大分市議会 2009-03-16
平成21年第1回定例会(第2号 3月16日)
自由民主党
社会民主クラブ
○議長(仲道俊寿) 日程第1、これより代表質問に入ります。
代表質問は、お手元に配付の
代表質問発言順位表により行います。
最初に、
自由民主党代表。19番、藤田議員。
○19番(自由民主党 藤田敬治)(登壇)(拍手) おはようございます。自由民主党の藤田敬治です。
去る2月22日に行われました
大分市議会議員選挙後、初めて開催をされます議会での代表質問の
トップバッターを務めさせていただき、大変光栄に存じております。
さて、先般の市議選におきましては、私
ども自由民主党は、思いもかけない大変な逆風を受けながらも、多くの市民の皆様方からの御支援をいただき、15名が当選を果たすことができました。引き続き、大分市議会では最大会派として市民の負託にこたえるべく、市民の目線に立って幅広い視点から政策集団としての議論を大いに深め、明るく楽しく、さわやかな大分のまちづくりを目指してまいります。
釘宮市政に対しましても、しっかりと議論しながら、是々非々の立場で対応してまいることを改めて申し上げながら、本定例会に提出されました平成21年度当初予算並びに市政全般の課題について、私ども会派の考え方を申し上げながら、質問をさせていただきます。
まず初めに、釘宮市長の基本姿勢についてお尋ねをいたします。
昨年を振り返ってみますと、世界的な原油価格の高騰により、上向きかけた景気が一転下降し始め、さらに追い打ちをかけるように、米国発の金融危機のあおりを受け、極めて厳しい状況下にあります。また、県内においては、教員採用をめぐる贈収賄事件が発生するなど、まさに激動の1年でありました。
新たな21年を迎えたわけですが、さらなる景気の減速や、非正規労働者に限らず、正規労働者の解雇など、雇用面を中心とした実体経済へ大きな影響を及ぼし始めており、本年も大変厳しい1年となるのではないかと危惧をしているところです。
しかしながら、市内を見渡せば、大分駅周辺の高架化事業が着々と進み、駅南地区を中心に、新しい大分の顔として姿が見えてきており、社会資本の整備は着々と進んでおります。
一方で、大分国体、
全国障害者スポーツ大会でのすばらしい競技成績と多くの市民参加による心のこもったおもてなしや
大分トリニータの優勝など、まだまだ厳しい情勢に立ち向かうだけの十分な底力も存在していることも事実であります。
このような中、釘宮市長も2期目の折り返しを迎え、「公平公正」「情報公開」「説明責任」「市民参加」の四つの原則を基本方針に、「
地域コミュニティーの再生」を初めとして、市民と行政との協働のまちづくりを目指して頑張っておられます。2期目の折り返しに当たり、大変厳しい状況下にある大分市政のかじ取りをどのようにされていくのか。次の3点について市長の思いをお聞かせください。
1点目は、
自治基本条例制定の目的と自治体運営についてですが、現行の都道府県制度を見直そうとする道州制の検討も進められておりますが、本格的な
地方主権時代の到来する中で、市民の意見を結集し、自主自立の自治体運営の確立が求められております。
現在大分市では、自治体の憲法と呼ばれる
自治基本条例の制定を目指して、これまでシンポジウムの開催、市民、議会、行政の代表者35名による大分市
自治基本条例検討委員会において、さまざまな角度から議論がなされております。この条例は、自治体の最高規範として位置づけられ、この取り組みは、全国的に見ても一歩リードする形で先行している感があります。
また、これからは
自治体間競争が激しくなることが予想されております。既に観光面でも生じており、先般、
韓国観光協会から会長が来県し、大分はもっと観光誘致について工夫をしなければ、九州各県からの攻勢が激しく、最近では韓国から大分への観光客が少なくなっていると指摘もされております。また、企業誘致にしてもしかりで、対応が遅くなれば他の自治体から取られてしまうわけです。
自治基本条例制定の目的とこれからの自治体運営の取り組みについてお尋ねをいたします。
2点目は、
大分市議会基本条例への考え方についてですが、
大分市議会基本条例は、昨年の第4回定例会において可決をされました。この条例の策定に当たっては、
議員政策研究会の最初の政策課題として
議会基本条例を選定して以来、30回を超える会議を重ねるとともに、
市民意見交換会を開催するなど、市民と議会が一体となってつくられた初めてのケースであります。
条例の前文で、「住民の直接選挙で選ばれた議員により構成される議会は、日本国憲法で
地方公共団体の議事機関と位置づけられ、住民の代表機関、
地方公共団体の
意思決定機関としての役割を担うこと」「議会は、地方分権の進展に伴い
地方公共団体の権限の拡大等が行われている中で、市政の運営に関し二元代表制の一翼を担う重大な責務があること」「議会に係る基本的事項を定め、その責務を明らかにし、将来にわたり市民福祉の向上のために全力をあげて市民の信託にこたえること」と規定をされております。
この条例は、本年4月1日から施行され、今後は市長とともに市民の代表として二元代表制の一翼を担うことになるわけですが、釘宮市長の
議会基本条例に対する御見解をお尋ねいたします。
3点目は、協働のまちづくりが目指すものについてですが、釘宮市長は、平成15年4月に就任以来、市政執行の基本方針として、時代の流れと本質を見きわめ、中央依存からの脱却、自主自立、市民協働のまちづくりの宣言どおり、変わることなく、着実に実を結んでいることに敬意を表します。
この取り組みの5本柱として、「日本一きれいなまちづくり」「
地域コミュニティーの再生」「市民の健康づくり」「安心・安全のまちづくり」「
地球環境保全の取り組み」を掲げております。特に、先導的な役割を果たしてきました「日本一きれいなまちづくり」では、市長みずから率先して早朝のごみ拾いに参加され、最近では、企業や団体、自治体においても清掃活動が活発に行われてきております。そして、昨年行われた大分国体の開催で大きく花を開き、定着をしてきております。引き続き、このような市民と行政とが信頼関係のあるパートナーとしてともに考え、協力しながら、地域社会の発展を目指していただきたいわけですが、多くの問題点や不満も生まれているのも事実です。
今後、協働のまちづくりを推進していく中で市民や職員に何を求めていかれるのかをお尋ねいたします。
次に、行政改革について3点お尋ねいたします。
初めに、大分市
行政改革推進プランについてですが、市長は、平成21年の
新春記者会見において、本年は、世界的な景気の減速により大変厳しい状況が昨年から続いており、本市にとっても税収等に大きな影響が出てくることが懸念されている、特に、市民の皆様からいただいている貴重な税金で、効果的、効率的に市政を執行していくために、まずは
行政改革推進プランを着実に実施し、改善目標額175億円、職員390人純減を達成しなければなりませんと表明をされております。プラン策定から1年を経過しようとしておりますが、その成果と今後の取り組みについてお尋ねをいたします。
2点目は、民間活力の活用についてですが、
行政改革推進プランによりますと、
業務執行方式の見直しでは、
ごみ収集運搬処分業務の民間委託の推進、
学校給食業務のさらなる民間活力の導入、その他公共施設の維持管理における
指定管理者制度の導入推進、その他業務の見直しなど、効率的な
業務執行体制の確立を目指す内容になっております。
私ども会派としても、全面的にその実行に向けて協力を惜しむものではありませんが、現在の大変厳しい経済情勢で税収不足が見込まれる中、計画の前倒しを行い、清掃業務と
学校給食共同調理場の完全民営化に踏み込む時期に来ていると考えます。
いち早く民間委託が実現できれば、現在不況にあえいでいる
市内中小業者にとっても、市場拡大につながることは間違いありません。こうした業務を初めとして、民間委託を今後どのように進めていかれるのかをお尋ねいたします。
3点目は、市民力と職員の意識改革についてですが、思い切った行政改革を推進するためには、市民や職員の理解や協力がなくては達成できるものではありません。
市長も常々あらゆる場で言われておりますが、市民の皆さんは、ごみ拾いや
地域づくり活性化や国体の
ボランティア活動などに参加し、一体となってまちづくりに参画され、行政の負担の軽減に努められ、機運も盛り上がり、市民力は発揮されつつあると思います。
さて、職員の意識改革についてでありますが、市長もティー・トークや職場訪問等を通じて市長の思いを職員へ伝えておりますが、最近、市民の間から聞かれるのは、対応が事務的だとか、説明責任が十分でないとか、態度が横柄過ぎるとかいった苦情を多く聞くことがあり、どうも市長の思いが十分に伝わっていないのではないかと心配をしているところです。
市内のほとんどの民間企業では、給与のカット、雇用不安など非常に厳しい環境下の中でも、業績を上げるために、時間も惜しまず頑張っているわけですので、市の職員にも、まず現状の厳しさを把握するとともに、認識され、一丸となって行政改革に取り組んでいただかなければ、達成はできないと考えます。
行政改革に臨むに当たり、市民への期待や職員の意識改革についてお尋ねをいたします。
次に、財政問題について、2点お伺いをいたします。
1点目は、財政収支の中期見通しの見直しについてですが、市では昨年、財政収支の中期見通しを立てておりますが、昨年からの急激な世界的な景気の減速により、本市において企業等の業績の悪化が予想され、法人市民税等大幅な減収が見込まれることより、大きな影響が出てまいります。
また、逆に
社会保障関係費や公債費等も増加傾向にあり、極めて厳しい財政状況が心配をされています。政府の来年度の日本経済の実質成長率をゼロ%とする経済見通しも、あらゆる経済のデータが下向きになっており、いつまでも放置できないことより、下方修正をするとのことです。
このような中、大分市としても、中期的な財政収支の見通しを誤れば、今後の市政運営に重大な影響を及ぼしかねません。財政収支の中期見通しの見直しについてお尋ねをいたします。
次に、
公共料金見直しについてですが、特別会計の健全化が求められている中で、昨年、下水道料金や
農業集落排水負担金の改定が行われました。
下水道は、市民の健康で快適な生活環境の確保や河川等の水質保全を図るなど、欠くことのできない基幹的施設の一つであります。その普及率は、市域で約70%となっており、全市民が恩恵をこうむっていないわけですので、受益者負担の考え方は当然のことです。
しかしながら、公共料金の改定となると、直接市民の家計に影響が出てくるわけですので、改定する際には、一方的な通知ではなく時間をかけて市民が十分納得していただくことが必要だと考えます。特に昨年の
農業集落排水負担金の改定は、10年ぶりに行うにしては余りにも唐突で、我々議会も直前まで知らされなかったわけで、これでは住民からの理解を得られないのも当然だと思います。
今後の
公共料金見直しのあり方と今後の計画についてお聞かせください。
次に、産業振興について、6点お伺いいたします。
1点目は、地域経済を活性化するための景気刺激策についてですが、米国発の金融不況の波が大分市のような地方都市まで影響を受け、輸出に対する逆風が吹き荒れ、生産設備や投資等の縮小が予想されております。
このような中、2月3日に
日銀大分支店が発表した
県内金融概況によりますと、個人消費は、雇用者所得の落ち込みや景気の
先行き不透明感の高まりなどから、
消費者マインドが悪化しており、弱まっている、企業では、内外需要を反映して、生産は操業度が急速に低下しているほか、
企業マインドは一段と悪化しているとなっており、大分市の企業と家計の実体経済も悪化をしています。現実に、中小企業者から聞こえてくる内容は、資金繰りの悪化、大幅な売り上げ減少に加え、先行きの見通しも立たないので設備投資どころではなく、企業の存続にかかわるといった悲痛な叫び声ばかりです。
このような状況に対応するため、釘宮市長も国や県の施策を先取りする形で、
中小企業金融対策や
緊急雇用対策等をそれぞれ迅速かつ的確に実施しております。さらに、来年度予算の中で、大分市独自の施策として、公共工事に
緊急経済対策重点枠を設定し、3支所建設の早期発注などを打ち出され、景気の下支えに配慮していただいたことは、市民に希望と勇気を与えていただきましたが、さらなる公共工事の発注が期待もされております。
そこで、お尋ねいたしますが、国の経済対策や大分市独自の施策を含めて、今後の経済活性化の、景気アップするための刺激策についてお聞かせください。
2点目は、農、商、工連携の目指すものについてですが、来年度から、現在の商工部と農政部を統合して商工農政部が設置されるわけですが、今回の統合は、産業という大きな枠組みの中で一体となった組織体制の構築を目指しています。生産から加工、流通、販売に至る農、商、工の連携を促進し、地域における特産品の流通経路の開発、地産地消、都市と農村の交流活動の促進、にぎわいと活力ある地域づくりの推進を図る目的で設置すると聞いております。
私も、農業、商業、工業を、産業という枠組みについては問題がないと考えておりますが、予算的に見ますと、統合する前から商工部や農政部関係の予算が削減されてきた中で、統合された21年度の
商工農政部予算は66億8,500万円を計上していますが、20年度が69億9,300万円でしたので、前年対比約4.4%ほど削減されております。
本来なら、これからの景気浮揚のためにも、地元の農業や中小企業にもっと元気を出してもらわなければならないのに、これでは元気が出るどころか、各種事業にも支障を来さないかを危惧をしております。今後、農、商、工連携の目指すものは何かをお尋ねいたします。
3点目は、地産地消運動の展開についてですが、私は以前、一般質問の中でも地産地消運動について取り上げましたが、大きな進展がないようですので、再度質問をさせていただきます。
日銀の前の支店長さんは、大分の人は大分で稼いだお金を大分で使うよう心がけること、地元の流通、小売関係者は大分の人がより魅力を感じる商品開発や販売努力をしていくこと、観光地は県内外にアピールし、地域づくりに努めることがかぎだと言われていましたが、私もまさにそのとおりだと考えております。
市でも、生きがい・ふれあい農業の推進を基本として、地元で生産された安全で新鮮な農畜産物を利用していただけるよう、農業者、農業団体並びに学校給食を含む消費者団体との連携を図りながら推進を図られています。
ただ、地産地消運動は、農産物ばかりではなく、もっと広い意味での取り組みを考えております。官公庁関係の発注はすべて市内業者へとか、民間でも市内でできる仕事は市内業者に、あるいは市民も市内で買い物をするとか、とにかく大分市民が稼いだお金は大分市内で消費する、このようなことを市長みずから先頭に立って推進をしていただければ、低迷している個人消費の拡大や中小企業の売り上げにも大きく貢献をしていくものと考えています。
特に、来年度からは農、商、工が連携した商工農政部がスタートするわけですから、
取り組み体制もとりやすくなるのではと考えているところです。今後の地産地消運動の取り組みについてお聞かせください。
4点目は、農林水産業の振興についてですが、我が国の農林水産業は、食料供給の面から見ると、自給率が40%となっており、他の先進国と比較しても著しく低く、今後、国際的に食料需要が高まる中で、国内の
食料供給能力を上げることが求められることは御承知のとおりです。また、消費者の間にも、相次ぐ
食品表示偽装事件などを背景にして、安全で安心して消費できる国産の農林水産物を求める声が高まっております。
このような中、現状を見てみますと、耕作放棄地が急増し、担い手の減少と高齢化による生産コストの上昇により経営は圧迫されるなど、多くの従事者が将来に大きな不安を感じていることと思います。市でも、大分市総合計画の中で、都市型農業の創造、林業経営の安定化のための生活基盤や供給体制の整備、漁港、漁場等の基盤整備や供給体制の充実をといった方針を打ち出しております。
そこで、お伺いいたしますが、農林水産業の今がチャンスと言われておりますが、市ではどのようにもうかる農林水産業を実現しようとしているのか。特にマーケットや消費者を基点とした商品づくりや産地づくりをどのように進め、力強い経営体を確保育成していくのか。基本的な考え方をお尋ねいたします。
5点目は、雇用対策についてですが、深刻化する雇用情勢の中、完全失業率は大幅に悪化し、有効求人倍率も下降の一途であります。
大手製造メーカー等の相次ぐ
人員削減計画により、ますます雇用不安が高まっております。特に景気の後退は非正規労働者を直撃し、厚生労働省が2月末に発表した非正規労働者の雇いどめ等の状況によりますと、昨年10月から3月までに職を失った者が全国で15万8,000人となっています。本市においても多くの非正規労働者が職を失っており、大変深刻な状況になっております。
こうした中、市では、離職者の臨時職員の採用や居住支援や雇用創出等、次々と対策を講じておりますが、その場しのぎの雇用対策ではなく、企業との連携が必要となってまいります。このような時期は、考えられる手法を尽くして、対策を大胆に実行し、まず働く人たちの不安を取り除くことが必要だと考えます。
今回成立した第2次補正予算や21年度予算案に雇用状況の改善のための対策が盛り込まれていますので、速やかな実行が待たれています。また、各地でワークシェアリングの導入等も積極的に取り入れる動きもあり、官民が知恵を絞ってこの難局に立ち向かう必要があります。
そこで、質問いたしますが、今後の雇用対策についてお答えをください。
6点目は、
国立公園高崎山自然動物園事業についてですが、
高崎山自然動物園は、開園以来、大分市の数少ない観光施設の中で、全国的にも有名な観光施設として維持してきましたが、近年入園客が少なくなったこともあり、独立採算が非常に難しくなり、来年度、特別会計から一般会計への移行が提案をされております。
それに伴い、市では、観光面ばかりではなく、野生のニホンザルの生態観察など自然教育、学術教育の分野にも力を入れ、より多面的な活用を考えているようですが、観光施設として存続させていくという方針は打ち出しているものの、全体的に観光客が減少していく中で、経営が成り立っていくのか、大いに心配をしているところです。今後の
