行政の解消により成長戦略のための財源を生み出すということは不可能であることが明らかになったということです。当初、府市再編により二重行政を解消し、毎年毎年4,000億円もの効果額が生み出されるとおっしゃっておられましたが、実際はその効果額はゼロに等しいと言わなければなりません。そもそもAB項目や行財政改革による効果額は、わざわざ統治機構を変えなくても生み出すことが可能です。むしろ新たな庁舎整備やシステム整備などイニシャルコストだけでも600億円を超える膨大なコストが必要になり、また市民の方への負担も大きく、労あって益なしの改革であります。 市長がしばしば引用される特別区の将来の財政シミュレーションについても効果額の見込みやコストの積み上げが非常に粗く、その内容は全く信頼できません。そればかりか効果が発生するのはこの先のことで、このような不確かな効果を当てにして何百億円もの無駄遣いをするのでしょうか。また二重行政の弊害として、WTCとりんくうゲートタワーというバブル期の政策の失敗を殊さらに強調されますが、バブル期以降は無駄と呼べるような二重行政は一切ございません。二重行政の弊害という亡霊をいたずらにさまよわせて不安をあおるようなものであります。結局、大阪市廃止・分割プラン、いわゆる都構想は、そこでうたわれている効果が発生するかどうかわからない一か八かの大ばくちであります。しかし、この大ばくちに失敗すれば、特別区設置の膨大なコスト負担のみが残り、結局、
住民サービスの低下という形で市民が負担を負わされることになります。二重行政を解消し、成長戦略の財源を生み出すという大阪市廃止・分割プラン、いわゆる都構想の大義は既に失われていると考えますが、市長の御認識をお伺いいたします。 第2に、特別区へ移行してもニア・イズ・ベターの充実は実現されないということについてです。市長は、ニア・イズ・ベターの実現には人口30万人規模が最適であるとおっしゃっていましたが、協定書では、大阪市を廃止し、人口約35万人から約70万人の5つの特別区を誕生させるとしています。全くの矛盾であります。また区割り案も市民の声を一切聞かずに作成されており、いきなり住民投票で判断してくれというのでは余りにも乱暴です。このようなやり方で一方的に分割された特別区が地域コミュニティーとしてまとまりを持つことができるのか大いに疑問であります。 さらに、ニア・イズ・ベターの実現には、特別区に確かな財源が確保される必要がありますが、特別区の自主財源は今の市税収入の4分の1にすぎず、このような乏しい自主財源で区長が住民ニーズを踏まえた政策を実行できるための財源が本当に確保されるのか甚だ疑問であります。
財政調整制度により必要な財源は確保されるとされておりますが、確保されるのはあくまで標準的な事務に必要な経費にすぎません。加えて財政調整財源の配分割合等を協議する府と特別区の協議会についても具体的なことは何一つ決まっておらず、全ては特別区設置後の府知事と区長に白紙委任されています。しかも最終的な決定権は知事や府議会にあり、特別区の財源が保障される確証は全くありません。仮に結果として財源が確保されるとしても、特別区は大阪府にお伺いを立ててお金をもらうという仕組みであり、これではとても一人前の自治体とは言えず、通常の市町村より下であると言わなければなりません。このように人口規模や財政の自主性などから見ても、特別区で住民ニーズを踏まえた施策を展開し、ニア・イズ・ベターを実現することは困難であると考えますが、市長の御認識をお伺いいたします。 第3に、大阪府の財政状況を考えれば、特別区に交付すべき財源を大阪府がみずからの財政再建や市域外の事業の財源に充てるおそれがあることです。大阪市が臨時財政対策債も含めて起債残高を減らしてきたのに対して、大阪府は起債残高をふやし続けています。平成26年2月版粗い試算によりますと、大阪府の実質公債費比率は、平成44年度にならないと健全な比率とされる18%未満にはなりません。しかも大阪府は、起債を償還するために積み立てておくべき基金、いわゆる減債基金を取り崩し、先食いをするという禁じ手を使っており、今後10年間にわたり毎年約280億円も積み立てていかなければなりません。このような状況では、大阪府が移管された財源を財政再建に活用したり、本来、府が負担するべき市域外の事業の財源に転用したりするおそれは十分にあると考えますが、市長の認識をお伺いいたします。 第4に、特別区になれば市民の負担が軽減されるという市長の説明が事実に反しているということであります。