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09月25日-03号

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  1. 岡山市議会 1985-09-25
    09月25日-03号


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    昭和60年 9月定例会    昭和60年9月定例岡山市議会    議 事 日 程  第3号       9月25日(水)午前10時開議第1 一般質問    …………………………………会議に付した事件 日程第1 一般質問    ──────〇──────出席議員(50人)        1番  矢 木   明君        2番  片 岡 五百樹君        3番  近 藤 紗智子君        4番  辻 野 喬 雄君        5番  田 畑 賢 司君        6番  有 井 靖 和君        7番  亀 井   章君        8番  垣 下 文 正君        9番  道垣内 正 雅君        10番  大 橋 英 雄君        11番  宮 川 日 吉君        13番  小松原   操君        14番  寺 田 明 生君        15番  内 田 宏 哉君        16番  日 南   香君        17番  景 山 貢 明君        18番  山 田   勇君        19番  福 原 弘 子君        20番  堀 川   進君        21番  川 田 敏 幸君        22番  磯 村   博君        23番  山 田 録二郎君        24番  片 山   仁君        25番  伏 見 昇 男君        26番  丹 原 重 彦君        27番  脇 本 一 郎君        28番  松 山 茂 樹君        29番  小 林   勉君        30番  苦 水 重 徳君        31番  新 谷 盈 智君        32番  守 屋 彰 久君        33番  楠 木 忠 司君        34番  草 野 邦 輔君        35番  小 橋 留 男君        36番  田 中 昭 三君        38番  小 川 晴 雄君        40番  高 木 悦 夫君        41番  妹 尾 達 道君        42番  谷   慎一郎君        43番  串 田   務君        44番  定 政 猛 男君        45番  華 房 美 衛君        46番  磯 島 康 夫君        47番  渡 辺 慎 一君        48番  岡 本 俊 彦君        49番  浅 野 卓 志君        50番  鈴 木 邦 彦君        52番  花 岡   薫君        53番  藤 原   貢君        54番  藤 原 照 夫君    …………………………………欠席議員(1人-欠員3)        51番  板 野 和 昭君    ─────────────説明のため出席した者   市     長  松 本   一君   助     役  鹿子木   貢君   収  入  役  久 山 忠 孝君   総 務 局 長  八 木   肇君   財 政 局 長  関 場 長 久君   民 生 局 長  三 宅   襄君   衛 生 局 長  竹 原 良 一君   経 済 局 長  藤   昭 博君   建 設 局 長  神 原 俊 彦君   下 水 道 局 長  中 山 茂 也君   西 大 寺支所長  森 末   京君   参     与  丸 尾 比呂志君   参     与  渡 辺 史 郎君   参     与  人 見 文 男君   企 画 室 長  井 堀 晃 郎君  水  道  局   水道事業管理者  黒 田 智 昭君  消  防  局   消 防 局 長  千 田   稔君  教 育 委 員 会   委     員  赤 枝 郁 郎君   委     員  辻   吉之祐君   教  育  長  奥 山   桂君  選挙管理委員会   委     員  岡   八 夫君   事 務 局 長  南 石 元 久君  監 査 委 員   委     員  川 上 一 正君   事 務 局 長  小 合 昭 典君  農 業 委 員 会   委     員  小 若 敬 二君    ─────────────出席した議会事務局職員   局     長  北 村   博君   次     長  原 田 知 義君   庶 務 課 長  石 原 重 樹君   議 事 課 長  中 川 和 彦君   調 査 室 長  二 宮 善 政君   記 録 係 長  岡 田 登志男君   主     任  最 相 初 音君   主     事  佐 藤   武君    午前10時6分開議 ○議長(藤原照夫君) 皆さん御苦労でございます。これより9月定例市議会第3日目の本会議を開きます。 ただいまの御出席は45名であります。    ───────────── ○議長(藤原照夫君) 会議録署名議員に妹尾君,谷君のお二人を指名いたします。    ───────────── ○議長(藤原照夫君) 本日の議事日程は一般質問であります。    ──────〇────── △日程第1 一般質問    ───────────── ○議長(藤原照夫君) 日程に入ります。 日程第1は一般質問であります。 順序に従いまして日南君。   〔16番日南香君登壇,拍手〕 ◆16番(日南香君) 皆さんおはようございます。大変に御苦労さまでございます。 私は通告に従い3項目,7点につきまして質問をさせていただきますが,特に最初の2項目に関しては市長の政治姿勢についてただしたいのが主たる眼目でございますので,関係部局の補足説明は要約して簡潔にお願いをいたしておきたいと思います。 松本市政も誕生以来早くも任期の後半を迎え,いよいよ真価の問われる1期総仕上げに向けての正念場に突入したわけであります。そのスタートともなるべき今議会の冒頭において,市長は職員による不祥事の発覚について市民に陳謝されましたが,政局運営の極めて重大なときに当たり,その心中いかばかりかと推察するのであります。 しかしながら,反面その暗い陰の部分を払拭するかのように,先般環境衛生業務に従事する一職員の善意によって,福祉施設ももぞの学園に対し貴重な財産寄附の申し出が行われたというニュースが報道され,これが大多数の市民の喝采を浴びるところとなって,近年にない明るい話題を茶の間に提供してくれたのであります。私はここで物品の寄贈,そのこと自体を取り上げて云々するつもりはないのであります。物や金という次元を超越して,この職員の二心のない純粋な気持ち,触れ合いを大切にする温かい真心というものを賞賛したいのであります。 人間の触れ合いの大切さということについて,私はこの際市長並びに総務局長に謹んで申し上げたい。 朝,市役所のエレベーターに乗って,ごく自然のうちに,さわやかに笑顔のあいさつのできる職員が果たして何人おるか。まさに「唇寒し秋の風」であります。庁舎内の物言わぬ冷たいコンクリート社会の今のありようを私は非常に残念に思います。職員倫理の高揚とか研修の充実といったもっともらしい高度な技術を要求する前に,さわやかな人間の触れ合いを表現する最も初歩的な朝のあいさつ運動からまず始めるのが至当ではありませんか。 こうしたことを思うにつけ,今回の一職員の振る舞いの中に,私は今の行政の中に最も欠けているものをかいま見た思いで,かけがえのないとうとい示唆を与えてくれたことに感謝するとともに,心からの敬意を込めて惜しみのない拍手を送るものであります。市長におかれては,どうかこうした公僕の精神に徹した職員が存在することに意を強くされ,今後の困難な市政運営に勇気を持って陣頭指揮をとられるようますは要望をいたすものであります。 さて,市長就任以来のこの2年間は,衆目の一致するところ,市民の松本市長に対する物の見方,接し方は,いわばおらが市長といったみこしを担いだお祭り気分が先行して,実に温かみを含んだ新しい旅立ちへの激励に次ぐ激励で,環境的には極めて恵まれた前半であったと思うのであります。しかし,今や第3コーナーから区切りの4年目に向けて,市民の市長に対する目は,何かをやってもらいたいという願望から,やってもらわねば困るという非常にシビアなプロの目つきにはっきりと変化してきたことに気づくのであります。63年の瀬戸大橋開通に向けて,さらには64年の市制100周年を控え,松本カラーが果たしてどういった形で仕上げのベールを脱ぐのか,期待と不安が交錯いたしております。 申すまでもなく,今や自治体相互生き残り競争はいよいよ昭和戦国時代を迎え,明らかに弱肉強食の時代に突入したといっても過言でありません。63年以降のエベント時代を目前に,岡山市が四国4県と倉敷のはざまに埋没して討ち死にを余儀なくされるのか,あるいはまた瀬戸大橋を飛躍のえさに,21世紀に向け百年の繁栄の礎を築くことが可能かどうか。そのかぎを握って頂点に君臨する人が松本市長であり,その意味ではまことに干載一遇のやりがいのある,時に恵まれた市長であることをうらやましく思うのであります。自治体のトップは文字どおり先頭を走る人でなければならない。同時に,ソフト時代にあってはトップはアイデアマンであり,その推進者でなければなりません。先頭を走る人とは強力なリーダーシップを発揮する人であり,アイデアマンとはヒット商品,すなわち住民のニーズにマッチした施策を的確に打ち出していく人であります。率直に申し上げて,瀬戸大橋時代を展望し,中四国を制覇するに足る力量をととのえた名実ともの大岡山市にするための長期戦略を,この際市長は具体的に市民の前に明らかにする責任があります。その長期ビジョンの目標を私は一応昭和65年に置き,5年後の市長が目指す岡山市のあるべき姿はどうなのかという設定で質問をさせていただきます。 まず,それを占い,踏み絵となるスタートが来年の予算でありますが,新年度予算編成に当たり,市長の描く超重点施策として何を柱に持ってくるとお考えなのかお伺いをいたします。 ところで,先日我々公明党市議団は,新年度予算編成に臨むに当たり,重点要望をまとめ市長に申し入れをいたしたところでありますが,そのうち基本方針の中で,特に自主財源の確保を図るために考えられるあらゆる英知を結集するよう強く要望をいたしております。財源の見通しなくして描かれた青写真は決まって水泡に帰すであろうことは論をまたないところであります。国の交付金にいたずらに一喜一憂して,期待をつなぐのではなく,自主財源の確保のために知恵を絞り,汗を流すことこそ瀬戸大橋時代に活力をつけ,乗り切る道であると考えるのであります。 そこで,ことしの暮れにも発表される予定の総合計画のうち3カ年の実施計画についてでありますが,これは将来の岡山市の方向を決定づける極めて重要な位置づけを持つものであり,都市の力をつけていくための基盤整備,なかんずく都市の顔の部分である駅周辺整備が中心のテーマとなるはずであります。昭和65年をめどに,西口,東口の再開発並びに東西連絡道,さらに駅前駐車場の整備について具体的にどのように進めていくのか,大枠のスケジュールを明らかにしていただきたい。と同時に,裏づけとなる財源の見通しについて御説明を願いたいと思います。 次に,岡山市の長期戦略の基本をなすものは,何といっても都市基盤の整備であり,このうち市民要望の中で毎年トップを占めるのが下水道の早期完備についてであります。下水道整備については,市の基本計画によると昭和65年の普及率を45%としているのでありますが,この数字は確固とした主体性のある岡山市独自の試算ではなく,国の第5次5カ年計画の目標普及率をとってつけたにすぎないところに問題がある。 あの神戸株式会社といわれる神戸市の例を見ると,宮崎市長は公約で当時22%の普及率を6年間で3倍の66%,そして現在の普及率は実に市街地で100%,全体では90%を誇っているのでありますが,その間経済効果を上げるための神戸市債の発行など,血みどろの努力はそのまま1冊の本になるほどの説得力を持ち,神戸市は今や普及率という量の時代を終わり,処理水の高度利用という質の時代に突入したと豪語するのであります。 岡山市の場合,現在の進捗率で試算いたしますと,普及率100%達成にはあと少なくとも80年を要することになるが,下水道の多角構造を真剣に研究するならば期間の大幅短縮が可能ではないかと考えるのであります。市長は65年度45%の目標普及率をさらにアップするための見直しを図り,具体的数字を示して市民に公約される気持ちをお持ちかどうかお伺いをいたします。 以上で長期戦略についての質問は終わりまして,次の質問は平和都市宣言に関して3点にまとめて質問をいたします。 去る6月定例議会において市長提案による平和都市宣言案が全会一致で採択され,これを機に平和を願う大多数の市民の理解と賛同を得て,反戦平和志向の波が徐々にではあるが市民的運動として盛り上がっていることに,今回の宣言が果たした重みと役割の大きさを痛感する昨今であります。既に県下78市町村のうち31市町村が平和宣言自治体の仲間入りをし,9月議会においても山陽町を初め建部町など,平和都市宣言に向けて大きな広がりを見せるなど,県都岡山市が宣言をした影響力は極めて甚大で,市長の英断による今回の宣言は岡山市の歴史に不滅の輝きを放ち続けるであろうことを疑えないのであります。 そこで,私は平和都市宣言の中の「平和で幸せな岡山市を築くため不断の努力を続けるこを誓う」との市長の決意について,以下最近の平和世論に逆行するような国の動きを絡めながら,今後の具体的スケジュールと行動についてお伺いをしてみたいと思います。 さて,戦後40周年のことし夏,中曽根総理自民党軽井沢セミナーにおいて,国のために倒れた人に対して国民が感謝をささげる場所がある。これは当然なことだ。さもなくしてだれが国に命をささげるかと講演し,首相は靖国神社公式参拝という行動によって,だれが国に命をささげるかを国民に問いかけ,滅私奉公を要求したのであります。このことは,ごく最近の中国の壁新聞でも日本の逆流現象のあらわれであるとして厳しく糾弾するなど,国外においても波紋を投げかけていることは周知のところであります。私は宗教施設としての靖国神社の存在を否定しないし,遺族の神社を信仰し参拝することを批判するつもりは毛頭ないのであります。事実,私自身子供のころに大変にお世話になった一人のおじも,今靖国の神として祭られており,毎年桜の咲く季節になると私はこのおじの顔を思い出して追憶の念に駆られるのであります。同じ感情は戦争犠牲者のだれもが持つ素朴な心情であろうかと思います。しかし,それはあくまで個人の感情であり,私的な問題であって,公人であれば問題はまた別であります。もっとも個人的で私的な問題に属する特定の宗教的行為をあえて公人としての資格で行うことは,将来にわたって滅私奉公を要求する立場に通じるのであって,我々はこのことを強く警戒しなければならないのであります。戦没者は肉体を国家にささげたが,その魂まで国が独占することを許したわけではありません。 今月初めの文部省による日の丸,君が代の周知徹底通知といい,防衛費GNP1%枠の撤廃の動きといい,こうした一連の動きはまさに中曽根総理の言う戦後政治の総決算の意味するもののなぞ解きができた思いで,日本を再び世界の孤児にするための道を歩む結果になりかねない重大な意味を含んでいると解釈するのであります。 私はこうした右傾化への流れについて,なかんずく国民の間に大きな論議を呼んだ公人による靖国神社公式参拝について,平和宣言都市の首長である松本市長はどのような認識を持ち合わせておられるのか,まずお伺いをしておきたいと思います。 次に,これは共産党の矢木議員から非常に熱心な提案が従来からなされております,岡山平和資料館の設置につきまして,矢木議員に敬意を表しつつ,私からも改めて質問をさしていただきたいと思います。 私ども公明党では去る7月青年局の主催により20歳から35歳の若年層を対象にした戦後世代の平和意識調査を実施したのであります。その結果,数字としてあらわれたのは,戦後世代の反戦思想の風化の危険性が予期以上に進んでいるということでありました。確かに,常識的に見れば40年という歳月は決して短くないし,風化の現象は当然かもしれないが,同時に戦争の悲惨さ,愚かさを戦後世代に語り継ぎ,言い伝えていくことが平和の何たるかを教えることに通じるのであり,その必要性を今回の調査によって知り得たのであります。今なお戦争の体験を生々しく胸に秘め,発掘されない多くの事実を抱えて生きている貴重な語り部は少なくないのであります。戦後の歴史に載らない,片隅に眠る戦争の周辺を今後とも執拗にかき回っていくことは,平和都市を内外に宣言した岡山市に課せられた一つのまた責務であろうかと考えます。戦争に関する資料展の開催とあわせて,この際規模は小さくてもよい,岡山戦災の生々しい資料や原爆にまつわる貴重な資料を一堂に展示した岡山市平和資料館の設置について,平和都市宣言を記念して前向きに設置するよう検討することを改めて提唱するが,市長の御見解を拝聴いたしたいと存じます。 この項の終わりの質問は,原爆被爆者の実態調査と援護についてであります。戦後40年を経た今も,広島,長崎で被爆した岡山市民が後遺症等により昨年は21名,ことしに入っても6名の方々が死亡しております。一方,いまだに被爆者手帳を受けたくとも手続に必要な2名の証人が得られず,被爆証人捜しに血眼になっている市民も現実に存在し,原爆のつめ跡は今も深く長く尾を引いているのであります。岡山市在住の原爆被爆者のうち,現在の入通院患者約400名,自宅療養者約200名,そのうち介護を要する者約60名と推定されております。しかしながら,これらの数字はあくまでも推定の域を出ないのであって,被爆者の生活実態については全く掌握できていないのが実情であります。今被爆者の方々が何を考え,何を訴えているのか,正確な実態を調査し,その結果を今後の行政に反映していく必要があると思います。新年度予算に被爆者の実態調査費を計上して,現実の生の声を把握し,将来の平和創出のための資料にするとともに,被爆者の福祉の向上に資していくべきであると考えるが,御意見をお伺いいたします。 次に,会員数1,250名を擁する岡山市原爆被爆者会への助成についてであります。現状は年間13万5,000円の助成で,会員1人当たりに直すと約100円という遅々とした対応であります。瀬戸保健所管内西大寺地区の被爆者は,会員20名で年間6万5,000円,1人当たり約3,000円であるが,同じ被爆者であって,1人当たりの補助金の差が約30倍の開きというのはどのように解釈すればよいのか理解に苦しむところであります。せめて西大寺地区分まで補助金を増額してほしいという会員の声に謙虚に耳を傾けていただきたいと思うのでありますが,当局の御見解を承りたいと思います。 私の最後の質問は選挙公報の発行についてでありますが,所管の選挙管理委員会にお尋ねをいたします。 再来年の統一地方選挙は,63年の瀬戸大橋開通と新空港のオープンという,岡山市の新しい幕あけを翌年に控えた選挙であるだけに,市民の選挙に寄せる意識と関心は例年になく高まるものと予測されるのであります。選挙に関する各種世論調査を見ても,有権者が候補者を周知比較するための媒体として選挙公報の存在が大きなウエートを占めていることが明らかになっており,既に類似都市の中では8市,指定都市では9市が実施し,多大の成果を上げているのであります。