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03月13日-08号

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  1. 岡山市議会 1986-03-13
    03月13日-08号


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    昭和61年 2月定例会    昭和61年2月定例岡山市議会    議 事 日 程  第8号       3月13日(木)午前10時開議第1 甲第7号議案~甲第78号議案    …………………………………会議に付した事件 日程第1 甲第7号議案~甲第78号議案(質疑)    ──────〇──────出席議員(49人)        1番  矢 木   明君        2番  片 岡 五百樹君        3番  近 藤 紗智子君        4番  辻 野 喬 雄君        5番  田 畑 賢 司君        6番  有 井 靖 和君        7番  亀 井   章君        8番  垣 下 文 正君        9番  宮 川 日 吉君        10番  伏 見 昇 男君        11番  道垣内 正 雅君        13番  小松原   操君        14番  寺 田 明 生君        15番  内 田 宏 哉君        16番  日 南   香君        17番  景 山 貢 明君        18番  山 田   勇君        19番  福 原 弘 子君        20番  堀 川   進君        21番  川 田 敏 幸君        22番  磯 村   博君        23番  山 田 録二郎君        24番  大 橋 英 雄君        25番  小 川 晴 雄君        26番  丹 原 重 彦君        27番  脇 本 一 郎君        28番  松 山 茂 樹君        29番  小 林   勉君        30番  苦 水 重 徳君        31番  新 谷 盈 智君        32番  守 屋 彰 久君        33番  楠 木 忠 司君        34番  草 野 邦 輔君        35番  小 橋 留 男君        36番  田 中 昭 三君        38番  片 山   仁君        40番  高 木 悦 夫君        41番  妹 尾 達 道君        42番  谷   慎一郎君        43番  串 田   務君        44番  定 政 猛 男君        45番  華 房 美 衛君        47番  渡 辺 慎 一君        48番  岡 本 俊 彦君        49番  浅 野 卓 志君        50番  鈴 木 邦 彦君        51番  板 野 和 昭君        52番  花 岡   薫君        53番  藤 原   貢君    …………………………………欠席議員(2人-欠員3)        46番  磯 島 康 夫君        54番  藤 原 照 夫君    ─────────────説明のため出席した者   市     長  松 本   一君   助     役  鹿子木   貢君   助     役  富 岡   要君   収  入  役  久 山 忠 孝君   総 務 局 長  八 木   肇君   財 政 局 長  関 場 長 久君   民 生 局 長  三 宅   襄君   衛 生 局 長  竹 原 良 一君   経 済 局 長  藤   昭 博君   建 設 局 長  神 原 俊 彦君   下 水 道 局 長  中 山 茂 也君   西 大 寺支所長  森 末   京君   参     与  丸 尾 比呂志君   参     与  渡 辺 史 郎君   参     与  谷   義 仁君   企 画 室 長  井 堀 晃 郎君  水  道  局   水道事業管理者  黒 田 智 昭君  消  防  局   消 防 局 長  千 田   稔君  教 育 委 員 会   委  員  長  横 田   勉君   委     員  赤 枝 郁 郎君   教  育  長  奥 山   桂君  選挙管理委員会   委     員  青 地   勇君   委     員  岡   八 夫君   事 務 局 長  南 石 元 久君  監 査 委 員   委     員  川 上 一 正君   事 務 局 長  小 合 昭 典君  農 業 委 員 会   委     員  坂 田   毅君    ─────────────出席した議会事務局職員   局     長  北 村   博君   次     長  原 田 知 義君   庶 務 課 長  石 原 重 樹君   議 事 課 長  中 川 和 彦君   調 査 室 長  二 宮 善 政君   記 録 係 長  岡 田 登志男君   主     任  最 相 初 音君   主     事  佐 藤   武君    午前10時11分開議 ○副議長(渡辺慎一君) 皆さん御苦労でございます。これより2月定例市議会8日目の本会議を開きます。 ただいまの御出席は36名であります。    ───────────── ○副議長(渡辺慎一君) 会議録署名議員に串田君,鈴木君のお二人を指名いたします。    ───────────── ○副議長(渡辺慎一君) 本日の議事日程は甲第7号議案から甲第78号議案までの72件の議案についてであります。    ──────〇────── △日程第1 甲第7号議案~甲第78号議案    ───────────── ○副議長(渡辺慎一君) 日程に入ります。 日程第1は甲第7号議案昭和61年度岡山市一般会計予算について以下72件の議案についてであります。 これを一括上程して質疑を行います。 順序に従いまして日南君。   〔16番日南香君登壇,拍手〕 ◆16番(日南香君) 連日の御審議で大変にお疲れのことと存じますが,通告順序に従いまして,第3次実施計画を中心に7項目ほど質問をさせていただきますので,しばらくの間御清聴を賜りますようお願いいたします。 せんだって渡辺通産大臣は,遊説先の講演の中で,野党という名の毛針に釣られる魚は知能指数が低いといった趣旨の問題発言を行いまして,世のひんしゅくを買ったことは周知のところであります。渡辺発言の背景には,予算の執行に参画しない野党の発言は見せかけの毛針にすぎないという,長期政権にあぐらをかいた傲慢とおごりの姿勢を読むことができるのであります。 地方議会は与・野党,保革を問わず,私ども議員は予算を執行する権利を持ちません。持たない分,よけいに市民の血税の行方については厳しく見定めていかなければならないのであります。当然のことながら,市長並びに幹部職員の御答弁に当たりましては毛針答弁にならないよう,責任ある説得力に富んだ回答をお寄せくださるようまずはお願いをいたし,質問に入らせていただきます。 さて,岡山市総合福祉計画は,岡山市の将来を長期的に展望して,人間尊重の都市づくり市民福祉向上のための方向を明らかにしながら,総合的,計画的に施策を進める上での指針となるものであります。それは基本構想基本計画,さらに実施計画という3つの構成からなっており,岡山市においては21紀初頭,2001年までの市政の目標とする基本構想を56年に発表し,65年までのステップを描いた基本計画を57年に策定しているのであります。 一方,これを受けて短期的計画といたしまして,57年から59年度第1次計画,59年から61年度第2次計画,そして今回の第3次実施計画の策定となっております。言うまでもなく,この実施計画財政計画をもとに計画期間中の具体的な施策,事業内容を体系的にまとめたもので,年間予算編成の指針となるもので,第3次も5本柱12章48節と多岐にわたっているのであります。 そこでまず,実施計画についてでありますが,事業計画のとじ込みを見てみますと,非常に体系そのものが複雑になってきております。ここに持ってきておるんですけれども,この体系ですね,まあ市長,一遍見てください。 瀬戸大橋時代や市制100周年を主たる目標テーマとして,5本の重要施策を立てているのでありますが,実施計画の改定も3回目ともなると,この体系そのものが時代の潮流にそぐわなくなってくると思うが,どのようにお考えであるかお尋ねをいたします。 次に,実施計画中期ビジョンである基本計画は,昭和56年から65年にかけての10年計画でありますが,策定されてから既に4年を経過しております。現在のように,異常なスピードによる社会環境の変化や瀬戸大橋架橋,新空港開港後の対応策を考え合わせるとき,これに対応し切れないものや,新たに施策に加える必要のあるものが当然出てくると思うのであります。県の総合計画を見ても計画期間は5年となっているのであります。本市の基本計画も10年の折り返し点を迎えたことでもあり,改定の必要に迫られているのではないかと思うが,基本計画改定の意思がありやなしや,どのようにお考えかお聞かせいただきたいと思います。 以上で総論の質問を終わりまして,次に具体的項目についてお尋ねをいたします。 まず初めに,自然の保全について,特に操山一帯を例に挙げながら,緑地の保全についてお伺いをいたします。 昨年は国際森林年という意義にちなんで,世界的規模の緑を中心とした自然環境の保全と創造のための運動が展開されたのであります。私どもも昨年の春,グリーン会議を発足させて以来,緑地の保全こそ人間と自然の共存につながり,ひいては文化や平和に寄与する重要な存在であることを訴えながら,市民みずからが緑を守り,創造していくことを強く提唱してきたところであります。 昨年の秋,私は日中友好親善視察団の一員として中国の5都市を訪問いたしましたが,見聞した多くの体験の中で特に印象に残ったものは,中国にあっては水というものが極めて貴重な資源であり,水不足が国民の日常生活に深刻な影を落とし,文化の発展を阻害しているという実態を知ったことであります。その最たる原因は水を蓄える役目を果たす緑の絶対量の不足であり,緑地の再生が中国の一つの国策として改めて見直されていたのであります。エチオピアを初めとするアフリカ飢餓の最大の遠因もやはり干ばつによる緑の喪失であり,こうした現実を考えるとき,国際森林年の意義は一過性に終わらせるのでなく,むしろ保全のためのスタートとしてとらえ,官・民が一体となって緑地の保全に向けて英知を結集していくべきであり,ソフト面の柱としてとらえるべきであろうと思うのであります。 私はこうした観点から,吉備の文化と歴史の証人であり,岡山市の一つのシンボルである操山公園とその一帯の緑と自然について目を向けてみたいのであります。21世紀を展望した岡山市の都市景観を考えるとき,雄大な操山の存在を無視して語ることはできませんが,今やその周辺も開発の波に浸食され,おびえているという事実,今こそ何らかの手厚い保護の手が待たれているのであります。 ちなみに,いわゆる操山の総面積は約300ヘクタール,そのうち私有林が相当面積に上り,これらの自然環境の保全を今後どのように図っていくか課題となるのであります。現在市の買収済みのものが海吉,円山地区を中心に26ヘクタールでありますが,10年前より財政事情悪化のため事業中止のやむなきに至っているのが現状であります。 私は操山の貴重な民有林や緑を守るために,緑地保全を目的とした岡山市一帯を取り巻く緑を守るためにグリーントラスト制度の導入を提唱いたします。この制度は岡山市が地主と緑地保全契約を結び,開発を凍結するかわりに,土地の維持管理費固定資産税を肩がわりするものであり,事業主体は行政と民間出資による財団法人として,法人は維持管理に要する人材の派遣等を行うものであります。この制度の最大のねらいは,貴重な市民の財産である森林や竹やぶ,里山などの自然を市民の協力を得て保全することであり,乱開発を阻止し,緑の確保のためには極めて有効な手段であると思うのであります。環境保全のために同制度の発足に向けて研究し,該当する地域の選定作業を進めてはどうかと考えますが,市長の御見解をお伺いいたします。 次に第7章第7節,青少年の健全育成について,なかんずく青年にとって魅力ある都市づくりについて提言し,質問いたします。 来るべき高齢化社会の到来に備えて,本実施計画においても総合福祉センターの建設構想を初め,新規及び重点施策として多くの見るべき事業が盛り込まれており,意欲を評価いたしますが,同時に次代を担う,いわゆる青年層へのアプローチを試みる行政の取り組みが希薄ではないかと思うのであります。岡山市の青年人口は約13万人と言われておりますが,高齢化社会を底辺から支える主力がこれら若年層であることを思うとき,今行政にとって求められるものは青年の若々しい英知であり,柔軟な文化的発想であります。彼らに対し参加の場,活動の場が不十分であることは行政にとっても貴重な財産を失うことになります。最も声高に政治に物申す資格を有する青年が政治から疎外される状況が続いてよいはずはないのであります。松本市政がこの3年間,これら13万の青年層に対して何をなし得たかの問いかけに対して,市長はどのような回答を用意されるのか。4年目の総仕上げのこの1年間で青年に強力にアピールするもの,地域興しに見覚めさせるような施策をぜひとも具体的に明らかにしていただきたいと思います。 なおこの際,一つ提言をさせていただきたい。厳しい昨今の企業の生き残り戦争の中にあって,先取性に富んだ企業の中には新進気鋭の若手社員の中から定年を35歳とした臨時重役を任命し,重役会議の中でユニークな企業戦略が生まれるなど,社の業績のために威力を発揮していると伺うのであります。岡山市の局長クラスの重役はそれぞれ個性のある逸材の方ばかりでありますが,とかくトップの座というものは我が身の保身が先行して発想が保守的になるという悪しき弊害があります。文化という言葉の語源,すなわちカルチャーとは,みずから耕すことであり,創造であると言われております。2001年を展望した町づくりの基本は文化行政の推進であります。それには青年の斬新な知恵をかりることが必要です。この際企業的手法を導入して,岡山市全職員の中から選抜された市長直属の岡山市若手重役会の設置を提唱したい。年代は20代で構成し,任期は2年間,人の行く裏に道あり花の山という格言があるが,必ずや新鮮で個性にあふれた都市づくりのための実りある意見が行政に反映できると確信いたしますが,市長の見解をお伺いしておきます。 次に,文化財保護のうち300万円の基礎調査費が計上されている岡山城跡の整備並びに岡山城の歴史について質問いたします。 御承知のように,岡山城は備前藩を創設した宇喜多直家,それを継承した小早川秀秋,さらに幕末まで続いた池田藩と,非常に格式の高い由緒ある名城として,それは岡山市民の誇りであり,心のよりどころとして親しまれてきているのであります。私ども公明党の控室には明治34年撮影の貴重な岡山城の写真を飾っておりますが,実にどっしりとした風格を備えたお城であり,後世に誤りなく引き継いでいかねばならない,かけがえのない遺産であろうと思います。特に岡山城跡は,名城の誉れ高い安土城にも似て,本丸,二ノ丸等の城郭遺構が極めて良好に往時をしのばせており,根本的な整備が待たれているのであります。 ところで,現在の岡山城を取り巻く所管は,御承知のように文化課,観光,公園の3局にまたがり,一般市民や観光客の苦情の応対や要望にもいたずらに時間を浪費してひんしゅくを買い,縦割り行政のひずみの典型を見る思いがするのであります。そこで国の史跡指定を契機にして,市民にサービスの行き届くよう思い切ってメスを振るい,城郭所管の一元化を図るべき時期に至ったと思いますが,意見調整をどのように進めようとお考えなのか,まずお尋ねをいたします。 また,今回の文化庁の史跡指定に伴い,厳密な基礎調査の後整備計画が立てられることと思うが,特に不評を買っている城内の排水の問題,堀の浚渫,あるいは本丸食堂のあるかつての表書院一帯の整備,石垣の補修等は緊急の課題であります。予備調査,整備計画,国の補助決定と段階的に順序を踏んでいくものと思いますが,整備の完成にはどのくらいの日程を予定しているのか。それは瀬戸大橋完成時に間に合うのか明らかにしていただきたいと存じます。 なお,文化庁からの史跡指定の正式な告示はいつごろと考えておられるのか,あわせてお聞かせいただきたいと思います。 ここで岡山城の国史跡指定という記念すべき年に当たり,岡山城の歴史について明確にするためにお尋ねをしておきたいと思います。 岡山城は従来からの定説によれば,天正元年,1573年,当時上道郡の沼城主であった宇喜多直家が石山城の金光宗高を自害させて石山の城を乗っ取り,石山城に移ったのが岡山開府の始まりであり,そこから城下町の経営に着手したと言われております。石山に移って9年後の天正9年宇喜多直家は病死し,さらにその10年後の天正19年宇喜多直家の次男の秀家が豊臣秀吉の指導によりまして本丸を石山──現在のNHK,RSKあるいは市民会館あたりのですね,この石山から現在の岡山城のところに移して大規模な城郭の改造を行いまして,慶長2年に8年の歳月をかけて岡山城天守閣を完成したと伝えられております。つまり通説によれば,岡山の開府は宇喜多直家,岡山城の初代城主も直家ということになっているのであります。