日程第一、一般質問。
前回に引き続き、一般質問を行います。
順次質問を許します。七番、栗原佑卓君。
〔七番 栗原佑卓君登壇〕
◆七番(栗原佑卓 君) 私は平成三十年第四回定例会に当たり、本区の当面する諸課題についてお伺いいたします。前日からの質問と一部重複する部分もございますが、通告に従いまして、そのままご質問をさせていただきます。区長及び教育長の前向きなご答弁を期待いたします。
今、国政では、来年度の税制改正に向けた議論が本格化しております。議論を見ますと、税の
地方偏在是正の美名のもと、東京都から独自財源を奪う
地方法人課税の一部国税化が進められようとしております。試算によれば、江戸川区への影響額は約五十七億円にも上ります。
また、
ふるさと納税制度は本来の趣旨から外れ、過度な
返礼品競争となったことが問題となり、今一度、制度の本来の形に立ち返るべく法改正が進められようとしております。
ふるさと納税では、江戸川区の逸失額は約十一億一千万円に上りました。こうした国政での動きには、都市部と地方との関係性や、あるべき地方創生について考えさせられます。都市部と地方は対立するのではなく、相互理解を果たし、お互いに支え合い、発展し合う形が地方創生のあるべき形のようにも思います。
一つの方法としましては、
東京オリンピック・
パラリンピックや、つい先日決まった大阪
万博などの国際大イベントを通じて、
オールジャパンで一つのことに取り組むこともよいかもしれません。一方で、それぞれの自治体が
自治体同士の友好を地道に深めていくことも、都市部と地方の相互理解に重要なことと思います。
それでは、順次質問に入らせていただきます。はじめに、友好都市である鶴岡市との更なる連携について、三点お伺いいたします。
太平洋戦争中に戦火を逃れるため、江戸川区の学童は家庭を遠く離れて山形県鶴岡市とその周辺で疎開生活を送りました。戦後に東京に帰って成人してからも、鶴岡の豊かな土地柄や温かい人々の心を忘れなかった方々が鶴岡市との交流を始め、友情の輪が広がり始めました。そして、この友情の輪を区民・市民全体に広げ、平和の尊さを語り継ぐために、一九八一年に江戸川区と鶴岡市は友好都市の盟約を結びました。その
友好都市盟約から三十七年の月日が経ち、江戸川区と鶴岡市は区内で開催される多くの催しや行事に鶴岡市民が参加したり、区民が鶴岡市を訪問するなど、芸術・文化・産業など、様々な分野で区民・市民による交流が盛んに行われております。
また、先月には、本区にある
都立葛西海浜公園が重要な湿地帯として、東京都内で初めて
ラムサール条約に登録されました。先週末にセレモニーも行われたところでありますが、鶴岡市にある大山上池と下池も
ラムサール条約に登録されております。鶴岡市の西部に位置する高館山の山塊にある大小二つの
農業用ため池であり、今月には
ラムサール条約登録湿地の十周年記念式典も鶴岡市では行われ、本区と共有する点も増えました。その大山上池・下池の近くには、鶴岡市の
自然学習交流館が建設されており、自然と触れ合いながら、生き物の様子や役割について学ぶ場となっております。
大山下池のほとりに、自然を愛する、人が集まる場所であってほしいとの願いが込められ、鶴岡市
自然学習交流館は「ほとりあ」と名づけられております。「ほとりあ」は、飛来する鳥類の飛行経路を妨げないよう下池の隣接する都沢湿地の北側に建っており、館内からは周囲の山並みの眺望や野鳥の観察ができるようになっています。例えば、本区も
ラムサール条約に登録された
葛西海浜公園の近くにこのような
自然学習交流館を建設するなど、野鳥等との触れ合いや学習の場を広げていく取組みを進めることはいかがでしょうか。
また、鶴岡市は農業が盛んであり、とりわけ「つや姫」や「はえぬき」といった鶴岡産米は有名です。本区の学校給食でも平成十三年から鶴岡産「はえぬき」の納品が始まっており、それ以降、平成二十四年まで本区の学校給食のお米として鶴岡産米を納入する学校は増えました。また、
JA鶴岡盟友の方々が
友好都市盟約を結ぶ本区の小学校へ出向いて、米づくりについて教える出前授業も行っております。本区の小学生が、米づくりの過程などを学習し、知識を深めてもらうと共に、食に対する大切さを認識してもらう機会となっており、今年度には小学校十五校で開催されました。加えてJA鶴岡は、本区の福祉施設へ鶴岡産米やメロンの贈呈を行っており、平成二十七年度からの四カ年で区内十六カ所の
特別養護老人施設を訪問しております。
しかしながら、このように鶴岡市との交流が図られている一方で、平成二十五年度以降、本区の学校給食におけるJA鶴岡からの鶴岡産米の納入は減少の一途をたどっております。平成二十九年度はピークである平成二十四年度に比べて半分ほどにまで落ち込んでおります。様々な形で本区に貢献し、
友好都市盟約を結ぶ鶴岡市との連携を深めるためにも、JA鶴岡からの鶴岡産米を以前のような形で学校給食に納入し数量を増やしていくことが望ましいと考えますが、いかがでしょうか。また、
クリーンパレスや
タワーホールといった本区の文化施設にも、鶴岡産米を使うことを検討することはいかがでしょうか。
さらに、鶴岡市は林業における視点も欠かせません。東北地方でも最大の面積を持ち、その約七割が豊かな森林に包まれていることから、鶴岡市は市民と森林との新しい関係をつくり、森林があることで生活が豊かになる「
森林文化都市」を目指しております。適正な森林保全に向けた
環境循環システムを構築することなどを定めた「鶴岡の
森再生計画」のもと、民間住宅や公共施設への木材利用が活発化しております。とりわけ公共施設においては燃えにくい建造物の観点から、
鉄筋コンクリート造が主流でありましたが、内装や外装の一部を木質化し、木材の分離発注を行うなどして、公共施設の木質化を進めております。二年ほど前には、天皇陛下が訪れた
鼠ヶ関小学校などの学校をはじめ、児童館や文化会館などの公共施設は一部木造の建設になっております。
環境負荷の低減や森林の整備・保全を図るために、各地方で
公共建築物における地域材の利活用が進んでおりますが、本区においても公共施設、とりわけ木材が用いられた学校施設というのは自然を感じることもでき、
子どもたちの学習環境にとっても魅力的であると考えます。現在でも学校で鶴岡産木材が取り入れられてはおりますが、豊富な森林を有する鶴岡市の地域材を、今後に建設を予定する学校施設に対して、より積極的に用いてはいかがでしょうか。教育長のご所見をお伺いいたします。
次に、福祉施策の推進について、お伺いいたします。
本区では、子ども・熟年者・障害者など地域に暮らす全ての人々が、地域・暮らし・生きがいを共に創り、高め合うことができる「
地域共生社会」の実現を目指し、身近な地域の福祉拠点として、現在区内八カ所に「なごみの家」を開設しております。また、平成三十年四月からは集合住宅助け合い
活動相談支援事業を開始しています。これは、マンションや団地などの集合住宅に住む方の高齢化に伴い、住民同士の見守りや身近な生活支援などの助け合い活動を計画している方や管理組合などに対し、講習会や相談を通じて助け合い活動の立ち上げを支援するものです。地域力を活かした本区ならではの取組みであり、こうした住民による支え合いは、地域との関わりが希薄化する現代社会に求められているものです。
また、増大する
社会保障費を抑制していくためには、健康を維持することが大切であり、それを実現するための手立てが介護予防になります。予防的な観点から、
健康サポートセンターが日常の健康生活・口腔ケア・
認知症予防などについてのアドバイスや実習を行うため、講師を派遣する
出前健康講座などは、町会・自治会を通して大いに機能しているように見受けられます。また、町会の会館などで茶話会や体操をして過ごす「
地域ミニデイサービス活動」の輪は広がりを見せております。
そして、もう一つの重要な
介護予防事業を担っているのは
熟年相談室です。
ケアマネジャーや
社会福祉士、保健師などの専門職が、介護や認知症といった熟年者の方やその家族からのあらゆる相談を受け、支援を行う
熟年相談室は本区に二十七カ所存在しており、各地区で介護相談のきめ細やかな対応を行っております。
こうした取組みによって着実に福祉施策が展開されておりますが、まだ課題として残るものも多くあります。
介護人材不足は全国的にも叫ばれており、介護人材の不足は深刻な問題となっております。
介護関連職種の
有効求人倍率はますます上昇を続けており、依然として事態は改善されていません。介護人材の参入促進はもとより、定着を図るための施策をこれまで以上に強力に推進しなければ、自宅や施設等で適切な
介護サービスを受けることができない要介護者を増加させるだけではなく、
介護保険制度の崩壊にもつながりかねないといった見解は、国も示しているところです。
本区では、
介護福祉士育成給付金として、
介護福祉士養成施設の学生等が卒業後、区内の
介護事業所に五年間継続して就職することを条件に給付金を支給する制度があります。平成二十九年度では四十二件の実績も上がっていますが、本区も依然として人材不足の状況にあります。そこで本区の
介護人材確保策の更なる取組みについて、いかがお考えでしょうか。また、増加する
社会保障費を抑制するため、介護予防の更なる取組みを図っていくことについて、区長のご所見をお伺いいたします。