高崎山自然動物園事業運営のあり方についてお尋ねをいたします。
次に、「安心・安全のまちづくり」について2点お伺いいたします。
1点目は、防災士の育成と活用についてですが、近年、地球の温暖化等の影響により、大型台風の襲来や集中豪雨の発生が増加傾向にあり、今世紀中にも発生をすると予測される東南海・南海地震など、市民の生命と財産を災害から守ることは、行政の最も重要な課題であります。
災害の未然防止と被害軽減のために消防力を強化するとともに、自分たちの地域は自分たちで守るための
仕組みづくりが求められております。
阪神・淡路大震災を初め、近年、全国各地で相次ぐ自然災害は、私たちに多くの教訓を残してくれました。特に、災害時の情報収集、伝達や高齢者等の要援護者への対応や、女性へのきめ細やかな配慮といった、防災上の課題や地域住民による
自主防災活動の重要性について再認識をさせられました。
このような中、市では、地域の防災力を高める目的で、自主防災会を組織し、訓練等を行っています。また、平成18年度からは、防災実務の普及や防災知識の啓発を行うため、防災士の養成を行い、現在405名が活躍をしております。自主防災訓練では、企画、運営面で活動をしていただいており、今後の活躍が大いに期待をされているところです。
そこで、今後の防災士の養成計画と防災士に期待することについてお伺いをいたします。
2点目は、消防機能の強化と消防団の充実についてですが、市では、来年度も市民活動の安全を確保するため、消防車両と高規格救急車の配置を行い、災害時の対応力の増進に努めながら、東部地域の防災拠点となる松岡出張所の建設や坂ノ市出張所移転建設の事業進捗を図るなど、着実に体制づくりが行われています。
また、消防団も、全国的に見ても最大の規模の体制になったことより、昨年度から3師団体制がしかれ、組織の強化が行われ、指導体制の充実が図られており、各種防災に対応できる職団員の育成と資質向上に努められていることに敬意をあらわします。しかしながら、大規模災害が発生した場合、現状の人員や機械器具等の体制としては十分とは言えず、消防団員も充足率95%といった状態です。
また、救急体制もかなり整備されてきていますが、救急隊の到着時間が、全国平均によると、増加傾向にあると発表もされています。
今後の消防機能体制の強化と消防団の充実についてお尋ねをいたします。
次に、教育、文化行政について、4点お伺いをいたします。
1点目は、学校施設の整備についてですが、近年の国際化、高度情報化、少子高齢化の進行といった社会情勢の変化の中で、子供たちが柔軟な発想や判断力を身につけて、生きる力をはぐくんでいけるような教育環境の整備充実は、必要不可欠なことだと考えます。
来年度、市としては、大在、滝尾中学の校舎増築等を行うほか、判田小学校、明野中学校のプール建設に取り組むとともに、耐震化事業として、大道小学校の校舎及び神崎中学校の屋内運動場の改築と、新たに南大分小学校の全面改築に着手することになっております。
特に耐震化につきましては、平成28年度までに完了予定となっておりますが、少し遅過ぎるのではないかと考えます。学校施設は、万が一大規模災害が発生した場合、避難場所となるわけでありますので、一日でも早い改修工事を要望いたします。
2点目は、仮称大分市スポーツ振興計画についてですが、昨年の「チャレンジ!おおいた国体」「チャレンジ!おおいた大会」も大成功のうちに終了し、特に「チャレンジ!おおいた国体」では、大分県は天皇杯並びに皇后杯の両方を獲得することができました。競技レベルも向上し、市民も大いにスポーツに関心を持っていただいたことと思います。
スポーツは、人々の健康づくり、地域づくり等、明るく豊かで活力に満ちた社会の形成に寄与し、だれもが生涯にわたって主体的にスポーツに親しむことにより、生きがいのある充実した生活を営むことができるものであります。
このような中、大分市では、市民が気軽に身近なところでスポーツに親しむことのできる生涯スポーツ社会の実現を目指し、仮称大分スポーツ振興基本計画を来年度中に策定に取り組むことになっておりますが、その目的や内容についてお答えください。
3点目は、おおいた夢色音楽プロジェクトについてですが、今年度から開催をされていますおおいた夢色音楽プロジェクトは、大分市が日本における西洋音楽発祥の地でもあり、音楽のまちを象徴する鑑賞、参加、育成型のイベントとして、全国に情報発信し、観光客の増加など地域社会の活性化を目指し、年間を通して幾つかの事業が実施されました。
新年度も多くの事業費が削減される中、引き続き1,700万円の予算が計上され、事業が計画をされておりますが、その効果のほどは、まだ始まったばかりなので、未知数だと思います。ただ、プロジェクトの中心となる夢色音楽祭は、初めてのこともあり、市民や市外の方までの周知が徹底していなかったのではないかと思っております。
そこで、お伺いいたしますが、イベントの開催意義や広報についてお答えをください。
4点目は、幼稚園教育振興についてですが、「幼児期の教育は、生涯にわたる人格形成の基礎を培う重要なもの」と、改正された教育基本法にうたわれておりますが、少子化、都市化、核家族化の進行、家庭、地域社会の教育力の低下など、幼児を取り巻く環境は決して望ましい方向には進んでおりません。
このような中、大分市においては、平成20年度に終了する大分市幼稚園教育振興計画に引き続いて、今後10年間の幼児教育の指針となる大分市幼児教育振興計画の策定を計画をしております。この計画案の中に今後の市立幼稚園のあり方と私立幼稚園の振興について触れられており、市立幼稚園の適正配置として、今後10年間で一定数程度の統廃合を段階的に進めるとあります。また、多年制保育も、現行の2年制保育の拡大に努め、3年制保育の導入についても検討するとなっております。
私立幼稚園の振興については、市立幼稚園の統廃合が進んでいく中では、これまで以上に私立幼稚園への依存度が高まってきておりますが、依然として私立と市立との保育料等の保護者負担は、5歳児までは格差が2.3倍までに縮まりましたが、4歳児については、公立の多年制保育が実施されることになれば、新たに公立と私立の格差が生じてくることが予想をされます。
今後の幼稚園教育の振興と格差問題についてお答えをください。
次に、市民福祉の向上について3点お伺いをいたします。
1点目は、児童福祉の充実についてですが、本市の合計特殊出生率、出生数は、ともに平成17年を底に、2年連続で前年を上回り、人口の減少幅は縮小傾向にあります。しかしながら、第2次ベビーブーマーは30代半ばを迎え、その後の子育て世代は大幅に減少していくことから、出生数の増加は一時的な現象にすぎません。出生率の低下による人口の減少がこのまま続けば、経済の縮小のみならず、地域社会の衰退、社会保障制度の崩壊など、さまざまな問題が加速度的に進むことが懸念をされます。
このような状況の中で、市は、平成17年度から大分市次世代育成支援行動計画「新すこやか子育て応援プラン」により各種施策を推進しており、平成21年度が最終年度となることから、次世代育成支援後期行動計画の策定に取り組んでいるとお聞きしています。
次世代を担う子供たちの健やかな育ちを考え、若い世代の出産、子育ての希望をかなえることができる社会を築くことは、我々の重大な責務であると考えます。これらのことに市としてどのように取り組んでいくのかをお尋ねいたします。
2点目は、高齢者施策についてですが、本市の高齢化率は、平成20年7月末日現在18.9%となっており、今後も高齢化は急速に進み、平成27年には、いわゆる団塊の世代が高齢者となってまいります。このような急激な高齢化の進展に伴い、今後、要介護人口が高くなり、寝たきりや認知症等、介護を要する高齢者が増加するとともに、要介護状態がさらに長期化、重度化することも予想をされております。
このような状況を踏まえ、介護予防に力を入れて、介護予防を担う地域包括支援センター職員への研修を行うほか、今年度、地域ぐるみでの介護予防の普及啓発や活動拠点の充実に対する支援といった取り組みを実施しております。一方、認知症高齢者への支援については、介護サービスの充実を核としながらも、地域での支え合いの
仕組みづくりを十分していくことが重要となってまいります。
今後ますます増加する高齢者が安心に暮らせるようにするため、地域での生活を支援する体制の整備に市としてどのように取り組んでいくのかをお尋ねいたします。
3点目は、障害者の自立支援についてお伺いをいたします。
平成18年に、障害者が自立して生活できる地域社会の実現を目指し、障害者自立支援法が施行されました。障害者が各地域で自立して生活するためには、ホームヘルプや短期入所などの福祉サービスや相談支援事業の充実を図るとともに、働く意欲のある障害者がその能力を十分に発揮できるよう、就労支援を強化することが必要であります。
ハローワーク大分管内の企業等における障害者雇用率は、平成20年6月1日現在では1.94%となっております。障害者別に見てみますと、身体障害者は581名と進んでいますが、知的障害者は149名で、精神障害者は17名と立ちおくれています。
また、一般企業等での雇用が困難な障害者が働く授産施設における工賃の月額は、平成19年度において、全国平均で1万2,600円と低額となっております。当然ながら、工賃収入と障害者年金とを合わせても、自立した生活を送ることは困難な状況にあります。
さらに、障害者雇用や授産施設への下請発注に実績を有してきた企業が、昨年末からの世界的な不況により、雇用の停滞や発注量の減少などの影響が懸念をされております。
そこで、障害者の自立支援に向けた就労の機会の確保や授産施設等における工賃の向上に向けた取り組みついてお伺いをいたします。
次に、中心市街地活性化について2点お伺いをいたします。
1点目は、大分市中心市街地活性化基本計画の進捗状況と今後の推進についてですが、この基本計画が昨年7月に内閣府より認定をされ、「あなたのライフスタイルを彩るまちへ~個の贅が見つかるまち 復活する商都・おおいたの拠点づくり~」をキャッチフレーズに動き始めたところです。
このような中、昨年末、大分サティ閉店の発表は、地元商店街はもちろん、当計画の推進にとって衝撃が大きく、閉店後の対策を含めて、新たな民間業者の発掘と現在進められている事業の強化が早急に求められております。
今回の事業では、民間事業者の自助努力に頼るところが大きく、最近の景気後退が続く中での事業展開がスムーズに行われていくのか危惧をしておりますし、計画を通じて、どのように中心市街地のにぎわいをつくり出していくのかがよく見えてまいりません。
そこで、お尋ねいたしますが、現在までの計画の進捗状況と今後の推進についてお聞かせください。また、当計画の推進に当たって、大分県との協議についてお答えください。
私の考えでは、中心市街地の活性化を論じるときに、中心部の対策ばかりが目立っており、周辺部の活性化については忘れられているようですが、買い物や、あるいは食事等は周辺部の方のほうが中心部に出かけてくるわけですので、周辺部がもっと元気が出ることについても、同時に検討していくことも重要なことだと考えます。
2点目は、大分市複合文化交流施設整備事業についてですが、当計画の中で、市として実施するハード面でのメーン事業でありますにぎわい創出の中核施設、複合文化交流施設は、社会福祉保健センター、文化ホール、大学のサテライトキャンパス、図書館など複合的な機能と魅力を兼ね備えており、多くの市民が交流する中で、次世代の文化、産業がはぐくまれていくことと期待が寄せられております。また、建設に関しては、公募型プロポーザル方式で実施をし、地元業者の参加しやすい募集要項となっており、地元経済の浮揚策として大いに期待をされております。
そこで、質問いたしますが、中心市街地の活性化を行う上で、当施設の果たす役割についてと、市内業者の育成のためにも、発注を市内業者に絞ることができないかの点についてお尋ねをいたします。
次に、交通渋滞対策について2点お伺いをいたします。
1点目は、庄の原佐野線の見込みについてですが、大分市内の朝夕のラッシュは激しく、経済活動や市民生活に大きな影響を及ぼしていることより、早急な改善が望まれております。特に、JR日豊本線の高架化に伴い、春日陸橋と大道陸橋の撤去工事が行われた場合、深刻な交通渋滞が懸念をされております。
この代替道路の計画についても、さまざまな検討が行われているようであります。その一つであります庄の原佐野線も、国道10号の元町までは完成をし、供用をされています。本市の中心部の渋滞解消や市域全体の交通体系を考える中で、この線を延伸させ、大分川の架橋計画を推進することは最も必要性の高い事業だと考えます。
先日、庄の原佐野線が国の整備区間に指定され、今後10年をめどに完成を目指すと発表されていましたが、地元での期成会も発足し、活発な運動展開をしておりますので、一日でも早い実現に向けて大分県等への働きかけを要望することをお願いし、今後の取り組みについてお尋ねをいたします。
また、大野川にも同様に架橋を整備する必要があると考えますので、見解をお伺いいたします。
2点目は、国道10号の拡幅についてですが、主要幹線であります国道10号の旦野原から中判田間は、慢性的な交通渋滞により、経済活動の停滞や日常活動に大きな支障を与えております。毎年、地元の大南地区振興協議会では、国、県等への陳情を行っておりますが、今のところ大きな進展は見られません。
現在、大南団地入り口交差点改良や高江踏切交差点の改良等も検討されているようですが、拡幅については県の重点項目にも上げていただいておりませんので、県や国へ対して今まで以上の働きかけをしていただくことが期待をされております。今後の取り組みについてお尋ねいたします。
次に、環境対策について3点お伺いをいたします。
1点目は、産業廃棄物対策についてですが、都市化の進展に伴う人口の増加、また、生産方式や産業構造の変化等により、廃棄物の量は増加傾向にあります。清潔で美しいまちづくりを推進し、快適な生活を送るためにも、今後も事業所から排出される廃棄物の削減や再資源化に努めるとともに、排出された廃棄物を適正に処理することが求められております。
特に産業廃棄物問題については、年々増加する産業廃棄物を埋め立てる最終処分場に関して、周辺との環境問題が起きております。先日も杵築で大量の医療廃棄物が適切に処理をされていないという事例も起きておりますので、地元住民とのコンセンサスをとることが大切なことだと考えております。
最終処分場に対する市の取り組みについてお尋ねをいたします。
2点目は、地球温暖化についてですが、21世紀は環境の世紀と言われております。地球温暖化による異常気象が世界各地で見られ、地球環境の悪化が懸念されております。
市民一人一人が環境問題をみずからの問題として、日々の事業活動や日常活動の中で、資源やエネルギーの過剰な消費を抑制し、環境の負荷の低減に努めるなど、問題解決に向け行動していくことが急務だと考えます。
大分市も来年度、大分市地球温暖化対策行動指針で示されているマイバッグ運動を消費者、事業者と協働して取り組むとともに、新たに市民の環境意識を高める目的で、おおいた市民環境大学を開設をします。
また、廃食油を軽油代替燃料として本格利用するため、大分大学と連携したバイオディーゼル燃料化への取り組みや、CO2削減に効果のある、環境に優しいハイブリッド自動車や電気自動車購入への補助や、屋上緑化や壁面緑化、家庭用雨水貯留施設への助成等が計画されているようですので、今後も充実させることを要望いたします。
3点目は、不法投棄の対策についてですが、山林や河川敷を抱える地域では、不要になった家電製品、自転車、家財道具など、ありとあらゆるごみが不法投棄されており、周辺の環境を悪化させています。市も、監視カメラの設置や監視ネットワークによる定期的なパトロールなどを地域住民と一体となって実施していますが、思うような成果が上がっておりません。不法投棄された地域の中には、高齢化が進み、通常の草刈り作業も大変な状況となっている上に不法投棄されたのでは、撤去も不可能に近い状態です。
市としても、地域周辺の環境保全のためにも早急な対応が望まれます。不法投棄に対する市の取り組みについてお伺いをいたします。
最後に、水道行政について2点お伺いをいたします。
水道施設等の老朽化対策についてですが、水道は、市民生活や産業基盤を支える重要なインフラであります。本市では、これまで計画的に水道施設の整備や拡張事業を推進する中、普及率97%を超えるまでになっています。
しかしながら、人口や世帯数の増加や生活様式の多様化、都市機能の集積、商業活動の拡大などにより、水需要は今後もふえ続けると予想され、安定した供給が求められています。また、老朽化した水道施設の更新や給水不良地区や、集落全体が高齢化をして、水源地の管理等ができなくなり、飲料水等の確保に困っている水道未整備地区など多くの課題もあります。
水道についても、安全はもちろん、おいしさが求められており、浄水能力や水道管理全体の整備はもとより、水源である河川の浄化対策への取り組みも必要であります。
そこで、質問いたしますが、老朽化した水道施設等の更新についてと、それから、水道未整備地区の今後の対応策についてお伺いいたします。
以上をもちまして、自由民主党会派を代表しての質問を終わります。御清聴ありがとうございました。
○議長(仲道俊寿) 釘宮市長。
○市長(釘宮磐)(登壇) 自由民主党を代表しての、19番、藤田敬治議員の御質問に対し、御答弁申し上げます。
なお、教育問題につきましては、教育長から答弁をいたしますので、御了承をお願いいたします。
まず、私の基本姿勢に関する3点の御質問にお答えいたします。
1点目の、
自治基本条例制定の目的と自治体運営についてでございますが、現在進められております分権改革において、基礎自治体は全国一律のルールという従来の枠組みから脱却し、自己決定、自己責任による独自のまちづくりが求められております。
こうした時代の要請にこたえた大分市独自のまちづくりを進めていくためには、その前提として、まちづくりの基本理念と、自治体を構成する市民、議会、行政それぞれの役割や責務を明らかにする