市長は、大阪市の1人当たりの債務残高が東京都よりも高いことの原因は、本来、大阪府が担うべき広域事業を大阪市が担ってきたために、大阪市民が二重の負担を背負わされたからだと主張し、特別区になれば、市民はこの負担から解放されるとおっしゃっておられますけれども、これは明らかにうそであります。協定書では、大阪府が実施する成長戦略などの広域の事務事業の経費は、大阪市から移管した財源から捻出するとされていますが、これでは大阪府が負担すべき経費を区民が負担し続けることとなり、市長の主張と協定書は明らかに矛盾します。むしろ市税が府税に変わるために、自分たちでその使い方を決めることもできなくなるのです。市域外の市町村の住民は、市町村税の使い方をみずから決定できるのに、なぜ特別区の住民だけがみずからの税金の使い方を決める権利を奪われてしまうんでしょうか。また、大阪市の過去の負の遺産を殊さら強調し、特別区になれば区民はこれらの損失を負担しなくてもよくなるかのような印象を与えておられますが、これらは全て特別区の財源で賄うこととされ、区民の負担がなくなるわけではありません。要は区民の負担が軽減されるという市長の説明は事実と全く異なるものであると考えますが、市長の御認識をお伺いいたします。 第5に、協定書に関する総務大臣の意見を意図的にねじ曲げている点であります。冒頭でも申し上げましたが、高市大臣からの回答は、特段の意見がありませんというだけで問題がないという意味ではありません。また大臣は、自身のホームページにおいて、今回の総務大臣意見は、協定書案の内容について特段の意見はないことを述べるものであって、いわゆる大阪都構想の是非について述べるものではないともはっきりおっしゃっておられます。先ほどから指摘した点に加えて、事務処理特例条例による特別区への権限移譲や巨大な一部事務組合の設置による三重行政、脆弱な職員体制など、協定書の問題点を挙げれば切りがありません。問題点を覆い隠すために総務大臣の意見を問題なしという言葉に意図的にねじ曲げて、協定書の内容の全て、さらに言えば大阪市廃止・分割プラン、いわゆる都構想自体について承認が得られたかのような発言を繰り返しておられますが、無責任と言わなければなりません。この点について、市長の認識をお伺いいたします。 以上、5点についてまとめてお伺いしましたけれども、まとめて御答弁お願いいたします。
○議長(床田正勝君) 橋下市長。 (市長橋下徹君登壇)
◎市長(橋下徹君) もっと前からこういう議論といいますか、させてもらいたかったので、僕を呼んでくれてこういう意見をぶつけてもらったら、こんな代表質問で一括質問一括答弁なんてこんな形にならなかったと思います。きょうこれで終わりじゃなくてぜひ委員会にも呼んでもらって、もっと深く議論させてもらいたいと思うんですが、そもそもこれ何が決定的に違うのかなと思ったら、議員は今の状態に毒がないと思っているんでしょう。この大阪都構想を毒だ毒だと言いますけど、今の状態は毒がないと思っているわけですよ。そこが発想違うので、これは幾ら議論しても--朝日新聞や毎日新聞は、もう合意、コンセンサスをとれコンセンサスをとれといっても無理なのは、僕は今の状態、これは大阪府も市もあわせて、今の大阪が毒だらけだと思っているから、だからこの毒だらけの状態を何とかしなきゃいけないという思いで都構想を出しているわけです。ところが議員は、この都構想だけが毒で今の大阪府と市には毒がないと思っているというところでそもそも認識の違いがあるのかなと思っています。 それからWTCビルを初め、さまざまなバブル期というか箱物を建てて、今それが莫大な市民負担になっているわけですよ。WTCビルだけじゃなくて信託事業の失敗、さっきも言いました650億円もこれ弁償金払わなきゃいけないんですよ。これは市民の皆さんに、皆さん伝えてるんですかね。海の時空館やらラスパOSAKAやらもういろんなものをやった。あれバブル期の政策の失敗だといってこれ責任転嫁したんですか、景気の問題にするんですか。そしたらアベノミクスがこれ好調になって景気が回復したら、また同じような状況になってしまうじゃないですか。だからそういうことをとめるために仕組みから変えるんだと。景気がよくなったとしても二度とあのようなばかみたいな大阪府政、大阪市政にしないために、まさに仕組みを変えていこう、今のこの状態というものは景気がよくなったら、あの二重行政でばかみたいな箱物をさんざん建ててしまう、それが今の大阪府、大阪市です。