昭和52年第1回定例会(昭和52年3月)◯大阪市会(定例会)会議録(昭和52年3月8日)
◯議事日程 昭和52年3月8日午前10時開議第1 議案第6号 昭和52年度大阪市
一般会計予算第2 議案第7号 昭和52年度大阪市
大学医学部付属病院事業会計予算第3 議案第8号 昭和52年度大阪市食肉市場・
と畜場事業会計予算第4 議案第9号 昭和52年度大阪市
宅地造成事業会計予算第5 議案第10号 昭和52年度大阪市市街地再
開発事業会計予算第6 議案第11号 昭和52年度大阪市
駐車場事業会計予算第7 議案第12号 昭和52年度大阪市
土地先行取得事業会計予算第8 議案第13号 昭和52年度大阪市
母子福祉貸付資金会計予算第9 議案第14号 昭和52年度大阪市
国民健康保険事業会計予算第10 議案第15号 昭和52年度大阪市
心身障害者扶養共済事業会計予算第11 議案第16号 昭和52年度大阪市
市民病院事業会計予算第12 議案第17号 昭和52年度大阪市
中央卸売市場事業会計予算第13 議案第18号 昭和52年度大阪市
港営事業会計予算第14 議案第19号 昭和52年度大阪市
下水道事業会計予算第15 議案第20号 昭和52年度大阪市
自動車運送事業会計予算第16 議案第21号 昭和52年度大阪市
高速鉄道事業会計予算第17 議案第22号 昭和52年度大阪市
水道事業会計予算第18 議案第23号 昭和52年度大阪市
工業用水道事業会計予算第19 議案第24号 昭和52年度大阪市
公債費会計予算第20 議案第25号 昭和52年度大阪市都島木通外18財産区予算第21 議案第26号 市長の
専決処分事項に関する条例等の一部を改正する条例案第22 議案第27号
当せん金附証票の発売について第23 議案第28号
近畿宝くじ事務協議会規約の一部改正に関する協議について第24 議案第29号
小口支払基金条例の一部を改正する条例案第25 議案第30号 大阪市
文化振興基金条例案第26 議案第31号 建物の取得について第27 議案第32号 大阪市
中小企業融資基金条例の一部を改正する条例案第28 議案第33号 大阪市
高齢者居室整備資金貸付基金条例の一部改正する条例案第29 議案第34号
大阪市立児童福祉施設条例の一部を改正する条例案第30 議案第35号
大阪市立老人福祉施設条例の一部を改正する条例案第31 議案第36号 大阪市
国民健康保険条例の一部を改正する条例案第32 議案第37号
大阪市立駐車場条例の一部を改正する条例案第33 議案第38号
水洗便所設備資金貸付基金条例の一部を改正する条例案第34 議案第39号 大阪市
下水道条例の一部を改正する条例案第35 議案第40号 大阪市都市再
開発融資基金条例の一部を改正する条例案第36 議案第41号 大阪市公園条例を改正する条例案第37 議案第42号 大阪市
住宅建設資金融資基金条例の一部を改正する条例案第38 議案第43号 大阪市
港湾施設条例の一部を改正する条例案第39 議案第44号 大阪市交通事業の設置等に関する条例の一部を改正する条例案第40 議案第45号 大阪市
交通事業再建計画の一部変更について第41 議案第46号 大阪市基本構想について
--------------------------------- ◯追加議事日程第42
議員提出議案第1号
中小企業事業分野確保に関する法律の制定促進に関する意見書案
---------------------------------◯出席議員90人(欠は欠席者) 1番 勝田慎治君 2番 浜口晴敏君 3番 橋爪省二君 4番
青木仲三郎君 5番 北山 篤君 6番 床田健三君 7番 柳本卓治君 8番 北野禎三君 9番 梶本利一君 10番 壷井美次君 11番 吉田信太郎君 12番 安楽雅男君 13番 小林初江君 14番 佐藤ふみ子君 15番 黒田輝夫君 16番 向井 啓君 17番 藤沢和親君 18番 多賀谷 宏君 19番 山口泰弘君 20番 大西仙太郎君 21番 沢村信義君 22番 小林敏郎君 23番 中井光治君 24番 由本栄作君 25番 鈴木清蔵君 26番 加藤正武君 27番 森下土治君 28番 室屋定三君 29番 吉村達雄君 30番 中西建策君 31番 森川美代君 32番 柳井伝八君 33番 奥野修三君 34番 野口末造君 35番 美延よし君 36番 加藤 進君 37番 森野光晴君 38番 足高克巳君 39番 木下伸生君 40番 薩摩夘三郎君 41番 徳田賢次君 42番 永井 博君 43番 近藤 正君 44番 関根信次君 45番 辰巳正夫君 46番 岸本太造君 47番 山下博義君 48番 岩田 章君 49番 高橋幸一君 50番 島尾 茂君 51番 佐野繁雄君 52番 浜浦重治君 53番 浜口盛男君 54番 四方棄五郎君 55番 竹村芳春君 56番 岡田明経君 57番 勝田重春君 58番 藤岡信雄君 59番 高野光男君 60番 改発 弘君 61番 井上英夫君 62番 山下喜一君 欠 63番 音在又一君 欠 64番 福岡たづ君 65番 小林和美君 66番 松井義明君 67番 安松克己君 68番 山川洋三君 69番 仲谷誠夫君 70番 倉川 薫君 71番 中村賢三郎君 72番 吉田辰治君 73番 中石清一君 74番 隅野源治郎君 75番 辻 渡君 76番 長沢利治君 77番 高垣松雄君 78番 中尾安夫君 79番 黒木武好君 80番 村田岩雄君 81番 大神 仁君 82番 粟井岩吉君 83番 坂本 実君 84番 長田義一君 85番 坂井三郎君 86番 佐々木栄一君 欠 87番 大西保三郎君 88番 天野 要君 89番 大丸志朗君 90番 辻 昭二郎君 91番 姫野 浄君 92番 安達喜雄君 93番 上野 弘君 94番 塩田吾一君
---------------------------------◯職務のために出席した
事務局職員 市会事務局長 榎村 博 次長 上羽睦義 議事課長 永安茂夫 議事係長 若野 実 委員係長 藤田 衛 主査 竹下昭子 主査 宮崎 晟
---------------------------------◯議場に出席した執行機関及び説明員 市長 大島 靖 助役 石川多賀夫 助役 藤井弘巳 助役 近藤和夫 収入役 長澤 滋 市長室長 西尾正也 総務局長 竹村保治 職員局長 深澤 修
同和対策部長 大浦英男 財政局長 道廣一實
総合計画局長 寺田久彌 経理局長 足立芳邦 民生局長 野元隆司 経済局長 稲田芳郎 市場局長 安宅宗吾
環境保健局長 長谷 廣
環境事業局長 山田 武 土木局長 北田純三郎
下水道局長 栗林春日子 都市再開発局長 小寺 稔 公園局長 宮北孝男 建築局長 芝山嘉郎 港湾局長 大西英雄
収入役室長 根本栄一
市立大学事務局長 田万 侃 交通局長 森吉琢郎 水道局長 鈴木秀夫 消防局長 内山 登
教育委員会委員長 今田忠兵衛 教育長 圓井東一
選挙管理委員会 松井 弘 事務局長
監査事務局長 米田拾二
人事委員会事務局長 遠藤 渉 ---------------------------------
△開議 昭和52年3月8日午前10時47分開議
○副議長(松井義明君) これより
市会定例会会議を開きます。 本日の
会議録署名者を木下伸生君、高橋幸一君のご両君にお願いいたします。
○副議長(松井義明君) 日程第1、議案第6号、昭和52年度大阪市
一般会計予算ないし日程第41、議案第46号、大阪市基本構想について、一括して議題といたします。
○副議長(松井義明君) この際、昨日の黒田議員の質疑に対し、建築局長より補足して答弁をしたいとの申し出があります。これを許します。
芝山建築局長。 (
建築局長芝山嘉郎君登壇)
◎建築局長(芝山嘉郎君) 昨日の黒田議員の
市庁舎建設についてのご質問に対しまして、答弁漏れがございましたので、申しわけございませんが、お許しをいただきましてお答えさせていただきたいと存じます。 市庁舎の問題につきましては、昨年末開かれました第11回の
市庁舎問題調査委員会におきまして、市庁舎の立地とその構想などにつきましてご意見をいただきましたが、その直後に開かれました市会の
運営委員会におきまして、市長からその趣旨を十分尊重して新市庁舎の建設に一日も早く取り組んでまいる決意を表明いたしたところでございます。したがいまして52年度におきましては、いよいよ建設準備に取りかかることといたしまして、
基本設計費を予算に計上いたしました。同時に準備に必要な大阪駅前第2ビルの一部を取得いたしまして、土木局、公園局、建築局、
教育委員会事務局の移転を予定いたしておるところでございます。次いで別館を撤去いたしてまいりたいと考えておるところでございます。本工事に着手いたしますのは、53年度を目途といたしたいと存じております。なお新市庁舎の建設は、第1期と第2期に分けて建設いたしたいと考えておりまして、第1期の建築費は90億円程度必要かと存じておるところでございます。いずれにいたしましても、新市庁舎の建設にあたりましては、周囲の建物との調和を十分に配慮し、重厚で風格があり、本市のシンボルとして市民の方々に親しまれ、長く後世に残り得るものとしなければならないと考えますとともに、その内容につきましても、新しい時代に即した機能的なものとし、また市民に親しまれる開かれた市庁舎としての工夫も必要であると考えておりますが、今後具体的な事柄につきましては、
市庁舎問題調査委員会なり、市会におきましてご審議、ご検討願うことになろうかと存じますので、何とぞよろしくお願い申し上げます。
○副議長(松井義明君) これより議事に入ります。森下土治君の質疑を許します。27番森下土治君。 (27番森下土治君登壇)
◆27番(森下土治君) (拍手)私は
民社党大阪市会議員団を代表して、昭和52年度大阪市
予算案並びに関連案件につきましてご質問申し上げます。昨日来の討議を通して幾つかの問題が明らかにされておりまして、本日の質問もいささか重複するきらいもあろうかと存じますが、いろいろの角度からの確認を得たいと思いますのでお許しをいただき、明快なご答弁をお願いいたしたいと存じます。 本市市政は大島市長を初め
理事者各位の不断の努力と、市民各層の協力によって逐年進展を見つつありますけれども、48年のオイルショック以来、
高度経済成長より低成長への移行を余儀なくされて3年越しの不況となり、景気は極度に沈滞いたし、不況はいよいよ深刻化し、
中小零細企業の破産、倒産は相次いで、産業界の窮状と働く者の失業、雇用不安は日を追って増加しており、市民生活もまた極度に苦しい生活を強いられておるというのが現状であります。ために、本市財政もきわめて窮迫した状況下に置かれて、まさに財政破局の一歩手前にあると言えるのではないかと考えるのであります。特に市税収入が伸び悩みを見せる反面、諸事業の進展に伴い人件費を初め、諸経費の増高と扶助費の増大、公債償還など義務的経費の累積によりまして、このままでは本市の財政構造の将来に大きな危機を覚えるのは、皆さんと同様であろうかと存じます。 そこでまず最初に財政構造についてのお尋ねをいたします。国も
赤字国債依存からの早期脱却を課題としながらも、なお大量の国債発行に頼っており、地方財政も2兆 700億円という膨大な
収支不足対策に追われるなど、国も地方も財政危機のイバラの道を歩んでおるわけでありますが、とりわけ本市は低成長による税収の伸び悩みのほかに、
中堅市民層の流出、
常住夜間人口の減少、流入人口の増大など大都市特有の苦悩をかかえているため、全国の
地方公共団体の財政運営の指針ともいうべき
地方財政計画より税収はかなり低いものと本予算案は見込まれております。すなわち、
個人市民税は全国が14.4%の伸びを見せているのに、本市では 6.4%であり、市町村税全体で見ましても、
地方財政計画では18.0%の伸びを見ているのに、本市では12.2%に過ぎないという状況にございます。このように本市では、税収の伸びがやっと二けたになったという程度の非常に低いものであるのに、他方、
公債償還費は前年度よりも20.6%と税収の伸びを大きく上回っており、大阪市の借金である現債高も1兆 300億円近いものが見込まれ、その現債高も最近5カ年で2倍になるなど、
財政硬直化という危険な方向へ向かっていることは否めない事実であります。これらのことは、かねて税収の伸び悩みを起債という借金に依存して財政運営をしてきたツケが今日回ってきているのではないかと思うものであります。しかも当面、税収の伸びを期待できず、他方、借金行政の見直しが行われなければならない今日、消極財政に陥ることなく、硬直化を打開するためには、どのような方針で臨まれるのか、昨日来いろいろと市長のお答えがございましたが、さらに、市長の確固たるお考えをお伺いするものであります。 そこでこのような低成長下における
財政危機打開の第一は、行政の見直しであり、なかんずく人件費問題の取り組みであろうかと存じます。
税財政制度の改正によって、歳入の増収をはかることはきめて大事なことであります。しかしながら、行政費は結局のところ市民の税負担によるものであり、市民の負託にこたえて効率的な行政、合理的な行政の実現をはかることが何よりも大事だと思うのであります。市長は52年度の予算編成にあたって、引き続き前年度の厳しい基調を堅持して、経費の節減や事務事業の徹底的な見直しを行うとともに、市民の理解と協力を得て、極力収入の確保をはかる、こういうふうに言っておられますが、行政経費のうち最大のものは人件費であります。電気や水道、事務用品や印刷費などの経費の節減はもちろん徹底してやってもらわなければなりませんし、また、ここ数年、たえず努力してきたことは承知しております。いま人件費について言うならば、52
年度予算案での職員一人当たりの人件費は年間 430万円にも上っており、1人の職員の1日の働きに対し、1万 5,000円もの市民負担になっていることを認識するところから出発しなければならないと思うのであります。この10年間あるいは5年間をとって見ても、日本の
社会経済情勢はきわめて厳しい変化を示しております。行政はその成果を、特に職員の勤務成績をはかる具体的な指標を見出すことが、きわめて困難であります。また、効率よりも完全であること、誤りのないことが要求されることが多いことも確かであります。
社会経済情勢の変ぼうに応じて、組織や機構、各種の施策を点検することが必要であります。昨日も論議されておりましたが、組織や機構、あるいは人員の配置は、一度つくられるとなかなか縮小されない。施策の対象が減少を来しても、組織、機構、人員は旧態依然である。こういう状態にございます。また事業の進展による
施設建設増と、これが管理運営にかかわる要員配置、そして必然的に
人件費増高の問題になってまいります。ある地域で会館の建設がございます。そこの職員に四十数名配置しておるという事情がございます。さらに一つの会館をこれから先、施策の要求の中でつくった場合に、やはり同様の形でこの会館には同じような人数を配置しなければならないというふうになってくるのではなかろうか。行政需要に応じて施設をつくる。施設に要員を配置する。人数は既存施設の例にならう。これでは無限に人件費はかさんでくるということになろうかと存じます。機構と人員については、現在と5年、10年前を比較し、存続の意義そして行政対象の増減、施策の実施方法の改善等徹底的な見直しを行い、その結論を勇断をもって実行されることを強く要望するものであります。こうした場合一面私は蛮勇も必要であろうかと存じます。行政の全面的な見直しと、何よりもその実行について市長の決意と、それを実現する具体的方策について明確にお答えいただきたいと思います。なお、過日の新聞報道によれば、
人件費抑制策として、本年度から職員数凍結の方針で、職員組合と交渉を始められたとのことでありますが、
事務事業見直しの成果の一つとして当を得たものであり、51年度予算で掲げられた人件費3%縮減の実行の目途とあわせて、職員局長のご見解をお伺いいたします。 次に、本年度予算について言うならば、どうしても
同和対策事業の問題を取り上げなくてはならないと思います。本市はここ十年近く同和行政を重要な柱として、市長初め理事者、市会ともに力をあわせて推進し、
全国的レベルで見ても相当な実績を上げてきたと思うのであります。もちろん地域によっていくらかのアンバランスはあっても、住宅の整備を初め環境の改善、
解放会館等の集会施設、保育所、
老人福祉施設、さらには教育施設など、施設整備については一部目をみはるような進捗を見ております。また、
住民福祉対策についても奨学金を初め、技能の修得や就学奨励、
生業資金等の貸し付けなど、多方面にわたる施策がなされておる事情は、皆さんご案内のとおりであります。国の
同和対策事業特別措置法が施行された昭和44年度から52
年度予算案までの
本市同和事業費は、
関連事業費を合わせて 1,977億円に連しております。同和問題は申すまでもなく、今日の近代社会で許されるべきでなく、その解決は国をあげて取り組まねばならないのでありますが、これまでの国及び府の姿勢を見ると、まことに遺憾だと言わざるを得ないのであります。すなわちこれまでの実績を見ると、国の補助金は9%、府の補助会、貸付金は24%、本市の負担は借金である公債を合わせて7割近くになっておるのであります。これについて市長の見解をお尋ねいたします。ここ数年来の日本経済の基調転換に由来する地方財政の異常な危機によって、私が先ほど申し上げたように、行政のあらゆる面にわたって根本的な見直しが要請され、また、すべての施策は、市民負担との関係において再検討されねばならなくなっておると思うのでありますが、私は今後の本市の同和行政についても、きわめて困難な状況に直面しておるということは、十分に承知をいたしております。同和事業はかなりの進捗を見たけれども、同和問題はなお解決されていない、これが現状であろうかと思うのであります。したがって今日私たちは、これまでの本市の同和行政を振り返ってみて問題を整理し、検討して正すべきは正し、新たな展開もあわせて、
市民的合意のもとで今後の同和行政を推進していかねばならないと考えるのであります。市長は昨日、同和対策の今後について新たな展開をとお答えがありました。市長の言われる
同和対策事業の将来に新しい展開とは何をおっしゃっておるのであろうか。また、時限立法による
同和対策事業特別措置法に基づいて
同和対策事業10カ年計画が進められて、まる8年になります。もう余すところ2年ごございます。長期計画の進捗状況にかんがみ、同
特別措置法の時限後のあり方をどのようにお考えになるか、市長の所信のほどをお伺いいたします。 次に、バス事業についてお伺いいたします。大都市特に本市のバス事業は、道路交通の異常な混雑、朝夕のラッシュ時とオフラッシュ時との乗客数の相違、地下鉄網の整備に伴う収益路線の喪失等、企業環境の悪化によって、これまでもきわめて困難な経営を余儀なくされてまいっております。特に最近に至って破局的な状態に陥っておるのでありまして、本市の総力を上げて、しかも思い切った発想の転換を行って取り組んでも、なお解決策を見出すのが困難な事態に直面しておると存ずるのであります。今回の再建計画の変更等によると、52年度から57年度までの6年間に1日平均58万人の乗客を運ぶために、交通局も莫大な資産を売り払い、一般会計から 523億円、年平均87億円の補助金と、 100億円ないし 240億円の無利子の貸し付けを行うことになっております。確かにこれまでもバス事業の経営改善については、多くの努力がなされ、特に昨年には、
総合交通対策推進本部が設置され、衆知を集めて種々の対策が検討され、本
年度予算案においても、
拠点ターミナルの整備など、新しい施策が講じられております。しかしながら現実には経営収支の改善は見るべきものがなく、また、国の助成策も、バス事業については、再建債の利子補給と、バス購入費補助がわずかにあるに過ぎず、さらに広域行政を担当する大阪府に至っては、バス事業に対して、これまで市を挙げての要望にもかかわらず、いまだに一円の助成もなく、地下鉄についても市域外に延伸した建設費についてだけ助成を行っているに過ぎないのであります。バス事業に対する助成策の拡充は、今後どういう見通しにあるのか、また、大阪府はなぜ助成をしないのか、さらに地下鉄事業に対する国の補助制度の拡充及び大阪府の市域内の地下鉄建設に対する助成について、理事者はこれまでどのような努力をされ、また今日まさに破局に当面する本事業再建を、どのようにお考えになっているか、率直にお聞かせいただきたいものであります。国及び府からの助成拡充に市会も理事者も相ともに一そう努力するとしても、バス事業の現状はあまりにも急迫いたしております。当面何としてもみずからの力で抜本的自衛策を講じなければ、本市はバス事業を初めとする交通事業に対する市税の持ち出しによって、他の行政施策の水準を大幅に低下せざるを得ないような事態を招来するのではなかろうかということをおそれるものであります。本市の総合交通体系を、経営収支を踏まえて根本的に見直し、徹底した省力化を前提とした、地下鉄、新交通システムを主軸に、バス事業はこれらを補完する機関として位置づけ、バス路線及び運賃体系を抜本的に検討することが早急に必要だと考えるのでありますが、市長の率直なご見解と決意のほどをお伺いいたします。さらに、バス路線の再編成によって生ずる余剰人員についても、単に一般会計に移すということでなく、新たな発想による吸収策を考えるべきだと思うのでありますが、交通局長のご見解をお伺いいたします。 次に、国民健康保険についてお尋ねいたします。 国民健康保険会計は、50年度で30億円の収支不足となり、51年度末では50億円余の赤字に増大する見通しになっております。これが対策としましては、当面事業運営の合理化、保険料の改定、一般会計からの繰出金の増額などによらねばなりませんが、本予算案を見ますと、一人当たり平均保険料は2万 876円から、2万 4,405円に引き上げられておりますほか、一般会計からの繰り入れも年々増額されて、52年度には35億円と、財政事情が非常に苦しい中にありましても、前年度に比べ5億円の増額をはかるなど、積極的に助成しておられるところで、福祉重点の姿勢がうかがわれるのであります。しかしながら、事業運営の合理化の一つとして、昨年から保険料を訪問徴収から自主納付制に切りかえておられますが、その結果、収納率が低下していないかどうか見直していただきますとともに、あらゆる努力を払って保険運営の合理化に努めていただきたいものであります。また、根本的には、国民健康保険の加入者は、どちらかと申しますと、零細企業関係者や老人など、負担力の乏しい方々で構成されており、いわゆるボーダーライン層と言われる人たちが、約50%を占める国民健康保険の実態から考えて、組合健保や政府管掌健保と異なった組織内容であり、保険制度というよりも、むしろ社会保障制度の中に位置づけるべきではなかろうかと考えますが、市長の見解をお伺いいたします。さらに、どのように本保険制度の抜本的改革をはからんとするのか、市長のご見解をお伺いするものであります。 次に、中小企業対策についてお尋ねいたします。本市の
中小零細企業は、その数においても、また、経済活動の面においても、本市の経済基盤としての重要な地位を占めており、今日の大阪経済の発展を支えてきたのであります。しかしながら現在、これら