自治基本条例を制定し、そのルールを市民の間で共有することが必要であると考えております。
このまちづくりのルールとなる
自治基本条例の検討に当たりましては、市民、議会、行政の3者が協働して内容を練り上げるというプロセスそのものが極めて重要でありますことから、昨年6月、市民、議会、行政から成る大分市
自治基本条例検討委員会を立ち上げたところでございます。
この委員会におきまして、大分市のまちづくりにおいて何が不足し、今後何が必要となるのかなど、さまざまな角度から御検討をいただいているところであり、新年度には本市にふさわしい
自治基本条例のあり方などにつきまして、より議論が深まり、条例素案という形でお示しいただければと考えております。
これからの自治体運営は、市民、議会、行政それぞれが、役割分担のもとに知恵と力を結集した取り組みが必要であり、議員を初め市民の皆様のお力添えをいただきながら、自主自立の自治体運営を目指してまいりたいと考えております。
2点目の、
議会基本条例への考え方についてでございますが、地方分権の進展に伴い、議会の果たすべき役割が増す中、市議会におかれましては、市民福祉の向上及び市勢の発展に寄与することを目的に、市長とともに二元代表制の一翼を担う議会としての基本的事項を定める
議会基本条例を中核市として初めて制定されましたことに、改めて敬意を表するところでございます。
議会の最高規範として制定された
議会基本条例は、住民自治を確立する上で重要な役割を担うものであり、現在検討を進めております
自治基本条例におきましても、自治の確立を目指すという方向は同じものと考えております。
自治基本条例検討委員会には、市議会からもこれまで10名の議員の参画をいただいており、これからの制定に向けた取り組みにつきましても、
議会基本条例制定のノウハウをもとに、先導的役割を担っていただきますようお願い申し上げます。
3点目の、市民協働のまちづくりの中で市民や職員に求めるものについてでございますが、私は、市長就任以来、大分市における市民と行政との協働のまちづくりを推進すべく、中央依存や行政依存体質からの脱皮を市民や職員に訴えながら、意識改革と市政の刷新に取り組んでまいりました。
まず、市民の皆様には、
地域コミュニティー再生の取り組みなどを通して、自分たちの住む地域にはどんな課題があり、それを解決するためにはどうすればよいのか、また、地域を活性化するためには何をすればよいのかなど、これまでの行政依存ではなく、みずから考え行動していただくようお願いしてまいりました。
一方、職員に対しては、職場にとどまることなく、地域に出向き、こうした市民活動を積極的に支援するとともに、みずからが居住する地域では、率先垂範の取り組みを行う中で、何よりも市民の皆様から信頼される職員になること、あわせて時代のニーズを的確に把握し、市民の声を市政に反映していけるような政策形成能力の向上を図るべく、職員個々の意識改革を強く求めてきたところであります。
今後ともこうした基本的な考え方に立ち、自助、公助、共助の役割分担のもと、市民の英知を結集し、全職員一丸となって、未来に希望の持てる大分市のまちづくりに邁進してまいりたいと考えております。
次に、行政改革に関する御質問にお答えいたします。
まず、
行政改革推進プランの成果と今後の取り組みについてでございますが、私は、本市が直面する極めて厳しい行財政状況の中で、多様化する市民ニーズや新しい行政課題に的確にこたえていくためには、不断の行政改革に取り組みながら健全な財政基盤を確立することが不可欠であるとの認識のもと、平成20年度からの5年間を計画期間として、175億円の改善目標額と職員390人の純減を数値目標に掲げた
行政改革推進プランを策定し、鋭意取り組みを進めているところです。
こうした中で、平成20年度の改善目標額につきましては、清心園の民間移譲や移動図書館業務の廃止、学校現場における校務員、事務補佐員業務の一元化を初めとした
業務執行方式の見直しや職員給与の減額措置、行政評価制度を活用した事務事業の整理合理化、未収金対策の強化、未利用地の有効活用などに取り組んでまいりました。その結果、当初の改善目標額25億円を上回る約29億円を見込んでいるところでございます。
また、職員数につきましては、平成19年4月1日現在の職員数3,745名が、平成20年4月1日現在で3,678名、67名の純減となっておりますが、平成21年4月1日にはさらに92名削減し、累計で159名の純減となる見込みでございます。
さらに、今後の取り組みにつきましては、プランに掲げた推進プログラムを着実に実行しながら、引き続きコスト削減や歳入の確保を図り、数値目標の達成を目指してまいりますが、急速な景気の後退を受け、今後の財政状況はさらに厳しい状況に陥ることが予想されますことから、プランの進行管理を徹底するのはもちろんのこと、前倒しやさらなる見直しも視野に入れ、なお一層の行政改革に取り組んでまいります。
次に、民間委託の進め方についてでございますが、民間委託や
指定管理者制度の導入など民間活力の活用は、今後の極めて厳しい行財政環境の中で、限られた財源、人的資源を有効に活用していくための具体的手法の一つでございますが、その活用に当たりましては、従来のサービスの質を低下させることなく、市民福祉の維持向上を図っていくことが求められるところでございます。
こうした観点に立ち、これまでも資源ごみ収集運搬業務や清掃工場運転業務、東部共同調理場調理業務、学校給食配送業務の民間委託や、市民いこいの家を初めとした12施設への
指定管理者制度の導入などに取り組んできたところでございます。
また、新年度以降も、稙田、明野、野津原の各共同調理場を統合して新たに建設する仮称西部共同調理場における給食調理業務や、市内中心部特定地域におけるごみ収集運搬業務を民間に委託する準備を進めるなど、可能な限り民間活力を利用し、効率的な業務の執行に努めてまいることといたしております。
今後とも、民間委託や
指定管理者制度の導入など民間活力の活用につきましては、いわゆる聖域を設けることなくあらゆる業務を検証した上で、民間の専門的なノウハウを活用できる業務、事務の効率化や経費の削減が図られる業務などについて、行政責任や市民サービスの質、安全性などの確保に配意するとともに、職員の退職者数なども踏まえる中で計画的、段階的に実施してまいりたいと考えております。
次に、行政改革に当たっての市民への期待や職員の意識改革についてですが、自己決定、自己責任が求められる地方主権の時代にあって、本市が、限られた財源、人的資源のもと、将来にわたって質の高い行政サービスを安定的に提供していくためには、市民や職員の理解と協力を得ながら継続的に行政改革に取り組み、効率的な行政運営システムを構築していくことが不可欠であります。こうした中で、
行政改革推進プランの柱の一つには「市民協働によるまちづくりの推進」を掲げており、今後とも、市民が主体的に行政運営やまちづくりに参画できる環境や仕組みを整えていく中で市民と行政との相互理解、信頼関係がさらに醸成され、それぞれが役割と責任を分担しながらさまざまな行政課題の解決に当たっていくといった市民総参加による協働のまちづくりがますます推進されていくことを期待をするものでございます。
また、私は常々、市民と行政が一体となってこの厳しい時代を乗り切っていくためには、私も含め、市民から信頼される市職員たることが何よりも重要であると考え、これまでも、庁議やティー・トークなどあらゆる機会を通じて職員に本市の置かれた行財政状況を説明するとともに、地域活動への積極的な参加や市民の立場に立った窓口対応の大切さなどを訴えてまいりました。こうした観点に立ち、
行政改革推進プランにつきましても、各部局からボトムアップで意見を求めるなど、すべての職員の創造と英知を結集し、共通認識を持つ中で策定し、その推進に当たってきているところでございます。
こうした中にあって、市民からは、最近職員の対応が非常によくなったとお褒めの言葉をいただくことが多くなり、職員の意識も大きく変わってきていることを実感しているところでございますが、一部において議員御指摘のような事例もありますことから、今後とも市民に信頼される職員を育成するとともに、市民と行政との相互理解と信頼のもとで行政改革に積極的に取り組み、一丸となってこの厳しい時代に立ち向かってまいりたいと思います。
次に、財政収支の中期見通しの見直しについてでありますが、昨年10月に公表いたしました中期見通しは、平成20年度の決算見込みをベースに内閣府の試算した地方税の伸び率等を参考にしながら、新たに取り組む
行政改革推進プランの効果額等を加味して試算をいたしております。しかしながら、金融危機を契機とする世界同時不況による深刻な経済状況の中、昨年末に政府が示した平成21年度の地方財政計画においては法人関係を中心に地方税が大幅な減収となることが見込まれ、この減収に対し、国は、臨時財政対策債を措置することで地方税財源の総額を確保いたしたところであります。
今後とも、基本的にはこうした地方財政措置がなされるものと考えておりますが、臨時財政対策債の償還費を初め、本来、その経費を補てんすべき地方交付税総額の確保が不透明であり、また、歳出においても、
社会保障関係費や公債費の増加、さらには合併建設計画や職員の大量退職への対応なども見込まれておりますので、平成20年度の決算収支を見通す中で、行政改革への不断の取り組みを前提としながら適宜見直しを行い、財政運営の指針としてまいりたいと考えております。
次に、公共料金の見直しのあり方と今後の計画についてでありますが、持続可能な財政運営を行っていくためには、歳出における効率的、効果的な財源配分はもとより、市税や使用料など自主財源の安定的な確保は大変重要であります。とりわけ、下水道料金を初め、各種の使用料につきましては、費用負担の公平性の観点からもその適正化を図る必要があり、計画的に見直しを行ってきたところであります。
使用料につきましては、各施設の運転管理経費等、サービス量、サービス提供に係る経費を常に把握し、受益者負担の原則にのっとり適宜見直しを行うものとしており、その改定に当たっては、基準となる法令等が改正された場合、物価変動等により経費との乖離が生じた場合などに施設の有効活用等を図るため、一定の配慮を行いつつ適正な金額の設定をいたしております。
今後におきましても、基本的にはこうした考え方に基づき見直しを行うこととしておりますが、使用料の改定に当たりましては、利用される市民の方々の御理解と御協力が得られるよう積極的に情報公開し、説明責任を果たす中で負担の明確化と透明性の確保を図ってまいりたいと考えております。
次に、経済活性化のための刺激策についてでありますが、厳しい経済環境の中、経済対策は最優先で取り組むべき課題であるととらえ、国や県の施策を活用しながら、平成20年度3月補正予算とあわせ、積極的に取り組むこととしております。
国の補正予算関連では、定額給付金や子育て応援特別手当の給付を行うとともに、住吉保育所の改築や学校施設の改修など公共事業の追加、ふるさと雇用再生特別交付金事業や緊急雇用創出事業を活用した新規雇用の創出、妊婦健診の拡充による経済負担の軽減などを行い、また、独自の施策では、臨時職員雇用枠の確保や中小企業者事業資金融資枠の拡大、市内事業者への発注が中心となる公共工事への重点枠追加のほか、大南、大在、坂ノ市の各支所を前倒しで建設するなど、事業規模として総額146億円となる関連予算を盛り込んだところであります。
いずれにいたしましても、今日の厳しい経済状況を回復へと導くためには、国と地方が一体となり、冷え込んだ需要を喚起し消費の拡大を図ることが不可欠でありますことから、国や県と緊密に連携し、その時々の社会経済情勢に的確かつ柔軟に対応しながら地域経済の活性化につながる施策の展開を図ってまいりたいと考えております。
次に、産業という大きな枠組みにおいて、農、商、工連携が目指すものについてのお尋ねでありますが、農林水産業と商工業等の産業間の連携には、それぞれの経営資源の有効活用を高める効果があるとともに、新規需要の開拓や相乗効果による新たなビジネス機会の創出など、地域経済の活性化に資する多くのメリットがあるものと考えております。
本市ではこれまで、生産者や農業、漁業団体と食品加工業者による農林水産物を用いた加工品開発の取り組み支援や本市の産品を「海・山・野の幸」と題して、国体やイベント時に一元的なPR活動を展開し、その販売促進に努めてきたところであります。しかしながら、本市の有する豊富な地域資源を生かした生産、加工、流通、観光などへの一体的な取り組みや、生産から消費に至るまでの安全で安心な物づくりなどをさらに進めていくには、商工業、サービス業、農林水産業等、各業種間の壁を超えた統合的な産業の育成に向けた支援が必要であると考えております。
今後は、昨年7月に施行された、いわゆる農商工等連携促進法による事業導入も視野に入れながら農林漁業者と商工業者との有機的な連携を促すことで、地域資源を核にしたコミュニティービジネスの育成と雇用機会の創出を図り、地域産業の活性化を目指すために新しい機構を最大限に機能させてまいりたいと考えております。
次に、今後の地産地消運動の取り組みについてでありますが、本市では、各地において農産物直売所や加工所、朝市などを初め、学校給食に地元農産物を取り入れた献立の提供、さらには、農業者と食品加工業者など、食に携わる方々との連携による新たな商品開発の促進など、さまざまな取り組みが展開をされております。これらの取り組みをさらに発展させるための具体策として、大分市地産地消推進計画を本年3月に策定したところであり、今後は、この計画に沿って、地元農産物の利用促進を農業、給食、商工、観光等が一体となって取り組んでいくことといたしており、新年度には新たに、給食農園モデル事業やおおいた農と食のマーケット事業などを実施してまいります。
また、農産物ばかりでない広い意味での取り組みについてでございますが、本市では、平成19年度、市内の事業者が新たな事業分野の開拓を図ろうとして開発した新商品や新技術を市が随意契約により購入可能なものとすることによって販路開拓を積極的に支援し、新産業の育成を図るというトライアル発注制度を設けております。
地域による地域のための開発、販売や消費、発注等の取り組みは、地域経済の活性化に必要であると考えており、新しい機構のもとで農、商、工の連携を図りながら、産業全般にわたる地産地消の大切さについて市民の理解が得られるよう働きかけをしてまいりたいと考えております。
次に、マーケットや消費者を基点とした商品づくりや産地づくりによる力強い経営体の確保、育成についてのお尋ねでありますが、現下の厳しい経済状況の中で、担い手不足が深刻な農林水産業にとっては、逆に、今が新規就業者を迎え入れるチャンスでもあるととらえております。本市ではこれまで、認定農業者等、計画的に経営改善を行おうとする農林水産業者に対し、生産基盤の整備、生産施設等の拡充、省力化機械の導入支援や制度資金の利子補給、直売所、加工所の設置支援等を行ってきたところであります。
また、19年度には、農協、漁協と生産者団体が協力し、京阪地域の市場、流通関係者と大阪において大分市農水産物うめぇもん商談会を開催したのにあわせ、私も先頭に立って本市産品を大いにPRしてまいりました。その結果、水産加工品では新しい取引も始まるなど、販路拡大につながり、本市産品に対する期待の大きさを肌で感じたところであります。
今年度は、去る3月10日に、京阪地域に加え、広島、福岡地域の関係者を地元大分に招いて開催され、大変好評なうちに商談が進み、さらなる販路拡大につながるものと考えております。
今後は、競争力と信頼ある産地づくりに向けて今回の機構改革を生かし、農、商、工業の生産から流通、加工、消費までを一体的にとらえる中で関連商品づくりや付加価値の高い加工品づくり等を進めてまいります。そのため、消費者や市場関係者、食品加工業者などと連携を深める取り組みを支援するとともに、関係機関、団体が一体となった指導体制のもと、就業、経営相談会や新たに農業参入セミナーなどを開催し、担い手の確保を図り、持続性のある足腰の強い農林水産業を目指してまいります。
次に、今後の雇用対策についてのお尋ねでございますが、悪化する雇用情勢の中、本市におきましては、昨年12月5日に離職者のための大分市緊急雇用相談窓口を開設し、市営住宅の提供と市臨時職員としての採用など、住宅と雇用の確保を最優先に取り組むとともに、民間事業者の協力を得ながら地域が一体となった対策を全国に先駆けて講じてまいりました。しかしながら、一自治体での雇用対策には限界があり、国においては、ふるさと雇用再生特別交付金事業や緊急雇用創出事業を創設し、本市におきましてもこれを活用して16の新規事業を生み出し、200名を超える雇用の創出を図ってまいることといたしておりますが、これらの事業も雇用期間が限定されたものであり、国としての長期的な視野での雇用政策が望まれるところであります。
もとより、雇用にはいろんな形態があってしかるべきではございますが、今回の問題の根源は、非正規労働者が雇用の調整弁として利用されてきたことに問題があり、労働者派遣法の改正の議論も必要な時期ではないかと考えております。
また、今回の問題への対応を通じて、改めて若者の職業意識の醸成の重要性を痛感させられたところであり、本市におきましては、従来から取り組んでおります若年者職業意識向上事業などを継続実施するとともに、現在策定中の大分市商工業振興計画の着実な実行により産業の振興と雇用の創出に努めてまいる所存でございます。
次に、
高崎山自然動物園事業運営のあり方についてのお尋ねでございますが、
高崎山自然動物園は、本市を代表する観光施設として広く親しまれてきただけでなく、霊長類研究、自然と野生動物の生態を学ぶ自然教育の場としても大きな役割を果たしてまいりましたが、入園客は長期の減少傾向にあり、独立採算を続けることは困難な状況でありますことから、一般会計に移行する提案をさせていただいております。
