昭和45年第3回定例会(昭和45年11
月)◯大阪市会(定例会)会議録(昭和45年11月30日)
◯議事日程 昭和45年11月30日午後2時開議第1 報告第36号 昭和44年度大阪市
市民病院事業会計決算報告について (以下
決算特別委員長報告)第2 報告第37号 昭和44年度大阪市
中央卸売市場事業会計決算報告について第3 報告第38号 昭和44年度大阪市
港営事業会計決算報告について第4 報告第39号 昭和44年度大阪市
下水道事業会計決算報告について第5 報告第42号 昭和44年度大阪市
歳入歳出決算報告について +
一般会計、
大学医学部付属病院事業会計、食肉市場・
と畜場事業会計+ |、
宅地造成事業会計、
都市施設整備事業会計、
都市開発資金会計、母| |子
福祉貸付資金会計、
国民健康保健事業会計、
心身障害者扶養共済事| +業会計、
公債費会計 +第6 報告第43号 昭和44年度大阪市東寺町外15財産区
歳入歳出決算報告について (以上
決算特別委員長報告)第7 議案第120号 昭和45年度大阪市
一般会計補正予算(第4回)第8 議案第121号 昭和45年度大阪市
公債費会計補正予算(第3回)第9 議案第122号
区役所出張所の設置並びに名称、位置及び所管区域に関する条例の一部を改正する条例案第10 議案第123号 大阪市
非常勤職員公務災害補償条例の一部を改正する条例案第11 議案第124号
大阪市立児童福祉施設条例の一部を改正する条例案第12 議案第125号 大阪市
建築審査会条例の一部を改正する条例案第13 議案第126号 木川第1
住宅建設工事請負契約締結について第14 報告第48号
損害賠償額の決定に関する急
施専決処分報告について(
清掃局関係)第15 報告第49号
損害賠償額の決定に関する急
施専決処分報告について(
土木局関係)第16 報告第50号
損害賠償額の決定に関する急
施専決処分報告について(
交通局関係)第17 諮問第9号
公有水面正蓮寺川一部埋立てについて
◯追加議事日程第18 諮問第10号
人権擁護委員候補者の推薦について第19
教育委員会委員の任命について第20
淀川左岸水防事務組合議会議員の選挙第21
大和川右岸水防事務組合議会議員の選挙第22 請願第5号 図書館の本をふやし、
自動車文庫と分館増設について
--------------------------------------- 報告第51号
損害賠償額の決定に関する
専決処分報告について
---------------------------------------◯出席議員 81人(欠は欠席者) 1番 小郷平八君 2番 和田正三君 3番 吉田辰治君 4番 加藤正武君 5番 藤岡信雄君 6番 井上英夫君 7番 改発 弘君 8番 柳井伝八君 9番 中尾安夫君 10番 姫野 浄君 11番
若林伊太郎君 12番 安達喜雄君 13番 仲谷誠夫君欠 14番 佐伯三郎君 15番 安松克己君 16番 岸田政夫君 17番 音在又一君 18番
植田完治君 19番 山下喜一君 20番 天野 要君 21番
高貴伝三郎君欠 22番 室屋定三君 23番 森下土治君 24番 岸本太造君欠 25番 内村作二君 26番 山下博義君 27番 栗須 斉君 28番 高橋幸一君欠 29番 山口武志君 30番 島尾 茂君 31番
隅野源治郎君 32番 小林通夫君 33番 中石清一君 34番 鈴木清蔵君 35番 高野光男君 36番 井上長栄君 37番
佐々木栄一君 38番
加藤市太郎君 39番 辻 昭二郎君 40番 古山一郎君 41番 沼田喜一君欠 42番 綱沢靖二君 43番 沢村信義君 44番 長沢利治君 45番 山川洋三君 46番 松井義明君 47番 塩田吾一君 48番 上野 弘君 49番 沓脱タケ子君 50番 板並丈夫君 51番 辻 渡君欠 52番 野口末造君 53番 黒木武好君 54番 高垣松雄君 55番 三原逸三君 56番 奥野修三君欠 57番 倉川 薫君 58番 大丸志朗君 59番
大西保三郎君 60番 美延重忠君 61番 行岡忠雄君欠 62番 長田義一君 63番 坂本 実君欠 64番
柳本松太郎君 65番 勝田真人君 66番 南 常治郎君 67番 岡野正雄君 68番 寺西 武君欠 69番 田中豊栄君 70番 野村 清君 71番 寄吉 極君 72番 吉田 弘君 73番
中田捨次郎君 74番 佐野繁雄君 75番 上田 武君 76番
西風金之助君 77番 伊藤 募君欠 78番
中村賢三郎君 79番 米沢正実君 80番 田中正男君 81番
粟井岩吉君欠 82番 木下常吉君 83番 森野熊一君 84番
松尾禎一郎君 85番 次田虎雄君 86番 黒田廣一君 87番 坂井三郎君 88番
井上秀之助君欠 89番 北山 勇君 90番 小林和美君 91番
吉瀬昌幸君 92番 大神 仁君 93番 村田岩雄君 94番
長谷川元一君
---------------------------------------◯職務のために出席した
事務局職員 市会事務局長 松浦芳平 次長 榎村 博
議事課長 上羽睦義
議事係長 藤田 衛
委員係長 谷口勝彦---------------------------------------◯議場に出席した執行機関及び説明員 市長 中馬 馨 助役 下村 進 同 大島 靖 同 中尾正平 収入役 三宅季二 (市長室長)
