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03月07日-03号

  • "大阪市立青少年野外活動施設条例"(/)
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  1. 大阪市議会 2002-03-07
    03月07日-03号


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    平成14年第1回定例会(平成14年3月)◯大阪市会(定例会)会議録(平成14年3月7日)    ◯議事日程    平成14年3月7日午前10時開議第1 議案第23号 平成14年度大阪市一般会計予算第2 議案第24号 平成14年度大阪市大学医学部付属病院事業会計予算第3 議案第25号 平成14年度大阪市食肉市場事業会計予算第4 議案第26号 平成14年度大阪市市街地再開発事業会計予算第5 議案第27号 平成14年度大阪市駐車場事業会計予算第6 議案第28号 平成14年度大阪市有料道路事業会計予算第7 議案第29号 平成14年度大阪市土地先行取得事業会計予算第8 議案第30号 平成14年度大阪市母子寡婦福祉貸付資金会計予算第9 議案第31号 平成14年度大阪市国民健康保険事業会計予算第10 議案第32号 平成14年度大阪市心身障害者扶養共済事業会計予算第11 議案第33号 平成14年度大阪市老人保健医療事業会計予算第12 議案第34号 平成14年度大阪市介護保険事業会計予算第13 議案第35号 平成14年度大阪市市民病院事業会計予算第14 議案第36号 平成14年度大阪市中央卸売市場事業会計予算第15 議案第37号 平成14年度大阪市港営事業会計予算第16 議案第38号 平成14年度大阪市下水道事業会計予算第17 議案第39号 平成14年度大阪市自動車運送事業会計予算第18 議案第40号 平成14年度大阪市高速鉄道事業会計予算第19 議案第41号 平成14年度大阪市水道事業会計予算第20 議案第42号 平成14年度大阪市工業用水道事業会計予算第21 議案第43号 平成14年度大阪市公債費会計予算第22 議案第44号 平成14年度大阪市西町外15財産区予算第23 議案第45号 職員の育児休業等に関する条例の一部を改正する条例案第24 議案第46号 職員の給与に関する条例の一部を改正する条例案第25 議案第47号 職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例案第26 議案第48号 消防職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例案第27 議案第49号 教育委員会所管の学校の職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例案第28 議案第50号 教育委員会所管の学校の教員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例案第29 議案第51号 包括外部監査契約の締結について第30 議案第52号 大阪市安全なまちづくり条例案第31 議案第53号 区の事務所の名称、位置及び所管区域に関する条例の一部を改正する条例案第32 議案第54号 大阪市立人権文化センター条例の一部を改正する条例案第33 議案第55号 大阪市指定金融機関の指定について第34 議案第56号 大阪市立学校授業料幼稚園保育料等に関する条例の一部を改正する条例案第35 議案第57号 大阪市立デザイン教育研究所条例の一部を改正する条例案第36 議案第58号 大阪市高等学校等奨学金貸与条例を廃止する条例案第37 議案第59号 大阪市立こども文化センター条例の一部を改正する条例案第38 議案第60号 大阪市公会堂条例の一部を改正する条例案第39 議案第61号 大阪市立青少年野外活動施設条例の一部を改正する条例案第40 議案第62号 大阪市立青年センター条例の一部を改正する条例案第41 議案第63号 大阪市立市民教養ルーム条例の一部を改正する条例案第42 議案第64号 大阪市立市民学習センター条例の一部を改正する条例案第43 議案第65号 大阪市立大学の授業料等に関する条例の一部を改正する条例案第44 議案第66号 大阪市文化振興基金条例の一部を改正する条例案第45 議案第67号 大阪市公園条例の一部を改正する条例案第46 議案第68号 大阪市立体育館条例の一部を改正する条例案第47 議案第69号 大阪市設小売市場条例を廃止する条例案第48 議案第70号 大阪市立工業研究所条例の一部を改正する条例案第49 議案第71号 大阪市社会福祉研修・情報センター条例案第50 議案第72号 国民年金印紙購入基金条例を廃止する条例案第51 議案第73号 大阪市立老人福祉施設条例の一部を改正する条例案第52 議案第74号 大阪市立同和地区共同作業場条例の一部を改正する条例案第53 議案第75号 大阪市国民健康保険条例の一部を改正する条例案第54 議案第76号 大阪市立勤労青少年いこいの家条例の一部を改正する条例案第55 議案第77号 大阪市大学奨学金貸与条例を廃止する条例案第56 議案第78号 大阪市保健所及び保健センター条例の一部を改正する条例案第57 議案第79号 大阪市市民病院事業の設置等に関する条例の一部を改正する条例案第58 議案第80号 大阪市立介護老人保健施設条例の一部を改正する条例案第59 議案第81号 大阪市動物の愛護及び管理に関する条例の一部を改正する条例案第60 議案第82号 大阪市営住宅条例の一部を改正する条例案第61 議案第83号 大阪市手数料条例の一部を改正する条例案第62 議案第84号 大阪市屋外広告物条例の一部を改正する条例案第63 議案第85号 大阪市道路占用料条例の一部を改正する条例案第64 議案第86号 大阪市自転車等の駐車の適正化に関する条例の一部を改正する条例案第65 議案第87号 大阪市港湾施設条例の一部を改正する条例案      ---------------------------------◯出席議員88人(欠は欠席者)   1番    江川 繁君   2番    山中智子君   3番    田中ゆたか君   4番    山崎誠二君   5番    紀野敏明君   6番    加藤仁子君   7番    山下正幸君   8番     欠員   9番    石原信幸君   10番    杉本末広君   11番    土居一雄君   12番    金子光良君   13番    前田修身君   14番    青江達夫君   15番    黒田當士君   16番    柳本 顕君   17番    床田正勝君   18番    大内啓治君   19番    荒木幹男君   20番    福山よしてる君   21番    山本修子君   22番    神原昭二君   23番    鈴木成男君   24番    辻 ひで子君   25番    渡司考一君   26番    稲森 豊君   27番    瀬戸一正君   28番    谷下浩一郎君   29番    長谷正子君   30番    小笠原正一君   31番    永藪隆弘君   32番    松崎 孔君   33番    松岡 徹君   34番    広岡一光君   35番    奥野正美君   36番    新田 孝君   37番    舟戸良裕君   38番    高野伸生君   39番    木下吉信君   40番    坂井良和君   41番    足高將司君   42番    多賀谷俊史君   43番    大西宏幸君   44番    高田雄七郎君   45番    待場康生君   46番    井手勝子君   47番    高橋諄司君   48番    鈴木のり子君   49番    小笹正博君   50番    河本正弘君   51番    仲山忠男君   52番    小西 実君   53番    菅井敏男君   54番    松原恵子君   55番    一色孝之君   56番    山下典嘉君   57番    井上淑子君   58番    船場太郎君  欠59番    新堂庄二君   60番    玉木信夫君   61番    大丸昭典君   62番    田中義一君   63番    石井義憲君   64番    徳田育久子君   65番    改発康秀君   66番    川口 優君   67番    松田 力君   68番    勝田弘子君   69番    福田賢治君   70番    辻 洋二君   71番    石川莞爾君   72番    下田敏人君   73番    矢達 幸君   74番    辰巳正夫君   75番    関根信次君   76番    姫野 浄君   77番    村尾しげ子君   78番    和田充弘君   79番    壷井美次君   80番    辻 昭二郎君   81番    山下喜一君   82番    藤岡信雄君   83番    勝田重春君   84番    森野光晴君   85番    永井 博君   86番    黒田輝夫君   87番    北野禎三君   88番    北山 篤君   89番    太田勝義君   90番    中西建策君      ---------------------------------◯職務のため出席した事務局職員                 市会事務局長         竹内輝幸                 次長             小西壽昭                 議事課長           津田 薫                 議事課長代理         友居伸行                 議事係長           安部陽一      ---------------------------------◯議場に出席した執行機関及び説明員                 市長             磯村隆文                 助役             關 淳一                 助役             土崎敏夫                 助役             井越將之                 収入役            笹倉和忠                 市長室長           岡本 勉                 オリンピック招致局長     山田 昇                 総務局長           大西史朗                 市民局長           室 力松                 財政局長           春田健一                 計画調整局長         岩本康男                 健康福祉局長         福島由堯                 ゆとりとみどり振興局長    寺川 治                 経済局長           藤本 司                 中央卸売市場長        中村 眞                 都市環境局長         赤井仁孝                 環境事業局長         柴崎克治                 住宅局長           岸野和雄                 建設局長           湊 勝比古                 港湾局長           仙波 惇                 副収入役兼収入役室長     松田芳機                 市立大学事務局長       河野 猛                 消防局長           本城光一                 交通局長           比嘉 昇                 水道局長           槇野 勝                 教育委員会委員長       西崎建策                 教育長            玉井由夫                 選挙管理委員会事務局長    岡崎万里子                 監査・人事制度事務総括局長  安田奉之      --------------------------------- △開議    平成14年3月7日午前10時7分開議 ○議長(大丸昭典君) これより市会定例会会議を開きます。 本日の会議録署名者を永藪隆弘君、青江達夫君の御両君にお願いいたします。 ○議長(大丸昭典君) これより議事に入ります。 ○議長(大丸昭典君) 日程第1、議案第23号、平成14年度大阪市一般会計予算ないし日程第65、議案第87号、大阪市港湾施設条例の一部を改正する条例案を一括して議題といたします。 ○議長(大丸昭典君) これより質疑に入ります。 ○議長(大丸昭典君) 瀬戸一正君の質疑を許します。 27番瀬戸一正君。   (27番瀬戸一正君登壇) ◆27番(瀬戸一正君) 私は日本共産党大阪市会議員団を代表して、2002年度大阪市一般会計等予算案並びに当面する施策について、磯村市長に質問いたします。 今、小泉内閣の国民に痛みばかりを押しつける構造改革のもとで、経済もデフレの悪循環に突入しようとするなど、国民各層の暮らしはかつてないほどの厳しい状況にさらされております。企業の倒産も相次いで、昨年1年間で1万 8,787件にも及び、完全失業率も実に 5.3%、戦後最悪の水準であります。ちまたには職を求める失業者あるいは仕事の発注を待ちわびる中小零細業者の悲鳴や怒りの声が渦巻いております。中でも我が大阪は、中小企業の倒産、完全失業率、どれをとっても全国で最も深刻な状況に置かれています。 こういう中で、 260万市民の暮らしに責任を負う本市の役割は、いよいよ重大なものがあります。国に対しては、何よりも小泉構造改革の中止を強く迫るとともに、経済運営の軸足を国民生活重視の方向に転換するよう求めつつ、みずからは住民の福祉の増進に努めるという、地方自治体本来の役割を発揮することであります。すなわち、これまでの国追随、巨大開発優先から、市民の暮らし優先の市政運営に転換することであります。 ところが磯村市長は、本市予算編成においても、ことごとく集客施設が大赤字をしょい込んだ上に、肝心の商店街などは寂れる一方で、潤ったのは一部のホテルとJRぐらいという、既に破綻の明らかな国際集客都市づくりになお固執して、相変わらず夢洲などの巨大開発に大盤振る舞いをする一方、国民健康保険料の連続値上げや学童保育への冷たい仕打ちなど、市民の願いには真っ向から背いているのであります。全く容認することはできません。本予算案を撤回し根本から組み替えるよう求めるものでありますが、以下、こういう立場で具体的に質問いたします。 まず第1は、市民の雇用や中小企業の経営を守ることを最優先にすることであります。 言うまでもなく、市民の雇用情勢は極めて深刻であります。市民の雇用を守り拡大することは、今、全市挙げて取り組むべき緊急で最重要な課題だと思います。そういう点で看過できないのは、何といっても大企業の身勝手なリストラであり、この大阪でも、市内に本社がある従業員 1,000人以上の上場企業でいえば関西電力、大阪ガス、近鉄、南海など19社が3万 8,000人ものリストラを進めつつあります。これらの大企業は、倒産を回避するためにやむを得ずリストラをしてるのではなく、より利益を上げるためにやっているのであります。こんなリストラは短期的にはその企業にとってプラスになったとしても、多くの失業者を出すことによって回り回ってみずからの首を締めることはもちろんのこと、社会全体にとっても大きなマイナスであり、社会的責任の放棄だと言わなければなりません。 昨年7月に、EU(欧州連合)は、企業はただ利益を上げればいいものではなく、雇用、環境、取引業者、地域社会などに対する社会的責任を果たすべきだということを明確にした提言を出しました。産業再生法や会社分割法までつくって大企業のリストラを支援をしている日本政府とは正反対であります。今こそ大企業の身勝手なリストラを規制するルールをつくるべきであります。市長、国に対してこれを強く求めるべきではありませんか。同時に、身勝手な在阪企業に対してリストラをやめるよう申し入れるべきであります。答弁願います。 また、来年度予算の雇用対策は極めて不十分であります。国の緊急地域雇用創出特別基金を使って臨時的な雇用をふやそうとしていますが、大半は国費を当て込むものであり、市費を投入して事業規模を拡大するべきではありませんか。さらに、こうした1年や3年限りの臨時的で不安定な雇用だけでなく、保育所待機児解消のための保育士の定員増など福祉分野を初め教育や消防などの分野で本格的な雇用を大幅にふやすべきです。答弁を求めます。 次に、本市経済を支える屋台骨とも言うべき中小企業への対策についてであります。 今、小泉不況とも言われる状況の中で、本市中小企業がかつてないほどの苦境に立たされていることは言うまでもありません。