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03月08日-03号

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  1. 大阪市議会 2000-03-08
    03月08日-03号


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    平成12年第1回定例会(平成12年3月)◯大阪市会(定例会)会議録(平成12年3月8日)    ◯議事日程    平成12年3月8日午前10時開議第1 議案第19号  平成12年度大阪市一般会計予算第2 議案第20号  平成12年度大阪市大学医学部付属病院事業会計予算第3 議案第21号  平成12年度大阪市食肉市場事業会計予算第4 議案第22号  平成12年度大阪市市街地再開発事業会計予算第5 議案第23号  平成12年度大阪市駐車場事業会計予算第6 議案第24号  平成12年度大阪市有料道路事業会計予算第7 議案第25号  平成12年度大阪市土地先行取得事業会計予算第8 議案第26号  平成12年度大阪市母子寡婦福祉貸付資金会計予算第9 議案第27号  平成12年度大阪市国民健康保険事業会計予算第10 議案第28号  平成12年度大阪市心身障害者扶養共済事業会計予算第11 議案第29号  平成12年度大阪市老人保健医療事業会計予算第12 議案第30号  平成12年度大阪市介護保険事業会計予算第13 議案第31号  平成12年度大阪市市民病院事業会計予算第14 議案第32号  平成12年度大阪市中央卸売市場事業会計予算第15 議案第33号  平成12年度大阪市港営事業会計予算第16 議案第34号  平成12年度大阪市下水道事業会計予算第17 議案第35号  平成12年度大阪市自動車運送事業会計予算第18 議案第36号  平成12年度大阪市高速鉄道事業会計予算第19 議案第37号  平成12年度大阪市水道事業会計予算第20 議案第38号  平成12年度大阪市工業用水道事業会計予算第21 議案第39号  平成12年度大阪市公債費会計予算第22 議案第40号  平成12年度大阪市西町外15財産区予算第23 議案第41号  大阪市教育委員会委員の定数に関する条例案第24 議案第42号  大阪市行政手続条例の一部を改正する条例案第25 議案第43号  非常勤の職員の報酬及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例案第26 議案第44号  包括外部監査契約の締結について第27 議案第45号  大阪市人権尊重の社会づくり条例案第28 議案第46号  区役所出張所の設置並びに名称、位置及び所管区域に関する条例の一部を改正する条例案第29 議案第47号  大阪市防災会議条例の一部を改正する条例案第30 議案第48号  大阪市手数料条例の一部を改正する条例案第31 議案第49号  大阪市同和地区解放会館条例の一部を改正する条例案第32 議案第50号  大阪市特別会計条例の一部を改正する条例案第33 議案第51号  税外歳入に係る督促手数料、延滞金及び過料に関する条例の一部を改正する条例案第34 議案第52号  大阪市証紙条例の一部を改正する条例案第35 議案第53号  大阪市立デザイン教育研究所条例の一部を改正する条例案第36 議案第54号  大阪市立体育館条例の一部を改正する条例案第37 議案第55号  大阪市立屋内プール条例の一部を改正する条例案第38 議案第56号  大阪市立看護婦養成施設条例の一部を改正する条例案第39 議案第57号  大阪市立大学の授業料等に関する条例の一部を改正する条例案第40 議案第58号  大阪産業創造館条例案第41 議案第59号  執行機関の附属機関に関する条例の一部を改正する条例案第42 議案第60号  大阪市設小売市場条例の一部を改正する条例案第43 議案第61号  大阪市中央卸売市場業務条例の一部を改正する条例案第44 議案第62号  大阪市社会福祉審議会条例案第45 議案第63号  大阪市介護保険条例案第46 議案第64号  大阪市介護給付費準備基金条例案第47 議案第65号  大阪市福祉地区及び福祉事務所に関する条例の一部を改正する条例案第48 議案第66号  大阪市立弘済院条例の一部を改正する条例案第49 議案第67号  大阪市児童相談所条例の一部を改正する条例案第50 議案第68号  大阪市立児童福祉施設条例の一部を改正する条例案第51 議案第69号  大阪市立老人福祉施設条例の一部を改正する条例案第52 議案第70号  大阪市国民健康保険条例の一部を改正する条例案第53 議案第71号  大阪市こころの健康センター条例案第54 議案第72号  大阪市環境衛生、医事及び薬事関係手数料条例案第55 議案第73号  大阪市食品衛生法施行条例案第56 議案第74号  大阪市感染症診査協議会条例の一部を改正する条例案第57 議案第75号  大阪市精神保健福祉審議会条例の一部を改正する条例案第58 議案第76号  大阪市立老人保健施設条例の一部を改正する条例案第59 議案第77号  大阪市環境影響評価条例の一部を改正する条例案第60 議案第78号  大阪市廃棄物の減量推進及び適正処理並びに生活環境の清潔保持に関する条例の一部を改正する条例案第61 議案第79号  大阪市都市計画審議会条例案第62 議案第80号  大阪市建築基準法施行条例案第63 議案第81号  大阪市開発審査会条例の一部を改正する条例案第64 議案第82号  大阪市営住宅条例の一部を改正する条例案第65 議案第83号  大阪市消防手数料条例案第66 議案第84号  大阪市準用河川占用料条例案第67 議案第85号  大阪市道路占用料条例の一部を改正する条例案第68 議案第86号  大阪市自転車等の駐車の適正化に関する条例の一部を改正する条例案第69 議案第87号  大阪市有料道路通行料金条例の一部を改正する条例案第70 議案第88号  大阪市公園条例の一部を改正する条例案第71 議案第89号  大阪市道路公社定款の一部変更に関する認可申請の同意について第72 議案第90号  大阪市下水道条例の一部を改正する条例案第73 議案第91号  なにわの海の時空館条例案第74 議案第92号  大阪港港湾区域内における水域占用料等に関する条例案第75 議案第93号  大阪市港湾施設条例の一部を改正する条例案第76 議案第94号  大阪市海浜施設条例の一部を改正する条例案第77 議案第95号  大阪北港ヨットハーバー条例の一部を改正する条例案第78 議案第96号  大阪港スポーツアイランド施設条例の一部を改正する条例案第79 議案第97号  舞洲ヘリポート条例の一部を改正する条例案第80 議案第98号  大阪市入港料条例の一部を改正する条例案第81 議案第99号  大阪市水道事業給水条例の一部を改正する条例案第82 議案第100号  大阪市工業用水道事業給水条例の一部を改正する条例案---------------------------------------◯出席議員 89 人      1番    山崎誠二君      2番    石原信幸君      3番    金子光良君      4番    前田修身君      5番    大内啓治君      6番    床田正勝君      7番    柳本 顕君      8番    黒田當士君      9番    山中智子君      10番    田中ゆたか君      11番    土居一雄君      12番    鈴木成男君      13番    江川 繁君      14番    辻 ひで子君      15番    渡司考一君      16番    荒木幹男君      17番    大西宏幸君      18番    多賀谷俊史君      19番    足高將司君      20番    坂井良和君      21番    井手勝子君      22番    高橋諄司君      23番    鈴木のり子君      24番    青江達夫君      25番    神原昭二君      26番    紀野敏明君      27番    山本修子君      28番    松岡 徹君      29番    広岡一光君      30番    待場康生君      31番    高田雄七郎君      32番    小笹正博君      33番    河本正弘君      34番    仲山忠男君      35番    新堂庄二君      36番    船場太郎君      37番    井上淑子君      38番    新田 孝君      39番    舟戸良裕君      40番    高野伸生君      41番    木下吉信君      42番    瀬戸一正君      43番    長谷正子君      44番    谷下浩一郎君      45番    稲森 豊君      46番    松崎 孔君      47番    永藪隆弘君      48番    福山よしてる君      49番    福田賢治君      50番    勝田弘子君      51番    松田 力君      52番    村尾しげ子君      53番    小笠原正一君      54番    石川莞爾君      55番    下田敏人君      56番    矢達 幸君      57番    辰巳正夫君      58番    玉木信夫君      59番    大丸昭典君      60番    天野 一君      61番    公原賢司君      62番    田中義一君      63番    石井義憲君      64番    徳田育久子君      65番    改発康秀君      66番    太田勝義君      67番    山下典嘉君      68番    一色孝之君      69番    松原恵子君      70番    菅井敏男君      71番    小西 実君      72番    壷井美次君      73番    和田充弘君      74番    川口 優君      75番    辻 洋二君      76番    奥野正美君      77番    大島豊太郎君      78番    中西建策君      79番    辻 昭二郎君      80番    山下喜一君      81番    藤岡信雄君      82番    勝田重春君      83番     欠員      84番    森野光晴君      85番    永井 博君      86番    黒田輝夫君      87番    北野禎三君      88番    北山 篤君      89番    姫野 浄君      90番    関根信次君---------------------------------------◯職務のため出席した事務局職員          市会事務局長         竹内輝幸          次長             小西壽昭          議事課長           津田 薫          議事課長代理         中喜多孝之          議事係長           友居伸行---------------------------------------◯議場に出席した執行機関及び説明員          市長             磯村隆文          助役             佐々木 伸          助役             關 淳一          助役             土崎敏夫          収入役            今川 明          市長室長           比嘉 昇          オリンピック招致局長     山田 昇          総務局長           大西史朗          市民局長           山幡一雄          財政局長           春田健一          計画調整局長         細見昌彦          民生局長           寺川 治          経済局長           河野 猛          中央卸売市場長        中村 眞          環境保健局長         村田良輔          環境事業局長         川村恒雄          都市整備局長         福島由堯          建設局長           井越將之          下水道局長          柳迫早司          港湾局長           高原疆次          副収入役兼収入役室長     安田奉之          市立大学事務局長       松田芳機          消防局長           池田 勲          交通局長           笹倉和忠          水道局長           水谷利春          教育委員会委員        西崎建策          教育長            玉井由夫          選挙管理委員会事務局長    岡崎万里子          人事委員会事務局長      廣部公一          監査事務局長         児嶋雄二--------------------------------------- △開議    平成12年3月8日午前10時7分開議 ○議長(公原賢司君) これより市会定例会会議を開きます。 本日の会議録署名者を船場太郎君、稲森豊君の御両君にお願いいたします。 ○議長(公原賢司君) これより議事に入ります。 ○議長(公原賢司君) 日程第1、議案第19号、平成12年度大阪市一般会計予算ないし日程第82号、議案第 100号、大阪市工業用水道事業給水条例の一部を改正する条例案を一括して議題といたします。 ○議長(公原賢司君) これより質疑に入ります。 ○議長(公原賢司君) 紀野敏明君の質疑を許します。 26番紀野敏明君。   (26番紀野敏明君登壇) ◆26番(紀野敏明君) 私は民主党・市民連合大阪市会議員団を代表いたしまして、本市会に上程されております平成12年度予算案並びにこれに関連する諸案件について、磯村市長に対しまして提言と質問を行ってまいりたいと思います。 さて、21世紀を目前に控え、時代は大きく転換しようとしており、これまでの社会システムや制度もその有効性を失いつつあります。世界全体の急速な市場経済化は我が国においても歯どめのない規制緩和と制度改革をもたらし、バブル崩壊後の経済不況も加わって、これまで社会的セーフティーネットと言われてきた終身雇用制度と社会保障の根幹である年金制度にほころびが見られるなど、新たなセーフティーネットの構築が待たれています。 磯村市長は、早くからセーフティーネット論を展開されており、さきの市長選挙においても、だれもが安心をして暮らせる安全ネットの構築を公約とされてまいりました。いよいよ4月からは介護保険制度がスタートしますが、分権時代の新しいセーフティーネットとして期待をされています。市長は、年頭あいさつにおいて、安全ネットとソフト重視を強調されました。安全ネットについては8割方完成しているとされており、いささか疑問が残ります。介護保険を初めとして、高齢者保健福祉計画障害者支援プラン、なにわっ子すくすくプラン、バリアフリー化の諸施策、金融支援策など、安全ネットとされる大半の施策が国の施策の自治体版であり、大阪市独自の包括的な安全ネットと呼べるものは児童いきいき放課後事業など極めて限られた制度しかなく、残念ながら安全ネット総体としては市民ニーズに追いついていないと言わざるを得ません。 今後は、高齢者、障害者、女性、子供、雇用、中小企業などの分野で、現金給付によらない、市民が必要とするサービスを供給できる、そうした制度を創設、拡充して、国や府を上回る大阪市のセーフティーネットを整備し、すべての人々が安心して暮らし、住み続けられるまちづくりをすべきであります。そのためには、市政全般で社会的セーフティーネット関連施策の統合化や調整を行うとともに、これまでのハード中心から脱却し、ソフト重視でサービス供給へと行財政をシフトすべきであります。まず初めに、市長として、国以上の基準でセーフティーネット都市大阪を築き上げるとの、ぜひ強い決意を示していただきたいと思います。 続いて、産業・雇用政策についてお聞きします。 長引く不況によって、中小企業と雇用を取り巻く環境は依然として厳しく、失業率は今なお高い水準にあり、雇用不安も深刻さを増しています。このような中、国は昨年7月、70万人を上回る雇用創出策を柱とした第1次補正予算を打ち出し、自治体においても取り組みが始まるなど、本格的な雇用対策が実施されようとしています。本市は、これまで中小企業の活性化策や融資枠の拡充、ベンチャー・ニュービジネスの育成、創業支援を通じて雇用促進を図ってきましたが、これからは創業支援など間接的な雇用拡大策だけではなく、直接に雇用拡大と創出が図られる、そうした支援を行わなければなりません。そのためには、企業にとって具体的なメリットがある効果的な制度が必要であります。 例えば中小企業に対して雇用の拡大や新規雇用に応じた融資枠の拡大など、優遇制度の新設を行ったり、また男女差別の解消に積極的な企業や障害者の雇用促進に取り組んでいる企業、環境に配慮した企業活動などに対しては社会的な評価を行い、優遇助成措置を行う必要があります。さらに、こうした企業に対しては、本市が優先発注を行うなど、多面的な支援策で雇用拡大を図る必要があります。 関西経済圏の中枢都市としての大規模な労働市場を抱える本市は、昼間流入人口が約 150万人となっています。言うまでもなく、そのほとんどが雇用労働者であり、1日の3分の1以上を大阪市内で過ごす、いわば準市民でもあります。大阪市内で働きたいという就労ニーズが高いにもかかわらず、これまで大阪市として主体的な労働行政を行ってこなかったため、激変する産業構造と就労構造に対応した有効な産業政策・中小企業支援策が図られてきているとは言えません。今後は、国と府任せの労働行政から脱却をし、分権時代にふさわしい特色のある政策を展開していかなければなりません。そのためには、産業・雇用・中小企業支援策を一体化した政策の確立とプロジェクトの立ち上げなど、推進機構の整備を図る必要があります。これらの点についてお聞きをします。 次に、高齢者施策についてお聞きします。 本市にとって本年の最重要事業の一つは、新しい社会保障制度である介護保険制度をこの4月からスムーズにスタートさせることであります。介護保険法成立以降2年余りという短い期間で準備作業を進めてこられた方々の御努力に敬意を表したいと思います。急速に進む高齢社会に的確に対応し、健康で生きがいの持てる長寿社会、安心して老後が送れる地域社会づくりが望まれています。そのためには、市民、行政、企業、ボランティアなど、それぞれが力を合わせてよりよいものにしていかなければなりません。そこで、介護保険事業の実施に当たっては、単なる制度条例ではなく、基本的人権の尊重、自己選択と自己決定の尊重、利用者保護、公平・公正の確立などの基本理念と保険者としての責務を明確にした介護福祉基本条例を制定すべきであります。さらに、市民参加と情報公開を進め、チェック機関の設置、オンブズ制度の導入などが必要であります。 また、これからの超高齢社会対策は、この介護保険制度だけですべてが解決できるものではありません。新たに策定される高齢者保険福祉計画においては、介護保険制度でカバーできない課題や生活支援、若年障害者も含めた高齢者・障害者の保健福祉をどのように拡充していくのか、人材育成をどのように図るのか、NPOなどボランティア支援をどのように行うのか、さらに介護を必要としない高齢者の健康づくりや生きがい支援、就労支援などを盛り込むことが必要だと考えます。そして、この計画を実施するには、市民にとって最も身近な区単位での計画と体制が重要であります。介護保険制度によって、これからの自治体は、サービス提供の機関から情報提供や相談、事業者に対するチェックや利用者保護などを総合的にマネジメントしていくことが強く求められています。これら諸問題にどう臨もうとしているのか、市長の決意をお聞きをいたします。 次に、障害者施策についてお聞きします。 本市は一昨年、障害者支援プランを策定し、障害者のライフサイクルに沿って多面的な支援を行おうとしています。障害者が地域で自立し生活の安定を図るには、効果的な就労支援が必要であります。しかし、厳しい雇用情勢にあって、障害者の雇用や就労拡大は一向に進んでおらず、自立への道は困難を極めています。来年にはユニバーサル・スタジオ・ジャパンがオープンしますが、直接の雇用だけでも 6,000人以上と、これまでにない大規模な雇用が創出されることになります。USJオープンを絶好の機会としてとらえ、おくれている障害者雇用を大幅に進めていかなければなりません。本市における障害者雇用は法定雇用率を上回る 2.8%としており、その取り組みについては評価をしますが、同時に、第三セクターや外郭団体に対しても、法定雇用率の達成はもちろん、本市並みの雇用率を設定させるなどの働きかけを強めることが必要であります。 障害者の自立支援のためには、ホームヘルパー派遣制度の大幅な拡充が図られるべきであります。また、昨年から始まった障害児家庭へのホームヘルパー派遣制度のさらなる拡充が求められています。精神障害者に至っては、民間の福祉法人がモデル事業を先行実施しているにもかかわらず、本市としての取り組みがなされておりません。障害児に対する支援も極めて不十分であります。 