それはっきり今認めてもらいました、あれはバブル期だったからああなったんだと。そしたらバブル期になったらまたそういう状態になるということを今お認めになりましたから、だからそれをとめるというのが大阪都構想であります。 二重行政を解消し、成長戦略の財源を生み出すというのは、繰り返しになりますけども今までやってきた信託事業、オーク200なんていうのをこれやめておけば650億円の税金がこれは浮いてくるわけです。だからこれはもうまさにこの大阪都構想の効果でもあるわけですよ。だからこれバブル期にあれだけむちゃくちゃなことを大阪府、大阪市がやって、それは政策の失敗だ、二度ともうそんなことは起きないと、これは本当、市民に対して府民に対しての冒涜ですよ。でもはっきりこれで議員が認めてくださいました。バブル期にはそうなってしまうんだと。だから僕は、決してバブル期に景気がよくなったとしても、あんな無駄な府政、市政の税金の無駄遣いをしないためにも、ぜひこれは大阪都構想、やり切らないといけないなということを改めて強く認識をしたところです。 それから、ニア・イズ・ベターの実現についてなんですが、これは35万人から70万人の特別区になっておりますが、当初は確かに30万人ぐらいがベストなんじゃないかというふうに思っていましたが、議論の結果、35万から70万になった。ニア・イズ・ベターじゃないじゃないかと。それは今の260万人に比べればよっぽどこれ35万人から70万人のほうがニア・イズ・ベターですよ。ですから議員の意見は、今の状態に毒がないというそういう前提に立っているんで、これ70万人の特別区、35万から70万人といったら毒だ毒だと言うんですけど、今のほうがよっぽど毒ですよ、これ比べたら。これ人口35万から70万の基礎自治体になるんだったら、今の260万の基礎自治体よりよっぽどニア・イズ・ベターじゃないですか。 それから、自主財源という言葉を使っているのは、これは市民に対するごまかしです。これは市政運営をやるに当たって必要な財源は固有財源です。定義をこれどこかの学者が自主財源というのを持ってきたのかもわかりませんが、一般財源として予算編成をするのは固有財源がどうなのかということです。これは地方交付税、見てください。あれは自主財源ではありません。自主財源というものは権限に基づいてそれを徴収できるということですけれども、一般財源として自由に予算編成できるのは固有財源であって、まさにこの財政調整交付金というものは地方交付税と同じ性質のもの、これは固有財源ですから、固有財源はしっかりと確保してます。こういうふうに無理やり自主財源という言葉を使って、あたかも今まで使っていた税金が4分の1ぐらいに減るというようなそういう印象操作はやめていただきたいと思っています。固有財源は市長の、また首長の予算編成のもとで、しっかりとこの固有財源を使って政策展開ができます。固有財源については、今、大阪市役所が使ってる市民サービス向けの固有財源は全て特別区に移行します。 それから、何一つ決まってないじゃないかということを言うんですけども、これは協定書というものの性質をもっと御理解いただきたいと思いますが、この協定書なるものは国との協議事項を定めたものです。これは残念ながら、法定協議会に維新の会以外の会派の皆さんは途中でボイコットされて参加されなかったので、資料をよくお読みになっていないのかもわかりませんが、全てその考え方、理屈、そういうものはその資料に全部載ってます。じゃ、これまた言うんですよ、協定書に書いてないからそんなの信じられない。今の行政の仕組みは全て法律に書かれていますか、条例に書かれていますか、書かれていません。書かれていないことをしっかり制度設計をやって、それは規則なのか要綱なのか、いろんな行政のルールでそれをきちっと拘束力を持たせて、それで行政はやってるんですよ。地方交付税一つとっても、今の大阪市政一つとっても、全部これ何から何まで条例で決められているわけじゃないですよ。この協定書というものがある意味、条例みたいなもの、それに付随してさまざまな行政のルールを設定したものが法定協議会で出されたあの資料に書かれていることでありまして、その考え方とかそういう仕組みを見れば、大阪都構想はもう十分過ぎるほど制度設計は固まっていると考えております。ですから特別区の財源が保障される確証はないと言うんですけど、これ仕事見合いで今、大阪市役所がやってる住民自治、基礎自治体のサービスの分は、全部これはお金を特別区に渡すという考え方がはっきり示されているわけですから、財源が確保されていることはもう間違いありません。 