この数年ポスター掲示場設置の論議が先行しているようであるが,考え方の基本はあくまでも市民の便宜を図ること,有権者のニーズを的確に反映するためにはどうあるべきかを判断の基準に置くべきであって,優先すべきは市民サービスであることは当然であります。 このことはあたかも現在取りざたされている議員定数の削減問題についても指摘できるのであります。議員定数の問題は議会制民主主義の根幹にかかわる命題であり,増減を論議する物差しは,同じく住民の声を的確に行政に反映できるのか否か,行政のチェック機能が十分に果たせるか否かということが最大の論点であって,行革を主たる理由に短絡に,軽々に定数減を唱えることは筋論から著しく逸脱することを知るべきであります。 私は3年前,選挙公報の発行についてただしたことがあるが,その際の答弁は極めて主体性を欠いたものであり,残念に思った次第であります。中小企業の社長の強調する哲学はいろいろあるけれども,その重立った第1のものは,まずやってみるという主義があります。よいと思ったら実行するというもので,すぐれた中小企業はこの体質を持っているのであります。行政とて決して例外ではない。事実,現在公報を発行している都市は,そのいずれもが先取性に富んだ町であります。 以上のような背景を踏まえまして,お尋ねをいたしますが,有権者のニーズということを念頭に,これをベースとして考えるとき,選挙公報の発行については積極的に取り組むべきことを重ねて要望するのであるが,当局の基本的な姿勢について御答弁を願いたいと思います。 御清聴を感謝いたしまして,以上で終わります。ありがとうございました。(拍手)   〔市長松本一君登壇〕 ◎市長(松本一君) 日南議員の御質問に対しましてお答えをいたします。 まず,3カ年の実施計画の中身等についての質問でございますが,多様化し増大する市民の行政需要や,また新しい政策課題に弾力的に対応していくために,新しい実施計画を現在策定をすることにいたしております。 策定に当たりましては,市民とともに歩む市民本位の市政の展開を基本にいたしまして,これまで進めてまいりました生活環境の整備等の政策を推進するとともに,昭和63年春完成の瀬戸大橋,また新岡山空港などのインパクトや,昭和64年の市制施行100周年を踏まえながら,活力あるヒューマンシティーの創造を目標にいたしまして,総合交通体系の整備,先ほどもおっしゃいました駅前の整備も当然これに入るわけでございますが,交通ターミナル機能の充実など機能的な都市づくり,また瀬戸大橋を基軸とした観光対策,都市に活力を生み出すための産業の振興,また急速に進む高齢化社会に対応した潤いと生きがいのある社会福祉の充実,高度情報化,都市の国際化などに対応するための高い水準の備わった都市環境の整備,教育,文化,スポーツの振興を図り,風格ある文化の香り高い都市の形成,こういう以上申し上げましたようなことで,心豊かな触れ合いのある町づくりを推進すべく現在策定作業を進めておるわけでございます。 財源につきましては,今後とも厳しい財政環境が続くものと予想されますために,行政課題を十分に検討をいたしまして,重要性,緊急性を見きわめて事業選択をしてまいりたいと,このように考えております。 次に,財政環境といたしましては,景気回復を示す明るい材料も見られるとはいうものの,来年度も依然として厳しいものと予測されております。ただいま御答弁申し上げました実施計画の考え方に基づきまして予算編成を積極的に行ってまいりたいと,このように考えております。 次に,下水道の問題でございますが,公共下水道の整備の順序といたしましては,まず基幹施設であります終末処理場の建設,それから幹線管渠の築造が先行をする必要があるわけであります。これとの整合性を勘案をしながら,下流から面的整備を行いまして,順次処理区域を拡大していくということになるわけでございます。本市の場合は,地形上市街地並びにその周辺部に浸水地域が御存じのように大変多いわけでございまして,普及率に関与しない浸水防除事業を先行しなければならないこと,また岡東とかあるいは児島湖の流域関連処理区についてそれぞれ浄化センター,あるいはまた幹線管渠等の基幹施設の整備を行っている段階でございますために,水洗化率をもっていう普及率につきましては伸び悩んでおるわけでございますが,昭和64年春には300ヘクタールが,65年には500ヘクタールが一挙に供用開始の予定でございます。 昭和61年度から始まる第6次下水道整備5カ年計画におきましては,多様化していく下水道ニーズに対応しながら工夫を凝らしまして,効率的に執行を,また普及率の向上に努めてまいりたい。下水道事業の促進のために鋭意努力してまいりたいと思いますので,御協力をお願いをする次第でございます。 次に,閣僚の靖国公式参拝の問題でございますけれども,この問題につきましては御承知のように種々論議が重ねられておるわけでございますが,私どももその内容についてもよく承知しておるわけでございますが,国政レベルでの大きな問題として今論議されておるわけでございますので,一都市の市長としての私が現段階で言及するということにつきましては差し控えさしていただきたいと思いますので,御了承を賜りたいと思います。 次に,平和資料館の問題でございますが,ことしは終戦40周年になりますけれども,時代の変遷,世代の交代等によりまして,戦禍の記憶というのは次第に薄れつつあると思うわけでございまして,岡山市といたしましても二度とこのようなことがあってはならないという願いで,昭和53年から毎年岡山戦災あるいは原爆の両資料とかあるいは写真展を各地で開催をいたしまして,広く市民に平和のとうとさを訴えておるわけでございます。平和資料館を先ほどは独自にひとつ設置することについて御提案をいただきましたけれども,いろんな点で困難な点もございますので,既存の施設の活用につきまして,今後とも資料の収集等に努めながら,積極的にこれも努力してまいりたいと,このように考えます。 その他につきましては関係者からお答えいたします。 ◎民生局長(三宅襄君) 原爆被爆者の関係について答弁をさしていただきます。 まず,第1点でございますけれども,原爆被爆者の生活実態調査をしたらどうかという御質問でございます。 この生活実態調査につきましては,10年ごとに国において実施されておりまして,本年も実施されるという予定になっております。 この原爆被爆者の援護という問題につきましては,基本的には国の行政事務ということになっておりまして,国において今申し上げましたように生活実態調査も行われるということでございますので,その点で御理解を賜りたいと思います。 しかし,この問題につきましては,後点の御質問にございますような原爆被爆者の会におかれまして,それぞれ会員相互の生活維持向上に努められておりますと同時に──内容を具体的に申し上げますと,生活,保健管理等の相談,それから各種手当の申請指導,健康診断の促進などをこの団体で実施をされておるわけでございまして,この団体に対しましては御質問のように補助金を差し上げておるわけでございます。 この問題につきまして,特に岡山と西大寺におきまして非常に格差があるという御質問は御指摘のとおりでございます。これにつきましては,西大寺は保健所単位に原爆被爆者の会というものが組織されておりまして,そういう過去の経緯の中で相当な差があるのも事実でございます。この点につきまして,補助金の格差是正という問題につきましては,方法論といたしましてはこの団体の一本化の議論もありますけれども,今申し上げましたように,保健所単位ということでなかなかそれも難しゅうございますし,これをプールをして格差是正をするということになりますと西大寺地区も下がってくるという問題もございまして,この問題については非常に頭を痛めておるとこでございます。この補助金の増額につきましては,御存じのように補助金自体,非常に厳しい財政運営の中て見直しがされておるときでございますので,なかなかその増額については困難ではないかというふうに考えておりますので,御理解を賜りたいと思います。 以上でございます。 ◎選挙管理委員会事務局長(南石元久君) お許しをいただきまして,私の方から答弁をさしていただきます。 選挙公報につきましては,候補者の氏名,政見,経歴等を選挙人に周知させるという点につきましては御質問のとおりでございます。この問題につきまして,市選挙管理委員会において協議,検討がなされたわけでありますが,一つは,昭和58年の公職選挙法の改正によりまして選挙期間が10日から7日に短縮されたということによりまして,選挙公報の掲載文の受け付け,構成,印刷,点検から有権者各世帯への配布完了までの日数が非常に短くなったと。選挙期日前2日までに完全に配布することが困難であるということ。さらに,選挙期間が短縮されたことによりまして,選挙公報の発行事務が加わることは短期間となる選挙の管理執行上に問題がある,支障があるということによりまして,選挙公報を発行することは極めて難しい問題であるというように考えております。 以上です。   〔16番日南香君登壇〕 ◆16番(日南香君) 再質問をさしていただきます。 65年をめどにした岡山市の都市基盤整備についての大まかな計画に関して市長の構想をお伺いしたのでございますが,こうした構想の究極の目的というものは,まず市民に潤いのある生活環境をもたらすこと,そしてもう一つは,県内,県外から顧客を岡山市に誘致することによって市の財政や市民の懐を豊かにすること,この二つがせんするところ行政に課せられた最終の目的であると私は理解しております。すなわち,都市基盤の整備に並行いたしまして,商工観光対策というのは非常に表裏一体をなすものであって,財源確保のための商工観光行政の強力な推進というものが今後必要不可欠のものになってくると思うのであります。今議会でも約半数近くの議員さんが商工関係問題を取り上げて通告されている事実を見ましても,いかに今日的緊急課題であるかということをひとつ肝に銘じていただきたいのであります。それは一面,観光対策こそ生産性のある,可能性のある最たる行政部門であるからにほかならないわけでございます。幸いにして,現在藤経済局長のもとに徳田部長をキャップに,それぞれのスタッフが精力的に思い切った発想の転換を試みておられるので,今後のひとつ成果に大いに私どもも期待をしているところでございます。 先般発表のあった先端技術企業誘致に関する立地推進懇の最終報告に目を通してみましても,ハイテク企業を岡山市に誘致するための結論としての要件は何か,それは誘致にかけるトップの情熱いかんにかかっていると結んでおるわけでございます。まことに当然至極のことでありますが,この当たり前のことが従来とかく優柔不断に終わっていたのであります。私が質問の中で申し上げたように,自治体同士の戦国時代を勝ち抜く要件はやはりトップの情熱,やる気いかんということにとどめを刺すわけでございます。どうかひとつ,3カ年の実施計画の実行,下水道を初め駅前整備につきましては,これぞ松本カラーと言えるひとつセールスポイントとして情熱を傾け,遅滞なく市民の負託にこたえていただきたいと,私から非常に強く念願するわけでございますけども,ひとつ再度市長の御決意のほどをお伺いをしておきたいと思います。 次に,平和都市宣言を受けての対応につきましては,これが実体を伴わない宣言ではせっかくの意義を失ってしまうものでございます。原爆被爆者への援護,平和資料館の設置についても熱意のある答弁とは言いがたいもので,非常に遺憾と申し上げるほかございません。今後ひとつ精力的に取り組んでいただくように強く要望いたします。 なお,選挙公報の発行につきましては,3年前の私の答弁のコピーでございます。全く前進がないことをこれまた残念に思います。現在ひとつ実施している都市の実態を,ひとつもう一遍十分に研究をいたしまして,どのようなメリットがあるんか,多いにひとつ勉強をしてほしいと思います。これはひとつ要望にとどめておきます。 以上で再質問を終わります。(「市長,情熱のある答弁をしてちょうでえ」と呼ぶ者あり)   〔市長松本一君登壇〕 ◎市長(松本一君) 重ねて御質問をいただいたわけでございますが,潤いのある市民が生活できるような環境づくりを進めていくとともに,県外からの,あるいは外国からの観光客の誘致とか,そういうことについて積極的に考えていけよということでございますが,私も先ほどの実施計画の腹案の中で申し上げましたように,こうした問題についてもおっしゃるようにひとつ積極的に努力してまいりたいと,このようにえます。いろいろまた議会におきましてもお知恵を拝借することがたくさんあるわけでございますので,よろしくお願いをする次第でございます。よろしくお願いします。 ○議長(藤原照夫君) 次は順序に従いまして片岡君。   〔2番片岡五百樹君登壇,拍手〕 ◆2番(片岡五百樹君) 私は通告に従いまして,4点について御質問をさしていただきたいと思います。 まず第1は,河川流水占用料と水源税の導入反対についてであります。 建設省と農水省は,財政危機を理由として,それぞれ水道用水や農業用水に財源を求めるため,昭和61年度から河川流水占用料及び水源税を導入し,水の利用税を課税する法案の準備に入っていると言われて,今日大きな問題となっております。 建設省がねらっている河川流水占用料は,家庭用水道から年間190億円,1世帯当たり年間約360円,農業用水から60億円,1アール当たり年250円,そのほか工業用水,発電用水から年総額530億円,合計すると830億円を徴収するという計画であります。 また,農水省が導入しようとしております水源税は,上流の水源林を育てるための費用を下流の水の利用者に負担させようと林野庁が考え出したもので,家庭用水道から,また工業用水道,また発電用水に対する課税で,五,六百億円の税収を見込んでおります。これは工業,発電用水とも結局のところ国民の負担にはね返り,市民生活を一層圧迫するものとなります。 さてそこで,市民は,雨は政府が降らしているのか。水代取るなら日照りのとき政府は水を流してくれるのか。また,農地が雨水や地下水のための調整機能を果たしてきたこと,先祖代々水を引き,堤防を築いて,営々と河川を守ってきたのは農民であり,またダム建設や河川改良には市民の税金や建設事業費の莫大な負担をしておる。その上に受益者負担という二重の課税になる利用税の徴収は,市民も農家も納得できるものではありません。この利用税は一般消費税の公共料金課税版であり,大衆課税の突破口として制度実施後は政府の思うままに無限に収税が強化されると思うのであります。 さてそこで質問をいたします。 その1は,教育や福祉を切り捨て,地方財政に負担を転嫁し,その上歴史上前例のない水にまで課税する市民犠牲の財政再建でなく,1隻766億円もするミサイル護衛艦60隻購入計画を,1隻削減すれば利用税課税は必要でなくなります。市長,水道事業管理者,農業委員会会長の流水占用料及び水源税に対する御所見をお聞かせください。 その2,課税反対であるならばどのような反対運動を展開されるのか。市民にもその不当課税を宣伝し,市民的規模の反対運動を展開すべきであると思いますが,御所見をお聞かせください。 第2の質問は,東西両中島町の都市計画公園の指定の問題点についてであります。 旭川に浮かぶ東西両中島町は,本年4月末合わせて387世帯,821人が居住しております。歴史的には,旧山陽道時代,岡山城下町の玄関口として,商家や旅籠が軒を連ね,繁栄をきわめ,戦前まで京橋が港で,船の出入りがあった時代非常に栄えてまいりました。昭和20年6月29日のアメリカのB29の岡山大空襲でこの町内も灰じんになりました。そのため,翌21年6月に戦災復興土地区画整理区域に決定をされ,同年9月に事業施行命令が告示をされました。この事業計画で,昭和23年5月,岡山総合運動場など6公園の一つとして5.6ヘクタール,全面積を都市公園として決定したのであります。ところが,どういうわけか昭和30年3月,戦災復興事業からこの東西両中島は除外されたのであります。しかし,公園指定はそのまま取り消しをしないで残しました。約40年間,公園計画は宙に浮いて放置されてまいりました。住民は計画や経過も相談されないまま,住民不在の行政によって建築規制と住環境悪化の犠牲になったのであります。しかも,この公園計画のこの地域を市当局は,昭和43年3月,岡山市再開発計画報告書の中で駅前や下内田地区とともに再開発地区として取り上げ,ホテル,会議場や住宅,緑地などの整備方針を定めております。この再開発計画は昭和57年度策定の新総合計画に再開発地区として駅前,駅西,表町などとともに指定をしておるところであります。このことは,同じ市行政の中で公園指定地が再開発地区として相入れない新たな矛盾する二重の計画であります。 さてそこで,質問いたします。 先日もこの問題でこの町内に住む則武慎一元衆議院議員が建設省と交渉し,また市長にも申し入れをし,私も立ち会いましたが,建設省は,40年間公園計画を放置した例はない。計画の変更は市長が県に申請をし,建設省の認可で変更できると言明をしておるのであります。市長は東西両中島の5.6ヘクタールをすべて公園にする都市計画決定を変更する意思はないのでしょうか。現在の計画決定どおり公園化するためには,事業費の総額は幾らと試算されておりますか。住民の移転費だけでも約50億円と,莫大な費用となると思いますが,いかがでしょうか。 その2,戦災復興土地区画整理事業区域の計画であったとき,この土地をどこに換地する計画でしたか。また,戦災復興事業から除外した理由と公園決定がなぜ残ったのか。また,現在は再開発地区として調査を実施してるこの都市計画の整合性について御見解を御明示ください。 その3,市長はこの際,戦後がまだ終わってないこの地区の市民のために,胸を開いて住民の意見と要望を聞き,まず公園計画を変更し──きょうも建設局長に町内会長さんらが要望されましたが,住民本位の解決方向に進むべきだと思いますが,市長の御所見をお聞かせください。 第3の質問は,藤田中学校へのS夫妻,県立高校教師でありますが,の暴力的介入についてお尋ねをいたします。 去る8月16日の県議会文教委員会で,県立高校の英語教師夫妻が,本年6月5日,県議会駐車場でマイカーの駐車をめぐり,県議会職員と県警職員らを相手に約2時間にわたって一方的に罵声を浴びせ,県職員を駐車場に正座をさしたり,むだになった2時間を補償しろと迫ったなどの事件が明らかにされました。8月17日の毎日新聞は「高校の先生木刀ちらつかせ」「駐車めぐって争う」「妻も加わりバ声」の大見出しで,大きく事件の報道をいたしました。 このS氏夫妻は,市内藤田錦に居住し,子息が藤田中学校1年生として通学をしていました。このS氏夫妻によって学校や地域で同じパターンの事件をたびたび起こし,校長以下学校の教師,生徒,父母,地域の住民らが,このS氏夫妻から自宅や学校内,日赤病院待合室などで不当な軟禁状況で,暴力や罵声と圧力を浴びせられ,深夜から翌朝5時過ぎまでたび重なる糾弾を受け,学校現場は混乱し,授業にも支障が出るなど,大変な状況でありました。私は直接被害を受けた父母の訴え2件について調査をいたしました。 それは,去る6月14日,S氏の子息S君中1と中2の3人の生徒が毎日のように自転車で通学中,S君が前の生徒を追い抜こうとして,前の生徒の前輪がS君のスタンドに接触をして,S君が横転をしました。これがS氏夫妻から,いじめられたと,学校校長以下5名の教師と生徒3名,生徒の父母5名がS氏の自宅に呼びつけられ,深夜から翌朝5時過ぎまで,中2の生徒は正座を長時間強要され,人殺しの道具はあると木刀やなぎなた,弓矢を一抱え見せつけ,金庫には飛び道具も刀もある,わしの子供には武道を教えている,わしが命令すればお前らの1人や2人はすぐ殺すと,暴言と罵声の限りを尽くしました。翌日,また翌々日まで中2の生徒の母親らは追及を受け,前輪のかごが少しゆがんでいる程度の自転車を,7万6,800円の最高級のステンレスの自転車を購入させました。