三点目に、公共交通の整備についてお伺いいたします。二〇二〇年に開催される
東京オリンピック・
パラリンピックに向けて、カヌー・
スラローム会場となる
葛西臨海公園地域は活性化が検討されております。
葛西臨海公園内にある
ブルーマリンは親子で楽しめるカフェを
コンセプトとして、ハワイアンをテーマにした開放的で明るい
レストランを平成三十一年三月中旬にリニューアルオープンさせる予定となっています。また、公園内にあるクリスタルビューも海辺で楽しめるカフェとバーべキューを
コンセプトとした、リゾートをテーマに公園を楽しむ拠点となる
レストランを目指してリニューアルオープンする予定となっています。このほかに本区内の名産品や特産品の取り扱いを強化し、東京都と連携を図って、公園全体の魅力向上と区内産業の活性化を図ることが望まれます。
こうした
葛西臨海公園と
オリンピック会場一帯の活性化と合わせて課題となるのが、区内の
南北間交通の
交通利便性になります。環状七号線に沿って、江戸川区・葛飾区・足立区を地下鉄や
地上系システム等で結ぶ
メトロセブン構想も実現に向け取り組まれているところでありますが、壮大な計画であるが故にまだまだ年月を要するところです。
区内の南北方向の移動はバスに頼っている状況であり、
バス交通システムの工夫・活用という観点から平成二十一年四月から
シャトルバスが導入されています。
シャトルバスの導入によって、今までの複数回の乗り継ぎによる時間的・経済的な負担が軽減され、昨年度までに利用者数は延べ一千八百万人を超えました。また、平成三十年一月からは、新小岩駅東北広場から葛西駅を通り、
東京ディズニーランドまでの
新規バス路線の運行が始まり、一日十八便が運行をしております。このように南北間の交通網は強化されておりますが、
オリンピック・
パラリンピック開催時に向けて区内全体の活性化を考慮すると、更なる利便性の向上を検討していく必要があると考えますが、更なる強化については、いかがお考えでしょうか。
また、バス路線のある主要な道路から離れており、バス停まで遠く不便な地域も存在しています。特に、バス停から三百メートル圏外の地域は、バスの利用に関して極めて不便な状況です。そうした地域を解消していくために
コミュニティバスの導入も検討の余地があります。
コミュニティバスの導入に際しては、運行ルートや頻度、
利用対象者等について綿密に調査を行い、地域に適合したものを設定することが重要です。実際に導入した場合に近い形で社会実験を行い、実験後に行う
アンケート等の意向調査への協力者を増やすためにも、早い段階から情報を提供して幅広く周知する必要があります。積極的なPR活動や啓蒙活動を行い、より多くの人にバスの存在、有効性等を認知し利用してもらうことが求められます。採算性の問題も当然出てくるわけでありますけれども、それ以外に区内交通の利便性を高めて、多くの世代の人的移動が図られることで収益を超えた効果があると思っております。このような様々な社会実験や各種調査を行って、導入効果を分析し明らかにしていくことで、
コミュニティバス導入の合意形成が図られていくかと思いますが、
コミュニティバス導入については、今回ご要望という形で申し上げたいと思います。
次に、区内産業の更なる発展についてお伺いいたします。平成二十九年七月に、地域の特性を活用した事業の生み出す
経済的波及効果に着目し、これを最大化しようとする
地方公共団体の取組みを支援するものとして、国は
地域未来投資促進法を施行しました。本区では、
地域未来投資促進法に基づいて、「東京都江戸川区基本計画」を東京都と共同で策定し、平成三十年十月末に国から同意を得ました。
本区は、
機械器具製造業・
金属製品製造業などの産業が集積しており、
ものづくり分野での成長が見込まれます。
ものづくり分野を推進するため、支援制度の充実、
事業継続支援の展開など、積極的に製品開発に取り組む中核的な企業を中心に成長を支援し、当該企業が推進する事業を
地域経済牽引事業と位置付けます。こうした
地域経済牽引事業を支援することで、
企業間連携や様々な支援策を通じて周辺企業の底上げを図ることができます。これにより、質の高い雇用を創出し、地域内に波及して好循環を生む状況を目指していくことが、「東京都江戸川区基本計画」で定められました。
事業者が策定する
地域経済牽引事業計画が東京都から承認されれば、事業者は課税の特例をはじめ、国による
各種支援措置が受けられるようになります。しかしながら、この事業に承認されるための要件は、「一億一千五百四万円を超える高い付加価値を創出すること」など、ハードルの高いものであり、まさに地域経済を牽引する事業でなければ承認されません。当該要件をクリアする企業も限られるところではありますが、こうした事業を計画できる企業というのを創出していく必要があります。
事業環境の整備策として、
区内中小製造事業者が操業環境の向上を目的とした取組みを行うに当たり、必要な経費を助成する
ものづくり産業の
操業環境整備支援があります。また、今年度からは後継者の育成や老朽設備の更新など、
中小企業者が抱える諸問題を解決するため、信用金庫や
中小企業診断士、区が連携して支援する「六〇一〇金
士公連携プログラム」が行われています。こうした整備策が効果としてあらわれることを期待するとともに、
地域経済牽引事業によって好循環をもたらし、波及効果を受ける企業をどのようにして増やしていくのかも考慮していく必要があります。
こうした波及効果も含め、地域経済を活性化するための取組みについて、区長のご所見をお伺いいたします。
また、現在では製造・建設・運輸・
技術サービス分野の人手不足が非常に顕著であり、東京都と江戸川区、
ハローワーク等が取り組んでいる採用関連について、積極的な広報活動が求められております。区内企業の
採用関連施策を更に推進していくために、どのような取組みを進めていくのか、区長のご所見をお伺いいたします。
以上で私の第一回目の質問を終わります。
○議長(藤澤進一 君) 多田区長。
〔区長 多田正見君登壇〕
◎区長(多田正見 君) 様々なご意見を交えましてご質問をいただきました。お答えをしてまいりたいと思います。
まず、鶴岡市との友好関係でありますけれども、お話にございましたように、昭和五十六年に友好都市の盟約を結びまして三十七年が経ちました。この間に様々な交流が行われまして、私どもも、そのことにつきましては、大変この友好都市を鶴岡市と結べたことがありがたいことであったなということをしばしば感ずることがございます。お互いにそのいいところをいただきながら、ともに交流を深めながら、自らの地域の発展に資していこうという、こういうことで取り組んでいるわけでございます。
いろいろ具体的なお話もいただきましたけれども、特に自然の
つまり環境を活かした交流ということにつきましては、鶴岡市もいろいろ私どもに働きかけもしてくださっておりますし、私たちもそのような形で、
子どもたちの交流をはじめとしていろいろ取り組んできているところであります。
ラムサール条約のお話もありましたが、鶴岡市も、もちろんそういう地域がございますし、私どもにも、今回そういうことになりましたので、お互いこうしたことを共有しようということで、これからまた新たな交流を始めることができるかなというふうに思っているところでありまして、ぜひこうした機会に新しい局面での交流を考えていきたいなというふうに思っております。
それから、鶴岡でとれるお米です。大変おいしいお米でございまして、これまでも学校給食で使っておりますけれども、これからもこうしたことは引き続き続けていきたいと思いますし、一方で木材です。木材も豊富に生産されるところでありますから、こうしたことも江戸川区の学校、あるいは公共施設で使うことができれば、さらに違った意味のお互いの利点を活かした交流ができるなというふうに思っておりますので、このことにつきましても、さらに進めていきたいと思います。
現状につきまして、ちょっとお話をさせていただきますが、お米の問題と、それから木材の問題につきましては、既に進めておりますので、これは教育長からお答えをさせていただきます。
それから、次の問題で介護人材の確保と介護予防の取組みでありますけれども、大変重要なことでございまして、これからやっぱりいろいろ人材不足ということも想定されますので、こうしたことに積極的に取り組むことは必要なことでございます。また介護保険の
つまり介護予防です。介護予防につきましても、様々に事業展開をしておりますけれども、こうしたことにつきましても、さらに対象者が増えるということもありますので、積極化していきたいと思っておりますが、これは福祉部長から具体的にご説明をしたいと思っておりますので、よろしくお願いします。
公共交通の整備、それから南北交通における今後の取組みということにつきましても、様々な課題がございまして、
都市開発部長からご答弁をさせていただきます。
コミュニティバスにつきましても、併せて昨日話題になりましたけれども、
都市開発部長からお答えをさせていただきたいと思っております。