しかしながら,著名な歴史家や郷土史の研究家の間では根強い諸説がありまして,岡山開府は石山の城に立てこもっていた備前金光宗高であると主張する学説,一方,初代岡山城主は天守閣をつくった秀家説をとって譲らない人など,意見が大きく分かれているのであります。 これでは初代城主,つまり初代岡山市長が,せんだってのフィリピン大統領のように二人もいることになりまして,まことに都合が悪いのであります。今後の観光ガイドにも支障を来しますので,文化庁指定のこの機に史実に基づいて責任ある公式発表をお聞きしたいと思いますが,質問をまとめますと,岡山の開府はだれが行ったのか,初代岡山城主はだれであったのか,この点について公式見解をまとめていただきたいと思います。 次に,市有財産の有効利用について,なかんずく庁舎の会議室並びに駐車場の休日無料開放についてただそうと思ったのでありますが,通告の後担当課の人が参りまして,庁舎の安全管理上困難であるということを回答してまいりましたので,質問してもむだでありますのでやめますけれども,要は使用させまいとすれば理由は幾らでも立つのでございます。今後積極的に庁舎の休日開放を図るよう,前向きに検討していくよう特に要望いたしておきます。 次に,市民の安全を守る町づくりの中から自然災害の防止について,事業計画のうち倉安川沿線の浸水対策について簡単にお尋ねをいたします。 例年6月の梅雨シーズンを迎えますと,年中行事のように浸水禍に見舞われる倉安沿線住民は,平井排水ポンプ場の恩恵をほとんど受けることなく今日に至っているのであります。この解決策といたしましては,県管理河川の倉安川の浚渫と護岸,百間川の排水ポンプ場の建設,これで80%解消,あとの20%は倉安水系から南に延びる市管理の縦川の整備によって解消されるのであります。このことについて地元倉安沿線住民は昨年の暮れ全関係住民の署名を添えて国及び県に陳情いたしたところでありますが,県の応対は遅々としてはかどらず,百間川ポンプ場の建設についてもいまだ明確な回答を受けていないのが実情であります。市としても国,県に対してもっと強力な働きかけを行ってもらいたいし,これが住民の切なる願いでもあります。特に百間川ポンプ場の設置については見通しはどのようになっているのか,関係局長の御答弁をお願いいたします。 最後に,岡大附属中学校への入学問題についてお伺いをいたします。 初めに,懸案でありました操南中学校分離問題もようやく解決いたし,この4月,新富山中学校の開校が決定したわけでございます。新校舎についても現在非常に恵まれた環境の敷地において,基礎工事もほぼ終了いたしまして,若干のおくれは見られるものの,本体工事の着工も間近と見られております。9月の移転に向けて地元の父兄はもとより児童は大きな期待を寄せているのであります。紆余曲折の中,今日までにこぎつけていただきました市長並びに教育長の御労苦に対し,感謝を申し上げたいと思います。 さて,新設の富山中学校は現在の富山小学校区が即中学校区ということで,まれに見る理想的な学区が形成されるわけで,学区編成については非常にすっきりと整備されたのであります。 ところで現在,学区内で一つの問題提示がなされております。それは富山学区より岡大附属中学へ進学する生徒が異常に多いということであります。ちなみに,附属中1年生では221名中富山小学校区出身者が28名,2年生では216名中31名,3年生は216名中34名,附属中全校生徒653名中富山小出身生徒が実に93名にも及んでおるわけでございまして,全体の約16%を占めているという事実でございます。この数字は附属中生徒のうち,6名中1名がですね,富山学区の居住者ということになるのであります。毎年ほぼ1クラス分弱に相当する優秀な水準の生徒が引き抜かれていくということは,新設中学校にとっては非常に重大なダメージでありまして,将来学校の教育レベルを左右しかねない問題としてこの対応が急務となっているのであります。 まず教育長は,さきに挙げました同一小学校区からの附中に進む異常に高い数字について,学校全体に及ぼす教育の影響をどのようにお考えであるかお伺いいたします。 次に,附属中学校は各学区からほぼ均等に生徒を入学させるのが原則と伺っておりますけれども,何ゆえにこのような変則的な数字が富山に集中したのか,その原因と思われるもの,また今後の是正方について,附属に対して何らかの申し入れを行っていただきたいと思いますが,教育長の御見解をお伺いいたします。 以上で第1回目の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)   〔市長松本一君登壇〕 ◎市長(松本一君) 日南議員の御質疑に対しましてお答えをいたします。 まず,若い職員による市長直属の何か諮問機関のようなものをつくってはどうかと,能力を大いに活用していったらどうかということでございますが,若い職員の発想の活用とか,あるいはまた問題に対処していくことによって,それぞれの能力の向上につながってまいりますし,限られた行政分野にとどまらずに,幅広い視野に立った判断を身につけさせるといった観点から,市の行政に新たに発生した問題とか,あるいはまた基本的な立場から検討を要する問題等につきましては,これまでもさまざまな形で若い職員による研究プロジェクト,またワーキンググループ等を設けまして,討議,研究を十分していただきまして,そしてまとめられた結果につきましてはこれを適宜市政の執行に反映させてきておるわけでございます。こうした新しい発想,また活力によって効率的に引き出しを行い,市政への職員参加を推進していくためにもさらによりよい方策をとっていきたいと,このように考えておりまして,御提言をいただきましたことを十分参考にさせていただきたいと存じます。 次は,基本計画の改定についてでございますが,基本計画につきましては,第4次全国総合開発計画,第3次岡山県総合福祉計画など上位の計画の改定が相次いで行われていることや,市の基本計画の目標の年次が昭和65年になっていることなどから,本市でもこれらを踏まえまして,昭和60年度から2カ年で岡山市長期展望基礎調査を行っておるところでございます。この調査結果を踏まえまして,基本計画の改定等を検討してまいりたいと考えます。 次は,都市の個性を決める要素に周辺部の緑というのがあるということでございまして,この緑を保全するために各都市とも工夫をこらしておるわけでございます。岡山市でもすぐれた緑によります操山は一部先行取得をいたしまして保全に効果を上げておるわけでございますが,保全すべき緑地は広域また多様にわたりますので,行政の力だけではやっていけないわけでございまして,民間の緑の保護意識と協力が不可欠だと思うわけでございます。御提言をいただきましたグリーントラスト制度につきましては,民間人の力によって行われる貴重な緑の保全の方法として市民に大きな示唆を与えるものであると思います。今後貴重な緑の保護,保全に関しましては,御提言を踏まえまして,財団法人岡山市公園協会内の緑化基金を市民の御協力をいただいて充実していただければ,その活用によってですね,緑の保全についても大いに努力してまいりたいと考えておる次第でございます。 その他につきましては関係者からお答えをいたします。 ◎建設局長(神原俊彦君) 倉安川沿線の浸水対策についてでございます。先日,新谷議員の御質問の中で倉安川の改修計画等について答弁いたしましたように,河川管理者である県の方でも鋭意努力されているところでございますが,海吉のポンプ場の設置につきましては,百間川の増水に伴う富山地区の浸水を防止するため,地元から排水ポンプ設置の強い要望もあり,市といたしましてもポンプの設置を建設省に要望しているところでございますが,今後とも国,県に強く要望してまいりたいと,このように考えておりますので,よろしくお願い申し上げます。 ◎企画室長(井堀晃郎君) 第3次の実施計画の関係でございますが,実施計画の体系について3回も改定をすると実際にそぐわなくなっておるのではないかと,こういう御指摘でございます。お答え申し上げます。 我が国をめぐる内外の社会経済環境は大きく変化をしておりまして,安定成長が定着をした中で高齢化,高度情報化,あるいは高度技術化,国際化,あるいは価値観の多様化,個性化など,新潮流は岡山市にとりましても避けられない環境の変化と言えるわけでございます。御指摘のように体系が複雑化しておりますが,これらに適切に対応いたすために,実施計画の改定に当たりましては,これらの潮流を計画の課題としてとらえまして,高度情報化への対応,さらに民間活力の活用などの項目を新たに起こしまして,できる限り柔軟に対応してまいることといたしておるわけでございます。御理解をちょうだいしたいと思います。 ◎教育長(奥山桂君) 第1のお尋ねは,青年が地域興しに目覚めるような施策についてのお尋ねでございます。御指摘のように,いつの時代におきましても,次の時代を担う青年の育成は大変重要なことでございます。私どもは常日ごろ学校教育や社会教育を通して,社会の担い手としての自覚と意欲を持った青年の育成を目指しているところであります。特に社会教育におきましては,青年ふるさと教室や青年教室を開設いたしまして,青年たちが集団で地域に伝わる伝統行事や芸能,工芸等について学習し,それを正しく継承,発展させる活動や,町づくり運動に取り組むことにより郷土を理解し,愛する心を養い,新しい地域社会づくりの担い手としての自覚を高めるように努めておるところでございます。 次は,岡山城跡の整備と岡山城の歴史についてのお尋ねでございます。岡山城跡は御承知のように昭和59年3月に国の文化財保護審議会から史跡指定の答申が出されておりまして,近々指定の告示がなされると,私どもの予測では今月いっぱいでございますけれども,聞き及んでおるわけでございます。史跡指定後は文化庁の指導と支援のもとに史跡整備に取り組みたいと思っております。このため指定後速やかに整備計画策定のための事前調査事業が文化庁の補助事業として実施できますように,国及び県に強く働きかけていきたいと思っておるところでございますので,御理解をいただきたいと思います。 次は,史跡指定後の岡山城跡の管理運営についてのお尋ねでございますが,現在岡山城跡につきましては市の関係部局が御指摘のようにおのおの自主的に対応しておるわけでありますが,指定後は文化財保護法を中心として一体的に対処できますよう関係部局との調整を図ってまいりたいと考えているところでございます。 次は,岡山城の開府についてのお尋ねでございますが,御承知のように先年開府400年展が実施されたわけでございますが,御指摘にもありましたが,1573年,天正元年に岡山城に入城し,現在の城郭の礎をなしました宇喜多直家初代城主というふうに見るのが通説でございます。 次は,附属中学校の入学の問題についてのお尋ねでございます。多数優秀な生徒が抜けることについて,まず教育長はどう考えるかということでございますが,御承知のように附属中学校というのは研究と同時に教育実習の場であるわけでありまして,教育実習といいますと,まだ先生としての,教師としての十分な力がついてない教生が実習をやるわけでありまして,そのために一定以上のレベルの子供をということは考えておるようであります。そこから上は全部公開抽選というようなことでやっておると聞いております。そういうことでございますので,特別に優秀な生徒ばかりがということにはなっていないと私は思いますが,いずれにしましても,学校の中でこういう生徒がおるためになかなか難しいという場合もありますし,こういう生徒がおるために非常にうまくいくというようなこともそれはあるわけでありますから,影響はあると思いますけれども,そういうことにつきましては附属中学校の方でもだんだんと検討を加えておられるというふうに聞いておるわけでございます。どの学校へ子供を進ませるかと,国立の学校であれ,私立の学校であれ,公立の学校であれ,それは本人と保護者の意思によって決められるものでございます。富山学区が非常に附属に近いというようなこともあって,多数の希望者が出ておるというふうに思うわけでございますが,それについて行政としてああしろこうしろということは申しかねると思いますけれども,こういう意向をお持ちであるということについては附属中学校へもお伝えをしたいというふうに思います。御理解をいただきたいと思います。(「教育長さん,答弁漏れがある。岡山の初代城主は直家か,岡山の開府はだれなのか」と呼ぶ者あり) それはですね,宇喜多直家と見るのが通説であるということでありますので,我々はそういうふうに考えております。   〔16番日南香君登壇〕 ◆16番(日南香君) まず,新総合計画のうち,基本計画につきましては見直しの方向であるという先ほどの市長の御答弁をいただいたわけでございますが,さてそれではこの基本計画の改定の骨子ですね,改定の骨子はどこに力点を置かれるのか。また,見直しの時期についてですね,これはいつごろをめどにしているのか,再度お尋ねをいたしておきたいと思います。 それから次に,最後に御答弁をいただきました教育長さんにですね,岡山城の歴史についてもう少し突っ込んで質問をしてみたいと思います。 教育長はこの岡山の開府は宇喜多直家,それから初代岡山城主宇喜多直家と,こういう従来からの通説を,見解をですね,発表されたわけでございますけれども,このうち岡山の開府が直家であるということはほぼ衆目の意見が一致しておるところでございます。問題はですね,この初代岡山城主がだれかということであります。私はまあ結論的に言いまして,初代城主宇喜多直家の次男である秀家であるというふうに断定をしたいわけでございます。で,その論拠をですね,あともうちょっとありますので,その論拠をこれから明らかにしてみたいと思います。 先ほども質問の中でも申し上げたんですけれども,1570年にこの沼のですね城主であった直家がですよ,岡山の石山城に立てこもっていた金光宗高をですね,沼城に呼び寄せて,まあ何かあらぬぬれぎぬを着せましてですね,そこで自害をさせて石山城をのっとったのがこの直家だと言われてますね。のっとったこの3年後の1573年に,つまりこの天正元年に上道の沼から直家は岡山の石山の城に引っ越しをしてきておると,いうのはこれは史実で明らかになっておる。したがって,先ほど教育長もおっしゃいました,昭和48年に岡山開府400年展を盛大に行いましたけれども,あの48年から400年をさかのぼると,どんぴしゃり天正元年。つまり直家が沼から岡山に引っ越してきた年です。したがってその年にですね,引っ越した年に直家が本格的に岡山の城下町の経営に着手したということで岡山の開府は一応直家であろうと,これはもう衆目が一致しますけれども,しかしながら開府イコール開城でないということはですね,48年に岡山城開府400年展を開いたことでも明らかである,いうことになるわけですね。で,この年から岡山城下町の経営に着手したのが天正元年。さらにそれから9年後にですね,天正9年に直家は,文献によりますと石山の城で,石山のお城で難病にかかって亡くなっております。現在の岡山城には直家は一歩も足を踏み込んでいない。ちなみに直家が死んだ翌年ですね,天正10年にあの有名な高松城の水攻めがございましたけれども,豊臣秀吉が姫路城から織田信長の命によって岡山に入りました。そのときに秀吉が宿泊したのは岡山城ではなくて石山の城であったということも文献に明らか。さらに直家が死んで10年後のですね,天正19年に次男の秀家が本丸を石山から現在──戦災でなくなりましたけれども,現在の岡山城に移したのが,実に直家が亡くなって10年後だと言われております。そして,秀吉の指導によりましてですね,8年がかりで,つまり慶長2年の1597年,宇喜多秀家──直家の次男である宇喜多秀家が岡山城天守閣を完成したと言われております。これは直家が亡くなって10年後。つまり岡山城が完成したのは直家の死後10年を経ておるわけですね。これから見ても初代城主が直家であるというふうに結びつけるのは極めて無理な論理がそこに展開されておるのではないかと思うわけでございます。もし言われるようなですね論法で初代城主が直家であるとするならば,その論法でいくとですね,今度は岡山の開府は直家ではないということになるわけです。つまり直家が沼城におったときに,既に岡山の石山城では備前金光宗高が既に岡山の城下町の経営に着手していたという形跡が随所に見られるわけであります。しかしながら本格的に着手をしたのは直家だから,世上一般においては岡山開府は直家と言われているわけですね。教育長いかがでしょうか。前言を翻すということは非常に勇気の要ることでしょうが(笑声),しかし史実に照らしてですね,間違いであれば,それを訂正することが真の勇気ではないかというふうに思いますので,それでも初代城主は直家であるというふうに言い切れるのか。先ほど私申し上げましたように,ことしは岡山城もいよいよ史跡の指定を受けるという非常に記念すべき年でありますので,観光ガイドさんも非常に困っておるということでございますので,ひとつきょうははっきりですね,通説でそういうふうに言われておるということでなしに,公式な見解をひとつ明らかにしていただきたいというふうに思います。 以上で終わります。   〔市長松本一君登壇〕 ◎市長(松本一君) 再質疑に対しましてお答えをいたします。 基本計画の改定の時期,また改定の骨子等についてお尋ねがございましたが,先ほど御答弁をいたしましたように,現計画は昭和65年が目標年次となっておりますので,遅くとも昭和65年には改定が必要だと考えております。