その上,約10日間は中学校の先生が自家用車でS君を自宅まで送り迎えし,学校では中2の生徒が待ち受けて,S君のかばんを持って4階の教室まで運ばせるなどをしたのであります。 引き続いて,22日たった7月6日,S君が中1のA君の自転車を倒し壊したが,一言も謝罪しなかったことで,A君が翌日謝れとS君を殴ったことで同じような事件になりました。約2週間にわたってS氏夫妻が中学校や自宅,日赤病院などで校長先生以下教師と生徒,父母,日赤看護婦,医師まで暴言と暴力を浴びせ,生徒らに傷害を与えるなどの事件が連日のように行われ,生徒も教師も授業に支障が出ました。 このような一連のたび重なる事件で,S氏は教育者なのかと,その適格性を疑問視し,またS氏のこのような理不尽な,校長以下学校当局や市教育委員会の対応が暴力に屈しているいうような批判が関係者の間で出ているわけでございます。 そこで,質問のその1は,こうした一連の事実について,学校現場,教師,生徒,父母らの受けた被害の実態と状況,S氏の教育者としての適格性について御解明をいただきたいのであります。 その2,この事件で学校長らのとった学校当局の対応は,暴力に屈し,二転三転し,関係者の生徒や父母に不信頼を抱かしております。学校長のとった対応,市教委の指導は適切に行われたと考えておられますか。教育委員長の御見解をお聞かせください。 第4の質問は,部落解放基本法の危険性についてであります。 地域改善対策特別措置法はあと1年有余で期限切れを迎えます。期限切れ後の同和行政のあり方をめぐっていろいろな主張や運動が始まっております。きょうも解同の網の目行進があったようでございますが,全日本同和会は地対法の単純5年延長を決め,自民党に申し入れをしております。部落解放同盟は部落解放基本法案を決め,既に各地方自治体や議会にその制定を求める陳情や意見書の決議などの運動を行い,行動強化しております。全国部落解放運動連合会は,各府県市町村の協力を得て,同和対策事業の進捗状況,残事業量の調査を行い,今日の同和行政の到達点と問題点を総括し,一般行政を補完する特別措置としての事業の完了と自立,融合を目指す新たな時限立法を提案をいたしております。 さてそこで,質問のその1は,本市の同和事業が特別措置法制定の昭和44年から今日までの過去16年間の事業費,その内容と成果を総括的に明らかにし,残された地対法期限内の事業計画と達成率,残事業について御明示いただきたいのであります。そして,部落問題の解決にどう役立ってきたか市長の御所見をお聞かせください。 部落解放基本法の制定を要求している部落解放同盟は,その制定理由を「従来の施策は環境改善を中心に物的事業が大部分を占め,」「被差別部落住民の生活に直結する施策が充分でなく,いまだ深刻な実態が厳存をしている。また,被差別部落住民に対する差別事件はあいかわらず続発し,むしろ増加,悪質化の傾向にある。」と明記し,今日までの膨大な事業と施策の成果を否定し,差別は増加,悪質化していると過去16年間の同和事業を総括を行っております。 一方,国民的融合路線を進めている全国部落解放運動連合会は,過去16年間の膨大な同和事業費と施策を具体的に数字を挙げて分析をして,1以前の劣悪な生活環境は大きく改善をされた。2教育の面でも高校,大学の進学率は高まり,雇用の機会の拡大,雇用労働者も増加し,部落住民の社会的,経済的地位の向上により,実態的な差別解消に大きく寄与したと評価をいたしております。しかし,同時に地対法後のあり方として,事業の肥大化の弊害,地域的アンバランスの改善と,教育と啓発活動及び産業対策と地方自治体の超過負担の解決や個人施策の見直しを行い,21世紀に差別を持ち越さないための方針を提案し,解同の基本法を批判しておるところでございます。 そこで,質問のその2は,解同の要求している部落解放基本法は,憲法の理念と条文に違反をし,差別を固定化し,国民の言論を処罰の対象にし,差別を内在化し,国民の融合と連帯を否定する国民敵視論の危険な内容をはらんでおります。市長はこの部落解放基本法制定要求について,解同と何らかの約束,合意をされておられますか。市長の基本法についての御所見をお聞かせください。 部落差別の解消は国民の基本的人権にかかわる国民的課題であることは言うまでもありません。しかし,特にこの課題を早期に達成するためには,国と地方自治体が公正,民主,国民合意の主体的行政を確立すること。運動団体と市民が民主的な社会的道理のある市民的連帯と融合の路線一本市でも実践することであると思います。 ところが,本市の同和行政は西大寺宿毛地区,金山沖問題なと,また住宅新築資金融資事件に見られた行政当局の主体性の欠如,非民主的で暴力や圧力に弱い同和行政がますます続いており,行政は部落差別をなくしようと真剣に考えているのか疑問だという批判が市民の声となっております。 昨年6月に地対協が発表した啓発問題の意見具申の中でも,運動団体による行き過ぎた確認糾弾が差別解消の過程をおくらしていると指摘し,解放同盟などの地方自治体への介入,不公正乱脈な同和行政について,運動団体にも厳しく反省を求めておるところであります。 ところで,解同の部落解放基本法制定運動についても,市民や行政を洞喝する運動になってるという批判を聞くところであります。 そこで,質問のその3は,解同の基本法制定要求運動は行政や大企業,宗教団体も巻き込んで強力な運動を展開しているようでありますが,松本市長もこの運動を激励するあいさつや署名を行っていると仄聞するのでありますが,その事実があるのか御明示をいただきたいと思います。 また,内閣総理大臣に提出をする署名運動の中央実行委員会に,全国市長会,議長会など,地方6団体が参加しているように印刷物に明記されておりますが,参加団体になっておるのでしょうか,この点についても御答弁をいただきたいと思います。 以上で第1回の質問を終わります。(拍手)   〔市長松本一君登壇〕 ◎市長(松本一君) 片岡議員の質問に対しましてお答えをいたします。 流水占用料とか,あるいはまた水源税の導入に関することにつきまして見解を求められたわけでありますが,建設省並びに林野庁におきましては,水道用水及び農業用水等から流水占用料を,また水道用水等から水源税を徴収する方針を打ち出しておりますけれども,流水占用料については,これまで水道用水,農業用水は極めて公共性,公益性が高い事業であり,かかる性格を理由に占用料を免除してきている経緯があります。また,水源税におきましても,森林からの受益の有無が不明確なものに森林整備のための目的税を課するということは,水道利用者である市民の負担増を招くことになりますので,行政としましても,県下市長会並びに全国市長会を通じまして,関係省庁はもとよりでございますけれども,関係の国会議員の皆様にもあらゆる方法で強力に反対陳情を実施していきたいと,このように考えております。 次に,中島の公園につきましてでございますが,中島公園につきましては,御指摘の経過を経て近隣公園として都市計画決定されておりまして,未整備のまま今日に至っております。市といたしましては,区域内に多数の住民が居住されていることから,公園整備と住環境整備の両面から検討をしてきておりますが,旭川改修計画との関連もございまして,整備計画につきましては,地元住民の意向把握に努めるとともに,関係機関と協議してまいりたいと考えております。 中島公園の都市計画決定につきましては,本地区の整備計画の具体化をまって取り扱いにつきまして国,県と協議してまいりたいと存じます。 次に,部落解放基本法につきましての御質問でございますが,基本法について約束をしたり合意しておるということを聞くがどうかというような,そういう意味だと思うんですけれども,市長としては約束,合意しているものはございません。 法期限後,啓発,雇用,残事業等のために何らかの法的措置は必要でございますので,全国市長会を通じて強くこのことを国に要請しているところでございますが,運動団体が目標として掲げている法案に対しまして意見を申し上げることは差し控えたいと思いますので,御理解をいただきたいと思います。 次に,市長はこの行動を激励するあいさつや署名を行っているかということでございますが,去る8月11日の同対審答申20周年の県民集会へ県知事,県議会議長とともに岡山県市長会会長として出席し,あいさつをいたしたことは事実であります。署名につきましては行っておりません。 その他については関係者からお答えいたします。 ◎建設局長(神原俊彦君) 中島問題について御答弁申し上げます。 戦災復興土地区画整理事業区域の計画であったとき,この土地をどこに換地する計画であったかという御質問でございます。 当公園の予定地部分の仮換地の指定については,仮換地計画策定前に事業区域から除外されたため,換地計画は決定されていないままでございます。 戦災復興事業から除外した理由と公園決定がなぜ残ったかと,こういう御質問でございます。戦災復興は昭和21年6月,約205万坪の区域を都市計画決定しましたが,昭和25年の戦災復興事業再検討5カ年計画により着手した区域を1次施行区域,その他の区域を2次施行区域としております。それで,1次施行区域を鋭意事業の進捗を図ってきたわけでございますが,再検討5カ年計画の最終年度の昭和29年を迎えて2次施行区域について事業着手の見通しが立たないため,昭和30年3月,2次施行区域を除外し,施行区域の縮小が図られ,当地区もこの中で除外されたものでございます。 しかし,公園の決定につきましては,戦災復興との関連のほか,当時岡山市の都市施設として必要な施設であるため,都市計画の決定を除外していなかったということでございます。 次に,再開発地区として調査をしているが,都市計画との整合性についての見解を明示せよという御質問でございますが,都市計画公園として都市計画決定しているものでございますが,多数の住民が住んでおられ,公園整備と住環境の整備という両面から当地区の整備を検討しているところでございますので,御理解のほどよろしくお願い申し上げます。 以上でございます。 ◎参与(渡辺史郎君) 同和問題に関して市長の答弁を補足いたします。 まず第1番目に,昭和44年度から59年度までの過去16年間の事業費,その内容,成果,あるいは部落問題解決にどう役立ったかという問題でございます。 昭和44年の旧同和対策特別措置法施行以来,59年度までの16年間の物的な事業費は236億4,000万円で,その内容は生活改善整備事業に174億4,500万円,産業振興対策に27億1,200万円,社会福祉及び衛生の向上対策に28億1,500万円,その他6億6,800万円となっております。 その成果は,対象地域における生活環境の改善を初めといたしまして,産業の振興,職業の安定,教育の充実,人権擁護活動の強化,社会福祉の増進など,一定の成果があり,関係住民の生活の安定及び福祉の向上等が図られたものと考えております。 次に,地対法期限内の事業計画と達成率,残事業等を明示されたいという質問でございますが,期限内と申しますと,本年度と昭和61年度でございますが,61年度の国庫補助の方針及び予算等が未確定でございますので,現在61年度の事業予定を明らかにできませんけれども,主要な物的事業につきましては法期限内に収束するように極力努力をしてまいりたいと考えております。しかしながら期限内に事業を完了することは困難で,なお残事業としての取り組みが必要であります。残事業の量といたしましては,現在では不確定要素があり,明示はできませんけれども,61年度の予算編成を見ながら詰めてまいりたいと考えております。 なお,達成率でございますが,58年度に計画いたしました44年度から61年度までの事業の実績及び事業予定の集約から見ますと,59年度までの達成率は約90%と算定しております。 次に,いわゆる全国市長会,議長会等地方6団体は署名運動の中央実行委員会に参加しているのかという質問でございますが,全国市長会の事務局に照会いたしましたところ,参加要請はあったが,意思表示はしていないとのことでございました。なお,会議にはオブザーバーとして出席していると聞いております。 以上でございます。 ◎水道事業管理者(黒田智昭君) 流水占用料と水源税の導入構想に対しましてどのように思うのかと,こういう御質問でございます。 昭和61年度の予算の概算要求におきまして,建設省は水道事業の利水者から流水占用料を徴収し,これを治水の特別会計に直入しようとする河川法の改正を出しております。さらに,林野庁は上水道の使用者から森林整備財源として徴収する水源税の制度を昭和61年度に創設をしようとする方針が出されておるわけでございますが,このような制度の改正は,利水者のみを対象としたものでございまして,命の水に係る水道水に関しまして負担をかけようという問題でございます。非常に多くの矛盾点を抱えておるわけでございます。これが実施されましたならば,水道事業の健全な経営にも大きく支障を及ぼすものと考えております。このことは,ひいては使用者でございますところの市民の負担増にもなるものでございまして,水道事業管理者といたしましては到底容認することはできないわけでございます。 では,この問題に対しましてどのように対応をしていこうかという問題でございますが,この問題は一事業者だけの問題ではございません。全国的な問題でございますので,全国の水道事業者が結集をいたしておりますところの日本水道協会におきまして,これらのいろいろな不合理な点等を検討をいたしまして,統一見解のもとに全国的な基礎の中で反対の運動を展開をしていく,これが必要であろうということで,そのように決定をされておるわけでございます。現在これらの統一見解をもちまして建設省,林野庁を初めといたします関係の省庁に対しまして反対の陳情を反復して行っておるところでございます。 なお,各県の支部,それから各都市におきましても関係者が上京のたびに直接地元選出の国会議員等に対しまして反対の陳情を行っておるわけでございます。 以上のように全国水道事業者挙げまして反対の運動を展開をいたしておるわけでございまして,何とぞよろしく御協力を賜りますようお願いを申し上げます。 ◎教育長(奥山桂君) 第1のお尋ねは,藤田中へのS夫妻の暴力的な介入について,その被害の状況についてまずお尋ねでございます。 御質問の中にもありましたが,6月14日の件につきましては,関係の保護者,生徒,教職員に対しまして,S夫妻宅で翌朝4時ごろまで話し合いがあったと,そういうふうに報告を受けております。それから,7月4日の件につきましては,7月4日,学校で9時半ごろから翌日の0時ごろまで話し合いの中で,13時過ぎごろS氏が校長,教頭に対して暴力を振るっております。7月5日は,日赤病院,これはその子息が入院した病院でございますが,日赤病院でS夫人が加害生徒に対して暴力を振るっております。7月8日には,S夫妻宅でS氏が関係の父親に対して暴力を振るっております。そういうふうに,長時間にわたってかなり厳しい詰問があったというふうに報告を受けております。 次は,S氏の教育者としての適格性についてのお尋ねでございますが,この件につきましては,岡山市教育委員会としましては,S氏が岡山県教育委員会の管理下にありますので,この状況を県教委の方へ連絡をいたしておるところでございます。 なお,一連の実態や状況を見ますときに,子を持つ親の立場からも冷静な態度をとるよう反省をいただきたいと,そういうふうに思っておるところでございます。 ◎教育委員(辻吉之祐君) 学校長のとった対応と市教委の指導が適切であったかどうかという御質問でございます。 学校長を初め学校関係者は,この件に関して加害者,被害者,両者の気持ちを十分に酌み取り,理解を得るために粘り強い指導を繰り返し行い,努力を重ねてまいりました。また,市教委への連絡もたびたび行っております。岡山市教育委員会といたしましても,この問題の重要性を考え,関係の保護者から事情を聞き,学校と密接な連絡をとり,親として冷静な態度で話し合いをお願いをし,保護者間の和解を一日も早く行うよう指導してまいっております。しかし,その経緯においては,指導の困難性は大なるものがございました。
    ◎農業委員会委員(小若敬二君) 流水占用料並びに水源税に対する所見をというお尋ねでございまするが,御質問の流水占用料につきましては,農業用水が国土の保全と水田の利水,地下涵養効果及び地域用水としての役割並びに農地とともに国民食糧を供給する基礎をなすなど,重要な役割を担っておるものであります。農業者の利益代表機関といたしまして,徴収反対決議を行っております。 次に,課税を反対であるならばどのような反対運動をされておるのかとのお尋ねでございます。 流水占用料徴収につきましては,9月13日の農政部会におきまして,反対の決議を行っております。建設省等関係機関へ既に反対の要望を行っております。また,農業者へは農業だよりを通じてPRしていきたいと思います。以上でございます。   〔2番片岡五百樹君登壇〕 ◆2番(片岡五百樹君) まず,流水占用料と水源税の導入反対についてであります。 先ほどから市長,水道事業管理者,農業委員会会長等から反対の御意思を,また反対運動についての行っておる状況について御報告がありました。ぜひともこの問題につきましては,市民に非常に負担になりますし,日本の食糧を確保する上で農民の生産意欲を阻害する要因にもなります。ぜひともそういう点で,こういった不当な占用料や税金の課税については行政を挙げて,また市民ともども反対をその先頭に立ってしていただきますように心から要望いたしておきます。 次に,東西両中島町の都市公園計画でございます。 先ほどの市長の御答弁で,公園整備と住環境整備を同時に地元の御意見を聞きながら進めるようなお話でございました。そして,その整備計画をまって国,県と協議をするという御答弁でございましたが,私は基本的に,公園計画を都市計画決定をしておるわけです。ですから,先ほども質問いたしましたが,住環境整備,市が決めておる再開発計画,これで今はやろうとしておるわけです。それがこの先ほどの御答弁だったと思うんですが,それであるならば全面積を公園決定をしておる,これは既に市長自身が否定をされとるわけです。ですから,公園決定によって地域の住民は非常に迷惑を受けておる。ですから,もう既に家がつぶれて,建て直しもできない。どうすればよいかいうことで,非常に住民としては困っておられるというのがこの10数年の状況です。たびたび市当局もアンケート調査や,その他の地元との話し合いをしながら,もう一,二回行ったらすぐやめて,それでほっとくということを繰り返しとるわけですね。ですから,行政に対する不信というのは非常に高まっておるというのが今日の状況です。そういう点から見て,やはり公園計画を既に矛盾してもうやめておるということであれば,計画そのものがもう成り立たんということを先ほど市長言われたんですから。そういう点で,変更するということをこの機会にぜひこの議場で明言をしてほしいというふうに思うんです。で,その上で住民の合意を得て,どうするかということを決めていくと。具体的にその公園計画の決定をするのは別としても,市長のあすこをどうするかという意思については,この際この議場で公園計画については変更をするということを明らかにしていただきたいということを再度要望しておきたいと,その点について御答弁をいただきたいと思います。 それから,建設局長の方から,公園決定がなぜ残ったのかという私の質問に対して,都市施設として必要なために残しておるということなんです。ところが,先ほどの市長の答弁では,既に住環境整備という方向で市も基本構想の中でも明らかにしておるし,作業としても今までたびたびそういう方向でやられとるわけですから,都市施設として公園が全部必要であるんかどうか,5.6ヘクタールが全部必要なのかどうか,その点については矛盾するわけですから,この際局長も全部が必要なのかどうか,それとも一部だけにするのか,その点について明確に御答弁をお願いをいたします。 