江戸川区議会 > 2015-02-19 >
平成27年 第1回 定例会-02月19日-02号

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  1. 江戸川区議会 2015-02-19
    平成27年 第1回 定例会-02月19日-02号


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    平成27年 第1回 定例会-02月19日-02号平成27年 第1回 定例会 平成二十七年 第1回定例会 江戸川区議会会議録 第二号 第一回定例会 第二日 一 開会日時 平成二十七年二月十九日(木曜日)午後一時 二 出席議員(四十二人)   一番   中津川将照君   二番   桝 秀行 君   三番   金井 茂 君   四番   滝沢泰子 君   五番   佐々木勇一君   六番   竹平智春 君   七番   所 隆宏 君   八番   大西洋平 君   九番   大橋美枝子君   十番    欠 員   十一番  深江一之 君
      十二番  江副亮一 君   十三番  新村井玖子君   十四番  太田公弘 君   十五番  窪田龍一 君   十六番  堀江創一 君   十七番  関根麻美子君   十八番  斉藤正隆 君   十九番  田中寿一 君   二十番  田島鐵太郎君   二十一番 小俣則子 君   二十二番  欠 員   二十三番 田中けん 君   二十四番 中里省三 君   二十五番 須賀清次 君   二十六番 伊藤照子 君   二十七番 中道 貴 君   二十八番 鵜沢悦子 君   二十九番 福本光浩 君   三十番  高木秀隆 君   三十一番 藤澤進一 君   三十二番 早川和江 君   三十三番 瀬端 勇 君   三十四番 間宮由美 君   三十五番 竹内 進 君   三十六番 田中淳子 君   三十七番 川瀬泰徳 君   三十八番 須賀精二 君   三十九番 川口俊夫 君   四十番  島村和成 君   四十一番 田島 進 君   四十二番 渡部正明 君   四十三番 八武崎一郎君   四十四番 片山知紀 君 三 出席説明員   区長   多田正見 君   副区長  原野哲也 君   経営企画部長        山本敏彦 君   危機管理室長        淺川賢次 君   総務部長 石田剛朗 君   都市開発部長        新村義彦 君   環境部長 山﨑 実 君   文化共育部長        石塚幸治 君   福祉部長 斉藤 猛 君   子ども家庭部長        髙原伸文 君   健康部長 松尾広澄 君   江戸川保健所長        山川博之 君   土木部長 髙井 聖 君   経営企画部企画課長        千葉 孝 君   経営企画部財政課長        後藤 隆 君   総務部総務課長        土屋典昭 君   土木部副参事        長谷川和男君   教育長  白井正三郎 君   監査委員事務局長        宮山孝夫 君   選挙管理委員会事務局長        吉田和善 君 四 出席区議会事務局職員   事務局長 畔栁文泰 君   議事係長 髙橋 潔 君   主査   高橋寛幸 君   書記   森田寿生 君   同    濱田博司 君   同    志村一彦 君   書記   土屋暁彦 君 五 議事日程  日程第一  一般質問   1 藤 澤 進 一 君 2 川 瀬 泰 徳 君 3 深 江 一 之 君   4 田 島 鐵太郎 君                                散  会       ───────────────────────────  午後一時開議 ○議長(高木秀隆 君) これより本日の会議を開きます。       ─────────────────────────── ○議長(高木秀隆 君) 日程に入るに先立ち、この際報告します。   予算特別委員会委員の選任については、江戸川区議会委員会条例第五条第一項ただし書きの規定により、議長が指名いたしましたので、事務局長に氏名を朗読させます。  〔畔栁事務局長朗読〕       ───────────────────────────   予算特別委員会委員  一  番 中津川 将 照 君   二  番 桝   秀 行 君  四   番 滝 沢 泰 子 君   六  番 竹 平 智 春 君  八  番 大 西 洋 平 君   十 二 番 江 副 亮 一 君  十 五 番 窪 田 龍 一 君   十 九 番 田 中 寿 一 君  二十六番 伊 藤 照 子 君   二十九番 福 本 光 浩 君  三十一番 藤 澤 進 一 君   三十三番 瀬 端   勇 君  三十四番 間 宮 由 美 君   三十五番 竹 内   進 君  三十六番 田 中 淳 子 君   三十七番 川 瀬 泰 徳 君  四 十 番 島 村 和 成 君   四十一番 田 島   進 君
     四十四番 片 山 知 紀 君       ─────────────────────────── ○議長(高木秀隆 君) 以上のとおり選任しましたので、報告いたします。  次に、先般、予算特別委員会が開かれ、正副委員長の互選を行いました。  その結果、委員長に四十四番、片山知紀君が、副委員長に三十七番、川瀬泰徳君がそれぞれ選出されましたので報告いたします。       ─────────────────────────── △日程第一 一般質問 ○議長(高木秀隆 君) 日程に入ります。  日程第一、一般質問。  これより一般質問を行います。順次質問を許します。三十一番、藤澤進一君。      〔三十一番 藤澤進一君登壇〕(拍手) ◆三十一番(藤澤進一 君) 私は、平成二十七年第一回定例会にあたり、区議会自由民主党を代表し、理想とする江戸川区の姿と、未来を切り拓く夢であり、力である子供たちの教育現場の充実など三点にわたり、区長・教育長へと質問してまいります。  平成二十七年は天高く広がる青空に希望を抱き、凛とした冬の空気に飛躍を誓う年明けでした。  そんな、新年の平穏な幕開け早々、世界を震撼させる事件が起こりました。  YouTubeに投稿された画面には、イスラム国と称される国際的テロ集団ISILにより、人質として拘束されたお二人の日本人の姿があり、無軌道な要求が重ねられ、結果として、残虐非道な方法で人命が奪われました。  この場より、亡くなられた二人の日本人のご冥福をお祈りいたします。こうしたテロ行為は、決して許されるものではなく、日本はこうしたテロ行為に屈することはないという国会決議がなされました。  我が国を取り巻く外交・安全保障環境は一層厳しさと不透明感を増し、我が国の領土・領海・領空に対する脅威はさまざまな形で今なお続いています。  また、近隣諸国から示されております日本の歴史に対する間違った認識や不当な介入も、明確な道筋を見ることができません。  さらに、多岐にわたる外交・安全保障など、我が国の国益を守るために、外交の果たす役割はかつてなく大きくなっています。現在、外交は国の役割でありますが、日本国民の安全・安心、世界の人々の平和という、人類共通の普遍の理想・目的を実現遂行するためには、誰もが無関心ではいられません。平和も脅威も、常に我々の傍らにあるのだということを、再認識しております。  さて、日本国内に目を転じると、昨年末の衆議院選挙において、自由民主党・公明党の両党は、圧倒的な国民の信任を得て、引き続き連立政権により、国の運営を担うこととなりました。  我が国経済は、「アベノミクス」の実施によって、就業者数は約百万人増加、有効求人倍率は四十七都道府県全てで上昇し二十二年ぶりの高水準となり、高校生の就職内定率は約一三%改善、女性の就業者数は約八十万人増加しました。例として紹介しました通り、多くの経済指標が示すように、我が国経済は、基本的に回復基調にあり、経済の好循環が生まれはじめています。  しかしながら、昨年四月に実施された消費税引き上げに伴う駆け込み需要の反動や夏の天候不順などにより個人消費に弱さが見られ、平成二十六年七月から九月期の実質GDPは、年率換算でマイナス一・九%と二四半期連続でマイナスとなりました。また、景気の回復状況には、ばらつきもみられ、特に中小企業ではアベノミクスの成果を十分に実感できていないのが現状です。  今、我が国経済は、まさに正念場と言えると思います。こうした状況の中、政府自民党は、平成二十七年十月に予定していた消費税一〇%への引き上げ時期を平成二十九年四月としましたが、決して財政健全化の旗はおろすことなく、経済再生と財政再建を同時に成し遂げることを決意いたしました。このことは、先月国が公表した平成二十六年度補正予算、平成二十七年度予算案に色濃く反映されております。  国民の真の願いは、「大手法人企業のみならず、中小零細企業の景気回復。さらに全国津々浦々、家庭の台所にまで実感できる経済の成長と安定」にあります。  安倍首相は年頭所感で「経済対策を早期に実施し、成長戦略を果敢に実行する。今年も経済最優先で政権運営にあたり、景気回復の温かい風を全国津々浦々までお届けします。」と、述べられております。  自由民主党は、「景気回復、この道しかない」と、経済再生を掲げ、全党挙げて経済政策に全力で取り組んでおります。  安倍政権が必ずや、国民の期待に応え、大いなる責務を果たしていくものと確信いたします。  そして、今年は戦後七十年の節目の年であります。日本は占領期を経て奇跡的な復興を果たし、世界の主要な国家となりました。終戦当時、貧しい人たちがひしめきあう焼け野原で、生きていくために逆境から抜け出したい、もっと豊かになりたいという強い思いを抱いた先人たちは、類まれな技術力と勤勉性、不断の努力をもって、日本をGNP世界第二位の経済大国に押し上げていったのです。  今の時代に生きる私たちにとって、経済再生ももちろん大切なことではありますが、日本人としての心の豊かさ・精神力・技術力も、合わせて将来世代へ引き継いでいかなければならないと考えます。  また、平成二十七年は、江戸川区生誕八十三年目の年でもあります。  この八十三年間に、江戸川区も幾多の困難を乗り越えてきました。昭和二十年三月、東京大空襲、小松川地区で一万戸余が焼失、区役所も焼失、昭和二十二年九月、カスリーン台風で二万戸が床上浸水、二十四年九月のキティ台風、三十三年九月の狩野川台風でも大きな被害発生、昭和四十五年、葛西地区ごみ公害問題、道路を封鎖するなどの強行手段をとり解決、昭和四十六年三月、航空機騒音問題。法廷闘争の末、四十八年一月に和解、昭和四十七年、成田新幹線通過問題、四十八年十一月認可取消を最高裁へ上告など、時代背景もあり、本当に苦難、困難の連続でした。  一方では輝かしい自治体発展の確かな実績も枚挙にいとまがありません。  昭和三十七年十二月全国自治体に先駆けたコンピューター導入、昭和三十八年三月新中川放水路開通、昭和四十四年の保育ママ制度開始、四十八年には都内初となる夜間診療を開始、古川親水公園一部完成、職員の独自採用が始まったのもこの年でした。  昭和五十年には、全国初の高齢者事業団設立、いまや、江戸川区を代表するイベントとなった花火大会は昭和五十一年八月、区民まつりは昭和五十三年十月に初開催されました。  また、環境促進事業団区民施設公社発足も昭和時代にあって、江戸川区の先進的な取り組みであったと思います。  平成の時代を迎えてからも、平成七年十二月の平和都市宣言、平成八年の下水道一〇〇%完成、平成十四年七月の長期計画「えどがわ新世紀デザイン」策定、平成十五年青少年の翼事業スタート、十六年には総合人生大学開学。平成十七年四月にはすくすくスクール事業が区立全小学校で始まり、チャレンジ・ザ・ドリームが区内全中学校で始まりました。  そして、未曾有の国難とも言える平成二十三年三月十一日の東日本大震災発災にあたっては、職員の速やかな被災地派遣、区民の総力を結集しての三億八千万円を超える義援金など、江戸川区のパワー、職員の使命感と心意気、区民の良き住民性が十分に発揮されました。  江戸川区は国や都から様々な賞をいただき、全国の自治体や議会からの視察が途切れることがありません。  改めて、時代をつくり、彩ってこられた先人の方々に感謝と敬意を表し、現在の時代を生きる我々も将来世代にツケを回すことなく、すばらしい江戸川区を引き継いでいかなければなりません。  多田区長は、平成十一年の区長就任以来、さまざまな困難を乗り越えてこられました。大きな困難の一つに財政危機の問題がありました。多田区長は、就任以来、江戸川区の二度にわたる財政危機を見事に乗り越えた功績があります。はじめは、就任早々の平成十一年、区債残高が基金残高を五百二十六億円も上回り、このまま行政運営を続けていけば、五年後には破綻するだろうという状況のもと、健全財政推進本部を立ち上げて、財政健全化に着手、平成十六年には基金が区債を上回るまで改善させました。その後も基金は増額、区債は減少の一途をたどっていきましたが、平成二十年秋のリーマンショックを契機とした世界同時不況の影響により、再び厳しい収入減に陥りました。伸び悩む税収と高齢化の進展に伴う支出増のダブルパンチによって、蓄えてきた基金の底が見え始めてきました。  そこで、二回目の財政健全化に取りかかりました。平成二十五年度には、江戸川区の千三百を超える事業を全て再検討し、二百十六事業について見直しを断行しました。平成二十六年度にも四十八事業を見直し、その効果は年間四十六億円にも上り、平成二十六年度末における基金残高は過去最高額に、起債残高は過去最低額となり、江戸川区の財政健全化は一層進みました。  総務省が毎年まとめる全国自治体健全化判断比率においても、実質公債費比率が、この五年間で三回日本一に輝くなど、江戸川区の財政は、多田区長のもと、二度の財政危機を見事に乗り切り盤石なものとなりました。  堅実な行政運営と魅力的な周辺環境も加わり、平成二十六年度「江戸川区民世論調査」では、今後も江戸川区に住み続けたいかの質問に対し、「住み続けたい」が五一・六%と最も高く、これに「できれば住み続けたい」の二二・八%を合わせた永住意向は七四・四%に上っています。一方で、「転出意向」は四・六%と非常に低く、この数字は、東京都全体の一一・八%、区部の平均一一・九%よりも七・三ポイントも低くなっています。  これからも江戸川区に住んでいる方からは、「江戸川区に住み続けたい」「江戸川区から転出したくない」、ほかの自治体に住む方々からは、「江戸川区に引っ越したい」と、日本中から言われる自治体を目指して、区長とともに私たち区議会自由民主党も努力を惜しみません。  次に、今後の区政の展開に目を転じてみますと、昨年九月に議会に報告された「今後の区政における主要課題」の中で、「少子化、高齢化、学校の適正配置」とともに庁舎の移転問題があります。日本だけではなく、世界でも自治体の本庁舎は、それぞれの地域のシンボルです。議会としてもこの重大な課題に対して昨年十月に現有議員の半数に当たる二十一名という、かつてない大規模な編成により、「庁舎移転問題検討特別委員会」を立ち上げ、視察や研修を含めて議論、検討を重ねてまいりました。  今議会最終日に、委員長報告がなされ、議会としての答えが示されますが、本庁舎は、単なる建物の問題としてではなく、区の重要なシンボルとして、また区民の皆様に親しまれる区民施設の一つとして検討がされるところであります。  本庁舎建設は、一世紀に一度、つまり百年に一度の大事業と言われています。現庁舎の跡地の活用とともに、区民が誇りとする庁舎の建設を私たち区議会も推進していきたいと考えております。  これまで述べてまいりましたように、江戸川区政を取り巻く環境はこれからも変化し、課題は山積しています。多田区長は就任以来、四期十六年、区民の期待と信頼にこたえ、共育、協働の理念を掲げ、卓越した行政手腕を発揮されてまいりました。  また、江戸川区の特色であり、個性であります、良き住民性に裏づけされた「地域力」「マンパワー」を最大限に発揮し、江戸川区を前進させ、その結果、日本一とうたわれる江戸川区を築かれましたことを高く評価し、深く敬意を表するものであります。  区長は、昨年の第四回区議会定例会において、我が会派の代表質問に答え、次期区長選への出馬を表明されました。今までの確かな実績をもとに、江戸川区のさらなる発展の一歩を踏み出す決意をされたことは、高く評価されるものであると考えます。  区議会自由民主党では、今月発行予定の機関紙「自由民主」で、住み続けたい江戸川区を守るために六十八万区民が安心と幸せを感じられる社会を自由民主党が実現しますと訴えてまいります。  そこで、お尋ねします。以前の選挙戦で、多田区長は「公約は、六十八万区民の笑顔です」と訴えられました。江戸川区六十八万区民が、これからも笑顔で「江戸川区に住み続けたい」と強い永住志向を持てるような自治体づくり、日本中から「江戸川区に住みたい」と期待を抱かせられるような自治体を目指し、多田区長はこれからの江戸川区政をどう見つめ、どのように築いていこうと考えておられますか。  この平成二十七年を五十年、百年という遠い未来に思いを馳せながら、新たな江戸川区創造を目指してのスタートの年と位置づけ、区長の追い求める江戸川区のあるべき理想の姿について、ぜひともそのお考えをお聞かせください。  