平成23年第1回定例会(平成23年2・3月)◯大阪市会(定例会)会議録(平成23年2月22日)
◯議事日程 平成23年2月22日午前10時開議第1 議案第35号 平成23年度大阪市
一般会計予算第2 議案第36号 平成23年度大阪市
食肉市場事業会計予算第3 議案第37号 平成23年度大阪市市街地再
開発事業会計予算第4 議案第38号 平成23年度大阪市
駐車場事業会計予算第5 議案第39号 平成23年度大阪市
有料道路事業会計予算第6 議案第40号 平成23年度大阪市
土地先行取得事業会計予算第7 議案第41号 平成23年度大阪市
母子寡婦福祉貸付資金会計予算第8 議案第42号 平成23年度大阪市
国民健康保険事業会計予算第9 議案第43号 平成23年度大阪市
心身障害者扶養共済事業会計予算第10 議案第44号 平成23年度大阪市
介護保険事業会計予算第11 議案第45号 平成23年度大阪市
後期高齢者医療事業会計予算第12 議案第46号 平成23年度大阪市
中央卸売市場事業会計予算第13 議案第47号 平成23年度大阪市
港営事業会計予算第14 議案第48号 平成23年度大阪市
下水道事業会計予算第15 議案第49号 平成23年度大阪市
自動車運送事業会計予算第16 議案第50号 平成23年度大阪市
高速鉄道事業会計予算第17 議案第51号 平成23年度大阪市
水道事業会計予算第18 議案第52号 平成23年度大阪市
工業用水道事業会計予算第19 議案第53号 平成23年度大阪市
市民病院事業会計予算第20 議案第54号 平成23年度大阪市
公債費会計予算第21 議案第55号 平成23年度大阪市西町外18財産区予算第22 議案第56号
包括外部監査契約の締結について第23 議案第57号 大阪市
職員定数条例の一部を改正する条例案第24 議案第58号 一般職の
任期付職員の採用及び給与の特例に関する条例の特例に関する条例の一部を改正する条例案第25 議案第59号 職員の給与に関する条例の一部を改正する条例案第26 議案第60号 職員の給与に関する条例等の特例に関する条例の一部を改正する条例案第27 議案第61号 非常勤の職員の報酬及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例案第28 議案第62号 大阪市
特別会計条例の一部を改正する条例案第29 議案第63号 大阪市
市税事務所条例の一部を改正する条例案第30 議案第64号 大阪市
教職員住宅条例を廃止する条例案第31 議案第65号
大阪市立学校設置条例の一部を改正する条例案第32 議案第66号
大阪市立体育館条例の一部を改正する条例案第33 議案第67号
大阪産業創造館条例の一部を改正する条例案第34 議案第68号
大阪市立軽費老人ホーム条例の一部を改正する条例案第35 議案第69号
大阪市立塩楽荘条例を廃止する条例案第36 議案第70号 大阪市
国民健康保険条例の一部を改正する条例案第37 議案第71号
大阪市立消毒所条例を廃止する条例案第38 議案第72号
大阪市立助産師養成施設条例の一部を改正する条例案第39 議案第73号 大阪市
看護師等修学資金貸与条例を廃止する条例案第40 議案第74号 大阪市
建築基準法施行条例の一部を改正する条例案第41 議案第75号 大阪市
港湾施設条例の一部を改正する条例案第42 議案第76号 なにわの海の
時空館条例の一部を改正する条例案第43 議案第77号 交通局に所属する職員の退職手当の特例に関する条例案
---------------------------------◯出席議員87人 1番 井上 浩君 2番 欠員 3番 島田まり君 4番 西崎照明君 5番 西川ひろじ君 6番 永井啓介君 7番 川嶋広稔君 8番
田中ひろき君 9番 新里嘉孝君 10番 角谷庄一君 11番 広田和美君 12番 徳村 聡君 13番 山下昌彦君 14番 西岡 剛君 15番
森山よしひさ君 16番 権世幸蔵君 17番 北野妙子君 18番 有本純子君 19番 加藤仁子君 20番 明石直樹君 21番 八尾 進君 22番 辻 義隆君 23番 土岐恭生君 24番 安達義孝君 25番 尾上康雄君 26番 寺戸月美君 27番 渡司考一君 28番
上野とき子君 29番 北山良三君 30番 山中智子君 31番 江川 繁君 32番 杉田忠裕君 33番 高山 仁君 34番 金沢一博君 35番 漆原良光君 36番 荒木幹男君 37番 床田正勝君 38番 柳本 顕君 39番
黒田當士君 40番 山崎誠二君 41番 長尾秀樹君 42番 小林道弘君 43番 田中 豊君 44番 沓澤和夫君 45番 福島真治君 46番 井上英孝君 47番 冨岡朋治君 48番 木下 誠君 49番 東 貴之君 50番 美延映夫君 51番 辻 淳子君 52番 大内啓治君 53番 坂井良和君 54番 神原昭二君 55番 山本修子君 56番 永藪隆弘君 57番 松崎 孔君 58番 広岡一光君 59番 福田賢治君 60番 舟戸良裕君 61番 多賀谷俊史君 62番
足高將司君 63番 木下吉信君 64番 高野伸生君 65番
高橋諄司君 66番 青江達夫君 67番 前田修身君 68番 金子光良君 69番 石原信幸君 70番 小玉隆子君 71番 稲森 豊君 72番 瀬戸一正君 73番 長谷正子君 74番 欠員 75番 下田敏人君 76番
矢達 幸君 77番 待場康生君 78番
高田雄七郎君 79番 小笹正博君 80番 河本正弘君 81番 太田勝義君 82番 大丸昭典君 83番 天野 一君 84番 船場太郎君 85番 新田 孝君 86番 加藤正武君 87番 松田 力君 88番 奥野正美君 89番 勝田弘子君
---------------------------------◯職務のため出席した
事務局職員 市会事務局長 寺本良平 次長 友居伸行
議事企画担当課長 種林秀晃
議事企画担当課長代理 柴生謙一
議事企画担当係長 西
正道 ---------------------------------◯議場に出席した執行機関及び説明員 市長 平松邦夫 副市長 森下 曉 副市長 北山啓三
政策企画室長 山本 仁
情報公開室長 堤 道明
市政改革室長 稲森隆司
危機管理監 横山隆文 総務局長 村上龍一 市民局長 杉本佳英 財政局長 井上裕之
契約管財局長 京極 務
計画調整局長 北村英和
健康福祉局長 壺阪敏幸
こども青少年局長 森 啓 ゆとりと
みどり振興局長 野々村節子 経済局長 鍵田 剛 環境局長 玉井得雄
都市整備局長 平岡 博 建設局長 田中清剛 港湾局長 丸岡宏次
会計管理者兼会計室長 三浦周治 消防局長 岡 武男 交通局長 新谷和英 水道局長 白井大造 病院局長 瀧藤伸英
教育委員会委員長 佐藤友美子 教育長 永井哲郎
選挙管理委員会事務局長 檜垣洋次 監査・
人事制度事務総括局長 深尾 泰 ---------------------------------
△開議 平成23年2月22日午前10時3分開議
○議長(荒木幹男君) これより
市会定例会会議を開きます。 本日の
会議録署名者を新田孝君、山本修子君の御両君にお願いいたします。
○議長(荒木幹男君) これより議事に入ります。
○議長(荒木幹男君) 日程第1、議案第35号、平成23年度大阪市
一般会計予算ないし日程第43、議案第77号、交通局に所属する職員の退職手当の特例に関する条例案を一括して議題といたします。
○議長(荒木幹男君) これより質疑に入ります。
○議長(荒木幹男君) 瀬戸一正君の質疑を許します。 なお、資料の掲示の申し出がありますので、これを許します。 72番瀬戸一正君。 (72番瀬戸一正君登壇)
◆72番(瀬戸一正君) 私は
日本共産党大阪市会議員団を代表し、2011年度大阪市
一般会計等予算案並びに当面する施策等について平松市長に質問いたします。 今、多くの国民の中に政治と社会への深い閉塞感が広がっています。その根っこにあるものは何でしょうか。国民の暮らしの実情よりも財界・大企業の要求やアメリカの意向を優先させるという、長年の古い政治の枠組みです。
民主党政権は、この古い政治から脱却できず、わずか1年半で
自民党政権とうり二つになってしまい、
後期高齢者医療制度廃止などの公約を投げ捨てただけでなく、社会保障を切り捨て、負担増を押しつける一方で、
法人税減税で1兆5,000億円ものばらまきをしながら、
消費税増税とTPP、
環太平洋連携協定という亡国の道を進もうとしています。 地方政治の分野ではどうでしょうか。
民主党政権は、あたかも地方を大事にするかのように
地域主権改革を唱えています。しかし、実際にやっていることは、自治体の住民福祉の機関としての役割をさらに弱め、官から民へのかけ声で公的責任や
公共サービスを投げ捨てて、大企業の都合のよいように自治体を道州制などに大規模化していくことです。これらは、住民の福祉と暮らしを守るという自治体の原点を根底から覆すものだと言わなければなりません。 こうして国が住民の暮らしを破壊する仕打ちをする中、今大阪市に求められているのは、国の悪政から住民の暮らしと福祉を守る防波堤の役割を果たすことです。ところが、平松市長が提案している2011年度予算案は、大阪経済の活性化と住民自治の実現を大きな柱にしたとしておりますが、その中身は関西財界の意に沿った成長戦略に基づいて、
北ヤード地区と夢洲・咲洲地区には巨額の公金を注ぎ込み、
淀川左岸線2期の建設を推進するなど、企業呼び込みに重点を置く一方で、中小企業の営業を支援する施策には全く乏しく、大阪経済の再生にはほど遠いものであります。 また、市民の暮らしの面では、民間委託や民営化、
職員減らしなど
