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平成28年第4回定例会−11月18日-21号

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  1. 杉並区議会 2016-11-18
    平成28年第4回定例会−11月18日-21号


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    平成28年第4回定例会−11月18日-21号平成28年第4回定例会  平成28年第4回定例会            杉並区議会会議録(第21号) 平成28年11月18日 午前10時開議 出席議員47名 欠席議員1名 1 番  奥  田  雅  子      25番  安  斉  あ き ら 2 番  川  野  たかあき      26番  北     明  範 3 番  木  村  よ う こ      27番  川 原 口  宏  之 4 番  田  中 ゆうたろう      28番  大  槻  城  一 5 番  堀  部  や す し      29番  今  井  ひ ろ し 6 番  松  尾  ゆ  り      30番  浅  井  く に お 7 番  上  保  まさたけ      31番  脇  坂  た つ や 8 番  市  来  と も 子      32番  吉  田  あ  い 9 番  小  林  ゆ  み      33番  金  子 けんたろう 10番  藤  本  な お や      34番  原  田  あ き ら 11番  上  野  エ リ カ      35番  くすやま  美  紀 12番  山  本  あ け み      36番  け し ば  誠  一
    13番  木  梨  もりよし      37番  新  城  せ つ こ 14番  山  本  ひ ろ こ      38番  佐 々 木     浩 15番  中  村  康  弘      39番  河  津  利 恵 子 16番  大  泉  やすまさ      40番  太  田  哲  二 17番  井  原  太  一      41番  渡  辺  富 士 雄 18番  大 和 田     伸      42番  島  田  敏  光 19番  山  田  耕  平      43番  横  山  え  み 20番  富  田  た  く      44番  大  熊  昌  巳 21番  そ  ね  文  子      45番  は な し  俊  郎 22番  岩  田  い く ま      46番  井  口  か づ 子 23番  松  浦  芳  子      47番  富  本     卓 24番  増  田  裕  一      48番  小  泉  や す お(欠席) 出席説明員       区長             田 中   良       副区長            宇賀神 雅 彦       政策経営部長         白 垣   学       施設再編・整備担当部長    大 塚 敏 之       情報・法務担当部長      牧 島 精 一       総務部長           関 谷   隆       危機管理室長         寺 嶋   実       区民生活部長         井 口 順 司       地域活性化担当部長オリンピックパラリンピック連携推進担当部長                      安 藤 利 貞       産業振興センター所長     内 藤 友 行       保健福祉部長         有 坂 幹 朗       高齢者担当部長        田 中   哲       子ども家庭担当部長      田部井 伸 子       杉並保健所長         向 山 晴 子       都市整備部長         渡 辺 幸 一       まちづくり担当部長      松 平 健 輔       土木担当部長         吉 野   稔       環境部長           森   雅 之       会計管理室長(会計管理者)   南 雲 芳 幸       政策経営部企画課長      松 沢   智       総務部総務課長        都 筑 公 嗣       教育長            井 出 隆 安       教育委員会事務局次長     徳 嵩 淳 一       学校整備担当部長       大 竹 直 樹       生涯学習スポーツ担当部長   齋 木 雅 之       中央図書館長         森   仁 司       選挙管理委員会委員長     伊 田 明 行       代表監査委員         上 原 和 義       監査委員事務局長       和久井 義 久       平成28年第4回杉並区議会定例会議事日程第2号                               平成28年11月18日                                   午前10時開議 第1 一般質問 ○議長(井口かづ子議員) これより本日の会議を開きます。  会議録署名議員は、前回の会議と同様であります。  なお、本日、吉田副区長は所用のため欠席する旨の連絡を受けております。  これより日程に入ります。  日程第1、一般質問に入ります。  47番富本卓議員。       〔47番(富本卓議員)登壇〕 ◆47番(富本卓議員) 私は、杉並区議会自由民主党の一員として、通告に基づき一般質問を行います。  私は、監査委員を務めていた関係で、第3回定例会の決算特別委員会では質問ができませんでしたけれども、ほかの委員の質疑を聞いている中で、私なりに気づいた点、感じたことがございましたので、今回の質問をすることにいたしました。区には明快かつ前向きな答弁をまずは求め、質問に入ります。  さて、7月の都知事選挙で小池新都知事が誕生いたしました。その後、皆さんも御承知のとおり、連日、マスコミでも小池知事の動静に注目が集まっております。その報道では豊洲やオリンピック問題が中心でありますが、当然、東京都に位置する我が杉並区にもさまざま影響があると思います。  そこで、まず伺いますけれども、現状の小池都政に対して区長はどのような評価をお持ちでしょうか。また加えて、区政の立場から、小池都政に期待することはどのようなものがあるのでしょうか、お尋ねをいたします。  次に、小池都政が始まり、これまで区政に対して、何らか影響のあったことは既にあったのでしょうか。また、新年度の予算編成をするにおいて影響等が予想されることはあるのか。現時点でお持ちの情報があれば、お聞かせをいただければと存じます。  関連して、その都知事選で戦い、敗北した増田寛也氏の区顧問就任についても伺っておきます。  地域で何度か質問された話として、次のようなものがありました。増田さんは自民党が働きかけて区の顧問になったのですか。そのような質問自体、私には全く意外ではありましたけれども、選挙戦の経緯から、そのような話も湧いてきたのかなとも推察をいたしました。これについては、区内で複数の方から同様の質問や声を伺ったこともありましたので、ここでは改めて、区としてそのような事実はないことを明確にしていただきたいと思いますので、あえて伺っておきます。改めて、増田寛也氏の区顧問就任の経緯について伺っておきます。また、就任後、これまで何度区を訪れ、具体的にどのような職務を果たしているのかもお尋ねをしておきます。  次に、保育施策を初めとした子供関連諸施策について伺ってまいります。  決算特別委員会の中では、土下座論争や、区長が言った、言わないとか、公園に行った、行かないとかといったやりとりもありましたが、私は、そういった視点ではなく、総合的に広範な視点で区政を見詰め続けねばならない議員として、いま一度、現状及び今後の保育施策について確認をしておいたほうがよいと思うことや、素朴な疑問が何点かございましたので、フラットな立場で質問をさせていただきます。  加えて、私は、今回の緊急事態宣言によって、来年の4月には、認可、認証、無認可、保育室、家庭福祉員等々、さまざまありますが、とりあえず希望者にはどこかに入っていただき、ゼロになればまずは一段落、そして、そこから改めて全体を見渡し、改めて計画策定するという認識を持っておりました。なぜなら、緊急対応で公園を転用するといった異例の施策展開まで行ったわけですから。が、現状の区の取り組み状況はどうやらそうではないらしく、緊急宣言の延長上で間断なく保育園の増設を進めております。  私も、区の意気込みや保育施策の充実の必要性については理解しておりますが、区政全体のバランスや財政面、保育士の確保などを考えたときには、ここは一度立ちどまり、検証すべきではないかという思いが拭えないものがございます。また、果たしていつまで緊急状態が続くのかという率直な思いがしております。そして、一体、この保育園増設をどこまで続け、そのゴールを区としてどこに設定をしているのだろうかという素朴な疑問もあります。この点についてもぜひ区の見解を伺いたく、質問をさせていただきます。  改めて、区は異例の待機児童対策緊急事態宣言を打ち出し、区長を本部長とする対策本部を設置し、この問題に取り組んでおります。そうした中で、当初予算の訂正、緊急事態宣言に基づく補正予算など、我々議会側でも、その施策運営の中でのさまざまな対応を迫られてきました。そして、その後も次々と整備案が示され、まさに区政は保育一色の感。血みどろではありませんけれども、血眼になってこの問題に取り組んでおります。それ自体は否定するものではありません。それを示すように、私も関連議案には賛成をしてまいりました。が、公園及びその一部を保育園に転用する議案の賛否については、非常に悩んだ自分がいたことも事実であります。  そこで、まず伺っておきますが、私どもの当時得ていた情報では、公園の転用については、代替地の確保のめどが立ったというものがあり、それも根拠の1つとして議案には賛成しましたが、結局、現状、代替地はどのようになったのか、御説明をいただきたい。また、公園転用に反対を主張された方々もいらっしゃいましたが、その方たちとの協議はどのようになっているのか、伺っておきます。  ここで、時計の針を少し戻させていただきます。ことしの当初予算の訂正、緊急事態宣言に基づいた補正予算の提出へとつながった大幅な待機児童数の増加について伺いたいと思います。これは、推計及びその見通しが甘かったのか、それとも、推計は正しかったが定員数を確保できなかったためなのか、どのような理由からだったのでしょうか、改めて伺っておきます。  その後、当然それを修正し、施策を進められていると思いますが、とはいっても、2,200名増という数字は余りにも多過ぎるのではないかという疑問を、今も正直持っているところでもあります。これについても、改めてその根拠をお聞かせいただきたい。  ここ最近、区から矢継ぎ早に保育園増設の発表があり、正直、その定員総数や区内での設置状況などがどうなっているのかと感じるところです。  そこで、まず第1に、結局、来年度の4月までに保育園の定員は何名増なのか、そして、既存保育園も含め総定員数はどのようになるのか、歳児別も含めてお答えをください。また、現状、認可外に預けている方が認可に申し込む、いわゆる横滑り希望者はどの程度いると推測をしているのでしょうか。  また、来年度以降も保育園の増設、定員増が予定されていますが、その点についても、年度別にどのような計画になり、結局、現在区が持っている計画では定員総数は何名になるのでしょうか。園数はどうなったのでしょうか。あわせて、田中区長就任時から何園ふえ、何名増となるのでしょうか。また、この間のそれに伴う財政支出は総額幾らになるのでしょうか、お答えをください。  また、来年4月以降、1年間の保育園維持や運営費用はどの程度と見込んでいるのでしょうか。また、その際の保育料の総額はどの程度と試算し、それが総経費に占める割合がどの程度になるのかについてもお答えをください。あわせて、いわゆる区の持ち出し分についても、幾らになるのかも示してください。  次に、私が住む西荻窪地域は、区が示したブロック別の統計においても、最も充足率が低い地域の1つであります。ただ、現状、西荻のまちを見渡しても、農地なども小さく、保育園に適した用地がそうあるように思えません。加えて、区の施設も少なく、転用がきく場所も余りなさそうです。現に、さきの宣言においても、地域の整備状況は悪いのに、対策がとられませんでした。が、西荻地域にも新しいマンションや一戸建てなどもふえてきておりますし、商店街などでは、若い夫婦が小さなカフェとかお店を新たに開くような光景も多く見られます。  そこで伺いますが、西荻地域の保育需要について区はどのような見解をお持ちでしょうか。これは保育の地域偏在に関する問題ですので、その点からも伺いますけれども、今回の緊急事態宣言において、この地域偏在の問題についてはどの程度解消されると考えているのか、お伺いいたします。  また、この地域偏在の解消については、区はどこがゴールと考えているのでしょうか。議会からも、今回の宣言では地域偏在の点についての対応が甘く、数合わせではないかという厳しい指摘もあります。ぜひとも明確な答弁を求めるものであります。  また、たしか一、二年前に、大規模な無認可園が事業者の都合で廃園となり、その影響で待機児童数が一挙に増加したケースがありました。このように事業者が何らかの都合で撤退をすれば、その分、新たな待機児として生み出され、結局、イタチごっこの様相を呈するのではないかという疑念も生じますが、その点の見解も伺います。これは、園同士の距離が近いと十分起こり得るケースではないかと危惧をしているところでもあります。  また、この地域偏在の解消には、サテライト保育の導入も視野に入れざるを得ないのではないかと考えますが、これに対する見解も伺っておきます。  さて、保育に関して見れば、長い目で見れば子供は減っているのだから、いずれ充足、余ってくるという視点で皆が考えております。この点についてもお尋ねしますが、現在の推計では結局いつから子供が減り、保育ニーズも減ると考えているのか。あわせて、この点は当初の計算よりも後ろ倒しの計算となっているのか、お伺いします。そして、ここで率直にお尋ねしますけれども、区では、この保育園増設、定員数増のゴールはどこに定めているのでしょうか、お答えをください。  また、充足時期が来る前に、今度は撤退計画を考えておく必要もあると思いますが、それについてはどのような方針で臨まれるのでしょうか。いやあ、今はつくるので精いっぱいなんだから、そんなところまではと、理事者の皆さんはそういう思いで私の質問を聞かれているかもしれません。が、何事も、始めるよりもやめることのほうが難しい部分があります。また、区の関連施設は一般的に、廃止するという選択はなかなかとりづらいのが現状でございます。また、そういう、先を考え見通す力の弱さが現在の待機児童問題を招いた部分もあります。そういう思いから伺いました。いまだ原則論で結構でございますので、ぜひとも伺いたいと思いました。答弁を求めます。  区としては、それぞれ特徴がありますが、認可、無認可、保育室など、それぞれの施設の特徴をどう捉え、今後どのような配置が望ましいと考えているのでしょうか、この点も伺いたいと思います。  私は、全ての人がフルタイムで働くことを求めていない現状もある中で、基本、フル装備完備認可保育園だけでは、実は多様なニーズに対応できないのではないかと考え、一定程度のバランスが必要ではないかと考えますが、この指摘についての区の見解もあわせて聞かせていただければと思います。  視点を変えて伺います。保育士の確保についてであります。きのうも出ておりましたが、違う観点から。  民間が事業主体である保育園の保育士の確保については、第一義的に民間の責任ではありますが、その事業者にお願いした区にも一定の責任があることも事実であります。そういう点から、区も今回の補正予算で一定の措置を講じております。が、一部、新規の保育園において、保育士の確保に苦慮している事業者があるように聞いております。箱はつくったが人がいないでは話になりません。そこで伺いますが、来年4月に向けて開設予定の保育園の保育士確保については問題がないのか、現状を伺っておきます。  ここまで量の視点から伺ってまいりましたが、次に、質、サービスの視点から伺ってまいります。  働く女性もふえ、その多様化も進んでおります。そうした中、日曜・祝日保育、夜間保育、病児・病後児保育などの拡充を求める声もあります。これらについての対応はどのような見解を持っているのか。全ての保護者の思い、希望をなし遂げる方針なのか、伺っておきます。  この待機児童解消については、究極を言えば、基礎自治体としては、基本、保育園をつくることしか対処法がないのが現実でございます。やはり例えば働き方改革などの国における抜本的な対策、改革が必要であると私は考えますし、この点は区も同様の見解だと思います。  その中で私が真っ先に考える点に、保育は福祉という現状の児童福祉法の土台に立って現状の保育問題を考えて対応してよいのかという点があります。私が子供時代、幼稚園が主流、保育園は福祉的な側面が必要な方の受け皿でした。しかし、女性の社会進出によって、保育に欠けるというケースは、このような従来の福祉的な視点でなく、お母さんが働いているからというケースが加わりました。共働きということですね。まさにこれが待機児童を爆発的に増大させている、私は最も大きな要因の1つであると考えております。私はこれを福祉とサービスの混在と称し、ここを切り分けない限り、待機児童問題の抜本的な解消につながらないと思っておりますし、保育料の健全な形での徴収も不可能であると考えております。また、保育園の増設は、自治体の財政には非常に厳しい影響も与えるでしょう。  ここで改めて伺いますけれども、ゼロ歳児の保育にかかる経費は、現状、月どの程度なのか。保育料の徴収額、加えて、いわゆる区の経費、持ち出し分はどの程度になるのでしょうか。総額と1人当たりについてお尋ねをしておきます。  自治体財政の点から見れば、保育園をつくるよりも、完全育休を実現し、子供1人当たりに給付金を配るというほうが安いのではないかという意見が出るのも、ある意味納得がいきます。またこれは、保育園未利用者の保護者の立場からすれば、税の使い道の平等からいっても、不公平感の解消にもつながると思います。私は、今回の公園転用反対者の思いの中には、この不公平感といったものも、ある意味内在をしていたのかなと推察もしております。  そうした中、現状、区の保育料は他自治体と比べても少し安価であるようにも思えます。加えて、応能負担、応益負担の両面から考えても、見直しが必要ではないかとも考えるところでありますが、区の見解を問うておきます。  また、認可、認証等さまざまありますけれども、最もサービスのよい認可保育園が最も安い。そうなれば、資本主義の原理として、そこに希望が集中するのも至極当然であります。これも私は保育行政のあり方の1つとして疑問を感じております。  そこで伺いますが、私が今述べてきたようなこれらの意見について、区はどのような見解をお持ちでしょうか。また、区長は待機児童問題の件で塩崎厚生労働大臣と面会をされたとのことでしたが、そこではこのような指摘は自治体側から出されたのでしょうか。また、杉並区長としては改めてどのような意見を述べられたのか。また、ほかの自治体からはどのような意見が出されたのでしょうか。ぜひお聞かせをいただければと思います。  次に、保育施策に関連する問題についても数点伺います。
     学童クラブについてであります。現状の待機児童はどのような状況か。また、今後の需要予測についてはどのように推計をしているのか。また、学童クラブについては、前延長、後延長を求める声もありますが、この要望についてはどのような見解を持っているのでしょうか、お尋ねをしておきます。  次に、学校施設についてです。  学校の学級数についても、保育園がふえれば当然影響が考えられます。学級数の推計については、保育園問題に関連して区政を考える重要な視点であり、就学後も区内に在住していただいているのか。私立学校をどの程度受験して、どの程度私学に進学をするのか。逆に言いますと、どの程度区内の公立学校に信頼感があるのかという部分が大きく関係をすると思います。  そこで伺いますが、保育園利用者の就学後の定住についてと、私立小学校への受験数、受験率、合格数などのデータは区として把握をしているのか、伺っておきます。  さて、学校の学級数を考えるとともに、私は、施設再編や小中一貫校や統合新校に当たっては、学区についても再検討すべき時期ではないかと思っております。多分、微調整を除いては、戦後一貫して現状の学区の考え方で進めてきたのではないかと思っております。しかし、あれから70年、まちは大きく変わりました。そうした中で、学区の見直しに手をつけないのはいかがかなと率直に思うところであります。確かに地域から大きなリアクションも予想されますが、しかし、いずれ人口減も急激に進む中では避けては通れない道だとも思いますが、この点の区教委の見解も伺っておきます。  さて、これまでさまざまな観点から、区の保育施策及び関連施策について伺ってまいりました。最後に、大きな姿勢、考え方から伺いたいと思います。  私は、保育施策を推進することは賛成をしております。が、基礎自治体が待機児童ゼロの達成自体を目標にすることには、少々疑念を持っております。待機児童ゼロを目指して定員を多くするのであれば理解しますが、ゼロの達成が目標であることは、余りにも外的要因に左右される目標であり、ゼロになった瞬間、申し込みがあればすぐ1になるという宿命を持った、何かはかない目標であるように考えるからであります。何か、インベーダーゲームの敵を一生懸命追いかけているように感じます。敵がばんばん動くということと、クリアしてもすぐ次の面が来るということでございますね。ですので、待機児童ゼロが達成目標と待機児童ゼロを目指すことは、実は似て非なるものだと思っております。  私は、詳細なデータに基づき推測し、それをもとに区として保育行政の大きな方針を決めて、そこから導き出された保育園増設、定員増を初めとした多くの関係施策を総動員して、保育施策は取り組むべきではないかと思います。加えて、その間、区の方針や施策をしっかりと保育園利用者や希望者のみならず全区民に訴え、理解、意見、協力を求めて、オール杉並での対策の推進を果たしていくべきと考えます。困難な行政テーマほど、皆で考え、皆で乗り切っていくことが肝要だと思います。そして、その取り組みこそが、真の住民自治のあるべき姿ではないでしょうか。  このような取り組みを行った上で、仮に、区が考えていた定員よりもオーバーし、待機児が発生しても、私はいたし方ないことだと思いますし、それを生かして次に進めばよいのだと思います。実際、一自治体に限界があることも事実です。確かに、ゼロにならないことで批判をする人はいるかもしれませんが、私は、杉並区として、そこは毅然としてよいのではないかと思うところでもあります。それが私の言うところの、待機児童ゼロを目指しての施策の推進という意味です。が、これまでの取り組みにおいては、いたし方ない部分があったことは理解をしておりますが、どうもゼロという数字のみにとらわれ過ぎて、近視眼的に、性急に、そして、区だけで頑張って乗り切ろうと施策を進め過ぎてきた感はなかったでしょうか。  これまで保育施策を精力的に進めてきたことは評価をいたしておりますけれども、この間、さまざまなことがあったことも事実であります。そうした中、いま一度、待機児童ゼロをどう捉えるのか、再考すべきではないでしょうか。最後にこの点の見解を伺い、次の防災の質問に移ります。  東日本大震災後、住民の防災意識の高まりとともに、区も最重点施策として防災対策に取り組んでまいりました。そこで、まず伺いますが、東日本大震災後の防災対策を区としてはどのように総括をしているのか、伺っておきます。  次に、個別施策として、この秋から冬にかけて各地の学校で行われている震災救援所の訓練についてお伺いをいたします。  私も地域の訓練に複数参加をいたしておりますが、どうも芳しくないというのが率直な印象であります。理由としては、参加者が非常に少ない、参加メンバーが固定をしている、訓練内容のマンネリ化などが挙げられます。まあ、関西弁で言えば、あきまへんなといったところであります。ただこれは、私が参加しているのが西荻窪地域ですので、区全体の皆さんの意識からすれば少し、まちが整備されていますので、防災意識が希薄な部分が理由としてあるのかもしれません。  そこで伺いますが、ここ5年間で震災救援所の訓練に参加している人数は何名なのか、また1救援所当たり平均何名ぐらいになるのか、お答えをください。  東日本大震災から月日も経過し、防災意識も年々風化をしております。そうしたことから、訓練そのものが惰性化しており、緊張感も余りない、単なる地元の年間イベントになってしまっているような感がいたしております。そして、その固定の参加メンバーは、皆さん毎年よわいを重ねます。これは、参加者の高齢化という現象にも直結をするものであります。  そこで伺いますが、区は、各学校で行われているこれらの現状の訓練についてどのような認識をお持ちなのか。これは、たびたび議会でも同様の指摘が行われている中でなかなか改善が見られないのは、何か根本的な原因があるのではないかと考えるべきではないでしょうか。この点、区のしっかりとした現状認識を伺いたいと思います。  その原因にも関連すると思いますが、そもそも、この訓練をやる意味を区はどこに置いているのでしょうか。たしか私が記憶するに、立ち上げ訓練が主であったかと思いますが、その点についても再確認をさせていただきたいと思います。実際、訓練に赴いてみますと、AEDの使い方、起震車体験、水消火器、煙体験、三角巾の使い方などばかり。私もこれらの訓練そのものを否定はしませんが、立ち上げ訓練かといえば、少し首をかしげたくなります。また、先日の土曜日、私の地元の井荻小学校の訓練では、起震車と煙体験の抽せんに漏れまして、富ちゃん、今回はやることがほとんどないんだよと町会の防災会長がぼやいてもおられました。これでは、訓練を実施する意味すら怪しくなっているのではないでしょうか。  また、私は、危機管理、特に初動の際は、ある意味、中央集権で指示を出し、それに対応していただくことが必要だと考えます。それに対して、区はこれまで、各震災救援所の自主性を重んじ、訓練等の内容を決めてきたのではないかと私は思います。ある意味、真逆の対応であります。私は、初動の際、受け皿としての震災救援所は、全ての救援所がそろって、しっかりとその受け皿の役割、最低限の役割を果たしていただかなければならないものだと考えております。  なお、ここで言う受け皿とは、避難民を受け入れるという意味と、区からの指示や情報を受け入れる、両方の意味がございます。ですので、どの救援所でも最低限行ってもらわなければいけない内容、レベルというものがあり、その平準化が必要だと思います。フィギュアスケートでいう、自由演技の前の規定演技みたいな話ですね。そうでなければ、区の計画している初動体制は絵に描いた餅に終わり、大混乱ということになってしまうのではないかと危惧するものであります。  そうした中、私は、区が中央集権で皆を引っ張っていく、指示していくという姿勢が少し弱いのではないかと感じているところであります。確かに今の行政運営の基本は、住民ファーストの姿勢が求められます。が、災害対策や危機管理は、そうは言っていられない例外分野であると思います。そういった思いから、日ごろの訓練のあり方なども考えるべきではないかと思いますが、区の見解について伺います。  さきに指摘した初動の平準化の確立に向けた訓練計画を作成し、それをもとに各救援所の訓練を行っていただくべきと考えますが、この点の区の見解も伺うものであります。  この訓練には、貴重な土日を使って、町会や商店街、PTAなどの皆さんが参加しておられます。また、各担当の職員も参加をしています。これらの参加者が、参加してよかったな、意味がある、毎年しっかり確認すべきだなといった充実感を感じ、ほかの人を誘う、いや、誘うべきだと思える訓練に高めていってもらいたいと願い、最後の項に移ります。  区では、防災協定の有無に関係なく、各地の災害に対し、区の職員の派遣を行ってまいりました。災害現場の最前線で活動された職員の皆さんには、幾ら職務とはいえ、なれない地域での混乱した状況の中での活動には改めて敬意を表するものであります。  そこで伺いますが、ここ数年の各地の災害において、区の職員の派遣状況はどのようになっているのでしょうか。人数や階級等をお示しいただきたい。また、各地では実際どのような職務に従事されたのでしょうか、お尋ねをしておきます。  この職員派遣は、確かに被災地を助けることを本務として活動されておりますけれども、その意義の中には、その被災地の現場で実際に見たこと、感じたことを杉並の防災対策にも生かしていく視点もあると思います。が、その点がどういう形で成果となってあらわれているのか、私には少々見えづらいなと感じているところがございます。この点、区の計画等にどのような形で生かされているのか、見解を伺います。具体的な例があれば、ぜひお示しをいただければと思います。また、職員が派遣されるケースは被災直後に多いわけですから、そうなると、さきに指摘した震災救援所の訓練のあり方、初動の際に本当に必要なことは何なのかにも生かされるのではないかと思っております。最後にこの点の見解をお伺いして、私の一般質問を終了させていただきます。  ありがとうございました。 ○議長(井口かづ子議員) 理事者の答弁を求めます。  区長。       〔区長(田中 良)登壇〕 ◎区長(田中良) 私からは、富本卓議員の御質問のうち、小池都政の評価等に関するお尋ねにお答えをいたします。  その前に、後ほど所管より御答弁を個々の質問については申し上げますけれども、保育全般について私からお答えをさせていただきたいと思います。  ちょっと前になりますけれども、報道を見ておりましたら、トヨタ自動車とスズキの業務提携の報道がございました。そのとき、私、非常に印象に残りましたのは、トヨタの社長さんが、我々に求められているのは変化への対応力なんだということを言っておりました。私は、まさに、民間企業だけではなくて、これだけ社会状況が非常に速いスピードで変化をしていく中で、行政も、その変化への対応力というのが最も求められていることではないかというふうに思います。  そういう意味で、保育については、これまで、その変化の中の要素としては、東京一極集中、それから女性の社会進出、こういう世の中の変化に対して後手に回ってきたというのが、保育園の待機児童問題の背景にあるというふうに私は見ております。富本議員も、御発言にありましたけれども、やがて少子化になるから、つくっても後でお荷物になるのではないか、あるいはつくればつくるだけ流入を招く、イタチごっこではないか、こういう発想が自治体の現場まで長い間呪縛をかけてきたというのも言えるのではないか。そういう中で、現状の社会の変化に対して後手に回ってきたということがあるんじゃないかというふうに私は思っております。  私が個人として、区長に就任をした直後、抱いた印象で申し上げますと、例えば、3,000人、認可保育園に入りたいと言って申請する方々がいる。しかし、枠は1,500人しかない。3,000人を1,500人に仕分ける。そのためには基準が必要になって、指数を細かく設定して3,000人を1,500人に仕分ける。言ってみれば、1,500人を選ぶ、1,500人を振り落とす、こういう仕分けをする指数行政、これをやり遂げたら、その時点で区の主要な保育行政というのは一定程度その年は終わり。実際にはそんなことはありませんけれども、そういう感覚なのではないか。振り分けられた1,500人をどうするんだというところに、本来ならもっとエネルギーを注ぐ必要があり、注ぐべきであるはずなのに、指数行政をやったらそこでもう一段落だ、こういうことが感覚として底流にあるのではないか、あったのではないか。私は、そういう意味で、指数行政、指数は今の状況でいえば必要なわけですけれども、裏返して言えば、数が足りていれば、指数というのはどれほど意味があるものなのだろうかということも言えるわけでございます。  指数を少しでも高く積むために、これは各地を取材していた新聞記者の方々から、何人かから教えてもらいましたけれども、偽装離婚までしてその指数を高くして、認可保育園に申請をするという人が現にいるんですよというお話がありましたけれども、非常にゆがんだ、おかしな状況になってきているんじゃないかということを私は思いました。