昭和49年第4回定例会(昭和49年11・12
月)◯大阪市会(定例会)会議録(昭和49年12月3日)
◯議事日程 昭和49年12月3日午後2時開議第1 報告第36号 昭和48年度大阪市
市民病院事業会計決算報告について (以下
決算特別委員長報告)第2 報告第37号 昭和48年度大阪市
中央卸売市場事業会計決算報告について第3 報告第38号 昭和48年度大阪市
港営事業会計決算報告について第4 報告第39号 昭和48年度大阪市
下水道事業会計決算報告について第5 報告第45号 昭和48年度大阪市
歳入歳出決算報告について (
一般会計、
大学医学部付属病院事業会計、
食肉市場・
と畜場事業会計、
宅地造成事業会計、市街地再
開発事業会計、
駐車場事業会計、
土地先行取得事業会計、
母子福祉貸付資金会計、
国民健康保険事業会計、
心身障害者扶養共済事業会計、
公債費会計)第6 報告第46号 昭和48年度大阪市
都島本通外16財産区
歳入歳出決算報告について (以上
決算特別委員長報告)第7 議案第154号 職員退隠料及び
遺族扶助料の昭和42年度以後における年金の額の改定に関する条例等の一部を改正する条例案第8 議案第155号 大阪市
土地利用審査会条例案第9 議案第156号 北島第2
住宅建設工事請負契約締結について第10 議案第157号
高松住宅建設工事請負契約締結について第11 議案第158号 生江第3
改良住宅建設工事請負契約締結について第12 議案第159号 市の区域内にあらたに生じた土地の確認について(住之江区地先)第13 議案第160号
南港埋立てに伴う区の区域の変更に関する条例の一部を改正する条例案第14 議案第161号 町の新設並びに町の区域及び名称の変更について第15 議案第162号 市の区域内にあらたに生じた土地の確認について(大正区地先)第16 議案第163号
公有水面埋立てに伴う区の区域の変更に関する条例案第17 議案第164号 町の区域の変更について
--------------------------------- ◯追加議事日程第18
淀川左岸水防事務組合議会議員の選挙第19
大和川右岸水防事務組合議会議員の選挙
---------------------------------◯出席議員 88人(欠は欠席者) 1番 欠員 2番 土居一雄君 3番 小畑一男君 4番 徳田賢次君 5番
薩摩夘三郎君 6番 永井 博君 7番 流田利一君 8番
中西建策君 9番 関根信次君 10番 近藤 正君 11番 竹村芳春君 12番 井出和夫君 13番 岡田明経君 14番 小林和美君 15番 森川美代君 16番 奥野修三君 17番 森野光晴君 18番 加藤 進君 19番 木下伸生君 20番 足高克巳君 21番
中西昭郷君 22番 小郷平八君 23番 岩田 章君 24番
森下土治君 25番 室屋定三君 欠 26番 吉村達雄君 27番
隅野源治郎君 28番 小林通夫君 29番 鈴木清蔵君 30番 中石清一君 31番 岸本太造君 32番 内村作二君 33番 山下博義君 34番 高橋幸一君 35番
山下喜一君 36番 勝田重春君 37番 藤岡信雄君 38番 福岡たづ君 39番 井上英夫君 40番 改発 弘君 41番 高野光男君 42番 柳井伝八君 43番 山川洋三君 44番 仲谷誠夫君 45番 松井義明君 46番 浜口盛男君 47番 浜浦重治君 48番 姫野 浄君 49番
四方棄五郎君 50番
若林伊太郎君 51番 上野 弘君 52番 塩田吾一君 53番 安松克己君 54番 野口末造君 55番 高垣松雄君 56番 倉川 薫君 57番 辻 渡君 58番 古山一郎君 59番 沼田喜一君 60番
佐々木栄一君 欠 61番 美延重忠君 62番 辻 昭二郎君 63番 大丸志朗君 64番 音在又一君 65番 野村 清君 66番 田中豊栄君 67番 島尾 茂君 68番
山口武志君 69番 栗須 斉君 70番 吉田辰治君 71番 南 常治郎君 72番
中村賢三郎君 73番 伊藤 募君 欠 74番 勝田真人君 75番 田中正男君 76番 寄吉 極君 77番 吉田 弘君 78番
中田捨次郎君 79番 佐野繁雄君 欠 80番
西風金之助君 81番 粟井岩吉君 82番 坂本 実君 83番 長田義一君 84番 坂井三郎君 85番 次田虎雄君 86番 天野 要君 欠 87番 北山 勇君 88番
大西保三郎君 89番
井上秀之助君 90番 大神 仁君 91番 村田岩雄君 92番 黒木武好君 93番 中尾安夫君 94番 長沢利治君
