板橋区議会 2023-10-18
令和5年10月18日決算調査特別委員会−10月18日-01号
令和5年10月18日
決算調査特別委員会−10月18日-01号令和5年10月18日
決算調査特別委員会
決 算 調 査 特 別 委 員 会 記 録
開会年月日 令和5年10月18日(水)
開会時刻 午前10時00分
閉会時刻 午後 4時50分
開会場所 第1委員会室
議題 令和4年度決算について
出席委員
委員長 おなだか 勝 副委員長 さかまき常 行
理事委員 長 瀬 達 也 理事委員 間 中りんぺい
理事委員 山 内 え り 理事委員 おばた 健太郎
理事委員 元 山 芳 行 理事委員 田 中 いさお
委員 ひはら みちこ 委員 近 藤タカヒロ
委員 しいな ひろみ 委員 坂 田 れい子
委員 木 田 おりべ 委員 一 島 ひろし
委員 横 川たかゆき 委員 大 野 ゆ か
委員 井 上 温 子 委員 小 柳 しげる
委員
内田けんいちろう 委員 いがらし 学
委員 実 正やすゆき 委員 小 野 ゆりこ
委員 大 森 大 委員 石 川 すみえ
委員 中 村とらあき 委員 山 田たかゆき
委員 寺 田 ひろし 委員 わたなべ一 美
委員 岩 永 きりん 委員 くまだ 智 子
委員 荒 川 な お 委員 いわい 桐 子
委員 田中しゅんすけ 委員 田 中やすのり
委員 いしだ 圭一郎 委員 竹 内 愛
委員 小 林 おとみ 委員 大 野 治 彦
委員 鈴 木こうすけ 委員 成 島 ゆかり
委員 中 妻じょうた 委員 高 沢 一 基
委員 川 口 雅 敏 委員 佐々木としたか
委員 し ば 佳代子
欠席委員
委員 五十嵐 やす子
説明のため出席した者
区長 坂 本 健 副区長 尾 科 善 彦
教育長 中 川 修 一
常勤監査委員 有 馬 潤
政策経営部長 篠 田 聡 総務部長 田 中 光 輝
危機管理部長 三 浦 康 之
区民文化部長 林 栄 喜
産業経済部長 平 岩 俊 二
健康生きがい部長宮 津 毅
保健所長 鈴 木 眞 美
子ども家庭部長 関 俊 介
子ども家庭総合支援センター所長 資源環境部長 岩 田 雅 彦
佐々木 三 良
都市整備部長 内 池 政 人
まちづくり推進室長
田 島 健
土木部長 糸 久 英 則 会計管理者 代 田 治
教育委員会事務局次長 政策企画課長 吉 田 有
水 野 博 史
財政課長 大 森 恒 二 総務課長 荒 井 和 子
事務局職員
事務局長 五十嵐 登 事務局次長 森 康 琢
議事係長 龍 野 慎 治 調査係長 服 部 亮
書記 飯 野 義 隆 書記 高 橋 佳 太
書記 高 瀬 渉 書記 安 部 詩 織
書記 鈴 木 琢 真 書記 石 川 実 生
書記 小 林 隆 志 書記 横 山 愛
書記 土 屋 太 功
○委員長
ただいまから
決算調査特別委員会を開会いたします。
────────────────────────────────────────
○委員長
初めに、本日の署名委員をご指名いたします。
ひはらみちこ委員、いわい桐子委員、以上お二人にお願いいたします。
────────────────────────────────────────
○委員長
これより、総括質問に入ります。初めに、質問の順序と持ち時間数を申し上げます。
自民党、
大野治彦委員、
内田けんいちろう委員、
長瀬達也委員、
元山芳行委員、持ち時間は5時間18分であります。公明党、
いしだ圭一郎委員、
成島ゆかり委員、持ち時間は3時間30分であります。民主クラブ、中妻じょうた委員、
高沢一基委員、
五十嵐やす子委員、持ち時間は2時間36分であります。共産党、
石川すみえ委員、竹内愛委員、小林おとみ委員、持ち時間は2時間36分であります。日本維新の会、大森大委員、持ち時間は36分であります。いたばし未来、
大野ゆか委員、持ち時間は36分であります。参政党、
坂田れい子委員、持ち時間は20分であります。無所属議員のしいなひろみ委員、持ち時間は20分であります。以上の順序で総括質問を行います。なお、持ち時間が残り5分となったとき及び終了時にブザーが鳴りますので、ご承知おき願います。
次に、本日の運営について申し上げます。本日は、自民党の総括質問の終了までを予定しておりますので、あらかじめご了承願います。次に、質疑につきましては、事前通告に基づき行っておりますので、質疑を行わないで要望のみ行うことはご遠慮いただきますよう、お願いいたします。
それでは、自民党の総括質問を行います。
初めに、
大野治彦委員、お願いいたします。(拍手)
◆大野治彦
冒頭、職員の皆様には、日々区民の皆様の相談、要望を受け止め、ご対応をいただいておりますことに心より感謝申し上げます。ありがとうございます。
決算調査特別委員会ですので、令和4年度の決算が板橋区政にとってどのような決算であったのか、そして区議会の議決を経て執行された予算が区民サービスにどのような影響を及ぼしたのか。そして、今年は選挙が行われました。選挙で訴えさせていただいたこと、議員生活17年目を迎えていますが、この間取り組んで、いまだ実現に至っていない事柄などを中心に質問をさせていただきます。それでは、初めに令和4年度の決算の状況について、
財政事務執行状況について伺います。
◎
政策経営部長
令和4年度の
決算財政事務執行状況ということでございます。令和4年度は、
財政調整基金から約20億円を繰り入れての当初予算編成でありましたが、特別区交付金の増など歳入環境の改善がありまして、歳入が0.7%の増、上板橋駅南口駅前地区再開発事業などの事業がありまして、歳出は1.4%の増となり、実質収支が18.9%の減、101億8千万円余りが生じたという状況になっております。事業執行につきましては、感染症対策に加えまして、物価高騰対策の実施に伴い、6度にわたる補正予算を編成しまして、喫緊の課題に対応することはもとより、7月に