次に、地域と教育現場との関係についてお伺いいたします。  現在、江戸川区のゼロ歳から十四歳までの年少人口は、九万三千三百九十三人、小・中学生の数は五万二千二百十人、この数は毎年微減となっています。これまで全国的に少子化が進む中にあっても、江戸川区の年少人口はほとんど減少することなく推移してきました。しかし、近年は、江戸川区でも減少傾向にあり、人口予測では、今後二十年間で二割の減少を見込んでおります。年少人口減少の中で、学校の統廃合が江戸川区の重要課題の一つとなっていますが、一方では、出生率が二十三区中一番高く、子どもの多い江戸川区は健在であります。特に、小・中学生の教育の問題は、今までに増して充実が求められております。  安倍首相は、「教育再生は経済再生と並ぶ、日本国の最重要課題。もちろん安倍政権にとりましても最重要課題であります。「強い日本」を取り戻していくためには、日本の将来を担っていく子どもたちの教育を再生することが不可欠、教育再生の最終的な大目標は、世界のトップレベルの学力と規範意識を身に付ける機会を保障していくことであります。」と述べています。  子どもの学力はもちろん大切ですが、さらに規範意識、言いかえれば、人間力を備えた人材の育成が求められております。学力は授業や家庭学習で身につくものと思いますが、感謝・思いやり、地域への理解、地域愛を育む人間力の向上のための教えは、地域の方々の存在をなくして語ることはできません。もちろん人間力の向上には、読書や文化、スポーツも大切です。しかし、人と人との結びつき、心の交流、そこから生まれる信頼関係は、世代を超えて、子どもたちが人として成長に大きく寄与するものであると考えます。  江戸川区の教育の大きな特徴は、何といっても地域との揺るぎない関係、深い信頼に裏打ちされたつながりにあると思います。学校評議員学校応援団、すくすくスクール、チャレンジ・ザ・ドリームなど、江戸川区の小・中学校は、地域の存在抜きには語れないほどになっています。区の教育委員会も地域とともに歩む学校づくり、「共育・協働プロジェクト」を打ち出しており、学校、家庭、地域社会の緊密な連携を目指しています。  江戸川区では、周年行事はじめ、運動会、文化祭や学芸会、学校公開など、学校行事の現場では、地域の方が数多く訪れ、いかに地元で学校が愛されているか、子どもたちに期待がかかっているかがよくわかります。また、子どもたちも「盗難自転車なくし隊」や「お背中流し隊」など、地域の活動に積極的に参加し、学校教育では得難い貴重な体験を積んでいます。数年前には考えられないほど、地域に開かれた学校づくりが進められてきたことを、私は高く評価をしております。  しかし、一方では、最近それらの学校行事に参加してくださる地域の方々も徐々に固定化され、どの学校行事に出ても同じ顔ぶれということも珍しくなくなってまいりました。それぞれの事業は、開始年度も違い、目的も異なっているものと思いますが、今現在では、集約をしてもよいのではないかと思える事業もあります。さらに、今後少子・高齢化が進み、地域のあり方も変わってくるものと思われます。  そこで、現在の学校と地域のあり方、また、地域の活性化と教育の役割について、江戸川区の教育界として再検討、再構築してみてはいかがでしょうか。学校は、地域の共有財産であります。子どもたちは地域の夢、宝であります。防災活動などの拠点としてだけではなく、学校は地域活動全体の拠点であり、江戸川区が直面する学校統廃合、学校改築などの問題も地域の理解と協力が必要不可欠です。学校は、まさに地域の象徴であり、地域の心の財産であります。  今後、ますます地域に愛される学校としてどのように地域と向き合っていくのか、教育長のお考えをお聞かせください。  最後に伺うのは、元気な熟年社会実現に向けてです。  熟年者社会の本格的な到来を受けて、これからの江戸川区における熟年者施策の充実について伺ってまいります。  我が国は、諸外国に例を見ないスピードで高齢化が進んでおります。六十五歳以上の人口は、現在三千万人を超え、国民四人に一人は、六十五歳以上です。人口動態予測では、平成五十四年には、約三千九百万人となり、ピークを迎えるものと見込まれております。  一方、江戸川区では、現在六十八万二百六十二人の区民の中で、六十五歳以上の人口は十三万八千百十人、高齢化率は二〇・三%となっており、全国的に他の自治体に比べても若さが際立ちます。また、介護保険認定率後期高齢者医療制度の医療費も最低です。ちなみに、八十歳代は二万八千九人、九十歳代は四千五百人、うれしいことに百歳以上の方々も百四十四人いらっしゃいます。後期高齢医療費も一人当たりの年額が国の平均が年額九十二万、東京都平均が九十三万円であるのに対し、江戸川区では八十七万円と下回っております。これらの数字が示すように、江戸川区では健康に恵まれた熟年者が多いことがわかります。また、江戸川区の熟年者に対する先進的取り組みであります、「くすのきクラブ」「カルチャーセンター」「シルバー人材センター」など、早くから熟年者の知恵と経験、活力に着目し、元気な熟年者の皆様の活躍を施策に生かしてまいりました。そんな江戸川区にも高齢化の波は確実に押し寄せてきております。平成二十六年度の七十五歳以上の人口は、六万千人、団塊の世代が七十五歳以上となる平成三十七年には八万五千人になるものと予測されております。  高齢化が進むと、医療や介護の必要度が急速に高まってきます。今後は、江戸川区においても、要介護の方の増加が見込まれてまいりますが、一方では、元気高齢者の方々も確実に増えております。現在、江戸川区にお住まいの元気な熟年者は約九万人、平成四十二年には十一万五千人になるものと見られます。高齢化が進む中、江戸川区の熟年者の大きな活動拠点であります「くすのきクラブ」は、区内全域に二百一クラブ、会員数一万八千百十四人を擁する二十三区最大の熟年者組織です。リズム運動をはじめとする「健康の保持」、研修会や講習を通じての「教養の向上」、清掃活動やリサイクル活動、ふれあい訪問などで実績を上げている「ボランティア活動」、カラオケやウクレレなどの「レクリエーション活動」と、四つの活動を柱として熟年者の皆さんが元気に活動されております。  特に、私がくすのきクラブの皆さんと現場で話していて感じるのは、リズム運動への強い期待と喜びです。これは元気熟年者の笑顔あふれる江戸川区の大きな魅力としてさらに伸ばしていってほしいと思います。  また、くすのきカルチャーセンターでは、八十九教室、受講者二千三百四十四人が熟年者の生涯学習の場として活動されております。熟年者の働く場としては、シルバー人材センターがあり、こちらも会員数四千二十三人、契約金額は年間十億円を上回っています。このように江戸川区では、かねてより熟年者の生きがいづくりに力を入れて取り組んでこられました。  しかし、課題も目の前にあります。くすのきクラブの会員数は、減少傾向にあり、カルチャーセンターの受講生も女性会員に偏ってきており、男性会員は少ないのが現実です。また、シルバー人材センターでは、需要と供給のミスマッチが起きるなど、現場では課題も増えてきております。  区長は、今議会における招集挨拶で、「多くの子どもが生まれ、元気な熟年者が多い特徴をさらに伸ばすと同時に、少子高齢化を直視した上で行政需要の的確な把握に努め、施策や環境整備にいかに反映させるかが重要。」と述べられました。これからも少子高齢化が進む中で、元気な熟年者を育て、守っていくことは社会全体の問題であります。熟年者の知恵と経験、元気を大いに生かしていくことが求められております。そのことについて、区長のお考えをお聞かせください。  以上で、私の第一回目の質問を終わります。(拍手) ○議長(高木秀隆 君) 多田区長。      〔区長 多田正見君登壇〕 ◎区長(多田正見 君) これまでのこの江戸川区の歴史的なことにもいろいろ振り返っていただきまして、深い思いを込めて、今日これからの江戸川区をどうするかと、こういうことにも言及をしていただいたわけでありまして、私どもが考えておりますことと概ね同じことをお話をくださっておりますので、多くを申し上げることはないと思うのでありますが、一つは、いろいろ振り返っていただく中で、これは半世紀以上、戦後ですけれども、さまざまな課題がありまして、つまり都市的な基盤のない江戸川区がどういうふうにして近代的な都市を築いていくかということについて、いろいろな課題がありました。一つ一つ申しませんけれども、そういうことに対して区民を挙げてやはり取り組んできたという歴史がございます。  私も振り返ってみますと、やはりこの地方自治体にとってもう絶対に欠かすことのできないもの、それは良きコミュニティ、別の言葉で言えば、住民性ということだと思います。これは個々人が思い思いのことを考えていたのではなかなか成立するものではありません。やはりいろいろな課題について一つ一つ同じ思いを込めて、何とかしてこれを改善していくと、そういう何か一体感をつくりながら、いろいろなことに取り組んできたわけでありまして、それがいろいろな形で成果を収めて、今日の江戸川区ができ上がっていると、こういうふうに思っております。  また、そうしたことが、さらにより良いこの強固なコミュニティをつくり上げてきたということも言えるのではないかと思います。人口が少なかったわけでありますけれども、そこに多くの新住民が入ってまいりまして、そういう人たちと旧来住民が非常にうまく融合いたしまして、共通課題を共に乗り越えていこうと、こういう努力をしてきてくれたと思っております。  私たちも、これからもそうでありますけれども、一つ一つの課題は、その時代によって新しいものが出てくるわけでありますけれども、そこに向かってどういうふうに努力をするかということは、やはり区民の一体的な気持ちというものが前提になければなりません。  そういう意味で、これからもこの結束の強いと申しましょうか、郷土を愛する、そういう固い絆をつくり上げながら、良いコミュニティ、いい住民性をつくり上げながら、そこから出てくる地域力、そういうものをさまざまなまちづくりの課題に活かしていくと、こういうことではないかと、そういうふうに思っているわけであります。  行政とか、住民の皆様、あるいは議会の皆様と立場は違いますけれども、思いは一つと、こういうことではないかと思いますので、私どもこの執行機関もそういう気持ちで多くの皆様方とともに取り組んでいきたい、そういうことでございます。  あるべき理想の姿というのは、そういうことの中からいろいろ生まれてくるものだと、そういうふうに思っておりますので、これこそ理想の姿ということを一言で言うことはなかなか難しいのでありますけれども、六十八万人の笑顔と言えば、その言葉は普遍のものであると、そういうふうにも思っておりますので、今後ともどうぞよろしくお願いをしたいと思っております。  それから、教育問題は、教育長からお答えをすることといたしますが、元気な熟年者をどういうふうにして維持拡大していくかということでありますけれども、大変重要な、今日最も重要な課題だと思っております。私ども今高齢化によります社会福祉保障経費の拡大ということは避けられませんが、どうしてもイメージが介護でありますとか、あるいは医療とか、年金もそうでありますけれども、生保でありますとか、そういうところに行きがちでありまして、そこに確かに大きな大きなお金を使ってはおりますけれども、考えてみれば、今お話をいただきましたように、元気なお年寄りはたくさんいらっしゃるわけで、介護保険の受給率、これは二十三区最低でありますけれども、一五%ということでありますので、八五%の高齢者は元気だというふうに考えていいかと思うのであります。  後期高齢者医療の一人当たりの医療費も江戸川区民最低でございまして、こういうことからも元気な江戸川区民が多いと、こういう高齢者が多いと、こういうことでありまして、むしろそこに着目をしなければいけない。そこからは大きな力と知恵をいただけるわけでありまして、むしろお互いにこの高齢社会や、あるいは少子化社会を力強く支えてくださっている八五%だというふうに思っていいのではないかと、そういうふうに思うわけであります。  そこで、これまでも元気施策はいろいろやってきておりますが、リズム、カルチャー、あるいはシルバー人材センターいろいろありますけれども、時代とともにこうしたものがやや何かそこにだけ皆さんが集中するということにはなかなかなり得ないかなということもあります。くすのきクラブもそうでありますけれども、新しい世代で、なおかつ高齢に向かってくる人たちがどういうふうにして元気を維持し、そしてそれを社会貢献につなげていただけるか、象徴的な事業は総合人生大学でありますけれども、そればかりでなく、今施設も多くできておりますけれども、文化、スポーツを中心とするさまざまなサークル活動でありますとか、あるいはそこから派生するいろいろなボランティア活動でありますとか、そういうものを多角的に広げていくための方策は行政としてもやっていかなければなりませんが、それはシステムを用意するということよりは、場を用意すると、場を開拓すると、そういう環境づくりをするということではないかと思っておりまして、そこにそれぞれ個々の方々がどういうふうに取り組むか、そういうことを期待すると、こういうことではないかと思っておるわけであります。  したがって、そういう動機づけもいろいろ必要であると思いますけれども、言ってみれば、幾つかの象徴的なパターンもありますけれども、もっと幅広い新しい時代の世代の高齢者に適合したような活動の場を多く用意できるような方策を考えていく、そういうことになってくるのではないかと、そういうふうに思っておるわけでありまして、すぐにということにはなかなかならない面もありますけれども、多くの協力者を得ながら、そうした芽を切り開いていきたい、そんなように考えているわけであります。  今後とも皆様、議員の皆様からもいろいろなお知恵をいただきまして、前進をさせていきたいと思っておりますので、よろしくお願いをいたします。  以上でございます。 ○議長(高木秀隆 君) 白井教育長。 ◎教育長(白井正三郎 君) ご質問にお答えさせていただきます。  私もご質問にございましたけども、江戸川区の子どもたちの教育の一番のこの区の特徴は、お話しいただいたとおり、良きコミュニティに裏づけされた地域力に支えられている、こういうことだというふうに思っております。  お話にもございましたが、平成十四年に「えどがわ新世紀デザイン」基本構想をつくらせていただきました。あの中で、二十一世紀にふさわしい学校教育という項目がございます。開かれた学校づくりというのがございまして、その中では、コミュニティが学校をつくり、学校がコミュニティをつくります。それから、地域で育つ、地域が育てる学校づくりをしますというような考え方をうたわせていただいておりまして、それをもとに、今開かれた学校づくり、今の学校教育を取り組んでいるところでございます。  ただ、さらに、今の時代考えますと、子どもたちも地域社会の一員でございます。地域の皆様にお世話になるというか、助けられているだけでなく、先ほど地域の活性化と教育の役割というご質問がございましたが、一体学校に行っている子どもたちに何ができるのかということをやはり教育の中で考えていかなくてはいけないと思います。  それは、例えば、小さな小学校の低学年だとすれば、元気な姿を見せることが地域を元気にすることでもあると思いますし、それから、何かスポーツでいい賞をとるということは、また地域の元気さを増すことだと思いますが、例えば、今回新たに出しております、ひとり暮らしの熟年者へのジュニア訪問員、仮称でございますが、こういう制度は、この江戸川区も高齢化する中で、ひとり暮らしの方が多くなる中で、中学生のもちろん学校を離れた教育にもなりますが、地域のために、地域を活性化というか、するための一つの中学生の活動になるのではないかというふうに思っております。ですから、このようなことを今後も教育の中で進めていかなくてはいけないだろうというふうに思っております。  さらに言いますと、区内の子どもたちが、大人になって、今いろいろ地域の方からは支えられているわけでございますので、自分たちが大人になったときに、今度は自分、そのときの子どもたちを支える側に回るという、そういう活動する場にしていくんだという気持ち、一つの好循環だと思いますが、それを学校教育でも教えていきたいというふうに思っているところでございます。  ですから、教育委員会といたしましても、学校がそのような意識のもとで教育して、そんな意識を一層高められるよう働きかけていきたいと思っています。  最後になりますが、良き地域には、良き子どもたちが育ち、良き子どもたちが育てば、良き地域の未来が訪れるという言葉がございますが、私もそのように思っておりますので、今後ともよろしくお願いいたします。  以上です。 ◆三十一番(藤澤進一 君) それでは、三点にわたりまして、区長、教育長から納得のいくお答えをいただきまして、ありがとうございました。  一番にあります先ほど区長もお話しされていましたけど、このいわゆる良き住民性、コミュニティをさらに醸成させ、またそれがその方法、手段というよりも、さまざまな活動を通じてつながりができて、またそれが広がっていくと、こういったことで江戸川区の今後の大いなる前進の大きな原動力にしていきたいという趣旨のお話であられたと思うんですけども、まさに私どももそういうふうに考えるところでございます。  それは特別行事というよりも、ふだんの例えば清掃活動であったりとか、あるいはさまざまな人と人と街中での挨拶であったりとか、そういった本当の平素の何気ないコミュニティのそういった積み重ねというものもあって初めて区の主催する大きなイベントのときにさまざまな方がボランティアの形で協力して警備に当たってくれたり、運営に当たってくれたりと、こういったことがあるんだなと思います。長い歴史をかけて培われた今日の江戸川区の姿でございますので、ぜひこれからも行政、議会、地域それぞれ一体となってこのあるべき姿を追い求めていくことが江戸川区の大いなる前進にまたつながっていくものと期待し、我々もできる限りの努力をしてまいりたいと思っております。
