昭和45年第3回定例会(昭和45年11
月)◯大阪市会(定例会)会議録(昭和45年11月5日)
◯議事日程 昭和45年11月5日午後2時開議第1 報告第42号 昭和44年度大阪市
歳入歳出決算報告について +
一般会計、
大学医学部付属病院事業会計、
食肉市場・
と畜場事業会計+ |、
宅地造成事業会計、
都市施設整備事業会計、
都市開発資金会計、母| |子
福祉貸付資金会計、
国民健康保険事業会計、
心身障害者扶養共済事| +業会計、
公債費会計 +第2 報告第43号 昭和44年度大阪市東寺町外15財産区
歳入歳出決算報告について
--------------------------------------- 報告第44号 昭和44年度大阪市
歳入歳出決算に係る主要な施策の成果に関する報告について +
一般会計、
大学医学部付属病院事業会計、
食肉市場・
と畜場事業会計+ |、
宅地造成事業会計、
都市施設整備事業会計、
都市開発資金会計、母| |子
福祉貸付資金会計、
国民健康保険事業会計、
心身障害者扶養共済事| +業会計 + 報告第45号 法人の
経営状況を説明する書類について 報告第46号
民事訴訟等専決処分報告について 報告第47号
損害賠償額の決定に関する
専決処分報告について
---------------------------------------◯出席議員 79人(欠は欠席者) 1番
小郷平八君欠 2番
和田正三君 3番
吉田辰治君 4番
加藤正武君 5番
藤岡信雄君欠 6番
井上英夫君欠 7番 改発 弘君 8番 柳井伝八君 9番
中尾安夫君 10番 姫野 浄君欠 11番
若林伊太郎君 12番
安達喜雄君 13番
仲谷誠夫君 14番
佐伯三郎君 15番
安松克己君 16番
岸田政夫君 17番 音在又一君欠 18番
植田完治君 19番
山下喜一君 20番 天野 要君 21番
高貴伝三郎君欠 22番
室屋定三君 23番
森下土治君 24番
岸本太造君 25番 内村作二君 26番
山下博義君 27番 栗須 斉君 28番
高橋幸一君 29番
山口武志君 30番 島尾 茂君 31番
隅野源治郎君 32番
小林通夫君 33番
中石清一君欠 34番
鈴木清蔵君 35番
高野光男君 36番
井上長栄君 37番
佐々木栄一君 38番
加藤市太郎君 39番 辻 昭二郎君 40番
古山一郎君 41番
沼田喜一君 42番
綱沢靖二君 43番
沢村信義君 44番
長沢利治君 45番
山川洋三君 46番
松井義明君 47番 塩田吾一君 48番 上野 弘君 49番 沓脱タケ子君 50番
板並丈夫君 51番 辻 渡君 52番 野口末造君 53番
黒木武好君 54番
高垣松雄君 55番 三原逸三君 56番
奥野修三君 57番 倉川 薫君 58番
大丸志朗君 59番
大西保三郎君 60番
美延重忠君欠 61番
行岡忠雄君 62番
長田義一君 63番 坂本 実君 64番
柳本松太郎君 65番
勝田真人君欠 66番 南 常治郎君 67番
岡野正雄君欠 68番 寺西 武君 69番
田中豊栄君 70番 野村 清君 71番 寄吉 極君 72番 吉田 弘君 73番
中田捨次郎君 74番
佐野繁雄君 75番 上田 武君 76番
西風金之助君 77番 伊藤 募君欠 78番
中村賢三郎君欠 79番
米沢正実君 80番
田中正男君欠 81番
粟井岩吉君 82番
木下常吉君 83番
森野熊一君 84番
松尾禎一郎君 85番 次田虎雄君 86番 黒田廣一君欠 87番
坂井三郎君 88番
井上秀之助君欠 89番 北山 勇君 90番
小林和美君 91番
吉瀬昌幸君 92番 大神 仁君 93番
村田岩雄君 94番
長谷川元一君
---------------------------------------◯職務のために出席した
事務局職員 市会事務局長 松浦芳平 次長 榎村 博
議事課長 上羽睦義 議事係長 藤田 衛
