大阪市議会 > 1990-03-06 >
03月06日-02号

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  1. 大阪市議会 1990-03-06
    03月06日-02号


    取得元: 大阪市議会公式サイト
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    平成2年第1回定例会(平成2年3月)◯大阪市会(定例会)会議録(平成2年3月6日)    ◯議事日程    平成2年3月6日午前10時開議第1 議案第7号 平成2年度大阪市一般会計予算第2 議案第8号 平成2年度大阪市大学医学部付属病院事業会計予算第3 議案第9号 平成2年度大阪市食肉市場事業会計予算第4 議案第10号 平成2年度大阪市市街地再開発事業会計予算第5 議案第11号 平成2年度大阪市駐車場事業会計予算第6 議案第12号 平成2年度大阪市有料道路事業会計予算第7 議案第13号 平成2年度大阪市土地先行取得事業会計予算第8 議案第14号 平成2年度大阪市母子福祉貸付資金会計予算第9 議案第15号 平成2年度大阪市寡婦福祉貸付資金会計予算第10 議案第16号 平成2年度大阪市国民健康保険事業会計予算第11 議案第17号 平成2年度大阪市心身障害者扶養共済事業会計予算第12 議案第18号 平成2年度大阪市老人保健医療事業会計予算第13 議案第19号 平成2年度大阪市市民病院事業会計予算第14 議案第20号 平成2年度大阪市中央卸売市場事業会計予算第15 議案第21号 平成2年度大阪市港営事業会計予算第16 議案第22号 平成2年度大阪市下水道事業会計予算第17 議案第23号 平成2年度大阪市自動車運送事業会計予算第18 議案第24号 平成2年度大阪市高速鉄道事業会計予算第19 議案第25号 平成2年度大阪市水道事業会計予算第20 議案第26号 平成2年度大阪市工業用水道事業会計予算第21 議案第27号 平成2年度大阪市公債費会計予算第22 議案第28号 平成2年度大阪市西町外19財産区予算第23 議案第29号 大阪市消費者保護条例の一部を改正する条例案第24 議案第30号 当せん金付証票の発売について第25 議案第31号 大阪市立学校設置条例の一部を改正する条例案第26 議案第32号 大阪市立大学の授業料等に関する条例の一部を改正する条例案第27 議案第33号 大阪市中小企業融資基金条例の一部を改正する条例案第28 議案第34号 大阪市設小売市場条例の一部を改正する条例案第29 議案第35号 大阪市立老人福祉施設条例の一部を改正する条例案第30 議案第36号 大阪市国民健康保険条例の一部を改正する条例案第31 議案第37号 大阪市立栄養専門学校条例の一部を改正する条例案第32 議案第38号 大阪市立看護婦養成施設条例の一部を改正する条例案第33 議案第39号 大阪市立助産婦養成施設条例の一部を改正する条例案第34 議案第40号 大阪市都市開発拠点整備事業用地取得基金条例の一部を改正する条例案第35 議案第41号 消防手数料条例の一部を改正する条例案第36 議案第42号 水洗便所設置資金貸付基金条例の一部を改正する条例案第37 議案第43号 大阪港振興基金条例案第38 議案第44号 大阪市港営事業の設置等に関する条例の一部を改正する条例案第39 議案第45号 大阪市港湾施設条例の一部を改正する条例案第40 議案第46号 大阪北港ヨットハーバー条例の一部を改正する条例案第41 議案第47号 大阪市基本構想について---------------------------------------◯出席議員88人(欠は欠席者)      1番    小玉 滋君      2番    加沢幸治君      3番    一色孝之君      4番    中沢一太郎君      5番    美延郷子君      6番    舟戸良裕君      7番    新堂庄二君      8番    中村好男君      9番    土居一雄君      10番    福田賢治君      11番    勝田弘子君      12番    松田 力君      13番    奥野正美君      14番    辻 洋二君      15番    川口 優君      16番    柳本 豊君      17番    天野 一君      18番    公原賢司君      19番    徳田育久子君      20番    山下典嘉君      21番    大島豊太郎君      22番    小西礼子君      23番    上野節夫君      24番    矢達 幸君      25番    石川莞爾君      26番    小笠原正一君      27番    佐藤ふみ子君      28番    梶本利一君      29番    辰巳正夫君      30番    井出和夫君      31番    物部秀恒君      32番    松村将司君      33番    岡  潔君      34番    岡崎 誠君      35番    浜口晴敏君      36番    大西仙太郎君      37番    北野禎三君      38番    床田健三君      39番    北山 篤君      40番    太田勝義君      41番    改発康秀君      42番    和田充弘君      43番    安楽雅男君      44番    壷井美次君      45番    吉田信太郎君      46番    岩田 章君      47番    村尾しげ子君      48番    寄吉哲司君      49番    加藤正武君      50番    鈴木清蔵君      51番    森下土治君      52番    吉村達雄君      53番    岸本太造君      54番    山下博義君      55番    野村 清君      56番    高橋幸一君      57番    中田捨次郎君     欠58番    黒田輝夫君      59番    多賀谷宏君      60番    山口泰弘君      61番    永井 博君      62番    木下伸生君      63番    足高克巳君      64番    森野光晴君      65番    青木仲三郎君      66番    中井光治君      67番    中西建策君      68番    山川洋三君      69番    森川美代君      70番    沢村信義君      71番    関根信次君      72番    姫野 浄君      73番    上野 弘君      74番    塩田吾一君      75番    四方棄五郎君      76番    小林初江君      77番    奥野修三君      78番    小林和美君      79番    柳井伝八君      80番    仲谷誠夫君      81番    松井義明君      82番    坂井三郎君      83番    辻 昭二郎君      84番    山下喜一君      85番    高野光男君      86番    藤岡信雄君      87番    井上英夫君      88番    勝田重春君     欠89番    加藤 進君      90番    佐野繁雄君---------------------------------------◯職務のために出席した事務局職員           市会事務局長         藤田 衛           次長             笹倉和忠           議事課長           秋山正己           議事課長代理         小西壽昭           議事係長           仲村雅信---------------------------------------◯議場に出席した執行機関及び説明員           市長             西尾正也           助役             大多一雄           助役             二宮敏明           助役             大浦英男           収入役            高橋 修           市長室長兼理事        今田 隆           総務局長           森 三郎           市民局長           松尾 彰           財政局長           今川 明           計画局長           佐々木 伸           民生局長           朝田悦次           経済局長           山根節郎           中央卸売市場長        大西凱人           環境保健局長         福住弘雄           環境事業局長         堤  治           都市整備局長         大塚幸太郎           建設局長           玉井義弘           国際花と縁の博覧会協力部長  香山 博           下水道局長          加藤隆夫           港湾局長           芦見忠志           市立大学事務局長       木村 收           消防局長           十河將博           交通局長           阪口英一           水道局長           藤原啓助           教育委員会委員        難波利三           教育長            福岡康司           選挙管理委員会事務局長    張間昌治           監査事務局長         清水利三           人事委員会事務局長      杉山龍平--------------------------------------- △開議    平成2年3月6日午前10時8分開議 ○議長(多賀谷宏君) これより市会定例会会議を開きます。 本日の会議録署名者中沢一太郎君、壷井美次君の御両君にお願いいたします。 ○議長(多賀谷宏君) これより議事に入ります。 ○議長(多賀谷宏君) 日程第1、議案第7号、平成2年度大阪市一般会計予算ないし日程第41、議案第47号、大阪市基本構想について一括して議題といたします。 ○議長(多賀谷宏君) これより質疑に入ります。 美延郷子君の質疑を許します。5番美延郷子君。    (5番美延郷子君登壇) ◆5番(美延郷子君) (拍手)私は自由民主党大阪市会議員団を代表いたしまして、ただいま上程されております平成2年度予算案及び関連諸案件並びに大阪市基本構想案につきまして質問をさせていただきます。西尾市長並びに関係理事者に質問させていただきますが、まず最初に、父重忠22年、母よし12年と、長い間お世話になりましたこの伝統ある市会におきまして、経験も浅い私に登壇の機会を与えて下さいました先輩の皆様方に厚く御礼申し上げます。 さて、今世界に目を向けて見ますと、人、物、情報、資金が地球的スケールで24時間交流し、地球レベルでの環境保全が言われる中、東西冷戦の象徴と言われたベルリンの壁が取り壊されるなど、まさに新しい時代の到来を強く感じるものでございます。一方、大阪市でも、昨年には記念すべき市制100周年を迎え、さらにことしは市政第2世紀のスタートを飾るにふさわしい国際花と緑の博覧会開催の年であります。これまで多くの先人が、英知と情熱を傾注して築いてこられた輝かしい歴史と伝統を振り返りながら、新しい時代への第一歩を踏み出していくときであります。近年の国際化や高齢化、高度情報化など社会経済情勢の大きな変化に的確に対応し、21世紀に向かって世界に貢献する国際都市大阪を築き、新しい文化をつくり、市民が生涯を健康で安心して暮らせる町をつくり未来に引き継ぐため、ハード、ソフト両面にわたって施策を展開しなければなりません。私たち市政に携わる者に対して、260万市民から今一番求められているのは、行政の原点に立ち戻った市民への奉仕の精神であると思います。市民への奉仕の精神があってこそ、市長が常々言われる触れ合いとぬくもりのある人間主体の町大阪が実現できるものと確信いたします。このような観点から、私は、大阪市が当面する諸問題について、以下質問してまいります。 まず、大阪市の行政が市民に対していかにあるべきかという観点からお尋ねいたします。昨年、大阪市は市制100周年を迎えましたが、その記念すべき年に、不幸にも一連の不祥事件が発生いたしました。この事件につきましては、連日、新聞やテレビなどで報道され、また、市会におきましても熱心に質疑がなされたところであります。この場で詳細について申し上げることはいたしませんが、今でも機会あるごとにこの事件に関連した報道がなされるなど、市民のこの事件に対する関心は根強いものがあります。私も一議員として、一市民として、この事件には非常に心を痛め、大阪市にとってまさに屈辱的と言えるこの期間、重苦しい気持ちで日々を過ごしたところでございます。言うまでもありませんが、市長を初め、そのもとで働く職員、あるいは我々議員も含めまして、市政運営にかかわる者は、地方自治の本旨に基づいて市民の福祉を増進するために働く責務があります。そして、行政が民主的、能率的、公正に行われるかどうか、そして、市民の福祉が向上するかどうかは、市政運営に携わる者が、それぞれの立場で、パブリックサービスの趣旨を理解して、職務に精励するかどうかにかかっていると言えるのではないでしょうか。また、この精神が徹底されていたならば、このような不祥事は発生するはずはないのであります。不祥事が相次いだということは、市民への奉仕の精神が欠落していたからだと思います。事件の後、市民の信頼を一刻も早く回復するという観点から、市会と理事者が一体となって、市政運営の刷新を図り、市政の信頼を回復するため市政運営刷新委員会を設け、緊急提言をまとめられ、それをすでに実行に移されております。これらのことは私は大いに評価いたしておりますし、刷新の効果を望んでやまないものでありますが、先ほども申し上げましたように、やはり基本となる精神が問われなければならないのであります。市民の市政に対する信頼を一刻も早く回復するためには、市を挙げて、いま一度市民への奉仕の精神こそが市政の基本であることを振り返り、市政の刷新に努めなければならないと思いますが、一連の不祥事についての反省点と今後このようなことを二度と生じさせないための市政刷新の展望をお伺いしたいと思います。 次に財政問題についてお尋ねしたいと思います。来るべき21世紀に、真に豊かで国際社会に貢献できる大阪を実現するためには、先人のすぐれた英知とたゆまぬ努力により培われてきました歴史と伝統をしっかりと受け継ぎ、社会経済情勢の変化に的確に対応するとともに、何よりも市民本位の市政運営に努めることが、私ども市政を担う者の責務であると考えております。今後、本市が、時代の変化に伴った多様で複雑な市民ニーズに着実にこたえ、西日本の中枢都市として大きく飛躍、発展を続けていくためには、何にも増して財政基盤がしっかりしたものでなくてはなりません。平成2年度の国の予算並びに地方財政計画におきましては、経費の徹底した節減合理化に努めながら、積極的に生活環境の整備、向上、地域経済の振興を図ることを基本とされたとのことでございます。一方、本市の財政は、新たな財政需要が増大する中、税収入の大きな伸びは期待できず、国庫補助負担率引き下げ措置が継続されるなど、なお厳しい財政状況にあるとのことでございますが、その中での予算編成、大変な御苦労があったこととお察しいたしますが、平成2年度の予算編成に当たりまして、その基本的な姿勢について市長にお伺いいたします。 次にこれからの町づくりの指針となります新総合計画の問題についてお尋ねいたします。町づくりは、市民の生活環境の整備から、経済、文化などの都市機能の整備に至るまで、幅広い範囲にわたっております。したがいまして、町づくりを円滑に進めていくために、これらのすべてを包括、網羅した総合計画が求められ、その必要性はいつの時代においても変わらないものと考えております。しかし、そうは言いましても時代の背景、策定者の意思や問題意識などが反映され、おのずから、他の時代のものとは異なった特徴を持つことになります。私は、現在という時点が、明治以降の近代都市づくりの上に、21世紀社会を展望した新たな展開を図っていくべき極めて重要な時期であると思っております。このようなときに当たり、長い歴史の中で常に町づくりのパイオニアとして歩んで来た大阪市が、その精神を次の新しい町づくりにおいても大いに発揮し、我が国のみならず世界を先導する役割を担っていくことを期待するものでございます。したがいまして、新総合計画は、時代を先取りし内外の都市をリードするにふさわしい計画であってほしいと願っております。このため、いま一度都市とは何か、世界の中で大阪の果たす役割はいかにあるべきかといった点に加えまして、市民の権利と責務、都市生活者としての意識や行動のあり方などについても十分に考えておく必要があると思うのでございます。こうした観点から見ますと、昨年11月に発表されました草案や、今回提案されている基本構想は、「新しい都市生活魅力の創造」、「21世紀に向けた都市づくりパイオニア」、「公共心の醸成」など、私どもが期待する問題意識を持ったものになっていると意を強くしているところでございます。そこで、今後の町づくりの最も基本的な指針となる基本構想の提案に当たりまして、21世紀の大阪をどのように展望し、この新しい計画に何を託そうとされているのか、市長の基本的なお考えをお伺いしたいと思います。次に、新総合計画の基本となります人口、経済指標及び計画推進のための財源の確保についてお尋ねいたします。草案では、15年の計画編の中で、人口280万人、就業者数260万人、経済成長率4.3%程度といった指標が設定されております。これらの指標は、現伏から見れば、今後の町づくりに向けた大阪市の意欲的な姿勢があらわれているものと受けとめているところでございます。私は、都市というものは、多様な人々が住むことによって初めてその活力が増幅されるものであると考えております。人口につきましては、現状にとどまらずに魅力的な住環境の整備に努め、西日本の中枢都市にふさわしい人口を達成していくべきだと考えます。また、経済につきましては、雇用機会を確保し東京一極集中を是正する上からも、大阪の持てる力を最大限に発揮すべきであると考えます。しかし我が国は、今日、経済大国として大いに繁栄してはおりますが、このような成長をいつまで続けることができるのでしょうか。また、その中で、大阪の経済は、今後とも順調な成長を遂げることができるのでありましょうか、一抹の危惧を持つものでございます。草案に示されているこれらの基本指標につきましては、私としてもぜひこうあってほしいと思うのでありますが、その設定に当たってのお考えをお伺いしたいと思います。また、これらの基本指標の帰趨は、大阪市の税収とも密接に関係しております。町づくりは、単に行政だけでなく、市民、企業などの協力によって進められるものですが、その中でも、大阪市の役割は非常に大きく、市の財政の状況が今後の町づくりの進捗に大きな影響を与えることになります。このため、今回の基本構想に基づいた新しい町づくりを着実に進めていくためには、安定した財源の確保に努めることが極めて重要であります。この点につきまして、どのように取り組まれるのか、あわせてお伺いいたします。 次に、大阪市の国際化についてお尋ねしたいと思います。21世紀を目前にして、本市の国際化は急速に進展していると思います。私が昭和62年度の決算市会で開催の実現を強くお願いいたしておりましたPIANCが5月に、また、国際水都首長会議が7月に開催されるなど、花の万博期間中に数多くの国際会議が予定されております。これらは大阪を世界にアピールする絶好の機会でございますので、ぜひ大阪のよい印象を持って帰っていただけるよう万全の準備で望んでいただくようお願いいたします。一方こういったソフトの分野に対しまして、既に運用を開始したテレポートや関西国際空港の建設など、ハードの分野の整備も着々と進み国際都市大阪の姿が整備されつつあります。こうした国際化を進めるに当たっては、大阪が常に我が国を代表する大都市として、また国際社会の一員としての自覚のもとに世界に貢献するという心構えが必要であると思います。昨年10月17日に発生いたしましたサンフランシスコ地震のときに、本市が姉妹都市として、いち早くお見舞いをされ、私ども市会も協力させていただきましたが、市民の方々からも6,000万円を超える義援金が寄せられるという心温まることもございました。このようなことにより市民の国際意識が高まり、国際社会の一員としての責務を果たしていくという意識が醸成されるのでございます。世界の我が国に対する交流の評価は、顔が見えない、言いかえますと、日本人の心や文化は理解しにくいと言われております。自動車や電気製品といった物やお金などの経済の分野では国際的な交流は進んでいますが、人や心の交流では、まだまだ不十分であると思います。こうした点で、肌の触れ合う、心の触れ合う交流を積極的に進め、世界に貢献していくこと、とりわけ歴史的、地理的、経済的な面でもきずなの強いアジアなどの開発途上にある国々への貢献が大切であると思います。市制施行以来1世紀の間に本市が蓄積してきた技術、ノウハウを伝えていくこと、あるいは開発途上国の発展のために人材育成に協力していくこと、これらを国際社会の中で実行していくことが本市のできる国際社会への貢献だと思います。こうしたことを今後、積極的に進めていただきたいと思っていますが、市長の御所見をお伺いいたします。 次に、国際化に当たって大阪港の果たす役割についてお伺いします。いつの時代でも、港は外国との交流、交易の窓口として、その役割を果たしてきました。特に最近は、ゆったりと充実した時間が過ごせる、大型客船によるクルージングの人気が高まっておりまして、大阪港においても「クイーンエリザベス二世」を初め、大型客船や国際フェリーが多数入港するなど、新たな国際交流の時代がやってきていると思います。また、ヨーロッパで起こり、古い伝統と格式を誇るPIANCは、内外からの参加者が1,000人にも上る大規模な国際会議でございます。本年5月にこのような国際会議がアジアで初めて、しかも大阪で開催されることは、本市の国際化に大きく寄与するものであると考えます。さて、大阪港は現在、世界の六つの港と姉妹港、友好港の提携を結んでおりますが、この提携をさらに活用することによりまして、大阪市の国際化の進展に役立つのではないかと考えます。そのよい一例として、昭和62年にメルボルン港との間で開催したダブルハンドヨットレースは、世界初の太平洋縦断ヨットレースとして、7カ国64艇が参加し、大成功をおさめ、平成2年度には第2回目が開催されるとのことでございます。また本年は、フランスのル・アーブル港との姉妹港提携10周年、韓国の釜山港とは5周年を迎えます。このような記念すべき年に、本年7月にオープンする予定の天保山ハーバービレッジなどを活用した国際色豊かな催し物を行い、市民レベルの国際交流の機会を提供してはどうかと考えます。このように港を舞台として国際的なイベントや会議を開催したり、さらに新たな港との姉妹港提携を行うことなどにより、大阪市の国際化を推進していくことが重要ではないかと考えますが、今後どのように取り組んでいかれるのかお伺いいたします。 次に、急速に進展する国際化の中で、教育の果たすべき役割についてお尋ねいたします。学校教育、社会教育を問わず、国際社会の中で信頼される日本人を育成することは、教育の果たすべき重要な役割であります。