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平成14年 第2回 定例会−06月13日-02号

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  1. 足立区議会 2002-06-13
    平成14年 第2回 定例会−06月13日-02号


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    平成14年 第2回 定例会−06月13日-02号平成14年 第2回 定例会 平成14年第2回定例会(第2日) 足立区議会会議録(第8号) 1.6月13日(木曜日)午後1時開議 2.出席議員(53名)   1番    えびね久美子  議員   2番    鈴木けんいち  議員   3番    小林ますみ   議員   4番    うすい浩一   議員   5番    きじまてるい  議員   6番    たきがみ明   議員   7番    吉岡 茂    議員   8番    古性 重則   議員   9番    鴨下 稔    議員  10番    くじらい光治  議員  11番    村田晃一    議員  12番    さとう純子   議員
     13番    ぬかが和子   議員  14番    鈴木あきら   議員  15番    金沢美矢子   議員  16番    ふちわき啓子  議員  17番    杉崎せいじ   議員  18番    前野和男    議員  19番    加藤和明    議員  20番    篠原守宏    議員  21番    浅古みつひさ  議員  22番    新井ひでお   議員  23番    吉川 一    議員  24番    今井重利    議員  25番    橋本ミチ子   議員  26番    伊藤和彦    議員  27番    鈴木秀三郎   議員  28番    野中栄治    議員  29番    谷中慶子    議員  30番    藤崎貞雄    議員  31番    芦川武雄    議員  32番    山本明儀    議員  33番    せぬま剛    議員  34番    馬場繁太郎   議員  35番    中島 勇    議員  36番    藤沼壮次    議員  37番    田中章雄    議員  38番    浜崎健一    議員  39番    白石正輝    議員  40番    針谷みきお   議員  41番    大島芳江    議員  42番    渡辺修次    議員  43番    小野 実    議員  45番    忍足和雄    議員  46番    西口喜代志   議員  48番    飯田豊彦    議員  50番    鹿浜 清    議員  51番    河合平内    議員  52番    川下政信    議員  53番    長塩英治    議員  54番    平沢太郎    議員  55番    鈴木 進    議員  56番    藤木二幸    議員 3.欠席議員(3名)  47番    白川由人    議員  49番    巻田清治    議員 4.欠員(1名)     44番 5.出席説明員     鈴木恒年  区長     神澤道昭  助役     中野好文  助役     齋藤龍男  収入役     坂田道夫  政策経営部長     青木光夫  政策経営部参事     角田 公  総務部長     柴田 壽  総務部参事     佃 朝明  区民部長     加賀美照男 地域振興部長     坂本寛文  産業経済部長     石川義夫  福祉部長     西條直樹  衛生部長     河合 宏  環境清掃部長     八木良典  土木部長     丸山 亮  都市整備部長     神谷達夫  建築担当部長     定野 司  財政課長     瀬下 明  秘書課長     青井千尋  教育委員会教育長     渋谷和雄  教育委員会           事務局次長     石川純二  教育委員会事務局           教育改革推進担当部長     岡田行雄  教育委員会事務局           教育指導室長     佐藤昭司  監査委員 6.出席事務局職員     内藤博道  事務局長     北口弘毅  事務局次長     古川弘雄  議事係長     廣澤美千代 調査係長     小嶋直次  議事係主査     小池浩三郎 書記     長門忠雄  書記     田邊一平  書記 7.議事日程  第 1 一般質問について        村田晃一  議員        鈴木あきら 議員        くじらい光治議員 ○鈴木進 議長  これより本日の会議を開きます。  日程に入ります。  日程第1、一般質問を行います。  昨日に引き続き、順次質問を許します。  11番村田晃一議員。      〔村田晃一議員登壇
    村田晃一 議員  私は、日本共産党足立区議団を代表し、質問をいたします。  まず、有事法制関連三法案について、区長の見解をお尋ねいたします。  有事法制関連三法案は、国民の安全を守る法律ではなく、アメリカの介入戦争に日本を参加させ、おそれや予測の事態でも、自衛隊が先制的に武力行使できるようにする参戦法案です。同時に、国民の自由と人権を踏みつけにして、戦争に強制動員する戦時体制をつくるものです。  この有事法制関連三法案は、憲法第9条の平和原則、基本的人権、地方自治、議会制民主主義を壊し、国家主権、国民主権も壊すもので、有事法制関連三法案と日本国憲法は絶対に相入れないものです。有事法制関連三法案は、廃案とすることが必要です。  この立場から、先日の我が党の申し入れに対して、鈴木区長のコメントでは、「現状の日本において、直ちに戦争状態になることはないと思います。しかし、複雑な国際情勢から考えると、いつ不慮の事態が生ずるかわからないという不安もあります。」と述べています。法案を提出している政府と同様の情勢認識が示されておりますが、鈴木区長有事法制関連三法案が必要という立場に立っているのでしょうか、見解をお尋ねいたします。  また、区長コメントでは、「地方自治体にも影響がある中身が盛り込まれているということは承知しておりますが、今後の推移を見守ってまいりたいと思います。」というだけで、政府に対して何ら意見表明を行う姿勢がありません。  有事法制関連三法案は、戦争協力のため、必要な措置をとることを地方自治体の責務とするもので、地方自治体が協力しない場合は、首相が地方自治体の長に対し、措置をとるよう指示をすることができ、それでも従わない場合、首相が直接執行するなど、地方自治そのものが踏みにじられるものです。  この法案についての地方公聴会では、自民党推薦の公述人の鳥取県知事が、「手足を縛られたまま、責任だけ背負わされるのは耐えがたい」と述べるなど、不安や批判が続出しています。区長コメントは、日頃から自治権の拡充を言う区長の姿勢とも矛盾するものです。  いま、区民の間に、この法案に対する反対の世論と廃案を求める運動が急速に広がっております。有事法制関連三法案が発動されれば、国民の自由と権利を守り、福祉を増進させるべき自治体の使命が否定され、自治体が国民の自由と権利を侵害し、戦争に国民を動員する国の下請機関になるという自治体の根本的な変質が起こります。自治体のあり方、役割が根本から変質させられようとしているこのときに、鈴木区長は政府に対して自治体の長としての意見表明を行うべきであると思いますが、見解をお尋ねいたします。  次に、健康保険法改正法案など、医療制度改革についてお尋ねいたします。  健康保険被保険者の本人の医療費を3割負担に、また、高齢者医療費の2割負担なども含む、国民の窓口での医療費支払額が増額される医療制度の改正法案が審議されております。もし、これが実施されれば、区民生活に深刻な影響が及びます。  我が党が実施した区民アンケートでも、生活が苦しくなったとする理由の第2位が医療費の負担増です。「入院するよう言われているが、お金がなくて入院できないでいる」(肝炎の72歳の男性)、「医療費の負担増と高齢者福祉の後退は、資産を持たない老人の生きる希望を失わせるものです」(80歳の男性)、「妻は身体障害者です。私が介護しております。国民年金から介護保険料を引かれ、公共料金、家賃を払うと、自分の医者代も払えないありさまです」(72歳の男性)などの声が寄せられています。医療制度の改悪が実施されれば、区民生活に深刻な影響が及び、負担額の増加が受診抑制を引き起し、症状が重症化する事態も想定されます。  我が党は、区民アンケートに寄せられた区民の声をまとめ、区長に提出しましたが、区長は、医療費の負担が大変で生活が苦しくなった、これ以上の負担増はたまらないという区民の命がかかった切実な訴えを受けとめるべきです。医療制度の改革は、諸外国と比べて、高すぎる薬価の引き下げなどを行えば、国民の負担増なしに実現できるものです。区長は、区民の医療費の負担増が避けられるよう国に意見表明すべきであると思いますが、いかがでしょうか。  次に、足立区の構造改革戦略についてお尋ねをいたします。  我が党は、ことしの3月中旬から、12万枚のアンケート用紙を各戸配布し、区民アンケートを実施しました。5月29日までの集計結果は、72.1%の人が生活が苦しくなったと答え、その原因の第1位が失業や仕事の減少などによる所得の減少で24.3%、第2位が医療費の負担増で21.1%でした。また、70.6%の人が介護保険料の減免を求めています。また、失業中や倒産に直面している状態の人の割合が1割を超えました。  「40歳でも仕事がないのです」という声や、「年齢60歳ですので、なかなか仕事が見つかりません。生活も苦しくなりました。早く仕事が見つかればいいと思います」という声、また、65歳の男性も、「健康だったら何歳でも仕事ができる社会に。年金が安いのに仕事がないので困っている。これは私だけでなく、私のような人がほかにも何人もいる」と訴えています。また、51歳の男性は、「平成14年に国民金融公庫と足立区あっせん融資の手続をしたが、融資が受けられなかった。子どもの教育費がかさんでいるため、タクシー開業資金がたまらず、本当に困っています。何とかよい方法はないのでしょうか」、61歳の女性は、「区の融資を受けていますが、もう少し融資を受けたいが借りられない」など、区政への切実な要望も寄せられています。  なぜ、こうした区民生活の実態が広がり、こうした声が出てきたのか。つまり、いかなる構造のもとで、こうした実態が広がっているのか。改革が求められているのはその点であります。ところが、不況のもとで、国をはじめ、東京都や足立区がこうした実態の改善のための政策を実施しなかった。実施しなかったばかりか、こうした実態が拡大するような行政が行われた結果、国民生活が深刻化したのではないでしょうか。  小泉内閣は、構造改革なくして景気回復なしを掲げ、不良債権の早期最終処理により、日本経済を再生させるとして発足しました。ところが、政権運営1年を経過し、経済指標は軒並み最悪水準を更新し、不良債権すら増加するという状況を生んでいます。  小泉構造改革とは、多国籍化した日米の大企業が最大限もうけられる世の中をつくるための改革です。そのために、国民や中小企業、日本の農林畜産業などを守るルールを破壊して、日本を弱肉強食の自由な社会につくりかえることを目標にしています。小泉構造改革による痛みが、区民生活にも深刻な影響を及ぼしています。そのことは、先ほどの区民アンケート結果にあらわれています。  小泉内閣は、従来型の護送船団方式の政治を変えるなどと言っています。しかし、実際は、今回の医療保険法改正法案一つを見ても、製薬大企業の立場に立って、国民負担をふやすという方向でのいままでの政治の継続であり、特徴は、強い者はもっと強く、弱い者はますます弱く、それが社会の正義のルールだとする弱肉強食の考え方です。  足立区においても、財政健全化計画に基づいて、区民施策の切り捨て、削減、負担増が行われてきました。区立幼稚園の廃園、老人クラブ助成金の削減や生業資金の貸付対象世帯の縮小、保育料や学童保育料大幅引き上げや使用料、手数料の一斉引き上げなどです。区民生活に直結する事業が、鈴木区政のもとで大きく後退しました。区民生活がこのように深刻化する原因を、区政みずからがつくり出してきました。