委員係長 谷口勝彦---------------------------------------◯議場に出席した
執行機関及び説明員 市長 中馬 馨 助役 大島 靖 同
中尾正平 (
市長室長)
事務吏員 竹村保治 (
公聴部長) 同
円井東一 (
同和対策部長) 同 山上 脩 (
総務局長) 同
久川芳蔵 (
財政局長) 同
内山敞義 (
総合計画局長)
技術吏員 福山真三郎 (
経理局長)
事務吏員 橋本 勝 (
民生局長) 同
藤井弘巳 (
経済局長) 同
工藤敏郎 (
衛生局長)
技術吏員 中山信正 (
清掃局長)
事務吏員 荻野二郎 (
土木局長)
技術吏員 近藤和夫 (都市再
開発局長)
事務吏員 大重正俊 (
公園部長)
技術吏員 加藤一男 (
建築局長)
事務吏員 徳山正文 (
港湾局長)
技術吏員 叶 清 (
市立大学事務局長)
事務吏員 小島 誠 (
交通局総務部長) 同 長沢 滋 (
消防局長) 消防長
畑中良一 教育長
石川多賀夫 (
選挙管理委員会事務局長)
事務吏員 米田拾二 (
監査事務局長) 同 森 光
人事委員会委員長 滝石豊稲 (
人事委員会事務局長)
事務吏員 林
道彦---------------------------------------
△開会 昭和45年11月5日午後2時47分開会
○議長(天野要君) これより
市会定例会を開会いたします。
△開議
○議長(天野要君) 直ちに会議を開きます。 本日の
会議録署名者を
吉瀬昌幸君、
高貴伝三郎君のご両君にお願いいたします。
○議長(天野要君) 日程第1、報告第42号、昭和44年度大阪市
歳入歳出決算報告について及び日程第2、報告第43号、昭和44年度大阪市東寺町外15財産区
歳入歳出決算報告について、一括して議題といたします。
--(報告第42号及び報告第43号は
会議録別冊の1に
登載)--
○議長(天野要君) 理事者の説明を求めます。
中馬市長。
◎市長(中馬馨君) ただいまご上程に相なりました報告第42号、昭和44年度大阪市決算のご審議をお願いするにあたりまして、その大要をご説明申し上げます。 まず、
一般会計の決算について申し述べますと、
歳入総額は、2,006億9,687万5,316円、
歳出総額は、2,009億3,479万1,779円でありまして、
差し引き2億3,791万6,463円の
歳入不足額は、昭和45年度歳入の繰り上げ充用により補てんいたしましたが、これは前年度の
歳入不足額2億7,802万7,672円に比し、4,011万1,209円の減となっております。また、この繰り上げ充用額に、事業の
繰り越し、繰り延べ、44年度
給与改定に伴う人件費の
支払い繰り延べによりまして、翌年度へ持ち越しました
一般財源所要額及び準
公営企業会計等の
収支不足額を加えた44年度末の
実質収支不足額は、前年度の約51億円に比し4億円減の約47億円と相なっておるのであります。 次に、
特別会計の決算でありますが、
大学医学部付属病院事業会計におきましては、
一般会計からの
補てん金5億2,957万8,000円を含めまして、
歳入総額16億105万1,280円に対し、
歳出総額は23億3,080万5,233円で、
大学紛争による患者数の大幅な減少のため、7億2,975万3,953円の
歳入不足額を生じたのでありますが、これは昭和45年度歳入の繰り上げ充用により補てんいたしております。
食肉市場・
と畜場事業会計は、
歳入歳出とも5億790万9,023円でありまして、
一般会計からの
補てん額は、2億2,299万2,632円、
宅地造成事業会計は、3億3,124万3,398円で、
補てん額は4,722万8,401円、
都市施設整備事業会計は、135億3,266万6,960円で、
補てん額は14億4,334万232円、
都市開発資金会計は、23億4,241万6,103円で、