事務吏員 竹村保治 (
同和対策部長) 同 山上 脩 (
総務局長) 同 久川芳蔵 (
財政局長) 同 内山敞義 (
経理局長) 同 橋本 勝 (
民生局長) 同 藤井弘巳 (
経済局次長) 同 天野 開 (
衛生局長)
技術吏員 中山信正 (
清掃局長)
事務吏員 荻野二郎 (
土木局総務部長) 同
佐々木政憲 (都市再
開発局長)
事務吏員 大重正俊 (公園部長)
技術吏員 加藤一男 (
港湾局長) 同 叶 清 (
市立大学事務局長)
事務吏員 小島 誠 (
交通局長) 同 黒田泰輔 (
水道局長)
技術吏員 水野福太郎 (
消防局長) 消防長 畑中良一 (
選挙管理委員会事務局長)
事務吏員 米田拾二 (
監査事務局長) 同 森 光
人事委員会委員長 滝石豊稲 (
人事委員会事務局長)
事務吏員 林
道彦---------------------------------------
△開議 昭和45年11月30日午後3時24分開議
○議長(天野要君) これより
市会定例会会議を開きます。 本日の
会議録署名者を
粟井岩吉君、辻渡君のご両君にお願いいたします。
○議長(天野要君) 日程第1、報告第36号、昭和44年度大阪市
市民病院事業会計決算報告についてないし日程第6、報告第43号、昭和44年度大阪市東寺町外15財産区
歳入歳出決算報告について、一括して議題といたします。
○議長(天野要君)
決算特別委員長より審査の報告を求めます。
---------------------------------------
△(イメージ)
決算特別委員会審査報告書 ---------------------------------------
○議長(天野要君) 91番
決算特別委員長吉瀬昌幸君。
◆91番(
吉瀬昌幸君)
決算特別委員会に付託されました報告第36号、昭和44年度大阪市
市民病院事業会計決算報告について外5件に対する審査の概要と結果をご報告申し上げます。 ご承知のとおり、準
公営企業会計決算報告が、去る10月15日に、また
一般会計等決算報告が11月5日にと、それぞれ本委員会に付託されたことによりまして、本委員会は10月17日に初の委員会を開会して以来、本日に至るまで2回の
実地調査を含め、15日間、きわめて慎重かつ熱心なる審査を行なってまいりました結果、お手元に配付しております報告書のとおり、
決算報告6件は、多数をもっていずれもこれを認定すべきものと決した次第であります。 以下委員会における審査の概要を重点的にご報告申し上げることにいたします。 ご承知のとおり、本市の
財政事情は、大都市の
行政需要に対応しない
税財政制度の欠陥に由来して、
累年赤字決算を余儀なくされてきており、昭和44年度の
一般会計決算におきましても、2億3,791万6,000円余の
歳入不足を生じ、これを全額翌
年度歳入を繰り上げ充用することにより
決算処理がなされ、さらに各事業の繰り越し、繰り延べをはじめ、44年度給与改定にかかる人件費の文払い繰り延べにより、翌年度へ持ち越された
一般財源所要額及び準
公営企業会計等における
収支不足額を加えると、昭和44年度の
実質収支不足は、約47億円にも及び、前年度に比較し4億円を減じているとはいえ、依然として巨額の
財源不足を生じているのであります。よって、本委員会におきましては、かかる
財政事情を解決すべき根本的な問題として、本市のみならず
指定都市こぞって
税財政制度の改革運動を長年にわたり展開しているにもかかわらず、いまだ抜本的な改善がなされていないことを指摘され、今後の
税制改正の見通しについてただされたのであります。 これに対し理事者は、
現行税体制が大都市の
財政需要に適合しない点を、過去数年来、議会とともに政府に向かって強く主張してきた結果、
固定資産税、
都市計画税の
負担調整措置、
自動車取得税の創設、
地方道路譲与税の配分是正に引き続き、45年度においては
市町村民税法人税割りの税率の
引き上げ等、近年は徐々に改善の方策が講ぜられており、
税制改正を通じ、40年度に比較すると、44年度には135億円、45年度にはその増収額が約183億円にも達している現状にあり、ここ4年間繰り返されている国会の附帯決議や
税制調査会の答申等で、
大都市財政の実態に即応する
財源拡充の必要性が強調されてきており、今後は、いままで改善、充実されてきた成果を橋頭堡として、
道路目的財源の強化並びに
大都市事務特例配分の税制上の措置を求めるなど、
法人所得課税の拡充ともあわせ、一歩一歩従来の運動をさらに積極的な姿勢をもって進めていきたい旨、答えられた次第であります。 次に、
国庫支出金にかかる
超過負担額が、昭和44年度において約101億円余にのぼっていることが指摘され、一例として
校舎建設における現状を尋ねられるとともに、この問題は
地方財政法に照らし、不合理きわまるものとして、その解消の方途をただされたのであります。 これに対し理事者は、
小学校校舎の建設費について、44年度
認証単価2万9,908円に対し、実施単価3万7,272円で、その差7,364円の負担が本市にしいられており、43年度の