ですから、そういった物の考え方ではなくて、今の時代がどういうふうに変化をしてきているのかということを率直に捉えて、そして、自治体としてやるべきことを先手を打ってやっていくという気概が必要なのではないか。就任当初、そういうふうに思いました。  とりあえずゼロにしたら一段落というのは、今の状況の中では、私はそんな甘い状況にはないというふうに現状を見ております。保育需要が急増している、推計自体も、なかなか正確に推計することが難しいというような状況にある。  よくいろんなところで、私、話をしますけれども、社会の変化の予兆というのは間違いなくあったはずなんだというふうに私は思います。私がよく引き合いに出すのは、大学とか大学院、いわゆる高等教育ということになりますけれども、高等教育を受ける男女比率というのは、戦後相当変わってきております。大学の在籍者数の男女比率は、昭和20年代は9対1です。男が9に対して女性が1。今はほぼフィフティー・フィフティーの時代でございます。当然、みずから投資をし、あるいは投資をされ、教育を受ける人たちが、それを自分の飛躍に生かしていきたい、あるいは社会に還元をしていきたいというのは、これは男でも女でも同じ気持ちだろうというふうに思います。今日の女性があらゆる分野で中核的な役割を担うような時代の到来を、実はそういう変化を素直に見ておれば、もう少し早く察知をし、先手を打った施策というものが行われていたのではないかなというふうに思います。  それから、とりあえずゼロにしたら一段落というのが甘いというのは、保育需要の観点からだけではなくて、大切な区財政を預かる立場から考えても、認可の増設は一定程度、今後も必要であり、増設は続けていく必要があるという認識に立っております。認可に入れないからということで、認証保育などあるいは小規模保育など、開設するまでの時間が認可保育園と比べればかなり短縮できるという利点を生かして、急増する保育需要に対して、相当、認可外施設を増設してきたということもございます。しかし、それがずっと続いていくということは、今の認可外を利用されている方々への負担軽減ということでの補助金も、相当額これは投入をしております。本来、認可に入りたい、また入る資格が十分にあるという方々が認可外のほうに流れているということは、本来の筋に戻していくことで、この財政負担の軽減化は図れるわけでございまして、それは長期的な戦略として私は必要だというふうに思っております。その意味で、認可保育園の増設は、今後も一定程度続けていく必要があるだろうというふうに思っております。  今政府は、来年度、待機児童ゼロを目指そうということで、それが実現できるかどうかというのは、私は厳しい状況にあるだろうと思いますが、しかし、そういう旗をこれまでの歴代の政権が掲げたことはなかったと思います。保育は大事だということを言っていたことは、それはあったかもしれませんけれども、そこまではっきりと国の施策の中心にそれを掲げて、さまざまな支援策を打ち出しているということは、これは、保育問題というのが、単に保育問題ということにとどまらず、我が国の将来の社会保障制度の持続性ということも含めて、最重要の課題であるということを認識して掲げているものだというふうに私は思いますし、そういう状況の中で、東京の自治体としてそれに応えていくということは、私は当然とるべき道だというふうに考えております。  何よりも、東京はこのところ人口が流入し、特に23区は膨張を続けています。今、23区の人口は930万人ぐらいだというふうに思いますけれども、私が都議会に入ったのは平成5年ですけれども、そのころは、23区の人口は800万人を割ったと記憶をいたしております。その流入のもとは、地方からの働き盛りの人たちが大きなウエートを占めているとも聞いておりますけれども、ところが、そういう世代が日本一出生率の低いこの東京に流入し、そして、女性について言うならば、働く女性というか就労する女性が出産、子育てがしやすい環境によりアクセルを踏んでいかなければ、将来の少子化を加速させるということになってしまうわけでありまして、そういう意味では、日本全体の中で、東京が力を入れてやらなきゃならない分野というのは、まさに少子化対策だということもあろうかと思います。  女性が出産を踏みとどまる大きな理由が、保育を受けられるということが担保されないという不安にある。あるいは、1子を産んで2子目以降になかなか踏み切れないのは、1子目で保活などで大変苦労して、もうそういったことを2子目、3子目、続けていられない、そういう女性の思いというのが、いろんな意識調査をするとはっきりあらわれているわけですね。実際に初婚の平均年齢が29歳を超え、第1子の出産平均年齢が30を超えているという状況ですから、2子目、3子目を考えるにしても、相当な高齢出産になっていく。また、職場でも相当中心的な役割を果たしているというような状況の中で、いろんな出産、子育てに対するブレーキ要素が存在しているということ、これを取り除いていく、改善をしていくということにしっかりとアクセルを踏み込んでいくということがやはり大事だろうというふうに思っております。  私も、ここ一、二年の保育需要の、保育需要はずっとあるわけですけれども、待機児童問題はずっとありますけれども、保育需要の伸び方というのは非常に大変だなというふうに思っております。ちょうど2期目の折り返しを過ぎたところでありますけれども、前回の区長選挙のときも、待機児問題というのは大きな課題として言われました。誰がどう言った、こう言ったということを非難するつもりで言うわけじゃありませんけれども、何とか小規模施設を展開してしのぐとか、あるいは神社仏閣でとかいうことをおっしゃっていた方々もいますけれども、この状況の中で、そういうような対応で果たしてやっていけるのかどうかということ、やっていけないということはもう明白な状況にありますよね。そういう中で、認可保育園の増設を何としても進めていくということが必要だという判断をして、進めてきているわけでございまして、そこはぜひ、富本議員にも御理解をいただきたいというふうに思っております。  少し長くなりましたけれども、小池都政の評価等にお答えをさせていただきます。  新都政がスタートしてから100日超が経過をしたというところでございますけれども、現段階で都政を評価するというのは非常に難しいのではないかなというふうに思っております。この間、築地の移転問題、豊洲の盛り土問題、あるいは2020年の東京オリンピック・パラリンピックの競技場の問題、特にボートの問題とか、いろいろマスコミでもにぎやかに報道されております。これらの問題はいずれも、私もかかわってきたといえばかかわってきた課題でありますので、いろいろ思いもございますけれども、既に多額の税金が投入をされ、かつ、築地市場移転の問題についていえば、関係者にとってはまさに生活がかかっている問題なんですよね。これは、議論しようと思えば、そもそも論を言おうと思えば、幾らでもさかのぼって議論はできます。しかし、一日一日移転がおくれれば、何百万とお金がかかっていく。かつ、市場関係者においては、もう既に契約が終わっている問題があったり、あるいは移転を前提にオフィスを移したりとか、さまざまな関係者がもう相当のお金を投じて進められてきている問題であります。  ですから、東京都が今一番やらなきゃならないのはこの問題で、移転、開場のプロセスをきちっと明確に示すということだと私は思いますけれども、そういった問題は、しばらくどうなっていくか見届けていかなければ、なかなか評価もできない状況ですし、それから、オリンピック・パラリンピックの問題でいえば、競技場建設に関しても、リミットが2020年ということがはっきりしているので、そこにきちっと間に合わせるということは、これは国際公約ですから、もはや時間的猶予はないのではないか、さまざまな問題の結論をきちっとさせていくという時期ではないかというふうに思っております。こういった問題も、成り行きを注視していく必要があろうかと思います。  都政には、待機児問題や首都直下地震への対応など、区政と直結する待ったなしの課題が山積をしております。これらの喫緊の課題に対して、どのような実効性のある施策を今後打ち出していくのか、しっかりとした取り組みを期待したいというふうに思います。  強いて言えば、区長会の有志が集まって、前の舛添さんが都知事選に出るときでありますけれども、そのときに、舛添さんがいらっしゃったときに、各区長いろんなことを言っておりましたが、私、1つだけ言ったのは、広域自治体である東京都の一義的な責任というのは、仕事というのは、都下の基礎自治体をしっかりバックアップしていくことなんだと、そのことだけは忘れないでくださいよということを直接申し上げました。しかし、舛添さんの都政もちょっと短くなってしまったので、これもまたなかなか評価する、しないという以前の状況かというふうに思いますが、都政はやっぱりそうあるべきであるというふうに思っております。  次に、増田寛也氏の区の顧問就任の経緯に関してお尋ねがございました。  これについては、この間もお答えを申し上げておりますけれども、南伊豆町で区が進める区域外特養の整備や、交流自治体との連携した取り組みにつきまして、増田氏はかねてから杉並区の取り組みに注目をしていただいていたようで、評価もしていただいたようでございますし、そういう中で、昨年、私と増田氏が東京圏の介護問題などをテーマに対談を行うという機会もありまして、それは中公新書で「東京消滅」ということで販売もされておりますので、関心のある方はごらんをいただければと思いますけれども、杉並区が果たす地方創生における役割について共通の認識を持ったということがございます。こうした経過もありまして、まち・ひと・しごと創生総合戦略の取り組みを効果的に推進していくために、私自身が適任と判断をしまして、増田氏への就任の依頼をしたというのが事実でございます。  私からは以上です。残りの御質問につきましては、関係部長より御答弁申し上げます。 ○議長(井口かづ子議員) 政策経営部長。       〔政策経営部長(白垣 学)登壇〕 ◎政策経営部長(白垣学) 私からは、小池都政になってからの区政への影響等についてのお尋ねにお答えいたします。  小池都政になった現時点で明らかに変化した点といたしましては、待機児童解消に向けた取り組みの強化が挙げられると考えております。本区との関係でいえば、待機児童解消緊急対策に基づき、旧杉並中継所の敷地へ保育所を整備するに当たり、それまでも東京都と交渉を重ねてまいりましたが、小池都知事の就任を契機に、都の姿勢がより柔軟になり、無償で活用することができるようになったものでございます。  現在、都では、年末に策定する平成29年度から32年度までの4カ年の実行プランに盛り込む主要政策の方向性をまとめ、都民の意見を募集しているところでございます。このプランの中には、住宅の耐震化や道路の無電柱化、待機児童解消や周産期小児医療の充実などが明記されていることから、これらの具体策の来年度予算への反映状況について、情報収集に努めてまいりたいと考えてございます。  私からは以上です。 ○議長(井口かづ子議員) 地域活性化担当部長。       〔地域活性化担当部長(安藤利貞)登壇〕 ◎地域活性化担当部長(安藤利貞) 私からは、増田寛也氏の職務等に関する御質問にお答えいたします。  就任後は、区の財政、人口ビジョン、総合戦略の内容と進捗状況の確認等のため出勤するほか、青梅市で開催されました地方創生・交流自治体連携フォーラムに参加していただき、直接助言をいただくなど、この間、出勤回数にかかわらず、みずからの経歴や知見を生かして、区の総合戦略の推進のために御尽力いただいているところでございます。  また、具体的な職務についてのお尋ねですが、区の総合戦略の取り組みや地方との連携に関する課題の助言に加えまして、これまでの経歴を生かしまして、区の総合戦略の実施に際して、国などとの連携に助力していただいているところでございます。  これからも、増田氏が持つ識見、人脈などを生かしまして、区の総合戦略のさらなる充実を図っていくとともに、今後は、区の管理職などの職員向けにリーダーシップとマネジメントが地域を変える研修を、また、若手職員に向けても研修を行っていただくこととしてございます。  私からは以上でございます。 ○議長(井口かづ子議員) 子ども家庭担当部長。       〔子ども家庭担当部長(田部井伸子)登壇〕 ◎子ども家庭担当部長(田部井伸子) 私からは、保育を初めとした子供施策に関することにお答えいたします。  まず、久我山東原公園の保育所転用に伴う代替地についてでございます。  恒久的な代替地につきましては、引き続き全力で調整を進めているところでございます。皆様にお示しできる状況が整いましたら、速やかにお知らせしたいと考えております。現在は、暫定的な代替地として、久我山5−4の敷地を広場として開放することに加えまして、近隣の久我山小学校の学校開放を拡充し、子供たちなど地域の利用に供しております。  なお、久我山東保育園の将来的な建てかえの際、定員の拡充に加え、隣接する公園も含めた一体的な整備も視野に入れ、隣接用地を購入することとし、本経費を補正予算として計上しております。しかしながら、直ちに建てかえは行いませんので、当該用地につきましては、建てかえ工事までの間は暫定的な整備を行い、来年4月から遊び場として地域に開放する予定でございます。  次に、公園の活用に反対をされている方との協議についてのお尋ねにお答えいたします。  一部には、公園の活用そのものについて御納得いただけない方もいらっしゃいますが、建設工事に当たっての交通安全の確保や樹木の存置、また、保育所開設後における保育園と近隣の子供たちとの交流など、具体的な要望事項について近隣の方々と話し合いを重ね、来年の4月開設に向けて準備を進めているところでございます。  次に、大幅な待機児童数の増加の理由に関するお尋ねですが、平成28年度当初における保育需要につきましては、平成26年度に実施した子育て支援に関するニーズ調査などをもとに歳児別の見込みを行い、年度ごとの確保量について、平成26年11月に策定した杉並区実行計画及び27年3月に策定した杉並区子ども・子育て支援事業計画において定めておりました。平成28年4月に待機児童数が増加した要因としては、28年4月のゼロ歳児の保育需要数が計画策定時の見込みを大幅に上回ったこともありますが、加えて、約1,100名分を予定していた定員確保が、保育事業者からの提案件数が想定を下回ったことなどにより、約700名分にとどまったことが大きな原因であると考えております。  次に、保育定員に関する一連の御質問にお答えいたします。  まず、今年度、約2,200名の保育定員を確保することとした根拠についてでございますが、これは、ここ数年の未就学児童人口の推移や保育需要の増加傾向を踏まえ、改めて保育需要の見込みを行った上で、認可保育所の標準的な歳児構成をもとに算出した結果であり、決して過大な見込みではございません。  次に、保育園の保育定数の歳児別の内訳についてのお尋ねですが、平成29年4月当初におきましては、認可保育所全体で1,937人増で9,252名となり、内訳は、ゼロ歳児が150名増で778名、1歳児が291名増で1,452名、2歳児が314名増で1,669名、3歳児が384名増で1,781名、4歳児が399名増で1,786名、5歳児が399名増で1,786名となる予定でございます。  次に、認可外保育施設に入所していて、認可保育所の利用を申し込む方の人数についてでございますが、平成28年4月入所申し込みでは、総申込数3,975人中、3割程度に当たる1,219人いらっしゃいました。平成29年4月入所申し込みについても、昨年と同様、全体の3割、1,400人程度になると見込んでいるところでございます。  次に、来年度以降の定員数や園数等に関するお尋ねですが、29年度から31年度の間、それぞれ、11園、12園、11園の認可保育所を整備し、毎年度1,000名規模の定員増を図る予定でございます。これによりまして、認可保育所と認可外保育所を合わせた園数及び保育定員は、30年4月には約220カ所、1万2,900名規模、31年4月には約230カ所、1万3,900名規模、32年4月には約240カ所、1万4,900名規模となる予定でございます。  次に、区長が就任した22年度から本年度の整備予定数を合計いたしますと、約110カ所、5,700名規模の定員数を確保する予定でございます。なお、保育運営経費と施設整備費に関する歳出金額について、22年度から今年度の予定額までを合計すると、約818億円の見込みでございます。  次に、来年度の保育園の経費に関するお尋ねですが、保育園の維持管理や運営費用については、平成28年度予算をベースにすると、182億円程度と見込んでいるところでございます。  また、区立保育園や民営保育園の保護者負担金の収入見積もりは23億円余で、保育園運営に係る総経費に占める割合は10%程度でございます。同様に、歳入の見積もりは全体で71億円余で、区独自財源からの支出は142億円余でございます。  次に、西荻地域の保育事情についてのお尋ねについてお答えいたします。  区が保育施設整備に当たり設定している13地区のうち、西荻北地区及び西荻南地区については、平成28年4月入所申込者数は693人、内定者数は363人で、内定率は52.4%となっており、杉並区全体の内定率50.3%より、若干ですが高い状況でございました。  両地区の保育施設定員数ですが、平成28年4月当初では、認可保育所1,158人、地域型保育事業54人、認可外保育施設333人の計1,545人でした。現段階で平成29年4月当初の見込みとして、認可保育所1,544人、地域型保育事業86人、認可外保育施設324人の計1,954人分を整備することが確定しておりまして、409人の定員増となる予定でございます。  次に、緊急対策における地域偏在の解消等に関するお尋ねにお答えいたします。  待機児童解消緊急対策によって、これまで認可保育所の整備が十分でなかった井草地域、西荻南地域、久我山・高井戸地域について大きく改善することができました。区は保育需要に応える責務があることから、一概にゴールを設定することはできませんが、今後もさらなる保育定員確保に向け、区立施設の再編整備で生み出された施設、用地や、国、都の公有財産の有効活用、民間事業者による開設提案の働きかけなど、整備を促進してまいります。  次に、私立保育園廃園による影響に関するお尋ねにお答えします。  待機児童対策は、量の拡充と質の確保の両立により進めていくべきものと考えております。御指摘の無認可保育園については、基準に満たない運営を続けていたことから、区には直接の指導権限はございませんが、在園児の影響を考えて、必要な助言、支援を行いましたが、改善に至らず、結果的に廃園となったものでございます。既存園の廃止が待機児童対策に及ぼす影響は大きいことから、都に対して指導監督の強化徹底を申し入れておりますが、区としても、都との連携を密にし、事業者が質を保ちつつ運営を続けられるよう、必要な助言、支援を行っていく考えでございます。  次に、サテライト保育に関するお尋ねですが、送迎ステーションで子供を預かり、保育園に送迎するサテライト保育を実施する自治体もございます。しかしながら、送迎ステーションは、保護者にとって交通の便がよいこと、周辺の交通に支障がないこと、子供が本園に移動するまでの間、過ごせる環境が整っていることなど、小規模な保育所の整備に匹敵するような条件を満たす必要があります。このような課題を踏まえつつ、条件に合致する物件があれば、今後の施設整備の選択肢の1つとして活用していく考えでございます。  次に、保育ニーズの推計と、今後の保育園増設計画及び待機児童ゼロに向けた区の取り組みについての一連の御質問にお答えいたします。  平成27年3月に策定した杉並区子ども・子育て支援事業計画では、平成29年を未就学児童人口のピークと想定をしておりました。しかしながら、このたびの実行計画の改定に当たっては、ここ数年のゼロ歳児人口の推移などから、平成31年度までは未就学児童人口が伸び、それに伴い保育需要も増加すると見込んでおります。平成32年度以降については、30年度に予定している杉並区総合計画改定時に行う人口推計を受け、改めて保育需要の見込みを行ってまいります。  未就学児童人口のピークを過ぎてからの対応としては、暫定的かつ臨時的に設置している認可外保育施設である区保育室から順次廃止していくことになると考えておりますが、来年度、行財政改革推進本部会のもとで行う区立保育園のあり方の検討の中でも、将来的な保育需要の動向を探りながら議論を行ってまいる考えでございます。  そして、待機児童ゼロの達成を目標に掲げていることについてのお尋ねでございますが、児童福祉法において、区市町村に保育を必要とする児童を保育所において保育する責務があると定められている以上、今後も基礎自治体の使命として、待機児童ゼロを達成目標に掲げ、その達成に向けて全力で取り組んでまいります。  次に、認可、認証等のバランスに関するお尋ねにお答えします。  働く時間帯、利便性などから、認証保育所やベビーホテルなどを選択する保護者は一定程度いると認識しております。一方で、区内の保育所入所の認定者の9割以上が標準時間での認定となっているのも現状であり、認可保育所を中心としつつ多様なニーズに応えるため、バランスのとれた整備が必要であると考えております。認証保育所等から認可保育所への移行支援を含め、引き続き認可保育所を中心とした整備を進めていきますが、例えば、規模が小さく、駅に近い場所での認証保育所などの整備についても、事業者に働きかけていく考えでございます。  次に、保育士確保の現状に関するお尋ねですが、各運営事業者に状況を確認したところ、計画数を10月末でほぼ確保できている事業者もありますが、これから採用活動が本格化する時期を迎える事業者もございます。区では、事業者による保育士確保のさらなる支援のため、新規採用保育士への区内共通商品券の交付、事業者による借り上げ宿舎に係る賃借料の補助額の引き上げ及び補助対象の拡充について、本第4回定例区議会に補正予算を提案しているところです。こうした取り組みに加えまして、事業者と区が綿密に連絡をとり、各事業者の状況に合った個別の支援を行うなど、事業者の保育士確保を全力でバックアップしていく考えでございます。  次に、保育サービスの拡充に関するお尋ねですが、子育て支援は、子供の最善の利益の実現を目指すことを基本としておりまして、保育も、子供の視点に立って提供されるべきものと考えております。一方で、保護者のさまざまな勤務形態への対応、どうしても仕事を休むことのできない場合への対応も求められています。区では、実行計画において、一時保育、延長保育、病児保育を計画的に拡充していくことを定めており、今後も適切な供給量を見きわめていく考えでございます。また、年末保育については、当面、現在実施している区立保育園4カ所での実施を継続していく考えですが、日曜保育や夜間保育などの実施については、子育て支援の基本的な考え方を踏まえ、慎重な議論が必要であると考えております。  次に、保育に係る経費、保育料、保育行政の考え方及び厚生労働省待機児童対策会議に関する一連の御質問にお答えいたします。  平成28年度事業別コスト計算書の数値をもとに算出した平成27年度の区立認可保育所におけるゼロ歳児の月平均保育料徴収額は概算で817万2,000円、月平均事業コストは9,059万2,000円でした。8,192万円が区独自財源からの支出となっております。また、児童1人当たり月平均保育料徴収額は約2万8,000円、月平均事業コストは約31万円でした。区の持ち出し分は約28万1,000円となってございます。  次に、区の保育料は、他区と比較すると、ゼロ歳児の最高月額が15番目となっております。区では、行財政改革推進計画の改定案におきまして、来年度見直しを検討するとしていますが、見直しに当たっては、国基準や他自治体の保育料及び行政コスト等を踏まえ、応能負担、応益負担の観点から利用者負担の適正化を図る考えでございます。  また、認証保育所やベビーホテルなどの認可外保育施設の保育料は、認可保育所と比べて総じて高い設定となっておりますが、区としては、認可保育所とほぼ同水準の負担となるよう、保護者の所得状況に応じた保育料補助を行っているところでございます。
     次に、保育行政に関する考え方についてでございますが、平成27年4月に本格実施となった子ども・子育て支援新制度は、昨今の核家族化の進展や、家庭及び地域を取り巻く環境の変化を背景として構築されています。その中で、保育については、児童福祉法改正により、今までの保育に欠ける子供から保育を必要とする子供に対象者が変更となり、子ども・子育て支援法により認定制度が導入されるとともに、市区町村に支援事業計画に基づく保育施設整備を行うことが義務づけられました。一方で、現在国では、育児休業制度を含む働き方改革に関する議論も進められているところです。  区としては、待機児童対策の解決には、自治体による着実な保育施設の整備と、育児休業制度の取得期間や給付金等に係る改善等、国の労働行政の改革が車の両輪であると考えてございます。ただし、目の前に保育所に入れずに困っている家庭がある以上、給付金の配付といった手法ではなく、経費負担の適正化も図りつつ、必要数の保育所の整備を進めることが区の責務であると考えております。  9月に開催された厚生労働省待機児童対策会議におきましては、保育の受け皿拡大、保育士確保と並んで、育休、働き方改革に関する意見が出されました。区長からも、育児休業取得の義務化など、社会の変化に対応した労働行政の思い切った改革を求めたほか、国有地活用までの期間短縮等による都市部での用地確保の支援、都市部における保育士給与のさらなる改善などを強く要望いたしました。他の自治体の長からも、ワークシェアリングなど多様な勤務形態の普及、保育所として土地を活用する場合の土地所有者への税制上の減免、認可外保育園の財政支援などの要望がございました。  次に、学童クラブの待機児童に関する御質問にお答えいたします。  学童クラブについては、小学校3年生から5年生を主とする待機児童が、平成28年4月1日現在で84名となっております。今後の需要につきましては、小学校児童数の将来動向を踏まえて推計しておりますが、就学前児童人口の増加や女性の社会進出の高まりにより、当面は増加傾向が続くと考えております。  次に、学童クラブの利用時間の延長に関する御質問にお答えします。  共働き世帯の増加とともに、保護者が安心して働きながら子育てできるような取り組みが求められ、その要望に応えることが少子化や人口減への歯どめにつながるものと考えております。このような認識のもと、区では平成27年に杉並区まち・ひと・しごと創生総合戦略を策定し、この中で、学童クラブの利用時間についても、終了時間及び学校の夏季等休業期間中の開始時間の延長を計画化いたしました。区としては、平成31年度までの実施に向けて鋭意努力をしてまいります。  私からは以上です。 ○議長(井口かづ子議員) 危機管理室長。       〔危機管理室長(寺嶋 実)登壇〕 ◎危機管理室長(寺嶋実) 私からは、防災に関する一連の御質問にお答えいたします。  まず、東日本大震災以降の防災対策の区としての総括についてのお尋ねですが、東日本大震災は、地震、津波、その後の原子力災害により未曽有の被害をもたらし、我が国の震災対策の見直しの契機となりました。この災害の教訓として、災害対策では想定外があってはならないこと、災害対策の改善、充実を絶えず図ることとともに、教訓を忘れないように不断の努力をすること、被害を最小化するための減災対策に取り組むことの大切さを改めて認識したところです。  こうした認識のもと、減災対策としては、木造住宅密集地域を中心に、建築物の不燃化促進や耐震改修に対する助成の拡充、狭隘道路の拡幅整備などを進めております。また、被災自治体支援を通じて水平的支援の重要性を認識し、自治体スクラム支援会議の取り組みから、相互支援条例の同時制定、支援・受援計画の策定の取り組みにつながってきております。  次に、震災救援所に係る訓練参加人数についてのお尋ねですが、5年間の震災救援所訓練参加者は延べ7万7,270名、1救援所1回当たり平均230名ですが、減少から増加に転じた後、ここ2年、横ばい傾向にあります。  次に、震災救援所訓練の現状認識についてのお尋ねですが、御指摘のとおり、震災救援所訓練の参加者は固定化が見られます。震災救援所の立ち上げ、運営では、地域の状況を一番熟知されている地域の方々の参画は、迅速で円滑な運営を確保する点から欠くことのできないことと考えております。これまでも、震災救援所運営連絡会独自の講演会やチラシ、のぼり旗による訓練日時等の周知のほか、PTAのサークルやおやじの会に訓練参加を呼びかけるなど、新たな参加者の増加となるよう取り組んできましたが、今後もより多くの皆様に参加いただけますように、連絡会の自主性を尊重しながら、訓練メニューの見直し、追加を図るとともに、広報の仕方を工夫するなど、取り組んでまいります。  次に、震災救援所訓練内容に関するお尋ねですが、多くの震災救援所では、児童の引き取り、起震車や煙体験、初期消火などの防災訓練と震災救援所立ち上げ訓練とをあわせて実施しています。災害時に最優先で行うべき行動は、みずからの命は自分で守る自助の行動です。限られた訓練参加機会を捉えて、いざというときに確実に行えるよう身につけることが大切と考え、訓練項目としているものでございます。また、震災救援所立ち上げは、安全を確保した上で円滑な運営を進めるために、地域の皆様の共助の取り組みが欠かせません。開設の手順や避難所生活のルールやマナー、助け合い、協力といった役割分担などからも自主的なかかわりが必要です。そのため、発災直後に必要不可欠な2つの訓練内容となっています。  富本議員から、現状を踏まえて貴重な御提案をいただきました。今後、震災救援所立ち上げ訓練と防災訓練とを区分して、目的を明確にし、めり張りをつけることや、全ての震災救援所において確実な立ち上げが行えるよう訓練内容等の工夫をしてまいりたいと存じます。  私からの最後になりますが、職員派遣を通じた成果についてのお尋ねにお答えします。  派遣職員が従事する担当業務は多岐にわたりますが、派遣職員からは、初動体制の確立が重要であること、正確な情報の収集と発信が重要であること、災害対策の事前の備えとして、想定外を生まない第2、第3の準備が必要であること、リーダーとなる人材育成が重要であることなどの報告を受けており、この成果から、区では、地域防災計画や災害時の協定等の点検を行い、帰宅困難者対策の計画化、備蓄品の見直し、配備を行うとともに、女性の視点を盛り込んだ震災救援所マニュアルの整備を行っているところです。また、初動体制の確立に向け、本年度、救援隊本隊の訓練を計画しております。今後は、震災復興マニュアルの見直し、罹災証明書の円滑な発行などの検討を進め、被災者生活再建支援の拡充にも取り組んでまいります。首都直下地震は必ず起こるとの認識のもと、被災地から学んだ教訓を生かして災害対策の拡充を図ってまいります。  私からは以上です。 ○議長(井口かづ子議員) 総務部長。       〔総務部長(関谷 隆)登壇〕 ◎総務部長(関谷隆) 私からは、被災地への職員の派遣状況に関しての御質問にお答えします。  最初に、東日本大震災への主な職員派遣の状況でございますけれども、南相馬市につきましては、復興計画づくりや応急対応業務に同市職員と一丸となって取り組むため、平成23年度以降、1年以上の長期派遣の形で、毎年、土木、建築、事務の8名の職員の派遣を継続してございます。これまでの派遣職員は、係長級が5名、職員が20名、再任用職員が1名の合計26名となってございます。  また、平成25年1月から3カ月にわたりまして宮城県気仙沼市に係長級職員1名を派遣し、滞っていた契約事務の執行を担ってまいりました。  次に、平成26年8月の集中豪雨によりまして大水害に見舞われました京都府福知山市には、約1週間、係長級職員1名を派遣し、罹災証明事務に従事し、業務の促進に貢献をいたしたところでございます。  さらに、ことし4月に発生しました熊本地震に際しましては、国や東京都からの要請に基づき、熊本市に約1カ月にわたり10名の職員を派遣してございます。職層は、係長級が7名、職員が3名で、応急危険度判定業務や罹災証明発行事務等を担いました。加えて、小千谷市と相互支援関係にあり熊本地震で被害を受けた益城町には、約3週間にわたりまして係長級2名と職員4名を派遣し、被害認定調査事務に従事してまいったところでございます。  私からは以上でございます。 ○議長(井口かづ子議員) 教育委員会事務局次長。       