補てん額は4億3,104万4,875円をもって、それぞれ収支を相償わせたのであります。 また、
母子福祉貸付資金会計におきましては、
歳入総額6,189万6,765円に対し、
歳出総額は6,051万450円で、
差し引き138万6,315円を翌年度へ
繰り越しました。
国民健康保険事業会計におきましては、
一般会計からの
補てん金12億円を含めまして、
歳入総額154億7,384万2,861円に対し、
歳出総額は、155億8,990万2,981円でありまして、
差し引き1億1,606万120円の
歳入不足額は、昭和45年度歳入の繰り上げ充用により補てんいたしたのであります。 また、
心身障害者扶養共済事業会計におきましては、
歳入歳出とも2,004万886円で、
一般会計からの
補てん額は269万3,633円となっております。 最後に
整理会計であります
公債費会計におきましては、
歳入総額1,443億7,226万2,654円に対し、
歳出総額1,417億8,355万7,603円でありまして、
差し引き25億8,870万5,051円を翌年度へ
繰り越したのであります。 以上、各会計の
決算収支を申し上げましたが、44年度の
財政運営につきまして、その概要を申し述べます。
本市財政の
基礎立て直しにつきましては、
議員各位のご協力を得て、国会、政府及び
関係機関に対し、ますます深刻化する大都市の実態を訴えつつ、その打開のための
大都市税財政制度の確立を強く要望いたしてまいったのでありますが、その結果、漸次大都市の実態に対する認識も深まり、国会の
附帯決議においても、また
税制調査会及び
地方制度調査会の答申においても、繰り返し
都市税源充実が必要であることを述べられるとともに、年々の
税財政措置の面でもかなりの改善がはかられてまいりました。 本年度は、前年度における
自動車取得税交付金の創設に引き続き、大都市における
道路事業の実態にかんがみて、
地方道路譲与税の
配分方法の改善が行なわれ、約12億円の増収を見、さらに昭和45年度におきましては、
大都市税制確立の
中心課題であります都市に対する
法人所得課税の拡充が一部実現を見たのであります。また
地方交付税につきましても、前年度の50億1,100万円を大幅に上回る94億2,200万円の収入を確保し得たのであります。しかしながら、悪化する市民の
生活環境を整備し、
都市機能の向上をはかり、都市再開発を積極的に推進するための財源の確保、拡充につきましては、
議員各位とともに今後より一そう
関係方面に対し強力なる働きかけをいたさねばならないと存ずる次第であります。 さて、
一般会計の
決算収支を
最終予算と対比してみますと、44年度
最終予算額2,067億5,200万円に対しまして、
歳出決算額は2,009億3,500万円と相なり、
差し引き58億1,700万円の執行残を生じております。これは、第1部の
経常的経費で6億3,900万円の不用額を生じましたほか、第2部の
建設事業費関係で、事業の完成を翌年度に
繰り越したことによる
執行残額41億4,400万円並びに
公共事業費の
認証減等10億3,400万円によるものであります。 他方、歳入におきましては、決算額は2,006億9,700万円でありまして、
最終予算額に比し60億5,500万円の減となっております。まず
経常的収入につきまして極力その増収をはかり、予算額に比し9億8,700万円の増収と相なったのであります。このうち、市税の決算額は、市民税が336億3,100万円、
固定資産税及び
都市計画税が332億4,500万円等、総じて798億2,100万円でありまして、予算額に比し10億3,600万円の増と相なっております。他方、事業を翌年度へ
繰り越したこと等に伴い、国及び
府支出金等で30億4,400万円、起債で16億5,600万円、また認証減により
