平成4年第1回定例会(平成4年3月)◯大阪市会(定例会)会議録(平成4年3月10日)
◯議事日程 平成4年3月10日午後2時開議第1 議案第11号 平成4年度大阪市
一般会計予算第2 議案第12号 平成4年度大阪市
大学医学部付属病院事業会計予算第3 議案第13号 平成4年度大阪市
食肉市場事業会計予算第4 議案第14号 平成4年度大阪市市街地再
開発事業会計予算第5 議案第15号 平成4年度大阪市
駐車場事業会計予算第6 議案第16号 平成4年度大阪市
有料道路事業会計予算第7 議案第17号 平成4年度大阪市
土地先行取得事業会計予算第8 議案第18号 平成4年度大阪市
母子福祉貸付資金会計予算第9 議案第19号 平成4年度大阪市
寡婦福祉貸付資金会計予算第10 議案第20号 平成4年度大阪市
国民健康保険事業会計予算第11 議案第21号 平成4年度大阪市
心身障害者扶養共済事業会計予算第12 議案第22号 平成4年度大阪市
老人保健医療事業会計予算第13 議案第23号 平成4年度大阪市
市民病院事業会計予算第14 議案第24号 平成4年度大阪市
中央卸売市場事業会計予算第15 議案第25号 平成4年度大阪市
港営事業会計予算第16 議案第26号 平成4年度大阪市
下水道事業会計予算第17 議案第27号 平成4年度大阪市
自動車運送事業会計予算第18 議案第28号 平成4年度大阪市
高速鉄道事業会計予算第19 議案第29号 平成4年度大阪市
水道事業会計予算第20 議案第30号 平成4年度大阪市
工業用水道事業会計予算第21 議案第31号 平成4年度大阪市
公債費会計予算第22 議案第32号 平成4年度大阪市西町外15財産区予算第23 議案第33号 大阪市
職員奨学条例の一部を改正する条例案第24 議案第34号
訴訟関係供託基金条例の一部を改正する条例案第25 議案第35号 大阪市
女性施策推進基金条例案第26 議案第36号 大阪市印鑑条例の一部を改正する条例案第27 議案第37号 大阪市手数料条例の一部を改正する条例案第28 議案第38号 大阪市
区役所附設会館条例の一部を改正する条例案第29 議案第39号
当せん金付証票の発売について第30 議案第40号
全国自治宝くじ事務協議会規約の一部変更に関する協議について第31 議案第41号
大阪市立学校授業料幼稚園保育料等に関する条例の一部を改正する条例案第32 議案第42号
大阪市立デザイン教育研究所条例の一部を改正する条例案第33 議案第43号
大阪市立美術館条例の一部を改正する条例案第34 議案第44号
大阪市立東洋陶磁美術館条例の一部を改正する条例案第35 議案第45号
大阪市立博物館条例の一部を改正する条例案第36 議案第46号
大阪市立図書館条例の一部を改正する条例案第37 議案第47号
大阪市立自然史博物館条例の一部を改正する条例案第38 議案第48号
大阪市立こども文化センター条例の一部を改正する条例案第39 議案第49号 大阪市音楽団条例の一部を改正する条例案第40 議案第50号
大阪市立音楽堂条例の一部を改正する条例案第41 議案第51号
大阪市立婦人会館条例の一部を改正する条例案第42 議案第52号
大阪市立体育館条例の一部を改正する条例案第43 議案第53号
大阪市立修道館条例の一部を改正する条例案第44 議案第54号
大阪市立屋内プール条例の一部を改正する条例案第45 議案第55号 大阪市公会堂条例の一部を改正する条例案第46 議案第56号
大阪市立青少年野外活動施設条例の一部を改正する条例案第47 議案第57号
大阪市立青年センター条例の一部を改正する条例案第48 議案第58号
大阪市立市民教養ルーム条例の一部を改正する条例案第49 議案第59号 大阪市立大学の授業料等に関する条例の一部を改正する条例案第50 議案第60号 大阪市
中小企業融資基金条例の一部を改正する条例案第51 議案第61号 大阪市
中央卸売市場業務条例の一部を改正する条例案第52 議案第62号 大阪市
設小売市場条例の一部を改正する条例案第53 議案第63号
大阪城天守閣条例の一部を改正する条例案第54 議案第64号 大阪市
高齢者住宅整備資金貸付基金条例の一部を改正する条例案第55 議案第65号
大阪市立老人福祉施設条例の一部を改正する条例案第56 議案第66号 大阪市
国民健康保険条例の一部を改正する条例案第57 議案第67号
大阪市立労働会館条例の一部を改正する条例案第58 議案第68号 大阪市
環境衛生関係手数料条例の一部を改正する条例案第59 議案第69号
大阪市立環境科学研究所条例の一部を改正する条例案第60 議案第70号
大阪市立栄養専門学校条例の一部を改正する条例案第61 議案第71号
大阪市立看護婦養成施設条例の一部を改正する条例案第62 議案第72号
大阪市立助産婦養成施設条例の一部を改正する条例案第63 議案第73号
大阪市立厚生女学院条例の一部を改正する条例案第64 議案第74号 大阪市廃棄物の処理及び清掃に閣する条例の一部を改正する条例案第65 議案第75号 大阪市
胞衣汚物処理条例の一部を改正する条例案第66 議案第76号
大阪市立斎場条例の一部を改正する条例案第67 議案第77号 大阪市設霊園条例の一部を改正する条例案第68 議案第78号
大阪市立納骨堂条例の一部を改正する条例案第69 議案第79号 大阪市
民間駐車場建設資金融資基金条例の一部を改正する条例案第70 議案第80号
不動産運用基金条例の一部を改正する条例案第71 議案第81号
大阪市立駐車場条例の一部を改正する条例案第72 議案第82号 大阪市
普通河川管理条例の一部を改正する条例案第73 議案第83号 大阪市公園条例の一部を改正する条例案第74 議案第84号 大阪市下水道条例の一部を改正する条例案第75 議案第85号 大阪市
港湾施設条例の一部を改正する条例案第76 議案第86号
大阪北港ヨットハーバー条例の一部を改正する条例案第77 議案第87号 大阪市貸切及び
定期観光自動車乗車料条例の一部を改正する条例案第78 議案第88号 大阪市水道事業及び
工業用水道事業の設置等に関する条例の一部を改正する
条例案---------------------------------------◯出席議員88人(欠は欠席者) 1番 瀬戸一正君 2番 谷下浩一郎君 3番 小笹正博君 4番 河本正弘君 5番 新田 孝君 6番 高野伸生君 7番 藤川基之君 8番 木下吉信君 9番 松岡 徹君 10番 松崎 孔君 11番 福田賢治君 12番 土居一雄君 13番 広岡一光君 14番 中村好男君 15番 井上淑子君 16番 船場太郎君 17番 新堂庄二君 18番 舟戸良裕君 19番 美延郷子君 20番 玉木信夫君 21番 菅井敏男君 22番 小西 実君 23番 仲山忠男君 24番 長谷正子君 25番 杉谷恒治君 26番 小玉 滋君 27番 矢達 幸君 28番 石川莞爾君 29番 下田敏人君 30番 小笠原正一君 31番 松原恵子君 32番 一色孝之君 33番 山下典嘉君 34番 大島豊太郎君 35番 小西礼子君 36番 徳田育久子君 37番 石井義憲君 38番 田中義一君 39番 公原賢司君 40番 天野 一君 41番 大丸昭典君 42番 柳本 豊君 43番 和田充弘君 44番 川口 優君 45番 辻 洋二君 46番 奥野正美君 47番 勝田弘子君 48番 村尾しげ子君 49番 寄吉哲司君 50番 鈴木清蔵君 51番 安楽雅男君 52番 壷井美次君 53番 岸本太造君 欠 54番 山下博義君 55番 野村 清君 56番 高橋幸一君 57番 改発康秀君 58番 太田勝義君 59番 北山 篤君 60番 床田健三君 61番 北野禎三君 62番 大西仙太郎君 63番 黒田輝夫君 欠 64番 多賀谷 宏君 65番 山口泰弘君 66番 浜口晴敏君 67番 岡崎 誠君 68番 上野節夫君 69番 松村将司君 70番 物部秀恒君 71番 岡 潔君 72番 梶本利一君 73番 辰巳正夫君 74番 姫野 浄君 75番 関根信次君 76番 井出和夫君 77番 青木仲三郎君 78番 中西建策君 79番 山川洋三君 80番 柳井伝八君 81番 坂井三郎君 82番 辻 昭二郎君 83番 山下喜一君 84番 藤岡信雄君 85番 勝田重春君 86番 加藤 進君 87番 森野光晴君 88番 足高克巳君 89番 永井 博君 90番 中田捨次郎君
---------------------------------------◯職務のため出席した事務局職員
市会事務局長 藤田 衛 次長 笹倉和忠 議事課長 秋山正己
議事課長代理 小西壽昭 議事係長
仲村雅信---------------------------------------◯議場に出席した執行機関及び説明員 市長 西尾正也 助役 大浦英男 助役 阪口英一 収入役 高橋 修 市長室長兼理事 朝田悦次 総務局長 森 三郎 市民局長 松尾 彰 財政局長 今川 明 計画局長 佐々木 伸 民生局長 香山 博 経済局長 山根節郎
中央卸売市場長 大西凱人
環境保健局長 福住弘雄 環境事業局長 森田雅美
都市整備局長 大塚幸太郎 建設局長 玉井義弘 下水道局長 加藤隆夫 港湾局長 芦見忠志 副収入役兼収入役室長 橋本 博
市立大学事務局長 木村 收 消防局長 十河將博 交通局長 今田 隆 水道局長 藤原啓助
教育委員会委員長 三輪昌子 教育長 福岡康司
選挙管理委員会 張間昌治 事務局長
監査事務局長 竹内範夫
人事委員会事務局長 杉山龍平---------------------------------------
△開議 平成4年3月10日午前10時10分開議
○副議長(柳井伝八君) これより
市会定例会会議を開きます。 本日の
会議録署名者を黒田輝夫君、浜口晴敏君の御両君にお願いいたします。
○副議長(柳井伝八君) これより議事に入ります。
○副議長(柳井伝八君) 日程第1、議案第11号、平成4年度大阪市
一般会計予算ないし日程第78、議案第88号、大阪市水道事業及び
工業用水道事業の設置等に関する条例の一部を改正する条例案、一括して議題といたします。
○副議長(柳井伝八君) これより質疑に入ります。 小玉滋君の質疑を許します。 26番小玉滋君。 (26番小玉滋君登壇)
◆26番(小玉滋君) 私は
日本共産党大阪市会議員団を代表して、1992年度予算案並びに関連案件に対して質問をいたします。 今、国民の暮らしは「豊かな社会」などという宣伝とは逆に、長時間過密労働による過労死の不安や、マイホームの夢が完全に崩壊するなど、他の先進国には見られない深刻な事態になっています。この原因は80年代を通じて強行された
臨調行革路線と民活路線に象徴される自民党の大企業奉仕にその大きな原因があることは明白であります。この点で私が指摘したいのは、大阪市がこの臨調行革、民活路線に追随し、市民生活に大きな困難をもたらしていることであります。それは、先ほど指摘した異常地価の問題に加えて、高齢化社会に向けた対策を言いながら、実際には福祉の切り捨てが進められたり、ごみ問題を初めとする公害・環境問題も「地球を守れ」との危機感が広がるまでになっているところに端的に現れています。今こそこれまでの大企業優先、暮らし、
福祉切り捨ての
臨調行革路線、民活路線をきっぱり廃止し、暮らしを最優先する市政に転換しないと、市民生活の破壊が一層進むのは必至であります。ところが、本予算案と大阪市の基本はこれまでの悪政を継続したものになっています。生活保護費の3年連続削減を初め、
窒素酸化物対策費の10%削減、市営住宅戸数の2.5%減、
児童公園整備の7%減など、市民の暮らしが削られる一方、大企業向けの
情報基盤整備予算が3.5倍も増やされているのであります。また、他の自治体に見られないほど乱脈な同和行政も温存され、予算も前年度より2.4%増やされているのであります。私は、こうした暮らし、福祉、教育を切り捨て、大企業と解同に奉仕する本予算案は撤回し、市民の暮らしを最優先した予算に組み替えるよう主張するものですが、答弁を求めます。 第2に、暮らし、福祉、教育の具体的な問題について質問いたします。 まず最初に、高齢化対策です。大阪市の高齢化率は2005年には17.5%と推測され、要介護高齢者も24,000人と見込まれていますが、施設福祉も、在宅福祉も絶対的に不足しています。例えば、
特別養護老人ホームの整備率は12大都市中最低です。しかも、現在の第2次整備計画の目標自体が非常に低いため、これを達成したとしてもなお広島市や北九州市の7割から8割程度の整備率にしかならず、市民の期待に応えるものにはなっていません。第2次整備計画を繰り上げ達成した上で、1993年度を初年度とする第3次整備3カ年計画を策定すること、その際の整備目標は少なくとも広島市並みの1.3%の整備率に置き、整備後には4,500ベッドにするよう提案するものですが、見解を求めます。また、建設に当たっては、土地問題が深刻なことから、30人程度のミニ特養の建設や、高齢者と子供たちとの交流等を考慮して、保育所あるいは小学校、中学校と併せて建設する「合築」など、あらゆる可能性を追求して増設するよう考えますが、答弁を求めます。 次に、先日我が党議員団が市長に申し入れた三つの条例案についてです。この三つの条例案の内容を説明しますと、
寝たきり老人介護手当条例は、寝たきりや痴呆の高齢者を介護されている御家族の方に、東京都並みの月4万円の介護手当を支給するものです。高齢者の
民間家賃補助条例は、異常地価のもとで高騰した家賃を補助するために、夫婦の場合4万円を超える
民間賃貸住宅の家賃の2分の1を補助するというものであります。また、
敬老優待パスの年齢の
引き下げ条例案は現在の70歳以上の交付となっているものを65歳からに改善するという内容であります。いずれも、他都市では既に実施されるなど、極めて現実的なものであります。例えば、
寝たきり老人介護手当は12大都市中、9都市までが実施し、未実施は札幌、北九州、そして大阪市の3市のみであります。また、敬老パスは名古屋市では65歳から出ています。敬老パスの予算も名古屋市は総額89億円を使っているのに、大阪市は38億円にすぎないのであります。私は、他都市より大きい財政力を持っている大阪市なら十分実現できると考えますが、見解を求めます。 次に、
国民健康保険料が6.6%の値上げをされている問題であります。国保料が高いことはこれまで与党の議員ですら発言をしており、引き上げはやめるべきであります。特に、大阪市の「医療費が一人平均6.6%伸びたから、保険料も同じだけ引き上げた」との言い分は認められません。他都市では一般会計からの繰入金の増などで、医療費の伸び以下に保険料の伸びを押さえる努力をし、保険料を据え置いたり、引き下げたりしています。大阪市の事例を見ても、昨年は国保料の値下げを求める直接請求があったことから、医療費が5.3%伸びている中で保険料を据え置いています。ところが、本予算案では保険料軽減のための
一般会計繰入金を1円も増やさず、医療費の伸びと同じだけ、保険料負担を伸ばしているのであります。「高すぎて払いたくても払えない」「何とかして」との声に応えて、
一般会計繰入金の増などで据え置くよう主張しますが、答弁を求めます。 次に、保育・学童保育についてお尋ねいたします。日本の働く女性に対する施策は国際的に見ても大変立ち遅れています。そのためもあって、最近の出産率は1.53に落ち込み、「女性たちの出産スト」とまで言われています。大阪市の出生率はこれよりなお低く、1.40という状態です。まさに深刻を通り越して、危機的な状況です。この背景には家庭内の平等の問題や長時間労働など社会的な問題もありますが、大阪市の貧弱な保育・学童保育にも問題があると思います。例えば、高い保育料を安くする問題とか、保育時間が実際の労働時間に合致していない問題、さらに
産休明け保育がない問題なども、その一因と見られます。これらは大阪市がその気にさえなれば、すぐに解決できるものです。市長の見解を求めます。また、学童保育です。大阪市内の学童保育は、場所の確保から運営費の確保まで、大変厳しい状態に置かれています。予算一つとっても、大阪市は12大都市中、最下位であります。場所問題でも、民間アパートの狭い1室に10人、20人という子供たちが保育されるなど、深刻です。こうした状態を解決し、子供たちが伸び伸びとした保育が受けられるよう、補助金の増額と空き教室の使用を認めるよう主張するものですが、答弁を求めます。 次に、障害者対策についてであります。今年は国際障害者の10年の最終年度です。それだけに、当面する緊急切実な施策を講じつつ、働く権利、教育、所得、福祉、医療、社会参加の保障、そして、障害者が安心して住み続けられるまちづくり等を具体的に盛り込んだ「新10カ年計画」を策定し、実施すべきだと考えます。また、低水準の
障害者共同作業所への補助金を引き上げる問題であります。大阪市の補助金の低さは他都市と比べて見れば明白であります。例えば、豊中市の2,000万円の補助金に対して、大阪市は1,040万円、豊中市の補助内容を見ますと、最重度の子供1人に、月11万円、重度の子供1人に82,500円、中軽度の子供に55,000円の補助が出るほか、場所確保のための
施設借り上げ料が、月40万円まで補助されています。特に、この場所確保の問題では、大阪市内の方が豊中市より深刻であり、大阪市として
家賃補助制度を具体化するよう強く主張するものです。答弁を求めるものであります。 福祉の最後に、マンパワーの問題です。市民の福祉や保健・医療を支えている第一線の現場では、寮母、看護婦など専門職の人員不足が慢性化しています。貧弱な配置基準のもとで重労働が押しつけられ、そのために病人や退職者が増え、一層の人手不足という悪循環が広がり、なかでも、収容型の施設、いわゆる24時間体制が必要な職場での人手不足は大変深刻であります。
特別養護老人ホームの場合を例にとりますと、昨年8月、西成区に開設された
特別養護老人ホーム恭愛は、300名の収容定員を持つ施設ですが、寮母などの専門職が集まらないために、いまだに88名しか収容できないというありさまです。民間の特養ホームでの寮母の勤務実態がどんなものか1例をあげますと、70名の収容者を夜間は2人でお世話をしています。夕食の片付けから、寝かしつけることに始まって、見回り、おしめ交換、水分補給、検温などの仕事をこなしています。2時間程度の仮眠時間があることになっていますが、ショートステイのお年寄りを預かった場合、十分な観察や緊急事態を予測して対応しなければならないために、眠る時間はないという厳しい実態です。こうした状況を打開するためには、福祉職員の大幅な増員が決定的に重要です。医療・福祉分野における養成力の強化や、
職員配置基準の見直し、労働条件の改善、職員の需給・養成計画の策定などを政府に求めるとともに、大阪市としても、公立、民間を問わず、これらの仕事を、人の命と健康を守る仕事として高く評価をし、それにふさわしい身分と待遇を保障するよう主張するものであります。そして、大阪市の
公私間格差是正が55歳で定期昇給をストップする問題とか、対象範囲が狭い問題、さらに、民間保育所の
保母配置基準が、公立より低くなっている問題を、直ちに解決するよう主張しますが、あわせて答弁を求めます。 次に、老人医療の問題です。自民党政府は、老人医療を削減するため、老人が一定期間以上入院した場合の診療報酬を低くする、とんでもない医療差別を行っています。こんな制度は世界のどこにもありません。そのため、各地でお年寄りに対する入院拒否や、退院の強要などが続出し、チューブをつけたまま退院するという「
マカロニ症候群」と呼ばれる事態が起こっているのであります。この病院追い出しは、市立病院でも起こっています。私自身体験したことですが、城東区に住んでおられる77歳のKさんが、今年1月中旬に脳血栓で倒れ、救急車で
城北市民病院に運び込まれ、今でも意識不明の重体です。にもかかわらず、病院から20日も経たないうちに他の民間病院に移るよう言われています。他の病院に移した場合、
付き添い看護料1日、15,000円、