中小零細企業を取り巻く諸情勢は、かつてない厳しいものとなっております。特に長期化する一方の不況を、どう乗り切っていくかは、当面する最大の課題であります。わが国は48年以来4年にわたる未曽有の長期不況にあえいでいるが、ことに大阪は今回の不況の影響をもろに受けた繊維、雑貨、機械、金属といった中小零細工業が多いだけに、各企業の実態は予想をはるかに上回る厳しいものがあると言わなければなりません。51年中、全国で実に1万 5,000にも上る企業の破産、倒産を見、今後景気の先行きいかんでは、さらに多くの企業倒産など、息切れする企業の続出することも考えなければなりません。そこで、こうした経営危機に瀕している
中小零細企業を救済するため、市としては本腰を入れて取り組むべきだと考えますが、市長のこれに対応する決意のほどをお聞かせいただきたいと、かように存じます。また、こうした不況対策といった当面の問題に加え、
中小零細企業がより長期的視点に立って、解決をはかっていかねばならない多くの問題が山積いたしております。住宅と工場が混在しているいわゆる住工混在地域における過密、公害、近代化など、身動きできぬ状態に置かれているのが小零細企業の実態であります。今日、これら小零細企業が周辺の住環境との調和をはかりつつ、こうした状況を打開する抜本的施策が望まれること切なるものがあります。これに対応する市長のお考えをお聞かせいただきたいのであります。 次に、大資本、大規模小売店舗の進出規制についてお伺いいたします。最近、大資本、大企業による
中小零細企業の事業分野への進出による
中小零細企業圧迫の問題がやかましく言われております。資本力に物を言わせて、大規模小売店舗法の規制の網をくぐったスーパー等、大型小売店舗の無差別進出は、資本力など経営基盤のきわめて脆弱な小零細小売店舗に大きな打撃を与え、その家族、従業員の生活を脅かすこと、はなはだしいものがあります。本市においてもここ数年来、東淀川区上新庄のスーパーいづみや、平野区のダイヤモンドシティ、旭区におけるスーパージャスコ、此花区四貫島の阪神電鉄の進出などの問題が中小零細店舗への一大脅威となり、地元商店街とのトラブルが随所に発生しているというのが現状でございます。これは大型スーパーの進出に強い拒否反応を示された大資本、スーパー業界が、地元既存商店街の強い抵抗を避けるため、大規模小売店舗法の規制にかかわる売り場面積をわずかに下回る中型店舗とし、あるいは同法の規制調整を見込んで超大型店舗建設を申請し、商調協の調整カットにより売り場面積を規制値すれすれに縮小擬装するなど、こそくな手段を弄して各地への進出展開をはからんとするものであり、このような大資本による中小型スーパー等の進出を規制し、零細な小売業者を救済されたいとする小零細業者の叫びは、悲痛なまでに深刻なものがあります。市長はこの事態をどのようにお考えになりますか。今日、各地方自治体においては、条例、要綱、指導、指針などの形で大規模小売店舗法の枠を越えて規制を加え、調整し、小零細既存小売業者を保護せんとするものであります。本市においても、小売業の正常な競争を促進し、消費者の利権を守るとともに、小売業者相互間の紛争を未然に防止し、店舗の適正配置をはかり、消費者、業者すべての市民が安定した生活ができるよう、現行法補完の小売商業活動の調整にかかわる条例等制定の意図はないかどうか、お伺いいたします。また最近、中小企業庁においては、スーパーなど大型店も、小売商業
特別措置法の対象になるという見解を示しております。このことは昨年10月29日衆議院商工委員会において質疑応答の経過の中で、中小企業庁の岸小規模企業部長より示されたものであり、その見解に立って大型小売店舗進出調整上、大きなウエートを占めるものであろうかと思うのであります。市長の見解をお聞かせいただきたいのであります。 次に、完全水洗化のための諸施策についてお尋ねいたします。現行の下水道5カ年計画の最終年度の51年度末で、大阪府の施行する流域下水道区域などの一部を除きほぼ面的整備は終ったと思われます。また、水洗便所への改造も処理区域の拡大とともに進んでいると考えます。しかし市内の完全水洗化対策として、従来から私道下水管布設を市で施行されてきましたが、いまだ処理区域内で未水洗化の戸数も多数残っており、それにはいろいろ事情があり、画一的対応はできませんけれども、行政において強力な指導性を発揮し、かつ従来の私道対策以上の配慮をもって、これが具現化をはかる必要があるかと存じます。特に、民有地通路の下水管整備に対する助成措置を含めて、完全水洗化の諸施策について見解をお聞かせいただきたいのであります。 次に、交通安全対策についてお伺いいたします。昨年9月、第2次大阪市交通安全計画が策定され、それによると人命尊重を最優先に、特に交通の場で弱い立場にある歩行者と、自転車利用者に重点が置かれており、また、52年度予算編成に基づく主要事業の概要の中でも、健康づくりの立場から自転車道の整備、市民に直結した町づくり、よりよい生活環境づくりとして交通安全施設の整備の重要性が上げられております。振り返って見ると、本市においては昭和41年ごろより、交通安全対策に積極的に取り組んできた結果、最近ではおおむね半減するという大きな成果をおさめていることは、高く評価できると思うのであります。しかしながら交通事故は依然として全国的に大きな社会問題として多発の状況にあり、本市においても全く同様であることは否めない事実であります。したがって、今後の経済の発展と生活水準の向上を考えると、自動車交通はまだまだ増加し、これに伴って事故もふえることが予想されるのであります。このような事態を考えるとき、交通事故防止のための諸施策は、依然として一刻もゆるがせにできない重要問題であり、人命が何ものにもまして優先するという認識のもとに、市民の生活環境を守る立場から、市長は今後交通安全対策について、どのような基本方針で臨まれるのか、所信のほどをお伺いいたします。 次に、教育についてお伺いをいたします。およそ学校教育は、浄化された豊かな地域環境下に、整備した施設、さらによき指導者、先生を得るという三つの要件を満たしてこそ、十全の効果を得られると考えております。本市の学校施設は逐年拡充整備に努められてきたところでありますが、現況は教育現場において求めるに、なおほど遠いものであります。わが民社党はここ数年来、小中学校における木造校舎改築、特別教室の整備と老朽鉄筋校舎及び同給食室の改築を、また老朽、破損施設の補修整備をともに強力に推進することを強く訴えて、ようやく木造校舎、特別教室については、ここ3カ年計画をもって51年一応の整備を見るところでありますが、なお残存木造校舎並びに老朽鉄筋校舎、同給食室など要改築施設はきわめて多く、引き続き計画整備を要するものであろうかと存じます。しかるに、52年度当該予算は総じて 149億 9,029万 400円を計上、 605教室の増改築整備の単年度場当たりの計画であり、施設の現況をつぶさに把握認識した計画性がうかがうことができません。また、現況約75億円にも及ぶ補修量を要する老朽、破損の校園舎などの補修整備においても、15億 1,000万円余の予算計上に過ぎず、年ごとに新たに生ずる約30億円の施設の老朽、破損の補修整備をあわせ、一体どのように対処するのか。特に最近既存校舎の窓枠アルミサッシ化についても、強く要望されるところであり、ともに将来展望に立った計画性ある施設の増改築、補修整備が緊要かと存ずるのでありますが、場当たり、思いつき、あるいはPTAなり学校関係者から強い要望のあったものか優先をして、施設整備がされるという形でなしに、一貫した計画性の中で教育施設の整備をはかっていくということが必要ではなかろうかと考えるのでありますが、市長の所見をお伺いいたします。 次に、養護教育の振興について若干お尋ねをいたします。本年度予算13億 348万 8,000円を計上され、積極的に取り組まんとする姿勢は評価するところでありますが、まず次のことを明らかにしていただきたいのであります。本市養護教育審議会の答申にかかわる大阪市における養護教育の充実振興方策についてに基づく当面の施策の具体化は、どのような計画で進められるのか、これが第1点。第2点は小中学校の養護学級 550学級を 720学級までにする増設計画をどうするのか。3番目に、養護学校2校の新設に5億 4,285万 8,000円を充てているが、養護学校の設置義務は大阪府にあるのに、大阪府とどのような話し合いがなされ、どんな条件で本市が設置するのか、府との話し合いについては、ごみ焼却工場の排ガス洗浄装置運転経費補助を違約した例もあり、対府協議の取り決めは明らかにしておく必要があろうかと存じます。以上の諸点を明確にしていただきたいことをお願いしておきます。 次に、公衆浴場に対する助成について端的にお尋ねいたします。最近減少傾向にある公衆浴場の確保のため、浴場業者に対する優遇助成措置をどのように考えているか。また、老人福祉センター設置により、同センターにある浴場利用による付近浴場の受ける浴客減の影響に対する補償についてはどうするか。このことについては、51年度予算審議の民生保健委員会において、音在議長が委員の立場から、豊中市における同種補償事例を挙げてその対応策をただしたのに対し、藤井、近藤両助役より実態をつぶさに調査し、真剣に検討し、前向きに対応したい旨述べられましたが、具体的な対応策をお聞かせください。浴場業者にとっては、深刻な内容でございます。 次は、産業廃棄物の処理体制についてお尋ねをいたします。本市内では、年々膨大な産業廃棄物が排出されており、これが収集運搬業者により処分地へ運ばれております。ところが民間の処分地は、市内内陸部にほとんどなく、おおむねは市外遠隔地に運ばれ、途中不法投棄などの悪質事例は枚挙にいとまがありません。公共の処分地としては、北港処分地が用意されておりますが、現在西区内にその積み出し地が計画されておるようでありますが、住民との話し合いがうまくいかないということがあるように承っております。このような必要な施設の設置について、もっと積極的に住民の理解を深めるよう努力すべきではないか。また、公共の受け皿についての長期的展望を聞かせていただきたい。本市としてさらに積極的に乗り出すべきではなかろうか、市長のひとつお考えをお聞かせいただきたいと思います。 また、コミュニティづくりということを市長はしきりにおっしゃいます。私は公営住宅の入居者と、地域とのコミュニティの問題をやはり考えなくてはならないということを強く考えるのであります。市営住宅が建つ、団地ができる。そこに入る人たちは住宅団地という一つの枠の中で固まってしまって、住宅のある地域になかなか同和しないという問題がございます。古い土地柄、古い町に新しい高層住宅が建つ、集会所ができる。老人いこいの家ができる。テニスコートもある。自動車や自転車の置き場まで整備されている。築山があって、広いスペースの遊び場がある。全く申し分のない住宅環境の団地ができ上がります。対照的にその隣には道一つ隔てて古い住宅が不規則に建ち並んでいる。そこの人たちは隣組の班長さんの家にひざを重なり合わせて話し合いの場を持っている。振興町会長は役員さんを倉庫に集めて町の運営を相談している。子供は自動車の走る道でまり投げをして遊んでいるという状態がある。古い町並みの中に新しい団地ができて、両者のコミュニケーションというものが全然なされていない。私は市長、コミュニティづくりをおっしゃるならば、団地の施設を地域に開放されるということが考えられないだろうか。集会所を、老人いこいの家を、テニスコートを、そして築山を遊び場をというふうに地域の人たちに共々に使わせるというような開放はできないだろうか。集会所も、あるいは老人いこいの家も、そういうふうなものの運営について団地のものだけにやらせますと、どんなことを取り決めておっても、やはり団地サイドの管理運営になってしまいます。できるなれば地域の振興町会も、町内会の役員の皆さんも運営委員の中に入れるという形で一緒にやる、そこに私は古い町の中に新しい団地が融和一体した、市長の望まれるコミュニティというものが生まれてくるのではなかろうか、このことはぜひひとつお考えをいただきたい。市長のこれに対するお考えをお聞かせいただきたいと思います。 その他いろいろとわが党が本年度予算編成に当たって、施策とともに要望してまいりましたことをいろいろと触れたいと思っておりましたが、私の整理のまずさから十二分のことができません。この程度で私の質問を終わらせていただきますが、ひとつわかりやすく簡単にご答弁いただきたいと思います。アメリカの新大統領が初めてホワイトハウスに入って言った言葉の中に、話が、文章が非常にむずかしい、しかも長い、もっとわかりやすくということを言って、ずいぶんカットしたということを報道したりしております。ひとつ平易に簡単にお聞かせいただきたい。なお、お答えによっては再度質問を申し上げることをお願いいたしまして、私の質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手)
○副議長(松井義明君) 理事者の答弁を許します。大島市長。 (市長大島靖君登壇)
◎市長(大島靖君) 森下議員のご質問にお答えを申し上げます。 まず財政に関する問題、財政構造なかんずく最も重要な
財政硬直化の問題、この打開の基本的な方針についてのお尋ねでございますが、昭和40年ぐらいの時点におきましては、経常的な経費に対する一般財源が充てられる比率というものは、大体65%程度でございましたが、それが大体40年代におきましては7割程度、50年度、51年度になりますと大体八十数%ということで、9割近くになってまいりました。これがしたがってその残余が2部経費、すなわち建設的事業的経費に回されるわけでございます。これは
財政硬直化がきわめて進んでまいったということになるわけでございますけれども、この点につきまして、大阪市の特別な事情といたしましては、一つは各種の建設事業と申しますか、都市の基本的な装備の整備というものが、他の都市に比べて相当進捗の度合いが早いわけでございます。たとえば下水が、もうほとんどでき上がっている。ごみの工場がほとんど完成に近いというような状況でございまして、したがって今日におきます財政的負担というのは、建設よりもむしろ維持管理の経費にかなりウエイトが多くなっているということ、したがって維持管理に関する経常的経費が非常に多くなっているという点が1点ございます。さらに過去にそういうふうに建設事業を相当広範に伸ばしてまいりました関係上、その財源となりました公債の元利償還金の負担というもの、これが膨大な負担になるわけで、それが現在ツケが回ってきている。これがやはり経常経費のかなり大きな部分を占めます公債費の増高ということにあらわれておるわけでございます。そうした意味合いで、何と申しますか、経常的経費に回される一般財源の比率、硬直化の比率というものが、他の都市と比べまして大阪市が若干高くても、これはやむを得ない。すなわち過去における建設の結果、むしろある意味では、いいと考えてもしかるべきものであろうかと思うのであります。しかしながら今日、約9割の一般財源が経常経費に食われるということは、やはり大きな問題でございまして、したがって私どもはこの経常的経費に回される比率というものを、できるだけ低くするということが必要でございます。そのためには、やはり経常的経費というものをできるだけ少なくしていくいろいろな工夫をこらしてまいらなければならない。たとえば公債費の元利償還金などというものは、これは過去の結果返していかなければならぬのでありますから、どうにもならない問題でございますけれども、たとえば人件費の問題でありますとか、物件費の問題でありますとか、そういう問題については事務事業の見直し、行政の効率化をできるだけの努力をいたしてまいることと同時に、一方、収入の面におきまして、税制の根本的な改革をはかってまいらなければならないわけでございます。今回、政府におきまして、中期財政展望の中で、国税、地方税あわせての税制改革を目下検討中でございますが、そうした中で、私どもはほんとうに大都市の実態に見合うような自主財源というものを、新たに改正していただきたいと思っておるわけでございます。そうした点で、森下議員、非常に深刻な憂慮を示しておられます
財政硬直化の問題、私も非常な危機感を持っておるものでございまして、真剣にその対策を進めてまいりたいと思うのであります。その中で人件費の問題あるいは組織、機構の問題についての言及がございましたが、人件費はもちろん財政状況の中で非常に大きな問題でございます。総人件費はもちろん職員一人当たりの給与水準と職員総数、人員の相乗の結果でございます。そした面で、私ども何とかして、できるだけ効率的な行政を行うという意味合いにおける努力をいたしてまいりたいと思うのであります。ただ森下議員もご承知のとおり、組織、機構というものは、どうしても本来的に固定化してしまう傾向がある。必要があって組織、課をつくる。しかしその仕事が必要がなくなったらその課を廃止すればよいわけでありますが、これがなかなかむずかしい。それから機構というもの、あるいは組織というものは、本来的にだんだん拡大していく、肥大化いたしてまいります傾向を持っております。これは有名なパーキンソンの法則と言われておるものでございますが、私どもはこうした固定化する組織、機構、肥大化する組織、機構というものを何とかして新しいフレッシュな、機動的な躍動するような組織、機構に変えてまいらなければならないのでございます。森下議員が勇断と実行をご要望に相なりました趣旨も、そういう意味合いであろうかと思うのであります。私もそうした方向に何とかして改善をしてまいりたい。ただ、なかなかむずかしい問題でございますので、私のただいまの気持ちといたしましては、目下総務局を中心にいたしまして、そういう組織のほんとうに大阪市政としてのあるべき組織、機構、理想的なものをひとつ考えてもらいたいということで研究してもらっておるのでございます。私どもは毎年組織、機構というものを変えてまいっております。毎年4月でございましたか、大体いろいろなその年の必要に応じて機構の改正をいたしておるのでありますけれども、その程度のことでございますれば、毎年できるだけの努力はいたしますけれども、しかしいま森下議員がご要望に相なっているのは、そうした程度の改正ではなしに、もっと抜本的な根本的な改正のことであろうかと思うのであります。私どもはただいまそうした方向における準備の検討を行い、私はできれば新庁舎完成のときを機会に、そういうふうな理想的な組織、機構というものを改善できれば、まことに結構ではないかというふうに考えておるのでございます。勇気を特って検討準備を進めてまいりたいと考えております。 同和対策についてのお尋ねでございますが、私ども、これを市政の重要な柱といたしてやってまいったのであります。昭和52年度の予算におきましても、関連事業を含めまして、同和対策関係の予算といたしましては、大体 300億円程度のものを計上いたしております。これまでの
同和対策事業、かなり全国的なレベルにおきまして、相当な実績を上げてまいったと思っておるのでございますが、まだ地域的にはさらに整備をしなくてはならない地域もございましょう。また生活の問題、教育の問題、人権問題、いろいろまだまだ努力を進めなければならないと思うのでありますが、今日私たちはいままでの成果と実績を評価し、問題点を点検いたしまして、やはり新しい展開も含めて市民の理解と協力を得られるような同和対策にさらに努力をいたしてまいりたいと思うのであります。特に私どもは、昨年頻発いたしました地名総鑑事件、そうしたものによって差別の解消ということはなかなかむずかしいことであろう。したがって私どもは、施設の整備ということもまだまだ必要なところもございましょうけれども、施設の整備もさることながら、私どもはこうした差別の実態についての教育、啓蒙ということの必要性を私どもはさらに痛感をいたしておるところでございます。なお、
同和対策事業の
特別措置法は10年の時限立法、昭和54年の3月末で期限が切れるわけでございます。この法律につきましては、成立の経緯がございまして、政府におきましては、同和対策審議会の答申に基づいていろいろ検討を進め、また国会におきましても、各政党間でこの問題が論議されまして、その上で
特別措置法が制定されておるところでございます。したがって私どもは、今日過去の成果と実績を評価し、ご説のとおり問題点を点検いたしまして、新しい展開も含めて十分検討し、コンセンサスを得られるような
同和対策事業の新しい展開を見出すべきものと考えておるところでございます。 さらに、バス事業についてのお尋ねでございますが、これはバス事業自体の経営努力、これはもうもちろんのことでございますが、それを越えて、どうしても都市交通の現況というものを打破してまいらなければ、バス事業の将来というものはあり得ないと思うのであります。その意味で、総合交通体系の確立ということを一刻も早く実現をいたしたいと思って真剣に取り組み、研究を進めておるところでございまして、今日私どもといたしましては、大体の目標といたしまして、バスターミナルの整備に伴いまして、マイカーの利用の抑制によりまして、大体60万程度のお客さんを鉄軌道ないしバスの方に乗りかえていただくようにいたしたいと思っておるのでございますが、これの実現につきましては、なお非常に困難な面もございます。しかしその中でも、特にただいま森下議員仰せのとおり、地下鉄と、新種交通機関と、それからバスというものを総合的に考え、運営していかなければならないということ、この点が一つの大きな問題点であろうと私どももその点きわめて同感でございます。これを総合的に考えてまいらなければ、総合交通体系というものは実現しないと思うのであります。将来の料金問題等につきましても、そういう観点において再検討されてまいるべき方向にあるのではないかと思うのであります。なお、大阪府の援助につきましては、まだ実現いたしませんけれども、今後とも努力を続けてまいりたいと考えます。 国民健康保険についてでございますが、非常な財政上の危機の中にあり、また国民の健康の問題でございますから、疾病の問題でございますから、非常に重要な問題でございます。私ども、やはりこの問題を国全体の保険制度と申しますか、国全体の疾病保険の中で、この問題を取り入れて解決していただくよりほかに方法はないのではないかと思うのであります。そういう意味で、ひとつぜひともこの点につきましては、市会の皆様方のお力をかりなければならないと思うのでございますが、一刻も早く、できれば今年じゅうにでもあるいは来年にかけてこの問題を社会保障制度審議会の議にのせるように持っていきたい。私どもももちろん努力をいたしますし、市会の皆様方にぜひともそういう方向においてご尽力を賜わりたいと思うのであります。そうした段階に至るまで、もちろん各般の努力をいたしてまいらなければなりませんけれども、終局的にはやはりそういう方向において解決を見なければならない問題だと考えております。 なお、