市内工業の事業所は1990年に3万 2,882社あったものが、2000年には2万 3,035社と3分の1が減り、規模の小さい事業所を中心におよそ1万社も減少しております。また小売商店も、91年、4万 8,483店舗であったものが、99年には4万 1,135店舗と15%も減少しているのであります。これら中小企業を活性化することは、落ち込んでいる大阪経済の立て直しにとって、雇用対策などと並び最も重要なものの1つであります。 しかし本予算案では、中小企業予算が極めて少額しか計上されていないのであります。経済局の事業予算案は、融資事業を除けば 119億 7,800万円でありますが、そのうちATCの支援のために42億 3,100万が計上されており、差し引きすれば77億 4,700万円が残るだけであり、これは一般歳出のわずか 0.4%にしかすぎません。これでは今日の情勢に見合う対策などできようはずがありません。市長、中小企業予算を抜本的にふやすべきではありませんか。答弁を求めます。そして、そのためにも中小企業振興条例を策定して、中小企業の振興を市政の大きな柱の1つとして位置づけるべきであります。あわせて答弁を求めます。 また今、中小企業の苦境を考える上で、どうしても小泉内閣の構造改革について申し上げなくてはなりません。小泉内閣は、構造改革の第1の柱に不良債権の早期最終処理を位置づけて強引にこれを進めてまいりました。その結果、中小企業は次々と倒産に追い込まれ、失業者は増大の一途をたどっています。しかもこの間、2兆 5,000億円の不良債権処理がやられたものの、新たに3兆円の不良債権が発生し、逆に 5,000億円も不良債権がふえるという始末であります。不良債権処理を強行するのではなく、経済を立て直してこそ不良債権を減少させることができるのであります。 同時に重要なことは、この不良債権早期処理の中で、中小企業金融の担い手である信用金庫・信用組合が、都市銀行と同じ金融検査マニュアルの押しつけによって、昨年1年間で実に全国9つの信金、37の信組が破綻をし、そこで融資を受けていた中小企業が経営危機に追い込まれていることであります。ことし1月には大阪でも相互信金が破綻しました。市長、文字どおり中小企業つぶしにほかならない不良債権処理の強行は中止すること、また信金・信組の金融検査マニュアルを見直すこと、これらをあわせて国に強く求めるべきであります。答弁願います。 第2は、巨大開発や、その失敗穴埋め予算を大幅に削減して、市民の暮らしに直接かかわる身近な公共事業の予算をふやす問題であります。 オリンピック招致が失敗したのに、今度も 238億円もの予算を投じて夢洲開発をなぜ進めるのでしょうか。住宅需要で言えば、2000年国勢調査結果を見ても、また昨年1年間の人口増の中身を見ても、都心部で地価が大幅に下落しマンション価格がピーク時の3分の1にもなる中、便利な都心部で世帯数も人口もふえているのであって夢洲での住宅需要はとても見込めません。業務地・商業地としてはどうか。WTCビルやATCビルに民間オフィスが入らずに大失敗し、コスモスクエア2期地区や舞洲なども合わせれば98ヘクタールもの土地が売れ残っている。一方で、市内中心部の事務所オフィスの空き率は10%近くであり、代表的なビジネス街である御堂筋ですら地域の空洞化が進んでいると言われています。こうした中、夢洲で新たな業務・商業の集積地を開発することも全く無謀であります。今後、 5,000億円から 6,000億円もかけて夢洲開発を行うことは、当面の大阪市政にとってはむだ遣い以外の何物でもありません。夢洲開発はきっぱり中止する、このことを求めるものですが、答弁を求めます。 では、今なぜ、無人の島に向かって道路トンネルと鉄道の建設を続けるのか。港湾局は、ことし秋には夢洲の15メートルバースが供用開始され、夢洲と南港の港湾機能をつなぐために道路トンネルの整備が急がれており、鉄道は道路と構造が一体だからだとしています。ところが、夢洲のC-10、C-11のバースを使うのは、台湾の船会社エバーグリーン1社だけであります。その上、3つ目のC-12バースについては、利用する船会社の見通しがつかずに2001年度には計上されていた建設予算が2002年度予算では見送られている。まさに一企業のために 990億円もの巨費を投じて道路トンネルを建設しようとしている、こう言わなければなりません。夢洲は既に夢舞大橋で舞洲につながっております。道路トンネルやテクノ線の建設自体が必要のないむだな投資だと言わなければなりません。これらの建設はきっぱり中止をすべきであります。答弁を求めます。 次に、5つの第三セクター会社ビルへの支援に公金貸し付けなど 125億円もの予算が組まれている問題であります。 世界貿易センタービル(WTC)、アジア太平洋貿易センター(ATC)は、大阪市の6つの局が入居したり、大阪市がテナントを借りてたくさんの事業を行うなど、異常な支援を行ってようやく経営を成り立たせています。ところがその一方で、私が決算議会で明らかにしたように、WTCでは、97年度から2000年度まで 120億円の公金貸し付けが同じ時期の 104億円もの銀行借金返済に回され、ATCでも、2年間に66億円の公金貸し付けが行われたが57億円の銀行借金返済に回されています。公金貸し付けは露骨な銀行支援になっているではありませんか。何で市民の税金・公金で第三セクターの借金の肩がわりをしなければならないのか。WTC、ATC、湊町開発センター、大阪ドーム、長堀地下街の5つの第三セクター会社への2000年度以降の貸付金は、何と 400億円にもなります。これらの5K赤字三セク企業への公金貸し付けはきっぱりとやめるべきであります。市長の答弁を求めます。 次に、阿倍野再開発では、これまでの事業での借金を返済するために、2002年度予算で80億円、2003年度からは毎年90億円、24年間で 2,240億円も公金投入をしなければならなくなっています。大阪市はこの理由を、事業が長期化してバブル期に土地買収費が見込みを大幅に超過し、バブル崩壊後は保留床の売却価格が大幅に下落したからだと、まるで自然災害に遭ったかのような説明をしておりますが、果たして本当にそうでしょうか。バブル経済が崩壊したにもかかわらず、一度決めた事業を根本的な見直しをせず、議会にも赤字の実態を隠して進めてきたこれまでの大阪市の責任を市長はどう考えているのか、答弁を求めるものであります。 大阪市は、旧A2地区については、これから特定建築者制度を使って商業ビル建設そのものをアメリカの商業ディベロッパー企業に任せ、そして建設後は、その商業ビルの床面積の大半をその企業に一括貸し付けして、その賃料で60年以上をかけて旧A2地区ビルの建設費だけでなくこれまでの赤字をも埋めようという計画であります。これは、今までの赤字をさらに巨大な事業を行って取り戻そうというバブル時さながらの発想に立つものであり、これまでの失敗の教訓に立つものではありません。同時に、今後の阿倍野再開発の運命をいわば民間の大企業にゆだねてしまう大変危険なものであり、地方自治体がとるべき手法ではありません。同時に、大阪市がみずから巨大な大型店舗を誘致することによって、阿倍野周辺の商店街や広く大阪市南部地域の商店街をさらに疲弊させてしまう計画でもあります。特定建築者制度を使っての旧A2地区開発を根本的に見直すよう求めるものですが、市長の見解を求めます。 次は、大阪駅北地区のうち、近く土地利用が可能となる6ヘクタールの開発構想を、国際コンペなどによって策定するための開発調査費が計上されており、さらにこの3月には、関西経済連合会など関西財界が音頭を取って、大阪市も参加する懇談会がつくられようとしている問題であります。 この北ヤード地区については、昨年11月、関西経済同友会が土地を公的機関が一括取得することを求める提言を発表しており、大阪市がこの大規模開発に金や人を出し土地まで買わされる危険性もあります。大阪市は、民間大規模開発については市民の立場に立って規制や誘導を行うにとどめるべきであって、過去の数々の失敗、とりわけ大阪市が南の玄関口として多額の税金を投入して大失敗をした湊町開発センターの例を見るまでもなく、地方自治体は開発会社のような仕事に乗り出すべきではありません。答弁を求めます。 関西新空港の問題では、大阪市は来年度も、2期工事等のために44億円を計上しております。しかし、根拠のない過大な航空需要予測に基づく2期工事については、マスコミを初め建設大臣や自民党さんの内部からさえ見直し・中止を求める声が上がっております。また1期では、当初の沈下予測を既に超えて、今もなお毎年20センチ以上沈んでいることが明らかになる中で、さらに深い海域での埋立工事となる2期工事は、安全性の面からも重大な問題をはらんでおります。大阪市は、国に追随して関空2期工事に税金を投入することはやめて、事業見通しや安全性が示されず必要性も定かでない関空2期工事は中止をすることを、国と関空会社、大阪府に求めるべきではありませんか。市長の答弁を求めます。 こうして巨大開発には巨費が投じられる一方で、市民の暮らしに直結する身近な公共事業費は大きく削られております。特別養護老人ホーム建設と老人保健施設建設の予算が昨年に比べて合計36億円、市営住宅の建替建設費や修繕費などの予算が44億円、小中学校の校舎整備費が25億円、保育所整備費が7億円、治水対策と浸水対策が44億円、数え上げれば切りがないほど削られております。これらの福祉や暮らしに直結するいわゆる生活密着型の公共事業は、市民の切実な要求であるだけでなく、不況にあえぐ中小建設業者に直接回ってくる仕事であり、この予算をふやしてこそ、大阪の経済にも活気が取り戻せます。夢洲開発などの巨大開発やWTC、ATCなどへの公金貸し付けなどをきっぱりとやめて、その予算を生活密着型の公共事業や市民の福祉・教育の予算に振りかえるよう求めます。市長の答弁を求めます。 まちづくりに関連して、此花区の正蓮寺川における高速道路全面ふたかけについてお聞きいたします。 1986年に都市計画決定された阪神高速淀川左岸線の正蓮寺川区間は、川を 2.3キロメートル全部埋め立てし掘り割り構造で高速道路を通すという公害まき散らしのものでした。これに対して私たち日本共産党は、住民の皆さんとともに正蓮寺川区民の会を結成し、公害持ち込み許すなの署名を1万 5,660名集めるなど大きな住民運動を展開し、89年の市議会で全面ふたかけによる方式を強く求める請願が全会一致で決議されました。その後12年かけてようやく計画調整局は、昨年の決算議会で、2002年度には正式に高速道路を地下式にする都市計画変更手続を行うと表明いたしました。これは住民運動の画期的な成果だと言わなければなりません。 道路のトンネル区間は、福島区の大開から此花区の島屋までの 3.2キロメートルにもなり、この区間では自動車公害がほぼシャットアウトされますが、問題はトンネルの東西の入り口近くに設置される換気塔に脱硝装置の取りつけが約束されていないことであります。此花区では大気汚染はいまだに環境基準が達成されておりません。一方、脱硝装置については、国土交通省もあと数年後の実用化を目指す段階に来ております。全国に先駆けてここで導入するよう、国に強く働きかけることを求めるものです。答弁を求めます。 ふたかけの上にできる5万坪、約17ヘクタールもの広さの正蓮寺川公園にかかわって、高速道路建設後も正蓮寺川を管理する大阪府は、今、国に提出する河川整備計画を策定しようとしており、私は、正蓮寺川の流れを復元する大きなせせらぎをつくり水辺の自然環境を取り戻すよう、先日、意見書を提出いたしました。私は5年前の代表質問で、2つの大きな商店街がつながる正蓮寺川公園に大阪市内の新しい名所となるような桜千本並木をつくって、此花区のまちを活性化させようと提案いたしましたが、今、これが可能なところまで来ました。このようなまちづくりに力を入れてこそ、大阪のまちも活気を取り戻せるし、住民を主人公としたまちづくりができるのではないでしょうか。市長の見解を求めます。 第3に、福祉・暮らし・教育など、市民の切実な願いにこたえることであります。 まず、今、小泉内閣が進めようとしている医療制度改革についてお聞きいたします。 この医療制度改革の特徴の1つは、窓口負担をふやして医療費を抑制しようとしていることであります。健康保険本人自己負担を2割から3割にする。老人医療では適用年齢を75歳へ段階的に引き上げる。また、ことし10月からは1割負担の上限を1カ月 3,000円から1万 2,000円に、一挙に4倍にも引き上げるというものであります。我が党が先日行ったアンケートはがきでは、「年寄りには住みにくい世の中です。主人の仕事もなく、病院代は高いし、どうして生活していけばよいのですか。今の日本は年寄りに早く死になさいと言っているのと同じです」、こういう悲痛な声が寄せられています。 2月に開かれた大阪市の国保運営協議会で医師会代表は、長野県では窓口負担を抑えて早期発見・早期治療で医療費総額を抑えることに成功している、今、窓口負担をふやすべきではないという趣旨の発言をされています。窓口負担をふやすことは、医療費を抑制するどころか治療をおくらせて医療費総額をふやすことになります。医療保険の赤字を言うなら、高過ぎる薬価にこそメスを入れなければなりません。市民生活を耐えがたいところに追い込み、市民の健康を破壊する医療制度改悪には、市長として反対の声を上げるべきではありませんか。答弁を求めます。 来年度予算案では国民健康保険料の3%値上げが提案されていますが、これで3年連続3%ずつの値上げがされ、3年前に比べて9%も値上げされることになります。新たに値上げされた保険料の合計は72億円にもなります。こうした値上げと深刻化する不況の中で、ますます保険料が払えない市民がふえております。大阪市は徴収体制の強化をしてきましたが、徴収率は年々低下し、滞納世帯数は12万を超え、実に加入者の5世帯に1世帯が滞納に追い込まれております。これは、現行の保険料、国保料負担が市民負担の限界を超えていることの証明ではないでしょうか。こうした値上げは中止し、国に対して国庫支出金の増額、徴収率によるペナルティーの中止などを積極的に働きかけるとともに、当面は一般会計から25億円繰り入れを追加すれば、この不況下での値上げは回避できます。これについて答弁を求めます。 国保に関連して言えば、大阪市は、徴収率を向上させるためにと短期保険証を1万 7,500世帯、資格証明書を 2,020世帯にと大量に発行してきました。資格証明書が発行されますと窓口では全額負担となるために、受診率は20分の1以下に低下すると言われております。受診抑制は市民の医療を受ける権利を妨げ、命の綱を奪うもので許せません。すぐに全被保険者に無条件に保険証を発行すべきであり、保険料滞納問題はこれとは切り離して個々に相談に応じていくべきだと考えますが、答弁を求めます。 次に、保育所の問題では、2年連続で保育所待機児が日本一の大阪市で、公立保育所の新設を含めて受け入れ定数を抜本的にふやすことが求められているのに、大阪市は公立保育所を廃止することはあってもつくることはしないという姿勢に徹し、ことしの4月一斉入所でも、待機児ゼロどころか相当数の子供が入所できない見込みであります。一日も早く待機児を解消するべきであります。 そして、その際、規制緩和による受け入れ枠の拡大や公立保育所の保育士配置基準の見直し、押し入れやロッカーまで保育スペースに算入する面積の有効活用で子供たちを詰め込む、また駅前ビルまで分園として認可するなど、待機児解消さえできればよいという、こそくなやり方は直ちに転換するべきです。保育の質を守り向上させながら定数をふやしていくことがあるべき姿です。相次ぐ公立保育所の廃止をやめ、公立保育所を建設するなど抜本的な受け入れ枠の拡大を行うべきです。御答弁ください。 また、留守家庭児童対策では、厚生労働省は、その充実強化を仕事と子育ての両立支援の大きな柱に据えております。学童保育所の補助金をわずか年額2万円増加するのみ、こういう本予算案はこの流れに逆行するものです。人件費にも満たない補助金で高い家賃を払いながら必死で運営をしている学童保育の苦労にこたえて、補助金の抜本的な引き上げをするべきだと考えますが、答弁を求めます。 同時に、都市基盤整備公団から立ち退きを迫られているが校区に民間建物がない学童保育所や、子供の安全にかかわる緊急事態になった学童保育所などの、余裕教室を貸してほしいという切実な願いに背を向け続けていることは、絶対に許されません。来年度こそ、学童保育への余裕教室の開放に足を踏み出すべきです。御答弁ください。 次に、乳幼児医療費の助成についてであります。 本予算案では、これまでの通院5歳児までが小学校就学前までに拡充されました。これは、過去幾度となく請願が出されるなど市民の運動の大きな広がりと、我が党議員団が17回も条例提案してきたことの反映です。同時に、所得制限の撤廃は、勤労者の所得が減少する中で子育てに関する負担が増大しており、市民の切実な願いになっております。所得制限をなくすための予算は9億 5,000万円であります。既に大阪府下44自治体中30自治体が所得制限をなくしており、大阪市にできないはずはありません。答弁を求めます。 