---------------------------------◯職務のために出席した
事務局職員 市会事務局長 藤井弘巳 次長 榎村 博
議事課長 上羽睦義 議事係長 若野 実
委員係長 藤田 衛
---------------------------------◯議場に出席した
執行機関及び説明員 市長 大島 靖 助役
福山真三郎 助役
内山敞義 助役
石川多賀夫 収入役 久川芳蔵 市長室長 西尾正也
総務局長 竹村保治
職員局長 深沢 修
財政局長 道廣一實
総合計画局長 寺田久彌
経理局長 足立芳邦
民生局長 内山 登
経済局長 稲田芳郎
市場局長 池内英太郎 環境保健局長 中山信正
環境事業局長 庄司修造
土木局長 近藤和夫
下水道局長 栗林春日子 都市再
開発局長 小寺 稔
公園局長 宮北孝男
建築局長 圓井東一
港湾局長 高村 靖
生活関連物資等緊急対策室長 安宅宗吾
市立大学事務局長 野元隆司
交通局次長 宮内義人
水道局長 叶 清
消防局長 氏原岩雄
教育委員会委員長 庄野英二 教育長 芝山嘉郎
選挙管理委員会事務局長 遠藤純男
監査事務局長 米田拾二
人事委員会事務局長 遠藤 渉
---------------------------------
△開議 昭和49年12月3日午後4時47分開議
○議長(
佐々木栄一君) これより
市会定例会会議を開きます。 本日の
会議録署名者を
山口武志君、
森下土治君のご両君にお願いいたします。
○議長(
佐々木栄一君) おはかりいたします。この際暫時休憩し、なお定刻が参りましたならば、時間を延長することに決してご異議ありませんか。 (「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(
佐々木栄一君) ご異議なしと認めます。よって時間は延長されました。 暫時休憩いたします。 午後4時48分休憩 午後7時18分再開
○議長(
佐々木栄一君) これより休憩前に引き続き会議を開きます。
○議長(
佐々木栄一君) 日程第1、報告第36号、昭和48年度大阪市
市民病院事業会計決算報告についてないし日程第6、報告第46号、昭和48年度大阪市
都島本通外16財産区
歳入歳出決算報告について、一括して議題といたします。
○議長(
佐々木栄一君)
決算特別委員長より審査の報告を求めます。
---------------------------------
△(イメージ)
決算特別委員会審査報告書 ---------------------------------
○議長(
佐々木栄一君) 73番
決算特別委員長伊藤募君。
◆73番(伊藤募君)
決算特別委員会に付託されました報告第36号、昭和48年度大阪市
市民病院事業会計決算報告について外5件に対する審査の経過と結果の大要をご報告申し上げます。 準
公営企業会計決算報告が去る10月22日に、また
一般会計等決算報告が11月9日にそれぞれ本委員会に付託されたことによりまして、本委員会は10月23日に初の委員会を開会して以来、本日に至るまで2回の
実地調査を含め14日間、きわめて慎重かつ熱心なる審査を行なってまいりました結果、お手元に配付しております報告書のとおり、
決算報告6件はいずれもこれを認定すべきものと決した次第であります。 以下委員会における審査の概要を重点的にご報告申しあげることにいたします。 まず
財源確保の問題についてであります。48年度の
一般会計決算を見ますと、単年度としては8,500万円余の
繰り越し金を生じてはいるものの、実質収支の不足額は前年度より8億円増の57億円余となり、依然として多額の
財源不足を生じているのであります。そこで
委員各位より、この
財源確保の問題及びその根本的な解決策である
税制改正の見通しについてただされたのであります。 これに対して理事者は、48年度は、
市税収入が、年度後半における企業の高収益による
法人市民税の伸び及び
固定資産税の改正等によって、予算に比べて61億円の増額をもたらす一方、交付税においても219億余りを充当することができて、起債額の抑制があったにもかかわらず、
決算収支としては何とか均衡を保つことができたものの、今後の
経済状況の推移からして、市税の伸びは多くを期待できず、加えて総
需要抑制策による起債の減、一方、人件費を中心とした
経常的経費の増が、
一般財源の伸びを上回る現況のもとでは、今後の
財政運営は、まさに
危機的状況にあると言わざるを得ない。したがって、何としてでも