中小零細企業の問題につきましては、一つは金融の問題、おそらく年度後半において景気回復に至るといたしましても、その間金融が続かないために、倒産の羽目に陥るような企業のないように、きめの細かい金融施策を講じてまいりたいと思うのであります。同時にまた、不況のもとにおける中小企業の相談、指導というものを、さらに一段と強化をいたしてまいりたい。ことに一番大事なことは、仕事の確保、下請企業の仕事の確保でございます。そうした当面の不況乗り切り策に私ども全力を尽くしてまいりたいと思いますし、同時にご説のように長期的な問題、構造的な対策というものについては、ひとつ今後とも十分研究し、大阪の経済の将来のあり方と関連してひとつ措置をいたしてまいりたいと存じます。また住工混在地域における、たとえば工場アパートのような施策、こういうものもようやくその緒についてまいりました。私どもはかねて南港に中小企業の団地を造成いたしたいということで、シャーリング、鉄鋼、ネジあるいはドラムかん、自動車、こうした関係の団地をつくってまいったのでございますけれども、ただ問題は、移れるような企業はいいのでございますが、労働力との関係で、あるいはなかなか団地が外にできても移せないというような企業の体質が一番困難であるし、また大事なところでございます。そういう意味合いで、今回工場アパートの問題について、政府の方でも新たなる助成の措置が講ぜられることになりまして、ようやくその実現を見ることができるのではないかと期待をいたしておるところでございます。なお大型店舗の進出に関連しての中小零細小売店舗の保護の問題でございます。ご指摘のとおり、最近大型スーパー進出に伴いまして、地元の小売り商とのトラブルが相次いで発生をいたしておるのでございます。昭和49年の3月に新しい法律ができまして、いわゆる大規模店舗法でございますが、この法律によりまして 3,000平方メートル以上のものについては調整協議会ができまして、地元の小売業と、進出大型店舗との間の調整がはかられるわけでございますか、問題はその 3,000平方メートル以下の店舗でございます。ただ49年に、この法律が制定されましたときの国会の附帯決議におきまして、 3,000平方メートル以下の店舗の進出につきましても、 3,000平方メートル以上の場合に準じた指導をはかるべきであるという附帯決議がついておるわけでございますから、私ども、この附帯決議の趣旨に沿って、やはり調整協議会で基準面積以下のものについても、調整をはかってまいるようにしてもらいたいと考えておるものでございます。なお、条例の問題につきましては、現在森下議員お話しのような、各種の法律の関係がございます。また新しい法案の問題としては、中小企業の分野を決める法案の問題もございまして、そうした問題を通産省で現在織田審議官--これは前に大阪府の商工部長をしておりました人の手元で、こうした問題を総合的に現在検討をなされておるところでございます。したがって私ども、しばらく通産省におけるそうした法案作業の結果をまちたいと考える次第でございます。 なお、下水の問題と関連して完全水洗化の問題でございますが、下水がだんだん完備をいたしてまいりましても、なお水洗化にならない家庭が残ってまいります。過般もどうして水洗化ができないかという詳細な調査をいたしたのでございますが、いろいろな事由、その事由は克服できる事由もございますし、なかなかむずかしい事由もございます。しかしいずれにいたしましても、せっかく下水ができている、その町の中を清掃車が走って行くということは、まことに残念なことでございますので、いかなる手段、方法を講じましても、下水の完備に伴いまして、未水洗化の家庭というものは、なくしていかなければならないと思うのであります。ちなみに中央部--東区、西区、南区、北区この4区の市会議員の皆様方が、この点を非常にご心配に相なりまして、何とかして未水洗化をなくしようではないかというような、大変なご努力をいただいておるのでございますが、たとえば南区におきましてはそのご努力の結果、残っておりますのがわずか15カ所でございましか、その程度に減ってまいったように承っておるのでございます。今後ともひとつ努力をいたしてまいりたいと思うのであります。 交通安全の問題、これはご説のとおりきわめて大切な問題、ことに子供の事故、お年寄りの事故というものが非常に多うございます。昭和41年に緊急措置法の制定を機会に、私どもも本格的に交通事故の縮減の問題に積極的に取り組んでまいったのでございまして、昭和45年に比べまして、今日におきましては、交通事故の件数におきましても、死傷者の数におきましても大体半分ほどに減ってまいっておりますけれども、なおただいま申し上げましたような深刻な問題でございます。この問題はもちろん二つの問題、すなわち交通安全施設の問題と、もう一つは教育の問題、ドライバーと歩行者の教育の問題でございます。この施設の整備につきましては、その後私どもも第2次の交通安全計画を策定いたしまして、整備を進めてまいっておるところでございますが、具体的な内容としまして一番大事なことは、人と車が接触することをできるだけなくしていくという、だから人と車を分離するといういろいろな施設の整備をはかってまいらなくてはならないと思うのでございます。同時にまた、ドライバーなど歩行者の教育の問題も、非常に大きな問題でございます。同時に私は、その死亡事故が非常に多いという点、私どももさらに努力をしてまいらなければならないと思うのであります。私は交通事故における死亡事故というものは、やはり一定のハイスピードが出ているときに多いのではないかと思うのでありまして、私は本来、日本の国内において、そういうふうに90キロも 100キロも走るスピードを出す必要がないと思うのでありまして、私は個人的な見解ではございますけれども、およそ自動車というものには、70キロか80キロ以上のスピードが出ないような施設を義務づけるということがしかるべきではないか。ただし、消防車とパトロールカーは別でありますけれども……。ただこの点についてはいろいろむずかしい事情もあるようでありまして、まだコンセンサスを得るに至らないのでございますが、私どももさらに研究をいたしたいと思っておるところでございます。 教育の問題につきまして、校舎、教室、教育施設の整備の問題、これはさらに計画的に進めなくてはならないと思います。養護教育もさらに充実をいたしてまいらなければならないと思うのでございますが、この点につきましては、教育委員会からお答えを申し上げたいと存じますが、ただお尋ねの中で、今回養護学校2校の予算の提案があるけれども、これは本来大阪府の仕事ではないか、この辺の折衝の経過はどうかというお尋ねでございます。これは申すまでもなく、昭和54年度に養護学校の義務制が施行に相なるわけでございまして、それまでに十分な養護学校というものを--養護学級は私どもでやるわけでございますが、十分な養護学校の整備をするということが、大阪府知事の責任であるということは、これはまことに明らかなことでございます。したがって私は大阪市内におきましても、養護学校の設置は、知事がこれを行うことは当然のことであるということで、再三にわたって大阪府に対して設置方を要望いたしてまいったのでございますが、どうしても予算に計上されない。私は52年度の当初予算を締めくくる直前、また大阪府の予算編成の直前、最終的に黒田知事にお会いいたしまして、養護学校の設置というものは、あなたも法律の専門家であるから知事の責任であるということは明らか、わかり切ったことでありましょう。したがってこれをどうしてやらないのか。しかし今日、大阪市の予算ももう時間切れ、大阪府の予算も時間切れという事態で、これを放置すると一番困るのは市民、府民であるから、私はここにもうやむを得ず予算を計上して市会のご承認を得ざるを得ない。しかしこれを市会に提案すれば、当然ただいまの森下議員のようなご質問があるのだ。したがって私は、これはやることはやるけれども、今後どうするのかということについてあなたの明確なあれを伺わなければいかん。また、財政的な措置にしても、今後の問題にしても、その点を私は黒田知事に直接--私も責任者でございますから、黒田知事に直接お会いして、その点についてきわめて明快に知事のはっきりしたお答えをいただきたいということをお願いいたしたのでございますが、遺憾ながらこれが得られない。なお私はその前後を通じて大阪府の両副知事に対しても、あなた方は知事を補佐する責任があるのではないか。したがって私の言うことに間違いがあれば言ってもらいたい。それであなた方もご承知なら、黒田知事を補佐するのがあなた方の責任であるから、善処してもらいたいということを、再度にわたって両副知事にお願いをいたしておったのでございますが、なお今日に至るまで明確なお答えはいただけません。ただ、今後十分検討をいたしたいということでございますので、私はその点に唯一のすがりを見出してここに提案を申し上げておる次第でございます。本来であれば、もっと明確な大阪府との折衝の経過に基づいてこれを提案申し上げるべきでございますが、遺憾ながらそういう事情でございますので、ここのところはひとつ衷情をお察しいただきたいと思うのであります。 なお、浴場の問題でございますが、今日大都市における浴場の問題というものは、非常に困難な状態でございます。経営的に非常にむずかしくなっている。しかし庶民にとっては何よりの必要な施設でございますので、これはもう仰せのとおり何とかしてうまくまいりますように、できるだけの措置を講じてまいりたい。今回の予算にも若干ではございますが、そうした趣旨の予算を盛り込んでおりますので、ご趣旨のようにひとつ努力をいたしてまいりたいと思うのであります。 なお産業廃棄物の処理体制につきまして、これは本来は排出者の責任の問題でございますけれども、一番問題は最終的な残滓物の捨て場といいますか、それに困るわけでございます。これももちろん排出者の責任において処理すべきことではございましょうけれども、しかしこの問題は、最終捨て場についてはなかなか個々の企業がどうすると申しましてもむずかしいので、したがってやはり公共団体においてこれを措置する必要があるかと思うのであります。本市におきましては、産業廃棄物の年間排出量というものは約 650万トン、それを再生利用、再資源化をはかりまして、その残滓埋め立てに必要な数量というものは約 350万トンと推計されておるところでございまして、これを北港をその処分地として準備をいたしてまいっておるところでございますが、ただその輸送の問題について、まだ積み出し地において十分地元のご理解をいただくに至っておりませんが、これは今後の産業廃棄物の処理の重要性にかんがみまして、どうしても解決をいたしてまいらなければならない問題で、一段の努力をいたしたいと思います。 最後に、住宅団地と地域社会との交流の問題、たとえばいろいろな施設の共用とか、そういう面において新たなる構想に基づき、新たなる施策を講じてまいるべきではないか、これはご説のとおりでございまして、ひとつそういう面で努力をいたしたい。本年度からそれはひとつぜひ実行して--おそらく森下議員ご指摘のように、これはなかなかそういうチャンスがございませんけれども、そういうことをやれば住宅の方々もお喜びになり、また周辺の地域の方々もお喜びになっていただけるのではないか。よい効果がきっと生まれるのではないかと思いますので、ぜひともこれは早急に、本年度からやってみたいと考える次第であります。 なお、教育問題については教育委員会からお答えを申し上げます。
○副議長(松井義明君) 深澤職員局長。 (職員局長深澤修君登壇)
◎職員局長(深澤修君) お答え申し上げます。 まず、職員数当面凍結の問題でございます。従来から事務事業の実態に見合った適正な職員の配置をはかるということにつきましては、われわれとしましても、できる限り努力をしてきたところでございます。しかしながら結果としては、過去における行政需要の著しい増大に対処するために、相当数の職員の増を余儀なくされたという事実もございます。従前とは基調全く異にした、いわゆる低成長下における今後の本市行政施策の進め方を展望する場合、これ以上職員数がふえないための抜本的な手当を何とかして講じたい。こういう観点から昨年以来仕事と人のあり方の問題につきまして、全市を挙げて取り組んでまいっておるところでございます。その骨子としているところは、第1に、昭和54年ごろをめどに、職員の配置について新しい観点から一定のルールをつくりたい。第2点は、当面予測される昭和52年度及び53年度中の新規事業などに伴う最低必要数の要員については、現有人員の枠内で対処していく。そして現行の事務事業の見直しをはかりたいということでございます。ご承知のように本市の場合、昭和31年から労働組合とも協議の上、他都市に先駆けて定年退職制度を実施しておるわけでございますが、この問題も、労働条件にかかわる問題として現在労働組合と協議を開始したというのが実情でございます。いずれにしましても、この問題はわれわれとしては重点課題の一つと考えており、何としてもその実現のために特段の努力を払っていく所存でございます。 次に、51年度の人件費3%縮減の問題でございます。ご承知のように51年度の人件費予算につきましては、当初編成時におきまして予想される実行見込み額の3%相当額を縮減して計上いたしております。この問題は率直に申し上げまして非常にむずかしい問題ではございますが、厳しい現下の財政事情にかんがみまして、われわれとしても最大限の努力をいたす覚悟で取り組んでおるわけでございます。給与単価と人員の両面から検討し、現在鋭意努力しておるところでございます。
○副議長(松井義明君) 森吉交通局長。 (交通局長森吉琢郎君登場)
◎交通局長(森吉琢郎君) バスの再建計画変更におきましては、かなりの職員の削減をはかっておるのでございますが、その余剰人員の処理についてのお尋ねでございます。この余剰人員につきましては、一部退職補充などによりまして、企業内で吸収することを考えておりますが、残余の人員につきましては、一般会計で引き取ってもらうようにお願いをしておるわけでございます。森下議員はこの吸収にあたっては、新たな発想によっていろいろ考えるべきではないかというご指摘でございます。この吸収などにつきましては、現実には余剰人員の職種から出てまいりますところの適性の問題など、むずかしい問題が絡んでおるのでございますが、われわれとしましては、この転換をスムーズに進めるために、今後なお検討を進めてまいりたいと考えております。
○副議長(松井義明君) 圓井教育長。 (教育長圓井東一君登壇)
◎教育長(圓井東一君) 学校施設の整備を計画性を持ってやっていくべきであるという森下議員のご意見、全く同感でございます。それで木造校舎の改築でありますとか、特別教室の整備につきましては、おかげさまをもちまして、51年度をもって一応3カ年計画というものを完遂することができたわけでございますが、なお、この計画以後におきましても、引き続き残りますところの木造校舎の改築 378教室が要改築と考えておりますけれども、これをことしと来年と2カ年くらいで改築をし終りたいと考えておりますが、そのほかに特別教室の拡充整備でございますとか、あるいはまたご指摘のような、老朽鉄筋校舎の改良あるいは給食室の改築など、いろいろな点がございます。これらの点につきまして財源確保について引き続き国へ強く要望してまいりまして、その見通しを持った上で計画的な取り組みができますように、今後一段の努力をしてまいりたい、かように考えております。また、校舎の補修整備でございますが、年々予算の増額を見ておりまして整備をしておるのでございますけれども、ご指摘のアルミサッシにしていくという問題につきましては、私ども今後重点的にこの問題に取り組んでまいりたい、かように考えておるところでございます。 それから次に、養護教育の問題でございます。54年度の義務制実施を控えまして、ご指摘のように養護教育の振興というのは非常に重要な課題であると考えておりますが、これにつきまして、去る2月2日に養護教育審議会の答申をちょうだいしたのでございますけれども、昨日もお答えしましたように、4点ございます。まず第1は、養護学校と学級の新増設でございます。学校につきましては、なお7校必要であるということで、とりあえず52年度予算で2校の新設予算を計上しております。来年4月から開校をする予定でございます。残る5校につきましても、逐次用地のめどを得ながら計画を立て、予算の計上をはかってまいりたい。養護教育の体制に支障のないようにしてまいりたいと思っております。また、養護学級でございますが、確かに現在 550学級設置をしておりますけれども、今後は必要に応じて増設をしてまいりますけれども、一応の計画としましては56年度当初に 720学級というものが必要であろうと考えておりまして、 720学級を目標にしまして年次計画を立てまして、増設をしてまいりたいと考えております。 また、教員の養成につきましては、従来からも養護学校、学級の教員、これは障害別の研修でございますとか、いろいろな方法でやってまいっております。今後とも教員の充足が果たせますようにやってまいります。それから就学措置と養護教育センターの設置でございます。これにつきましても、52年度予算を計上しておりまして、まず就学指導委員会というふうなものを設置して、逐次各区、各学校別にまでその仕組みを充実してまいりたい、かように考えております。いま全般的な措置基準をつくります中央的な、センター的な就学指導委員会を本年度できるだけ早い機会に設置したいと考えております。それから養護教育センターにつきましては、民生局の方で構想されておりますリハビリテーションセンターに付置できますようにことし調査したいと思っておりまして、調査費を計上しておるような次第でございます。それから府との話し合いにつきましては、先ほど市長からのお話がございました。なお、私どもとしましては、府の補助基準について不満足でございます。府の補助金といいますのは、国の補助金を差し引きました残りについて2分の1ということでございますけれども、その対象の面積つまり学校施設のいわゆる補助対象面積並びにその工事単価が、私どもの計画なり、工事の実際に要する単価と相当離れております。低うございます。この点につきましては、さらに府の方へ強く補助額の増額を要望してまいりたいと考えておる次第でございます。以上でございます。
○副議長(松井義明君) 27番森下土治君。 (27番森下土治君登壇)
◆27番(森下土治君) 懇切なご答弁をいただきましたが、時間の制約もあり、総括的なご答弁でございます。そこが聞きたい、さらにこの辺を明らかにしてほしいというふうなことは、数多くございますけれども、これからそれぞれ委員会において行われる審議の中で、いろいろとわが党委員によって明らかにしていきたい、かように考えます。そこで正直言いますと、腹を割ったご答弁が聞きたい、これが私たちのほんとうの気持ちであります。今日の話の中で、今日の問題として、同和対策についてはどうしても避けて通ることができない内容ではなかろうかということ、市長は昨日も新しい展開をということをおっしゃいました。私はこの新しい展開という市長の構想の中に、多くのものを実は期待している。率直に言って、このことを具体的にお聞かせをいただきたいということでございましたけれども、時間の制約もございます。これはひとつ当該委員会の中で、内容を突き詰めてお聞かせいただこうと考えております。あるいはまた
交通事業会計等について言いますと、地下鉄あるいは新交通システムを主軸にしてバス事業は補完的ないわゆる位置づけをしていく。このことについては市長は、そのとおり総合したものでやっていきたい--私は率直に言うと、これについてもいまの大阪市が当面しているこの
交通事業会計、大変なことだ。普通の考え方であっては、なかなかこれの解決を見ない。こうした総合的なことでやるならば、地下鉄料金とバスの料金、これは私は両者を総括した中で考えていくというふうなこと等まで考えていかなければいかんのではないか。その辺のこともひとつ腹を割って、議会と理事者が腹を割って話し合いをし、よりよい解決策を見出していこう、そしてそのことを市政の発展につないでいこうという、ひとつこれから審議については、市長も理事者も、たてまえ論でなしに、ほんとうに腹を割った話、お互いに悩みを持っているのですよ、このことについて議会も相談にのってほしいという形の中で、相共に相携えて市政の発展につながるような、ひとつ予算市会の審議を賜わりたいということをお願いいたしまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
○副議長(松井義明君) お諮りいたします。 この際暫時休憩することに決してご異議ありませんか。 (「異議なし」と呼ぶ者あり)
○副議長(松井義明君) ご異議なしと認めます。よって暫時休憩いたします。 午後0時26分休憩 午後1時29分再開
○議長(山下喜一君) これより休憩前に引き続き会議を開きます。 安楽雅男君の質疑を許します。12番安楽雅男君。 (12番安楽雅男君登壇)
◆12番(安楽雅男君) (拍手)私は日本社会党大阪市会議員団を代表して、今回上程されております昭和52
年度予算案並びに関連諸案件について大島市長並びに
理事者各位に質問をいたしたいと存じます。すでに多くの方からご質問がございましたので、内容において若干重複する点があろうかと思いますが、できるだけ違った角度からご質問を申し上げたいと思いますので、市長及び
理事者各位につきましては簡潔、明快にご答弁をいただきたいと思います。 まず初めに市長は予算案の提示に当たりまして、世界的なスタグフレーションの中にあって、わが国もまたその例外ではなく、不況下でインフレという状況が長期化、深刻化しているという認識の上に立って、国の予算もまた大量の国債発行、地方に対する地方債の増発を行っている実情を踏まえ、大変厳しいものがあると予測されています。大阪市においても市税収入の伸び悩みが見られる一方で管理運営経費、義務的経費の増加により、ますます
財政硬直化の度合いが強まってきています。
一般会計予算前年度伸び率11.8%で、そのうち1部予算の伸び率16.9%、2部予算の伸び率は 4.9%がそのことを如実に物語っていると思います。しかし不況が長期、深刻化する中で市民の生活はますますその苦しさを加えており、社会福祉施策を中心とする市民生活を守るためのより多くの施策を市民は待望していると考えています。日ごろ大島市長は積極市政を掲げてその推進をはかってこられたと思いますが、国家予算伸び率17.4%、