我々日本人が、国際社会の中で調和を保って生きていくためには、まず、外国の人々と話ができることが必要で、そのためにも外国語教育の充実が急務であると思います。しかし、外国語をマスターすることだけではなく、国際社会の中で信頼される日本人として、外国との協力関係をさらに発展させていくためには、もう一歩踏み込んで人々の生活や考え方まで含めた広い意味での文化の相互理解を推進していかなければならないと思います。そういう意味では、海外の学校との交流、各種のスポーツ交流、生徒や教員の海外派遣など、いわゆる国際交流の果たす役割が非常に重要であると思います。一方、国際化を考える場合には、次のようなことも認識しておかなければなりません。それは、ロンドン、パリ、ニュー∃ークなどの国際都市を見ましても、さまざまな人種や民族が同一都市に生活することに起因する諸問題があり、我が国におきましてもボートピープルと呼ばれる難民の受け人れとその教育の問題などがこれからの課題となってくるということです。世界に開かれた国際都市として飛躍していこうとしている大阪市におきましても、このような問題が、近い将来現実のものとなり、対応に迫られるときが来るのではないかと考えられます。そこで、国際化に伴うこのような問題を今後の課題として念頭に置きながら、本市の教育委員会が、これからの国際交流の取り組みをどのように考えていかれるのかお伺いいたします。 次に、国際花と緑の博覧会についてお尋ねいたします。この博覧会は、当初は市制100周年を記念する事業として企画されたものでありましたが、その後、私どもや理事者の皆さんを初め、自由民主党の「花と緑の国際博覧会開催推進議員連盟」や「花と緑の運動推進本部」により国際博覧会として位置づけられ、今日に至ったものでございます。花の万博は、いよいよあと26日で開幕されようとしています。当初心配された海外からの参加国も現在、78カ国と国際博覧会史上最多となり、さらに我が国の博覧会史上初めて全都道府県が出展参加をするなど、国を挙げて、世界を挙げてこの花の万博の機運が盛り上ってきているところでございます。入場者も2,000万人が想定されており、国の内外から非常にたくさんの方々がこの博覧会においでになり、大阪の町をごらんになられますので、交通渋滞の問題、駐車場問題などについて最後まで努力を続けられるとともに、ホストシティとして楽しい行催事を開催していただくなど、わざわざお越しいただいた大勢の方々に大阪のよい印象を持って帰っていただきたいと思うわけですが、この点についての市長の御見解をお伺いいたします。さらに、この博覧会が成功裏に終わることとともに重要なことは、この世紀のビッグイベントを一過性のお祭りで終わらせることなく、21世紀に向けた大阪の町づくりの大きな契機とすることであると思います。大阪は緑が少ない、市民のマナーが悪いといった、あまり芳しくないイメージを持たれているように見受けられます。現在、博覧会の開催に向けて、環境美化推進運動や違法駐車非常事態宣言など、大阪の町をよくする、美しくするための取り組みをなさっておられます。こうした取り組みを博覧会終了後も強力に進めていただくことが重要であると思います。こういった努力の積み重ねによって、大阪は、花と緑にあふれた美しい町、マナーのよい町として、真に世界に誇れる町となることができるものと考えます。花の万博の開催の意義の一つは、まさにここにあるのであります。イベントというものは、えてして大きければ大きいほど、それを成功に導いていくことに全力が注がれ、その成果を将来の町づくりにどのように生かしていくかといったことが、おろそかになるきらいがあります。花の万博を契機として、自然との触れ合いを深め、人の輪、心の輪を広げようという博覧会の精神が、市民の心に受け継がれ、今後の町づくりの中にその成果として生かされていかなければならないと思うのでありますが、市長の御見解をお伺いいたします。 次に、女性の目から見た身近な問題について、例えば家庭におけるお年寄りの介護、子供の教育、あるいは家事など女性が大きな役割を担っているものについて順次お尋ねしてまいりたいと思います。 まず、高齢者対策についてお尋ねいたします。お年寄り、とりわけ75歳以上の老齢人口の増加に伴いまして、寝たきりや痴呆性など介護の必要なお年寄りが増加していく一方、世帯規模の縮小や女性の社会進出、扶養意識の変化などにより、家庭での介護も難しくなり、その対策は極めて重要な課題となっております。これらの介護の問題については、お年寄りが長年住みなれた家庭や地域社会で生活を続けられることを基本としながら、在宅福祉サービスの充実を積極的に推進していく必要があるものと思います。また、介護をしているのがほとんど女性であることから、女性にとっても深刻な問題となっております。このために女性が介護の担い手であるといった、従来の視点を変えて、介護をしている方を支援する施策を充実するとともに、社会的な介護システムを確立して、高齢化社会での介護問題の解決を図っていくべきではないかと考えます。政府は、高齢者保健福祉推進10カ年戦略を策定して、ホームヘルパーやショートステイ、デイ・サービスセンターなどの在宅福祉対策の緊急整備など、介護対策を強力に推進していくこととしておりますが、大阪市においても、21世紀を展望した高齢化社会対策のビジョンを策定され、お年寄りとその介護をする女性が安心して生活を続けられるよう、在宅福祉の充実を積極的に進めていく必要があると考えますが、市長の御所見をお伺いいたします。 次に、子供の教育についてお尋ねいたします。私は、この大阪で育つ子供たちが地域社会の一員としての自覚を持ち、健やかに成長し、21世紀の大阪の発展に尽くす立派な市民として育ってくれることを、母として女性として心から願っております。現代社会は目覚ましい科学技術の進歩と経済の発展により、物質的な豊かさとともに、情報化、国際化、価値観の多様化など、社会の各方面に大きな変化をもたらしております。しかし、その中で子供たちの置かれている状況は、決して楽観できるものではありません。将来にわたって生き方の基本となる心の豊かさや、社会の変化に主体的に対応できる力が、1人1人の子供たちにしっかりと身についていないのではないでしょうか。また、この物質的に豊かになった社会の中で現在の子供たちは、ややもすると自分本位で老人や弱い立場の人を思いやる気持ちやマナーにも欠けているのではないかと心配しております。厚生省の実態調査によりますと、親の7割近くが子育てに関する悩みを訴えており、家庭教育に自信が持てないとしております。人間としてのあらゆる態度や行動の基礎になる基本的なマナー、いわゆるしつけが家庭で十分行われていないことが問題になっております。同時に、学校においても他人を思いやる心や、物を大切にする気持ちなど道徳心を養う指導が不十分ではないかと思います。家庭と連携しながら、基本的な生活習慣の指導が学校においてもしっかりなされなければなりません。また、子供は学校や家庭、地域といった集団の中で、さまざまな活動を通じて友達を理解し信頼感を高めながら社会性を身につけてともに育っていくものであります。日常接する地域の人々との人間関係を大切にし、地域を愛し、発展させていく指導が求められています。これからの変化の激しい社会では、子供たちが、命を大切にする心や他人を思いやる心など豊かな心を持ち、みずから学ぶ意欲と主体的な学習の仕方を身につけ、たくましく生き抜いていく子供を育てることが重要だと考えます。そして、国際化の進む中で、世界に通用する日本人として育ってほしいというのが、私たち母親の願いであります。こうした子供たちの置かれている現状から、今後の教育に対する方針についてお伺いいたします。 次に、障害者の福祉対策についてお尋ねいたします。昭和56年の国際障害者年を契機といたしまして、障害者の社会参加が広く認識され社会的な関心の高まりと相まって、障害者に対する国、地方の各種の施策も充実されてまいりました。特に、障害児については、これまでの家庭中心の生活から、養護学級や養護学校という集団生活の中で、社会参加への具体的な学習を行なえるようになってきております。しかしながら、障害児が養護学校を修了したあとの生活が大変なのです。最近では、障害者の雇用促進も進んできており、一般企業などに就労する機会も徐々に増えてきておりますが、就職できない重度の障害者も数多くおられまして、こうした就職もできない、地域で自立して生活することも困難な重度の障害者に対する福祉施策の充実が、いま最も必要であり、重要であると考えるものでございます。大阪市では、このような方々による福祉作業センターヘの補助金の大幅な増額やグループホーム制度の導入など、地域で障害者が生活するための施策の充実に努めてこられましたが、いろいろな理由により、地域で生活することが困難な方もおられ、中でも現在、児童福祉施設で成人施設への入所を待っておられる方々が約300人もおられると聞いております。現在、精神薄弱者の入所施設を市内で初めて建設中でありますが、この施設が完成いたしましても、大阪市の補助による精神薄弱者の入所施設は、ようやく3施設230人であります。また、今後、障害者自身や、その保護者の方々の高齢化によりまして、家庭や地域社会で自立して生活することの困難な方々が出てまいりますことを考え合わせますと、どうしても重度の精神薄弱者の入所施設の整備を引き続いて推進していく必要があるのではないかと考えます。例えば花博跡地の周辺でありますとか、南港や北港など新しく土地を造成したところに優先的に土地を確保するなど、環境のよい市有地を積極的に提供し、緑に包まれた温かみのある施設を整備していくべきであると考えますが、今後の精神薄弱者入所施設の整備のあり方について市長の御所見をお伺いいたします。 次に、ごみの問題についてお尋ねいたします。最近、ごみの増量が全国的に著しく、マスコミでもごみについて盛んに取り上げられております。主婦の立場で家庭のごみを見ますと、確かにうなずける点がございます。昔は、家庭のごみといえば台所から出る生ごみ程度でございました。ところが最近は容器や包装材が大変多くなりました。牛乳の紙パック、ジュースやビールの缶、肉や魚のプラスチック容器など、どれをとっても大変便利なもので、市民生活の向上に寄与したことは事実です。しかし、反面、ごみを増やしていることも否めません。また、必要以上の過剰包装もあります。また、私どもの生活が消費指向型に変わってきた点もごみをふやす大きな要素だと思います。子供の服一つをとりましても、昔は兄弟が順次引き継いで着たものです。ところが最近は、粗大ごみを見ましても、まだ使える家具などが捨てられており、ずい分もったいないことだと思います。このような状況を放置していては、そのうちごみ処理に行き詰まってしまいます。そこで、市民みずからが意識を変えて、物を大切にする心をはぐくむようにしなければなりません。そうすれば、日常生活のレベルでおのずとむだがなくなり、ごみが減量されると思います。このためには、行政としても市民に積極的に働きかけ、ごみ処理の窮状と減量の必要性をPRし、日々の生活を見直してもらうよう努力することが大切です。市民1人1人が物を大切にし、もったいないという心でごみを捨てるように、訴えかけていくべきでしょう。そこで、これまでいろいろな広報活動などもやられていると思いますが、何かもっと大々的に取り組んでいく必要があると思いますが、市長の御見解をお伺いいたします。 さて最後に、私の地元の問題として、梅田貨物駅跡地の再開発計画についてお尋ねいたします。大阪駅周辺の整備につきましては、21世紀に向け、国際的な役割を担う大阪の玄関口にふさわしい機能と景観を持った町づくりを進めることが必要であると考えております。大阪駅南側や西梅田地区では、すでに、町づくりが着実に進みつつあります。一方、大阪駅の北側に目をやりますと、梅田貨物駅や貨物線により町が分断され、地域の発展が阻害されてまいりましたが、昭和61年10月、梅田貨物駅用地などが売却予定地として発表されましたので、これらの用地の開発が、町の発展を左右するものと判断するものでございます。大阪市では、昭和62年2月、この地区の開発構想について、大阪駅ターミナル問題懇談会に諮問し、去年7月、その中間報告がまとめられたところでございます。また最近では、この地区について、国土庁などが中心となった調査や国鉄清算事業団の用地処分の方法、あるいは民間の開発構想の提案など、いろいろと新聞紙上をにぎわしております。私は、この地区は、その立地条件、規模などから考えても、活力と魅力あふれる国際都市大阪の町づくりを進めていく上で極めて重要であり、その開発構想の策定に当たっては、大阪市主導のもと長期的、広域的展望に立ち、周辺地域を含めた総合的な整備とすることが必要であると考えております。今後、この地区の開発構想策定に向けてどう取り組まれるのか市長のお考えをお伺いいたします。 以上、これまでいろいろと質問してまいりましたが、市長の明快なる御答弁をお願いいたしまして私の代表質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(多賀谷宏君) 理事者の答弁を許します。 西尾市長。    (市長西尾正也君登壇) ◎市長(西尾正也君) ただいまの美延議員の市政運営全般にわたる御意見、御質問に対しまして御答弁を申し上げたいと存じます。 まず昨年の不祥事のことでございますが、常々清潔で市民に信頼される市政を心がけでまいった中でのことでありますだけに、市民の市政に対する信頼を著しく損なう結果となりまして、まことに遺憾に存じておるところでございます。先般の事件の起こりました原因につきましては、事件本人の公務員としての資質の問題、公金支出事務にかかるチェック体制が十分に機能しなかったことなどが考えられるわけでございますが、議員御指摘のとおり、公務員は全体の奉仕者であり、市民のために全力を挙げて職務に精励しなければならないという公務員倫理と申しますか、公務の基本精神が欠落していたことが大きいのではないかと思っております。私ども、常日ごろから、そのようなことにも十分意を用いまして、職員の服務規律の確保について努力をいたしておるところでございますが、あのような事件が発生いたしまして、深く反省をいたしておるところでございます。事件発生後、それを起こしました職員はもちろん、監督、責任者などの関係者につきましても、その職責に応じて厳正な対処を行ってまいったところでございますが、市民の市政に対する信頼は、市政の円滑な運営のための基本となるものでございまして、市民の信頼を一刻も早く取り戻すことが、市政運営の任にある者の責務でございますので、今後、二度とこのような不祥事を発生させないために、訓令等により全庁的に公金事務処理体制の検討、チェック体制の強化を図ることはもちろんでございますが、御指摘の公務員倫理や公金に対する、また公務に対する自覚の涵養など、職員の綱紀の保持について、周知徹底を図ってまいったところでございます。また、市政運営刷新委員会から提言されました、議員と職員の関係の適正化、飲食を伴う会合の整理などを内容といたします緊急提言や会計監理検討委員会において検討されました、事務手続の徹底、ダブルチェックの強化などの改善策につきましても、その趣旨を踏まえ内容の実現に努めてまいっておるところでございます。さらに、定期の人事異動の時期を早めるなど、人事面におましても市政の刷新に努めてまいったところでございます。今後、議員御指摘の市民への奉仕の精神ということを肝に銘じまして、職員が厳正かつ公正な態度で一層職務に精励をいたしまして、また、所属長を初めとする各管理職におきましては、部下職員の指導、監督に一層努力することによりまして、本市一丸となって一日も早く信頼の回復に努めてまいりたいと考えております。 次に、予算編成に当たっての基本的な姿勢についてのお尋ねでございますが、平成2年度は、これまで多くの市民の手によって営々として築かれてまいりました大阪市政が、新たな100年に向けて本格的な第一歩を踏み出す意義深い年でございます。また市政第2世紀目の初頭を飾る花の博覧会も、いよいよ4月1日に開幕されるところでございます。私は、この意義深い年を迎えるに当たりまして、お年寄り、若者、女性、子供たちが安心して楽しく生き生きと暮らせる人間主体の町づくりに、また、国際社会に貢献できる町づくりに意を用いまして、予算の編成に努めてまいったところでございます。ところで、国及び地方の財政は、巨額の借入金残高を抱えるなど、厳しい状況が続いております。本市におきましても、管理運営費などの多額の必須経費に加えまして、社会経済情勢の変化に対応する新たな財政需要が増大してまいります中で、税収入の大きな伸びが期待できず、国庫補助負担率引き下げ措置が継続されますなど、なお厳しい状況にございます。このような状況のもとでございますが、平成2年度の予算編成に当たりましては、簡素で効率的な行財政運営に努め、税収入を初め国庫支出金、特別債等の確保を図り、限られた財源の重点的、効率的配分、民間活力の活用などに配意しながら、市民本位の市政運営を基本といたしまして、市政第2世紀のスタートを飾る国際花と緑の博覧会を市民の皆様と心を合わせて成功させ、新たな100年に向けて、ふるさと大阪づくり、世界の大阪づくりを進めてまいることといたしたところでございます。 次に、新総合計画についてでございますが、我が国の社会は、約1世紀にわたる近代化、工業化の過程を経まして、いま歴史的に大きな転換点を迎えております。大阪市も市政の第2世紀に向けて新たな一歩を踏み出すなど、大きな節目のときを迎えたわけでございます。このような中で新総合計画は、これからの町づくりの目指すべき方向を明らかにする非常に重要な意義を持つものであると考えております。こうした認識のもとに現行計画の進捗状況を点検いたしますとともに、21世紀社会を長期的に展望し、また市会におきます御議論を初め、総合計画審議会、また市民各界各層からの御意見を踏まえまして、新総合計画づくりに取り組み、今般その基本構想を御提案を申し上げたところでございます。その基本的な考え方といたしましては、都市は、何よりも人間の生活と活動にふさわしい場として整備されなければならないということ、また多様な人、物、情報、文化などを創造し、発信することによって、社会に貢献していくことが、都市発展にとって極めて重要であるという考え方から、人間主体の町、世界に貢献する町を町づくりの基本的な柱といたしまして、この調和、両立を打ち出しているところでございます。このような基本的な観点に立ちまして、まず人生80年代に対応した健康福祉や学習などの総合的な生活システムの構築や多様で良質な都市型住宅地の形成、文化的魅力の向上、アメニティ豊かな環境整備など新しい都市生活魅力の創造に努めてまいりたいと考えております。また、世界、アジアをつなぐ国際経済ネットワークの中枢拠点づくりや人材育成、経済協力などを通じて世界に積極的に貢献すること、さらには個性豊かな魅力ある町づくりや市民意識の啓発、高揚などによりまして、大阪に対する愛着、公共心を醸成することなどを主なねらいとしながら、住、食、遊のバランスのとれた町づくりを考えておるところでございます。御案内のように、大阪は総合計画を全国に先駆けて策定した実績を持つなど、常に先進的な町づくりに取り組んでまいったわけでございます。それだけにぜひとも町づくりのパイオニアにふさわしい新総合計画をつくり上げ、これを指針に本当に住みやすく、世界の中で信頼される都市を実現し、後代の人々に引き継いでまいりたいと考えているところでございます。さらに基本指標についてのお尋ねでございますが、私は、大阪が豊かで活力ある都市として発展する上で年齢、世帯規模などの面でバランスのとれた人口構成を持つことが非常に大切であると考えております。その実現には、居住水準や居住環境の一層の向上、魅力ある雇用機会の拡大など、最大限の努力が必要であり、これを前提といたしまして、常住人口280万人と設定したところでございます。経済につきましては、国レベルでは21世紀初頭までは4%程度の成長が続くという見通しが立てられております。また、近畿におきましては、関西国際空港や関西文化学術研究都市など、経済の発展を支える新たな基盤整備の進捗に伴いまして、これまで以上の経済成長が見込まれております。このような中で大阪市といたしましても、金融、交易など国際的な経済機能の充実、中小企業の体質改善やニュービジネスの育成など積極的な産業、経済振興策を推進することを前提といたしまして、21世紀初頭における就業者数を260万人、実質経済成長率を4.3%程度と設定をいたしたところでございます。また、議員御指摘のように、人口や経済の動向は、大阪市の税財源にも大きな影響を与えますので、この目標の実現は、都市経営的な観点からも極めて重要でございます。この税財政の問題は、根本的には大都市の税財政制度にかかわる事柄でございます。現行の市町村税制を初めとする税財政制度は、昼間流入人口などの大都市特有の財政需要や都市としての成熟化に伴う更新需要など、大都市の財政需要の実態に見合ったものになっておらないわけでございまして、市町村の税収、特に本市の税収の伸びは、長期的に見ますと、総体的に低くなっておるのが現状でございます。したがいまして、現行の市町村税制を初めといたします税財政制度が今日の本市などの大都市の実態に即応したことになることはもちろん、市民ニーズの多様化、高度化や近畿圏の中枢都市として果たすべき役割の拡大などにこたえ、新しい町づくりを進めてまいりますための財政需要の増大に見合った税財政制度の確立が求められておるところでございます。とりわけ都市の活動を反映する法人所得課税などの充実等、都市税源の拡充による大都市税財政制度の確立を引き続き国に対し強く求めてまいりますことが、これまでにも増して重要なことであると考えられます。議会の皆様の御協力をお願いを申し上げる次第でございます。 次に、国際社会への貢献についての御質問でございますが、議員仰せのとおり、真の国際都市と申しますのは、都市の機能そのものが国際化に対応できるよう整備されているのと同時に、広く世界に貢献することによって、名実ともに国際都市として認められることが肝要であると存じます。また、国際交流、国際協力を進める上で、これも議員のおっしゃっておられますように、心の触れ合う、顔の見える交流、相手のニーズに合った交流や協力が極めて重要であると思います。そうした視点から、姉妹都市交流や国際協力を進めてまいっておるところでございますが、今後ともそういう考え方で取り組んでまいりたいと存じております。姉妹都市交流につきましては、昭和32年、サンフランシスコ市との提携以来、現在8都市と提携をいたしております。市民各層の参加を得て、経済、文化、スポーツ、都市工学など、幅広い分野で交流を重ねてまいっております。このような積み重ねの中で、昨年のサンフランシスコ地震では、市会の皆様方を初め市民の皆様からすばやく義援金が寄せられ、サンフランシスコ市民を感激させたところでございます。一方、私どもも26日後に開催されます花の万博に、8姉妹都市すべてから庭園、モニュメントなどに参加、出展、支援をいただいております。私は、自治体の行う国際交流は、このように多くの人たちが参加し、広範な分野で信頼関係を築き、そうした人と人のつながり、市民と市民のつながりで、政治、経済情勢に左右されない、安定的な国際関係をつくる一助になることにその意義があると思います。今後とも姉妹都市を中心に積極的に国際交流を推進してまいりたいと考えております。 次に、国際協力についてでありますが、我が国は、経済的地位の向上に伴い、国際社会への寄与が強く期待されております。特に、地理的、歴史的に深いつながりのあるアジア地域への国際協力については、これら諸国や地域の安定と発展に貢献し、世界の平和と繁栄に資するものでもあり、本市におきましても、市制100年の間に蓄積してまいりました都市経営や技術の分野を中心に、専門職員の派遣や研修生の受け入れなど、幅広く協力を行ってまいったところであります。