現行税制の抜本的な改正を早急に実現することが当面きわめて重要であるが、永年の運動の中で、本年度は
法人所得課税が9.1%から12.1%に引き上げられたものの、なおその
配分割合は、国、府県が優遇されていることから、大都市に有利な
配分割合の達成をぜひとも進めていく必要がある。また、本年度は
事務所事業所税の創設が運動の最重点目標であるが、現在の動向からして、これが実現の前途はますます多難ではあり、その実現のため最善の努力をいたす覚悟である旨答弁された次第であります。また
超過負担解消問題に対して、理事者は、
超過負担は本市のみならず全国的な問題として、これが解消について従来から強く叫ばれてきたのであるが、本市においても48年度は資材の高騰、工事費の
値上がり等によって121億6,000万円もの、かつてない膨大な
超過負担を余儀なくされており、これが
財政悪化の大きな原因となっている。自治省においても、その重大性を認識され、48年度から2カ年計画で解消をはかるべく、関係者の協力を得て認証単価などの若干の是正を実施されたのであるが、その後の物価の異常な高騰には全く追いつけず、当初計画の修正を余儀なくされ、49年度に行なった
実態調査のもとに、本年末に予想される臨時国会において
補正予算を計上される見通しである。しかし、これが実施されたとしても、なお完全な措置には、いまだ至らないと思われるので、今後とも
地方自治体一丸となって、これが解消のために全力を傾注してまいりたい旨答弁がなされたのであります。 財源問題に関連して、さらに委員より、
本市職従業員の人件費が、昨今の
社会経済情勢のもとでは、今後とも増高することが予想されますが、これが
財政運営に少なからずの影響を与えていることを考慮して、今後の対処方について尋ねられたのであります。 理事者はこれに対して、48年度における
一般財源の中で、人件費は55.7%を占めており、本年度は
人事院勧告分の30%
アップ分を含めると60%をこえることは確実と思われ、従来、
一般財源の3割を2部会計に振り当てていたものが2割しか充当できなくなる見通しである。現在、この
財源確保に苦慮しているものであるが、
自治体サイドの問題として、今後の人員増は必要欠くべからざるものに限定して抑制につとめる一方、
事務事業のあり方、
事務内容の
能率化等について、さらにきびしい検討を試み、
財政硬直化の打開を目ざす覚悟である旨の決意を披瀝されたのであります。 次に、歳出にかかる問題として、147億もの多額の不用額を出していることに対して、当初予定していた事業の計画的、合理的な執行に熱意を欠いていたのではないかとの鋭い指摘がなされました。 これに対して理事者は、不用額を生じた最大の原因は、国の総
需要抑制策による
公共事業の大幅な繰り延べと48年後半の
石油危機に端を発した物価の異常な値上がりによる資材の高騰、
資材不足により契約の不調、あるいは
用地取得の遅延等によって、
建設事業が繰り越したことが最大の原因であるが、内外の
経済情勢に基因するとは言え、かくも多額の不用額を生じたことはまことに申しわけなく、今後は
インフレ抑制の見地から、国の施策とも相まって予算の厳正な編成とともに、忠実な
予算執行に全力を投じてまいりたい旨答えられました。 以上は
決算収支としての問題をとらえてご報告申し上げたのでありますが、本委員会におきましては、
決算審査という中で具体的な指摘、批判を通じて、来たるべき新
年度予算編成に対する方向づけと将来にわたる市政運営の問題に至るまで、あらゆる角度からきわめて熱心な質疑応答がかわされたのでありますが、以下幾つかの事項に要約して申し上げたいと存じます。 まず初めに、
建設事業としての市民の要望が最も多い
市営住宅、
学校整備、
保育所等が、多額の不用額を出しながらおくれを生じていることに対し、今後市民の要求に十二分にこたえた行政が遂行できるかという問題について、多くの委員よりただされたのであります。 これに対して理事者は、まず
公営住宅の建設については、46年度、4,300戸、47年度、4,500戸とほぼ計画どおり進めてきたのであるが、48年度に至りきわめて深刻な用地の取得難、工事費の高騰等によって2,400戸もの大幅な補正減をせざるを得なかった。その抜本的な施策としては、本市の
住宅審議会の
最終答申を待って、国の
住宅政策との密接な連携のもとに具体化する考えであるが、当面の課題としては、
用地取得難が一つの大きな原因であることから、従来から実施してきた