いま求められていることは、区民施策の後退に歯どめをかけ、改善を図ること、この方向への切りかえです。鈴木区政が進めようとしている構造改革戦略が、区民の暮らしを改善するためのものになっているのかどうか、ここが一番の焦点となるのです。  さて、鈴木区長は、財政健全化計画を推進するに当たって、区財政は赤字で、財政再建団体転落もあり得るという宣伝をしました。これは、そもそも毎年度黒字の区の財政を、財政指標の一つの実質単年度収支を根拠に赤字と宣伝するものでした。しかし、その実質単年度収支も、12年度に適切な積立金処理や適切な特別会計への繰出金処理など、いずれか一つを実行するだけで黒字にできたものでした。さらに、12年度の足立区の全会計を連結した実質単年度収支は大幅な黒字であり、鈴木区長区財政赤字論は既に12年度の決算で根拠のないものとなりました。また、足立区が財政再建団体に転落するという宣伝も、毎年度黒字決算が続いている足立区財政には、財政再建団体に転落する危機など初めからなかったのです。  こうした区財政の赤字論、財政再建団体への転落の危機論を声高に宣伝した鈴木区長が、今度の構造改革素案では、足立区の構造改革には自治体の存亡がかかっていると主張しています。いままでの鈴木区長の区財政の赤字論や財政再建団体への転落の危機論のてんまつからして、今回の自治体の存亡がかかる危機とはいかなるものなのか、そもそも実在する危機なのかどうか、理解に苦しむところです。  さらに、今議会の区長あいさつでは、あいさつの半分が足立区規制改革特区構想でしたが、鈴木区長の言う区財政赤字論財政再建団体への転落の危機論、そして今回新たに自治体の存亡の危機論と、次々と区政の厳しい現状認識を重ねている区長が、一転して、区政と区民生活に大きな影響を与えることになる国の規制改革特区への参加を積極的に検討しています。  鈴木区長は、危機に直面する足立区で率先して社会実験をするということですが、足立区民を一体どこに導こうとしているのでしょうか。鈴木区政の構造改革戦略は、国の構造改革と同じ考え方で足立区の構造改革を進めるとしており、これでは区民生活はより一層深刻な状態に追い込まれることになってしまうのではないでしょうか、見解をお尋ねいたします。  次に、構造改革素案では、構造的問題のとらえ方が一面的なものとなってしまっています。例えば、足立区の構造的な問題点として、景気の低迷によって税収が減少する一方、福祉需要が急増することが結論とされています。これが、足立区の構造的問題点とされ、身の丈に合った財政運営を確立する必要があるとなり、区民施策を削減する方向で構造改革の目標が設定されています。これは、結局、福祉需要に対する供給を減らすという方向の改革になります。景気が低迷すれば、どこの自治体でも税収が減少し、福祉需要が増加するのは当たり前です。  また、福祉需要の増加に見合った国や都からの財源が増加することに触れないのも意図的です。そもそも、景気の変動を予測して、年度間の財政調整を適切に図ることこそ、区政の責任ではありませんか。区民施策を削減するという目標が先にあって、そのための分析をするというのでは、分析の仕方が逆立ちしています。鈴木区政は、区政と区民生活の実態を正しく分析し、区政と地域社会の正確な構造的問題点の把握を行うべきです。  構造改革素案では、区民施策削減の改革の手法や日程について、詳しく時系列で整理されています。公立保育園の民営化、小・中学校の適正配置、青少年教育施策の再編整備、文化振興事業の見直し、女性関連事業の委託化の推進、手数料、使用料の見直し、補助金の整理合理化老人クラブ指導助成事業の見直し、生きがい奨励金支給事業の見直し、区営住宅家賃減免制度の見直しなど、区民生活の全分野にわたる改革が、平成16年度までの年次計画として、14ページにわたって構造改革工程表としてまとめられています。鈴木区政は、区民生活が深刻さを増している中でも、この構造改革戦略工程表に基づき、なお一層区民施策を削ろうとしているのでしょうか。  次に、鈴木区政が今後本格的に進めようとしている足立区の構造改革を実施すると、区民施策はいつ、どのように改善されるのでしょうか。ここが、区民が最も知りたい点です。この点を我が党が再三質問しても、鈴木区政の明確な答弁がありません。足立区の構造改革を実施すると、鈴木区政のもとで後退した区民施策は復活や改善が図られるのでしょうか。例えば、敬老祝い事業は、もとの水準にいつ復活できるのですか。鈴木区政のもとで廃止や削減が行われた区民施策のうち、構造改革の実施によって復活や改善が図られる事業名を幾つか示していただきたい。  次に、鈴木区政の構造改革戦略は、小泉構造改革と同じ考え方から、区民生活と区政の一面的な分析を行い、足立区の第三次行革の指針や計画を改めて足立区構造改革戦略として位置づけたものです。結局のところ、鈴木区政の構造改革は、財政健全化計画が目指した目標と同じく、区民施策の削減を着実に推進することで財源を生み出すというのが本当のねらいではないのですか。  次に、行革先進区としての足立区が、巨額の借金に苦しむ事態に陥っています。大型開発と大量の土地購入という開発型の行財政運営そのものがこの原因であり、古性区政が犯した決定的な失政です。これは、行革で、区民には痛みを強いながらの失政であり、その責任は重大です。今日、これほどの借金が財政を苦しめる事態になっていなかったならば、少なくとも借金返済が半減していたならば、今日の不況と構造改革の荒波のもとで深刻な事態に直面している区内中小企業、商店、区民生活を支える施策の財源とできたものです。バブルに浮かれ、大型開発事業優先行財政運営に歯どめがかけられなかった。このことを痛恨の教訓としなければなりません。  ところが、鈴木区政は、区政の構造改革を進めると言いながら、このときの財政運営についての反省が全くありません。鈴木区政は、3月議会での我が党の質問に対し、将来にわたるこの巨額の財政負担について、公債費比率が平成11年度をピークに下がってきたと答弁しました。ところが、実際の借金返済額である公債費は毎年増加が続いています。率が下がったのは、平成12年度の清掃事業の移管などで、足立区の財政規模が拡大したことによる数字上の改善であって、現状は何ら改善されていないものです。  このように、何ら意味のない数字上の改善を平気で議会にも区民にも示し、将来にわたる財政負担が足立区財政を苦しめていることを隠そうとする。このことは、鈴木区政が、このときの財政運営について全く反省ができていないことを証明すると同時に、現在の鈴木区政自身が、このときと同じ区政運営を受け継いでいることを証明するものです。  また、鈴木区政は、この借金の中身を区民施策に欠くことのできない社会資本投資だったと答弁しましたが、これは福祉、教育などの区民生活に欠かせない社会資本整備と大きく豪華な箱物整備を一緒にした乱暴な意図的な答弁です。平成4年からの4年間で、足立区の借金が倍増しています。庁舎建設債や都市開発のための起債などが大きな金額を占めています。大きく豪華な箱物整備を集中させたことが、今日の足立区の財政危機を生み出したのです。  このように、鈴木区政は、今日の年間150億円を超える借金返済に陥っている足立区財政の危機的状況を認めず、みずからは財政健全化計画に反し、極端な開発優先区政運営を進めています。この点の反省、総括なくして、足立区の構造改革など語れないはずです。開発経費の縮減、抑制が、区政のトップ、経営部門において実行できなかった。二度と繰り返してはいけないという反省に立って、痛恨の教訓を具体化する必要があります。  そのためには、まず、投資的経費の総額の管理システムをどうするか。計画事業選定のあり方と中止も含む事業実施判断、事業形態や財政構成のあり方など、多角的な管理システムを構築すると同時に、二重、三重のチェックシステムが機能するよう、庁内分権体制を整備していくことなどが必要です。  しかし、最も重要なことは、開発優先行財政運営区民生活優先に切りかえることです。具体的には、今日の区民生活の実態を踏まえて、国の交付金だけで実施されようとしている鈴木区政の雇用創出計画を改め、区の財源も投入して雇用創出事業をできる限り拡大して実施する。区の融資制度を改善拡充して、区内の中小零細企業支援をできる限り強化する。介護保険減免制度の改善など、高齢者や障害者の福祉施策を充実する。投資的経費は、交通網や福祉、教育施設の整備など、区民生活優先に切りかえ、適正な水準にコントロールしていく、こういう方向に区政の運営の方針に切りかえることです。  私は、開発優先行財政運営体質が区政のトップ、経営部門から排除されなければ、いかなるシステムを整備しても投資的経費のコントロールはできないと思いますがどうか、お尋ねいたします。  次に、鈴木区政の行財政運営を見ますと、みずから定めた財政健全化計画に反し、投資的経費計上は13年度、370億円に達しています。年平均で180億円に縮減するという目標が全く達成されていません。鈴木区政が、投資的経費をコントロールできない事態に陥っていることを、この事実が見事に証明しています。また、13年度の補正予算財源のほとんどが開発経費に充当されるなど、著しくバランスを欠いた開発優先行財政運営が行われています。区民施策を削って財源を生み出し、その財源を開発経費に充当する区政では区民のための構造改革はできません。  鈴木区長は、鈴木区政自身が抱える開発優先行財政運営体質を足立区政最大の構造的問題点と位置づけ、区民の生活実態をしっかりと調査し、足立区の構造改革戦略を区民のためになる真の構造改革戦略として策定し直すべきであると考えますがいかがでしょうか、お尋ねいたします。  次に、介護保険についてお尋ねします。  介護保険減免制度の改善を求める区民要望は非常に強いものがあります。そのことは、我が党が実施したアンケート結果にもくっきりとあらわれ、切実な声が多数寄せられています。保険料について、77歳の女性は「わずかな年金から介護保険料が引かれることはとても痛いことです」と訴え、80歳の女性は、「私は年金もありませんのに介護保険料が重荷です」と訴えています。72歳の男性も、「年金から天引きされること、夫婦2人分、生活上、年金だけが頼りなので、高齢者の生活も考えてほしい」と訴えています。また、利用料についても、65歳の女性は「介護保険になってから、お金がかかるようになり困っています」、80歳の男性も「結構自己負担がかかりますので大変です」と答えています。  介護保険料が少ない年金から天引きされることや、無収入の人も徴収されることへの怒りや不満が強く、減免制度の実施と介護保険制度そのものの見直しを求める声が30代から50代の男女を含めて多いのが特徴です。45歳の女性は、「所得の少ない人には保険料や利用料の負担軽減があってもよいのではないでしょうか」と回答し、36歳の女性も「困っている人の介護保険であってほしい」と回答しています。  介護保険制度は、制度そのものの設計の矛盾が高齢者と家族を苦しめています。最大の問題が、高すぎる保険料、利用料の負担からくる利用抑制です。だれもが必要な介護が受けられる、家族介護から社会的な介護に移行するとした理念とはかけ離れた実態が深刻化しています。  利用抑制は、足立区介護保険特別会計の過去2年間の決算にも明白な形であらわれました。つまり、介護保険特別会計予算が大幅に余ってしまったということです。このことは、国や都の負担とともに、足立区の負担額を減少させると同時に、高齢者の保険料や国からの交付金の残額などが、介護保険特別会計の基金として積み立てられるという結果を生んでいます。本来、起きてはならない利用抑制が常態化し、そのことが足立区の負担を減らし、同時に介護保険特別会計の基金の累積を生んでいます。これは、明らかに制度趣旨の実現とは逆行する形での悪循環の構図ではありませんか。  我が党の当初からのたび重なる指摘にもかかわらず、今日まで実効ある改善措置をとらずに、足立区の介護保険を運営してきた鈴木区政の責任は重大であります。減免制度の改善こそ、利用抑制を解決する最善の方法です。これは、区長の判断で直ちに実施できます。区政が、区民生活重視か、そうでないかを見きわめる重要な試金石の一つが介護保険減免制度の改善問題なのです。  介護保険減免制度改善のため、具体的に提案いたします。それは、介護保険特別会計への足立区の繰出金の当初予算額を、介護給付費及び介護保険制度改善のために活用するという考え方です。足立区は、利用抑制が主な原因で発生する保険給付額が当初予算額に届かないという実態を改善しなければなりません。