差額ベッド料1日、10,000円かかると言われ、途方に暮れておられました。このような事態を生み出す原因になっている老人医療の差別制度は直ちに廃止すべきであります。市長として政府に廃止を申し入れる意思があるかどうか見解を求めます。 次に、教育行政です。まず、35人学級についてであります。1学級の生徒数を減らして、行き届いた教育を進めることは、国際的にも常識になっており、フランス、イタリア、アメリカなどの小中学校の学級定数はいずれも25人となっています。今、全国教職員組合が3,000万人に及ぶ35人学級を求める請願署名を提出するなど、大きな世論となっています。児童生徒の減少期に入っているときでもあり、具体化を図るべきだと考えますが、見解を求めます。 次に、施設整備についてです。毎年、関係者から施設整備に関する要望書が提出されていますが、その要望の中には、運動場の拡張、体育館やプールの建て替えなどの要望と同時に、教室の雨漏りをなんとかして欲しい、とか、ラグビー部がつくられてから長期になるのに、ゴールポストも整備してもらえない、などというびっくりするような要求が並んでいます。こうした恥ずかしい状態は直ちに解消すべきです。 教育問題の最後に給食についてであります。まず、中学校給食です。学校給食法はその目的の中で「児童及び生徒の心身の健全な発達に資し、かつ、国民の食生活の改善に寄与するもの」として、小学校、中学校など義務教育諸学校で実施するよう求めております。全国的には既に67%の中学校が実施をしており、大都市でも仙台市、福岡市で100%、札幌市87%、東京都でも83%が実施されております。名古屋市では実施のための準備委員会がつくられております。大阪市においても、中学校給食を実施するよう足を踏み出すべきだと思いますが、答弁を求めます。次に、養護学校の学校給食です。養護学校の給食は、一般校と同様、ブロック統一献立になっており、献立内容や調理の面で、障害を持つ子供たちにとってさまざまな問題となっています。大阪府立の養護学校では、各校に1名の栄養士が配置され、独自献立、調理を行っています。栄養士の配置は法律で決められております。最大の問題は、調理が画一的であるために、教室で配膳した後、学級担任がまな板で、おかずを細かくきざんだり、カッターで細かく砕いて、子供たちに食べさせているのが現状です。肢体不自由児校である市立光陽養護学校小学部では、4割以上の子がそのような配慮のいる子供です。教室での再調理は衛生上も問題ですし、それだけ子供に手が回らないことになります。大阪府下の養護学校のような独自給食の実施を要求しますが、当面、教室での再調理をしなくてもよいように、給食調理員の増員と、施設整備の改善を要求しますが、答弁を求めます。 第3に、大企業優先を改め、市民の暮らしを守る市政に転換する問題であります。自民党政府が進めてきた民活路線は、国の行財政も、地方の行財政も動員をして、大企業の利潤追求を保障することの別の表現です。実際、大阪市でもこの民活路線に沿って、大企業の土地投機の放任と異常地価の容認、臨海部や都心部での再開発などの大企業奉仕が行われてきました。例えば、総事業費2兆2,000億円の「テクノポート大阪」計画です。これは計画の初めから終わりまで大企業本位です。この計画の元になった基本構想は大阪商工会議所や関経連など関西の財界代表が入った「テクノポート大阪」懇話会で作られております。中身も、既に一定姿を見せ始めているコスモスクエアを見ればはっきりします。つまり、日本IBMや住友生命情報通信センターなど、大企業の事務所・事業所ばかりであります。しかも、これらの土地の払い下げ価格は3.3平方メートルあたり62万円から160万円という安値であります。また、工事の発注状況を見ても、大企業がずらり並んでいます。つまり、大阪市が発注したインテックス大阪第1期工事は60億円で大林・松村共同企業体が、第2期工事は207億円で鹿島・東急・松村共同企業体が受注しています。この他、第3セクターのアジア太平洋トレードセンターは、大林組や竹中工務店が幹事社を務める共同企業体が受注しています。また、民間ビルにおいても、住友生命や日本IBMビル等の工事は大林組が他の大企業と共同企業体を組んで受注するなど、大企業のオンパレードであります。まさに最初から最後まで大企業奉仕の事業と言わなければなりません。ところが、大阪市はこれらの事業に前年度の1.6倍の246億円も放り込む計画であります。市民向けの児童公園予算や市営住宅建設戸数が減らされているのと大違いであります。こうした姿勢は根本から改め、市民の暮らしの向上に役立つ予算こそ増やすべきだと考えますが、見解を求めます。 次に、ウォーターフロント開発の基本的な考え方です。かつて市民が親しんできた大阪湾は、戦後ほとんど埋め立てられ、大企業に分譲されました。その結果、市民が海岸線に立ち入ることさえできなくなっています。しかし、本来臨海部は、自然空間であり、万人のものであります。この見地こそ、ウォーターフロント開発を進めるに当たって立ち返るべき原点だと考えます。この点で言えば、北港のスポーツアイランド計画は抜本的に見直すべきであります。特に総面積の4割を占めるゴルフ場は、満員としても、1日わずか160人の市民が利用できるにすぎません。この場所はサンセットも美しく、淀川の河口部に面して魚類も豊富で自然にも触れられる最高の場所であり、市民が誰でも入れるものとし、また全体になぎさと砂浜、松林のあるオープンスペースとして整備すべきであります。こうした計画は既に「釣りサンデー」の小西さんを代表とする大阪湾会議などから、先日具体的に発表されています。私は、これらの声に耳をじっくり傾けたウォーターフロント開発に改めるよう主張するものです。そして、東京都でやっているような海上公園づくりに着手するよう求めますが、見解をお聞かせ願います。 次に、大企業の横暴の民主的規制の一つとして、「カローシ」という言葉が国際的に通用するまでになった労働時間を欧米並みに短縮し、家族そろって夕食がとれるようにするために、大阪市で「労働時間短縮推進都市宣言」をすることを提案します。つまり、大阪市内のすべての事業所に年間総労働時間1,800時間を守らせる「時間短縮推進都市宣言」を行い、世論の喚起を図るとともに、市独自に時間短縮のための特別の推進チームを創設し、啓発活動や大阪府と協力して労働時間実態調査の実施と公表などに取り組むことを提案いたします。また、今日の長時間過密労働を根本から解決するため、労働基準法を改正し、週40時間、完全週休2日制の実施や残業の上限の設定、あるいは、労働者個人に残業を拒否する自由を保障することなどを盛り込むことが必要だと考えます。国に改正の要望をする意思があるかどうか、答弁を求めます。 次に、大企業の横暴で被害を受けている市民の生活を守る問題です。 一つは、土地・住宅対策です。まず、下落したとは言え、高値の状態が続いている地価を引き下げる問題であります。この点では、何と言っても不動産融資の総量規制緩和を元に戻すよう関係機関に働きかけるとともに、国土法に基づく規制区域の大胆な指定を大阪府に求めることが重要だと考えます。次に、高騰している
民間賃貸住宅の家賃対策です。これまで、国も大阪市も持ち家に対する対策は一定とってきましたが、民間の賃貸住宅に対する対策はほとんどまともな対策はとられずに来ました。それもあって異常地価の中で、全国平均では年収の1割程度と言われている家賃が、大阪市では2割5分にもなっており、これへの対策が急務になっていると考えます。当面、1割を超える部分を所得税、住民税減税する家賃控除制度を関係機関に働きかけてつくるよう主張するものですが、見解を求めます。また、地方自治体が公共用地を確保するための先買い権の強化です。協議期間を現行の3週間から3カ月間に延長すること、価格設定の合理化など、抜本的な改正を図り、必要な公共用地が確保できるよう国に求めるべきだと考えます。次に、住宅問題解決の要とも言える公共住宅の大量建設であります。市営住宅に対する市民の要望の強さは、新築住宅の応募倍率が50.9倍にもなっていることや、11回落選による優先入居資格者が1,000名を超える事態にも現れています。1,000戸と言えば、この2月の募集戸数981戸より多い数字であります。5年間にわたって申込みを続け、やっと入居できると思ったら、なお2年、3年と待たなくてはならないという、とんでもないことになっているのであります。ところが、本予算案では、建て替えを行うのみであります。これでは市民の願いに応えることはできません。現にある市有地の活用と先ほどの公有地拡大法の改正等で積極的に用地を確保し、増設を図るよう強く主張するものであります。また、中間所得層のためにも、収入による入居制限を緩和するとともに、一律家賃制を改め、収入に応じた家賃制度を採用するよう国に働きかけるべきだと考えます。答弁を求めます。 2点目は、公害対策です。二酸化窒素対策を進める上で総量規制など、最大の発生源である自動車排ガス対策の抜本的な強化に真剣に取り組むことが求められております。先日中央公害審議会が自動車排ガス総量抑制に関する答申を出しました。ところが、この答申は一昨年の環境庁の「窒素酸化物自動車排出総量抑制方策検討委員会」の中間報告より大幅に後退しております。つまり、中間報告は「大規模な工場、事業所の自動車に対する総量規制」「窒素酸化物排出の少ない車種への転換を促進する車種規制」「対象地域内での自動車走行量を抑制する流入規制」、この三つの柱が盛り込まれていました。ところが、今回の答申で残っているのは「車種規制」だけで、後の二つはなくなっています。1台1台の排出量を減らしても、それを上回る交通総量が今日の大気汚染を生み出しており、総量規制、流入規制は避けて通ることはできません。これを今回の答申はまったく投げ捨てたわけで、許すことができません。私は少なくとも中間報告が必要と認めた総量規制や流入規制の具体化を図るよう政府に迫るとともに、大阪市でも、具体化の努力を行うよう主張しますが、市長の見解を求めます。 また、指定地域解除後4年が経過しますが、大気汚染の状態は一向に改善されていません。そのため、「小児ぜん息等医療費助成制度」の適用を受ける子供は年々増えています。大阪市が15歳を超えれば治ると言っていたのが、実際には15歳を超えても依然ぜんそくのままという人も多く出ています。国や大阪市は1981年までに環境基準を達成すると言っていました。ところが、それから10年もたつのに、依然改悪された環境基準すら達成できないでいます。それなのに、公害被害者の救済だけは打ち切るというのは断じて認めるわけにはいきません。大阪市の小児ぜん息等医療費助成制度の年齢制限の撤廃や、政府に公害地域の再指定を申し入れるよう強く求めるものであります。そして、二酸化窒素や浮遊粒子状物質の健康への影響をさらに解明するため、本市として独自に学者、専門家や患者会などと協力しあって、全面的な疫学調査を始めるよう求めるものですが、あわせて御答弁ください。 4点目は、緑化についてであります。大阪市の1人あたり公園面積は2.9平方メートルで、神戸市の13.4平方メートルや札幌市の7.6平方メートルと比べて極端に少なくなっています。また、緑被率も異常に低い状態です。しかも、昨年施行された生産緑地法に伴い、大阪市内の262万6,000平方メートルの農地が宅地並み課税によって大幅に減少しかねない問題が生じています。この貴重な農地の喪失によって、緑の減少だけでなくヒートアイランド現象が一層激化するなど都市環境に重大な影響が出ることは必至であります。こうした都市農地の減少を防ぎ、都市環境を守るため、指定申請のあるものは期限を切らずに、すべて生産緑地に指定することや、摂津市や豊中市のように補助金を交付する制度をつくることを求めるものですが、御答弁をお願いいたします。 第4に、同和対策です。これまでの同和事業等によって一般地域との格差是正や差別の解消が大きく前進をしてきました。今求められているのは、地区住民の自立と部落内外の融合連帯を大きく促進をさせ、これを阻害している過度の施策を見直すことであります。そして、一般行政への円滑な移行を図ることであります。この点では、大阪市の乱脈で不公正な同和行政は、直ちに廃止することが不可欠であります。それは、政府の地域改善対策協議会が出した意見具申でも「行政施策の公平な適用の観点から、主体性をもって行政運営を行うとともに、これまでの行政運営において生じてきた問題点を是正をし、適正化に取り組むことが不可欠である」と強く指摘されているところです。ところが大阪市では、依然乱脈で不公正な同和行政が続けられようとしています。予算の点で言えば、一般地域にはない障害者施設に11億4,600万円、空き家があって、不必要な工場アパートに7億100万円、青少年会館に2億5,200万円、民間病院にすぎない芦原病院への補助金5億9,500万円などが計上されています。個人給付事業も、自動車運転免許取得費の全額給付や60歳以上の老人、障害者、生活保護世帯への、いわゆる三対策などが続けられています。自動車駐車場も月額1,500円という超安値で運営されています。こうした過度の事業が市民の理解を得られないことや、地区住民の自立を阻害し、差別を温存させることにほかならないことは、これまでたびたび指摘されてきたところであり、直ちに改めるべきであります。その点、神戸市では、この個人施策の全面的な見直しが行われ、51項目中27項目が廃止または一般施策へ、9項目が内容改定、そして7項目に所得制限が導入されました。本市とは大違いであります。例えば、本市では固定資産税が50万円を超える場合は2分の1、50万円以下の場合は3分の2が減額をされていますが、神戸市では既に廃止されております。また、各種入学支度金は本市において、高校は平均13万円、大学では平均48万円が所得の大小にかかわらずすべてに支給されておりますが、神戸市では所得制限を導入し、4人家族で小学校、中学校で年収500万円以下、高校、大学では600万円以下でなければ支給していないのであります。こうした実際から言って、大阪市のような乱脈と不公正を続けることがいかに時代錯誤であるかは明白であります。一般対策への円滑な移行を具体化するよう主張しますが、見解を求めます。 次に、市同促方式についてお聞きします。大阪市同和事業促進協議会が部落解放同盟の隠れみのであることは既に明らかであり、この解同による独占管理、すなわち窓口一本化によって、本市同和事業は公正を欠き、乱脈を極めてきたのであります。市同促イコール解同の意に添わない者は、同和施策から閉め出されるという、およそ日本国憲法や地方自治体に違反する事態が起こっているのであります。この点で、特に市長にお聞きしたいのは、市の施設である解放会館を解同の気に入らない団体には使用させないという問題です。実際、大阪市はこれまで全解連などの申し込みを全部拒否して来ました。これが不法、不当なものであることは明白であります。行政の主体性を確立し、使用を認めるべきです。明確な答弁を求めます。また、理事者はこれまで市同促の必要性について「同和関係者かどうか判定してもらうため」と説明してきました。ところが、実際には個人施策が同和関係者以外にも広く行われ、大阪市の理由は完全に破綻しているのであります。ところが、本予算案では、この市同促方式に固執するとともに、各地区協への事務局体制を新たに整備すると称して、なんと4億円もの金額を計上し、この人件費を保障しようとしているのであります。私は、不公正を温存する原因となっている市同促方式は直ちに廃止し、9億3,400万円にものぼる補助金、委託料の計上を撤回するよう求めるものでありますが、答弁を求めます。 同和問題の最後に、市長の言う「基本的な法」の問題についてであります。そもそも、この「基本的な法」なるものは、解同の進める部落解放基本法と軌を一にするもので、部落問題を固定化し、半永久化させ、真の部落問題解決に逆行するものであります。そして、何よりも、解同などの利権あさりを未来永劫続けさせるものにほかなりません。にもかかわらず、市長はこのような法が必要だなどと主張しているのであります。今や、格差是正、差別解消が進み、自由な社会的交流を図るべきときに、市長がこれに逆行する態度をとることは、断じて認めることはできません。市長が、この新たな法が必要だとの考えをきっぱりと改めること。そして、部落解放基本法制定に手を貸さないよう強く主張するものですが、答弁を求めます。 最後に、清潔で民主的な市政運営についてです。公金詐取事件を契機に、自民党や公明党などの与党議員や、市職員が自らの遊興費に湯水のように使っていたことが判明をいたしました。我が党が議会で指摘したものだけでも545件、5,779万円にもなりますし、市民が住民監査請求等で指摘したものも、370件、4,300万円にもなります。この他、不正な食糧費の支出は多数あります。つまり、大阪地検が摘発をした42件、514万円だけが不正支出ではないのであります。ところが、大阪市の態度は議会で指摘されると、それに一定の対応をする、監査請求が出ると一定の対応をするという態度に終始しています。それも、極めておざなりな調査と、内容の詳細を非公開にするという非民主的なものです。私は、こうした態度を改め、議会や住民から指摘されなくても、自主的にすべての食糧費を洗い直し、不正支出については返還措置も含めて厳正な処置をとるよう主張するものであります。答弁を求めます。なお、これまで我が党が議会で具体的に指摘していた545件の調査結果について、報告を求めるものです。具体的に御報告願います。 次に、公費支出についての基準の問題であります。大阪市は先日、私的な飲食との疑いがあるのは、36件、329万円と発表しましたが、その基準は、議員が入った飲食や課長級以上が入った飲食も公的なもので、問題なしと認定したとのことですが、市民の基準から言えば到底認められません。そこでお聞きしますが、大阪市が先日調査した中には、自民党の議員らが、ミナミのすし屋「祇園寿司」や、高級クラブ「花郎」で、理事者なしで遊んだ代金を支払っていた事件が入っています。大阪市の基準によると、これも「公的」なもので問題なしということになってしまいますが、それでよいと市長は考えますか。見解をお聞かせください。これらが公金支出として妥当と言うには余りにも無理があると思います。市民の感覚から見て通用しない、こうした公金支出の基準は撤回をし、公費支出の当、不当を再度調査すべきであります。答弁を求めます。なお、これらの調査を進める上で、大阪地検から返還された資料は事実関係を解明して行く上で必要なものであり、支出命令書を初め、メモ類をも含めてすべての解明が終わるまで保存すべきだと考えますが、見解を求めます。 次に、こうした不正事件を2度と起こさせないための制度的な改革を行う問題であります。一つは、「大阪市倫理条例」を制定することです。この倫理条例には、議員はいかなる形態であれ、接待強要、つけ回しをしてはならないこと、議員と職員の公費による酒食の禁止、議員と理事者の間の贈答の禁止、祝儀名目による議員への金品の提供禁止、さらには違反者の公表などを盛り込み、厳正な行政運営を確保し、一切の不正、腐敗を一掃するようにすることであります。あわせて議員と市長の資産公開も盛り込むよう提案をいたします。 二つ目は、食糧費を含む公文書を市民に公開する制度的保障を確立することであります。食糧費の公開請求に対して大阪市はこれまで飲食店に迷惑がかかることなどを理由に非公開にしていますが、これは司法の場でも、他都市の実際からも既に破綻しているのであります。例えば、堺市では、接待した料亭名や店の請求書、手土産代まで公開をしています。接待の相手については公職名まで公表しています。また、大阪府の水道部の会議費の支出については、大阪地裁、高裁と2回に渡って使途等を公開すべきだ、との判決が出されています。今こそ、これまでの非公開という態度を改め、すべての資料を公開するようにすべきだと考えますが、答弁を求めます。 最後に、監査委員の選任問題です。監査委員が与党議員と元市幹部で独占され、その結果、なれあい監査に終始してきたことは我が党がたびたび指摘したところでありますが、改めて野党議員から選任する方法に改めるよう求めますが、答弁をお願いいたします。 また、監査委員にお尋ねをいたします。先日、監査委員は片岡元課長代理が1人で飲食した代金を公金で支出していたのは不法、不当と住民から監査請求されていた事件を門前払いをいたしました。その理由は、1人飲食の事実は刑事裁判記録に掲載されており、それは刑が確定した後には誰でも閲覧できること、今回の監査請求はそれから長時間が経過しているからというものでした。確かに、刑事確定訴訟記録法では閲覧できることがうたわれてはいます。しかし、実際の運用は、訴訟関係者以外には閲覧できるようにはなっておりません。それをあたかも、誰でも閲覧できるかのように言うのは、事実誤認であります。私は、一般論でなく、現実に基づいて判断すべきであり、事実誤認に基づく今回の不受理決定は撤回し、受理した上で公金支出の当、不当を判断すべきだと考えますが、見解を求めます。 以上、主な問題点に絞って質問をいたしましたが、答弁のいかんによって再質問することを申し上げ、質問を終わります。
○副議長(柳井伝八君) 理事者の答弁を許します。 西尾市長。 (市長西尾正也君登壇)
◎市長(西尾正也君) ただいま小玉議員から各般にわたりましていろいろと御意見、御質疑がございましたので、順次お答えを申し上げたいと思います。 まず最初に、予算の編成についての基本的な考え方について御意見があったわけでございますが、私は、これまでの4年間、ふれあいとぬくもりのある市政を旨といたしまして、高齢者や身体の不自由な方々の福祉施策、健康増進と高度医療の体系的整備、また市民の生活環境の改善や都市文化の振興などに努めてまいったところでございます。ただいま行革、民活を根本から改めよということでございますが、行財政改革につきましては従来から本市独自の立場で取り組んでもきたところでございます。その基本的な考え方は、限りある財源を有効に活用いたしまして、市民サービスの向上と市民福祉の増進を図ってまいりたいということでもございます。また、民間活力の導入につきましても、そうした考え方に添うものでございまして、今後とも自主的な立場に立って、市民福祉を十分念頭に置きながら、多様な行政事業に対応してまいりたいと考えております。これからも心と心のふれあうぬくもりのある「人間主体のふるさと大阪づくり」を目指しまして、だれもが誇りと愛着を持って暮らせるまち大阪の実現に努めてまいりたいと考えておりまして、平成4年度の予算案につきましても、そういう気持ちで編成をいたしたところでございます。 次に、高齢者対策についてでございますが、
特別養護老人ホームにつきましては、平成元年度から、従来の倍のペースで1,000床を整備する第2次5カ年計画に取り組んでおるところでございます。平成3年度までの800床に加えまして、平成4年度は360床の整備を考えておりまして、当初計画を上回る1,160床確保してまいりたいと考えております。今後とも引き続き計画的な整備に努めますとともに、適正な規模に配慮しながら、用地の確保、また合築、複合的整備も含めまして、「いきいきエイジング、みおつくしプラン」の最終目標でございます5,000床の確保に向けて努力をしてまいりたいと考えております。それから、老人介護手当でございますが、お年寄りの在宅介護のために、何が最も必要かという観点から、施策を進めるのが大切であろうと思っております。介護手当につきましては、その目的、効果など、慎重に見極めてまいらなければならん問題もあろうと思っております。平成4年度におきまして、ホームヘルパーを初め、ショートステイやデイサービス、また入浴サービス、あるいは介護用具の支給でございますとか、在宅福祉の一層の充実を図ってまいることによりまして、こういった実質的な介護対策によりまして、お年寄りや御家族の方々を支援してまいりたいと考えておるところでございます。
家賃補助制度でございますが、本市におきましては高齢者世帯を対象といたしました市営住宅の別枠募集やケア付住宅の整備を行ってまいっております。民間家賃の補助制度につきましては、お年寄りの居住状況も多様化しておりまして、昨日も御質問がございましたが、公平性の確保など、実施に難しい問題点も多くございます。慎重に研究してまいりたいと考えておるところでございます。それから、敬老優待乗車証の問題でございますが、これは本市が全国に先駆けて実施した制度でございます。70歳以上のお年寄りの長年にわたる社会への御貢献に感謝をひとつ申し上げるということと、社会参加の促進を図るために福祉的な措置として実施してまいったところでございます。今後の高齢者人口の伸びを考えますと、この事業に要する経費もさらに急速に増大することも予想されるわけでございます。今日、緊急かつ重点的に進めてまいらなければならない高齢者福祉施策も非常に多いわけでございまして、当面この制度の年齢引き下げを行うことは極めて困難であると考えております。いずれにいたしましても、「いきいきエイジング、みおつくしプラン」の実現のため、今後とも精いっぱいの努力をしてまいりたいと考えております。 国民健康保険事業についてでございますが、本市では従来より厳しい財政状況の中でございますが、市会の御理解をいただきながら、小玉委員おっしゃっておりましたが、毎年一般会計から相当多額の繰り人を行っておりまして、保険料負担の軽減に努めております。平成4年度におきましても、平成3年度より25億一挙に増やしまして、280億円の一般会計からの繰り入れをすることといたしております。また、平成4年度には診療報酬の改定などによりまして、医療費の上昇に見合った保険料の改定をお願いをいたしております。保険料最高限度額につきましても、引き上げることといたしておりますが、引き上げに当たりましては、中間所得階層の負担の緩和を図るため、このたび段階別限度額を新たに導入することといたしたところでございます。いずれにいたしましても、国民健康保険は市内の4割の皆様が加入されておりまして、非常に大切な制度でございますが、お年寄りや低所得者を多く抱えまして、財政基盤が非常に脆弱でありますので、制度を抜本的に改善し、長期的に安定した事業運営が図られるように今後とも議会の御協力も得ながら、国に対して強く要望してまいりたいと考えておるところでございます。 次に、保育問題でございますが、保育料につきましては保育に要する経費を保護者に御負担願うことが原則でございます。しかし、本市では国の基準より減額して、保護者負担の軽減に努めてまいっております。平成4年度につきましても、この考え方により実施したいと考えております。保育時間につきましては、厚生省の基準では1日8時間を原則としております。しかしながら、本市では保護者の方々の勤務実態などを考慮し、現在では公民あわせまして300カ所の保育所で午前8時から午後6時までの長時間保育を実施をいたしております。そのうち19カ所では、午前7時から午後7時までの延長保育を、さらに午後10時までの夜型延長保育を3カ所で実施するとともに、夜間保育所を3カ所開設しておるところでございます。
