大阪市議会 1988-03-01
03月01日-01号
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○議長(永井博君) 理事者の説明を求めます。 西尾市長。 (市長西尾正也君登壇)
◎市長(西尾正也君) 昭和63年度の予算案並びにこれに関連いたします諸案件の御審議をお願いするに当たりまして、その大要を御説明申し上げます。 国及び地方の財政は、巨額の借入金残高を抱えるなど、引き続き厳しい状況にあり、今後急速に進展する高齢化や国際化などの社会経済情勢の変化に弾力的に対応していくためには、行財政改革を強力に推進し、財政の対応力を回復することが緊要な課題とされております。昭和63年度の国の予算並びに地方財政計画においては、経費の徹底した節減合理化に努めながら日本電信電話株式会社の株式売払収入の活用等により、経済情勢に適切に対処するとともに、積極的に生活環境の整備、向上、地域経済の振興等をはかることを基本としております。一方、本市の財政は、これまで進めてまいりました都市基盤と生活環境の整備に伴う管理運営費や公債償還費並びに福祉費及び特別会計繰出金などの必須経費に税等一般財源の大半を充当せざるを得ないという財政状況の中で、税収入の大きな伸びは期待できず、また、地方交付税収入もその確保をめぐる情勢は厳しく、加えて国庫補助負担率の大幅な引き下げ措置が継続されるなど、引き続き厳しい状況にあります。昭和63年度の予算編成に当たっては、当年度を最終目標年次とする、当面の行財政改革についての基本方針に基づき、より一層簡素で効率的な行財政運営の推進に努めるとともに、税収入を初め国庫支出金、特別債等の確保をはかり、限られた財源の重点的、効率的配分、民間活力の活用などに配意しつつ、市民本位の市政運営に努めることを基本とし、美しい都市景観と文化を誇り、健康で安心して暮らせる町、明るく住みよいふるさと大阪づくりを進めるとともに、経済の活性化と新しい時代にふさわしい都市基盤の整備などに努め、21世紀に飛躍する、世界の大阪づくりを進めていくこととしたのであります。以上のような方針のもとに、触れ合いとぬくもりのある新しい人間都市大阪を目指し、施策の重点を、まず「ふるさと大阪づくり」といたしましては、第1に、市民の健康を守るとともに、福祉、教育を充実し、安心して暮らせる豊かな社会をつくる、第2に、美しい都市景観を創造し、花と緑あふれる住みよい文化都市大阪をつくることにおき、また、「世界の大阪づくり」といたしましては、第1に、活力ある創造性豊かな中小企業を育て、大阪経済の活性化をはかる、第2に、確固とした都市基盤を整備し、新しい時代にふさわしい町づくりを進める、第3に、花の万博を成功させ、21世紀に向けて魅力ある国際都市大阪をつくることにおいて編成したのであります。このようにして編成いたしました昭和63年度の予算の総額は、2兆9,150億900万円で、前年度と比べ6.1%の増となっております。 まず一般会計につきましては、6.2%増の1兆2,267億200万円を計上いたしております。歳入については、市税収入は最近の個人所得並びに企業収益の動向等を勘案するとともに、個人市民税の減税及び土地にかかる固定資産税の負担調整措置の緩和などに留意し、総じて前年度に比し8.5%増の5,819億1,700万円を計上いたしました。また、地方交付税は30億円、地方譲与税・交付金は316億2,600万円を計上し、その確保に努めることといたしております。国及び府の支出金は、国庫補助負担率の引き下げ措置が継続されているものの、福祉関係費の増などにより、1.4%増の1,829億1,900万円、また公債収入につきましては、国の地方財政対策による特別債の減があるものの、日本電信電話株式会社の株式売払収入を原資とする公共事業特定資金を新たに計上することなどにより、12.6%増の1,247億3,100万円、その他の収入として3,025億900万円をそれぞれ計上いたしたのであります。なお、大都市税財源の拡充につきましては、かねてから市会の皆様方の力強い御協力をいただき、これまでに相当の成果を上げてきたところでありますが、今後とも大都市財政の実態に即応した税財政制度の確立を目指して、引き続き努力を重ねてまいる所存であります。 