岡山市議会 > 1986-03-14 >
03月14日-09号

  • 部落(/)
ツイート シェア
  1. 岡山市議会 1986-03-14
    03月14日-09号


    取得元: 岡山市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-08-30
    昭和61年 2月定例会    昭和61年2月定例岡山市議会    議 事 日 程  第9号       3月14日(金)午前10時開議第1 甲第7号議案~甲第78号議案    …………………………………会議に付した事件 日程第1 甲第7号議案~甲第78号議案(質疑)    ──────〇──────出席議員(49人)        1番  矢 木   明君        2番  片 岡 五百樹君        3番  近 藤 紗智子君        4番  辻 野 喬 雄君        5番  田 畑 賢 司君        6番  有 井 靖 和君        7番  亀 井   章君        8番  垣 下 文 正君        9番  宮 川 日 吉君        10番  伏 見 昇 男君        11番  道垣内 正 雅君        13番  小松原   操君        14番  寺 田 明 生君        15番  内 田 宏 哉君        16番  日 南   香君        17番  景 山 貢 明君        18番  山 田   勇君        19番  福 原 弘 子君        20番  堀 川   進君        21番  川 田 敏 幸君        22番  磯 村   博君        23番  山 田 録二郎君        24番  大 橋 英 雄君        25番  小 川 晴 雄君        26番  丹 原 重 彦君        27番  脇 本 一 郎君        28番  松 山 茂 樹君        29番  小 林   勉君        30番  苦 水 重 徳君        31番  新 谷 盈 智君        32番  守 屋 彰 久君        33番  楠 木 忠 司君        34番  草 野 邦 輔君        35番  小 橋 留 男君        36番  田 中 昭 三君        38番  片 山   仁君        40番  高 木 悦 夫君        41番  妹 尾 達 道君        42番  谷   慎一郎君        43番  串 田   務君        44番  定 政 猛 男君        45番  華 房 美 衛君        47番  渡 辺 慎 一君        48番  岡 本 俊 彦君        49番  浅 野 卓 志君        51番  板 野 和 昭君        52番  花 岡   薫君        53番  藤 原   貢君        54番  藤 原 照 夫君    …………………………………欠席議員(2人-欠員3)        46番  磯 島 康 夫君        50番  鈴 木 邦 彦君    ─────────────説明のため出席した者   市     長  松 本   一君   助     役  鹿子木   貢君   助     役  富 岡   要君   収  入  役  久 山 忠 孝君   総 務 局 長  八 木   肇君   財 政 局 長  関 場 長 久君   民 生 局 長  三 宅   襄君   衛 生 局 長  竹 原 良 一君   経 済 局 長  藤   昭 博君   建 設 局 長  神 原 俊 彦君   下 水 道 局 長  中 山 茂 也君   西 大 寺支所長  森 末   京君   参     与  丸 尾 比呂志君   参     与  渡 辺 史 郎君   参     与  人 見 文 男君   企 画 室 長  井 堀 晃 郎君  水  道  局   水道事業管理者  黒 田 智 昭君  消  防  局   消 防 局 長  千 田   稔君  教 育 委 員 会   委     員  喜多嶋 美枝子君   委     員  辻   吉之祐君   教  育  長  奥 山   桂君  選挙管理委員会   委     員  岡   八 夫君   事 務 局 長  南 石 元 久君  監 査 委 員   委     員  川 上 一 正君   事 務 局 長  小 合 昭 典君  農 業 委 員 会   委     員  小 若 敬 二君    ─────────────出席した議会事務局職員   局     長  北 村   博君   次     長  原 田 知 義君   庶 務 課 長  石 原 重 樹君   議 事 課 長  中 川 和 彦君   調 査 室 長  二 宮 善 政君   記 録 係 長  岡 田 登志男君   主     任  最 相 初 音君   主     事  佐 藤   武君    午前10時9分開議 ○議長(藤原照夫君) 皆さん御苦労でございます。これより2月定例市議会第9日目の本会議を開きます。 ただいまの御出席は46名であります。    ───────────── ○議長(藤原照夫君) 会議録署名議員に華房君,板野君のお二人を指名いたします。    ───────────── ○議長(藤原照夫君) 本日の議事日程は甲第7号議案から甲第78号議案までの72件の議案についてであります。    ──────〇────── △日程第1 甲第7号議案~甲第78号議案    ───────────── ○議長(藤原照夫君) 日程に入ります。 日程第1は甲第7号議案昭和61年度岡山市一般会計予算について以下72件の議案についてであります。これを一括上程して質疑を行います。 順序に従いまして垣下君。   〔8番垣下文正君登壇,拍手〕 ◆8番(垣下文正君) おはようございます。大変御声援をいただきましてありがとうございます。一生懸命やりますので,ひとつよろしくお願いをいたします。私の後は,また同じようによくぶつかるんですが,近藤さんがやられますので,近藤さんはなかなか手厳しいのをやられますから,私は朝一番ではございますし,できるだけさわやかにやりたいと思いますので,ひとつ答弁もすかっとした答弁をひとつよろしくお願いをいたしたいと思います。 それでは,通告に従いまして,きょうは岡山駅西の再開発と奉還町商店街の活性化についてということ1本でやらしていただきますので,ひとつ最後までおつき合いのほどをよろしくお願いいたします。 60年3月に出された岡山市都市再開発基本構想策定調査報告書の中に,駅西地区の現況と課題を次のように述べています。「山陽本線などの鉄道により駅東地区と分断されている当地区は,岡山駅に隣接する位置にありながら,都心地区として必要な基盤施設が未整備で,現状ではその性格は住宅地区あるいは近隣商業地区と位置づけられ,都心機能はほとんど立地していない状況である。当地区は一部戦災をまぬがれ,また罹災した商店街の戦後の復興も早かったため,結果的に都市基盤整備が遅れ,老朽木造家屋の建詰り等の住環境上の問題をかかえており,地区全体の活力停滞をきたしている。地区北部の奉還町商店街は,表町,駅前地区に次ぐ商業集積をもつが,最寄り性の強い零細経営が主体であり,近年その地盤沈下が著しい。」と十分に現状を把握しているのであります。十分に現状を把握していながら全く手を打とうとしない当局の姿は,怠慢以外の何物でもありません。地元の奉還町商店会の人たちに話を聞くと,昨年暮れの歳末大売り出しは商店会全体で平均20%の売り上げダウン,顧客数はそれ以上にダウンし,暮れの日曜日には平日以下の売り上げになってしまった。商店会の若者たちは,毎月一二三市,そして歳末はもちつき大会など,ほとんど毎月いろんなイベントを打って努力をしておる。これは商店街立地条件の決定的な悪化であり,これでは奉還町商店街の経営が成り立っていかないと悲痛な叫びを上げておられます。駅東地区駅西地区との差は日々開いていくばかりです。これは行政に大きな責任があります。例えば予算面1つを取り上げてみましても,再開発ドレミの街2億9,000万円,本町第10ブロック1億2,100万円,表町再開発9億5,000万円,音楽ホール買い取り40億円などなど,莫大な市費を投入しようとしております。そして,駅西再開発はゼロでございます。また,明るい街づくり運動の一環としての街路灯の設置,市負担分2,000万円,これは市役所筋,桃太郎通り西川緑道公園への設置であり,これもまた駅西地区はゼロであります。行政みずからが駅東地区駅西地区との格差を助長しているわけでございます。ここまで矢継ぎ早にやられては,駅西地区住民たちが,我々は市に見捨てられたんだと思っても仕方がありません。これは現在教育現場で大きな問題となっている陰湿ないじめであり,暴力であります。現在建設中の新岡山空港吉備高原都市は駅西側にあり,岡山大学,岡山商大,岡山理大,ノートルダム女子大学など多くの大学もまた駅西側であり,国体の行われた県総合グラウンドもまた駅西側であります。(「津高も西じゃ」と呼ぶ者あり)津高も西であります。(笑声)そこを訪れる人たちは当然駅東口より駅西口の方が距離的にも時間的にも近いわけですから,駅西口を利用しようとします。ところが,駅東と比較したとき,利用者の多くは駅西の余りのみすぼらしさと不便さ,またその格差に驚きの声を上げられます。駅東が岡山市の玄関であり顔であると同様に,駅西もまた岡山市の玄関であり顔であります。駅西地区の現状を見詰めて,市長,あなたは大岡山市の長として恥ずかしいと思いませんか。もっと平等に,公平に地区の発展を進めていかなければならないと思います。どのようにお考えなのか,まず御所見をお伺いをいたします。 それでは,細部にわたって数点お尋ねをいたします。 まず最初は,幹線道路網の整備についてお尋ねをいたします。 基本構想報告書の中に「駅西口周辺地区を中心に,主要幹線道路網広域交通結節点である駅前広場の整備を核として交通ネットワークを確立することにより,開発基盤を整えつつ土地の高度利用を図り,駅東地区と連携した複合都心地区として育成する。」と整備方針が述べられております。下石井・巌井線の都市計画道路当初決定は昭和23年5月15日,同じく上石井・巌井線の都市計画道路当初決定は昭和21年6月13日,今から40年も前のことでございます。今から40年も前に都市計画の網をかけ,幹線道路整備の重要性を上げ,また議会でも再三早期着工を求められておるにもかかわらず,全く進展させようとしないのはなぜなのか,理解のできないところであります。下石井・巌井線,上石井巌井線昭和町通りの整備の話はどのあたりまで進んでいるのか,地権者等話し合いはどうなのか,また開通の時期はいつごろになるのか,お示しをください。駅西地区再開発,奉還町商店街の将来はすべてこの幹線道路開通にかかっているといっても決して過言ではありません。机上のプランではなく,一歩踏み込んだ答弁をお願いをいたします。 次に,西口駅駅舎の建てかえと駅前広場の整備についてお尋ねをいたします。 県外の観光客が駅西口に降りて,まず驚くのが駅舎のみすぼらしさです。先日,山口からの観光客の1人がこの西口駅舎を見て,私の田舎の駅もぼろだけど,ここのと比べたらまだましである。岡山県都の駅とはとても思えませんねと話をされていました。オリエント美術館もいいでしょう。90億円の巨費を投じての音楽ホールもいいでしょう。しかし,まず玄関からきれいにしてはどうかと思いますが,御意見をお伺いいたします。 この項は,先日楠木議員の質問に対して市長が答弁されておりますので,他の答弁は要りませんが,駅舎改築の時期はいつごろになるのか,それだけお聞かせをいただきたいと思います。 次に,東西連絡地下道についてお尋ねをいたします。 この議会に西口駐輪場建設9億円余りのうちの今年度分4億7,700万円を計上していることはまことに結構なことであります。しかし,せっかく巨費を投じて駐輪場を建設し,東西連絡地下道と接続するわけですから,もっと地下道の整備をする必要があると思います。皆様御承知のとおり,一番街の華やかさに比べると現在の地下道は何ともわびしい気がいたします。一番街から地下道へ一歩足を踏み入れると,そこはまるで別世界です。もっと幅広く,そして高さも高く,近代的センスを早急に取り入れる必要があると思いますが,御見解をお示しをください。 次に,西口駅前広場整備計画についてお尋ねをいたします。 さきの建設協議会駐輪場完成後の西口駅広場の整備計画が当局より示されました。それを見ると,緑地帯は設けてあるものの現在の広場とほとんど大差のないものでした。私は,あれだけのスペースしかないところへ現在と同じように駐車場を設けることには反対です。もっと有効にスペースを使うべきです。奉還町商店街の活性化,駅西地区の将来発展のためには,路線バスの西口駅乗り入れは不可欠絶対条件であります。バスターミナル機能の拡充を図るべきだと思います。そして,駐車場は20台,30台というような小さなことを言わないで,駅西再開発全体計画の中にあわせて,奉還町商店街の顧客にも使えるような店舗を張りつけた形の立体駐車場とすべきだと思いますが,御見解をお示しをください。 次に,窓口の一本化と米子鉄道郵便局跡地購入についてお尋ねをいたします。 跡地は岡山市奉還町2丁目102,面積1,039.40平方メーターであります。この国有地は民間活力活用土地に指定をされ,民間活力を増進し地域の活性化を図るため,公共団体,民間に払い下げるものであります。奉還町商店街の将来のためにはこの土地が何としても必要だということから,地元商店会も購入の件で再三お願いに行きましたが,建設局,経済局,各部各課たらい回しにされたあげく,最終的に無理だという回答を出されたわけです。余りにも心の通わない行政だとは思いませんか。行政に明るくない一般の市民の方々たちを相手に,あちらへ行けこちらへ行けとたらい回しにし,各部各課の窓口ごとに意向が違っていたのではたまりません。縦割行政ではなく,真の意味の市民のための行政にすべきであると思います。窓口の一本化についてまず御見解をお示しをください。 次に,なぜ跡地購入が無理なのか,その理由を詳しく御説明をください。現に当局は土地開発公社の名のもとに桑野地内公共用地4万1,842平方メートルを初め,その他管財課所管の土地など列記すれば切りがないほどの未利用地を購入をしております。その中の多くはいまだに利用目的さえ決定していないものがたくさんあります。片方では利用する目的のない土地でさえこれを購入しておるにもかかわらず,奉還町商店街の将来のかかっておる米子郵便局跡地を購入しないということは何とも理解のできないところであります。ぜひとも駅西地区開発のためにこの跡地を購入していただきたいと思いますが,御見解をお示しをいただきたいと思います。 最後に,石原構想についてお尋ねをいたします。 