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平成29年決算特別委員会−10月12日-10号

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  1. 杉並区議会 2017-10-12
    平成29年決算特別委員会−10月12日-10号


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    最終取得日: 2021-09-29
    平成29年決算特別委員会−10月12日-10号平成29年決算特別委員会  目   次 委員会記録署名委員の指名 ……………………………………………………………… 3 決算審査  認定第1号〜認定第6号   各会派の意見開陳   杉並区議会自由民主党代表井原太一委員) …………………………………… 3   杉並区議会公明党代表大槻城一委員) …………………………………………10   区民フォーラムみらい代表(上野エリカ委員) …………………………………14   いのち・平和クラブ代表(けしば誠一委員) ……………………………………18   日本共産党杉並区議団代表(富田たく委員) ……………………………………24   自民・無所属クラブ代表(岩田いくま委員) ……………………………………30   杉並わくわく会議(松尾ゆり委員) ………………………………………………36   共に生きる杉並(木梨もりよし委員) ……………………………………………41   美しい杉並(田中ゆうたろう委員) ………………………………………………41   無所属(堀部やすし委員) …………………………………………………………44   日本維新の会(木村ようこ委員) …………………………………………………53
                 決算特別委員会記録第10回  日   時 平成29年10月12日(木) 午前10時 〜 午後2時17分  場   所 議場  出席委員  (46名) 委 員 長  横 山  え み     副委員長  吉 田  あ い        委  員  川 野 たかあき     委  員  木 村  ようこ        委  員  田 中 ゆうたろう     委  員  堀 部  やすし        委  員  松 尾  ゆ り     委  員  奥 田  雅 子        委  員  市 来  とも子     委  員  小 林  ゆ み        委  員  藤 本  なおや     委  員  上 野  エリカ        委  員  山 本  あけみ     委  員  木 梨 もりよし        委  員  山 本  ひろこ     委  員  中 村  康 弘        委  員  大 泉 やすまさ     委  員  井 原  太 一        委  員  大和田    伸     委  員  山 田  耕 平        委  員  上 保 まさたけ     委  員  そ ね  文 子        委  員  岩 田  いくま     委  員  松 浦  芳 子        委  員  増 田  裕 一     委  員  安 斉  あきら        委  員(副議長)           委  員  川原口  宏 之              北    明 範        委  員  大 槻  城 一     委  員  今 井  ひろし        委  員  浅 井  くにお     委  員  脇 坂  たつや        委  員  金 子 けんたろう     委  員  富 田  た く        委  員  くすやま 美 紀     委  員  けしば  誠 一        委  員  新 城  せつこ     委  員  佐々木    浩        委  員  河 津  利恵子     委  員  太 田  哲 二        委  員  渡 辺  富士雄     委  員  島 田  敏 光        委  員  大 熊  昌 巳     委  員  はなし  俊 郎        委  員  井 口  かづ子     委  員(議 長)                                 富 本    卓  欠席委員 (なし)  出席説明員 区長      田 中   良   副区長     宇賀神 雅 彦        副区長     吉 田 順 之   教育長     井 出 隆 安        代表監査委員  上 原 和 義   政策経営部長  白 垣   学        施設再編・整備担当部長事業調整   企画課長    伊 藤 宗 敏        担当部長                大 塚 敏 之        総務部長    関 谷   隆   情報・法務担当部長                                  牧 島 精 一        総務課長    原 田 洋 一   危機管理室長  寺 嶋   実                          地域活性化                          担当部長        区民生活部長  森   雅 之   オリンピック・パラリンピック                          連携推進担当部長                                  安 藤 利 貞        産業振興センター所長        保健福祉部長  有 坂 幹 朗                内 藤 友 行        在宅医療・生活支援センター開設   高齢者担当部長 田 中   哲        準備担当部長                習 田 由美子        子ども家庭担当部長         健康担当部長杉並保健所長                鈴 木 雄 一           向 山 晴 子        都市整備部長  渡 辺 幸 一   まちづくり担当部長                                  松 平 健 輔        土木担当部長  吉 野   稔   環境部長    北 風   進        会計管理室長  南 雲 芳 幸   会計課長    小 松 由美子        教育委員会事務局次長        教育企画担当部長白 石 高 士                徳 嵩 淳 一        学校整備担当部長大 竹 直 樹   生涯学習担当部長中央図書館長                                  齋 木 雅 之        選挙管理委員会委員長        監査委員事務局長和久井 義 久                與 川 幸 男  事務局職員 事務局長    佐 野 宗 昭   事務局次長事務取扱区議                          会事務局参事                                  植 田 敏 郎        事務局次長代理 本 島 健 治   調査担当係長  福 羅 克 巳        議事係主査   十 亀 倫 行   担当書記    渡 辺 美由紀        担当書記    新 谷 広 隆   担当書記    高 橋 知 久        担当書記    高 野 貢 志   担当書記    三 井 真太郎 会議に付した事件  付託事項審査   決算審査    各会派の意見開陳    認定第1号 平成28年度杉並区一般会計歳入歳出決算…………………原案認定    認定第2号 平成28年度杉並区国民健康保険事業会計歳入歳出決算…原案認定    認定第3号 平成28年度杉並区用地会計歳入歳出決算…………………原案認定    認定第4号 平成28年度杉並区介護保険事業会計歳入歳出決算………原案認定    認定第5号 平成28年度杉並区後期高齢者医療事業会計歳入歳出決算     ………………………………………………………………………………原案認定    認定第6号 平成28年度杉並区中小企業勤労者福祉事業会計歳入歳出決算     ………………………………………………………………………………原案認定                             (午前10時    開会) ○横山えみ 委員長  ただいまから決算特別委員会を開会いたします。  《委員会記録署名委員の指名》 ○横山えみ 委員長  初めに、本日の委員会記録署名委員を御指名いたします。上野エリカ委員にお願いいたします。  《決算審査》   認定第1号 平成28年度杉並区一般会計歳入歳出決算   認定第2号 平成28年度杉並区国民健康保険事業会計歳入歳出決算   認定第3号 平成28年度杉並区用地会計歳入歳出決算   認定第4号 平成28年度杉並区介護保険事業会計歳入歳出決算
      認定第5号 平成28年度杉並区後期高齢者医療事業会計歳入歳出決算   認定第6号 平成28年度杉並区中小企業勤労者福祉事業会計歳入歳出決算     各会派の意見開陳 ○横山えみ 委員長  これより、認定第1号平成28年度杉並区一般会計歳入歳出決算外5件に対する各会派の意見を聴取いたします。  それでは、多数会派順に意見の開陳をお願いいたします。  杉並区議会自由民主党代表井原太一委員。 ◆杉並区議会自由民主党代表井原太一委員) 私は、杉並区議会自由民主党を代表して、平成28年度杉並区各会計歳入歳出決算について意見を申し述べます。  具体的な内容に入る前に、当該年度を振り返ってみたいと思います。  平成28年度の大きな出来事に、リオデジャネイロオリンピックパラリンピックがありました。このオリンピック大会では、日本は金メダル12個を含む41個のメダルを獲得し、世界第7位、過去最高の成績をおさめました。パラリンピック大会でも24個のメダルを獲得。そして閉会式には、次回開催地である東京へとオリンピック旗が引き継がれ、いよいよ2020年、日本・東京での開催に向けての準備が本格始動した年でありました。  また、「ポケモンGO」が世界的に流行し、PPAP、「ペンパイナッポーアッポーペン」が、これも世界中に爆発的に広がるなど、インターネット、とりわけスマートフォンの新しい可能性が社会現象としてあらわれた年でもありました。  他方、熊本地震や鳥取地震など大地震が頻発し、多くの被害をもたらしました。とりわけ熊本地震では、最大震度7、マグニチュード6.5の前震の2日後に、最大震度7、マグニチュード7.3の本震が続き、その後も震度6クラスの地震が5回続き、耐震や免震設計など、防災対策の考え方を改めさせられる機会ともなりました。  そして、今上天皇が御退位の意向を国民に対して直接示されたのもこの年でした。  世界では、イギリスの国民投票がEU離脱を選択し、アメリカ合衆国では、アメリカ第一主義を掲げるトランプ大統領が誕生するなど、さまざまな変化がありました。このように、世界的には歴史の大きな節目を感じさせるターニングポイントと言ってもよいような年であったと思います。  そうした中、国内の政治、経済に目を向けると、少子化と高齢化が加速していく中で、持続可能な社会保障制度や財政、金融をどう実現していくのか、平成28年度の日本経済は、緊急事態への対処から、中長期的なビジョンを持った政策への転換が図られた年でもありました。  アベノミクスの3本の矢で景気は回復基調になり、有効求人倍率は高倍率となりました。買い手市場から売り手市場になったわけですが、人が集まらない。これまで需要不足による失業問題の改善が課題となっていた状態から、今度は人手不足が経済活動のネックとなりつつある。そこで、今後、人口構造の高齢化がさらに進む中で、日本に住む人たちの生活水準を維持向上させていくためには、現在よりもはるかに多くの高齢者や女性が社会の中で活躍できるようにすることが必要になってきました。  そこで、安倍総理は、アベノミクスは第2ステージに移ると宣言し、一億総活躍社会の実現を目的とする「強い経済」「夢をつむぐ子育て支援」「安心につながる社会保障」の新3本の矢を発表しました。それぞれに、名目GDP600兆円、出生率1.8、介護離職ゼロという目標数値が掲げられ、平成28年度からは、この政策が本格的に動き始めたわけです。  また、この年は選挙の年でもありました。選挙権付与年齢が満18歳に引き下げられ、7月の参議院議員選挙では、自民、公明の与党両党が議席をふやしました。また東京では、政治資金問題などで舛添要一知事が辞任し、小池百合子新東京都知事が誕生しましたが、それまでの政策を見直し、築地市場の豊洲移転を延期するなど、先行きが見通せない混沌とした状態が続くようになりました。このように、これらも歴史の大きな節目を感じさせるターニングポイントと言ってもよいような年であったと思います。  杉並区を見てみると、当該年度の特徴は、まずはすぎなみ保育緊急事態宣言です。これにより、区政史上最大の認可保育所の整備が実行計画を超えて行われました。区内の公園は幾つか転用されましたが、成田西にふれあい農業公園という新しいコンセプトの公園が誕生しました。学童クラブも、学校内への移転と定員の拡大が進みました。天沼三丁目複合施設については、いよいよ建設が始まりました。  杉並区実行計画、杉並区協働推進計画、杉並区行財政改革推進計画のそれぞれが3年プログラムとして改定され、29年度からの実施に向けて、より現実に即したものとなりました。また、まち・ひと・しごと創生法による地方創生交付金が始まり、杉並区では、杉並区まち・ひと・しごと創生総合戦略を策定したのもこの前の年でした。また、28年度は、杉並区総合計画10年プランの5年目、前半を仕上げ、後半につなぐ折り返しの年度、ターニングポイントに当たりました。  以上、簡単でありますが、平成28年度を振り返り、杉並区を取り巻く背景を俯瞰してまいりました。  私たち会派は、当該年度の決算審査に当たり、1、基本構想の実現に向けて計画化、予算化された事業を着実に執行できているかどうか、2、とはいえ、刻々と変化する喫緊の区民ニーズに対しては柔軟に対応できたかどうか、3、将来を見据え、限られた予算を無駄なく効率的かつ効果的に執行する取り組みを行ってきたかどうか、4、国や都との連携を重視しながら適切に補助金等を活用することで、持続可能性を意識した行財政運営を行ってきたかどうか、5、区民福祉の向上のため、職員が真摯に職務に取り組んできたかどうか、また、自助・共助・公助が叫ばれる中で、これからの杉並区をともに担っていくための基盤となる区民との協働の道を開いてきたかどうか、これらの視点を持って質疑を行い、審査をしてまいりました。  その結果、杉並区議会自由民主党は、平成28年度杉並区各会計歳入歳出決算をいずれも認定することといたします。  以下、認定の理由を、大きく3つの観点から簡単に述べてまいります。  まず、認定理由の第1は、基本構想に基づく実行計画が着実に進められていることを評価します。  総合計画10年プランの前半最後の年となった平成28年度では、区は当初予算を「豊かさと安心を未来に拡げる予算」と名づけ、5つの重点分野を進めました。  すなわち、「減災対策等の充実による地域の安全・安心の拡大」では、杉並区耐震改修促進計画を改定し、耐震・不燃化のまちづくりを進め、狭隘道路の拡幅整備を進め、首都直下地震を想定した区独自の地震被害シミュレーションを行い、今後の計画策定の足固めを行い、感震ブレーカーの設置支援を行うなど、一定の成果を上げてきました。  「多様な連携・交流によるにぎわいの拡大」では、交流自治体とのさまざまな交流事業を行い、また南伊豆町との協力で特養ホーム建設を進め、すぎなみ地域おこし協力隊を創設するなどが行われてきました。  また、「福祉の更なる充実で区民生活の安心を拡大」では、高齢者の生活支援体制の整備、認知症初期集中支援チームの設置、区有地を活用した特別養護老人ホームの建設、親亡き後を見据えた障害者施設の整備、ゆりかご面接による妊娠から出産、その後の子育てまでに至る連続した支援体制の構築、地域子育て支援拠点として子ども・子育てプラザの開設、保育所の大規模整備など、たゆみのない積極的な施策が進められました。  「次世代支援・教育の拡充」では、就学前教育支援センターの開設準備、特別支援教室の全校設置、小中一貫教育校の整備、ICTを活用した授業の支援などを初め、広範囲な取り組みが見られます。  「区民との双方向コミュニケーションの拡充」では、区民に伝わる戦略的広報の着手、すぎなミーティングの開催など、区民によく知っていただき、一方的な告知ではなく双方向のコミュニケーションを図り、協働と参画を促す取り組みも行われてきました。  これらは、経常的に行わなければならない事業だけではなく、ゆりかご事業など、人を育て支える、将来に備えた包括的な施策にも果敢に取り組んできた点は評価できます。  一般会計を全体として見ると、歳出の対予算額執行率は95.7%と比較的高い割合であり、もちろん事業によっては執行率が上がりにくいものもありましたが、総じて着実に事業が進められていると理解できます。一方で、総合計画、実行計画の事業の中で、幾つかには進捗におくれが出ていることが指摘されました。該当年は10年プランの5年目、前半を仕上げ、それを後半につなぐ折り返しの年でした。  区は、後半を迎えるに当たり、しっかりとおくれを取り戻し、着実に執行してくださるようお願いいたします。  認定理由の第2は、総じて健全財政に努めた点を評価します。  当該年度は、保育所整備など、当初予算にはなかった事業が追加になり、途中で7次にわたる補正が行われたりもしましたが、その中でも何とか乗り切ってきた財政当局の御苦労は大変だったと思います。  一般会計では、歳入が対前年比5.0%増の1,834億円余、歳出が対前年比5.2%増の1,762億円余となり、いずれも5年連続の増加となりました。  財政状況を財政指標から見てみると、経常収支比率は81.9%と、杉並区の財政健全化と持続可能な財政運営を確保するためのルール、いわゆる5大ルールにある「80%以内を目指す」を達成できませんでした。これは、待機児童対策等扶助費の増により、分子である経常経費充当一般財源等がふえ、一方、分母である経常一般財源等のうちの地方消費税交付金等が減ったことによるものと質問の中で確認をし、必ずしも恒常的なものではないことがわかりました。  そのほかの指標については、公債費負担比率は対前年度減、実質収支比率も減、財政力指数も安定的に推移しています。また、財政の健全化判断比率を見てみると、法定の4つの比率のうち、実質赤字比率、連結実質赤字比率、将来負担比率はいずれも生じておらず、実質公債費比率は毎年度低下傾向にあり、当該年度は横ばいとなりましたが、マイナス6.4で、早期健全化基準を大きく下回っています。これらから総合的に考えると、一定程度の弾力性が保たれており、健全財政を維持していると判断できます。  