高崎山自然動物園は大分市民共有の財産であり、今後は、観光資源として活用を図るとともに、自然教育、学術研究などの面も重視し、一般会計化を契機に市内の小中学生の入園料の無料化、市民無料の日の設定、小学生の学習教材の開発等に取り組むこととしており、市民の憩いの場としてさらに市民に利用され、愛される施設を目指してまいりたいと考えております。
また、一般会計に移行いたしましても、独立採算に限りなく近づけるためこれまで以上に経営努力を行うとともに、収支を明確にし、市民に公表する所存でございます。
次に、今後の防災士の養成計画と、防災士に期待することについてのお尋ねでございますが、本市が平成18年度より取り組んでおります防災士養成事業は、自主防災組織におけるリーダーとしての役割を担う人材を養成するとともに、その知識と技能を生かし、自主防災組織のさらなる活性化を図ることを目的として取り組んでいるものでございます。
今年度までに405名の防災士が誕生し、新年度も100名の防災士を養成することといたしており、今後も引き続きすべての自主防災組織に早期に配置できるよう、積極的に取り組んでまいります。
なお、既に活動している防災士に対しましては、フォーローアップ研修や情報提供などを継続し、自主防災組織におけるリーダーとしての活動がスムーズに行われるよう支援を行うとともに、その知識と技能を生かし、行政等の防災関係機関と連携の上、地域の実情に即した防災訓練等の活動に取り組むよう働きかけを行い、自主防災組織のさらなる活性化を目指してまいりたいと考えております。
次に、消防行政の2点の御質問にお答えいたします。
1点目の、消防機能の強化についてでございますが、本市の消防力は、4課3消防署2分署8出張所、車両77台、人員462名体制で、あらゆる災害に対応できるよう鋭意取り組んでいるところでございます。このような中、地震等の大規模災害に備えて昨年10月に中央消防署に高度救助隊を発足させたところであります。さらに新年度には、新たな救急隊の配備や新出張所の建設着手など、施設の増強を図るとともに、技術伝承を目的とした教育訓練、消防大学校等への派遣研修を推進するなど、総合的な消防機能の強化に努めてまいりたいと考えております。
2点目の、消防団の充実についてでございますが、本市においても、少子高齢化の進展や就業構造の変化に伴い、年々団員確保が厳しくなってきております。このような中、合併後の師団制や女性分団制導入など、団員が活動しやすく魅力ある組織づくりに努めてきたところでございます。
今後とも、防災講演会や地域活動を通じての団員確保や施設の改善を図るとともに、社会情勢の変化にも的確に対応できる消防団の充実に努めてまいりたいと考えております。
次に、おおいた夢色音楽プロジェクトの開催意義と広報についてのお尋ねでございますが、このプロジェクトは、年間を通して音楽が流れるまちづくりを行い、地域の活性化につなげようと昨年スタートさせたもので、おおいた夢色音楽祭を初め、どこでもコンサートやいかした大人たちのバンドフェスなどを開催し、多くの市民の皆さんに身近な場所で生の演奏に触れていただくとともに、アーチストの掘り起こしと発表の場の提供に努めたところです。特におおいた夢色音楽祭は、プロジェクトのメーンイベントとして昨年11月1日、2日の両日開催され、商店街の一角や公園など、延べ22カ所のステージに、県内外から117組580人が出演し、ジャズやフォークなどさまざまなジャンルを思う存分披露していただき、市内中心部は終日にぎわいに包まれ、3万人を超える市民の皆さんに楽しんでいただいたところです。
この音楽祭の運営は、市民ボランティアによる実行委員会形式で行われ、広報に当たりましては、音楽祭のホームページを立ち上げるとともに、チラシやポスターを県内外に配布したほか、地元メディアの活用等、工夫を凝らしたところです。
今後は、音楽祭の充実に向け、より効果的な広報に努めるとともに、会場の選定、出演者の募集方法など、引き続き実行委員会と連携を図り、本市の新たな文化として、また、全国に誇れるイベントとして育ててまいりたいと考えております。
次に、市民福祉の向上についての御質問にお答えいたします。
まず、児童福祉の充実についてでございますが、本市ではこれまで、「すこやかに子どもの育つ大分市をめざして」を基本理念として、子供の視点に立った環境づくり、次代の親づくりという視点での健全育成、すべての子供と家庭への支援、地域における子育て支援の強化を基本とした次世代育成支援行動計画に基づき、保育所入所待機児童の解消、一時保育、休日保育等の特別保育事業の充実、また、親子が安心して遊べる場所、集える場所としてのこどもルーム事業の拡充等、ソフト面及びハード面でのバランスのとれた子育て環境の整備に努めてきたところでございます。
次代を担う子供たちが健やかに育ち、安心して子供を産み育てることができる社会を構築していくことは、将来の大分市にとって最も重要な課題の一つととらえており、新年度には、新たに次世代育成支援行動計画の後期計画を策定することとなっておりますことから、現行計画の検証に努めるとともに、広く市民の意見を聞きながら、厳しい財政状況の中ではございますが、すべての子供が夢を持ち、生き生きと健やかに育つ子育て環境の構築を目指して、各種施策に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
次に、高齢者施策についてでございますが、本市では、高齢者が心身ともに健康で、明るく安心して生きがいのある生活を送れる社会の実現を目指すため、ファミリーサポート事業やワンコインバス事業、地域ふれあいサロン事業、生きがい対応デイサービス事業など、各種事業の展開を図り、地域での触れ合いを高め、住みなれた自宅や地域で安心して住み続ける環境づくりに取り組んでいるところでございます。
また、地域住民の心身の健康の保持及び安定を図るため、新年度から地域包括支援センターを現在の15カ所から17カ所に増設し、よりきめ細かな地域の高齢者福祉の推進に努めてまいりたいと考えております。
さらに、介護予防の推進を図るため、要介護状態になる前の段階から継続的、効果的な介護予防サービスを行うとともに、住みなれた地域で生活継続に重点を置いた在宅介護サービスの充実など、地域ケアの推進に取り組んでおります。
また、大分市高齢者虐待防止ネットワーク運営委員会の設置や大分市特別養護老人ホーム協議会による大分あんしんみまもりネットワーク事業などが実施されており、本市といたしましても、地域での見守り体制の整備、ネットワークづくりや徘回高齢者の安全確保と家族への支援について、市民協働により積極的な取り組みをしてまいりたいと考えているところでございます。
次に、障害者の自立支援についてでございますが、働くことを希望する障害者が意欲と能力を最大限発揮するためには、障害者の適性に応じた雇用の場の確保が重要であると考えられますことから、本市では、リサイクルセンターのペットボトル等の選別作業、公園等の清掃、さらには温泉施設の管理運営などの業務を委託しているところでございます。また、就労の場の提供として、鶴崎、稙田市民行政センター、コンパルホールの喫茶軽食コーナーを活用するなど、就労を通しての社会参加の促進のための支援を行っております。
さらに本市では、市職員として身体障害者の雇用は進んでおりましたものの、知的及び精神障害者の雇用実績がなかったため、昨年5月に大分市知的・精神障害者雇用促進プロジェクトを立ち上げ、検討した結果、本年4月より、精神障害者1名、知的障害者3名を嘱託職員として採用し、一般就労に向けた養成、指導等を行うことといたしております。
今後、雇用対策や工賃の向上の取り組みをより一層推進するため、大分市障害者自立支援協議会の分科会であります就労支援部会におきまして、障害種別、特性に応じた支援体制のあり方、一般就労に向けたネットワークづくりの検討など、関係機関との連携を強化し、総合的な支援に取り組んでまいりたいと考えております。
次に、中心市街地活性化についてお答えいたします。
まず、中心市街地活性化基本計画についてでありますが、国による計画認定後直ちに、法定協議会のワーキング委員会にまちなか・リニューアル研究部会などの専門部会を新設し、大分商工会議所、大分まちなか倶楽部、商店街、民間事業者などと連携を図りながら、計画にある57事業について順次積極的な推進を図っているところでございます。
具体的には、民間部門では、百貨店と周辺の商業機能を高める事業や新大分第6ビルリノベーションの完成、にぎわいづくりとして、毎月第3土曜日におけるハニカムステージやまちなか市場の開催とその定着化、さらには、本市の取り組みとして、商都復活支援事業など、空き店舗対策を初め、8つの支援策を実施しているところでございます。
今後は、中央通りの人優先空間への再整備やトキハ会館前のチャレンジショップの検討、さらには、サティ閉店後の対策を含めて、関係機関と連携強化を図り、新たな民間事業の発掘や国からの助言等もいただきながら、ハード・ソフト両面から確実な事業展開に努めるとともに、新商業統計や歩行者通行量等を検証し、基本計画のフォローアップも行ってまいります。また、大分県との協議につきましても、民間事業に係る国の補助金の受け込みや各種の事業展開に当たり、密接な連携を図っているところでございます。
次に、大分市複合文化交流施設整備事業についてお答えいたします。
まず、中心市街地の活性化を行う上で、当施設の果たす役割についてのお尋ねでございますが、複合文化交流施設は、これからの新しい大分の顔となる駅南・情報文化新都心の中核施設として、子供からお年寄りの方々まで、あらゆる市民や団体、企業や大学等が活用し、さまざまな交流の場となることを目指しているところでございます。
当施設は、市民ホール、市民図書館、総合社会福祉保健センター等の公共機能とにぎわいの創出を担う民間機能をあわせ持つ大分の新しいシンボルとして、多くの市民の皆さんが集い、学び、交流を深めることによって市民力が醸成され、「人と文化と産業を育み、創造、発信する新都心拠点」としての役割を果たすことはもとより、あすの大分を担う市民に将来の希望をもたらすものと大いに期待いたしているところでございます。
次に、発注を市内業者に絞ることはできないかとのお尋ねでございますが、本事業は、公募型プロポーザル方式により民間事業者を募集及び選定することといたしております。その募集、選定に当たりましては、市内業者の育成及び地域経済の活性化に資するため、まず募集要項において、構成員及び協力会社の参加資格要件に、建設企業のうち1社は必ず本市に建設業法に基づく本店を有し、入札参加資格の認定を受けた者とすることとの項目を設け、また、より広く地元企業の参加が得られるよう、実績要件などさまざまな配慮を加えております。
さらに、民間事業者を決定する際の評価基準につきましても、市内業者が参入しやすいよう、加算要素として、地元の企業、人材の活用等による地域経済の活性化の項目を設けたところでございます。
なお、去る1次審査受付日の3月13日に、二つのグループから応募があったところでございます。
次に、交通渋滞対策についてお答えいたします。
まず、都市計画道路庄の原佐野線についてでございますが、本路線は、市街地の生産活動や都市活動を支え、中心市街地の交通渋滞の緩和に大きく寄与できる道路として、大分インターチェンジから都市計画道路下郡中判田線、通称米良バイパスまでの約6キロメートル区間が地域高規格道路として指定されているところでございます。
このうち、椎迫入り口交差点から国道10号元町交差点までの約2.2キロメートル区間につきましては、整備区間への指定を受ける中、これまで県と市において整備を進め、御案内のとおり、昨年9月に供用開始されたところでございます。
お尋ねの元町交差点以東の整備計画につきましては、都市計画道路萩原鬼崎線下郡工業団地入り口交差点までの約1.2キロメートルがこれまで調査区間となっており、これが整備区間に指定されることが必要となりますことから、地元で組織する滝尾・明野地区促進期成会とともに、早期指定を目指し、国、県へ強力な要望活動を展開してきたところでありますが、去る3月13日に開催されました国の社会資本整備審議会の道路分科会において、整備区間としての指定が決定されたところであり、今後は、県と一体となり、一日も早い着工を目指してまいりたいと考えております。
次に、大野川の新架橋計画についてでありますが、東部地域における交通渋滞対策につきましては、これまでも大野川大橋有料道路の通行料金の割引時間帯の拡大や、大型車の料金値下げ、また、鶴崎橋東交差点の部分改良などが実施されているところでありますが、いまだ鶴崎橋東交差点などでは慢性的な交通渋滞が続いている状況でございます。
お尋ねの新架橋につきましては、東部地域の交通渋滞の緩和や企業誘致の促進、産業経済活動等に大きな効果が期待されており、鶴崎、大在、坂ノ市、佐賀関地区の自治会や商工会議所、企業代表者等による大野川新架橋促進期成会から、毎年要望を受けているところでございます。
本市といたしましても、新架橋の必要性は十分認識いたしておりますことから、大分市都市計画マスタープランに新架橋構想を掲げており、東部地域の重点課題として受けとめ、今後とも県へ粘り強く働きかけてまいりたいと考えております。
次に、国道10号旦野原-中判田間の拡幅についてでございますが、南部地区における国道10号につきましては、国土交通省による旦野原交差点の改良や戸次-犬飼間の拡幅改良、高江団地入り口交差点の改良事業の実施により、旦野原交差点の交通渋滞が解消され、中判田地区以南においては円滑で安全な交通の確保が図られたところでございます。
しかしながら、御指摘の旦野原-中判田間約2.7キロメートルにつきましては、前後の4車線から2車線へと不連続な車線構成の上に、1日当たり交通量も約3万5,000台と多く、朝夕は恒常的な渋滞が発生しており、抜本的な対策として、4車線化の必要性を認識いたしているところでございます。
このようなことから、本市といたしましても、毎年、県政重点事業への取り組みとして、国への第1次要望が始まる6月に、県知事や県議会に対し、当該区間の拡幅事業の早期着工について要望いたしているところでございます。
今後とも、県知事、県議会への要望はもとより、国に対しましても、各種協議会などの場において、機会あるごとに強く働きかけをしてまいりたいと考えております。
次に、環境対策についての2点の御質問にお答えいたします。
1点目の、産業廃棄物最終処分場に対する市の取り組みについてでございますが、産業廃棄物につきましては、排出事業者や処理事業者が、みずから排出抑制、減量、資源化、再生利用を図り、埋め立てなどの最終処分を極力減少させるよう、適正処理に努めているところであります。
しかしながら、このような中で、埋め立てせざるを得ないものが現実には相当の量残ることから、最終処分場が必要となってまいりますが、施設設置に当たっては、廃棄物処理法に基づき、施設の構造や維持管理計画、申請者の能力などが許可基準に適合しているかどうか厳正に審査することとしており、施設設置後は、維持管理が適正になされるよう、徹底した監視、指導を行っております。
また、本市では、住民の理解を得て、円滑に設置し、生活環境の保全を図ることを目的とした大分市産業廃棄物処理施設等に関する指導要綱を定めており、事前協議の段階から、立地環境について十分配慮するよう協力を求めております。
今後とも監視、指導に努めながら、地域住民の皆さんの不安の解消を図るとともに、地域の生活環境を保全するため、最大限の努力をしてまいりたいと考えております。
2点目の、不法投棄に対する市の取り組みについてでございますが、不法投棄の撲滅につきましては、最重要課題の一つとして位置づけ、その解決に向けて、職員や産業廃棄物監視員によるパトロールの実施や、不法投棄監視カメラによる常時監視、また、看板の設置や市報、キャンペーン等による啓発活動を行うなど、積極的に取り組んでいるところでありますが、残念ながら不法投棄が後を絶たないのが現状でございます。
このようなことから、平成20年度から、不法投棄が多発傾向にある地域を対象に、地域住民の皆さんが協働して監視し、情報を共有することにより、不法投棄の未然防止を図る不法投棄監視ネットワーク事業を立ち上げ、既に11自治区において、不法投棄監視団体が活動を始めているところでございます。
今後、このような取り組みをさらに充実強化していくことにより、不法投棄のない、きれいなまちの実現を目指してまいりたいと考えております。
次に、水道行政に関する御質問にお答えいたします。
まず、老朽化した水道施設等の更新についてでありますが、水道施設は、平常時の安定給水はもとより、災害時においても市民生活に支障の生じることのないよう、常に高い安全性を確保することが求められております。
施設の更新に当たりましては、経年施設を対象に計画的に実施しておりますが、本市の場合、昭和40年代から50年代にかけて急速に増加した水需要に対応するため集中的に整備してきた多くの施設が、現在更新時期を迎えております。
これらの施設の更新には多額の事業費が必要となりますことから、限られた財源を有効に活用し、効率的な更新を行うため、中期財政計画との整合性を図りながら、現在、水道施設の更新、改良に主眼を置いた施設整備計画を策定いたしており、今後はこの計画に基づいて、より信頼性の高い水道施設の整備を図り、水道事業の最大の使命であります安全、安心、安定の確保に努めてまいる所存でございます。
次に、水道未整備地区の今後の対応策についてであります。
未整備地区の解消は、市民生活の上からも切実な問題として受けとめており、これまでも地元の皆様方と協議を重ねる中で、鋭意取り組みを進めてまいりました。今後におきましても、事業の緊急性、優先度を勘案する中で、引き続き事業の計画的な実施に努めてまいりたいと考えております。
以上で私の答弁を終わらせていただきます。
○議長(仲道俊寿) 足立教育長。
○教育長(足立一馬)(登壇) 教育行政についてのお尋ねにお答えをいたします。
まず、仮称大分市スポーツ振興基本計画についてでございますが、スポーツは、人生をより豊かにし、充実したものとするとともに、明るく活力に満ちた社会の形成や個々人の心身の健全な発達に必要不可欠なものであり、人々が生涯にわたってスポーツに親しむことは、極めて大きな意義を有しております。