現在調査を行っております岡山市長期展望基礎調査は,21世紀に向けての社会経済変化と本市への影響,広域交通体系の整備に伴う地域変化の方向などを踏まえて,岡山市の将来都市像とか将来像の達成のための戦略プロジェクトなどを検討をいたしておるわけでございます。計画改定の際にはこの調査結果が当然反映されるものと考えておりますので,よろしくお願いいたします。 ◎教育長(奥山桂君) 私も参考資料を一生懸命に今見たんですけれども,私の資料よりも詳しいわけでございまして,(笑声)ちょっと今ここで申し上げるのが申し上げかねるわけでありますが,観光事業に支障がないように,できるだけ早く結論を出して御報告を申し上げたいと思いますので,御理解をいただきたい。 ○副議長(渡辺慎一君) 次は順序に従いまして片岡君。   〔2番片岡五百樹君登壇,拍手〕 ◆2番(片岡五百樹君) 私は通告に従いまして,4点御質問をさせていただきたいと思います。 まず第1は,神戸協和会事件についてであります。 納税準備相互金融を掲げ,市内の理・美容店や飲食店の零細業者や老人,主婦など一般市民からも日掛け集金や出資証券によって多額のお金を集めていた神戸協和会の義国正雄会長が昨年末から行方不明になり,本年1月に家族から警察に届け出をされまして,1月27日不安を感じた会員らが多数事務所に詰めかけ,暴力団も押しかけまして不穏な状況になりました。翌日県警本部や西警察署は出資法違反,相互銀行法違反で事務所と会長宅を家宅捜索し,関係書類を多数押収し,事件に発展,表面化したわけであります。 被害金額約50億円,被害者約1万人と言われておりますこの事件は,被害者が市内中心部の市民で占められた巧妙な,法と監督官庁と社会の盲点を突いた特異な事件となりました。私の家にも1月27日の夕刻から電話が鳴り出し,訴えが続きました。主人の交通事故死亡補償金を全額出資していた,近に自立の事業を計画していたやさきで前途は真っ暗だ,土地を買うつもりで貯蓄していたがマル優制度の問題もあり銀行から引き出してちょっと入れておけばと入れかえたばかりだ,息子の進学費用にと3月に満期になると準備をしていた,娘の嫁入り資金にと,また銀行より便利で店をしているので毎日わずかでも集金に来てくれるので,また前知事時代には知事が推薦をし同業組合も推薦をしていた,事務所には中曽根総理大臣の色紙が飾られていた,地元有力地方新聞紙上の1月元旦号──本年ですが,義国会長の新年のあいさつが麗々しく掲載をされていたので安心をしていた,等々30年も違法と無許可の事業がいろんな道具立てで市民に信用されてきたのであります。 ところが,私は事件直後,県会議員らと県商工課長と大蔵省岡山財務事務所長の監督官庁の担当責任者と面会し,今日までの業者指導と今後の被害者救済対策などについて申し入れをして話し合ってきました。しかし,県商工課長は,相互銀行法違反であり,指導監督の責任は大蔵省だと言い張って責任を認めておりません。大蔵省財務事務所長は,出資法や貸金業法によって県知事に指導監督権を委任をしており,法改正後も貸金業者であり,県が指導していくと既に打ち合わせをしておったと,お互いにその責任を回避する回答に終始する始末であります。 そこで質問いたしますその1は,高い利息を払うと言ってお金を集めたり,証券を発行することは,銀行などを除き投資ジャーナルや豊田商事事件でも明らかになったように,出資法第2条で禁止されております。本件の監督官庁と指導責任は一体どこか明らかにしていただきたいと思います。この種同業者が現在も営業しているだけに明確にしていただきたいと思います。 その2,私は本件の監督官庁は,昭和30年以降県知事に貸金業者として届け出をしておった業者であり,58年貸金業改正によって県が引き続いて指導監督すべき権限と責任を持っていながら,30年も長い間放置していたその責任は重大だと思いますが,私の考えは間違っておるでしょうか。 その3,法によって許可を得ていないものが利殖や証券の発行,先物投資勧誘など,利益誘導する悪徳商法は最近ますます横行し,例の投資ジャーナル──金持ちにこれで被害がたくさん出ました。次いで豊田商事のファミリー純金証券商法で老人や退職者がねらわれて,県内でも大被害が発生をしております。そして今回の零細業者や低所得者をねらった神戸協和会事件です。こうした事件を防止する方法についての当局の御所見と被害者救済についてお聞かせをいただきたいと思います。 第2の質問は,児島湾周辺地区国営かんがい排水事業と湛井十二箇郷用水組合についてであります。 私は昭和59年12月議会で興除,藤田,浦安の干拓地の用水水利権問題と用水路の整備について質問をいたしました。全国一の農家戸数を持つ本市が,農業都市として豊富で水質のよい水をかんがい用水として確保したいという切実な農民の願望を実現することは,農業振興の最重要課題だと思うのであります。そこで今回は,興除,藤田地区の問題に絞って質問をさしていただきます。 興除地区の干拓は岡山藩主池田光政の功臣,津田永忠の計画によって始まりました。当時から用水源確保に幕府や藩の命令で倉敷代官大草太郎らを筆頭に農民が一体となって,血のにじむ先人の闘いと努力が重ねられてきたとうとい歴史があります。戦後も莫大な事業費を投入し,児島湾を締め切って淡水化による農業かんがい水利事業が実施をされましたが,今日の状態は水質の汚染が激しく,水稲や野菜の生育に支障を来しております。 さてそこで質問のその1は,現在計画をされております,そして61年度から事業に着手予定の児島湾周辺地区国営かんがい排水事業は国,県,市町村と農民負担の事業費が約500億円という莫大な費用の投入であります。その事業の成否を左右するとも言えるかんがい用水の水源が興除地区の場合,どこの用水を確保するのか,農家の皆さんは大変不安を感じております。水源と用水路改修計画について御明示ください。 その2,大正,昭和の初めの大干ばつから農業を守るため,かんがい用水を確保する目的で小坂部ダムが計画をされ,昭和30年事業が完成をいたしました。31年から興除,藤田地区は県当局の算定によってダム建設と湛井十二箇郷合同堰の賦課金が上流の総社市周辺の農家と比べ実に7倍の受益者負担金として徴収されながら,31年から35年,毎年のように水不足が続き,高梁川用水,すなわち小坂部ダムの水は一滴も来なかったため,賦課金負担拒否の闘争と水利権確定の裁判にまで発展した経過がございます。なぜ用水が確保されなかったのか,その理由をこの際御明示ください。同じ誤りを繰り返してはならないと思うからであります。 その3,興除,藤田地区のかんがい用水を確保するために,湛井十二箇郷用水組合への加入,水利権確保と高梁川左岸土地改良事業の促進についてであります。本市は昭和52年度からダムと合同堰の建設費を債務負担行為によって議会の議決を得て負担いたしておりますので,その額を明らかにするとともに,今日までの努力の経過と今後の方針,見通しについて御明示をいただきたいと思います。 第3は,児島湾大橋下の危険な県道拡幅整備についてであります。 児島湾大橋下の飽浦側県道は狭隘でカーブした道路のため,交通の難所で事故も多発をしております。また,トラックやバスなどが対向するときは民地に立ち入らなければ車をかわすことができませんし,バスの停留所も狭いため民地に立ち入っております。しかも小・中学生の通学路でもあり,常に危険が伴っておりますので,親としても大変心配をされております。 そこでかねてから,特に飽浦以東の町内から山側を削ってバイパスを新設してほしいという要望があり,県振興局も測量をしたと聞きますが,一部の地権者の同意が得られず不調となり今日に至っております。児島湾大橋が開通し,飽浦以西,玉野方面の道路は拡幅整備されてまいりました。しかし,宮浦,小串方面の県道はのど首が狭く,未整備のまま旧態依然として大橋が開通しても取り残されております。 さてそこで,現在の道路を拡幅する方法で改良整備をしてはと思います。私も地元関係者や振興局にも要望してまいりましたが,市当局として努力をしていただきたいと思います。御所見をお聞かせください。 第4の質問は,市建築物の評価と設計発注方式と町づくりについてであります。 本市は東瀬戸内の風格のある文化都市の創造を目指しております。ところで,文化都市としての風格と美観を形成する上で,市内の建築物が地域の景観と特性を生かした文化性のあるものとして建築されることは,今後の本市の町づくりを進めていく上で重要であると考えます。特に公共的建築物は市民の共有財産として市民や利用者に親しまれ,愛される施設として機能されるためにも,機能性はもちろんのこと,周囲の景観にマッチし,市民の美的感覚を刺激するものであってほしいと思います。 さて,その立場で,本市の最近建築をされた市立オリエント美術館,中央図書館,総合文化体育館,中央卸売市場,鹿田駐車場,小・中学校,公民館,市営住宅,コミュニティーハウス,母子寮など数多い建築物に市民が接し,どんな感覚を受けておるでしょうか。 有効性や機能性とともに建築物の持つ文化性について,私の独断と偏見で私の主観的見解を申し上げますと,例えば有名な建築家が設計した浦安の総合文化体育館は,付近の田園に異様な威圧感を与えております。あれは何なら,倉庫ではないし,と私の友人が言いました。スポーツ文化施設としては圧迫感と暗さがあり,機能的にも問題があると思います。 また,学校校舎も鉄筋コンクリート化が進んでおります。一面では豪華な設備もされておると聞いておりますが,子供の情操教育や教育上の効果的機能性を子供の立場からの再検討が必要ではないかと思います。鉄筋コンクリートによるかたさや画一的なものを,もっと日本人の感覚に合う木材のやわらかさや屋根をふき,植樹も子供たちが立ち入りができたり,親しめる庭にするなど検討を要すると思います。 さて,そこで質問のその1は,これまでの市有建築物の評価について,例えば私が主観を申し上げました総合文化体育館や学校校舎についての総合点数をお聞かせください。建築家としての谷参与が市有建築物で特にすぐれておられると評価されているものがあれば,お聞かせをいただきたいと思います。 その2,建築設計の発注方式について,本市が行っている方式と,なぜその方式をとっておるか,その理由を御明示ください。 その3,コンペ発注方式について採用する考えはないかお聞かせください。コンペ発注とは,たくさんの人たちに基本設計を出してもらい,その中からよい物を選ぶという競争設計ともいうべき方式です。古くは国会議事堂,最近では国立劇場や最高裁判所などは国がコンペで行ったものです。地方自治体でも最近は各地で一部採用されております。市内にも多くの優秀な建築家がたくさんおられると思います。埋もれた人材を発掘をし,意欲を持った町づくりの上でも建築水準の向上を図るためにも貢献できるのではないかと思います。 その4,芸術音楽ホールの設計はどの方法か,既にちまたでは契約はされておるというふうにうわさが飛んでおりますが,狭い敷地だけによほど慎重にしないと,莫大な市費投入が生きてこないと思うのであります。このホールの契約がされておるのかどうか。またはどういう方法でされたのか明らかにしていただきたいと思います。 以上で私の第1回目の質問を終わります。(拍手)   〔市長松本一君登壇〕 ◎市長(松本一君) 片岡議員の御質疑に対しましてお答えをいたします。 市有建築物の町づくりに対する役割についてでございますが,戦後の高度経済成長期に機能優先の町づくりが進められた我が国では,都市の姿は画一化しておりまして,個性を失った魅力に乏しいものになりがちでございました。本市もその例外ではなかったと考えます。経済の低成長期に入り,人々は物の豊かさだけでなくて,心の豊かさに注目し始めてまいりました。そこで岡山市でも都市機能の整備のみでなく,御指摘のとおり瀬戸内海の豊かな自然と吉備文化を初めとする文化的伝統を生かした個性豊かな魅力ある町づくりの創造を目指しているところでございます。建築物もその町づくりの上に主要な役割を持っていると考えております。 そこで,市では建築物のデザイン,道路からのセットバックによる空間への植栽など都市景観を配慮した町づくりに努力しております。多くの市民の皆様方の御理解と御協力を賜っておりますが,これに対しまして岡山市は全国に先駆け昭和47年に優秀建築物の表彰制度を設けまして,毎年市内に建設されています建築物の中から,美しい景観づくりに貢献しているものを表彰するなどいたしておりまして,個性豊かな魅力ある町づくりを推進しておるところでございます。 また,市有建築物の建築につきましても,魅力ある町づくりの先導的役割を果たすべく留意をいたしまして設計に当たっていますが,今後一層努力してまいりたいと考えますので,御理解いただきたいと思います。 その他につきましては関係者からお答えをいたします。 ◎民生局長(三宅襄君) 神戸協和会事件についてでございます。 この神戸協和会事件につきましては,私から御答弁を申し上げるのもいかがかと思うわけでございますけれども,消費者行政の一環としての一般的な啓蒙啓発が民生行政でございますので,一括をして御答弁をさしていただきたいというふうに考えております。 まず,第1点の本件の監督官庁と指導責任は一体どこかと。それから,県の責任は重大であるが。この2点でございます。この事件につきましては,昭和58年11月に施行されました貸金業の規制等に関する法律に該当する貸金業者か,また相互銀行法に規定された業務を営む者であるか,種々の論議があると聞いております。現在相互銀行法違反の疑いということで警察において捜査中であるということも聞いておるところでございまして,どこが監督官庁であり指導責任がある,またその責任はということにつきましては,市といたしましてその立場にございませんので,言及することを差し控えさしていただきたいというふうに思いますので,よろしくお願いいたします。 次に,トラブルの防止と救済についての御質問でございます。 従来からの悪質な訪問販売のトラブルに加えまして,最近は神戸協和会事件等に見られるように有利な資産選択への関心が高まる中でトラブルが多く発生をいたしております。串田議員にもお答えをいたしましたとおり,消費生活行政としての事前の啓蒙啓発は一般的な指導にとどまりまして,具体的なケースの取り組みについては限界があり,対応は困難でございます。現在,一般消費者の啓発といたしまして,消費者大学,消費生活モニターの研修会,くらしの市民号による地域指導,消費生活展などの催し場での啓発パンフレットの配布などを実施をいたしております。今後とも未然防止のための一般的啓蒙啓発については十分に努めてまいりたいというふうに考えております。 次に,被害者救済についてでございますけれども,被害者救済についての市の対応は困難でございますけれども,既存の制度,例えば低所得者の方々は小口資金貸付制度などを御利用いただきたいというふうに考えております。 以上でございます。 ◎経済局長(藤昭博君) 児島湾周辺国営かんがい排水事業についての御質問に御答弁申し上げます。 まず第1点でございますが,どこの水を確保するのかと。それから,その水源と用水路の改修計画はどうかという御質問でございました。 興除地区の用水は現在主として上郷である東六間川及び十二箇郷用水の余水を取水して利用いたしておりますが,国営かんがい排水事業計画におきましても従来どおり上郷の余水を利用することを基本といたしております。これらの余水を有効に利用するために,関戸揚水機場を設置するほか,幹線水路である興除用水路の改修,整備等を図ることとなっておるところでございます。 それから,小坂部ダムの水がなぜ確保できなかったのかについての一連の御質問でございますが,興除地区における用水の確保問題につきましては,昭和14年の大干ばつを契機に昭和23年に着手されました国営小坂部川ダムに続きまして,昭和32年には国営附帯県営事業といたしまして高梁川合同井堰が着手されたわけでございます。そのために地元負担金が重複いたしまして,昭和34年ごろから御指摘のような問題が起こったわけでございます。このため余水地区に向けまして国,県等の指導で湛井十二箇郷用水組合への加入などをお勧めいたしましたが,同意に至らなかったという経過もございます。その後昭和52年から56年にかけまして本市と高梁川用水改良区との間で協議いたしました。負担金等の問題は解決いたしまして,用水運営は正常化されておるところでございます。 負担金の支払いは,昭和52年からの総額5,500万円余の債務負担行為を議決いただいておりまして,昭和61年度170万円余の支払いが最終償還年次となるわけでございます。今後とも国営かんがい排水事業等の推進によりまして水の有効利用を図るとともに,用排水運営につきましては,上郷の関係水利組合等とも協議を重ね一層努力してまいりたいと考えておりますので,何分の御理解と御協力をちょうだいいたしたいと存じます。 ◎建設局長(神原俊彦君) 児島湾大橋の下の危険な県道の拡幅整備についてという御質問にお答え申し上げます。 児島湾大橋下の県道部分は御指摘のとおりカーブしている上幅員が狭いため,道路交通上危険な箇所となっております。道路管理者である県の方ではこの解消策といたしまして南側へバイパスを考えておりましたが,現在までのところ一部地権者の合意が得られず,事態は進展しておりません。また,現道拡幅につきましては家屋が密集しており困難な状態でございますが,県といたしましては地元の協力が得られるならば部分的にでも改良してまいりたいという考えを持っております。したがいまして,いずれにいたしましても地元の地権者の方々の御協力が得られるということであれば,市といたしましても交通安全を図るため,県道飽浦・小串港線の道路整備を県に対して強く要望してまいりたいと,このように考えております。 次に,芸術音楽ホールの設計はどのような方法で行われているのかと,こういう御質問でございます。 芸術音楽ホールの設計の方法につきましては,施設建築物が音楽ホールだけでなく商業,業務施設を収容する複合ビルでございます。設計作業と並行して従前の権利者との権利変換の調整を行う必要があるため,コンペに必要な設計条件を事前に確定することは困難でございます。したがいまして,コンペ方式は再開発事業にはなじまないと考えられております。再開発準備組合といたしましては,昨年6月に策定いたしました芸術音楽ホール基本構想策定委員会の座長であり日本建築学会の会長,また日本建築家協会の会長でもあります芦原義信氏が代表の芦原建築設計研究所と,昭和52年の表町再開発研究会発足から現在まで表町1丁目地区の再開発について事業計画作成,地元権利者の権利調整等を実施してきたRIA建築総合研究所の共同企業体に基本設計を発注しております。いずれにいたしましても,市費を投入するためには,総合文化都市岡山にふさわしい施設といたしまして,後世に悔いの残らない立派なものにしたいと考えておりますので,よろしくお願い申し上げます。 以上でございます。
