大分市議会 2017-03-21
平成29年第1回定例会(第4号 3月21日)
平成29年第1回定例会(第4号 3月21日)
第1回
大分市議会定例会会議録 (第4号)
───―────―────────────
平成29年3月21日
午前10時0分開議
───―────―────────────
出席議員
1番 穴 見 憲 昭
2番 小 野 仁 志
3番 松 木 大 輔
4番 倉 掛 賢 裕
5番 田 島 寛 信
6番 二 宮 博
7番 藤 田 敬 治
8番 安 部 剛 祐
9番 野 尻 哲 雄
10番 永 松 弘 基
11番 板 倉 永 紀
12番 足 立 義 弘
13番 仲 道 俊 寿
14番 長 田 教 雄
15番 秦 野 恭 義
16番 阿 部 剛四郎
17番 高 松 大 樹
18番 松 本 充 浩
19番 堀 嘉 徳
20番 井手口 良 一
21番 福 間 健 治
22番 岩 崎 貴 博
23番 斉 藤 由美子
24番 馬見塚 剛
25番 甲 斐 高 之
26番 帆 秋 誠 悟
27番 松 下 清 高
28番 宮 邉 和 弘
29番 髙 野 博 幸
30番 安 東 房 吉
31番 日小田 良 二
32番 スカルリーパー・エイジ
33番 三 浦 由 紀
34番 衛 藤 延 洋
35番 大 石 祥 一
36番 仲 家 孝 治
37番 荻 本 正 直
38番 高 橋 弘 巳
39番 橋 本 敬 広
40番 川 邉 浩 子
41番 国 宗 浩
42番 泥 谷 郁
43番 佐 藤 和 彦
44番 今 山 裕 之
─────────────────────
欠席議員
な し
───―────―────────────
出席した事務局職員
局長 藤 澤 修
次長兼総務課長 奈 良 英 治
次長兼議事課長 板 井 隆
議事課参事 吉 野 宏
議事課参事兼
政策調査室長 牧 浩 司
議事課議事担当班主査 後 藤 和 正
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説明のため出席した者の職氏名
市長 佐 藤 樹一郎
副市長 久 渡 晃
副市長 桑田 龍太郎
教育長 三 浦 享 二
水道事業管理者 三重野 小二郎
消防局長 藤 井 博 文
総務部長 佐 藤 耕 三
総務部参事兼
防災危機管理課長 森 裕 英
企画部長 玉 衛 隆 見
企画部参事 増 田 真由美
企画部参事 縄 田 睦 子
財務部長 宮 本 玄 哲
市民部長 伊 藤 真由美
市民部参事 村 上 博 士
福祉保健部長 江 藤 郁
福祉保健部参事兼
福祉事務所長 大 木 治 郎
環境部長 奈 須 寿 郎
商工労働観光部長 戸 田 美 和
農林水産部長 森 本 亨
土木建築部長 木 村 忠 孝
都市計画部長 長 野 保 幸
下水道部長 新 井 修 司
下水道部参事 伊 藤 憲 亮
監査事務局長 石 井 宏 治
教育部長 澁 谷 有 郎
教育部教育監 秦 希 明
水道局管理部長 倉 原 洋
市長室長 高 橋 賢 次
財務部次長兼財政課長 佐 藤 等
───―────―────────────
議 事 日 程 第4号
平成29年3月21日午前10時開議
第1 総括質問
おおいた
民主クラブ
日本共産党
新政クラブ
───―────―────────────
本日の会議に付した事件
日程第1 総括質問
おおいた
民主クラブ
日本共産党
新政クラブ
◇─────────────────◇
○議長(野尻哲雄) これより会議を開きます。
午前10時0分開議
○議長(野尻哲雄) 本日の議事は、お手元に配付の議事日程第4号により行います。
◇─────────────────◇
◎日程第1 総括質問
おおいた
民主クラブ
日本共産党
新政クラブ
○議長(野尻哲雄) 日程第1、総括質問を行います。
初めに、おおいた
民主クラブ代表、20番、井手口議員。
○20番(おおいた
民主クラブ 井手口良一)(登壇)(拍手) おはようございます。20番、おおいた
民主クラブの井手口良一です。会派を代表して総括質問を行います。
さきの
市議会議員選挙では、過去最高の1万3,000票も得票した候補がいた中、全体の投票率は戦後最低、5割を切るという悪夢のような結果に終わりました。私たち、おおいた
民主クラブは、この投票率を厳粛に受けとめ、
市議会議員全員が襟を正して、これまで以上に市議会の機能と存在感を高め、同時に議員一人一人が顔の見える活動を展開していかなくてはならないと決意を新たにしています。
では、質問に入ります。
まず、市長の市政に対する基本的な考え方をお聞きします。
基礎自治体の役割を一言であらわすならば、それは市民の幸せの実現であると私は考えます。
都市インフラを整え、
福祉サービスを充実させ、地域経済を活性化し、緑多く自然豊かな住環境を提供することの全てが市民の幸せのためであることは言うまでもないことでしょう。
市長は、大分市総合計画のキャッチフレーズに「笑顔が輝き 夢と魅力あふれる
未来創造都市」を掲げておられますが、市民の笑顔とは、すなわち市民の幸せの表徴にほかなりません。
ブータンでは、国王みずからが国民総幸福度──グロス・ナショナル・ハピネスを提唱していますし、東京都荒川区では、区民にあらかじめ設定された各種指標で評価をしてもらい、荒川区民総幸福度──グロス・アラカワ・ハピネスとして区の行政施策の成果を公表しています。
佐藤市長は、大分市民の幸せをどのように考えておられるのでしょうか。市長が思い描く幸せについてお聞かせください。
同じ趣旨から、もう一つお聞きします。市長が理想としておられる具体的な都市像については、大分市総合計画の基本構想の中の目指す都市像とそれに対応している各論の6つのチャプターに掲げられている言葉から伝わってはきますが、もう少し具体的なイメージを描くため、例えば、国内外の類似都市などの中で、市長の目指す都市像に最も近く、市長が住みたい、住んでみたいとお考えの都市はどこなのでしょうか、教えてください。
次に、世界、国内の
政治経済動向についての市長の展望をお尋ねします。
ISの出現、シリアや南スーダンでの泥沼化した内戦、欧州での難民流入が社会不安を引き起こしたことによる各国の右傾化、米国での
トランプ政権の誕生、隣国、韓国の政治混乱、その隣の国の軍事的暴走など、世界情勢は不安定で流動的な時代に突入しています。一方、国内的には政権与党の圧倒的な議席数に裏づけされて、安倍政権が長期政権となることが確実視されていましたが、この数日、急に大阪方面から暗雲が立ち込めてきました。一地方都市である大分市も、世界情勢や国内情勢から、ひとり離れた存在として生きていくことはできません。
そこで、お尋ねしますが、市長は世界、国内の
政治経済動向についてどのように展望されているのか、お聞かせください。
同じ視点から、今後の大分市のGDP全体の推移と各産業間の
GDPシェア率の変化についてどのようにお考えか、教えてください。
また、大分市が毎年公表している5年単位の財政収支の中期見通しは、残念ながら、これまで数字的には当たった試しがありません。たった数年先までの見通しであっても、
政治経済全般の状況変化に大きく左右される地方経済を見通すことは、それほど困難であるということでしょう。それでも私は、財政収支の中期見通しの公表は必要であると考えています。大分市の置かれている財政環境と財政状況についてのトレンドを市の財政責任者がどのように見ているかという基本的な考え方を知るために重要であり、有益であると考えるからです。
そこで、改めてお尋ねしますが、佐藤市長は大分市の財政について中期的にどのような展望をお持ちでしょうか。
次に、
福祉保健行政について5点お聞きします。
まず、子育て支援のうち、
保育士不足対策についてです。
リーマンショック以来、悪化の一途をたどってきた大分市の待機児童問題も、市長の積極施策によって、定員数においては来年度末には解消すると予測できるところとなりました。しかしながら、定員をふやし続けることについては、将来の
保育事業者間の過当競争を生む可能性があること、大分市外からの
保育事業者の参入は、大分県内全体の保育環境のバランスを壊してしまうおそれがあること、それに伴って、人口の県内での一極集中に拍車がかかることなどの不安を拭いきれません。
また、
保育士不足問題も深刻です。定員を幾らふやしても、保育士の確保ができなければ、保育を受けられる子供の数は限定的になってしまいます。国も、そのことについてようやく気づき始めました。全ての
職種間平均賃金に比べて、保育士の平均賃金が低いことを是正するための賃金増施策については、もちろん歓迎します。今後とも手厚く配慮していただけるよう期待するところです。
しかし、それだけでは
保育士不足の解消を図ることはできません。保育士の勤務時間中の作業内容の配分など、就労状況の実態を行政としてきちんと把握して、改善すべき点は改善していかなくてはなりません。保育士が家庭に仕事を持ち帰らざるを得ない状況を社会が見過ごしてきたため、結婚して家庭を持った場合、家事をこなし、我が子の世話をしながら保育士の仕事を続けることが物理的に困難であるために退職せざるを得ない現実があります。それを少しでも解消し、保育士の負担軽減を図らなければ、
保育士不足は悪化するばかりです。
市長は、
待機児童解消策につなげるため、保育士の賃金だけでなく、勤務、就労条件を改善することについてどのようにお考えでしょうか。まずは保育士の勤務、就労の実態を正確に把握することを含めて、御存念をお聞かせください。
また、見えない貧困、特に子供の貧困の実態把握についてのお考えをお聞きします。
見えない貧困、中でも子供の貧困については、私はこれまで首都圏や大都市圏だけの問題と捉えてきましたが、どうも大分市内でも問題が顕在化しつつあるように思えて心配です。もちろん、既に生活福祉などの
福祉サービスの対象になっている場合は、顕在化してカウントできているのですから、私の言う見えない貧困には当たりません。そして、見えない貧困だからこそ、その存在実態を把握することは確かに困難です。
そこで、今回は、大分市での見えない貧困、とりわけ子供の貧困問題について、市長がどのように捉え、どのように臨もうとしているのか、お聞きするだけにとどめたいと思います。市長の率直なお考えをお聞かせください。
次に、
地域包括支援センターの体制強化についてのお考えをお聞きします。
地域包括ケアシステムの構築は、近未来の日本の、特に超高齢化することが必至と考えられている人口構成に対処するため、必要欠くべからざる行政課題だと私は考えています。医療と介護だけでなく、
障害福祉サービス、
生活福祉サービスなど全ての
福祉行政セクションを総動員して、強固なシステムを構築していくことが必要です。
さらに、私はこのシステムを本市として、さらに一歩進めて、
地域包括ヘルスケアシステムにするべきと考えます。包括的なケアが必要となった方々に必要なケアを提供することはもちろん重要ですが、さらには包括的なケアを必要としない、自立した健康生活を少しでも長く保持していただくための
ヘルスケアシステムも包含させて、総合的に構築するべきではないかと考えます。
その
地域包括ヘルスケアシステム構築のために、
地域包括支援センターの充実強化を提案します。具体的には、
地域包括支援センターに、
仮称生活支援相談員を配置することです。
生活支援相談員は、保健師であることが理想ではありますが、ただでさえ不足している保健師ですから、一朝一夕に確保できる話ではありません。どのような資格者がふさわしいかを含めて、今後の課題とするとして、ここでは
地域包括ケアシステム構築のための中心機関として
地域包括支援センターの充実強化を図ること、そのために
仮称地域生活支援員を全ての
地域包括支援センターに配置することについて、市長のお考えをお聞きします。
また、同様の観点から、
健康サポート薬局、いわゆる
かかりつけ薬局制度の早期導入について提案します。
国は既に、全国で1万5,000件の
健康サポート薬局を設置する考えを公表しています。しかしながら、その歩みは非常に遅く、大分県内で開設できたのは、わずか5件で、そのうちの3件が大分市内にあるだけです。
地域包括ケアシステムを構築しようとするためにも、医療機関である調剤薬局を
かかりつけ薬局──
健康サポート薬局として充実強化できれば、システム全体の強化につながるはずです。そのためには、やはり行政側からの
インセンティブが必要であることは論をまちません。調剤薬局が
健康サポート薬局になるための資格を得るためには、調剤師が何をしなくてはならないのか、そのために通常業務以外にどの程度の時間、日数が必要なのかを精査して、市として必要なサポートを提供することで、全国に先駆けて、大分市内の全ての調剤薬局を
健康サポート薬局──
かかりつけ薬局とすることも可能であり、調剤薬局を
地域包括ケアシステムの心強いパートナーとすることができます。さらには、全国に先駆けて実現することで、大分市が
地域包括ケアシステムのモデル都市として注目されることにもなります。市長の英断を期待しつつ、答弁を求めます。
次に、
次期介護保険事業計画の課題として、消費税額の変更に伴う介護費用額の考え方をお聞きします。
消費税が5%から8%に引き上げられた際に、その増額分の3%は介護報酬に反映されることはありませんでした。たとえ3%であっても、それまでの価格設定が適正であれば、3%分、どこかにしわ寄せが生じます。そのしわ寄せをこうむるのはどこかといえば、事業者なのか、
業務受託業者や納入業者なのか、あるいは、あってはならないことではありますが、利用者ではないだろうか、それを行政としてきちんと追跡調査して確認しておくべきでしょう。指導監査の際などに聞き取り調査を実施しているのでしょうか。
国は、消費税が10%になるときには見直しをすると言っているのですが、デフレ脱却のための
物価上昇誘導との相乗効果を考えれば、どうしても、どこか弱いところにしわ寄せがいくことが心配になります。
そこで、お尋ねしますが、
次期介護保険事業計画の実施期間中に10%になることが予想されている介護保険の影響額は、計画立案の際にどのように見積もり、算入するおつもりなのか、お答えください。
次に、
障害者支援の一環として、支援家族の情報交換の場を設けることを提案します。
61歳の女性が重度障害のある我が子を絞殺するという悲劇が、けさのテレビで報道されていました。誰にも相談できずに思い悩んでいたことが引き金だったようです。
障害者支援を考える上で、障害者自身に対する施策が優先されることは論をまちません。しかしながら、障害者をその
日常生活全般にわたって支えているのが家族であることも、また論をまちません。その家族の皆さんが異口同音におっしゃるのが社会からの疎外感、孤独感です。
一方で、
障害者サポート体制が充実すればするほど、障害者が実は複数の障害をお持ちであることが多いことが私たちの知るところとなりました。複数の障害をお持ちの方への総合的な
サポート体制も整備されてきたところです。その中で、ややもすると忘れられがちなのが障害者を日常生活の中で中心的に支えている家族の疎外感、孤独感なのです。もちろん、事業所別に家族会などが組織されていますが、どうしても、その組織の範囲は狭いものになりがちです。
私の提案は、障害の種類や程度の枠に縛られない家族の情報交換の場をつくることです。まずは、各家族会の会長に集まっていただくところから始めてはいかがかとも、あわせて提案し、市長のお考えをお聞きしたいと思います。
次に、生活福祉の観点から、
貧困ビジネス抑止のための支援策についてお聞きします。
見えない貧困のところでもお話ししましたが、これまで私は、社会的貧困問題はこの大分市では大きくない、それは東京や大阪などの大都市の問題だと考えてきました。今は、そのことを市議会議員としての見識の甘さがあったと反省しています。この大分市でも耳を疑うような貧困問題、あわせて、その貧困者の弱みにつけ込んで利益を得ようとする
貧困ビジネスの存在などが明らかになってきました。
一方で、刑期を終えて出所した
保護観察期間中の元受刑者の再就職、住居の確保などが難しいという現実もあります。多くの場合、民民の問題であり、行政が深く介入することははばかられますが、一方では
生活福祉サービスの提供の際、行政が
貧困ビジネスが疑われる団体や業者の手に、それと知って受給者を渡してしまうことだけは避けなければならないのではないでしょうか。
大分市では
貧困ビジネスは成り立たないという体制づくりが必要ですが、大分市の
貧困ビジネス抑止のための
困窮者支援策について、市長のお考えをお聞かせください。
次に、
防災危機管理についてですが、今回は避難行動要
支援者対策について、現状と今後の基本方針のみをお聞きしたいと思います。
避難行動要支援者のための支援事業が開始されて、かえって聞こえてくるのが、当の要支援者を含めた市民の不安の声です。要支援者からは、支援が必要と思う方は手を挙げてほしいと言うから手を挙げたのに、その後、誰からも何の連絡もないという声、地域からは、自治委員や民生委員だけでは、いざというときの対応は不可能だけど、誰かに頼むにも、個人情報の保護をやかましく言われるので、頼むのが怖いという声など、さまざまですが、いずれも切実な不安や不満の声となっています。
さらに、避難の際だけでなく、避難所などでの共同生活の際に配慮が必要な災害時要配慮者対策についても、同じ部署が担当することになっていると聞いています。それで、本当に対象となる市民の不安と
サポート要員となる地域住民の不満を解消できるのかと、私自身も不安になってしまいます。
そこで、お尋ねしますが、避難行動要
支援者対策の進捗状況はどうなっているのでしょうか。また、今後、担当部署の人員増や市民協働の立場からの
民間ボランティア団体の活用策などを含めて、どうしようとしているのか、基本方針をお聞かせください。
次に、
地域産業振興について2点お聞きします。
その前に、まず、
地域産業浮揚の観点から、本年度の
企業誘致実績を高く評価しておきたいと思います。特に、投資総額もさることながら、進出企業の数と
新規雇用者数がこれまでで群を抜いて高いことは称賛に値します。これは大分県との協力、連携の成果であると同時に、大分市が専従者を東京事務所に配置したことの成果だと考えます。
そこで、さらに
地域経済浮揚が図られるよう、
仮称東京進出ヘルパー事業を提案します。これは、市内の製造業者、農業者などが自社の製品や自分の特産品を首都圏に市場開拓することへの手助けをする事業です。特産品はもちろん、大分市内で加工、製造される産品の
売り上げ拡大を目指す場合、首都圏という国内最大で、しかも密度の高い市場は大きな魅力です。大分市が計画している見本市などを一過性のイベントにしないためにも、関係部局は市内で競争力のある商品や企業を発掘し、それを首都圏でセールスするためのヘルパーとして専従の職員を東京事務所に配置してはいかがでしょうか。実現すれば、画期的な施策になることは間違いありません。市長の英断を期待します。
ところで、大分市内の
土木工事現場でユンボの落下事故が起き、若い技術者が亡くなるという痛ましい事故が発生したことは、まだ記憶に新しいのですが、私はあの事故を思い起こすたびに、土木技術者の2007年問題を考えてしまいます。きちんとした技術の継承、特に安全な施工に対する徹底した教育の必要性を強く感じています。一方で、安全教育をしようにも、必要なだけの人が集まらないという声が最近、特に聞こえてきます。先週、公明党の川邉議員が学生の市内就職策について質問されましたが、私もそれを補足する立場からお聞きしたいと思います。
市内の高校で唯一、土木学科を持っている
大分工業高校の土木学科の卒業生のうち、進学などで就職しなかった生徒以外の就職先を見てみますと、平成20年から平成28年までの平均で約25%、28年度に限って見れば17%でしかありません。
東京五輪関連工事の増加に伴って、首都圏に吸い上げられているということも考えられるでしょうが、市内への就職率の低さは問題です。せっかく市内に技術者を育てる教育機関があるのですから、同窓生のネットワークを駆使するなどして、
インターン研修先をあっせんするなどの努力を展開することも考えられますし、新規に採用した社員が資格を得る際などに何らかの
インセンティブを供与することなども考えられます。さらに、入札の際、新人技術者が現場管理などの実務を習得しやすくするような人員配置を条件設定することなども考えられます。
大分市の工事発注の際に、地場企業が人員確保しやすくなるために行政として何ができるか、市長のお考えをお聞かせください。
次に、観光振興策についてお尋ねします。
まず、情報発信源としての
市内観光拠点づくりについてのお考えをお聞かせください。
大分市の
観光戦略プラン案を見せていただきましたが、十分な分析と名称どおり戦略的なプランになっていると評価します。ただ、このような計画案の宿命ではありますが、よくできていればいるほど、どうしても総花的になってしまっていることが正直、いささかの不安を感じています。私としては、むしろ一極集中型であることを期待していたところです。残念ながら、大分市は全国的にメジャーな景観、メジャーな歴史、メジャーな文化という面で、例えば、同じ九州圏内では鹿児島、長崎、熊本の後塵を拝するばかりです。県内でも別府や湯布院のほうが全国的に有名であることに、大分市民は常に悔し涙を流してきました。
しかし、嘆くばかりでは、せっかくの
観光戦略プランに申しわけありません。そこで、ひとつ提案いたします。それは、基本方針の1、地域資源を活用した観光振興、その中でも基本施策の3、歴史を生かすと4、文化、芸術を生かすに行政努力を集中させることです。大分は、西郷隆盛も来ていませんし、坂本龍馬や勝海舟は長崎への行き帰りの際に通過しただけです。同じ歴史でも、幕末では鹿児島にも長崎にも太刀打ちはできません。しかし、16世紀であれば、この豊後府内はその名を欧州にまでとどろかし、堺や博多をしのぐ文物の集散地だったのです。日本で初めて日本人の手で西洋音楽が奏でられた地、日本で最初に西洋医学の病院が建てられた地、日本で最初に西洋式の舞台劇が演じられた地など、市民ですら、まだまだ知らないような輝かしい歴史上の事績に満ちた市であることを、あらゆる手段と機会を通して情報発信すべきではないでしょうか。また、その情報発信の象徴的な拠点を形成することも必要です。市長の御見解を伺います。
次に、
都市基盤整備について4点お聞きします。
まず、
上下水道行政についてですが、来年4月1日に向けて上下水道の組織統合が行われることになっています。そこで、それまでの来年度1年間の統合に向けたスケジュール、
ロードマップを教えてください。
次に、下水道施設、特に管渠の安全対策についてお尋ねします。管渠内で発生する硫化水素対策について、管渠内での作業をしなくてはならない場合の安全対策、硫化水素による鉄やコンクリートなどの構造物の腐食や劣化対策はどうなっているか、教えてください。
また、上水道源の水質保全体制についてもお尋ねします。
大分川ダムによって形成されるダム湖は、観光資源、大分市民のレクリエーションサイトとしても期待されています。既に、湖畔に道の駅を建設する計画も始動しています。しかしながら、忘れてはならないのは、このダムが大分市民の貴重な上水道の水源でありながら、都市計画法の縛りが何もかからない都市計画外区域にあるために、乱開発の危険性を秘めているということです。ダムで水を滞留させて、劣化させたばかりに、浄水場の浄水コストをはね上げさせることになった芹川ダムの二の舞だけは困ります。