それから、大阪府の財政状況についていろいろるる述べられましたけれども、大阪府の財政状況があそこまでなってしまったのは、自民党やそのときのいろんな既存の政党が推薦された大阪府知事のいろんな財政運営の結果でありまして、大阪府があんな財政状況になってなければ僕も知事なんかやる必要なかったと思ってます。これはその大阪府の財政状況というのは、いろんな問題ありました。あったけれども今、改善はしております。ただ言えることは、何で大阪府のことだけ取り上げるのかというのが本当、不思議でならない。大阪市民にとったら大阪市役所も大阪府庁も同じ自分たちの役所なわけですよ。だから大阪市役所だけがよくなったって意味ないわけです。大阪府庁もよくならなきゃいけない。2つあわせてよくしていこうというのが大阪都構想でありまして、どうもこの大阪都構想反対の人は、大阪市議会、大阪市役所さえよければいいと。あわせて2つがよくならないと市民のためにならないわけですから、ですからこれは大阪府庁、大阪市役所、無駄なところは排除してまとめるところはまとめて、そして改革を進める。今の大阪市議会がストップかけてる改革も大阪都構想になったら進みますから、そういう形できちっと大阪を立て直して、大阪市役所も大阪府庁も市民の役所なんですから両方よくしなければいけないという視点が議員には全く欠けていると思っております。 また、大阪府がいろんなこの仕組みの中で勝手に大阪市民税を使って大阪府の借金を返すとかそんなうそは言わないでほしいんです。これは法律に載ってます。地方自治法の282条で「都は、都と特別区及び特別区相互間の財源の均衡化を図り、並びに特別区の行政の自主的かつ計画的な運営を確保するため、政令の定めるところにより、条例で、特別区財政調整交付金を交付するものとする。」、そのほか、この地方自治法に、しっかり都は、そんなの特別区から今の旧というか大阪市税を勝手にこれ大阪都のために使っていいなんていうことは、これはもう法律上、許されていないんですから、そういうデマはやめていただきたいなと思っております。 あと、大阪市民の負担軽減について、これも資料をよく読んでください。まず大阪市が今、広域行政の仕事として使っている2,200億円程度は、特別会計の中で管理をしていきますけれども、まさにここで二重行政の整理をするんです。大阪市は、これまで市民の皆さんの市税で関西国際空港なんかに450億円ぶち込んだり、阪神高速道路に1,000億円以上のお金をつぎ込んでた。大阪市民の皆さんは大阪府民税としても同額以上のお金を負担していることになっているわけですよ。本当、大阪市民は不幸で、大阪市税でも大阪府民税でもダブルで負担を背負わされている。だからまずこの本来、広域行政が負担しなければいけないような部分、ここをまず特別会計として切り出して、そして資料を見てください。その後なんです。ここ勘違いがあるんです。仕事見合いでお金を配分するというふうになっているんです。だから、例えば大阪市立大学、これは大阪市立大学の学生は2割ぐらいしか大阪市にいませんよ。これ本当に50、50で市民税50、府民税50でもつのか、これは絶対、僕は疑問あると思いますね。そしたらこの割合を変えていくんですよ。特別会計の中できちんと整理をして、やっぱり大阪市民税で大阪市民の税金をそんだけ大学に出すのは違うよねと、もっと府民税の割合が高くないといけないよねということになれば、仕事見合いでお金を出すんで、この余ったというか、もう広域行政に使わなくなったお金は特別区のほうに返ってくるんです。そういう仕組みなんです。だからそこをちゃんと理解してもらわなきゃいけないですよ。この二重行政に当たってる分、今まで大阪市民税でやらなくてもよかった仕事を特別会計で切り出して、ちゃんと整理をして、これは大阪都の仕事だとなれば、もうそれは大阪市民税としてそこに使わなくていい、これは特別区のほうに還元するとそういう仕組みです。 それから、総務大臣の意見については、これはちょっと日本語の問題になるので、もうここは認識のずれかもわかりませんが、問題があるんだったら意見がつくと思いますよ、問題があるんだったら。しかもこれ霞ヶ関の各省庁がどんなチェックをしたかということを御存じですかね。これはもう何百という指摘があったんですよ。申しわけないけれども、市議会で言われてたような漠然とした抽象的な指摘ではありません。本当に極めて専門的な行政上の指摘が山ほど来ました。全部それをクリアしていったんです。問題があるんだったら、ああ問題があると意見がつくはずですし、問題がないから特段の意見がないと。この大阪都構想については、制度上も全く不備はありません。先ほどちょっと今、席に置いてきてしまったので申しわけないんですけれども、協定書においても、今の大阪市が提供しているこの