産休明け保育につきましては、大阪市児童福祉審議会の意見具申もございます。6カ月以上児を原則として対象とした乳児保育を実施しておるところでございます。 次に、留守家庭児童対策事業についてでございますが、昭和44年以来、保護者に代わりまして留守家庭児童を預かる民間の方々の自主的な取り組みに対しまして、その事業運営経費を助成してまいっておりまして、毎年助成額の増額にも努めてまいっております。今年度も約30%の補助のアップを考えておるところでございまして、4年間で約倍以上になっておるところでございます。平成4年度につきましては、今申し上げましたように大幅な増額も考えております。それから、予備教室の利用につきましては、学校教育以外の目的で長期にわたり提供することは、施設管理や子供の安全など、難しい問題もございますが、いつも申し上げておりますように、社会福祉協議会など公的な団体が事業の実施主体となる場合に、余裕教室の利用を図ることといたしております。今後ともその活用が図られるよう努力をしてまいりたいと思っております。 次に、障害者対策でございますが、国際連合では昭和56年を国際障害者年とすることを決議いたしまして、昭和58年から10年間を障害者の10年と宣言するとともに、障害者対策を促進するための世界行動計画を採択いたしております。私ども大阪市におきましても、国際障害者年の理念を基本として昭和58年12月に6分野90項目にわたります障害者対策に関する大阪市長期計画を策定し、それぞれの施策のに努めてまいりました。この長期計画も残り1年となっており、残された課題の達成に努力をいたしておるところでございます。その後の取り組みにつきましては障害者をめぐる今日的な状況や、障害者のニーズの多様化などを踏まえまして、検討してまいりたいと考えております。 次に、障害者福祉作業センターについてでございますが、就労が困難な障害者の皆さんの社会参加の場としての役割に鑑み、その運営利用する経費につきまして、年々増額に努めておるところでございます。平成3年度の補正予算におきまして、議会の御同意をいただきまして、一挙に約50%の運営費、助成の増額を図ったところでございます。この4年間で約2倍以上に、この助成を増額いたしておるところでございます。なお、家賃補助につきましては、運営費助成の充実を図る中で対応してまいっておるところでございます。 次に、福祉職員の確保についてでございますが、今後国会に社会福祉事業従事者の確保の促進を図るための法律案が提出されております。本市といたしましても、市の施策の一層の推進を図りますとともに、社会福祉施設職員の処遇改善や人材養成に向けた国の積極的な条件整備について、引き続き国に要望してまいる所存でございます。また、民間社会福祉施設職員の給与改善の問題につきまして、本来社会福祉施設は国の措置費によって運営されるべきものでございますが、先ほど申し上げましたように、大阪市におきまして民間施設職員の処遇の改善を図ることを目的といたしまして、民間社会福祉施設職員給与改善補助制度を実施をいたしておりました。平成4年度におきましては、介護福祉費や看護婦の処遇の向上を図るなど、制度の拡充に努めてまいりたいと考えております。 次に、老人医療についてでございますが、市民病院におきましては患者さんの人退院の決定につきましては、医療面から医師の判断によって行っております。症状により継続して治療が必要である場合におきましては、患者さんに対しまして、治療に専念できますよう万全を期しており、決して途中で退院を強要するというようなことはいたしておりません。また、診療報酬の体系につきまして厚生大臣が中央社会保険医療協議会に諮問し、その意見を聞いて必要に応じて改定されているところでございます。いずれにいたしましても、市民病院におきましては患者さんが病院で十分治療が受けられ、治癒した後に退院していただくよう最善を尽くしてまいりたいと思っております。 それから、35人学級、教室の雨漏りなど、施設整備、それから中学校の給食の実施、養護学校の独自給食の実施につきましては、後刻教育委員会よりお答えを申し上げます。 次に、大阪市のまちづくりについての基本的な考え方についてのご意見でございますが、私ども大阪市総合計画21の中でお示しをいたしておりますように、住みよい、働く場としての大阪の魅力の一層の向上を努めますとともに、文化、ゆとり、アメニティなどの充実強化を重視をいたしておりまして、住・食・遊のバランスのとれたまちをつくり、子供さんからお年寄りまで、だれもが誇りと愛着を持って暮らせるまち、そして、世界に貢献し、国際社会の中で信頼される都市を実現するために努力してまいっておるところでございます。テクノポート大阪計画は、そういった中で国際化、情報化、技術革新等の進展に対応いたしまして、南港北方地区に先端技術開発、国際交易、情報通信の各機能のほか、文化、スポーツ、レクリエーションや快適な居住機能などの集積を図りまして、人に温かく、ふれあいと安らぎのあるまちの構築を目指しておるものでございます。こうした21世紀の大阪の発展を先導する高次な都市機能を備えた新しい都心づくりの推進とともに、鉄道、道路、下水道、公園などの都市基盤施設や、良質で多様な住宅を整備し、また市民生活に身近な健康、医療、福祉、文化、コミュニティづくりといった総合的なまちづくりを市民の立場に立って積極的に進めてまいりたいと考えております。 次に、ウォーターフロントの開発についての基本的な考え方の問題でございますが、大阪市域の全域が市街化され、市内の河川や大阪湾のウォーターフロントが市内に残された市民の貴重な自然であるということでは、小玉議員の考えと全く同じでございます。大阪市の臨海部におきまして、港湾施設の整備や新しいまちづくり、さらに廃棄物の最終処分地の造成のために、埋立地の開発を進める必要があったわけでございます。その一つである咲洲におきまして、野鳥園や海水遊泳場、また魚釣り園といった海浜緑地施設を整備をいたしまして、広く市民の皆さんに喜んで利用していただいておるところでございます。また、海洋性レクリエーションニーズの増大に対応するため、北港ヨットハーバーの整備もしてまいりました。さらに港湾で働く皆さんの憩いの場としての緑地整備も進めて来たところでございます。今回、新たに、舞洲におきまして整備を進めておりますスポーツアイランドは、全体が水と緑に囲まれた自然味あふれる広大な環境の中で、スポーツ施設やレクリエーション施設を配置いたしまして、市民各層の幅広い利用に供するものであります。また、その水際線は人工磯、浸水護岸にいたします。人工磯やシーサイドプロムナードとして市民に開放、もちろん無料で市民の皆さんに自由に使っていただけるようにするように考えておるわけでございます。今後新しい埋立地や在来港湾地区のウォーターフロントにつきましても、市民が海を眺めたり、散策したりする生活空間の一部となるように進めてまいりたいと思っております。 次に、労働時間短縮に向けました「時短都市宣言」でございますが、今、ご指摘のように、我が国は欧米諸国に比べ労働時間が長く、その短縮は社会的に大きな課題でございます。一昨年の本市会におきまして、「ゆとり宣言」が決議されたところでございます。また、本市では去る2月に設置いたしましたゆとり創造推進本部におきまして、市会決議の趣旨を十分に踏まえながら労働時間短縮、ゆとり創造に向けた普及啓発などを進めてまいりたいと考えております。また、労働基準法の改正についてでありますが、先日の本会議におきまして、労働時間の短縮に関する意見書が採択されました。関係法の改正など、国への実効ある施策要望がなされたところでございます。この改正につきましては現在、中央労働基準審議会において検討されていると聞いておるところでございます。本市といたしまして国の動向に十分関心を払うとともに、市会の意見書に配意しながら労働時間短縮の推進に取り組んでまいりたいと考えております。 次に、土地利用に関する規制区域の指定の問題でございますが、先ほどもおっしゃっておりましたように、この規制区域の指定は知事の権限でございますが、規制区域が指定されますと、土地取引が許可制になるなど、厳しい制限が課せられるわけでございまして、実務的にも非常に難しい問題が多々ございます。従来から申し上げておるとおりでございますが、国におきましても引き続き監視区域制度の厳正適格な運用で対処することとされておるところでございます。大阪市におきましても、全市域を監視区域に指定いたしまして、届け出で対象面積を引き下げるなど、制度の強化と適格な運用に努めてまいったところでありました。金融政策などと相まって、地価は現在では下落傾向となっておりますが、引き続き慎重に取り組んでいくべき問題であると考えております。高騰前に比べまして地価は依然として高い水準にあります。市民生活やまちづくりに重大な支障を来す要因ともなっておりまして、政府におきましても、昨年1月に閣議決定されました総合土地対策推進要項に基づいて、長期的に土地対策を推進されているところでございまして、私どもとしましてもこの監視区域制度の適格な運用に努めるとともに、国の施策等についても注視をしてまいりたいと考えております。若干前後いたしますが、先買い権による公共用地の取得の問題についてでございますが、本市におきましては公共用地の取得について、いち早く昭和39年に大阪市開発公社を設立いたしまして、昭和47年の先買い制度の創設に伴いまして、昭和48年に設立した現在の土地開発公社に業務を承継するなど、公共用地の先行取得に努めてまいったところでございます。土地の先買い制度は公共用地の拡大の推進を図るとともに、地域の秩序ある整備と公共の福祉の増進に資することを目的としておりまして、都市計画施設等の区域内において一定規模以上の土地を売買する場合には事前に届け出ることを義務付けておりまして、本市では必要に応じて買取協議を行っているところでございますが、引き続きこれの趣旨に取り組んでまいりたいと思っております。 それから、住宅問題でございますが、民間住宅の家賃助成の問題、家賃の所得税控除の問題等にも触れられましてのご質問でございますが、本市では、まず住宅政策といたしまして、かねてから重要な住宅政策の一つとして公営住宅の供給の促進に鋭意取り組んでまいっております。特に、老朽化した市営木造住宅や簡易耐火造住宅の建替事業を中心に住宅建設供給に取り組んでおります。市域のほとんど市街化した本市にありましては、住宅建設に適した新規用地の取得が極めて難しい状況であります。市営住宅の建設は老朽化した鉄筋コンクリート住宅の建て替えも含めまして、公営住宅の建替事業を中心に推進をいたしまして戸数の増を図るとともに、多様な住宅の供給に努めてまいりたいと思っております。収入階層と家賃の負担の関係につきましては従来から収入階層に応じまして、公営1種、2種、特定賃貸、すまいりんぐ、公社賃貸住宅と、多様な住宅を供給いたしておるところでございますが、さらに初年度家賃につきましても、一定割合の傾斜減額制度を採用するなど、工夫を凝らしております。また、収入基準の緩和につきましては今後とも引き続き国に要望してまいりたいと存じております。家賃の所得税控除につきましては、現在国会においてもいろいろと議論をされると聞いておりますが、私どもも十分注視をしてまいりたいと考えております。 次に、二酸化窒素対策のための自動車総量規制の導入についてでございますが、本市では平成元年2月に策定いたしました大阪市自動車公害防止計画に基づきまして、窒素酸化物の大幅な削減を目標に排出ガス規制の強化や低公害車の普及促進、自動車交通総量の抑制など、関係機関と相協力いたしまして総合的な自動車公害対策の推進に努めております。排出ガス規制の強化につきましては、中央公害対策審議会答申の長期目標の早期実施を引き続き国などへ強く要望してまいります。また、ディーゼル車などの交通量を抑制し、窒素酸化物を大幅に削減するため、従来から国に対して新たな制度の導入を要望してまいりましたが、今般ディーゼル車の使用制限や自動車使用の合理化などを盛り込んだ法制度が具体化の運びとなってまいりました。今後、国など関係機関と連携をいたしまして事業者や市民の皆様の御協力を得て、この制度の実効ある運用が確保されるように努力をしてまいりたいと考えております。 それから、公害指定地域の再指定の問題でございますが、現在の大気汚染はぜんそく等の主原因とは考えられないということで、指定地域が解除されたわけでございますが、大気汚染と健康との関係については、なお未解明な点もございます。国では大気汚染の健康影響について調査研究を行っておりまして、本市といたしましては今後の科学的知見の集積を見極めて、適切な対応をいたしたいと考えておりまして、かねがねご答弁も申し上げておるところでございます。また、小児ぜん息等医療費助成制度につきましては、公害健康被害補償法の改正に伴い、実施いたしております。健康相談等環境保健事業とあわせまして、特に、早期適切な医療により治癒、軽快が期待される小児に対しまして、医療費を助成をしておるところでございます。他の年代の方々に対しましては、環境保健事業の推進を図りつつ、引き続き研究検討してまいる課題であると考えております。 次に、生産緑地制度でございますが、昨年4月の法改正に伴いまして、本市といたしましては市内農地の持つ生産機能や責重な緑地空間などの多様な公共的機能を積極的に評価をいたしておりまして、できるだけ、非常に少ない生産緑地でございますが、これを生産緑地として保全をしてもらいたい、保全する方向で農家に対する制度の周知徹底を図ってまいっておるところでございます。また、生産緑地指定希望の申し出期間につきましても、農業団体等の要請を受けまして、当初の府下一斉の申し出期限を延長いたしまして、追加申請の道を開くなど、万全の対応を図っております。このたびの制度改正は市街化区域内農地にかかる固定資産税や相続税等の税制改正とタイアップした措置でありまして、平成4年中に生産緑地指定の手続きを完了することが国の方針として示されておるところでございます。なお、生産緑地指定の要件を欠く農地に対し、助成措置を講じてはとの御意見でございますが、この法の趣旨並びに税の公平性の保持という観点からも、極めて問題が多いと理解をいたしております。 次に、同和問題についてでございますが、同和問題は憲法によって保障された基本的人権にかかわる重大な社会問題であります。その解決は行政の責務であり、国民的課題であるとの認識のもと、同和行政を市政の重要な柱の一つとして実施してまいったところでございます。その結果、生活環境改善等の物的な面におきましては、全体としては著しい改善を見ておりますし、教育、就労、産業等の非物的な分野におきましても、一定の成果を見ております。しかしながら、一昨年実施いたしました実態調査及び市民意識調査の結果を見ましても、教育や生活、就労等の面で、なお一般地区との格差も見られるところでございますし、結婚に際しての根強い差別意識や同和問題に関する正しい認識がなお不十分であること等が明らかになっております。さらに大規模地区を初め、住環境整備等の物的事業も相当残されておりまして、差別事象の発生につきましても、いまだ後を絶たない状況でございます。私どもといたしましては同和問題の1日も早い解決のため、今後とも真に必要な事業を実施してまいる所存でございますが、国におきましても昨年12月の地対協の意見具申において直ちに一般対策へ全面的に移行することは適当でなく、現実的でもないとされておるところでございます。また、市同促協方式につきましては昭和28年以来、この方式により本市施策を実施してまいっておりますが、本市の実情に即し、現実的、かつ効果的な方法であると考えておるところでございます。 解放会館の使用の問題でありますが、解放会館は基本的人権の精神に基づいて同和地区住民の社会的、文化的、経済的生活の向上を図り、同和問題の速やかな解決に資することを目的として設置をし、地区住民はもとより、周辺地域住民の利用にも供しているところでございます。解放会館は地方自治法に定める公の施設でございます。住民の公平な利用や啓発活動の充実ということからも、広く市民に利用していただけるよう今後とも引き続き利用促進に努力してまいりたいと存じております。 部落解放基本法についてでございますが、これは民間団体が提唱している法案の一つで、現行の地対財特法については5年間延長するという政府案が国会に提案されているところでございます。しかしながら、事業についてはある程度年限を限って実施することができるといたしましても、就労、教育、産業、福祉の問題や、特に啓発、人権の問題につきましては年限を限るということは困難であると認識しております。こうしたことから啓発のよりどころとなり、総合的な施策を推進する根拠となる基本的な法律の実現につきまして、行政の立場から関係諸団体、全国市長会、あるいは大阪府その他等とも一緒になりまして、国に対し引き続き要望を行ってまいったところでございますが、さらに続ける必要があろうと考えておるところでございます。いずれにいたしましても、施策のあり方につきましては市の同推協に今お諮りをいたしております。個人的規模の見直し等についても、順次実施をいたしてきたところでございますが、同推協の意見を十分尊重するとともに、国、府の動向も勘案し、市会の御意向も十分体しまして、市民の理解と協力を得ながら、適切かつ効果的に実施してまいりたいと思っております。それから、食糧費の支出状況に関する調査についてのお尋ねでございますが、昨年12月に地検から押収されておりました書類が返還されました。先般の決算特別委員会におきまして、監査委員の勧告要望にかかるもの、それから住民訴訟において具体的に指摘されたものにつきまして、書類上の調査により、一部公費支出にふさわしくないと推測されるものがあった旨、御報告申し上げたところでございます。その後、関係者から事情聴取を行うとともに、その他の支出についても現在なお引き続き必要な調査を行っているところでございまして、調査が終わり次第、市会等に御報告申し上げたいと考えております。食糧費の公金支出の妥当性の基準についていろいろと御意見がございました。私どもただ単に会合の出席者に議員、あるいは課長級以上の者が入っていれば、その公金支出が適正なものであるというようには考えておらないわけでございます。本市の事務事業の円滑な推進を図るため、職務権限を有するものが職務の必要に応じて行う会合でございます。あるいは議員と職員との飲食を伴う会合につきましても、執行機関と、また議会は意思決定機関、議決機関でございます。執行機関とそういう議会とは相互に意見を交わし、また協力しあう立場にあるわけでございますが、その間において十分意思の疎通を図るため、必要な会合については飲食を伴う場合も認められていたところでございます。なお、市政運営刷新委員会の緊急提言以降は市民の誤解や不信感を招くことのないよう、きちっといたしておるところでございます。それから、地検から返還を受けた書類の保存についてでございますが、返還を受けた書類のうち、食糧費の支出状況についての調査に必要な書類は公文書に限らず調査が終了するまで廃棄はいたさないと考えております。なお、調査の終了したものにつきましては、本市の文書規程により適正に管理を行ってまいりたいと考えております。 次に、大阪市倫理条例を制定し、厳正な公金執行をせよとの御意見でございますが、3年前の公金詐取事件を契機といたしまして、議会と一体となりまして市政運営刷新委員会を設置をいたしました。その検討結果は緊急提言として取りまとめるとともに、公金支出の適正化と事故の防止を図るという目的で、会計監理検討委員会を設置し、公金支出に関する改善策を策定したところでございます。これらの緊急提言や改善策の周知徹底を図るとともに、公金の厳正な執行に努めておりまして、着実にその成果が上がっているところでございます。また、資産公開の法的制定についてのお尋ねでございますが、この問題につきましては慎重に対処する必要があると考えております。 次に、公文書公開の問題でございますが、公文書公開制度は市民の市政参加を推進するとともに、市政に対する市民の皆さんの理解と信頼の確保を図ることを目的としまして、市民の皆さんに公文書の公開を求める権利を保障いたしておるものでございます。市が保有する公文書は原則として公開請求の対象とされるところでございますが、ただ、公開に際しましては事務事業の公正、また円滑な執行に支障が生じると認められるものや、公正かつ適切な意思形成に支障があると認められるもの、あるいは個人のプライバシーの保護を損なうものや、営業者などの競争上の地位、その他、正当な利益を害すると認められるもの等については原則公開の例外として、適用除外事項が定められているところでございます。食糧費等に関する公文書で、これらの適用除外事項に該当するものは非公開といたしておるということでございます。今後とも条例の趣旨を踏まえまして、より一層の適正な運用に努めてまいりたいと考えております。 最後に、監査委員の選任の問題でございますが、監査委員の選任につきましては、地方自治法の規定に基づきまして、人格が高潔で財務管理、事業の経営管理、その他行政運営に関し、優れた識見を有する者及び議員のうちから議会の同意を得て選任いたしておるところでございまして、法に定められた権限に基づきまして適正に監査事務の執行に御尽力をいただいておるところでございます。なお、昨年4月に行政運営に対する公正性をより確保するため、監査委員の独立性を強めるという観点から、監査委員に関する地方自治法の一部改正がなされたところでございまして、監査委員の選任に当たりましては、今後とも法の趣旨にのっとって対処してまいりたいと考えております。以上でございます。
○副議長(柳井伝八君) 福岡教育長。 (教育長福岡康司君登壇)
◎教育長(福岡康司君) 学校教育の問題についてお答えを申し上げます。 学級編制につきましては、公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律に基づいて定められているものでございます。昭和62年8月の臨時教育審議会の第4次最終答申におきましては、40人学級を円滑に実施し、その後教員配置をさらに改善することを求めております。本市におきましては昭和63年度に全小中学校において40人学級を実施いたしましたが、全国的には平成3年度に完全実施されたところでございます。私どもといたしましては、今後国の動向に注目してまいりたいと存じます。 次に、教室の雨漏りなど、補修の問題でございますが、校舎の補修につきましては学校長からの補修申請に基づきまして、現場調査を行いまして優先度の高いものから順次整備しております。特に雨漏り補修等、緊急を要するものにつきましては学校長と連絡をとりながら、適宜その対応に努めております。今後とも学校施設の整備に努めてまいりたいと存じております。 中学校給食の実施についてでございますが、議員の御指摘にもございましたように、指定都市におきましては中学校給食を実施しているところも、していないところもございます。これは中学生にもなりますと、心身ともに急激に成長するとともに、個人差も出てまいりまして、食に対する嗜好の多様性、あるいは食事の量など、個人差が非常に強く出てまいりまして、小学生に比べますと、どちらかと言えば集団給食になじみにくいのではないかといったことがあろうかと考えております。また、仮に実施するといたしましても、施設設備の整備や職員の配置など、解決すべき多くの課題もございますので、現段階では中学校においての実施は考えておりません。今後とも諸般の状況を見極めてまいりたいと考えております。 養護学校の学校給食につきましては、学校給食法に基づいて実施しているところでございますが、その献立は学校給食の統一献立にしたがって行っております。統一献立は必要なカロリー、バランスのとれた栄養、児童の好みなどを検討して決められたものでありまして、養護学校における学校給食においても、この統一献立を利用することには問題ないと考えておりますが、ただ、養護学校の児童生徒には、その受けている障害に対応した指導が必要であり、給食指導においても、それぞれの児童生徒の実態に即した配慮が必要でございます。現在、各学校におきましては、例えば嚥下、あるいはそしゃくの困難など、児童生徒の障害の実態に応じたきめ細かい工夫なり、配慮がなされておりますが、今後ともこのような観点から、養護学校における学校給食について研究してまいりたいと存じております。