国庫支出金4億2,200万円等がそれぞれ減となったのであります。 次に昭和44年度に実施いたしました各会計のおもな事業をご説明申し上げます。 昭和44年度は、
万国博覧会関連事業の総仕上げの年でございましたが、
市民各位のご協力を得て、
万国博覧会開催日までに計画のほとんど全部を完成することができまして、これまでの都市再開発の成果が次々と姿をあらわし、本市の町並みは、この1年で大きく変貌したのであります。 まず道路、橋梁の整備につきましては、前年度に比し約65億円増の422億6,000万円を投じ、
都市計画街路22路線の築造、13路線の舗装、17カ所の
橋梁立体交差を行ない、また
一般土木事業といたしまして、
市内道路1,037路線の改良、舗装、補修及び76橋の橋梁かけかえ、補修を実施し、また
交通安全施設の整備を進めたのであります。 このうちおもなものを申し述べますと、まず都心部と
国鉄新大阪駅、
万国博覧会会場とを結ぶ
南北幹線街路として
早期完成が待たれておりました
御堂筋線は、44年12月に完成いたしました。 また、築港、深江線は、
船場地区を幅員80メートルに拡幅、
船場センタービル10棟を完成いたしますとともに、
平面道路及び世界でもまれなビルの上を走る道路を45年3月に完成し、さらに谷町筋との
立体交差工事を完了、
森之宮以東地区の
用地買収並びに
建物移転を進めましたほか、
城東大橋、
神路大橋のかけかえ、千間川つけかえ工事等も実施いたしたのであります。地下鉄千日前線、
近鉄乗り入れ線の
建設工事と並行して拡幅を進めてまいりました泉尾・今里線は、45年3月に一応開通し、
ミナミ地下街第1期工事の完成とあわせて、
千日前通り一帯の大改造が実現いたしました。 また、新しく東淀川、旭両区を結ぶ
豊里大橋、天王寺・吾彦線と東野田・
河堀口線とを直結する
天王寺バイパス及び南港から
中央環状線までの敷津・長吉線は、いずれも45年3月に完成しましたほか、長柄・
阿倍野線、長柄・堺線、加島・
天下茶屋線等、各
計画路線の
用地買収及び
築造工事等を進めたのであります。また国道176号線芝田町並びに大阪・和泉・
泉南線天満橋立体交差工事は、それぞれ44年8月、45年3月に完成を見ました。さらに、市民の
日常生活に特に密着した
末端道路及び歩道の舗装、
道路補修、特に市電の
軌道あと整備を推進し、
道路舗装は舗装率80%を達成いたしたのであります。また、
横断歩道橋、
道路照明、歩道の設置等、
交通安全施設の整備をも、強力に実施いたしました。
橋梁事業といたしましては、拡幅かけかえしておりました幸西橋が、44年12月に完成しましたほか、
千本松橋架設工事を継続実施いたしました。 また、
高速道路の建設につきましても、大阪・池田線をはじめ、大阪・堺線、大阪・守口線、大阪・
東大阪線船場地区及び
西大阪線等の
建設工事を進めたのであります。 次に、
駐車場整備事業につきましては、
西横堀駐車場は新たに、西国橋、船町橋間の工事に着手、9,000万円を支出いたしております。 また、
都市開発資金会計による
工場あと地等買収事業には、19億300万円を支出いたしまして、約7万1,000平方メートルの用地を取得しましたほか、
公共用地先行取得債による
公共事業用地の
先行取得には、10億4,100万円を支出いたしました。 次に、
公園事業におきましては、
新高公園等69カ所の
児童公園の整備、造成を行ないますとともに、将来の
公園造成計画の一環として、鶴見緑地の用地を引き続き買収いたしました。また、大阪城公園は、
玉造口地区等を整備、新たに約11万4,000平方メートルの造成を行ないましたほか、明治100年
記念公園事業として着手いたしました
毛馬桜之宮公園の整備を推進、さらに引き続き
長居公園植物園地区等の整備を実施いたしました。また本年度も、街路、公園等に約19万本の木を植えるなど、
緑化事業を一そう積極的に推し進め、総じて18億2,800万円を支出いたしまして、緑豊かな潤いのある