超過負担差が2,277円であったのと比べると著しく負担額がふえており、このことは国民年金、国保の事務費など、その他事業にも言えることであって、
超過負担の解消は全国的な問題となっている。自治省においても、このことは十分認識し、
関係各省へ地方自治体の
負担解消を呼びかけており、
認証単価の若干の是正はされているが、諸物価の上昇には追いつけず、依然として多額の
超過負担がしいられているので、本市としても、これが解消に最善の努力を続けたい旨、答えられたのであります。 次に、
一般会計から、44年度、3億3,200万円余の補助金を出しつつも、なお2億6,200万円余の欠損金を出している
市民病院事業における経営難の要因と
医薬品購入方法の改善について、
民間病院と比較しつつただされたのであります。 これに対し理事者は、44年度の患者数は、入院、外来合わせて約143万人、前年度に比較し約2万1,000人の増を見ているが、
市民病院は
公立病院としての性格上、公共性を重視した経営が必要であり、全国の
公立病院の3分の2が
赤字経営となっている現状よりして、
公立病院の赤字は、宿命的なものであるともいえ、やはり人件費や
薬品費等の増高が赤字の原因をなしている。薬品の購入については、各病院において、病院長の権限内で業者から見積もりを徴し、
薬価基準を下回る良質かつ低廉なる薬品の購入につとめ、適宜
病院相互において、品質や価格の情報交換を行なっているが、購入時の数量、時期等により、
病院ごとの購入価格にアンバランスが生じているので、今後検討を加えたい。なお、薬品費の増加を押えるため、薬品業界が
民間病院に対してとっている、いわゆる添付制による
購入方法を
公立病院に取り入れることは、公正取引の原則、あるいは
会計処理上の問題と業界の特殊性、商習慣など、むずかしい問題が横たわっているが、今後、全病院の医薬品を一括購入する方法等について検討を加えて、薬品費の増高を押え、もって
経営収支の健全化の一助としてまいりたい旨、答弁があった次第であります。 次に市有地における
不法拠占の実態をただし、その
処理対策の万全を期し、都市の美観と
本市財産の効率利用を講じるべきことについて質疑がありました。 これに対し理事者は、市有地の
不法占拠対策は、
本市不法建造物等処理対策委員会からの答申による
処理大綱に基づき、
行政代執行によることが可能なものは、
当該財産所管局の責任において、また不可能なものについては、経理局がそれぞれ処理にあたっているが、昭和44年度において1,237件、約3万1,380平米を処理しているものの、なお本年4月1日現在の
不法占拠数は、
行政財産、普通財産及び
土地区画整理事業地を合わせ7,514件、面積にして約24万3,380平米あり、その所管部局は15にわたっているが、これらのうちには移り住むところのない、事情やむを得ない人々が非常に多く、一挙には処理できがたい実情にある。しかしながら、
道路予定地など地域的に本来の機能を発揮させる必要のある個所から、順次処理していくものとし、
不法占拠したまま営業している者など、悪質者に対しては、強い姿勢で処理に当たりたい。なお
土地区画整理事業の進捗に関連し、
区画整理地区内は、49年度までに、また残りの
不法占拠についても、現在までの
処理実績から、今後の見通しとしては、昭和50年を目途に一掃したい旨を答えられ、さらに処理に臨むにあたっての機構上の問題点、あるいは
人員配置等については、実情を調査し、検討してみたい旨を付言された次第であります。 次に、市民の生活環境の改善をはかる問題について、種々論議がかわされ、とりわけ
公害対策に伴う問題について、委員の質疑が集中したのであります。 まず昭和44年12月、公害にかかる健康被害の救済に関する
特別措置法に基づく不名誉ともいうべき地域措定を受けた西淀川区における
公害患者の実態と
西淀川公害緊急対策についてただされ、これに対し理事者は、11月9日現在で
公害患者申請件数1,113件のうち、
認定患者は1,055名であり、その中で12歳以下の者が約半数を占めている実態を明らかにし、その医療救済に万全を期したい旨を答えられ、一方
発生源対策の強化をはかり、西淀川区における
硫黄酸化物、
浮遊粉じん濃度を逓減することを当面の目標として、2年以内に国の示す
環境基準以下にするため、
発生源立ち入り指導と
環境監視体制の強化、工場移転の促進につとめるほか、大野川筋を埋め立て、道路、緑地への転用、さらには大野十八条両
下水処理場の
高級処理化と
下水道幹線の整備、
緩衝緑地帯の造成等、
総合的対策を実施するものである旨、答えられた次第であります。 さらに、西淀川区における公害に関する問題として、西淀川区
外島地域において、民間による
外島開発計画が進められ、乱雑な
工場造成が行なわれないよう、公共地の
区画割りなど、本市から
都市計画上の指導が行なわれているが、その地域内において
公害発生のおそれのある工場が進出し、
建築基準法に定められている
建築確認申請もしないで、工場を建設、操業を開始している事実を指摘し、公害を発生させるおそれのある
企業進出についての指導や規制の仕方が不十分ではないかとただされたのであります。 これに対し理事者は、法律上企業の進出は規制できない事情にあるが、本市が総力をあげて