自治体版構造改革路線を推進して公共の責任を放棄する一方で、
クーラー設置や
国保料引き下げなどの住民の要求と声に背を向けるなど、住民自治の実現にもほど遠いものであります。到底認めることはできません。このような予算は撤回し、根本から組み替えるべきであります。以下、こういう立場から具体に質問をいたします。 第1に、福祉と暮らしの問題です。まず、
国民健康保険料をめぐる問題についてお聞きします。 先日、我が党の
志位和夫委員長は
予算委員会の基本質問で、国保料の実態、所得300万の4人家族、30歳代の両親と子供2人の4人世帯の大阪市国保料が42万8,700円、所得の1割以上にもなっている、この数字をあげて、菅首相に「高過ぎるとは思わないのか」とただしたところ、首相は「かなり重いという感じはする」と答弁をいたしました。 国保料金はなぜこんなに高いのか。言うまでもありません。1984年に国庫負担が50%であったものを今24%にまで減らしてきたからであり、民主党が政権をとったら国庫負担を9,000億円ふやすと言っていたのを、その公約を投げ捨てているからであります。国保に対する国の責任を明確にして、菅内閣にせめて国庫負担を9,000億円増額するよう求めるべきではないでしょうか。 次に、
厚生労働省が進めようとしている
市町村国保の広域化の問題です。これは、先日発表された大阪維新の会のマニフェストにも、国保を大阪都に一元化すると明記されています。厚労省は、
市町村国保は保険財政の規模が小さく不安定になりやすいと言い、維新の会は
セーフティーネットは広域行政が責任を持つべきだと、もっともらしい理由を並べ立てていますが、そのねらいは市町村からの国保会計への
公費繰り入れをやめさせることであります。しかし、市町村からの繰り入れを大阪全体でやめたとしたら、平均で1世帯2万円、料金が値上げされると試算されています。平松市長、国保料の
大幅値上げに直結する
国保広域化には反対するべきではありませんか。 では、国保料を引き下げるために大阪市として独自に何をしなければならないのか、これはもう明確です。この間、減らしてきた
任意繰り入れを増額して保険料を引き下げるべきですし、保険料の軽減措置や減免措置も今日の市民生活の窮迫の実態に応じたものに改善すべきです。あわせて答弁ください。 国保の最後は、大阪市が子供の大学や高校の進学のために掛けている学資保険を財産として認定し、1月末までに103世帯も
差し押さえている問題であります。 先日、我が党委員が
民生保健委員会でこの
差し押さえを撤回するよう市長に求めたところ、市長は「
国税徴収法にのっとって厳正に処分すると担当部長が答弁したとおりだが、103世帯には103通りの滞納した事情がある」、こう述べられました。個別の事情を滞納者から聞くことはもちろん必要です。しかし、親が国保料を滞納しているからといって、子供からは国保証を取り上げないと決めたのと同様に、子供の教育、進学のためという目的を持って掛けられている学資保険を
差し押さえることは、そもそも行政がやってはならないことではありませんか。また、結果として
差し押さえに至ることはあったとしても、
差し押さえ自体を目的とするようなやり方は改めるべきではありませんか。あわせて答弁を求めます。 次に、敬老パスと
上下水道料金福祉措置の問題についてお聞きします。 来年度予算は、この2つの施策は現行どおり継続するものとなっています。これらを見直すという方針が出されたのが2004年ですから、敬老パスは廃止をするなという市民の大きな運動と強い世論が7年間もこれを拒んだということになります。 私どもの会派が昨年行った
市民アンケートでも、
国保料引き下げを求める声に続いて大きかったのが、敬老パスと
上下水道料金福祉措置を守れという声であります。ところが、市長は2月7日の記者会見で「一昨年に一部有料化の提案をした」「23年度中にはもう一度議論を進めていかなければならない」と発言をしています。これは、
敬老パス等の存続を求める市民の大きな声に背を向け、有料化しようということではありませんか。そうした考えは撤回すべきです。答弁を求めます。 第2に、保育と教育など子育てについてです。 最初に、
乳幼児医療費助成制度についてお聞きします。 来年度予算には、入院費用の助成を
中学校卒業までに引き上げる、0~2歳児においては所得制限を撤廃することが盛り込まれました。これらは長年の大きな市民運動が実現をさせたものであります。 私
たち日本共産党市会議員団も、制度の創設とその改善を求めて21回も条例を提案してまいりました。私たちは昨年12月の議会にも、入院、通院とも
中学校卒業まで引き上げるべきだと提案し、我々以外の全会派の皆さんがこれを否決しております。今回実現した
中学校卒業までの入院助成に必要な予算は年4,700万円、0~2歳児に対する
所得制限廃止は年1億3,800万円というわずかなものであります。通院を現在の小学校入学前から
中学校卒業までに引き上げることは、私たちの試算では年18億円でできます。 お隣の政令市になったばかりの堺市は、昨年7月から入院、通院とも
中学校卒業まで引き上げております。大阪都にしなくても政令市で立派にできることを堺市は証明しています。市長、堺市でできて大阪市でできないなんておかしいじゃありませんか。通院についても、
中学校卒業にまで直ちに引き上げるべきです。答弁を求めます。 次に、保育についてお聞きします。 政府が進めようとしている保育制度の大改悪、新システムの問題です。新システムは、直接契約・直接補助制度の導入、
受益者負担を明記しており、多様な事業者の参入を促進するとして営利企業の参入に道を開いていますが、これは
児童福祉法24条に定められた自治体の保育責任を放棄するものと言わなければなりません。さらに、保育の制度が介護保険や
障害者自立支援法と同じように認定された保育時間のみのものになれば、それを超える保育は
全額自己負担となり、最も保育を必要としている子供たちや家族が必要な保育を受けられない事態が生まれることになります。市長、このような新システムの導入には反対するべきではありませんか。 次に、
待機児解消の問題です。 市長は、この3年間の集中的な対策により
待機児童数は大幅に減少し、大阪市は今や
待機児童対策先進都市になった、こう言われましたが、とんでもありません。待機児が減ったといっても、それは入所定員の弾力化や
保育士配置基準の改悪、保育室の押し入れまで保育する面積に入れることによって定員を拡大するなど、ありとあらゆる規制緩和をして
詰め込み保育をやってきたからであります。 その上、希望する保育所以外の保育所への入所を通所が困難などの理由で断った子供は待機児にはカウントしない。また、行政区の中で待機児がいる保育所があっても、他の保育所でそれを上回る定員割れがあれば、その区は待機児がいない区だと勘定する。こうして計算した行政区の待機児数の合計をもって市全体の待機児童の人数にするなど、本当の
待機児童数を過少に見せかける手法によって
待機児童対策先進都市になった、こう称しているにすぎません。こうした見せかけをやめて、実態に合った待機児の数を明らかにして、真剣に待機児の解消に取り組むべきではありませんか。 次は
公立保育所の民間委託であります。 これは、引き続き保護者の皆さんの間に大きな怒りを広げています。
大正北保育所の保護者の皆さんは、インターネットで保育所の民間委託についての我が党議員の議事録を読まれて、民間委託は保育の質を引き下げるのではないか、こういう思いを強めて6,500名もの署名を集め、
民間委託中止を求めて議会に陳情書を提出いたしました。この陳情は継続審議の扱いになりましたが、さらに署名の
大幅上積みを図って民間委託の強行をやめよと運動が広がっています。大阪市は、経費削減のしわ寄せを大切な子供たちを育てる保育所に押しつけるべきではありません。保育所を民間委託する方針は直ちに中止をすべきだと考えますが、答弁を求めます。 次は、住吉区で39年間、
認可保育所に入れない児童を受け入れてきた亀の子
共同保育所、
ベビーセンターを大阪市がつぶそうとしている問題であります。 4月から同区に2つの保育施設が開園するから区内の待機児は解消されるというのが
こども青少年局の言い分ですが、そこには
入所希望者が殺到し、保護者からは、亀の子が閉鎖されたら来年から預けるところがないという悲痛な声が上がっています。そもそも亀の子は、昨年10月に口頭で廃止通告を受けるまで、住吉区役所の
保育担当課の窓口は2011年度は継続するという前提で対応がされておりました。区役所も不可欠な存在だとの認識を示していたのであります。唐突で理不尽な廃止決定を見直せの声は瞬く間に区全体に広がり、反対署名が何と区民の1割にも達する1万5,000名も集まりました。市長はこれを無視されるのでしょうか。 2月16日にテレビで亀の子の問題が報道されて、その中で市長は、亀の子
ベビーセンターについて「4月以降、0歳児、1歳児がどうなるのかしっかりと把握した上で補助金について指示をしたい」、こう語られました。住吉区は待機児童が解消できないということが容易に想定できる状況ですから、実態に応じて亀の子の補助金を継続するべきではないでしょうか、答弁を求めます。 次に、少人数学級の実施についてであります。 子供たちに豊かな教育を保障するためには、少人数学級、30人学級の実施が必要だ、これが大きな国民の世論になって、
民主党政権も小学校1・2年生は35人学級にすると言い出して、来年度は1年生の分だけ予算化をいたしました。 大阪府では橋下知事が、小学校1・2年生で実施されている35人学級を何と40人学級に戻すと言い出しましたが、35人学級になってそのよさを実感しているPTAなど保護者や