このダム湖の場合、ダムの建設前の七瀬川の水質観測データも蓄積されていることから、ダムが建設され、貯水が開始されると、ダム湖の水の性状がどのように変化するのか、あるいはしないのか、大分市の責任において継続的に観察することができます。ダム湖への流入河川水、ダム湖の湖水、ダムから下流の河川水などの比較も可能になりますし、きちんと水質を管理することで最終的には浄水コストを抑えることにもつながります。また、せっかく自然豊かな場所に出現する新しい湖ですから、水質保全のための湖盆全体の自然保護の重要性を自然観察、環境教育を通して子供たちに伝えることで、長い目で見た上水道水源の水質保全を期待することも必要でしょう。
佐藤市長は、大分川ダム湖の上水道水源としての水質保全体制をどのようにお考えか、お聞かせください。
次に、市道の安全対策、中でも道路の陥没事故の未然防止対策についてお聞きします。
福岡で起きた道路の陥没事故は、まだ記憶に新しいところですが、少なくとも大分市では、地下鉄工事に伴う大規模な陥没事故だけは考えなくていいでしょう。しかしながら、車1台が落下する程度の陥没でも、場合によっては死亡事故になりかねませんし、三角州上に市街地が広がっている本市の場合、ちょっとしたきっかけで道路の陥没は発生します。
そこで、お尋ねします。大分市の道路陥没事故未然防止対策について教えてください。
次に、公共交通体系整備のためのバス運行のネットワーク化について、具体的な提案をし、市長のお考えをお聞きします。
バス運行のネットワーク化について、具体例として、稙田地区を例に挙げたいと思います。稙田地区拠点のどこかにハブバスターミナルを設置し、人口密度の高い住宅団地とそのバスターミナルをつなぐ巡回バス路線を開設します。巡回バス路線は、商業集積地と医療機関集積地を巡回するようにします。ハブバスターミナルと大分駅周辺の中心市街地をつなぐ路線として、大型のバスを使ったシャトルバス路線を開設して、明磧橋から都心まではノンストップとすることによって、大道トンネルを通過するバスの台数を大幅に減らすことができます。また、大規模駐車場の所有者との協議が前提となりますが、比較的、駐車場に余裕のあるウイークデーには、パーク・アンド・バスライドも考えられます。
地域ごとの循環型バスの開設は、稙田地区のように住宅団地と商業施設や医療施設の集積地が離れている場所では、特に住宅団地の地域住民の買い物や受診の利便性を高めることができます。中心市街地と各住宅団地をつなぐ路線を別々に開設している現行の路線と比較して、利用客の少ないバスが多数走るという無駄を減らす効果が期待できます。中心市街地に出る際に、一度乗りかえなければならない不便さも、逆にワンクッション置くことで地域拠点の存在価値が高まると私は考えます。
稙田地区拠点には、既に都市機能が十分集積していることから、居住域と商業域、医療福祉施設集積域をつなぐことで、日常の生活圏をいたずらに拡大することなく、圏域内での都市生活を完結することができます。その結果として、稙田地区と中心市街地を結ぶ幹線道路の交通渋滞を緩和しつつ、地域拠点と中心市街地を結ぶバス路線の定時性を確保する効果も期待できます。市長のお考えはいかがでしょうか。
次に、みどりの保全対策の一環として、ソメイヨシノの植栽の計画的更新事業を提案します。
来年度当初予算に、城址公園の桜の更新計画が織り込まれていることに安堵しています。桜は、日本人の心と切っても切れない情緒的結びつきを持っています。中でもソメイヨシノは、品種として作出されてから、まだ150年ほどしかたっていませんが、私たちの心をつかんで放しません。しかしながら、ソメイヨシノは一代桜と呼ばれているほど寿命の短い品種でもあります。確かに、青森県弘前市の弘前城公園には、樹齢150年近いソメイヨシノが1本だけありますが、気候の暖かい九州では、おおむね80年ほどで枯死すると言われています。だからといって、ソメイヨシノにかわる品種はまだ出てきていません。城址公園や平和市民公園のような桜の名所では、間断なく植栽を繰り返していかなくては、市民は納得しないでしょう。
公園緑地課の管理するソメイヨシノだけでも二千数百本あるとのことですが、おおよその樹齢に応じて、例えば、樹齢が40年になったら、樹齢10年、根回り30センチほどの若木を植栽し、それを繰り返すことができるよう長期の計画を立ててはいかがでしょうか。もちろん、樹齢70年を超すと考えられる上野ヶ丘墓地公園周辺や樹齢60年の城址公園の場合は対策が急がれることも、あわせて指摘しておきます。
桜の名所を持続的に保護、保全するためのソメイヨシノの計画的植栽更新事業を早期に開始していただきたいと考えますが、市長の御意見をお聞かせください。
次に、農林水産行政のうち、今回は農業用水路の管理と保全についてお聞きします。
大分市内には、江戸時代初期から、この地域の農業生産を支えてきた農業用水路がたくさんあります。ただ、憂うべきことに、今それが負の遺産になりかねない状況となっています。特に市街化区域内の水路に関して言えば、都市計画法によって市街化区域に指定された段階で、その区域内の水路については、きちんと整理して、改良区から市へ移管しておくべきだったものです。それを放置してきた行政の無作為の責任は大きいのではないでしょうか。また、改良区の側も、過去の台帳上の財産に目を奪われて、その機能上の目的を失っている水路の存在を見過ごしてきたということで同罪です。
とはいえ、農業者の高齢化、米価の低迷、改良区の構成員の高齢化と
離農などが重なって、財産と考えてきたものが負の遺産となりつつあることに、当事者が危機感を感じ始めた今こそ、水路をきちんと整理して、農業用インフラとして残すもの、
都市インフラに取り込むもの、危険ため池や崩壊のおそれのある水路の廃棄など、計画的にやらなくては、将来にとてつもなく大きな憂いを残すことになります。
そこで、まず、大分市内の全ての農業用水路を幹線や一次支線だけでなく、かつては網の目のように広がっていた末端の支線まで、きちんとデータベース化するところから始めなくてはならないと考えます。もちろん、データベース化しても、それからの整理事業による解決までの道のりは長く、そのためにかかるであろうコストは莫大となります。市長の御意見をお聞かせください。
次に、環境行政のうち、家庭ごみ収集業務の民間委託についてお聞きします。
まず、家庭ごみ収集業務の民間委託の現状と、直営との間のシェア率に関する基本的な考え方をお聞かせください。
大分市が家庭ごみ収集民間委託事業を開始してから、既に相当な年月が過ぎましたので、現在、家庭ごみ収集事業の直営と民間委託の割合などを知りたいと思います。また、今後、その割合をどうしていくつもりなのか、基本的な考え方をお聞かせください。
民間委託事業の場合、委託業者が何らかの事由で収集業務ができなくなることや、市が委託契約を破棄せざるを得ない状況が生じたり、あるいは受託業者がカルテルを結んで、それを公取から指摘されたり、業者が委託料交渉などの条件闘争をするために一斉罷業を企てたり、従業員が雇用主と賃金交渉するために一斉にストライキをしたりすることなどの事態も考えておかなくてはなりません。そのような事態が生じた場合の家庭ごみ収集業務をカバーする業務継続計画はどのようになっているか、教えてください。
最後に、教育・文化行政についてお尋ねします。
まず、学校教育のうち、児童生徒用のトイレの洋式化計画についてお尋ねします。
生活様式の変化が著しく、現代の子供たちは和式トイレでは用を足せなくなっていると聞きます。また逆に、他人の座った便座に直接座ることができずに、学校では和式しか使えないという子供もいるそうです。
そこで、学校の児童生徒用トイレの新設、改修の際の和洋式の設置数に対する基本的な考え方と今後の改修計画について教えてください。
次に、昨今、社会問題化しているとも言える教職員の時間外労働の軽減の視点から、特に部活動指導のための負担の実態を知りたいと思います。
部活動に係る教職員の労働時間の管理はどのように行われているのでしょうか。また、時間外手当の支給額は厳格に計算されているのでしょうか。さらに、部活動指導に従事している教職員の部活動指導に係る時間の評価を人事考課上、どのように実施されているのでしょうか。以上、3点について教えてください。
大分市内の小中学校の給食の食べ残しの量を学校別に集計したものを見せていただきました。10年前に比べて、全体的には改善されてきたという印象を持ちました。しかし、それでも学校間の格差が大きいことは変わっていません。特に中学校の場合、センターから同じ献立を供給されている学校同士を比較しても、食べ残しの率に数倍の差があることは問題です。
食そのものに対する感謝の気持ちを持たないことも問題ですが、食材を生産している農業者を初め、栄養士の皆さん、調理員の皆さんへの感謝の念を育むことは、学校での親への感謝の気持ちの育みと同じように大切な情操教育ではないでしょうか。私は、知徳体の全てにおいて健全な教育が実施されていれば、給食の食べ残しはおのずと減ると考えています。その意味で、給食の食べ残しの量は、その学校の指導実績のバロメーターでもあると見ています。今回は、学校名を明記して公表せいとは言いません。給食の食べ残しを限りなくゼロにするための努力について、教育長のお考えをお聞かせください。
次に、新規に指定される通学路の安全確保についてお聞きします。
新規に指定される通学路は、どれだけハード面での安全対策を施し、子供の動線と一般通行車両などの動線との相関を勘案したものであっても、実際に新学期になって子供たちが通学し始めてから問題が顕在化することもあるものです。
碩田学園の場合、3つの小学校が統合されて、しかも、特に第二中島川暗渠上の歩行者専用道路では、小学生と中学生が指定された通学路を同じ方向に通学するということになります。間断なく続く歩行者専用道路なら安心ですが、実際には車や自転車の動線と交差する箇所が多く存在しています。その箇所では、小さな小学生が大きな中学生の陰に隠れて、車や自転車の側からの死角に入ってしまう可能性も大いに考えられます。
新学期には地域の見守り隊の皆さんも御協力いただけるとのことですが、これまで通学路としては使われてこなかった全く新しい通学路なだけに、子供たちもふなれであると同時に、通過する車両も集団で横断しようとする子供たちの存在にふなれです。少なくとも1学期の間は継続した見守りと交通整理が必要と考えますが、新校開設に伴って新たに指定された通学路の安全管理について、教育委員会としての対策はどのようになっていますか、お答えください。
最後に、再来年度開催される国民文化祭を視野に入れながら、文化・芸術振興策についてお尋ねします。
先ほど、観光行政についての質問の中で、行政努力の集中化について言及しました。行政努力の集中化とは、何も観光課1課のことを言ったのではありません。また、16世紀後半の大分市の歴史を情報発信することは、観光面だけの効果を期待するものでもありません。大分市民がひとしく中世から近世への過渡期に輝いた郷土の事績に思いをはせることによって、郷土に対しての誇りと愛着を持ち、自信を得ることができると考えています。みずからの郷土に対する誇りと自信があってこそ、外から来る人へのおもてなしの心、ホスピタリティーを向上させることができるのではないでしょうか。
本市は既に、大友宗麟と彼が生み出した、この大分市の地が世界に向けて輝いていた時代のキリシタン南蛮文化を大分市のアイデンティティーとして情報発信しています。教育委員会としては、この際、企画部と連携して、国民文化祭関連事業に相乗りして、キリシタン南蛮文化を情報発信し、商工労働観光部と連携して、大友宗麟や南蛮文化ゆかりの地域資源を活用した観光振興に相乗りしてはどうかと考えます。さらには、商店街や大型小売店を含めた商業者ともタイアップするとともに、観光ボランティアや歴史案内ボランティアなどの市民グループを結成して、連携、協働するなど、国民文化祭を契機に、全市を挙げてキリシタン南蛮文化と大友宗麟の事跡をみずから学び、情報発信する体制をつくり上げてはいかがでしょうか。
キリシタン南蛮文化の情報発信の主管課は文化財課ということで、今回は教育委員会に聞いてはいますが、私は何も教育委員会だけでやることを想定してはいません。教育委員会は、文化・学術部門に特化し、観光とまちのにぎわい創出は商工労働観光部、国民文化祭を所管する企画部は他自治体との連携やインバウンド対策を受け持つというように、それぞれの部署が得意分野を分担すればいいのです。教育長の意欲ある答弁を期待します。
○議長(野尻哲雄) 佐藤市長。
○市長(佐藤樹一郎)(登壇) おおいた
民主クラブを代表しての、20番、井手口良一議員の御質問に対し御答弁を申し上げます。
なお、教育問題につきましては教育長から御答弁申し上げます。
まず、市長の基本的考え方についての2点の御質問にお答えをいたします。
1点目の、市長の政治理念についてのうち、まず、市長が考える市民の幸福、幸せについてでございます。
日常生活を営む上では、一人一人の生活環境やライフスタイルはさまざまでありまして、市民の幸せの感じ方も一様ではないというふうに思いますけれども、私はまず何よりも、市民の皆様が住みなれた地域で安心して心豊かに日々の生活を送れることが大切であり、これを実現することが市民に一番身近な基礎自治体の果たすべき役割であるというふうに認識をしております。
福祉や教育を初め、防災・減災対策、道路等の生活インフラの整備など、市民の日々の暮らしに直結する課題に迅速かつ適切に対応していくことが市民の安心感、満足度、幸福感の向上につながっていくものというふうに確信をしております。
これとあわせまして、しっかりと働ける環境があって所得が得られ、市民の皆様が安定した暮らしを送れることが重要であるというふうに思っておりまして、さらに将来に夢や希望を持って、我がまちに対する愛着や誇りを感じられるということも幸せの大きな要素であるというふうに考えておる次第でございます。
次に、市長が理想とする都市像についてですが、私はこれまで、本市のほかに国内では東京、大阪、名古屋、海外ではアメリカのサンフランシスコとニューヨークで暮らして仕事してまいりました。これらの都市は、高度な教育の提供、すぐれた文化、芸術に触れられる機会の充実、あるいは幅広い産業の集積など、それぞれの特色ある多様な魅力を有しておりまして、そのことが多くの人を引きつけておりました。ただ、片方で多くの課題を抱えておりまして、その課題の解決のために、それぞれの地域でさまざまな取り組み、努力が行われているのも見てまいりました。
一方、大分市は、これらの都市と都市規模などは異なるところもありますけれども、美しい自然環境、温暖な気候に加えまして、南蛮文化がいち早く花開いた歴史や文化、豊かな食、さらには九州一の製造品出荷額を誇る産業など、自然と都市が共存する多彩な魅力を備えた暮らしやすい都市であるというふうに認識をしております。私は、住み続けたい魅力的な都市で、今もそういう都市であるというふうに考えております。
2点目の、市長の近未来展望についてのうち、まず、世界、国内の政治経済の動向についてでございます。
米国では
トランプ政権の誕生後、TPPからの離脱表明、移民・難民の流入阻止の方針等により、就任後の政権支持率が過去最低となる一方で、国内投資による財政指数の拡大への期待感などから、ダウ平均株価は高値で推移をしております。
欧州では、英国のEUからの離脱や中東やアフリカからの難民の増加などが大きな社会問題となっておりますが、雇用、所得環境の改善効果によりまして、ユーロ圏経済は緩やかに回復をしてきております。
また、新興国の経済につきましては、一部に弱さが残っておりますけれども、生産年齢人口の増加に伴いまして経済規模が大きくなっておりまして、世界に与える影響力は増大しております。
一方、我が国におきましては、平成28年度における実質国内総生産──GDP成長率は1.3%程度、名目のGDPの成長率は1.5%程度というふうに見込まれております。今後の世界情勢等の変化によりましては、その影響を受けることも考えられまして、世界経済、日本経済の先行き含めまして、極めて不透明であるというふうに認識をしておりますし、世界の状況につきましては心配な点が非常に大きくなっているというふうに考えております。
次に、大分市のGDPについてでございますが、最新の平成25年の大分の市町村民経済計算によりますと、大分市の名目GDPは約1兆9,425億円で、そのうち第1次産業が0.4%、第2次産業が28.1%、第3次産業が68.1%というふうになっております。中核市の中では、第2次産業の比率が高く、そして中核市48市のうち、GDPは第5位ということで上位に位置をしております。
市政の運営に当たりましては、日々の暮らしを安心して笑顔で送れるよう、市民生活の今を支えていくとともに、産業力の強化や新たな魅力の創造など、本市が将来にわたり輝き続けるための未来への投資もしっかりと行い、強い地域経済を実現してまいりたいというふうに考えております。
次の、大分市の財政の中期展望についてでございますが、将来にわたって持続可能な財政運営を行うためには、中期的な財政状況を把握する必要がありますことから、本市では毎年10月に、直近の決算額をベースに、今後の社会経済情勢の変化や国の制度改正等による影響を反映させながら、5年間の決算見込みを試算し、財政収支の中期見通しとして公表しております。
昨年公表いたしました中期見通しでは、平成32年度までの収支不足の累計が35億円に達すると試算をしておりまして、これには財政調整基金などの主要3基金を取り崩して対応する必要があると考えております。
このため、市税等の自主財源の確保や行政改革の着実な推進による財源の捻出に努めるとともに、国や県の補助制度を最大限に活用することで、その時代に合った行政サービスを引き続き提供できるよう、安定的な財政運営に努めてまいります。
次に、
福祉保健行政に関する5点の御質問にお答えをいたします。
1点目の子育て支援のうち、まず
保育士不足対策についてでございますが、未来を担う子供の成長を育むため夢と希望を抱いて保育士となられた方々の中に、処遇や職場環境を理由にやむを得ず離職される方がおられることは大変残念でございまして、保育士の負担を軽減し、働きやすい職場をつくることが求められているというふうに認識をしております。
こうしたことから、本市では、保育士の朝夕の勤務ローテーションの軽減等を目的としました子育て支援員の活用を促進するほか、保育システム購入助成、データベースの整備等、そういうシステム購入の助成を行うことによりまして、保育計画等の文書作成業務の効率化を図っているところでございます。
また、働きやすい職場環境づくりには事業主の理解が重要であることから、新年度は事業主を対象とした研修会を実施するほか、保育経験豊富な市の職員が施設を巡回しまして、勤務、就労実態を把握する中で、指導、助言に努めてまいります。
今後とも、保育士が長く働き続けることができるように、職場環境の改善に向けた支援を図ってまいりたいというふうに考えております。
次に、見えない子供の貧困についてですが、子供の将来がその生まれ育った環境によって左右されることのないよう、子供の貧困対策は極めて重要であるというふうに考えております。
近年、一見して貧困状態であることがわからない、いわゆる見えない貧困状態にある子供がクローズアップされており、必要な支援が届きにくくなることが懸念されております。こうした中、本市では平成27年6月に、貧困家庭とその子供に深いかかわりを持つ関係8課によりまして、大分市子どもの貧困対策専門部会を設置しまして、子供の貧困対策に関する情報共有と共通認識を図ってまいりました。
子供の貧困対策に求められる施策を展開するに当たっては、さまざまな視点から実態調査を行う必要がありますことから、今後、質問事項や分析後の活用等、効果的な調査の方法について専門部会においてさらに研究をしてまいりたいというふうに考えております。
2点目の
地域包括ヘルスケアシステムのうち、まず
地域包括支援センターの体制強化についてでございます。
地域包括支援センターは、保健師、社会福祉士、主任ケアマネジャーなどの職種で構成をされ、高齢者やその家族からのさまざまな相談、虐待の対応、介護予防のケアマネジメント支援などを業務としております。また、センターは、
地域包括ケアシステムにおける中核的機関として、在宅医療・介護の連携、認知症施策の推進、地域ケア会議の開催、介護予防の強化などに取り組んでおります。
本市としましては、23カ所ある
地域包括支援センターごとの実情を把握して、運営体制や公正・中立性の確保などについて評価を行い、明らかになった問題点などについて指導、助言に努めているところでございます。
高齢化が進み、施設、病院から在宅へとシフトしていく中、
地域包括支援センターの役割も変化をいたしますので、今後、専門職の配置基準も含めまして調査、研究してまいりたいというふうに考えております。
次に、
かかりつけ薬局の導入についてですが、国は、2025年までに全ての薬局が服薬情報の一元的、継続的把握、24時間対応や在宅対応、医療機関等との連携の3つの機能を持つ
かかりつけ薬局となることを目指しております。さらに、その
かかりつけ薬局の薬剤師が地域住民に対して、健康の維持・増進の支援を行う
健康サポート薬局をふやすこととしております。
このような
健康サポート薬局は、住民が薬のみならず、健康に関して、いつでも気軽に相談をして、適切なアドバイスを受けることができまして、身近な相談先として位置づけられているものでございます。
本市といたしましては、市内の薬剤師会や県と連携をしながら、健康サポート機能を持った
かかりつけ薬局、いわゆる
健康サポート薬局をふやすために、研修等の実施に努めてまいりたいというふうに考えております。
3点目の、消費税増税に伴う介護費用額算定についてでございます。
国が定める介護報酬は、介護職員の処遇改善、物価の動向、介護事業者の経営状況等を踏まえ、原則、3年に一度改定されており、消費税が増税された際には、増税に伴う影響分を介護報酬に上乗せをしております。
現在、国では、平成30年度からの介護報酬の改定とあわせ、平成31年10月に実施予定の消費税率10%への引き上げに伴う増税分を介護報酬へ上乗せすることについて審議を行っているところでございます。
本市が策定する平成30年度からの第7期介護保険事業計画におきましても、介護報酬の改定率を見込み、介護給付費を算定してまいりたいと考えております。
今後も、国の動向を注視するとともに、次期介護報酬の改定に当たっては、適切な介護報酬の評価・設定を行うよう、引き続き全国市長会を通じて国に要望してまいります。
4点目の、
障害者支援家族の情報交換の場についてでございます。
障害者の家族会で行われている交流や情報交換では、お互いに不安や悩みを出し合い、気持ちの共有を図り、精神的な負担が軽減されるなど、その取り組みは大変重要であると考えております。しかしながら、家族会同士で必ずしも横断的な連携が図られていないのが現状でございます。
そのような中、本市では、平成19年4月から障害福祉団体の代表者、障害当事者、家族会などの関係団体で構成する市障害者自立支援協議会を設置いたしまして、地域における障害者やその家族への支援に関する課題等について協議を行っております。
