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平成23年第4回定例会(第16号11月30日)

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  1. 豊島区議会 2011-11-30
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    平成23年第4回定例会(第16号11月30日) 平成23年豊島区議会会議録第16号(第4回定例会)   平成23年11月30日(水曜日)  議員定数 36名  出席議員 36名       1  番    西 山 陽 介       2  番    根 岸 光 洋       3  番    古 坊 知 生       4  番    橋 本 久 美       5  番    古 堺 稔 人       6  番    関 谷 二 葉       7  番    石 川 大 我       8  番    村 上 典 子       9  番    高 橋 佳代子       10  番    辻     薫       11  番    中 田 兵 衛       12  番    小 林 弘 明       13  番    磯   一 昭       14  番    細 川 正 博
          15  番    森   とおる       16  番    儀 武 さとる       17  番    藤 本 きんじ       18  番    永 野 裕 子       19  番    中 島 義 春       20  番    島 村 高 彦       21  番    星   京 子       22  番    河 原 弘 明       23  番    竹 下 ひろみ       24  番    村 上 宇 一       25  番    渡 辺 くみ子       26  番    小 林 ひろみ       27  番    大 谷 洋 子       28  番    山 口 菊 子       29  番    木 下   広       30  番    此 島 澄 子       31  番    堀   宏 道       32  番    本 橋 弘 隆       33  番    里 中 郁 男       34  番    吉 村 辰 明       35  番    垣 内 信 行       36  番    河 野 たえ子  欠席議員 なし ────────────────────────────────────────  説明のため出席した者の職氏名       区  長    高 野 之 夫       副区長     水 島 正 彦       政策経営部長  吉 川 彰 宏       総務部長    齋 藤 賢 司       施設管理部長  上 村 彰 雄       区民部長    永 田 謙 介       文化商工部長  東 澤   昭       図書館担当部長 鈴 木   達       清掃環境部長  鈴 木 公 一       保健福祉部長  大 門 一 幸       健康担当部長  佐 藤 正 俊       池袋保健所長  村 主 千 明       子ども家庭部長 山 根   斎       都市整備部長建築住宅担当部長)               鮎 川   傑       土木部長    亀 山 勝 敏       会計管理室長  桐 生 建 樹        ─────────────────       教育長     三 田 一 則       教育総務部長  齊 藤 忠 晴        ─────────────────       選挙管理委員会事務局長               若 林 弘 司        ─────────────────       監査委員事務局長               西 澤 茂 樹 ────────────────────────────────────────  職務のため議場に出席した事務局職員の職氏名       事務局長    陣野原 伸 幸       議会総務課長  城 山 佳 胤       議会担当係長  七 尾   弘 ────────────────────────────────────────   議事日程 ・会議録署名議員の指名 ・一般質問 ────────────────────────────────────────   会議に付した事件 ・会議録署名議員の指名 ・一般質問   細川正博議員「子供達の世代へ責任ある政治を!!」   西山陽介議員「震災の教訓生かし“連帯の心”で安全・安心の豊島を目指して」   河野たえ子議員「真に安全、安心な豊島区をめざして」   村上典子議員「区民が育てる豊島の未来」   古堺稔人議員「豊島区の行政改革の今後について」   小林弘明議員国際観光都市豊島区へ!セーフコミュニティ認証取得観光促進整備     でさらなる経済の活性化と文化発信都市を!」   橋本久美議員「放射能汚染とこれからの住民生活」 ・会議時間の延長 ────────────────────────────────────────   午後1時2分開議 ○議長(里中郁男) これより本日の会議を開きます。 ───────────────────◇──────────────────── ○議長(里中郁男) 会議録署名議員をご指名申し上げます。36番河野たえ子さん、1番西山陽介さん、2番根岸光洋さん、以上の方にお願いいたします。 ───────────────────◇──────────────────── ○議長(里中郁男) これより、昨日の本会議に引き続き、一般質問を行います。  発言通告に基づき、順次これを許可いたします。  まず、14番議員より、「子供達の世代へ責任ある政治を!!」の発言がございます。   〔細川正博議員登壇〕(拍手) ○14番(細川正博) 私は、自由民主党豊島区議団を代表して、「子供達の世代へ責任ある政治を!!」と題して、1、教育について、2、保育について、3、放射能対策について、4、その他についての質問をいたします。4、その他では、大塚駅周辺整備事業についてお尋ねいたします。私にとっては、議席をお預かりしてから初めての一般質問となります。よろしくお願いいたします。  一般質問に先立ち、区政に対する思いを述べたいと存じます。私は、子どもたちの世代へ責任ある政治をすべく、区政へ取り組んでいく所存です。今の日本には、行き過ぎた個人主義と言われる価値観が蔓延し、自分さえよければそれでよいという考えがはびこっております。家庭の教育が劣化し、地域とのつながりが希薄化している社会の背景がさらに状況を悪くしております。当事者意識に欠け、無責任な態度をとる人が非常に多く、今の日本の状態は、無規範社会であると言っても過言ではありません。現代の日本が抱える諸問題、無縁社会、企業でのコンプライアンスの問題、もとをただせば、結局、教育の問題になっていきます。大本の問題解決のためには、これまでの技術偏重の教育から規範を形成する人格教育へシフトする必要があります。そして、伝統文化を大切にして自分の生まれ育った地域、国を誇りに思う、勤勉を美徳として自立を尊ぶ、惻隠の心、自己の不善を恥じる心、譲り合いの精神など、日本人の美徳を取り戻さねばなりません。たとえ時間がかかったとしてもやらねばならないと考えております。  さて、それでは一般質問の内容に移ります。一つ目は教育についてです。まず、教師力の向上についてお尋ねいたします。豊島区教育ビジョン2010に、「教育に人材を得ることは学校教育の根幹である。教育は教員と子どもたちとの信頼関係の構築が基本である。絶えず自己研鑽に励み、子どもたちと正面から向き合い、教育の崇高な使命を深く自覚し、高い志を持つ教師を育成することが必要不可欠である。」とありますが、まさにそのとおりであると存じます。本来は、一義的な教育の場であるべき家庭でのしつけが十分ではなく、その補完をしてきた地域とのつながりも希薄化している現代社会において、学校現場が担わなければならない役割が増していると私は考えております。このような状況下では、良質な人材を育て、教育現場に1人でも多く輩出していかねばならないと強く思う次第でございます。そこで質問です。学習指導力・生活指導力・進路指導力・外部との連携・折衝力・学校運営力・組織貢献力を身に付けるための豊島区独自の教員育成指針である豊島ミニマムの内容について、今後の見通しを含めてご説明ください。  次に、学力テスト等についてお伺いいたします。全国学力・学習状況調査、いわゆる全国学力テストは、文部科学省により平成19年度から全国の小学校6年生と中学校3年生を対象として全員が参加する悉皆調査により実施されました。その後、国の事業仕分けにより規模の縮小を余儀なくされ、平成22年度からは約3割を対象とした抽出調査に切り替わりました。平成23年度は東日本大震災の影響により中止となり、平成24年度は再び抽出調査により全国学力テストが行われる見込みとなっております。東京都では、平成23年度の児童・生徒の学力向上を図るための調査を、全小学校5年生、中学校2年生を対象に実施。豊島区では、平成14年から形を変えながら独自の学力テストを継続して実施しており、平成22年からは小学校3年生から中学校3年生までの児童・生徒を対象に行われております。このように、国・都・区それぞれで子どもの学力把握のための取り組みがなされております。そこで質問です。国・都・区それぞれで行っている学力テストのすみ分けはどのようにしているのか。また、成果を連携するような取り組みはあるのでしょうか。学校現場や児童・生徒へのフィードバック方法を含めてお答えください。豊島区の学力テストの実施により、学力の二極化という課題が見えたと伺っておりますが、その対策へはどのように取り組まれておられますか、お答えください。伸びる子には、得意分野をどんどん伸ばしてもらうためにも、授業のスピードに追いつくことがなかなか難しい子を置いていかないようにするためにも、習熟度別授業は有効であると考えております。現在でも習熟度別授業は一部行われていると存じますが、今後の方向性をどのように考えておられますか、お考えをお示しください。豊島区の学力テストは、個々の学習内容の到達状況が把握できるとともに、各校における学習指導の改善にもつなげることができる非常に意義深いものであるとの認識しております。全国学力テストも抽出方式ではなく、過去の全国学力テストや豊島区独自の学力テストのように子どもたち一人一人の学力を把握し、学校ごとの分析を可能とする悉皆方式で行われるべきです。平成24年度の全国学力テストは、抽出調査により行われることになっております。この際に、希望校へは問題を配付するとのことなので、ぜひ取り寄せて全校で行ってください。今年7月に文部科学省が、平成25年度に全員参加方式の復活を含む決め細かな調査を実施すると発表いたしましたが、まだ確たる方針は明らかではありません。豊島区議会で平成21年第4回定例会において可決した、悉皆方式による全国学力・学習状況調査の継続を求める意見書の趣旨も踏まえ、全国学力テストの悉皆調査での実施を国へ求めるべきだと考えますが、いかがでしょうか。  次に、学校でのICT活用について質問をいたします。ICTとは、情報コミュニケーション技術のことで、本区では、電子黒板機能付デジタルテレビや実物投影機、学習用及び教務用パソコンや校内LANの整備などを進めているところです。学校のICT化には二つの目的があります。一つは、情報社会に主体的に対応できる情報活用能力を児童・生徒が身に付けるため、もう一つは、公務の情報化による教員の事務負担の軽減です。ICT機器の導入を急いだ結果、環境の整備は進みました。今後は、いかに有効に活用し、運用していくかが問われるところです。新学習指導要領では、ICTリテラシー等につき、小学校では基本的な操作や情報モラルを身に付け、適切に活用できるようにする。中学校では、情報手段について適切かつ主体的、積極的に活用できるようにする。高校では、適切かつ実践的、主体的に活用できるようにするなど、これまでの学習指導要領よりも、より積極的な記述となっています。OECD(経済協力開発機構)が15歳児を対象として実施する学習到達度調査であるPISA調査でも、平成21年の国際オプションとして、コンピュータ利用等に関するデジタル読解力調査が行われました。社会の情報化が急速に進んでいる現代において、教員も児童・生徒も情報活用能力を高めていかなければならないのは自明の理であり、避けては通れない道であると言えます。10月5日、東京大学、日本マイクロソフト、レノボ・ジャパンは、21世紀の国際社会で必要な能力として規定されている21世紀型スキルの育成を目指して、ICTを活用した実証研究に取り組むとし、東京大学と豊島区立千川中学校にて、タブレットPCクラウドサービスを活用した授業を展開すると発表しました。社会貢献事業の一環として、三者が協同して新しい教育の形を模索しているところであるといえるでしょう。そこで質問です。ICT環境の整備はかなり進んできましたが、実際の運用がきちんとなされなければ、絵にかいたもちとなってしまいます。学校でのICT活用については、教える側の現場の先生方のスキルも大事な要素となってきます。ICT活用に向けた人材の教育につき、どのような方策をとられているのか。また、現場での活用がうまくいっているかどうか、検証方法も合わせてお答えください。  「豊島区教育ビジョン2010」には、ICT機器の整備は、教員の指導方法を大胆に改善するツールとして、小規模化した学校においては特に有効であり、優先的に整備する必要があるとされていますが、どういった点が小規模化した学校において特に有効なのでしょうか。また、豊島の教育2011には、7校が小規模校のモデル校とされていますが、モデル校ならではの取り組みなどはあるのでしょうか、合わせてお答えください。東京大学などと連携して実験的に行われる千川中学校での取り組みにつき、豊島区教育委員会が考えるねらいはどのようなものでしょうか。21世紀型スキルを育成するということですが、それはどのようなスキルでしょうか。これまでも区内の学校でのICT活用に関する授業は行われてきましたが、これまでの授業とはどこが違うのでしょうか、お答えください。  二つ目の項目として、保育に関してお尋ねいたします。まず、区立保育園の民営化・委託化についてです。行財政改革プラン2004に基づき、平成18年度以降、区立保育園28園のうち7園が民営化または委託化されてきました。その後、改定された行財政改革プラン2005では、対象園が未定ながらも、さらに1園の民営化が計画に加わりました。平成22年3月に策定された、豊島区子どもプラン次世代育成支援行動計画(後期計画)、平成23年3月の豊島区未来戦略推進プラン2011でも、同様の計画のままとなっております。日本の人口は、平成17年から人口が減少し始め、豊島区においても、平成27年までは人口の増加が予測されるものの、その後は減少に転じる見込みとなっております。豊島区は、高野区政の下、構造改革を進めていったことから財政再建を果たしつつありますが、今後の財政運営は非常に厳しいものと予測されます。リーマンショック以降の世界的な景気低迷、ギリシャ、スペイン、イタリアへと連鎖したユーロ経済の危機的な状況などの影響を日本の経済も受けているためです。今後も、身の丈の区政の運営をしていくためにも、スリムで変化に強い行政にし、持続可能な財政構造を構築していく必要があると考えております。そうした中、これまで区が運営していたサービスであっても、民間にできることは民間に委ねていくという大きな流れがあるとの理解をしておるところです。こういった財政構造を変えていくといった戦略的な政策は、単年度の収支や短期的な財政効果をねらって公的なサービスを民間に委ねるということではなく、中長期的な計画で考えていくべきものです。しかし、今年度6月に発表された区立保育園の民営化については、唐突な決定だったという印象をぬぐえません。西巣鴨第二保育園は、園舎の老朽化が進んでいることから、平成24から25年にかけて園舎の改築工事を行うことが決まっておりましたが、この園舎改築を民設民営で行うということになりました。民営化自体に反対をするわけではありませんが、中長期的な計画で出てくるべき民営化の話が年度途中に決まるということに疑問を感じます。そこで質問です。平成23年3月の豊島区未来戦略推進プラン2011、平成22年3月の豊島区子どもプランでも、追加の民営化対象園は1園となっていたのに、西巣鴨第二保育園、高松第一保育園の2園が民営化対象になったのはなぜでしょうか。直近の平成23年3月に発表された計画で、民営化対象園が未定となっていたのに、以前から平成24年4月より改築が計画されていた西巣鴨第二保育園について、年度が替わってから急に建築も運営も民間に委ねることになったのはなぜでしょうか。また、同じように改築が行われる駒込第一保育園が民営化の対象とならないのはなぜでしょうか。財政の見通しが悪化したことも、民営化を急いだ理由かもしれません。そうであるなら、他の区立保育園に関しても、今後の民営化が計画されているのでしょうか。現時点で構想にあるのであれば、お示しください。また、平成22年から26年が計画期間となっている豊島区子どもプランの後期計画は、見直しが必至です。その際には、今後の区立保育園の見通しについて盛り込み、今後は、変更がある際には随時計画の見直しをするよう要望いたします。再三触れているように、私は行政をスリム化していくという観点から、民営化を進めていくこと自体に反対の立場ではございません。民営化の際には、ある程度の周知期間があってしかるべきなのに、今回のケースでは、その時間が余りにも短いことが問題であると考えています。公立の保育園に預ける安心感も手伝い、新しい年度からお子さんをお預けになった方もいらっしゃいます。今回の民営化に関しては、子どもたちへの影響を最小限にとどめるよう、引き継ぎなどに最大限の配慮をすることを要望いたします。  次に、待機児対策についてお伺いいたします。日本では、合計特殊出生率が平成17年に1.26まで減少して以降は歯止めがかかり、平成21年には1.37まで回復したものの、人口維持の境目と言われる2.08を大幅に下回る合計特殊出生率にとどまっております。日本の総人口は平成17年に戦後初めて自然減少し、人口減少社会を迎えました。豊島区に限ってみれば、平成21年の合計特殊出生率は0.88、平成17年の0.76よりは若干回復しているものの、全国平均を大幅に下回る状況となっております。人口は平成17年に約25万人だったのが、平成21年には約26万人と約1万人の増加となっており、都心回帰により他地区からの人口流入があったことが伺えます。豊島区では、人口が増加した結果、就学前児童数は平成17年の9,408人から平成21年には9,940人へと増加しております。こうした状況下で、保育園へ入園を希望しているにもかかわらず、入園ができない待機児も大幅に増えております。平成17年には13名だったものが、平成21年には122名、平成23年11月現在では240名となっております。区としても手をこまねいていたわけではありませんが、対策を上回るペースで待機児童が増えていったために、平成22年版豊島区保育計画では、平成26年までに受け入れ枠を300名増やすとしています。待機児については、対策をとっても潜在的なニーズが掘り起こされて新たな需要が生まれるというイタチごっこになりがちであるというジレンマがあります。また、人口流入に左右されることや、待機児童の地域偏在などの問題も抱えています。そこで質問です。今後の豊島区における待機児童の推移の見通しを含め、区のお考えをお聞かせください。  先日、区内の保育ママ事業について視察をしてきました。3歳未満の待機児を対象とする保育ママ事業は、まさに現在、豊島区が抱えている問題を解決するために必要なものであると実感した次第です。自宅提供型で児童を保育している保育ママは、中学生のお子さんを持つ方で、保育士の資格もお持ちでした。いつ保育園に通うことになってもよいように、生活のリズムは、公園への散歩の時間を含めて、保育園と同じように合わせているとのこと。近隣の保育園や保育ママ仲間同士で意見交換の場を定期的に持っているため、孤立することなく保育ができているという印象でした。施設提供型は、区が提供する施設で、複数の保育ママが児童を保育するという仕組みです。区有地にプレハブで保育用の施設を建てている場所と、民家を改造して保育施設にしているところを視察しました。いずれも小さな保育園という印象の施設でした。中長期的には、少子化により待機児童は必然的に減少していくと想定されますが、現状では待機児童は減少しておりません。しかし、一度大きな施設をつくってしまうと、恒常的に定員割れとなったときに負の遺産を抱えることになるため、過渡期の対応としては、保育ママ制度は非常に優れていると思います。区としてのメリットは、待機児対策になる、職員を雇うよりも安価など。保護者としてのメリットは、待機児を預けることができる、自己負担は保育園並みで済むなど。保育ママとしてのメリットは、在宅勤務が可能、収入を得ることができるなど、三者ともにメリットのあるwin-winの政策であると言えます。  そこで質問です。待機児童ゼロを目指して対策をとっていくことは必要ですが、少子化が進む日本においては、長期的に見れば子どもの総数自体が減少していくため、むやみにいわゆる箱物をつくっていく対策をとってしまえば、将来へ禍根を残してしまいます。また、ほとんどの待機児童が3歳未満となっていることから、この年代への対策を強化することが肝要です。そうした観点から、保育ママ事業のさらなる拡充を図っていくべきであると考えておりますが、区のお考えをお聞かせください。  自宅提供型の保育ママの場合、今の制度では保育ママのバックアップ体制が貧弱であるといえます。例えば、保育ママが体調不良の場合や冠婚葬祭等でお休みをする場合、普段、保育ママへ子どもを預けている保護者が一時的に子どもを預かってもらう先を手配しなければなりません。その際、家庭支援センターが一時保育を有料でしてくれますが、この際の一時保育料の割引措置もありません。結果的に保護者へ物理的にも金銭的にも負担をかけてしまうために、保育ママが休みを取りづらいという現状があります。保育ママ制度を利用している保護者が、家庭支援センターへ一時保育をお願いする際には、利用料金の一定の減免措置があってしかるべきです。これが結果的に保育ママ事業の拡充への後押しとなると考えております。区のお考えをお聞かせください。  三つ目の項目は、放射能対策についてです。学校給食の放射性物質検査について要望いたします。福島第一原子力発電所の事故以降、放射能の影響を懸念する区民の声が我々のところへ多く寄せられております。専門的な知識も放射線量の測定機器も不足している中、行政としては手探りの対応をしてきたというのが現状かと存じます。