◎
喜舎場盛三
予算決算常任委員会委員長
ただいま議題となりました、議案第87号、平成30年度那覇市
一般会計補正予算(第3号)について、
予算決算常任委員会における審査の概要をご報告申し上げます。
初めに、
厚生経済分科会委員長から
審査報告として、新
文化芸術発信拠点施設整備事業に係る
債務負担行為の増額について、当局から、今回の補正は入札不調となった
当該事業の
建築工事部分の
債務負担行為を変更するものである。応札がなかった後に3JVの代表3事業者に延べ10回のヒアリングを行ったところ、
公共単価と市場の
取引単価に乖離があることが判明した。
工事期間の変更に伴う予算の変更も含め、
工事請負費を16億4,344万6,000円増、また、
設計工事等委託料に関しても3,601万6,000円増の合計16億7,946万2,000円の
債務負担行為の増額を行うものであるとの説明があった、などの報告がありました。
分科会委員長報告後、新
文化芸術発信拠点施設整備事業について、
総括質疑が行われました。
委員から、本事業の財源としての
一括交付金の充当について質疑があり、当局から、平成30年度までは確実に8割充当を実現してきたが、近年の
一括交付金の総額の
大幅減額や、本市への配分額の落ち込みにより、平成31年度以降の
一括交付金の8割充当は厳しい状況であると考えている。今後とも引き続き、特別枠の活用や他
市町村分を含めた
一括交付金の不用額の活用などを通して、
一括交付金の最大限の活用を図っていきたいと考えている、との答弁がありました。
同委員から、本事業を推進する必要性や認識について質疑があり、当局から、施設の完成時期が大幅に遅れれば、本市の文化・
教育行政にとって大きな損失となることから、
早期完成を目指し
事業推進に努めていくべきものと考えている。また、本事業の建設に係る他の
国庫補助メニューがないため、
一括交付金の活用が求められており、
一括交付金の
活用期間である平成33年内、とりわけ特別枠が担保された平成32年度までに着実に推進することが重要であり、速やかなる着工が強く望まれていると理解している、との答弁がありました。
別の委員から、
一括交付金の8割充当が厳しいという答弁があったが、この判断はいつなされたのか質疑があり、当局から、今回の
補正予算を編成する過程で、現在の状況を踏まえ、8割の充当は少し厳しいのではないかと感想を持った、との答弁がありました。
同委員から、
中期財政計画では、2023年には
歳入歳出の差額がマイナス15億円という推計があり、運営費も現在の倍増となるときに、
施設建設により、現在、補助を受けている
文化団体などに対する歳出への影響はないのかとの質疑があり、当局から、現在補助を行っている
文化団体の補助金はその団体の重要な財源となっているため、その財源は死守したいと考えている、との答弁がありました。
別の委員から、本事業の今後の
スケジュールについて質疑があり、当局から、今臨時会で
債務負担行為変更の議案が可決されれば、早急に
入札公告の手続を進め、
落札業者の決定により仮
契約締結後に速やかに9月定例会に
工事請負契約についての議案を上程することを予定している。その議案が可決されると、10月に工事に着手し、30カ月の
工事期間を経て平成32年度末に
工事完成、
開館準備期間終了後、平成33年度の
開館予定となっている、との答弁がありました。
同委員から、今回の臨時会で
補正予算が可決されない場合の影響について質疑があり、当局から、
入札手続等及び
工事期間30カ月を考慮すると、平成32年度内での
工事完了が不可能になり、本事業の重要な財源である
沖縄振興特別推進交付金の
事業計画を見直さざるを得なくなり、既に承認を得られた特別枠の平成31年度及び32年度分の合計12億円が取り消され、再申請の上、再度審査に付されることになる。
また、建設費が上昇する中、契約時期が遅れるほど
財政負担が危惧され、さらに、