開発途上国のこうしたニーズは、本市に対する期待も含め、ますます大きくなってくるものと予想されますので、関西の産、官、学が協力いたしまして、平成2年度設立を準備いたしております人材育成協力機関である太平洋人材交流センターヘ出捐をいたしますほか、ビジネスパートナー都市間の交流の推進、国際交流センター事業の活用などを通じまして、技術や人材育成への支援はもとより文化、スポーツを含め総合的な交流を行い、開発途上国の国々の発展に貢献できますように、今後とも積極的に国際協力を推進してまいりたいと考えております。 次に、都市の国際化の中での港づくりについてでございますが、天保山ハーバービレッジのオープン時期は、例年行われます港祭りと同時期となりますので、その行事の一環として、姉妹港文化交流を天保山ハーバービレッジのイベント広場などを活用いたしまして、今、美延議員御提案の市民レベルでの国際交流の場として提供、活用してまいりたいと考えております。さらにまた各港との姉妹港提携の5周年と10周年が毎年やってまいりますので、該当する港を中心に各姉妹港、あるいは各国の文化を紹介する姉妹港フェスティバルを継続的に開催いたしたいと考えております。また、南港地区におきましてはこれらのイベントを支援するとともに、いつでも姉妹港及びその国の文化や産物などを知ることができる姉妹港交流のセンターづくりを検討してまいりたいと考えております。姉妹港の交流におきましては、姉妹港会議や技術交流のほか、オーストラリアのメルボルン港のように、国際ヨットレースの開催に当たって相互に協力するなど、さまざまな交流があります。その中でも、サンフランシスコ、メルボルン、ル・アーブル、上海、大阪の5港による姉妹港会議を各年ごとに開催し、各港の事例を相互に学んだり、また、相互協力を確認することなどは、姉妹港交流の実を上げていく上で最もより例であり、今後とも継続し、さらに拡大してまいりたいと考えております。なお、先ほど議員もおっしゃっておりましたメルボルン、大阪ダブルハンドヨットレースにつきましては、来年が2回目の開催となるわけでありますが、今後定期的な国際イベントとして定着するよう努力してまいりたいと考えております。さらに、歴史的に関係が深いアジアニーズ諸国の主要な港湾と新しい姉妹港提携の準備を進めまして、ビジネスパートナー都市交流ともども、より一層国際交流を深めてまいりたいと考えております。いずれにいたしましても、大阪港におきましては、人、物、情報の国際化への対応を図りつつ、港での国際イベントの開催、さらには姉妹港を中心とする国際交流の拡充に努め、大阪市の国際化を推進してまいる所存でございます。国際化の中での教育の果たすべき役割についていろいろと御意見がございました。御質問もございましたが、この点につきましては、後刻教育委員会からお答えを申し上げたいと存じます。 次に、国際花と緑の博覧会についてのお尋ねでございますが、国際花と緑の博覧会は、先ほど申しましたように、開幕までもう余すところ26日でございます。日一日と近づく開幕に向けまして、地元関西はもとより、全国的にも相当花博ムードが盛り上がってまいったと考えております。この博覧会は、人と自然が調和する潤いのある豊かな社会の創造を目指して開催されるものであります。自然を身近なものとして再認識していただき、自然を愛し、命あるものを大切にする心をはぐくんでいただこうとするものであります。ぜひともこの大阪で開催される花の万博を大成功させたいものと考えております。そのためには2,000万人を超す国の内外からのお客様に楽しい博覧会気分を壊すことなく、よい印象を持ってお帰りいただくことが大事であるとの御指摘もまことに仰せのとおりでございます。本市といたしましては、これも御指摘のとおり、交通の安全と円滑な運行の確保は、この博覧会の成功にとって非常に重要なことであると認識をいたしております。引き続き市民の皆さんの御理解と御協力を得ながら万全を期してまいりたいと考えております。また、私どもホストシティとして「咲くやこの花館」を出展するとともに、市民の皆さんの積極的な御参加を得て、内外からのお客様を温かく歓迎する行催事を実施いたしますほか、美しい町、温かい心で花の万博を合い言葉といたしまして、市民運動と合わせまして、花の万博の成功に向けた市民の心意気を示していただき、世界に誇れるすばらしい都市であるという印象をお持ちいただくように努めてまいらなければならぬと考えております。次に、花の万博の成果は、今後の町づくりの中にしっかりと生かしていくべきであるという御指摘、仰せのとおりでございます。かねがねこの博覧会は、一過性のイベントとして終わらせてはならないと思っております。花の万博は、今も申し上げましたように、自然と人間の共生を目指す、いわば心の万博とも言えるものであります。これを契機に市民みずからが美しい町、また世界に誇れる町をつくるという気持、精神を市民の皆さんの心の中に受け継いでいっていただくということが、一番大切な事柄であろうと考えております。このような視点に立ちまして、博覧会後の鶴見緑地を花の万博の理念を継承した公園として整備いたしますとともに、市域全体におきましても、花と緑の町づくりを推進するため、その展開の拠点となる公園、緑地の充実や水辺などの公共空間を市民の憩いの場として整備し、あわせて市民の健康づくり、スポーツ振興にも寄与できるものとしての環境づくりを進めてまいりたいと考えます。さらには自然を愛する心を高め、広く地球環境の問題に対処してまいりますために、国連環境計画、UNEPの関連施設の誘致を働きかけるなど、花の万博の精神を今後の町づくりに有効に生かしてまいらなければならないと考えております。また、花の万博を開催した都市であるという市民の誇りを柱として、花いっぱい運動の展開や思い出の森づくりなど、これまで以上に積極的な市民参加によりまして、花と緑あふれる町、市民がゆとりと潤いを持って住める町にしていきたいと考えております。その具体的な方策の一つとして、たとえば市民ともども花と緑の町づくり宣言を行うことなども検討してまいりたいと思っております。いずれにいたしましても、人と自然の共生という花の万博の高い理念を、またこの博覧会に対してさまざまな面でお力添えをいただいております市民の皆様方の心を、今後の大阪の町づくりの中にしっかりと生かしてまいらなければならないと考えております。 次に、高齢化社会対策についてでありますが、大阪市におきましても、人口の高齢化が非常に急速に進行しております。お年寄りが長年住みなれた地域社会で、健康で生きがいを持って暮らせる町づくりを進めてまいりますことが、市政の最重要課題であると考えております。中でも高齢化の進行に伴いまして、寝たきりや痴呆症などの介護を必要とするお年寄りが急増していくことが予測されますために、これらの方々に対する施策を重点的に進めてまいらなければならないと存じます。これらのお年寄りの方々に対する介護の問題は、議員仰せのとおり女性の皆さんの肩にかかってくる、女性に深くかかわりを持つ問題でございます。大阪市におきましては、介護を必要とするお年寄りに対する在宅福祉施策といたしまして、ホームヘルパーの派遣事業を初めデイ・サービスやショートステイ事業、さらには入浴サービス事業や日常生活用具の給付事業などを実施しておるところでございますが、今後ともこれらの在宅福祉施策の充実に積極的に取り組んでまいりまして、お年寄りやその御家族のニーズにきめ細かく対応してまいりたいと考えます。特に、お年寄りの身の回りのお世話や家事、介護の援助などを行うホームヘルパー派遣事業につきましては、人材養成や資質の向上を図りながら、大幅な増員に努め、家族の負担軽減を図ってまいりたいと考えております。また、介護を必要とするお年寄りを一時的に特別養護老人ホームでお預りするショートステイ事業の実施個所の拡充を初め、健康チェックや日常動作訓練などを行うデイ・サービス事業や家庭での入浴が困難なお年寄りに対する入浴サービス事業につきましては、大幅にその充実を図ってまいりたいと考えております。さらに介護者のさまざまな悩みごと相談や情報の提供などを行う高齢者総合相談情報センターの建設を進めておるところでございます。今後とも国際化、情報化、さらには女性の社会進出といった社会環境の変化を踏まえた総合的な長期ビジョンを早急に策定いたしまして、お年寄りやその家族の方々が安心して過ごしていただけるよう、在宅福祉の充実に努めてまいらなければならぬと考えております。 子供の教育についての御質問でございますが、議員仰せのとおり、人間性に富み、国際性豊かな変化に対応し得る青少年の健全育成、教育は、市政にとりまして何よりも大切な事柄であると思います。教育委員会と協力をいたしまして、積極的に取り組んでまいりたいと思っておりますが、この方針につきましては、後刻教育委員会からお答えを申し上げたいと存じます。 それから心身障害者の福祉対策についてでありますが、障害者が、その持っておられます能力を生かしながら、地域社会で自立した生活ができるよう援助してまいりますことは、市政にとって大切なことでございます。本市といたしましても、こうした観点に立ちまして、特に一般企業への就労が困難な精神薄弱者のために生活訓練や作業指導などを行っております通所施設の整備を図るとともに、地域社会の理解と協力によりまして、保護者の方々が中心となって運営されております福祉作業センターに対する運営助成も引き続き相当大幅な増額を図ってまいったところでございます。また、精神薄弱者が共同で生活しながら、日常生活に必要な知識や技能を習得するためのグループホーム制度を平成元年度から導入いたしますなど、精神薄弱者福祉施策の充実に努めてまいっております。しかしながら、先ほど議員御指摘のとおり、児童福祉施設に入所している18歳以上の精神薄弱者が約300名おられる現状でありますし、障害者や保護者の高齢化に伴いまして、地域でどうしても生活することが困難な重度の精神薄弱者がおられることも事実であります。こうした重度の精神薄弱者に対しましては、安心して生活できる場であります入所施設の果たす役割はまことに大きなものがございます。このため本市におきまして、これまでに精神薄弱者の入所施設を2カ所整備いたしております。平成元年度からさらに市内に1カ所建設中でございます。今後の入所施設の整備に当たりましては、障害者が安心して生活できる場としての機能とともに、在宅福祉サービス基地としての機能がぜひとも必要となってまいりますので、現在建設中の薄弱者の入所施設におきましては、通所施設やデイ・サービスセンターを併設いたすこともいたしております。なお施設の建設に当たりましては、地域の皆様方の理解と協力がぜひとも必要であります。また、これも議員御指摘のように、用地の確保につきまして、いろいろ難しい状況もございます。議員、具体的に御指摘の御趣旨も十分踏まえまして、用地の確保、また施設の整備に努めてまいりたいと考えております。 次に、ごみ対策についてでございますが、最近、特に大都市を中心にごみの増量が深刻な問題となってまいっております。大阪市も例外ではございません。10カ所の焼却工場はすべてフル稼働の状態でございます。ただいま議員がおっしゃっておりましたように、現代はいわば消費社会であり、物を大切に使おうという気持ちが稀薄になりがちでございまして、これもごみの増量の一因になっておるのではなかろうかと考えられます。したがいまして、市民の皆さん1人1人が、使い捨ての慣習を見直していただくような意識の改革が必要であるという御指摘、全く同感でございます。そこで平成2年度予算案に1億500万円を計上いたしておりまして、これによりまして、大々的なそういう趣旨のキャンペーンを展開をいたしまして、大阪で生活し、また働く皆さんに広くごみの減量を訴えてまいりたいと考えております。ごみというものは、生産、流通、消費の各段階でさまざまな要素がからみ合いながら多くの人々がかかわり合って最終的に発生してまいるものでございます。このために、実際にごみを排出する消費者はもとより、製品をつくる方々、容器を製造する方々、流通に携わる方々、また販売に携わる方々など、社会各層の多くの皆さんに対し御協力を賜りますように積極的に働きかけてまいる必要があると思います。とりわけ主婦の皆様は、買い物などを通して包装や容器類がふえている実情など、よく御存じだと思います。私どもともに手を取り合ってごみの減量に取り組んでいただけることを願っております。具体的な企画につきましては、関係局に策定を急がせまして、新年度できるだけ早い時期にキャンペーンを開始いたしたいと考えております。 最後に、梅田貨物駅跡地の再開発計画についてでございますが、その開発、整備に当たりましては、梅田貨物駅用地、旧大阪鉄道管理局用地はもとより、その周辺地区も含めた大阪駅北地区について一体的に行うこと、考えることが必要であると仰せでございますが、そのとおりでございます。昨年7月には、大阪駅ターミナル問題懇談会から、土地利用や導入、機能、都市基盤整備など、開発整備の基本的な考え方を中間報告として取りまとめていただいたところでございます。この地区につきましては、21世紀に向けて先駆的な役割を担うべき、大阪にとって極めて重要な開発拠点プロジェクトでありまして、長期的な展望のもとに、その立地特性を生かしながら、近畿、西日本だけでなく、世界の経済、文化等との中心的な機能を果たす地区にしたいと考えております。そのためには広域的な観点に立ち、総合的な整備計画のもとに土地利用や都市基盤整備を図り、アメニティ豊かな魅力ある都市空間をつくり上げていかなければならないと考えております。開発、整備に当たりましては、梅田貨物駅の機能、移転などの課題がまだ残されておりますが、今年度から2年間の予定で国土庁、運輸省、建設省の3省庁によります共同調査が始まったところでございます。大阪市もこの調査委員会に参画いたしまして、大阪駅ターミナル問題懇談会からちょうだいいたしております中間報告にございますような考え方を十分反映させてまいりますとともに、関係機関とも協議、調整を進め、開発、整備の具体化に努めてまいりたいと考えております。御協力をお願いを申し上げる次第でございます。 以上でございます。 ○議長(多賀谷宏君) 福岡教育長    (教育長福岡康司君登壇) ◎教育長(福岡康司君) 教育の問題につきまして私から御答弁を申し上げます。 まず、国際化の中での教育の果たすべき役割についてでありますが、議員仰せのとおり、それは国際社会の中で信頼される日本人を育成することにあると存じております。そのために、単に外国語を修得することにとどまらず、広い意味での文化の相互理解を積極的に推進していかなければならないわけでございます。現在、本市の小中学校では、外国の学校との姉妹校提携による交流、また中学校、高校では毎年生徒を海外に派遣し、学校訪問やホームステイを通じて、国際的な友好親善を進めております。さらに教職員の海外研修の充実に努めますとともに、海外からの教育視察団の受け入れも積極的に行っております。一方、外国青年の英語指導助手を増員し、英語教育や国際理解教育の充実に努めるとともに、これらの外国青年との交流行事も数多く実施しております。さらに南高等学校では、海外の姉妹校との間で交換留学や相互訪問をする一方、海外から帰国した生徒の受け入れも行うなど、国際交流に努めております。また、姉妹都市、友好都市を中心に、柔道やバレーボールなどのスポーツ交流を行っているところであります。平成2年度には、特に市制100周年を記念いたしまして、8都市から女子バレーボールチームを招待し、交流を一層深めたいと考えております。また一方、議員仰せのように、たとえばボートピープルと言われる難民の受け人れとその教育の問題などが、これからの課題となることも予想されるところでございます。国際化が進むにつれて生ずるであろうさまざまな問題につきましては、国の段階での施策の動向を見きわめる必要が当然ございますが、教育委員会といたしましても、今後このような問題について真剣に受けとめ、念頭に置きながら、国際化時代の教育を進めなければならないと存じておる次第でございます。 次に、子供の教育についてでございますが、議員仰せのとおり科学の進歩や経済の目覚ましい発展が今日の豊かな社会をもたらした反面、ともすれば人間としての心の豊かさが見失われている状況が見られます。今日、真理を求める心や自然を愛し命を尊重し、他人を思いやる心など、心の教育が強く求められておるゆえんでございます。本市におきましては、こうした状況を踏まえ、豊かな心を育てる教育活動を推進することを重点に教育を進めているところでございます。まず自然や人との触れ合い活動として、学校を離れ、友達と共同して生活する自然教室や学校花いっぱい運動、また地域の人たちとともに行う清掃美化などの奉仕活動や地域の歴史や文化を町の古老から学ぶ活動などがあります。こういった活動を通して地域の方々とあいさつを素直に交わす雰囲気が生まれるなど、社会活動のマナー、いわゆる基本的な生活習慣を育成するよう努力しております。また、文化、スポーツなどのクラブ活動や学校行事などを通して上級生と下級生がともに協力し、責任を果たす態度や、ルールを守り公正な態度で接するなど、好ましい人間関係の育成を図っております。個性を生かし切磋琢磨して、たくましく生き抜いていくための基礎となる力を身につける教育活動を推進しているところでございます。さらに急速に進む国際化、情報化社会に向けて生涯にわたって学び続ける自己教育力をつける学習活動を重視して進めております。また、あわせて国際社会に生きる日本人として、幅広い国際感覚やマナーを身につけることを目指しております。今回改定されました教育課程におきましても、人間としての生き方についての自覚を深めるなど、道徳教育の充実が大きなねらいとなっております。したがいまして、今後とも学校生活全般にわたって、道徳心の高揚を図り、みずから学ぶ意欲と主体的な学習の仕方を身につけ、命を尊重する心や豊かな人間関係をより一そう高めるよう努めてまいりたいと考えております。もちろん学校教育の充実が重要なことは、当然のことでありますが、教育は、学校と家庭、地域が連携して、初めて効果を上げ得るものであります。21世紀の国際都市大阪の発展を担っていく子供たちを豊かな人間性と心身ともに健やかな青少年として育成するため、保護者はもちろんのことでございますが、地域の方々とも十分連携して、より一そう努力してまいる所存でございますので、どうかよろしくお願いいたします。 ○議長(多賀谷宏君) お諮りいたします。この際暫時休憩することに決して御異議ありませんか。   (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○議長(多賀谷宏君) 御異議なしと認めます。よって暫時休憩いたします。     午前11時30分休憩     午後1時7分再開 ○副議長(岸本太造君) これより休憩前に引き続き会議を開きます。 ○副議長(岸本太造君) 松村将司君の質疑を許します。 32番松村将司君。    (32番松村将司君登壇) ◆32番(松村将司君) (拍手)私は、公明党大阪市会議員団を代表して、今回上程されている平成2年度予算案及び関連諸案件並びに大阪市基本構想案について、市長並びに関係理事者に質問してまいります。 平成2年度予算は、大阪を世界にアピールする国際花と緑の博覧会の開催を迎え、21世紀に向かって新しい時代に対応する活力ある国際都市大阪の創造を目指す、極めて重要な予算であります。このような認識のもとに、我が党は、市民の切実なる要望にこたえるため、本市行政の全般について、七つの柱と269項目にわたる平成2年度大阪市予算編成に関する要望を行ったところであります。これに対して、西尾市長は、市民本位の市政運営に努めることを基本とし、市政第2世紀のスタートを飾る国際花と緑の博覧会を市民と心を合わせ成功させるとともに、美しい都市景観と文化を創造する触れ合いとぬくもりのある豊かな「ふるさと大阪づくり」を進めるとともに、経済の活性化と新しい時代にふさわしい都市基盤の整備に努め、21世紀に飛躍する世界の大阪づくりを目指した予算とされたところであります。今後とも、厳しい諸般の情勢を克服し市民生活の安定と新たな時代に向かって、健康で明るく希望に満ちた大阪市政の確立を望むものであります。私は、このような観点に立って、以下市長の見解を尋ねてまいります。 まず、初めに財政問題についてお尋ねいたします。平成2年度の国の予算並びに地方財政計画は、今後の社会経済情勢の変化に、財政が弾力的に対応していくため、財政改革を強力に推し進めるとともに、経費の徹底した節減合理化に努めながら、財源の重点的、効率的配分を行い、積極的に生活環境の整備、地域経済の振興を図ることを基本としております。一方、本市の平成2年度の予算案は予算総額3兆2,301億円で対前年比5%増、一般会計予算は1兆4,288億円、対前年度比7.3%増で地方財政計画の7%増をやや上回る率となっております。又、投資的、臨時的経費についても、対前年度比12.5%の増と3年連続して10%台を確保していることも特徴の一つであります。特に、財政構造の弾力性を示す経常収支比率は、前年度より5.7%減少し、昭和40年代前半の73.3%にまで低下し、引き続き好転しております。しかし、表面的には、財政状況が好転しているように思われますが、これは、内需の拡大による堅調な景気と物価の安定などに支えられたもので、構造的な改善が図られたとは言いがたいものであります。他方、税収入の大きな伸びがこれ以上は期待できず、加えて、国庫補助負担率の引下げ措置が継続されるなど、本市財政を取り巻く環境は依然として厳しい中、21世紀を展望した新総合計画に基づき、総合的かつ計画的に新しい町づくりを推進していくとすれば、財政需要は今後、ますます増大するものと考えます。加えて到来する高齢化社会に対応するための福祉施設の充実や社会保障の増大等、社会資本への投下は急激に増加するものと思われます。これらに対処するためには、行政改革を強力に推進するとともに、国庫補助負担金など財源の安定的確保を図り、弾力性のある財政運営を持続していくことがより一層必要とされていると考えているところであります。特に、平成2年度は国庫補助負担率問題について補助負担率引き下げの暫定期間が終了するという重要な年度であり、国の一方的な補助金カットについて、その復元に向けてねばり強く要望していかねばならないと考えるものであります。また平成元年度より実施の消費税の問題でありますが、我が党は一貫して撤廃を求めてきたところでありますが、平成2年度予算案の中にも昨年に引き続いて企業会計の一部を除いて、その転嫁が見送られていることについては、市長の姿勢を高く評価するものであります。今後も国の動向を見守りつつ、その廃止に向けて強く運動を展開していくものであります。以上の点により、安定かつ弾力性のある財政運営を持続していくためには、今こそ大都市の財政需要に見合った税財政制度の改善を図り、真の地方自治を確立することが最も肝要であると考えるものであります。市長は指定都市のリーダーとして、大部市税財政制度の確立に向けてどう取り組んで行かれるのか、その御決意のほどをお尋ねいたします。 次に、行財政改革について、お尋ねいたします。本市におきましては、従来から積極的に行財政改革を推進され、特に昭和60年には当面の行財政改革についての基本方針を策定され、以後おおむね3年間を実施期間として市長を初め全市一丸となって取り組んでまいったところであります。この基本方針では、国、地方を通ずる行財政改革の推進、具体的に39項目の事務事業の見直しも掲げた簡素で効率的な行財政運営の推進、人事管理の適正化、合区の推進と区政のあり方、事務改善、OA化等の推進など七つの方策が掲げられてあります。