住民サービスの水準は、これは落とすことなくしっかりと特別区に引き継いでいくということをきちっと協定書に書いてるわけですから、これを目指してです。これをきちっとした目標として、あとは役所をつくり変えていくというのは、まさに公務員の力の、腕の見せどころであって、目標は
住民サービスを下げない、むしろ先ほども言いましたバブル期になって、またあのときの悪夢のような大阪府、大阪市、あんな状態に二度と戻さないためにも仕組みを変えていく。議員ははっきりと言いました。バブル期にはああいうふうになってしまう。ですから、もう景気がよくなろうと何であろうと、あのような悪夢のような大阪、今の大阪府、大阪市のここに毒がたっぷりあるわけですから、これはやっぱり毒をなくすためにも大阪都構想は必要だと考えています。
○議長(床田正勝君) 北野妙子君。 (46番北野妙子君登壇)
◆46番(北野妙子君) 本当にお伺いした以上に長々と御答弁ありがとうございました。いろいろおっしゃいましたけれども、この大阪市民が本来負担すべきでない過度の負担、つまり広域事業に係る負担を負わされているというふうにおっしゃるんでしたら、なぜ今年度予算、27年度予算において、市長みずからが予算編成権があるんですから直ちに改めないのかということなんですね。それはもう責任放棄にほかならないというふうに思います。 それと、いろいろおっしゃいました広域事業に係る負担を特別区民が負担させられ続けるのではないかというふうな質問に答えていらっしゃいません。これはくだんの京大教授に対してもお答えになっておられないところでございます。先ほど協定書にきちんと書いてあるというふうな特別区の負担軽減ですね、これについては事務の継承をしてやるというのとできるというのは違うというふうなことは、特別委員会でも申し上げました。このことはもう一度おさらいしていただきたいというふうに思います。特別区になったら、つまり都構想が実現したら負の遺産とそのツケがなくなるわけではありませんので、特別区民が払い続けるわけですよ。そのことをよくわかっていただきたいと思いますし、いわば大阪市廃止・分割構想は新手のぼったくりバーであるというふうに断じておきます。 続きまして、協定書や住民投票について、市民の皆さんが正しく理解されているかについてお伺いします。現在上程されている協定書が承認されれば、大都市法に基づき住民投票が実施されることになりますが、住民投票の前提として、市民の皆さんが協定書や特別区の姿について十分に理解されていることが必要不可欠であります。しかしながら、先日の朝日新聞の大阪市民調査によると、協定書に対する理解度は非常に心もとない状況となっております。以下、住民投票に対する問題点を指摘し、市長の認識をお伺いします。 まず第1に、法定協議会や議会での議論が不十分であるという点です。大都市法の規定では、府市の両議会で協定書が承認され、結果が法定協議会に通知された日から60日以内に住民投票が実施されるとなっております。そもそも大都市法において、このように議決から住民投票までの期間が短いのは、法定協議会や府市両議会において熟議が重ねられ、その中で市民の皆さんに、特別区の姿についてはその共通認識が既に十分に生まれているということが前提となっているからであります。しかしながら、法定協議会の委員を一方的に差しかえるなど、我が会派を初めとする他会派の多様な意見に真摯に耳を傾けてこなかった結果、議論が熟することもなく合意形成にも至らず、ましてや市民の皆さんの共通認識を形成するには至ってはおりません。住民投票で市民の皆さんに判断を求める状況にないことは明らかであり、直ちに協定書を白紙に戻し、議案を取り下げ、じっくりと議論を進めるべきであると考えますが、市長の御認識をお伺いいたします。 第2に、特別区移行後の具体的な
住民サービスのあり方などについて、市長の説明が余りにも無責任であるという点です。市長は、こんなの理解していただかなくても結構、設計図を1枚目から見ますか、僕は見ませんなどと発言し、協定書を真摯に説明する責任を放棄しておられます。そればかりか協定書に骨格しか記載されていないため、特別区の姿が具体的にイメージしにくいことを逆手にとって、事実に基づかない不正確な説明をしたり、協定書に記載されていないことをさも協定書の中身であるかのような説明をしたりと、場当たり的で無責任な説明に終始してこられました。市民の皆さんが最も関心を寄せ、心配されているのは、特別区移行後の