     二点目にございました、元気な熟年者社会ということなんですけども、先ほどありましたけれども、ここでお話に上った仮称ですけど、チャレンジ訪問員の問題、あるいは熟年者の方々をターゲットとしたマガジンの創刊など、新しい形のものをここで提案をされてきておりますけれども、従来あった趣味、娯楽、あるいはスポーツ、文化さまざまなことも形を変えて熟年者の方々がより楽しめるようなそういったものも増えてきているように思いますし、そういった物事に対しての行政の支援、先ほど環境づくりが大事だというお話で、まさにそのとおりだと思いますので、従来にない熟年者の皆さんの元気になるための試みを、熟年者皆さん自身がどんどんと紹介したり、考案したりしてきているのが江戸川区の今の熟年社会の特徴となってきているのではないかと思いますので、今後ともそういった環境づくり、そういったバックアップについては、行政としても十分なご協力とご理解をいただくことが大事ではないかと思いますので、よろしくお願いいたします。  三番目として、教育長からお話がございました。地域とのかかわり、本旨は教育長のお答えがあったとおりだと私も理解をいたしますけど、予算特別委員会、決算特別委員会などで申し上げてきましたけれども、要するに、地域の方が学校に来るということは、やっぱり迎え入れる側の学校の対応というのも、これもまた大事なことで、地域の方がせっかく笑顔で子どもたちのためにという思い一つに学校行事に参加、協力をしてくれても、迎える側の学校のほうにやはりそれに対する感謝の気持ちがないと、あるいは迎え入れる姿勢がないと何もならないと思います。ただ、いっぱい今日は来ていましたねで終わっているのでは教育的な効果も期待できないわけですから、ぜひ教職員の皆さんも地域に開かれた学校ということは、それだけ地域の人が学校に来て、それだけ地域の人に見られているということにもなるということも、ぜひ教育長から、あるいは教育委員会からも、学校現場へ適切にお話をいただいて、地域の方が、こういう学校へ来ると、こんなに子どもたちのために気持ちよく協力できるんだと、活動できるんだということ、じゃあまた次も頑張ろうと、また来よう、また協力しようと、そういう気持ちにしっかりつながれるような、そういった江戸川区の学校と地域のこれからのつながりを大いに期待してまいりたいと思います。  細部、あるいは他の問題につきましては、来週から行われてまいります予算特別委員会の中で、私ども自由民主党もしっかりと大きな議論をしてまいりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。  以上で終わります。ありがとうございました。 ○議長(高木秀隆 君) 次に、三十七番、川瀬泰徳君。      〔三十七番 川瀬泰徳君登壇〕(拍手) ◆三十七番(川瀬泰徳 君) 私は、平成二十七年第一回定例会に当たり、区議会公明党を代表して、通告に従い質問をいたします。区長の誠意ある前向きな答弁を期待するものであります。  昨年末の衆議院議員総選挙において自公政権は、国民から信任をいただき、第三次安倍内閣が発足し、これまで以上により強固な基盤を生かし、経済再生を最優先に、社会保障、外交、安全保障、そして東日本大震災の復興支援など政策課題への取り組みはさらに加速させる必要があります。  今年は、戦後七十年に当たり、歴史の節目の年でもあります。戦後世界を支配してきた米ソ冷戦が終わり、イデオロギーによる対立の時代に終止符が打たれましたが、近年、中東での過激派組織の拡大など、既存の国境線に象徴される国際秩序が大きく揺らいでおります。  日本国内においても人口減少が進行する中で、成長を維持していくには、女性や熟年者が働きやすい環境を整えていかなければなりません。また、出生率を高め、人口減に歯どめをかけるためにも子育て世代の支援など、少子化対策をさらに充実させる必要があると考えます。  そこで、本区の平成二十七年度予算は、一般会計が二千百八十八億四千七百万円、三つの特別会計と合わせた総額は三千五百二億二千五百万円で、二十六年度より百十九億三千万円、三・五%の増となりました。  本区は、多田区長の卓越したリーダーシップのもと、健全財政への取り組みに努め、人件費の削減や民間活力の導入、千三百を超える全事業の総点検により、二百十六事業の見直しを行うなど、行財政改革を徹底的に行ってまいりました。特に平成二十五年度決算において経常収支比率が四年ぶりに適正水準である七〇%台に戻り、基金残高は過去最高になり、起債残高は過去最低の水準になるなど、堅実な財政運営を目指し、さらに平成二十七年四月からは、東京二十三区で初めて「新公会計制度」を導入し、区の事業のコストをより正確に把握できるようにするなど、一層の行財政改革を進めようとする努力は高く評価をするところであります。  多田区長は、昨年の第四回定例会で、江戸川区長選に五期目の当選を目指す決意を表明されました。平成十一年の区長選初当選より爾来、四期十六年、多田区長の類まれな行政手腕、強く堅実なリーダーシップは誰もが認めるところであると思います。私は、今まさにいよいよ多田正見区政の総仕上げのときが来ていると考えております。  そこで、五期目の江戸川区長選に向け、多田区長が未来の江戸川区をどのように考えておられるのか、今後の区政運営の決意と将来のビジョンについてご所見をお伺いいたします。  次に、江戸川区子ども・子育て支援事業計画についてお伺いいたします。  社会保障と税の一体改革の一環として、平成二十四年八月に「子ども・子育て支援法」が成立しました。この法律は、全ての子どもに良好な生育環境を保障し、子どもや子育て家庭を社会全体で支援することを目的としています。女性の活躍を後押しするためにも子育て支援は最重要の課題であります。  このため、国は、財源となる消費税の税率一〇%への引き上げが延期されても、「子ども・子育て支援新制度」は予定どおり、本年四月から始め、定員が一杯で保育所に入れないという待機児童の解消に本腰を入れようとしています。  新制度は、幼稚園や保育所のほか、幼稚園と保育所を一体化した「認定子ども園」の普及を推進しています。また、待機児童が多いゼロ歳から二歳児を預かる小規模保育や企業内の保育所へも支援を行い、預けられる施設の種類や数を増やすとしています。  さらに、不足する保育士を確保するため、給与アップによる処遇改善や一度退職した保育士の再就職支援なども進めるとしています。  本区にあっても、この新制度を計画的に実施するため、五年を一期とする江戸川区子ども・子育て支援事業計画が策定されます。平成二十一年度に設置された子ども・子育て応援会議が回数を重ねる中、事業計画策定のために幅広い意見を聴取し、ニーズ調査を実施するなど、準備が進められました。そして、先日、江戸川区子ども・子育て支援事業計画案が公表され、パブリックコメントが実施されました。間もなく利用者負担の条例の制定並びに事業計画が確定されようとしています。  そこで、二点お伺いいたします。  一点目は、新制度導入により、本区における待機児童の解消に向け、どのような施策で実施されるのかお聞かせください。  二点目は、長年本区独自の施策で、進めてきた看板施策とも言うべき私立幼稚園保護者負担軽減制度について、私は今後も継続すべきであると考えます。区長は、今定例会の招集挨拶でもこの点について触れられましたが、改めて区長のご所見をお伺いいたします。  次に、二〇二〇年東京オリンピック、パラリンピックのカヌー・スラローム競技場についてお伺いいたします。  葛西臨海公園に建設が予定されているカヌー・スラローム競技場について、昨年の東京都議会第二回定例会の公明党の代表質問で、「葛西臨海公園は豊かな自然に加え、水族園をはじめ、東京湾を一望できる広場など、都内有数の公園であり、会場の建設にあたっては、葛西臨海公園の持つ豊かな自然を可能な限り残す配慮をし、公園の持つ魅力をさらに高めるため、大会後には地元の江戸川区でも、多くの家族や子どもたちが水遊びを楽しめる施設を望む声も根強くあり、地元要望が強いプールなど、水に親しめる施設としていくべき」と質問をいたしました。  この質問に対し、東京オリンピック・パラリンピック準備局長は「オリンピック大会の要件を満たすとともに、環境にも十分に配慮しながら整備を行う必要があり、隣接する下水道局用地の活用など、施設配置の検討を行い、大会後の利活用についても、プールなどの水辺に親しめるさまざまな活用が可能である。」と答弁しています。  その後、会場計画の再検討が行われ、下水道局用地を活用する方向が示されました。また、オリンピック・レガシーの検討も行われていると仄聞しております。カヌー・スラローム競技場が公園と一体となった施設として整備されれば、さらに魅力ある公園となり、全国に、また世界に江戸川区の葛西臨海公園として内外に発信する大きな機会を得ることができ、江戸川区の国際的な街づくりの推進に大きな効果が期待されます。  また、長年親しまれたプールガーデンの廃止もあり、区民の皆さん、特に子育て家庭から、プール設置の要望の声は今も根強く多くあります。仄聞するところ、オリンピック・パラリンピックレガシーについて地元としてどう考えるか、地元の意見も聞こうとする東京オリンピック・パラリンピックレガシー委員会が設置されました。本区からも大会後の活用について地元の要望として何点かの意向を示されたとお聞きいたしております。  そこで、二点お伺いいたします。  一点目は、カヌー・スラローム競技場の建設に当たって、本区がオリンピック・レガシー委員会に示された大会後の利活用要望の内容と、その要望の実現のために本区としてどのように今後取り組まれるのか、区長のご所見をお伺いいたします。  二点目は、「健康スポーツ文化都市・江戸川」を目指す本区にとって、二〇二〇年のオリンピック・パラリンピック大会は、江戸川区民が世界のトップアスリートの皆さんを身近に感じ、スポーツへの興味や関心を高める貴重なチャンスであります。本区は、オリンピックの正式な競技会場となる葛西臨海公園のカヌー・スラローム競技場はもとより、陸上競技場や臨海球技場、総合体育館、野球場などスポーツ施設が充実しております。これらの施設をアスリートたちの事前練習場として提供したり、大会後に各種競技団体との交流会を行い、その中で江戸川区の「おもてなし」を感じてもらうなど、東京での大会開催の効果を本区のスポーツ振興や文化交流に最大限生かせるような取り組みをすべきであると考えますが、区長のご所見をお伺いいたします。  次に、我が江戸川区の教育の未来展望についてお伺いいたします。  子どもは未来の宝、一人ひとりが希望の存在であり、未来を照らす太陽であると思います。しかし、その太陽が苦しみや不幸の淵に沈んだままでは未来は明るく輝くことはできません。江戸川区の未来を担う子どもたちのために、教育は「人間を人間として平和と幸福へと導く唯一の道である。」との原点に返り、教育力の復権を望むものであります。おりしも、地方教育行政法の改正により、今年四月から教育委員会改革とも言える新教育委員会制度がスタートします。首長が「総合教育会議」を招集することができ、教育長と教育委員長が一体化され、新たな教育長が教育行政の責任者として明確に位置づけられると聞きました。これまで以上に区長がどのような教育観をお持ちなのかが強く問われるのではないかと考えます。  そこで、区長に二点お伺いいたします。  まず一点目は、教育行政は、政治的中立性を保ち、継続的に進めていくことが重要だと考えますが、今回の改正により江戸川区の教育はどのように変わるのか、教育委員会はどのように変わるのか、区長のご所見をお伺いいたします。  次に、二点目として、より良い教育を進めていくためには、江戸川区ならではのよさを今後も生かし伸ばしていくとともに、抱えている課題については、しっかりと分析、認識し、常に改善へと取り組んでいく姿勢が重要だと考えます。  江戸川区の教育、また江戸川区の子どもたちのよさは、どのようなところか、区長は本区の子どもたちをどのように育てたいのか、本区が目指す「子ども像」と、今後の教育へのビジョンについて区長のご所見をお伺いいたします。  最後に、東部地域の諸課題について提案を含めて二点お伺いいたします。  一点目は、江戸川二丁目の一ヘクタールという広大な区立公園用地の今後の方向性と、江戸川四丁目の今井児童交通公園の今後の方向性についてであります。  まず、江戸川二丁目の公園用地は、平成二十三年春に、都営住宅江戸川二丁目アパートの建て替えが完成したことによって生み出された貴重な土地で、今後の方向性がどのような展開になるのか、地元では大変に関心が高いところであります。  また、江戸川四丁目の区立今井児童交通公園は、昭和三十年代の高度経済成長に伴い自動車利用が急増し、交通事故も増えてきたことから、昭和四十三年二月に遊びながら交通ルールが学べる公園として開園しました。多くの子どもたちや区民の皆さんに親しまれている交通公園も、はや四十六年が経過し、施設の老朽化をどのようにするのか、今後の方向性が注目されるところであります。  私は、平成二十六年第一回定例会の代表質問で、この江戸川二丁目の公園用地と四丁目の今井児童交通公園の今後の方向性について質問し、さらに、第二質問で、江戸川二丁目の区立公園は、防災機能を有する防災公園であるとともに、江戸川区の多くの子どもたちのために「楽しく交通ルールが学べる新しい交通公園」として整備をしていただきたい。また、現在の交通公園は、旧江戸川の対岸に平成二十二年四月に完成した市川市の広尾防災公園のような防災公園に生まれ変われば、東部地域にとっても大変重要な防災拠点が誕生することから、この二つの地域課題は抱き合わせて今後の方向性を考えていただきたいと要望いたしました。  この質問に対し、多田区長は「江戸川四丁目の都住にお住まいの皆さんと東京都との合意がまだできていないが、あそこはやはり全体が防災公園になるべきところであり、対岸にも防災公園があるので、こちら側にも欲しいということは当然ある。」と答弁されました。  仄聞するところ、これまで課題となっていた都営住宅江戸川四丁目アパートの移転については、昨年十一月に東京都東部住宅建設事務所により、自治会や住民の皆さんに、平成二十七年六月以降に移転するという内容の説明会が開かれ、住民の皆さんも理解を示されていると聞いております。したがって、老朽化した交通公園と隣接する都営住宅の場所に東部地域の防災拠点となるであろう防災公園を設置する方向性は高まっていると考えます。  この点についても、多田区長は、二十六年一定の私の質問に対する答弁の中で、「四丁目の交通公園があるところを防災公園にした時、交通公園はどうなるのかという問題が出ます。それをこっちの二丁目と抱き合わせて考えるかどうかはいろいろとお諮りしなければならない。」と答弁されました。私は、今こそその時が来ていると考えております。  去る一月十七日は、阪神淡路の大震災から二十年目を迎えました。私は、大災害がいつ来るかと不安を禁じ得ない状況において、江戸川四丁目に東部地域の防災力アップのための防災公園の新設と、合わせて江戸川二丁目に防災機能を合わせ持つ新たな児童交通公園の設置を提案いたします。区長のご所見をお伺いいたします。  次に、東部地域の喫緊の課題となっておりますバス交通についてであります。  日常的に自動車を利用できない人に移動の手段を提供することが公共交通の重要な使命であると考えます。特に熟年者や身体障害者等の皆さんにとってバス交通は重要な移動の手段であります。私は、長年、東部地域内に存在するバス不便地域の解消を訴えてまいりました。すなわち江戸川消防署瑞江出張所の通りの地域は、平成二十二年度に実施したバス交通課題分析調査の中でも、バス交通の利便性の低い地域であることが明らかになっています。また瑞江地域は葛西へのバス交通が大変に不便な地域で、例えば、東京臨海病院へ行くにも一苦労であります。  私は、平成二十六年三月の予算特別委員会の中で「瑞江の消防署の通りのバス路線設置と、瑞江駅から葛西駅方面へのバス路線」について質問をいたしました。その際の担当課長の答弁は「瑞江の消防署の通りは、既に道路も整備され、瑞江から一之江にかけての部分は、やはり交通の利便が低いので道路を利用してやっていきたい。また、一之江から葛西のほうに抜けて、そういったことも当然踏まえて進めたい。」と前向きな答弁がありました。  この質疑から約一年になろうとしていますが、仄聞するところ、京成バスは大変に前向きに動いていると現場では大変に期待が高まっております。