障害児の置かれている状況は、保育園や幼稚園、学校、医療関係等での施策は一定あるものの、それ以外の生活面での自立支援策はまだまだ不十分であると言わざるを得ません。親からの自立を促す学齢期に、家を出てから放課後の活動を終えて帰宅するまでの送迎、移動、トイレや食事などの障害児の学校生活を支え、障害児の将来の自立度を高めるためには、新たな介助制度、スクールヘルパーの創設がぜひとも必要であります。 知的障害を持つ子供がともに学んだ仲間と一緒に高校へ行きたいと願うのは、ごく自然な気持ちであります。しかし現実は、入学試験の壁に阻まれて断念せざるを得ません。そもそも知的障害を持つ子供の入学を学力のみで決定すること自体に無理があります。知的障害者の教育を受ける権利を保障するためには、何らかの積極的な措置が図られるべきであります。幾つかの府立高校では、既に知的障害者が通学をしています。多様な学習機会を提供するためにも、学力試験によらない高校入学への門を開くことは画期的な意義を持つものであります。本市においても早急に検討すべきです。これらの点についてお聞きをいたします。 次に、子育ち・子育て支援についてお聞きします。 本市が1998年度に策定したなにわっ子すくすくプランでは、すべての子供の人権が尊重され、子供が人間性、国際性、創造性豊かにすくすく育つまちづくりを目指すとしており、育つ力支援、はぐくむ力支援、支える力支援の施策に取り組まれています。2002年からの学校5日制を控え、各区においてもこれらの施策を総合的に進めていくことが必要です。各区にある勤労青少年ホーム、トモノスや児童館を中核施設として機能させ、中学校区単位でステーションを設置し、小学校区単位に学校・保育所などの関係者や団体、またNPOなども参加をする地域の子育ち・子育ての総合的な支援体制を確立していかなければなりません。 文部省教育助成局長私的懇談会報告では、「児童生徒急増期に建設をされた校舎の改築に当たっては、教師や保護者・地域住民、さらには子どもたちの参画を求めるべき」と、大胆な提言を行っています。本市においても、21世紀の学校施設のあり方について、基本構想から設計に至る計画プロセスや建築後のメンテナンス、管理運営などについて、学校関係者、地域住民、青少年関係団体、とりわけ子供自身も参画をする委員会などを設置し、検討を始める必要があると考えます。これらの点についてお聞きをします。 次に、男女共同参画社会の実現についてお聞きします。 我が民主党は、男女が共同して参画する平等社会の実現を目指して取り組んでまいりました。その立場から、女性2000年会議を目前にして男女共同参画基本法が成立したことは大きな一歩を踏み出したものと評価するものであります。附帯決議では、いわゆる間接差別を含め差別的取り扱いの禁止、家庭生活と職業生活の両立支援の充実強化や苦情処理、被害者への救済などが盛り込まれました。今後は、基本法に明記されているように、自治体や職場レベルでの具体的な取り組みが求められることとなります。 本市も、男女共同参画社会実現に向けて条例の制定を検討するとのことですが、その際には、これら基本法の理念と附帯決議の内容を盛り込んだ実効性のある条例とすべきであり、本市の責務も明らかにしていかなければなりません。また、制定に当たっては、言うまでもなく女性自身の参画を図らなければなりません。基本法では、積極的措置として男女のいずれか一方に対し機会を積極的に提供することとしており、国の男女共同参画審議会委員についても、男女のいずれかの委員の数は総数の10分の4未満であってはならないとしています。磯村市長は、2000年度末までに本市の審議会委員の女性の比率を30%にすると公約していますが、早急にすべての審議会で達成するとともに、条例においては目標値を40%とされることを期待するところであります。 新しい男女雇用機会均等法では、役割分担意識に根差す企業の制度や慣行が原因で男女格差がある場合には女性優遇措置を講じることが望ましいとしています。条例を制定しようとする当の大阪市の女性職員の割合は3割に満たない現状であり、管理職はさらに少なく、とても男女共同参画が図られているとは言えません。今後、その問題点を整理しながら、女性職員が働きやすい職場環境の整備を積極的に推進するための計画を策定する必要があります。これらの点について、市長の見解をお聞きをいたします。 次に、ホームレス問題についてお聞きします。 全国で2万人と言われるホームレス者の約半数が本市に集中し、最近では、地域住民の生活圏とホームレス者の生存権のぶつかりあいや、保健衛生面でも影響が出始めています。また、ホームレス者の高齢化も加わって複雑に社会問題化しており、早急な対応が求められています。本市は、国に対し特別立法や就労対策などを求めてきました。加えて独自の就労対策事業も行っていますが、その規模などで絶対数が不足しています。先日発表された中間報告では、彼らは仕事を探していないのではなく、むしろ探せない状態にあることが明らかになり、こうした人々への対応策を早急に検討していかなければなりません。 就労支援はホームレスの人たちが自立するために最も有効な方策であり、本市も、これまで国の緊急雇用対策事業を活用した雇用創出を図ったり、自立支援センターを整備するなど対策に取り組んできました。今後、これまで以上にさまざまな分野で公的な雇用創出し、外郭団体や第三セクターに対しても雇用促進を図る必要があります。さらに、ホームレスの人たちが自立した社会生活に戻れるよう、個々のニーズを的確にとらえ、きめ細かな支援を行う必要がありますが、そのためには、積極的・継続的な相談事業を初め、総合的な自立支援事業に取り組んでいかなければなりません。また、深刻化するホームレス問題に地方自治体が柔軟かつ迅速に取り組めるよう、国に対して緊急特別対策の実施を積極的に働きかけるべきであります。いずれにしても、ホームレス問題は人権問題でもあり、本市が社会的セーフティーネットを機能させ、可能な限りの取り組みを行わなければなりません。これらホームレス問題への総合的な対策についてお聞きをします。 次に、人権問題についてお聞きします。 人権の世紀と言われる21世紀を目前にして、人権尊重社会の実現に向けた取り組みが国内外において進められています。本市においても、人権教育のための国連10年行動計画を策定し、昨年4月、人権尊重を基礎として将来を見通した総合的な行政を推進するための基本方針を策定するとともに、市長を本部長とする推進本部を設置し、総合的・体系的な人権施策を積極的に推進するための体制が整備されてきたところであります。 しかしながら、一昨年の差別身元調査事件に続いて、昨年、結婚にかかわって現職警官が職権を乱用し戸籍謄抄本を不正に入手した事件が発覚しました。また、顧客のデータが調査会社に不正に売買されているなどの事件が続発をしています。さらに、西成区、阿倍野区において、精神障害者施設などの建設をめぐって地元住民の反対運動が起こるなどの、いわゆる施設コンフリクト問題が発生をしています。人権問題が市民の日々の生活に重大な影響を及ぼす社会問題であるにもかかわらず、これまでの行政施策では解決が困難な問題であることを明らかにしています。人権行政は、ようやくスタートラインに立ったばかりであり、その姿形を具体的かつ鮮明に描き出すことが求められています。市民一人一人のかけがえのない人権を保障するために、基本方針のさらなる具体化と、人権条例の理念と制定についての市長の決意をお聞きをいたします。 次に、財政問題についてお聞きします。 長引く不況により、本市財政も深刻の度合いを深めています。税収額は88年水準まで落ち込み、市債残高は全会計ベースで5兆 600億円と過去最高に膨らんでいます。また、財政の硬直化を示す経常収支比率は98年度普通会計ベースで97.8%、公債費負担比率は14.4%と、ここ数年急速に悪化し、危険ラインに突入してきており、今や本市財政は危機的状況にあると言っても過言ではありません。21世紀が少子・超高齢社会に向かうことを考えれば、経済状況はこのまま推移すると考えるべきであり、安易な景気回復頼みの財政見通しはすべきではありません。将来の市民ニーズを的確に予測し、景気変動に左右されない安定的な財政構造を確立するためには、市長が強いリーダーシップを発揮し、経常収支比率や公債費負担比率を改善させ、健全な財政運営を図っていくべきであります。 また、職員のコスト意識の向上を図り、すべての事業について費用対効果を検証し、必要性の薄い事業や時代のニーズに合わなくなった事業については、中止あるいは見直すなど、大胆な決断をしなければなりません。さらに、本市は 1,000平米以上の土地に限っても31万 4,000平米の未利用地を所有しています。その中にはコミュニティー広場など地域のコミュニティー活動の拠点として利用されている土地もありますが、維持管理費ばかりがかかる未利用地については、売却やPFIを有効に活用するなどしなけれはなりません。また、政策・事業評価システムを確立し、本市施策の点検や見直しを行い、最小の費用で最大の効果を上げられる財政運営と事業手法への転換が必要です。 一方、市民所得に占める市税の割合である市税負担率は、80年の 5.3%から8%台へと大幅にふえており、市民の税負担は大きくなっています。市民が必要とするサービスの供給やインフラの整備は行わなければなりませんが、市民がこれらの費用対効果を検証するには、現行の会計システムはわかりにくくなっています。とかく役所の使い切り主義と批判されがちな単年度予算主義から脱却し、市民にとっても職員にとっても費用対効果が見えやすくコスト意識が働く財務会計システムの開発と、市民への積極的な財務情報の公開を図る必要があります。いずれにしても、自治体財源充実の基本は自主財源の確保にあり、そのためには国から地方への税源移譲や大都市の財政需要に対応した税制改革を国に強く求めていかなければなりません。これらの点について、市長の決意をお聞きをいたします。 次に、第三セクター・外郭団体問題についてお聞きします。 バブル経済の崩壊と長引く不況によって、全国的に自治体の第三セクターや外郭団体の経営が深刻になっており、そのあり方や経営問題についてさまざまな角度から議論がされています。国は昨年5月、第三セクターに関する指針を策定し、出資比率にかかわらず経営状況を定期的に点検し、経営難が深刻な場合は事業打ち切りも検討すべきとしており、自治体の第三セクターへの対応に枠がはめられました。WTC、ATC、湊町開発センターを初めとした本市の第三セクターに対してさまざまな支援策が講じられてきましたが、それに伴う財政支援は本市にとって大きな負担となっています。今後は、自主的・自律的に抜本的な経営改善策を図るよう求めることはもちろん、市民理解を得ながら、資産の売却や多重債務の一本化、場合によっては本市が事業の肩がわりを行ったり、整理統合、事業の打ち切りなど、これまでにない思い切った対応が必要であります。また、経営改善計画の進捗状況の点検評価のためのマニュアルを作成し、経営改善を促すとともに、その結果を公表するなど、事業や経営内容などについて一層の情報公開を図るなどの改革を進めなければなりません。これらの点についてお聞きをします。 次に、地方分権・区政改革についてお聞きします。 昨年7月、地方分権一括法が成立し、本年4月から、いよいよ新地方自治法とも言うべき改正地方自治法が施行されます。機関委任事務制度の廃止、自治事務と法定受託事務への整理など、国と地方との関係をこれまでの上下・主従から対等・協力とするなどの点は、大きく評価できます。しかしながら、地方税財源の充実強化、国の関与の縮減、権限のより一層の移譲などの課題が残されており、大都市の実態に即して他の指定都市とも連携を図りながら、地方分権の推進にさらに取り組んでいく必要があります。そのためにも、自己決定と自己責任のもと、本市にふさわしい分権型システムをつくり上げていく全庁的な体制と取り組みが必要であります。 また、本市自身の内なる分権である区政改革の推進は、区役所をシビックセンターとして市民により身近なものとしていく取り組みであります。我が議員団は1996年に大阪市における区政改革として提言を行い、本市もこの間、区役所機能の充実、健康福祉サービス課の新設、区広報紙の創刊、企画調整機能の拡充などの取り組みを行ってきましたが、まだまだ不十分であり、今後も地方分権にふさわしい自己完結型の区役所を目指して取り組んでいかなければなりません。今後、地域においてきめ細かく事業を実施していくためには、区役所がまちづくりや子育て支援などの中心となり、さらに高齢者・障害者福祉計画を策定するなど、積極的な役割を果たしていかなければなりません。そのためには、区長権限の一層の拡大と総合調整機能の強化を図るとともに、区役所の総合庁舎化など、市民が区役所が変わったと実感できる具体的な取り組みを行わなければなりません。これらの点についてお聞きをします。 次に、情報公開についてお聞きします。 昨年5月、政府の活動を国民に説明する責務を果たし、国民の理解と批判のもとに民主的な行政の推進を図るとした情報公開法が成立し、来年4月から施行されます。これまで本市では1988年に公文書公開条例を制定し、また、みおネットやホームページの開設などによる情報提供など多様な取り組みを行ってきましたが、非公開とされている部分も多く、今後市政運営の透明性を確保し市民の市政参加を推進していくためには、より一層の情報公開の充実が求められています。 現在、大阪市情報化計画に基づいて、行政情報システムの整備が進められています。これらの整備に当たっては、情報公開の趣旨を踏まえつつ、急速な社会の進展に対応したシステムとし、個人情報保護条例に基づくプライバシー保護とあわせて、市民サービスの向上や行政運営の高度化に対応するものとしていかなければなりません。そうした意味から、本市としても、何人に対しても市政情報や政策情報を原則公開とし、市民の知る権利や市民に対する説明責任を明確にした情報公開条例の制定を早急に行う必要があります。これらの点についてお聞きをします。 次に、市民参加のまちづくりについてお聞きします。 地方分権一括法の成立によって、本市においても本年4月から都市計画審議会を設置し、新たなまちづくりのシステムがスタートします。本市では、総合的なまちづくり計画として1990年に策定された総合計画21があり、その実現に向けて中期指針が策定をされています。また、市民が中心となって地域に密着したきめ細かなまちづくりを支援する大阪市まちづくり活動支援制度が実施され、現在、この制度による推進団体は12行政区17団体と、着実に市民による地域のまちづくりの機運が高まりつつあります。まだまだ試行的な段階にとどまっているとはいえ、これまでの行政依存のまちづくりから市民自らが積極的に行動し始めたことは画期的なことであり、分権時代にふさわしい市民参加のまちづくり制度として大きく発展させていかなければなりません。そのためには、行政はさまざまな制度の活用を図れるよう助言するなどの役割を果たさなければなりません。 今後、市民と行政がともに責任を負って共通の理想を目指すには、まちづくりのためのルールが必要であり、まちづくり条例の制定が早急に求められています。現在、地域密着のきめ細かなまちづくりの推進のため、区役所が中心となって白書づくりが進められています。今後は、この白書を活用し、総合計画21と整合性のとれた地域の実情に合った個性豊かなまちづくりを目指さなければなりません。分権時代にふさわしい市民参加による地域まちづくりの進め方と取り組みについて、市長の決意をお聞きいたします。 次に、環境問題についてお聞きします。 今日ほど市民の環境問題に対する関心と意識が高まっているときはありません。有害化学物質、地球温暖化、大気汚染、環境破壊による自然災害の多発など、環境問題が広域化しつつあり、一市民や一企業の努力だけでは解決不可能となっています。環境問題の解決へ向けて、国や自治体の役割は極めて大きくなっています。これまでの環境行政は規制と保全が中心でしたが、今後の環境問題に対応していくためには、積極的によりよい環境をつくり出す総合的な環境行政に転換していく必要があります。 大都市として多くの環境問題を抱える東京都は、中小企業に対するCO2 削減支援や環境会計の導入など、多面的な環境行政を展開しており、特に深刻な自動車公害に対しては、来年度から自動車公害対策部を新設し、ディーゼル車対策の強化や自動車利用に関する東京ルールを策定するなど、知事が先頭に立って、これまでにない強い姿勢で環境行政に取り組んでいます。 昨年、本市は、磯村市長の決意によって本庁舎ではISO14001 を認証取得しましたが、今後はすべての局での認証取得を図り、総合的な環境行政を推進するという決意を内外に明らかにするとともに、市民・企業・行政が一体となってよりよい環境をつくり出すためには、環境局の設置など推進機構の整備を行う必要があります。これら総合的な環境行政推進へ向けての市長の強い決意をお聞きいたします。 最後に、大阪市は、オリンピック開催の立候補を1月25日に行いました。私たちの暮らす大阪の地で環境と共生するオリンピック開催が実現されることを期待するのはもちろん、招致活動が国際平和人権都市づくりに大きく貢献し、実り多い取り組みとなることを切望するものであります。この点について、市長の決意をお聞きをいたします。 以上、これまで市政各般にわたり質問を行ってまいりましたが、2期目を迎えられた磯村市長の市政運営に対する熱い思いと決意を込めた御答弁を御期待しまして、私の質問を終わらせていただきます。御清聴どうもありがとうございました。 ○議長(公原賢司君) 理事者の答弁を許します。 磯村市長。   (市長磯村隆文君登壇) ◎市長(磯村隆文君) ただいまの紀野議員の御質問に対しまして、お答えを申し上げます。 セーフティーネットについてでございますが、今日、少子・高齢化の急速な進展、長引く景気の低迷、雇用不安の増大などによりまして、市民が安心して暮らせるための安全ネットの重要性が高まっております。一方、市民のニーズは社会状況や家族形態の変化等により複雑・多様化しており、これに対応するため、社会福祉の基礎構造改革が進められようとしております。また、本格的な地方分権時代を迎えて、全国一律ではなく、地域の実情に応じた自治体の独自施策が求められているところであります。このような社会状況の変化や市民意識の変化に対応する、時代のニーズに見合って、国の制度を活用しながら、それを補完する大阪独自の安全ネットを構築していかねばなりません。 大阪市では、従来よりノーマライゼーションの理念のもとに、すべての人が住みなれた地域で安心して暮らせるよう安全ネットの構築を目指してまいっており、保健・医療・福祉の分野では、高齢者保健福祉計画障害者支援プラン、児童育成計画などに基づき施策を推進しております。また、相談機能の充実や高齢者地域支援システムなど地域におけるネットワークづくりを初め、国に先駆けて高齢者や障害者の地域生活を支援する財産管理支援センターを設置しており、平成12年度におきましては、新たなニーズに対応するため、財産管理サポーターを拡充した「くらしサポーター制度」を創設することといたしております。さらに、寝たきり予防のため、地域で実施するいきいき教室を拡充してまいります。また、障害者の自立を支援する障害者就労支援センターの拡充や「福祉の店」の設置助成を新たに行うとともに、「こころの健康センター」を4月に開設し、相談機能を充実することといたしております。少子化への対応としては、子育ていろいろ相談センターを中心とした子育て支援機能の拡充などを図っていく予定であります。 今後とも、市政の各分野におきまして、変化に的確に対応し、市民一人一人のニーズにこたえられるよう、施策の拡充を図るとともに、地方分権が進む中で大阪にふさわしい施策を総合的に展開してまいります。さらに、ハード中心のまちづくりからソフト重視のまちづくりへと転換を図り、大都市ならではのノウハウの蓄積や既存施設の活用、制度の組み合わせなどにより、ライフステージに応じて必要な人が必要なときに質の高いサービスを受けることができる、きめ細かな大阪市独自の安全ネットの充実に努めてまいりたいと考えております。 産業・雇用政策についてでございますが、雇用の確保にとりましては、大阪経済、とりわけ市内従業者の7割強の雇用を担っている中小企業の活性化を図ることが肝要であると考えております。本市では、大阪経済活性化のための都市戦略として、いち早く国際集客都市づくりを進める一方で、商店街の活性化やものづくり支援といった中小企業の体質改善や高度化の促進策とあわせて、新産業の育成や創業・ベンチャー支援など、次代を担う新たな企業・産業の育成策に積極的に取り組んでまいりました。特に新規創業は、我が国の製造業で見た場合、最近10年間に開業した事業所の従業者数が全事業所の従業者数の2割強を占めるなど、雇用吸収力という点からも積極的に支援する意義は大きいと考えております。 本市では、今年2月に創業支援センターを開設したほか、平成13年1月に開業予定の大阪産業創造館において、新事業や経営革新に取り組む中小企業と創業者をさらに積極的に支援してまいります。また、国では、成長が期待される15の産業分野で、今後約10年間に 700万人余りの雇用を創出すると見ております。本市では、これらの中でも大阪で成長が期待できる福祉、映像情報、環境などを次世代のリーディング産業ととらえ、ATCをこうした分野における最新のマーケット情報を発信する場としても活用し、大阪経済、とりわけ中小企業の活性化に貢献してまいります。 なお、本市におきましては、昨年国が編成した第1次補正予算による緊急地域雇用特別交付金を活用して道路施設緊急点検業務等の事業を実施しているほか、少子化対策臨時特例交付金も活用して雇用創出効果の高いさまざまな事業に積極的に取り組んでおります。