他方、歳出では第1部が7,311億7,200万円で、前年度に比べ2.7%の伸びとなっておりますが、性質別に見ますと、国民健康保険事業などの特別会計への繰出金等が7.3%、扶助費が2.5%、一般行政運営費が2.2%、公債費は2万の増となっております。また、第2部は4,955億3,000万円で、前年度に比べ11.8%の増と相なっております。このうち国庫補助事業は12.2%の増、単独事業では12%の増、交通事業など特別会計への繰出金等が10.2%の増となっております。 次に、特別会計の予算額でありますが、まず大学医学部付属病院事業会計など政令等特別会計11会計の歳入歳出予算額は、4,663億9,600万円となっております。また、市民病院事業会計など準公営企業会計4会計の支出予算額は、2,009億1,700万円、自動車運送事業会計など公営企業会計4会計の支出予算額は3,746億2,700万円となっております。なお、整理会計であります公債費会計は、6,463億6,700万円を計上いたしております。 次に、その主な事業について御説明申し上げます。まず、明るく住みよい「ふるさと大阪づくり」といたしましては、第一に市民の健康を守るとともに、福祉、教育を充実し、安心して暮らせる豊かな社会をつくることといたしました。市民の健康づくりにつきましては、スポーツの振興をはかるため、市民が地域で気軽に利用できるスポーツセンターの建設を新北区、新中央区において進めるとともに、市民健康づくり相談センター、スポーツ情報センターなどにおいて健康づくりの普及啓発を行いますほか、指導者バンク、各区の健康づくり推進事業の実施、学校開放の拡充などに努めることといたしました。また、スポーツ施設の利用促進をはかるため、野球場、庭球場などのナイター設備の設置、庭球場の全天候化を行うとともに、スポーツ広場、なにわ自転車道の整備などを継続して実施することといたしております。さらに海洋性レクリェーション施設である海水遊泳場のリフレッシュ、魚つり園の拡張を行うとともに、市民海洋カレッジ計画の推進をはかるなど、健康づくり対策に総じて30億2,600万円を計上いたしました。次に、医療保健対策といたしましては、お年寄りが安心して在宅療養ができるように、「大阪市おとしより健康センター」の建設を行うとともに、乳がん検診を新たに超音波検査方式で実施するなど、保健事業を積極的に進めるほか、老人保健医療給付費1,487億900万円を計上し、老人保健対策の推進に努めることといたしました。また、市立医療機関の体系的整備をはかるため、市民病院では桜之宮中野地区において総合医療センターの建設に着手するとともに、大学付属病院では、新本館の実施設計、仮設棟建設など、建てかえに向けての条件整備を進めることといたしております。さらに大学付属病院におきましては、骨塩定量分析装置など医療用備品等の整備をはかるとともに、市民病院でも循環器エックス線診断システム等の医療用備品などの整備充実を進めることといたしました。また、小児難病対策の推進や母子健康管理の充実をはかるとともに、救急急病医療対策並びに精神衛生対策の推進、合区に伴う新保健所の建設、小規模受水槽衛生対策の実施など、医療保健対策には総じて1,639億9,500万円を計上いたしております。国民健康保険事業につきましては、医療給付関係費に1,590億8,600万円を計上いたしております。医療費につきましては、高齢化の進展などにより増加が見込まれますが、医療給付費の適正化と収入の確保に一層努めるとともに、一般会計繰入金を増額することとし、被保険者の保険料負担の増加抑制に意を用いているところであります。また、このたび保険財政基盤安定制度の創設、高額医療費共同事業の拡充などの制度改革が行われる予定でありますが、なお極めて厳しい財政状況にあることから、今後とも国民健康保険事業の円滑な運営に努めるとともに、国に対し制度の抜本的改善について強く要望してまいりたいと存じます。公害対策といたしましては、地域環境管理計画の策定に着手するとともに、新たに健康被害予防事業を実施し、市民の健康保護対策を充実いたしますほか、小児ぜんそく等の患者に対する医療費の自己負担相当額の助成、公害の規制指導を行うなど、総じて311億3,000万円を計上いたしております。