また、障害者施策の中では、2002年度最終年度を迎える障害者支援プランの達成は達成できるということで、知的障害者援護施設建設予算が今年度より減額されております。現在の措置制度から契約制度への移行が1年後に迫る中で、施設建設など基盤整備は緊急の課題です。新たな障害者支援計画の策定待ちではなく、制度の移行に向けて基盤整備の予算をふやすべきだと考えます。 さらに、障害者小規模作業所の助成額が6年も連続して据え置きとなっていることは、作業所を唯一のよりどころにしている障害者や家族、関係者に対して、余りにも冷たい仕打ちです。最も要望の強い家賃補助を行うなど、抜本的な引き上げをするべきだと考えますが、あわせて答弁ください。 次に、介護保険の問題についてお伺いいたします。 今、緊急の課題になっているのが、本市の介護保険料減免制度を拡充するべきだという問題であります。本市は、日本共産党や市民の要求で第1段階と第2段階の方に保険料軽減措置を実施しておりますが、所得や扶養、資産の要件があり、利用者は第2段階の人数約20万人に対して1万 1,000人にしかすぎません。第2段階は世帯全員住民税非課税という階層ですが、2カ月に1度振り込まれる年金がわずか3万円しかないのに 5,070円も天引きされる方もおられます。これでは暮らしていけないという悲鳴が上がっております。もともと非課税世帯というのは税法上課税を免除されている世帯であり、生活保護と福祉年金受給の第1段階の方と合わせて、これらの方の保険料を免除して当然ではないでしょうか。これは約61億円で実現できます。ぜひ来年度からこの実施を求めたいと思いますが、答弁を求めます。 介護保険の利用についても、せっかく認定を受けても1割の利用料が払えず、認定限度額の44%の利用にとどまっている。金の切れ目がサービス利用の切れ目という悲惨な実態があります。本市として当面、せめて第1段階・第2段階の所得階層は在宅介護サービスをすべて3%に軽減するよう国に要望すると同時に、これは実は18億円あれば本市独自でも実現できることですので、この助成制度の創設に踏み切るべきであります。答弁を求めます。 次に、特養老人ホームの建設についてお尋ねいたします。 2002年度予算は、整備費が前年比で20億円以上も減額されております。本市の調査によっても、待機者は昨年6月の 1,351人から 2,312人へと7割以上もふえております。なぜこの時期に予算をふやさないのか。この点で健康福祉局は、高齢者福祉計画での2003年度までの整備目標 8,300床は達成する見込みである、だから建設費が減ったのもそのためである、としておりますがこれは許せません。 大阪市は、特養ホーム待機者としている 2,312人の人数には、老健施設と療養型病床に入所していて特養ホームに申し込んでいる 1,702人の方はカウントされておりません。これらの人は、療養型病床などは特養ホームに比べて負担が重く、ついの住みかになり得ない、だからこそ特養ホームに申し込みしているのであり、これらを合わせると特養ホーム待機者は 4,014人にもなります。特養ホーム整備予算は減額するのではなく、逆に大幅に増額するよう求めるものです。市長の答弁を求めます。 介護保険制度がこのように多くの矛盾を抱えているのは、介護保険実施に当たって国が介護への国費の支出割合を大きく減らしたことが最大の原因です。この国の減らしたお金をもとに戻すなら、保険料や利用料を下げることも、特養ホーム建設も可能になります。国に対して、介護保険導入で減らした国の負担を大幅に増額して、よりよい介護保険制度に改善するよう要求するべきではありませんか。市長の答弁を求めます。 次に、教育の問題です。 このほど「大阪市教育改革の基本方向」に基づく「大阪市教育改革プログラム」が策定されました。ところがこのプログラムには、いじめ、学級崩壊、不登校、校内暴力など、子供と教育をめぐる今日の深刻な問題には全く触れていないことや、30人学級の実施に足を踏み出そうとしていないことなど、大きな弱点を抱えております。40人学級から30人学級への移行は、教育現場はもとより国民の大きな世論となっており、今や全国の半数を超える自治体が少人数学級を国に求める意見書を採択するに至っております。そしてこれを受け、自治体独自に少人数学級を実施するところがふえていて、県内すべての小中学校で少人数教育の導入を決めた山形県の知事は、「人生は1回しかない。公共事業とどちらを選択しますかと問われれば教育を先行させる」、こう述べているのであります。政令市でも仙台市は、2002年度、小学校1年生に30人学級を実現させ、2003年には対象を2年生にまで広げる計画です。 周知のように、昨年の通常国会で「公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律」が改定をされ、都道府県の判断で少人数学級が可能となりました。30人学級にするための教員増を国や府に求めるとともに、市独自にも配置するべきであります。小中学校の全クラスを30人学級にするために必要な教員の人数は、小学校で 1,000人、中学校で 680人であり、こういうところにこそ思い切って市費を投じるべきではありませんか。 また、障害児が在籍しているため実質41人以上になる学級の解消や、進級時に前年度に比べて人数が急増する学級への教員加配は、保護者が切実に求めている最低限の課題であり、すぐにでも手をつけなければなりません。あわせて答弁を求めます。 次に、中学校給食の問題です。 周知のように大阪市では、中学校 130校中、同和校とその関連校12校でのみ給食が実施されてきました。学校給食法では給食の実施を努力義務と規定し、全国では既に71%の中学校で実施されるなど、大きな流れになっております。本市においても、実施を求める市民の請願・陳情が繰り返し寄せられております。ところが、弁当は家庭とのきずなを深めるよい機会などと家庭の問題にすりかえて、この願いに耳を傾けない冷たい姿勢に終始してきたのであります。我が党の試算では、すべての中学校で給食を実施するための設備は総額 125億円、毎年25億円で5カ年計画を立てれば実現できるのであります。他都市から大きくおくれ、保護者と子供の願いも切実な中学校給食の実施に、直ちに足を踏み出すよう求めます。答弁を求めます。 第4は、平和を守り、清潔・公正な市政にする課題についてであります。 まず、1969年以来1兆 2,000億円もの巨費が投じられてきた不公正・乱脈な同和事業・同和行政を、文字どおりきっぱりと終結させるべき問題であります。 磯村市長は、3月末をもって特別措置としての同和対策事業は終了させるとしております。ところが本予算案では、一民間病院にすぎない芦原病院に運営助成などで10億 4,700万円、同和浴場に改修費として15億円などが盛り込まれている上、教員の同和加配についても教育困難校加配などとして残そうとしているほか、会館職員などおびただしい数の人的配置もほとんど変わりはないのであります。まさにこれまでの同和施策を一般施策と名前を変えただけで、中身は特別対策そのものであります。これでは市民の理解を得ることはできないばかりか部落問題解決に逆行することになります。市長、このような特別対策はやめるべきであります。答弁を求めます。 また、今まで同和住宅とされてきた市営住宅の空き家募集は、公募方式に切りかえると言いながら、募集はこれまでの同和地域から少し広げた範囲に限ろうとしております。これでは公募方式とは言えません。全市民を対象とした名実ともの一般募集とすべきです。答弁ください。 さらに、同和行政の主体性を欠如せしめ、本市同和事業をゆがめてきた元凶が市同促・地区協方式であったことは言うまでもありません。4月以降、少なくとも新しい段階に移行しようとするなら、かかる団体とはきっぱりと手を切るべきであります。ところが、事もあろうに社団法人大阪市人権協会を新たにつくり、人権行政を看板に人権文化センターの管理運営やこれまでの同和事業の委託を継続しようとしているのであります。これこそ同和利権を温存するものであり言語道断と言わなければなりません。人権協会への事業委託はきっぱりとやめるべきであります。答弁を求めます。 最後に、平和問題について市長の所見を伺いたいと思います。 新しい世紀、21世紀こそ、テロも戦争もない平和な世紀にというのが世界の人々の願いではないでしょうか。アメリカのブッシュ政権はこの願いを踏みにじって、アフガニスタンへの武力攻撃を行い、それに続いて、2002年は戦争の年だ、イラク・イラン・北朝鮮は悪の枢軸だと、こうして特定の国に対して一方的な軍事力行使も辞さないという立場を表明し、世界各国から厳しい非難と憂慮の声が上がっております。 ところが小泉政権は、この危険な路線に無条件支持を与えるとともに、米軍がアジアで起こす戦争に日本を総動員するための体制づくりを急ピッチで進めております。今までも周辺事態法には自治体や民間の動員規定がありましたが、政府は民間の動員について、あくまで協力の依頼であり義務は発生しないと説明してきました。これが有事法制の対象になれば、自治体や民間も罰則つきの強制力をもって動員される体制づくりにつながっていく危険があり、大阪市と市民にとっても重大な問題です。平和都市宣言を行っている本市の市長として、政府に有事法制の制定中止を求めるべきであります。見解を求めます。 また、我が党市会議員団は、大阪市の非核・平和への貢献として、アメリカの軍艦に対して神戸市が行っているような非核証明書の提示を求め、文字どおり平和な商業港としての大阪港を世界にアピールすることを求めてきました。アメリカが危険な戦争政策を強める中で、このことの重要性は今こそ増しております。あわせて市長の答弁を求めます。 最後に、答弁のいかんによっては再度質問することを申し上げて質問を終わります。 ○議長(大丸昭典君) 理事者の答弁を許します。 磯村市長。   (市長磯村隆文君登壇) ◎市長(磯村隆文君) ただいまの瀬戸議員の御質問に対してお答えを申し上げます。 リストラ規制についてでございますが、解雇規制ルールにつきましては雇用関係の根幹にかかわりますだけに、労使双方の理解が必要であると考えております。現在、失業者の増加に伴い解雇をめぐる紛争がふえている状況もあり、解雇規制ルールの法制化につきまして国において検討がなされております。なお、企業のリストラに対する申し入れにつきましては、企業の事業活動を規制することは困難であり、本市にそれを規制する権限もないと考えております。 雇用施策についてでございますが、本市における雇用施策につきましては、国際的な経済文化の中枢都市として、これまでから国際集客都市づくりなどにより、積極的に雇用の創出を図ってまいりました。さらに、中小企業等既存産業の基盤強化と新たな産業や成長産業の育成を通じた雇用の確保と創出を推進してまいります。その上で、就職に際してさまざまな困難を抱えておられる方々への就労支援を行いますとともに、雇用のミスマッチの解消に向けた取り組みといたしまして、幅広い情報提供や相談事業を充実させてまいります。当面の対応といたしましては、緊急地域雇用創出特別基金事業を十分活用し、雇用の創出に努めてまいりたいと考えております。平成14年度予算におきましては、11億 9,700万円の基金事業を含め総額96億 8,600万円を計上いたしまして、積極的に雇用施策を推進してまいります。 また、本市におきます職員の配置につきましては、これまでから住民生活に関する部署を初めといたしまして、すべての部署で行政需要や業務量の変化に対応するよう努めてまいったところであります。今後とも社会経済環境の変化に対応しながら、市民本位の質の高い行政サービスを迅速かつ的確に提供できるよう、適正な配置に努めてまいりたいと考えております。 中小企業対策についてでございますが、中小企業は大阪経済の基盤であり、本市では市政の重要な柱の一つとして中小企業の振興に取り組んでおります。このため、大阪産業創造館において大阪経済の活性化をリードする中小企業の育成やベンチャーの創出に向け、ビジネスチャンスの拡大を図るとともに、専門家による相談など総合的な経営支援に取り組んでまいります。また、工業研究所では、技術相談や企業との共同研究に加え、「創業支援ラボ」を開設するなど技術開発面での支援に努めてまいります。また、中小企業の資金調達の円滑化に向け融資制度の充実を図るほか、商店街の新たな魅力づくりを支援するとともに、製造業の実態調査を踏まえ「ものづくり再生プラン」を策定するなど、厳しい財政状況の中で財源を確保し、中小企業の活性化に取り組んでまいります。 中小企業振興条例につきましては、本市では、中小企業対策審議会から振興の指針となる意見具申や提言を受け、総合計画21推進のための新指針に反映し、時代の変化に即した事業を計画的に推進してきており、大阪産業創造館条例や中小企業融資基金条例など必要な条例は整備しております。 不良債権処理を早急に進めることは日本経済の再生にとって重要な課題でありますが、それに伴い健全な中小企業の事業活動に支障が生ずることのないよう、本市ではセーフティネット保証である経営安定対策資金融資を活用し、積極的に支援しているところであります。来年度には経営支援特別融資を継続実施するとともに、経営安定対策資金融資の融資期間の延長や制度全般の利率を引き下げるなど、中小企業の金融の円滑化に努めてまいります。なお、金融検査マニュアルにつきましては、先ごろ発表された国のデフレ対策の中で、画一的な運用ではなく債務者の経営実態に応じたものとなるよう、指針が示されたところであります。 夢洲開発についてでございますが、夢洲を初めとする新臨海部は本市のまちづくりにとって貴重な空間であります。社会経済のグローバル化が進展する中、今後とも大阪が厳しい都市間競争に勝ち残っていくためには、この新臨海部を有効に活用し、21世紀のまちづくりのモデルとなる魅力ある開発を進めていくことが不可欠であると考えています。夢洲については、これまでの「夢洲まちづくり素案」も選択肢としながら、中長期の需要を見きわめつつ、大阪の発展を先導する新しい都市機能や都市の再生に資する機能の導入を図り、大阪市全体の都市機能の向上に寄与するまちづくりを進めてまいります。 また、夢洲道路トンネルと北港テクノポート線についてでございますが、新臨海部の交通体系の根幹をなすこれらの施設は、魅力ある臨海部のまちづくりを実現するために必要不可欠な都市基盤施設であります。大阪都市圏の市民生活や産業活動を支える大阪港の将来を担う夢洲大水深コンテナ埠頭がことし秋には供用予定であり、大阪港の国際競争力の強化を図るためにも、咲洲と夢洲を直結する夢洲道路トンネルは一日も早い完成を目指し整備を促進していく必要があると考えています。また、北港テクノポート線につきましては、臨海部の開発拠点を有機的に結び国際集客都市としての機能強化を図るためにも、臨海部のまちづくりの進捗に合わせた整備が必要であると考えております。 第三セクターに対する財政支援についてでございますが、WTCなど5社につきましては、国際集客都市を目指している本市の高次都市機能の担い手として、また集客機能を生かした地域開発や再開発推進の先駆的な拠点施設として、地域におけるまちづくりに大きく貢献するとともに、都市開発のモニュメントとしての機能も果たしているものと考えております。各社がこうした公的役割を十分に発揮するためには、経営の安定化は不可欠の要素であります。このことから、厳しい財政状況の中、会社の経営改善努力は当然のこととして、他の株主や金融機関からの協力を前提に貸付金等の財政支援を行っているところでございます。 各社はそれぞれ経営改善計画を策定し、全力で経営改善に取り組んでおりますが、長引く景気の低迷や近年の金融情勢の著しい変化などにより、各社を取り巻く社会経済環境は一層厳しさを増しております。そうした状況の変化を踏まえ、外部専門家をまじえたより詳細な経営診断分析を行ってまいります。さらに、他の株主や金融機関への一層の協力を要請するとともに、株式会社として果たすべき責任を明確にさせながら、着実に経営安定化に向けた取り組みが進むよう、今後とも適切な指導、監督に努めてまいる所存でございます。 阿倍野再開発事業についてでございますが、この地区は戦前からの木造建築物が密集しており、防災上の問題を有し、早急な再開発を要する地区でありました。これまでのところ、住宅や道路・公園も整備され、まちづくりも相当の成果を上げてきたところでございます。この間、地価の急激な変動の影響を受けたことなどにより、これまで事業を進めてきた地区においては厳しい収支状況となっております。しかしながら、今後事業化すべき旧A2地区は、天王寺・阿倍野ターミナルに近接する開発ポテンシャルの高い地区であります。現在の社会経済状況に適合した計画となるよう、施設規模を適正化するとともに、事業施行者としての主体性を発揮しながら、民間活力の活用を図る手法である特定建築者制度を導入することとしております。このことによりまして、事業コストの縮減が可能となり、また将来的にも魅力ある施設とすることで、地域のにぎわいを創出し、近隣の中小商業者とも共存共栄が図れるものと考えております。地元の皆様も一日も早い事業の完成を待ち望んでおられ、今後とも収支改善の努力を行いながら全力を挙げて事業の進捗に取り組んでまいる所存であります。 