今後、本市としての地方分権推進への取り組みのもと、国及び府の実施する雇用に関する施策と相まって、御提案の内容も含め、本市の実情に応じた雇用施策について全庁的に検討してまいりたいと存じます。 高齢者施策についてでございますが、介護保険条例案では、介護保険事業計画の基本理念のもとに、基本方針において、基本的人権の尊重、利用者保護、事業運営の公平・公正性や市民意見の反映等を盛り込んでおります。事業計画の策定に当たり市民参加を図るため、公募による被保険者代表2名の方にも御参画いただいており、平成12年4月から引き続き計画の進捗状況の把握及び評価等を行うため、公募による委員を2名から4名に増員する予定であります。 情報公開については、認定審査会資料を、要介護認定の透明性と信頼性の確保のため、個人情報の保護に配慮しつつ、各区役所において本人や家族等に対し迅速に情報提供できるよう努めております。利用者が適正なサービスを受けられるよう、サービス内容について事業者と利用者間のトラブルが生じた場合に、中立的な立場で実態調査や助言・指導などを行う第三者機関を本年10月をめどに設置していくことといたしております。 また、介護予防・生活支援の観点から、要介護認定で自立となった方々に家事援助などを行ってまいります。さらに、介護に携わる施設職員の資質向上や地域で活動するボランティアなどの育成の場として(仮称)福祉人材開発・研修センターの整備を進めるとともに、高齢者の多様なニーズにこたえ、社会を支える力として期待されているNPOなどが活動しやすい環境づくりを研究してまいります。 次に、活力ある高齢社会を築くために、高齢者のグループでの就労活動に対する支援や、(仮称)いきいきエイジングセンターを整備するなど、高齢者の生きがいと社会参加を支援する施策に努めてまいります。また、新大阪市高齢者保健福祉計画の実施に当たっては、各区の主体性のもと、区在宅サービスセンター等とも連携しつつ、各区の実情に応じた施策の推進が可能となる方策について検討してまいりたいと考えております。 障害者施策についてでございますが、大阪市職業リハビリテーションセンター及び大阪市職業指導センターで、知的障害者の情報処理訓練事業や在宅障害者のパソコン通信・訪問講習など、全国に先駆けたさまざまな事業を展開するとともに、平成10年には障害者支援プランを具体化した就労支援センターを開設し、公共職業安定所や連合大阪、関西経営者協会などが中心となり設立された大阪障害者インターンシップセンターとも連携・協力し、障害者の雇用の促進に取り組んでおります。また、本市の市長部局における障害者雇用率は2.85%で、法定雇用率の 2.1%を上回っておりますが、今後、第三セクターや外郭団体を含め、法定雇用率の趣旨の理解と雇用の促進について積極的に働きかけてまいります。とりわけユニバーサル・スタジオ・ジャパンは、テーマパーク本体だけでなく、周辺の飲食・物販店を含め集客力のある施設であり、大きな雇用機会をもたらすものと考えられますので、障害者雇用について積極的に働きかけてまいります。 障害者が住みなれた地域で安心して暮らし、自立と社会参加を促進する上で、ホームヘルパー派遣事業は重要な施策であり、その充実に努めてきたところであります。今後とも、有識者や障害当事者などで構成する介護システムのあり方検討会の結果を踏まえ、ホームヘルプサービスを含め、在宅障害者の介護支援方策について検討してまいります。障害児に対するホームヘルプサービスについては、障害児とその家庭の実情を踏まえ、障害児や養育者との信頼関係を築きながらサービスの提供を行う必要があり、障害児の生活や家庭のどの部分を支援するのか、どういった負担を軽減するのかについて調整を図るとともに、ヘルパーの研修を充実するなど、的確なサービスが提供できるよう努めてまいります。また、精神障害者に対するホームヘルパーの派遣につきましては、平成14年度からの本格実施に向けて、本年度の調査研究を踏まえ、平成12年度はモデル事業を実施してまいります。 新たな介助制度の創設につきましては、後刻、教育委員会よりお答え申し上げます。 知的障害者の市立高校への入学につきましては、後刻、教育委員会よりお答え申し上げます。 本市児童育成計画の取り組みについてでございますが、学校週5日制を念頭に置き、また区・地域レベルでの施策展開を視野に入れ、現在、鋭意取り組んでいるところであります。地域における関係施設・機関の連携や情報の共有化を図る等、子育て支援と相談機関のネットワークの形成に努めますとともに、学校を地域の子育て支援の拠点として活用するための実効性のある方向で検討を行ってまいりたいと考えております。今後、区内関係官公署、学校、広範な地域団体に御参加いただいております各区青少年育成推進会議を軸に、幅広い層にも働きかけ、ボランティアと行政・学校が相まって、地域の教育力を総合的に発揮できるよう努めてまいりたいと考えております。 学校施設のあり方につきましては、後刻、教育委員会よりお答え申し上げます。 男女共同参画社会の実現に向けてでございますが、本市では、平成10年3月に新たな基本計画として大阪市男女共同参画プランを策定し、自立と人権尊重に基づく男女共同参画社会の実現に向け、施策の推進を図っているところであります。昨年施行されました男女共同参画社会基本法では、地方公共団体の責務が明らかにされておりますことから、本市としても今後一層の施策推進を図ってまいる所存でございます。今後、基本法の理念をより具体化し、新たな課題にも対応できるよう、基本計画の見直しと条例の制定の方向性について各方面の御意見も伺いながら検討を進めてまいりたいと考えております。その際には、検討の過程において女性の参画が十分に確保されるよう配慮してまいりたいと存じます。 また、各種審議会等への女性委員の登用につきましては、政策・方針の決定過程への女性の参画の促進という観点から重要であり、平成12年度末の目標達成に向け取り組んでおりますが、基本法に盛り込まれている男女間の格差を改善するため、必要な範囲内においていずれか一方に対し積極的に参画する機会を提供するという積極的改善措置の理念も踏まえて検討を重ね、女性委員の登用を積極的に推進してまいりたいと考えております。 本市の女性職員につきましては、近年、女性の採用試験受験者の増加に伴い合格者もふえておりまして、その結果、職員全体に占める割合も増加してきているところでございます。管理職につきましても、昨年には女性の局長を誕生させるなど、幅広い分野において積極的な登用を図ってきたところでございます。これまでも市政のさまざまな分野において活躍いただいているところでございますが、今後とも男女共同参画の視点に立って、問題点の整理を図りながら働きやすい職場環境の整備を進めるとともに、男女のバランスも念頭に置き、より一層女性職員の職域の拡大や幅広い登用、人材の育成などに努めてまいりたいと考えております。 ホームレス対策についてでございますが、昨今の景気の低迷等により、ホームレスが著しく増加し、その対応は喫緊の課題となっています。平成11年7月1日に大阪市野宿生活者対策推進本部を設置し、課題ごとに雇用創出促進部会、自立支援事業部会、保健医療対策部会、地域環境整備部会を設け、関係部局が連携して取り組んでおります。 本年2月16日に発表したホームレス実態調査によると、8割のホームレスが何らかの仕事をしており、就労支援のためのニーズが高く、ホームレス問題の解決には雇用の確保が最も重要であります。雇用対策は、本来、国や大阪府が担うべきものであり、実効性のある対策を国や大阪府に対して強く要望しているところであります。しかしながら、大阪市では、雇用創出促進部会で関係部局が協力してホームレスの就労支援に取り組んでおり、国の第1次補正予算の緊急地域雇用特別交付金を活用して、都市美化の観点から、市管理施設や市バス停留所等の清掃事業等を行っており、12年度では延べ約4万 5,000人の雇用創出を見込んでおります。今後とも、ホームレスの就労による自立支援を推進するため、関係先の理解を求めつつ、雇用創出に努めてまいります。 また、巡回相談を初めとする自立支援事業を実施し、個々のケースに応じて家族等への連絡や年金受給などの相談等、応急的な対応を含め、きめ細かく支援を行います。さらに、健康管理指導や感染症等の予防など、保健医療の充実を図るとともに、安心・安全な地域環境の整備に努めるなど、国と地方公共団体が適切な役割分担のもと、一体となってホームレス問題に取り組んでまいりたいと考えています。 人権施策についてでございますが、今日、同和問題を初め外国籍住民、障害者、高齢者、子供、女性等の人権にかかわるさまざまな課題が存在しており、本市では、昨年4月、人権行政基本方針を策定するとともに、人権施策推進本部を設置し、総合的な人権行政の推進を図ってきたところであります。さらに、人権尊重の社会づくり条例により、市民一人一人の人権が尊重され、すべての人が自己実現を目指して生きがいのある人生を創造できる、自由・平等で公正な社会の実現を目指してまいりたいと考えております。また、本市は、あらゆる分野において人権尊重を基本とした施策を国及び大阪府と連携を図りながら積極的に推進するとともに、市民は相互に人権を尊重し、自らが人権尊重の社会づくりの担い手として人権意識の向上に努め、自主的に協力や参加をしていただくことが大切であることを明らかにしております。さらに、今日発生している施設コンフリクトなどの新たな課題を初めとするさまざまな人権課題の解決に取り組むため、市民の人権意識の高揚等の人権啓発事業や人権に関する情報の収集、提供並びに既存の人権にかかわる相談機関のネットワークづくり等の事業を進めることとしております。今後、この条例により、市民の協力を得ながら人権尊重の社会づくりを進め、一人一人の人権が尊重される国際人権都市大阪の実現を目指してまいりたいと考えております。 財政問題についてでございますが、国・地方の財政は引き続き大幅な財源不足の状況にあり、巨額の借入金残高を抱えるなど、極めて厳しい状況が続いております。また、本市の財政も、公債費や管理運営費並びに福祉費、特別会計繰出金などの必須経費が増大し、それらに税等一般財源の大半を充当せざるを得ないという財政状況の中で、市税収入が3年連続して前年度を下回り、経常収支比率や公債費負担比率などの財政指標がここ数年連続して悪化いたしております。 こうした状況の中、平成12年度の予算編成に当たりましては、多様化する行政需要に対応するため、シーリングなどを活用いたしまして、施策の優先順位について、さらに厳しく、かつ的確な選択を行うなど、限られた財源の重点的・効率的配分に努めながら行財政改革に積極的に取り組み、公債費を除く一般歳出では4年連続して対前年度マイナスと、歳出を抑制するとともに、起債についてもマイナス 1.3%とその減額を図り、財政の健全化に努めたところでございます。今後とも厳しい財政状況が続くと見込まれる中で、複雑・多様化する市民ニーズに的確に対応していくためには、これまで行ってきた手法に加えまして、例えば事業評価システムの活用により費用対効果を検証するとともに、時代の変化に適応した事業改善を実施し、また市民への説明責任の向上を図ることや、未利用地について新たな手法も考慮しつつ積極的に処分・活用を行うことなどがこれまでにも増して求められていることは、議員御指摘のとおりでございます。 いずれにいたしましても、本格的な少子・高齢化社会の到来や地方分権の推進など、社会経済情勢の大きな変化に伴ってますます増大する財政需要に的確にこたえていくためには、自主財源の充実強化が最も重要であると認識しているところでございます。また、基本的には、大都市税財源の拡充が不可欠であり、国・地方間の税源配分の抜本的な見直しなど、分権の時代ににふさわしい税源のあり方について、市会の皆様のお力添えをいただきながら、他の指定都市との連携を密にし、国等関係機関に対する要望活動をこれまで以上に粘り強く、かつ強力に進めてまいる所存でございます。 次に、外郭団体についてでございますが、本市では、複雑・多様化する市民ニーズに柔軟かつ的確に対応し、市政全般の効率化を推進する観点から、外郭団体の有効活用を図ってまいりました。しかしながら、社会経済情勢が大きく変化する中で、その適正な見直しと自律的な経営の確立が重要な課題となっております。行財政改革実施計画に基づき、これまでに統廃合などにより5団体の見直しを実施いたしましたが、引き続き事業効果や団体の存立意義の検証に努め、適時適正な見直しに積極的に取り組んでまいります。また、外郭団体の健全かつ自律的な経営に向け、本市としても強く指導しているところですが、特にWTCなどの3社につきましては、高次都市機能の担い手としての役割を十分に発揮できるよう、早期の経営改善に向け全力を注いでまいります。さらに、経営改善促進の一環として、経営評価マニュアルの作成と、それに基づく評価を実施し、外郭団体自身に経営状況を一層的確に把握させることを通じ、自律的な経営の確立を促してまいりたいと考えております。 情報の公開につきましては、法人の経営状況に関する報告の対象団体をこれまで段階的に広げてきましたが、経営評価の結果を公開するなど取り組みを進めてまいります。今後とも、事業のあり方や整理・統廃合を含めた抜本的な見直しを行うとともに、より効率的な運営と自主的な経営改善の促進を図るなど、外郭団体の活性化に向けて積極的に取り組む所存であります。 地方分権の推進についてでございますが、いよいよ地方分権の時代への第一歩を踏み出す中で、市民とともに歩む市政を基本として、自己決定と自己責任の原則のもと、自主的・自立的な行財政運営に努めてまいらなければなりません。そのため、市民ニーズを的確にとらえ、地域の実情に応じた施策を積極的に展開する行政へ転換する必要があり、より一層市民参加と開かれた市政の推進や新たな区政の展開などを図り、本市にふさわしい分権型の行政システムをつくり上げていくことが重要であると考えております。また、残された課題につきましても、大阪市の持つ機能に即した具体的な制度について調査研究を進め、新たな大都市制度の確立を目指し、指定都市の先頭に立って国に要望するなど、市を挙げて積極的に取り組んでまいりたいと存じます。 区政改革の推進についてでございますが、総合的で地域に密着した行政サービスを推進していくため、市民に最も身近な区役所の機能強化に努めてきたところであります。これからも区民の身近な要望に対応するために、区役所機能を一層高め、少子・高齢化が進む中、介護保険制度の円滑な実施や青少年の健全育成、高齢者対策、地域特性に応じたまちづくりの推進など、地域の諸課題に対して区民の皆さんとともに積極的に取り組んでまいります。さらに、区庁舎の建て替えに際しては、保健センターのほか、区によっては図書館なども含めた複合施設として、区民に開かれた区庁舎整備を進めてまいります。今後とも、地域における総合的行政機関としての区役所の機能強化を図り、シビックセンターとして機能いたしますよう、区政改革に全力で取り組む所存でございます。 情報公開についてでございますが、これまで以上に市民の市政参加を推進し、市政に対する理解と信頼を確保していくためには、公文書公開制度の充実を図る必要があることから、現在、公文書公開審査会におきまして、今後の制度のあり方について、原則公開の趣旨の徹底と個人情報の保護を柱に、市民にわかりやすく利用しやすい制度を目指すという観点から御審議いただいております。本市といたしましては、いわゆる知る権利など、行政情報の公開を求める権利の範囲をさらに広げるという要請にこたえるとともに、行政の説明責任を全うするため、審査会からの提言や市会での御意見もいただき、さらに検討を深め、平成12年度中に制度改正に取り組んでまいります。 また、説明責任を果たすという観点からは、市民にとって必要な市政情報が市民からの請求を待たずとも積極的に提供されるようにすることも大切です。その際には、情報化の活用が有効であり、インターネットの急速な普及など、情報化社会の進展状況を踏まえるとともに、個人情報保護対策やセキュリティー対策に十分配慮しながら、引き続き市民ニーズに対応したより効果的なシステム整備に取り組んでまいりたいと考えております。今後とも、情報公開の推進に関する施策の充実を図り、市民参加と開かれた市政の推進に努めてまいります。 まちづくりについてでございますが、市民の身近なまちづくりに対する関心が高まる中、本市では平成9年に大阪市まちづくり活動支援制度を創設しております。この制度は、住民が主体となった地域のまちづくり活動を対象として、区役所が相談窓口となって専門家の派遣や活動費の助成などの支援を行うもので、現在17のまちづくり推進団体が活発に活動されております。今後、まちづくりの機運が高まった地域に対しましても積極的に支援を行うとともに、その成果やノウハウを蓄積しながら、新たな仕組みづくりなど、より効果的なまちづくりの進め方について引き続き研究してまいります。また、各区役所におきましては、区民意識調査や区民参加型の事業展開などを通じて、まちづくり意識の醸成や区民ニーズの把握、区の課題整理などに努めてまいりましたが、平成12年度には、各区においてこれを取りまとめ、区の広報紙でもお知らせしてまいります。 市民に最も身近なシビックセンターである区役所におけるこのような取り組みやまちづくり活動支援制度の普及などを通じまして、地域のまちづくり活動に対するより幅広い市民の参加を促しながら、各区における特色あるまちづくりの実現に努めてまいります。今後とも、より一層地方分権の時代にふさわしい市民と行政とのパートナーシップを築き、総合計画21の目指す地域ごとの特色を十分に発揮できる個性豊かなまちづくりを進め、市民が誇りに思い、住んでよかったと実感できる生活魅力都市づくりに積極的に取り組んでまいります。 環境問題についてでございますが、本市では、今日の環境問題に対応するため、市民や企業の皆様方とともに環境保全のための各種の施策を進めております。本市のISO14001 の認証取得につきましては、本庁舎での取り組みに際しまして私が公表いたしました環境方針で明らかにしておりますように、今後は本庁舎以外にも環境マネジメントシステムを拡大してまいります。まず、平成12年度には、西淀ごみ焼却工場において認証取得を目指します。 自動車公害対策につきましては、大阪市自動車公害防止計画に基づき、低公害車の普及を初め総合的な対策の推進に努めておりますが、今後はディーゼル車対策に重点を置いて進めてまいります。そのため、平成12年度には、福祉施設の送迎バスへの天然ガス車導入や、天然ガス貨物車の集中導入に対する助成制度を創設いたします。また、低NOxディーゼル車の購入に対する助成額の引き上げも行います。さらに、貨物自動車を多く使用する事業者に対するNOx排出削減や自動車の使用合理化の指導を初めとする物流対策につきましても、関係機関と連携しながらより効果的な手法について研究するなど、各種の取り組みを強めてまいります。 環境行政の推進体制につきましては、環境保全推進本部を活用し、全庁的な取り組みを進めております。平成12年度には、環境保健局における環境行政推進部門を再編し、環境行政のより一層の推進に努めてまいります。 オリンピックについてでありますが、差別のない社会、世界平和の実現、環境問題への取り組みをうたうオリンピック精神に、市民は共鳴しております。自由と平和を愛し人権を尊重する国際都市として世界への貢献を目指す大阪市は、オリンピック開催にふさわしい都市であることを世界に向けてアピールし、2008年オリンピックの招致・開催をぜひ実現させたいと思います。以上でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。 ○議長(公原賢司君) 玉井教育長。   (教育長玉井由夫君登壇) ◎教育長(玉井由夫君) 障害者施策についてお答え申し上げます。 新たな介助制度の創設についてでございますが、小中学校の養護学級では、近年、在籍人数が増加するとともに、児童生徒の障害の状況も重度化・重複化する傾向にあり、そのような学校では、養護学級担任だけでなく全校で体制を組んで対応に努めております。養護学級の担当教諭は大阪府から措置されるところでありますので、今後とも府に対し障害種別に応じた養護学級設置による教員増を強く要望してまいるとともに、児童生徒の障害状況等の実態を踏まえながら、学校内における介助について研究・検討してまいりたいと考えております。 次に、知的障害者の市立高校への入学についてでございますが、障害のある生徒の高校入学につきましては、文部省も選抜方法の多様化や評価尺度の多元化を図る方向での改善を求めております。また、障害者支援に関する大阪市新長期計画においても、高等学校も含めた多様な選択を可能にするプログラムの提供が必要であるとしております。現在、市立高等学校の入学者選抜については、大阪府公立高等学校入学者選抜実施要綱に基づき実施しております。今後、公正・公平さとの整合性を図りつつ、知的障害のある生徒に多様な選択が可能となりますよう、課題を整理しながら、大阪府教育委員会とも協議してまいりたいと考えております。 次に、学校施設のあり方についてでございますが、改築に当たりましては、教育環境の整備はもとより、ひとにやさしいまちづくり、防災拠点、地域に開かれた学校や生涯学習の推進の視点も含め、整備いたしております。先般、教育改革懇話会から本市教育改革に向けての提言をいただいたところでありますが、学校施設は、特色ある学校づくりや地域に開かれた学校づくりの一層の推進など、地域コミュニティーの拠点としての活用が求められております。今後、教育改革の進捗に伴い、ハード・ソフトの両面から学校施設をより活用しやすくするという観点で、児童生徒、PTAや、生涯学習・スポーツ活動などで利用されている方々など、より多方面からの意見をお伺いしながら検討を進めてまいります。