それから、地域産業の活性化ということについてでありますが、大変重要なことでございまして、区内企業に勤めております方は二十一万人ということになります。従いまして、区内産業が元気であることが、区民の多くの方々に直接生活ということの面でいけば関わるわけでございますので、区内企業が元気であることが、私たちの何よりの願望でありますので、こうしたことにつきまして、今、国が出しております、様々な施策もございますけれども、これ先般行われました
料理飲食業を中心といたします「食」の祭典でありますとか、あるいは
ものづくり産業の
ときめきフェアなどもありましたけれども、こうしたことを見てまいりますと、区内企業の取組みということが非常に積極的でありますし、また力強いものがございます。こうしたことも合わせまして、これからも大いに育成をしていきたいと考えておりまして、ここにつきましては、
生活振興部長からお答えをさせていただきますので、よろしくお願いをいたします。
以上でございます。
○議長(藤澤進一 君) 斉藤教育長。
◎教育長(斉藤猛 君) 鶴岡産米の購入の促進についてです。お話のとおり、JA鶴岡の皆様には、区内の小学校、あるいは特別養護老人ホームで大変お世話になっております。JA鶴岡から直接購入するお米の総量なのですけれども、米飯給食全体、金額ベースになりますが、二九・二%ということでございまして、ただこの数字はお話のとおり、年々減少しているところでございます。
ただ一方で、区内の小売店で鶴岡産のお米が買えるようになっておりまして、二十九年度の実績なのですけれども、JA鶴岡からと区内の小売店から合わせた鶴岡産米の購入量は、米飯給食全体の六九・三%、約七割ということで、以前よりも増加をしている傾向にございます。金額が一般のお米よりも少し高いという側面はあるのですけれども、今後も鶴岡産米の購入をしていきたいというふうに思っております。
続いて、学校施設での木材の導入についてでございます。学校施設の木材導入については、今後も積極的にさらに進めていきたいというふうに思っております。校舎に木材を使用することによりまして、「あたたかみ」と「うるおい」のある学習環境が創出できます。また、室内の湿度を調整する効果によりまして、インフルエンザのまん延が抑制されるという効果もあります。既に改築校では内装の木質化を進めております。延べ床面積の三七%は木材を既に利用をしております。また、環境面も考慮しまして、地産材の利用も取り組んでいるところでございます。東京都全体では多摩産材の利用推進という方針があるのですけれども、江戸川区ではさらに鶴岡産や城里産の木材の使用、これは天井や壁などの内装材に使用しております。まだまだ低い割合ではございますが、今後さらに学校改築時の木材の使用を進めてまいります。その中で、鶴岡産などの国産材の活用も図っていきたいというふうに考えております。
以上です。
○議長(藤澤進一 君) 福祉部長。
◎福祉部長(岡村昭雄 君) 私のほうから介護人材の件と介護予防の件、二点についてお答えさせていただきます。
議員おっしゃるとおり、介護人材のことは江戸川だけではなくて全国的に大きな課題だというふうに捉えております。国のほうでは、介護人材、介護の分野と全産業で見ると、九万円近くのそれぞれお給料の違い、差があるということでございまして、こういったところを改善するということで、来年十月の消費税の導入に合わせて一千億のお金を使いまして処遇改善をしていこうということで議論をされております。私どもとしてはこれがやっぱり一番大きな介護人材の確保につながるものだと思っておりますので、しっかり見ていきたいというふうに思っております。
そうは言いましても、江戸川区としてできることもやらせていただこうということで、今、取り組みさせていただいておりまして、介護福祉士の育成給付金であったりとか、介護職員の初任者研修等の助成金、こういったもの。議員もお話いただいておりますけれども、私どものほうで取り組ませていただいて、一定の、生徒さんに、こういったものをお使いいただいているところでございます。
今年度から新たな取組みといたしまして、介護事業者の皆さん、小さいところがたくさんございます。介護人材をどう集めていいかわからないというお声も結構ございます。そもそもハローワークに行ったほうがいいのか、行かないほうがいいのか。そういったこともなかなか小さいところですとお持ちでないものですから、どうやって介護の人材を集めていくのか、地域の方にどう声をかけて集めていったらいいのか、そういったことをセミナーという形で、私どものほうで設定させていただいて、それぞれの皆さんの取組みを強化していただこうと思っております。そういった形で介護人材のほうは取り組ませていただこうと思っております。
二点目の介護予防でございます。六十五歳以上の人口が、今もうすぐ十五万人に近くなろうとしてございます。平成二十六年にはもうすぐ十四万人と言っていたのでございますけれども、これが増えておりまして、私どもの介護予防をさせていただく対象者としては、こういった方々が対象なのかなというふうに思っております。当然、その中に介護認定を受けている方もいますし、中では介護予防ということで実際に認定を受けていただいている方もいまして、当然それは介護保険の中でやらせていただいております。先だってから総合事業という取組みもさせていただいておりますけれども、この十五万人に近い方々については、やはり江戸川区、これまでリズム運動ですとか、シルバー人材センターですとか、いろいろな取組みをさせていただいております。そういった生きがい施策、そういったものが介護予防に本当につながるというふうに思ってございますので、そういったものを取組みをさせていただくと同時に、江戸川区内にいろいろな資源がございます。おまつりに熟年者の方に来ていただく、そういった介護が必要にならないためにいろいろな活動するわけでないのですけれども、いろいろな地域の中で生きがいを持っていただく、そういったことがすなわち介護予防につながっていくのかなと思っておりますので、これまでの江戸川区の取組みを、ますます地域の力も借りながら取り組みさせていただこうというふうに思っているところでございます。
以上でございます。
○議長(藤澤進一 君)
都市開発部長。
◎
都市開発部長(町山衛 君) 私のほうから、区内の南北交通における今後の取組みということで、
オリンピック・
パラリンピック開催に向けて南北交通の強化は重要な課題と認識しております。
現在、区内の南北交通の主力でございますが、平成十九年実証運行を開始したシャトルセブン、こちらは三十年十月、先月でございますが、十月までに利用者数が一千九百四十万人と好評を得ているところでございます。また、今年の一月、ディズニーリゾート線としまして、環七を並行して行くのですが、シャトルセブンと並行しながら走る、こちらも主力の路線でございます。
利便性向上の第一歩としまして、運行当初より停車していなかったディズニーリゾート線の南行き、こちらの一之江駅停車に向けても今年の六月に警視庁との現地の実査を行いまして、止めるべく課題の整理が始まったところでございます。一之江駅の停車に向けても、今、動き出しているところでございます。また、今後も区内の南北交通の利便性向上のために、シャトルセブンなどの増便についても、バス事業者へ要請を行ってまいりたいと考えております。
それともう一点、
コミュニティバスの導入についての要望でございますが、こちらのほうは実現に向けて取り組んでいきたいと考えております。
以上です。
○議長(藤澤進一 君)
生活振興部長。
◎
生活振興部長(髙原伸文 君) 私からは、地域産業の活性化についてのお尋ね、お答えをさせていただきます。
まず、活性化をするための具体的な取組みということでございますけれども、従来から中小企業の競争力、経営基盤の強化ということを目指しまして、例えば、今、区長からもありましたけれども、「食」文化の祭典ですとか、それからときめき産業フェアですとか、こうした販路の開拓支援等、イベントの中で行ってまいりましたり、あるいはあっせん融資、それから利子補給、それからお話にもありましたとおり、今後、事業承継、大変大きな問題でございますので、「六〇一〇金
士公連携プログラム」等々の施策がございますが、こちらにつきましては引き続き力を入れさせていただくということが一つ。
それから、やはりご質問にありましたけれども、
地域未来投資促進法の関係でございますが、江戸川区の場合は
ものづくり産業が集積をしている地域ということもあります。その中に技術力が高い中核的な企業というのもございますので、こちらを核に据えた形で、それで成長を支援して、ひいてはその周辺にいらっしゃる周辺企業のほうも同時に底上げを図っていけたらいいなというようなことがありまして、現に江戸川区の場合は経済産業省から選定されている地域未来牽引企業という企業に当たるところがございますものですから、今回、基本計画というものを策定をさせていただきまして、こちらのほうの取組みをさせていただくということでございます。従来型の施策も展開をさせていただきますし、また、今回新たな計画に基づく施策のほうも展開させていただくということで、併せて区内産業の活性化、今後も取り組んでまいりたいというふうに思ってございます。
それからもう一つ、人手不足の解消の件でございますけれども、やはり組織、企業は人ということでございますので、企業の中での人手不足問題、ご指摘のとおり大変これは大きな課題だなというふうに思っているところでございます。