○副議長(柳井伝八君) 竹内
監査事務局長。 (
監査事務局長竹内範夫君登壇)
◎
監査事務局長(竹内範夫君) 住民監査請求につきましては、住民自治の観点から市民に認められた権利でございます。監査委員におかれましては、その請求が法律で定められた要件を備えておれば、これを受理し、監査するところでございます。お尋ねの住民監査請求が却下となりました理由につきましては、当該却下通知文に記載してございますが、まず法定要件であるところの当該行為のあった日から1年を経過したときに、これをすることができないと、これにまず該当いたしております。ただし、期間とかにつきましては、正当事由がある場合に限り、この限りでないとされておりますので、本請求につきましては、この正当事由の有無を制度の趣旨を踏まえつつ、学説、あるいは判例等参考に考察されました結果、正当事由は認められない、受理すべきものではないと判断されたのでございます。
○副議長(柳井伝八君) 傍聴人に申し上げます。傍聴人は拍手をしたり、発言をすることは固く禁止されておりますので、静粛に傍聴願います。 26番小玉滋君。 (26番小玉滋君登壇)
◆26番(小玉滋君) ただいまの市長の答弁には極めて多くの問題点が含まれておりますけれども、3点に絞って再質問をいたします。 一つは学童保育への援助の問題であります。学童保育が場所問題で困っていることは、先ほど私が申し上げたとおりであります。この点について市長も毎年学童保育の充実を求める請願署名が十数万名出されていることや、昨年の秋以来、市長のもとに届いている学童保育の子供たちの手紙のことで御存じのはずであります。この手紙には場所問題を初め、本当に切実な願いが込められていると聞いています。例えば、こういう手紙があります。 市長さんへ。私は今まで5年間、狭い狭い学童に通ってきました。市長さんは一度この学童に来て「狭いな」と言ったので、何とかしてくれるのかなと思った。けど、いまだに何にもしてくれないので、みんな困っています。近くに北公園という公園がありますが、狭くて野球やリレーの練習が十分にできません。せめて学校の空き教室を貸してください。そしたら、学校の運動場も使えるので、目いっぱい遊べます。お願いします。 こういう手紙であります。市長はこの子供たちにいただいた手紙のことについても、よく考えて、皆さんが明るく元気に育つまちづくりを目指していくとの返事を送っています。市長、明るく元気に育つまちというのであれば、せめて狭くて暗いアパートで困っている学童保育に、学校の空き教室を使用させるようにすべきではありませんか。市長は4年前にも、この手紙にもありました都島区にある学童保育を見に行きましたが、実際には、その後、場所問題は放置したままであります。子供たちを再び失望させないよう、すぐできる空き教室の利用を認めるよう主張するものでありますが、見解を求めます。 2点目は、同和問題であります。市長の答弁には見直しの意志が全く見られません。市長、同和行政の目的は、言うまでもなく一般地域との格差是正であり、部落問題解決の条件整備であります。今や差別解消が大きく進んでいる中で、同和行政を収束させ、一般対策へ移行するのは当然ではありませんか。大津市や高知市では同和対策の部局を廃止して、一般対策で対応すると言われています。乱脈・不公正な事業によって問題解消を遅らせ、21世紀に差別を持ち込ませてはなりません。直ちに本市同和事業を見直し、一般対策に円滑に移行させる措置をとるべきです。答弁を求めます。 3点目は、公文書公開条例についてであります。先ほど私は、公金詐取事件のような事態を2度と起こさせない制度的保障のうちの一つとして、食糧費を公開することを堺市の事例や、あるいは大阪高裁の判決などを引用して要求をいたしました。市長の答弁は依然食糧費は非公開にするというものでありました。しかし、主権者である市民に公開するのは当然であります。行政が自分の都合で非公開の範囲を拡大することについては、先の大阪高裁の判決が厳しく批判をしているところであります。大阪高裁はどう言っているのか。少し長くなりますが、重要な指摘なので紹介をいたします。 「一般的に情報公開条例は、過去において行政機関の保有する文書が行政庁側の種々の名目のもとに、ややもすれば恣意的、濫用的に秘密扱いにされ、住民の知る権利を妨げ、ひいては地方自治の健全な発展を阻害する面のあったことに鑑み、それらの弊害を除去する点を考慮に入れて制定されたことは公知の事実と言ってよく、そのようにして制定された情報公開制度の非公開事由該当性を、専ら行政機関の側の利便を基準に、その主観的判断に基づいて決するとすれば、その範囲が不当に拡大する危険性があり、ひいては情報公開制度の実質的意味が失われることにもなりかねず、将来的、長期的に見て、地方自治の健全な発展が望み得ないことになるからである。」 市長、この指摘をどう受けとめますか。大阪府が訴えられた裁判ですが、問われている問題は大阪市の食糧費の公開問題と同じ性質の問題であります。この判決を読めば、大阪市の食糧費非公開の理由が成り立たないのは明白であります。しかも、食糧費などの非公開の規定の仕方は、大阪府も大阪市も同じです。大阪高裁の判決を参考に、大阪市が食糧費公開に踏み出すよう改めて要求をいたしますが、答弁を求めるものであります。 以上3点について明確なる答弁を求めることを申し上げまして、再質問といたします。
○副議長(柳井伝八君) 西尾市長。 (市長西尾正也君登壇)
◎市長(西尾正也君) 小玉議員から3点にわたりまして重ねての御質問でございますので、お答えを申し上げます。 まず最初の、学童保育、留守家庭児童対策事業の問題でございますが、今おっしゃっておりましたように、私も児童の皆さんからのお手紙を頂戴いたしまして、読ませてもらいました。そしてお返事も差し上げたところでございます。都島の留守家庭児童対策事業についても、かつて寄せていただいて、つぶさに拝見もいたしたところでございます。先ほど申し上げましたように、助成の拡大については心がけてまいっておりまして、先ほど申し上げましたように、平成4年度におきまして約30%の補助率のアップを図りたいと思っております。4年間で約倍の助成の増額も図ってきたところでございます。それから、余裕教室の利用、空き教室とおっしゃっておりますが、この余裕教室の利用につきましては、これも先ほど申し上げましたように、学校教育以外の目的で長期にわたり提供することは、教育上の問題、施設管理の問題、子供の安全など、いろいろございますので、社会福祉協議会など、法的な団体が事業の実施主体となる場合には利用していただくということで、かねて申し上げてきたところでございます。なお、子どもの家事業、あるいは児童いきいき事業等の拡充も図ってまいりたいと考えておりまして、留守家庭児童対策について万全を期してまいりたいと考えております。 次に、同和問題でございますが、先ほども申し上げましたとおり、同和問題は憲法によって保障された基本的人権にかかわる重大な社会問題でございまして、その解決は行政の責務であり、国民的課題であるということで、市政の重要な柱の一つとして実施してまいったところでございます。しかし、その間、相当の進展もあったところでございまして、逐次、同推協等の御意見も伺いながら見直しをしながら、また議会の御意向も十分踏まえながら進めてまいったところでございますが、特に本年度末での地対財特法の期限切れを控えまして、昨年12月に地対協の意見具申も出されたところでございます。昨日も本会議場でお答えも申し上げたとおりでございますが、直ちに一般対策へ全面的に移行することは適当でなく、また現実的でもない。そして、21世紀に差別を持ち越してはならんというような趣旨の意見具申でございました。そういう中で、私ども先ほどもお答え申し上げましたような姿勢で同和対策については、見直すべきは見直しながら、今、同推協にも意見をお聞きをしておるところでございまして、また国、府等の動向も勘案し、先ほど申し上げましたように、市会の御意向も十分体しながら、市民の皆さんの理解と協力を得て、適切かつ効果的に実施してまいりたいと考えております。 それから、重ねて公文書公開についての御質問でございますが、公文書公開につきましては、より広い視野から本市における公文書公開のあり方、各界各層の有識者の意見を伺いながら、情報公開懇談会も設置いたしまして、議会の御審議をお願いを申し上げまして、この条例を制定いたしたところでございます。先ほども申し上げましたように、原則として公開を旨としておりますが、公開になじまないものにつきまして、第6条各項にいろいろと定めておるところでございます。今後とも条例の趣旨を踏まえまして適正な運用に努めてまいりたいと考えております。
○副議長(柳井伝八君) 26番小玉滋君。
◆26番(小玉滋君) 自席から発言をいたします。 答弁はなお不十分でありますが、16日から開かれます各常任委員会で、我が党委員がさらに質疑を尽くしていくことで、皆さんの要望、実現をしてまいりたいと思っています。これで私の質問を終わらせていただきます。
○副議長(柳井伝八君) お諮りいたします。 この際、暫時休憩することに決して、御異議ありませんか。 (「異議なし」と呼ぶ者あり)
○副議長(柳井伝八君) ご異議なしと認めます。よって暫時休憩いたします。 午前11時50分休憩 午後1時5分再開
○副議長(柳井伝八君) これより休憩前に引き続き会議を開きます。
○副議長(柳井伝八君) 福田賢治君の質疑を許します。 11番福田賢治君。 (11番福田賢治君登壇)
◆11番(福田賢治君) 私は、民社党大阪市会議員団を代表いたしまして平成4年度予算案及び、これに関連する諸案件につきまして、市長並びに理事者に質問を行いたいと思います。 なお、代表質問も第2日目であり、若干の重複もあろうかと思いますが、我が党独自の立場から質問を行いますので、よろしくお願いいたします。 今日、日本を取り巻く世界情勢は刻一刻と変化しており、政治・経済においても、環境問題においても、世界が連動していることを痛感しております。もはや一地方自治体といえども、世界情勢と無関係ではあり得ない時代であり、時まさにネオボーダーレス時代であります。また、一方では、市民の市政に対する関心も一段と高まり、住民福祉など本来の地方行政ニーズも多様化、高度化し、その評価も一層厳しいものとなっております。このような複雑化する背景の下、税収等の伸びも期待できない中で、「世界に貢献する大阪づくり」「人間主体のふるさと大阪づくり」を柱とした「人と地球にやさしい、新しい時代の都市に向かって躍進する」積極的な予算を編成されたことを我が党は、まず高く評価するものであります。 本年は西尾市政の第2期目の門出に当たる年であり、同時に本格的な西尾市政の幕開けの年でもあります。この第2期は21世紀への架け橋となる重要な役割を果たすものであると認識しております。このような年に、新たなる大阪の創世を予見させる「福祉」と「世界」を見通した積極的な施策の展開を私は強く希望するものであります。以下、幾つかの問題について質問してまいりたいと考えております。 まず、財政問題についてお尋ねをいたします。本市会において上程されております平成4年度予算案は、総額3兆8,196億円で、その伸び率が10.0%となっており、昭和53年度以来の2けたの伸びを確保され、また一般会計の予算規模も1兆6,473億円で、伸び率7.2%と、国及び地方財政計画の伸びを大きく上回る積極的な予算の計上が図られております。特に単独事業については、国、地方を通じて公共投資の充実により、内需の拡大を図るという観点も踏まえ、昭和48年度以来の28.7%という大きな伸びを確保され、非常に時宜を得たものであり、本格的な西尾市政の幕開けを飾るにふさわしい予算であると評価いたしております。しかしながら、我が国の経済は、昨年来から減速傾向にあり、大阪市を取り巻く財政環境には非常に厳しいものがあります。本市予算案においても、景気の動向を反映して、法人関係税の伸びは10.1%の減と、昨年に引き続き2年連続してのマイナスとなっております。そういった状況の中で平成4年度予算は多額の公債を発行しながら、事業費の確保を図っておりますが、市債残高が全会計で2兆7,600億円にものぼる状況を考えますと、後年度にかなりの負担を強いるのではないかという懸念があります。大阪市が他都市に先駆けて公債を活用し、都市基盤や生活環境の整備に努め、その充実を図ってこられたことは十分承知いたしておりますが、次世代に多大の負担を残すことのないよう努めることも、これもまた私たちに与えられた責務であります。こうした観点を踏まえながら、公債の活用を慎重かつ大胆に行い、西尾市政が「次の100年の礎」となるよう、新しい時代の都市づくりに積極的に取り組むべきであると考えますが、まず、今後の公債政策について市長にお尋ねをいたします。 次に、労働時間の短縮によるゆとりの創造についてお尋ねいたします。今日、我が国は経済大国となり、国民1人当たりのGNPが世界の最高水準に達したにもかかわらず、国民の多くはその生活の豊かさを実感することができないと言われております。これは我が国における労働時間が長く、個人の時間的ゆとりがないことが一つの大きな原因であり、労働時間の短縮を進め、国民生活を真に豊かで、ゆとりあるものにすることが非常に重要となってきているのであります。こうした中、国においては、昭和63年に法定労働時間を従来の週48時間から段階的に短縮し、最終的には週40時間とすることなどを内容とした労働基準法の改正を行ってきたのであります。しかしながら、平成3年の総実労働時間は全国平均で2,016時間であり、大阪市内では1,952時間と、全国平均よりも短くなっておりますが、目標の1,800時間にはかなりの隔たりがあります。また、欧米先進国と比べ、年間200時間から500時間も長く、このことが市民にとってゆとり・豊かさを実感できない要因の一つとなっているのであります。今や労働時間の短縮は、日本の社会全体が取り組まなければならない国民的課題となっております。このような中で、市会において「ゆとり宣言」に関する決議や労働時間の短縮に関する意見書を採択しておりますし、また本市においても、市民のゆとりある生活の実現に向けて、本年2月には「大阪市ゆとり創造推進本部」が設置されましたことは大変時宜を得た政策決定であると考えております。特に、本市経済に重要な役割を果たす中小企業においては、その活性化と人材確保の立場から、労働時間短縮の推進が大変重要であると考えております。この点について、市長はどのような取り組みを考えておられるのか。また、増加する自由時間の活用対策についても、今後どのように取り組まれるのか。あわせて市長のお考えをお尋ねいたします。 次に、生涯学習についてお尋ねいたします。先ほども述べましたように、今日の我が国では自由時間の増加や高齢化の進展の中で、人々は生きがいやゆとりなど、心の豊かさを強く求めるようになってきております。そのため、1人1人のライフスタイルや年齢に応じて、新しい知識や技術を学びたいという学習へのニーズの多様化が進んでおります。このことは昨年秋に本市から発表された「生涯学習に関する市政モニター調査」において、約8割の人が、この1年間に何らかの学習活動を行っており、回答者のほぼ全員が「今後、学習していきたい」と答えていることからも明らかであります。このような市民の生涯学習活動をバックアップするために、本市では生涯学習推進会議での検討を踏まえ、本年2月28日に生涯学習の基本指針というべき「生涯学習大阪計画」が策定されたと伺っております。また、平成4年度の生涯学習関連予算案においても、総合生涯学習センター、市民学習センター、新中央図書館、新中央体育館など、新しい施設構想がメジロ押しであり、生涯学習の推進に向けた市の積極的な姿勢を、我が党としても大いに評価をしております。市民の多様化した生涯学習へのニーズに応えるということは、口では言うのは簡単ですが、いざ実行に移すとなると、なかなか難しい問題があろうと思います。例えば、子供たちには地域での遊び場や仲間が必要であり、青年には気軽に集まっておしゃべりをしたり、いろいろな文化・スポーツの活動ができる場所が必要であります。また、育児期の親には、子育てや家庭教育についての学習が必要であり、育児期を終えた女性には地域活動への参加や、再就職への希望も強く、そのための学習機会や情報の提供が求められています。そして、お年寄りには生きがいや健康づくりのための活動とともに、豊かな人生経験の中で培ってこられた優れた知識、技能、意欲などを社会のために大いに生かしていただくことも、また大切なことであります。このように、市民1人1人の学習へのニーズや課題はさまざまであり、さらに学習の場所や方法、そして都合のよい時間となりますと、これまた実に、多種多様であります。行政だけで、これらのニーズに応えていくことは到底不可能であり、大学・短大を初め、市民団体や民間の教育機関、企業、労働組合などと連携、協力していくことが、今後、大阪市にとって重要な課題となってくるのではないかと考えております。そこで、このたび「生涯学習大阪計画」が策定されたということでもありますので、子供からお年寄りまで、きめ細かく応えていくという生涯学習推進の基本的な課題について、市長はどのようなお考えをお持ちなのか、具体的にお答え願います。 次に、行財政改革についてお尋ねいたします。我が党は、従来から一貫して簡素で効率的な行財政運営をされるよう、強く主張してまいりました。本市においては、この課題に積極的に取り組まれ、特に、昭和60年からは、「当面の行財政改革についての基本方針」に基づき、各事業の見直し、合区の実施、OA化の推進など、成果を上げられたことについては、私も十分承知しておりますが、行財政改革というものは、決してこれで終わりというものではなく、また、基本方針策定後の社会経済情勢は大きく変化をいたしております。一方、市民のニーズはますます多種多様化してきており、これに伴って新たな行政需要が生じてまいるのも当然と思われます。他方、大阪市では、本年4月から隔週の土曜閉庁が実施されようとしていますが、行政サービスを受ける市民の側に、サービスの低下を来してはならないと思います。このように、今日、市民ニーズの多様化による行政需要の増大、職員の労働条件の確保、厳しい財政状況など、さまざまな課題が山積している現在、新たな視点に立って、事務事業全般の見直し、OA化、民間委託、職員の適正配置などの方策を積極的に進め、無駄を省いて行政コストの低減に努めることが必要であると考えます。西尾市政第2期のスタートに当たり、公約を一歩一歩実現し、新しいまちづくりを積極的に推進するためには、今こそ簡素で効率的な行財政、市民ニーズに対応できる弾力的な行政が肝要であります。この点について、今後どのように取り組まれるのか。市長のお考えをお尋ねいたします。 次に、高齢化社会対策についてお尋ねいたします。我が国は今や人生80年代を迎え、21世紀には4人に1人がお年寄りという、まさに高齢社会が到来いたします。長い高齢期を健康で生きがいを持って、安心して過ごせるようにするためには、長寿社会にふさわしい基盤整備を進め、お年寄りがいきいきと長寿を喜び、安心して生活できるようにすることが高齢化施策の基本であると思います。お年寄りの中には医療を必要とする方もおられますが、病状がほぼ安定期にあり、治療よりも看護・介護やリハビリテーションを中心とする医療ケアと生活サービスを必要としている方々も多数おられます。できるだけ住みなれた家庭や地域社会で生活を送りたいというお年寄りの願いを尊重し、ノーマライゼーションの理念に基づく在宅福祉対策を積極的に推進しようと考えておられるならば、その橋渡しの役割を担う老人保健施設、いわゆる老健施設の整備を急がなければなりません。昨年10月の大阪市医療審議会答申にある平成17年までの6,700床の整備を達成するためには、現在の対応では不十分であり、保健・医療行政と福祉行政の協力、協調が極めて重要であります。市長も、さきの選挙において、おとしより健康センターの整備を強く訴えられました。しかし、私が過日の決算委員会で指摘しましたとおり、老健施設の整備の問題一つを取り上げても、その推進には行政上のさまざまな課題があります。保健・医療行政と福祉行政がばらばらに行われることなく、風通しよく互いの連携をとって、必要な行政サービスが適切に提供される高齢社会に向けての施策について、体制整備も含め、今後どのように整えようとされるのか。市長の御所見をお伺いいたします。 次に、暴力団対策についてお伺いいたします。近年、大阪市内におきましても、暴力団による暴力傷害、企業恐喝、嫌がらせが頻発し、また資金源をめぐって暴力団の組織拡大や系列化が進められています。そうした中で平穏に暮らす一般市民も、その抗争に巻き込まれるなど、市民生活にも大きな脅威を及ぼしております。この3月1日には、暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律、いわゆる「暴力団対策法」が施行されました。これにより、大阪府警の取り締りが強化されるとともに、大阪府、市、関係行政機関及び財界が一体となって、財団法人大阪府暴力追放推進センターが設立され、暴力団に関する相談活動や、暴力団による不当な行為の被害者に対する救済や支援等が行われることになりました。本市におきましても、平成4年度予算で8億円の出捐金が計上されるなど、努力をされておりますが、出捐金を出すことで、大阪市の責任が果たせるとは到底考えられません。「暴力団対策法」施行に伴うニュースがマスコミによって連日大きく取り上げられ、暴力団追放に対する世論が一段と盛り上がってきていますが、特に、暴力団の集中する大阪におきましては、このような機運を見逃すことなく、暴力団追放運動を推進していくことが極めて重要であり、府市協調して真に暴力のない社会、安全で住みよい大阪の実現を積極的に図っていくべきであると思います。このような観点から、本市におきましても、例えば各区役所に新たに相談窓口を開設するなど、具体的な施策の展開も含め、この問題に対して積極的に取り組むべきであると考えますが、その点について市長のお考えをお聞かせ願います。 次に、住宅政策についてお伺いいたします。大阪市の人口は、昭和58年から62年までは回復傾向にありましたが、昭和63年以降、再び減少に転じてきており、平成2年10月の国勢調査では262万4,000人となっております。