木造住宅の建てかえをより積極的に推進するとともに、公有地の
有効利用とあわせて
民間住宅の
建設助成も一段と充実して、市民の要望にこたえてまいりたい旨答弁されたのであります。 次に、
学校整備については、48年度から3カ年で木造校舎583教室を対象に鉄筋化をはかる計画で、目下その遂行につとめており、48年度は資材の高騰などから、42教室着工のうち7教室しかその完成を見ていない状態であるが、未完成分については、49年度に計画分とは別ワクの予算を計上し、3カ年計画については、何としてでも完遂する決意である。さらにまた、保育所の建設問題については、47年度から4カ年で公私合わせて1万人の増員を目途に目下建設に着手しているが、48年度は、計画分15カ所のうち
年度内完成はわずか1カ所にすぎず、この原因としては、資材の高騰もさることながら、近時における土地の
高度利用化の要請の中で、
市営住宅との
併存建設のため、
工事期間が1年をこえるためと用地の取得難とが遅延の大きな要因となっている。
保育所建設用地は、従来は公有地を充ててきたが、今後は民有地の買収に進まざるを得なくなっており、その財源を起債に頼らざるを得ないが、これとて48年度後半からの国の
引き締め策の強化によって、
財源確保がきびしく、本年度も起債は認可されていない現状である。しかし、事業の重要性にかんがみて、今後、起債の早期認可の努力とあわせ、
土地開発公社による融資の拡大について強力に運動してまいり、来年度が計画の
最終年度にあたることから、多少のずれは生じても、ぜひとも計画の達成をはかってまいる所存である旨答弁がありました。 なお、
保育所建設に関連して、さらに委員より、現在せっかく保育所を建設しながら、
保母不足のために開所できないところがあることを指摘され、
保母確保のための抜本的な方策を早急に確立すべきではないかとただされたのに対して、理事者は、従来から保母の募集方法、業務内容の改善をはかるとともに、パートタイマーの採用など、勤務条件の緩和策を講じてきたが、その抜本的な対策については、保母に対する
社会的評価の問題、さらには
婦人労働力の問題等々を総合的に勘案する必要があり、国とも種々協議しつつ、
目下関係局とも相寄り、
保母確保対策を真剣に検討しているところである旨の答弁がなされたのであります。 次に、市民の
生活環境を守る立場から、
環境改善、
公害対策の
終末処理としての
産業廃棄物処理対策等と、大気汚染、特に
窒素酸化物対策とこれに関連しての道路行政のあり方について論議がかわされたのであります。 これに対して理事者は、48年度における
産業廃棄物の総量は、約623万トンにも及び、その処理については事業者の
自己処理責任の原則のもとで
最終処分をするたてまえであるが、
処理体制の不備、
処理技術の未開発等によって、空地、河川への不法投棄が頻発している現状である。本市においても、大阪府と共同出資して
産業廃棄物処理公社を設立し、
処理体制の整備につとめてきたが、
埋立処分については、従来、内陸部を中心とした
民間埋め立てが多くを占め、最近その民間での処分地が少なくなってきたことから、
公共埋め立て地の確保が当面重要な問題となっている。そこで47年度から港湾局を中心に
北港廃棄物処分地の造成に着手したのであるが、これとても55年で600万トンの
埋め立て限界に達することから、将来の問題としては
技術開発等によって、でき得る限りの減量化をはかるとともに、京阪神等広域的な観点から処理できる広大な処理場をぜひとも必要とし、ひいては
国家的見地から検討すべき問題でもあるので、現在、国に対して
特殊事業法人の設立について強く要請しているところである旨答えられたのであります。 また、
自動車排ガス対策、特に
窒素酸化物対策については、環境への影響度が高いにもかかわらず、その把握が困難であるが、本市においても来年度には
実態調査を行ない、その解決策の一助としていきたい。国においても60%の減少を目途とした
日本版マスキー法の50年度規制が確定されており、さらに90%の削減を内容とした51年度規制について、現在
中央公害対策審議会において審議されているところであるが、
技術開発の困難性を理由に、その完全実施がおくれるやに仄聞することは遺憾なことであると考える。しかし、他面、50年及び51年規制が完全に実施されたとしても、地域により多少の不安が生じることはいなめないことであり、
固定発生源対策が
現行プランのもとでは限界に達していることからして、