そのためには、保険給付額が当初予算額に届かないことで生まれる財源を、いままでのように介護保険以外の経費とすることをやめ、今後は介護保険減免などの制度改善に充てようとする考え方です。この考え方は、高齢者の保険料負担と同じ算定基礎に基づいて、足立区も負担しようというものです。  また、介護保険減免制度の費用は、制度本来の趣旨に立っての制度の矛盾を改善するための費用です。国や都に対して、財源措置を強力に求めるべきです。そして、国に対しては、制度の設計に立ち戻った制度改善を図るよう迫るべきです。こうした毅然とした要求は、区長みずから区民生活と区民の介護を守ろうとする確固とした姿勢と具体的な改善措置の実践によってこそ、迫力と説得力を持って主張することができるものとなります。  鈴木区長は、我が党の提案を生かし、足立区の介護保険減免制度改善を図る考えはありませんか。また、国に対し制度改善と、国と都に対し財源措置を求めるべきであると思いますが、いかがでしょうか。  介護保険減免制度改善のため、もう一つ具体的に提案をいたします。それは、介護基金の活用です。既に明らかにしてきたとおり、介護基金の累積は利用抑制という問題が最大の原因で生じたものです。この基金の半分は、介護保険制度の円滑実施のための国からの交付金であり、残りの半分は利用抑制によって生じた高齢者の介護保険料の予定外の残です。こうしたことから考えれば、基金の活用は、介護保険料と利用料の減免のために活用されることが適切であり、そのことが利用抑制を改善する最善の方策でもあります。基金は、減免制度に活用でき、区長の判断により、直ちに実施できるものです。  区長は、我が党が具体的に予算修正案で示した内容も参考にして、介護保険減免制度の改善を図るべきです。区長は、基金を活用した足立区の介護保険減免制度改善を実施すべきであると思いますが、いかがでしょうか。  介護保険は、日々の区民生活にかかわるもので、速やかな改善措置が求められています。我が党は、介護保険について、区民の実態を示し、毎回の議会でその改善を主張し、条例提案も行い、毎年の予算修正案では予算の裏づけも示しながら、具体的な減免制度と制度改善を提案してきました。今回、直ちに実施できる2つの具体的提案を行いましたが、介護保険減免制度改善のための財源措置についての考え方は多様に生み出せます。要は、介護保険減免制度の改善を何としても図ろうという鈴木区長の姿勢にかかっています。この点を強調し、この場からの質問を終わります。 ○鈴木進 議長  鈴木恒年区長。       〔鈴木恒年区長登壇〕 ◎鈴木恒年 区長  村田晃一議員の代表質問のうち、有事法制の質問に一括でお答えいたします。  これらの法案は、武力攻撃事態という国及び国民の安全にとって、最も緊急かつ重大な事態が生じた場合における対処を中心に、国全体としての基本的な危機管理態勢の整備を図るものであると理解しております。こうした法制の整備は、平素から、国の備え、国家存立の基本となるものでありまして、政府として、緊急事態における法的手続をあらかじめ整備しておくことが重要であると考えております。  また、今回提出されている法案は、包括的、基本的な法制を決める段階のものでありまして、総務大臣が、国会答弁で、地方公共団体にかかわる具体的な事項を詰める段階で、地方公共団体の意見を十分踏まえ、新しい法律の中に取り込むと言っておりますので、その時点におきまして、特別区長会または全国市長会を通じまして意見表明をしていきたいと考えております。  他の質問につきましては、所管の部長より答弁いたさせます。 ◎石川義夫 福祉部長  私からは、医療制度改革についてお答えいたします。  健康保険法等改正案は、現在、国会において審議中でございます。改正案の目的につきましては、厳しさを増す医療保険財政の中で、将来にわたり持続可能な国民皆保険制度を守っていくところにあるものと認識しております。したがいまして、区といたしましては国会の審議を見守ってまいります。 ◎坂田道夫 政策経営部長  私からは、足立区の構造改革戦略の考え方についてお答え申し上げます。  足立区の構造改革戦略は、自治体としての主体的な行動として、従来の改革の手段や枠組みを超え、足立区と足立区役所の構造をもとから改め、区政の隅々にまで徹底するという考え方に立っております。そして、足立区独自の構造的問題点と資源を徹底して洗い直した上で、区政の構造改革、財政の構造改革を進め、足立区の構造的問題点を克服する。あわせて、足立区の持つ資源を活用し、足立区の協働の仕組みづくり、すなわち社会の構造改革につなげていくことを目指すものであります。  構造不況により、区内産業や区民所得が大変厳しい状況にあることはご指摘のとおりでございますが、改革に伴う痛みや区民の皆様への影響を十分に注視しながら、改革は進められなければいけないと考えております。  続いて、足立区の構造的問題点の把握についてお答えいたします。  構造改革戦略素案におきましては、足立区の構造的問題点として、地域社会の問題点と区役所の構造的問題点を掲げておりますが、このような構造的問題点を克服することが足立区の構造改革戦略の目標であります。決して、区民施策を削減する方向で構造改革の目標を設定しているわけではございません。  次に、工程表につきましてお答えいたします。  工程表は、改革のための具体的な取り組みを明らかにしたものでございます。この工程表の中では、社会の構造改革として、子ども施策、高齢社会施策、まちづくり施策、都市型産業・雇用施策、環境施策、電子自治体施策の6つの柱をもとに、具体的な区民施策を掲げております。区民施策の削減のための工程表であるとは考えてはおりません。平成14年から16年までを計画期間として、着実に改革を進めてまいります。  続いて、構造改革戦略において、区民施策の復活や改善が考えられるかというご質問についてお答えします。  構造改革戦略では、区政の構造改革として、区民等の参加と協働の働きかけをするとともに、地域社会における自律性に基づく能動的な市民社会の形成を重視し、社会の構造改革を進めていくものです。  敬老祝い事業につきまして、現在のところ、復活の予定はございません。  戦略工程表に掲げられた事業のほか、今後の区民施策の方向につきましては、区民の皆様の積極的な参加と協働の仕組みの中で新たな事業の展開を考えてまいります。  続いて、区政の構造改革は、現下の厳しい状況を克服し、成長期から成熟期へと移行した社会と経済の構造に対応した新たな行財政システムが必要であるとの認識で取り組んでいくものであります。これまでも、多くの成果をあげてきた行政改革を含めた区政改革を新たに展開するのは、削るだけではなく、時代に合った新しい仕組みの構築と成果を生み出していくという流れをつくり出していくことがねらいであります。  続きまして、区が実施する公共事業は、区民生活に密着しており、区民の安全を守り、生活を豊かにし、快適性を向上させることを目的としております。また、まちづくりは、区民の皆様と長い時間をかけた協働のもとに進められる事業であり、一度、その芽を断ち切ってしまうと、再び芽生えさせるまでに多大な時間と経費、労力がかかります。  したがいまして、たとえすぐに形として成果が見えない事業でも、継続していく必要があると考えております。そこで、厳しい財政的制限の中で、持続し、継続していく必要のあるまちづくりや公共事業を安定的に行うための新たな仕組みをつくっていくこととしたわけでございます。  そのために、第1に、財源の大枠を設定し、その枠の中で、施設の改築や改修など、どうしても実施する必要のある事業の財源を確保した上で、新たなまちづくりや公共事業などに財源を配分するシステムを構築してまいります。第2に、まちづくり事業を、これまでの実施計画より長いスパンで調整、管理していくことといたします。第3に、事業を、事業量や実施時期などによって分類し、調整管理してまいります。こうした調整管理システムを創設することにより、投資的経費に充当する財源を確保していきたいと考えております。  続いて、投資的経費をコントロールできず、著しくバランスを欠いた行財政運営ではないかとのご指摘ですが、財政健全化計画を策定した中で、推進すべき事業、調整すべき事業、見直すべき事業等を分類、調整を行うことにより、計画的に事業展開を図ってきました。13年度決算の赤字脱却は、こうした全区挙げての努力の結果であると考えます。  次に、区民のためになる構造改革戦略として策定し直したらどうかとのご質問ですが、今回の構造改革戦略は、区の組織、制度を改革し、それに行政評価制度を連動させ、成果主義の観点に立って区民の満足度を高めようとするもので、まさに区民のための構造改革だと考えております。 ◎佃朝明 区民部長  介護保険制度についてお答えいたします。  高すぎる保険料、利用料の負担から、介護サービスの利用抑制が行われているとのご指摘でございますが、介護保険制度において、支給基準限度額の上限までサービスを利用することを前提としているわけではございません。  なお、サービスの利用は、今後、制度の定着化が進むことによって増加するものと予想しております。  また、保険給付費が当初見込みを下回った主な原因は、要介護認定者の数が推定より少なかったこと、療養型病床群への転換が少なかったことにあります。  介護保険制度は、社会保険方式を採用しておりますが、被保険者の保険料が過大にならないように、介護給付費等に連動して公費が支出されております。予算執行上、繰出金に余剰が生じた場合は、予算原則に基づいて一般会計に繰り戻しております。今後も、厚生労働省の全額免除はしない、収入だけに着目した一律減免は適当ではない、一般財源から補てんはしないという三原則を区としても堅持してまいります。  次に、基金の活用でございますが、介護保険制度は国民の共同連帯の理念により社会全体でともに支え合う制度でございます。介護保険料につきましては、所得の状況によりまして5段階の設定が行われております。また、境界層該当認定を行うことにより保険料を軽減するなど、低所得者の負担能力を勘案したものとなっております。  介護保険財政は、3年間の中期的財政運営期間で給付費、保険料収入を推計しております。現在策定中の第2期介護保険事業計画においては、要介護者の増加や在宅サービスの充実等が見込まれ、それらを踏まえて保険料を算定することとなります。  給付準備基金積立金は、保険料上昇の抑止力となるものであります。介護保険財政を持続的かつ安定的に維持するために、給付準備基金積立金を活用してまいります。したがいまして、ご提案の趣旨については、現在のところ、実施する予定はございません。 ◆村田晃一 議員  2点にわたって再質問をさせていただきます。1点は構造改革、2点目は介護保険についてであります。  全体として、構造改革につきましては、制度の解説を改めて聞いたという感じで、私の質問に答えた的確なものになっていません。  その中で、特に1点、どうしてもお聞きしたいことがございます。それは、私は、鈴木区政の開発優先行財政運営体質こそ、足立区の最大の構造的な問題点であることを論証いたしました。この論証は、鈴木区政の実際の3年間の行財政運営の総括に基づいたものです。赤字論、財政再建団体への転落の危機論まで使って実行した財政健全化計画は、区民施策の全面的な切り下げと投資的経費の急増という結果になった。それも、年間の補正予算財源のほとんどが開発経費に使われるという著しい開発偏重主義だ。そして、3点目は、古性区政の失政を反省せず、みずから同じ体質を引き継いでいる。この体質が改善されなければ、足立区の構造改革はできないのではないかとお伺いしたのです。  自己進化する自治体などと言っていますけれども、自己進化の前に、開発優先のみずからの体質の変革が必要で、この体質を温存して自己進化したら、足立区の構造的な問題点が構造改革を進めることになり、区役所も区民生活も大変なことになってしまうという角度でお尋ねをいたしました。みずからの体質が開発優先でないと言うならば、私が論証した3点との関係できちんと答弁をいただきたいと思います。  2点目は介護保険でございますが、我が党の介護保険の緊急の改善を図るための具体的な提案はやらないという答弁でした。ただ、私は、減免制度が必要なのは利用抑制という大きな問題があることを再三指摘して伺っているわけです。したがって、鈴木区政が利用抑制をどうとらえてやらないと言っているのか、利用抑制についての見解がないのです。この点をお尋ねします。  