この人口の減少は、若年成長階層や中堅層を中心とする人口の市外への転出によるものであり、このような人口減少が続きますと、ひいては都市活力の低下につながるのではないかと大変危惧しております。このような状況を打開し、「大阪市総合計画21」が目指す280万人都市を実現するためには、人口の市内定住に向けて総合的な施策が必要でありますが、中でも、市民が市内で住環境の整備された良質な住宅を確保できるような施策を積極的に推進することが、極めて重要であります。子供、夫婦がお年寄りを残して、市外に転出するといった傾向を食いとめるとともに、さらに市外からの呼び戻しを図るような住宅政策が今求められているのではないでしょうか。そのためには、最近の住宅価格や家賃の高額化などを考え合わせますと、中間所得者層対策の対象階層をさらに拡大するとともに、その内容を充実させ、幅広い市民ニーズに対応し得る良質な住宅の供給を促進することが必要であります。さらに市営住宅の建替事業を積極的に推進し、多様な住宅の建設を進めるとともに、公共施設の建て替えや新設に当たっては、住宅との複合化を積極的に推進し、公社住宅など中間所得者層向けの住宅の供給戸数の拡大を図っていくことが非常に大切であります。また、高地価を反映させないよう、例えば大阪市の市有地に、公社賃貸住宅を建設する場合、土地代を思い切って大幅に減額し、家賃の低減を図るなど、幅広い市民ニーズに応えた良質な住宅の供給に努めることが急務であると考えるのでありますが、今後の住宅政策について市長の御所見をお伺いいたします。 次に、周辺地域の活性化のための鉄道整備とまちづくりの推進についてお尋ねいたします。大阪市の文化施設等の集客能力の高い都市施設を見てみますと、中心ブロックに偏って立地しており、一部交通機関のよく整備された地区を除いて、周辺区には大阪市を代表する集客能力のある施設は少ないのが現伏であります。その原因としては、交通の利便性によるところが大であります。大阪市のマスタープランでは、東部、西部、南部、北部の各ブロックで、住居や業務、文化等のバランスのとれたまちづくりの方向が示されております。今後これらの地域のまちづくりを考えてまいりますと、地域の発展とバランスのとれた文化やスポーツ施設等の集客力のある施設を配置し、人の流れも中心部ばかりでなく、逆に周辺区に引き寄せるようにすることが、マスタープランの実現にもつながるものと信じており、これらの施設を誘導するのに最も有効な手段は、鉄道整備であると考えております。とりわけ、平成元年の運政審答申第10号でうたわれている大阪外環状線、阪神西大阪線の延伸線は、都心部におけるターミナル集中や混雑線の緩和に資するとともに、周辺区の鉄道サービスの向上に大いにつながるものであります。鉄道整備が莫大な費用を要し、事業採算面から鉄道事業者の意欲がなかなか湧いてこないということもよくわかりますが、大阪市全体がバランスよく発展していくためには、まちづくりと一体となった鉄道の整備が重要であると思います。すなわち鉄道網整備とともに、スポーツや文化施設を核とする駅、及び駅周辺の整備と、良好な居住環境の整備を図ることが周辺地域の活性化に大きく役立つものであります。特に、大阪外環状線につきましては、我が党は昭和46年の答申第13号も含めて、その実現に力を入れてきた経過があり、さらに一昨年の代表質問においても、先輩の吉村議員から早期実現に向けて、強く要請を行ったところであります。こうした経緯の中で今回、関西高速鉄道株式会社を事業主体とする方向で、御検討されるとのことでありますので、一歩前進したと大きく期待をしております。また、鉄道整備と一体に考えるべき駅前などの開発や住環境の整備といったまちづくりも進むことになると思います。こうした鉄道網の整備と合わせた周辺地域の活性化について市長のお考えをお伺いしたいと思います。 次に、小売商業の活性化についてお尋ねをいたします。近年、都心部は再開発などの事業が着々と進展し、大変美しくなってまいりました。また、府下の周辺都市の駅前なども整備が進められ、魅力あるものとなってきております。このため、中心部や周辺都市のターミナル界隈などはますます繁栄しているのに対し、市内の環状線の外側など、いわゆる周辺区の商業集積地区は年々衰退しているように感じられるわけであります。大阪市においては、平成4年度に大阪市まちづくり振興センターを設立され、その第1号事業として国の施策を活用し、千林地区の中小小売商業者による総合的なショッピングセンターの建設を支援されるということであります。我が党としては、これを高く評価いたしますが、今後これに加えて、さらに広汎な、よりきめ細かな施策を行っていくことも必要であると考えております。一朝一夕には実現が困難であるとは思いますが、小売市場や商店街を活性化していくためには、商店街などに通じる快適な道路や駐輪場・駐車場、憩いの場としての買物広場など、周辺環境を整備し、市民のコミュニティの場を提供することが是非とも必要であります。また、国においては、大規模小売店舗法の改正に呼応して、さまざまな小売商業振興施策に取り組まれましたが、国の施策は商店街振興組合など、法人化した小売商業団体を対象としているため、市内の商業者から国の助成制度があるのだが、利用できないという声をよく耳にいたします。実際、調べてみますと、市内にあるおよそ500の商店街のうち、法人となっているのは3割以下であり、多くの商店街が国の支援策を受けられない状況にあります。本市では、こうした実態にどのように対応されるのでしょうか。他方、これからの小売商業を支えていく若くて意欲あふれる後継者の育成が極めて重要であります。中小小売商業者が、その後継ぎに夢を託せないような状況では、小売商業の振興など、とてもできるものではありません。大阪は、「商売のまち」「あきんどのまち」であります。本市では、「なにわあきんど塾」など、ユニークな後継者育成事業を実施されておりますが、それで十分であるとはとても言えません。小売商業は地域に根ざした産業であり、地域の実情に合わせたハード・ソフト両面にわたる、きめ細かな施策が重要であります。今後、中小小売商業の振興にどのように取り組んでいかれるのか、市長の御所見をお伺いいたします。 次に、新しい時代の公園整備についてお尋ねいたします。今、大阪市はほとんどが市街化され、オープンスペースはなくなってしまったと言っても、過言ではありません。ゆとりを持って使える空間が次から次へと失われつつあるのです。このような状況の中で、次代を担う子供たちの個性や可能性を最大限に伸ばし、心身ともに健やかに育てていくこと、また、現在の豊かな社会の礎を築いてこられたお年寄りたちが、健康的に活力あふれ、時にはのんびりと生活していただくことが非常に難しいものとなっていくのではないかと懸念されます。特に、子供たちにとっては、昔は格好の遊び場でありました原っぱなどの空き地や水路、材料置場など、少々危険ではありますが、子供たちの冒険心をそそる空間、また、種々雑多な路地裏が周囲から姿を消し、高度に土地利用が進み、その結果、子供たちの戸外での遊び場所は、今では公園に限られてしまっております。さらに、塾通いに代表されるような子供の自由な時間の減少、またテレビゲームの普及や、高学年と低学年の子供が一緒になって遊ぶことがなくなるなど、市内で喜々として遊ぶ子供の姿が減少したことは、まことに憂慮すべきことであります。そこで、私は、このように窮屈に変化していく社会においては、今までのような画一化された公園づくりではなく、豊かな自然に触れて、自由に使用できる空間づくりが必要でないかと考えているわけであります。子供たちには、高価な遊具などなくても十分に遊べます。さんさんと降り注ぐ太陽と、滴るような緑、やさしい水音のするせせらぎ、そして裸足になって遊べる広場があればよいと思うのであります。このことは大人にとっても、お年寄りにとっても同じように快適な環境であるはずです。このような考え方で、新しい時代の公園づくりを行うことが、人にやさしいまちづくりにもつながっていくものであると思いますが、市長はどのようにお考えかお伺いいたします。 次に、環境保全対策についてお尋ねいたします。最近、マスコミ報道に、環境問題が取り上げられない日はありません。テレビで特集番組が組まれたり、書店にもたくさんの本が並ぶなど、今や環境問題は世界的なブームとなっております。しかし、本当の意味での環境問題に対する取り組みとは、もっと地道なものであると私は考えております。オイルショックのころは、資源を大切にしなければならないということで、国民を挙げて、省資源・省エネルギーに取り組みましたが、これがいつの間にやら、また大量消費・大量廃棄の使い捨て社会に戻っております。今回の環境問題への世界的な関心の高まりを、一時的なブームに終わらせることなく、今後に向けて環境保全対策に取り組む下地を今の時期につくるべきだと考えます。例えば、リサイクルについては、市民の意識改革と協力がまず必要であります。ものを大切に使い、古紙や空き缶を地域で回収してリサイクルするなど、小さな市民の活動が大きく地球環境の保全につながっていくのであります。また、市民が分別した資源ゴミを収集加工する施設の整備といったハード面の対応も不可欠であります。この機会に意識啓発活動に腰を据えて取り組むとともに、リサイクル施設の整備を推進するなど、今後の施策の基礎を築くべきだと考えます。また、市長の公約にあります「市民とともに築く人間主体のふれあいとぬくもりの市政」の実現は、大阪市の目指すべき重要な目標であります。そして、そのような温かみのある社会を支えるのは、人々の心であり、意識であります。しかしながら、大阪のまちはいまだにポイ捨てが多く汚いという指摘は、私もよく耳にしており、だれもが認めております。花博を契機にボランティアによる清掃活動も活発化し、環境保全に対する意識も向上し、その結果、大阪のまちも少しずつ美しくなってきていると感じますが、この流れを止めることなく、さらに発展させ、草の根レベルでの市民の関心を大きく育てていくことが今望まれているのではないでしょうか。現在、世界的なブームになっている環境保全対策について、表面的な流行に流されず、より深く踏み込んで、人々がこの問題を考え、身近な住環境から広く地球環境に至るまで、市民が高い関心を持つようになることが大切だと思います。このような息の長い取り組みが、まちなみを美しくし、ひいては住みよく潤いのある大阪、世界をリードする大阪をつくるのではないでしょうか。次の世代の人たちが心から住んでよかったと感じられるような環境先進都市大阪の実現に向けての市長の取り組みについてお伺いいたします。 次に、関西国際空港の関連施設整備についてお尋ねをいたします。関西国際空港は、国際航空輸送の飛躍を担う日本で初めての本格的な24時間運用可能な空港として、世界中の人々から今2年後の開港が期待されており、また、心配されておりました空港旅客ターミナルビルのウイングにつきましても、市長は復活の英断をされ、開港に向けての並々ならぬ決意を示されたことは、まことに適切な判断であると評価をいたしております。ところで、新空港は大阪の都心からおよそ50キロの距離に位置するため、都心と空港を直結するアクセスなどの関連施設整備が極めて重要であります。私どもが承知している限りでは、鉄道アクセスとして、南海本線ルート及び阪和線ルート、高速道路では近畿自動車道及び阪神高速道路湾岸線など、他の空港に比べて非常に充実しております。空港への交通アククセスが充実するのは、空港利用者にとっては非常に喜ばしいことでありますが、しかし、同時にそれ以上に空港母都市である本市自身の発展も重要であります。そのためには、本市が単なる通過都市にならないようにするための各種の施策も必要であることは当然であります。例えば、新空港と直結する都心ターミナルとして、鋭意整備を進められている湊町地区におきまして、高速道路による空港へのアクセス整備はもちろんのこと、阪和線を経由して新空港へ乗り入れるなど、鉄道アクセスの充実も欠かせない条件であります。また、大阪市内での出入国手続きや、航空機への搭乗手続きが可能となるよう、関係機関の誘致も是非とも実現されるよう努力していただきたいと考えております。さらに、南港における航空貨物基地についても、既に一部には航空貨物代理店が進出し、中には営業を開始している企業もあると聞いておりますが、南港航空貨物基地が国際航空貨物ターミナルとしての役割を発揮するためには、過日、一部の新聞報道にもありましたとおり、通関業務などの機能も不可欠であります。新空港の開港まで、あとわずか2年余りであります。本市が単なる通過都市とならないよう、空港利用者にとって、真に利便で魅力ある母都市となるための市長の御決意のほどをお伺いいたします。 次に、市立大学の整備充実についてお尋ねいたします。近年、我が国における社会の急激な変化や、学術研究の高度化、科学技術の進歩、あるいは平成4年度をピークとした18歳人口の急減や生涯学習へのニーズの高まりなど、我が国の大学を取り巻く状況は大きく変化しつつあります。こうした中で、21世紀に向けて我が国の発展を支える基盤として、改めて学術研究の重要性が指摘されておりますとともに、この学術研究の中枢を担う大学に対しまして大きな期待が寄せられているのも事実であります。このような新しい時代の要請に対応した大学教育と学術研究を推進していくことが重要な課題となっておりますが、そのためには大学の教育・研究環境を抜本的に整備するとともに、未来を担う優秀な若手研究者を要請していくことが大切であると考えるのであります。申しますまでもなく、大阪市立大学は昭和3年に、日本最初の市立大学として設立された大学でありまして、当時の関一市長はその設立に当たり、「国立大学のコピーであってはならない」、「大阪市を背景とした学問の創造が、学生、出身者、市民を通じて大阪の文化、経済、社会生活の真髄となっていくときに、大学が市民生活のうちに織り込まれて、設立の意義を全うするものである」と述べておられます。我が党は、この素晴らしい建学精神を持つ市立大学が、母都市である大阪市の発展と市民生活の向上に重要な役割を担っているとの観点から、かねてより市立大学の活性化を図るべきであると指摘し、一昨年と昨年の予算市会においても、この点を強く主張してきたところであります。幸い本市は、平成2年に策定した「総合計画21」において、21世紀に向けて市立大学を国際都市大阪の学術・文化の中枢を担う、新しい都市型総合大学として整備するという方向を示されておりますが、今後はこれを計画的に着実に実現していくとともに、そこで培われた教育・研究の成果を社会に還元していくことも重要な課題であります。平成4年度におきましては、学術情報総合センター建設に着手するなど、新しい施策や施設整備のための積極的な予算が計上され、キャンパス整備がいよいよ本格的に進められようとしています。21世紀に向けて、市民の大きな期待を担っている市立大学を、新しい都市型総合大学としてさらに整備するため、大学の設置者として、今後どのように推進していかれるのか、市長の御見解をお伺いいたします。 最後に、同和問題についてお尋ねいたします。国においては、一般対策への円滑な移行のための最終の特別法である地対財特法の期限切れに当たって、現行の事業を真に必要なものに限定した上で、法の有効期限を5年間延長するための法案を既に国会に提出しております。一方、大阪市では、過去23年間、同和行政を積極的に推進し、生活環境の整備・改善を初め、各分野において多大の成果を上げられてこられましたが、一昨年の生活実態調査や意識調査の結果、なお、教育や就労の面で解決すべき課題があることや、結婚に際しての差別意識が根強いこと、同和問題に対する市民の正しい認識がなお不十分であることが明らかになっております。今後とも必要な事業は実施して行かなければならないと考えますし、特に、市民啓発の充実は重要であると承知しております。しかしながら、我が党がこれまで再三にわたって指摘してきたように、市民の批判の強い行き過ぎた施策はこれを反省し、事業全般にわたって厳しく見直した上で、一般行政の中に正しく位置づけるなど、市民の理解と協力を得られてこそ同和問題の真の解決の展望が見出されると考えます。まず第1に、未事業化用地の問題であります。住環境整備事業を中心に、いまだ残事業があるというものの、同和地区の環境改善が著しく進んだ今日においても、金網で囲まれた土地が随所に見られるなど、そのあり方について検討すべき用地も多く抱えている現状であります。これらはすべて市民の貴重な財産であります。我が党はこれらについて売却処分も含めた対応策を明らかにすべきだと、前市長の時代から再三にわたって指摘しておりますが、昨年の予算市会での代表質問に対しても、単に公共的な見地からの活用も含め、その縮減を図る努力をしたいと答弁されているだけで、いまだに何らの具体的な改善もなされておりません。早急に具体的な対応策を明らかにし、実行すべきであります。次に、住宅事業であります。今年度に引き続き、小集落地区改良事業を中心に予算計上されておりますが、これまでの指摘にもかかわらず、依然として相当数の空き家があるという実態であります。事業の実施に当たっては、まずその解消を図り、適正かつ厳正に進めるべきであります。さらに、個人給付的事業のあり方につきましても、今後とも真に必要な事業に限定するなど、一層厳しい見直しが必要であります。また、同和地区と周辺地域とが一体となるようなコミュニティづくりの形成も重要であります。すなわち地区住民と周辺地域住民とが相互理解を深め、互いの偏見をなくすために自由に交流できるコミュニティづくりを推進してこそ、同和行政に対する市民の理解と協力が得られるというものであります。そのためには、地区内の公共施設を一般市民に開放すべきであり、また地区内の未利用地を一般施策のために大いに活用すべきであります。そこで、市長にお尋ねいたします。今、指摘した数々の問題を厳正かつ公平に見直すとともに、地域のコミュニティづくりを進めてこそ、市民の理解と協力が得られ、同和問題の真の解決の展望が開かれると考えますが、今後どのように進めていかれるのか、お伺いいたします。 以上で私の質問を終わらせていただきますが、市長並びに理事者におかれましては、明確かつ誠意ある答弁をお願い申し上げておきます。なお、答弁のいかんによっては再質問いたしますことも、あわせて申し添えておきます。ありがとうございました。
○副議長(柳井伝八君) 理事者の答弁を許します。 西尾市長。 (市長西尾正也君登壇)
◎市長(西尾正也君) 福田議員から14項目につきまして、市政の重要課題についての御意見、御質問を承りました。順次お答えを申し上げたいと存じます。 まず、平成4年度の予算編成に関しまして、今後の公債政策についていろいろと御意見があったわけでございますが、議員御指摘のように、本市を取り巻く財政状況は昨年来の景気の減速傾向を反映いたしまして、法人市民税が2年連続のマイナス計上となるなど、非常に厳しいものになっております。また、急速に進展していく高齢化や国際化などの社会情勢の変化に対応するための、新たな財政需要が増大いたします中で、公債の果たす役割もまた一段と重要になってまいっております。平成4年度の予算では、一般会計の公債収入は3年度で措置されておりましたNTT貸付金を除いた実質比較で、19.6%の伸びとなっておりまして、他会計におきましても同様に公債を積極的に活用しておるところでございます。一方、本市では、これまで他都市に先駆けまして都市基盤や生活環境の整備を進めるために、公債を積極的に活用してきたことによりまして、市債残高は平成4年度末の全会計で、約2兆7,600億円、一般会計で9,100億円と見込まれておりまして、伸びは鈍化いたしておりますけれども、なお、多額でございまして、公債費比率も13.2%と依然高い水準でございます。こうした状況のもとではありますが、公債を活用することは公債の持つ本来的な意義である世代間の負担の公平を図りながら、施設を整備していくという上で極めて有効な手段でありますので、今後とも公債の適切な活用を図りながら、21世紀に向けた新しい時代のまちづくりを積極的に推進してまいりたいと存じております。その際、議員御指摘のように、公債の発行が後年度に多大の負担を残すことのないように、公債費比率等の動向に十分留意いたしまして、長期的な視野に立って、市債充当事業の内容を慎重に吟味いたしますとともに、また、より低利で良質な資金の確保にも努めまして、将来の財政運営に支障を来すことのないように努力を重ねてまいりたいと思っております。 次に、労働時間の短縮によるゆとりの創造についてでありますが、議員御指摘のように、この問題、今や社会全体として取り組まなければならない課題でございます。市会におかれましても、一昨年5月、「ゆとり宣言」に関する決議を御採択になりました。また、「大阪市総合計画21」におきましても、生きがいに満ちた労働、余暇環境の創出に努めることとしております。国におきましては、現在国民1人1人が豊かさとゆとりを実感できる社会の実現を目指して、策定を進めている新経済5カ年計画で、労働時間短縮を重点課題の一つとして掲げられると聞いております。こうした機運の中で、本市におきましても全庁的な組織としてゆとり創造推進本部を本年2月に設置したところでありました。今後、国、府などと連携しながら、市民、企業に対して労働時間短縮やゆとり創造に向けた普及啓発などに取り組んでまいりたいと考えております。特に、御指摘の中小企業につきまして、人手不足などの深刻な問題を抱えておりまして、その活性化のためにも労働時間の短縮は避けて通れない課題でございます。本市では中小企業向けの情報誌等を通じて、関係法令の周知を図りますとともに、労働時間短縮につながる省力化のための中小企業人手不足対策緊急融資を実施するなど、中小企業が労働時間短縮に取り組める状況づくりにも努めてまいっております。さらに今後は大企業に対しましても、下請発注の際に、中小企業の労働時間短縮を阻害することのないよう、配慮を要請してまいりますとともに、中小企業の管理者研修及び人材活性化のための診断等の機会などを利用いたしまして、労働時間短縮の推進普及に努めてまいりたいと考えております。また、今後増加する自由時間の活用につきましては、市民1人1人がいわゆるアフターファイブや休日を学習、レクリエーション、文化、ボランティア等の活動を通じ、有意義に過ごしていただけるよう、施設の設置、運営方法や情報提供などの条件整備について推進本部の中で検討を進めてまいりたいと考えております。 次に、生涯学習の推進についての御意見でございますが、大阪市では市民の皆さんの生涯学習への高い関心と、強い意欲にお応えするために、子供からお年寄りまでが、いつでもどこでも気軽に学べる生涯学習都市大阪の実現を目指しまして、その基本指針となる「生涯学習大阪計画」を策定したところでございます。この計画では、人々の日常生活や社会的な行動範囲に基づきまして、市域を身近なふれあいや学習の場となっております地域、通勤や通学、買物などで賑わうターミナル、そして全市域をカバーする広域センターの三つの学習圏に分けまして、それぞれに生涯学習の支援システムを構築することを重点課題にいたしております。具体的に申し上げますと、地域にはコミュニティにおける学習センターとも言うべき学校を開放して、住民の方々の身近な学習の場としての生涯学習ルーム、ターミナルには勤め帰りや買物などのついでに、気軽に立ち寄り、自由な雰囲気で学習を楽しむことのできる市民学習センター、広域的なセンターとしては、本市における生涯学習推進の中核施設として、総合生涯学習センターというように、それぞれの学習圏において拠点となる施設の整備を考えております。