今後、この協議会において、障害者を支える家族の悩みや相談など、率直な情報交換ができる場のあり方についての検討を行い、家族の抱える社会からの疎外感や孤独感の解消に努めてまいりたいというふうに考えております。
5点目の、
貧困ビジネスの抑止についてでございます。
いわゆる
貧困ビジネスによる被害は、建物の賃貸借契約で多く発生しておりまして、生活能力や金銭管理能力の乏しい人がその弱みにつけ込まれ、本人が気がつかないうちに悪質な契約に応じるといった事例が全国で報告をされております。
本市では、これまでも生活保護受給者に対しまして、支出の節約や生活の維持向上に向け、助言・指導を行ってまいりましたが、今後は
貧困ビジネスによる被害の相談を受けることも考えられます。
このようなことから、悪徳業者への対応についての情報提供や助言など、受給者に対し、よりきめ細かな支援が必要となりますことから、職員に対して
貧困ビジネスの事例検証を行うなどケースワーカーの育成を図って、必要な支援が実施できる体制づくりに努めてまいりたいというふうに考えております。
次に、
防災危機管理に関する御質問にお答えをいたします。
避難行動要
支援者対策のうち、まず進捗状況についてですが、本市では、災害時に自力で避難することが困難な避難行動要支援者名簿を平成27年3月に作成をしまして、地域への情報提供に同意をした要支援者につきましては、自治委員、民生委員・児童委員等の避難支援等関係者へ名簿を提供しまして、個別の避難計画の作成も進めているところでございます。
平成29年2月末現在、要支援者数は8,212名で、地域への情報提供に同意をされた方は5,661名、そのうち約65%に当たる3,683名の個別の方々の避難計画が作成をされております。
本年度は、各校区ごとの自主防災組織を中心とした支援体制づくりと、要支援者の地域内での情報共有、個別の避難計画の作成の支援、要支援者を含めた訓練などに取り組むための説明会を実施したところでございます。
説明会が終了した自主防災組織からは、要支援者への声かけや関係づくりを進める上での相談のほか、校区が主催する研修会への講演依頼など、徐々に要
支援者対策への関心と意識の醸成が図られ、地域での支援が進みつつあるところではないかというふうに考えております。
まだ、さまざまな課題がございますので、引き続き御意見をいただきながら、しっかりと取り組んでまいりたいというふうに思っております。
次に、今後の基本方針についてですが、本事業は、地域がお互い助け合い、自主防災組織が主体となって要
支援者対策に取り組んでいただき、市はその支援を行っていくことが重要であると考えております。
そのため、新年度に自主防災組織等に対するアンケート調査を実施しまして、取り組み状況などについて把握した上で、地域で活動しているボランティアの活用を含めまして、地域の特性、実情に合わせ支援活動、支援の取り組みをしてまいりたいというふうに考えているところでございます。
次に、産業振興に関する2点の御質問にお答えをいたします。
1点目の
地域産業振興のうち、まず御提案の東京進出ヘルパー事業についてでございます。
本市は、これまでも事業者が物産や工業製品等を見本市等へ出展する際に、その費用の一部を補助するなどの支援を行ってまいりました。新年度につきましては、JR有楽町駅前広場で大分市が開催を予定しております(仮称)おおいた観光物産展や首都圏の百貨店等で開催される九州物産展等におきまして、本市が出展ブースを確保して、これまで都市部での出展経験が少ない事業者にも出展を促し、販路拡大に意欲を持つ事業者の支援を図ることといたしております。
こうした取り組みは、本年度から職員を1名増員した東京事務所を活用しながら進めることとしており、販路拡大を支援する新たな職員の東京事務所へのさらなる配置につきましては、これらの事業の成果及び課題を検証した後に、また判断をしてまいりたいというふうに考えております。
次に、公共工事などの発注の際の人材確保奨励策についてでございます。
平成26年9月に閣議決定された、いわゆる改正品確法の基本方針には、発注者が公共工事の担い手の確保のために取り組むべき事項として、多様な入札契約方式の導入・活用がうたわれております。
そうしたことから、本市では、平成27年度から、35歳以下の若手技術者を主任技術者として配置することを要件とする一般競争入札を舗装工事の一部において実施をしており、本年度は建設コンサルタント業務委託にも枠を広げるとともに、若手技術者に加えまして、女性技術者も対象といたしました。
さらに、新年度は、複数の専門工事を組み合わせて土木工作物をつくります工事であります土木一式工事にも枠を広げたいというふうに考えておりまして、今後も地場建設業の人材確保に向けた取り組みを推進してまいりたいというふうに考えております。
2点目の、観光振興についてでございます。
大友宗麟公とその時代が残した歴史、文化遺産を生かした情報発信につきましては、私も昨年12月に日本放送協会の渋谷センターに行きまして、大河ドラマの誘致に向けて、NHK大河ドラマ「大友宗麟」誘致推進協議会と連携した要望活動を行ってまいりました。
また、年度内策定予定の大分市
観光戦略プランに基づきまして、大分市に関連する上野原館、キリシタン南蛮文化、大友家臣団が拠点とした山城や古戦場などの歴史遺産を活用した観光ルートマップを製作するなど、積極的に情報発信に取り組んでいきたいというふうに考えております。
さらに、情報発信の象徴的な拠点としまして、史跡大友氏遺跡整備基本計画の第1期におきまして学習交流施設を整備することとしておりまして、本施設が今後、大友氏400年の歴史や遺産を中心とした歴史文化の情報を発信する拠点としての役割を果たすものというふうに期待をしているところでございます。
次に、
都市基盤整備に関する4点の御質問にお答えをいたします。
1点目の
上下水道行政のうち、まず組織統合に向けたスケジュールについてでございますが、上下水道組織の統合につきましては、これまで上下水道組織統合問題庁内検討委員会を立ち上げて、課題の整理や統合によるメリットの検討を行った結果、窓口の一本化による市民サービスの向上や共通する業務の一元化による効率化などのメリットが期待されましたことから、平成30年4月を目途に統合する方針を決定し、現在、統合後の庁舎を水道局内に一元化することや組織体制等の検討を進めているところでございます。
今後のスケジュールにつきましては、これまでの機構改革の手続と同様に、新年度に入りましてから上下水道部局の専門部会において詳細な機構改革案を作成し、その後、庁内で組織する事務改善委員会でさらなる審議を重ねた後に、関係条例等の改正案も含めて、本年第4回の定例会に提出できるように準備を進めていきたいというふうに考えております。
次に、下水道管渠の安全対策のうち、作業時の安全対策についてでございますが、請負者に対しましては、管渠内での作業前に硫化水素などの濃度測定を行うことを義務づけるとともに、酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者の資格を有する職員による安全管理の指導を行っております。
また、硫化水素による構造物の腐食や劣化対策につきましては、汚水中継ポンプ場からの吐き出し先や汚泥が堆積しやすい箇所は、硫化水素による腐食や劣化が想定されますことから、既存施設では防食処理を行い、新設の場合は耐食性にすぐれた管やマンホールを使用することとしております。こうした取り組みによりまして、引き続き安全対策に努めてまいります。
次に、上水道水源の水質保全体制についてでございます。
大分川ダムの建設が進む七瀬川は、本市の主要な水道水源でありますことから、ダム本体関連工事着手前の平成7年からダム下流域の胡麻鶴、田尻の2地点を定点とし、月1回の頻度で臭気物質、プランクトン等の化学・生物学的な項目に関する水質調査を行っております。
さらに、本年度は、ダム上流域の野津原荷小野を定点として追加をして、継続的に調査を行うことで、データの充実を図っております。今日までのところ、問題があるというデータは得られておりません。
ダム完成後は、これまでの3定点に加えて、ダム湖水及びダム上流域の2定点の調査を行い、迅速に水質の変化を把握することにより、その解析結果を浄水処理に反映することといたしております。
また、長期的視点に立った水質保全対策につきましては、これまで古国府浄水場の一般公開等を行いまして、子供たちに対して水質保全の啓発を行っておりましたが、それに加えて、ダム完成後におきましては、ダム周辺の自然観察や見学会などを通して、水質保全の啓発にさらに努めてまいりたいというふうに考えております。
2点目の、市道の安全対策についてでございます。
本市では、市道の陥没事故を未然に防ぐことを目的として、平成27年度に地中レーダーを搭載した探査車による路面下空洞調査を試験的に行い、その有効性が確認できたことから、平成29年度から路面下空洞調査の本格実施を計画しているところでございます。
そのような中、昨年11月に福岡市において大規模な陥没事故が発生いたしました。本市では、緊急に全市域で目視による一斉パトロールを行うとともに、交通量の多い幹線道路や海岸に近い路線、陥没履歴がある路線など39路線、延べ100キロメートルの路面下空洞調査業務委託を発注しております。現在、調査実施中でございますが、その調査結果を踏まえて、早急に必要な対策を講じてまいります。
3点目の、公共交通体系整備に向けたバス運行のネットワーク化についてでございます。
本市が現在策定中の大分市地域公共交通網形成計画では、利用者ニーズに合った効率的で効果的な公共交通ネットワークの構築を基本方針の一つに掲げ、バス路線の再編や運行ダイヤ等の見直しについて、交通事業者と検討を進めることとしております。
この計画では、各地区拠点を中心とした循環バスの構築や稙田地区、明野地区などの地区拠点と中心部とを定時性、速達性の高いバスで結ぶ幹線軸の強化など、快適に移動できる公共交通ネットワークの構築を目指すこととしております。
新年度は、交通事業者などと連携を図る中で、地区拠点における循環型交通の実証運行を行ってまいります。
4点目の、みどりの保全対策に係るソメイヨシノの植栽の計画的植栽更新事業についてでございますが、桜は日本の風土、文化、歴史の中で市民に親しまれてきた身近な樹木であり、本市が管理する公園にも日本の桜を代表するソメイヨシノが多く植えられております。
本市のソメイヨシノの多くは、樹齢が約40年から50年経過をしており、樹勢のピークを過ぎて、枝枯れや幹が空洞化した老木も随所で見受けられます。このような中で、これまで上野ヶ丘墓地公園の桜の再生に取り組む公園愛護会に対して、緑の募金を活用してソメイヨシノの苗木を提供し、桜の補植を行っていただいており、大分城址公園では平成27年度からサクラ再生事業も行っております。
今後も、平和市民公園など桜の名所として市民から親しまれている公園において計画を策定して、桜の更新を行ってまいりたいというふうに考えております。
次に、農林水産行政に関する御質問にお答えをいたします。
農業用水路の管理と保全についてですが、農業用水路は元来、農業者の農作業活動の一環として保全されてきたものでありますが、現在では、市街化区域において高齢化や担い手不足などによる
離農や都市化の進展により、農業者による保全が難しくなってきている状況であります。また、土地改良区が所有する一部の水路やため池では、役割を終えた施設もあります。
今後は、それらの施設の
都市インフラとしての用途や管理方法または廃止について、土地改良区と協議をしていく必要があるというふうに考えております。
また、市街化区域内の農業用水路のデータベース化につきましては、対象となる水路の総量が膨大であるとともに、しかも、水路の水利権や所有者などの調査においても多大な時間を要することから、土地改良区の協力を得ながら、課題の整理に努めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
次に、環境行政に関する御質問にお答えをいたします。
家庭ごみの収集運搬業務の民間委託の状況についてですが、本市では、効率的な業務の執行を目指して、資源物の収集運搬業務を平成18年度から、燃やせるごみと燃やさないごみの収集運搬業務を平成22年度から、順次、委託地域を拡大する中、新年度においても拡大実施を決定してきております。
その結果、新年度において、自治区ベースで民間委託の比率は約87%というふうになっておりまして、今後も災害対応等を考慮する中で、引き続き民間活力を最大限活用してまいりたいというふうに考えております。
また、委託業者に、例えば、感染症による大量の欠員や事業所の被災、倒産等により業務を遂行できなくなるといった不測の事態が生じた場合の対応につきましては、当該業者または新たに契約する他の業者が業務を遂行できるようになるまでの期間、本市が直営収集で業務を行うこととなります。具体的には、ごみステーションにおいて、通常、ごみの正しい出し方の指導等を行っている職員を従事させ、違反ごみやボランティア活動で生じるごみの収集に使用しているごみ収集車を活用し、対応することとしているところでございます。
今後とも、災害時や委託業者に不測の事態が生じた場合に、行政責任をしっかりと果たせるように、市民生活に直結した行政サービスである家庭ごみの収集を停滞なく行ってまいりたいというふうに考えております。
以上で私の答弁を終わらせていただきます。
○議長(野尻哲雄) 三浦教育長。
○教育長(三浦亨二)(登壇) 次に、教育・文化行政に関する2点の御質問にお答えいたします。
1点目の学校教育についてのうち、まず児童生徒用トイレの洋式化計画についてでありますが、これまで校舎の改築、改修工事に当たっては、トイレ1カ所につき和式トイレを1基、他は洋式トイレとすることで、年間60基程度の洋式トイレの増設を行ってまいりました。
本市のトイレ洋便器率につきましては、昨年4月1日時点で全小中学校のトイレ総数5,326基に対し、洋式トイレは2,295基となっており、洋便器率は43.1%となっております。これは、昨年の文部科学省の調査結果の全国平均43.3%とほぼ同程度となっているところでございます。
本市教育委員会といたしましては、本年度に策定した教育施設整備保全計画に基づいた長寿命化改修工事にあわせ、年間90基程度の洋式トイレの増設を計画的に取り組んでまいりたいと考えております。
今後とも、生活スタイルの変化や各学校の状況を考慮する中、児童生徒にとって快適な教育環境を提供してまいりたいと考えております。
次に、部活動に係る教職員の労働時間の管理と評価についてのうち、まず、部活動に係る教職員の労働時間の管理についてでありますが、平成26年に公表されたOECD国際調査の結果によりますと、我が国の中学校教員の労働時間は、参加34カ国中、最長となっております。
このような中、本市におきましては、教職員の労働安全衛生の観点から、時間外勤務の状況を学校ごとに毎月把握させ、教職員の健康管理と長時間労働の防止に取り組んでいるところであります。
なお、今年度4月から9月までの前期において、一月に100時間以上の時間外勤務を行った者は、小学校で22名、中学校で73名でありました。
日本の教職員の長時間勤務の原因として挙げられる部活動につきましては、報道等にも大きく取り上げられるなど、新たな社会問題となってきており、文部科学省においても、その対策を検討しているところであります。本市としても大きな課題であると認識しており、新年度早々、部活動に関する実態調査を実施したいと考えております。
また、教員の時間外手当についてでありますが、公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法では、教育職員の職務と勤務対応の特質性に基づき、教職調整額を本給に上乗せして支給することとしており、教職員に対しては時間外勤務手当は支給しないものとなっております。
なお、いわゆる部活動手当については、教員が作成した部活動実施計画に基づき、各校の校長がその実績を確認した後、県教育委員会に報告することにより、週休日や休日における1日当たりの指導に係る時間に対して、2時間以上4時間未満の場合は1,400円、4時間以上6時間未満の場合は3,000円、6時間以上の場合は4,000円が支給されております。
次に、教職員の部活動指導に従事している時間の評価についてでありますが、教職員の評価につきましては、現在、大分県教育委員会の策定した教職員評価システムに基づき、各校の校長が所属職員の指導力、企画・計画力などの能力や責任感、積極性などの姿勢・意欲、そして判断、創意工夫などの実績に関する項目などにより実施しているところであります。
評価の対象としましては、勤務時間内の職務を基本としておりますが、時間外での生活指導や部活動についても評価に反映することができるものとされております。
具体的な評価に当たりましては、部活動は中学校で行われており、全ての教員が担当しているものではないことから、教職員の日常の職務遂行上の能力及び姿勢、意欲並びに職務の実績とあわせて評価を行っているところでございます。
次に、給食の食べ残し対策についてでありますが、学校給食は、学校給食法に定められた栄養摂取基準により提供しており、健康の保持増進に有効であるとともに、生きた教材として食育の推進に重要な役割を果たしていることから、残さず食べることが望ましいと考えているところであります。
大分県学校栄養士研究会が平成26年度に行った学校給食に関する調査結果によりますと、嫌いな食べ物があると答えた児童生徒は約84%であったことから、食べ残しの要因の一つに好き嫌いなどの嗜好が大きく影響しているものと考えております。
こうしたことから、各学校では、栄養教諭、学校栄養職員と学級担任などが連携し、栄養バランスのよい食事の大切さや望ましい食習慣の形成などについて指導を行っているところでございます。
また、生産者との交流給食会を実施し、食べ物の大切さや生産者への感謝の気持ちを育むとともに、給食時間に校内放送で献立や栄養面などについて説明するなど、給食を好き嫌いなく食べるよう呼びかける取り組みにより、過去3年間における学校給食の残滓量は減少傾向が見られ、改善が図られております。
今後とも、子供たちに望ましい食習慣を養い、健全な食生活を営むことができるよう、給食だよりや給食試食会等のあらゆる機会を通じ、家庭や地域との連携のもとに取り組んでまいりたいと考えております。
次に、新規に指定される通学路の安全確保についてでありますが、本年4月開校予定の碩田学園の通学路につきましては、平成27年5月に開校準備委員会を設置し、その中で、保護者や教職員、地域代表等で組織をした学校支援部会が現碩田中学校の通学路を基本に、交通状況や1年生から9年生までという児童生徒の発達の段階等を考慮しながら、新たな通学路を選定したところであります。
御指摘の、新たに指定される県庁前碩田線歩行者専用道路につきましては、新学期に合わせ、今月、路面の舗装と照明の増設を終えたところであります。本年1月末時点の調査によりますと、本通学路を利用する児童生徒は101名となっており、関係小学校においては、より安心・安全な登下校ができるよう、実際に選定された通学路を使って試験登校を行ったところでございます。
通学路の安全対策につきましては、道路整備等のハードの対策のみならず、交通安全指導や子供の安全見守り活動等のソフトの対策も重要でありますことから、今後とも保護者や地域関係者、道路管理者等とより緊密な連携のもと、総合的に安全対策を講じ、登下校における児童生徒の安全確保に万全を期してまいりたいと考えております。
2点目の、文化・芸術振興に関するキリシタン南蛮文化関連事業の推進についてでありますが、戦国大名、大友宗麟のもと、全国に先駆けてキリシタン南蛮文化が花開いた豊後おおいたは、現在も大友氏遺跡を初めとする南蛮文化関連史跡が数多く残り、訪れる者を魅了するものであり、将来に受け継いでいくべき貴重な歴史・文化遺産であると認識しております。
こうしたことから、より広く情報発信を行うため、これまでも市長部局と連携して大友宗麟プロモーション事業の宗麟公まつりや国際フォーラム等を実施し、多くの市民の皆様に御参加をいただいたところでございます。
また、関連市町と連携して、キリシタン南蛮文化遺産を活用し、情報発信や観光人口の拡大を図るとともに、平成29年度の日本遺産認定を目指し、現在、文化庁に申請をしているところでもございます。
平成30年度の国民文化祭・全国障害者芸術文化祭は、多くの来訪者が見込まれますことから、本市の魅力をPRする絶好の機会と捉え、庁内関係部局はもとより、市民団体やNPO法人等と連携するなど、全市的な情報発信の体制を構築し、総力を結集して、キリシタン南蛮文化の情報を力強く発信してまいりたいと考えております。
○議長(野尻哲雄) 井手口議員。
○20番(おおいた
民主クラブ 井手口良一)(登壇) まず、市長にお願いをしたいと思います。
1点目は、
地域産業振興についてですが、東京事務所は、いわゆる行政改革の中で時々、閉鎖してしまえという論議が起こりますが、私はむしろ拡大して、あの東京事務所を大分の産業の東京進出への橋頭堡とするべきと考えております。その意味で、私が提案いたしました東京進出ヘルパー事業に関しまして、ぜひとも、これからも前向きに検討していただきたいと思います。
これまでも東京事務所長には、東京の大学を卒業した職員を配置するなど、東京について詳しい人間を配置してきました。これはなぜかというと、我々、私などでも、私も実は東京の大学の出身ですが、今となっては東京の地下鉄で迷子になることがよくあります。大分の人間が東京にセールスに出かけても、東京になれていなければ、なかなかセールスの実を上げることは難しいところがあります。そういう意味でも、東京に常駐する大分の産品のセールスマンがいるということは、大分の企業にとっても非常に心強いのではないかと思いますので、ぜひとも前向きの検討をお願いします。
またもう一つ、地場企業の技術者確保につきましても、ことし、
大分工業高校の2年生が25人、施工管理士の2級を取りました。15人が測量士補の国家資格を取ります。ただし、彼らは卒業後、実務経験を踏むという条件をつけられております。そのためには、企業に就職した後、実務経験を踏まなければいけないんですが、そういうことに対する行政としての何らかの配慮があれば、彼らが実務経験を踏む上で大いに資することになるかと思います。それがまた、地場企業が大分出身の技術者を確保していく一つの方法ではないかと思いますので、検討のほど、お願いしたいと思います。
一つだけ、教育長に、部活動に従事している教職員の時間外労働時間の管理に関して、基本的な考え方を質問いたします。
部活動の指導をしている教職員にも家族がおり、我が子がいます。当然のことながら、家庭においては家族の一員として連れ合いに接し、親として、保護者として我が子に接する時間が確保されなくてはならないはずです。果たして、そうなっているでしょうか。
安倍首相の提唱する働き方改革は、全ての働く者の総労働時間を軽減し、特に時間外労働に上限を設けて、日本人のワーク・ライフ・バランスを回復させようというものです。本市の教職員についての総労働時間管理は不十分と言わざるを得ません。