豊島区としては、独自の取り組みとして、定期的な調査として区内3カ所で大気中の放射線量を測定しているほか、7月には学校や保育所など区内89カ所の放射線量を測定してきました。また、7月には土壌、砂場の放射性物質の調査を区内9カ所で実施し、屋外プールを持つ小・中学校30校を対象にプールの水の放射能測定も実施、10月末には区内の全公園158カ所の大気中の放射線量を測定するなど、東京23区内で比較しても、かなり積極的な取り組みをしているものと評価しております。食べ物などを通して放射性物質を体内に取り込む内部被曝については、特に放射能の影響を受けやすいと言われる子どもが口にする給食に対して、放射性物質の測定を求める区民の声が我々に寄せられました。豊島区の対応は、10月、11月、12月の各月1回につき、それぞれ保育園3園、小学校3校、中学校1校での給食の放射性物質の検査を外部委託にて実施するというもので、全部で保育園9園、小学校9校、中学校3校が対象となっております。給食の放射性物質測定につき、実施する方向で舵が切られたことは評価いたしますが、測定の対象となる保育園及び小・中学校が絞られたことには納得できかねます。豊島区の学校給食は、学校給食センターで一括してつくる方式ではないため、各校にて献立も使用する食材の流通経路も異なります。こうした状況下では、対象を絞って放射性物質の測定をする合理性がありません。区内の保育園、区立小学校、区立中学校のすべてを対象とした給食の放射性物質の検査が行われますよう、要望いたします。  最後に、その他として、大塚駅周辺整備事業についてお尋ねいたします。先日の副都心開発調査特別委員会でもご報告がありましたが、大塚駅周辺整備事業について、パブリックコメントが実施されております。バス停やタクシー乗り場などを移動させ、大塚駅南口の駅前広場を整備し歩行者空間を広げること。南北を往来する自転車動線の強化をすること。長年の懸案事項であった放置自転車への抜本的な対策として広場の地下に1,000台規模の自転車駐車場を整備することなどが事業の柱です。それと同時に、JR東日本が建物設置者となり、大塚駅南口に11階建ての駅ビルをつくるという計画が進んでおります。先日は、JR大塚駅南口ビル(仮称)大規模小売店舗立地法に基づく説明会が、JR東日本、店舗運営管理者の株式会社アトレなどが主催して行われました。法定の説明会であり、大規模小売店舗が設置されることによる騒音や交通渋滞など周辺環境への影響の説明が主な内容でした。地下1階から4階までが物販店、5階から6階がフィットネス、6階の一部に保育所、7階から12階がオフィスとなることまでは決まっていますが、物販店でどういった店舗が入るかなどの詳細は全く決まっていないとのことです。大塚駅周辺の住民にとって、今回の豊島区による大塚駅周辺整備事業とJR東日本によるJR大塚駅南口ビル建築計画は、非常に大きな関心事です。大塚駅周辺整備事業もJR大塚駅南口ビルの建築も、どちらか一方だけを行うということがあり得ない計画です。歩行者優先の駅前づくりをするというコンセプトの下、一体に取り組んでいる開発計画であると存じます。しかし、現状は豊島区とJR東日本はばらばらに説明会を開いており、全体像が見えづらいです。また、当日の資料をご覧になればわかりますが、JR東日本の説明会では、同時に行われる区の駅前整備事業の話が全く含まれておらず、図面にも反映されておりません。豊島区の資料では、一応、駅ビルが平面図に表示されていて、自転車駐車場での連絡路についても触れていますが、駅ビル自体の説明がなされることはほとんどありません。事業主体が違うと言えばそれまでですが、これだけ地域に大きな影響を与える開発行為で全体像が見えづらいままにしていてよいとは思えません。住民にとっては事業主体がどこなのかが重要なのでなく、駅ビルを中心にした大塚駅周辺の整備事業がどのような内容で行われるかの方が重要です。そこで要望です。JR東日本のJR大塚駅南口ビル建築に関してと、豊島区の大塚駅周辺整備事業について、今後、どちらが主催の説明会であったとしても、住民向けの説明会等を開催する場合は両者で連携して行うこととし、図面等の資料は両事業の内容がある程度わかるものとするよう要望いたします。  以上、「子供達の世代へ責任ある政治を!!」と題して、質問や要望を行ってきました。これで私の一般質問を終了いたします。ご清聴ありがとうございました。(拍手)   〔高野之夫区長登壇〕 ○区長(高野之夫) ただいまの細川正博議員のご質問に対しましてお答え申し上げます。  保育についてのご質問のうち、区立保育園の民営化・委託化についてのご質問にお答えいたします。まず、民営化対象園が1園から2園になったことについてですが、区立保育園の民営化についての基本となる計画は、豊島区基本計画とそれを補完する豊島区子どもプランであります。平成18年3月に策定した豊島区基本計画では、当面、約10年間で、区立保育所28園のうち、半数程度について民営化を進めるとしておりまして、区立保育園の民営化は、この基本的な方針の下に進めてまいりましたが、豊島区基本計画の前期期間では、7園の民営化を行いました。そして、平成23年3月に策定した、豊島区基本計画の後期計画では、その間に取りまとめました、平成22年度版保育計画の策定での議論を踏まえ、27年度までの民営化予定園を1ないし2園としたところです。一方、子どもプランは1園のままとなっておりますが、5年後の改訂期には、今後の民営化の状況も反映させ、整合性をとりたいと考えております。今回、西巣鴨第二保育園と高松第一保育園を対象園にしたことについては、施設の老朽度や待機児対策のための改築、立地条件等を勘案して民営化対象園に決定したものであります。
     次に、西巣鴨第二保育園がなぜ急に民営化することになったかについてのご質問にお答えいたします。西巣鴨第二保育園につきましては、待機児対策として、大規模園化するために全面改築が計画されたこと、また、都電とJRの駅に近いという立地条件を踏まえますと、多様な保育サービスの展開が求められていること、そうした保育サービスの展開に当たっては、施設整備の段階から民間事業者の意向を取り入れる必要があること。さらに、現下の財政状況をも勘案いたしまして、年度の途中ではありましたが、民営化の決定をしたところです。  次に、駒込第一保育園が対象にならなかったことについてのご質問にお答えいたします。駒込第一保育園については、耐震改修工事を平成25年度から26年度にかけて行う予定でございましたが、東日本大震災を契機に、前倒ししてこれを実施することにいたしたわけでございます。これまで、民営化の対象園の選定については、公立私立全体の配置バランスや多様な保育施策が展開でき、保護者の利用希望が高い施設はJRや都電の駅に近接しているところでありますので、そうした保護者の利用希望が高い施設を対象にしてきたところでございます。駒込第一保育園は、近接する鉄道の駅がなく、区立保育園の中でも従来から利用率が比較的低い園であったことから、今回は民営化の対象とはいたしませんでした。  次に、今後の民営化計画についてのご質問にお答えいたします。平成18年3月の豊島区基本計画の基本的な方針に基づきまして、今後の民営化は、すなわち区立保育園の半数程度に達するまで進めてまいりますが、これまでの実施結果をさらに検証した上で、区財政の状況、施設の老朽度、立地条件、また、国の保育施策の動向をも見ながら、次期の民営化計画を立てたいと考えております。  次に、子どもプランの後期計画への民営化計画の明記及び計画の見直しについてのご質問にお答えいたします。先程申し上げましたように、子どもプランの次期の改訂は5年後でありますが、その折には、他の計画との整合性を図り、整理いたします。それまでの間は、毎年の未来戦略推進プランで補完してまいりたいと考えております。  次に、民営化の際に配慮することについてのご質問にお答えいたします。民営化の最大の課題は、事業が引き継がれるとともに職員も入れ替わることになりますので、子どもたちへの影響を最小限に抑えることにあります。そのため、新しい職員が、子どもたちの性格や行動特性、アレルギーの有無、毎日の保育時間、送り迎えの保護者などを十分把握できるよう、引き継ぎ期間に十分な時間を確保し、子どもとの信頼関係を確立するよう進めていく必要がございます。また、子どものみならず、保護者との間でも信頼関係を確立することが非常に重要でございまして、保育事業者、保護者、園が十分な意見交換を行い、保護者の意向等を踏まえて進めるよう配慮してまいりたいと思います。  次に、待機児対策についてのご質問のうち、まず、待機児童の推移の見通しを含めた区の考え方についてのご質問にお答えいたします。近年の保育需要の急増は全国的な傾向ですが、その兆しが見えた平成20年度から4年間の本区の保育需要の動向を見ますと、平成22年度をピークに、最近は少し落ち着いてきております。しかし、若年層人口の流入が多い本区の地域特性などから、伸び率は小さくなるにしても、保育需要の増加傾向は、今後も続いていくものと考えられます。したがいまして、本区の待機児対策につきましては、保育計画に基づく既存の認可保育所の定員枠の拡大や認証保育所の展開をベースにしながら、保育ママや臨時保育所の施策で調整しながら、待機児解消を目指してまいりたいと考えております。  次に、保育ママ事業の拡充についてのご質問にお答えいたします。保育ママ事業につきましては、毎年度規模を拡充させてきており、平成23年4月現在、保育児童定員の合計は61人に上っております。平成24年度に向けては、施設提供型保育ママ、いわゆるすくすくルーム2カ所の拡充により、十数人の受け入れ枠の拡大を図る予定で、現在、準備を進めております。保育ママ事業は、ご指摘のとおり、施設整備に多額の経費をかけずに比較的短期間で実施に移すことができることから、待機児童対策としての効果が高く、また、集団保育よりも家庭的な雰囲気の中での保育を希望する保護者のニーズに応えている事業でございまして、今後とも積極的に活用していきたいと考えております。ただ、一方では、保育時間が短いことなどから保育ママの利用が敬遠される場合もあり、今後、保護者のニーズを踏まえ、他の待機児童対策と適切に組み合わせながら活用していきたいと考えております。  次に、保育ママ事業利用者への減免措置についてのご質問にお答えいたします。自宅提供型保育ママにつきましては、ご指摘のとおり、休暇を取得する場合には、子ども家庭支援センターの一時保育を、保護者に1時間当たり500円の保育料を負担していただいた上で利用をお願いしております。この場合、保護者は、当該一時保育を優先的に利用できる仕組みとなっておりまして、また、保育ママが急に休暇を取得することになった場合は、保育料をいただいておりません。生活保護世帯または住民税非課税世帯の場合には、保育料を半額に減免する制度もございます。保育ママ事業の拡充のためには、保育ママが休暇を取りやすい仕組みづくりが重要でございまして、ご指摘いただきました一時保育の保育料のさらなる減免措置につきましては、保育ママや保護者の要望を踏まえまして、検討を進めてまいりたいと思っております。  なお、私からの答弁は以上ですが、その他の質問につきましては関係部長から、教育委員会の所管に属する事項につきましては教育長から答弁申し上げます。   〔齋藤賢司総務部長登壇〕 ○総務部長(齋藤賢司) 放射能対策についてのご質問のうち、すべての区立保育園、区立小・中学校を対象とした給食の放射性物質検査の実施についてのご質問にお答えいたします。食材についての放射性物質の検査は、各都道府県で計画的に実施されているため、市場に流通している食材の安全性は確保されているものと考えております。しかしながら、出荷制限の扱いとなった食材が、実際に市場に流通していたこともありましたため、小さなお子さんの保護者の方々の不安を少しでも解消できるよう、給食の放射性物質の検査を実施しているところでございます。対象につきましては、ご指摘のとおり、保育園9園、小学校9校、中学校3校の計21施設で実施し、これは測定対象施設のおおむね半数程度をカバーするものでございます。給食に使用している食材につきましては、各施設において地元の業者からそれぞれ独自に調達しており、市場での流通経路が様々でございます。このため、市場に流通している食材の安全性や、他区で行っております給食食材の検査結果などを考慮いたしますと、対象施設を限定したサンプル調査には一定の合理性があるものと考えております。しかしながら、ご質問にもございましたとおり、小さなお子さんの保護者の方々を中心に、すべての保育園、小・中学校での検査の実施を求める切実なご要望を多数ちょうだいしてございますので、この実施に向けて具体的に検討してまいります。  私からの答弁は以上でございます。   〔鮎川 傑都市整備部長登壇〕 ○都市整備部長(鮎川 傑) 大塚駅周辺整備事業についてのご質問のうち、住民向け説明会の連携についてのご質問にお答えいたします。JR東日本が計画している駅ビル整備事業は、昨年8月に豊島区中高層建築物の建築に関する条例に基づく説明会、11月には大規模小売店舗立地法に基づく説明会を、事業主体であるJR東日本が開催いたしました。豊島区が事業主体である大塚駅周辺整備と、JR東日本が事業主体である大塚駅南口駅ビルは、お互いに重要で、将来的に大塚駅の顔となる事業ですので、これまでも密接な情報交換を行い、連携を図ってまいりました。しかし、地元説明会は、事業主体が責任を持って開催するものであり、共同開催は難しい状況となっております。両事業は、区民にとりまして関心が高く、また、重要な事業でありますことから、今後も情報交換を密にし、協力関係を築き、豊島区が開催する説明会では、同時に駅ビルの内容もご報告できるよう、JR東日本と調整を行い、地元の皆様がご理解しやすい工夫を行ってまいります。  私からの答弁は以上でございます。   〔三田一則教育長登壇〕 ○教育長(三田一則) 引き続きまして、教育委員会の所管に属する事項に関するご質問にお答えいたします。まず、教育についてのご質問のうち、豊島ミニマムの内容と今後の見通しについてのご質問にお答えいたします。豊島ミニマムとは、これだけはやろう、これだけはできるようになろうという全教員を対象とした基準であり、人材育成の指針となるものでございます。各学校では、基本的な生活習慣の定着や、児童・生徒の規範意識を高めるための様々な教育実践が行われております。例えば、さくら小学校では、あいさつや手伝いなど、児童一人一人が自分の行動を振り返るための基準を定めるとともに、教員用には指導の手引きを作成し、日常の指導に役立てております。また、富士見台小学校では、若手教員が増える中、ベテラン教員の経験に基づく指導のポイントを「富士見台小スタンダード」としてまとめ、世代間の指導力のギャップの解消や指導技術の継承を目的として活用しております。今後、各学校のこうした優れた実践を、積極的に豊島ミニマムとして取り入れ、教育都市としまの実現に不可欠な、多様な実践的指導力を持った教員としての人材育成の指針に結晶させてまいります。  次に、学力テストなどについてのご質問のうち、まず、国・都・区による学力テストのすみ分け及び成果を連携する取り組みについてのご質問にお答えいたします。すみ分けについてでございますが、国の学力テストは小学校6年生と中学校3年生の3割程度を対象とした抽出調査であり、全国的な学力の傾向を捉えることができます。また、東京都の学力テストは、小学校5年生と中学校2年生の全員を対象としており、言語活動に着目した「読み解く力」を捉えるという特性がございます。本区で実施している基礎的・基本的な内容の定着に関する調査は、小学校3年生から中学校3年生の全員を対象としているので、一人一人の学習特性や変容の履歴を把握することができます。  次に、成果を連携する取り組みでございますが、区の学力調査と国や都の調査結果をクロスさせることにより、全国における豊島区の位置付けを把握することができます。さらに、国と都の学力調査の結果を参考に、各学校が授業改善プランを作成しており、授業力の向上に大変役立っております。  次に、学力の二極化解消への対策についてのご質問にお答えいたします。学力の二極化の解消に向けては、個に応じた指導が不可欠でございます。そこで、授業改善推進プランを基本に据え、子どもの学習の履歴を踏まえたきめ細やかな指導を展開しております。また、少人数指導やティーム・ティーチングなどの手法を用いて、個に応じた指導を行っております。さらに、基礎的な学力の定着が十分でない児童・生徒に対しましては、各学校において放課後の補習などにより対応しております。  次に、習熟度別授業の今度の方向性についてのご質問にお答えいたします。習熟度別授業につきましては、伸びる者は伸ばす、つまずきのある者は越えさせることをねらいとしております。学習の進み具合や、課題の選択、達成度に着目して、教科特性や児童・生徒の実態を踏まえ、全校で展開しております。授業を受けた児童・生徒から「自信を持った」「さらにやりたくなった」という声が多数挙がっていることから、教育委員会といたしましては、今後も授業のねらいに沿った習熟度別授業を推進してまいります。  次に、希望校への問題配付についてのご質問にお答えいたします。今年度は、問題を全小・中学校に配付いたしました。平成24年度につきましても、全校に問題を配付し、有効に活用する方向で検討してまいります。  次に、全国学力テストの悉皆での調査実施を国へ要望することについてのご質問にお答えいたします。本来、学力調査の目的は、一人一人の学力の達成状況を把握し、学力向上に必要な対策を講じることにあります。抽出調査では、学力の全体的な傾向しかわかりません。したがいまして、豊島区教育委員会といたしましては、区独自の学力調査の実施の継続と合わせて、東京都や国に対して、積極的に、毎年、悉皆で実施するよう要望してまいります。  次に、学校でのICT活用についてのご質問のうち、人材の教育及び現場での活用についてのご質問にお答えいたします。授業を飛躍的にサポートする知的ツールとしてのICTを、教師自身が機器の特性を習得し、自在に使いこなせるようになることは大変重要であります。人材の教育につきましては、教員が授業でICTを効果的に活用できるよう、今年度は校長や副校長、主幹教諭など職層別に研修会を実施いたしました。また、全教員を対象とした研修会も実施し、授業での活用を強力に推進しております。また、現場での活用についてでございますが、例えば、実物投影機を活用して、漢字の書き方や計算の仕方を、見やすく、わかりやすく教え、理解を深めています。また、電子黒板の書き込み、拡大・縮小などの機能は、発展学習に有効に活用されております。検証方法につきましては、区の行う学力調査に合わせて意識調査を実施しております。6割を超える児童・生徒が、「デジタルテレビや電子黒板を活用した授業は、活用しない授業よりもわかる」と回答しています。今後は、この内容が8割を超えることを目標に努力してまいります。  次に、小規模校における有効な点についてのご質問にお答えいたします。小規模校へのICT機器導入は、少ない教員数を補い、学校全体で効率的に教材を開発し、共有することに大変役立っております。例えば、高南小学校では、若手教員を中心に電子黒板の活用研究を進め、魅力ある授業の展開や子どもと向き合う時間を確保しています。また、デジタル教材に一人一人の子どもが十分に触れたり活用したりでき、わかるまで、できるまで、じっくり学ぶ、小規模校ならではよさが発揮されております。  次に、モデル校での取り組みについてのご質問にお答えいたします。モデル校では、児童一人一人の達成感や学び合いを引き出す授業を目指し、ICT機器を効果的に活用しております。例えば、本年10月21日、朝日小学校で、授業に電子黒板の活用を位置付け、受動から能動へ学習を導く算数科の研究発表が行われました。アニメーション機能を使った速さの学習や、数量をグラフ化した面積の比較など、問題解決型の授業に生き生きと取り組む児童の姿が見られ、保護者や地域の方々から感動の声が挙がりました。当時の導入期に勝る大きな成果を感じとることができました。  次に、千川中学校での取り組みのねらいについてのご質問にお答えいたします。議員ご指摘の取り組みは、東京大学、日本マイクロソフト社、レノボ・ジャパンが連携し、社会貢献事業の一環として実施しているプロジェクトであり、21世紀に活躍できる人材を育成するために、ICTを活用した教育を実践・検証し、その成果を広く社会に発信していくことを目的としています。千川中学校では、タブレット型パソコンやクラウド環境、様々な最新のソフトを活用して、生徒の興味・関心を高め、わかる授業を実践し、能動的な学習を推進することをねらいとしております。  次に、21世紀型スキルについてのご質問にお答えいたします。21世紀型スキルとは、国際化、グローバル化、高度情報化がますます進展する知識基盤社会を、子どもたちがたくましく生きるための基礎として、OECD(経済協力開発機構)などの国際機関と連携して推進しているマンパワーのことであります。具体的には、他者と協調するコミュニケーション力や、協同するコラボレーション力、課題発見・解決力のほか、そうした力を支えるICT活用力や情報リテラシーなどの国際標準となる力です。千川中学校では、東京大学との連携により、タブレット型パソコンを活用して21世紀型スキルを育むための授業のあり方や、家庭における情報リテラシーの育成について研究してまいります。  次に、従前の授業との相違点についてのご質問にお答えいたします。千川中学校では、各教室に無線LANを配備し、パソコン教室へ移動することなく、いつでも、どの教室からでもタブレット型パソコンを活用した授業を展開できるようになります。また、パソコンに搭載されたソフトを活用して、教員は、自席のパソコンで発問に対する生徒の回答状況やつまずきを把握できるだけでなく、生徒間でも相互に学習状況を参照することが可能となります。教室内の情報共有が容易に進み、協同的な学習へと発展させることが期待できます。さらに、東京大学が開発したソフトを活用すると、新聞記事のような文章の要点を抜き出し、整理する作業が簡単にできるようになり、読解力やコミュニケーション能力の向上にもつながってまいります。今後、このプロジェクトの成果を他校にも広げるとともに、学力の二極化の対応や、ICTのさらなる効果的な活用につなげてまいります。  以上をもちまして、細川正博議員の質問に対する答弁を終わります。 ──────────────────────────────────────── ○議長(里中郁男) 次に、1番議員より、「震災の教訓生かし“連帯の心”で安全・安心の豊島を目指して」の発言がございます。   〔西山陽介議員登壇〕(拍手) ○1番(西山陽介) 私は、公明党豊島区議団を代表して、「震災の教訓生かし“連帯の心”で安全・安心の豊島を目指して」と題し、一つ、防災機能・震災対策強化について、一つ、区民ひろばにおける地域コミュニティについて、一つ、地域による支え合い体制づくりについて、一つ、区有施設を活用した保育事業等について、一つ、教育課題について、一般質問します。  