    ◎参与(谷義仁君) 市有建築物について市長の答弁を補足さしていただきます。 まず,市有建築物の評価でございますが,市有建築物の市民生活の文化の向上,また町の景観に及ぼす影響等につきましては御指摘のとおりでございますし,また市長がお答えしたとおりでございます。私ども建築担当者といたしましてはその建築の設計に当たりましてその趣旨に沿った建築物となるように努力しておりまして,最近ではその成果も次第に目に見えてきていると考えております。 そこで,市有建築物の評価でございますが,私も偏見と独断で御意見を述べさしていただきたいと思います。 まず,御指摘にございました総合文化体育館でございますが,これは設計者は浦安の土地柄と申しますか,いわゆる児島半島の山と,それから市街地,それから市の北部を結ぶああいう平坦地でございますので,橋をつくるんだと,そういうような基本的な発想があったようでございまして,その発想が外部から見ますとトラスを組んだ橋の架構,いわゆる躯体の構造が見えるようなことをやっておるかと思います。ただ色彩が,コンクリートの打ちっ放しでございます,御指摘のとおりでございまして,それと白い吹きつけタイルの色で単調な色彩をしておりますので,ちょっと倉庫的な感覚も出るのじゃないかなあという感じもいたしますが,これは周辺のいろんな植栽とか,いろいろ施設の整備が進んだ中で評価が変わってくるんじゃないかなあという感じが私はいたしております。 それから体育館の中でございますが,内部にもそういう大架構のトラスがありまして,その非常に力強い架構はスポーツの性格によく似ているんじゃないかなあという感じが私はいたしております。 それから学校の校舎でございますが,学校も,御存じのように岡山市の市街地80%ほど焼けまして,それの復興,それから新しい教育制度,新制中学校等ができまして,それに対応する校舎を建てておったころは,もう何でもいいから建てさえすりゃあいいんだというような形のもの──その当時はそれなりに努力しておったと思いますが,非常に,特定の学校の名前を挙げるのは差し控えますけれども,そのころ建った校舎を見ていただいたら,何でもいいから建てて教育に対応していくという形だったろうという感じがいたします。その後かなりだんだん進んできますが,標準設計,いわゆる学校は同じようなケースが多いわけでございますので,標準設計化が進んでおったと思いますけれども,最近ではやはり学校というのは,そこを卒業した生徒が自分の学校に誇りが持てるようなものにすべきだという考えも出てまいりますし,やはり文化性の問題等も要求が上がってきまして,そういうものをできるだけ取り入れていこうということで設計をいたしております。新しくできます富山中学校,山南中学校等はそういうものを組み込んだ設計にしておるつもりでございます。 それから,オリエント美術館でございますが,これは非常にすぐれた建築物だというふうに評価していいのじゃないかと思います。いわゆる浦安の文化体育館と同じ設計者でございますが,同じ設計者の中でも,同じ人がやった中でもこれは傑作だろうという感じがいたしております。 それから市立中央図書館,これも図書館の建築物としてはかなりすぐれた建築物ではないかというふうに思います。 それから,そのほか公民館関係,一宮公民館,岡西公民館,北公民館等,公民館の建物も比較的レベルが高い建物になっておるんじゃないかという感じがいたします。 それから小さい建物でございますが,コミュニティーハウス,これはかなり標準化された,その部屋の数とか大きさとかいうのが決まっておりますので,かなり標準化されておりますけれども,それぞれの地域のそういうコミュニティーの中心になる建物だということで設計者の方もかなり留意をしておるのではないかというふうに思います。 その他保育園,幼稚園などもいろいろ工夫をして設計をしておるだろうという感じがいたします。いずれにいたしましても,建築物はその敷地の中の建物だけでなしに,やはり周辺の環境の整備,周辺とのかかわり合いの中で位置づけられ評価されるべきだろうという感じがいたします。 例えばオリエント美術館の前の前面道路,いわゆる万成石で歩道をやっとるわけですが,それが周辺に影響いたしまして,もう城下から今度は県立の美術館あたりまで,両側もそういう形で整備が現在進められております。そういう形で一つの建物がだんだん周辺にいろんな影響を与えていくということは非常にいいことだというふうに思います。 それから,これはもう亡くなられましたけれども,村野藤吾という文化勲章を受章されました方が言っておられますが,設計は10年で完成するというふうに言っておられます。というのは,やはり10年たたないと本当の設計の価値はわからない。建ったらもうそれで終わりだと,後は野となれ山となれということじゃないんだと。10年たって本当の価値が出るというふうにもおっしゃっておられますが,いずれにいたしましても建築物の評価というのは,相当の日時が経過した後市民の方々が正しい評価を決定されると考えます。 それから,2番目の建築発注の方法でございますが,本市が行っております建築発注の方法でございますが,建築発注の方式につきましては,随意契約と入札方式,それから先ほどありましたがコンペ,いわゆる設計競技方式の大体3つがございます。で,本市では随意契約方式を採用しているわけでございますが,その理由といたしましては,先ほど私も建築家というふうに評価していただいた──光栄にもそういうふうに評価していただきましたので,建築家の立場で申し上げますと,基本的には議員御指摘のとおり建築には芸術性とか文化性が強く要求されるものであろうかと思います。したがいまして,設計者に対しても創造的な能力,技術力,識見等が要求されまして,設計者の選定に当たりましてはこれらの能力を勘案することが大きな要因になろうかと思います。このことは設計料の多寡で決定する入札制度とは基本的になじまないものだというふうに私どもは判断をいたしております。本市でも基本的にはその考え方で対応しておりまして,具体的には設計者の技術,経験,創造性,市有建築物の設計経歴,事務所の能力──これはまあ1級,2級建築士の数等を検討いたしまして,事務所を数ランクにランクづけをいたします。それに見合った物件を発注することにしております。 それから,発注物件に限界がございます。繰り返し出すいうことになりません。で,そういうことでございますので,1事務所1件,できるだけ公平に仕事を皆さんにしていただきたいということで,原則として1事務所1件ということにしております。これが入札になりますと,設計料のいかんによりましたら複数の事務所を指名をするようになります。例えば建設局でやっております委託業務の関係ですと,の規定の中では500万から1,000万以上になりますと5社以上の事務所を指名するようになります。そうなりますと1つの事務所が複数の物件を受注するということが考えられまして,これは後それに──特に委託料につきましては最低制限価額いうのがございませんので,非常に安い金額を入れてもそれを拒否することはできません。そうなりますとその設計監理上の質の確保にも問題があるということで随契方式が好ましいというふうに考えてやっておるわけでございます。ただし,この場合1社指定の随契でありますので,事務所の評価,事務所に見合う物件の選定等につきまして公平を失わないことが肝要だというふうに考えて,その点十分留意しておりますが,今後ともそういう点につきましては十分配慮すべきだと思います。 それからまた,地元の建築士会,建築士事務所協会等建築団体からも随意契約でやってほしいという陳情がたびたび来ております。 それから,3番目のコンペティション,いわゆるコンペの発注について採用するかどうか,採用できるかどうかということでございますが,このコンペの発注の方式も,大別いたしますと,一般コンペ方式,一般参加,これはだれでもある程度の資格を持っている者は参加できる。1級建築士の資格を持っているとか,岡山市内に居住しているとか,いろいろある程度の制限はありましょうけれども,制限をつけることはできますが,そういう一般参加の場合と指名コンペの場合がございます。で,片岡議員が御指摘の場合は,一般参加のコンペだという感じがいたします。この場合若手設計者並びに無名設計者の登竜門として,また埋もれた設計者のユニークな作品が出てくるというようなことは考えられます。非常にすぐれた制度だと思いますが,その反面,コンペでございますので,それに企画,運営する期間がかなり別に必要になってまいります。それから経費がふえてまいります。それから審査員,特に審査員の人選等の問題がございます。同じ建築家でも私どもが審査員になりますとだれも応募がなかったり,あれがなっとんならもうというような程度のことになる可能性もございます。 それで,市としましては現在のところ短期間で設計の完了が要求されている場合がほとんどでございますので,現在の状況の中で採用するというのはいろいろ問題があろうかと思いますが,国の場合でもございましたように,国立劇場とかですねえ,最高裁とか,国立国会図書館とか,第二国立劇場とか,非常に特別な建物についてこういうコンペ方式をとっておりますので,市といたしましてする場合もそういう,非常に象徴性を要求される建築物等,そういうものでかなり長期の設計準備期間がとれるもの,経費の点についても配慮が可能なものでございますとコンペを実施することによりましていい作品が,いわゆるユニークな作品が出てくることも考えられるのではないかと思いますので,今後の検討課題だという気がいたします。 以上でございます。   〔2番片岡五百樹君登壇〕 ◆2番(片岡五百樹君) 再質問さしていただきます。 まず,神戸協和会事件でございますが,局長の答弁では,いわば大蔵省か県かという問題については言及を差し控えるということなんですが,こういうふうに今局長も言われたようにね,結局はっきりしないと。言うことをよう言わないという事態があるからこういう問題が私は起きたと思うんです。ですから,一般的には出資法にきちっと規定があるわけですよ。出資法の第2条にこういうことはしてはならんということがはっきりあるわけです。監督官庁も決まっておるんですよ。委任を受けて県知事になっとるんですよ。それをなぜしないか。要するに行革で人手が足らなかったんかどうか知りませんが,全然やろうとしないと,意欲を持っていないというところにやっぱり問題が発生をして,50億も大変な市民に被害が出たということになっとるわけですから,行政いうのはそういうふうに手を抜くとね大変になるということをやっぱり自覚していただかないと困るという,それを象徴した事件だと思うんです。今の局長答弁もそういう点では余り無責任といえるようなね,要するにはっきりしないんです。どこだというのは言えると思うんですね。それをよう言わないいうのは,やっぱり問題があるというふうに私は思います。ですから,はっきりきちっとしていただきたいと。直すべきところは直していくというその姿勢をねやっぱり持っていただかないとひとつもよくならないし,市民にも幸せはないわけです。消費生活を担当する市としてもね,一般論ではやるけど具体的には何もせんというのと同じ答弁になっておるのと同じことなんですよ。ですから,やっぱりもう少し具体性を持ってやっていただかないと,一般論はやりますけど,具体的には何もしないということでは困るということだけ申し上げて,やっぱりもうちょっとね,今大変消費者問題,事件がいろいろ起きているんですよ。現に同じことをやっとる業者もおるんですから。その点を十分考えて担当するところでいろいろ研究を今後強めていただいて,事のないようにやっていただきたいということを申し上げておきます。 それから,児島湾土地周辺事業と湛井問題ですが,第1の質問に対してですね,上郷の余水を利用しておるし,今後もそういうことでやると。関戸の揚水場を設置するということなんです。やはり皆さんが心配されとんのは,その関戸に立派な揚水機ができてもですよ,あくまでも余水で水路がどっから水が来るかわからんということでは,またしても小坂部ダムと同じ二の舞をするということが心配になって皆さんがいろいろ注文つけとられるわけです。ですから私は,その点はもうちょっとはっきり上郷に対しても意見を言い,水利権が確定できるように,もう徳川時代から今日まで何百年もたっとんですから,もうそろそろ上郷との話は民主的に解決をする方向でぜひ県や市が努力をしていただかないと,いつまでたってもこの問題はですね,金だけは莫大な金を投入すると,実際水は来ないということがまたなると大変ですから,その点だけは特に申し上げておきます。 それから,児島湾大橋下の危険な県道拡幅です。私はまあ特に申し上げたいのは,地元の協力があればということなんですが,当然まあ地元で協力していただかないとできないんですが,市としてもねそれなりの努力をお願いしたいと。私ももう既に話はしとんですが,やっぱり個人的に一議員がやるよりはですよ,やっぱり市がそれなりの,市民の皆さんが大変ですね,地権者はともかくとして,それより東の人が大変困っておられる。それからまた,東だけでなくて市民が困っておられるわけですから,そういう点でやっぱり市がそれなりの対応をしないとねえ,結局県も大して,県として痛痒を感じないというようなことになっていますので,地元の協力というのは当然としても,市としても最大限努力をお願いしておきたいというように思います。 それから,建築物の評価,発注方式等につきましては,市長や谷参与からいろいろ御答弁ございました。市長も,それから谷参与の答弁も,私は基本的には非常にいい答弁であったというふうに思うんです。ですから,そういう立場で今後市の建築物について努力をお願いをしたいと思います。 ただ,総合文化体育館につきましては,若干谷参与が言われた評価と違いましてですね,中へ入ってみても非常に威圧感がありましてね,スポーツ施設としてはどうもスマートさも,それからそのスポーツを意欲的にやろうというようなね,そういう感じを与えないような建物になっておると。それから付近との景観もそういうことになっておるんで,有名な建築家の作品にしては余りよくないできばえの建物ではないかというふうに思うんです。そういうこともあると思うんですが,全体的には先ほど谷参与言われましたように,非常にまあ最近努力はされております。 特に私が,学校がですね,たくさんいろいろ建築されとんですが,これは教育長にぜひですね,何か最近の学校建築について,それなりにやっぱり使用する立場の子供や教育委員会としての評価があればね,御意見をいただければというふうに思うんです。特に学校については先生たちからもですね,非常にまあ豪華にはなっておるけど,子供の立場が余り尊重されてないような面もあるという意見もあるわけで,その点はどうなのか御意見をいただければというに思うんです。 それからコンペの問題ですが,そういう点で私はひとつ学校ぐらいはね,理想的な子供の立場や,また先生の立場を考えたコンペで設計をしてはどうかというふうに思うんですね。ですからその点を御検討をぜひお願いしたいというふうに思います。 それから芸術音楽ホールの設計については,基本設計は既に発注をされておられるようですし,恐らくその基本設計に基づいてその設計事務所が当たると思うんです。で,私はちょっと具体的に名前を聞いとったんですが,その建築設計事務所と若干違うようですけど,既に建築事務所の間では決まっておるというようなうわさが流れておるようであります。ですからぜひですね,先ほども申し上げましたように,非常に莫大な市費を投入する建築物ですから,先ほどの総合文化体育館のようなことにならないように,ぜひですね,この点については強くお願いをしておきたい。 特にあそこは狭いですしねえ,我が党はああいう狭いところへ無理やりに再開発やるんでなくて,もうちょっと,提案を総務委員会で私しましたけどね,駅の近くのあの例えばカバヤのあそこらあたりをよそへ行っていただいてですね,立派なのをあそこへ建てれば非常に本当に記念すべきものができるというふうに思うんです。しかし,それはもう決まってしまいましたんでしょうがないですけど,そういう立場で我が党は反対したんですが,ぜひよろしくこの点については注文をつけておきたいというように思います。 以上です。 ◎民生局長(三宅襄君) 神戸協和会事件につきまして重ねての御質問でございます。 