そこで、瑞江駅から江戸川消防署瑞江出張所の通りを走り、一之江駅に向かうバス路線の新設と、さらに葛西駅方面、東京臨海病院へ向かうバス路線の状況について、区長のご所見をお伺いいたします。  以上で第一回目の質問を終わります。(拍手) ○議長(高木秀隆 君) 多田区長。      〔区長 多田正見君登壇〕 ◎区長(多田正見 君) さまざまな今日的課題についてご質問いただきました。  四月の選挙のことにも触れていただきましたけれども、頑張ってまいりたいと思います。  将来、この江戸川区の、つまり有様について、どういうような認識を持ってこれから進めていくのかというようなご趣旨のご質問でございますけれども、これまでも申し上げておりますように、あらゆる世代の人たちが少子高齢化の中とはいえ、それぞれの持てる力を出しながらいろいろな面についてさまざまなこのことについての安全・安心を得ながら生活できる地域社会、そういうことを当然考えていかなければいけないわけでありますけれども、これは今日生きている私たちの世代のみならず、将来の子どもたちにとっても夢と希望の持てるまちでありたい、そういうことも心がけながら、今後のまちづくりを進めていかなければいけない、そういうふうに思っているわけであります。  いずれにしても、将来夢が持てるこの地域、あるいは希望や自信も持てる、誇りも持てる、そういう江戸川区を目指していきたい、そのことのために区民の皆様を挙げて、またこの議会、あるいは行政を含めて持てる力をお互い出し合っていく、こういうことを今後の区政の柱としてやはり維持していきたい、努めていきたい、そういうふうに思っているところでございます。  それから、この子育ての問題でありますが、待機児解消策をどうするかということでありますが、かねがね申し上げておりますように、江戸川区は子どもが多いのでありますけれども、この待機児と言われますところのお子さんは、大体ゼロ歳が最も多く、一歳、二歳とこういうところまででございまして、三歳以上になりますと、既にやや減り始めているせいもありまして、つまり空きが出ている、相当程度空きが出てきているという現実があります。この保育所をつくるといっても、認可保育所は最もスタンダードな形でありますけれども、これをつくり続けるということは、このロスも生んでいくと、こういうことになるわけなので、東京都が編み出した、こういうことに対する対策として編み出した認証保育所、こういったものもあるわけでありまして、今回の新システムにおきましても、いろいろな小規模保育の、いわゆるこの類型をつくっておりまして、そういうところも十分考えていかなければいけない、そういうことになるわけであります。  したがって、空きが出ているような園の、やはりこの持てる資源を有効に活用していくということを一つ考えなければいけませんが、もう一つは、そうした低年齢に限った小規模保育、そういうものも進めていかなければいけない、こういうことではないかと思います。  子育てとか、あるいは女性の社会進出もそうでありますけれども、何か私の感想としては、やはり保育所を増やすということだけを何か標榜しているようでありますけども、わかりいいのでありますけれども、しかし内実はいろいろ問題があるということは確かでありまして、私どもとしては、そこの合理性をしっかり求めていって無駄をつくらない、そういうことにしていかなければいけないのではないかと思っておりますので、そのことに一つ方向としては力を入れていきたい、そういうふうに思っているわけであります。  私は、子育て支援の問題については、やはり保育所も必要でありますけれども、やっぱりワーク・ライフ・バランスの問題をもっともっとこの社会的に拡大をして、企業にもだんだんご理解をいただくようにはなっておりますけれども、やっぱり女性の働き方をどういうふうにして仕事と育児を両立させていくことができるかという、そういう方法をもっともっと模索していかなければいけない、その辺の論議が今少し足りないのではないかと、そういうふうに思うので、そういうこともワーク・ライフ・バランスの宣言都市にもなっておりますから、これからもいろいろその方面での努力もしていきたい、そういうふうに思っているわけであります。  それから、私立保育園のこの助成の問題でありますけれども、保護者負担軽減でありますが、今、三十八園の私立の幼稚園の中で新しいシステムに乗りかえていくところが十園、それから旧来型が二十三園と、二十八園とこういうことになっております。二十八園は現状維持ということにいたしますが、新制度に乗るところについても、新しい料金体系はできますけれども、負担の水準としてはこれまで同様の水準でやっていくと、こういうことにしてまいりたいと思っておりまして、今回条例も提案をさせていただいておりますので、どうかよろしくお願いをいたします。  それから、オリンピック、パラリンピックの件でありますが、カヌー競技場は私たちの希望どおりということになりまして、大変これはありがたいことでありますけれども、このレガシーの問題は、東京を中心にして、今回、東京の場合の競技数とか、種目数はこれから確定するということになっておりますので、まだ決まっておりませんけれども、大体現行で行けば、三十三競技、三百種目ぐらい、一競技についてもいろいろな種目がありますので、そういうことになっているわけでありますけれども、こうした競技場が東京を中心にできると、そうすると、これは東京だけではなくして、日本全国的にもこういった施設を将来にわたってどう活用するかという大きな意味でのレガシーというものを考えていかなければいけない、その一つにカヌー競技場もあると、こういうことだというふうに思っています。  したがって、江戸川区民がこの身近にあるこのカヌー競技場を最大限に利用するということは、これは当然いいことでありますけれども、これは全国、あるいは国際的にも開かれたものになっていなければいけない、そういうふうに思っております。  私どもも、今、日本のカヌー協会のお話も聞いておりますけれども、日本のスラローム競技場は、ちょっと関東地方では、ちょっと失念いたしましたけれども、渓谷のところでやっているわけで、都市の中にスラロームの競技場を持っているということが日本の場合ないわけでありまして、都市型の競技場で競技をする選手の皆さん、みんな外国へ行って練習してくる、こういう現状があるんだそうであります。そこで、今回こういうものができますと、日本の国内の唯一の都市型スラローム競技場ということになるものですから、カヌーのつまり競技が日本全体として相当、この競技場を中心に広がっていくということが考えられると、こういうことでございます。  しかし、カヌーだけで一年中通して使っているわけではありませんので、そのほかにいろいろな使い方がある。そこで、私どもとしては、東京都からの意見照会に対しましては、そういうことを前提にして、カヌー競技としても正規のカヌー場になるわけでありますので、国内外のさまざまなカヌーの競技ができるようになるでしょうと、そういうことにも大いに活用する。それから、あとレジャーとしても活用できるでしょう。それから、そのほかにも、いろいろな楽しみ方というか、ほかにもいろいろラフティングとか、いろいろなことがあるようでありますけれども、そういうことに十分使える可能性もあるわけでありますから、そういうことを江戸川区が独占するというわけじゃなくして、広く多くの皆さんと使っていけるような、そういう運営をしていけばいいのではないか、そういうふうに考えているわけであります。そういうお答えを東京都にはしていると、こういうことでございます。  それから、この陸上競技場とか、スポーツセンターの利用については、これは既にJOCからそういうふうにして使う施設として考えますということのお話が来ておりますので、そうした形で使われることになると思います。詳細はわかりませんけれども、ぜひそういうふうにして使っていただいて、いろいろなスポーツに触れるということができるように、国際的レベルのそういう機会になればいいと、そういうふうに考えております。  ちなみに、陸上競技場ができまして、しばらくして昭和六十三年にソウルのオリンピックがございました。そのときにアメリカの陸上チームが陸上競技場を使いまして、本番の一週間ぐらい前ずっと陸上競技場で練習をいたしました。非常に有名なカール・ルイスとか、女性ではジョイナーとか、そういう金メダリストが来まして一週間調整をしていったわけであります。そのとき、私は公社の局長をやっておりましたけれども、必ずしも皆さんに公開した練習をするとは限らない、非公開の練習をするというようなこともありまして、来ることを勘弁してくださいというようなときもありましたけれども、そうでないときもありました。隣にあります清新二中の子どもたちは、そういうときにはどんどん来まして、カール・ルイスなどといろいろな会話をしたりいろいろいたしまして、カール・ルイスは朝鮮に出かけて、朝鮮というか、韓国に出かけていく前に絶対に金メダルをとってくるからという約束をしていったんでありますけれども、約束どおり二個の金メダルと一個の銀メダルをとってお国に帰ったわけでありますが、帰った後から何百枚かわかりませんけど、つい忘れましたけども、自分のサイン入りのプロマイトを送ってまいりまして、二中の生徒さんに約束を果たしてきたからということでプレゼントしたというお話も聞いているんでありますが、この種のことは、十分これからのカヌー競技場そのものも練習でいろいろ使いますから、ですから、いろいろな形での交流とか機会ができてくると、そういうふうに考えておりますので、どこの国の方が来られるかわかりませんけれども、そういうふうにできるだけ接点を多く持ちたいと、そういうふうに思っております。  それから、教育の未来展望ということでありますが、今回の地教行法の改正は、大津のいじめの問題を発端といたしまして、今のこの教育制度というのが責任の所在がわかりにくいということもありまして、これはぜひとも変えなければいけないというきっかけにはなったんでありますが、以前からやはり教育というのは、日本国民としての教育をするわけですから文科省が中心になりますが、どうも文科省の教育というものが縦割りで真っすぐ地方自治体におりてきて、ややもすると地方の教育委員会は文科省の出先のような形で運営をするということになっているでしょうという指摘がありました。相当前からでありますけれども、これは教育委員会制度ができたときに敗戦後のことでありますから、この英米の形を用いたと思いますが、教育の独立ということは、非常に大切なことだと思うんです。しかし、やはり一面では、教育は地域とともにあるということでありますから、地域の議会でありますとか、あるいは首長でありますとか、あるいは区民の皆さんでありますとか、そういうところの意向がもっと教育の中に入っていいのではないですかという指摘は、いろいろな機会に、いろいろな識者から言われていたことでございます。  そうした一環の中でこの改定は行われているというふうに私ども理解しておりますので、日本国民の子弟を育てるという教育の心髄は、当然これは文科省がきちっと責任を持つべきでありますけれども、しかし、その中で行われる教育が、その地域の個性に合ったものとしてより良く幅広いものになるためには、やはり自治体の意向というものが入っていって、そして、それと融合することがいいと、こういうことになるだろうと思います。  今回、この法律でそういうことをある意味では、相当程度進めるという役割を果たしてくれるのではないかと、そういうふうに思っているわけでありますので、これからの教育行政どう変わるかと、こういうお話でありますけれども、すぐに変わるとは思いませんが、これから総合教育会議というものが、これは区長が招集するということになっていまして、そこでいろいろ教育委員を含めていろいろ議論をする、そして大綱をつくろうと、こういうことにもなっておりますので、そういう形の中に、これからの地域と一緒になった教育のこの問題をどう考えていったらいいか、どう取り組んでいったらいいかということが生まれてくると、こういうことでありますので、まだこれはこれからの問題でありますから、できるだけ日本のこれまでの教育、あるいは江戸川区で行われてきたすばらしい学校教育をしっかり維持しながら、そこにプラスの要素をいろいろ加えていくと、こういうふうな理解でいるわけでありますが、そのようにまたご協力もお願いしたいと思っております。  東部地域の問題でありますが、二丁目の公園は、約一ヘクタールありますが、今年度末に今基金で買っておりますものを買い戻しをいたしまして、区のものときちっといたします。区のものというよりも公園の行政財産としていきますが、これはスーパー堤防計画にかかりますので、二十七年、二十八年度は、国によるスーパー堤防を施行いたします。それが済んで公園整備を行うと、こういうことになりますので、公園整備は二十九年度になろうかというふうに思っています。  おっしゃいましたように、この交通公園、今までの交通公園のところが江戸川二丁目、四丁目ですけど、都住の問題が決着をいたしまして、昨年暮れに移転ということが合意されましたので、ここが空きます。ここもスーパー堤防の領域でありますので、スーパー堤防化をいたします。あそこは住宅地ではありませんから、公園用地ですので、これは当然防災公園ということにいたします。防災公園、つまりスーパー堤防の上にある防災公園ということになりますが、この中身はこれからでございますので、しっかりいろいろな方々のご意見も承りながら、どういう防災公園にするかということを決めていきたい、そういうふうに考えております。  それで一方、なくなってしまう交通公園でありますけれども、交通公園は、子どもたちにとって非常に将来の交通ルール、マナーを教えるために大変重要な施設でありますので、広い敷地が要ります。つまりこの新しい一ヘクタールの江戸川二丁目の、これは非常に適した広さを持っておりますので、そちらに移したらどうかということをもちろん考えておりまして、これは地域の皆さん方もぜひそうしてくれというような意向が非常に強いということもありまして、今、川瀬議員のおっしゃいましたように、ぜひそのようにできたらいいなというふうに考えておりますので、またご協力をお願いいたしたいと思っております。  それから、バス交通の問題は、いろいろ問題提起をいただいておりましたけれども、そのような形で決着がつくことになりました。京成バスが昨年十二月に認可申請を国交省にいたしましたので、この認可がおりれば、そのような運行が可能になるわけであります。瑞江から一之江駅へのルートができると、こういうことで、途中に四カ所ぐらいの停留所ができると、こういうことになります。その先、臨海公園、葛西とか、臨海公園、臨海病院とか、あっちの方面への路線は、これからでございますので、協議を始めておりますけれども、ここはまだ決まっておりません。認可申請には至っておりませんけれども、ぜひそういうことにしたいなというふうに思っているわけであります。  あわせて、このルートは決まりましたけど、便数がこれからでありますので、どの程度の便数にするかということは、京成とのこれからの協議ということになりますので、これもよろしくお願いをいたします。  このルートをつくるに当たりまして、四カ所の停留所ができますが、地域住民の皆さんもいろいろなこともありまして、ここでは、川瀬議員さんにもいろいろご協力をいただいて、ご尽力も頂戴いたしましたので、そのことは感謝をしておきたいと思います。ありがとうございました。  オリンピックは今、三十三競技、三百程度の種目と言いましたけど、三十六競技あるそうでございます。これは変わる可能性があります。オリンピックですね。変わる可能性があります。また増える可能性がありますが、三百二種目だそうでございますので、今はそういうことだと訂正をいたしますので、よろしくお願いいたします。 ○議長(高木秀隆 君) 川瀬泰徳君。 ◆三十七番(川瀬泰徳 君) 一通り大変ご丁寧にご誠意あるご答弁をいただきまして、大変にありがとうございます。  何点かちょっと第二質問といいますか、要望等もございまして、お話をさせていただければと思っておりますので、よろしくお願いします。  今後の区政運営、決意等、将来のビジョンというところで、いよいよ今年の四月五選に向けて区長も戦われるというこのご決意をお聞きをして、今日のご答弁の中で、私は非常に大事だなと思いましたのは、本区が、将来夢が持てる江戸川区、そしてまた誇りの持てる江戸川区、これを区民一様に同じ思いでおれるような、こういう江戸川区をともどもにというお心ではないかと思いますけれども、私はもう本当にそのとおりであると、こういうふうに思う次第でございます。  子ども・子育てのことにつきましては、さっき区長もおっしゃっていたように、保育所を増やせばいいという、そういう問題ではないと。これは我々もそのように認識をいたしております。やはりこのワーク・ライフ・バランス、この辺も非常に重要なことなので、さらにこの辺を深く議論しながら、女性の皆さんが働きやすい、子育てしやすい、そういう環境をさらにつくっていくというのは、これは非常に大事な話だと、このように思いました。  また、私立幼稚園の保護者負担軽減の話でありますけれども、区長のほうから、水準はこれまで同様にしていくと、こういうお言葉をいただきましたので、これはもう大変に私はもうお言葉を真っ正面から受けとめて、よろしくお願いをしたいと、このように思っておりますので、よろしくお願いいたします。  