利用抑制という事態は、私は、制度の趣旨からいってもあってはならないことで、直ちに改善すべきだと主張いたしました。利用抑制が広範に常態化していることを、区民の声からも、介護保険特別会計が余って基金が累積している実態からも論証をしました。  介護保険特別会計の中長期的な安定と言うけれども、現行の介護保険特別会計が安定しているなどというおめでたい評価でいいのかどうか。私はそうではないと思います。明らかに縮小均衡です。利用抑制が働いているために余っているのです。この財政を中長期に続けていくことは、それ自体問題なのです。制度の根本に問題があるわけで、財政の均衡論とか、厚生労働省の三原則をおっしゃいましたが、自治体に対する義務でも何でもないのです。強制力はないのです。それに座って、あたかも厚生労働省がやっていけないようなことを言って、介護保険の減免をやらないということはいかがなものかと思います。  利用抑制について端的に伺います。どちらか2点です。利用抑制は生じていないので、改善は必要ないという立場でしょうか。それとも、利用抑制はあるけれども、改善はしないという立場か。いずれの立場なのか、ご答弁をいただきたいと思います。 ◎坂田道夫 政策経営部長  私からは、第1点のご質問にお答え申し上げます。  まず最初に、開発優先について論証されたということでございますが、私は、先ほどから一生懸命になって聞いたのですが、どこが論証されているのか、全くわかりません。  まず、前々から申し上げているように、我々がまちづくり、投資的経費のどこへ向かっているのかというお話を何回もしているのですが、足立区政は、例えば自然を破壊するようなダムをつくったことは一度もないし、スーパー林道をつくったこともない。私どもの投資的経費の大部分は、学校や特養に充てられているので、この辺の中身をはっきり言っておかなければいけない。国の問題と我々の問題は全然違うのだというお話を何回も繰り返しております。  第2点目でありますが、例えば今年度の予算を見ても、学校の改築や特養に向かう投資的経費は160数億円しか組めない。片一方では、生活保護に300億円を組んでいるという予算の構造になっているお話をかなりしました。  3点目、13年度予算に開発経費が入っていると言われているのですが、何度もご説明をしたとおり、何か新しい開発投資をやっているのではなくて、財源対策上、公社が持っている土地を買い戻したというご説明を何回もやっているわけで、ぜひ村田晃一議員さんにおかれましては何回も繰り返している説明の上に立ってご質問をしていただきたいと思います。 ◎佃朝明 区民部長  先ほどもご答弁いたしましたとおり、利用抑制をしているとは考えておりません。今後とも、制度の定着化につきまして、制度の趣旨を図ることによりまして、サービスの充実に努めてまいりたいと考えております。 ○鈴木進 議長  この際、議事の都合により暫時休憩いたします。
          午後1時50分休憩       午後2時15分再開 ○鈴木進 議長  休憩前に引き続き会議を開きます。  14番鈴木あきら議員。      〔鈴木あきら議員登壇〕 ◆鈴木あきら 議員  私は、足立区議会民主党を代表して、通告した順序に従い、質問をさせていただきます。  まず初めに、公会計について伺います。  平成12年に地方分権一括法が施行され、やっと地方分権の目指す方向が定まってきたと思います。そして、総務省から、平成12年3月にバランスシート、13年3月には行政コスト計算書の作成指針が公表され、自治体経営のあり方、公会計制度の改革がやっと本格化してまいりました。  そこで、以下の質問をいたします。  (1)公会計改革の先進自治体、千代田区をはじめ、藤沢市など8自治体では、バランスシート、行政コスト計算書の決算公告を新聞に掲載しています。また、岩手県では、出資する財団や公社などを含めた連結バランスシートまで作成しました。  私たち会派は何度も取り上げているのですが、足立区の取り組みが遅いのです。原因はどこにあるのでしょうか。また、今後の予定はいかがでしょうか。  (2)子どもたちにも理解できる簡略化版を作成すべきと思いますが、いかがでしょうか。  葛飾区では、ことし3月、区の広報紙でわかりやすく区民一人当たりの資産、負債を前年対比で掲載していました。今後、足立区では、行政コストまで公表し、さらに区民の世論調査から健康状態に関する足立100人村を公表したように、財政分野でも足立区が100人の村だったらに例えた表示方法など、わかりやすいものを作成すべきと思いますが、いかがでしょうか。  次に、環境目的税について伺います。  (1)杉並区では、レジ袋税条例が成立し、区民も一定の理解を示し始め、大手スーパー9社は今月からレジ袋削減運動を本格的に始めました。努力目標の条例では、全員の賛同は得られるかもしれませんが、アピールで終わってしまうケースが多く、やはり具体的な条例にしたほうが目標に進む時間の早いことが立証されたのではないでしょうか。  すぐに税金を徴収するのではなく、あくまで施行日を削減の様子を見た上でとする今回の杉並区のレジ袋税条例ですが、当区としてはどのように評価いたしますか。また、当区では、同様の条例制定の準備はあるのでしょうか。  (2)私たちは、環境問題の改善の一つとして、従来から自動販売機税条例の導入を提唱しています。環境先進区を目指すもので、税収拡大を目指すものではないことは以前説明したとおりであります。杉並区のレジ袋税条例と同様に、自販機の削減の様子を見た上で施行日を決定する形で導入はできないでしょうか。  次に、昨日、自民・公明から質問がありましたが、私も生活創造特区構想についてお伺いします。  経済産業省からの打診があったとはいえ、難解で、そして道のり険しい特区構想に、今回チャレンジされた区の積極的な姿勢に対して高い評価をするものであります。この特区ですが、先日も、大阪府、大阪市、関西経済連合会、大阪商工会議所が経済特区構想を共同提案し、横浜の中田 宏市長が環境特区構想を表明と、最近の新聞に特区の文字が載らない日はないようです。  そこで、以下について質問をいたします。  (1)今回、生活創造特区構想を打ち出した最大の理由は何でしょうか。  (2)実現した沖縄の金融・情報通信特区をはじめ、いままで出されてきた都市再生特区、ビジネス特区、IT特区、医療特区、自由教育特区、雇用訓練特区、環境特区、先端農業特区の例示は、すべてすぐに何を目指そうとしているのか、理解できるものでありました。しかし、今回、足立区が出された生活創造特区構想という名称ですが、生活を広辞苑で調べると、生存して活動すること、世の中で暮らしていくこととあり、既にみんなそれぞれが生活しており、暮らしているのであって、生活をつくり出すとの表現は非常にわかりにくいのであります。  生活創造とは、新しい生活様式をつくり出していこうという意味でよいのでしょうか。今回出された中身を読むと、生活様式創造特区、生活向上特区、生活改善特区と、私としては判断できる。名称について、現在は(仮称)生活創造でもよいと思いますが、これからほかの意見を聞き、決定することにできないでしょうか。  (3)単一産業集積型特区を目指さないのはよくわかりますが、さきに例示したほとんどに当てはめるという、とても欲張ったものになっています。大きく分けて、(1)人材、福祉、教育、流通、環境の5部門の生活にかかわるものに、それぞれ雇用を交えた生活創造特区に、(2)千住地区中心の都市再生特区と(3)医療特区とITビジュアル特区の2つを目指した市場創造特区を加えたものであると思います。余りに広い分野にわたると、他地域に対する説得性も弱く、理念とパワーにも欠けてしまうマイナス面があると思いますが、いかがでしょうか。  (4)大規模な規制改革は余りなさそうですが、逆に細かい規制が数多く多面的にあると思います。特区にはなじまないのではないかと不安が残るのですが、いかがでしょうか。  (5)税制優遇措置を受けられそうなものは、主にどのようなものでしょうか。  (6)既存業界との関係で、一番緊密な話し合いと連携をしていかなくてはならないのが、やはり医療ではないかと思います。最も規制改革が難しい分野と思われるが、どのように合意を求めていくのでしょうか。  次に、区の職員のあり方についてお伺いします。  (1)杉並区では、4月から、質の高い区民サービスを実現させるために「めざせ五つ星の区役所」という運動を始め、真心あふれるサービスを提供します、プロ意識を持って仕事をします、時代の変化にチャレンジします、区民の皆様とともに考え行動します、お預かりした税金は大切に使います。という宣言のポスターが、区役所や小・中学校まで張られていました。また、胸の名札も、縦1センチ、横4.5センチの小さいものから、顔写真の入った名刺大になりました。  また、墨田区でも、民間にもどこにも負けない一流のサービスの提供を目指した接遇改善運動「マナーアップ2002」が5月20日から始まりました。庁舎内はもちろん、保育園、児童館なども含めての運動です。  足立区も、旧二本松藩「戒石銘」碑(原典、孟昶の作)「なんじの俸、なんじの禄は……」がありますが、理解できない区職員も多いのではないでしょうか。時代の変化とともに、小学生にもわかるようなものを区長に示してもらい、区職員のスローガンにしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。  また、名札も、大きい方がお年寄りにもわかりやすいと思いますが、いかがでしょうか。  (2)道路交通法等の改正により、6月1日より飲酒運転の罰則が厳しくなりました。もちろん、飲酒運転で事故を起こすような足立区の職員はいないと思いますが、万一あった場合は、千葉県同様、懲戒免職処分にするぐらいやむを得ないと思うが、いかがでしょうか。  (3)歩きたばこの危険性が以前から問題とされています。ポイ捨てにつながるだけでなく、子どもの顔の高さであったり、ほかの人の手や服、荷物につけてしまうおそれがあることは言うまでもありません。国会でも、超党派で歩きたばこを禁止する法律案が準備されていたり、千代田区でも指定地域内の歩行たばこに罰則を設ける条例案が提出されたりと、やっと我が国も文化的な社会になってきました。  そこで、当区の職員の歩きたばこは、通勤中や休日もしないよう徹底しているか、お伺いします。  次に、災害対策について伺います。  (1)災害時の協定について、きのうのたきがみ 明議員の質問と同趣旨でありますが、獣医師会、コンビニ、スーパーマーケット、ファミリーレストラン、オートバイ運送業者などにも働きかけをしたほうがよいと思うが、いかがでしょうか。  また、足立区は、川に囲まれており、水上物資輸送や被災者の一時滞在にトイレなどの設備も充実し、水深の浅い川でも運行できる屋形船の応援をしてもらえるよう働きかけたらいかがでしょうか。  (2)民間の災害情報配信会社との連携は考えていないのでしょうか。区内の災害情報提供を拡充できるだけでなく、情報をリアルタイムで受信することにより復旧活動にも生かせると思うが、いかがでしょうか。  (3)毛布、カーペットの避難所備蓄計画がおくれている感があります。15年度までに、まだ20数校分も残っているとのことですが、すべて計画どおりに完了するのでしょうか。  次に、住民基本台帳事務についてお伺いします。  (1)住民基本台帳ネットワークシステムの8月5日の実施前に、現行の93件の事務に限定されている利用範囲を3倍近い264件となる異例の大幅拡大をし、6月7日には閣議決定をしてしまいました。公明党が慎重姿勢を示したおかげで、何とか今国会では見送られると思われるものの、やはりこのままではなし崩し的に拡大されてしまうことに間違いありません。防衛庁のリスト漏えい問題も、決して無関係とは言えません。  私たち民主党は、個人情報保護法の整備が前提とされてきたこの住基ネットの8月施行を凍結する法案を今国会に提出する方針を固めました。杉並区長は凍結を、国分寺市長は昨日延期要望を国に提出と、自治体の首長も自分の姿勢を明らかにしています。  区長は、拡大されることについてどのような見解を持っているか、お示しください。また、住基ネットに対し、メリット、デメリット、どちらが大きいと考えるか、お答えください。 (2)区民のプライバシー保護の観点から、個人情報漏えい防止条例の制定の可否について、区長はどのように考えますか。 (3)住民基本台帳には、住所、氏名(ふりがなつき)、生年月日、性別の4項目が記載されていますが、現在は原則だれでも区内のすべての人の分を30分、1,000円で自由に閲覧ができることになっています。ダイレクトメールが大量に送られてくる情報源のほとんどは、この閲覧制度によるものであります。そして、大量閲覧のほとんどが業者と思われますが、区は個人情報の公開を望んでいない区民の側に立つのではなく、業者の手伝いをしているとの批判の声に対してはどのように答えますか。  (4)閲覧業者もさまざまで、一般商品の宣伝目的から、疑問視される商品やいかがわしいサービスの勧誘目的まであると思われます。高齢者世帯、独居老人世帯も簡単に確認でき、問題になっているシロアリ防止、ネズミ防止、健康器具、消火器などの不正販売業者の被害のもとの大半が結果的に区役所になってしまっています。事実上、目的のいかんにかかわらず、閲覧可能と思われますが、手続上では不当目的の規制はかけられないでしょうか。  (5)閲覧手数料の改定がありましたが、前回程度の値上げでは抑止力にはほとんどなっていないと思います。再値上げの考えはありませんか。  (6)一方、町会、自治会などでは、家族構成や年齢を確認して、災害対策用の資料づくりのために閲覧する場合があると聞きます。手数料の値上げが響いており、疑問業者とは使い道が違うのに割り切れない気持ちだとの意見がありました。災害対策のような目的の場合には、手続上の問題を整理すれば、手数料の軽減策はとれないでしょうか。  (7)住民票の郵送による第三者請求についてですが、年間約11万件、1日平均400件あり、そのうち、90%以上が高金利金融業者などの債権業者であるのが実態です。そして、この郵送業務に、役所は多大の人件費がかかっています。親族や弁護士などが本人にかわって請求するケースなどと違い、特に高金利金融業者などの大量請求は膨大な事務コストから考えても手数料が安過ぎるのではないでしょうか。本人の意思以外の発行手数料の大幅値上げを検討すべきと思いますが、いかがでしょうか。  次に、休日診療、障害児歯科診療について伺います。  (1)新築される竹の塚保健総合センター内の診療所で、新規事業として平日夜間診療の事業を展開できないでしょうか。  葛飾区では、医師会自主運営で、月曜から金曜の夜間7時30分から9時45分まで毎日行っています。足立区でも、本来は医師会の自主運営が望ましいのですが、差し当たっての財源は、竹の塚保健総合センターから距離約3キロ強の江北保健総合センター内で行っている休日診療で、6月9日は直接見てきましたが、6人でした。これを竹の塚保健総合センター内診療所に統合して、節約した予算を充てることを提言しますが、いかがでしょうか。  (2)昨年の6月本会議では、竹の塚休日診療医科分を中央本町新医師会館へ、竹の塚休日診療歯科分を千住歯科医師会館へと提案しましたが、区としては考えはなしとの回答でありました。  したがって、今回は、障害児歯科診療を新築される竹の塚保健総合センター内休日歯科診療所で併用することを提案しますが、いかがでしょうか。併用できた場合は、歯科医師会館の賃借料などの経費が削減できると思いますが、年間で諸経費込みでどの程度の削減が見込めるでしょうか。  (3)区内の内科、小児科等、民間医院、診療所で日曜日に診療しているのは、午前中のみが多いのですが、22件、歯科医院では午後も診療しているところが多く、区内で26件あります。また、既に、障害児歯科診療も健常者と区別なく診療している歯科医院もあります。本来、この2つの事業は、誘導政策の意味合いが強く、品川、世田谷などでは、区の事業ではなく、医師会の事業として行っており、先ほどの生活創造特区を言うのであれば、この医療の安心こそ、真っ先にしてもらいたいものであります。  委託事業から補助金制度への移行、さらには自主運営へと大幅な見直しをすべきものと思いますが、いかがでしょうか。  最後に、教育行政についてお伺いします。  小泉首相が演説に引用した米百俵は、小泉さん自身、大きな勘違いをしているようで、国民に我慢をするよう強調していますが、訴えるべきことは我慢をしてでも子どもの未来、人づくりを大切にするという精神であります。皆さんもご承知のとおり、戊辰戦争で焼け野原になったときに、長岡藩の小林虎三郎氏が、見舞いでもらった米百俵を藩士に配分せずに売却し、学校の資金として人材育成に注いだもので、教育の重要性を強く訴えたものであります。  また、小泉さんは、見舞いの米は配れないから、数日分の食料をやりくりしてくれという我慢と、新たな負担増を求めたり、仕事を奪ってしまうという我慢の違いも理解しておらず、さらには、こんなに悪くした失政の責任も追求せずに、真っ先に国民に我慢の押しつけをしています。こんな国のやり方とは違い、足立区は正しい米百俵の解釈をして、教育の充実に全力を尽くすことを強く訴えます。  そこで、以下の質問をいたします。  (1)IT教育についてであります。  インターネット先進区を目指す構想はありませんか。  パソコン機器の整備も重要でありますが、特色ある学校づくりには教材ソフトの充実も欠かせません。予算を拡大できないでしょうか。  学校での調べ学習や生涯学習への活用に、アニメや音声、写真、そしてクイズやゲームを多用し、足立のふるさと学習コンテンツとして教材用のホームページの作成を提言しますが、いかがでしょうか。  (2)学校選択制導入初年度の評価と選択理由の分析はできたでしょうか。まだ時間がかかるようであれば、いつごろ公表してもらえるのでしょうか。  (3)開かれた学校づくりについて伺います。  協議会の構成は、保護者の比率をもっと高めたほうがよいと思いますが、いかがでしょうか。  子どもサポーター(地区青少年ネットワーク)支援条例の制定を提言しますが、いかがでしょうか。  子どもたちの4割が危険な目に遭っていることが、千葉大中村教授の首都圏1万5,000人の調査でわかりました。そして、死角の多い公園や特定の場所に集中していることも判明しました。交通事故の危険性のあるところも、ある程度特定できます。  そこで、PTAや地域協力者らが、学校を通じて、交通危険箇所や犯罪危険箇所の実態調査、地図づくりを行えるよう支援できないでしょうか。また、該当箇所が公園や区道であれば、樹木の移動、街灯の新設など、改善策をすぐにすべきと思いますが、いかがでしょうか。  (4)新しいタイプの学校運営について伺います。  文部科学省から、新しいタイプの学校運営のあり方に関する実践研究校に、五反野小学校を含めた全国小・中学校7件が指定されました。学校運営に地域住民や保護者が参加するコミュニティスクールの導入に向けてとのことですが、既に足立区が行っている新世紀学校プラン事業、特別講師派遣制度、開かれた学校づくりと大きくどこが違うのでしょうか。また、主に何を目指すのでしょうか。  今回の文部科学省からのモデルは、校長のリーダーシップの拡大が大きなテーマの1つになっています。学校選択制が導入され、特色ある学校づくり、そして地域から愛される学校にするためにも、校長の裁量権の拡大は必要であり、ビジョンある校長らに大いに期待するものであります。保護者を中心とした地域協議会の意見も参考に、校長の在校期間は3、4年にこだわらず、短期から長期の幅があってもよいと思いますが、いかがでしょうか。  教職員の人事権も都教委から区教委へ任せることはもちろんですが、さらに校長の意向を尊重した教職員の配置へと移行していくことが新しいタイプの学校運営のあり方になると思いますが、いかがでしょうか。  学校選択制が始まり、特色ある学校づくりを目指せば、当然、校長としても能力ある教職員を自分の学校に呼びたいと思うのは自然ではないでしょうか。  (5)家庭教育について伺います。  PTAを中心とした家庭教育学級は毎年行われていますが、特に家庭教育における父親不在が指摘されています。また、母親の参加率も伸びていないようです。  そこで、区内の企業向けに講師の派遣などの支援をし、社員教育の一つとして、子育て研修会の開催などを用意してはいかがでしょうか。企業としても、家庭の円満が職場の安定、企業の発展につながり、受け入れに協力できるものと思われます。あだち学び応援隊とも連携できると思いますが、いかがでしょうか。  以上で、質問を終わります。 ○鈴木進 議長  鈴木恒年区長。       〔鈴木恒年区長登壇〕 ◎鈴木恒年 区長  鈴木あきら議員の代表質問にお答えいたします。  環境目的税につきましては、杉並区のレジ袋税に見られますように、条例の施行を区民の環境意識や行動力の成否にゆだねるなど、方法論としての工夫があると感じますが、評価につきましてはいましばらく推移を見る必要があるのではないかと考えております。  環境目的を達成するとはいえ、新たな税を条例化するには、商業者を含めた区民の幅広い議論と同意が必要であります。環境施策を進める観点から、政策税のご提言をいただいた趣旨は十分理解するところでありますが、現時点での新たな税の創設につきましては慎重な判断が必要であると考えております。  他のご質問につきましては、所管の部長より答弁をいたさせます。 ◎坂田道夫 政策経営部長  鈴木あきら議員の代表質問にお答え申し上げます。  まず、バランスシートにつきましては、区民の皆様に区の財政状況をお知らせする手法の一つとして、総務省方式により、平成11年度から作成しており、平成12年10月、「足立区の財政事情を考える」で初めてご紹介したところでございます。  行政コスト計算書につきましても、標準方式が定まらないことからおくれていたところでございますが、現在作成中であります。こうした情報につきましては、適宜、広報やホームページに掲載していく所存でございます。  また、財政状況の公表に当たりましては、今後も図解やグラフにより理解しやすいものを工夫してまいります。  続いて、生活創造特区構想を打ち出した理由についてお答え申し上げます。  本年3月に発表した構造改革戦略(素案)の中では、どちらかというと、区政、財政の構造改革を重点とした内部改革的内容が濃くなっており、社会の構造改革につきましては既存の規制の枠内での対応策を明示してまいりました。こうした折、去る4月15日に、経済産業省から特区の打診を受け、構造改革戦略の中の社会の構造改革を着実に進める手法として評価し、急遽、生活創造特区構想(検討素材)を作成することといたしました。  次に、生活創造という名称に関するご質問にお答え申し上げます。  生活創造の意味につきましては、規制緩和を行うことにより、現在の区民生活を向上させることや新たな形態に変化していくことをイメージしてつけたものであります。  また、生活創造という名称につきましては、決定されたものではありません。現在は仮称であり、今後の議論を踏まえて検討してまいります。  続いて、生活創造特区構想が広範囲であり、マイナス面があるのではとの質問にお答え申し上げます。  鈴木あきら議員がご指摘のとおり、この構想は、区民生活全般にわたる生活創造特区、千住地域に限定した都市再生特区、医療とITビジュアルから成る市場創造特区の三つの特区で構成され、非常に広範囲な内容となっております。このうち、中心となる生活創造特区は、さらに生活関連分野で細分化しており、区民生活に密着し、実感できる改革、見える改革という視点を重視しております。  過日の内閣府とのヒアリングでは好感触を得ており、説得性や理念の面からは問題がないものと考えております。推進するパワーの問題につきましては、区長のリーダーシップのもと、今後、全庁を挙げて取り組む所存であります。  次に、特区になじまないのではとの質問にお答えします。  生活創造特区の内容は、細かい多数の規制緩和となっておりますが、乗り越えるためには小さなハードルであると考えております。内閣府の担当者からは、非常に興味深いというコメントをいただいておりますので、特区になじむものと理解しております。