しかしながら、実施期間の3年間が経過した現在、その実施状況を見ますと確かに職制の改正、合区の実施など一定の成果はありますものの、文書送達員の見直し、OA機器の導入など、まだ不十分であると言わざるを得ないわけであります。また、基本方針策定以来すでに5年近くも経過しておりますので、今日的な新しい課題の対応も必要ではないかと考えております。行財政改革は決して一過性のものであってはならず、不断に取り組んでいかなければならないものであると考えており、今後も簡素で効率的な組織機構の確立、事務事業の委託、職員の適正配置並びにタイムレコーダーの導入による厳正な職場管理の推進、職員の管理体制の適正化、OA機器の積極的導入による事務の効率化など、事務事業の全般にわたって積極的に取り組んでいただきたいと存じますが、市長の決意のほどをお伺いいたします。 次に、市政刷新について市長にお尋ねいたします。大阪市は、昨年、市制100周年という記念すべき年を迎え、市民とともに盛大に祝い、本年の花の万博開催をスタートとして、市政第2世紀へ第一歩を踏み出したところであります。しかるに、市制始まって以来、初めてともいうべき一連の不祥事が生じ、輝かしい伝統と誇りある市政に大きな汚点を残すこととなったのは、まことに残念であります。我が党としては、議会人として節度を越えたものにあっては、みずから名乗り出て、あるいは氏名公表するなど、厳正な態度で臨むべきであると考えております。市長初め、我々議員はもとより、市政に携わるすべての者が、市民に対し深くおわびするとともに、なぜ、このような事態が起こったのか真摯に反省し、二度とこのような事件が生じないよう、決意を新たに市民に信頼される市政を進めてまいらなければなりません。私は、今回の不祥事の根本的原因は、行政と議員とが本来あるべき緊張関係を欠いたことにあるのではないかと思います。今日、国政はもとより大阪市政においても、政治や行政は強く改革を求められております。そのためには、我々議員1人1人が襟を正して政治倫理を確立していかなければなりません。市長は、今回、不祥事が発生するや直ちに議会と共同して市政運営刷新委員会を設置され、再発防止のため、当面取り組むべき対応策について、緊急提言がなされるとともに、庁内に設置された会計監理検討委員会からも公金支出の改善策について報告がなされたのであります。私は、市政に対する市民の信頼を一日も早く回復するためにも、これらの提言や報告を早急に実行することが必要であると思います。市民もその実施状況について強い関心を寄せております。そこで、これらの提言や報告の実行も含め、市民の市政に対する信頼を取り戻すために、今後、市政をどのように運営していかれるのか、市長の御決意をお伺いいたします。 次に、文化についてお伺いいたします。現在、策定中の大阪市新総合計画の中でも、文化は都市の魅力と活力の大きな要素であるとして、経済とともに都市発展の両輪と位置づけております。今、大阪はさまざまなビッグプロジェクトの実現に向けて、歴史的にも大きな飛躍の時期を迎えております。それは、言うまでもなく関西国際空港や関西文化学術研究都市の建設であり、大阪テクノポート計画を初めとする大阪ベイエリア開発などの推進であります。これらのプロジェクトは、大阪経済に活力と拡大をもたらすとともに、人、物、情報の国際的な交流の都市として大阪が未来に向けて飛躍するための大きな契機になるものと思います。こうした歴史の転換点を十分に踏まえて、経済の高度化、活性化を背景に文化の振興を図るための諸施策を積極的に講じていくことが極めて大切でありますが、私は、残念ながら大阪の文化に対する取り組みは、いまだ十分であるとは言えないと思うのであります。大阪が国際都市として発展していくためには、文化と経済のバランスのとれた発展を図ることが非常に重要であります。そのためには、例えばコンサートホールや劇場、また、現在検討されようとしている多目的ドームなど、大阪のシンボルともなるような第1級の文化施設から、市民の多彩な文化活動の発表の場となるような地域文化施設に至るまで、ハード面の充実に力を注ぐとともに、すべての市民が多様な文化活動に親しみ、町全体が文化をはぐくむような魅力あふれる町づくりに努めていくことが極めて大切であります。我が国はもちろん、アジアや世界の中で、大阪の果たす役割はますます大きなものとなっており、大阪が世界の芸術、文化の交流の拠点となるとともに、さらに大阪から世界に文化を発信していくことが重要であります。21世紀の大阪の町づくりの中に文化をどのように位置づけていくのか、御所見をお伺いいたします。 次に、生涯学習についてお伺いいたします。今日、人々の関心は物質的な豊かさから心の豊かさを求める方向に比重を高めつつありますが、そのためには、生涯学習の果たす役割が大きいものと考えます。生涯学習は、市民1人1人のより豊かな人生を送ることができるよう、さまざまな学習活動を通して寄与していこうというもので、その内容は読書や独学等の自由で個人的な活動やスポーツ活動、趣味、娯楽等、そこに楽しみや生きがいを見出す活動から、高度で専門的な知識や技術を身につけるものまで、幅広い内容を含んでいます。また、その対象も青少年、婦人、成人、高齢者等すべての層にわたっています。したがって、このような幅広い要請にこたえるために、単に学校教育にとどまることなく、社会教育においても、人々が自由にみずからの願いやニーズに応じて、生涯を通じて学習のできるよう、多種多様な学習の機会や活動の場、さらに指導者やボランティアリーダーの育成等の条件整備を積極的に進めることが必要であります。現在、市としても各種の学校や講座の開催、施設の整備等取り組みを進められておりますが、今日の市民のニーズの高まりや生涯学習の大きな流れの中では、十分なものであるとは言えません。そのような状況の中で、我が党はかねてより、生涯学習の推進には、行政の積極的な取り組みが重要であると主張してまいりましたが、一方、市民の自主性や自発性によることも大切であり、市民や民間の持っている自由な発想や能力を積極的に活用する方向で協力を求めていくべきだと考えます。我が党は、かねてから生涯学習は長期的な展望と265万市民の立場に立って推進することが肝要であると考えています。そのためには本市として協議会を設置し、検討していると承っていますが、生涯学習に関する基本的な考え方を早急に示すべきであると考えますが、市長の御所見をお伺いいたします。 次に、高齢化対策に関してお尋ねしてまいります。国においては、老人保健制度の改正が検討されており、高齢者の入院のあり方や在宅医療の推進など、より良質な医療を供給するシステムづくりが議論されております。世界で最も進んでいると言われる福祉国家のデンマークでさえ、その経験から施設における看護中心から在宅自立生活へと転換が図られており、多種多様なニーズに応じた福祉サービスが要求される昨今、これにこたえる総合的な施策の確立が急務となっております。大阪市では第1次の総合計画の中にも高齢化社会への対応が叫ばれていたにもかかわらず、現在、高齢者の中には帰る家もなく、病院や老人ホームを渡り歩いている人がいるというのが実情ではないでしょうか。今回、政府が打ち出した高齢者保健福祉推進10カ年戦略では、デイ・サービスを現在の約10倍、ショートステイは現在の11.7倍、ホームヘルパーを3.18倍に増加し、また、在宅介護支援センター計画、寝たきり老人ゼロ作戦という方向で対応しようとする、まことに画期的な計画であります。特に、我が党は一昨年の臨時国会において、在宅福祉3本柱の大幅拡充を政府に約束させ、これが10カ年戦略の策定につながったのであります。本市もこれに基づき、思い切った在宅福祉対策を打ち立てる必要があると思われますが、市長の御所見をお伺いいたします。さらに、21世紀は地域医療の時代であるとの観点から考えるとき、痴呆性老人、寝たきり老人を抱える家族に対する支援体制としてボランティアやヘルスリーダーの養成が急務とされているのであります。本市においても、寝たきり老人の予防対策として、老人保健法に基づく事業を実施してきており、それなりの成果も上がっていると思われますが、地域医療の観点から見ますと、体制ができていないと言わざるを得ないのであります。援護を必要とするお年寄りが長く住みなれた地域で生活を営んでいくため、保健、医療、福祉が一体となったお年寄り健康ネットワークの形成が何よりも大切であります。そのための関係機関の緊密な連携も欠かすことのできない条件の一つであり、さらに地域のネットワークが十分な機能を果たすためには、単に公共の施設や、民間の施設などのハード面だけではなく、地域住民の直接参加が絶対不可欠の条件ではないでしょうか。本市では、平成2年度から保健所を中心としたヘルスリーダー育成事業に取り組もうとしております。地域住民に健康管理の必要性を認識してもらい、高齢者を地域でしっかり支えていく意識の醸成を図ることは重要な事業でありますが、将来構想を明確にした上で、どう取り組むのか、市長の御見解をお伺いいたします。次に、痴呆性、寝たきりなど高齢者介護の問題についてお尋ねいたします。平成2年度の予算におきましても、新たに、特別養護老人ホーム2カ所の建設助成を初め、高齢者総合相談情報センターの建設などが組み込まれており、高齢者介護対策に対する一定の評価を行うものでありますが、市民生活における高齢者とその家族の実情は極めて深刻なものがあり、この実態を十分に掌握し的確な対応のための、打開策の確立が急がれるところであります。さらに、すでに要介護老人として、寝たきりや痴呆症の症状を持つ人々は、その多くが特別養護老人ホームに入所を希望しながらも、家庭での介護が限界を超えて待機している状況にあり、特別養護老人ホームの代替として、いわゆる老人病院に入院せざるを得ないという実情が増加する一方であります。確かに、家庭介護の強化は当然必要でありますが、現状では、特別養護老人ホーム入所を希望する人々の大部分は、今まで続けてきた家庭介護そのものが限界に来た上での入所希望であることも深く認識されたいところであります。すなわち、いかに家庭介護を強化しても入所施設の一定数はどうしても拡充しなければならないと思われますので、こうした実態について早急に掌握し、第2次5カ年計画の早期実現に努めていただきたいと考えますが、市長の御見解をお願いいたします。 次に、これからのアジアにおける大阪経済の立場についてお尋ねいたします。我が国はGNPが、世界経済の約7分の1を占める経済大国となり、国際的責務が諭じられている中、大阪は我が国の産業、経済の発展をリードしてきた中核都市であり、大阪が国際社会で何をなし得るかが問われているのではないかと思います。アジア・太平洋地域は、これからの世界経済の成長を牽引すると言われている中で、韓国やシンガポールの経済成長は著しく、とりわけシンガポールは国際金融、観光都市としてひときわ発展しつつあります。さらに、1997年には香港が中国に返還され、東南アジアの経済の中心であった香港の経済機能の行先が注目されている時、歴史的にも経済的にも、アジアとのかかわりの深い大阪は、アジア、太平洋地域の中核経済都市として、これら地域全体のバランスのとれた発展に貢献しながら、国際都市として飛躍を逐げることが必要となっております。そのためには、大阪市が国際交易機能の強化を目指して、アジア・太平洋トレードセンター事業やビジネスパートナー都市提携事業などを推進する一方、独自の金融商品の導入などにより、大阪の国際金融機能を高めるとともに、発展途上国の人材育成に協力し、途上国の順調な社会経済の発展に寄与するために、産業界、学会等と連携しながら進めていくことが重要であります。さらにまた大阪経済を支えている27万の中小企業にとっても国際経済機能を強化することが、大阪の中小企業の振興、発展につながるものであります。また、関西国際空港の開港を3年後に控え、国際化の流れが加速していく中で、大阪経済の活性化と中小企業の振興を図る国際経済機能の強化、充実策について、市長の御見解をお伺いいたします。 次に、大阪港の発展についてお伺いいたします。大阪は古くより大阪湾に注ぐ淀川のデルタ地帯に誕生した河川網と海に接する都市としてその機能をアメニティを十分に生かした産業と文化を発展させてまいりました。いわゆる水の都といわれる水網都市であり、アメニティあふれる親水都市であったわけであります。しかし、重工業の発展により活力を増した大阪は、結果として工業地帯を臨海部に置くことにより、海と居住区は隔離され、しかも船運、海運など交通手段や荷役方法などの変化により、運河や港湾の機能は縮小され、河川や臨港地帯全体の衰退に結びついたわけであります。ところが、時代は再びウォーターフロントの開発による臨海部の見直しが世界的潮流となり、我が国でも東京、横浜、干葉を初めとする臨海部の開発は目覚ましいものがあります。我が大阪でも新興地としての南港北港のテクノポート大阪計画も、このウォーターフロント開発と位置づけられるわけであります。今後は在来臨海地域における大規模、中規模のウォーターフロント開発が期待されるところではないでしょうか。新総合計画の中にも在来臨海地は臨海複合地と位置づけられ、港湾、生産機能の高度化を図り、都市型産業の立地拠点として機能の再編、強化を行い、業務、商業、居住、文化、リゾートとの複合的な再整備を行うべきところとされています。テクノポート大阪計画とともに、この臨海複合地を効果的に機能させることにより、21世紀の大阪はさらに大きな発展と復権が期待できるのではないでしょうか。テクノポート大阪計画が進捗し一定の段階に入ろうとしている今日、さらなる大阪の発展のため、この在来臨海地における開発構想の具体化を望むものであります。さらに、新空港、四国、淡路島、中国地方、兵庫県などのベイエリアの中心拠点としての大阪の位置づけのためにも、こうした新旧臨海地域の調和ある総合計画としての同時進行的開発構想もまた必要ではないでしょうか、市長の御見解をお聞きするものであります。 次に、国際花と緑の博覧会の成功とその後の有効活用についてお尋ねいたします。いよいよ4月1日の開幕まであとわずかとなってまいりましたが、78カ国、53国際機関と国際博覧会史上最大の参加が見込まれるアジアで初めての大国際園芸博覧会、花の万博は、ぜひ大成功させなければならないと考えます。この博覧会は単に庭園の展示のみにとどまらず、自然と人間の共生をテーマに、花と緑と人間生活のかかわりを捉え、21世紀に向けて、より潤いのある豊かな社会の創造を目指すことを基本の理念として開催されるものであります。このビッグイベントを一過性のお祭りで終わらせることなく、その精神を引き続き生かしていくため、博覧会後の市政運営に当たって、次の2点について市長の見解をお尋ねしたいと思います。近年、私達の住む地球の環境の問題が大きくクローズアップされており、フロンガスによるオゾン層の破壊、二酸化炭素などによる地球の温暖化、またさらには酸性雨による森林の枯渇と砂漠化など、深刻な問題を投げかけております。昨年の決算特別委員会において、環境破壊の問題を取り上げ、国連機関の誘致について質問してきたところであります。平成2年度予算に国連機関のUNEPの関連施設誘致に対する調査費が計上され、本格的な取り組みへの第一歩がしるされたのであります。世界に貢献する国際都市大阪の使命からも、望ましい施設としてぜひ実現していただきたいし、また、本市としても環境問題に対する責務は一段と重きをなすものと考えます。花の万博が終わった後も、この精神を本市の環境行政にどのように反映されようとしているのかお伺いいたします。また、鶴見緑地を我が国を代表する都市公園として整備し、市民が自由に憩い、楽しみ遊ぶなど、心身のリフレッシュや人と人とのコミュニケーションが行われる場として、都市に潤いを与える貴重な空間でなければならないと思います。そのような観点から市長はこれらの問題にどのように取り組んでいかれるのかお伺いいたします。 次に、駐車問題についてお伺いいたします。昨年8月に大阪府警察本部が調査したところによりますと、市内における不法路上駐車台数は、約19万台にのぼっているとのことであります。事態を重く見た西尾市長は、昨年非常事態宣言を出され、監視員の設置等を行い、ある程度の成果を見たものの、根本的な解決にはほど遠いものであります。法律の問題や警察行政がらみであるだけに難しい問題であるとは思いますが、この問題は単に道路通行上の問題だけではなく、市民生活の安全を脅かすまでに至る深刻な問題となっております。一方、車の方は湯水のごとく売られ、昨年は全国で720万台の売り上げを示し、今年度はさらに好況を反映し、10年ぶりに設備投資を行い、さらに10%の売り上げ増が見込まれるとの報道もなされております。はたしてそれに見合う駐車場が確保されているのか、はなはだ疑問であります。単純に考えても、車が増えた分だけ窒素酸化物が増えるということになり、環境衛生上も深刻な問題を提起しております。マイカーの市内流入を防ぐため、例えば、総量規制を行うことやナンバーの偶数奇数日を決めて流入を規制するなど、思い切った対策をとられるお考えがあるのかどうか、市長の御決意をお伺いいたします。また、駐車場の問題について、平成2年度予算で大阪駅前や扇町に大規模な地下駐車場の建設が計画されたことは、一定の評価をするものでありますが、安価で良心的な駐車場の施設は、ガス、電気、水道と同じように、もはや都市基盤整備の一つと捉えるべきであると考えます。したがって、これは都心部に限らず周辺区においても同じ悩みを抱えているだけに、道路や公園の地下、あるいは公共の建物の建て替えに際して、市民が気軽に利用できる賃貸駐車場の設置を考えるなど、総合的な施策を立てるべきであると考えます。また、駐車場に対する助成制度の問題については、最近の地価高騰により、市内の駐車場がマンションに生まれかわるなど、有力な駐車場が消えていく実態が報告されております。さらに、地価高騰による固定資産税の上昇分が賃貸料にはね返るなど、賃貸料の値上げが続くと高い車庫代が払えず、やむなく路上駐車を強いられる人々も多いと聞いています。他の5代都市に比べ、ひときわ不法駐車の多い本市の対策として、何らかの助成措置が必要ではないかと考えますが、市長の御見解をお伺いいたします。 最後に、新総合計画についてお尋ねいたします。今回、提案されております基本構想案におきましては、人間主体の町、世界に貢献する町を基本的な指針とし、これを受けた五つの町づくりの目標が掲げられておりますが、これらは我が党の理念と相通ずるものであり、高く評価するものであります。町づくりは、人間尊重の精神に基づく、人間中心の視点に立ったものでなければならず、特に都市の主人公である市民に目を向けた、市民のための町づくりでなければならないと思うのであります。この観点から21世紀社会を展望いたしますと、4人に1人が高齢者となる超高齢社会への対応が、最も大きなポイントであろうと考えるところであります。超高齢社会におきましては、高齢者の増加に伴って、福祉に対するニーズがますます高まっていくものと思います。最近、総理府が行った高齢期のライフスタイルに関する世論調査でも高齢化社会に向け、医療福祉対策には69.6%、公的年金などの所得保障には62.8%の人々が政府や地方自治体に力を入れてほしいものとして挙げているなど、21世紀の超高齢化社会に対しては大きな不安を抱いていることが浮き彫りにされており、どちらかといえば、暗いイメージでとられている傾向が強いように見受けられます。このため私は、超高齢社会を不安のない社会、人生80年を通じて、人間としてのトータルな可能性を開花させることのできる、生きがいと活力のある社会、真に人間性豊かな社会にしていかなければならないと思います。大阪は、人間主体の町を目指し、このような視点に立った町づくりの先導的な役割を果たしていただきたいと強く願うものであります。また、21世紀社会は、人、物、情報が、国境や時差を越えて、活発に交流するグローバル社会であり、このような社会の中で、大阪が世界に貢献する町としての位置を獲得できるかどうかが、人間主体の町づくりとともに、極めて重要であると考えます。本市では、国際的な経済、文化、情報通信などの都市機能の強化や人材育成、経済協力、町づくり協力など、国際都市づくりに向けた取り組みが積極的に進められております。このような町づくりを強力に推進していくことは当然でありますが、そこに住む市民の1人1人が、国際社会の中で生きる一員であるという自覚を持ってこそ、初めて真の国際都市になると思います。私は、市民の中にこのような高い国際感覚を醸成し、こうした自覚ある市民に支えられて、大阪が真の国際社会としての道を歩いていくことを期待しているところであります。これらの点を十分に踏まえていただき、人間主体の町、世界に貢献する町、さらには、これを受けた五つの町づくりの目標の実現に向けて、市長が先頭に立って町づくりを着実に進めていただきたいと思いますが、市長の決意のほどをお伺いいたします。 以上で私の質問を終わりますが、答弁のいかんによっては再質問をさせていただくことをお願いいたします。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○副議長(岸本太造君) 理事者の答弁を許します。 西尾市長。    (市長西尾正也君登壇) ◎市長(西尾正也君) 松村議員の御意見、御質問にお答えを申し上げたいと存じます。 まず大都市税財政制度の確立に向けての取り組みについてのお尋ねでございますが、本市におきましては、大都市税財政制度の確立に向けまして、市会の皆様方と私ども理事者が一体となって要望運動を行ってまいったところでございます。この間、事業所税の創設を初め、法人所得課税の充実や道路目的財源の充実など一定の成果を上げることができましたものの、なお、先ほど御指摘のとおり十分とはいえない現状にあります。議員御指摘の国庫補助負担率の問題につきましても、公共事業関係などの投資的経費につきましては、暫定措置がなお継続されておりまして、依然として厳しい状況が続いております。平成2年度は、この残された暫定措置についても期間が満了することになりますので、補助負担率の復元に向けて、引き続き市会の御協力をいただきながら他の地方団体ともども国に対して強く要望してまいりたいと存じております。また、消費税の問題につきましては、去る2月27日に召集されました特別国会において改めて議論が始められようとしておりますので、引き続き国会の動向を見守ることといたしたいと考えております。いずれにいたしましても、大都市が厳しい財政状況の中で市民ニーズの多様化、高度化による財政需要の増大にこたえてまいりますためには、行財政運営の改善に努めることはもちろんでありますが、根本的には税等の自主財源の充実強化により、財政基盤の確立を図ることが何よりも必要であると考えております。とりわけ法人所得課税の充実など、都市税源の拡充による大都市税財政制度の確立を国に対して強く求めていくことが、これまでにも増して重要であると考えております。引き続きよろしくお力添えを賜りますようにお願いを申し上げる次第でございます。 次に、行財政改革についての御意見、御質問でありますが、本市におきましては、従来から行財政改革を積極的に推進してまいりまして、特に昭和60年には、大きく七つの項目を柱といたしました当面の行財政改革についての基本方針を策定いたしまして、全市一丸となって積極的に取り組んでまいったところでございます。その結果、職制改正--合区の実施を初め事務事業の見直しやOA化、システム化の推進などにおきましても、一定の成果を上げてまいったと存じております。しかし、先ほど松村議員御指摘の文書送達員制度の見直しなどのように、いまだ成果の上がっていないものもございます。今後、引き続き検討してまいりたいと考えております。 また、21世紀に向かって社会情勢の変化や多様化する市民ニーズに対応しながら、活力ある市政を実現するためには、新しい課題に対しても積極的に対応してまいらなければならないと考えております。