公害防止対策と取り組んでいる地域でもあるので、
広域公害型企業に対する立地の制限、外島地区と隣接地区との緩衝地帯を考慮すること、
公害防止設備の完備と必要な事前調査などの対策を講じているところである。
大気汚染防止権限は、大阪府にあり、
公害発生源となる会社については、厳重にチエックされるであろうし、一方においては、今後とも
作業工程の変更や燃料の切りかえなどの指導を強化しながら、
公害防止のため、最大限の努力をしたい旨、答えられたのであります。 さらに、
大阪南港埋め立て地に関西電力が
火力発電所を建設する構想のあることを指摘し、大阪市がこの進出を許すのかいなかを尋ねられたのに対し、理事者は、関電側と
建設計画について具体的に話し合ったことはないが、現在、
公害防止は企業の大小を問わず対象として取り組んでいるときでもあり、
技術開発によって
公害防止に万全の措置がなされない限り、建設は認めるべきでないと考える旨、答えられた次第であります。 このほか
公害関係では、
産業廃棄物処理対策、
ブルースカイ計画の内容、
高速道路設置のため生ずる騒音の
防止対策、工場排水と水質汚濁問題、大阪港の水質、底質調査の実情、
公害防止対策機構の一元化並びに陣容の強化等々、市民の生活と健康を守る立場から、多くの質疑応答がかわされた次第であります。 さらに委員より、清掃及び
屎尿くみ取り作業員の勤務体制のあり方について、特に従来労使間で暗黙の労働慣習となっている
ごみ収集運搬作業の1日3回協定、あるいは直営化された
屎尿くみ取り作業における1日4回作業の取りきめについては、すみやかに改めるべきではないかとただされたのに対し、理事者は、たとえばごみ収集に関しては、機械化されない以前では、1日3回の作業が限度でもあったのであるが、今日では焼却場も多く建設され、諸般の事情に変化を来たしている現実にかんがみて、対処すべきことを痛感している。現在、
組合自身においても反省の機運が高まってきているおりでもあり、すみやかに現状を改め、市民の批判を解消するとともに、
市民サービスの向上徹底を期してまいるべく、格段の努力を行なう旨を答えられた次第であります。 以上のほか、
市保有乗用車の効率的な管理運用につき、すみやかに改善を講ずべき問題、大学紛争後の
付属病院事業会計の
収支健全化の問題、新庁舎建設問題、一時
借り入れ金の運用問題、幼稚園、保育所、
老人いこいの家の増設、
義務教育学校の過密、
過疎対策、医師、看護婦の充足問題、市大
付属病院と6
市民病院との
関連病院体制、
精神障害者対策、在阪鉄軌道の高架化問題、
同和事業実施に取り組む本市の姿勢、
朝鮮国籍書きかえ問題など、枚挙にいとまなく、
本市行政全般にわたり、執行のあとを顧みつつ、将来の市政のあり方について、あらゆる角度、観点から徹底的な論議がかわされた次第であります。 どうか
理事者各位におかれても、委員会の審査の過程で指摘され、批判された事項につきましては、これを十二分に体し、今後とも最善の努力を傾注して、市民の信頼にこたえられるよう、この機会に要望しておくものであります。 以上、要点を簡単にご報告申し上げたのでありますが、審査の詳細につきましては、後日調製配付されます速記録に譲りたいと存じます。 以上をもちまして
決算特別委員会の審査の報告といたします。(拍手)
○議長(天野要君) これをもって審査の報告は終了いたしました。質疑がありませんので、これより討論に入ります。反対者の発言を許します。49番沓脱タケ子君。
◆49番(沓脱タケ子君) 私は
日本共産党大阪市
会議員団を代表いたしまして、昭和44年度
一般会計決算並びに準
公営企業決算の認定にあたり、わが党議員団の見解を表明いたしたいと思います。 市長は
決算説明で、昭和44年度は
万国博関連事業の総仕上げの年であり、
万国博関連事業のほとんど全部が完成をし、これまでの都市再開発の成果が次々と姿をあらわし、本市の町並みはこの1年で大きく変貌したと自賛をしておりますが、
万国博関連事業として行ないました3カ年、約2,000億円に及ぶ
事業執行と、都市再
開発事業の結果、市民にとりましてまず第1に、住みよい
町づくりが行なわれたか、第2に、山積する市民の諸要求実現の市政になったのかということであります。結果は全く逆になっております。公害はこのまま数年進行いたしますならば、人間が生物として生きる条件さえ奪われ、人類生存の危機とさえ言われるほどの激しさになっております。また
交通災害は依然として激増の一途をたどっており、都心部にはビルが林立をいたしておりますが、経済力の弱い市民は都心部から追い出され、過密化は一そう激化し、ついに天六の
地下鉄工事現場におけるガス爆発の大惨事を起こすなど、いわゆる都市問題はますます深刻になっておるのであります。市民の住みにくい町になったという一つの証拠は、本年の国勢調査でも本市人口がすでに300万を割り、人口の減少傾向が進行している事実を見ても明らかであります。また市長は
決算説明で、緑豊かな潤いのある
町づくりを進めたと主張しておりますし、
決算委員会におきましても、
緑化事業は軌道に乗ったと言われておりますが、
阪神高速道路の高架上を走ってみて、率直にそう思われるでありましようか。