地方財政計画14.2%に比べてかなり緊縮予算であります。大島市長の従来方針からかなり厳しい予算編成だと考えますが、こうしたことを含めて昭和52年度予算を執行するに当たっての市長の所信をお伺いしたいと存じます。 次に財政確立についてお伺いしたいと存じます。地方財政の危機は、不況時になりますと起こってくると言われますが、これは単に不況時には税収入が低下をするからというような問題ではなく、地方財政制度そのものに欠陥があると考えています。すなわち税配分の体系が、国7、府県2、市町村1ということで、交付税財源が国税3税で、しかも32%の低税率であること、国庫支出金や補助金が実情とそぐわないこと、いわゆる超過負担を地方自治体に強いていることなどが挙げられると思います。こうした地方財政制度の改善のために、大阪市として格段の努力を払っていかなければなりませんが、このほかに自主財源確保のために、特に大都市における財源確保のために、新税創設の声を大にして運動を起こしていかなければならないと思います。たとえば大都市に集中している大企業は、集積、開発の利益を受けていることから、固定資産税の超過課税をすること、高速道路が巻き起こす公害問題などの処理に都市は苦しんでいることから、高速道路に課税することなどであります。指定都市の中でも指導的立場にある大阪市の大島市長が、自治体財政確立のため、こうした自主財源確立のためのキャンペーンを巻き起こし、その運動の先頭に立っていただくことが、問題前進のため大きな影響力があると考えますが、市長のお考えをお聞かせいただきたいと存じます。 次に大阪市基本構想についてお尋ねいたします。昭和46年12月、大島市政が誕生し、昭和47年8月からこれまでの基本構想の改定を検討し、約4年余りの審議を経て、今般実情に即したと思われる基本構想を明らかにされたことに敬意を表するものであります。以下基本構想について4点ばかり質問いたします。第1に人口 350万を想定していましたが、今回 300万人に改定をした基本的な考え方をお伺いいたします。第2にいままで市域拡張が強調されてきたと思いますが、実現を見ていません。今日までどんな努力がなされてきたのか、また今回の構想には明らかにされていませんが、市域拡張は断念したのかどうかお伺いをいたします。第3にこの構想の特徴として、新しい文化をつくる町を目標にしています。この構想のコミュニテイ、文化、スポーツプランなど、どのように進めていこうとするのかお伺いいたします。第4に、この構想は総論であり、きめ細かい各論が必要であると思いますが、少なくとも各行政区ごとにわたるマスタープランを計画しなければなりません。これを確実に実施をしていくためには、現在の総合計画局の連絡調整だけではだめで、市長のもとで権限を持った何らかの機構をつくる必要がありますし、区長権限を含めた区政のあり方など、抜本的に考えるべき時期であろうと思いますが、市長の所信をお伺いいたします。 次に八尾市との行政協力協定についてお尋ねをします。昭和36年に八尾市との行政協力協定に基づき、行政協力に関する両市共同課題は、当初16項目の内容が昭和42年に14項目となり、現在は6項目となっいます。残っている項目のうち、ごみ共同処理など前進しているものもあれば、八尾開発事業団のように事業が行き詰まっているものもあります。当初ある程度合併を展望しながら行政協力を進めてきたと考えますが、最近ではその問題はほとんど話題となっておりません。市長は八尾市との合併についてどう考えておられるのか、また行政協力協定の具体的事項について今後拡大をされるのか、縮小をされるのか、現状維持していくのかお尋ねしたい。大阪市としてかなり踏み込んだ内容として協力してきたと思いますが、合併についての見通しがないのなら、隣接衛星都市との連絡協議会のような問題別協議をしていくことも可能だと考えますが、見解をお聞かせいただきたいと存じます。 次に合区問題についてお尋ねいたします。昨日の予算市会で、市長は合区について区民の皆さんのコンセンサスを得る努力と地域実情について調査を委託すると答弁されていますが、かつて総務局に設置されました行政区再編成準備室の現状はすべて兼務となり、大幅に縮小されています。住民のコンセンサスは積極的に問題提起をしていく中でこそ得られるものだと思いますが、すでに分区されました平野区は人口20万を超えるなど、人口分布はどんどん変化しています。合区についてほんとうにやり切っていくお気持ちがあるのかどうかお尋ねいたします。 次に城東貸物線、片福線について質問いたします。昨年の市長ご答弁では、城東貨物線については路線建設に必要な用地取得のため利用債の引き受けなども協力し、その促進について強力に働きかける、また片福線についても緊急整備路線として指定されているので、積極的に要望していくと申されています。沿線住民の待望久しいこの問題について、その後の経過についてお尋ねをいたします。 次に小中学校の適正配置について質問をいたします。いま小学校1校の適正な生徒数は 810名、中学校1校の適正な生徒数は 675名と言われていますが、大阪市の現状を見てみた場合、小学校のマンモス校5校、スモール校5校を比べてみますと、大きい方では児童数 2,000名を超える学校2校、 1,800名を超える学校3校ある反面、小さい方では児童数77名1校、 106名から 155名までが4校という数字が出ています。中学校の場合、大きい方では生徒数 1,400名台から 1,800名台で、小さい方は 200名台から 300名台で5校という数字になります。そしてこれらは周辺地区と言われるところに大規模校、中心区と言われるところに小規模校がほぼ存在しています。こうした実情から大阪市教委として将来的な人口分布について見通しを立て、学校用地確保のための手立てを講じていかないと、いかに周辺区とはいえ、 3,000坪から 5,000坪に及ぶまとまった土地を入手するのは今後大変むずかしくなってくると考えます。一方、教育行政の公平、適正な規模という面から吸収合併についても対策を立てねばなりません。行政区再編成のときには総務局内部に準備室を設置し、分合区に取り組みましたが、学校の適正配置はその小型版と言えるものであります。したがって、教育委員会の学務課を中心として協議をしていくということではなくて、もっと積極的に新しい機構を設けて取り組むべきだと思います。いまこれを行わなければ、将来に禍根を残すのではないかという立場から教育長のご見解をお尋ねをいたします。 次に中小企業の問題でありますが、本市には不況関連中小企業が多いということから、本予算案ではつなぎ資金制度の創設や運転資金、小企業事業資金の返済期間の延長など一定の努力を評価をいたしますが、なお十分ではないと思います。融資枠については 300万から 350万、 400万へと拡大されてきましたが、融資枠が拡大されればされるほど毎月の返済額は大きくなってまいるわけでありますから、返済年限の延長を期待する中小企業の声は大きくなってきています。より一そうの返済期限延長についての考え方をお聞かせいただきたいと存じます。 次に夜間及び救急診療の問題についてお尋ねをいたします。一昨年来、大阪市が多額の経費の投入と府医師会の協力を得まして開始してきました休日診療所について、市民は好感をもって迎えているし、これは単に医療の供給が受けられるというだけでなく、市民が精神的な安堵感を持つことかできたことも有意義だったと考えています。そして、こうした制度をより拡大していくことが、まさに市民の命と暮らしを守ることにつながるものであります。そこで52年度予算では、夜間診療実施へ向けての調査研究ということで予算計上されていますが、私は医師と看護婦の対策を立てれば早急に実施できると思うのであります。城北市民病院では救急設備を備えているわけですし、大阪市の決断次第だと考えますが、実施に向けての見通しをお尋ねいたします。また救急医療については、府条例制定請求の署名運動をわが党は労働者、市民の皆さんとともに取り組んでおります。先般この運動に対しまして、大阪府医師会の見解が出されましたが、その中に医療担当者は法で強制される義務としてでなく、人道主義の立場から救急医療に積極的に協力するのであるという意味の言葉がございました。わが党は、人の命は地球より重いからこそ、単に人道主義的な立場で医療供給するのではなく、とりわけ不採算医療と言われる救急医療については、国または地方の自治体の責任で十分な体制をつくるべきだと主張しているのであります。まして、そのことが医師や医療労働者の条件を改善することにつながると思うのであります。昭和51年中の本市救急車の出動回数は7万 4,945回、搬送人員6万 4,232名、1日に 205件であり、そのうち休日、夜間、すなわち通常医療機関の休診の時間帯の搬送人員は3万 9,416人でありまして、全体の61.4%を占めています。この数字を見ましても、いかに多くの市民が救急車に助けられているか、裏を返せばいかに救急医療機関を必要としているかは明白であります。大阪市は、いま市民病院の中では城北市民病院のみ救急告示病除とはなっていますが、これを拡充していく考えをお持ちなのかどうか。また、城北市民病院は救急病院としての体制が十分でなく、住民ニードに対応し切れていないと聞いておりますが、実情は一体どうなのか。また救急医療制度へ向けて国、府に働きかけていくことについての市長のご見解をお尋ねをいたしたいと存じます。 次に保育所の問題でお尋ねをいたします。昭和51年度の保育所新規入所状況によりますと、入所希望者数1万 5,990名のうち、入所数 8,783名、54.9%の入所率となっており、希望して入所できない者 7,207名という数字が出ています。昨年、わが党岩田議員の質問に答えて、市長は、1.保育所を建設していくが、地域間のアンバランス是正をやりたい、2.職域で保育所を設けていく問題、3.家庭における保育の問題の三つを総合的に考えて対処していくとご答弁をいただいております。そこで51年度で検討された結果として、52年度9カ所の建設予算が計上されたと思いますが、地域的アンバランス是正について、単に52年度だけでなく、将来へ向けての年次計測的な展望についてお聞かせをいただきたいと思います。 次に国民健康保険事業会計についてお尋ねをいたします。現状の健康保険制度は、組合管掌、政府管掌、国民健康保険と三つの制度から成り立っていますが、このことから当然国民健康保険加入者の層は、商店自営者、自由業、5人未満の小企業で働く人、定年退職した人たちが中心になってくるのであります。今回の保険料改定案では、限度額を据え置いた場合、所得割料率が 460%になるということから限度額22万 6,000円まで引き上げが考えられています。本市国民健康保険加入者の場合、所得ゼロの人が40%を超える状態でありますから、所得割を納める特定の層に医療給付費用の負担が急増してまいります。すなわち先ほど述べました中小商店自営者の層でありまして、確かにこうした階層の人たちに本市国民健康保険料に対する不満が増大しています。現行の医療保険制度の抜本改正が強く望まれるところでありますし、本市もまたそのための努力をされていると存じますが、中央における情勢はなかなかその方向に動き出しそうにありません。大阪市国民健康保険が全国で保険料が最も高いという不満が、ひいては大阪市政全体に対する不満につながるおそれは十分にありますし、加入者 107万人は人口の39%、約4割を占めるのであります。一方で中小企業育成強化の対策を講じながら、一方で中小商店、自営者の負担増を来す矛盾を生じていると思うのであります。医療給付費用の40%が国負担、5%の調整交付金、55%が被保険者負担という中で52年度56億余りの調整交付金を見込んでおられます。真に社会福祉に力を入れる立場から、また市民の4割に及ぶ人たちの負担を軽減し、不満をやわらげる立場から、当面の問題として一般会計からなお一そうの助成をしていくという考え方を検討しなければならないと思います。大阪市国民健康保険の医療給付費用や保険料の実態を国に訴え、調整交付金を削減させない方法もあると考えますが、本市国民健康保険の現状と将来についてどのような方針をもっておられるのかお伺いいたします。次に職員の給与の問題と人件費の問題でお尋ねをいたします。市民の皆さんからいただいた税金で市行政を運営するわけでありますから、可能な限り少ない経費でより効率的な行政実績を残していかなければならないのは当然でありますが、52年度
一般会計予算に占める人件費の割合は25%であり、この数字は他都市に比して決して高くはないと思います。これは早くから大阪市が労使協定によって定年制を実施してきたからだということで、自治省あたりも高く評価をしていると聞き及んでおります。最近人件費の問題を語るとき、市税収入との割合で云々する論議がありますが、大阪市予算の構成は単に市税収入だけでなく、交付税、国、府支出金、補助金、起債収入などから成り立っておりますから、市税収入のみに頼る市政の規模ではないのであります。また職員一人当たりに対する市民人口の対比もありますが、これまた自治体の行政内容の充実度合いを抜きにした論議であり、誤りであると言わざるを得ません。大阪市が他都市と比して上水道、下水道、清掃事業など、かなり水準を上回る行政内容を維持しながら、人件費割合において高くない線を維持してきたことを評価するものでありますが、逆にこのことが職員の労働過重をもたらすようなことがあってはならないのであります。昭和52、53年度にわたって新規事業に見合う必要人員 500名は、現在職員数をふやさないでまかなうということを市労連に提起をし、労使交渉に入っておられますけれども、業務内容とかかわって必要な人員というものが決まってくるわけでありますから、その辺の算定は十分しておられるのかどうかお尋ねをいたします。人件費削減を目指した内容が職員の労働条件を低下させるようなことになっては、ひいては市民サービスの低下につながるわけですから、十分な労使協議を行ってもらいたいと思います。またベースアップの問題についても、職員の生活を守ることが市政の健全な運営、住民サービスの向上に不可欠の要件であるという立場から、当初予算に5%財源を確保したことを評価をしながら、これまた労使協議で誠意をもって当たっていただきたいと考えております。あわせて公営企業関係労働者についても一般職員と格差をつけることのないよう格段の努力を要請するものであります。以上、一連の問題について市長のご見解をお尋ねいたしたいと存じます。 次に同和対策推進事業についてお尋ねをいたします。大阪市が同対審答申及び
特別措置法制定後、その趣旨に沿って、差別をなくするためのもろもろの施策に積極的に取り組んでこられた姿勢について一定の評価をするものであります。52年度予算では、
同和対策事業、関連事業合わせて 308億の予算を計上されていますが、
特別措置法残り2年となった現在、大阪市としてこれまでの同和対策についてどのように総括をされているのか、また残り事業量の把握と期間内実施へ向けての展望をお聞かせをいただきたいと存じます。同時に国の同和行政に対する姿勢はきわめて問題があり、同対審答申、
特別措置法の精神から大きく後退し、事業の対象差、単価差、規模差、実質の補助率でないことなど、大阪市を初めとして同和行政に取り組む地方自治体を苦境に追い込んでいます。差別解消の重要性を考えるとき、このような国の姿勢について、どう働きかけをしていくのか、お尋ねをしたいと思うのであります。また、同対審答申が出されて十年余になる今日、特殊部落地名総鑑、全国部落リストなどに見られる重大な差別事件が惹起しています。この事件が部落の人たちの就職の機会を奪い、結婚差別を助長するなど、基本的人権を大きく侵害していますが、法務省など国の人権擁護機関の真剣な取り組みが望まれますが、本市においてはどのような取り組みをされるのかお伺いをいたします。 次に一般廃棄物及び産業廃棄物の対策についてお尋ねいたします。昭和51年度のごみ処理計画によれば、1日のごみの量 4,440トンのうち可燃ごみ 4,255トンで、七つの焼却工場において 3,180トン、74.7%を焼却し、 420トン、 9.9%をプレス処分していますが、ことし5月、操業開始する港工場を含めて52年度の焼却処分能力はどの程度になるのか。また、大正、八尾両工場が着工または着工を予定されていますが、今後のごみ増加を見込んで可燃ごみの焼却能力についての見通しをお尋ねをいたします。現在、焼却できないごみや焼却残滓などを北港処分地で処分していますけれども、何年度ぐらいまで使用可能なのか、お尋ねをいたします。日本国中いまやごみ戦争という言葉で象徴されるように大きな社会問題となっている今日、わが大阪市は早くから焼却工場の建設や処分地の確保に多くの費用と努力を傾注されたことについて敬意を表するものでありますが、先般来、吹田、亀岡両市のいわゆるごみ戦争に対し、2月24日の朝日新聞によれば、日本共産党大阪府委員会ではその解決策として、堺7・3区や本市北港処分地などの広域使用の協議を挙げているようでありますが、大阪市のこれまでの努力に安易に便乗するものではないかと思います。これに対する市長のご見解をお尋ねいたしたいと存じます。最近ごみの減量が大きく叫ばれている中で、当然分別収集が問題化されてきますし、分別収集することによって再生利用や資源の保存にもつながるものであります。本市としての将来に向けてのリサイクル方式についてどのような検討をされているのか、お伺いをいたします。52年度から粗大ごみ年4回収集実施に踏み切ったことを評価したいと思いますが、年間の公聴事項の中でごみ問題が一番多いことから、今後とも住民サービス強化の立場で週2回完全収集の体制確立と夏場に疲労の厳しい現場労働者諸君への対策に万全を期せられるよう要望する次第であります。 次に産業廃棄物処理についてお尋ねしたいと存じます。水俣病やイタイイタイ病など産業廃棄物のたれ流しによって地域住民の生命に危険が及ぶことが判明して以来、産業廃棄物に対する公害規制が強められてまいりましたが、本市でも環境保健局内部に環境部を設置をし、産廃指導課がその規制、指導、産廃処理公社を設置をして、その対策に当たっておりますが、あまりにもその分野が広く、加えて未知の面もあって十分な対策がとり切れていないのが現状ではないかと思うのであります。そこで幾つかの問題点についてお答えをいただきたいと存じます。昭和46年に、大阪産業廃棄物処理公社を設立しましたが、現在の活動状況についてどうなっているのか。産業廃棄物の最終処分地の北港処分地は、海面埋め立て地であるため、積出基地の確保や海上輸送のためコストが大変高くつくと聞いております。大阪市は中小企業の多い都市でありますから、産業廃棄物の正しい処理をしなくてはならないことはわかっていても、資金的に困難な面もあることは事実です。こうした中小企業育成のためにも、また産業廃棄物処理の指導を徹底させるためにも、そのコストダウンをはからねばならないと考えます。北港処分地は、埋め立て完了後はいずれ橋をかけるわけでありますから、これを早急に架設するお考えはないのでしょうか。昨年来から平野区においても産業廃棄物の不法投棄があり、悪臭が町に漂うということがございました。産業廃棄物の排出業者や処理業者に対する規制、指導をもっと強めていただきたいと思うのであります。しかし中小零細業者などについて規制を強めるだけではだめでありますから、適正処理の指導や国または自治体による処理体制の整備を急ぐ必要があると思います。有害な産業廃棄物に対する全般的な対策についてお尋ねをいたします。産業廃棄物処理は、大阪市機構の中でも各局にまたがる内容を持ち広い分野にわたるものでありますし、今後いろいろと開発されるであろう内容を持つものであります。こうした事業に対処するのに現在の機構ではたして十分なのかどうか、もっと体制強化をはかる必要があると思いますが、この点について見解をお尋ねしたいと存じます。 次に下水道事業についてお尋ねをいたします。51年度末には一部を除いて市街地のほぼ 100%の処理区域化を達成できるとし、今後は水質環境基準の達成と浸水地域の解消を目指して取り組むと報告されていますが、除かれた一部とは、おそらく寝屋川流域下水道の関係だと思いますが、除かれた部分についての今後の見通しは一体どうなのか。流域下水道は大阪府の管轄だと言ってすましているわけにはいかないと思うのであります。そこには大阪市民が住んでいるわけでありますから、その見通しと大阪市の努力はどうしていくのかをお尋ねしたいと存じます。 次にバス事業についてお尋ねいたします。第2次再建計画では、バス専用レーンの拡充、サービスの改善によってバスに対する信頼性を回復し、経営の改善をはかるとしてきましたけれども、52年度予算では依然として72億円という巨額の赤字が見込まれています。マイカーの増加がバス運行効率を低下をさせ、乗客減につながっていると考えますが、今後バス事業の再建へ向けて基本的な考え方をお聞かせをいただきたいと思います。先般ライド・アンド・ライド方式を打ち出しておられましたけれども、バスターミナルを拠点として地下鉄とバスを結ぶという考え方ですけれども、かつて平野区を中心として実施されましたゾーンバスが、結果として、見込んだほどの乗客増が得られず、投下した資本の回収はとてもおぼつかない状況であります。住民の足を守るという積極方針は支持するものでありますが、そのためには財源的に手立てを講じておかないと赤字は増大するばかりであります。新しいライド・アンド・ライド方式で経営の改善がはかれるのかどうか、財源の見通しなどについてお尋ねいたします。一方、地下鉄事業については、計画路線の早期建設と1号線の混雑緩和対策が急がれるのでありますが、今後どのように進めていく計画なのか、お伺いしたいと存じます。またこうした建設整備に多額の経費が必要であり、現在以上に国または府の助成が望まれるわけですが、その見通しについてもお尋ねをいたします。住之江から南港へ向けて設置される新種交通機関について国の補助制度が決まったと聞いておりますが、その内容はどうか、また経営の維持についてどんな見通しを持っておられるのかお伺いいたします。55年度開通がめどだと報告されていますが、南港ニューポートタウンは、今年秋ごろから順次竣工していくので、その住民の足はどのように確保されるのか明らかにしていいだきたいと思います。また、新種交通機関の機種選定は終わったのかどうか。途中の駅は八つを予定しているとのことですが、その位置についても決定したのかどうかについても明らかにしていただきたいと思います。 次に水道事業について質問いたします。近年、公営企業を取り巻く経営環境は、ますます悪化の傾向にあり、水道事業においてもこれまでの施設の拡張、整備事業による資本費の増高が財政を圧迫する大きな要因となっています。さらに今後とも水資源開発経費、配水管整備費用等の増加も予想されるところであります。給水の安定をはかり、かつ低廉な生活用水を確保するためにも、国、府などの財政援助を強く働きかける必要があると思いますが、考え方をお聞かせいただきたいと存じます。水道法によりますと、清浄にして豊富低廉な水の供給をはかり、もって公衆衛生の向上と生活環境の改善に寄与するとありますが、一部地域では赤水の発生や低水圧に悩んでいるところがあります。いかに豊富低廉であろうとも、赤水は清浄な水の供給という観点からは問題があり、低水圧についても日常生活に不便をもたらすものであります。水道事業の建設部門に一応のきりがついた段階で今後は配水管整備など維持管理に重点的に取り組まなければならないと思います。この点についてどのような対策をとっていくのかお尋ねをいたします。また本市の水道水源である淀川は、水質汚濁防止法及びこれに基づく条例により工場排水の規制が強化されており、さらに上流都市においても下水道の整備が行われているにもかかわらず期待するほどの効果が上がっていないと思います。水道水源の水質保全は何よりも重要だと考えますが、淀川の水質保全について今後どのように取り組んでいかれるのかお尋ねをいたします。 以上で