児童相談所機能をスタートさせるなど、いたばしNo.1実現プラン2025で掲げました施策の着実な推進が図ることができたと考えております。
◆大野治彦
そこで、令和4年度の決算ですけれども、一般会計の収入総額が2,639億9,992万1,955円、歳出の総額が2,529億3,087万5,060円、歳入歳出を差引き残高しますと、110億6,904万6,895円の執行残についての見解を伺います。
◎
政策経営部長
令和4年度の決算では、前年度と比較して約24億円ほど減少したものの、100億円を超える歳計剰余金が生じたところでございます。令和3年度から繰り越しました
住民税非課税世帯等に対する
臨時特別給付金、それから、
物価高騰新型コロナウイルス対策に係る事業で執行残が多く発生したことが要因と考えております。特に、給付事業に関しましては、正確な対象者の人数把握が困難な中、迅速かつ漏れのない対応が求められているということで、歳入予算を一定程度確保したことで、執行残が多く発生したものと捉えているところでございます。
◆大野治彦
事務事業数なんですけれども、こちらが増えますと、執行残の金額も増えてしまうのかということで、例えば、10年前の事務事業数と現在の事務事業数の変化について伺います。
◎
政策経営部長
事務事業数でございますけれども、年度によって増減がありまして、今ご指摘の平成24年度に関しては644事業、令和4年度については615事業ということで、29事業少ない状況でございました。また、決算規模に関しましては、平成24年度が1,802億円で執行率が98.5%だったことに対しまして、令和4年度が2,529億円、執行率が95.6%ということで、決算額では1.4倍に増加しておりまして、執行率が2.9ポイント減少しているという状況でございます。執行残につきましては、決算規模が大きくなることに加えまして、近年ではコロナ禍による執行率の低下が大きく影響しているものというふうな認識でございます。
◆大野治彦
事務事業数には関係はあまりないということで、確認をさせていただきました。行政の予算なんですけれども、例えば、民間とは違うということは認識しているんですが、民間の企業で言えば販売計画ということで、年間計画、半期、四半期、月次、月初、中間、最終見込みと、細かく落とし込みが行われています。私も民間企業にいたことがありますので、そういったことで数字の組立て等をしていました。そこで、様々な要因により執行残が生じてしまうとは思いますけれども、今後は予算と決算の誤差がなるべく少なくなることを望み、質問をさせていただきました。次に、特別区民税の収入未済、不納欠損について伺います。収入未済の過去5年間の状況は、平成30年度が12億3,443万3,811円、令和元年度が10億6,482万7,241円、令和2年度が8億7,983万1,174円、令和3年度が7億2,551万6,724円、令和4年度が5億9,533万61円、令和4年度の収入未済額は、平成30年度の収入未済額と比べると、半減はしているものの収入未済額が発生しています。収入未済の意味とは、当該年度に調定した歳入で、その年度の出納閉鎖日まで収入されなかったものを収入未済と言われています。また、不納欠損については、平成30年度が2億557万6,067円、令和元年度が1億5,426万3,727円、令和2年度が1億7,890万5,592円、令和3年度が1億6,134万2,678円、令和4年度が1億8,327万3,564円。
不納欠損処分とは、歳入徴収額を調定したものの何らかの理由で徴収が行えず、今後も徴収の見込みが立たないため、地方自治体が徴収を諦めること、5年間で時効になります。債務者が死亡し、相続人もいない場合や、時効が成立したときなどでは徴収ができず、
不納欠損処分が行われるとされています。そこで、毎年大きな収入未済、不納欠損が発生していますけれども、特別区民税は、一般に住民税と保障されている地方税のことで、住民税は毎年1月1日現在居住する区市町村から、前年1年間の所得等を基に課税されます。前年の所得を基に課税されるので、課税される税額を考慮して、翌年納める準備をしていくことが必要なのではないかと思います。また、日本国憲法第30条、国民は法律の定めるところにより、納税の義務を負う。税金は国や地方自治体を維持し、発展させていくために欠かせないものとされ、憲法では税金を納めることは国民の義務と定めています。この納税の義務は、教育の義務、勤労の義務と並んで、国民の3大義務の一つとされています。払えない方への対応については、徴収猶予、納税者等からの申請に基づいて、次の事由があると認められる場合に、原則として1年以内に限り徴収猶予が認める場合があるとされています。換価の猶予、区税を納付することにより、事業の継続または生活の維持を困難にするおそれがあると認められるなどの一定の要件に該当するときは、区税の納付期限から6か月以内に申請することにより、1年以内の期間に限り、換価の猶予が認められる場合があるとされ、分割納付、納税者からの申出により、生活状況や財産状況に合った金額を計算して、数回に分けて納税することもできるとされています。そこで、滞納状況の細かな把握が必要なのではと思います。払えるのに払わない方への対応は強化していただき、払うことが何らかの事情でできない方への対応は、丁寧な対応をいただきたいと思います。収入未済、不納欠損額の発生についての令和4年度の取組状況と課題について見解を伺います。
◎総務部長