〔教育委員会事務局次長(徳嵩淳一)登壇〕 ◎教育委員会事務局次長(徳嵩淳一) 私からは、保育施策に関連した区立学校の学級数の推計等に関する御質問にお答えします。  教育委員会では、毎年6月と11月の年2回、就学前の住民登録人口をもとに、過去3年間の国立、私立学校への就学や指定校変更の実績、大規模集合住宅の建設に伴う影響などを総合的に考慮して、各学校の翌年度以降5年間にわたる児童生徒数及び学級数を推計しています。こうした推計を踏まえ、翌年度以降における各学校の教育環境の整備を図っておりまして、近年、就学前人口が増加傾向にある中にあっても、当面は、余裕教室の活用や施設改修により、必要な普通教室数を確保することができるものと見込んでいます。  なお、保育園利用者の定住に関するデータそのものは持ち合わせておりません。  また、小中学校への就学に当たり、国立、私立学校へ通う児童生徒数は、平成24年度以降、小学校で七、八%程度、中学校で35%から37%程度であり、大きな変動は見られない状況にありますが、教育委員会といたしましては、今後とも保護者や地域の方々と連携協働しつつ、本区における義務教育9年間を通した、一貫性のあるより質の高い教育の着実な推進を図ってまいりたいと存じます。  次に、区立学校の通学区域についてのお尋ねがありました。  教育委員会ではこの間、杉並区立小中学校新しい学校づくり推進基本方針のもと、複数の学校を統合し、将来に向けてよりよい教育環境を整える取り組みを進めています。その中で、昨年4月に区内初の小中一貫教育校として開校した杉並和泉学園については、平成31年度から33年度にかけて、小中一貫教育を推進する等の観点から、小学校と中学校の通学区域を見直すこととしています。また、平成31年4月に開校予定の高円寺地域における小中一貫教育校につきましても、同様の観点から検討を進め、平成30年度に新しい学校の通学区域を定めていく予定です。  今後につきましても、これらの実績等を踏まえ、保護者や学校関係者、地域の方々の意見を聞きながら、新しい学校づくりを計画的に進めていくことなどとあわせ、通学区域に係る必要な検討、見直しを図ってまいりたい、かように考えてございます。  私からは以上です。 ○議長(井口かづ子議員) 47番富本卓議員。       〔47番(富本卓議員)登壇〕 ◆47番(富本卓議員) 答弁ありがとうございました。大変多岐にわたる内容でしたので、ありがとうございました。また、区長からも率直な御意見をいろいろいただきまして、ありがとうございました。答弁が大分長かったので、時間が押しているので、再質問もあれだと思うんですけれども、ちょっと何点か聞きたいので、伺っておきます。  変化への対応ということで、それは全く私も同感だと思っております。そういう中で、確かに法律が改正されてちょっと取り組みが変わったんですけれども、僕がやっぱり一番気になるのは、福祉の土台のもとに、いわゆるサービス的な部分の方が一緒に混在をしているということで、結局それが、保育園行政を考えるときに非常にバランスが悪くなっているんじゃないかなということをずっと問題認識として持っていたんですよ。この辺は、塩崎さんと話したときにそういう話は出なかったのかなと。いわゆる福祉の箱の中にサービスの人も一緒になって、例えば年収1,000万稼いでいる方が果たして福祉なのかというと、ちょっと違うじゃないですか。その辺がどうしても僕は、そこはある意味国が変化に対応できなかった、その辺は、そういう議論は出ていたのか。そこをやっぱり解決していかないと、いわゆる保育園の問題というのは根本の解決にならないのかなということで、そこをまず聞いておきます。  それとあと、区長の答弁の中で、非常に推計が難しいという話で、さっきの答弁だと、聞きようによっては、29年4月もゼロにならぬよみたいな、まだ足りていないよみたいなふうにちょっと聞こえたんですよね。その辺は、だから、29年4月は待機児は緊急宣言でどうなっているのかということを改めて確認をしておきます。ちょっとそういうふうに聞こえたものですから。  それともう1つは、確かにどんどん伸びているのはわかるんですが、緊急宣言というのは来年の4月で終わりなんでしょうか。そこもちょっと確認をしておきます。  それから、さっき定住率の話があって、統計をとっていないという話なんですが、これは確かに、私がずっと思うのは、杉並区としては、保育園が必要だと言われて、お国のためにはなったと思うんですよ。子供の保育園が足りないと。ただ、保育園に行って、小学校になったら、杉並じゃ家も買えないし、住居も狭いから、じゃ、ちょっと遠くの埼玉とかあっちへ行って住むということになると、保育のことだけの経費からいえば、杉並区としてはお金がかかっちゃっていて、一生懸命働いて税金を納めているときは埼玉とか三多摩のほうにいて、老後になったな、家も大きいから売っちゃって、じゃ、やっぱり都心部は昔に住んでいた杉並がいいから戻ってこようなんていって、そうしたら、大変失礼な言い方ですが、今度は介護とか医療のことで区の負担になるということで、保育園の問題というのは、確かにお国のためには役に立っているんですが、区長の、誰でも保活がなしにすっと入りたい社会をつくるという気持ちはわかるんですけれども、そこについての認識はどういうふうな見解をお持ちなのか。そういうデータとかはとっているのかなと。これはやっぱり区の行政を考える上では必要な視点ではないかなと私は思うので、その辺を言っておきます。  それとあと、確かに保活もなしにすっと入りたいということがあって、指数に対するお考えもわかったんですが、私は第一義的には、子供は親が育てるものだということは非常に強く思っておりますし、社会が育てるというのは、社会が第一義になるのもどうかなというのがあって、そこに対しては、確かに区としては、法律の精神からいって、待機児童ゼロを目指さなきゃしようがないし、それを否定することはできないのはよくわかるんですが、例えば指数が1の人とか8の人とかまでも待機児とカウントして、その方たちのための保育園まで必要なのかどうかというのは、私は正直疑問なんですよ。その辺の切り分けも、確かに言えない部分はよくわかりますけれども、どういうふうに考えているのかなというようなことについてちょっと御見解をお聞かせいただければと思います。  大変率直な答弁をいただきまして、答弁が長くて、率直な意見の交換ができたのはよかったかなと思いますが、そこで私なりに感じたことがありましたので、またお聞かせをいただければと思います。 ○議長(井口かづ子議員) 理事者の答弁を求めます。  区長。       〔区長(田中 良)登壇〕 ◎区長(田中良) 富本卓議員の再質問にお答えを申し上げます。  幾つかありましたが、まず、来年ゼロになるのかどうかということですけれども、来年、待機児を解消するということで緊急対策を今進めているところでございますので、結果はどうなるかという問題はありますけれども、私たちとしては、あの推計であそこまでやれば、何とか数の上では待機児解消が可能なのではないかということで今進めております。最後までベストを尽くすということが自分たちの仕事だと思っております。  それから、緊急事態宣言は来年で終わりかというお尋ねがありましたけれども、今行っている緊急対策は、来年の4月で、一旦そこで区切りだというふうに思っております。ただ、もうお示しをしていると思いますけれども、引き続き30年以降も1,000人超の定員を確保していくということが必要だろうということで、今計画を進めているところでございます。  それから、人口の流出入と財源の問題でございますけれども、保育園をつくるから人口が流入するということがあるのではないか、イタチごっこではないか、これは昔から言われてきたことでありますし、私も就任当初、そういうふうに言われていましたし、私自身も、そういうこともあるんだろうというふうに思っていました。ただ、どうも私は違うんじゃないかということを最近考えております。  というのは、東京23区というのは全国で一番待機児があふれているわけですよね。この23区にどんどん人口が流入しているということは、これはまた全く別の次元の人口流動というのがあるんだろう、それは国レベルで考えていくべきことだろうというふうに思っていまして、保育園の待機児童があふれているところにどんどん若年層が流入しているということは、少なくとも、保育園をつくったから流入しているということではない次元のレベルの人口流動が背景に大きくあるだろうと。もちろん、子育てをしようと思って、あそこはどうも入りやすいと思うから、そこへ引っ越そうという人はいると思いますよ、それは。ただ、統計上、そういうものがデータとして何かないのかと私も思って、さんざんこれは今までも言ってきているんですけれども、統計上、そういうデータが手元に来たことはありません。今、大体、認識としては、人口流動というよりも、女性の就労率が右肩上がりでふえ続けているということが、やはり一番の保育需要をつくり出している要素ではないかなというふうに捉えております。(富本卓議員「保育園までは杉並区にいて、そこから出るほう。そこが聞きたい」と呼ぶ)  それもいろいろそういう傾向があるのではないかということ。トータルとして、どうもそういう傾向があるのではないかということは私も聞いております。ただ、それだからどうだということが、では次の施策として明確に何かといったときに、なかなか難しい課題かなと。むしろ、子育てを杉並でしている人たちが杉並で住み続けられるようにしていくということ、それを私どもは考えていきたいというふうに思っております。  それから、保育の指数の高い低いのいろんなばらつきがあるんじゃないか、だから、保育指数の低い人たちが、果たして保育園が必要なのかどうかというような御趣旨だったのかというふうに受けとめましたけれども、区の保育認定には一定の基準がありますから、保育認定をされた方は、保育という受け皿への1つの資格というか、対象者ということになるだろうと。  ただ、私は、これだけ女性の就労率が高くなっていて、子育ては一義的にもちろん親の責任だというふうに思います。それはもう否定できないことだと思います。ただ、女性の就労率が、いわゆる働く女性というものが当然の存在として今日あるわけでございまして、そういう世の中になってきた中で、例えば一時預かりだとか、高齢者でいえば、デイサービスとかあるいはショートステイとかという世界がありますけれども、そういう分野が子育ての中でも、日常の生活エリアの中にもっともっとふえていっていいんじゃないかなと思います。それは大事なことだと思う。必ずしもいわゆる今の保育という概念だけではなくて、いろんな生活態様によって、ちょっとお子さんを預けて何かの活動をするとか、そういうことがやりやすいような社会というのを地域社会の中でつくっていくということは、これは大事なことだろうと思います。核家族化が進行して、2世代、3世代という中で子育てが一定割合あった時代と、杉並のように核家族化がもう進行している都市部においては、特にそういった子育てサービスというものを充実させていくということは必要だろうというふうに思いますし、そこは力を入れていきたいと思っております。  私からは以上です。あと、補足があれば、所管部長より御答弁申し上げます。 ○議長(井口かづ子議員) 子ども家庭担当部長。       〔子ども家庭担当部長(田部井伸子)登壇〕 ◎子ども家庭担当部長(田部井伸子) 私からは、残り1つの、保育の中に福祉の観点とサービスの観点が混在しているのではないかというお尋ねがございましたけれども、塩崎大臣との待機児童解消会議の中では特段そういう話というのは出ておりませんで、その中では、先ほど御答弁したような、支援制度の中での、どうしていったらいいかというようなことが議論されたということでございます。  私からは以上でございます。 ○議長(井口かづ子議員) 以上で富本卓議員の一般質問を終わります。  40番太田哲二議員。       〔40番(太田哲二議員)登壇〕 ◆40番(太田哲二議員) 会派未来の一員の太田哲二です。一般質問を行います。  一番最初に、都区制度に関してです。私の基本的な問題意識は、23区は東京都にごまかされちゃって、毎年数千億円かすめ取られているのではなかろうか、そういう問題意識です。  平成28年度の東京都予算書では、調整3税の額は、1億円未満は四捨五入で、固定資産税が1兆1,687億円、市町村民税法人分が6,005億円、特別土地保有税が0.1億円、合計1兆7,692億円となっておって、23区の取り分はその55%の9,731億円、東京都の取り分は45%の7,961億円です。それから、本来区税である事業所税が999億円、都市計画税が2,276億円あります。この中から23区へ特別区都市計画交付金として195億円が交付されています。ということは、999億円+2,276億円−195億円=3,080億円の計算で、東京都は3,080億円を使用しているということになります。前段の調整3税の東京都の取り分が7,961億円、後段の事業所税、都市計画税の東京都の取り分が3,080億円、総計1兆1,041億円が、市の事務だけれども東京都が行う大都市事務の経費ということになります。  では、本当に、市の事務だが東京都が行う大都市事務に1兆1,041億円が使用されているのか。ひょっとすると、市の事務だが東京都が行う大都市事務以外のことに毎年数千億円使用されているのではないか。つまり、毎年数千億円が東京都にごまかされて、かすめ取られているのではなかろうかということです。  こんな疑問を持ったのは、平成10年、結構前の話ですけれども、地方自治法改正、平成12年、西暦2000年施行の都区制度改革のときからであります。この改革のために、古い議員の人は記憶があるかもわかりませんけれども、墨田区の国技館で大決起大会が開会されて、大いに盛り上がったことを記憶しております。また、東京都は、改革を妨害するかのように、突然、区の区域問題をテーマに取り上げたりしてきました。あれやこれやの末、都区改革は、都区制度の到達点と言いながらも、他方、未完の都区制度改革と評価されながらも、平成12年度改革は実現いたしました。  未完の都区制度改革の最大の課題は財源配分問題でした。あのときは、調整3税の区の取り分が、清掃事務の移管などもあって44%から52%へアップになりました。しかしそのとき、23区側は、52%は少な過ぎる、東京都は取り過ぎだと、けんけんごうごう、わあわあやっていたんですけれども、もう時間がなくなっちゃって、そのとき、知事が頭を下げたからということで、時間切れでとりあえず52%で決着して、今後ゆっくり協議しようということになりました。  それから5年たった平成17年、「都が行う『大都市事務』の分析結果(17.6.10現在)」というのが発表されました。これは、本当に驚くべき数字が発表されたわけです。東京都側は、1兆1,964億円ちゃんと使っている、かかっているんだと言っているんですけれども、それに対して23区側は、東京都は6,803億円しか使っていないと。そういうもので、その差が5,161億円もあったわけです。世の中、お金の交渉というのは、一方がぼーんとでっかく吹っかけて、片っ方は小ちゃく小ちゃく、どうのこうのと。とどのつまりは、足して2で割るというようなことが世の中多いんですけれども、それはそれなりにしても、とにかく5,000億円も乖離しているなんていうのは本当にびっくり仰天ということで、はっきり言って、23区側のこの数字に立てば、東京都は毎年5,000億円、何か変なことに使っている、23区のためじゃなくてということになっちゃうんです。  そうこうしていたら、平成19年に、小泉内閣の三位一体改革というのの影響で、調整3税の23区の取り分は52%から55%へ引き上げられました。その3%というのは大体500億円に相当します。かといって、そのことによって、東京都が行う大都市事務に激的な変化があったのかなというわけでもなかったような気がするんですけれども、恐らく、乖離額は同じような5,000億円程度の金額ではなかろうかと想像しております。  平成17年のさっきの約5,000億円の数字が発表されて、あらあらという間に10年たって、ことしは平成28年。しかし、東京都が行う大都市事務分析の改定版は全然発表されないですね。その後、乖離幅が大きくなったのか小さくなったのか、さっぱり誰も発表しない。  都区財政調整算定では、23区側の収入額と需要額から計算されますが、それは23区側の数字、収入と需要の数字なんですね。本来は、東京都が行う大都市事務の金額、数字を照らし合わせて考えなくちゃいかぬわけです。合わせるべきなんです。さもないと、元来23区の財源である調整3税及び事業所税、都市計画税が、東京都が行う大都市事務でないことに使われてしまっているかもしれない。23区側からすれば、数千億円という途方もないお金が、東京都にだまされちゃって、かすめ取られているかもしれぬなということです。  ということで、質問の1は、平成17年の東京都が行う大都市事務の分析というのと同じようなデータ、数字を、私は、せめて4年に1回ぐらいは計算して公表すべきであろうというふうに思いますけれども、いかがなものでしょうか。  質問の2番目は、調整率は今55%ですけれども、今後アップする機会というのはいつごろ、どんな機会に訪れるのかなということが推定されるのか。  質問の3番目は、現状の調整率55%は、本来60%だとか70%であるべきだとか、そういうようなのが、思惑というか願望というものがあったら教えてください。  質問の4番目は、調整率アップ以外の東京都からの23区への財源確保の方途に関して、今協議されているようなことがあれば教えてください。  新知事が誕生したこともあって、この機会に、私は今でも未完の都区制度改革だったというふうに思っておりますので、都区制度を一歩も二歩も前進したいというような意味で質問をいたしました。  2番目のテーマは、子育て支援、保育園のことに関してであります。  日本は、いわば死に至る病にもうすぐ取りつかれちゃうのかなというふうに心配している人が大勢います。人によって、死に至る病の正体は何かということになると議論百出で、漠然としていますが、日本が取りつかれてしまいそうな死に至る病の処方箋は何かということなんですけれども、いろんな人がさまざまな処方箋らしきものを発表していますが、私は、保育園を中心とした子育て支援を飛躍的にアップさせることが、日本の死に至る病を克服する処方箋だというふうに考えております。  飛躍的アップと言いましたけれども、どの程度のアップなのかということなんですね。何年か前の消費税増税とセットになった2013年に決まった社会保障と税の一体改革では、認可保育園の定員を40万人分ふやすというものでした。先般の安倍内閣の一億総活躍社会では、それプラス10万人分ということで、合計50万人です。しかし、40万人とか50万人という数字では、私は日本の死に至る病を克服できるとは思いません。潜在的待機児童数は、世帯数などのデータから見積もると、最大限326万人分つくらなあかんということも言われていますけれども、控え目の数字でも、大体100万人ぐらいはつくらぬとあんばいが悪いかなというふうに推定されております。  待機児童を確実にゼロにする、潜在的待機児童を完全に解消する、保育園を余るぐらいつくる、こうした保育園拡充を中心とする子育て支援を画期的に実行する、そうすると、どうして日本の死に至る病を克服できるのかということなんですけれども、まず、短期的、短期的というのは一、二年後ということですが、短期的には次のような効果が発生するだろうと思います。  第1に、労働生産性が高くなるということなんですね。保育園が増加すれば、当たり前ですけれども、女性の労働人口が増加します。これは人材の多様化が促進されるということなんですね。人材の多様化というのは、農村出身の人だとか、漁村出身の人だとか、サラリーマン出身の家庭だとか、いろんな多様化。そういう中で男女の多様性。男ばっかりだとか女ばっかりの職場というのは、余り生産性が上がらないんですね。多様化が推進されると、労働生産性が大体高くなるんです。実際、全国企業調査なんかによると、女性の人材活用が進んでいる企業ほど生産性が高い傾向にあるというわけです。  第2に、急激な少子化をストップさせ、出生率をアップさせる。これは説明しなくても大体わかると思います。  第3に、自殺率すら低下するんですね。これは若干説明しますけれども、日本の自殺者総数は、大体3万人台から2万人台に下がったということなんですけれども、減少したのは高齢者の自殺なんですね。34歳未満の若者の自殺は毎年のように増加しているわけなんです。原因は貧困と孤立だということになっておりますけれども、保育園を拡充すれば、ここから因果関係がごちゃごちゃっとするので省略しますけれども、結果として若者の自殺が減少します。多分、500人ぐらい減るだろうというふうに推定されております。  第4番目に、現在、日本の子供の相対的貧困率は6人に1人ということですけれども、保育園を拡充すれば貧しい子供は間違いなく減少していく。  中長期的にはどんなことが言えるのかというと、さっき言いましたけれども、第1番目に、労働生産性が向上するということは、とりもなおさず経済成長なんですね。財政健全化が確かな道になっていき、そうなれば、必要な他の福祉部門、教育部門、いろんなところへお金が回っていく、こういうわけです。第2番目に、格差の世代間連動というものを減少させていく。第3番目に、社会保障の減少効果というのも計算されてくるんですね。  というわけで、日本の死に至る病というものを克服する道である。だから、保育園をどんどんつくる、ばんばんつくる、それが日本を救う道なんです。そんな意味で、ことしの春、杉並区では、田中区長が先頭に立って保育園緊急事態宣言をして、来年の4月1日までに2,200人分を緊急に整備するという方針を掲げて邁進するということは、保育園を飛躍的に増設すれば、日本を死に至る病から克服できるという道筋の先頭を走るということにほかなりません。日本を救う具体的な処方箋を示し、それを急ピッチで展開しているということに私は誇りを持っております。  それで、質問の1番目は、9月、10月の第3回定例会で幾人かの議員さんからも質問が出ていましたけれども、2,200人は本当に大丈夫か、本当に実現できるのかということであります。  質問の第2は、東京都の9月に発表した保育園の緊急対策の効果はどんなものかということです。今議会、補正予算に東京都の緊急対策に基づく補助金2,154万6,000円が計上されていますけれども、たったこれっぽっちかというふうにびっくりしちゃったんですけれども、これっぽっちなのかしらと、こういうことです。  保育園整備はそれなりにお金のかかることです。したがって、多分、今年度の決算数字、来年出てくる話ですけれども、結構悪い数字になるかもしれぬなと。しかし、そんなことは心配しないで、どんどん、ばんばんつくる。こうしたことにお金をかけるということは、救国の政策なんですね。愛国、救国の政策ですから、少々数字が悪くなったって全然恥じることはありません。  繰り返しのことですが、私は、東京都は都区制度のからくりで23区をごまかして、巨額のお金をかすめ取っていると先ほど言いましたけれども、そう思っています。だから、東京都に遠慮なんかせずに、お金の件ではどんどん東京都に物申してほしいという願望でございます。  3番目のテーマは、南相馬市との、交流自治体のことでございます。  国内の杉並区の交流自治体は9つを数えます。議会で一番話題になっているのが静岡県南伊豆町だろうと思います。私も南伊豆町に大いに関心を持っていますが、それはそれとして、私が今一番関心を持っているのは、何といっても福島県の南相馬市との関係です。  ことし、先月ですけれども、10月の中旬にボランティアとして南相馬市へ行ってまいりました。2011年、平成23年3月11日から5年8カ月がたちました。仮設住宅に住むおばあさんが私に、どうなるのかしらというふうに尋ねられたんですね。私は、どうなるんでしょうねと応じました。するとおばあさんは、本当、どうなるんでしょうねと言われました。何となく中身のない会話に思われるかもしれませんが、私にとって、これはかなり高度な禅問答なんですね。それだけで莫大な情報量が相互にぱぱぱぱっと交差して、文字数に換算したら多分10万字ぐらい要するような情報がぱぱぱぱっと行き交ったのではなかろうか、こんなふうに思っております。  こういうのは以心伝心、不立文字ということで、説明は省きますけれども、その莫大な相互交差した情報の中のほんの一部だけを解説すると、次のようなおばあさんの質問になります。  1番目として、南相馬市と杉並区は、3・11以後、どんな支援や交流をされていましたか。2番目は、来年もことしと同じようなレベルの支援や交流が継続されるんでしょうか。3番目として、南相馬の私たちを忘れないでね。こんなようなことが、ぱぱっと以心伝心で言われた一部分です。それをそのまま私の質問といたしますので、よろしくお願いを申し上げます。
     以上で私の一般質問を終了いたします。どうもありがとうございました。 ○議長(井口かづ子議員) 理事者の答弁は休憩後とし、ここで1時まで休憩いたします。                                   午後0時休憩                                   午後1時開議 ○副議長(川原口宏之議員) 議長の職務を代行いたします。  休憩前に引き続き会議を開きます。  理事者の答弁を求めます。  区長。       〔区長(田中 良)登壇〕 ◎区長(田中良) 私からは、太田哲二議員の南相馬市への支援や交流に関する御質問にお答えを申し上げます。  東日本大震災の際、杉並区は南相馬市に対して、物資や義援金などの支援のほか、杉並区と協定を締結している他の自治体と協力をいたしまして、水平的支援による迅速でニーズに即した支援を展開いたしました。一例として、原発事故で避難を余儀なくされていた南相馬市民の集団避難のため、避難者の送迎や避難場所の提供、避難生活の支援などを行いました。また、人的支援といたしましては、復興計画づくりや応急対応業務に同市職員と一丸となって取り組むため、平成23年度以降、1年以上の長期派遣の形で毎年8名の職員の派遣を継続しております。  こうした中で、杉並区と南相馬市は、スポーツ少年団による野球、バスケット、サッカーの交流や中学生の対抗駅伝、台湾との中学生親善野球などのスポーツ交流を初め、荻窪音楽祭における音楽を通じた交流、東京高円寺阿波おどり大会への南相馬市の連の参加といった、多彩な交流が広がっております。  現在、南相馬市は生活関連インフラの復旧を果たし、本年7月から居住制限区域と避難指示解除準備区域も解除され、新たな復興の段階に入りましたが、今月4日に青梅市で開催をいたしました第10回自治体スクラム支援会議において、桜井南相馬市長から、震災後の人口流出は約2万人にも及び、その大半を生産年齢人口が占めているため、人材の確保が課題となっている等の現状報告と支援の継続の依頼がございました。南相馬市の完全な復興には今後も多くの課題を乗り越えていく必要があることから、参加自治体の満場一致で南相馬市への支援の継続を確認したところであります。  区では、引き続き式典「3.11を忘れない」を開催し、震災を風化させることなく、南相馬市の復興を願う区民の思いをあらわすとともに、区の防災対策の推進に結びつけてまいります。また、南相馬市の復興の進展を踏まえ、必要な支援を今後も適切に展開してまいる考えでございます。  また、保育を含めた少子化対策などにも御質問がございました。  後ほど所管から個々の御質問にはお答えをさせていただきますけれども、トントントンといきたいところでございますけれども、認可保育園をつくるのにトントントンと簡単につくれる状況で今ない、大変厳しい状況である。その中を全庁挙げて、また議会の御協力もいただきながら、頑張って取り組んでいるということなので、引き続き御支援をお願い申し上げたいと思います。  それから、少子化問題はずっと長年言われ続けてまいりましたけれども、何をすれば解決するかという、算数のような、方程式のようなものがはっきりあるわけではありません。そういうこともあって、本気で財源なども投入して少子化対策をやってきたかというと、私は、そういう意味では我が国は、一番大事な将来課題とはいいながらも、しかし本気で取り組んできたということは少なくとも感じてはおりません。  そういう中で、自治体ができる主要な取り組みとしての保育、これは前進をしていかなきゃならないというふうに考えておりますし、また、待機児問題は8割、9割はゼロ・1歳に集中しております。したがいまして、共働きが前提の社会をつくっていくということで、労働行政の改革ということを発信しているわけでございますけれども、そこの進展ぐあいによっては、保育所の増設の計画数というのは影響されてくるだろうというふうにも言えるかと思います。  私からは以上です。残りの御質問につきましては、関係部長より御答弁申し上げます。 ○副議長(川原口宏之議員) 政策経営部長。       〔政策経営部長(白垣 学)登壇〕 ◎政策経営部長(白垣学) 私からは、都区制度に関する一連の御質問にお答えをいたします。  まずは、大都市事務の一般財源所要額を4年に1度は公表すべきとのお尋ねでございますが、いわゆる主要5課題の解決に向けて、都が行う大都市事務についての都区の考え方は平行線をたどり、一致を見ることはございませんでした。平成19年度の都区財政調整協議におきましては、これに加え、三位一体改革の影響の範囲や、都区財政調整交付金不交付区における影響額の取り扱い等についての見解も異なったことから、協議は大変難航いたしましたが、最終的に区側の配分割合を3%アップすることで合意に至ったものでございます。  こうした経緯から、都区のあり方検討委員会において、都区の事務配分を検討すべき事務として444項目を双方で確認をし、税財政制度については、その議論の推移を踏まえて整理することとしたものであり、現状においては、都の行う大都市事務に要する所要額を更新し定期的に公表することは、難しい状況となってございます。  次に、区の配分率55%を変更する機会についてのお尋ねですが、平成19年度の都区財政調整協議における合意に当たり、都区のあり方に関する検討の結果が出るまでの間は、大規模な制度改正や役割分担の変更があった場合に、都区の配分割合の変更を行うこととされました。国民健康保険の保険者が区から都へ移る法改正や、児童相談所の移管等の児童福祉法の改正の施行時期のほか、法人住民税の国税化の拡充や、法人実効税率のさらなる引き下げが行われ、財調財源に大きな影響が生じる場合などが、この要件に該当する可能性があるものと考えてございます。  次に、現状の配分率の55%に対する区の考え方についてのお尋ねですが、この配分率は、当面のものとはいえ、都区間で一定の合意を得ているものですので、具体的に何%が適当と考えるかをお示しすることは難しいところでございます。しかしながら、基礎自治体である特別区優先の原則のもとでは、都の大都市事務は限定的、例外的なものであるべきであり、そうした観点から、特別区の配分率はもっと高くあるべきだというふうには考えてございます。  次に、配分率アップ以外に財源確保について都と協議している事項はあるのかというお尋ねですが、大都市事務の財源配分として、都市計画交付金の課題がございます。都市計画事業の実施割合が都区間でおおむね7対3、東京都が7、区が3という比率となっているにもかかわらず、特別区への交付金の総額は、都が徴収している都市計画税の税額の9%程度にとどまってございます。このことから、交付金について実態に見合った引き上げを行うよう、東京都に対して強く協議の申し入れを行っているところでございます。  私からは以上でございます。 ○副議長(川原口宏之議員) 子ども家庭担当部長。       〔子ども家庭担当部長(田部井伸子)登壇〕 ◎子ども家庭担当部長(田部井伸子) 私からは、子育て支援に関する御質問にお答えいたします。  まず、2,200名分の定員確保に関するお尋ねですが、28年度当初計画の認可保育所、緊急対策第一弾及び第二弾の認可保育所、及び定期利用保育、小規模保育、また待機児童解消緊急対策策定時には予定しなかった事業所内保育事業の地域枠などによって、既に約2,100名分を確保しております。さらに、現在選定中の家庭的保育事業や追加公募中の小規模保育事業などにより定員数を上乗せし、約2,200名の定員を確保できる見込みとなってございます。  次に、東京都の待機児童解消に向けた緊急対策についての一連の質問にお答えいたします。  9月に発表された東京都のプランについては、予算にして100億円超、5,000人の定員拡大が示されました。