そして、これら拠点施設を中心に、多様な学習機会を提供する学習文化、スポーツ施設の体系整備、1人1人のニーズに応じたきめ細かな情報提供や相談活動、学習成果を広く社会に役立てていただくためのボランティア指導者のネットワーク化、さらに、働きながら学ぶ人たちにも配慮した開館時間や、休館日の調整など、施設運営の弾力化、家庭での学習ニーズに応える通信制や放送媒体等を活用した新しい学習方法の開発など、柔軟で多角的な学習環境の整備、検討を進めてまいる所存でございます。また、福田議員御指摘のとおり、生涯学習の推進は、ひとり行政だけでなし得るものではありませんで、大学、高校初め、民間の教育機関や企業、市民団体等との連携協力が重要で、かつ新たな課題であると考えております。いずれにいたしましても、市民の皆様の多様なニーズにきめ細かく応えていくことが、何よりも大切であり、「生涯学習大阪計画」の具体化に向けまして、鋭意努力してまいる所存でございます。 次に、行財政改革の問題でありますが、今日、本市の財政は税収入の伸びが期待できず、依然として厳しい状況にあります。しかし、先ほど申し上げましたように、市民ニーズはますます多様化してまいっておりまして、都市基盤や生活環境の整備といった面だけでなく、市民生活において豊かさやゆとりを実感できる施策が強く求められております。このような状況の中で、「人間主体のふるさと大阪づくり」「世界に貢献する大阪づくり」を進めてまいりますためには、社会、経済情勢や市民ニーズの変化に対応した弾力的な行財政運営を図ってまいらなければならんと思います。本市におきましては、従来から各種事務事業の見直し、OA化の推進など、行財政運営の簡素効率化に積極的に取り組みまして、相当の成果を上げてまいったところでございます。今後は、昭和39年に設置いたしております行政調査委員会の場を引き続き活用いたしまして、事務事業全般にわたり、見直しを行い、限られた財源を有効に活用することにより、簡素で効率的な行財政運営を図ってまいる所存でございます。なお、本年4月からは土曜閉庁方式を導入する予定でございます。実施に当たりましては、市民サービスの低下を来さないように、十分配慮しなければならないと思っております。また、今日、市民生活における豊かさやゆとりから、新しく生じてまいります行政需要にも的確に対応できますように、行政運営のあり方について検討を行うなど、知恵を絞り、工夫を凝らして市民サービスの向上と、市民福祉の増進に努めてまいりたいと思っております。 高齢社会対策の問題でございますが、お年寄りの方が住み慣れた地域や家庭で、安心して生活を送ることができますように、在宅福祉施策を積極的に推進してまいらなければならないと考えております。その中で、老人保健施設は重要な役割を担うものでございます。今後、大阪市医療審議会の基本答申の趣旨を踏まえますとともに、市会を初め、関係者の御意見もいただきながら、早急に公的老人保健施設の整備構想をまとめ、計画的に整備を進めてまいりたいと考えております。また、老人保健施設の整備は民間の豊富な医療資源の活用も含めまして、幅広い整備促進の方策を検討してまいる必要がございますので、そのための体制を環境保健局において充実強化し、積極的に推進に取り組んでまいりたいと思います。さらに、このような施設でのケアと、在宅での福祉サービス、保健・医療サービスが関係団体、関係行政機関との十分な連携のもとに、総合的に提供できる体制を整えることは、福田議員御指摘のとおり、極めて重要なことであると思っております。そのため、各区では、高齢者地域支援システムづくりを進めますとともに、行政内部における関係局間の連携を十分図るために、市長を本部長といたします「いきいきエイジング推進本部」を設置をいたしております。今後、これら機関の一層の活用を図ってまいる所存でございますが、さらに連携の確立、組織体制の整備につきましても、研究、検討していくべき課題として考えてまいりたいと存じております。いずれにいたしましても、保健・医療・福祉サービスの充実とニーズに応じたサービスの提供ができますように、今後とも全庁挙げて取り組んでまいらなければならないと思っております。 次に、暴力団対策でございますが、この3月1日に施行されました暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律、いわゆる「暴力団対策法」に基づいて、本年4月に設置されることになっております大阪府暴力追放推進センター、暴力団がらみの市民の苦情、相談に専門的な立場で答えることを主な目的とするもので、本市といたしましても、先ほど仰せのように、財団設立に当たり、必要な基本財産について応分の出捐負担を行いますとともに、市長も副会長に就任いたしまして、財団運営に参画することとなっております。安全で住みよいまちづくりを実現するためには、議員御指摘のとおり府市協調はもちろん、関係行政機関、地域住民の皆様、企業等、市民各層が一体となって、粘り強い暴力追放運動を推進していくことが大切でありまして、大阪府暴力追放推進センターが、そのための拠点としての役割を果たすことが大いに期待されております。本市といたしましても、大阪府を初め、関係者との連携協力をとりながら、積極的に広報活動を展開し、市民への周知を図り、暴力追放への機運を盛り上げていきたいと考えております。また、これまでも、行ってまいりました本庁や区役所における相談窓口での対応に加えまして、推進センターとの連携を密にしながら、府警本部などの関係先の協力も得まして、例えば、専門家の派遣による出張相談の開設など、一層市民の皆さんの相談に応じることができるように努めまして、安全で住みよい大阪のまちづくりに取り組んでまいりたいと思っております。 次に、住宅政策についてでございますが、人口の市内定着を促進し、若い夫婦からお年寄りまで、さまざまな人々が住む、活力ある280万人都市を実現いたしますために、住宅政策を積極的に推進していくことが極めて重要なことでございます。とりわけ今日、住宅の問題が広汎な市民の問題となっております状況の中で、議員御指摘のように住宅施策の対象をできるだけ拡大いたしまして、制度内容の充実も図りながら、幅広い市民ニーズに対応した住宅施策を推進してまいらなければなりません。そのため、市営木造住宅や簡易耐火造住宅の建替事業に加えまして、3年度から着手しております鉄筋コンクリート造住宅の建替事業を推進いたしまして、土地の高度利用を図りながら、中間所得者層向けのすまいりんぐや公社住宅なども含め、多様な住宅を建設してまいりたいと存じております。また、借り上げ方式による民間すまいりんぐにつきましても、4年度に制度拡充も図りながら、積極的に推進してまいりたいと考えております。公共施設との複合化による住宅供給につきましても、良質な公共賃貸住宅の供給を進めてまいります上で、極めて重要でございます。昨年秋に、公共施設の複合化により、市有地の高度利用を図るための組織として、財産運用委員会の中に、高度利用推進部会を設置したわけでございますが、今後、この部会の機能を十分生かしまして、公共施設との複合化による住宅供給を推進してまいりたいと考えております。また、公社賃貸住宅などを建設する場合は高地価を反映させないよう、家賃の低減策につきましても、議員御指摘の点を十分踏まえながら検討を進めてまいります。今後とも、市民の幅広いニーズに対応し得る良質な住宅の供給を推進いたしまして、活力ある住みよいまちづくりを進めてまいりたいと思います。 次に、市域の周辺部の活性化を図るための鉄道整備とまちづくりの推進についてでございますが、地域の特色を生かし、利便性の高いまちづくりを進めていく上で、その基盤となります鉄道などの役割は極めて大きいものがございます。御指摘の大阪外環状線の問題ですが、放射状の多くの鉄道と交差するため、機能的なネットワークを形成し、地域の交通利便性や、また、開発ポテンシャルを高めるための大きな意義がある路線であると考えております。また、かねて地元から促進方の御要望をいただいておるところでもございますので、本市といたしましても、本路線の重要性に鑑み、その実現に向けて、関西高速鉄道株式会社の事業として実施、推進すべく調整中でございます。大阪外環状線、阪神西大阪線の延伸線など、今後の鉄道網の整備に当たりましでは、市域の均衡ある発展を図り、また、運政審答申でもうたわれております鉄道需要の確保のためにも、まちづくりと一体的に進める必要があると思っております。そのため、周辺地域において、スポーツ、文化施設などの集客能力のある施設の整備は効果的でございますが、特に、多くの人々が集中する駅周辺地域では、土地の高度利用により、業務、商業機能などを導入し、民間開発の誘導も図りながら、地域の核づくりを進めてまいりたいと考えております。安定した鉄道需要を確保するためには、周辺地域の住環境整備を総合的に進め、常住人口を増加させることも必要でございます。そのため、花と緑あふれる環境づくりを推進するとともに、市民が親しめる水辺環境の創出、安全で潤いのある道路空間の整備など、快適で魅力的な生活が楽しめるまちづくりを進めてまいりたいと考えております。また、老朽住宅の建て替えを促進するために、平成4年度に、民間老朽住宅建替支援事業を創設いたしまして、市民への建て替え相談サービスや、専門家の派遣、計画策定費補助などを行ってまいりたいと考えております。このように、今後の大阪外環状線などの鉄道整備に当たりましては、需要の確保のためにも種々のまちづくりの施策を総合的に活用いたしまして、周辺地域の活性化が図れるように努めてまいる所存でございます。 次に、中小小売商業の振興についてでございますが、商店街や小売市場の活性化は活力あるまちづくりや、コミュニティづくりの観点からも、極めて重要な課題でありまして、これまでも、ハード、ソフトの両面から各種の施策を推進してまいりました。平成4年度には、本市と中小小売商業者の方々などの出資によりまして、御指摘のまちづくり振興センターを設立し、その第1号事業として、千林の総合ショッピングセンターの建設を支援してまいります。もとより商店街や小売市場が地域の核として発展してまいりますために、地域全体を快適でやすらぎのある暮らしやすい空間として整備することも重要でありまして、こうしたまちづくりには、全庁的な連携のもとに取り組んでまいることが必要であると考えております。また、商業環境の整備のために、商店街や小売市場を直接支援する施策といたしましても、活性化構想の策定から、アーケード、駐輪場などの共同施設の整備まで、助成策の充実に努めているところでございます。国におきましても、平成3年度から共同施設の整備に対する補助政策を大幅に拡充されましたが、御指摘のとおり、国のこの制度は法人資格を持たない任意団体の商店街等を対象外としております。このため、本市では平成4年度から特別措置といたしまして、このような任意団体の共同施設整備に対する助成率をこれまでのほぼ2倍に引き上げますとともに、専門家を派遣し、任意団体の法人化を促進するなど、商店街等の組織強化も支援してまいりたいと存じます。また、中小小売商業の方々にとりまして、商売の継続発展を目指すとともに、なかなか後継ぎのなり手がないという状況がございまして、それだけに、新しい知識、感覚を持った意欲ある後継者づくりは、非常に重要な課題であると考えております。本市では、これまでも、なにわあきんど塾の開催など、後継者育成事業に取り組んでまいりましたが、平成4年度には新たに実地研修を加えた販売促進技術等の研修を行うなど、今後とも工夫を凝らし、明日の中小小売商業を担う後継者育成事業を拡充してまいりたいと考えております。この他、イベントの開催や姉妹商店街の交流事業、輸入品フェアなど、支援するとともに、商店街の空き店舗対策や、小売市場のネットワーク化についても検討するなど、今後とも地域の中小小売商業振興のため、きめ細かな施策の展開に努めてまいりたいと存じております。 次に、新しい時代の公園整備についてでありますが、福田議員御指摘のように、本市のように高密度に集積された大都市におきましては、子供の冒険心をそそるような水辺とか、いわゆる原っぱと言われるような空き地など、非常に稀なものになってまいっております。子供たちが屋外で裸足で遊べる場所、また、お年寄りの方々にとりましても、健康づくりに役立ち、仲間との語らいや憩える場所として、今後、公園の役割はますます重要なものになってまいります。子供たちが伸び伸びと遊び、少しでも自然に触れて、自由で創造的な遊びのできる公園づくり、そして、お年寄りの方々が日の光を浴びて、ゲートボールに興じ、あるいは木陰で気持ちよく憩える公園づくりが非常に重要なことであるとの認識は、私も議員の考えと全く同感でございます。そこで公園をより一層魅力的なものにするため、特色ある公園づくりに努力しておるところでございまして、例えば、画一的な遊具に飽きた子供たちが、グループでさまざまな遊びのできる総合遊具の設置や、自然に親しめるドングリ広場の整備、また、ゲートボールの楽しめる老人健康広場づくり、さらに公園内の池の浄化を図りまして、水を生かした公園づくりなどの事業を進めております。しかし、市内では自然味があふれ、伸び伸びと楽しめる公園や水辺が十分整備されているとはまだ言いがたい状況でございます。これからは地区公園等の一定規模以上の公園につきましては、広々として起伏のある楽しい広場や、水と触れ合う施設をつくるなど、魅力的な空間整備が必要であると考えております。そこで、花の万博の跡地であります鶴見緑地におきまして、平成4年度から着手いたします草原のエリアの造成に当たりましては、自由に走り回れる大きな原っぱ、昆虫採集やドングリ拾いのできる木立、そして水遊びのできるせせらぎ、またピクニックや野外バーベキューなども楽しめる施設の整備を進めてまいりたいと思っております。また、城北川など、親しめる水辺空間の整備にも努めておりますが、ただいまの趣旨を十分に生かしまして、さらに整備を促進してまいりたいと思います。今後も公園の敷地条件や周辺の環境等の諸条件も勘案しながら、豊かな自然に包まれて、子供さんからお年寄りまで、伸び伸びと憩える公園づくりに努めてまいりたいと考えております。 環境保全対策でございますが、現在の環境問題への関心の高まりを一時的なブームに終わらせず、市民の皆さんと一体となって、潤いのある大阪のまちづくりを進めるためには、市民の皆様1人1人に、この問題について理解と認識をしていただき、協力をしていただくための地道で粘り強い取り組みを継続していくことが必要であると考えております。近年のごみの増量も私たちの日常生活に深くかかわって起こってきた問題であり、市民の皆様や事業者が資源を大切にし、ごみを少なくするといった意識を持っていただくため、ごみ減量キャンペーンを展開するなど、啓発活動に努める一方、不用品交換情報誌の発行や、資源回収用具の貸与など、ごみの減量やリサイクルを促進するための施策を推進してまいりました。来年度には3区程度のモデル地区を設定いたしまして、資源ごみの分別収集のテスト実施を予定しており、収集した瓶や缶などの資源をリサイクルするため、新たに選別施設の整備等も行ってまいります。また、まちの美化につきましては、花博の開催を契機に市長を本部長といたしました大阪市環境美化推進本部を設置し、全庁挙げて市民の皆様と一体となった取り組みを積極的に進めているところでございます。市民の皆様にも大変御協力をいただきまして、ボランティア活動による地域の清掃活動により、大阪のまちも大変美しくなってきたと評価をいただいております。しかし、一方では残念なことに、なお、ポイ捨てが多いなど、マナーに欠けるというお叱りもいただいておることもございます。環境先進都市大阪の実現を目指しますためには、市民の皆さんと行政が一体となって、モラルの向上を図らなければならないと考えております。また、議員もおっしゃっておりますように、花博の開催を契機といたしまして、市民の皆さんの間で盛り上がりました潤いのあるまちづくりと、快適な環境づくりを目指す機運を一時的なブームに終わらせることのないように、むしろ、より一層高めてまいることがこれから肝要であると考えております。そのため、今後とも地道に腰を据えた環境保全対策に取り組んでまいる所存でございますので、どうぞよろしくお願いを申し上げます。 関西国際空港の関連施設整備の問題でございますが、湊町地区につきましては、将来新空港に直結した地区になるなど、恵まれた交通条件や立地条件を生かしまして、地域の活性化とともに空港利用者にとって魅力あるまちづくりを進めているところでございます。湊町地区の中心的な施設であります複合交通センターを充実させるため、新空港への直通列車、リムジンバスの発着やチェックインなどができるシティエアターミナルの整備について現在、関係機関へ働きかけているところでありまして、今後とも積極的に推進してまいりたいと思っております。航空貨物基地につきましては、本市としてその必要性を十分認識いたしておりまして、積極的に推進を図っております。本施設が国際航空貨物基地として、十分な役割を発揮するためには、通関機能を合わせ持つことが不可欠であるということでございますが、そのとおりでございまして、大蔵省初め関係者に対しまして、南港航空貨物基地への税関出張所開設を積極的に今働きかけてまいったところでございますが、当面大阪国際空港、現空港の狭隘化対策として、本年7月から南港ACCT航空貨物基地に、税関出張所を開設する予算措置がなされたところでございます。本市といたしまして、今後とも引き続き新空港の開港に向け、本格的な通関機能が付与されるよう関係機関に働きかけてまいりますとともに、中小航空貨物代理店のための共同コアの建設や、関連施設の整備など、積極的に進めまして、21世紀に向けた国際物流基地にふさわしいものとするため努力してまいります。新空港の開港は、世界に貢献する国際都市を目指す大阪市にとりまして、国際化時代に対応した新しいまちづくりを進める非常に大切な機会であると考えております。既存の都市基盤に加え、なにわ筋線など、総合的な交通網の整備を初め、シティエアターミナル、航空貨物基地、アジア太平洋トレードセンターの建設やインテックス大阪の拡充など、国際ビジネスの活動拠点づくりを積極的に進めてまいります。また、ビジネスや観光などで大阪を訪れる外国人が安心して生活できる都市環境づくりや国際会議場の推進など、新空港と大阪国際空港の二つの空港の母都市として、本市が単なる通過都市にならないように最善の努力をいたす所存でございます。 次に、市立大学の整備充実についてでございますが、ただいま市立大学創設に当たっての当時の関市長の言葉を引用されまして、市立大学の役割の重要性につきまして、御指摘がございましたが、全くそのとおりでございます。本市はこの建学の精神を受けまして、総合計画21におきましても、市立大学は国際都市大阪の学術研究と人材育成の中枢を担う市民に開かれた新しい都市型総合大学として整備するという方針を打ち出しております。そのために、新しい時代の要請に対応した特色のある教育や、独創的で先駆的な研究を推進し、有為の人材を育成するとともに、国際的な学術研究の交流拠点となるよう、その充実を図りますほか、教育研究の基盤となる大学施設を計画的に整備してまいることとしておりまして、現在鋭意取り組んでおります。平成4年度におきましては、施設面では新しい情報中枢となります学術情報総合センターの建設に向けて基本設計、実施設計を行いますとともに、法学部新学舎の建設を引き続き進めますほか、教養教育実験棟の建替整備など、キャンパスの整備を推進することといたしております。また、教育研究面では、教育研究費の充実を図りますとともに、新たに若手研究者を育成するための大学院重点研究特別経費の新設や、外国人研究者招聘事業及びアジア・日本研究フェローシップ事業などを実施することにいたしております。また、理学部附属植物園では、教育研究の拠点として、教育研究棟を建て替えますとともに、市民の自然学習の場として整備を推進してまいりたいと思っております。また、阿倍野キャンパスにおきましても、新しい時代の医療体制の確立と医療水準の向上を目指しまして、平成5年春、開設に向けて医学部新附属病院の建替整備を引き続き推進いたしますとともに、将来の医学部の学舎整備計画の立案に向けて調査を進めてまいることといたしております。こうした事業の着実な推進によりまして教育研究機能の充実を図りますとともに、市南部における都市型学術文化ゾーン形成の核となる市立大学のキャンパス整備を進めまして、国際都市大阪の学術文化の中枢を担い、市民とともに歩む開かれた新しい都市型総合大学として整備を進めてまいりたいと思っております。 最後に、同和行政についてでございますが、一昨年実施いたしました同和地区生活実態調査及び市民意識調査の結果等から明らかなように、なお解決すべき課題がございますことから、同和対策、同和問題の解決に真に必要な施策について今後とも実施してまいる所存でございます。まず、未事業化用地の解消につきましては、先ほどの議員の御指摘を初め、市会から再三にわたって厳しい御指摘をいただいておるところでございます。私どもといたしましても、この問題の重要性に鑑みまして、平成2年2月、土地対策会議に専門部会を設置いたしまして検討を進めておりまして、既に用地の実態把握及び分析作業を終えたところでございまして、そのうち事業予定のない未利用地につきまして、代替地としての活用や一般公共施設用地としての転用も図るなど、早急に未事業化用地の解消の具体化に向けて取り組んでまいります。次に、住宅事業につきましては、小集落地区改良事業を中心に重点的に取り組んでまいりますが、初期に建設いたしました住宅につきましては、狭小なものが多く、住戸改善を鋭意進めてまいりますとともに、標準規模の住宅につきましては、今後の事業実施に当たっての受皿として活用することなどによりまして、空き家の解消に努めてまいりたいと存じております。個人給付的事業につきましては、社会経済情勢や地区の実態等を十分勘案しながら同和問題の解決に必要な施策のあり方につきまして、精査検討を加えてまいる所存でございます。また、市民啓発の充実はこれから取り組むべき重要課題であると考えております。このため、地区住民と周辺地域住民とが交流を深め、自由に交流できるコミュニティづくりを推進してまいりますことは、市民の同和問題についての正しい理解と認識を深め、人権意識の高揚を図る上で大変必要有意義でございますので、地区内公共施設の一般利用や未利用地の一般施策への活用につきまして、御指摘のようなコミュニティづくりの観点からも取り組んでまいりたいと考えております。いずれにいたしましても、同和行政のあり方につきましては、ただいま市の同推協にお諮りをいたしておるところでございまして、その御意見を尊重いたしますとともに、国、府の動向も勘案し、市会の御意向を十分体しまして、市民の皆様の理解と協力を得て、適切かつ効果的に実施してまいる所存でございます。 以上でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
○副議長(柳井伝八君) お諮りいたします。この際暫時休憩することに決して、御異議ありませんか。 (「異議なし」と呼ぶ者あり)
○副議長(柳井伝八君) 御異議なしと認めます。よって暫時休憩いたします。 午後2時25分休憩 午後3時6分再開
○議長(大西仙太郎君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