初めに、防災機能・震災対策強化について質問します。私たちは、3月11日の東日本大震災を目の当たりにして、改めて防災・震災対策は、行政だけではなく、鉄道、通信、集客施設などの事業者と地域住民が連帯して全体のまとまりの中で対策を講じていくべきと考えさせられました。豊島区民の命を守り、副都心池袋を抱える本区として、事業者や来街者の安全確保を果たすためにも、防災力の抜本的強化が求められています。東京都では、大震災の検証を行い、「防災対応指針」として発表しましたが、本区における総合的な震災対策の基本方針策定にどのように反映させるのか、また、(仮称)震災対策基本条例の検討など、今後の防災機能、震災対策強化について、高野区長の認識と決意について伺います。  帰宅困難者対策について、3点伺います。第1に一斉帰宅の問題です。3.11では、池袋周辺だけでも約1万人が滞留者になりました。首都直下型地震では、この滞留者はおよそ8倍とも考えられています。大雨による、また大雪に対しても、首都圏公共交通が停止する可能性があります。鉄道結節点である池袋駅を初め、他交通機関の停止が長時間にわたると判断された場合、この一斉帰宅抑制を、地元行政としてどのように手を打たれていかれるのか、今後の方策について伺います。  第2に、帰宅困難者の受け入れ施設の確保です。学校・大学等を含めた公的機関、そして民間事業所に対して、一時待機場所提供の協力を求めていかれると思います。これら施設と協定を結び、一時宿泊や避難ができるよう、体制整備を構築する必要があります。この体制構築とともに、一時待機場所が反映されたマップ作成や、ITを利用した新たな情報提供ツールを構築すべきと考えます。これらの取り組みについて、お考えをお示しください。  第3に、備蓄のあり方についてです。帰宅困難者向けの支援体制は、民間施設等に備蓄を要請する必要性があると考えます。JR東日本では、首都圏のターミナル駅に飲料水と毛布を備蓄し、駅ごとに地元自治体と協議することが発表されています。また、区民ひろばや幼稚園、保育所を初め、小・中学校や子ども関連施設などにも分散備蓄が必要であります。民間施設、公共施設における備蓄物資のあり方について、ご見解を伺います。  次に、救援センターについて質問します。本区での多くの救援センターは、区立小・中学校を指定しています。子どもの命を預けている場所と言っても過言ではありません。3.11では、帰宅困難者向けに救援センターが開放されたところがありました。逆に、教育現場の職員だけでは対応し切れないと判断された学校もありました。さきの決算特別委員会でも取り上げましたが、救援センター開設時での教育現場と救援センター機能のすみ分けは十分に協議していただきたいと思います。あらゆる想定の中で、この役割と責任分担などについて今後の方向性を伺います。  東京消防庁では、自治体向けとして「図上型防災訓練マニュアル」を本年5月に公表しました。当初は風水害を目的としていましたが、大震災以降、需要は確実に高まっているとの見解を出しており、自治体での積極的活用を呼び掛けています。このうち、避難所運営の体験型訓練「HUG(ハグ)」が注目されています。避難所のH、運営のU、ゲームのGを並べてHUG=ハグ訓練と呼ばれております。基本的な流れは、季節や天候などの条件を想定し、救援センターに見立てた学校の体育館や教室の平面図を用意する。避難者の性別や年齢などの情報が書かれた「避難者カード」を、状況に応じて平面図上の適切な場所に配置していく。これらの途上で物資が届くなど、次々に想定される事態に対応していく訓練であります。先月22日には、静岡県下田市で、災害ボランティア養成講座で同訓練が行われました。救援センターは職員・地域と一体となって運営されるものと想定します。とはいえ、皆初めてのことばかり、地域住民同士が円滑なコミュニケーションを図ることがスムーズな運営につながるものと考えられます。ぜひとも本区におきましても、この体験型図上訓練HUGを活用すべきと提案します。お考えをお示しください。  災害時の給水について質問します。先月16日には、豊島区総合防災訓練が4会場にて行われました。その際、池袋小学校会場では給水訓練が行われ、断水時の想定として西池袋公園にある給水拠点よりトラックで運ばれるものでした。災害時この方法で35カ所の救援センターに給水されるには、効率性に問題はないのでしょうか。東京都では、都議会公明党の提案により、消火栓からの仮設消火栓方式が検討されています。東京都との協議に応じて、救援センター各地で給水がスムーズに行われるよう、仮設給水栓方式を準備しておいてはいかがでしょうか、お考えを伺います。  障害者の防災対策について質問します。災害時要援護者体制は、地域によりなかなか支援体制の構築に温度差が出てきております。いま一度、安否確認、避難誘導、要援護者の特性に応じた福祉避難所の体制整備など、緊急検討課題であると考えます。特に、障害者の防災対策について取り上げます。さきの東日本大震災による障害者の被災状況調査を進めている福島県点字図書館館長の中村雅彦氏によると、障害がある人は、ない人に比べて死亡率は1.3倍も高い状況とのことでした。車いすの方は、玄関先で津波に流され亡くなっていた。部屋の中はバリアフリーなのに、いつものヘルパー自身が被災して来られなかったために玄関から降りられず逃げ遅れた。人工呼吸器をしていて逃げ遅れたなど、あと少しの支援で助かる命があったと述懐しておりました。このように、災害時、障害者が独力で被災状況を把握したり、避難すべき場所へ移動することは困難であります。聴覚障害者は、テレビ・ラジオ放送などからは情報が得がたく、視覚障害者は道路など移動中の危険箇所の状況把握が困難であります。昨年、我が党からの一般質問の答弁では、「要援護者ご自身が実働訓練に参加いただくことは、今後、体制が十分に整った後に改めて実現の可能性を検討したい」、また、「支援の内容や危険回避策を理解しておく必要がありますので、安否確認や支援者向けの図上訓練など、実際に役立つ訓練を検討する」と述べられております。障害者団体等からのご要望もあり、地域においては、防災訓練などを通じて健常者が普段から学んでおくべきこと、これらに対応するため、障害者の側に立った防災マニュアルやガイドラインの作成とともに、実践的な避難・誘導訓練が不可欠と思いますが、ご見解を伺います。  防災地図について質問します。現在、豊島区では、区内6カ所の備蓄倉庫に物資と資器材30カ所のミニ備蓄倉庫に物資を、また救援センター35カ所に資器材が準備されています。この情報は、豊島区防災地図裏面に記載されています。防災課では、工夫を凝らして毎年改定されていると伺いました。私は、これまで機会あるごとに地図裏面の内容を紹介してきました。この防災地図の所有世帯は決して高いとは言えず、また、記載情報の認識が余りにも周知されていないと感じました。そこで、この防災地図を、災害時家庭版マニュアルとする内容にできないものでしょうか。救援センター地区別や、または行政地域である12地区別の内容に改めるものです。地域に特化した防災・震災時情報を記載し、災害時には、この防災地図情報があれば、いざというときの区民の行動指針となるものであります。いざというときにすぐに見ることができ、また、持ち出しも簡易な防災地図の有効活用を提案します。ご所見を伺います。  防災啓発について質問します。発災直後には、公助機能は限界があり、地域や近隣の助け合いである共助力が左右されます。日本火災学会の資料によると、阪神・淡路大震災のうち、兵庫県淡路地域においては、生き埋めや閉じ込められた際の救助は、自助、共助で97%に上ります。地域や町会ごとの連帯、また、地域内にある事業所との連携により、共生意識を高めていくべきと考えます。地域を歩きますと、大災害時でも、近所で火災が発生したらすぐに消防車が来てくれるだろう、けが人が出たらすぐに救急車が来てくれるだろう、現時点でも楽観している場合が少なくありません。自分の命は自分で守る。隣近所の安否は隣近所同士で確認し合う。地域で連帯するための防災啓発を今後も強化するべきと考えます。あわせて、家庭内での災害時の約束事を決めて確認し合うことが重要であります。年に一度、(仮称)家庭防災会議の日などを命名して、取り組みやすいツールを提供するなど後押しして、家庭内での自助力を向上させる取り組みはいかがでしょうか。今後の防災啓発について区のお考えをお示しください。  大きな項目の2番目として、区民ひろばにおける地域コミュニティについて質問します。地域区民ひろばは、小学校区での着実な実施に伴い、年々事業数や利用者数の増加が見られ、また、池袋本町地区では自主運営がスタートするなど、運営協議会活動も活発化しています。こうしたことから、区民ひろばは当初の目的である地域コミュニティの活性化に大きく寄与しており、十分にその役割を果たしているものと評価しております。今年6月のセーフコミュニティ事前審査では、区民ひろばにおける取り組みに対する評価はとりわけ高く、「クミンヒロバ」を世界共通の標準語としてはどうかという話があったと伺っています。そして、区民ひろばでは、従来にも増して、様々なセーフコミュニティに関する事業の充実、実施がなされていると認識しており、本審査に向けた準備も整えられていることと思います。一方で、昨今の社会状況では、無縁社会という言葉があらわすように、希薄化するコミュニティを浮き彫りにし、東日本大震災以降、ますます地域の絆の重要性が叫ばれています。こうした中、区民ひろばは地域コミュニティの拠点として、真に地域の人と人をつなぐ絆を深めるための役割が期待されるところであります。そこで伺います。セーフコミュニティ認証に向けて、拠点としての機能面の強化が重要であると考えますが、本区における地域コミュニティの形成について、お考えをお聞かせください。  いつまでも元気で充実した毎日を過ごしたい、そんな健康志向が高まる中、手軽で健康維持に役立てようと、本区では一昨年、電位治療器を10台新規に設置され、14のひろばで16台が稼働しています。電位治療器は、血液の流れをよくし、体の調和をとり、健康を維持するとされており、頭痛や肩こり、慢性便秘、不眠症の軽減などが期待できるものであります。ほとんどのひろばには1カ所1台ですが、特に区民ひろば朋有や南大塚では大変に好評で、空き待ちをしなければならないと聞いています。練馬区のある施設では、施設利用者の4割がほぼ毎日、電位治療器を利用しているそうで、8台の設置でもフル回転、一時待合室がいっぱいになるほどとのことです。また、福島県のある自治体施設は、豊島区の特徴である多世代交流機能を目的としている施設に5台を設置、毎日50人が利用され、治療効果を感じているとの声が上がるほどです。市担当課は、結果的に医療費の削減につながるのではと期待を寄せています。この実例のように、単なる施設サービスにとどまらず、利用施設の満足度向上にも貢献しています。本区の課題は、全ひろばには配置されておらず、複数台の設置がないということであります。1人ぽつんと20分間黙って座るには、何とも寂しい限りです。並んで座っている利用者同士が話に花が咲き、知らない者同士が何度も顔を合わせるうちに親しくなる、人の笑顔が生まれてくるものであります。導入された電位治療器が一層活用されるよう、全区民ひろばで複数台設置され、地域の絆を結び合う一助とすべきと提案いたします。お考えをお示しください。  大きな項目の3番目として、地域による支え合い体制づくりについて質問します。昨年の高齢者実態調査に基づき、今年度アウトリーチ事業などで高齢者総合相談センターの職員が、民生委員さんの協力を得て、区内の高齢者の実態をつぶさに掌握されましたことは大いに評価するところです。全国の自治体では、このひとり暮らしの高齢者の支援策について、様々な取り組みが行われています。どの地域でも、ポイントは孤立化防止とともに、実際の生活支援にあり、困ったときに駆けつけられる相談窓口の充実と、地元地域やNPOとの協働など、総合的には自助・共助・公助の三つの区分の連携強化と、ITなど時代に合った便利なツールの活用を前提にした「新しい福祉」の施策構築が行政の大きなテーマであると思います。横浜市では、ひとり暮らし高齢者世帯などを対象に、地元NPO法人と区役所、区社会福祉協議会、地域ケアプラザ、ボランティアなどが協力したひとり暮らし高齢者の見守り活動や買い物支援などが行われています。品川区では、ひとり暮らしの高齢者などを支援するため、区が社会福祉協議会に委託し、自宅の電球交換や買い物の付き添いなどの身近なサービスのほか、視覚障害者や、視力が低下した高齢者に対し、代読や代筆を行う取り組みがあります。また、ITを活用したユニークな支援策としては、愛媛県松山市シルバー人材センターと地元スーパーが協働して、タブレット端末を活用した見守りと買い物、困りごとサービス事業も話題を呼んでいます。タブレット端末を持って、注文や配達で家に訪問することで、ひとり暮らしの高齢者の安否確認にもなっています。本区においても、この度、池袋本町地区において、高齢者の買い物支援と空き店舗を活用した高齢者の立ち寄り所の地域サロンを行う地域支え合いサポートシステムが、地元NPOと商店街の熱意で準備が進められているところであり、ご協力いただく関係者に対し心から敬意を表するものです。継続的成果が発揮されるよう、自発的な地域事業に対し、行政として下支えの支援を要請するものであります。そこで伺います。この事業は、東京都の事業を活用したものですが、この目的と概要、特徴、協力体制、さらに実施していく上での課題についてどう認識しておられるのか伺います。今後、多様化する高齢社会の中で、様々な人、場所、民間事業者を組み合わせ、地域資源を有効に活用することで、多様な支え合いの仕組みが必要であると考えます。さらに、本区においては、地域区民ひろばが各地域で独自の特性を生かし、人と人の輪を広めつつあります。区民ひろばを有効に活用して、支え合いのコーディネートも可能ではないかと考えます。区と社会福祉協議会が中心となり、行政として部局をまたいで、共助による支え合いの新しい福祉に取り組み、住み慣れた地域で安心して暮らし続けるために必要な支援に取り組むことを強く要望します。今後の地域が地域を支え合う新しい福祉の本区の考え方と方向性についてお考えを伺います。  大きな項目の4番目として、区有施設を活用した保育事業等について質問します。初めに4点伺います。第1に、東京都初となった区民住宅の空き室を活用しての保育ママ事業は、大変、好評を博しており、提案した我が党として高く評価しております。さらなる待機児童解消に向け、空き室のあるソシエを保育ママへの転用して拡大すべきと考えます。特に、長崎五丁目のソシエ等での保育ママ事業は可能性が高いものと考えておりますが、いかがでしょうか、ご見解を伺います。  第2に、南大塚保育園の3階についてです。これまで職員寮として使用していましたが、現在では倉庫になっています。このような区有施設を保育ママなども含めて、待機児童対策に活用することを提案しますが、ご見解を伺います。  第3に、千早区民ひろばの2階についてです。こちらは、以前、要町児童館として使用されてきた施設でしたが、昨年、要町保育園の施設改修のため、仮園舎に改修してから活用してきました。そして本年3月、要町保育園改修が完了し、園児たちは以前の施設での保育に戻りましたが、その後、仮園舎は倉庫にされている現状です。地元住民からは、せっかく園児が使えるようにした施設が物置と聞き、いかがなものかとの声も多く聞いております。倉庫が必要であれば、このような駅に近い素晴らしい施設をデッドスペースにするのではなく、他の区有地に仮設倉庫をつくってでも、待機児童対策に活用するべきではないでしょうか。この千早区民ひろば2階を、早速、来年4月から保育施設として活用すべきと考えます。あわせて、当該施設は要町保育園の斜め前という至近距離に位置することから、要町保育園の分園とする可能性や、または施設型保育ママとして検討するよう要望します。お考えをお示しください。  第4に、現在建築中の長崎四丁目「愛の家」の保育園が来年3月には完成する予定です。この保育園の仮園舎は目の前にありますが、ここを分園としての活用の可能性について伺います。待機児童の解消は区政の重大課題です。すぐにも使用可能な施設をぜひ積極的に活用され、待機児童解消に、とりわけゼロ歳児、1歳児向けに取り組んでいただきたい。区の積極的なお考えを伺います。  関連して、区立幼稚園の預かり保育について伺います。私ども公明党がかねてより要望してきた区立幼稚園における預かり保育事業が、南長崎幼稚園において、今年6月よりモデル実施されております。この実施状況と保護者の声などについて、また、未実施の池袋幼稚園、西巣鴨幼稚園での実施について、検討状況を伺います。あわせて、この預かり保育事業が、来年度入園希望の動向に影響があったのかどうか、ご所見をお示しください。  最後に、教育課題について3点質問します。初めに、防災教育についてです。災害時に自分の命を守られるか否かは究極的には自分の判断と行動にかかってきます。改めて防災教育に力を入れ、生き抜く力を培う場が求められます。ご存じのように、釜石市では、中学生が小学生や保育園児の避難を手伝い、多くの命が救われました。同市の防災教育に携わってきた群馬大学大学院の片田敏孝教授は、知識ではなく姿勢を与える教育の重要性を指摘し、「自然災害に向き合うとき、主体的に自分の命を守り抜くという意志が重要なポイントになる」と述べています。内閣府は、過去に日本を襲った地震や風水害などの災害を子どもたちに伝えるため、防災教育冊子「災害史に学ぶ」を、9月から自治体や公立図書館に配布しました。立命館大学災害史の北原糸子教授は、「自分の住む場所でどんな災害があり、どうすれば命が守れるか、「津波てんでんこ」のように学校で必ず教え、記憶を途切れさせないことが重要」と述べています。あわせて、家庭での取り組みを啓発して、子どもが家庭を促し、ひいては防災力と意識が高まることに期待します。豊島区にとって、今後、取り組むべき防災教育の視点についてお示しください。  次に、学校における放射線学習についてです。本区では、放射能対策として、空間放射線、プールの水、土壌、給食食材などについて、様々な情勢に応じて線量測定を実施され、区民の要請、特に子どもの保護者の不安に応える努力をしていただいています。放射線は自然界から受けるものや、医療等でも受けることがあるにもかかわらず、一部では過剰反応のきらいも伺えます。この機会に学校における放射線学習を、教員向け、また児童・生徒向けに実施することを提案します。正確な知識を得てこそ、的確な判断が生まれるものと考えます。ご見解を伺います。  最後に、特に配慮が必要とされる子どものアレルギー疾患についてです。我が党は、これまでアレルギー疾患のお子さんの支援について、度々取り上げてきました。教育委員会を初め、各学校現場では、例えば食物アレルギーなど、各人に沿った除去食を提供するなど、事故なく対応を実施していただいており、高く評価するものであります。アレルギー疾患はまれな疾患ではなく、学校やクラスに各種のアレルギー疾患を持つ児童・生徒がいることを前提とした学校保健の取り組みが求められるところであります。児童・生徒の健康管理情報は、保護者より保健調査票の提出を義務付け、毎年、情報更新をしています。そして、学校生活で特に配慮や管理が必要な場合は、学校生活管理指導表の提出を求め、関係者との協議を経て運用されています。国のアレルギー疾患に対する取り組みガイドラインとともに、この学校生活管理指導表の活用が示されて3年になりました。この管理指導表の提出は、医療機関の文書料の扱いで、保険適用になっておりません。特に、食物アレルギー疾患のお子さんを持つ保護者からは、「子どもの健康上の理由で毎年の管理指導表提出に文書料の負担が重い」との意見が多く寄せられています。今年9月22日から、食物アレルギーなどになるアナフィラキシーショックを和らげるアドレナリン自己注射薬「エピペン」の保険適用が開始しました。有効期間が短く、1本1万2,000円ほどの高額であったため、処方を躊躇する保護者がいるなど、家庭での経済的負担が指摘されていました。一番つらい思いを既に強いられているのは子ども自身であります。子どもの安心と学校の安全をより確実にさせるためにも、この学校生活管理指導表に係る文書料の負担軽減を検討していただきたいと強く要望いたします。ご見解を伺います。  以上で、一般質問全部を終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手)   〔高野之夫区長登壇〕 ○区長(高野之夫) ただいまの西山陽介議員のご質問に対しましてお答え申し上げます。  帰宅困難者対策についてのご質問のうち、まず、一斉帰宅抑制策についてのご質問にお答えいたします。東日本大震災を経験し、私は、帰宅困難者問題の規模の大きさ、事業所・関係機関と連携して効果的な対策を実施することの難しさを痛感いたしました。ご指摘の一斉帰宅の抑制は、帰宅困難者の量的な抑制を図り、混乱を最小限にとどめるために、大変重要で、有効な対策であると考えております。区は、これまでも池袋駅での混乱防止対策訓練の参加者に対して、一斉帰宅抑制をPRしてまいりましたが、大震災以降は、豊島法人会など事業者団体の勉強会で、従業員を帰さないことの重要性を訴えてまいりました。事業所側の意識や対応も一定の変化が見受けられ、一斉帰宅抑制の必要性が浸透し始めていると感じております。また、事業所に対して、事業所防災計画の策定及び訓練の実施を指導している東京消防庁は、今後、帰宅困難者対策を考慮して、従業員を帰さない訓練の実施に取り組むと聞いております。さらに、本年9月に内閣府と東京都が共同設置した、首都直下地震帰宅困難者対策協議会では、一斉帰宅抑制の基本方針を決定しており、国や東京都においても、事業所等への働きかけを強める動きが進んでおります。現在、策定中の池袋駅周辺混乱防止対策計画においても、一斉帰宅抑制を基本方針の一つとして定め、事業所の自主備蓄や情報提供手段の確保など、実効性を担保する施策も盛り込んでいく予定でございます。こうした、国、東京都、防災関係機関等による取り組みと連携し、あらゆる機会を捉えて普及啓発をさらに強化していくことで、個々の事業所、従業員一人一人に一斉帰宅抑制の必要性を徹底してまいりたいと考えております。  次に、受け入れ施設の確保についてのご質問にお答えいたします。大震災の当日、区内では、大学・ホテル等による自主的な帰宅困難者の受け入れが行われ、大きな混乱なく乗り切ることができました。こうした実績を踏まえ、既に、区は区内六大学と帰宅困難者の受け入れを含めた防災協定の締結に向けて協議を始めております。今後、ホテルやホールなどにも協定締結を呼び掛けて、受け入れ施設の確保に向けて、さらに努力をしてまいります。ただし、それらの施設が災害時に必ず受け入れることができるとは限らないため、事前に決定してマップに記載することは困難であると思われます。当該施設の建物には被害がなく、施設利用者数に余裕がある場合でなければ、受け入れは不可能なのであります。