また、積立基金ですが、財政調整基金は363億円余の6年連続の増、施設整備基金は、施設整備のための取り崩しがあり、51億円まで減、積立基金の総額は479億円余と5年連続で増加しました。  一方、特別区債については、保育施設の整備や用地会計による学校用地取得などに充てるため、76億円余の起債が行われました。この額は過去5年間での最高額で、前年発行額の491.1%増、28年度末の残高は27.2%増の279億円余となりました。積立基金残高と特別区債年度末残高の差が縮小しています。  特別会計では、3保険事業ではいずれも実質収支額が黒字となり、収入未済も減となったことを評価します。一方で、3つの特別会計に対する一般会計からの繰入金の合計は182億円余であり、依然として一般会計歳出の1割を超えています。この動向は今後も留意が必要です。  これらを俯瞰すると、28年度は健全な財政がなされましたが、今後の持続可能な財政運営という観点からは疑問符がついてもおかしくありません。扶助費は増大していきます。人口増と財政の伸びはいつまで続くでしょうか。施設再編は単年度のことではなく、将来を見据えた末永い取り組みとなります。基金でどこまで賄えるでしょうか。基金と区債とのバランスも保っていけるでしょうか。今後は、これらのことも念頭に、区、議会、区民も認識を合わせて、厳しい予算編成に努めなければならなくなることを考えることは容易に想像できることです。  また、当該年度は、杉並区が定めた財政健全化と持続可能な財政運営を確保するためのルールにある5つのルールですが、経常収支比率の目標のみならず、今後は積立基金の目標達成までもが危ぶまれます。これらは財政運営の是非を判断する上での指標ともなりますが、その理由が明確かつ区民に対して理解を得られるものであるならばルールを見直してもいいのではないか。また、公会計が導入されることに基づき、貸借対照表や行政コスト計算書も判断材料に加えるべきだと考え、今後の評価のあり方を再構築すべきだと考えます。  認定理由の第3は、区民の喫緊のニーズに対して迅速に、かつ柔軟に決断した対応ができた点を評価します。  具体的には、保育緊急事態宣言や杉一小改築計画などが挙げられます。一億総中流社会と言われた時代は、はるか昔へ遠のいてしまいました。当時と比べて雇用形態は大きく変わり、ひとり親家庭がふえ、向こう三軒両隣と言われるように、御近所で助け合い、子育てを支え合う地域のつながりは乏しくなりました。このような世相の中で、保育園に子供を預けられずに仕事をやめなければならない、そのような声が聞かれるようになり、想定外に膨らんだ保育需要に応えるため、予定外ではありますが、緊急に保育定員をふやす決断をした勇気には敬意を表します。  しかしながら、その進め方については、余りにも問題が多く残りました。以下の意見は、認定理由を述べるというよりは、むしろ苦言を呈すると言ったほうがいいかもしれません。  保育所の整備についていうならば、近隣住民への説明がおくれたり不十分であったり、後手後手の対応が散見され、住民の不信を招き、時に議会への報告もおくれることがありました。わずか1年足らずという短期間で多数の保育所を開設するために起きた混乱であり、担当された職員の方々の御苦労も理解できないわけではありませんが、進め方の乱暴さは目に余りました。他の施設建設に際して、じっくりと住民との話し合いの場を持ち、御理解をいただいて建設に至っている成功例もあります。もちろん、それぞれに事情が異なるので、画一的にとはいきませんが、短期間で仕上げなければならないのであれば、なおさらのこと、より丁寧に仕事を進めるべきだったと考えます。改めて猛省を促したいと思います。  公園を転用した場所では代替地を探すということでしたので、我が会派も苦渋の決断の中で転用に賛成しました。しかし、1年以上たった今もまだ代替地は見つかっていません。もちろん、土地の所有者の意向もありますから、区の責任ばかりではありませんが、しっかりと果たしてほしいと考えます。  保育の質の確保という課題も議論されています。事業者に委託をし、箱をつくらせたら終わりというわけではありません。保育の中身について、保育士の研修、指導などについてもしっかりフォローしていただきたい。また、区長が常々力説されているように、育休制度がしっかり機能できる社会づくりも大切です。子供の立場からすれば、愛着を形成するために一番大切な0−2歳を、親と家庭で一緒に過ごすことが望まれます。保育園の数合わせに終始するのではなく、そもそも、この時期に保育所に預けなくても済む制度、仕組みづくりを行うことが大切だと考えます。このような総合的な対策を進めていただきたいと思います。  以上が認定の理由になります。  これからは、今後の区政運営に対する要望を申し述べます。  要望の第1は、まず人ありき、その考えで杉並区の子供たちをより一層しっかりと育て、教育し、人材としての育成に努めてほしいと願います。  社会をつくるのも発展させるのも、根本は人の力、人の心と英知です。人を育てることは、社会発展のための基礎中の基礎であるので、現場の皆様が日々取り組んでおられることは重々承知の上で、さらに、就学前から学校教育課程に至るまでたゆまず、児童生徒一人一人としっかりと向き合い、みずからの道をみずから開いていかれる人を育てていっていただきたい。それは、その人自身の幸福の実現ばかりではなく、地域の力となり、国の力となり、世界を発展させる力ともなると思うからです。また、その子供たちの育ちの場である家庭や家族を支援する、守られる施策を進めていただきたい。さらに、職員の職務能力の研さんにも励んでいただき、チーム力向上と教育、区民福祉の増進を実現してほしいと要望します。  要望の第2は、区職員の業務に臨む姿勢について、もう一度確認をしてみてはどうかと提案いたします。  保育待機児童解消緊急対策のときに、住民との話し合いがうまくいかなかった事例が多くありました。待機児童対策だけでなく、他の施設建設に当たっても、近隣住民との話し合いが解決せず、長期化するケースがふえています。住民との話し合いは丁寧に進め、ぞんざいな対応にならないよう、改めて徹底していただきたいと考えます。  そして、住民トラブルの根底には、職員の業務への考え方にも一部原因があるのではないかと危惧するものであります。かつては、お役所仕事とやゆされ、仕事をしないのが役所の職員のように言われた時期もありましたが、近年は民間の考え方が浸透し、仕事の効率を重視するようになりました。そのこと自体は歓迎するのですが、一方で、ともすれば、仕事をこなすこと、その効率を上げることに意識が行ってしまい、そもそも職員と区民との関係、それが忘れられているのではないか、区の公務員として区民と仕事を進めているのだということを忘れて、目の前の仕事をがむしゃらにこなすことばかりに力を注いでいる、その結果、区民のことがどこかに行ってしまっているのではないかと思わされます。この対応は議会軽視の発想にもつながるのではないでしょうか。  仕事のために仕事をしているのではなく、区民のために仕事をしているという心構えの原点に立ち、まずは区民に寄り添い、区民の理解を得ながら仕事をしていく姿勢を忘れないことを改めて確認していただきたいと思います。  要望の第3は、実行計画事業について、年度の継続性の観点から、次年度予算編成前における事業評価を行うことによって、PDCAの実効性向上に努めることを要望するものです。  その他、決算審査を通じて、我が会派の委員から寄せられた要望、意見については、私たちが地域を歩き、区民の皆様から受けた要望であり、区として重く受けとめていただきたく、求めておきます。  以上、平成28年度杉並区各会計歳入歳出決算の認定に当たっての要望事項といたします。  最後に、委員会の審議に当たり、誠意を持って御答弁をいただいた区長初め理事者の皆様、膨大な資料の作成に御尽力いただいた職員の皆様、円滑かつ公正公平な委員会運営に当たられた正副委員長に感謝を申し上げ、杉並区議会自由民主党の意見開陳とさせていただきます。  ありがとうございました。 ○横山えみ 委員長  杉並区議会公明党代表大槻城一委員。 ◆杉並区議会公明党代表大槻城一委員) 杉並区議会公明党を代表して、決算特別委員会に付託されました平成28年度杉並区各会計歳入歳出決算について意見を述べさせていただきます。  初めに、私ども杉並区議会公明党は、本決算特別委員会での質疑を踏まえ、以下に述べる理由により、平成28年度杉並区各会計歳入歳出決算をいずれも認定いたします。  当該年度は、区の長期計画である総合計画10年プランの前半最後の年となり、各施策の着実な実施を確認しました。平成28年度予算は、「豊かさと安心を未来に拡げる予算」と銘打たれました。同予算は、主要事業として5つの視点から重点分野に大別されていますが、視点ごとに何点か、認定理由と今後の要望を述べさせていただきます。  予算の視点1として、「減災対策等の充実による地域の安全・安心の拡大」では、空家等対策の推進に関する特別措置法に基づき、区では、空家等対策計画の策定などを担う協議会を設置したのに続き、空き家対策を推進するため、老朽空家除却助成制度を創設しました。  さらなる減災対策等として、地震被害シミュレーションによって明らかになった被害地域へ、ハード面の整備だけでなく、感震ブレーカーの普及や自動消火器設置等のソフト面の取り組みを進め、倒れない、燃えない、燃え広がらないまちづくりの推進を望みます。また、災害時に被災者にとって必要性の高い災害用トイレの整備も求めるところです。  予算の視点2として、「多様な連携・交流によるにぎわいの拡大」では、成田西ふれあい農業公園を区内で初めて開園しました。今後も、都市農業推進のため、区内他地域での農業公園の開園が待たれます。  予算の視点3として、「福祉の更なる充実で区民生活の安心を拡大」では、さまざまな施策が充実したことを高く評価いたします。  ひとり親家庭への支援として、ひとり親家庭実態調査で明らかになった所得の低い世帯への対策を推進。保険料算定に当たり、婚姻歴のないひとり親に対し寡婦控除を適用し、経済的な支援の充実を図りました。  胃がん検診では、内視鏡検査を全国に先駆けて導入。区民からの関心も大変に高く、検査機関が不足することが予見されると、すぐに医師会と緊密に連携し、28年度中の検査機関拡大にも取り組みました。  障害者支援としては、ハード面で、親亡き後を見据えた障害者の住まいの確保のため、グループホームへの支援を軸に推進。今後はソフト面で、障害者が社会の中でより輝き、より多くの人々と交流を持てることが重要と考えます。障害者が働く作業所の支援を充実させるとともに、特に協働事業で成果のあった民間の力を活用した施策の推進を望むところです。  地域密着型サービスについては、都有地の活用や特養併設型の小規模多機能型居宅介護施設の整備が進められていることを評価し、今後は、できる限り住みなれた地域での生活が継続できるよう、区内均一な整備を要望いたします。  また、データヘルス計画や在宅医療需要・供給等の分析事業といったビッグデータから課題を抽出し対策を考えるという手法について、データ収集、加工、分析の方法について、共通の基盤、プラットホームを整備することにより、相互にデータや分析結果のやりとりやクロス分析等が可能になります。そこから有益な結果や地域包括ケアシステムの見える化にもつながるものと考え、前向きな調査研究の取り組みも要望いたします。  予算の視点4として、「次世代支援・教育の拡充」では、全国の就学前教育のモデルとなる仮称就学前教育センターの整備として、同センターの基本設計に着手。平成31年度開所を目指し、着実に前進しました。これまで量としての保育園整備が進む中、同センターは、先を見据えた質の充実を目指し、区内の公立、私立全ての幼児教育の質の向上を図るものであり、大いに評価いたします。  当会派では、インクルーシブ教育など障害者教育の充実を推進しています。仮称就学前教育センターは障害を持った子供たちを支援する施設でもあり、これまでの心理職による巡回指導だけでなく、教育専門職とペアを組んだ相談や、家庭教育講座の中で発達教育の理解促進を進める予定とのこと。インクルーシブ教育という概念の理解浸透が待たれるところです。  予算の視点5として、「区民との双方向コミュニケーションの拡充」では、戦略的広報を推進、民間の視点を重視し、民間人材を広報専門監として委嘱。「広報すぎなみ」の紙面が刷新され、SNS等も見直されたことは大いに評価いたします。  今後は、「広報すぎなみ」の配布方法が新聞折り込みに大部分を依拠していることに課題があると考えます。現在、区内新聞購読世帯は減少傾向で、区内世帯の半分程度となっています。全戸配布は年に1回の予算となっていますが、高齢者を中心としたSNS等を余り利用しない人々にとっては、紙媒体の区の広報紙は、開かれた区民生活を送る上での重要な情報源です。全ての区民との双方向コミュニケーションのさらなる拡充を求めるところです。  以上、賛成理由と要望を述べてきましたが、このほかにも、委員会審議において我が会派から出されました意見、要望、提案につきましては、今後の区政運営に当たり、十分検討、反映をしていただきたいと思います。  以下、今後の堅実な区政運営に当たり、注意すべき課題について、5点にわたり触れさせていただきます。  1点目は、景気動向を十分に注視することです。  景気は、回復期、好況期、後退期、そして不況期の4局面を循環します。現在の景気拡大期間は、2012年12月から57カ月目を迎え、1965年から1970年にあった57カ月間のいざなぎ景気を超え、戦後2番目の景気拡大期間になろうとしています。今後は、景気動向の注視を怠らず、当区としても先手を打っていく必要があると考えます。  2点目は、ふるさと納税の影響です。  日本経済新聞2017年7月29日付によると、ふるさと納税による2017年度の東京都の減収額は前年度比466億円で、全国のふるさと納税の影響分の実に4分の1に相当するとのこと。杉並区で直近のふるさと納税による減収額は、当初の想定を大きく超える13億円超となりました。ふるさと納税を利用する区民はまだ1割程度で、今後も利用者の増加が見込まれ、このままではさらなる歳入減が確実と言われています。区の税収を守るため、抜本的な対策が急務であり、それこそ民間の専門家による助言が必要なのではないでしょうか。  3点目は、教育におけるいじめ対策の推進です。  平成28年度に区内小学校において、いじめに対する重大事態が発生しました。我が会派からは、いじめ事案に対し、第三者機関として民間の視点を取り入れた対策体制を提案し、すぐに今年第2回定例会において杉並区いじめ問題対策委員会条例が提出され、有識者、弁護士、医師、臨床心理士、社会福祉士による杉並区いじめ問題対策委員会が設置されたことは高く評価するところです。どんなに立派な校舎、すばらしい教育カリキュラムをつくっても、子供たちの人権が脅かされるようでは、全てが砂上の楼閣となってしまいます。いじめ対策のさらなる充実が杉並の教育には必要と考えます。  4点目は、各種公共サービス利用料、使用料等についての区民への丁寧な説明です。  例えば、認可保育園の急拡大に伴い、自治体の財政負担が増加し、各自治体の保育料値上げが話題となっています。コストと負担の関係を見える化し、十分に区民に説明することが求められています。今後の施設再編整備計画に伴う改築等においても、さまざまな課題が表面化することも想定されます。区はたゆまぬ説明責任の姿勢を保つことを求められています。  5点目は、これから始まる総合計画、実行計画の改定についてです。  新たな財政のあり方及びそれに伴う指標の検討を、次の総合計画の改定に合わせ行っています。長期的に健全な財政運営の体制を築くため、当会派からの意見も、十分な検討を要望します。  また、計画策定に当たっては、持続可能な開発目標、SDGsを意識してほしいと考えます。なぜなら、SDGsは政策の底流とすべきものであると考えるからです。SDGsの基本理念は、政府がうたっている地方創生、一億総活躍社会、人づくり革命と一致するものであり、日本政府が2016年12月に策定したSDGsの実施指針において、2020年度からの次期学習指導要領には、SDGsの理念を反映することが既に決まっています。また、2017年7月、国連でSDGsに関するハイレベル政治フォーラムが開催されるなど、国際社会の取り組みも加速しています。そんな中、SDGsは自治体の役割も重要とされています。そのため、杉並区としてSDGsの実現を後押ししていくことを要望します。  以上、注意すべき課題を5点にわたり述べてきました。  私たち会派は、区民の声をしっかり受けとめながら、今後も建設的な提案をしてまいる所存です。  最後に、本委員会の審議に当たり、誠意を持って答弁に当たられた区長初め理事者の皆様、資料の作成に当たられた職員の皆様に心から感謝を申し上げるとともに、あわせて正副委員長の委員会運営に感謝を申し上げ、杉並区議会公明党を代表しての意見の開陳を終わらせていただきます。  ありがとうございました。 ○横山えみ 委員長  区民フォーラムみらい代表、上野エリカ委員。 ◆区民フォーラムみらい代表(上野エリカ委員) 平成28年度杉並区各会計歳入歳出決算につきまして、区民フォーラムみらいを代表しまして意見を申し述べさせていただきます。  東日本大震災から早くも6年が経過するも、まだ被災地では復興の道のりが半ばであるとも伝えられておりますが、この間にも熊本における震災や各地での豪雨被害などが起こり、改めて我が国は災害に見舞われる国土であることが認識されました。これらの災害に見舞われた人々に対しては、心から一刻も早い復旧を願います。そして、いつ発生してもおかしくないと予想されている首都直下型大震災に対する備えについても、喫緊の課題と言わざるを得ません。  一方で、明るい話題に目を向けますと、2020年東京オリンピック・パラリンピックを目前に控えて、さきのリオデジャネイロオリンピックでは、多くの日本のアスリートたちが多数のメダルを獲得するなど、大きな活躍の舞台に踊り出ました。学校教育の現場においても、広く社会全般においても、スポーツを通じて人と人との相互理解が深まることが期待されております。2020年東京オリンピック・パラリンピックを無事に成功させることで、より未来志向な大都市東京を築いていくことができれば喜ばしい限りです。