教育関係者の皆さんがこの暴挙に怒りの声を上げて、短期間に100万を超える反対署名を集めてこれを撤回させました。 こういう中で大阪市は何をしなければならないのか。少人数学級を広げる側に大阪市も立つべきであります。その立場から、大阪市は独自に35人学級を小学校3年生と中学1年生に広げるべきではありませんか、答弁を求めます。 次に、
小・中学校普通教室への
クーラー設置についてであります。 今回、市長は、24年度から順次空調機の設置に取り組むことを明らかにいたしました。私
たち日本共産党大阪市会議員団は、1998年の予算要望でこれを掲げて以来、一貫してこれを求め、
文教経済委員会や本会議での質疑を何度も繰り返してきましたので、大阪市がおくればせながら全教室にクーラーを設置することに踏み切ったことは大きな前進であり、これを歓迎いたします。 しかし、なぜ24年度からなんでしょうか。平松市長は来年度予算案に夏季における
教室内環境の
調査研究費として2,100万円を計上していますが、今さら何で調査をしなければならないのか、市民はあきれ返っております。現に、子供たちの教室が異常に高い気温になっているわけでありますから、23年度から直ちに始めるべきではありませんか。さらに、全校・全教室への設置がいつになるのか明らかにされていません。いつになるのか、どのように計画的に設置するのか、お尋ねをいたします。 次に、中学校給食の実施についてであります。 市長は、中学校給食についても24年度から順次取り組み、25年度中に全校実施することを明らかにいたしました。私たちは、この中学校給食については、もうそれこそ何十年来も市民の皆さんとともに大阪市に対して実施を求めてきました。ここに、中学校給食をともに考えましょうという私たちの議員団がつくったパンフレットがありますが、これは15年前のものであります。つい最近まで、教育委員会は愛情弁当論にしがみついて中学校給食の実施に背を向けてきたわけでありますから、大きな方向転換だと言わなければなりません。 私たちは、目指すべき中学校給食は自校調理方式だと考えます。学校で調理員さんが調理して生徒さんに提供する自校調理方式は、適温提供ができる、できたての温かい給食を生徒さんに提供できるというものです。この点は引き続き要望してまいります。 今回の決定についてであります。大阪市の全中学校で給食を実施するという点で大きな前進だと、これは評価できます。が、しかし、なぜこれも24年度からの実施なのでしょうか。23年度から直ちに始めるべきではないでしょうか。平松市長は当初、私の任期中に中学校給食を実施したいと言っておられました。これがいつの間にか任期中に実施時期を明らかにすると後退をして、きのうの発表になりました。市長、あなたの任期はことしの12月までであります。24年度から実施するといっても、どこにもその保証はありません。市長、あなたは当初の公約に立ち戻って、23年度から直ちに始めるべきではありませんか。 第3に、雇用と中小企業対策、本市のとるべき経済成長戦略についてであります。 青年の雇用は今、過去最悪の超氷河期に突入したと言われています。私が不思議でならないのは、こんなに青年の雇用情勢が悪化している一方で、景気は回復しつつある、資本金10億円以上の大企業は昨年度11兆円も内部留保金を積み増ししたと言われている。また、先週の日経新聞では、関西の上場企業の連結経常利益が前年同月比で何と41%増加したと報じられています。大企業は、みずからの利潤追求には熱心だが、雇用についての社会的責任は全く果たしていないのではないでしょうか。今、市長に求められているのは、在阪の大企業に青年を雇用する社会的責任を果たせと申し入れをすることではないでしょうか。 また、大阪市として何をしなければならないのか。私たちは、就職先が決まらずに卒業する高校生については市が短期雇用をして職業訓練を受けさせる制度をつくるべきだ、大阪市内の企業が高卒者を採用すれば市が助成する制度をつくるべきだと提案をしてきましたが、今こそ踏み切るべきではありませんか、あわせて答弁をください。 次は、大阪市がみずから官製ワーキングプアをつくり出している問題です。 生活保護のケースワーカーは全体で1,008人、そのうち219人は
任期付職員であります。保育所では、正規保育士と同じ仕事をしているのに、年収約200万円ほどで臨時的任用など非正規の形で働いている保育士が何と4割にも達しています。市バスの民間委託先の運輸振興株式会社の運転手は、市職員運転手の半分以下の給与で、しかも1年契約、安定した雇用は全く保障されておりません。交通局地下鉄の駅舎清掃作業では、低価格入札に歯どめをかけられないから、フルタイムで働いても生活保護費と変わらない賃金が横行しております。市長、行政コストを下げるためには官製ワーキングプアが生まれても仕方がない、この考え方が間違っているのではありませんか。ここを正すべきではありませんか。 さらに、大阪市が発注する公共事業や事業の低価格競争を防止するよう、入札制度を抜本的に改善すべきであります。 また、野田市に引き続き政令指定都市の川崎市が制定した公契約条例を大阪市も制定すべきではありませんか。 さて、次に、大阪市の経済成長戦略と中小企業対策についてお聞きします。 市長は、大阪市経済成長戦略に基づいて大阪駅周辺地区と夢洲・咲洲の臨海部を大阪経済の2つをエンジンとする予算案を提案し、両地域を国際戦略総合特区にする、各種の規制を緩和し、法人税等の軽減や財政上、金融上の特例的な支援をして企業を呼び込むと言っております。 今、我が国の大企業は海外にどんどん流出しておりますが、その主要な動機は企業減税などのインセンティブがあるからでしょうか。そうではありません。市場があり、ものが売れるからであります。しかも、我が国の大手企業は今、金が余って使い道に困っているのであって、そんな大企業に減税などの優遇措置を与えても大阪に企業が集まる保証はどこにもないのではありませんか、答弁ください。 さらに、大阪駅北地区の先行開発地区に知の集積エリアをつくる、そこで技術や製品の開発を進めるオープン・イノベーションの拠点を形成するとして、その開設準備委員会の設置費用など3億円余りが予算計上されております。準備委員会の委員を見てみますと、大学の先生のほかはNTT、パナソニック、大阪ガス、積水など大企業の面々であります。そもそもオープン・イノベーションというのは、企業が必要に応じて他社の技術やアイデアを組み合わせて新しい商品や技術を生み出す、こういうものだと言われております。既に大阪ガスやパナソニックなど多くの民間企業が独自に手がけている事業でもあります。そんなところに大阪市がわざわざ市民の税金をつぎ込む必要はないのではありませんか。 それだけではありません。本市は、このオープン・イノベーションが設置されようとしているビルの床を実は借りようとしております。これは、床が埋まらないから大阪市が市民の税金で床を埋めようという、こういうものではありませんか、あわせて答弁ください。 大阪経済を真に活性化させる、復興させる道は、大企業に対する手厚い支援策ではありません。企業を呼び込めば大阪が発展する式の破綻済みの施策ではありません。大阪経済の主人公である中小企業こそ行政が応援をする仕組みをつくることであります。 具体にお聞きいたします。昨年、政府は中小企業憲章を閣議決定いたしました。そこでは、中小企業は経済を牽引する力であり、社会の主役であると位置づけ、政府が中核となって国の総力を挙げて中小企業施策を進めると宣言されております。 我が会派は、これまで5度にわたって中小企業等振興基本条例案を提案しております。中小企業のまち大阪市でこそ中小企業支援を市政の中心に据えるために、中小企業等振興基本条例を制定するべきではありませんか。 次に、融資の問題です。 国は、原油・原材料高騰が起きた、そしてあのリーマンショックの起きました2008年10月に緊急保証制度をスタートさせまして、対象の拡大、要件の緩和を繰り返して、昨年2月からは景気対応緊急保証制度として中小企業のほぼすべての業種、82業種を対象に実施をしてきました。ところが、政府はこれをこの3月末で打ち切り、10月からは約20業種に縮小しようとしています。経済局は、国が制度を打ち切るんだから仕方がない、こう言っておりますが、大阪市として国に制度の延長を求めるとともに、独自の対策をとるべきではないでしょうか。 さて、私たちが大阪の経済を活性化させる方策の一つとして今提案しているのが、住宅リフォーム助成条例であります。この制度は今、全国で200近い自治体に広がり、4月からは政令市の相模原市でもスタートいたします。京都の与謝野町では、2009年度から住居を新改築する町民へ、町内に本社・本店を置く業者に発注することを条件に、費用の15%、20万円を限度に助成する制度を開始いたしましたところ、持ち家の12%に1億4,196万円を助成し、町内の建築業者の7割に当たる147社が22億円近くの工事を受注し、助成額の約15倍の経済効果を上げております。 私たちは昨年12月に、費用の10%、50万円を限度に助成する条例案を提案いたしました。これを50億の予算規模で行って全員が50万円の助成を受ければ、大阪市内で約1万件、行政区平均で416件のリフォーム工事がまちの大工さんや工務店に発注されることになります。市長、こうしたことにこそ予算を注ぐべきではありませんか。 第4に、無駄な大型開発は中止して、潤いのあるまちづくりを進める問題です。 まず、咲洲・夢洲のまちづくりについてお聞きします。 