予算案並びに関連諸案件について重点的に質問いたしましたが、詳細につきましては各委員会においてわが党議員団の審議にゆだねることとして、私の質問は一応終わりますが、答弁のいかんによりましては再質問の機会を与えていただきたいと思うのであります。ご清聴どうもありがとうございました。(拍手)
○議長(山下喜一君) 理事者の答弁を許します。 大島市長。 (市長大島靖君登壇)
◎市長(大島靖君) 安楽議員のご質問にお答えを申し上げます。 まず財政関係のご質問でございまして、52年度の予算の執行方針についてのお尋ねでございますが、今回の地方財政の危機は、かつて見ない程度に深刻であり、かつ長期化をいたしております。私どもも地方財政の危機には数回遭遇いたしておりますが、大体2年程度で回復するのが通常でございましたが、今回はなかなか回復を見るに至らない、きわめて長期化した不況の中の財政でございます。かてて加えて、累次申し上げておりますように、地方財政全般としてではございますか、財政の硬直化が次第に進んでまいる。特に大阪市においても、その例外ではないわけでございます。したがって、私ども今回、52年度の予算の編成に当たりましては、引き続き前年度の厳しい基調を堅持いたしまして、経費の節減、事務事業の徹底的な見直し、財源の確保に努力をしながら--しかしそうは申しましても、決して福祉を後退させることなく、きめ細かく経費の効率的な配分に努めてまいることといたしたのでございます。したがって、お尋ねのように今回の予算のご審議をいただきまして、執行に当たります場合におきましても、まず歳入の確保でございますが、税収入の確保につきましては、まだ年度前半においては、少なくともなお不況の影響が続くであろうと思うのでありまして、はなはだ税収についても前途の楽観を許さないところでございますが、税収の見通しにつきましては、かなり堅実な見通し--過大にならないような慎重な見込みをいたしておるのでございます。この税収の確保に努めると同時にまた地方交付税、財源対策債、起債の確保につきまして、ひとつ今後十分な努力をいたしてまいりたいと思うのであります。一方、歳出におきましては、経常経費の節減に努めることはもちろんでございます。しかしまた同時に、さればといって、何もやらないというような消極的なことではなしに、公共事業等につきましても、国の認証があり次第これをやっていくという努力をいたしてまいりたいと思うのであります。何しろ不況の中における予算の執行でございます。景気の回復が国を挙げて望まれる今日でございますので、そうした景気の動向、経済の推移を見なから予算の執行についても弾力的に対処いたしてまいりたいと思うのであります。ことにこの3月一ぱい、市会におきましてご審議を願うわけでございますが、その間において賜わります議員各位のご意向につきましては、十分執行の面におきましても配意をいたし、市会のご意思に沿うような執行をいたしてまいりたいと存ずる次第であります。なお、安楽議員のお話の中に、緊縮型予算というお言葉がございましたが、これはできればひとつ堅実型予算とご理解を賜わりたいと思うのであります。 次に、大都市税源の確保のために積極的に努力をなすべきであるというお説、私も全く同感でございまして、ことに大阪市は過去、私が就任する以前からでございますが、昭和38年から、大阪市は他都市に先がけて大都市税源の確保の運動に率先して乗り出しておられます。また当時から市会におきましても、特設委員会を設置されまして、議会、理事者一体となってこうした運動を推進してこられたのであります。また、指定都市、全国市長会等の中においても、常に主導的な立場をとってこられたのであります。特に50年度に実現を見ました事業所税は、これは戦後における画期的な都市税制の改革でございますが、これができるかできないか、最後の山場の時期にちょうど大阪市が指定都市の当番市になりまして、議会の皆様方の非常なご協力を得まして、ようやく実現を見たのであります。今後さらに大都市に見合った税制、大都市の実態に即した地方財政制度の確立のために、お説のとおりひとつ努力をいたしてまいりたいと思うのであります。ご質問のご意見の中にございました、たとえば有料高速道路の課税問題、これも私どもも、全国市長会、あるいは指定都市等も協力いたしまして、いろいろ努力をいたしておりますが、52年度におきましては、遺憾ながらまだ実現を見ておりませんが、しかし政府の税制調査会の答申の中において、有料道路の性格、利用の実態、財政的な仕組み、所在市町村に与える影響等を考慮しながら、関係当局において昭和53年度を目途として結論を得るよう努めることが適当であると考えると、こういう趣旨の答申にまでこぎつけておるわけでございます。また、固定資産税の超過課税、均一課税等につきましても、これはいろいろむずかしい問題がございます。現下の経済の中における企業経営のコスト算入の問題でございますとか、あるいは現在の制度の中における負担軽減措置の問題とか、いろいろ問題がございますが、今後この中期財政展望の中におきまして、将来における資産課税のあり方とも非常に関連いたす問題でございます。こうした問題について、私ども今後ともひとつ、大都市に即する自主的な税源の拡充のために努力をいたしたいと考える次第であります。 次に、マスタープランの基本構想の問題についてのお尋ねでございます。まず人口を 300万に設定をいたした基本的な考え方でございますが、この人口指標の設定についてはいろいろ論議がございます。 350万が適当であろう、あるいはもっと少なく 250万が適当であろうと、いろいろなご意見もございますし、また現にあったのでございますか、人口指標につきまして、大阪の都市圏全体としての将来にわたる人口の動向を換算しながら、将来の大阪市の経済活動に必要な就業人口--特に、従来のような高度成長ではなくて、安定成長下における大阪市の経済活動に必要な就業人口、これを測定いたしまして、かつ大阪都市圏の中で、大阪市内並びに市外における住居可能地域と、市外におきましては、市外から大阪市に参りますアプローチ--鉄道でありますとか、道路の計画路線とのバランスを勘案いたしまして、測定をいたしたものでございます。なおかつ大阪市内におきましては、良好な環境の住居地域、こういうことを前提として計測いたしまして、職住バランスのとれた常住人口 300万、こういう結論に審議会において到達をいたした次第であります。 さらに広域行政の問題についてのお話でございますが、大阪市は周辺都市を含む大阪都市間全体の母都市でございますので、基本構想そのものにおきましても、また基本構想の実施におきましても、当然常に大阪市だけではなしに、広域行政という見地に立つべきことはもちろんのことでございます。ただ、市域の拡張ということは、同時に合併問題でございましょうが、自治体の合併とか、そういう将来の問題につきましては、何よりも市民のコンセンサスというものが必要でございまして、そういうものを待ってのことであろうかと存じます。 さらにコミュニティ構想であるとか、文化、スポーツプランをどのように進めていくか、この考え方についてのお尋ねでございますが、これは大阪市マスタープランとしての全体の基本構想がございまして、さらにこれに基づきまして、部門別構想というのが、たとえば文化の部門、健康の部門とか、そういういろいろな部門に分かれての部門別構想というものができてくるわけでございます。そうした部門別の構想と基本構想とからみ合わせまして、さらに年次構想というものができてくる。たとえば下水なら下水で下水の5カ年計画というような年次的な計画、構想ができるわけでございます。そうしたものに応じて、毎年私どもは主として当初予算におきまして、その具体的な単年度の計画を市会にご提示を申し上げる、こういうふうな形になってまいると思うのであります。 次に、基本構想を推進するための新しい機構、市長直轄の総合計画推進本部というのはどうかというようなご意向でございますが、これはちょうどご指摘のような機構が、すなわち総合計画局に当たるのではないかと思うのであります。ただ、安楽議員ご指摘の点は、何しろ各局にまたがる広範かつ総合的な問題でございますので、各局の連絡の緊密化、統一的、総合的な推進ということが重要であるというご指摘であろうと思うのでありますが、今後ともそうした面に十分留意をして、基本構想の実現に努めてまいりたいと思います。なお、区のマスタープランと申しますか、そうした意味合いで区長の権限とか、区の機構の強化、そうしたことについてのご意向でございますが、私もその点は全く同感でございまして、基本構想というものは、事の性格からいたしまして、大阪市の将来の計画--あるべき姿というものを総合的、計画的に見るという性格からいたしまして、どうしてもマクロ的なものになるのは当然のことでございますが、私は同時に、これを実現していく場合に、いわばミクロのマスタープランと申しますか、各区なら各区、そうした地域で積み上げていく、その積み上げていく将来構想には、当然全体のマスタープランというものが前提になりますけれども、そうした全体のマクロのマスタープランとミクロのマスタープランが相合して初めて理想的なものができるんじゃないか、そうした意味合いにおける区の行政の重要性、また区長の仕事の重要性というものは、非常に大事だと思うので、私は区長の権限でありますとか、あるいは区の機構と申しますか、要する区政全体というものを大阪市の中でもっともっと重視してまいらなければならない。ご意見には全く同感でございます。 なお、八尾市との行政協力の協定につきましては、これはご承知のように、過去相当な具体的な実績を上げておりますが、今後とも両市の双方が協力--事業によって反映いたしてまいりますように、今後どんどん積極的にやってまいりたいと考えておるのでございます。 合併の問題については、さっき申し上げたとおりでございます。合区の問題につきましては、これはもちろん先般分区をお願いいたしたのでございますが、それと同時に合区の問題も行政区審議会の答申の中にも示されておるとおりでございまして、この行政区審議会というのは、議会の議決を経て設置されました審議会でございますので、この答申を尊重してやってまいりたいと思います。ただ、分区のほうのコンセンサスはかなり得られましたが、合区について、まだその時期ではございませんのでおくれておりましたが、現在市政研究所において各種の調査、研究を進めておりますので、それにつきまして、さらにコンセンサスが得られるように努力をいたしてまいりたいと存じます。 城東貨物線の問題についてのお尋ねでございます。この城東貨物線の客車運行、あるいは複線電化の問題につきましては、かねて運輸省の都市交通審議会においても答申が行われてきたところでございまして、大阪市としては非常に必要なことだろうと思うのでありまして沿線の各市とも協力いたしまして、運輸省、国鉄に対して早期の実現を要望いたしてまいりました。またご指摘のように、用地の確保につきまして相当な協力もいたしてまいったのであります。しかしご承知のとおり、国鉄財政の非常な逼迫からいたしまして、昨年の11月まではいろいろな事業を凍結せざるを得ないというようなことで新たな進捗を見なかったのでございますが、私ども今後ともこの早期の実現に努力をいたしたいと思うのであります。特に私は、国鉄が東京首都圏について相当巨額な投資を惜しみなく行いながら、大阪都市圏につきまして、そのことなきを、かねてから非常に残念に思っておるのでございまして、私は東京と並んで大阪に対しても、国鉄が都市交通という観点からもっともっと力を入れるべきである、投資をいたすべきであると思うのであります。昨年、私は高木国鉄総裁にお会いをいたしましたときも、梅田駅の改造問題のほかに、そうした大阪都市圏に対する強力な国鉄のてこ入れというものを強く要請をいたしたのでございます。これは単に城東貨物線の問題だけではなしに、片町線と福知山線の片福連絡の問題、これも早急に実現をしなければならない問題だと思うのであります。先般、年明けて高木総裁が再び大阪に参りましたときも、私は総裁に強くこのことを、片福線についても申し上げたのでございますが、総裁も非常に同感でありまして、今後都市交通という観点からいたします国鉄の特別の投資というものについて、大蔵省の理解を得られつつある模様でございますので、私はこうした問題について、今後かなり進捗を見るのではないかと期待をいたしておるところであります。 中小企業対策、ことに金融の問題につきましては、さきに申し上げましたように、非常に長い不況でございますので、この厳しい経済環境の中における中小企業の金融の問題、ことに融資期間の問題というものは、ご指摘のように非常に切実な問題であろうかと思います。このたび運転資金の融資期間につきまして、2年を3年に延長いたしたいと思いますのと同時に、不況下における不況対策としてのつなぎ資金融資を新たに設けたのでございまして、長期、短期両面からの資金繰りの援助を申し上げたいと思うのであります。またすでに大阪市から借り入れをしております中小企業につきましては、これは実態に即応して返済期限の延長でありますとか、借りかえの措置をケース・バイ・ケースに考えて対処をいたしてまいりたいと思います。 次に救急医療の問題でございます。その中でも夜間診療体制の確立というものは、ご指摘のとおりきわめて重要な問題でございまして、早急に実現を必要としておる問題でございます。しかし一方で、従事するお医者さん、看護婦さん、医療技術者の確保の問題、また後送病院の問題、こうした困難な問題がございますけれども、しかしやらなければならない問題は、ご意見のとおりだと思うのでありまして、そうした意味合いで昭和52年度におきましては調査費を予算計上いたしておるところでありまして、できるだけ早く実現をするようにいたしたいと思います。ご指摘の城北市民病院は、非常に救急設備を備えておりますので、現在行っております土曜日、日曜日の救急医療を拡充いたしまして、早急に外科系を中心といたします、また入院を前提とした全日の救急体制を整備いたしたいと存じまして、鋭意検討いたしておるところでございますが、なるべく早く実現するように運んでまいりたいと考えております。なお、救急医療全体の問題は非常に大事な問題でございますので、この制度化に向けて国に対して働きかけていってはどうかということでございます。私どもも、救急医療の問題というものは、地域医療のシステム化の中における一つの重要なポイントだと考えておるものでございまして、そうした意味合いで地域医療のシステム化の問題全体につきまして、現在大阪市の医療審議会においてご審議をいただいておる、その中の一つの重要ポイントとしてご検討をいただいておるのでございますが、同時にこのことは国全体の医療制度の問題、あるいは保険制度の問題と非常に密接に関連をいたす問題でございますので、当然お説のように各方面に非常に働きかけをしてまいらなければならないと思うのであります。 保育所の問題についてお尋ねでございますが、これは従来市会の非常なご理解とご協力をいただきまして、相当な進捗を見てきたところでございまして、今後地域的なバランスをとってまいるようなところに重点を置いてまいりますが、しかし、ご指摘のように保育に欠ける子供たちの保育は、非常に緊要なことでございますので、この充実に努力をいたしてまいりたいと存じます。 国民健康保険の問題については、これはもう非常な危機の状態にございます。経営の財政面におきましても、大変な問題でございますし、そのことはまた同時に組合員の医療の問題にも非常に大きな影響が出てまいると思うのでありまして、今日、この問題について根本的な対策を立てねばならないということで、私どもはぜひとも全国的な医療保険の中でこの問題を解決してまいりたいと思いますので、今後とも市会のご尽力をひとつ賜わりたいと思うのであります。しかし、それが実現するまでがなかなか大変でございますので、私どもは当面の努力というものをいたしてまいらなければならない、そういう点で市会にもいろいろお願いを申し上げておりますが、当面の努力をしながら--同時に、幾ら努力をいたしましても、なかなかこの問題は、それだけでは解決しないと思いますので、ひとつ根本的に医療保険の全般の中で解決をいたしたいと思うのであります。 職員の給与の問題、あるいは人員の問題についてでございますが、人件費の問題は財政の中でも非常に大きな問題でございます。ただ人件費の割合というのはいろんな取り方がございまして、たとえば歳出総額の中における人件費の割合でございますとか、一般財源の中、あるいは市税収入の中における人件費の割合、取り方によっていろいろ違いますし、また各都市とも事業内容において相当な開きがございますので、なかなか人件費の比較ということは困難であろうかと思うのであります。しかし、財政の中における人件費、ことに総人件費の問題というのは、きわめて重要でございますので、今後とも財政の健全化のために、私ども努力をいたしてまいりたいと思うのであります。人員問題については十分労使協議を行って円滑に実施をいたしてまいりたい、究極の目標は、市民のしあわせのための市民サービスの、また効率的な行政の確保にあるわけでございますが、労使協議を十分に行って実施をいたしてまいりたいと思います。なお、公営企業関係の給与につきましては、交通局長からお答えを申し上げたいと存じます。
同和対策事業についてのお尋ねでございますが、これはかねて市政の重要な柱としてやってまいったところでございます。私は、全国的なレベルにおきましては、相当な実績を上げてまいっておると思うのでございますが、しかしただいまご指摘のような地名総鑑のような、きわめて残念な事件が昨年発生いたした。私は、この問題につきましても非常なショックを受けたわけでございまして、これだけやっても、なおなかなか差別の解消の問題はむずかしいということを痛感をいたしておるのであります。今後ともひとつさらに努力をいたしたいと思うのであります。同時に、国の責任、国の姿勢についてのご意見でございますが、この同和対策
特別措置法というものは、そもそも同和対策、同和行政における国の責任、政府の責任を規定したものであります。同時にまたそうした国の同和施策に準じて、地方におきましても--
地方公共団体においても同和行政に尽力をいたさなければならないということを規定をいたしておるのでありまして、国も府県も市町村も、また国民全般協力して努力をいたしてまいるべき問題ではないかと思うのであります。また、この地名総監事件についての取り組みについてのお尋ねでございますが、これはいま申しましたように、やはり何と申しましても、同和問題についての真の理解というものが、まだなかなか行き届いていない。でありますから、私どもは今後こうした同和問題についてのほんとうの理解というものをさらに広めていく、深めていく努力をいたさなければならない。ことに人権の問題--人権尊重という見地からいたしまして、これは基本問題でございますので、十分努力をいたしてまいりたいと思うのであります。 廃棄物の問題についてのお尋ねでございますが、港工場、大正、八尾工場等の焼却能力、あるいは北港処分地の耐久年次等につきましては、
環境事業局長からお答えを申し上げたいと思います。 なお、吹田、亀岡両市の、いわゆるごみ戦争の問題についての所見でございますが、これは私、昨日の本会議の冒頭でも申し上げたのでございますが、やはり市町村というものは、それぞれみずからのなすべき責任となっておることを、責任を持って着実に実行していくということが一番大切だということを申し上げたのでございますが、やはりごみの処理ということは、市町村の一番根本的な問題でございますから、やはり市町村というものは、本来それぞれ責任となっておることを、どんどん着々と--一挙にできることではございませんから、早くから見通しを立ててやらなきゃいかんことだと思うのであります。しかし、そういうことがなかなかできない場合にこういう事態になるわけでございますから、いま黒田知事のところへ問題が持ち上がっておるようでございますが、こうした広域的な行政の調整、これが本来府県知事のなすべきことであろうかと思うのでありまして、おそらくしかるべく善処されることだと思うのであります。 さらに廃棄物のリサイクルの問題、これは一般廃棄物と同時に産業廃棄物その他土砂、瓦れきとも相当莫大な量に相なります。どうしてもこれを再利用する。あるいは資源保存といった見地から、リサイクル方式と申しておりますが、そうした研究、検討を十分進めなければならないと思うのであります。それで個々の技術については、環境庁でありますとか、あるいは科学技術庁、通産省、その他関係方面において個々の技術としてはかなり進捗し、完成を見つつある模様でございますが、これを全体の大都市において適用していく場合、システムとしてこれを動かしていく場合、なかなか、いろいろむずかしい問題が出るようでございます。たとえば運搬の問題、輸送の問題、その他非常にむずかしい問題がございますが、ただいま私どもの方では、近藤助役を委員長にいたしまして、リサイクル委員会を設置いたしまして、個々の廃棄物について、、それぞれ資源再利用の技術的な検討を行っておるところでございます。私どもは非常に大きな期待を委員会に持っておるところでございます。 産業廃棄物処理公社についての現況についてお辱ねでございますが、現在堺7・3区での灰、土砂、瓦れき類の受け入れ事業と、それから大阪市の北港処分地の第2・第3港区での港湾や河川のしゅんせつ土砂の受け入れ事業の実施をいたしております。また新しい仕事といたしましては、有害物質を含みます産業廃棄物をコンクリートで固める。無害化するためにコンクリートの固型事業と、それから北港処分地1区での産業廃棄物の受け入れ事業、これが新しい事業でございます。現在までの事業実績といたしましては、堺での灰、土砂、瓦れき類の受け入れ事業は、昭和50年度は約47万トン、51年度は 134万トン程度になる見込みでございます。また北港処分地のしゅんせつ土砂の受け入れ事業、これは50年度は約28万立方メートル、昭和51年度は約40万立方メートルとなる見込みでございます。なおコンクリートの固型事業は、昨年9月に工場建設に着手しまして、51年ごろから操業が始められる予定でございます。この北港処分地の産業廃棄物の受け入れ事業、これは先般も申し上げましたように、処分地への積み出し基地の確保のために地元といろいろ話し合いを行っておるところでございまして、鋭意努力をいたしたいと考えております。なお、産業廃棄物の排出業者、あるいは処理業者に対する規制指導を強化することのご意見、これは当然でございまして、私ども十分指導、監督を強化いたしてまいりたいと存じます。同時にまた、たとえば終末処理をすべき埋め立て地の確保でございますとか、そういうことについては