高速道路上から一望する大阪の町並みは、緑とはおよそ縁もゆかりもないコンクリートのかたまりと化し、全くさくばくたるものであります。市長は、いまや都市の砂漠化は進行していると言われている事実を知っておいでになりましょうか。公害はどうでしょう。大気汚染は、
西日本唯一の
公害救済法指定地域になった西淀川区は言うに及ばず、市内13ケ所の観測値を見ても、
硫黄酸化物の
年間平均濃度は、政府の
環境基準さえも全地点でこえ、最悪の条件にある西淀川区においては、
硫黄酸化物の
年間平均濃度は、0.083PPMから0.1PPMと
環境基準の2倍にもなり、すでに公害病
認定患者は1,055名に達し、その中でも憂慮すべきことは、12歳以下の子供が540人と、過半数にも及んでいることであります。大気汚染濃度がこれほど激しくなるまで何ら積極施策を行なわず放置してきた中馬市長は、昭和44年12月、政府が西淀川区を地域指定するや、本年6月、急いで西淀川特別対策として125億を投ずることを発表いたしておりますが、これではたして解決されるでありましょうか。西淀川だけ見てみましても、汚染度の60%を受け持っております10大発生源工場に対しましては、自主規制にとどまり、しかもいまだ計画さえ立案されず、隣接尼崎からの関電の発電所をはじめ重工業地帯の汚染がいまだに未解決のままであります。さらに悪いのは、緊急対策として発生源のうち十四、五工場は移転させる強硬方針で施策を進めながら、同時期に一方では三井物産、日商岩井、東洋棉花、日通等によって計画されている外島開発を市総合計画局が指導し、明らかな
公害発生源工場5社を含む29社を西淀川区民の風上に進出を許していることであります。毎日のように公害に悩まされている市民は、このような市当局の行政の矛盾を見て、市長の
公害対策はかけ声だけと違うのかと市政に対する大きな不信の声が上がっておるのであります。そして現在西淀川区では、労働組合、民主団体と、自民党を除く4党共闘が進められておるのでございます。また大阪における重油使用量の60%を消費する関西電力が、最大の汚染源であることは事実が証明しております。市長は
決算委員会において私の質問に対し、南港における関電の発電所計画は断わると言明されました。しかし現有の発電所だけでも大阪の60%の重油使用量を持つ関西電力に対しては、堺、泉北、尼崎をも含めて強力で有効な対策を行なうべきであります。大気汚染のもう一つの元凶は、自動車排ガスであります。最近、大阪民主医療機関連合会が、此花区四貫島大通り3丁目交差点付近で、自動車公害の実態調査を行ない、結果を発表しておりますが、その影響はきわめて大きく、住民の3分の1がせきやたんが出る、3世帯に1人がぜんそくよう発作を起こし、半数以上がのどの痛み、不眠、いらいら等の神経症状を訴えております。調査対象となった四貫島大通り3丁目交差点は、堺泉北臨海工業地帯と阪神間を結ぶ国道43号線と、此花区西6社重化学工業地帯の出入り口に当たる市道、福島、桜島線を結ぶ産業交通の要路で、交通量は1日13万台以上であります。騒音測定によると、家の中で80ホーン、交差点中央では150ホーンとジエット機並みと言われておるのであります。市の
公害対策部はこの面では全くお手あげで、わずかに観測所を3カ所設置したにすぎないのであります。市当局は直ちに住民の健康調査を行ない、全車両にアフターバーナーなど有毒ガス除去装置をつけさせること、加鉛ガソリンの使用をやめさせること、あるいは交通制限など、有効な措置を直ちにとらなければ、市民の生命と健康を守るために、一刻の猶予もならぬ非常事態に直面してきておるのであります。すでに世界の資本主義国の中で、日本の公害、自動車事故は有名になっておりますが、それは当然であります。森林地帯を除く低平地面積あたりの投資額では、アメリカの23倍、イギリスの7倍強であり、低平地面積あたりの自動車の保有台数では、アメリカの7倍、イギリスの2倍強にもなっておるのであります。すなわち、自民党政府の高度成長と、モータリゼーションの結果が公害や交通事故など、世界でも最悪の状況をつくり出したことは、かくれもない事実になっております。さらに水の汚染も例外ではなく、長年にわたる工場排水のたれ流しと、
下水処理場の不十分さは、本市の河川や海を死の川、死の海に化していることは、衛生局の調査でも明らかにされております。また土の汚染その他による食品公害等を考えあわせるとき、まさに生存の危機が追っていると言われている今日、大阪市の
公害対策は、抜本的対策が直ちに要求されておるのであります。すなわち、
公害対策は企業優先でなく、人間優先の原則を貫くこと。その2は、公害は根源でとめること。3は
環境基準、排出基準をきびしくすること。4は公害被害者の補償、治療、生活援助は、加害者である企業、国、地方自治体で行なわせること。5は
公害防止は、住民の要求と運動に依拠した民主的な公害委員会を設置すること等が緊急に必要であります。以上の5点をわが党議員団は強く主張しておきたいと思います。 次に明らかにしておきたいと思いますことは、都市問題の解決についてであります。現在の都市問題の根本は、人間が住める都市にするのか、それとも大資本の中枢管理機構が集まる都市にするのかということであります。中馬市長のこの数年来にわたる自民党政府に追随する諸施策は、端的に言って働く市民の住めない