窒素酸化物に対しても
総量規制を実施することが必要であり、また同時に
交通総量を増加させないための都市の合理的な再配置を今後とも検討を進めるべきであるが、少なくとも
主要幹線街路においでは、
排ガス汚染が
環境基準を充足するものでなくてはならないと考えている。その意味から将来の
道路建設のあり方については、
総合交通体系のいまだ確立していない現状においては、
都市機能を十二分に配慮した
道路建設を進めつつも、
新種交通機関、
自動車規制、さらには石油資源等々の問題を総合的に勘案しながら、
都市機能とのバランスをはかりながら市民の
生活環境と安全を順守する方向で検討してまいりたい旨、その所信のほどを述べられたのであります。 次に
同和事業にかかる問題が取り上げられたのであります。まず初めに44年度を初年度とする
同和対策事業10カ年
長期計画が、48年度はちょうど前期5カ年の
最終年次にあたることから、その事業の進捗状況と
後期計画についてただされたのであります。 これに対して理事者は、これまで
生活環境の整備、福祉の増強などをおもな柱に積極的に取り組んできた結果、48年度末においては、おもなものとして解放会館9カ所、保育所16カ所、
社会教育施設11カ所等々を建設して、全体計画の44%の達成を見るに至った。
後期計画については、現在、
市同和対策推進協議会において、前期5カ年の推移をふまえて、その総括と点検のもとに今後のあり方を検討しているところであり、近くその答申が得られると思うので、それをもとに
事業内容、
財源計画等を具体的に策定したい。また、その
財源対策についても、国において49年度に総理府に
同和対策室が設置されたことでもあり、
同和対象事業の拡大、起債の全額許可、
用地取得に対する国庫補助の獲得等々について、今後とも国に強く要望していく考えである旨答弁されたのであります。 さらに委員より、
同和対策事業が法の精神にのっとり
国民的課題として行なわなければならないことは理解できても、現実の予算の執行面において
一般施策とあまりの格差が生じていることは、特に財源難が強く叫ばれる昨今において、
市民感情に多くのしこりを生ぜしめ、市民の理解と協力を得て行なう事業本来の目的にそぐわないおそれはないかという問題について、具体的な事例をあげながらただされたのであります。 これに対して理事者は、
同和事業の基本的、根本的な目的は差別の解消であり、本市においても同対審答申及び特別措置法の精神にのっとり事業を進めているのであるが、その早期目的達成をはかる観点から、事業面において
一般施策に追いつくためには、短期的、重点的に取り組む必要に迫まられており、一時点、現象的に
一般施策との格差が生じることがあっても、ある意味では将来のあるべきモデルとしての意義があるものと考えている。しかし、指摘の格差問題については、今後の事業遂行の中で十分配慮していくこととし、これまでは部落問題についての現状や歴史を中心に、市政だより、テレビ等を通じて市民への啓蒙を行なってきたが、今後はこの点にも重点を置きながら、より一そう市民の理解と協力が得られるよう全力を尽くしてまいりたい旨答弁された次第であります。 最後に、理事者におかれては、昨年秋の生活関連物資の不足、高騰という異常な事態に対処するため、生活関連物資等緊急対策室を設置され、関係局ともども消費者保護につとめられてきたのでありますが、
経済情勢はなお予断を許さないことから、今後もその動向を見きわめつつ、幅広いきめこまかな消費者対策を実施され、市民生活の安定と向上に寄与されるべく、
委員各位から強い要望があったことを付言しておきます。 以上、数点にわたって概要をご報告申し上げましたが、本委員会におきましては、さらに市民病院の経営のあり方及び看護婦不足対策、老人医療体制の充実や身体障害者のための施設のあり方を中心とした恵まれない人々に対する福祉施策のより一そうの充実強化、学校給食費の改定問題と学校給食のあり方、学校教育の正常化問題、総合選抜制の実施問題にかかる市立高校のあり方、中小企業対策、住宅補修の充実と住宅サービス公社設立の見通し、鉄道と道路との立体交差化事業の促進、交通安全対策、弁天町地区の副都心計画実現の見通し、中之島東部地区の再開発に関連しての市庁舎の建てかえ問題、団地を中心とした今後のコミュニティづくりのあり方など、本市行政の全般にわたり、あらゆる角度、観点から、きわめて熱心な論議がかわされた次第であります。どうか理事者各位におかれましても、委員会の審査の過程で指摘され、批判された事項につきましては、これを十二分に体し、今後とも最善の努力を傾注して市民の信頼にこたえられるよう、特にこの機会に要望しておくものであります。 以上、要点を簡単にご報告申し上げたのでありますが、審査の詳細につきましては、後日調製、配付されます速記録に譲りたいと存じます。以上をもちまして