     続いて、税制優遇措置につきましては、生活創造特区では特に想定しておりませんが、都市再生特区、医療特区、ITビジュアル特区の中で、企業の誘致等に絡んで受けられるものと想定しております。  続いて、医療分野での既存業界との関連につきましては、鈴木あきら議員がご指摘のように、密接な連携が必要であると考えております。医療特区構想は、地元医師会等の合意が前提であり、合意がなければ事業化が困難と考えております。国における検討作業に合わせ、今後、足立区医師会をはじめとする医療関連団体と密接な話し合いや連携を深め、進めてまいりたいと考えております。 ◎角田公 総務部長  私からは、区の職員のあり方についてお答え申し上げます。  鈴木区政になりましてから、区民の声担当やフロアーマネージャーの設置など、サービスアップに努めてまいりました。また、平成12年には、サービスアップ推進会議を設けまして、区の全施設を対象としたサービス改善に取り組んでおります。この会議の中で、北千住サービスセンターの取扱時間の延長やコンビニエンスストアの活用も検討してまいりました。  それから、ご提案やご指摘のようなことにつきましても、サービスアップ推進会議の中で十分検討をしてまいりたいと考えております。  また、飲酒運転の事故につきましても、厳正な処分で臨んでおります。  職員の歩きたばこにつきましては、十分徹底しているものと考えてございますが、さらに徹底してまいりたいと考えております。  次に、災害時の協定についてのご質問でございますが、災害時の相互支援を含めた協定につきましては、現在、59団体と30協定を結んでいるところであります。ご指摘のようなさまざまな団体、企業など、ご理解をいただきながら進めてまいりたいと思っています。なお、福祉団体、獣医師会とは協議中でございます。  船の活用については、橋梁の被害時に渡河、川を渡る手段としての利用も含めて検討してまいりたいと考えております。  災害情報の収集伝達でございますが、荒川下流工事事務所を基点とした光ケーブルによるネットワークが構築されております。これに、ケーブルテレビや各機関のホームページとのリンクが行えます。的確な情報は災害活動のかなめでもあり、今後も充実してまいりたいと思います。  計画備蓄につきましては、14年度末までに111校の整備を予定しております。15年度に最終15校を計画し、教室の状況によりましては防災プレハブの導入なども視野に入れて、早期の完了を目指しております。 ◎加賀美照男 地域振興部長  住民基本台帳事務についてお答えいたします。  住民基本台帳ネットワークシステムの利用範囲につきましては、新聞報道によれば、当初の93事務から、さらに100以上もの事務の追加が検討されていると伝えられております。利用される事務が拡大すれば、区民が住民票の提出をしなくても手続がとれることから、区民サービスの向上につながり、この面においてはメリットが大きいと考えております。  次に、個人情報漏えい防止条例の制定についてでございますが、住民基本台帳ネットワークシステムは、住民の大切な個人情報を取り扱うことから、個人情報の保護が最も重要な課題であると認識しております。区といたしましては、足立区個人情報保護条例の趣旨を生かして対応してまいります。  次に、(3)から(5)の住民基本台帳の閲覧関係につきまして、一括してお答えします。  住民基本台帳の閲覧につきましては、公開が原則となっております。しかしながら、大量閲覧のあり方につきましては、ご指摘のような批判があることも承知しておりますので、手数料の考え方を含めて今後検討してまいります。  次に、町会、自治会等の区民福祉の向上のために行う閲覧に手数料の減額等ができないかとのお尋ねでございますが、閲覧目的により減額等を実施していくことは可能であると考えております。したがいまして、今後検討してまいります。  次に、住民票の第三者請求には、金融業者以外に、弁護士、司法書士が職務上請求する場合も少なくありません。第三者請求の手数料を値上げいたしますと、少なからず区民負担にはね返るおそれもあります。事務手数料につきましては、国または地方自治体が特定の人のためにする行為の費用弁済として徴収するものであります。したがいまして、請求者によって差をつけることの妥当性を含めて今後検討してまいります。 ◎西條直樹 衛生部長  休日診療、障害児歯科診療についてお答えいたします。  ご案内のとおり、休日診療事業につきましては、現在、4カ所で実施しているところでございます。お尋ねの新築される竹の塚保健総合センターでの平日夜間診療事業の開設及び江北休日応急診療所と竹の塚休日応急診療所を統合して経費を充てたらどうかというご提言でございますが、これには多くの医師などのスタッフの確保や、概算ではありますが、江北休日応急診療所の約3倍程度の運営経費が増加するなどの課題を解決する必要があると考えております。  次に、障害児歯科診療についてのお尋ねですが、平成14年度の障害児歯科診療事業に係る歯科医師会口腔保健センターの診療室賃借料等に要する費用は年間583万円となっております。  現在、障害児歯科診療は、週2日、木曜・土曜日の昼間に、歯科医師会口腔保健センターにて実施しており、これを新竹の塚保健総合センター内の休日歯科診療所で併用してはどうかとのご提案でございますが、休日歯科診療所の施設を平日の昼間に利用するには構造設備や診療時間等の課題があると認識しております。  最後に、休日診療事業は、東京都との役割分担の中で、入院を必要としない急病患者に対する初期救急医療として区が実施すべき事業であると考えております。また、障害児歯科診療事業につきましては、今後は東京都の障害児歯科対策の動向及びかかりつけ歯科医療連携事業の進捗状況を見ながら検討してまいりたいと存じます。 ◎青井千尋 教育長  新しいタイプの学校運営実践校は何を目指すのかという点につきまして、お答えを申し上げます。  新しいタイプの学校づくりの考え方は、平成12年に示されました教育改革国民会議の17の提言の一つとしてコミュニティスクールの設置を促進するというものがございます。コミュニティスクールの最終的な姿といたしましては、区が校長を募集し、民間人を含めて学校理事会を設置して、学校運営方針あるいはカリキュラム決定を行う。さらに、校長は、マネージメントチームを任命しまして、教員採用権を持って学校運営を行うというものでございます。  五反野小学校における研究実践では、その前段階として、教員人事や予算面における校長の裁量権の拡充や柔軟なカリキュラム編成の試行などを手始めに、学校評価を発展させまして、学校経営に地域も参加させる学校経営会議の設置、あるいは、人事においては民間人の登用なども検討のテーマに入れてまいりたいと考えております。 ◎石川純二 教育改革推進担当部長  私からは、IT教育についてお答えをいたします。  インターネット先進区についてでございますが、本年4月に足立区電子自治体・地域情報化計画を策定し、区ホームページの充実をはじめ、公共施設に公衆端末機の設置などを含む、17にも及ぶ項目について事業計画を示してございます。  教育分野につきましては、本年度中に区内小・中学校全校がインターネットへの接続が可能となり、調べ学習などのインターネット活用など、児童生徒の情報活用能力の向上を目指しております。また、各校のホームページの作成については、研修等を実施し、促しているところでございます。IT教育の重要性については深く認識しているところでございまして、今後もインターネットの活用に取り組んでまいります。  教材ソフトについてでございますが、ご指摘のとおり、パソコンを利用して特色ある学校づくりを進め、多彩な授業など、充実した学校教育を展開していくには教材ソフトの充実が欠かせません。今年度より、新世紀学校プラン事業を立ち上げ、各学校がその特色に応じ、教材ソフトを購入できるようにいたしました。  教材用ホームページでございますが、ふるさと学習につきましては、その一つとして、小・中学校それぞれに副読本を作成し、学習しているところであります。昨年度は、その副読本をCD−ROM化するなど、パソコンで利用できるようにしております。今後、これらを利用するとともに、教育委員会、各学校においてホームページを立ち上げてまいりますので、その中で検討をしてまいります。  次に、開かれた学校づくりの構成員についてでございます。  大方の協議会では、協議会の委員として、保護者を代表する形でPTAの役員が入っているところでございます。その構成は、PTAの役員のみならず、顧問や歴代会長、学年委員長など、協議会によりさまざまでございます。ご指摘のとおり、保護者の意向をより反映させ得る協議会とするため、保護者の構成比が低い協議会については、これを高めるよう学校に理解を求めてまいります。  次に、新しいタイプの学校運営のうち、人事についてお答え申し上げます。  校長、教職員の人事でございますが、これからの学校には組織マネジメントの発想を取り入れた学校運営が大切であり、ご指摘のとおり、校長のリーダーシップの拡大、確立がますます重要になると認識しております。  今年度から、新世紀学校プラン事業において、学校予算にかかわる校長の裁量権を拡大する等の試みを行っているところでございます。  校長の異動につきまして、都区制度改革により、区に内申権が付与された結果、区の要望が相当かなえられるようになっておりますので、地域の実情や学校運営の進捗状況を校長異動や在職期間に反映できるよう努力してまいります。  教職員の人事でございますが、東京都という広域人事行政に加え、区内各校のバランスを図るという条件のもとに行っているのが現状でございます。現在の仕組みの中であっても、学校運営の状況に従って校長の意向が反映できるよう、教員の人材確保に努力してまいります。 ◎渋谷和雄 教育委員会事務局次長  学校選択制度に関する評価等につきまして、お答えをいたします。  学校選択制度に基づく初年度の入学の結果といたしまして、ほぼ100%、ご希望の学校に入学していただくことができました。この点で、子どもや保護者の意向を十分に反映できたと評価しております。  また、選択理由の分析につきましては、現在、アンケート調査票を集計中でありまして、7月上旬には公表できるものと考えております。  次に、子どもサポーター支援条例の制定についてでございます。  当区におきましては、町会、自治会を基盤とした子ども会が約370ほど結成され、連携組織として31の地区少年団体協議会がつくられております。各子ども会は、各種の健全育成団体や地域の方々のご協力をいただき、さまざまな活動を展開しております。  教育委員会といたしましては、子ども会活動の活性化を図るために、財政面や各種の研修会の開催等を通しまして支援しております。  ご提言につきましては、他都市での状況を調査し、子どもサポーター支援条例についての検討を進めてまいります。  次に、地域の子どもたちを交通事故や犯罪等から守るために、地域実態に精通したPTAや地域関係者の皆様の手によります実態調査や地図の果たす役割には非常に大きなものがあると認識しております。  昨年度から実施しております子どもたちの安全確保を主眼とする足立区小・中学校PTA連携事業の活用や地域の各種健全育成団体と協力して、実態調査や危険地図づくりに取り組むよう、PTA連合会を通して各PTAに働きかけてまいりたいと考えております。  なお、区道や公園内に危険箇所がありましたら、可能な限り早急に対応いたします。  次に、家庭教育の一環として、企業の社員教育の1つとしての子育て研修会に講師派遣の支援をしてはどうかという質問でございますけれども、教育委員会では、近々、家庭教育支援計画(第二次)を策定いたしまして、その中でさまざまな家庭教育への支援策を考えております。  ご提案の子育て研修会については、家庭教育学級や学び応援隊の講師派遣事業の活用を踏まえて、関係各部や関係団体との協議を進め、実施策について検討してまいります。 ○鈴木進 議長  次に、10番くじらい光治議員。      〔くじらい光治議員登壇〕 ◆くじらい光治 議員  私は、足立区議会自由民主党の所属議員として、さきの通告に従いまして順次質問をさせていただきます。区長をはじめ、執行機関の誠意ある答弁を期待いたします。  足立区では、いま、まちづくりとして2つの組合施行の再開発事業が進行しています。1つは、北千住駅西口再開発事業であり、もう1つは竹ノ塚駅西口南地区再開発事業であります。  北千住駅では、タワークレーンが動き出し、高架通路、いわゆるペデの基礎工事も開始され、3,000平米の駅前広場が5,700平米に広がるなど、工事が順調のようですが、竹ノ塚駅西口南地区再開発については、事業認可から2年が経過して、いまだ工事の槌音が聞こえてきません。竹ノ塚駅西口南地区再開発は、足立区北部の拠点づくりや都市基盤整備がおくれている西口周辺地区開発の起爆剤として、また、27階建て、高さ95メートルの高層ビルが建つということで、地元の住民は大いに期待しております。  これまで、再開発組合では、法定再開発事業としては理想的な権利者全員の同意を得るべく大変な努力をなされたとお聞きし、心から敬意を表するものであります。