以上でございます。どうぞよろしくお願いいたします。 ○議長(公原賢司君) お諮りいたします。この際暫時休憩することに決して御異議ありませんか。   (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○議長(公原賢司君) 御異議なしと認めます。よって暫時休憩いたします。   午前11時25分休憩   午後1時4分再開 ○副議長(松原恵子君) これより休憩前に引き続き会議を開きます。 ○副議長(松原恵子君) 福山よしてるさんの質疑を許します。 48番福山よしてるさん。   (48番福山よしてる君登壇) ◆48番(福山よしてる君) 私は民友クラブ大阪市会議員団を代表いたしまして、平成12年度予算案並びに予算関連諸案件につきまして、磯村市長に質問をさせていただきます。 大阪は、古くは難波宮の時代より、国の情報、文化、経済の集積拠点として歴史の舞台に華々しく登場して以来、今日に至るまで、我が国を代表する進取気鋭の先進都市としての役割を果たしてまいりました。来るべき世紀のかけ橋となる西暦2000年は、新たな地方分権への力強い一歩を踏み出すべき年でもあります。まさに地方自治体にとって個々の力量を問われる時期となり、本市も自治体間の競争に打ち勝たなければなりません。 我が国経済の先行きにつきましては、いまだに不透明感が根強い状況にあります。国においては、来年度予算案で巨額の赤字国債の発行を予定するなど、その財政危機は深刻化してきております。本市の財政状況も、税収が大幅に減少する中で、福祉費、公債費などの必須経費が増加し、財政の硬直化はますます進んできております。今後、徹底した行財政改革の断行が急務となっております。 一方、本市を取り巻く課題は山積しており、次代を担う子供たちが伸び伸びと健やかに成長できるよう、青少年の健全育成に努めるとともに、介護保険導入後における新たな高齢者施策の推進や中小企業の経営安定と活力ある大阪経済の回復、地球環境を守るための環境先進都市の実現などにも取り組まなければなりません。今こそ原点に立ち返り、創意工夫に満ちた市政運営を図ることが重要ではないでしょうか。地方分権の本旨を生かし、市民と行政が一体となって厳しい時代に立ち向かい、輝かしい未来を迎えるためには、市長の強い決意が求められます。新年度予算は磯村市政の2期目のスタートであり、市長の力強い答弁を期待し、以下何点かお尋ねしてまいります。 まず、行財政改革についてお尋ねいたします。 海外の先進都市では、職員を大幅にカットして財源を重点的に投入し、都市のグレードを上げることによって活性化と増収をもたらすなど、計画的かつ大胆な発想で行財政改革と都市経営に取り組んでいると聞いております。大阪市においては、平成12年度には現在の行財政改革の計画が最終年度を迎えますが、いまだ市民の目に見えるような行革の成果は上がっておりません。民間企業においては、深刻な不景気の中で、生き残りをかけてさまざまな企業努力を重ねておられるところであります。市の将来を見据えて、痛みを伴う実効ある行財政改革に真剣に取り組むべきときに来ております。このためにも、情報化による省力化効果を最大限に生み出すとともに、その成果は市民にも十分理解が得られるような形で実を結ばなければなりません。 例えば区役所は、地域における総合的行政機関として、窓口の総合化を初めとする市民サービスを一層充実するとともに、事業所との連携による総合調整機能の強化を図るなど、区役所が市民に信頼され、地域におけるシビックセンターとなるよう再構築すべきであります。 また、市政に携わる職員に対しては、市民サービスの向上のため柔軟な発想と創意工夫が求められており、このため、意識改革を図るとともに、職員が主体的に市民のニーズを踏まえて、個々の事業や施策のあり方について提案を行い、市政に生かしていくべきではないでしょうか。さらに、市民への情報公開を的確に行い、市政に対する市民の理解と信頼の確保により一層努めることも、実効ある行財政改革を進める上では重要であります。 一方、外郭団体についても、現在の取り組みは十分なものとは言えません。特に今回の3局の庁舎移転・集約化などは、赤字の外郭団体への実質的な支援と市民の目には映っており、市民サービスの低下が懸念されます。市民の理解を得るためには、外郭団体の経営の効率化をなお一層推進するとともに、積極的な統廃合を進めるなど、抜本的な見直しが必要であります。 次期行革においては、以上のような点を踏まえて、市長は強い決意のもとリーダーシップを発揮し、抜本的な改革を内容とした計画を策定し、市民が求める21世紀の大阪にふさわしい行政システムを構築するための行財政改革を実施すべきであると考えておりますが、市長の御所見をお伺いいたします。 次に、交通事業についてお尋ねいたします。 我が会派は、かねてより、常にコスト意識を持つとともに、サービスを受ける市民の側に立って、市民サービスの後退を招くことのないように取り組むべきであると主張してきたところであります。このことは、公営企業である市営交通事業においても重要な課題であります。本市交通事業については、都市の重要な基盤施設でありますが、その経営状況は、一般会計から多額の補助金を受けながらも、なお慢性的な赤字が続いております。平成10年度決算においても経常赤字が 212億円に増大するなど、厳しい状況となっております。 一方、公営の交通事業全体を取り巻く情勢が大きく変化し、国においては、今後の鉄道整備のあり方についていわゆる上下分離論や公設民営論が論議されているほか、特殊法人の整理・合理化の一環として営団地下鉄を民営化する方向にもあります。また、他都市では、財政状況が非常に厳しい中でバス事業を民間に移管したり、あるいは今後の民営化を検討する例が見られるなど、公営交通事業はその存立の基盤を含めて重大な岐路に立っているのではないでしょうか。 本市交通事業の場合も、例えばバス事業については、平成13年度には参入規制が廃止され、これまで市バスがほぼ独占的に営業をしてきた市内路線に民間が進出し競争が始まるなど、経営環境はますます厳しさを増すものと考えられます。このような情勢を踏まえた上で、高齢者や障害者にも利用しやすく便利で快適な公共輸送サービスをより経済的かつ効率的に提供することについて、今後どのように取り組んでいかれるのか、市長の御所見をお伺いいたします。 次に、介護保険導入を踏まえての高齢者施策についてお尋ねいたします。 いよいよ来月から介護保険制度が開始されます。この制度は、社会全体で介護を支え、市民の希望を尊重し、保健・医療・福祉の総合的なサービスが利用できるというものであり、市民にとって耳新しく、現在でも内容を知らない方々がたくさんいらっしゃいます。また、国においては内容の変更が再三行われ、市民の理解を得るためには、制度内容や事業者情報をわかりやすく周知することがぜひ必要であります。これまでも広報・周知活動に取り組んできておられると思いますが、高齢者の方々に対しては繰り返し広報に努めることが重要であり、今後どのように取り組まれるのか、お伺いいたします。 また、介護保険制度を円滑に進めるためには、介護認定で自立と判定されても、何らかの支援が必要な方々に対して、在宅サービスが求められます。さらに、介護保険でカバーされない場合の受け皿として、養護老人ホームやケアハウスなどを整備することも必要であります。この点についてどのように進めていこうとされているのか、お伺いいたします。 一方、介護を受けずに多くの高齢者の方々が自立して生き生きと暮らせることが高齢者施策の本来の目的ではないでしょうか。このためには、高齢者自身が社会とのかかわりの中で社会の担い手として活躍できるよう支援することが大事であります。介護予防の観点から、高齢者の健康づくりを目的とするいきいき教室について、来年度、どのように充実し展開させていくのか、お伺いいたします。 また本年11月には、ねんりんピック2000大阪が開催されます。世代や地域を超えた交流と触れ合いの場として、また高齢者のパワーをアピールし、市民全体が活力ある高齢社会に対する理解を深めるため、この大会を絶好の機会としてとらえ、その成果を今後の高齢者施策に生かしていただきたいと考えております。介護保険を踏まえての高齢者施策について、市長の御所見をお伺いいたします。 次に、市民の健康づくりについてお尋ねいたします。 これからの少子高齢社会を活力あるものとするには、全市民が健康であることがその基礎となります。例えば糖尿病は、一たんかかると治りにくく、また治療も長期間を要することから、本人及び家族には精神的、肉体的、あるいは金銭的にかなりの負担がかかります。糖尿病の直接の医療費だけで全国で年間1兆円、間接の医療費も含めると年間数兆円が支出されていると言われております。医療費の大きな負担を減らし、生活習慣病の予防対策を推進することは、ぜひとも必要であります。 本市では、総合的な健康づくりを進めるための基本計画である健康大阪計画を平成元年の2月に策定しておられますが、市民の平均寿命は依然として全国平均に比べて短く、健康指標、健康水準は単に平均寿命の長短だけで判断できるものではないと思いますが、市民の健康水準が低いことは事実であります。私は、このことにがんや心臓病などのいわゆる生活習慣病での死亡率が全国平均よりも高いことが大きく影響しているのではないかと考えます。 生活習慣病の増加は全国的な傾向であり、国においては、生活習慣病予防対策推進のため、21世紀における国民健康づくり運動を今年度中に公表すると聞いております。寝たきりなどにならず健康で生活できる期間、いわゆる健康寿命をいかに伸ばしていくかが非常に重要であります。このたび本市においても、生活習慣病予防対策を主眼とした新健康大阪計画を策定するとのことですが、意義あるものにしていただきたいと考えます。新計画の策定に当たっては、現計画の成果や課題を踏まえ、食生活や運動などについて具体的な目標を掲げたものとする必要があると考えますが、どのように進めようとされているのか。また、計画の策定だけでなく、生活習慣病を予防しようとする市民の健康づくりを支援していくことも必要でありますが、そのために今後どのような事業を推進されようとしているのか、市長の御所見をお伺いいたします。 次に、学校教育についてお尋ねいたします。 これからの社会を担っていくのは、私たち大人ではなく、紛れもなく子供たちであります。しかしながら、現在の子供たちを取り巻く環境は厳しいものがあります。将来の宝とも言うべき子供たちが真に思いやりのある優しい人間へと成長するために、我々がなすべきことが今問われているのではないでしょうか。教育は人づくりという観点から、教育委員会へ何点かお伺いいたします。 現在、学校教育では、21世紀の新しい教育を目指して教育改革が進められており、改革の柱の一つに、地域に開かれた学校づくりがあります。それは、学校が閉鎖的になるのではなく、情報を地域に知らせ、地域の人材や施設を教育に活用して、地域の人たちも学校教育に参画していくということであると考えます。例えば私の地元大正区のある中学校では、ブラスバンド部が敬老の日に地域に出かけて演奏をし、お年寄りと交流する取り組みをしております。また、地区別のソフトボール大会や地区住民のミニマラソン大会では町中が盛り上がってにぎわい、生徒たちと地域の人々のつながりの輪が広がっております。また、市内の別の中学校では、商店街で職場体験学習を行い、学校と地域の一体感が生まれた例も聞いております。学校が垣根を取り払い、地域に打って出て教育活動をすることによって、人間関係も広がり、子供たちを見守る素地もでき、その結果、教育力も向上することになると確信するものであります。このことは、今日の青少年の問題を解決する上でも大切なことではないでしょうか。御見解をお伺いいたします。 次に、教育委員会では、スクールカウンセラーやメンタルリーダー訪問派遣、心理相談など、数々の相談事業が行われています。学校では、PTAの講演会や懇談会、夏休みなどには地域懇談会も開かれております。しかし、その一方で、問題を持つ子供たちの保護者の多くは、さまざまな理由で相談の場に行けないのが実態なのではないでしょうか。そこで、先生が出向いたり、地域の人材や専門家を活用し集会所などを利用して子育て講座や相談窓口を開くなど、地域に密着した相談活動も必要であると考えます。御見解をお伺いいたします。 最後に、学校教育の原動力は先生方の熱意であります。私ども、常々、部活動の活性化について質疑をしてまいりました。熱意のある若い先生が子供を引っ張ってくれなければ、子供たちは魅力を感じないし、部活動の活性化も、また活気ある教育活動も生まれてこないと考えます。全国の公立小中学校のPTAを対象に行った調査では、約6割のPTA会長が学級崩壊の原因は家庭の教育力の低下にあると答えた一方で、教師側に問題があるとしたものは1割弱であったということであります。これには学校に対する期待の低さかという見方もありますが、私は必ずしもそうだとは思っておりません。むしろ大いに先生方に期待したいのであります。そこで、教員の採用に当たっては、ペーパーテストを優先するのではなく、人物本位の見地から、活力があって子供思いの熱意があり、人を育てる夢を持っている方を優先的に採用してもらいたい。さらに、採用後もそんな先生を養成していただきたいと考えます。今後の教員の採用方針について、教育委員会の御見解をお伺いいたします。 次に、今後の人権行政のあり方についてお尋ねいたします。 これまで我が会派は、同和行政につきましては、施策の実施過程における行き過ぎはこれを是正し、一般施策の中に正しく位置づけるとともに、市民の理解と協力を得て実施すべきであることを再三指摘してきたところであります。今後は、だれもが個人としてひとしく尊重されるまち国際人権都市大阪を目指して、広く市民一般を対象にしたさまざまな施策を進めていかなければならないと考えております。 また、大阪市における外国人登録人口は他の都市と比較しても多く、国籍を理由として住宅の確保や就職が困難であるケースや、マスコミなどでは子供にかかわる虐待などの痛ましい報道が見られるなど、さまざまな人権課題があります。このような課題を踏まえて、人権啓発事業を通じ、市民一人一人の人権意識の高揚を図り、人権が尊重される社会づくりを積極的に進める必要があると考えております。今回、人権尊重の社会づくり条例案が上程されておりますが、今後の人権行政のあり方について市長の御所見をお伺いいたします。 次に、ものづくりの活性化についてお尋ねいたします。 市内の中小製造業者は、長引く景気低迷の中、仕事の受注が減り、思うように収益が上がらず、価格競争が厳しくなる中でコストダウンを強いられております。昨年秋発表された工業統計調査によりますと、市内には2万 5,000余りの工場が立地し、25万人が働いており、依然として東京都23区に次ぐ集積の規模を持っております。しかし、工場の地方への分散や大企業が生産拠点を海外に移転するなどの影響を受けて、工場数は減少を続け、従業員数も大幅に減少し、高齢化してきております。本市の製造業は非常に厳しい状況にあるのが実情であります。市内には、従来から高度な技術や製品を持った多くの中小製造業が存在しておりますが、製造業の活力が失われることは、我が国の国際競争力を支えてきた優秀なものづくりの基盤技術や市場ニーズに迅速的確にこたえてきた地域内の分業生産ネットワークがなくなってしまうなど、大阪経済の活力の低下につながるのではないかと大いに懸念される事態となっております。 政府は、このような製造業が抱えるさまざまな問題を解決するため、昨年3月にものづくり基盤技術振興基本法を制定し、ものづくり基盤技術の水準の維持向上を図るために基本計画を策定しているところであります。これにより、研究開発の実施、成果の普及、中小製造業者と大学との有機的な連携などが進められるものと考えます。大阪は中小企業のまちであり、私の地元でもある大正区で、地域産業集積活性化法を活用した全国で初の賃貸工場が建設され、中小製造業の方々が意欲的に活動されております。全国からの見学者が相次ぐなど、注目を浴びており、今後もこのような技術や経営の基盤強化に向けた施策をなお一層充実させる必要があると考えます。また、本市として、社会経済情勢の急激な変化に中小製造業者が対応していくための今後のビジョンを示すとともに、ことし竣工される大阪産業創造館を中心として、工業研究所や市立大学などとともに、ものづくり活性化の担い手としての役割を果たしてもらうことが重要だと考えております。市長の御所見をお伺いいたします。 次に、調和のとれたまちづくりについてお尋ねいたします。 大阪は、その長い歴史の中で常に都市機能を更新し、新しい魅力を生み出し、発展してまいりました。この 100年を見ても、淀川の治水対策や大阪港の整備、御堂筋などの幹線道路や地下鉄網の充実、自然の水や緑を生かした河川や公園の整備、公共・民間による市街地の開発などにより、活力ある大阪経済と市民生活の充実が図られてまいりました。この過程で、とりわけ都心部や臨海部では市街地の大幅な更新が進み、国際集客都市にふさわしい風格やにぎわいのある町並み、新しい魅力ある町並みが形成されてきております。 これに対して、JR環状線の外側に広がる周辺地域は、住居、商業、工業など、さまざまな用途の市街地が広がり、まちづくりの経緯も必ずしも一様ではありません。今なお幅の狭い道路が多く、住宅が密集し、土地・建物などの権利関係がふくそうしているため、市街地の更新が進まないまま問題を抱えた密集市街地が残されております。一方で、これら周辺地域は、子育て層や高齢者、独身者など、幅広い世代が住んでおられ、古くからのコミュニティーがあり、庶民的で親しみのある町並みやにぎわいのある商店街、古い街道や史跡・文化財など、大阪の長い歴史や文化と市民生活が融合したぬくもりのある地域でもあります。 昨年末には、災害に強い安全なまちづくりを推進する大阪市防災まちづくり計画、並びに、美しい魅力ある大阪の都市景観を形成する大阪市景観形成基本計画が相次いで公表されております。これらの計画は、都市レベルから地域レベルまで、また民間の建築物から公共施設まで、対象となる分野が広範囲であり、総合的なまちづくりを進める上での基礎となる計画と言えます。今後は、これらの計画をもとにまちづくりを進め、防災性や景観向上を誘導していくなど、地域の特性や実情に合わせて、市民と行政が連携して多面的に取り組んでいくことが重要と考えております。 新しい世紀は、地域の自然や歴史・文化などの特性を生かし、市民に身近で活力あるまちづくりを進めることが強く求められております。また、このようなまちづくりが、市民が自ら住むまちに愛着や誇りを持ち、内外の人々に大阪を訪れたいと感じさせる集客都市の魅力づくりにもつながっていくものと考えております。21世紀にふさわしい調和のとれたまちづくりについて、市長の御所見をお伺いいたします。 次に、在来地区も含めた臨海部開発についてお尋ねいたします。 私は、大阪市総合計画21にも位置づけられておりますように、臨海部に新都心を形成することにより、大阪市を均衡ある都市構造とし、その発展を支えていくことが重要であると思います。その臨海部の中でも咲洲、舞洲、夢洲については、その立地特性や広大な用地の存在を考えると、今後大阪市にとって必要不可欠な都市機能の集積や市民ニーズに対応した住宅の立地などのため市内に残された貴重な空間であると考えます。 一方で、臨海部の在来地区については、バランスのとれたまちづくり、既存の施設や資産を有効活用するという観点からも、地域の活性化が重要であります。また、近年の経済や産業構造の変化に伴い、工場移転後の土地利用の転換は大きな課題となってきております。さらに、咲洲や舞洲では、近年の船舶の大型化や荷役形態の近代化に対応した大水深コンテナ埠頭や物流ターミナルの整備など、市民のライフスタイルの変化に対応した新しい港づくりが進められる一方、此花区や港・大正・住之江区の在来地区では、港湾施設の遊休化などが生じ、その機能更新や再編が課題となっております。経済の低迷が続き、また厳しい本市財政状況のもと、臨海部開発を取り巻く情勢は大変厳しいものがあります。長期的な視点に立ち、事業の重要性や緊急性なども十分考慮するとともに、PFIや民間の活力の導入など、知恵を絞りながら進めることが必要ではないかと考えます。 既に此花区では、臨港地区の見直しによる規制緩和や区画整理事業の導入など、官民が一体となった再開発が進められているところでありますが、大正区を含めた在来地区でも、このように既存のスペースと資産をうまく活用し、地域の歴史や文化などにも配慮しながら地域を活性化させることが重要であります。在来地区の活性化を含め、今後の臨海部開発について市長の御所見をお伺いいたします。 次に、ダイオキシン類対策についてお尋ねいたします。 国においては、ダイオキシン類対策特別措置法が成立し、本年1月15日から施行されました。この特別措置法では、ダイオキシン類にコプラナーPCBを加えた耐容1日摂取量を体重1キログラム当たり4ピコグラムと規定し、大気・水質・土壌の環境基準が新たに設定されました。また、排ガスや排水の排出基準及びばいじん・焼却灰などの処理に関する新たな規制も設けられるとともに、規制対象施設も広げられ、我が国における総排出量の97%程度が規制対象となるなど、ダイオキシン類対策が本格的に始動することになると思います。さらに、大気・水質について、環境基準の確保が困難な地域には、地方レベルでも法の基準より厳しい排出基準、いわゆる上乗せ基準を設定することができるとともに、大気の総量規制の導入など、地方独自の取り組みも可能となりました。 そこでお尋ねいたしますが、本市では、この特別措置法の施行を受けてどのような対策に取り組まれるのか。