次に、高齢化対策といたしましては、生きがいのある長寿社会の創出のため、まずお年寄りに対する福祉施策として、264億2,200万円を計上し、特別養護老人ホーム2ヵ所の建設を進めますとともに、重度痴呆性老人専用棟の建設に着手するのを初め、老人憩いの家の増設及び老人ホームの防災設備の整備などを行うほか、在宅老人の福祉向上をはかるため、デイ・サービス事業の拡充をはかることといたしております。また、痴呆性老人、寝たきり老人短期保護事業などを拡充するとともに、新たに要介護老人に対する処遇技術研修施設を開設いたしますほか、高齢者サービス総合調整推進会議を設置するなど、心の通った施策の推進に意を用いてまいります。さらに高齢者向けの住宅施策として、ケア付市営住宅や親子ペア住宅などを建設するほか、既存市営住宅につきましても、階段に手すりを設置するとともに、親子近居向けの市営住宅の別枠募集を実施することといたしました。このほか、分譲住宅購入資金の融資につきましても、親子近居向け特別融資や老人同居割増融資などの優遇措置を講じることといたしております。次に、心身障害者の福祉施策といたしましては、精神薄弱者の通所更生施設並びに身体障害者療護施設の建設助成、スプリンクラーの設置など、施設の整備に努めるとともに、障害者福祉作業センターの運営助成の大幅な引き上げを行うことといたしております。また、心身障害者緊急一時保護事業、全身性障害者介護事業を拡充するほか、新たに聴覚障害者に対する字幕入りビデオテープ貸し出し事業、脳卒中などによる言語障害者に対する通所訓練並びに重度の身体障害者の社会参加に資するための、パソコン、ワープロ通信講習などを実施するほか、心身障害児教育につきましても、スクールバスの運行、重度障害児のための移動教室など、総じて154億1,500万円を計上いたしました。児童及び母子福祉施策につきましては、公立保育所の建てかえ並びに民間保育所の建設助成を行うほか、新たに乳児保育促進のための整備及び運営助成を行うなど、保育の充実をはかるとともに、留守家庭児童対策、母子寡婦福祉事業の拡充など、総じて281億4,000万円を計上いたしております。次に、生活保護等の福祉施策につきましては、救護施設などの建設助成、生活保護基準の引き上げ、緊急援護資金の増額などの援護施策を実施するとともに、あいりん地区対策として、社会医療センターの運営助成等を行うこととしております。また、新しい時代の福祉システムの研究開発を行いますとともに、本格的な長寿社会に備え、社会福祉振興基金を新たに設置するなど、総じて1,082億5,100万円を計上いたしました。次に、学校教育の充実といたしましては、40人学級を小中学校の全学年で実施するとともに、語学指導等を行う外国青年の招致事業を拡充するほか、小中学校の新任教員等を対象に採用後1年間の初任者研修の試行を継続することとし、また、デザイン教育研究所を本年4月に開校することといたしました。さらに小中学校校舎の整備として、校舎の増改築、特別教室、屋内運動場の整備などを進めるほか、中学校において新たにクラブ室の整備を行うなど、債務負担行為とあわせ199億800万円を計上いたしております。また、高等学校、幼稚園教育といたしましては、南高等学校で英語科を開設いたしますほか、職業高校の先端技術関連設備などの充実、高校奨学費及び幼稚園就園奨励費の支給、私立幼稚園児に対する教育費補助金の増額など、総じて33億7,100万円を計上いたしております。このほか校舎補修などに43億4,400万円、学校移動美術館の開設、自然教室の拡充など、ゆとりの教育を推進し、児童生徒の健全育成をはかるとともに、教員の研修、研究活動を充実するため、教育センターに文献検索システムを導入するなど、学校維持運営費をあわせ142億8,500万円を計上いたしております。 市立大学につきましては、本館の改修、医学部実験・研究施設の建設など教育研究環境の整備をはかるとともに、教育研究費を充実するなど、総じて40億3,000万円を計上いたしております。 次に、生涯学習の推進といたしましては、市民のニーズにこたえ生涯にわたる学習の場を整備するため、多様な機能を備えた総合生涯学習施設の構想調査に着手するとともに、市立大学の公開講座、社会人入学制度に加え、高等学校が有する専門的な教育機能を市民に開放するため、新たに英語科、工業科などの高等学校開放講座を開設するほか、成人学校、高齢者大学講座並びに区民センター等の施設を利用した講習会などを実施することといたしております。また、新中央区の図書館建設に着手するほか、大阪府と協力して平和資料館基本設計調査を実施することといたしております。