それから,藤田中学校のS夫妻の暴力的な事件です。 先ほど教育長の方から経過については答弁がございました。その中で暴力行為があったということは認められておるわけでございます。しかし,長時間にわたって話し合いがされとるわけですが,それを単なる話し合いというふうに考えておられるというようなことなんですが,その内容は大変な状況だったというのは,私も録音を一部聞かしてもらいましたけど,その内容を見ても本当に話し合いというような状況じゃないんです。子供に対してもですよ,お前はええ度胸しとると,ええやくざになると,少年院行けえとか,そういう言い方で大変心理的に圧迫を加えると。父兄に対しても聞くにたえないような,殺すとか,旭川へ浮いとらあとか,そういうことを言うわけでしょう。それが教育者のあんた言う言葉ですか。そういうことを平気で朝の5時過ぎまでやるわけです。こういうことは到底許されないと思うんです。 しかも,先ほどのお話では学校は対応を十分にしておるというようなお話ですが,全然してないから,小学校のときからずうっと,中学になって大きな事件が二,三回起きましたけど,ずうっとですが,この人は。それ全然手を打ってない。 私がその事件を聞いて,教育委員会に聞いたとき,指導課長はどう言いました。全然聞いてないいうことでした。報告を受けてない。で,私は現地へ行って言うたら,校長先生は文書で報告しとると言う。その矛盾はどういうことならあいうて,初めて教育委員会もそれを認めるわけです。全然隠そうとするわけでしょう。 それで,校長も最初はもう大変なんで,もうA君の親に対しては,もう警察へ届けて,どんどん裁判でもやってやってくださいと言っておきながら,今度は二転してやろうとしない。もう早く解決してほしい,早く金を出して,言われるままに金を出してやんなさいいうことを,いろんな圧力をかけてくる。そういう対応をするから何回たってもこの事件は終わらない。私がこの問題を聞いてから,後は割に,非常にスムーズに行っとるじゃないですか。毅然とした態度をとらない限りこういう事件はきちっとならないということを,これはもう何回もこの議会でもたびたびやられとるわけです。それをやらないんです。どういうことですか,この点については。実際やってない。私はそう思うんです。 それから,基本法の問題,時間がございませんので一言だけ申し上げておきますが,私はやはり本当に行政が差別をなくするという立場に立っておるならば,この基本法は絶対すべきでないと思うんです。それを激励をしたりするようなことをやられるから,何回でもこういうことを,差別が大変な拡大するような状況に,そういう認識をされるような状況になっておると思うんです。その点については,ぜひ基本法については反対をお願いしたいと思います。   〔市長松本一君登壇〕 ◎市長(松本一君) 重ねて見解を求められたわけでございますが,先ほど中島公園につきましての御答弁を申し上げましたとおりに,市といたしましては住環境の整備と河川改修計画等を配慮しながら関係機関と協議を進めるとともに,おっしゃるように地元住民の意向把握にも十分努めてまいりたいと。そして,これの問題解決に努力してまいりたいと。このように考えますので,御理解をいただきたいと思います。 ◎建設局長(神原俊彦君) ただいま市長が御答弁申し上げましたように,公園を全面的に否定してるというわけではございません。公園とそれから住環境の整備という両面から検討して,それから河川改修等の整合性という面とを検討をしながらこれからも進めていきたいと,このように思っておりますので,御理解のほどをよろしくお願いいたします。 ◎教育長(奥山桂君) 藤田中の問題につきまして,教育委員会が事実を隠しておったり,またこの問題の処理について毅然とした態度に欠けておるからこういうことになったのではないかというような御指摘でございます。おっしゃいますように,こういう問題を隠しておったり,それから言われるままにしておるというようなことでは問題の解決にならないということは,おっしゃるとおりでございます。先ほど委員長答弁にもありましたように,この問題の処理はかなり難しかったと,難しい状況がしばしばあったというような意味のことを答弁申し上げておりますが,そういう状況ではあったわけでありますが,御指摘のように毅然たる態度をとっていかなければならないということについては,我々としても十分心に持っていかなければならないと,そういうふうに考えております。御理解をいただきたいと思います。 ○議長(藤原照夫君) 午後1時まで休憩いたします。    午前11時43分休憩    ~~~~~~~~~~~~~    午後1時5分開議 ○議長(藤原照夫君) それでは午前中に引き続いて会議を開きます。 次は順序に従いまして新谷君。   〔31番新谷盈智君登壇,拍手〕 ◆31番(新谷盈智君) 昼下がりのお疲れの時間ですが,私は通告に従いまして質問をさしていただきます。 まず初めに,観光行政についてでございます。 昭和63年に完成する瀬戸大橋,岡山空港によって岡山市が東瀬戸圏の中核都市としてクローズアップされることは既に御承知のことと思います。この瀬戸大橋時代に,産業,流通,農業,観光と影響を受ける中で,特に観光行政について二,三お聞きしてみたいと思います。 その一つとして,吉備路の整備についてお尋ねをいたします。 先日,我が党の市議団が吉備路の視察をいたしました。この吉備路の観光の中心は何と申しましても造山古墳と考えておりましたけれども,現地に行き,造山古墳を見たとき,何の変哲もない小山という感じで,これが我が国で第4番目の規模を持つと言われる古墳かといささか落胆をしたのは私ひとりではなかったと思います。樹木は生い茂り,足元は草ぼうぼう。前方後円の美しい姿はどこにもその影さえとどめず,ただ平凡な小山といったものであります。これでは,吉備路観光の核となるべき古墳が現状の状態では,来るべき瀬戸大橋時代を迎えて,客の誘致は不可能に近いと考えますが,今後の整備計画を明らかにしていただきたいと思います。 特に,この付近に将来山陽自動車道の岡山ジャンクション,中国横断自動車道の岡山西インターチェンジができるところであり,岡山市に入ってくる西,南,北から初めて入るインターチェンジの場所でありまして,言ってみれば岡山市の顔となるところであります。この地理的にも歴史的にも観光資源として重要なこの造山古墳の周辺整備を含めての整備計画をお知らせください。 次に,高松城址についてであります。 今から約400年前,羽柴筑前守秀吉による高松城の水攻めは,大規模な土木工事を要し,約3,000メートルにわたり堤防を築く等,戦国史上大変有名なものであります。また,高松城主の清水宗治公は羽柴軍3万人の軍勢を城兵5,000人でよく防ぎ,武士のかがみとして後世にその名を残したことは周知のことであります。 岡山は歴史に残る事件が非常に少なく,吉備文化の発祥の地として知られていますが,これとて山陰の神話の国からすれば影が薄く,隣の広島の被爆県,山口の勤王の国から比べれば印象の薄い県であり市であると思うのであります。ただ一つ,高松城の水攻めが全国的に強烈な印象を与えるただ一つの歴史的なものと言ってよいのではないかと思いますが,いかがでしょう。しかし,高松城址を見ますと,水攻めという方法で攻められたごとく,平城であり,今では天守閣もなく,ただ単なる小公園としか映りません。しかも,進入道路も狭く,大型観光バスの乗り入れが困難ときては,大型観光地の素質を持ちながら,観光地して不適格のように感じられます。 そこで,この過去の一大絵巻を,ダイナミックに風格とロマンにあふれた観光地としての基盤整備を考えておられるのかどうか,市長に御答弁をお願いいたします。 次に,西川緑道公園についてお尋ねをいたします。 この緑道公園は全国に先駆けてつくられ,岡山市が全国に誇れる公園と考えますが,観光客を呼べないのはなぜでありましょう。 その一つとして,イベントをしていない。その2として,大型の公営駐車場がない。その3として,子供の遊び場がない。その4として,水はあるが利用できない。例えばボート遊びとか。その5として,細長く変化がない。その6として,周辺に若者等を引きつける家並み,土産物店等がない──等々でありましょう。せっかく全国に先駆けして立派な緑道公園をつくりながら活用できないのは大変残念なことであります。 そこで,今挙げました6点について少々意見を言わしていただき,当局の見解をお示しください。 まずその1として,イベントをしていないことについては,まず人を集めるのには定着したイベントを持つことであると聞いております。大阪では大阪21世紀計画を1983年10月から2000年まで18年間にわたる超長期の超大型事業を官,財,学の3者で立案し,大阪築城400年祭りがその初頭を飾る大イベントであり,この後も21世紀までユートピア博,また近代化100年行事の一環として花の万国博などが企画され,そして21世紀の前夜祭と続いていくようであります。なぜ大阪はこのように次から次へとイベントを起こすかと言いますと,経済と文化を発展させる政策だからということであります。緑道公園のイベントは,まず定着さすことから考えて,朝市から始めてはどうかと思います。朝市で有名な輪島と飛騨高山の朝市を見る機会がありましたが,新鮮な野菜,魚貝類,郷土色豊かなおもちゃ,輪島であれば輪島塗のはしとかはし箱等が店頭に並んでおりました。緑道公園にぜひ朝市の定着を考えたらどうかと思います。 その2として,駐車場の確保は客寄せをするのに重大なファクターであります。しかも,大規模な公営駐車場があれば安心して緑道公園に出かけることとなります。 そこで,まず周辺の道路の2車線ある片側通行のところへ1車線分の有料駐車帯を設け,その部分の道路の速度制限を極端に遅くする等の条件をつけておき,まあバス路線等は除外して考えたらどうかと思います。また,この公園の周辺には公共の用地として小学校が2校,児童公園が3園あり,小学校の校庭,児童公園を有効利用する等の発想をして,マイカーのお客にも十分来てもらうようにする等の施策が必要と考えます。 倉敷の美観地区も旧市役所跡地を駐車場として活用し,観光客の増大が図られているところであります。 その5として,細長くて変化のないことについては,市民の皆様の要望でもあり,我が党の61年度重点要望にも挙げている世界の橋のミニチュア橋をかければ,変化も出てきて大変おもしろいものになるのではないかと思います。すなわち,ロンドンのテームズ川にかかっているロンドン橋とか,サンフランシスコのゴールデンブリッジとか,世界に誇る今度の瀬戸大橋とか,錦帯橋とかのミニ版を今かかっている橋を改造してできれば,楽しさもふえると思いますがいかがなものでしょうか。せっかく全国に先駆けてつくった緑道公園ですから,思い切った施策を盛り込み岡山市の観光の目玉とするお考えは市長にはありませんか,お尋ねをいたします。 その6として,緑道公園の周辺の家並みを大正風のアンティックなものとし,若者が好むようなしゃれたブティックとか土産物店ができれば,自然に人は集まり,経済と文化が発展していくものと考えますが,当局においてこのような家並みの指導,助成の方途はありますかお伺いをいたします。 観光行政の締めくくりの質問としまして,これからの観光は風光明媚なだけでは観光客は飽き足りません。歴史あり,ロマンあふれる物語あり,衣食住を含めたファッションがなければならぬと思います。今,瀬戸大橋時代を迎え大手の観光業者の目はどこに向いているかというと,四国では高知,今治だそうであります。このことから考えまして,岡山市は四国の玄関口としての拠点であることは認めており,岡山から今治へ,また高知へと流れると見ているようであります。また,その反対に,四国から岡山を目指す観光客の流れをどう引きとめるかは,岡山市の観光資源としての造山古墳,高松城址,緑道公園等をいかに整備し,既存の岡山城,後楽園と結びつけるかにかかっていると言えましょう。今瀬戸大橋時代を前にして行政が的確な判断を下し対応していくならば,必ず民間活力を引き出し,あすの岡山市の観光が明るいものとなるでありましょう。市長,何とぞ発想の大転換をされて,観光岡山を築かれる決意をお披瀝ください。 続きまして,浸水対策についてお尋ねをいたします。 この浸水については,例年常時浸水するところは一度や二度は必ず浸水を起こし,年々その対象範囲を拡大しているようであります。田園都市岡山が都市化される過渡期の現象としてはいたし方ないものかとは思います。年々歳々,雨が少し強く降ると,またつかるのではないかと不安の時を過ごしておられる市民の方々のことを思いますと,少しでもその不安をなくする方途はないかと考えている人は,私一人ではないと思います。農業用水路を排水路として使用せざるを得ない現況では,相反する利害の中で対応せざるを得ないものであり,当局にとっても歯がゆいものでありましょう。また,農業用水路の生い立ちから見ても,水田に水を引くために水田耕作者の先祖が苦労して用水路をつくり今日に至っているわけで,既得権益を主張されるのは当然のことと思います。最近の近郊農業の実態を見ますと,稲作収益のみでは生計が成り立たす,果樹,園芸,酪農等々手広く経営されるか,ほかに収入を求めて兼業農家となるかのいずれかと思います。そうすると,勢い水田の農作業も簡素化,省力化に向けさるを得ないことは察せられます。したがって,6月から9月までの用水期といえとも,細かい水の管理ができにくいため,用水路の水位を常に水田に自然流入できる高さを保つ必要があるわけであります。一方,浸水常襲地区の人々は用水の水位をできるだけ下げてほしいのですが,それができないところに毎年毎年浸水を繰り返しているわけであります。しかし,雨水排除の責任は行政にあるということからすると,農業用水を排水路としていることが間違っており,新たに排水路をつくってスムーズな排水をすることが行政のとるべき本来の姿でありますが,限られた財源の中で新しい排水路をつくることは到底無理な話であります。この新しい排水路が下水道の雨水渠ということになりますが,都市排水の基盤である下水道が大幅に立ちおくれている現在,当局はその間の対応を真剣に腹を据えて関係者の理解を得られる方策を見出さなけれはなりません。そのため,農業用水は調査管理課,悪水路は土木整備課,下水道処理区域内は下水道局と,同じ水路でもその所管が違う管理をしている現在の機構では抜本的な対応ができないと思いますから,水路のことは何でもやるという水路課をつくる考えはありませんか,お尋ねをいたします。 昨日の丹原議員の御質問と私の質問が一部重複しますので,重複を避け簡単に質問をいたします。 座主川水系については,笹ケ瀬川がいろんな意味で危険な河川であり,県の早急な対応がまたれているわけで,この笹ケ瀬川にできるだけ不要水を排出をしないために,座主川の源流である合同用水の樋門の操作についてお尋ねをいたします。 合同用水は皆さんも御承知のとおり,旭東を流れる祇園用水,旭西の西川用水等広範囲な配水面積を持つ源流であります。したがって,この合同用水の樋門の操作がおくれることは,旭西だけではなく旭東にも影響が出るため,強雨のおそれのある注意報が出ると,直ちに樋門の操作をすることが大切であります。さきの2月議会の私の質問に経済局長がお答えになったとおりとは思いますが,確認を含めていま一度御答弁をお願いをいたします。 次に,尾土地区でございます。このたびの浸水被害地区の中で,この尾土地区が一番遅くまで浸水をしていたと思います。この尾土地区のことも丹原議員の質問の中にありましたので,1点だけお尋ねをいたします。 尾上排水機場の現況のポンプは500ミリが2機ついているようですが,この排水機場は尾土地区にし尿浄化センターの建設の見返り施設として衛生局が設置をしたものと聞いていますが,農林サイドから見てこのポンプの能力で十分と考えられるか。また,能力アップの必要があるとすれば計画をお知らせください。 次に,倉安川水系についてお尋ねをいたします。 この倉安川水系の円山,山崎地区は,急激な都市化が進み,操山の山せを受け,倉安川が疎通能力を欠き,しかも南はバイパスで遮られ,浸水を繰り返しているところであります。水田が減少し,貯水能力の低下もその原因となり,初期降雨の貯水能力を強めるため,湊池ノ内大池を浚渫し,用水期には池の水を逆に下げておくとかすれば相当の効果があるものと考えますが,御所見をお聞かせください。 以上で第1回目の質問を終わらしていただきます。ありがとうございました。(拍手)   〔市長松本一君登壇〕 ◎市長(松本一君) 新谷議員の御質問に対しましてお答えをいたします。 まず,吉備路の整備についてでございますが,客ができないということから,目下造山古墳などを含めました吉備路の観光整備をどのようにしていくかということを内部で真剣に検討をしているところでございます。 高松城址につきましては,現在歴史公園として整備されておりますけれども,観光客は非常に少ないようでございます。したがって,城跡を訪れる観光客にロマンを与えるような雰囲気が必要であると考えておりまして,吉備路一帯の整備の中で考えていきたいと思っておるわけでございます。 西川緑道公園につきましては,今県外の方々から注目されておりまして,新しい時代の市街地観光,その目玉といたしまして売り出していきたいと考えておりますが,おっしゃるような駐車場の問題やいろいろ隘路があるわけでございます。いろんなまた法的な制約もございまして,関係局で話し合いをしているのでございますが,いずれにいたしましてもイベント,また施設の整備,周辺整備など観光サイドに立った整備で今後も進めていきたいと,このように考えております。 今後は瀬戸大橋時代に向けまして,新しい時代にふさわしい観光施策を考えていかなきゃならないし,観光客の誘致に努める必要があると考えておる次第でございまして,今こそ民間の活力も十分発揮していただくような,そういうことを考えていただいて,官民一体となって取り組んでいきたいと,このように思っておるわけでございます。 その他につきましては関係者からお答えいたします。 ◎総務局長(八木肇君) 用排水の対策の関係の中で水路課の問題ということが出ております。その御質問に対してお答えさしていただきます。 で,用排水路の整備につきましては,これは御指摘の中にございましたように農林部,土木部,下水道局,そうしたところでそれぞれ所管を区分しておるところでございます。これは農林部では例えますと公共下水道区域外の全用排水路ということで,それから下水道局につきましては公共下水道の計画区域内の用水路を除きます排水路,あるいはまた土木部では公共下水道の施行区域及びその農業用排水路を除きます生活汚水の排水路の整備を担当しておると。こうした区分でそれぞれの所管事務との関連ということの中で,それを考慮に入れました中でそれぞれ担当しているところでございます。こうした事務分担でいきますと非効率のように思われる面があるかとも思うわけでございますけれど,この都市化の進展につれまして用水あるいは排水,下水というふうに対応する組織がだんだん専門化してまいります。そうした中でそれぞれの機能を持ちました部署が対応せざるを得なくなってくるというところがございます。この都市規模がだんだん大きくなるに従いまして,水行政の一元化ということが困難になってくるとも言われておるところでございます。この一元化ということの中でも,またそうした場合に仮にしたといたしましても処理し切れないようなものが残ってくると,そこでまたその調整が要るというふうなこともあるかとも言われております。岡山市といたしまして,この所管業務との関連という問題もあります中で,また今申し上げましたようなこともございます。