特に、市民本位の市政の実現を図りますためにも、市民の窓口であります区役所や病院などの業務につきまして、機械化の拡大を進めるなど、引き続きOA化、システム化を積極的に推進し、事務の効率化と市民サービスの向上に努めてまいらなければならぬと考えております。また、職員管理の問題につきましては、管理者の職員管理に対する自覚を促してまいることが最も肝要であると考えておりますが、御提案のタイムレコーダーを含め、本市にとってふさわしい勤怠管理制度のあり方につきまして、今後とも調査研究をいたしてまいりたいと考えております。私どもといたしましては、行財政改革を単に一過性のものとして終わらせることのないように、常に新しい視点に立って、時代に即応した簡素で効率的な行財政運営を図りますために、行財政全般にわたる点検を日常、不断に行いまして、今後も引き続き積極的に行財政改革を推進し、市民サービスの向上と市民福祉の増進を図ってまいりたいと考えております。 次に、不祥事についての厳しい御意見でございますが、このたびの不祥事は、常々清潔で市民に信頼される市政を心がけておりました中でのことだけに、市民の市政に対する信頼を著しく損なうこととなりましたことにつきまして、まことに遺憾に存じておるところでございます。このたびの事件にかかわりましては、市民の市政に対する信頼を一刻も早く回復することが必要であるという思いから、また議員と職員の関係も問題とされたということもございましたので、議会と理事者で市政運営の刷新的成果を期するための改善策を検討する市政運営刷新委員会を設置をいたしまして、さらに公金支出の適正執行、公金の事故防止を目的に、実務レベルで検討を重ねるための会計監理検討委員会を設置いたしたところでございます。そして昨年12月には、市政運営刷新委員会からは、議員と職員の関係の適正化、飲食を伴う会合の整理等を内容といたしました緊急提言がなされました。また、会計監理検討委員会からは、事務手続の徹底、ダブルチェックの強化等を内容とした公金支出事務にかかる改善策が報告されたところでございます。私といたしましても、議員御指摘のとおり、これらの提言や報告を速やかに完全に実行することが肝要であると考えておりまして、提言や報告が出された後、直ちに全職員にその趣旨の周知徹底を図りますとともに、提言されました会合の廃止や経理担当係長の機能の分化、公金支出事務についての研修などを実施してまいったところでございまして、議会各会派におかれましても、それぞれ御努力されておられるところでございます。今後、二度とこのような不祥事を発生させないために、綱紀粛正について周知徹底を図りますとともに、提言や報告の趣旨を日常的に各職場で生かし実現することで市政の刷新を図り、市民の市政に対する信頼を回復してまいらなければならないと決意をいたしておるところでございます。 次に、文化振興についての御意見、御質問でございますが、議員御指摘のように、大阪ではさまざまな巨大プロジェクトが進められております。大阪市を取り巻く状況は急速に変わりつつあります。こうした巨大プロジェクトの推進と軌を一にして大阪の文化の振興を図り、経済と文化のバランスのとれた発展を図ってまいるということは、まことに大切であり、これら二つの活動が相互に刺激し合い緊張関係を保つことによって、都市の活力が生み出されるものと考えております。豊富な文化的蓄積や活発な文化活動が、都市の個性、魅力となって人々を引きつけて、都市の活力を高めるのでございまして、そのためには市民の多彩な文化活動を基礎に世界的なレベルの文化施設や活動の充実を図り、世界のさまざまな文化との交流を通じて、大阪の新しい文化を創造いたしまして、これを世界に発信していくということが、議員御指摘のとおり、まことに大切なことであろうと思っております。昨年には中之島に科学館がオープンいたしました。また、世界最大級の水族館であります海遊館も、ことしの夏オープンの予定でございます。さらに、大阪の新たな文化的シンボルとなる近代美術館につきましても、基本計画を策定するとともに、市民や美術家の方々の創作活動の発表の場としてのギャラリーも、市立美術館--天王寺の美術館の玄関前の地下に建設してまいりたいと考えております。また、交響楽団の練習場としては、我が国最大の規模となります大阪フィルハーモニー会館を南海電鉄の協力も得て整備いたします。また、多目的ドームにつきましても、建設に向けまして、調査、検討する委員会を設置してまいりたいと存じております。さらに、21世紀の大阪の町づくりを考えるためには、今後の文化振興施策の展開の指針となるような具体的な構想を持つことが大切であります。そのために、現在市民局に学識経験者や専門家の皆さんからなります文化振興施策構想委員会を設置いたしまして、ただいま策定中の大阪市の新総合計画とも整合性を保ちながら、より具体的な文化振興施策構想の策定を進めてまいっているところでございます。議員御提言の趣旨につきましては、貴重な御意見でございます。十分検討してまいりたいと考えております。文化は経済とともに都市発展の両輪と位置づけ、さらに一層文化基盤の整備を図り、文化首都、近畿圏の中枢都市として、我が国及び世界の交流拠点として、国際的な文化都市を目指してまいりたいと考えております。 次に、生涯学習の推進についてでございますが、科学技術の進展、それから高齢化や自由時間の増大、あるいは国際化や情報化など、社会の急激な変化の中で市民の方々の生涯学習への期待や関心がたいへん高まっております。また、そのニーズが多様化してまいっております。私どもも痛感いたしておるところでございます。そのために、従来より学校教育とともに、社会教育の側面から家庭や地域の教育力を高める事業の実施、科学館、地域図書館、スポーツセンター等の学習、文化、スポーツ施設の整備、充実、指導者やリーダーの養成、育成等に努めてまいったところでございます。さらに地域における身近な学習や交流の場として、学校施設を活用した生涯学習ルームの開設、高等学校や大学の開放講座の増設等、新しい学習の場やシステムの開発整備も進めてまいっております。また、現在、生涯学習の観点から広く社会に開かれた学校として、単位制高校の設置についても計画を進めているところでございます。いずれにいたしましても、生涯学習を積極的に推進してまいりますためには、松村議員御指摘のとおり、市民や民間の方々の自由な発想や能力の活用に留意しながら、長期的な展望に立った生涯学習の基本計画づくりが必要であると考えております。そのため、今後生涯学習推進の中核となる総合生涯学習施設や青年の文化、学習、スポーツのための総合的都市型青年施設の基本計画の策定を進めてまいりたいと存じます。さらに、生涯学習施策を全市的な見地から、総合的かつ体系的に推進するため、生涯学習推進会議を設置し、関係各局が行っております関連事業を把握いたしますとともに、民間の事業についても実態調査を行ってまいった次第でございます。平成2年度におきましては、これらの調査結果を踏まえまして、社会教育委員会で協議していただきながら、生涯学習推進会議の中で、民間との連携や協力のあり方も含めた生涯学習ネットワーク構想調査を実施をいたしますとともに、生涯学習推進の基本理念や施策の課題を示す生涯学習推進指針の策定を進めてまいりたいと考えております。 次に、高齢化社会対策についてでございますが、大阪市におきましても、人口の高齢化は急速に進行しており、寝たきりや痴呆症など介護の必要なお年寄りもふえてまいっております。これらの方々が、住みなれた地域や家庭で必要な介護を受け、できるだけ自立した生活を送れるよう福祉施策を充実してまいることは、大阪市政にとっても極めて重要なことでございます。このため平成2年度におきまして、お年寄りの健康チェックや日常動作訓練などを行うデイ・サービス事業を31カ所で実施してまいりますとともに、お年寄りを一時的に特別養護老人ホームでお預りするショートステイ事業も13カ所で実施してまいります。また、お年寄りの身の回りのお世話や家事、介護の援助を行うホームヘルパー派遣事業につきましても、派遣世帯数を大幅に拡大することといたしておりまして、ホームヘルパーは、新たに150名程度確保してまいりたいと存じております。今後とも国が示しました高齢者保健福祉推進10カ年戦略などの動向も十分に踏まえますとともに、大阪市におきましても、長期的な展望に立った高齢化社会対策のビジョンを早急に策定してまいり、総合的かつ効果的な施策の企画及びその実施に積極的に取り組んでまいりたいと存じております。また、寝たきりの予防対策といたしましては、これまでから市民の皆様に健やかな老後を送っていただけますように、保健所を中心に各種老人保健事業の推進に取り組んでまいりました。今後とも、保健所が市民の健康を守る中核機関として、その役割を十分に果たしていくためには、壮年期からの健康づくり対策の充実強化のみならず、お年寄りの切実な健康への願いにおこたえしてまいりますように、これまで蓄積してまいりました知恵と実績を高齢者対策に積極的に活用してまいる必要があると存じております。議員御指摘のとおり、保健、医療、福祉の地域ネットワークが、真に機能を果たしていきます上で、地域の皆様が自主的に御参加いただくことが何と言いましても大切なことであろうかと考えます。このため健康な方から寝たきりの方まですべてのお年寄りが互いに助け合い、励まし合いながら、地域ぐるみでお年寄りを支えていくための住民組織の育成にも取り組んでまいりたいと考えております。このような住民組織を形成する中で、地域において健康づくりを推進するヘルスリーダーにつきましては、成人病全般、また高齢者のヘルスケアについての幅広い知識を身につけ、住民の先頭に立って活動していただく指導者として、市民の方々の中から毎年各区で50名程度の方々に御協力をお願いし、10年後には全市で約1万人の方々にヘルスリーダーとして御活躍をお願いを申し上げたいと考えております。また、寝たきりや痴呆症の方の介護の問題についてでございますが、松村議員御指摘のとおり、家庭での介護が困難なお年寄りに対する特別養護老人ホームの整備は、極めて重要な課題であると私ども考えております。このために、本市におきましては、平成元年度に特別養護老人ホームの第2次整備5カ年計画を策定いたしたところでございますが、従来の第1次5カ年計画の倍増の1,000床の整備を進めてまいっているところでございます。今後とも寝たきりや痴呆症のお年寄りの介護に御苦労されております家族の方々の御要望に十分こたえられますように、この計画の達成に全力を挙げて取り組んでまいる所存でございます。 次に、アジアにおける大阪経済の立場について御意見と御質問でございますが、国際化が急速に進展し、経済のグローバル化が進んでまいります中で、大阪を世界、とりわけ大阪と歴史的にも経済的にもかかわりの深いアジアに貢献する都市としていくためには、国際交易、国際金融、国際協力などの経済機能を充実強化し、アジア、太平洋地域の人、物、金、情報の交流の拠点都市としていくことが重要であると考えておるところでございます。現在、大阪市が推進しておりますアジア・太平洋トレードセンターは、アジア、太平洋地域を初め、世界の商品の卸売センターであり、商品の取引を通して、人、情報、そして文化が交流する拠点でもあり、大阪にいながらにして、中小企業が国際的な事業展開を図れる格好の場となるものであると考えております。平成2年度には、いよいよ建設工事に着手いたしますとともに、中小企業のアジア・太平洋トレードセンターヘの参画をより一層促進いたしますために、中小企業専用ゾーンを建設、運営する事業主体を設立する予定でございます。また、ビジネスパートナー都市提携につきましては、中小企業のアジア、太平洋地域の経済交流のネットワークを築くために、香港、シンガボールを初め、アジアの主要経済都市、5都市と提携をいたしてまいりましたが、平成2年度はジャカルタなどとの提携を目指すとともに、提携都市の代表が一堂に会しまして、今後の経済交流のあり方を討議するビジネスパートナー都市ラウンドテーブルの開催を初めといたしました各種の交流事業を展開してまいります。さらに国際金融機能の強化のため、産、官、学の連携を努めるとともに、発展途上国の人材育成に協力する大阪ビジネスステイ事業などを推進してまいりたいと考えております。関西国際空港の開港を3年後に控えまして、大阪経済を活性化し、中小企業に新たな活躍の場を提供するとともに、大阪をアジアに貢献する都市とするために、国際経済機能をより一層充実強化してまいる所存でございます。 次に、臨海部の開発についていろいろと御意見を承ったところでございますが、現在、策定を進めております新しい総合計画の中で21世紀中葉をにらんだ構想編におきまして、大阪市は既存の都心業務地の再編、強化を図りますとともに、高次な都市機能を集積したテクノポート大阪計画地を中心とした新都心の育成を図りまして、市域の均衡ある発展を目指すことといたしております。また、計画編におきましては、在来臨海部を生産機能や港湾機能の高度化を図り、新しい都市型産業の立地拠点として再編成、再開発を行ってまいりますとともに、既存機能の高度化に伴い生み出される空間を活用いたしまして、従来の機能との調和を図りながら、新しい多彩な文化、リゾートや質の高い居住空間の整備を行ってまいりたいと考えております。現在、大阪市で在来臨海部の開発を進めておりますのは、天保山ハーバービレッジの開発を初め、弁天町駅前の民間活力による開発でありますとか、さらには先日発表いたしました大正区の北村地区におきます大規模テニス村といいますか、テニスコートなどのプロジェクトでございます。しかし、在来臨海地域の大部分は、企業や個人の所有にかかる民有地が多いわけでございまして、立地する企業の規模や業種も多様でございます。そうした臨海部の再編整備に当たりましては、広域的、長期的、公益的視点から、ウォーターフロントの持つ役割を、機能を積極的に生かしながら、人々が集い、憩える、ゆとりや潤いのある町づくりを目指してまいらなければならないと考えております。松村議員御指摘のように、近年臨海部の再編成は、世界的な傾向となっております。我が国においても同様の動きが各地において見られるところであります。また同時に、広域的な観点から、大阪湾、ベイエリアのあり方を探ることも必要であり、このたび産、官、学によって誕生いたしました大阪湾ベイエリア開発推進協議会に、大阪市も主要メンバーの一員として参画いたしております。ウォーターフロント開発のパイオニアとして数々の実績も上げております。大阪市といたしましては、大阪湾ベイエリアにあります多くの都市の先導的役割を果たしながら、大阪湾全体の調和ある開発に積極的に貢献してまいりたいと考えております。 次に国際花と緑の博覧会の成功とその跡の有効活用についての御質問でございますが、私ども、開幕を間近に控え、成功に向けて市民の皆さんと一緒に全市を挙げて万全の体制を進めておるところでございます。この花の万博は、2,000万人を超えると予想されるお客様をお迎えする今世紀最後のビッグイベントでございますが、これを一過性のお祭りで終わらせることなく、自然を愛する心を高め、広く地球環境の問題に対処してまいる大きな契機にいたしたいと考えております。花の万博の開催意義を将来にわたって継承していく観点から、国際連合の機関であります国連環境計画--UNEPの関連施設を誘致いたしまして、環境問題の面で世界に貢献してまいりたいと考えておりまして、平成2年度には施設、機能等の調査を行うとともに、国及び関係機関に積極的に働きかけておるところでございます。大阪市では、これまでも市民の皆様の健康を守り、快適に安心して暮らしていただけるよう環境対策を積極的に推進してまいったところでございますが、水や緑、花に代表されるような、やすらぎや潤いのある快適な環境を求める市民ニーズの高まりに対応することが、今後の大きな課題になっており、花の万博の理念にかなうものであると考えております。このような観点から、従来の公害対策はもちろんのことでありますが、決適環境の創造を含めた中長期的展望に立った総合的な環境プランを取りまとめたいと考えております。また、グローバルな環境問題が論じられております今日、地球環境にやさしいライフスタイルと申しますか、市民、事業者が人間活動と環境との関係について、理解と認識をより深めていただけるような環境教育を充実するなど、今後とも環境行政に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。 なお、博覧会終了後の鶴見緑地整備計画でございますが、学識経験者や市民代表から構成されます鶴見緑地未来計画懇話会においていろいろと検討をいただいておるところでございます。昨年の7月に中間報告として、まず第1に、世界の珍しい花を紹介したり、品評会などを開催する花と緑に関する文化の殿堂、第2に、日帰りであるいは宿泊をして、昼間だけでなく夜間も楽しめる都市リゾートの拠点、それから第3に、国際蘭展や国際造園学会などの国際的なイベントや学術交流ができる国際交流の拠点などを目指して整備を進めるように提言をいただいております。現在、懇話会においてはどのような施設を鶴見緑地に整備していくのが望ましいのかといった具体的な検討を行っていただいておるところでございます。本市といたしましては、近日中にいただく予定になっております最終提言を受けまして、その趣旨を生かして関係方面と十分に協議をし、計画案を作成してまいりたいと考えておりますが、博覧会終了後の鶴見緑地は、中間報告にも言われておりますように、花と緑のあふれる、自然の中で安全かつ快適に屋外活動を楽しめる市民の憩いの場であると同時に、海外からも人々が集い、交流する国際都市大阪にふさわしい公園にしてまいりたいと考えております。花の万博の理念にもうたわれておりますように、人間は自然の中に生まれ育ち、そして生きていくことが大切であると認識をしており、大都市においては、花と緑をふやすことが重要な施策であると考えております。したがいまして、花の万博を契機として、公園づくりや緑化を一層推進するため、市民の皆様とともに花と緑の町づくり宣言を行うなど、積極的な推進方策を考えてまいりたいと考えております。 駐車問題についての御意見でございましたが、大阪市では花の万博の開催を控えまして、国の内外から大阪を訪れる人を少しでも気持ちよくお迎えするために、市民の皆様の御理解と御協力を得ながら、広報、啓発活動や駐車場整備など、さまざまな駐車対策を実施してまいったところでございます。また、先日議会の御承認をいただきました附置義務駐車場条例の改正や駐車場整備地区の拡大をいたしたところでございます。これによりまして、個々の建物にもより多くの駐車場が備わり、路上駐車の削減に役に立つものと考えております。駐車問題は、単にドライバーのマナーや駐車場の問題だけではなく、自動車の乗り方そのものにもかかわる社会的な問題でもございます。これを解決いたしますためには、市民や企業が自動車の使い方やとめ方を考え直していただけるような総合的な対策を実施していく必要があろうと考えております。議員御提案のマイカーの市内流入の抑制についてでございますが、マイカーの市内流入を防ぐためには、基本的にはやはり車を使わなくても済むように公共交通機関の整備、利便性、快適性を向上させまして、これによってマイカー利用者が自主的に自動車から公共交通機関へ転換して、総量の抑制が図られるということが望ましいわけでございます。このために今後とも公共交通機関の整備、充実に努めてまいらなければならぬと考えております。本年1月に開催されました大阪府交通対策協議会におきまして取り決められましたノーマイカーデーも、企業やドライバーの自発的な協力により、流入してくる車を抑制する取り組みの第一歩として、自動車利用者に公共交通機関への転換を働きかけるものでございます。毎月20日は、マイカー通勤や業務用車両の持ち帰りを自粛する日として、各機関が自主的に取り組んでいこうというものでございまして、この趣旨にのっとり、本市でも効果的な施策を検討いたしております。私どもの地下鉄、バス等でも転換受け入れをいろいろと図っておるところでございます。 次に、道路、公園の地下や公共施設の建設の際の駐車場についてでございますが、基本的には公共用地の有効利用の観点からの検討が必要であると考えておりますが、駐車場の建設に際しましては、地域の実情を勘案しながら、付近の土地利用や公共施設の性格、さらには採算性も考慮する必要がございます。しかし、積極的に整備を進めてまいらなければならぬと考えております。周辺区におきましては、車庫にかかわる路上駐車の問題が大きいと考えられますので、平成2年度におきまして、早急にその実態を把握し、対策を進めてまいりたいと考えております。また、民間駐車場に対する助成制度についてでございますが、民間駐車場は、準公共的な交通施設という性格もございますが、一方営利事業でもありますので、公的な助成を行うに当たりましては、鉄道やバスなど、他の民間の準公共的な交通事業とのバランスでありますとか、助成したことによる政策効果なども十分勘案する必要もあろうかと思います。しかし、昨今の地価の状況などで民間駐車場の経営が極端に難しくなってまいっておるということも、議員御指摘のとおりでございます。本市では地価の抑制策といたしまして、国土利用計画法による監視区域制度を一層強化をいたしまして、昨年の7月から対象面積を300平方メートル以上から100平方メートル以上に引き下げまして、地価の抑制を推進いたしておりますが、御承知のように、まだ予断を許さない厳しい状況でございます。このため駐車対策の中に、民間駐車場が存続し得るような一定の公共性を担保しながら何らかの支援措置を盛り込むことについて、現在検討いたしておるところでございます。 最後に、新総合計画についての御意見でございますが、大阪市における町づくりの基本は、市民生活の一層の向上を図りますとともに、経済と文化を両輪に都市の活力を高め、社会の発展に積極的に寄与していくことであると考えております。新総合計画では、このような考え方に基づきまして、人間主体の町、世界に貢献する町の二つを町づくりの基本的な目標として打ち出しておるところでございます。ここでとりわけ重要な課題となりますのは、議員御指摘のとおり、21世紀の市民生活に極めて大きな影響を及ぼす超高齢社会にどのように対応していくかということでございます。市民1人1人が80年という長い人生を安心して、かつ生き生きと暮らせる真に豊かな社会にしていくことこそ、人間主体の町を実現する上で一番重要な事柄であると思っております。そのために、市民の健康を守る保健、医療や自立した生活を支える福祉サービス体系を、住みなれた地域において整備をいたしまして、また、高齢者も生活しやすい快適な居住環境を創出するなど、市民のだれもが生涯を通して安心して暮らすことのできる条件整備を総合的に進めていくことといたしております。さらに市民がライフステージに応じた多彩な学習、文化、スポーツ活動やコミュニティ、ボランティア活動などを行える人生80年時代にふさわしい、新しい社会システムを構築いたしまして、生きがいに満ちた充実した生涯を送れるようにしてまいらなければならないと考えております。また、真の国際都市大阪の実現のためには、市民が豊かな国際感覚を持ち、大阪に集まってこられた人々を温かく迎え、支援していく開放的な町をつくっていくことが何よりも必要であろうと思います。このような観点から、学校教育の中での外国語教育や国際理解を高める学習機会の提供、さらには市民レベルの文化、スポーツ交流、ホームステイ、ホームビジットといった多彩な交流の推進などを通じまして、市民の国際性を涵養するとともに、また世界から集まってみえた人々も家族ぐるみで生活し、活動しやすい町づくりを進めてまいるなど、国際都市としての基礎的な条件整備を早急に進めてまいらなければならないと考えております。私どもといたしましては、新総合計画を速やかに取りまとめまして、21世紀に向けた大阪市全体の市政運営の基本方針といたしまして、本市の行う施策のすみずみに生かし、真に人間主体の町、世界に貢献する町の実現に向けて全力を挙げて取り組んでまいりたいと考えております。また、町づくりには市民、企業、国や府などの協力、理解が必要でございます。市民の主体的な参加を初め、各界各層の広範な協力を得ながら、21世紀の大阪づくりに積極的に取り組んでまいる所存でございます。 以上でございます。どうでよろしくお願い申し上げます。 ○副議長(岸本太造君) お諮りいたします。 この際暫時休憩することに決して御異議ありませんか。   (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○副議長(岸本太造君) 御異議なしと認めます。よって暫時休憩いたします。     午後2時28分休憩     午後3時10分再開