○議長(大西仙太郎君) 田中義一君の質疑を許します。 38番田中義一君。 (38番田中義一君登壇)
◆38番(田中義一君) 私はただいま上程されております平成4年度予算案及び関連諸案件につきまして、自由民主党大阪市会議員団を代表いたしまして、西尾市長並びに関係理事者に質問をしてまいりたいと存じます。 まず初めに、財政問題についてお尋ねいたします。平成4年度の市税の予算計上額は7,271億円で、3年度に比べましてわずか2.8%の伸びということで大変厳しい伏況でございます。そうした中で、これまでの事業に加えて、市民が求めるさまざまな新しい施策の充実も図ろうといたしますと、財政運営についていろいろと御苦労もあろうかと存じます。このように行政に携わる方もがんばっておられますが、一方で市民や企業も景気に陰りが見られる中でも、国民の義務として、国や大阪府、大阪市に多額の税金を納められておるのであります。例えば、平成2年度では大阪市内での税収は全体で6兆4,600億円余りに上っておりますが、そのうち市税として大阪市に納められますのは1割ぐらいしかなく、約4分の3に当たる4兆8,500億円が国に納められております。国に納められた税金が国庫補助金や地方交付税など、地方団体の歳入として、国から地方へ、全国平均では18%程度が戻っているのに対しまして、大阪市では約7%しか還元されていないということであります。大都市地域での税収が国政に生かされたり、地方交付税制度によって税収の乏しい県や市町村へも、配分されるという仕組みについては、一定理解いたしますものの、市域内で6兆円を超える税が納められていながら、そのうち4分の3も国へ納められてしまうのは問題ではないでしょうか。大阪市は西日本の中枢都市として、他の指定都市一つ分の人口に匹敵する130万人余りの昼間流入人口を抱え、活発で密度の高い経済活動を行っているわけでありまして、それに伴って地下鉄や街路、駐車場の整備など、さまざまな大都市としての事業を行っております。このような大都市特有の財政需要を賄うためにも、都市税源の拡充により、本市への税の配分割合を高め、大阪市内の豊かな税源の一部を市税として確保することが大切であると考えます。この点について、今後どのように取り組まれるのか、市長の御所見をお伺いいたしたいと存じます。 次に、総合医療センターについてお尋ねいたします。本市におきましては、高齢化社会の到来や、医療を取り巻く環境の変化などに対応するため、市立医療機関の体系的整備として現在、北の総合医療センターや南の市立大学医学部附属病院の完成が間近に迫ってきております。医療機関の機能分化が求められている中で、高度医療機関の必要性はますます高まっているところであります。阪大病院の千里への移転も平成5年に実施される予定あり、大阪市の中心的医療機関としての総合医療センターが一刻も早く開設することを市民の1人として待ち望むものでございます。平成4年度の予算案におきましても、市民病院の体系的整備にかかる398億8,400万円のほとんどをこれに投入するものとし、ガンマ・ユニットなど、最新の医療機器を購入する計画も発表され、本市の総合医療センターへの並々ならぬ力の入れ方を高く評価するものであります。そこで、総合医療センターについて幾つかお尋ねをしてまいりたいと思います。この医療センターの開設予定は平成5年末ということで、当初の計画より遅れておりますが、平成5年末には確実に開設できるのでありましょうか。その点をまずお伺いいたします。また、聞くところによりますと、総合医療センターは紹介外来、すなわち民間医療機関からの紹介状を持った患者だけを対象とするシステムを採用して、飛び込みで来られる一般外来は受け付けないとのことでありますが、これは事実でございましょうか。厚生省は今後、高度医療を行う特定機能病院については、紹介外来制を採用していきたいという考えを持っているようでありますが、総合医療センターは、高度医療機関であると同時に、既設の五つの病院を統合して、これを一元化する、言わば建替医療機関でもあり、市民病院としての顔を持っているわけであります。これが紹介外来だけしか受け付けないということであれば、一体どういうことになるのでありましょうか。この点についての西尾市長の御所見をお伺いいたしたいと存じます。続いて、医師の確保の問題についてお尋ねをいたします。病院というものは、ハード面だけにお金をかけましても、ソフト面、すなわち優秀な人材の確保、中でも直接診療にあたる優秀な医師の確保がなければ、その機能を発揮することはできません。現在の市民病院の医師は、6割以上が大阪市立大学の出身者で、教室研究生を含めますと、一部の診療科を除き、ほぼ100%が大阪市立大学系で占められております。人材の安定的確保という面からはメリットもあると思いますが、厳しい見方をすれば、一定の枠にはまるといった面も否定できないと思うのであります。高度の医療機関を標榜する限り、脳死臨調の答申などでも話題になっております臓器移植は避けて通れないと考えますが、この機会に全国規模で医師を公募するぐらいのことは、されてもよいのではないでしょうか。総合医療センターのオープンに向けての医師の確保対策について、市長の御所見を承りたいと思います。さらに体系的整備により、残される北・十三・住吉の三つの市民病院につきましては、総合医療センターとの連携のもとに、これまで以上に市民に信頼され、また親しまれる病院として、十分機能をしていくために、さまざまな整備が必要であると考えます。これら3病院の将来計画につきましても、市長の御所見をお伺いいたしたいと存じます。 次に、エイズ対策についてお伺いをいたします。1970年にアフリカ諸国で、ある奇病が発生したと伝えられます。1983年にウイルスによる病気であると究明されました。いわゆるエイズは全世界で患者数、約100万人、キャリアつまり感染者は1,000万人にも達していると言われており、今後とも爆発的に増加することが確実視されております。このエイズは今世紀最大の難病であるといっても過言ではありません。一方、我が国の実情はどうなっているのか。厚生省のエイズ・サーベイランス委員会がまとめた報告によりますと、我が国における昨年1年間のエイズ・ウイルス感染者とエイズ患者は238人と、前年に比べて2.5倍の増加となり、絶対数こそ欧米諸国に比べて低いものの、日本でも今後爆発的に増加する恐れがあると警告されております。アメリカの映画スターであったロック・ハドソンが、このエイズであっけなく死亡、最近では、やはりアメリカのプロ・バスケットボールのスーパースターであるマジック・ジョンソンが自らエイズ・キャリアだと告白し、全世界に大きなショックを与えたことは記憶に新しいところであります。このような状況の中で欧米諸国においては、今やなりふり構わず、予防キャンペーンを繰り広げているところであります。残念ながら我が国においては、いまだにこれを対岸視している感が強いと言わざるを得ません。とりわけ、根本的な治療方法が確立されていないエイズは、この時期、この初期段階における予防対策が極めて重要であり、今こそ蔓延を防止する瀬戸際であるという認識を持つ必要があります。エイズについての定説はまだまだ流動的でありますが、最新の情報、正しい知識をいち早く市民に提供し、市民が的確に理解できるよう、強力な普及啓発活動を進めることが大切であります。そうでないと、エイズにきちんと対応できないだけでなく、誤解から差別の感情が生まれる恐れがあります。現に、外国ではエイズに対する正しい知識の欠如によって、学校・職場での理不尽な排斥運動、医療機関での診療拒否など、さまざまな社会問題が噴出していると伝えられております。したがいまして、市民からの個別的な相談や、検査の要望に積極的に応え得る相談体制、さらには医療機関における受け入れ体制の整備も必要であります。また、学校教育においても、エイズ教育に力を入れるべきであります。先日、国においても、新年度の文部省の方針として、高校生を対象に、エイズの予防教育を始める方針を決め、教材をつくって、平成4年度中に全国の高校に配り、保健体育やホームルームなどの時間を使って指導すると伝えられております。この場合、断片的な情報を得て、恐怖感だけが増すような結果にならないよう注意するとともに、エイズを軸とした人間教育への本格的な取り組みをすることが大切であると思います。我が国においても、避けて通れない、これらの大きな課題について、御所見を伺いたいと存じます。 次に、高齢化社会対策についてお尋ねいたします。我が国では、出生率の低下と平均寿命の伸長により、世界でも例を見ない速度で、人口の高齢化が進んでおりますが、このような状況を踏まえまして、西尾市長は、その第1期目において全国に先駆け、長寿社会にふさわしい行政組織として民生局に高齢化社会対策室を創設されました。また、その後、「いきいきエイジング、みおつくしプラン」を発表して、大胆かつ細心に諸施策を展開されていることを高く評価するものであります。しかしながら、果たして高齢化社会対策を、今後もこのまま、このような体制のもとで進めてもよいものかということになりますと、疑問が生じてまいります。なぜならば、高齢化社会対策室が民生局に属していることに象徴されるように、現在の大阪市では、高齢化対策を福祉の分野でとらえているからであります。これまではよかったかもしれませんが、先ほど申しましたように、人口の高齢化が急速に進んでおり、21世紀初頭には、4人に1人が高齢者で占められる社会になるのであります。もはや、高齢者を福祉の面でだけとらえることは困難であります。すなわち、社会的弱者という視点からだけでなく、社会をリードしていただく当事者の一人でもあるという広い視野で高齢者をとらえ、高齢化対策を推進する必要があると考えます。一口に、お年寄りと言っても、当然のことながら、その体力、技能は千差万別で、元気なお年寄りには、その個々の状況に応じて積極的に社会で活躍していただき、また、このことが生きがい対策にもつながると確信するものでございます。これからの高齢化社会対策は、ひとり福祉の分野にとどまらず、社会生活のあらゆる面から推進する必要があると思うのであります。西尾市長御自身も、これまでの御答弁で、明るく活力ある高齢社会に向けて、保健・医療・福祉、住宅、生きがいなどの施策の連携を図りながら、長期的かつ総合的に推進したいと言っておられます。私と同じ考えに立っておられるものと思うのであります。このことを考えますと、高齢化社会対策室がいつまでも民生局所管のままでおくことが、果たして期待どおりの機能を発揮することにつながるのでありましょうか。やはり、その機能には限界があると思うのであります。組織が仕事をするのであります。自らプランナーとして、また実践者として、市政各般に十分に影響を及ぼすような、弾力的な組織、例えば、市長直属の独立部局にするような形に改めてこそ、広範な施策の展開が図られるものと考えております。同和対策事業は、かって民生局の所管でありましたが、国民的課題として、市政のあらゆる分野で連携をとって、強力に推進すべきであるということから、これを所管する独立部局を設置し、その後、当該事業が一段落した時点で、市民局の中に移行したことを手本にすべきだと思います。そこで、西尾市政の第2期目に当たり来たるべき21世紀の高齢社会に備えて、より強力な行政対応ができるような機構の改革について、市長の御所見を伺いたいと存じます。 次に、空と海からの新空港へのアクセスについてお尋ねをいたします。大阪の発展に、大きなインパクトになります関西国際空港の開港も、平成6年の夏に予定されており、残すところ、あと2年余りとなってまいりました。この関西国際空港と、大阪都心とを結ぶ交通アクセスとしては、道路では、近畿自動車道及び阪神高速道路湾岸線など、鉄道としては南海の難波駅からの南海本線ルート及びJR新大阪駅から大阪環状線、阪和線などを経由して空港に至る阪和線ルートなどがあり、成田空港などの日本の他の空港には見られない利便性の高いアクセスルートの確保が計画されております。しかし、私はこの関西新空港が騒音公害防止などの観点から、泉州沖の海上に誕生いたします日本で初めての24時間開かれた画期的な空港であることから、先ほど述べました道路や鉄道など、陸上のアクセスだけでなく、大阪市内から、新空港へ行くことができる、空や海からの多種多様な交通手段の確保が必要であると考えております。例えば、新幹線の新大阪駅から関西新空港まで、JRのアクセス列車を利用したとしても、あるいは高速道路を利用したとしても、1時間前後はかかりますが、ヘリコプターであれば10数分しかかかりません。また、新空港からジェット・ホイルなどの高速船に乗って、海遊館のある天保山や、今後開発が進みます南港のコスモスクエアなどに来ていただけるような海上アクセスがあれば、大変すばらしいことではないでしょうか。鉄道やバスのように、天候に左右されない確実で低料金のアクセスも結構でありますが、混雑した陸上交通に阻害されることなく、高速性が確保されるヘリコプター、あるいは海上を快適に進む高速船なども、これからの新空港への交通アクセスとして必要であると考えます。そこで、空及び海からの関西新空港へのアクセスについて、どうお考えになられておられるのか、市長の御所見をお尋ねいたしたいと存じます。 次に、大阪市南部地域の活性化についてお伺いいたします。大阪市は西日本の中枢都市として、東京とともに我が国の世界をリードしてきたことは明らかであります。また、それにふさわしい都市機能を持ち、さらに「世界の大阪」を目指して、都市の活性化を図っていこうということであり、私は大変結構なことであると考えます。平成6年夏に、関西新空港が開港いたしますと、大阪市の南部地域は、まさにその玄関口になるわけでございます。しかしながら、現状を見ますと、南部地域においては、道路や鉄道の整備が十分でないばかりでなく、当地域はJR阪和線や、あるいは南海高野線などの鉄道により、東西に大きく分断され、道路交通機能を著しく阻害されているのが実情であります。特に、JR阪和線は関西国際空港の重要なアクセス鉄道でありますが、現在でも道路交通の最大のネックになっており、踏切での交通渋滞は日常化しており、また、踏切での事故の心配もあるにもかかわらず、鉄道の高架化事業はほとんど進んでおりません。また、地下鉄敷津長吉線の問題でありますが、南部地域には東西を結ぶ鉄道が全くございません。そのために、私どもの地元であります住吉区では、お隣の住之江区や、あるいは東住吉区に行くのにも大変不便でありまして、市民の生活の足が満足に確保されていないのが現状であります。私ども、南部地域に住む者は、かねてより地下鉄敷津長吉線の実現を熱望しているわけでございますが、その整備も、今なお全くその動きがありません。南部地域の活性化のためには、東西方向の鉄道整備が不可欠であります。これまで、大阪では千里万博に合わせて、北部地域を中心に都市基盤の整備が進み、花の万博の開催に向けて、東部地域のまちづくりが進んだのであります。このように、大阪市のまちづくりは、万博の開催に合わせて地下鉄や道路などの整備が大きく前進したところであります。そこで、私は、関西国際空港の開港や、大阪国体の開催を契機に、今こそ大阪市の南部地域のまちづくりを大いに進めていくべきではないかと考えております。そこで、大阪南部地域における道路や鉄道などの都市基盤施設の整備を初めとする地域の活性化にどのように取り組んでいかれるのか、西尾市長の御所見をお伺いいたします。 次に、新人工島構想についてお尋ねいたします。現在、大阪湾におきましては、関西新空港やテクノポート大阪計画など、大規模プロジェクトが数多く進められており、大阪湾ベイエリアが関西の経済・文化の新しい拠点となりつつあることは、大変喜ばしいことであります。今後、本市を活性化させるような大規模なプロジェクトを展開しようとすれば、どうしても新たな開発空間が必要となりますが、狭い大阪市域の中で、これを可能とするには、大阪港の新しい埋立地に頼るほか、道はないのであります。過日、ベイエリアの均衡ある発展と、プロジェクトの円滑な推進を支援することを目的に、産、官、学の総意のもとに、大阪湾全体の開発整備の方向や、実現化方策として、グランド・デザインがとりまとめられ、その具体化のために、「大阪湾ベイエリア開発推進機構」が設立されたと報じられ、私は、これに大きな期待を寄せているところであります。さきの西尾市長の、平成4年度の予算案の御説明によりますと、大阪港の整備に692億400万円の予算が計上され、南港トンネルの建設や、国際交易関連施設の整備などのほか、「舞洲」、「夢洲」の土地造成が一段と加速するものと、これまた大きな期待をしているのでございます。ところで、聞くところによりますと、来年度の予算案の中には、具体的な表現はございませんが、「舞洲」、「夢洲」、「咲洲」の新たな埋立地を、より高度に利用するとともに、新人工島を建設する構想があるとのことでございます。この新人工島構想は、大阪湾ベイエリア開発の中で、どのような役割を果たすのか、また、この新人工島の造成が、現在廃棄物の処分地として、残り処分容量が心配されております北港処分地の強力な助け舟になるのか、という点について、市長のお考えをお伺いしたいと存じます。 次に、中央卸売市場の本場の建替整備についてお伺いいたします。昭和6年以来、市民の台所としての役割を果たしてまいりました、本市中央卸売市場の本場の建替工事が進み、いよいよ第1期工事である業務管理棟が、この秋にオープンするとのことであります。これに引き続き、市場棟の建設にとりかかるわけでありますが、21世紀の生鮮食料品流通に対応できる近代的な市場にするためには、設備の改善など、今後さまざまな投資が必要であります。しかしながら、これらの投下資本の回収を図るために、受益者である市場業界に単純に負担を求める使用料設定であれば、確かに市場の建物などは立派なものになりますが、これでは卸売業者などの経営が成り立っていかないのであります。また、現地で営業を継続する建替整備であることから、仮設店舗・完成店舗への移転に際し、設備更新、内装等に多額の出費が必要となり、結果として物価へのはね返りが懸念されるところであります。このようなことから、市民の台所である中央卸売市場の公共性に鑑み、国はもとより、開設者である大阪市からも、より一層の支援が必要であろうかと存じますが、市長はどのような施策をお考えなのか、お伺いいたしたいと存じます。また、市場周辺のアクセス道路の整備は、市場の命運を左右する極めて重要な条件整備でありますので、本場整備の完成時期に合わせて開通できるよう、事業の促進に努めていただきたいと存じます。また、将来構想として、本場が安治川沿いに立地しているという地理的な条件を利用して、近隣の中之島周辺で進められている国際会議場などの大型プロジェクトと、遊覧船で結ぶとか、陸上では「にじ」のバスの観光ルートに組み入れるなど、本場を観光拠点の一つに取り入れ、水都・大阪をPRするような、夢のある楽しい市場へのイメージチェンジを考えられてもよいのではないでしょうか。市長の御所見を伺いたいと存じます。 最後に、新しい大阪の創造に向けたまちづくりについてお尋ねをいたします。2年半前に発覚をいたしました不祥事は、市民の厳しい批判を受け、それまで大阪市が培ってきた信頼を著しく損なうこととなりました。事件の直後に設置された市政運営刷新委員会からの緊急提言や、会計監理検討委員会の報告に基づいて、食糧費の執行については、随分改善されたことは評価するものでありますが、事件に関連して、監査請求や訴訟提起などがなされ、マスコミにも取り上げられるたびに、市民は「いまだに公費の厳正な執行が行われていない」と感じているのではないかと思うのであります。私は民主政治の基盤は、市民の政治・行政に対する信頼にあると確信をいたしております。今後、できるだけ早く、市民の行政・議会に対する信頼感を取り戻し、21世紀に向かって、市民が誇りと愛着を持てるまちづくりに大いに邁進していただくことが肝要であります。一昨年の花の万博の開催は、市民とともに、これからの新しいまちづくりを進める一つの契機となりましたし、関西国際空港の開港は、世界に開かれた国際文化都市として本市がさらに大きく飛躍する絶好の機会であります。したがいまして、これまで、大阪市が進めてきたまちづくりへのさまざまな取り組みに加え、今こそ21世紀の新しい大阪の創造につながるまちづくりに、より一層積極的に取り組んでいただきたいと思うのであります。西尾市長は新年度予算の発表にあたり、「人と地球にやさしい、新しい時代の都市に向かって躍進する予算」と表現されたと伺っておりますが、2期目のスタートに当たっての市長の決意のほどをお聞かせいただき、私の質問を終わらせていただきます。 ご清聴ありがとうございました。
○議長(大西仙太郎君) 理事者の答弁を許します。 西尾市長。 (市長西尾正也君登壇)