次のオリンピックのことでありますけれども、レガシーについては、我々も非常に、区民一同がオリンピックの大成功を祈りながら、祈りつつ、最後にオリンピックが終わった後は、江戸川区民、広く言えば都民でありますけれども、この江戸川区民がどのように施設をまた享受できるかというのが、非常にいわゆる関心のあることでもありますし、そういう意味で、区長のほうからお話がありましたのは、カヌー競技の、いわゆる公共施設にということと、あと例えばラフティングとか、そういうものができるようなものもいいんじゃないかと。  あと、私言いましたけど、プール。プールは非常に関心が高くて、特に、プールガーデンのこともありますので、どうしても区民の皆さん、プール、いわゆる水に親しめるということでプールが欲しい、流れるプールが欲しいという、こういうふうな根強いお気持ちはあるので、これはやはり行政としてもしっかり受けとめていただければとこういうふうに思っております。  あとアスリートの皆さん、さっきカール・ルイスさんとか、ジョイナーさんのお話もありましたように、せっかくすばらしい選手の皆さんが、この江戸川区に来ていただけるわけですから、何らかの機会にそういう方々との交流の場を設定するというのは非常に難しい話でありますから、ご本人たちは競技のために練習に来られているわけですからね。でも何かのチャンスがあれば、区民の皆さんとも交流が触れ合えるような、そういう場面ができればいいなとこういうふうに思っております。  あと教育のことについては、これ非常に教育というのはやはり難しい、大事な最重要なことでございますので、今区長のほうから、るるお話をいただきました。  このことにつきまして、質問の中でもお話をしましたけれども、教育力の復権ということで、「教育力の復権へ内なる『精神性』の輝きを」ということで、ある識者の方がこのように提言をされていることがありまして、子どもは時代の縮図であり、社会の未来を映す鏡であります。鏡が暗い闇に覆われて曇ったままでは明るい希望の未来は期待できない。本来、子どもたちにとって学ぶ喜びの場となり、生きる喜びの場であるべき学校において、相も変わらず、いじめや不登校、暴力などの問題が深刻化して久しいと。子どもたちが社会の犠牲になることなく、その可能性を無限に広げ、一人残らず幸福な人生を歩み通してほしいという、やむにやまれぬ願いこそが人間教育の根幹だと。だからこそ豊かな成長の芽を子ども同士で摘み取ってしまうような悲劇だけは、断じて学校からなくしていかなければならない。  他者の痛みや悩み、苦しみがわかり、互いにコミュニケーションができる力、何のためというまなざしを抱きながら、社会のために価値を創造していく豊かな人間性を育んでいくことが重要だと。教育の深さが社会の未来を決めると。そして教育こそが子どもたちの幸福の礎になると、このような提言をしていらっしゃいまして、私は江戸川区の全ての子どもたちが愛され大事にされて、自分自身の価値を見出し他者への思いやりも持てる豊かな人間性を身につけてほしい。そして、子どもたちが自らの力で自らの人生を切り開いていく力を育むのが教育の使命であると思っております。  子どもたちの幸福こそが目的であると。どの子にも無限の可能性があり、その子のよさや秘めた力が存在している。どこまでも信じて愛情を持って真正面からかかわっていく、ここにこそ真の教育力が発揮される原点があると思います。  子どもたちを取り巻く全ての大人たちが、この原点を忘れないで努力をしていく土壌を江戸川区でぜひつくっていかなければならないのではないかと、このようなことを思うわけでありますけれども、大変教育、重要なことでありますから、もう全力を傾けての思いを子どもたちに向けていただきたいとこのように思っております。  最後に、今、東部地域の課題について、大変力強いご答弁をいただきまして、ありがとうございます。  交通公園は、やはりもう四十六年たっておりますので、私も何度となく行かせてはいただいておりますけれども、かなり老朽化が進んで、以前にご質問したときに、区長はあそこでのリニューアルは考えてないとはっきりおっしゃっていました。そうすると、やはりあそこで都営住宅の皆さんもこの隣の西瑞江四丁目のほうに、この六月からお移りになるというそういうお話も自治会長さんをはじめ、お声を聞きましたので、あの跡は防災公園ということで、そうしますと、交通公園は江戸川区で一カ所しかありませんので、子どもたちのためには、この江戸川二丁目に新たな交通公園ということで、ぜひお願いをしたいとこういうふうに思っております。  この交通公園について、ちょっと四つほど要望がありまして、それをちょっとここでお話をさせていただきたいと思っています。  一つ目は、今現在、今井の交通公園でありますレインボーサイクルという施設でありますけれども、これ大変に人気のある遊具といいますか、施設でありまして、これについては、ぜひ前向きに考えていただければというふうに思っております、存続を。  二つ目には、交通公園と言えども、子どもさんだけのというのではなくて、やはり熟年者、大人もやはり公園は使うわけでありますから、特に最近いろいろな公園でも設置がされている、熟年者の皆さんが背筋を伸ばしたり、そういうふうなことができる健康遊具、こういうのも合わせてお考えいただければと。  三つ目は、区長はあそこから、江戸川二丁目から富士山をごらんになったことはないのかなと思いますけども、実は、富士山がすばらしくよく見えるスポットでありまして、私すぐそこに近くに住んでおりますから、この江戸川二丁目のあの土手のところから見える富士山は、すばらしい情景でありまして、私も朝、空気の澄んでいるときに富士山がもうすばらしく見える。つまり夕方もきれいに見えるということもあるんですね。スーパー堤防になりますから、やっぱりかさ上げされるということもありますから、この区内屈指の富士山スポットというふうにでき得るところでもあるんじゃないかなとこういうふうに思いますので、これもちょっとお考えの中にも入れていただければなとこういうふうに思います。  あともう一つは、これはもう当然の話でありますけれども、駐車場の設備、これについては、充実をちゃんとしていただきたいとこういうふうに思っております。  最後でございますけれども、このバス路線の話であります。これはもう東部地域にとっては悲願とも言うべきこのバス路線でございまして、今京成バスさんが非常にやる気を見せていただいているということでございますので、地元としては、もう本当に何とかしてもらいたいという祈る気持ちで、皆さんこのことについては、そのように捉えていただいております。
     何度か試験運行といいますか、京成バスさんが走っていることがあったそうです。私はちょっと残念ながらそのときには遭遇しなかったんですけれども、すぐに私のところにお話がありました。バスが走っていたという話がありまして、それほどやはり関心の高いバス路線でございますので、これはもう全力を挙げていただければと思います。  そして最終は、やはり葛西のほうに、もう東部地域は葛西に行くのに非常に皆さんご苦労されているということがありますので、京成バスと都バスという、こういうことがあるかもしれませんけれども、この辺は、区民要望としてもう大変に皆さん要望の高いことでございますので、しっかりと受けとめていただければとこのように思います。  いろいろ申し上げまして、大変に恐縮でございますけれども、今日、明日と本会議終わりまして、その後、予算の特別委員会がございますので、また、もう少し深い話は、そのときにもいろいろな議論をさせていただければと、このように思っておりますので、大変に前向きなご答弁をいただきましてありがどうございました。  以上で質問を終わります。ありがとうございました。 ○議長(高木秀隆 君) 暫時休憩いたします。 午後二時三十九分休憩       ─────────────────────────── 午後三時五分再開 ○議長(高木秀隆 君) 休憩前に引き続き会議を開きます。多田区長。 ◎区長(多田正見 君) 川瀬議員のご質問の中で、二点ちょっと訂正をさせていただきますので、よろしくお願いをいたします。  一つは、保育所の待機児童がゼロ歳が一番多いと申し上げましたけれども、一番多いのは一歳でございましたので、その点が一点。  それから、もう一つ、江戸川四丁目と二丁目の公園のスーパー堤防化でございますけど、ここの地域は東京都が管理しておりますので、行うのは国交省ではなくて東京都でございますので、その点、二点申しわけありません。訂正させていただきます。 ○議長(高木秀隆 君) 一般質問を続行します。十一番、深江一之君。      〔十一番 深江一之君登壇〕(拍手) ◆十一番(深江一之 君) 私は、平成二十七年第一回定例本会議に当たり、民主党改革クラブを代表し質問いたします。どうぞよろしくお願いいたします。  昨年十一月二十一日に、安倍総理大臣は、消費税増税の一年半延期に伴い、その責任を国民に問うべく、アベノミクス解散として衆議院を解散し、十二月十四日に総選挙を実施いたしました。その結果、自民党、公明党の与党は、三百二十六議席を獲得し、衆議院議席の三分の二を獲得し、安倍総理は第三次安倍政権を率いて、安定的な政権運営を維持することになりました。  私は、賛否両論はあるかとは思いますが、安倍総理の手腕には評価しておりますし、期待もしているところであります。ここ歴代の総理の中で、外交や経済施策の中で、ここまではっきりと意志を貫いている総理大臣はおられませんでした。世界に向けての外交でも毅然とした態度をとり続ける姿勢や、デフレ脱却に向けてのアベノミクスと称される経済施策には評価するところも大であります。  しかし、その施策の中に疑問を感じる部分が昨今幾つか見えてきました。今年に入り、安倍総理は中東を歴訪いたしました。そして、多くの中東諸国に対し多額の支援を表明してきました。その額は、総額で二十五億ドル、約三千億円になります。それ以前の外遊は、三十一回に上り、六十カ国以上を訪問し、表明した対外支援は、約六・五兆円にも上ります。今回、二〇一四年四月に実施した消費税八%に増税後、景気の回復が思わしくなく、一〇%への再増税を見送り、社会保障費へ充てるべく、約四千億円が確保できないということで、介護報酬や子育て費用の削減をしました。  昨日の多田区長の挨拶の中で、社会保障分野における改革は道半ばであり、消費税率の再引き上げが延期される中にあって、社会保障費の増加に十分な対応ができず、結果として、健全財政化をもなし得ない状況であり、少子・高齢化、人口減少の渦中にある我が国において、「今を生きる世代」のみならず、「新たに生まれてくる世代」との公平性も視野に入れ、財政再建はもとより、安定的かつ持続可能な社会保障制度を構築することは、現代日本に課せられた大きな使命であると述べられています。このご意見には、賛意を表するものであり、今後の本区に向かう方向もあらわしていると思います。  私は、人道支援やインフラ整備のために、JICAやODA等の海外への支援が全く駄目というつもりはありません。外交施策の中でどうしても必要なところはあると思っています。しかし、今の国内の財政状況を考え、しかも社会保障費全般への減額を見ると、残念ながらたび重なる対外支援には理解に苦しむところであります。  また、安倍総理は、民主党から政権を奪取した二〇一二年十二月の総選挙の直前、当時の民主党野田総理大臣との党首討論で、選挙制度改革と国会議員の定数削減を必ずやると約束していたはずです。しかし、今回の総選挙では全く俎上にも上がっていませんでした。  この二点については、残念ながら、安倍政権の公約は守られなかったというしかありません。  また、日本の国内の経済状況では、政府やマスコミからは、景気は緩やかながらも回復の兆しを見せていると、さまざまなデータを提示して公式に発表しています。政界と財界との話し合いでも、景気がよくなりつつあるのだから給与も上げるべきだと要請もされていますし、現実に日本の基幹産業である自動車や電機の業界では、円安に振れていることもあり、原油の値下がりも相まって会社の利益率も上がり、給与の大幅なベースアップもなされているそうであります。銀行や証券会社等の金融関係も同様であります。  しかし、それらの円安での恩恵を受けている企業は、大会社ばかりであります。東京の下町地区のような中小零細企業においては、景気上昇の恩恵は全くといっていいぐらい受けていないというのが、中小零細企業の経営者や従業員の感想であります。  質問に入ります。  本区の歳入は、多くを特別交付金や国庫支出金や都支出金に頼っているのが現状であり、区民税等の自主財源による収入は乏しいものがあります。さらに国の税制改正により、法人関係の実効税率の引き下げや住民税の一部国税化が導入され、本区の歳入割合の多くを頼っている財政調整交付金の減収が予想されるなど、厳しい歳入の状況は変化が見えません。  また、歳出でも、老朽化した庁舎やグリーンパレス、総合体育館等、大型施設の建て替え問題や学校統廃合と改築、さらに扶助費の右肩上がりの増加が予想されます。  その中で、多田区長は、今年度四月より、二十三区では唯一「新公会計制度」を取り入れ、事業のそれぞれのコストを透明にするようにして、区の置かれている状況をはっきりと認識できるように変化させています。また、今年度の予算も一般会計では、わずかではありますが、マイナス予算としています。選挙を控える中、この予算案を編成することのご英断には敬意を表したいと思いますし、次世代へ負担を先送りしない財政運営を推し進める姿勢がはっきりとあらわされていると考えます。  江戸川区の企業は、九九%は中小零細企業になります。前述しましたように、アベノミクスでの経済戦略では、まだ好景気の影響は受けていないのが現状であります。逆に、消費税の増税や円安に振れたことにより、特に原材料を輸入に頼っている食品関係等の業種では、収支の悪化は急上昇のカーブを描き始めています。  私の知り合いの個人商店のお豆腐屋さんの老夫婦は、原材料の大豆や厚揚げや油揚げを揚げる油も高騰し、だからといって商品を値上げすればお客さんが離れてしまう。今は貯金を崩しながら、いつ店を閉めようかと毎日考えているとのことでありました。  また、主婦の皆さんの話でも、輸入小麦粉に頼っているパン等の製品やオイル製品は値上げが相次いでいるとのことです。この上に、平成二十九年四月には、消費税の一〇%への値上げが待っているのです。  安倍総理は、この値上げは絶対に実施すると明言しています。消費税が五%から八%に値上げされた二〇一四年四月から値上げ分は増加の一途をたどる社会保障費に回すとのことでしたが、実感としてはそのようには私には思えません。デフレからの脱却を目指す安倍政権ですが、国民の収入が増えなければ消費が増えず、景気はよくなりようがありません。  これらのことを踏まえ、区長にお尋ねいたします。  本区の予算の中で大きな割合を占める特別区交付金や、さらには区民税の状況を今後どのように推移していくのか、どのような展望を持たれているのか、また脆弱である本区の財政の根本を考え、まだまだ苦戦が続くと予想される区内中小零細企業や商店が多い中で、今後の区政運営をどのように図っていかれるのかお聞かせください。  次に、先日、昨年十月より発足した庁舎移転問題検討特別委員会は、七回にわたる視察、検討、勉強会を重ねた結果、「船堀四丁目都有地」を適地であるとの決定がなされました。改選後、現庁舎の跡地利用の問題や新庁舎の設計等が進められていくと思いますが、これからのスケジュールについては、お考えがあるのかどうか、また、前述しましたように、今後建て替えを検討すべき大型施設が続くと思われますが、それらの建て替えについては、どのようなお考えをお持ちなのかをお聞かせください。  次に、学校の統廃合問題についてお尋ねします。  現在、清新町地域と平井地域で小学校の統廃合の検討が進められていますが、平成二十五年二月の江戸川区教育委員会の江戸川区立小中学校の統合に関する基本指針では、ほかにも上一色・下小岩地域、松本・鹿骨地域、松島・松江地域、二之江地域の四地域も挙げられています。これらの地域についても、今後検討が進められていく方向だと思います。この統廃合によって生み出される学校施設や校庭、プール等について、これらの施設は区の財産でもあり、地域にとっても重要な財産でもあります。さまざまな利用方法が考えられると思いますが、お考えがあればお聞かせください。  次に、本区の災害に対する考え方をお尋ねします。今回は外水氾濫に絞って質問いたします。  江戸川区洪水ハザードマップによりますと、江戸川・利根川・荒川が氾濫した場合、避難場所は三カ所に分けられています。小松川橋を渡り、大島・小松川公園に避難、市川橋を渡り、国府台台地に避難、清新町・臨海町にまたがる葛西南部地域に避難するように指定されています。  しかしながら、この避難場所は果たして現実的なのでしょうか。私の住んでいる本一色地区は、国府台に避難することになっています。  まず旧千葉街道に出て、新中川にかかる小岩大橋を渡り、小岩を抜け高規格堤防の造成が始まった北小岩一丁目地域から江戸川大橋を渡り、国府台へ到着するというルートです。  もし車が使用できない状況の場合、どうしたらいいのか。