また、女性のための施策といたしましては、学習やボランティア活動、健康づくり等を通じて女性が生き生きと活動する地域の拠点として、「女性いきいきセンター」づくりの構想調査を進めますほか、子供を持つ女性が安心して働けるように乳児保育の充実に努めるとともに、家庭教育地域交流事業などを推進することといたしております。 さらに、若者のための施策といたしましては、青年の相互交流を深めるため、文化、芸術、スポーツ活動の場ともなり、かつ研修、宿泊機能を有する施設の構想調査に着手するとともに、新たに小中学生が大自然の中で原始的な生活を体験できるフロンティア・
アドベンチャー事業を実施するほか、老人と子供の交流事業、青少年健全育成基金の増額、青少年非行対策の充実などをはかることといたしております。また、南中学校跡地にイベント広場を整備するとともに、商店街イベントサポート事業などを実施するほか、ウォータ-フロントの開発として、天保山ハーバービレッジの整備を行うなど、若者にとって魅力ある町づくりを推進することといたしております。 第2に、美しい都市景観を創造し、花と緑あふれる住みよい文化都市大阪をつくることといたしました。 まず、公園の整備につきましては、「国際花と緑の博覧会」の開催に向け、鶴見緑地の整備として、地下鉄駅前広場、世界の森渓流施設等の整備を初め、花の休憩所の建設、博覧会協会に対する補助のほか、花壇出展準備、広報・市民運動の推進などを行うことといたしております。また、天王寺公園の活性化と動物園の整備をはかるため沈床花壇跡地の整備を初め、コアラ舎の建設などを行うほか、毛馬桜之宮公園では親水広場の整備を進めるとともに、市民に身近な公園づくりとしての児童公園のリフレッシュなど、総じて346億1,600万円を計上いたしました。 次に、緑化の推進といたしましては、難波駅前に花時計を設置するなど花の街園づくりを進めますほか、新たに花木公園のリフレッシュを行うのを初め、花と緑のターミナルづくり、市民参加によるフラワータウンづくりなどを推進するとともに、都市緑化基金の拡充をはかるなど、15億7,500万円を計上いたしました。また、町並みを整え、美しい大阪の景観をつくるため、大阪駅前地下道の美装化に着手するとともに、楽しい水辺づくりとして、新たに城北川拠点整備に着手するほか、中之島歩行者専用道の建設、十三間川など親水河川の整備促進、淀川新橋等のライトアッブなど、総じて51億5,400万円を計上いたしました。 次に、芸術、文化の振興といたしましては、美術館、博物館の館蔵品などの充実をはかるとともに、歴史的、文化的価値を有する公文書等を広く一般の利用に供するため、本年7月に公文書館を開設し、あわせて情報公開制度の統一窓口とすることといたしております。また、旧街道、歴史の橋及び史跡連絡遊歩道などの整備を推進するほか、難波宮跡の整備、大阪城桜門桝形石垣の修復など文化遺産の保存と顕彰に努めることといたしました。さらに新修大阪市史編さん事業の推進、文化団体への助成のほか、近代美術館、市民ギャラリーなどの文化施設の整備構想調査など、総じて19億6,300万円を計上いたしております。 次に、区政の充実と温かい心の通い合うコミュニティづくりの推進のため、合区に伴う新しい二つの区において窓口事務を機械化し、利用しやすく区民に親しまれる総合庁舎を完成させますとともに、コミュニティづくりの拠点となる区民施設・地域集会所の建設、設置を進めますほか、区民まつりを初め多彩なコミュニティ事業や「すきやねん大阪」市民運動の推進、市民生活に密着したきめ細かな広聴広報活動の展開などに70億4,900万円を計上いたしております。 環境清掃事業につきましては、鶴見工場及び住之江工場の建設や北港廃棄物理立処分地造成の推進など、ごみ処理体制の充実をはかりますとともに、斎場雲園施設の整備など、総じて195億1,800万円を計上いたしました。 次に、消費生活の充実につきましては、中央卸売市場本場整備の基本計画・調査設計を行うほか、小売市場の整備に努めますとともに、消費者相談、情報提供などに22億3,000万円を計上いたしました。 消防力の充実につきましては、より迅速、適確な消防活動のため、新機能を付加した火災・救急指令業務自動化システムを完成させるほか、はしご車、化学車等の整備を初め消防無線など各種消防器材の充実に努めることとし、総じて26億5,900万円を計上いたしております。 