那覇市民会館が休館中である中、完成時期の遅れは本市の
文化行政、
教育行政の面へも大きな影響を及ぼすと考えられる、との答弁がありました。
別の委員から、
中期財政運営方針の中で、2020年からは市債の発行額が公債費を上回る予測になっているが、中長期的な観点から見て、
当該事業が本市の財政に与える影響や財政の見通しについて質疑があり、当局から、施設の更新が重なるなどやむを得ない事情が生じるということから、平成32年度以降は、
市債発行額は公債費を超える見通しを示している。しかし、地方債については、将来的な償還が伴うことから、この負担を軽減するため、または起債に安易に頼らないようにするために、引き続き
一括交付金の最大限の活用や、
市町村間流用をすることで、地方債の抑制をし、今後の
財政負担の軽減に努めていきたいと考えている、との答弁がありました。
同委員から、今回の
増額補正及び
事業執行について、市民に対する説明責任を今後どのように果たしていくのか質疑があり、当局から、今回の
増額補正の結果、今後の
事業執行、建設費及び
工事期間が変更になる部分、本議会の議決結果、
工事契約の締結などの時期を見ながら、ホームページや広報「なは市民の友」等を活用し、市民の皆様への
情報発信を努めていきたい、との答弁がありました。
通告による
総括質疑終了後、別の委員から、先ほどの本委員会の答弁と分科会での答弁に違いがあるため、質疑を行いたいとの申し出があり、休憩して
予算決算常任委員会理事会を開催したのち、
関連質疑が行われました。
同委員から、先ほどの答弁の中で、
当該事業中の
予算措置の部分が
一括交付金の8割充当は厳しい状況であるという答弁が初めて明らかになった。分科会でも
一括交付金を8割充当することができるのか質疑をしたが、厳しい状況との答弁はなかった。分科会での質疑の時点で、
市民文化部の認識として、8割充当は厳しいという認識ではなかったのかとの
関連質疑があり、当局から、
市民文化部においてその時点では
一括交付金の8割充当は厳しいとの認識はなかった、との答弁がありました。
同委員から、事業部である
市民文化部と
企画財務部の認識に違いがあったのか質疑があり、当局から、入札不調により工事費が約13億円増額になったことを受け、査定をする立場として、増額になった分まで、
一括交付金を充当していくことは容易ではないとの印象から、先ほどの答弁では、厳しいという旨の表現をしたものであり、この認識が
企画財務部と
市民文化部との間で、必ずしもしっかりと共有はされてなかったものと今考えている。今後は、事業課と予算を査定する
財務担当のセクションと、しっかりと認識を合わせていくよう心してまいりたいと思っている、との答弁がありました。
総括質疑及び
関連質疑終了後、
議員間討議がなされました。
委員より、市民に対し、昨年の11月に「なは市民の友」で掲載された予算の内訳と実際の
実施計画の中身が違っているという説明をするべきだと当局へ伝えてきたが、当局の回答としては、議会を通して市民に説明しているというような答弁に終始していた。また、分科会においても、ホームページにおける
当該事業の説明については先ほどと同様の「市民の友」のリンクが張られたままであるため、新たな情報が説明されていないことについて質疑がなされたが、いまだに更新もされていない。よって、市民への説明をしっかりとするということを示した上でないと、この審議には入れない、との討議がなされました。
議員間討議終了後、採決に先立ち委員から、議案第87号について、十分かつ慎重な審議を求めていきたいとの理由により、継続審査としたいとの動議がなされました。
動議に対し、委員から、継続審査となった場合の那覇市の
文化行政、
教育行政に及ぼす損害、影響について質疑があり、動議提出者から、厚生経済分科会で当局へ質問をしたところ、まだどのような陣容で施設の運用・運営を行うのか、いつ決定するのかわからないとのことである。実際の施設運営の経費や、陣容の必要性については、全く答えていない。そういう意味で