     そして、ここ数年の景気の緩やかな回復基調を受けまして、また、都心回帰による区内の人口増、それに伴います納税者数の増加によりまして、都心区の近隣自治体と同様に、杉並区の財政状況も安定的に推移していることは、各種の指標及び数字の上からも確認できます。  当該年度の経常収支比率は前年度より2.2ポイント増の81.9%と、3年ぶりに80%を超えることになりました。公債費負担比率は前年度比0.6ポイント減の1.4%となっており、23区の平均値より低い水準で推移しています。実質収支比率は前年度比0.1ポイント減の5.9%となっています。そして、区債の残高は、学校用地取得などのために280億円と増加し、その一方で、基金残高は480億円となり、当該年度においては、積立基金現在高と特別区債年度末残高の差は縮小することになりました。  以上のような現状を概観すると、財政的には一定の安定感及び弾力性を得ていることは、持続的な区政運営において妥当であると思われます。  しかし、今後の中長期的な財政状況を展望すると、全てを手放しで楽観視するわけにはいきません。東京23区を中心とする都心部の人口についても、平成30年代をピークに、やがて減少に転じるとの予想もあり、高齢化率も今後漸進的に高まっていくことも予想されます。それに伴い社会保障関連の需要も拡大するために、財政的にはかなりの負担が拡大することも明白であります。  また、国による地方税法の原則を揺るがすような理不尽とも言える税制変更も懸念要因の1つで、法人住民税の一部国税化やふるさと納税の制度的拡大によって、歳入の基盤そのものに傷が入るという不安も現実のものとなっております。法人住民税の一部国税化の影響で、当該年度は、東京都では129億円、そして杉並区では、ふるさと納税によって減少した税額も7億円以上に上ります。これらの歳入の減収は、今後の国によるさらなる制度変更により一層拡大することが懸念される大きな不安材料とも考えられます。  さらには、グローバル経済の世界的な進展により、一国のみの経済政策では予想不可能かつ防ぎようもない金融的な不安定要因に見舞われるおそれもあり、未来に向けて予測不可能な国際的な経済変動の影響から逃れることは困難とも言えます。加えて、国際的な政治状況に関しても、アメリカの大統領選でトランプ氏が大統領に就任、イギリスが離脱したことによるEUの将来的状況、さらには近隣の北朝鮮による水爆実験など、多くの不安定要因が存在します。  このような状況を考えると、現在の財政状況に安心することなく、不断の行財政改革を遂行し、柔軟かつめり張りのある施策展開を実行することで、より無駄のない行政運営、さらなる財政基盤の確立に努める必要があることは言うまでもありません。  さて、当該年度の杉並区の状況を振り返りますと、杉並区の大きな取り組みとして、待機児童解消のための対策が行われました。どの自治体におきましても、保育園の待機児童解消は重要かつ緊急の課題となっておりますが、杉並区では、田中区長が先頭に立って、すぎなみ保育緊急事態宣言のスローガンのもと、一丸となってこの問題解決に対応したことは大変評価されることだと思います。  以下、総合計画に基づく5つのテーマについて、以下のように当該年度の歳出を概観いたします。  1つ目の「災害に強く安全・安心に暮らせるまち」に関して、懸案であった建築物不燃化助成の申請が前年度の2倍以上に上り、耐震・不燃化が着実に進展しました。また、火災発生予防のための感震ブレーカーの設置の支援も行われるようになりました。防災対策においても、街角防犯カメラや通学路防犯カメラの計画的な設置が進みました。  2つ目の「暮らしやすく快適で魅力あるまち」に関しては、安全で快適なまちの実現を目指して、これまでの条例を杉並区狭あい道路の拡幅に関する条例に改正して、狭隘道路の拡幅整備を進めるとともに、電柱セットバックの事業にも取り組みがなされました。そして、商店街のにぎわい創出や回遊性の確保のために、荻窪駅周辺や阿佐ケ谷駅周辺におけるまちづくり方針の策定に向けた検討も行われました。あわせて、産業振興の分野として、チャレンジ商店街サポート事業、アドバイザー派遣事業、商店街若手支援事業などの取り組みにより、活気あるまちづくりのための施策も展開されてきました。  3つ目の「みどり豊かな環境にやさしいまち」に関して、下高井戸おおぞら公園は、第1期工事が完了した西側エリアの供用が開始され、仮称荻外荘公園については、敷地北側の用地を取得するなど、復原・整備に向けた取り組みが行われています。また、園庭のない保育施設のために、周辺に保育施設が所在する5公園には、乳幼児の遊びのエリアとして、すくすくひろばが整備されました。さらに、環境施策として、小中学校の震災救援所に太陽光発電機と蓄電池が設置され、環境学習に寄与するように燃料電池自動車などの導入も進みました。  4つ目の「健康長寿と支えあいのまち」に関しては、区民の福祉と暮らしのサポート拠点としての仮称天沼三丁目複合施設棟の建設工事が着手されました。また、特別養護老人ホーム、認知症高齢者グループホーム、小規模多機能型居宅介護施設、重度身体障害者入所施設などの民間事業者の建設に対する助成についても着実に実施されました。さらに、健康施策として、胃がんの早期発見・早期治療につながる取り組みのため、新たに胃内視鏡検査が実施されました。  5つ目の「人を育み共につながる心豊かなまち」に関して、保育待機児童解消対策はもとより、すぎなみ保育緊急事態宣言が行われて、既存の区立施設などを活用することによって、認可保育所19所を初め40所の保育施設が整備されることで、2,348名分の定員等の増加が図られました。さらに、女性のための産前産後のケアのため、妊娠期から子育て期まで切れ目のない支援の一環として、妊婦の面談時のゆりかご券の交付や、ゆりかご面接の土曜受け付け、アウトリーチなどの充実が図られました。  以上のとおり、平成28年度の事業については、当初の目的のとおり着実に展開されており、全体としても目標の水準を満たしていると判断いたしました。歳出の執行率は全体で95.7%と一定の水準を維持しており、着実に実行されたことが確認できるものでした。  各保険事業にかかわる3つの特別会計の決算状況を見ると、総じて歳入歳出ともに増加の傾向を示しており、一般会計からの繰入金の合計も莫大な金額に上ることが懸念されます。これは杉並区に限っての問題ではなく、他自治体におきましても、構造的な問題として将来に不安を残す課題ではありますが、収納率の向上など地道な努力を重ねることで、今後問題の解決に期待するものであります。  以上のことから、平成28年度杉並区各会計歳入歳出決算については、おおむね適正なものと判断して、区民フォーラムみらいとして、全て原案どおり認定いたします。  次に、平成30年度杉並区各会計の予算の編成及び今後の区政運営に際して特に留意をしていただきたい事項について、私たちの会派の意見、要望として述べさせていただきます。  まず第1に、都市計画高井戸公園及び放射5号線周辺まちづくりの推進を要望いたします。  放射5号線開通に伴う周辺の生活道路への通過交通の流入抑制に努めて、本年9月の開通前に加えて、開通後の交通量調査を行い、より実効性のある対策に努めていただきたいと思います。  第2に、住宅リフォーム助成制度の創設を要望いたします。  自宅が狭隘道路に面し、現状と同規模の建てかえが困難な場合の改築時に、現行の建築基準法にのっとった建築物となるよう、区内業者と連携した住宅リフォーム助成制度を創設していただきたいと思います。それによって区内に良質な建築物をふやし、性能を担保できない工事や違反建築を行う事業者を締め出す取り組みをあわせて講じていただきたいと思います。  第3に、認知症予防のための口腔ケア体操の普及を促進していただきたいと思います。  平均寿命が延びることは喜ばしいことですが、より大切なのは、健康で日常生活を送ることのできる健康寿命と言えます。特に、体は健康でも認知症などを患う懸念もあり、今後ますます増大すると思われます。そこで、その予防のための施策は重要だと考えます。  第4に、障害に応じたグループホームの増設を要望いたします。  障害のある人のニーズを踏まえ、障害者施策を確実に進めることが重要であると考えられます。障害者総合支援法の附則を踏まえ、障害種別や程度、年齢、性別を問わず、難病患者も含めて、家族介護だけに頼らずに、安心して地域で自立した生活ができるよう、仕組みづくりや基盤整備、人材育成に取り組み、ほかにも、精神疾患による患者やその家族への支援を充実することが重要です。具体的な個々の施策の推進に当たっては、当事者の声に引き続き耳を傾けて、ともに議論しながら進めていただきたいと思います。  第5に、中央図書館の改修及びそれに伴う荻窪東南部まちづくりの活性化を要望いたします。  中央図書館改修に向けて、現状のあり方にとらわれずに全面的に使い方を見直し、将来のあるべき図書館像を幅広い見地から検討していただきたいと思います。社会人に向けての生涯教育や市民活動のためのスペースを設け、図書や映像、さらには情報の発信拠点として充実を図っていただきたい。また、JR荻窪駅東南部のまちづくりとコラボレーションしながら展開していただきたいと思います。  第6に、プレーパーク事業について、担い手を育成しながら、協働事業終了後においても安定的な継続を図るとともに、区内に水平展開し、拡充していただきたいと思います。  第7に、新しい公共の担い手の中核となる団体は、いまだに人的、財政的、組織的基盤が弱いことから、その推進がいまだに十分ではないと思われます。新しい公共をさらに推進するため、地域での活動や組織運営の基盤の強化に資するよう、中間支援組織等に対する新たな財政的支援制度の創設を検討していただきたいと思います。  第8に、社会環境の変化や地域特性に応じた適切な公共サービスの提供と安定した財政運営を両立させるために、区立施設を総合的に把握し、財政運営と連動させながら管理、活用する仕組みである公共マネジメントを導入することを要望いたします。  第9に、残業のあり方が社会的に問題になっております。職員の働き方改革について、今回の委員会での質疑を通して、特定の部署の残業時間が際立って多いことがわかりました。職員の健康管理は、区政を安定的に運営していくためには極めて重要です。サポート体制の強化や管理職のお互いの心配りなどを強く求めておきます。  このほか、この決算特別委員会において、私たちの会派からの意見、先日書面において提出いたしました会派要望につきましても、平成30年度予算編成に際して、前向きに検討されますことを重ねて要望いたします。  最後になりますが、私たちの会派は、生活者、納税者、消費者、働く者の立場に立ち、同時に未来への責任を果たすため、区民の声を集約して熟議を尽くし、未来志向の政策提言を行ってまいります。広く区民との協働による政策の決定と実行を目指し、今後ともよりよい区政に向けての提言を続けてまいることをお誓い申し上げます。  結びに当たりまして、決算特別委員会の審議に際し、誠意を持って御答弁いただきました理事者の皆様、資料作成に従事をされました職員の皆様、また、円滑かつ公正公平な委員会運営に尽力いただきました正副委員長に対し感謝とお礼を申し上げ、区民フォーラムみらいの意見開陳を終わります。  ありがとうございました。 ○横山えみ 委員長  いのち・平和クラブ代表、けしば誠一委員。 ◆いのち・平和クラブ代表(けしば誠一委員) いのち・平和クラブを代表し、認定第1号2016年度杉並区一般会計決算並びに各特別会計決算について意見を述べます。  当該年度は、戦後70年の節目に、民主主義と平和の礎である立憲主義が安倍政権によって骨抜きにされる危機に直面した年でした。その前年の9月、安倍政権が集団的自衛権を行使できる安保法制を強行採決し、当該年度は、自衛隊の海外での軍事行動が憲法違反と指摘され、議論が過熱しました。  政府予算では、防衛費が5兆円の大台を突破し、過去最高となる一方、前年の介護報酬の大幅な引き下げに続く1%超の診療報酬の引き下げなど、社会保障費は、自然増部分が当初予算6,700億円を4,997億円に抑制されました。  安倍政権は、沖縄においては、翁長県知事を先頭にしたオール沖縄の民意を踏みにじり、沖縄の辺野古新基地と東村高江のヘリパッド基地建設の強行に踏み出しました。昨日、東村の住宅地近くに米軍ヘリCH53が墜落炎上し、怒りが沸騰しています。さらに、愛媛県伊方原発3号機の再稼働を、30キロ圏自治体や地元住民の反対の意思、避難計画の不備を無視して強行しました。  景気の緩やかな回復と雇用の拡大が言われていますが、非正規雇用の拡大で、格差はさらに広がっています。賃金の上昇は大手企業の正規職員や公務員に限られ、若者の多数を占める非正規雇用には及んでいません。逆に、国保料や介護保険料の大幅な値上げ、高齢者は年金の切り下げなどにより厳しい生活にあえいでいます。  時代が大きく変わり、少子高齢化が進み、自治体には、特別養護老人ホームなどの介護施設と在宅介護の支援策がこれまで以上に求められました。一方、都市と地方の格差も広がり、人口の流入が加速し、住宅都市杉並に変化をもたらしました。集合住宅がふえ、子育て世代が移り住み、女性の社会進出とも重なって保育需要が大幅にふえ、保育園の待機児童問題が深刻化しました。  杉並の待機児童急増の背景の1つに、10年に及び認可保育園をつくらず、認証保育所や保育室で対応してきたことがあります。認可保育園の整備率が23区で20位という結果をもたらしていました。このような現状に自治体が的確に対応し、住民の命と暮らしを守り、引き続き福祉の向上を図っていくことが求められました。  このような観点から、私どもの会派は2016年度の各決算書を検討しました。決算特別委員会での質疑を通じて確認できた点を踏まえて、以下、意見を述べます。  第1は、財政運営の姿勢です。  景気回復が期待されながら、実体経済の回復が伴わないため、税収の伸びもわずかで、法人住民税の一部国税化による特別区財政調整交付金への影響、さらにふるさと納税の区民税への影響など、一層厳しさが増しました。こうした厳しい状況の中、他会派から、財政の健全性を図る指標の1つである経常収支比率が80%を超えたことへの懸念が示されました。  こうした指標は、財政の持続と安定化の目安であっても、それを達成することが目的ではなく、あくまでも福祉向上を進めるための手段の1つです。起債を減らすことや基金を積み増すことも、それ自体が目的にされると区政運営にゆがみが生じます。田中区政が福祉の向上を自治体の第1の目的とし、必要ならば、保育園のように思い切った財政投入を行うとともに、一方で、持続可能な財政運営に向け、状況に合わせて基金や起債を柔軟に活用する姿勢は妥当だと考えます。  第2に、保育園待機児童解消の緊急プランによる認可保育園の大幅な増設です。  年度開始時に待機児童136名の厳しい実態がわかり、次年度には500名を超す待機児童が新たに推計されました。1年間でこれに対応するための認可保育園増設には区有地を使う以外になく、公園などの一部活用を判断されたことはやむを得ないことだったと理解しました。この緊急対策により、久我山地域、高井戸地域では待機児童ゼロを達成し、井草地域ではゼロ歳児の待機児童が1名にとどまりました。公園利用者からは厳しい反対の声がありましたが、公園使用をやめればかなりの数の待機児童を生み出したことも明らかです。東原公園については、引き続き代替公園の確保に全力を尽くすよう求めるものです。  保育園の急増により、不足する保育士の確保が喫緊の課題となっています。待機児童ゼロを実現するためには、保育士の処遇改善のためのさらなる杉並区独自の人材確保策を要望します。  私立保育園の質を維持するための指導も、区立保育園の実績と経験者がいなければ不可能です。保育のあり方検討部会報告で、私立保育園の質を維持するために、巡回指導する中核園を7つの地域に直営で運営する方向が示されています。一方、直営の障害児指定園を7園ふやし、中核園と障害児指定園が同一園となる場合もあるとしていますが、現場からは、職員体制や施設の規模から難しいと指摘されています。中核園と障害児指定園は、それぞれの役割と課題を果たすためには、あくまでも直営で運営することを求めます。  第3に、少子高齢化、超高齢社会の到来に備えた積極的な取り組みです。  特養待機者の解消を目標に据え、特養整備に力を注ぎ、国有地や都有地、学校統廃合の跡地の活用で区内での増設を図りました。しかし、緊急を要するAランクではいまだ700名を超す待機者がいる厳しい現状です。土地が高く、用地の確保が厳しい杉並で、南伊豆町との共同による区域外特養建設の第一歩の取り組みは、今後、より近い青梅市や近隣自治体との連携につながると期待できます。  介護予防・日常生活支援総合事業の開始に当たっては、国が要支援を介護保険給付から外し、市町村事業である新総合支援事業に移行したことで、これまで受けてきたサービスを今後も保障する責任が問われました。区は、ケア24を軸に、介護予防を重視し、医療と介護の連携、認知症対策に取り組み、住みなれた自宅や地域で安心して暮らし続けられる支援体制の構築を進めてきました。天沼3丁目に開設する複合施設は、特養とショートステイに併設されるクリニックを活用しつつ、医療と介護のバックアップ拠点としての役割を発揮することを期待します。区独自の財政支援策を検討し、介護人材の確保に区としてもさらに力を尽くすよう求めます。  若い世代が安心して結婚、育児、出産、子育てを行える環境づくりを目指し、一時保育や産後ケア、乳幼児育児相談の登録事業者の拡充と同時に、初めて多子世帯支援について、国の施策に上乗せして拡充を図る取り組みが試行されました。母子保健システムの構築や、会派が要望した寡婦控除みなし適用が実施されました。当該年度開設された配偶者暴力相談支援センターは、基礎自治体では先進的な取り組みであり、DV被害者のワンストップ化に向けても実績を上げています。  第4に、貧困の拡大について、とりわけ子供の貧困対策に継続して取り組んできた姿勢です。  生活保護世帯の中学3年生に対する東京都の塾代助成に、区は上乗せして助成を行ってきました。その成果が出て、助成を受けた子供が希望の高校に入り、学業を継続していることも確認できました。区が子供の貧困の状況を理解し、必要な支援を行ってきたことを評価します。  第5に、障害者施設の充実が図られたことです。  親亡き後を見据え、区有地等を活用した重度障害者の生活介護と入所施設の建設を進めるとともに、グループホームからアパートでのひとり暮らしを望む当事者の意思を尊重し、支えてきました。障害者福祉サービスの利用者が介護保険に移行しても、同じ事業者の提供する介護サービスの保障が受けられることを確認しました。  第6に、防災・減災のまちづくりを加速したことです。  3・11から6年が経過した中で、風化をさせないために、区長は、福島を忘れない取り組みを継続しています。首都直下型地震に備え、狭隘道路拡幅整備の促進、木造住宅密集地域対策、耐震・不燃化対策に加え、新たに地震被害シミュレーションの実施、感震ブレーカーの設置助成、道路等の現状調査を拡充しました。  第7に、環境への取り組みについてです。  区立施設の電力を新電力(PPS)から購入し、7,850万円余の財政削減効果を上げてきたこと。4月からの家庭用電気の自由化に伴い、さらに拡大する方向を定め、児童館や保育園にも広げました。震災救援所となる小中学校14施設に太陽光発電機や蓄電池を設置しましたが、国の取り組みが後退しているため、財源に課題があるとはいえ、震災対策としてもさらに拡大を急ぐよう求めます。  第8に、田中区長の憲法擁護の姿勢です。  ことし9月1日の関東大震災朝鮮人犠牲者慰霊式には、歴代都知事が送っていた式辞を小池都知事が取りやめました。