大阪駅北地区の整備についてでございますが、梅田貨物駅は都心に残された貴重な土地であり、関西の再生に向けて、新産業の創出などにより経済の活性化を図り、アメニティー豊かで魅力あふれる拠点が形成されるよう取り組んでまいりたいと考えております。当地区を魅力と活力に満ちたまちにしていくために、民間のノウハウや資金などを集中させ、民間投資を誘導する計画とすることとしております。そのため、官民が協調し、関西の経済界、有識者等による懇談会を設け、まちづくりのコンセプトを募る国際コンペを実施するなど、まちづくりは民間のニーズを取り入れ、平成14年度には全体のまちづくり構想を策定してまいりたいと考えております。 関空2期事業についてでございますが、関西国際空港は大阪市のみならず、関西の発展にとって必要不可欠な都市施設であり、関西の国際交流拠点として大きな役割を果たしております。関空の航空需要につきましては開港以来ふえ続けており、米国でのテロの影響により一時期減少したものの、回復傾向にあり、今後もUSJ効果もあって増加することが見込まれております。また、関空島の地盤沈下につきましては、おおむね当初の見込みどおりにおさまりつつあります。本市といたしましては、関空が国際集客都市の玄関口として、また関西経済を担う国際拠点空港としての役割を適切に果たせるよう、関係団体とともに2期事業の円滑な推進に努めてまいります。 生活密着型予算についてでございますが、平成14年度の予算編成に当たりましては、市民の安全・生命・財産を守り、基礎的自治体としての責務を果たしながら国際集客都市づくりを推進し、大阪圏の再生に取り組むため、大阪の特性を生かした「比較優位」となる施策に限られた財源を重点的に配分することとしたところであります。 14年度予算は、市税収入が昨年度と比較して 400億円もの大幅な減となるなど、抑制基調のもとでの編成となりましたが、そのような中にありましても、大阪市高齢者保健福祉計画や大阪市障害者支援プランの整備目標の達成に向けた事業量を計上するとともに、待機児童解消に向けた保育所整備を実施するなど、健康福祉費として 5,400億円を計上するほか、市営住宅ストック総合活用計画に基づく施策を着実に推進するなど住宅費に 1,600億円を、教育費に 1,300億円を計上いたしましたところでございます。今後とも限られた財源を重点的に配分し、ひとが輝く「生活魅力都市」の実現に向け積極的に取り組んでまいりたいと存じております。 淀川左岸線の正蓮寺川区間についてでございますが、阪神高速道路淀川左岸線は、平面道路の交通混雑を緩和し自動車交通の円滑化を図るとともに、都心北部地区等と臨海部を結ぶことにより東西都市軸を強化する役割を持つ路線であり、正蓮寺川区間はその第1期として、昭和61年度に掘り割り構造で都市計画決定したものでございます。このように都市の利便性を高める上で都市高速道路の建設は必要でありますが、市街地の中では地域の環境との調和を図ることもあわせて重要であります。このため淀川左岸線では、掘り割り構造区間にふたかけをし、さらなる環境改善を図ってまいる予定でございます。また、低濃度の脱硝装置につきましては、現在、国土交通省、阪神高速道路公団等が共同して技術開発に取り組んでおり、その進展に期待をしているところでございます。 さらに、正蓮寺川区間におきましては、淀川左岸線のふたかけに合わせて、その上部を利用して正蓮寺川公園の整備等による総合的な環境整備を図ることとしており、今後、淀川左岸線の事業の進捗等に合わせて、その具体化を進め、市民が安心して快適な生活が送れるよう取り組んでまいりたいと考えております。 医療制度改革についてでございますが、昨年11月末に国におきまして、持続可能で安定的な医療保険制度の構築を目指し「医療制度改革大綱」が取りまとめられ、平成14年度には一部制度改正も予定されておりますが、去る2月11日に政府・与党におきまして、医療保険制度の体系のあり方や新しい高齢者医療制度の創設などにつき、平成14年度中に基本方針を策定する内容を盛り込んだ合意事項が取りまとめられたところでございます。私どもといたしましても、市民の健康の保持・増進に欠くことのできない医療保険制度につきまして、長期的に安定した抜本的な改善が図られますよう、今後、その動向に十分注視してまいりたいと考えております。 国民健康保険事業についてでございますが、この制度は医療給付費等を国庫支出金と保険料で賄うことが制度の原則となっておりますが、この原則どおりに保険料を賦課いたしますと被保険者の保険料負担が大きくなることから、大阪市では、毎年多額の市費の繰り入れ等によりまして保険料負担の軽減に努めております。 平成14年度の国民健康保険事業会計につきましては、厳しい本市財政事情の中ではございますが、被保険者の保険料負担に十分に配慮を払い、一般会計からの繰入金につきましては前年度に比べ 3.2%、15億円増の 477億円を計上しているところでございます。しかしながら保険料の据え置き措置等によりまして、現状では医療給付費等に対して保険料賦課不足が生じており、平成12年度決算で 249億円もの巨額の累積赤字を抱えるなど、本市国民健康保険事業会計は厳しい財政状況にございます。このような中、平成14年度には医療給付費等が1人当たりで実質 3.6%の上昇が見込まれますことから、被保険者の方々にも一定の保険料を御負担いただかざるを得ないものと考えております。なお、国に対しましては、当事業が長期にわたり安定的に運営できるよう引き続き要望してまいりたいと考えております。 また、従前から実施しております短期有効期限被保険者証の交付や、平成13年度から国民健康保険制度の一環として義務的に実施いたしております被保険者証の返還及び資格証明書の交付につきましては、被保険者間の保険料負担の公平化を図るという制度の趣旨を十分踏まえ、また保険料を滞納されている方の実情を十分把握しながら、適切な運用に努めてまいりたいと考えております。 保育所待機児解消についてでございますが、平成13年度中の解消を目指し、保育所の新設・増改築といった対策、また公立保育所の職員配置基準の見直しなどによって入所枠の拡大を図る対策、さらに新規に駅前のビル等の賃貸物件を活用して保育所に整備する手法も導入し、年度当初の保育所待機児数 1,484人を上回る約 1,600人の入所枠の拡大に取り組んでおります。しかし、女性の社会参加の増大、厳しい経済状況や雇用情勢のもと、保育所入所の新規申し込みはなお高い水準にあり、平成14年度においてもニーズの高い低年齢児を中心に受け入れ枠を上回ることが予想されることから、約 800人の保育所整備を行うこととしたところであり、今後とも待機児童の解消に向けて積極的に取り組みたいと考えております。 公立保育所の充実についてでございますが、喫緊の重要課題であります待機児解消のため、保育士配置基準を民間の基準と同様にすることなどにより、入所枠の拡大を図ってまいります。日々の保育に当たりましては、国の基準を満たした保育環境に留意しつつ、これまで培ってきた保育の経験やノウハウを生かしながら保育内容の維持・向上に努めております。また、これまで保育所の増築等を行い、低年齢児の入所枠の拡大を図るとともに、保育ニーズに地域的・年齢的な偏在が見られることを踏まえ、保育所の統廃合を行うなど効果的・効率的な保育所運営に努めているところでございます。 学童保育の補助金の増額についてでございますが、大阪市では、留守家庭児童を預かる取り組みに対し、国基準を上回る額で助成しており、国に先駆けて20人未満の小規模な事業に対しても助成してきたところであります。なお現在は、全小学校で留守家庭児童を含む全児童の健全育成を図る児童いきいき放課後事業を実施しており、その充実に努めてまいりたいと考えております。 余裕教室の貸与につきましては、後刻、教育委員会よりお答え申し上げます。 乳幼児医療費助成についてでございますが、制度発足時には、入院医療費は大阪府の補助制度のもと0歳児から小学校就学前の6歳児を対象に、通院医療費は本市単独で0歳児を対象に実施してきたところでございます。その後、通院医療費につきましては平成8年11月に2歳児まで、平成9年12月に3歳児まで、平成12年11月に4歳児まで、平成13年11月に5歳児まで拡充し、さらに本年4月から小学校就学前の6歳児まで拡充することといたしております。本制度につきましては、大阪府と同様に、児童の健全育成を目的として実施されている国の児童手当の特例給付基準に準拠した所得制限を設けて実施しているところでございます。 障害者施策についてでございますが、障害者施設の建設は平成14年度を目標年度とした大阪市障害者支援プランに基づいて推進しており、計画年度内には数値目標をほぼ達成する見込みであります。今後の障害者施策につきましては、障害者の今日的なニーズを把握し、国の動向等も視野に入れながら、平成14年度に策定を予定しております新「障害者支援計画」に基づき進めてまいります。 障害者小規模作業所等への助成についてでございますが、障害の種別や程度など実情に即して弾力的な対応が必要な障害者の方々にとりまして、身近な地域で社会参加を促進する場としての役割を果たしておりますことから、大阪市におきましては、利用者数や開所日数に応じた運営費の助成を初め、重度障害者加算、建物整備・車両や備品の購入に対しての助成を行っているところでございます。引き続き障害者施策の推進に努めてまいります。 介護保険についてでございますが、この制度は高齢者の介護を社会全体で支え合う制度として創設されました。65歳以上の第1号被保険者の保険料は負担能力に応じて無理なく負担を求める観点から、所得に応じ5段階としております。しかしながら、保険料第2段階及び第1段階の世帯全員が市民税非課税の方の中には、実態として非常に所得が低く真に生活に困窮している方がおられることから、このような方の厳しい生活状況に配慮し、また納付困難から滞納となり将来の介護サービスの利用制限につながらないよう、社会的公平性の確保の点から収入や資産要件等について妥当な基準を設け、保険料第2段階の2分の1に相当する額の減額を行っております。 介護サービスの利用者負担は1割となっておりますが、負担が高額になる場合は、高額介護サービス費の支給により負担の軽減を図るとともに、低所得者に対しては、高額介護サービス費の負担上限額及び施設入所者の食事の標準負担額も少なくなるように設定されております。さらに、社会福祉法人による利用者負担の減額事業を実施するなど、利用者の負担軽減に当たっております。また、災害や失業等による著しい所得減少などの理由で保険料納付や利用者負担が困難な場合には、減額または免除する制度があります。低所得者に対する保険料や利用者負担の減免措置につきましては、高齢者の実態を踏まえ特段の措置を講じるよう、今後とも国に対して要望してまいります。 また、介護保険事業計画は3年ごとに見直すことになっており、平成14年度中に新しい計画を策定することとしております。介護保険の給付に係る財源は、保険料50%、公費50%、うち国25%並びに府・市各12.5%で運営されることになっており、国に対しては、長期的に安定した保険制度として運営していくため地方自治体の負担が過重とならないような財政措置を講じることを、今後とも引き続き要望してまいります。 特別養護老人ホームについてでございますが、平成12年4月に策定いたしました大阪市介護保険事業計画を包含した大阪市高齢者保健福祉計画におきまして、高齢者が住みなれた地域で安心して生活ができるよう在宅サービスを基本としつつ、在宅での支援が困難となった方のため、各種施設の基盤整備に努めているところであります。特別養護老人ホームは、平成16年度までに 8,300人分を整備することといたしておりまして、鋭意整備に努めているところでございます。今後とも高齢者のニーズや地域の実情を勘案しながら、全市的な視野に立って、特別養護老人ホームを初め施設整備の目標を達成するため引き続き取り組んでまいります。 少人数学級につきましては、後刻、教育委員会よりお答え申し上げます。 中学校給食の実施につきましても、後刻、教育委員会よりお答え申し上げます。 同和行政についてでございますが、本市におきましては、これまで同和問題の解決を市政の重要な課題として位置づけ、施策を推進してまいりました結果、同和地区の実態は著しく改善されたところでございます。しかしながら、教育や啓発、就労などの面ではなお課題が残されております。これまでの同和地区及び同和地区住民に限定した特別措置としての同和対策事業は、その目的をおおむね達成したことから、現行法期限である本年3月末をもって廃止してまいります。今後は、昨年10月にちょうだいした本市同和対策推進協議会の意見具申を尊重し、人権行政の一環として同和行政に取り組むこととし、市民の人権意識の高揚や地域住民の自立と自己実現、地域交流の促進など、一般施策を有効・適切に活用して、同和問題の一日も早い解決を目指してまいります。 同和向け市営住宅の入居についてでございますが、法期限後は、今後出される国の通達に従い、これまでの優先入居方式を公募方式としてまいります。その実施に当たりましては、本市同推協意見具申にもありますように、「今後の同和問題解決のための施策の基本目標は、同和地区内外の住民が協力して自らのまちづくりを進めていくための協働関係を構築し、一体となったコミュニティーの形成を図ることであり、同和問題の啓発に当たっても、住民交流の促進やコミュニティーづくりなどの差別を乗り越える人間関係づくりを目指すべきである」との指摘とともに、地域の実情をも踏まえ、当分の間、周辺コミュニティーを対象に公募方式により円滑な移行を図ってまいります。 人権協会への事業委託についてでございますが、現行の大阪市同和事業促進協議会につきましては、本年3月末で特別措置としての同和対策事業を収束することから、これまでの同和対策事業の実施協力団体としての役割は終えることとなりますが、本市同和対策推進協議会の意見具申も踏まえ、同和問題の解決に向けた施策を初めとする人権施策の推進に寄与する新たな公益法人として、本年4月から「大阪市人権協会」に改組されます。今後は、これまでのノウハウを生かし、人権文化センターを初めとするさまざまな施設における事業等の実施など、人権施策の効果的な推進に活用してまいりたいと考えております。 有事法制についてでございますが、有事の際に、日本国憲法のもと、国の独立と主権、国民の安全を確保するため、必要な体制を整えておくことは国としての責務であるとして、現在、政府において法案提出に向けた検討がなされていると承知しております。有事法制の整備は、国の安全、防衛上の問題でありますが、憲法の枠内で取りまとめるとの政府見解でもあり、市民生活等に与える影響も含め、政府において国民世論の動向等も踏まえ慎重かつ十分な検討が行われると考えております。市民の生命と財産を守り、市民生活の安全を確保することは市政運営の基本であると認識しており、その動向を注意深く見守ってまいりたいと考えております。 大阪港の平和利用についてでございますが、我が国政府は、「つくらず、持たず、持ち込ませず」の核兵器に対する非核三原則を基本政策としております。日米安全保障条約及び関連取り決め上、米国艦船の核持ち込みについては事前協議の対象であり、誠実に履行されているものと考えております。大阪市会においては、昭和49年11月に「すべての国の核兵器持込みに反対する決議」が、平成6年11月には「大阪港の平和利用に関する決議」がなされ、大阪市においても、平成7年12月に「平和都市宣言」を行っております。大阪港への外国艦船の入港に際しては、今後とも外務省並びに在阪領事館に対し核兵器搭載の有無について問い合わせ、核兵器を持ち込ませない平和な大阪港として運営していく所存であります。以上でございます。どうぞよろしくお願いを申し上げます。 ○議長(大丸昭典君) 玉井教育長。   (教育長玉井由夫君登壇) ◎教育長(玉井由夫君) 学童保育についての余裕教室の貸与についてお答え申し上げます。いわゆる学童保育の学校施設利用についてでございますが、既に教育委員会におきましては、留守家庭児童を含むすべての児童の放課後における健全育成を図ることを目的に、学校施設を活用し、児童いきいき放課後事業をすべての小学校で実施しております。したがいまして、同一時間帯に同じ学校の中で対象児童の重複する同じ趣旨の事業を2つ実施することとなりますので、いわゆる学童保育の施設利用を認める考えはございません。 少人数学級についてでございますが、小中学校の学級編制につきましては「公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律」に基づき、1学級40人で編制し、大阪府の同意を得ることとなっております。学年進行の際、児童生徒数に異動等が生じた場合にも5月1日の基準日に在籍している児童生徒数により学級認定を行っております。また、小中学校の教員につきましては「市町村立学校職員給与負担法」に基づき、その給与が府の負担となっておりますため、大阪府が措置した定数を超えて本市が独自に教員の配置を行うことは困難であります。 