◎市長(西尾正也君) 田中議員から税制のあり方、市政運営の基本方針など、重要な問題についていろいろと御質疑を賜りましたので、お答えを申し上げます。 まず、税制の問題でございますが、平成4年度は、いわゆるバブル経済の崩壊による景気の減速に伴いまして、国、地方を通じて税収の伸びがほとんど見込めない状況でございますが、市民ニーズに的確に対応し、市民の皆様方の信託に応えてまいりますため、積極的な予算を編成し、施策の展開に努めることといたしたのでございます。このような施策を支えるべき税財源につきましては、議員御指摘のとおり、本市域内には活発な経済活動を背景とした豊かな税源がございますものの、市域内税収の大部分が国税であり、市税は全体の1割程度にしか過ぎないわけでございます。また、国税収入のうち、国庫支出金や地方交付税として本市に還元される割合も、全国に比べて低いのが実情でございます。本市は西日本の中枢都市として、また、大阪都市圏の母都市として膨大な昼間流入人口に伴う財政需要とともに、成熟した都市であるがゆえの更新需要など、大都市特有の財政需要を抱えておりますので、地方交付税に、より的確に算入されるよう、これまでから強く要望してまいっておりますが、根本的には先ほど田中議員おっしゃっておりますように、自主財源、税源の充実強化が必要であると考えております。本市におきましては、大都市財政の実態に即応する税財政制度を確立すべく、市会の皆様方の御協力をいただきながら、長年にわたり、要望活動を続けてまいりました結果、事業所税や特別地方消費税交付金の創設など、一定の成果を納めてきたところでございますが、なお、十分とは言えない状況であります。したがいまして、都市的税目の市町村への配分割合を高めますとともに、租税特別措置の整理合理化の一層の推進を図りまして、市域内税収に占める市税の割合を引き上げ、大都市特有の財政需要に対応してまいるべく、国等に対し、粘り強く要望を続けてまいらなければならないと考えております。引き続き、議会のお力添えをよろしくお願いを申し上げる次第でございます。 次に、総合医療センターについての御意見でございますが、市立医療機関の体系的整備におきまして、中心的な役割を担っております総合医療センターにつきましては、より高度な医療への対応や、良好な療養環境の確保等目指しまして、当初計画の14階建てから18階建てへの設計の変更等行ったわけでございまして、当初予定時期より遅延をきたしてまいったところでございます。オープン時期でございますが、現在工事を鋭意進めておりまして、平成5年夏ごろに建物が竣工いたす予定でございます。また、総合医療センターの運営システム、情報システムの検討も同時に行っております。建物竣工後、医療機器等の搬入・調整、備品の購入と配置、配属される職員の研修等の準備に遺漏のないように万全を期しまして、議員御指摘の阪大病院の市外移転等も踏まえまして、医療の空白を生じさせないように、平成5年末にはオープンできるように、最大の努力をしてまいりたいと考えております。次に、総合医療センターの受診システムの基本的な考え方の問題でございますが、総合医療センターにおきましては、従来の大病院の外来窓口に見られますような混雑の解消を図り、高度医療機関としての機能を有効に発揮し、1人でも多くの市民の皆様に、その医療機能を享受していただく必要がございます。議員御指摘の、急に身体の不調を訴えられて、総合医療センターに来院された患者さんにつきましては、市民の医療を預かります市民病院の責務といたしまして、医療の提供を当然行っていかなければならないものと考えております。現在、総合医療センターにおきます受診システムについての検討を鋭意進めているところでございますが、市民の皆様が必要なときに適切な医療を安心して受けていただけるように、診療予約システムを導入いたしますとともに、地域の民間医療機関との役割分担と連携を図りまして、トータルとして大阪市内におきます市民医療の確保を図りながら、総合医療センターが持つ高度医療機関としての機能を十分に発揮できるシステムづくりを目指してまいりたいと考えております。さらに、総合医療センターにおける医師の確保対策の問題でございますが、総合医療センターがその求められる救急医療や、ガン、心疾患、脳血管疾患の3大疾患を初めとする高度専門医療などの医療機能を十分に発揮できますためには、優秀な医師の確保が不可欠でございます。十分私どもも考えておるところでございまして、現在、平成5年末のオープンに向けまして、広く優秀な人材の確保に努めているところでございます。また、優秀な医師の確保と研修医、研究医の受け入れに万全を期するために、総合医療センターの近接地に、主として遠隔地からの医師を対象といたしまして、医師宿舎の建設にも着手をいたしております。次に、北、十三、住吉の残る三つの市民病院の、今後の整備計画でございますが、これら3病院につきましては、総合医療センターとの機能分担と密接な連携のもとに、専門的特色も有する地域の基幹病院といたしまして、整備充実を図ることといたしております。そのための具体的な対策といたしまして、現在、十三市民病院へのMRIの導入と、外来等の改修工事を進めておるところでございます。北、住吉市民病院につきましても、今後、将来を見据えた計画のもとに、整備充実を図りまして、引き続き市民の皆様の信頼にお応えできる市民病院として整備を進めてまいる所存でございます。 次に、後天性免疫不全症候群、いわゆるエイズの対策でございますが、厚生省の報告によりますと、全国の患者数、また、感染者数は次第に増加してきております。特に、最近におきましては、女性の感染者や異性間の性的接触を感染原因とする感染者が増加するとともに、国内での感染事例が増加しているとのことでありまして、今後の感染者の増加が、議員御指摘のように大変憂慮されるところでございます。本市といたしましては、エイズ対策は非常に重要な問題としてとらえておりまして、そのために大阪市エイズ対策推進協議会を設置いたしまして、エイズ予防対策に取り組んでおるところでございます。とりわけ市民の皆さんに、エイズに関する正しい知識を持っていただくために、普及啓発用のリーフレット等を作成し、配布を行っておりますほか、エイズ予防に関する講演会を開催するなど、正確な情報の提供と正しい知識の普及啓発に努めております。さらに、市内の保健所におきましては、市民の皆さんからのエイズに関する相談、問い合わせに対応するために、既に相談窓口を設置するとともに、希望される方に対しましては、エイズウイルスの抗体検査を実施いたしております。また、医療機関に対しましては、大阪府を初め、関係機関と連携を図りながら、医師と医療従事者に対する研修会を開催してきたところでございます。一方、国におきましては、エイズ対策の基本的なあり方についての検討を行うため、新たにエイズ対策委員会を設けられましたほか、エイズ対策関係閣僚会議を開催するなど、エイズ対策に万全を期す方針であると伺っております。現在、エイズにつきましては、根治的な治療方法が確立されていない状況の中で、エイズの蔓延を防止するためには、市民の皆さんが日常生活の中で、エイズに対する正しい知識と理解を持っていただくことが、何よりも重要であると思います。そのためにはあらゆる機会を通じて、本市広報媒体を利用した普及啓発活動を一層推進してまいります。いずれにいたしましても、エイズ対策につきましては今後とも、個人のプライバシー等、人権の保護に十分配慮を払いながら、厚生省、大阪府とも連携を図りつつ、さらに積極的に取り組んでまいりたいと考えております。 学校教育にかかわる御質問につきましては、後ほど教育委員会からお答えを申し上げます。 次に、高齢化社会対策の問題でございますが、長寿化、高齢化と同時に、所得・生活水準の向上や、自由時間の増大といったことによりまして、市民生活の変化に対応して保健、医療、福祉を初め、生きがい、住宅、都市環境等に対するさまざまなニーズが増大し、かつ多様化してまいっております。すなわち保健、医療につきましては、これまでの健康教育、健康診査という疾病予防から、最近では積極的に健康づくりのための環境整備をしたり、さらには高度医療の提供などが求められてまいっております。福祉につきましては、ねたきりになったときの介護といった問題から、老後の生活をより充実したものにするための生きがい対策、生きがいづくりなどがございます。さらにノーマライゼーションの理念のもとに、より質の高い住宅や、快適な生活環境の整備、改善が求められているところでございます。これらのニーズに的確に応え、お年寄りの皆さんが社会の主役としての役割を果たせるように、まちづくりを進めることが市長としての責務であると存じております。このことから、21世紀の高齢社会に向けて必要な準備を進めてまいりますために、「いきいきエイジング、みおつくしプラン」の積極的な推進に努めているところでございます。また、推進体制といたしまして、関係各局の一層の緊密な連携を図るために、市長を本部長といたします「いきいきエイジング推進本部」を設置するとともに、事務局といたしましては、民生局の高齢化社会対策室が担当いたしまして、企画調整並びに事業の推進に鋭意取り組んでいるところでございます。今般、ねたきりや痴呆症等の介護、看護を必要とするお年寄りの方に対する施策を強化するために、老人訪問看護の推進並びに老人保健施設の整備促進に向け、環境保健局の体制の充実強化を図ってまいることにしておりますが、さらに「いきいきエイジング、みおつくしプラン」の総合的な推進に、一層積極的に取り組んでまいりますために、民生局高齢化社会対策室の充実強化に努めたいと考えております。田中議員の御提案のとおり、行政組織というものは、その時、その時代の課題に即して、効率的、効果的に施策が推進できるように見直しを行い、柔軟に対応できるようにしなければならんとも思っております。かつて昭和63年の職制改正におきまして、各局にまたがる高齢化社会対策を長期的展望に立って、全市的な立場から企画調整する組織として、高齢化社会対策室を新設をいたしました。効果的な行政執行を図るため、高齢化社会対策事務の多くの領域を事実上所管しておりました民生局に設置することといたしたところでございます。高齢化社会対策が、御指摘のように福祉の分野だけにとどまらないのは仰せのとおりでございます。高齢化社会対策室を独立した部局として組織体制の充実を図るということも、傾聴すべき貴重な御意見であると考えております。しかしながら、福祉とのかかわりも、大変深いものがございます。効果的な施策の推進には、どのような組織機構が適しているのか、多角的に今後とも十分検討してまいりたいと思っております。いずれにいたしましても、お年寄りの方を初め、市民の皆さんが人生80年という長寿を楽しめるような、「人間主体のふるさと大阪づくり」を目指しまして、その期待に応えることが大切であり、高齢化社会対策の推進に当たりましては、今後とも行政組織の改編、整備充実も含め、今後研究、検討してまいりたいと考えております。 空と海からの関西国際空港へのアクセスについてでありますが、新空港は大阪の都心からおよそ50キロの距離に位置いたしますために、都心と空港を直結する交通アクセスなどの関連施設整備が極めて重要でございます。国におきましては、昭和60年、関西国際空港関連施設整備大綱を策定をされました。この中で近畿自動車道及び阪神高速道路湾岸線を骨格としたアクセス道路網の整備、並びに南海難波駅からの南海本線ルート及びJR新大阪駅から大阪環状線、阪和線などを経由して空港に至る阪和線ルートを空港開港時の鉄道アクセスとして整備するほか、新大阪駅と新空港を直結するなにわ筋線の推進などにも努めることといたしております。また、湊町地区におきましては、新空港への直通列車やリムジンバスの発着などができるシティ・エア・ターミナルの整備について、現在取り組んでおるところでございます。これらの陸上アクセスに加えまして、新しい時代にふさわしいアクセスとして、議員御指摘の空や海からの新空港へのアクセスも現在検討いたしております。ヘリコプターにつきましては、混雑した陸上交通に阻害されることなく、先ほど15分ぐらいで行けるという御指摘でございましたが、高速性が確保される高速輸送機関として、新空港の開港を間近に控え、その必要性がますます高まることが予想されますほか、都市間を結ぶ2地点間旅客輸送、いわゆるヘリコミューターのニーズも今後高まることが考えられますので、本市といたしまして、まずヘリコプター利用の基盤施設としてのヘリポートを、テクノポート大阪の対象地区内に計画いたしますほか、都心部においても、ヘリポートの適地の有無などについて、現在調査を実施いたしておるところでございます。海上アクセスにつきましては、現在、天保山東岸壁を利用する幾つかの船会社がございますが、新空港との航路を開設する意向を持っておりまして、本市としても、これら船会社と協力して天保山や現在開発が進んでおりますコスモスクエアにおいて、必要となる係留施設の確保、港湾施設等の整備に努め、高速艇による新空港との航路が開設できるように努力してまいりたいと思っております。 次に、大阪市南部地域の活性化についてでありますが、当地域は古くから住宅地として発展してきた地域であります。現在では、趣のある良好な住宅地や、中高層を主体とした公的住宅団地など、多様な住宅地が形成されております。また、関西国際空港が開港いたしますと、大阪市内と空港の間に、国際的な人、物、情報、文化の太い流れが出てくるわけでありまして、大阪のまちも南に向けて大きく開かれてまいると思います。こうした新しいインパクトを南部地域の活力と魅力の向上に積極的に活用していくことが重要な課題であると考えております。そこで、南部地域の都市基盤整備でございますが、現在道路と平面交差しておりますJR阪和線につきましては、踏切による交通渋滞などにより、東西方向の道路交通機能を著しく阻害しておりまして、1日も早く平面交差を解消することが急務であると認識をいたしております。そのために、現在鉄道の高架化を図るべく、用地買収を積極的に進めているところでございますが、今後とも関係者の御協力もいただきながら、精いっぱい努力をいたしまして、平成5年度中を目途に高架化の工事に着手できますよう最大限の努力をしてまいりたいと考えております。また、地下鉄敷津長吉線につきましては、平成元年5月の運輸政策審議会答申第10号におきまして、整備の必要性について検討すべきであると答申された、いわゆる検討路線でございます。議員御指摘のように、南部地域の発展のため、また、より利便性の高い交通網を実現するため、地元の皆さん方が熱望されておりますことも十分承知をいたしております。このため、敷津長吉線につきましては、平成元年11月に交通事業の設置等に関する条例の計画路線として整備することを明確にいたしております。今後、当路線の整備に当たりましては、関係機関とも十分調整を図りながら、実現の方策について検討してまいりたいと思っております。それから、お尋ねの地域活性化の点でありますが、長居の陸上競技場は平成9年に開催されます国民体育大会のメイン会場に決定しておりまして、開会式や陸上競技などが行われることになっておりますが、今や市民の間でスポーツに対する関心が非常に高まっておりまして、中核的なスポーツ施設は重要な都市施設になってまいっております。今後とも長居公園を大阪市の中心的なスポーツ拠点の一つとして、また、文化・レクリエーションゾーンとして整備してまいりますほか、身体の不自由な方やお年寄りを初め、市民の皆さんが安心して快適に行動できる「人にやさしいまちづくり」を進めてまいりますために、平成4年度において、長居地区をそのモデル地区として整備するための構想調査に着手することといたしております。さらに、市内唯一の総合大学であります市立大学を、市民に開かれた新しい都市型総合大学として整備し、学術文化ゾーンの核として形成をしてまいりたいと思っております。御指摘のように、大阪では国際博覧会のようなビッグイベントにより、都市基盤施設の整備が進みまして、地域の活性化が図られてきたことは事実でございます。南部地域におきましても、関西国際空港の開港や国民体育大会の開催といった大きなプロジェクトを契機といたしまして、地域の活性化に資する施策を長期的視点に立って進めてまいりたいと考えております。 次に、新人工島構想についてのお尋ねでございますが、総合計画21におきましては、本市臨海部の埋立地及びその周辺の地域が大阪湾ベイエリアの中心に位置しておりますことや、豊かな開発可能性を有しておりますことから、これらを生かして、大阪の21世紀の発展を担う新しい都市機能を計画的に集積させる新都心として育てていきたいと考えております。ここでの開発は、テクノポート大阪計画にしたがいまして、先端技術開発、国際交易、情報通信の三つの機能を柱としまして、さらに文化・レクリエーション、居住機能、またアメニティ施設等も十分配しまして、21世紀にふさわしいまちづくりを進めていくことといたしております。また、コンテナ船の大型化に対応した大水深埠頭など、今後要請される港湾機能の整備及び都市再開発や在来港湾地域の再開発を促進するための新たな都市空間の確保が必要であると考えられるわけでございます。さらに、廃棄物の最終処分場や、下水汚泥の集中処理施設のための用地など、都市環境の保全と市民生活の改善を図るための新たな都市空間の確保も必要であると思われます。中でも、都市廃棄物は経済活動の拡大に伴いまして、年々増加しており、再利用などにより減量化に努力いたしましても、現在の「夢洲」廃棄物処分地の容量を考えますと、新たな最終処分地の確保は本市にとりまして大変重要な課題になってまいっております。これらを勘案いたしますと、今後21世紀に向けて、本市が活力ある国際都市として発展していく上で、大阪港の西側水域を活用した相当規模の新たな人工島の建設が不可欠でありまして、その実現に向けて、国及び関係行政機関や、隣接の港湾管理者等と十分調整を行ってまいりたいと考えております。なおこの人工島の建設に当たりましては、水質等、周辺環境への対策を十分考えながら、新たな水際線が市民に広く開放されるよう、積極的に取り組んでまいりたいと思っております。いずれにいたしましても、本市が大阪湾ベイエリア、ひいては関西圏の中核都市として今後ともさらに発展していくとともに、都市環境と市民生活を保全していく上で不可欠な新人工島の建設に向けて、これから取り組みを進めてまいりたいと考えております。 次に中央卸売市場の本場建替整備についてでございますが、市場の管理部門の中枢となります業務管理棟は、今回の整備のテーマであります食を中心とする豊かな市民生活の実現を図るために、市民に親しまれる市場のイメージシンボルとして、本年秋の11月にオープンする予定でございます。この業務管理棟を初め、卸売市場の使用料でございますが、独立採算を旨として市場の運営を準公営企業会計方式により行っております。その設定に当たりましては、国庫補助金や一般会計負担などの特定財源のほかに、受益者である業界の適正な負担をお願いしなければならんわけでございます。なお、国に対しましても、各種の改善要望を行っておりまして、市会の皆様の応援もあり、補助単価の改正など、近々実現する予定でございますが、さらに御協力をいただきながら強力な要望を続けてまいりますとともに、本市といたしましても、使用料につきましては、本場整備の進捗状況を見ながら、業界の負担、能力、周辺市場とのバランスなどを勘案して設定するなど、適正かつ効率的、また弾力的な市場運営に努めてまいりたいと考えております。また、仮設店舗、完成店舗への移転にかかる市場内業者の経営負担につきましては、平成4年度から卸売市場設備等、近代化助成事業を実施する予定にいたしております。さらに、市場へのアクセス道路の問題でございますが、西側の海老江九条線の早期開通など、その事業化について、種々問題点もございますが、今後ともその解決に努めまして、本場整備の完成時期に合わせて利用ができるようになんとか努力をしてまいりたいと思っております。それから、その観光拠点とするということにつきましては、本場整備に合わせまして、安治川沿いに中之島遊歩道と連続性を持った快適で潤いのあるウォーターフロント緑陰道を整備するほか、遊覧船、水上バスの就航でありますとか、陸上観光ルートへの組み入れ等につきまして、大阪のPRのため、関係各方面とも十分協議、検討を重ねてまいりたいと思っております。市民に親しまれる21世紀にふさわしい、近代的で明るく清潔な市場づくり、市民の台所づくりを目指していきたいと思っております。 最後に、2期目の市政運営についての決意ということでお尋ねをいただいたわけでございますが、この4年間、ふれあいとぬくもりのある市政、市民本位の市政を心として、ふるさと大阪、世界の大阪づくりを目指して、努力をいたしてまいりました。平成元年には市制100周年という大きな節目を迎えまして、翌平成2年には、花の万博の開催によりまして、新しいまちづくりに向けた機運も盛り上がってまいったと思っております。また、高齢化の急速な進展や、国際化、情報化に対応いたしまして、文化、ゆとり、アメニティなどの要素を重視した、住・食・遊のバランスのとれたまちづくりを目指して、「大阪市総合計画21」を策定いたしまして、長期的な展望に立った21世紀に向けての新しいまちづくりに取り組んでまいっておるところでございます。今後の市政の推進におきましては、人と地球にやさしい快適な環境づくりや、花と緑あふれる潤いのあるまちづくり、また、お年寄りや体の不自由な方を初め、市民の皆さんだれもが安心して募らせる、人にやさしいまちづくり、文化の香り高いまちづくりや、世界に貢献する国際都市づくり、また、大阪経済の発展を担う中小企業が活躍する国際経済都市づくりなどを重点的に進めてまいりたいと考えております。さらにこれらの施策の推進に当たりましては、地域が持つ歴史や文化、産業などの地域ごとの特性を生かした、個性のある、また各地域とのバランスのとれたまちづくりを進めることも重要であると考えております。鉄道、道路、住宅、公園といった都市基盤や住環境の一層の充実に加えまして、地域経済の活性化など、市民生活に密着した、きめ細かな地域の魅力を高める施策を積極的に推進いたしまして、今申し上げましたように、市域全体の均衡ある発展を図ってまいりたいと考えております。大阪市にはこれまでの100年間、将来を見据えた先人たちの先見性と英断により、上下水道の整備や、築港事業、御堂筋や地下鉄建設など、数々の先駆的事業に取り組み、常に我が国の都市行政をリードしてまいりました。私のこの2期目となりますこれからの4年間は、近代大阪100年の歴史と21世紀をつなぐ、架け橋とも言うべき時期であろうかと思っております。関西国際空港の開港を間近に控えました今、世界中から人、物、情報が集まる国際都市として、大阪市がますます発展してまいりますために、新しい時代の展望を大胆に切り開き、豊かな市民生活の実現に向けまして、市会や市民の皆様方の御協力、御指導をいただきながら、「人間主体のふるさと大阪づくり」「世界に貢献する大阪づくり」を市政の目標として、21世紀の新しい大阪の創造につながるまちづくりに、より一層積極的に取り組んでまいりたいと思っております。どうぞよろしくお願いを申し上げます。以上でお答えを終わらせていただきます。
○議長(大西仙太郎君) 福岡教育長。 (教育長福岡康司君登壇)
◎教育長(福岡康司君) 学校教育におけるエイズに関する指導についてのお尋ねでございますが、教育委員会としましては、昭和63年にエイズについての指導事例集を小、中、高等学校に配付し、教職員の研修に努めますとともに、性教育の一環として児童、生徒にエイズに対する正しい理解を図るよう指導してまいったところでございます。高等学校の保健体育の教科書には、エイズに関する記述がございます。また、議員仰せのとおり、近く文部省はエイズに関する教材を配付される予定と伺っておりますが、その内容にはエイズの感染経路や予防方法の正しい知識、またエイズ患者や感染者への差別をなくするということなどの視点が盛り込まれているとお聞きしております。今後これらの教材を十分活用してまいりたいと考えております。いずれにいたしましても、議員御指摘のとおり、この問題を性教育の重要な課題として、また、生命の尊厳の問題として受けとめ、エイズに関する正しい知識を修得させるとともに、不正確な情報や誤解からくる不安や偏見を持つことのないよう指導を充実してまいりたいと存じます。
○議長(大西仙太郎君) 38番田中義一君。
◆38番(田中義一君) 自席より発言をいたします。 ただいま市長より御答弁をいただきましたが、その中で再度、二、三点御質問をさせていただきたいと思いましたが、近く開かれます常任委員会の審議に移すことといたしまして、これをもって私の質問は終わらせていただきます。
○議長(大西仙太郎君) これをもって質疑を終結いたします。
○議長(大西仙太郎君) ただいま議題となっております諸案件は、お手元に配付いたしております各常任委員会審査付託表のとおり、各常任委員会に付託いたします。---------------------------------------
△(イメージ)各常任委員会審査付託表(財政総務委員会)
△(イメージ)各常任委員会審査付託表(文教経済委員会)
△(イメージ)各常任委員会審査付託表(文教経済委員会)
△(イメージ)各常任委員会審査付託表(民生保健委員会)
△(イメージ)各常任委員会審査付託表(民生保健委員会)
△(イメージ)各常任委員会審査付託表(計画消防委員会)
△(イメージ)各常任委員会審査付託表(建設港湾委員会)
△(イメージ)各常任委員会審査付託表(建設港湾委員会)
△(イメージ)各常任委員会審査付託表(交通水道委員会) ---------------------------------------
△閉議
○議長(大西仙太郎君) 本日の日程は以上で終了いたします。
△散会
○議長(大西仙太郎君) 本日はこれをもって散会いたします。 午後4時20分散会---------------------------------------大阪市会議長 大西仙太郎(印)大阪市会副議長 柳井伝八(印)大阪市会議員 黒田輝夫(印)大阪市会議員 浜口晴敏(印)◯大阪市会(定例会)会議録(平成4年3月10日)(終)...