また、本市のごみ焼却工場もダイオキシン類の主要な発生源の一つでありますが、削減に向けた対策は緊急の課題であり、早急に取り組んでいくべきだと考えます。さらに、本市が進める各種施策について、その効果をコスト面から検証することも大切であり、ダイオキシン類対策のコストを含めた全貌とその効果についても、市民にわかりやすく示し、理解と協力を得て対策を進めるべきだと考えますが、市長の御所見をお伺いいたします。 次に、ごみ減量・リサイクル対策についてお尋ねいたします。 大量生産・大量消費・大量廃棄型の社会のもとで、我が国を初めとした先進国は物質的な豊かさを享受してきましたが、地球環境問題の深刻化や廃棄物の環境への負荷の増大によって、これまでの社会経済システムの弊害が明らかになってきております。このような反省を踏まえ、環境と調和した新たな循環型社会づくりの機運が高まっていますが、とりわけ市民・事業者が一体となって廃棄物の減量化とリサイクルを進めることが重要ではないでしょうか。 減量を進めるに当たって、容器包装廃棄物や廃家電製品など、国において法制度が整備されリサイクルが進みつつあるものもありますが、生ごみについては家庭のごみでは約30%もあり、廃棄物の重量比で大きな割合を占めているもののリサイクルが進んでいない実情があり、これからの取り組むべき課題の一つと言えます。 生ごみのリサイクルに取り組んでいる事例を調べますと、生ゴミの堆肥化、いわゆるコンポストとしての利用は、異物混入や肥料としての需要の確保などいろいろ問題があり、特に大都市ではなかなか進んでおりません。しかし、生ごみを発酵させて発生するガスを回収し発電などに利用する方法は、大量に生ごみが発生する大都市でも有効であると着目されております。このような方式のテストプラントにホテルの生ごみを主な材料として投入し、発電する実験を行っている都市もあります。容器包装リサイクル法に続く課題として、大阪市においても生ごみを大量にリサイクルできる手法を開発するなど、積極的に生ごみのリサイクルの研究を進めていくべきだと考えますが、市長の御所見をお伺いいたします。 次に、国際集客都市づくりについてお尋ねいたします。 本市では、人・物・情報の交流を通じて、新しい文化を創出するとともに、新たな産業を振興し、都市を活性化すべく国際集客都市づくりを進めております。大阪の魅力創出の一環として、海遊館やATCなど個性ある集客施設を整備してきましたが、いよいよ来年春にはユニバーサル・スタジオ・ジャパンがオープンすることで、国際集客都市づくりにおけるハード面はほぼ完成するものと思われます。 ただ、平成10年度に実施した観光動向調査の結果を見ますと、観光ビジター総数は大きな伸びを示しておりますが、そのうち宿泊を伴う観光ビジターの割合は 7.2%にとどまっております。こうした結果からも、今後は、整備したハードを生かしたソフト面での工夫が強く求められるところであります。滞在型ビジターをふやし、市民とビジターの交流促進や経済の振興を図るためには、さまざまな大阪の魅力を十分に体験していただけるようなきめ細かなソフトづくりと経済波及効果の高い大型コンベンションの誘致などが重要ではないでしょうか。 また、2001年には世界観光機関の総会や東アジア競技大会、さらには2002年にはサッカーワールドカップやライオンズクラブの国際大会などが開催されます。特に2001年9月に開催される世界観光機関の総会は、国際集客都市を目指す本市にとってまことに有意義であり、世界各国・地域の観光担当の首脳が一堂に会する機会に大阪を大いにアピールする必要があります。そこで大阪の文化やにぎわいを体験してもらえるように、例えば御堂筋パレードを総会に合わせて開催したり、食をテーマにした新しいイベントなどを実施すれば、非常に効果的ではないでしょうか。市長は、国際集客都市づくりを積極的に進め、都市を活性化すると言われておりますが、今後、国際集客都市づくりに向けてどのように施策を進められるのか、市長の御所見をお伺いいたします。 最後に、オリンピック招致についてお尋ねいたします。 先月24日にスイス・ローザンヌで行われた立候補都市への説明会において、正式立候補都市として認められる8月末までは一切の海外招致活動はできないことになりましたが、それまでは地元、国内の招致機運をどのようにして盛り上げていくのかが非常に重要であります。しかし、いくら市民が盛り上がっていても、市民のモラルが低くてはオリンピックを開催するのにふさわしいまちとは言えません。ハード面で立派なまちになっているだけではなく、そこに住む市民一人一人が市民としての自覚を持つことが重要であると考えます。一つの例として、繁華街、ターミナルなどでのボランティアによる新たな美化の推進として大阪版アダプト制度が始められようとしておりますが、このような取り組みを積極的に進め、市民意識の高揚を図ることにより、真にオリンピックを迎えるのにふさわしいまちづくりができると考えます。 また、8月末までは、海外での招致活動にかわり国際都市大阪のPRをすることが重要な課題であると考えます。海外における大阪の知名度は低く、PRに当たっては、観光や食文化も重要でありますが、阪神・淡路大震災以降の災害に強いまちづくりを紹介するということも一つの方法ではないでしょうか。世界の人々に大阪に来ていただけるために、大阪は海外のどこと比べても安全で快適なまちであるということをアピールすることが必要であると思います。さらに、大阪市はUNEP国際環境技術センターを鶴見緑地に誘致したり、国際消防救助隊への参加による海外派遣など、数多くの国際協力に取り組んでおります。世界に貢献する国際都市であるというPRをすることが、オリンピック招致にもつながるのではないでしょうか。市長の御所見をお伺いいたします。 以上、13項目にわたりお尋ねしてまいりました。市長の明確な御答弁をお願い申し上げまして、私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。 ○副議長(松原恵子君) 理事者の答弁を許します。 磯村市長。   (市長磯村隆文君登壇) ◎市長(磯村隆文君) ただいまの福山議員の御質問に対しましてお答えを申し上げます。 行財政改革についてでございますが、厳しい財政状況の中、多様な行政課題に対応いたしますため鋭意取り組んでおります。今後とも、一層簡素で効率的な行財政運営に努め、自己決定・自己責任の原則のもと、市民ニーズに基づく質の高い行政サービスをより効率的に提供し得る行政運営システムを確立していく必要がございます。 区役所におきましては、現在、各課にわたってシステム化を推進しており、今後ともその効果を生かした事務の改編などを進めますとともに、市民利用の多い証明書発行窓口を庁舎の1階フロアに統合するなど、窓口サービスを初めとした市民サービスの向上を図ります。さらに、事業所等とも連携して区の総合調整機能を強化し、なお一層市民に信頼される区役所となるよう努めてまいります。 また、市民ニーズが多様化・高度化する中で、新しい時代の行政を担う職員としては、柔軟な発想による創造的なアプローチや政策形成能力、調整能力が求められており、企画力の向上のための研修等も行う一方で、職員が主体的におのおのの事業の改善と新たな施策の提案ができるよう、職員の意識改革も図ってまいります。 さらに、市民が必要とする情報を的確に提供し、市民の意見が市政に反映されるようにすることが重要であり、原則公開の趣旨を徹底し、行政の説明責任を果たせるよう公文書公開の制度改正に取り組み、情報公開をより一層推進してまいります。 外郭団体につきましては、経営状況の的確な把握に努め、より効率的な運営がなされるよう適切に指導していくとともに、経営評価マニュアルを策定し、自主的・自律的な経営改善の促進を図ってまいります。また、行財政改革を進める中で、外郭団体の統廃合は重要な課題の一つであり、これまで5団体の見直しを行ってまいりましたが、今後とも適時適正な見直しに積極的に取り組みます。 なお、今回の庁舎の移転・集約化につきましては、市民サービスの低下や負担増を来さないことを大前提に取り組み、市民の皆様の理解が得られるよう努めてまいります。 こうしたことから、本市といたしましては、平成13年度以降についても、引き続き行財政改革に取り組んでいくことが市民からの強い要請であることを痛感いたしており、将来の大阪市の姿を見据えて、市民にわかりやすい明確な計画を策定し、私が先頭に立って新たな行財政改革に取り組んでまいります。 交通事業についてでございますが、現在1日に 300万人近い乗客を輸送し、市民生活や都市活動を支える重要な役割を果しておりますが、その経営状況は、経営基盤強化のために策定した経営健全化計画の実施により一定の収支改善効果がありますものの、長引く景気低迷の影響などから乗車人員が減少傾向にあり、非常に厳しいものとなっております。また、規制緩和により、他のバス事業者の参入が予想されるなど、市営交通事業の経営環境は今後ますます厳しさを増すものと考えております。しかしながら、ひとにやさしいまちづくりや国際集客都市づくりを一層進めていく上で、例えば観光客にも配慮をしたバス路線の設定など、市民や利用者の皆様に良質な輸送サービスを提供するためには、経済性を発揮しながら公共の福祉の増進を図るという公営企業本来の目的に沿って、経営体質の改善を図りながら、今後も市営交通事業がその役割を果していく必要があると考えております。 現在、交通担当助役を委員長とし、学識経験者を交えて設置しております公営交通事業改革調査委員会におきまして、これまでとは違った視野に立つ抜本的な経営改善策の検討を行っておりまして、バス事業につきましては、昨年6月の中間取りまとめを受け、本年5月中旬に、小型ノンステップバスを用い、料金を 100円とした新しいバスサービスの試験運行を市内5カ所で行うこととしておりますが、その結果も十分見きわめながら、新しいバスサービスの拡大についても検討をしてまいる必要があると考えております。引き続き、バス・地下鉄両事業について鋭意検討を進めてまいり、便利で快適な輸送サービスの経済的かつ効率的な提供につきまして、平成12年度中には具体的な方策を取りまとめたいと考えております。 介護保険導入を踏まえての高齢者施策についてでございますが、市民の方々に介護保険制度の理解を十分深めていただくため、リーフレットの配布や市政だより・区政だよりの活用、制度説明会の実施、また昨年9月から全国で初めて休日や夜間での24時間対応の自動音声応答システムを導入し、制度の周知に努めております。今後、大阪府とも連携を図り、テレビ・ラジオを通じた周知に努めるとともに、市民の方々に事業者選択の利便を図るため、居宅介護支援事業者、サービス提供事業者及びボランティア組織等の事業者マップを盛り込んだ介護保険利用の手引きを作成し配布するなど、広報・周知活動に取り組んでまいりたいと考えております。また、生活支援の観点から、介護認定で自立となった高齢者に対し家事援助などの事業を実施するとともに、多様な生活の場を確保するため、新大阪市高齢者保健福祉計画に基づき、介護保険対象外施設の整備も積極的に推進していくこととしております。 次に、高齢者の健康づくりや生きがいづくりにつきましては、健康で生活できる期間、いわゆる健康寿命の延長を図り、要介護者にならないことが非常に重要であります。新しい地域保健体制におきましても、各区保健センターがこれまで以上に地域に出向き、市民の方々とともに実施する健康づくりを重視しており、その一環としていきいき教室を 127カ所から来年度は 200カ所に拡充いたします。この教室では、寝たきりなど要介護状態にならず住みなれた地域で生き生きと過ごせるよう、高齢者の自立を支援いたします。また、ボランティアとして広く市民の方々に協力していただくことにより、地域の高齢者問題について考える機会ともなるよう、地域参加型事業として充実・発展させてまいります。 また、21世紀を目前に開催されるねんりんピック2000大阪につきましては、現在招致活動を進めている2008年大阪オリンピック・パラリンピックのメーン会場となる舞洲を中心に「なにわから未来にかける長寿の橋」を大会テーマとして、各種交流大会や関連イベントを開催いたします。この大会は、世代を超えた多くの人々に新しい発見や出会い、大きな感動、共感をもたらし、人生80年時代にふさわしい高齢者の新しいライフスタイルを全国に発信するとともに、高齢者自身が生き生きと活躍する21世紀へのかけ橋として、実り多い大会となるよう取り組んでまいります。 次に、市民の健康づくりについてでございますが、本市におきましては、これまで平成元年2月に策定いたしました健康大阪計画に基づき、各種健康診査事業を初めとする個々の健康づくり施策について充実・強化するとともに、市民の健康づくりを支援するヘルスリーダーや健康運動指導士などの人材育成にも努めてまいりました。さらに、地域のスポーツ施設などの整備もほぼ順調に進捗しております。しかしながら、議員御指摘のとおり、本市の場合、他都市に比べて生活習慣病による死亡率が高いことなどから、市民の平均寿命がいまだ全国平均に達しておらず、今後はその対策が重要であると考えております。 現行の健康大阪計画は、目標設定が抽象的で達成度を評価しにくいことや、行政施策が中心で市民の行動目標が明確でないなどの課題がございます。そこで、平成12年度に策定いたします新健康大阪計画につきましては、市民の健康水準を把握し、全国平均や他の地域と比較することによりまして健康課題を明確にし、食生活や運動などの生活習慣に関する具体的数値目標を設定してまいります。数値目標の設定に当たりましては、今年度中に公表される国の計画との整合性を図りながら、地域や職場、また学校などの保健分野で活躍されている方々に広く御意見をお伺いするとともに、計画の推進に際しても、これらの方々に大きな役割を果していただきたいと考えております。また、計画策定後は、市民の健康に関するデータを継続的に収集・分析し、目標の達成度を評価して見直しに反映させることによりまして、計画をより実効性のあるものとしてまいります。 さらに、日常生活の質を高めて健やかな高齢期を迎えていただくためには、生活習慣病を予防するための施策を一層推進する必要があります。本市におきましては、心臓病や肝臓病、糖尿病の死亡率が高い状況にありますので、平成12年度から基本健康診査の血液検査項目の追加や中小企業従事者に対する健康診断の充実及び糖尿病予防のための個別健康教育を新たに実施することにより、効果的できめ細かな生活習慣病対策を推進してまいります。 学校教育につきましては、後刻、教育委員会よりお答え申し上げます。 今後の人権行政のあり方についてでございますが、今日、外国籍住民や子供等の人権にかかわるさまざまな課題があり、総合的、体系的な人権施策を進めることが求められています。本市では、平成9年、人権教育のための国連10年行動計画を策定し、人権教育・人権啓発や職員研修の取り組みを進めるとともに、昨年4月、総合的な人権行政を推進するため人権行政基本方針を策定したところでございます。 このたび上程いたしました人権尊重の社会づくり条例では、人権が尊重される社会の実現を目指し、本市及び市民の責務を明らかにし、本市の施策の推進に必要な事項を定めるとともに、人権施策推進審議会を設置することとしております。この審議会においては、人権施策について有識者の方々に総合的な見地から御審議いただくとともに、広く市民の意見が反映されるよう検討してまいりたいと考えております。今後、人権教育のための国連10年行動計画や人権行政基本方針に基づく人権行政の推進に審議内容を積極的に生かすとともに、市民の協力を得て、一人一人の人権が尊重される国際人権都市大阪の実現を目指してまいりたいと考えております。 ものづくりの活性化についてでございますが、大阪の経済が21世紀に向けてより発展していくためには、産業活動の基盤として本市の経済を牽引してきた中小製造業の高度化の促進など、ものづくりに対する一層の振興が重要であると考えております。本市では、従来から経営や技術の専門人材を登録し、情報提供や相談、生産現場での技術指導など、中小製造業者に対し各種の支援策を実施するとともに、ものづくり産業集積の維持発展を目指して制定された地域産業集積活性化法に基づく国の地域指定を受け、小規模企業向けの24時間操業可能な賃貸工場、テクノシーズ泉尾を昨年2月に開設いたしました。また、この集積活性化法を活用し、市立工業研究所を集積地域内の企業の支援機関として位置づけ、最先端技術の普及拠点としての機能強化に努めてきており、来年度から新たに中小製造業の独創的な製品開発を支援する共同研究に取り組んでまいります。 平成13年1月に開設を予定している大阪産業創造館においては、中小製造業者の経営基盤の強化に向け、経営相談、融資等の窓口を集約し、総合的に支援する体制を整備いたします。また、新たに事業提携や技術提携などによるビジネスチャンスの拡大を目指し、商談会の開催や異業種交流活動の促進を図るとともに、実学ゼミナールなど、人材育成事業にも取り組みます。さらに、技術移転についての常設の窓口を設置し、意欲的な中小製造業者と市立大学、工業研究所を初めとする関係研究機関との連携を強め、技術シーズと企業ニーズの掘り起こしを行ってまいります。とりわけ、市立大学の工学部などですぐれた特性を持った材料や新技術の開発研究を行ってきており、これらの成果をものづくりに活用し、製造工程における技術革新や新素材の開発などが促進されるよう、産学連携事業を積極的に進めてまいります。 今後の大阪産業の振興を体系的に推進していくため、平成12年度に産業振興中期ビジョンを策定してまいりますが、中小製造業の振興を主要な施策課題の一つとして取り上げ、都市におけるものづくり機能の充実強化に向けた方策を検討してまいります。 調和のとれたまちづくりについてでございますが、21世紀は本格的な少子・高齢化社会であり、まちづくりにおきましては、安全性の向上はもとより、地域の特性を生かしたまちづくり、楽しく快適な日常生活が送れるまちづくりなど、住む場所としての魅力づくりが一層重要となります。とりわけ密集市街地は、阪神・淡路大震災の甚大な被害からもわかるように、防災面で多くの課題を抱えており、今後早急に整備に取り組む必要があることから、昨年11月に大阪市防災まちづくり計画を取りまとめました。 この計画では、周辺地域の密集市街地を中心に約 3,800ヘクタールを防災性向上重点地区に指定し、生野区南部地区等で密集市街地の整備事業を推進するとともに、民間老朽住宅の建て替えに対する支援制度の優遇措置を実施しております。今後、さらに狭隘道路の解消の方策についての調査を進めるとともに、道路、公園等の防災骨格についても強化してまいります。こういった施策を推進するとともに、地域の方々の多様なニーズや地域特性を考慮したまちづくりを進めるため、大阪市まちづくり活動支援制度などを活用して、住民と行政が協働でまちづくりを進め、お年寄りから若者まで安心して住み続けられ、古くからの地域の歴史・文化が生かされ、ぬくもりのあるコミュニティーが継承されていくよう努めてまいります。 さらに、景観の向上に関しましては、昨年12月に定めました大阪市景観形成基本計画に基づき、市民・企業と連携して、アメニティーと美しさに満ちた大阪らしい都市景観の形成に取り組んでまいります。この一環といたしまして、大阪の地形やこれまでのまちづくりで築いた資産を生かして地域の特性ある景観形成を進めるため、平成12年度より、順次、景観形成地域を指定してまいります。また、地域の景観形成の軸となる道路におきまして、電線類の地中化等の整備を積極的に進めるとともに、まちづくりにあわせて地域の歴史や文化、市民の暮らしなどが感じられる景観が形成されるよう、土地利用や地域特性ごとに景観形成の指針を策定してまいります。今後とも、地域の特性を生かしながら、市域全体として調和のとれたまちづくりを進めてまいりたいと考えております。 在来地区も含めた臨海部開発についてでございますが、21世紀におきましても、大阪から新たな産業や文化を創出し、また大阪が活力に満ちた国際集客都市として発展をしていくためには、臨海部において、市民生活や大阪の経済活動を支える港湾施設整備に加え、魅力あるまちづくりを進めることが必要と考えております。臨海部開発を先導するコスモスクエア地区では、既に国際集客都市大阪の最先端エリアとしての活動を開始しておりますし、また今後の臨海部開発の中核となる夢洲におきましても、近年における輸入貨物の増大や船舶の大型化などにも対応した大水深コンテナ埠頭等の港湾施設整備を進めるほか、21世紀のモデル都市となるようなまちづくりを目指し、現在そのプランづくりを進めております。 一方、都心に隣接し高いポテンシャルを有する在来地区につきましては、国際集客都市として大阪市が世界に飛躍する上でも大変重要なエリアであり、工場移転等による遊休化や港湾機能の低下が見られるところにおいては、地区の特性や既存資産の集積を生かし、地域の活性化や大阪の魅力の向上に資する再開発を行い、臨海部全体でバランスのとれた発展を目指してまいりたいと考えております。既に此花区では、臨港地区の見直しとともに土地区画整理事業と港湾整備事業を組み合わせるなど、事業手法にも工夫を凝らした此花西部臨海地区の再開発や、内貿貨物ターミナルの形成を目指した港湾施設の再編整備を推進しております。工場移転等により土地利用の再編が必要となっている大正区におきましても、周囲が海や川に囲まれた地理的条件を生かし、例えば鶴浜の埋立地などにおいて新たな魅力あるまちづくりを行い、そこから生まれる活力により大正区全体が活性化するようなプロジェクトの展開を検討する必要があるものと考えております。本市の財政は非常に厳しい状況でございますが、民間とも協力し、知恵を出し合い、工夫しながら、大阪の将来にとって必要不可欠な在来臨海部の再開発を進めてまいりたいと考えております。 