区として独自に採用等支援の施策を展開をしてまいりましたし、また関係機関、例えば東京商工会議所さんですとか、それから学校です、高等学校、それから都立の葛西工業高等学校、こうしたところと連携を保ちながら人材確保に資する施策のほうも実施をしてきたところでございます。
それからあと、もう一方で、最近では、生産性向上という側面で、例えば、先端設備を導入すれば、それだけ人手をカバーできるというような考え方。例えば、IoTの導入ですとか、こうしたものもありますので、そちらのほうの導入促進のほうも奨励をしていきたいというふうに思ってございまして、こちらのほうも相まった形で人手不足問題のほうにも積極的に対応してまいりたいというふうに思ってございます。
以上です。
○議長(藤澤進一 君) 栗原佑卓君。
◆七番(栗原佑卓 君) 各項目につきまして、大変ご丁寧なご答弁をいただきまして、ありがとうございました。
鶴岡市との更なる連携についてなのですけれども、先日、会派で鶴岡市の視察に行ってまいりまして、豊かな自然というのを、鶴岡市というのは豊かな自然を有するのだということを肌で感じてきました。そうしたこともございまして、今回、このテーマでご質問をさせていただきました。
自然学習交流館の設置につきましては、既存の鳥類園内ですとか、また場所があるようでございますけれども、できた施設というのが以前より、ちょっと時間が経っておりますので、また新しい形でつくっていただければと思っておりますし、先日、
ラムサール条約の登録イベントの際にも、
子どもたちも
葛西海浜公園にたくさん来ておりましたので、
子どもたちが自然と触れ合える場所というのを提供するということは、とても学習に役立つと思っております。ですので、ぜひとも「ほとりあ」のような実際に多くの
子どもたちが足を運ぶような魅力のある学習交流館の整備というのを検討していただきたいというように思っております。
また、鶴岡産米の納入に関しましては、JA鶴岡の方々が様々な形で江戸川区に来て、学校であったり福祉施設に貢献をしていただいております。先ほど教育長からご答弁をいただきましたけれども、鶴岡のお米というのは、鶴岡産米は増えているというのもあるのですが、やはりJA鶴岡の方に様々な形でご貢献をいただいておりますので、JA鶴岡からの鶴岡産米の納入も前向きに検討していただきたいというように思っております。また、学校以外の施設、文化施設ですとか福祉施設にも納入が促進されるとよいのではないかというふうに考えております。
また、地域材、鶴岡の木材に関しましても、木材が用いられた学校施設というのは、環境に優しいですし暖かいということもございます。一方では、一方の供給側も自然のサイクルとして、木を刈って、そして植えて、育てて、そしてまた刈ると、そういう木材の資源の好循環ができますと、より鶴岡のほうの土地柄もより良いということでしたので、ぜひとも、東京のほうでは先ほど多摩産材を進めているということでございますけれども、友好都市の関係を重視していただきまして、鶴岡産材を前向きに進めていただきたいと、取り入れていただきたいというように思っております。また学校施設に限らず、これから建設を予定しております公共施設、例えば、松島四丁目では今度コミュニティ会館の開設というのを予定していると思うのですが、こうした松島四丁目のコミュニティ会館にも使用していただきますように要望させていただきます。
次に、介護人材の確保と介護予防についてでありますけれども、現在、国におきましては、外国人の人材の受け入れを推進しておりまして、外国人が介護福祉士の国家試験を受験するに当たりまして、受験時間の延長ですとか英語等の多言語によります受験を可能とするなど、資格を取得する際の配慮を進めているということでございます。本区では、担い手の研修ですとか事業者側のセミナーといった支援もございますし、先ほど部長からご答弁もいただいたような、様々な支援があると思いますけれども、離職の防止というのが、介護現場では大変大きな問題となっておりますので、こうした問題について、しっかりと前に進めていただきたいということを改めてご要望をさせていただきたいと思います。
また、介護予防につきましては、フレイル対策など新たな試みも行われておりますけれども、本区の地域力を活かした取組み、地域包括ケアシステムの一環といたしまして、区民の方が予防への意識を高めていくと、そういうような啓発をさらに進めていただきたいというように思っております。
公共交通の整備についてでございますけれども、
コミュニティバスの導入に関しましては、今回ご要望という形にとどめさせていただきました。先ほど部長のご答弁から、実現に向けて取り組んでまいりますというお言葉をいただきましたので、前に進んでいくのかなというふうに捉えさせていただきました。
南北間交通でありますけれども、メトロセブンにつきましては、今後江戸川と葛飾と足立区の三区側で、地上系の課題整理をこれからされるというようでございますし、現在の
シャトルバスでの働きというのを引き続き強化していっていただきたいと思います。
最後に、地域産業の活性化についてでありますけれども、国のほうでは、
地域未来投資促進法という法律が昨年の七月に施行されておりますけれども、本区の基本計画というのは先月末に承認されて、これから始動していく施策だというふうに思っております。ですので、やはり地域牽引事業によって効果がもたらされる企業というのをいかにつくっていくか。こういう地域牽引企業が引っ張っていって、それによって好循環を得る企業というのをいかに増やしていくのか。そういう好循環をもたらしていくという視点が大切になってくるというふうに思っております。この取組みによって、本区の地域が活性化されていくことと、そのために必要な環境整備を引き続き整えていただきますように、ご要望をさせていただきまして、私の質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。
○議長(藤澤進一 君) 次に十六番、太田公弘君。
〔十六番 太田公弘君登壇〕
◆十六番(太田公弘 君) 私は、平成三十年第四回区議会定例会に当たり、通告に従い順次質問をいたします。区長、教育長の前向きな答弁を期待いたします。
最初に、地区防災計画の推進についてお聞きします。我が国は毎年各地で大規模な自然災害が発生しています。本年も西日本豪雨や大阪府北部地震、台風二十一号や北海道胆振東部地震などの自然災害が発生し、多くの人命や財産などが失われています。大規模な自然災害による被害は、広い範囲に甚大な被害を及ぼすとともに、復旧には長い年月と多大な努力が必要となります。このため日頃から災害が起こり得ることに留意し、国、地方、関係機関及び個人が防災・減災のための対策や訓練を重ね、防災に努めていくことが人命及び財産を守るために重要なことになります。
従来、防災計画は国レベルの総合的、長期的な計画である防災基本計画と、地方レベルの都道府県及び市区町村の地域防災計画を定め、それぞれのレベルで防災活動を実施してきました。しかし、東日本大震災において、自助・共助・公助がしっかりとかみ合わないと、大規模広域災害において対策がうまく働かないことが強く認識され、その教訓を踏まえて、平成二十五年の災害対策基本法の改正では、自助及び共助に関する規定がいくつか追加されました。
その際、地域コミュニティにおいて共助による防災活動を推進する観点から、市区町村内の一定の地区の居住者及び事業者が行う自発的な防災活動に関する地区防災計画制度が平成二十六年四月に施行されました。防災・減災対策も地域の実情に応じて細かく手を打たなければ命を守ることはできないという現実があります。例えば、高齢者など災害時要配慮者を守るには、その具体的な対応を各地域の地区防災計画に盛り込んでいくことが重要であります。地区防災計画制度が施行される直前の平成二十六年三月、内閣府が「地区防災計画ガイドライン」を発表し、その後各地域において、様々な取組みが開始されました。
本区の地域防災に対する自主的な取組みは、環境をよくする運動などを通して防災マップの作成や防災訓練、避難所開設訓練などの実施で地域に対し着実に防災意識を向上させる取組みであり、高く評価するところです。しかしながら、本区の地区防災計画の策定については、いまだ策定済みが一町会、検討中が一町会となっており、策定に向けた更なる取組みを促進していくべきと思います。
この「地区防災計画」の制度が災害対策基本法に盛り込まれて以来、我が会派の同僚議員が本会議において、二度にわたり推進に向けて質問を重ねてまいりました。そこで、本区の現状を踏まえ、改めて地区防災計画の策定に向けて二点お聞きします。
一点目は、地区防災計画策定の作業や日常の防災活動を通して地域を守る共同体意識や連帯意識が生まれ、新たなコミュニティの形成につながり、防災意識の向上が図れると考えます。改めて地区防災計画を策定する意義や重要性などを周知すべきと考えますが、区長のご所見をお聞かせください。
二点目は、「地区防災計画ガイドライン」が発表されて四年七カ月が経過しました。そこで、住民が主体的に地区防災計画を策定していくために、今後どのような支援を行っていくのか、その取組みについて区長のご所見をお聞かせください。
