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12月05日-05号

  • 化学物質過敏症(/)
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  1. 練馬区議会 2019-12-05
    12月05日-05号


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    最終取得日: 2021-05-03
    令和元年 第4回定例会1 日時 令和元年12月5日 午後1時1 場所 練馬区議会議事堂1 出席議員 50名   1番  小松あゆみ議員    26番  たかはし慎吾議員   2番  松田 亘議員     27番  かしままさお議員   3番  井上勇一郎議員    28番  上野ひろみ議員   4番  高口ようこ議員    29番  島田 拓議員   5番  やない克子議員    30番  野沢なな議員   6番  はしぐち奈保議員   31番  土屋としひろ議員   7番  星野あつし議員    32番  平野まさひろ議員   8番  つじ誠心議員     33番  西野こういち議員   9番  佐藤 力議員     34番  酒井妙子議員   10番  のむら 説議員    35番  田中よしゆき議員   11番  富田けんじ議員    36番  田中ひでかつ議員   12番  石黒たつお議員    37番  笠原こうぞう議員   13番  岩瀬たけし議員    38番  福沢 剛議員   14番  きみがき圭子議員   39番  藤井たかし議員   15番  しもだ 玲議員    40番  有馬 豊議員   16番  鈴木たかし議員    41番  白石けい子議員   17番  柴田さちこ議員    42番  吉田ゆりこ議員   18番  かわすみ雅彦議員   43番  うすい民男議員   19番  坂尻まさゆき議員   44番  柳沢よしみ議員   20番  沢村信太郎議員    45番  宮原よしひこ議員   21番  倉田れいか議員    46番  小川けいこ議員   22番  池尻成二議員     47番  小泉純二議員   23番  かとうぎ桜子議員   48番  小林みつぐ議員   24番  宮崎はるお議員    49番  かしわざき 強議員   25番  小川こうじ議員    50番  関口和雄議員1 欠席議員 なし1 出席理事者   前川燿男   区長       佐古田充宏  健康部長   小西將雄   副区長      高木明子   練馬区保健所長   山内隆夫   副区長      健康部長兼務 地域医療担当部長   河口 浩   教育長      古橋千重子  環境部長   宮下泰昌   技監       技監事務取扱 都市整備部長   市村 保   区長室長     平林 明   土木部長   森田泰子   企画部長     大滝雅弘   会計管理室長   企画部長事務取扱 区政改革担当部長 木村勝巳 教育委員会事務局   唐澤貞信   危機管理室長   教育振興部長   堀 和夫   総務部長     小暮文夫   教育委員会事務局   小渕雅実   人事戦略担当部長 こども家庭部長   伊藤良次   施設管理担当部長 鳥井一弥   選挙管理委員会   山崎 泰   区民部長     事務局長   関口和幸   産業経済部長   塩沢福三   監査事務局長   産業経済部長兼務 都市農業担当部長 三浦康彰 企画課長   小金井 靖  地域文化部長   佐川 広   財政課長   中田 淳   福祉部長     大木裕子   総務課長   福祉部長兼務 高齢施策担当部長1 出席事務局職員   臼井 弘   事務局長     中西正作   議事担当係長   齋藤新一   事務局次長    清水 聡   議事担当係長   佐藤 裕   議事担当係長   諏訪さゆり  調査係長1 傍聴者数 49名1 議事日程  日程第1 一般質問                                 以上 ◎事務局長 ただいまの出席議員数50名でございます。      午後1時0分開議 ○上野ひろみ議長 ただいまから本日の会議を開きます。 直ちに日程に入ります。 日程第1・一般質問を行います。 順次発言を許可いたします。 10番・のむら 説議員    〔10番のむら 説議員登壇〕 ◆のむら説議員 日本共産党練馬区議団を代表して一般質問を行います。 最初に、税のあり方について質問します。 安倍首相は、7月4日の参院選第一声で、税収が過去最高の60兆3,564億円を記録したことに触れ、経済を強くすれば税収は増えると胸を張りましたが、増えたのは国民からむしり取った消費税によるもので、1990年度比で法人税と所得税合わせ、12兆円以上も減っています。 こうなった原因は、消費税導入から31年、消費税増収は累計349兆円であるのに対して、同時期に法人三税が累計280兆円の減収となり、社会福祉に使途されるはずだった消費税増収分の80%が、法人税減税の穴埋めに使われてきたからです。所得税と住民税も、1991年度のピーク時に比べて275兆円の減収になっており、消費税の国税収入に占める割合は、2013年度の23.1%から2018年度には29.3%にまで拡大しています。 本来、税の原則は応能負担です。しかし、消費税は子どもや年金生活者生活保護受給者、赤字経営の小規模事業者らからも容赦なく徴税し、食料品をはじめすべての物やサービスに一律に課税され、人間の生存それ自体を課税対象にするため、低所得者ほど負担が重くのしかかります。 同時に、政府は、増税の一方で、社会保障のあらゆる分野で改悪、削減を繰り返してきました。その結果、「子どもに貧困を押しつける国・日本」の著者である山野良一氏によれば、2000年代の数値ですが、OECD諸国の子どもの貧困率を見ると、所得の再配分前の子どもの貧困率と、税金や社会保険料などを引き、児童手当や年金などを加えた再配分後の貧困率を比較したところ、日本だけが再配分後の貧困率が更に高まる逆転現象が生じております。実際、日本の相対的貧困率は15.6%、子どもの貧困率は13.9%、ひとり親家庭の貧困率は50.8%と、OECD加盟国平均を上回っております。 練馬区でもこれまで、消費税を、安定した財源、国民全体が公平に担うと評価してきましたが、生活困窮者に対しても一律に課税する消費税は、憲法に定められた法の下の平等、生存権などの理念にも反すると考えます。区の見解を問います。 2014年に安倍政権が強行した8%増税の結果、働く人の実質賃金は年間15万円も落ち込み、5年半が経過しても、家計消費は回復するどころか、増税前に比べて年間20万円以上も落ち込むという深刻な消費不況に陥っております。 日本経済は、消費税増税が繰り返された90年代以降、低迷を続け、成長しない国になっています。OECDの調査でも、過去21年間で主要国の賃金が大幅に増えている一方で、日本だけが8%減少したことが明らかになっています。 その一方で、アベノミクスの恩恵を受けた大企業は空前の利益を上げています。大企業の法人税負担率は、中小企業の18%に比べ、10%しか負担していません。研究開発減税など、専ら大企業だけが利用できる優遇税制があるためです。 富岡幸雄中央大学名誉教授は、大企業の実効税負担率を試算し、ソフトバンクグループは、2018年3月期で税引き前純利益が1,624億2,200万円だったのに対して納税額は500万円、実効税負担率はわずか0.003%にすぎないと指摘しています。 税法学の専門家らは、大企業優遇税制を改め、法人税に超過累進税率を適用すれば、2016年度で10兆4,676億円であった法人税収が29兆1,873億円に3倍加し、所得税についても同様に、2兆9,160億円から12兆7,468億円に4.4倍加すると試算しています。これだけで約29兆円の税収が生まれ、2019年度予算の消費税税収19兆3,920億円をはるかにしのぐ十分な財源が確保できます。 マレーシアでは、2015年に6%で導入された消費税を、個人消費の刺激になると2018年に廃止しています。その結果、実質個人消費支出は、昨年10月から12月期で8.5%増と高い伸びを示しています。長期にわたる日本経済の低迷を打開しようと考えれば、政治が、5%への減税という思い切った家計応援の希望あるメッセージを発信し、実行することが不可欠です。 区は、区民に寄り添うべき基礎自治体として、不公平税制による弱者の困難を国に伝え、弱い者いじめの消費税減税と廃止に足を踏み出すよう提言すべきではないでしょうか。考えをお聞かせください。 次に、手話言語条例について質問します。 耳の聞こえない聾者は、長きにわたり、音声言語を理解できないことでさげすまれ、優生思想とも相まって、ほかの障害者と同様に差別されてきました。日本では戦後まで、手まねと呼ばれた手話の使用を禁じられ、聾学校でさえ聾者のアイデンティティーを深く傷つけてきました。しかし、そんな中でも手話が伝承され発展してきたのは、聾者が視覚でやりとりを完全に理解でき、表情で自分らしい意思疎通を図れるなど、聾者にとって手話ほど気持ちが通じ合う言語がほかになかったからです。 練馬区聴覚障害者協会が10月に開催したワークショップでは、当事者や支援者らが手話を使って生き生きとコミュニケーションを図り、同時に、聾当事者らから行政へのさまざまな要望も出されました。そこでは、「区が主催する通年の手話講習会では定員を上回る志願者を抽せんでふるい落としている。すべての者に講習を受けさせてほしい」とか、「聴覚障害児の通級学級は小中合わせても区内3校のみ。ここでも手話に触れる機会は皆無」などの声が上がりました。 加えて、手話通訳者にかかわっても、「派遣報酬は2006年以降据え置かれたままで、交通費さえ支払われていません」、「区内4か所の総合福祉事務所に設置された手話通訳の日数は年間124日にとどまり、事前に派遣要請しない限り、手続さえままならない」、「区庁舎内の手話通訳者の常駐や、不安定な身分を保証してほしい」などの要望が出されました。 国連障害者権利条約でも、日本を含む締約国に、あらゆる分野で平等を基礎とし、障害に基づく差別を禁止すると定めています。日本は、2013年の障害者基本法で初めて手話は言語と認め、東京都も、手話は言語であるとの認識に基づき普及に努めると表明しています。 しかし、聾当事者らの思いを聞くにつけ、練馬区の現状は、進んだ取り組みもあるとはいえ、法の理念から見ればはるかに立ち遅れており、聾者が損なわれた人権を十分に回復しているとは言えません。 全国では、聾者を取り巻く先駆的な取り組みが進んでいます。大阪府は、2017年に0歳からの幼児期手話言語獲得支援事業を立ち上げています。北海道新得町では、地域おこし協力隊として手話推進員を配置、町内の全小中学校児童は小1から中3まで毎年、手話学習の授業を受けています。石狩町では、小中学校や学童クラブなどへの手話出前講座を年間200回開催し手話カフェ手話フェスタを毎年開催、消防士と救急救命士は聾者の生命を守るためみずからの発想で全国消防職員意見発表会に手話で出場を果たしています。 これらの自治体は、既に手話言語条例を制定し、その理念を実現すべく自治体としての取り組みを発展させています。手話言語条例を制定した自治体は、これまで全国27道府県8区209市41町1村に上り、特別区でも8区で制定されています。練馬区議会は、2014年、手話言語法制定を要望する意見書を全会一致で採択をしていますが、なぜ、練馬区では手話言語条例を制定しないのでしょうか。その理由をお示しください。 また、練馬区でも速やかに手話言語条例を制定したうえで、先進自治体や当事者からの意見、要望に真摯に耳を傾け、十分な合理的配慮を提供できるよう区の施策に生かすべきではないでしょうか。2点お答えください。 次に、児童虐待についてお聞きします。 この間、児童虐待対策として児童相談所のあり方がクローズアップされてきました。しかし、児童相談所にかかわる虐待事例はすべてではありません。子育ては誰にとっても大変であり、虐待を防ぐには、すべての子育て世帯を対象にした取り組みを行い、課題のある世帯を見つけ出して、必要な支援につなげることが必要です。 例えば、産後鬱を予防するために、区として産後健康診査事業を実施することや産後ケア事業の拡充を行うことで、障害や虐待など課題のある世帯を早期発見し、相談につなげ、孤立しがちな親の不安を和らげることができます。こうした施策を更に充実させてフィルター機能を強化し、一人も取りこぼされることのない仕組みにすべきだと考えますが、いかがでしょうか。 親たちのレスパイト機能を強化することも重要です。親が子どもから離れ、気持ちをリフレッシュすることで余裕をもたらし、虐待防止の大きな力になるからです。その役割を担っているのが、区が行っている乳幼児の一時預かり事業です。この間の利用実績を見ると、稼働率は約9割。申し込みが開始された途端すぐ予約で埋まってしまうほどの人気です。人員面や施設面で大きな制約がありますが、体制強化して、ぜひ拡充を図っていただきたいと思います。その際、利用料が1単位1,500円から2,000円と高く、特に双子のような多子世帯では大きな負担となっています。保育料のように、第2子以降は減免を行うよう強く求めます。2点お答えください。 虐待に対応するうえで、子ども家庭支援センターの体制の強化も求められます。