また、
特別会計では、
形式収支、
実質収支ともに黒字となっているが、特に
国民健康保険、
老人保健、
介護保険の各
会計については、単
年度収支の悪化が顕著であり、
一般会計からの繰入金や
制度改正との絡みもあって、単純に判断することは困難と思われるが、将来を見据えた中・長期的な改善に直ちに着手していただきたい。
続いて、
普通会計ベースでの
財政指標についてでは、まず
実質収支比率では、
平成13年度の4.4%を
ピークに
減少傾向が続く中、1.9%まで悪化している。一般的に言われる健全さの目安は3%前後であり、改善に向けた
取り組みが必要と考えられるところである。
次に、
経常収支比率においては、前年度より2.3ポイント、
平成13年度と比較すると3.9ポイント悪化しており、要は
投資的事業につぎ込む財源が減少していることを示していることから、
市民生活に直結するところの老朽化した施設や
道路改良の
事業費等を確保する上においても、早期の改善が必要であると思われる。しかしながら、
市長就任以来の厳しい
財政状況の中で、新たに「
まちづくり交付金制度」を活用した諸
事業の着手、また、
懸案事項であった新
野球場の建設や
サッカー場の
人工芝整備など、
スポーツ観光を標榜する本市にとって、その
創意工夫による真摯な
取り組みは評価に値するものである。
さらに、個別の内容として特に
扶助費については、
地方公共団体の責務の一つではあるが、今後の
財政負担に大きな影を落としていることは、従前から疑う余地のないところであり、国の
制度改革に伴い地方への
負担転嫁ともいうべき
状況も生まれつつある中において、
扶助費を聖域化することなく、特に本
決算審査においても
指摘がなされたところの
生活保護事業における本市の
認定の
あり方や年金との
逆転現象等、厳正に対処しながら早急に
見直しを図り、真に必要な
サービスへの
重点化を進めていただくことを強く要望する次第であります。
また、
負担金補助及び
交付金について、過ぐる本
会議、または当
委員会においても
指摘がなされたように、
市民の間ではかなりいろいろな
意見や不満もあり、早急にその
整合性を図ると同時に、不退転の決意で将来の
財政運営を安定化するために抜本的な
見直しを行う必要があろうかと考えるところである。
続いて、個別の
指摘事項として、まず
市税の滞納問題に関して、先般の報道における政府の
月例経済報告では「いざなぎ景気に並ぶ
景気回復の兆しにある」との認識が示されたが、地域や
企業規模によるばらつきは依然大きく、一
地方都市である我が
別府市においても、いまだに実感が伴わない中、税の徴収が思うに任せない
状況であることは推察できるものの、
決算審査意見書の中における「
市税は
歳入の根幹をなすものであり、また
租税負担の公平からも、今後とも
関係者一丸となって
徴収率の
向上になお一層努力されるよう要望する」との
指摘を重く受けとめ、引き続き
納税意欲を喚起するための啓発や
徴税事務にさらなる努力を払われるよう要望するものである。
次に、
観光費については、
観光立市であるにもかかわらず
予算額が少ないと感じており、 もう少し目に見える形で
予算執行できないものか。つまり、利益を生む
事業に投資を行うべく、費用対効果をより一層図る必要があると思われるところから、
観光公社の設立など、市だけではなく観光で恩恵をこうむる民間との協働で
事業推進できる体制を組んでいただきたい。
さらに、
教育費においては、多額の
施設整備費がつぎ込まれているにもかかわらず、その費用対効果を論議するに至っていない
状況が見受けられる。教育はお金でははかれないものではあるが、その一つの指針として
児童生徒の
学力向上が上げられるのではないか。また、
施設等の
環境整備に費用をかけると同時に、特色ある
学校づくりなどに対しても
予算が割かれているが、これらの総合的な一種の投資に対して、ぜひ
学力向上、そして現在問題になっている「いじめ」等の撲滅にも努力していただくよう、その成果をもって示していただくようお願いするところである。
さて、
決算特別委員会の目的については、
予算の執行結果である
決算の
認定であると同時に、将来に向け
指摘された
問題点は改善し、よい部分は伸ばすといった
取り組みが最も重要であり、
委員からの
指摘・助言を
執行部として真摯に受けとめ、今後の
予算編成に反映させていただきたい。
また、市長が提唱する「
観光再生」と「
行財政改革」は、着実に推進しているものと評価しているが、今後の
別府市の発展のため一層の努力を望むものである、との
総括意見が述べられた次第であります。
最終的に、一部
補助金の支出の
あり方等について、賛意を示すに至らないとの
意思表示がなされましたが、採決の結果、議第88
号平成17年度
別府市
一般会計歳入歳出決算及び