確かに被害に遭われた方というのは非常にお気の毒だというふうには考えておるわけでございますけれども,先ほど御答弁申し上げましたように,この基本的な分野につきましては市の行政分野ではございません。それぞれの行政官庁がそれぞれの権限として行っておられますので,やはり言及を差し控えさしていただきたいというふうに考えております。 それから,さらに啓蒙啓発の問題でございます。この経済活動の自由という問題,これに対する介入という問題もございますので,具体的な啓蒙啓発ということはなかなか非常に難しい問題もございますし,限界もあると思いますけれども,なるべくその辺のことが,市民の方がそういう被害に遭われないいい啓蒙啓発の方法があれば,それも研究はしてまいりたいというふうに考えております。 ◎経済局長(藤昭博君) 水利権の問題は旧来からの慣行もございまして,非常に難しい問題でございます。さりとて用水の確保ができないというような状態になるとこれは大問題でございます。最初の答弁で申し上げましたとおり,今後とも関係水利組合とも十分協議を重ねまして努力をしてまいりたいと,このように考えておりますので,議員の皆様方にもひとつ御理解と御援助をちょうだいいたしたいと,よろしくお願いいたします。 ◎参与(谷義仁君) コンペの件でございますが,学校等をやったらどうかということで,これは新設校等ではそういうことができればいいのじゃないかと思いますが,先ほど申し上げましたように設計の期間とか経費の問題等がクリアできましたらやってみればいいんじゃないかと思いますが,これはまあ教育委員会の方のお考えをお聞きした方がいいんじゃないかなという感じがいたします。   〔2番片岡五百樹君登壇〕 ◆2番(片岡五百樹君) 民生局長も経済局長もやっぱり市民と直接かかわりのある事業局ですわね。ですからねえ,問題は具体的なんですよ。一般的じゃない。被害や市民にいろいろ問題が起きて,その神戸協和会事件にしても,それから水の問題にしてもですよ,結局市民が被害を受けて大変なんです。ですから,それを最大限やっぱりカバーしていくための行政なんですから,ですから,一般論で済まされたらかなわんのんですよ。ですから,やはり具体的に問題が起きたら,それの根をどういうふうに断つか,問題をどう解決するか,これをやっぱり徹底的に追及しなかったらね,行政いうのは何をしょんならいうことになるんですよ。そこをやっぱり考えて仕事をしていただかんとねえ,自分はその法の範囲内以上は何もしません,言われたことしかしませんというような姿勢ではねえ,これは市民の利益は守れんですよ。市民を守ることはできん。やっぱり行政はもうちょっと積極的に,それをやっていただくのがやっぱり全体の奉仕者としての市の職員であり,行政だと思うんです。だから,そこをやっぱりはっきりさしていかないと,特に最高幹部がそういう姿勢ではちょっとやっぱり困るんです。やっぱり具体的に問題が議会で提起され,議会の議員が言うのは具体的な問題で皆さん聞かれて,その市民の代表で言よんだからね,やっぱりそれをまともに受けて答弁していただかないと困るということだけ申し上げておきます。ですから, 今後はやっぱりその問題があったら真剣に取り組んで,その真剣に取り組んどるいうことが議員にも理解されるようにしていただかないとね,できるかできんか別としてですよ,そういう姿勢をやっぱり持って行政を担当していただかないと困るということだけ申し上げて,私の最後の,これはもう答弁していただきゃあいいし,しなきゃ(笑声)いいです。 ◎民生局長(三宅襄君) 確かに我々行政マンといたしまして,やはり法に基づく執行というのが非常に重要でございます。しかし,この市民の方が実際にこういう問題に遭遇しておりますので,これをほっておくということでなしに,やはり我々は我々なりにこの問題については調査もいたしております。しかし,今申されましたこの監督官庁とか指導責任を明らかにする立場には市はないということを申し上げておるわけでございまして,この問題について我々といたしましてもその県等に対しまして,今後我々は県等に対しましてそういうことについては話はさしていただいております。(「民生局長,わしも被害者の一人じゃから頼むぞ」と呼ぶ者あり,笑声) ○副議長(渡辺慎一君) 午後1時まで休憩いたします。    午後0時0分休憩    ~~~~~~~~~~~~~    午後1時6分開議 ○副議長(渡辺慎一君) それでは午前中に引き続いて会議を開きます。 次は順序に従いまして福原君。   〔19番福原弘子君登壇,拍手〕 ◆19番(福原弘子君) 午後のお疲れのひとときをしばらくお時間をおかりいたしまして,通告に従いまして2点質問さしていただきますので,どうかよろしくお願いいたします。 既に皆様が御承知のように,働く場での男女の不合理な格差をなくする目的でつくられました男女雇用機会均等法が昨年5月成立をし,ことし1月末には省令も公布されまして,いよいよ4月1日から施行されようとしております。この法律は提案されてからでも丸1年,婦人少年問題審議会で審議が開始されましてから8年間をかけて審議が尽くされて成立をした法律でございます。国連の女子差別撤廃条約の批准にやっと間に合うという形で,しかも全野党反対の中での成立という非常に難産の中で生まれた法律でございます。 雇用の入り口の募集,採用,配置などの差別除去については,禁止規定ではなく努力義務に終わってしまったこと。また,差別の救済規定に強制力がないこと等,私たち女性にとっては願っていた期待とは少し外れたまことに残念な法律でございます。しかし,辛うじて我が公明党国民会議の労働問題のオーソリティーでいらっしゃる中西珠子参議院議員が精力的に頑張ってくださいまして,5年後には必ず見直すという改正見直し規定を附則,また目的の条項に法のもとの平等を保障する日本国憲法の理念にのっとりという,この一文を加えるという修正をかち取ってくださったことで私たちは感謝をしております。この2つの項目がどれほど今後のこの均等法の実施に当たりまして私たち女性の願いに近づくものかと期待をして喜んでいるところであります。 いずれにいたしましても,この法案が提出されるや企業側から,日本の企業の実情を無視した代物と厳しい主張がなされたことを考えますと,この法律が成立したことの意義は大きく,またこのことによって社会は既に随分変わっていってると思うのであります。今施行を目前にして,我が岡山市当局はこうした均等法成立の趣旨をよく認識し,事業主としての立場で女性の地位向上,男女平等という我が国の重要課題達成に向かって誤りのない運用をされることはもちろん,広く市民に周知徹底を図り啓発していかなくてはならない地方自治体としての責務を果たしてもらいたいと願うものであります。 そこでお尋ねいたしますが,1つ,61年度から岡山市職員の採用を男女別枠でなく,同一の枠内で採用する制度を適用されましたが,その結果を過去に比較してお知らせいただきたいと思います。また,今後の予想とその波及効果についてどういう感想をお持ちですか,お聞かせいただきたいと思います。 2,均等法は募集,採用だけではなく,配置,昇進についても,その女子に対して男子と均等な機会を与えるよう努めなければならないと規定されておりますが,これまで事務職で女子に適する業務,男子に適する業務等々を定めて採用,配置してきた職員についてはどのようになさるのか。新しく採用してくる人との整合性等も含めて具体的措置についてお聞かせいただきたいと思います。 3,均等法の趣旨を徹底し,法の精神に基づいた適正な運用と現場での混乱を避けるため,この法の実施に当たって具体的にどのようなことを計画していらっしゃるのかお伺いしたいと思います。 次に,婦人問題についてお尋ねをいたします。端的に質問いたしますので,明快にお答えいただきたいと思います。 先日の我が党の代表質問で苦水議員が岡山市の婦人行動計画の策定について市長に質問いたしましたところ,市長は新総合計画の中に位置づけておりますと,このように答弁をされたのでありますが,私にはこの意味が全くわかりません。岡山市の婦人行動計画は既に策定されて,それがこの総合計画の中に記されているということなのでありましょうか。まず,この点について明確にしていただきたいと思います。 次に,確かに57ページに「婦人の地位と福祉の向上」の項があります。施策の体系も書いてあります。事業計画も一応載ってはおります。ところが,この57ページの施策の体系のうち,「婦人問題に対する市民意識の高揚」として「啓発活動の推進」と「男女平等教育の推進」を上げておりますが,この男女平等教育の推進ということになりますと,恐らくこれは教育の分野ですから,この総合計画のこれで言うならば,66ページ「第7章 心豊かでふれあいのある教育都市づくり」の中に事業計画として出てこなくてはならないのではないでしょうか。 ところが,66ページの「第1節 学校教育の充実」というところから始まりずっと,「1 幼児教育」「2 義務教育」「3 心身障害児教育」とずっと進んでまいりまして,さらに「第2節生涯学習の振興」「第3節 青少年の健全育成」までを全部読み終わりましても,全部で35事業ありますが,ただの1事業も1項目も男女平等教育の推進を実施していくような具体的な事業はないのであります。男女平等という文字すら1字も見当たりません。もちろん私は言葉や文字のことを言っているのではございません。はっきり申し上げて,これでは市長,婦人問題について体系的な基本構想は策定されているとは言えないのではないでしょうか。その点について,施策として具体的な事業を進めるに当たって,各局,各課の多岐にわたる問題だからこそ,まず初めにうったてとして行動計画の策定が必要であると私はたびたび申し上げているわけでございます。今やらなければ市長だれがいつこれを実施されるのでしょうか。21世紀まであと15年しかございません。市長は未来に対する政治家としての責任というものをお感じにはならないのでしょうか。この点は市長,助役にしっかりと決意を持ってお答えいただきたいと思います。 次に,教育長にお伺いいたします。 教育長は婦人問題の推進に当たり男女平等教育の推進が必要であることは当然だとお考えにはなっていらっしゃると思うのですが,具体的に事業計画に何も組まれていないということは一体どういうことなのでしょうか,御見解をお聞かせください。 次に,学校教育,家庭教育,社会教育の各場での男女平等教育をどう推進すればいいのか,お考えいただいたことがおありでしょうか。あれば具体的施策をここで御披瀝ください。 3点目として,婦人問題の資料,情報提供,研究調査活動を促進するための婦人情報センターの設置並びに婦人会館,もしくは婦人教育会館の設置をと過去何回にもわたって訴えてまいりましたが,情報センターはともかくとして,婦人会館につきましては,ただ場の提供,貸し室的な機能を言うのではなく,婦人問題解決のためのセンター的役割及び婦人たちの自主活動の促進や相互交流,情報提供の場,また専門家による相談業務等の機能を持たせることを考えての設置の提案だったいうことをお含みいただいて,これから私の申し上げますことをお聞きいただきたいのであります。 それは,今回総合教育センター(仮称)建築構想が浮上し,調査費として予算も措置されておりますところから,具体的に年次的にこれから事業化されていく段階だと思いますのでお尋ねするのですが,「多様な教育課題に有効,適切に対処するため,教職員の研修活動が組織的,計画的に行え,かつ有機的,体系的に整備された教育研究部門,情報提供部門を有する総合教育センター」というふうにその内容が示されております。これはそのまま婦人問題についても同じことが言えるわけでありまして,この総合教育センターの中に婦人教育センターを付設,または機能的な意味で同センターの中に婦人センター的機能を持たせることはできないものでしょうか。これから調査検討の段階だと思いますので,一考されたいと提案をいたしますが,御所見をお伺いいたしたいと思います。 次に,民生局長にお伺いいたします。 この婦人施策の中で,1,啓発活動の推進として婦人問題に関する公開講座,講演会の開催ほか上がっておりますが,年何回ぐらい,どんな講師を呼んで,どんな時間帯で行うのか等具体的にお知らせください。 2,5の項に「婦人労働に対する啓発と就業のための条件づくり」として児童育成クラブの充実が上げられておりますが,具体的にどのように充実をするのかお伺いをいたします。生徒数が減少して空き教室ができる学校等について,その空き教室を利用することを考えたらどうかと提案したいのですが,御所見をお聞かせください。 3,6の「婦人の健康管理と生活の安定」という項で,母子,寡婦家庭への経済援護対策の充実というのは具体的にどのような施策でしょうか。母子家庭,寡婦世帯への福祉資金貸付制度のことではないかと思うのですが。充実というのは限度額の枠が拡大されることなのでしょうか。貸付制度を利用できる人の対象を増加することなのでしょうか。 以上お尋ねいたします。私の第1回の質問を終わらせていただきます。大変ありがとうございました。(拍手)   〔市長松本一君登壇〕 ◎市長(松本一君) 福原議員の御質問に対しましてお答えをいたします。 婦人の行動計画についてでございますが,国におきましては行動計画を策定をいたしまして,また県においては昨年婦人問題協議会から提言を受けまして,岡山県総合福祉計画の中で取り組みをされております。さらに県は婦人問題対策の推進に当たりまして市に対して市町村の実施する事項として6項目が示されておるわけでありますが,その第1番目は政策決定への参加,2番目が雇用における条件の整備,3番目が地域活動への参加,4番目が啓発活動,5番目が保健福祉,6番目が生活学習等でございまして,この6項目にわたって通知を受けておるわけでございます。 市におきましては国の行動計画,また県の通知に基づきまして,実施計画におきまして婦人の地位と福祉の向上を掲げ,婦人問題は社会の健全な発展にとって重要な課題であるとの認識に立ちまして,全庁的な推進に努めてまいりたいと考えております。 中でも婦人の地位の向上につながる意識の面は,現実的にはまだまだといった感がいたすわけでございますが,この面を具体的により取り組んでまいらなきゃならないと思っております。 また,この推進に当たりまして具体的な方法につきましては,外部の御意見も十分お聞かせをいただきながら,専門チームの中で検討をしてまいりたいと考えておりますので,御了承いただきたいと思います。 その他につきましては関係者からお答えをいたします。 ◎総務局長(八木肇君) 男女雇用機会均等法の実施と,その婦人への波及効果と申しますか,その中でまず受験といいますか,別枠を廃止したことによりますこの採用試験におきます影響ということでございます。この影響につきまして,一つにはこの女性の受験者数が前年よりは減じております。これは受験者数にいたしまして大学卒の場合で申し上げますと,女性が203人昨年は受けておりますが,今年度の採用試験に当たりましては,大学卒の場合110人の受験者数というふうになっております。それから,短大卒の場合を見ましても147が92,それから高校卒は余り変わっておりませんが,108と101で。この総数にいたしまして,昨年のこれは458に対しましてことしが303と,総数でそういうことで,これは一般事務職について申し上げたわけでございます。この一般事務職の場合におきまして,こういう受験者数の減というのが一つ起きております。これは必ずしも市の職員のこの別枠が廃止になったからということだけではないかと思います。男女雇用機会均等法,あるいはまたもう一つ,一時,採用時期のときにおきまして若干景気等の関係から採用者数がふえてきたというふうなこと,民間の採用者数がふえてきたというふうな影響が大きかったんじゃないかとも思うわけでございます,これは全体的に受験者数が,これは女子に限っておりません。男性につきましても全国的にそういう傾向があらわれておるということで,特に女性に対しての顕著な影響ということではないかとも思います。 それから,この合格者数で見ますと,大学卒の場合が4人が5人になっております。昨年が4人,ことしが5人ということでございます。短大卒が2人に2人ということで,それから高校の場合はこれは残念ながら通っておりません。というふうなことでございます。大学卒の場合がふえておるということでございます。短大が影響を,ほとんど合格者数は変わらなかったというようなことでございます。 それからまた,職員のこの採用の問題につきましての,男子に適する主として徴収等の外勤業務ということで従来は行っており,また女子に適する一般の事務的業務というふうにして,この男女を区分しての採用試験を行っておったというのを,今年度の試験,いわゆる来年度の採用者からは一般行政事務に統一して,この区分を外して実施してきたところでございますが,この御質問の中にございます女子職員の取り扱いということで,扱い方が従来との関係ということでございますが,この女子職員の今後の配置,昇任等処遇につきましては,従来からこれは処遇面におきまして差は設けておりません。男性であるとか女性であるとかいう,その職種に適するとかいうことでは設けていないところでございます。これは処遇面ということでございます。いわゆる給与とかいろんな問題がございますが,そういう面におきましての差は設けていないということでございます。 また,この登用につきましても,市長の方でこの登用をいただいておるところでございますが,その女子職員についての登用にも努めてまいっておるというところでございます。