具体的には、保育所等の整備促進、人材の確保、定着の支援、利用者支援の充実の3つを柱として、11の対策が示されています。  保育事業者が保育施設を整備する用地を確保する上で、整備費の高騰加算や借地料補助の拡充は極めて有効でございます。さらに、保育人材の確保、定着の上で、宿舎借り上げ支援の拡大は、特に効果が高いものと認識しております。御指摘の今回補正予算で計上した補助金額は、保育従事職員宿舎借り上げ経費への補助について、新規開設園、既存園も含め、対象となる職員数を積算して計上させていただいているものでございます。施設整備の補助金については、今後施設整備を進める中で、別途計上させていただく考えでございます。  私からは以上です。 ○副議長(川原口宏之議員) 以上で太田哲二議員の一般質問を終わります。  24番増田裕一議員。       〔24番(増田裕一議員)登壇〕 ◆24番(増田裕一議員) 区民フォーラムみらいの増田裕一です。私は、会派の一員としまして、区政一般についての質問をさせていただきます。  さて本日は、あすに、未来に希望が持てる社会の実現を目指し、子供の貧困対策について、発達障害児支援について、自殺対策について、2020年東京オリンピック・パラリンピックに向けて、をお尋ねいたします。  最初に、子供の貧困対策についてお尋ねいたします。  国民の実質所得は、1990年代末にピークを迎えた後に下落を続け、現在は30年前の水準に戻っております。一方で、相対的貧困率は着実に伸び続け、現在1人当たりの等価可処分所得が110万円以下の貧困家庭は16%となっております。特に貧困率が深刻なのは母子家庭で、3分の2の母子家庭では世帯収入が300万円以下です。  2014年1月に施行された子どもの貧困対策の推進に関する法律の基本理念にのっとり、社会全体で子供の育ちを支援し、子供の貧困、特に親から子に引き継がれる貧困の連鎖を断ち切らねばなりません。生活保護世帯の子供は、4人に1人が、成人しても生活保護から抜けることができない実態があります。日本はOECD中で教育予算の対GDP比が最低レベルにあり、親の自己負担額は最高レベルです。  そこでお尋ねいたします。子供のいる世帯の貧困の状況について、本区の直近の状況をお尋ねいたします。また、それらに対する区の現状認識と、これまでどのような支援を行ったのかお尋ねいたします。  生活困窮者自立支援法における子供の学習支援事業は任意事業であり、自治体の実施率が低いとも伺っております。本区では、従来行ってきた生活保護世帯の子供に加え、ひきこもりや不登校等で将来生活困窮となるリスクの高い子供を対象に、従来の通所での支援に加え、必要に応じて家庭等を訪問したり、個別プランに基づく支援を行ってきたと認識しております。  そこでお尋ねいたします。生活困窮者自立支援法における任意事業である学習支援事業について、本区のこれまでの実績をお尋ねいたします。また、今後、当該事業を拡充すべきと考えますが、区の認識はいかがでしょうか。  あわせて、学校をプラットホームとした総合的な子供の貧困対策をさらに推進し、教育と福祉の連携を進めるため、区立小中学校へのスクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーのさらなる増員を要望しておきます。  2012年ごろから、地域の大人が貧困家庭や孤食の子供に無料や安価で食事を提供し、安心して過ごせる場所として、こども食堂という名の民間発の取り組みが始まりました。最近では、地域の全ての子供や親、地域の大人など、対象を限定しない食堂がふえております。食堂という形をとらず、子供が放課後に自宅以外で過ごす居場所の中で食事を出しているところもあります。  そこでお尋ねいたします。今現在、区内でのこども食堂の実施状況を把握しているのでしょうか。  また、実施団体に対する支援の第一歩として、実施団体との情報交換や相談窓口等の場が必要と考えますが、区の認識をお尋ねいたします。貧困が子供の栄養状態、健康に悪影響を及ぼし、その結果として、学習、就労等の活動を阻害するという悪循環を断つため、こども食堂の取り組みに注目しております。  あわせて、全ての区立小中学校で実施されている学校給食について、給食費徴収に係る教職員の負担軽減を図るべく、公会計化を求めておきます。  この項目の最後に、関連してお尋ねいたします。昨日、他の議員からも質疑がございましたが、児童養護施設退所者の生活状況について、区はどのように捉えているのでしょうか。それらを踏まえ、区は具体的にどのような支援が必要と考えているのでしょうか、区の御所見をお尋ねいたします。  近隣の世田谷区では、民間団体からの提言を受けとめ、児童養護施設退所者に対して段階的に支援を拡充してまいりました。子供の貧困対策から若干論点がずれますが、区当局におかれましても、前向きに御検討をお願いいたします。  次に、発達障害児支援についてお尋ねいたします。  発達障害は、感情、注意、思考といった内面的な能力障害を来すため、周囲に気づかれにくく、社会への適応困難から、その能力を発揮する場や機会を失うことで、社会的な損失へとつながる可能性があります。2005年4月の発達障害者支援法の施行により、各都道府県及び市区町村は、発達障害を早期に発見し、成人期以降に続く一貫した支援を行うこととなりました。発達障害については、発達障害者支援法が成立後まだ間もないこともあり、いまだ試行錯誤の段階にあると言えます。  2012年の文部科学省調査によりますと、全国の公立小中学校において、発達障害の可能性を持つ子供の割合を6.5%と見積もりました。今後、障害に関する概念を広く普及させるとともに、市区町村における早期発見・早期支援のための体制づくりが求められます。  本区では、発達障害児に対する支援として、就学前は、乳幼児健診や遊びのグループ等の保健福祉部の取り組みと連携した対応、就学後は、教員やスクールカウンセラー等が個々の児童の状況に応じて、発達の偏り等の課題把握に努め、発達障害のある児童を早期に発見した上で、各学校では個別指導計画に基づく当該児童への適切な対応、必要に応じて情緒障害通級指導学級における指導につなげる等の支援を実施しております。それらの事業は主体的な参加が原則であり、問題を認知できない、あるいは障害受容ができなければ、療育のチャンスを逃す可能性があります。  そこでお尋ねいたします。今現在、発達障害等に関するリーフレットの作成、配布等を行っているかと存じますが、発達障害に関するさらなる周知を図ることで、保護者の理解を深めていく必要があると思いますが、区の御所見をお尋ねいたします。  本区では、教員が発達障害に関する具体的な支援等について学ぶ機会として、若手教員育成研修や10年経験者研修、特別支援教育研修等を行っていると伺っております。また、視点を転じますと、保育者や幼稚園教諭への研修の必要性を認識しております。  そこでお尋ねいたします。保育者や教員等に対する発達障害に関する研修の実施状況をお尋ねいたします。  本年8月、改正発達障害者支援法が施行されました。同法に基づき、発達障害者に対して切れ目のない支援が行われるよう、発達障害の疑いのある児童の保護者への支援、教育における配慮、関係機関と民間団体の間での支援に資する情報の共有、就労の支援、地域での生活支援、権利利益の擁護、司法手続における配慮、発達障害者の家族等への支援等を着実に進めるよう求めるものです。  この項目の最後に、将来、発達障害者が社会的に孤立しないために、早期の段階での取り組みが必要であると考えますが、区の今後の取り組みについてお尋ねいたします。  次に、自殺対策についてお尋ねいたします。改正自殺対策基本法に基づき、誰も自殺に追い込まれることのない社会を実現すべく、以下お尋ねいたします。  まず冒頭、自殺対策及び鬱病対策について、本年度の取り組み実績をお尋ねいたします。  本区では、相談者の自殺のサインに気づき、話を傾聴し、適切な関係機関につなぎ、相談者を見守ることができる人材を養成するため、区民や区関係機関職員等向けに研修を実施していると伺っております。  そこでお尋ねいたします。ゲートキーパー養成講座について、その内容及び目的をお尋ねいたします。また、本年度の活動状況をお尋ねいたします。  本区では、普及啓発や相談窓口、自死遺族支援等の取り組みを実施しております。しかしながら、行政機関単独での対応はおのずと限界があると認識しております。  そこでお尋ねいたします。自殺予防活動について実績を有する民間団体からの知見等を活用すべきと考えますが、区の御所見をお尋ねいたします。  本年3月、予算特別委員会にて、自殺対策計画の策定に向け本区の課題及び今後の予定について質疑を行いました。その後の進捗はいかがでしょうか、この項目の最後に、自殺対策計画の検討状況についてお尋ねいたします。  最後に、2020年東京オリンピック・パラリンピックに向けてお尋ねいたします。  東京オリンピック・パラリンピックに向けては、将来にわたり大会の有益なレガシーを残すことができるよう、区民と幅広く意見交換を行うべく、杉並区における東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた懇談会が開催されているかと存じますが、私見も交え、以下提案を含めた質疑を行ってまいります。  この夏のリオデジャネイロオリンピック・パラリンピックが閉会し、東京オリンピック・パラリンピックまでいよいよ4年を切りました。昨年は新国立競技場建設問題やエンブレム問題、事業全体の予算、招致の際のお金の動き等、不透明性も指摘されてまいりましたが、56年ぶりの夏季五輪の国内開催に向けて万全の体制で迎えたいところです。  また、先般の決算特別委員会でも言及しましたが、単純なスポーツの国際大会の開催だけではなく、バリアフリーのまちづくりや国際交流の機会として捉えるべきと考えます。  さて、本区には、国外交流都市として、オーストラリア・ウィロビー市、大韓民国・ソウル特別市瑞草区、台湾がございます。ウィロビー市は昨年友好25周年、瑞草区は本年友好25周年を迎えました。しかし、私見ですが、両市とは周年行事以外、市民レベルでの交流が余りなされていないものと感じます。  そこでお尋ねいたします。東京オリンピックの開催を機会に、国外交流都市と改めて交流事業を実施してはいかがかと存じますが、区の御所見をお尋ねいたします。場合によっては、今後の国外交流都市のあり方を見直す機会とも考えておりますので、明快な御答弁をお願いいたします。  今現在、区内でのオリンピック・パラリンピック競技の開催は予定されておりません。一方で、56年ぶりのオリンピック・パラリンピックの開催に際し、何らかの形でかかわりたいとの区民の切なる声も伺っております。近隣の世田谷区では、外国チームの事前キャンプ誘致に取り組んでいるとのことで、本区でも外国チームの事前キャンプ誘致に挑戦すべきと考えます。  そこでお尋ねいたします。東京オリンピック・パラリンピックに向けた外国チームの事前キャンプ誘致への区の取り組み状況をお尋ねいたします。あわせて、他区の取り組み状況もお尋ねいたします。  本区では、「東京都オリンピック・パラリンピック教育」実施方針を踏まえ、区教委が定める4つのテーマ、障害のある人への理解、スポーツ、文化、環境と、4つのアクション、学ぶ、見る、する、支えるによる教育活動を教育課程に位置づけ、全ての区立小中学校、子供園でオリンピック・パラリンピック教育を推進していると伺っております。  そこでお尋ねいたします。東京オリンピック・パラリンピックに向け、区立小中学校でのオリンピック・パラリンピック教育のさらなる充実が必要と考えますが、今後の方向性について区の御所見をお尋ねいたします。  2020年東京オリンピック・パラリンピックの開催に先立ち、2019年にはラグビーワールドカップ日本大会が全国12会場で開催され、東京は調布市の味の素スタジアムが会場となります。昨年、日本代表選手団が大活躍した国際大会であり、大会ボランティアや訪日する外国人と交流を図るプレ体験となろうかと受けとめております。  最後にお尋ねいたします。ラグビーワールドカップ2019日本大会の開催に際し、区の認識をお尋ねいたします。  以上をもちまして、私の区政一般についての質問を終了させていただきます。御清聴いただきまして、まことにありがとうございました。 ○副議長(川原口宏之議員) 理事者の答弁を求めます。  区長。       〔区長(田中 良)登壇〕 ◎区長(田中良) 私からは、増田裕一議員の発達障害に関する御質問について御答弁申し上げます。  昨今、コミュニケーションがうまくとれず、日常生活や社会生活に不自由さを感じている方や、その保護者などから、発達障害にかかわる相談がふえておりまして、発達障害に対する支援の重要性を改めて認識をいたしているところでございます。我が国におきましても、本年8月に発達障害者支援法が10年ぶりに改正されまして、発達障害への支援の一層の充実が求められております。  この間、区といたしましても、障害児通所支援などの実施により、発達障害児の支援の充実に向けて取り組んでおりますが、いまだ発達障害としつけの問題を混同されている御家庭が少なからずあるようでございます。保護者を初めとした障害児の周辺の方々の障害理解の促進に向けて、これまで以上に、広報や講演会などさまざまな手段を通じて、積極的に周知や啓発活動を行っていく必要があるものと認識をしております。  次に、早期の段階での発達障害の取り組みについてのお尋ねでございますが、発達障害を認識できず、適切な時期に支援を受けないまま成人になり、意思の疎通をうまく図ることができないで社会的に孤立するような事例を私自身も耳にすることがございます。こうした事態を防ぐためには、発達障害の症状があらわれた段階で、できるだけ早期に発達支援を行うことが重要であると考えています。そのためにも乳幼児健診や保育所などの未就学児の施設において、当事者の状況をより的確に把握することで早期発見につなげていくとともに、相談支援や発達支援を行う際の、医療、福祉、教育など関係機関との連携を強化していくことが不可欠でございます。  私は、乳幼児期から成人期までの切れ目のない支援をより一層進め、発達障害者の自立や円滑な社会生活の促進を図り、誰もが、障害のあるなしにかかわらず、相互に人格と個性を尊重し合いながらともに生きる社会の実現を目指してまいる所存でございます。  私からは以上です。残りの御質問につきましては、教育長及び関係部長より御答弁申し上げます。 ○副議長(川原口宏之議員) 保健福祉部長。       〔保健福祉部長(有坂幹朗)登壇〕 ◎保健福祉部長(有坂幹朗) 私からは、子供の貧困対策と発達障害児支援についての御質問のうち、所管する事項についてお答え申し上げます。  まず、子供のいる世帯の貧困の状況とその支援についてのお尋ねにお答えいたします。  平成25年の国民生活基礎調査では、子供のいる世帯のうち、相対的貧困状態にある世帯の半数以上がひとり親世帯でした。区におきましても、平成27年のひとり親家庭調査によりますと、約65%の世帯で世帯収入額が手取りで300万円未満となっております。  また、この調査の中で、保護者の主な悩みや困り事は、養育費や教育費、家賃などの経済的な負担が多く、次いで自分が倒れたときの子供の将来、子供の進路でした。  区といたしましては、貧困状態にある家庭の保護者が、日常的に経済的な負担感を抱えつつ、子供の将来に対する不安を感じているものと認識しております。そのため、区では、児童扶養手当や就学援助の支給、生活保護制度の適用などの経済的支援、さらにくらしのサポートステーションでの就労支援などを行っております。  また、子供の将来や進路に対する不安を解消するため、受験生チャレンジ貸付や中3勉強会などにより、子供の学習支援を実施しているところでございます。
     次に、生活困窮者自立支援法に基づく学習支援事業についてお答え申し上げます。  区では、学習支援事業として、小学生から高校生までを対象に、学習支援と居場所支援を実施しております。実績としましては、平成27年度が各50回、延べ805名、今年度の10月までが各30回の実施、延べ423名の参加がございました。当該事業は、貧困の連鎖の防止を目的に、進学や就労による自立を目指しており、良好な対人関係を築き、学習習慣の定着や進学への意欲を向上させる場としての意義のある事業と認識しております。今後、区としましては、より効果的な支援の実施に向け、関係機関や他のさまざまな支援団体に対して、支援を必要とする子供の把握と当該事業へのつなぎをこれまで以上に促すとともに、事業内容を工夫するなど、学習支援事業の充実を図ってまいります。  続いて、こども食堂に関するお尋ねですが、現在、こども食堂は、複数の団体により区内各地域でおおむね月1回の頻度で開催されております。これらの活動は、子供の貧困対策を目的にしているものばかりでなく、子供の健全育成や地域住民の交流の場など、さまざまな目的で実施されています。議員御指摘のとおり、区といたしましても、これらの取り組みが継続的に実施されるためには、実施者同士の情報交換の場や相談窓口が重要であると認識しております。  また、杉並区社会福祉協議会では、こども食堂に関する質問や食材の寄附等の相談に以前から応じており、さらに、先月から実施団体によって情報交換の場が設けられております。今後、区としましても、こども食堂に関する相談窓口や情報交換の場が広く周知されるよう、当社会福祉協議会に対して働きかけてまいります。  私からの最後に、保育者や教員などに対する発達障害の研修の状況についてのお尋ねにお答え申し上げます。  現在、保育所などでは、障害理解をテーマとしました実務研修の中で、また、学校におきましては、管理職研修及び特別支援教育コーディネーター研修で、障害の理解を深める研修を行っております。さらに、区としましては、こども発達センターにおきまして、保育者を初め、発達障害児の支援者を対象に発達障害児地域支援講座を実施するなど、研修の充実に努めております。  私からは以上です。 ○副議長(川原口宏之議員) 子ども家庭担当部長。       〔子ども家庭担当部長(田部井伸子)登壇〕 ◎子ども家庭担当部長(田部井伸子) 私からは、児童養護施設退所後の生活状況や区の支援に関する御質問にお答えいたします。  児童養護施設退所者の生活状況につきましては、東京都が実施したアンケートなどから、約8割の方が就労し、月収は20万円未満の割合が最も高くなっているほか、住まいや保証人の確保、対人関係等の問題により、仕事や学業が長く続かず、生活保護を受けるケースもある等の課題があることを把握してございます。  児童養護施設の退所者に対しましては、これまでも都が就業や住まいの確保などに関する支援を行ってきたほか、原則として18歳に到達した時点で終了していた支援を、自立のために必要がある場合には18歳を超えても継続した支援ができるよう、児童福祉法が改正されるなど、支援策の充実が図られているところです。  しかし、中には支援が途切れがちになるという課題もあることから、区としては、継続的かつきめ細かな支援を行う役割があると認識しておりまして、施設入所中から支援にかかわっている児童養護施設との連携の強化が必要であると考えております。  今後、これまで不定期で行ってきた連絡会を定例化するなど、くらしのサポートステーションを初めとするさまざまな区の支援主体と、児童養護施設との顔の見える関係づくりを行いまして、必要な支援が対象者にスムーズに提供できるような仕組みを構築していきたいと考えております。  私からは以上です。 ○副議長(川原口宏之議員) 杉並保健所長。       〔杉並保健所長(向山晴子)登壇〕 ◎杉並保健所長(向山晴子) 私からは、自殺対策一連についてお答えを申し上げます。  まず、自殺対策及び鬱病対策に関します今年度の取り組み実績に関するお尋ねですが、区の自殺予防月間に当たります5月と9月に、区民向けの講演会やケーブルテレビなどによります集中的な普及啓発を実施いたしました。今年度からは新たに、国の自殺対策強化月間に当たります3月にも普及啓発活動を行うことを計画してございます。  また、悩みを持つ区民を必要な機関につなぐゲートキーパー養成や、地区医師会と連携したリーフレットの配布なども行っております。  このほか、鬱病対策では、保健センターの保健師や専門医による相談事業、チェックリストを用いた産後鬱の早期対応などを行ってございます。  次に、ゲートキーパー養成講座についてのお尋ねでございますが、深刻な悩みを抱えている人はみずからSOSを発信することが困難になるため、身近なところで悩んでいる方に気づき、見守りや専門機関へのつなぎを行うゲートキーパーの存在が重要でございます。講座では、適切に話を聞く傾聴や、専門相談機関の活用方法などを学び、修了者がそれぞれの立場に応じて自殺予防活動を行っていくことを目指しております。  今年度は、より高度なゲートキーパー養成研修応用編を受講された区民が、保健師とともに、地域のPTAや町会などに出向いた普及啓発を実施してまいります。  次に、自殺予防活動における民間団体との協力についての御提案がございました。  さきに申し上げたゲートキーパー養成講座では、自殺予防に関する民間団体「風のとびら」の協力を得まして、実際の支援経験に基づく講義を実施しております。また、大切な家族や知人を自殺で亡くした方への心の痛みのケアに関しても、民間団体の協力を得ながら、グループワークなどを行ってございます。  さらに、自殺との関連が深い鬱病やアルコール依存症についての講演などでは、民間の当事者団体と連携して取り組んでおります。  最後に、自殺対策の計画に関します検討状況のお尋ねがございました。  本年施行の改正自殺対策基本法では、新たに規定された区市町村の自殺対策計画について、都道府県計画を踏まえて策定するものとされておりまして、現在、区は都の検討状況を見守っております。  一方、区の自殺の実態では、全国や都のデータに比べて若年者が多い傾向が見られておりまして、若年者への自殺予防対策は、今後策定する計画の上でも重要な柱の1つになると認識をしてございます。このため、区では、今年度から保健所と教育委員会が連携し、全区立中学生に自殺対策予防月間の啓発を行ったり、区内の高校や大学への個別訪問を開始いたしました。  今後も都の計画策定状況を注視しつつ、区の自殺の実態に即した関係機関との連携を強化して、実効ある計画策定に生かしてまいります。  私からは以上でございます。 ○副議長(川原口宏之議員) 地域活性化担当部長兼務オリンピック・パラリンピック連携推進担当部長。       〔地域活性化担当部長・オリンピック・パラリンピック連携推進担当部長(安藤利貞)登壇〕 ◎地域活性化担当部長(安藤利貞) 私からは、最初に、国外交流都市との交流事業の実施についてのお尋ねにお答えいたします。  現在、区では、平成2年にオーストラリア連邦ニューサウスウェールズ州ウィロビー市と、翌年には大韓民国ソウル特別市瑞草区と友好都市協定を締結いたしまして、青少年交流を中心に交流事業を実施してまいりました。また、平成23年からは、台湾政府及び台北市などと青少年交流、文化・芸術交流に関する宣言書を交わし、中学生親善野球や高円寺阿波おどりなどの交流事業を実施しているところでございます。  ことし12月には、瑞草区との友好都市協定締結25周年を祝うため、区長と議員団が瑞草区を訪問し、瑞草区長などと、これからの両都市の青少年交流事業や文化交流事業についての意見交換をすることになっておりますので、2020年東京オリンピック・パラリンピックを見据えた新たな交流事業を考えていく大変よい機会であると考えております。  今後は、文化、スポーツ等を通した民間での交流も含め、さまざまな機会を捉えて国際交流を進めてまいる所存でございます。 ◎オリンピック・パラリンピック連携推進担当部長(安藤利貞) 次に、ラグビーワールドカップ2019日本大会に関する御質問にお答えいたします。  2019年にはラグビーワールドカップ日本大会が開催され、国内外からラグビーを観戦する多くの観光客が都内の競技会場を訪れることが見込まれてございます。区としましては、この機会に、早稲田大学ラグビー部や区内の学校関係団体などと連携することにより、ワールドカップラグビーの機運を高め、にぎわいを創出したいと考えているところでございます。  一方、このワールドカップラグビー日本大会の翌年に開催いたします2020年東京大会では、本年、国内事前キャンプ候補地ガイドの公開や、アクション&レガシープラン2016などの具体的なプランの発表がございまして、2018年の夏ごろには大会ボランティア約8万人と都市ボランティア約1万人以上の募集を行うなど、東京大会へのカウントダウンも始まっているところでございます。  こうした中、ラグビーワールドカップ2019日本大会に向けまして、区における区民ボランティアの育成など、外国人とのコミュニケーションを図るための取り組みを準備していくことは、翌年に開催されるオリンピック・パラリンピック東京大会に向けて、区民の機運醸成と地域活性化を図ることができる大事な契機と認識しているところでございます。  私からは以上でございます。 ○副議長(川原口宏之議員) 教育長。       〔教育長(井出隆安)登壇〕 ◎教育長(井出隆安) 私からは、区立小中学校におけるオリンピック・パラリンピック教育に関する御質問にお答えをいたします。  ことしの夏に開催されましたリオデジャネイロオリンピック・パラリンピック競技大会は、世界中の人々にスポーツの魅力を伝えるとともに、多くの感動を与えました。こうした競技大会が来る2020年には東京で行われることは、子供たちが多様なスポーツに身近に触れることができるほか、国際感覚や日本人としての自覚や誇りなどを深めるための絶好の機会でもございます。これに向けて、区立学校におけるオリンピック・パラリンピック教育を推進し、全ての子供たちが東京大会を通して、その後の人生の糧となるようなかけがえのないレガシーをみずから得ることができるよう取り組んでいく必要があると考えております。  これまでも各小中学校では、オリンピック・パラリンピックの精神、スポーツ、文化、環境という4つのテーマに基づき、オリンピアンやパラリンピアン等を招聘して一緒にスポーツを楽しんだり、外国の方々との交流会を開催したり、全校でボランティア活動を行ったりするなど、各学校の実態に応じ計画的な取り組みを進めてきております。加えまして、これらの取り組みを学校だよりやホームページ等により発信することによって、地域や保護者の方々と連携した取り組みにつなげております。  教育委員会といたしましては、今後とも、こうした各小中学校におけるオリンピック・パラリンピック教育の取り組みが一層充実したものになるよう、積極的に支援してまいりたいと考えております。 ○副議長(川原口宏之議員) 生涯学習スポーツ担当部長。       〔生涯学習スポーツ担当部長(齋木雅之)登壇〕 ◎生涯学習スポーツ担当部長(齋木雅之) 私からは、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会での外国チームの事前キャンプ誘致に関する御質問にお答えいたします。  外国チームの事前キャンプ誘致については、選手団との触れ合いを通じた国際交流の推進や、地域の活性化等を図る観点から、移転改修後の永福体育館と上井草スポーツセンターの2施設を練習施設とするキャンプの誘致に向けて取り組んでいます。  まず、国際基準によるビーチコートを整備する永福体育館については、竣工予定の平成30年に、大会組織委員会が運営する事前キャンプ地候補地ガイドにビーチバレーボールの練習施設として掲載することとしており、現在は今後の誘致活動に資するよう、日本バレーボール協会及び日本ビーチバレーボール連盟と連携して、外国チームの事前キャンプ情報の収集などを進めています。  また、上井草スポーツセンターについては、東京都が本年7月から運営を開始した事前キャンプ候補地紹介用ホームページに、ボッチャやゴールボールなど4つのパラリンピック競技種目の練習施設として掲載しております。  次に、他の自治体の取り組み状況ですが、昨年11月に世田谷区がアメリカ合衆国との間で、同区内の運動場等をキャンプ地として使用することを大筋で合意し、具体的な協議を進めている状況と伺っております。  このほか、都内では、杉並区を初め33の区市町村が、さまざまな競技種目について東京都の事前キャンプ地候補地紹介用ホームページ等に掲載するなど、誘致活動に取り組んでいるところでございます。  私からは以上です。 ○副議長(川原口宏之議員) 以上で増田裕一議員の一般質問を終わります。  15番中村康弘議員。       〔15番(中村康弘議員)登壇〕 ◆15番(中村康弘議員) 杉並区議会公明党の一員として、行政評価について質問を行います。  少子高齢化、情報化、生活形態の多様化など、行政需要は日々変化しています。行政はその変化に対して柔軟に対応できなければなりません。区がみずからの現状を客観的に把握し、あるべき姿と比較して、的確な判断のもとで改善に結びつけられているかどうか、また、その判断や改善が適切かどうか、常に検証する体制の充実が求められていると考えます。まず、この点について区の見解を伺います。  地方自治法では、「住民の福祉の増進に努めるとともに、最少の経費で最大の効果を挙げる」との地方公共団体の責務を定めています。杉並区にとって「福祉の増進に努める」とは、基本構想の目標実現に向けて施策を着実に遂行することであります。この自治法の条文における責務を果たしていくには、施策執行プロセスの効率性と成果を生み出す有効性を測定し、そして評価するシステムが不可欠であると考えます。プロセスの効率性を測定、評価するシステムには、フルコストに基づく公会計情報の活用が有益であることは、これまでも訴えてきたところです。  一方、その成果を生み出す有効性の評価については、福祉の増進という行政目的が貨幣価値に換算できないため、公会計情報のみで行うことはできません。行政評価は、貨幣価値とは別の客観的なデータをもとに体系的に効率性と有効性の評価・検証を行い改善につなげるという、PDCAサイクルのシステムであります。その意味から、公会計とは相互に補完する関係にあると言えます。  杉並区における行政評価は、平成11年度に事務事業を対象に、14年度に政策、施策を対象に導入されました。20年度予算から、予算の事務事業と事務事業評価の単位を可能な限り一致させ、決算と行政評価を一体的に行う体制を整えました。21年度からは、行政評価の結果に基づいて区政経営報告書を作成し、決算説明資料として公表しています。  評価の体系は、現在では、総合計画の体系と合わせ、施策評価と事務事業評価の2階層の構成としています。32の施策と657の事務事業は、それぞれの成果やコスト、さらには目的の達成状況などから、効率性や有効性について評価され、そして事務事業は、構成している施策の成果向上への関連性も踏まえて、評価や見直しが行われます。  実施体制については、事務事業評価は担当所管みずからが、施策評価は指定された各施策の評価担当課が実施します。それらを、部長を責任者とする二次評価部門が二次評価を行い、その後、外部の専門家がその結果について外部評価を行います。  評価や改善といった機能については、予算、決算特別委員会を含む議会もその任を担っていると言えます。しかし、職員みずからが評価そのものに参画し、区政全体を網羅し、体系立った制度として唯一存在するのが行政評価であります。区の自治基本条例でも、政策等の成果及び達成度を明らかにし、効率的かつ効果的な区政運営を行うため、行政評価を実施、公表することを定めています。  これまで区が長きにわたって取り組んできた行政評価が区政運営に対してどのような成果を生んできたのか、総括的に制度自体に対する評価をお聞かせください。  現在の区の行政評価は、3つの目的に沿って実施しています。目的の1つ目は、総合計画の進捗状況、達成度の把握、2つ目が、職員の政策形成能力の向上、すなわち多くの職員が評価と改善の作業プロセスにかかわることで、政策形成能力の向上を目指すというものです。そして3つ目が、説明責任と区政の透明性の確保であります。  平成11年の開始当初においては、事業や施策の目的の妥当性、有効性、効率性、そして人材や財源等の資源の有効活用といったことを目的としており、現在よりも効率性や経済性の向上に重きを置いていたように見受けられます。本区の行政評価を実施する目的が年を経るに従って変化してきたことについて、その背景にあるものは何か、区の所見を伺います。  続いて、指標の設定について伺います。  行政評価は数値指標に基づいて行うことが基本です。指標には2種類あります。1つは、施策や事業の遂行結果に関して区の活動量、アウトプットをあらわす活動指標、もう一つは、その活動量がどの程度の実質的な成果、アウトカムを生み出したかを測定する成果指標であります。