次に、防災対策といたしましては、災害情報の収集・伝達をはかるため、新たに防災行政無線の整備を進めますとともに、都市防災不燃化促進事業、共同溝の建設並びに防災拠点ともなる用地の買収を進めることとし、また、市民の防災意識の高揚をはかるため、啓発事業や府市合同震災訓練等を実施するほか、高潮対策として港湾地帯の堤防の耐震補強等を継続実施するなど、総じて52億9,500万円を計上いたしております。 同和対策事業につきましては、77億5,600万円を計上いたしております。同和行政につきましては、これまで地区住民の生活の安定向上、環境改善等の施策を実施するとともに、市民啓発の推進に努めてまいりましたが、今後とも基本的人権にかかわる同和問題の早期解決を目指し、人権尊重思想の普及高揚に積極的に取り組んでまいりますとともに、附属機関である「大阪市同和対策推進協議会」の意見具申を十分に踏まえ、施策全般にわたってそのあり方、進め方を精査し、市民の御理解を得ながら、事業を実施してまいりたいと存します。なお、同和関連事業として、住宅、学校、地区内道路、児童公園の整備など、合わせて48億7,000万円を計上いたしております。 次に、21世紀に飛躍する「世界の大阪づくり」といたしまして、第1に、活力ある創造性豊かな中小企業を育て、大阪経済の活性化をはかることといたしました。 円高の進行など厳しい経済環境の中で、中小企業の経営安定、体質強化と地域経済の活性化をはかるため、本年4月に「大阪市中小企業対策本部」を設置し、大阪経済の振興のための施策を総合的に推進することといたしました。まず、中小企業の経営安定をはかるため、中小企業金融の融資枠を1,500億円に拡大するとともに、円高緊急関連融資や小企業事業資金融資等の融資限度額を大幅に引き上げることといたしました。さらに、
中小企業指導センターにおいて、円高特別診断を初めとする各種診断、指導事業を実施するとともに、
工業研究所においても、下請中小企業の構造転換のための技術開発促進事業を初めとする技術指導体制を拡充するなど、経営安定対策として253億5,300万円を計上いたしております。さらに、中小企業の体質強化を促進するため、構造転換研究開発助成制度の拡充など中小企業の先端技術化を推進するほか、大阪にふさわしい新しい企業の育成を目指して、ビジネス・インキュベーター事業にかかる基本計画策定調査を実施するとともに、ニュービジネスフォーラムの運営分担やニュービジネス育成資金融資など、中小企業の新分野への進出と雇用機会の創出を促進してまいります。また、ハイテク志向の都市型小規模工場団地建設事業を推進するほか、64年開催予定のワールド・ファッション・フェアの開催準備を初め、デザイン・ファッションの振興をはかるなど合わせて70億7,700万円を計上いたしております。 次に、地域経済の活性化を促進するため、産業基盤の強化とにぎわいのある町づくりに取り組んでまいります。 まず、国際交易機能の整備を目指して、南港に計画しております大阪ワールドトレードセンター構想を推進し、その中核として大規模な国際卸売取引を行うアジア・太平洋トレードセンター構想調査を実施するとともに、国際金融機能の強化のための調査研究を進めますほか、物流拠点の整備として、南港航空貨物基地の計画調査や、花卉流通対策基本構想の調査などを実施してまいります。また、情報基盤の整備をはかりますため、南港テレポート基地の整備など、「テクノポート大阪」計画の推進をはかるとともに、光ファイバーケーブルによる通信網の整備を推進するほか、キャブ整備、情報化社会に対応した町づくりのための基礎調査などを実施することといたしました。さらに国際化対策として、大阪ハイテク海外展の開催など中小企業先端技術国際交流事業、日欧米による国際テクノフォーラム’88大阪に取り組むなど、産業基盤の強化に努めることといたしております。また、地域におけるにぎわいのある町づくりを進めますため、小売商業コミュニティ施設の整備事業、商店街イベントサポート事業などに取り組むほか、国際観光都市大阪を目指すトラベル大阪21計画など観光事業を推進することといたしております。 第2に、確固とした都市基盤を整備し、新しい時代にふさわしい町づくりを進めることといたしました。