そうしたものの中でこの,土木部に河川主幹を置きまして,それから農林部には水路主幹を置くということの中で,おのおの連絡調整機能を持つということの中で一貫した対応ができるように努めておるところでございます。このような現状の中でございます。よろしく御了解を賜りたいと思うわけでございます。 以上でございます。 ◎経済局長(藤昭博君) まず,合同用水の樋門操作についての御質問に御答弁申し上げます。 この操作につきましては,大雨注意報が出ました段階ではもちろんのことでございますが,それ以前の段階でも,降雨の状況,水位の状況,こういったものを見ながら迅速に対応するようにいたしておるところでございます。今後とも取水樋門の操作につきましては万全を期してまいりたいと,このように考えております。 次に,尾土地区の問題でございます。 議員御指摘のとおり,現在尾土地区に500ミリのポンプ2台で排水の対応をしておるところでございます。しかし,上流の一宮,高松地域からも開発等が進みまして流入がふえてきておると,このポンプを設置した当時とは状況が変わってきておるわけでございます。昨日丹原議員に御答弁申し上げましたとおり,まず上流に排水機を増設していく計画を現在進めておるところでございますので,御了解賜りたいと存じます。 次に,倉安川水系でございます。 湊池ノ内大池に常時水位を下げて調整池の役目をさしてはどうかという御質問でございました。御案内のとおりこの大池の受益面積は,従来15ヘクタールございましたが,現在では開発,あるいは倉安川からの取水ができるようになりまして,かなり面積が減ってきておりますので,通常の貯水量をある程度少なくすることは農業用水を必要量確保するという面からのみ考えますと,これは可能であるというように考えられます。しかし,地元の方たちの大池浄化の御要望も強うございます。また,農地受益者の意向もございますので,これらを十分踏まえながら検討してまいりたいと,このように考えておるところでございます。 ◎建設局長(神原俊彦君) 西川緑道公園に世界の橋のミニチュア橋をという御提言でございますが,世界の橋のミニチュア橋につきましてはユニークな御提言だと受けとめさしていただきたいと思います。現在西川緑道公園内の橋梁は,国道,県道,市道の道路管理者で25橋管理されております。それ以外に14橋の緑道橋があるわけでございます。改修は老朽化した危険な高欄から,緑道の景観を考えながら,昨年度から計画的にかけかえを行い,カズラで覆われたヨーロッパ風の緑道橋1橋が完成しておるわけでございます。今後も由緒ある田町橋等の高欄の修理もしてまいりたいと,このように考えておりますので,御理解のほどよろしくお願いいたします。   〔31番新谷盈智君登壇〕 ◆31番(新谷盈智君) 再質問をさしていただきます。 まず,観光行政の中の造山古墳でございますけれども,非常に外から見て,これは古墳だという感じがいたしません。で,聞くところによると草なんか生えておるようですが,これを刈るとあれが崩れるとかいうことで,教育委員会の方がなかなかうんと言わんのだいうような話も仄聞をいたしております。で,ひとつ木をまるきり切ってしもうて,本当にいいことにはならんかもわかりませんが,やはり見て,遠くから見て本当に古墳だなあという形にだけは,やはりわかるだけにはやはりこうしていただかんと,何ならありゃ。通りょうったら,全然知らん人が通ったらあそこへ古墳があるというようなことも全くわからんわけですので,ひとつその辺を再度どうするのか,その辺をちょっとお聞かせいただければと思います。 それから,高松城址でございますけれども,本当にあれたけの,岡山にとりましても,戦国時代秀吉が攻めてきて,あそこで攻防戦があったわけでございますけれども,この高松城址をやはり売り込んでいけるものだと,観光の素材としては非常にやれるもんだというふうに,こう理解をいたしております。で,ただ,今あの現状ではとても観光客を呼べるようなものになっていない。さすれば,どのようにすればいいのかというのはやはり衆知を集めて,地元の方等の御意見もありましょうけれども,私はあっこへ行ったときに,やはりその秀吉がここで,例えば,あれは太閤岩いうんですか,の辺におった。これは本陣があった。それから,敵将では小早川隆景がここへおった。それからまた,吉川元春がおった。また,加藤清正も攻める側におったわけです。というふうに,そういうものがやはり残っておるようですので,例えば秀吉がおったとこには千成びょうたんの,そういう旗差し物をばっとわかるぐらい置くとか,それから少し見晴らしのいい太閤丘ですか,秀吉の本陣があった辺に展望台をつくって,上からばっと見せるような,そういう発想をしていただければ,この高松城址というのは非常に生きてくるんじゃなかろうかなあ。ただ,高松城址の中へ入って,あの小さい規模の中でそういう昔のものをしのべっていっても,なかなかしのべんのじゃなかろうかと,こう思うわけです。もちろん高松城址ももっともっと堀を掘るとかしてやる必要はあるんですが,その辺のお考えがあるかないか,その辺もちょっとお尋ねをしようと思います。 それから,緑道公園ですけれども,私いろいろ申し上げました。非常に川あり,緑あり,橋あり,非常に細長くすばらしい緑道公園ができておるわけですから,これを何とか売り込んで,来た人が楽しいなあと。また倉敷の美観地区に行ってみますと,やはり若者が非常に多いんですね,あそこへ行っておるのが。で,やはり倉敷にはいろんな民間のそういう商店とか活力がだんだんだんだん入ってきておるわけですね,あの美観地区に。やはり人が集まるからそこに投資しても大丈夫だという,イベントとかそういうものをすればやはりそういうものがついてくるということですので,ひとつその緑道公園の,できるだけ人を集めるような,そういう施策をひとつ市長は考えてほしいと。けさ方の我が党の日南議員が言われましたように,ひとつ本当に県外からも県内からもそのような客を集めるような,それを積極的に情熱的に市長が先頭に立ってやっていけば必ず……。官民一体と言われましたけれども,何というてもやはりこちらの官の方がそういう意欲がなければ,民間の方はやはりある程度もうかるということが前提でなければ出さんわけですから,ひとつその辺,市長の情熱を傾けていただきたいと,このように思います。 今,世界のミニチュア橋をというようなことも御提言を申し上げたんですが,これとて本当に,あれをずっとほんなら上から下まで歩いて行っても,本当に木とか花とか,そういうものに興味のある人は「ああ……」いうのがありましょうけれども,そういいながら何かあんまり知らん人は,あの木は同じような木ですんで,それですっと同じようなことになっとるなあとしか感じてないわけです。で,そこでやはり,ああ,ここへ行ったら,ロンドンのあのテームズ川にかかっとるロンドン橋いうのはこんなんかと,またそれからロンドンへ行ってそういうロンドン橋を見た人はなつかしいと思いましょうし,サンフランシスコで見たそのゴールデンブリッジが,ああ,あれじゃったなあと,またそういう郷愁もわきましょう。そういうことからすると,やはり細長いという,また川に挟まれておるという,そういうことからすれば,そのミニチュア橋というのは非常におもしろいんじゃなかろうか。これがその緑道公園の景観を損なわないようにうまい調和をしていただけれは非常におもしろい橋ができてくるんじゃなかろうかなあというふうに思います。(「永安橋もつくらにゃ」と呼ぶ者あり,笑声)ああ永安橋,せっかく言われますから。 それから,今度は水路課の新設でございますけれど,水路課というのは,私が水路ということで課という意味で水路課と申し上げたんですが,これは本当に昔からそういう一本化を皆さん言われてきたと思うんです,議会でですね。いまだに実現をいたしておりません。で,非常にこの用排水路というのは延長からしてたくさんあるわけでして,本当にもうそれを抜本的にやろうとするならば,やはりもう課をつくってひとつやらんと,とってもじゃないが片手間ではできないと思いますのでこれを提案をいたしましたけれども,ひとつよく考えていただきたいと思います。 それから,尾土地区でございますけれども,これは本当に先日の雨ではあそこは孤立をしたというふうな表現をしていいんですか,非常に長いことつかっておった。よそは全部引いておるのにあっこだけがつかっておると。非常に吉備津の前の辺の西川の馬の背がこうあったようですが──馬の背いうのはちょっと勾配がこう上がってまた下がってるうような。で,その西川を改修をされて,それで一遍に水が来たと。したがって,今度は一宮の方から足守川の方へポンプをつけて出すから大丈夫であろうというふうなお考えもありましょう。確かにそれはあると思いますが,そりゃ馬の背を通ったからそっち側へ引いた──これがおくれておるわけですが。それはそれとして,やはり尾土地区っていうのは下が花尻の辺の団地で遮断されて,今まですっと田越しで行っておったものがあそこでもう遮断され,本当に池の状態になっておることからすれば,私は今の500ミリポンプ2台では到底だめであろうと,このように思います。何か本当に経済局長,ほかにポンプを増強をする,ほかに方法があるんではなかろうかと。ひとつよく考えてしていただきたいと思いますが,ほかに方法がありますでしょうか。その方法がありましたらひとつお教えを願いたいと思います。 以上で終わります。長時間ありがとうございました。(拍手) ◎経済局長(藤昭博君) まず,観光問題について再質問に御答弁申し上げます。 議員御指摘のとおり瀬戸大橋,新岡山空港,これの開通を目の前にいたしまして,今岡山市行政にとりまして一つの大きな課題が観光行政,それから商工行政,こういった問題であろうかと存じます。現在,我々経済局といたしましてはこの観光問題につきまして,岡山市の観光をいかに充実していくかということを一生懸命考えております。 で,観光には私,二つの側面があろうかと思うんです。一つは観光資源を整備充実していくということ,いま一つはこれを対外的に強力に宣伝していくという,この二つの機能があろうかと思うわけでございます。 で,観光資源の整備充実に当たりましては,今までこれぞ観光資源というのが,いわゆる歴史的な,あるいは文化的な,そういった建造物とか,あるいは風景とか,そういったものでございましたが,最近では都市景観が一つの観光にもなってきておると。そういった意味で最近脚光を浴びておりますのが西川でございまして,県外の方が西川をごらんになって,岡山にはすばらしい観光資源があるという感嘆をしておられるわけでございます。で,この西川につきましては,市長答弁がございましたように,関係局におきましていかに西川の観光資源化をさらに進めていくかということを現在いろいろ検討いたしております。まだ現段階ではこれぞという決め手が見つかっておりません。しかし,本日の議員さんのいろんな御提言を十分参考にさしていただきながら研究を進めてまいりたいと,このように考えております。 それから,尾土地区の浸水対策でございますが,議員御指摘のとおり,この大雨で地元の方からも我々十分実情を聞かしていただき,またその行政対応を強く望んでおられるという実態も承知いたしております。で,当面排水ポンプを設置してほしいという御要望もあるようでございますけれども,もっと根本的に解決するためにはやはり土地改良事業をやっていただくということが先決じゃなかろうか。で,地元の方のそういった土地改良事業に取り組むという一つの検討──コンセンサスを得ていただきたい。そういった土地改良事業の中でこの浸水対策を根本的に解決していこうというのが現在の私の考え方でございますので,ひとつ御了解を賜りたいと存じます。 ○議長(藤原照夫君) よろしいか。 次は順序に従いまして浅野君。   〔49番浅野卓志君登壇,拍手〕 ◆49番(浅野卓志君) お時間をいただきまして質問をさしていただきます。 きょうは日南議員さん,片岡議員さん,新谷議員さん,皆格調の高いお話でございまして,私のような年寄りがまかり出るというふうなことは差し控えたいなあと思いながらも,順序に従いましてということでございます。 今,世の中で話題になっておりますものは,何といいましてもロス疑惑の三浦和義,ね。奥さんを殺して疑惑の銃弾ということであるようですが,今警察の方で調べられておりますし。また,豊田商事のあの金を売ると言って紙切れを渡した。老人と御婦人を非常に被害が多いかった。2,000億ぐらいですか金を集めて,いうふうなことがありますし。また,毒入りのワインを売ったと。 いろんなことがございますが,さて岡山ではどうだろうか。私は「燃えろ岡山」というふうなことを聞きましてちょっとびっくりしたんですが,けさの日南議員さんの御質問の中にもありました昭和20年6月29日のあの空襲,本当にこの岡山が燃えたというふうなことに(笑声)なろうと思います。そこで,心配をしたもんですから,私は早速消防の方へ連絡をいたしまして,岡山が今燃えておるがどのくらい燃えとんか,こう聞きましたら,消防というのは非常に統計がうまいというか,いいですが,岡山は燃えておりません。昨年よりもずっと減っております。(笑声)こういうことです。で,そこで燃えるものには水が一番強いということで水道の方へ聞きました。水道に聞きましたら,議員さん,心配ありません。ことしの水は去年よりもたくさん出とります。しかし,皆さんが買うてくれる水は少なかったけれども,この本庁舎を升といたしまして8月分が105杯分出とりますから,少々の火災でしたら心配ありませんから。燃えておりません。(笑声)こういうことです。消防の方としても水道の方としてもちょっと電話で聞くだけでその統計が明らかになるということ,これはすばらしいことじゃ,こう思って称賛をしておきます。 さて,福祉関係についてお話をさしてもらいます。 さてそこで,何といいましても,私はこの福祉についてお尋ねをする前に,私がかつて中国残留孤児の肉親探しで,岡山市の方がわかったらどうされるかと,このような質問をいたしましたところ,市長は早速に,この問題に対しては十分対処しますと,こういうお答えがちょうだいいたしました。で,9月の21日には岡山の料治さんという方の肉親がわかり,対面をされたことを本当に喜ぶ次第でございますが,さてここで岡山市としてはそのお言葉どおりやっていただいたんだろうかどうだろうかと,この点についてまずお尋ねをしておきます。 何といいましても福祉の問題については,今は老人というふうなことになりますが,今は敬老という言葉を使っておるようですが,長寿国になった日本ですが,天皇様も84歳で歴代の天皇様の中では一番御長寿であるし,在位も一番長いと言われておられますが,こういったようなことですから,この岡山市のお年寄りの問題についてはどうかなと,こう思っておるわけですが。当初予算の中で高齢者福祉対策についてのいろいろ予算が計上されておりましたが,これがどのように消化されておるかどうか,これをまずお尋ねをします。 次は,福祉問題の老人問題について一番大事なというか,一番のねらいは何かといいますと,そのお年寄りがどのように生活をされておるか,またこれをどのようにするかということなんですが,岡山市は瀬戸大橋の架橋,新空港の問題,さらに市制100年というふうなことになりますが,この辺で市長,そろそろお年寄りに対する老人対策として何かを考える必要があるんじゃなかろうかと,いわゆる老人に対するセンターとかあるいは総合福祉というふうなことで何かをしなきゃならんなあと,こう思っておりますが,市長この点についてどのようにお考えになっておられますかどうか。またあわせて,また後で申しますが,障害者の福祉のセンターをしてほしい,親亡き後の対策をしてほしいと,こういうふうなことを後で申し上げたいと思っておりますが,これと御老人に対するセンターの問題とをあわして市長はどのようにお考えになっておられるか,もうそろそろ決断をしていただいてもええんじゃなかろうかと,こう思うわけです。 次は,身障者の問題についてお尋ねします。身障者は何といいましても,まず障害者の方々が就労──働くということです。このことについては当初予算の中でコンピューターの技術習得の問題についても予算化していただいたんですが,これは非常に希望者が多くってまだそれを利用できない方もおられるようですが,来年度はどのようになるのかいうことが一つと,その次には聴覚障害者のコミュニケーションということによりますミニファックスの問題でございますが,これはその後どうなっておるのかどうか,これをお尋ねするわけです。 3番目は,先ほど申しましたように,重度の障害者の方と精神薄弱者のお父さんやお母さん方が,自分が亡くなったらこの子供をどうするかと,親亡き後の対策ということで種々御心配をされておられるんですが,このことについて先ほど申しましたように,御老人の問題とともに福祉のセンターをする必要があるんじゃなかろうかなあ。岡山市100年というふうな記念事業もありますし,瀬戸大橋という一つの記念事業もあります。で,このことに今から御計画をされて決断をしていただきたいなあ,こう思うわけです。 今まで市長さんの御答弁というのは,非常に100点満点の御答弁だと思います。しかし,岡山市のような56万の市長なら少々勇み足の答弁をされてもええんじゃなかろうかな,皆さんが許してくれるんじゃなかろうか。野球やこうでも失点がのうて得点がなかったらゼロとゼロじゃから,これはどうにもあいこになるんかな。だから,56万の岡山の市長じゃったら少々勇み足を言われてもええんじゃなかろうか。この点もうそろそろ踏み切っていただいても市長,市民は市長さんを非難はしないだろうと,こう思いますが,失言をせえとは言いませんけれども,やっていただきたいなあと,こう思うわけです。障害者の団体の高原会長を初めとして小若会長さん方もこの親亡き後の対策について悩んでおられますので,どうかお聞き届けをいただきたい。 次は,観光と友好都市についてお話をさしていただきます。 けさは日南議員さん,先ほどは新谷議員さんが観光について言われました。確かにこれからの岡山市は観光が重点になるんじゃなかろうかと。かつて岡山駅国鉄が「新幹線は西へ」というふうなキャッチフレーズによりまして,新幹線が博多へ行った途端にお客は少のうなった,岡山の観光客は少のうなった。この轍を踏んではならないんで,皆さん方が言われておりますし,今度の議会の発言も非常に多いわけです。同時に,この瀬戸大橋が開通をするまでにまだ2年ほどあるわけですから,観光のルートをこしらえにゃならん。 それは先ほども言われたように,何といたしましても岡山市のゆかりのある都市からお客を来てもらうということと,同時にまた岡山市のゆかりのあるところへ岡山から観光客を出していく。国鉄を利用するなり,あるいはバスを利用するなり,そういったことで相互にお客を誘致し,誘致さすというふうなことがいいんじゃなかろうかなあということを思うわけですが。 また,幸いにして岡山市にはおいしい食べ物がたくさんあるんですけれども,料理としての,あるいは商品としての余り料理のうまさというのがないようです。酒については非常にいいようです。で,岡山の酒というのは非常に有名なんで,万葉集の4巻に太宰の卿の大伴卿,つまり大伴家持のことじゃろう思うんですけども,「いにしえの ひとのをさせる 吉備の酒 病めばすべなし ぬきすたばらむ」と,こういうのがあるわけですが,この酒の出どこいうのはどうも足守のようです。で,足守のようですから,この足守のことについて先ほど草野議員さんにお尋ねをしたわけですが,「二面酒」というのがあるようです。その「二面酒」がそのもとじゃなかろうかいうこと,これ推定でわかりませんけれども,ともかく岡山市には今非常に生産高の高い「お多美」「一福」とか「山桜」とか,いろいろ13のお酒屋さんがあるわけですが。こういうお酒屋さんとも連携しながら,変なマンズワインを買わあでも岡山にはええのがあるわけですから,こういうことをしてお客を誘致するいうふうなことがええんじゃなかろうか。 