市長への質問で申し上げましたように、保育士の労働実態についても同じことが言えるのですが、初等教育現場を支えている教職員の就労実態について、教育委員会がいまだに正確に把握していないということは大いに問題です。子供の初等教育に当たっている教職員が、実はワーク・ライフ・バランスに留意した労働管理をされず、ディーセント・ワークを保障されていないという社会では、子供の未来などあり得ません。
教職員は先生と呼ばれる聖職であるから、ワーク・ライフ・バランスに留意しなくても、教職員の個人的責任と見識においてディーセント・ワークは保持されるべきとでもお考えでしょうか。教育長として、教職員のワーク・ライフ・バランスとディーセント・ワークの重要性についてどのようにお考えか、お答えください。
○議長(野尻哲雄) 三浦教育長。
○教育長(三浦亨二)(登壇) 部活動に関する再質問にお答えをいたします。
部活動は、かつて学校教育の中で行われる活動のうち、唯一、課程外の活動でありました。しかしながら、現行学習指導要領が施行された年から、総則の中に位置づけられ、部活動は学校教育の一環としての位置づけに変わりました。生涯にわたって文化、スポーツに親しむ能力の育成でありますとか、生徒の学習意欲の向上、体力の向上、健康増進、こういう目的だけでなくて、連帯感、責任感の涵養、そういうものを養う重要な場であるというふうに認識をしております。
しかしながら、この指導が、いわゆる教職員のサービスによって成立をしていると、この実態は、やはり大きな問題であるというふうに考えております。先ほど、家族のお話の御指摘がございましたけれども、私もその実体験者の一人として、これを強く感じております。大変負担が大きいというふうに思っております。
そこで、今、文科省での検討では、この部活動手当の2割増へ向けての検討、それから、部活指導員を、いわゆる学校職員として位置づける。これによって学校の職員として、チーム学校の一員としての位置づけになりますので、対外試合への監督としての引率もできるようになるわけでありますけれども、まだ課題がないわけではございません。勤務形態、報酬、あるいはいろんな詳細な規則を整備する必要があるというふうに考えておりますので、この点については注視をしていきたい。
ただ、本市における労働管理の問題、これも大変大きい問題でございまして、これまでは部活動手当に関する個人からの申請、これについては把握しておりますけれども、それが学校の総数として、総体としてできますので、各個人がどの程度かかわっているかというところまでは把握していなかったということでございます。それで、新年度、その調査をして、実態把握をし、その対応を進めていきたいというふうに考えております。
○議長(野尻哲雄) しばらく休憩いたします。
午前11時27分休憩
◇─────────────────◇
○議長(野尻哲雄) 休憩前に続いて会議を開きます。
午後1時0分再開
○議長(野尻哲雄) 次に参ります。
日本共産党代表、21番、福間議員。
○21番(
日本共産党 福間健治)(登壇)(拍手)
日本共産党の福間健治です。私は、
日本共産党市議団を代表して総括質問を行います。
2月19日に投開票が行われました大分市議選で、
日本共産党は3議席にとどまりましたが、今後も公約実現と市民の暮らしを守る防波堤として全力を尽くす決意です。
今、市民の暮らしは待ったなしの状況が広がっております。高齢者は年金の引き下げ、医療費や介護の負担増、労働者は家族の生活を守るために必死で働いても給与は下がるばかり、業者は売り上げが年々減少、消費税増税では廃業しかない、子育て世代は夫婦2人で働いても非正規やパート収入では市県民税、国保税が重くのしかかり、子供の医療費、保育料、教育費で消えてしまう、若者たちは派遣や臨時の少ない給料では生活もできないし、結婚もできない、親元に身を寄せているなど、市民の生活の隅々で暮らしの悲鳴と閉塞感が広がり、将来不安を募らせております。
こうしたときだからこそ、市政は国の悪政の防波堤としての役割を果たし、住民の安全と健康、福祉を保持するという地方自治の発揚を強く望むものであります。
それでは、質問に入ります。
市長の政治姿勢について、平和と民主主義について、1点目は安保法制、戦争法について質問をいたします。
安倍政権は、集団的自衛権行使容認の閣議の決定、安保法制、戦争法の強行成立、日米安保条約を地球的規模の軍事同盟に根本的に変質させた日米新ガイドラインのもとで、戦争する国づくりを進めております。安保法制、戦争法には、戦闘地域での米軍等への兵站の拡大、戦乱が続いている地域での治安活動、地球のどこでも米軍を守るための武器の使用、集団的自衛権の行使、自衛隊の海外での武力行使を可能にする4つの仕組みが盛り込まれており、アメリカが起こす戦争に世界中で切れ目なく自衛隊が参戦する道を開くものであります。それは、戦後、日本が歩いてきた、一人も殺さない、殺させないという平和国家としてのあり方を根本から変えてしまうものにほかなりません。
安倍政権は、この法制の本格的な運用に乗り出し、南スーダンPKOに派遣をされている自衛隊員に、駆けつけ警護、宿営地共同防護などの新任務付与を閣議決定しました。
南スーダンでは、2013年12月以降、大統領派と副大統領派の内戦が始まり、2016年7月には首都ジュバで大規模な武力紛争が起こっているにもかかわらず、政府は、衝突は起こっているが、戦闘ではないとの詭弁を弄し、現地の深刻な実態を認めようとはしません。新任務付与によって南スーダンが殺し、殺される最初のケースになりかねません。
南スーダンでは、自衛隊派兵の前提となる停戦合意など、PKO参加5原則が崩壊をしていることは明瞭であります。政府は、3月10日、南スーダン派兵の自衛隊員を5月末で撤収する決定をいたしました。憲法違反の派兵の破綻を示すものであります。日本の国際貢献は、憲法9条に立った非軍事の人道支援、民生支援の抜本的強化へ転換をすべきであると考えております。
そこで、質問しますが、集団的自衛権行使容認の閣議決定を撤回し、憲法違反の安保法制、戦争法の廃止を政府に強く要求すべきであります。見解を求めます。
次に、共謀罪について質問をいたします。
安倍政権は本日、多くの国民の反対を押し切って、共謀罪法案、組織犯罪処罰法改正案を閣議決定いたしました。まず、このことに強く抗議をするものであります。
政府は、テロ対策を口実に、共謀罪、いわゆるテロ等準備罪の創設を狙っております。市民の思想や良心の自由への抑圧につながる大きな問題だと思います。
政府は、テロ対策のためなどと説明をしていますが、日本はテロ防止のために13の国際条約を締結しています。テロにつながる重大犯罪については、それを未然に防ぐ手だてが既に法制化をされております。また、テロ等準備罪の対象となる組織的犯罪集団の定義が曖昧で、既にある盗聴法などと一体で運用され、警察などの判断で幅広い市民運動や労働運動などが監視、弾圧の対象になる危険があります。これまでも警察が違法な盗聴や監視などの不当な捜査を行ってきたことは忘れてはなりません。
この共謀罪は、テロ等準備罪という名称に変えただけであり、実際に犯罪行為を行わずして、相談をしただけで罪に問えるという趣旨は、過去3回廃案になった共謀罪と同様のものであります。
戦前、思想、言論弾圧に猛威を振るった治安維持法によって、労働運動などの社会運動だけではなく、文化人、宗教者、学生など多くの市民が弾圧され、物が言えない戦争国家がつくられたことは歴史の事実ではないでしょうか。同じ過ちを繰り返してはなりません。
そこで、質問しますが、共謀罪、テロ等準備罪の創設に強く反対すべきであります。見解を求めます。
次に、格差と貧困を正す経済政策の転換について質問をいたします。
アベノミクスが始まって4年になりますが、その行き詰まりと破綻は明瞭ではないでしょうか。世界で一番、企業が活躍しやすい国を目指すという掛け声のもと、日銀の異次元金融緩和や3年間で4兆円もの企業減税によって大企業は3年連続で史上最高益を更新し、大株主など富裕層にも巨額の富がもたらされました。一方、労働者の実質賃金は、4年のうちに年額で19万円も減り、家計消費は実質15カ月連続で対前年比マイナスとなっております。
アベノミクスは、社会と経済の危機をさらに深刻にしております。とりわけ1990年代後半以降、所得、資産など、あらゆる分野で格差と貧困が広がり、富裕層への富の集中、中間層の疲弊、貧困層の拡大という3つの特徴が浮き彫りになっております。
日本共産党は、格差と貧困を正す4つの経済改革を提案しています。
第1は、税金の集め方の改革であります。消費税10%増税は先送りではなく、きっぱり中止をすること、富裕層と大企業への優遇税制をやめ、応分の負担を求めることであります。
第2は、税金の使い方の改革であります。社会保障、子育て、若者に優先して税金を使うことであります。
第3は、働き方の改革であります。1日8時間働けば普通に暮らせる働くルールを確立することであります。
第4は、産業構造の改革であります。大企業と中小企業、大都市と地方などの格差を是正することが必要と考えております。
そこで、質問ですが、格差と貧困を正す経済政策への4つの転換について見解を求めます。
次に、原発問題について質問をいたします。
東京電力福島第一原発事故から、3月11日で6年となりました。事故の収束はほど遠く、今も福島県民約8万人が避難生活を余儀なくされております。避難中に亡くなった震災関連死は2,000人を超え、生活再建が進まない現状に絶望し、みずから命を絶つ痛ましい出来事も起こっております。賠償打ち切りや除染の不徹底が新たな苦しみをもたらしています。
福島原発事故処理費用21.5兆円を税金と電力料金への上乗せによって国民に押しつけようとしております。原発が究極の高コストであることが誰の目にも明らかになり、批判が上がっております。
世界で最も厳しい基準で再稼働すると言いながら、その中身は重大事故対策でもEU諸国の基準にはるかに及ばず、地震・火山対策でも、まともな基準と言えるものではありません。汚染水は完全にコントロールされているなどと、国民、住民を欺いております。
2013年9月から15年8月までの2年近い稼働原発ゼロの体験を通し、日本社会は原発なしでもやっていけることが国民的な認識になっております。電力需給の面でも、原発再稼働の必要はありません。昨年11月の新潟県知事選勝利に示されたように、原発再稼働反対は揺るぎない国民世論の多数であります。どの世論調査でも5割を超えております。
日本共産党は、2030年までに電力需給の4割を再生可能エネルギーで賄うという目標を持ち、地球環境に配慮しながら、それを実行する手だてを着実にとることを提唱しております。
そこで、質問ですが、原発ゼロの決断と一体に、再生可能エネルギーの飛躍的普及を図ることを求めていく考えはないでしょうか。見解を求めます。
次に、平成29年度予算について質問をいたします。
平成29年度大分市一般会計当初予算は、総額では対前年比0.5%増の1,785億4,000万円で、過去最大となりました。自主財源の市税は、構成比44.3%と前年度より29億5,623万9,000円、3.9%の増となっております。市民税は、対前年比16億495万9,000円の増、5.5%、個人は前年より10億2,402万円、4.5%増、法人は前年より5億8,093万9,000円、9.0%と伸びております。固定資産税は、対前年比11億3,830万9,000円、3.3%の増、土地は0.1%の減ですが、家屋は4億8,412万8,000円、3.5%の増、償却は6億7,501万8,000円、6.8%の増となっております。両税で市税の84.4%を占めています。前年より比率は0.4%伸びています。自主財源は前年より6.2%増加し、歳入の構成比率も52.9%と対前年比2.8%伸びております。また、依存財源は地方交付税の11億円、10.2%の減、市債約32億6,500万円、16.7%の減などで、歳入の構成比率は47.1%と対前年比2.8%の減となっております。
歳入では、依存財源の構成比率は下がったとはいえ、地方交付税の減は認められません。自主財源比率は上昇したとはいえ、個人市民税や固定資産税、家屋の増は市民に重い負担を強いる歳出となっております。
歳出では、新規事業51件、拡充事業50件として、防災、子育て、商工農政などへの重点配分、普通建設事業費を約252億円確保し、基金30億円の積極活用としております。
我が党がこの間、要求してきた小中学校普通教室のエアコンの設置、鉄道駅のバリアフリー化、待機児童の解消、子供の貧困対策として就学援助入学準備金の前倒し支給、子ども医療費の小中学生の入院一部負担金の支援など、一定評価できるものもあります。
しかし、1つに、横尾土地区画整理事業などは聖域となっております。
第2に、機運の醸成として、豊予海峡ルート推進事業費は新たなゼネコン向け大型事業の推進となります。
第3に、企業立地促進助成金6億4,813万3,000円のうち、内部留保金もあり、体力もある三井造船株式会社などに助成する大企業優遇となっています。また、東京、大阪などから本社機能の一部移転を呼び込む情報通信関連産業支援助成金などは、地元中小企業予算に振り向けるべきであります。
第4に、行政改革の名による職員の人件費総枠
抑制は、職員の生活と地域経済にも影響を及ぼします。
第5に、同和事業など、既に役割を終え、不公正を助長する予算が含まれております。
第6に、市民から批判の高い議員の費用弁償や海外視察費が措置されております。
今回の歳出は、新たな大型開発を推進、大型事業は聖域、大企業を擁護し、市民、職員犠牲の行政改革、無駄遣いをやめて市民の暮らし、福祉の願い実現の施策へという市民の思いと相いれないものもあります。賃金低下、社会保障費など義務的経費が増加で、可処分所得が低下する中、市民の暮らしを後押しをする支援が強く求められております。
そこで、質問ですが、法人市民税率の引き上げ、大企業用地の土地の適正評価などで税収をふやす努力をして、大型事業、大企業優遇、役割を終えた事業、市民から無駄遣いと指摘されている予算は廃止、見直しを断行し、市民の暮らしと福祉充実の願いに応える予算に組み替えるべきであります。見解を求めます。
次に、市民の暮らしと福祉について質問をいたします。
まず、年金問題について質問をいたします。
日本共産党中部地区委員会が昨年実施した市民アンケートでも、年金切り下げは中止がトップでありました。年金の切り下げが生活を圧迫している、これ以上に年金切り下げはやめてほしいというせっぱ詰まった悲鳴は絶えません。こうした中、昨年の臨時国会では、物価が上がっても賃金が下がれば、賃金に合わせて年金を削減する、物価変動が少なくても年金
抑制のマクロ経済スライドの調整率が完全実施できなかった場合、翌年度以降に繰り越すキャリーオーバー制度を導入するという年金カット法が強行され、不安と怒りの声が広がっております。年金削減は憲法25条に違反すると、裁判が全国で起きております。高齢者などの命綱である年金削減は、到底許されるものではありません。
そこで、質問しますが、年金カット法の撤回を要求すること、今必要なことは年金を底上げし、最低保障年金制度の創設など、若い人も高齢者も安心できる年金制度にすることであります。見解を求めます。
次に、国民健康保険について質問をいたします。
わずかばかりの年金は下がり、物価は上がる中で、国保税は重い負担となっております。分割納付も限界に来ているなど、高い国保税への不満と怒りの声が広がっております。
こうした中、国保の都道府県単位化が進められていますが、高過ぎる国民健康保険税のさらなる負担増を招き、医療費削減の新たな仕組みを導入するものであります。国保の危機を一層深刻にする都道府県単位化は、やめるべきであります。
大分市の国民健康保険被保険世帯数は微減、年齢構成比は65歳から74歳が約44%、所得構成比では100万円未満が約63%を占めております。生活保護の4人家族、290万円と同等でも年額36万から37万円と高い国保税となり、加入世帯の約2割が滞納を余儀なくされております。暮らしを圧迫している高い国保税の引き下げを求める声は切実であります。
そこで、質問しますが、国保の都道府県単位化による新たな負担増を回避する対策をとるとともに、負担が限界を超えている国保税の引き下げを断行し、被保険者が安心して払える国保税にすることは急務となっています。見解を求めます。
次に、介護保険について質問をいたします。
介護保険料が高過ぎます。年金は下がり、医療費の高騰で、介護サービスを減らしているなど、負担増の介護保険料、利用料の軽減を求める声は切実となっております。
介護保険制度は、歴代政権によりヘルパー利用制限、保険給付だった介護施設の食費、居住費の自己負担などの給付削減を繰り返してきました。安倍政権になってからは、個々の給付制限にとどまらず、160万人を超える要支援者を保険給付の枠外に追い出し、軽度者を特養入所の対象外とするなど、大量の被保険者を丸ごと保険サービスから除外するという重大な制度の変質をしてまいりました。また、介護報酬引き下げで施設の運営にも支障を来しております。
さらに、今後は、要介護1、2の在宅サービスの大部分も保険外に追い出すこと、65歳から74歳の利用料を低所得者も含め2割に引き上げる、現行、40歳以上とされている第2号被保険者の対象年齢を30歳、20歳に引き下げることなども提案されております。介護保険は、保険あって介護なしの国家的詐欺になりつつあります。制度創設の趣旨に立ち返るべきであります。
そこで、質問しますが、高齢者、家族の切実な願いとなっている介護保険料、利用料の負担軽減対策について見解を求めます。
次に、子ども医療について質問いたします。
少子化が進み、若い世代の流出が問題となっています。安心して子育てできる環境整備は、地域の活性化のためにも必要です。全国では約7割の自治体が子ども医療費助成制度の対象を中学生まで広げております。大分県でも佐伯市や豊後大野市など9自治体が独自に、中学校卒業までの入院医療費助成を実施しております。大分県も大分市も通院助成は就学前までです。
今、非正規化が4割を超え、実質賃金が下がり、子供の貧困が大きな社会問題となっております。多くの子育て世帯は、経済的負担の軽減を強く望んでおります。子供の健やかな成長を保障し、経済的負担が軽くなることで、病気の早期発見、治療が可能になり、重症化を防ぎ、医療費を
抑制している効果も生まれております。さらに、国でも就学前までの医療費助成への国保国庫補助のペナルティーをなくす方向で制度の必要性を認めております。
そこで、質問ですが、子ども医療費無料化を中学校卒業まで拡充すべきと考えますが、見解を求めます。
次に、雇用と地域経済の再生について質問します。
1点目は、最低賃金の引き上げについてであります。
この間、時給1,000円以上という
日本共産党の提案に対し、若者の運動が時給1,500円以上を掲げ、抜本的引き上げの要求は強いものがあります。時給1,000円だと年間1,800時間の労働時間で年収180万円、時給1,500円でも年収270万円に過ぎません。時給1,500円を目指すということは、最低限の生活を保障するという点でも当然の要求であります。
2016年度最低賃金は、全国加重平均で823円、714円は宮崎、沖縄、715円は高知、大分、東京は932円となっております。今、貧困と格差が広がり、働いても貧困から抜け出せないという状況が広がっていますが、この根本には低過ぎる最低賃金があります。最低賃金の引き上げは、地域での消費と需要拡大に直結いたします。中小企業への直接支援を本格的に行い、最低賃金を引き上げることは地域経済の活性化にもつながります。
そこで、質問しますが、最低賃金を時給1,000円以上にするため、政府、企業に強く働きかけていくことが必要です。見解を求めます。
2点目に、中小業者支援について質問をいたします。
日本経済は、消費税の増税や円安などの影響で、資材や生活必需品が高騰しています。また、大企業による賃金
抑制、下請単価の引き下げなどが行われております。
こうした中、中小業者の営業と暮らし、労働者の生活において、耐えがたい苦難が拡大をしております。今、中小業者から、使い勝手のいい住宅リフォーム助成制度をつくって仕事をふやしてほしい、社会保険に加入しなければ下請にも入れなくなったなどの切実な声が多く寄せられております。中小企業を地域経済の根幹にふさわしく振興すべきであります。
そこで、質問しますが、中小業者の営業と暮らし、労働者の働く環境を守るために、経済効果抜群の住宅リフォーム助成制度を創設すること、また中小業者に対する社会保険料の軽減などの本格的支援を行うことが必要であります。2点について見解を求めます。
次に、農林水産行政について質問をいたします。
これほどまでに米価が下がったのではやっていけない、担い手もなく、将来不安だけが頭をよぎるなど、深刻な声が寄せられております。命を支える農林水産業は、基幹的農業従事者の45%以上が70歳以上を占めるなど、極端な高齢化が進み、耕作放棄地拡大による国土の荒廃が鳥獣被害を拡大させています。食料自給率は先進国で最低レベルなど、崩壊の危機が広がっております。
我が党は、農産物の価格保証、所得補償を抜本的に強化し、安心して再生産できる農業、公共建築の国産材使用、魚価の安定対策の強化と資源管理型漁業などの振興、先進国最低レベルの39%まで落ち込んだ食料自給率を50%まで引き上げることを目標に据え、農林水産業を再生することが必要と考えております。
そこで、質問しますが、今後の本市の農林水産業の振興について見解を求めます。
次に、災害対策について、1点目は、防災・減災のまちづくりについて質問をいたします。
防災対策は、災害が発生した後の応急の対策や復旧・復興対策だけでなく、災害の発生を抑え、被害の拡大を防止するための予防対策を重視した対策、また防災を無視した乱開発をやめ、必要な防災施設の整備と安全点検を徹底すること、さらに観測体制の整備を進め、消防、住民などを中心とした地域の防災力や自治体の防災体制など、強化が必要であります。
そこで、質問ですが、防災・減災対策の今後の重点対策について、また熊本地震の教訓などを踏まえ、耐震基準の適切な見直しが求められていると考えますが、あわせて見解を求めます。
次に、被災者支援について質問をいたします。
東日本大震災から6年がたちました。熊本では震度7の地震が2回連続し、その後、1,700回近くの余震が続くという、前例のない地震災害が起こりました。大分県内も、由布市、別府市で被害が広がりました。大分市内でも、一部損壊の被害に見舞われました。豪雨や台風による水害、火山噴火による災害も続発しております。災害から生命と財産を守ることは、政治の重要な使命であります。不幸にして大きな災害に遭っても、被災者が自力で歩き出せるようになるまで、生活となりわいの再建への展望が持てる対策を国、自治体で支援していくことが求められております。
そこで、質問しますが、被災者生活再建支援法の支援金を300万円から500万円まで引き上げるとともに、対象を半壊まで広げること、一部損壊については自治体支援を強化することが必要です。見解を求めます。
次に、環境行政について質問をいたします。
新日鐵住金のばいじん対策について質問をいたします。
新日鐵住金の降下ばいじんについて、大分市は大分県と新日鐵住金株式会社との3者で公害防止協定を締結し、その細目協定の中で新日鐵住金が総合的に粉じん及びばいじん対策を講じることとし、公害防止に関する細目協定では管理目標値を1平方キロ当たり月6トン以下としております。