次に、内水面の氾濫対策についてお伺いいたします。
本年七月の西日本豪雨は停滞した梅雨前線に台風七号がもたらした暖かく湿った空気が大量に流れ込んだことが原因になり、引き続いて日本列島を襲った災害級の猛暑は太平洋高気圧とチベット高気圧に覆われたことが原因とされています。いずれも地球温暖化が最も大きな原因と言われます。今後、豪雨や猛暑も更に頻度が増え、降水量や最高気温の記録を更新し続けることは予想されているところです。
本区においては、平成二十六年九月十日、猛烈な雨を短時間に降らすいわゆるゲリラ豪雨が発生し、時間雨量九十四・五ミリという観測史上記録的な大雨が降りました。被害は床上浸水二十二件、床下浸水二十九件が発生、三十二の公共施設でも雨漏りや下水の逆流などが発生いたしました。本区における戦後の水害の歴史を振り返ると、昭和二十二年のカスリーン台風による洪水では、利根川の決壊により多くの人命、財産が失われました。一方、過去六回の内水氾濫では、浸水八万八千四百五十二世帯、約三十五万七千人以上が被災されています。
水害の中でも圧倒的に多いのが台風等による内水氾濫であり、近年、頻度が増え続けています。今後も対策の強化が必要だと思います。これまでの取組みとして、雨水桝の清掃や土のうステーションの整備、東京都の貯留管の埋設やポンプ場による排水、地下施設入り口の止水板の設置など総合的な対策が一定の効果を上げてきました。しかし、頻度が増す豪雨への対策としては、現状のいくつかの見直しと新たな対策の検討が欠かせません。
区内で、浸水の被害を受けるのは、一般的に玄関先が道路面と同じ高さの住宅で、従前から浸水の恐れがある時は土のうを活用してまいりましたが、土のうが床下の空気穴を塞いだり、土のうをそのまま玄関に積んでいたりして、住宅の機能上や環境衛生上の問題は常に残ります。本区では、土のうを使って浸水を防ぐことが基本ですが、特に高齢の方にとっては持ち運んで設置するのは困難な場合もあり、その中で、止水板については、最近では非力な方でも簡単に設置できる機能や漏水ゼロの機能を有するようになっています。そこで、二点お伺いいたします。
一点目は、浸水被害に苦しむ区民の生命と財産を守るため、見直しを含め、今後の内水氾濫対策の具体的な取組みについて、区長のご所見をお聞かせください。
二点目は、本区では土のうを使って浸水を防ぐことが基本ですが、最新の技術とアイデアで開発された止水板の活用も是非とも推進すべきと考えますが、区長のご所見をお聞かせください。
次に、食品ロス削減に向け、更なる推進についてお伺いいたします。
国内で食べられるのに捨てられている食べ物、いわゆる食品ロスは、二〇一八年の政府公表の推計値では年間六百四十六万トンが発生しており、一方で貧困状態にある子どもは七人に一人もいます。また、世界でも栄養不足の人々が大勢おり、国連は「持続可能な開発目標(SDGs)」で二〇三〇年までに世界の一人当たりの食品廃棄を半減する目標が定められるなど、食品ロスの削減は地球的な課題です。
平成二十八年第三回定例会において、食品ロス削減に向け家庭への普及促進と食育への取組みについての質問に対し、区長より深い理解のもと、具体的に推進していくとの答弁がありました。本区では「もったいない」を合言葉に、区・事業者・区民が一体となって「えどがわ食べきり推進運動」に取り組み、食品ロス削減に向け着実に推進してまいりました。また、学校給食の食べ残しも減量されてきたとも仄聞するところです。
食品ロス削減の取組みの効果としては、食品の運搬や焼却のための化石燃料の使用量を削減することによるCO2削減効果、ごみ処理経費の削減などの経済的効果、輸入食品の食品ロスを減らすことで現地の水を守るなどの効果が考えられています。さらに家庭や事業所から提供された未利用食品を、食べ物を必要とする人や団体へ提供しているフードバンクの活動も意義あるものと考え、CO2削減、ごみ処理経費の削減などの側面から考えても、フードバンクの活動をさらに推進すべきと考えます。
これまで環境フェアと区民まつりで実施してきたフードドライブを本年度より十カ所の各地域まつりにも広げて実施されたことは評価するところです。しかし、地域まつりに参加したご婦人から「お中元で頂いたものでまだ残っている缶詰を持ってくれば良かった」という声をお聞きし、この方のように「持参すればよかった」と一歩意識を深くしていただいたことは大切なことと考えます。この考え方がもっと地域に広がっていければと思うところです。そこで、フードドライブの回収について、三点お伺いいたします。
一点目は、本庁舎一階にある展示スペースで定期的に実施できればと考えますが、いかがでしょうか。
二点目は、環境教育をさらに推進していく上からも、フードドライブの回収場所を常時設置すべきと考えますが、区長のご所見をお聞かせください。
三点目は、善意で提供された食品が本当に必要とする人に提供できるよう、例えば、環境部が中心となり福祉部、子ども家庭部との連携を図るなど、区がコーディネーター的な役割を担っていくのも一つの方策であると考えますが、区長のご所見をお聞かせください。
次に、救急時の新たな取組みについてお伺いいたします。
事故や災害で怪我をした人の応急手当てに使ってもらおうと、郵便配達のバイクや路線バス、商店街の店舗などに救急キットを備え付け、地域で共有する取組みが神奈川県を中心に三千以上の企業や店舗などで導入され、全国に広がりを見せつつあります。救急キットとは、災害時にかかわらず交通事故などの際の急な傷病者の応急手当を意味する「FA(ファーストエイド)」のマークや「救急時救急箱提供」などと書かれたステッカーをバイクや営業車、施設の入り口などに貼る仕組みで、消毒液や包帯、ガーゼ、絆創膏、人工呼吸の際に飛沫感染を防ぐフェイスシートなどが入っています。その取組みの原点は、阪神・淡路大震災の際、倒壊した自宅内にあった救急箱を取りに行くことができず、屋外にも救急箱の備えがあれば有事のときに役に立つとの発想から来ており、自動車大国のドイツでは車内に救急箱を搭載することが義務付けられていることもヒントになったそうです。この救急キットの一番の目的は、何かあれば誰にでも提供できることや街中にあれば互いに助け合えることであり、事故や災害時にお互いに助け合う社会を目指すことだと言います。
このような取組みが民間の発想で起こり、それが瞬く間に普及していく事例は多くあり、本区としても、まずしっかり認識をしていく必要があると考えます。そこで、本区においても、この「救急キット」を単に設置せよということではなく、普及啓発に向けて何らかの取組みができないかどうか、区長のお考えをお聞かせください。
次に、本区の公共トイレのユニバーサルデザインの推進についてお伺いいたします。去る十一月三日に
タワーホール船堀で「トイレに、愛を。フォーラム二〇一八」が、NPO法人日本トイレ研究所が主催し、江戸川区が協力して開催されました。プログラムの最初に、元パラアイスホッケーの選手で二〇一〇年バンクーバー
パラリンピックの銀メダリスト上原大祐氏が当事者として登壇し、だれでもトイレなど以前と比較してバリアフリーは進んできてはいるものの、扉や鏡の位置など、あと少しの配慮が足りなくて使いづらくなっているという話をされました。また、障害者用のトイレの空き状況などがわかる情報アプリなども開発されていることを紹介し、車椅子の方や視覚障害者の方などと一緒になって、どのようにすれば快適に使えるトイレになるかを考えていく必要があると訴えられていました。さらに上原氏は、スポーツに限らず、どんなことをするにもトイレは一番生活に欠かせないものであり、「使えるトイレがあるからスポーツができる」、「トイレ革命こそスポーツ革命」と訴えていました。
次に登壇した立原土木部長は、「東京二〇二〇
オリンピック・
パラリンピック競技大会に向けて、誰もが住みやすいまちの実現」と題する話の中で、昭和六十一年十一月十日に第一回トイレの日・記念「さわやかシンポジウム」が江戸川区で開催されたことに触れ、「トイレのあり方を考えることは、生活や都市そのものの質を問い直すことにつながるとの認識に立って、今後さらに、より良いトイレ文化の創造に向けて努力を重ねる」とした「江戸川アピール」を宣言していたことを紹介していましたが、ここに公園とともに心地よいトイレの整備に力を入れてきた本区のルーツがあることを知りました。
本区には、本庁舎や
タワーホール船堀をはじめとする公共施設はもとより、四百八十カ所に及ぶ公園のほとんどにはトイレがあります。本区は、そのトイレを手洗所として、前区長の時代から心地よいトイレを目指し、長年にわたって精力的に整備に取り組んできました。特に公園のトイレについては、環境財団管理の時から毎日の清掃を丁寧に行い、他区のトイレと比べて、格段に奇麗です。
さて、上原氏が訴えていたように、どんなことをするにもトイレは一番生活に欠かせないものであり、生理的な欲求であるとともに人の尊厳に関わるものです。障害者や高齢者、子ども連れ、外国の方、またLGBTの方など、全ての人が安心して使えるトイレの環境整備は、皆が自由に外出し活躍していく上で不可欠です。公共トイレのユニバーサルデザインの推進は、これまでの本区の歴史的経過を踏まえると必然的に取り組まなければならない課題であると考えます。
そこで、二点お伺いいたします。