令和4年度から実施いたしました収入未済の圧縮に向けた取組といたしましては、納税者の利便性向上を図るために、利用可能な電子マネーを2種類から5種類に拡大したほか、現年課税分の処理に携わる職員数を倍にして、執行体制の強化を行ったところでございます。不納欠損の圧縮に向けましては、臨戸件数を増加したほか、コロナ禍で中断をしておりました捜索を再開し、過去の滞納案件の状況把握及び、徴収強化に注力をいたしました。今後の課題といたしましては、コロナ禍の下、事業の休業を余儀なくされたことに対して支給をされました持続化給付金、休業協力金を収入として賦課された方の住民税を、確実に徴収につなげられるかが重要となります。引き続き、納税資力のある場合には確実に徴収をし、資力の乏しい場合には徴収緩和制度の適用なども視野に入れ、納税者の実情に合わせ、適切かつ丁寧に対応してまいります。
◆大野治彦
口座振替の手続の状況について伺いたいと思います。
◎総務部長
口座振替の利用状況についてでございますけれども、こちらは税の納め忘れを防止するとともに、区の窓口や金融機関などへ出向く必要がなくなる利点がございます。そのことから、普通徴収における
口座振替利用を従前から推奨してきたところでございます。推奨の効果もありまして、口座振替の利用状況は令和5年5月末時点におきまして4万6,871人、率といたしまして55.94%となっております。令和2年5月末時点と比較いたしまして、3年間で2,469人、5.11ポイント増加しております。口座振替による税の納付は、滞納の防止にも有効であると認識しておりまして、広報いたばし、ホームページの周知のほか、
納税通知書発送時の案内文書の同封、納税者との接触機会を捉えた勧奨を継続して行いまして、口座振替による納付を推進してまいりたいと考えております。
◆大野治彦
収入未済がなければ不納欠損が発生しません。毎年億単位での不納欠損が発生しています。1人でも多くの健全な納税者が増えることを望みたいと思います。ありがとうございます。次に、板橋区による
児童相談所機能が令和4年7月に始まりました。令和4年度における財政措置、財政負担の状況と、今後の財政負担の見通しについて伺います。併せて、今定例会で議決しました議案、児童相談所を設置する特別区における
措置費共同経理課の共同設置についてに伴う今後の対応や、詳細について伺います。
◎
政策経営部長
児童相談所の運営に係る経費につきましては、
都区財政調整制度上算定されておりまして、試算しますと、令和4年度決算額約15億円に対しまして、財調算定額が約11億円と、乖離が生じている状況でございます。児童相談所に対する都区の見解の相違から、年度を越えた異例の財調協議も、先日、合意に至ったところでございますけれども、配分割合の協議は継続されておりまして、今後は、都区で児童相談所の在り方についての認識共有から始めていくというところでございます。令和5年度からは、通年で児童相談所の運営となっておりますので、財政負担は増加してくるというふうに考えております。必要な財源を反映した配分割合、算定内容になるよう強く求めていきたいと考えております。
◎
子ども家庭部長
私のほうからは、措置費の支払いの共同処理についてお答えいたします。令和2年4月以降、特別区の児童相談所の開設が進んでおりまして、
児童養護施設等の
措置費請求事務が非常に複雑化したというところから、措置費の支払い事務を一元的に管理する
措置費共同経理課を特別区の共同で設置することになりました。今後は、既に児童相談所を設置しております板橋区を含めた特別区8区ございますけれども、8区の協議によりまして、規約及び協定書を締結しまして、所掌事務の範囲や決算報告、監査の実施方法等の細目を定めていくことになります。これが年明けからは具体的に備品の購入ですとか、執務室の移設の準備を進める予定でありまして、令和6年4月の円滑な事業開始によりまして、
児童養護施設等の事務負担の軽減を図りたいと考えております。
◆大野治彦
児童相談所の運営が今後区財政の負担にならないよう、東京都に対し、引き続き求めていただく質問をさせていただきました。次に、行政評価について伺います。行政評価は計画、実施、評価、改善、計画と循環する
PDCAサイクルによる
経営マネジメントにおける評価の部分に位置づけられ、計画、実施、評価、改善を繰り返すことにより、区民ニーズや社会情勢などを踏まえた施策や事務事業の見直しを図り、効率的、効果的に区政経営を行っていくことが
PDCAサイクルの考えとされています。客観的な数値で評価を行い、行政活動の成果に着目して、次の行政活動の改善につなげることが行政評価の大きな役割とされています。令和3年度からは、
施策展開シートを活用し、全庁的な成果指標やアウトカムの点検にも取り組まれています。令和5年度の行政評価の対象は、基本計画2025に掲げられている68施策のうち、8施策108事務事業が対象とされています。評価の進め方は、初めに所管部署での評価が行われ、次に外部評価が行われます。最後は
経営革新本部において、外部評価の結果を受け止め、施策の最終評価が決定をされます。令和5年度に実施された令和4年度の行政評価をどのように受け止め、今後の区政運営に反映されていかれるのか、見解を伺います。
◎
政策経営部長
令和5年度の施策評価の対象となりました8施策につきましては、全てが順調及びおおむね順調でありましたが、改善の方向については、1施策が目標値・指標の見直しという結果になってございます。また108の
事務事業評価のうち、評価が停滞となった事業、それから改善の方向性が目標値・指標の見直し、それから、事業手法の見直しとなった事業がありまして、それぞれについて、次年度に向けて各所管課に改善を促していく必要があるというふうに考えております。一方、外部評価でも、
アウトカム指標の設定について、依然として工夫の余地があるという指摘を受けておりますので、こういったことも念頭に改善していきたいというふうに思っております。また評価過程で明らかになりました課題につきましては、改善に当然取り組んでいくとともに、
施策展開シートを活用しながら、予算編成の過程の中でつないでいきまして、
PDCAサイクルの考え方に基づいて、効率的、効果的な区政経営を推進していきたいというふうに考えております。