市長は来年度を国際コンテナ戦略港湾元年と位置づけて、コンテナ貨物の海上輸送シフト助成、インランドポート事業化調査、夢洲コンテナターミナルへの貸し付け、主要航路を水深14メートルから15メートルにしゅんせつするなどと、合わせて21億5,500万円もの予算を組んでおります。 しかし、港を立派にしたら企業や貨物が集まるわけではありません。経済の一番大きな推進エンジンである個人消費を初めとする内需を喚起して、大阪と関西の経済が活性化してこそ港に企業も貨物も集まります。しかも、大阪港は中国を初めアジア諸国との貿易の拡大によって港勢を伸長させ、発展してきたのであります。そして、それらの担い手は比較的小型の船舶なのでありまして、超大型の入港に備える必要はありません。国際コンテナ戦略港湾は、北米等の基幹航路の維持強化を目的としているものでありまして、大阪港の実態にはそぐいません。市長、国際コンテナ戦略港湾の戦略そのものが間違っているのではないでしょうか。 もう1点は、需要も定かでない夢洲先行開発地区に工業用水道を布設するなどの基盤整備に10億7,700万円も計上していることです。大阪府、大阪市と関西財界が立ち上げた咲洲・夢洲まちづくり推進協議会は、先行開発地区40ヘクタールに新エネルギー産業を集めるなどとして基盤整備を急がせていますが、咲洲など既存の港湾局の造成地は全く売れておりません。今年度は、売却見込み予算89億円に対して、新規に売れたのはたったの4,400万円という惨状であります。 加えて言えば、液晶テレビの基板を製造する旭硝子が住之江区の関西電力跡地に工場を建てるときに、本市は大阪湾をパネルベイにする企業を誘致できた、こう言いまして補助金30億円を準備いたしました。しかし、当初の313億円を投資する旭硝子の計画は1期133億円で打ち切りになってしまいました。市長、呼び込み型の開発に多額の公金を投入するやり方はもういいかげんに改めて、先行開発地区の基盤整備は休止すべきであります。あわせて答弁を求めます。 次に、来年度予算に1億円もの詳細設計予算が計上されているJR東海道線支線の連続立体交差事業についてお聞きいたします。 これは、現在、梅田北ヤードの西端を走っているJR東海道線支線を1期の先行開発地区と2期地区の真ん中に位置を移して地下化し、JR大阪駅の北側の地下に新駅を建設するというもので、総事業費690億円とされていますが、大阪市が幾ら負担をするのか明らかにされておりません。140億円、150億円との報道もあります。 建設局は、踏切を解消することや鉄道により分断された市街地の一体化を図るための事業だから本市も負担するとの説明でありますが、それらはいわば副産物でありまして、主要な事業目的はJR西日本株式会社とヤードの土地を保有している会社、さらには開発事業者やここに立地する大手企業がもうけを上げることではないでしょうか。したがって、JR東海道線支線地下化の事業費は、基本的にはこれらの民間企業に負担させるべきではありませんか、答弁を求めます。 次に、夢洲・咲洲地区まちづくり推進協議会の中間取りまとめで中長期的な課題とされた広域交通インフラ整備についてお聞きします。 高速道路
淀川左岸線延伸部となにわ筋線の問題であります。左岸線延伸部は、北区豊崎と門真ジャンクションまでの約9キロメートルの地下トンネル構造の高速道路であり、事業費は3,500億円と言われております。これから人口減少社会に向かい、しかも高齢化で自動車交通量の総量が少なくなることは確実だと予測される中、これ以上の高速道路建設は全く必要ありません。 また、なにわ筋線はどうか。JR東海道線支線地下化の事業が完成して、新しい大阪駅からはるかを走らせたら関空まで約45分と言われております。今のJR関空快速では70分かかりますから、25分短縮できることになります。一方で、なにわ筋線は大阪駅から関空まで40分で走るそうでありますが、これははるかと比べてわずか5分の短縮にしかなりません。5分の短縮のために3,000億円もかけるんでしょうか。 橋下知事は、大阪市の地下鉄を売ってでも左岸線延伸部を建設すると言い、大阪都をつくれば指揮官が一人で広域インフラの整備を進められると言っておりますが、要するに破綻済みで時代おくれの大型開発をもっと大規模にやりたいということではないでしょうか。市長は、左岸線延伸部となにわ筋線の計画にはきっぱりと反対をするべきではありませんか、御答弁をお願いいたします。 次に、バス事業と赤バスについてお聞きいたします。 高齢化が進行する中で、買い物、通院などの移動が困難な交通弱者がふえております。こうした人たちが最も頼りにしているのが市バスであります。ところが、大阪市は、市バスの拡充を行うどころか、アクションプランにおいてバス路線の縮小と赤バスについては全面的な廃止を計画しております。しかし、利用者の大きな廃止反対の声が広がり、赤バスの廃止をさらに1年間延長せざるを得なくなりました。廃止を前提とした路線再編では市民の理解は到底得られません。赤バスは、廃止ありきではなく、市民の声に耳を傾けながら路線の見直しなど乗客増に向けての改善を図りつつ、基本的に存続させるべきではありませんか。 我が党は、市民の交通権を守るために名古屋市や仙台市並みに一般会計からのバス事業への繰り入れと地下鉄会計からの適切な支援を求めてきましたが、本予算案は、一般会計から繰り入れをふやすどころか、本来、一般会計から地下鉄会計に繰り入れるべき特例債償還補助金を何と半分も削っております。まさに本末転倒であり、同補助金は規定どおり繰り入れをするべきであります。 さて、次に、私の地元、此花区のまちづくり、正蓮寺川公園についてお聞きいたします。 この公園は、此花区のど真ん中を東西に流れる正蓮寺川を埋め立てして、地下トンネル構造で現在建設されている阪神高速道路
淀川左岸線のその上にできる大きな公園であります。
淀川左岸線は当初、掘り割り構造で都市計画をされたために、公害持ち込みはまかりならんという住民運動が起きまして、2002年に掘り割り構造からふたかけ構造、すなわちトンネル構造に計画変更が行われました。また、トンネルの2カ所の換気所から出る排気ガス対策として、これも長年住民が強く求めてきた脱硝装置についても、ようやく阪神高速がこれを設置することになりました。此花区民の世論が行政を動かした画期的なまちづくりであります。 この正蓮寺川公園は、幅50メートルから100メートル、長さ3キロメートル近くで、広さが18.8ヘクタールあります。約19ヘクタールといえば、中之島公園の約9ヘクタールの倍、動物園を除く天王寺公園の約17ヘクタールを上回る面積であります。これほどの公園ですから、その整備に当たっては、一行政区としての公園としてではなく、大阪市として位置づけをしなければなりません。 私は、平成9年と14年の代表質問で2度にわたって、正蓮寺川公園に大きなせせらぎを復活させて大阪市内の新しい名所となるような桜千本並木の公園にと提案いたしました。正蓮寺川公園の桜千本並木を毛馬桜之宮公園の造幣局の通り抜け、中之島から中央市場のところまで続いている安藤忠雄さんの桜の会・平成の通り抜け、これにつなぐならば、大きな桜の花と緑の回廊ができます。 市長は2月11日に此花区で開かれた地域懇談会において、此花区地域振興会長の「予算をつけて立派な公園にしていただきたい」という趣旨の質問に対して、「経費はかなり莫大なものになると思われ、財政難の問題はあるが、そこに夢を持ちたい」と答えられました。こうした方向のまちづくりこそ、大阪市に今求められているのではないでしょうか、市長の見解をお聞きいたします。 最後に、暮らしや福祉、中小企業の経営を支援する財源をいかにつくるかという問題であります。 2011年度予算版の中期的な財政収支概算が発表され、向こう9年間で2,700億円の収支不足見込みが一挙に1,500億円圧縮され、8年間で1,200億円の収支不足になりました。経済情勢が激変した当初以上の経費削減が見込めるようになったとのことでありますが、つまるところ2,700億円の収支不足が財政当局による過大な見込みであったということではありませんか。ところが、今後どう収支均衡させるのかといえば、2,700億円の収支不足見込みのときと全く同じ、税収回復、生活保護費の措置不足解消、新たな市政改革の取り組みによる年300億円というフレームであります。 税収と生活保護費の関係はすぐには実現しないから、タイムラグを置いて効果を計算する、しかし経費削減だけは年120億円の効果を見込む、すなわち実際に2012年度から120億円の経費を削減する、こういう財政計画になっております。これでいきますと、他都市比較で金額の大きなものから削ることになり、いわゆる
敬老パス等の市民サービス見直しは必至になるのではありませんか。 こうした収支不足を理由にした市民サービス切り捨てではなくて、3年先に4,311億円にも膨れ上がる公債償還基金から毎年120億円、8年間で960億円を一時借り入れをすれば市民サービスを削らなくても済む道があるではありませんか。今後9年間の公債費は、年平均で3,365億円にも膨れ上がります。そして、実はそれが1,200億円もの収支不足に陥るそもそもの一番大きな原因であります。しかし、その公債費は、9年間は年3,365億円ですけれども、10年目以降、どーんと減るんです。その減った分で一時借り入れをした960億円は十分に返済ができます。 市長、今こそこの財政の見通しを市民に明らかにして、多くの自治体と同様に賢い財政運営に切りかえて、暮らしや福祉、中小企業の経営を支援する財源をつくるべきではありませんか。 私の質問は以上といたしますが、答弁のいかんによっては再質問することを申し添えて、私の質問を終わります。ありがとうございました。