区長の持論である、憲法は国民の人権を守るために国家権力を縛る国の最高規範であるという姿勢は、関東大震災の朝鮮人虐殺事件に対する見解でも示されました。区長が、大規模災害時におけるパニック状況下では、情報不足や流言によって想像もつかない悲惨な状況を生み出しかねないことを、この事件の教訓としてしっかりと学び、二度とあのような悲惨な出来事を繰り返すことがないよう、この事実を直視し、後世に継承していくことこそが大切であると考えていると述べられました。区長が、国籍の違いで差別することなく人権を守る姿勢を表明されたことを高く評価します。  第9に、教育に関してであります。  教育委員会制度の改定に当たり、教育委員会への首長と教育長の権限が強化された後も、教育委員会の本来あるべき独立性、政治的中立性をしっかりと支えてきたことを確認します。教科書採択事務を初め、学校教職員や生徒の使いやすい立場からしっかりと進められていることと捉えています。  杉並区の小中一貫教育は各地で実績を上げつつあり、このことを再確認するものであります。施設一体型小中一貫校は、単学級化した地域が、その学校関係者、住民が望んだものであることも再確認しました。今後、富士見丘小学校のあり方について、地域や、そして学校関係者の意見を尊重し、施設一体型ありきではなく、地域の意見を聞きながら進めることを期待するものであります。  最後に、区立施設再編整備計画について意見を述べます。  今後、区立施設がこの10年で築50年を超え、一斉に建てかえ時期を迎える中、景気が右肩上がりで建設できた時代とは異なり、景気の低迷と働く世代の人口減少で、歳入の伸びが期待できない現状をリアルに認識しなければなりません。さらに、施設を建てた50年前と比べ、区民ニーズや施策の優先順位が変わったことにも対応しなければならず、私たちの会派は、建てかえに合わせて一定の施設再編が避けられないことを明らかにしました。  質疑では、児童館を例に挙げ、乳幼児親子の利用が2倍、3倍にふえるとともに、学童クラブの需要が急増し、区内につくられてきた児童館だけでは対応できない現状を再確認しました。これまでどおり児童館を維持するだけでは需要に対応できず、新たに児童館を10館、20館と建設することも、用地の確保や財源から現実味に欠けることも明らかになりました。  区は、ニーズがふえた児童館事業を拡充するために、学童クラブを学校内に移行し、老朽化した児童館を、新たに乳幼児親子を軸にした子ども・子育てプラザに転換する方針を進めてきました。その結果を検証し、和泉学園内の放課後の居場所事業がこれまでの倍の実績を上げ、学校になじめない子や学童クラブに入れない子がプラザでも対応されていることも確認できました。  施設再編整備の柱に保育園待機児童対策を据え、認可保育園増設を図ってきたこと、これに続く学童クラブの拡充に区が力を注いできたことを評価しつつ、学童クラブの待機児童に対する抜本的な取り組みを求め、その方向を確認できました。  そこで、学童クラブの民間委託と保育園の民営化に対する意見を述べます。どちらも国の補助金の課題や財政削減が背景にあります。  この間の学童クラブの待機児童が児童館の一般来館やランドセル来館で受け入れられることができたのは、児童館が直営で運営されてきたためです。学校内での委託された学童クラブや学校内での放課後の居場所事業は、児童館で育まれてきた質と職員の下支えにより実績を上げてきました。子ども・子育てプラザ和泉が児童厚生施設として改修され、直営により柔軟な対応ができたことで実績を上げていることも確認できました。  また、荻窪北児童館機能の移転に伴い、桃二小の多目的室が放課後の子供の居場所として利用できることとなり、そこを拠点に、学校内の体育館や図書館などへの展開も可能となりました。  改修される下高井戸児童館は、学童クラブを高井戸第三小学校に移行し、十分な機能を確保するとともに、引き続き児童館でゆうキッズ事業や学童クラブ以外の小中学生の居場所が継続できることになりました。  児童館事業の拡充の課題である中高生の居場所は、永福体育館跡地に建設する複合施設で対応することも確認できました。  あんさんぶる荻窪が移転することに伴い、荻窪駅南口エリアに不足する小中学生の居場所を求めてきました。桃井第二小学校学校区の荻窪4丁目に新たにできる公園に子供たちが集える環境を求め、実現できることになりました。  高円寺の新しい学校が建設に入りましたが、引き続き近隣住民の住環境への影響を可能な限り配慮し、話し合いの継続を求めます。  杉一小の病院跡地での建てかえと阿佐谷北東地区のまちづくりには、地権者としても、商店街や地域住民の理解を得ながら慎重に進めるよう求めます。  以下、区政運営に当たり、質疑で確認した何点かを要望します。  まず、前年度1月からマイナンバー制度がスタートしました。国が当初約束したシステム改修費などの全額保障は不十分であり、区の持ち出しがふえ続けています。個人情報の流出で、マイナンバー制度のリスクが浮き彫りとなりました。個人情報保護の徹底を行うとともに、個人番号カードはあくまで任意である旨を区民に周知するよう改めて求めます。  保育課などで、過労死ラインを超える区職員の過重労働の実態が議論されました。人員不足を補う職員の増員を図り、実態の伴わない定数削減とならないよう求めます。  産休代替に始まった非常勤職員は、既に区職員の4割を占め、同じような責任で仕事に従事しています。これまで区が賃金などの処遇改善に努めてきたことは評価するものです。国でも、同一労働同一賃金の議論の流れの中で、地方自治体の臨時・非常勤職員についても差別的取り扱いとならないようにという議論が行われてきました。ことし5月に地方自治法や地方公務員法の一部改定がなされ、これまで特別職とされてきた非常勤の多くが会計年度任用職員に移行するとの方向が示されています。常勤と同じ一時金が規定される反面、一方で、どんなに長く勤めていても1年採用で、その期間が終われば試用期間とされるなど、不利益が想定されます。今後は、労働条件の不利益変更とならないよう、区には求めておきます。  以上の理由から、認定第1号、2016年度杉並区一般会計決算、認定第2号、国民健康保険事業会計決算、認定第3号、用地会計決算、認定第4号、介護保険事業会計決算、認定第5号、後期高齢者医療事業会計決算、認定第6号、中小企業勤労者福祉事業会計決算に賛成します。  最後に、決算特別委員会の審議に当たり、資料作成に御尽力いただいた職員の皆様に深く感謝申し上げ、いのち・平和クラブの意見開陳を終わります。 ○横山えみ 委員長  日本共産党杉並区議団代表、富田たく委員。 ◆日本共産党杉並区議団代表(富田たく委員) 日本共産党杉並区議団を代表して、2016年度、平成28年度杉並区一般会計ほか各特別会計の歳入歳出決算に対する意見を述べます。  当該年度、安倍自公政権の暴走政治はさらに加速し、国民の暮らしは一層厳しいものとなりました。アベノミクスによる異次元の金融緩和と株高政策によって、大企業の経常利益は過去最大を記録し、内部留保は400兆円を突破しました。10億ドル以上の資産保有者は、2012年から16年で1.5倍の33人にふえ、資産総額は7兆5,000億円から12兆6,000億円へと増加、人数、金額ともに過去最高を記録しています。  その一方で、働く人の賃金は冷え込んだままです。2012年に約390万円だった実質賃金は、16年には約380万円と10万円も低下しています。その上、毎年行われる社会保障費の自然増削減と制度改悪により、国民への福祉は後退させられています。  我が党区議団は、国の悪政により貧困格差が大きく広がる中で、杉並区が区民の生活実態をどのように認識し、どのように守ってきたか、また、区民からの切実な要求をどのように区政に反映させてきたかという観点に立ち、審議に挑みました。  以下、審議の中で明確になった問題点について述べます。  実質賃金が下がる中、安倍自公政権のもとで、追い打ちをかけるように国民の負担は大きく増加しています。特に、高齢者世帯や非正規雇用世帯など、低所得世帯の加入割合が多い国民健康保険加入世帯は深刻です。国の社会保障費の削減政策、国庫負担の削減政策で保険料は大幅に引き上げられ、家計は限界に達しています。40歳代夫婦2人、子供1人で年収300万円の3人世帯では、2010年から17年までの7年間で保険料は2倍以上に引き上げられ、年額35万3,000円となりました。消費税や他の税金、保険料も引き上げられているので、この世帯の税と社会保険料の年間負担は7年間で1.5倍の97万8,000円となり、年収の3分の1に達しようとしております。同様に、年収400万円の3人世帯でも、税と社会保険料の負担は7年間で1.4倍の120万円となり、年収の4分の1を超えています。  質疑では、年収が低い世帯ほど負担増が厳しく、負担割合が高いことが明らかになりました。税や社会保険料は、子供など扶養家族が多い世帯ほど負担を抑えるのが本来の制度設計です。しかし、同じ年収規模の世帯を比較すると、この間の負担増により、扶養家族が多い世帯ほど負担総額が高くなっていることも質疑で明らかとなりました。  この実態について杉並区の認識を確認すると、区民生活部長からは、1つのシミュレーションにしかすぎないとの答弁が、政策経営部長からは、殊さら支出の負担を取り上げることは極めて一面的な物の見方との答弁がありました。負担増の厳しい世帯を切り捨てるかのような答弁は極めて問題があると指摘せざるを得ず、認められるものではありません。  国の悪政によって、所得が低い世帯、扶養家族が多い世帯に負担が重くのしかかっているという現状に真摯に目を向けることを求めます。また、国民の生活苦の実態に向き合い、区独自の保険料の減免や、他自治体でも広がっている家賃助成制度の実施など、直接的な負担軽減に努めることを強く求めるものです。  以前より我が党区議団が要望していた入学準備金の前倒し支給については、委員会質疑で、実施の方向性が明らかとなりました。この点については評価するとともに、義務教育に係る家計支出を軽減するためにも、就学援助の拡大を強く要望いたします。  国民健康保険については、来年4月からの広域化により、保険料の大幅負担増が懸念されています。東京都の試算では、区市町村独自の法定外繰り入れを行わない場合、保険料が2015年度に比べて平均1.28倍もふえることが明らかになりました。質疑の中で、区からは、法定外繰り入れは禁止されているものではない旨の答弁がありましたので、これ以上の保険料の引き上げとならないよう、区独自の繰り入れを継続することを改めて求めておきます。
     これ以上の負担増、特に消費税の増税は、家計圧迫による消費の低迷をさらに加速させ、景気の大幅な後退となることは明らかです。社会保障などの財源捻出は、逆進性の高い消費税の増税ではなく、大企業、大資産家への応分の負担によって生み出すべきです。区民生活を守る立場から、消費税の10%増税については中止するよう、国に対し声を上げるべきと指摘いたします。  我が党区議団は、毎年、区内の商工団体、障害者団体などさまざまな団体と懇談を行っています。ことしも杉並区に対する切実な要望が寄せられました。その中には毎年出されている要望が幾つもありました。区民の切実な要求に杉並区が真摯に向き合っていないことを示しているのではないでしょうか。  障害者団体からは、親亡き後の障害者の住まいの確保として、グループホームのさらなる整備の声が出されています。移動支援については、利用者の意向に沿った柔軟な対応が行われていないことが問題として挙げられておりました。当事者の意向をよく聞き、支援の拡充に努めるべきです。  介護保険では、この間の制度改悪で、介護現場に大きな影響が発生しています。介護報酬引き下げの撤回を国に求めるとともに、区独自に介護従事者の処遇改善を検討するよう求めます。  区は毎年20億、40億と財政調整基金の積み立てを行い、当該年度は364億円と、過去10年で最大となりました。基金全体の残高も428億円に達しています。経常収支比率も80%前後を推移しています。杉並区の健全財政の力を区民のために使えば、切実な要求を実現することは可能です。過度な財政指標の目標を盲目的に追求するのではなく、区民の声を反映した区政運営に改善することを求めます。  当該年度は、保育分野をめぐり、杉並区内にさまざまな問題が生じました。特に、田中区政の保育緊急事態宣言に基づく保育緊急対策では、利用頻度が極めて高い区立公園の転用方針などが示され、かけがえのない居場所を奪われる子供たちや保護者、近隣住民が、公園存続を求める切実な声を上げました。この間、現地の子供たちの声や様子を紹介してきましたが、居場所を喪失した子供たちの心には深刻な影響を与えています。  保育待機児童解消に向け、全力を投じることは自治体の責務でありますが、待機児童問題は、これまでの区行政の取り組みに責任があることは明らかです。待機児問題が深刻化した2010年に田中区長は就任していますが、認可保育所整備に本腰を入れた最初の緊急対策、待機児解消緊急推進プランを発表したのは2013年。その間、認可保育所整備はおくれにおくれ、都内23区でも整備率の順位を下げ続けてきました。保育需要の増大傾向は都市部において顕著ですが、1度待機児童をめぐる緊急対策を実施した経験がありながら、さらに2度目の緊急対策を出さざる得ない状況になったことは、保育需要の見通しや施設整備の進捗状況を見誤ったことを端的に示しています。  杉並区行政の失政により生じた待機児童問題とその緊急対策は、緊急であるからこそ、住民生活に重大な影響を与える方針については、策定段階から住民と膝詰めで協議を進める姿勢が求められていました。住民からは、保育所の代替用地についての提案が積極的に行われました。しかし、区は、住民からの提案に一切聞く耳を持たず、柔軟な見直しも拒絶し、計画を強行しました。住民や議会に対する説明責任も果たされず、計画は強行され、各地で生じた問題は、杉並区政への深刻な政治不信を生み出しています。  久我山東原公園の保育所転用では、緊急対策に賛成した会派からも代替用地の確保が求められていましたが、委員会の質疑で、いまだにめども立っていない状況が明らかとなりました。住民や議会への約束をほごにする重大な問題であることを厳しく指摘いたします。区民のかけがえのないサービスをてんびんにかけ、子供たちの居場所を奪うような田中区長の区政運営のあり方は到底認められません。  区立保育園の乱暴な民営化方針も大きな問題です。民営化対象園となった上井草、杉並両園では、民営化が突然示され、通知を受け取った保護者からは、驚きと不安の声が多数寄せられました。また、民営化までの手続が極めて稚拙だったため、保護者には大きな負担を与えることとなりました。  本来、保育園の入園は契約行為として取り扱われるものです。民営化のように当初設定されていた内容を大幅に変更することは、入園の契約内容の変更となるため、十分な移行期間と利用者の合意形成が最低限必要ですが、それらが全く果たされておりません。手続上、重大な瑕疵があると指摘するもので、認めることはできません。  さらに、保育士不足が深刻化する中、保育士を安定的に確保できる公立保育園の存在はますます重要です。他の自治体では、公立保育園の増設や公立保育士の確保にかじを切る事例も生まれています。安定的に保育士を確保する上でも、区立認可保育所での保育士確保が求められています。区立保育園の民営化方針を見直し、区立保育園として維持することを求めます。  区内では民間事業者が運営する認可保育所が増加しており、保育の質にも格差が生じています。公立保育園は保育の質の基準ともなっており、今後の保育分野において、公立保育園の重要性は明らかです。民営化方針を撤回することを重ねて求めておきます。  行財政改革、財政の健全化を口実にした民間委託が進められています。当該年度、国保年金課や介護保険課の定型業務の外部委託などによって、50名以上の職員定数の削減が実績として挙げられておりました。しかし、区全体の職員数は、退職不補充で12名の定員削減と、実際の数字と開きがあります。そもそも自治体運営では、民間企業のように大規模な子会社化やリストラは行えません。人件費削減のためと民間委託をしても、区全体の職員定数の削減は急激に行えないため、逆に委託費と初期費用がかさみ、区が当初考えていた財政的な効果は薄くなるのが実態です。その上、民間企業への委託によって、個人情報の取り扱いの問題、情報漏えいリスクの増加、区職員の専門性の喪失、委託事業者の予期せぬ業務撤退のリスクなど、問題は山積みです。定型業務の外部委託は自治体運営になじまないと指摘し、その方針を撤回するよう求めます。  当該年度、高円寺地域の小中一貫校建設計画をめぐっても重大な問題が発生しました。住環境に甚大な被害を与える巨大校舎建設が近隣住民に知らされたのが、ボーリング調査を含めた工事開始の3カ月前でした。住環境の悪化を懸念した住民が区に話し合いを求めましたが、区は巨大校舎建設に固執し、現在、工事が強行されている状況です。  住民は、工事中止を求めて学校門前での非暴力による抗議行動を行っておりましたが、工事業者がこうした住民に対し、恫喝、嫌がらせを目的としたスラップ訴訟を起こす事態となりました。その際、工事説明会で住民を隠し撮りした写真が裁判所に提出されていることが明らかとなりました。工事業者による盗撮やスラップ訴訟などの人権侵害を区が容認していることは重大な問題で、認めることはできません。工事の強行をやめ、近隣住民の声に真摯に向き合うことを求めます。  当該年度、杉並第一小学校と産業商工会館、阿佐谷地域区民センターの複合化計画が、近隣の河北総合病院の移転計画により大規模な見直しを余儀なくされました。区が示した見直し方針案は、阿佐谷を代表する緑の削減、地域の商店街に打撃を与える高層商業ビルの建設、けやき公園プールの廃止など多くの問題点があり、区民からは懸念や疑問が噴出しています。我が党区議団は、見直し内容の区民周知の不十分さや、住民の声を無視した内容であることを指摘し、改善を求めましたが、区は、商店街はおおむね賛成していると事実をねじ曲げた答弁を行い、計画を強行する姿勢に固執しています。この点からも、この方針が区民の声や要求に背を向けて進められているとしか言えず、認めることはできません。改めてパブリックコメントなどで幅広い区民の声を聞き、計画を練り直すことを求めます。  区職員の長時間労働の問題も深刻です。前区長時代から続く職員定数削減によって、長時間労働が職員に負わされています。我が党区議団は、適切な人員配置で職員の長時間労働を解消するよう求めてきましたが、当該年度は、過労死危険ラインである月80時間以上の残業を行った職員数に改善が見られませんでした。管理職の労働実態を把握する姿勢も極めて弱いと指摘せざるを得ません。委員会では、管理職みずから、土日、昼夜関係なく業務を遂行することを奨励するかのような発言もありました。改めて、管理職を含め、職員の長時間労働の実態把握と解消を求めます。  この間、田中区政は、区民無視の計画を次々と強行しています。区立施設再編整備計画や保育緊急事態宣言に基づく緊急対策においても、その姿勢が著しくあらわれています。