こうした数値データ、すなわち客観的な根拠に基づき事業や施策目標の達成状況を分析し、次の改善にまでつなげていくということを目指しています。いわば指標はサイクルの軸の役割を担っているのです。であるならば、具体的にどのような数値を指標として設定するのかが大変重要になります。その指標が施策の目標や事業の取り組み内容と合致しているのか、あるいは事務事業の指標と施策の指標の整合性がとれているのか、施策と事業、さらには活動指標と成果指標を連動させて整理し、適切な指標を設定することが必要です。  しかし、本年度行われた直近の評価でも、活動指標と成果指標の設定の意図がいま一つ不明なものが幾つか見受けられます。例えば施策4、「利便性の高い快適な都市基盤の整備」の評価では、バリアフリー推進連絡会等の開催回数、沿線まちづくり活動団体支援数、道路拡幅整備距離、南北バスすぎ丸の運行本数を活動指標としていながら、その成果指標は、区民意向調査による区内での定住意向の割合としています。これら活動指標と区民の定住意向にどれだけの因果関係があるのか、もっと言えば、成果指標のパーセンテージの上下に影響を及ぼすのは区の施策だけなのか、検証が必要だと思います。  また、施策31、「交流と平和、男女共同参画の推進」の評価においては、国際交流事業参加者数が活動指標、その成果指標が国内交流事業参加者数となっています。活動がどの程度の成果を生み出したかを評価する指標として、これらは適切なのでしょうか。  評価指標については、資源投入のインプット、それに伴うアウトプット、その結果得られたアウトカムといった、それぞれの論理的な因果関係で結びつけたロジックモデルのもとでの設定が必要です。指標の整理、見直しの実施体制及びこうした課題認識について、区の所見を伺います。  次に、施策と事務事業の体系立てについて伺います。  さきに述べたとおり、本区の行政評価は、施策評価と事務事業評価の2階層です。施策は事務事業を行う目的、事務事業は施策を進めるための手段として、互いに目的と手段という関係性が成立していることを前提に評価が行われています。しかし、例えば施策8、「水とみどりのネットワークの形成」では、12の構成事業の中に公衆便所の維持管理として、その定期清掃回数を活動指標としている事業も含まれています。また、施策31、「交流と平和、男女共同参画の推進」のための8つの事業の1つが、住居表示の管理であり、住居表示の不定件数や案内板の設置数が活動指標となっています。これらは個々には当然必要な事業ですが、目的と手段という施策との関係性からの体系立てが果たして適切なのか、疑問が残ります。  また、平成27年度の行政評価報告書によれば、施策の今後の方向性に対する評価結果を「拡充」としたものが71.9%、「現状維持」としたものが21.9%であったのに対し、それらを構成している事務事業の今後のあり方については、「拡充」が22.7%、「現状維持」67.3%と、全く逆の結果が示されています。本来であれば、施策と事務事業のあり方に対する評価としては相当の因果関係があるはずだと思うのですが、こうした結果となっていることも不可解です。施策とそれを構成する事務事業の関連性や評価体系における整理、見直しの実施体制及びこうした課題認識について、区の所見をお聞かせください。  行政評価結果の予算編成への活用について伺います。  評価は、それでとどまるのではなく、活用してこそ意味を持つものです。行政評価の結果を各課において事業の見直しにつなげるほか、次の予算編成に活用することで初めてPDCAサイクルが成立し、実効性が高まると考えます。行政評価の結果を予算編成へと結びつける運用は、現状どのようになっているのでしょうか。また、そのことについての区の方針や考え方をお聞かせください。  評価シートの記載欄についても、1点指摘をさせていただきます。  施策と事務事業それぞれのシートには、今後の方向性、今後の進め方について総括的にコメントを記載する欄が設けられていますが、そのタイトルが「改善・見直しの方向 中長期」となっています。改善・見直しの方向が「中長期」では、時期が抽象的ではないでしょうか。これを「翌年度」としたほうがより具体的な評価、そして改善に結びつくと考えますが、区の考えはいかがでしょうか。  効率性の評価の観点から、コスト分析について伺います。  施策や事務事業は多種多様で、コスト構造も大きく異なります。現状、全ての施策と事務事業の評価シートに、投資的経費等と委託費に分類された事業費と職員数の配分に伴う人件費がコスト情報として記載され、それらを足したものが総事業費としてそれぞれ記載されています。各施策の総事業に占める人件費の割合が、低いもので4%程度、高いものでは53%のものもあります。また、投資的経費でも、これは年度間でばらつきが発生するとは思いますが、ゼロのものもあれば、総事業費の7割を超えている施策もあります。労働集約的、資本集約的、あるいは金銭を主要な手段とする資金集約的等々、さまざまであります。それぞれの活動のコスト情報は正確に把握する必要があり、それには、冒頭でも述べたとおり、フルコスト、すなわち減価償却費や退職給付費用、起債に伴う金利等、見えなくとも実際は発生しているコストを含めるべきであると考えます。管理会計の意味からの公会計情報の活用であります。  先日、公会計情報の行政評価への活用に先進的な取り組みを行っている町田市を訪れ、詳しくお話を伺いました。同市では、課別事業別の行政評価シートにそれぞれ細かく分けた財務諸表を掲載し、ストックやフルコストの情報を提供しています。それを行政評価の非財務情報と交えて分析し、マネジメント上の課題を明らかにする試みを行っています。また、先日、総務財政委員会で視察に伺った大阪府吹田市も、同様の取り組みを進めています。ともに詳細な情報インフラを整備し、議会や市民に対する説明責任に徹する姿勢が大変印象的でありました。  ただ、こうした取り組みは、両市で行っているように、日々仕訳を導入し、全職員に複式簿記の考えが浸透してこそ実効性が発揮されるものと考えます。その意味から、本区では、まだこれらを導入する環境が整っていないというのが私の率直な感想です。しかし、将来を見据えて、本区も検討を進めていただきたいと思います。公会計情報と行政評価とを組み合わせることで、より詳細なコスト分析及び評価が可能になり、有意義なツールになると考えます。区の考えを伺います。  関連して、毎年9月に発行している事業別行政コスト計算書についても伺います。  この計算書は行政評価とは連動しておらず、独立した分析です。全てではありませんが、財務諸表からフルコストに近い情報を使用しています。今後、事業別行政コスト計算書を発展させ、幾つかの財政へ影響が大きい事業、とりわけ同じ事業に複数の運営形態、コスト構造が存在するものなどは、行政評価との関係性を持たせた上で、区政経営報告書に分析結果を掲載することも有益ではないかと考えます。区の所見を伺います。  外部評価について伺います。  区では、専門的知見を有する第三者の立場から、5人の学識経験者から成る杉並区外部評価委員会において、外部評価を実施しています。行政評価の客観性を高め、制度の充実を図ることを目的としたものです。  同委員会では、毎年6つの施策と、施策を構成しない2つの事務事業を選定し、さらには、区が財政的な支援などを行っている団体の経営状況とあわせて評価を行っています。所管課とのヒアリングや、施策担当の課長及び関係課職員との意見交換なども評価プロセスに組み込まれています。指標の適切性、費用対効果や評価の視点、また、改善見直しに当たり留意すべき視点が押さえられているかといった観点から、さらには記載内容がわかりやすくなっているかなど、評価制度そのものに対する評価を受けています。鋭く、時には忌憚のない意見もいただいており、区にとって大変価値があるものと思います。  外部評価報告書には、外部評価に対する所管の対処方針として、いただいた指摘、意見に対しての区側の考えも明らかにしており、意見を受けっ放しで終わっていないところは評価できます。しかし、中には意見の交換にとどまり、実際の改善に至っていないものもあるようです。外部評価の活用について、区はどういう改善が必要と認識しているのでしょうか、所見を伺います。  評価結果の公表方法について伺います。  先日、本区の外部評価委員を経験された方にお話を伺いました。杉並区民でもあるその方は、外部評価委員の活動を通して、区の職員が矜持を持って誠実に日常の業務に取り組んでいることがよく理解できた、また、区が実施する事業や議会での質問なども身近に感じるようになったと語っておられました。外部評価については、区民サービスの直接の受け手である、より多くの区民の評価への参画、あるいは意見が反映される形が本来であれば理想であると思います。多くの方々に区の実情をよく理解していただくことは、区政運営にとって大切であると考えるからです。  しかし、行政評価の公表方法は、各図書館に分厚いファイルが並べられているほか、ホームページ上で大量のPDFシートが張りつけられているだけであります。私自身の肌感覚から、制度の認知度は余り高くないと思います。行政評価の結果あるいは制度自体がどの程度区民に普及しているのか。また周知方法で改善するべき点は何か、所見を伺います。  回答が限定されたり、バイアスがかかったりする可能性はあるものの、アンケート結果を評価へ組み込む仕組みなども検討の余地があるかもしれません。  これまでるる課題の指摘などを行わせていただきましたが、実態としては、行政評価の形骸化、制度自体の目的化といった状況に陥るおそれも一部あるのではないかとの印象を受けています。また、その背景として、行政評価実施に伴う現場での作業負担感も課題の1つであると思います。しかし、冒頭述べたとおり、時代に即して変化に対応する福祉の増進と効率性の向上への飽くなき挑戦は、これからも継続していくべき区の責務であります。評価のあり方について、現場の作業負担の軽減に配慮するとともに、目的や利用者に応じて適用範囲や対象を限定した評価制度を導入したり、単発の評価をその都度実施したりするなど、柔軟性を持たせ、多様化を図るといったことも必要かもしれません。  最後に、行政評価の今後の展開について区の考えをお聞きして、私の質問を終わります。ありがとうございました。 ○副議長(川原口宏之議員) 理事者の答弁を求めます。
     区長。       〔区長(田中 良)登壇〕 ◎区長(田中良) 私からは、中村康弘議員の御質問のうち、行政評価の総括的な評価及び今後の展開についての御質問にお答え申し上げます。  区が区民の信託に応えて区政運営を行っていく上で、区が実施している事業の状況、成果等を客観的に把握、評価し、改善すべき点は改善していくというPDCAサイクルをしっかりと構築していくことが非常に重要であると認識をいたしております。そのためのツールとして行政評価は大変有効でございまして、区では平成11年度から実施をしてきたところでございます。  行政評価制度を導入したことによりまして、第1に、行政活動のコストや成果を定量的に把握し、評価・検証する取り組みが区政運営のマネジメントサイクルの一環として定着をしたこと。第2に、評価に携わることで、職員のコスト意識や成果を重視する意識が向上したこと。第3に、区の活動状況に関する区民への説明責任を果たすことに役立っていることなどの成果が得られたものと評価をしております。  今後の区政を展望しますと、少子高齢化の進展に伴う福祉施策のさらなる充実や、首都直下地震などの大規模災害に備えた耐震・不燃化促進、また老朽化に伴う区立施設の更新などの行政需要が拡大し、財政運営も厳しさを増すということが想定をされております。そうした中で必要な行政サービスを安定的、持続的に提供していくためには、より効率的な行政運営を追求していく必要がございまして、今後、予算編成へのより一層の活用や、公会計情報とのリンクなど、行政評価のさらなる有効活用に向けて検討を進めてまいりたいと考えております。  私からは以上です。残りの御質問につきましては、関係部長より御答弁いたさせます。 ○副議長(川原口宏之議員) 政策経営部長。       〔政策経営部長(白垣 学)登壇〕 ◎政策経営部長(白垣学) 私からは、行政評価に関する残りの御質問にお答えをいたします。  まず、行政評価の目的が年を経て変化してきているのではないかというお尋ねでございますが、施策や事務事業を定量的に評価し、改善に結びつけ、効率的な行政運営を実現するという行政評価の本質的な目的は、変わることがないものと認識してございます。ただし、平成24年度に基本構想及び総合計画を策定した後は、行政評価を用いて計画の進捗状況、達成度を把握することに重きを置いたことで、説明責任を果たし、区政の透明性を確保するという側面が、それ以前よりも強まったというふうに捉えてございます。  次に、指標や評価体系の整理、見直しの実施体制及び課題認識に関するお尋ねについてお答えいたします。  行政評価の実施に当たっては、事務事業の活動指標の実績が成果指標の達成へとつながり、事務事業の成果指標の実績が施策の成果指標の達成につながるという論理的な因果関係がしっかりと構築されることが重要と認識してございます。また、施策を構成する事務事業が妥当であり、評価体系が適切であるかを常に検証することも重要と捉えてございます。  そのため、区では、事務事業の活動指標や成果指標につきましては、毎年度必要に応じて見直しを行い、施策体系と施策評価の成果指標につきましては、総合計画の改定時に見直すこととしてございます。施策や事業によっては、区が実施している事業だけで成果をはかることが困難であるなどの課題はございますが、評価前に実施している職員への説明会において、指標の設定や施策と事務事業の関連づけ等の説明を行うとともに、評価表作成後は、外部評価委員会の委員の皆さんの御意見なども踏まえながら、行政管理担当と各所管の調整を行うことにより、適切な見直しを行ってございます。今後とも引き続き、より適切な指標の設定等の追求に努めてまいりたいと存じます。  次に、行政評価の結果を予算編成に結びつける運用に関する御質問にお答えをいたします。  行政評価を実施する上で最も重要なことは、評価を事業の見直しにつなげ、予算に適切に反映していくことであると考えております。実際の運用といたしましては、議員も御指摘のとおり、平成20年度から、予算事務事業と事務事業評価の単位を可能な限り一致させ、決算と行政評価を一体的に行えるよう環境を整えました。その上で、評価実施と予算編成との間に1年のブランクはございますが、評価結果を各所管において予算要求の基礎資料とするとともに、予算査定におきましても、評価に係る内容のヒアリングに活用いたしまして、査定の資料としても活用しているところでございます。  また、関連して、事務事業評価表の見直しに関するお尋ねがございました。  議員御指摘のように、評価表の「改善・見直しの方向 中長期」という表現は抽象的であり、評価者がどの時点を想定して評価をすればよいのかわかりにくいという課題がございます。評価結果を直近の予算編成に、より活用しやすくなるという視点が重要でありまして、職員がこれまで以上に予算編成を意識して評価できるというメリットも考えられますので、来年度に向けましては、議員御指摘のとおり、「中長期」というところを「翌年度」に変更する方向で評価表の見直しを検討しているところでございます。  次に、公会計情報と行政評価との組み合わせに関するお尋ねにお答えをいたします。  区といたしましても、公会計制度における財務諸表は、効率的な行政運営を進めるために不可欠なツールであると認識しているところでございます。ただし、公会計情報と行政評価をさらに有効に結びつけるためには、現行の行政評価における事務事業の見直しや財務諸表における事業別の歳入歳出、資産、負債の適切な仕訳など、幾つかの課題の解決が必要と捉えており、この点の検討を鋭意進めていく考えでございます。  事業別コスト計算書に関し、同じ事業で複数の運営形態となっているものなどは、行政評価との関係性を持たせて、区政経営報告書への掲載をすべきとの御提案がございました。  現在、当区の事務事業評価の評価単位である予算事務事業は、その規模が大小さまざまでありまして、詳細なコスト分析が難しくなっており、これは公会計システムを活用したとしても、予算事業をさらに細分化して仕訳を行わない限り、同一事業の運営形態別といった分析は難しいものと考えております。当面、新たな公会計システムにおいても、決算額確定後に仕訳作業を開始いたしますので、分析結果を含め、区政経営報告書に掲載することは、スケジュール的にも厳しい状況にございます。  しかしながら、御指摘いただきましたとおり、同一の事業について複数の運営形態、コスト構造が存在するものについては、コスト計算を意識した分析を行うことによって、より有効な事業執行へつながるものと考えられます。今後は、行政評価に関しましても、新たな公会計によるコスト計算をより意識し、より財務的な分析を踏まえたものとなるよう検討を進めてまいりたいと存じます。  次に、外部評価の活用に関するお尋ねにお答えいたします。  本区では、平成14年度から、学識経験者等の5名の委員で構成する外部評価委員会による外部評価を実施しており、専門的な見地と客観的な視点から忌憚のない御指摘をいただいており、大変貴重なものと受けとめてございます。この外部評価をより一層生かしていくために、平成25年度以降は所管課ヒアリングも取り入れております。外部評価委員と所管課職員が直接やりとりできる場を設けたことで、外部評価委員の施策や事務事業に対するより深い理解と、所管課職員の評価に対する意識、技術の向上につながっているものと考えております。  ただし、全ての施策、事務事業の外部評価を短いスパンで実施できるわけではございませんので、評価対象とならなかった所管課においても、職員への説明会や研修などを通して、外部評価から得られた貴重なノウハウを還元してまいりたいと考えてございます。  最後になりますが、行政評価の区民への周知に関するお尋ねにお答えいたします。  現在、行政評価の結果につきましては、区政経営報告書と区のホームページで区民の皆様にお伝えしておりますが、御指摘のように、必ずしも認知度が高いとは言えない状況にあると認識してございます。  今後につきましては、行政評価制度自体を直接さまざまな方法で周知することに加えまして、行政評価を活用した個別事業の進捗状況や成果の周知などを通して、区民の認知度や関心をより一層高められるよう工夫をしてまいりたいと考えてございます。  以上でございます。 ○副議長(川原口宏之議員) 以上で中村康弘議員の一般質問を終わります。  12番山本あけみ議員。       〔12番(山本あけみ議員)登壇〕 ◆12番(山本あけみ議員) 私は、区民フォーラムみらいの一員として、区政一般について質問をいたします。質問項目は、公共施設マネジメントについて、中央図書館について、放射5号線周辺のまちづくりについてです。  最初に、公共施設マネジメントについてお尋ねします。  公共施設は、主に高度経済成長期の右肩上がりの成長に支えられ、次々と建設されてきました。それらが一斉に更新の時期を迎えると同時に、少子高齢化、人口減少社会へと突入をしていきます。今までと同じ数、内容の施設をつくり直すのでは、財政負担は余りに大きく、また、これからの行政需要に合っていかないため、新たな時代に即してつくり直す必要があると考えています。これは全国全ての自治体が直面している課題であり、取り組みの結果次第では、自治体運営に大きく影響が出てくると考え、一区民として、また、私のこれまでの設計に従事してきた経験ももとにして、公共施設のあり方を自分なりに捉え直し、今後必要以上に肥大化していくことがあるとすれば、次世代に負の遺産を残すことになるといった危機感を強く持って、以下質問をいたします。  総務省では、矢継ぎ早に、自治体に向けて公共施設の総合的な管理の要請をしています。まず、平成26年4月に総務省から要請された公共施設等総合管理計画の策定について、当区ではどのように対応するお考えなのかお伺いします。  総務省による取り組み状況の調査によれば、平成28年度までには、都道府県及び指定都市、市区町村において、実に98.0%が計画の策定を完了する予定とあり、3年という短期間に策定完了を目指すという回答から見ても、総務省からの要請が大変大きなインパクトを持って各自治体に捉えられたことがうかがわれます。  全国的には、人口減により使う人が減っていくという予測の中、施設総面積の縮減が大きな目標として掲げられています。これまでのように人口がふえていく中で公共施設を拡充してきた時代とは大きく違い、これからは人口減により、税収減、社会保障費増に突入する時代にあっては、一般的には床面積を縮減しながら内容を充実していく必要性があると考えます。当区では、施設総面積の縮減に関してどのように取り組まれているのか、お伺いします。  現在、当区は若干の人口増となっていますが、いずれ全国同様人口減となってくると考えています。当区ではどのように予測をしているのかお伺いします。  総合計画の予定はあったとしても、施設の統合、複合化に当たっては、どの施設とどの施設を組み合わせるかなどの選択肢が多数存在し、的が絞り切れないのではないかと考えます。当区ではどのように庁内調整を行い、政策決定まで至っているのか、お尋ねいたします。  長年使われてきた施設によっては、当初の想定や本来の狙いとは違った使われ方がされている場合もあると考えます。公共施設とは、公共事業によって供給され、公共財としての性格を持ち、仮に利用料金がなくても提供されるべきものもあれば、適宜利用者に負担を求めるものもあるでしょう。しかしながら、税金によってつくられるものである以上、公平公正、公益性を持って事業が行われていると区民が納得できることが望ましいでしょうし、また、民業圧迫につながる施設は好ましくないと考え、質実剛健に努めるべきとも考えています。例えば体育館、図書館、児童館、区民センター、科学館など、そもそも公共でしか担うことができない役割とは何なのか、担うべき範囲はどこまでなのかという議論はあるのでしょうか。  利用者と利用形態の想定とは何だったのか、管理運営形態や経費と利用料金との適正な関係とはどういったものかといった本質的な議論なくしては、現実に施設の統廃合を具体的に検討する際に混迷を深める可能性は大きくなるのではないでしょうか。再編に当たっては、こういった議論を丁寧に再考していくことも必要と考えますが、見解はいかがでしょうか。こういった議論なくして、仮に住民の要望を多く取り込むことのみを優先的に考え、最終的な建築費やランニングコストまでを予測しないまま工事に着手することがあれば、将来にわたって大きな負担を残すことにもつながります。  次に、従来型である、現状分析、計画策定、設計、施工といった手順は、新たな施設の整備では可能ですが、利用者が存在する複数の施設の統廃合には単純に適用できないのではないかと考えますが、見解はいかがでしょうか。  また、杉並区立施設再編整備計画は、計画の策定から3年が経過することとなりますが、この間の進捗と課題をお伺いします。  今後は、建物躯体の耐用年数だけではなく、設備の減価償却期間も算定した正確な施設老朽化の判断基準と、更新の優先度の決定が必要であり、それを見える化するための公会計改革との連動をしていく必要があると考えています。現在の取り組みや、参考にしている先進自治体などはあるのか、お伺いします。  また、町田市が取り組む事業別財務諸表について、当区で検討されているのかお伺いします。  本質問は新自由主義の提唱を意図するものではありませんが、公共施設再編という極めて大きな課題に直面する今後においては、広範囲な手法の検討も必要になると考えています。最近の他自治体の取り組みでは、豊島区においては、新庁舎とマンションが入る地上49階地下3階の複合ビルの総事業費435億円は、住宅販売の収入などで賄い、区の一般財源からの支出ゼロで新庁舎を建設しています。  また、流山市では、ファシリティーマネジメント施策の事業者提案制度を導入し、公共財を使った民間事業者の提案を求め、採用された案件は、諸条件が整った場合には提案者と随意契約を結ぶという事業に取り組んでいます。  建物更新財源の確保を現行の一般財源にとどまることなく、サービスを低下しない範囲で指定管理者制度や民間委託などの手法を検討し、経費の縮減と民間の卓越したノウハウを取り入れ、受益者負担額の見直しを常に行い、遊休資産の活用なども視野に入れて、総合的な財源の確保を、施設再編を進めるに当たっても幅広く検討していく必要があると考えますが、見解はいかがでしょうか。  次に、区立施設再編整備計画の策定に当たり、公共施設の利用率をどのように調査を行ったのか、お尋ねします。  第二次実施プランの策定に当たっては、さざんかねっと等を通して把握できるような単純な利用率のほかに、さざんかねっと対象外の施設や、建物の中でも活用されていないスペースに照準を当て、より効果的に活用していく方策を探るなども検討すべきと考えますが、区の見解をお伺いします。  全庁的な課題である公共施設マネジメントに部局間の壁を乗り越え取り組むためには、縦割り組織を超える存在である首長もしくはそれにかわる存在を軸に、効率的な意思決定の仕組みを検討する必要があると考えますが、区の見解をお伺いします。  公共施設マネジメントを展開することは、従来型の行政の運営をしていくという観点から大きく視点を変えて、経営をしていくという方向性を盛り込み、再構成していくという大きな発想の転換が必要になると考えますが、見解はいかがでしょうか。  この項の最後の質問となりますが、具体的に財源と整備スケジュールを決定していく計画の策定は、諸事情が目まぐるしく変化していく現在においては、5年が限度と考えますが、基本的な方向を常に明確にするために、40年から50年という超長期のビジョンによる目標設定が必要と考えますが、見解はいかがでしょうか。  次に、中央図書館についてお尋ねをいたします。  公共施設マネジメントのモデルケースにもなり得る中央図書館の改修に当たり、これまで区民意見聴取、建物の可能性の追求、図書館サービス基本方針の具現化等を求めてまいりましたが、その後の取り組みをお伺いします。  ワークショップ形式の区民意見聴取を行ったとのことですが、これを含めて、区民意見聴取の経過と結果から見えてきたものは何か、お尋ねします。  次に、今後のスケジュールはどのようにお考えでしょうか。  また、今後は、現在行われている事業やスペースの使い方、省エネ性能の向上、読書の森との連携など、庁内で検討すべき項目についてどのように進めていくのか、お伺いします。  実施設計に入る前の設計の前提条件を決めるプロセスは最も重要ですが、どのようなお考えか、お伺いします。  区内には、よりよい改修を求めるさまざまな団体があり、私のほうでも御要望を承ってきました。これらの各種団体の御意見等は区にも届いていることと思いますが、当区としてどう受けとめ、生かしていくお考えなのか、お伺いします。  この項の最後の質問に、改修規模はどれくらいで、今後どのように検討していくのかお伺いします。  改修では、可能性を最大限探りながらも予算内におさめるため、工事内容と金額の細かなすり合わせが必要となると考えます。これからの中央図書館には何が必要で、それを実現するためにはどれくらい費用がかかるのか。費用がかさんでいった場合には優先度を検討することも必要となってくるでしょうし、また、仕様などの工夫をしていくなど、きめ細かな準備段階が必要となってくると考えます。決められた予算内であっても、最大限の効果が得られる方法を探るなどの根気強い取り組みを求めますが、いかがでしょうか。  また、財源確保策として、決算特別委員会で他委員からの質疑にもあったように、ガバメントクラウドファンディング、つまり、自治体が抱える課題の解決に寄附をすることで区民意思を反映することができるといった手法を取り入れることも可能だと考えます。当区の見解をお伺いして、次の質問に移ります。  放射5号線周辺のまちづくりについてお尋ねいたします。以下、放5と言いあらわします。  来年度末の完成を目指し、現在、久我山1丁目から3丁目にかけて大規模な放5の工事が進んでいます。これまで低層住宅が建ち並ぶ閑静な住宅街に幹線道路が通ることとなり、住民の間には、計画は知っていたものの、でき上がってきた道路を見て実感が湧くのと同時に、御自分の生活への影響を考え、不安に思われている方も多いと感じています。  当区では、幹線道路沿いのよりよい住宅街を再構築していくために、玉川上水・放射第5号線周辺地区地区計画策定に向け、現在は案の概要がまとまっている段階です。私が放5の計画を知った10年ほど前から最も動向を注視していたのは、この地区計画です。なぜなら、地区計画いかんによっては、これまでの閑静な住宅街とは全く違った、大型ショッピングセンターが建ち並ぶようなまちへと変貌してしまう可能性があったからです。区から示された案の概要を拝見しますと、大型幹線道路からの騒音や振動などを最小限にとどめ、後背地に関しては、これまでのように静かな住宅街を守ることができるような工夫がされていると感じております。これは、地域住民主体の玉川上水・放5周辺(久我山地区)まちづくり協議会から提案されたまちづくり構想の趣旨にものっとっていると考えますが、構想が今回の地区計画などにどのように生かされたのか、改めて伺います。  日ごろまちを歩いていても、その地域の地区計画にまで思いをはせる人はほとんどいないと思いますが、地区計画によって定められた事項は、住宅などの建てかえが一通り進んでいくとき、その真価が問われるのだと考えています。本地区計画は、後世にわたり実りを感じることができる大変よい内容であると評価をしておりますし、根気強く、地域住民の理解が深まるよう説明を尽くしてくれた区職員の皆様方には、厚く感謝を申し上げます。  高さの制限、建蔽率、容積率、また敷地面積の最低限度との組み合わせによっては、いわゆる建て詰まりを誘引し、見通しが悪く、建物の圧迫感があるまちとなってしまうおそれもあります。また、私権の制限を含む地区計画においては、長い目線で、どのようなまちを目指していくのかを地域住民と共有を図ることが重要だと考えています。こういった視点において、本地区計画で敷地面積の最低限度を定めた目的はどのような意図によるものか、また、どのような町並みを目指しているのかお尋ねします。  次に、垣または柵の構造制限において、本計画では、道路に面する垣または柵の構造は生け垣や透視可能なものとし、それ以外の構造のものは地盤面から高さ1メートル以下とする内容となっており、今後建設されるものに関しては、緑豊かな良好な住環境をつくり出してくれると歓迎しています。  一方で、災害時の危険性も低減できると考え、あわせて既存のブロック塀などにも範囲を広げて住民に改善を求めるよう区に要望しますが、いかがでしょうか。  これまでの一般質問で取り上げてきましたが、建て詰まりを抑制し、緑豊かな環境を創出していく今回のような既存の住宅街への地区計画に取り組む際には、地球温暖化防止の観点からも、低炭素のまちづくりに資する地区計画となるよう要望をしてまいりましたが、本計画には反映されているのかお伺いします。  区の都市計画審議会において、本計画案に関して、学識経験者からは数回にわたり、狭隘道路が多く、道路率が低いという課題の解決のために、道路の整備に関し積極的に取り組むべきだという指摘がされてきました。現在検討が進んでいる狭隘道路の重点整備路線候補について、玉川上水・放射第5号線周辺地区における狭隘道路拡幅整備の取り組みとの関連性はどのようなものか、お伺いします。  また、そのほかの狭隘道路に関して、今後の対策についてもあわせて区の見解をお伺いいたします。  最近私のもとへ寄せられる御心配の声として一段とふえてきたのが、交通安全に関してです。これまでのような机上の想定の範囲を超えて、近い将来直面するであろう自分の心配事として地域住民に認識されてきました。これまでもできる限りの対応を求めてまいりましたが、開通を目前にして再度質疑と要望をいたします。  放5開通後の岩通通り、富士見丘通り、生活道路への通過交通の流入抑制対策はどのようなものでしょうか。富士見丘通りの歩行者の安全対策をあわせて進めるべきと考え、車両通行台数を調査の上、必要であればさらなる安全対策をとるよう求めますが、区の見解をお伺いします。  また、放5の暫定供用区間の街路樹整備の工事が進んでいますが、その内容と区民への周知はどのように行っているのでしょうか。  都の計画では、約600本ある既存高木の7割を伐採としていますが、これまで区の緑被率向上に大きく貢献し、緑豊かな一帯を形成してきた街路樹をできる限り残すよう強く要望しますが、区の見解をお伺いします。  