一点目は、近年開発された前広便座の導入についてお伺いします。前広便座は「広く開いた前部」と「幅広・奥行きのある座面」が特徴で、座った状態でパウチ処理しやすい仕様となっており、オストメイトの方々に便利な設計となっており、健常者も含めてあらゆる方が安心して使える仕様となっており、さらに通常の個室と同じ広さで設置できます。オストメイトの方は外見では障害があることはわかりません。そこで、オストメイトの方も通常トイレを利用できれば、様々な負担を解消できます。最近、公共トイレに前広便座を導入している自治体があり、区内でも民間ですが、前広便座が設置されているところがあります。そこで本区の施設のトイレにも前広便座を導入してはと考えますが、区長のご所見をお聞かせください。
二点目は、本区の公共トイレについて、二〇二〇
東京オリンピック・
パラリンピック大会に向けて、子どもから熟年者、様々な障害をお持ちの方などに、更に使いやすいものにしていくために、当事者の声をよくお聞きして、ユニバーサルデザインを更に進めていく必要があると考えます。トイレ先進区として、本区の今後の方針について、区長のご所見をお聞かせください。
次に、中学校における特別支援教室の導入についてお伺いいたします。本区でも、東京都の特別支援教育に関する方針に基づき、今年度から全ての小学校に特別支援教室の機能を含めたエンカレッジルームを設置し、発達障害の児童に対して在籍校での巡回指導が開始されました。国や東京都が目指す「共生社会の形成に向けたインクルーシブ教育システム」の実現に向け、大きな役割を担うと言われているこの方式では、巡回指導教員と児童が在籍する学級担任などが定期的に会うことにより、情報や認識の共有が図りやすくなることから指導に一貫性を持たせやすくなり、効果的な指導を実施することができると言われています。また、それぞれの児童が抱える困難さの改善や、特別な支援を要する児童への指導がより多く実施され、周囲の児童や教職員、保護者などへ特別支援教育に対する理解促進に寄与するものであります。
このように今年度は小学校での実施が始まっていますが、来年度からは区立中学校においても巡回指導の導入が予定されており、仄聞するところ、まずは七校で先行実施し、平成三十二年度から全校で開始していく予定と聞いています。中学生は思春期で非常に多感な時期であり、特に発達障害のある生徒の場合、自尊感情の低下や対人関係のつまずきから、学習上の困難や生活上の困難が顕著になる傾向があると言われており、そこから不登校になるケースも多いと言われています。そのため、巡回指導教員と学級担任をはじめ全ての教員と連携し、生徒の心理的安定を図るとともに、学習意欲の喚起や生徒本人の自尊感情を培いながら、自己理解・自己受容を促し、生徒本人が自分の長所や短所を自覚でき、将来の自己イメージを持てるようになるための支援などが求められています。また、小学校から中学校、中学校から高校へとスムーズに移行できるよう、それぞれが連携していくことも大変重要と考えます。
中学校への特別支援教室の導入に当たっては、小学校での実施状況を踏まえるとともに、東京都教育委員会で作成した「中学校における特別支援教室の導入ガイドブック」をもとに、本区の実情を踏まえた実効性のある導入計画を策定し、円滑に開始できることを期待しています。
そこで、来年度から導入となる中学校での特別支援教室をどのように進めていかれるのか、具体的な取組み及び方向性について、教育長のご所見をお聞かせください。
最後に、小松川・平井地域の将来像についてお伺いいたします。これまでもバス交通をはじめとする地域の諸課題について取り上げてまいりましたが、改めて将来像も含めて、三点質問をしたいと思います。
一点目は、平井駅北口の駅前広場についてお伺いいたします。去る十一月十四日に平井五丁目駅前地区第一種市街地再開発事業の組合設立が正式に認可されました。これにより本事業が本格的に進むことになりました。本事業が本格展開され、一帯がきれいに整備されることから、駅前北口広場の整備についても必要と考えます。平成七年に地下駐輪場の設置とともに整備された同広場ですが、再開発事業に合わせ、地域の景観や時代のニーズに合わせ、リニューアルすべきと考えますが、区長のご所見をお聞かせください。
二点目は、平井二丁目付近地区の防災まちづくりについてお伺いいたします。
現在、東京都の事業である補助一四四号線の拡幅については、用地取得が進み、少しずつその形が見えてきています。また、区が事業を進めている地区内でも、道路を拡幅する予定地も同様に目に見えてきております。そのような状況の中、地域からも具体的に一四四号線の拡幅の工事に入る時期や補償や、また移転等に関する声を聞く機会も増えてまいりました。補助一四四号線拡幅の工事着手も近くなってきた現状から東京都施行の事業及び本区が進める「不燃化特区・都市防災不燃化促進事業」、「密集住宅市街地整備促進事業」について、今後どのように進めていくのか、お聞かせください。
三点目は、地域内の公共施設の今後の展望についてお聞きします。
まず、小松川第二中学校の改築が完了し、待望されていた小松川の地で、この四月から学校運営が開始されております。次の改築校として、小松川第一中学校が平成三十三年度完成の予定で、小松川二中の平井校の敷地に建設される予定となっております。その小松川一中の改築については、現在、小松川一中と三中の統合が打診され、地域内で重要な課題として検討会が進められているところです。本区としては初めての中学校の統合の話で、今後のことを考えると慎重な検討を要するものです。
さて、学校の改築と同時に今後現実的な課題となってくるのは、小松川区民館をはじめ公共施設の建て替えがあります。ざっと地域内を見ますと、区民館や図書館の他に、中高生が活用する共育プラザ平井に関しても、現在の場所では利便性が良くありません。また、特別養護老人ホームに関しても、小松川・平井地域には五十床を有する「ウエル江戸川」一施設のみで、他地域と比べると少ない事情もあり、これらについても一緒に検討課題として考えていただきたいと思います。平成三十三年度中に小松川第一中学校が完成するまでに、あと三年ほどの期間となり、本格的に小松川・平井地域での公共施設の再編、建て替えについて検討すべきと考えますが、区長のご所見をお聞かせください。
以上で第一回目の質問を終わります。
○議長(藤澤進一 君) 多田区長。
〔区長 多田正見君登壇〕
◎区長(多田正見 君) いろいろなご質問をいただきましたけれども、順次お答えをしてまいりたいと思います。
地域防災計画は、従前から江戸川区では定められているところでありますけれども、平成二十五年の災害対策基本法の改正によりまして、広い範囲の地域防災計画というよりは、もっときめの細かい地区防災計画という考え方で、これからは進めていきましょうという改定が行われました。これは住民自らつくっていただこうということでございまして、そうしたことでもっとより現実的な自主・自助の精神を生かした地区計画をつくろうと、こういうことでこの法律が改正をされているわけでありますが、本区もこれに取り組んでおりますけれども、まだまだこうしたことに対する理解を深めていくということが徹底はしていないというふうに思っておりまして、なるべく早くこれを実現していかなければならないという課題だというふうに思っております。
このことにつきましては、現状と、これからどのような取組みをしていくかということについて、
危機管理室長からご説明をさせていただきたいと思います。
次に、内水氾濫でありますが、ご承知のとおり、江戸川区は全域が大変な低地帯でございますので、こうした可能性があるわけでありますので、これを何としても早期に対策を立てて、いつどういうことがあっても大丈夫だという体制を用意していかなければなりません。主としてこれは土木部が担当する事業でありますので、土木部長からご説明をさせていただきます。
食品ロスの問題でありますが、フードドライブの問題でありますとか、区のコーディネートのやり方の問題でありますとか、いろいろご提案もいただきましたけれども、これは環境部長からお答えをさせていただきます。
それから、救急時の取組みでありますけれども、この救急キットの普及ということでございます。こうしたことも大変重要なことかと思いますが、具体的なことでありますので、健康部長からお答えをさせていただきます。
公共トイレのことにつきまして、先般行われました、十一月三日でありますけれども、トイレフォーラムが船堀で開催をされました。ご講演を中心といたしまして、様々な勉強をさせていただいたわけでありますが、この公共トイレのあり方というものも徐々に変わってまいりまして、新しい考え方がいろいろご披露もしていただけたということでございまして、今、国もそうしたことについて取り組んでいるところであると聞いておりますけれども、このことにつきましては土木部長からご説明をさせていただきますので、よろしくお願いをいたします。
それから、中学校の特別支援教室の導入につきましては、教育長からお答えをさせていただきます。