平成17年度
別府市各
特別会計歳入歳出決算の
認定については、
賛成者多数をもって
認定すべきものと決定をした次第であります。
以上、
決算特別委員会における
審査の概要及び結果について
報告を終わります。
何とぞ
議員各位の御賛同をお願い申し上げます。(拍手)
○
議長(原 克実君) 以上で
委員長の
報告は終わりました。
少数意見者の
報告はありませんので、これより討論を行います。
討論の通告がありますので、これを許可いたします。
(10番・
平野文活君登壇)
○10番(
平野文活君)
日本共産党議員団を代表して、
反対討論を行います。
まず、
歳入についてであります。
平成17年度における
三位一体改革による
市財政への
影響額は、
地方交付税、
臨時財政対策債、
国庫補助金の三つで
マイナス4億4,015万円であります。前年の16年度の
マイナス11億5,000万円と合わせて2年間に約16億円が削られたことになります。国の財政難の原因は、第1にむだな
公共事業、第2に大
企業法人税の減税のやり過ぎにありまして、ここにメスを入れることなく、ツケを地方自治体に転嫁する
三位一体改革は
改革に値せず、我が党は同意できません。
次に、
増税問題であります。
平成17年度から
庶民増税が始まりましたが、
市民所得がふえた結果の
増税ではありません。以前の議会でも、
平成12年度の資料で、当時
課税対象所得200万円以上の
市民が1万3,647人しかいないことを
指摘いたしましたが、最新の18年度では同じく所得200万円以上の
市民は1万2,059人で、6年間に1,588人も減っております。私たちは、この
貧困化の進行と格差の拡大、これにどう対応するのかが今日の最大の
政治課題だと考えています。
ところが17年度
決算では、
個人市民税の
調定額は前年度に比べて
プラス8,424万円、実収入も
徴収率は0.5%低下しているにもかかわらず、
プラス6,947万円となっております。これは
小泉内閣の
税制改革の影響であり、
平成17年度は
配偶者特別控除の廃止などにより1億3,000万円の
市民税が
増税されました。このような
庶民増税にも同意できません。この
庶民増税は17年度にとどまらず、18年度には
老齢者控除の廃止、
定率減税の2分の1縮小などにより3億6,000万円の
増税、19年度は
定率減税の全廃によるだけでも2億1,000万円の
増税で、3年間に実に7億円もの
市民税増税となります。しかも
所得税、
県民税の
増税に加えて、さらに
介護保険料や
国民健康保険税の負担も
雪だるま式にふえているのであります。
17年度の
国民健康保険特別会計決算との
かかわりで申しますと、
収納率向上特別対策に2,860万円を投じたにもかかわらず、「成果に関する
説明書」の37ページに「
特別対策をしたが、
収納率は0.4ポイント減となった」と
報告している
状況であります。また
不納欠損を2億5,000万円計上した上に、
滞納繰越は15億円に達しております。これは高過ぎて払えない人が多いということを示しております。
私たちは、この
増税分は
負担増で困難を抱えている
市民の痛みを軽減するために使うべきだと主張してまいりました。17年度の
介護保険特別会計決算との
かかわりで申しますと、
介護保険法の改悪により
居住費や食費が
保険から外され
自己負担がふえ、県下では退所者も出ております。この
負担軽減のための施策が全国の幾つかの自治体で実施されておりますが、私たちは
別府市でも要望しましたが、この
助成制度はつくられませんでした。「
増税分は
市民に還元を」という私たちの主張の関連では、18年度になって障がい者の
負担軽減策や
乳幼児医療費への
助成措置が講じられました。しかし、
増税の最大の
被害者は
高齢者であり、また従来の
福祉サービスが切り捨てられる最大の
被害者も
高齢者であります。いわば「やらず、ぼったくり」の被害を一番受けている
高齢者にこそ還元の措置をとるべきであります。
さきの
決算委員会で私たちは
介護認定者に対して、
所得税、
住民税の
障害者控除認定書を発行しているかを問いました。これは障がい程度により、
障害手帳がなくても27万円から40万円の控除ができるというものでありますが、5,000人を超える
介護認定者で
控除認定を受けていたのは、
平成17年度でわずか8人でありました。その後、こうした
指摘を踏まえて個別に
対象者に通知をするという、そして申請を促進するという作業に着手しているという
報告も受けましたので、この点は感謝を申し上げたいと思います。
また、
同和行政で
機関紙84部の
公費購入はやめたという
前進面はありますが、会員数が81世帯151人の団体に合わせて580万円という法外な団体
補助金を出し続けていることなど、問題は解決されておりません。
最後に、「成果に関する