そこで,岡山とゆかりのある都市というとまず金沢です。金沢は岡山の宇喜多の殿様の奥方豪姫がおいでくださって,宇喜多の殿様が関ケ原て敗れたときにもこの助命嘆願をされ,同時に後々まてもゆかりの方々にお米やみそを送ってくれたというのが歴史にあるわけです。同時にまた,鹿児島の島津家がその助命嘆願を同じようにやっていただいて,結局命を取りとめて八丈島へ流されたというふうなことですから。こういった,鹿児島とか,あるいはその烏取,姫路,それから千葉,京都,それから,いろいろあるようです釧路なんかがあるようです。釧路はツルが取り持つ縁ということですが。こういったような観光客というものの誘致なり,あるいは送り込みなどをして,お客を取りとめておきたいな,こう思うんですが,市長さんのお考えをお伺いをしたい。 また,この際ついでですから,このような都市との友好都市を結んではどうかな,こういうふうな考え方もありますけれども,まずそのお客の誘致を,そういうことも考えた上での御判断じゃなかろうかと思います。ことしの7月16日の山陽新聞に倉敷の菅野光明さんという方から,「岡山市は岐阜県池田町と縁組を」というふうな投書も出ておりましたから,これもあわして言っときます。お客を誘致することと都市縁組,どうだろうかな,こう思っております。 次は,まがい商法について,この被害の防止についてお尋ねをいたします。 先ほども申しましたように,豊田商事が2,000億ほど集めておるようですが,私の方の近所にもお年寄りが豊田商事にかかっておりますが,このようなことのないように,このまがい商法の,あるいは悪徳商法の防止についてどのように対策をされておられるかということですが。これは大体県が主体のようですが,同時に弁護士さんの方でもいろいろやっていただいておるし,警察の方もやっておられるんですが,岡山市としてはどうなんじゃろうか。この豊田商事の被害,投資ジャーナルの被害,さらに訪問販売などの被害,特にこれは健康食品を中心にあった,あるいは化粧品を中心にあったようですが,この被害の防止,マンズワインがどうだったんじゃろうか。それから,最近では自動販売機の中に毒入りが出ておりますが,こういったことの防止はどのようになっておるか。お尋ねをしたいと思います。 で,その消費者行政では初めて見たんですが,こういうふうないいもの出とんですね。訪問の手口──訪問販売の手口,こういうふうな被害のことが出ておりますから,こういうなのをやはりいろんなところへお配りをして注意を喚起することもいいんじゃなかろうかなあと,こう思うております。 次は,教育関係で,歴史の町の標柱事業についてお尋ねをするわけですが,これはさきの議会で私がお尋ねをいたしましたときに,市長の方に申しましたら市長の方は教育長にというふうなことで,それが見ておったようですが,金沢の資料をお渡しをしておりました。また,先般の国会議員との懇談会のとき,多分日笠先生だったと思います──江田先生かもわかりませんが──のお尋ねのときに,教育長が歴史の史跡の標柱についてお答えがされておったようですが,一体岡山市は歴史の標柱をするのかしないのか,そのことについてお尋ねをします。どのようになっておるのか。 あわせて申しますと,東京の霞ケ関には霞ケ関の標柱があるわけですが,これは矢木議員さんからも御連絡いただいたんですが,この霞ケ関というのはやっぱり,霞ケ原というところに関があったから霞ケ関と,このような名前であると標柱に書いてあるわけですから,こういったようなことで歴史を探訪しながら,あるいは文化を思い起こすと,こういうことになろうと思いますんですが,これをいつごろどのような方法でするか,具体的にひとつお尋ねをしたい,このように思います。 また,かつて私がお尋ねをいたしました新しい市歌の問題です。制定はいつごろするのか。現在,岡山市の市歌がどのくらいあるのか。岡山市の市歌というのは歌われていない市歌ですから。これどのようになっておるかいうふうなこと。 それからもう一つは,旭東の幼稚園の旧園舎はいつごろ復元するのかどうか。この点についてお尋ねをします。 消防はいい歌をこしらえておりますよ。こういうことがありますから,この点を含めて明快なお答えをお願いしたいと思います。 あと14分残しておりますから,どうぞよろしくお願いします。(拍手)   〔市長松本一君登壇〕 ◎市長(松本一君) 浅野議員の御質問に対しましてお答えをいたします。 まず,高齢者福祉の問題についてでございますが,市では昭和45年に御承知のように福祉文化会館を建設をしまして,1階を老人センター,地下1階を障害者センターといたしまして利用していただいておりますけれども,高齢者や障害者の増加の傾向にございますし,それぞれ社会参加の機会の増大に加えましてニーズも多様化してきておるように思います。そこで,これらのニーズにこたえるためにも,高齢者はもとよりでございますが,障害者の利用も考え,さらには保健衛生面の機能をも持たせると,そうして市民福祉推進の上では欠かせないボランティアの育成や,生涯教育などにも利用できるような有機的な市民福祉施設の設置について研究してまいりたいと,このように考えます。 それから,中国残留孤児の料治さんの件でございますけれども,これは非常におめでたいことでございますが,料治さんの場合も日にちが非常に短うございまして,余り私らの方が時間をとるということは失礼だと気を使ったわけでございますが,一応の対応はさしていただいておりますので,御報告をさしていただきます。 それから,観光対策と友好都市でございますけれども,御承知のとおり本市ではツルが取り持つ縁で55年から釧路市と友好都市縁組を結んでおりまして,毎年市民ツアーの交流を実施いたしております。今後さらに交流を深めてまいりたいと思っておるわけでございます。また,本年5月11日に横浜市民号で600人の観光ツアーが来岡していただいておりまして,両市の交流を深めておるわけでございます。今回は10月26日に岡山市民号で横浜を訪れることにいたしておりまして,現在1,000人を一応目途に募集をいたしておるのが現状でございます。なお,こういったケースの誘致策としては全国的に広げてはどうかということでございますが,まずどういったかかわり合いを持っているかというようなことや,どのような位置づけに持っていくかというようなこと,先方のあることでございますから,今後いろいろそうした問題で研究をいたしまして交流に持っていきたいと,このように思います。 いずれにいたしましても今後はコンベンションシティ岡山づくりのために積極的に努力いたしたいと思いますので,よろしくお願いをいたします。 その他につきましては関係者からお答えいたします。 ◎民生局長(三宅襄君) 福祉問題につきまして市長答弁を補足をさしていただきます。 まず,高齢者対策につきまして,本年度の新規拡充事業の主なものの実施状況はどのようになっておるかという御質問でございます。 本年度の当初予算で,高齢者福祉に関する新規事業につきまして13項目,拡充事業につきまして9項目について予算の御承認をいただきまして,現在その実施を推し進めておるところでございますけれども。 具体的に御説明を申し上げますと,高齢者福祉等に関する市民意識実態調査につきましては,高齢者福祉対策のための基礎資料を得るための実施でございまして,9月1日を基準日といたしまして小学生から高齢者までの各世代を対象にいたしまして,民生委員,シルバー人材センターの会員,関係の小・中・高などの御協力を得まして,現在実施をしているとこでございます。今月中に回収をいたしまして,本年度中に調査結果が出てまいるというふうに考えております。 次に,シルバーカードの交付事業につきましては,婦人会の御協力も得まして,友愛訪問を兼ねまして,6月中旬から7月下旬にかけまして65歳以上の方に約6万3,000人に配付済みでございます。なお,この際に高齢者福祉対策につきましてわかりやすく紹介をいたしましたリーフレット等もあわせて配付いたしまして,施策についてのPRを行っておるところでございます。 その他,老人クラブの活性化事業,3世代交流事業などの新規事業及び寝たきり老人の短期保護事業,小規模デーサービス事業などの拡充事業についてもそれぞれ軌道に乗っておるわけでございます。 本年4月1日から新たに実施をいたしました痴呆性老人の短期保護事業につきましては,若宮園で実施をお願いしとるわけでございますけれども,これまでのところの利用者は6名,延べ利用日数が54名と相なっておりますけれども,さらにPRを重ねまして十分に活用いただくように考えております。 それから最後に,有料家庭奉仕員制度につきましては,現在準備中でございます。 次に,障害者問題について御答弁をさしていただきます。 コンピューター技術習得助成事業の問題でございますけれども,本年度身体障害者の就労の場を拡大していくということから,15名を対象にパーソナルコンピューターの技術習得費の助成を開始をしたわけでございます。当初予定をいたしましたより希望者が多いということでございますので,来年度も引き続き実施してまいりたいというふうに考えております。 それから,ミニファックスの問題でございます。 ミニファックスの問題につきましては,視覚(後刻「聴覚」に訂正)障害者のコミュニケーションの手段として相当な大きな意義があるわけでございます。そういうことで,本年度に日常生活用具として,昨年度までの対象者が生活保護世帯であったものを,本年度から低所得者に対象を拡大をして実施をいたしております。ただ問題は,この視覚(後刻「聴覚」に訂正)障害者が利用されるミニファックスにつきましては,設置費につきましては国,市の公費負担で設置をいたしておりますけれども,使用料が個人負担になっております。この使用料の軽減,助成については,他の都市の状況を見ながら現在検討中でございます。 それから,親亡き後の総合的精神薄弱者対策の問題でございますけれども,総合的な大きな問題については市長から御答弁を申し上げたわけでございますけれども,精神薄弱者の福祉対策,とりわけ親亡き後の対策というものは障害者対策の中でも特に重要であるという認識をいたしております。そのために働く場を確保するということから,それぞれの福祉地区にまず御存じのように共同作業所と申しますか,仲よし作業所を本年度2カ所新たに開設いたしまして,4福祉地区に全部の開設を終わったわけでございます。 各身体障害者の団体等から御要請のございます通勤寮,それから福祉ホームの問題につきましては,今後民間施設の動向を見ながら,また皆さん方の御意見を聞きながら研究をしてまいりたいというふうに考えております。 それから,消費生活問題でございます。 俗に言うまがい商法の問題でございますけれども,金などの現物のまがい取引の豊田商事グループ,または投資ジャーナルの,最近この問題が相次いで摘発をされております。また,悪徳な訪問販売などが話を持ちかけたりします,だます悪徳商法が大きな社会問題になっております。さらに,これらの被害というものは特に老人の生活資金などの場合も多いわけでございまして,深刻な問題でございます。これらの取引に伴いますトラブルは民事に係るところでございますけれども,市としては「うまい話には御用心」ということで,意識の高揚を各種の場を通じて図っております。また,具体的な被害者相談につきましては,市としての限界もございますけれども,県の消費生活センターと連絡をとりながらケース・バイ・ケースで対応しておるところでございます。なお,悪徳な訪問販売などによる被害を防止するため,日ごろから消費者大学,消費生活モニターの研修会及び消費生活展等での啓蒙パンフレットの配布などによりまして啓発に努めておりますけれども,本年度は特に被害の多発しております老人に対するまがい商法や悪徳な訪問販売による被害防止のために,老人クラブのリーダー研修会においても講座を予定いたしておる次第でございます。 現在,ミニファックスの中で聴覚を視覚と間違えて御答弁を申し上げとるかもわかりませんけども,訂正をさしていただきます。 以上でございます。 ◎教育長(奥山桂君) まず第1のお尋ねは,歴史標示についてのお尋ねでございます。 御指摘のように岡山市域には歴史的発展経過や事跡に由来したと考えられます名称が数多く残っております。これらは伝承された生の歴史資料であります。後世に伝えていく責務があると考えております。 御提言のありました歴史の町の標示につきましては,地名や名称等の由来を的確に把握することに努めますとともに,関係部局と十分協議調整を図って対処をしていきたいと考えておりますので,御理解をいただきたいと思います。 次は,市民の歌の制定についてでございますが,岡山市では市制70周年を記念しまして,これは昭和33年でございますが,岡山市民の歌を制定しております。さらに,市制80周年の際には岡山市歌といたしまして「はばたく岡山」「緑と水の街」という2曲が制定をされた経過がございます。しかし,現在余り歌われていないという実情でございます。御提言いただいております新しい市民の歌の制定につきましては全庁の調整が必要でありますので,今後よく相談をしてまいりたいというふうに考えております。 それから次は,旭東幼稚園舎の旧園舎の復元についての御質問でございます。たびたび御指摘をいただきまして,今日までその復元と活用をどう図るかということで検討をしてまいっておるわけでございますが,この復元に当たりましては,復元後の管理,運用というような面から候補地につきまして鋭意検討をいたしておるわけでございます。できる限り早期に問題を解決しまして復元計画を策定したいと考えておりますので,御理解をいただきたいと思います。   〔49番浅野卓志君登壇,拍手〕 ◆49番(浅野卓志君) ただいま市長からいいお答えをちょうだいいたしましてありがとうございました。先ほどはまた局長さんの方からもいろいろとお話をちょうだいいたしまして,本当に満足をいたしております。局長さんのお言葉の中に,うまい話には用心せえと,こういうふうな,市長あんまりええ話をしていただいたから,これはもうええんじゃろうなあ。老人の分と障害者のぶにもするいうて言うたら,これはだいぶ金がかかるわけですが,ええんじゃろうかなあ,うまい話に用心して。これは用心せえでもええんじゃろう,な。これは市長ええですな。ありがとうございました。皆さん,お聞きのとおりなんで。これは障害者の皆さん方が長年訴え続けてきた問題ですが,これとそれから老人のセンターをするということ,非常にありがたいことじゃと思い,心からお礼を申します。ありがとうございました。 さて,そこで教育長ね,教育長さんは非常にいいお答えをこれもちょうだいしたんですが,歴史の町の標示については研究もせにゃならんと思いますし,また関係の部局との相談をする必要があると思います。確かにそうあると思いますが,しかし時期を早めていただかんといけない。これは私,1年ぐらい前に言うとることですから早うしていただかにゃならんと,こう思いますが。同時にまた関係部局の方との話し合いがどうなっておるんか,話の経過も聞かしていただきたい。 それから,岡山市歌です。今3つある。「はばたく岡山」「岡山市民の歌」「緑と水の街」──これは非常にいいことだと思います。しかし,これが実際歌われているのかどうかいうことです。ね,歌われているのかどうか。それからもう一つ,教育長,岡山市にはもう一つ市歌があるわけです。「岡山市歌」というのがある。それは昭和5年11月に制定された歌が,岡山市の歌というんがある。で,これを言わにゃいけん。これはかなり歌っておった歴史があるようですが,「市民の歌」と「はばたく岡山」「緑と水」,これは毎回歌わすんじゃ言ようるけど,だれも歌わんわね。やっぱりみんなが歌う歌がええ。今,岡山市の歌っていうと「岡山城」です。副議長さんが上手なんじゃ,上手に歌うんですけども。じゃから,そういうふうな皆さんが口ずさめる歌がいい。こう思うわけです。そういうふうなことがありますから,この点についてももう一度,これは早くしていただかないといけない。それは教育長,岡山市100年のときを見るんですか,瀬戸大橋を基礎にしてやられるんですか,その点について各局長さん方の部局との関係があると思いますが。 それから,旭東幼稚園の旧園舎という,これはあれ前に言わりょうたのはあれですがねえ,幼稚園の100年のときにはそれを実施したいと,このように言われておったんですが,ことしの10月14日に幼稚園100年の記念式をせられるようですが,これには今とても間に合わんと思うんですが,いつごろになるんじゃろうかなあと,この点についても時期を明示していただきたいなあと,こう思うわけですが,もしわかれはひとつお答え願いたい。 教育長さんは非常に御検討されるのがいいようですが,(笑声)やっぱり考える葦というのがあって,倉敷の美術館の前には考える人というのがありますが,御検討くださってひとついいお答えをちょうだいしたいなあと,こう思うわけです。 第2回目の質問を終わります。ありがとうございました。 ◎教育長(奥山桂君) 第1は,歴史標示について早くせねばということでございますが,瀬戸大橋時代というようなこともあるわけでございまして,関係部局との関係もあるわけでありますけれども,できるだけ早くというふうに思っておりますので,御理解をいただきたいと思います。 それから,市歌につきましては,確かにいい歌がつくられておりますが,私もゆうべ聞いてみまして立派な歌だとは思いましたが,私ではなかなか覚えられないという感じが(笑声)したわけであります。そういう意味で,皆さんが歌う歌でないと,とおっしゃる意味がよくわかるわけでございますが,これも全庁的な協議も必要と思いますので……。 またそれから時期の問題ですが,これは70周年,80周年でつくられておるというようなことからすれば,100周年ぐらいかなと今思うわけでございますが,それにつきましても全庁的によく相談をしてまいらねばならないことではないかというふうに考えておりますので,ひとつ御理解をいただきたいと思います。 それから,旭東園舎の問題はたびたびの御質問でございまして,お答えする方も恐縮をしておるわけなんですが,我々としてもできるだけ,これは本当を言えば100周年に間に合えばいいというふうに思ってもおったわけでございますけれども,復元した後どういうふうに管理ができ活用ができるかということを考えますとなかなか,場所さえあればどこへというわけにまいりませんで,そういう意味でなかなか決定ができかねておるというようなことでございます。しかしながら,これもできるだけ早くというふうに考えておりますので,御理解をいただきたいと思います。   〔49番浅野卓志君登壇〕 ◆49番(浅野卓志君) お疲れのところ大変恐縮ですが,1点教育長にお尋ねをするんですが,岡山市の歌というのはなかなか難しいと思います。確かに難しいですが,昭和5年の歌はこういうようなんがあります。あれ,岡本前副議長わしに歌え言うんじゃけど,歌うたらもうすっぱりいけんようになりますから。吉備の大野の豊かになだれ,瀬戸内海の臨むところ旭の川の誇りを開き,日ごとに伸びる大都市こそは,おお我ら,我らの大岡山市と,こういうようなんがあるわけです。ですから,確かに歌をつくる,歌を歌ってもらうということは難しいことだとは思いますけれども……。 もともとはあれは公室長の方が先に受けとったわけです。ところが,公室長の方がどういう調子か知らん教育委員会行たんですから,どうなっとんかわかりませんけれども,とにかく岡山の現在市民の皆さんが歌える歌をつくってほしいなあ,こう思うとるわけですから。 それから,旭東幼稚園の問題,これも長い間のことです。岡山市が教育都市と言われるというのは,明治41年にあの園舎が建ったいうことです。しかも,それが4万1,000円で建ったあの園舎です。あの園舎のガラスは,我が国で初めてのガラス製造した,そのガラスが入っとるわけですから,こういった歴史的なことも豊かなことですから,どうかこれを早う復元してほしいと,こう思います。 