ダイオキシン類対策についてでございますが、市民の健康を守る上で全力を挙げて取り組まねばならない重要課題であると認識しております。これまで本市の施策を総合的に取りまとめた対策方針及び指導指針に基づき、発生源への排出抑制を指導するほか、大気・水質などの環境調査、母乳・食品の濃度調査、情報提供、分析機器の整備など、各種の対策を実施してまいりました。ダイオキシン類対策特別措置法の施行を受け、本市では、対象施設への立入検査を行い、排ガス・排水に係る排出基準の遵守・徹底を図るとともに、ばいじん・焼却灰の処理処分への監視を強化するなど、発生源対策を着実に進めてまいります。本市のごみ焼却工場におけるダイオキシン類削減対策につきましては、対策を必要とする6工場において、規制が強化される平成14年12月までに速やかに完了いたします。この削減対策により、国の規制基準を達成することはもとより、可能な限りダイオキシン類の排出削減に努めてまいります。環境調査につきましては、土壌・水質・底質の測定地点数を大幅に増加するほか、新たに地下水の調査も実施してまいります。また、環境基準の確保が困難な状況となった場合には、上乗せ排出基準や大気の総量規制に関し、大阪府と連携しながら適切な措置を講じてまいります。 今後、対策方針を改正強化し、本市独自に、未規制施設の排出実態調査や母乳調査の継続、市民が摂取する食品からの1日摂取量調査などを実施してまいります。さらに、ダイオキシン類問題をわかりやすく理解していただくため、ダイオキシン類対策に関するコストなどを含めた施策の内容及び効果についての最新情報や、ごみ減量に向けた身近な取り組みの事例などを紹介し、市民の理解と協力を得ながら、対策のより一層の充実を図ってまいります。 ごみ減量・リサイクル対策についてでございますが、環境先進都市を目指し、循環を基調としたまちづくりを進めてまいりますために、今後とも市民や事業者による自主的な減量・リサイクルの取り組みを支援・促進するとともに、パートナーシップを保ちつつ、各種の施策を推進してまいります。 生ごみのリサイクルにつきましては、食品工場の製造過程から排出される残渣など、一部でのリサイクルは進みつつあり、またホテルや外食産業などから排出される生ごみについても、現在国におきましてその有効利用を図るための検討が進められております。一方、家庭から排出される生ごみは、ごみの中で大きな割合を占めておりまして、今後積極的な対応が求められておりますが、これまでほとんどリサイクルされていないという状況にございました。しかしながら、近年家庭用の生ごみ処理機が普及し始めており、市民自らが生ごみを分別して処理を行うことからリサイクル意識の高揚にも資するといったメリットもございますので、平成12年度におきまして、家庭用生ごみ処理機のモニター事業を実施してまいります。また、最近は、生ごみから発生するガスを回収して有効利用するなど、生ごみリサイクルの可能性が広がりつつありますので、将来、臨海部などでの新たなまちづくりにこういった点も視野に入れるなど、さまざまな角度から研究・検討を進めてまいります。 ごみの減量・リサイクルの分野におきましては、新たな技術開発や国によるシステムづくりの動きがあり、これまでにない取り組みが可能となることも期待できるところであり、今後とも循環型社会の構築を目指した廃棄物行政の一層の推進に積極的に取り組んでまいります。 国際集客都市づくりについてでございますが、内外からの人・物・情報が集まり、あすの発展を先導する新しい産業や文化を創造する活力に満ちた国際集客都市を目指し、これまではハード整備を中心に進めてまいりましたが、今後はユニバーサル・スタジオ・ジャパンを初め、整備した集客施設をうまく活用するソフトを重視した施策を進める必要がございます。滞在型ビジターをふやし、市内を回遊していただけるようICカードなどを活用した集客施設のネットワーク化を進めますとともに、多彩な食の魅力や地下街や商店街などでのショッピングといった大阪の魅力を十分に楽しめるシステムづくりを進めてまいります。 また、コンベンションの振興については、ATCやインテックス大阪などでの見本市の誘致に努めますとともに、本年4月にオープンする大阪国際会議場を核として、国際会議などの一層の誘致を進めるため、財団法人大阪コンベンションビューローの誘致活動の強化を図ってまいります。21世紀には、世界規模での観光大交流が起こると言われる中で、都市間競争はますます熾烈になっていくものと予想されることから、今後、シティプロモーションを一層積極的に展開する必要がございます。国内外の旅行代理店などを招き、集客関連企業や団体が一堂に会して総合的に大阪のPRを行うトラベル・ビジネス・コンベンションは非常に効果的であり、本年も一層内容を充実して開催するほか、最新の情報通信技術を活用して個人レベルでも需要を掘り起こすPRに努め、ビジターの立場に立った利用しやすい情報提供に努めてまいります。 また、2001年9月に開催される世界観光機関の総会は、国際集客都市大阪を世界にアピールする絶好の機会であり、議員からの御提案も念頭に置きながら、その盛り上げにつきまして、府や経済界など関係先とも十分協議してまいります。 国際集客都市づくりを進めますためには、ビジターを受け入れる集客関連の企業・団体や大阪市民の理解とそれぞれの立場での協力が必要であり、今後とも横断的に連携を図りながら、国際集客都市大阪の実現に努めてまいる所存でございます。 オリンピック招致についてでありますが、オリンピックは世界最大のスポーツと文化の祭典であり、その開催は青少年を初め市民に夢と希望を与えるものであり、21世紀の幕あけにふさわしいイベントであります。大阪市は早くから営々とまちづくりを続けており、2008年であればオリンピックを開催できる都市になっていると判断して開催に立候補しましたが、議員御指摘のとおり、私もオリンピックの招致が市民意識の向上につながることが非常に重要であると考えております。 オリンピック子ども親善大使の派遣事業を初め、各区でも子供の作文や絵画を募集しておりますが、ごみのポイ捨てや違法駐車等のマナーの問題など、自分たちのまちに対する思いや期待が数多く寄せられております。オリンピックを開催するにふさわしいマナーの向上、まちづくり推進のため、私も自ら先頭に立って、市民の力で世界に誇れる大阪をつくりたいと思います。 また、大阪を世界に紹介することは国際集客都市構想を推進する上でも重要なことであり、各局がそれぞれ取り組んでいる事業を通じて、大阪を国際的にアピールしなければならないと思います。その切り口として、御指摘のような安全性と快適性、国際協力は非常に重要であると考えております。大阪は、治安や防災の面でも世界的な水準から見て非常に安全なまちであること、さらにアジアを初め世界中の開発途上国からこれまでに 1,000人以上の研修員を受け入れているほか、毎年本市職員を派遣するなど、人材育成、環境保全等、いろいろな分野で世界に貢献していることを強くアピールしていくことが、大阪の国際的評価につながり、ひいては大阪オリンピックに対する国際的な支持につながるものと思います。以上でございます。よろしくお願いを申し上げます。 ○副議長(松原恵子君) 玉井教育長。   (教育長玉井由夫君登壇)
    ◎教育長(玉井由夫君) 学校教育についてお答え申し上げます。 学校におきましては、これまで多くの教育活動を学校内で行っておりましたが、地域に開かれた学校づくりを進めるに当たりましては、教育活動の場を地域に広げるとともに、地域の人材や施設を学校教育に活用することが大切であると考えております。 その具体的な取り組みといたしまして、ボランティア活動や職場体験学習のように教育活動の場を地域に広げるよう一層推進してまいりますとともに、地域や社会の各界からの人材を学校の教育活動に活用することも積極的に進めてまいります。例えば学芸員など専門的な知識や技能を持った社会人を学校支援人材バンクに登録し、学校が学習内容に応じて招聘し活用するシステムや、各学校が地域との連携をより一層深める観点から、卒業生や地域の人々の中から例えばコンピューターの高度で専門的な技術などを持った人材や、たくみの技を持つ職人などの地域の人材を社会人講師として授業に積極的に参画していただくことも必要であると考えております。 次に、地域での児童生徒の生活に関する相談活動につきましては、生活指導の一環として、これまでも地域の主任児童委員や少年補導協助員等と学校が連携して家庭への訪問指導などを行ってまいりましたが、今後、より一層連携を密にして保護者や地域の人々の要望にこたえるよう努めてまいります。また、これまでPTAの成人教育として学校内で開催しておりました子育て講座など保護者のニーズにこたえるPTA学習会等につきましても、今後は学校とPTAが連携した地域活動の一環として、より地域に密着した取り組みとなるよう図ってまいります。 次に、熱意のある教員の養成についてでございますが、従前より教員の教科等の指導力を高めるための専門的な研修や、生活指導に関する研修や、さらに部活動の活性化を図る観点から、吹奏楽の指導者養成講座や中学校体育連盟とタイアップした実技や審判の講習会等を行っておりますが、今後とも熱意を持って教育活動に取り組む教員の養成により一層努力し、活力のある学校づくりに努めてまいります。 また、教員の採用につきましては、教育職員養成審議会におきまして、多面的な人物評価を積極的に行う選考への移行が必要であるとの第3次答申がございました。本市の採用選考に当たりましては、これまでも学生時代の部活動での活動状況や特技、ボランティア経験について活動歴を面接等でも確認するなど、活力と熱意のある教員の確保に努めてまいりましたが、今後とも教員採用選考テストの実施方法について研究・改善に努めるとともに、より人物を重視し面接を重視した選考を行ってまいりたいと考えております。以上でございます。よろしくお願い申し上げます。 ○副議長(松原恵子君) お諮りいたします。この際暫時休憩することに決して御異議ありませんか。   (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○副議長(松原恵子君) 御異議なしと認めます。よって暫時休憩いたします。   午後2時23分休憩   午後3時6分再開 ○議長(公原賢司君) これより休憩前に引き続き会議を再開いたします。 ○議長(公原賢司君) 床田正勝君の質疑を許します。 6番床田正勝君。   (6番床田正勝君登壇) ◆6番(床田正勝君) 私は自由民主党大阪市会議員団を代表いたしまして、平成12年度予算案並びに関連諸案件につきまして、磯村市長にお尋ねいたします。 我が国の経済は、緩やかな改善が続いているものの、民間需要の回復力が弱く、依然として厳しい状況を脱しておりません。特に関西経済は、全国と比べても個人消費を中心に回復力が弱いと言われております。関西経済の地盤沈下が言われて久しくなりますが、このまま地盤沈下が続くと、福祉等、市民生活にも少なからず影響が出てくるものと思われ、21世紀を迎えるに当たり関西経済の活性化はまさに喫緊の課題であります。 磯村市長も国際集客都市構想を打ち出され、関西経済の活性化に取り組んでおられますが、特にオリンピックの招致は大きなインパクトを持つものと考えます。オリンピック招致につきましては、西尾前市長に引き続き、磯村市長におかれましても初当選以来、自ら先頭に立って招致活動に取り組んでおられますが、我が自民党といたしましても最重要課題として取り組んでおります。 先月24日に、スイスのローザンヌで開催都市正式立候補承認手続の説明会が行われましたが、それによりますと、8月末には正式な候補都市が決定され、いよいよ招致活動が本格化してまいります。まさに12年度はオリンピック招致にとって正念場の年になると考えます。市長は常々、オリンピックはまちづくりの延長線上にあるとおっしゃってますが、オリンピックを開催するにふさわしいまちづくりができているかという観点から、以下何点か質問をさせていただきます。 まず、オリンピック招致についてお尋ねいたします。 大阪市は、2008年第29回オリンピック競技大会の招致・開催を目指しており、本年1月25日、国際オリンピック委員会へ立候補届を提出いたしました。本市のほか、北京、クアラルンプール、バンコク、イスタンブール、パリ、セビリア、カイロ、トロント、ハバナの9都市が立候補しており、今後はこれら世界の有力都市と招致合戦が始まります。先月24日の説明会によりますと、8月末に正式立候補都市として承認されるまでは海外招致活動ができないため、国内の盛り上げに重点を置くことになりました。今こそ、何のためにオリンピックを大阪に招致するのかという原点に立ち返ってみる必要があると思います。 オリンピックは、世界の若者たちが国境、文化、歴史、習慣を越え、スポーツを通じて平和の喜びを分かち合う祭典であります。オリンピック憲章には、「いかなる差別をも伴うことなく、友情、連帯感、フェアプレーの精神をもって相互に理解し」、「スポーツを通して平和でよりよい世界をつくることに貢献すること」がオリンピック精神であり、この精神を広めていくあらゆる活動がオリンピックムーブメントであるとされております。このオリンピックムーブメントの頂点に立つのが、4年に一度のオリンピック競技大会であります。オリンピックを招致する活動とは、この崇高なオリンピック精神を理解し、普及させる過程でもあり、その実現が市民の意識を向上させ、若者に夢と希望を与える大きな教育的効果をもたらすものであります。 2008年大阪オリンピックが実現すれば、大阪の青少年に夢と感動を与え、世界の平和に貢献するのであります。それは、決して金銭で買えるものではありません。知名度の向上や経済効果も重要ではありますが、それ以上に大きな財産が得られると考えます。オリンピックのためのまちづくりではなく、まちづくりの延長線上がオリンピックであり、巨大開発など、そういった批判は全く理解に苦しむところであります。 2008年大阪オリンピックは21世紀のモデルとなるオリンピックにしたいと市長はおっしゃってますが、招致活動そのものについても、オリンピックムーブメントの普及という崇高な理念に支えられた21世紀のモデルになる活動であるべきだと考えます。国際舞台のスタートラインに立った今こそ、オリンピックのすばらしさを原点に返って市民にアピールしていくべきであると考えます。また、そうすることにより、さらなる盛り上がりが期待できると考えますが、市長の御所見をお伺いいたします。 次に、市民スポーツの振興についてお尋ねいたします。 本市では、スポーツパラダイス大阪の実現を目指し、市民一人一人が生涯を通じてスポーツに親しむまちづくりに向け、市民スポーツの奨励や施設づくり、国内外の競技大会の招致・開催に取り組んでおります。まさに大阪オリンピックの招致は、そのまちづくりの集大成であります。しかしながら、中央体育館や長居陸上競技場を初め、国際級スポーツ施設の整備が着実に進んできている反面、市民がスポーツと接するための取り組みに多少おくれを感じております。そのことがオリンピック招致の盛り上がりに影響を与えないかと心配しているところであります。オリンピック終了後、残ったものは第一級のスポーツ施設だけというのでは、いかにも寂しいと思われます。オリンピックを市民にとってより身近なものとするには、オリンピックを招致することにより、自分たちのスポーツ環境がいかに変化するかを実感できるような施策の新たな展開が求められているのではないでしょうか。 学校のクラブの問題、指導者の問題、活動場所の問題など、さまざまな問題はあろうかと思いますが、例えばオリンピック招致を契機に、多くの子供たちがオリンピック出場を夢見ることができる、そんなシステムづくりができないでしょうか。また、そういった視点からの検討も必要だと考えます。スポーツ施設の整備とは異なり、難しい問題があることは十分承知をいたしております。しかし、施設整備に一定のめどが立った今、その施設を最大限に利用しつつ、より多くの市民がスポーツに参加できるシステムをつくっていかなければならないと考えます。また、その結果、一人でも多くの市民がオリンピックに参加でき、メダルを取ることができたら理想であり、ひいてはそれがさらなる市民スポーツの振興につながると考えますが、市長の御所見をお伺いいたします。 次に、小・中学生によるスポーツの祭典についてお伺いいたします。 2008年のオリンピックにおいて、選手として、またボランティアなど運営面で活躍が期待されるのは、今の小中学生であります。その意味から、小・中学生によるスポーツの祭典には大きな期待を寄せております。私は、本市の小中学生が全員参加し、保護者や多くの市民の方々にも応援していただき、オリンピックの招致機運を大きく盛り上げていただきたいと考えます。小・中学生によるスポーツの祭典は、オリンピックを招致するための子供たちの一大イベントとして十分な成果が上げられるよう、実施計画を綿密に練り上げていただきたいと考えます。さらに、オリンピックへの夢と希望を子供たちに抱いてもらうことを何よりも大事にしていただきたいと考えます。そのためには、オリンピックを子供たちに身近なものとして感じてもらうことが必要であります。参加した子供たちに、これまで経験したことのない感激や楽しさ、臨場感を味わってもらうことが不可欠であります。2008年に大阪でオリンピックを開催したとき、このスポーツの祭典に参加した小中学生からオリンピック選手が誕生してくれたら、それが私の夢であり希望でもあります。そんな思いを持って、小・中学生によるスポーツの祭典に期待を寄せているところであります。 子供たちの話題が小・中学生によるスポーツの祭典で持ち切りになるよう、思い切って取り組んでいただきたいと考えます。1つには、オリンピックのような華やかで印象に残る開会式を行うこと。2つ目に、オリンピック選手に出会い、身近に触れ合う場をつくること。3つ目に、オリンピックで使用を予定している国際級の大規模競技施設を使用し、子供たちにその雰囲気を味わっていただくこと。4つ目には、子供たちや保護者を初め、広く市民の関心を引きつけること。そして5つ目には、子供たちや保護者の方々にボランティアでこの祭典を支援していただくことであります。 ことしは、折しも大阪市PTA協議会の設立50周年に当たります。PTA協議会は、戦後の新しい学制が施行されて以来、育友会からPTAに改称され、ボランティアとして学校教育を支え、子供たちの健全育成と教育を守り続けてこられました。設立50周年という節目の年に開催されるこの祭典で、PTA協議会にボランティア活動などでこの祭典を後援または協賛していただく団体として活躍していただきたいと考えます。教育委員会は、この小・中学生によるスポーツの祭典を開催するに当たり、どのように取り組んでいかれるのかお伺いいたします。 次に、青少年の健全育成についてお伺いいたします。 大阪府警察本部のまとめた平成11年の「大阪の少年非行」によりますと、刑法犯の50%を少年が占めており、殺人、強盗といった凶悪犯罪においても40%が少年の犯行であるなど、もはや非行と言うよりも犯罪の低年齢化・凶悪化が進行している現状にあります。このような状況に至った背景・原因については、私は、核家族化、少子化、都市化、情報化にあると考えます。 核家族化により、子供の人格形成に最も大きな役割を果たすべき家庭の機能が低下していると言わざるを得ません。子供が学校から帰ってきたとき、だれかが家にいるのといないのとでは大違いであり、私の経験によりますと祖母が家にいてくれることにより、大きな安心感を得たものであります。また、大人が多いと、しつけの機会がふえるだけでなく、例えば親が子供をしかっても陰で祖父母がフォローしてくれるなど、絶妙のバランスでしつけをすることも可能となります。さらに、家事手伝いをすることにより、人の役に立つことの喜びを覚え、祖父母がいることにより、祖父母から孫へ日本の伝統や文化の継承も期待できると考えます。 次に、少子化により、兄弟姉妹の関係で助け合ったり、けんかをしたりしながら、譲り合う、我慢する、時には自己主張するなど、人間関係の基本を学んできましたが、それができなくなってきつつあります。また、学校での友達づき合いにおいて、違った環境で育った人とのつき合い方の基本を学んできましたが、生徒数も減少し、ますますその機会が少なくなっていると考えます。さらに、都市化により遊び場がなくなったことで、子供同士の友情も薄くなりつつあります。人間関係の希薄化は、子供に限ったことではなく、地域社会全体の問題でもあります。地域社会における人間関係の希薄化により、子供が基本的習慣や社会性・協調性を身につけていくことがますます困難となってきております。 また、情報化の進展により、情報の取捨選択、善悪の判断基準が十分でない子供たちが、インターネットなどを通じて露骨な性描写、凶悪犯罪などの情報を簡単に自分の部屋で見れるようになるなど、子供の健全な成長にとって極めて憂慮すべき環境となっております。 現在の状況に至った第一義的な責任は家庭にありますが、このような社会的要因を市長はどのように考えておられるのか、また、次代を担う青少年の健全育成に向けた決意とあわせてお伺いいたします。 次に、高齢者の生きがい施策についてお伺いいたします。 私たちが毎日安心して生活できるのは、戦後の大変だった日本を今日まで立て直してくださった高齢者となられた方々のおかげであると私は思っております。その高齢者の方々に豊かな老後を過ごしていただけるよう努力するのは、私たち若者の当然の義務であり、感謝の気持ちでもあります。高齢社会を迎えた現在、今まで以上にこれからの高齢社会のあり方や高齢者の方々の老後の生き方について真剣に考えるべきであります。