このようなスポーツの果たす意義、役割を考えたとき、市民のニーズや期待に適切にこたえ、市民一人一人がスポーツ活動を主体的、継続的に実践できるようなスポーツ環境を整備充実することは、
地方公共団体の重要な責務であると考えております。
こうしたことから、「チャレンジ!おおいた国体」「チャレンジ!おおいた大会」後の本市のスポーツ振興の総合的な指針として、仮称大分市スポーツ振興基本計画について大分市スポーツ振興審議会に諮問をし、現在、平成21年度中の策定を目指し、審議を重ねているところでございます。
本計画では、スポーツ好きな市民をふやし、自分に合った形でスポーツとかかわり合いを持つことを目的に、また、「する・みる・支える・つながるスポーツ」をキーワードに、人材の育成、場の整備などのスポーツ環境の充実について検討しているところでございます。
次に、今後の幼稚園教育の振興と格差問題についてでございますが、幼稚園教育は、健康な体、豊かな感性や創造性を養うとともに、基本的な生活習慣を形成するなど、義務教育及びその後の教育の基礎を培う上で極めて重要と認識をしております。
本市におきましては、幼児期の教育の重要性にかんがみ、今後10年間の指針となる仮称大分市幼児教育振興計画の策定に当たり、平成20年5月、有識者等から成る大分市幼児教育振興検討委員会を設置したところでございます。
幼稚園教育の振興と格差問題につきましては、この中で、市立幼稚園の適正配置の基準、保育料の保護者負担軽減を図る私立幼稚園の就園奨励費や子育て支援保育利用者に対する支援の充実等について、本市幼稚園教育の現状と課題を踏まえ、豊かな教育環境の創造と効率的な行財政運営の両方の側面から、慎重に検討を重ねているところでございます。
今後とも、幼稚園教育の重要性にかんがみ、充実した環境のもとで、幼児の健やかな成長を促すため、家庭、地域社会、幼稚園が一体となり、幼児の豊かな心と夢をともにはぐくむ教育の創造に努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
○議長(仲道俊寿) しばらく休憩します。
午前11時47分休憩
◇――――――――――――――――――◇
○議長(仲道俊寿) 休憩前に続いて会議を開きます。
午後1時0分再開
○議長(仲道俊寿) 次に参ります。
社会民主クラブ代表。12番、安東議員。
○12番(
社会民主クラブ 安東房吉)(登壇)(拍手) 12番、
社会民主クラブの安東房吉です。
2009年第1回定例会におきまして、市政全般にわたり、
社会民主クラブを代表いたしまして、提言、要望を交えながら質問していきたいと思います。
まずその前に、2月22日投開票の
大分市議会議員選挙は、議員定数が2名減の46名となり、それに対して55名の立候補という、かつてない激戦となりました。我が会派では、ベテラン議員など3名が勇退する中、2名の新人と現職6名の合計8名の候補を立てましたが、8名全員が見事当選を果たし、引き続き第2会派の栄誉を確保できました。
これは、今の徹底した競争社会、格差社会にあって、苦しい立場に追いやられている市民や、今の政治の流れを変えなければと思っている市民の、我が会派に対する厚い支援の結果と受けとめ、今後とも、社会的弱者と言われる市民の目線を大切にしながら、市政の監視と推進に努めていく所存ですので、よろしくお願いいたします。
まず1点目は、市長の政治姿勢についてであります。
2000年に地方分権一括法が施行され、権限が国から地方に移譲され、地方分権時代の自立した地方自治体が求められるようになりました。その後、三位一体改革で、税源は地方に移譲されたものの、それを上回る国からの補助金の削減や地方交付税の縮減で、地方の財源は厳しいものになってきました。
国などからの依存財源が必要な地方都市と、税源が多く自主財源の多い大都市との間に地域間格差が生まれています。しかし、それはそれぞれの自治体の自己責任とされ、自治体間が競争させられる状況になったのです。
人口や産業の状況がそれぞれ違い、初めから差のある中での
自治体間競争は、本当に公正公平なものと言えるでしょうか。いたずらに競争させ、自治体の財政の悪化は自己責任だとして片づけるのは、政治や行政の責任を放棄していると言えます。必要度の低い大型公共事業や予算の無駄遣いなどによって市の財政を悪化させることはしてはなりませんが、市民が一定の文化的生活が送れるよう福祉の充実を図ることは、政治や行政の責任であろうと考えます。
競争を意識し過ぎた行政の効率化だけでは、ゆとりが必要な福祉や教育などにおいては、十分な対応にはなり得ないのではないでしょうか。行政の効率化と市民福祉の充実についての市長の御見解をお聞かせください。
ことしは釘宮市政2期目の3年目、ちょうど折り返し点となります。これまでの釘宮市政を見てみますと、地方分権一括法が施行されて間もなく、2003年に釘宮市政がスタートしました。このとき市長は、市政オープン宣言を掲げ、おでかけ市長室を各校区ごとに開催し、市長が直接、市民に市の財政状況を知らせるとともに、市民協働のまちづくりを呼びかけられました。これまでの開催は142会場で、参加市民は1万767人に上ると聞きます。
市民もそれにこたえたのか、「ギネスに挑戦「全市いっせい ごみ拾い大作戦」」では、14万6,679人もの参加で、世界一の記録を達成しました。これは、市民が一緒になって大分のまちをつくろうという機運を醸成し、自立した大分市づくりへと一歩踏み出した意義あるものだと考えます。
そして、昨年9月、10月に行われた第63回国民体育大会と第8回
全国障害者スポーツ大会における市民挙げての取り組みの体制づくりにも役立ったと考えられ、評価できるものです。
また、不妊治療費助成や障害者自立支援法施行に伴う利用者負担軽減の市独自の施策、こどもルームの整備拡大等、数々の施策により、NPO法人の調査で子育て環境日本一を達成するなど、市民福祉の充実を図ってきた点も大いに評価できるものです。
釘宮市政の2期目に当たり作成された「ネクスト大分構想」について質問をします。
この構想は、さらに自立した市政確立のために七つの重点政策を掲げ、より具体的なものとなっています。この構想作成から2年が経過しました。掲げた施策の進捗状況や評価、見直しはどうなっているのでしょうか。事業推進に当たり、結果を求め過ぎた取り組みはないでしょうか。この構想は、市長が市民にした公約ではありますが、実際にそれぞれの事業を遂行する部署の理念や計画との整合性や調整がきちんとされてなければなりません。
残された2年間で、この「ネクスト大分構想」をどうしていくのか。市長の御見解をお聞かせください。
次に、憲法にかかわって二つのことで質問したいと思います。
まず第1点目は、平和都市宣言でありますが、以前話題になった映画「靖国」を、先日、見る機会を得ました。その中で印象に残ったシーンがあります。
靖国神社の境内で、1人のアメリカの若者がアメリカの国旗、星条旗を持ち、一方では「小泉首相を支持します」というプラカードを掲げて立っていました。それに対して、靖国神社に参拝していた日本人の数名がその若者を取り囲み、「靖国神社に星条旗は要らない。帰れ、帰れ」と何度も何度も叫びながら、とうとう鳥居の外に追いやってしまいました。そのとき言った言葉が、「我々は広島、長崎を忘れないぞ」でした。このアメリカの若者を追いやった日本人は、日本を攻撃したアメリカの星条旗が靖国神社に掲げられたことに怒り、アメリカによって甚大な被害をこうむった広島、長崎のことを言ったのだと思います。
このように、だれであろうと、家族や友人、さらに同胞が受けた戦争の被害は忘れることのできないものです。だから、同じように、韓国、朝鮮、中国を初め、東南アジアの人々は、第2次世界大戦で旧日本軍から受けた被害を、日本人がどう正当化しようが、忘れられないのです。我々日本人は、このことを深く受けとめ、二度と武器を持たないことが、これらの国々の人々の理解を得ることになると考えます。その象徴が平和憲法であろうと思います。
2001年9月11日、アメリカで起こったいわゆる9.11事件後の10月7日に、テロとの戦いという大義名分で、アメリカ軍を中心にした多国籍軍がアフガニスタンを侵攻し、さらに2003年3月20日、アメリカ軍とイギリス軍がイラクを一方的に攻撃を開始しました。
これらの戦争は、テロとの戦いを標榜しながらも、テロをなくすことができなかったどころか、憎しみの連鎖となって、世界じゅうにテロを広がらせたと言えます。アフガニスタンやイラクの情勢はますます泥沼化し、被害者も軍人だけでなく、民間人も多く、死傷者はふえ続けていると言われます。私たちは、貧困などテロの起きる原因を見きわめ、その解決に平和的な支援をすることが大切だと考えますし、外交的にも日本が平和的解決をリードすべきだと考えます。
これまで多くの日本の民間人が、NGOとして、中東アジアや東南アジアなどで、医療や農業、開発、難民救済などの事業で活動を続けています。それを国として支援することが大切であろうと考えます。
このようなNGOで医療支援をしていた日本の男性が、ある雑誌のインタビュー記事で、「アラブの人々は物すごく日本に対してフレンドリーですね。よその国より日本のことが好きだったのに、イラク問題でおかしくなりかけた。アラブはテロ社会で怖いと思い込んでいるけど、決してそうでなく、そういう状態に僕たちが追い込んでいるということを自覚しないといけないと感じます。僕たちがもう一度リセットすれば、フレンドリーにやっていけるのではないかと思う。特に日本人は、彼らから好かれているということを改めて自覚したほうがいい」と言っています。
イラク戦争が起きたころ、日本のマスコミには、このような中東アジアの国で人道支援してきた方々が多く出演しました。その人たちは、ほとんど異口同音に、日本人は信頼されているという趣旨のことを言っていました。
それは、日本が戦争をしないと誓った憲法9条を持ち、戦後60年間戦争をしていない国であり、その日本の平和的人道支援に他国の人たちは本当に信頼を寄せているからではないでしょうか。まさにこれは、平和憲法の力と言えます。
国は、2008年9月以降発生しているソマリア沖の海賊襲撃事件に対して、14日午後、海上自衛隊の護衛艦を2隻派遣してしまいました。これは、武力による威嚇を禁止した憲法をないがしろにするものでありますし、憲法を簡単に変えてしまう危険性もあります。国際慣習法では、どの国も公海上で海賊を逮捕し、自国で裁判にかけられるといいます。であるならば、逮捕権を持ち、その訓練を受けている海上保安庁の派遣のほうが適切だと考えます。また、この海賊は、ソマリアが破綻国家状態になり、生活に困窮した漁民たちがそのような行為を行うようになったものと言われ、ソマリアの国情安定化への努力を続けることも大切だと考えます。
日本は、あくまでも平和憲法を基本に、アジア諸国を初め、世界の信頼を得る外交姿勢が大切だと考えます。今こそ、平和憲法の存在の大きさを認識すべきときではないでしょうか。
大分市では、1984年12月24日に、この憲法の理念に沿って、「憲法に掲げられている恒久平和の理念に基づき、非核三原則を守り、大分市民の平和と安全のため全力を尽くすことを誓い、ここに「平和都市」とすることを宣言する」とうたった平和都市宣言をしました。
あれからちょうど25年になります。この節目になる年に、平和都市として何らかの取り組みをすべきではないでしょうか。市長の憲法に対する思いも含め、御見解をお聞かせください。
次に、人権教育、啓発についてであります。
憲法第14条の第1項には、「すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において差別されない」とあります。この憲法ができて六十数年が経過しました。しかし、我が国固有の人権問題である同和問題はいまだに解決を見ていません。また、女性に対する差別、子供や高齢者への虐待といったさまざまな問題に加え、最近ではインターネット上における人権侵害が大きな社会問題になっているなど、人権をめぐる状況は、大変厳しいものであると言わざるを得ません。
とりわけ同和問題においては、1965年の同和対策審議会答申の中で、「その早急な解決こそ国の責務であり同時に国民的課題である」とされ、その後、さまざまな対策事業に取り組んできました。また、1996年の地域改善対策協議会意見具申を受け、一般対策移行後も、差別意識の解消に向けた教育、啓発を広く進めてきたにもかかわらず、今現在においても悪質な差別事象が後を絶ちません。
各地の役場に、あの地区が同和地区かどうか教えてほしいという問い合わせの電話がかかっていると聞きます。中には、明らかに結婚差別を目的としていることがわかる問い合わせもあるそうです。また、賤称語を使った差別落書きも数多く発見されております。さらに、ネット上では、同和地区を写真つきで集めた差別サイトまで立ち上げられていたという悪質きわまりない事例まで報告されています。同和地区やその出身者を排除しようとする差別心が社会に根強く残っていることは明白な事実です。
このような問題を、私たちは自分自身の問題としてとらえ切れているのでしょうか。差別は、就職や結婚など、その人にとって利害関係が生じたときや感情的になったときなどに突然に出てくるものです。時として自分自身が差別の当事者になる可能性もあるのです。そうならないために、一人一人が人権問題を正しく理解する学習を積み重ね、常に人権感覚を磨いていくことが何よりも大切です。そして、差別を許さない雰囲気を社会全体でつくり上げていくことが必要です。
このことから、大分市人権・同和教育推進連絡協議会には、学校や企業などさまざまな団体が連携して人権問題を深く学ぶ研修を重ねるとともに、街頭啓発を行うなど、差別の解消に向けて取り組んでいるところです。
そこで、同和問題を初めとする、あらゆる人権問題の解決に関する今後の取り組みについてのお考えをお聞かせください。
次に、財政についてです。
昨年10月の臨時議会で承認された平成19年度大分市歳入歳出決算審査特別委員会の委員長報告によりますと、一般会計の歳入決算額は1,543億4,251万円、歳出決算額は1,485億5,789万円で、実質収支は52億7,458万円の黒字となっています。
内訳を見ますと、収入では、地方交付税などのいわゆる依存財源が22億4,871万の減で、構成比も2ポイント減少している半面、市税などいわゆる自主財源が48億7,988万円の増で、構成比も2ポイントの増となっています。また、市債の発行残高は、一般会計と特別会計を合わせて3,124億9,593万円で、前年度より25億7,333万円ほど減少しています。
このように、19年度決算では依存財源が減少し、自主財源が増加したことと、市債の発行残高を減少させていることなどは評価されることであります。しかし、19年度の財政指標では、前年度に比較すると、経常収支比率は3.2ポイント上昇の93.4%、公債費比率は0.4ポイント上昇の17.0%と、財政の弾力化が失われつつあると言えます。
さて、2009年度当初予算では、昨年度予算と比較して、地方交付税は3億6,000万円の増額を見込んでいるものの、世界的な経済不況を反映して、法人市民税を中心に、市税収入は25億5,000万円もの大幅な減少となっています。歳出では、義務的経費である扶助費が11億8,000万円ほど増加、公債費も11億2,000万円ほど増加しており、財政の硬直化がさらに進んでいるように思えます。
今後、世界的な景気後退が続く中、景気の下降局面が長期化、深刻化するおそれが高まっており、国も地方も財政状況がますます厳しくなると考えます。本市においても、交付税等の依存財源と市税などの自主財源ともに、安定的な確保はさらに困難な状況になる中で、少子高齢化への対応や、新たに雇用、経済対策への取り組みも必要になってくると思います。
そこで、お尋ねします。
21年度当初予算編成における財政運営の健全化のための取り組みについてお聞かせください。
さて、2005年1月1日に旧佐賀関町と旧野津原町が旧大分市に合併して、4年が経過しました。この間、合併建設計画に基づいて、大分市保健所建設、佐賀関市民センターの建設、野津原中部小学校の耐震化事業などの事業を実施してきていますが、こうした事業の推進に当たり、本市では合併特例債を活用しているようで、その市債残高も危惧されるところです。
合併特例債は、国が返済の7割程度を交付税措置をする起債とはいえ、市にとっては借金であることは間違いありません。大分市の場合、2005年度から10年間でおよそ300億円ほどの発行が可能と聞いていますが、合併特例債の発行と償還状況及び今後の活用についてのお考えをお聞かせください。
次に、地域経済についてであります。
小泉内閣後の日本は、徹底した競争社会となり、大都市と地方都市、大企業と地方の地場中小企業との競争は激しく、すべからく、力ある大都市や大企業の勝ちとなり、地方都市の商店街はどこもシャッター通りとやゆされるほど寂れていきました。さらに、地方の中小企業も次々と倒産していっています。
ちなみに、大分市の負債総額1,000万以上の倒産件数について、ここ数年の様子を見てみますと、2002年が74件、03年が65件であるのを初め、昨年の52件と、この7年間に実に353件もの倒産が報告されています。本市の経済は、本当に厳しくなっています。地方で頑張っていたしにせや地場企業が倒産しており、多くの市民が職を失っているのです。
さらに、この競争激化の中、派遣社員制度の規制緩和も進められ、派遣労働者を初め非正規雇用の労働者はどんどん増加し、2008年には1,200万人にもなっていると言われます。この制度は、安い労働力を求める企業のためのものであり、年収300万や200万円以下という安い賃金で長時間労働を強いられているのです。正社員とは違い、労働基準法で守られるはずの権利もなく、不安定で収入の少ない厳しい生活を余儀なくさせられているのが実態であり、働いても貧困から抜け出せない、まさにワーキングプアの状況です。
このようなとき、アメリカのサブプライムローン問題から起こった世界的な経済不況を契機に、大分キヤノンなどの非正規社員のいわゆる解雇問題が発生したのです。昨年末、大分キヤノンでは1,097名、キヤノンマテリアルで80名、東芝大分で380名もの人たちが働く場を追われたのです。これは、何の権限もない非正規雇用者の厳しい立場が浮き彫りにされた事件ではないでしょうか。