町づくりを進めたのであります。 次に、
土地区画整理事業並びに
市街地改造事業につきましては、191億9,100万円を支出いたしまして、
新大阪周辺地区をはじめ、第二
阪神国道西淀川地区、港、
大正地区及び
市内中央部の
区画整理事業を実施いたしますとともに、45年3月、
大阪駅前第1棟ビル、
谷町地区の4棟のビルの完成を見、また
周辺部対策として本年度は、新たに、城東区茨田地区及び東住吉区
東部地区等の調査を進め、前年度に引き続き、下新庄、豊里、
豊里西地区の
宅地造成事業を実施いたしたのであります。 次に、
公害対策及び
地盤沈下対策といたしましては、25億5,000万円を支出いたしました。まず、
公害発生源に対する
指導規制を強力に進めるとともに、
小規模公害発生源工場の買収、
公害防止設備資金融資による
公害発生施設の改善につとめましたほか、
大気汚染の
実態把握のため、
モニタリングステーション及び
排気ガスステーション各1カ所を増設、
水質汚濁、騒音、振動、
地盤沈下等の
各種公害防止のための諸施策を講じました。さらに、
高潮対策事業として、
河川浄化をかねた
東横堀川の改修、
毛斯倫大橋のかさ上げ、
臨海地域の防潮堤、
防波堤等の新設、
かさ上げ等を継続実施いたしました。
河川事業といたしましては、
市周辺部低地区の
水害防止のために平野川など8河川の
護岸改修、
しゅんせつを実施いたしますとともに、
浸水対策と
環境浄化対策をかねた長堀川及び十三間川の
埋め立て工事等を継続実施し、総じて13億9,300万円を支出いたしたのであります。 次に、大阪港の
整備事業といたしましては、安治川1
号岸壁整備工事の完成をはじめといたしまして、航路、泊地の
しゅんせつ、防潮堤の新設、かさ上げ、岸壁、
物揚げ場の新設、改良、及び道路、橋梁の
整備等を継続実施いたしました。また貨物の増大と、
海上輸送の
質的変化に対処するため、南港に
阪神外貿埠頭公団による
コンテナー埠頭2バースを
完成供用を開始いたしましたほか、
港湾局庁舎の建設、清掃船の建造、
港湾労働者福祉センター建設補助等、総じて57億8,000万円を支出いたしたのであります。
教育事業といたしましては、まず校舎新
増築事業では、
不足教室の整備、
屋内運動場兼講堂の新築、
学校移転等本年度分321教室、10講堂のうち、270教室、9講堂及び前年度からの
繰り越し分85教室を完成、また
特殊教育振興のため、
生野養護学校及び
光陽養護学校16教室を完成いたしました。このほか、幼稚園3園の新増設、1園の
移転整備により16教室、1遊戯室を完成いたしました。
校舎改築事業は、本年度分108教室、5講堂のうち、82教室、4講堂及び前年度からの
繰り越し分35教室を完成するとともに、前年度に引き続き、
生野工業高校の
実習室等の改築を行ないました。また学校の新設及び拡張等のために17校、約5万2,000平方メートルの用地を買収いたしました。さらに
校舎補修、
防音設備のほか、
公害対策の一環といたしまして、本年度から新たに小学校の教室に
空気清浄器を設置いたしますとともに、机、いす、その
他校園備品を整備いたしたほか、
父兄負担解消4カ年計画の第2年次として、
小中学校維持運営費は、前年度に比し、4億6,400万円増の18億5,600万円を支出いたしました。また、
阿倍野青年センター、
長居ユースホステルを完成し、さらに懸案の
教育青年センターに着工するなど、諸施策の推進によって、引き続き
社会教育の振興につとめたのであります。
市立大学につきましては、
大学紛争のため、市民の貴重なる財産を損壊し、授業、研究及び診療の中断など、
市民各位に非常なご迷惑をおかけいたしましたが、授業並びに研究も正常に行なわれるようになり、また、
医学部付属病院も
診療業務の正常化に鋭意努力いたしております。44年度の