説明書」の33ページに、「
市立図書館の電算化導入
事業に2,169万円を投じたが、盗難・破損・廃棄などにより電算化できない図書が多くあった。その結果、15万785冊あった図書が、9万2,996冊になった」という
報告があります。実に5万7,000冊以上が使える状態ではなかったわけです。人口10万から15万人の91市の類似都市の中で蔵書数15万冊でも下から2番目の90位でしたが、これで文字どおりの最下位となりました。
以上、数ある
問題点の中、ほんの一部について
指摘をさせていただきましたが、
別府市政の現状は
市民の目線から見てとても
認定できる
状況にはないということを申し上げまして、
反対討論を終わります。(拍手)
○
議長(原 克実君) 以上で通告による討論は終わりました。
これにて討論を終結いたします。
それでは、これより採決を行います。
上程中の議第88
号平成17年度
別府市
一般会計歳入歳出決算及び
平成17年度
別府市各
特別会計歳入歳出決算の
認定についてに対する
委員長の
報告は、これを
認定すべきものとの
報告であります。本件については、
委員長の
報告のとおり
認定することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔
賛成者起立〕
○
議長(原 克実君) 起立多数であります。
よって、本件は
委員長報告のとおり、これを
認定することに決定をいたしました。
次に
日程第4により、議第90
号平成18年度
別府市
一般会計補正予算(第5号)から 議第108号
市長専決処分についてまで、以上19件を一括
上程議題といたします。
提案理由の説明を求めます。
(市長・浜田 博君登壇)
○市長(浜田 博君)
平成18年第4回市議会
定例会の開会に当たり、市政諸般の御
報告を申し上げ、あわせて今回提出した諸議案の概要について御説明を申し上げます。
まず、中心市街地活性化の
取り組みについて御
報告いたします。
改正まちづくり三法に基づく新たな中心市街地活性化基本計画を策定するため、国・県の支援・協力をいただき、10月6日、
関係者20名で構成された「
別府市中心市街地活性化基本計画策定
委員会」を開催いたしました。また10月30日には、商工
会議所を中心とした民間主体の組織となる「
別府市中心市街地活性化協議会」の設立準備会が開催され、官民一体となった推進体制が整ってまいりましたことを御
報告いたします。今後は、
関係者皆様の英知を結集し、にぎわいあふれる中心市街地を再現させるため、来年3月までに基本計画を策定してまいりたいと考えております。
次に、10月19日には、仮称・
別府市民球場新築工事の安全祈願祭が行われました。
新しい球場は、グラウンドの広さでは県下一の球場となり、完成後の
平成19年10月には「天皇賜杯全日本軟式野球大会」が開催されることが決定しております。新球場建設により実相寺中央公園の体育施設の充実を図り、
市民体育の育成・発展と
スポーツ観光の推進に努めてまいりたいと考えております。
10月26日には、
別府競輪場新メインスタンド・サブスタンドの竣工式を行いました。
リニューアルオープンを契機に、さらなる
別府競輪の活性化とファンの拡大を図りながら、競輪
事業の発展と地域の振興を推進してまいりたいと考えております。
まつり・イベント等については、ことしから「おおいたみのりフェスタ」の愛称がつけられた「大分県農林水産祭」の水産部門が10月14、15日に亀川漁港で、農・林業部門が21日、22日に
別府公園で開催されました。好天に恵まれ、昨年より1万人多い9万9,000人が来場し、農林水産祭が一本化された
平成16年度以降で最高の販売額となりました。また、民間主催の「ハットウオンパク」や「
別府宵酔女まつり」等のイベントにも多くの
市民や観光客が訪れ、
別府の秋のイベントとして定着してきたと考えております。ことしは、新たに柳地区での「棚田で食べる食文化祭」や流川通り会主催の「秋祭り名残市」が開催される等、市内各所で
ONSENツーリズムの芽が開花しております。これからも、「住んでよし訪れてよし」のまちづくりである
ONSENツーリズムを積極的に推進してまいります。
次に、先般、都市公園法施行50周年記念
事業として実施された「日本の歴史公園100選」に「
別府公園」が選定されました。公園内の松林が明治39年に梨本宮守正王により記念植樹されたもので、現在までよく管理保全され、歴史的・文化的価値が高いと評価されました。今後もこの貴重な松林を大切に保全し、より一層
市民や観光客に親しまれる公園づくりを進めてまいりたいと考えております。
以上、市政諸般についての御
報告といたします。
続きまして、ただいま上程された各議案の主なものについて、その概要を御説明いたします。
今回の補正
予算は、基金創設や計画