また,この職務内容等を勘案しましての配置ということについては配慮してきたところもございます。今回この法律の施行に当たりまして募集,採用,配置,昇任を初め,法の精神に沿って雇用の機会均等を図っていくということが大切であり,またその所存でございます。そのためにはやはり男女すべての職員の意識改革というものがやはり強く要求されてくることだと思うわけでございます。その対策も急務であるというふうに認識しておりまして,今後その実行にさらに努めていかなきゃならないと思うところでございます。こうした法律の求めます精神と認識を一層深めていくためには,やはり先ほど申し上げておりますように,職員の意識の改革ということが必要であろうということで,そのために職員研修といたしまして,まず職場の管理監督の立場にある者,そうした者がまず正しい理解と認識の高揚を図っていかなきゃならないというふうに考えておるわけでございます。そこで一般職員を含め,今後の啓発につきましても,現在この職員研修運営協議会というので,これは各局から庶務担当の何といいますか,主管課長等によりまして編成いたしておりますが,この職員研修運営協議会の中でいろいろとこの研修方法等も協議してまいっております。そうしたところへも諮りながらこの研修体系についての取り入れ……。それからまたこの研修運営協議会そのものにつきましても,この女子職員,今までは局,主管,課長という形で考えておったわけでございますけれど,やはり今後の研修の中におきますこの女子職員というものにつきまして,これは特別に認識するというわけじゃございませんが,やはり今までの経過,これまでの経過等を考えますと,女子職員の意見も反映していかなきゃいけないということを十分考えておるわけでございます。そうした中でこの御指摘の趣旨も体しまして今後取り組んでまいりたいと思うわけでございます。 以上でございます。 ◎民生局長(三宅襄君) まず1点,行動計画についての市長答弁を補足させていただきます。 現在,行動計画をつくって新総合計画をつくったかということは,そうではございません。行動計画は御存じのようにまだ策定をいたしておりません。それでぜひ行動計画をつくれという御質問でございますけれども,これにつきましては市長から答弁申し上げておりますように,婦人の地位の向上につながる問題は非常に重要であるという認識の中で,専門チームをつくりまして,この中で具体的な方策の策定をすると,検討をするという中で取り組んでまいりたいというふうに考えております。 それから次に,男女平等教育の推進について,この総合計画では非常におかしいじゃないかという御質問でございます。確かに「うるおいと生きがいのあるまちづくり」というこの項目の中へ,婦人問題が一つの柱として取り上げられておりまして,その中には御質問のように男女平等教育の推進という項目がございますけれども,教育分野にはないわけでございます。ただ,これはどういいますか,現在婦人児童課が婦人問題の総合窓口というようなことからここへ集約をされておりますけれども,できればこれはやはり教育の方へ再掲という形にしろ上がるべきであったというふうにこれは反省をいたしております。 それから次に,児童育成クラブの充実の問題でございます。これにつきましては御存じのように,児童育成クラブは留守家庭児童の放課後におけるその保護育成を図るという名目で現在25地区に設置をいたしております。今後とも市の設置補助要綱,小学校区を単位といたしまして地域住民による運営委員会が組織され,対象児童30人以上という諸条件が整備された場合には,学校及び教育委員会と協議をしながらさらに充実をしてまいりたいというふうに考えております。 それから,さらに空き教室の御利用の御提言でございます。これにつきましては,今プレハブでやらしていただいておりますけれども,空き教室の利用ということは当然考えられることでございますので,これにつきましても教育委員会と協議をさしていただきたいというふうに考えております。 それから,講演会の問題でございます。講演会につきましては,去年も婦人問題の一般市民を対象の講演会を開いたわけでございますけれども,本年度もこれを計画いたしております。これは回数は1回でございますけれども,内容的には単なる講演会だけではなしに,それより前に体験文の募集をやりたいというふうに考えておりまして,午前中にこの講演会を開催をいたしまして,午前中にこの体験文の発表とその討議をやり,午後に講演会をやるというようなことを考えておるわけでございます。 それから,それ以外に全職員,職員を対象にした啓蒙啓発も考えておりますし,それからさらに新たな事業といたしまして女性グループリーダーの懇談会というものも年4回ほど考えております。それからさらにグループリーダーを国が開催されます研修会にも参加をしていただこうというふうな新たな事業も考えておるわけでございます。 それから,最後に母子,寡婦家庭の経済援護対策の問題でございます。この問題につきましては,児童扶養手当,母子福祉年金の貸し付け,遺児激励金,災害遺児教育年金制度等があるわけでございます。さらに介護人派遣事業,それから母子相談員による相談指導も行っておるわけでございますけれども,この経済援護対策の充実ということは今申し上げましたその手当,資金等を指しておるわけでございまして,確かにこの経済援護対策というのは,基本的には国の施策によるものをここへまとめておるという形のものでございまして,この充実という意味につきましては,国に対してさらにこの改善について要望してまいりたいというふうな考え方でございます。 ◎教育長(奥山桂君) 男女平等教育の推進について,社会教育においてどういうふうに考えておるのかというお尋ねでございますが,昨年御承知のように国連婦人の10年の最終年を終了したわけでありますが,この国連婦人の10年を踏まえまして,今後も引き続いて社会のいろいろな分野における婦人の参加,男女平等の理念の実現,そして婦人の地位の向上のために社会教育のより一層の推進に取り組んでまいらなければならないと考えております。また,現在法令や制度の改善充実が図られておりまして,一方,人の意識の変革が求められているところであります。その意味でも教育の果たす役割には大きいものがあるわけであります。 そこで,私どもは公民館等におきまして,市民大学を初め各種学級講座におきましても家庭生活や社会生活に関する学習をする中で,婦人問題に焦点を置いた取り上げ方をするように一層の努力をしてまいりたいというふうに考えておるところでございます。 それから,次のお尋ねは,目下その準備に取りかかろうとしております総合教育センターの設置につきまして,その中で婦人センターについて検討をできないかということでございますが,これにつきましてはその趣旨を踏まえて検討をさせていただきたいと思います。   〔19番福原弘子君登壇〕 ◆19番(福原弘子君) しばらく再質問さしていただきます。 今,私忘れますので教育長から先にお伺いしますけれども,家庭教育と学校教育と社会教育の中でそれぞれ進めなければいけない項があると思うけれどもというふうに御質問させていただきましたが,今社会教育の立場からだけしかお答えいただけませんでしたのでもう一度お願いしたいと思います。本当はそれをお答えいただいて私の方から提案をするつもりだったんですけれども,お答えがなかったし,時間がなくなると思いますので主点を申し上げたいと思います。 全部について申し上げますと時間がありませんので,私は今回学校教育についての男女平等の推進という立場から申し上げたいんですが,確かに今おっしゃったような社会教育も確かに大事でございますけれども,長い間根強く培われてまいりました固定的な意識というものはなかなか短期間で解決するものではありませんので,ある意味ではもう大人の私たちを意識を変える,これも大事ですけれども21世紀,未来を展望しましたときに,これから次の時代に育ってくる子供にどういう教育をするかということが非常に大事になってくる。私たちのようにゼロ歳のときから,女の子は大きくなったらお嫁に行くという,これが人生の目的だと,何になるのって言えばお嫁に行くんだという,こういう感覚で子供を育てては,これからの人生80年代,あるいは100年,もう既に人生100年と言われるような,そして25年先にはもう65歳以上が20%にもなろうかという,こういう新しい高齢化社会という社会に生き抜いていくためには,そういう教育を受けた子供たちはかわいそうだと思います。そういう意味で学校教育の場で,もちろん家庭教育も社会教育もありますが,きょうは学校教育に絞って申し上げたいのですが,1つは技術学庭科の男女共修の完全な実施。それから2つ目といたしまして進路指導です。今小学校,中学校から高校へ行く男女生徒に対して進路指導いたしますときに,先生方が確信を持って男女平等のそういう未来を展望した観点からの教育がなされていない。女の子で工業高校へ行きたい,あるいは技術系の大学を選びたいというふうな相談をもちかけましても,先生の認識の中に,いや,女の子は家庭科でいいんだ,文科系がいいんだ,こういう指導をされる子供たちはかわいそうだと思います。そういう意味で先生への婦人問題,男女平等の教育をする機関,研修を設けていただきたい。一環に取み入れていただきたいということであります。 もう1点は,学校教育の現場におきましての性教育の実施であります。男性が女性をおもちゃのように考える,商品化するような考え方からは男女平等の社会はつくられないのであります。そういうことで学校教育の中で,正しい性教育の実施を取り上げていくことが人間尊重,そして真の性という立場に立った男女平等を教育していけれるのではないかと,こう思う次第であります。 以上3点について御所見を伺いたいと思います。 それから,市長さんからの,また局長さんからの婦人行動計画につきましては,今までよりは一歩前進したような気がいたします。 お聞きしますが,専門家のチームによる検討を始めたいというふうにおっしゃいましたが,本当に遅きという感じがするんですけれども,まあ今までの経緯から見て評価したいと思いますが,いつから実施されて,いつまでにこの検討へ,そしてその検討の結果一つの長期ビジョンに立った婦人問題の取り組みが計画としてきちっと策定されることを要望したいと思います。具体的にいつからいつまでの間にという,それをお答えいただきたいと思います。 それから,市長さんもこの行動計画につきまして,いつも国の行動計画があり,県の指針があると,こういうふうにおっしゃるわけですけれども,国がやることと,そして県等がやることと市がやることとは違うわけです。私たち市民の住んでおりますこの市において,今やるべきこと,未来に向かってやらなければいけないこと,そういうことを整理いたしましてきちっと位置づけることを私は申し上げているわけです。東京都23区はもちろんですし,政令都市等につきましてももう既に55年ぐらいから取り組みが始まりまして,例えば一番進んでおります東京都新宿区におきましては,既に3年ローリングで5回目の行動計画の見直しを行ったと,しかも審議会の投票パーセントは今回は50%を目標にしたというふうに,これは非常に進んでいるところでありまして,一概に東京と岡山を比べるわけにはいかないと思いますけれども,そういうところもあるわけです。そして政令都市はもちろんですが,政令都市以外の小都市あるいは町村においても,既にこの婦人問題についての一つの総合的な計画が策定されている町・村・市はあるわけでございます。私が知っているだけでも東京都の小金井市,あるいは北海道の旭川市,また足利市──これは今策定中です。そしてまた57年ごろには大阪の高槻市でもとても立派なものができております。こうしたことを考えましたときに,これからこういう一つの行動計画をもとに進めていない岡山市の中で育った男女が大きくなりまして,そういう地方へ行ったときに遅れをとるようでは,岡山市に生まれ岡山市で育つ子供たちが,市民がかわいそうだと,私はこういうふうに思うんです。この取り組みがもう国連婦人の10年が済みまして,新しい西暦2000年へ向かっての将来戦略が採択されて進もうとしている今になってできていなかったということについて,もうこのこと自体が私は女性を差別している岡山市だと,こう言いたいぐらいの気持ちだったんですが,ただいまの専門チームをつくってということで撤回してもいいんじゃないかなというふうに思わしていただいておりますが,とにかくそういうことで頑張っていただきたいと思います。 参考までに,これは非常にたくさんの中でもこの高槻市の婦人行動計画は非常によく練ってよくできておりますので,1部差し上げますのでひとつ。これ御紹介すると非常によろしいんですけれども,ちょっと2分ほどつまんで御紹介したいと思いますが。高槻市の場合は市として取り組むべきことと,それから府が取り組むべきこと,そして国がやるべきこと等明確に分けておりまして,きちんとこれ,非常にすばらしいのは,高槻市の取り組みだけではなくて,県・国への要望事項もきちっと書き上げて要望先と要望事項を付記しているということ。それから今男女平等教育ということでちょっと見てみたいと思うんですが,学校教育で小・中学校で使用する教科書を選択するときに,男女平等教育の視点から内容を検討します。学校行事等身近な日常生活の中で男女平等感を身につけるよう指導します。こういうふうに細かく。また社会教育では,そして家庭教育では,というふうに上げてあるわけですね。教育,そして労働における平等,社会参加,そして環境づくり,そして母性の健康と福祉の増進と,こういう非常に端的なわかりやすい,すばらしいあれができております。また,一般市民にもわかりやすく,例えば教育について幼いときから教育のしつけや,女だから男だからという決め方で教育をしていることはありませんかとかですね,女性の性を興味本位に商品化しているようなことはありませんかというふうな,市民に問いかけをしながら今高槻市が何を進めようとしているかということをずっと列記していってるという,非常にすばらしいのができておりますので参考にして岡山も策定していただきたいと思います。 それから,均等法の問題ですが,局長さんから研修を早急に取り上げたいということをおっしゃっておりました。 それから,婦人の登用については能力に応じて積極的に行っているということですけれども,一つここで申し上げたいのはですね,意識変革は,この均等法が成功していくかどうかっていうことはひとえに意識がどういうふうに変わっていくかということにかかっていると思うんです。そういう意味で男性管理職,また現場の女子職員も含めて研修を早急にしてくださるということですから,これは非常に好ましいことと思いまして,ぜひ積極的に進めていただきたいと思うんです。 次に,配置のことですけれどもね,やはり根底,男性の方々が意識はしてないまでも女性だからできないだろうと思ってしまってその位置にとどめますと,女性の方も甘えまして依存心を持ちまして,やっぱり全能力を発揮しないという部分もあると思うんです。これは鶏が先か卵が先かという論議になるかもわかりませんけれども,やはり男性差別,女性を差別してきたから女性の側にも依存心が生まれて,このくらいでいいわという仕事しかしないという部分もあるんじゃなかろうか,こういうふうに思うわけです。これは岡山市ではないんですけれども,きのうある本人から聞いたんですけれども,商工会議所の会頭が,こうした世の中の流れを踏まえまして管理職に女性をもってきたわけです。そうしますと,もう今までの女性とこれが同じ人かと思うような,もう目の輝きから変わってきたと,こういうふうに言ってるんですね。それで女性が管理職になって,女性が長になると,その下で働く男性が意気消沈したり,やる気をなくすんじゃないかという心配をお持ちの方があるかもわかりませんが,その会頭さんが言われるのはね,反対だったと,男性の方が女性があれだけ頑張っているんだからと,女性のリーダーにしたらもう男性がまたすごく張り切ってすばらしく女性を中心にチームワークをもって仕事をするようになった。女性は男性をうまく上手に立ててやるんで,男性の方も張り切って仕事をするようになったと,これは以外な発見でしたという,こういうお話をしていらっしゃったんですね。こういうことで,人はその場において光る,その場を得て輝くという言葉もありますように,どうかそういう意味では研修をしながら女性を積極的にそれぞれ男性と同じような能力を発揮していけれるような場にどんどんと登用をさせて配置していただきたいと,こういうふうに要望するわけであります。いずれにいたしましても,この均等法が新しい社会を目指しての一歩の芽になりますことを要望いたしまして,これはお答えは結構ですので要望さしていただきたいと思います。 以上でございます。ありがとうございました。(拍手) ◎教育長(奥山桂君) 先ほどの答弁が不備でございまして失礼をいたしました。 学校教育の面につきましては,これは道徳の面とか学級指導の面とかいろいろあるわけでございますが,道徳の面につきましては,互いに信頼し合い仲よく助け合う,偏見を持たずだれに対しても公平に振る舞う,だれにでも親切にし弱い者や困っている者を助ける,権利を正しく主張するというような項目は特に顕著なものでございますけれども,その他の項目につきましても,平等という立場に立っての指導がなされているわけでございます。学級指導においては,性教育,男女の協力いうようなことについて学習をし,望ましい学級づくりに努めておるわけでございます。