これは東京工業大学石原教授を委員長に委員15名からなる委員会を設け,岡山駅西地区開発基本計画を昭和55年3月作成したものであります。この報告書が出されてはや6年の歳月がたちました。この報告書作成に費やした予算だけでも1,300万円。これらすべて市民の血税であります。報告書に基づいて現実の姿となるべく活用されていると思いますので,その成果をお示しをいただきたいと思います。 以上で第1回目の質問を終わります。どうぞ明快なる答弁をよろしくお願いをいたします。ありがとうございました。(拍手)   〔市長松本一君登壇〕 ◎市長(松本一君) 垣下議員の御質疑に対しましてお答えをいたします。 駅西地区の開発と奉還町の活性化についてでございますが,駅西の地区の市街地の整備の方針といたしましては,駅前広場の整備を核といたしまして土地の高度利用を図って,駅の東地区と連携した複合都心地区としての育成を考えております。 奉還町商店街につきましては,庶民的なコミュニティームードの漂う地域商店街として活性化を図っていく考えでございます。 こうした考え方をもとにいたしまして,市といたしましては地域住民の生活環境の改善を初め,すぐれた立地条件を生かした商業業務等の集積を促すために,岡山市都市再開発基本構想策定調査,奉還町商業診断などの計画調査,さらに地域商店街活性化事業に対する助成等を行ってきております。これらにおきまして駅東地区との機能的分担を図りまして,基盤施設整備,再開発を進めてまいりましたけれども,地元におきましてこの再開発事業の機運が盛り上がってこないという,旧態依然たる状態で今日に至っておるわけでございます。これは我々としても非常に心配をいたしておるわけでございますが,できるだけ早く再開発の必要性を認識をいただきまして機運を盛り上げていただくように期待をいたしておるわけでございます。 市では61年度から自転車の駐車場及び西口広場整備に着手するとともに,再開発のインパクトになるように駅元地区の再開発事業も検討をいたしておるわけでございます。御指摘の駅西地区の状況につきましては十分認識をいたしておりますので,地元の住民の皆さんや商店街の方々を初め,話し合いを十分いたしまして,力を合わせて諸事業の推進をいたしてまいりたいと,このように考えておりますのでよろしく御理解をいただきたいと存じます。 その他につきましては関係者からお答えいたします。 ◎財政局長(関場長久君) 米子鉄道郵便局跡地購入につきましての財政局としての答弁をさしていただきたいと思います。 米子鉄道郵便局跡地につきましては,60年8月付で中国郵政局長から文書による照会がございましたので,財政局としましては8月12日付で各局室総務課長あて文書で買い受け希望の有無を照会したわけでございますが,関係局におきましては種々いろいろと検討した結果,払い下げ条件等もございますので,現時点ではその取得は難しいということに至ったわけでございます。 以上でございます。 ◎経済局長(藤昭博君) 窓口一本化についての御質問でございますが,米子鉄道郵便局跡地の利用問題につきまして地元商店街の代表の方からいろいろな御提案がございました。経済局商工振興課サイドといたしまして,地元の方ともいろいろ協議をしたわけですが,当初お出しになりました地元案が駐車場ということでございました。しかし,駐車場が果たして地元の商店街の活性化につながる大きなインパクトを持つものかどうかということについてはいささか疑問なしとしないと,こういうようなこともございます。さらに,ほかに公園的なイベントもできる広場をというような案に変わりまして。そのような形になりますと,これは建設局の御協力もいただかなきゃならんと。したがいまして建設局ともよく相談をしながらやっていきましょうと,こういうようなお話をいたしまして,建設局,経済局,両局がこの問題に取り組むという形になりました。そういうような経過で,地元の方は建設局へお行きになり,また経済局にもおいでになったと。こういうようなことでございまして,決してたらい回しにしたというようなことではございませんので,そこらあたりはひとつ御理解をちょうだいいたしたいと存じます。なお,建設局と経済局とは局同士でこの問題についてもいろいろ協議をした経過もございますので,所管が違うから突き放したということではございません。ひとつこの機会に御理解を賜りたいと存じます。 それから,跡地の購入の問題でございますが,この購入につきましては中国郵政局,これへ私ども商工振興課の職員を派遣いたしまして,国の方も早くその結論を出してほしいという,非常に急いでおりまして,期限が切られておりました。しかし,購入するかどうかを決定するのにはなお期間が不足であるということで,少し決定を延ばしていただきたい,まだその検討の余地があるからということで,その期限の延長も兼ねて購入条件についていろいろ協議をいたしました。その結果,国の方から示されました払い下げ条件は,市が購入した場合には公用,公共の施設を設置しなければなりません。それから,契約後10年間は用途指定をいたします。そして,3年以内に事業着手していただきたい。それから,転売,貸し付けはしてもらっちゃ困ると。用途指定に違反した場合には違約金,買い戻し,そういったことをその条件にすると。それから,土地の高度利用を図るために4階以上の建物を建築しなければならない。こういった厳しい条件があったわけでございまして,こういった条件も地元にお示ししながら話し合いをしてまいりました。 なお,商店街の活性化は確かに現在の岡山市にとりまして非常に重要な課題でございます。で,御案内のとおり旧岡山市市内には表町,駅前,奉還町と,3つの大きな商店街がございます。どちらもいろいろ問題を抱えておりまして,例えば最近におきますところの交通条件の変化とか,あるいは消費者ニーズの変化,あるいは販売形態の変化,さらには郊外型大型小売店の進出,そういった商店街を取り巻く商業環境は非常に厳しくなっております。したがいまして,その活性化を図るためにはその商店街みずからが変革を遂げていかなきゃならんと,これが基本であろうと,このように考えておるわけでございます。 そこで,奉還町商店街のお方に対しまして,実は川口市がモール化をいたしまして成功したケースがございます。こういった照会の内容もお示しをして,ひとつ地元の方と行政も一緒に参りますから川口の視察に行こうじゃありませんかと,こういう呼びかけもいたしております。この呼びかけに対して地元からまだ御返事は返ってきておりませんが,川口市はモール化をすることによって商店街が生き返ったと。例えばその効果が,商圏が拡大されたという効果が出ておるようでございます。従来は最寄り型商店街の性格を持っておりましたが,いわゆる地域型から広域型に商店街が変わってきたということ。ヤング女性が激増したと。さらには,これは非常に珍しい,なるほどと思うんですが,モール化をする以前はこの商店街には高級品がないと,こういうイメージを持たれておった。ところがモール化以後は高級品が多いというイメージに変わってきたと。ところが,陳列されておる,取り扱っておる商品はモール化をする前と全く同じ商品を取り扱っておる。モール化によって,その入れ物が一新すると商品までがよく見えると,こういうような効果も出ておるようでございます。そういったその川口市という先進地のあれもございますので,地元の方と一緒に川口市なんかも視察しながら,抜本的に奉還町商店街の活性化対策に取り組んでいきたい。で,私は商店街の代表の方に申し上げたんですが,駐車場とか周りの環境を整備するということで,波及効果によって活性化を図るということも必要でございますが,奉還町商店街の場合はむしろ商店街そのものの構造的な改革,改善,モール化みたいなことを取り組んで,その活性化の波及効果を近隣に及ぼすと,ぐらいのお気持ちでひとつ取り組んでいただきたいと,こういうことも実は申し上げたわけでございまして,決してこの奉還町商店街を見捨てたり見放したりというようなことで取り組んでおるわけじゃございませんので,ひとつよろしく御理解をいただきたいと存じます。 ◎建設局長(神原俊彦君) まず下石井・巌井線,上石井・巌井線,昭和通りの整備はどのように進んでおるかと,こういう御質問でございます。 昭和55年,56年度に実施した総合都市交通施設整備計画調査においても早期の整備が必要であると報告されております。都市計画決定の変更を行うため,地元説明の上測量を実施し,現在東口広場を含めた変更作業を進めております。これらの整備につきましては,駅西再開発はもとより,駅東の駅前広場整備等との一体的な整備が必要でございますので,都市計画決定の変更により全体的な整備を図り,事業化のための整備計画を国,県等関係機関に協議しながら早急に進めて,早期事業化へ向けて一層努力してまいりたいと,このように考えております。次に,岡山駅東西連絡地下道の拡幅整備の問題でございます。 この地下道は岡山駅構内のほぼ中央にあって,駅の東西を結ぶ唯一の歩行者用の地下通路でございます。国鉄利用者や地下街,東西の商店街の買い物客など広範に,昼夜絶え間なく利用されておる通路でございます。この通路は国鉄の荷物用の運搬通路を一般に開放していただいたもので,断面拡張など構造物を改築することは他の国鉄施設との関係で困難でございます。市といたしましては昭和58年,壁面塗装,照明などの改良工事を実施し,以前より明るくなりましたが,改善につきましてはよく検討いたした上で,限られた歩行者空間ではございますが,通行の快適性を図るよう努めてまいりたい,このように考えております。 次に,駅西駅前広場整備計画によると,緑地が少なく,無理をして駐車場をとっておるという御質問でございます。 本広場の整備計画案は55年,56年度に関係機関及び地元代表で構成する協議会の意見を聞きながら総合都市交通施設整備計画調査においてまとめられた案をベースに,都市計画決定区域について規模,形状に制約がある中で必要機能を確保するとともに,地域住民に親しまれ,また活性化につながるよう検討し,さらにバス会社にもヒヤリング調査を行い,将来の運行計画も検討の上,6バースを確保した案を作成しております。 駐車場につきましては,公安委員会,国鉄,県と協議を行い,一般車両の整理場として考えておりますので,御理解のほどよろしくお願い申し上げます。 次に,駅西再開発全体計画の中で奉還町商店街の顧客に使えるような店舖を張りつけた形の立体駐車場をという御質問でございます。 駅西地区の活性化を目指すための駅西口の市街地整備の基本的方針として,駅西口広場の整備を核として都市基盤を整えつつ土地の高度利用を図り,駅東地区駅西地区の連帯のとれた町づくりを考えておるところでございます。御指摘の立体駐車場整備につきましては,今後市街地再開発を計画する中で検討してまいりたいと考えておりますので,よろしくお願い申し上げます。 次に,米子鉄道郵便局跡地購入問題についてでございます。 御指摘の米子鉄道郵便局跡地購入の問題でございます。これは奉還町地区の再開発につきましては,駅西地区開発基本計画に基づき地元説明会や事業計画の調整などを行ってまいりましたが,事業の推進に対する関係権利者の機運が熟さなかったため,やむなく現在に至っております。現在では具体的な再開発事業についての計画は立案されてない段階でございます。また,特に最近の経済情勢から事業の採算性が見込めない現時点では,先行的に取得することは非常に困難であると,このように考えております。 次に,昭和55年3月,岡山駅西地区開発基本計画報告書に基づき,現実の姿となるべく活用されておると思うが,その成果はという御質問でございます。 駅西地区は岡山駅西口に隣接する地区であるとともに,周辺を取り巻く情勢は御指摘のように新岡山空港の開設,瀬戸大橋連絡道,山陽自動車道の整備の進む中で,この地区の持つ役割は重要であると考えております。こうした観点により本市では従来から奉還町地区,とりわけ奉還町商店街の市街地再開発事業の推進を図るため,御指摘の駅西地区開発基本計画を策定し,これを基本に地元説明会や事業計画の調整などを行ってまいりましたが,事業推進に対する関係権利者の機運が熟さなかったため,やむなく現在に至っておるわけでございます。再開発事業は関係者の理解を得ることがまず第1でございます。さらに,採算上の見通しを立てて推進することが不可欠でございます。今後も関係者の理解を得るべく積極的に取り組んでまいりたいと思いますので,よろしくお願い申し上げます。 以上でございます。 ◎企画室長(井堀晃郎君) 西口駅舎の改築時期はいつごろかという御質問にお答え申し上げます。 西口駅舎の改築につきましては先日の楠木議員の御質問にお答えをいたしましたように,これまでたびたび要望してきておりますけれども,現時点で国鉄は厳しい財政状況下にあるため改築についての計画はないとのことでございます。今後とも強く要望してまいりたいと考えておりますので御理解をいただきますとともに,お力添えを賜りますようよろしくお願い申し上げます。   〔8番垣下文正君登壇〕 ◆8番(垣下文正君) 再質問をさしていただきます。 建設局長,これは質問の原稿を渡したのは水曜日ですからね。2日の間にこないな答弁しかできんのじゃったら再開発はできゃせんです。大体地元の熱意が,地元の熱意が言うけどなあ,地元の熱意を起こすためにはもう少し周辺整備をきちっとせんかったら熱意が起こらんという話をしょんじゃから。これは答弁要旨はだれが書いたん,局長書いたん。局長が書いとんじゃなかろうから,テレビ職員見とろうからじゃねえ,こがあなことじゃったらできんのじゃから,ように勉強せんと。 それでは,再質問をさしていただきますのでよろしくお願いいたします。 西口駅前に第一インホテルが建設されておりますが,なぜ本町再開発のように,ワシントンホテルでございますが,第一インホテルをキーテナントとして再開発をしなかったのか。また,表町再開発,音楽ホールがなぜあの場所でなければいけないのか。90億円の巨費を投じながらバスもとめられない。地下駐車場を建設するためには30億円以上の予算がかかる。また,同じような目的で建てられておる市民会館がすぐはたにあるわけです。なぜあの場所でなければならないのか。なぜ駅西地区だったらこれがだめなのか。本当に駅西の再開発,奉還町商店街の活性化のことを真剣に考えているなら,私はチャンスは幾らでもあったと思うんです。そのチャンスをすべて放棄しておいて,難しいだけでは私は納得ができません。もう一度答弁をお願いをいたします。 鶏が先か卵が先かというような議論になろうと思いますが,私も商売人の一人でございます。経営者としてここならやっていける,ここならもうかると,そう思ったら,少々無理をしてでも出すのが商売人の意気込みでございます。そういう気にさせる基盤整備がまず必要だと言っているのです。商店街活性化のために起爆剤が必要です今。駅西再開発のことについて地元との話し合いひとつをとってみましても60年度中に数回,数回というのは盆と正月のあいさつ回りぐらいのことでございまして,再開発や奉還町商店街の将来を本当に憂う気持ちがあるんなら,もっと熱意を持って真剣に取り組むべきであります。例えば私の地元の新空港の建設に当たって,空港建設事務所の方々の対応はそんな生やさしいものではありませんでした。