関連して、これまでの質疑で、都市計画高井戸公園に設置される駐車場について、放5からスムーズに出入りできるよう都に求めるよう要望をしてきましたが、これに関して、区のこれまでと今後の取り組みをあわせてお伺いします。  隣接する岩通ガーデン跡地と岩通生協跡地の玉川上水緑道とあわせて、これから行われる公園整備事業について、例えば放5整備により失われるホタル祭りの玉川上水会場の代替地として使えるようにしていってほしいといったお声や、カラフルな遊具などを並べるような公園ではなく、武蔵野の雑木林の面影を感じられる緑地帯としてほしいなどの地域の要望を反映していただきたいと考えますが、区の見解をお伺いします。  最後に、当区では余りなじみが少ない地区計画ですが、世田谷区においては62地区、渋谷区では16地区において既に計画がされています。地域住民が主体となって、まちの課題を認識し解決を探る手法として、この制度について区民への周知を図り、今後とも地区計画によるまちづくりの取り組みを継続して行うべきと考えますが、当区の見解をお伺いして、私の質問を終わります。 ○副議長(川原口宏之議員) 理事者の答弁を求めます。  区長。       〔区長(田中 良)登壇〕 ◎区長(田中良) 山本あけみ議員の一般質問のうち、私からは、公共施設のマネジメントに関する一連の御質問にお答えいたします。  生産年齢人口の減少による税収減に加えまして、少子高齢化の進展による社会保障関連経費が増加をする中で、施設の維持・更新費用の確保が課題となっているわけであります。高度経済成長期に整備され、老朽化が進む公共施設をいかに効率的、効果的に更新していくかということは、全国の自治体の共通の課題であります。施設の再編整備の取り組みは、早く取り組めば取り組むほど、施設の安全性の確保と長寿命化、運営の効率化、また新たな需要への対応など、大きな効果が期待できることから、本区におきましては、他の自治体に先駆けて、平成26年3月に区立施設再編整備計画を策定いたしました。  各施設の具体的な取り組みにつきましては、私をトップとしました行財政改革推進本部のもとに、関係部課長により構成した組織横断的な検討部会を設置して、適切に進行管理を行いながら進めてまいりました。  御指摘のとおり、施設の再編整備に当たりましては、長期的な展望に立ち、いかに効率的、効果的に施設整備、運営を行うかという経営の視点が欠かせないものと認識をしておりまして、今後ともそのような視点から、限られた施設や財源をその時々の行政需要に応じて有効に活用してまいりたいと思います。  次に、40年から50年といった長期のビジョンによる目標設定が必要とのお尋ねがございました。  施設を一旦整備すれば、少なくても50年以上は維持管理をしていくことになることから、施設再編の進んだ後の施設の全体像を示し、目標を設定していくことも大事であると認識をしてございます。今回の計画改定に当たりましては、取り組みの将来像がイメージできるように、児童館やゆうゆう館、集会施設などが、再編整備の前後でどのように変わっていくかを一例としてお示しをいたしました。今後、施設白書による分析結果も踏まえまして第二次実施プランを策定してまいりますが、さらにそういった観点を取り入れた計画となるよう検討を進めてまいります。  私からは以上です。残りの御質問につきましては、関係部長より御答弁いたさせます。 ○副議長(川原口宏之議員) 施設再編・整備担当部長。       〔施設再編・整備担当部長(大塚敏之)登壇〕 ◎施設再編・整備担当部長(大塚敏之) 私からは、公共施設マネジメントのうち、所管に関する御質問にお答えします。  まず、公共施設等総合管理計画についてのお尋ねですが、公共施設等総合管理計画では、区立施設再編整備計画の対象としている施設のほか、道路や橋梁等のインフラ整備も対象とされております。そのため、本区におきましては、区立施設再編整備計画の第一期計画及び今回改定いたしました第一次実施プランに加え、既に策定済みの橋梁白書、道路舗装白書等をあわせて杉並区の公共施設等総合管理計画として位置づけるものでございます。  次に、施設の総面積の削減目標の設定についてのお尋ねにお答えします。  御指摘のとおり、あらかじめ施設総面積の削減目標を設定し、施設の再編整備を進めている自治体があることは認識しておりますが、当区におきましては、まず先に施設削減ありきということではなく、区民の安全・安心の確保や時代の変化に応じた区民ニーズへの対応を行いつつ、延べ床面積の削減を含めた施設運営の効率化を進め、持続可能な行政運営を可能としてまいりたいと考えております。  次に、施設の統合・複合化の政策決定までのプロセス及び手順についてお答えします。  施設の統合・複合化の検討に当たっては、関係所管課が連携し、周辺に更新時期を迎えた施設はないか、施設間の親和性はどうか、必要な施設規模が確保できるか、エリアごとに施設が幾つ必要かなどを総合的に勘案し、取り組みの案をまとめております。その上で、地域や関係団体の御意見なども踏まえ詳細な検討を行い、再編整備の方針を決定しているところでございます。
     また、統合などを行うことにより、既存施設であっても、利用者の方にも統合の必要性や目的などを丁寧に説明し、御理解をいただきながら取り組みを進めてまいります。  次に、再編に当たっては、それぞれの公共施設が担ってきた役割を丁寧に再考していく必要があるのではないかとのお尋ねがありました。  御指摘のとおり、施設再編整備は、長期間にわたり利用してきた施設を対象にしておりますので、設置当時と比べ、少子化の進展や区民のライフスタイルの変化などに伴い、利用状況を初め施設をめぐる環境が大きく変化してきているケースも少なくありません。また、公的サービスへの民間事業者の参入が進む中で、サービスの提供主体も多様化しております。施設再編整備の取り組みを進めるに当たっては、こうしたことを踏まえ、より効果的で効率的な施設整備に努めてまいりたいと存じます。  次に、計画策定から3年間の進捗と課題についてのお尋ねにお答えします。  平成26年3月に策定した区立施設再編整備計画第一期及び第一次実施プランに基づき、国有地、区有地の活用や区立施設を転用することで、財政負担を抑えながら、喫緊の課題である特別養護老人ホームや保育園を整備したことや、多世代が利用できる地域コミュニティー施設への移行を見据えた、ゆうゆう館と集会施設との複合化などの取り組みを進めてまいりました。  また、今年度、これまでの進捗状況や新たに生じた課題を踏まえて必要な見直しを行い、第一次実施プランの改定を行ったところでございます。  次に、課題でございますが、財政負担の平準化による実施スケジュール等の見直しのほか、再編整備の必要性について、より丁寧にかつ継続的に説明をしながら、区民及び関係者の理解を深めていただく必要があることなどがございます。  私からの最後に、計画策定に当たっての施設の利用率の調査についてのお尋ねにお答えします。  平成25年度の計画策定時には、集会施設や体育施設などの、主にさざんかねっとを導入している施設の利用率を中心に集計し、記載をいたしました。区民の共通の財産である区の施設をより有効に活用していくためには、施設の利用実態をより詳細に把握することが重要であると考えておりますので、今後、御指摘の点も踏まえ検討を進めてまいります。  私からは以上でございます。 ○副議長(川原口宏之議員) 政策経営部長。       〔政策経営部長(白垣 学)登壇〕 ◎政策経営部長(白垣学) 公共施設のマネジメントについての所管に関する御質問にお答えいたします。  まず、区の今後の人口についてのお尋ねですが、区の人口は、議員御指摘のとおり、平成9年の51万1,000人を底に増加傾向にあり、現在55万8,000人を超えております。その主要因は、区外からの若年層の転入ですが、日本全体の人口が減少局面に入っている中で、今後は、区に転入してくる若年層も減少していくことが避けられないと考えております。また、人口に影響を及ぼす合計特殊出生率についても、近年は上昇傾向にありますが、人口を維持するために必要と言われている2.07にはまだ遠く及ばない状況でございます。こうした大きな傾向を捉えますと、将来的には区の人口は減少に転ずるものと考えており、昨年策定した人口ビジョンにおいても、そのようなシミュレーション結果を得ております。  次に、施設の更新の優先度を決定するための公会計制度の活用に関するお尋ねにお答えいたします。  今後新しく導入する統一的な基準における固定資産台帳では、改築を含め、今後新たに整備する施設について、これまでの施設一体の登録ではなく、設備ごとに個別に登録し、減価償却をしていくこととしております。今後、この固定資産台帳のデータを、区民等への公表資料の作成を含め、施設の改築や大規模改修に活用していきたいと考えております。  現在の取り組み状況でございますが、特定の自治体というより、幅広く他自治体の状況を参考にして検討を進めているところでございます。  町田市の取り組んでいる事業別財務諸表の作成についてのお尋ねがございましたが、本区において来年度から運用を開始する新たな公会計システムでも、事業別財務諸表の作成が可能となっております。歳入歳出伝票に加え、その他の資産、負債の適切な仕訳方法などを検討し、できるだけ早いタイミングでの作成、公表を行っていきたいと考えてございます。  私からの最後に、建物更新財源の確保に関する御質問にお答えいたします。  区といたしましては、あらゆる可能性を追求して財源確保を図っていくことは、今後の財政運営において不可欠なことであるというふうに認識してございます。今年度改定した行財政改革推進計画におきましても、御指摘にあるような民間活力の導入、受益者負担の見直しなどの歳入確保策を盛り込みましたが、今後、施設再編整備を進めていく上でも、さまざまな手法により、改築改修経費の縮減とあわせて、財源の確保にも努めてまいりたいと考えてございます。  私からは以上でございます。 ○副議長(川原口宏之議員) まちづくり担当部長。       〔まちづくり担当部長(松平健輔)登壇〕 ◎まちづくり担当部長(松平健輔) 私からは、放射5号線周辺のまちづくりに関する御質問のうち、所管事項についてお答えいたします。  まず、まちづくり構想と地区計画についてのお尋ねでございますが、平成20年に発足した玉川上水・放5周辺(久我山地区)まちづくり協議会においては、当該地区の将来を見据え、地区計画制度の活用を柱とするまちづくりについて幅広く意見交換を重ね、平成22年7月、区にまちづくり構想を提案していただきました。  区では、まちづくり構想で提案いただいた放射5号線沿道地区の用途地域の変更や、周辺環境に配慮した建築物の高さ制限などのまちづくりのルールなどを踏まえつつ、ことし6月にまちづくり計画を策定するとともに、現在、地区計画などの都市計画決定に向けた手続を着実に進めているところでございます。  次に、敷地面積の最低限度についてのお尋ねですが、地区計画の検討区域は、比較的ゆとりある良好な住宅地を形成する一方で、道路基盤が脆弱なため建蔽率などが低く抑えられるなど、土地利用が制限されております。  こうした中で、放射5号線の整備に伴い、道路基盤は一定程度向上しますが、依然として後背の住宅地には狭隘道路が数多く存在し、道路基盤は脆弱な状況にあります。このため、今回の建蔽率などの緩和に伴い、防災や緑化などの観点から、ゆとりある住環境の維持、創出を図るため、敷地面積の最低限度を定めるとともに、狭隘道路の拡幅整備などを進めることにより、良好な低層住宅地の町並みを維持しつつ、より快適で安全な住環境の実現を目指すものでございます。  次に、垣または柵の構造制限についてのお尋ねでございますが、緑豊かな住環境の維持、創出や、災害時の道路閉塞防止の観点から、地区計画において、建てかえ時の垣または柵の構造制限を行うことに加え、既存ブロック塀などの改善を図ることも重要であると考えております。今後、敷地接道部分の緑化推進を図るなど、地域住民の皆様の御理解、御協力をいただきながら取り組みを進めてまいります。  次に、低炭素のまちづくりについてのお尋ねでございますが、玉川上水・放射5号線周辺地区まちづくり計画において、緑、環境の観点から、低炭素化促進の意義や必要性に関して普及啓発に取り組むこととしておりまして、低炭素のまちづくりに向けた地域の機運醸成に努めてまいります。  次に、狭隘道路の重点整備路線候補についてのお尋ねにお答えいたします。  狭隘道路の拡幅整備については、まちづくり協議会を初め、地域住民の方々の御意見を踏まえ、玉川上水・放射5号線周辺地区まちづくり計画における具体的取り組みの1つとして位置づけるとともに、都市計画審議会での御意見も踏まえ、区としての喫緊の課題であるとの認識のもと、まちづくり計画の対象区域にとどまらず、周辺地域を含めて進めていくこととしております。今後、候補としている区道の重点整備路線の指定を視野に、関係所管が連携を図りながら、周辺地域を含めた狭隘道路の拡幅整備を促進し、安全・安心なまちづくりを進めてまいります。  私からの最後に、地区計画によるまちづくりについてのお尋ねにお答えをいたします。  地区計画は地区レベルの都市計画であり、地域の特性に応じてまちの課題をきめ細やかに解決していく上で、有効な手法であると認識してございます。その作成に当たっては、地域住民の皆様が主体的にまちづくりに取り組む機運を醸成することが重要であり、地区計画制度に関する普及啓発に努めるとともに、地域でまちづくり活動に取り組む団体を通じた支援が必要と考えてございます。現在、都市計画決定に向けた手続を進めている玉川上水・放射5号線周辺地区地区計画の取り組みを着実に進めるとともに、そこでの経験や成果を生かして、今後、他の地域においても地区計画策定に向けたまちづくりの機運を高めることにより、地域の特性に応じた良好な市街地環境の向上に取り組んでまいります。  私からは以上でございます。 ○副議長(川原口宏之議員) 都市整備部長。       〔都市整備部長(渡辺幸一)登壇〕 ◎都市整備部長(渡辺幸一) 私からは、放射5号線関連の御質問のうち、所管事項についてお答えをいたします。  まず、放射5号線の開通後の生活道路等への通過交通の流入対策と、富士見丘通りの歩行者の安全対策についてでございます。  東京都の計画では、交通管理者と協議をいたしまして、岩通通りや富士見丘通りへは放射5号線からは右折禁止とし、通過交通の流入を抑制することとなってございます。  また、放射5号線とつながる生活道路の入り口につきましては、歩道を連続させ、通過交通が流入しにくい道路構造としてございます。  富士見丘通りの安全対策につきましては、民間住宅や区営住宅に設置されている歩道状空地など、現状の利用形態を生かしつつ、学校用地を活用して連続した歩行空間を確保するなど、歩行者の安全対策を進めてまいりたいと考えてございます。  さらに、放射5号線の供用前後の交通状況を把握し、必要に応じて通過車両の流入対策など、生活道路の安全対策に努めてまいります。  次に、放射5号線の暫定供用区間の街路樹整備計画についてお答えをいたします。  東京都では、平成25年度より、街路樹整備計画について、既存高木を存置することや新たな植樹帯に移植するなど、既存高木を極力活用していく方針で検討を進めてきたところでございます。しかしながら、議員御指摘のように、結果的には約7割の既存高木を伐採する計画となったと伺っております。  東京都では樹木医による詳細な街路樹の診断を行い、成育状態が健全と診断された高木については活用することとし、やむを得ず伐採するものにつきましては、新たに高木を植えかえることといたしました。維持管理や防犯性に配慮した配置にするため、将来的には約300本程度になる計画となりますが、中低木との植栽の組み合わせにより、豊かな緑を創出していくと聞いているところでございます。  また、植栽計画の検討過程におきましては、多くの樹木を伐採することになる可能性があるという考え方をお伝えした上で、沿道約2,800世帯を対象にアンケートを実施したり、話し合いの会を3回、延べ5日間開催し、沿道の皆様からの御意見もいただきながら、最終的に東京都で植栽計画を決定したものと認識をしております。  なお、植栽計画の内容の区民への周知につきましては、現場内に2カ所、周知看板を設置するとともに、広報紙の「放5かわら版」を沿道周辺地区約3,500世帯を対象といたしまして、平成25年度より延べ10回配布を行い、計画内容の周知に努めてきていると伺っているところでございます。  私からは以上です。 ○副議長(川原口宏之議員) 土木担当部長。       〔土木担当部長(吉野 稔)登壇〕 ◎土木担当部長(吉野稔) 私からは、都市計画高井戸公園及び岩通ガーデンに関する御質問にお答えいたします。  まず、都市計画高井戸公園にできる駐車場に関するお尋ねですが、これまで区といたしましても、公園計画や整備に対する地域の要望を都へ伝えてきており、駐車場の出入りに関する懸念についても都へ伝えております。今後も引き続き、設計や整備内容が段階的に具体化する中で、地元への情報提供、丁寧な説明を都に求めてまいります。  次に、岩通ガーデン跡地等の緑地整備に関するお尋ねですが、都では、今年度基本設計、29年度は実施設計を行う予定であると聞いております。区といたしましては、地域の御要望について機会を捉えて都へ伝えてまいります。  私からは以上でございます。 ○副議長(川原口宏之議員) 中央図書館長。       〔中央図書館長(森 仁司)登壇〕 ◎中央図書館長(森仁司) 私からは、中央図書館の大規模改修に関する一連の御質問にお答えいたします。  今回の設備等の老朽化に伴う大規模改修では、四半世紀先を見据えながら、建物性能の基本要件である安全性、快適性の確保はもとより、図書館サービス基本方針が掲げる区の目指すべき図書館像の具現化を図ってまいる考えです。  改修検討に当たっては、図書館協議会のほか、多様な参加手法により幅広い区民等の意見を聴取するため、今年度に入り、公募によるワークショップ形式の区民意見交換会のほか、区民意向調査、区政モニターアンケート、中高校生アンケートなどに順次取り組んでまいりました。  これまでの取り組みを通じて、一般と児童の開架スペース、動線のあり方の見直しを初め、閲覧席の増設、滞在型利用ができるくつろぎのスペースや集いと交流の場の拡充、さらには周辺の緑を生かした明るい建物づくりなど、多岐にわたる御意見、御要望をいただいており、これらの中には、図書館サービス基本方針で示している取り組みの方向性とも重なるものも多いと受けとめているところでございます。  各種団体から区に寄せられた提言等も含めて、これらの御意見などを精査の上、今後営繕部門とも調整を行いながら、機能性、利便性、経済性など総合的な観点から、改修内容の方向性と設計の諸条件等についての検討を進めてまいります。  あわせて、改修工事に伴い休館する際の業務のあり方や蔵書の保管場所等についても検討を重ね、必要な対策を取りまとめてまいります。そして、来年秋ごろを目途に改修基本計画を策定し、平成30年度以降の設計工事につなげてまいる考えです。  なお、寄附に関する御提案につきましては、区全体の寄附制度のあり方を検討する際の参考とさせていただきます。  私からは以上です。 ○副議長(川原口宏之議員) 以上で山本あけみ議員の一般質問を終わります。  ここで3時20分まで休憩いたします。                                午後3時02分休憩                                午後3時20分開議 ○副議長(川原口宏之議員) 休憩前に引き続き会議を開きます。  21番そね文子議員。       〔21番(そね文子議員)登壇〕 ◆21番(そね文子議員) いのち・平和クラブの一員として、1、石けん利用を進め、水環境を守る取り組みについて、2、使用済み油の回収により資源循環とエネルギーを地産する取り組みについて、質問いたします。  まず、石けんの利用がなぜ水環境を守ることになるのか、述べたいと思います。  杉並区内には3つの河川、妙正寺川、善福寺川、神田川が流れ、それは中野区で神田川に合流し、やがて隅田川に合流して海に注いでいます。区内の下水道は合流式のため、雨が降った場合、雨水や生活排水がそのままの状態で河川に流れ込むようになっています。流れ込んだ生活排水は処理されることなく川を汚染し、そのまま海に流れ込んでいるのが実態です。海まで流れついた汚水は、海底に蓄積したり、海の生物に取り込まれたりし、それがめぐりめぐって食物連鎖に組み込まれた私たち人間の口に入ることになります。  川や海の生物の生息環境を守ることは、食の安全、人間の健康を守ることにつながるため、家庭排水の中に環境負荷のかかるものを流さないということが大変重要と考えます。環境や生物、人体に悪影響を及ぼす物質を含む合成洗剤などはなるべく避けたいという考えから、生活者ネットワークは、議会で、学校施設や区立施設で環境負荷の少ない無添加の石けんの使用を求めてきました。また、区内で活動する消費者団体は、区施設での洗剤を石けんに切りかえるよう求め、毎年予算要望の際に区長に説明していると聞いています。  石けんは固形、液体、粉末などのタイプがありますが、どれも天然の動植物の油脂にアルカリと水を加えて加熱してつくられたもので、紀元前3000年から使われてきた長い歴史の中で安全性が確認されています。  一方、合成洗剤の歴史は浅く、第二次世界大戦後に急速に普及しました。これは石油から複雑な工程を経てつくられ、合成界面活性剤、蛍光増白剤や再汚染防止剤などが配合されています。そして問題なのは、水中での分解がされにくく、環境ホルモン作用、発がん促進作用、皮膚障害、味覚機能の低下、髪へのダメージなどの懸念があり、安全性が確認されていません。  合成界面活性剤は水中に存在する固体に吸着する性質があり、魚のえらに吸着すると、窒息死させることがわかっています。その点、石けんは水で薄まると界面活性力を失い、分解されて二酸化炭素と水になり、安全なのです。  1970年代後半に、琵琶湖を初めとした全国各地で生活排水による水質汚濁が問題となり、漁業協同組合や生協、市民団体などが連携して、合成洗剤の使用をやめ、石けん利用を進め、人体への影響、河川や海などの自然環境を守ろうという石けん運動が展開され、現在に至っています。生活者ネットワークは、そこに参加している全国の団体と連携して活動してきました。この石けん運動では、杉並区でも区長から毎年メッセージをいただいています。  そこでまず初めに、区は、この石けん運動についてどのように評価しているか、見解を伺います。  杉並区には、基本構想に定める区の将来像「支えあい共につくる 安全で活力あるみどりの住宅都市 杉並」の実現に向けた環境分野の計画である環境基本計画があります。この計画は、杉並区環境基本条例に基づき、地域の環境を総合的かつ計画的に保全し、地球環境の保全に貢献していくための計画でもあります。  環境基本計画の「化学物質等の適正管理と水質汚濁を防ぐ取組」の環境配慮行動指針には、区民の取り組みとして、「洗剤は環境対応タイプを選び、その使用は必要最低限に留めます。」という一文が入っています。区はこれをどのような取り組みによって実現しようとしているか、伺います。  江戸川区では、洗剤、洗浄剤について、より安全性が高く、環境に優しい石けんの使用を目的とするとうたわれた石けん使用指針が定められています。杉並区でも石けんを優先的に使うことを促す取り組みが求められます。環境基本計画改定の際には、ぜひ、石けんと明記していただきたいと要望します。  ほとんどの区立施設では、食器を洗うための合成洗剤や手洗い用に洗浄剤が備えられています。具体的には、区庁舎を初め、小中学校、区立保育園や保育室、子供園、地域区民センター、ゆうゆう館、児童館などが挙げられます。まずはそれらの施設で食器洗い用の洗剤や手洗い用を、有害な化学物質を含まないものにすることに取り組んでいただきたいと思います。そこでの洗剤や手洗い用の洗剤の使用が現在どのようになっているのか、また今後どのようにしていくのかについて伺います。  多くの区民が使う区立施設は、環境配慮行動を啓発する場にしていただきたいと考えます。  ここで一例を紹介したいと思います。小金井市では環境行動指針で、洗剤は極力石けんを使用するとともに、合成洗剤は必要以上に使わないように努めることを定めていますが、その内容がこのようなわかりやすいポスターにされて、市立施設の給湯室に張られています。このポスターは、石けん運動を進める市民から提案があって、市が一緒に作成し、市民が協力して継続的に施設に張られているということです。ぜひこのような事例も今後参考にしていただきたいと思います。  また、石けんの原料についても述べたいと思います。  さきに述べたように、石けんの原料は油ですが、飲食店等から回収された使用済み油を精製し、リサイクルして石けんがつくられています。環境のことを考えてつくられた、できるだけ環境負荷の少ないものを選んで買うグリーン購入という考え方があり、区でもグリーン購入法に基づいた物品の調達方針が立てられていますが、石けん購入にもこの考え方を適用してほしいと思います。区の施設では率先してそのような商品を購入いただきたいと考えますが、区の見解を伺います。  東京都では、化学物質による子供への影響を防ぐために独自のガイドラインを策定し、子供が安心して生活できる社会の実現を目指しており、化学物質が人に与える影響は、大人より成長期の子供において大きいとの考えが示されています。予防原則にのっとり、有害な化学物質が含まれているものはできるだけとらないようにすることは重要なことです。このような観点から、学校の手洗い場、家庭科室での石けんの利用を望みますが、教育委員会の見解を伺います。  2015年3月の予算特別委員会で、学校での手洗い用の洗浄剤使用について調査を行っていただいたところ、PRTR法に規定されている有害化学物質が入った合成洗剤が全ての学校で使われていました。PRTR法とは、人の健康や生態系に有害なおそれがあるなどの性状を有する化学物質の規制を目的としてつくられ、環境や人の健康に影響を及ぼすとして、国が有害であると指定した化学物質について、事業者がその排出量を1年ごとに集約し、公表することを義務づけるという法律です。  なぜその有害化学物質が入った合成洗剤が使われるに至ったかを聞いたところ、国立衛生研究所の講師から、ネットに入れた固形石けん、また石けん大の固形石けんは微生物の繁殖の可能性があるという指摘があって、教育委員会から液体にかえるよう通知が出され、それを契機に合成洗剤にかわったと思われる、今回は抽出調査だったので、今後全校調査を行い検証する必要があるという答弁をいただいています。その後の調査の結果はどうであったのか、どのように検証が行われ、それに対してどのように対応されたのか伺います。  東京都の教育委員会が、都内全自治体における公立学校給食の実態、状況等について毎年調査を実施しています。この調査の中に、食器具類の洗浄剤等使用状況の項目があります。厨房において合成洗剤か石けんか、またはその併用かが調査項目として取り入れられています。子供たちの口に入る可能性から見ても、水環境に与える負荷の点からも、また厨房で作業に当たる調理員の健康を守る意味でも、石けん使用が望ましいことは先ほど来述べてきたとおりです。2015年度の報告書には、杉並区内の小中学校全て合成洗剤使用となっています。23区の港区、大田区、世田谷区、中野区では、小中学校の100%で石けんが使用されています。  以前、世田谷区に給食調理室で石けんが導入された経緯を聞きに行きました。そこでは、調理員の手荒れや健康影響の不安から石けんを望む声があり、数回の試行と説明会を経て導入がされたということでした。職員の手荒れは、石けんが導入された後改善が見られたということです。  杉並区でも、給食で使う食器の洗浄に石けんの使用を望みますが、教育委員会の見解を伺います。  この項の最後です。杉並区では、学校給食で出た使用済みの油は回収業者が処理していますが、この油は家畜の飼料や燃料などのほか、石けんにもリサイクルされています。このようなつくられ方をした石けんを使うことで、初めてリサイクルの循環が完成されます。廃食油が石けんに生まれ変わることを学ぶことも環境教育として重要と考えますが、教育委員会の見解を伺います。  次に、大きな項目の2つ目、使用済み油の回収による資源循環とエネルギーを生み出す取り組みについて伺います。  日本国内で消費される食用油は年間200万トンで、このうち廃棄されているのは約40万トンです。飲食店や食品関係企業などからまとまって廃棄される業務用の廃食油と、各家庭から少量ずつ捨てられている廃食油の量は、ほぼ半々の20トンずつと推計されています。飲食店などからの20万トンは専門の回収業者に委ねられ、約80%が回収されていますが、家庭から出る残り半分の廃食用油の回収率は極めて低く、そのほとんどが生活排水と一緒に下水に流されたり、紙に含ませて捨てられています。河川に流される油は水質汚濁や配管の詰まりの原因となっています。  環境省が出している「生活排水読本」には、小さじ1杯、5ミリリットルの油が垂れ流されたとき、これを魚がすめる水質に戻すには、風呂おけ5杯分、1,500リットルの水が必要と書かれています。  数年前、地域行事で料理をつくった際に出た油の処分を任される機会があり、可燃ごみにしたくないので、回収拠点を探し、数カ所に電話をかけ、自転車で20分ほどかかる福祉作業所に持っていったことがありました。こんなに大変な思いをして回収先を探さなければならない状況で、多くの方はどうしているのだろうと疑問に思いました。