それから,先ほどのこの歌のことについても,教育長難しいけれどもね,ひとつ頑張っていただきたいなあ,こう思います。 終わります。ありがとうございました。 ○議長(藤原照夫君) 答弁要りますか。よろしいか。 しばらく休憩いたします。    午後2時30分休憩    ~~~~~~~~~~~~~    午後2時58分開議 ○議長(藤原照夫君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 次は順序に従いまして辻野君。   〔4番辻野喬雄君登壇,拍手〕 ◆4番(辻野喬雄君) お疲れのことと思いますが,しばらくお時間をいただきたいと思います。3点について,通告に従って質問をいたします。第1は,肝吸虫対策についてであります。 本年3月27日付で,西大寺支所保健衛生課より,検便及び淡水魚摂取状況に関するアンケート調査結果報告が愛育委員を通じて回覧をされました。その中で,今年2月川崎医科大学寄生虫学教室初鹿教授の依頼を受けて,幸島,九蟠,金田,津田,光政において行われた調査結果が報告をされておりますが,注目されたのが,検便者1,164名中5名に肝吸虫が認められたこと。アンケート調査の回答者1,465名のうち,淡水魚を食べる家庭は76%,1,114戸。淡水魚を食べる家庭のうち,刺身,洗い,みそあえなど生食をする家庭が8.6%,全回答者比率でも6.6%あるということであり,必ず加熱処理して食べるよう注意を呼びかけているものでありました。 肝吸虫と言っても,今日既に忘れられた存在になりつつあると思います。ひところは肝臓ジストマと言ってかなり広く恐れられ,注意もされていたと思います。多数寄生しますと,胆管炎や胆管周囲炎を起こし,食欲不振,下痢から黄痙を起こし肝硬変を起こすこともあると言われていますが,少数の寄生では自覚症状はないようであります。問題なのは,有効な駆虫薬がないことで,予防に頼るしかなく,淡水魚を生食しないということに尽きるようであります。 ところで,肝吸虫の生態系はどうかと申しますと,既に御存じの方もあると思いますが,マメタニシが第1の中間宿主であり,それを食べるモツゴ,タモロコ,フナ,コイの淡水魚が第2の中間宿主となり,それを食べた人間を初め犬,猫,ドブネズミ,ホンドイタチ,チョウセンイタチに寄生をし,その便から再びマメタニシに循環していくということであります。 解説はその程度にして本題に入りますが,私があえてここで取り上げたのは,初鹿教授の研究によれば,岡山県南一帯,児島湖周辺は昔から肝吸虫の流行地として知られていたが,最近では漸減傾向にあるものと推測されていたところ,調査してみると現在でもかなりの濃厚な浸淫地として存在していると警告しておられるからであります。ここに初鹿先生のレポート5種類いただいておりますが,ここに詳しく報告をされております。 まず,第1中間宿主であるマメタニシでありますが,戦後その分布は漸次縮小し,山陽本線以南から絶滅に近いのではないかと見られていたところ,近年の調査では,県南の平野はほぼ全域に広がっており,特に倉敷川と笹ケ瀬川流域に多いことが明らかにされ,また今までは水路におるものと考えられていたのが水田でも多く認められ,水田の地表及び浅い土中で越冬することも明らかになってきています。戦後マメタニシが減少したのは,農薬の多用や水質の汚染及びアメリカザリガニによる捕食によるものが考えられています。次に,第2の中間宿主である淡水魚ですが,マメタニシの分布の濃淡と淡水魚の陽性率,つまり汚染率ですね。淡水魚の陽性率はほぼ比例をし,モツゴの平均陽性率は45%,タモロコの平均陽性率は61%で,曽根のあたりが陽性率が高いと報告をされています。フナの陽性率は平均1.6%,コイは検査件数が少ないのですが,9匹中1匹陽性であったと報告をされ,筋肉の中に被嚢幼虫が認められるとのことであります。 さて,最近の住民の検便結果を見ますと,灘崎町の大人で1,050人中10人,藤田地区975人中13人と1%を超える陽性者があり,特に灘崎町では小学生959人中3人に陽性者が出ております。他の地区では,小・中学生については幸いなことに陽性者は出ておりません。 そこでお尋ねをいたします。 その1,肝吸虫が児島湖周辺で再び増加の兆しにあることを衛生局は認識をしておられるのかどうか。その2,市民に対してどう指導をされてきたのか。またはされるおつもりなのか。その3,公害課においては,生物指標による水質汚濁の検討をされておられますが,マメタニシについての調査結果はどうなっているのでしょうか。その4,フナ,コイは水産業として力を入れておられるようでありますが,かかる事態が進行しているとなると大変なことでありますが,早急に手を打つ必要があると思いますが,対策はいかがでしょうか。 以上,4点をお尋ねをいたします。 次に,表町再開発の問題についてお尋ねをいたします。 表町一丁目地区市街地再開発事業については,我が党の議員が折に触れて質問をしてきたところであります。問題点は,1,仮称芸術音楽ホールの大きさや機能の問題。2,商店街活性化になるのかどうかという問題。3,市の費用負担の問題──に大別できると思います。ホールにつきましては8月半ばに基本構想が示されました。その内容を見ますと,最良の音響効果の得られるコンサートと講演にも使える,こういう目的を持った2,000席の大ホール,演劇を中心目的とした四,五百席の実験劇場,100人程度の和室のホール,という3本の柱を持って構成されているようであります。また,附帯設備としてもリハーサル室や楽屋などにも気を配りたいとの御意向のようでありました。 そこでお尋ねをいたしますが,その1,この基本構想はいつごろ具体化するのか。その過程で議会との意見調整はどのように進めるお考えなのか。2,ホール部門のオープン時の推定使用料及びホール部門の年間維持管理費についての一般市費持ち出し分はどの程度を推定しておられるのか。その3,基本構想どおりの実施をされるとなれば,いわゆる大ホールと小ホールの併設と理解されますが,そうなると中ホールとしての現市民会館の整備が,セットとして整備されることが望まれると思います。現市民会館のホールは,さきの専門家の先生方の調査でも演劇に適しているとのことであったそうですが,再開発事業とは別になりますが,総務局として行政の一体性を持って取り組んでほしいと思います。私の希望で言えば,客席を若干減らしても二重ドアにするとか,いすの幅をゆとりを持たせるなど改善が望ましいと思いますが,御見解をお聞かせください。 次に,商店街の活性化について,再開発事業のキーテナント的なものとして,公共施設を組み込んで入れて成功している他都市の例をお教えいただきたいと思います。 次に,資金の問題についてでありますが,100億円に対する県及び財界の協力はどういう見通しになっているのでしょうか。厳しいというお話を漏れ聞いているだけに,私はこの際,市としての負担額の歯どめを持つべきだと思いますが,当局の御所見並びに本事業に対する所信をお聞かせください。 次に,同和行政のうちのまず第1として,今谷墓地の問題についてお尋ねをしたいと思います。 今年6月定例市議会において,今谷墓地の使用料を定める条例制定案が提案をされ,衛生水道委員会において相当論議をされ,委員長報告で詳しく述べられているところであります。問題の核心は,392区画中100区画は同和地区住民の既存の過密墓地,これは長楽寺境内の墓地でありますが,これを整理するために充て,無償使用させることになっており,そのために地元に墓地対策委員会を設置してもらうつもりであり,名簿も既に提出されているとのことであり,あくまで既存過密墓地の解消が中心課題であったと思います。しかるに,仄聞するところによれば,100区画の割り振りについては希望者が多くて抽せんにした。使用料として3万円を支払ったということであります。現在,今谷墓地には墓石が既に五つ立てられており,ほかに1基の墓石が建立中であり,その中には古い墓石を移転したものと見られるものが1基ありました。 そこでお伺いをいたしますが,その1,墓地対策委員会はつくられたのかどうか。その2,そのメンバーは何人でどういう役職の人たちがなっているのか。その3,既存の過密墓地の菩提寺はどこなのか。その4,既存の過密墓地の解消方針がはっきりし,その上で移転すべきものが決まるのが筋道と思いますが,既存過密墓地の解消方針ははっきりしているのかどうか。その5,希望者で抽せんをしたとのうわさは,過密墓地を解消するとの大方針と矛盾すると思うがどうか。その6,使用料を3万円支払ったといううわさについて,事実関係を明らかにしていただきたい。その7,100区画への割り振りについては市はどのような立場にあったのか。市と地元の墓地対策委員会との関係はどうだったのか。その8,現在までの契約状況を100区画分と一般分とに分けてお示しをいただきたいと思います。 次は,同和対策のその2として,社会教育施設についてお伺いをいたします。 表題を社会教育施設と抽象的にしましたのは,議案として出ているため個人質疑と混同されないためであり,質問の核心は仮称西大寺北教育集会所,すなわち金山沖教育集会所の問題であります。 本問題の最も根本的な誤りは,歴史的社会的に部落でなかったところを無理やりに同和事業を行う対象地域としたところにあり,この点で昭和52年,市当局が部落解放同盟に屈服をしたのが誤りの第一歩でありました。 そもそも対象地域とは何か。先日も総務庁へ行っていろいろと話をしてまいりました。対象地域というのは行政が決めるものではなく,客観的にわかるものであるべきだ,客観的にわかるようなところが対象地域になるべきだというのが総務庁の見解であります。昭和50年の全国調査では4,000に上る対象地域の報告が上がってきた。当時は地方自治体の報告を信頼していたし,また4,000もの地区をチェックする体制にもなかったということでありました。しかし,その後いろいろ問題が出てきて,総務庁としても審査基準を厳しくし,古文書や古老の話なども調べ,1,歴史性があること,2,必要な事業を伴っていること,3,投資効果のあること,例えば一定の世帯数があることという意味ですが,こういうことを基準にして厳密にやっているということであります。 したがって,最近文部省から西大寺北団地を対象地域にすることはできないかと打診があったけれども,歴史性がないということで断ったということであります。 同様のことは金山沖についても言えることでありまして,明治時代の切り絵図で2軒しかない一面の田であったこの地域,そして昭和30年前後から町らしくなってきたこの地域が,総務庁の今日の基準からすれば,決して対象地域になり得ないことは明らかであります。 さて,こうした偽りの対象地域の上に,教育委員会は5,900万円を投じて教育集会所をつくろうと提案しているのであります。 ここでまず強調しておきたいことは,同和対策として国庫補助を受ける物的事業としては,金山沖についてはこの事業が最初だということであります。今まで行ってきた住宅建設も,国の予算の区分でいえば公営住宅法に基づく一般住宅であり,小集会所,児童遊園地は単県の事業であります。この点は,先日も文部省に参りまして篤と強調しておいたところであります。事業実施後には当然会計検査院の会計検査も行われるわけであります。 さて,9月19日市長は,9月定例市議会の開会の日,議案に対する提案理由説明の中で,補正予算につきましては国,県支出金の確定などに伴うものと言っておられますが,本教育集会所の国支出金は確定しているのでしょうか,まず第1にお尋ねをいたします。 私が文部省から伺っているところでは,市長,教育長が6月,7月,8月と毎月来られますが,それでも現在のところ保留していると,こういうことであります。理由は,1,地元合意が十分でない,2,建設場所が対象地域から離れ過ぎている,この二つの理由であります。 質問の第2は,新規事業でもない箱物の補正予算で,国の補助が内示もされない,口頭での連絡もない,明らかに保留と言われている状態で,市の補正予算を組むような前例があるのかどうか,財政局長にお尋ねをいたします。このような異例の予算計上を主張したのはだれなのか明らかにしてください。 質問の第3は,教育長は本補正予算の議会提出に当たっては,教育長の専決処理で処理し,後日,すなわち9月13日の教育委員会に事後承認を求めるという事務手続を行いました。このときの教育委員会では30分余にわたって各委員ら熱心な質問が出されておりましたが,しょせん専決処理で済まされていることでありました。私はここで,教育長の専決処理は適法なのかどうかについてお尋ねをしたいと思います。 岡山市教育委員会事務局事務決裁規程第12条に「教育長専決事項」が定めてありますが,専決処理できないものとして17項目が示されています。その第4番目に「議会の議決を経るべき議案の原案に関すること。」その5番目に「教育費予算の見積に関すること。」その13番目に「1件5,000万円以上の工事の施工に関すること。」などが明示をされており,私は5,000万円を超える5,900万円ものこの教育集会所の予算,議会の議決を経るべき議案の原案を専決処理したことは,本事務決裁規程に違反をしており,したがって本補正予算は議題にならないものと考えますが,教育委員長の御所見をお聞かせください。 質問の第4は,文部省が国庫補助を保留している理由の一つである,教育集会所建設予定地が金山沖の対象地域と離れ過ぎているという点について,岡山市当局は長々とした経緯説明書を文部省に出しているとのことであります。市の弁明によれば,金山沖の地区が狭いので事業ができない,地区内及び近隣には土地が確保できないんだと,こういうふうに述べているそうでありますが,果たして本当にそうでありましょうか。今回の教育集会所の用地は610平米と聞いておりますが,いわゆる金山沖の線引きの中に,この中に住んでおられる方の田んぼで,まとまって約3反の田んぼがあります。また,すぐ隣接をしてやはりこの中に住んでおられる方のトタンぶきの貸しガレージが560平米ほどあります。教育集会所建設の610平米の土地はこの線引き内にあるということであります。しかし,これらの持ち主の方々はいずれも市のやり方に強く反対をしておられます。偽りの事業をごり押ししようとすればうそにうそを重ねる報告を上げなければならない,こういう典型であろうと思います。このことも文部省にははっきりと言っておりますが,当局の御見解をお聞かせください。 質問の第5は,地元合意が十分でないという点であります。この点も,文部省が国庫補助決定を保留している一つの大きな理由であります。金山沖に在住しておられる人たちは,岡山市当局がこの議会に補正予算を計上したことを知って強く反発せられ,改めて教育集会所建設に国の補助を認めないよう求める署名を集めて,去る9月20日文部省へ提出をされ,またその足で総務庁も尋ねて申し入れをしたところであります。署名の世帯数は借家の人も含めて20世帯であり,この線引き内のほぼ全世帯の4分の3に及ぶと思います。線引き内の人が圧倒的にこの教育集会所建設に反対をしているのに,線引きの外の人が何人賛成されようが関係ないことと思います。市当局の御見解を改めてお聞かせください。 以上で第1回の質問を終わります。(拍手)   〔市長松本一君登壇〕 ◎市長(松本一君) 辻野議員の御質問に対しましてお答えをいたします。 表町の再開発についてでございますが,表町一丁目地区におきまして現在進められております再開発事業によって建設されるビルの一部に,瀬戸大橋架橋記念事業といたしまして,音楽ホールを建設しようとすることは既に御案内のとおりでございます。この事業によって建設される音楽ホールを取得するため,県,市,財界の負担割合についての協議は大詰めに来ておりまして,市といたしましても3者で協力して建設するということで話し合いを進めているところでございます。御了承いただきたいと思います。 その他につきましては関係者からお答えいたします。 ◎総務局長(八木肇君) 表町の再開発に関係いたしまして,現在の岡山市民会館の改造ということでの御質問にお答えさしていただきます。 御指摘の中にもございましたが,この岡山市民会館は舞台の出のところのたまりといいますか,ここが非常に広いということで,演劇に適しておるというふうなことで好評を得ておるというところでございます。また,開館以来20年余を経過いたしておりまして,現在でも市民に密着した文化施設ということで広く利用されております。そうした中で,利用率も全国の文化施設として非常に高い水準が保たれておるということでございます。この市民会館につきましては辻野議員さん,あるいはまた内田議員さん,特に非常に愛着といいますか,非常に愛していただきましていろいろと御来館もいただいて御指導もいただいておるということで,厚くお礼を申し上げる次第でございます。そうした中で,私どももこの設備あるいは器具,こうしたものの老朽化あるいは破損というものにつきましても可能な範囲で徐々に改修し,あるいは新しく買いかえていくとかいろんな方法をとっておるわけでございます。今,御指摘の中にございました二重扉あるいは客席の改修,こうしたものにつきましては,これまでも内田議員さん初めいろいろと御質問もいただいておるとこでございます。これにお答えしてきておりますように,構造上の問題があるということの中で,当面というわけにもまいりませんが,やはりこれは将来時期を見てはそうしたいろんな取りかえとかいろいうな時点があるかとも思います。そうした中での検討課題ということで検討してまいりたいと思っておりますので,よろしく御了承を賜りたいと思います。 以上でございます。 ◎財政局長(関場長久君) 社会教育施設についての予算計上のお尋ねにつきましてお答え申し上げます。 国庫補助事業にかかわる予算計上につきましては,当初予算では一般的に継続的な事業等につきまして国の予算の動向,本市への補助枠の実績等勘案して過大な見積もりのないよう配意し,予算計上を行っているところでございます。また,補正予算におきましては,補助の内定通知,いわゆる内示でございますが,あるいは交付決定通知などをもとに予算措置を行っているところでございます。 今回の教育集会所につきましては,60年5月20日付で補助金の内定通知を受けておりますので,それに基づきまして予算措置を行っておるものでございます。 ◎衛生局長(竹原良一君) 肝吸虫対策についてというお尋ねでございますが,そのうちで肝吸虫が増加の兆しにあるが認識しておるか。また,市民に対してどう指導するかというお尋ねでございます。 肝吸虫病や住血吸虫病などの寄生虫病は,寄生虫予防法に基づき県が必要と認めるときは健康診断等を実施するようになっておりますが,住血吸虫病以外は医師が保健所に届け出の義務がないため,公式に肝吸虫病が県内に何人いるかというデータがないのが現状であり,学術的に岡大とか川崎医大でのアンケート調査等で患者数を把握する方法が唯一の方法であります。御指摘のような理由などによりまして,戦後肝吸虫病が減少し,現在の発生状況はほぼ横ばいであると聞き及んでおります。何と申しましても,肝吸虫病の原因を理解し発生の予防に努めることが大切であり,発生予防については県の指導のもと,岡大並びに川崎医大等関係機関と十分相談しながら対応してまいりたいというふうに考えております。 次に,この肝吸虫病に関連しまして,マメタニシについての調査結果はどうかという御質問でございますが,公害課では河川環境の生物指標を設定する目的で,昭和56年度,と57年度に笹ケ瀬川,足守川,妹尾川等における生物調査を実施いたしましたが,御指摘のマメタニシは汚濁の進行している市内の南部に生息が若干見られますものの,これに類似したヒメタニシの方が多数見られますので,ヒメタニシの方を汚れている水域の指標として考えております。 