まず、都市交通体系の整備といたしましては、長年の念願でありました片福連絡線の整備について、関係機関などの協力を得まして、関西高速鉄道株式会社を設立し、昭和69年度末の完成を目指して着工することといたしております。また、地下鉄事業につきましては第7号線京橋・鶴見緑地間、堺筋線の動物園前・天下茶屋間の建設を引き続き進めてまいりますとともに、乗客サービスの向上のため、御堂筋線の輸送力増強工事、車両及び駅の冷房化等を推進することといたしております。さらにバス事業につきましては、バスロケーションシステムなど乗客案内施設の充実や、バスターミナルの整備をはかるほか、低床ワイドドアの冷房車を購入するなど、乗りやすいバスヘの改善をはかることといたしております。 次に、道路、橋梁の整備につきましては、まず、鉄道との立体交差化として、新たにJR関西本線の湊町・今宮間に着手するとともに、阪急京都線・千里線淡路駅付近の調査を行いますほか、東野田茨田線など都市計画道路の整備、淀川新橋、尻無川新橋などの建設を進めることといたしました。さらに、京橋東・西地下道の整備をはかるとともに、船場地区に駐車場案内システムを設置するほか、放置自転車対策を強化するなど、道路、橋梁の整備に合わせて655億2,500万円を計上いたしました。なお、高速道路では、湾岸線など継続路線の建設促進に努めることといたしております。 大阪港の整備といたしましては、南港北地区、北港北地区及び鶴浜沖の埋立土地造成を初め、大型コンテナ埠頭の整備、南港トンネル、北港連絡橋、木津川新橋の建設を進めるなど、国際貿易港として施設を充実させますとともに、外航客船の寄港誘致、天保山ハーバービレッジの整備などにより、海と緑の調和した市民に親しまれる港づくりを進めるなど、総じて373億200万円を計上いたしました。 次に、住宅対策といたしましては、まず住環境の整備として、淀川リバーサイド地区、高見地区及び桜之宮中野地区において、引き続き住宅の建設を進め、職住近接の町づくりを推進いたしますとともに、住宅地区改良事業として、新たに日本橋地区の整備事業に着手するほか、住宅建設に伴う関連公共施設の整備を引き続き実施するなど、総じて201億300万円を計上いたしております。また、良質な住宅の建設をはかるため、1,069億1,600万円を計上し、まず、中間所得者層対策といたしまして、民間マンションの購入に対する融資や公社分譲住宅、中間層向け賃貸住宅の建設を進めるほか、民間住宅建設を促進するため、特定賃貸住宅建設資金の融資などを引き続き実施することといたしております。市営住宅の建設では、建てかえ事業を積極的に進めるなど、公営住宅1,800戸を建設するとともに、住戸改善や計画補修などを実施することといたしております。さらに、新婚世帯向け市営住宅の別枠募集のほか、新たにケアつき住宅の建設など、住宅施策の推進に努めることといたしました。なお、新たに都心の居住を推進するため、容積ボーナス制度の検討調査を行うことといたしております。 市街地再開発事業につきましては、230億6,700万円を計上いたしまして、阿倍野地区では再開発ビルの建設並びにビル分譲、大阪駅前地区では地下街建設の準備調査を引き続き行いますほか、湊町地区で新都市拠点整備事業として、拠点施設の基本計画を策定するとともに、民間の活力も導入しながら基盤整備を促進する一方、市内各所においても開発計画の策定調査を行うことといたしております。 また、土地区画整理事業につきましては、茨田北地区、三国駅周辺地区などの推進をはかるほか、市内中央部地区、新大阪駅周辺地区等については、その早期完了をはかることとし、さらに港、大正両地区では、収束に向けて事業を推進することとし、総じて105億9,100万円を計上いたしております。 なお、地価問題に対処いたしますため、本年4月より大阪市全域を監視区域として指定することといたしております。 治水対策といたしましては、市内東南部の浸水対策として建設を進めております街路下調節池の新庄大和川線部分を継続実施いたしますほか、城北川の改修など、債務負担行為と合わせ111億8,400万円を計上いたしております。 次に、下水道の整備につきましては、第6次下水道整備5ヵ年計画を新たに策定し、その初年度として、債務負担行為と合わせ570億円を計上し、浸水対策として、なにわ大放水路はもとより、土佐堀・津守幹線の建設に本格的に着手するとともに、老朽施設のリフレッシュを積極的に推進するほか、水質保全対策として、海老江下水処理場などの処理施設を増設し、また水洗便所の普及につきましても、100%水洗化を目指して引き続き努力してまいる所存であります。 