地方公共団体として、しかるべき努力をいたしてまいらなければならないと思うのであります。それから産業廃棄物の処理が各局にまたがりますために、機構、体制等を強化する必要があるのではないかというご意見でございます。お説のとおり非常に各局にまたがってむずかしい行政でございますが、特に技術上の専門的な知識が必要でございますし、公害行政と非常に密接な関連を有しておりますので、環境保健局で担当せしめておるのでございます。しかしご指摘のように、各局との連絡協調が非常に必要でございますので、今後十分配意をいたしたいと存じます。 なお、流域下水道の問題については、これは大阪府が施行いたしておるところでございますので、その見通しにつきましては、私から申し上げるのはいかがかと思いますが、いずれにいたしましても早急な実現が必要でございますし、ことに南部におきましては、その早急な実現の必要があろうかと思うので、今後とも積極的に要請をいたしてまいりたいと思うのであります。 それからバスの問題につきましては、ご承知のとおりライド・アンド・ライド計画を進めてまいりますが、この構想が平野区におけるゾーンバスのように、やってはみたがお客がふえなかったというようなことにならならいようにというご意見でございますが、その点はひとつ十分留意をいたしたいと思うのであります。ただ申し上げたいと思いますのは、私ども、平野区等におけるゾーンバスの実施をいたしまして、若干のお客さんの増加を見ておりますが、これは、早急にお客さんの増加を望むのは無理ではないかと思うのであります。ゾーンバス以外に鉄軌道との連絡でありますとか、各般の措置がそろい、かつまたマイカーに対する理解と協力を求める措置が相まって、初めてマイカーのお客さんがバスに移ってくれるんだと思いますので、早急に客の増加を期待するのはちょっと無理ではないか。しかし完備してまいりますと、終局的な見通しとして相当なバスのお客の還元ということは可能ではないかと思うのであります。 なお交通関係で地下鉄の建設ないしその財政の問題、新種交通機関の問題、また水の問題のご質問につきましては、交通局長並びに水道局長からお答えを申し上げたいと存じます。
○議長(山下喜一君) 圓井教育長。 (教育長圓井東一君登壇)
◎教育長(圓井東一君) 小中学校の適正配置の問題につきましてお答えいたします。大阪市の一小中学校当たりの平均規模を申し上げますと、これは昨年5月1日現在でございますが、小学校で24学級、 846名、中学校で同じく24学級、 936名でございます。この適正規模につきましては、10年ほど前の昭和41年の4月に当時の教育委員会の諮問機関といたしまして、学校適正配置研究協議会というものの答申がございます。それによりますと、18学級ないし24学級、児童生徒数にいたしまして 800人ないし 1,000人--約でございますけれども、そういうふうな線が出ております。その線は現在でも妥当な線であろうと考えておりますので、ただいま申し上げました現状は、大体のところは妥当な規模ではなかろうかと思っておりますが、ただ個々の学校について見ますと、先ほど安楽議員がご指摘されましたように、いろいろとアンバランスが出てまいっておりまして、ここ数年来きわめてその傾向が顕著でございます。したがいまして、教育上、あるいはまた学校の運営上いろいろな問題点があると私どもは考えておる次第でございます。それで、もともと学校といいますと、固定的な施設でございますが、校下の町自体に変化がある。あるいはまた人口の流動が著しいといったようなことから起こりますところの大都市特有の現象である。かように見ておるわけでございます。したがいましてこういった問題につきまして、昨年の7月に学校適正配置懇談会というものを設置いたしまして以来、いろいろと論議をしていただいております。近く答申をちょうだいできるものと考えておりますけれども、現在までの論議の中では、学校の規模と、たとえば上限、下限といいますような、最低ここまでは許容できるというような下限でございますとか、あるいはこれ以上であっては困るというような上限でございますとかいうような、学校規模につきましての幅の基準というようなものを設けまして、そうしてそれを下回る、あるいはそれを上回るといったような場合につきまして、どうするかというようなことを解消すべきではないかというふうな議論は確かに出てまいっておりますけれども、こういった点を含めまして、近く答申が得られるものであるというように私どもは期待をしております。それで、こういったものが出てまいりますと、いよいよ具体化してまいるわけでございますけれども、その実施に当たりましては、市民の皆様方、各方面のご意見を反映しなくてはいかんと考えておりますし、またいろいろその間に起こってくるむずかしい問題について、いかなる調整をはかっていくかというふうなことにつきましても、十分考える必要があろうと思っております。先ほどもこういった場合に機構を設けて取り組むべきであるというご指摘もございましたが、必要があればそういうことも考えなければならないかとも思いますけれども、一番の問題はやはりその小中学校は、区内の区民の身近な施設でございますので、区民的コンセンサスがいかにすれば得られて、それに基づいて実行できるかということが一番の問題でございます。したがいまして、そういった意味で問題のある学校を持つ区単位で、たとえば協議会というふうな、そういったような協議の場を設けて十分ご論議をいただくということが一番いい方法じゃなかろうか、もちろん教育委員会もそれに参加をして、いろいろとまたご意見は申し上げながら、一番適切な結論を得るようにしてまいるということが一番いい方法ではなかろうか、かように考えておるような次第でございます。今後さような方針でやってまいりたいと考えております。
○議長(山下喜一君) 森吉交通局長。 (交通局長森吉琢郎君登壇)
◎交通局長(森吉琢郎君) まず地下鉄の新線建設計画と1号線の混雑緩和対策をどのように進めていくのかという問題でございます。地下鉄は現在約70.2キロの営業を行っておりまして、毎日約 200万人の利用者を輪送いたしておりますが、さらに予想されます輸送需要の増大に対応すべく、今後とも都市交通の根幹となる輸送機関として建設を進めてまいりたいと考えます。本年の4月には谷町線の都島、守口間の開業を行います。また引き続きまして、同じく2号線、天王寺、八尾南間の建設を進めまして、昭和55年度には開業する予定でございます。それから5号線、千日前線の新深江、南巽間につきましては、56年度の開業を目指して現在工事中でございます。このほか今年度は、新たに谷町線、2号線の守口、大日間及び中央線、4号線の深江橋、長田間の建設工事に着手する予定でございます。また、堺筋線、6号線の動物園前、天下茶屋間につきましては、南海本線の連絡立体工事の進捗状況をにらみ合わせまして、着手いたしたいと考えております。さらに将来の地下鉄の建設計画につきましては、都市交通審議会の答申、あるいは本市のマスタープランと十分な整合性を保ちながら策定してまいりたいと考えております。また1号線の混雑緩和対策でございますが、これも都市交通審議会の答申を尊重いたしまして、検討を行ってまいりました結果、早急に実現可能な解決策でありまして、かつ混雑緩和に最も直接的な効果のございます方策である1号線自体の輸送力の増強という方法によりまして、混雑緩和に努めてまいりたいと考えております。 次に、新種交通機関についてのお尋ねでございますが、まず国の補助制度と経営の維持についての見通しのお尋ねでございます。これにつきましては、基本的には地下鉄事業と同程度の企業外負担を確保するという考え方のもとで、現在下部構造部分、いわゆるインフラ部分でございますが、これは道路構造物として企業外で整備していくという方向で財源措置が講じられておるわけでございまして、この方法によりまして長期的には収支均衡がはかられる見通しでございますが、今後さらに助成制度の拡充をはかることによりまして、より早期に健全経営が維持できるように努力してまいりたいと考えております。 次に、新種交通機関が南港ニューポートタウンに完成するまでの足の確保でございますが、ここはご承知のようにことしの秋から入居が始まるわけでございまして、需要が増加するものと思われますが、この新交通システムが完成するまでの間につきましては、現在のバス路線の輸送力増強によりまして、対応してまいりたいと考えておるのでございます。 次に新種交通機関の機種の問題でございますが、これは先般2月7日に大阪南港の新種交通機関機種選定委員会におきまして、適当だと考えられます3機種が、報告があったわけでございますが、この3機種につきまして、なお技術的に若干の解決、あるいは追跡確認すべき点が指摘されております。今後各機種につきまして詳細、設計を進めますと同時に、この点の解決をはかりました上で、できるだけ早く大阪南港に最も適したシステムを決定いたしたいと考えております。なお駅でございますが、おおよその位置をきめておるわけでございますが、なお今後付近の道路事情、土地の利用計画等を勘案いたしまして、慎重に検討しまして確定してまいりたいと考えております。 なお先ほどの交通局職員に対するベース改定の問題でございますが、この問題につきましては、労働組合と十分協議をいたしまして、できるだけ本市一般職員と均衡を失することのないよう対処してまいりたいと存じております。
○議長(山下喜一君) 山田
環境事業局長。 (
環境事業局長山田武君登城)
◎
環境事業局長(山田武君) 一般廃棄物に関連します前段の3点についてご回答申し上げます。 第1点は52年度の焼却処分能力の問題でございますが、ごみの排出量は昭和48年末の石油ショック時に一時横ばい状態を示しましたが、その後再び増量傾向を示しております。昭和52年度の処理日量は約 4,830トン程度と見込んでおるところでございます。本年5月操業予定の港工場及び本年末に完成予定の南港工場を入れますと、本年末には可燃性ごみの90%以上を焼却またはプレス処理ができるという見込みでございまして、可燃性ごみの全量焼却体制に大きく近づくことになるわけでございます。 2番目に、本年可燃性ごみの焼却能力の見込みでございますが、今後の市民生活の向上なり経済活動の活発化等が将来予想されますので、ごみの増量が見込まれます。市民の皆さん方にはいろいろごみの減量について--業界にもいろいろお願いしなければいけないわけでございますが、できるだけ早く可燃性ごみの全量焼却体制の確立を目指して、さらに大正工場の建てかえ工事、それから八尾第2工場の建設準備に着手しますなど、ごみ焼却処理体制の充実に努めてまいりたい、このように考えておるわけでございます。 最後に北港処分地の耐用年数の問題でございますか、焼却できないごみ、あるいはプレスをしたごみ、それから焼却残滓、それと一部産業廃棄物を北港処分地の北地区で受け入れ処分しておるわけでございます。現在の埋め立て処分の進捗状況から見ますと、特別の事情の変化がない限り大体昭和58年ごろまで使用できるという見込みでおる次第でございます。 以上お答え申し上げました。
○議長(山下喜一君) 鈴木水道局長。 (水道局長鈴木秀夫君登壇)
◎水道局長(鈴木秀夫君) 水道事業に関しますご質問3点についてお答え申し上げます。 最初に、国、府などに対します財政援助要請の点でございますが、水道事業の基本的使命であります安定した給水を確保するために水資源の確保、さらにまた施設の整備、拡充に努めてまいっておりますが、その結果、資本費及び水資源関係開発事業関係費の負担が増大してまいっておりまして、事業経営の圧迫の要因となっておるのでございまして、このために市会の皆様方のご協力をいただきながら、かねてから水道整備事業に対します国庫補助制度の確立、企業債の発行条件の改善、さらに水資源開発事業に対する国の強力な援助要請措置等を強く働きかけてまいってきたところでありますが、昭和51年度におきましては、水資源開発費に対する国庫補助制度の改善が見られたところでございますが、私ども水道事業者の要望とは相当のへだたりがございますので、今後ともこれらの要望を実現するために国に対し強く働きかけてまいりたいと思います。さらにまた大阪府に対してでございますが、大阪府におきましては、一般会計から府営水道事業に対しまして、生活用水、公衆浴場用水に対する補助を初めといたしまして、企業債に対する利子補給等の財政援助措置がとられておるのでございまして、私どもも府営水道に対すると同様の財政援助措置がとられるよう、大阪府に対しまして再三にわたって要望を行ってきたところでございますが、また一昨年8月には、この市議会におかれましても財政援助措置につきまして意見書が提出されたところでございまして--しかし、いまだ実現を見ていない状況でございまして、今後とも実現に努力してまいりたい所存でございます。 次に配水管整備等を含めまして、維持管理対策についてのお尋ねでございますが、本市の給水需要は昭和48年以降、経済活動の停滞等によりまして減少してまいっておりまして、当面は現有施設能力で対処できるものと考えております。このため昭和50年度から能力増強工事は中断いたしておりまして、今後は配水管整備事業をより積極的に推進してまいりまして、にごり水、低水圧を解消いたしまして、円滑な給水の確保に一そう努めてまいりたい。昭和52年度におきましては、事業費90億円をもちまして旧管の布設がえ、無ライニング管のライニング化、幹線の補強、改良、配水細管の布設等を予定いたしております。そのほか漏水防止の徹底をはかりまして、有収率の向上に努めます等、維持管理面の強化をはかってまいりたいと考えております。 最後に淀川の水質保全についてでございますが、淀川の水質は法規制の強化と淀川流域の下水の施設の整備等が相まちまして、昭和44年、45年ごろからほぼ横ばい、あるいはやや改善の兆しが見られておりますが、決して楽観は許されない現状にございまして、これに対しまして従来から淀川の利水団体で構成いたしております淀川水質協議会を通じまして、各行政機関に働きかけてまいっておりまして、淀川沿岸に設置されます汚水処理施設の設備、規模等につきまして、指導を行ってまいってきたような次第でございます。そのほか機会あるごとに国及び関係府県に対しまして、下水道の早期整備、さらには総量規制方式の導入、工場内でのクローズドシステムの技術開発等、水質保全対策の推進につきまして強力に働きかけてまいったような次第でございまして、今後ともねばり強くこうした努力を重ねまして、淀川の水質保全に努めてまいりたいと考えております。
○議長(山下喜一君) 12番安楽雅男君。
◆12番(安楽雅男君) 自席において発言をお許しいただきたいと思います。ただいま市長並びに
理事者各位よりご答弁をいただいたのでありますが、一部を了といたしますけれども、なお多くの問題点、疑問点、意見を持つものであります。したがって今後開会されます各常任委員会におきまして、わが党議員団からそれぞれ解明に努力をいたしまして、よりよい52
年度予算案の推進をはかってまいりたいというふうに考えております。私の代表質問はこれで終わらしていただきます。どうもありがとうございました。(拍手)
○議長(山下喜一君) お諮りいたします。この際暫時休憩することに決してご異議ありませんか。 (「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(山下喜一君) ご異議なしと認めます。よって暫時休憩いたします。 午後3時6分休憩 午後3時33分再開
○議長(山下喜一君) これより休憩前に引き続き会議を開きます。 高野光男君の質疑を許します。59番高野光男君。 (59番高野光男君登壇)
◆59番(高野光男君) (拍手)私はただいまご上程になっております昭和52年度大阪市一般会計並びに予算関連案件について、自由民主党を代表いたしまして、大島市長並びに関係理事者に質疑をいたします。ただいままでに各党代表から、本予算案に対する質疑がなされ、各理事者からご答弁もありましたし、私が最後の質問者でありますので、なるべく重復を避けて、具体的な問題でお尋ねいたしたいと思います。 まず最初に、高速道路建設の問題についてお尋ねをいたしたいと思います。大阪市は泉北線並びに淀川南岸線の高速道路建設を計画しておりましたが、いわゆる住民運動により阻止され、今日に及んでも何の進展も見ず数年を経過しております。市長は大阪市内の自動車の問題は、何とかして片づけたいと、ほんとうに意欲を燃やしておられることは、私もよく存じております。高速道路が排ガスの増大をもたらし、公害の元凶ときめつけているのは、あまりにも子供のような考えであると私は考えるのであります。私は市内の交通停滞は、大阪の経済にとって大きな痛手であり、大阪商人のきびきびした動きがとまり、活力が大きく阻害されているものと考えるのであります。また、のろのろ運転は排気ガスの増大、騒音の倍加、燃料の欠損となります。一日も早くこの現況から脱却をはからなければなりません。私は、今日ここで高速道路が有用か無用かを議論するつもりはありません。しかしながら、このような住民の反対運動も、全市民の立場から一つの曲がり角に来ていると警告をいたすものであります。行政というものと、地方自治法による自治体の長である市長の権限執行が、勝手な解釈で侵されるということは、まことに遺憾のきわみであります。昭和46年11月大阪高槻線が、昭和47年10月大阪泉北線が、いずれも地元住民の、大阪府公害審査会に対する道路計画の取りやめ請求によって、その計画が現在まで5年余りの間調停中となり、阻止されているのが現況であります。もともとこの制度は、民事上の個人の公害による損害や、被害を調停するためのものであります。行政の権限と責任において執行する事柄である道路計画の変更や、都市計画等については、全く権限外のものであると私は断定するものであります。もしこの変更を求めるなら、都市計画法にちゃんとその手続が明記されているわけであります。にもかかわらず、黒田知事の任命した大阪府公害審査会は、これを受理し、なおかつ調停に乗り出しております。大阪泉北線については、昭和47年10月31日に大阪府都市計画地方審議会で可決されておるのであります。しかし黒田知事は、優柔不断にも付帯条件を確認したいとか、住民の意向を尊重したいとか言って、みずからの決断はどこへやら、公害審査会を隠れみのとして、自己の決断と責任を回避しているのが現状であります。黒田知事が就任後、大阪府下の道路のうち、特に和歌山に通じる第二阪和国道のごときは、あと数キロを残すのみでありまして、和歌山へ行くのには、あの、のろのろ運転で頭へきた経験は皆さんお持ちであろうと私は思うのであります。これもみんな行政能力のない黒田知事の責任であります。私はこの問題で市長に、この際黒田知事と折衝していただきたい。相手の政治感覚と政治能力は問題ではないが、どうか市長は勇断をもってこれが政治的解決をはかっていただきたい。市長のご決意を承りたいのであります。 昨日も各党より福祉の問題について触れられました。市長は福祉行政は十分でないと言われましたが、私は先日の昭和52年度予算説明のおりに市長が、おもな事業について第一に市民の福祉の充実と、健康の増進を云々と言って説明する中で、一つはっと気づいたことがあります。それはここ数年、本年は何億円を計上し、昨年より何十%増の予算を計上し、福祉の充実をはかりましたというくだりがなかったからであります。市長さん、私は失礼ですが、このように考えるのであります。毎年金額を多分に計上したら、毎年よい福祉ができ、中身が向上し充実していくのではないということをことし初めてあなたは気づかれたのであります。昭和46年から50年のこの5年間に福祉の受給人口は、本市では件数で見ますと、保護を受けているもの23%増、生活扶助を受けているもの31%増、医療扶助は入院件数5%増、支給金額は3倍以上、通院件数60%増、支給金額は2倍以上となっております。福祉の5年間の推移を見ますと、46年度の渡し切りの性質のもの、なんと 234億円が50年度決算で3倍以上の 721億円にもなっております。建設的なものは46年度 254億が50年度決算で 1,211億円と5倍にもなり、人件費的なものは、34億円余が46年決算の5年後には 105億円と3倍に達しております。このために土木、特に公園や町を緑のユニークな建設的事業は、本市では実質量は5年間に実質指数20%ダウンという成り下がり方であります。市民にとって必要な都市の改造とか、新たな政策は足踏み状態であります。さらに、やや性質は異なりますが、就学援助費に至っては、年々ウナギ登りで、いまや年間10億円を超えている始末であります。ある地区では、学校の先生が生徒の家庭を訪問して、豊かな家にもかかわらず、要らないと断わり続ける家庭に夜おそくまで居座って、受給申請の印を集めております。また、特定の政党の党勢拡大の道具にもなっております。まことに遺憾であります。角度は異なりますが、公害の捕償受給者にも何らかの方法で点検を加えねばならないと考えます。そして福祉の不正受給も、この5年間に件数で発見されたのは、4倍もあります。ある民生委員さんの述懐でありますが、私に「先生、不正受給はまだずいぶんありますよ。」と語っておりました。市長さんは、この現況をどう対処しようとお考えか。いやいや、まだまだ手を差し伸べてくださいと言うものには、とめどもなく渡すのか、それとも福祉を甘くしすぎた、ふやすのが福祉でない、中身である、その方法である。再点検をし不正の規制も断固やろうとするのか。私はいまこそ福祉政策の見直しというか、転換というか、納税者たる市民、国民に対し、私は適正福祉であると言えるものでありたいと考えるものであります。欠けているところには温かい手を伸ばす。しかし、声の大きさや不正の受給には、厳しい態度であらねばなりません。市長さんのお考えを承りたいのであります。 次に、
同和対策事業について私の考えを申し上げて、市長さんにお考えを承りたいのであります。同和問題は、ゆるがせにできない課題であります。特に、結婚と職業の差別に至っては、一日も早く、日本国民みんなが理解しあってなくさねばなりません。大阪市は、同和事業には、全国自治体の中でも、最も意欲的に取り組んできた一人であると私は考えます。昨年も 115億円もの同和事業関係の公債を発行して、 300億円に連する事業費を傾注しております。この52年度にも 126億の公債を発行して 308億円の予算を計上しております。しかしながら今年の大阪市の予算全般を拝見いたしますと、不況のためにようもこれだけ切り詰めて帳じりを合わした予算はないと、いわゆる緊縮がっちり型の予算であります。公債費というものは、その発行のゆえんは、建設費を耐用年数に合わせて、後世のものにまでも負担をさせるという原則であります。にもかかわらず、この原則から逸脱した赤字公債的な自動車関係2件の65億円の活字のある新年度予算を見たとき、私は頭の痛い思いがいたしました。私は、市長のご提案の
同和対策事業の 308億円については、市長もいろいろと検討された上でのご提案であるとは存じます。私の聞くところでは、市長さんが外部に出て行って交渉してはならないと厳命されているそうですが、実際は庁舎外で団体交渉をやられ、中には36時間も監禁同様となって、予算に計上することを約束させられたということも聞いております。そのようなことがあったりして、 308億円の予算の計上なら、私は大変遺憾なことであると考えるのであります。今国会では、社会党を先頭に野党の皆さんが政府に対して、日本住宅公団の遊休地が多くあって、その資金と金利が問題とされております。ところが私の調査では、大阪市は、