◆大野治彦
地方自治法には定められていませんが、板橋区は新公会計制度の一環として、平成30年度決算から、東京都モデルを採用した新方式による財務諸表を作成しております。新たな取組による財務状況の分析により、
行政経営マネジメントの向上、区民への説明責任の向上が図られると言われています。令和4年度の新公会計制度に基づく財務諸表をどのように活用されていくのか伺います。
◎
政策経営部長
行政評価におきましては、財務諸表における
行政コスト計算書を活用いたしまして、人件費や減価償却費を含めたフルコストを図で示しました
事業別行政評価シートを作りまして、区民の皆様にとって身近な事業を中心に、令和2年度から作成しまして、令和5年度につきましては11事業を公表させていただいているところでございます。令和3年度からは、当初予算事前協議におきまして、
事業別財務諸表分析表を用いて事務事業の構築の基礎資料とするということで、新公会計制度の活用を進めているところでございます。新公会計制度における財務諸表を有効に活用することで、行政経営の質の向上とともに、ご指摘のとおり区民の方々に対するアカウンタビリティを高めていくのに役立てていきたいと考えております。
◆大野治彦
また、毎年会計管理室から発行されている区民向けの板橋区の財務諸表、概要版の冊子について、区民の皆様の反応と課題について伺います。
◎会計管理者
財務諸表につきましては、本編のほか、平易な表現や指標を用いました概要版を作成しまして、板橋区の財務状況を分かりやすく公開したところでございます。しかしながら、区民の方からの反応が少なく、周知の面での課題があると認識しているところでございます。今年度発行いたします令和4年度の板橋区の財務諸表につきましては、広報いたばしの財政状況の特集と併せまして周知するほか、11月下旬には、概要版を区内の公共施設で配布する予定となっております。今後、LINEなど新たな媒体を活用いたしまして、区の財務諸表の
ホームページ閲覧を促進するなど、広く区民に説明責任を果たしてまいります。
◆大野治彦
多角的な観点から毎年の決算を総括することで、よりよい財政運営、政策の展開を図ることができるのはできるのではないかと思い、質問をさせていただきました。次に、起債、公債費負担への対応について質問いたします。令和4年度の特別区債は、後年度負担を考慮し、借入れ額を減少したことなどにより25億500万円の減少、昨年度は8億7,900万円の減少との結果でしたので、大幅な減額でした。起債についての考え方は、活用方針で、起債額の上限が60億円と示されています。また、公債費の負担について追加が行われ、適切な起債活用を行うことが明記されています。今後、少子化が進む中での起債の額、公債費負担についての考えを伺います。
◎
政策経営部長
令和4年度の
普通会計決算では公債費が26億円、地方債残高287億円となりまして、財政指標の一つであります
公債費負担比率は1.5%、警戒ラインとされます15%を大きく下回る数値となってございます。一方で、小・中学校をはじめとします公共施設の老朽化への対応が急務であると考えておりまして、再開する
公共施設整備計画に基づきまして、更新需要は増大していくものと考えております。世代間の負担の公平性の点からも、財源として一定の起債の活用が必要と考えておりまして、
公債費負担比率に留意しながらも、着実に公共施設の更新を進めることができるよう、起債や基金の活用を効果的に進めていきたいと思っております。
◆大野治彦
後年度負担の考え方も理解するんですが、返済する財源の確保も含めまして、少子化への対応を図る必要があると思い、質問をさせていただきました。次に、令和4年度の基金の運用益の状況について伺います。
◎会計管理者
基金につきましては、積立てや取り崩しの計画を勘案いたしまして、定期預金や地方債など、債券の購入による運用で利子収入を得ているところでございます。令和4年度決算におけます基金の運用益でございますが、利率が高い債権の比率を高めましたため、16基金の合計で約7,800万円と、前年度、令和3年度より550万円余り増加しているところでございます。令和5年度は、定期預金の利率が依然として低下傾向でございますため、安全性を考慮した上で、40億円の債券を追加購入しまして、現在75億円の債券により運用しているところでございます。こうしたことによりまして、令和4年度の債券による利子収入は430万円ほどでございましたが、令和5年度の債券によります利子収入は2,230万円余りを見込んでおりまして、運用収益の最大化を図ってまいります。
◆大野治彦
次に、職員提案の政策について伺います。職員の皆様のモチベーションを上げる職員提案制度による事業化は、非常に重要であると思います。財政の状況を問わず、職員の皆様の発想や工夫により、施策の充実を図ることが職員の皆様の士気の向上になるのではと、質問の機会があるたびに質問させていただきました。令和4年度の状況について伺います。
◎
政策経営部長
令和4年度は57件の職員提案がありまして、うち12件が報奨対象となっております。そのうち努力賞となりましたLINEを活用した区民サービスの向上に係る提案につきましては、所管課が事業化を進めるに当たっての参考として活用されまして、必要な方が入手したい、知りたい情報を容易に得られる環境整備に寄与したものと考えております。引き続き、区民サービスの向上を目指しまして、事務処理上のちょっとした事務改善も含めて、大小様々提案がなされまして、それが実現されるよう、職員提案制度を運営していきたいと考えています。
◆大野治彦
区政の活性化の観点からも、現場の第一線で区民の皆様と接している職員の皆様から、創意工夫に基づく様々な提案がなされ、事業化されていくことは、持続可能な区政経営にとって必要であると考えます。取組について伺います。