ほかにも高齢者や障害を持たれている方をどうやって何キロにも及ぶ場所まで橋を渡り連れていくのでしょうか。道路は洪水が起きたとき、確保されているのでしょうか。  そして、避難場所には、雨風をしのげる設備やトイレ等も準備は万全なのでしょうか。仄聞するところでは、国府台の台地には、区民二十万人が避難され、また、その場所には他地域の方々も避難されるとのことです。遠方までリスクを負いながら避難することは都市部では考えにくいと考えます。それより民間のビルやマンションに住まれている方はそのまま動かず、食料は各家庭に常備させるように強く指導する。一軒家の方々で避難の必要な方々は、地域の学校や公的な施設へ避難していただく。人口の多い本区や都市では遠くへ避難させるのは、現実的ではないと思います。  六十八万区民の命を預かり、災害から区民を守らなければならない命題の中で、さまざまな災害や被害を想定し、施策を講じなければならない困難さは理解しています。だからこそ、長い間培ってきた本区ならではの良き住民性を持つ町会、自治会などのコミュニティの力をお借りしながら、また地域ごとにつくられつつある防災公園や、現在ある公園の防災公園化を推し進めていくべきだと思います。  この点については、実施に向けて検討されることを強く要望させていただくところでございます。  次に、江戸川区の学力問題について教育長にお尋ねします。  江戸川区の学力については、私は事あるごとに、本会議や予算決算委員会、文教委員会でも質問や提言もさせていただきました。  一番最初は、平成十一年ですから、もう十六年も前になります。その間、私だけではなく、多くの同僚議員からも同様な趣旨の質問が重ねられていると思います。当時と比較して、現状はよい方向に向かっているかと言えば、残念ながらそのような変化は見えていないと感じているところであります。  教育委員会だけではなく、各学校においても、さまざまな施策や努力もされていることは理解もしていますし、実際に見聞もしているところであります。しかし、結果が出ないこの現状を教育長はどのようにお考えなのか、全校挙げての取り組みにかかる時期だと思いますし、今後どのような施策を講じようとされているのかお考えをお聞かせください。  今、他区では、小中学校連携校や中高一貫校が導入され始めています。結果を出し始めているケースも見られているそうであります。本区においても、導入できそうな地域があると思います。検討すべきだと思います。江戸川区の中にも、ぜひ検討を進めていただきたいと思います。いかがお考えでしょうか。  さらに、江戸川区の小中学校は、都心部の学校に比べ、校庭も広く、体育館も一定の広さが確保されております。運動やスポーツをする環境は整っています。しかし、二十三区の中で運動能力や体力は高くない、低いほうであるとのデータがあります。恵まれた環境の中で、運動やスポーツに励む環境が生かされていないのは残念としか言いようがありません。基礎体力をしっかりつけることは、子どもたちの将来に向けてのステップだと思いますし、また学力向上、教育力向上にもつながっていくことではないでしょうか。教育長のお考えをお聞かせください。  最後に、読書科についてお尋ねします。  本区では、読書は子どもたちの発想を豊かにし、感性や想像力を育むということから、子どもたちの読書意欲を高め、読書活動を積極的に進められるように、平成二十一年度から「読書改革プロジェクト」を立ち上げ、その一環として文部科学省より、教育課程特例校の指定を受け、二十二年度から「読書科」を教育課程に位置づけて実施し、考える力や想像する力、コミュニケーション能力など、生きていくために必要な知識や能力を読書を通じて身につけることを目標にして、実施されてきました。導入以来、現在までの評価は、教育委員会としてどのように検証され、総括されているのかお聞かせください。  以上で、私の一回目の質問を終わります。(拍手) ○議長(高木秀隆 君) 多田区長。      〔区長 多田正見君登壇〕 ◎区長(多田正見 君) お答えをしてまいりますが、この景気の問題はいろいろな報道、論評もありまして深くは申し上げませんが、私も新年になりましていろいろな会合に出ております。業界の会合も行っておりますけれども、概ねいいところはいいけど、こちらのほうはよくないですねという、そういうお話が多いのではありますが、ただ一方で、いろいろそうは言っても、緩やかな回復はしているというお話も多々聞いております。いろいろな業態がありますから押しなべてということにはならないと思いますけれども、中小企業は中小企業なりのいろいろ何か好転している面もあるということを聞いておりますが、現に最近の景況調査では、明るい方向に行っていますという認識が多いということもありますし、今回の区民税の見込みにつきましても、若干、増額にしておりますけれども、これも景気によって多少は増えるだろうと、こういう見込みになっているわけなので、これがもっともっと加速すればいいなというふうに思っているというのが、今の私どもの景気に対する見方でございます。  それから、特別交付金、財調交付金によるところは、非常に大きいので、大企業がもうかって、こちらのほうの区はあまり企業収益も何もないので、つまり、財調のそういう景気の恩恵を受けていないのではないかというようなお話もありましたけれども、そういうことではありませんで、財調財源は、つまり主たるものは法人の住民税でありますし、固定資産税でもあって、真ん中の区が集中的に高額な大企業が多いので収益が上がる。そこの税は、我々の財調財源の原資として各区に配分されるわけでありますので、江戸川区の景気が余りよくなくても、真ん中の区の大企業がどんと景気よくて、税収が上がれば、その恩恵は私たちのほうまで来るという、これは財調の大変ありがたいところでありますけれども、そういう意味では、日本の景気が全体によくなれば、我々も直にその恩恵は受けることができる、そういう仕組みになっておりますので、その点では、景気に左右はされますけれども、でも、地域による財調の格差はないというふうに思っていただいていいのかなというふうに思います。  しかし、今、法人住民税の国税化の問題とか、あるいは、この実効税率を下げるとかいろいろありまして影響がありますので、いろいろお話にありましたように、行政需要は多々ありますから、決して、何というんですかね、財政的に、少し景気がよくなれば楽になると、そういうことではありませんで、これからも、いわゆる健全財政のためのさまざまな努力をして、いろいろなその需要に応えていかなければいけない。そういう状況に変わりはない、そういうふうに思っているところであります。  それから、庁舎の問題でありますけれども、いろいろ委員会でご検討いただきまして、その内容はいろいろお聞きしておりますが、最終日に皆さんで意思統一をしてくださると、こういうことなものですから、それ以後の問題かと思うんでありますが、それを受けまして、私どもも、都にこういうことでお願いをしたいという要望はいたしますが、東京都から、わかりましたという返事をいついただけるかどうかは、東京都の事情もありますので、すぐにいただけるということでもないかなというふうに思っております。  で、区として、区民の皆様に対しても正式にここを将来、庁舎を置くところとしますということを、いつかの段階で言わなければいけませんが、それは東京都がそう言ってくださいという、言っても、結構ですと言ってくれない限り、ちょっと、それを言うわけにはいきませんので、その時期がいつになるかということは、まだこれからいろいろ東京都と折衝をしていく中で決めていくということになりますので、直ちにそれを宣言するというわけにもいかないと、そういうことであります。それができない以上、そのことを前提に何かに取り組んでいくということは、これはちょっとできないということになりますので、区が正式に決定しましたと、東京都の合意もいただいたので決定しますということを言ってから、いろいろ本格的な対策に入っていくと、そういうことになるだろうと思います。この跡地の問題についても、当然そういうことになってまいりますので、それまで具体的なことに手をつけるというわけにはいかないと、そういうことであります。  しかし、調査・研究は、私たち内部で、そこになったらどういうことになるかなということはしていきますけれども、対外的な問題はちょっと別だと、こういうことになります。それを今、ちょっと申し上げるわけにはいかないという状況でございます。  それから、学校統廃合の跡地の問題ですけど、これは大変重要な問題でありまして、つまり区民の皆さんにとって大変重要な財産でありますし、地域の拠点になってきたところでもありますが、これまで特別区で、学校を廃校にしたケースが一〇〇校以上あります。一〇〇校以上の資料をみんな持っておりますけども、どういうふうにしてきたかということは、いろいろさまざまでございまして、引き続き区が使うというケースもあれば、募集をして、使いますかというようなことを公募している例もあります。それから、売却をして、次の学校建築の資金に充てているとか、いろいろなことがありまして、いろいろあるなというふうに思うのでありますが。その決め方もさまざまであります。さまざまでありまして、多くの意見を聞かせていただく場面もあれば、そうでない場面もあれば、いろいろありますけども、それらは、これからいろいろ出てまいりますので、私たちも、一つひとつケースによって違うかどうかわかりませんけど、しかしながら、その処分については貴重な財産ですので、どういうふうなルールを持っていくかということは、これはしっかり決めた上で、そういうことに入り込んでいきたいと、そういうふうに思っております。  それから、その外水氾濫ということですけど、これは、めったにないことの想定ですので、非常に、ある種の考え方を組み立てておくということが必要でありますけども。これ、片田先生を中心にして、いろいろな研究もしていただいております。とにかく、低地帯に水が入ってきたら、どこかに逃げなければならないと。高いところだということは、もうこれは単純な話ですけど、そういうことにならざるを得ない。高いところは、どことどこにあるかということを考えていけば、そこに逃げる、こういうことになるんですが、それが六十八万区民の人がそのようにスピーディーに動けるかどうかということも問題がありますから、現実的ですか、どうですかということになったら、それは現実的でないという面も多々あります。そうしたら、どうしたらいいかといっても、じゃあ、次の手は、行くところがなければ、ただただ、水の来るのを待つと。それでは仕方がないわけで、もちろん、その垂直避難ということもあります。で、それぞれ高いところに、ビルに逃げていただくということも必要ですが、そういうことに対する補給の問題とか、いろいろ付随する問題が出てまいります。  ですから、いろいろなことが今、つまり、私たちの研究テーマでありますけれども、これをしておけばいいというようなことは、なかなか、これは出にくい話でありまして、例えば、二日後に超大型台風が来て、相当な水が着くでしょうということが予測できれば、避難の時間的余裕がある。しかしながら、どこか堤防が決壊して、急に水が入ったというようなことになってくると、そのいとまはないとか、いろいろなケースが考えられるわけで、決壊するといっても、決壊する場所がどこであるかということによって、キャサリン台風みたいに三日かかって江戸川区に水がやってくるというケースもあるわけでありますから、いろいろなケースを考えますと、これこそ万全だというものが、どういうふうにしてできるかということは、なかなかこれは難しいですけど、でも、やっぱり、いろいろな研究はして、垂直避難になったらどういう補給ができるかということも全て組み立てたり、あるいは、自助共助の中で、そういうときの用意を皆さん方自身で、どういうふうにしていったらいいということなども含めて、相当きめ細かくいろいろなことを考えていかなければいけないものですから、すぐにこういうことに対して万全の対策がこれだということは出ない、そういうことになりますので、これは引き続き研究はしながら、将来にあるイメージを持つと、こういうことではないかというふうに思っております。  それから、子どもの学力の問題、それから読書科の問題は教育長からお答えをいたします。 ○議長(高木秀隆 君) 白井教育長。 ◎教育長(白井正三郎 君) お答えさせていただきます。  私も、区全体の全国学力学習状況調査等々の結果について、その分布図を見させていただいております。それで、私が思うに、結局、その分布を見ますと、学力の余り高くない子どもさんたちの底上げというんでしょうか、それを、やはり重点的にやっていく必要があろうと思っております。結果が出ていないじゃないかという議員さんのお話ですが、それでも、まず教育委員会とか学校で行っている土曜授業とか補習等の取り組み、これは充実させていかなくてはいけないと思っております。それが全体にかかわると思います。そして、家庭での生活リズム、これも家庭の協力いただくというかお話しして、これは大事なことだと思いますので、これをもとにしていきたいと思います。  先ほど、他区で、小中連携、高、やっていますよというお話なんですが、実は江戸川区も、モデルなんですが、平成二十一年から平成二十六年まで、研究しております。来年は、いよいよ教育委員会の指導主事、それから各小・中学校長によります小中連携推進委員会というのを立ち上げます。これ、実は予算がかかる話ではないので、予算の中では出てきていないので、初めて聞かれたかもしれませんが、今までの成果をもって、本区における小中連携カリキュラムの開発だとか、教員の合同研修だとか、いろいろな連携の取り組みのあり方、これを検討してまいります。結局、全小中学校をこのような連携にしていきたいということがありますので、まず、来年、その委員会を立ち上げさせていただきます。今までの成果というか、研究をもとにしてやらせていただきます。  もう一つは、中高の一貫ではありましたが、私ども、一貫まではいきませんが、ご案内のとおり、今、例えば、都立篠崎高校は、区立の六校と相当、交流授業等々、連携授業等々を行ってくれております。で、ほかの都立高校なども、かなりそういう例はあります。今、私は、一番知っている例を挙げましたが。ですから、これを充実していきながら、学力の向上を、やはりその言ったとおり、学力が余り高くない子どもたちの重点的な底上げをしていきたいという思いでおります。  それから、体力でございますが、体力は小さいときから、やはり楽しく、体を動かすことが楽しいという体験が大切だと思います。ですから、保護者の方、地域の皆様、それから学校の教員も、そういう機会を通じて、子どもたちが自ら運動する喜びを得て、結果として、それが自分で運動するわけですから、体力向上につながると思います。ここがチャンスだと思うんです。というのは、先ほど来、出ているとおり、五年後に東京オリンピック・パラリンピックがあります。私どもも、今、「一校一取組」運動というのをやっておりますが、これと、あとは、それは予算でも出させていただきましたが、オリンピック教育推進校に十五校、指定をさせていただくということでございますので、ですから、「一校一取組」運動は全部の学校で、このオリンピックに関連するようなことや、そして、その上に、さらにオリンピック教育推進校ということで、体力向上を図るというようなことで、これをやってまいりたいというようなことを思っております。  最後に、読書科でございますが、評価といたしましては、実は、アンケートをやっておりまして、小学校六年と中学校三年生で、平成十九年と、それから平成二十六年にやりました。これ、全部の六年生と中学校三年生の区立の小中学校全部の児童・生徒に聞きました。読書は好きですかと言ったら、平成二十六年のときは七五%が小学生は好き、中学校三年生は七二%が好きということで、小学生は五%アップしています、十九年に比べて。中学生も一〇%アップしております。ですから、先生に聞くと、肌感覚で本好きな子増えているよということでございますが、数字にもあらわれているかなと思っております。  それから、評価としては、多くのご存じのとおり、図書館ボランティアの皆さんが定着していただいたこともあります。それから、私どもも、教員の指導力を高める研修をやっていますので、教員の指導力も、この図書に、司書教諭ですけども、上がっているんだろうと思います。  それから、公立図書館とこのことで連携した取り組みが進んだということが、私は評価だというふうに思っておりますが、ただ、課題としては、学校間での格差はあろうということは、これは認めざるを得ないので、研究校もありますので、この成果を各校で、やっぱり共有していかなくてはいけないと思いますが、区全体で読書が大好きなんだという、これは大人も含めて、そんな風土づくりをしていきたいと思っております。  以上です。 ○議長(高木秀隆 君) 深江一之君。 ◆十一番(深江一之 君) ただいま、それぞれの質問についてご答弁いただき、ありがとうございました。その中で、今後の区の財政を安定させるためにも、区内の企業、商店の経営の安定化が大事だと思います。そのために、今後に向けてさらなる施策を講じる必要があると思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。  