この間、区内五つの子ども家庭支援センター全体で相談件数は増え続け、昨年度はその前年と比べ約1.5倍の6,402件、うち、虐待相談は約1.4倍の449件となっています。その結果、直営における要保護児童数に対し職員1人当たりの受け持ち件数は53.4件と、依然多い状況です。それに加え、今年度から児童相談所からの逆送致が加わり、泣き声通報にも対応しなければなりません。そのため、子ども家庭支援センターの負担が増しています。 虐待の疑いのある家庭は、子育てだけでなく複合的に困難を抱えている場合も多く、子ども家庭支援センターは、保健相談所福祉事務所、更に学校や保育園などと連携しながら支援を行うことが求められます。 一方で、虐待対応を行っているのは直営中心で、残り四つの子ども家庭支援センターは委託などで運営され、子育て支援を重点的に行っています。ところが、委託されたセンターでは、重要な個人情報を扱う場合、基本的に直営を通じてでしか他部署と連携できません。そのため、迅速な対応が難しく、直営の負担を増やすことにもつながっています。 世田谷区では、すべての子ども家庭支援センターが直営であるうえ、区立保育園もほとんどが直営で連携がとりやすく、各部署が一つの世帯を集団的、複合的に支援しています。練馬区でも、重要な個人情報を扱う福祉事務所保健相談所は直営になっています。本気で虐待を防止していくのであれば、子ども家庭支援センターをすべて直営に戻すとともに体制を強化し、集団的に対応できる仕組みをつくることが必要と考えますが、いかがでしょう。2点お答えください。 この間、子ども家庭支援センターの人員を増やしてきたこともありますが、職員の経験年数が2.6年と短くなっています。委託も契約が最長5年であり、長く働き続けることが困難です。人材育成する意味でも委託は見直し、児童虐待などに専念できる環境を整えるべきです。 虐待そのものをなくしていくには、対症療法だけでは限界があります。子どもに対する大人の見方を変えるとともに、母親だけに責任を押しつける風潮を変えていくことが不可欠です。そのために人権教育や性教育の実施、子どもの権利条約に基づく区条例の制定など、子どもの意思を尊重し、子どもたちの心と体を守る仕組みをつくっていくことが必要です。いかがでしょうか。 また、虐待の大きな要因の一つである貧困を解消するために、雇用制度の見直しや教育費の負担軽減、保険料の見直しなどを行う必要があるのではないでしょうか。こうした施策を区としてできるところから実施、拡充すべきです。お答えください。 次に、教員の長時間労働についてお聞きします。 教員の長時間労働については依然深刻で、過労による休職や痛ましい過労死が後を絶ちません。こうした中、教員志望の学生が減るなど、この問題の是正は、まさに日本の教育の現在と未来のかかった国民的課題です。 1年単位の変形労働時間制は、こうした課題にこたえるものになっているでしょうか。1年単位の変形労働時間制とは、繁忙期に1日10時間まで労働を可能とし、閑散期と合わせて平均で1日当たり8時間におさめるという制度です。 しかし、人間の心身と生理は、繁忙期の疲労を閑散期で回復できるようにはなっていません。同時に、1日8時間労働の原則をも破ることになり、労働時間法制の改悪と言わざるを得ません。 学校は、子どもの状況など臨時的な対応が絶えず求められている職場です。しかし、この制度では、最低でも向こう30日間の労働時間をその初日の1か月も前から決め、途中変更が許されないばかりか、勤務時間を超えて働いた分を別の日に減らす勤務時間の割り振りを変更することも認められなくなります。 また、この制度が民間事業者に導入された際、労働時間短縮の観点から、その前提として恒常的な残業がないことを導入の基準に上げていますが、恒常的に法外な残業がある公立学校においては、その前提すらないと考えます。 政府は、この制度を導入する理由として、教員の夏休みのためだとしています。しかし、本当にまとまった休みがとれるようになるのでしょうか。今の学校は、子どもの夏休み中も連日のように業務があり、年次有給休暇の消化すらできないのが現状です。今のまま休日を設定しても実際には休めないと、多くの教員が指摘しています。また、仮に夏の業務が減って休みがとれても、今度は各自の代休や年休等を使う機会がなくなるという問題にも直面しています。休みをとるという点でも、1年単位の変形労働時間制は全く道理がありません。 以上述べたように、この制度は、百害あって一利なしの制度です。導入理由も成り立ちません。日本教育新聞の調査によれば、公立小中学校を擁する市区町村教育長の42.2%は制度導入に反対し、13.6%が賛成という結果です。民間の職場では、この制度を導入した職場のほうが長時間労働の傾向となっています。制度導入すれば、更なる長時間労働につながるおそれもあるのです。 区はこれまで、教員の長時間勤務については、いずれも法律や制度上の課題であり、国が主体的に解決すべき課題だとして、区としてできる対策をしてきたと答弁しています。そうであれば、この制度導入にあたっては、条例改正をしない決断をすべきだと東京都に強く要請すべきです。また、こうした制度に対する区の認識の2点お答えください。 教員が夏にまとまった休みをとることは、私たちも大賛成です。教員のリフレッシュは、教員の健康と生活にも、子どもの教育の充実にも積極的意義があります。そのために、一つは、行政研修や部活動、各種大会など、夏の業務を大幅削減し、基本的に教員の義務的な業務が入らない学校閉庁日等の休暇を取得しやすい期間を設けること。いま一つは、休日出勤や超過勤務に対する代休確保を厳格に行うことです。これらは国も認めていることで、現行制度の運用でも十分に可能です。この提案について、区の認識と実現するうえでの課題をお示しください。答弁願います。 また、文科省は、学校における働き方改革として、来年度予算の概算要求で、教職員定数を3,920人増やし85億円の要求をしていますが、そのうちの2,090人は教職員配置の見直しにすぎず、差し引きゼロです。そのほかにも小学校での英語教科化に伴う専科指導教員の確保に1,000人などを求めていますが、1,000人では県、政令市に割り当てられると十数人にしかならず、全く足りません。また、通級指導や外国人児童への対応など、合わせて全体で4,235人の定員改善を求めていますが、少子化による自然減を2,249人と見込み、教員配置の見直しによる減員は2,000人であるため、差し引きでは結局14人の減です。これでどうして働き方改革と言えるのでしょうか。 国は、こうした口先だけの改革ではなく、本気で教職員の長時間労働の打開に向き合うべきです。根本的に教職員を大幅増員するしかありません。このことを国に強く求め、改善させるために、区としても手だてを尽くすべきです。同時に、1年単位の変形労働時間制の導入に反対すべきです。2点について、区の答弁を求めます。 次に、住宅政策について伺います。 今、格差と貧困が広がる中、安心して住み続けられる住宅を確保できない人たちが増加しています。平均5万5,000円しかない国民年金では、家賃だけでなくなってしまいます。高齢者が建て替えなどで立ち退きを迫られた場合、なかなか行き場が決まらないといった問題も生じています。年収200万円未満の若者は、親との同居が77%に達しています。東京都の調査では、ネットカフェ等を利用し、住居を持たない人が1日3,000人いると推定され、うち30代までで50%を占めています。また、母子世帯は平均所得243万円しかなく、家賃が重くのしかかっています。すべての世代で住まいの貧困が拡大しています。 国は、2006年に住生活基本法を制定したものの、そこには国民の権利規定が全くなく、住宅建設計画法が廃止されたため、公営住宅の建設を大きく後退させ、市場任せにしてきました。 住まいは人権です。憲法第25条が保障する生存権、世界人権宣言、日本政府も批准している国際人権規約も認めています。 しかし、住宅にかかわる国や自治体の支援対象は、住宅確保が困難な世帯だけに限られ、そうしたもとでつくられたのが住宅セーフティネット制度です。この制度は、低所得者、高齢者、障害者、子育て家庭等、住宅確保要配慮者の入居を拒まない住居として、民間の賃貸住宅を貸し主に登録してもらい、さまざまな補助を国や自治体が行い、賃貸住宅の供給を促進するというものです。登録住宅に加えて、住宅確保要配慮者の専用住宅なら、貸し主を対象とした家賃補助があります。 しかし、登録住宅は、2020年度末までに17万5,000戸の計画が現時点で1万5,490件にすぎず、うち住宅確保要配慮者の専用住宅は2,410件で1割台です。練馬区での登録住宅は27件、専用住宅はたったの2件しかない状況です。これではセーフティネットになっていません。区は、都の居住支援協議会に参加し、区としても協議会を立ち上げ、不動産や福祉の関係団体と意見交換を行っていますが、何が課題になっていて、なぜ制度が広がらないのでしょうか。区の見解をお答えください。 問題の1点は、家賃補助です。専用住宅でなければ家賃の補助対象とされないこと、補助対象が家主であることです。登録住宅は入居こそ拒みませんが、家賃補助はありません。区内では使えないも同然です。何より低廉な家賃であることが居住の安定を図る鍵です。補助対象が家主であると、実際は安くなる保証もありません。要配慮者に対して直接補助を行い、対象者を広げるべきです。 第2点は、低所得者の要件が、全国一律で月収15万8,000円以下とされていることです。これは都営住宅よりも厳しい基準で、本当に苦しんでいる方が救われません。少なくとも都営住宅並みに収入要件を引き上げることが必要だと考えます。以上2点について、区の見解をお聞かせください。 区は、関係者への制度周知と理解を深め、登録住宅専用住宅を増やすなどの施策を推進させること。そのため供給促進計画を定め、目標を持って取り組むよう求めるべきです。お答えください。 国交省は、住宅確保要配慮者への賃貸住宅の供給促進に関する基本方針で、必要となる公営住宅の整備やストックの改善を計画的に進めることが必要であると明記しました。公営住宅を求める人が増加している一方、都営住宅の新規建設が20年間行われず、そのため倍率が上がり、狭き門になっています。都営住宅の新規建設を都に強く求めるべきではないでしょうか。お答えください。 同時に、区としても対策をとるべきです。近年、老朽化したアパート等の建て替えが進み、それに伴い家賃がはね上がるため、この先、収入の少ない人の行き場がなくなってしまうのではないかと、区内の不動産業者から聞いています。そうしたもと、他区では独自の家賃助成が始まっています。新宿区では、学生や単身者に月1万円、子育てファミリーに月3万円の助成を行っています。また、目黒区でも高齢者、障害者、ファミリー世帯には助成制度があるほか、千代田区、文京区でも家賃助成があります。他自治体の取り組みを参考に、区としても独自の家賃助成制度をつくり、住宅政策を充実させるよう求めます。お答えください。 以上で日本共産党練馬区議団を代表しての一般質問を終わります。(拍手)    〔前川燿男区長登壇〕 ◎前川燿男区長 お答えいたします。 税のあり方についてです。 税制のあり方は、時代によって変わるものです。 戦後、日本の経済成長期においては、毎年増加し続ける所得税や法人税を基軸とした財政運営が可能でした。しかし、少子高齢化と人口減少が進み、経済の低成長が続く現在の日本では、法人税や所得税だけに依存することはもう無理なのです。それは、日本より先に経済の成熟化が進んだヨーロッパ、EU加盟28か国において、消費税率20%以上が24か国である現状を見れば、一目瞭然であります。 大企業に増税すればよいという議論は昔からありますが、それだけで膨大な国の財政需要を賄えるものではありません。しかも、企業の経済力を枯渇させて、国民生活を支える経済基盤そのものを破壊してしまいます。 今回、国においては、こうした状況を総合判断して、少子高齢化に対応して社会保障の充実・安定を図るための新たな財源は、消費税しかないという判断に至ったものと考えます。これが直ちに弱い者いじめというのは、余りに短絡的です。もちろん低所得者への対応は不可欠ですが、それは社会保障制度と併せて対応すべきものと考えます。 私からは以上です。 そのほかの質問につきましては、技監および関係部長から答弁いたします。    〔宮下泰昌技監登壇〕 ◎技監 私から、住宅施策についてお答えします。 住宅は、既に需要に見合う量が供給され、空き家の発生が社会問題となっています。一方では、みずからの努力によっても住宅を確保するのが難しい方々もいます。 住まいは、生活の基盤として個人の責任で確保するのが原則です。空き家をはじめとした既存のストックを有効活用し、住宅確保要配慮者が円滑に入居できる住宅を増やしていく取り組みを進めることが必要であると考えています。国の住宅セーフティネット制度登録住宅も、同様の考えに基づくものと認識しています。 登録が進まない背景としては、家主が、ひとり住まいの高齢者が亡くなった際の対応や風評被害による資産価値の低下、低所得者の家賃滞納などへの懸念を持っている一方で、登録することのメリットが少ないことなどが挙げられます。 区では、本年6月から、高齢者、障害者、ひとり親家庭を対象に、住まい確保支援事業を開始しました。本事業は、高齢者は容体急変時に対応する緊急通報システムを利用することを要件とし、家主の不安を和らげることを特徴としています。本年6月から11月までで申し込み件数が167件、紹介部屋数が139件となりました。