大学整備事業といたしましては、1億7,300万円を支出、施設の整備を行ないますとともに、紛争により損壊した校舎の復旧につとめました。以上、
教育事業費として、総じて54億4,000万円を支出いたしたのであります。 次に、
住宅対策でありますが、
公営住宅及び
改良住宅の建設は、前年度分1,822戸を完成、本年度分4,564戸に着手、うち2,057戸を完成いたしました。また
中小企業従事者住宅は単身寮177室、
世帯向け住宅50戸を完成、合わせて4,106戸の建設を完了いたしましたほか、大阪市住宅供給公社におきましても、1,057戸の募集をいたしたのであります。また、
既設住宅の補修、施設及び環境の
整備等を実施いたしますとともに、
防災建築街区
造成事業の促進につとめるなど、総じて153億5,900万円を支出いたしたのであります。 次に
社会福祉対策といたしましては、まず
心身障害者の
福祉対策に、4億5,500万円を支出いたしまして、従来の
重度身体障害者給付金を増額いたしますとともに、新たに
重度精神薄弱者をも対象に加え、さらに児童に対しましても支給することにいたしました。 また、
重症心身障害児施設及び
肢体不自由児施設の
建設助成、
精神薄弱児母子通園訓練センターの設置、
身体障害者日常生活用具の給付など、福祉の向上につとめたのであります。 老人の
福祉対策には、6億8,500万円を支出いたしまして、前年度着手いたしました
城東老人福祉センターを完成いたしますとともに、
養護老人ホームの建設及び
老人いこいの家設置に対し助成を行ないましたほか、新たに寝た
切り老人に対する
訪問健康診査、
特殊ベッド貸与等、
老人福祉の充実をはかったのであります。 また、
児童母子対策といたしましては、19億6,600万円を支出いたしまして、保育所につきましては、前年度からの
繰り越し分を合わせ、12カ所を完成いたしますとともに、
民間保育所の
建設助成につきましても、補助金を前年度に比し2,000万円増額し、その育成につとめましたほか、
施設収容児童に対し、新たに
生活指導訓練費及び
保育材料費を支給し、また
寡婦福祉貸し付け金制度を新設するなど、福祉の向上につとめたのであります。 また、
愛隣対策といたしましては、前年度着手いたしました住宅、厚生、労働等の
総合施設の建設を推進、3億7,000万円を支出いたしまして、
病院施設を完成いたしましたほか、環境の改善、
民生福祉の向上等、総合対策を進めたのであります。 さらに同和対策には、11億1,100万円を支出いたしまして、保育所、市民館、共同浴場等の施設整備、技能修得の奨励、更生生業資金の貸し付け、隣保事業の充実等福祉事業を推進いたしましたほか、衛生、教育、産業の振興等々、住宅建設事業と相まって、その充実をはかったのであります。 国民健康保険事業におきましては、被保険者約32万世帯、97万人を対象に、541万件、141億5,400万円余の給付を行なったのであります。 なお、生活保護及び失業対策には、103億900万円を支出いたしましたが、保護基準の引き上げ等とともに、新たに被保護世帯に学童服購入費、出産費補給金、水洗便所設置給付金を支給するなど、本市独自の援護対策の強化につとめましたほか、民間保護施設の建設を助成いたしました。また失業対策として年間延べ74万人の失業者の就労を実施いたしました。 次に、中小企業振興対策といたしましては、まず中小企業融資基金を10億1,000万円増額するとともに、信用保証協会に対する貸し付け金21億円、同協会に対する代位弁済補助金6億1,200万円を支出いたしました。 また商工相談等を、積極的に実施いたしますとともに、工業研究所の研究機器設備を充実し、技術の指導につとめましたほか、大阪マーチャンダイズマートヘの出資増額など、総じて63億8,000万円を支出いたしました。 さらに、貿易観光対策といたしましては、まず輸出金融の円滑化をはかるため、大阪輸出協会及び信用保証協会に対して、6億8,000万円を貸し付けるとともに、海外見本市への参加など、総額9億6,100万円を支出いたしました。消費流通対策といたしましては、桜川及び出来島公設小売市場の建設をはじめ、生鮮食料品の流通情報をテレビを通じて放送するなど2億2,000万円、