町づくりをしてきたと言って過言ではありません。公害、
交通災害による市外への流出もさることながら、道路建設や地下鉄建設、再
開発事業により、働く市民の多くが都心部から市域外や周辺部へ追いやられておるのであります。一例をあげると、昭和44年度だけでも、176億の巨費を投じている再
開発事業によって完成した大阪駅前第一ビル、谷町地区の4棟のビルは約半数の人たちが入居できず、地域外へ移らざるを得ないところに追い込まれている。船場センタービルは、若干の条件の違いはあるが、居住者の88%は他へ転出させられておるのであります。しかもこの3年間に三百七、八十億もつぎ込んだ大阪駅前ビルの入居率が、大阪市の都市再開発局が入ってなお61%、谷町ビルの入居率も63%、船場センタービルでは、やっと51%という状況であります。都市再
開発事業というのは、少なくとも住民犠牲の
町づくりでなく、住民の住みよい
町づくりでなければならぬのであります。しかし事実は長年住みなれた地域から、半数以上の人たちは転出を余儀なくされ、威容を誇るマンモスビルは入る人が少なく、逆にそのために支出する財政負担は、市財政に二重の負担をもたらしておるのであります。 次に第2の問題点として指摘しておきたいことは、かねてから本市会において、
万国博関連事業の積極的推進が市民生活のための諸事業への圧迫になってはならぬと警告され、市長も昭和44年度当初予算説明においては、
万国博関連事業に片寄ることなく、特に社会福祉、教育などに力を注ぎたいと言っておられたのであります。ところが市会の警告は踏みにじられ市長の当初の方針は軽視され、結果としては、民生、教育、住宅など、市民生活の切実な要求にしわ寄せされておることであります。市長は当初予算編成方針の第1の柱として掲げられた恵まれない人々とお年寄りと子供を大切にという施策は一体どうなっているでしょうか。 まず老人対策であります。いまや老人問題は、社会的、政治的課題としてクローズアップされ、特に老人医療費無料化への要求は、切実なものであります。現在実施中の老人検診も、あとの医療費が心配で受けられない老人が多いとき、すでに東京では70歳以上の老人医療費無料化が実施され、大阪府下衛星都市においても、すでに20市が実施に踏み切り前向きの姿勢を示している今日、大阪市はやっと45年度から寝た切り老人医療費無料化の施策を出しただけで、いまだに実施されていないのであります。特に注目しなければならないのは、昭和44年度における寝た切り老人対策の予算1,445万円が、44年度決算では282万円に執行がとどまったということであります。これでは生活に不自由な老人たちへのわずかな施策さえ放棄したようなもので、全く許されるものではありません。お年寄りたちの切実な願いである本市の医療費無料化について、東京並みの水準の施策を行なうためには、年間13億円あればよいのであります。市長は財源がない、金がないと言われますが、一方では1日の料金収入3,000万円をこす
阪神高速道路公団への出資金、交付金20億をやめ、これを回せば直ちに解決できるのであります。 また恵まれない人々を大切にと言いながらも、現在の中馬市政の中では、最も弱いところへしわ寄せされているその代表的なものは、心身障害者(児)対策の貪困であります。養護学校の少ないこと、肢体不自由児施設や重症心身障害者(児)施設の少ないこと、介護職員の人員不足など、大阪市政の中で最もおくれの目立っている部門であります。特別にこまかい配慮なしには実施できないこの分野において、いまだに法律できめられている福祉司の配置さえも怠っているなど、他都市と比べてもそのおくれは著しく、市長の主張どおりに恵まれない人たちへの施策を積極的に強化すべきときであります。さらに保育所の増設と、内容の充実は、依然として切実な要求であり、激増する共働きの母親たちにとっては、なお未解決の悩みの種になっております。昭和44年度当初12カ所の建設を予定しながら決算では8カ所にすぎず、母親たちの期待を裏切っております。内容の充実については、多くの要求が出ているが、働く母親のための施策として、最低必要な長時間保育は原則として確立すべきであります。門扉の締まった門前へ子供を1人置いて、うしろ髪を引かれる思いで出勤しなければならない母親の苦しみを、直ちに解消すべきであります。そしてそのために必要な保母の増員など、具体的に解決をはかる必要があります。産休明けの0歳児対策をはじめ、保育所行政は一段と強力な施策が望まれる次第であります。 次に市長の予算編成のときの重点施策の第2の柱、次の世代の育成と暮らしの安定向上のために、について見てみますと、まず教育でありますが、小学校、PTA、父母負担軽減の第2年度だとしておりますが、昨今の物価高の中では、父母負担は少しも軽くならず、PTA会費と協力費と2本立てになってきているのが現状であります。高等学校に至りましては、父母負担の金額はおびただしく、此花工業高校では163万5,000円の事業に、公費がわずか15万円、148万3,500円が父母負担になっておるのであります。高等学校教職員組合の調査によると、市立高校20校における8,433万円の事業費のうち、公費はわずか1,407万円、父母負担は7,026万円と公費の5倍にもなっています。特に重要なことは、泉尾工業高校についてであります。昨年の