一方、国が定める大気汚染防止法では、ばい煙についての排出規制及び一般粉じん発生施設の構造、管理に対する基準が定められているものの、降下ばいじんの法規制はありません。
これまで我が党の申し入れや市民団体との協議で、新日鐵住金が大型集じん機や散水施設の設置など低減対策に取り組んできたことは一定評価されます。しかし、背後地では悪臭やくしゃみ、部屋の中のざらつきなど、住環境悪化や健康への影響を懸念する声は今なお多く、さらに厳しく低減させることが重要であります。
そこで、質問ですが、国に対して大気汚染防止法においても降下ばいじんの規制基準を定めるよう要求すること、また現在の管理目標値をさらに下げていく協議をすべきと考えますが、見解を求めます。
次に、同和行政について質問をいたします。
国会で可決成立した部落差別の解消の推進に関する法律は、部落差別の解消推進のための理念法と言いながら、部落問題解決の歴史に逆行して、新たな障壁をつくり、部落差別を固定化、永久化する恒久法であり、その危険は極めて重大であり、撤回を強く要求するものであります。
国の同和対策特別事業は2002年3月終結し、14年たった今日、社会問題としての部落問題は基本的には解決された到達点にあります。時として起こる不心得な非科学的な認識や偏見に基づく言動が、その地域社会で受け入れられないよう、民主主義の力を強めていくことこそ重要です。
そこで、質問ですが、行政の施策は全ての国民に対し公平に運用するのが原則であり、人権問題の相談、教育、啓発活動は憲法に基づき一般施策として行うべきであります。見解を求めます。
最後に、教育行政について2点質問をいたします。
1点目は、給付型奨学金の拡充についてであります。
日本は、世界的にも高い学費でありながら、給付型奨学金制度もないという特異な国となっております。そのために、学生が奨学金という名の借金を負わされ、卒業時に平均でも300万円にもなります。大学院に進学すれば1,000万円もの借金を背負ってしまうというケースもあります。遊ぶためでも、高額の買い物をするためでもない、大学で学ぶために人生の門出を大きな借金を背負ってスタートしなければならないという、全く異常なことであります。
憲法が保障する教育の機会均等が脅かされております。貧困の連鎖を断ち切るどころか、高い学費と奨学金という借金が新たな貧困を生み出すということが起きております。この異常な事態を是正することは、日本社会の現在と将来にとって急務な課題であります。
これまで
日本共産党は、学生が安心して使える奨学金にするため、1、給付奨学金の創設、2、全ての奨学金を無利子化すること、3、既卒者の奨学金返済の減免制度をつくり、生活が困窮する場合の救済措置を講ずる3つの改革を提案しております。
そこで、質問ですが、3つの改革提案を政府に強く要求すること、また本市としても大学生にも対象を広げるなどの対策を強化すべきであります。見解を求めます。
2点目は、義務教育学校への対応についてであります。
ことし4月から碩田学園として施設一体型の小中一貫校が開校いたします。碩田学園は、設立前から特別なカリキュラムで教育を行うことをうたっており、教育の機会均等の理念に矛盾を生じさせるものです。また、小中一貫教育による乗り入れ授業や合同授業などは、教員の職務を増大させ、過重負担を生じさせており、全国の教育現場においても問題となっております。さらに、自校方式での給食調理をセンター方式に移行することは、食育の観点からも問題があります。その上、広範囲にわたる学校統廃合は、地域から子供を遠のけ、地域のコミュニティーや地域経済にも大きな影響を及ぼすことになります。これらの問題はそのままに、小中一貫教育を推進することに疑問を呈するものであります。
そこで、質問しますが、義務教育学校の教育的効果について、また新たに制服など経済的負担があります。負担軽減対策について、あわせて見解を求めます。
○議長(野尻哲雄) 佐藤市長。
○市長(佐藤樹一郎)(登壇)
日本共産党を代表しての、21番、福間健治議員の御質問に対し御答弁を申し上げます。
なお、教育問題につきましては教育長から御答弁申し上げます。
まず、市長の政治姿勢についての3点の御質問にお答えします。
1点目の平和と民主主義についてのうち、まず安保法制についてでございます。
安保法制は、国会内にとどまらず広く国民の間で議論を呼び、さまざまな議論が重ねられる中で、国会においても大幅な会期延長を行い、長期にわたる討議の末、可決成立したものでございます。しかし、平成28年2月には、野党5党共同で安保法制廃止法案が議員提案され、現在開会中の第193回国会においても継続して審議されております。
このように、安保法制は国民の関心が高く、全ての国民にかかわる重要な法制でありますが、安保法制の整備に係る防衛施策は国の専管事項でございまして、国会における十分な議論により合意形成が図られることを期待しております。
次に、テロ等準備罪についてですが、政府はテロ対策として、組織的な重大犯罪を計画段階で処罰する組織的犯罪処罰法の改正案、いわゆるテロ等準備罪の創設について、今通常国会に提出する準備を進めております。法務省発表の資料によりますと、テロ等準備罪の創設により国際組織犯罪防止条約を締結することが可能となり、一層強化された国際協力のもとで我が国を国際的な組織犯罪から守ることができるようになるとともに、国内においても組織的な犯罪集団が関与する重大な犯罪から国民をよりよく守ることができるようになるとの見解が示されております。
また、政府は、3年後に控えた東京オリンピック・パラリンピックに向けて、テロを含む組織犯罪を防止するため、万全の体制を整えていくことが必要との認識が示されております。
一方で、その処罰範囲が拡大してしまうおそれがある、思想信条の自由を制限するものだといった反対意見もあります。
組織的犯罪処罰法の改正案につきましては、本日、閣議決定されまして、国会に提出をされました。国の唯一の立法機関であります国会において審議されることとなりますので、国民各層の意見を踏まえた十分な議論が尽くされることを期待しているところでございます。
2点目の、経済政策についてでございます。
我が国の経済は、内閣府が発表する月例経済報告によりますと、景気は一部に改善のおくれも見られるが、緩やかな回復基調が続いているとされ、先行きにつきましては、雇用、所得環境の改善が続く中、各種政策の効果もあり、緩やかに回復していくことが期待される、ただし、海外経済などの影響に留意する必要があるとされております。
このような中、国は回復基調を確かなものとするため、経済再生を最優先とした当初予算案を編成し、現在、国会において審議が行われております。
その予算案では、経済再生と財政健全化の両立を実現することとしており、経済再生においては、誰もが活躍できる1億総活躍社会の実現、経済再生に直結する取り組みの推進、働き方改革の推進の3つの政策を掲げております。
具体的には、待機児童の解消に向けた保育の受け皿の拡大や、年金受給資格期間の短縮、給付型奨学金の創設のほか、長時間労働の是正や非正規労働者の正社員への転換などの処遇改善に取り組む企業への支援などの施策が盛り込まれております。
経済政策を転換すべきとのことでございますけれども、国はこれらの施策の推進により、雇用、所得が引き続き改善し、経済の好循環が進展する中で、民間需要を中心とした景気回復が見込まれるとしておりますことから、今後、各種施策の効果により、日本経済全体が活性化をし、格差と貧困の是正も図られることを期待しているところでございます。
3点目の、原発問題についてでございます。
原子力発電は、国のエネルギー政策の中で推進されてきたものでございます。そのあり方は、国の将来に重大な影響を及ぼすため、国民的議論を交える中で、国策として総合的に検討していかなければならない課題であると考えております。
平成26年4月に閣議決定されましたエネルギー基本計画におきまして、原発の安全性については、原子力規制委員会により世界で最も厳しい水準の新規制基準に適合すると認められた場合には、その判断を尊重し、原発の再稼働を進めるとされておりまして、原発依存度は省エネルギー、再生可能エネルギーの導入や火力発電所の効率化などにより、可能な限り低減させるとされております。
これを受けて、平成27年の7月に国が決定した長期エネルギー需給見通しでは、重要な低炭素の国産エネルギー源である再生可能エネルギーについては、平成25年から3年程度、導入を最大限加速していき、その後も積極的に推進をしていくとされております。
もとより、原子力発電を含むエネルギー政策につきましては、国が主管をします重要な政策でありますことから、現時点では国に対し、原発の廃止と一体に再生可能エネルギーの普及を求めていくことは考えておりませんが、原発の再稼働については、今後も国の責任において国民に対し十分な説明責任を果たし、安全確保に努めていただきたいと考えております。
次に、予算に関する御質問にお答えをいたします。
法人市民税の税率や固定資産の評価方法につきましては、地方税法等に規定されており、本市においても、これらの規定に基づき適正な課税に努めております。
また、市の予算は、福祉、環境、教育を初め、道路、公園、区画整理、住環境整備などの
都市基盤整備のほか、農林水産業、商工業、消防など、広範多岐にわたっており、これらの経費は全て行政の本旨である市民福祉の増進に資するものでありますことから、それぞれの事業と均衡を保ちつつ、バランスのとれた財源配分を行い、編成しなければならないものと考えております。
こうした観点に立って、新年度予算の編成に当たりましては、事業の優先度や費用対効果を勘案しながら、待機児童解消に向けた私立保育所の新増設への助成や保育士の処遇改善、小中学生の入院無料化等の子育て支援、スクールソーシャルワーカーの増員や児童生徒の学力の向上に向けた取り組みのほか、国土強靱化計画に基づき、建築物の耐震化や避難所の環境整備、自主防災組織の活性化など、強靱な地域づくりの推進等、市民生活に身近な福祉や教育、防災・減災対策の分野へ重点的に財源配分をしたところであります。
また、中小企業の支援や農林水産業の振興等、産業力の強化に向けた取り組みや本市のさらなる魅力向上を図る施策についても、可能な限り財源配分を行ったところでございます。
今後とも、将来にわたって質の高い行政サービスが提供できるよう、中長期の財政収支を見通す中で、持続可能で安定的な財政運営に努めてまいります。
次に、暮らしと福祉についてに関する4点の御質問にお答えをいたします。
1点目の、年金制度についてでございますが、昨年の11月16日に、年金機能強化法の一部改正法が成立をし、本年8月1日から受給資格期間が25年から10年へと短縮されることになります。これにより年金を受給できる対象者の拡大がなされ、厚生労働省の発表によりますと、受給資格期間短縮用の年金請求書を送付する対象者数は全国で約73万人、本市では約2,800人となっております。さらに、収入等が一定の基準以下の年金受給者に対しても、消費税率10%への引き上げの際に、年金生活者支援給付金の支給が予定をされております。
また、昨年12月14日には、年金額の改定ルールの見直しを含む年金改革法が成立をしました。この法改正は、少子高齢化が進む中、年金の給付水準の調整や500人以下の企業における短時間労働者への社会保険の適用拡大が可能となるなど、公的年金制度のメリットをより多くの人が享受できるようにするとともに、制度の持続可能性を高め、将来世代の年金水準の確保を図り、将来的にも安心な年金制度を構築するために必要な措置であると認識をしております。
国民年金は、全ての国民を対象として、世代と世代の支え合いを基本に、健全な国民生活の維持及び向上に寄与することを目的としております。本市といたしましては、今後とも国の動向を注視するとともに、法定受託事務であります国民年金事務の適正な執行に努めてまいります。
2点目の、国民健康保険についてでございます。
平成30年度からの都道府県単位化は、市町村の国民健康保険が財政上の問題や市町村間格差などの構造的な課題を抱える中で、財政運営の主体を都道府県に移行することにより、安定的な財政運営や効率的な事業の確保等を目指し、国の財政支援の拡充とともに、将来にわたり持続可能な制度としていくための改革であると受けとめております。
平成30年度からの都道府県単位化では、市町村が徴収した国民健康保険税を納付金として県に納めることとなっておりますが、この納付金額は平成30年1月に県から示されることとなっており、各市町村においては、この金額に見合う保険税率の見直しをすることになります。
本市におきましても、こうした動きにおくれることなく、市民の皆様に混乱が生じないよう、十分な準備をした上で、本制度の円滑な運用を目指していきたいと考えております。
なお、納付金額の算定については、県内市町村の所得水準や医療費水準を加味する中、決定することとなっておりますが、現行の国民健康保険税収入との大幅な乖離が生じる市町村におきましては、国が措置する特例基金などを活用した激変緩和措置により調整する仕組みとなっております。
こうしたことから、今後とも本制度の運用に当たっては、本市にとって不利益とならない仕組みとなるよう、激変緩和措置の配分などについて、引き続き県と協議するとともに、これまで以上に医療費の適正化や収納率の向上に取り組む中、国民健康保険財政の健全化に努めてまいりたいと考えております。
また、国民健康保険税の引き下げについてでございますが、本市では平成18年度以降、一般会計からの法定内繰り入れに加えて、税負担の急激な上昇を抑えるための激変緩和措置分として、毎年1億5,000万円の法定外の繰り入れを行うなど、厳しい行財政環境下で最大限の対応を行ってまいりました。
さらに、平成22年には国民健康保険財政健全化計画を策定し、医療費や資格の適正化、収納率の向上に取り組んできたところでございます。
しかしながら、高齢化の進展や医療の高度化などによる医療給付費の増加に伴い、本市の国民健康保険特別会計は平成27年度において赤字となり、依然として厳しい財政状況でございますので、現段階において国民健康保険税の引き下げは困難であるというふうに考えております。
3点目の、介護保険についてでございます。
急速な高齢化の進展によりまして、介護を必要とする高齢者が増加し、介護ニーズもますます高まり、介護給付費の増加に伴い、介護保険制度が始まって以来、保険料は上昇をしてきております。
本市における第1号被保険者の介護保険料につきましては、負担能力をきめ細かく反映したものとなるように、12段階の多段階の設定を行っており、さらに生活に困窮している方々の負担を軽減するために、これまでも減免の対象となる要件の一部の緩和と、保険料を第1段階の2分の1に軽減するといった、本市独自の減免制度を設けて運用しております。
また、利用料についてでございますが、介護保険制度が持続可能なものとなるために、保険料の上昇を可能な限り抑えるよう、これまで1割に据え置いていた利用者負担も、一定以上の所得がある方の負担割合が2割になっております。
なお、利用料減免制度につきましては、介護保険対象サービス費用の利用者負担額が一定額を超えた場合には、所得段階に応じて、それぞれの上限額を超えた額が払い戻される高額介護サービス費制度や、高額医療と介護保険の利用者負担額の合計が著しく高額になる場合に負担を軽減する高額医療・高額介護合算療養費制度、特別養護老人ホームなどの入所に際して所得段階に応じて行われる食費と居住費の利用者負担軽減制度が設けられております。また、社会福祉法人による介護サービス費等の利用者負担軽減制度もございます。
このように、各種の負担軽減制度が設けられておりますので、現行どおりの制度で対応したいというふうに考えているところでございます。
4点目の、子ども医療費助成事業についてでございますが、本事業は子供の健やかな成長を支援し、その保護者の経済的負担を軽減することを目的として、全ての自治体において、それぞれの財政状況等を勘案しながら、可能な範囲で実施をされております。
本市におきましては、中学生までの子供を対象に、医療費の一部自己負担金を徴収することを基本とした県の助成事業に加えて、独自の施策として医療費の無料化を行っておりまして、その対象年齢を平成19年度には3歳未満児まで、また平成25年度には未就学児童まで拡大をしてきたところでございます。現在、さらなる少子化対策、子育て支援策が求められている中で、子育て環境の一層の充実を図るため、新年度から助成の範囲を拡大しまして、小中学生の入院に係る保護者の一部自己負担金を廃止しまして、無料化することとしたところでございます。
今後とも、子供に係る医療費負担の軽減策について、他都市の実施状況や、それから国で今、まだ措置されております医療費助成に係る国民健康保険の減額調整措置の影響などを総合的に勘案しながら、本市の実情に即した助成のあり方について研究してまいりたいというふうに考えております。
次に、雇用と地域経済に関する2点の御質問にお答えをいたします。
1点目の、最低賃金についてでございますが、最低賃金は、賃金の低廉な労働者について、賃金の最低額を保障することにより労働条件の改善を図り、労働者の生活の安定、労働力の質的向上及び事業の公正な競争の確保に資するとともに、国民経済の健全な発展に寄与するものであり、中央最低賃金審議会から示される引き上げ額の目安を参考にしまして、各都道府県の地方最低賃金審議会での地域の実情を踏まえた審議、答申を得た後に、異議申し出に関する手続を経て、都道府県労働局長により決定されるものでございます。
本市といたしましては、中央最低賃金審議会及び地方最低賃金審議会の動向を注視し、決定された最低賃金が遵守されるよう、その周知を徹底してまいりたいというふうに考えております。
2点目の中小業者支援についてのうち、まず住宅リフォーム助成制度についてでございます。
本市では、これまで住宅の改修等に関する支援策として、要介護者等を対象とした住宅改修費の支給制度や、子育て・高齢者世帯を対象とした子育て高齢者世帯リフォーム支援事業、住宅の耐震化を図るための木造住宅耐震化促進事業などに取り組んでおり、特に今年度は新たに、木造店舗等の耐震化に対する助成制度も設けたところでございます。
このように、本市では市民の生活様式に合わせた支援を行っておりまして、工事内容や収入等の制限を設けず、誰でも利用できる住宅リフォーム制度の創設については、現時点では考えておりません。
しかしながら、新年度予算として、要介護者等を対象とした住宅改修費には1億9,000万円、大分市子育て高齢者世帯リフォーム支援事業には1,650万円を計上しておりまして、これらの制度の利用がふえることによって中小企業の振興にも資するものと考えております。
次に、社会保険料の軽減についてでございます。
急速な人口減少や少子高齢化の進展に伴い、社会保障費が増大する中、社会保険料の負担については、厚生年金保険法など、それぞれの法令で定められておりますこと、また、国会では小規模企業振興基本法成立時の附帯決議におきまして、社会保険料に関し、小規模企業の負担の軽減のため、より効果的な支援策の実現を図ることとされておりますことから、本市といたしましては、こうした国の動向を注視してまいりたいというふうに考えております。
次に、農林水産業に関する御質問にお答えをいたします。
今後の農林水産業の振興についてでございますが、昨年の12月に、今後5年間の農林水産業のビジョンを示す農林水産業振興基本計画を作成したところでございます。新年度は、この計画に基づき、農林水産業が競争力と持続力を有し、魅力ある成長産業となるよう取り組みを強化することとしております。
具体的には、農業では、水田の畑地化、畑への転換によりまして、米から収益性の高い園芸品目への転換を図る大規模園芸モデル団地の整備や、自然災害に対応したため池、水路等の農業水利施設の整備を行うとともに、多様な担い手の確保・育成に向け、新規就農者や企業の農業参入の推進を初め、実践的な研修制度として農業塾を開設いたします。
また、地域資源を利用した6次産業化、農商工連携による商品化や学校給食などで地元農産物の利用促進を行う地産地消の取り組みを推進するとともに、さらなる農産物の販路拡大を図るため、新年度も大消費地や市場でのイベントの開催などを行ってまいりたいと考えております。
さらには、農産物への甚大な被害を及ぼす有害鳥獣に対しても、防護柵の導入支援の拡充や捕獲期間を延長するなど、対策の強化に努めるとともに、ドローンなど先端技術を活用した有害鳥獣の追い払い等の取り組みを進めてまいります。
林業では、本市の森林資源も利用期を迎えていることから、林道などの生産基盤施設を整備し、高性能林業機械の導入などによる効率的な主伐や間伐の実施など、木材搬出コストの低減を進めていくこととしております。
また、生産された市産材については、一般住宅や公共施設等における木造化や木質化を進めるなど、積極的な利用拡大に努めてまいります。
水産業では、水産資源を守り育て、安定した漁業生産を目指し、沿岸部ではイサキなど、河川ではアユなどの種苗放流に対する助成と魚礁の設置や漁港の整備を推進するとともに、全国ブランドである関アジ・関サバを初めとする鮮魚はもとより、クロメの養殖など、新たな可能性を見出す中で、地域資源を活用した加工品開発も含めた水産業の振興に努めてまいります。
今後とも、県や関係団体と連携を強化して、地域の特性を最大限に生かす中で、生産性、収益性が高く、魅力にあふれ、地域の活性化に資する農林水産業の振興を図ってまいりたいと考えております。
次に、防災対策に関する2点の御質問にお答えをいたします。
1点目の防災・減災対策のうち、まず防災・減災対策の今後の重点対策についてでございますが、南海トラフ地震を初め、これまで経験したことのない集中豪雨など、あらゆる大規模自然災害から市民の生命と財産を守り、地域・経済社会への致命的な被害を回避し、迅速な復旧・復興に資する事前の防災・減災対策を計画的に推進するため、昨年12月に国土強靱化地域計画を策定したところでございます。
本計画において、人命の保護やライフラインの機能確保などに関する施策について重点的に取り組むこととし、住宅の耐震化や街路・公園の整備、上下水道の耐震化と老朽化対策のほか、洪水、土砂災害、津波などのハザードマップによる危険性の周知や防災訓練の実施、自主防災組織活動の支援など、ハード、ソフト両面の対策を講じるとともに、自助、共助、公助の取り組みを組み合わせて、それぞれの施策を推進していくこととしております。
また、本計画に掲げる施策を確実に推進するために、主な取り組みとその目標値を掲げた大分市強靱化アクションプランを作成し、毎年度、その進捗状況を把握・検証してまいります。
次に、耐震基準の適切な見直しについてでございますが、建築物の耐震に関する基準は建築基準法に定められており、地域による建物の倒壊防止と人の安全確保を目的としております。
この耐震基準は、昭和53年に発生した宮城県沖地震の被害を教訓に、昭和56年に新耐震基準として大きく改正され、その後、阪神・淡路大震災や東日本大震災などを契機として、部分的な基準の見直しが行われ、現行の耐震基準に至ったところであります。
そのような中、今回の熊本地震を受け、国などにより設置された有識者委員会が建築物の倒壊被害の原因分析を行い、その原因は現行の耐震基準を満たしていないものや施工不良などによるものであったという結果を国に報告したところであります。