○議長(荒木幹男君) 理事者の答弁を許します。 平松市長。 (市長平松邦夫君登壇)
◎市長(平松邦夫君) ただいまの瀬戸議員の御質問に対しましてお答えを申し上げます。
国民健康保険料についてでございますが、国民健康保険は、国民皆保険制度の中で最も基本的な制度であり、市民の健康の保持・増進に欠くことのできない重要な役割を果たしております。その事業運営につきましては保険料と国庫支出金等で賄うことが原則であり、事業を安定して運営していくためには被保険者にも応分の負担をお願いせざるを得ないものと考えております。 しかしながら、その原則どおりでは保険料負担が大きくなることから、極めて厳しい財政状況の中ではありますが、平成23年度予算案においては438億円もの市税等を一般会計から繰り入れ、
任意繰り入れについても前年度と比べ増加させるなど、被保険者の負担軽減を図っております。 また、保険料の軽減や減免措置につきましては、災害や倒産、退職、営業不振などにより所得が前年と比較して3割以上減少した世帯に対する減免などを実施するほか、国の制度として、リストラなどで職を失った非自発的失業者に対する保険料の軽減も行われております。 この結果、平成23年度の医療分と後期高齢者支援金分を合わせた1人当たり平均保険料につきましては、高齢化の進展や医療の高度化等により本来であれば増額改定が必要となりますが、景気の動向等を勘案し、被保険者の負担増とならないよう、3年連続で据え置くことといたしております。 なお、国庫負担率の引き上げにつきましては、国民健康保険財政基盤の拡充・強化を図るとともに、国の責任と負担において実効ある措置を講じることを全国市長会などを通じまして機会あるごとに国に対して要望いたしております。 国民健康保険の広域化についてでございますが、国民健康保険は、国民皆保険の最後の受け皿として極めて重要な役割を果たしております。加入者に高齢者や低所得者が多く、財政基盤が脆弱であるという構造的な問題を一方で抱えております。 また、被保険者の年齢構成や所得分布の差異が大きいこと、医療機関の偏在によって医療給付費の格差が生じていることなどの問題も生じております。加えて、少子化の進展や社会情勢の変化に伴い、一市町村で長期に安定した運営を行うことは困難であり、このままでは国民皆保険の維持すら難しい状況となっております。 さらに、国民健康保険制度は、国民皆保険を支えるナショナルミニマムであると考えておりますので、これまでから医療保険制度の一本化など抜本的な改革について国に要望してきたところであります。 このような中で、国の高齢者医療制度改革会議の「高齢者のための新たな医療制度等について」の最終取りまとめにおいて、国民健康保険の運営については時期を定め、全年齢を対象に都道府県単位化を図ることを法律上明記するとされたところであります。この国民健康保険運営の都道府県単位での広域化を第1段階として、最終的には医療保険制度の一本化など抜本的な改革に向け、引き続き要望を重ねてまいります。 滞納保険料の徴収に係る
差し押さえについてでございますが、
国民健康保険料収入の確保は、単に財政面だけではなく被保険者の負担の公平性を確保する観点からも重要であり、適切な収納対策は保険者としての責務であると認識しております。保険料滞納世帯に対しては、文書、電話、訪問などにより接触を図り、納付相談、納付指導を行う中で個々の事情の把握に努め、できるだけ無理なく納付していただけるよう減免制度をお示しするなど、日ごろから世帯の実情に見合ったきめ細かで丁寧な対応を行っております。 それでもなお保険料を納めていただけない世帯に対しては、財産調査を行い、その結果判明した財産が
差し押さえ禁止財産に該当しないことやその財産の状況などを慎重に審査した上で、まず
差し押さえ予告を行い、保険料滞納世帯との接触を図り、個々の事情を十分お聞かせいただくとともに、自主的な納付を促しております。 これらによってもなお特別な事情もなく保険料を納めていただけない場合は、関係法令に基づき、適正に
差し押さえ等の滞納処分を行っているところであり、学資保険につきましても個々の事情を十分にお聞かせいただき、適切な対応に努めてまいります。 敬老優待乗車証交付制度及び
上下水道料金福祉措置についてでございますが、敬老優待乗車証交付制度につきましては、高齢者の方々に敬老の意を表すとともに、地域でのボランティア活動や友人たちとの触れ合いなど社会参加を促進し、元気でいつまでも御活躍いただく高齢者の生きがい施策として重要な制度であると認識しております。 今後、少子高齢化の一層の進展に伴い、本制度のみならず福祉施策全般に係る経費が年々確実に増加してまいりますが、市税収入の大幅な回復が見込めない中、本市の財政状況は今後さらに厳しさを増し、このままでは本制度の存続が危ぶまれる状況にあると考えております。 本制度につきましては、廃止するのではなく、今後も持続可能な制度として維持・継続していくため、市会や市民の皆様方の幅広い御意見をいただきながら、
上下水道料金福祉措置を含め、引き続き具体的な方策について検討してまいりたいと考えております。
乳幼児医療費助成制度についてでございますが、乳幼児の健全な育成に寄与することを目的に、平成5年10月、0歳の通院医療費と小学校就学前の6歳児までの入院医療費を助成の対象として制度を創設し、その後、順次対象年齢を拡充して制度の充実を図ってきたところです。現在は小学校就学前の6歳児までの通院医療費及び小学校修了までの12歳児までの入院医療費について助成を実施し、子供の健康の保持・増進に重要な役割を果たしているものと考えております。 本市といたしましては、厳しい財政状況の中ではありますが、さらに本市独自で子育て家庭を支援するため、平成23年度から入院医療費の助成について中学校修了まで拡充するとともに、0歳から2歳までの所得制限を撤廃いたします。次代を担う子供の健やかな成長を支援するために、今後とも医療、保健、福祉を含めた子育て家庭に対する支援を総合的に進めてまいりたいと考えております。 子ども・子育て新システムについてでございますが、国におきましては、平成25年度の施行を目指して制度の基本設計が検討されているところです。新システムの中で創設される幼保一体給付--仮称ですが--につきましては、未就学期の保育と教育の枠組みを大きく変えるものであり、利用者、事業者、地方自治体に大きな影響を及ぼすと想定されます。 指定都市市長会として国に対して、子ども・子育て新システムの制度設計に当たっては十分な準備期間や財源を確保することなどの要請を行ったところであります。引き続き国の検討内容を注視しつつ、他都市と連携しながら、必要に応じて国に要望してまいりたいと考えております。 保育所待機児童についてでございますが、この間、積極的に保育所を整備した結果、ピーク時には1,364人であった
待機児童数は、平成22年4月1日現在で205人と大幅に減少し、就学前児童数が7万人以上の政令指定都市7市の中で最も少なくなりました。 平成23年度以降につきましては、子育て家庭の都心回帰傾向など、今後も増加すると見込まれる0歳から2歳の保育ニーズに先んじて対応するため、保育所整備を進めてまいります。また、年度途中入所対策など、多様な保育サービスの充実にも努めます。今後とも市民の方々の御協力もいただきながら、総合的に子育て支援策を推進してまいります。
公立保育所の民間委託の中止についてでございますが、本市では増大かつ多様化する保育ニーズに的確に対応するため、公立、民間双方の保育所がそれぞれの特色を生かした役割分担のもと、保育施策の推進に努めております。
公立保育所は、障害児など配慮を要する児童の積極的な受け入れなど、地域の
セーフティーネットとしての役割や在宅の子育て家庭を含むすべての子育て家庭への支援という大きな役割を担っており、今後より一層の機能充実が必要であります。このため、限られた人的、物的資源を有効に活用する観点から、
公立保育所は70カ所程度に集約化を図るとともに、残る
公立保育所について民間委託など再編整備を着実に推進してまいります。 亀の子
ベビーセンターへの補助金についてでございますが、家庭保育、
ベビーセンターは、
認可保育所の整備が追いつかない昭和30年代に保育所機能の補完的役割を担うものとして実施要綱を定め、経過的な事業として市単独で助成してきたところです。亀の子
ベビーセンターは、補助要綱で定める資格要件を満たさなくなることにより、本年度末に助成対象から外れる旨の説明を行うとともに、既に取り消し通知を送付しておりますが、入所児童への丁寧な対応を指示しております。 住吉区には、本年度整備枠の約4分の1に当たる60人分を重点的に整備してまいりました。今後とも、保育ニーズへの対応につきましては、
認可保育所の整備等により取り組んでまいります。 少人数学級の実施につきましては、後刻教育委員会よりお答え申し上げます。 小・中学校の普通教室への
クーラー設置についてでございますが、子供たちが安全で快適な学校生活を送り、集中して学習できる環境を整えるということは重要です。その中でも、特に小・中学校の暑さ対策につきましては、学校では壁面緑化などさまざまな暑さ対策に取り組んでおりますが、昨年のような猛暑を超えて酷暑といえる異常な暑さを踏まえておく必要があると感じております。また、昨年の全会派一致の市会決議や、先日の