住民サービスの内容や質が本当に低下しないのかということです。それなのに市長は、特別区移行後も現在の
住民サービスの財源総額を確保されるから
住民サービスが低下することはないと繰り返すのみであります。財源総額が確保するからといって
住民サービスがそのまま維持されるという保証はどこにもありません。例えば「こども医療費助成」などの助成制度や幼稚園、保育所の保育料等や減免などは、特別区ごとにばらばらになる可能性があります。また、児童相談所は5区に設置されることとなっておりますが、29年の4月の時点で一時保護所を含めて施設がどの程度整備されているのか、専門職が本当に確保されるのかは未定であり、従前の機能が維持される確証はありません。また、現在の24区役所はそのまま区役所本庁または支所等として使うので、市民の皆さんには不便はかけないとおっしゃいますが、区役所は本庁と支所に分かれて、さらに本庁自体も移行当初はあちこちに細分化されるため、利便性は今よりも明らかに低下します。 また、先ほどの質問にありましたように、市長は新たな教育関連予算を現在、矢継ぎ早に実施し、じゃぶじゃぶお金をつぎ込んでこられましたが、特別区には過度な財政負担となります。これらの事業は大阪市の単独事業であるため、特別区の財政状況が厳しくなると真っ先に廃止・縮小されることは敬老パスを見れば明らかであります。むしろ特別区移行の膨大なコスト等を考えれば、維持され続けるか非常に怪しいと言わなければなりません。特別区になれば、市民の皆さんが行政サービスを選択することができるようになるとおっしゃいますが、その実態は、どのサービスをやめるのかの判断を市民の皆さんに押しつけるということなんですね。住民のサービスについて、市長は、協定書の別表に書いているとおっしゃいますが、別表は単に事務を配分しただけであり、特別区に移行した後の
住民サービスの内容や質が見えるものではありません。住民投票の判断時には、これらのことが見えていなければならないのに何も決まっていません。住民投票後に市長、知事が決めるものや特別区設置後に区長、区議会が決めるものなどがあり、まさに白紙状態であります。市民の最大の関心事であるにもかかわらず、市長は、これらのことを具体的に説明されません。これで市長は、説明責任を果たしているという御認識なんでしょうか。 第3に、大都市法に基づく住民投票を市長の信任投票にしているという点です。現在、他の自治体で行われている条例に基づく住民投票というものは、その結果が参考にされるに過ぎませんが、大都市法に基づく住民投票は、結果がそのまま最終的な結論となることから、これらの住民投票とは全く性格が異なるものであります。また、大阪市を歴史上からも地図上からも消滅させるか否かの一世一代の決断でもあり、その中身をもって判断されなければなりません。それにもかかわらず、市長は、大阪市廃止・分割プラン、いわゆる都構想が住民投票で否とされた場合、政治家をやめると発言されており、これでは大阪市の形を決める住民投票ではなく、橋下市長個人の人気投票、信任投票にすりかわってしまっているおそれがあり、非常に危険だと考えます。市長の認識をお伺いいたします。 以上、住民投票について3点一括して御答弁願います。
○議長(床田正勝君) 橋下市長。 (市長橋下徹君登壇)
◎市長(橋下徹君) 議案を取り下げることはありません。平成25年2月から大阪府・大阪市特別区設置協議会を設置しまして、これまで22回開催しています。その前段の大阪にふさわしい大都市制度推進協議会を含めると、おおむね3年にわたって議論をしてきました。もうこれできちっと制度としても総務大臣から問題なしということも言われたわけですから、もう十分だと思ってます。あとは住民の皆さんに御判断をしていただくことかなと思っております。 また、市民への説明内容についてなんですけど、こんなのは理解していただかなくて結構というのもこの一言だけ引っ張ってますけども、あの協定書のいわゆる行政マンが役所をつくるために必要な事項まで住民の皆さんが理解する必要はないというふうに言ったんです。なぜ大阪都構想が必要なのか、まさに今までの大阪府、大阪市が毒まんじゅうだと、今の大阪府、大阪市のほうが毒まんじゅうだと、どういう状態だったのかそういうことも理解していただいて、なぜこの大阪都構想になったらそういうことがとまるのか。