これを踏まえ、国は現行の耐震基準が建築物の倒壊防止に有効であったと判断し、引き続き、この基準を運用する方針を昨年10月に示したところでございます。
本市といたしましては、その方針に沿って建築指導業務を行うとともに、今後も耐震基準の改正等について、国の動向を注視してまいりたいと考えております。
2点目の、被災者支援についてでございます。
国の被災者生活再建支援制度は、自然災害により、その生活基盤に著しい被害を受けた者に対して、都道府県が相互扶助の観点から拠出した基金を活用して、被災者生活再建支援金を支給することにより、その生活の再建を支援し、もって住民の生活の安定と被災地の速やかな復興に資することを目的としております。
この制度の拡充につきましては、一日も早い被災者の生活再建、被災地の復旧・復興に向けた取り組みを強化、加速をしていくため、本市といたしましても、被災地の実態に鑑み、被災者生活再建支援金の支給適用要件を全壊住宅、大規模半壊住宅に加えて半壊住宅まで広げることや、被災住宅の応急修理の上限額を引き上げるなど、全国市長会を通じて、国に対して要請しているところでございます。
また、支給適用要件外の損壊住宅の自治体支援につきましては、実際に災害が発生したときに災害の程度や被災地域の実情などを勘案しながら、国の総合的な支援策を踏まえて、本市としてどのような支援ができるか検討してまいりたいというふうに考えております。
次に、環境行政に関する御質問にお答えをいたします。
まず、国に対して、大気汚染防止法に降下ばいじんの規制基準を定めることを要求することについてでございます。
降下ばいじんにつきましては、工場由来のものだけでなく、空き地やグラウンドからの土ぼこり、地域により大きく異なる黄砂などが含まれておりますことから、環境省に確認をしましたところ、法令等に規制基準を定めることは難しいということでございます。
このため、本市では、市民の生活環境を保全するために、市、県及び工場の3者で締結しております公害防止協定に基づきまして、工場敷地境界線における管理目標値として降下ばいじんの量を設定して、工場の監視・指導を行っておりまして、国に対して規制基準を定めることを要求することは、今のところ考えておりません。
次に、この管理目標値をさらに引き下げることについてでございますけれども、工場は公害防止協定に基づきまして、ばいじん、粉じん対策を計画的に推進するための指針となる粉じん対策3カ年計画や各年度における詳細な取り組みを定めた環境保全計画の作成を行うこととなっております。これらの進捗状況につきましては、工場からの報告や立入検査により把握し、管理目標値の低減を含め、降下ばいじん対策について協議を行っているところでございます。
今後とも、こうした協議を重ねながら、大気汚染の防止に向けた指導を行ってまいりたいというふうに考えております。
次に、同和行政に関する御質問にお答えをいたします。
国は、昨年12月に施行されました部落差別の解消の推進に関する法律におきまして、現在もなお部落差別が存在するとともに、情報化の進展に伴って、部落差別に関する状況の変化が生じていることを踏まえて、全ての国民に基本的人権の享有を保障する日本国憲法の理念にのっとり、部落差別は許されないものであるとの認識のもとに、これを解消することが重要な課題であるとし、国及び地方公共団体の責務を明らかにしたところでございます。
本市におきましては、議会選出委員を初め、学識経験者、関係団体の代表者等から成る大分市同和対策協議会の議を経て、議会の承認をいただく中で、事業目的が既に達成されたものや一般対策への移行が可能なものについては、廃止を含めた見直しを行ってきたところでございます。
このような中、平成27年度に本市が実施した人権に関する市民意識調査では、結婚や住まいにおける忌避意識がまだ残っている結果となっており、部落差別の解消に向けて取り組んでいかなければならないと考えております。
同和問題は、基本的人権にかかわる重大な社会問題であり、その解決は市政の重要課題でありますことから、部落差別の解消の推進に関する法律の趣旨を踏まえて、大分市あらゆる差別の撤廃及び人権の擁護に関する条例に基づき、関係機関及び関係団体等との連携を図る中、部落差別のない社会の実現に向けまして、同和行政の積極的な推進を図ってまいる所存でございます。
以上で私の答弁を終わらせていただきます。
○議長(野尻哲雄) 三浦教育長。
○教育長(三浦亨二)(登壇) 教育行政に係る2点の御質問にお答えいたします。
1点目の奨学金についてですが、国におきましては、児童養護施設退所者など経済的理由により大学等への進学が極めて困難な生徒を対象に、平成29年度に給付型奨学金が先行実施されることとなっております。
また、奨学金の無利子化につきましては、日本学生支援機構の無利息の第1種奨学金において、家計基準のほか、高等学校等の成績が5段階評価で平均3.5以上であることが申し込みの基準となっており、平成29年度からは住民税非課税世帯の生徒については、この学力基準に満たなくても就学意欲があれば申し込みができるようになっております。
また、既卒者の奨学金返還については、病気、災害、経済困難などで返還が困難な場合には、最長10年間、返還月額を2分の1に減額する減額返還制度もございます。
こうした国の動きがある中、本市教育委員会といたしましては、無利子奨学金の事業費の増額や給付型奨学金制度の拡充等、奨学金事業のさらなる充実について、全国都市教育長協議会を通じて国に申し入れを行っているところでございます。
次に、本市の給付型奨学金につきましては、学力、人物ともに優秀で、経済的理由により就学困難な高校生を対象に、入学前や進級時などに一時金を支給する給付型奨学金制度を未来自分創造資金として平成26年度に創設をしたところであり、本年度は定員20名に対し、37名の応募があったところでございます。
この未来自分創造資金につきましては、経済的な理由により高等学校等への進学や進級を諦めることがないよう、応募状況などを踏まえる中で、毎年、定員の増員を図ってきたところであり、新年度は定員を5名増員して25名とするなど、貧困対策の一助となるよう制度の充実に努めてまいりたいと考えております。
なお、大学生を対象とする給付型奨学金につきましては、大分県においては大分県奨学会の採用内定者の中から選考された学生を対象とする里見奨学金がございますが、平成30年度には国の制度が本格実施されますことから、今後の応募状況や国の動向などを注視してまいりたいと考えております。
2点目の義務教育学校についてのうち、まず教育効果についてでありますが、昨年4月、学校教育法の一部改正が行われ、義務教育学校制度が創設をされたところであります。
本制度は、小学校から中学校までの9カ年の義務教育課程において、小学校、中学校の学習指導要領を準用しつつ、1人の校長が1つの教職員組織で学校運営を行うことや、従来の小学校6年、中学校3年の修業年限によらない学年の区切りなど、より柔軟な教育活動を可能としたものであります。
本市初の義務教育学校として開校する碩田学園におきましては、これまでの小中一貫教育の取り組みの成果や施設一体型の特性を生かし、前期4年、中期3年、後期2年の学年段階の区切りの設定や、期ごとの節目の式の開催、異なる学年の児童生徒による日常的な交流など、幅広い教育活動や一貫性がある学習、生活指導により豊かな心の育成や確かな学力、基本的な生活習慣の定着向上など、さまざまな教育効果が期待されているところでございます。
次に、保護者の経済的負担軽減についてですが、教育の機会均等を確保し、義務教育を円滑に実施する上から、教育に係る保護者の経済的負担を軽減するよう努力することは重要であると考えております。
義務教育学校は、小学校、中学校と同様の目的を実現するための教育活動を行うものであり、碩田学園における教材等の経済的負担につきましては、他の小中学校と比較して大きな差異はないものと考えております。
なお、碩田学園における制服導入の有無や時期につきましては、保護者や地域住民の代表者、学校関係者等で構成する碩田中学校区新設校開校準備委員会において、既に制服を導入している賀来小中学校や先進校での効果、3回のアンケート調査を踏まえ、慎重に検討を重ねた結果、開校時は1年生から4年生までの前期は制服を導入せず、5年生以上の中期、後期に導入することといたしました。
また、成長期の子供に対応した機能性や安全性、耐久性、デザイン、価格等を総合的に検討するとともに、2年間の移行期間を設定したところであり、保護者の経済的負担については今後とも十分配慮するよう努めてまいります。
○議長(野尻哲雄) 福間議員。
○21番(
日本共産党 福間健治)(登壇) それでは、幾つか再質問をさせていただきたいと思います。
平和と民主主義の問題、安保法制、戦争法の問題で再質問をさせていただきます。
御承知のように、安倍政権、憲法9条のもとでは、集団的自衛権の行使はできないと、戦後60年余りにわたる一貫した政府の憲法解釈を180度変えて、やりました。立憲主義を破壊する禁じ手に踏み込んだわけであります。
皆さんも御承知のように、立憲主義とは、憲法によって権力を縛るということであります。これは国会で多数を持った政権党であっても、憲法の枠組みに反する政治を行ってはならないということではないでしょうか。これが壊されたら、法の支配が人の支配に変わって、独裁政治が始まることになります。
憲法の99条は「天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。」と定めております。
立憲主義と民主主義を取り戻して、個人の尊厳を守り、大切にする社会こそ、今求められているのではないでしょうか。
そこで、市長にお尋ねをいたしますが、立憲主義についての市長の基本的な見解をお尋ねしたいというふうに思います。
それから2つ目は、平和、民主主義の第2点の、共謀罪の問題であります。
東京オリンピック・パラリンピック、るる申されましたが、まだ起きていない犯罪について、2人以上で話し合い、合意することが犯罪に問われるというものであります。実際に起きた犯罪行為を罰するとした日本の刑法の大原則を踏みにじるとともに、思想及び良心の自由、これは犯してはならないという憲法19条に反する危険な内容だと思います。
共謀罪法案、過去3回、国会に提出をされ、国民の批判の高まりで3度とも廃案に追い込まれた経過であります。名前を変えただけでは、中身は同じであります。一般人は対象にならないどころか、歯どめのない危険がいよいよ際立っているのではないでしょうか。
私は、やはり、この戦争する国づくりと一緒に進められている共謀罪の、この閣議の決定も許されませんが、国会提出も断じて許されないと思います。
私どもの
日本共産党の先輩たちは戦前、戦争に反対をする、こういう中で国賊、非国民とののしられて大量投獄されると、死に至ると、こういう中でも反戦平和の旗を高く掲げて、この間、党をつくって95年になります。
それで、市長もいろいろ言われましたけど、私はぜひ、過去の過ちは絶対に繰り返してはならないと思うんです。そういう点から、市長には、この戦前の治安維持法についてどんな認識をお持ちなのか、お聞きをしたいというふうに思います。
経済問題については、また改めて時間をとって議論をしていきたいというふうに思います。
政治姿勢の3点目の原発問題でありますけれども、ああした東日本、福島第一原発の苛酷事故を受けたにもかかわらず、政府は、原発は重要なベースロード電源と、将来にわたって推進することを決め、原発再稼働を進めているわけであります。
しかし、先ほど指摘しましたように、国民の世論というのは、鹿児島県であれ、新潟県であれ、国民の声は示されていると思います。皆さんも御承知のように、伊方原発を初めとして、全国12県、24の地方裁判所で1万2,000人が原告となって稼働差しとめの裁判が、今行われているわけであります。
市長も、原子力規制委員会、世界で最も厳しい基準で合格したものを再稼働しているというふうにおっしゃいましたが、市長も直接、伊方原発なんか見に行かれて、中も見ているわけなんですけど、私は第1回目の質問で指摘しましたけど、EU諸国に比べても世界で最も厳しいどころか、安全神話の復活というのがこの原子力規制委員会の基準ではないかなというふうに思うわけであります。
そこで、市長には、原子力規制委員会の規制基準について、どういう根拠をもとに安全だという認識をされているのか、その点についてお尋ねをしたいというふうに思います。
時間の関係もあります。総括質問で取り上げた諸問題につきましては、今後の議会の中で大いに論議をしていきたいというふうに思います。
以上、再質問であります。
○議長(野尻哲雄) 佐藤市長。
○市長(佐藤樹一郎)(登壇) 福間議員の、3点の御質問にお答えいたします。
まず1点目の、立憲主義についての見解でございますけれども、公務員として憲法を尊重しながら、憲法の規定に基づいて仕事をするということは大変重要だというふうに認識をしております。
片方で、世の中の変化に伴いまして、憲法の解釈も含めて、さまざまな議論が行われるということは、私は重要なことだというふうに考えておりまして、そのようなさまざまな世界情勢の変化等に対応すべく、国会内外、日本でさまざまな議論が行われている、これは大変意義のあることではないかというふうに考えております。
私どもは、憲法の地方自治の趣旨にのっとって仕事をしっかりとやっていきたいというふうに思っております。
2点目の、共謀罪に関係します治安維持法の関係でございますけれども、私も治安維持法につきましては詳細に勉強したことございませんので、これについてのコメントは差し控えさせていただきたいと思いますが、ただ片方で、2人以上で話したことそのものが罰則にできるのかどうかという、刑法上の、あるいはこれもまた憲法にさかのぼっての議論かもしれませんけど、そのような議論、片方で、世界でさまざまなテロが起こっておりまして、大変甚大な被害でありますとか、悲惨な事件がたくさん起こっております。これをどういうふうに防いでいくべきなのかということも、また重要な課題でございます。
これが閣議決定をされましたので、これから国会で、またさまざまなところで議論をされていくということになるのではないかということで、この議論につきましても注視をしてまいりたいというふうに考えております。
3点目の、安全の根拠でございます。
これにつきまして申し上げますと、私も原子力発電所、いろいろ見てまいりまして、今回、伊方の原発、昨年ですけれども、中まで、格納器の中まで入って見ましたときに、従来の対策に比べて格段に厳しいといいますか、さまざまな対応がされているというのは見てまいりました。水素の発生でありますとか、それから電源が失われた場合の対応でありますとか、上から水が落ちてくるような仕組みでありますとか、いろんな取り組みがされております。
そのようなことから、従来よりも格段に規制基準が厳しくなって、それの対応が伊方で行われているというのは、私も実際に説明を受けて、見せていただいたところで、そのように思ったわけでございます。
ただ、それで十分かどうかというのはまた別問題でございますので、私のほうからは、いろんな対応をしているのはわかったけれども、安全には万全にも万全を期してもらいたいということを、これは伊方原発の所長ですけれども、それから愛媛県知事にも要請をしまして、戻ってきたところでございます。
このように、安全を守るということにつきましては、100%というのはございませんので、これにつきましては絶えず、そういう努力を、事業者もまた、行政もやっていく必要があるというふうに考えております。
○議長(野尻哲雄) 福間議員。
○21番(
日本共産党 福間健治)(登壇) 共謀罪の問題、また原発の問題、これも改めて議論をしていきたいと思います。
やはり、最初の立憲主義の問題であります。本来、立憲主義によって権力を縛る究極の目的は、憲法13条が保障している全ての国民を個人として尊重することであり、個人の尊厳を擁護することにあるわけであります。
今、安倍政権による立憲主義破壊の政治は、安保法制、戦争法、そしてこの間、秘密保護法、沖縄の米軍新基地建設、原発再稼働、TPP、格差拡大の経済対策など、あらゆる分野で表面化しておりますし、そして今、共謀罪の閣議決定、そして憲法改正発議という流れになっております。
やっぱり今、立憲主義を壊し、独裁政治の道を進むのか、それとも立憲主義と民主主義を取り戻し、個人の尊厳を守り、大切にする社会を築くのか、今の日本の政治に鋭く問われていることだと思います。
私ども
日本共産党は、集団的自衛権行使容認の閣議決定の撤回、安保法制、戦争法廃止をし、戦争する国づくりを許さないために、野党、市民との共同を、さらに発展をさせ、全力を尽くす決意を表明して、私の質問を終わります。
○議長(野尻哲雄) しばらく休憩します。
午後2時28分休憩
◇─────────────────◇
○議長(野尻哲雄) 休憩前に続いて会議を開きます。
午後2時45分再開
○議長(野尻哲雄) 次に参ります。
新政クラブ代表、33番、三浦議員。
○33番(
新政クラブ 三浦由紀)(登壇)(拍手) 皆さん、お疲れさまでございます。最後の代表・総括質問をさせていただきたいと思います。33番、
新政クラブの三浦由紀でございます。
新政クラブを代表いたしまして、総括質問を行いたいと思います。
まず、新たな任期が始まったことから御挨拶をさせていただきたいと思います。
我が会派は2名という大分市議会で最も小さな会派でございます。前任期中もスカルリーパー・エイジ議員と私との2名で構成しておりましたが、今任期も同じ顔ぶれで構成していきたいと思います。ただ、昨年末よりエイジ議員は自由党に入党し、私は完全無所属という形に、若干変化をしてきております。しかし、会派の名前のとおり、既成概念にとらわれることなく、新たな政治を行うことを目指していくという点で一致しており、今回も引き続き会派を組むこととなりました。
もちろん、市執行部に対しましては、今任期中も地方議会の本来の姿であります是々非々のスタンス、納得のできないことに関しましては反対し、賛成したことに関しましては公私ともにそれを全力で支えていくというスタイルで取り組んでいきたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
次に、今回上程されました当初予算に関してでございますが、経済政策のみならず、さまざまな分野で攻めの姿勢があらわれており、昨年度以上に佐藤カラーが全面に打ち出された、おもしろい予算案であると思います。佐藤市長の大分市に対する思いがこの予算案からうかがい知ることができ、今後の大分市がおもしろく、かつ活力のある市になるのではないかと楽しみであります。
また、我が会派が要望した多くの案件に対しましても予算がついており、この場をおかりいたしまして御礼申し上げる次第でございます。ありがとうございます。
さて、それでは質問に入りたいと思いますが、先週金曜日の代表質問で新市民クラブの高橋団長が、4番目だと既に質問している他会派と重なって等の発言をしておりましたが、私どもは7番目の会派となることでございますので、なおさらでございます。そこで、同じ答弁を聞いても時間がもったいないので、総論的な質問はやめ、提案理由説明に沿ったもの、もしくは各論的な質問を中心に行いたいと思います。ただ、この結果、我が会派らしい質問になったのではないかと考えるところでございます。
まず、大分市の魅力創造について質問をいたしたいと思います。
最初に、新規農業生産物についてお尋ねいたします。
今回上程されました予算案にも、さまざまな農業政策が取り上げられておりますが、我が会派が注目するところは、おおいた産品創出・魅力発信事業でございます。
説明を受けた範囲におきましては、全く異論を挟むところはなく、どんどん推進していってほしいと思うところでございますが、願わくば一般的な農作物ではなく、新規の、今のところ大分市で栽培されてない、もしくはほとんど栽培されてない農作物、さらに言うなら、他の都市でも大規模に栽培されてない農作物を取り扱うべきであると考えるところでございます。
農作物は、食料としての面と商品としての面と両方あると考えますが、今回は、より商品としての面を打ち出した提案でございます。
これから魅力をつくっていくのであれば、確かに一般的な農作物をよりおいしく、またストーリーをつけて販売していき、売上高を伸ばしていくことも考えられなくはありませんが、当然のことながらライバルも多く、それらに打ち勝っていかなければなりません。並大抵の努力では済まないと思います。そうであるならば、土俵を変えるべきでございます。まだ他の市も本格的に取り組んでない農作物であるならば、市場を独占できる可能性もあります。例えば、佐賀県のレモングラスやパクチー、愛知県のタイ米などがそうであります。
こういった新規の農作物の栽培に取り組むことにより、それイコール大分というブランド化までできれば、この事業としての目的は完全に達成できるのではないかと考えるところでございます。
そこで、これらの事業に取り組む際に、新しい農作物に注目し、栽培を推進していってはと考えますが、市の見解をお聞かせください。
次に、サブカルチャー部門の設置もしくは担当者の配置についてお尋ねいたします。
サブカルチャー、何でしょうか。学問的に言えばハイカルチャー、一般的な文学や芸術等に対してのサブカルチャーで、マイノリティーの文化事象を言うところでございます。また、欧米と日本では若干、定義が異なるようでございますが、基本的にはマイナーな趣味であり、現在ではオタクとほぼ同義語で使われることもあるようになっております。
30年ほど前までは、これらはまさにマイナーな趣味で、商売としては、まちおこしとしては成り立つとは考えられておりませんでした。しかし、これを変えたのがインターネットであると私は考えます。
それまではマスメディアが情報ツールの全てであったのが、インターネットの普及により、マスではなくても情報発信ができるようになり、ごく一部のエリアで情報交換をしていたマイノリティーたちが全世界レベルで情報発信をし、情報交換を行うようになり、アンダーグラウンドから表へ出てくるようになったのでございます。
そして、今はどうでしょう。サブカルチャーは日本の重要な輸出文化となっております。そして、この取り組みいかんによっては、地方においても商売やまちおこしの重要なファクターとなっております。
しかし、大分市においては、これらを専門に扱う部署もしくは担当者はおりません。情報という点では非常におくれているものがあります。
現在、漫画「ReLIFE」や「大谷さんちの天使様」、小説「僕が愛したすべての君へ」「君を愛したひとりの僕へ」など、大分市が舞台となってヒットしているものが出てきております。先般のテレビアニメ「名探偵コナン」も大分が舞台でありました。そして、さらに作者は大分市在住で活躍している方もおられます。現状で大分にゆかりのあるサブカルチャーが出てきているわけであります。これらを発信し、大分のまちおこしや売り上げアップにつなげるべきであります。
しかし、この分野はすぐに理解できるわけではありません。やはりオタクなんです。ある意味、専門的なんです。であるならば、これらを専門的に扱う部署もしくは担当者を配置すべきであると考えますが、見解をお聞かせください。
野生動物の解体場所の設置についてお尋ねいたします。