さきに改定された杉並区実行計画、行財政改革推進計画、協働推進計画、区立施設再編整備計画は、今後の区政運営の基本方針となるもので、区民サービスの後退に直結するさまざまな問題が含まれています。これら計画改定案に対しては、多くの区民から計画の見直しを求める声が寄せられましたが、ほとんどの意見は反映されず、計画決定されています。  杉並区自治基本条例では、区民参画の保障がうたわれており、区民等が、政策の立案から決定、評価に至るまでの過程に主体的に参加し、意思決定にかかわるとされています。さらに、パブリックコメントにおいても、区民の皆さんの意見を伺い、それらを政策等に生かしていきますと明確に示されています。住民の声をないがしろにし、計画を強行することは、杉並区自治基本条例にも明確に反する重大な問題であり、認めることはできません。区長の政治姿勢を直ちに改めるよう、厳しく求めておきます。  区長と理事者の皆さんの議会に対する姿勢についても指摘したいと思います。  議会は、自治体の最高議決機関であるとともに、二元代表制の一角として、区長が進める区政運営をチェックする責務を負っています。その責務を全うするために、私たち区議会議員は議会質疑を行っているのです。委員会を含め、今定例会では、区長と理事者の皆さんから不誠実な議会答弁が大変多かったと感じました。一般質問に答弁せずに、翌日配られた委員会資料にその内容を載せる、同じ質疑でも会派や議員が違うと答弁の内容が変わる、質問に対する答弁を行わず、対案を示せと開き直る、区職員の長時間勤務を議会のせいにする、過去の選挙公約を取り上げて特定の議員を攻撃するなど、聞いていて首をかしげるようなものばかりです。改めて議会に対する姿勢を見直していただくとともに、今後は誠実な答弁を求めるものです。  以上述べてきた理由により、認定第1号平成28年度杉並区一般会計歳入歳出決算、認定第2号平成28年度杉並区国民健康保険事業会計歳入歳出決算、認定第3号平成28年度杉並区用地会計歳入歳出決算、認定第4号平成28年度杉並区介護保険事業会計歳入歳出決算、認定第5号平成28年度杉並区後期高齢者医療事業会計歳入歳出決算の認定に反対いたします。  認定第6号平成28年度杉並区中小企業勤労者福祉事業会計歳入歳出決算については、他の委員の質疑の中で、条例上適正を欠いている実態が指摘され、その点についての疑義も現時点において払拭できていないため、認定に反対とします。  最後に、区職員の皆さんが多くの貴重な資料を短期間で準備していただいたことに厚くお礼を申し上げて、意見開陳を終わります。 ○横山えみ 委員長  自民・無所属クラブ代表、岩田いくま委員。 ◆自民・無所属クラブ代表(岩田いくま委員) 自民・無所属クラブを代表して、平成28年度杉並区各会計歳入歳出決算に対する会派の意見を申し述べます。  まず初めに、当該年度における区政運営について、スタートから不安にならざるを得なかった予算策定をめぐる混乱に言及をしておきます。  当該年度の当初予算等の審査を行う予算特別委員会を翌日に控えた3月1日、区長記者会見が開かれ、平成28年度杉並区一般会計補正予算(第1号)を追加提案すること、及び既に上程、委員会付託された当初予算の訂正の申し出を行うことが示されました。  この経緯について簡単に振り返れば、常々区長みずからが、保育待機児童対策は喫緊の課題、待機児童対策には全力で取り組んでまいりましたと述べておきながら、11月末で締め切られた翌年度の保育施設入所申込者数を迅速に把握しようとせず、28年度当初予算提案目前の1月下旬になって初めて、予想を上回る申込者数であったことを把握するという、まさに不作為が生んだ結果であり、その後を不安視させるものでした。  予算の訂正については、誤字、脱字等の軽微なものであれば、私たち会派も承認可であると考えております。しかし、このときの訂正は、政策判断により、歳入歳出予算について議決科目である款項の金額を変更し、かつ地方債についても変更を加えるものとなっておりました。これは到底訂正というレベルではなく、議案を出し直すべきものと考えております。そもそも、議決科目の金額変更や地方債の起債の目的、限度額の変更、こうしたことを訂正として認めれば、今後、議案としての提案、上程された予算に対し、安易に訂正の申し出がされ得るという大きな禍根、前例を将来に残すことになります。  以上のことから、私たちの会派は、当該補正予算及び訂正の内容自体は了としながらも、訂正の申し出という手法自体は承認できない旨、議会運営委員会で申し上げました。  次に、補正予算について申し上げれば、平成28年度においては、この後も補正予算の提案が相次ぎ、第7号補正まで行うという結果となりました。喫緊の課題に対応するために機敏に対応したという捉え方もないではありませんが、率直に言えば、先を見る目がなかったからと言わざるを得ません。  中でも、5月に開催された平成28年第1回臨時会においては、9営業日後に第2回定例会の開会が控えているにもかかわらず、待機児童解消緊急対策についての区長記者会見の2営業日後に関連補正予算の提案、上程、委員会付託及び委員会での審査、採決がなされるという、政策的な補正予算としては極めて異例の対応がなされました。  みずからの不作為を緊急という言葉でごまかし、区民に対して議会、議員に意見を述べる時間的余裕を与えない進め方は、区民軽視の区政運営とのそしりを免れません。待機児童解消緊急対策に伴う住民説明会に区長みずからは一切参加しなかったことを含め、区民と向き合う姿勢に大きな課題が残った1年であったと言えます。  このように、長期最適、全体最適の視点という言葉は踊れど、実際の区政運営においては、保育所入所申込者数という把握可能な区政の実情を迅速につかむ機会をみずから放置したがゆえに、長期展望なきまま、全体最適をかなぐり捨てて拙速な施策を展開し、癒えることのない傷跡を区政に残してしまった1年であったことを、冒頭、総括的に申し上げておきます。  次に、適切に財政運営がなされたかという点について見てまいります。  当該年度については、総合計画の計画期間10年の前半最後の年であったことから、平成28年度単年度の状況とともに、総合計画前半5年間の状況も踏まえて検討をしてまいります。  まず、区みずからが定めた財政健全化と持続可能な財政運営を確保するためのルールの指標の1つとしている経常収支比率について見てまいります。  当該年度の経常収支比率は81.9%と、前年度より2.2%悪化し、基準としている80%を上回ってしまいました。その結果、総合計画前半5年間で見ても、過半の3年が80%を上回り、目標未達という結果となっております。財政指標は単年度の結果だけで見るべきものではありませんが、当該年度が目標を達成できず、かつ方向性も改善ではなく悪化であること、また、総合計画前半の5年間でも目標達成した年が半数にも満たなかったことは、非常に残念な結果と言わざるを得ません。監査委員も指摘するとおり、保育関連経費など経常的な支出が増加を続けている中での目標未達であり、一定の行財政改革に取り組んでいるとはいえ、時間外勤務の状況等、マネジメントの不十分さに余り改善が見られないことも、現体制での今後の区財政に大きな不安を抱かせるものであります。  また、プライマリーバランスこと基礎的財政収支も、当該年度は32億円のマイナスとなりました。こちらも、総合計画前半5年間のうち過半の3年がマイナス、かつ5年間トータルでもマイナスであり、残念な結果となっております。  次いで、基金及び区債の状況について見てまいります。  主な基金の残高は前年度から18億円増加し、428億円となりました。一方、区債残高は前年度から60億円増加し、280億円となりました。この中には富士見丘地域の学校用地取得費40億円が含まれているため、短絡的に大幅悪化と見るべきかどうかは見解が分かれますが、こちらも、監査委員が指摘するとおり、積立基金現在高と特別区債残高との差が縮小していることは事実であります。  また、当該学校用地取得費を除いても、平成28年度は区債を36億円発行しておりますが、これは財政計画で予定していた25億円を10億円以上上回っております。あわせて、本庁舎改築から目をそらすことができない時期に差しかかっているにもかかわらず、施設整備基金がさらに減少し、50億円すら割りかねない状況となっていることも看過することはできません。  さらに留意すべき点として、債務負担行為総額が激増していることが挙げられます。前年度から149億円増加し、477億円となりました。中長期の視点で財政を考えた場合、この債務負担の増が今後の財政運営に与える影響もしっかり見据えた上で、真の長期最適、全体最適が図られる必要があります。  以上、主な財政指標を見てまいりましたが、当該年度単年度の結果のみならず、長期最適、全体最適の観点から見ても、残念ながら、総合計画後半に向けての弾みをつけられる結果とは言えず、腰を据えて長期的な財政展望を示す必要があるとともに、事業の選択と集中にしっかり取り組む必要があることを改めて裏づける結果となっていると、ひとまず指摘をしておきます。  次に、適切に事業が執行されたかという点について簡潔に見てまいります。  まず、総合計画における施策指標のうち、目標値を達成した指標の割合は約40%でした。前年度に比べ多少改善はしましたが、いまだ目標値を達成できない指標が過半数となっていることを、初めに指摘をしておきます。  次に、当該決算年度は、何といっても、区長を本部長、全条例部長を副本部長とする緊急対策本部まで設置した保育について、事業執行が適切であったか、そして結果がどうであったかを確認する必要があります。  保育待機児童対策については、例えば昨年3月2日の議会運営委員会においては、待機児童対策に不退転の決意で取り組むとの答弁がありました。そして実際に、昨年5月末から夏にかけて、マスメディア等に何度も取り上げられるほどの区政に混乱を、そして区民に多大な犠牲をもたらした施策が行われました。にもかかわらず、29名の待機児童が生じてしまいました。答弁では、認可保育所整備率や認可保育所等入所率の上昇をもって成果を強調していましたが、そもそも保育待機児童解消緊急対策の目的は、待機児童をゼロにすることにあったはずです。論点をすりかえることなく、結果に対する責任を真摯に受けとめていただきたいと思います。  緊急対策を行ったこと自体は、初動に致命的なおくれがあったとはいえ、私たちも必要性については同感であり、かつ、なぜ施設再編整備計画で対象施設となっていなかったのかという思いは抱きつつも、土木材料置き場等公用物を転用したこと、そして実際に待機児童を大幅に減少させたこと等、一定の効果があったことは認め、また評価いたします。  しかしながら、その内容及びプロセスは、多くの点で稚拙さを指摘せざるを得ず、公共用物である公園まで、多くの区民の異議を強引に押し切って潰しておきながら、待機児童ゼロを達成できなかったという結果責任は、そのために払われた犠牲を鑑みれば、非常に大きいと言わねばなりません。特に、向井公園、久我山東原公園、高井戸みどり公園近傍の保育室及び定期利用保育施設が大きく定員割れしている現実を見ると、怒りを通り越してむなしさすら感じます。結局、たくさんつくりましたというアウトプット、頑張りましたというアピールにはなりましたが、認可保育所にこだわり過ぎて柔軟性を欠き、地域偏在を直視せず、数重視に陥ったため、待機児童解消という本来目指すべきアウトカム、成果が後景に追いやられた結果だと指摘せざるを得ません。  結果責任という点では、議会で危惧を指摘していたにもかかわらず、当初予算で計上していた保育施設設置予定が2カ所で未達となり、また、6月の陳情審査における答弁で、「一定程度めどが立っているものもございます。」「複数を私ども当たっておりまして、」と述べていた久我山東原公園の代替場所がいまだ確保できていないことも、議会答弁の軽さとともに、適切な事業執行ができなかった象徴的な結果と言えます。  なお、この点については、民有地である以上、結果責任はないかのような答弁が委員会質疑の中で区長から示されました。しかしながら、事業者の視点に立てば、保育施設設置予定場所から徒歩5分の道路に囲まれた好立地の場所で、かつ公園を半分潰して設置するため、残り半分を実質的に園庭として使用可能という、保育施設としては相当恵まれた場所に、区主導で競合があらわれるという状況が後出しで出てきたのでは、事業計画の見直しを検討するのは、民間企業として当然のことではないでしょうか。  質疑の中では、今回の公園転用をめぐる失政が子育て世代内に対立を顕在化、先鋭化させてしまったことも指摘しましたが、みずからが行う施策がどのような影響を及ぼすのかに対する想像力が決定的に欠如しており、このことは、一つ一つの施策の適否以前に、区政の今後に大きな不安を抱かせる要因となっていることをあわせて指摘しておきます。  以上、認定第1号平成28年度杉並区一般会計歳入歳出決算を、主に予算議案を中心とした区政運営プロセスがどうであったか、適切に財政運営がなされたか、及び適切に事業の執行がなされたかという点から見てまいりました。個々の事業については評価できるものも当然ございますが、これまで述べてきましたとおり、残念ながら認定するには甚だ不十分な結果であるため、反対、すなわち不認定といたします。  中でも、区政運営における政策決定過程の非民主性は非常に危惧をしております。引用となりますが、10年ほど前に出版されたアダム・スミスについて論じた書籍の中に、次のような言葉が出てまいります。「統治者は、しばしば拙速に事を運ぼうとする。そして、この傾向は、統治者が、自分の掲げる理想の美しさに陶酔すればするほど強くなる。」  決算当該年度の保育待機児童解消緊急対策の進め方やふるさと納税制度の唐突な方針転換等、平成28年度はこうした傾向が顕著に見られました。区長におかれましては、まだ任期が9カ月ほど残っておりますので、区長就任当初の所信表明でみずから述べられた、「およそ区の政策形成や意思決定というものは、申し上げるまでもなく、多様な区民意見を踏まえ、しっかりとした議論を経て行うことが重要です。」という言葉を思い出していただき、残された期間、職務に当たっていただきたいと思います。  認定第2号から第6号である国民健康保険事業会計ほか各特別会計歳入歳出決算については、国保、介護、後期高齢者医療の3つの特別会計への一般会計からの繰入金が合わせて182億円に上ること等、留意すべき点もございますが、制度上、また区民生活の安定を守る上でいたし方ない面もあり、認定をいたします。  なお、平成30年度は、国民健康保険では広域化が実施され、介護保険では第7期事業計画が始まります。これらについて適切に対応いただくよう申し添えておきます。  最後に、質疑における我が会派への区長答弁について述べさせていただきます。  そもそも、執行機関のトップみずから御答弁をいただくことは、たとえ私たちと異なる見解であろうとも謝すべきことと考えております。しかしながら、論旨と異なる方向へ答弁されてしまいますと、質問時間に限りがある私たちとしては、こうした意見開陳の場で一括して訂正と答弁の不適切さを指摘せざるを得ませんので、まずもって不用意な発言は慎んでいただきたいことを申し述べておきます。  さて、具体的な発言についてですが、「前回の区長選挙のとき、皆さん方が御支援をした候補者は何と言いましたか。」との発言がありました。まず、正しい情報として、当時の区長選挙戦において、我が会派の所属議員全員が同じ候補の応援に入っていたわけではないことを述べておきます。  また、我が会派に所属する当時の候補者が述べた政策の一部を引用したくだりがありました。その発言はあくまで全体の文脈の中の一部であり、議会という場で、それも本人以外の者が質問をしている場で持ち出して印象操作をすることは、厳に差し控えていただきたいと思います。  そもそも、平成22年の区長選において、経済状況を考慮した恒久的な減税政策の推進を公約に掲げて当選しながら、2カ月後の所信表明でいきなり、減税基金への新たな積み立ては差し控えると述べ、2年を待たずに減税基金の廃止条例を提案された方が、当選していない候補の3年前の選挙戦の政策を議会の場に持ち出してくることが理解できません。非常に不適切な発言である旨、指摘をしておきます。  また、委員あるいは所属会派は、保育行政に対して今までどういう取り組みをされてきたのかということを申し上げたいという発言もありました。多くの議員が、12月に入ると、ことしの保育施設入所申込者数はどうなっただろうと気をもんでいる中、迅速に数字をつかんで議会への情報提供をしていればともかく、そうしたこともせずに、何を言っているのかと思いますが、個人レベルでいえば、例えば、土地活用を考えておられる方に区が作成したチラシをお渡しして、保育施設用地とすることを検討いただいたり、また会派でいえば、議事機関の一員である職責に鑑み、臨時議会において緊急対策第二段に関する補正予算の全容が示された翌日に、会派全員で、具体的に場所が明示された全11カ所を実地に確認しております。  それはさておき、そもそも私たちは、憲法第93条にあるように議事機関であり、行政権を持っておりません。保育行政を担うのは、地方自治法にあるとおり、予算編成権や事務管理執行権を有する区長の職責です。まず、自身の職責が何であるかをしっかり御自覚いただきたい。  また、行政権の放棄ともとれる発言をなされる以上、質疑の場でも申し上げましたが、来年度予算は準骨格予算で組んでいただきたいと思います。特に来年度は、財政計画上、基金繰り入れが66億円余、区債発行が72億円余と、近年に比べても大規模な貯金取り崩しと新たな借金が想定されておりますが、7月10日に任期満了を迎える区長のもとで、先行して当初決定されるのは不条理であることを申し添えておきます。  とはいえ、任期満了までまだ9カ月ございます。質疑の中では、個人情報漏えい等との関係から、内部統制の整備に言及いたしました。自身の後援会入会案内に区役所秘書課が連絡先として記載されている公私混同のトップの公的意識の欠如が徐々に伝播しているかのような、杉並区役所という組織全体の緩み、緊張感の欠如を危惧せざるを得ません。組織としてガバナンスが機能するよう取り組んでいただくとともに、現下の国際情勢に鑑み、区民の生命、身体、財産を守る取り組みについて気を緩めることなきようお願いしておきます。  結びに当たりまして、本委員会の審議及び資料作成に誠意を持って御協力いただきました区長初め理事者、職員の皆様、また、発言者指名時の呼名で場の空気を和ませながら円滑な委員会運営に努められた正副委員長に感謝を申し上げ、自民・無所属クラブを代表しての意見の開陳といたします。 ○横山えみ 委員長  以上で各会派による意見開陳は終了いたしました。  ほかに意見はありませんか。──ただいま松尾ゆり委員、木梨もりよし委員、田中ゆうたろう委員、堀部やすし委員木村ようこ委員から意見の申し出がありました。  意見開陳は休憩後とし、ここで午後1時5分まで休憩いたします。                             (午後 0時01分休憩)                             (午後 1時05分開議) ○横山えみ 委員長  休憩前に引き続き委員会を開きます。  意見開陳を続行いたします。  意見の申し出のありました委員を順次御指名いたします。  松尾ゆり委員。 ◆杉並わくわく会議(松尾ゆり委員) 杉並わくわく会議として、決算に対する意見を述べます。  認定第1号平成28年度杉並区一般会計歳入歳出決算外5件の認定に対しては反対とし、以下、その立場から意見を述べます。  当該平成28年度は、何といっても待機児童の緊急事態宣言が大きな問題となった年でした。子供たちが多く利用し、愛着を持っている公園を潰して保育園をつくるという暴挙は、地域に深い傷と不信感を残しました。これだけとっても決算を認定しない理由になるほどで、断じて認めることはできません。  さらに問題は公園ばかりではなく、区内各地でことごとく住民の意思をないがしろにして政策が進められ、田中区長の独断的な区政運営がきわまった年でありました。  大義なきあんさんぶる荻窪の財産交換は、地元地域を初めとして、多くの区民の反対の声を受けながら、準備のための新しい複合施設が着工されました。  高円寺小中一貫校をめぐっては、近隣住民との合意のないままに、住民を出し抜いてボーリング調査を強行、さらには工事に至る経過も、強い反対を押し切り進行していきました。住民に対して虚偽の暴行事件を工事業者がでっち上げた件は、区の強硬姿勢の象徴とも言えます。  保育園の民営化をめぐっては、対象とされた上井草、杉並両保育園の保護者に対して民営化計画が知らされることのないままパブコメが始まるという始末。反対の声は一顧だにされません。まさに「無理が通れば道理が引っ込む」のことわざどおり、問答無用を絵に描いたような区政と成り果てています。  こうした経緯を踏まえて、以下、何点か述べます。  まず、今年度も引き続き厳しい状況にある保育の問題です。  何度も言っていることですが、もともと国の待機児童の定義は、認可保育園に入れなかった人という基準でした。杉並区でいえば1,800人にも上り、到底1年で解決できるものではありません。それを1年で解消するかのような緊急事態宣言は、区長の政治的なパフォーマンスにすぎず、地域住民、子供の生活環境はその犠牲にされました。  そして、今度は保育料の値上げと区立保育園の民営化がダブルで利用者を襲います。保育料は20年間値上げをしていないと説明されていますが、この20年はデフレの時期であり、消費者物価の上昇はほとんどゼロです。それに対して1から3割の大幅な値上げは容認できません。しかも、所管の保健福祉委員会にすら方針が示されただけで、具体的な保育料表はいまだに提案されていません。まして区民に対しては全く周知がされていません。「広報すぎなみ」では、保育料引き上げの文章は最も小さい文字で表記されており、よほど気をつけないと読み過ごしてしまいます。  保育園入園希望者に対しては、保育料と民営化についての手紙が保育園利用案内に差し込まれましたが、在園の保護者からは、そのような手紙は届いていないと聞いています。当事者が知らないうちに決定してしまう杉並区お得意のやり方でしょうか。  住民税非課税世帯に新たに負担を課す、また、ゼロ歳児に対する利用料を2割引き上げるとの方針は特に問題です。  そもそも保育とは、就労支援でもなければ救貧対策でもありません。あくまでも、児童福祉法に基づき、保育に欠ける子供の生活と健やかな成長を保障することを目的としています。就労支援なのだから対価を払うのが当たり前だとか、あるいは逆に、救貧対策だから生活に困っている人だけ助ければいいというのは、どちらも間違いです。区は応益負担と応能負担を併記して説明していますが、このような趣旨から、本来保育は応能負担を原則としてきました。中でも23区は、とんでもなく高い国基準保育料を大幅に軽減する政策を長年にわたってとってきました。それに対し、今回の値上げ案はコスト論に偏っており、福祉の視点から大きく外れていると考えます。  次に、区立保育園の民営化について述べます。  区は、平成36年までに6園を民営化し、かつ指定管理の7園も並行して民営化していくとのことです。7年間に全ての指定管理園が更新期を迎えるので、計画期間中にほぼ全園が民営化される可能性があり、一気に13園の民営化が行われるということもあり得ます。  質疑では、区の進め方が問題を引き起こしている上井草保育園の民営化についてただしました。  保護者説明会で出たあまたの疑問が解決されず、そして保護者の皆さんが話し合って対応を模索しているさなか、区は見切り発車で事業者選定委員会を発足しました。その選定委員会の結果、不調に終わったことを、区長や区幹部の皆さんは、保健福祉委員会でも当委員会でも口々に、選定委員個々人の責任であるかのように非難しました。区長に至っては、政治的な意図を持って反対している人が0点をつけたという趣旨のことを何度も述べています。しかし、こうした結果に帰したことは、全体として区長や区担当者が結果責任を負うべきものではないでしょうか。  そのあげく、標準偏差を取り入れた選定です。何度も言ったので細かくは申しませんが、常識外れのやり方に唖然とします。結果として1位、2位が逆転するに至ったこと、また、選定された法人が上井草保育園に法人本部を設置する計画であることを考え合わせると、この選定には大いなる疑問があると言わざるを得ません。このような選定を目の当たりにしたとき、今後の区立保育園の民営化に当たって、公平公正に、質の高い保育事業者を選べるのかどうか、極めて疑問があります。  保育園の大量増設の中で、ハード的にも問題のある保育園がふえています。この間、敷地が100坪にも満たないにもかかわらず、60名、70名といった最低基準ぎりぎりの保育園の提案が目立ちます。区は定員さえ確保できればいいという姿勢で、これらを次々に認めていますが、保育園は荷物のように子供を預かればよいわけではありません。数だけを追いかける区の保育園増設は、もう限界です。  23区には、人材確保の面からも、むしろ区立保育園を増設している区や、民営化は行わないと決めている区もあります。これらの区に学んで方向転換を図るべきと指摘します。
     児童館について、質疑の時間が足りなかったので補足します。  杉並区は児童館全てを廃止する計画で、当該28年度には和泉児童館が初めて廃止され、子ども・子育てプラザ和泉が発足、児童館の代替措置ということで学校内の放課後等居場所事業が始まり、今年度から本格実施されています。区はこの間、児童館事業は継承・発展させていくとして、あたかも児童館で行われていたことが小学校でもそのままできるかのような説明をしてきました。  例えば一昨年の決算特別委員会において、学校の図書館、音楽室などが児童館のように自由に使えるのかとの私の質問に対して、学校にも当然ながら図工室、音楽室があり、そうした特別教室の使い方なども学校と協議をしていくとの答弁がありました。しかし、和泉学園における放課後等居場所事業の実績を調べますと、図工室、音楽室、図書室などの特別教室の利用実績は全くありません。やはり学校側が容易には使わせてくれないのだと思います。また、和泉学園の場合には、校庭、体育館も週一、二回程度しか使えていないこともわかりました。  放課後等居場所事業では、児童館よりも参加人数がふえたとの報告もありました。しかし、その裏で、学校で行う事業ゆえに来られなくなった子供もいるのではないでしょうか。また、中・高生委員会が最も盛んな館だったのに、中高生対象の事業は段階的に縮小されていくようです。放課後等居場所事業で学校施設を活用すること自体は悪いことではないと思いますが、区が説明するような児童館の代替にはなり得ないことがはっきりしたと思います。児童館とは全く別物なのです。  これら子供の施設にかかわる負担の引き上げや民営化、再編などは、財政健全化を掲げて行われています。しかし、その一方で、大型の建設事業や政策目的にふさわしくない支出があることも指摘いたしました。  高円寺小中一貫校建設に80億円の予算が投入されます。施設一体型小中一貫校ではなく、住民が提案してきたように分離型小中一貫校にすれば、まだ新しい杉四小の校舎は今後30年から40年建てかえの必要がなく、高円寺中の建てかえのみ、半額以下で済んだはずです。あえて巨大で使いにくい校舎と狭い校庭の一体型にしたのはなぜか。教育よりも建設利権が優先されています。  あんさんぶる荻窪の財産交換に至っては、全く必要のない交換をするために、新しい複合施設建設と桃二小の改築で合わせて70億円もの予算が投入されます。30億円かけたあんさんぶるの建設費も無駄になります。保育園や児童館にかけるお金は少しでも削っていこうとする一方で、これら大規模工事の巨額予算がどんぶりではどうしようもありません。  杉一小の改築計画変更に伴い不要となった駐車場の賃貸契約についてもただしました。賃借料が不当に高く、期間も不必要に長いこと、また、仮設校舎の予定地であったけやき公園からは馬橋小学校、馬橋公園も間近であり、代替運動場は不要であったことも指摘しました。現在建てかえ中の桃二小の例を見ても、近隣の学校の運動場などを利用しており、独自の仮設校庭などはありません。杉一小についてだけこの駐車場をわざわざ借りて、総額1億3,000万円。地主さんは判こ1つでこれだけの賃料を得たわけです。持続可能な行財政とか、財政規律とか、経常収支比率とか、委員会でさまざまに議論いたしましたが、そういうこつこつした積み重ねが一気に吹っ飛んでしまうようなこの1億3,000万円でございます。これも区民が負担しているのかと思うと、怒りを通り越して悲しくなります。  平成28年度を振り返るとき、この区政がいかに区民をないがしろにし、独善的に政策を進めてきたかを改めて痛感いたします。あんさんぶる荻窪、科学館、けやきプールなど、廃止する施設に関しては説明会すら行わず、多くの利用者が知らない間にこっそりと廃止する姿勢も、つくづくこそくでひきょうな区政だと思いますし、反対する住民は全て政治的意図を持っている反対派だと決めつける区長の態度は、さまざまな立場、考えを持つ多様な住民をまとめる立場にある自治体の首長としてあるまじきものであると指摘いたします。  区民に対する説明責任も果たされません。質疑の中では、上井草保育園のプロポーザル選定委員会の議事録を例に示しましたが、議事録と呼べるような代物ではありません。これは、この委員会だけではなく、あんさんぶる荻窪の財産交換に関連してまちづくり連絡会議の議事録を情報公開請求した人は、議題と席順だけしか記録されていない文書を見て唖然としていました。杉並区では、どこでどのような議論を経て決まったのか、どんな分野においてもそれを跡づけることが不可能と言っていい状態です。政府の情報公開のひどさを国会ではノリ弁とやゆされますが、杉並区のはもとから記載がないので、空弁とでも言えばいいのでしょうか。  国の公文書管理法では、行政機関について、意思決定に至る過程、事務・事業の実績を合理的に跡づけ、検証することができるよう文書を作成しなければならないとの定めがあり、また、地方公共団体についても、この法律の趣旨にのっとり文書管理を行うようにと定められております。区政の基本となる説明責任を放棄している区政を改め、逃げずに説明する区政に転換するためには、法的整備が欠かせません。公文書管理条例の制定を求めます。  以上をもちまして反対意見といたします。  最後になりましたが、審議に当たりまして、多数の資料を作成していただき、また、さまざまな問題について御教示くださり、連日丁寧に答弁してくださった職員の皆様に深く御礼申し上げます。  ありがとうございました。 ○横山えみ 委員長  木梨もりよし委員。 ◆共に生きる杉並(木梨もりよし委員) 共に生きる杉並の木梨もりよしでございます。平成28年度杉並区一般会計歳入歳出決算国民健康保険事業会計歳入歳出決算用地会計歳入歳出決算介護保険事業会計歳入歳出決算後期高齢者医療事業会計歳入歳出決算中小企業勤労者福祉事業会計歳入歳出決算について意見を申し述べさせていただきます。  平成28年度、何といっても杉並区政にとって最大の問題は、田中区長の政治とお金の問題であります。当該年度も田中区長は、補助団体の責任者を発起人として政治資金を集めています。このことは、政治倫理、道義的、また公平公正、社会正義に反し、杉並区政を私物化するものであり、断じて許すことはできません。かの有名な豊田真由子前議員が言っておられました。過去は変えられない、しかし未来は変えられると。私は申し上げたい。悪いことをした過去は問われます。  本年3月15日の予算特別委員会の私の意見開陳の際に、この問題を中心に取り上げ、田中区長の辞任を求めた区政報告を発行し、若干新聞折り込みやポスティングをさせていただきました。区民の皆様から、おはがき、お手紙、ファクス、お電話等、多くの反響があり、また荻窪のある方から、お友達に手渡すから50部ほど送ってほしいとか、その全てが、私の主張に賛同し激励するものでありました。  最近、ある集まりで、区長の政治資金パーティーの発起人で補助団体の代表とお会いする機会があったときに、その方がおっしゃっておられました。私に向かって、あなたの言っていることはよくわかったと。今後、田中区長の政治とお金の問題につきましては、区民一人一人が田中区長に問うことになろうかと思います。  さて、平成28年度各会計決算の審査に際し、決算書や区政経営報告書、監査委員の審査意見書等をつぶさに拝見し、審査をさせていただきました。また、多くの委員の皆様方からも活発な議論がなされました。杉並区が、ともに生きる社会、共生社会に向かって着実に前進しているものと受けとめさせていただきました。したがって、平成28年度杉並区一般会計歳入歳出決算並びに全ての会計決算を認定し、私の意見とさせていただきます。 ○横山えみ 委員長  田中ゆうたろう委員。 ◆美しい杉並(田中ゆうたろう委員) 美しい杉並の田中ゆうたろうです。平成28年度杉並区各会計歳入歳出決算について意見を申し上げます。  当該年度は、何と申しましても保育行政に明け暮れた1年でありました。それにつきましては、この決算特別委員会の席上、るる申し上げてまいりました。この4年間の保育行政、田中良区長のミスは明白であります。待機児童ゼロは、目指すべき目標ではなくて、必ず実現するんだと田中区長は常々言われてきました。いやいや、目指すべき目標でしょうという話であります。実現できる確かな保証もないのに、軽々しくそんなことを言うべきではありません。うかつというものであります。お気持ちは立派だと私も思います。しかし、あくまでもそれはお気持ちにとどめておくべきであります。政治家の言葉というものは重いものであります。  さらにもう一つ、必ず実現するんだとまで言われたからには、何が何でも実現しなければなりません。ところが、結局、待機児童が29名も出てしまいました。自己採点で、「80点ぐらいか」などと言っている場合ではありません。4月20日の朝日新聞にそんなことを答えていますが、僣越というものであります。確かに待機児解消に向けて頑張った、そこのところをどんなに評価しても、49点、不可であります。私に言わせると0点であります。公園を潰したり、そのくせ、ビーチコートという、法的義務もない全くわけのわからない施設をつくると言い出したり、余りといえば余りな失政ぶりを指摘しないわけにはまいりません。  私は今、非常に不毛な徒労感にまみれております。先ほども他会派から、怒りを通り越してむなしさを覚えるという趣旨の御発言がありました。まさにそういう感じであります。一体この4年間、そして特に最後の1年間、当該年度の杉並区の保育政策というものは何だったのか。取り返しのつかない禍根を区民に残したと改めて指摘せざるを得ません。  向井、そして久我山東原という極めて利用率の高い区立公園を、保育園を建てるために潰してしまいました。近隣住民への説明不足、区長は1回も来ない、代替地は確保すると議会に約束しながら、1年以上もほごにし続けている。子供たちの貴重な遊び場を潰すくらいですから、保育の質なんてものははなから考えていないことは明白であります。ただただ保育の量しか考えてこなかった。認可保育園という箱をつくればそれでよいという安直さでやってきてしまった。その結果、久我山地域の保育施設にはあきが出るという始末であります。地域偏在のことなど何も考えてこなかった。  地域偏在のことなど何も考えてなかった証拠はほかにもあります。何で久我山東原公園を潰す前に和田中学校の空きスペースを活用するという発想が出てこなかったのでしょうか。いろいろと御答弁をいただきましたけれども、納得できるものではありませんでした。その気になれば、ことしの4月に間に合ったはずであります。コストだって、こういうところにこそかけるべきでありましょう。和田中の一角に保育園をつくるということになって、地元で反対運動が起きているなんていう話、私は聞いておりません。和田に住んでいる私が聞いておりません。丁寧に進めてほしいというお声は届いておりますけれども、あんな久我山みたいな気の毒な状況にはなっておりません。  久我山東原公園、あそこは、今、議会でも代替地云々と言っておりますけれども、本来、代替地など見つかりっこない場所であります。前にも言いましたけれども、あそこは久我山稲荷神社のおみこしの神酒所ですから、地元の人々、氏子の皆さん方の心に根づいた、かけがえのない神聖な土地だったんですよ。そのおみこしを追い出して、道っ端にたたき出してしまった。極めて罰当たりなミスジャッジというほかはありません。これでは地域に分断が起きるのは当然であります。いきなり一方的に神酒所を潰すくらいなら、区内に遊休地や空き家、またはそれに準ずるものを持つ宗教法人の方々に事前に相談するという手だてもあったはずですよ。宗教法人というのは、それだけ公的、社会的な使命を帯びておられるでしょうからね。それは保育施設だけではなく、特別養護老人ホームについても言えることだと思います。  いずれにせよ、久我山東原公園を潰す前に、何で和田中が出なかったのか。教育委員会と保健福祉部の連携不足、教育と保育の相乗効果というものへの認識不足を改めて指摘しておきたいと思います。  私は何も小中学校の中にどんどん保育園をつくれと言っているわけではありません。ただ、区民に愛されている公園を潰すという話になっているときに、それでは学校の空きスペースを活用しよう、そうすれば教育、保育の相乗効果も図れて一石二鳥じゃないかという間合いにならなきゃおかしいはずなんです、私に言わせると。道徳教育の一環にも活用できる、そういう話が何で出てこなかったのか。  この4年間、そして特に最後の1年間の大失政を経て、そして待機児童ゼロ不達成という現実を目の当たりにして、とうとうこのたび目が覚めたのか、区は保育政策を一大転換させ、育児休業制度の利用促進という、これまで全くなかった路線にかじを切ったことを、田中区長、ここは正直に認めましょう。常々言ってきたなんてうそでしょう。区長会で議論になった、話題に出たというだけでは区民には伝わりません。区議会も去年あたりが初耳なはずです。待機児童数の見通しを怠っていて、気づいたら大変なことになっている。