今後、ITを活用して、迅速に各施設の状況を集約するシステムを構築する必要があると考えておりまして、来年2月に池袋駅で予定している東京都・埼玉県等との合同訓練において、デジタルサイネージ等を活用した情報提供に関するテストを行い、来年度以降、本格的な情報提供システムの調達を目指してまいりたいと思います。  次に、民間施設、公共施設における備蓄物資のあり方についてのご質問にお答えいたします。現在は、民間施設に対して、帰宅困難者対策のための備蓄、受け入れ等を義務付ける法的根拠はなく、JR東日本のような大企業を中心に、自主的に備蓄する動きもありますが、最終的には事業所の判断に委ねられているのが実情でございます。こうした中、東京都は年明けに事業所に対して3日間分の備蓄を求め、とりわけ集客施設に対しては顧客の保護を求める条例の制定を目指しております。この条例によりまして、事業所に備蓄等を求める法令上の根拠が定められることになりまして、対策を進める大きな力になるものと期待しております。また、発災時には、道路渋滞等により、備蓄品を迅速に各施設に搬送することは困難であるため、区内の公共施設でも、利用者向けの備蓄が不可欠であると考えております。既に、補正予算等で緊急に対応が必要な小・中学校、保育園、福祉施設への分散備蓄を行ったところですが、今後も段階的に充実させてまいりたいと思います。  次に、救援センターの役割と責任分担についてのご質問にお答えいたします。東日本大震災では、児童・生徒を保護している最中に周辺事業所の従業員や近隣住民が避難してきたため、対応に苦慮した学校がありました。この経験を生かして、今後は区内に大きな被害がない場合でも、帰宅困難者対策を想定し、震度5弱以上であれば、区長部局の職員を学校に派遣する方向で地域防災計画の見直しを進めているところでございます。より具体的な役割分担といたしましては、教職員は児童・生徒の保護に従事し、区長部局の職員は帰宅困難者・避難者対応に従事することを想定しております。また、自治体によっては、学校の授業中に発災した場合には、初動対応を教職員が行うこととしている場合もあり、本区においても、こうした非常時の対応について、今後、教育委員会と協議し、災害対応がスムーズに行えるよう、体制を整えてまいります。  次に、体験型図上訓練の活用についてのご質問にお答えいたします。ご指摘のとおり、HUG(ハグ)は、避難所運営について、ロールプレイング方式で課題を解決していくゲーム形式の訓練技法であり、避難所運営について、実践的に訓練を行うことができるツールとしての注目を集めております。内容的に、救援センターでの合同訓練のような大規模訓練には適さない面がありますので、救援センター運営調整会議を担うことになる地域防災リーダーを対象とした講習会などで活用について検討してまいりたいと思います。  次に、仮設給水栓方式についてのご質問にお答えいたします。総合防災訓練で行った車両輸送による給水訓練は、上水道が断水した場合を想定したものでありまして、断水地域に対しては、効率が悪くとも、給水タンク、ペットボトル等によるほかに有効な給水方法はないものと考えております。ご指摘の仮設消火栓方式は、消火栓にスタンドパイプを設置するなどの方法で給水するもので、災害時においても使用可能な消火栓があれば、継続的に大量の水道水を供給できる点で優れた方式であります。さきの都議会第3回定例会において、東京都水道局長が、「関係機関と具体的運用方法の協議を進め、普及拡大を図る。」と答弁していることから、遠からず本区にも協議があるものと考えております。今後、水道局と十分調整いたしまして、車両運送、仮設給水栓などの手法を組み合わせまして、必要な地域に迅速に給水を実施できるよう検討してまいりたいと思います。  次に、障害者の防災対策についてのご質問にお答えいたします。本年5月、学識経験者、民生・児童委員、ハローワークなど、障害福祉関係者で構成されております、第3期地域自立支援協議会を設置いたしました。今期は、本協議会に防災部会を新たに設け、障害者の視点に立ったマニュアルの必要性についても議論を始めたところでございます。災害時に情報を得る方法や、避難をする方法、家具の安全対策など、災害への備えと災害が起きたときの行動をわかりやすくマニュアル化した防災の手引きを、来年度の完成を目途に取り組んでまいります。また、ご指摘のとおり、障害者の方が実際に避難訓練を体験し、地域の方が障害者の誘導サポートを体験するという観点からも、実践的な避難・誘導訓練が不可欠であると認識しております。障害者団体の皆さんからの訓練参加要望も受けておりますので、今後、さらに積極的な参加が図られるよう、関係部署間で密接に連携をとって、鋭意取り組んでまいります。  次に、災害時家庭版マニュアルについてのご質問にお答えいたします。防災地図は、区の防災対策を区民の皆様にお知らせし、防災意識の向上を図るための資料として、救援センター・街頭消火器・消防水利等を地図上に表示し、地域危険度や防災資器材・備蓄品等の情報を網羅して、作成・配布しているものでございます。年々、工夫を凝らして充実を図っているところですが、毎年、全戸配布するには多額の経費がかかることから、転入者及び希望者への配布にとどめておりまして、そのため、ご指摘のとおり、すべての家庭に行き渡っているとは言えないのが実情です。また、全国版ではなく、地域別に作成して、身近な防災情報・防災知識を盛り込むというご提案は、区民の皆様の防災意識を喚起する上で効果的であると受け止めております。今後、地域防災計画の改定を段階的に数年かけて行う予定でありますが、大幅な見直しが想定される来年度の改定状況を踏まえながら、防災地図を保存版の災害時家庭版マニュアルとして作成することを検討してまいりたいと存じます。  次に、今後の防災啓発についてのご質問にお答えいたします。防災の基本は自助・共助であることは、防災訓練・出前訓練など、あらゆる機会を捉えて訴えてきておりますが、まだまだ区民の皆様に十分浸透しているとは言えない状況にあります。(仮称)家族防災会議の日を定めるというご提案ですが、国が「防災の日」「防災とボランティアの日」を設定し、家庭で防災対策を話し合うことを長年推奨してきたにもかかわらず、十分に定着をしていない現状をかんがみますと、別の方法によって効果的な対策を探る必要があるのではないかと考えます。東日本大震災では、岩手県釜石市において、子どもの防災教育に力を入れたことが功を奏し、登校していた児童・生徒の避難率100%という「釜石の奇跡」を生みました。本区においても、小・中学校での防災教育を強化しております。それだけに、子どもから保護者への意識啓発の効果が期待できるものと考えております。さらに、PTAとの連携を深めて、これまで防災訓練に余り参加してこなかった若い子育て世代に対して、自助・共助の重要性について周知徹底を図ってまいります。新たな世代への働きかけを強化することによって、ご提案いただきました家族防災会議の重要性について、広くご理解を得ることができるものと考えております。  次に、区民ひろばにおける地域コミュニティについてのご質問のうち、まず、地域コミュニティの形成についてのご質問にお答えいたします。区民一人一人の生活を根底から支え、住みよい安心なまちづくりの基盤となるのは、地域コミュニティでございます。地域コミュニティの形成には、区民同士の交流や連帯意識づくりが大切であり、区民の様々な活動の推進を支援していく必要があります。区民ひろばの年間利用者数は、事業の実施やサークル活動などで、延べ約72万人に及びます。また、本区の特色である運営協議会は年々活発化し、自主運営もスタートするなど、地域活動の中核を担うものとなっております。こうしたことから、区民ひろばは、地域コミュニティの形成に欠かすことができない存在となっており、セーフコミュニティの認証に向けても、その役割は欠かせないものと考えております。今後は、地域福祉の視点から、コミュニティソーシャルワーカーの配置をするなど、様々な地域課題を解決できる仕組みづくりについても検討を進めまして、一層の地域コミュニティづくりの推進に努力してまいります。  次に、区民ひろばにおける電位治療器の設置についてのご質問にお答えいたします。電位治療器の利用頻度は各ひろばで異なり、一日の平均稼働率は、全ひろばで約40%となっておりますが、利用の多いひろばでは約80%にも及び、空くのを待っている状況もございます。電位治療器の複数台数の設置が地域の絆を結び合う一助となるということは、ご指摘のとおりと考えております。現在、区民ひろばの利用者に対し、利用者同士のコミュニケーションを深め、人と人との絆を結ぶために必要な事業や設備についてのアンケート調査を予定しております。その中で、ご提案の電位治療器の設置や複数台設置についても、利用者の意向を伺って、コミュニティの向上、そして健康維持に大いに活用できるとの確証が得られるならば、未設置を含めて、複数の設置に前向きに取り組んでまいりたいと思います。  次に、地域による支え合い体制づくりについてのご質問のうち、まず、地域支え合いサポートシステムについてのご質問にお答えいたします。この事業は、本区が推進するセーフコミュニティのモデル地域である池袋本町地区において、NPO法人が買い物支援サービスや交流サロンを設置運営し、この地区に居住する高齢者等の日常生活を支えるとともに、地域コミュニティの推進と商店街の活性化を図ることを目的としたものであります。事業の特徴といたしましては、商店街の若手経営者を中心とした地域サポーターが、地元商店会と協力体制を組み、高齢者宅に御用聞きに伺い、商品の注文・配達はもちろんのこと、家屋の簡単な修繕や、通院・外出のサポートなどにより、日常生活を支援することにあります。また、各店舗ではパソコンを店頭に設置し、酒屋で買い物をしながら野菜の注文ができるなど、ITを活用したユニークなサービスが展開されることも特徴と考えられます。事業立ち上げ時においては、地域サポーター40名、会員となる高齢者を50名と想定し、来年2月の事業スタートに向けて準備中でございます。また、交流サロンにつきましては、地域の高齢者が気軽に立ち寄り、世間話や趣味、サークル活動ができるスペースとして無料で開放するものであり、一日20名程度の利用を見込んでおります。このような事業は、特別区のような都市部においては先駆的な取り組みでありますが、会員となる高齢者の獲得やサービス件数の多寡が今後のランニングコストに影響するものと考えられ、こうした点が現時点での課題と認識しております。高齢化が進展する中、全国で600万人、国民の20人に1人がいわゆる買い物難民となっており、これに対応した各地の取り組みが、先日、NHKで放送されました。今回の事業のように、行政の主導によることなく、地元の商店街や町会の皆さんが協力し、自らの意志でこのようなサービスを実施することは、大変誇らしい取り組みであると考えております。区といたしましては、今回、この事業の立ち上げを支援するものでありますが、WHOセーフコミュニティの認証取得に向けた地域の取り組みとして期待し、その推移を注視してまいりたいと思います。  次に、新しい福祉の本区の考え方と方向性についてのご質問にお答えいたします。人口の減少や少子高齢化、核家族などの社会構造の変化と世代間の価値観の多様化やプライバシー意識の高まりなどを背景に、地域住民相互の社会的なつながりが希薄化する傾向にあることは否めない現実でございます。また、厳しい経済状況が続くことでゆとりが感じにくくなっていることも、こうした傾向を強める要因となっております。地域生活における生活課題がますます多様化・複雑化し、公的サービスにも限界がある中で、これまでの家族間や近隣関係だけで、支え合いに加え、新たな支え合いの構築と展開が喫緊の課題になっていると考えております。ご指摘の様々な人、場所、民間事業者を組み合わせ、地域資源を有効に活用することの重要性につきましては、全く同じ認識でおります。また、その活動場所として、世代を超えて活用できる区民ひろばの意義が大きい点についても同様に捉えております。こうした中で、社会福祉協議会とともに事業展開を進めているコミュニティソーシャルワーカーについては、今後、地域包括支援センターの圏域ごとに順次配置したいと考えております。その際の活動のポイントとして、積極的に区民ひろばに出向き、町会や民生・児童委員、青少年委員を初め、地域のボランティアやNPOなどの方々と信頼関係を構築してこそ、支え合いのコーディネーターとして機能するものと認識しております。このように、地域社会を取り巻く環境は大きく変化しておりますが、誰もが、いつまでも、住み慣れた地域で安心して暮らし続けることができるよう、様々な社会資源の基盤整備に取り組むと同時に、高齢や障害の有無にかかわらず、一人一人が地域を支える重要な担い手として活動できる社会を目指していくことが、本区の変わらぬ考え方と方向性であると考えております。したがいまして、現在、改定作業を進めております次期の豊島区地域保健福祉計画の中にも、こうした新たな支え合いの基盤づくりを引き続き重点施策として位置付けてまいりたいと考えております。  なお、私からの答弁は以上でございますが、その他の質問につきましては子ども家庭部長から、教育委員会の所管に属する事項につきましては教育長から答弁を申し上げます。   〔山根 斎子ども家庭部長登壇〕 ○子ども家庭部長(山根 斎) 区有施設を活用した保育事業等についてのご質問のうち、まず、区民住宅を活用した保育ママ事業についてのご質問にお答えいたします。ご指摘のとおり、区民住宅ソシエの空き室を活用しての施設提供型保育ママ、いわゆる、すくすくルームにつきましては、本年4月に、ソシエ駒込を活用して新設し、保育児童定員12人の駒込すくすくルームとして運営を開始したところです。本事業は、区民住宅の空き室の有効活用と待機児童解消の両方に寄与するもので、ほかの地方自治体からも高い注目を得ており、これまで数多くの視察がございました。運営方法につきましても、新たな試みとしまして、人材確保と研修を機動的に行うために、NPO法人への委託を活用し、施設運営もより効率的・効果的に行っております。平成24年度に向けましては、長崎五丁目のソシエ長崎及び西池袋五丁目のソシエ西池袋を活用し、合計で十数人の受け入れ枠の拡大を図る予定で、現在、準備を進めております。  次に、南大塚保育園3階の待機児童対策への活用についてのご質問にお答えいたします。南大塚保育園3階の旧職員寮のスペースの活用は、ご指摘のとおり、従来から課題になっており、種々検討してきた経緯がございます。南大塚保育園の改修の際、保育室としての拡大を検討いたしましたが、園児の避難路の確保やトイレの改修、給食搬送設備の整備等で多額の改修経費が必要なこと。また、3階を活用した場合の保育の実施方法などで課題が多く、結局、活用を断念したところです。ご提案いただきました保育ママとしての活用につきましても、施設にはエレベーターがないため、外階段を使用しての施設利用になること、マンションなどの居室と異なり、トイレが保育室から独立しているため、乳児保育園については使用勝手がよくないこと等から、保育施設としての活用は難しいものと判断しております。  次に、区民ひろば千早の2階の保育施設への活用についてのご質問にお答えいたします。区民ひろば千早2階の施設につきましては、平成21年度から平成22年度に実施した要町保育園の改修工事の際の仮施設として活用していたこともあり、トイレが子ども向けの仕様に改修済みであるほか、保育室として活用できる適切な広さの和室等もあり、ご指摘のとおり、保育施設としてそのまま活用できる施設・設備の条件が整っております。したがいまして、現在の施設利用との調整とともに、今後の施設活用計画や大規模改修計画との調整が必要になりますが、要町保育園の分園として活用するために、積極的に検討を進めてまいります。  次に、愛の家保育園の保育施設への活用についてのご質問にお答えいたします。社会福祉法人愛の家保育園は、近隣2カ所に設けた仮施設で保育運営しながら現在改築中であり、2月ごろには新園舎が完成する予定でございます。仮施設2カ所のうち、一つは改築する園舎の向かい側で近接していることから、臨時的な待機児対策として、分園の運営を法人に相談したところでございます。しかし、既に新年度から新園舎での保育を保護者に周知していることから、仮園舎での保育の継続に保護者の理解を得られないだろうということ。また、規模を拡大した保育園の運営に自信が持てないということで、積極的な回答は得られませんでした。そこで、その施設を借用した保育施設の展開ができないか、別途、現在検討しているところでございます。今後とも、喫緊の課題でございます待機児解消のため、以上の施設以外にも区有施設の空きスペース等の有効活用を積極的に検討してまいりたいと考えてございます。  私からの答弁は以上でございます。   〔三田一則教育長登壇〕 ○教育長(三田一則) 引き続きまして、教育委員会の所管に属する事項に関するご質問に対しまして、お答え申し上げます。まず、区立幼稚園の預かり保育についてのご質問にお答えいたします。ご指摘のように、豊島区では、教育ビジョン2010の重点課題の一つとして預かり保育を進めることを掲げております。まず、実施状況と保護者の声でございますが、南長崎幼稚園では、子育て支援の一環として、平成23年6月から預かり保育をスタートさせました。これまでに8割を超える在園児が利用し、1日平均の利用人数は月を追うごとに伸びております。保護者からは、「安心して預けることができる」「気分転換・ストレス解消になった」「ゆとりを持って家事を行うことができた」等の声が寄せられており、子育て支援に寄与できているものと考えております。  次に、池袋幼稚園、西巣鴨幼稚園での実施についてでございますが、南長崎幼稚園での実施・検証状況を踏まえ、3園で構成する園長会において、実施の方向で協議を重ねております。保護者のニーズに応え、区立幼稚園のさらなる充実を図るためにも、平成24年度からは3園で実施できるよう、鋭意検討しております。  次に、預かり保育事業の来年度入園希望の動向に対する影響につきましては、入園児募集時に、預かり保育の拡大を望む問い合わせが多く事務局に寄せられたことなどから、保護者の期待の大きさを感じております。現在のところ、来年度の入園希望者数は、3園合計で、今年度と比較いたしますと、今年度59名から来年度は83名へと、約40%増となっております。幼児教育は教育の基盤であり、今後とも一層の充実に努めてまいります。  次に、教育課題についてのご質問のうち、まず、防災教育の視点についてのご質問にお答えいたします。東日本大震災の教訓は、「自分の命は自分で守る」ということを私たちに再認識させてくれたことであります。東日本大震災の経験は、家庭ぐるみで地域の方々と協力し、地元で行われる防災訓練に積極的に参加することの重要性が強く意識させました。子どもたちの態度も、守ってもらう立場から守る、貢献する立場に変わってきたことは、今後の防災教育の重要な視点となると捉えております。千川中学校では、教育委員会の指定を受け、保護者や地域と協働して防災行動力の育成を研究テーマにして取り組んでおります。地域防災訓練に参加し、D級ミニポンプの操作訓練や防災倉庫の合同点検、あるいは備蓄物の搬送訓練に積極的に取り組むことで、自らの役割を自覚し、地域の役割を利用するようになってきております。このことは、保護者の防災に対する意識の変化につながるものと期待しております。こうした児童・生徒と学校、保護者、地域が三位一体となって防災行動力を身に付けていくことが、今後の防災教育の重要な視点であると考えております。  次に、学校における放射線学習についてのご質問にお答えいたします。放射線学習につきましては、7月に立教大学と連携して、教員を対象とした研修会を実施いたしました。また、東京都教育委員会主催の研修会にも区内の教員を参加させてまいりました。文部科学省では、放射線副読本を作成し、各小・中学校へ、今後、配布を予定しております。教育委員会といたしましては、ご指摘のとおり、正しく放射線を理解し、放射線から自らの身を守る方法などについて、適切に判断できる子どもの育成を目指しております。こうした副読本を活用して、教員が学級活動や中学校理科などで指導できるよう、各学校に働きかけてまいります。  次に、学校生活管理指導表に係る文書料の負担軽減についてのご質問にお答えいたします。現在、豊島区では、アレルギー疾患のある児童・生徒の学校生活を、より安心で安全なものとするため、学校生活管理指導表を提出していただいております。これらをもとに、学校と保護者が、学校生活における配慮や管理について相談をいたしております。学校生活管理指導表は、診断書と同様の性格であるため、文書料が各医療機関で設定されておりますが、学校生活の管理・指導に必要な書類であることから、保護者の経済状況に左右されずに提出していただけることがとても重要であると認識しております。文書料の設定につきましては、各医療機関の裁量となるため、一律料金となっていないのが現状でございます。このため、文部科学省では、日本医師会に対して保護者の負担にならないようお願いをしているところであり、日本医師会でも地域の医師会に対する説明会などで配慮をお願いしていると聞いております。また、一方では、医師に責任が発生するため、有料にした方が医師に責任感が生じてよいとのご意見もございます。料金の設定につきましては、このように様々な見解がございますが、教育委員会といたしましては、保護者の負担軽減につながるよう、豊島区医師会と協議を重ね、効果的な対応に努めてまいります。  以上をもちまして、西山陽介議員の質問に対する答弁を終わります。 ───────────────────◇──────────────────── ○議長(里中郁男) この際申し上げます。  議事の都合により、暫時休憩いたします。   午後3時5分休憩 ───────────────────◇────────────────────   午後3時27分再開 ○副議長(島村高彦) 休憩前に引き続き会議を開きます。  議長の都合により副議長の私が議長職を務めますので、よろしくお願いいたします。 ───────────────────◇──────────────────── ○副議長(島村高彦) この際申し上げます。  本日の会議時間は、議事の都合により、あらかじめこれを延長いたします。 ───────────────────◇──────────────────── ○副議長(島村高彦) 一般質問を続けます。  次に、36番議員より、「真に安全、安心な豊島区をめざして」の発言がございます。