文教経済委員会において採択された大阪市PTA協議会の陳情書につきましても重く受けとめております。 そこで、ことしの夏に教室内の室温調査を行うとともに、壁面緑化等の組み合わせによる環境に配慮した効果的な暑さ対策の調査を行ってまいります。その結果を踏まえ、教育環境のさらなる充実が図れるよう空調設置に向け最適な暑さ対策を検討し、秋には方針の策定を行い、必要性の高いところには24年度から順次、空調機の設置に取り組んでまいります。 中学校給食についてでございますが、私は就任当初より、食育の観点から、選択方式での中学校給食を早急に全校で実施したいと申し続けてまいりました。現在、教育委員会が定めた方針に基づき、家庭弁当との選択制による民間デリバリー方式での中学校給食の実施を目指しているところでございます。その第一歩として、昼食提供事業を市内全中学校で実施するなど、着実に前進しております。 中学校給食の実施につきましては、市会の決議や市民、小・中学生の保護者からの実施を望む声を踏まえ実施工程の検討を行い、24年度から順次取り組み、25年度中の全校実施に向けて進めてまいります。 青年の雇用についてでございますが、昨年11月に大阪労働局、大阪府、大阪市や労働教育関係団体などで構成する大阪新卒者就職応援本部において、新卒者の緊急雇用対策をより効果的に実施するため、経済団体に対して新卒者の採用枠拡大や選考活動の早期化の是正などを要請したところでございます。さらに、12月には大阪雇用対策会議でも、新卒者を含む若年者に重点を置いてミスマッチ解消に向けた就職支援の取り組みを進めることといたしました。引き続き国、府などと連携し、教育委員会ともども、さまざまな機会を通して就職未決定者の採用を働きかけていくことが重要であると考えております。 就職未決定の高校生の職業訓練制度についてでございますが、本市では本年度より、39歳以下の若者が市内中小企業において働きながら知識と技能を習得して常用雇用につなげる大阪市ジョブアタック事業を実施しております。平成23年度には募集人数を今年度の250人から1,150人と大幅に拡充し、そのうち250人の採用を本年4月から開始いたしますが、今春卒業予定の未就職者については最優先で受け入れることとしております。また、来春卒業予定の未就職者の受け皿として年度をまたいで実施するなど、切れ目のない就職支援を行うことにより、新卒未就職者の雇用につなげてまいりたいと考えております。 高校新卒者採用のための中小企業への補助金についてでございますが、国の緊急雇用対策では、新卒者支援の強化を大きな柱に位置づけて、求人開拓や雇用のミスマッチ解消を目指して国、自治体、関係団体等と連携して取り組みを推進することとされております。本市におきましても、大阪市ジョブアタック事業により企業魅力を発信し、すぐれた人材を求める企業とのマッチングを行うことにより、中小企業を支援しているところであります。 お尋ねの補助金につきましては、厳しい財政状況のもと、本市独自に実施するのは困難なところでありますが、こうした中小企業の支援を通じて効果的な雇用施策を進めてまいります。 本市事業に係る労働条件についてでございますが、本市では、多様化、複雑化する市民ニーズに柔軟に対応するため、臨時的任用職員や
任期付職員等を活用しており、今後も最も効果的な業務執行方法を追求しながら、必要な行政サービスの提供に努めてまいります。 また、公共事業では、適正な履行が確保されないおそれや従事する労働者の賃金へのしわ寄せが懸念されることから、これまで最低制限価格の見直しを進めてまいりました。さらに、本市発注の公共事業の契約相手方に対し、労働基準法を初めとする関係法令の規定を守ることを契約書に明記し義務づけるとともに、法令違反が明らかになった場合には当該事業者に対して指名停止措置要綱に基づく措置を講じるほか、厳正に対処する等のさまざまな制度改善に取り組んでまいりました。今後とも労働者の賃金、労働条件の確保に努めてまいります。 次に、低価格競争を防止する入札制度の改善についてでございますが、これまで入札契約制度につきましては、公正性、透明性、競争性の向上を図りつつ、市民の視点に立った制度であることを基本理念としてまいりました。さらに、現下の厳しい経済状況をかんがみますと、市内中小企業が活発に活動し発展していくためには、過度に低廉な価格競争を防止し、従事者にしわ寄せが行かないよう対策を講じることが急務であると認識しており、そのような視点から、必要な契約制度の改正に取り組んでまいります。 次に、公契約条例の制定についてでございますが、本来、賃金労働条件の基準は、国全体の施策として実施しなければ効果が薄いため、国において定めるべきものであると考えております。また、公契約条例による賃金水準では、施工能力があるにもかかわらず、経営余力が十分でなく賃金水準を高く設定できない中小企業者が結果的に入札から排除されるなど、課題も多くあることから、慎重な対応が必要であると考えております。 また、価格以外を評価できる総合評価一般競争入札制度の拡充により、課題の解消が図られるよう検討してまいりたいと考えております。今後とも公契約に関する国の動向も注視しながら、適正な契約制度の確立に努めてまいります。 国際戦略総合特区についてでございますが、本市ではこれまでも規制緩和や助成金等のインセンティブを活用し、企業誘致を推進してまいりました。具体的には、うめきた地区など12地区を容積率等を緩和する都市再生特区に指定し、民間開発事業者の開発を促進するとともに助成金の活用などを通じ、リチウム二次電池の大規模先端工場を初め民間企業の本社や研究所、大学などを誘致してまいりました。 国では来年度、規制緩和や税財政、金融上の支援措置等の充実強化を総合的に盛り込んだ国際戦略総合特区の地域指定を予定しており、その指定を確実なものとし、グローバル企業などの誘致を強力に進めることができる環境整備に努めてまいります。 (仮称)大阪オープン・イノベーション・ヴィレッジについてでございますが、経済のグローバル化やニーズの多様化等に的確に対応しつつ、新たな製品などを創出していくためには、多様な主体の持つ技術力を組み合わせる知の連鎖を通じて、技術力向上や研究開発のスピードアップを実現するオープン・イノベーションが重要となっています。こうした取り組みには、例えば技術面で競争的関係にある企業も含めて、より多くの企業が参画できる中立的な環境の構築が大切であり、本市の積極的な関与により多様な主体を引きつける磁場をつくり出し、独自の技術等を持つ中堅・中小企業が新たな成長分野へ挑戦できるよう、できる限りの支援を行ってまいります。 中小企業等振興基本条例についてでございますが、本市では、経済主体である企業が活発に活動し、持続的に発展できる都市の実現を目指して、中小企業の経営課題の解決や経営力、技術力強化の支援、成長産業分野や海外市場への参入の支援など、中小企業振興策に幅広く取り組んでおります。中小企業支援に係る条例の制定につきましては、市会を初め各方面から広く御意見、御議論をいただきながら検討してまいります。 景気対応緊急融資制度の延長を国に求めるとともに、市独自の緊急融資制度をつくる対策についてでございますが、本市では、平成20年10月末の緊急融資の開始から本年1月までの2年3カ月で約2万9,000件、5,700億円の保証承諾を行っており、厳しい経営環境にあった市内中小企業の資金調達を支えてまいりました。今年度の月平均申し込み金額は、開始当初と比べ10分の1程度となるなど落ちついた状況となっております。国の景気対応緊急保証制度が22年度末で期限を迎える中、本市では経営安定のための制度融資や小企業者向けの独自融資を引き続き活用し、今後とも市内中小企業の資金需要に的確にこたえてまいります。 住宅リフォーム助成条例についてでございますが、中小企業は大阪経済の主要な担い手であり、その成長・発展に向けては事業継続や経営力強化を図ることが重要であると認識しております。そのため、産業創造館において経営相談や販路開拓支援を、工業研究所においてものづくりの技術支援を行っているほか、制度融資の実施による資金調達の支援など、幅広い施策を実施しているところです。また、本市では、安心・安全、環境配慮などの観点から、耐震化の促進、高齢者の生活支援に係る住宅の改修やリフォームへの助成を実施しております。 国際コンテナ戦略港湾についてでございますが、グローバル化が進展している世界経済の中で、日本の産業の国際競争力や雇用の確保のためには港湾の国際競争力の強化が不可欠であります。また、大阪ベイエリアでは環境・エネルギー関連産業が集積しつつあり、それらの産業の国際競争力を維持するためにも、大阪市と神戸市の緊密な連携により、阪神港の基幹航路の充実など、その機能強化を図ることが重要であります。そのため、航路の整備とともに、内航フィーダー網の強化などによる集荷、産業の立地による創荷など、国際コンテナ戦略港湾の取り組みを進め、圏域全体の発展に貢献してまいります。 夢洲先行開発地区の基盤整備についてでございますが、港湾や空港、高速道路など交通インフラが充実している大阪ベイエリアでは、リチウムイオン電池などの二次電池や太陽光パネルなどの先端産業の工場や大型物流施設の立地が進んでいる状況にあります。本市の経済成長戦略の重点戦略エリアである臨海部の夢洲では、こうした企業動向を的確にとらえるとともに、国際コンテナ戦略港湾の中核となるコンテナターミナルに隣接した大規模産業用地を確保できるといった強みを最大限生かして、環境・エネルギー関連や物流施設等の立地促進のための企業誘致に積極的に取り組んでまいります。そのため、先行開発地区において、必要な道路などの基盤整備を着実に進めてまいります。 JR東海道線支線地下化についてでございますが、うめきた地区の2期開発を円滑に進めるためには、道路や広場、東海道線支線の地下化、新駅設置などの都市基盤施設の整備が必要不可欠であります。現在、これらの都市基盤施設について都市計画の手続を進めており、平成31年度の地下化切りかえ、新駅開業を目指しております。この地下化や新駅設置につきましては、梅田ターミナルから関空までの所要時間の大幅な短縮や地域分断の解消、踏切除却による交通混雑の緩和、さらには梅田地区において東西の新たな動線の創出など、周辺地域への波及効果が大きく、また民間開発の誘発も期待される事業であります。 そのため、本市も一定の費用負担を行いつつ、その最小化を目指し、開発利益の還元などを地権者や鉄道事業者に強く求めてまいります。そして、都市基盤施設の整備を着実に進め、大阪・関西の成長を牽引する新しい国際拠点の形成を目指してまいります。 広域交通インフラ整備についてでございますが、議員お尋ねの