地元が9割が反対しているのに夜討ち朝駆けは当たり前のことです。どうしてもそれをやらなければならない,それを今やらなければ商店街の将来はないんだという信念が残念ながら職員の方々には感じられません。駅西地区開発と奉還町商店街活性化のための専従の職員を配置し,このことだけにかかり切りであってもいいと思いますが,御所見をお聞かせください。 有名な言葉に,なせば成るなさねば成らぬ何事もなせぬは人のなさぬなりけりという言葉がございますが,今の開発を見ていてどうもなす気がないんじゃないかという気がしてなりませんので,もう一度建設局長の御所見をお願いをいたします。 次に,米子鉄道郵便局跡地の購入についてですが,利用目的がないから購入できないでは答弁になりません。それでは,駅西再開発を推進する際にどうしても必要な土地は日進ゴム跡地,現在の市営駐車場になっているということでございますが,当然駅西再開発を進めていく場合には駐車場として使用することはできません。59年度月平均2,865台,定期で置かれとる車が30台駐車をしているわけですが,これをどうするのかお聞かせをいただきたいと思います。また,この跡地は駅西再開発用地として必要なところであります。利用目的がないというのはどういうことなのか,あわせてお尋ねをいたしますので御答弁をお願いをいたします。 いろいろ尋ねたいことがありますが,もう1つ西口駅舎の改築についてお尋ねをいたします。 企画室長が国鉄に対してお願いをしていくとの答弁でありますが,企画室長に言われなくても,今国鉄は分割・民営化で大きく揺れ動いておるときであります。国鉄が西口駅舎改築費を出すわけがないのは,何も企画室長に言われなくてもだれが考えてもわかることであります。市長,あなたは自分のおひざ元の高島駅に対しては,議会を深夜に持ち込んでまで高島駅建設費市負担分1億1,760万円を計上し,実行されました。自分の足元なら1億1,760万円を深夜に持ち込んでまで計上しとんであります。その高島駅は1日当たりの乗降客数は乗客が1,145人,降客は1,029人,合計2,174人であります。それに比べ西口駅乗降客は1万5,075人であります。きょうは高島駅の1周年の記念日でございますので,別に高島駅が悪いと言っとるんではありません。また,私の尊敬します岡本議員,華房議員,ほかには私の同僚の亀井議員,鈴木議員,福原議員と,大変努力をされておりますので,高島駅が悪いと言っとるんではないんですが,高島駅が建設した,実行したその熱意で,ひとつ西口駅駅舎も金を市がつけていけばええわけなんですから,何とかしてほしいと言っとるのであります。 いろいろ質問をいたしましたが,いい答弁がいただけない場合にはもう一遍立ちますので,ひとつよろしい答弁をよろしくお願いをいたしまして,再質問を終わらしていただきます。ありがとうございました。(拍手) ◎建設局長(神原俊彦君) 再質問にお答えいたします。 駅西の再開発,まあ全然取り組んでないという御質問でございますが,駅西,特に奉還町商店街につきましては私どもの職員も再三説明会を開いております。まず,55年9月から奉還町三丁目商店街で地元説明会を皮切りに,奉還町三丁目商店街,これは西部ブロックでございますが,これは10回以上も行っております。それから,奉還町二丁目の商店街,これ東ブロックでございますが,ここにも数回も説明会に行っております。それから,奉還町二丁目の商店街,これは商店街の北側でございますが,ここにも数回も行っております。 それで,こうした状況の中で奉還町の三丁目商店街につきましては,再三行って調整をしたわけでございますが,都市計画決定をする寸前の昭和59年度の12月に反対陳情が出まして見送りとなっておるわけでございます。それから,奉還町二丁目の東ブロックにつきましては,昭和59年6月12日付で駅西周辺の都市基盤が整備されるまで地元協議を見合わせるということで,これも中止になっております。また,二丁目の再開発も,これも後継者問題,資金面,先行き不安というような問題で,これまた中止になっております。それで,我々も今後も皆さんの関係者の理解が得るべく進めてまいりたいと,このように考えております。 それから,駅西の再開発につきましては,今の駅元町の再開発を駅西の起爆剤と考えておるわけでございます。これにつきましても再開発ということになりますとキーテナントの問題,その他がございます。その点を慎重に検討しながら,今後地元関係者の理解を得るべく努力してまいりたいと,このように考えております。駅の西側の開発につきましては,どうしても地元の方々のそういう御熱意と御協力が要るわけでございます。今後もそれに向けて努力してまいりたいと,このように考えております。 ◎企画室長(井堀晃郎君) 西口駅舎の改築の再質問でございますが,岡山の玄関としてふさわしい駅舎となるよう今後とも強く要望してまいりたいと考えておりますので,よろしく御理解をお願い申し上げます。(やじる者あり) 今後具体的に国鉄とも十分協議をしてまいりたいと思います。よろしくお願い申し上げます。   〔8番垣下文正君登壇〕 ◆8番(垣下文正君) 再々質問をさしていただきます。 市長,ここへ立って目をつぶってじっと考えてみてください。ここへ立って,市長が立たれたら,奉還町の新しい息吹が聞こえてくるはずです。奉還町の怒りが,痛みが見えてくるはずです。私は松本市長なら聞こえるはずだし,見えるはずだと信じて,私もあなたに1票を投じました。ひとつ今後の奮起を心から期待をしておりますので,何とか奉還町のために,駅西再開発のために御尽力をいただきますようにお願いを申し上げまして,再々質問を終わらしていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(藤原照夫君) もう答弁よろしいね。 次は順序に従いまして近藤君。   〔3番近藤紗智子君登壇,拍手〕 ◆3番(近藤紗智子君) 垣下議員が大変手厳しくなさいましたので,私こそさわやかにまいりたいと思います。 それでは,通告いたしました4点についてお尋ねいたします。 初めに,人事及び職員意識高揚についてであります。 職員の意識高揚についてお尋ねしますが,多くの議員が職員意識の高揚について取り上げていらっしゃいます。その多くの論議は傾聴に値する提起が含まれていましたが,1点だけ全く触れられなかった課題があります。それは職員の意思決定への参加の課題であります。時代の転換点に立つ現在,職員に強く求められる資質は自主的,自覚的姿勢であります。 そこで質問いたしますその1は,市政運営の全容を全職員に把握させる手だてとしてどのように考えておられるのか。その2,新総合計画実施計画の作成はどのようにしてなされたのか,作成過程を明らかにしていただきたいと思います。その3,研修は職員資質の向上の補助的あるいは職員の援助の場であると考えますが,その位置づけはどうなっているのか,お尋ねいたします。 次に,職員採用試験についてであります。 国際婦人年の10年の最終年の昨年,自治省の見解に沿って岡山市も従来の男女別枠制の採用方法から一般行政職については採用方法を男女総枠制へと改めました。その結果,採用者数は大学卒で男子受験者数292名中50名が採用,女子受験者数大学卒が110名中5名が採用,女子短大卒92名受験者中2名が採用,男子高校卒145名中2名が採用と,採用者数の総合計は男子が52名,女子が7名となっており,その男女の差は男子が女子の7.4倍という大幅の採用であります。総枠制という初の試みの中で女子職員の増大に大きな期待と関心を寄せていただけに,大変残念な結果であります。ともあれ,最初の試みに一憂するのでなく,これからの女子の進出に大きく期待するところであります。 そこで,質問いたしますその1,男女総枠制の職種を一般行政職のみとせず,さらに土木職への拡大を図るべきと考えます。その2,採用試験をあらゆる職種において,その成績を公表すべきであると考えます。その3,現業職における保母,調理員,寮母等においても男女別枠とせず,国際婦人年にベースが確立された男女平等の精神を拡大すべきであると考えますが,以上御見解をお聞かせいただきたいと思います。 次に,石井十次氏の顕彰についてであります。石井十次氏は皆様御承知のように岡山孤児院を設立し,慈善事業による孤児矯正で全国に岡山の名を知らしめた人であります。岡山県甲種医学校に学び,岡山東端の上阿知,当時邑久郡大宮村にあった太田診療所で医療の実践に従事している際,同診療所隣の太子堂に放浪していた親子3人の巡礼に出会い,その子を預かったことが孤児院創設の動機となっています。十次氏が岡山市門田屋敷三友寺に1887年,孤児教育会──後の岡山孤児院を開設して,来年がちょうど100周年になります。私はこの期,つまり孤児院開設100周年に当たって,石井十次氏の偉業とその精神を振り返り,新たに学ぶ契機とすべきではないかと考えるのであります。 十次氏は孤児は本来発達すべき可能性を持ちながらその発達の機会が奪われ,社会悪を醸成する予備軍となっていることに心を痛め,発達の機会をつくり出す使命感に燃えたのであります。孤児院の運営を賛助会員の寄附に依存することから出発し,後には茶臼原の開拓や印刷製本の事業を興し,孤児の社会参加と自立の精神涵養と,自立への体制をつくり出すまで多くの苦難に遭遇しつつも,常に孤児の人間的向上に心を砕いている様子は深く心を打たれるものであります。十次氏は,自分が孤児院になくてはならぬと思ったときは,あなたは孤児院にはもう不必要になっているのだ。まだしなくてはならない,まだしなくてはならないと感じたときこそ最も必要なときであると説き,孤児への限りない援助者としての立場を厳しく堅持しています。これは現在の福祉事業に携わる者が常に忘れてはならない心構えではないでしょうか。今なお十次氏の孤児養育への対応,精神は,教育的観点においても,福祉の理念においても学ぶべき多くの示唆があります。さらに,ヨーロッパのように慈善事業への理解が広範でない当時の世相の中で,偏見や無理解と闘いつつ事業を軌道に乗せた業績や,また視覚,聴覚障害者の教育のため盲唖院の設立,医療を広める博愛医館の創設への参加,援助,セツルメント活動の原点となった檻褸軒下の学校の創設等,彼の実践力は孤児救済のみならず,多くの慈善事業を生み出す契機として波及した業績を残しています。このように十次氏の実績のほんの一部をかいま見ただけでもその偉大さを認識させられるのであります。慈善事業という一個人の善意で行われる社会活動から,公的責任を明確にした,福祉を広く深く確立していくことは当然でありますが,十次氏の実績はその精神,実践力においてたたえられるべきであると考えます。 そこで質問いたしますその1,孤児院開設100周年を記念して,石井十次氏の困難に立ち向かい福祉を追求していったその業績を顕彰するお考えはないか。その2,上阿知の孤児院発祥の地は昭和36年,教育委員会指定の史跡となっています。しかし,その記念碑の案内柱は風化して,文字すら読みにくく,1本のくいにしか見えないほど傷み,史実を伝える役割を果たしていません。孤児院開設の精神をよみがえらせるにふさわしい案内柱とすべきであると考えます。当局の御見解をお聞かせください。 次に,産休明け保育についてお尋ねいたします。 私は昭和59年9月議会で,働く婦人の増大,育児休暇の普及のおくれという実情から,1日も早い産休明け保育の実施を要望してきました。その後の経過についてお尋ねいたします。 また,育児休暇は教師,公務員に適用されていますが,それ以外の職種への普及状況はどのようになっているのか。さらに,産休明け保育の必要な乳児数の把握をどのようになさっているのかお聞かせいただきたいと思います。 次に,児童館建設についてお尋ねいたします。 質問に入ります前に,児童に関する施策について総論的にお尋ねしたいと思います。 今回発表された総合計画実施計画中に児童生徒,青少年対策を対象に策定された施策は第5章1節児童福祉,第7章第3節青少年の健全育成に盛り込まれています。一読して感じることは子供たちが大切にされていないということであります。総合計画中のそれらの対策で目新しいものはなく,これまでの施策の踏襲であります。激動の時代を生き抜き,21世紀を担う子供たちに夢と希望とロマンを抱かせる施策が全く見当たらないのであります。一体なぜこのようになったのか,まずお聞かせいただきたいと思います。 1979年,国際児童年が取り組まれました。記念事業として子供議会が開かれ,大安寺東町児童公園が開設され,辛うじて国際児童年の取り組みとしたところであります。児童年に当たって岡山の子供たち,言わば岡山子供白書が記念誌として発行されました。その中で当時の岡崎市長は,児童の福祉は国際児童年限りで終わる のではなく,これを1つの契機として将来に向かってさらに充実発展させなければならないと語っていますが,残念ながら市の方針は漫然と児童公園建設と従前の施策を繰り返しているだけであります。もちろんそれらの施策を否定するものではありませんが,社会のゆがみが集中し,まさに痛めつけられていると言っても過言でない子供,その子供たちの自力発達を促す新たな取り組みが緊急に必要であるにもかかわらず何ら取り組みがないことへ大いに失望を感じ,憤りを覚えるのであります。私は積極的対策が図られない理由に子供社会及び放課後の子供,つまり学園外の子供たちをいかに心豊かに発達させるかと考え,施策を練るべき対応する課が不明確ないしは認識不足にあると考えます。就学前及び学校教育は教育委員会,保育園など児童福祉は民生局というふうに縦割りになっています。今子供たちに最も必要な子供社会の構築,一切の管理から解き放たれ,みずからの力で成長する自立の力を培養する学外での自学自習の環境の育成という施策は,一体どの課が責任を持って推進するのかが明らかでないためであると考えますが,当局の御見解をお聞かせいただきたいと思います。 以上総論に関する質問を終わります。 それでは,児童館建設についてお尋ねいたします。 初めに,59年9月の答弁以後どのように取り組まれたのか,さらに児童館建設のおくれによる弊害をどのようにとらえているのか,民生局長及び教育長の御見解をお聞かせいただきたいと思います。 その3,総合計画実施計画中第5章1節事業計画中児童健全育成の場について,他の公共施設との併設並びに複合化の検討と記載されていますが,児童健全育成の場とは児童館を指しているのか。また,何ゆえ複合併設化が必要なのかお聞かせいただきたいと思います。 以上第1回目の質問を終わります。(拍手)   〔市長松本一君登壇〕 ◎市長(松本一君) 近藤議員の御質疑に対しましてお答えをいたします。 石井十次先生の顕彰についてでございますが,御質問のとおり石井十次先生は明治を代表する社会事業家でございますし,我が国の社会福祉の基礎発展に偉大な業績を残された先覚者でもございます。明治の当時,世相の不安なときに貧困児童の救済と教育の必要を痛感をされまして,孤児救済事業に身を挺してまいられまして,歴史的にも偉大なこの石井十次先生の残された福祉の心と業績をいつまでも語り伝え,そして顕彰するということは極めて意義深いことであると考えるわけでございます。 