区民や不動産団体、福祉事業者への本事業の周知も進んできており、引き続き、関係団体と連携し、制度の活用を促進していきます。 次に、登録住宅の家賃補助についてです。 区では、住宅確保要配慮者専用住宅を対象として、家主に対する家賃補助制度を本年6月から始めました。家賃補助は、低所得の方が入居可能な低廉な家賃の住宅供給を促進することを目的としています。住宅確保要配慮者が優先して入居できる住宅を増やしていくためにも、専用住宅の家主に補助するのが効果的です。補助金の支出に際しては、家賃が近傍同種の住宅と同水準の額であることが条件です。補助相当分がその家賃から減じられていることを区が確認する仕組みを設けています。したがって、補助を受けた住宅の入居者は、必ず低廉な家賃となります。入居対象者の所得基準については、都営住宅の一般区分の基準と同額であることから、適切であると考えています。 また、区独自に、公営住宅への入居を希望する高齢者に対して、民間賃貸住宅に入居している一定期間、家主に対する補助も実施しています。 区では、このような住宅確保要配慮者が入居可能な住宅を増やす取り組みを行っているため、入居者個人への補助制度や登録住宅供給促進計画をつくる考えはありません。 都営住宅については、都では老朽化が進んだ既存施設の建て替えを進め、既存ストックの有効活用に取り組んでいることから、新規建設を求める考えはありません。 私からは以上であります。    〔森田泰子企画部長登壇〕 ◎企画部長 私から、消費税についてお答えいたします。 繰り返し申し上げていますが、消費税率引き上げの趣旨は、今後も増加が見込まれる年金、医療、介護および子育て支援などの財源確保にあります。10月に行われた2%の引き上げ分は、それらに加え、教育負担の軽減、子育て層の支援、介護人材の確保等、社会保障の更なる充実に充てることとされています。景気や人口構造の変化に左右されにくく、税収が安定していること、特定の層に負担が集中せず、国民全体で広く負担することができることから、社会保障の充実・安定を図るため、消費税による対応とされているものです。 一方、低所得世帯等の負担軽減を図る観点から、軽減税率の適用、プレミアム商品券の発行など、さまざまな支援策が実施されています。加えて、新たに低所得世帯を対象に年金生活者支援給付金の給付、0~2歳児の幼児教育・保育無償化が開始され、介護保険料の負担軽減の拡充も行われました。増税する一方で、社会保障はあらゆる分野で改悪、削減してきたとのご指摘は当たりません。 今後ますます需要増が見込まれる社会保障に対処するためには財源確保が不可欠であり、今回の消費税増税は必要かつやむを得ないというのが区の考え方です。消費税が憲法に違反しているというご指摘は的外れです。国に消費税の撤廃等を求める考えはありません。 私からは以上です。    〔中田 淳福祉部長登壇〕 ◎福祉部長 私から、手話言語条例についてお答えします。 平成23年8月、国は障害者基本法を改正し、手話を言語として規定しました。聴覚障害者に限らず、視覚障害者、知的障害者など、コミュニケーションに困難を抱える障害状況はさまざまです。手話だけでなく、状況に応じた情報コミュニケーションを考える必要があります。 障害者基本法、昨年10月に施行された、東京都障害者への理解促進及び差別解消の推進に関する条例を踏まえ、区は、住民との最前線の窓口として、手話や点字、要約筆記、読み上げ装置、UDトークなどを活用し、さまざまな障害者への適切な情報提供の具体的な取り組みを着実に進めています。 区は、手話言語の獲得や手話で学ぶなどの基本的な権利の保障は国が定めるべきと考えています。全国市長会や全国手話言語市区長会を通じて、手話が言語であることを広く国民に広め、手話を言語として普及、研究することのできる環境整備を目的とした手話言語法の制定を、国に対し要望しています。 区はこれまでも、手話講座や手話通訳者養成・派遣事業などを展開し、聴覚障害者の皆様のニーズにこたえるよう努めてきました。現在のところ、手話言語条例を制定する考えはありません。今年度実施する障害者基礎調査の結果や他自治体の動向などを踏まえ、障害者団体等と定期的に意見交換を行いながら、より実効性のある合理的な配慮の提供に関する取り組みについて検討してまいります。 私からは以上であります。    〔佐古田充宏健康部長登壇〕 ◎健康部長 私から、妊娠期からの子育て支援についてお答えします。 児童虐待を防止するためには、妊娠期からの切れ目ない支援が欠かせません。 区では、母子健康手帳をお渡しする段階から、保健師が、現在の体調、家族の支援の見込みなどをお伺いし、区の育児支援サービスのご案内をしています。出産後は、保健師等が生後4か月までの乳児がいるすべての家庭を訪問し、さまざまな悩みを聞いたり、子育て支援に関する情報提供を行っています。 産後ケア事業については、昨年度、実施施設を1か所から3か所に増設しました。保健相談所では、保健師等の専門職が妊娠、出産、子育てに関して、電話や来所、訪問などで常に相談を受け付けています。 今後も、あらゆる機会を通じて支援の必要な母親の把握に努め、切れ目なくサポートをしてまいります。 私からは以上です。    〔木村勝巳教育振興部長登壇〕 ◎教育振興部長 私から、教員の長時間勤務についてお答えします。 はじめに、1年単位の変形労働時間制についてです。 公立学校などの教職員の勤務時間のあり方については、これまでの人事・給与制度等の歴史的な経緯を踏まえ、総合的な視点から、国が見直しを図っているものです。区としては、その動向を見定める必要があるものと考えており、1年単位の変形労働時間制だけを取り上げて、国に導入反対を求めることや東京都に条例改正をしないよう要請する考えはありません。 次に、長期休業中の休暇取得の促進についてです。 教員研修については現在、教員の負担軽減に配慮し、実施回数や内容の見直しを進めています。研修の数は減らしても、教員の指導力は維持向上させなければなりません。研修内容の精選や実施方法の工夫を通じて、課題の解決を図ってまいります。 部活動については、今年度検討組織を設け、教員の負担軽減策等についても検討しています。 また、今年度より、長期休業期間に学校休務日を設定できるよう、休日等に施設を管理する学校施設管理員の配置日数を拡大しました。ほぼ全校で休務日を複数日設け、教員のまとまった休暇の取得につながっています。学校休務日の更なる拡大に向けて、今後検討してまいります。 なお、休日出勤や超過勤務については、東京都が定める条例にのっとり、現在も適正に対応しているものと考えています。 教員定数については、制度上、区が独自に改善を図ることは困難ですが、引き続き、国や東京都に必要な教員の配置とともに、加配制度の充実を働きかけてまいります。 教員の長時間労働の是正は、一つの取り組みですべてが解決できるものではありません。実効性のある取り組みとともに教員の意識改革を働きかけるなど、さまざまな方策を組み合わせることで実現が図られるものと考えています。教育委員会といたしましては、本年3月に策定した練馬区立学校園における働き方改革推進プランに基づき、取り組みを着実に進めてまいります。 私からは以上であります。    〔小暮文夫こども家庭部長登壇〕 ◎こども家庭部長 私から、子育てに関するご質問にお答えします。 はじめに、乳幼児一時預かり事業についてです。 区は、乳幼児一時預かり事業の利用枠を、実施日の拡大や定員増により、平成26年度の約2万4,000人から平成30年度は約3万7,000人に拡大してきました。 一方で、平成30年度には、キャンセルなどで利用されなかった枠が約5,000人分生じているなどの課題があります。そこで、空き情報をリアルタイムで確認し、いつでも予約できるシステムの構築に現在取り組んでいるところです。今後も更なる利用の拡大に努めてまいります。 また、平成26年度より、乳幼児一時預かり事業をより多くの方にご利用いただくため、子育てスタート応援券の対象事業としました。応援券は子ども1人につき8回まで無料で利用できますが、利用者1人当たりの応援券の利用数は約5回にとどまっているため、応援券の利用促進を図っているところです。利用料の減免は考えていません。 次に、子ども家庭支援センターの運営体制についてです。 子ども家庭支援センターには、区が直営で運営するものと民間事業者が運営するものがあります。 区が直営で運営する子ども家庭支援センターは、児童虐待など継続的なかかわりが必要な方への支援を行っています。一方、民間事業者が運営するセンターでは、子育てのひろばなどの子育て支援事業を行っています。発達に不安を抱えている親子対象ののびのびひろばは、民間事業者の発案により開始したものです。引き続き、民間のノウハウを生かした、きめ細かい子育て支援事業を実施していきます。 直営の子ども家庭支援センターでは、増加する児童相談に対応するため、平成27年度の36人から今年度は53人に増員しています。特に、福祉や心理の専門職員の充実を図っています。併せて、弁護士や児童相談所OBなどをスーパーバイザーとして招き、支援体制を強化しています。 虐待のおそれのある家庭に対しては、これまでも区は、要保護児童対策地域協議会において、地域の子ども家庭支援センター保健相談所、保育園、学校、民生・児童委員などの関係機関が、直営、民営を問わず情報共有を図って、連携して対応しています。直営施設でないと連携が進まないかのようなご指摘は当たりません。 次に、子どもの人権等についてです。 区では、児童憲章などの理念を踏まえ、子どもの人権を尊重し、子どもの健やかな成長を保障することを基本として、現行の練馬区子ども・子育て支援事業計画を策定しています。本計画の事業を着実に実施することを通して、子どもの権利擁護を図っています。区条例を制定する考えはありません。 更に、このたび策定した第2期計画(素案)では、子どもの貧困対策計画としても位置づけています。誰もが未来に希望を持って生活できるよう、生活困窮世帯やひとり親家庭等の自立に向けた支援を充実し、世代を超えた貧困の連鎖を断つ取り組みを実施してまいります。 児童虐待の予防には、子育てに関する相談体制を強化し、妊娠期から子育て期まで切れ目のないサポートを充実することが重要です。引き続き、子どもと子育て家庭の支援を強化してまいります。 私からは以上です。 ○上野ひろみ議長 次に、8番・つじ誠心議員    〔8番つじ誠心議員登壇〕 ◆つじ誠心議員 私は、練馬区議会自由民主党を代表して一般質問を行います。 初当選以来、初めて一般質問という貴重な機会をいただけたことに対する感謝と、本日、石川より遠路はるばる傍聴に来てくださった父を含めた家族への感謝、そして応援してくださっている方々の地域の思いを言葉にのせて質問いたします。区長ならびに関係理事者の誠意ある答弁を期待します。 2019年5月1日、元号が令和に改められ、202年ぶりの上皇、上皇后両陛下のご誕生という形で、平成の時代が穏やかに幕を閉じました。その令和においても、やがて1年目が終わろうとしております。 平成は、大災害の時代でした。平成3年に長崎県の雲仙普賢岳で発生した火砕流を皮切りに、平成5年の北海道南西沖地震における大津波、平成7年には阪神・淡路大震災が発生し、戦後では2番目に死者数が多い6,433名の命が犠牲になりました。このとき、自衛隊の初動に対する考え方もがらっと変わったのと同時に、復興や防災の現代的な仕組みがこれを機に整備され始めます。 現在、被災地へ駆けつけるボランティア団体が多く生まれました。ボランティア元年とも言われ、平成10年にはNPO法が施行されます。 平成16年、2004年には、2000年以降では最悪の台風被害とも言われた台風23号による風水害、そして21世紀に入って初めて震度7を記録した新潟県中越地震に見舞われました。 そして、平成23年には、国内観測史上最大の地震である東日本大震災が起き、戦後最大とも言える国難に直面しました。死者、行方不明者、負傷者合わせ2万4,591名で、数字でもその悲惨さがうかがえます。 更に、平成26年には8月に広島土砂災害が、9月には御嶽山が噴火しました。 平成28年には、震度7を超える地震が2度連続して発生した熊本地震が。このとき自衛官であった私も、輸送小隊長として災害派遣の任務を遂行しました。 翌年、平成29年九州北部豪雨、更に翌年の平成30年には7月に西日本豪雨、9月には全道295万戸が停電となった北海道胆振東部地震でも大きな被害がありました。 気象庁が命名した災害は、これ以外も含め計30回あり、犠牲になった方の数で見ると、東日本大震災と阪神大震災だけで2万8,000名を超え、30の災害では3万名を超えます。そこから得た教訓を、私たちは次の時代に生かしていかなければなりません。 北太平洋の西に浮かぶ日本列島は、豊かな自然に恵まれていますが、一方で、世界有数の地震大国であり、台風や河川の氾濫など、人々は常に厳しい自然災害に見舞われてきました。だからこそ、人々は互いに助け合い、仲むつまじく暮らし、どれほどの痛手を受けても立ち直るという力強さを培いました。 令和に入ってからも、既に台風による被害が多く報告されております。恐らくこれからも、予想を超える自然災害が日本を襲うことでしょう。そういうときに、これまでの経験や反省を生かし、できるだけ被害を極小化しなければなりません。それだけでなく、ここ数年で発生した災害のメカニズムを分析し、予想し得ない未来をあらゆる手法で予想し、その予想した未来に向かって先見の明を持ち、無駄のない事業を進めていかなければなりません。 