なお、養護学級に在籍する児童生徒が普通学級で授業を受ける場合があり、その際に学級内の人数が40人を超えることがございますが、養護学級に在籍する児童生徒につきましては、法によって普通学級の在籍数には算入しないこととされております。学級編制基準につきましては、今後とも国や府の動向を注視してまいります。 次に、中学校給食の実施についてでございますが、成長期にある中学校の食事は大変重要でありますが、中学生ともなりますと心身とも個人差が大きくなり、食に対する基本的な生活習慣の形成や栄養摂取等につきましては家庭での役割が大切であります。また、弁当は家庭とのきずなを深めるよい機会であると考え、本市では基本的に昼食時の弁当持参を指導いたしております。しかしながら、何らかの理由で弁当を持参できない生徒に対応するため、健康面を考慮し、栄養価等を配慮した昼食の選択肢をふやすため、平成12年1月から中学生の昼食事業の試行を2校で実施いたしております。今後とも中学生の昼食のあり方について引き続き研究してまいりたいと存じます。以上でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。 ○議長(大丸昭典君) 27番瀬戸一正君。   (27番瀬戸一正君登壇) ◆27番(瀬戸一正君) 市長、教育長の答弁をいただきましたが、これらの答弁は、国の医療改革に対する対応、小泉内閣の強行している中小企業つぶしの不良債権処理に対する対応、雇用問題での対応など、小泉内閣の悪政に苦しむ市民の暮らしと営業を守るという決意が見られません。市民の福祉の増進に努めるという地方自治体の長の答弁としては、不十分きわまりないものであります。その中で、私は以下4点について再質問を行います。 第1は、夢洲開発は直ちに中止するべきだという問題であります。 市長はよく、夢洲は将来的には絶対必要な開発用地だと言われますが、今でも大阪市内の業務地・商業地は空洞化しつつある。港湾局の既存の開発用地は大量に売れ残っている。湾岸部にはまだ膨大な工場跡地及び遊休地がある。これ以上の開発用地が必要なのかどうか、このことが今、問われてるのであります。また、夢洲が開発用地にしか見えないというのは、土地を見れば金にしか見えない貧しい発想ではないでしょうか。 もともと夢洲は、廃棄物処理の目的のために「瀬戸内法」という法律でこれ以上の海面埋め立ては認められない中で、例外的に埋め立てが認められた島であります。開発にではなく、大阪市の環境改善のために活用する方法、例えば廃棄物を山のように高く受け入れて、その跡地を大きな森林にする。都心ではこれから先も決して得られないであろう自然の大きなスペースをつくる。現に、堺市の7-3区や東京都の東京湾人工島での埋立地に、実際に30メートルの高さまでごみや残土を受け入れて、それを巨大な自然公園にしようとしております。こうしたものも選択肢の一つにして、夢洲開発は一たん中止をして広範な市民的な議論を経るべきではないでしょうか。市長も、さきの決算議会では、20年先、30年先、極端に言えば 100年先を見越してでも、じっくりと考えてみてもいいと答弁しているではありませんか。 また、もう1つの側面は、開発には巨額の予算が必要であり、当面はそれらがほとんど一般会計から支出される、あるいは一般会計の起債に頼らざるを得なくなるという問題であります。埋立地の売却はまだしばらく、とてもじゃないが見込めるような経済情勢ではなく、港湾埋立会計はその借金返済すらが心配される状況であります。夢洲の土地造成を進めたり、トンネルや鉄道基盤施設をつくり続けることは、一般会計を犠牲にしてまで、つまり市民の暮らしにしわ寄せをしてまで開発を進めることになるのであります。開発の面でも財政の面でも、夢洲開発は一たん中止をするべきであります。再度の答弁を求めます。 第2は、5つの赤字三セク会社への公金投入を中止するべきだという問題であります。 市長は、これらの会社が赤字になった理由について、さきの決算議会では、会社をスタートする時に十分な資本金を集めないで、むしろ借金に依存したその結果、借金が多くて金利をたくさん払うという経営になっているという認識を示されましたが、まさに小さな資本金の会社にまともには返せないほどの過大な貸し付けを行ったのが銀行資本であり、銀行には過大貸し付け責任があるのであります。それを不問にして公金貸し付けを行って、銀行への返済をほとんど丸々市民の税金や公金で肩がわりする。こうして三セク会社を支援し続けるという市長の答弁は到底認められません。 さらに市長は、同じ決算議会で、この三セク会社支援について、これが大阪市の体力と立場から見て無理のない方法での支援だとも言っておられますが、これまでの赤字三セク会社への 400億円の公金貸し付け、これからの貸付金 400億円、この合計 800億円もの公金投入の一体どこが無理のないものなのか。これらの公金を市民の暮らしや中小企業支援に回すなら、それこそ市民のために大きな仕事ができるにもかかわらず、その貴重な税金がいわば銀行に食われているではありませんか。改めて5つの三セク会社への公金投入の中止を求めるものであり、再度答弁を求めます。 第3は、国保料の値上げをやめ、介護保険料の減免制度を拡充し、介護保険の利用料減免制度をつくる問題であります。 この医療や介護の面で、市民の暮らしが今どれほど大変な事態に追い込まれているか。我が党議員団のアンケートには、「納税や保険料が現在の生活では多大な負担となり、苦しい思いをしています。払う意思があっても大阪市は待ってくれない」、「主人は76歳で寝たきり生活、私は70歳、12月まで家計を助けるために掃除婦として働きましたが、主人の看病のためにやめました。2人の年金14万円で生活していますが、介護保険料をもっと安く下げてほしい。年金から多く引かれたら生活できません」、「仕事がありません。このままでは死を選ぶかホームレスになるか、本当に不安な毎日です」、こうした市民の声が渦巻いております。市長は、市民のこの窮状を見て見ぬふりをするのでしょうか。この悲鳴が聞こえぬふりをするのでしょうか。 国民健康保険料値上げ回避は25億円、世帯住民税非課税ランクまでの介護保険料免除は61億円、介護保険料利用料を3%にするには18億円あればできます。合わせても 104億円。夢洲開発の 238億円や、三セク会社への公金を使っての支援 125億円をきっぱりやめたり見直しをすれば捻出できる金額であります。改めて、国保料の値上げ中止、介護保険料・介護利用料減免制度の拡充・創設を市長に求めるものであります。答弁を求めます。 第4は、中学校給食の実現の問題であります。 市長は、来年度予算説明の中で、大阪市の特性を生かした「比較優位」となる施策に限られた財源を重点的に配分すると何度も強調しています。ところが、市民の願いである中学校給食の問題は、大阪市は、比較優位どころか他の市町村に比べて大きく比較劣位にある、おくれている施策であります。 中学校給食について、弁当は家庭とのきずなを深めるよい機会だという大阪市の見解は、実は給食は必要ないと主張しているのと同じであって、地方自治体の長に対して、つまり市長に対して、中学校では給食を実施するよう努力しなさい、それは義務ですよとまで求めている国の「学校給食法」という法律を頭から否定する、比較劣位を合理化するとんでもないものであります。市長、どんな事情であれ、多数の生徒が弁当を持参する中いつも弁当を持ってこれずにパンなどで済ませる生徒の心情、その痛みがどんなものかおわかりでしょうか。だからこそ国は、義務教育である中学校に給食実施を求めているのではないでしょうか。 さらにつけ加えると、来年度から同和教育推進校という位置づけがなくなるのに、給食を実施している学校とそうでない学校があるという事態になります。これは、やっていない学校をなくしていくという方向でしか決して解決できない矛盾じゃありませんか。全中学校での給食施設建設 125億円、毎年25億円の5カ年計画で実現できる。ぜひとも中学校給食実現への道を踏み出すよう求めるものです。市長、いかがでしょうか。答弁を求めるものでございます。以上で終わります。 ○議長(大丸昭典君) 磯村市長。   (市長磯村隆文君登壇) ◎市長(磯村隆文君) まず、夢洲開発の問題でございますが、議員が例を出してお話になりました地域と比べて、夢洲は都市的な利便性の極めて高い場所でございます。夢洲自体が我々が現在考えている以上に広い用途が考えられると思いますので、我々もしっかりとしたマーケットリサーチをやりながら、将来に向けて自信の持てるまちづくりを進めていきたいと考えております。 第三セクターに対する財政支援の問題でございますが、先ほどお答えいたしましたように、第三セクターそのものは極めて都市の開発の先駆的な拠点として役立っているわけでございまして、また雇用の創出にも役立っているわけでございます。にもかかわらず、経済情勢の結果、当初予想した以上に厳しい状況に見舞われていることも確かでございますので、我々といたしましてはこの状況もしっかりと考えまして、株式会社の株主の一員として、しっかりと公的な役割を発揮できるような立場に立ちたいというふうに思っているわけでございます。 経営の安定化はもちろん不可欠の要素でございますが、会社の経営努力を懸命に進めてもらいながら、他の株主や金融機関からの協力を前提に貸付金等の財政支援を行っているわけでございます。これからもいろいろな状況が参ると思いますが、こういう新しい状況の変化を的確に踏まえながら、外部の専門家をまじえたより詳細な経営診断分析を行ってまいりまして、他の株主や金融機関への一層の協力を要請するとともに、株式会社として果たすべき責任を明確にさせながら、着実に経営安定化に向けた取り組みが進むよう、今後とも適切な指導、監督に努めてまいる所存でございます。 国民健康保険事業についてでございますが、先ほど申し上げましたように、この制度は医療給付費等を国庫支出金と保険料で賄うことが制度の原則となっておりますが、この原則どおりに保険料を賦課いたしますと被保険者の保険料負担が大きくなりますから、大阪市では年々多額の市費の繰り入れを行っているわけでございます。こうして保険料負担の軽減に努めておりますが、にもかかわらず、医療給付費等の増加が進むわけでございますから、どうしても保険料賦課不足が生じてまいります。 これをそのまま放置いたしますと、国民健康保険事業そのものが崩壊する可能性もございますので、我々といたしましては、できる限り安定的に事業を支えるための努力を全力を尽くして進めていきたいと思っているわけでございます。そのためには、国に対しても安定的な運営ができるように要望をしてまいりたいと思いますし、市としての努力、そしてさらに保険料負担者に対する努力もお願いをしながら、しかし実情の厳しい方々に対する配慮もまじえて、この国民健康保険制度の安定的な推移のために尽くしていきたいと思っております。 中学校の給食についてでございますが、これは、議員が「比較優位」ということをおっしゃいましたので一言、比較優位について申し上げますと、やるべきでないことをやらないのも比較優位のうちでございますので、私は比較優位を非常に広く考えております。 中学校給食の実施につきましては、教育委員会よりお答え申し上げます。以上です。 ○議長(大丸昭典君) 玉井教育長。   (教育長玉井由夫君登壇) ◎教育長(玉井由夫君) 学校給食については、教育委員会の所管でございますので、私からお答えさせていただきます。 学校給食法の当該規定につきましては、学校給食を奨励しているのであって義務づけたものではないと私ども理解しております。食に対します基本的な生活習慣の形成、それから栄養摂取量等につきましては家庭での役割が本当に大切であると思っております。本市では、基本的に昼食時の弁当持参を指導いたしております。しかしながら、何らかの理由で弁当を持参できない生徒に対応するために、中学生の昼食事業の試行を2校で実施しておるところでございます。今後とも、昼食のあり方について引き続き研究してまいりたい。どうかよろしくお願いいたします。 ○議長(大丸昭典君) 27番瀬戸一正君。 ◆27番(瀬戸一正君) 自席において発言いたします。 ただいまの市長の再答弁、教育長の再答弁は、税金むだ遣いという点では全く道理に合わず市民の願いには冷たい、こういうものであり、大変不満な答弁であります。私は、怒り心頭であります。 しかし、時間の関係もございます。私たち日本共産党大阪市会議員団15名が、6つの常任委員会で市民要求の実現に向けて奮闘いたします。これからの決意を申し上げて、私の質問を終わります。
    ○議長(大丸昭典君) お諮りいたします。この際、暫時休憩することに決して御異議ありませんか。   (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○議長(大丸昭典君) 御異議なしと認めます。よって暫時休憩いたします。   午前11時38分休憩   午後1時3分再開 ○議長(大丸昭典君) これより休憩前に引き続き会議を開きます。 ○議長(大丸昭典君) 高野伸生君の質疑を許します。 38番高野伸生君。   (38番高野伸生君登壇) ◆38番(高野伸生君) 私は自由民主党大阪市会議員団を代表いたしまして、平成14年度予算案並びに関連諸案件につきまして磯村市長に質問させていただきます。 さて、これまでの各会派の代表質問でもいろいろと指摘がありましたように、現下の社会経済状況は大変厳しいものがあり、そのような中で行財政改革を断行し効率的な市政を運営していくことは、時代が要請する責務とはいえ、非常に難しい課題であると思います。しかしながら、以下に述べます諸問題は、市民にとってもまた行政にとっても、万難を排して解決していかなければならないものと考えております。このような観点から、幾つか質問をさせていただきたいと思います。 まず初めに、大学の誘致によるテクノポート大阪計画の新たな展開についてお尋ねいたします。 咲洲コスモスクエア地区や舞洲などのベイエリアにおいては、多くの未利用地があり、その有効活用を図る観点から土地利用促進方策を幅広く検討していく必要があります。我が党議員団がかねてより国に対して強力に廃止要望を続けてきました工場等制限法については、今、通常国会へ廃止法案が提出される予定であり、同法が廃止されれば、これまで大阪市内での立地が制限されていた大学等の誘致が可能となります。 一方、少子化の進展や社会人のリカレント教育需要の高まり、さらには産学連携の推進などを背景として市内中心部にはいわゆるサテライトキャンパスが進出するなど、大学等を取り巻く状況も大きく変化しております。そこで、ベイエリアにおける広大な用地を活用すれば、サテライトではない大学の設置も可能であり、例えばベイエリアという特性を生かした海洋関係の大学や、さらには観光・芸術・文化に関する大学、あるいは海外の大学の分校などの誘致も考えられるのではないかと考えます。 咲洲コスモスクエア地区等にこうした大学が誘致できれば、単に土地利用の促進だけでなく、若者によるまちの一層のにぎわいや産学連携による新産業の創出、さらには既存の国際交易・業務機能や技術開発・研修機能等の向上も期待できるなど、今後のベイエリア開発を促進し、テクノポート大阪計画の新たな展開にもつながるものと考えますが、市長の御所見をお伺いいたします。 次に、循環型都市の形成についてお尋ねいたします。 廃棄物は市民の多様な消費生活や旺盛な企業活動に伴い発生するものであり、その最終処分場の確保は本市の緊急課題の1つであります。新人工島は、近畿圏全体のフェニックス事業による広域廃棄物及び港湾や河川整備に伴うしゅんせつ土砂などを受け入れる処分場として重要な役割を担うことから、平成14年度予算では 200億円余りの事業費を計上しておりますが、より着実に事業を推進していく必要があると考えます。 一方、循環型社会を目指した取り組みとして、発生量の抑制やリサイクルの促進などの努力や工夫が求められています。昨年、国では、都市再生プロジェクトとして「ゴミゼロ型都市への再構築」が取り上げられ、これを受けた大阪府では、リサイクル施設等の整備を目的とした「大阪エコエリア構想」を提案しております。本市におきましても、循環型都市の形成に取り組むことは非常に重要でありますが、特に地場産業の近接した地域で廃棄物をリサイクルする方策を真剣に考えていく必要があると思います。 例えば木材製材業者が、廃木材を処分するための費用が経営を圧迫していることからみずから廃木材を焼却し、その廃熱を利用して発電した電力を売却することを検討している事例、あるいは廃液・廃油等の中間処理リサイクル業者が、事業を拡張したくても周辺地域住民の理解を得られないため実現できないといった問題に遭遇しております。このほか、意欲のある企業が新しいリサイクル産業へ進出しようとする場合でも、市内では適当な場所が確保できないなどの問題点については、平成12年11月の決算特別委員会で私自身が指摘したところであります。 循環型都市の形成に向け、本市としても前向きに動き出そうとする中で、産業廃棄物処理施設の建設はますます困難になってきており、特に地場産業と連携した環境関連産業の誘致に真剣に取り組んでいく必要に迫られています。