介護を必要とされる高齢者の方々の問題も大変重要ですが、これからの高齢社会を生き生きとした豊かな社会にするためには、介護を必要とされず元気に暮らしておられる多くの高齢者の生き方に注目した施策を進めていくことが極めて重要であります。 このように、元気な高齢者が住みなれた地域において健康で充実した人生を安心して送っていただける社会をつくることが、今後の重要な課題であります。そのためには、健康づくりへの支援、スポーツの振興、文化活動の推進、地域における社会参加活動の推進、知識や経験を生かした就労への支援を軸に、地域社会に密着した具体的な施策の充実を図っていくことが必要であります。その際、地域の意欲的な高齢者が自主的に社会参加活動を通じて行うさまざまな生きがい活動への取り組みを促すためのきっかけづくりに努め、高齢者が多くの活動メニューの中から主体的に自分に合った生きがいを選択し実践していくという仕組みが望ましいと考えます。 一方、家に閉じこもりがちな方や活動の場を求めながら模索しておられる高齢者も多いかと思われますが、地域に身近な生きがいや健康づくりのための機会や場の提供など、具体的な支援策を講じていくべきであり、そのためにはまず、年齢に応じた高齢者のニーズや実態を把握することも必要ではないでしょうか。お元気な高齢者に対する施策のあり方について、市長の御所見をお伺いいたします。 次に、商店街の活性化についてお尋ねいたします。 商店街は、単に消費の場であるばかりでなく、地域の氏神様の祭りなどを支えたり、夜店の場を提供したりするなど、まちの顔とも言うべき大切な役割を担っておられます。しかしながら現在、商店街を取り巻く環境は、景気の低迷が続く中、消費者の価値観やライフスタイルの多様化に伴うニーズの変化、さらには大型店やコンビニエンスストアなどの新しい業態店の進出など、極めて厳しい状況にあり、商店街の衰退傾向も高まっております。このままでは商店街に空き店舗が増加し、商店街の基本である商い機能の低下や商業集積としての魅力の減退を招き、まちから商店街が消える事態すらも懸念されます。商店街の果たしてきた役割から、商店街の崩壊はコミュニティーの崩壊にもつながりかねない大きな問題であり、まちづくりという観点からも早急に有効かつ的確な対策が望まれます。 本市では、従来からアーケード設置やカラー舗装といった共同施設の整備支援はもとより、商店街のにぎわいをアップさせるためのイベントへの支援など、他都市よりも充実した施策を種々展開し、積極的に商店街に対する支援策を講じてこられましたが、こうした厳しい状況を考えると、より一層の対策が必要ではないでしょうか。商店街が今後とも活力を保持し発展していくためには、言うまでもなく各商店における経営の安定化が重要ではありますが、今日流通分野においても進展の著しい情報化への対応策も必要であると考えます。 そこで、来年1月に開業が予定されている大阪産業創造館の事業においても、きめ細かな経営や融資などの相談はもとより、中小小売業の情報化への対応についても充実を図るべきだと考えます。さらに、商店街の活性化については、何よりも商店街が自主的に地域特性に合った形で推進していくことが望まれます。本市としても、支援策を講じるに当たっては、まず空き店舗を初めとする商店街の現状を早急に把握するとともに、さまざまな支援策について周知を図り、さらに振興策のメニューづくりなど、きめ細かい相談・支援に応じる体制を確立し、広く福祉やまちづくりとも連携した形での総合的な商店街活性化支援が必要であると考えますが、市長の御所見をお伺いいたします。 次に、地域防災計画の推進についてお伺いいたします。 阪神・淡路大震災から5年が経過し、国においては阪神・淡路復興対策本部が設置期限を迎え、2月末に解散し、関係省庁の連絡会議により施策が引き継がれることになりました。しかしながら、私たちはあの阪神・淡路大震災の教訓を忘れることなく、日ごろからいざというときのための備えを十分にしておく必要性をいま一度確認しなければなりません。特に震災による被害を最小限にとどめるためには、発生直後の迅速かつ的確な情報の収集と効果的な災害応急活動の指揮・命令をとる組織体制をより強化することが重要であります。 また、被災時にすぐ必要となる食糧、水、毛布、医薬品などの生活必需品を蓄えることにより、市民の方々に安心感を持っていただくことも重要であります。とりわけ飲料水については、震災時において供給が大変困難となり、市民生活に大きな支障を来したことなどから、広域避難場所となる大規模公園に設置される飲料用の耐震性貯水槽を一日も早く設置していく必要があります。 さらに、地域における自主防災体制の充実強化が、阪神・淡路大震災の貴重な教訓として得られたところであり、地域の方々が使用するジャッキやバールなどの災害救助資器材や消火用の耐震性貯水槽、可搬式ポンプの設置などが実施されておることは十分承知しております。資器材の充実はもとより、これらを有効活用するために、市民の方々に対する防災知識や技能の普及啓発は特に重要であると考えます。現在取り組んでおられますこれら資器材の使用方法の講習や応急手当ての普及活動を積極的かつ継続的に推進していくことが、多くのとうとい命を救う上で重要なかぎになると考えます。地域防災計画の推進について、市長の御所見をお伺いいたします。 次に、将来を展望したまちづくりについてお尋ねいたします。 まちづくりを進めるに当たり、確固たる基盤整備が重要であります。基盤整備にはさまざまな手法がありますが、その中でも現在の居住環境を大きく変えることなく総合的なまちづくりができる手法として土地区画整理事業があり、本市でも現在8地区で事業が施行されており、市域面積の約50%の区域で整備をされていると聞いております。しかしながら、いくら面的な整備が行われようとも、例えば鉄道線が市街地を分断していると一体的なまちづくりが阻害されます。このような課題を解消するため、本市では、連続立体交差事業に取り組まれております。鉄道の立体化により踏切が除去されると、踏切事故がなくなり、交通が円滑化され、人の移動や物流の点で経済効果も出てきます。また、高架下を有効利用することにより、地域の活性化が図られることにもなります。 ところで、阪急淡路駅周辺において、大阪外環状線新駅計画、土地区画整理事業、阪急京都線・千里線連続立体交差事業、住宅関連事業などが同時に実施されております。また、この付近の関西電力の高圧線による地域分断もまちづくりの大きな課題であると思っておりますが、ともかく商店街を含む密集市街地でこのような複数の手法がセットで取り組まれるのは初めてと聞いております。淡路駅周辺のまちづくりは、21世紀を展望することはもちろん、22世紀まで見据えたまちづくりのモデルケースにするぞというぐらいの意気込みで進めていくべきであると考えます。単に町並みを整え、鉄道を高架にするだけというのではなく、これからは災害に強い、バリアフリー、環境にやさしいなどの視点が今まで以上に必要となってくるのではないでしょうか。 駅前広場と一体となった緑豊かな公園の整備や、骨格となる道路の整備により、防災空間としての機能も備えた災害に強い基盤づくり、高圧線も含めた電線類の地中化、段差の少ない歩道の整備や新たな新駅へのエレベーターやエスカレーターの設置など、バリアフリーにも配慮し、道路の舗装については、環境にやさしい、排水性にもすぐれた、道路の騒音も低減できる高機能舗装にするなど、ぜひこのような視点を持って都市基盤整備事業を進めていただきたいと考えますが、淡路駅周辺のみならず、これら事業手法を活用した今後のまちづくりについて、市長の御所見をお伺いいたします。 次に、循環型社会の構築についてお伺いいたします。 我が国を初め先進工業国は、膨大な量の化石燃料など有限の資源を大量に使い、工業生産を拡大させてまいりました。物にあふれた豊かな消費生活がもたらされた反面、自然の生態系の中で分解できる量をはるかに超える大量の廃棄物が排出され、大気汚染、水質汚濁といった都市公害や廃棄物問題が激化する一方、酸性雨、地球温暖化など、地球環境の汚染が進む結果となりました。人類が科学技術を駆使し、より経済発展を目指そうとすればするほど、環境の破壊が深刻さを増していったのであります。これまでの大量廃棄型社会経済システムから脱却し、現代社会を持続可能な、環境に負荷を与えない、資源と物資が循環する社会経済システムへ転換していかない限り、私たち人類に未来はありません。このような循環型社会の構築は、まさに時代の要請であると言えます。 国においても、環境庁、厚生省を初め、通産省や農林水産省などの各省庁が循環型社会づくりに向けた広範囲な検討準備を進めていると聞いております。生産、流通、消費、廃棄の各段階でいかに廃棄物の発生を抑制していくか、さらに排出された不要物の再利用・リサイクルをいかに進めていくかが今後の大きな課題と言えます。深刻の度を増す廃棄物問題を解決するかぎは、循環型社会の構築にあるのではないでしょうか。本市においても、循環を基調とした持続可能な環境先進都市を実現していくことは、オリンピック招致を目指す上でも極めて重要な問題であり、循環型社会の構築に向けた積極的な取り組みが求められております。 しかしながら、最近、全国的な状況として、市民の協力のもとに分別収集されたペットボトルの再商品化が進まないといったことや、古紙等の集団回収も引き取り価格の低迷で継続が困難になるといった深刻な事態も耳にするところであります。リサイクルの輪がつながり資源が循環するシステムが効果的に機能するためには、再生品の市場ルートを整備するとともに、市民や事業者が再生品の利用に努めていくことが重要であります。本市においても、再生品の需要拡大の方策を含め、ごみの減量化・リサイクルの一層の推進を図るべきであります。 ところで、このような減量・リサイクルの努力を行った後に、最終的に排出されるごみについては、市民の生活環境を守るという意味からも適正に処理をされなければなりません。この場合、ごみを衛生的に処理し埋立処分量を減らすなどという観点からも、今後とも東淀工場を初め、ごみ焼却工場の計画的な建替整備が必要になると考えますが、ダイオキシン類削減対策など、ごみ焼却に伴う環境への影響をできるだけ最小限にとどめるためには、大気汚染防止法や、廃棄物処理法の規制基準に甘んじることなく、より積極的な削減努力を行わなければなりません。また、焼却工場が市民に受け入れられ、地域と共存していくためには、より環境に配慮した取り組みを進める一方、新たな工場の整備に当たっては、これまで以上にエネルギーの積極的な回収利用を図るとともに、リサイクル施設や環境教育を初めとした社会教育的な施設としての充実を目指すなど、多様な機能を備えた地域のシンボルとなるような付加価値の高い施設にすべきだと考えます。 一方、量にして一般廃棄物の8倍とも言われている産業廃棄物への適切な対応についても、循環型社会を構築する上での重要な柱であります。しかしながら、瀬戸内海の豊島を初め、産業廃棄物の不法投棄による深刻な環境汚染や、全国各地で繰り広げられている産業廃棄物処理施設の設置をめぐるさまざまな紛争など、産業廃棄物をめぐる事件には枚挙にいとまがなく、産業廃棄物対策は一層混迷の状況を呈しております。さらに、ダイオキシンによる汚染やポリ塩化ビフェニールを初めとする有害化学物質などへの適切な対応も必要であり、文字どおり課題は山積いたしております。本市においても、循環型社会を目指す取り組みの一つとして、産業廃棄物対策をより一層推進していくべきだと考えます。 また、産業廃棄物ゼロという新たな産業社会のあり方を探り、循環型産業社会システムの構築を目指すための手法の一つとして、国連大学が推進しているゼロ・エミッション構想があります。これに呼応して、近年、企業においても国際環境規格ISO14001 の取得や廃棄物ゼロ工場などの取り組みも活発化しつつあります。 一方、このような個々の企業などの取り組みから、より大きな広がりとして資源の循環を考えていこうという具体的な実践がエコタウンの考え方であると認識をいたしておりますが、この事業は廃棄物処理施設の集約化を図るとともに、新たな環境ビジネスの創造に寄与するものであり、本市においても実現に向けて積極的な取り組みが必要であります。エコタウン事業の推進のため、本市全体として関係部局が連携して、英知を集め、早急な研究・立案の作業を行っていくべきであります。 取り組むべき課題は山積いたしておりますが、地球環境に負荷を与える現在の社会経済システムを持続可能な循環型に構造転換していくことは、我々20世紀に生きる世代の責務と言えるのではないでしょうか。来るべき21世紀に向け、よりよい環境を子供たちに引き継いでいくため、循環型社会の構築に向けての市長の御所見をお伺いいたします。 最後に、国旗・国歌についてお尋ねいたします。 皆様御存じのとおり、昨年8月9日に国旗及び国歌に関する法律が成立し、8月13日に施行されました。この法律では、第1条、国旗は日章旗とする、第2条、国歌は君が代とするとはっきりと明記されております。しかし、法律が施行されるまでもなく、私たちの国旗は日章旗、日の丸であり、私たちの国歌は君が代であることは、この場で改めて申し上げるまでもありません。断じて侵略戦争などの象徴ではなく、まさに平和の象徴以外の何物でもないと確信をいたしております。 2008年に世界各国の方々をホスト役として招待し、地球規模のスポーツ大会を開催しようとしている国民が、市民が、自国の国旗・国歌に誇りを持てないでどういたしましょうか。また、自国の国旗・国歌に誇りを持って来阪される外国の選手に対して、どのように接し、どのように開催国の国旗・国歌を説明されるのでしょうか。外国の例でございますが、海外からの来訪者があった場合には、民間の方でも相手国の国旗を掲揚し歓迎の意をしておると聞いております。こうした点からも、国旗や国歌は国際交流を進める上で大きな役割を果していると考えます。外国の国旗や国歌に敬意をあらわし、尊重することができるためには、まず自国の国旗・国歌について正しい認識を持ち、尊重する気持ちを養うことが必要であります。 現在、市役所本庁舎では毎日国旗が掲揚されており、大変うれしく思うところであります。市の関係施設におきましても、本庁舎と同様に国旗を掲揚していただき、また、本市主催の行事におきましても、まず国旗の掲揚から行っていただきたいと考えます。この法制化を機に、大阪市は率先して国旗掲揚・国歌斉唱を行い、今まで以上に市民に広く親しまれるよう一層の努力をすべきではないでしょうか。市長にお伺いいたします。 続いて、学校教育についてお伺いいたします。 21世紀を担う子供たちに国旗・国歌の由来、また近代史を中心とした日本の歴史について、社会や音楽の授業の中で正しく指導していただきたいと、多くの方々が望んでおられます。我が国においても、世界の国々に恥ずかしくないよう、自国及び他国の国旗・国歌が同様に尊重されるよう指導していかなければなりません。このことは子供たちが世界の人々から信頼されるための最も基本的なことであり、国際社会のエチケットでもあります。日本人としての誇りを持って国際社会に臨めるよう、国旗・国歌について正しい認識を持ち、尊重する態度や気持ちを養っていかなければなりません。 学校教育の基準を定めた学習指導要領には、社会や音楽を初めとする教科の指導においても、また入学式や卒業式など学校行事全般の特別活動においても、国旗・国歌を正しく指導するよう示されております。教育委員会におかれましては、学習指導要領に従って間違いなく指導していただきたいと思いますが、国旗・国歌に関する法施行を受けてどのように取り組まれるのか、教育委員会にお伺いいたします。 以上、オリンピックを開催するにふさわしいまちづくりができているかという観点から質問をさせていただきました。磯村市長の明快な御答弁をお願いいたしまして、自由民主党大阪市会議員団を代表いたしましての私の質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。 ○議長(公原賢司君) 理事者の答弁を許します。 磯村市長。   (市長磯村隆文君登壇) ◎市長(磯村隆文君) ただいまの床田議員の御質問に対しまして、お答えを申し上げます。 オリンピック招致についてでありますが、今後の招致活動を進めていくに当たっては、オリンピック精神の原点に立ち返るべきであるという議員の御指摘は非常に重要なことであり、私も全く同感であります。先月、ローザンヌでの立候補都市への説明会で当面の新しい招致活動のルールが発表されましたが、その中で、「IOCはすべての立候補申請都市とそのNOCにこの競争が尊敬、友情、そしてフェアプレーをうたった最高のオリンピック精神に従って行われるオリンピック競技であることを常に忘れないよう期待するものである」と述べており、IOC自体がオリンピック精神の原点であるフェアプレーの精神に立ち返ることを宣言しています。招致活動自体も、この精神に則したものにしなければならないのであります。 私は、これまでから21世紀の大阪に明るい希望を、青少年や市民に夢と感動を与えるために、平和の祭典であり、世界最高のスポーツ大会であるオリンピックを招致すると申してまいりました。近代オリンピックが 100年以上にわたって続いてきましたのは、オリンピックが単なる競技大会ではなく、背景にある平和でよりよい世界の建設という崇高なオリンピック精神が世界中の共感を得ているからであると思っております。正式に国際舞台のスタートラインに立った今こそ、本来のオリンピックの意義、すばらしさに我々市民は共鳴し、ぜひ大阪でオリンピックを開催したいという熱意を世界にアピールすることが重要であると考えております。 今後の招致活動につきましては、ルールに従うというフェアプレーの精神は当然のことでありますが、議員御指摘のように、招致活動自体が21世紀の招致活動のモデルになるようにしたいと思いますし、それにより大阪が評価され、招致・開催が実現すると考えております。私が先頭に立って積極的な招致活動を推進し、議員の皆様方を初め市民こぞってオリンピックムーブメントに賛同し、2008年大阪オリンピックの実現に向けての御支援をお願いいたします。 市民スポーツの振興についてでございますが、本市では、これまで中央体育館、長居陸上競技場を初めとする国際級競技施設の整備を行うとともに、市民が身近で日常的にスポーツ活動のできる場として、各区に1館、スポーツセンターと温水プールの設置を進めており、現在スポーツセンターが22区、温水プールが10区で供用されております。一方で、そうしたスポーツ施設を単なる場の提供に終わらせないよう、施設を活用した市民参加型事業への取り組みも進めてきており、例えば中央体育館やスポーツセンターでは、一般開放の日を設け、気軽にスポーツに参加できる機会を設けておりますし、さらにスポーツセンターではスポーツ教室、温水プールでは水泳教室といった事業も行ってきております。今後も引き続き、市民が積極的に、またさまざまな形でスポーツ活動にかかわっていけるような施策を拡充させることにより、市民のオリンピック招致気運を盛り上げることにもつなげてまいりたいと考えております。 本市が開催を目指しているオリンピックを初めとする国際競技大会は、そこで繰り広げられるトップレベルのスポーツシーンが見る人に感動を与え、それだけでも大きな価値があるものですが、特に子供たちにとっては、その感動がスポーツに対する大きな動機づけになるものであります。こうした子供たちのスポーツに対する感動や熱意を現実のものとしてはぐくむシステムが必要となりますが、学校の部活動だけでは昨今の少子化の流れの中で十分にこたえることが難しくなりつつある状況にあります。 そこで、これからは地域が主体となって積極的にスポーツ振興に取り組むことが重要であると考えております。地域におきましては、既に体育厚生協会や体育指導委員の方々が長年にわたるさまざまな活動を通じて地域スポーツの振興、市民の健康づくりに大きな貢献をされておられますが、さらに一歩進め、両団体との連携も図りながら、子供のころからいろいろなスポーツに親しみ、自分に合った種目を見つけ、その才能を伸ばせるような環境を身近につくってまいりたいと考えております。 このような課題に対し具体的に取り組むために、国も提唱しております地域に根差した総合型地域スポーツクラブの育成・支援について検討してまいりたいと考えております。この総合型地域スポーツクラブは、複数の種目について、子供から高齢者まで、また初心者からトップアスリートまで、幅の広い地域の方々が質の高い指導者のもとで活動できるスポーツクラブで、地域住民が自主的に運営することをその特徴としております。実現に向けましては、今後、学校の部活動や競技団体、民間スポーツクラブなどとの調整や連携、活動場所や指導者の確保、クラブ運営主体の確立など難しい課題が多くありますが、モデル事業を実施し、試行錯誤を繰り返しながら、本市の実情に応じたシステムづくりに取り組むとともに、地域に根差した活動を目指しているセレッソ大阪との連携を図るなど、その内容の充実にも十分留意してまいりたいと考えております。 いずれにいたしましても、このような取り組みを通じ市民スポーツのすそ野を広げ、スポーツパラダイス大阪の実現を図ることにより、オリンピック等でのメダリストが一人でも多く市民から生まれることを期待するとともに、ハード・ソフト両面にわたりスポーツに親しめる環境づくりに引き続き努力をしてまいります。 小・中学生によるスポーツの祭典につきましては、後刻、教育委員会よりお答え申し上げます。 青少年の健全育成についてでございますが、近年、青少年が犠牲となる痛ましい事件が発生している反面、青少年による犯罪の低年齢化・凶悪化が問題になっております。ただいま議員があげられました青少年が現下の状況に至った背景につきましては、私自身も基本的に認識を同じくいたしております。