質問に先立ち、これまでに日本を襲った各種自然災害等によりお亡くなりになられた方々のご冥福をお祈りいたしますとともに、被災された皆様にお見舞い申し上げます。 区民の安全・安心を最大限に守っていくのが行政の責務であります。攻めの防災を掲げる区は、字のごとく、あらゆる災害に対し攻めの姿勢で減災に取り組んでいかなければなりません。その際に必要になってくるのが、人材のいかんに問われない、区民の安全・安心を守ることができる防災の専門性を有する外部人材だと確信しております。 地方公共団体の危機管理の問題の一つは、その衝にある者の経験や能力が必ずしも十分ではないということ。危機管理対応の研修や教育を受けていないこと、二、三年で職を交代すること等にあり、やむを得ない面もあります。また、区単独で行えることには限界もありますし、あらゆる先進的な研究または事例を共有するためには、隣接自治体、都、そして国あるいは各種団体と協力・連携することが大切だと思います。考えられる災害やその他の危機は一様ではなく、決して同じものはあり得ず、当然のことながら対応も異なります。この課題を解決し得るのは、マニュアルでも施設でも機材でもなく、人しか解決し得ません。 人の問題を解決する有効な一方策として、危機管理経験者の危機管理職域への配置がこれまでに多くの自治体で行われてきました。練馬区にも、防災監または危機管理監を常勤で設置することが必要と考えますが、ご所見をお伺いします。 現在、東京都内では、東京都危機管理監、隣接する豊島、板橋区を含め計17名、9つの自治体で退職自衛官が防災関係部局に在職しております。更に言えば、全国では11月現在、沖縄県以外のすべての都道府県庁に90名、計1,788ある市区役所、町村役場で428名が363の自治体で勤務しています。東京都危機管理監も自衛隊出身の方で、初代陸上総隊司令官の小林茂氏です。このほかにも多くの自治体で元自衛官、それも佐官、将官クラスのVIP級自衛官が危機管理監として採用されています。 各自治体での危機管理における情報共有や意見交換会、それぞれにおける防災計画の作成、防災訓練の企画・実施等、更には災害が発生した場合における自衛隊等の実動機関との調整など、幅広い防災業務への対応には、退職自衛官が有効です。 何と、平成27年10月からは、退職自衛官の雇用を財政面からも後押しする地域防災マネジャー制度が導入されました。財政的に厳しい中で、いかに補助や助成を活用していくかが大切になります。今がチャンスです。 また、防災・減災を語るうえで重要なのは、言霊主義に陥らないことです。常に最悪の事態を想定し、それに備えることです。それでも、きっと完璧な対策はできないと思います。だからこそ、最悪を想定しなければなりません。 以降、災害対策に関連して数点お伺いいたします。 まず、実際に災害が起こったときの対処についてです。 避難所受け入れについて、他の自治体では、路上生活者の方や区外の方の受け入れを拒否したり、満員になってしまったことで、それ以上の受け入れができなくなってしまったりということが起きました。また、避難勧告を行ったとして、地域の方全員が避難してきた場合の想定はしているのでしょうか。区の現在の対応をお伺いします。 また、多くの区民にとっては、ホームページやSNSからの情報入手は欠かせません。先般の台風においても、ツイッターで適時適切な情報発信がなされており、それ自体は評価いたしますが、操作がふなれな方にとってはわかりにくい部分もありました。災害時、区民は、そのほとんどが災害に関する情報のみしか得ようとしません。ですから、区も防災専用の情報発信媒体、つまり危機管理室公式ツイッターとフェイスブックを立ち上げるべきだと思いますが、ご所見をお伺いします。 これは防衛省にも先例が見られ、今年の10月から、「防衛省・自衛隊(災害対策)」という防衛省の公式ツイッターを立ち上げました。災害派遣中の自衛隊の部隊が、いつ、どこで、どんな支援をしているかが逐次更新され、大変わかりやすくなっておりますので、ぜひ参考にしていただければと思います。 区は、年に数回、防災訓練や各避難拠点での避難訓練等を行っております。常に災害に備え、防災意識を区民に持っていただくためには、このような活動を地道に、そして継続して行うことが大変重要になります。区のこれに対する姿勢自体、大いに評価できるものです。そのうえで、その1回1回が更に効果的になってほしいという思いで質問をさせていただきますので、区のご所見をお聞かせください。 その一つは、北町西小学校での取り組みです。 北町西小学校では、年に1回、おやじの会主催の段ボール宿泊体験事業を行っております。3年前の初回から、参加した親、そして子どもたちから高い評価を得ており、今回までの連続開催につながっております。防災意識向上の啓発以外にも、親子が他の家族と協力して体育館で宿泊するという、いつもと違った環境で子どもと接することができたこともうれしかったといった感想もあり、私も主催側として誇らしい気持ちになりました。宿泊に及ばずとも、夜間訓練等は区内の小学校でも行っているとのことです。ぜひともこのような活動を一部地域の特徴ある取り組みにとどまらせず、他の小学校でも、いや、町会や各種団体を巻き込み、区の取り組みへと深化させるべきです。 そして2点目は、立川市等が行っている防災訓練での取り組みです。 立川市では、防災訓練時にセラピードッグや災害救助犬の訓練デモを行い、その後、訓練参加者との触れ合いの時間も設けているとのことです。縫いぐるみではなく、本物の犬がそこにいるということが重要なのです。セラピードッグとは、触れ合いや交流を通じて、病気やけが、または精神的な痛手を受けた人の不安を減らし、気力を高め、心と体を癒やす働きをする高度な訓練を受けた犬たちです。そして、世界で初めてドッグセラピーの効果検証を行っているのが、日本レスキュー協会のセラピードッグたちです。東京都では、レスキュードッグ東京という一般社団法人が積極的な活動を行っています。このような事例を練馬区でも導入すべきです。 最後に3点目です。私が所属する総合・災害対策等特別委員会は、先日、大阪府北部地震で大きな被害を受けた高槻市を視察しました。そこで衝撃を受けたのは、災害対策にとって、大は小を兼ねないということです。震度7級の大規模災害を想定して対策を練っていた高槻市にとって、震度6弱の地震に太刀打ちできなかったのです。これこそが、自然災害の怖いところです。絶対の、これといった対策が存在しない、予測もできないのです。大・中・小規模のあらゆる可能性に対しての策が必要になります。 また、災害対処には、実際に被災した自治体の経験を踏まえた本物の声が必要です。そういった自治体の方をお呼びし勉強会を行ったり、避難拠点訓練を評価してもらったり、実際に震災後に高槻市が始めたことですが、全庁における未周知状態での登庁訓練の実施など、実効的な取り組みが必要です。 以上3点、実際の取り組みを紹介させていただきましたが、ポイントになるのは、実際、本物ということです。実際に体験する、本物に触れ合うということが真に重要だと思います。以上について区の見解をお伺いして、この項を終わりにします。 続いて、区の少子高齢化対策についてお伺いします。 これまで日本においては、深刻な少子高齢化が進んできました。そしてそれは、今後数十年で、より一層深刻化していきます。 2025年の日本は、団塊の世代が75歳を超えて後期高齢者となり、国民の3人に1人が65歳以上、5人に1人が75歳以上という未曽有の超超高齢社会を迎えます。いわゆる2025年問題です。それだけでなく、このままだと、その先の未来、2050年には更に深刻な状況に陥るとも言われております。いわゆる2050年問題です。2045年には、AIが人知を超えるとも言われており、想像もつきません。 そんな中で、私はかねてより、少子化対策に最も有効的なのは婚活サポートだと思ってきました。少子化は、晩婚化とそれに伴う合計特殊出生率の低下が原因だと思っているからです。 そこで、お伺いしますが、練馬区が主催する街コンや長野県が行っているような行政が直接運営する結婚相談所の開設、または直接でなくとも結婚相談所運営事業者への助成、あるいは福岡県が、あかい糸めーるという事業名で行っているようなマッチング支援を行うのはいかがでしょうか。 工夫次第ですが、街コンを商店街で開催することによっては、直接的な商店街の活性化にもつながるはずです。過去には、旧福祉会館で行った事業は成功が見込めず、再開が困難との答弁もありましたが、創意工夫によって手段は無限に出てくるものと思っております。 少し視点を変えて、結婚後に安心して赤ん坊を産める環境を整えるということも大切です。 先日、地元の方から、子どもがいる家庭に防犯ブザーを配布してほしいというお声を伺いました。防犯ブザーを持つことで、子育て世代の、特にお母様方は相当な安心感を得ることができるとのことでした。子どもがいる家庭の安全・安心を守るため、防犯ブザーを乳幼児のいる家庭に配布することを提案いたします。ご所見をお伺いします。 更に視点を変えて、結婚記念植樹または苗木配布を促進することで、みどりの多い練馬区で結婚したという思い出にも残りますし、みどりのムーブメントの輪を広げることにもつながります。現在、区では、11月22日のいい夫婦の日に婚姻届を出した夫婦を対象に、記念写真撮影スポットを用意して祝福しています。平成22年度までは結婚出生苗木配布事業を行っていましたが、現在は出生のみの苗木配布とのことで、結婚に伴う苗木の配布は、住宅事情もあり希望者数が少なかったことが終了の理由と聞いており、大変残念です。結婚の喜びがよき思い出となるような工夫、例えばいい夫婦の日だけでなく、結婚の記念パネルを常設したり貸し出しをしたりするなど、より一層の工夫が図れないものでしょうか、ご所見をお伺いします。 次に、学校教育についてお伺いします。 未来ある子どもたちにとって、学校は大変重要な場所です。ここでは、その中でも主権者教育についてお伺いします。 主権者教育とは、社会で起きている出来事についてみずから考え、主体的に行動できる人間を育成するための教育であって、若者が有権者として政治に参加するための政治的教養を育成することも、その定義に含まれます。まさに、これからますます激化する国際競争社会において必須の素質であります。主体的・対話的で深い学びを目指す今後日本の教育指導要領についての理解を深めるとともに、この主権者教育について、まず慎重に考え、深みのあるものにしなければならないと考えます。 若者の政治離れについても、いよいよ本格的に動かなければなりません。先日行われた参議院議員埼玉選挙区の補欠選挙では、台風の影響もあったとのことですが、その投票率は何と20.81%という低さでした。これには危機感を持たなければなりません。私には、これが、政治なんて誰がやっても変わらないという強いメッセージにしか聞こえませんでした。練馬区議会最年少議員として、そして日本若者協議会のオブザーバーとして、この問題には強く取り組んでいきたいと思います。 啓発ポスターや垂れ幕、各種SNS等での呼びかけは確かに大切ですし、今後も継続していく必要があります。しかしながら、この危機的状況から脱出するためには、もっと抜本的な改革が必要です。その要素が主権者教育にはあると思います。 現在、小中学校で行われている模擬投票は、自由参加型であると伺っております。来年、再来年の投票率は上がらないか、むしろこのまま下がっていくかもしれませんが、将来への投資です。授業の一環として模擬投票を実施することについてのご所見をお伺いします。 次に、動物愛護に関連してお伺いします。 私の実家では、犬を1匹、屋内で猫を5匹飼育、いわゆる地域猫という形で8匹の猫を屋外で管理しています。地域猫とは、特定の飼い主がいないものの、地域住民の認知と合意のうえで共同管理されている猫を指し、地域猫活動とは、地域にいる飼い主のいない猫の問題を、地域住民、問題解決に取り組むボランティア、行政の三者が協力し合って解決を目指すことにより、人と猫とが共生する地域づくりをしていくという活動です。私も動物が大好きで、先日も区内のNPOが主催する地域猫セミナーに参加し、ボランティア登録も同時に済ませました。 しかし、ボランティアの方がいくら努力をしても、増え続ける猫には到底追いつきません。先ほど申しましたとおり、猫対策は行政の課題でもあります。地域住民への理解の働きかけ、ボランティアへの支援は欠かせません。区は、これまでにもチラシを作成したり、ホームページに地域猫対策のページを掲載したり、不妊去勢手術への助成を行ったりと、その役割を大きく担ってきました。しかしながら、地域猫のように管理されていない、いわゆる野良猫被害は後を絶ちません。 今年は、地域猫活動が区内で始まってから10年という節目の年です。高齢者による多頭飼育崩壊等、新たな課題も徐々に顕著になっています。不適正飼育者への指導、飼育不可能になった場合の管理方法、あるいは飼育放棄された場合の対策の呼びかけ、飼い猫への不妊去勢手術助成の拡大、その他時代の流れに乗った新たな対策も検討する時期になってきました。ボランティアだけに負担と不満が集中しないよう、そして「猫か人か」ではなく、「猫も人も」を目指していくうえで、改めて今後の区の地域猫に対する姿勢をお聞かせください。 続いて、練馬区の魅力発信についてお伺いします。 私は、石川県の出身であります。地方で生まれ育ったからこそ、練馬区の魅力は理解しておりますし、もっと広く区民にも理解されるべきだと思います。 その一つの策として、練馬区独自のナンバープレートを作成すべきです。