教育行政、
文化行政にかかる負担は、当該施設の建設により、どの程度運営経費が必要かわからないと発言している以上、慎重なる審議が必要だろうという思いで継続審査の動議を提案した、との答弁がありました。
別の委員から、これまで繰り返し執行部が緊急性を訴え、
一括交付金などを充当し進めたいとの説明を、この6月定例会の答弁などを参考に、それは信じられないと発言していることについて質疑があり、動議提出者から、「市民の友」で説明していた、
一括交付金の充当が事業費の8割で99億円だという話をしていた矢先に、
実施計画においては、それをかなり下回るような計画しか持っていなかった。さらに本委員会の
総括質疑において、最後の最後になって8割充当は厳しい状況であるとの姿勢では、本当に財源の裏づけが適切になされるのかという疑義が生じるのは当然である。
そういう意味で、一度、継続審査に付して、次の定例会において当局の姿勢をしっかりと見きわめたいというふうに考えている、との答弁がありました。
その後、議案第87号を継続審査とする動議に対する討論が行われました。
まず、継続審査とする動議に反対する委員から、今臨時会で可決されなかった場合、
入札手続等及び
工事期間30カ月を考慮すれば、平成32年度内での
工事完了が不可能になり、その結果、
一括交付金の特別枠の担保の取り消し、契約時期が遅れることによる
財政負担が危惧されること、また消費税増税の影響などから、財源への大きな影響が生じることになる。
また、
那覇市民会館の休館により、
文化団体や市内の多くの小・中・高生が市外の劇場を利用するなど、市民に多大な不便がかかっていること、
文化団体などから早期着工の要請があることなどから、今議会での可決が必要であり、動議に反対するものである、との討論がなされました。
次に、動議に賛成する委員から、分科会での担当課の答弁と本委員会での
企画財務部の答弁に違いがあり、
一括交付金の8割を充当することが厳しい状況であると初めて明らかになった。この問題について、なぜ8割充当が厳しいのか、誰の判断なのか、いつ、どのような意思決定がなされたのか、そういう議論を深めるためにも、継続審査は必要である。また、今回約13億円という増額が図られているが、PFI等、さまざまな負担軽減の方法について、定例会における代表質問や一般質問を通し議論することが必要であるため、動議に賛成する、との討論がなされました。
次に、動議に反対する委員から、
企画財務部長は今回補正にせざるを得なかった約16億円の増額分については、
一括交付金を8割充当することは厳しいと答弁をし、この計画全体について、8割は厳しいと答弁したわけではない。また、継続審査となった場合の本市の
文化行政、
教育行政への影響や市民に及ぼす負担を考え、動議に反対する、との討論がなされました。
次に、動議に賛成する委員から、同事業の必要性は認識しているが、その過程も大事である。本日の答弁の食い違いは今回議論した中でも、大変重大な疑義であり、定例会の中で議論を進めていくことが大事であることから、動議に賛成する、との討論がなされました。
討論終了後、議案第87号を閉会中の継続審査とする動議に対する採決が行われ、賛成少数により否決されました。
続いて、本案に対する採決が行われ、結論として、議案第87号、平成30年度那覇市
一般会計補正予算(第3号)については、賛成多数により可決されております。以上、ご報告申し上げます。
○
翁長俊英 議長
これより質疑に入ります。
(「なし」と言う者あり)
○
翁長俊英 議長
これにて質疑を終結いたします。
○
翁長俊英 議長
これより討論に入ります。
討論の通告がありますので、発言を許します。
清水磨男議員。
◆清水磨男 議員
議案第87号、那覇市
一般会計補正予算の第3号につきまして、非常に詳細な委員長報告もございましたが、委員長報告は事実のみでございますので、ぜひこれにご賛同いただけるよう、私からも討論を少し簡単にではございますが述べさせていただきたいと思います。