      〔河野たえ子議員登壇〕(拍手) ○36番(河野たえ子) 私は、日本共産党豊島区議団を代表して、次の3点について質問いたします。第1はセーフコミュニティについて、第2は国民健康保険制度について、第3に谷端川の橋の名前を残すことについてです。  3月11日の東日本大震災と原発事故は、私たち日本人の安全に対する価値観を大きく変えました。安全神話を振りまき、原発建設を促進してきた自公政権はもとより、これだけの大事故を引き起こしたのに、早期再稼働をねらっている東電と野田政権は言語道断です。国民の願いは原発ゼロで、安全な国にすることです。今、私たちの周りは、毎日の暮らしばかりか将来も見えない、不安材料はあり過ぎるほどあります。若者は、派遣で低賃金で働かされ、将来の展望を持つことができない。高齢者は低い年金で不安を抱え、介護が必要になっても特養ホームに入れない。子育て世帯は、保育園に子どもを預けて働くことすら難しい。子どもは外で伸び伸びと遊べる公園もないなど、挙げれば切りがありません。安全を殊さら声高に言わなければならない社会は、裏を返せば、いかに多くの人が不安を抱えて生きているかということです。このような現代社会で、安全は重要な意味を持ち、どう安全をつくっていくかは、国政はもとより、地方政治にとっても重要な課題です。豊島区は、2012年にセーフコミュニティの認証取得を目指しています。セーフコミュニティは、けがや事故等は偶然の結果ではなく予防できるとし、地域の安全の質を向上させる世界基準のまちづくりだとしています。世界保健機構共同センターが推進するセーフコミュニティは、日本語にすれば、安全な地域社会ということになります。推進協議会は、11の対策委員会を設け、課題を検討してきたとしています。課題の取り上げ方、選び方が、区民の多様な要求、必要性、緊急度から見て妥当なのか、また、区の責任と役割はどうなるのかが問われます。高齢者の安全といってもいろいろあります。その中から不安をなくすなら、高齢者が今、最も必要としている特養ホームの増設などもあります。WHOの認証基準は、すべての性別、年齢環境をカバーする予防活動、子どもや高齢者などハイリスクグループに焦点を当てた予防活動をすることになっております。つまり、すべての区民が対象です。区の行政計画や行政水準との関連は、一体どのようになっているのでしょうか。セーフコミュニティは、認証をとることが目的ではなく、区民の安全を向上させることにありますが、これは地方自治体の第一義的な任務と同じです。そこで質問いたします。課題の取り上げ方、選び方は、どのような基準に基づいて決めたのでしょうか。また、選んだ項目、改善の方向まではよいとして、区はいつまでにどこまで水準を上げるか計画を立て、責任を持って実施しなければなりません。区のセーフコミュニティの取り組み方は、区の責任があいまいではっきりしていません。区の行政計画や行政水準との関連はどうなっているのか、区長の明快な答弁を求めるものです。  これからは認証を受けるために、取り上げた課題の中から、いくつか具体的な質問をいたします。一つ目は、高齢者の安全として取り上げている転倒予防についてです。最近、玄関を出たところで敷石につまずき、転倒し骨折をした80歳の女性がいます。転倒事故を減らすことは大いに結構なことです。高齢者の転倒骨折は、以前から寝たきりの原因になることが指摘されてきました。データでは、当然ながら、転倒予防の約80%は運動不足、豊島区は住宅のバリアフリー化が平均以下とし、課題は身体機能低下の抑制、住宅改修の促進としています。区の高齢者が住む住宅のバリアフリー化は、23区平均より低く34%です。その中でも、最も23区平均と比べ低いのは共同住宅の借家、いわゆるアパートのバリアフリーが遅れています。ひとり暮らし高齢者は、木造アパートに暮らしている人が多いことから、これらのバリアフリー化を進めることはよいことですが、そう簡単に事が進むとは考えられません。借家の改修は家主の許可が必要であり、費用負担も問題になるからです。住宅改修に関連する施策は、介護保険の住宅改修と介護認定から漏れた人を対象にしている高齢者自立支援住宅改修助成事業です。介護保険の実績は、手すりの取り付けや洋式便器などの改修が中心で、利用件数は、2010年度964件。手すり付けが圧倒的に多く、段差解消は128件です。高齢者自立支援事業も、2009年度22件、2010年度は13件とわずかな数です。屋内での転倒は、段差が問題なのです。その解決には床をできるだけフラットにする、歩くところに布団を敷かない構造にする、トイレ、風呂場の改造等が必要になってきます。しかし、介護保険では、最高限度20万円まで、つまり9割18万円までしか認められていません。過去に我が家でも、夫が病気で倒れ戻って来たとき、風呂場、トイレ、寝室の改造を行いましたが、18万円では手すりだけしかできませんでした。転倒予防の運動や筋力アップの運動などは大いに進めるべきですが、何よりも、バリアフリーにする住宅改修助成事業を拡大・充実させる必要があります。我が党区議団は、この間、一貫して住宅リフォーム助成事業の再開を求めてきました。地元経済の活性化はもちろんですが、高齢者の住まいのバリアフリー化も促進されます。私たちの質問に対し、空き家の実態調査を行い、その結果を見て総合的に事業を検討するという答弁でした。住宅リフォーム助成事業の実施を引き延ばしていますが、私は空き家の調査がどう事業につながるのか見当がつきません。いつごろ新しい事業ができるのでしょうか。国際的な認証をとることは結構なことですが、セーフコミュニティと言えば安全になるわけではありません。そこで質問いたします。日々起きている転倒事故を少なくするため、リフォーム助成事業を一日も早く再開することを強く求めます。やめるのは、総合的な新しい事業ができてから廃止すればいいのです。転倒事故をなくす具体的な手立てがあるのに、それを総合的に行うことを理由にやらないというのは、引き延ばし以外の何ものでもありません。セーフコミュニティは口先だけになります。住宅リフォーム助成事業の早期再開を強く求めます。答弁を求めます。  二つ目の質問は、自殺・うつ病予防についてです。自死者13年連続で3万人を超える日本社会は、異常な事態です。年間交通事故死者数は、2010年4,812人です。自死した人の数は、交通事故の死者数の、何と6.6倍にもなります。政府は、自殺対策基本法を制定し、防止対策に乗り出していますが、効果は見えてきていません。なぜ減らないのでしょうか。その原因は、リストラ、過労死が起きるほどの長時間・過密労働、相手を蹴落とさなければ自分が浮かび上がれない成果主義、雇用の非正規化、学歴で差別を受けるなど、挙げれば切りがないほどです。T君は、区内の中学を卒業後、建設作業員として働き出しました。当時、父親は既に借金を抱え行方知れず、母親もいなくなり、本人は仕事を転々とし、うつになっていったようです。まともに働けなくなり、当然、借りていた部屋の家賃も払えず、ホームレス状態になりました。付き合っていた女性が子どもと知人のマンションにいることがわかり、訪ねたところ、彼女の方は捨てられたと思っていたので、すれ違った対応の結果、帰りがけに4階マンションから飛び降り自殺を図り、一命を取りとめましたが、重傷を負いました。本人は、この前後のことは記憶がないそうです。T君の場合、貧困、不景気、病気など、いくつかの複合的な原因が重なって自死を選んでしまった例です。豊島区の15歳から44歳までの死因の第1位は自死であり、自死者の5人に1人がうつであることでわかっています。心を病んでいる人がどのぐらいいるのかは正確にはわかりませんが、基準になるのは、自立支援医療費の申請手続きをした人が、2010年度は4,217名いるということです。3年前、2007年度が3,396名ですから、800人近く増えていることになります。いかに今の社会が生きにくく住みにくいかということです。  自死予防のためには、社会のシステムを見直すことが第一に必要です。区民に心のバリアフリーをつくるための教育や意識啓蒙などに力を入れることはもちろん、かかりつけ医と精神科医の連携、うつの早期発見などとともに、自死を実行できないように高い建物の屋上にフェンスをつけるとか、ホームドアの設置を促進するなど、具体的な環境整備に取り組むことが重要になってきます。区内でも、精神障害者の心の支えになって活動している団体があります。地域活動支援センターです。各団体とも経済的に苦労しながら様々な支援活動をしています。落ち込んだとき相談できるところがあるかないかで安心感が違ってきます。自死の場合もシグナルをキャッチできることがあれば予防できます。保健所の相談件数は2010年度3,189件です。ところが、ある地域活動支援センターの電話相談件数は、1万5,776件に上ります。そこで質問いたします。まず、第一に保健所の相談窓口の抜本強化が必要です。相談員の増員など態勢強化が必要ですが、いかがかお答えください。また、障害者に信頼されている地域活動支援センターの支援強化が必要です。地域活動支援センターは、社福法人など民間が多く、資金的に脆弱で、職員の確保に苦労しています。経験豊かな職員を確保し、安定した運営ができることが精神障害者の支えになり、自死者を減らすことにつながります。地域活動支援センターへの補助金の増額などを図るべきと考えますが、いかがでしょうか、積極的な答弁を求めます。  三つ目の質問は、自転車の安全利用についてです。減る収入、家計を少しでも助けるために、健康のため、いろいろ理由はありますが、自転車の利用者は増えています。若者を中心に、よりスピードの出る自転車も普及してきています。そのような背景の下、自転車事故も増大の一途をたどっています。区内の自転車事故は年間454件。事故を起こす年代は若者が多く、けがが多いのは高齢者と子どもです。先ごろ、警察庁は自転車のルールを変え、自動車道を走らせることにしました。しかし、自動車道に自転車を走らせるのは危険と誰もが言っています。推進協議会は、9月に認証都市の施設に、スウェーデンとノルウェーに行かれたそうですが、日本と違い、北欧やドイツは自転車道の整備がとても進んでいる国です。日本では、自転車道の整備が大変遅れております。豊島区内で歩道と自転車道が分離されている道路はありません。広い歩道にカラーで区切りをつけているだけです。それも区道で全体の1,300メートル、0.5%であり、都道で約3,300メートル、20.8%しかなりません。これだけしか整備されていないのです。自転車に乗る人のマナーの向上や、交通安全教育はもちろん重要ですが、自転車専用道の整備が必要です。山手通りの歩道整備の際、低木などによる分離を強く求めましたが、「掃除が大変、金がかかる」などと言って、カラー舗装の今のような分離にしてしまいました。区の第9次交通安全計画では、安全で快適なバリアフリーに配慮し、2015年度までの5年間で10キロメートル、毎年2キロメートルずつ整備する計画です。歩道整備はその1割、年に200メートルです。都の歩道整備も、2015年度までの3年間で、たったの200メートル、少な過ぎます。そのほかにも視界が不十分な四つ角、スピードが出やすい坂道など、改善、改修すべきところがたくさんあります。そこで質問いたします。認証の申請に向けて対策の改善に挙げられているのは、1、自転車事故は詳細な分析が不十分、二つ目は個々のケースの調査を行い、未然防止と改善につなげるとしていますが、分析はともかく遅れている道路整備を早急に進めることが、安全にとって具体的にすべきことではないでしょうか。道路整備計画の見直しを行い、整備距離を抜本的に増やすべきと考えますが、いかがかお答えください。  この質問の最後は、障害者の安全、外出支援についてです。区内の障害者は人口の4%、その半分5,000人以上の人が毎日外出していますが、バリアフリー満足度は、とても不満、やや不満を合わせると51%、半数以上の人が不満と答えています。私でさえ、スピードを出して走っている自転車にしばしばたじろいでいるこのごろですから、障害者の皆さんの不安は推して知るべしです。とりわけ視覚障害者は、外出時のけがが一番多く、安全対策を強化することは急務の課題です。路上に放置されている自転車、点字ブロック上の置き看板等、危険と隣り合わせです。街のバリアフリーのため、区民への啓蒙、働きかけで危険をなくしていくことはもちろん必要ですが、ここでも具体的な対策が重要です。鉄道駅のホームドアは、JRが区内駅の設置計画を発表しましたが、西武線や東上線駅のホームドア計画はありません。区として働きかけるべきです。点字ブロックも、駅を中心に増えてはいますが、十分とはいえません。点字ブロックをどのぐらい増やすのか、音声による道案内サービスの導入が書かれていますが、これも既存の点字ブロックにどのぐらいつけるのか、新たにどの程度つけるのか、数量が不明です。これらは、いつまでにどれくらい実現するのでしょうか、そのほかにも、安全に外出するためには、横断歩道にエスコートゾーンの設置や主要な施設の音声案内など、すぐにできることがたくさんあります。また、ハードだけではなく、移動支援の負担を軽くすることです。重度の視覚障害者については、同行援護制度が新設され、負担が少し軽くなりましたが、視覚障害者を含め、知的、肢体など移動支援を必要としている障害者は、現在20時間以上40時間までは3%の利用負担がついています。そこで質問いたします。障害者が安全に外出できるということは、高齢者や子どもたちにとっても安全だということです。改善すべきことが明らかになっており、障害者に一日も早く安全を保証するため計画的に設備の改修、改善を図っていただきたい。また、移動支援・同行援護の20時間以上40時間までの3%負担をゼロにしていただきたいと思いますが、いかがかお答えください。  第2の質問は、国民健康保険についてです。その一つは保険料の軽減です。毎日新聞は、国保に関する記事「安心が逃げていく=皆保険半世紀」を連載しました。1961年に皆保険制度ができてから50年、国保制度は、今、大きく変えられようとしています。上がり続ける保険料で滞納者が増加し、命を支える皆保険制度が揺らいでいるのです。国保はもともと自営業者、高齢者などが基盤の制度です。そこへ非正規雇用者などが加入し、収入が低い世帯が増えているのです。2010年度は所得がない者と所得100万円以下を合わせると54.78%、3万1,995世帯あります。200万円以下を合わせますと、実に73.74%に上ります。2011年度から23区国保は、それまでの住民税方式による保険料の決め方を旧ただし書き方式に変えました。指摘してきたとおり、保険料が高くなった世帯は半数に及びます。その中で最も問題なのは、住民税方式のときは、非課税で所得割がつかなかった世帯に所得割が新たについた世帯が出たことで、その数は1,766世帯です。非課税世帯は収入が低く、住民税を免除している世帯であり、所得割がつくのは大変問題です。前回の一般質問で軽減を求めたところ、理事者の答弁は、「国保加入者以外の人も払う税の繰り入れをするのは、公平性の観点から区民の理解が得られない。」との答弁でした。これは国が主張している言い分と瓜二つです。特別会計であろうとなかろうと、所得のある者が税を払い、それを政策的に再配分することが政治の仕事、社会保障です。国保制度は、憲法25条に基づき国民の医療を受ける権利を保障するものです。そこで質問いたします。保険料引き下げを主張すると、公平性だの、被保険者でない区民が払う税金を使うのは理解を得られないなどと言っていますが、保険料の引き下げは、区長の唱える安心を区民に与える究極のセーフコミュニティだと思います。保険料の引き下げを実施すべきです。特に、従来制度なら所得割がつかなかった世帯で新たに所得割がついた1,766世帯に所得割分の付加をやめる是正措置をとるべきです、いかがかお答えください。  国保の二つ目は、短期証の発行についてです。今年は保険証の更新の年で、8月下旬には被保険者に保険証が郵送されました。10月31日現在、国保加入世帯6万1,759世帯のうち、資格証が2,228世帯です。問題なのは、短期証が1万988世帯もあることです。内訳は、未更新が7,763世帯、更新済みは、たったの3,225世帯です。8,000近い世帯が更新されていない、通用する保険証を持っていないということになります。保険からほうり出されているのです。本来、保険証は、すべての加入者に送るべきなのです。そこで質問いたします。保険証が更新され1カ月以上たつのに、1万世帯が保険証を持っていない由々しき事態です。もともと保険証は加入者すべてに送付していました。このように大量に未交付というのは、憲法の精神に反します。直ちに加入世帯に対し、保険証を交付すべきです。いかがか、答弁を求めます。  国保の三つ目は、国保制度を守ることについてです。民主党野田政権は、多数の国民の強い反対を押し切って、環太平洋連携協定、TPPの参加を表明いたしました。農業、漁業へのはかり知れない影響を初め、食料自給率が下がり、遺伝子組み換え食品の増大など、食品の安全が脅かされています。さらに、金融や保険、医療などの分野へ外国企業が参入するための自由化も行われます。公的医療保険制度も危うくなります。アメリカの保険会社は、これまでも日本の医療を新たな儲け口にしようと公的医療保険を邪魔者扱いし、保険の対象を縮小し、民間保険に明け渡すよう、再三求めてきました。TPP参加はその突破口です。日本医師会は、TPPの参加によって、日本の医療に市場原理主義が持ち込まれ、最終的には、国民皆保険の崩壊につながりかねない面もあるということで見解を発表しています。国保制度は、払い切れないほどの高い保険料で空洞化が進んでいるのに、今度はTPP協定で、外から壊そうとしています。貧しいというだけで医療が受けられないというアメリカ型の医療にしてはなりません。人間の命は皆同じです。旧ただし書き方式への変更の大きな目的は、国保の広域化です。国保会計の最大の支出は保険給付ですが、広域化しても医療環境が変わらなければ医療費は減らず、歳出は減りません。現に医療費を減らすために広域化した後期高齢者医療制度は、医療費は減らず、矛盾は深まるばかりです。政府は、後期高齢者医療制度に代わる制度の概要を示しましたが、公費負担は国が500億円減らし、地方は1,000億円増えるというもの。さらに、70歳から74歳の窓口負担を1割から2割へ、窓口での定額負担を議論しています。100円にするか50円にするかという議論をやって今すけれども、国民と自治体の負担を増やすことだけの解決では、うまくいくはずはありません。そこで区長に質問いたします。医療を自由化し、国民皆保険制度を壊すTPP協定に反対を表明すべきと考えますが、いかがでしょうか。また、国保制度を堅持することについての決意をお聞かせください。来年度の国保料は、このままいけば上がる可能性が大です。後期高齢者医療保険料も上がります。区民の医療を守るために国庫負担の増額など、国に強く働きかけなければ、現状を打開することはできません。いかがでしょうか、お考えをお聞かせください。  最後に、谷端川の橋の名前を残すことについてです。谷端川の流れは、現在、すべて暗渠になっていますが、流域に昔あった橋の名前が歴史を刻んでいます。この水源は長崎村で、川の名前は1810年から19年に編さんされた「新編武蔵風土記」に既に載っていたそうです。谷端川には67の橋があり、区内にある橋は15、豊島区と板橋区、北区をまたぐ橋が17あります。区内にあった橋のうち、南長崎、目白側の三つの橋は公道になり、既に影も形もありません。西武線の北側は、暗渠になった後も橋の名前が残され、昔の歴史をとどめています。そこで質問いたします。補助172号道路の拡幅工事で、西池袋四丁目12番と四丁目27番の間にあった羽黒橋の橋げたがなくなり、一緒にネームプレートもなくなりました。ちなみに補助78号、要町通りの長崎橋も、拡幅のときになくなりました。なくなった橋の名前をぜひ残していただきたいと思いますが、いかがかお答えください。  以上をもって、私の一般質問すべてを終了いたします。ありがとうございました。(拍手)   〔高野之夫区長登壇〕 ○区長(高野之夫) ただいまの河野たえ子議員のご質問に対しまして、お答え申し上げます。  セーフコミュニティについてのご質問のうち、セーフコミュニティ認証取得についてのご質問にお答えいたします。まず、課題の取り上げ方、選び方の基準についてでございますが、セーフコミュニティは、1970年代のスウェーデンにおいて、急速な高齢化による医療費等の増大が自治体財政の深刻な課題となったことに端を発する活動でございます。一般的に、予防にかかる費用は治療にかかる費用よりも低いと考えられ、医療・介護・保健の分野では、予防を重視するヘルスプロモーションが大きな流れとなっています。この考え方を、けがや事故、災害の分野にも広げることで、元気で長生きと申しますか、いわゆるクオリティー・オブ・ライフ、生活の質を向上させていくのがセーフコミュニティであります。また、事後的な対応を担うセーフティネットに対して、未然の予防を担うのがセーフコミュニティであり、これら両方の質を高めていくことが豊島区が目指す、安全・安心創造都市づくりの姿であります。こうしたことから、セーフコミュニティの課題につきましては、少子高齢化が進んだ高密都市としての地域特性を踏まえつつ、予防という側面から客観的なデータ分析に基づいて選定しているところでございます。例えば、高齢者の安全では転倒と虐待、障害者の安全では視覚障害者の外出時のけがに課題を絞り込んでおりますが、これらは死亡統計や救急搬送データ、アンケート調査などから、優先度を分析して導いたものでございます。そのほかの重点テーマについても、同様にデータ分析を行い、課題と対策の関係が明確になるよう、できる限り、具体的な課題設定に努めているところでございます。  次に、区の行政計画や行政水準との関係についてのご質問にお答えいたします。ただいま申し上げたように、セーフコミュニティの第一の特徴は未然予防ですが、もう一つの大きな特徴は、地域全体のコミュニティが活動主体であるということであります。ここでのコミュニティとは、近隣社会や住民だけではなく、行政、警察、消防、病院、大学、地域活動団体などを含む、広い意味での地域協働の姿を意味しています。けがや事故を予防するためには、住民一人一人の意識と行動が大切であることはもちろん、分野を超えた連携・協働を実現しながら課題を共有し、地域の総合力を発揮することが重要であります。その意味から、セーフコミュニティとは地域における新たな支え合いという地域福祉の考え方にも相通じる取り組みでもあります。こうした地域協働を進める中でも、普及啓発や学習機会の提供、環境整備、地域活動団体の支援など、区行政が責任を持って取り組むべき部分は数多くあるわけでありまして、セーフコミュニティと行政計画とは、一体不可分のものとして推進するべきものと考えています。また、WHOセーフコミュニティの認証申請に当たっては、予防活動の効果を確認する物差しとして成果指標を具体的に示す必要があり、5年後の再認証に当たっては、その達成度が確認されることになります。この成果指標についても、やはり行政の活動水準が成果指標の達成にとって重要な要素であることは変わりはありません。いずれにいたしましても、予防という面においては、セーフコミュニティ活動と行政計画に基づく行政水準は表裏一体のものであります。ご質問のとおり、WHOセーフコミュニティの認証取得は目的ではなく、新たな推進力を得るための手段でございます。今後とも、行政としての役割と責任を果たしつつ、人の絆に支えられた真の安全・安心に向けた地域協働の姿をつくり上げていきたいと考えております。  