いわゆるご当地ナンバーと言われているもので、走る広告塔として、日本では全41地域で導入されており、近ごろ高い人気を博しております。この10月からは、練馬ナンバーから板橋区が独立して新たなご当地ナンバープレートを作成しました。ラグビーワールドカップ、そして東京五輪の図柄入りナンバープレートもそれに当たります。北町には自動車検査場もあり、その存在感を高めることもできると思います。 時機を捉えたイベントの実施も魅力発信につながります。2023年9月30日、グラントハイツが全面返還されてちょうど50年になります。改めて、私を含めた戦争を知らない世代に対し、米軍の占領から戦後復興を支えた先人の方々の熱い意志を振り返り、日本という太い糸にある一本一本の糸が、われわれ一人ひとりの国民であるということを再認識し、そしてその糸をこれからもわれわれが協力し紡いで、更に太く強い糸にしていこうという感覚を取り戻していきたい。イベント開催により、この国を未来につなげていくという意味での愛国心醸成にもつながるのではないでしょうか。 以上2点について、見解をお聞かせください。 続いて、まちづくりについて質問します。 わが師であります村上悦栄元議員は、かねてより平和台駅を練馬区の東の玄関にと訴えてこられました。現在、それに向けて平和台駅前周辺のまちづくりが進められております。放射35号線の整備や地下・地上駐輪場の整備、それに伴う沿道緑化施策等がそれです。課題が多くあることも認識しておりますが、これには地域住民との対話が必要になってきます。 地域では何が課題になっているか、何が問題視されているかを聞くだけでなく、理解し、互いの利害の差を極小にさせる必要があります。放射35号線は、その段階をしっかり経て、早期に開通させなければなりません。また、北町には優先整備路線ではない未着手の補助線街路248号線が計画されております。この道路を早期に優先整備路線に指定し、速やかに事業着手に駒を進めていただきたいと思いますが、これら2路線について、今後の見通しを教えてください。 補助248号線について申しますと、それが開通することによって、東武練馬駅付近の交通安全対策にもつながります。北町は、唯一の東武東上線が最寄り駅として利用される地域であり、利用者も便数も多く、都心池袋までを結ぶ利便性の高い駅です。一方で、特別に安全性が考慮されておらず、ラッシュ時のあかずの踏切状態では事故等が頻発しており、踏切やホームでの人身事故も後が絶えません。当面の解決策として、時間帯を指定した交通規制も必要ですが、いち早く補助線の開通に至り、通行の分散による抜本的な解決が急務です。 以上を踏まえて、東武練馬駅付近および駅における安全対策をお聞かせください。 また、同様に、練馬区の文化財の保護と活用について、私から引き継いで質問させていただきます。 今後の区の文化財の活用案として、オリンピック・パラリンピックに伴うインバウンドや今後の外国人の増加など、国際化に備えた文化財案内パンフレット英語版の作成および現地案内板の英語解説の手法であるQRコード設置の現在の進捗と今後の予定について教えてください。 最後に、まとめとして今後の区政運営に対しての全体的な要望を申して、一般質問を終わらせていただきます。 過去は誰も変えられず、今はその一瞬を生きるのに精いっぱい。課題も山積みです。未来は誰も予想できません。 しかし、われわれ議員や行政は、過去から学び、その反省から現在をよりよく、この豊かな国を未来永劫つなげていく義務と責任があります。一つの課題を解決するためには、一つの解決策だけでは十分ではありません。一つの解決策の発動により起因する課題を洗い出し、それらを解決する策も同時並行的に分析する。この繰り返しによって、あらゆる課題と解決策が複合的に重なり、絡み合い、それらが相乗効果を発揮することによって、やっと一つの課題が解決に進んでいくと半ば確信しております。そしてそのためには、目先だけの課題にのみ焦点を当てるのではなく、何年も何十年も、ともすれば何百年も先の日本を、そして練馬区をどのようにしていくのか、責任を持って区政運営に当たらなければなりません。これは、私自身への戒めとしても皆様にこの場でお話しさせていただきました。 引き続き誠心誠意をモットーに、地域に密着し、議員として成長していくことをお誓い申し上げ、私の一般質問を終わります。 ご清聴まことにありがとうございました。(拍手)    〔前川燿男区長登壇〕 ◎前川燿男区長 お答えいたします。 災害対策についてであります。 台風19号では、数十年に一度の大雨により重大な土砂災害が発生するおそれがあるとして、練馬区に大雨特別警報が発令されました。問い合わせへの対応に忙殺され、警報発令のあり方に懸念を抱きました。また、保育所やごみ収集など施設・事業の継続可否の判断、避難所開設の判断と周知、避難情報の伝達方法、暴風対策の周知、災害時広報のあり方など、課題が浮き彫りになりました。 地球温暖化の影響により、近年、台風が大型化しています。台風15号による暴風災害、台風19号などによる豪雨災害は、これまでの想定をはるかに超えるものでした。 こうした事態への備えを欠かすことのできない時代に入っているのです。早急に検討し、今年度中に取りまとめる災害対策再点検の結果報告に加えるよう指示しました。また、来年度改訂を予定している地域防災計画に位置づけることとしました。 天災に先手を打つ、攻めの防災を更に進め、「災害に強く、逃げないで済むまち」の確立に向け、地域防災力の向上にスピード感を持って取り組んでまいります。 私からは以上です。 そのほかの質問につきましては、副区長、教育長、技監および関係部長から答弁いたします。    〔山内隆夫副区長登壇〕 ◎山内隆夫副区長 私から、練馬区独自のナンバープレートについてお答えいたします。 練馬ナンバーは、現在6区で使用されています。地方版図柄入りナンバープレート、いわゆるご当地ナンバー導入には、他の5区の同意が必要です。 一方で、練馬ナンバーを使用している区の中で、地域振興や観光振興の観点から、杉並区や板橋区のように新たにご当地ナンバーを検討する区が増えるのではないかと考えています。地方版図柄入りナンバープレートの導入については、国から自治体に対し、これまで3回募集が行われましたが、今後は未定とのことです。引き続き、国や他区の動向を注視しながら、導入について検討していきます。 私からは以上です。    〔河口 浩教育長登壇〕 ◎河口浩教育長 私から、教育に関するご質問にお答えします。 主権者教育についてです。 主権者教育は、学習指導要領においても教育課題として位置づけられており、すべての小中学校で行われています。具体的には、社会科の授業で選挙の仕組みを学んだり、児童会・生徒会活動などで実際に投票したりすることなどを通して、主体的に社会へ参画しようとする態度を身につけさせる指導を行っています。 現在、子どもたちの学びを充実させる一つの方法として、選挙管理委員会事務局による模擬投票等の出前授業が行われており、昨年度は小学校13校、中学校5校で実施しました。教育委員会といたしましても、模擬投票は、選挙や政治参加について体験的に学ぶことのできる貴重な学習の場であると捉えております。今後は、選挙管理委員会事務局との連携をより緊密にし、実施校数の拡大に向けた取り組みを進めてまいります。 私からは以上であります。    〔宮下泰昌技監登壇〕 ◎技監 私から、都市計画道路放射35号線、東武練馬駅および駅周辺の安全対策についてお答えします。 放射35号線は、早宮二丁目から北町五丁目の約1.3キロメートルの区間で東京都が事業を進めています。環状八号線から川越街道の区間については整備工事が概ね終了しており、都では、環状八号線以南が整備されるまでの間、暫定2車線での交通開放を予定しています。 交通開放に当たって、地域の皆様や小学校の保護者の方々から、信号機の増設など交通安全対策について要望があり、都では改めて安全対策について検討を進めており、今後、地域の皆様に説明のうえ、交通開放を行うと聞いております。 区は、現在事業を進めている環状八号線以南の放射35号線および36号線についても、早期整備を行うよう都へ働きかけています。 次に、東武練馬駅および駅周辺の安全対策についてです。 練馬区と板橋区にまたがる補助248号線は、第四次事業化計画において、将来の都市計画道路ネットワークとして整備の必要性は確認されていますが、優先整備路線への選定には至っていません。今後、都や板橋区と整備の進め方について協議していきます。 駅周辺では、駅西側の東武東上線第40号踏切における安全性確保が課題であり、これまで歩行帯のカラー舗装などの安全対策を実施してきています。また、区では同踏切前後の道路の交通規制について、板橋区や交通管理者と協議を行っています。引き続き板橋区等と連携を図り、駅周辺の安全対策について検討していきます。 駅については、東武鉄道が令和3年度以降にホームドア整備を予定している駅として公表しています。区では、今後も国や都、鉄道事業者と連携し、駅ホームの安全対策を促進してまいります。 私からは以上です。    〔唐澤貞信危機管理室長登壇〕 ◎危機管理室長 私から、災害対策についてお答えします。 はじめに、専門性を有する外部人材の活用についてです。 専門的知見を有する危機管理職務経験者の登用は、区の災害対応力向上に寄与するものと考えます。現在、区の危機管理室では、東京消防庁や警視庁からの派遣職員が職務に従事しております。自衛官の任用については、引き続き検討課題といたします。 次に、避難所についてです。 まず、練馬区では避難所において、区外の方も含めて受け入れる考えです。練馬区には大規模河川が所在しないことから、地域の方全員の避難が必要な事態は想定されません。 平成27年に水防法が改正され、想定する最大総雨量が690ミリに引き上げられました。これを受け、避難所は水災害の規模に応じて4段階に分類することとしました。避難所は、降雨の状況、避難想定数を勘案したうえで開設します。現在、改定作成中の水害ハザードマップにおいて、浸水が予想される区域やその程度、避難所等をわかりやすく記載し、来年3月に全戸配布いたします。 大規模地震発生時や大型台風が接近する際には、区ホームページは、トップページに各種防災マップや気象情報、震度情報など災害情報を集約して掲載しています。アクセス集中への対策も施しており、台風19号の接近時には、多くの区民から、情報が早くわかってよかったなどの声もいただいております。引き続き、ホームページの災害情報を充実するとともに、SNSの更なる活用についても検討してまいります。 次に、宿泊体験についてです。 北町地域のPTAの方々が主体となり、自発的に実施されている体育館での宿泊体験は、実際の災害により避難した際、どのような状況で夜を明かすのか実体験できる極めて有効な取り組みと捉えています。他の地域でも、宿泊訓練をはじめ安否確認訓練、ペット同行避難訓練など、各所で特徴のある取り組みを実施しており、今後ともこのような取り組みをサポートしていく考えです。 次に、災害発生時の心と体のケアについてです。 練馬区業務継続計画地震編では、発災後72時間から1週間以内に、区保健師等が被災者に対するメンタルヘルス等の相談、助言、指導を行うことと定めています。また、練馬区災害時受援ガイドラインでは、応援自治体や団体の保健師等による避難拠点への巡回相談の実施を定めているところです。セラピードッグについては、今後、情報収集をしてまいります。 次に、被災した自治体の教訓を生かす取り組みについてです。 区は、他自治体において災害が発生した際、災害協定や応援要請に基づき職員を派遣してきました。派遣職員による体験報告会を行うほか、被災した方の講演会等も実施し、被災地の教訓を共有しています。 次に、職員対象の震災訓練についてです。 訓練の実効性を高めるための参集訓練や被害想定をあらかじめ明らかにしない、いわゆるブラインド訓練なども行っています。今後も内容を充実してまいります。 次に、子どもがいる家庭への防犯ブザーの配布についてです。 防犯ブザーは、登下校などで一人で行動するようになる新小学1年生に、犯罪の被害に遭った際、周囲に危険を知らせることができるよう配布しています。配布対象の拡大については、今後の研究課題といたします。 私からは以上です。    〔堀 和夫総務部長登壇〕 ◎総務部長 私から、記念写真撮影スポットと光が丘地域の歴史の周知についてお答えします。 はじめに、婚姻届の提出をお祝いする記念写真撮影スポットについてです。 いい夫婦の日に設置している記念写真撮影スポットは、区民の方から好評を得ています。設置場所の制約など課題がありますが、より多くのカップルの皆様にご利用いただけるよう検討を進めてまいります。 次に、光が丘地域の歴史に関する区民への周知についてです。 現在の光が丘地域は、第二次世界大戦中は成増飛行場として、戦後は駐留米軍宿舎のグラントハイツとして使用されていました。区をはじめとした関係者の返還運動が実を結び、昭和48年9月に全面返還され、その後の跡地利用計画に基づく整備等を経て、現在に至っています。 区では、時代とともに変化したこの光が丘地域の歴史について、これまで周年の記念誌や小学校の社会科副読本、ホームページ等に掲載をしてまいりました。平成29年8月に発行した練馬区独立70周年記念誌においても、今昔ストーリーとして特集し、貴重な記録として残しています。この記念誌は、広く書店で販売するとともに、区立全小中学校にも配付し、学校の教育活動にも役立てています。 今後も光が丘地域の歴史については、こうした記念誌等を通じ、区民の皆様とともに継承するよう取り組んでまいります。 私からは以上です。    〔小金井 靖地域文化部長登壇〕 ◎地域文化部長 私から、文化財についてお答えいたします。 オリンピック・パラリンピックの訪日外国人や急増する外国籍区民の方へ広く文化財を知っていただくため、指定・登録文化財の「文化財あんない」英語版を今年10月に作成しました。区民情報ひろば、練馬観光・情報コーナー、石神井観光案内所などの区立施設で配布するほか、羽田空港や東京都庁、京成上野駅などにある東京観光情報センターでも配布を始めました。区ホームページにも掲載しています。また、スマートフォンなどから区ホームページの英語解説にアクセスできるよう、区内約90か所にある現地の文化財説明板に、今年度内にQRコードを取りつける予定です。引き続き、文化財の保護・活用に努めてまいります。 私からは以上でございます。    〔中田 淳福祉部長登壇〕