議員は先ほどからバブル、景気がよくなれば大阪府、大阪市のあの悪夢のような二重行政がまた生まれるということをはっきり認めていただきましたので、それをとめるため、なぜとまるのかということをしっかり理解してもらえればいい。また、大阪市内に大阪市長が一人いることのこの不都合性、もっと言えば教育委員会も一つしかない。市長も一人だけ。これで住民の皆さんとコミュニケーションがいかに希薄化するか、こういうこともしっかりと事例を個々に説明をして、本来の市町村というものはこういうものですよということをしっかり市民の皆さんに御理解いただければ、あとはこの協定書は役所の設計図なわけですから、この協定書とそれからこれまで法定協議会に出されていた資料をもとにすれば、行政マンのほうはしっかりと大阪都庁と特別区役所というものを5つ、これはしっかりつくることができます。そこまでは、市民の皆さんは細部のところまで知らなくても、なぜこの都構想が必要なのか、今までの大阪府、大阪市がなぜだめだったのか、こういうところを理解してもらう、そこが重要だということを言ったまでです。 現時点では白紙状態ということは、先ほども言いましたけども、全然白紙でも何でもありません。この協定書とそれから法定協議会で出されたいろいろな資料をもとにすれば、しっかりと行政マンが新しい大阪都庁と特別区役所5つをつくり上げることができる、そういう状態になってますので、全く白紙でも何でもありません。本当に問題であれば、それこそ自民党の総務大臣なわけですから、もっとこれは問題だ問題だと働きかけて、問題ありと、大阪都構想これはやめるべきと意見を書いてくれりゃいいんですよ。自民党の総務大臣なのに書いてくれないじゃないですか。特段意見なしなんですから。これはぜひ問題あって大阪都構想が市民のためにならない、府民のためにならないというんであれば、総務大臣にはっきりとこれは国会で言ってもらいたいですね。ところが安倍総理のほうは、この大阪都構想については二重行政の解消、住民自治の拡充を図るためには意義があると、あとはそれをとるかとらないかは住民の皆さんの判断だと、賛成すればしっかりと法改正を粛々と進めていく。毒まんじゅうなんだったらあんなこと、総理、言うんですか。毒まんじゅうだったらこれは国会で毒まんじゅうだと言わなきゃいけないじゃないですか。毒まんじゅうなんだったらこんなもん住民の皆さんが賛成したって絶対、国民のことを思えば、市民のことを思えば、こんな毒まんじゅうを食べさせるわけにはいきませんといって総理が一言言ったら、この大阪都構想、全部ぽしゃるんですよ。ところが、大阪都構想、二重行政の解消と住民自治の拡充に向けては意義があると。あとは住民の皆さんの判断に委ねますと、これはもう総理の本当に適切な答弁だと思いますけど、みんなこれ意義があるというように言ってるわけですよ。賛成したらこれ進めるんですよ。毒まんじゅうを総理が進めるんですか、自民党の総理が。まずそこが矛盾していることをしっかりと認識していただきたいですね。 それから、住民投票についても信任投票かどうかと言われてますけども、ここまで時間かけて5年、6年かけて、大阪維新の会のメンバーも大阪都構想やろうといって職をなげうって集まってきてくれたメンバー、我々は自民党さんのように政党交付金なんかはその当時はなかったですから、ポケットマネーでみんな集まって、こんなけ時間かけて労力もかけてこんな批判も受けて、これで市民の皆さんに否決をされたら、僕はトップとしてこんなのはやめなきゃいけないですよ。これは政治家やめなきゃいけないですよ。普通は政治家、それは市議会の皆さんも政治家なんですから、それぐらい気合い入れて市民の皆さんにそれを信任されなかったら政治家やめると。だからぜひ僕は、維新の会のメンバーとそれから維新の会以外のメンバーで住民投票の結果次第で負けたほうがやめると、それぐらいの覚悟ですよそれは。だからもう負けたらやめるんだと、それぐらいやって初めてこれは本気の市政運営といいますか市民のことを思う政治活動だと思いますよ。住民投票で勝てば議員やめてください。住民投票で可決されたらもうさっぱりと政治の世界から足を洗う。それは市民の皆さんの意見を酌むことができなかった、自分たちの主張を訴えることができなかった。僕もやめますよ。これ住民投票で否決されたらもう政治の世界から一切もうこれ引きますよ。それぐらいの覚悟で住民投票に臨むと、それぐらいやりましょうよ。