淀川左岸線延伸部につきましては、都心部での交通混雑の緩和や市街地環境の改善に資するだけではなく、第二京阪道路などを介して大阪湾岸地域と名神高速道路とを結ぶ広域交通ネットワークの強化にも資する重要な路線であり、大阪・関西の経済成長に果たす役割は大きなものがあると認識しています。一方、現行の事業制度では多額の費用負担が必要となりますことから、本市では都市圏高速道路の一体的な運営や償還期間の延長などを骨子とする新たな事業制度を関係自治体ともども国に提案しているところであります。 また、なにわ筋線につきましては、現段階では国土軸と関西国際空港とを結び、大阪を南北に貫く広域的な鉄道ネットワークを強化する広域的、国家的な役割を担う路線であると認識しております。このため、国家戦略的な観点から、整備に伴う効果の検証とあわせて、国費を重点投資するとともに受益に見合った負担となるような新たな事業制度の創設について国に要望しているところであります。 府県域を越えて経済活動が広域化しつつある現在、大阪・関西の発展を確かなものとするためには、人、ものの円滑な流れを保証し、確保することのできる広域交通インフラの充実強化が必要であり、今後も引き続きこのような取り組みを積み重ねてまいります。 赤バスについてでございますが、アクションプランにおきまして、現状の赤バスサービスは廃止することとしておりますが、一方で、目標値を設定しながら地域の皆様と十分に協議し、需要の喚起や運行効率の向上が期待できる運行回数や運行ルート等の見直しを含めた利用促進に努めているところでございます。 こうした取り組みの結果、目標値を超える御利用がある場合にはバスサービスを維持することとし、目標値を超える御利用がない場合についても、交通不便な地域が生じないようバス路線の再編に努め、その上で、さらなる地域の移動ニーズがある場合については地域の自主的な取り組みをサポートする対応策を検討してまいりたいと考えております。 地下鉄事業への繰り出しについてでございますが、独立採算制の原則のもと経営される公営企業会計への繰出金につきましては、その経営の実態に応じて繰り出すことができるとされております。一般会計におきましては、中期的な財政収支概算で依然として非常に厳しい財政状況が見込まれる中、地下鉄事業の経営収支は黒字基調が続き、平成22年度に初めて累積黒字化するとともに、今後も資金剰余が見込まれております。 こうした状況を踏まえ、地下鉄事業の経営健全化に資するため発行された特例債の元利償還に対する補助を減額する一方、市民・利用者の安全・安心対策等に係る補助につきましては引き続き基準どおり全額繰り出すこととしております。 正蓮寺川公園についてでございますが、総合的な環境整備が求められていた正蓮寺川を埋め立て、阪神高速道路
淀川左岸線を地下構造で建設することによって生まれる上部空間を公園として整備するもので、平成14年に現在の区域に都市計画変更を行っております。現在、阪神高速道路株式会社において正蓮寺川の埋め立てと高速道路の躯体部分の工事を行っておりまして、工事完了後、上部の公園等の整備に着手する予定でございます。 この正蓮寺川公園は、約19ヘクタールにも及ぶ公園で、地域はもとより広域的なレクリエーション空間となるばかりでなく、防災性の向上や環境改善にも資する公園となるものと考えており、この間、整備内容などについてさまざまな御意見や御要望をお聞きしているところでございます。現下の大変厳しい財政状況を踏まえ、市民の皆様の御意見、御協力もいただきながら、潤いと緑のある公園となるよう取り組んでまいりたいと考えております。 昨年の中期的な財政収支概算についてでございますが、前回版では、世界的な景気悪化を受け、法人市民税が大幅に落ち込むものと見込んでおりました。しかしながら、今回の収支概算では、税収の一定の改善が見込まれることに加え、これまでの要望効果もあり、国において地方交付税など地方一般財源の総額が確保されたことにより、今回版の一般財源見込み額を約750億円上方修正いたしました。 また、執行状況の精査などによる経費圧縮や起債の低利調達、生活保護費の適正化などに取り組んだことにより約800億円の収支改善を図り、あわせて累積収支不足が1,200億円にまで改善される見込みとなったものであります。決して前回版は収支不足を過大に見込んだものではありません。 新たな市政改革による収支改善についてでございますが、今後ますます少子高齢化、グローバル化が進むなど、社会経済情勢が大きく変化する中にあって、大阪市の地域社会や市民生活を根底からとらえ直す必要がございます。新たな市政改革では、このような状況を踏まえ、多様な協働によって大阪市民が持つ力、これまで積み上げてきた資産を地域の個性や時代の要請に合ったものに新しく組み立て直し、またコミュニティーを再生することで現在の閉塞状況を打破し、市民がより幸せに豊かに暮らすまちを目指してまいります。 こうした取り組みを支える持続可能な行財政基盤の構築に向けて、収入の確保はもとより、総人件費の抑制、外郭団体等の見直しや無駄の排除を徹底してまいりますとともに、市民サービスを初め施策・事業について、単純に見直すということではなく、市民にとって真に必要かどうかをもとに選択と集中を進め、再構築に取り組んでまいります。 公債償還基金からの借り入れについてでございますが、公債償還基金は将来の起債償還のための貴重な財源であり、確実に積み立て直すことができるめどのない状態で安易に借り入れを行うことは、将来に負担を先送りすることにもなりかねません。また、本市がこれまで維持してきた財政規律を一気に後退させることにもなりかねないことから、その是非については慎重に検討しなければなりません。 今回試算した中期的な財政収支概算は、前回版に比べ大幅に改善しておりますものの、30年度における単年度収支は依然として180億円の不足となっております。これらを踏まえ、今後、新たな市政改革基本方針の実行と成長戦略による大阪経済の活性化などに取り組み、補てん財源に依存しない財政構造の構築を目指しながら、市民福祉の向上に努めてまいります。 以上でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
○議長(荒木幹男君) 永井教育長。 (教育長永井哲郎君登壇)
◎教育長(永井哲郎君) 少人数学級の実施についてでございますが、小・中学校の学級編制は、「公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律」に基づき、1学級40人を基本として編制し、大阪府教育委員会の同意を得ております。現在、大阪府では小学校1・2年生について35人学級編制を実施しており、本市におきましても府の基準に従って小学校1・2年生ともに35人学級編制を実施しております。 本市では独自の施策として、基礎・基本の確実な定着とわかる喜びを実感させ、学習意欲を高めることを目的として、小学校3年生から6年生までで国語、算数、中学校全学年で国語、数学、英語の教科において習熟度別少人数授業に取り組んでおります。 昨年8月に国におきまして新・公立義務教育諸学校教職員定数改善計画(案)が発表され、本年2月4日に公立小学校1年生の学級編制の標準を平成23年度から35人に引き下げるための法律の改正案が閣議決定されました。 今後とも国または大阪府による学級編制基準の引き下げの動向を注視しながら適切に対応してまいりますとともに、本市独自の施策である習熟度別少人数授業を実施し、個に応じたきめ細かな指導の一層の充実に努めてまいります。 以上でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
○議長(荒木幹男君) 72番瀬戸一正君。 (72番瀬戸一正君登壇)
◆72番(瀬戸一正君) ただいま市長と教育長の答弁をいただきましたが、一言で言って、市民の切実な願いに背を向ける大変冷たい答弁であります。すべての点で再質問したいところでありますが、ここでは4点にわたって再質問いたします。 第1に、
国民健康保険料の滞納保険料に対する市長の答弁、とりわけ学資保険の問題では、市長は今、事実上これはやむを得ないという答弁をされました。市長には、我が身を削ってでも学資保険を掛ける保護者、親の気持ちがおわかりにならないのでしょうか。向学心を持って進学したいという青年の希望を踏みにじっても構わないとでもおっしゃるのでしょうか。 私はお聞きをしたい。市長は、大阪市の国保を預かる身として学資保険まで
差し押さえすることに胸が痛まないのでしょうか。胸が痛むとすれば、学資保険は
差し押さえ対象から外すべきではありませんか。これが第1点であります。 国保料の第2点は、市長は、滞納保険料徴収について個別に事情も聞きながら適切にやっている、こういう答弁をされましたが、実態は違います。平成22年1月31日、この1月末の時点で国保料滞納者に対する財産調査は実に5万4,620世帯に達しており、そのうち