お説のとおり来年は先生が岡山孤児院を創立されました明治20年から数えまして100周年を迎えるわけでございます。この顕彰につきましては,どのようなことがふさわしいかということを社会福祉関係者や福祉の団体,また教育関係者の御意見もいただきながら,十分協議をし検討してまいりたいと考えます。 次に,この児童館の建設についてでございまして,教育長にお尋ねでございますが,この件につきましては21世紀を担うこの青少年の健全育成は極めて重要なことと認識をいたしております。すべての児童が心身ともに健全に育って,そして豊かな人間性,社会性を醸成するためには,家庭とか,また地域社会,学校,行政が一体となって育成事業を推進しなければならないと考えております。言うまでもなく健全育成事業は一朝一夕に効果が得られるものではございませんので,市民の皆様を初め関係機関の協力によって初めて実効が上がるものだと考えておりまして,市の内部におきましても民生局や,また衛生局,教育委員会等の行政部門にわたりまして有機的な連携を十分保ちながら,これまで進めてまいりました施策を今後も一層推進をしてまいりたいと考えておる次第でございます。よろしく御理解をいただきたいと存じます。 その他につきましては関係者からお答えいたします。 ◎総務局長(八木肇君) 人事と関連の問題,それからまた職員意識の高揚についてのお尋ねにお答えさしていただきます。 まず1つは,市政運営の全容を全職員に把握させるための手だてということで,これをどう考えておるかということがございます。で,この市政を運営していく職員にとりまして市政の概要,あるいは問題点,さらに将来的な展望,こうしたことを知った上で担当業務に当たるということは非常に大切なことであると思うわけでございます。で,この研修との関連で申し上げますと,本市では1つには階層別研修ということでいろいろと取り組んでおるわけでございますが,それぞれの職務経験に応じまして,こうした中で市政運営につきましてもいろいろと研修を行っているところでございます。で,この行政運営も目まぐるしく進展する中で,この職員に対しまして常に新しい情報の提供も必要であるというふうにも考えるわけでございます。そこで,そうした場合に1つにはこの各職場での取り組みということがあるかとも思うわけでございます。で,職場での監督者に対しまして,管理監督の当たる者に対しましての周知を図るという中で,各職場の中で,またあるいは職場の中で,と申しますのが,例えば職場会議の中,あるいは職場におきます研修,そうした中でも反映さしていただくということも必要だと思うわけでございます。それから同時にまた,別途,特別なものにつきましては研修の中におきます教養講座として位置づけていくとかいうこともございます。あるいはまた,職員に対しましていろいろと広報紙的なものも出しておりますが,そうした中に取り入れるとか,いろいろと創意工夫を凝らしまして,御指摘の趣旨も体する中で効果のある方法で取り組んでまいりたいと思うわけでございます。 それから,研修については,これは職員の資質の向上の,あるいは補助的,あるいは援助の場であるというか,そうした位置づけについてのお尋ねであったと思うわけでございます。で,現在のこの複雑多様化しております行政需要に対しまして的確に対応していく能力,あるいは資質の向上,また公務員としての自覚と認識をより高めていくように効果的な研修に努めていかないといけないということで,現在努力しているところでございます。で,こうした中で職員研修につきましては,自分で啓発するものから職場で行うもの,いわゆる自己啓発,あるいは職場研修,あるいは専門の研修機関で行っているものもございます。いろいろと方法はございます。で,この岡山市の研修体系という中では,第1にはこれまでもお答えしているところでございますが,職場で実際に仕事をしながら上司,先輩からとか,いろいろと職場の中でもまた別途の取り組みという中での職場研修,あるいは職員が一時的に仕事を離れて研修を受けるということで職場外研修,これには人事課を中心に取り組んでいるもの,あるいは他へ派遣しておるものと,こういうのもございます。あるいはまた,自己啓発を助長していくというふうなことで,大きく言えば3つに分けて取り組んでおるところでございます。この職場研修と職場外研修,あるいはまた自己啓発のためのこうした取り組みというものは,これはまあ相互に補完し合っていかなきゃいけないということでございますし,同時にこの研修というのはやはり最終的には本人がみずから向上し,そういうきっかけをつくっていくということ,それからあるいはこの意識を啓発すると言いますか,あるいはまた意欲をつくっていくとか,またより高度な知識を得るための基礎的なもの,そうしたものにつきましてもこれは知識や,あるいは考え方ということがございますが,そうしたものを手助けするということ。そうしたようなことで,手とり足とりというわけではございません。やはり本人がみずから向上していくということを手助けすると,こういうふうになると,そういうことを目的に努めておるところでございます。 それから,職員の採用につきましての問題として,男女総枠制を土木職にも拡大をということでございます。このことにつきましては,現在もでございます,従来から男性に限ってという形にはこの土木職の募集についてはいたしておりません。したがって,希望があれば女性ということでも今まででも受験を拒んでおるというものではございませんので,ひとつその点はよろしくお願いいたします。 それから,このあらゆる職種において採用試験の成績を公表ということでございますが,採用試験の第1次におきましては,知識あるいは教養,これはまあ専門的な知識あるいは一般的な教養ということでございます。あるいは対人適応性と,こうしたことでいろいろと判定をいたしておるのが基本でございます。これに対しましては厳正な処理をしているところでございます。また,第2次試験におきましても,人物あるいは適性,あるいは身体の状況等につきまして厳正な対応で成績を見ておるとこでございます。この受験成績につきまして受験者への影響というふうなこともございます。この受験成績の公表につきましては,合格者あるいは不合格者を含めてその影響ということもいろいろと諸般の事情も考慮する中で,公表しないという方針をとっておるとこでございます。このことについては県の場合あるいは当市の場合も同じようにこの公表はしないという方法でいっておるところでございます。 それから,保母等につきまして男女枠を外して,今女性の職場というようになっておることの職種だろうと思うわけでございますが,保母等につきましても男女枠を外して,男女平等の精神を拡大してはということでございます。こうした保母等につきましてもこの男女枠を外してはどうかというこの御提言というものにつきましては,これは男女平等の基本的な精神にかかわる問題であるというふうに存じておるわけでございます。で,御提言の趣旨として,国際婦人年のお話もございましたし,また男女雇用機会均等法の精神ということからそうするのが望ましいというふうに思うわけでもございます。そうした中で,これまでの実情ということも考えていかなきゃならないと思うこともございます。また,国や県でのこうしたことに対します方針,あるいは他都市の動向,そうしたものも参考にするということも必要だと思いますので,これは研究課題ということにさしていただきたいと思うわけでございます。 以上でございます。よろしくお願いいたします。
    ◎民生局長(三宅襄君) 民生局関係について答弁をさしていただきます。 まず,産休明け保育の経過の問題でございます。 産休明け保育につきましては,乳児の発達上の問題,医学的問題,さらには母子関係による人間としての基本的な感情の問題等をも,一般的には家庭保育が望ましいというふうにされております。しかし,社会情勢の実態からは産休明け保育のニードが相当ございます。そういうことの中で,岡山市保育問題協議会に図りまして現在御審議をいただいておるとこでございます。産休明け保育につきましては多くの問題がございますが,今後とも引き続き検討してまいりたいというふうに考えております。 それから,育児休業制度の普及状況の問題でございます。育児休業制度は勤労婦人の福祉向上のためのみならず,次代を担う者の健全な育成のためにも重要でございまして,勤労婦人福祉法でその実施が要請されておるとこでございます。その普及の実態につきましては,労働省が56年に常用労働者30名以上の事業所,約1万カ所を対象に実施した調査によりますと,育児休業制度のある事業所は全体の14.3%となっておりまして,この制度が十分に導入されていないのが実情でございます。労働省も民間企業の育児休業制度の拡大に向けて取り組んでおられまして,育児休業奨励金制度等の施策も打ち出されておりますけれども,市といたしましても今後ともPRについては関係課とも協議をしながら努力をしてまいりたいというふうに考えております。 次に,産休明け保育が必要な乳児数の把握という問題でございます。 産休明け保育が必要な乳児数の実態の把握については非常に困難でございますが,現在市の無認可保育施設補助金交付対象園,23園について調べてみますと,59年7月1日現在で総児童数が705名となっており,そのうち0歳児の状況が93名でございます。そのうちならし保育を含めまして産休明けに入園している児童は15名という数字でございます。 それから,児童の健全育成のその推進体制といいますか,問題でございますが,次代を担う児童の健全育成のために新総合計画実施計画で,児童の健全育成については家庭基盤の充実,地域活動の場の整備,要援護児童対策の充実。それから,青少年の健全育成につきましては,推進体制の充実,非行防止対策,家庭基盤の充実,青少年活動の促進を掲げまして,各部局においてそれぞれの施策を取り組んでおるとこでございます。しかし,御指摘のように,総合的な取り組みにつきましては,それぞれの部門間の連絡が十分でない面もあったかと思われます。今後十分な連絡調整をとるため,早急に関係部局で連絡会議等をつくり,総合的な推進が図られるように取り組んでまいりたいというふうに考えております。 それから,児童館の整備の問題についてまとめて御答弁をさしていただきます。 現在,児童をめぐるさまざまなひずみが多発いたしまして深刻な社会問題となっておりますが,その原因は家庭の養育機能の弱体化や近隣住民の連帯意識の希薄化,あるいは友達との健全な遊びの不足など,さまざまな原因があると思われます。家庭,学校,地域社会と行政が一体となりまして取り組むことが必要でございまして,そのためには学校教育はもちろん,家庭養育機能も強化することが必要であろうというふうに考えております。児童を健全に育成していくためには児童,母親,高齢者等,世代間の交流が図られるような,地域に密着した施設の中で子供の健全育成の場を確保していくことが大切であると考えておりまして,広く地域住民が利用することができる他の公共施設との複合化並びに併設について関係部局と協議をしてまいりましたが,いまだ結論が出ていないのが実情でございまして,申しわけなく思っておるわけでございます。そのため,新実施計画におきましても引き続きまして児童の健全育成の場について他の公共施設との併設及び複合化の検討ということを掲げておりまして,今後とも関係部局と具体的方策について積極的に研究協議を進めてまいりたいというふうに考えております。 以上でございます。 ◎企画室長(井堀晃郎君) 新総合計画実施計画の作成過程はどのようであったのかという御質問でございます。 実施計画の策定に当たりましては,昨年6月末に策定要領を定めまして各課へ計画作成を依頼し,各課で作成されました3カ年の事業計画をもとに,新規の事業あるいは検討されるべき事項など,ヒヤリングを通じまして各課担当と討議を繰り返し,さらには総合計画策定検討委員会幹事会で調整をして作成をいたしたものでございます。 以上でございます。 ◎教育長(奥山桂君) まず第1のお尋ねは,石井十次顕彰についてのお尋ねでございます。 石井十次先生の崇高な精神とたぐいまれな実践力によりまして残されました業績は,御指摘にもありましたように教育者としてもまことに偉大であるというふうに考えます。私たちはこのことから多くを学びとり,その精神を後世に伝えていかなければならないと考えます。御指摘のように,現在史跡としての標柱は設置後年月を経ておるわけでございまして,岡山市文化財保護条例の定めに従いまして早期に建てかえを検討してまいりたいと考えますので,よろしくお願いをいたしたいと思います。(「児童館については」と呼ぶ者あり) それじゃ,答弁をさしていただきます。 大筋については既に答弁があったと思うわけでございますが,御承知のとおり公民館は社会教育法に基づく,いわば地域住民の成人教育の場であるわけでございますが,そういうわけで公民館が主として成人を対象とする学習の場であって,靜的な施設であるのに対しまして,児童館は子供たちが遊びを通して健全な心身を育てる場ということでありまして,いわば動的な施設ということができます。したがって,のびのびと活動できるような広場をあわせ持つことが望ましいというふうにされております。このようなことで,公民館と児童館がお互いになじみ合うことができるかどうか,また先ほど申しましたように敷地上の制約の問題,既設の公民館とのバランスの問題,管理運営上の問題等々,検討すべき問題もいろいろあるわけでございます。そういう意味で他都市の状況等も調査しながら,今後さらに研究をしてまいりたいというふうに教育委員会としては考えております。御理解をいただきたいと思います。   〔3番近藤紗智子君登壇〕 ◆3番(近藤紗智子君) 再質問いたします。 初めに,人事関連の問題についてですが,総務局長が,研修は自己啓発を促すきっかけとする手助けとなると,また相互補完として位置づけているということで,またこの職員の創意工夫を凝らし,効果的な方法としていろいろな手だてを考えていかなきゃならないというふうに言われたことは,従来なさられてる内容だというふうに思うんです。で,私は今こういう答弁の中にやっぱり問題だなあというのを感じるんですねえ。創意工夫を凝らして,職場会議などで効果的な方法を案出していこうというふうな姿勢の前に,やっぱり職員がみずからが市政の運営に参加してるんだという,この意識を醸成しない限り,職員の退廃は生まれてくると思うんですね。とりわけ,今回その総合計画が発表されたんですが,この総合計画が発表されたということを知らない職員がかなりいるんですよ。これは基本方針なんですね,総合計画というのは。市政の基本方針。それにもかかわらず職員が知らないと。そしたら一体だれがやるんだということになるわけですね。だから,こういうふうな職員の意識を集中させ,そしてそれをその職員みずからが市政へ参加しているという意識を醸成する中で自覚が生まれてくると。それをやらない限り,幾ら倫理高揚と言ってみても,ただこの笛吹けど踊らずという結果になるんじゃないかっていうふうに思うんです。