○議長(床田正勝君) 北野妙子君。 (46番北野妙子君登壇)
◆46番(北野妙子君) 再度、自分だけが絶対正義であるかのような饒舌な御答弁をありがとうございました。今、市長がおっしゃった法律をつくった立場として、その法律に対して意義がないとは言えませんよね。そのことをおっしゃっているんです。また、よく知事、市長が、また維新の方々が自民党の中央は都構想に賛成なのに大阪の自民が反対するのはなぜかというふうにおっしゃいますけれども、我々は自民党所属議員です。にもかかわらず党本部から都構想に賛成せよと命令されたことなど一度たりともありません。よその政党の党首の言葉を拡大解釈してあれこれと吹聴しないでいただきたいと思います。それと谷垣幹事長がおっしゃいました。これは選択肢をつくったまでだと。大阪自民党が議論して決めたら、それが党本部の決定だと明言されておられます。デマを流すことは許されません。市長は、いつも本当に驚くほど巧みに発言をなさいます。ですが結果に対して真摯に向き合わず、検証もそして反省もなさいません。例えば公募区長、公募校長、民間人局長の件を思い出してください。確かに制度としては、公務員という画一的な組織に新たな風を吹き込むもので制度そのものは否定しませんが、不祥事や身勝手な退職が後を絶たなくても立ちどまろうともされません。交通局長についても明確にいまだ責任を求めておられません。また一昨日の本会議場における予算説明をお聞きしていても、本当に市長の言葉なのかと耳を疑いたくなりました。まるで部外者のコメンテーターのようでした。市長は、もう3年もその職にいらっしゃいますが、大阪市にとって自虐的な発言を平気で繰り返される。みずからが大阪市長であるということをお忘れでしょうか。大阪市への愛情は全くお持ちでないとさえ思います。もし市長が本当に大阪市を愛しておられるのならば、特別区設置という一大事を市民の方々に対し、わかりやすい説明もされず、市民の理解も進んでいない状況で住民投票を強行したりはしないはずです。タウンミーティングでは、さまざまな図やグラフを用いて説明されておられますけれども、極端にデフォルメしたもの、あえてインチキグラフと言わせていただきますけれども、あのようなインチキグラフを用いた説明は、市民の皆さんをミスリードすることになります。特別区への移行は、市民生活を根底から変える重要事項であるにもかかわらず、今よりましであるかのようなそのようなお得意のフレーズで大阪市を解体しようとするものであり、本当に大阪市民のことを考えておられるのか疑問に思います。市長、あなたはこの地、大阪市に骨を埋める気があるんでしょうか。我々大阪市民は、あなたの踏み台なんでしょうか。 締めの言葉になりますが、大阪市はその昔、都でした。仁徳天皇が現在の大阪市中央区高津に都を置いたという説が有力です。そのころに民家から炊事の煙が立ち上らないのを見て人々が困っているのを察して課役を免除したり、治水工事を行うなど善政を行われた。そんな故事が本市の市歌になっているわけです。まことに格調高いすばらしい市歌だと思っています。そのような歴史あるこの大阪の地に市ができて126年。政令指定都市になって58年。我々は今後も市民の暮らしの安全・安心・安寧のために、民のかまどに立つ煙を確認しながら、大阪市が責任ある市政を継続してさらに発展させていくのだという強い意志を持って努力していくことを誓いたいと思います。 以上、るる指摘してまいりましたが、詳細については各常任委員会に譲ることといたしまして、私の質問を終わらせていただきます。御清聴どうもありがとうございました。(拍手)
◆43番(黒田當士君) 動議を提出いたします。本日の質疑はこの程度で打ち切り、明27日午前10時より会議を開かれることを望みます。
○議長(床田正勝君) 43番議員の動議に御異議ありませんか。 (「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(床田正勝君) 御異議なしと認めます。よって動議のとおり決しました。
△閉議
○議長(床田正勝君) 本日の日程は以上で終了いたします。
△散会
○議長(床田正勝君) 本日はこれをもって散会いたします。 午後4時25分散会 --------------------------------- 大阪市会議長 床田正勝(印) 大阪市会副議長 杉田忠裕(印) 大阪市会議員 田中ひろき(印) 大阪市会議員 寺戸月美(印)◯大阪市会(定例会)会議録(平成27年2月26日)(終)...