次に、住宅リフォーム助成事業についてのご質問にお答えいたします。高齢者の転倒によるけがは、日常生活の中で誰もが見舞われかねない事故であり、区民の皆さんの安全・安心を確保していくため、セーフコミュニティの取り組みの中で、特に高齢者の安全対策委員会を設け、科学的な視点から原因を分析し、具体的な対策の検討や検証を行っているところでございます。その具体的な対策の一つとして、既に高齢者自立支援住宅改修事業を実施し、居室内や共同住宅の共用部分のバリアフリー化を促進しております。住宅リフォーム助成事業につきましては、住宅マスタープラン重点プロジェクト推進事業の中で、新たな助成制度として総合的に検討すると申し上げてまいりました。そのために、空き家の実態がどのようになっているかの現状を分析する必要があり、その結果に基づいて、バリアフリーの対応が遅れている借家の対策など、官民協働による空き家・空き室活用の仕組みづくりを行う予定でございます。決して、引き延ばしをしているわけではございません。こうした調査を現在行っているところですが、高齢者の転倒などによるけがの防止は、まさにセーフコミュニティの中でも、特に大切な取り組みと考えておりますので、バリアフリー化をさらに促進するための住宅リフォームについては、助成制度の拡充をいたしたいと思います。高齢者の転倒などによるけがの防止は、住宅改修による施設整備も大事でございますが、けがの予防につながる生活習慣を身に付けるといったソフトの対策も極めて重要となります。こうした総合的な観点から、地域の方々とともに、セーフコミュニティの認証に向けた取り組みを行ってまいります。  次に、自殺・うつ病対策についてのご質問のうち、まず、保健所の相談窓口の強化についてのご質問にお答えいたします。保健所及び長崎健康相談所では、自殺やうつ病を含め、精神保健に関する相談に地区担当の保健師が随時対応しており、必要に応じて精神科医や精神保健福祉士による専門相談を行っております。ご指摘のとおり、自殺・うつ病対策は重要課題と認識し、セーフコミュニティの重点施策としても取り組みを強化しているところでございます。保健所の体制としましても、今年度、新たに精神保健担当係長を設置し充実を図ったところでございますが、東京都などの実施する精神保健に関する研修受講やアドバイザーによる事例検討により、保健師の相談スキルを高めるなど、今後、さらなる体制の強化について検討してまいります。  次に、地域活動支援センターへの支援強化についてのご質問にお答えいたします。地域活動支援センターは、障害者に創作活動や生産活動並びに社会との交流促進等の場を提供する事業でありまして、利用者一人一人の様々な相談についてきめ細かく対応していただいていることは十分認識しております。また、根拠となる障害者自立支援法の廃止やそれに代わる法制度の骨格提言は示されておりますが、国や東京都の動向は依然不透明な状況にありますことから、財源となる補助金につきましても、十分に確保されていない状況にあります。とりわけ規模の小さい地域活動支援センターⅢ型については、職員の確保に苦労していることも承知しております。区といたしましても、これまでも経営安定のために、運営費補助のほかに利用者の交通費の補助等を行ってまいりました。また、厳しい財政状況の中、昨年度から職員の定着支援を目的として補助金を増額したところであります。したがいまして、地域活動支援センターへの補助金については、現時点では今まで以上増額を図る考えはございません。  次に、「第9次豊島区交通安全計画」に基づく道路整備計画の見直しについてのご質問にお答えいたします。自転車や歩行者が安全に利用できる道路の整備は、区にとっても喫緊の課題として認識しております。セーフコミュニティ認証取得に向け、自転車利用の安全対策委員会を立ち上げ、関連する様々なご意見もいただいております。今年度末までに、区の道路整備事業といたしましては、目白庭園前や鬼子母神西参道の改修、歩道も含めた改修では、トヨタアムラックス前を予定しております。平成27年度までの整備距離を抜本的に増やすべきとのご指摘がございましたが、計画は実現可能性を高めるために、これまでの年平均の改修等の実績から数値を導き出したものです。一方、既存の道路の補修など、突発的に最優先で措置しなければならない工事もございますことから、新たに明確な整備距離は示せませんが、今後とも地域の状況を踏まえまして、所轄警察等の意見も聞きながら、整備の拡大に努めてまいりたいと思います。なお、良好な自転車交通秩序の実現に向け、警視庁では、各都道府県警察に対し、走行ルールの遵守や通行環境の向上に向けた通達を出しております。これらを踏まえ、区内で新たに整備される都市計画道路など、幅員の広い道路につきましては、交通管理者、道路管理者と協議の上、可能な限り、歩行者と自転車を区分して通行させるような整備に取り組んでまいります。  次に、谷端川の橋の名称についてのご質問にお答えいたします。ご質問の補助172号線拡幅工事に伴い、谷端川に架かっておりました羽黒橋、また、補助78号線、要町通りの長崎橋、そして区が施工しております補助173号線の御嶽橋も含め、それぞれの橋の歴史を大切にとどめておくことは、大変重要と考えております。その名残である橋名の銘板につきましては、積極的に関係機関との調整を行い、保存を前提にしつつ、復刻あるいは由来板の設置等も視野に入れ、記憶にとどまる方策を検討してまいりたいと思っております。このように古い昔のことを知っておりますのは、恐らくこの議会では、河野たえ子議員と私ぐらいのものではないかと思います。それだけに、今回のご質問でお受けいたしました古き思い出を残すのが、私たちの責務と思っております。  なお、私からの答弁は以上でございますけれども、その他の質問につきましては、関係部長から答弁いたさせます。   〔大門一幸保健福祉部長登壇〕 ○保健福祉部長(大門一幸) セーフコミュニティについてのご質問のうち、障害者の安全、外出支援についてのご質問にお答えいたします。まず、設備の改修、改善についてでございますが、本区はこれまでも、バリアフリー及びユニバーサルデザインの観点から、「福祉のまちづくりガイドマップ」や「池袋愛マップ」などの作成・啓発に取り組んでまいりました。あわせて、本年4月には、「池袋駅地区バリアフリー基本構想」を多くの関係者とともに策定いたしました。この基本構想では、事業者ごとに実施すべき事業を洗い出し、実施時期については、3年以内に実施する短期、5年以内に実施する中期、その他を長期や継続という形で計画的に整備できるように定めており、その着実な推進に向けまして、各事業者が取り組んでいくこととなっております。それを率先する意味でも、区といたしましては、池袋駅西口にエレベーターを設置するとともに、警察とも協議し、エスコートゾーンの整備にも精力的に取り組んでおります。また、池袋地区以外においても、椎名町駅の改修などの機会に、ユニバーサルデザインの視点に立った外出しやすいまちづくりを着実に進めております。一方、山手線のホームドア設置に当たっては、本区の5駅は速やかに進捗していくものと考えておりますが、例えば、ホームドアについては、ホームが狭いことや車両のドアの数が異なるなど、事業者ごとに解決すべき課題がございますことから、まちづくりには粘り強い取り組みが必要であると考えております。こうした中で、現在、改定作業に取り組んでおります豊島区障害者計画の重点施策の一つとして、「こころのバリアフリー」と並んで、「街のバリアフリーの推進」に計画的に取り組むこととしております。また、区は、セーフコミュニティの取り組みの一環として障害者の安全対策委員会を設置し、広く障害者団体の代表や区民の方々、事業者や消防関係者にも委員として参画いただき、検討を進めておりますので、そうした中で出されましたご意見を十分に配慮しながら、障害者の安全な外出支援の充実に向けまして、積極的に取り組んでまいります。  次に、外出支援の負担軽減についてのご質問にお答えいたします。障害者の外出支援については、現在、全身性・知的・精神の障害者を対象とする移動支援事業と、重度視覚障害者を対象とする同行援護事業がございます。利用者の負担額については、いずれも本区独自の軽減措置により月20時間までは無料、40時間までは3%としております。とりわけ同行援護事業については、本年10月1日の事業開始に合わせて、本来10%の負担となる利用者についても、従前の負担で済むように助成制度を創設したところでございます。外出支援の負担軽減策については、他区と比較いたしましても、既に進んだ状況にありますので、現時点では負担額をゼロにする考えはございません。  私からの答弁は以上でございます。   〔永田謙介区民部長登壇〕 ○区民部長(永田謙介) 国民健康保険に関するご質問のうち、まず、保険料の軽減についてのご質問にお答えいたします。国民健康保険制度では、保険給付を行うために必要な費用を積算し、その総額から国・都・区の負担金・交付金や前期高齢者交付金などの収入額を差し引いた額を保険料として賦課する仕組みになっております。高齢化の進展や医療技術の高度化などにより、医療費が右肩上がりに伸び続けている状況の中で、誰もが適切な医療を受けるために創設された国民健康保険制度を維持するためには、保険料の上昇は避けて通ることができないものと認識しております。したがいまして、保険料の引き下げを実施する考えはございません。また、所得が低い方へは、均等割額の2割から7割の減額措置や保険料の賦課方式を変更したことに伴う保険料減額の経過措置を既に実施しておりますので、所得割が新たに賦課された世帯に対する軽減措置を講じる考えもございません。  次に、短期証の発行についてのご質問にお答えいたします。ご指摘のとおり、10月31日現在で短期証がお手元に届いていない世帯は7,763世帯ございますが、この世帯に対しましては、既に9月に保険証を受け取るために来庁していただくよう通知を送付しております。また、さらに12月初旬には再度の来庁を促す通知を発送する予定でおります。短期証は、保険料に未納がある方に対して発行し、納付相談の機会を設けることが第一の目的でございますので、これまでご説明いたしました段取りで進めておりますが、12月に通知をした後においても来庁していただけない場合には、郵送でお届けすることも検討してまいりたいと考えております。  次に、国保制度を守ることについてのご質問にお答えいたします。ご質問のとおり、現在、TPPに関しては、医療についても議論が行われているところでありますが、区としては、国の動向を注視してまいりたいと考えております。また、誰もが適切な医療を受けることができる医療保険制度を堅持することは当然のことと考えております。国庫負担の増額などに関しましては、これまでも国に対し、全国市長会として要望を上げておりますし、今後も引き続き、医療保険制度の安定的な運営のため、国に働きかけてまいりたいと考えております。  以上をもちまして、河野たえ子議員のご質問に対する答弁を終わります。 ──────────────────────────────────────── ○副議長(島村高彦) 次に、8番議員より、「区民が育てる豊島の未来」の発言がございます。   〔村上典子議員登壇〕(拍手) ○8番(村上典子) 自治みらい豊島区議団に所属している豊島・生活者ネットワークの村上典子です。区議会議員となり早くも半年が過ぎました。この間、常任委員会、特別委員会の傍聴のほか、区主催の講演会や学習会に可能な限り参加し勉強を続けております。現在、豊島区では様々な政策が施行されているわけですが、区民の方々に十分に理解されていないものや、区役所の中の横の連携がとれていれば、もっと効果のある施策になるのではないかというものも見られます。区議会議員の務めとして、区民の方々へ豊島区の政策をわかりやすく伝えるとともに、区議会の場において政策の横断的な提案を行っていきたいと考えています。  さて、今回の私の質問は、1、区役所及び区有施設において石けんを使用する効果について、2、ワーク・ライフ・バランスの重要性について、最後にその他として、身近に触れることのできる文化について質問させていただきます。  まず初めに、石けんの使用について質問します。豊島区では、5年前から家庭で天ぷらやフライなどに使った使用済みの食用油、いわゆる廃食油を回収しています。廃食油は、そのまま下水に流してしまうと、排水管を詰まらせたり、水を汚す原因になります。一方、廃食油もまとめれば立派な資源となります。豊島区の廃食油リサイクル事業は、昨年度まではバイオディーゼルエンジンに再生するルートで行っていましたが、東京都のディーゼル基準が厳しく精製が難しく、使用できる車も限られておりました。そこで、今年度からは、廃食油から石けんにリサイクルするルートに変更し、それに伴い、区内4カ所だった回収地点を17カ所に拡大することができ、先月10月時点で、ほぼ昨年度1年間の回収量に達したことは評価すべきことと考えます。しかし、リサイクル事業は、リサイクルされたものを使用することで初めて循環が完成します。そこで、廃食油からきれいに精製された油を原料に製造された石けんを区庁舎及び区有施設で使用し、区民にリサイクルを見える形でアピールすることが重要だと考えます。石けんというと、白い四角い固形状のものだけを想像しがちですが、製造方法として、天然の動植物の油脂にアルカリと水を加えて加熱してつくられたものが石けんであり、固形だけでなく、液体、粉末などがあります。石けんは、古代ローマ時代に羊の肉を焼いて落ちた脂に灰が混ざり、そこに雨が降り、偶然見つけられたとされ、約3000年にわたり使い続けられています。一方、第1次世界大戦後、石油を原料に化学的に製造されたものが合成洗剤で、日本では1960年代以降大量に生産され、急速に普及しました。石けんという名称で販売されている製品でも、成分表を見ると、石油から合成された化学物質を含むものや様々な添加物を含むものが多くあります。たかが石けんと思われがちですが、皮膚の毛穴や目や鼻の粘膜から体内に吸収されるので、体には大きな影響があります。先ごろ、大きな問題となった製品には小麦成分が含まれていて、人によっては使い続けているうちに小麦アレルギー症状を引き起こす事態となり、自主回収となりました。化学物質を含んでいるものでは化学物質過敏症を引き起こしたり、アトピー性皮膚炎を悪化させることもあります。台所用合成洗剤で主婦湿疹を起こし、石けんに変えたところ症状がなくなったという例もあります。その上、化学物質の中には、水生生物に対して毒性を示すと公表されているものもあります。簡単には分解できない化学物質を排水として流してしまうことは、循環させて使っている水の環境にも影響します。また、豊島区には、2009年から2023年に向けて、としまゴミ半減・資源倍増推進プランという大きな目標があります。今月開催された豊島区リサイクル・清掃審議会では、プラスチック製品の回収品目を増やし、資源化率を上げるための討議がなされていました。資源化率を上げるためには、まず、区民への啓発が重要だとの意見がありました。リサイクルを推進させるためには、わかりやすく、何に生まれ変わっているかを区民へ知らせることが大切です。その意味では、身近な廃食油が石けんに生まれ変わっていることを実感することは貴重だと考えます。  先日、町会清掃担当者の方々と、廃食油を回収・精製している会社と石けんを製造している会社の工場見学に伺いました。参加された方々の中には、廃食油が石けんになるということに新鮮な驚きを持っていらした方もいましたし、実際使ってみたいという声もありました。多くの区民にリサイクル石けんをアピールすることで、身近なところに資源があることの意識啓発につながると考えます。限りある資源の有効活用、そして、下水への配慮も含めて、循環型社会の構築の一環として、区庁舎を初め、廃食油の資源回収場所も含まれる区有施設のトイレ、手洗い場、調理室等で石けんを使用すべきと考えます。高野区長のご見解をお聞きします。また、区立小・中学校の給食で使った油がどのように処理されているかを伺ったところ、区の回収事業とは別のルートを使って、石けんやゴム、インクに再生されているとのことで、学校でリサイクルされた石けんを使用してはいませんでした。教育現場である給食の廃食油の回収は、単に事業系廃棄物処理にとどまらず、循環型社会を目指す環境教育の一環とすべきと考えます。リサイクルされた石けんを利用することで、資源の循環を子どもたちに教育することができます。子どもが学校で覚えてきたことは、各家庭に大きな影響を与え、資源化率の向上につながると考えます。  また、東京都では、化学物質による子どもへの影響を防ぐために独自のガイドラインを策定し、子どもたちが安心して生活できる社会の実現を目指しています。豊島区環境基本計画においても触れているとおり、化学物質が人に与える影響は、大人より成長期の子どもにおいて大きいと考えられています。予防原則に則り、化学物質が含まれているものはできるだけとらないようにすることは重要なことです。このような観点からも、学校の手洗い場、家庭科室、そして給食の調理現場等での化学物質無添加の石けんの利用を希望します。学校における石けんの使用について、教育長のご見解をお聞かせください。  次に、ワーク・ライフ・バランスの重要性について質問します。10月26日に、豊島区と東京都労働相談情報センター池袋事務所共催で開催されたワーク・ライフ・バランスフォーラムは、勤労福祉会館6階のホールに200人近くの人が参加して満員になるほどで、関心の高さが伺えました。フォーラムのタイトルは、「聞かなきゃ損!ワーク・ライフ・バランスの実践」として、基調講演の小室淑恵氏の「新しい人事戦力、欠員補充ゼロの職場術」は、大変内容に富んだものでした。現在、少子高齢社会は現実のものとなり、労働力人口が減ってきています。社会を支えるためには、長期的には出生率の向上、短期的には女性の継続した就業が必要となっています。また、高齢社会は、必然的に介護の問題に男女を問わず多くの人が直面することになります。つまり、少子高齢社会では、働く条件として、個人的事情や時間的制約を抱える人が多くならざるを得ないということです。今までワーク・ライフ・バランスは、限られた人の育児中の問題と捉えられがちでありましたが、今や管理職世代も含む男性の課題にもなっており、全世代の働き方の見直しが必要です。このほど答申された「第3次としま男女共同参画プラン」でも、重点課題の一つとして、家庭生活の仕事の両立支援の推進が掲げられています。5年後の豊島区住民意識調査の目標値として、職場の中で育児・介護休業制度を取得しやすいと思う人の割合を男女ともに100%を目指していますが、現状では、男性42.4%、女性54.3%と約半分です。豊島区として、区内のワーク・ライフ・バランス企業を認定し、啓発活動も行っています。一方、豊島区役所に勤務する男性で育児休業を利用した人の数は、多い年でも片手で数えられるほどで、また、介護休業を利用した人の数も、男女合わせても同じぐらいと伺いました。区民の意識啓発、区民生活をリードする立場として、また、生活の現場の課題を行政に反映するためにも、区役所職員、男性、女性にかかわらず、育児、介護休業をとれるような職場環境の形成が重要と考えます。3月に発行された「豊島区人材育成基本方針」におけるワーク・ライフ・バランスの記述では、一般的な言葉の解説のみで、具体的な方針や仕組みづくりが見られません。  特別区人事委員会から発行された職員の給与に関する報告及び勧告では、職業生活と家庭生活の両立支援の項目で、管理職員を中心に職場全体で育児や介護に携わる職員を応援する雰囲気を醸成することで、職員が制度を利用しやすい職場づくりを進めることが必要であるとの記述があります。また、人材の育成の課題では、管理職選考への受験者が減少しており、受験しない理由の一つとして、仕事に拘束され、プライベート面への影響が大きいことなどが挙げられていました。昇任意欲が減少することは行政レベルの地盤沈下を招きます。目標とする上司像としてワーク・ライフ・バランスに気を配って生き生きと働く姿を管理職が率先して見せることで、今後の人材の育成にも努めるべきと考えます。区役所内のワーク・ライフ・バランスに配慮した環境整備と人材育成について、高野区長のご見解をお尋ねします。  最後に、その他として、生活の身近に触れる文化について質問します。先週23日、池袋北口に路上美術館がオープンしました。東武東上線の線路に沿った140メートルの道路脇に36枚の写真が掲げられた様子はNHKニュースでも報道されました。区内のあちらこちらの風景写真が約150センチメートル四方に大きく引き伸ばされて掲示され、豊島区が魅力的に表現されていました。足早に通り過ぎるだけの道路を多くの人がゆっくりと写真を眺めながら歩いており、殺風景だった風景が明るい雰囲気となり、景観のもたらす効果を痛感いたしました。また、今月20日には、西部区民事務所体育館で、ブラスバンドを中心とした「ファミリーコンサート音楽日和」が開催されました。会場が体育館ということで、高齢の方、車いすの方、障害のある方、ベビーカーもあり、子どもたちも走り回ったりしながらも、穏やかな秋の日の午後、多くの人が音楽を楽しみ、とてもよい雰囲気でした。残念ながらこのファミリーコンサートは、西部地域複合施設の工事が始まるので今回が最終回となってしまいましたが、このように生活のすぐ近くの開放的な場で芸術、文化に触れることは、心を豊かにすると実感しました。昨年3月に策定された豊島区文化政策推進プランには、地域ごとの文化資源が分析され、今後の文化施策の方向性が示されています。現在、豊島区の文化芸術というと、どちらかというと閉ざされた空間での演劇が中心のような印象があります。新しく建設される西部地域複合地域の内部には、ミュージアム部分があり、池袋モンパルナスで活動した芸術家の絵画、資料などを身近に楽しめる機会になるだろうと期待しています。また、豊島区には、伝統のある吹奏楽など音楽の文化が根付いています。先ごろ、全日本合唱コンクール全国大会では、東池袋にある豊島岡女子学園中学校コーラス部が文部科学大臣賞を受賞しています。区内に点在する貴重な文化的な価値のある建物や街並みを景観として保つことも大事なことと考えます。このように、豊島区の中にある貴重な文化・芸術に広く区民が触れる機会が増えることを希望します。一昨日、立教大学で開催された、東京芸術劇場と立教大学の連携協定締結記念シンポジウムにおいて、東京芸術劇場館長の福地茂雄氏の言葉に印象的なものがありました。「生活の中に文化があることで、地域に誇りを持つことができます。」というものです。区民が生活の身近で触れることのできる文化について、高野区長のご見解をお聞かせください。  以上、私の一般質問を終了します。ご清聴ありがとうございました。(拍手)   〔高野之夫区長登壇〕 ○区長(高野之夫) ただいまの村上典子議員のご質問に対しましてお答え申し上げます。  まず、区役所内のワーク・ライフ・バランスに配慮した環境整備と人材育成についてのご質問にお答えいたします。