食肉市場、と畜場整備に1億600万円を支出いたしました。 次に、保健衛生対策といたしましては、港及び住吉保健所の改築、小児保健センターに脳血管総合診断装置の設置並びに伝染病院、既設保健所等の整備につとめましたほか、身体障害児等医療対策、蚊、ハエ、ネズミ駆除対策、結核対策、伝染病予防対策等に総じて25億2,900万円を支出いたしました。 清掃事業におきましては、ごみ焼却体制の整備に鋭意つとめてまいりましたが、前年度の森之宮工場完成に引き続き、本年度は、焼却能力日量600トンの東住吉工場の建設を進めましたほか、ごみ、屎尿の収集器材につきましても、オートパッカー206台、バキュームカー51台を購入、特にごみ収集車全車両のパッカー化を完了いたしました。また、街頭ごみ容器の設置、不法投棄の処理、道路清掃の拡充など、町の美化につとめ、総じて12億9,300万円を支出いたしました。 次に、消防事業といたしましては、7億2,300万円を支出いたしまして、西消防署とあわせ消防局庁舎を建設いたしますとともに、梅田出張所の新設、住吉消防署、上福島出張所の改築を実施しましたほか、消防力の近代化をはかるためヘリコプターを購入しましたのをはじめ、38メートルのはしご車の製作並びに消防ポンプ車、タンク車、救出車、救急車、無線電話機等の増強及び更新、消防隊員の安全確保のための空気呼吸器等の整備を実施いたしたのであります。 また、市区庁舎の整備と市民サービスの改善につきましては、10億4,600万円を支出いたしまして、旭区庁舎の
建設工事の完成を見ましたほか、東住吉区矢田出張所庁舎建設に着手いたしました。 このほか、窓口サービスをさらに改善するための窓口事務の一元化を強力に推進するとともに、北、福島、西、浪速、旭、東住吉の6区において機械化を実施し、市民サービスの向上につとめたのであります。 最後に、万国博覧会につきましては、すでにご承知のとおり6カ月間にわたる会期を終え、去る9月13日無事閉会いたしましたが、44年度としては、国及び地元公共団体とともに会場建設費の一部負担として14億4,800万円を支出いたしております。 以上をもちまして、昭和44年度決算の概要をご説明申し上げましたが、なお詳細につきましては、後日の決算委員会におきまして、慎重にご審議になることと存じますので、その機会に譲りたいと存じます。 何とぞよろしくご審議のほどお願い申し上げる次第であります。(拍手)
○議長(天野要君) おはかりいたします。ただいま議題となっております報告第42号及び報告第43号は、目下報告第36号、昭和44年度大阪市市民病院事業会計決算報告について外3件を審査中の決算特別委員会に付託することに決してご異議ありませんか。 (「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(天野要君) ご異議なしと認めます。よって議長発議のとおり決しました。
○議長(天野要君) 報告第42号及び報告第43号は、決算特別委員会に付託いたします。
△閉議
○議長(天野要君) 本日の日程は以上で終了いたしました。
△散会
○議長(天野要君) 本日はこれをもって散会いたします。 午後3時23分散会
--(報告第44号は
会議録別冊の2に
登載)-----------------------------------------
△(イメージ)報告第45号
△(イメージ)報告第45号
△(イメージ)報告第45号
△(イメージ)報告第45号
△(イメージ)報告第45号