だから,この職員の自覚を促すための職場での徹底した論議と,その職場会議を充実させていくということで倫理高揚委員会はかなりこのきめ細かい方針を出していらっしゃいますが,しかし実践されていないというのが実情なんですね。されている部分もありますよ。しかし,それが微底されていないと。だから,本当に職員のそういう意識を促すために職場会議の徹底と,それから職場会議をしようにも,御承知のようにこの庁舎の中で会議をする場所というのはないんですね,ほとんどが,どの職場を見ても。特に5階,6階,7階という事業課なんかは狭いところで物すごく机を突き合わせて,会議をしようにもできないというような状態があるわけです。ですから,この職場会議を制度化し,徹底すると同時に,それを保障する場所をどう確保するかということは大事な問題だと思いますが,その点についてお答えいただきたいと思います。 それから,石井十次先生の顕彰については非常に積極的に受けとめていただきまして,私は今の時代には大切なことではないかというふうに思います。とりわけ最近は自立自助ということで,ともすれば弱者救済ということが失われがちになりがちな世相ですから,そうでなくて,もう一度本当にお互いに人間同士助け合って,しかも持てるものをお互いに出し尽くして頑張っていこうという,この精神を受け継ぐために,来年のその100周年に向けて何らかの顕彰が具体化されるということを期待したいと思います。 で,次は児童館の問題です。 この児童館の問題について,教育長も民生局長も,児童館が58年に,旭東児童館を最後に同和地域の中での建設は終了したわけです。で,19その後は一般地域へ拡大するというふうに方針が出されているにもかかわらず,59年,60年,61年も一般地域での児童館建設というのは具体化していないわけですね。その3年間のおくれが一体どういう弊害をもたらしたのかということでお尋ねしたのですが,それについてはあえてお答えしなかったということは,問題があるという認識を持っていらっしゃらないんじゃないかというふうに思うんですねえ。どうですか。で,私はこの問題の認識を持っていただくために,ちょっと具体的にどうなっているかというのを説明したいと思います。 今,児童館が建設されている地域が,同和地域ですが,大宮,旭東,清輝,財田,雄神,大井,三門,まだあります。宇野とか三勲とかというところはございますが,そういうところと,児童館もなく,それから児童公園もない,そういう一般地域の子供たちの遊べる環境というのか,学校教育の環境を比較してみた場合にどうなるかということです。大宮の場合は児童数が149名。それで,1人当たりの校庭面積が43.7平米と,それから旭東の場合には550の児童数で1人当たりの面積が8.9,清輝の場合には472で15.1と,こういうふうになっているわけですねえ,見えにくいかもしれませんが。この大宮,旭東,清輝,財田という,こういう学区は,子供数から言うと財田と三門は814,923と比較的多いんですが,どちらかと言えば学校の適正規模の中にあるわけですね。そういう適正規模の中にあって,1人当たりの面積も比較的広くなっているわけです。そこには児童館もあり,それから児童公園も1つ,少なくて大井と大宮の1カ所だったと思いますが,その他は2つ,3つというふうに児童公園も整備されている地域です。ところが,市長の地元の幡多学区,ここは児童数が1,475人おります。それで,1人当たりの面積が7.7なんですね。それにもかかわらず児童公園も全くないし,児童館も建設されていないと。それから,富山もそうです。1,215人という9.9の1人当たりの面積。津島も同じ1,209名の子供に対して7.3の校庭面積というふうに。操南が955,福田が927,芳泉は一番岡山市内で学校規模が大きい小学校で1,569ですが,児童公園は1つあります。しかし,校庭面積は4.8というふうに,この学校規模から言っても適正でない規模になっているわけですねえ,文部省の基準から言うと300から500が適正規模だと言われているわけですが。そういう1,000ないしは1,000以上の学校区であり,子供たちの自由に伸び伸びと育つ学校の校庭面積ですらこういうふうになっていると。ところが,児童館もなければ児童公園もないと,こういう事態が生まれてきているわけですよ。これは弊害じゃないでしょうかね。こういう,その同和地域でつくるということは,これは大いに結構なことなんですが,それと格差が生じるというような市政は全く公正でないし不公平だと。しかも,この千何人という,まだたくさんありますが,とりわけ著しい目立つ学校を取り上げて見れば,こういうふうに非常に芋の子を洗うような子供たちの教育環境や,その健全育成の場が全くないという事態が放置されているわけですよ。これをどう思いますかと。私は本当に子供たちに対して申しわけないと思うのが当然じゃないかと思うんですね。だから,これを1日も早く解消すべきではないかということなんです。 で,こういう状況を認識していただいて,今民生局長は複合化の方向で考えていきたいと,児童館の建設を考えていらっしゃるようですが,児童館の建設の複合化ということについては私はあえて反対はしません。神戸市は全小学校区に複合化の児童館の建設をやり,あと3学区ぐらいで全小学校区に建設されるというふうになっていますが。そういうふうにその児童館の建設を進めていくために複合化を進めようということで,民生局長は大いに意欲を燃やしていらっしゃると思うんですね。 ところが,教育長の答弁はどうですか。私は教育長,私の質問を聞いてなかったと思うの。第1回目の質問ではこういうことを言ってないんですよ。この答弁は第2回目の答弁の原稿じゃないかと思うんですが,幸いにして第2回目の答弁をおっしゃってくださったわけですから,私は質問の回数を省くことができるわけですが。つまり,公民館と児童館がなじみ合うかどうかわからないと,公民館の管理運営上もいろいろ問題じゃないかというふうな問題意識が先行しているわけですね。教育長,そうじゃないですか。確かに問題はあると思うんですよ。ところが,先ほど言ったような実情を解消すると。しかも私は先般の教育長のいじめの問題に関しての答弁を聞いて,教育長就任以来の本当に教育の情熱をふつふつと感じさせる答弁を聞きまして,さすが教育長だと思ったんですよ。だけれども,その子供たちが本当にこの発達していかなくちゃなんないというふうな情熱を感じているのに,いざ具体的な問題となるとためらいが出てくるというのは,これは残念なことなんですね。で,しかもその管理運営上の問題というのは,これは人知で何とかできる問題なんですねえ。コミュニティーで,平井なんかコミュニティーハウスと幼稚園の併設というのは具体的に進んでいるわけです。教育がひとりだけ自分の分野を守るような時代というのは過ぎてきたと思うんです。しかも,学校,公民館に限らず,併設や複合化というのはずっとこれまで時代の変遷として進んできているわけですから,教育長が今おっしゃった内容について,今の状況を判断して,さらに検討をし直すかどうかということについてお尋ねしたいと思います。 そこで市長さん,ぜひ今度は市長に御答弁いただきたいんでお聞きしたいんですが,教育長はこの複合併設化については後ろ向きなんです,お聞きのとおり。民生局長は前向きだと。ところが,総合実施計画には複合化だと言っているんですよ。これは市の方針じゃないんですか。今,策定過程を聞いたけど,いろいろ問題あると思いますが,その策定過程はどうであれ,とにかく1冊の本になり公表されたわけですから,これは市の方針だと。市長がちゃんと承認した方針のはずですねえ。それが,一方では積極的で一方では後ろ向きだというふうになっているものをどう調整されるのか。一体だれが調整をするのか。市長しかいないと思うんです。市長が調整をして,市長が判断をせざるを得ないと思うんですね。だから,複合化について,私は複合化の必要性を民生局長にお聞きしたんだけど,それについてはお答えがなかったのは,つまり財政的な問題だと思うんですよ,複合化というのは。これはもうやむを得ないと思いますね,財政的な問題で複合化せざるを得ないというのは。こういう事態がある以上は複合化で実施しますということになるんじゃないでしょうか。それなのに,その当局の中で意思の疎通が十分できていないという状況を市長が調整するか,ないしはその専門窓口を必ずつくって,今年度の予算には,教育委具会は公民館の建設設計予算が計上されているわけですから,今年度でそういうふうなことが実現できるように運ぶのか遅くとも来年には何とかなるのかということをお尋ねしたいと思います。 で,ついでにお尋ねしておきますのは,複合化ということになればコミュニティーハウスということになってくると思うんてす。で,コミュニティーハウスがことしも2館か3館考えられると思いますが,それを担当するのは企画室じゃないかと思いますけど,その複合化についてのその室長の御見解をお尋ねしたいと思います。 ◎総務局長(八木肇君) 職場会議の徹底と,また職員参加の中でこの意識をというふうなこと,あるいはまたその職場会議のための場所の問題ということでございます。で,この職員の参加意識の醸成ということ,これにつきましては,本当にこれは大切な問題だと思うわけでございます。この職員の参加意識といいますか,その職員参加の中で初めてこの仕事への取り組みといいますか熱意,そうしたものもより高まってくると思うわけでございます。そうした中で,今職場会議ということの重視ということで,職場会議の徹底ということも,これは倫理高揚についてはもとよりのことでございます。それ以外にもその仕事に対しましてもいろいろとこの職場会議の中で徹底していくと,図っていくということも必要であると思うわけでございます。で,そうしたことでこの職員の意識の高揚といいますか,そうしたことにも資していきたいということで,御指摘の趣旨をも体しながら,今後ともよりそうした有効な方法につきまして徹底を図っていきたいと思うわけでございます。 また,この場所の問題につきましてでございますが,これは庁舎問題とも非常に絡んでくる問題で,今直ちにということは申し上げかねるとこでございますけれど,当面やはりこの少ない会議室を有効利用していくとか,あるいはまた小単位の中で工夫していくとか,あるいは近くのところを借るとか,いろんな方法あるかと思いますけれど,本当にこの会議室という問題,これはやはり庁舎問題と総合的な中で検討していかなきゃならない問題ではあると思っておるとこでございます。現状もひとつよろしく御理解を賜りたいと思うわけでございます。 以上でございます。 ◎民生局長(三宅襄君) この調整をどのように図っていくかという問題でございます。 これは先ほど私も市長答弁を補足して答弁をさしていただきましたように,この子供の健全育成というセクションが,もちろん建設局といいますか,児童遊園地,公園等の問題もございますけれども,主といたしましては民生局と教育委員会でそれぞれ連携をしながら分担をさしていただいておるわけでございます。ただ,私も近藤議員の御質問の中で反省をいたしておるわけでございますけれども,やはりもう少し,特に民生局と教育委員会との連携を保つ中で,子供のこの健全育成をどのようにしていくかということをもう少しきっちりと議論をしていくということが必要ではないかというふうに考えておりまして,教育委員会と民生局では少なくとも連絡会議をつくりまして,総合的な施策について検討してまいりたいというに考えておりますし,それから今の児童館といいますか,児童健全育成の場の議論につきましても,その中で十分に調整を図ってまいりたいというふうに考えております。 ◎企画室長(井堀晃郎君) コミュニティーハウスとその複合の問題で企画室長にという御質問でございましたけれども,この児童館の問題,担当部門,それからコミュニティーハウスの建設担当部門とも十分調整をし検討してまいりたいと思います。 以上でございます。 ◎教育長(奥山桂君) 早とちりの答弁をいたしまして御迷惑をおかけしておると思います。 私が後ろ向きであることについてきつい御指摘をいただいておるわけでありますが,子供たちの健全育成については絶対に後ろ向きであるわけではございませんので,これは御理解をいただきたいと思います。 それから,いろんな施設そのものの複合化そのものに反対をしておるということではないわけでありまして,公民館との併設についていろいろ問題があるということを申し上げておるわけでございます。これはさらに,先ほど民生局長の答弁もありましたけれども,さらに検討をしてまいりたいと思います。   〔3番近藤紗智子君登壇〕 ◆3番(近藤紗智子君) 先ほどうっかりしまして産休明け保育についての再質問をするのを忘れておりましたので,再々質問はできませんけど要望をしておきたいと思います。 1つは,昨年59年9月に私が問題を取り上げたわけですから,その取り上げた結果,保育問題審議会へかけるということになったんですね。だから,経過を尋ねてたら保育問題審議会でどういうふうなところまできたんだというのが本当はきめ細かいというのか,親切な答弁だと思います。そこを言わずに……。私も保育問題審議会に1度だけ委員として出席さしていただいたんですが,その審議経過の中では,その産休明けについての必要性というのは大方認識をされていらっしゃると思うんですね。で,必要なんだけれども,その必要を進めていく上でのいろいろな問題があるというところで立ち往生してるわけですよ。だから,このいろいろな問題があるというところで立ち往生しているこの保育問題審議会をさらに前進させるために,やっぱり具体的な検討を担当している課がやらなくちゃなんないと思うんですね。それで,こういう問題はこういうふうに解決をしますと,こういう問題についてはこう解決したいと思いますと,事務担当者が提起しなければいつまでたっても机上の空論で終わると思うんです。だから,私は事務担当者の積極的な提案を含めて案を検討していただきたいというのが第1点と,それから第2点は,こうざっと保育問題審議会のメンバー見たときに,私もそうですが,現実に産休明けで困っているお母さんという人の声が反映できないようになっているんです。大体子育てを卒業なさったか,子供がいないかという男性が中心ですわねえ。それから,女の人でももうほとんど子育て済んでらっしゃるか,ないしは未婚の方というふうになっているわけですよ。だから本当に切実に産休明けが必要だというこの人たちの声が反映されない,されないと言ったら悪いんですが,されにくくなっていると思うんです。だから,先般矢木議員が審議会のあり方について論議されましたが,その精神を酌み取って,やっぱり切実に感じてらっしゃるお母さんを,ひとつ実態を聞くということで,参考人というような形で審議会へ出席させてほしいというふうに思うんです。これはいきなりできやしないかもしれませんが,これお答え聞いてから再質問すりゃよかったんですが,残念なんで,そういうことです。 それから,市長さんに,私は毎回再質問するんですが,市長からの答弁,直接お聞きしたことがないんですよね。で,今回先ほど調整は民生局長が積極的に教育委員会とも連携を図ってというふうにおっしゃったんですが,私はこれから建設される箱物っていうのはだんだん限られてくると思うんですよね。