まず、今回の
補正予算のうち、対象となっている事業というものは、この新文化芸術発信拠点施設という施設に関する工事費の増額であります。この施設は、いわゆる今、那覇市内に市民会館が閉鎖をされている中で、それにかわる新たなこの文化芸術の施設が必要だということで基本構想が行われ、設計があり、そしてこれから工事に移っていくといった、そういった工事の内容であります。
ですので、まず公共工事として無駄かどうか、これが不要かどうか、反対かどうかという点については、ぜひともこの市民会館にかわる新たな施設というものは、多くの子どもたちや、そして文化芸術関係者の方々、そして広く一般市民の方々にとって重要な施設でありますので、この早期建設、完成というものは必要ということを強く皆様にご賛同いただければと思います。
その上で、今回、これが
増額補正をされたというものは、いわゆる工事に発注をしたけれども、不調に終わってしまったというのが今回の
増額補正の主な要因でありました。
それでは、なぜ不調に終わってしまったのか。それが今回の委員会の中でも明らかになったところでありますが、那覇市は公共工事を出す際に、国や県が定めた単価を積み上げて、それで工事の発注を行います。
しかし、わずか2カ月、3カ月といったような期間であっても、民間の中でどんどん、この単価が値上がりをする、人件費が上がるといったことがあれば、なかなかこの定められた金額での発注では民間が工事を請けられないといったことが発生してしまいます。
それが今回の主な不調の原因だったということが後の那覇市のヒアリングの中で明らかになったところであります。
つまり、国や県が定めた単価が民間の単価と合っていなかった。もちろんこれにはその次にとる手続も定められていて、これがいわゆる国が定めた品確法といわれる品質を確保するための法律というものがあって、単価が合わなかった際に無理に安い値段で民間にどうにか取ってもらうということではなくて、その際には民間のその時代の情勢に合わせた単価で改めて行政は発注をしてくださいといった手続が一連定められております。
那覇市はこの国の手続にのっとって改めて予算を
増額補正して工事を発注しようとし、そのために予算の
増額補正を議会に認めてもらおうとしたのが、今回の議案の主なところでございます。
ですので、確かに市民負担、そして国の税金であれば国民負担が増えますが、しかしながら、それは市民にとって必要な建物をしっかりと、この国の手続にのっとって、那覇市が取り上げたのが今回の
補正予算ということになっております。
そしてなぜこれは、次の定例会を待ってではなくて、この臨時会、補正によって早急に行われたかということが、これも今回の委員会の中で明らかになった点であります。
それは、この事業を民間に改めて発注するにしても、既にそのほか、県内、ほかの市町村や国から認めていただいた沖縄振興予算の特別枠分、そういったところの補助が、これが遅れてしまっては使えなくなってしまう。つまり、市民に非常に大きな、10億円を超える負担を新たに発生させてしまうために、今回、那覇市は緊急性のもとにこの事業を発注した。臨時会において議会に提出をしたというところになっております。
そしてこれは民間の工事会社に圧迫を与えないように、ちゃんと彼らが30カ月という全体工期の中で工事ができるように、逆算をしていった結果、ぎりぎりの日程がこの8月臨時会だったということが、これも那覇市の今回の議会の説明で明らかになっております。