本区におきましても、育児休業や介護休暇など、ワーク・ライフ・バランスに配慮した制度の充実に努めておりますが、利用される制度でなければ意味がありません。そのためには、制度の周知はもちろんでございますけれども、いつでも利用できるという職場の雰囲気を醸成していくことが必要だと考えています。昨年度は、子どもが生まれた男性職員のうち、育児休業を取得した職員の割合が、初めて目標である13%を超えましたので、徐々に浸透してきているとは思っておりますが、休業中の人手の確保など今後も環境整備に努めてまいります。また、ご質問のとおり、職員は上司の働く姿をよく見ておりますので、休暇を計画的に取得する、ノー残業デーには定時退勤をするなど、管理職には率先して自らワーク・ライフ・バランスの実現に取り組み、職員に生き生きと働く姿を見せることによって、今後の人材育成に努めてもらいたいと考えております。  次に、生活の身近に触れる文化についてのご質問にお答えします。区内には、歴史的にも裏付けられた貴重な文化資源が多数点在しておりますが、その文化資源を活用した区民の皆さんの手による文化活動が盛んに行われております。このような区民の皆さんの文化活動は、平成20年度に文化芸術創造都市部門における文化庁長官表彰を受賞する大きなきっかけともなり、生活の中に文化が浸透しつつあるあらわれと認識しております。文化は人の心に潤いを与え、豊かな人間性を涵養し、創造力と感性を育むなど、人間が人間らしく生きるための糧となるものでございます。ただいまご披露いただきました先日の立教大学のシンポジウム、私もお邪魔いたしまして、新国立劇場の理事長であり、東京芸術劇場の館長でもあります福地茂雄さんが、ただいまおっしゃったように、「文化とは人間が生きていく必需品ではない。人間が人間らしく生きていく必需品である」というように、同じ言葉でありますが、そのようなことが、私も非常に印象として残っております。また、他者と共感し合い、人と人との相互理解を促進するなど、身近な生活の中で文化に触れることができる環境を整えることは、大変重要であると考えております。昭和63年に始まり、160回を重ねた「庁舎ロビーコンサート」、広く文化人を招いた講演会形式による100回を超える「としま文化フォーラム」「エチカ池袋ギャラリー」、そして、この度池袋北口にオープンした「路上美術館」などは、まさに身近に誰もが文化に触れることのできる機会を提供する代表的な取り組みでございます。また、我が区は23区で初のアマチュアの愛好者による管弦楽団を、昭和50年、大変古くからでありますが設立、さらに吹奏楽団を52年に設立いたしました。この二つの楽団を有しているのは、他の自治体にはないと思います。誇りに思っているわけでありますが、これは音楽の普及とともに、より多くの区民の皆さんに鑑賞の機会を提供することを目的としているもので、現在も成人式等でその美しい音色を響かせているわけであります。  一方、今後、新庁舎に整備いたします(仮称)区民ひろばセンターは、作品展示や発表など、多様な区民活動で使用することも可能なスペースとして、広く文化を発信し、交流する場としていくことを予定しております。さらに、旧平和小学校跡地に建設予定の西部複合施設では、歴史資料や美術作品等の展示のほか、資料に触れ学習することのできる区民の皆さんのための研究室も設置することとしておりまして、区民の皆さんがより身近に文化・芸術に親しみながら、次の時代の文化を創造する担い手となってくださることを期待しているわけであります。文化を都市の魅力と活力の源泉として捉え、文化の風薫るまちへと導くためには、美術・建築・文学・音楽・演劇・舞踊など、ジャンルを問わない多様な文化活動の機会や、それらを享受する環境づくりが大変重要であると考えており、今後とも区民の皆さんが身近に文化に触れることのできる取り組みを進めてまいりたいと考えております。  なお、私からの答弁は以上でございますが、その他の質問につきましては清掃環境部長から、教育委員会の所管に属する事項につきましては教育長から答弁申し上げます。   〔鈴木公一清掃環境部長登壇〕 ○清掃環境部長(鈴木公一) 区庁舎及び区有施設において石けんを使用する効果についてのご質問のうち、まず、リサイクル石けんの使用についてのご質問にお答えいたします。  本区では、平成18年度から廃食油リサイクル事業を開始し、平成22年度までに廃食油を軽油の代替品である植物性燃料などにリサイクルしてまいりました。本年度からは、廃食油の回収量を増やすことを目的として、拠点数を4カ所から17カ所に拡大をいたしました。また、町会担当者の方々との意見交換会では、リサイクル石けんを配布したり、回収の拠点として使用している区施設に石けんを配布することにより、区民の皆様にリサイクルの効果を実感していただけるような工夫をしております。  今回のご提案を受けまして、来年度からは、本庁舎のトイレにリサイクル石けんを先行的に採用したいと考えております。今後は、来庁された区民の皆様のご意見も伺いながら、さらに他の施設への使用拡大についても検討してまいります。  私からの答弁は以上でございます。   〔三田一則教育長登壇〕 ○教育長(三田一則) 引き続きまして、教育委員会の所管に属する事項に関するご質問についてお答え申し上げます。学校における化学物質無添加石けんの利用についてのご質問にお答えいたします。子どもに対する化学物質の影響を防ぐ観点から、化学物質無添加石けんの利用を推進してこそリサイクル社会が成立するという、その重要性につきましては、私どもも十分認識しているところでございます。学校の手洗い場や家庭科室で児童・生徒が使用している洗剤につきましては、汚れ落としや感染症対策に効果のあるものなどを使い分けており、化学物質無添加石けんを導入している学校も増えてきております。  一方、給食の食器、器具用洗剤につきましては、洗浄能力やかかる時間の制約があるため、安全性の確認された植物成分の中性洗剤を使用しております。今後も、化学物質無添加石けんの使用につきましては、使用場所、用途に応じた有効性等を確認し、区所管である資源循環課と連携し、リサイクル、リユース、リデュースの趣旨を踏まえた循環型社会を目指し、安心できる利用推進に努めてまいります。  以上をもちまして、村上典子議員のご質問に対する答弁を終わります。 ──────────────────────────────────────── ○副議長(島村高彦) 次に、5番議員より、「豊島区の行政改革の今後について」の発言がございます。   〔古堺稔人議員登壇〕(拍手) ○5番(古堺稔人) みんなの党・無所属刷新の会の古堺稔人でございます。今回は、「豊島区の行政改革の今後について」というテーマで一般質問いたします。  10月に行われました第3回定例議会での決算特別委員会において、私はその委員として、平成22年度の決算を審議いたしました。その審議の中で高野区長は、「豊島区においては過去十分に行政改革が行われてきた。また、今後もさらなる行政改革に臨んでいく。」と答弁されました。確かに、ある面での改革は行われてきたのだと理解いたしますが、豊島区におけるこれまでの行政改革のイメージは、人員削減・給与カット・外部委託などの言葉に代表されると考えます。私は、区民の方々へ提供するサービスの質の低下を招きかねない必要以上の人員削減や、職員の方々のモチベーションに悪い影響を与える、豊島区独自で実施する給与の一律カットには反対です。決算特別委員会でも指摘いたしましたが、豊島区における様々な委託契約をきちんと見直しすれば、うまくすると年間数億円単位で自由に使えるお金が顔を見せてくるのではないでしょうか。当然のごとく、見直しをしたとしても、区民の方々へ提供するサービスの低下は起こりませんし、委託業者の利潤が適正レベルになるだけで、誰も傷付けることのない、これも一種も改革です。行政改革とは、投下するコスト(税金)を最小とする中で、住民の方々という顧客の満足度を最大にするための過程における意識とマネジメント手法の改革だと理解しています。そのためには、投下されたコストと、それによりもたらされた満足度をはかるためにも、評価は欠かせません。豊島区においても事務事業評価がなされており、先日、平成23年度行政評価結果が配布されました。そこで質問です、行政のトップとして、高野区長が事務事業評価について、その目的と実施意義についてどのようにお考えになっているか、お教えください。  評価とは反省であり、役所の仕事は間違ってはいけないという理念と相反する部分があるために、行政となじまない側面があるのも事実です。また、評価だけでは何も生まないということは、行政評価を実施している自治体へのアンケートにおいて、「評価に対する職員のやらされ感が強い」、また「評価結果がどこに反映されるかが見えず、制度の効果が実感できない」などとして表れています。そこで、豊島区の評価シートを見てみると、目標や主な取り組みにおいて、現状の事業の結果(アウトプット)が羅列されているだけで、その事業の目標が達成されるとどのぐらい区民の方々の満足度(アウトカム)が高まるかの考察がなされていないと考えられます。それゆえに、シート上の現状の分析におけるサービス等の水準項目において、供給サイドからの見方しかできず、他区や類似事業との比較によることはわかっておりますが、評価として「平均的」などという、顧客サイドから見たら理解できない表記がされているのです。何をもってサービス水準が平均的であるとするのか、23区平均などをもとにした相対的なサービス量の評価はあっても、本来目標とすべき顧客満足度の面からの定義付けがなされていないと考えます。また、目標がきちんとしていないところで評価を行うと、現状が目標となってしまうとの指摘もあります。それゆえ、トップがはっきりとした目標(ビジョン)を示し、また、プランの前に十分な調査を行い、そして、できるだけ多くの人にプラン(ありたい姿)の作成に関わってもらい、そのプランを実施したことによるアウトカムによって人事評価とするというようなマネジメントが必要ではないかと考えます。いかに少ない予算でより大きな区民の方々の満足度を達成したか、また、同じ満足度であるならば、いかに予算を削ったか、いかに予算を余らせたかが人事評価の核であると定義されれば、行政サイドからの自発的な改革が大いに期待できると考えます。そこで質問です。これらの区民の方々の満足度の向上にいかに寄与したかを、人事評価の中心とする改革について、トップマネジメントの高野区長はどのように考えられますか。  現状をまとめると、行政サービスが行政サイドからの観点のみで定義されているため、行政が何をしたかという視点(アウトプット)でしか現状を確認することができない。また、行政サービスを提供する理由・目的・目標に明確な関連性がなく、何のために何をして、その結果どうしたいのかということがわからないという状態であると思われます。そこで、区民の方々の満足度の向上という観点からの定義に変えると、行政サービスを区民の方々がどれだけの効用を享受できたかという視点(アウトカム)で確認することができ、誰を対象に、何を目的として、実際にどのような行政サービスを行っていけばよいかがより明確になると考えられます。そこで、区民の方々の満足度をはかる上でも、現状の評価をわかりやすくまとめた上で、区民の方々にアンケートを実施するなり、内部の尺度のみでマネジメントを完結させないように、外部による評価を再度導入することが望ましいと考えます。そこで質問です。事業仕分けなどの手法も含め、外部による評価の再度の導入について、どのように考えられますか。  以上で、私の一般質問を終了いたします。ご清聴ありがとうございました。(拍手)   〔高野之夫区長登壇〕 ○区長(高野之夫) ただいまの古堺稔人議員のご質問に対しましてお答え申し上げます。  平成23年度行政評価結果を踏まえてのご質問のうち、まず、事務事業評価の目的と意義についてのご質問にお答えいたします。本区の行政評価は、平成12年度の試行を経て、平成13年度より本格実施をいたしました。本年で10年目を迎えたわけでございますが、この間、政策評価、施策評価、外部評価など、様々な取り組みを行ってまいりました。中でも、事務事業を不断に常に総点検することを目的とした事務事業評価は、行政評価制度の創設以降の10年間、すべての年度において実施しております。ご案内のとおり、私が区長に就任した平成11年当時、本区の財政は、民間企業であったならば破綻も覚悟すべき危機的状況にありました。当時を振り返れば、いかに区民の皆様に与える痛みを最小限度に抑えつつ財政を立て直すかが、私に与えられた最大の使命であったという思いがいたします。財政再建に当たっては、不要不急な事業を根本から見直す必要があり、事業の目的や成果を分析・検証し、予算や計画に反映する事務事業評価は、行財政改革を進める上で、極めて重要な役割を果たしてきたと認識しております。また、単なる無駄の削減にとどまらず、基本計画などで定めた政策や施策を実現するための手段である事務事業が適切に行われているかをチェックする過程を通じて、区民サービスの確保と向上を図る機能も兼ね備えており、事務事業評価は、効果的かつ効率的な行政運営を進める上で、今や不可欠のシステムであると考えております。  次に、区民満足度向上への寄与を人事評価の中心とする改革についてのご質問にお答えいたします。職員の勤務評定につきましては、評定要素を業績・能力・態度の三つの区分に分類して実施しておりまして、このうち業績の区分の評定要素は、仕事の成果となっております。ご質問の区民満足度向上への寄与は、仕事の成果として評価をしております。勤務評定は、最終的に三つの区分の評価を取りまとめて総合評価としていますが、職層が上がるにつれて業績の評定比重を重くし、係長以上では5割以上にしておりますので、業績が人事評価の中心であると思っております。区民満足度の向上にどう寄与したかを人事評価の中心とすることは貴重な提言として受け止めさせていただきますが、現在の勤務評定制度におきましても、重要な評価要素として評価対象にしておりますことを申し上げたいと思います。  なお、私からの答弁は以上ですが、アンケート外部評価等の質問につきましては、政策経営部長から答弁いたさせます。   〔吉川彰宏政策経営部長登壇〕 ○政策経営部長(吉川彰宏) 外部による行政評価の再導入についてのご質問にお答えします。外部による行政評価につきましては、平成17年度から平成19年度までの3年間にわたり実施し、有識者や公募区民からなる委員の皆様から、様々有益なご意見、ご提言をちょうだいし、計画策定や予算編成を通じ、区政の改善に活用させていただきました。3年間をかけて全施策を評価する外部評価当初の目的を終えた後には、職員自らが担当する事業を適切にチェックする行政評価制度の原点に立ち、内部評価の精度の向上に注力してきたところであります。しかしながら、職員による評価には限界があることは事実でありますし、納税者や受益者の視点、専門家の視点など、外部の視点から定期的なチェックを行う仕組みは極めて重要であると認識しております。現在、これまで10年間にわたる行政評価の成果と課題を踏まえ、新たな行政評価システムの構築に向け研究を重ねているところであります。制度設計については、さらなる検討が必要であると考えておりまして、現時点では、従来型の内部評価、外部評価の二者択一ではなく、内部、外部それぞれの長所を生かし、事業の方向性をともに議論する協働型、参加型の評価制度が有効ではないかと考えております。今後とも、評価の手法についてあらゆる角度から検討するとともに、現行評価制度の問題点を改善していくことで、より実効的で本区にふさわしい行政評価システムの確立に向け、最大限努力してまいります。  以上をもちまして、古堺稔人議員のご質問に対する答弁を終わります。 ──────────────────────────────────────── ○副議長(島村高彦) 次に、12番議員より、「国際観光都市豊島区へ!セーフコミュニティ認証取得観光促進整備でさらなる経済の活性化と文化発信都市を!」の発言がございます。   〔小林弘明議員登壇〕(拍手) ○12番(小林弘明) みんな・無所属刷新の会、小林弘明でございます。  今年も残すところあとわずか1カ月となりました。今年は、東日本大震災の発生を契機に、福島第一原子力発電所の発電停止に伴う節電や、区内放射線量の測定開始などもあり、区民、職員、議会が一丸となって苦難を残り越える年でありました。それらは、いまだよりよい解決に向けて継続中であり、私も豊島区議会議員として、また、一豊島区民としてできることをしていきたいと思います。そして、来年は豊島区制施行80周年という節目の年であり、1年を大きな飛躍の年として終えられるよう、豊島区民のために、時には会派や政党の垣根を越えてかんかんがくがくな議論を交わし、より一層の活動を頑張っていきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。  現在、豊島区は、たくさんの外国人観光客が訪れる、東京でも人気がある街の一つです。独立行政法人国際観光振興機構の資料で、「日本政府観光局訪日外客訪問地調査2010」によれば、2010年度、池袋に観光目的で訪れた外国人の方は、推計計算値で約53万人にも上ります。この追い風の中、豊島区としても、高野区長が推進するWHOセーフコミュニティ認証取得に向け、「安全・安心まちづくり」を地域と行政で一生懸命推進しております。これまで我が国でWHOセーフコミュニティを認証した街は、京都府亀岡市を第一号として、青森県十和田市、神奈川県厚木市の3市しかなく、そこに豊島区が加わることで、街としての魅力が向上し、観光客の増加や国際会議の開催・出席により、今まで以上に豊島区に外国の方々が訪れるようになるでしょう。そして、その際の対応を、今、この段階から準備しておくことは、豊島区で生活する区民の「安全・安心」という観点からも非常に重要なことですし、また、豊島区で商いをしている人たちにとっては、不況から脱却する千載一遇のチャンスとなります。豊島区としても、認証取得を目指すだけにとどまらず、その先の具体的な未来へ向けた政策を現段階から検討していただき、ぜひとも前向きなご答弁をお願いいたします。  まず初めに、「1、安全・安心を創る!セーフコミュニティ認証取得に向け事件・事故予防に向けた街頭・街路の整備を!」について質問いたします。本会議初日、高野区長がおっしゃっていたように、来年11月、アジア地域セーフコミュニティ会議が開かれることが決定しており、豊島区へ来日される外国人の方は増えていくと思います。そして、そのことを念頭に置いた街の整備が必要不可欠となります。豊島区を訪れる多くの外国人の方にとって、安全・安心な環境を地域と行政が整備し、彼らに、安全にそして安心して豊島区でお金を使ってもらうことで豊島区の経済が活性化すれば、来日外国人だけでなく、豊島区を訪れ、また、住もうとする日本人も増え、その結果さらなる発展的好循環が実現可能となります。そのためにもセーフコミュニティ認証後の来日外国人の増加までを視野に入れた安全・安心まちづくりを推進していっていただきたく思います。  そこで質問いたします。セーフコミュニティ認証取得後のさらなる観光客の増加を見据えた事件・事故予防など、安全・安心まちづくりに向けた施策や、多言語による説明標識の設置など、具体的な整備計画等がありましたらお知らせください。  次に、「2、地元の商店にお金を!翻訳メニューや指差し会話表、ピクトグラムの協同整備を!」について質問します。指差し会話表とは、文書と単語、イラストを組み合わせながら指を差すだけで伝えたいことを示せるようにまとめたコミュニケーションのためのシートです。また、言葉が通じなくても、おおよその意味が通じるよう、施設や設備、人の動作などをイメージ化したイラストや図形のことをピクトグラムと言い、非常口を示す人のアイコンが有名ですが、それぞれの地域や施設の特性に応じて指差し会話表と一緒に整備されます。また、北海道観光局、別府市旅館ホテル組合連合会などが独自で指差し会話表を開発し、利用しています。外務省所管の社団法人国際交流サービス協会が実施した観光協会や組合、団体や宿泊施設などを対象にした「外国人旅行者受け入れについての調査」によると、来日外国人の方々を対応するに当たって、現状一番の課題として挙げている割合が多いのは、多言語での標識や説明書きの充実で、その割合は約4割にも上ります。そうしたコミュニケーションのための補助的ツールやその整備の必要性が高まっています。そこで私は、豊島区の地元の商店、観光協会、豊島区の国際関係の学校、学科の学生及び豊島区に在留または在学している外国人の方との協働による翻訳メニュー、指差し会話表、ピクトグラムの整備を提案させていただきます。特に飲食店には、参加するお店側が簡単に外国人向けのメニューの翻訳や策定ができるよう、豊島区の各大学のゼミや留学生と協働し、共通のひな形でデザインなどを製作することで、お店側はそのために労力を余りかけることなく、来日外国人の方々の消費を促すことができます。ちなみに、お店だけでなく、ボランティアの方々や区民、学生にとっても、地域活性化への関心や国際交流による諸外国への理解を深めることができるといったメリットもあります。しかしながら、地元の商店や飲食店がそれぞれ単独でこれらを整備することは、技術的にも費用的にも容易ではありません。来日外国人の方々に、豊島区で、特に豊島区の活力向上に直結する商店や飲食店での消費を増やしていくためにも、行政としてこうした活動の支援に取り組む必要があると思います。そこで質問いたします。セーフコミュニティ認証取得後、来日外国人の増加に当たり、豊島区内の商店・飲食店での消費を推進するための具体的な施策や計画などがありましたら、ぜひお知らせください。  最後に、「3、古きよき日本の伝統文化を世界へ!国際化に向けた銭湯文化のルール・マナーの発信を!」について質問いたします。銭湯は、日本の古きよき伝統文化でありながら、その軒数は年々減少の一途をたどっています。東京都生活文化局の「東京都公衆浴場基礎資料」によれば、平成13年初めには都内で1,273軒あった銭湯は、今年初めには801軒となって、10年間で約470軒も減ってしまいました。年間平均約50軒というペースで銭湯が廃業に追い込まれているということになりますが、そうした銭湯の減少傾向は豊島区も例外ではなく、10年前は約50軒ありましたが、今は32軒となっており、年間約2、3軒ペースで減少していっています。このまま単純計算でいけば、約10年ほどで豊島区内の銭湯がすべてなくなってしまうことになり、これは公衆衛生上や福祉上の問題というだけでなく、銭湯の文化的な側面から見ても、非常に由々しき事態であると考えます。そこで提案したいのが、在留外国人や観光客の方にも、広く銭湯を利用してもらいたいということです。  銭湯・公衆浴場は、古くから日本人に利用され、健康促進や親子での交流・教育や近所の方との情報交換、お祭りや寄り合い時の集会所として地域貢献など、日本の文化を担ってきた側面があり、また、飾り気のない生の日本文化を自らが気持ちよく実体験できる施設でもあります。