    ○議長(多賀谷宏君) これより休憩前に引き続き会議を開きます。 小笠原正一君の質疑を許します。 26番小笠原正一君。    (26番小笠原正一君登壇) ◆26番(小笠原正一君) (拍手)私は、日本共産党大阪市会議員団を代表して1990年度の予算案並びに関連案件について質問をいたします。 大阪市では昨年末、財政局元課長代理の公金詐取事件を契機に、高級クラブや高級料亭に自民党など与党議員を接待し、「湯水のごとく」市民の税金を使っていたことが次々に明らかになりました。市民からは「だれの金を使うとるんや」「たかり議員はやめろ」との怒りの声が市役所に集中し、市制始まって以来の一大不祥事件となったのであります。なぜこのような乱脈と腐敗が蔓延したのか。それは大阪市が市民の要求は冷たく切り捨てる、大企業と解同の要求は何でも通す、そんな悪政を進めるため、市民の利益を守って一貫して頑張っている日本共産党は排除し、自社公民与党は接待づけにし、何でも賛成の議会をつくっていく、その結果として乱脈・腐敗が蔓延しているのであります。今回の事件はこうした自社公民なれ合い、密室政治の中で起こるべくして起きた構造的なものであります。したがって二度とこうした事件を起こさず、市民の要求が実現する市政にするためには自社公民と理事者のなれ合い・密室政治の一掃が不可欠であることを強調するものであります。我が党はさきの議会で密室政治の具体例として自社公民4派幹事長会議なるものを高級料亭「花作」で開き、議員報酬の引き上げ問題を談合していた事実を明らかにしました。これ以外にも4派幹事長会議なるもので市政の重要問題を談合し、反市民的な施策をゴリ押ししている事例は枚挙にいとまがありません。こうしたなれ合いをやめるべきだと主張しますが見解を求めます。さらに、議会選出の監査委員から日本共産党を除いている問題であります。市長は議会第3党の我が党より少ない会派の与党議員を監査委員に選任しています。その結果、監査委員はすべて与党議員で独占され、どんな乱脈や不正が行われようと「適正だった」との結論を出す「承認機関」に成り下がっているのであります。しかもこの監査委員は、市民から出された監査請求をすべて却下し、市民の声が通らないようにしています。ここにも自社公民与党と理事者のなれ合い政治が市民本位の市政にしていく上で、いかに有害かがくっきりとあらわれているのであります。監査委員の選出は公正な人選に改めるよう要求しますが、答弁を求めます。また、自社公民なれ合い、癒着体制のもとで起こっているのは理事者へのたかりだけではありません。大阪市の公共事業に大きな影響力を持つ自民党議員の入札業者へのたかりもひどいものであります。例えば自民党幹事長の木下伸生議員は、資金集めのための後援会を幾つか持っています。その一つである「関西都市経済問題研究会」は竹中工務店、フジタ工業など大阪市の受注業者でつくられていますが、同後援会に参加しているある会社の幹部は「大阪市の受注物件でお世話になっているから入会している」と話し、同後援会にお金を渡していることを証言しています。同じく木下幹事長の後援会の一つに「木友会」なる団体がありますが、ある業者は「木友会に入らないと阿倍野の事業は取れないと言われた。木友会には一定割合でお金を献金しなくてはならない仕組みになっている」と証言しています。そしてこれらの団体は届出されているものだけでも市の受注業者から1,052万円の献金を受け取っているのであります。つまり、市の公共工事の受注に絡んで金銭の提供を求める関係がそこにはあり、まさに利権あさりの構造となっているのであります。それだけではありません。この木友会の総会には市の最高幹部まで出席し、あいさつをしているのですから、利権あさりを市自身が支えていると断ぜざるを得ないのであります。市長、こうした公共工事の発注をめぐるたかりは一切なくすべきではありませんか。そのための具体的な措置をとり、少なくとも自民党議員の後援会と市幹部の癒着の構造を断ち切るべきだと思いますが見解を求めます。 次に、片岡元課長代理の公金詐取事件と、その背景となっている与党議員の公費による飲み食い宴会の全容解明の問題について質問します。大阪市が「議会対策」と称して自民党を初めとする与党議員を高級クラブなどに接待しているのは事実であり、それが今回の事件の背景となっていることは明白であります。この点については、去る2月23日に開かれた片岡裁判の初公判で検察側も犯行の動機を述べる中で、「片岡元課長代理は財政局庶務係長になってから市会議員との事務折衝等に当たることになり、市会議員や幹部職員との付き合いが多くなり、行動も派手になった。市会議員らを積極的に酒食等に誘うなどの取り計らいをすることから市会議員、市幹部からも重宝がられるようになった」と述べ、腐敗の温床になっていたのが酒食の場への接待行政であったことを指摘しているのであります。これほどはっきりしているのに議会と市長がだんまりを決め込むのは許せません。私は議員名の公表を含む接待の実態を市民の前に明らかにするよう要求しますが、明確な答弁を求めます。また私は、真相解明のため片岡元課長代理が作成した支出命令書、架空口座「ナイトラウンジゆう子」の銀行口座の入出金状況、食糧費として支出した店名と支払金額リストなどの資料を議会に提出をするとともに、公金詐取事件そのものの全容を市みずから明らかにするよう要求しますが、見解を求めます。 次に、食糧費の支出手続きと資料公開について質問をいたします。大阪市は市民が情報公開条例に基づいて請求した食糧費の支出命令書などの公開請求を「店に迷惑がかかるから」などと言ってすべて拒否しています。ところが、その理由が全くのうそだったことが片岡裁判の中で明らかになりました。つまり、検察側は、大阪市の食糧費の実際の支出手続きは会計規則などの諸規定をすべて無視し、支出命令書に添付されている会議名や参加者名もうそばかり書き、それが「慣行化」されていたという驚くべき事実を明らかにしたのであります。こんなでたらめをやっているから市民に支出命令書を見せられなかったのではありませんか。うその書類を作成して公金を支出しながら、市民がその税金の使途を明らかにするよう求めても拒否するというのですから、むちゃくちゃです。市長あなたは検察庁の指摘を否定できますか。もし否す定ると言うのなら正々堂々と支出命令書を市民の前に公開すべきです。はっきりと答えていただきたい。 次に、本予算案に計上された食糧費の問題であります。市長は食糧費を前年度より2倍増の3億8,700万円にしていますが、その根拠は何ですか。その積算根拠を明確に示していただきたい。また、飲食店に滞っているつけは幾ら残っていますか。また、その処理をどうするつもりですか。予算編成上当然把握しているはずですから明確に示していただきたい。さらに、今後の食糧費には高級クラブなどでの飲み食い費は一切入っていないと確約できるのかもあわせて答弁願います。 さて、予算案の全般にわたって質問をいたします。本予算案の特徴は、飲み食い費を2倍にふやす乱脈、温存予算、「国際化」「情報化」の名で財界が要求している産業基盤を優先して整備する大企業奉仕予算、前年度の1.48倍に同和予算をふやす不公正拡大予算、そして、市民の要求は冷たく切り捨てる冷たい官僚予算と言わざるを得ません。以下具体的に質問をいたします。 第1に、暮らしと福祉についてであります。まず消費税の存廃をめぐる問題ですが、政府、自民党は、選挙で過半数を得たことから消費税は信任されたなどと言って、消費税存続を前提に、社公民各党を「見直し」論議に引き込みたい考えのようであります。しかし、国民の意見は選挙直後のNHK電話世論調査でも74%が、消費税は「認められたと思わない」と答えているように、この矛盾に満ちた最悪の不公平税制の廃止を求めています。私は、大阪市の水道や地下鉄の料金など公共料金への転嫁をきっぱりやめ、関係条例を廃止するとともに国に対し、消費税を無条件で廃止するよう求めていくべきだと主張するものですが、答弁を求めます。 次に、高齢者対策についてお尋ねします。今回、自民党政府は診療報酬改定を行いましたが、その最大の特徴は、定額払制を新設・導入した点であります。これは老人の医療費はどんな病状であっても、どんな治療をしようとも患者一人につき一定額しか支払われないというもので高齢者への差別医療そのものであります。私は、こうした差別医療の拡大に反対するとともに、国に老人医療費無料制度の復活を要求するよう主張します。また、それまでは市独自に、老人医療の無料化を実行すべきと考えますが、見解を求めます。次に、特別養護老人ホームの建設についてであります。特養老人ホームの待機者はいつも500人前後あり、年2カ所の建設では全く追いつかない状況です。大都市の中で整備率最下位とあまりにも低い水準を改めるため現在の整備5カ年計画は繰り上げ達成すべきです。また、民間医療機関が行っている入浴サービスや、寝たきり老人訪問看護への助成制度を新設するよう要求しますが、答弁を求めます。次に、そう多額の予算を伴わない幾つかの切実な要求の実現を求めたいのであります。一つは老人ホーム入所者の年金のない人の小遣い金の増額です。京都市は月額1万3,000円、神戸市は1万3,750円などに対し、大阪市は2,000円しか渡さないというのはあまりにもひどいので、直ちに引き上げるべきです。二つは、老人介護手当ての支給であります。例えば東京都は年間49万2,000円、兵庫県は14万円、神奈川県は3万5,000円と横浜市5万円、県と市合わせて8万5,000円支給していますが、大阪市はゼロです。介護手当てを新設するように求めます。これらは問題になった飲み食い費の一部を削ればすぐできるものであり、直ちに実現すべきです。答弁を求めます。 次に、障害者対策についてであります。大阪市の精神薄弱者援護施設はいまだに2カ所と少なく、待機者は200人を超えています。待機者とその家族はぎりぎりまで頑張っているのです。市内にやっと1カ所つくる予算になっていますが、とても足りません。早急に増設するよう要求します。また、このように施設が少ないため、必要に迫られて一時預かりをしてもらう場合でも、遠く信太山の施設まで連れて行かねばならず、関係者の強い批判の的になっています。こうした事態をなくすため、平野区では「近くのリハビリテーションセンターでも一時預かりをしてほしい」との要望があります。お答えをいただきたい。 次に、大阪市が民間福祉施設に温かい援助を強める問題であります。例えば、市内で唯一の肢体不自由児の療育施設である南大阪療育園への援助は府下の各市と比べてもあまりにもお粗末であります。つまり堺市は1億6,846万円、吹田市は1億656万円なのでありますが、大阪市は1,987万円にしかすぎません。大幅に補助金を増額すべきであります。次に、障害者共同作業所ですが、大変な苦労をして運営しており、さらに補助金を大幅に引き上げるべきです。用地提供など、場所確保の援助を行うよう要求します。 次に保育、学童保育の拡充です。本予算案には保育料の3.8%値上げが盛り込まれています。これで15年間連続値上げであります。市民の保育要求と生活実態を無視した態度であり、値上げは中止するよう要求をいたします。保育所の給食は子供たちの栄養と人格形成にとって大切なものですが、本市ではおかずは一品だけ、と決められ、常識では考えられない貧弱な状態が続いています。私は、おかずは2品以上に改善するとともに3歳児以上も完全給食を実施するよう要求しますが、答弁を求めます。共同保育所への補助も問題であります。共同保育所は大阪市がやろうとしない産休明け保育や途中入所保育などを担い、大変重要な役割を果たしています。ところが、大阪市はこの12年間1カ所も新設を認めていません。その間に6カ所の共同保育所が新設され、多くの子供たちが保育されてきました。これらの保育所は市の補助金ゼロのままでした。それでも、頑張り通して運営されてきたのは保育要求が強いからであります。私は市がやらない保育を肩がわりしているこれらの保育所の新設はすぐ認め、補助金を交付するよう要求します。また、既設の共同保育の補助金も大幅に引き上げるよう求めるものであります。また、子供たちが学校の放課後、安全に生き生きと過ごせるよう、学童保育の充実は重要であります。しかし、実際の学童保育は場所の確保など大変な状態です。中には、地上げにやられ、行くところがなくて困っているところもあります。市長が我が党議員の要求で幾つかの学童保育を視察しています。ところがその後も場所問題の改善は一切見られていません。私は改めて空き教室など公的施設の提供を含む場所確保の改善を要求するものです。また、補助金については「子どもの家」事業並みに増額するよう求めます。それぞれ、市長の明確な答弁を求めます。 次に、生活保護行政についてであります。新年度の扶助費は対前年度比で16億8,000万円も減らされています。国が適正化の名で123号通達を出し、強引な切り捨てを始めて9年目になります。福祉事務所ではなかなか申込用紙を渡さず、2回、3回と追い返すなどにより、88年度は125億円も不用額を出しています。福祉事務所では「指導」の名で、病人にまで就労を強制したり、不当な扶養の強制あるいは「辞退届」を無理に書かせるなど人権無視がやられています。私はこうした態度は改め、憲法の生存権を保障する生存保護行政を行うよう要求しますが、答弁を求めます。 暮らし福祉の終わりに、国民健康保険料の値上げをやめるよう要求いたします。本予算案では、またもや保険料を一人当たり4.8%値上げし、最高額も40万円に引き上げるとしています。年所得334万円の3人世帯で、この最高額となります。その負担率は12%というのですから、まさに負担力の限界を超えていると言わざるを得ません。国に対し、国庫補助率を45%に戻すよう要求するとともに、とりあえず大阪市で一般会計繰入金を16億円ふやして値上げをやめるよう求めます。お答えください。 第2に、町づくりについて質問します。まず、地価対策であります。国土庁が昨年10月に発表した89年度の大阪の基準地価上昇率は住宅地で38%、商業地で32%と全国で最高でした。こうした異常地価の原因は、大企業に過剰な不動産融資を続けている大手銀行や大手生命保険会社にあります。それは都市銀行などの土地関連融資が3年前の1.8倍に膨れ上がっていることや、生保業界の不動産投資残高は6兆1,300億円にもなっていることからみても明らかです。また、こうした土地投機を促進しているのが関西財界が進めている近畿で612件にも上ぼり金額がわかっているだけで総額25兆円と言われる大規模プロジェクトです。また、大阪市も容積率のボーナス制度の拡大や民活で大企業奉仕の大規模開発を進め、この地価高騰に拍車をかけているのです。私は、今日の異常地価を抑制するためには、こうした民活による大規模開発を見直すとともに、土地投機を禁止することが重要だと考えます。そのため、国土利用計画法に基づく規制区域に指定させ、土地取引を許可制にする措置を講じること、妥当な価格水準にまで引き下げる「命令権」などを内容とした緊急法制定などを行わせること、金融機関の過剰な不動産融資を規制すること、自治体の先買い権を強化し、公有地が確保できるようにすることなどを関係機関に迫るべきだと主張するものであります。答弁を求めます。特に大阪市内では、悪質な地上げが横行し、最近では立ち退きを拒む老婦人宅への放火事件や立ち退きを迫られた老人が首つり自殺したり、あるいは割腹自殺する事件などが続発しています。私はこんな悲劇を根絶させるため悪質な地上げを厳重に取締り、後ろで操る大企業の名前の公表などで事実上開発ができなくする内容を持った「底地買い防止条例」をつくり大阪市独自の規制を強めるよう主張するものですが、市長の見解を求めます。また、大阪市はこうした異常地価のもとで住宅審議会に「今後の住宅対策」を諮問しています。私はその際、これまでの都市計画を根本的に見直し、住宅を都市計画・土地利用計画の中心に据えるよう主張するものであります。そして、勤労市民の住宅地への大企業の業務ビルの進出を防止し、地域のコミュニティを守り、良好な住環境を守るようにすべきだと考えますが見解を求めます。また、来年度予算案では、市営住宅の建設戸数が200戸も減らされていますが、これは改め、市営住宅を増設すべきです。大阪市が大企業の儲けのために市有地を次々信託に出すことをやめたり、市内にある国公有地を有効利用すればそれは可能です。あわせて答弁願います。地価問題の最後に、固定資産税・都市計画税の問題について質問します。来年は固定資産税の評価がえの年とされています。しかし、今の地価急騰のもとで、従来のやり方を続けたなら200%、つまり2倍という大幅上昇は必至です。私はこうした評価がえは中止するとともに、今でも大きな負担になっている都市計画税を東京都並みに2分の1減税制度を新設するよう要求しますが、答弁を求めます。 次に、公害対策についてであります。大阪の大気汚染は依然深刻で、二酸化窒素による汚染は10年来最悪という状態が続いています。この事実は、2年前の公害指定地域解除が無謀であったことを示して余りあるものです。環境基準すら達成していない状態が解除後何年も続いている以上、大阪市は国に公害指定地域の再指定を求めるべきです。答弁を求めます。また、被害者救済の点で大阪市がすぐできることの一つに小児ぜんそく等医療費助成制度の年齢制限の撤廃があります。川崎市でも新年度、年齢制限をなくす予算編成をしており、大阪市でも実施に踏み切るよう求めますが、答弁ください。さらに、規制の強化でありますが、二酸化窒素の環境基準値を改悪前に戻すこと、ジーゼルエンジンなどの排ガス規制の強化を国に求めるとともに、大阪市としても自動車総量規制の実施、あるいは、南港火力発電所の建設中止等、新たな公害発生源の持ち込みの規制をすべきだと考えますが、答弁を求めます。 次に、花の博覧会についてお尋ねします。この万博に市民が一番期待していることは、大阪の緑が一層拡大されることや、自然環境の保全への確実な一歩が踏み出されることなどであります。市民は緑を強く求めています。この間、市域に緑をふやすための大阪市の取り組みを見てきたある大学教授の方が「お先真っ暗」と厳しい指摘をしていますが、現状を放置できないことは明白であります。市民の緑をふやしてほしいとの願いに、どのようにこたえるつもりでしょうか。大阪の公園面積や緑被率をいつまでにどの程度に広げるのか等を数字を示して具体的に示していただきたいと思います。また、先般、天王寺公園の有料化が強行されましたが、市民から「タイルとコンクリートの公園にして金を取るのか」と強い批判が出されています。有料化を撤回し、無料にすべきだと主張しますが、答弁を求めます。 町づくりの最後に大阪市基本構想案について質問します。大阪市基本構想案についての各地の研究集会や説明会での討論や議論を見ていますと、大変厳しい批判の声が上がっています。例えば、ある大学教授の方は「大阪の現状把握が甘い」と指摘し、産業の空洞化、高齢化、既成の商業施設の停滞、中小企業を中心とする第2次産業の基盤の弱体化、交通問題などについて一体どうするのか、見えないと指摘しています。また、ある研究者は「この構想は絵に書いたモチ。きめ細かく漏れなく拾っているが、何でも書いてある。八方美人的で結局当たりさわりのない中味のない美辞麗句が並んでいるだけ」と批判されています。私も同様の感想を持ちました。しかし、今回の基本構想は、本来、大阪市という地方自治体が果たさなくてはならない市民の暮らしや営業を守り発展させる役割の部分は、こうした抽象的な言葉を並べる一方、大企業の海外進出のための基盤整備など財界の要求には具体的で積極的にこたえている記述になっているのであります。前回の基本構想と比べてもこの点は極めて露骨であります。私は、このような重大な問題を持つ基本構想案を発表からわずか1カ月という短期間で議決することはやめ、市民参加で小学校区単位の小さな町づくりを積み上げる方法による「マスタープランづくり」を行うよう主張するものですが、答弁を求めます。 第3に、教育行政についてお尋ねします。学校で子供に十分な学力をつけさせたい。伸び伸び育てたいと願わない親はありません。しかし、一方で有名校への進学をさせるには、学校教育だけでは間に合わないという現実があります。多くの親が「伸び伸びと育てたい」と願いながら、塾通いも強制せざるを得ないという矛盾に苦しんでいます。経済的に余裕がない親は、塾にもやれない我が子が、本当に自立していけるのかと悩んでいます。こうした親の苦悩の背景には、根深い学歴社会を温存したままで、自民党政府が進めてきた教育政策があります。1人1人の子供を大切にし、その発達を保障するのではなく、政府や財界の求める軍国主義教育や、ごく少数のエリートを育てるとともに安上がりの労働力を手に入れるため、差別と選別の教育政策が取られてきました。この中での最大の被害者は子供たちであります。小学校低学年の内から「できる子」「できない子」に振り分けられ、多くのついていけない子供は「落ちこぼれ」として切り捨てられているのです。偏差値・輪切りにより、格差づけられた高校へ送り込まれる子供たちの心には深い傷が広がっています。先日、いわゆる「荒れ」がひどい、ある中学校の教育現場を調査に参りましたが、授業サボタージュ、喫煙、シンナー、校舎破壊、対教師暴力などすさまじい状況に胸が痛くなりました。「非行」は子供の発達過程にある「いたずら」や「わんぱく」としてはとらえることができない問題、そのまま放置すれば、生涯そこから抜け出すことができないのではないかという深刻な問題をはらんでいます。非行だけでなく、「教育の荒廃」は、依然として後を絶たないいじめや発校拒否、高校中退の急速な増加など広がってさえいます。教育荒廃の最大の要因である自民党の教育政策に加えて、大企業の収奪による中小零細企業の倒産が広がり、親たちの失業や不安定雇用、また、長時間、過密労働は、親と子を引き離し、対話もとぎれがちになり、家庭での教育力が弱くなっています。暴力と性の商品化など退廃文化の影響も深刻であります。それだけに、学校教育の現場での教師集団の努力を激励し、行き届いた教育条件の整備のために、本市の果たすべき責務はますます重大であります。そのために私は第1に、学級編制を、思い切って35人編制にする課題に取り組むよう主張します。大阪など7府県6,000人の教師を対象にした「充実させたい教育活動」の調査を見ても「1人1人のノートに目を通し、1人1人の疑問に答える指導の在り方をつくり出したい」「家庭とのつながりももっと密接にしたい」など、行き届いた教育をするために当面35人、将来30人以下の学級編制にしてほしいと8割もの教師が求めています。先進諸国では20人台の学級が実現できている中での我が国の現状は後進国と言わざるを得ません。国際都市大阪という限り、その名にふさわしい措置を取るべきではないでしょうか。答弁を求めます。 次に、教職員配当基準についてお尋ねします。市教委の教員配当基準によれば、小学校の13学級から16学級の配当基準は、府教委の基準より1名下回っています。