慌てて緊急対策なるものを打ち出したが、内心、それでも待機児ゼロを達成できなかったらどうしようという計算が、去年あたりからさすがに働くようになったのでしょう。待機児ゼロを達成できなかった、そのときのための予防線として、子育ては第一義的には親の仕事だという趣旨の答弁を、ようやく去年あたりからぽつぽつこの議会で行うようになってきた、そう思います。やり過ぎはやり過ぎ、過ちは過ちと潔く認めて、公園の近隣住民に謝りに行ってください。  以上、意見を申し上げてまいりました。  少子化対策のかなめとして、私は、次のような事柄が挙げられると考えております。まず、私が常々申し上げていることでありますけれども、愛着形成が最も必要とされるゼロ歳児、1歳児、そうした乳飲み子のうちは、施設に預けずとも子育てできる環境づくり、そして家庭で子供を育てる全ての親へのインセンティブ、そして3人目の子供を授かった御家庭へのインセンティブ、そして、これはまた決算特別委員会の席上で申し上げましたけれども、親、祖先から子孫への命のバトン、将来にわたって継承するということのとうとさを子供たちに教える道徳教育の徹底、そして最後に、父親や祖父母、また既存の民間資源による子育て力のフル活用、こういったことが挙げられると思います。保育施設の整備ということは、今私が挙げたような少子化対策のかなめの中の一部にすぎません。その一部を格段に取り出して、それを余りにも肥大化させて取り組んできたのが、今日の田中保育行政のツケであるというふうに私は思っております。  以上、意見を申し上げました。  平成28年度杉並区一般会計歳入歳出決算については、以上の理由から反対をいたします。それ以外の各会計歳入歳出決算については、さほどの疑義を呈するには至らず、賛成といたします。  最後に、資料作成に当たられた理事者各位、公正な委員会運営に努められた正副委員長に感謝いたしつつ、美しい杉並の意見開陳といたします。 ○横山えみ 委員長  堀部やすし委員。 ◆無所属(堀部やすし委員) 平成28年度決算審査を締めくくるに当たり、決算認定に反対する立場から意見を申し述べます。  決算を不認定とすべき第1の理由は、杉並区が区内中小企業向けに提供している福利厚生事業、通称ジョイフル杉並が、条例に定めるルールを無視した事業運営を続けていた点です。  平成4年、1992年、区が設立した外郭団体、杉並区勤労者福祉協会は、会員の減少がとまらなかったため、平成24年、2012年3月末に解散しました。しかし、その事業は廃止されることなく、区直営で現在もそのまま続けられています。一般会計から事業費を繰り出して中小企業勤労者福祉事業会計を設置するとともに、少なくない区職員がこの事業に従事してきたところです。  区直営事業の民営化が推進されている中で、あえて直営で事業を行うこととしたということ自体、極めて異例なケースでしたが、そこには闇がありました。本来、ジョイフル杉並を利用する資格のない企業が長く団体利用していたのであります。ピーク時の平成9年度末には6,245人の会員を抱えていたジョイフル杉並も、平成24年3月末の解散時には、その数が3,913人まで減少しています。区直営で再出発した平成24年4月には、さらに減少して3,115人となり、ピーク時の半数に落ち込むありさまとなっています。平成28年度末の参加者数は3,094人となっていますが、本来利用する資格のない企業からの参加者を除くと、その数は2,738人となります。本来は、この大幅な減少を受けた時点でそのあり方を抜本的に再考し、事業をやめる経営判断が必要でした。一貫して廃止を訴えてきたところですが、全く聞く耳を持たない区は、その後も漫然と事業を継続し、これを維持してきたのです。なぜこんなことをしてきたのでしょうか。  杉並区中小企業勤労者福祉事業に関する条例に従えば、このジョイフル杉並を利用することのできる企業は、1、常時使用する従業員の数が300人以下の法人その他の団体で、2、区内に主たる事業所または事務所を有することが必要となっています。これは、条例の2条及び3条を読めば誰でも理解できます。ところが、これに適合しない企業がジョイフル杉並に参加し、その利益を享受していました。  質疑の中で明らかにしたように、参加者数1位である企業は、パチンコ・パチスロ店などを埼玉県を中心に展開している企業です。区は答弁で、飲食事業や福祉事業なども行っている旨、説明していましたが、これまた埼玉県内で展開されています。そもそも区内事業者とは言いがたい企業で、そのことは区も認めています。当該企業のウエブページを確認すると、「現在、事業の核になっているのはパチンコをはじめとするアミューズメント事業。地元埼玉を中心に東京、神奈川、山口で展開しております。」と記載されており、パチンコ・パチスロ店18店舗、ボーリング場2店舗、飲食4店舗などを経営していることがわかります。  ここで重要なことは、1、この企業の規模が930人台であること、2、現在杉並区内にそれら展開されている事業所が存在していないこと、3、公表されている本社も登記上の本店もどちらも埼玉県川口市に置かれているということです。なお、この企業の登記上の本店所在地は、その履歴を確認しても、一貫して川口市内に置かれていました。  すなわち、この企業は、常時使用する従業員の数が300人以下ではなく、区内に主たる事業所または事務所を有しているとは言えない企業です。本年8月末現在、この企業からジョイフル杉並に345人もの参加が確認されていますが、このような参加資格のない企業に長く事業を利用させてきたのは、一体何が理由だったのでしょうか。  当初の参加申込書に記載されていたとされる下高井戸4丁目の住所について、その実態を長期にわたり確認しましたが、ここがこの規模の企業の従業員が働くような主たる事業所または事務所であるとは到底考えられず、その実態は、代表取締役の主たる住宅と考えるほかないものでした。第一種低層住居専用地域内の閑静な住宅街の中にありますので、当然といえば当然ですが、この企業からこのような多数の参加を認めることはできません。  この点について、所管は、当該企業からの参加者数が近年300人前後を推移していたという不可解な説明により、これを正当化していました。しかし、その後、財務会計システム上の歳入調定から把握された正確な参加者数が開示されたところ、実際には平成25年第2四半期に参加者数が308人となって以降、一度も300人を下回っていないことがわかりました。むしろ、その数は平成28年度末には356人と、当該企業からの参加者数は増加していたことがはっきりといたしました。その企業規模においても、区に届け出られていた事業所の実態においても、条例の定めに抵触していることは明らかです。それどころか、この4年間については、実態を形式的にも糊塗することができなくなっていたという状況でした。こちらが情報提供を求めても、長く情報公開を拒んでいた理由がようやくわかりました。  このように、条例上参加資格のない企業が長きにわたってジョイフル杉並に参加し、違法、不当に利益を享受していた理由は何なのか。真面目な区職員がこのようなあからさまな法令違反を放置するとは考えがたく、そこには政治的意思が働いていたと考えるほかありません。  この企業の代表取締役は、都内のほぼ全てのパチンコ・パチスロ店が加盟しているという業界団体、東京都遊技業協同組合の3代目理事長であり、業界の大物です。一体田中区長とはどのような関係なのか。余りの不自然さから、田中区長に対し、区長の政治資金パーティーのパーティー券を買ってもらっているということはないのか確認しましたが、区長はイエスともノーとも回答しません。買ってもらっていないのであれば、買ってもらっていないと否定すればよいことであって、疑惑は深まるばかりです。幸い、副区長が調査すると答弁いたしましたので、その結果を待ちたいと思いますが、まずはジョイフル杉並の事業運営を直ちに改善するよう求めます。  今や参加者よりも脱退者のほうが多いジョイフル杉並が、参加者数を無理に維持するために並々ならぬ努力をしてきたことは、この件を見てもよくわかります。しかし、これはコンプライアンス違反です。常時使用する従業員の数が300人以下ではない企業、区内に主たる事業所または事務所を有していない企業は、そもそも団体利用する資格がありません。  参加者数がピークに比べ半減し、脱退、退会が相次いだ理由は、もはやそのサービスに魅力がなく、費用対効果も合わないためです。平成28年度の事業を確認しても、例えば主催バスツアーは、最低催行人数に達しなかったことから、4回中2回が未実施となっており、実施した2回についても、大型バスから中型バスに変更して実施されている回がありました。予定どおり実施できたのは1回のみであり、ニーズの乏しい事業を漫然と継続させてきたことがよくわかります。  このジョイフル杉並は、参加者減少による財政運営の厳しさを理由として、今、豊島区副区長が理事長を務めている一般財団法人東京城北勤労者サービスセンター、通称フレンドリーげんきと事業統合し、広域化を図る方向で調整が進められているところですが、それで何が変わるのか。安定的な雇用を維持できない中小事業者がふえている中、もはや税金で特定少数者の娯楽サービス等を提供することを正当化できない、こうした社会環境にあるというべきであって、この改革の方向性は間違っています。過去に比べ高くなった相対的貧困率を踏まえた対応など、杉並区には今やらなければならない仕事が山のようにあります。ピーク時から参加者数が半減した現状などを踏まえ、改めて本事業の廃止を求めるものです。  決算を不認定とすべき第2の理由は、不合理な箱物投資事業の数々です。  区立施設の再編整備については、その必要性や基本理念に基づいて遂行されておらず、無計画な重複投資、重過失による事業の頓挫、規模の拡大、改修済み施設の短命化など、不合理なものがふえていると言わざるを得ません。  第1の問題は、保育緊急事態が宣言されている中で進められた常設ビーチコートの建設です。  保育所用地の確保に苦慮し、公園を撤去しなければならないほど追い込まれていた区が、なぜ常設ビーチコートを建設しなければならないのか。ビーチスポーツを振興すると称して、築29年の旧永福南小学校の教室棟を解体した跡地に恒久施設ビーチコートの建設を進めたことは、理解に苦しむ判断でした。待機児童問題の深刻化から、区は、当該年度4月、区長みずから保育緊急事態宣言を行い、一部公園の撤去を決断しました。保育の実施は児童福祉法に定められた自治体の義務であることから、やむを得ない判断であったとは言えますが、その整備の地域偏在は、一部施設に定員割れなどを発生させているところです。一方で多くの待機児を発生させながらのこの現状は、矛盾が隠し切れないものとなっています。  問題は、この常設ビーチコートの整備地が永福町から徒歩約10分の立地であった点です。当時の認可保育所の整備・運営に関する提案募集要項を確認すると、杉並区の公募対象地域として、永福町駅という固有名詞が重点地域として具体的に記載されていました。これは、募集要項の平成27年10月版においても、平成28年4月改定版においても、同10月版においても、全く同様の記載となっていました。区に待機児童解消緊急対策本部が立ち上がったのは平成28年3月のことでしたが、それ以前においてもそれ以後においても、これらの重点地域に変化はなく、永福町駅周辺が認可保育所整備の重点地域であったことは公知の事実でした。残念ながら、緊急対策により整備された11カ所にこれらの地域は含まれていませんでしたが、その後、永福町駅北側に予定されていた認可保育所の開設時期が延期となるなど、この地域は今なお厳しい状況が続いています。  児童福祉法24条1項は、区に保育の実施義務があることを定めています。保護者の労働または疾病その他の事由により保育を必要とする場合、区は保育を実施しなければなりません。また、都市公園法16条も、区に都市公園の保存義務があることを定めています。公園管理者である区は、みだりに都市公園の全部または一部を廃止してはならないとされているところです。  その一方で、内陸の杉並区に常設ビーチコートを整備しなければならないような法的義務はありません。区が待機児童を発生させて何もしなかったり、正当な理由なく、あるいは具体的な代替地の提示なく、安易に公園を廃止したりすれば違法となりますが、常設ビーチコートについては、建設しなくても何らの違法も生じないものでした。  認可保育所整備の重点地域と位置づけられていた当該地域において進められた本件ビーチコートの建設は、当該年度4月に区長みずから発信したすぎなみ保育緊急事態宣言を踏まえ、本来、イの一番に断念すべきものでありました。なぜ閉校となった学校跡地に残る築29年の校舎を早々に取り壊し、ここに区に全くなじみのない国際規格ビーチコートを常設させるという不合理な投資事業を推し進めなければならないのか。海外には、公園やテニスコートといった場所に砂を持ち込み、ビーチバレー競技大会を開催しているケースもある中、杉並区においては、過去にそのような実績の積み重ねさえもありませんでした。区民であった元ビーチバレーボール選手が参議院議員に初当選したことぐらいでは、全く説得力はなかったというべきです。  もし現地が国際規格の常設ビーチバレーコートではなく、もっと開放的な公園スペースなどになっていれば、今後追加で整備されることになった保育施設も、現在の定員60名想定に加え、さらに30名程度定員をふやすことができた旨、明らかになっています。今や園庭のない保育施設が珍しくない中で、重点地域であったこの場所での定員増は不可欠なものではなかったのか。  また、基礎自治体の運動施設は、一般区民に日常的な運動の機会を提供するためのものであることを考えれば、仮にここにスポーツ施設を整備するとしても、テニスやフットサルを初め、区民ニーズのより高いものは他にあったというべきで、国際規格ビーチコートを常設することを最優先課題と位置づけるのは、やはり不適当であったと言わなければなりません。ビーチバレーボールの競技大会は、リオ五輪においても仮設会場であり、恒久施設ではありません。区がこだわっている各種ビーチスポーツは、必要に応じて公園などに仮設会場を設置し対応できるものであり、区に課せられている保育の実施義務や公園の保存義務などを後回しにしてまで建設を優先させる必要などはありませんでした。  第2の問題は、杉並第一小学校改築複合化事業の頓挫です。  現在、作業はまた一から再スタートとなっています。支出した計2億628万円は無に帰したわけですが、これは区の判断に重過失があったと言わざるを得ないものです。  本事業は、区立施設の床面積の半数を占める学校を含んだ本格的な施設再編による複合施設の第1号となったはずでした。築60年となる杉並第一小学校の老朽改築に合わせて、阿佐谷地域区民センター及び産業商工会館の集会関連機能を集約し、新たに複合施設を建設する予定となっていました。当該年度は、基本設計まで作業が進められるとともに、その建設に先立って必要となる仮設校舎の建設に向けた作業のほか、代替運動場の実施設計などが行われました。  ところが、年度途中で、河北総合病院が、いわゆるけやき屋敷の部分に移転し建てかえを行うとする計画を伝えてきたとして、この事業は頓挫することになります。なぜこのようなことになったのか。移転改築の発表は青天のへきれきだったと区長は説明していましたが、河北総合病院の理事長は、田中区長の政治資金パーティーの発起人を務めてきた方です。理解に苦しみます。河北総合病院の理事長は杉一小の学校運営協議会の会長であったことから、杉一小改築・複合化検討懇談会の委員にも入っていました。しかも、河北総合病院もまた杉一小と築年数はそう変わらず、将来の建てかえに同じように課題を抱えていたことから、当該理事長は当時より、病院改築を検討している旨の発言をしていました。  また、当該地域の道路事情などの悪さから、救急車両が阿佐ケ谷駅北東地区の中を徐行しながら通行している問題なども、当時から広く共有されていました。道路づけの悪さなどは地域全体の課題で、建てかえの障害ともなっています。このため、例えば平成27年度の杉並区産業振興審議会の中でも、河北総合病院を含めた地域全体の再開発の必要性などが指摘されてきたところであり、このような課題認識は、区においても把握されていたはずです。青天のへきれきなどと言っていましたが、実際には、遅くとも平成27年度中にその萌芽は十分に把握されていたというべきです。この段階で、関係地権者と今後を展望し、検討を行う時間的余裕はあったというべきで、平成27年度の支出は仕方ないとしても、平成28年度において多額の支出を余儀なくされたことについては、重過失があったと指摘せざるを得ません。  今後の阿佐ケ谷駅北東地区のまちづくりにおいては、これまでの計画とは全く異なる施設再編整備が行われることになりました。新たに地区計画を導入するとともに、用途地域の見直しなどが行われることから、河北総合病院も、また区から既に1億3,000万円の賃借料を受けていた地権者側も特段の不利益はなく、ただ区のみが今回2億円の損失をこうむることになりました。それだけでなく、旧案において御協力をいただいた地域の皆さんは、これまでとは全く異なる説明をするようになった区への不信感を募らせています。  旧永福南小学校の教室棟は、校舎としては26年しか使用されず、さらには、区の計画ミスにより、まだ使用可能である築29年で解体、取り壊しとなりました。桃井第二小学校は、築50年を目途に解体となり、今改築作業が行われております。  このような中で、杉並第一小学校は、紆余曲折を経て、築70年まで使用されるということになりました。これまで、老朽化が著しく、早く改築しなければならないと説明をしてきたにもかかわらず、その後、区の説明は180度変わり、まだまだ10年は使える校舎ですなどと言い出す区のいいかげんさに、少なくない区民があきれています。今後は、その場しのぎでつじつまの合わない施設再編をこれ以上繰り返すことのないよう要請をいたします。  このほかにも、第3に、築浅のあんさんぶる荻窪を国に譲り渡すことにより進められている天沼三丁目複合施設複合施設棟の建設、第4に、他に多くの老朽化校を抱えながら、近年改修したばかりの桃井第二小学校を前倒し改築するなど、不合理な投資事業はほかにも目立っています。長期最適、全体最適と言いながら、区の姿勢は、将来の財政負担を考慮し、計画的に取り組んでいるとは到底言いがたいものです。来る施設再編整備計画第二次実施プランなどにおいては、現在のように法定耐用年数の中でつくったり壊したりを繰り返すのではなく、徹底した長寿命化を基本とする新たなプランに改め、真摯な姿勢で区民の理解を求める必要があることを改めてここで指摘いたします。  決算認定を不認定とすべき第3の理由は、杉並区の天下り、退職管理及び政治倫理の未確立が杉並区政をゆがめている点です。  かつて平成20年から23年にかけて杉並区の保健福祉部長であったE氏は、平成24年、日本有数の社会福祉法人浴風会に天下り、同法人の業務執行理事を務めています。多数の介護保険施設や医療施設を区内に有する浴風会と杉並区との縁は深く、補助、委託、保険給付といった形で区から多額の公金が流れています。