そういう中で教育委員会とコミュニティーが自治振興課ですか,自治振興課ということになれば多岐にわたってくると思うんです。で,頼りになるのはもうコミュニティーの建設と,それから公民館の建設しかないんですよ,そう併設していくとすれば。それから,既存のものに複合化していくとすれば構造上の問題があったりしますから,なかなか難しいだろうと思うんです。だから,とりあえずそのコミュニティーハウスを建設する際に,それから公民館を建設する際に,私はやっぱり複合化を考えていく窓口をはっきり責任を持って推進するのがどこだということを市長が任命してほしいと思うんです。今,民生局長が民生局で担当します言ったんですが,それはそれで結構だと思うんですが,その一整がうまくいかなくなったときです。教育委員会と,それから企画と民生局の意見がうまくいかなかったときに,最終的にだれが調整をするのかと,その決断はだれがするんだということをちょっとはっきりさせておいていただきたいと。 で,少なくとも今年度二,三館ですか,コミュニティーハウスの建設と,それから公民館の建設があるわけですから,それについて具体的にできるのならしてほしいし,できないのであれば来年少なくともやっていただきたいと。これが子供たちに対する緊急な施策だというふうに思うんです。もちろん健全育成が児童館一つで終わるというふうには思っていませんが,それが大切なことだというふうに思いますので,あえて市長さんから調整について責任は市が持ってやるんだということをお聞かせいただきたいと思います。   〔市長松本一君登壇〕 ◎市長(松本一君) 近藤議員の重ねての質疑に対しましてお答えをいたします。 複合施設の問題でございますが,今民生局長なり教育長がそれぞれの自分の所管の立場において今答弁をしたわけでございますが,その調整をとるのは私の方の仕事でございますから,一応皆さん方がいろんな面でコミュニティーハウスだとか,公民館だとか,あるいは児童館だとか,次々その御要望があるわけでございます。これはまあ当然だと思います。これはまあそれぞれの市民の御要望によっておっしゃっておるわけですから。ところが,この財政の問題については,これはやはり厳しい状態でございまして,これはもう皆さん御承知のとおりでございます。そういう中でどのようにその市民の皆さんの期待にこたえるような施策を推進していくかと,また施設をつくっていくかということについては,これは真剣に考えていかにゃいけないと。そのためにはそれぞれもう独立してつくるのが一番理想でございますけれども,そうもいかない。複合施設も考えにゃいかんということも当然起こり得る問題でございますし,またそういうことも真剣に考えていかにゃいかんと,このように考えておりまして,私の方で十分調整をとってまいりたいと思います。よろしくお願いします。 ○議長(藤原照夫君) 午後1時まで休憩します。    午前11時51分 休憩    ~~~~~~~~~~~~~    午後1時8分開議 ○議長(藤原照夫君) それでは午前中に引き続いて会議を開きます。 次は順序に従いまして定政君。   〔44番定政猛男君登壇,拍手〕 ◆44番(定政猛男君) 皆さん大変お疲れと思いますが,しばらくおつき合いをお願いいたします。 まず第1の質問は,苫田ダムについてでありますが,ことしの2月20日の山陽新聞によりますと,苫田ダム建設に反対している岡山県苫田郡奥津町の苫田ダム建設阻止期成同盟会委員長代理ら17人が,19日津山市小田中の建設省苫田ダム工事事務所を訪れて,建設予定地の奥津町,鏡野町内で行っている調査は42年に中国地方建設局と奥津町長との間に締結された協定に違反しており,直ちに中止するよう抗議したということであります。これに対し末田所長らは,現在行っている調査は57年に岡田奥津町長に了承を得ている用地調査の一環で,42年協定には違反しない。調査は賛成派地権者の土地が対象で,阻止派の土地には立ち入らないよう指示していた。鏡野町については協定書に鏡野町長の印鑑もなく,効力は及ばないと回答した。法的手続には自信を持っており,協定には違反していない。と答えたということであります。現地での状況はこのとおりであったということでございますが,協定に違反しないで苫田ダムの工事ができるのかどうか。ちなみに42年の協定書の関係部分のみを読んでみますと次のようであります。 協定書の第2条に書いてあることは,建設省中国地方建設局長は,将来建設に関する実施調査の必要があるときは,奥津町長と事前に十分協議の上,奥津町長の承諾なくしては当該調査を実施しないものとする。注として,これは2条でございますが,第2条の奥津町長の承諾とは,町民の総意がダム建設賛成の方向に向かい,少なくとも旧苫田村地区在住の町議会議員全員の賛成を含む奥津町議会の賛成決議を背景とすることを意味すると,こうなっております。これに違反しないようにダム工事を進めるとすれば,当然に奥津町議会の賛成を得なければならぬ結論に至るが,現状では不動産の80%以上を所有する町民が苫田ダム建設阻止期成同盟会に所属しており,町議会が反対の立場に立っており,町には苫田ダム阻止特別委員会条例が制定されておりますし,委員には奥津町議会議員全員と町長,助役が含まれており,ダム建設に町議会及び町が賛成する可能性は全然ないと言ってよい状態であります。この現状の中で,市長はダム建設の可能性をどのように見られるか,御所見をお伺いいたします。 また,ダム建設が不可能となった場合に,現状において岡山市が負担しなければならないと思われる負債及び現在までに支払った苫田ダムに関係の支払金の合計は幾らになるのかお伺いいたします。 以上で苫田ダムの関係を終わります。 次に,岡山市今土地区画整理組合事業のうち,岡山調査測量株式会社が請負った測量作業について組合より報告を受けた内容をお尋ねいたします。 1番,昭和49年度において岡山市今土地区画整理組合の施行業務のうち,外角地形測量作図,従前新規面積の割付調整,評価,修正,交換分合,仮換地並びに本換地計画台帳作製,現地くい入れ等の作業を岡山調査測量株式会社に請負わせて,昭和50年3月末日に完了しているが,このときの契約書の写しを御提出いただきたい。また,この請負金額は幾らと報告を聞いておられるのか。2つ,今土地区画整理組合が昭和50年4月10日ごろ,国道福田・万成線の計画路線の計画済み道路,幅員22メートルのものを50メートルに拡幅することに伴う計画変更のための測量を,一部手直しという名目で岡山調査測量株式会社に発注し,この測量は昭和50年4月から同年12月末まで約8カ月間で完了したと報告を受けたはずだが,この間の経緯を報告をもとに詳しく御説明いただきたい。3つ,この測量に関する契約書の写しを御提出いただきたい。4つ,岡山調査測量株式会社が国道福田・万成線22メートルを50メートルに拡幅するための測量として,測地作図,従前新規面積の割付調整,評価,修正,交換分合,仮・本換地計画台帳作製等を完成し,製品類の検査を受け,指示された期限に納付したというが,その報告は受けておられるか。5つ,上述の測量作業に伴う請負測量費用の請求は幾らであると報告を受けられたか。6つ,この請求に応じて測量代金として幾ら支払われたのか。この報告を受けておられると思うのでお尋ねいたします。 次に,市内過疎地域の振興施策についてお伺いいたします。 まず第1に,犬島の対応でありますが,昭和59年度に岡山市が財団法人日本離島センターに委託して行った犬島総合調査の報告書の概要書によりますと,人口構成が現状のままで推移したならば,昭和62年には幼稚園が,68年には小学校が,そして71年には中学校がおのおの園児,児童,生徒数がゼロとなって廃校閉鎖をせざるを得ない状況にあり,大変な危機にあるということであります。しかも,島に住む若年層の多くは本土へ就職して,人口の社会減に一層の拍車をかけているということであります。一方65歳を超える高齢者の割合は36%。岡山市の59年度では10.4%でございます。と,これを含めて,しかもその独居世帯の割合が多く,昭和63年には現在200人余りの人口が180人となり,超高齢化社会となるおそれがある。このような厳しい状況に対処するためには,これから育つ若者たちが島にとどまり,島で生活してゆけるような就業の機会を確保し,生活環境の充実を図っていくことが何よりも必要であり,島外からも新たに若い人々を招き,移り住んでもらうという対策も考えねばならないとしております。そして,当面の生活環境整備を中心とした緊急課題として,交通対策,島からの出入りの問題,医療対策,眼科,歯科等の診療科目の定期検診等,し尿,ごみ処理,教育,産業,この5つをうたっております。市当局におかれてはこれらのことを踏まえての各種の提言はよく検討されていることと思いますが,今までに犬島に投資されたお金で言いますと,56年から今年度の予算を含めまして約3億1,000万円ほどが投資されております。 以上のことを踏まえて,島の振興に一番重要と思われる,この今申し上げたその交通問題でございますが,これを見てみますと,ことしの予算では,犬島渡船事業補助費として12万円しか計上されていないのが目につきますが,交通問題を解決しなかったらこの島の発展はあり得ないと,そのように私も思いますし,報告書にも書いてございます。そのためには宝伝側に市の責任で有料駐車場をつくると,それから船の確保をするという2つのことがあります。これはどういうような対応の中でこのことについての足の問題を考えておられるのか,そのことを踏まえて島の振興策についての御所見をお伺いいたしたいと思います。 次に牧山地区問題,これも過疎地の1つでございますが,牧山地区の過疎の歯どめについて当局の配慮はいろいろなされておりますが,交通の便が悪くショッピングに恵まれず,若い世代は地域外へ生活の根拠を移す傾向にあります。そのため地域としては,その対策としてミニ開発により地域内に100ないし150戸の住宅を建設したいと話題に上っておる現状であります。これらの成功により児童数をふやし,法的な小学校の複式授業の解消を図りたいと思っております。そして,学校教育内容を市内平均に高めてもらいたいと考えております。現在のところ,学校施設については当局の配慮により市内平均に近い状況にあり,自然には恵まれた環境の中で児童は明るく楽しく,伸び伸びと学校生活を送っておりますが,しかし教職員の充実面にはまだまだ問題があります。いま一歩の教育内容の向上のためには児童数の増加が緊急課題であります。差し当たり牧山分校は施設や設備に余裕がありますので,学区外の身体虚弱児,例えばぜんそくとか腺病質児を良好な自然環境の中で学校生活を送らし健康面の回復を図らせることは,牧山分校の児童数を増加さすことになり,教職員充実面でプラスになり,学校に活気が漂い,転校生のためにもなり,岡山市のためには一石四鳥と思えます。この構想について教育委員会はどのような判断にされるのかお尋ねいたします。ちなみに,過疎地の小学校施設の有効利用や教育内容の向上のための配慮としては,小学校生活を自然環境のよい中で送りたいという児童の希望を入れ,学区外通学を認めておるところが,例えば北海道の札幌市にあると聞いております。意のあるところをお酌みいただきまして,こういうことについての御配慮をいただきたいと思いますが,御所見をお尋ねいたします。 次に,同和問題についてであります。 去る1月30日から31日にわたり部落解放同盟岡山県連合会の事務所に対して暴力団が不法侵入し,器物を破損した事件についてお尋ねします。この事件については,3月5日我が党の代表質問で取り上げたところでありますが,さらにもう少し突っ込んでお尋ねしてみたいと思います。 この事件の特徴を考えてみますと,第1に,市内中心部において,市が認知している解放運動団体の事務所が暴力団によって襲撃されるという異例の出来事であります。 岡山市議会は昭和50年8月19日と53年11月1日の2回にわたり暴力追放の決議を行っておりますが,このような事態が発生するようでは決議を行った意味が非常に薄くなります。安心できる市民生活が保障されないということであります。この点について市当局はどのように考えておられるのかお聞かせ願いたいと思います。 第2に重要なことは,この事件の背景であります。 部落解放同盟によると,この事件を起こした暴力団員は,襲撃の前に部落解放同盟岡山県連合会の事務所に来て,部落解放同盟が差別事件としてその事実経過の確認を求めている岡山市議会清風クラブ代表質問事件について,脅迫的に,清風クラブから手を引けと再三再四にわたり強要していたということであります。(傍聴席にやじる者あり)したがいまして,部落解放同盟はこの事件は清風クラブ代表質問を原因とした事件だと受けとめていると聞いておりますが,市当局はこのように重大な事件だけに部落解放同盟から詳しい事情を聞いているのではないかと思われますので,これについて市民によくわかるように御説明いただきたいと思います。 第3は,部落差別についてであります。 岡山県におきましては水平社が結成されたのは63年前でありますが,差別事件についてその取り下げを運動団体事務所で強要し,さらに不法侵入,器物破損という事態を引き起こした事件は県下では前例がないとのことであります。つまり,本事件は直接的な暴力を伴う重大な差別事件であると部落解放同盟は分析していると聞いております。 部落解放運動の歴史を振り返ってみますと,明治4年の解放令に伴う部落の人たちの当然の行動を,不遜な態度であるとして,翌年初めから県下各地で部落の人たちが襲われ,明治6年5月末には美作一円で部落大襲撃暴動が起こり,数百戸が焼き払われ,部落民18人が竹やりやくわで殺されるという事件が起きております。 今回の事件は,規模や現象こそ違いますが,その本質においては全く同質のものとも言えるのではないでしょうか。そして,部落差別が厳然として存在している何よりの証拠であると思います。 岡山市はかねてより同和問題の解決は市行政の重要な柱としていますが,前例を見ないこの事件発生について従来の教育,啓発のあり方を含めて,どう対処しようとしておられるのかお聞かせください。これで同和問題を終わります。 次に,教育行政についてであります。配当予算についてまずお尋ねします。 配当予算については,毎年予算期になると特に配当予算の増額を強く求め,その中でも少なくとも児童生徒の必要とする紙類は全額公費にすべきだと強調してまいりました。59年,60年,61年度予算の中でどのように推移したのか。61年度の配当予算の中で特に配慮した内容を金額を示しながら御説明いただきたいと思います。 次に,学校司書の配置についてであります。学校司書の配置については,年度ごとに8人配置ということになっておりますが,司書の全校配置の方針が決まってから,中学校は3年間で全校配置が完了いたしました。小学校は,昨年度と本年度と加えて5年間で全校配置というのは余りにも対応が,中学校と比較してアンバランスであり,遅過ぎはしないか。学校司書の活動で図書館の利用度合いが大変向上するという認識に立って教育委員会も全校配置を決定したのでありますから,今年度を含めて4年間も全校配置にかかるのは市民感情として,また学校関係者として納得いたしかねますので,期間短縮の配慮をいただきたいと思います。