今回、有害鳥獣対策事業が重点事業として上程されております。現在の農作物の被害等を考えますと、早急に手を打つべきであり、この事業に関して賛成ではありますが、イノシシや鹿などを駆除するだけではもったいなく、ましてや、ただ人にとって迷惑だからということだけで命を奪うことは、野生動物に対して失礼であります。
そこで、さらに次のステップを考えるべきでありますが、今回、この事業の中に、それら駆除した動物の肉をジビエとして活用させたい旨のことを上げておりました。
今後、実証実験を行うようでありますが、これら野生動物を食肉として流通に乗せるための一番大きな問題は何かといいますと、公的な解体場所が大分市にはないということであります。
現状を確認いたしましたところ、個人的なレベルの解体場所はありますが、今後の特産品としての商業ベースでの安定供給を考えますと、個人レベルでは追いつきません。
また、野生動物の解体並びに肉の質等は、家畜のそれと比べてさまざまな問題もあるようでございます。
詳しく取り上げますと生々しくなりますので、この場では特に取り上げませんが、それらのものを解決するためには、移動式も含めて解体場所の確保を考えるべきであると考えますが、解体場所の設置に関しましてはどのように考えているのか、見解をお聞かせください。
次に、ドローンレースの国際大会誘致についてお尋ねいたします。
現在、大分県は民間企業の動きが活発で、国内におけるドローン事業の一大拠点化しつつある状況にあります。ドローン自体が新たなもので、この動きに関しましては今後の展開が楽しみでありますが、せっかく拠点化しつつあるのなら、ドローン、イコール大分と完全にブランド化すべきであると考えます。
そこで、生産ではなく、さらに進んでドローンの競技も開催してはいかがでしょうか。レースは、最近注目され始めたばかりで、他の自治体で取り組みを開始したところもあるようでございますが、事業の一大拠点とのセットであれば、他の自治体よりはアドバンテージがあります。また、大分にメーカーがあることから、ワークスでの参戦が見込めます。
本田技研工業の創始者、本田宗一郎さんがレースは走る実験室と言い、積極的に各種レースに参戦し、ホンダの技術力を高め、さらにそれをブランド化し、売り上げ増につなげていったように、地元でレースがあることで大分のドローン開発会社もホンダと同じようになるのではないかと考えます。さらに、大分市にはドローンレースにうってつけ、大銀ドームがございます。いかがでしょうか。
新たな大分市の魅力、そして観光イベントとしてドローンレースの国際大会を誘致してはと考えますが、見解をお聞かせください。
ちなみに、昨年、ドバイで行われました世界大会は、賞金総額1億2,000万円で、イギリスの15歳の少年が優勝いたしましたことを紹介しておきます。
次に、アートレジオン推進事業についてお尋ねいたします。
この事業自体を推進することに関しましては賛成の立場ではありますが、正直なところを申しますと、今さら感もないわけではありません。近いところでは、お隣の竹田市が以前から取り組んでおり、全国で既に取り組んでいる自治体が数多くございます。そんな中での本年度からの大分市での取り組みとなるわけでありまして、かなり後発であります。
そのような状況で事業を成功させるには、先発の他の自治体とは差別化を図らなければならないのではないかと考えるところでございます。芸術家に大分市に移住していただくには、どんな
インセンティブがあるのでしょうか。また、来ていただいた芸術家たちの発表の場、あるいは情報発信の方法等はどのように考えているのでしょうか。
これらを他都市と違うものにしなければ、成功につながらないと考えますが、見解をお聞かせください。
続いて、大分市の魅力発信についてをお尋ねいたします。
まず最初に、マーケティングとブランディングについてお尋ねいたします。
現在、多くの地方自治体が都市間競争の中で、それぞれの自治体をアピールし、他都市との差別化を行い、イメージアップを図り、さまざまな事業においてプラスに導いていこうとしているところでございます。
今後、本市においても強みを生かした地方創生を行うならば、大分市のイメージを伝えるマーケティング、大分市イコールこれと思ってもらえるブランディングが大事であると考えますが、この2点についてどのように考えているのか、見解をお聞かせください。
続いて、情報発信についてお尋ねいたします。
都市のイメージというものは、今後、人口をふやす上でも、観光客をふやす上でも、産品の売り上げをふやす上でも重要になってくると考えます。自治体がどのような都市であるか、自治体は何を行っているのか、自治体には何があるのか、これらを広く国内、海外に知ってもらい、自治体のイメージを持っていただくには、言うまでもなく情報発信が重要であります。
しかし、その現状を大分市で見る限り、弱いのではないかと考えるところでございます。例えば、大分市が使っているキャッチ「笑顔が輝き 夢と魅力あふれる
未来創造都市」ですが、悪くはありません。でも、印象に残るかといいますと、残りません。
例えば、流山市、「母になるなら流山」、覚えやすくインパクトがあります。このキャッチと、これに沿った施策で流山市は人口がふえております。
別府市、最近はネットを使ったPR動画と企画で、何かおもしろいぞというイメージが定着してきております。観光客がふえるかどうかは、これからでございますが、恐らくふえるのではないかと思います。
いずれも市のよいところといいますか、特徴を捉えまして、印象に残るキャッチや方法を使っております。やはり、情報発信をするのであれば、確実に、その情報を受けたほうの頭の中に残らなければなりません。残らなければ、受けてないのと同じであります。
また、市だけが情報発信するのでは限界がございます。人々のうわさになってこそ、その情報は広がっていきます。頭に残る、うわさになる、このためには情報発信においては少々とがってよいのではないかと考えますが、見解をお聞かせください。
続いて、トップセールスについてお尋ねいたします。
今回、市長は提案理由説明でトップセールスについて言及しておりますが、これに関しては、大分の人、物、ことを売り込み、売り上げ増を目指すには、最も効果的な方法であると考えるところでございます。我々市議会議員が10回行くよりも、市長が1回行ったほうがはるかに効果があり、結果が出ることは明白でございます。
過去、首長のトップセールスで有名なのが東国原前宮崎県知事でございますが、彼はメディアを使ってのトップセールスを主に行っておりました。一方、我が大分市の佐藤市長はといいますと、大変失礼ですが、メディア型ではないように思います。どちらかというと、直接接することにより結果を出すタイプではないでしょうか。
そこで、日本国内はもとより、海外にも直接、市長が出向いていき、大分市の人、物、ことをトップセールスすべきと考えますが、市長のトップセールスに対する意気込みと具体的な今後の活動を教えていただきますようお願いいたします。
3点目に、商店街の活性化についてお尋ねいたしたいと思います。
昨今、このことは議会でも大きなテーマとして扱われ、さまざまな議論がされてきました。そして、活性化、売り上げアップを目的に、さまざまなイベントが市内中心部で行われてきました。
これらイベントは、参加人数という点では多くの方々が中心市街地に出かけ、成功と言えなくもありませんが、それでは売り上げアップという点ではどうでしょうか。少し前のイベントでは、人は集まったが、売り上げはアップしなかったということが地元新聞に書かれてありました。また、先般の歩行者天国でも多くの人が集まりましたが、飲食店の売り上げはアップしたようでございますが、物販店の売り上げは変わらなかったようであります。
であるならば、イベントとしての最終的な目的は一部でしか達成できなかったということになります。となりますと、これまで何度もイベントを開催してきて、同じ結果でありましたので、今後も同じ可能性が高く、イベントに予算をつぎ込むことが無駄になってきます。
なぜ、人は集まるのに物は売れないのか。中心市街地にあるお店の商品やサービスが人の求めているものではない、あるいは、それぞれの店が売っている商品やサービスを出てきた人が知らない、もしくは知らせようという努力を店がしていない。イベントを楽しむために出てきているので、お店の中を見ていかない。さまざまな原因があるかと思います。
いずれにせよ、現状で物販店は売り上げが上がっていないことは事実でございます。であるならば、方法を変えるべきでございます。
イベント男の私としては残念ですが、イベントを中心とした商店街の売り上げアップという活性化においては限界に来ているのではないかと考えるところでございます。
そこで、今後は別の観点、商店街の売り上げをどうアップしていくかに特化した活性化策に変えていってはどうかと考えますが、見解をお聞かせください。
続いて4番目、市有財産の適正管理についてをお尋ねいたしたいと思います。
まず、市有地の活用についてお尋ねいたします。
市長の提案理由説明にありましたように、大分駅付近の鉄道高架事業による鉄道残存敷や荷揚町・中島両小学校跡地、大分駅東側の公有地など、近年、市内中心部に広い空き地が生じてきております。
これらの土地は、商業的に見ますと一等地であり、使い方によっては大分市に大きな利益をもたらすものであります。しかしながら、現状では、それは単なる空き地もしくは利益を生まない土地であり、この状態で何もしなければ、逆に大分市にとっては大きな損害となるわけであります。
今後の大分市の財政を考えるならば、一刻も早く検討を行い、利益を生む土地にしなければならないと考えるところであります。
そこで、これら土地利用に関しましてはどのように考えているのでしょうか。我が会派といたしましては、官主導よりも民主導で検討を行ってはどうかと考えます。もちろん、それらは売却や土地のみ市が所有して、上物は市が特に注文をつけることなく民間に貸し付けるなど、自由なタブーなき発想で行うべきであると考えますが、市としてどのように考えているのか、お聞かせください。
市営住宅数の適正化についてお尋ねいたします。
現在、全国的に空き家問題が起きております。大分市においても、十二、三%の空き家が存在する状況になってきております。国を初め、地方自治体においても、この空き家問題に対してさまざまな施策をとり始めておりますが、効果は今後になるようでございます。
そんな中、大分市を初め各自治体では、公営住宅を今なお整備しております。現状の家が余っている状態、10軒のうち1軒以上が空き家である状態で、これ以上、自治体で住宅を整備する必要があるのでしょうか。もちろん、さまざまな課題があることは承知しておりますが、家の絶対量として考えるならば、供給過多であります。
そこで、今後、市営住宅を建設する際に、部屋数を減らすなど適正化を図ってはと考えますが、見解をお聞かせください。
5番目、文化財についてお尋ねいたします。
大友氏遺跡歴史公園整備等についてをお尋ねいたします。
今回、大分城址公園整備活用事業と大友氏遺跡歴史公園整備事業の両方に予算が計上されております。いずれも今後の大分市を語る上で、また大分市の歴史を語る上で、なくてはならないものであると考えるところであります。がしかし、同時に両方の事業を進めるのはいかがなものかと考えるところであります。
我が会派といたしましては、両方進めるのではなく、予算を1つに集中させることにより、早くよいものを市民に見せるべきであると考えるところでございます。そして、その考えに沿って動くのであれば、大友氏遺跡歴史公園整備事業のほうを優先させるべきであります。
大友氏は、大分市民の多くが知っております。片や府内城址は、大分市民のほとんどが知りません。大分市民に対してのインパクト、そして大分市民による発信ということを考えますと、大友氏のほうが優先順位は高いのではないでしょうか。また、前回の総括質問でも申し上げましたが、中世のものは現存していないという希少価値という点での観光の目玉にもなりやすい点もあります。
これらのことから、今後は城址公園や府内城址への予算はできる限り抑え、大友氏遺跡歴史公園整備のほうに重点的に予算をつけ、推し進めるべきであると考えますが、市としての考えをお聞かせください。
ただし、今回の大分城址公園関係の予算に関しましては、修復事業が中心ということで、反対するものではありません。
6番目に、動物愛護についてお尋ねいたします。
犬、猫の殺処分減についてをお聞きしたいと思います。
本年度より動物愛護拠点施設の建設が始まります。平成30年度完成ということで、そのオープンが待ち望まれるところではございます。これによって少しでも多くの命が救われることを願うばかりでありますが、ハードとともに大切なのがソフト、どうやって犬や猫を救っていくかということであります。
動物愛護拠点施設の究極の目標は、犬や猫の殺処分をゼロにすることであります。それらについて今後どのような対策を行っていくのか、お尋ねいたします。
7番目、防災対策についてお尋ねいたします。
まず最初に、無電柱化についてをお聞きしたいと思います。
消防署、消防団、消防車庫周辺の無電柱化についてお聞きしたいと思います。
先般、3月11日は東日本大震災から6年ということで、震災に関するさまざまな番組が放送されておりました。6年前の3月11日は、きょうと同じように本会議が開催されており、会議途中の休憩時間に議会事務局で震災の様子の緊急ニュースを見ていたのを覚えております。その後、何度か被災地に入り、現場を見させていただき、被災した自治体の職員や議員、さらには住民からも話を伺う中で、これはいつ何どき大分で起きても不思議はないことであると思うとともに、少しでも平素よりさまざまな案件に関して対策をとっておかなければならないと感じたところであります。
その中で、今回は無電柱化に関してお尋ねするわけでありますが、この東日本大震災、そしてその前の阪神・淡路大震災において、かなりの数の電柱が倒れました。国土交通省のデータによりますと、阪神・淡路大震災で通信用電柱3,600本、電力用電柱4,500本、東日本大震災で通信用電柱約2万8,000本、電力用電柱約2万8,000本倒れたところでございます。これらのうち何割かが道路に倒れ、交通を遮断し、救助活動をおくらせる原因となったようであります。
そのことから現在、国土交通省は、緊急輸送道路における電柱の新設を禁止する措置をとっております。ですので、大分市としても、これに準じて、消防車や救急車がいざというときに少しでも広範囲で活動できるようにするために、消防署並びに消防団の消防車庫周辺の道路の電柱を撤去し、電線を地中化し、無電柱化をしてはと考えますが、見解をお聞かせください。
次に、原子力発電所の事故に関してお尋ねいたします。
東日本大震災のときに福島第一原発が事故を起こし、現在も収束していない状況であるのは、皆様方、御存じのとおりであります。
私は、先ほども述べましたように、震災後に何度か被災地に伺う中で、特別に許可をいただき、立入禁止区域であります福島県双葉町に行ってまいりました。双葉町の商店街入り口には「原子力明るい未来のエネルギー」と書かれたアーチがあり、原発事故で誰もいなくなった商店街にあるアーチの文字の風景がシュールに思えたのであります。
話はもとに戻します。このとき、双葉町の町長を初め職員の皆さん方から話を伺ったのですが、皆、原子力発電所が事故を起こすなんて、それまではみじんも考えていなかったということを言われておりました。でも、現実には事故は起きてしまいました。
その結果、この事故をきっかけに多くの国民に原子力発電所への不安が目覚めたのは事実であり、アンケートによりますと、原発再稼働、廃止は別にして、現在もそれは払拭されていないようであります。
これらのことから大分市としましても、住民の不安を払拭しなければならないと考えますし、世の中、何が起こるかわからないわけでありますから、原発事故が起きた際の対応も考えておかなければならないわけであります。
そこで、市民の不安を少しでも和らげるために、原発事故が起きた際に市がとり得る対応に関して広く市民に告知すべきであると考えますが、見解をお聞かせください。
続いて、下水道事業についてお聞きしたいと思います。
下水道事業については、今回、人口減少期の対策についてお尋ねいたします。
現在、大分市においては下水道未整備地区がまだまだ多く、計画立てて、その解消に努めている最中でございます。しかしながら、せっかく整備しても、古い団地においては人口が減少し始めるなど、市内での人口の移動が見られるようになってきております。また、現状ではありませんが、この先、大分市全体でも人口減少が始まる日が、そう遠くない将来、来る可能性が大であります。
そのような状況において、今のように下水道の面整備を行っていけば非効率であり、今後の維持管理費の支出を考えますと、どこかで人口減少期に備えての計画を検討すべきであると考えますが、見解をお聞かせください。
最後に、平和祭についてお尋ねいたしたいと思います。これも我が会派の定番です。
新たな平和祭についてお尋ねいたします。
これは皆さん、おわかりのことと思いますが、ムッちゃん平和祭にかわるものであります。
平成26年12月議会で私は、フランダースの犬を引き合いに出し、ムッちゃん平和祭について質問を始めました。フランダースの犬とムッちゃんの詩は粗筋が一緒であります。しかし、ベルギーのアントワープ市がとったその後の行動と大分市がとった行動は、全く逆であったというところから入っていきました。ですので、今回も同じような形から入っていきたいと思います。
皆さんは今、公開中の映画「この世界の片隅に」を御存じでしょうか。ある一人の女性の幼少期から終戦直後までを描いたアニメ映画で、昨年秋から上映が始まり、現在も多くの方が見に行っているロングランの映画でございます。この映画、私も見ましたが、ただ戦争中の生活が主人公を中心として淡々と描かれており、特別派手なシーンもなく、最後まで進んでいくのでございますが、いつの間にか心に染み渡る、すばらしい映画でございました。公開後のネット等での評判も同様で、それゆえ現在も上映が続いているわけでございます。
なぜ、このような評判のよいものになったのか。もちろん、ストーリーもありますが、私のようなマニアですら、突っ込みどころがなかったということも上げられます。
今回の映画で主人公が生きた時代で描かれているのは、戦前、戦中であります。したがって、空襲の様子や、主人公が住んでいたのは呉ですので、日本海軍の船の様子などが出てくるのですが、これが完全に史実と一致するのでございます。また、描かれ方もアニメですので、若干デフォルメされておりますが、はっきりと船や飛行機の種類がわかるようになっております。
したがって、この作品は史実に基づいたフィクションであると言えるのではないでしょうか。それゆえ多くの方々に支持されているのではないかと考えます。
一方、ムッちゃんの詩は、私が以前申し上げましたように、史実と重なるところはほとんどなく、いわば史実に基づかないノンフィクションであるわけであります。史実に基づいたフィクションはあり得ますが、史実に基づかないノンフィクションはあり得ません。ですので、多くの市民から異論が出てくるわけであります。
現在行われておりますムッちゃん平和祭、八幡地区の方々からは、やめてほしいとの要望が寄せられております。また、開催されております牧地区の方々からも同様であります。さらに、牧地区の方々からは、銅像も撤去してほしいとの要望もあります。やめてほしいという要望は、これらの地区からだけではありません。前回のあの質問後、さまざまな方からも言われました。しかし、それらの方々は皆、平和祭自体は否定しておりません。そうであるならば、平和祭を新たに行うべきであります。
やはり、平和祭は広く市民全体のコンセンサスを得たもので行うべきではないでしょうか。平和祭自体が市民の中に対立を生むようなものであっては、何のための平和祭かわかりません。その趣旨に反するのではないでしょうか。
平和であってほしいと願うのは、市民共通の願いであります。でありますので、市民みんなが納得できる平和祭を新たにつくるべきと考えますが、見解をお聞かせください。
以上で私の質問を終わります。
○議長(野尻哲雄) 佐藤市長。
○市長(佐藤樹一郎)(登壇)
新政クラブを代表しての、33番、三浦由紀議員の御質問に対し御答弁を申し上げます。
まず、大分市の魅力創造についての5点の御質問にお答えをいたします。
1点目の、新しい農産物の栽培促進についてでございますが、新たに農産物の導入やブランド化を進める場合、消費者ニーズをしっかり調査し、気象や土壌条件などの環境に適しているかどうか、また販売の見通しや収益性が見込めるかどうか見きわめるとともに、認知度を高めて販売促進を図るため、継続してPRを行っていくことが重要であります。
本市では、これまで生産者や関係機関、団体と一体となって、大葉、ミツバ、ニラといった品目でのブランド化を進めるため、生産拡大を図るとともに、新技術の導入や栽培技術の向上、品質、鮮度の保持対策や出荷方法の改善、また市場等でのPR等を重ねてきた結果、西日本有数の産地へと成長してきたところであります。
今後は、これらの品目に次ぐブランドづくりが必要と考えておりますが、最近の取り組みでは、NPO法人等が健康意識が高まっている中でいろいろな薬草の試験栽培を開始したところでございまして、また12戸のスモモ生産者は、消費者ニーズが高く、販売単価の高い桃の導入を行っており、さらに新年度からは国東市の食品加工業者と連携して、高齢者でも取り組みやすく、安定した所得が見込めるバジルの契約栽培を野津原地区や吉野地区の6戸の生産者が試験的に行うこととなっております。
本市としましては、重点的な栽培指導や生産拡大等の支援を行うとともに、引き続き関係機関、団体等と連携して、市場や商品関連事業者等のニーズを把握する中で、新たな農産物の導入についての調査、研究を行い、ブランド育成を図ってまいりたいと考えております。
2点目の、サブカルチャー部門の設置についてでございます。
本市におきましては、大分市文化・芸術振興計画に基づきまして、ホルトホール大分を初めとした文化施設での劇場文化の振興や、全国でも珍しい現代アートの祭典、おおいたトイレンナーレなど、文化、芸術の持つ力を本市の魅力と活力あるまちづくりに最大限に生かしてまいりました。
一方で、若い世代に身近なものとしまして、漫画、アニメ、エンターテインメント等のサブカルチャーがありまして、本市におきましては、宝のまち・豊後FUNAI芸術祭で行った南蛮絵巻仮装パレード・コンテストのほか、観光PRへのご当地アイドルの活用などを行ってまいりました。
また、昨年のななせの火群まつりでは、動画サイトで有名なニコニコ動画において、祭りの様子や同時開催された屋外でのサブカルチャーイベント、ニコニコ町会議が中継をされまして、6万9,000人以上の方々に視聴されたところでございます。
漫画、アニメを初めとしましたサブカルチャーは、その分野等も幅広く、これまで行き届かなかった層への情報発信力においてすぐれたものがあると認識をしております。
今後ともアンテナを高くして、本市にゆかりのある作家や本市を舞台とした作品等の情報収集を積極的に行い、庁内で情報を共有しながら、現行の体制の中で、より効果的な本市のPRや魅力あるまちづくりに生かしてまいりたいと考えております。