     そこで、どのくらいの需要があるのか確かめるため、区役所隣にある生活者ネットワークの事務所で、廃食用油の回収拠点を始めることにしました。2014年4月にスタートし、2年数カ月で約800リットルを回収しました。これは、1,300万人が暮らす東京を各家庭から使用済み油が排出される油田に見立て、その油を回収して燃料にするプロジェクトに参加し、年会費を払って回収をお願いする形で取り組んだものです。回収を始めてみると、未使用のまま10年以上が経過し、捨てるに捨てられず、押し入れに眠っていた贈答品の油を持ってくる人が多かったのには驚きました。近隣の方はもとより、自転車に乗って十数分かかるところを、ホームページで見つけたと言って持ってきてくださる方、電車を使って持ってこられる方もいて、回収拠点の設置は区民に求められていることを確信しました。  23区では、渋谷区、葛飾区、豊島区、練馬区などが廃食用油の回収を行っています。以前視察に行った練馬区では、区独自でプラントを備え、回収した油をバイオディーゼル燃料、BDFと以下言います、という軽油の代替になる燃料に精製し、その燃料で区の清掃車2台を走らせ、環境学習にも利用しているとの話を伺いました。  豊島区では、回収した油を無添加のリサイクル石けんに加工し、区庁舎を初めとする区立施設の手洗い用石けんとして利用し、区内で循環させています。  このように、使用済みの食用油は石けんや動物の飼料、燃料に生まれ変わるものなのです。この燃料は、トラックを走らせたり、発電機を動かし電気を生み出します。ちなみに区民22万人の渋谷区は、区立施設18カ所で回収拠点をつくり、年間の回収量は2,700リットル、回収にかかる費用は年間20万円弱ということです。  葛飾区は、住民が約44万人、回収拠点は21カ所、年間の回収量は7,000リットルで、回収費用は21万円とのことです。  さらに、葛飾区では、精製されたBDFを庁有車に使う取り組みも始め、1年が経過したところです。車は100%BDFで走らせていますが、ふぐあいは全く起きていないということです。杉並区でも回収拠点を設ければ、相当量の回収が見込まれると考えます。  そこで質問です。杉並区では環境先進都市の実現を目指し、区民一人一人の環境配慮行動を推進し、環境情報や環境活動の場とするとして、環境活動推進センターが設置されています。杉並区でも環境活動推進センターを第一に、お願いできる区立施設幾つかで、使用済み油の回収を実験的にスタートしていただきたいと思いますが、区の見解を伺います。  また、葛飾区では、ホームページで民間団体が行う廃油の回収拠点を紹介し、区民にそこにも廃油を出すよう促していました。先ほど、生活者ネットワークの事務所が回収拠点になったことを述べましたが、区内にはほかにも民間団体が回収拠点となっているところがあります。このような区民の自発的な活動を杉並区でもホームページで広報し、廃油の回収を促進することを要望いたします。  最後の質問です。先ほどからリサイクルされたものを使うことの重要性について述べてまいりましたが、区が屋外のイベントで発電機を利用するときは、BDFを使うことにも取り組んでいただきたいと思います。すぎなみフェスタなどさまざまな屋外のイベントが行われていますが、発電機を使う際には、一部であってもBDFを試していただきたいと思います。このBDFは、大気汚染の原因となる硫黄酸化物はゼロ、呼吸器機関障害の原因と言われる黒煙は軽油の半分以下、純地産地消の地球に優しいクリーンなエネルギーです。イベントで油の回収を行い、BDFや石けんへのリサイクルのことをパネル展示し、環境意識の啓発を行っていただきたいと思いますが、区の見解を伺います。  環境への配慮は、緊急性の点で、ともすると後回しにされがちです。しかし、子供や孫、その先に続く世代に対して今の大人が行わなければならない大変重要な課題と考えています。杉並区環境基本条例には、「区は、すべての施策を環境の保全に配慮して行うとともに、区民及び事業者の理解と協力を得るよう努めなければならない。」と定められています。今回の提案や要望に対して、区には、少しのことからでもまずは試しに始めてみるという姿勢を持って取り組んでいただくよう要望し、私の質問を終わります。 ○副議長(川原口宏之議員) 理事者の答弁を求めます。  区長。       〔区長(田中 良)登壇〕 ◎区長(田中良) 私からは、そね文子議員の御質問のうち、石けん運動に関するお尋ねにお答えをいたします。  石けん運動は、1970年代後半、琵琶湖に淡水赤潮が発生し、その原因の1つが合成洗剤に含まれるリンであるということがわかり、滋賀県民がマザーレイク琵琶湖の環境を守るため、合成洗剤の使用をやめ、粉石けんを使おうという運動を始めたことがその発端と伺っております。  私も何年か前、四、五年前だったような気がしますけれども、区長になってからだと思いますけれども、たまたま都議会時代の盟友であって、今、小金井の市長をやっている西岡君というのがいるんですが、彼の縁で武村正義さんと懇談をする機会がありまして、ちょうど町長さんだったか市長さんだったかをされていて、知事に転身をするときがこの石けん運動のころだったというようなお話をされていたような記憶がございます。その後、そのときのことを書き記した本を送っていただいて、私も読ませていただきましたけれども、琵琶湖の環境を守ろう、取り戻そうということで、相当の大きな市民運動が展開されたということだったようでございます。  こうした日常生活の中での一人一人の行動によりまして水環境の改善を図ろうとする石けん運動の取り組みは、環境活動の歴史の中において、企業の生産活動にも大きな教訓を与え、大変意義深いものであると評価をしております。  杉並区の水環境につきましても、区内を流れる神田川、善福寺川、妙正寺川の流域は、カモやトンボなどさまざまな生き物が生息する貴重な場所となっております。こうした河川を含めた自然環境を保全し、次世代に引き継いでいくためには、区民、事業者、区がともに環境に配慮した行動をとることが必要であり、御指摘の石けん運動など、環境に優しい取り組みを広めていくことは、大変重要なことと考えております。今後も持続可能な、環境に優しい住宅都市の実現に向けまして、積極的に環境保全に取り組んでまいりたいと存じます。  私からは以上です。残りの御質問につきましては、関係部長より御答弁いたさせます。 ○副議長(川原口宏之議員) 環境部長。       〔環境部長(森 雅之)登壇〕 ◎環境部長(森雅之) 私からは、石けんの使用などに関する御質問にお答えいたします。  最初に、環境基本計画についてのお尋ねですが、同計画では、水質汚濁を防ぐ取り組みとして、区民には、洗剤は環境対応タイプを選び、その使用は必要最小限にとどめることを促しているところでございますので、さまざまな機会を捉え、環境配慮行動をとるようPRに努めてまいりたいと存じます。  次に、区立施設における洗剤の使用状況についてのお尋ねですが、御指摘のそれぞれの施設では、運営形態や用途などが異なるため、洗剤の統一的な対応はとっておりませんが、いずれも生分解性にすぐれ、安全性が確保された環境対応タイプのものが使用されていると考えております。  次に、リサイクル石けんの使用についてのお尋ねですが、区といたしましては、他自治体の事例等の情報を把握するとともに、製品の使いやすさや性能、金額等を調査し、導入の可能性について研究してまいりたいと存じます。  いずれにしましても、水環境の保全は重要と考えておりますので、来年度から改定に着手する環境基本計画の中で、区民や区の取り組むべき環境配慮行動について、より具体的な内容を検討してまいりたいと存じます。  次に、区立施設での使用済み油の回収についての御質問にお答えいたします。  区では、家庭から排出される食用油については、古紙や古布にしみ込ませるか、凝固剤で固めて可燃ごみとして出すよう区民の皆様に御案内をしているところでございます。  御指摘の使用済み油の回収につきましては、コストや回収拠点、回収の実効性についての課題があり、他区での取り組みも参考にしつつ、具体的手法について研究してまいりたいと存じます。  次に、使用済み油を原料としたバイオディーゼル燃料の使用と、パネル展示による環境意識の啓発に関する御質問にお答えいたします。  区では、環境意識の啓発として、小中学校環境サミットの開催や、町会・自治会の集まりに職員が出向き、ごみの減量や分別の理解を深めるための活動などを実施しているところでございます。また、区民の環境活動を支援する環境活動推進センターなどにおいて、廃油を利用した石けんづくり体験を行うグループの活動が行われてきたところでございます。  御指摘の、区がかかわるイベントでの、使用済み油を原料としたバイオディーゼル燃料を使った発電機の利用や、そのPRのためのパネル展示につきましては、イベントの主催者や参加する環境団体などとの連携も視野に入れつつ考えてまいりたいと存じます。  私からは以上でございます。 ○副議長(川原口宏之議員) 教育委員会事務局次長。       〔教育委員会事務局次長(徳嵩淳一)登壇〕 ◎教育委員会事務局次長(徳嵩淳一) 私からは、教育委員会の所管事項に関する御質問にお答えします。  まず、区立学校における石けんの使用についてのお尋ねですが、児童生徒等が使用する手洗い用石けんについて昨年4月に実施した調査結果では、全小中学校が、厚生労働省の承認を受け一般に販売されている製品を使用しておりました。これにつきましては、区の生活衛生部門の見解も踏まえ、通常の手洗いに使用する限り基本的に問題はないものと認識しております。  また、学校の給食調理室で使用する食器洗浄剤につきましては、調理作業面や経済性などを考慮して、同じく厚生労働省の承認を受けた合成洗剤を使用しているものであり、現時点におきまして石けんに切りかえる考えはございません。  次に、環境教育に関する御質問にお答えします。  御指摘の廃油石けんを含め、児童生徒がリサイクル等について学び、循環型社会の重要性について理解を深める教育活動を充実することは、大切なことであると考えています。これまでも各区立学校では、社会科や家庭科、総合的な学習の時間などにおいて、児童生徒が限りのある資源の大切さを学ぶとともに、牛乳パックを用いた再生紙づくりや、古布を使った作品づくりなどにも取り組んでいます。  今後とも児童生徒が持続可能な社会の形成に主体的にかかわることができるよう、環境教育の一層の推進に努めてまいりたいと考えてございます。  私からは以上です。 ○副議長(川原口宏之議員) 以上でそね文子議員の一般質問を終わります。  7番上保まさたけ議員。       〔7番(上保まさたけ議員)登壇〕 ◆7番(上保まさたけ議員) 日本共産党杉並区議団を代表して、高円寺地域の学校統廃合による施設一体型小中一貫校計画について、区民事務所について、質問をいたします。  まず、高円寺地域の学校統廃合による施設一体型小中一貫校計画についてです。  高円寺地域の小中一貫校計画については、この間、当該地域だけでなく、広範な区民が反対の声を上げ始めています。その背景には、計画そのもののひどさと、区の住民無視の強引な一貫校の進め方があります。そもそもこの計画は、学校選択制と小中学校適正配置基本方針により杉八小の児童が減少したことによって、高円寺地域の新しい学校づくりの名で杉八小を統廃合の対象とする計画案として出発し、最終的に杉四小、高円寺中を巻き込んだ学校統廃合による小中一貫校計画となりました。しかし、計画案に対するパブリックコメントでは反対意見が7割を超え、説明会では反対の意見が多数でした。しかし、そうした声を全く聞き入れないばかりか、一部の地域、学校関係者だけを集め、それで地域の声を聞いて計画を進めているというアリバイづくりのような懇談会を開いて、本計画を進めてきました。  そうしてでき上がった計画は、子供たちの教育環境にとっても、近隣住民の住環境にとっても、甚大な影響を与える最悪なものとなりました。本計画は、環7沿いの商業地域だから高い建物を建てられるという理由で、高円寺中の決して広くない敷地に、杉四小、杉八小、高円寺中の3つの小中学校の児童生徒を押し込めるものです。そのため、校舎は南北約72メートル、東西約62メートル、高さは何と約30メートルと、高層大規模化します。オフィスビルだと七、八階、マンションだと10階建てに相当する高さです。  校庭も700平米縮小し、中学生が使用するにもかかわらず、1周120メートルのトラックしか引けません。校舎は敷地の南側に配置させるため、環7とJRの線路に囲まれます。そのため、大気汚染や騒音も多く、それに配慮しなければならないため、常に二重窓を閉め切り、エアコン漬けの学校生活を送らなければなりません。校庭の日照にも大きな影響があります。通学時間、距離ともに増大する上、車両通行の多い環7を渡り通学することになります。さらに、そこに80億円もの区民の血税をつぎ込むこと自体、異常きわまりないことです。  近隣住民には、ことし初めに計画の全容が急遽知らされることになり、近隣住民の皆さんにとっては、まさに寝耳に水の事態でした。  このように、計画の異常な実態が明らかとなる中、巨大校舎によって被害を受ける住民によって被害者の会がつくられ、区との真摯な話し合いが進められてきました。しかし、そこで住民が納得するまで一切の工事を行わないとする合意が交わされていたにもかかわらず、それを踏みにじり、区の教育委員会は、この夏に高円寺中のボーリング調査を強行しました。その後の工事は住民の猛反発によりストップされているものの、こうした乱暴な計画の進め方に対し、もう黙っていられないと多くの区民が声を上げ始めています。  この間、区の実行計画、協働推進計画等に関するパブリックコメントでも、この計画に対し、50を超える声が寄せられています。その全てが本計画に反対、または見直しを求めるものです。  少し紹介をいたします。杉四小、杉八小を高円寺中に統合する施設一体型の小中一貫校は、排気ガスの深刻な環7沿いの悪化した教育環境を押しつけるものである。中央線、環7の騒音のために一年中窓を閉め切り、エアコンでコントロールされた教室で過ごさせるのは、公のやることではない。  また、別の意見として、協働推進計画、方針1、区民の意見を区政運営に生かしていくについて、高円寺小中一貫校に関して、区民である住民の意見を全く聞いてこなかったことを指摘し、今後は住民の意見を誠実に聞きこの問題を進めてほしい、住民の意見を一切聞かず強引に一貫校建設に向けて乱暴なことを進めてきたのではなかったのか、これからは協働推進計画で公言したのであるからこのとおり実行してほしい、といった厳しい声が寄せられています。  さらに、先日行われた住民と区の教育委員会との話し合いの場には、区内各地から、この計画に反対する住民が傍聴に訪れる事態となっています。  さて、その地域住民との話し合いの中で、この一貫校の図面には、緑は校庭のわずかな植栽スペースと屋上緑化しか示されていない、杉並区ではエコスクールというものを実施しているが、それとの整合性はないのではという指摘がありました。そこでまず、このエコスクールについて伺います。  まず、エコスクールの推進を行ってきた経緯、そしてそれに対する区の評価を伺います。  杉並区みどりの基本計画では、エコスクールの推進について、「区立学校の緑化・エコスクール改修等を計画的に進め、環境に配慮した学校運営、および学校を核として、家庭・地域を含めた環境教育の推進を図ります。」とうたわれています。そこで、エコスクールが子供に与える教育的な影響をどう捉えているのか、区の見解を伺います。  同時に、当区の全体的なエコスクールの現状と、杉四、杉八、高円寺中ではどのような設備があり、教育的な取り組みがなされているか伺います。  そして、この一貫校には、ビオトープの設置等、区のエコスクール計画で設置が求められている諸機能が余りにも少な過ぎます。校庭にあった、高円寺中学校のシンボルともなっていた木も切られてしまいます。こうした学校づくりは、エコスクール計画と整合性が合わないのではないでしょうか、区の見解を伺います。  加えて、この間複数の会派から、当初新校舎に設置するはずだった武道場を削減したことへの苦言が出されています。新校舎に武道場などの必要な諸室が設置できない。十分なエコスクールの実施ができない。これ自体が、高円寺中の狭い土地に3校を押し込める施設一体型小中一貫校をつくることが無理な計画であることを示すと同時に、何より子供たちのことが全く考えられていない学校づくりであることを改めて示すものです。  次に、子供の発達に関して、施設一体型小中一貫校がどのような影響を与えるのかということについてです。  この間、我が党区議団も再三にわたり議会で指摘をしてきたことですが、小中一貫校の教育的効果は、国でもはっきりと検証されているわけではありません。それどころか、教育学や心理学の専門家からは、施設一体型の小中一貫校では、子供の発達に大きな影響が出ているという調査結果が示されています。  文部科学省の科学研究費助成事業として、教育学、心理学の研究チームが行った「小中一貫教育の総合的研究」という調査結果があります。これは2013年から14年に、施設一体型小中一貫校と普通の小中学校、8,000人の児童生徒を対象に行った調査で、自分に自信があるか、そして自分には価値があるか、居場所はあるかなどの感覚について聞いたものです。結果は、さきの問いに対し、普通校の児童よりも小中一貫校の4、5、6年生の児童にネガティブな結果が出ているというものです。  研究チームの方の考察によると、要因としては、第1に、一貫校では小学校高学年の児童は、中学生と自分を比較する機会が極端にふえるため、自分自身について低目に自己評価をしてしまうこと。第2に、一貫校の歴史が浅いため、学校の運営システムが安定しないことによる心理的な負荷が大きいこと。3つ目に、学校の規模が大きくなることによって、自分の居場所を見つけづらいこと。4つ目に、9学年になることによって、学年の位置づけというのが変化して、小学校高学年の児童が上級生としての意識を持ちづらいことなどが挙げられるというものでした。  普通の小学校では最高学年として運動会などの行事等で全校的な責任を負い、自治を経験する機会があります。しかし、一貫校ではそれが奪われ、高学年が自信を持つプロセスが消えているためだと指摘をされています。まず、こうした文科省の研究機関の調査結果について、教育長の見解を伺います。  杉並区小中一貫教育基本方針では、小中学校の9年間というのは、自分の存在を価値あるものと受けとめられる感覚である自己有用感、自分の価値や存在意義を肯定する感覚や感情である自己肯定感が育まれ、社会の一員としての自覚が培われる大事な時期だとして、こうした感覚を育むのが小中一貫教育の目的だとしています。しかし、文科省の研究機関の調査結果では、区が小中学校時代に育みたい、培いたいと思っている感覚や感情が小中一貫校では育むのが困難になっている、このことが検証されているのです。  区の教育委員会はこれまで、6・3制を維持するから問題ないと言ってきましたが、この調査結果で示された傾向というのは、小学校高学年の児童が中学生と自分を比較する機会が極端にふえる、施設一体型小中一貫校自体が持つ物理的な構造によるものです。6・3制を維持するから問題ないというのはそもそも筋違いの議論だと考えますが、このことについても教育長の見解を伺います。  施設一体型小中一貫校計画は、区の小中一貫教育基本方針にも矛盾をし、子供の発達にも悪影響が出ると国の調査研究でも指摘をされており、加えて、さきにも指摘したように、子供たちの教育環境や近隣の住環境の悪化は明らかであり、高円寺地域の学校統廃合による小中一貫校計画は中止するよう求めますが、区の見解を伺います。  施設一体型小中一貫校にこだわるのではなく、小学校は小学校、中学校は中学校のまま建てかえを行えば、中学校に武道場を整備することも、十分なエコスクールを推進することも可能であり、そうした計画に見直すことを重ねて求め、次の質問に移ります。  次に、区民事務所についてです。  区立施設再編整備計画により、区民事務所の削減、集約が進められています。高円寺北地域では高円寺駅前事務所が廃止をされ、区民から不満の声が寄せられています。高円寺の駅前事務所を初めとした区民事務所の廃止について、区は、窓口の事務取扱件数が減少したのと同時に、証明書の自動交付機の利用率が高くなったからと言っていました。高円寺北地域の方からは、証明書等の窓口での取得が以前は駅前で済んだものが、現在は交通機関を使わないと行けないと不満の声をお聞きしました。駅ナカのコンビニエンスストアに証明書の自動交付機が設置をされていますが、区民の中には自動交付機が苦手な方もいて、高齢者などは窓口で対応してほしいという要望が寄せられています。  同時に、このコンビニ内の自動交付機は商品の棚の真横にあり、区役所入り口の自動交付機のように囲いがされているわけでもないので、暗証番号などの個人情報を保護するという観点から見ても問題があり、速やかな改善を求めるものです。  また、別の90歳になる方からは、セシオン杉並ではなく、電車とすぎ丸を乗り継いで区役所まで行っていて、大変苦労をしているということでした。高円寺駅前事務所はセシオン杉並へ集約されたとはいっても、高円寺北地域にとっては事実上の事務所の廃止であり、同事務所の廃止が強行されたことによって、どこの事務所が一番行きやすいのか、周知も図られていない実態があります。このように、区民事務所の削減によって不便になったという声を区は把握をしているのか、見解を伺います。  高円寺北地域では、以前に今の高円寺北区民集会所が出張所だった時代のことを覚えている方も多く、駅前事務所がなくなったのなら、区民集会所で証明書の取得等ができるようにしてほしいという声も寄せられています。区内の区民集会所を初め、区立の集会施設等に事務所の窓口機能を併設させ、利便性を高めることを求めますが、区の見解を最後に伺いまして、私の一般質問を終わります。 ○副議長(川原口宏之議員) 理事者の答弁を求めます。  区民生活部長。       〔区民生活部長(井口順司)登壇〕 ◎区民生活部長(井口順司) 私からは、区民事務所に関するお尋ねにお答えいたします。  区民事務所の再編については、平成26年12月に、区民サービス窓口の地域的な偏在を解消し、効率的な行政運営を行っていくために実施したものでございます。実施後約2年が経過いたしましたが、その中では、廃止した区民事務所の周辺にお住まいの方などから、不便になったとの御意見もいただいているところでございますが、自動交付機やコンビニでの住民票交付などによって、区役所や区民事務所での窓口手続は徐々に減っており、今後はマイナンバー制度による情報連携によって、さらに減少していくものと予測しております。こうした状況から、区民事務所の窓口機能をふやすことは考えておりませんが、高齢者等の情報通信機器の活用にふなれな方々もおられますので、この点については、より丁寧な対応となるよう工夫してまいります。  私からは以上でございます。 ○副議長(川原口宏之議員) 教育委員会事務局次長。       〔教育委員会事務局次長(徳嵩淳一)登壇〕 ◎教育委員会事務局次長(徳嵩淳一) 私からは、高円寺地域における小中一貫教育校に関するものなど、所管事項に関する御質問に御答弁します。  学校施設のエコスクール化につきましては、平成13年度、当時の和泉小学校の校庭芝生化以降、校舎の壁面緑化や屋上緑化、サッシの改修など、校舎改築時のほか、既存校の建築構造等に応じた取り組みを順次進めてまいりました。このようにエコスクール化された学校施設は、環境負荷の抑制につながることはもとより、環境教育の教材として活用できるといった意義がございます。  今後とも、各学校におけるエコスクール化の取り組みに応じた環境教育を実践することなどを通して、子供たちによる具体的な環境配慮行動につなげていくように努めてまいる考えです。  次に、小中一貫教育の調査に関する御質問にお答えします。  議員が引用された研究報告は、大学教授などによる研究チームが国の研究費助成を活用して、平成25年度に実施したもので、小中一貫教育校7校、及び小中一貫教育校でない60校の計67校という、比較的小規模な調査対象により実施されたものです。加えて、本研究チームのメンバーは、この調査結果を引用した著書の中で、本調査は1度限りの横断的調査であり、得られた結果について限定的に解釈する必要があり、過度の一般化をしないということも重要であるとの見解をみずから示しているところであり、本調査結果により小中一貫教育を否定することにはつながらないものと考えます。  いずれにしましても、本区における小中6・3制を前提とした小中一貫教育の推進は、小学校と中学校、それぞれの成長発達課題の達成を目指すことを基本とする中で、児童生徒の日常的な交流などを通して、小学生が中学生を今後の自分のモデルとしたり、中学生が小学生の先輩としての自覚を強く持つようになるなど、豊かな人間性が育まれ、一人一人の自己肯定感を高めることにつながるものと認識してございます。  私からは以上です。 ○副議長(川原口宏之議員) 学校整備担当部長。       〔学校整備担当部長(大竹直樹)登壇〕 ◎学校整備担当部長(大竹直樹) 私からは、高円寺地域における小中一貫教育校に関する残りの御質問にお答えいたします。  まず、学校施設のエコスクール化の現状でございますが、これまでの主な実績といたしまして、校庭緑化が26校、屋上緑化が34校、壁面緑化が23校、ひさし、バルコニーの設置が18校、自然換気のためのナイトパージの設置が29校のほか、太陽光発電が20校、LED照明の設置が31校となってございます。この中で、杉並第四小学校では、ひさし、バルコニーの設置、杉並第八小学校では屋上緑化、高円寺中学校では校庭緑化、屋上緑化、壁面緑化を行っているところでございます。  次に、新たな小中一貫教育校のエコスクール化につきましては、屋上緑化のほかに、太陽光発電、LED照明を設置することといたしまして、これらの取り組みにより、本計画は、文部科学省によるエコスクールの整備推進に関するパイロットモデル事業に認定されているものでございます。  最後に、本計画を中止すべきとのことでございますが、平成21年度以降の長きにわたりまして、保護者や学校関係者、地域の方々との意見交換を積み重ねてきた経緯などを踏まえまして、引き続き周辺住民の方々の生活環境の配慮に努めつつ、本計画の着実な推進を図り、次世代を担う子供たちによりよい、望ましい教育環境を提供してまいりたいと存じます。  私からは以上でございます。 ○副議長(川原口宏之議員) 7番上保まさたけ議員。       〔7番(上保まさたけ議員)登壇〕
    ◆7番(上保まさたけ議員) 何点か再質問させていただきます。  まず、発達についてですが、結構この調査結果について過小評価をされていたようですが、私は本当に重大な結果だと捉えています。区としてもしっかりとしたそういった調査をまだしていない中で、なぜそうした過小評価ができるのか、それをぜひ伺いたいと思います。  加えて、この計画に関してなんですけれども、今本当に地域住民が反対をしていて、高中の周りでは、巨大校舎ノーという横断幕が張られている異常な事態となっているんですよね。先ほど、パブリックコメントの意見を紹介したと思うんですけれども、この巨大校舎は、協働、自治を進める上でも、こうしたやり方はどうなのかという声が本当に幅広い区民から出されている。そのことに対して、こういった進め方、学校づくりというのは適切であると思っているのか、ぜひ教育長の見解を伺いたいと思います。  以上です。 ○副議長(川原口宏之議員) 理事者の答弁を求めます。  教育委員会事務局次長。       〔教育委員会事務局次長(徳嵩淳一)登壇〕 ◎教育委員会事務局次長(徳嵩淳一) 私から、所管事項に係る再度の御質問に御答弁申し上げます。  議員が引用された研究報告に関してでございますけれども、この研究報告に参加している、中心的な大学教授の大学の研究会のほうのホームページを確認いたしましたけれども、そちらのほうでも、先ほど私御答弁申し上げましたけれども、本調査結果により小中一貫教育を否定することにはならないというふうに、同じような見解を示してございます。  先ほど申したのはそういったことであって、私どもでは、そうした研究報告も見た上で、今後の施設一体型の小中一貫教育校の推進に関しましても、議員がおっしゃるように、だから計画を中止すべきということではなくて、そうしたさまざまな工夫、改善を今後も凝らしながら、地域とか学校関係者、保護者と協力しながら、一つ一つ工夫改善をして、よりよい教育環境をつくり出し、子供たちに提供していく、そういうポジティブな立場に立った取り組みを進めてまいりたい、かように考えているところでございます。 ○副議長(川原口宏之議員) 学校整備担当部長。       〔学校整備担当部長(大竹直樹)登壇〕 ◎学校整備担当部長(大竹直樹) 私からは、これまでの学校計画の進め方についての御答弁をさせていただきます。  繰り返しになるかと思いますけれども、平成21年度から高円寺地域の区民の皆様、それから保護者の方々、さまざまな方に説明会、意見交換会、それからヒアリングなどを行いまして、時間と説明会の回数も丁重に進めてきた計画でございます。幅広い意見の中でさまざまな意見があったことは事実でございますが、高円寺地域の区民の総意として今の計画が成ってございますので、着実に計画を進めていきたいというふうに考えてございます。  以上でございます。 ○副議長(川原口宏之議員) 以上で上保まさたけ議員の一般質問を終わります。  20番富田たく議員。       〔20番(富田たく議員)登壇〕 ◆20番(富田たく議員) 日本共産党・富田たくです。私は、日本共産党杉並区議団を代表しまして、1、災害時における区役所等の停電対策について、2、区職員の超過勤務について、教職員の勤務実態について、以上2項目について質問いたします。  まずは、停電対策についてです。  10月12日に発生した新座変電所関連施設の火災による影響で大規模な停電が発生し、都内ではエレベーター閉じ込め事故の発生や、鉄道の運転見合わせ、踏切が使えないなど、大きな影響が発生しました。  まず最初に確認いたしますが、この東京大停電と言われた事態、発生から復旧までの経過と原因、並びに都内全体の被害状況、さらには杉並区内の被害状況について、区はどのように把握しているのか、お答えください。  今回の停電では、区役所本庁舎もさまざまな影響がありました。当時、私も本庁舎にいまして、近隣の信号機を確認した後、本庁舎西棟のエレベーターの状況を確認しに行きました。西棟のエレベーターは3台全てが停止中で、私は階段を使って移動しながら、どこでとまっているのかを地下から最上階まで確認して回りました。3台のうち、向かって左側のエレベーターには3名が閉じ込められている状況で、4階と5階の間で停止、右側のエレベーターは8階でドアが開いたまま停止して、中央のエレベーターはどこで停止しているかわからない状況だったと記憶しています。  本庁舎では、エレベーターの停止だけでなく、庁内放送も使用ができない状況で、それ以外にもさまざま影響が発生していたことが予想されます。各種証明書の発行業務などに使用する専用端末やサーバー、大規模電算機、エスカレーターや自動ドア、空調などはどのような状況だったのでしょうか。この点についても改めて確認させていただきます。本庁舎の設備、また、区の業務についてどのような影響が発生したのか。停電から復旧までの経過についても報告を求めます。  庁舎内の影響については、停電発生日翌日の決算特別委員会で簡単な報告がありました。エレベーター閉じ込め事故については、私が確認した西棟の1台以外にも、もう1台で閉じ込め事故が発生し、計2台4名の方が閉じ込められており、1人は約15分後、3名は約30分後に救出されたとのことでした。当時閉じ込められた方々はどのような状況で30分間を過ごしたのでしょうか。非常用インターホンは停電の影響を受けずに正常に使えていたのか、エレベーター内の照明はどうだったのかなど、当時のエレベーター内部の状況、設備の稼働状況についても確認をさせていただきます。  さて、私は、区立施設のエレベーター閉じ込め事故防止に向け対策を進めるよう、何度も議会で取り上げてきました。平成24年に発表された首都直下地震等による東京の被害想定では、閉じ込め事故につながり得るエレベーターの停止台数が、杉並区内で最大167件と見積もられておりますし、電力供給は最大で25.2%もの被害を受けると想定されています。これらの被害の中に区立施設が含まれないわけはありません。  国土交通省が平成21年に改定したエレベーターの安全基準では、新たに設置するエレベーターについて、扉が開いたままエレベーターが走行しないようにする戸開走行保護装置の設置義務づけと、予備電源を設けたP波感知器付地震時管制運転装置の設置義務づけが盛り込まれました。これを受け、東京都も閉じ込め防止対策用のパンフレットまでつくり、既存エレベーターについて速やかに改修を実施してくださいと、エレベーター管理者へ対応を促しています。  2014年の決算特別委員会で私の質問に対し、当時の営繕課長からは、「本庁舎については非常用電源がございますので、21年のエレベーターの基準については適合していませんけれども、非常用電源でエレベーターを動かすことは可能ですので、そういう意味では閉じ込め防止の機能は確保されております。」との答弁がありました。私はこの答弁を聞いて、本庁舎は大丈夫なんだと安心したんです。ところが、今回の停電で、本庁舎のエレベーターは停止し、防止されているはずだった閉じ込め事故が発生してしまいました。それも30分にわたり救出できない状況となっていたわけです。閉じ込め防止機能は確保されているとの議会答弁は何だったのかと、何ともやるせない気持ちになってしまいました。  これが大規模災害時だったらどうなるでしょうか。本庁舎は先日の停電以上に混乱し、被害状況の把握や救出作業はさらに時間がかかるでしょう。閉じ込められている被害者の中に高齢者や乳幼児、御病気をお持ちの方がいれば、当然体調を崩してしまう方も出ます。さらに、もし閉じ込められた方が区長や危機管理室長など、災害時に陣頭指揮を行わなければならない立場の方だったら、目も当てられません。防災拠点の中心となるはずの区役所本庁舎で、それもエレベーター閉じ込め防止機能が確保されていると議会でも答弁されていたのにもかかわらず、エレベーター閉じ込め事故が発生してしまったという事態について、区は極めて重く受けとめるべきと指摘しますが、この事態についてどのような認識を持っているのか答弁を求めます。  今回の停電では、庁内の放送設備も使用できない状況だったことも大きな問題と私は感じております。区役所本庁舎は、東棟、中棟、西棟と3つの棟に分かれ、最大で地上10階地下3階と大変大きな建物です。火災などが発生していた場合、その状況を全館に知らせ、職員や来館者に適切な行動を指示することができなければ、人的被害は拡大してしまいます。緊急時に庁舎内の放送設備が使えなかったことについても、区がどのように捉えているのか、その認識を確認いたします。  杉並区防災計画では、杉並区で地震等による災害が発生した場合、または発生するおそれがある場合に、他の防災関連機関や住民等の協力を得て、区が持つ全ての機能を発揮して、災害応急対策の実施に努めるとされており、防災活動の中枢指令拠点となる災害対策本部は、区役所本庁舎に設置される想定です。そのため、本庁舎の設備は他施設よりも充実した設備が整えられており、電気設備についても、日常的に電力の供給を受ける電源本線のほかに、本線の電源供給が途絶えた場合に備え、別系統の変電所から電力供給を受ける予備線が設けられております。また、大規模震災などで本線及び予備線の双方が途絶えてしまった場合に自動で稼働する非常用発電機も備えています。