保健指導の面からは,心身発達におきます男女差の指導等で,第2次性徴について指導を行っておりますが,このことは男女の違いについて理解を深めることによってさらに互いに協力し合う心を育てる指導をしておるわけでございます。こういう姿で小・中学校の教育が行われておるわけでございますが,そういう子供の家庭でありますから,男女平等の精神で家庭でも行われていないと,これは子供の方からも批判が出るわけでございますし,また子供の健全な育成にもつながらないというふうに考えるわけでありますが,この家庭教育の面では,家庭教育学級やPTAの懇談会などにおきまして,子育てなどをテーマにしながら,家庭の中での夫婦の協力や理解,家庭生活のあり方等について学習をしていただいておる。そういうことで男女平等の意識の高揚に資してもらっているというようなことでございますが,今後さらに御指摘の趣旨も踏まえてその充実に努力をしたいと考えます。 それから,技術家庭科の問題につきましては,技術と家庭科の相互の乗り入れをしておるわけでございまして,男子に家庭科を,また女子に技術を導入をいたしておるわけでございますが,今後ともよりよい教育課程の編成に努力をしていきたい,そう考えます。 それから,進路指導の面におきましては,男女,御指摘のように女だからそういうところへというような指導は今は余りもうなされていないように私は思います。残っておるとすれば,そういうことの指導をしなければならないと思いますが,かなりもう従来の女性が従来男子が行っておったところへかなりもう進んでおるというのが現状でございまして,それぞれ個性を伸ばす進路の指導ということに今後とも努力をしてまいりたいと考えます。 以上でございます。 ◎民生局長(三宅襄君) 専門チームをいつごろ発足さすかということでございます。 新年度早々には発足をさせていきたいと思います。また,内容的には他の都市の状況,それから市民皆さんの御意見も承りながら検討していきたいというふうに考えております。 ◎教育委員(赤枝郁郎君) 先ほどは福原先生から男女平等のお話聞かしていただきまして,大変ワンマンな亭主である私は大変反省いたしておりますので,きょうから大いに女房をもっと大事にしてやらにゃあいかんなあと反省したとこでございますけれども。ただひとつお聞きしたいんでございますけれども,(笑声)男女差別というのはこれは絶対あってはいけないということ,これはよう身にしみて反省いたしておりますけれども,男女区別というものと差別というものをどう私たちは受けとめていいかっていうことを考える。これはただ単なる,教育委員会としても聞かしていただきたいんでございますけれども。今も教育長は大変抽象的な御説明をなさいましたけれども,学校教育の中において男の子にも御飯も炊けたり,おかずもできたり,掃除もできたり,裁縫もできたりするようなこともし,女の子にも大工のくぎも打てたり,木にも登れたりするような何もかも同じようにせなければいけないのか,あるいは女は女らしく男は男らしいという特性というものも区別してはいけないのかという,その辺をですね,どのように受けとめていったらいいのかということを少し具体的に教えていただくことによって,我々もその辺の教育,技術指導といいますか,そういうもんの指導というものに対しての姿勢をはっきりと教育委員会として打ち出すことができるという感じがするわけでございます。 それから,その次にこれまた先生方にぜひお願いしておきたいんでございますけれども,いろいろな諮問委員会であるとか,あるいは審議会であるとか協議会であるとかの委員の選任がなされます。これには教育委員会なんかも関与する部分があるんですが,見るとほとんど男の名簿ばっかしが出てくるわけなんでございまして,私たちは常に,これはもう男ばかりじゃないかと,もう少し女を入れて,盛んに男女平等も言われているときなんだから,もっと女の人の発言を多くしなきゃいけないじゃないかということで,何度も,差し戻しとまではいかないまでも,苦言といいますか意見は述べとんでございますけど,どうも女の方っていうのは出て来られないんですね,名前の中に。私たちが幾らその場を与えよう与えようとしても。ですから先生方がもう少し啓蒙してくださって,どんどんそういう場があったときには女性の方が大いに出て来てくださるようにしていただかないと,たまに出て来ると思うと同じおばはんばっかし出て来られるわけです。(笑声)名前変わってもひとつも,同じ人ばっかしが出て来る。またこの人かと,こういうようなんで。もっと立派な人がたくさん,世の中にはすばらしい女性の方がすごくいらっしゃると思うんです。そういう人がどんどん出て来て,そういうところへみずから進んで,まあ女だからそんなとこへ出るのは恥ずかしいとか厚かましいとかというような感覚を捨てて,どんどん出て,女性ならこそその気がつくようなユニークな発想,そういうものをどんどん出していただくことをお願いいたします。我々としましては十分に先生の意見を尊重させていただきまして,教育委員会においても女性が少しでも広く門戸が開かれるように,女性の意見がたくさん取り上げられるように十分により一層の気を使うように努力いたしますから,その点ひとつよろしくお願いいたします。(笑声) それから,家庭教育でございますけれども,この家庭教育や婦人学級というのはこれは私は大変ええことで大いにやらにゃあいけんと思うんで,私もようあっちこっち引っ張り出されるんですが,行ってみるとこういう奥さん方は,もう本を読まれたりいろいろなさればもう十分勉強なさってると思うような人ばかしが熱心な方が来られている。こういう人が来てくださればいいのにと思うような人はほとんど来られてないんですね。ですからここが私は問題だと思うんです。本当に聞いていただきたい,本当に勉強してもらいたいと思うような人を来てもらえるような講習会をやらないと,これは余り意味がないんじゃないか。これについても十分気を使いたいと思いますから,先生方にもひとつ御努力といいますか御協力をお願いしたいと思います。 大変生意気なことを申し上げましたけれども,実は率直のことをひとつ述べさしていただきました。(拍手)本当に大変失礼いたしました。   〔19番福原弘子君登壇〕 ◆19番(福原弘子君) どうも失礼いたします。 きょうはもうこれで再々質問はするつもりはなかったんですけれども,別にここは質問する場所でございまして,答弁をする場所ではございませんのですが,せっかくの教育長のお話でしたので,私は非常にこういうことは論議を深めていくことが非常にいいことだと,こういうふうに思っております。いつも男女差別の問題が出ますと,男女の当然男性と女性の違い,区別というものが男女区別と男女の差別とはどう違うのかというふうな問題はいつも論議になる点でございまして,そういう男性と女性との中での対話,論議をすることによってこの問題は深まっていくんじゃないかと,こういうふうに思っておりますので,大変ありがたく御意見を伺っておきたいと思います。 また,今後もこの男女平等社会の創設につきましては,男性のここにいらっしゃる議員の皆様を初め,ひな壇にいらっしゃる男性の皆様とともどもに考えながら進めていかなければならない未来の社会づくりでございますので,どうか今後とも男性の皆さんよろしくお願いいたします。以上でございます。(笑声,拍手) ○副議長(渡辺慎一君) 次は順序に従いまして鈴木君。   〔50番鈴木邦彦君登壇,拍手〕 ◆50番(鈴木邦彦君) 連日の会議で大変にお疲れのことと思いますが,特に昼下がりの一番眠い時間帯でございますけれども,しばらくの間御清聴お願いしたいと思います。 私は通告に従いまして8点の御質問を申し上げたいと思います。 ただいまは壇上に咲いた,本当に,花は桜か,こういうふうな後でございますので,また百年の大計ということで,非常に広大な構想でお話がございましたけれども,私も21世紀の展望に立ってからの御質問も申し上げたいと思います。 まず,新総合計画についてでございますけれども,本日の日南議員の御質問にもお答えがあったように,また新総合計画につきましても先般来各議員の皆さん方よりるる御質問もございますし,御答弁があったわけで,御要望を兼ねて提案ということで御質問をいたしておきたいと思います。 今,日本という国は非常に極めて難しい時代に差しかかっているわけでございまして,政治は不透明でさっぱり要領を得ないし,経済はマイナス成長の泥沼に落ち込み,しかも外側からは貿易摩擦と,しきりにしりをたたかれている現状でございます。すっかり影をひそめて重苦しい悲観論がのしかかっている,確かに日本の行く先は楽観を許されない現状でございますけれども,政治,経済,あらゆる分野にわたって見通しの立てにくい時代に入っているのは事実であろうかと思います。そういう時代になると,社会の指導的立場にある人々の責任が一段と重くなってくるわけでございまして,市長初め当局の幹部,そうして我々を取り巻く議員諸公の責任もより一層重くなるわけでございます。私はこれからの岡山市が,市長初め皆様方の御努力によって一段と飛躍して,そうしてすばらしい,日本にないというふうな立派な岡山市をつくっていくために,今から必要があると思われる,そうしてまた行財政改革特別委員会につきましても,各委員の皆さんから多々御質問もあり,そうして御要望もあったかと思いますけれども,支所の統廃合,そうしてまた電話,水道,警察等の再編成の問題,そうしてまたこれからの100万都市を目指し,そうしてまた150万都市を目指してこの岡山市へ人々が四方八方から寄って,また住居を移して来てくださるような,そういう市政づくりを市長にやっていただきたいと思います。そうしてそういうことになれば,今の岡山市の総合計画,そうしてまた長期に展望に立った計画は,本当に先般も矢木議員が言われましたように,まことに立派な美辞麗句で並べられ,そうして立派な盛りかごはできておりますけれども,要はこれらの施策が本当に目標があって,そうして実際それが魂を入れて計画をし,そうして実行できることに意義があると思うわけでございます。 私はそういう見地から,今からこの手狭になっておる,新庁舎の建設問題も用意をしておかなくてはならないという気がしてなりません。特に,もう既に50万,57万という膨大な都市に膨れ上がってきております。先般来も皆さん方も御承知のように,本当にこの庁舎の中では会議もできないと,始終この庁外から,出て行っておるというふうな状況でございます。1分を大切にというふうな言葉で話がありましたが,まさにその通りで,この庁舎で何事もそういう会議が済むようにできるならば大変にありがたいことだというふうに思うわけでございまして,新庁舎の建設をどのようにお考えになっておるのかお尋ねを申し上げたいと思います。 それから,私はそういう時代を迎えると,非常にこの交通混雑もできてくるわけでございまして,直ちに道路をつくれといいましてもなかなかつくるわけにはございません。市長も大変にお忙しい身であるとは思いますが,もう地上交通では間に合わないときが来ると思います。今からヘリコプターの導入も考えられてはどうかというふうに私は思うわけでございまして,その点もお聞かせを願えれたら幸いと思います。 第2番目には,山林火災の問題についてでございますが,私の,今岡山市の営林署管内には大きな国有林といたしまして,竜ノ口山ろく,そうしてまた南には操山山ろく,2つの国有林があるわけでございますけれども,私がちょうど竜ノ口山林への近くへ住んでおりますけれども,先般来異常なまでも数度にわたる火災が起きまして,岡山市消防局を初め各分団の皆さん方には深夜にわたる御苦労をおかけいたしました。この席をかりまして厚く御礼を申し上げるわけでございます。 私はそのときに一番痛感いたしておったのですが,この火災の原因,そうしてまた1月から私の竜ノ口山林だけでも6件にわたって起こったという,非常に今までと変わった異常な回数が認められたわけで,私もこの点に関しましては先般来ここへおられます華房議員,そうして亀井議員ともどもに学区内で緊急会議を開き,そうしてまた先般来は県におかれましても緊急対策会議を開かれたと聞き及んでおります。そうしてまた非常に消防の皆さんにも,あの山林が道がないということでございます。先般も営林署の図面を見していただきましたけれども林道がない,小さな林道が二,三ありますけれども,非常に雑木が生えて通りにくいというふうなところでございまして,消防の皆さんには本当に御苦労をかけたと思うわけでございます。 そこで消防局長さんにお尋ねいたしますが,現状の山林火災対策用の資材整備についてどのようになっておるのかお尋ねをいたしたいと思います。 それから,第3番目の質問は遊歩道についてでございますけれども,この件につきましては先般当局の方からお話がありまして,私が申し上げておるのが国有林ということでございますので,これは将来お話をしていただくということで要望にとどめて取りやめたいと思います。 第4番目の賞田廃寺跡についてでございますけれども,これももう足かけ十五,六年になりますけれども,再三のここで御質問申し上げておりますが,なかなか教育長さんも答弁がしにくいようでございます。ただいま文化庁との御折衝があるようでございますので,自後に回すといたしまして,ただ1点,先般も申し上げましたが,あの賞田廃寺のすぐ西にトヨペットさんの所有となっております1町幾らの土地がございますが,非常に草が生えてその近くへ家が数軒建っておるということで,もしそれに火がつけば周囲の家は丸焼けだというふうなことで,先般ここで御質問申し上げましたが,その後草刈りの状況はどうなっておるのかお尋ねをしておきたいと思います。 5番目に,公衆便所の問題でございますが,これは観光客や一般市民の利用に供する公衆用便所,その多くは公園や遊園地に設置いたしておる便所で対応していると考えられておりますが,その設置数は幾らあるのかお知らせを願いたいと思います。 2つ目に公衆の用に供する便所の設置数が少ないと思いますが,今後どのようにしていくお考えなのか。 3つ目は,利用者が快適に使用するために便所の清掃をどのようにしているのか。 4つ目として,59年度決算における清掃委託料について,業者委託や地元委託をどのようにしているのかお知らせを願いたいと思います。 それから,6番目は高齢化の対策でございます。 我が国の平均寿命は男が74.5歳,女が80.18歳となっており,男女ともまさに世界の最長寿国となっているところであります。昭和10年,11年ごろの平均寿命が男46.9歳,女49.6歳であったわけですから,この50年間に男女とも約30歳も平均寿命が伸びていることとなります。このように高齢化社会が進んでいる一方で,大幅な平均寿命の伸びに従い,健康で若い高齢者が増加しており,このような高齢者の方々がみずから勉強し,地域社会において自主的な活動に取り組むことが今後ますます重要になってくると考えられます。 そこで,次の2点についてお尋ねをいたします。 まず1点は,地域の高齢者の自主的な組織である老人クラブの活動を活性化させるため,昭和60年度から老人クラブ指導者の研修講座を開始しているが,この事業の実施状況とその成果はどうなっているか。また,昭和61年度の予定はどうか。 次に,老人クラブ員などの高齢者を含めた3世代交流事業を昭和60年度から開始しているが,この事業の実施計画とその成果は。また昭和61年度の予定はどうかお尋ねをいたします。 第7番目として,雄町の冷泉についてとガイドブックについてお尋ねをいたしたいと思います。 12月の議会で,市長さん当局を初め各議員の皆様方の大変なる御理解と御協力によりまして補助金をいただき,目下着々と進行をいたしております。この末には千数百万円かけた立派なこの水資源の保護ということで完成を見るわけでございます。4月3日には300年祭を兼ねたこの水質保全のこのお水取りの場を祝賀をし,そうしてまた今後皆様方にも御利用願いたいというふうに思うわけでございまして,いよいよ完成を見ることになりました。大変にお世話になりましたことを御礼を申し上げる次第でございます。 それから,それとあわせて,最近非常に埋もれた文化財,そうして史跡等,岡山市におきましても吉備路を初めこの冷泉関係,そうして周辺地区におきましてのいろんな観光名跡がふえてきておるわけでございますけれども,瀬戸大橋も近々,間近に迫ってきておりますけれども,私はとにかく岡山市へ来た観光客の皆さん方に,ポケット版のガイドブックを作成したらというふうに思います。わかりやすい観光資料としてのポケット版のガイドブック,いつでもどこでも見られるというふうなものを御提案申し上げますが,この点についてお考えをお伺いしたいと思います。 最後に農業問題でございますが,3点お尋ねをいたしたいと思います。 まず,水田利用再編対策でございますけれども,第3期の61年度までの再編対策が済むわけでございますが,62年度からの転作制度については大幅な見直しがあるというふうに聞いておりますが,その見通しはいかがなものでしょうか。そうしてまた当局のお考えをお伺いいたしたいと思います。 2番目には近代化資金の利子補給でございますが,先般も金利問題につきましては議員諸氏からの御質問もあったかとも思いますが,公定歩合の引き下げ等,普通金利も0.5%に31日から下がるということでございます。農業近代化資金利子補給も農林漁業金融公庫資金などは14日から引き下げということで新聞発表なっておりましたけれども,基準金利がどうなるのか,そうしてまた貸付金利がどうなるのか,また市の利子補給金はどのように対応なさるのかお伺いいたしたいと思います。 