小松川・平井地区の将来像ということについてでございますが、一つ、今、北口のところの平井五丁目が再開発ということで取り組まれております。大変地元の皆様の積極的なご参加をいただきまして、今、具体化しようとしているところでありますけれども、それとの関連で北口の広場がどうなるかということがございます。これは直接は関係いたしませんので、別々の事業ということになりますけれども、これを機に、そういうことも考えていかなければいけない。開発を機に、こうした広場の問題もやっていかなければいけない課題だとは思いますが、まだ少し先のことでありますので、これから地元の皆さんのご意見も聞きながら、どういう形をとっていくかということについては研究をさせていただきたいと思っております。
全体、小松川・平井地区の将来像はどうなるかということでありますけれども、今、ご承知のように、小松川一中と三中の建て替えを進めようとしております。このことによりまして、学校の跡地利用の問題もあります。それから、一方で区民館の老朽化の問題もございますので、こうしたことを併せて、全体でどういうふうにこれを組み立てていくかということが一つです。図書館の問題もございます。図書館も相当老朽化しておりますので、合わせて全体、あの地域にどういう配置をしていくかということについて、これは課題でありますので、これをこれから皆さん方と検討していかなければならないというふうに思っております。こうしたことにつきましては、もう少し具体的に
経営企画部長からご説明したいと思いますので、よろしくお願いをいたします。
以上でございます。
○議長(藤澤進一 君) 斉藤教育長。
◎教育長(斉藤猛 君) 中学校における特別支援教室の導入についてでございます。
二〇二〇年の四月から全中学校における巡回指導が始まります。区では一年前の来年度から七校で先行実施を行っていきます。まずは先行実施に合わせまして、今年中に巡回指導マニュアルを作成いたします。また、先行実施校の巡回指導を行う教室、こちらの整備も行ってまいります。さらに来年の六月には、全中学校の教員全てを対象とした説明会を実施をいたしまして、通級指導から巡回指導へのスムーズな移行ができるようにしてまいります。大切なのは、教員一人一人の理解だと思っております。今後も研修を通しまして、教員一人一人の特別支援教育への理解を深めること、そして、巡回指導教員と他の教員との連携を図ることなどについて、学校に指導をしてまいります。
以上です。
○議長(藤澤進一 君)
危機管理室長。
◎
危機管理室長(山口正幸 君) 私のほうから、地区防災計画の推進についてお答えをさせていただきます。
この計画でございますが、地区の住民が行う自発的な防災活動に関する計画でありまして、自助・共助としての防災力向上には大変有効だというふうに認識しております。ただ、先ほど区長、答弁ありましたとおり、本区でまだまだ進んでいない状況にもあります。
一方で、本区では現在、震災に備えるために、避難所運営協議会を立ち上げる取組み、これを全区的に展開しているところであります。この協議会は、避難所の運営が円滑に行われるように、区内の全小・中学校を拠点としまして、近隣町会・自治会、さらには学校や避難所開設職員が一体となって組織しているものでございます。
今後でございますが、この避難所運営協議会を通じて、地区防災計画の意義について周知を図った上で、さらにこの協議会を主体とする訓練を行って、それぞれの熟度に応じて、この地区防災計画策定につなげていきたいというふうに考えております。
以上でございます。
○議長(藤澤進一 君) 土木部長。
◎土木部長(立原直正 君) 私からは内水の氾濫対策、また公共トイレのユニバーサルデザインの推進につきまして、お答えをさせていただきます。
まず、内水の氾濫対策でございますけれども、公共下水道、時間五十ミリ、これをベースにいたしまして、これまで道路下や公園下への雨水貯留施設の整備、また土のうステーションの配置、雨水桝の定期的な清掃や点検、また北葛西、西葛西地区におきましては、豪雨対策下水道緊急プランということで、下水道局のほうがバイパス管を設置、また、既設管を太くするなどの対策を施しています。
さらに、小松川地区におきましては、小松川第二ポンプ場、建設中でございまして、こちらのほうは本区のみならず江東デルタ地帯全体の内水対策に寄与するものということで整備完成を期待しているところでございます。また、区のホームページ、広報等を通じまして、特にホームページでは、気象情報システム、リアルタイムでの降雨強度をお知らせ、お伝えする。もしくはこれまでの残念ながら道路冠水してしまった、その履歴をお示しすることによって、建築の際等に参考にしていただく等の道路冠水履歴マップなどの公表をしておるところでございます。
こうしたハード、ソフト両面、非常に重要であると考えておりますが、さらに、これまでの取組みに加えまして、例えば、雨水排水の実際の支障となります雨水桝の上を塞いでしまっているカーステップの取外しですとか、また、土のうをいかに効果的に積むことによって浸水を防げるか、また、止水板をしっかりと活用していただくなど、自助・共助の取組み、これらの推進に向けました啓発を、さらに進めていきたいと思っております。また、雨水貯留施設の効果、検証につきましては、下水道局とともにしっかりと検討したいと思っております。そうしたことで水害の発生を抑える安心・安全のまちづくりに努めてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
もう一点、公共トイレのユニバーサルデザインの推進についてでございます。先ほどご質問で触れていただきましたが、昭和六十一年に本区で行いましたシンポジウムにおきまして、「手洗所の整備をすることが街全体の質を高めて生活文化の醸成につながるのだ」と、そういった趣旨のアピールをさせていただいておりました。このことは、私自身も、これまでも、現在も、そしてこれからも、この手洗所のあり方を示す、非常に基本のことだなというふうに改めて感じておる次第でございます。
そうした中で、国土交通省からはバリアフリーに関する方向性というようなことで、機能分散というような考え方も示されております。これまでですと、多機能・多目的トイレに様々な機能を集約させるということが標準と言いましょうか、という状況でございましたが、ご質問にもございましたとおり、前広便座を一般便房にというような、そういったことで機能分散を図ることによって、さらにユニバーサルデザインが広がるというような指摘も出ております。フォーラムの中でも、全ての人が安心して使えるトイレの環境整備を行うことは、どなたもが自由に外出して活躍していただくということで、非常に不可欠であるということを確認させていただいた次第でございまして、この前広便座、機能の分散の考え方、また、ストーマ装具使用者の方々のご意見などをしっかりと踏まえながら、有効性などを研究していきたいというふうに考えております。
さらに、東京二〇二〇オリパラに向けまして、現在、葛西地区を中心に道路や公園の手洗所の改築、また洋便器化などを鋭意進めておるところでございます。ユニバーサルデザインの推進、誰もが心地よく使える手洗所の整備、拡充、これをしっかりと今後も取り組んでまいりたいと思っております。
以上でございます。
○議長(藤澤進一 君) 環境部長。
◎環境部長(岩瀬耕二 君) 私のほうはフードドライブの更なる推進ということでお話ししたいと思います。
フードドライブは、これまで環境フェアや区民まつりで実施しておりまして、今年度からは地域まつり十カ所でも実施して、実績も上がっているところでございます。さらに、来年度は区役所の展示スペース、ここで八月と十二月、贈答品の多い時期に定期的な実施を今検討しているところでございます。
常設回収でございますが、これは食料品ということから、管理を適切に行っていく必要がございます。また配付につきましても、連携している団体の受け入れ体制についても考慮しなくてはならないと、こういった課題もあります。区といたしましては、こういった課題に対処しながら、更なる回収場所の拡大に向け検討してまいりたいと考えてございます。
また、回収食品の提供方法につきましては、福祉部や子ども家庭部、関連する部署の情報を収集しながら、より良い連携の方策について、今後検討してまいりたいと考えているところでございます。
以上です。
○議長(藤澤進一 君) 健康部長。
◎健康部長(森淳子 君) 私からは、救急キットの普及啓発についてお答えしたいと思います。
提供表示式救急キット、FAですね。これは交通事故や災害の時、そのようなことに遭遇した時に、そのキットを提供すると。互助、そして共助の仕組みというふうに私どもは捉えております。こうした助け合いの仕組みとか考え方というのは大切なことであるというふうに思っております。そういう救急時や災害時の考え方として研究していきたいと思っております。
○議長(藤澤進一 君)
都市開発部長。
◎
都市開発部長(町山衛 君) 私のほうからは、平井二丁目付近地区の防災まちづくりについてお答えいたします。
ご質問の中にありましたとおり、都と区で連携しながらやっているまちづくりの事業でございます。認可をとる前から協議会の段階から区と都と地元で話し合いをかけながら、それぞれの事業の役割分担を置いて認可をとってスタートしているところでございます。
都施行の補助一四四号線につきましては、用地買収率も八〇%ということで、現地のほうでも道路の姿が見えてきているという状況でございます。今年度中には道路工事の発注も予定されていると、東京都から聞いております。