    ◎福祉部長 私から、結婚活動への支援についてお答えします。 区は、旧練馬福祉会館に結婚相談室を設け支援を行ってきましたが、平成14年に事業を廃止しています。婚姻希望者を登録して紹介する方式での結婚相談事業は、民間における同種の事業もあることから、区として再開しても成果を見込むことは困難と考えています。 都は、平成30年11月から、結婚を希望する方へさまざまな情報を総合的に提供する結婚支援のポータルサイトを開設し、都内で開催される婚活イベントや民間婚活サービスなどを紹介しています。都をはじめ、他自治体の取り組み状況や事業効果などを今後研究してまいります。 私からは以上であります。    〔高木明子練馬区保健所長登壇〕 ◎練馬区保健所長 私から、動物愛護についてお答えいたします。 ペットの飼い主には、動物がその命を終えるまで適切に飼い続ける責任があります。飼い主に対し、狂犬病の予防接種やペット相談などの機会を通じて、動物愛護や適正飼育の周知・啓発に努めています。 高齢化の進展に伴い、飼い主が病気やけがなどでペットを飼い続けることができないケースも増えています。本人や介護事業者等から相談があった場合には、東京都動物愛護相談センターと連携しながら対応しています。 また、飼い主のいない猫については、ボランティアグループ等の協力を得ながら猫に不妊去勢手術を施す地域猫活動を推進しています。本年3月末現在、67のボランティアグループが156の地域で活動し、約1,500頭の地域猫を管理しています。地域と一体となった練馬区の活動は、先進的なものとして他自治体から注目されています。今後もボランティアグループと定期的に情報を交換し、連携を密にしていきます。 区では、協働の区政の一つのあり方として、寄附による区民参加を進めており、指定寄附の募集に際し、「動物愛護のため」というメニューを設けています。趣旨に賛同していただける方々の善意も生かしながら、事業の充実を図ってまいります。 私からは以上でございます。 ○上野ひろみ議長 この際、議事の都合により暫時休憩いたします。      午後2時29分休憩----------------------------------- ◎事務局長 ただいまの出席議員数50名でございます。      午後3時0分再開 ○上野ひろみ議長 ただいまから本会議を再開いたします。 休憩前に引き続き一般質問を行います。 14番・きみがき圭子議員    〔14番きみがき圭子議員登壇〕 ◆きみがき圭子議員 生活者ネットワークを代表して一般質問を行います。 はじめに、区長の基本姿勢について伺います。 11月、フランシスコ教皇が来訪しました。軍備拡張競争は途方もないテロ行為、核兵器は安全保障への脅威から私たちを守ってくれるものではない、また、原発は利用すべきではないと訴え、核兵器禁止条約への参加を呼びかけました。 これに対し安倍首相の答えは、核兵器保有国と非保有国との橋渡しを務めると、相変わらず立場のはっきりしない曖昧なものでした。唯一の戦争被爆国でもあるにもかかわらず参加しないのは、核兵器保有を容認していることと同じです。 真の平和とは、非武装の平和以外にあり得ません。非核都市宣言をして、「『核兵器の廃絶と軍縮』を強く訴えている」と光が丘の平和祈念碑にも刻んでいる区として、宣言だけに終わらせず、国に対し、条約に参加するよう求め、区長みずから積極的に行動すべきです。区長の考えを伺います。 今年5月20日、練馬区内において、拡声器を使用した街頭宣伝で、在日朝鮮人に対する不当な差別的言動があったとして東京都に出されていた審査請求の結果、審査会は、「これらの表現は本邦外出身者に対する不当な差別的言動に該当する」と認定しました。 東京都オリンピック憲章にうたわれる人権尊重の理念の実現を目指す条例の規定により設置されている審査会の意見を踏まえ、都は、不当な差別的言動に該当する表現活動、いわゆるヘイトスピーチはあってはならない、条例に基づき公表し、ヘイトスピーチの解消を推進していくと表明しています。都条例施行後、最初のヘイトスピーチの認定が練馬区で起きたことは、とても残念でなりません。 都の公表はホームページにとどまっているため、多くの練馬区民は東京都のヘイトスピーチ認定第1号がこの練馬区で起きた事件であることを知りません。地元で起きたこの事件について、区の見解をねりま区報やホームページで公表し、区民への啓発をすべきだと考えますが、いかがでしょうか。 いわゆるヘイトスピーチを練馬区からなくしていくための施策をどのように充実させていくか、現段階で検討していることや着手していることがあればお聞かせください。 今、人権週間で「ヘイトスピーチ、許さない。」のポスターが掲示されていますが、掲示だけに終わらせず、全庁的な取り組みを進めるために、人権尊重をビジョンに位置づけるべきです。 次に、介護保険制度について伺います。 2000年に始まった介護保険制度は、3年ごとの見直しのたびに、当初の目的であった介護の社会化からは遠ざかり、必要なときに必要な人が使えるサービスではなくなってきています。制度の持続可能性を口実に、政府は、介護保険制度の改悪を進めていると言っても過言ではありません。 2015年の改定は、要支援1、2の人への給付が地域支援事業に移行し、市町村の事業となりました。また、特別養護老人ホームの入所要件が要介護3以上、介護保険料の2割負担の導入など、大きな転換でした。 この間、国の介護保険制度全体の見直しの中で、介護予防・日常生活支援総合事業の検証がきちんと行われていません。2021年の次期改定に向けて、区が取り組んできた総合事業の検証が必要ではないかと考えます。第8期練馬区高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画策定に向けた調査項目に、総合事業に移行した要支援1、2の人の暮らしへの影響や、この事業による実績や効果を検証するための項目を設けているでしょうか。 社会保障審議会では、2021年の次期改定に向けて、私たちが懸念してきたケアプラン有料化や、要介護1、2の訪問介護の掃除や洗濯といった生活援助、通所介護を介護保険から外し、低報酬の自治体の地域支援事業へ移行するなどが検討されていましたが、次期改定案には盛り込まず、先送りする方向で調整に入ったと報道されました。 厚労省の2018年国民生活基礎調査から、介護が必要となる主な原因のトップは認知であることがわかります。要介護1、2は、在宅で暮らしている認知の方の割合が高く、生活援助サービスの利用率も最も高い層であり、在宅の介護認定者の4割を占めています。 社会保障審議会の検討資料では、「軽度者への生活援助サービス等に関する給付の在り方」という表現ですが、要介護1、2は、決して軽度者ではありません。専門職による質の高い継続した支援が、利用者本人、そして家族の生活を支えているのです。 介護離職ゼロといいながら、要介護1、2を給付対象から外し、サービスを抑制しようとする動きは矛盾しています。 介護を社会全体で支えるために、多くのNPOが介護保険事業に参入し、訪問介護を中心に在宅での生活を支えてきました。しかし、この間の利用抑制やサービス単価の切り下げにより、地域に根差して活動してきた小規模事業者の存続が危ぶまれています。 次期改定に向けた懸念材料は一旦先送りになったというものの、国は、財源不足を理由に給付を抑制し、地域総合事業という形で地域への丸投げを拡大する姿勢です。保険者としてもっと危機感を持ち、現場を置き去りに介護保険制度の改変を強引に進めることがないよう、国に訴えるべきです。 介護保険制度は複雑で、理解するのが難しく、改定のたびに現場は混乱しています。重要なのは、自分たちが払ってきた保険料でどのようなケアを受け、どのように生活できるのか、自分が高齢になったときにどのように暮らしたいのか、それにこたえる事業を組み立てるのが保険者としての区の役割と考えます。前回改定時にも説明会が開催されたことは承知していますが、活発な意見交換があったとは言いがたい状況です。第8期の改定にあたって、開催場所や時間設定などを工夫して、区民にわかりやすく説明し、幅広い区民の意見を聞くための説明会を開催すべきです。区の考えを伺います。 次に、認知施策について伺います。 今年6月に、認知施策推進大綱が閣議決定されました。当初発表された、70代の有病率を6年で6%、10年で1割程度減らすなどの数値目標は、認知当事者と家族の会などからの批判で撤回されました。 認知の発症メカニズムは解明されておらず、現在行われている予防対策の科学的根拠は明確ではないのに、予防を重視すること、予防のための研究開発が掲げられ、産業促進に介護保険の財源を投入することなど、いくつもの疑問が湧いてきました。 そもそも、予防は個人の意思で取り組むもので、制度で強制や誘導するものではないはずです。認知施策として予防を重視することは、予防していなかったから認知になったのだと、当事者や家族が社会から自己責任を問われる状況に追い込まれないかと懸念します。区内の認知対応型グループホームで働くある職員は、認知に対する偏見や差別がある限り、予防は恐れや不安を増長し、本人や家族を苦しめるだけと指摘します。 介護予防と認知予防は違います。大綱では、認知の効果的な予防法が確立していないのに、「予防に関するエビデンスの収集の推進」を掲げ、認知当事者の嗜好や生活パターン、ケア情報が利用されることが介護保険の目的に合っているのか、疑問です。また、データ収集、提出などのために、自治体はもとより、多忙な医療や介護の専門家に業務として課され、巻き込まれることも懸念します。区としてどのように考えているのか伺います。 前述のグループホームでは、近所の掃除をしたり、買い物に行った先でお店の人と談笑したり、日々の食事をつくってそろって食べるなど、利用者は適切な支援で穏やかに暮らしているそうです。そのように過ごしている方からも、認知になったらどうしようと心配する言葉が出てくることがあるそうです。それだけ、認知は何もわからなくなること、認知は恐ろしい病気などの認知に対する偏見が刷り込まれているということではないでしょうか。 認知に対する偏見をなくす具体的な取り組みが必要です。区の考えをお聞かせください。 介護や医療サービスで生活環境が改善され、落ちついて過ごせる人たちは大勢います。安心して暮らせる環境こそ、すぐれた認知対策ではないでしょうか。老化による認知機能の低下は、誰にでも起こり得ることです。困るのは、それによって生活に障害が生じること。研究開発や産業促進に介護保険を投入するのではなく、その人の当たり前の生活をどう支えるのか、身近な自治体の取り組みが問われます。区の考えを伺います。 認知とともにすべての人が安心してともに生きる地域社会の実現を求めます。 次に、第5世代移動通信システム、5Gについて伺います。 私たちは、これまで何度も電磁波の人体への影響について取り上げてきました。ここ数年、スマートフォンの利用が急速に拡大し、7年前から4Gの普及で基地局も増え続けています。電車の中でも、ほとんどの人がスマホを見ているのが当たり前になっていて、最近では、2~3歳の小さな子どもも静かにじっと画面を見ているという姿に危機感を抱きます。家の中では、さまざまな家電製品、パソコンなどの周辺機器、スマートメーターなどが使われています。 生活が便利になればなるほど、受ける電磁波の影響も多くなります。進化し続ける通信機器に対応して増設する携帯基地局から受ける健康への影響について、国は対策を考えていません。国際がん研究機関は、電磁波を、ヒトに発がん性があるかもしれないと評価しています。 基地局の近隣住民から、電磁波の影響を受けることに大きな不安を抱き、実際に健康被害を訴えている区民がいても、国は電波防護指針に従った携帯基地局設置基準に基づいて設置しているため区としても防護指針や同様のガイドラインも尊重していきたい、区に権限がないため事業者に指導するのは困難など、積極的な姿勢が見られません。これに対し私たちは、予防原則に基づいた施策を求めてきました。 更に、今年からは一部で5Gのサービスが開始され、来年度からは本格的な実施になっていきます。今年4月に、既に総務省は携帯電話事業者に5G周波数の割り当てをしています。5Gは、現在よりも100倍速い超高速、大容量で、携帯電話だけでなく、防犯カメラ、自動車、教育、医療現場など広く使用することができるとしています。また、スモールセルというポータブル小型基地局が電柱や地下に250メートル間隔で設置できるとされています。