◎
政策経営部長
日々多くの区民や事業者の方々と接する区職員が、日頃の問題意識から新たな取組を考案し、それが職員提案制度を通じて事業化されるということは、持続可能な区政経営にとって必要なことだというふうに考えております。企画・提案や事業化の過程の中で、区の職員にあっては、士気、探求心、研究能力の向上が期待されますし、区政にあっては業務の効率化、区民サービスの充実など、その効果が様々な領域に波及していくことが期待されていると思っております。引き続き広く提案を募集しまして、事業化へつなげることで、区政の活性化に努めていきたいと思っております。
◆大野治彦
限りある財源の中での対応になります。財源を必要としない提案もあるのではないかと思いますが、職員の皆様が提案された発想が、区民の皆様にとって最大限の効果が発揮される可能性を秘めた提案、政策を受け止めていただいて、今後の区政運営に反映されればと思い、質問をさせていただきました。次に、令和4年度の決算が示されましたが、既に令和5年度の予算が執行されている状況です。毎年その年度の決算が示されますが、監査・議会での質疑が行われたから、それで終わりではないと思います。今後の区政運営に反映する必要があるのではないかと考えます。さきにも述べましたが、各年度の決算の課題等は、いつの時点で反映されるのか伺います。
◎
政策経営部長
新年度の当初予算の編成の際には、前年度決算において執行率の低い事業、それから、不用額がが多かった事業については、各所管に要求額の精査を求めているところでございます。令和6年度当初予算編成に当たりましては、令和4年度決算額が当初予算額に対して80%以下の事業につきましては、要因の分析を行いまして、要求額の積算方法を見直すなど改善を図っているところでございます。また、マネジメントツールであります行政評価の取組の中で、各所管部署が行っております決算数値を用いた
事務事業評価を通じて、明らかになった課題の改善にも取り組んでいるということで反映させていただいております。
◆大野治彦
翌々年度の予算に反映されているということで認識をさせていただきました。次に、子ども家庭総合支援センターについて伺います。令和4年4月に板橋区子ども家庭総合支援センターが開設されました。次世代を担う子どもたちを誰一人取り残すことなく、心豊かな環境づくりに取り組むことを目的に設置されました。支援対象となる児童の見守り強化として、地域や団体と連携し、定期的な家庭訪問により子育て世帯の孤立化に取り組むなど、総合的で切れ目のない子育て支援のさらなる充実を図ることが取組の一つともなっています。そこで伺います。令和4年度の事務事業実績と今後の課題について伺います。
◎
子ども家庭総合支援センター所長
令和4年4月に子ども家庭総合支援センターを開設し、同年7月には
児童相談所機能を開始して、子ども家庭支援センター機能を併せ持つ機関として、一体的に運営を行ってまいりました。一時保護が必要な児童について通告を受けた際、従来より迅速な意思決定と対応が可能になるなど、切れ目のない支援体制が構築され、一体化による一定の成果を上げているものと認識しております。今後は、要保護児童対策地域協議会を中心とした関係機関へのアウトリーチや研修を拡充することにより、子ども家庭総合支援センターを核に地域における見守り・支援体制の強化に取り組んでまいります。
◆大野治彦
その昔は、親子多世代での家庭が多く存在しましたが、年々核家族化が進んで、コミュニケーションの希薄化などが進む現状では、行政をはじめとする関係団体が手を差し伸べ、相談体制の強化などをさらに図っていく必要性がますます増えてくるのではないかと思います。私事ですけれども、孫ができまして、近くに息子夫婦がいるので、何か協力できることはするということで行っていますけれども、こういった方が近くにいない場合は孤立化してしまって、悩んでしまう方が結構多いのではないかと思いますので、今後も引き続き子育て支援、相談体制の強化など、きめ細やかな対応をいただき、子育て環境のさらなる充実と思い、質問をさせていただきました。次に、国民健康保険事業の現状と今後について伺います。保険者が板橋区から東京都に変わったことによる変化について伺います。
◎健康生きがい部長
保険者の広域化による変化についてご質問をいただきました。国民健康保険制度の改正によりまして、平成30年度から都道府県が財政運営の主体となりまして、安定的な財政運営はもとより、効率的な事業確保等について中心的な役割を担うことになりました。これによりまして、国民健康保険に関する給付に必要な費用は、都道府県が市区町村に交付することになり、市区町村が徴収した保険料につきましては、納付金として都道府県に納めることとなったところでございます。また、資格の管理、保険給付、保険料率の決定、賦課・徴収、保健事業等のきめ細やかな事業につきましては、地域住民と身近な関係の中、引き続き、区市町村が担っているところでございます。
◆大野治彦
そこで、国民健康保険料の収入未済、不納欠損について伺います。国民健康保険料の収入未済額の過去5年間の推移は、平成30年度が38億959万7,606円、令和元年度が32億5,335万1,867円、令和2年度が27億8,753万2,603円、令和3年度が21億6,355万4,686円、令和4年度が20億1,921万860円、不納欠損額の過去5年間の推移は、平成30年度が8億8,576万3,254円、令和元年度が8億6,843万84円、令和2年度が8億1,918万4,826円、令和3年度が8億2,874万763円、令和4年度が6億482万1,315円、国民健康保険料の不納欠損額は2年間で時効となります。板橋区が徴収を諦めることになります。毎年少しずつですが、減少傾向にありますが、億単位の大きな金額が収入未済額、不納欠損額が発生しています。先ほど特別区民税の収入未済、不納欠損について述べさせていただきましたが、国民健康保険料の収入未済額、不納欠損額についても、滞納状況の細かな把握が必要なのではないかと考えます。払えるのに払わない方への対応は強化していただき、払うことが何らかの事情でできない方への対応は、丁寧な対応をいただく観点から、収入未済額、不納欠損額の発生についての令和4年度の取組状況と課題について見解を伺います。