今般、権利変換計画が固まり、東京都に認可申請書を提出したと伺っております。再開発で最も重要な権利変換計画がまとまったことで、今後、この事業は大きく進んでいくものと期待しております。  そこで、再開発ビル竣工までの具体的なスケジュールについて、以下、伺います。  東京都の権利変換計画の認可はいつごろになるのか、伺います。  再開発ビル本体の着工時期はいつごろになるのか、伺います。  再開発ビル本体の竣工時期はいつごろになるのか、伺います。  私は、以前に、この本会議場でも質問させていただきましたが、現在の竹の塚保健総合センターが西口南地区再開発ビル2階に移転するとのことであります。現在の保健総合センターの位置は、都道補助261号線が完成した暁には文字どおり一等地となります。将来的に、この敷地の活用計画、具体的な施設建設計画についてどのようなお考えか、伺います。  また、保健総合センター移転後には、現在の建物の一部を西部工事事務所が利用すると伺っておりました。さらに、建物の残りの部分、約半分程度を地域の方々の集会施設として開放するということでありましたが、具体的な利用方法についてもお伺いいたします。  次に、私の住む竹の塚、伊興地区の住民の方々の一番の願いは、竹ノ塚駅南北の踏切をなくすことです。いまさら申し上げるまでもなく、東武伊勢崎線は北千住駅から梅島駅まで高架化が完了しております。しかしながら、西新井駅から竹ノ塚駅間については、環状七号線が線路をまたぎ、また、栗六陸橋も線路をまたいでおり、鉄道高架化がなされておりません。竹ノ塚駅北側の踏切の北に、都道261号線が計画ではオーバーパスで通ることになっていますが、このまま実現すれば、高架化は絶対に無理となってしまいます。  先日、千葉県の五香六実では、踏切をなくして道路をアンダーパスにしたところ、もとの踏切に戻してほしいとの署名運動が持ち上がっていると聞きます。高齢者や子どもたちが自転車に乗って勾配を上がれないため、おりて自転車を押すため不便のようです。また、トンネル内の排気ガス等が問題になっているようです。やはり、道路は平面でないと感じています。  将来の都市基盤整備には、高架でないと、竹ノ塚駅周辺のまちづくりは進みません。地元では、竹ノ塚駅の鉄道高架に関する要望を数多く聞きます。駅の南北にある二つの踏切は、東西の交通を遮断するばかりではなく、まちづくり全体に影響を及ぼし、結果として総合的なまちづくりがおくれ、商店街の活性化や人々が集まる魅力ある駅前拠点の形成を阻害しています。  そこで、地元住民の悲願であり、必要不可欠な鉄道の高架化について、以下、お伺いいたします。  昨年11月12日に、区長あてに、東武線竹ノ塚駅付近の鉄道高架化に関する要望書が、渕江町会自治区連合会及び伊興区民事務所管内町会自治会連絡協議会、花畑区民事務所管内、その他の住民5万3,929名の署名簿とともに提出されました。区は、この住民の方々の切なる要望をどのように受けとめ、どう解決を図ろうとしているのか、伺います。  昨年度、東京都及び東武鉄道のアドバイザー参加による竹ノ塚駅周辺地区道路・鉄道立体化検討会が発足しました。この会での検討内容はどのようなものなのか、また、今後も引き続き検討会を開催していくのか、伺います。  鉄道高架化の具体的な計画づくりはいつごろになるのか、伺います。  今年度予算に鉄道高架化の調査経費として1,000万円余が計上されていますが、どのような調査を行い、調査結果を実現に向けてどのように活用していくのか、伺います。  また、平成13年度に実施しました第30回足立区政に関する世論調査の今後特に力を入れてほしい施策において、交通対策は高齢者支援対策に次いで第2位であります。特に、区民事務所管理区域ごとのデータを見ますと、江北、鹿浜、舎人の各区民事務所管内では交通問題が第1位であります。これらのことからもわかるように、区北西部の住民は、鉄道新線の早期完成やバス路線の充実を強く待ち望んでいます。  そんな中、平成14年4月25日号「あだち広報」においてバス路線網の再編計画が発表されましたが、その中で、東武バス竹の塚車庫から補助100号線を通り、西新井駅西口に至る新たなバス路線についても公表されていますが、この路線の開業に向けての現在までの進捗状況について伺います。  次に、教育行政について伺います。  学校教育にとりまして、平成14年度は大きく変化する年です。一部では、明治教育改革、戦後の教育改革と並んで、第3の教育改革とも言われています。ことしの4月からは、新しい学習指導要領に基づいて教育が行われております。改革の第一は、まず生きる力のある子どもたちを育てることです。生きる力のある子とは、単なる知識の量ではなく、知識や技能を身につけ、活用する力、学ぶことへのやる気、意欲、自分で考え、判断し、自分を表現する力、問題を解決し、自分で道を切り開いていく力など、総合的な力を持った子どものことだと言われております。そのほかにも、改革の主な点を上げれば、完全学校週5日制、総合的な学習の時間、選択学習の拡大、絶対評価制度の導入、教育内容の厳選などがあります。 ところが、この改革に対して、マスコミを中心に、授業時間数や学習内容が減ったことで学力の低下が生じる、塾通いがふえないかなど、その効果に対する疑問が起きてきています。一体、文部科学省の考え方が正しいのか、マスコミの言い分が当たっているのか、私たち国民は判断に迷い、心配しているのが現状であります。学力低下問題は、既に10年前ぐらいから、大学生の数学学力の低下などが指摘され、分数計算のできない大学生などという話題を提供してきました。いじめ、不登校、学級崩壊、青少年犯罪の増加など、子どもたちが置かれている状況も依然として厳しいものがあります。  しかし、マスコミの報道や意見を見たり聞いたりして心配する前に、まず、児童生徒の保護者が、いま学校で何が起こっているのかを知ることが第一であります。学校が情報を十分に公開し、保護者も積極的に学校で起こっていることに関心を持ってかかわっていくことが大切であると思います。  最近では、食事を家ではつくらず、外食に頼り、しつけは学校で、勉強は塾でという風潮がかなり広まっております。これまで、家族での生活の中心となってきた食事やしつけが他人任せになり、保護者にとっては手軽で気楽な家庭生活がよいのだとされているのだとすれば、憂慮すべき問題であります。最近、子どものことに全く無関心で、面倒を見ないネグレクトと言われる児童虐待が目立ってきているのも大変気にかかります。  子どもの教育についても、多くのことを学校任せにして、いざトラブルがあると、その責任を追求するやり方は問題の解決にはならないのではないか。学校、家庭の双方が、子どもたちとしっかりと向き合い、彼らのために本当に必要なことは何かを真剣に考え、行動することがいま求められているのではないかと思います。  そして、学校と地域を包み込む地域社会が、子どもは地域が育てるという姿勢で家庭や学校を見守り、支援していく関係が重要であろうと思います。これは、足立区が、これまで取り組んできた開かれた学校づくりの考えの基本にあることではないでしょうか。  学力についても、もちろん学校が大きな役割を担うわけですが、家庭や地域もともに、この学力について考え、できることをやっていく必要があろうと思います。  子どもたちは、これから先行き不透明と言われる厳しい市場社会の中で、しっかりと自分の考えを持って生きていく力を持たねばなりません。先ほども触れましたが、今回の新学習指導要領が生きる力をその柱に据えたのも、日本の将来がこの教育改革の成果にかかっているからにほかなりません。私も、改革の行方に大きな関心を持っているところであります。  足立区では、こうした国の改革に先立ち、これを支援するための独自の教育改革、いわゆる舞台づくりを進めてきております。学校自由選択制の導入、開かれた学校づくり、教育環境の整備であります。国に先立ったこうした改革を大いに評価するものであります、と同時に、この舞台づくりを生かして、各学校での新しい教育がスムーズに進展することを期待するものであります。  そこで、国に先駆けてこうした改革を進めてきた足立区であればこそ、今度の国の改革に対する批判、特に保護者の学力低下に関する懸念、制度改革に対する不安にしっかりとこたえていく必要があるのではないかと考えます。  そこで、伺います。  足立区の改革案に対する考え及び国の改革に対する懸念、特に学力低下問題への対応について、教育長の考えを伺います。  次に、教育改革の舞台づくりの1つ、開かれた学校づくりについて伺います。  2年前にモデル校に協議会を設置することで始まった開かれた学校づくりでありますが、現在、どのように進んでいるのか、その進捗状況を伺います。  また、学校を開く、地域の学校化、地域参画と学校評価など、開かれた学校づくりの3つの柱について、これまで取り組みがどのようになされたか。それに対する教育委員会としての評価を伺います。  会議というのは、えてして形骸化し、形式に流れがちです。開かれた学校づくり協議会は、地域参画のかなめとして、学校評価や授業診断、学校支援の重責を担っており、形骸化、いわゆる形だけのものとならないよう運営されなければならないと考えます。協議会が、期待されている力を発揮できるようにするためには、幅広い層からの参画を、特に若い世代の参画を求めるべきだと思いますが、協議会メンバーはどのように選ばれ、その構成はどのようになっているのか、伺います。  授業診断、学校評価は、開かれた学校づくりの重要な柱です。今度制定された学校設置基準では、小・中学校、幼稚園が教育活動、その他学校運営の状況についてみずから点検及び評価し、その結果を公表するように規定してあります。我が区の取り組みは、協議会による外部評価を行う点で国に先行しております。しかし、こうした試みが実効をあげなければ何にもなりません。授業診断の実情、実効性をあげる工夫をお伺いします。  次に、部活動の支援についてお伺いします。  中学校の部活動については、新しい学習指導要領において、教育課程から外れたにもかかわらず、足立区の中学校のクラブ活動は、特に23区中でも盛んであり、都大会や全国大会などに出場して、足立区の中学校の活躍がマスコミ等で報道されています。そのために、他県からも、足立区の学校を希望してくる子どもも多いと聞いております。これも、指導に当たる先生、関係者の一方ならぬ努力のおかげと思っております。  部活動の今後のあり方については、検討委員会の報告をいただいておりますが、その中でも指摘されているとおり、生徒数の減少、指導者不足など、大きな課題を抱えているのが現状であります。部活動支援について、今後の取り組みを伺います。  最後に、学習指導要領の改訂に伴う学力評価方法の変更について伺います。  新しい学習指導要領では、児童生徒の学力評価の方法が変わりました。これまで、クラスの中の順位で評価する、いわゆる相対評価から、子どもたち一人ひとりが学習指導要領に示す目標や内容をどこまで達成してきているかを見る絶対評価になりました。  絶対評価は、子どもたち一人ひとりの学習状況がはっきりわかるという長所がありますが、他方で、学習の状況を客観的に評価する必要から、評価の基準をどのように設定すべきか、評価方法をどのようにすべきかなどが課題となってきます。そのためには、そもそも学力や基礎、基本といった事柄を区民や学校が共通理解することが必要であると思います。  教育委員会では、学力をどのようにとらえ、基礎、基本の学力低下を招かないために、具体的にどのような取り組みを進めているのか、伺います。  また、特に問題なのは、中学校における評価であります。新聞報道によれば、東京私立中学高等学校協会では、私立高校の推薦入試の選抜資料となる統一テストを新設し、来年度の入学試験から実施する方針を固めたそうであります。東京の私立高校の75%に当たる約170校が推薦入試を実施しており、その大半が新テストの成績を利用すると見られているとのことであります。  これまでの推薦入試では、主に面接と調査書の成績で合格か不合格かを決定していたとのことですが、相対評価から絶対評価に変わることによって、調査書の成績の信頼度が低下したというのがその理由のようであります。これは、各中学校の進路指導にとっては大変厳しい状況であります。絶対評価を基準とした学習や進学システムについて、教育委員会の考えを伺います。  以上で、私の質問を終わります。