また、庁舎移設や大きな施設の問題は、老朽化が進めば、それだけ維持するコストも高くなっていくと思います。建て替えを含めた協議を早め早めに進めていく必要があると思いますので、地域の方々を含めた、しっかりとした協議会をつくって、推し進めていただくことを要望させていただきます。  また、災害に対する考え方は、今回は外水氾濫の災害に絞っての質問をいたしましたが、ほかにも地震等の災害もあります。首都直下型地震の危険性も報道される中、六十八万区民の命を守り、安全や生活を守るためにも、さらなる施策をしっかりと充実させていただくことをお願いいたします。  学力の問題については、私は、もう待ったなしの状況だと感じています。教育は百年の計と言われます。全校を挙げての新たな取り組みを強く要望いたしますとともに、中学校から高校へ進むときには、その高校はそれぞれの地域から集まってくる高校になります。それぞれの中で競争ももちろんあることでございますので、江戸川区の教育もしっかりと推し進めていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。  読書科については、大事な授業ももちろんでありますが、それとともに、学校図書室の整備も大変重要だと思います。先日、読書科の推進校である上一色中学の研究発表の公開授業を見学させていただきました。児童文学評論家の方の講演をお聞きする機会もありました。一時間半にも及ぶこの児童文学評論家の方の講演の中で、児童書のことから図鑑の話、そして図書室の話まで、多岐にわたりお話をされ、大変興味深く拝聴いたしました。  その中で、私は、なるほどと思ったのは、今の中学生から下の子どもたちは、何本もの映画になり、世界的なベストセラーであった「ハリーポッターシリーズ」でさえ、もう古典であると。また、恐竜図鑑も、あのごつごつした我々が知っているゴジラのような恐竜ではなくて、羽毛のはえた恐竜が載っていなければ、もうその図鑑は古いんだと。そして、天体の図鑑も、地上からの望遠鏡の写真ではなく、宇宙にある望遠鏡から写した写真が載っていない図鑑は、もう古い図鑑になってしまうと。古い服しか売っていない服屋には、誰もなかなか買いに行かないと、そういうことと同じことで、学校図書室も、きちんと整備されていない古い本や、時代にそぐわない本や、古典ばかりの本は置いておいても、子どもたちはなかなか寄りつかないとの話をされました。  学校図書室にかかわる先生方や大人の方たちも、しっかりと図書のわかる人たちではなくては、図書室がよくならないともお話をされていました。上一色中学では、学校応援団の方々や、図書ボランティアの方々が図書室業務をお手伝いされていますが、まだまだ人数が足りない。他自治体やマスコミからも大変注目を浴びているこの読書科の施策でもあります。読書科を推し進めていくには、繰り返しにもなりますけれども、学校図書室の充実をぜひお願いしたいと思いますが、この点について教育長のお考えがあれば、再度お聞かせ願えればと思いますが。なければ、また、後ほど聞きにも行きます。 ○議長(高木秀隆 君) 白井教育長。 ◎教育長(白井正三郎 君) 学校図書室が誰のものかと思うんです。そうすると、それは学校の応援団の方とか、学校の司書教諭の方とか、いろいろやっていただいていますが、やはり、子どもたちがそこの場に愛着を持って、そして、整備も含めて充実していくというのが、本来の姿だと私は思っております。ですから、今、議員さんは、学校ボランティアの方とか、そういう方のお話をしましたが、私は、もっともっと学校で、子どもたちが学校図書に愛着を持って整備をするというようなところまで持っていきたいというふうに思っておりますので、それをぜひ学校側に伝えていきたいと思っております。それが私の答えにさせていただきます。 ○議長(高木秀隆 君) 次に、二十番、田島鐵太郎君。      〔二十番 田島鐵太郎君登壇〕(拍手) ◆二十番(田島鐵太郎 君) 私は、平成二十七年第一回定例本会議に当たり、通告に従いまして四点にわたり質問をさせていただきます。  質問の前に、先日のISILによる日本人人質事件では、日本政府はお二方の解放に向け、毅然としてあらゆる手段を尽くしたにもかかわらず、最悪の結果となってしまいました。今なお、ISILの暴挙は全世界を相手に続いておりますが、亡くなられたお二方の邦人の方だけではなく、世界各国で犠牲になられた方々に、心からお悔やみを申し上げたいと思います。  一連の経過の中では、まさに日本人が一丸となって、テロに屈することはないという姿勢を貫き、さまざまな方面でも救出を試みました。そこには、日本人としての優しさ、誠実さ、勤勉さ、思いやりを実感しております。そして、また、そのような日本人の優しさ、思いやりは、我が江戸川区にも深く根づいており、まさしく本区発展の原動力となって、これまでの艱難辛苦を乗り越えてきたものと理解をしております。改めて、私は、与えられた重責を再認識し、微力ながらも区民の皆様とともに、本区のさらなる発展に向け、邁進していこうと決意しているところでございます。  それでは、質問に移らせていただきますが、これまで八年にわたり六回ほど質問の機会をいただいてまいりました。今回は、これまでの質問を整理をさせていただく意味で質問をさせていただきます。  一点目は、「おもてなシティ・えどがわ」の構築についてお伺いをいたします。二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック開催まで、あと五年となりました。今定例会に提案されている平成二十七年度当初予算においても、「オリンピック教育推進校」の拡大や、「オリンピック機運醸成の取り組み」など、オリンピックを成功に導くための児童・生徒や区民の方々に機運を盛り上げてもらおうという区の姿勢が見受けられるようになりました。希望に満ちて大変楽しみなことであると思います。  また、私は、一昨年の第三回定例会で、区内の観光資源を発掘・紹介する取り組みとして、「観光コンシェルジュ」の提案をいたしました。多田区長からは、「区内にある観光資源の取りまとめと、住民のおもてなしの心という土壌づくりに取り組んでいきたい」との答弁をいただきましたが、これらの経過を踏まえて新たな観点も加えながら、お尋ねをいたします。  昨年、日本を訪れた外国人観光客は、一千三百四十一万人を超え、過去最高となりました。政府は、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピック開催までに、旅行者数を二千万人まで引き上げるべく、入国ビザの緩和などによる、さらなる目標を掲げて取り組んでおります。  折しも、けさのニュースでは、先月一月に日本を訪れた外国人旅行者は、百二十一万人で、昨年同月比、約二九%アップで、二十四カ月間連続で増加傾向にあるとの報道がありました。  オリンピック競技が開催される東京の湾岸地帯には、これからの五年間は政府の観光振興策と相まって、外国からの観光客や来日者が多く訪れる場所になることが予測されます。その方々をお迎えする自治体の一つとして、我が江戸川区も、訪れる観光客をどのように迎え入れるのか、知恵と工夫を絞っていかなくてはならないと思います。  当然、東京都や本区だけの力で対応するには限界がありますから、ボランティアなど、本区の特色でもある「地域力と地域活動」を発揮していただき、万全を期することが急務ではないかと考えます。  ここで、オリンピックの歴史を紐解きますと、開催に当たってボランティアの協力が導入されたのは、一九四八年のロンドン大会からということです。その後、開催を重ねるに連れ、ボランティアの参加者は数を増やしていき、二〇〇〇年のシドニー大会では五万人、二〇一二年のロンドン大会では七万人の方々がオリンピックの運営を支えてくれたと聞いております。来る二〇二〇年東京オリンピックにおいても、その協力が大いに期待されており、ボランティアの育成や募集のための準備が進められていると聞いております。  こうした中で、江戸川区において、カヌー・スラローム競技が実施されるに当たり、地元の自治体として競技を観戦する方々をどのように「おもてなし」ができるかを考えますと、やはり「語学ボランティア」が真っ先に頭に浮かびます。オリンピックにおける公用語は、英語とフランス語及び開催国の言語とされているそうです。つまり、日本を訪れ、競技を観戦しようとする外国人の方々は、英語とフランス語で尋ねればよいと思っていると思います。しかし、駅や街頭で何か訪ねたいと思ったときに、見知らぬ異国の地で誰に尋ねたらよいのか不安があるのではないでしょうか。区の職員や区民の中には、英語やフランス語に堪能な方、あるいは日常会話程度ならできる方、あるいは簡単なやりとりのできる方、レベルの違いはありますけれども、外国語の特技を生かして「江戸川区のおもてなし」に協力していただける方々がおられるのではないでしょうか。そうした方には、例えば、「ウェルカム・トウ・エドガワ」あるいは、フランス語では「ビアンニューヴァ・エドガワ」と書いたバッチまたはシールを配布し、洋服や帽子などの目立つ場所につけていただくだけで、「この人に聞けば大丈夫だ」と親近感、安心感が生まれるのではないでしょうか。
     さらに、第二公用語であるドイツ語、スペイン語、ロシア語及びアラビア語まで広げて対応できる人材を募れば、江戸川区のあちらこちらにバッチをつけた人が歩いていることになります。訪れる方々にとっては、非常に安心のある風景ではないかと思います。  さらに、今後、こうした言語ボランティアをやってみたいと思っている方には、積極的に区から働きかけ、語学を取得する機会を増やしていく取り組みが必要であると思います。例えば、総合人生大学国際コミュニティ学科には、区内に住む外国人が抱える課題についてのフィールドワークを行い、外国人留学生との交流を通して、外国人との共生を考えようと集まる多くの学生さんたちがおります。また、開学十周年を経過し、国際コミュニティ学科卒業生も、それぞれの地域で活躍していくことと思います。  また、語学にはちょっと自信はないけれども、ほかの「おもてなし」だったらば協力してもいいよというお考えの方も多くいらっしゃると思います。そうした方々にはお声をかけ、区が提供する「おもてなし」の中身をまとめ、情報提供していくことも重要なことではないかと思います。一人ひとりができることは、ほんの些細なことであってもよいと思いますが、簡単な英語ができる、日本舞踊が得意だ、茶道・華道ができる、柔道・剣道などの武道が教えられる。ホームステイを受け入れられる等々、多くの得意分野情報を集め、必要とする方へお届けをすることができるシステムがあればよいと思います。もちろん個人情報ですから、誰でも扱ってもよいというわけにはならず、区が中心となって情報の媒介をコントロールし、みんなが安心して情報を共有できるようにすればよいのではないでしょうか。このようにして、区内にある「おもてなし資源」をネットワーク化し、情報の共有化を図ることができれば、それは、すなわち江戸川区民全てが「観光コンシェルジュ」であると言えるのではないでしょうか。  おもてなしの心意気としてもう一つ。一昨年の東京国体でも行われたように、「東京オリンピック・パラリンピック開催まであと○○日」と表示したカウントダウン・パネルを区役所本庁舎はもちろんのこと、区の施設や駅と街頭に配置し、区民の方々が毎日目にすることができるようにしてはどうかと思います。  また、そのカウントダウン・パネルには、ぜひ江戸川区にお越しください、または、江戸川区の名所、観光地を添えておくのも大変よいことではないかと思います。ソフト面、ハード面、さまざまな手法を通じて、六十八万区民の全てが江戸川区を「おもてなしの区」、すなわち、「おもてなシティ・えどがわ」となるべく取り組んでいくことは、大変、夢と希望のあることではないかと思います。こうした取り組みの中心となって、江戸川区が取り組んでいくことについての区長のお考えをお聞かせください。  次に、二点目は、新中川河川敷の再整備について申し上げます。新中川は、江戸川区のほぼ中心を全長約八キロメートルにわたり南北に流れる人工河川であります。平成七年には明和橋・辰巳新橋・大杉橋の三橋がそろって全建賞を受賞し、また、毎年六月には新中川フェスタが開催され、大学のボート部によるエキシビションレースも行われるなど、「水辺の景観」、「水辺のふれあい」の両面から、区民だけではなく全国的にも注目されているといっても過言ではないと思われます。  私は、これまで「新中川健康の道の段差解消を要望した『新中川健康の道』の整備」、「新中川橋梁こいのぼり構想などを提案させていただいた『新中川における四季折々の区民交流の場』構想」、「橋と橋のスパンに屋形船ゾーンなどのゾーニングを提案させていただいた『新中川河川敷のゾーニング』構想」など、新中川河川敷整備に対する希望と思いを述べさせていただきました。  河川敷整備に当たっては、すぐに取り組めること。東京都や関係機関、地元住民と調整を要することなどがあり、中長期的な展望に立って進めていただいていることと存じますが、今回は改めて二点についてお伺いをしたいと思います。  一点目は、ボートの暫定係留所についてであります。現在は、新中川の両岸にわたってボートが係留されておりますが、時代の変化により係留率は約五〇%程度で、使われていない係留所のポールなどには劣化が見られ、景観上、非常に見苦しい状況となっております。  そこで、このボート係留所を以前提案させていただいたゾーニングの第一歩として数地点に集約してみてはいかがでしょうか。そして、不要となった係留所は撤去をし、ビオトープ化するなどして、新中川河川敷をよりプラスのイメージに変えていただきたいと思います。  二点目は、河川敷上の「健康の道」の街灯についてであります。現在の新中川河川敷上には、およそ百メートル間隔で両岸合わせて九十三基の街灯が設置されておりますが、これらは平成九年から十一年にかけて設置され、ソーラー灯のため、点灯時間は日没から六時間程度となっております。しかし、この道を生活道として夜間でも利用している方もいらっしゃれば、鉄道利用者の中には、最終電車で駅に到着し、新中川河川敷を通って、自転車あるいは徒歩で帰宅をしている方もいらっしゃいます。例えば、JR小岩駅の最終は午前一時一分、都営新宿線の一之江駅の最終は午前〇時二十五分ですが、せめてこの方々が帰宅される程度の時間までは点灯しておくようにできないものでしょうか。  以前にも申し上げましたが、私は、新中川を江戸川や荒川のような大河川にはない趣の違った穏やかな川の親近感の持てる親水公園の大型版として、水に親しめる川「親水河川・新中川」と呼ばせていただいております。昨年十二月には、上一色中橋が完成し、また上流部分では護岸整備が急ピッチで行われ、今、なお、新中川の整備は進められております。その名にふさわしい親水河川・新中川になっていくであろうと期待をしております。今後の展望も含め、区長のご所見をお聞かせください。  三点目は、「都市計画道路補助第二八五号線」の今後の計画についてであります。この件につきましては、私は、平成二十一年第二回定例本会議において質問をさせていただきましたが、改めて確認をさせていただきたいと思います。  補助第二八五号線は、平成十六年三月に第三次事業化計画として、平成二十七年度までに着工する優先整備路線となっておりますが、鹿骨四丁目から千葉街道までの約千二百メートルにわたる区間の整備は、進捗が伺えません。この路線の北部であるJR小岩駅周辺では「百年栄えるまちづくり」を目指して、着々と再開発が進んでおります。平成二十一年一月の「JR小岩駅周辺地区まちづくり基本構想」の策定に引き続き、昨年には「JR小岩駅周辺地区まちづくり基本計画二〇一四」が策定され、再開発の先駆けのリーディングプロジェクトとして進んでいる南小岩七丁目西地区の事業が、平成二十七年には完成する模様であります。  また、この道路の南部の瑞江地区には、平成十八年に待望の涼風橋が完成し、椿通りから環七方面へのアクセスが大変便利となり、交通量も飛躍的に増大しております。さらに、瑞江西部地区の区画整理事業も完了し、瑞江駅西部地区の区画整理も着々と進んでおり、一之江、船堀、あるいは葛西方面にかけて、瑞江地区からの南西部とのアクセス・利便性も非常に向上しております。このような状況を鑑みますと、補助第二八五号線の未着工部分は、大変残念でなりません。春江町・瑞江方面からの小岩駅方面への南北アクセスを見たときに、現在の道路では、前回も申し上げましたが、南小岩小学校前は、狭隘な道路の上、多くの車両が流入しており、歩行者や自転車利用者の安全確保にも問題があると思われます。バス路線も鹿骨四丁目からは、二枚橋を経由する大きく迂回をしたルートとなっており、決して利便性が高いとは申しません。  この区間が整備されることによって、小岩から鹿骨、瑞江、一之江を経由して、船堀、あるいは環七、葛西方面への利便性は格段に向上し、まさに江戸川区の積年の課題となっておりました南北交通ライン問題の解消につながると思われます。そのためにも、この未整備区間の早期整備着工と補助第二八五号線と椿通りのアクセス整備について、区長のご所見をお尋ねいたします。  最後に、四点目は、「企業内保育」ならぬ「庁内保育所」について質問させていただきます。