決算委員会でも同じ指摘を受けながら、依然として改善せず、校舎の著しい老朽化と常時漏電で、生徒が事故を起こしていることは、全く言語道断、市教委の怠慢は許されるものではなく、強くその責任を追及するものであります。また小、中学校におきましては、プレハブ教室68教室、特別教室不足数348、木造教室の要改築1,746、講堂新築49カ所、学校新設12校、総計事業費120億と言いながら、収容対策は進むが改築は進まないと、年次計画さえ明確にできないのであります。
万国博関連事業も済んだ今日、せめて短期計画で解決をはかるべきであります。また働く市民にとっては、住宅難は依然として大きな悩みであります。昭和44年度住宅申し込み数は、入居者数の9.2倍になっております。特に決算上問題になるのは、3年間2,000億円の
万国博関連事業は、万国博閉幕までに完成したが、住宅建設は32億の執行残を出し、昭和44年度分の約半数が翌年繰り越しになっていることであります。建設戸数の絶対数が不足する上、半数近い繰り越しを年々出している住宅建設事業は真剣に検討し、対策を強化する必要があります。特に住宅建設は、思い切って大量建設に踏み切らない限り、いまの自民党政府の農民切り捨て、都市集中の政策が続く限り、住宅難は未解決のまま慢性化することになるでありましよう。 次に物価対策であります。昭和44年度も中央卸売市場に対して設備投資額2億8,000万円支出されておりますが、年々巨額の市費を投じながら、生鮮食料品の価格の引き下げや価格の安定に役立つ事業になっていないことについて、市長はどう思っておられますか。この点を指摘しておくとともに、消費者物価の引き下げと、価格安定のための施策を強力に進めるべきであります。また昭和44年度においては、国保料金、水道料金、保育料など公共料金の引き上げが行なわれ、物価高に苦しむ働く市民に一そう重荷をかけたのでありますが、大阪市の物価対策は公共料金引き上げをやるだけで、市民の切望する物価引き下げ対策はゼロにひとしいと断定せざるを得ません。 次に触れておきたいと思いますことは、財源問題であります。市長は
決算説明で、悪化する市民の生活環境を整備し、都市再開発を積極的に推進するため、財源の確保、拡充が必要と積極的意欲を燃やしておりますが、昭和44年度決算を見ますと、依然として資本金1億円以上の大会社が605件も年間わずかに均等割4,000円の法人であります。また自民党政府の、大会社優遇の租税
特別措置法関係による減免税の市税へのはね返りは、当局の資料によりましても、50億以上が例年と同じく続けられております。ここで特に財源確保の上で指摘しておきたいのは、
超過負担であります。財政当局の資料によりましても、昭和44年度101億に及ぶ
超過負担があります。その内訳は、下水道事業、住宅建設、学校建設、民生事業費、国民健康保険事業費など、市民生活に直結する諸事業ばかりであります。特に住宅建設の
超過負担は家賃にはね返り、明らかに居住者の負担増になっています。
地方財政法18条においては、国の支出金算定の基礎が定められ、地方公共団体が当該事業の支出金にかかる事業を行なうために、必要で、かつ十分な金額を算定しなければならないと定められています。そして街路事業や港湾事業においては、この地財法18条が確実に守られ、
超過負担なしにやられておるのであります。この現実と対比して考えてみるべきであります。したがって住民の利益を守るためにも、財源確保の上からも、政府に対して地財法18条の公正な実施を厳格に守るよう、一そう強く働きかけ、法律どおりに実施させる必要があります。そしてこのような実態の中で、
財源不足を理由に、市民の切実な要求を実現しないことは、絶対に許されないと思うのであります。またこの現状のもとで2億3,000万円に及ぶ交際費、食糧費などについては、この際思い切った削減と、大胆な整理は当然行なうべきであることをはっきり指摘しておきたいのであります。 次に市職従業員の待遇改善についてであります。
市民サービスの直接のにない手である職従業員に対して、仕事量に見合う増員計画を持たず、現員で新規事業を押しつけるなど不当な合理化計画が進められております。現在市政の実情は、市職従業員の事務量、作業量がますます増大し、それに伴う労働強化が激しくなっております。また人手不足はどの部局、職場でも強い不満になり、これらの事情は
市民サービスの低下と、仕事の渋滞になって、市民の批判を買っております。清掃局では2人乗務制にし、人員合理化を強行した結果、清掃労働者の労働強化と同時に、市民へのごみ収集の手伝いの要請等が起こり、市民の不満が増大いたしております。また国民健康保険の集金人に対しては、きわめて高能率な集金をやらせながら、発足後10年になる今日、なお非常勤嘱託のままで本採用への道を開かないことは、許されるべきではありません。実例をあげれば枚挙にいとまがありません。市長は職従業員に対して、合理化、人員削減は行なわないこと、そして仕事量に見合う職従業員の増員を実現し、大幅賃上げ、特にいま問題になっている70年賃上げの早期妥結は、緊急に必要であります。特に財政再建で人減らしと労働強化で苦しむ交通局労働者に対する措置は、特別に大切であります。この保障なしには