体に近い至るところで電磁波の影響を受けることになります。 イタリア、ベルギー、ポーランドなどの都市では、5G導入に反対しています。区は、今後の5Gの普及について、情報や健康への影響など、把握、調査しているでしょうか。 東京都は、「TOKYO Data Highway 基本戦略(Version.1)~UPDATE_TOKYO~」を策定し、21世紀の基幹インフラ、東京2020大会のレガシー、「電波の道」を拓くことで都民の生活をより豊かにするとしています。そして、基地局の設置に、都の保有する建物や公園、道路、地下鉄、バス停、街灯、電柱などを開放することを示しています。「5Gによる明るい未来を体感」と、夢のような内容ばかり描かれていますが、それによって受ける電磁波から都民の健康を守る視点が欠けています。 区内にも、都が開放する基地局設置可能な場所が多数あるわけですから、区民の健康を守る立場として、影響を明確に示せないなら進めるべきではないことを都に求めるべきですが、区の考えを伺います。 区も利用者となることが想定されることから、ばく露についての情報提供、独自の測定、対応の体制を検討するべきと考えますが、いかがでしょうか。 化学物質過敏症の人の8割が電磁波過敏症も併発していると報告されています。区民の命と健康を守る立場に立った対策を求めます。 次に、環境基本計画について伺います。 来年度の環境基本計画2020策定にあたり、プラスチックごみへの対応を強化し、生活者ネットワークが何度も要望してきた、庁内でのレジ袋やストローの廃止、会議でのペットボトルの使用廃止などの大幅削減が実行されることは、一歩前進と考えています。更なる取り組みを期待します。 11月3日、生活者ネットワークは、荒川河川敷のごみを拾い、分別して調査する荒川クリーンエイド2019に参加しました。川から流れてくるストローやレジ袋の切れ端などの生活ごみが、細かくなって海へと流れ込んでいます。元を絶たなければ、海洋汚染は防げません。 区の10月の環境審議会で次期計画の骨子が示されました。「第2次みどりの風吹くまちビジョン」との整合性を図り、環境施策の取り組みを更に進めるために改定するとされ、みどり、エネルギー、清掃・リサイクル、地域環境の四つの分野について、目標と方針を定めています。 この中で、地域環境の分野の快適な地域環境をつくるという目標には、良好な交通環境の整備、良好な生活環境の保全、気候変動への対応の三つの方針が掲げられています。その主な取り組みは、都市計画道路の整備、西武新宿線の立体化、大江戸線の延伸であり、気候変動への対応はその他になっています。 しかし、今、私たちの命にかかわる重大な問題として取り組むべき喫緊の課題は、プラスチックによる海洋汚染とともに、気候変動への対応ではないでしょうか。快適な地域環境という地域課題の枠の中で、しかも交通の整備より後回しにすること自体、区の気候変動への危機感がないことをあらわしていると考えます。区の考えを伺います。 環境基本計画2011には、練馬区地球温暖化対策地域推進計画も含まれています。ここ数年の温暖化が原因とされる気候変動は明らかであり、日本でも猛暑や大型台風、集中豪雨で多くの方が亡くなっています。 温暖化を加速させる温室効果ガスの約9割がCO2です。11月、世界気象機関は、温室効果ガスのCO2について、世界平均濃度が2018年に最高値を記録したと発表しました。このままで行くと、2100年には世界の気温が最大4.8度上昇して、生態系に破滅的な影響を及ぼすと言われています。これをとめるには、2050年までに温室効果ガスの排出量をゼロにする必要があると報告されています。 世界各国のCO2排出量は、1位が中国で、日本は5位ですが、国民1人当たりの排出量となると、日本は4位です。先進国である日本が率先して温暖化防止に取り組んでいかないと、地球の環境は守れません。 世界の国や都市では、気候変動の危機について非常事態宣言を発表し、気候変動を人類の危機として認め、緊急性をもって対処する必要性を市民に伝えています。日本でも、大学生が中心になって、気候非常事態宣言を求める請願を東京都に提出し、11月29日、環境・建設委員会での審査に向けて、大勢の若者が都庁の周りを練り歩きました。区において、来年度から10年間に取り組む環境基本計画2020において、地球温暖化対策を大きく打ち出すべきと考えますが、いかがでしょうか。 そして、CO2を最も多く排出しているのが電力です。省エネとともに、何によって電気をつくるかが鍵となります。区が省エネに努力していることは認識していますが、エネルギーについては更なる取り組みが必要と考えます。 区のエネルギービジョンフェーズ1が今年度で終了します。環境基本計画の改定と整合性を図りながら、エネルギーについても更なる低炭素かつ再生可能な取り組みへと見直すべきと考えますが、いかがでしょうか。 次に、子ども施策について伺います。 来年度から、現在の学校生活支援員と学校生活臨時支援員が会計年度任用職員へと移行します。これまでの働き方と変わることで、どのくらいの人数が確保できるのか、支援を受けている児童・生徒が必要としている時間や日数が今のまま確保できるのか、保護者から不安の声が届いています。区に問い合わせても、わかりませんとの回答しか得られなかったとのことです。 区として、保護者の不安をあおるような対応をすべきではありません。今後、同じような相談があった場合の対応について伺います。 会計年度任用職員へと移行することで、これまでの臨時支援員の中には、勤務条件が合わず辞退する方が生まれ、その結果、支援の時間が減ってしまったり人がかわってしまうようでは、子どもが安心して学校生活が送れません。始まってみなければわからないではなく、区が状況を把握し、4月に児童・生徒が戸惑うことのないよう体制を整える必要がありますが、区の考えを伺います。 学校生活支援員は、学校生活上の安全の確保や移動等の介助や学習活動上のサポートを行うと、区は説明しています。しかし、学校によって校長はじめ教職員の認識に差があり、予算がない、人が見つからないと、学校から付き添いを求められたと、困惑する保護者の声が届いています。学校生活の安全・安心を確保する責任は、障害者差別解消法によって合理的配慮を義務づけられた教育委員会や学校にあります。会計年度任用職員に移行するこの機会に子どもの不利益とならないよう、制度の検証と改善を求めます。 次に、若者支援について伺います。 春日町青少年館が設置されて49年、南大泉青少年館は26年になります。小学生以上30歳までが主な利用対象者となっていますが、一般区民の利用も可能としています。春日町青少年館には若者サポートステーションが設置されています。 先月開催された区政改革推進会議で、区立施設の維持更新について、青少年館の今後の取り組みが示されました。昨年度の利用状況を見ますと、春日町は青少年団体の利用が35%、南大泉は11%と、青少年の利用が少ない状況です。また、19歳以上の年代は、対象年齢を限定しない生涯学習センターや体育館があること、中高生は児童館での中高生タイムがあることなどから、青少年館の必要性が低下している。あり方を見直し、それぞれの機能転換を検討するとしています。春日町青少年館は、老朽化のための改修改築とともに、駅にも近く利便性から、他の施設との複合化も含めて検討するとのことです。 私たちはこれまで、若者に特化した居場所の必要性を訴えてきました。青少年館の青少年の利用が低いことについて、現状が本当に行きたいと思う施設になっているのか、活動内容が当事者の声を聞いたものになっているのかなど、これまで理由を調査してきたのでしょうか。 春日町青少年館の若者サポートステーションでは、学び直しや就労支援を中心に、社会に出づらい若者一人ひとりに寄り添った支援をしています。 昨年度の内閣府による調査や、長くひきこもり状態にあった息子を親が殺害する事件が区内で起こったことから、議会でも取り上げられ、区は、関係機関が連携してケース検討等を行う連絡会を開始し、支援を強化していくこと、ひきこもり相談を実施している関係機関を広く区報やホームページなどで案内するなど、支援につなげると答えています。 中高年のひきこもりの理由として、職場での人間関係のトラブルやパワハラ、セクハラなどの就労環境が原因の退職の割合が高くなっています。仕事を失うことでの経済面や、高齢の親の介護など福祉的視点で支援していくことが重要なのは、言うまでもないことです。 国は、ようやくひきこもりを社会の問題と捉え、対策を講じるところまで来たわけですが、その対策という言葉は、策を講じて中高年のひきこもりをなくし、労働者として働いてほしいという真意が透けて見えると、あるひきこもり家族会の役員は指摘しています。 そして、学齢期からの不登校やひきこもりが中高年まで継続する例も少なくありません。白梅学園大学子ども学部教授で、認定NPO法人フリースペースたまりばの理事を務める長谷川俊雄先生は、20代、30代までにいかに支援につなげるか、つながるかが重要だと指摘します。 また、ひきこもっている状況は、何も考えていないのではなく、頭の中は答えのない問いを模索し続けるひとり哲学だといいます。ひとり哲学から一歩踏み出すには、安心して過ごせ、他者との信頼関係を築くための空間と時間が必要です。 生きづらさを感じていたり、居場所を求めている若者がほっとできる、就労や復学だけがゴールではなく、生きているだけでいいんだと当事者が心から感じられる環境の整備が必要です。青少年館の改修にあたり、サポステとも連携して若者のひきこもり支援にも取り組む施設としての充実を求めますが、いかがでしょうか。 最後に、まちづくりについて伺います。 11月8日、9日に開催された外環道大泉ジャンクション部の本線トンネル掘進工事の説明会では、昨年5月の野川での酸欠気泡の発生を受け、大泉側からのシールドマシンの掘進については、添加剤や圧力などの操作条件を再検討し、慎重に進めるとしていたが、酸欠空気の漏気があったこと、また、8月から9月に発生した白子川での酸欠空気の漏気が、その後10月にも発生していることなど示されました。 事業者は、酸欠空気の発生は環境には影響しないと言うだけで、シールドマシンの掘進をとめて、酸欠空気の発生メカニズムを解明しようとしていません。先日の説明会でも、不安を訴える住民が納得できるような回答はできていませんでした。また、東京外環プロジェクトのホームページのシールドマシンの位置情報が不正確で、管理もずさんであるとの指摘があり、沿線住民の不信は募るばかりです。 現在、事業用地内にあるシールドマシンが民有地に到達する時期を把握し、いつどこから酸欠空気が発生するかわからないことや、緊急時の避難行動、更には東名ジャンクション付近から北進しているシールドマシンに伴い、昼夜を問わずに地中音や振動が発生している現実などを周辺住民に伝えるべきです。チラシを配布しても、すべての住民の理解が得られるわけではありません。課題を共有できる教室型の説明会の開催を事業者に強く要望すべきですが、区の考えを伺います。 区は、事業者任せにせず、住民の暮らしを守る責任を果たすべきです。 石神井公園駅南口西地区市街地再開発事業について、一言申し上げます。 今月15、16日に、事業の素案説明会が開催されます。区では、2016年度から2018年度にかけて複数回にわたる検討状況報告会の開催をはじめ、補助132号線沿道や無電柱化に伴う商店街通りの街並み整備のために、地域での話し合いを重ねてきたとのことです。 しかし、今回の再開発事業素案は、2014年に設立された再開発準備組合が当初発表した計画予想図から何ら検討の跡が見られず、住民合意も図れていません。権利者がさまざまな事情を抱えているからこそ、計画ありきではなく、見直しを含めた検討をすべきです。 命をつなぐ環境を子どもたちに渡せる区政を求めて、一般質問を終わります。(拍手)    〔前川燿男区長登壇〕 ◎前川燿男区長 お答えいたします。 環境基本計画についてであります。 今回の策定にあたっては、近年、自然界への大量流出が世界的な問題となっているプラスチックごみへの対応を強化しました。 気候変動への対応も、初めて地域環境分野の方針の一つとして計画に位置づけました。 また、今回の世界都市農業サミット宣言においても、参加5都市と協議して、都市農業は気候変動の緩和・適応のための重要な手段となりうるという一文を盛り込みました。 これだけ気候変動への対応を強化しているのに、なぜ、きみがき議員から厳しいご指摘をいただくのでしょうか。私には全くわからないのであります。残念であります。 私からは以上です。 そのほかの質問につきましては、技監および関係部長から答弁いたします。    〔宮下泰昌技監登壇〕 ◎技監 私から、東京外かく環状道路などについてお答えします。 国等の事業者は、工事の安全・安心を確保するため、周辺環境等のモニタリングを実施しつつ工事を進めています。その中で、大泉ジャンクション周辺における漏気を確認し、漏気の状況や推定メカニズム、成分等の調査結果を順次公表しています。添加剤に気泡を用いた掘進は、既存ボーリング孔や土どめ工跡などの空気の通り道から漏気の可能性があること、漏気が発生したとしても周辺環境に影響がないことを明らかにしています。 事業者は、シールドマシンの位置を常にホームページで公表するとともに、事業用地外を掘進する際には、事前に各戸にチラシを配布し、掘進予定時期や緊急時の対応など、沿道の皆様に周知しています。 工事の進捗状況や周辺への影響については、こうしたチラシなどに加えて、適宜開催されている工事説明会やオープンハウスなどでもお知らせしています。 