同和対策事業で先行取得して使用されておらない土地は約30万平方メートル、金額にして 530億円余りもあるということであります。私は一昨年の決算委員会でこの問題を取り上げて、大阪市の善処方と自後の措置について問題を投げかけましたが、一向にどのようにしたかの報告を聞いておりません。議会軽視と言えましょう。また、予算計上にあたり、同和対策の対象人員のつかみ方についても、属人主義なのか、属地主義なのか、どういう方法で計算の根拠となる人員を把握したのかと聞いたところ、把握のしようがありません、先方の申された人員であるとのことであります。私は議会にタブーはない。このところで正々堂々とすべての議論を尽くさなければ、民主議会制は崩壊すると信じている一人であります。私の尊敬する先輩は、私にいまの大阪市の同和予算は、君たちが勇気を出して修正をしない限りどうにもならないのではないか。大阪市も大粒の涙をためて、ずいぶんしんどいと泣いているのではないかなあと言われました。以上、私の感懐をきわめて率直に申し述べました。先ほどの答弁なり、市長はこの問題については何ら誠意ある回答をいたしておりません。私は、
同和対策事業が大阪市財政に大きな破局の糸口となって再起不能になりはしないか、市長さんのご感触を承りたいのであります。 次に、住宅政策について市長さんに所信をお尋ねいたします。現在大阪市は、東京都並びに政令指定都市10市の中では、一番熱心に公営住宅の建設を行っております。昭和46年より50年の間、東京都並びに各自治体の3万 2,000戸に対し、大阪市単独で実に1万 7,000戸にも達した建設をいたしております。大阪府のごときは、天下に掲げた公約よりも、うんと大幅にできていない始末であります。また、この5年間で川崎市はわずか 2,700戸であります。むしろ1万 7,000戸の建設をした大阪市は、大正直者と言えましょう。しかし私は人口減を食いとめるためかどうかは別として、大阪市の住宅建設は量よりも質と、その建設の対象に大きな転換をはからなければならない時期がきたと思うのであります。大阪市は、既存の木造住宅を、昭和56年ごろに計画どおり全部建てかえ、市営住宅としてここに入居させた場合には、大阪市の 280万人口の10%が市営住宅人口となるのであります。市営住宅建設の1戸当たりの市の負担は、起債を含めて1戸 500万円くらいであろうと言われております。ことし 3,200戸建設すると、市費の持ち出しは 160億円となり、予算に大きなウエートを占めます。そしてこれに加え、補修管理費は、ことしも40億円くらいは必要であります。そしていまなお募集ごとに2万人余が応募して 1,500人から 2,000人余が入居している現状では、80%以上の方が満足しておらないのであります。では、いつも残る80%の方たちが全員入居まで市営住宅は建てまくるのか、いまこそ真剣に住宅問題を考えるべきであります。また、7万 6,000戸のうち、収入オーバーで居坐っているものは、1万 7,000人もおります。私の試算では市営住宅全部年5万円の固定資産税をいただくとしたら、実に38億円の固定資産税が大阪市のふところに転げ込みます。入居の資格として所得の制限をいたしておりますので、地域平均としての住民税の徴収額は、市営住宅居住者は低いのは当然であります。また、2種住宅は福祉住宅であり、さらに加えて大阪市の別の分野の福祉施策をこの方たちにいたさねばなりません。税の応能能力のある市民が、そうでなくても年々歳々減少して大阪市の活力が失われていることは、市長もご承知のことであります。このような住宅政策を続ける限り、大阪市は形態は異なるとはいえ、実質は全く第2のニューヨークにならないとは言えません。行政の公平の原則から言っても、私はいまこそ大阪市は市民への自力、自立への呼びかけ、誇りと親しみを持った町にするために、苦しみにもめげない活力のある市民をふやすことに転回すべきでないかと考えるのであります。そのためには、市営住宅の建てかえはもとの戸数のみとして一線を引き、余裕の生じた土地には持ち家制度を取り入れた住宅を建設すべきであります。そして、応能能力の少ない間は、その資金の利子を補給してあげればいかがなものでしょうか。それによって後々は応分の住民税を、また家の方は当初より固定資産税を大阪市にお払いいただけるわけであります。このようにすることによって、この方たちは自分の家を大切に、町を大切にして大阪市に住むことに誇りと親しみを持つことと私は確信いたします。さらにこの際、私は市長さんに提言いたしたい。現在の建築局の住宅建設関係、毛馬、大東のころがし方式の開発、都再局の都市改造事業等を整理一貫して、この際住宅関係の局を設け、人口政策、大大阪市の町の再編成、財政の増収策等の大きな政策推進を考えてみてはどうか、市長さんのご所信を承りたいのであります。 次に、過般の新聞に、「やっと職員数凍結される大阪市、政令指定都市で初めて組合に提案」という見出しで、
人件費抑制策として52年度より職員数凍結の方針を大阪市が打ち出したことを報道されました。私は大阪市のいまの人事は大きなコレステロール状態であると考えております。大量採用時代に採用された職員の昇進期に当たり、この5年間に局長級は29名より39名に10名増、部長級は 100名が 168名に、課長級は 778名が 1,070名にと役付きの大量生産をやってもなお、あとがつかえている現状であります。極端に申して何ですが、お仕事ぶりを拝見して、このお方がそのクラスに値するのかと考える方もあります。一方、人員の配置も適切でなく、各局、各事業所ごとにお互いに自分のところの確保した人員を確保し合い、仕事量が減っても一人でも減らされてたまるか、それどころか、ひまにまかせて交渉で一人でもふやしてやれ、それがりっぱな活動をやっている組合だと考えるところもあります。一体この方々のお給金は、だれが払っているのでしょうか、よく考えていただきたい。過剰な人員のところは速やかに減員して必要なところに配転し、なお不要なものは長欠者などと見合って整理すべきであります。私は先日、ちょうど一番混雑する11時ごろに最初の日は新興地区の区役所に、2日目は都心の区役所に参りましたところ、庁内に滞在する住民の数は、格段の相違がありました。にもかかわらず、取り寄せました区役所職員一覧表、その他大阪市内の各出先事業所の人員表を拝見いたしますと、各所平等の基本人員プラス実状配置人員という配置の方法が固守されております。この際思い切った実情に即した適正人員配置を断行していただくよう組合と何の関係もない純粋な市民の代表である自由民主党議員団を代表して強く要求するのであります。また、毎年行っている人事異動も、何か手法にマンネリ化が目立ちます。統轄部局の職員は、ものを企画する、手法を編み出す、結論を出すというように、常に考える仕事をいたしております。出先事業所の職員は、それを受けて間違いなく実施するというか、むしろ恪守実行するという立場にあって考えることよりも、守ることに専念をしております。そのために大阪市職員の性格はこの二つに大別され、常に双方入れかえをしなければ、定着してしまって考える力のない大阪市職員が生まれる可能性があります。人事に対し以上私の指摘した三つの点に対し、国、府、市の官僚の三つの行政を経験された市長は、どのように対処されようとするのか、お答えを願いたいのであります。 次に、町の美観問題は決して小さい問題ではありません。日本に来られた外人は、東京の次は必ず京都、大阪、奈良へとやって来ます。彼らの一番驚くことは、緑の少ないことと、町に汚いポスター、立て看板、中には街路樹にご丁寧に針金でくくりつけた張り札まであることであります。一昨年、市内のポスター事件で、同じ日に大阪市の条例では有罪、府下のポスター裁判では府の条例では免訴という、まことに奇妙な現象がありました。そのため大阪市条例は、再度府条例にならい改正と相なりました。これは府の広告物の取り締まり、町の美観保持に対する学者黒田知事の人間的感覚の欠陥によって起こったものであります。すなわち府条例では、広告物の制限の第1条にただし書きで、掲出期間30日を越えないものまたは営利を目的としないものについてはこの限りでない、したがって知事の許可はすべてすっぽ抜けとなるようにしてあるからであります。黒田知事さんは税金の不払い闘争を奨励し、何でも反対の政党の活動のじゃまにならないように配慮して大大阪市の国際的価値を低下させ、市民に不快感を与え、大阪市に撤去清掃の費用等、莫大なる損失を与えております。市長さんは、屋外広告物条例のうち、大阪市域内の特例事項を設けるか、または条例を改正して大阪市域があなたの言われる中之島を中心とした流れのゾーン、お城を中心とした上町台地のゾーン、美しい大阪の町、豊かな心温まる町にするため、格別のご決意を強く望む次第であります。また、現在これら町を汚くしている違反広告物、心なきポスター、ビラ等の撤去清掃は下請業者に行わしめておりますが、環境事業局、土木局等の本市職員にもっと精励させるよう、強く要望いたします。 次に、市長さんは、水と資源の問題について、関電ホールにおいて延々とご自分のお考えを述べておられます。その中で3次処理の水を飲料水に使って先鞭をつけたアメリカ人の良識をたたえられ、将来は人類は必ず3次処理の水を利用せねばならないだろうということを強調されております。私も全く同感であります。大阪市は琵琶湖の水位問題、上流河川の汚濁の問題等、水資源の前途は決して楽観できません。自民党政府の努力で奈良県下に多くの困難を排して多目的ダムを建設いたしても、なお10年先をこれで保証されたとは言えません。しかるにナンセンスなことには、現在、今福外5カ所は高級処理、十八条、津守は中級処理、大野外6カ所は簡易処理となっておりますが、いずれもその処理した水は河川に放流されているのですが、私の調査では、処理した水より下の方で流れている川水の方が、BODなどはところによっては高くなっており、汚濁度も高いところがあります。いわばきれいな水をせっかくつくりながら、汚い水のところにご丁寧に放流しているという珍現象を平気でやっているというのが現状であります。下水道局では、近くこのうち数カ所は超高級処理にすると言っておりますが、私はあえてご提案申し上げたい。現在のこれらの処理した水を1.噴水、2.公園等への散水、3.道路の洗浄、4.水洗区域となって下水が流れなくなったが、大雨対策として埋めることができない河川があります。現況は泥土の滞留した小河川が各所にあり、ガスがわいております。この川の底部にパイプを敷設して、上流に処理水をくみ上げて、この水をこの小河川に流して、せせらぎのある京都の高瀬川のような川にしてはどうかという、アイデアを提供するものであります。また、南港のポートタウンに流れのある川をつくるというが、具体的に例として申しますと、住之江処理場の高級の処理水をこれに使うとかすることを考えてみてはどうか、市長のお考えを承りたいのであります。 次に、昭和52年度予算の中で特異なこととして、私は国立劇場の設立準備金が、政府、自民党のご理解によって計上されたことであります。日本の国で文化という言葉ほど選挙の道具に使われためいわくな言葉はありません。文化という言葉は、もし命があれば苦笑しております。なぜかと申しますと、言われるばかりで実行されていないからであります。私も失礼ながら大島市長さんもその一人であると思っていた時期がありました。しかし今回の国立劇場設立には、真剣かつ意欲満々まことに頼もしき限りでありました。文化芸術というものは大阪で発生し、大阪で飯が食えなくなって東京に吸いとられると言われております。特に歌舞伎などは、普通の新劇等のお芝居よりも費用が3倍も5倍もかかると言われております。それは地方、囃子方、その他いろいろな人がたくさん余分に要るからであります。特に近松門左衛門、井原西鶴を初めとする上方作者によるいわゆる上方歌舞伎は、いまは関東から時々関西にやって来るという状態であります。ただに文楽のみでなく、広く上方歌舞伎、上方落語、上方仁輪加、京舞等の純上方芸能の保護育成の場になりますよう、ご提言を申し上げます。と同時に、その規模につきましては、現在 700名程度収容と聞いておりますが、舞台の大きさをせめて中座程度の規模にしていただかねば、上方歌舞伎が上演できません。その場合あるいは規模が 1,100名程度になろうかと存じますので、格段のご留意のほどお願い申し上げたいと存じます。 次に市長さんは、常々身体に障害のある人たちは、まる抱えで完全な養護をして差し上げなければならない、これが福祉の第一の先決要件であると申されております。大阪市の養護の歴史は古く、明治33年全国の都市に先駆けて、市立盲学校と市立聾学校をつくり、全国の範となっております。大阪市は以後営々と昭和46年4月、思斉養護学校分校の設立に至るまで養護教育に専念してまいりました。まことにりっぱな足跡であります。にもかかわらず、養護教育は法令によって、その設置義務者は知事でありますが、黒田知事は大阪市にもたれきりで、一向に大阪市内に府立養護学校を設立しようとはしない。そのために大阪市内の養護教育を必要とする子供たちを持つお父さん、お母さん方にとっては、まことに長い間やりきれないものがあったと思うのであります。このたび大島市長のご英断で、府市の分担金の負担区分については、設置義務者の大阪府の出しっぷりは、必ずしも十分ではないにもかかわらず、2校設立に踏み切られたことを私は高く評価いたします。聞くところでは、高、中学校も併設せられるということでありますが、なお願わくは幼稚部、技術取得の場も併設していただきたいのであります。また、いまの大阪市内の養護学校のレイアウトを図示しますと、西部、南部、東南部、西南部は皆無であります。この際この2校で終わるのか、それとも府費の支出をますます増大させて、今回の方式で大阪市立であと数校を設置するのか。特に昭和54年度よりの改正のことがありますので、その間が府の方で足踏みされてブランクになることが案ぜられますので、市長さん並びに教育長のご方針を承りたいのであります。 次に、公害対策について触れてみたいと存じます。大阪市内の公害病認定患者は、ついこの間も数百人が追加認定されました。市民が新聞記事を見たとき、大阪市の公害はまだ全然是正されていないように錯覚を起こしておるのではないかと私は思うのであります。最近の患者の増加は、認定区域が拡大され、ついには全市を認定区域としたためであります。この問題については、大阪市が公害問題の現況と、最近数年間の流れを市民に対し、わかりやすいように、図解などしたパンフレット類を制作して、公表する必要があるのではないでしょうか。また、その折には、産業界がいかに協力をし、どのような設備がどのようにつくられたかをも公表し、同時に公害補償にどのような拠出のしかたをしているかをも、あからさまに公表すべきであると私は考えます。でないと、悪意の宣伝に対して市民は惑わされるおそれがあると私は考えるのであります。次に、公害対策のために大企業はともかくとして、中小企業が業種別に設立した共同の公害防止事業場についてのことであります。大阪市は、各業界に対し、やれつくれ、それ早く稼働せよと叱陀督励して、廃油、製材、硫酸等十数業種の企業別に数十個所に公害防止の事業場をつくらせましたが、その資金はいずれも中小企業にとっては苦しいものであり莫大なものであります。また、その資金はほとんどが急場の借入金で、公害無利子の資金は平均してその3割程度でしかなく、そのため完成後稼働し始めたとたん不況となり、現在は大変苦しんでおります。特にその借入金の金利に苦しみあえいでいるのが現状であります。大阪市が指導してつくるだけつくらせ、あとは、しりをたたいてしっかりやれと言うのだけでは、あまりにも過酷ではないかと私は考えます。それやれ、それ産めと言って、子供が産まれたならそのめんどうを見るのか世の常であります。ぜひ一度温かい気持ちでこれらの実態調査を行い、産み放しでなく、身の上相談に乗ってやって、民間資金を公害の低利の金に切りかえてやる等の処置をしてやっていただきたいのであります。ただし、一企業 2,000万円では、組合で負担している何億という借入金はどうにもならないので、現行の公害防止貸し付けとは別途の団体用あるいは組合用という特別なものをつくってやっていただきたいのであります。文化という言葉と同様に、中小企業対策という言葉も、政治の道具にずいぶん使われてくたびれておると思うのであります。本腰を入れて、この問題を一つ一つ片づけてやっていただきますよう、市長にお願いいたします。 次に、現在住之江区に住之江競艇場があります。これは国が所管し、開催権は箕面市と16の府下衛星都市とが、交互に開催するようになっております。月の半分は開催されておるのが現況であります。一方大阪市は、15年前より南港開発を始め、もうあと四、五年でこの事業は完成し、このところに人口4万人のポートタウンをつくり、実質上の大阪市の新しい海の玄関となります。そして昼間はおそらく7万人近い人口の町になるとされています。物流センター、トラックターミナル等の陸上の施設、コンテナ埠頭、ライナー埠頭、西日本各地及び沖縄への定期船も逐次完成して、活動を始めております。このところへの連絡は、南港大橋を除くと、住之江区の敷津長吉、柴谷平野の二つの幹線街路しかありません。しかるに競艇開始時の混雑は特にひどく、時間帯によっては1キロ走行するのに、なんと20分を要することは常であります。このため現在でも競艇場西部の平林地区の木材業者などは、いろいろな面で多大の迷惑を受けています。ここにその意識調査の結果があります。市長さん、ぜひ一度読んでいただきたいのであります。そしてこのようなギャンブルには、必ずのみ行為その他予想新聞の販売行為等、付近住民に与える実質上、精神上の迷惑は、大変なものがあります。特に青少年の教育に多大の悪影響を及ぼします。市長さん、単に所管が異なり、権限がないと、そういうことは言っておれません。私は、南港ポートタウンの完成、新北島住宅街の整備が進展し完成した暁には、必ず市民との間に熾烈なトラブルが起こるであろうことを予言しておきます。また、市長さんは先般住之江公園周辺を十数カ所の交通の
拠点ターミナルとして発表されましたが、いまの住之江公園駅周辺は、現実何の投資をしないでも、アルバイト数名でらくらくとかせげる競艇のための青空駐車場という商売のために、大阪市内でたった一つの地下鉄駅前でありながら、建物一つない駅前広場になっております。この問題で付言いたしておきますが、現在市バス住之江営業所がこれまた駅前に以前からあります。これの移転を願い、このあとに駅前ビルを大阪市で建ててくれたら、この住之江公園駅前は、もっと発展するのにという住民の声もあります。一方、昭和60年には、北港埋立地も完成します。また、現在南港の関電用地も、発電所はいまの社会情勢ではとうていできそうにもありません。市長さんは勇断をもってこの住之江競艇場を大阪湾岸線以西に移そうということにリーダーシップをとられ、中井市長の長居競馬場の廃止の勇断、または左藤知事の住之江競輪場の廃止の轍をたどって所管が異なるので廃止の権限がないなら、市民の迷惑にならないよう、移転を断行すべきではないでしょうか。そして、やがて副都心の一つになるということでありますが、都市の空間として住之江競艇場を移転させたあと地を、関西のラグビー、サッカーの青年の声のこだまする場所にする気持ちはないかどうか、ご決意を承りたいのであります。 次に、小さなようで小さくない大事なことだと思いますので、市長に2点注意を喚起いたしたいのであります。 まず第1に、過般、大阪ガスの値上げがマスコミで報道された際、市長は京都、神戸の革新と称する市長さん等を誘ったのか、先方から呼びかけてきたのかわかりませんが、結局は3市長連名で大阪ガスに対し、特に中小企業に、不況のおりから影響のないように、また市民生活の負担にならぬようにと文書をもって申し入れをされたのであります。そしてこのことは、マスコミに華々しく報道されたのでありますが、私の調査したところによりますと、この申し入れに対して、大阪ガスは何らかの回答をしてきたのかというと、何とあきれたことに、何の回答もしてきていないのであります。すなわちいいかっこうの3市長のそろい踏みで、相撲はとらず、勝負の判定もないという、まことに残念な、いわゆるいいかっこうの政治のテクニックであるということであります。このことについては答弁は要りませんが、今後このようなことのないよう市長に苦言を呈しておきます。 第2点は、役所の中には意外といろいろな場当たり、急場しのぎの制度があり、ぜひ整理が必要であります。大阪市は昭和46年に災害により住宅を失った者に対する市営住宅への特定入居制度の実施についての要項を決めております。よく調べてみると、火災で家が全焼して困っている方を対象としてつくった制度であり、その数は年30戸を限度としております。たぶんこの制度は何かの折にぐずられて、間尺に合わせてつくったものではないかと私は思いますが、そんな弱い行政をするから、かえって不公正が生ずるのであります。大阪市内で昨年家を全焼の形で失った人の数は、昭和50年 578世帯、51年は 371世帯であります。建築局の話では、この制度はありますが、あまり先生方に知られては困るとのことであります。このような制度は、かえってあること自体が紛争を起こすようなもので、かえって有害であり、あまねく公平公正な行政のたてまえからも、整理もしくは廃止すべきではないでしょうか。そうでなければ、被災の一定基準及び収入基準、家庭の状態、これに合う人には全部入居させてあげますということでなければなりません。市長さんのご見解をお聞きいたします。 市長は過般の関電ホールの講演で、「大都市の問題ハードウェアとソフトウェア」と題する中で、 220万マイカーの走る大阪の交通戦争について、これをバスを軌道にかえてくださいと聴衆に呼びかけておられました。それとはうらはらに、バスはますます見放され、利用者は最盛時の39年ごろの 120万人の半分の現在は60万人に満たない状況であります。これが赤字のために、ついに65億円という赤字補てん公債を52年度予算に計上するという事態に立ち至っております。そこで私は次のようにして、この際思い切って現在のバス事業は収縮したらどうかと思うのであります。 まず第1に、1カ月に収入11万 1,000円に対し、費用 122万 7,000円という、最も収支不良の巡回バスを即座に廃止すべきであると考えます。次に、市外への延伸系統を廃止すべきであります。そのわけは、大阪府の黒田知事は、なかなか大阪市の交通事業に援助の手を積極的に差し伸べておりません。このように、みずからの務めに自覚のない知事にかわって、大阪市が務める必要はございません。次に、大阪市内の利用度の極度に悪い路線及び地下鉄等との重複路線は、この際思い切って廃止すべきであります。また、私の独自の発想でありますが、ここに駅勢図があります。私は国鉄環状線と環状内の地下鉄、私鉄のそれぞれの線の中心にコンパスを立てて半径 500メートルの円をかいてみました。そうしますと、大阪市の国鉄環状線内は、ほとんどこの円で埋められるのであります。中には相当円の重複もあります。したがって、市民に職場の体操などを市長さんは勧めておられますが、それよりも、市民に 500メートルや 300メートルは歩いてくださいと呼びかけて、環状線内のバスを一挙に廃止してもよいと考えております。現在の大阪市のバス事業は、財政援助をとめどもなくするか、市民に多少の不便を忍んでいただくかの転換路にあると言えましょう。大都市の勤労者と市民は、えてして文明になれ、みずからの健康づくりを忘れつつあります。現在環状線内の地下鉄の駅間の2分の1は、 350メートルから 500メートルくらいであります。このようにすることにより、市長のマイカー自粛の呼びかけも理解、共鳴され、バス赤字の減少ともなり、地下鉄の収益増にもなりますが、市長さんのご決断を承りたいものであります。 最後に、現在大阪市が行っている南港開発事業は、その着想、その規模、その内容は世界の範とする大事業と言うべきであります。そしてこの事業は、昭和56年をもって終了することになっておりますが、埋め立て開始より想起すれば、20年になんなんとする長期の大事業であります。私は過般、港湾埠頭の研究のため、西ドイツのハンブルグを訪れ、たまたま同地の海洋博物館を訪れ、古代から現代に至るまでのハンブルグ港の成立、形成、現況が一目でわかる模型、また港の岸壁を断面にした模型、その他あらゆる港湾に関する資料を一巡して、大変感銘いたしました。大阪港は、故中馬市長がいつも中央の手を借りない市民のど性骨の港であると熱っぽく説かれていました。市長はことしこそ20年にわたる南港建設のしめくくりに、完成記念事業を考えるべきではないでしょうか。そして交通科学博物館をつくり、プラネタリウムを導入した先人に負けないように、四面海の日本の少年少女のために、海洋博物館を記念事業として建設する気持ちはないか、市長、港湾局長にご意見、ご所見を承りたいのであります。 以上をもちまして私の質問は一応終りたいと存じます。なお、答弁の内容いかんによっては、再登壇することを前もってお許し願いたいと思います。ご清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(山下喜一君) この際お諮りいたします。定刻が参りましたならば、時間を延長することに決してご異議ありませんか。 (「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(山下喜一君) ご異議なしと認めます。よって時間は延長されました。 理事者の答弁を許します。大島市長。 (市長大島靖君登壇)