各種処理技術を有する民間の優良企業や各種研究機関を本市に誘致することは大阪の再生にも大いに貢献することとなりますので、ベイエリアの未利用地を有効活用できないものか、市長の御所見をお伺いいたします。 次に、同和行政についてお尋ねいたします。 昨日、我が党の荒木議員の質問に対しまして、市長からは、現行法期限である本年3月末をもって同和地区及び地区住民に限定した特別措置としての同和対策事業は廃止し、今後は一般施策で対応していくとの明快な答弁をいただいたところでございます。そこでまず、同和対策事業の実施協力団体である大阪市同和事業促進協議会の今後のあり方についてお尋ねいたします。 聞くところによりますと、今後は「大阪市人権協会」として改組されるとのことでありますが、単に名称や役割を変更するというだけではなく、時代の要請である透明性・公開性の確保という視点も踏まえ抜本的に検討を行う必要があると考えます。この点について市長の御所見をお伺いいたします。 次に、平成14年度予算においては、高校及び大学の奨学金、共同浴場、診療所など、一部の事業に限定してではありますが、円滑に収束するための経過措置を講じるとされております。本来はこれらの事業も法期限内に収束すべきであると考えますが、経過措置を講じるにしても、厳しい財政事情のもと、それが漫然と行われては決してならないことは言うまでもありません。ましてや、経過措置についてさらに期限延長等を決してしてはならないと考えます。今こそ十分に事業内容を精査するとともに、移行期間についても明確に限定して、常にその状態を監理できるシステムを構築する必要があると考えますが、市長の御所見をお伺いいたします。 また、芦原病院については、市民病院に準じた公的役割を果たしていることから、一般施策に移行させて運営助成を継続していくこととなっていますが、大阪府では、同和対策事業の一環として投じてきた阪南中央病院への助成を平成15年度をめどに打ち切ると聞いています。本市も、芦原病院の経営改善を進め、3年限りで貸付金の新たな発生をなくしていくとのことですが、だからといって、このまま漫然と毎年6億 3,000万円の運営助成を続けることは大変問題であります。実効ある経営改善を推し進め、貸付金への依存体質を解消することはもちろん、さらには運営補助や病院の機能・役割等についても見直していくという方向を具体的に示すべきであると考えますが、市長の御所見をお伺いいたします。 次に、子育て支援についてお尋ねいたします。 女性の社会進出や就労形態の多様化に伴う保育ニーズの高まりもあり、市内にはまだ多数の保育所入所待機児童がおり、一向に解決されない状況にあります。こういった状況に従来の保育行政のみをもって対処するなら、多額の税の投入あるいは土地や人材の確保といった物理的な制約もあり、おのずから限界があるのではないかと考えます。ところが一方、少子化の進展もあり、私立幼稚園の中には園児の絶対数が伸び悩み、空き教室が生じていることから、経営そのものが苦しくなっている園もあるなど、保育ニーズとマッチしていない状況が起こっております。 幼保一元化と言われて久しいにもかかわらず、国の方では議論が進展していない中、自治体独自の考えで保育所や幼稚園の民営化また複合化への模索など、新たな取り組みを進めているところもあります。本市においても、行政としての子育て支援へのかかわり方を抜本的に変革する時期に来ているのではないでしょうか。例えば、公立のみならず私立幼稚園の空き教室を活用し、従来の保育行政の分野を補完するような大胆な取り組みも必要であると考えます。 本市では、子育てに関する相談や地域ネットワークづくりなど家庭での子育て支援策も充実してきましたが、各局・各事業ごとにばらばらな印象を受けます。幼稚園や保育所にしても、また家庭での子育てにしても、個別に議論し個別に取り組むのではなく、トータル的な理念を持って取り組むべきであります。そのためには、縦割り行政ではなく、壁を取り壊して「大阪市児童局」でも設置するぐらいの気持ちを持って、関係部門を集め総合的な見地から子育て支援を検討するための研究会をぜひ立ち上げるべきではないかと考えますが、市長の御所見をお伺いいたします。 次に、こころの相談活動の充実についてお尋ねいたします。 さきの代表質問にありましたように、大阪の青少年犯罪や問題行動の増加が指摘されております。このように少年たちが問題行動を引き起こす要因として、家庭の教育力の低下とともに、心の中の悩みやストレスがたまっていることが考えられます。少年たちは悩みやストレスなど自分の気持ちを素直に聞いてくれる身近な大人がいないために、結果的に寂しい孤独感の中にいます。 このような少年たちに親身になって実際に話を聞いてあげる一つの方法として、本市では従来より、市内の各中学校に心の教室相談員あるいはスクールカウンセラー等を配置し、相談活動の充実を図っていると聞いていますが、こういった孤独に陥る少年たちが懐深く飛び込めるような努力がさらに必要であると考えます。今までに受けてきた相談事例を十分に分析して、非行に走らないよう問題行動の未然防止や早期発見、早期解決に向けた対策に取り組むべきであると考えますが、御所見をお伺いいたします。 次に、ボーイスカウト第13回日本ジャンボリーの開催についてお尋ねいたします。 4年ごとに国際親善や相互理解の向上を目的として開催されていますボーイスカウトの日本ジャンボリーが、ことしの8月に舞洲で開催され、外国スカウト 700人を含む約2万人もの人々が参加する予定であります。青少年が自然体験や生活体験等を通じて豊かな感性をはぐくみ、社会性を身につける機会や年齢の異なる人たちと触れ合う機会が少なくなっている中で、大阪市において次代を担う内外の青少年が集い交流することは非常に意義深いことであります。 これまでは主として山間部で開催されてきましたが、今回は大都市大阪で開催されることから、都市の魅力を生かしたジャンボリーにすることができると考えます。未来を担う青少年に大阪のまち・文化・歴史を知ってもらうことは極めて重要であります。この催しを国際集客都市大阪をPRする絶好の機会として積極的に支援するとともに、都市型のジャンボリーの特性を生かした青少年交流事業にすべきではないかと考えますが、市長の御所見をお伺いいたします。 次に、子供の読書活動の推進についてお尋ねいたします。 市内の全学校では既にパソコンが整備され、また大阪市立の高等学校では、今年度からインターネットとテレビ会議を利用してほかの高等学校での授業を受講できるシステムづくりに着手するなど、近年、教育の情報化は目覚ましいものがあります。しかし、情報化時代の今こそ、さまざまな形で提供される膨大な情報の中からみずから必要なものを見つけ出し、それを教養として身につけることが大切ではないでしょうか。本年2月の中央教育審議会の答申では、今求められている教養として、伝統・文化・歴史などの理解や国語の力などが挙げられています。理解力や論理的な思考力、表現力などを磨き、感性豊かな人間性をはぐくむ基盤となる教養を身につける方法としては、私は、昔も今も変わらず読書が一番であると考えます。 先日、未来に向けてたくましく生きる「なにわっ子」の育成を目指して、「大阪市教育改革プログラム」が策定されましたが、その中でも、子供が主体的かつ創造的に生きていくために、個性や能力を最大限に生かして生涯にわたってみずから学び考えていく力をつけることが指摘されています。 また、本年4月からは新教育課程が実施され、「総合的な学習」の時間では子供がみずから課題を設けて、各教科で身につけた知識や技能を総合的に生かす学習を行うということでありますが、課題の解決のためには基礎学力をしっかりと身につけることが重要であり、そのためには読書を習慣づけることが必要であります。読書の習慣づけには特に幼児期が重要であり、家庭への啓発も十分に行うことが必要であります。子供のころから本に親しむことによって教養が養われ、読書で得た教養が一生の財産となり、一方で生涯学習活動の活性化にもつながるものと考えます。そこで、本市の子供の読書活動の推進について御所見をお伺いいたします。 次に、治安と防災対策についてお尋ねいたします。 本市は国際集客都市を目指したまちづくりに取り組んでおりますが、内外から多くのビジターに来阪してもらうためには、その前提として、まち自体が安全で安心して暮らせることが不可欠であります。昨年9月、米国において同時多発テロが発生し、世界貿易センタービルの倒壊、炭疽菌事件など、全世界にテロの恐怖を与えました。このように、最近は人為的な災害が多数発生し、爆発物のほかサリンのような化学剤、炭疽菌のような生物剤等による災害の危険性も高まってきております。また、ことし6月には長居スタジアムでワールドカップが開催されますが、フーリガンによる騒動も大変懸念されるところであります。こうした状況に対して、大阪府警では警察官を増員するなどの対策を講じておりますが、本市として、警察との連携を含めてどのような対応を考えておられるのでしょうか。 一方、また、地震、台風などの自然災害についても、引き続き対策の充実強化に努める必要があります。平成15年度の完成を目指して阿倍野再開発地区で防災中枢拠点の建設が進められるなど、ハード面の整備は着々と進んでおりますが、防災訓練などのソフト面においても一層の充実と工夫が図られるべきであります。例えば平成12年に起きた東海豪雨では、最大時約 1,800人の自衛隊員が、名古屋市を初め浸水で孤立した地域でゴムボートを使って住民の避難活動等に従事したと聞いております。このような災害時には自衛隊の応援が必要となることから、日ごろからの連携も大変重要であります。例えば、毎年市内の各区で実施している震災訓練にも自衛隊に参加していただき、市民と一緒になって実効性のある訓練を行うべきではないでしょうか。市長の御所見をお伺いいたします。 次に、高齢者の生きがい施策についてお尋ねいたします。 平成13年12月末で、大阪市の65歳以上の介護保険の第1号被保険者は約47万人、そのうち要支援・要介護認定を受けられた方は約7万人弱と聞いております。つまり、約7人に1人が支援や介護の必要な方で、逆にそれ以外の7人のうち6人、約85%の方は元気な高齢者ということになります。この元気な高齢者が健康を保ち、生きがいを持ってさまざまな活動に積極的に取り組むことが、地域の活性化のためにも大変重要であります。 本市では、高齢者の増加に合わせて老人クラブ数も増加し、多くの高齢者が軽スポーツや文化的な趣味・学習のサークル活動に熱心に取り組んでおられます。高齢者がそういったサークル相互の交流会や発表会を開催して、人に見てもらったり聞いてもらったりすることが大きな励みになりますが、まだまだ高齢者の自主的な活動への支援が少ないと思われます。 また、発表の場となる施設についてでありますが、古い公共施設は音響や照明等の設備が大変不十分なため、使い勝手に問題があり、もし設備の整った民間のホールを借りれば費用が高くつくためおのずと発表機会が限定されます。発表の内容が豊富になるにつれ、よりグレードの高いものが求められてきており、気軽に利用できる質のよい公共施設を早期に充実させることが必要であります。 近年、設備の充実した区民センター等が整備されてきていますが、区民センターがまだ整備されていない区がある一方で、例えば区民センターとクレオ大阪のように、内容の似た施設が重複して整備されたところもあり、区によって施設の充実度に大変アンバランスが生じております。市長は、ハード面の整備はほぼ終了しこれからはソフトの時代であると表明されていますが、草の根のコミュニティーの推進や高齢者の生きがいをハード面からさらに支援するとともに、生涯学習の発表の場を充実させるためにも、区民利用施設の整備を積極的に進めていくべきであると考えますが、御所見をお伺いいたします。 次に、阿倍野再開発事業についてお尋ねいたします。 天王寺・阿倍野地区は、キタ、ミナミに次ぐ大阪第3のターミナルでありますが、昭和51年度から阿倍野再開発事業が着手され、大阪の南の玄関口としての都心機能を備えたまちづくりが進められています。また、再開発地区の東側の常盤地区については、政府の都市再生プロジェクトにおいて民間都市開発を促進していく候補地の1つとして取り上げられており、その事業化が待たれるところであります。こうした再開発事業と民間開発をうまく結びつけ、天王寺・阿倍野ターミナル全体の活性化を図っていく必要があると考えます。 特に阿倍野再開発事業は、25年の長きにわたって待ち望んでいる地元の期待にこたえるためにも、早期に完成する必要があります。昨年、地区の中心となるべき旧A2地区の事業計画が見直され、施設規模を適正化し、民間活力を活用することとなりましたが、今後は、この計画をもとに早期に事業着手する必要があると思います。 しかし一方で、バブル経済の崩壊以降の地価の大幅な下落や社会経済状況の大きな変化の中で、全国各地の市街地再開発事業は苦境に立たされています。阿倍野再開発事業についても、これまで先行して事業を進めてきた地区については、非常に厳しい収支見通しが昨年の決算特別委員会で明らかにされたところであります。このような厳しい状況下で事業を進めていくためには、事業の効率化を図ることは事業主体として当然でありますが、商業・業務施設は賃貸方式が一般化している状況を踏まえて、実態に即応した再開発制度に変える必要があると思います。 同時に、これまで事業を進めてきた地区でこのような厳しい収支状況に置かれているのは、地価の上昇を前提とした従来の再開発制度が成り立たなくなっていることが大きな原因であり、事業主体である本市の努力のみで解決することは困難であることから、国に対して制度の見直しを強く働きかけていくべきと考えます。今後の阿倍野再開発事業への取り組みについて、市長の御所見をお伺いいたします。 次に、水の都大阪の創造についてお尋ねいたします。 大阪は、古くから「水の都」と言われ、市域の河川は市民に潤いと安らぎ、にぎわいを与える重要な空間であります。都市再生プロジェクトでは、水の都大阪を再生させるため、先行的に道頓堀川の環境整備を推進するとされています。道頓堀川の周辺を見ますと、湊町リバープレイスがこの夏には完成し、また戎橋のかけかえが進められるなど、河川を生かしたまちづくりが進められております。また、川沿いに遊歩道が整備されますと川沿いの建物から水辺へ直接アプローチできるようになり、町並みも大きく変化して、さらに観光船の運航も期待されます。 平成12年に河川法が改正され、政令指定都市である本市も府と同等に一級河川の管理者となることができるようになりましたが、この際、大阪府から管理権限の移譲を受け、本市が主体となって河川の整備とまちづくりを総合的・一体的に推進していくべきであると考えます。 さらに、本当の水の都大阪を実現させるためには、この取り組みを都心部から市域全体へ波及させていくことが必要であります。本市の北には淀川、南には大和川という広大な一級河川が流れております。北の淀川では、数多くのグラウンドや河川公園の整備など、アメニティー豊かな環境整備が進められておりますが、他方、平野、東住吉、住吉、住之江の4区を流れる南の大和川では、亀の瀬の地すべり対策に見られるように、今でも治水事業が主体であり、環境整備がなかなか進んでいないのが現状であります。 西暦2004年には、大和川が現在の姿に開削されてから 300周年の記念の年を迎え、ボランティアによる活発な清掃活動、また大阪府により、大和川上流の石川沿いに河内長野市を起点とする大規模自転車道の整備が松原市まで進むなど、大和川再生への機運が高まってきております。今後、大和川においては、川沿いのほかの都市と連携し、公園や連続した自転車道などの整備を進めていくことが大変必要であります。 また一方で、いまだに全国の一級河川でワースト1となっている水質を改善するため、本市の合流式下水道の改善などを進めるとともに、上流地域の自治体に対して下水道整備を積極的に働きかけていくなど、関係局が一丸となって大和川再生に本腰を入れて取り組むべきであると考えます。こうした取り組みも合わせて、市域全体を水の都大阪として創造していくべきであると考えますが、市長の御所見をお伺いいたします。 次に、文化集客アクションプランについてお尋ねいたします。 ユニバーサル・スタジオ・ジャパンの開業により、来阪ビジターは大幅に伸びて、今年度の観光ビジターは初めて1億人を突破する見込みであります。6月にはワールドカップが、また7月にはライオンズクラブ国際大会が開催されるなど、内外から多くの人々が本市を訪れることになっております。今後、こうした集客効果を大阪市内全域に波及させるため、市内に滞在し周遊してもらうためのソフトづくりを進めるなど、国際集客都市大阪の推進に向けて、各種の施策を工夫しながら有機的に結びつけなければならないと考えます。そのためには、大阪らしい魅力をゾーニングしてわかりやすくPRしていくことが重要であります。 例えば、上町台地周辺では、昨年11月歴史博物館がオープンし、大阪城、難波宮跡、四天王寺など数多くの歴史的遺産が存在しています。また、中之島周辺では、東端にはこの秋リニューアルオープンする中央公会堂、東洋陶磁美術館、中之島公園などがあり、西には大阪市の科学館や建設中の国立国際美術館に加え、将来的には大阪市の近代美術館などが整備される予定であります。