次に、上水道の整備といたしましては、給水の円滑化と赤水の解消並びに主要幹線の耐震性強化をはかるため、引き続き配水管網の拡充整備を進めるとともに、浄水場整備などを実施することといたしまして、104億5,200万円を計上いたしております。 第3に、「花の万博」を成功させ、21世紀に向けて魅力ある国際都市大阪をつくることといたしました。 まず、「国際花と緑の博覧会」の開催準備として、花の休憩所の建設を初めとする会場の整備に積極的に取り組むとともに、地下鉄第7号線の建設、都島茨田線の整備並びに公共施設の緑化・花飾りなど関連公共施設の整備を積極的に進めますほか、広報活動の充実と市民運動の推進をはかることといたしております。 次に、市制100周年を間近に控え、「大阪市制100周年記念事業」及び「大阪21世紀計画」を積極的に推進してまいりますとともに、あわせて21世紀を展望した新しい町づくり計画の策定に着手することといたしました。 また、本年1月に着工の運びとなりました科学技術館、さらには市内東南部の浸水地域の解消を目指す、なにわ大放水路の建設を引き続き積極的に推進するとともに、市民の医療ネットワークを確立するための市立医療機関の体系的整備については、総合医療センターの建設に着手するほか、大学付属病院についても建てかえに向けての条件整備を進めることといたしております。 さらに、高度情報化に対応した町づくりのため、国際情報都市を目指して南港テレポート基地の整備など、「テクノポート大阪」計画の推進をはかることといたしております。また、24時間世界に開かれた国際都市大阪の基盤施設である関西国際空港の建設については、68年の開港を目指し、引き続き推進してまいりますとともに、御堂筋パレードやオランダフェスティバルなど、多彩な国際的イベントを充実・展開し、大阪府とも相協力しつつ、活力と魅力あふれる世界の大阪づくりに取り組んでいくことといたしております。さらに国際交流の推進をはかるため、姉妹・友好・パートナー都市との間で、市民各層にわたる経済、文化、スポーツなど幅広い交流を一層推進いたしますとともに、国際交流センターを拠点とした市民レベルの交流を進めるほか、外国青年招致事業の拡充、都市工学の情報提供、研究者や技術者等の受け入れ、派遣を通しまして、世界への貢献をはかってまいります。 以上をもちまして、各会計にわたり、昭和63年度歳入歳出予算案並びに関連諸案件の大要について御説明申し上げたのでありますが、なお詳細につきましては、各常任委員会において御審議いただくことと存しますので、その機会に譲ることといたします。 何とぞよろしく御審議のほど、お願い申し上げる次第であります。
◆66番(
中井光治君) 動議を提出いたします。本日の議事はこの程度で打ち切り、3月8日午前10時より会議を続行せられんことを望みます。
○議長(永井博君) 66番議員の動議に御異議ありませんか。 (「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(永井博君) 御異議なしと認めます。 よって動議のとおり決しました。
△閉議
○議長(永井博君) 本日の日程は以上で終了いたします。
△散会
○議長(永井博君) 本日はこれをもって散会いたします。 午後2時52分散会--(報告第2号は会議録別冊の2に登載)--
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イメージ)報告監63の第10号
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イメージ)報告監63の第11号
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イメージ)報告監63の第12号
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号 ---------------------------------------大阪市会議長 永井 博(印)大阪市会議員
勝田重春(印)大阪市会議員
森下土治(印
)◯大阪市会(定例会)会議録(昭和63年3月1日)(終)...