中学校では、算定基準の係数のコンマ以下を府教委は切り上げて1名配置としているのに、市はこれを切り捨ててゼロとしています。この結果、我が党の試算では、一般校の教職員は小学校だけでも151人も少なくなっています。そうして浮かせた教員を大阪市は同和校に加配するという不公正を行っています。教育委員会は「指定都市としての大局的見地からの独自の基準」と言い続けていますが、堺や枚方、寝屋川市などと比べてなぜ大阪市の学校は少ない教員数でやれるのですか。それでなくても問題状況が広がっており、私は一般校の教員をピンハネすることはどうしても許せません。府教委の配当基準どおり実施すべきであります。答弁を求めます。また、養護学校では定員法で定める教員の充足率は極めて低く、小学部と中学部や学年をまたがった異常な学級編制が続いています。同和校優遇の一方で体の悪い子供たちには冷たい措置、こんな差別こそ直ちにやめるべきではありませんか。お答え下さい。さらに「荒れ」が目立つ学校への特別対策についてであります。私は、問題が顕在化している学校には、教員の加配を行い、父母と教師が力をあわせて問題を解決できるように条件を整えるべきだと思います。また、壊れた施設が一層荒廃を進める要因になっていることなどから、施設を改善する費用を適切に支出するよう要求しますが、答弁を求めます。 次に、学校事務センター化についてです。多くの教師が子供たちとのかかわりを強めるためにも、学校徴収金などの事務を軽減してほしい、小学校、幼稚園などでは、事務職員をふやしてほしいと切実に求めています。この中で、学校に配置している事務職員をセンターに引き抜くことは、これに逆行する措置と言えます。さらに、教材等の購入をセンターでスケールメリットがあるからと一括購入ということが進んでいくと、各学校の特色ある教育方針が薄れ、教育が画一化する危惧や管理統制が進むのではという懸念も広がっています。まして、大阪市学校園教職員組合などとの協議が整わないまま、急いで進めるべきではありません。十分職員団体との協議が整うまで実施は見合わせるべきだと思いますが、答弁を求めます。 第4に、中小企業対策についてであります。まず、大規模小売店舗法の問題であります。先ごろ行われた日米構造協議及び日米首脳会談で、アメリカは大店法撤廃を要求し、日本の大手スーパーもこれに同調しています。自民党政府はこれに全く無抵抗の状況です。アメリカの言いなりになって大店法を全面撤廃すれば市内の零細小売業者にとっては大打撃となるのは明白であります。私は市長にこの大店法の廃止に反対の態度表明をするよう要求するものですが、見解を求めます。また、大阪市内は既に大規模店舗が小売店舗面積の53%を占め、中小零細小売業者の経営は大きく圧迫されてきました。大規模店の出店によってどんな影響を受けるかは、一昨年9月に売り場面積を2倍に増床した近鉄百貨店の例で明らかであります。近鉄の増床によって阿倍野筋商店街では2割近くも売り上げが減少しているのであります。したがって、大阪市として大店法の撤廃や改悪に反対するとともに、大型店の出店に当たっては大店法を最大限生かし、十分な影響評価とこれに基づいて合意のもとに進めるという姿勢を明確にすべきであります。この点では大阪市で現在行われているスタンプ方式、つまり、地元との合意を得た上でしか法手続きに入らないという方式は一定大阪の実情を反映しており、この方式は守り通すべきだと考えます。それは大阪市商連等が運動している「規制緩和反対」の声にこたえるものだと考えます。答弁を求めます。 次に、中小企業への具体的支援について質問します。我が党は中小企業対策の先進的な取り組みの一つとして東京都墨田区の「中小企業センター」の取り組みをこれまでにも紹介してきました。墨田区のセンターでは仕事のあっせん、発注企業の開拓、技術者養成の援助、あるいは最新鋭の工作機械やプログラム作成施設等を整え、中小企業経営者に開放する事業を朝の9時から夜の8時まで行っています。そして私どもが感心したのは、単に「センターに来た人を指導」するのでなく、「訪問相談」など地域に積極的に出かけ、そこで相談と指導を行っている点でありました。その結果、墨田区の「中小企業指導センター」は中小企業家と一体となった「地域の工業振興のセンター」となっているのであります。私は大阪市がこうした先進例に習い、大阪市の中小企業センターの相談時間の延長や相談、指導内容の改善とともに、もっと身近なところにそうした機能を持った指導センターをつくるよう要求しますが、答弁を求めます。また、地価高騰の中、中小企業が工場を追い立てられたり、新規開業するにも工場確保が全く不可能な事態を招いています。こうした事態を解決するため、工場アパート制度や都市型小規模工業団地などに市がもっと力を入れ、工場アパートなどの大量建設を要求するものですが、答弁を求めます。 最後に、大阪市が新基本構想などで重視している「世界の産業母都市」なるものについてであります。大企業はアジア・アセアン、中国などに安い労働力を求めて海外進出を急速に進めています。大阪市の「世界の産業母都市」なるものはその受け皿づくりにほかなりませんが、大阪の中小零細企業にとっては重大問題であります。例えば、大阪市が力を入れているアジア・太平洋トレードセンターの建設は、日本における大企業の海外製品の輸入基地になり、産業空洞化と逆輸入に拍車をかけ、中小零細企業に大きな被害を与えるのは明白であります。私はこのアジア・太平洋トレードセンターについては、中小零細企業に与える影響などを事前に十分調査し、それまでは計画を中止するよう要求するとともに、「世界の産業母都市」構想の強行はしないよう求めますが、見解を求めます。 第5に、同和行政についてであります。延長された地対財特法の期限があと2年後に迫っていますが、いま、大阪市がなすべきことは、解同言いなりの同和行政を根本的に見直し、市民の理解が得られる主体性を確立した行政に転換させることであります。ところが、本予算案はこれに逆行して、同和事業と関連事業に前年度の1.5倍にもなる180億7,700万円も計上し、その内容も不公正を一層拡大するものとなっています。中でも69億5,000万円も計上している小集落改良事業は極めて問題であります。来年度予算案では浪速と住吉の同和地区に63戸の住宅を新設する予算を計上していますが、当局は、これを含めて今後3年間に201億円の巨費を投じる計画だと説明しています。その理由を理事者は「法期限内では3分の2もの国庫補助が出るので何とか事業確定をしたい」と述べています。しかし、この計画実施には新たに多数の立ち退きが必要となり、住吉地区の場合は一般地区住民約30世帯を補償金だけで追い出すことになり、住民からは「大阪市は税金を使って、地上げをするのか」と怒りの声が上がっているのであります。同和住宅は今でも空き家が多く、新たな建設をやめよとの議会の指摘を市長は御承知のはずです。解同に要求されるまま、住民追い出しの計画を強行するのは許せません。直ちに中止すべきです。答弁を求めます。さらに、同和施設として、浪速区に11億6,000万円の工場アパートと買い物センター、西成区に7億8,700万円の障害者施設が計上されていますが、工場アパートについては、あまりにも低い使用料で採算が全く合わないことや真に自立向上に役立っているかどうかについても理事者は全く答弁できないのです。買い物センターについては、今回計画している隣接地で既に同じ事業が大失敗しているのに、まともな営業計画とそのための商業調査も全くやられていません。障害者施設についても、今までと同様過大施設であり、多くの一般地区の障害者は使用できないのであります。このような解同言いなりの計画を直ちに中止し、現在ある施設をすぐ一般に開放すべきであります。答弁を求めます。次に、市同促方式、いわゆる窓口一本化方式についてでありますが、この方式に基づいて進められている各種個人給付の見直しは皆無に等しいものです。本予算案での個人給付は20項目、総額13億円も計上していますが、事業の見直しもほとんどなく、解同言いなりの主体性のないものであります。さらに、同じ個人給付でも解同に気に入らない団体・個人に対しては、不当にも1988年から支給をストップするという事態が起こっています。個人給付について根本的な見直しを加えるとともに、団体・個人の考えによる差別をすぐやめるべきです。答弁を求めます。 最後に、同和行政を進める基本的立場についてであります。理事者は、今日までもこれからも本市の行政の基本は「同推協意見具申に置く」と述べていますが、この立場こそが、行政の主体性喪失と解同言いなりの不公正・乱脈の根源であります。しかも理事者は「地対財特法」期限切れ後も、この基本は変えないと公言していることは断じて許せません。私は、法期限内に同和事業を基本的に収束させ、以後は市民合意のもと、一般対策を充実させて対応すべきだと考えます。市長の見解を求めます。 以上で代表質問を終わりますが、答弁のいかんによっては、再質問することを申し添えて私の質問を終わります。(拍手) ○議長(多賀谷宏君) 理事者の答弁を許します。 西尾市長。    (市長西尾正也君登壇) ◎市長(西尾正也君) 小笠原議員の御質問にお答えを申し上げたいと存じます。 第1の監査委員の選任につきましては、財務管理または事業の経営管理について専門の知識と経験を有し、人格、識見ともに本市の監査委員として適任と思われる方を地方自治法の規定に基づき、議会の同意を得まして選任をいたしているところでございます。また、本市の契約事務につきましては、常日ごろから公平、公正な事務の執行に努めているところでございまして、議員指摘のような事実については、私ども承知をいたしておりません。いずれにいたしましても、私は、市政運営の基本は、常々市民の立場に立った市民本位の市政でなければならないと考えておるところでございます。こういった観点から今後とも公平、平等、清潔で、市民に信頼される市政の推進に全力を挙げて努めてまいりたいと考えております。 それから財政局の元課長代理によります公金詐取事件につきましては、先日、初公判があったところでございます。まことに残念な遺憾なことでございます。事件の事実関係につきましては、本人も起訴事実を認めております。また、私どもがこれまで調査もし、議会などでるる御説明申し上げてまいっているような内容でございますが、今後とも裁判の経過を見守りつつ事実の把握に努めてまいりたいと考えております。御指摘の書類の公開につきましては、事務事業の執行に支障が生じるなど、公文書公開条例の適用除外事項に該当するものであり、非公開決定を行ったところ、不服申し立てがあり、現在、公文書公開審査会において審議中でありますので、この審議を踏まえ適正に対処してまいりたいと考えております。また、議会に対する関係資料の提出につきましては、さきの決算市会でも御答弁申し上げたところでございます。現在、検察庁へ提出中のものや、銀行の守秘義務の関係で調査が困難なものもございます。また、公表することにより、正当な利益を侵害することになることもございますので、提出を差し控えさせていただいているところでございます。 平成2年度における食糧費予算につきましては、市政運営刷新委員会における緊急提言並びに決算認定に当たっての議会の附帯決議の御趣旨を十分踏まえまして、市民の不信感を招くことのないように過去の実績にとらわれることなく、改めて事業の内容を精査することといたしまして、具体的には刷新委員会により提言されております公式行事に伴う懇談会の廃止や、2次会の廃止、また、本市の出席者を最小限度にするなど、飲食を伴う会合の整理を行いながら、必要かつ最小限度の範囲で予算の計上を行ってまいったところでございます。もちろん御指摘の高級クラブなど、計上しておらないところでございます。また、食糧費の執行に当たりましては、市政に対する市民の信頼を損なわないように、また、市民の不信感を招くことのないように適正、厳正に執行の努力をしてまいりたいと思っております。 次に、消費税の問題についての御意見でございますが、本市における消費税の料金等への転嫁につきましては、昨年3月の予算市会におきまして、消費税の転嫁に伴う特別会計の使用料等の改定は、その実施時期については当分見送るよう特段の配慮をすることという附帯決議を付して、予算案、条例案を御議決いただいたところでございます。この附帯決議の趣旨を踏まえまして、現在のところ特別会計のうち、交通料金、上下水道料金並びに市民病院及び大学付属病院における分娩経費、室料差額につきまして、当面その転嫁をおくらすこととし、今日に至っているところでございます。しかしながら消費税につきましては、去る2月27日に召集されました特別国会において、改めて議論が始められようとしているわけでございます。このような状況の中で、消費税の料金等への転嫁につきましては、引き続き国会の動向を見守ることといたしたいと考えております。 老人診療報酬の改定についてでございますが、厚生大臣の諮問機関であります中央社会保険医療協議会で審議されまして、平成2年4月1日から実施されることとなっているわけでございます。今回の改定は、在宅医療の推進や老人の心身の特性に応じた入院医療の確保が図られるなど、これからの高齢化社会に向かって医療の質と効率を高める観点から、見直しが行われたものであると聞き及んでいるわけでございますが、本市といたしましても、老人診療報酬はそのような立場から改定されることが大切であると考えております。老人医療費の負担の問題でございますが、大阪市では、負担が困難な所得の低い世帯の方々、また、重度障害者の方々など助成が必要な方を対象といたしまして、老人医療費の一部負担金助成制度を設けまして、無料で受診できるよう施策を講じてきたところでございまして、引き続きそれを実施してまいりたいと考えております。高齢者対策についてでございますが、寝たきり老人や痴呆症のお年寄りなど、介護が必要な老人が安心して生活できるように、福祉施策の推進に努めてまいらなければならないことは、議員御指摘のとおりでございます。特別養護老人ホームの整備につきましては、平成元年度を初年度とする第2次5カ年計画を策定いたしまして、従来の計画の倍増ということで、5年間で1,000床の整備を進めているところでございます。平成2年度におきましても、引き続きその推進に全力を挙げて取り組んでまいりたいと考えております。 次に、訪問看護についてでございますが、在宅福祉施策の一環といたしまして、ホームヘルパーの派遣による在宅生活の支援を行ってまいっておりますほか、訪問指導として、保健所の保健婦などを訪問させ、寝たきりのお年寄りや、その家族の方々に対しまして、家庭での療養方法や、看護についての指導を行っているところでございますが、今後ともこれらの事業の充実に努めてまいりたいと存じます。ヘルスリーダーの充実等も考えてまいりたいと思っております。この訪問看護の助成につきましては、社会保険診療報酬にかかわる問題でございまして、昭和58年に制度化されて以来、年々その内容も改善が図られております。このたび、中央社会保険医療協議会から、訪問看護制度についての改善について答申されたところであり、今後とも国において制度検討がなされるように努力してまいりたいと思います。それから老人ホームに入所しておられるお年寄りの生活費についてでございますが、年金などの収入がない方につきましては、月額2,000円の小遣い金を支給をいたしております。老人ホームでの生活に必要な衣類や日用品などは、現物により支給をいたしているところでございますが、今後とも実情に応じまして、処遇の向上に努めてまいりたいと存じております。それから今おっしゃいました老人介護手当でございますが、寝たきりや痴呆症などのお年寄りが、地域社会において適切なケアを受け、安心して暮らせるように、きめ細かく在宅福祉サービスの充実を図ることが、何よりも重要であると考えております。このため本市では、ホームヘルパー派遣事業を初めといたしまして、デイ・サービス事業、ショートステイ事業などを、鋭意実施をいたしているところでございますが、今後ともこういった実質的な介護、在宅介護の充実を図ることによりまして、家族の介護負担の軽減に努めてまいりたいと存じております。 それから精神薄弱者援護施設の整備についてのお尋ねでございますが、通所施設につきましては、これまでに13カ所を整備し、平成元年におきまして2カ所、さらに平成2年度におきまして2カ所の整備を図っているところでございます。また、入所施設につきましては、これまで2カ所を整備いたしまして、平成元年度より引き続き1カ所の精神薄弱者更生施設を整備中でございます。先ほど、自民党の美延議員の御質問にもございましたが、今後とも充実に努めてまいりたいと考えております。それから家庭における介護が困難となった場合に、施設において一時的に保護する障害児・者短期保護事業につきましては、昭和47年度に国に先駆けて事業を実施いたしまして、以後、順次事業の拡充を図ってまいっているところでございます。現在13カ所の障害児・者施設で実施をいたしておりまして、平成2年度には、実施箇所を19カ所に拡大してまいりたいと考えております。なお、平成2年度から介護者の負担を軽減いたしますために短期保護にかかる送迎を実施することといたしております。民間の肢体不自由児施設でございます、南大阪療育園への補助金の増額についてでございますが、この施設は運営費の大半を診療報酬によっておられる、いわば病院、診療所に近い形態の施設でございます。大阪市といたしましても、施設の経営努力を求めるとともに、入所者の処遇向上と経営安定の面から、施設と協議しながら、毎年、実情に見合った助成をいたしているところでございます。それから保護者の方々が地域の皆さんの理解と協力を得て、自主的に運営されております障害者の福祉作業センターヘの助成の問題でございますが、これまで毎年増額してまいっております。平成元年度におきましても、運営費の増額、箇所数の増のほか、新たに作業備品等の購入助成を行うなど、その充実に努めてまいっております。平成2年度におきましても、運営費及び整備費の大幅な増額を行うことといたしております。作業場所につきましては、基本的に保護者の方々で確保していただくようにお願いをいたしているところでございます。 それから保育問題についてでございますが、保育所につきましては、保育に要する経費を保護者に御負担願うというのが原則でございますが、私ども大阪市では、国の基準より減額して、保護者負担の軽減に努めているところでございます。平成2年度につきましても、この考え方により実施、推進をしてまいりたいと考えております。保育所の給食について、品数等について細々と御指摘があったわけでございますが、国の方針に沿って実施しておるところでございますが、できるだけ充実も考えてまいりたいと思います。家庭保育・ベビーセンターにつきましては、保育所の補完的な役割を果たすものとして、承認してまいっておったわけでございますが、本来的には、認可保育所で対応してまいるのが基本であるという考え方で、保育所整備の進んでまいりました昭和53年度以降は、新設を認めていないということでございます。なお、補助金につきましては、年々その増額に努めてまいっておるところでございます。 それから次に、留守家庭児童対策についてでございますが、保護者にかわり児童の健全育成を図る自主的な取り組みに対しまして、その事業の運営に要する経費の助成をしてまいっておりまして、毎年施策の充実に努めておるところでございます。平成2年度におきましても、助成額の増額を行うことといたしております。また、学校の余裕教室の利用につきましては、各種団体で構成されております地域の社会福祉協議会等の公的な団体の場合、教育委員会や学校と協議をいたしまして、その実現に向けて努力をいたしておるところでございます。 生活保護の問題でございますが、生活保護制度は、御承知のとおり国民、市民が生活に困窮したときの最後のよりどころとなる社会保障制度の基盤をなすものでございます。したがいまして福祉事務所におきましては、相談に見えた方々に対しまして、困窮事情を十分お聞きをし、親切で適切な対応に努めてまいるとともに、被保護世帯に対しましては、療養や就労などの指導も行い、対象者の自立、更生への意欲を喚起しつつ、公平、公正な制度の実施に努めてまいっております。今後とも地域事情に明るい民生委員の皆さん方の御協力をいただきながら、適正な保護の実施に努めてまいりたいと考えております。 国民健康保険事業についてでございますが、保険料につきましては、原則、医療費に見合って御負担いただくということになっております。医療費の適正化や、本市財政事情の厳しい中で、一般会計から多額の市費を繰り入れることによりまして、保険料の負担軽減を一方図ってまいっておるところでございます。なお、国民健康保険は、お年寄りや低所得者層を多く抱えて、財政基盤が脆弱でありますので、従前より全国の国保関係者ともどもその制度を抜本的に改善し、長期的に安定した財政運営が図られるよう国に要望してまいっておるところでございますが、議会の皆様方の一層の御支援をお願い申し上げる次第でございます。 次に、地価高騰問題について御指摘でございますが、まず、国土利用計画法に基づく規制区域の指定につきましては、土地取引に厳しい制限を課すことになり、あるいは買い取り義務が生ずるなど、社会経済への影響が極めて大きいために、国においても引き続き監視区域制度の的確な運用で対処するようにということとされております。まあ大阪市におきましても、地価高騰を防止するために、先ほどもお答えを申し上げましたが、全市を監視区域に指定をいたしまして、そのメッシュも細かくいたしまして、制度の的確な運用に努めておるところでございます。また、今日の地価高騰は、市民生活や計画的な町づくりに重大な支障を来す原因でございます。税制・金融・都市計画など、総合的かつ抜本的な方策を実効ある形で強力に推し進めることが必要でございます。昨年12月に制定されました土地基本法に基づき総合的な土地対策が強力かつ早急に推進されるよう、国、政府機関等に強く働きかけてまいりたいと考えております。 次に、底地買い防止条例の制定についてでございますが、底地買い、地上げ行為等につきましては、民事上あるいは刑事上の問題でございます。先年も御質問があったわけでございますが、市政レベルでの行政的対応はむずかしく、価格の審査を基本とする国土利用計画法に基づく監視区域制度の運用面では、これを完全に排除することができないというのも、また実情でございます。また、この条例化につきましては、市行政レベルの条例としては、現行法体系の中では問題があろうと思います。しかし市民の方が底地買いや地上げの問題でお困りの場合には、本庁の市民相談室や、区役所の区民室において市民の立場に立って御相談をお受けをいたしております。内容により本市で解決できない問題につきましては、関係先に連絡するなどの方法をとっておるところでございます。いずれにいたしましても、今後とも地価対策を初め、住みよい町づくりに全力を挙げて取り組んでまいりたいと思っております。 それから市営住宅の建設を、重点的に、市政の重点施策としてという御意見でございますが、かねてより重要な住宅政策の一つとして取り組んでまいっておりまして、管理戸数、全戸数の10%を超える9万5,000戸となっております。ところで、昨今、用地事情まことに厳しいものがございます。住宅建設に適した新規用地を取得することが極めて厳しい状況でございます。市営住宅の建設は建てかえを中心に進めてまいっておるところでございますが、今後とも住環境の良好な大規模住宅団地の造成等にも、ひとつ取り組んでまいりたいと考えております。また、土地信託制度については、地価を顕在させずに町づくり、地価の高騰をこれを顕在化させずに町づくりを進めるための有効な手法の一つであると考えております。国・公有地につきましては、長期的な町づくりの視点に立って、その活用を進めていくことが必要でございますので、今後とも十分制度の適切な運用を図りながら、土地信託制度等についても、有効利用を図ってまいらなければならないであろうと考えております。