市民サービスの向上も、市政の円滑な遂行も期待できないのであります。 最後に指摘しておきたいことは、同和対策事業決算48億円余りの執行についてであります。政策上の可否を論ずる以前の問題として地方自治法第10条2項に定められている普通地方公共団体の役務の公平な提供という基本的な立場を守らず、市民の基本的権利を侵害する予算執行と、市行政の運営については、断じて承認できないことを表明いたします。本市の同和対策事業は、市内11地区5万8,000人の全住民を対象としての施策であり、事業の円滑な推進のために、その諸事業を大阪市同和促進協議会に委託し、最終責任は大阪市当局にあると言明されております。しかし昭和44年度決算の中で、当局によっても明らかにされている任意の大衆団体である部落解放同盟に加盟していないこと、及びいわゆる矢田文書を差別文書と認めないことを理由として、同和生業資金の貸し付けを拒否したり、また同じ理由で保育所の入所を断わったり、入学当初から支給されていたなにわ育英費を突然打ち切ったり、なにわ奨学費の支給をしないなどの事態が起こっているにもかかわらず、最終責任を持つはずの市当局も、これをただそうとしないばかりか、逆にそのやり方を認めると言明していることであります。また老人福祉対策が急がれているおりから、部落解放同盟に加盟しない地区老人クラブには補助金も出さず、1人3,500円の夏の支給金さえ支給しないこと、また同じ同和地区内住宅でありながら、一方は同和予算を使えないと公言して、数年にわたって補修もしないなど、住宅の入居をめぐっても全く言語道断な事態が起こっております。他団体に対する委託事業であり、市の監査委員会の監査も及ばず、知らなかったというならまだしも、これらの事態を承認し、また公言してはばからぬ態度は、地方公共団体としてあるまじきことであり、断じて許せないものであります。そもそも地方公共団体は、その基本的な責務として、国の憲法、地方自治法、
地方財政法、地方公務員法によりその運営を義務づけられておるのであります。いやしくも市の行政は市民の思想、信条、宗教、結社によって差別することは、断じて許されないものであり、住民全体のために公正に運営されるべきであります。大阪市当局のそれぞれの責任者が、このような地方公共団体としての責務も守らず、不当、不法な行財政のあり方を公然と承認するがごときは、まさに大阪市が地方自治体としての資格に欠けるものと言わざるを得ません。同時にこのような事態を容認してきた中馬市長の政治姿勢は、300万市民を納得させることのできないものであります。直ちに未解放部落住民全体の利益を守るために、公正な行政に即刻改めるよう、強く要求するものであります。 以上幾つかの点にわたって述べてまいりましたが、昭和44年度決算は、市長の言う住みよい
町づくりではなく、公害、
交通災害、住宅難など、都市問題を一そう深刻なものにしてきたことは明らかであります。同時に山積する市民要求は未解決のままであります。今後も自民党政府の政策をそのまま積極的に進めるならば、大阪市は都市の過密化と公害、
交通災害などが一そう激化し、まさに人間の住めない町になってしまうでありましょう。すでに自民党政府はいわゆる新全国総合開発計画を進めておりますが、この方法によれば1970年代の新たな高度成長を目ざし、昭和60年までに工業用地を3倍にし、工業生産を五、六倍にする計画を持っております。したがってこの政策強行の結果は、昭和60年には市街地に人口が集中し、中でも東京、大阪、名古屋に日本の全人口の53%が集中することになっております。この重要な時期にあたり、市長は真に300万働く市民の生命と暮らしを守る大阪市政確立のためには、そのための緊急対策に全力を傾注するべきであります。そうでなければ、青空を川面に映す大阪をなどというスローガンは、市民を愚弄するものであり、全く絵にかいたもちになるでありましょう。市長は真剣に市民の生命と暮らしを守るための緊急施策に、全力を傾注されなければならないことを重ねて強く要求し、以上の内容をもって私の反対討論を終わります。(拍手)
○議長(天野要君) これをもって討論を終結いたします。
○議長(天野要君) これより報告第36号ないし報告第43号について、一括して起立により採決いたします。
○議長(天野要君) 委員長の報告は、認定すべきであるとするものであります。委員長報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。 (賛成者起立)
○議長(天野要君) 多数であります。よって報告第36号ないし報告第43号は、委員長報告のとおり認定されました。
○議長(天野要君) 日程第7、議案第120号、昭和45年度大阪市
一般会計補正予算及び日程第8、議案第121号、昭和45年度大阪市
公債費会計補正予算、一括して議題といたします。
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△(イメージ)議案第120号
△(イメージ)議案第120号
△(イメージ)議案第120号
△(イメージ)議案第120号
△(イメージ)議案第121号