事業の早期財源確保など財政面での基盤整備のほか、福祉関連
事業の不足額の追加を中心に
予算編成しております。
まず、
一般会計予算でありますが、今回補正します額は9億6,650万円であります。これを既決
予算に加えますと、総額408億5,760万円となります。
総務費では、朝日出張所の移転完了に伴う旧出張所の解体、本庁舎1階旧食堂の活用を図る改修に伴う経費を計上しております。また、市街地の活性化、歴史的建造物等の保存・活用、観光振興等の
事業財源に充てるため現行の基金を
見直し、新たな「
別府市
ONSENツーリズム推進基金」の創設に伴う
予算を計上しております。
民生費では、生きがい活動支援通所
事業の利用者増加による追加額、大分県
後期高齢者医療広域連合及び設立準備
委員会の市町村負担金確定による
予算を計上しております。
衛生費では、10月からの乳幼児医療
制度改正に伴い、負担を緩和する市独自の
助成制度となる「
別府市乳幼児医療の助成に関する条例」の改正を、さきの9月議会で議決いただいており、
決算見込み額に伴う追加
予算を計上しております。
商工費では、中心市街地の活性化に関する法律に規定された「中心市街地の活性化に関する施策を総合的かつ一体的に進めるための基本的な計画」を官民一体となって策定するに当たり、基本計画に対して
意見を提出する役割を担う「
別府市中心市街地活性化協議会」に対する運営補助、市内中心部8商店街の駐車券購入補助
事業に伴う
予算を計上しております。
土木費では、
平成19年度に計画しておりました市営住宅の屋上防水工事等及び西
別府住宅建てかえ
事業について、国の交付決定が前倒しで確定見込みであり、財源の早期確保の観点から所要の
予算を計上しております。また、春木川小学校と石垣小学校の通学区域の一部変更に伴う児童の安全な新通学路の確保を図るため、春木川歩道橋の設置に向けた実施設計等に係る
予算を計上しております。
教育費では、いじめや虐待等への一つの対策として、子ども自身の危機回避能力を
向上させるため、「子どもの安全を守るワークショップ」を市内全小学校4年生、全中学校1年生及び教職員を対象に実施する
予算を計上しております。
次に、
特別会計予算でありますが、今回補正します額は、
マイナス6,032万円であります。これを既決
予算に加えますと、総額563億7,390万円となります。
温泉
事業特別会計では、「鉄輪むし湯」の予想を大幅に上回る利用者数の増加に伴い、指定管理料の追加
予算を計上しております。
次に
予算外の議案につきましては、条例4件、その他8件の計12件を提案しておりますので、その主なものについて御説明申し上げます。
議第98号は、本市における
ONSENツーリズムの推進を図るため、
別府市観光施設整備基金及び
別府市ふるさとチャレンジ基金を廃止し、新たに「
別府市
ONSENツーリズム推進基金」を設置することに伴い条例を制定しようとするものであります。
議第99号は、
別府市海岸整備
事業特別会計、
別府市交通災害共済
事業特別会計及び
別府市温泉
事業特別会計を廃止することに伴い、条例を改正しようとするものであります。
議第101号及び議第102号の2件は、公営西
別府住宅A棟及びB棟の
工事請負契約の締結について、議会の議決に付すべき契約及び財産の取得又は処分に関する条例第2条の規定により、議会の議決を求めるものであります。
議第104号は、後期
高齢者医療に関する事務を処理するため、大分県内の全市町村が加入する広域連合を設置することについて、
地方自治法第291条の11の規定により、議会の議決を求めるものであります。
議第105号は、内成地区において田園自然環境保全整備
事業を行うことについて、土地改良法第96条の2第2項の規定により、議会の議決を求めるものであります。
議第106号から議第108号までの3件は、
地方自治法第179条第1項の規定に基づき専決処分いたしましたので、同条第3項の規定により議会に
報告し、その承認を求めるものであります。
以上をもちまして、提出いたしました諸議案の説明を終わります。
何とぞ慎重審議の上、よろしくお願いを申し上げます。
○
議長(原 克実君) 以上で各議案に対する提案理由の説明は終わりました。
お諮りいたします。
会期日程により全議案を考案に付したいと思いますが、これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○
議長(原 克実君) 御異議なしと認めます。
よって、全議案を考案に付すことに決定いたしました。
以上で、本日の議事は終了いたしました。
明日12月1日から12月3日までの3日間は考案及び休日のため本
会議を休会とし、次の本
会議は、12月4日定刻から開会いたします。
本日は、これをもって散会いたします。
午前10時39分 散会...