るる述べてまいりましたが、これらの詳細な説明は委員長報告からもありました。そして改めて、こういった理由をもとに、この予算にぜひとも議会、そして市民の皆様にご賛同いただきたい点、そしてその最後の1点は、今回、なぜこれだけ議論になったかということは、本日、執行部は来ておりませんが、この那覇市の執行部が、市民説明がそれが十分であったか、不十分であったか、ここには一定の尺度はありませんので、確かに至らない点もあったのかと、これを多くの議員が感じているところだと思います。ですので、その点についてはしっかりと執行部には引き続き議会や市民への説明をしていただきながら、と同時に、この議会で執行部が説明した、この緊急性や予算で市民に負担をかけないための補助や予算のあり方というものを、執行部が説明した点をこの議会も無視をせずにしっかりと受けとめて、この必要な施設の建設発注に当たる、その予算を確保しなければいけないという、その点で今回、ぜひとも皆様にご賛同いただき、そして我々議会自身もしっかり市民の方々に説明をしながら、この施設が那覇市として必要な施設であるのであれば、ぜひとも本予算にご賛同をいただきたいと思います。
以上、理由をもちまして討論とさせていただきますが、今回の
補正予算をぜひとも
議員各位、そして市民の皆様への説明となりながらご賛同をいただければと思い、討論とさせていただきます。ありがとうございます。よろしくお願いいたします。
○
翁長俊英 議長
前田千尋議員。
◆前田千尋 議員
おはようございます。日本共産党の前田千尋です。
日本共産党那覇市議団を代表して、ただいま議題となっております議案第87号、2018年度那覇市
一般会計補正予算(第3号)に賛成の討論を行います。
今回の
補正予算は、新
文化芸術発信拠点施設整備事業・新市民会館建設についての
債務負担行為の債務限度額などを約16億円、増額する内容となっています。
皆さん、そもそも市民会館建設に国の補助金はありません。
そこで、那覇市は知恵を出し、県・国の承認を得て、さらに県内市町村の協力も得て、建設費用の8割を上限活用できる
一括交付金を使って進めています。
ところが、政府は、沖縄の振興に資する事業、文化拠点新市民会館をつくるための予算に充てる
一括交付金を大幅に削減しています。
沖縄県全体では、2016年度の806億円に対し、2017年度は688億円、2018年度は608億円と総額が大幅に減らされています。今年度は2016年度と比較すると198億円もの大幅削減です。
その影響を受けて、本市の基本枠の配分額についても、2016年度は43億6,600万円、2017年度は36億9,300万円、今年度は29億8,400万円と減額されています。
今回の新
文化芸術発信拠点施設整備事業・新市民会館建設についても、この
一括交付金の大幅削減の影響を受けています。
しかし、自民党となはの翼f協働、維新の会の皆さんは、この
一括交付金を大幅に削減している安倍政権を何ら批判せず、議会のたびごとにさまざまな理由を持ち出し、新市民会館建設をさせないための行為を繰り返しています。
これらの行為は、市制100周年の節目の年、2021年度の新市民会館の早期開館を待ち望んでいる文化芸術、教育、福祉関係者を初め、市民・県民の強い願いを踏みにじるものであり、断じて許されません。
皆さん、沖縄の振興、観光発展に資する
一括交付金事業として、国と県が承認して進めているのが新市民会館建設です。その新市民会館建設と伝統文化の継承、新しい文化の創造の発展と振興を行為しているのが、
一括交付金を大幅に削減している安倍政権ではありませんか。これは沖縄県民、そして那覇市民いじめではありませんか。
そして、自民党、維新の会の議員は、新市民会館建設の見直し、場所の見直しを明言しています。多くの市民・県民が待ち望んでいる新市民会館をあと8年以上も遅らせて平気なのでしょうか。
県都・那覇市では新市民会館の
早期完成を願う市民・県民、関係者に迷惑をかけて平気なのでしょうか。本当に理解ができません。
市当局は、今回の
補正予算提出に向けて、5月の入札不調後、その原因を検証するために、共同企業体の代表者である3業者に延べ10回のヒアリングを含む検証作業を行った結果、それぞれの設定価格に乖離が確認されたことから、公共工事の品質確保の促進に関する法律及び関係方針等に基づき、採用単価を業者からの見積へ変更することや、仮設工事についても標準的な積算方法から、敷地や建物の形状等を勘案した仮設計画に基づく積算方法へ変更などを行い、今回の