司書の全校配置の方向の決定は当時の市長決断によってなされたことでもあり,この点に関しては市長の決断をお願いいたしたいと思います。 また,これとともに学校事務職員や養護教諭の全校配置についてはどのような計画があるのかお聞かせいただきたいと思います。 次に,全幼稚園の2年保育と,全小学校区に1幼稚園の設置についてであります。2年保育を強く期待しているのに1年保育にとどまっている幼稚園が61年度以降で7園ありますが,これの2年保育実現についての方向づけはどのように考えておられるのか,今後の見通しについてお伺いいたします。 また,本市の基本方針は1小学校区1幼稚園の設置ということでありますが,藤田地区,興除地区の小学校区と箕島小学校区は幼稚園がなく,地区民の要望には強いものがありながら,今までの推移から幼稚園の設置は無理とあきらめている状態でありますが,市民権利はあるわけでございますので,当局としてはこの点を踏まえて今後前向きで幼稚園設置の方針を出さねばならぬと我が党は考えておりますので,教育長の御所見をお伺いいたします。 次に,幼稚園の学級定員の問題についてであります。幼稚園の学級定員については,現在のところ年少組35人,年長組40人となっております。ちなみに,保育園は同年齢の定員は30人であります。このことを踏まえて考えてみるのに,今年度から小学校が1年生から40人学級に定員の切り下げが行われることに伴い,幼稚園の学級定員問題についてはどのような方針をお立てになっておられるのかお伺いいたします。 次に,幼稚園の担任外教諭の配置についてであります。幼稚園の担任外教諭の配置については,毎年強い要望の中で当局の御努力により一歩一歩よりよい改善がなされています。改善がなされていることを踏まえて,幼稚園教諭の年休,病休日数について,小・中学校の女子教諭との比較をお教えいただきたいと思います。今後の担任外教諭の確保についての方針をお尋ねいたします。 次に,幼稚園の用務員の全園配置は大変喜ばれているところでありますが,1週30時間勤務のパート用務員の配置が47園あり,このような園は小規模園でもあり,職員が二,三人で少なく,パートのため午前中の勤務につけば午後の勤務が少なくなり,動植物の手入れや清掃の期待ができず,園の運営に困っているのが実態であります。パート要員を早急に全日勤務にしていただきたいと要望いたします。このことについての御見解をお尋ねいたします。 次に,学校給食についてであります。学校給食の改善のために関係者,保護者とか児童生徒,学校関係者の学校給食に対する意識調査をして問題点を把握し,学校給食の内容改善をする必要があると考えておりますがゆえに,過去何回か提言した経緯があります。その際に検討すると答弁をいただきながら実行されておるような様子も見えませんのでございますが,どのような理由からこのような調査がなされておらないのか。早急に調査をされるようお願いいたしたいと思います。 次に,学校給食についての中で野菜類の消毒の件でございますが,次亜塩素酸ナトリウムの野菜消毒については,水洗いだけで中毒の危険は回避できると言われており,消毒すれば発がん性の高いトリハロメタンの発生の原因になると言われているため消毒打ち切りはできないものか。また,野菜消毒をしなかったために中毒が発生した事例があるのかどうかお尋ねいたします。 次に,学校給食の食品中の食品添加物のチェックについて,本年度中にどのような確認をなさったのか。本年度当初の議会で食品添加物の公開を求め,給食材料納入業者が納入する品物に添加物が含まれている場合には,これを学校の関係者へ報告するよう提言しておりますが,実行されているのかどうか。また,食品添加物の追放のためには,それに見合う行政の姿勢が大事であります。そのためのチェック機関として食品添加物の分析センターをつくり,これによって随時給食材料の分析をする必要があると思いますが,これについてのお考えをお聞かせください。 次に,教育委員会の会議の傍聴についてであります。教育委員会の会議傍聴については公開になっており,一部委員の方の御意見は,会議を公開していただいて委員会の内容を市民の方方に知っていただき,御批判をいただきたいと申されております。しかし,現実は傍聴者は3人に限定というのでは公開の姿勢は形式的な範囲を出ません。教育委員会は教育長室で開かれているが,教育長室が狭いということであります。しかし,もともと教育長室を会議室に使用するのが公開の姿勢に立っていないのではないか。そもそも57万市民を抱える岡山市に教育委員会室が確保できないこと自体が異常であり,不足ながら教育委員の専用控室がないこと等を考えあわしたとき,開かれた市民のための教育委員会とは言えないと思います。この件も市長の配慮の中で早急に解決して,傍聴者を最低2けたにはしてほしいと要望いたします。市長,教育委員長の御所見をお伺いいたします。 最後に,今後の幼・小・中・園校の空き教室の問題についてであります。昭和61年度は小学校の児童減が甚だしく,1年生の40人学級が実現しても空き教室の存在は免れないのではないかと思います。今後10年間の幼・小・中・園校の空き教室の実態と,空き教室の扱いについて御所見をお伺いいたします。 以上で第1回の質問を終わらせていただきます。どうも御清聴ありがとうありがとうございました。(拍手)   〔市長松本一君登壇〕 ◎市長(松本一君) 定政議員の御質疑に対しましてお答えをいたします。 ダム建設につきましての可能性でございますが,御承知のように苫田ダムの建設は,岡山県におかれましても県政百年の大計として現在全力で取り組まれておりまして,岡山市といたしましても治水面と都市用水の新規水源の確保ということのためにぜひ必要なものと考えております。私ども下流の受益の市や町といたしましては,県とともに水没関係住民の生活再建や地域振興対策の促進に誠意を持って対応をいたしまして,地元関係者の理解と協力を得るように今後とも努力を続けてまいりたいと思っておりますので,よろしくお願いをいたします。 その他につきましては関係者からお答えいたします。 ◎建設局長(神原俊彦君) 岡山市今土地区画整理組合と岡山調査測量株式会社との49年度の委託作業契約に関する問題でございます。 この件につきましては,今土地区画整理組合の施行による問題でございまして,組合の了承を得ましたので,まず概要を説明をさせていただきます。 今区画整理事業の換地設計委託作業につきましては,昭和48年度から作業を進めてまいっております。49年度において組合と岡山調査測量株式会社が委託契約金合計で5,500万円の契約を交わし作業実施中,都市計画道路福田・一宮線,幅員が22メートルを国道180号岡山西バイパス幅員50メートルとして施行することになり,これに伴いまして委託作業の一部手直しを岡山調査測量株式会社に指示しております。その目的,様態を周知徹底し,これがために委託金額の変更はしないということで岡山調査測量株式会社も了承しており,この委託についての支払いを完了しておるわけでございます。 その後,昭和52年2月22日付で手直しに要した費用として7,825万円の請求がありました。組合と契約をした計画面積は今区画整理事業の全地域面積であり,その面積は223.5ヘクタールしかないのに,この2.2倍に当たる面積の498ヘクタールを手直しをしたという不当な要求でございます。もし,仮に手直しを命じた時点で他の新しい業者が最初から作業をしたとしても,契約金の5,500万円ということでそれ以上にはなりません。このような理由のない要求であったため組合は却下しております。その後,岡山調査測量株式会社から再度の要望に対しまして,会社,会社の弁護士,組合,市の関係者が協議の末,換地設計に伴う若干の手直し部分の代価として418万円を組合から岡山調査測量株式会社へ支払って終結しておるわけでございます。それから2年後,岡山調査測量株式会社から岡山簡易裁判所に債務支払いの申し立てが行われております。組合は直ちに弁護士を代理人として異議申し立てをしておりますが,相手の都合によりたびたび延期されております。この請負代金請求事件は,昭和55年7月10日の休止満了で訴えの取り下げとなり終結した旨通知があり,組合といたしましても法廷で争う予定でございましたが,訴えが取り下げとなり,この事件につきましては終結をしておるわけでございます。 そこで,御質問の第1点でございます。昭和49年度において岡山調査測量株式会社に委託した作業を50年3月末に完了しているが,請負金額はどのくらいと聞いておるか,その契約書の写しを提出をという御質問でございます。 昭和49年度において,今区画整理事業の換地設計作業等を今区画整理組合と岡山調査測量株式会社で委託作業契約を締結しております。契約の内容は,換地設計作業2件,街区画地確定及び仮換地指定作業2件,計4件で,契約金額は合計5,500万円でございます。4件の設計書につきましては組合で保管されております。 設計書の写しをということでございますが,これは組合事業でございますし,組合と業者との間で結んだ設計書でございますので,市が提出することはできませんので,御理解のほどよろしくお願い申し上げます。 次に,昭和50年4月福田・一宮線が幅員22メートルから50メートルに計画変更され,一部手直しに伴う新規の契約はないと言っているが,50年4月から12月まで8カ月かかっていると聞いておると,その経過をということでございます。 昭和50年度において,国道福田・一宮線の拡幅に伴う新たな委託作業は発注しておりません。ただ,49年度に発注した作業について一部手直しをさせており,国道福田・一宮線用地抽出のために業者に対してその目的,様態を説明し,これがために請負金額の変更をしないということで会社も了解しておったわけでございます。 そのときの契約書があれば写しをというお話でございますが,さきにお答えいたしましたように,昭和49年度委託作業の手直しでございますので契約書はございません。 次に,岡山調査測量株式会社は幅員22メートルから50メートルに変更されるに応じて測量作図等の成果品の検査を受け,指示を受けた期限内に納めておるが,その報告を受けておるかという御質問でございます。 昭和49年度契約分の手直し作業,幅員50メートルに変更した成果として受納しておると聞いております。 次に,50年度の手直し作業に伴う請負の費用は幾らであると報告を受けておるかということでございます。 昭和52年2月22日付で手直しに要した費用として7,825万円の請求書がありました。これは,組合と契約をした今区画整理全面積は223.5ヘクタールしかないのに,この2.2倍にも当たる面積498ヘクタールを手直ししたという不当な要求でございます。このように理由のない要求であったため却下をしておるわけでございます。 その要求に応じて幾ら支払われたかということでございますが,その後組合といたしましては,岡山調査測量株式会社から再度の要求に対し,関係者,これは会社,会社弁護士,組合,市と協議の結果,換地設計に伴う若干の手直し分の代価として418万円で協議が成立し,昭和52年4月30日組合から岡山調査測量株式会社に支払って終結しておるわけでございます。 以上でございます。 ◎参与(渡辺史郎君) 暴力事件について答弁いたします。 暴力は許しがたい問題であり,このような暴力事件が起きたことはまことに遺憾であると考えております。事件直後,解放同盟から事情の説明がありましたので,県当局とともに警察に対して暴力に対する厳しい対応を要請いたしました。その後の経過につきましては,報道されておりますとおり2人を逮捕,送検,処分が行われていると聞いております。 解放同盟からの説明は,御質問にもございましたように,事件発生前に犯人等が解放センターへ来て,再三清風会から手を引け等の暴言を行い,その後2回にわたって建造物侵入,暴力行為を行ったと。警察にも届け,現場検証も行われておると。解放同盟としては,これを一部反社会的集団の差別暴力行為であり,社会問題と思っておるという御説明でございました。 次に,啓発の問題でございます。 啓発の中心課題は人権思想の普及,啓発にあると考えておりますが,今後御指摘のような暴力追放の市議会決議の趣旨をも体し,差別及び暴力を同和施策のみならず,社会から追放するための啓発に努力してまいりたいと考えております。 以上でございます。(傍聴席にやじる者あり) ○議長(藤原照夫君) 静粛に願います。静粛に願います。 ◎企画室長(井堀晃郎君) 苫田ダム問題のうち,現状で岡山市が負担しなければならないと思われる金額は幾らか,こういう御質問でございます。現在の状況で,苫田ダムの建設に関連いたしまして企業団に対して支払いを要する岡山市の予想負担額でございますが,まずダム建設に要する水源開発費は,出資金といたしまして59年度から負担をいたしておりますが,69年度までに約7億3,800万円が見込まれておるところでございます。 次に,専用施設に要する費用でございますが,現状では出資金の負担割合はまだ未定でございます。 また,企業団の運営経費でございますが,これも59年度から事業量に応じて負担をしておるものでございまして,同様に現状では将来の負担額はわかっておらないのが実態でございます。 次に,現在までのダム関連の支出額は幾らかという御質問でございます。お答え申し上げます。苫田ダムに関連して支出されるものは,吉井川水源地域対策基金に対するものと,吉井川広域水道企業団への負担との2つがございます。 まず基金についてでございますが,基金設立のための基本財産に対しまして約3,400万円を出捐をいたしております。それから,水没地域住民への代替不動産取得資金の貸し付けを行う利子補給といたしまして,60年度末までに約1億2,700万円を負担をしております。それから,移転先の選定費等として貸し付ける原資に充てるための貸付金といたしまして約9,900万円を支出いたしております。 次に,企業団についてでございますが,水源開発出資金といたしまして約1,300万円を出資いたしております。それから,企業団の運営費に対しまして約2,200万円を負担をしておるわけでございます。 次に,犬島の整備計画と足の便でございますが,犬島の振興計画につきましては,先日串田議員,辻野議員にお答えをいたしましたように,59年度に実施をいたしました犬島総合調査をもとにいたしまして,本年度は具体的な整備方向について調査検討を行っておるわけでございまして,3月末を目標に取りまとめの作業を急いでおるとこでございます。 一方,島の振興策と相まって島民の利便性の確保や,あるいは振興の面からも連絡便の増便が必要なことは御指摘のとおりでございますが,今後島の振興の動向や,あるいは来訪者の状況等を見ながら,関係者と十分相談をしてまいりたいと考えてお,ります。 以上でございます。 ◎教育委員(辻吉之祐君) 教育委員会の会議傍聴の対応についてでございますが,教育委員会の会議傍聴につきましては今までも再三御指摘をいただいておるところでございます。