3点目の、野生動物の解体場所の設置についてでございますが、本市における平成27年度の有害鳥獣の捕獲頭数は、イノシシが992頭、鹿が50頭であり、捕獲後は大半が狩猟者による自家消費や山林での埋設処理であるため、捕獲の強化とあわせて、獣肉の利活用の推進は重要な課題と捉えております。
このため、本年度、ジビエの試食イベントや飲食店経営者などを対象とした料理教室を開催するなど、ジビエの普及と消費拡大に向けた取り組みを行っており、多くの市民の皆様から、やわらかくておいしいと好評を得ているところでございます。
獣肉を加工販売するためには、保健所の許可を得た解体処理施設が必要でございます。現在、県内には28カ所、市内では3カ所設置され、市内の施設については、いずれも個人経営で、取扱量が少ない小規模なものとなっております。
また、獣肉の取り扱いに当たっては、大分県シシ肉・シカ肉衛生管理マニュアルで、とめ刺しから1時間以内に解体処理施設に持ち込むなどの衛生管理が求められております。こうしたことから、新年度においては、獣肉の運搬や処理等を効率的に行う体制づくりを目的に、民間事業者や狩猟者と連携して、箱わなに捕獲されたイノシシ等をとめ刺しした後に、保冷車で回収しまして、由布市にある県内最大規模の民間処理施設へ搬入することで、回収にかかる時間や方法、品質保持等の課題を明確にすることとしております。
あわせて、他市の先進的な取り組みについても調査、研究しながら、大分都市広域圏での広域的な取り組みも含めて、既存施設の活用や移動式解体処理車の導入、また新たな解体処理施設の必要性等について、さらに検証してまいりたいというふうに考えております。
4点目の、ドローンレースの国際大会誘致についてでございます。
ドローンにつきましては、農薬散布や橋梁の点検、災害現場での情報収集など、幅広い分野での活用が広がり、それに伴うビジネスチャンスの拡大や雇用の創出、さらには関連産業の集積が期待されることから、本市では昨年8月、県と連携する中で、産業用ドローンの国内最大手である株式会社エンルートの研究所を誘致したところでございます。
今後は、研究開発だけでなく、製造や活用など、本市が産業用ドローンに関する一大拠点となるよう、引き続き県と連携する中で取り組んでまいりたいと考えております。
御提言の、国際大会の誘致につきましては、本市の新たな魅力発信につながる観光イベントとしてはもちろん、本市経済の活性化や知名度の向上が期待されるなど、意義のある取り組みであるというふうに考えております。
一方で、競技を行う場合に、航空法に基づく飛行申請、電波法に基づく免許の取得などの手続が必要であるとともに、スポンサーの募集や実施主体の検討など、さまざまな課題もございますので、今後、調査、研究、検討を進めてまいりたいというふうに考えております。
5点目の、アートレジオン推進事業についてでございます。
地方において過疎化や高齢化が進行する中で、新たな移住・定住施策の一つとして、芸術家を呼び込む取り組みが各地で行われております。県内では竹田市や国東市等で多くのアーティストが移住し、芸術活動を行うことで、地域の活性化が図られております。
こうした中、本市では新年度、佐賀関、野津原、大南地区等へ、県外からアーティストを呼び込めるよう、体験ツアーやワークショップ、移住可能性調査等を行うこととしております。事業の推進に当たりましては、本市の特性である豊かな自然環境や良好な交通アクセス、比較的、人口規模が大きく、多くの商業施設や美術館が立地していることなどを大都市圏でも積極的に情報発信しながら、すぐれたアーティストを誘致し、その人が新たな人を呼び込む相乗効果もあわせて、地域の活性化を図っていきたいと考えております。
また、アーティストに対しましては、みずからの創作意欲が高まるように、空き家や学校跡地等を利用したアトリエの確保や、市の美術館、アートプラザ等を作品発表の場として提供するなど、積極的な支援も行ってまいりたいと考えているところでございます。
さらに、移住可能性調査の結果等を分析する中で、本市に移住する動機となり得るさらなる
インセンティブ策についても検討してまいりたいというふうに考えております。
次に、大分市の魅力発信に関する3点の御質問にお答えをいたします。
1点目の、マーケティングとブランディングについてでございますけれども、本市につきましては、製造品出荷額が九州で1位、全国でも11位を誇る産業都市であることや、全国ブランドである関アジ・関サバに代表される豊かでおいしい食などが都市イメージとして認知されているのではないかと考えております。
2点目の、情報発信につきましては、本市には産業都市として、世界に誇る新産都企業群を初めとした大企業や製造業、商業、サービス業など、さまざまな分野で活躍する中小企業、魅力的な商店街、それから多くの教育機関も立地をしております。
昨年の熊本地震の際に、多くの企業から「一緒にがんばろう熊本!大分も元気に頑張っています!」のメッセージを寄せていただきまして、それを全国紙にも掲載をいたしました。
こうした産業構造と港や東九州自動車道などの交通が便利な結節点としての本市の優位性、さらにさまざまな助成制度の情報などの発信を行うとともに、企業経営者等に対して直接働きかけを行うなど、さらなる企業誘致活動に努めているところでございます。
また、気候が穏やか、都市機能と自然が調和をしているなど、本市のさまざまな魅力の情報発信を行うことによって、移住の促進を進めております。
さらに、関アジ・関サバに代表される豊かでおいしい食の積極的な情報発信はもとより、大葉やミツバ、ニラ、ゴボウ、カイワレなど、本市を代表する農産物につきましては、大都市圏の卸売市場やショッピングモールでのセールスを行うなど、情報発信を行うことにより、販路拡大と観光誘客を進めてきております。
今後も、全国に誇る本市のさまざまな魅力について、それぞれの目的あるいは分野に応じて、効果的に情報発信をしっかりと行っていきたいというふうに考えております。
3点目の、トップセールスについてでございますけれども、これまで都市圏における観光、物産のキャンペーン、それから企業訪問を初め、姉妹都市であるオースチン市や友好都市である武漢市、ラグビーワールドカップキャンプ誘致に向けてはフィジー共和国への訪問など、国内外問わず、私もみずから現地に赴きまして、産品の売り込みや企業誘致、都市間交流など取り組んでまいりました。
いずれも大分市のPRにつながったものと手応えを感じるとともに、訪問先で私自身が直接見聞きすること等によりまして、さまざまな情報が得られまして、それを持ち帰って、また市役所職員の皆さんと共有をしまして、今後の施策の展開に生かしていくというふうな、そういう取り組みも有意義だったかなというふうに考えております。
例えば、オースチンの派遣では、三浦議員におかれましては、今山議員、スカルリーパー・エイジ議員と一緒に御訪問いただきまして、本当にありがとうございました。
このように、私みずから現地に出向くということは、本市の魅力を発信していく上でも有効であると認識しておりますことから、今後とも積極的に出かけていきまして、トップセールスを行っていきたいというふうに考えております。
次に、商店街の活性化についてお答えをいたします。
中央通りの歩行者天国につきましては、大分商工会議所を初めとする11の団体から開催に向けた要望書が提出されましたことを契機に、昨年7月に経済界、交通事業者などで構成されます大分市中央通り歩行者天国推進委員会が設立されまして、にぎわいの創出による中心市街地の活性化、大分市、大分県、九州全域の活力の創出などを目的に、歩行者天国を開催いたしました。
この歩行者天国の企画運営は、中心部の商店街、あるいは大型店、市民団体などで構成されます、この推進委員会の幹事会が行っておりまして、本市は、それを全面的にサポートする体制をとっております。これまで2回とも、3万人以上の人出で、中心部のにぎわいが創出されたというふうに考えております。
来場者を対象としたアンケート調査では、中央通りを歩行者天国として活用することについて、今後も実施してほしいとの意見が7割を超えて、多くの市民の皆様が期待を寄せ、継続を希望していることを実感しております。
また、一部の商店街団体では、独自に会場で販売促進の取り組みを行い、店舗の売り上げを伸ばすなど、商店街や個店が多くの人出でにぎわう歩行者天国をビジネスチャンスと捉え、来場者を店舗に呼び込む動きなどが起きてきておりまして、こうした動きが他の個店への刺激となり、今後さらに広がっていくことを期待しているところでございます。
本市といたしましては、歩行者天国を初めとする中心市街地のイベントは、商店街や個店の売り上げ向上はもとより、にぎわい創出などにも大きな効果があるものと考えておりまして、今後とも、もちろん個別の店舗の売り上げ増につながる、例えば、プレミアム商品券等の施策もございますけれども、このようなイベントにつきましても継続的かつ定期的に、多彩なイベントを実施してまいりたいというふうに考えているところでございます。
次に、市有財産の適正管理に関する2点の御質問にお答えをいたします。
1点目の、市有地の活用についてでございますが、本市の中心市街地は、大分駅周辺総合整備事業等によりまして、県都にふさわしい魅力とにぎわいにあふれる新たな都市空間が創出されました。
このような中、中心市街地には、JR大分駅東側の公有地や駅周辺の鉄道残存敷などの低・未利用の公共用地のほか、小中学校の適正配置により荷揚町、中島小学校の跡地が生じることになっており、その利活用に向けた施策を検討することは非常に重要な喫緊の課題であるというふうに認識をしております。
こうしたことから、現在策定しております、おおいた中心市街地まちづくりグランドデザインにおきましては、民間活力の導入も視野に入れた有効活用を検討していくこととしております。
今後は、周辺の公共施設配置状況や地域特性などを踏まえた中長期的な視点から、売却だけではなくて、民間の資金と創意工夫を活用した公共施設整備や、定期借地権の設定による民間事業者への長期の貸し付けなど、他都市の例も研究をしながら、さまざまな手法について検討を行うこととしております。
新年度におきましては、中島小学校跡地については、既存の校舎を活用して府内こどもルームを再開することとしておりまして、荷揚町小学校跡地やJR大分駅東側の公有地につきましては、基礎調査を行い、施設用途ごとの需要予測に基づく収益性などの課題を整理し、民間活力も視野に入れた施設導入可能性調査を行ってまいりたいと考えております。
また、鉄道残存敷についても、鉄道高架下とともに、にぎわい創出や周辺施設と連携をしました有効活用策を検討してまいりたいと考えております。
2点目の、市営住宅の適正化についてでございますが、市営住宅は、公営住宅法に基づき、住宅に困窮する低額所得者に対して低廉な家賃で賃貸することにより、生活の安定と社会福祉の増進に寄与することを目的に建設されたものであり、本市では平成29年2月末現在で特定公共賃貸住宅や従前居住者用賃貸住宅なども含めて5,369戸の市営住宅等の管理を行っているところでございます。
これらのうち、老朽化により建てかえや用途廃止を予定している住宅、並びに罹災者等のためにストックしている住宅を除いた入居率は約94%となっております。また、年4回の定期募集における平均応募倍率は、昨年度と本年度においては5倍前後で推移している状況でございます。
このような中、平成28年3月に見直しを行った大分市公営住宅等長寿命化計画では、市営住宅等への需要動向や人口動態、市内の空き家率、民間住宅建設の動向等を勘案して、平成33年度の目標管理戸数を約5,100戸と定めているところでございます。
現在、この計画に基づいて、補修や補強を行っても耐用年数の延長が望めないような老朽化が著しい住宅については、集約を図りながら、建てかえや廃止を行うこととしており、建てかえの際の建設戸数につきましては、建てかえ対象となる住宅の入居状況を基本とすることで、過剰な供給にならないよう考慮しているところでございます。
なお、国においては公営住宅に民間の既存住宅を活用することの制度化が進められておりますことから、市営住宅等につきましては、国の施策の動向を注視しながら、今後とも低額所得者などの住宅セーフティネットとして、管理戸数の適正化を図ってまいりたいというふうに考えております。
次に、文化財に関する御質問にお答えをいたします。
大友氏遺跡歴史公園の整備につきましては、平成27年12月に策定をしました史跡大友氏遺跡整備基本計画に基づいて整備をすることとしております。
本計画では、平成41年度までの15年間を第1期整備期間とし、大友氏館跡、唐人町跡の史跡整備と学習交流施設を含む利便施設の整備公開を目標としております。中でも、平成31年度までに庭園跡の復元整備を優先的に行い、あわせて旧万寿寺地区に設置している大友氏遺跡体験学習館を大友氏館跡内に移転をしまして整備して、情報発信の拠点とするように計画をしているところでございます。
また、大分城址公園につきましては、平成27年11月に大分城址公園整備活用基本計画検討委員会を立ち上げるとともに、市民意向調査やワークショップを行い、本年2月に本検討委員会からの提言を受けて、大分城址公園整備活用基本計画を策定いたしました。今後は、本計画に基づいて、平成29年度から31年度までを短期整備、その後7年間を中期整備、以降を将来整備として取り組む予定としまして、短期整備期間には文化財発掘調査や桜再生事業、ユニバーサルデザインに配慮したトイレの設置等を進める予定としております。
今後、開催を予定されている国民文化祭・全国障害者芸術文化祭やラグビーワールドカップ、東京オリンピック・パラリンピックなど、全国的、世界的なイベントの開催に向けまして、本市の中心市街地のさらなる魅力向上と情報発信が期待される中、大友氏遺跡歴史公園と大分城址公園は、おおいた中心市街地まちづくりグランドデザインにおいて、歴史文化観光拠点として憩いやにぎわいの創出とともに、回遊性の向上が求められておりますので、それぞれの整備計画を着実に推進してまいりたいというふうに考えているところでございます。
次に、動物愛護に関する御質問にお答えをいたします。
犬、猫の殺処分を減らすためのソフト対策についてでございますが、殺処分を減らすためには、飼い主の責任や終生飼養等―飼う、養うと書きますが、終生飼養等、動物の適正飼養に関する普及啓発を図る中、迷子になり保護される犬や、飼い主からの犬、猫の引き取りの数を減らすことと、収容した犬、猫の飼い主への返還や譲渡をふやすことが必要でございます。
そのため本市では、飼い方教室や、しつけ方教室、小学生等への命の授業等による適正飼養の啓発に取り組んでおり、不妊去勢手術や飼い主のいない猫をふやさない地域猫活動の拡充、猫の室内飼育の推進等により、保護や引き取りにより収容される犬、猫の削減を図っているところでございます。
また、狂犬病予防法に基づく鑑札や狂犬病予防注射済み票の装着に加え、マイクロチップ、名札等による所有者明示の徹底やボランティアとの連携により、確実な返還と譲渡の向上に努めております。
現在、大分県と共同設置を推進しております動物愛護拠点施設である仮称おおいた動物愛護センターは、動物と身近に接することができ、人と動物に優しい、誰もが利用できる施設として、これまで以上に動物愛護思想の普及啓発や返還、譲渡を推進するための拠点と位置づけておりまして、今後、市民、ボランティア、獣医師会、動物取扱事業者の方々と行政が一体となることで、殺処分の削減を図ってまいりたいというふうに考えております。
次に、防災対策に関する2点の御質問にお答えをいたします。
1点目の、消防署、消防団車庫周辺の無電柱化についてでございます。
本市では、昭和61年度から国が定めた無電柱化に関する整備計画に基づき、防災、景観形成の観点から無電柱化を進めております。
しかしながら、無電柱化事業は、関係事業者と協力して進める事業であり、多額の費用を要することや、電力や通信需要が高いことが事業実施の大きな要件となっていることから、市街地中心部や国、県道の幹線道路沿線で無電柱化が進められている状況でございます。
議員御指摘のとおり、緊急車両の中でも消防車及び救急車は、震災直後の初期段階において最も優先して通行しなければなりませんが、消防車庫周辺の大部分が無電柱化されていないのが現状でございまして、有事の際に電柱の倒れ方によっては影響を受けるものもあると考えられます。
このことから、まず必要性を見まして、支線で補強するなど、倒壊を防ぐ対策等につきまして、さまざまな角度から調査、研究して進めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
次に2点目の、原子力発電所の事故対応についてでございます。
本市は、伊方発電所から一番近い地点までで45キロメートルありまして、国が定める原子力災害対策重点区域の外にありますけれども、万一の事態に備えて、重点区域に準じて大分市地域防災計画に原子力災害対策計画を定め、予防対策、災害応急対策、災害復旧対策等の体制を整えております。
重大な事故が発生し、大分市民に影響が及ぶ場合には、屋内退避などの情報を大分市防災メールや緊急速報メール、同報系防災行政無線のほか、マスコミの緊急放送などにより速やかに市民の皆様に対して周知を行うこととしております。
また、市民の皆様の不安を取り除く取り組みとしまして、全戸配布している「わが家の防災マニュアル」により、原子力防災対策として屋内退避が効果的であることなどの知識普及にも努めているところでございます。
さらに、佐賀関地区において、大分県と連携して伊方発電所の仕組みや原子力災害に対する避難対策についての説明会を自治委員や自主防災組織役員、消防団員等を対象に開催をしたところでございまして、今後も要望に対応しまして、逐次、開催をしてまいりたいというふうに考えております。
次に、下水道事業に関する御質問にお答えをいたします。
人口減少期に備えた公共下水道事業の計画についてでございますけれども、本市では、昭和40年に大分市公共下水道事業基本計画を策定しまして、社会情勢、生活様式の変化等を考慮した人口推計を行い、全体計画区域や計画汚水量等を見直しをしてきたところでございます。
直近では、平成24年度に社会保障・人口問題研究所の推計値をもとに、将来の人口減少を見通して、計画処理人口を減じるとともに、計画汚水量の削減等、全体計画の変更を行ったところでございます。
新年度は、この基本計画を見直す時期に当たりまして、大分市人口ビジョンと整合性を図る中で、計画区域や計画処理、人口等の確認を行うこととしております。
今後も、おおむね5年ごとに計画内容を確認、精査し、適宜、見直す予定にしておるところでございます。
次に、平和祭に関する御質問にお答えをいたします。
ムッちゃん平和祭は、昭和52年8月に京都府在住の中尾町子さんが毎日新聞に投稿した手記がもととなりまして、全国から集まった多くの浄財をもとにムッちゃん平和像がワンパク広場に建立、除幕されたことを契機としまして、平和の理念を次の世代に伝え、世界の恒久平和を祈念するため、建立の翌年から開催されている本市の平和事業でございます。
こうした中、三浦議員からムッちゃんの物語についての矛盾点や存在についての検証等の御指摘をいただき、本市でもこれまで検証してまいりましたが、確証を得られるような情報はないというのが実情でございます。
しかしながら、30年以上も継続開催されているムッちゃんの平和祭は、幅広い世代に親しまれ、広く市民に定着している事業でもあります。これまで運営形態について見直ししてまいりましたが、本年度、昨年の夏は昼に実施していました式典と夕べを統合したというような形で開催をさせていただきました。
今後も、平和祭のあり方を含めまして、どのような形がよいか、地元の皆様を初め、市民のさまざまな皆様の御意見を伺う中で、議論を重ねてまいりたいというふうに考えております。
○議長(野尻哲雄) 三浦議員。
○33番(
新政クラブ 三浦由紀)(登壇) 質問ではありません。要望ですので、答弁要りませんので。
まず、サブカルチャー部門に関してなんですが、私、部署もしくは担当者ということを聞いたんですが、ちょっと、それに関するお答えはなかったんで、人事に関することは市長の専決事項でありますので、余り、こちらのほうからとやかく言えませんが、できれば、わかる方を置いていただけたら、やっぱりありがたいなというふうに思います。
これ非常に、先ほども申し上げましたように、ディープな世界でして、なかなかですね、本当にマニアじゃないと追いつかない部分もあります。ただ、これ、結構、やっぱりおもしろいものがありますので、これを早く発見するかどうかで、今後の、やっぱり大分市の展開、だいぶ変わってくると思いますので、ぜひお願いしたいなと思います。
特に、今回、なぜ、これを取り上げたかといいますと、4月から「ReLIFE」というのは映画になります。実写版なんです。これ、作者は大分市在住で、漫画の世界では大分市が舞台で、これもう、卒業生でなくてもわかる、上野丘高校が舞台です。だから、上野のOBは必ずわかるので、ロケが大分でやれなかったという部分でね、非常にもったいなかったなというふうに思っております。それから出てきたものですので、ぜひ担当者と、そこまでなくてもいいんで、もし、あれだったら、わかる方を人事異動のときに文国か観光に置いていただけるとありがたいなというふうに思っております。
それから、マーケティングとブランディングと情報発信の部分なんですが、これもちょっと私の聞いた部分と違う部分があって、特に情報発信の部分は、とがったほうがよいんじゃないかという部分があったんですが、現状の部分をお答えされたようなことでしたので、今後、これはまた、いろんな部署で議論をさせていただけたらなというふうに思っておりますので、よろしくお願いいたします。
最後に、平和祭のことなんですが、やはり平和祭というのは趣旨が世界が仲よくという部分があると思うんですね。その延長で、やっぱり大分市民が仲よく平和について考えることができるイベントが私はやっぱりベストじゃないかなと思っているんですが、今のムッちゃん平和祭は、もう対立を生んでしまって30年来ております。この対立がこのまま次の世代まで残っていいのかという部分を考えたときに、どうかなというふうに思います。やはり、八幡地区にしろ、牧地区にしても、やっぱり、やめてくれという方は、やっぱり多く私のもとに来ているわけで、私だけじゃなく、恐らく自民党の各議員のところにも来たと思うんですが、そういう状況で、じゃあ、平和祭という名づけていいのかなというふうに、やっぱり思います。
先ほど申し上げましたように、皆さん、平和祭に関しては否定していないんです。ですから、その形さえ変えてしまえば、全市民が納得して出ていただけるような平和祭ができるのが、私はやっぱり一番いいんじゃないかなと思いますので、今後の検討ということでありますので、ぜひ、そういったところも検討していただきますようお願い申し上げまして、
新政クラブを代表しての総括質問を終わりたいと思います。
どうもありがとうございます。
◇─────────────────◇
○議長(野尻哲雄) 以上で、本日の日程を終了いたしました。
次会はあす22日午前10時に開きます。
本日はこれにて散会いたします。
午後3時49分散会
地方自治法第123条第2項の規定によりここに署名する
平成29年3月21日
大分市議会 議 長 野 尻 哲 雄
署名議員 岩 崎 貴 博
署名議員 今 山 裕 之...