決算特別委員会の審査のご報告といたします。
○議長(
佐々木栄一君) これをもって審査の報告は終了いたしました。質疑がありませんので、これより討論に入ります。反対者の発言を許します。 49番
四方棄五郎君。
◆49番(
四方棄五郎君) 私は日本共産党大阪市会議員団を代表して、昭和48年度大阪市
一般会計決算並びに準
公営企業会計決算報告に対する、わが党議員団の見解と主張を明らかにいたします。 昭和48年度本市における消費者物価の上昇率は東京都のそれを上回り、まさに全国一の物価狂乱都市と言われた年度であります。このために広範な大阪市民が、インフレと物価暴騰で、かつてない生活と営業の危機に襲われ、市民の生活防衛要求は、まさに緊急切実でありました。大資本の悪徳商法は
石油危機をあおりたて、これを千載一遇のチャンスとして利用し、犯罪的な利潤追求に狂奔し、自民党政府は無責任にもそれを野放しにしてきました。わが党はこの市民生活破壊の悪政を重視し、大島市長に対して、市民の生活を守るために、物価の抑制などの特別対策をはじめ、民生福祉、教育、医療、住宅その他市民の緊急切実な要求の確実な実行を強く求めてきたのであります。大島市長は、48年度予算説明で、市民生活重視、福祉優先の積極予算を編成したと予算の重点を強調しました。ところが今回大島市長が提出した48年度
決算報告の中には、障害者対策や革新府政の援助による65歳以上の老人医療の公費負担など、幾つかの市民要求にこたえた施策もありますが、しかし本決算の基本的な性格は、依然として大島市長が自民党政府の悪政、大企業の横暴から市民生活を防衛する積極的な姿勢に欠け、むしろ市民の民生福祉を犠牲にし、目に余る不法、乱脈な同和行政をさらに推進し、また大企業奉仕の産業基盤整備投資は前年度を上回って進めているという市民の立場から見て、認めがたい決算になっているのであります。 以下、具体的に決算の特徴を指摘し、わが党の見解を述べることにいたします。 まず第1に指摘したいのは、最も市民生活に直結している民生福祉対策と、教育施設整備事業などの執行に問題点があることであります。
決算報告で見ると、働くお母さんの要求の強い
保育所建設では、当初計画15カ所のうち、完成したのは1カ所のみで、14カ所は繰り越されています。さらに老人福祉センター3カ所の建設計画や、勤労青少年ホーム4カ所の計画、児童館2カ所の計画、保母寮1カ所の計画も全部がそっくり見送られ、繰り越されています。また、
市営住宅の建設については特にひどく、年度当初4,700戸の計画を年度末になって実に2,400戸を削減しているのであります。このように生活関連事業が縮小されたことについて理事者は、建設資材の暴騰や政府の抑制策の中で、事業の繰り越しを余儀なくされたと一様に述べていますが、それではどのような努力をされたのか、特に政府にこれら生活関連事業の特別対策を、市民、議会とともに強く要求するなどの努力を積極的に尽くしたのかどうか、まことに疑問であります。 さらに、民生福祉予算の執行で問題なのは、市長の言うきめこまかい福祉施策とはうらはらに、お年寄りの健康診査予算が38%しか執行されず、また居宅寝た切り老人の医療費助成予算は半分残すなど、福祉予算の執行はまことに消極的であり、誠実さが見られないことであります。 次に、保育所問題では、公立保育所ができても、
保母不足のため開所できないところが2カ所、部分的にしか開所できないところが4カ所も生じています。これについて
民生局長は、保母の確保には努力しているとただ答えるだけで、わが党議員が指摘した現場での職員の尊重、民主的運営についての指摘には的確に答弁できなかったのであります。 教育施設については、当年度末で老朽校舎、プレハブ教室、特別教室不足、プールのない学校、赤水の出る学校など緊急に整備を必要とする学校が延べ379校が放置されておりますが、反面市民の批判をよそに、47億円もの巨費を投じてプラネタリウムまである至れり尽くせりの超デラックスな同和指定校矢田小学校を建設しているのであります。このような不均衡な行政は、憲法に示す教育の機会均等の立場からも重大な誤りであり、放置できないものであります。 第2に、いわゆる産業基盤整備を重点とした都市づくりについてでありますが、本