補正予算を提出しています。法的にも、関係方針に基づいても何ら問題がない
補正予算の提出です。
今臨時会で
債務負担行為の変更について議案が可決されれば、早急に入札、公告の手続きを始め、
落札業者が決定すれば、仮
契約締結後に速やかに直近の議会である9月定例会で
工事請負契約について上程し、議案が可決された後10月に工事に着手にすることができ、30カ月の
工事期間を経て、2021年度の開館を予定しています。
今議会で可決されなかった場合、入札手続き等及び
工事期間30カ月を考慮すると、2020年度内の
工事完了が不可能になり、その結果、財源への大きな影響が生じることになります。
本事業の重要な財源である
一括交付金の
事業計画を見直さざるを得なくなり、既に承認を得られた特別枠の2019年度、2020年度の合計12億円の担保が取り消され、再申請のうえで再度審査に付されることになります。
一括交付金の特別枠の新規のエントリーは、各市町村の需要は高く、新たな採択はさらに狭き門となると思われ、改めて特別枠を確保することは、極めて厳しい状況になることは明らかです。
那覇市民会館が休館中である中、工事着手の遅れ、完成時期の遅れは、財政的な面だけではなく、本市の
文化行政、
教育行政の面へも大きな影響を及ぼします。
このように工事の遅れと、市の財政、市民にも重大な損失を与えるのが自民党、維新の会、なはの翼f協働の皆さんのこれまでの行為です。到底容認できません。
新市民会館建設の早期建設は市民・県民の切実な強い要望です。
新市民会館は、沖縄の伝統芸能をはじめ、クラシック音楽やオペラ、バレエやミュージカルなど、さまざまな演目に対応可能な充実した設備を備えた県内随一の都市型劇場です。客席は1600席の大ホール、300席の小ホール、いろんな用途に使える大小6つの練習室ができます。文化芸能関係者から期待の声も寄せられています。
那覇市民会館が休館されて、これまで利用していた団体や関係者が市外の劇場を利用しなければならなくなり、そのために多くの団体、市民が市外に足を運ばなければならず、教育の面では、これまで市内の多くの小中学校や高校などが芸術鑑賞や発表会のために利用していましたが、市外の劇場を利用するなど、多くの市民に多大な不便がかかっている現状があります。
長年、本市の文化振興の推進力となってきた会員総数2,300人余りの那覇市文化協会からは、市内の文化活動停滞に対する懸念から、施設の早期建設・早期着工の要請書が出されています。
職員が180人、正会員・賛同会員が約800人、さらに多くの団体が協力している那覇市社会福祉協議会は、毎年開催の芸能チャリティー公演の会場確保等に苦慮しており、新たな会場での追加設備等による経費の増加、利用しにくいことなどからも、施設の早期建設を切実に求めています。
また、800人余の会員を有する那覇市身体障害者福祉協会は、障がいのある方が気軽に立ち寄れる場所となること、公共交通機関を使って利用できる施設として大いに期待していることなど、久茂地小学校跡地への早急な建設を要望しています。
新市民会館は、平日ならばバスは、市内線、市外線で約100系統、約2,300便が利用できます。モノレールも県庁前駅、美栄橋駅から約400メートルと便利です。障がい者や高齢者などの交通弱者から、これら公共交通の利便性のよさが特に喜ばれています。
周辺には、与儀の旧市民会館にはない、民間駐車場が多くあります。
また、新市民会館は、昼間、夜間と市民・観光客が楽しめるさまざまな企画が実施されます。市民・県民、観光客が施設利用の前後に、周辺で買い物をする、食べ歩きなどもできます。周辺のお店ではお客様が増え、中心商店街の活性化にもつながります。
渋滞対策としては、一銀通りの拡幅、スムーズに右折・左折できるように久茂地橋や松尾交差点が改善されます。一銀通りとニューパラダイス通りを結ぶ新しい道路も造られ、歩道整備も行われます。