差し押さえした世帯が446世帯であります。 ここに、「平成23年度未収金対策の目標及び主な取組み」というものがあります。この中に、
国民健康保険料収納特別チームによる取り組みが書かれておりまして、
差し押さえ等の滞納処分を厳正に実施すると。見て驚いたのは、
差し押さえ世帯2,000世帯を4,000世帯と書かれてあります。これはお聞きすると、今年度は1月末で446世帯だけども、これを3月末までに2,000世帯にすると。23年度はそれの倍の4,000世帯を
差し押さえする、こういうことであります。現に
差し押さえの目標を持って、それを追求することまでやっている。こういうところまできてるんです。市長、
差し押さえ目標まで持って滞納整理を進めるという、こういうやり方は即刻中止をするべきではありませんか。 国保料の3点目は、大阪市はもっと真剣に
国保料引き下げの努力をするべきではないかということであります。大阪市国保の加入世帯は、直近の2009年度で49万6,000世帯ですが、1カ月以上の滞納がある世帯は約14万1,000世帯、実に28.7%にも達しております。国保担当者は、多くの加入者は高くてもまじめに保険料を払っている、払わないほうが悪いんだと言いますが、3割近くの加入者が滞納に現に追い込まれているのであります。国保担当者はまた、よく悪質滞納者と、こういう言い方をします。しかし、滞納してる人が悪質なんではなくて、払えないほど高い保険料のほうがよっぽど悪質なんじゃありませんか。 市長は、一般会計から多額の繰り入れをしていると先ほど述べました。460億円余りの繰り入れをやっとると言いましたが、そのうち大阪市の独自の
任意繰り入れというのはその半分以下であります。また、後期高齢者医療制度の導入がされた後の2009年度に210億円ありました
任意繰り入れが、来年度予算では198億円に12億円も減らされております。 市長、学資保険まで
差し押さえなくてもいいように、加入者の3割近くに達するほど滞納者がふえてるわけでありますから、この
任意繰り入れをせめて2009年度と同額にまでふやして、保険料を引き下げるべきではありませんか。 以上、国保については3点、答弁を求めます。 第2に、敬老パスと
上下水道料金福祉措置の問題であります。 市長の答弁は、敬老パスと水道料金については24年度からの有料化や改悪を事実上、否定しない答弁でありました。私はここに、大阪維新の会が1月24日に発表したマニフェストを持ってきました。これを見ますと、現在大阪市が提供している市民サービスのすべて(敬老パス制度を含む)を提供しますと書いてあります。維新の会の皆さんがこれらの市民要求を掲げるのはいいことでありますけれども、しかしマニフェストには、これらの財源をどう生み出すのか、中核市並みの権限と財源を与えると書かれてありますけれども、大阪都と特別区の間で税収、税目をどんなふうに配分するのかについては全く明らかにされていませんから、これでは全く財源の保証がないではないか、こう言わなければなりません。 また、橋下知事が府政で実際にやっていることは、学校警備員の予算まで削ることでありますから、敬老パスも羊頭を掲げて狗肉を売るたぐいではないでしょうか。私は市長に何度か直接申し上げてきました。橋下知事の人気が高いのは、一つには大阪市が基礎自治体としての市民の願いをかなえることをやっていないからだ、市民サービスを後退させようとしてるからですよと。大阪市政の怠慢とそれに対する市民の怒りに橋下知事は訴えてるわけであります。 大阪市は基礎自治体としてしっかり市民の願いにこたえるべきであります。敬老パスについても、水道料金福祉措置についても、私が先ほど申し上げた賢い財政運営、4,000億円にもなる公債償還基金、これは活用できる、いわば貯金でありますから、これを活用して一番きついときを上手にやりくりするならば、有料化も制度改悪もしなくても済みます。 市長、大阪都構想などというまやかしではなく、あなたがしっかりと市民のまともな願いを実現する、福祉の増進に努める、こういう基礎自治体の長として市民に対する責任を果たすという立場に立てば、敬老パスなどの市民サービスを守ることができるんではありませんか、再度答弁を求めます。 第3は、亀の子
ベビーセンターの問題であります。 市長の答弁は、亀の子の補助金は継続しないが、現に入所している子供の行き先については丁寧に対応していくというものでした。しかし、市長、お母さんたちが心配してたことが現実に起きております。亀の子に在籍している0、1、2歳の4人のお子さんが、第3希望の保育所まで記入していたにもかかわらず、昨日、入所を保留する、入所できないという決定が届きました。この子供たちは、亀の子が閉鎖されたら4月から預け先がなくなるではありませんか。さきに紹介いたしましたテレビでの市長御自身の発言、「亀の子の0歳児、1歳児がどうなるのかについてしっかりと把握した上で、補助金について指示したい」との発言に照らしても、やっぱり住吉区には亀の子
ベビーセンターの役割がある、補助金は継続すべきだということになるのではないでしょうか。再度の答弁を求めます。 第4に、政府の景気対応緊急保証制度の打ち切りに対する大阪市の対応であります。 市長は先ほどいろいろ言われましたが、結局、本市としては国制度の廃止に対しては独自な対応は何もしないというものでありました。全国一の中小企業のまちの市長としてそれでよいんでしょうか。政府は、この緊急保証制度を3月末で打ち切って、今は82業種を対象にしておりますが、これを48業種に絞った激変緩和措置をとり、10月からは約20業種に縮小する、こういう方針でありますが、実はお隣の京都市と京都府は、この対象から外れる業者の方に対して新融資制度をこの4月1日から始めます。政府の激変緩和措置から外された一般飲食店や食料品製造業など34業種を対象にした経営支援緊急融資でありまして、年利は2.1%、返済期間は10年以内に抑えられております。京都市の都市産業政策課はどう言ってるのか。「急に足元を取り払われては困る人が多く生まれるので行政として踏み切りました」と、こう言っております。 市長、大阪市としてもこうした景気対応緊急保証制度から外される業種の中小企業に対して何らかの独自融資に踏み切るべきではありませんか。 以上を再質問といたします。
○議長(荒木幹男君) 平松市長。 (市長平松邦夫君登壇)
◎市長(平松邦夫君) ただいまの瀬戸議員の御質問に対してお答えを申し上げます。 国民健康保険事業における滞納保険料の徴収に係る
差し押さえについてでございますが、
国民健康保険料収入の確保は、単に財政面だけでなく被保険者の負担の公平性を確保する観点からも重要であり、適切な収納対策は保険者としての責務であると考えており、学資保険を含め
差し押さえ等の滞納処分に当たっては、今後とも財産の状況を慎重に審査するなど、個々の実情を十分踏まえた上、適切に対応してまいります。
国民健康保険料についてでございますが、平成23年度予算案においては438億円もの市税等を一般会計から繰り入れ、
任意繰り入れについても前年度と比べ増加させるなど、被保険者の負担軽減を図っております。なお、平成23年度の1人当たり平均保険料につきましては、景気の動向等を勘案し、3年連続で据え置くこととしております。 敬老優待乗車証交付制度及び
上下水道料金福祉措置でございますが、本制度につきましては、廃止するのではなく、今後も持続可能な制度として維持・継続していくため、特に敬老優待乗車証交付制度については、廃止するのではなく今後も持続可能な制度として維持・継続していくため、市会や市民の皆様方の幅広い御意見をいただきながら、
上下水道料金福祉措置を含め、引き続き具体的な方策について検討してまいります。 亀の子
ベビーセンターへの補助金についてでございますが、住吉区におきましては、本年4月に0歳から2歳児までの入所枠として60人分を重点的に整備することにより、保育ニーズに対応してまいりたいと考えております。 亀の子
ベビーセンターは、補助要綱で定める資格要件を満たさなくなることから、本年度末に助成対象から外れますけれども、入所児童への丁寧な対応を指示し続けております。 緊急融資制度についてでございますが、国の景気対応緊急保証制度が22年度末で期限を迎える中、本市では経営安定のための制度融資や小企業者向けの独自融資を引き続き活用し、今後とも市内中小企業の資金需要に的確にこたえてまいります。 以上でございます。どうぞよろしくお願いします。
○議長(荒木幹男君) 72番瀬戸一正君。
◆72番(瀬戸一正君) 今の市長の再答弁は、どうも御自身の言葉で答弁をしたとはとても思えない。私が聞いたことにもほとんど答えておりません。市長にはもっと基礎自治体の長としての責任を果たしていただきたい。このことを申し上げたいと思います。 こういった点で、市長の再答弁は到底納得ができるものではありません。しかし、時間の制約もございますので、私
たち日本共産党市会議員団14名、これから開催されます6つの常任委員会で市民要求の実現に向けて奮闘する、その決意を申し上げまして、私の質問を終わります。
○議長(荒木幹男君) お諮りいたします。この際、暫時休憩することに決して御異議ありませんか。 (「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(荒木幹男君) 御異議なしと認めます。よって暫時休憩いたします。 午前11時38分休憩 午後1時再開