◎健康生きがい部長
令和4年度決算におきます国民健康保険料の収入未済額につきましては、20億円余り、また、不納欠損額につきましては、6億円余りでございましたが、令和3年度よりも減らすことができたところでございます。新型コロナウイルス感染拡大の影響によって、地域経済の冷え込みが続く中、保険料を滞納し始めた世帯に対する早めの納付相談の実施、収入が減った方への修正申告の案内や保険料減免制度の周知など、様々な取組によりまして滞納額の圧縮につなげてきたところでございます。令和5年5月8日、新型コロナウイルス感染症が5類に移行したことにより、特例的な減免制度につきましては終了したところではございますが、今後も滞納額が累積する前に、それぞれの世帯の事情を考慮した対応を行い、収入未済額や不納欠損額の縮小に努めてまいります。
◆大野治彦
口座振替の手続状況についても伺います。
◎健康生きがい部長
国民健康保険料の払い忘れを防止する観点から、保険料の支払いは原則として口座振替をお願いしている旨、積極的に周知を図っているところでございます。令和4年度には、口座振替への切替えを促進するため東京都の補助事業を活用しまして、口座振替キャンペーンを実施し、既に口座振替に切り替えていた500世帯と新たに口座振替を申し込んだ500世帯に、抽せんで区内共通商品券3千円分を贈ったところでございます。令和5年度につきましても、新規口座登録千世帯を対象にキャンペーンを実施してございまして、令和5年9月末現在で国民健康保険加入世帯8万1,754世帯のうち3万1,984世帯、全体の39.12%が口座振替で保険料を納付している状況でございます。
◆大野治彦
収入未済がなければ、先ほども申し上げましたけれども不納欠損額が発生いたしません。毎年、億単位での不納欠損額が発生しています。1人でも多くの健全な納税者が増えることを望みたいと思い、質問をさせていただきました。次に国民健康保険の保険者努力支援制度について伺います。国民健康保険の保険者努力支援制度は、保険者における医療費適正化等の取組に対する支援として、平成28年度より開始され、平成30年度より本格的に実施されています。この制度は、適正かつ客観的な指標に基づき、都道府県及び市区町村の保険者ごとに実施されている取組状況や実績を点数化し、それに応じて、国から交付金を交付するものであり、令和2年度からは人生百年時代を見据え、保険者努力支援制度を抜本的に強化するため、新たに500億円を交付金へ追加し、保険者の予防、健康づくりの取組を推進されています。厚生労働省では、都道府県及び市区町村でこれまで実施されている予防健康づくりの取組内容の分析及び好事例の収集を行い、これらの内容を踏まえ、保険者における取組内容の課題を明確にし、今後の予防健康づくりの展開について検討することを目的として、本事業を実施されています。板橋区の取組状況と課題について伺います。
◎健康生きがい部長
国民健康保険の保険者努力支援制度は、保険者であります区市町村における医療費適正化に向けた取組等に対する支援として、保険者の取組状況に応じて交付金を交付する制度として創設されたものでございます。令和4年度、板橋区は、医療費適正化の取組評価分として1億4,649万4千円、予防、健康づくり事業の事業費分としまして2,376万1千円、合計1億7,025万5千円の交付を受けたところでございます。一定の交付を受けることができた一方で、特定保健指導の実施率と法定外繰入金の削減状況について減点の評価を受けたことから、この点が改善すべき課題であると捉えているところでございます。
◆大野治彦
次に、特定健康診査、特定保健指導について伺います。平成20年4月から、高齢者の医療の確保に関する法律により、保険者に対して内臓脂肪の蓄積に起因した生活習慣病に関する健康診査、特定健康診査及び特定健康診査の結果により、健康の保持に努める必要がある者に対する保健指導、特定保健指導の実施が義務づけられています。特定健康診査とは、日本人の死因の約6割は生活習慣病で、その予防のために、各区市町村の国民健康保険では、40歳から74歳までの方を対象にメタボリックシンドローム、内臓脂肪症候群に着目した特定健康診査を実施しています。板橋区の取組状況と課題について伺います。受診率、審査状況などを含めて伺います。
◎健康生きがい部長
国民健康保険の特定健康診査、特定保健指導の状況につきましては、毎年11月末に集計結果がまとまるため、最新の数値は令和3年度の数値になりますので、令和3年度の数値でお話をさせていただきます。令和3年度の特定健康診査受診率は46.8%で、23区中3位、特定保健指導については、10.9%で、23区中、こちらは12位となっているところでございます。特定健康診査におきましては、40歳代前半の受診率が低いということ、それから特定保健指導のほうでは、自己管理が可能であるとの理由で、保健指導に向き合ってくれないような例が見受けられるところでございます。特定健康診査や特定保健指導の実施状況等によるペナルティというものはないところでございますけれども、疾病の発生予防、早期治療、重症化予防の観点から、特定健康診査の受診率と特定保健指導の実施率向上が課題と捉えておりまして、より多くの方に利用していただけるよう、工夫していきたいと考えているところでございます。
◆大野治彦
国民健康保険事業の特別区長会から国、東京都に対しての要望活動について状況を伺います。