決算報告によれば、住民の反対の根強い高速
道路建設に16億4,000万円、幹線街路に361億円、大会社に一括売りを行なう大阪駅前改造などに120億円など、大資本本位の都市づくりに前年度を上回る約700億円の巨費を投じたのであります。これらの事業については、すでにわが党議員団がきびしく指摘してきたとおり、市民にとっては公害と災害をふやし、
生活環境の悪化を招くものであり、大資本の産業活動強化にますます奉仕するものにほかなりません。これは大島市長がみずからすでにマスタープラン改定の中で述べている町づくりの基本目標とした快適な生活ができる町、新しい文化をつくる町などとも、全く相いれないものと言わなければなりません。また、高速道路、幹線街路の建設が一そう市内自動車量をふやすことにつながるのは明らかであり、本市クリーンエアプランとも根本的に対立するものとして、計画の再検討は必ず行なうべきものであります。 私はここであらためて大島市長に対し、今日までの大阪市の都市づくりについて根本的に再検討を加えるとともに、真正面から住民の
生活環境整備に重点を置いた町づくりに転換をはかるよう、強く求めたいと思います。 なおこの際申し上げておきたいことは、大阪駅前改造事業と関連して小寺都市再
開発局長は、ダイヤモンド地下街計画の強行実施の考えを、再三にわたり委員会で発言していることについてであります。いまや地下街の危険性については、各方面からきびしい指摘がされ、建設省でさえこれは慎重を期してと言われているとき、世界一と言われる梅田地下街を、さらに大規模に拡張する本計画を強行するのは、人命軽視もはなはだしいことであります。この際軽薄な考えと発言に強く反省を求めておきます。 第3の問題は、
同和事業の私物化など、解同朝田、上田一派の理不尽な策動を行なっている暴力利権集団と、事実上共犯者としての役割りを果たしている大阪市の同和行政が、48年度決算の上でも不法乱脈に推し進められているという事実についてであります。今日の大阪市政は、解同朝田、上田一派の暴力利権集団によって、280万市民に公正に奉仕する本来の使命を忘れた乱脈市政に変えられつつあると言っても、過言ではありません。48年度の
同和対策事業として支出された金額は用地先行取得費を含め、当初331億円であったものを決算では総額448億円と膨張させております。当初予算から見て決算額が3割アップされていること自体異常なことであります。中でも民生事業費総額の74%を占める
同和対策事業費についてでありますが、おもな事業として
保育所建設の増改築10カ所に9億4,000万円、老人福祉施設6カ所建設に6億5,000万円、共同浴場5カ所建設に3億円、解放会館5カ所の建設に5億6,000万円などと説明されています。浪速地区の5施設計画も、この年に計画され、着手されているのでありますが、この計画は、現在では青少年会館を除く4施設の総事業費で127億2,000万円にのぼり、全計画では200億円をこすとも言われ、明らかに不公正なものであります。 決算委員会で私が追及した浪速区芦原病院について言いますと、その後、この芦原病院を牛耳っている解同浪速支部幹部らが、ばく大な利権にからむ内部紛争で、暴力団まで介入させ、つい最近では機動隊まで出動するという事態を引き起こしております。この芦原病院には、これまで市民の血税18億5,000万円が注ぎ込まれているのでありまして、芦原病院のこのような事態に対して大島市長は、補助金の打ち切り、これまでの補助金の返還命令など、厳正に再検討すべきであります。また、解同朝田、上田一派の言いなりの行政は、同対審答申の趣旨にも反しており、とんでもない逆差別を生み出していることであります。決算委員会においてわが党が追及し、一般新聞にも報道された同和偏重の保育行政でも明らかにされたのでありますが、一般保育所は
保母不足で開所できないところが続出しており、西成区の橘保育所では保母1人に子供24人という、常識では考えられない事実がある一方で、同和保育所には保母の同和加配と称し、日之出保育所では児童1.9人に保母1人の配置、矢田中保育所では児童の数より保母さんが多いという、まことに不公正な行政が大島市長によって行なわれております。