こうした魅力ある史跡や文化施設が集中している上町台地ゾーンと大川・中之島ゾーンをL字型にネットワーク化し、ビジターに楽しく周遊していただけるように観光メニュー化するなどの工夫が必要であると考えます。 また、「文化集客アクションプラン」では、滞在型観光の視点からナイトライフメニューの充実が取り上げられていますが、現状では内容が大変乏しいように思われます。海外を例にとると、ニューヨークではブロードウェーに代表されるミュージカルなどが連日連夜催され、終演後には食事を楽しめますし、またパリではムーランルージュやリドのショーあるいはオペラも催されるなど、ビジターの楽しめるメニューは大変豊富に用意され、そのことが都市としての文化の向上につながっております。 振り返って我が大阪を考えますと、幸い大阪には文楽や歌舞伎など世界に誇る芸術文化の蓄積があり、これらを生かして滞在促進メニューを充実させることができると思います。例えば、中央公会堂を利用して文楽・歌舞伎など上方芸能を気軽に鑑賞できるようにするとともに、鑑賞後には美しいバラ園もある中之島公園から御堂筋にかけてのプロムナードに、夜でもビジターが安心して楽しく歩けるような散策コースを設定するなど、大阪らしさを生かした質の高いナイトライフメニューの開発が可能であります。 さらに、それらを旅行エージェントに積極的に提案するなど、集客につなげるたゆまぬ努力が必要であります。加えて、集客スポットに観光バスの駐車場やバスの乗りおりのためのスペースを確保するなど、ビジターの立場に立ったソフトづくりが文化集客の向上にもつながると思いますが、市長の御所見をお伺いいたします。 次に、大都市制度についてお尋ねいたします。 昨日の代表質問にもありましたように、経済界の一部から、大阪の府市合併による「大阪州」の設立を内容とする提言が先般発表されましたが、住民の視点に立って制度のあり方を考えるならば、役割の異なる行政同士の垂直合併よりも、むしろ住民に最も身近な自治体である市町村を中心として、広域行政のあり方を考えていくべきであります。 私は、我が党の各指定都市の議員と、都市の抱えるさまざまな問題について意見交換を行っておりますが、現在の12の政令指定都市の置かれた状況はさまざまであります。例えば人口だけに限っても、横浜市の 330万人、大阪市の 260万人に対して、仙台市は97万人、千葉市は86万人といった状況であり、政令指定都市制度については、現在の画一的な制度のままで果たしてよいのかと疑問を感じております。 とりわけ、本市のように高い行政機能を持ち、市域内の行政需要に独自で対応できる都市については、むしろ現行の府県と市町村の二層制を前提としない、いわば独立した「特別市」的な新たな大都市制度の創設を強く国に働きかけていくことが必要であり、こうした制度のもとで、特別市として市域内の行政は府県の事務も含めて一元的に行うことにより、二重行政の弊害をなくし、効率性と総合性を備えた別格の大都市行政が実現できると考えます。 また、我が党の政令指定都市議員連盟を通じて要望しておりますが、効率的で質の高い行政サービスを提供するために、「地方独立行政法人制度」といった新たな制度についても、都市経営の観点から積極的に取り入れていくことが必要であると考えます。 さらに、都市再生を初めとした関西の活性化について、各自治体がさまざまな考えを発表し、国等にも働きかけていますが、国の方では、「関西は一つではなく、一つ一つや」とも言われてるようであります。例えば関空、伊丹、神戸の3空港の問題などについても、近畿の知事や市長、経済界の代表が集まるさまざまな機会を活用しながら十分に議論していくことが必要であります。そういった中で、今こそ我が大阪市が、関西全体の視野に立ってオピニオンリーダーとして力強く主張していくべきではないでしょうか。そのためには、近畿各府県や京阪神3都市の連携を強めるとともに、経済界とも十分に意見交換を行い、連携して行動していくことが必要であると考えますが、大都市制度のあり方も含め、市長の御所見と決意のほどをお伺いいたします。 最後に、今後の市政の方向性についてお尋ねいたします。 本市が全力を挙げて取り組んできた2008年オリンピックの招致が不本意な結果に終わった原因について、改めて考えてみたいと思います。複雑な国際政治の力学や巨大な中国市場をねらう国際商業資本の意向が北京を選択させたと分析する人が多い中で、一部、大阪の国際都市としての未熟さを指摘する声もあります。実は私も後者の考え方に近いのですが、外国人が行ってみたいと思うような都市としての魅力が不足していたと考えられます。もし大阪市がもう一度オリンピック招致を考えるとしても、現実的にはかなり先の話になるでしょうが、世界に通用する都市の魅力や都市格を備えなければ、また同じ結果に終わると思います。 先ほどの文化集客アクションプランのところでも述べたように、大阪には悠久の歴史や文化の遺産がたくさんあります。これらを有効に活用するためにも、歴史・文化と産業を結ぶソフトを開発して、世界第一級の文化的価値に満ちあふれた魅力あるまちづくりを進めていくことが重要であり、それが都市格の向上にもつながっていくと考えます。 こうしたまちづくりを進めていくためには、まず市民に、国際集客都市構想というものが大阪の将来に何をもたらすのか、現在の国際社会の中でどういう意味を持っているのかを、わかりやすく、そして十分に説明する必要があります。市民の理解の上に立ってこそ、市長が目指しておられる国際集客都市が実現し、本市が生活魅力都市へと変わっていくと考えます。まさに今こそ市民と協力し、経済界やNPOなどの市民団体とも一体となり、お互いの英知を結集して今後の市政運営に当たるべきであると考えますが、市長の御所見をお伺いいたします。 以上、市政の各般にわたって質問させていただきました。大阪で働き、大阪に住む人たちはみんな大阪を愛する大阪人です。政府が目を向け始めた都市再生プロジェクトは、石原東京都知事が提言したと言われています。しかし、今こそ我々大阪人が大阪の都市再生に不退転の決意で取り組まなければならないと考えます。さもなくば、都市再生が単なる東京のみの再生に終わり、逆に東京一極集中を加速化させては何もならないと考えます。 すなわち、今こそ大阪の真の力を回復する絶好の機会ととらえ、市長みずから一丸となって集中的な施策の取り組みを行い、そのことが市民にとってこのまちに住んでよかったと実感させ、それがまたさらに大阪のまちをこよなく愛することにもつながると思います。磯村市長の明快な御答弁をお願いいたしまして、我が熱意あふれる自由民主党大阪市会議員団を代表いたしましての私の質問を終わらせていただきます。御清聴まことにありがとうございました。 ○議長(大丸昭典君) 理事者の答弁を許します。 磯村市長。   (市長磯村隆文君登壇) ◎市長(磯村隆文君) ただいまの高野議員の御質問に対しましてお答えを申し上げます。 大学の誘致によるテクノポート大阪計画の新たな展開についてでございますが、国際集客都市を目指す本市では、価値ある情報の創造発信力を飛躍的に高め、多様な都市の魅力を備えていくことが重要な課題となっています。大学はこれまでも、都市の発展に資する有為な人材を育成し、芸術文化の振興や新技術の創出などに寄与してまいりましたが、今後はさらに市民や企業に開放され、都市の知的・文化的装置として、市民文化や新産業の振興など、都市活力の向上に大きな役割を果たすものと考えております。 本市では、工場等制限法の影響もあって大学が流出し、都市の活性化を阻害する一因ともなりましたので、同法の廃止について市会の皆様とともに強く要望を重ねてきた結果、その可能性が高まっており、また大学を取り巻く状況も大きく変化するなど市内での立地環境も整いつつあります。こうした状況を踏まえまして、文化集客アクションプランの素案では観光や芸術関連大学の誘致を進めることとしており、14年度早々に局横断的なワーキング組織を設置し、大学等の立地促進について幅広く研究・検討してまいりたいと考えております。特に、新臨海部への大学等の誘致は、新たな技術や文化の創造発信拠点として臨海部のまちづくりに大きく寄与し、テクノポート大阪計画の新たな展開にもつながるものと認識しており、大学等のニーズを的確に把握しながら誘致の可能性について検討してまいります。 循環型都市の形成についてでございますが、近畿圏にとって喫緊の課題となっております廃棄物の最終処分場として、新人工島を整備することといたしております。フェニックスの既存処分場は平成13年度末に受入容量に達する見込みであり、また、本市が現在廃棄物や土砂を処分している夢洲の残り容量も少ないことなどから、新人工島の早期整備が一層強く求められております。整備には多額の費用を要するため、建設コストの一層の削減や事業費の平準化に配慮しながら、早期に受け入れ可能となるよう事業を進め、廃棄物の安定的な処分に寄与してまいりたいと考えております。 また今日、国においては、廃棄物の減量と資源の有効利用の観点からリサイクルなどの推進が強く求められ、平成12年6月の「循環型社会形成推進基本法」の制定を初め、各種リサイクル法の制定や改正が行われるなど、循環型社会の形成に向けての具体的な取り組みが進められております。本市といたしましては、今後、近畿圏における各自治体との連携を図るとともに、大阪府から提案されております「大阪エコエリア構想」との整合性にも考慮しながら、循環型社会の形成に向け、リサイクル事業を中心とする新たな環境ビジネスの創出と廃棄物問題の解決を図るため、平成14年度において基本構想策定のための調査等を行い、エコタウン事業の確立を目指してまいります。 環境関連産業等の誘致に当たりましては、高度に市街化された本市の特質に適合する事業を選定し、また大阪産業の特色である中小企業や先駆的にリサイクルに取り組んでいる企業による技術やノウハウを生かし、既存の関連産業の動向などにも十分配慮してまいりたいと考えております。環境ビジネスの創出を図ることは、市内経済の活性化やベイエリアの未利用地等の有効活用、雇用の創出などにも寄与する有効な施策であると考えており、積極的な事業推進に努めてまいります。 同和行政についてでございますが、大阪市同和事業促進協議会につきましては、本年3月末で特別措置としての同和対策事業は収束することから、これまでの同和対策事業の実施協力団体としての役割は終えることとなり、昨年10月の本市同和対策推進協議会の意見具申を踏まえて、同和問題の解決に向けた施策を初めとする人権施策の推進に寄与する新たな公益法人として、本年4月から「大阪市人権協会」に改組されます。今後は、より一層運営の公開性・透明性を確保しつつ、これまでのノウハウを生かし、人権文化センターを初めとするさまざまな施設における事業等の実施など、人権施策の効果的な推進に活用してまいりたいと考えております。 経過措置についてでございますが、高校・大学等の奨学金につきましては、国において経過措置が講じられ、本市におきましても、13年度末で在学中の方に対し、卒業するまでの間に限り経過措置を講じることといたしております。 共同浴場につきましては、自主運営に移行するため統廃合を行いながら改修を行っておりますが、今年度中に整備を終えることが困難な浴場につきましては、14年度に整備を完了すべく経過措置を講じ、また、個人給付的事業として行ってきました入浴料助成事業は廃止し、自主運営に移行するため3年間をめどとして運営助成を行います。 診療所につきましては、これまでの運営補助は廃止することとし、自主運営に移行するため14年度に限り抜本的な経営改善のための助成を行うことといたしております。 こうした経過措置事業につきましては、その内容等を十分に精査の上、期間を限って実施するとともに、御指摘の趣旨を踏まえ、透明性をしっかりと確保しつつ速やかに終了してまいります。 芦原病院についてでございますが、現在においても周辺に医療機関がないために、地域の多様な医療ニーズに対応するとともに、公衆衛生活動にも取り組むなど市民病院に準じた公的役割を果たしていることから、その不採算要素等に対して運営助成が必要であると考えております。しかし、助成後においてもなお生じている収支不足に対して、これまで貸付金として措置してきたところですが、抜本的な経営改善計画の着実な実行によりまして、平成17年度までに貸付金の新たな発生をなくしてまいりたいと考えております。さらに、今後変化する医療ニーズや保険医療制度の改革の状況なども見きわめながら、病院の果たすべき役割、機能及び運営や補助のあり方などについても、再度、抜本的な見直しに取り組んでまいりたいと考えております。 子育て支援についてでございますが、子育て支援は乳児期から思春期までと年齢幅が広く、成長期に見合った支援が必要であります。特に乳幼児期は人格形成にとって大切な時期であり、幼稚園、保育所の果たす役割は極めて重要であります。幼稚園と保育所につきましては教育と福祉といったそれぞれの設置目的のもとで運営されていますが、対象児童や教育活動、また保育内容等において共通の側面を有していることから、国において幼保の一元化が検討されており、大阪市におきましても、少子化の進行、共働き家庭の一般化、保育ニーズの多様化などの中で、関係局間で調査・研究を進めております。 一方、幼稚園と保育所は、核家族化や都市化の進展に伴う家庭や地域の子育て力の低下の中で、通園児だけでなく家庭で子育てをされている保護者の方々への支援も積極的に担っております。幼稚園では、園庭開放・未就園児親子登園等、地域実情に応じた子育て支援を行い、親と子の育ちの場としての役割も果たしております。保育所につきましては、待機児童の解消が最重要課題ですが、家庭での子育てを支援するための地域子育て支援センター事業や育児相談に取り組んでおります。このように、幼稚園と保育所は通園していない就学前児童の支援にも取り組んでおり、地域社会で果たす役割は大きいものがあります。いずれにいたしましても、幼稚園や保育所を初めとするさまざまな子育てを担う社会資源を効率的・効果的に活用するため、大阪市児童育成計画推進本部のもとに、議員御指摘の子育て支援を総合的に検討するための研究会を設置してまいりたいと考えております。 こころの相談活動の充実につきましては、後刻、教育委員会よりお答え申し上げます。 ボーイスカウト第13回日本ジャンボリーの開催についてでございますが、日本ジャンボリーは青少年が自然体験や生活体験等を通じて、自立心、協調性、社会貢献性を磨く場であり、青少年の健全育成を進める本市にとっても大変有意義なことであります。また、本市の都市基盤や文化教養施設などを国内外からの参加者に見ていただき、国際集客都市大阪をPRする絶好の機会でもあります。 大阪開催に当たり、昨年5月に関係所属からなる「第13回日本ジャンボリー支援庁内連絡会」を設置し、ハード・ソフト両面にわたって開催運営に必要なアドバイスなどの援助を行ってまいりました。引き続き本年8月の開催に向け積極的に支援してまいりますとともに、都市型のジャンボリーを生かして、大阪の青少年とボーイスカウトが交流する舞洲体験キャンプなどを実施し、青少年の相互の交流を図ってまいります。今回のジャンボリーが青少年の健全育成と青少年活動の発信の場となるとともに、本市の関連施設を活用して、これまでにない都市型のすばらしい祭典になるよう期待しております。 子供の読書活動の推進につきましては、後刻、教育委員会よりお答え申し上げます。 治安と防災対策についてでございますが、本市では、地震や台風等の自然災害や大きなガス爆発事故等の人為的災害が発生した場合、その被害を防止・軽減するため大阪市地域防災計画にのっとり対応してまいります。テロなどの特殊な災害に対しては、消防局において、災害現場での円滑な消防活動を実施するため常日ごろから実災害を想定した訓練を行っており、さらに平成14年度には、化学防護服など消防活動に必要な装備の充実強化を予定しております。多数の負傷者が発生するような災害現場にあっては消防と警察との連携が不可欠であり、日ごろからの連携を密にするとともに、合同訓練も実施しており、ワールドカップに関しても特別警戒体制をとり、警察及び医療機関との連携を図りながら万全を期してまいりたいと考えております。 他方、大きな自然災害が発生したときには、自衛隊に大阪府知事を通じて応援要請をすることとなりますが、通信が途絶しているなど万一の場合には、直接応援要請をすることとなっております。災害時の自衛隊による応援を実効あるものとするためには、常日ごろから実際に即した訓練が必要であり、昨年8月の大阪市総合防災訓練では、初めて自衛隊・警察・消防の合同指揮本部設置訓練や、自衛隊と共同して倒壊家屋から市民を救出する等の訓練を行ったところであります。各区の震災訓練については、地域住民を主体とした地域の防災力を高めるためのものであり、自衛隊がどのような形で参加できるかを自衛隊とも協議し、その訓練参加を検討してまいりたいと考えております。 高齢者の生きがい施策についてでございますが、御指摘のとおり、元気な高齢者の活力・能力を地域での活動にどうつなげていくかは、地域社会の活性化にかかわってくる問題と認識しております。