社会全体のモラルの低下、核家族化、少子化、都市化等とも相まって、家庭や地域の教育力が低下し、子供に対する基本的なしつけがおろそかになっていること、幼いころから多様な人間関係を経験する機会が少なくなっていること等が原因と考えております。特に、子育ての基盤であるべき家庭において生じています過保護や過干渉、育児不安の広がりやしつけへの自信喪失などの問題は座視できない状況にありますが、これらの責任を家庭だけに押しつけるのではなく、子供を社会全体ではぐくんでいく意識の醸成、システムづくりが重要であると考えております。 このような中、本市では、平成10年3月に「明日を担う子どもたちがすくすくと育つまち大阪」を基本理念とする「大阪市児童育成計画~なにわっ子すくすくプラン~」を策定し、計画の推進に全庁を挙げて取り組んでいるところでございます。とりわけ家庭・学校・地域の連携が重要であるとの認識に立ち、地域における子供の健全育成に向けた組織づくりを当面の重要課題の一つと位置づけ、広範な団体や関係機関の御協力を得て、地域の子供は地域で守り育てることを趣旨とした青少年育成推進会議を既に各区に設置していただいたところです。現在、中学校もしくは小学校下において、校区を単位とする推進会議の地域レベルのネットワークづくりを進めていただいているところであります。開かれた学校づくりの積極的な推進とあわせまして、子供・大人双方に対する意識調査やニーズ調査を行うなどの実態把握を行い、地域実情に応じた実効性のある支援策を講じ、家庭・学校・地域のより一層の信頼関係を築いていく中で相互の連携強化を図っていくことといたしております。 また、情報化につきましては、議員の御指摘のとおり、光と陰の部分が存在し、21世紀を見据えた情報教育が必須であります一方で、青少年の健全育成環境に有害な部分が存在するのも事実でございます。特にインターネットの陰の部分につきましては、情報の流通規制が困難である等の特性もあり、重大な問題と認識いたしております。今後とも青少年の自己実現を支援し、青少年が将来に夢や希望を持ち得るよう、児童育成計画の着実な推進を図るなど、文字どおり次代を担う青少年の健全育成に全力を傾けてまいる所存でございます。 高齢者の生きがい施策についてでございますが、介護を必要とする高齢者に対する施策とともに、介護を受けることなく元気に暮らしておられる8割から9割を占める多くの高齢者に対する施策が重要であり、このような元気な高齢者が社会において積極的な役割を担い、充実した高齢期を過ごせるようにしてまいる必要があります。そのため、地域における高齢者のさまざまな生きがいづくりや社会参加活動がより幅広く展開されるよう、生きがい施策の推進に努めてまいることが重要であると考えております。 その際、高齢者が身体的、精神的に、また経済的な状況にも幅のある多種多様なニーズを持った世代であることに十分配慮し、画一的なものではなく、世代間交流の考え方も柔軟に織り込んだ多様な活動のメニューと機会を用意し、高齢者が住みなれた地域で幅広く選択し、気軽に取り組めるよう、今後の施策を講じてまいる必要があると考えております。したがいまして、高齢者に担っていただく社会的役割については個人差があることから、活動の範囲、内容も個人のレベルに応じたさまざまな選択肢が提供されるべきであります。 そのために、まず、元気な高齢者の意識や実態を把握する調査を、内容や方法について工夫の上、実施してまいりたいと考えております。その結果を踏まえ、地域の高齢者に多様な活動のメニューを提供できる仕組みを整え、整備を進めていくこととしております(仮称)いきいきエイジングセンターの事業運営にも生かしてまいりますとともに、新大阪市高齢者保健福祉計画に基本方針の一つとして掲げております健康でいきいきとした豊かな生活を実現するための具体的な方策を取りまとめてまいりたいと存じます。 いきいきエイジングセンターでは、生きがい施策の中核施設として、多くの生きがい活動の事例を集約して提供し、体験していただくことによって、地域における高齢者の自主的な活動を担い、広めていく人材の育成を図ってまいります。あわせて、高齢者の生きがいづくりと社会参加活動の意義やあり方を総合的に研究していくことにより、各区の老人福祉センターや老人憩の家などの既存施設を活用した地域での身近な生きがい活動がより一層促進されるよう努めてまいります。 商店街の活性化についてでございますが、商店街は、身近な買い物の場として市民の消費生活を支えているばかりでなく、地域の歴史や文化の担い手として、人と人とが交流する潤いのあるコミュニティーの核として、大切な役割を担っております。しかしながら、今日、商店街を取り巻く環境は、景気の低迷に伴う消費の冷え込みに加えまして、コンビニなどの新たな業態の登場や消費者の購買行動の多様化など、まことに厳しい状況にあります。商店街の活性化には、それぞれの商店が消費者にとって魅力のある店づくりを工夫するとともに、商店街自らが地域の特性に合った特徴ある集積づくりを行うことが重要であります。 このため本市では、個々の商店の経営支援として、平成13年1月に開業を予定している大阪産業創造館において、中小小売業に対する経営・融資等の相談に加え、これからの情報化社会に対応し経営の高度化につながる交流事業や情報関連セミナー等を実施いたします。空き店舗の増加は、商店街全体としての品ぞろえの欠如、にぎわい感の喪失など、商業集積の崩壊を招き、まちそのものの活力をも損なう大きな問題であります。本市では、既に平成9年度から空き店舗対策を実施したのを初めイベントへの支援など、さまざまな商店街振興策を講じてきたところでありますが、その後の商業環境の変化もある中、空き店舗の実態についても再度調査し、商店街の一層の活性化に結びつく有効な活用策について研究してまいりたいと存じます。 また、ATC内の店づくり振興スクエアにおいて、引き続き現地へ出向いた相談を実施するとともに、新たに商店街のデザインについてさまざまな角度から情報提供を行うなど、機能の拡充を図ってまいります。さらに今後は、種々の支援策の一層の周知を行い、広くまちづくりの観点から全庁的に施策のきめ細かい連携を図り、商店街からの相談に的確に対応できるよう努め、地域コミュニティーの核として商店街がその役割を果たすよう支援してまいります。 次に、地域防災計画の推進についてでございますが、阪神・淡路大震災後、本市では地域防災計画の見直しを行い、災害に強いまちづくりに取り組んできたところであります。議員御指摘のとおり、地震による被害を最小限にとどめるためには、発生直後の初期初動体制を迅速にとり、応急活動に取り組んでいくことが重要であることから、職員の参集制度を見直し、震度5弱で全職員が自動的に参集することとしたほか、市及び区の緊急本部員制度を設け、震度4で参集し、災害対策本部の立ち上げを行い、災害応急活動に取り組むこととしたところであります。また、毎年、大規模地震が発生した想定で、災害応急訓練を初め職員の非常参集訓練と災害対策本部の設置運用訓練を実施し、災害応急活動体制の充実強化に努めているところであります。 備蓄物資については、災害時における避難収容の最大想定数を11万人から30万人に見直しを行い、これに対応できるよう、品目、数量の拡充を行っているところであります。特に飲料水につきましては、発生直後は水缶詰で対応するほか、広域避難場所に指定している大規模公園において飲料用耐震性貯水槽を設置し、応急給水の水源確保にも努めることとしており、今後とも積極的に整備の推進に努めてまいります。 また、災害による被害を防止し軽減するためには、市民が自分たちのまちは自分たちで守るという防災意識を持ち、災害発生時には、地域の人々がお互いに協力しあい、助け合い行動する自主的な防災活動が行われることも重要であります。このような地域における防災機能を強化し活性化するために、災害救助用資器材の配備及び消火用の耐震性貯水槽や可搬式ポンプの設置を一層充実させるとともに、地域防災リーダーの訓練・研修並びに市民や事業所の方々を対象にした救命講習を引き続き積極的に実施して、自主防災組織の育成を図り、市民と行政が一体となった自主防災体制を確立し、安全な地域社会づくりに努めてまいります。 将来を展望したまちづくりについてでございますが、大阪市は市制施行以来、都市基盤整備のさまざまな分野で先駆的な施策を展開するなど、常に全国に先駆け都市行政をリードしてきたと認識しており、土地区画整理事業や連続立体交差事業においても、全国の模範となる事業を進めてまいりました。この実績を踏まえ、将来のまちづくりにつきましては創意工夫を凝らし、住民が誇りに思い積極的に参加していただけるようなソフト面を重視したプロジェクトとして進めていかなければならないと思っております。また、縦割り的発想ではなく、各種まちづくり手法の重層的な活用や、既成概念にとらわれない柔軟な発想と行動が求められていると認識しております。 このような視点に立ち、特に淡路駅周辺のような密集市街地では、土地区画整理事業、連続立体交差事業や従前居住者用住宅の整備などの複数の事業を組み合わせ、知恵を絞ることで、都市の再整備を効果的かつ計画的に進めることが可能になってまいりますし、また、大阪外環状線の整備による効果もまちづくりに波及していくことにもなるものと考えております。また、淡路駅周辺のまちづくりの進め方を生かして、平成12年度に新規で着工準備のための調査費を計上しておりますJR片町線・東西線の京橋付近の連続立体交差事業を中心としたまちづくりにおきましても、本市がリーダーシップをもって進めてまいります。さらに、御提案がありました電線類の地中化なども積極的に進めるとともに、高圧線の地中化の問題もまちづくりの観点から課題であると考えており、今後は電力会社へも継続的に問いかけてまいりたいと思います。 まちづくりを進める上で、バリアフリー、環境にやさしい、災害に強いという視点は、今後ますます重要になってまいりますので、こうした観点を十分に踏まえまして、積極的に今後の大阪のまちづくりを進めてまいります。 循環型社会の構築についてでございますが、大量生産、大量消費、大量廃棄を基本とした現代社会は、急速な経済発展の中で物質的な豊かさを追求してきた結果、廃棄物を増大させ、地球環境の汚染を引き起こし、さらには限りある資源の枯渇が進むという極めて厳しい状況に立ち至っております。このような社会経済システムの転換を図り、持続可能な循環型、環境との共生型を基本に据えた新たな社会経済システムに変革していくことは、現在、極めて大きな課題となっており、国や自治体においても、こうした考え方に立脚して循環型社会を目指した取り組みが進められているところであります。 本市におきましては、これまでから資源ごみの分別収集や多量排出事業者への減量指導など、各種のごみの減量・リサイクルに積極的に取り組んできた結果、ごみは顕著な減量傾向を示しておりますが、さらに引き続き容器包装リサイクル法に基づくプラスチック製容器包装廃棄物の分別収集に向けた取り組みなど、その一層の推進に努めてまいります。また、市民や事業者が主体的に減量・リサイクルに取り組んでいただくことがとりわけ重要でございますので、資源集団回収団体やごみ減量に自主的に取り組んでいる市民組織などへの支援、リサイクルプラザの運営など、社会的なシステムづくりにも取り組んできたところであり、今後ともその充実を図ってまいりたいと考えております。 再生品の需要拡大についても、積極的に取り組むべき課題であります。本市では、資源集団回収団体に対する再生品の支給制度を設け、利用拡大に努めるとともに、事業者に対し再生品を利用するよう指導を行うほか、大阪市自らも環境に配慮した事務事業を進める観点から、庁内環境保全行動計画(エコオフィス21)を策定して、庁内のコピー用紙に再生紙を利用する取り組みや、事務用品に再生品を採用するといったグリーン購入に努めているところであります。 ごみ焼却工場における環境保全対策につきましては、ダイオキシン類のみならず窒素酸化物などの有害物質についても排出を極力削減し、環境への負荷の低減に積極的に取り組んでまいっておりますが、工場の建て替えに当たっては、さらに最新の技術を導入し、排出基準を大幅に下回るよう努め、環境の保全に万全を尽くしてまいります。 さらに、環境に配慮した取り組みの大きな柱として、昨年12月に市役所本庁舎においてISO14001 の認証を取得いたしましたが、引き続き平成12年度には西淀工場においてISO14001 の認証を取得することとしており、以降、すべての工場での取得を目指したいと存じます。また、新たな工場の建設に当たりましては、斬新なデザインの採用や緑化を推進し、周辺環境との調和に努める一方、ごみ焼却余熱を利用した電力の売却など、都市のエネルギー源としての活用をより積極的に進めるほか、リサイクル施設としての充実を図るとともに、ごみ問題、環境問題などの理解を一層深めていただけるような機能を加味した付加価値の高い工場建設の実現に向け努力してまいります。 産業廃棄物対策も循環型社会の構築に向けての重要な課題であり、現在、国におきましても、排出事業者責任のより一層の明確化を含めた指導行政の強化に向け、廃棄物処理法の改正作業が進められているところでございます。本市では、建設系廃棄物や廃プラスチックを初めとした産業廃棄物につきましては、その約50%が再利用されている現状にありますが、廃棄される量が膨大でありますので、今後、国の動向を注視しながら、減量・リサイクルや適正処理の一層の推進に向けた取り組みを進めてまいりたいと考えております。 生活環境への影響が危惧される有害化学物質を含有した産業廃棄物につきましては、その適正処理に向け、積極的に対応する必要がございます。特にPCBにつきましては、昭和47年に使用が中止となり、適正保管が義務づけられて今日まで約30年が経過いたしておりますが、平成9年の廃棄物処理法の改正に伴い、化学分解処理が認められるようになったところでございます。しかしながら、PCBの化学分解処理は緒についたばかりであり、解決しなければならない問題が多々ございますので、平成12年度においてPCB処理検討委員会を発足させ、安全かつ早期の処理を行ってまいりたいと考えております。 また、循環型社会づくりを目指す取り組みの一つとして、ゼロ・エミッション構想がございますが、この構想に行政がいかに関与できるかという試みとしては、通産省が推進しておりますエコタウン事業がありますので、これも廃棄物の適正処理や資源リサイクルの観点から有効な手段の一つであると理解しているところでございます。一方、環境問題が重視される中、事業者自らが環境に配慮した事業活動に積極的に取り組む機運も高まるなど、今後、リサイクル関連企業などの環境ビジネスが発展することが予想されるところでありますが、エコタウン事業につきましては、その必要性や実現の可能性も含め議論すべき課題が多々ございますので、今後庁内に関係局による横断的なプロジェクトチームを発足させ、十分論議を尽くしてまいります。環境に負荷を与えない循環型社会の構築は極めて重要な課題であると認識しておりますので、今後、全力を挙げて取り組んでまいりたいと考えております。 国旗・国歌についてでございますが、昨年8月、国旗及び国歌に関する法律が制定され、これを機にさまざまな議論がなされ、国旗・国歌について改めて見詰め直すよい機会になったと思います。国旗・国歌は、いずれの国におきましても国家の象徴として大切に扱われているところであります。21世紀を目前にして国際化が急速に進んでいる今日、自国の国旗や国歌についての正しい理解と、これを尊重する心をはぐくむとともに、他国の国旗・国歌についても自国の国旗・国歌と同様に敬意を払う心を育てることは、我が国が国際社会の一員として活躍するためにも必要不可欠であると思っております。 本市では、国際的なスポーツ大会が数多く開催されておりますが、スポーツの国際親善試合などを見ましても、試合前には双方の国の国旗掲揚と国歌斉唱を行い、選手も観客も一体となって相手国に敬意を表するなど、国旗・国歌は国際親善に役立っているところでございます。先ほど外国の例のお話がございましたが、大阪市でも、海外から賓客が来庁された折には、本庁舎の正面玄関に日の丸とその国の国旗を掲揚いたしまして歓迎の意を表しているところでございますし、また、庁舎における国旗の掲揚につきましては、本庁舎だけでなく、最近では多くの区役所などでも国旗の掲揚を行っているところでございます。 私は、市民一人一人が国民としての誇りと親しみを持って国旗を眺め、国歌を斉唱するという状況におのずからなることが望ましいと考えておりまして、今後さらに国際的なスポーツ大会の取り組みなどを通じまして、国旗の掲揚等に向けて市民の理解が得られるよう努めてまいりたいと考えております。 学校教育における国旗・国歌の指導につきましては、後刻、教育委員会よりお答え申し上げます。以上でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。 ○議長(公原賢司君) 玉井教育長。   (教育長玉井由夫君登壇) ◎教育長(玉井由夫君) 小・中学生によるスポーツの祭典についてお答え申し上げます。 小・中学生によるスポーツの祭典は、スポーツの振興を図るとともに、子供たちのオリンピックへの関心を高め、オリンピック招致の気運を盛り上げることを目的として開催するものでございます。2008年にオリンピックが大阪市で開催されることとなりましたら、今の小中学生が選手として、ボランティアとして、さまざまなところで活躍していることと考えられますし、期待もいたしております。そのためにも、このスポーツの祭典を通して子供たちがオリンピックをより身近なものとして実感し、オリンピックへの夢と希望を抱くよう、その内容について工夫いたしてまいります。 開催は平成12年9月を予定し、大阪市中央体育館で、実際のオリンピックに準じた総合開会式を 5,000人の子供や保護者、市民の参加を得て開催したいと考えております。この開会式では、選手団の入場行進や開会宣言のほか、小・中・高校生の合同吹奏楽によるオリンピック賛歌の大合唱を企画いたしております。このセレモニーに続いて、元オリンピック選手と子供たちの交歓会や和太鼓の演奏を行うとともに、PTAや市民などの参加者が一体となり、臨場感あふれる華やかで楽しいプログラムや演出を考えております。総合開会式を通して、子供たちにオリンピックへのあこがれと新たな感動、感激を与え、スポーツへの関心や興味を高め、このスポーツの祭典に参加する楽しみや喜び、意欲がわくように計画してまいります。 翌日からの競技は、中央体育館や長居陸上競技場などの大規模競技施設を会場として、子供たちや保護者、市民の熱い声援のもと、小中学生の熱戦を繰り広げたいと考えております。また、子供たちが運営面などでボランティアとして参加し、このスポーツの祭典を支える喜びを実感し、さまざまな形でスポーツへのかかわりを体験してほしいと考えております。 設立50周年を迎えられた大阪市PTA協議会には、このスポーツの祭典の開催に当たり協力をお願いしたいと思っております。また、子供たちや保護者のほか、多くの市民に関心を持ってもらい、会場に訪れてもらえるよう、早い時期から広報活動を展開してまいります。さらに、この祭典を盛り上げるため、小中学校の写真部や新聞部の子供たちの取材による写真展や新聞の速報やコンクール等を企画するほか、多様な情報の提供に努めるなど、さまざまな取り組みを工夫し、所期の目的が十分達成できるよう努力してまいります。 次に、学校におきます国旗及び国歌の指導についてお答え申し上げます。 21世紀の国際社会を生きる子供たちにとっては、自分が生まれ育ったまちや国の伝統や歴史に愛着を持ち、国を愛する心とともに誇りと自信に支えられて他国の人々と理解しあい、協力しながら生きることは、基礎的な資質として大切なことであります。そのような資質を持った子供たちを育てるために、国旗・日章旗及び国歌・君が代について、その由来や歴史とともにその意義について子供たちが正しく理解し、平和を希求する我が国の象徴として、他国の国旗及び国歌とともに尊重する心情や態度を育てることは、大切な教育上の課題であります。 学習指導要領に示されている社会科や音楽科などの教科指導におきましても、国旗及び国歌に関連する学習内容とともに、国旗や国歌に親しみが持てるよう十分に指導してまいります。また、このような学習の実践の場として、学習指導要領に沿って、すべての学校で入学式や卒業式などにおいて国旗が掲揚され、国歌が斉唱されるよう今後とも指導してまいります。以上でございます。よろしくお願いいたします。 ○議長(公原賢司君) これをもって質疑を終結いたします。 ○議長(公原賢司君) ただいま議題となっております諸案件は、お手元に配付いたしております各常任委員会審査付託表のとおり、各常任委員会に付託いたします。--------------------------------------- △(イメージ)各常任委員会審査付託表 △(イメージ)各常任委員会審査付託表 △(イメージ)各常任委員会審査付託表 △(イメージ)各常任委員会審査付託表 △(イメージ)各常任委員会審査付託表 △(イメージ)各常任委員会審査付託表 △(イメージ)各常任委員会審査付託表 △(イメージ)各常任委員会審査付託表 --------------------------------------- △閉議 ○議長(公原賢司君) 本日の日程は以上で終了いたしました。 △散会 ○議長(公原賢司君) 本日はこれをもって散会いたします。   午後4時24分散会---------------------------------------大阪市会議長  公原賢司(印)大阪市会副議長 松原恵子(印)大阪市会議員  船場太郎(印)大阪市会議員  稲森 豊(印)◯大阪市会(定例会)会議録(平成12年3月8日)(終)...