◎健康生きがい部長
東京都に対しましては、令和4年7月、国民健康保険事業に関する課題としまして、保険料負担軽減策のさらなる充実と財政支援の拡充、それから、国に対して、子育て世帯の保険料軽減策拡大を要望することを求める要望活動を行ったところでございます。また、国に対しましては、令和4年8月に、さらなる財政支援と保険料負担削減策の充実、子育て世代への保険料軽減、医療費助成制度への国庫負担減額調整措置の全面廃止、国民健康保険制度の構造的課題の抜本的解決を求める要望活動を行ったところでございます。
◆大野治彦
国民健康保険加入者が毎年減少し、1人当たりの保険給付費の増加、毎年増える保険料の負担などに対する板橋区の今後の対応について伺います。
◎健康生きがい部長
いわゆる社会保険の適用拡大によりまして、保険料負担能力のある方の多くが社会保険のほうに移行し、国民健康保険の加入者につきましては、高齢者や低所得者の割合が増加する傾向にございます。これによりまして、疾患等を持つ方の割合が増加し、1人当たりの保険給付費が増えるとともに、低所得者の増加による保険料収入額の減少が進み、保険料の上昇はますます加速していくのではないかと考えているところでございます。区としましては、区長会を通じて国や東京都に国民健康保険制度の抱える課題の解決を引き続き求めていくほか、医療費の削減に向けたジェネリック医薬品の使用促進、頻回受診や重複・多剤服薬の抑制に加えまして、健康診断の受診勧奨、疾病の発症防止や早期治療、重症化予防への取組を強化していきたいと考えているところでございます。
◆大野治彦
特別区23区の統一保険料なので、板橋区だけが変更することは難しいと思われます。民間の損害保険、生命保険では、将来起こるかもしれない危険に対し、予測される事故発生の確率に見合った一定の保険料を加入者が公平に分担し、万一のとき、事故に対して備える相互扶助からの精神から生まれた助け合いの制度です。事故や災害から生命や財産を守るための最も合理的な防衛策の一つとされていますが、国民健康保険事業は、事業という言葉がつくことで、加入者だけでは維持することができない保険事業で、独特であると思います。今後加速すると思われる少子高齢化と、国保加入者のさらなる減少が進めば、制度そのものが危ぶまれるのではないかと思います。次代にそうした保険事業が構築されることを望みたいと思い、質問をいたしました。次に、地域センターについて伺います。令和元年12月に、地域センターの在り方検討会最終報告書と題され、地域センターの機能強化〜もっと身近で頼れる存在へ〜になるための最終報告書が示されました。最終報告が示された以降、新型コロナウイルス感染症出現により、丸3年間は具体的な取組に着手することができなかったのではないかと思いますが、準備が進められてきたことと思います。地域センターは、区役所本庁舎の分身で、区民の皆様と身近に接する貴重な存在であると思います。平成16年には出張所機能が廃止され、18の地域センターと6つの区民事務所が設置となり、地域センターは地域振興業務のみを行うことになりました。この間、出張所から地域センターに変わることによる区民サービスの低下についての確認、地域センターにおいてもIT化が進む昨今、区民の皆様の利便性の向上につながるのではないかと、各種証明書等の発行業務についての提案などもさせていただいてまいりました。新たな地域センターの目指す方向性が示されていますが、現在もこの地域センターのあり方検討会の最終報告書に基づいて、地域センターの運営がなされているのでしょうか。伺います。また、令和4年度の事務執行の取組と成果についてお聞かせください。
◎
区民文化部長
各地域センターでは、今委員からありました地域センターのあり方検討会最終報告書に掲げる新たな地域センターの目指す方向性に基づきまして、地域センターの利用拡大の取組に努めてまいりました。これまでの間、新型コロナウイルス感染症の流行拡大によりまして、センター事業が休止に追い込まれる中、新たな業務に取り組むことで、最も身近で頼れる存在となるよう、区民サービスの拡大を図ってきたところでございます。中でも、マイナンバーカードの申請受付業務については、経由事務の枠を超え、写真撮影や申請書記入支援を行うことで、多くの方々が地域センターを訪れる要因となったところでもございます。引き続き、相談機能の充実あるいは業務の拡充に向けて取り組んでまいりたいと考えております。
◆大野治彦
相談業務の取組についてなんですけれども、区民の皆様にさらなる周知を図ることが必要ではないのかと思います。例えば、街路灯の球切れ、自転車の乗り捨て、ごみの不法投棄など、区民の皆様はどこに問合せをすればよいのか分からない方が多数いらっしゃるのではないかと思います。地域センターが窓口となって、各課につなげて課題解決を図っていただくことも大変重要なことの一つであると考えます。私も、区民の方から相談、地域センターを通じて対応いただくことがあります。迅速な対応にいつも感謝しています。そこで伺います。今後、地域の皆様の様々な相談について、関係各課とのつなぐ役割にも、さらなる重点を置くことが区民サービスのさらなる向上につながるのではないかと思います。相談体制の現状について伺います。
◎
区民文化部長
地域センターの利用拡大のための具体的取組の一つに、相談業務の強化も掲げてございます。全地域センターにおいて、様々な相談に対応する体制を整えているところでもございました。現在、地域センターの入口や窓口には、相談業務を実施している旨を掲示をいたしまして、気軽に相談できるような雰囲気、あるいは環境づくりに取り組んでいるところでございます。区民からの多様な相談や要望の聞き取りなど、課題解決に向けた関係機関等の紹介ですとか、区役所の関係各課への引継ぎをスムーズに行うため、日頃から情報共有を密に行いまして、相談業務の強化につなげてまいりたいと取り組んでおります。