次に,今谷墓地の問題について数点のお尋ねでございますが,まず墓地対策委員会はいつつくられたかと,またそのメンバーは何人でどういう役職の人かというお尋ねでございますが,墓地対策委員会は昭和60年7月11日につくられております。また,そのメンバーにつきましては,既存の墓地の関係のある3つの町内においてそれぞれ人選された7名の方で構成されておるということでございます。 次に,既存の過密墓地の菩提寺はどこかということでございますが,従来の今谷墓地は部落有の墓地でありますので,墓地使用者のそれぞれの方の菩提寺がどこかということについては聞いておりません。 次に,既存過密墓地の解消方針ははっきりしているのかという御質問でございますが,既存の過密墓地の解消につきましては,一応5年をめどに整理していただくよう対策委員会に申し入れ,その方向でやってもらっております。 希望者で抽せんしたとのうわさは過密墓地を解消するとの大方針と矛盾するのではないかという御質問でございますが,墓地対策委員会が新今谷墓地の使用について関係地区住民にPRしたところ,使用希望者が多く100基以上に及んだために,その公平を期するために抽せんしたというふうに聞いております。 使用料3万円を支払ったといううわさについて事実関係を明らかにされたいという御質問でございますが,新今谷墓地の個人使用場所の維持管理と旧今谷墓地の跡地の整理等に充てるため,地元の使用関係者から墓地対策委員会が徴収していると聞いております。 それから,100区画への割り振りは市はどのような立場にあったのかという御質問ですが,墓地対策委員会に対して旧今谷墓地の関係者住民には公平になるよう指導してまいりました。 それから,現在までの契約状況を100区画分,と一般分に分けてお示しくださいという御質問でございますが,現在までに一般墓地の分で契約を完了しておりますものは52件ございます。また,地元に割り当てました100区画分につきましては,6件が整理できたというふうに聞いております。 以上でございます。 ◎経済局長(藤昭博君) 肝吸虫病対策につきまして,水産サイドからの対策のお尋ねに御答弁申し上げます。 コイやフナは一般に肝吸虫の寄生率が低いと言われておりまして,我々もそのように理解しておったわけでございますが,これらの魚種が肝吸虫の中間宿主として人間の健康を脅かすことになるということになればこれは問題でございますので,肝吸虫の寄生実態等も踏まえまして,関係機関とも十分協議をしてまいりたいと,このように考えております。 ◎建設局長(神原俊彦君) 表町再開発につきまして,ホールの基本構想はいつごろ具体化するのかという御質問でございますが,現在精力的に作業を進めておるわけでございます。基本設計ができ上がり地元権利者との調整が完了し次第,議会に御説明いたしたいと考えておりますので,よろしくお願い申し上げます。 次に,ホールの推定使用料と維持管理費についてでございますが,ホールの使用料は,広く市民はもちろん多くの関係団体に利用していただくため,今後議会はもちろん関係機関等と協議し,適切な料金にして市民の皆さんに広く利用していただきたいと,このように考えております。 また,ホールの年間維持費につきましては,そのすべてをホールの使用料で賄うことは困難であろうと考えておりますが,管理費を少なくするよう最大限の工夫をしていきたいと考えておりますので,御理解のほどよろしくお願いいたします。 次に,商店街の活性化について,再開発事業のキーテナント的なものとして公共施設を組み入れて成功している他都市の例でございますが,組合施行の場合は,仙台市で市民文化センター,倉敷市で体育館,徳島市で公民館市民文化教室,消費者生活コーナー。それから公共団体施行の場合で,東京都飯田橋で青少年センター,ユースホステル等,それから名古屋市でホール,名古屋国際センターなどがございます。 以上でございます。 ◎教育委員(赤枝郁郎君) 教育委員会に関係している部分についてお答えをさしていただきます。 社会教育施設西大寺北集会所の予算の見積もりを教育長が専決処理したのは違法ではないかという印象の御質問があったと思うんでございますが,教育長の専決事項についてはもう御指摘くださいましたように,岡山市教育委員会事務局事務決裁規程第12条に定めておるとこでありますが,この場合は第12条の規程を適用したのではなくして,第13条の「教育長は,委員会の議決を経なければならない事務のうち急を要し,そのいとまがないものについては,その事務を専決処理することができる。ただし,この場合は,次の会議に報告し承認を求めなければならない。」いうところがあるわけでございまして,教育長はこの規程に基づいて専決処理して,去る9月13日の定例教育委員会に議案を報告して承認を得たという手順になっておるので,適法に処理されていると判断一応しとるわけでございます。 じゃあ,これが緊急を要する案件であるかどうかという問題が起こってくる,考えられるということになるんじゃないかと思うわけでございますが,議案となる予算の見積もり等の事務は,議会の招集告示以前に完了するのが通例であるということでございまして,この際は招集告示は9月12日でございまして,これ以前に完了する,この専決処理したのは9月11日でございまして,委員会の方へ報告したのが9月13日ということで,本件についても教育長は定例教育委員会に諮る時間的余裕がないために前述のような処理をしたので,やむを得ない処置であると考えられるわけでございます。 なお,西大寺教育集会所の建設については,これまで定例教育委員会及び協議会で事務局から十分な説明を何度も受け,最近は教育委員会も公聴制度を開いており,ささやかでございますけども窓口を開いておりますので,お聞きくださってる方はあると思うんでございますけど。我々にいたしましては,必ずしも当局一辺倒というんじゃなくして,かなり各自の自由な立場に立って,良心的な立場に立って質問もしたり突っ込んだりするということもやってるわけでございますけれども,何分にも素人でございますから,当局の方からこうこうであってこうこうであってこうこうであってこうだと説明をされれは,ふうんそれはそうか,そのとおりだということになれば,(笑声)よろしかろうと,こういう了解を得とるわけで。その辺がおまえらもう少し不勉強で少ししゃんこらせえと言われりゃあ,これからもう少し(笑声)土性根を入れて勉強いたしますけど。我々にいたしましたら,弁護士さんもいらっしゃいますけれども,一応当局側がいろいろと,こうでこうでこうでこうでこうなってこうなってこうなっとんだと,しかもこういう流れがこうなってこうなっとんだと,こういうように説明を受ければ,なるほどそう言われりゃあそうかと,そういうことならよろしかろうと。こういうことになったわけなんでございますので,教育長の専決処理が教育委員会を軽視して突っ走ったとは,教育長そこへおられますけども,ひとつげんこつをかますというわけにもちょっと,いうような印象にはなっていないというのが実情でございます。 しかし,いい勉強もいろいろと教えていただきましたので,今後この点につきましては十分に勉強さしていただきたいと思います。失礼いたしました。(笑声) ◎教育長(奥山桂君) 西大寺北教育集会所の建設に関連しました一連のお尋ねでございますが,まず最初は,この教育集会所の国の支出金は確定しているのかというお尋ねでございますが,この建設につきましては,本年3月県を通して文部省へ事業計画書を提出しております。これに基づきまして,5月20日付で県教育委員会から補助金の内定通知をいただきまして,6月12日付で補助金の交付申請書を県を通して文部省へ提出しているということでございます。現時点では,御指摘にもありましたように,交付決定通知はいただいておりません。これは,他の教育集会所についても現時点ではそうだというふうに伺っております。 それから次は,地区内及び近隣には建設用地が確保できないというふうに市当局は言っておるが,地区内にまとまった土地があると。事実と違うではないかという御指摘でございますが,西大寺北市営住宅の建設を初め児童遊園地の設置など物的な事業は,対象地域内が狭くて対象地域内の適地が得られなかったために,西大寺北で実施されてきた経過があるわけでございます。したがいまして,西大寺北と対象地域とは同一のエリアというふうに考えておるわけでございます。対象地域内に教育集会所建設用地を確保することにつきましては,用地の取得が困難であったため,西大寺北市営住宅に隣接したところに教育集会所の建設用地を求めたのでございます。 次は,地元の合意が不十分であるがという御指摘でございますが,御指摘のとおり,すべての住民の方々の御理解を得るには至っておりません。教育委員会としましては,教育集会所の建設につきまして一人でも多くの方の御理解を得るように,戸別にも訪問して努力してきたところでございます。しかし一方では,対象地域,西大寺北地区及びその近隣の方々を合わせて40世帯を超す方々が早期建設を要望しておられますので,そういう実情でございます。教育委員会としましてはさらに一人でも多くの方々の御理解をいただくよう今後とも努力をしてまいりたいと考えておりますので,御理解をいただきたいと思います。   〔4番辻野喬雄君登壇〕 ◆4番(辻野喬雄君) 再質問をさしていただきます。 肝吸虫についてでありますが,水産業の面からいえばフナ,コイはそれほど心配してなかったと,こういう御意見でございましたが,ひどくならないうちにこれからの水産業のこともございますのでぜひ力を入れて対策をとっていただきたいと思います。 フナについて言いますと,初鹿先生の資料によりますと,小さいフナは汚染が少ないですね。20センチ以上のフナについては5.6%という汚染率,大きくなるほど汚染率が高いと,こういう傾向が出ております。それから,予防の一環になろうかと思いますが,人間のほかのイタチとか猫とか犬とか,この辺の汚染の問題ですが,イタチが非常に汚染率が高い。チョウセンイタチが30%,ホンドイタチが23%,猫が18.8%,犬が12.8%,ドブネズミが10.5%と,こういうふうな先生の資料もありますので御参考にいただきたいと思います。 次に,表町再開発の問題でありますが,いよいよ費用負担の点について大詰めを迎えているという市長からの御答弁でありました。重ねて申し上げるようでありますが,そもそもこういう大きな事業をやるからには,財団法人についても1対1対1と,こう3者等分で負担をするということで初めからスタートしておるわけですから,事業費の方の負担についても当然,当初からそういう合意のもとに進めていくのが本来の姿ではないかと思います。100億という工事費が頭にあって,さあこれからほんならおたくが幾ら持っていただけますかと,足らずはもうほんなら市が全部持ちましょうかと言わんばかりのうったてからの話の進め方いうのが,私は非常に問題ではないかというふうに思うわけです。そういう意味で,市の負担額はもうこれが上限だということは話をしておる途中ですから公表はできないにしても,市としての腹づもりというのはきちっと持って,しかるべき協力をいただくということでぜひ進めていただきたい。そうしないと,後々まとまったものがぽんと出されて,年々の維持管理費の負担も含めて相当な市の負担にもなってこようと思いますので,この辺は重々経済計算を間違えないように進めていただきたいということをお願いをしておきます。 次に,今谷墓地の問題ですが,時間がありませんので,これは委員会の方でやらしていただきます。 金山沖の問題で,教育集会所の問題についてを尋ねをいたします。 まず,国の補助金の決定の内容について改めてお聞きいたしますが,5月20日に県を通じて補助金の内定通知があったというふうに御答弁がありましたけれども,これは県を通じて5月20日に事業計画を上げて,事業についての承認であっためではないか。事業計画についての承認があって,それを受けて補助金の交付申請を出したと,こういうことで,補助金は現在も保留というのが正確な内容であろうと思いますが,事業に対する内示と補助金に対する内示とを混同してというか,意識的にというか,説明されておるのではないかという疑いを持つので,その点をはっきりさしていただきたいと思います。 それから,次は専決処分の問題ですが,事務決裁規程の第12条と13条の関係なんですね,まず。12条で,教育長が専決処分してはならないというのが17項目あるわけです。それを受けて13条で急を要していとまがない場合には専決処分できるということですから,17項目以外のことで急を要するものを13条が受けて専決処分ができると,こういう解釈が正当だと思いますが,(「そのとおり」と呼ぶ者あり)この点については総務局長の御答弁をお願いをいたします。 それから,距離が離れ過ぎているという問題についてでありますが,今まで金山沖の地域の中に住宅を建てるとか遊園地をたてるとかの用地がなかったから,800メーターも離れた北団地へつくったんだと,こういう説明ですが,それなら,今までこの金山沖の線引きの中に,住宅を建てるほどの土地はなかったにしても,遊園地をつくるぐらいの土地は前からあったわけですから,遊園地ぐらいはつくっておってもおかしくはないんです。しかし,この線引きの中にははなから物的事業は何一つしてない。ということは,もうはなからこの線引きの中に事業をするのは無理だという認識のもとに北団地へいびつな形で事業を進めてきた。これがもう線引きをした最初の誤りの何よりの証拠ではないかと思いますが,この点について同和対策室参与の御答弁をお願いをいたします。 それから,地元合意の問題ですが,果たして教育委員会は補助申請に,この金山沖教育集会所については何戸あるということで補助申請をされておられるのか,はっきりさしていただきたいと思います。 以上で第2回の質問を終わります。 ◎総務局長(八木肇君) 今,教育委員会への専決処理ということで,ここでのお尋ねでございますので,ちょっと今条文を手元へ持っておりません。しかしながら,この通常の専決処理という場合には,これはいわゆる何といいますか,急施とかなんとかいうことでなくって,教育長自体が専決処理できるものと,通常でいう何といいますか,私どもでいいますと,それぞれ総務局長なり何なりが専決処分できるというものと,それからその場合以外の問題として,これは急施を要するという場合で,13条に決められておるということで処理されたものと思うわけでございます。ですから,(発言する者あり)いや,この処理できないものという,通常の専決処理できない,通常でそのまま勝手にはできませんよというものがありまして,それを今度は急施を要する場合ということで解除されておると。そのかわりそれは報告しなさいよと。こうなっておるというのが構成だと思うわけでございます。(「何でも勝手にできるわけじゃ」等と呼ぶ者あり) ◎経済局長(藤昭博君) 肝吸虫の水産面からの対策につきましての再度の御質問でございますが,この点につきましては県の水産課,水産試験場,あるいは水産普及所,こういったとことも十分連携をとりながら,ひとつ漁業サイドから対策を取り組んでまいりたいと,このように考えております。 ◎参与(渡辺史郎君) 再質問の中で,遊園地を対象地域の線引きの中につくってもおかしくないが,はなから事業をするつもりはなかったのではないかというお尋ねでございます。 この遊園地につきましては,今ここで急に出されましたので確認はできませんが,従前に調べたところによりますと,地域外につくった住宅の一連の事業として遊園地なり集会所が必要であるということから,住宅に隣接をしたところに遊園地をつくったというふうに聞いております。 以上です。 ◎教育長(奥山桂君) 再質問をいただきましたうちの最初は,補助の内示のことについてでございますけれども,内示をいただいておりますのは,建物については644万6,000円,用地につきましては440万円と,計1,084万6,000円というような内定額をいただいておるわけでございます。 それから,次のお尋ねは,建設についての申請の際は何戸あると申請をしたのかということでございますが,その申請の基礎になっておりますのは,昭和52年の追加指定の申請の27戸と,それから西大寺北住宅の17戸ということで,文部省の基準に達しているということで,それで申請をしておるわけでございます。   〔4番辻野喬雄君登壇〕 ◆4番(辻野喬雄君) 内示の内容の問題ですが,予算の内示か事業の内示かという点については私はまた非常に疑問を抱いておりますので,この点はもう少し私も調べ直して,次の委員会で,文教委員会の方でこの問題をはっきりさしていきたいというふうに思います。 それから,同対室参与の答弁に関連してですが,金山沖という地域指定がそもそも無理であったということが何よりの問題なのですが,北団地を先につくったからこの周りへ遊園地や小集会所をつくり,今度も教育集会所をつくるんじゃと,これだけではこちらが正当だったということにはならんですね。本当にこちらが正当な対象地域であって,土地がのうてこちらへつくったんなら,こちらの中にも事業をしてもおかしゅうないんです。ところがこちらは全然物的事業はしてないん。北団地ばっかりしとるわけです。ということがもう明らかにこの金山沖の指定のおかしかったという何よりの証拠ではないかというふうに御質問したわけで,改めて御答弁をお願いします。 それから,申請戸数は52年当時の27戸と北団地の17戸,こういうふうに言われましたが,申請当時の27戸の実態については私も昨年の9月で申し上げました。27戸中,この金山沖の線引きの中に住んでおられるのは3人しかいない。これはもう地元の方がその名簿を見してもらっとるわけです。最近も北団地におられる金山沖支部の三役のある人が,引き続いてこの金山沖の人に対していろいろと嫌がらせをしております。女の人を玄関まで追っかけていってどなり散らすというふうなこともやっとるわけです。また,そういうやりとりの中で,この金山沖におられる市のやり方に反対される方は,その解同金山沖支部の三役のある人に対して激しく抗議をしております。お前らが52年当時,人の判こを勝手について申請をしとると,これは市や国や県をだます詐欺行為ぞというふうな追及もしたら,結局そのどなり散らしとった三役のある人も黙ってしもうたと,こういうふうなこともお聞きしとるわけです。こういうふうな背景を持って,この金山沖の地域指定というのは,52年当時にごり押しをされとるわけです。その点を,現在までも罵倒したりののしったりするような関係の中で,教育集会所の予算をつけるということは決して許されないというふうに思います。 最後に,議員の皆さんにもお願いをいたしますが,本議会に予算案が出ておるわけであります。せんだって9月13日に連合町内会長との懇談がありまして,旭東学区の連合町内会長が,住宅新築資金の問題について御発言がありました。自分の学区にも肩身の狭い人間を出したと。議会がもっと条例の改正とかそういう辺でてきぱきやってもらっておったらというふうな意味合いの発言であったと思います。住宅資金の問題はそれだけが主原因ではありませんけれども,議会側とすれば議会としてのチェック機能を十分発揮しなければならない重要なときではないかと思いますので,何分によろしくお願いいたします。 終わります。(拍手) ◎参与(渡辺史郎君) 再々質問で,この地域の中に物的事業はしてないはすだということでございまして,これは御質問,御指摘のとおりでございまして,52年に追加調査をして以来,この地域の中では物的事業はいたしておりません。先ほど来いろいろ問題になっております住宅とか遊園地,集会所がこの地区を対象にした物的事業でございます。 以上でございます。 ○議長(藤原照夫君) 本日はこれをもって打ち切り,次の本会議は明日午前10時に開き,一般質問を行います。 本日はこれをもって散会いたします。御苦労さまでございました。   午後3時56分散会...