このような状況は、国の政治を変えなければ根本的な解決は難しいものでしょう。その中、市としては、緊急的に臨時職員として35名ほどの雇用を行いました。
国においては、雇用、失業情勢が厳しい地域において、ふるさと雇用再生特別交付金と緊急雇用創出事業という事業を実施すると聞きます。いずれも、国から県に交付金を交付し、県はそれを基金として市町村に補助をする仕組みのようであります。この事業の活用もすべきでありましょう。
以上のような市が行っている事業や国の緊急雇用創出事業は一時的なものでありますが、地域の地場企業や産業を守り育て、誘致企業への働きかけなどを通して地域経済の活性化を図り、それと同時に、地域における長期的な安定的雇用の確保に最大限の努力をすることが、市民生活を守るべき大分市行政に課せられた最優先課題だと考えます。
今、競争が激しくなって、厳しい状況にある地場の中小企業を守ることや、雇用の確保についての市長の御見解をお聞かせください。
次に、福祉行政について幾つかの点で質問したいと思います。
まず1点目は、子育てについてであります。
さきにも述べましたが、東京のNPO法人が主要都市49市と東京23区を対象に行った次世代育成環境ランキング調査で、見事3年間連続、我が大分市が1位を獲得しました。
1位になった子育て環境の要因はいろいろあると思いますが、一つの大きな事業にこどもルーム事業があります。1998年に府内こどもルームを皮切りに始まったこのこどもルーム事業は、今は市内8カ所に開設され、多くの子育て中の若い親と子でにぎわっています。
資料によりますと、ここ数年間は、毎年10万人以上の利用となっており、若い親にとっては子育てに欠かせない施設になってきていると言っても過言ではないと思います。このように利用度の高いこどもルームを今後さらに拡充することを要望しておきます。
次に、働きながら子育てする若い親にとって必要な、保育所の待機児童解消についてであります。
市の努力によって、待機児童数も以前に比べだいぶ減ってきてはいます。しかし、資料では、親の就職先が決まり、認可保育所のあきを待っている待機児童は、2007年10月で64名、2008年10月で56名と、かなりの人数になっています。
これに加え、最近問題になってきているのが、就職先を探しながら保育所のあきを待っている人たちです。最近の経済不況の中で、働きたいがなかなか就職先が見つからず、幼児を抱えての仕事探しをしている人がふえているのです。就職先が決まってないため保育に欠ける対象からは外され、入所を申し込んでも優先順位が低く、なかなか保育所への入所ができません。
市の資料によりますと、このような就職活動中の親の場合、保育に欠けるという認定がされてないために、先ほどの待機児童数には入ってないといいます。待機児童ではなく、保育所の入所希望を出している人は、2008年で80名ほどといいます。この人たちのすべてが就職先を探しているとは言えないかもしれませんが、今の社会状況から考えて、かなり割合の方が、子供を抱えての就職活動中なのではないでしょうか。ハローワークの証明や地域の役員の証明などで就職活動中を認定するなどして、優先順位を考慮するなどの方法がとれないでしょうか。
いずれにしましても、子育て環境を充実したものにするには、待機児童の解消は必要です。御見解をお聞かせください。
次に、高齢者福祉についてであります。
まず1点目は、介護従事者の処遇改善についてであります。
我が国の高齢化が進む中、介護が必要になった人々を社会全体で支援する仕組みとして2000年4月に始まった介護保険ですが、5年目に持続可能な制度にと見直しをされ、2006年4月から、介護予防を重視する内容の改正介護保険法が施行されました。
しかし、近年になって、介護従事者の賃金が低いなどのため離職率が高く、事業者にとっても人材確保が困難になっているという実態が明らかになりました。聞くところによりますと、10年働いても年収200万円前後にしかならないといいます。これでは家庭を支えていくことは困難であります。まさにワーキングプアそのものと言えます。このような実態を受け、昨年の国会で、介護従事者等の人材確保のための介護従事者の処遇改善に関する法律が成立しました。
そして、介護従事者の処遇改善に資するために、今年度から介護報酬を3%引き上げることになりました。全国的に問題になりました介護従事者の処遇改善はぜひとも必要でありますが、今回提案されている介護報酬の3%引き上げには問題点があります。
まず、介護サービスを受ける人は1割負担ですが、その負担が増加することになります。そのため介護サービスが受けにくくなります。負担が増加しないための財源の確保も必要であります。
次に、この引き上げによって事業者には収入増になりますが、従事者の賃金は事業者との間で決められるものとなっており、事業者の収入増が直ちに従事者の賃金アップにならない場合が考えられることです。これでは何のための介護報酬の引き上げか、わかりません。行政が事業者を指導するなり、何らかの基準や罰則規定など、必要ではないでしょうか。
喫緊の課題である介護従事者の処遇改善に対して、行政が何らかの手だてを講ずる必要があると考えますが、御見解をお聞かせください。
次に、長寿いきいき安心プランについてであります。
介護保険制度が2000年度に始まり、2006年度には制度の改定が行われ、さらに、昨年2008年度に介護従事者の処遇改善に関する法律が成立しました。
大分市でもこれに呼応するように、平成18年度から20年度を対象とする第3期大分市介護保険事業計画及び大分市高齢者保健福祉計画を見直し、平成21年度から23年度を対象とする大分市高齢者福祉計画及び第4期大分市介護保険事業計画を策定しました。このことについてお尋ねします。
高齢者ができる限り健康で、地域で生きがいを持てるようにし、介護が必要になった人たちを社会全体で支援し、できる限り地域で生活できるようにする制度が大切ではないでしょうか。また、平成26年度を目標年度として、介護保険をどのような計画に仕上げようとしているのでしょうか。さらに、計画の第3期では、介護予防に関する事業の推進などが盛り込まれていましたが、今回策定された第4期の計画の主な改正点はどういう内容なのでしょうか。
以上3点についての御見解をお聞かせください。
次に、障害者福祉について要望いたします。
2006年4月から施行された障害者自立支援法は、障害者が地域で自立し生きていくためという理念でありますが、現状を認識せず、余りにも拙速な施行であったために、逆に地域で生きていくことを困難にしていると言えます。まだ収入の少ない障害者が多い中で、サービスの利用に応じた応益負担になっているため必要なサービスが受けられなくなったり、報酬単価の引き下げで事業所も経営が厳しくなっており、サービスの低下が避けられない状況があるといいます。
このような状況をいち早く予測し、全国に先駆けて障害福祉サービスの利用者負担の軽減策を打ち出した釘宮市長には敬意を表します。このような障害者が地域で自立し生きていくための支援をする取り組みは、今後とも続けるよう要望しておきます。
次に、環境行政について幾つかの点を質問していきたいと思います。
まず、地球温暖化対策と自然エネルギーの利用についてであります。
2007年11月に、気候変動に関する政府間パネルが公表した第4次報告書によりますと、地球の平均地表気温は、この100年間で0.7度Cほど上昇し、21世紀末までに1.8度Cから4.0度Cも上昇するとされています。この温度上昇は、温室効果ガスなどの増加による可能性が高いとされています。
1997年12月に採択された京都議定書では、日本は6種類の温室効果ガスの排出量を2008年から2012年までに、1990年の排出量の6%削減する目標が定められました。国において、この目標を達成するために、京都議定書目標達成計画を策定し、産業、運輸など各部門で対策が図られています。
大分市においては、2007年12月に、地球温暖化対策おおいた市民会議を設置し、ここを中心にして、大分市地球温暖化対策行動指針とガイドブックを作成しました。この行動指針とガイドブックには、個々人で取り組むこと、家庭で取り組むこと、事業所で取り組むことなどが具体的に書かれています。この指針で地球温暖化防止に寄与しようとしているのです。
しかし、大切なのは、この行動指針やガイドブックをどう市民に伝え、意識化するかということであります。とりわけ温室効果ガスである二酸化炭素の最大の排出者は、製造業を中心とした産業部門です。このような事業所にこの指針をどう伝え、どう協力してもらうかが大きなかぎを握ると思います。
また、温室効果ガス削減に向けて、省エネはもちろん大切なことですが、エネルギーの代替として太陽光発電などの自然エネルギーの利用促進も欠かせない取り組みと考えます。そのための行政からの支援も必要なことであろうと考えます。
そこで、質問ですが、このたび策定された行動指針とガイドブックを今後どのように活用し、地球温暖化対策を進めようと考えているのでしょうか。また、自然エネルギー利用促進に向けた取り組みについてどう考えるのか。御見解をお聞かせください。
次に、降下ばいじん対策についてであります。
大分市の2008年版環境白書によりますと、新日鐵周辺の舞鶴小学校、東大分小学校、大分港振興室などで、降下ばいじんの量が他地区に比べて多いようです。実際この地域では、窓枠や車などにいつも黒っぽいほこりがたまっている、机の上がいつもざらざらして、ほこりがたまっているなどの生活環境被害や、ぜんそくや気管支炎などの健康被害もあるなど、降下ばいじんによる苦情や相談が寄せられています。
これに対して、市としては、公害防止協定において、降下ばいじんについて、以前は、1月1平方キロメートル当たり、不溶解性成分量と溶解性成分量の合量で10トン以下とすると定めていましたが、2006年3月の改正で、不溶解性成分量で6.5トン以下とすると厳しくしてきているようです。
しかし、さらに京都市では環境保全基準を独自に定めており、その中で、降下ばいじんについては、1月1平方キロメートル当たり月5トン以下とし、年平均値で評価しているそうです。
ちなみにこの基準値で大分市内の降下ばいじん量を見ますと、2008年版環境白書の資料では、大分港振興室、東大分小学校の地点での年平均値が基準値を超えることになります。このように、京都市と同じ基準であれば、より厳しい行政指導ができるのではないでしょうか。
大分市の環境を守り、市民の健康を守るべき立場にある行政として、さらに厳しい基準値に見直す必要があると考えますが、御見解をお聞かせください。
さて、環境省は、地域人口集団の健康状態と大気汚染の関係を定期的、継続的に観察し、必要に応じ所要の措置を講じるため、大気汚染に係る環境保健サーベイランス調査を1996年から実施しています。本市では2004年度から、環境省に依頼してこの調査を始めました。
環境省の調査では、3歳児、6歳児のいずれも、ぜんそく有症率の変化と大気汚染物質濃度の変化との関連性に一定の傾向は認められなかったと公表しています。しかし、資料によりますと、2005年度、2006年度のどちらも、ぜんそくの有症率は全地域の率より大分市のほうが高いのです。このサーベイランス調査結果についてどうお考えでしょうか。御見解をお聞かせください。
次に、分別収集についてであります。
ごみの12分別収集が始まって2年が経過しました。ごみを資源として再生、再利用することで、資源を大切にすると同時に、ごみの減量化を図ることを目的に始めたと思います。これまでも改善を図りながら事業を進めてきたことを評価します。
そこで、これまでの成果と課題を整理する中、ごみゼロに向けて取り組みを進めることを、ここでは要望しておきます。
次に、都市計画行政について幾つかの質問をしたいと思います。
まず、まちづくりについてであります。
日本の高度成長期から進んだ車社会の到来によって、人は市街地の中心部から郊外へと移り、いわゆるドーナツ化現象が起きました。それにあわせるかのように、大型商業施設も、広い駐車場が確保しやすい郊外に出てきました。大分市においても、パークプレイスやわさだタウンなどが郊外にできました。
そのため、市中心部の商店街では客数が減少していき、これに小泉内閣における規制緩和による競争の激化が加わり、中心市街地はシャッター通りとやゆされるほど、多くの店舗が撤退し、衰退していきました。
これは、全国地方都市のどこも同じ現象が見られ、大きな問題となりました。そこで、2006年に大規模集客施設の立地に係る規制の見直し等を柱とする都市計画法改正案や、商業施設などの都市機能を中心市街地に呼び戻すための支援措置などが盛り込まれた改正中心市街地活性化法案など、まちづくり3法が成立しました。このような国の流れを受け、全国の地方都市は、どこも中心市街地活性化に取り組んでいるということが起きているような気がします。
しかし、本市の場合、大分駅の高架化と駅周辺の整然としたまちづくりは、市民の長年の夢であり、この事業に取りかかり始めたときに、たまたま全国の中心市街地活性化の波が来ていたということではなかろうかと考えます。そうであるならば、他都市のやり方をまねするようなまちづくりでなく、大分らしいまちづくりにしていくべきであります。
整備が進んでいる大分駅周辺の一角には、大友氏館跡があります。中世にキリシタン大名として一大勢力を持っていた大友氏、日本にいち早く西洋文化を取り入れた地として全国に誇れる歴史であります。この歴史的な価値を取り入れた中心市街地のまちづくりが大分らしいまちづくりの一つの理念になるのではないでしょうか。
大分らしい中心市街地のまちづくりについてどうお考えでしょうか。御見解をお聞かせください。
また、新たに合併した佐賀関地区と野津原地区のまちづくりの基盤整備は、これから本格化していくと考えます。
佐賀関では、市民行政センターが完成し、トンネル建設などが進んでいますし、野津原は、大分川ダム建設に伴う道路や新たなまち並みの整備が進んでいます。このようにそれぞれの地域では社会資本の整備が進んでいますが、どのようなまちづくりをするかという取り組みはおくれているのではないでしょうか。
佐賀関では関サバ、関アジなどの豊かな海の幸を生かした水産業の振興、野津原では豊かな山や野の自然を生かした農林業の振興といった、地域の特性を生かしたまちづくりが大切になります。行政としては、中心市街地だけの活性化でなく、佐賀関や野津原など周辺部においても、それぞれの特色を生かしながら均衡のとれたまちづくりをすべきと思いますが、市長の御見解をお聞かせください。
次に、交通対策であります。
それぞれの地域でのまちづくりも、人が行き来して交流しなければ活性化にはつながりません。市域が広い大分市にあって、地域と地域の交流も交通機関が大きな役目を持ちます。そして、高齢化が進む中、公共交通機関に頼った交流が多くなると考えます。市内の場合、公共交通はバスと鉄道が主なものです。中でもバスは、全市域から中心部を結ぶ大切な交通手段として、市民に広く利用されています。
ところで、市内のバス路線は、郊外と市中心部を結ぶ路線が主流となっており、郊外の地域同士を結ぶ路線が非常に少ないのが一つの大きな課題です。最近できた大型商業施設との連絡がうまくとれていない地域が多いのが現状です。
均衡のとれたまちづくり、それぞれの地域の活性化のためにも、郊外を回る路線もふやすべきです。お考えをお聞かせください。
ところで、さきに述べたように、今の主流になっている中心部と郊外を結ぶバス路線の中心部での乗降場は、中央通りのあちこちに散在していて、郊外に行く場合、どの乗降場から乗ればいいのかわかりにくいのが大きな課題です。市民や市外から来た人にもわかりやすくするために、乗降場を1カ所に集めるバスターミナルを設置してほしいという市民の声も多く聞かれます。それも、公共交通である鉄道との連絡を考えたとき、駅近くが望ましいと考えます。今行っている駅周辺整備では、用地も確保されていると聞きます。
バスターミナル設置については、事業者との協議調整も必要でありましょうが、設置に向け、市行政のさらなる積極的な取り組みが必要です。バスターミナル設置に向けた市のお考えをお聞かせください。
次に、複合文化交流施設についてであります。
ことしの初めに、複合文化交流施設整備事業の募集要項が発表され、応募企業グループの1次審査書類の受け付けがされたようです。駅南の核施設として位置づけられた複合文化交流施設の整備事業が具体的に動き出すことになります。
今、進めている駅周辺総合整備は区画整理事業であり、新たなまち並みをつくろうとする事業であります。その新たなまち並みの核施設にしようとしているのが、この複合文化交流施設です。であるならば、どのようなまちにするのかの考え方をもとに構想を練り、その構想の中でこの施設のありようも決められることになろうかと思います。
当初、この施設は、多目的ホールや国際交流などの文化的機能を持つ、まさに複合文化交流施設であったと思います。ところが、今、提案されている施設は、このような文化的機能に加え、総合社会福祉保健センターや保育所など、福祉的機能をも持たせた合築の施設となっています。まさに福祉文化交流施設と言える施設です。
この施設整備について、今日までには総合社会福祉保健センターの場所選定の変遷や、市民ホールの客席数の変更など、いろいろと紆余曲折がありました。しかし、公共部分の事業主体として、しっかりした目的とコンセプトを持ってないと、いろんな混乱が起きる可能性があります。
そこで、質問ですが、この複合文化交流施設に、当初予定の文化的機能の部分だけでなく、福祉的機能を持つ部分をも合築にした理由は何でしょうか。また、この施設を核として、駅南をどのようなまちにしようと考えているのでしょうか。さらに、今回提案価格の上限を143億8,100万円としていますが、この予算財源と、今後市が払うべき費用についてどう考えていますか。
以上、御見解をお聞かせください。
次に、教育行政について幾つかの質問をしたいと思います。
まず、学力についてです。
小泉内閣以来進んできた新自由主義による競争を重視する考え方は、教育の中にも浸透しようとしています。子供たちを競争させて学力を伸ばそうと、学力テストの点数を競わせようとしたりするのです。競争で本当に学力は伸びるでしょうか。