そうした施設の利用を促進・アピールすることで、銭湯やその文化を維持することにもつながり、そのことが豊島区の文化政策「伝統・文化と新たな息吹が融合する文化の風薫るまち としま」の推進にも貢献することは間違いありません。そのためにも、来日外国人の方々へ向けた銭湯のPRや、利用の仕方・方法についてのルール・マナー等の多言語の説明書きの整備、先程の指差し会話表やピクトグラムなどを有効利用した対応マニュアルの作成・配備などが必要になってくると思います。そこで質問いたします。豊島区に滞在・在住されている来日外国人の方々も銭湯を気軽に利用できるようなエチケット・マナーの推進や、公衆浴場に対する助成金の拡充など、文化政策という側面から、銭湯に対しての施策は検討されておりますでしょうか。文化創造都市宣言や文化芸術振興条例制定、あうるスポットの開設やトキワ荘プロジェクトなど、豊島区として多数の文化政策やプロジェクトを推進してこられた高野区長のご見解をぜひお聞かせいただきたいと思います。ぜひ前向きに検討をお願いいたします。  最後に、国際都市として、文化創造都市として、そして住みやすく安全・安心な街として、これから豊島区が発展していき、私たちの子どもたちや、さらにその子どもたちが豊島区で生まれ育ったことに誇りを持ち、そして、大人になっても豊島区で生活したい、働きたい、子どもを産み、育てたいと思えるような、そんなまちづくりをこれからも推進していっていただけるよう、前向きで積極的な答弁の期待を込めまして、今回の一般質問と政策提言を終了いたします。  ご清聴ありがとうございました。(拍手)   〔高野之夫区長登壇〕 ○区長(高野之夫) ただいまの小林弘明議員のご質問に対しましてお答え申し上げます。  まず、「安全・安心を創る!セーフコミュニティ認証取得に向け事件・事故予防に向けた街頭・街路の整備を!」のご質問のうち、事件・事故予防に向けた施策についてのご質問にお答え申し上げます。現在、本区では、来年の認証取得に向けて各種施策に取り組んでいるところであります。メガシティ東京を形成する池袋副都心を初め、繁華街を抱える本区での認証取得は、国際的に「安全・安心な街」として、さらなる発展を遂げていくものと思います。いわゆる住みたい、訪れたいまちの基盤となっているものは、まさしく「安全・安心」なのです。本区では、引き続きWHOセーフコミュニティでの各種の施策に取り組み、安全・安心を創造し続ける街を目指していきたいと考えております。その中で、ご指摘の観光客増大に向けた事件・事故予防につきましては、現在、セーフコミュニティの重点テーマである「繁華街の安全」として、日本でも有数な繁華街である池袋地区を対象として、警察等との連携による有害環境浄化対策や地元町会・商店会等への街頭防犯カメラの普及啓発等に取り組んでいるところでございますが、今後、大塚・巣鴨地区等にも、「繁華街の安全」での安全・安心まちづくりに向けた諸対策を展開していくことを検討しているところでございます。  次に、設備面での具体的な整備計画等についてのご質問にお答えいたします。ご指摘のとおり、セーフコミュニティでの認証や国際会議の開催等を契機として、今後、豊島区にさらに多くの外国人観光客が訪れることが期待されます。現在、外国人観光客の便宜を図るため、区内62カ所にある観光案内標識には、既に地図面を日本語と英語で表記しているほか、凡例部につきましては、日本語、英語、中国語、ハングル語で表記しているところです。また、南長崎地域においては、来年度以降、トキワ荘ゆかりの地の解説板の設置を進めることとしておりますが、これについても多言語での設置を検討してまいりたいと考えております。さらに、観光パンフレット「ぐるっと豊島」は、現在、日本語版のみが発行されておりますが、来年度には英語、中国語、ハングル語で新たに印刷することを予定しております。また、豊島区観光協会のホームページにつきましても、英語と中国語で表記するなど、外国人観光客にとって、よりわかりやすい案内ができるように取り組んでおります。一方、昨年11月には、外国人観光客の誘致を目的として、池袋駅周辺のホテル、百貨店等の企業で構成された「池袋インバウンド推進協議会」が設立され、情報交換のほか、外国人向けのマップの作成等に取り組んでおります。本区も、この協議会に参加し、意見交換等を行っておりますが、今後ともこうした民間の活動と積極的に連携しながら、誰もが訪れやすい魅力あるまちづくりに努めてまいりたいと考えております。  私からの答弁は以上でございますが、区長の見解をということでございますが、文化商工部長から答弁いたさせます。   〔東澤 昭文化商工部長登壇〕 ○文化商工部長(東澤 昭) 「地元の商店にお金を!翻訳メニューや指差し会話表、ピクトグラムの協同整備を!」のご質問のうち、まず、観光客の区内での消費推進策についてのご質問にお答えいたします。現在、商店街は、大規模店の進出や社会経済状況の変化に伴う消費の低迷など様々な要因から、大変厳しい経営環境のもとにあります。そうした中、東京商店街グランプリにおいて2年連続で準グランプリを受賞するなど、区内の各商店街は、独創性に富んだ、かつ意欲的な商店街活動を展開しております。ご提案のありました指差し会話表やピクトグラム整備等につきましては、日本語の理解が難しい諸外国からの観光客に対する施策として大変有効なものと考えますが、その実施に当たっては、各商店街の実情や地域特性、ニーズに即したものとする必要があります。その上で、各商店街が意欲的にこれらの取り組みを行う場合には、商店街補助制度における販売促進事業として、また、施設整備事業としても、それぞれ補助金の対象とすることが可能となっておりますので、その際には、区として可能な限りのバックアップを図ってまいります。なお、今後、区では新たな産業振興計画を策定することとしておりますが、基礎的調査に基づき、地域の実情を把握した上で、観光客の増大に対応した施策の方向性につきましても検討してまいりたいと考えております。  次に、銭湯に対しての施策についてのご質問にお答えいたします。既にご案内のとおり、外国人向けの銭湯でのマナーを記載した冊子や4カ国語で説明を付したポスター等につきましては、東京都公衆浴場業生活衛生同業組合が作成し、各浴場に配付されております。これを浴場内に掲示し、外国人の入浴客にマナーの周知を図るなど、一定の取り組みが図られているところです。その上で、海外からの観光客に銭湯を含めた日本の生活様式やアニメ・漫画など、日本特有の文化を知っていただくことは大切な取り組みですので、来年度以降、観光パンフレットなどの中で、その魅力についても紹介できるよう検討してまいりたいと考えております。銭湯に対する施策といたしましては、区長の招集あいさつの中でも紹介されておりましたが、高齢者の入浴事業を初めとする様々な施策のほか、公衆浴場組合に対する補助金につきましても、年々充実を図ってまいりました。さらに、今年は12月22日が冬至でありますが、大分県の杵築市からゆずを提供していただけるというお話をいただきました。そこで、今年は、ゆず湯を区の事業として、区内の32カ所の公衆浴場すべてを区民の皆さんに年齢を問わず無料で開放したいと考えております。今後も、区といたしましては、より多くの方々に銭湯のよさを知っていただくとともに、外国人観光客の方々にも、銭湯を含めた日本文化に興味を持っていただけるような環境整備に努めてまいります。  以上をもちまして、小林弘明議員のご質問に対する答弁を終わります。 ──────────────────────────────────────── ○副議長(島村高彦) 最後に、4番議員より、「放射能汚染とこれからの住民生活」の発言がございます。   〔橋本久美議員登壇〕(拍手)
    ○4番(橋本久美) みんなの党・無所属刷新の会、橋本久美でございます。これより「放射能汚染とこれからの住民生活」についてと題して、2点の質問及び提言をいたします。  初めに、1、子どもの外部被曝と内部被曝を可能な限り抑えるためにとして、まず、放射能汚染問題についての私の考えを述べさせていただきながら、子どもの対策についてお伺いいたします。本年3月の福島第一原子力発電事故によって、大気中に大量の放射性物質が放出されたといわれております。この日本列島における放射能汚染問題については、今日までにたくさんの情報が流れてきており、様々な場で議論がされているところです。しかしながら、政府機関の対策はいまだにまとまっておりません。今回のように飛散した放射性物質による人体への影響についても、定説と言えるものもありません。これは、「直ちに健康への影響はない」という政府の発言にもあるように、我々が放射性物質から被ばくしても、ある程度の時間が経過しないと健康への影響が出ないことや、発症した病気との因果関係が実証できないなど、このようなことが理由として考えられます。実際には、福島県のみならず、国内広範囲にわたって放射性物質が飛散していることは、政府機関の発表によりわかってきております。そうはいっても、一般の住民にとっては一体どのような安全対策を講じたらいいのかもわからず、また、放射性物質についての知識もほとんどないところから、手探りで身を守ることを考えなくてはならない状況となりました。私を初めとする多くの人々は、原子力発電に依存していたにもかかわらず、余りにも原子力についての知識と恐れを持たずにこれまで生活を享受してきてしまいました。だからこそ、これからどのようにして日本社会をつくっていくのか、どのようにして文明を発展させていくのかを皆で考えていかなくてはならない、今こそその岐路に立っているのだと私は考えます。  3.11以降に選挙を経て新人議員となった私にとっては、この放射能汚染という課題は切り離すことができないものとなり、また、この現状への対策など、住民の方々からの要望や相談を受けることが責務となりました。これまでの住民の方々の相談の中で、放射線被曝を一番恐れているのは、子どもを持つ保護者の方々であります。何を信じていいのかわからず混乱した情報の世界の中で、この先どうやって子どもを健やかに育てることができるのかがわからなくなっている子育て中の方々の気持ちは、抑えられるものではありません。しかし、不思議なことに、放射性物質は明らかに人体には有害であるのは保護者の方々も様々なメディアで知らされ、そして被曝のおそれがあるとされていながらも、直ちに健康への影響はないという発言から、現実に子どもの安全への要望を訴えている方々は、区内でも少数のようです。なぜ少数の保護者の方々の訴えしか見えてこないのか。これは私の仮説ですが、多くの保護者の方々の心理には、いわゆる社会心理学で言われるところの「認知的不協和理論」が適用できるのではないかと考えます。これは自分の意志でなく決定や選択などを迫られたり、自分の今までの経験や気持ちにそぐわない状況に置かれたりしたときに、非常に居心地が悪くなる認知的不協和というものが生じて、それを低減しようとしている可能性があります。その認知的不協和を避けようとして、人はいろいろなことに理屈をつけて正当化しようとするようです。その正当化への過程は、まず、認知を変える、まだ放射性物質によって病気になると証明されたわけではない。次に、新たな協和する情報を集める、過去に放射能汚染された土地でも無事な人がいる。そして、重要度を低める、放射線被曝以外にも命の危険はたくさんある。このような流れで不協和から回避しようとする心理的働きが、人々から見られるということです。このような心理的働きは、多かれ少なかれ、我々の誰でも生じるものとされてお.ります。だからこそ、この放射能汚染問題については、正しい情報がわからないことから、このような認知的不協和が生じてしまい、もしかしたら未然に防げるかもしれない被害が取り返しのつかないことになってしまうかもしれないと私は危惧しております。学者や研究者の見解もそろそろ出そろってきているころと思います。放射性物質は、まだ飛散しているのは事実であり、有害であることも確かであります。子どもにとって絶対に安全であるとは言えない現状であることは間違いないわけです。今までの業務に支障が生じるからという理由や、保護者を安心させたいというためだけに「そんなに心配することはない」と言っていいはずはありません。  子どもたちの健康被害のリスクを最小限に抑えるためには、放射線による外部・内部被曝を避けることが教育の現場においても一番の課題であると考えます。それには子どもだけではなく、保護者や学校関係者の放射能汚染についての現状の正しい理解が必要と思われます。いたずらに怖がるのではなく、正しく怖がることで、被曝を最小限に抑えることができるのではないでしょうか。折しも、豊島区においては、がん対策推進条例の第5条に、がんの予防及び早期発見の推進ということで、教育委員会と協働し、健康教育の一環として、児童・生徒及び保護者に対し、がんの予防に関する普及啓発を図るための施策を制定しております。そして、つい先ごろ、文部科学省の方からも、「放射線等に関する副読本」が作成されました。作成理由として、文部科学省はこのように言っております、「東京電力株式会社福島第一原子力発電所の事故により、放射性物質が大量に発電所の外に放出されてしまいました。このような特別の状況に国民一人一人が適切に対処していくためには、まず、放射線等の基礎的な性質について理解を深めることが重要であると考えます。特に、この困難な事態を克服し、日本の将来を担わなければならない子どもたちにおいては、小学校・中学校・高等学校の各段階に応じて、放射線や放射能、放射性物質について学び、自ら考え、判断する力を育むことが大切であると考えます。」と大臣が述べており、小学校から高等学校までの教材の配付を決定しました。これを機会に豊島区の教育現場でのがん予防教育の中に、あわせて放射線理解の推進を取り入れていただけないでしょうか。過去に戻ることができないのであれば、未来を変えるしかありません。子どもたちの明るい未来のためには、我々大人たちが切り拓いていかなければなりません。どうか豊島区教育委員会において、子どもたちが放射性物質によって知らないうちに無益な被曝をしないよう、この問題に関して積極的な対策を検討していただきたいと願います。教育長のご見解をお聞かせください。  そして、2点目として、新たな行政課題となる放射能汚染被害への豊島区の取り組みとして、提案と、区の見解を伺います。ホットスポットと呼ばれる高レベル汚染地域が関東でも明らかになり、除染が行われております。ホットスポットとは、放射性物質が降雨によって最初に地表に降下したときに形成された1次的分布での高濃度部分のことで、一般にホットスポットは市町村程度の面積を持っていると言われます。非常に大きい、広いということです。それに加え、雨の多い日本の気象の特性から、既に降下していた放射性物質の移動と分布の広がりが生じて、雨水の移動によって放射性物質が濃縮形成された二次的分布での高濃度部分のことを「ミニホットスポット」、または「マイクロホットスポット」と呼ばれるものが存在することが新たにわかってきました。ここでは、ミニホットスポットという用語を用います。ミニホットスポットとは、周辺と比べて局所的に放射線量が高い箇所であって、数十センチ四方から数メートル四方の面積しかないということで、外部被曝の脅威は小さいようです。しかし、ミニホットスポットは、数万から数十万ベクレルパーキログラムもの濃度に濃縮されているということで、そのような高い放射線量を発しても、1メートルも離れてしまいますと、空間線量率は周囲と変わらなくなってしまうために気付かれにくく、そのため吸引などによる内部被曝の危険性が物すごく高いと言われております。雨どいの下、道路側溝、舗装斜面下部、公園のすべり台下などから見つかっており、主に学校とか保育園とか、そういった施設の機関を今調べているということですけれども、このミニホットスポットは、ホットスポットのある近隣の地域などで多く見られているようです。ホットスポットがないとなかなか見つかりにくいということで、もしかしたら豊島区はホットスポットがないということで見つからない可能性もありますが、ただし、ミニホットスポットは、先程も申し上げたように、雨水の移動や砂塵などの移動によって集まっていくこともあり、無数に点在していると言われております。区が地域をくまなく回って探し出して測定・除染するということは、現実的には困難であると思われます。そうは言っても、ホットスポットよりははるかに危険な高濃度汚染部分が私たちの生活圏に存在するのであれば、ほうっておくことはできません。そのようなことから、ミニホットスポットを探し出すには、区と住民の方々双方の協力・連携が不可欠であると考えます。  東日本大震災後、防災の観点では、地域とのつながりが非常に重要であり、また、互いに連携しなくてはならないということが確認できております。そして、放射能汚染被害も新たな行政課題となってしまいました。我々住民は、これから何でも自治体にやってもらうというような依存はやめて、我々自身が住んでいる街を積極的に守っていくという住民たちの意識改革も必要であると考えます。自治体とのパートナーシップを発揮して、我々住民が積極的に自治を担っていくような新しい層を拡大していく必要を感じております。  そこで、今後の放射能汚染対策として、住民が自主的に自分たちの住む町の安全管理が行えるように、放射線測定器を区で貸与するようなことを検討していただけないでしょうか。他区が行っているような、ただ安心のために貸与するということだけではなく、一歩進んだ見識で測定器を貸与する方法を検討していただきたいと思います。例えば、測定法と測定結果の報告を必ず提出してもらうなどです。既に様々な研究機関において、そのようなマニュアルは公表されておりますので、豊島区版につくり変えることは容易と思われます。そして、必要に応じて除染ができる仕組みをつくっておけば、いざというときに即対応ができると考えます。豊島区においては、今後も次々と報告されると思われる放射能汚染被害の最新情報を発信し続けていき、区民の健康と安全・安心のために、新たな課題に対して積極的に取り組んでいただきたいと願います。もちろん私たちも最大限の協力をいたします。震災対策推進本部長でもある区長のご見解をお聞かせください。  以上で、私の一般質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)   〔高野之夫区長登壇〕 ○区長(高野之夫) ただいまの橋本久美議員のご質問につきましては、区長の見解をということでございますが、放射能対策は、今定例会一般質問においては危機管理監であります総務部長が答弁をいたしておりますので、担当の総務部長から、教育委員会の所管に属する事項につきましては教育長から答弁申し上げます。   〔齋藤賢司総務部長登壇〕 ○総務部長(齋藤賢司) 新たな行政課題となる放射能汚染被害への豊島区の取り組みについてのご質問のうち、放射線測定器の貸与についてのご質問にお答えいたします。本区では、これまで小・中学校、幼稚園、保育園等89施設で空間放射線量等の測定を行ってまいりました。また、10月の下旬からは、区内の全公園158カ所での測定を実施いたしまして、区内3カ所での定点測定も継続的に実施しているところでございます。これまでの測定結果を見ますと、幸いなことに、本区では特定の地域において高放射線量が検出されるといった、いわゆる「ホットスポット」の存在は確認されておりません。しかしながら、ご指摘の「ミニホットスポット」につきましては、その存在を否定することはできない状況にあると考えております。日常生活におけるミニホットスポットの存在は、これまでの新聞報道等によりますと、その距離により放射線量が大幅に低減することが示されております。このため、その場所での滞在時間等を考慮いたしますと、健康に大きな被害を及ぼすものではないと考えられますが、ご指摘の、小さなお子さん等の内部被曝の可能性も考慮する必要があると認識しております。このような状況を勘案いたしますと、今後は、学校や保育園の各施設におきまして、側溝等の雨水が集中する場所などでの空間放射線量の精密な測定の実施につきまして検討する必要があると考えております。自治体と住民とのパートナーシップにつきましては、重要なご指摘でございまして、まさに今後の行政課題に対応するためには必要不可欠であるものと考えております。一方、空間放射線量の測定につきましては、機器への習熟が必要でございまして、測定結果とその影響の大きさから、区におきましては、専門的な知識と経験を有する職員のみが対応している状況でございます。したがいまして、ご提案いただきました住民の方々への放射線測定器の貸与につきましては、区におけますこれまでの測定結果の状況、また区が行ってまいりました様々な取り組みなどから、区民の方々による測定の必要性は低いのではないかという点も考慮いたしますと、困難であると考えております。しかしながら、これまで区におきましては、区民の皆さんからの独自測定の通報によりまして、必要に応じて区の職員が再測定等の対応を迅速に行ってきております。また、その対応につきましては、通報された区民の方々からも一定の評価をちょうだいいたしているところでございます。今後も、こうした取り組みを通じまして、地域住民の皆さんとの連携を深めてまいりたいと考えております。放射能汚染への対応など、新たな行政課題につきましては、安全・安心都市を創造し続けるまちづくりに向けまして、常に区民の方々の声に耳を傾けながら、積極的な取り組みを行ってまいります。  私からの答弁は以上でございます。   〔三田一則教育長登壇〕 ○教育長(三田一則) 引き続きまして、教育委員会の所管に属する事項に関するご質問に対しまして、お答え申し上げます。子どもの外部被曝と内部被曝を可能な限り抑えることについてのご質問のうち、放射線理解の推進を教育現場で取り入れることについてのご質問にお答えいたします。ご指摘の「放射線に関する副読本」につきましては、10月14日に文部科学省のホームページで公開されました。放射線の基本知識や人体への影響、防護などについて記載され、小・中・高校生向けの計3種類が配付される予定になっております。副読本の中では、放射線とがんの関係について、「がんなどの病気はいろいろな原因が重なって起こることもあるため、放射線を受ける量はできるだけ少なくすることが大切です」と記述されておりますが、因果関係については明確に示されてはおりません。したがって、放射線の理解をがんに関する教育の延長線上に位置付けて扱うことは適切でないと考えております。しかしながら、教育委員会といたしましては、放射線理解の推進も、子どもたちが生きる上で大切な内容であることから、学級活動の時間や中学校の理科の時間などで指導を行うよう、各学校に働きかけてまいります。  以上をもちまして、橋本久美議員のご質問に対する答弁を終わります。 ○副議長(島村高彦) 一般質問を終わります。 ───────────────────◇──────────────────── ○副議長(島村高彦) 以上で、本日の日程全部を終了いたしました。  本日は、これをもって散会といたします。   午後5時43分散会...