それから固定資産の評価がえについてでございますが、固定資産税は市町村税の中でも主要な税であり、固定資産の所有者に御負担いただく制度と税ということになっております。土地の評価がえにつきましては、地方税法の規定に基づいて基準年度ごとに評価がえをしなければならないこととされておるわけでございます。平成3年度の評価がえに当たりましては、投機的取引等の異常な要素を排除しながら、適正な評価に努めてまいりたいと思っております。また、住宅用地や中小企業用地について、御指摘の都市計画税額を2分の1に引き下げるとの御提案でございますが、都市計画税は、これも以前御質問にお答え申し上げましたように、都市計画事業等の費用に充てるための目的税でございまして、事業の実施と土地、家屋の利便性の向上という受益関係に着目して課税されるものでございます。中でも住宅用地につきましては、固定資産税の特例措置によりまして、税負担を4分の1ないし2分の1に軽減されておるところでございまして、さらに都市計画税において住宅用地や中小企業用地の減額措置をとりますことは、税の性格上また貴重な財源でございますことからも困難であると考えております。また、自治省におきましても、都市計画税についてこのような不均一課税を行うことは、その目的税としての性格から不適当であるという指導があるわけでございます。 公害健康被害の補償等に関する法律に基づく指定地域についてでございますが、国においては現在の我が国の大気汚染が、ぜんそく等の主たる原因を成すものとは考えられないということで指定地域を解除し、新たに健康被害予防事業を行うとともに、大気汚染が健康に与える影響についての調査、研究をさらに実施いたしております。本市といたしましては、引き続き大気汚染対策を推進いたしまして、これらの効果を踏まえ、また、国の健康影響調査の調査結果等のいわゆる科学的知見の集積を見きわめて、適切な対応をしてまいりたいと考えております。二酸化窒素の環境基準の達成については、自動車対策の強化を目的に策定いたしました大阪市自動車公害防止計画を推進するなど、今後とも引き続き努力を行いまして、できるだけ早期に基準の達成を図りたいと考えております。それから小児ぜんそく等、医療費助成制度は、近年の小児ぜんそく等の研究に基づきまして、早期の適切な治療により疾病の治癒、軽快が期待される小児に対しまして、健康の回復と健全な育成を図るため、総合的な環境保健事業として実施をしておるところでございます。他の年代の方々に対しましては、環境保健事業の一層の推進を図るとともに、今後かかる疾病についての科学的知見の集積を見ながら、研究、検討してまいりたいということで、そのように考えております。それから二酸化窒素の環境基準につきましては、国の専門委員会でも新しい知見を加えて一定期間ごとに評価、点検されるべきであると報告されております。政府において新たな調査研究が進められており、適切な判断が行われるものと期待をいたしております。自動車排出ガス規制強化につきましては、これまで国に対して要望を重ねてまいりました結果、近く一層の規制強化が予定されておるところでありますので、その早期実現を国等へ積極的に働きかけてまいりたいと存じております。また、自動車交通総量の抑制につきましても、関係機関と十分な連携をとりながら、実効ある対策の検討を進めてまいりたいと考えております。また、南港発電所につきましては、地域全体としてできる限りの窒素酸化物の削減について指導をしてまいっておるところでございまして、そのようにいたしたいと考えております。今後とも大規模開発がなされた場合には、慎重に対処し、環境悪化につながらないようにいたしてまいりたいと考えております。 それから、花の万博開催が今後の緑化施策に及ぼす効果についてでございますが、花の万博は、花と緑と人間生活のかかわりを正しくとらえて、21世紀に向けて潤いのある豊かな社会を目指すものであります。その精神を大阪の町づくりに生かしていくことは、開催都市として本市に課せられた責務であると考えます。都市に緑をというテーマのもとに、花、緑の質、量、景観を整えることも必要であります。また、より大切なことは、市民の心でもあろうかと思います。心の万博とも言われる博覧会を通じまして、花と人、都市と緑とのかかわりを学び、そこに花、緑に関する愛情を呼び起こすことができますれば、何よりの21世紀への贈り物になろうかと考えるところでございます。美しい花をめで、また、住宅の窓辺に、町角に花、緑が一ぱいになる市民生活、市民主体の緑化への第一歩として、花と緑の町づくりにこれからも全力を挙げて取り組んでまいりたいと考えております。一方、地球的な共感を呼ぶ地球規模での環境改善につきましても、身近な花、緑への愛着と見直しから始まるものと考えております。その出発点が花の万博でもあると考えております。なお、天王寺公園の整備につきまして、水、緑、光をテーマとするグレードの高い新しい都市公園を創造いたしまして、緑につきましても、四季の自然を強く感じさせる木々を植栽いたしております。このような快適な環境で御利用いただけるため、その維持管理費の一部を入園者に御負担していただくということにしたわけでございます。 それから新総合計画の基本構想についての御質問でございますが、御案内のようにこの基本構想は、本市における総合的かつ計画的な行政運営を図るため、大阪の将来の発展を展望し、これに立脚した長期にわたる町づくりの根幹となるものであります。この基本構想の策定に当たりましては、過去2年間にわたりまして、市民の代表である市会の皆様方を初め、広く市民の皆さん方や、各界、各層の御意向をお伺いしまして、それらを十分に踏まえて進めてまいったところでございます。今後は基本構想に基づく新しい総合計画を策定してまいりますとともに、具体的な町づくりの計画につきましては、市民を初め各方面の御意見をさらにお伺いしながら、各種の都市計画や事業計画のレベルで対応してまいりたいと考えております。 次に、教育行政についての御質問でございますが、これにつきましては、後刻、教育委員会からお答えを申し上げたいと存じます。 次に、大規模小売店舗法--大店法の問題についてでございますが、現在、通産省におきまして、法の枠組みは現行どおり維持しつつ、法の運用の見直しについて検討がなされておると聞いております。本市といたしましては、このような国の動向に十分注意を払いながら、大阪の中小企業振興のために、慎重に対処してまいりたいと考えております。それから大規模小売店舗の出店に当たりましては、法の趣旨に基づき消費者の利益の保護や、地域経済社会との調和に配慮しながら、周辺の中小小売業の事業活動の機会を適正に確保するため、出店計画概要について地元商業者団体に十分説明が行われ、地元中小小売業者の意見が反映されるように、近畿通産局、大阪府、大阪商工会議所等とも緊密な連携を保ちながら、法が適正に運用されるように努めてまいりたいと考えております。 それから東京都墨田区の中小企業センターを例に挙げられまして、中小企業指導センターのあり方についての御質問でございますが、本市の中小企業指導センターの経営技術の相談、指導、診断事業につきましては、生産管理、販売促進、会計、下請など、経営上のいろいろな問題についての専門相談員を配置、対応いたしておりまして、中小企業の皆さんが相談に来ていただいて十分御満足をいただけるように努力をいたしております。また、地域の企業、組合、商店街などに出向きまして、地域の実情に応じたきめ細かい指導、助言も行っておるところでございます。また、工業研究所におきまして、技術に関する相談に常時応じております。中小企業指導センターと連携をいたしまして、工場を訪問して巡回技術指導も実施をいたしております。さらに商店街が販売促進と住民と一体となった地域の活性化のためのイベントにも取り組んでおります。そういう際には、専門のイベントアドバイザーの派遣もいたしております。今後とも中小企業のニーズに応じた身近で、きめ細かい指導、相談に努めてまいりたいと考えております。 次に、工場アパートについてでありますが、中小企業向けの工場集団化事業として、経営基盤の改善、公害の除去などを目的として設置する工場アパートや、都市型の小規模団地、いわゆるCIT事業を通じて市内中小企業の振興と、住工調和のとれた町づくりに取り組んでおります。今後とも一層の推進を図ってまいりたいと考えております。 次に、アジア・太平洋トレードセンターについてでありますが、これは中小企業の活性化、大阪経済の国際化を図るための中核的なプロジェクトと考えております。中小企業が大阪にいながらにして国際的な事業展開を図ることができるようにするのがその目的でございます。市会の御尽力によりまして、国の施策としてこのアジア・太平洋トレードセンターに対して、中小企業高度化融資の道も開けました。中小企業の参画を一層促すため、中小企業専用ゾーンも建設、運営できるように、事業主体の設立も図ってまいりたいと考えております。今後このATC事業を推進するに当たりましては、中小企業へのニーズ、影響調査の結果を踏まえながら、できるだけ中小企業の意向を反映させるとともに、その参画を求めまして、中小企業の活性化、国際化に役立つセンターにしてまいりたいと考えております。 次に、同和行政についてお答えを申し上げます。 まず、小集落地区改良事業でございますが、不良住宅が密集していることなどによりまして、劣悪な住環境のもとにある地区の環境改善のため、これまでその対策を鋭意進めてまいったところでございます。現在、事業継続中のものは既に国の認可を受けたものでございますので、引き続きこれを進めてまいりたいと考えております。特にこの事業は、地対財特法に基づく事業制度でございまして、法期限後は国等の財政上の特別措置がなくなるということもございます。財源確保の観点からも、重点的に事業を進める必要があると考えております。この事業実施に当たりましては、一層適切かつ厳正な執行に今後とも努めてまいりたいと考えております。 次に、同和地区工場アパート等の建設の問題でございますが、経営基盤が脆弱な地区内の製造業者の経営体質の改善、また、小売商業者の振興と地区住民の消費生活の利便性を確保するために、今、整備をいたしてまいっておるものでございます。それから障害者施設の建設につきましては、同和地区の障害者が一般的に受けております種々の差別の上に、部落差別という二重の苦しみを受けておりますので、一層の社会活動への参加と、自立を促進するため、国及び大阪府の補助金を得て整備を続けているものでございます。それから同和施設の一般利用の問題でございますが、同和地区における公共施設は、同和問題の速やかな解決に資することを目的に設置しておるものであります。したがいまして地区住民の利用を第一義といたしておりますが、周辺地域住民を初め、広く市民の方々に利用していただき、交流を図ることは、同和問題の理解を深め、人権意識の高揚を図る観点から、大変有意義と考えておりますので、今後とも施設の設置目的に沿い、より一層利用促進を図ってまいりたいと考えております。個人給付施策についてでございますが、本市のように混住率の高い大都市においては、行政が対象者を的確に把握することは極めて困難でございますので、市同促協・地区協の協力を得て進めてまいっているところでございます。一方、昭和62年の大阪市同和対策推進協議会の意見具申及び提言の趣旨を踏まえ、昭和63年7月、個人給付的事業適格審査委員会を設置し、個々の事業ごとに一定の判断基準を設けまして、執行の適正化を図っているところでございます。 次に、同和対策事業を法期限内に収束せよとの御指摘でございますが、本市におきましては、同和問題の解決を市政の重要な柱の一つとして鋭意推進してまいっておりまして、生活環境の整備改善を中心に相当の成果を上げてまいりましたが、なお解決すべき課題が残っておる現状であります。これら残された課題につきましては、地対財特法を活用し、法期限内の達成に向けて最大限の努力をしてまいる所存でございます。法期限後におきましては、平成2年度に実施予定の同和地区実態調査の結果や、国、府の動向も勘案しながら、そのあり方を検討してまいりたいと考えております。いずれにいたしましても、事業の実施に当たりましては、市会の御意向並びに本市同推協の意見具申を尊重いたしまして、市民の皆さんの理解と協力が得られますよう、一層精査、検討を行いながら進めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(多賀谷宏君) 福岡教育長。    (教育長福岡康司君登壇) ◎教育長(福岡康司君) 教育の問題につきまして、お答え申し上げます。 学級定員についてでございますが、法令の定める基準に基づきまして、全国的には平成3年度に40人学級が完全実施となりますが、本市におきましては、全国に先駆けまして、既に昭和63年度から全小、中学校で40人学級を実施いたしております。臨時教育審議会の答申におきましても、当面40人学級を円滑に実施し、その後、教員配置をさらに改善することを求めております。私どもといたしましては、この答申を踏まえた国の動向に注目してまいりたいと存じております。 次に、教職員の配置につきましては、大阪府教育委員会から配分された教職員数を受けまして、本市の各学校の事情、本市立学校全体の状況等、種々の事情を十分勘案し、最も効果的に各学校に配分いたしておるところでございます。また、教職員の同和加配につきましては、児童生徒の学力の向上を図るため、法令に基づき大阪府教育委員会から措置されているものであり、各学校の実情に応じて教職員の配置を行っているところでございます。 次に、養護教育諸学校の学級編制につきましては、公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律によってなされております。同法第3条には児童、生徒の数が著しく少ないか、その他特別の事情がある場合には複数学年の児童、生徒を一学級に編制することができることになっております。しかしながら教育委員会といたしましては、児童、生徒の実態を十分考慮して、学級認可権限のある大阪府教育委員会と協議しながら、複式学級編制の解消に努めてまいりたいと存じております。 次に、生活指導上特別の配慮を必要とする学校につきましては、学校長を中心として、校内における指導体制の確立及び地域との連携等を図るため、いろいろの努力を重ねておるところでございます。教育委員会といたしましては、各学校の実態を把握し、適切な指導を行うとともに、教員配置に当たり、効果的な措置を講ずるなど、生活指導の充実に努めているところでございます。また、校舎等の小破修繕費などにつきましては、必要に応して学校長と協議して、弾力的に予算の配当を行っておるところでございます。 最後に、学校事務再編成についてでございますが、現在、各学校で行っている事務のうち、集中処理可能な業務を一括して機械処理できるシステムに再編成するものでございます。このことによりまして、各学校では事務量の軽減が図られ、従来より一層きめ細かく事務や教育活動に力を注げるようになると考えております。あわせて学教長の予算権限を拡充し、学校全体のより円滑な運営を図るものでございます。この再編成を行うため、勤務条件にかかわる問題につきましては、関係職員団体と協議を重ねてまいったところでありまして、今後とも必要な協議を行うことには、やぶさかではございませんが、学校事務の再編成の実施は、教育委員会の責任で行うべき問題であると考えております。 以上でございます。どうかよろしくお願い申し上げます。 ○議長(多賀谷宏君) 26番小笠原正一君。    (26番小笠原正一君登壇) ◆26番(小笠原正一君) 再度質問をいたします。ただいまの御答弁では私は、ずいぶんたくさんの再質問をしたい思いでありますけれども、議会運営を考慮いたしまして、3点にしぼってお尋ねします。 まず第1は、公金詐取事件とそれに関する問題であります。最初に、自民党議員の官公需へのたかりの問題です。市長は、私の質問にはまともに答えないで、他人ごとみたいな答弁をされましたが、私の指摘は関係者からの直接の取材に基づいたものであります。ここに先ほど指摘をいたしました関西都市経済問題研究会、この研究会が各企業にあてて出した会費の請求書があります。この総務担当者は垣岡何某となっておりますが、彼は、もともと大阪市の入札業者倉石工業の役員だった人物であります。そしてこの会費を振り込むように指示をして、振り込ませております。さらにこの問題について言うなら、最近、関西都市経済問題研究会は、業界の都合ということを口実に、突然会の活動を中止したとして、一たん集めたお金を返して回っておるのであります。その背景には、この研究会の会計責任者をしている人物が、夫人名義で阿倍野ベルタの住宅を不正所有をしていた。こういう問題が明らかになったことなどがあります。そうした中で一たん集めたお金を企業に返還しているわけでありますから、この研究会のろうばいぶり、うろたえぶりは明白であります。いずれにしてもこの問題は、市の入札業者との癒着の問題であり、市としてもはっきりさせるべき問題であります。そこで再度聞きますが、この関西都市経済問題研究会あるいは木友会の総会に出席していた幹部の氏名を明らかにして、今後そういう癒着は、やめるべきだと主張いたしますが、はっきりと答えていただきたい。 次に、公金詐取事件全容解明に関する問題です。市長の答弁は、相も変わらず全容解明を妨害する態度と言わざるを得ません。市長は年末の本会議場での答弁で、公判の過程で確たる事実が判明すれば、厳正な処置を考えていくと言われております。そこでお聞きをいたしますが、検察庁は片岡裁判の中で、片岡元課長代理は、市会議員などを酒食の場に接待する中で、自分もこうした公費による酒食をするようになって、犯行に及んだと、こう言っております。検察庁のこの指摘は、公費による飲み食いを市会議員などがしていたということを、名前を挙げないが、はっきりと指摘しておるのであります。市長がさきの議会での答弁に責任を持つならば、氏名の公表を含む全容解明は、これは当然ではないでしょうか。再度答弁を求めます。 また、資料公開の点にしても、食糧費の支出命令書の根拠になっている会議は、すべて架空だったと検察庁が断定している以上、支出命令書の公開がない限り、市民の疑惑は解けないではありませんか。重ねて資料公開の意思があるかどうか、答弁を求めます。さらに料亭、クラブなどに残っているツケはどうするのですか。これも検察側は常時滞っていた、こう指摘しているところであり、それがどこに幾らあって、どう処理するのか、明確に答弁をいただきたいのであります。 第2に、私は、こうしたむだ遣いをやめるだけで市民の切実な願いが実現することを明らかにして、市長の決断を求めたわけでありますが、以下の問題について再度答弁を求めます。つまり、12年間も補助金なしで放置している共同保育所の新設を認めること、学童保育や障害者共同作業所への補助金をさらに大幅に引き上げること、これらは何億円という食糧費から見れば、わずかなものであります。税金のむだ遣いはやめて市民の願いにこたえる誠実な態度をとるべきだと思いますが、重ねて答弁を求めます。 第3に、学校の教職員の配置の問題でありますが、先ほど私は、大阪市内の一般校は府教委の配置より少ないと指摘をいたしましたが、私の地元の阿倍野の状態を府下と比較してみますと、例えば児童数503人、513人という長池小学校、晴明丘南小学校と比べて、大東市の520人の規模あるいは泉佐野市の500人の規模の小学校と比べても、明らかに教員数は1名少ない。また阪南小学校は781人でありますが、和泉市の芦部小学校752人と比べても、教員数は明らかに1名少ないわけであります。なぜ阿倍野の中の学校の先生の数が少なくてよいのか、市長はきちんと答えていただきだい。私はこんなひどいことは直ちにやめるべきだと思いますが、明確な御答弁をお願いいたします。(拍手)   (傍聴席で発言する者あり) ○議長(多賀谷宏君) 傍聴人に申し上げます。傍聴人は拍手をしたり、発言をすることは固く禁止されておりますので、静粛に傍聴をお願いいたします。 西尾市長。    (市長西尾正也君登壇) ◎市長(西尾正也君) 小笠原議員の再質問に対しまして、お答えを申し上げます。 先ほども申し上げましたとおり、本市の契約事務につきましては、常日ごろから公正、公平な事務の執行に努めておるところでございまして、議員が先ほどおっしゃっておりましたような事実については、私ども全く承知もいたしておりませんし、したがって出席者等もなかった、承知をいたしておらないところでございます。 それから財政局の元課長代理によります公金詐取事件のその後の全容解明についての御質問でございますが、たしかに裁判の経過等見守りながら、新たな事実が判明してまいった時点で、厳正に対処してまいるということを申し上げたとおりでございまして、そのことについては、今も全くそのとおりの考えでございます。 それから御指摘の書類の公開につきましては、事務事業の執行に支障が生ずるなど、公文書公開条例の適用除外事項に該当するものでございまして、非公開決定を行ったところ不服申し立てがございましたが、現在、公文書公開審査会において審議中であることを申し上げたとおりでございます。 それから共同保育、障害者施設の助成についてでございますが、私どもなりにこれは助成の拡充に年々努力をいたしておりまして、実施もいたしておるところでございます。今後ともそういう方向で考えてまいりたいと思っております。 ○議長(多賀谷宏君) 福岡教育長。    (教育長福岡康司君登壇) ◎教育長(福岡康司君) お答え申し上げます。教職員の定数の問題でございますけれども、地方教育行政の組織及び運営に関する法律第41条第2項に、各都道府県は市町村別の学校の種類ごとに定数を定めてこれを配分するということになっております。そういう形で配分されました教職員数を、大阪市といたしましては、本市の各学校の事情、本市立学校全体の状況等、いろいろな事情を十分勘案いたしまして、最も効果的に各学校に配分しておるところでございます。 ○議長(多賀谷宏君) 26番小笠原正一君。 ◆26番(小笠原正一君) 自席から発言をいたします。ただいまの市長の答弁は、答弁漏れの中身も含めて到底容認できません。あなたの態度は、市政と市民を隔てる密室政治の壁をますます厚くするもので、到底市民の納得は得られぬものであると思います。私は、日本共産党大阪市会議員団を代表いたしまして、不正、腐敗の徹底追及、切実な市民要求の実現、市民本位の温かいガラス張りの市政の実現のために、この後行われます各常任委員会におきまして、全議員が全力を挙げて奪闘することを申し添えましてこの場での質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) ◆43番(安楽雅男君) 動議を提出いたします。本日の質疑はこの程度で打ち切り、明7日午前10時より会議を開かれんことを望みます。 ○議長(多賀谷宏君) 43番議員の動議に御異議ありませんか。   (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○議長(多賀谷宏君) 御異議なしと認めます。よって動議のとおり決しました。 △閉議 ○議長(多賀谷宏君) 本日の日程は以上で終了いたします。 △散会 ○議長(多賀谷宏君) 本日はこれをもって散会いたします。     午後4時48分散会---------------------------------------           大阪市会議長  多賀谷 宏(印)           大阪市会副議長 岸本 太造(印)           大阪市会議員  中沢 一太郎(印)           大阪市会議員  壷井 美次(印)◯大阪市会(定例会)会議録(平成2年3月6日)(終)...