いわば停電に対して二重三重の備えがされているはずでした。しかし、今回の停電では、この三重の備えが機能しませんでした。  停電復旧後に我が党区議団が行った区への聞き取り調査では、本線で停電が発生した際、予備線側も電圧が不安定となり、予備線には切りかわらなかった。また、非常用発電機は、本線、予備線の双方が電力ストップにならないと自動稼働はしないということでありました。結果的に、庁舎内が全電源喪失状態に陥り、手動で予備線への切りかえを行って復旧したという実態が明らかになってきました。  改めて、今回閉じ込め事故や庁内放送のふぐあいなどが生じた根本的な原因について、庁舎の電気設備の現状とあわせて区の説明を求めます。  さて、再発防止対策についても何点か確認していきたいと思います。  まずは、10月12日の停電と全く同じ状況が本庁舎で発生した場合の再発防止対策についてです。本線が停電しているが、予備線への切りかえが自動的に行われず、非常用発電も稼働しないという状態が発生した場合、どのような対応を行い、どの程度の時間でエレベーターや放送設備は復旧できる見通しなのか確認いたします。  12日と少し違ったパターンですが、本線での停電が発生し、予備線でも停電状態となってしまったが、非常用発電機が自動的に稼働しなかった場合も想定されます。このような場合、手動で非常用発電機を稼働させることは現状できるのか。できない場合はその対策が必要と考えるが、いかがか、お答えください。  また、今回の状況に類似した事例がほかにはないのか、その洗い出しは行っているのか、この点についても確認いたします。  そもそも、本庁舎のエレベーターが最新の安全基準を満たした予備電源、いわゆる非常用バッテリーつきのP波感知器付地震時管制運転装置を搭載したものであれば、庁舎内が停電になっても最寄りの階に停止し、ドアが開き、閉じ込め事故は発生しなかったことでしょう。再び今回のようなエレベーター閉じ込め事故を発生させないためにも、本庁舎などエレベーターの利用頻度の高い施設を中心に、最新の安全基準を満たしたエレベーターへの入れかえを早期に行う必要があると思いますが、区の認識を伺います。  この間、私は議会で、エレベーター閉じ込め事故が実際に発生した場合についても対策が必要だと訴えてきました。その対策とは、エレベーター内に飲料水や懐中電灯、簡易トイレなどを格納した備蓄ボックスを設置することです。エレベーターを最新のものに更新する費用に比べ格段に安く、すぐに対応できます。現に多くの企業や大学などで設置が進んでいます。ちなみに日本共産党中央委員会の本部ビルのエレベーターにも設置されています。今回、実際に閉じ込め事故が発生し、30分もの間救出されなかったという事態が既に発生してしまいました。備蓄ボックスの設置は避けて通れないと指摘しますが、区の見解を求めます。  今回は本庁舎の停電対策を中心に質疑を行ってまいりましたが、本庁舎以外の区立施設で停電が長時間にわたり発生した場合、やはりさまざまな被害が発生することが考えられます。高齢者施設、障害者施設など、施設の特徴に合わせた被害想定、またその対策について改めて総点検し、必要な措置を講じていくべきではないでしょうか。この項の最後にこの点について区の認識を確認し、次の話題に移ります。  続きまして、区職員及び教職員の超過勤務の実態についてです。  昨年12月25日のクリスマスに、大手広告代理店である電通に勤務する24歳の女性が自殺をするという痛ましい事件が起こりました。東京大学を卒業後、電通に入社して、その年のうちに自殺をするという事件で、ことし10月には、三田労働基準監督署が過労死として認定したということが、遺族側の弁護士の会見で明らかになりました。  この女性が働いていた9カ月間で一体何があったのでしょうか。遺族側の弁護士が集計したところによると、残業時間が昨年10月で130時間、11月で99時間だと報道されております。また、上司から、70時間を超えてはいけないと指示され、会社へは残業時間を70時間以下と、実態と異なる申告をさせられていたとの報告もあります。1日2時間睡眠が続いたと。こういった長時間超過密労働に加え、職場では上司によるパワハラ、セクハラが横行していたとの可能性も報道されています。自殺に至るまでに御本人が受けたつらさ、また残された御家族や御友人の方々の気持ちを考えると、余りにもやり切れません。  1980年代から日本はこうした過労死事件が後を絶ちません。生きるために働くはずが、働き過ぎて死んでしまう、こんな不条理なことがあっていいのでしょうか。本来、労働基準法など、労働者を守るはずのさまざまな制度が労働者を守るものになっていないことは、以前から指摘されてきました。三六協定と呼ばれる労使間の協定を結べば、週40時間の法定労働時間を超えて残業させることができますし、ほとんどの場合、この協定は雇い主の言いなりに結んでいるのが実態ではないでしょうか。  また、雇い主が残業代を払わず、サービス残業を強要しても、裁判所で悪質と判断されなければ、雇い主は罰則である倍の残業代を払わなくても済んでしまう状況であり、ほとんどの場合泣き寝入りです。こういった抜け穴ばかりの労働基準法などを抜本的に変え、労働者を守る法律に変更しなければ、日本から過労死をなくすことはできないと思います。  まず、こういった国内の状況について、区の認識を確認したいと思います。長時間労働、超過密労働などで心身ともに体調を崩し、仕事を続けられなくなる状況、また超過密労働を押しつけられ、仕事を休む、またやめるという思考も奪われてしまい、最終的にみずから命を絶つような過労死自殺などが国内で発生している現状について、区はどのように認識しているのかお答えください。  ちなみに、今月15日、民進党、自由党、社民党と共産党の4党が、残業時間の法規制などを盛り込んだ労働基準法改正法案を衆議院に共同提出しました。労使協定を結べば残業させ放題という今の残業時間に法的上限規制を設け、さらに、次の勤務時間までに一定の休息時間を設けるインターバル規制を新たに導入するなどを盛り込んでいます。こういった実効性のある改正が労働基準法には今まさに求められております。  厚生労働省も過労死や長時間労働による健康被害を防止するため、どれぐらい長時間労働をすると健康被害が発生する確率が高くなるかなどの基準を設け、企業や自治体などに、余り実効性はありませんが、指導を行っております。改めて、過重労働による健康被害の関係性について、厚生労働省の基準及び企業への指導はどのようなものかを確認いたします。  また、こういった国の基準や指導のあり方について、杉並区はどのような認識で受けとめているのか確認いたします。  さて、民間企業だけでなく、地方公共団体の長時間労働も改善しなければいけない大きな問題として私は認識しています。職員定数削減で区職員は減らされているのに、仕事量は以前と変わらない、もしくはふえてしまっているというのが今の杉並区の現状ではないでしょうか。高齢化、保育園不足、国、都からの業務移管、さまざまな要因がありますが、杉並区でも長時間労働が発生していることは、以前から議会でも指摘されてきました。  ここで、区職員の長時間労働の実態を確認したいと思います。月の残業時間が45時間以上、また80時間以上となった職員の数、そのうち45時間以上の残業を行った月が1年間のうち3回以上あった職員の数、80時間以上の残業が年に2回以上となった職員の数について、職員の総数とともにお答えください。また、残業数が多い課はどこなのか、上位3位を確認いたします。さらに、非正規職員では同様の事例はあるのか、確認させていただきます。  区の一般職員だけでなく、部長職、課長職の長時間労働についても、私は大変心配しております。管理職となり、残業代は発生しない役職ではありますが、長時間労働で疲労が蓄積すれば、肉体的にも精神的にも健康を崩すのは当たり前です。第3回定例会の質疑の中で、子ども家庭担当部長から、メールでも土日夜間関係なくいろいろな情報交換などを直接区長とやらせていただいているという答弁がありました。このとき、管理職だから土日の業務連絡でも労働基準法には抵触しないとの見解が示されていましたが、私はこの答弁を聞いて、健康面で本当に大丈夫なのかと大変心配しているところです。区役所の部長職といえば、かかる責任は大変重いものです。そういった重たい責任を背負いながら仕事をしている役職だからこそ、区役所から自宅に帰ったら、しっかりと休んでもらいたい。休日出勤がないときは仕事と家庭をきっちりと切りかえて、1日休養をとってリフレッシュしてもらいたい。そうでなければ、24時間365日仕事漬けです。体を壊し、メンタルを壊す働き方の典型です。部長がこういう働き方をしていれば、必然的にその部署に所属する課長や一般職員も同様の働き方になってしまう可能性も高まります。  こういった不健康な働き方を是正し、健康被害を防止するためにも、区として、部長職、課長職の長時間労働の実態把握は必要です。実際に管理職についてはどのように労働時間の把握を行っているのか、また把握している実態についてお答えください。  さて、労働安全衛生法第66条では、事業者に対して、労働者の週40時間を超える労働が1月当たり100時間を超え、かつ疲労の蓄積が認められるときは、労働者の申し出を受けて医師による面接指導を行わなければならないとしております。砕いて言うと、残業時間が月100時間を超えたら医師の面接指導が必要だよという内容です。ちなみに、月80時間以上の残業の場合は努力義務として規定されています。長時間労働による健康被害を防止するための制度の一環ですが、実際には労働者からの自己申告がなければ実施されないので、これもある意味抜け穴のある制度と言わざるを得ません。とはいっても、法で定められておりますので、もちろん杉並区でも職員にこういった制度を周知し、申し出があれば実施していなければなりません。実際に過去3年間でこの制度が利用された実績があるのか、確認いたします。  また、区職員の病気休業者の数、そのうち精神疾患による休業者の内訳を過去3年間、年度ごとの数値で確認させていただきます。さらに、その中に部長職、課長職などの管理職がいるのかも、あわせて確認いたします。  先ほど、子ども家庭担当部長の大変過酷な働き方を取り上げさせていただきましたが、区役所内で多忙な部署、役職については区としても既に把握していることと思います。忙しい現場には必要な人員を配置し、個人に集中する業務を分散化させ、部長職、課長職といった管理職も含め、区職員の長時間労働をなくすための体制づくりが改めて必要と考えますが、区の見解はいかがでしょうか。  続きまして、教職員についても同様に確認してまいりたいと思います。  この間、私は議会で、教員の長時間労働の実態把握を行うよう取り上げてまいりました。というのも、杉並区では、区立小中学校で働く教員の労働実態について、何時に出勤し、何時に退勤したかといった労働時間の把握を行っていない現状があるからです。2014年の予算特別委員会の質疑で、私は、平成18年に文部科学省から出された「労働安全衛生法等の一部を改正する法律等の施行について」という通達に従って、教員に対して始業時間、終業時間を適正に使用者が確認することが必要だと指摘しました。しかし、当時の教育人事企画課長は、「始業時刻、終業時刻というのは、正規の勤務時間についての始業、終業というふうに解釈をしております。」と答弁し、正規の勤務時間、いわゆる1日7時間45分の労働時間しか把握しなくてもよいとの解釈を示しました。国の通達で指摘されている適正な労働時間の把握ということをこうもねじ曲げて解釈するのかと、私はこの答弁に驚きを隠せませんでした。  そこで確認しますが、杉並区はこの通達における勤務時間の適正な把握を今もそのように解釈しているのか、答弁を求めます。  また、教員は労働基準法第37条が適用除外となっていますが、これは時間外、休日及び深夜の割り増し賃金の規定です。時間外手当や休日出勤手当については適用除外になっていますが、それ以外の労働基準法は教員についても適用されるものです。なので、杉並区は教職員の労働時間を適正に把握する責務を持っています。この点についても、当時の質疑で指摘をしてきましたが、杉並区は現在も、教職員の適正な労働時間及び長時間労働の実態について把握する必要性がないと考えているのか、答弁を求めます。  さて、先ほど取り上げた労働安全衛生法第66条の規定による医師の面接指導については、文部科学省も適切に行うよう指導しております。週40時間を超える労働が月100時間を超え、疲労がたまっている教職員についても、本人の申し出を受け、医師の面談指導を行うようにと、平成24年には文部科学省はパンフレットまでつくって推進しています。  しかし、杉並区において、1日7時間45分の正規の勤務時間しか把握していない現状があります。となれば、面接指導の必要性は判断できるわけがありません。区は、この教員の労働時間で、週40時間を超える労働時間が月100時間を超え、とはどのように解釈をしているのか。また、医師の面接指導の実績はあるのか確認いたします。  さらに、教職員の病気休業者の人数も確認させていただきます。平成25年度から27年度までの間で、教職員の総数と病気休業者の総数、その内訳として精神疾患が原因の人数について、年度ごとにお示しください。  過労死や長時間労働による健康被害の問題が国内で大きく取り沙汰されている状況で、教員の労働時間を正確に把握していない状況は、極めて問題があると指摘せざるを得ません。教職員の過労による健康被害を未然に防ぐために、実際の勤務状況を分単位で確認し、年間を通して労働時間を把握することは、使用者である区の責務であると指摘します。区の認識はいかがか。  また、教員の労働実態を把握するためにも、出退勤を記録するICカードの導入や出退勤簿の活用を求めますが、いかがでしょうか。区の認識を最後にお聞きしまして、私の質問を終了させていただきます。  ありがとうございました。 ○副議長(川原口宏之議員) 理事者の答弁を求めます。  危機管理室長。       〔危機管理室長(寺嶋 実)登壇〕 ◎危機管理室長(寺嶋実) 私からは、区役所等の停電対策の御質問のうち、所管事項についてお答えいたします。  まず、先月12日の大規模停電に関して、発生から復旧までの経過でございますが、同日午後2時50分ごろ、埼玉県新座市の地下に敷設された東京電力の送電ケーブルから出火した影響で、同市の変電所から練馬区や世田谷区の変電所への送電がストップし、午後3時半ごろから杉並区を含む都内の広範囲で停電が発生いたしました。東京電力は、練馬、豊島の両変電所に送る電気を千代田区や埼玉県川口市の変電所を経由して供給するよう切りかえたため、停電は午後4時25分に全て解消しました。  原因につきましては、ケーブル接続部にて絶縁破壊が起きたことで火災が発生し、その後、他のケーブルに延焼し、停電が発生したものと推測されております。  今回の停電では、都内で最大59万戸、区内で最大7万5,600戸で影響があり、鉄道などの交通網が乱れ、信号機の停止やエレベーターの閉じ込め事故が起こりましたが、けが人など大きな被害は報告されておりません。  次に、区立施設のエレベーターの救助ボックスの設置に関するお尋ねにお答えいたします。  現在、エレベーターの閉じ込め防止対策については、エレベーターの更新時期を捉え、計画的に対策を講じているところです。  救援ボックスの設置につきましては、区の施設は総じて低層なものが多く、施設の職員対応も可能なこともありますので、今後、施設の状況に応じて対応を考えてまいりたいと存じます。  私からは以上です。 ○副議長(川原口宏之議員) 総務部長。       〔総務部長(関谷 隆)登壇〕 ◎総務部長(関谷隆) 私からは、先日の区役所本庁舎の停電事故、それと職員の過重労働対策等についての御質問にお答えします。  まず、10月12日当日の主な状況でございますけれども、15時30分過ぎに停電が発生しまして、本庁舎内のエレベーター、エスカレーター、照明等の電気関係の設備が使用不能となりまして、エレベーター2基において4名の方が閉じ込められました。  また、非常用放送設備のモニター画面が非表示となりまして、作動を試みましたが、放送することはできませんでした。  区の業務面では、各種情報システムの稼働を停止したことによりまして、証明書発行業務に対応できない事例などが発生してございます。  なお、本庁舎の停電は16時4分過ぎに復旧してございます。  次に、エレベーターの閉じ込めについてのお尋ねですが、1名の方は15時45分ごろ、3名の方は16時5分過ぎに、それぞれ救出しております。停電の影響で、エレベーター内の非常灯は点灯しましたが、インターホンは中央管理室との通話不能の状態となりました。救出までの間、職員が外から声かけを行っておりまして、けがや体調を崩すようなことはございませんでした。  区としましては、今回のエレベーターの閉じ込めや放送設備が使えなかったことなど、停電によりトラブルが発生したことを重く受けとめてございまして、早急に対策を講ずることとし、既に取り組みを進めているところでございます。  次に、今回の停電によりふぐあいが生じた原因と、電気設備の現状についてのお尋ねがございました。  本庁舎は本線と予備線の2系統から電力供給を受けております。また、施設の規模から、非常用発電機の設置が法定されておりまして、2系統とも停電となった場合には、非常用発電機が自動的に稼働し、避難や消火、防災などの限られた設備が作動できるようになっております。今回の停電は、本線の停電事故に伴いまして予備線の電圧が不安定となったことから、本線と予備線の正常な切りかえが作動せず、非常用発電機の起動までに至らなかったものでございます。  停電が発生した場合の本線や予備線、非常用発電に関する御質問がございました。  停電が発生し、予備線への自動切りかえができない場合には、非常用発電機の稼働を手動により行うことは可能でございます。その場合は、停電の原因が供給側か、または本庁設備側なのかを確認しまして、供給側が原因であれば、およそ10分程度で非常用発電機を稼働させまして、エレベーターや放送設備を復旧することができるものでございます。  次に、類似の事例の洗い出しが必要とのお尋ねですが、今回の事故を踏まえ、今月3日に電気設備の定期点検に合わせて実施した電気保安教育訓練では、停電時の本庁側の状況を可能な限り再現するとともに、予備線の張りかえや、非常用発電機の稼働などの点検と作動訓練を実施し、円滑な切りかえや稼働を行う方法を確認することができました。そのため、万が一今回と同様の停電事故があった場合には、より早期の対応ができるものと認識してございます。  次に、閉じ込め防止機能のあるエレベーターへの入れかえを早期に行うべきとの御質問がございましたが、本庁舎については、エレベーターの更新計画に基づきまして、今年度は西棟非常用エレベーターの改修工事を実施し、順次、停電用バッテリー搭載のものに更新してまいります。本庁舎以外の施設についても、更新期を捉えて適切に対応してまいります。  続きまして、過重労働に関してのお尋ねにお答えいたします。  まず、過重労働に対する区の認識についてのお尋ねがございましたが、人の生命はかけがえのないものでございまして、過労自殺は決してあってはならないものであると認識しております。働く者が生き生きと輝くためには、健康管理やワーク・ライフ・バランスの確保が必要不可欠であり、そのためにも使用者が過労自殺は発生させないという決意を持って、過重労働の排除、超過勤務の縮減に努めることが重要であると考えております。  次に、過重労働に対する国からの指導に関するお尋ねにお答えいたします。  厚生労働省は、過重労働による健康被害防止対策のなお一層の推進を図るため、過重労働による健康被害防止のための総合対策を新たに策定しました。  また、厚生労働省から、事業者が講ずべき措置として、過重労働による健康被害を防止するための事業者が講ずべき措置が示され、その主な内容は、時間外・休日労働時間の削減、年次有給休暇の取得促進、労働者の健康管理に係る措置の徹底等が盛り込まれてございます。事業者への指導につきましては、時間外・休日労働時間が月45時間を超える事業者の指導や、過重労働による疾病が発生した場合の当該疾病の原因の究明及び再発防止の措置を行うよう、指導する内容も含まれております。  今般の国の措置につきましては、ストレスチェック制度の実施等が新たに盛り込まれ、過重労働による健康被害防止対策のなお一層の推進を目指すものと認識しております。区としましては、ストレスチェックについては、国に先駆けて実施してございますし、また、一定時間を超えた超過勤務を行った職員に対し、国の基準では本人の申告があれば産業医の面談を実施するとしているところですが、本区では、本人の申し出の有無にかかわらず、積極的に産業医の面談を勧奨する等の、国を上回る取り組みを行っているところでございまして、今後も過重労働対策に力を注いでまいりたいと考えております。  次に、残業時間に関する御質問がございました。  27年、昨年4月1日現在の職員数は3,508名、27年度で残業時間が月45時間を超える職員は562名、月80時間を超える職員は198名でございました。そのうち、月45時間を超える残業を年3回以上行った職員は299名、月80時間を超える残業を年2回以上行った職員は116名となってございます。
     残業の多い課の上位3位は、保育課、特別支援教育課、財政課でございます。  非常勤職員のうち、嘱託員で月45時間を超える残業を年3回以上行った職員は19名、月80時間を超える残業を年2回以上行った職員は5名でございます。  次に、管理職の長時間労働に関してのお尋ねがございましたが、管理職は職務の性格上、実質労働時間の管理は行っておりません。管理職の勤務実態につきましては、その職責として、区民への事業説明や行事開催、さらには議会対応等、相応の勤務時間外での執務があるものと認識してございます。  次に、区職員の休職者数に関する御質問がございました。  休職者数は、25年度が47名、26年度が52名、27年度が49名でございます。このうち、精神疾患による休職者数は、25年度は29名、26年度が37名、27年度が38名でございます。なお、25年度に内科的疾患により休職した管理職1名がございます。  産業医による面接指導数ですが、25年度が31名、26年度が36名、27年度は、国を上回る措置を行った結果、対象者数が増加しまして、面接指導勧奨を強化しておるということもありまして、64名となってございます。  私からの最後となりますが、長時間勤務をなくすための体制づくりに関する御質問がございましたが、健康管理やワーク・ライフ・バランスの確保を図る意味でも、職場全体が一体となって業務改善を積極的に進めることにより、仕事の効率化を図っていくことが大切であると考えております。そのためには、管理監督者が職員に対し仕事の効率化に向けた動機づけを行いまして、超過勤務の縮減を進めていくとともに、職員の健康管理への配慮や指導を継続していくことが重要であると認識しております。こうした対応を図りながら、各職場の現状等を把握の上、適時適切な人員配置に努めているところでございます。  私からは以上です。 ○副議長(川原口宏之議員) 保健福祉部長。       〔保健福祉部長(有坂幹朗)登壇〕 ◎保健福祉部長(有坂幹朗) 私からは、停電発生時における区立福祉施設の対策についての御質問にお答えいたします。  現在、区立施設は、その施設の特徴に合わせて震災発生時の対応マニュアルを作成しており、長時間の停電時には当該マニュアルを準用し、対応することとなっております。  私からは以上です。 ○副議長(川原口宏之議員) 教育委員会事務局次長。       〔教育委員会事務局次長(徳嵩淳一)登壇〕 ◎教育委員会事務局次長(徳嵩淳一) 私からは、教員の勤務実態に関する一連の御質問にお答えします。  これまで教育委員会では、教員がその業務をより円滑かつ効率的に遂行できるよう、校務パソコンの配備や各種調査及び提出書類の整理、簡略化のほか、校長に対して適切な校務改善を指導するなど、教員が児童生徒への教育に専念できる環境整備に意を用いてきたところです。  しかしながら、近年、学校を取り巻く環境変化に伴い、改めて教員の多忙化が指摘されていることなどから、正規の勤務時間を超えた部分も含めた教員の勤務実態の把握により一層努めていかねばならないと考えます。そのため、今後、他の自治体の状況等を調査研究してまいりたいと存じます。  なお、長時間労働等の教員に対する医師の面談については、過去3年間で実績はございません。  また、病気休職となった教職員のうち、精神疾患が原因である人数は、平成25年度が休職者17名中13名、26年度が休職者25名中15名、27年度が休職者26名中15名となってございます。  私からは以上です。 ○副議長(川原口宏之議員) 20番富田たく議員。       〔20番(富田たく議員)登壇〕 ◆20番(富田たく議員) 再質問をさせていただきます。御答弁ありがとうございました。  まず、労働実態についてのほうから先にやらせていただきますが、教員について、正規の労働時間外の労働時間も把握に努めなければならないという姿勢に、一歩前進したというふうに受けとめました。やっとですね。本当に教職員の労働実態は大変な状況の中で、以前議会で質問をしたときには、朝何時に入って夜何時に帰ったのかというのを全く把握しなくてもいいんだと、そんな姿勢で答弁がされていたので、これでは教職員の健康被害は防げないですよと私は強く指摘していたんですが、一歩前に進んだということはとても重要なことだと思いますが、労働実態の把握というのはすぐにできることだと思います。他のところでももう始めていますし、ICカードを入れているところだってあるんです。さっさとその辺進めていただくよう要望いたします。  部長、課長の長時間労働の実態が把握できていないというのがありました。これは大変問題だと思います。管理職の方が例えば倒れたり過労死になったりといったら、どれぐらい区の業務に影響があるのか、皆さんも重々承知されていることだと思います。残業代は発生しなくても、健康被害は発生する可能性は重々にある。長時間労働縮減に努めるなら、部長、課長の労働時間もしっかりと、休日出勤も含めて把握をして、忙しそうな人に対しては、大丈夫かと区で声をかけてあげる体制をしっかりとつくっていただきたいと思います。この点については改めて答弁を求めます。  また、産業医の面接について、27年は64名ということで、国の基準よりよくやっているんだというふうにおっしゃっておりましたが、80時間超えの残業を年に2回行っている人たちが116名もいる中で、64名しか医師の面談が行われていないという状況は、大変問題があると思います。労働安全衛生法では、月80時間以上の残業についても、努力義務として医師の面談をするよう求めておりますので、努力が足りていないというふうに指摘せざるを得ません。こういったところもしっかりと対応していただきたいと思いますが、区の見解を求めます。  停電対策についてですが、エレベーターがとまってインターホンが使えてなかったというのは大変驚きです。びっくりいたしました。インターホンについて、何で使えていなかったのか、その根本的な原因は何なのか、答弁の中では示されておりませんでしたので、改めて求めます。  また、館内放送の非常用放送ですが、使用不能になっていたというのも、なぜ使えていなかったのかというのが明確に答弁されておりませんでしたので、その点についても答弁を求めます。  本来、区役所が停電になるとき、本線、予備線ともに停電になったら、非常用発電機に自動的に切りかわる仕組みですということで説明を受けているんですが、今回は非常用発電が稼働していなかった。でも、本線は停電して、予備線には切りかわらなかった状況。これは結局、区役所庁舎内に電力が供給されないという状態になってしまうわけですよね。なので、予備線のほうに電流が残っていても、予備線に切りかわらなかった、非常用発電機が動き出さなかったというのは、どちらかに電気が残っていたというよりも、本庁舎に電力が供給されなくなってしまったら、非常用発電機が自動で動き出すという仕組みにしなければ、今後もこういう事態が発生してしまうのではないでしょうか。この点については、今後そういう対応ができるのかどうなのか、検討していただきたいと思いますが、答弁を求めます。  あとは、エレベーター内の備蓄ボックス、実際に閉じ込め事故が発生してしまっていますので、改めて検討を求めます。  さらに、今回の停電した状態について、文書でしっかりと報告をして、後の職員の方々がそれを見ても確認ができるというような、情報共有ができるような最終的な報告文書をつくり、議会にも報告していただきたいと思いますが、その点についても最後答弁を求めて、再質問を終了いたします。 ○副議長(川原口宏之議員) 午後5時を過ぎましたが、この際、会議を続行いたします。御了承願います。  理事者の答弁を求めます。  総務部長。       〔総務部長(関谷 隆)登壇〕 ◎総務部長(関谷隆) 再度の御質問にお答えします。  まず、管理職の過重労働についても御心配いただきまして、ありがとうございます。管理職につきましては、かなりきめ細やかに相互に業務報告や、各部ごとに部課長会というのをやっておりまして、そこで定例的に週1回以上顔を突き合わせて、また、それ以外にも日々緊密な連携をとって業務報告等も行っておりますし、相互の勤務状況についてもチェックをし合うというような対応になってございますので、こうした意味から、各部課ごとに相互に自己チェックをしていくというような体制がとれているということでございますので、より一層気を配ってまいりたいというふうに考えてございます。  次に、過重労働で、80時間超えの国の努力義務のお話がございましたけれども、これは本人の申し出ということが前提になっていますけれども、区としては、今般取り組みを強化しまして、先ほど御答弁しましたように、本人の申し出の有無にかかわらず、産業医の面接を、強制とはいかないまでも、かなり誘導して受けていただくということから、人数が上がっています。今後もこうした取り組みを強化してまいりたいと思いますので、過重労働対策とあわせて、超過勤務対策とあわせて強化してまいりたいというふうに考えてございます。  続きまして、停電対応でございますけれども、まず、エレベーターのインターホンが使用できなかったということは、閉じ込め事故があったときにインターホンが機能しないというのはあってはならないことでございます。今回改めて保守業者に連絡し、日常的にはメンテを行っているところなんですが、バッテリー交換等のメンテナンスを実施したというところでございます。  また、先ほど御答弁したとおり、本庁舎のエレベーターの改修工事を行う中で、停電用のバッテリーを確保して搭載していきたいというふうに思っております。  また、館内放送についてもそうなんですけれども、電気の供給ということで、これが供給がなされなかったということで、本線がだめになって予備線に行って、予備線から電気供給を受けるんですけれども、予備線のほうも電気が不安定になってしまったというところで、自動的に非常用発電機を作動するということは難しいわけですね。できないというか、あくまでも非常用ということなので、基本的に全く電気が供給されなかったときに、30%しか補えないものですから、手動で切りかえるということを前提にしています。ですから、今回はそういう体制を確保するということで、先ほど御答弁ございましたように、保守点検の講習ということをやりまして、同じような事故があったときに、速やかに手動で切りかえる対処を行っているところでございまして、そうしたシミュレーションを行ってございますので、不測の事態に備えていくということで、より徹底して対処していきたいというふうに考えております。  また、この事故の報告でございますけれども、東京電力からはまだ最終的な調査報告が示されてございませんので、そうした最終報告を受けて、また停電事故の対応は今進行形ということもございますので、その辺の状況を見て、議会の報告についてどうしていくのかということは、少し考えてお示しをしていきたいというふうに思っております。(富田たく議員「非常用の館内放送も使えなかったの」と呼ぶ)非常用の放送も非常用発電機に連動しているものだというふうに受けとめております。  私からは以上です。 ○副議長(川原口宏之議員) 以上で富田たく議員の一般質問を終わります。  以上で日程第1を終了いたします。  議事日程第2号は全て終了いたしました。  議事日程第3号につきましては、11月21日午前10時から一般質問を行います。  本日はこれにて散会いたします。                                午後5時05分散会...