このように、沖縄の伝統文化の継承、新しい文化の創造を始め、新
文化芸術発信拠点施設整備事業は、文化の振興と観光の発展、市街地活性化にも大きな力を発揮します。文化、観光、経済関係者、そして、多くの市民・県民も、早く完成してほしいと切実に待ち望んでいます。
この新しい市民会館から、第2、第3の安室奈美恵さんを初め、沖縄の伝統芸能家、ミュージシャンやダンサーを目指す方々を、全国・世界へ羽ばたかせようではありませんか。文化芸術の面から、那覇市、沖縄県を全国、世界にアピールしていこうではありませんか。
以上のことから、今回提案されている予算の
増額補正について、提案された金額については正当性があり、財政面からも
スケジュール面からも今議会での可決が必要です。多くの市民、県民が望んでいる新文化芸術発信拠点施設の早期建設を実現するためにも、議案第87号、2018年度那覇市
一般会計補正予算(第3号)に賛成いたします。
議員各位のご賛同をよろしくお願いいたします。
○
翁長俊英 議長
これで通告に基づく討論は終わりました。
ほかに討論はありませんか。
(「議長、休憩お願いします」と言う者あり)
(「異議あり。討論をやっている途中で」と言う者あり)
○
翁長俊英 議長
休憩いたします。
(午前10時55分 休憩)
(午前11時51分 再開)
○
翁長俊英 議長
休憩前に引き続き、会議を開きます。
○
翁長俊英 議長
この際、申し上げます。
前田千尋議員から、先ほどの討論において「妨害」という発言を「行為」に訂正したいとの申し出が議長あてにありました。
この訂正申し出につきましては、
会議規則第65条の規定により、議長において許可いたします。
○
翁長俊英 議長
これにて討論を終結いたします。
○
翁長俊英 議長
これより採決に移ります。よろしいですか。
○
翁長俊英 議長
これより、議案第87号、平成30年度那覇市
一般会計補正予算(第3号)について、採決を行います。
○
翁長俊英 議長
まず、点滅する参加ボタンを1回だけ押してください。
○
翁長俊英 議長
参加ボタンの押し忘れはありませんか。
○
翁長俊英 議長
なしと認めます。
○
翁長俊英 議長
それでは、原案のとおり決することに賛成の議員は賛成ボタンを押し、反対の議員は反対ボタンを押してください。
○
翁長俊英 議長
賛成ボタン・反対ボタンの押し間違いはございませんか。
○
翁長俊英 議長
なしと認めます。
○
翁長俊英 議長
賛成多数であります。
よって、本案は原案のとおり可決されました。
(「議長」と言う者あり)
○
翁長俊英 議長
休憩いたします。
(午前11時54分 休憩)
(午前11時54分 再開)
○
翁長俊英 議長
再開いたします。
中村圭介議員。
◆中村圭介 議員
ただいま可決されました議案第87号、平成30年度那覇市
一般会計補正予算(第3号)に対して、
附帯決議を提出させていただきたいと思いますので、お取りはからいのほどよろしくお願いいたします。
○
翁長俊英 議長
ただいま、
中村圭介議員ほか1人から議案第87号、平成30年度那覇市
一般会計補正予算(第3号)に関する
附帯決議案が提出されました。
会議規則第14条第1項の規定によりまして所定の賛成者がおりますので、本動議は成立いたしました。
○
翁長俊英 議長
ここで
附帯決議案の配付のため、休憩いたします。
(午前11時56分 休憩)
(午前11時56分 再開)
○
翁長俊英 議長
再開いたします。
○
翁長俊英 議長
お諮りいたします。
議案第87号、平成30年度那覇市
一般会計補正予算(第3号)に関する
附帯決議案の動議について、緊急を要する事件と認めます。日程に追加をいたしまして、ただちに議題としたいと思います。
これにご異議ありませんか。
(「異議なし」と言う者あり)
○
翁長俊英 議長
ご異議なしと認めます。
ただいまの議案第87号、平成30年度那覇市
一般会計補正予算(第3号)に関する