外環の事業を安全・安心に進めることは、一義的には事業者の責任です。区は、事業者に対し、地域住民への適時適切な情報提供を行うとともに、安全・安心を優先に工事を進め、早期開通に向けて取り組むよう求めてまいります。 石神井公園駅南口西地区再開発事業につきましては、平成26年に準備組合を結成し、これまで検討してきております。準備組合では、地域の皆さんにご説明をしたうえ、ご意見を伺いながら、事業計画についても見直しをしながらここまで進めてきています。私どもとしては、この計画については、年内に都市計画素案をお示しし、地域の皆さんにお伺いをしながら着実に進めていきたいと考えているところでございます。 私からは以上です。    〔堀 和夫総務部長登壇〕 ◎総務部長 私から、核兵器の廃絶およびヘイトスピーチについてお答えします。 はじめに、核兵器の廃絶についてです。 核兵器禁止条約については、平成29年7月、国連において、核兵器の開発や保有、使用などを法的に禁止する国際条約として、賛成多数で採択されたと承知しています。 核兵器のない世界をどういうプロセスでなし遂げるかについては、核兵器の深刻な脅威を踏まえた国際情勢についての十分な情報と、周到な分析に基づく高度な政治判断が必要であり、区は、意見を申し上げる立場にありません。 区では、核兵器の廃絶を目指して非核都市練馬区宣言を行いました。区ホームページや便利帳などでの周知、非核都市宣言パネルの区立施設への設置、核実験に対する区長の抗議声明、区議会の決議などを行っています。平和祈念コンサートや戦時体験の講話、平和祈念パネル展の実施などの平和推進事業も実施しており、引き続き平和に向けた努力を行っていきます。 次に、ヘイトスピーチについてです。 東京都が、本年5月に本区内で行われた街頭宣伝活動および台東区で行われたデモ行進の際の表現活動を、いわゆるヘイトスピーチとして認定しました。区では、国籍、民族等を理由として地域社会から排除することを扇動するヘイトスピーチは、決して許されない差別行為であると認識しています。区内で発生している差別落書きを含め、こうした行為の解消に向けた対応や周知・啓発は重要であると考えています。 区は、これまでも憲法記念日に区報を活用し、ヘイトスピーチ解消法等の周知や、ホームページに法務省と連携してヘイトスピーチに焦点を当てた啓発記事を掲載するなど、差別解消に向けた取り組みを行ってきました。 現在策定中の第5次男女共同参画計画(素案)にも、ヘイトスピーチの解消を人権尊重と男女平等の推進の施策の中に位置づけています。今後も差別的言動の根絶に向けた取り組みを進めてまいります。 私からは以上です。    〔中田 淳高齢施策担当部長登壇〕 ◎高齢施策担当部長 私から、介護保険制度についてお答えします。 はじめに、介護予防・日常生活支援総合事業についてです。 平成27年度から開始した総合事業は、介護保険事業者のみならず、ボランティアやNPO団体等の地域住民が提供する多様なサービスの充実を図り、本人が選択できるサービス、支援の幅を広げ、在宅生活の安心確保を図ることを目的としています。 区では、従来型のサービスに加え、緩和型の訪問サービス、通所サービスを提供しています。また、シルバー人材センターによる家事援助サービスや街かどケアカフェ、はつらつシニアクラブ、短期集中型の筋力トレーニングならびに住民主体型の食のほっとサロンを提供しており、平成30年度末の年間延べ利用者数は約16万5,000人と、事業開始当初に比べ増加しています。 総合事業導入後、介護予防における地域団体との協働が進んだほか、要介護認定率は平成30年度末時点で20%であり、第7期高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画策定時の推計を0.7ポイント下回るなど効果を上げています。 暮らしへの影響については、個々人の状況は、介護予防ケアプランを作成している地域包括支援センターで把握しています。また、区は、サービスの提供状況を継続して把握するとともに、地域包括支援センターや介護事業者と、利用者のニーズや課題について定期的に意見交換を行っています。既に総合事業の開始から4年が経過し、要支援者の状態も変化していることから、今年度実施する高齢者基礎調査では、要支援者や軽度者も含めた高齢者の健康状態や、介護保険サービスの利用状況・満足度などを把握することとしています。 次に、区民への説明についてです。 第7期計画の策定にあたっては、区民向け説明会を開催したほか、町会連合会や医師会、介護サービス事業者連絡協議会、高齢者施設の利用者懇談会など関係団体等への個別説明を計28回実施し、計画の素案に対するパブリックコメントには108件の意見が寄せられました。活発な意見交換があったとは言いがたいとの指摘は当たりません。第8期計画においても説明会などを開催し、区民や関係者の意見を広く丁寧に伺いながら、策定を進めていきます。 次に、国の認知予防施策についてです。 国は、本年6月に認知施策推進大綱を策定し、その中で、認知予防を「認知になるのを遅らせる」、「認知になっても進行を緩やかにする」ことと定義づけました。 認知は、いまだその発症や進行の仕組みの解明が不十分であり、確実な予防法は現在のところありません。国は、予防法の確立に向けたデータを蓄積するため、国が主体となって要介護認定情報などの活用や、科学的に自立支援等の効果が示されたサービスを提供するためのデータベース構築に取り組むこととしています。併せて、自治体における認知予防の好事例や国内外の認知予防に関する論文等を収集することを予定しています。効果的に認知施策を進めるうえで必要な取り組みであり、現時点で、ご指摘のような医療・介護関係者に新たな業務が課されるといったことはありません。 また、国は、認知発症や進行の仕組みの解明、診断法、治療法の研究開発等に取り組むこととしています。この取り組みにあたり、介護保険の費用が充てられることはありません。 次に、区の認知施策についてです。 認知は誰でもかかる可能性があることから、認知について正しく理解し、認知になったら何もできなくなってしまうといった偏見をなくしていくことが必要です。区では、認知への理解を促進するため、認知サポーターの養成に取り組んでおり、現在までに約2万9,000人の方に養成講座を受講していただいています。このほか、認知の方が地域で生活する様子を紹介する講座や、認知の方本人とご家族がお話しいただく講演会を定期的に開催しています。更に、区独自の認知対応研修プログラム、ニンプロを実施し、地域の見守り体制強化に取り組んでいます。 区は昨年4月、認知の方本人やご家族への支援を充実するため、すべての地域包括支援センターに認知の相談・支援のコーディネーターである認知地域支援推進員を配置しました。併せてセンターでは、ひとり暮らし高齢者などへの訪問支援を実施し、認知の方の早期発見、早期対応に努めています。 また、区は、介護家族の会と連携し、介護の悩みなどの相談に応じる介護なんでも電話相談を実施しているほか、家族介護者教室や街かどケアカフェにおける認知カフェを開催しています。来年度からは、成年後見制度を利用しやすくするため、練馬区社会福祉協議会を法人後見人とし、相談・支援や周知・啓発、ネットワークづくりなどの中心的な役割を担う中核機関に位置づけます。 区民の皆様や関係機関の協力を得て、引き続き、認知になっても安心して暮らせる地域づくりに取り組みます。 私からは以上です。    〔古橋千重子環境部長登壇〕 ◎環境部長 私から、第5世代移動通信システム、5Gと環境基本計画についてお答えします。 はじめに、5Gについてです。 パソコンやスマートフォンだけでなく、家電、住宅など、あらゆるものがインターネットにつながる時代になっています。ⅠoT技術の普及に伴い、超高速、大容量でタイムラグの少ないリアルタイム通信、多数同時接続といった特徴がある5Gを、国は、21世紀の基幹インフラとして全国へ展開していくこととしています。 都は、本年8月、「TOKYO Data Highway 基本戦略」を策定し、早期の5Gの構築を促進するとともに、そのインフラを活用して、ICT教育や救急、自動運転、災害対策などの取り組みを進展させることとしています。 国は、本年4月、5Gの周波数割り当てを携帯電話事業者4者に行いました。来春の商用サービス開始に向け、特定基地局などの設置が始まります。 5Gで使用する特定基地局等の設置にあたっても、国の指針をもとにした規制値を遵守するよう電波法に規定されています。 電波の人体に与える影響については、国は、科学的知見をもとに十分な安全率を考慮し電波防護指針を策定しています。この指針の基準は、WHOやILOなどの国際機関と協力している国際非電離放射線防護委員会が作成した電波のばく露を制限する国際的ガイドラインと同等です。規制値は、電波により人体に有害な影響を及ぼす可能性のある全身電波吸収量の約50分の1に設定されています。 区は、5Gは身の回りのあらゆるものがつながる本格的なⅠoT時代に必要なものであり、電波法に基づく規制により安全性が確保されていることから、都に5Gのインフラ整備の中止を求める考えはありません。 現時点では、5Gを区が直ちに活用する予定はありませんが、引き続き必要な情報収集に努めていきます。また、ばく露についての情報提供や独自の測定などを行う考えはありません。 次に、環境基本計画などについてお答えします。 はじめに、地球温暖化対策についてです。 環境基本計画素案では、雨水流出抑制対策や暑熱環境対策による気候変動への対応を進めるとともに、温室効果ガス排出量の削減を図ることとしています。 区内の温室効果ガス排出量は、これまで区民、事業者、区が連携して取り組みを進めた結果、平成28年度には、令和元年度までの目標値である平成25年度比9.2%削減を上回り、13.2%の削減となりました。再生可能エネルギーについても、区内の平成31年3月末時点の導入量は3万8,176キロワットであり、23区中3位です。 素案では、国の地球温暖化対策計画に基づき、令和12年度までに平成25年度比で26%削減を目標として、自立分散型エネルギーの普及拡大と省エネルギーへの取り組みを着実に進めることとしています。 次に、電力の調達についてです。 区では、これまでも第二次環境管理実行計画に基づき、電気使用量の削減に取り組んできました。平成30年度は、平成21年度比で年間873万2,000キロワットアワー削減しました。これは、区内2,285世帯分の電気使用量に相当します。 公共機関が電力を調達するにあたっては、国等における温室効果ガス等の排出の削減に配慮した契約の推進に関する法律において、経済性に留意しつつ、温室効果ガスの排出の削減に配慮した契約が求められます。 そこで区では、温室効果ガス排出係数や再生可能エネルギーの導入状況などを考慮し、かつ安定して電力を供給できる事業者を入札で決定しています。今後も環境に配慮した電力の調達を行ってまいります。 私からは以上であります。    〔木村勝巳教育振興部長登壇〕 ◎教育振興部長 私から、学校生活支援員についてお答えします。 来年度から、現在の臨時職員である学校生活臨時支援員と非常勤職員の学校生活支援員は会計年度任用職員に移行します。このことにより、安定して長期に支援できるようになります。 学校生活支援員の配置については、これまでと同様に、当該児童・生徒の状況や発達段階に応じて、保護者のニーズも把握している学校と協議しながら決定し、必要な支援時間数を確保していく考えです。実態に応じて支援時間数が変わることもあるため、現段階では、従来と同じ支援時間数を確保するとの説明はできない状況にあります。 今後も引き続き、保護者の皆様には丁寧な対応を行ってまいります。 教育委員会といたしましては、会計年度任用職員制度に移行後も、学校や子どもたちの状況を十分把握しながら、子どもたちが安全で安定した学校生活を送れるよう学校と調整を図り、必要な人材を確保してまいります。 以上であります。    〔小暮文夫こども家庭部長登壇〕 ◎こども家庭部長 私から、青少年館に関するご質問にお答えします。 まず、青少年館の利用についてです。 平成30年度、春日町約7万3,000人、南大泉約2万2,000人、計9万5,000人の利用がありました。青少年館では、事業参加者、施設利用者のアンケートや昨年度実施した中高生ニーズ調査などにより、利用者、若者のニーズ把握に努め、事業に反映しています。 次に、ねりま若者サポートステーションについてです。 現在、ひきこもりなど自立に悩む若者やその家族から、心理相談など年間延べ約3,000件を超える相談を受けています。就労や就学、復学だけでなく、個々の状況に応じた社会的、経済的自立の達成を目指して支援しています。ねりま若者サポートステーションの運営事業者と定期的に情報交換しながら、ひきこもり等の若者に対する支援の充実について検討を行っています。 次に、春日町青少年館の改修改築についてです。 練馬春日町駅周辺には、施設貸し出し機能を備えた青少年館、南地区区民館、地域集会所があり、各施設とも大規模改修が必要な時期となっています。春日町青少年館の改修改築にあたっては、各施設の事業内容や利用状況を踏まえ、新たな区民ニーズへの対応も考慮しながら、統合・再編や機能転換を検討し、改修改築の方向性を定めます。 私からは以上であります。 ○上野ひろみ議長 以上で本日の日程は終了いたしました。 これをもって散会いたします。      午後3時46分散会...