    ○鈴木進 議長  鈴木恒年区長。       〔鈴木恒年区長登壇〕 ◎鈴木恒年 区長  くじらい光治議員の質問のうち、竹の塚の鉄道高架化に関するご質問にお答えいたします。  竹ノ塚駅東西地域の数多くの住民の方々から署名、要望をいただいたことに関しましては、鉄道高架化の早期実現に向けた地域住民の方々の切なる思いを痛感しているところであります。  区といたしましては、地域の方々の切なる思いを踏まえまして、さらに鉄道高架化に向けて必要な検討を精力的に進め、鉄道高架化の一日も早い実現に近づけたいという考えでおります。  他の質問につきましては、所管の部長より答弁をいたさせます。 ◎丸山亮 都市整備部長  初めに、竹ノ塚駅西口南地区の再開発についてお答え申し上げます。  まず、権利変換計画の認可につきましては、都市再開発法第110条全員同意型で進めていくということで、再開発組合は粘り強く交渉を進めまして、3月末に全員の同意を得ることができました。その後、東京都に権利変換計画書を提出いたしまして、6月6日に正式に認可されたところでございます。  次に、再開発ビル本体の着工時期につきましては、土地、建物の明け渡し、解体、除却工事を行いまして、本工事の着工といたしましては8月ごろを予定しております。なお、着工に当たっては、町会、自治会、商店街等への工事説明会を開催した上で行う予定でございます。  それから、再開発ビルの竣工時期につきましては、現在、工事期間を30カ月と見込んでおりますので、平成17年1月ごろを予定しているところでございます。  次に、昨年度の竹ノ塚駅周辺地域・道路鉄道立体化検討会に関するご質問にお答え申し上げます。  この検討会は、昨年7月に発足いたしまして、既に4回開催してまいりました。これまでの検討内容といたしましては、地区の現状と課題を把握し、踏切解消と道路、鉄道の立体化の必要性についての共通認識を得たところでございます。都からは、具体的に交通量の将来予測、立体交差方式の検討並びに市街地の将来構想など、今後の課題についてアドバイスを受けました。  区といたしましては、これらに必要な調査を行いまして、今後、引き続き東京都と鉄道事業者の関係職員の参加を得ながら、鉄道高架化を目指して引き続き検討会を継続してまいります。  次に、鉄道高架化の計画づくりについてのご質問でございますが、具体的な計画づくりにつきましては、鉄道施設の現状調査をはじめ、数々の技術的な検討が伴うことになりますので、作成に至るまでにはある程度の期間が必要かと思われます。早期実現に向けまして、東京都、鉄道事業者のアドバイスをいただきながら、できますれば来年度にはこの計画づくりに着手してまいりたいと考えております。  次に、今年度の調査内容はどんな内容かというご質問でございますが、主な調査内容といたしましては、地域の交通問題を客観的にとらえるための交通実態把握、並びに将来交通予測を行います。また、これらの調査と立体交差方式の比較検討を行います。道路立体化が抱える問題点の抽出や、鉄道高架化による立体化の合理性、優位性をそれぞれの客観的データを検証しながら比較するものでございます。  今年度の調査結果は、検討会での検討素材として、また、鉄道高架化実現のための基礎的資料といたしまして活用し、今後は区としての整備方針を定めてまいりたいと考えております。  次に、東武バスの竹の塚車庫から補助100号線を通りまして西新井駅西口に至る新たなバス路線のご質問にお答え申し上げます。  本路線は、現在、東武バスとともに、バス停留所設置について地元調整及び警視庁等の関係機関との協議を鋭意進めているところでございます。  今後は、平成14年10月の東武バスの分社化により、新たに設立される東武バスセントラルの本格稼働をもって国土交通省に路線認可を申請する予定でありまして、運行開始は平成14年度内を目指していると伺っておりますので、実現化に向けて鋭意努力をしてまいります。 ◎坂田道夫 政策経営部長  私からは、竹の塚保健総合センターの跡地の利用計画についてお答え申し上げます。  竹ノ塚駅西口周辺のまちづくりにおきましては、良好な都市型住宅の創出や公益施設、大規模小売店舗の設置による集客を活用して、周辺地域の商業を活性化することを目指しております。  竹の塚保健総合センターの跡地につきましては、竹ノ塚駅周辺市街地の総合的なまちづくり計画の中で、有効な活用を図ることが必要であると考えております。今後、議会や地元の皆様のご意見を伺いながら、跡地の利用計画を策定してまいります。  なお、現在の施設につきましては、2階部分は西部工事事務所等の事務所スペース、1階部分は集会所など、地元の皆様の意向を踏まえた暫定的な有効活用を考えてまいります。 ◎青井千尋 教育長  私からは、足立区の教育改革及び学力低下の懸念への対応につきましてお答えをいたします。  足立区の改革でありますけれども、教育改革の舞台づくりにつきましては、山登りに例えれば7合目ぐらいまで達したのではないかと考えております。学校自由選択制は、無事スタートを切れましたし、開かれた学校づくりもモデル実施から3年で全校に協議会を設置することができました。今回、五反野小学校が受けました国によるコミュニティスクール実践校の指定も、こうした努力が認められたものと受けとめております。これまで進めてまいりました学校、家庭、地域での教育力の向上に全力を傾けまして、子どもたちが充実した教育が受けられるよう、さらに第2段階の改革に取り組んでまいります。  次に、国の改革に対します保護者の懸念への対応についてでありますけれども、新学習指導要領に基づく教育はまだスタートしたばかりでございます。その成果をじっくり見定めて、評価を下すべきだと考えております。しかし、保護者の懸念や不安に対しましては、私どもがしっかりと受けとめ、こたえていく必要があると考えております。  学力向上につきましては、各学校に対しまして、基礎、基本の徹底や夏休みのあり方等、具体的な対策を立てるよう指示をしたところでございます。また、保護者の方に理解していただくために、各学校で十分説明するようにしておりますけれども、そのためのパンフレットを作成するとともに、広報紙などを通じまして広く区民にお知らせをしているところでございます。 ◎石川純二 教育改革推進担当部長  私からは、開かれた学校づくりについてお答え申し上げます。  平成12年度モデル校5校でスタートをしました開かれた学校づくりでございますが、本年度は、統廃合予定校を除いて、小・中学校すべてで協議会を設置することになりました。  学校を開く一環として、新たに全小・中学校一斉に学校公開の実施や学校情報冊子の発行など、学校情報の提供を積極的に図るとともに、協議会におきましても広く保護者や教職員を含めた拡大協議会を開くなど、情報の共有化を目指した取り組みを行っております。  地域の学校化では、地域の人材を教育活動に生かしたゲストティーチャーによる授業の実施や職場体験学習における受け入れ事業所の紹介など、地域が学校を支える取り組みがなされているところであります。  また、地域参画と学校評価でございますが、協議会や授業参観、学校行事などの場で、保護者や地域の方々がアンケートや感想などの形を通して、学校運営や教育活動に対する意向を反映させるなど、学校に対する評価が行われております。これらの取り組みは、一定の成果をあげているところでございまして、今後もより実効の上がるものとしてまいりたいと考えております。  次に、協議会メンバーについてでございますが、校長や教頭のほか、保護者の代表であるPTAや児童生徒の健全育成関係の機関、団体の代表者、地域の有識者等の中から、校長の推薦により、教育委員会が委員として委嘱をしております。具体的なメンバー構成の例を挙げますと、青少年委員、主任児童委員、民生・児童委員、保護司、体育指導委員、地区少年団体協議会会長、地域の子ども会の代表などの方々、また、町会・自治会長、町会・自治会の青少年部長の方々などでございます。  授業診断についてお答えをいたします。  子どもの声に耳を傾け、教師相互の評価を踏まえた授業改善を進めることは、楽しくわかる授業の実現を図るとともに、授業の質を高めるために不可欠でございます。また、保護者や地域の思いを学校運営に反映させ、授業の改善や活性化を図るためには、保護者や地域の方々の声を聞くことも大切でございます。  このことから、授業診断は、頻度を多くして実施する必要があるものと考えております。基本的には、学期に少なくとも1回実施することとしておりますけれども、平成13年度の実施状況を見ますと、おおむね年2回程度の実施となっております。今後は、授業診断に対する教職員の理解をさらに深めるため、その効果や先進校の取り組みの成果を広く知らせていくなど、学校へより一層の働きかけをしてまいりたいと考えております。  次に、中学校の部活動でございますが、ご指摘のとおり、大きな状況の変化がございます。こうした背景を受けて、平成14年3月に、中学校部活動あり方検討委員会の報告書が出され、その中で基本方針と合同部活動の実施など、4つの提言が示されました。  教育委員会では、部活動を学校の管理下で計画し、実施する教育活動に位置づけ、当該校の教員が部活動を指導することを原則としながら、地域人材の活用をも図っていくことを基本方針としております。現在、千住地域において、合同部活動モデル事業の実施に向け、運営委員会を設置しております。今後とも、順次、提言の具体化に努め、生徒が部活動を通してより一層楽しい中学校生活がおくれるよう支援をしてまいりたいと思っております。 ◎岡田行雄 教育指導室長  私からは、学力と進路指導についてご答弁申し上げます。  初めに、学力についてでございますが、ご指摘のように、今回の新しい学習指導要領の内容を適切に実施するためには、学校のみならず、保護者をはじめとして、広く区民の皆様が学力や基礎、基本について共通理解し、子どもたちの成長を促していくことが重要であると考えております。  学力につきましては、学習指導要領の趣旨を踏まえ、基礎的、基本的な内容、例えば知識や技能、読み、書き、計算だけではなく、学習の仕方を身につけ、課題を解決する力、学習意欲、表現力、思考力、判断力などを含めた、子どもたちがこれからの社会で活躍するために必要な力ととらえ、区報等を通して、この考え方の普及に努めております。  ご指摘の基礎、基本の学力低下を招かないために、足立区教育委員会では、各学校が実態に応じて、学級を複数の教員で指導したり、少人数の学習集団に分けて指導したりすることができるようにするなど、一人ひとりの学び方に応じた、わかる授業の改善、充実に努めているところでございます。  また、学校独自の朝や放課後、さらには夏期休業中に行う補充学習などの取り組みにつきましては、例えば学校公開期間中の学校説明会や学校だより等を通して、必ず保護者、地域の皆様に確実に説明してまいるよう指導しております。  次に、進路指導についてでございますが、ご指摘のとおり、私立高等学校の推薦入試選抜資料として統一テストの実施が計画されているという報道がございました。このことは、今年度から改正された絶対評価が、各学校で十分に行われないのではないかという考えからの導入であると思われます。絶対評価は、児童生徒に新学習指導要領が示す基礎的、基本的な内容を確実に身につけさせるとともに、一人ひとりのよさを伸ばし、個性をはぐくむ教育の根幹となる評価であると考えております。  本区では、絶対評価の精度を高めるとともに、客観性のあるものになるよう、昨年度は国の資料をもとに絶対評価を行うための基準に関する資料を作成し、各校に配布いたしました。今年度は、絶対評価の精度を一層高めるため、本区の教科書に合った評価のための基準資料を作成、配布し、各学校が適切に絶対評価を実施できるよう努めているところでございます。  また、進学システムについてでございますが、都立高等学校の選抜制度において、入学試験のみで合否が決まるのではなく、絶対評価に即して一人ひとりのよさを総合的に判断し、合否を決定するよう、内申書の内容の変更や生徒の自己PRカードの導入等の改善がなされると聞いております。  今後とも、東京都教育委員会と連携しながら、生徒が自己の個性を生かせる適切な進路選択ができるよう進路指導の一層の充実を図ってまいります。 ○鈴木進 議長  以上で、質問を終結いたします。  本日の日程は全部終了いたしました。  次回の会議は明14日に開きます。  本日はこれにて散会いたします。 午後3時28分散会...