附帯決議案の動議を、緊急を要する事件と認め、日程に追加し、ただちに議題とすることに決しました。
○
翁長俊英 議長
それでは、決議案第5号、議案第87号、平成30年度那覇市
一般会計補正予算(第3号)に関する
附帯決議を議題といたします。
提出者の説明を求めます。
中村圭介議員。
◆中村圭介 議員
それでは、議案第87号、平成30年度那覇市
一般会計補正予算(第3号)に対する
附帯決議の
提案理由を申し上げます。
今回、お手元に配付させていただきました決議の案文を読み上げて理由とさせていただきたいと思います。
議案第87号、平成30年度那覇市
一般会計補正予算(第3号)に対する
附帯決議。
新
文化芸術発信拠点施設整備事業は、事業の趣旨に加え、事業の経緯や予算規模の大きさなどから多くの市民が関心を寄せている事業である。
議会でも慎重な審議が進められる中で、これまでも幾度となく当局の事業にあたる姿勢について指摘がされてきた。そのような状況にも関わらず、市民に対する説明責任について、当初予算が可決された段階で事業予算の内訳を大きく変更したことなどの周知に不十分な点があった。
事業の必要性は認めるものの、新文化芸術発信拠点施設が、多くの市民の祝福の中で開館を迎えられるよう、当局の市民説明に対するさらなる努力が求められる。
よって、議案第87号、平成30年度那覇市
一般会計補正予算(第3号)の新
文化芸術発信拠点施設整備事業にかかる
債務負担行為について、行政としての説明責任を果たす観点から、事業費やその内訳、今後の
スケジュール等、市民に対して、早期に事業に関する最新の情報をホームページ等で公開し、その周知を図ることを強く要望し、決議する。
平成30年(2018年)8月21日。
那覇市議会。
あて先、那覇市長となっております。
議員各位のご賛同をよろしくお願いいたします。
○
翁長俊英 議長
これより質疑に入ります。
(「なし」と言う者あり)
○
翁長俊英 議長
これにて質疑を終結いたします。
○
翁長俊英 議長
これより討論に入ります。
(「はい、賛成討論」と言う者あり)
○
翁長俊英 議長
奥間亮議員。
◆奥間亮 議員
ただいま議題となっております議案第87号、平成30年度那覇市
一般会計補正予算(第3号)に対する
附帯決議に対しまして、賛成の立場から討論を行います。
先ほど我々会派は反対しましたが、賛成多数により可決をされました。
この
附帯決議でありますけれども、趣旨、一番メインのテーマが、市民に対して早期に事業に関する最新の情報を公開し、その周知を図るよう求めるためこの案を提出するというところであります。その部分に対しては賛成をするものであります。
また、文中「事業の必要性は認めるものの」という文があります。これは誤解をなさらぬように申し上げておきますが、我が会派は、同事業に対しては、見直しあるいは修繕、改善、修正というものをこれまでずっと一貫して求めてきた立場であります。その立場については、変わることはありません。これを事業という言葉を、新市民会館つまり新しい市民会館をつくるという広い意味で解釈をするのであれば、これはこの
附帯決議に賛成することはできる、そういう解釈であります。
最後に、この事業に関しましては、引き続き我が会派としては、見直しや修正や改善を求めていくということを申し上げた上で、この
附帯決議には、広い意味で賛成することができるということで賛成いたします。
○
翁長俊英 議長
ほかに討論はありませんか。
(「なし」と言う者あり)
○
翁長俊英 議長
これにて討論を終結いたします。
○
翁長俊英 議長
これより採決に移ります。よろしいですか。
○
翁長俊英 議長
それでは、決議案第5号、議案第87号、平成30年度那覇市
一般会計補正予算(第3号)に関する
附帯決議は、原案のとおり決することに、ご異議ございませんか。
(「異議なし」と言う者あり)
○
翁長俊英 議長
ご異議なしと認めます。
よって、本案は原案のとおり可決されました。