3番目には,最近新聞紙上でいろいろと数度にわたって御発表がありますが,農協の合併,これも36年ごろに一応合併をして,その後鳴かず飛ばずでございましたけれども,近年またその合併が持ち上がってきておりますが,当局といたしましてはどのようにこの農協合併をお考えになっておりますかお伺いをいたしておきたいと思います。 以上で第1回目の質問を終わらせていただきたいと思います。(拍手)   〔市長松本一君登壇〕 ◎市長(松本一君) 鈴木議員の御質疑に対しましてお答えをいたします。 まず,新庁舎の建設計画でございますが,現庁舎は御承知のように昭和43年に建設したものでございますが,その後1市10カ町村の合併,多種多様な行政需要の増大,また急速な機械化への対応も含めまして庁舎が非常に狭くなっておるわけでございます。皆さん方に大変御迷惑かけておるわけでございますが,新庁舎の建設につきましては,将来には高度情報化に対応いたしまして,総合的な情報機能を持ったものにしてまいらなきゃならないと考えておるわけでございますが,建設に当たりましてはいろんなこの問題もございますので慎重に検討してまいりたい,このように考えております。 次に,農協の合併の問題でございますが,全国農協中央会におきましては,農家または農村振興方策の組織的な,また計画的な推進を図り,金融自由化への急速な進展への対応,あるいは営農,生活,文化に関する組合員の期待,ニーズの多様化にこたえるために,農協の合併を積極的に推進をして,農協機能の強化を図ろうといたしておるわけでございます。政府におきましても,農協が合併した際に法人税,登録免許税などの税制の上の優遇措置を図るために,農業協同組合合併助成法の改正を行うよう準備しておるわけでございますし,また官民一体の全国合併推進協議会を発足させてるところでございます。したがいまして,県段階におきましても推進協議会が設置されるなど予想をされておりますが,また農協段階におきましても合併の研究会のようなものが設置されれば,関係市町村はその組織に加わることになると思うわけでございます。なお,農協合併等を決めるのは何と申しましても農協自体の問題でございますから,強制することはできないわけでございますので,市といたしましては側面的な援助をさしていただくということになろうかと考えますので,よろしく御理解をいただきたいと思います。 その他につきましては関係者からお答えいたします。 ◎民生局長(三宅襄君) 高齢化対策の2点について答弁をさせていただきます。 まず第1点,老人クラブ育成講座の問題でございます。高齢化社会の進行とともに,社会の先達であり,また地域の指導的立場にあります高齢者の役割はますます重要になるというふうに考えております。このため地域の高齢者の自主的団体でございます老人クラブの指導者の資質を高め,地域内での老人クラブ活動の活性化を図るとともに,高齢者の有する豊かな経験や技能を生かした地域福祉推進の担い手となるリーダーの養成を目指しまして実施をしたものでございます。市内を5ブロックに分けまして,延べ15日にわたりましてそれぞれ10講座を行いまして,老人クラブの組織運営や活動の実践方法等について研修したものでございまして,延べ1,652人の参加をいただいております。61年度もさらに内容を充実し,引き続き実施してまいりたいというふうに考えております。 次に,3世代交流事業でございます。やはりこの事業も高齢化の社会の進行に伴いまして,世代間の相互理解と高齢者の生きがいの促進はますます重要になってくるというふうに考えております。このため教育委員会との御協力もいただきながら,市内の11の子供会と10の老人クラブが子供たちの父母とともに民話,民芸の伝承などの文化行事やスポーツ行事を通じました3世代交流を図り触れ合いを深めるためのものでございまして,61年度にもさらに内容を充実したいというふうに考えております。 ◎経済局長(藤昭博君) 観光のポケット版ガイドブックの御質問について御答弁申し上げます。 私どもでは現在広域観光パンフレットが6種類,それから市内の観光パンフレットあるいはガイドブックが11種類,合わせて17種類の観光パンフレット,ガイドブックを作成いたしております。これらは大体作成いたしましてから3年目周期ぐらいのめどで内容,形状,そういったものの見直しを行って新しいものに取りかえていっておると,こういうのが実態でございます。御指摘のように,これをポケット版にコンパクトにまとめるというのも非常にいいアイデアであろうと,このように存じます。3年目途に見直しもやるというようなそのサイクルの中で,これはひとつ十分研究をさしていただきたいと,このように存じますのでよろしくお願いいたします。 それから農業問題についてでございますが,水田利用再編対策についての御質問でございます。 農水省におかれましては,農政の長期展望,長期需要,生産見通しの改定,さらにはことしの稲の作況状況を見ながら次期対策の具体的方針をおまとめになる考え方のようでございます。現段階で国の動きを想定いたしますと,主な検討材料といたしましては,1つには転作目標面積をどう決めるのか,2つには転作奨励補助金の見直しをどうするのか,3点目は転作面積の配分基準の見直しの問題,4番目に転作作物の選択の問題,最後に5点目といたしまして転作の推進方法,こういったものが検討材料として想定されるのではないかと,このように考えております。いずれにいたしましても,農政の重要課題でございますこの水田利用再編対策の政策は,農家の皆さんを初め関係者の御理解と御協力をいただきながら推進しなければならない問題でございますので,よろしくお願いいたしたいと存じます。 それから農業近代化資金の金利の問題でございます。 現在農協等融資機関が貸し付けております農業近代化資金は基準となる金利が現在8.5%でございますが,これを0.5%引き下げられまして8%となる見込みでございます。これに連動いたしまして国・県の利子補給率が3%ございましたが年0.1%低くなりまして2.9%となります。したがいまして借受者利率は年間0.4%引き下げられまして5.1%と,このようになる模様でございます。市といたしましては,従来どおり貸し付け後5カ年の間,年1.0%の追加利子補給を行いまして,端末金利の軽減を図りまして,借入農家の合理化近代化に寄与いたしたいと考えております。したがいまして最終的には4.1%と,こうなるわけでございます。なお,過去に貸し付けておるものにつきましては,当時の貸し付け条件のまま償還をしていただくことになろうかと,こういう見込みでございますので御理解いただきたいと存じます。 ◎建設局長(神原俊彦君) 公衆便所についてでございます。 公園,遊園地などの公園施設としての便所は131カ所設置しており,公園利用者はもちろん広く一般市民が利用できるよう開放しております。今後とも必要に応じて順次増設してまいりたいと,このように考えております。これは便所の清掃は,清掃業者や地元の愛護委員会などに作業委託をし,常時清潔を保つように努めておるわけでございます。なお,59年度決算における便所清掃委託料は108カ所で,1,027万6,810円となっており,その内訳は,業者委託では1業者で71カ所で696万6,840円,地元の愛護委員会などへは37カ所で330万9,970円を委託しておるわけでございます。 以上でございます。 ◎消防局長(千田稔君) 山林火災についての御質問に対し,先般来の竜ノ口山系におきます複数の林野火災に対し御協力をいただきました地元関係者に感謝申し上げながら御答弁さしていただきます。 御案内のとおり,本年に入り県南部は空気が非常に乾燥し,連日異常乾燥注意報が発令され,昨12日現在市内で既に28件の林野火災が発生しております。そして,26.24ヘクタールの貴重な緑の山林資源がたばこの投げ捨て,たき火,草焼き,その他の人為的な原因で焼失していることはまことに憂慮される次第でございます。ちなみに,前年は年間20件の発生でございまして,そして1.99ヘクタールの状況でございました。 さて,本市の山林火災対策用資機材の整備についてのお尋ねでございますが,現在山林火災用といたしまして,私どもは小型動力消防ポンプ142台,携帯用消火器具でございます背負い式の,これは18リットルの水のうでございますが,ジェットシューター206基を初めチェーンソー,携帯用の発電投光器,特に夜間援助の場合は照明車の出動がございますけれども,その他個人装備を保有いたしております。毎年計画的にこれらの整備更新を図り,有事に備えているところでございます。さらに,これらの資機材,装備,人員を効率的に活用するとともに,我々には林野火災警防計画というものがございまして,この計画に基づきまして市内の山系を12ブロックに設定いたし,消防署と消防団が連携を密にしながら予防活動を含め対応に努めている現状でございます。どうぞよろしくお願いいたします。 ◎教育長(奥山桂君) 賞田廃寺跡の保存整備につきましては御質問をお取り下げいただいたわけでございますが,この保存整備につきましては大変御心配をいただいておるわけでございまして,我々としましてはこの補助事業の再開に向けて今国へ要請を続けておるということでございまして,今後一層努力をしてまいりたいと考えておりますので,よろしくお願いを申し上げます。 なお,御指摘の土地の草刈りにつきましては,土地所有者と今協議中でございまして,今年度中には実施するよう検討いたしておるところでございますので,よろしくお願いをいたしたいと思います。   〔50番鈴木邦彦君登壇〕 ◆50番(鈴木邦彦君) 簡単に再質問さしていただきたいと思います。 ただいま教育長さんが今年度中に検討するというふうなことでございますが,あの山ろくでこのくらい火災が多く発生し,また放火ではないかというふうなことで,1月から6件も起こっておるそのさなかでございます。教育長さん見られたかどうかわかりませんけれども,実情を確かめて,すぐ上に数軒家がございますけれども,本当にへりに道路もありますし,そこから1メートル以上の草が生え茂っております。もうたばこでも子供の火遊びでもすぐその家が全焼するというふうなことでございますので,そう大した金も要りませんし,ボランティアでやっていただいてもいいと思います。早急にこの件は解決をしていただきたいというふうに要望いたしておきます。 それからガイドブックの件でございますけれども,経済局長さんは,一応はいいアイデアであるということで褒めて,3年目途で研究させてもらうと。瀬戸大橋はもう既に来年,再来年かかるんです。観光客は日に日にふえておる現状でございます。やはり私は思いますのに,そうした岡山市のいわゆる史跡とか歴史とか,ただただそういう観光地の解説ではなしに,由来とかそんなものをポケットブックにして各市民に与えて,市民の皆さんが本当によそから来たお客さんが気持ちよくページをすぐって,そこはどうです,こういういわれがあるんですというて親切に教えていただいたら,また岡山はすばらしいとこじゃなあというふうなことで来ていただけると思うんです。ですからこれも私は早急にやっていただきたいということにお願いをしておきたいと思うんですが,もう一回ひとつ御答弁をお願いしておきたいと思います。広報とか活動,その内容につきましてはいろんなパンフレットがあると,そういうようなたぐいではなしに,歴史的なそういうふうな解説をつけた由来とかいうもんのパンフレットと,聞き間違えておられたらそういうふうに,舌足らずで説明が悪かったかと思いますけれども,そういうことでひとつお願いいたします。 それから,民生局長さんに,非常にきょうの答弁では一番意欲があるひとつ御回答いただきましてありがとうございました。非常に,本当に高齢化が世界一というふうにふえておりますさなかに,そういうふうな組織,そうしてまたいろんな勉強会ができておるということで私も喜んでおるわけでございます。私の学区にも既に11年間,こういうふうな冊子を,第3の人生ということで11年間か12年間毎年続けてやっておるわけで,参考のために……。これも老化現象も防ぐし,非常に人と人との触れ合いも密接に関係してくるというふうなことで,ひとつ60の手習いかいうんじゃなしに,とにかく勉強していただきたいと。世は日に移り変わっておりますので,そういう講座も設けていただきたいということを要望いたしておきます。 それから公衆便所の関係でございますけれども,建設局長さんが申されましたが,非常に西川緑道公園をただ通ってみても,あの公園にあるトイレ,清掃関係もまあまあということでございますが,建物に関して非常に,緑道公園ある建物は非常にふさわしい立派なものができております。ただ,こちらの公園にあるのは映りが悪いというふうなことで,今後そういうふうな建てかえ,または建て増し等があれば,そういう適地,立地にふさわしいそぐうたトイレをしていただきたいというふうに思います。 それから農業問題でございますけれども,経済局長さん,天下の悪法といいますればこの水田利用再編対策,そうしてまた例の市街化調整地域の線引き問題,私はこれは非常に悪法じゃろうと思います。この転作問題にしてみても,やはり農民が意欲ある作業ができるように,1回やめると7,8年はおろか10年ぐらいもうそこの土地はやせてしまうと。あとそれをもとに戻そうと思ってもなかなか。農政もネコの目行政といいますか,片一方ではやるなやるな言う,片一方では土づくりじゃ。本当に相反したことで,私も後におられます岡山市の農林,議会の農林部長,また国におきましては現在のヤングの羽田農林水産大臣に期待をかけておりますので,経済局長さんもひとつこの点は慎重に対応していただきたいというふうに思います。まだまだこの点に関しましてはいろいろとお尋ねをこれからしていきたいと思いますので,今この目標が決まったということだけで,慎重にこれから私も勉強して,これも説明を,また御質疑を申し上げたいと思います。 それから新総合計画,21世紀の展望でございますけれども,私は,菜根譚という本に小計を失して大策を破ることなかれという非常に有名な言葉がございますけれども,小さな……って,本当にこの21世紀を背負う若人のために,大局的な判断を見失ってはいけないと私は思うわけでございます。18世紀には立派な大岡越前という人が出ておられました。今では恐らく名吏であろうと思います。また,今日の日本を支えてきておるのは20世紀においては経済であろうかと思います。そしてまた,この20世紀の後半につきましては,私は当市長の松本市長であろうかと思います。先般も,これからの選挙戦もございますけれども,やはり三大資質を備えていなくてはいけないということで放談がございましたが,容貌といい,冷静さといい,また誠実さといい,ぴったしかんかんであろうかと思います。しかしながら,何をいっても私はこれからの岡山市,躍進する岡山市,そしてまた岡山市へどんどん人が寄り,岡山市の活性化,これにはやはり市長の決断であろうかと思います。盲目的であったり独断的であったりしてはなりませんれども,全職員,また全議員,市民参加の活用はいろいろと工夫が望まれるということでございますけれども,やはり市長の決断,それが大事であろうかと思います。もう1回この21世紀を展望した岡山市の市長さんはどのように考えておられるのかお尋ねをして,時間が来ましたので降壇したいと思います。大変ありがとうございました。   〔市長松本一君登壇〕 ◎市長(松本一君) 鈴木議員の再質問に対しましてお答えをいたします。 まず21世紀に向けてということでございまして,21世紀を目指して総合的な計画的な都市づくりを進めるためには,既に御答弁申し上げておりますように,本市の将来の課題,また将来像の達成のための戦略プロジェクトなどを中心といたしました長期の展望をいたしました基礎調査を実施しておりまして,この調査結果を踏まえて基本計画の改定を検討したいと考えております。この中で,市政の地域区分を考えまして,岡山市の行財政の対策懇談会の答申に,出先機関のあり方等についても将来指定都市となることを考えて,支所の規模や位置は区を予想した形でひとつ検討していかなきゃならないというようにあるわけでございまして,将来的には御指摘のようないろんな問題を21世紀に向けて積極的に推進してまいらなきゃならないと思っておるわけでございます。議員の一層のひとつ御指導をお願いを申し上げまして答弁にかえさせていただきます。 ◎経済局長(藤昭博君) ポケット版のガイドブックでございますが,既存のパンフレットを3年周期で見直しておるということを申し上げましたので,私もその3年先に見直すというようにお受け取りになるのじゃないかと危惧をいたしておりましたんですが,まことに答弁不行き届きで申しわけございませんでした。3年めどに検討するというんでなくって,非常に結構なアイデアでございますのでひとつ十分研究をさしていただくということでございまして,前向きに考えてまいりたいと,このように考えておりますので御理解いただきたいと思います。 それから,水田利用再編対策でございますが,農政の問題についてはいろいろの御意見を耳にするところでございます。しかし,米の需給動向を眺めますと,長期的には何と申しましても生産が需要を大きく上回っておるという実態でございまして,この水田利用再編対策は好むと好まざるとにかかわらず避けて通れない重要な課題であろうと,このように考えておりますので何分ともによろしく御理解,御協力をちょうだいいたしたいと存じます。 ◎教育長(奥山桂君) 草刈りの件につきましては,1日も早く実施するように努力をいたします。 ○副議長(渡辺慎一君) 本日はこれをもって打ち切り,次の本会議は明日午前10時に開き質疑を行います。 本日はこれをもって散会いたします。御苦労でございました。    午後2時50分散会...