朝日新聞社から福田誠治さんが出した「競争やめたら学力世界一」という本があります。この本は、フィンランドの教育を紹介しているものですが、フィンランドは、経済協力開発機構が実施した2度の国際学力調査で世界一となった国です。
この国では、他者との順位を競うテストは15歳まではありません。そして、1985年からは、能力別にクラスを分ける習熟度別クラスも廃止され、同学年の子供は同じクラスで学ぶ平等なクラス編成をしています。1クラス27人程度で、子供の学習意欲を大切にしながら、子供同士がお互いに教え合う授業形態を中心に学ばせていきます。どの子もわかるまで教える体制も保障しながらじっくりと育てるのです。このようにして、どの子供も豊かな学力を身につけて、社会人となるのです。この教育で培われた豊富な人材は、フィンランドの国の宝であり、国際経済競争力も世界一になっているのです。少人数学級でじっくり育てることで、本当に生きるための学力はつくものです。
日本は、全国学力テストなどの点数で地域や学校を競争させようとしていますが、それが本当に子供の学力をつけることになるのでしょうか。子供の学力について、教育長の思いをお聞かせください。
次に、教育施策について、幾つか質問したいと思います。
競争主義は、学校の特色で小中学校を全市内で選択できる学校選択制の導入などにも見られます。学校の特色づくりで競争すればそれぞれよい学校になるということで導入するのですが、調査すると、子供や親は、通学距離や友達関係、風評といった理由で学校を選択しています。幾らすばらしい特色づくりの実践をある学校がしても、風評のいい別な学校に子供が流れていくという現実があります。そして、児童数の減少した学校の教職員は、地域や幼稚園などに出かけ学校のよさをアピールするという、まさに営業活動までしているといいます。これで、落ちついた、ゆとりある教育ができるでしょうか。
本来、学校の特色づくりとは、地域や子供の実態に即して、地域の特性を生かした教育の中で生きる力をはぐくむことがねらいのはずです。それを競争の道具にするというのは、学校教育の本来の姿を見失っていると言わざるを得ません。
来る4月から全市内で実施予定の大分市小中学校隣接校選択制については、今述べたように、いろいろ問題点も起きる可能性があると考えます。既に実施してきた前橋市では、いろんな問題点が発生したことから、4月から選択制を中止することにしています。
大分市では、これまで行ってきた学区の弾力的運用を緩和することで、十分対応できるのではないでしょうか。選択制の中止を視野に入れ、見直しをすべきと考えますが、どうお考えでしょうか。
どの子供にも本当の学力を身につけさせるために、じっくりと学べる環境が必要です。今、小学校1、2年生と中学校1年生に導入されている30人以下学級を全学年に拡大すべきだと思いますが、どうお考えでしょうか。
また、大分市が独自に取り組んできた特別支援等教育活動サポート事業の補助教員と図書館支援員の配置について、高く評価します。ゆとりある教育環境のためにも、今後ともさらなる充実を図っていただくことを、ここでは強く要望しておきます。
以上、何点かにわたっての御見解をお聞かせください。
最後に、幼児教育振興計画についてであります。
今、幼児教育振興計画を策定中でありますが、これは1999年度から始まった大分市幼稚園教育振興計画が2008年度末で終了することを受けて、今回は、幼稚園児だけでなく、保育園児、未就園児も含めて、その教育のあり方の計画のようです。
2009年度から10年間の計画ですが、今まだ検討委員会で議論の途中といいます。計画策定に当たっては、検討委員会の委員の意見だけでなく、広く一般市民の意見をも十分に聞くことも大切と思います。そのような市民の声を聞くことも含め、慎重に議論を重ね、計画的に策定することが重要と考えますが、幼児教育に対する教育長の思いをお聞かせください。
以上で私の質問を終わります。
○議長(仲道俊寿) 釘宮市長。
○市長(釘宮磐)(登壇)
社会民主クラブを代表しての、12番、安東房吉議員の御質問に対し御答弁申し上げます。
なお、教育問題につきましては、教育長から答弁申し上げますので、御了承をお願いいたします。
まず、私の政治姿勢に係る2点の御質問のうち、1点目の、競争社会における行政の効率化と市民福祉の充実についてのお尋ねでございますが、我が国の制度や仕組みは、少子高齢化や総人口の減少など、社会経済情勢の変化とともに根本的な見直しが必要となり、地方自治制度もまた、補助金や地方交付税など、全国一律の制度によって国が地方をコントロールする中央集権型システムから、多様な価値観や地域の特性に根差した独自のまちづくりを可能にする分権型行政システムへの転換が急がれております。
こうした時代の要請にこたえて進められてきたのが地方分権改革ですが、国の財政難の影響を受け、必ずしも地方自治体の自助努力のみで乗り越えられる現状とは言いがたいものとなっております。しかも、国から地方への権限移譲はある程度進んだものの、肝心の本来セットであるべき財源の移譲はいまだ進んでおらず、地方交付税も年々減額され、地方は、極めて厳しい財政運営を余儀なくされております。
このため私は、分権改革が地方の望む姿で進められるよう全国市長会などを通じて国に働きかけてきたところであり、国の地方分権改革推進委員会においても、地方自治体がみずからの責任で効率的な自治体運営を行えるよう分権型社会にふさわしい税財政構造の構築について調査、審議を進めるとされたことから、財源の地方への移譲についても、今後進展が見られるのではないかと期待をいたしております。
しかしながら、御指摘のように、自治体間には面積や人口構造、さらには産業分布等に格差があり、一律に競争させることには無理がありますことから、財源移譲に当たっては、一定の調整が行われるような仕組みが必要であると考えております。
その上で、限られた財源をいかに有効に活用して、まちづくりや市民福祉を進めるかなど、今後は自治体の力量が問われてまいりますことから、本市においては、これまで行政改革アクションプランとそれに続く
行政改革推進プランに基づき、一般行政経費の削減、事務事業の整理合理化、入札制度の改革、民間活力の導入など、聖域なき行政改革を断行する中で財源を捻出し、福祉の増進、市民サービスの維持向上につなげてまいったところでございます。
今後とも、市政運営に当たっては、限られた財源を有効かつ効率的に活用して、市民福祉の増進を最優先に、全力で取り組んでまいりたいと考えております。
2点目の、「ネクスト大分構想」についてのお尋ねでございますが、「ネクスト大分構想」は、2期目の市長選挙に臨むに当たり、おでかけ市長室等において市民から寄せられた御意見や御提言を踏まえ、可能な限り期限や財源、数値目標を明示した88項目の施策から成るマニフェストとして掲げ、その履行を市民に約束した政策目標であります。
この88項目の施策につきましては、総合計画との整合性も確保しており、職員とも認識を共有する中で、その実現に取り組んでまいったところでございますが、本年が2期目の折り返しの年に当たりますことから、マニフェストのこれまでの成果や達成度について検証し、その結果を中間報告という形で市民の皆様に公表することにいたしております。
これまでのところ、各項目ともおおむね順調に成果を得てきていると認識いたしておりますが、軌道修正の必要が生じたものも中にはございます。
任期後半におきましても、この中間報告を踏まえ、また、今後の財政状況を見通す中で適切な進行管理を行い、「ネクスト大分構想」に掲げた諸施策の実現に向けて、職員と一丸となって取り組んでまいりたいと考えております。
次に、平和都市宣言について、25年になる節目の年に何らかの取り組みをすべきではないか、憲法に対する思いを含め見解をとのことでございますが、日本国憲法は、我が国の最高法規として、平和主義、国民主権、基本的人権の尊重を基本とし、我が国が進むべき崇高な理想と基本的な国のあり方を示したものであり、戦後の我が国が焦土の中から立ち上がり、平和で安全な国家として国際的にも確固たる地位を確立するとともに、経済的な繁栄を築くことができましたのも、国民の不断の努力とあわせ、日本国憲法の果たしてきた役割が大変大きなものであったと考えております。
今後とも憲法の理念を尊重するとともに、この憲法に基づいた地方自治の精神にのっとり、本市のさらなる発展に鋭意努力してまいりたいと考えております。
本市では、平和都市宣言都市として、これまで、市民との協働の平和イベントであるムッちゃん平和祭や、大分市小中学校児童生徒弁論大会、さらには、平和映画の上映会や原爆写真展、憲法記念講演会などを行ってまいりましたが、本年は平和都市宣言をして25年の節目となりますことから、これらの事業に加え、原爆の被害を紹介したビデオ放映や写真、資料の展示などを行う「原爆と人間展」を開催するほか、音楽を通して平和を考える平和音楽祭など、市民に親しみやすい新たな企画などに取り組んでまいりたいと考えており、今後ともより多くの市民の皆様が気軽に参加できる各種の平和事業をさらに推進してまいりたいと考えております。
次に、人権教育、啓発についてのお尋ねでございますが、同和問題を初めとするあらゆる人権問題は、基本的人権にかかわる重大な社会問題であり、その解決は市政の重要な課題であります。
とりわけ同和問題の解決については、特別対策終了後も、昭和40年の同和対策審議会答申並びに平成8年の地域改善対策協議会意見具申の趣旨を踏まえ、積極的に推進してきたところでございます。しかしながら、本市でもいまだに差別事象が発生しており、また、インターネット上における新たな差別事象なども発生しておりますことから、依然として憂慮すべき状況下にあると厳しく受けとめているところです。
特に近年では、市民からの人権相談に関する内容も広範多岐にわたっており、今後も総合的な相談、支援ができるよう法務局や県と相互に情報を共有する中、人権課題の解決に向けて取り組むとともに、駅南に建設予定の複合文化交流施設内に仮称人権啓発センターを設置し、相談、支援、啓発機能の充実を図ることといたしております。
また、人権啓発については、今後もより実効性を高めるために大分市人権教育啓発基本計画に基づき地域や民間との連携を図る中、市民一人一人が、家庭、地域、学校等あらゆる場において人権について考える機会が持てるよう、各種事業の充実を図ってまいりたいと存じます。
次に、平成21年度当初予算における財政運営の健全化のための取り組みについてでありますが、編成に当たりましては、
行政改革推進プランの着実な推進により義務的経費を含む経常経費の徹底的な見直しを初め、行政評価システムに基づき、事務事業全般についてスクラップ・アンド・ビルドを基本にした思い切った見直しを行ったところであります。また、市税を初め、各種未収金については数値目標を盛り込むなど、その解消に向けた未収金対策を強化するとともに未利用地の有効活用、広告料収入などの自主財源の確保に取り組むほか、次世代に過大な負担を残さないよう、基礎的財政収支、いわゆるプライマリーバランスにも十分配慮したところであります。
さらに、予算執行に当たりましても、
行政改革推進プランに基づき、徹底したコスト意識のもと、事業手法の見直し等あらゆる取り組みを進め、財政運営の健全化に努めてまいります。
次に、合併特例債の発行と償還状況及び今後の活用についてのお尋ねでございますが、合併特例債は、合併後の市町村の速やかな一体性と市域の均衡ある発展に資するため合併建設計画に基づいて実施される事業の財源として活用できることとされており、本市の場合、平成17年度からの10年間で296億2,000万円が発行できることとなっております。
これまで、リサイクルプラザ、保健所、佐賀関市民センターの建設など、住民生活に密着したハード整備事業や地域でのまちづくり活性化を目的とする地域振興基金の造成などに活用してきており、平成21年度までに175億3,890万円の発行を予定しており、また、平成20年度末までの償還額累計は、11億800万円となっております。
今後は、合併建設基本計画における主要事業を中心に、複合文化交流施設の建設や野津原支所周辺及び佐賀関馬場地区での浸水対策事業等に活用することといたしております。
いずれにいたしましても、合併特例債は事業費の95%に充当することができ、しかも、その元利償還金の70%が普通交付税で措置される有利な起債でありますが、あくまで将来負担を伴う地方債であり、将来に向けた地方交付税総額の確保が不透明なことなどから、その発行に当たりましては、事業の優先度や効率性、費用対効果などについて十分精査を行った上でその活用を図ってまいりたいと考えております。
次に、地域経済について、地場の中小企業を守ることや雇用の確保についてのお尋ねでございますが、経済、雇用情勢が悪化する中、本市におきましては、離職者のための大分市緊急雇用相談窓口を開設し、市営住宅の提供と市臨時職員としての採用など、住宅と雇用の確保を最優先に取り組むとともに、民間事業者の協力を得ながら地域が一体となった対策を全国に先駆けて講じてまいりました。また、地場中小企業への影響を最小限にとどめるため、本年3月には新規に従来より金利の低い融資制度を創設するなど、迅速な対応をとってきたところでございます。
国においては、地域での求職者等の継続的な雇用機会を創出するふるさと雇用再生特別交付金事業や、短期の雇用就業機会を創出、提供する緊急雇用創出事業を創出し、本市におきましてもこれを活用し16の新規事業を生み出し、200名を超える雇用の創出を図ってまいることといたしておりますが、これらの事業も雇用期間が限定されたものであり、国としての長期的な視野での雇用政策が待たれるところでございます。
もとより、雇用にはいろいろな形態があってしかるべきでありますが、今回の問題の根源は、非正規労働者が雇用の調整弁として利用されてきたことにあり、労働者派遣法の改正の議論も必要な時期ではないかと考えております。また、地場中小企業が厳しい経営環境にありますことから、本市におきましては、公共事業の発注において下請業者へのしわ寄せが及ばないよう、入札制度について改善を図るとともに、地域の雇用を維持していくため、厳しい財政状況ではありますが、新年度予算において公共事業量をできるだけ確保したところであり、今後とも、地場企業の保護育成と地域経済の下支えに努めてまいる所存でございます。
次に、福祉行政についての御質問にお答えいたします。
まず、保育所の待機児童の解消についてでございますが、求職活動中の入所申請者の優先順位を考慮することにつきましては、求職活動中は保育の実施基準の中で優先順位が低く位置づけられており、本市では、就労先が決まった段階で入所審査を行うことを基本といたしております。求職活動の状況を考慮して求職中の人を就労中の人と同等の優先順位とするということにつきましては、求職活動には個々いろいろな形態があり、その実態把握が極めて難しく、公平性が確保されない等の問題もありますことから、現状では困難であると考えております。
なお、求職活動中の入所申請者には認可保育所の一時保育やファミリーサポートセンターの活用なども紹介し、利用者への情報提供を行っているところでございます。
また、本市ではこれまで、認可保育所の新設や増改築による定員増、待機児童が多い地域を中心に施設整備を伴わない定員増を行ってきており、平成19年度には20人、平成20年度には40人の定員増を行い、平成21年度には施設の増改築で20人、施設整備を伴わない定員増で50名の計70人の定員拡大を図ったところでございます。
今後とも、地域における保育需要を的確に把握しながら待機児童の解消に努めてまいりたいと考えております。
次に、高齢者福祉についてでございますが、介護従事者の処遇改善につきましては、国は、介護従事者の処遇改善を図るため新年度から介護報酬を3%引き上げることといたしました。介護従事者の処遇改善に向けた総合的な対策として、今回の介護報酬改定に伴う措置にあわせ、職務職階制など各種人事制度の導入や雇用管理の改善に係る助成を行うとともに、経営指標の作成や経費配分モデルを提示することといたしております。
また、介護報酬改定後の介護従事者の給与水準についての検証を行うため、社会保障審議会介護給付費分科会に学識経験者から成る調査実施委員会を設置することといたしており、本市といたしましても、介護従事者の処遇改善についてあらゆる機会をとらえて事業所への指導、助言を行ってまいりたいと考えているところでございます。
次に、長寿いきいき安心プランについてでございますが、本市では、高齢者が心身ともに健康で、明るく安心して生きがいのある生活を送れる社会の実現を目指すため、ファミリーサポート事業やワンコインバス事業、地域ふれあいサロン事業、生きがい対応デイサービス事業など各種事業の展開を図り、地域での触れ合いを高め、住みなれた自宅や地域で安心して住み続ける環境づくりに取り組んでいるところでございます。
平成26年度を目標年次として計画いたしました介護保険事業計画では、介護予防の推進を図るため、介護状態になる前の段階から継続的、効果的な介護予防サービスを行うとともに、住みなれた地域での生活継続に重点を置いた地域ケアの推進と居住環境の改善を基本として策定をいたしたところでございます。
今回の第4期介護保険事業計画については、平成26年度の目標に向けた中間段階として位置づけ、平成21年度からの3カ年を対象に介護保険サービスについては現行水準を維持することとし、給付総額767億円を見込んでおります。
また、介護保険施設の整備については、特別養護老人ホームや老人保健施設、グループホームや認知症対応型通所介護事業所など、随時整備してまいりたいと考えております。また、これらの計画の根幹をなします第1号被保険者の介護保険料につきましては、基準月額を4,270円といたしており、第3期介護保険料額と同額に据え置くことといたしております。
なお、保険料区分については、国の指針に基づき、現行の7段階から8段階への改正を行うこととしているところでございます。
次に、環境行政について、2点の御質問にお答えいたします。