不燃化特区は、平成三十二年度までが事業期間となっておりまして、一四四号線も目標は三十二年度と。区で行う都市防災不燃化促進事業と密集事業はまだ三十二年以降もあるのですが、この三十二年が一つの節目の目標として、今後も都と区で連携しながらスピード感を持って、こちらの防災まちづくりに努めていきたいと考えております。
以上です。
○議長(藤澤進一 君)
経営企画部長。
◎
経営企画部長(千葉孝 君) 私のほうから小松川・平井地域の公共施設の、ということでありますけれども、現在、その地域には、既に四十年から五十年、建築後、経過をした施設がございます。具体的に申しますと、小松川区民館は既に五十年経過しております。また、図書館は四十六年、共育プラザ平井は四十四年経過しているところであります。
一方、小松川一中移転後の跡地につきましては、先般公表いたしました大型公共施設の今後の方向性におきまして、一つの案としてですけれども、区民館、そして図書館の移転改築というものを示したところであります。
先ほどお話もありましたけれども、その他の施設も含めまして、区民の利便性、そして、地域の賑わいを考慮しながら将来を見据えて、必要な施設のあり方につきまして、区議会、そして地域の皆様と共に検討してまいりたいというふうに考えております。
以上です。
○議長(藤澤進一 君) 太田公弘君。
◆十六番(太田公弘 君) 区長、教育長並びに各部長の皆様から、多岐にわたる質問に対しまして丁寧な答弁をいただきましてありがとうございます。
まず、地区防災計画ですけれども、今般の西日本豪雨で大きな被害を受けたものの奇跡的に犠牲者がゼロだったところでは、災害時に支援が必要な高齢者や障害のある人のリストをつくって、誰が誰をサポートするかを具体的に決めていたということが大きいそうでございます。これがそのまま江戸川区のように大きなところに当てはまるかどうかわかりませんけれども、その目指しているところは一緒かなと思いますので、ぜひとも、きめ細かな対応のできる地区防災計画の推進については全力で取り組んでいただきたいと、改めて要望させていただきたいと思います。
それから、内水面の内水氾濫です。内水氾濫対策については、カーステップ一つとっても、これ、あたりを見回すと、必ずどこにも設置されていて、これをどけるだけでかなり水の流れが変わってくるのではないかと。そういった意味では、この意識の啓発も大事ですし、また、土のうに関しても、一般の家庭でお使いになっている場合は、やはりそのままというケースが多くて、玄関脇に積み重なっていたりとかということもあったりして、衛生面という部分では厳しい部分があるということも承知をしているのですが。その中で、この止水板に関して、今後も研究を積み重ねていただいて、どこでどう使えるかということも具体的な研究をしていただければというふうに思います。
それから、食品ロスに関しては、フードドライブの展示スペースや回収場所の常設に関しましては前向きな答弁をいただきまして、検討をこれはよろしくお願いしたいと思います。
これ、フードドライブを運営する民間の団体ができないことというのは情報の収集でございますので、やはり区がしっかりと、環境でもいいですし、福祉部、そしてまた子ども家庭部、教育としっかりと連携をしていただいて、情報の共有ということをしっかりと進めていただければというふうに、今後もよろしくお願いをしたいと思います。
それから、救急時の新たな取組みとして、救急キットということで今回取り上げさせていただきましたけれども。これ、この後、神尾議員がAEDのことについて質問するので申し訳ないのですけど、先にちょっと。AEDが一般の人に使用されるようになったのが、二〇〇四年のことだそうでございまして、それから十年以上を経て、現在、このAEDというのはあちらこちらに設置をされているということと同時に、社会的認識も高くなっているということと同じように、このFA、特にFAに関しても同じように救急キットもAEDと同様で、やはりこれから社会的認知が高まっていくのではないかということで、今はまだ認知度は低いのですけれども、これからますますそういったことが広まっていくのではないかということで、それと同時に多くの方に知っていただこうという意義を込めまして、今回この課題を取り上げさせていただきました。普及啓発のほう、よろしくお願いをしたいと思います。
それから、公共トイレについては、江戸川区は実は非常に恵まれているというのは、地方を仕事なんかで車で回ると、トイレを探すというのは非常に大変なことで、公園に必ずトイレがあるというのは江戸川区だけではないかなというふうに思います。そういった意味で、非常に恵まれているということを改めて区外に出ると実感をさせていただきます。そういった意味で伝統的に江戸川区がトイレ先進区というふうに言ってもいいかなというぐらい進んでいる形でやっていただいていますので、今回取り上げた前広便座についても、これはオストメイトの方もそうですし、障害のある方もそうですし、あと健常者が使っても全然違和感のない、そういった便座となっていますので、ぜひとも、これもしっかりと研究していただいて、今後の区内のトイレに設置の推進ができるような形でお願いしたいと思います。
それから、中学校における特別支援教室の導入については、教育長からご答弁があったように、いろいろな形で取り組んでいくということはよくわかりました。先の決算特別委員会でも、我が会派の同僚議員からの質問で、「思春期の中学生の支援のあり方に関しても配慮していきますよ」というご答弁をいただいていますので、これも特に学校が中心になるのですけれども、特に学校長を中心に、全校、学校全体で一丸となって取り組んでいくというふうな取組みが非常に大事になってくるかなと思いますので、これも改めてしっかりと各学校で取り組んでいただく体制を組んでいただくよう、よろしくお願いをしたいと思います。
それから最後、地元、小松川・平井地域の課題でございますけれども、今回挙げた課題のほかにも以前からお訴えさせていただいている、平井の特に北部地域のバス交通の課題ですとか、それからあと、京葉道路よりも南の小松川地域に関しては、これ、実は民間のコインパーキングがないので駐車に困るというケースが非常に多いというふうな課題がございます。そういったこともあるのですけれども、今回は三点に絞って質問をさせていただきました。
平成二十六年の第二回定例会で私も同じような質問をさせていただいた折に、多田区長のほうから、当時「平井・小松川地域の中に二つの大きな土地ができて、それは皆様方がどうお考えになるかという、非常にフリーハンドですから、希望の持てる状況になる」と、このようなご答弁をいただいております。これから、時期も、この時と比べると現実的に差し迫ってきたということを考えますと、これから本格的に検討する時期になったということで、今回取り上げさせていただきました。この課題についても、今後もしっかりとまた地域の方ともよく話し合っていただいて、本当に地域の方に喜んでいただけるような、そういった検討と取組みをお願いをして、以上で質問を終わります。
○議長(藤澤進一 君) 次に四番、神尾昭央君。
〔四番 神尾昭央君登壇〕
◆四番(神尾昭央 君) 平成三十年第四回定例会、通告に従いまして、私が江戸川区における課題として認識している事項について質問をいたします。区長の前向きで分かりやすい答弁を期待するものであります。
今回の質問は大きく四つです。一つ目はAEDの推進について。二つ目は区民まつりの模擬店について。三つ目は町会・自治会の法人化について。四つ目は椿中央会館前の横断歩道についてです。
まず、AEDの推進について質問いたします。
AED(自動体外式除細動器)は、心臓が痙攣して血液を流すポンプ機能を失った状態である心室細動になった際に、電気ショックを与えて、正常なリズムに戻すための医療機器です。二〇〇四年七月より医療従事者でない一般市民でも使用できるようになり、病院や診療所はもちろんのこと、駅、空港、スポーツクラブ、学校、公共施設、企業など人が多く集まる場所を中心に設置されています。操作方法も、音声でガイドしてくれるため比較的簡単に使用することができます。
我が国では、毎日約二百人、七・五分に一人が心臓突然死で死亡すると言われています。その数は年間約七万人にも上ります。AEDが適切に利用されれば現在の六倍以上の命を救うことができるとも推計されています。そこで、まずAEDの設置状況について、江戸川区ではどのように把握されているのか。また、その情報はどのように区民に周知されているのか。現状をお聞かせください。
AEDの使用によって命を救えるかどうかは、時間との勝負です。まさに一分一秒を争う事態です。救急車が到着するまでの間に傷病者の近くにいる者がAEDを使用して、できる限り早く処置をすることが重要です。電気ショックが一分遅れるごとに救命率は一〇%ずつ低下していくとも言われています。一一九番通報をしてから救急車が到着するまでの全国平均時間は八・五分です。とすると、救急車の到着を待っていては命を救うことができない場合があるということです。突然の心停止を救うことができるのは、その場に居合わせた者だけと言っても過言ではありません。