平成12年に策定いたしました高齢者保健福祉計画でも、高齢者が他の世代とともに社会を支えていくという考え方を基本として、高齢者が年齢にとらわれることなく自由に主体的に活動し、自立した生活を送ることができるよう、健康づくり、生きがいづくり、社会参加の推進が重要な課題であるとし、各種施策の充実に努めてきたところであります。 その一環として、平成15年春に開設を予定しています(仮称)いきいきエイジングセンターと各老人福祉センターとが連携して、サークルの結成段階から相談に応じ、講師や会場などの情報提供、さらには同種のサークルの交流会の企画など、各種サークル活動を積極的に支援してまいりたいと考えております。 また、高齢者が各地域団体の協力を得て主体的に文化伝承活動やスポーツ交流活動などに取り組んでおります「生きがいと健康づくり推進事業」は、これまで毎年2区ずつモデル的に実施してきましたが、平成14年度からは全区で展開し、世代間交流、地域間交流を推進し、地域社会の活性化に高齢者が積極的に参画していただくよう支援してまいりたいと考えております。さらに、これらの施策ともかかわって、区民利用施設の整備についてのお尋ねでございますが、これまでから、地域で求められる多様なコミュニティー活動や文化・生涯学習の拠点となるように、区民センターの整備に努めてきたところであります。ハードの整備については、既存施設の活用を図るなど工夫を凝らす必要がありますが、区民利用施設は市民の文化活動への参加機会を充実し、地域のコミュニティーの活性化に大きな役割を果たすものでございます。御指摘のように、施設の整備が高齢者の生きがいづくりに寄与し、生涯学習を通じた社会参加の促進につながることも踏まえまして、今後とも区民センターの整備・充実に努める所存でございます。 阿倍野再開発事業についてでございますが、大阪市のような成熟した大都市にとって、古くから形成された市街地を計画的に機能更新していくことは、大都市が継続的に発展を続けるために必要不可欠であり、このような観点から昭和51年度より阿倍野再開発事業を進めてきたところであります。また、常盤地区につきましてはまちづくり協議会が組織され、まちづくりの機運が高まっております。これを積極的に支援し、阿倍野再開発事業との相乗効果を高め、大阪の南の玄関口、天王寺・阿倍野ターミナルの活性化に努めてまいりたいと考えております。 今後着手する阿倍野再開発事業の旧A2地区は、国際集客都市大阪の南の玄関口であり、商業ゾーンとしての開発ポテンシャルが高い地区であります。この地区の開発に当たっては、現在の社会経済状況に合わせて施設規模を適正化するとともに特定建築者制度を活用し、保留床の処分先を早期に確保するとともに、民間事業者の資金と商業施設に関するノウハウを最大限活用することにより事業コストの圧縮効果が期待できるなど、効率的な事業推進を図ることとしています。平成14年度には、新しい施設計画による管理処分に向けて一連の行政手続を進めますとともに、特定建築者の公募・決定を行うなど着実に事業進捗を図ってまいります。 また、議員御指摘のように、バブル経済の崩壊以降、商業・業務施設については賃貸が一般化しており、分譲を基本とした従来の再開発制度を現在の事業の実態に即応するよう見直していく必要があります。また、厳しい収支状況でありますが、これは社会経済状況が大きく変動する中で、地価の大幅な下落などにより保留床の売却益により事業費を賄うことが困難になったことが大きな要因であることから、市会の皆様方のお力添えを得ながら、国に対し制度改善を強く要望し、収支改善と事業の早期完成を図ってまいる所存でございます。 水の都大阪の創造についてでございますが、大阪の歴史を見ましても、水の都大阪の創造はまちづくりの重要なテーマの1つであり、大阪を活性化していくためにもぜひとも実現していかなければなりません。これまで、平成7年度に環境との共生、アメニティーの向上、国・地域・人の交流を主要テーマにした「新・水の都大阪グランドデザイン」を策定し、これを理念としてさまざまな施策に取り組んでまいりました。 一方、国におきましても、昨年12月に、道頓堀川を含む都心部の河川について、まちづくりと一体となった再生構想の策定が都市再生プロジェクトに位置づけられたところであります。これを契機に、国・府とも連携し、経済波及効果の高い都心部の河川につきましてまちづくりと一体となったより具体的な再生構想を取りまとめてまいります。 また、地球規模で水問題を議論する国際会議でございます「第3回世界水フォーラム」が、2003年3月に琵琶湖・淀川流域で開催されますが、これに積極的に参加し、水の都大阪を広く世界に情報発信してまいります。 次に、河川法改正による管理権限の移譲に関しましては、市民サービスの向上、財源の問題などを含めまして総合的に勘案する必要がございますが、河川の整備とまちづくりを一体的に進めるための非常に有効な手段であると考えております。このため、大阪府の事務委任条例などに基づき、本市が既に実質的に管理を行っております河川につきまして府と現在協議を進めております。本市といたしましては、住吉川などの4つの河川を平成14年度のできるだけ早い時期に、また、道頓堀川と東横堀川につきましても引き続き移譲を受けてまいりたいと考えております。 一方、大和川は、一級河川で国が直接管理しておりますが、本市にとりましても貴重な水辺空間であります。また、開削後 300年という記念の年も控えていることから、大和川の再生に向けて関係部局からなるプロジェクトチームをスタートさせ、公園・道路・水質改善などに関する構想を策定し、国や関係する自治体と連携を図りながら、その実現に向けて積極的に取り組んでまいります。このように、市域全体で水の都大阪の創造に向けて取り組み、人と環境が調和したうるおいのあるまちづくりを実現してまいります。 文化集客アクションプランについてでございますが、大阪を国際競争力を持った集客都市としてまいりますためには、四季を通じ、また昼夜を問わず、来阪ビジターが滞在し楽しんでいただけるよう、市内の至るところに観光魅力を創出し、市内を周遊していただくためのソフトづくりが今後の重要な課題であると認識いたしております。このため観光と文化の施策を有機的に連携させ、大阪らしい都市の魅力をゾーンとして確立しPRしていくことは、非常に効果的であると考えております。 とりわけ、大阪の歴史的資源が集積する上町台地ゾーンでは、新たなコアの魅力づくりとして大阪城公園と難波宮跡を歴史ロマンあふれる公園として整備していくほか、大阪城にまつわる歴史的イベントも開催してまいりますが、他の施設とも十分に連携した企画とするなど、ゾーンとしての魅力を高めてまいります。 また、大川・中之島ゾーンでは、中央公会堂など既存施設を活用し、ビジターが食事をしながら文楽・歌舞伎など上方芸能を気軽にスポットで楽しんでいただける場をつくるとともに、中之島公園や毛馬桜之宮公園などを舞台にした野外演劇フェスティバルを誘致いたします。 また、文楽などを鑑賞された後に、ビジターがゆったりとした気分でライトアップされた中央公会堂や中之島公園のバラ園を楽しみながら御堂筋まで散策できるよう公園内の照明灯の増設などを行い、夜間も快適なプロムナードとなるよう整備を進めてまいります。 こうした魅力あるゾーンを国内外の旅行会社に対し積極的にPRして、大阪らしいナイトライフを組み込んだ観光メニューの商品化を働きかけてまいります。あわせてバス駐車場の確保,公共交通機関へのスムーズな誘導や案内板の設置など、ビジターにも利用しやすいまちづくりにも取り組んでまいります。 今回、素案として発表いたしました「文化集客アクションプラン」には、さまざまな事業が盛り込まれておりますが、より一層効果を上げるため、大阪ならではの魅力を発信し、これらを有機的に連携させることが重要だと考えております。いずれにいたしましても、これまで整備してまいりましたハード施設や大阪の歴史的・文化的資源の集積を積極的・効果的に活用し、大阪の魅力を広く楽しんでもらえるようなソフト施策の充実を図り、国内外の人々が来て、見て、楽しいまちづくりに全力を挙げて取り組んでまいります。 大都市制度についてでございますが、地方分権の推進は住民に最も身近な基礎的自治体が事務事業を処理することを基本に実施されるべきものであり、市町村が中心的な役割を担っていくべきであります。さらに、基礎的自治体でありましても、政令指定都市は一定権限を強化されておりますが、我が国全体の活性化のためには、これまでのような横並びの制度ではなく、規模・能力・意欲の違いに応じて大都市がそれぞれの個性を生かせる都市制度が必要であります。 とりわけ、政令指定都市12市の中でも特に高度な機能を持ち、大阪経済圏として府県を越えた影響力を持って、膨大な昼間人口に対応しています本市のような都市につきましては、市域内の行政は、警察行政など真に広域的な事務を除き、府県の事務、市の事務を、財源も含め原則として市に一元化するという議員御指摘の「特別市」的な大都市制度が必要であります。今後、市会の皆様方の御支援も得て、制度の実現に向け精力的に取り組んでまいりたいと考えております。 また同時に、こうした考え方を前提にしながら、関西全体の活性化という視点に立ち、現行の府県の枠を越えて京阪神を中心とした1つの経済圏をより広域的にまとめていくことが、圏域全体の発展に大きな効果をもたらすものと考えており、そのための制度として、例えば府県の合併による「道州制」といったものを検討していくべきであると考えております。本市といたしましてはこうした考えをもとに、大都市としての中枢的な機能を強化するとともに、大阪府や京都市、神戸市を初めとした近畿の各自治体や経済界とも十分に意思疎通を図り、さまざまな機会を活用しながら圏域の発展のためリーダーシップを発揮してまいります。 なお最近、経済界の一部等から、大阪府と大阪市の合併による二重行政の是正、行政のスリム化といった考え方が提案されております。府と市の二重行政の是正を図るため、現在、府・市で研究会を設置し、鋭意研究・検討を行っているところでありますが、基本的に府県行政と市町村行政の役割・目的は異なっており、府県と指定都市との垂直合併は地方分権の流れに逆行するものであります。 また、御指摘の「地方独立行政法人制度」につきましては、現在、国において研究会を設置し、その制度設計や対象業務等について研究を進めているところであり、本市といたしましては、国の動向等の情報収集に努めながら、今後、研究・検討してまいりたいと考えております。 今後の市政の方向性についてでございますが、御案内のとおり、本市では「生活魅力都市」、「国際集客都市」という2つの都市像の実現を目指して市政を推進しております。市民が安心して安全かつ快適に暮らせるまちであるとともに、世界から認知される個性を持ち、世界に貢献し得る都市でもありたいと思っております。 大阪市域24区は東京都区部23区の面積の3分の1強にすぎません。こうした狭い市域を新臨海部の開発で補い、より充実した都市基盤の拡大を図ることは、必要な方向であると考えております。大阪が持つ高いポテンシャルをフルに活用して、国際的な魅力と存在感を顕在化していくことや、国内企業のみならず外国の企業の立地も進むよう、大阪を国際市場に開放することにも今まで以上に力を注いでまいらなければなりません。そのためには、大阪が「比較優位」にあるものをしっかりと認識して施策の方向づけを行うとともに、潜在的な魅力を掘り起こし、磨き上げ、積極的に情報発信していく「都市としての戦略」を立てることが重要になると存じます。 今年度、大阪市を訪れる観光ビジターが初めて1億人を突破する見込みとなりました。これは、国際集客都市構想が着実に成果を上げていることを示しております。現時点では大阪に必要なハード整備はほぼ終了したと考えておりまして、今後は、集客のためのソフトウェアに重点を移し、各施設のネットワーク化を図るほか、大阪市全体がいわば「学術・技術、芸術、スポーツのテーマパーク」となるような仕掛けづくりも検討する必要があると存じます。それがひいては産業の活性化にもつながると認識しております。 厳しい財政状況の中にありましても、多様化する市民ニーズに的確にこたえていくため、職員一丸となって努力を続けてまいりますが、議員御指摘のように、大阪の将来像を市民に理解していただく努力も怠ることなく、また、財界を初め市民やNPOとも十分な連携をとりながら、さまざまな分野の方々の知恵も拝借しつつ、市政運営に取り組んでまいりたいと存じます。 私も、大阪を愛する市民の一人であります。いやむしろだれよりも大阪を愛し、よりよい大阪のために身も心もささげ尽くす心意気を持っております。今後とも市会で十分に議論させていただきながら、皆様方の協力を得て、市民が誇れる世界に通用するまちづくりに邁進してまいります。まさしく、世界の人々に一度は大阪に行ってみたいと思ってもらえるようなまちになるよう、粉骨砕身して市政に当たってまいる所存でございますので、絶大なる御支援をお願いいたします。以上でございます。よろしくお願いいたします。 ○議長(大丸昭典君) 玉井教育長。   (教育長玉井由夫君登壇) ◎教育長(玉井由夫君) こころの相談活動の充実についてお答え申し上げます。 最近の青少年の問題行動の低年齢化の状況を見る時、中学生が周りの大人の懐に飛び込み、話をし、受けとめてもらえる取り組みをさらに充実しなければならないと考えております。本市においては、地域の青少年指導員や民生委員などの方々に心の教室相談員をお願いし、子供たちの日常生活の中で抱える不安や悩み、ストレス等の緩和や解消を図っております。また、全市中学校に心の問題の専門家であるスクールカウンセラーの配置を順次行っております。さらにスクールカウンセラーと連携し、相談に来られない子供に大学生や大学院生をメンタルリーダーとして家庭に訪問させ、話し相手になったり遊んだりして心の開放を目指しております。 学校として個人のプライバシーの保護に留意しながら、取り組みの情報交換を行い、地域の青少年団体やPTAの方々にフィードバックし、子供たちが問題行動に陥ることのないよう、未然防止により一層努めてまいりたいと考えております。 次に、子供の読書活動の推進についてでございますが、本年4月より実施されます新教育課程では、みずから学び考える力を身につけることを重視し、基礎・基本の確実な定着を図ることを目指しております。特に、「読み・書き・計算」は、あらゆる学習活動の基本であります。そのうち、読む力を身につけるには、読書が最も効果的であります。読書によってみずから学び考える力も培われます。また、思考力や判断力、表現力、幅広い教養なども身につけることができると考えております。 そのため学校では、さまざまな機会をとらえ読書を促す工夫を行っており、例えば、始業から10分間を読書タイムとして一斉に読書を行っております。この取り組みにより、子供の集中力も身につき豊かな心の育成に大きな成果を上げております。さらに各学校では、図書館だよりを各家庭へ配布することによりまして、家庭において読書が習慣となりますよう保護者への啓発などもあわせて進めております。 一方、地域の図書館では、図書館見学の受け入れや調べ学習のための図書貸し出し、資料検索方法の案内などとともに、幼児等を対象とした読み聞かせを行っております。また、学校で図書館の利用方法の指導を行うとともに、幼稚園や保育所において読書支援ボランティアによる絵本の読み聞かせなども始めております。 国におきましては、子供の読書活動の推進により子供の健やかな成長に資することを目的とした「子どもの読書活動の推進に関する法律」が制定されたところでございます。この法律の趣旨も踏まえながら、生きる力を子供が養えるよう、引き続き学校においても地域の図書館においても、子供の読書活動の一層の推進に努めてまいりたいと考えております。以上でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。 ○議長(大丸昭典君) これをもって質疑を終結いたします。 ○議長(大丸昭典君) ただいま議題となっております諸案件は、お手元に配付いたしております各常任委員会審査付託表のとおり、各常任委員会に付託いたします。    --------------------------------- △(イメージ)各常任委員会審査付託表 △(イメージ)各常任委員会審査付託表 △(イメージ)各常任委員会審査付託表 △(イメージ)各常任委員会審査付託表 △(イメージ)各常任委員会審査付託表 △(イメージ)各常任委員会審査付託表 △(イメージ)各常任委員会審査付託表 △(イメージ)各常任委員会審査付託表     --------------------------------- △閉議 ○議長(大丸昭典君) 本日の日程は以上で終了いたしました。 △散会 ○議長(大丸昭典君) 本日はこれをもって散会いたします。   午後2時19分散会    ---------------------------------大阪市会議長  大丸昭典(印)大阪市会議員  永藪隆弘(印)大阪市会議員  青江達夫(印)◯大阪市会(定例会)会議録(平成14年3月7日)(終)...