定政議員さんの御指摘のとおり,できる限り多くの方方に傍聴していただくことは意義あることと考えておりますが,実情は会議場所等の事実上の制約があり,ごく少人数ではありますが,仮設の傍聴席を設け傍聴をいただいておるのが現状であります。御理解いただきたいと思います。 ◎教育長(奥山桂君) まず第1のお尋ねは,牧山地区の教育振興とも関連しまして,環境のよい牧山の小学校で身体虚弱児の教育をしてはというお尋ねでございます。御指摘のぜんそく等,病弱な児童はそれぞれの学区の学校へ通学しておりますが,重度の者につきましては国立岡山南病院へ入院をしまして,治療を受けながら早島養護学校で教育を受けております。軽度の者を環境のよい牧山分校で教育を受けさせるということはいいことであると思いますが,学区外通学を許可しても通学距離の問題,交通機関,交通費の問題等もあるわけでございまして,いろんな点があると思いますが,今後検討をしてまいりたいと考えますので,よろしくお願いいたします。 次は,小・中学校に配当しております需用費,備品購入費などの学校配当予算についてのお尋ねでございますが,小学校は児童1人当たり昭和59年度5,815円,60年度同じでありますが5,815円,61年度は6,112円にお願いをしておるところでございます。中学校につきましては,59年度7,386円,60年度7,604円,61年度は7,951円をお願いをしておるところでございます。昭和61年度の配当予算の内容につきましては議決をいただいた後検討することにしておりますが,御指摘の点を踏まえて消耗品費の増額に努力をしてまいりたいと考えておるところでございます。 次は,学校図書館司書の全校配置を早急に実現してほしいという御要望でございます。学校教育の中で学校図書館の果たす役割は大変大きいものがあるというふうに考えております。そこで,我々としましても厳しい状況の中ではありますが,全校配置を実現すべく市長にも大変御無理をお願いをして努力をいたしておるところであります。59年度は7校配置をいたしまして,中学校への配置を終えたところであります。小学校未配置校への配置につきましても,本年度8校について新たな配置を行っておりまして,さらに未配置校につきましても年次的に全校配置に向けて努力をいたしておるところでございますので,御理解をいただきたいと思います。 それから,事務職員,養護教諭の全校配置についてでございますが,これは御承知のように国,県で配置をしてもらっているわけでございますが,現状では小学校は7学級以上には養護教諭も事務職員も全部配置しておるわけであります。中学校では8クラス以上ということになっております。それ未満につきましては,小学校の場合は養護教諭または,6学級の学校のことでございますが,養護教諭または事務職員,中学校では6,7学級には事務職員だけというようなことで配置がなされておりまして,現時点では全校配置になっておらないわけでありまして,少しでも早く全校配置になりますように国,県へ強く要望をしてまいりたいというふうに考えております。 次は,幼稚園の2年保育完全実施と,全小学校区への幼稚園の設置についてのお尋ねでございます。幼稚園の2年保育につきましては,浅野,辻野両議員にお答えいたしましたとおり,1地区1幼稚園,2年保育を目途に努力をいたしておるところであります。2年保育につきましては,61年度平津幼稚園,牧石幼稚園を実施したいということで予定をしておるわけでございますが,まだ73園中7園が1年保育であります。また,公立幼稚園のない小学校区は12校区あります。2年保育の実施,公立幼稚園のない学区の解消につきましては,公立,私立保育園及び私立幼稚園との関係等を考慮しながら,財政事情も勘案しながら考えてまいりたいと思っておりますので,よろしくお願いをいたします。 それから,幼稚園の学級定員の切り下げについてでございますが,国の幼稚園設置基準には,1学級の幼児数は40人以下を原則とするとなっておるわけでございます。昭和61年度から小学校1年生から40人学級が実施されることもありまして,幼稚園の学級定員の引き下げについて国の動向,園児数の推移等を見ながら,今後検討をしてまいりたいと考えておりますので,よろしくお願いいたしたいと思います。 それから,幼稚園の担任外教諭の配置及び用務員のパートを全日勤務にすることについてのお尋ねでございますが,幼児教育の充実につきましては,厳しい財政事情の中でありますが,御理解をいただいて改善を進めてまいっておるところであります。担任外教員の配置につきましては,本年度兼務園の解消2園のほか,2,3学級園に8名の臨時教諭補助員を配置しまして,小規模園の教育の充実を図っておるわけでございまして,今後とも努力してまいりたいと考えております。 それから,年休,病休の日数についてのお尋ねでございますが,60年1月から12月までの平均は,幼稚園教諭は年休4カ8分の1日,病休2日,小・中学校の場合は,女子教諭の場合は年休6カ8分の1日,病休8分の4日であります。用務員の配置につきましては,4学級以下の園へ嘱託職員を配置しておりますので,御理解をいただきたいと思います。 次は,学校給食についての一連のお尋ねでございますが,まず第1は学校給食についての調査を児童生徒や保護者にどういうふうにしておるかということについてのお尋ねでございますが,学校給食は教育の一環として実施いたしておりまして,各学校から意見も十分聞きながら,共同献立委員会において残量調査等による結果を反映させながら共同献立を作成して,できるだけおいしい給食が提供できるように努力をいたしておるところでございますので,御理解をいただきたいと思います。 それから次は,野菜の塩素消毒のことについてのお尋ねでございます。学校給食は育ち盛りの児童生徒が集団で食事をすることでもあり,十分な殺菌消毒が必要であるというふうに考えております。その際,次亜塩素酸ソーダを使用することが集団給食施設における衛生管理の面で現状では最善であるというふうに考えておるわけでございまして,使用に当たっては,適切な使用について十分指導するとともに,むやみな指導は避けるように指導をいたしておりますので御理解をいただきたいと思います。 なお,最近の他都市の状況についてでございますが,現状では詳細な調査をいたしておりませんが,調査をしてみようというふうに思います。 それから次は,食品添加物についてのお尋ねでございます。学校給食に使用しております物資は,岡山市学校給食会において共同購入をしておりますが,使用物資については学校給食物資審査委員会において毎年厳重な審査をいたしておりまして,60年度は8回実施いたしております。したがって,学校給食において扱います加工食品の添加物につきましては,一覧表にして配布するよう新年度に向けて準備をいたしておりますので,御理解をいただきたいと思います。 次は,学校給食用物資の食品添加物のチェック機構はどうなっているかというお尋ねでございますが,学校給食に使用しております物資は,先ほども申しましたように岡山市学校給食会において審査委員会を設けて選定をいたしておるわけでございます。特に,食品添加物につきましてはメーカーから食品の公的機関による分析試験証明書を提出をさせまして,厚生省の定めた基準に照らしてより安全性の高いもの,数値で言えばできるだけ低い数値のものを採用決定しておるわけであります。なお,問題があると認められるものは,県の学校給食会の食品検査室に検査を依頼をしまして指導を受けるとともに,内容によっては専門家の指導も受けて充実を図ってまいっております。今後ともそうしてまいりたいと考えておりますので,御理解をいただきたいと思います。 それから最後は,小・中学校の空き教室についての今後の見通しについてのお尋ねでございますが,空き教室につきましては苦水議員からの御質問にお答えをしましたように,この有効利用についてはよく検討をしてまいらなければならないというふうに考えておりますが,お尋ねの今後10年間の空き教室の状況についてでございますが,幼稚園は昭和61年度が園児数が最低となりまして,その後少しふえる傾向が見られております。小学校,中学校につきましては,61年から40人学級が進行いたします。それで,66年度には完成をされるという予定でございます。したがいまして,その切り下げとともに学級数はふえていくことになるわけでございますが,今のような状況を踏まえますと二,三年は学級数がふえるというようなことが予想されるわけでございますが,その後についてははっきりした見通しが立つということにはなりかねますので,御理解をいただきたいと思います。 以上でございます。   〔44番定政猛男君登壇,拍手〕 ◆44番(定政猛男君) 今答弁いただいたんでございますけども,苫田ダムの問題でございますけども,これについて私は全面的に反対とかいうような立場で言うとんじゃないんで,理解を得るようなやり方をきちっとして,それでやってほしいということで。だから奥津町議会の同意を得るということを,これはどういう方法でそれをいくかということですが,いろいろやっとんですけども,一方的で,強圧的で,奥津町の議会の意思を踏みにじるようなことをやっとるわけです。片一方ではそれをやりながら,いろいろな約束には違反しないと,一つの,協定書のことですけど,これに違反しないと言いながら,違反しないと言いながら違反しとることをやっとるわけです。言い方を変えたら人をばかにしたやり方をしながらやるから,ますます硬化して地元の反発が強くなっとると,こういうことなんで。それの一番世話役というのは岡山市でございます。ですから,岡山市としたら治水,利水の面でも,確かにダムが要るんだという見地に立つのなら,それ相応な対応をしていくということで,県がやっとんだからうちはそれでついていけばいいんだというんでなしに,岡山市なりの態度もやはり大事なんじゃなかろうかなと,こういうふうに思うわけです。それについて,岡山市はどう考えられるんかということです。 それから次に,非常に不愉快な話ですけれども,今土地区画整理の問題なんでございますけども,今答弁聞きますと問題がないような話なんですね。それで,請求してきたのが2倍の面積を請求してきたと,端的に言えば。2倍の面積を請求してきたから不当なということでそれを拒否したんだと。だけど,常識的に考えて,非常に不信用な人ならそういうことは起こるか知らんけど,その当時まともな仕事をしていっとったと僕は聞いてます。そういう岡山調査測量株式会社がそんなことをするとは思えないんです。ですから,これについては資料を,報告をちゃんと受けておられるそうですから詳しく見していただいて,私なりに検討をさせていただくということについて御了解ください。 それから,暴力事件の問題でございますけども,これについて岡山市議会としては暴力追放決議を2回もしとるということでしたね。2回もしたいうことは,その都度非常に暴力に対する懸念が強く,絶対にこういうことを起こしちゃいかんという決意のもとにやっとるわけですから,このことを踏まえて暴力追放の対応を十分していただきたいと。もちろん,議会もせんといけんと思いますけども,当局としてもあらゆる手段を講じて,こういう暴力事件,それも差別事件に関連しての暴力事犯でございますので,これはきちっと押さえてもらいたいというように思います。そのことを強く要望しておきます。(傍聴席にやじる者あり) ○議長(藤原照夫君) 発言中でございますので静粛に願います。 ◆44番(定政猛男君) それから,犬島とか牧山が,これが過疎地ということについての押さえは私は考えてないわけでございますけども,本当の過疎地じゃないんでございますけど,岡山市では過疎地……。もちろん犬島ははっきりと法的に過疎地と,こうなっておるということでございますので,このことを踏まえて対応をしていただきたいということでございます。ただ,犬島の場合は足の問題が,これは前々から言っとんですけど,足の問題が一つも解決せずに,足の問題についての予算は12万円だということです。片一方では島の中をいろいろいらっておられますけども,これの予算は3億何ぼだと,56年から61年度まで予算を見ると3億何ぼ入れとると。それで,今の状態では幼稚園も小学校も中学校も,最終的には71年では中学校もなくなるような状況になると。その中へどんどん銭を入れていくというようなことはどえらい矛盾ですからね,そのことを踏まえてどうようにしたら過疎化が防げるかということを真剣に考えてもらわんと,おざなりに銭だけ島へつぎ込んでも,人がおらんようになるような状態になったらその銭はむだ銭になりますからね,このこともよく踏まえていただきたいというように思います。 それから,もう時間がございませんけども,教育委員会の傍聴の件ですね,これも非常に僕は不満なんですけれども,これについてもう少し何とかならないかと。市長の方でこれについての,教育委員は市長が任命なさっとるわけですけえ,これが十分な活動ができないような状態では困るわけで,そこのことについての対応を十分考えていただきたいというように思います。それについてひとつお答えいただきたいと思います。 ◎建設局長(神原俊彦君) 今区画整理事業の問題は,これは組合の事業の問題でございますので,その点だけは御理解のほどをよろしくお願い申し上げます。 ◎参与(渡辺史郎君) 御指摘の趣旨を踏まえまして,暴力の追放に努力してまいりますので御理解を賜りたいと思います。 ◎企画室長(井堀晃郎君) 犬島の振興と足の確保の問題でございます。 御指摘のように,現在いかに島の振興を図るかいろいろ調査をし,検討をいたしておるわけでございまして,早急に調査報告をまとめまして,今後関係部局と十分な協議をし,当面はやはり市有地を核としてのいろいろな開発になろうかと思いますけども,やはり民有地も含めて島民の皆さん方の御協力をいただく方策なども検討し,その場合に十分足の問題もあわせて検討してまいりたいと思いますので,よろしくお願い申し上げます。 以上でございます。 ◎財政局長(関場長久君) 教育委員会の会議傍聴とのかかわりにおいての御質問でございますが,庁舎の狭いということにつきましては今議会でもいろいろと御指摘を受けているところでございます。今回の教育委員会の傍聴の問題につきましても,基本的には教育委員会としてどう検討されるかということにもよりますが,会議室等の有効利用等によってできれば,そのような形で対応させていただきたいと,このように考えます。よろしくお願いします。   〔44番定政猛男君登壇〕 ◆44番(定政猛男君) 今,建設局長は組合の問題だからという発言がありましたけども,指導しとる市の職員が組合のいろいろなことを全部代行しとるような状態にあるわけですよ。これについては議事録を見りゃすぐわかるんじゃ。そういうようなことになっておる中で,問題があると組合の責任だというようにおっしゃるけど,そういうことについて責任をはっきりしてもらいたいと思いますので,そういうことを特に申し上げて。これは質問ではございませんから。 ○議長(藤原照夫君) 本日はこれをもって打ち切り,次の本会議は明日午前10時に開きます。 本日はこれをもって散会いたします。御苦労でございました。    午後2時15分散会...