公営住宅にもさまざまな不均衡な実態があります。1戸当たりの住宅補修費についても、同和住宅には一般の7倍という格差が見られます。 また、今市会できびしい批判を受けた難波中問題では、教育基本法も無視される無法状態が、2カ月にわたるも、いまだに紛争が続いておりますが、実は難波中だけでなく、他の同和推進校や同和指定校にも波及しつつあることを指摘しておかねばなりません。大島市長、芝山教育長、あなた方が進めている同和教育はどのような結果を生むか、この事実を見てよく反省すべきであります。 次に、窓口一本化が市民の中に逆差別をつくり出すばかりか、未解放部落住民の間にも新たな差別を生み出し、平等な権利をじゅうりんされるという、許しがたい部落内差別を行なっていることであります。それは解同に入れば、同和住宅の家賃が900円、入らなければ4,000円に差別され、住宅補修も認められない。解同に加入していないと妊産婦手当支給を拒否される。生業資金貸しつけも拒否されてしまう。解同が牛耳る老人センター利用組合に未加入だからと老人の夏季、年末の一時金支給を拒否され、受けられないのであります。このように未解放部落住民を信条や所属の違いによって差別扱いすることは、憲法の精神はもちろん、同対審答申や
同和対策事業特別措置法にも反した、許しがたい不法行為であります。したがって同和対策予算は、すべての部落住民の諸要求の解決に、真に役立つ事業に公正、民主的に使うよう根本的に改め、予算の内容と使途は全面的に公開すること、朝田、上田一派の暴力的介入、干渉を許さず、不公正、非民主的な同和行政、違憲、違法の行政からきっぱり手を切り、住民本位の公正、民主的な同和行政を実施することこそ、まさに
国民的課題なのであります。 最後に、大島市長の政治姿勢にかかわる点で申し上げておきます。その一つは、わが党議員が米議会におけるラロック証言で明らかとなった核兵器積載米艦船が大阪港に入港している事実をあげ、今後はそれを拒否すべきであると求めたのに対し、フォード米大統領の訪日という重要時期に、市長は核の持ち込みの事実はないとか、大阪港は平和の港であると言を左右にして、米核兵器積載艦の入港拒否について、285万市民の平和と安全を守る立場を明確にしなかったのであります。 さらに、わが党議員が田中金権政治に対し、国民のきびしい批判が出ているおりに、大阪市が220億円出資の筆頭株主である関西電力が、自民党など特定政党にばく大な政治献金を行なっている点を指摘し、市民の立場から献金停止を市長が要求すべきだとただしたのでありますが、これについても明確な答弁を行なわなかったのであります。財界と政府、自民党の、みにくい結びつきが市民の強い批判を受けているとき、大企業、財界への明確な見解を示し、また平和への強い意思を大島市長は市民を代表して堂々とあらわすことが必要でありましょう。 さらに、さきの学校給食費値上げ問題で陳情にきた婦人団体の代表に会わなかったり、重大な難波中問題で、父兄が教育委員会の責任ある理事者に面会を申し入れても応じなかったことなど、大島市政は依然として市民の要求や声を軽視し、きわめて冷淡な態度をとり続けているのは問題であります。 以上、昭和48年度
一般会計決算並びに準公営企業決算について、わが党議員団のおもな見解を申し上げましたが、大島市長はじめ関係理事者においては、今日自民党の悪政のもとで、不況とインフレが進行し、地方自治体の危機がますます深刻化しているときこそ、市民の命と暮らしを守るために、誠実に努力を尽くすべきであることを強く要求して、私の討論を終わります。(拍手)
○議長(
佐々木栄一君) これをもって討論を終結いたします。
○議長(
佐々木栄一君) これより報告第36号ないし報告第39号並びに報告第45号及び報告第46号について一括して起立により採決いたします。 委員長の報告は、認定すべきであるとするものであります。委員長報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。 (賛成者起立)
○議長(
佐々木栄一君) 多数であります。よって報告第36号ないし報告第39号並びに報告第45号及び報告第46号は、委員長報告のとおり認定されました。
○議長(
佐々木栄一君) 日程第7、議案第154号、職員退隠料及び
遺族扶助料の昭和42年度以後における年金の額の改定に関する条例等の一部を改正する条例案、議題といたします。 なお、本案に関する人事委員会の意見は、お手元に配付の印刷物に記載のとおりであります。
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△(イメージ)議案第154号
△(イメージ)議案第154号
△(イメージ)議案第154号