◎市長(大島靖君) 高野議員のご質問にお答え申し上げたいと思います。 まず第1に、高速道路建設の取り組みについて、特に泉北線の問題についてのご意見、ご質問でございます。泉北線の計画につきましては、ご承知のとおり昭和47年の10月に、地元の住民から調定申請がございまして、大阪府の公害審査委員会で調定審理が行われておるところでございます。現在まですでに30回以上も調定審理が行われておるのでございますが、いまだその結論が出してもらえないわけでございます。大阪市としては、現在の技術水準で可能な限りの公害対策を調定委員会に提案をいたしてまいったのでありまして、私ども一日も早くこの調停案が提示されることを望んでおるのでございますが、遺憾ながら今日までまだ提示される段階には至っていないのでございます。しかし大阪泉北線計画と申しますのは、国鉄の阪和線の立体交差化工事と合併施工の計画でございまして、阪和線の立体交差というのは、南部大阪におきます東西交通の緩和のためには、ぜひとも必要な事業でございます。でありますから、何とかして早期解決をしてもらいたいと思うのでございますが、私どももできるだけ早く解決いたしますように今後とも努力をいたしたいと存じます。 次に、福祉施策の見直しについてのご指摘でございます。生活保護など福祉予算につきましては、単に予算額がふえたから、増額になったから施策の前進であるということは決して申せないと思うのでありまして、その執行に当たって、それがほんとうに施策を必要とする方々に行われておるかどうか、これが問題点でございます。私どもかねて考えております福祉の施策と申しますのは、一方において国全体として社会保障、社会保険の制度の網の目ができるだけ細かく張られ、かつ、その水準が着実に向上してまいること、このことが一方において必要でありますし、同時にまたそういう社会保障、社会保険の制度のもとにおいて、ほんとうに恵まれない方々の必要な方面に十分な手当が行き届いているかどうか、この点が問題でございます。特にそうした福祉の網の目から漏れ落ちているような恵まれない方々がないか、そういう方々を福祉の網の目にすくい上げていくという仕事が大事でございますし、同時に反対に、ただいまご指摘のように、必ずしも必要でない向きに、こうした福祉の手当というものが向けられているといたしますと、これはまことに困ることでございます。でありますから、私どもはそういうことのないように、ひとつ関係職員のさらに一そうの資質の向上、研修に励ますと同時に、体制を刷新してそのことに当たりたいと思うのであります。生活保護監査の指導体制を強化いたしますとか、要するに部署を徹底的に断固として刷新してまいらなければならないのではないかと思うのであります。ただいま高野議員ご指摘のような事実は、ほんとうにあり得べからざることでありまして、私どもはそういうことはひとつ断固ただしてまいらなければならないと考えるものであります。 次に、同和問題についての基本的な考え方についてのお尋ねでございます。私どもは今日、同和施策につきまして、過去相当な期間努力をいたしてまいりました。その結果について私どもはこれを評価し、検討し、問題点を整理して、新しい展開も含めて将来のあるべき同和施策の検討をいたすべき時期ではないかと思うのであります。私どもは相当な努力をいたしてまいりましたし、全国的に申しまして私は相当な成果を上げてまいったと思うのであります。しかしそれにもかかわらず差別の問題というものは、相変らず深刻な状態である、なかなか解消できない。でありますから、私どもはやはりこの際過去の実績を踏まえ、また、その問題点をいろいろ検討し、整理をして、ほんとうに実効のある同和施策というものをやっていくべき時期にまいっているのではないかと思うのであります。ことに
特別措置法は時限立法でございます。期限間近に控えておるときでございますので、私どもはこれは、やはり国民的課題として、そうした問題についていろいろ論議もございますし、問題点もございますので、ひとつそういう点について国民的なコンセンサスが得られて、それによってほんとうに実効のある同和施策が進んでまいりますような時期に来ておるのではないか、私はかように存ずるのであります。そうした方向において、今後ともほんとうに実効のある同和施策を進めてまいりたいと考えます。 住宅問題についてのご意見でございますが、私も高野議員と同様に住宅政策、大阪市の住宅政策は、いまや大きな転換を必要とする時期にまいっておるのではないかと思うのであります。しかしこの問題は非常に複雑多難な問題でございます。たとえば家賃の問題一つをとりましても、土地問題とも関連いたしまして、なかなかむずかしい問題でございます。しかしそういうむずかしい問題ではございますけれども、いまやひとつ、大きな新たなる住宅政策の前進をはかってまいらなければならないのではないかと思うのであります。その意味で、ただいまご指摘のございましたようなご意見、いろいろな公営住宅も必要でございますけれども、同時に住宅公団でありますとか、住宅供給公社の分譲住宅とか、私はそのような住宅の建設ということが今後の一つの大きな方向ではないかと思う。また同時に、単に住宅を建てるという住宅政策ではなしに、他の政策と相関連せしめた住宅政策、すなわち都市再開発の行政との相関連した政策でございますとか、総合的な住宅政策というものが必要ではないかと思うのであります。そうした新たなる転換に備えて、強力な住宅政策の機構を考えてみてはどうかというご提案でございます。現在住宅問題は建築局において所管はいたしておるのでございますが、私もかねがね建築局の行政というものが、きわめて異質と申しますか、いろいろな面の変った行政が混在をいたしております。住宅問題を管理いたしますところと、それから建築基準法の施行に当たります、建築指導のことに当たるところと、それから市営の建築物を建造いたします営繕と申しますか、こういう三つの部門、これはそれぞれ建築という点では関連するのでございますけれども、行政としてはいささか方面の違うものが混在している。たとえば建築指導の仕事というものは、どちらかと申しますと、総合計画局において所管をいたしております土地利用問題とも非常に密接な関連を持つ部局でございます。それから営繕の方の仕事は、大阪市有の不動産という関連からいたしますと、経理局の不動産管理、土地管理の仕事ときわめて密接な関連があるということでありまして、建築局の組織、機構としての問題点というものは、かねがね一つの大阪市の組織、機構の改善の際に、しばしば出てくる問題でございます。そうした中におきまして、特に住宅問題について強力な機構を必要とする時期でございますので、私どもも一度この問題はひとつ真剣に考えさせていただきたいと思うのであります。いま直ちにというわけには、まいらないかもしれないのでございますが、その方向において、ひとつ研究させていただきたいと思う次第であります。 それから人事についてのご意見、お尋ねでございますが、人事というものは組織の、あるいは組織の活動の一番根本、基礎でございます。したがって御説のように、人事がコレステロールの状態になることがないように、また、人員が適正に配置されますように、また、人事においてコレステロールとおっしゃいましたけれども、人事の停滞と申しますか、気分の停滞と申しますか、そういうことを刷新いたします一番大事な点は、やはり交流ということであろうかと思います。各局の交流の問題あるいは本庁と区役所並びにその他の出先の現場機関との交流の問題、私はこれは非常に必要なことではないかと思うのでありまして、今後とも交流を盛んにするという--これはどちらかと申しますと、大阪市の場合、一定の職場にかなり長くおるという傾向がございます。これは一長一短でございまして、あまり頻々とかえるのも問題でございますし、また場所によりましては長期そのことに携わって専門家になるということも必要な点もございますので、一概には申せませんけれども、しかしいま少し交流を盛んに、あるいは定期的に計画的に行った方がよいのではないか。ことに本庁と現場機関と申しますか、出先機関との間の交流は、さらに一そう盛んにする方がよいのではないかという私は感想を持っておるものでございます。ただ長年の人事の慣行もございまして、一挙にはいきがたい面もございましょうけれども、私はできればそういう方向に進めてまいりたいと考えておるものでございます。 町の美観と広告の問題についてのご指摘でございますが、これは私の申し上げたいことをそのままおっしゃっていただいたような感じがするのでございまして、ただ条例の関係につきましては、ご承知のとおりのような事情で、49年に改正に相なりましたものでございますが、そういう条例の適用の問題を越えまして、ひとつぜひともこの際ご指摘もございましたので、町の美観という観点から、広告の整理にひとつ当たりたいと思うのであります。もちろん全市にわたってこれをやってまいらなければならないと思うのでございますけれども、とりあえずどこかで模範的に一ぺんやってみる、徹底的にやってみることが必要ではないか。そして一定期間きれいにいたしますと、もうそこへはなかなか張ろうと思っても張りにくくなる。もともと張ったものは、張った人が取ってくれるのがほんとうだと思うのでありますけれども、なかなかそうもいきにくいところがあるかもしれないと思います。私はいまお話を承りなから、たとえば堺筋あたりで、あそこもなかなか広告がはんらんしているところなのでございますが、それで昔から由緒のある大阪の町筋でございますので、ひとつたとえば堺筋で広告物を徹底的に、あそこには張った紙もございますけれども、いろいろな立てている広告物も非常に多いのであります。そうした点、一ぺん一定地域を区切って、徹底的に一定期間やってみるということも一法ではないかと思いますので研究させていただきたいと思います。 さらに資源の再利用についていろいろのご提案がございました。ことに下水処理水の有効利用についてでございます。現在下水処理水の再利用につきましては、大阪城公園のお堀の水に使っておりますとか、あるいは処理場の中での活用水に使っている程度でございますが、さらにただいまご提案のような泉水に使うとか、公園の散水に使うとか、道絡の洗浄に使うとか、河川の浄化に使うとか、いろいろなご提案がございました。
下水道局長もかねがねそういうふうな問題につきまして、各局と一ぺん連絡をとってみたいというようなことも申しておりましたので、ひとつ早速各局で研究させてみたいと思います。おっしゃるとおり下水処理水の有効利用ということ、せっかくきれいにしたものでございますから、またその方向に今後もってまいらなければならない問題だと思うのであります。 国立劇場の設置につきましては、市会の皆様方の非常なご協力によりまして、ようやく実現の運びに相なってまいったのでございますが、これはご指摘のとおり、単に文楽ということだけではなしに、文楽も含んで上方芸能全般についての劇場であってほしいと思うのであります。ただ、その持っていき方として、いろいろ言いますと、なかなかわかりがむずかしいものでございますから、文楽劇場、文楽劇場と申しておりますけれども、内容的にはやはり上方芸能全般にわたるものであってほしいと思うのであります。でありますから、劇場の規模等につきましても、もちろんたとえば上方歌舞伎なら上方歌舞伎でございますと、文楽とはまた違ったお客の容量でございましょうから、そういう点はひとつ十分今後検討してもらうようにいたしたいと考えます。 養護学校の問題につきましては、今後とも大切な問題でございますので、私どもも教育委員会と連絡いたしながら、今後さらに充実に努めてまいりたいと存じますし、また、大阪府の方でも今後いろいろ検討してくれることと思いますので、大阪府とも十分連絡をとりながら充実に努めてまいりたいと思いますが、詳細については教育長からお答えを申し上げたいと存じます。 公害健康被害の補償事業の問題については、現在新聞等でもごらんのとおり、いろいろ問題点が論議されております。何しろ制度が生まれまして3年目でございます。いろいろ問題点もあるようでございますが、そうした問題点につきまして、環境庁その他とひとつ十分協議をしてまいりたいと存じております。なお、公害企業で集団移転をいたしました企業ないし共同で公害防止施設をいたしましたそういう公害企業の現在非常に窮状にございます点のご指摘でございます。特に現下の長期にわたる不況下での大変な問題であろうかと思いますので、ひとつ私どもも十分調査をさせていただきたいと存じます。 住之江のモーターボートの問題でございますが、これは府下の17の市が自治大臣と運輸大臣の許可を受けて開催権を待っておるものでございます。ご指摘のようないろいろな問題点がございます。ただご指摘の移転の問題、何ぶん大きなプロジェクトでございますし、多くの関係市の事情もございますので、ひとつ当面道路交通を初めとする環境問題につきまして、開催市、施設の設置者におきまして、万全の措置、対策をおとり願いたいと考えるものであります。また住之江駅の周辺の問題につきましては、新種交通機関の開設とも関連いたしまして、ひとつ研究をいたしたいと考えております。 なお、災害に伴う住宅を失ったものに対する市営住宅の特定入居制度の問題、ご指摘もございました。ひとつ検討課題として研究させていただきたいと思います。従来のいろいろな歴史、経緯等もございますと思いますが、そうした面も踏まえながら、ひとつ研究させていただきたいと思います。 バスの問題につきましては、ご承知のとおりこの問題の解決のためには、総合的な都市交通体系というものを完成してまいって、その中でバスのあるべき機能を十分発揮することによって、バスの再建をはかってまいりたいと考えて鋭意努力をいたしておるところでございます。そうした将来の目標を持ちながら、バス路線の問題等も考えてまいらなければならないと思うのでありますが、具体的な路線の問題につきましては、ひとつ交通局長からお答えを申し上げたいと思うのであります。ただ、これに関連してお話のございました歩くことの重要性につきましては、私も全く同感でございます。まあもよりの駅、もよりのバス停留所までなるべく歩いてまいる、そういうふうに、やはり習慣の問題でございますが、私どもも、健康という観点から、ほんとうに同感の意を表したいと思うのであります。 最後に南港の開発記念事業として、海洋博物館をつくってはどうかというご提案でございます。南港の造成もだんだん進んでまいりまして、いずれそのうちに完成の域に近づくかと思うのであります。そうした際における記念事業としては、非常におもしろい。おもしろいと申すとおかしゅうございますが、意義のあるご提案ではないかと思いますので、私どもも今後十分研究、検討させていただきたいと存じます。
○議長(山下喜一君) 圓井教育長。 (教育長圓井東一君登壇)
◎教育長(圓井東一君) 養護学校につきましてお答え申し上げます。 まず第1点の幼稚部の併設の問題でありますか、障害幼児の教育につきましては、それぞれの幼児の発達の状況に応じまして、適切なる場所と機会で行われるべきものであると考えております。そこで盲聾学校には幼稚部を置いてはおりますが、同時にまた四、五歳児というふうな幼稚園児の年齢の段階では、むしろ幼稚園の中で健常園児と一緒に保育をしていくということが大変教育の効果を上げるという面もございます。しかしながら幼稚園の立地状況につきましても、地域的なばらつきもございますし、ご指摘の幼稚部併置の問題につきましては、そういうもろもろの要素を勘案しながら、今後研究をさせていただきたいと存じます。 第2点の技術修得の場の併設でございます。新設養護学校に高等部を併設する予定にいたしておりますが、この高等部での教育計画あるいは指導の計画というものを具体に検討してまいりますその中で、高野議員のご趣旨を十分生かしてまいりたいと、かように考えます。 第3点の今後の養護学校の設置計画でございます。去る2月2日に養護教育審議会から答申をいただきました。その答申では障害児童、生徒の出現率分布状況でありますとか、交通の便並びに養護学校の適正配置などを考慮して、今回予算計上をしております2校を含めまして合計7校、したがいまして、あと5校の養護学校が必要であるというふうになっております。養護学校の義務制実施をあと2年後に控えまして、教育委員会といたしましは、障害児の教育は一日もゆるがせにできない問題でございますので、設置義務のあります大阪府に対しまして、積極的な助成策を要望し、かつまた緊密なる連携をとりながら、その養護学校の今後の設置につきまして、審議会のご答申の趣旨に応えるべく努力をしてまいります。その際の設立主体でございますけれども、私ども教育行政につきまして、責任を持つ立場といたしましては、引き続き大阪市立という立場を考えておる次第でございます。
○議長(山下喜一君) 森吉交通局長。 (交通局長森吉琢郎君登壇)
◎交通局長(森吉琢郎君) バス路線の再編整備の問題についてのお尋ねでございます。 まず、区内巡回バスでございますが、これは高野議員ご指摘のとおり利用客が非常に少ない実情でございまして、したがいましてその収支状況もきわめてよくないものがございますので、これらにつきましては、一部廃止を含めまして経路変更、再編成を行うことによりまして、真に地域バスとして機能を発揮できますよう、整備してまいりたいと存じております。また、市外への延伸系統につきましても、利用客が非常に少なく、かつ並行する他の交通機関があります路線につきましては、早急に廃止、短縮等をいたしてまいりたいと思っております。また、市内路線につきまして、地下鉄との並行路線は都心を含めまして原則として廃止、短縮をはかりまして、できる限りもよりの地下鉄駅に接続するようにしたいと存じております。なおこれに関連いたしまして、国鉄環状線内のバスは全廃してはどうかというご提言でございますが、今後の路線再編成計画では、環状線内の地下鉄と完全に並行する路線は全廃いたしますので、基本的には高野議員ご指摘のようになるわけでございますが、ただ東西の幹線道路沿いあるいは西部の南北道路などで、地下鉄サービスなどがない地域につきましては、例外的には一部は残さざるを得ないものと考えております。
○議長(山下喜一君) 大西港湾局長。 (港湾局長大西英雄君登壇)
◎港湾局長(大西英雄君) 南港の開発記念事業に海洋博物館をというご提案でございますが、南港の開発は市域の約5%の町づくりを行うものであり、港湾整備を拡充するだけでなく、市民が港や海に親しめる自然環境や文化環境を創造していきたいと考えております。このような意味から、ご提案の趣旨はまことに有意義なものだと考えておりまして、市長からもお答え申し上げましたとおり、今後周辺の環境アクセス等の問題を含めて、種々の見地から検討してまいりたいと考えております。
○議長(山下喜一君) 59番高野光男君。
◆59番(高野光男君) 自席から発言させていただきます。市長ほか誠意あるご答弁に御礼を申し上げますが、なおいまだ十分解明されておらない面もあります。その点については、以後わが党の委員の皆さんで解明をお願いすることとして、私の質問を終わります。(拍手)
○議長(山下喜一君) これをもって質疑を終結いたします。
○議長(山下喜一君) ただいま議題となっております諸案件は、お手元に配付いたしてあります各常任委員会審査付託表のとおり、各常任委員会に付託いたします。 ---------------------------------
△(イメージ)各常任委員会審査付託表
△(イメージ)各常任委員会審査付託表
△(イメージ)各常任委員会審査付託表
△(イメージ)各常任委員会審査付託表
△(イメージ)各常任委員会審査付託表
△(イメージ)各常任委員会審査付託表 ---------------------------------
○議長(山下喜一君) 日程第42、
議員提出議案第1号、
中小企業事業分野確保に関する法律の制定促進に関する意見書案、議題といたします。 ---------------------------------
△(イメージ)
議員提出議案第1号 ---------------------------------
◆40番(薩摩夘三郎君) 動議を提出いたします。ただいま議題となりました
議員提出議案第1号については、委員会付託を省略、原案どおり可決せられんことを望みます。
○議長(山下喜一君) 40番議員の動議にご異議ありませんか。 (「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(山下喜一君) ご異議なしと認めます。よって
議員提出議案第1号は、委員会付託を省略、原案どおり可決されました。
△閉議
○議長(山下喜一君) 本日の日程は以上で終了いたしました。
△散会
○議長(山下喜一君) 本日はこれをもって散会いたします。 午後4時59分散会 ---------------------------------大阪市会議長 山下喜一(印)大阪市会副議長 松井義明(印)大阪市会議員 木下伸生(印)大阪市会議員 高橋幸一(印)◯大阪市会(定例会)会議録(昭和52年3月8日)(終)...