これを背景にしているのか、浴風会の理事長は、過去に何度も田中区長の政治資金パーティーの発起人を務め、区長の政治資金集めに協力していました。  補助金の支出を初め、委託や請負、指定、保険給付といった形を通して区が仕事を出している利害関係先に区職員が天下り再就職をしたり、その関係者に不適切な関係を持ちかけたりすることがどのような意味を持つのか、よく考えなければなりません。政治倫理上、極めて問題だと言わざるを得ないものです。  平成27年6月に退職した杉並区の元副区長M氏は、その半年後に南伊豆町政策アドバイザーの職につき、町から月額報酬20万円を受けていました。杉並区は今、南伊豆側に多額の補助金を投じて、過去に例のない区域外特養を建設しています。その就任は余りにもタイムリーなものでした。南伊豆町はCCRC構想の実現も目指しており、元副区長はその助言を行っているとのことです。はてさて、M氏がCCRCの専門家であったとは、驚き以外の何物でもありません。  本年4月に行われた南伊豆町長選挙は、南伊豆版CCRC構想を推進してきた現職町長が落選し、この構想に当初批判的な立場を明らかにしていた新町長が当選しました。伊豆新聞下田版4月19日朝刊トップページによれば、新町長は選挙の際、この構想について、「今でさえ介護人材は不足している。事業が始まると南伊豆の高齢者を介護する人がいなくなる」「跡地は津波浸水域で不安。かつて海軍病院もあり医療廃棄物など地下から何が出るか分からない」「跡地はグラウンドなどのスポーツ施設がいい。合宿誘致につながる」と語っていたことがわかります。  ところが、この新町長は、選挙が終わるや否や、その主張をたちまち変えてしまい、そのままCCRC構想を進めると言い出しました。選挙時の発言をいとも簡単にほごにするところは田中区長にそっくりで、お似合いなのでしょうが、一般的には非常識というべきものです。ここは津波浸水域であることから、区が特養建設を断念した場所です。なぜ新町長は選挙後急に態度を変えたのか、非常に不思議です。  この構想には区有地も含まれていることから、区は利害関係者であります。天下り、政策アドバイザーに就任している区の元副区長、さらには、当該年度の東京都知事選挙に落選した直後に杉並区顧問に就任し、かねてよりCCRC構想を推進していた増田寛也氏がこれに加担しているのではないか、疑問が尽きません。  既に、特別養護老人ホーム、仮称エクレシア南伊豆の建設には、区内整備よりはるかに多額の法外な補助金が投じられています。その建設に係る創設工事費は税込み17億円超となっていますが、その業者選定も指名競争入札でした。多額の公金が入る社会福祉法人発注の入札・契約は官公庁の制度に準じるべきところ、この規模の工事が指名競争入札となったことも大変驚かされます。不思議なことが相次いで起こっています。  杉並区職員の退職管理に関する条例には、職員による再就職のあっせん禁止を初めとした重要な規定が盛り込まれていないなど、国家公務員法よりも緩い規定となっており、問題があります。  また、区長の政治資金パーティーの開催についても、実質的な企業団体献金や外国人献金の隠れみのとして利用されている疑いもあり、利害関係先と健全な関係を保持するためにも、最低限大臣規範と同等のルールを設け、自粛としなければなりません。  なお、増田寛也顧問は、地方大学の振興及び若者雇用等に関する有識者会議の座長代理に就任し、地方創生に資する改革として、23区内の大学定員を規制すべき旨の主張をしています。言うまでもなく、これは東京都及び特別区の主張を完全に無視した主張であるとともに、都内私立大学の自治を全く尊重しておらず、見過ごすことはできません。杉並区まち・ひと・しごと創生総合戦略の進捗状況が芳しいものではないこともさることながら、このように全く区民の利益にならない政策を推進してはばからない増田氏には、もう顧問をおやめいただかなければなりません。  さて、このほかの理由については、時間の関係からここで詳細を述べることはできませんが、第4に、地方自治法等に基づいてあるべき入札・契約制度が余りにも長く骨抜きにされており、それが見過ごせない状態になっていること。第5に、自力執行権を有する公債権の滞納整理業務が適切に行われていたとは言えないこと。第6に、地方公務員法に基づく人事評価が適正に行われていないこと。第7に、区立中学校への進学しか選択肢のない低所得世帯から学校選択のチャンスを奪っていること。第8に、子供の貧困対策を後回しにしながら、富裕層を含めたばらまき補助政策を続けていること。第9に、不適正な文書管理及び情報提供がなかなか改善されないこと。第10に、その内訳が開示されなかった旧王子製紙富士見ケ丘社宅跡地購入に伴う物件等補償費12億円超は、既に廃止となり、ほぼ利用されていない古い社宅に対する補償として不適当なものと考えるほかないことなどの理由により、本委員会に付託された各会計の認定には反対をするものです。  なお、問題視してきた区の経常収支比率の算出方法については、昨年、子育て応援券に係る経費が新たに経常経費に改められるとともに、今回より新たにBOT方式で契約している杉並公会堂PFI事業の取り扱いも変更となり、正確な算出に向けての努力を確認することができました。事務方の改善努力を評価いたします。  経常収支比率は、総務省の財政状況資料集や決算カードに掲載される基礎的な財政指標であり、自治体の実態を正確に把握することができるようになっていることが重要であって、これを政治的意図から不当に低く見せたり、みずから定めた目標値を達成しているかのように粉飾したりするようなことはあってはなりません。引き続き適正化に留意するよう強く要請いたします。  最後になりますが、農業委員会制度が改正となり、今期、新たな農業委員を迎えました。これを受けて、農業委員会会長が初めて本会議に出席され、議場に着席されました。この光景を見たとき、私は、この夏に逝去された小泉やすお議員のことを思い出さずにはいられませんでした。以前より、本会議場に農業委員会会長の席を正式に設けるべきであると主張されていたのが故小泉やすお議員でした。長く日の目を見ることはありませんでしたが、この秋、その出席がようやく実現しました。議員活動の影響は決してその生前だけに見られるものではないと実感させられており、改めて議員の職責を自覚させられております。故小泉議員の御功績をしのび、ここに謹んで哀悼の意を表します。  決算審査に当たりましては、多くの職員の皆さんより資料を御提供いただきました。この場をおかりいたしまして感謝を申し上げまして、意見といたします。 ○横山えみ 委員長  木村ようこ委員。 ◆日本維新の会(木村ようこ委員) 日本維新の会・木村ようこでございます。  意見の開陳に先立ちまして、1点御報告申し上げます。  先般、国政政党日本維新の会へ入党いたしました。それに伴い、会派名も日本維新の会に改めさせていただきます。会派名が変わりましても私の主義主張に変わりはございませんので、引き続き区民の皆様の信託にお応えできるよう精進してまいりたいと思います。今後ともよろしくお願いいたします。  それでは、平成28年度杉並区各会計歳入歳出決算について意見を申し述べます。  先日、衆議院選挙の公示がございました。各党の議論で大きな論点となっているのが、再来年度に予定されている消費税の10%への引き上げです。増税をするのか、それとも一旦凍結とするのか。私個人としては一旦凍結の立場ですが、いずれにしても、共通して意識しなければならないのが、真摯な財源論から逃げてはならないということかと思います。国と地方合わせて1,000兆円余りという巨額の長期債務残高を抱える我が国にとって、この議論を避けて通ることは、将来の国民に対する背任行為です。  翻って、杉並区です。今回審査させていただいた平成28年度決算は、杉並区にとって1つの転換点であったと思います。恐らく平成28年度をもって杉並区の区債残高は特別区の平均を上回りました。これまで杉並区は、貯金は少ないが借金も少ない区でした。しかし、今後我々は自己認識を改めなければなりません。我々は既に、貯金は少なく借金は多い区になったのです。  区債残高がふえたことをもって直ちに悪だと言っているのではありません。平成28年度予算は「豊かさと安心を未来に拡げる予算」でした。区の未来にとって本当に必要な事業に本当に必要な形で公金を充てることと、そのための財源確保は必要です。平成28年度、区は、保育緊急事態宣言のもと、2,348名分の定員増加を行い、当初500名と目された今年度当初の待機児童を29名に抑えました。待機児童がゼロとなるまでは引き続き緊急事態であり、宣言解除は早過ぎたのではないかとは思いますが、保育で助けを求める区民の声に応えたことは、区の未来にとって必要な施策だったと評価しています。  問題は、そこから外れた動きです。貯金は少なく借金は多い区となった我々は、これまで以上に襟を正し、区民から預かった財政をしっかりと運営していかなければなりません。監査委員からも、財政規律を保ち、財源の確保を図るよう要望がございました。本当に必要な事業だけが行われているのか、最も効率的な形で使われているのか、区民は見えない将来に不安を抱えつつ、それでも区政を信じて税を託してくださっています。我々は、区民の信頼に対して、これが最善の支出だと胸を張って言えなければなりません。それが区の、そして区議会の責務です。  こうした観点から、個別の議案について意見を述べます。  まず、認定第1号平成28年度杉並区一般会計歳入歳出決算についてです。  まず、歳入の面では、寄附金の確保について改善の余地があったと考えております。返礼品で競い合うのではなく、アイデアと政策の競争を通じて寄附文化を醸成するという区の考え方については、私は賛成です。ただし、今回の決算では、指定寄附金は、当初予算額が2,700万円であったところ、調定額、収入済額が1,400万円と想定に届かず、やや残念な結果に終わっております。ふるさと納税による減収が28年に7億3,000万円、29年7月1日時点、13億9,000万円と桁違いに巨額になる中、区の指定寄附金の募り方にもう一工夫できなかったのだろうかと考えております。  ここで、区民からプロジェクトを提案いただく区民参加型のふるさと納税という方法があります。例えば墨田区では、すみだの夢応援助成事業として、区内のNPOなどにプロジェクトを募集し、採択された事業をふるさと納税の対象としています。区民発のアイデアを取り込むことで、より身近で魅力的なプロジェクトを生み出せますし、区政に参加しているという区民の意識も高められます。区でも、28年度、こうした取り組みを進めていれば、より大きな金額を集められたかもしれないと考えております。
     次に、歳出面では、天沼三丁目複合施設の整備について指摘させていただきます。  昨年、平成28年度予算の審議の場で、あんさんぶる荻窪と荻窪税務署の鑑定評価について疑義がある旨を申し上げました。地元に住む私が耳にする区民の声は、いまだあんさんぶるを惜しむものばかりです。地元の町会は、財産交換に関する説明会の要望書を区に提出しています。釈迦に説法でしょうが、あえて区の自治基本条例の一部を読み上げさせていただきます。  第19条「区は、政策の立案から実施及び評価に至るまでの過程において、区政について区民等に分かりやすく説明する責任を果たすよう努めなければならない。」  第20条「区は、区民等の区政に関する要望等を迅速かつ誠実に処理し、区民等の権利利益の保護に努めなければならない。」  区政は区民から託されたもの、住民から説明を求められれば真摯に説明責任を果たす、条例を引くまでもなく、これは行政としての当たり前の姿勢です。一刻も早く区民の区政に関する要望を誠実に処理し、区民に説明していただきたい。区は説明責任を果たさず、内容には疑義が残ります。28年度決算で着手された工事は、その前提となった財産交換は果たして本当にこれでよかったのでしょうか。私としましては、本件の財産交換については、引き続き反対せざるを得ません。  続いて、認定第3号平成28年度杉並区用地会計歳入歳出決算についてです。  本議案では、富士見丘小学校移転に伴う土地取得のための移転補償費を含む40億円余りの地方債が発行されています。この移転補償費の内訳については示せないというのが区の回答です。将来にわたり区民に負担をお願いする大きな歳出です。示せないで済む問題ではありません。これが最善の使い方であったのであれば、内訳を示し、堂々と区民に御説明いただきたい。このままでは区民の理解は得られません。  次に、認定第6号平成28年度杉並区中小企業勤労者福祉事業会計歳入歳出決算について意見を述べます。  本事業は、加入する事業者、利用者が減少を続けたため、財団法人杉並区勤労者福祉協会から区に移管されたものです。加入者や利用者が減少したということは、この事業がもはや歴史的な役割を終えたことを意味しています。実際、中小企業向けの福利厚生サービスを手がける民間企業もふえており、本会計の中心業務である福利厚生の代行やレクリエーションチケットのあっせんは、各社で十分に対応可能です。また、区へ移管された後も会員の減少基調は続いており、反転の兆しはありません。区の事業として行う必要性は既にうせているばかりか、民業圧迫にもなりかねません。繰り返しとなりますが、事業自体を廃止すべきです。  以上のことから、認定第1号、認定第3号、認定第6号については反対いたします。その他につきましては認定といたします。  最後になりましたが、理事者の皆様には真摯に御答弁いただき、まことにありがとうございました。また、たくさんの資料作成に当たられた職員の皆様にも深く感謝申し上げます。さらに、公平な運営に当たられた正副委員長には心より感謝申し上げまして、私の意見といたします。 ○横山えみ 委員長  これをもちまして意見の開陳を終了いたします。  これより採決いたします。  認定第1号平成28年度杉並区一般会計歳入歳出決算を認定することに賛成の方の起立を求めます。       〔賛成者起立〕 ○横山えみ 委員長  起立多数であります。よって、本決算を認定すべきものと決定いたしました。       〔「少数意見留保」と呼ぶ者あり〕 ○横山えみ 委員長  ただいま富田たく委員から少数意見の留保を求める発言がありましたので、これに賛成される方を確認いたします。  それでは、富田たく委員の少数意見の留保に賛成される方は挙手願います。       〔賛成者挙手〕 ○横山えみ 委員長  賛成者がありますので、少数意見の留保を認めます。  認定第2号平成28年度杉並区国民健康保険事業会計歳入歳出決算を認定することに賛成の方の起立を求めます。       〔賛成者起立〕 ○横山えみ 委員長  起立多数であります。よって、本決算を認定すべきものと決定いたしました。       〔「少数意見留保」と呼ぶ者あり〕 ○横山えみ 委員長  ただいま富田たく委員から少数意見の留保を求める発言がありましたので、これに賛成される方を確認いたします。  それでは、富田たく委員の少数意見の留保に賛成される方は挙手願います。       〔賛成者挙手〕 ○横山えみ 委員長  賛成者がありますので、少数意見の留保を認めます。  認定第3号平成28年度杉並区用地会計歳入歳出決算を認定することに賛成の方の起立を求めます。       〔賛成者起立〕 ○横山えみ 委員長  起立多数であります。よって、本決算を認定すべきものと決定いたしました。       〔「少数意見留保」と呼ぶ者あり〕 ○横山えみ 委員長  ただいま富田たく委員から少数意見の留保を求める発言がありましたので、これに賛成される方を確認いたします。  それでは、富田たく委員の少数意見の留保に賛成される方は挙手願います。       〔賛成者挙手〕 ○横山えみ 委員長  賛成者がありますので、少数意見の留保を認めます。  認定第4号平成28年度杉並区介護保険事業会計歳入歳出決算を認定することに賛成の方の起立を求めます。       〔賛成者起立〕 ○横山えみ 委員長  起立多数であります。よって、本決算を認定すべきものと決定いたしました。       〔「少数意見留保」と呼ぶ者あり〕 ○横山えみ 委員長  ただいま富田たく委員から少数意見の留保を求める発言がありましたので、これに賛成される方を確認いたします。  それでは、富田たく委員の少数意見の留保に賛成される方は挙手願います。       〔賛成者挙手〕 ○横山えみ 委員長  賛成者がありますので、少数意見の留保を認めます。  認定第5号平成28年度杉並区後期高齢者医療事業会計歳入歳出決算を認定することに賛成の方の起立を求めます。       〔賛成者起立〕 ○横山えみ 委員長  起立多数であります。よって、本決算を認定すべきものと決定いたしました。       〔「少数意見留保」と呼ぶ者あり〕 ○横山えみ 委員長  ただいま富田たく委員から少数意見の留保を求める発言がありましたので、これに賛成される方を確認いたします。  それでは、富田たく委員の少数意見の留保に賛成される方は挙手願います。       〔賛成者挙手〕 ○横山えみ 委員長  賛成者がありますので、少数意見の留保を認めます。  認定第6号平成28年度杉並区中小企業勤労者福祉事業会計歳入歳出決算を認定することに賛成の方の起立を求めます。       〔賛成者起立〕 ○横山えみ 委員長  起立多数であります。よって、本決算を認定すべきものと決定いたしました。       〔「少数意見留保」と呼ぶ者あり〕 ○横山えみ 委員長  ただいま富田たく委員から少数意見の留保を求める発言がありましたので、これに賛成される方を確認いたします。  それでは、富田たく委員の少数意見の留保に賛成される方は挙手願います。       〔賛成者挙手〕 ○横山えみ 委員長  賛成者がありますので、少数意見の留保を認めます。  ただいまの採決の中で留保を認められた意見については、明日13日午前10時までに文書により委員長まで提出してください。  それでは、決算特別委員会を閉じるに当たりまして、一言御挨拶申し上げます。  去る9月29日から実質8日間、委員の皆様には、活発で、そして大変有意義な御意見をいただき、提案もいただき、また理事者におかれましては、区長を初め誠意ある答弁をいただき、滞りなく、また円滑に委員会を済ますことができました。委員長を初め、そして副委員長ともども感謝申し上げます。大変にありがとうございました。  当該年度は、基本構想の折り返し点という大変重要な場面でございました。ここで出されました意見、要望、そして提案は、今後の区政運営にしっかりと生かしていただけるものと信じております。  また、議会運営に当たりまして、事務局の皆様、そして膨大な資料、今回は416件にも及ぶ資料を作成していただきました職員の皆様に深く深く感謝を申し上げ、簡単ではございますが、閉会の挨拶とさせていただきます。  大変にありがとうございました。(拍手)  本日の委員会を閉じます。                             (午後 2時17分 閉会)...