1点目の、地球温暖化対策と自然エネルギーの利用についての御質問のうち、行動指針とガイドブックの活用と地球温暖化対策の推進についてでございますが、本市では、地球温暖化防止に取り組む推進母体として、平成19年12月に市民、事業者、行政から成る地球温暖化対策おおいた市民会議を設置し、幅広い論議を経て平成20年6月に大分市地球温暖化対策行動指針を策定いたしました。行動指針では、市民、事業者が日常生活や事業活動の中で自主的、日常的に取り組む行動例とともに、市民、事業者、行政が相互に協力して取り組む重点プロジェクトとして、マイバッグ運動の推進や大分市民環境大学の創設など五つの事業を掲げ、段階的に実施することといたしております。また、行動指針を解説した家庭編と事業所編の地球温暖化対策ガイドブックを作成し、それぞれを全世帯、事業所に配布しておりますが、このガイドブックを活用した省エネ行動に結びつけていただくため、平成20年12月に「おおいた市民一斉省エネチャレンジ2008(冬)」を実施し、節電、節水、節ガスなどに挑戦していただいたところであります。
今後も、継続的な市民運動として実施する「省エネチャレンジ2009(夏)」や各地区、団体等を対象に開催する環境学習会、各種研修会等において行動指針やガイドブックを積極的に活用し、省エネ行動が着実に広がるよう努めてまいりたいと考えております。
また、行動指針に重点プロジェクトとして掲げる五つの事業のうち、マイバッグ運動の推進については、平成21年6月からのレジ袋の無料配布の中止に向けまして県や事業者等と連携し、準備を進めており、大分市民環境大学の創設については、地域のエコリーダーを育成する目的で平成21年9月の開校に向け、現在市民会議において積極的な取り組みを進めていただいているところであります。
今後とも、行動指針やガイドブックに掲げる行動例が市民、事業者の自主的、日常的な取り組みとなるよう啓発に努めるとともに、重点プロジェクトが具体化されるよう積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
このような取り組みは地道ではありますが、一人一人の力が合わされば必ずや大きな力となることを確信しており、「子どもたちに渡そう 美しい大分」を合い言葉に、あらゆる機会を利用し、地球温暖化対策の推進に全力を傾注してまいる所存でございます。
次に、自然エネルギーの利用促進についてでございますが、本市では、公園、学校などに太陽光発電施設や照明灯などを設置し、また、平成19年度には新たに自然エネルギーを含む大分市エコエネルギー導入促進事業を立ち上げ、環境NPO法人と協働で、平成19年10月にのつはる少年自然の家に、また、平成20年10月に古国府浄水場に太陽光発電設備を設置するなど、自然エネルギーの導入を図ってきたところであります。
国におきましては、住宅用の太陽光発電を導入する際の支援制度、また、家庭などで太陽光発電し使い切れなかった電気を従前より高い価格で電力会社に買い取らせる制度の創設等、自然エネルギーの導入に向けた新たな施策を展開してきており、本市としても、今後とも、自然エネルギーの普及促進のため積極的に取り組みを推進してまいりたいと考えております。
2点目の、降下ばいじん対策についての御質問のうち、降下ばいじんの基準値を見直すことについてでございますが、降下ばいじんにつきましては環境基本法や大気汚染防止法には基準値が定められていないことから、平成12年3月に地域住民の健康の保護と生活環境の保全を図るため、工場、県及び本市との3者で締結している公害防止協定に敷地境界線における降下ばいじん量を、1月1平方キロメートル当たり溶解性成分量と不溶解性成分量の合計で10トン以下とするとの管理目標値を定めました。その後平成18年3月に、ベランダや窓枠等にたまっているほこりは主に水に溶けない固形の不溶解性成分であることから、より生活実感に即したものとするため、不溶解性成分量で6.5トン以下とするとの見直しを行いました。
また、工場における施設の新増設等の機会をとらえ、最新の公害防止技術によるばいじん、粉じん対策をとるよう指導しているところであり、平成20年3月には、第1高炉改修の3年後から6トン以下とするとのさらに厳しい目標値へと見直したところでございます。
このようなことから、当面は現在の管理目標値であります6.5トン以下、また、第1高炉改修の3年後からは6トン以下を達成できるよう監視、指導に努めながら、市民の健康を保護し、生活環境を保全するため、今後とも、最大限の努力をしてまいりたいと考えております。
次に、環境保健サーベイランス調査結果についてでございますが、本市では、大気汚染による健康状態への影響を未然に防止するため、平成16年度から、市内のすべての3歳児と6歳児を対象にした環境保健サーベイランス調査を環境省に依頼して実施しているところでございます。本調査は、呼吸器症状である風邪引き、ぜん鳴、ぜんそく等を調査項目としておりますが、調査結果によりますと、本市のぜんそく有症率は調査対象全地域の平均割合をやや上回っているものの、風邪引き回数などについては下回っている状況となっております。
環境省は、本調査が全国約40の地域における調査結果であり、平均割合を基準として大気汚染と健康状態とを関連づけるものではなく、定期的、継続的な観察により判断するものといたしております。また、これまでの調査では、ぜんそく有症率と大気汚染物質濃度の変化との関連性に一定の傾向は見られなかったとの見解を示しております。
したがいまして、本市といたしましては、引き続き環境省に対し本調査の継続をお願いし、長期的な観点から調査結果を検証してまいりたいと考えております。
次に、都市計画行政についてお答えいたします。
まず、まちづくりに係る御質問のうち、大分らしい中心市街地のまちづくりについてでございますが、大分市都市計画マスタープランでは、本市の中心市街地について、鉄道の高架化による南北市街地の一体化を促進し、都心域の拡大とシンボルとなる都心南北軸の形成を目指しております。
本市の中心市街地の骨格は、現在発掘中の大友氏館跡を初め、近世江戸時代の府内城下町が都市の素地となり、戦後において戦災復興や周辺の市街地整備が行われたものの、中世都市、府内の基盤を受け継ぎ、大分らしさを形づくっているものとなっております。特に、その中核である城址公園は、重要な歴史的なシンボルであると同時に、貴重なオアシス空間であり、大分市景観計画では、重点地区として位置づけているところでございます。
今後は、全国的にも注目を集めている幅員100メートルの駅南シンボルロードと駅北地区の中央通りを都心南北軸として、また、上野の森から城址公園までを緑の景観軸として、本市の歴史、文化など、まちづくりの素材を生かしながら、大分市の顔にふさわしい魅力ある都市空間の形成に向けてまいりたいと考えております。
現在見直しに取り組んでおりますマスタープランにおきましても、地区別構想に掲げる中心市街地について、大分らしさが薫り、市民が共有できる理念を定め、さらなる充実を図ってまいりたいと考えております。
次に、佐賀関地区や野津原地区など、周辺部の均衡のとれたまちづくりについてでございますが、都市計画法の改正や合併に対応して大分県において都市計画区域等の見直し方針が示されているところでございます。両地区は、海、山の自然を生かした特徴ある地域づくりを基本として、県の方針を念頭に住民の皆さんの意見をお聞きする中、均衡あるまちづくりに配慮してまいりたいと考えております。
特に佐賀関、野津原地区に広がる豊かな自然など、景観計画を基軸としてその個性、特性を生かし、マスタープランの地区別構想に準じたまちづくりの方針を描くことといたしております。
次に、交通対策についてお答えいたします。
まず、地域の活性化のためにも、郊外を回るバス路線をふやすべきではないかとのお尋ねについてでございますが、本市内におけるバス路線網は、大型団地開発等により拡大した郊外部と中心部を結ぶ通勤通学のための路線を基軸として形成されており、郊外の地域や団地を結ぶ路線は、こうした既存路線の延伸によるものとなっております。
御指摘の郊外を回る路線につきましては、一定の確実な需要が想定されなければ新たな路線開設や増設は困難であるとのバス事業者の基本的な考えがある一方、今後高齢社会が進展する中、買い物や通院などの目的で地区ごとのにぎわい拠点と周辺の郊外部を結ぶ路線やJR駅と周辺部をつなぐ路線などのニーズも高まってくることが予想されますことから、国、県、バス事業者等の関係機関で組織する大分市バス利用促進会議において、その需要の動向を踏まえながら協議をしてまいりたいと考えております。
次に、バスターミナルの設置についてでございますが、本市では、中心部におけるバスの乗降場は北口駅前広場及び中央通りに散在しており、わかりやすいバス乗降場の設置が課題とされております。大分駅高架化に伴う大分駅前広場の再編に向けて、駅前広場におけるバス乗降の便宜を図るため国、県、警察署及び交通事業者と協議を重ね、平成18年5月に大分駅前広場基本計画を策定し、現在、東西2カ所にあるバス乗降場を1カ所に集約したバスバースとして計画したところでございます。
こうした中、平成19年7月に行いましたバスの利用促進に関する市民アンケートでは、多くの方々から、さらにJRとバスの乗り継ぎの充実や総合的なバスターミナル整備に関する意見が寄せられたところでございます。
このようなことから、新年度は、中心市街地における公共交通再編調査に取り組み、JR、バス利用者、交通事業者、駅北商店街の意見等を参考にしながら、歩行者動線や乗り入れ路線数、バスとJRの乗り継ぎ改善などを分析し、中心部における交通結節機能のあり方を関係機関と検討してまいりたいと考えております。
次に、複合文化交流施設についてでございますが、まず、文化的機能の部分だけでなく、福祉的機能を持つ部分を合築した理由は何かとのお尋ねでございますが、複合文化交流施設の整備に当たりましては、学識経験者等で構成された大分市複合文化交流施設基本構想策定委員会の報告をもとに、平成19年3月に「人と文化と産業を育み、創造、発信する新都心拠点」を基本理念する大分市複合文化交流施設基本構想を策定いたしたところでございます。この構想では、「文化」「情報」「教育」「産業」「健康」「福祉」の六つの機能を「交流」というキーワードで結ぶコンセプトが示されております。このコンセプトをもとに全庁的に希望施設の状況を把握する中、市民や企業へのアンケート調査や昨年8月に実施いたしましたパブリックコメントに寄せられました多くの市民の意見等を踏まえながら検討を重ねてまいったところであります。
また、それらの検討状況につきましては、逐次本議会のにぎわい創出・複合文化交流施設建設特別委員会等へ御報告を申し上げ、御意見をいただく中、最終的な公共機能を確定したところでございます。
とりわけ、福祉の機能につきましては、仮称大分市総合社会福祉保健センター設置懇話会からも、センターの建設用地選定に際し早期の着工が可能な駅南の複合文化交流施設用地が適地であるとする報告がなされたところでございます。
次に、この施設を核として、駅南をどのようなまちにしようと考えているのかとのお尋ねでございますが、複合文化交流施設は、これからの新しい大分の顔となる駅南・情報文化新都心の中核施設として子供からお年寄りの方々まであらゆる市民や団体、企業や大学等が活用し、さまざまな交流の場となることを目指しているところでございます。
この施設の建設を予定している駅南地区は広域都心の中心に位置し、本市都市計画マスタープランの中で情報・文化新都心として位置づけられております。現在、本市の最重点事業として、複合文化交流施設整備を初め、大分駅南北駅前広場や幅員100メートルのシンボルロードなどの整備を進めており、これら公共公益施設の整備とあわせ、土地の有効、高度利用や都心居住の促進、民間空間を含めた景観づくりにも鋭意努めているところでございます。
これらの事業を推進することで、駅南地区は、人に優しく美しい都市空間の創出を行い、情報、文化機能の集積した風格ある新たな都市拠点の形成が図られるものと、大いに期待をいたしております。
次に、提案価格143億8,100万円の予算財源と、今後市が払うべき費用についてのお尋ねでございますが、まず、提案価格の予算財源といたしましては、国の交付金等を有効に活用してまいりたいと考えており、その具体的な内訳といたしましては、まちづくり交付金で約17億円、交付税措置のある合併特例債で約83億4,000万円、大分市福祉振興基金から約9億4,000万円、一般財源から約34億円を予定しております。この一般財源約34億円のうち約29億6,000万円は、当該施設の15年間の維持管理費等を見込んでいるところでございます。
また、御案内のとおり、施設は民間事業者が建設し、公共施設部分は市が一括して購入することとなりますが、購入後、市が払うべき費用につきましては、提案価格に含まれています15年間の維持管理費約29億6,000万円のほか、毎年各施設の運営費が必要となります。この施設の運営費につきましては、コスト削減策も含め、検討を重ねているところでございます。
いずれにいたしましても、今日の厳しい経済情勢や財政状況下ではございますが、本施設は中心市街地の顔となる拠点施設であるだけでなく、世代を超えた市民の夢を広げていく施設であり、また、建設に伴う地元経済への波及効果が本市における景気の下支えにも寄与できるものと考えておりますことから、着実に取り組みを進めてまいりたいと考えております。
以上で私の答弁を終わらせていただきます。
○議長(仲道俊寿) 足立教育長。
○教育長(足立一馬)(登壇) 教育行政についてのお尋ねにお答えをいたします。
まず、子供の学力についてでございますが、急激に社会が変化している今日、21世紀を切り開く確かな学力を身につけた、心豊かでたくましい子供をはぐくむことが、学校教育に強く求められております。このような生きる力を支える確かな学力につきましては、子供に基礎的な知識及び技能を習得させるとともに、これらを活用して課題を解決するために必要な思考力、判断力、表現力などの能力をはぐくみ、主体的に学習に取り組む態度を養うことが重要であると考えているところでございます。
こうした学力の向上には、基本的な生活習慣や学習習慣、健やかな体の育成が不可欠でありますことから、今後とも、知徳体をバランスよく推進し、生涯にわたって学び続ける基礎を身につけた子供の育成に努めてまいりたいと考えているところでございます。
次に、隣接校選択制の見直しについてでございますが、本市の隣接校選択制は、児童生徒、保護者が、通学の安全性や距離、各学校の特色等を考慮し、みずから就学する学校を選択できる機会の拡大を目的として、従来の通学区域制度の弾力的運用だけでは対応が難しい部分を補完する制度であります。
本市教育委員会といたしましては、本制度の導入に当たり、他都市の状況把握に努め、全市自由学校選択制との比較、定員設定のあり方等、さまざまな問題点を十分検討してきたところであります。
その上で、指定校に就学することを基本に、選択できる学校を隣接校区に限定すること、学校運営や地域への影響を考慮した定員設定をすること、手続の時期を入学通知書の発送前に限定すること等、独自の方式をとるとともに、2年間区域を限定して試行を実施する中、地域への説明会を繰り返し、御意見を伺うなど、慎重な取り組みを進めてきたところでございます。
今後は、平成21年度新入生を対象とした全市実施結果を検証しつつ、学校、家庭、地域社会が一体となり、地域の子は地域で守り育てることを基本に、本市の実情に即した独自の取り組みを進めてまいりたいと考えております。
次に、30人以下学級の全学年への拡大についてでございますが、小学校1、2年生におきましては、基本的生活習慣の定着及び個に応じたきめ細かな指導の充実に有効であると認識をしております。今年度、新たに導入された中学校1年生におきましては、生徒指導上の課題への対応及び学習習慣の定着や学力向上等につきまして、その成果と課題の把握に努めているところでございます。
今後とも、小中学校の各初期段階における学習や生活環境の急激な変化に対する不安の解消等を図るとともに、小学校3年生以降、中学校2年生以降につきましては、厳しい財政状況もございますことから、必要に応じて柔軟に学習集団を組み、子供の理解度に応じた指導を一層充実することにより、確かな学力の定着、向上に努めてまいりたいと考えているところでございます。
次に、幼児教育に対する思いについてでございますが、幼児は深い愛情に包まれ、安定した情緒のもとで自己を十分に発揮しながら、言葉に対する感覚や表現力、豊かな感性や創造性、自己抑制や自立心が養われるものであり、幼児期の教育は、生涯にわたる人格形成の基礎を培う上で極めて重要と認識をしております。
しかしながら、今日、少子化や核家族化等、幼児をめぐる環境が急激に変化し、基本的な生活習慣、我慢する心や規範意識、心身の健康や運動能力など、近年の幼児の育ちにはさまざまな課題が指摘されているところでございます。
このような背景を踏まえ、有識者、地域関係者等から成る大分市幼児教育振興検討委員会におきまして、現在、多様な幼児教育の機会の提供、きめ細かな保育の充実について、本市幼児教育の現状と課題を踏まえ、豊かな教育環境の創造と効率的な行財政運営の両方の側面から、慎重かつ計画的に検討を重ねているところでございます。
今後とも、幼児教育の重要性にかんがみ、充実した環境のもとで、幼児の健やかな成長を促すため、家庭、地域社会、幼稚園等が一体となり、幼児の豊かな心と夢をともにはぐくむ教育の創造に努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
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○議長(仲道俊寿) 以上で本日の日程を終了いたしました。
次会は、あす17日午前10時に開きます。
本日は、これにて散会いたします。
午後2時38分散会
地方自治法第123条第2項の規定によりここに署名する
平成21年3月16日
大分市議会 議 長 仲 道 俊 寿
署名議員 三 浦 由 紀
署名議員 吉 岡 美智子...