保育園の課題については、私は、平成二十二年に第一回定例本会議において、待機児解消と病後児保育について申し上げましたが、仕事と保育が両立できるように、さまざまな角度から保育のあり方を見直していきたいとのお答えをいただきましたが、今回は視点を変えてお尋ねをいたします。  「子育てに優しいまち」として名を馳せてきた本区は、毎年六千人を超える日本の宝である新生児が産声を上げており、「一人の女性が一生の間に産む平均の子どもの数をあらわす合計特殊出生率」は、平成五年以降、二十三区でトップを維持しております。あわせて、全国初の取り組みとなった保育ママ制度をはじめ、本区の子育て支援策は、まさに「子どもを産んで育てたくなるまち」として充実しております。しかし、残念ながら、待機児童はゼロには至らず、私も保育園の設置計画についてお尋ねをしたところでございます。  さて、昨今は、こうした「公助」による対策を求める声とは別に、働く女性の支援策の一環として自らの会社内に保育所を設置する「事業所内保育所」が増えてきております。私の地元である東部地区の「東京さくら病院」には、一昨年七月に「さくら保育所」が開設されました。また、昨年四月には、中央官庁で初めてとなるシッター制度が警察庁内でも導入されております。  かつての伝統的な家族制度として、結婚後も親と同居するという形態が日本の高度成長という名のもとに、核家族が進んだ中で、同居せずとしても「スープの冷めない距離」で暮らすことが理想であると言われるようになりました。私は、保育における母親と乳幼児の関係は、スープならぬ「ミルクの冷めない距離」こそが理想であると思っております。  そこで提案ですが、折しも、現在、庁舎移転問題検討特別委員会において、江戸川区役所は、本庁舎移転問題が検討されております。新庁舎建設の折には、ぜひ企業内保育所ならぬ庁内保育所を設置してはいかがでしょうか。本区では、職員同士の共稼ぎも多く、その中には、区内の保育園にお子さんを預けて就労されている女性職員も多いようです。そのようなお子さんたちが、庁内保育所を利用することで、まさに「ミルクの冷めない距離」での保育が実現し、両親のぬくもりを感じて思いやりのある子どもが育つに違いありません。立派な社会人を育てることは、それぞれの家族と、そして社会が一体とならなければなりません。  また、その一方では、区内の保育所には、ゆとりが生じ、一般区民のお子さんの待機児解消の一助にもなるとともに、女性の社会進出、社会就労支援としても、安倍首相が目指す「全ての女性が輝く社会」づくりへの基盤になるのではないでしょうか。区長のご所見をお聞かせください。  以上で、私の第一回目の質問を終わらせていただきます。(拍手) ○議長(高木秀隆 君) 多田区長。      〔区長 多田正見君登壇〕 ◎区長(多田正見 君) いろいろ大切なことにつきまして、ご質問いただきました。  まず、東京オリンピック・パラリンピックのおもてなしの話でありますが、ご案内のように、招致活動の中で滝川クリステルさんが、おもてなしの心ということを言いまして、そのすぐ直後だったと思いますが、新東京国立美術館の館長が、今の日本におもてなしの心はないということを新聞記事に出しました。その館長さんの、つまり主張は、どうも昨今、人を思いやるという気持ちが希薄であると。電車の中で、お年寄りの人が前に立っても、席を譲る人は極めて稀だと。こういう中におもてなしの心というのが育っていないということになるんだと、こういうことなんです。だから、当時、七年後までに、まず相手の気持ちに立てるということを国民の間に徹底していかないと、十分なおもてなしにはならない、そういうことを言っておられました。  その方策としては、全ての皆さんが、どなたに対しても、子どもも大人もそうなんですけど、にこやかに挨拶をする、そこから始めたら七年あれば何とかなるでしょうというようなことを言っておりまして、私も、なるほどと思って読んだわけでありますが。大変重要な指摘だと思いますけども。  しかし、私は、この江戸川区について考えてみれば、十分おもてなしの体質はあるのではないかと、そういうふうに思います。今、議員さんもご指摘がありましたけれども、優しさとか思いやりのある本区の体質ということを最初におっしゃいましたけど、私は、いろいろな区民の方々と接しておりまして、子どもに対してもそうでありますけども、極めて挨拶はよくできますし、非常にそういうおもてなしの、相手の立場に立って、いい関係を持ちたいという、そういう気風というのは十分ある。だから、そういう意味で、私は江戸川区について心配はしませんが、でも、今おっしゃったような語学の問題とか、いろいろなことを中心に、これから、やっぱりいろいろ、どういうことをおもてなしとして考えていったらいいかということを、これは区民の皆さんと一緒になって取り組んでいかなければいけないかなと思います。  舛添さんも、よく語学のことを言っておりますが、あの方は何カ国語かの語学が堪能だというふうに聞いていますけど。つまり、ちゃんとした言葉がしゃべれなくても、ライトやレフトぐらい、どっちへ行くんでしょうかというのは、ライトだとかレフトだとか、それだけでも通用するんだというようなことを言っておりまして、そういうようなことだと思います。いろいろ、やっぱり、どういう方々に、どういうふうにして勉強してもらうかということもありますけど、そういうことのためのボランティアを養成するとか何とかいろいろあると思いますけど、今、いろいろご提案もありましたが、十分、いろいろな表示なんかも含めまして考えていかなければいけないかと思っておりますので、これは鋭意、取り組んでいきたいと思います。  最初に藤澤議員さんがおっしゃいました三億八千万円の義援金が即座に集まるということは、断トツだったんです、これは。これ一つをとっても、相手を思いやる気持ちというのは、江戸川区の中に充ち満ちていると、私は安心をしているわけであります。  それから、新中川のことについてお話がありましたので、これ、詳しくは土木部長から、ちょっとお話をさせていただきますが、親水公園といってもいろいろあるので、一概にこれだという形を申し上げるわけにはいきませんが、ご理解をいただいておきたいことは、例えば旧中川、それから東小松川親水公園、一之江もあります。それから、古川もありますが、これらは川ではありませんで、あれは、言ってしまえば池です。池ですから、つまり、震災公園なんかもそうだと思いますけど、雨が降ればその地域の雨水を受けとめるというだけのことで、金だらいのようなものだと思っていただければいい。  ところが、新中川、荒川も江戸川もそうですけど、これは、れっきとした川です。川ですから、上流でたくさんの雨が降れば、どっと水が流れてくるという川でありますから、当然、治水上の対策ということをしておかなければいけない。そこが、今まで我々が親水公園と呼んでいるところと根本的に違うところだというふうに、そういう対応があるということでありますから、そんなに手の込んだいろいろな造作をするということもできませんし、そこそこにいいところにすることが必要でありますが、そこで、いろいろ旧中なんかを見ていて、ああいう川にしたいなと思っても、なかなかそうはいかないという問題があるということですので、まずはご理解をいただいておきたいと思います。ボート係留所の問題なんかもありますから、これ、土木部長から説明をさせていただきますが、よろしくお願いをいたします。  それから、都市計画道路の補助二八五号線ですが、これも手がけていかなければいけないところになっております。特区で今、三カ所を指定されておりますが、いずれこういうところもやっていかなければいけないと思っておりますが、これは都市開発部長から説明をさせていただきますので、よろしくお願いをいたします。  それから、庁内の保育所でありますが、大変おもしろい考え方で、都庁は始めると言っておりますけども。企業内保育の一つとして考えれば、ワーク・ライフ・バランスの取り組みの一つだというふうに考えていいかと思いますが。私は、もし、これが区役所に勤める職員の対応というか、ワーク・ライフ・バランスだということであれば、ちょっと、私が、これは公務員どこでもそうですけど、都庁もそうかもしれませんが、少なくとも今、待機児は、さっき申し上げたように、ゼロ、一歳、二歳というようなところで、つまり、これ、育休制度がもうできているんですね。これでは、やっぱり、まず第一義的には、これを活用すべきだと私は思うんですね、公務員は。民間は、そういうのがなかなかできにくいということもありますから大変だと思いますけど。江戸川区役所も、ゼロ歳について考えてみれば、ほぼ一〇〇%、育休でやっているということがあって、だから、こういう職員を保育所に入りなさいというよりは、そうじゃなくて、育休とりなさいという制度ができているということを、このことも大切なことなので。一般の保育園を庁舎内につくりなさいということになれば、ちょっと、またこれは話が別ですけど、そういうふうに考えますので、ちょっと、ご提案はおもしろいんですけども、都庁のようにいろいろな職種がたくさんいるところは、ちょっといろいろ、そういう気持ちにもなるかもわかりませんが、区役所の場合は、どうかなというふうに思います。これも、しかし、十分参考にさせていただきまして、将来、新庁舎、まだ先でありますから、そこをどういうふうにするかということは、またいろいろご意見をいただきたい、そういうふうに思います。よろしくお願いをいたします。 ○議長(高木秀隆 君) 髙井土木部長。 ◎土木部長(髙井聖 君) 新中川でございますが、先ほど、区長が新中川の使命というか役割についてご説明したとおりでございますが、若干おさらいをさせていただきますと、この新中川でございますけれど、昭和十三年の洪水を契機にして掘られた人工の河川でございまして、本来は、街を洪水から防ぐために掘られた川ということになりますので、この機能が損なうような状況にはできないということになってまいりますが。  今後でございますけれども、昨今、より一層、大きな雨が降る可能性が出てきておりますので、この新中川が負うべき治水機能は、より一層、大きなものが持たされてきているという状況にあるということでございます。  整備後ですが、この間、この治水機能を損なうような大きな課題が二つございました。一つは、不法係留の問題でございますね。この係留船が洪水時に治水機能を損なう危険が非常にあるものですから、さりとて、この不法係留船を外へ出してしまうと、また、外の河川へ行ってマイナス要因になってしまうので、とにかく、この新中川に係留を暫定的にしてもらって秩序を回復させるということで、治水機能を最低限確保したという経過がございます。それが、もう一つ、河川敷の不法工作の問題がございまして、これも河川整備に非常に障害になっていたということで、これについても配慮をして解決をさせて、現在の新中川がより一層、皆様方、身近に感じてお使いいただける河川になってきているところでございます。  議員さんがおっしゃるとおり、暫定係留施設の利用状況等もございますが、今後につきましては、こうした新中川の役割を十分踏まえながらも、区民が、より一層自由に使える憩いの場になるように、東京都ともこの暫定係留施設のあり方も踏まえて、しっかりと協議をしてまいりたいというふうに思っておるところでございます。  それから、もう一つ、堤防上のソーラー灯の件でございますが、現在、ご指摘のとおり、六時間程度しか点灯ができないソーラー灯でございますが、今年度でございますけれども、これをかなり技術革新が進んでおりますので、この二十ワットの蛍光灯と同程度の能力を持ったソーラー灯に切りかえて、それから、もう一つは、ソーラーシステムのほうも取りかえまして実証実験を行ったところ、十四時間程度は十分点灯は可能であるということが判明をいたしましたので、今後、計画的にと申しましょうか、順次、この形態に改修をして、十四時間程度、十分暗い時間は点灯ができるような環境を整えてまいりたいと、そのように考えているところでございます。 ○議長(高木秀隆 君) 新村都市開発部長。 ◎都市開発部長(新村義彦 君) ご質問の補助二八五号線でございますけども、南小岩、東松本地区を特区に指定するというようなことで現在進めておりまして、昨年の十一月に地域の方にも特区の説明をした折に、やはり、この二八五号線の整備を急いでほしいというようなご意見も賜っております。ご質問の中にありましたように、南北を結ぶ長大路線でありまして、当該区間だけがなかなか整備できていないということは非常に課題でありますし、バスルートの面からも非常に重要な路線と思っておりますので、これについても、土木部とよく協議しながら、しかるべき時期に着手するということを目指してまいりたいというふうに考えております。  以上でございます。 ○議長(高木秀隆 君) 田島鐵太郎君。 ◆二十番(田島鐵太郎 君) 答弁ありがとうございました。おもてなシティは、今、区長が言いました。私も本区のこの地域力、東日本大震災のときのご協力を思いやり、他区を断トツに離した金銭でのボランティアも含め、それから人的なボランティアも含めて、これは非常に、私はありがたいことだと思っている。その中で、すくすくスクール、それから親水河川、保育ママの日本中の子が、日本中から本区へ視察に来ている状況も、私もよく知っております。  この二〇二〇年には、これが日本の国内だけではなくて、世界各国から東京ジャパンに、この江戸川に来てくれるという。僕はもう、これ、願ってもないチャンスだと思っております。私ども、どうしても今、英語とか何かというと、外国に行ってしゃべることが英語だと思っている。そうではなくて、外国人が日本に来て、それをお迎えをする、そういうおもてなし、心の問題も含めて、それから、この江戸川区のあらゆる全ての、この親水河川も含めて、いいもの、緑と自然と、この人のあったかさ、これも見ていただけるチャンスが、私は、この二〇二〇年、あと五年後に行われるオリンピックではないかなという、そういうふうに要望をしてみたいと思っていますので、どうぞ、今後ともよろしくお願いしたいと思います。  それから、庁内保育なんですけど、私は、どうもこの時代背景の中、私どもが子育てをしたときと、今、大きく状況が変わってきているような気がします。これは、犯罪のことも含めて、交通事故も含めて、子どもを表に出せないとか、それから、社会の中での女性の地位を含めて大きな違いが来ているように思えてしようがありません。その中で、若いお父さん、お母さん方、江戸川区は子どもを産んで住みやすい街、育てやすい街なんだよというお話もあることも事実でございます。  私も、お聞きするところによると、もうちょっとそろえば、もう一人産んでみたいんだよ。そして、育ててみたいんだよ、家族を持ってみたいんだよという話は、たくさん聞くんですね。その中で、私は、この国力というのは、一番は本当は人口だと思います。もちろん経済力、防衛力も大事ですけども、国民の総人口がどのぐらいいるかということが、この日本をどういうふうにするかという方向だと思っております。  そのためには、やはり、子育てをしやすい環境、産んでみたい、産みたい、育てたい、家族をつくりたいという、それが江戸川区だったらできるんだよと。何かそんな思いの優しさのある施設も含めて、そんな江戸川区の保育事情、保育施設というものを何かできないかな、やっていただいているんですけど、そんな思いがしてなりません。  それと、髙井部長にもお話がありました、このソーラー灯、ありがとうございます。今、時代の変化というお話を申し上げましたけども、以前は六時間でよかったと思うんです。十二時以降に歩いている人なんか、酔っぱらった人しかいなかった。でも、今は、この温暖化の中で、十時、十一時、暑くて歩けないんですよ。舗装道路も含めて。だったら、もうちょっと涼しくなってから歩こうよということで、十二時過ぎてから、この健康の道、いっぱい歩いているんですよね。このときに暗かったら、私、やっぱり街灯としての意味はないんじゃないかなという、真夜中は別、朝方は別にしても、夜中ぐらい、この時代であの川面の風、本当に浴びたら気持ちがいいんですよね。そういう意味では、今、時間、ちょっとバッテリーを替えれば、もうちょっと伸びるというお話もいただきまして、ちょっと、一安心をしております。  それから、また、新村部長からお話いただきましたように、補助第二八五号、これも、ぜひとも、私どもからすると、この涼風橋からのやつで、小岩駅がこれだけ発展をしようとしています。私の街からも、あの二十九階建てのマンション、よく見えます。そこへ行くアクセスが途絶えているというのは、いや、私はちょっともったいないような気がしますので、それには住民の方、商店街の方、多くの協力を得なければなりませんけど、道路は個人ではいかんせんともしがたいんです。これは、やっぱり行政、国と区がやってもらわないと、何にも私どもは手出しができませんので、これはやっぱり、JR小岩駅周辺の街づくりのことにつきましても、これを成功させるためにも、ぜひとも、この補助第二八五号線の開通については、今後とも鋭意、ご努力をいただければと思っておりますので、どうぞ、今後ともよろしくお願いをしたいと思います。  以上で終わります。ありがとうございました。 ○議長(高木秀隆 君) 以上で、本日の日程は全て終了しました。  次回は、明日二十日、午後一時から本会議を開きます。  本日は、以上で散会いたします。      午後四時二十五分散会...