◆大野治彦
次に、地域センターの職員体制について伺います。現在、各地域センターの職員の配置人数は3名、ホールが存在するセンターは4名とお聞きしています。さきに述べました相談体制の充実をはじめ、新たな地域センターを目指すには、現在でも職員が少ないと思われますが、増員する必要があるのではないかと考えます。見解をお聞かせいただきたいと思います。
◎
区民文化部長
地域センターが少人数職場であるということから、そのことが課題として顕在化する場面はあるものと考えてございます。現在、コロナ禍で休止中だった事業を再開する際には、実務経験者が異動等でいなくなってしまったため、準備に要する時間の増加ですとか、新たな地域センターを目指して今取り組んでおります拡充した業務、これを行うことによって、職員の業務量が増大する懸念もございます。今後、地域センターの業務内容と、あるいは業務量を検証しながら、効果的かつ効率的な地域センターの運営に向けた業務の適正化を図ることとしておりまして、課題が顕在化した場合には、必要に応じて人員配置の見直し等の検討を進めていきたいと考えております。
◆大野治彦
次に、住民防災組織との連携・防災訓練について伺います。区民を対象とした各課の事業等を地域振興課が調整役を担い、地域センターが積極的にサポートするとすることになっています。住民防災組織との連携、そして毎年行われている総合防災訓練の現状について、区民文化部の見解を伺います。
◎
区民文化部長
年1回、3月に18支部で一斉に行う総合防災訓練でございますけれども、避難所開設運営訓練ですとか、初期消火訓練などに加えまして、現在VRあるいはARなどの最新デジタル技術を活用した火災・煙体験ですとか、避難所体験など様々な訓練を行っているところでございます。訓練内容につきましては、18支部ごとに主体的に決定していることから、各支部の実情を踏まえた実践的な訓練であると、区民文化部でも認識しているところでもございます。近年の災害で生じました新たな課題に対応するため、より実践的な訓練メニューの導入につきまして、今後も地域センターの職員から、住民防災組織に対しまして積極的な働きかけを行うなど、実効性の高い総合防災訓練の実施につなげてまいりたいと考えております。
◆大野治彦
何が言いたいかといえば、町会・自治会の役員で構成される住民防災組織は、防災訓練では住民の皆様を指導する立場にあるのではないかと思います。年に1回の総合防災訓練だからこそ、住民防災組織が主導となって訓練を行うことが必要なのではないかと思います。実際に大震災等が発生したときには、地域センターの所長をはじめ、職員の皆様は、地域センターで防災本部との連携を図るものと思われます。避難所にはいません。避難所の責任者は、各地域の町会連合会支部長が本部長となって運営を担うことになっています。今後の住民防災組織が主体となった総合防災訓練の実施ができることを願い、質問をさせていただきました。次に、地域センターのサポートの下、住民防災組織との新たな連携強化を図る必要性があるのではないかと考えます。伺います。
◎
危機管理部長
地域班の活動拠点となります地域センターにつきましては、地域の情報を集約する拠点であるとともに、災害発生時には、避難所開設に関する情報を町会連合会各支部長や各町会・自治会へ伝達する重要な役割を担っております。そのため、地域の防災力向上のためには、地域センターとの情報共有や連携は必須であると認識をしております。令和6年度以降につきましては、18支部ごとの地区防災計画の作成を予定しておりまして、計画の作成を行う中で、地域センター職員や住民防災組織と連携いたしまして、住民防災組織が主体的に取り組める訓練などの検討も行ってまいりたいと考えてございます。
◆大野治彦
次に町会・自治会・シニアクラブとの連携支援について伺います。まず、町会・自治会との連携支援についてです。板橋区のホームページには、町会・自治会は、古くから地縁による組織として、防犯、防火、防災、青少年健全育成、環境美化及び地域住民の親睦など、地域コミュニティーの活性化や福祉の向上に板橋区と協働して積極的に取り組んできました。大災害や多発する犯罪に対する備えが地域の大きな課題となっている昨今、地域住民同士の相互理解と協力が自立した地域コミュニティを形成し、安全で安心して暮らすことのできるまちづくりにつながっていくことから、板橋区は、町会・自治会の活動等を支援しています。皆さんも町会・自治会にご加入くださいと掲載をされています。初めに板橋区と町会・自治会の関係性について伺います。
◎
区民文化部長
町会・自治会は、今ご指摘ありましたように地縁に基づく任意団体といたしまして、共助のみならず、防犯や防災、青少年健全育成や環境美化など、区と協働してまちづくりを推進する重要なパートナーであると認識しているところでございます。区は町会・自治会との連携の重要性を鑑みまして、これまでも各事業への補助金あるいは助成金のほか、加入促進策などの様々な手法によりまして、支援策を講じてきたところでもございます。
◆大野治彦
町会・自治会への加入状況について伺います。
◎
区民文化部長
板橋区町会連合会の協力を得まして、令和元年度に実施した調査では、区の世帯数と、町会・自治会への加入世帯数を基に計算した結果、18支部の平均加入率は49.3%という数値になったところでございます。その前に行いました平成23年度の調査では53.1%であったことから、加入率の低下傾向が出る結果となりました。次回調査は令和6年度を予定しておりまして、区として、定期的に加入状況の把握に努めてまいりたいと考えております。
◆大野治彦
役員の高齢化と成り手がいない現状であるのではないかと思います。予算面の支援ではなく、新たな連携支援が必要なのではないかと考えます。伺います。
◎
区民文化部長
区といたしましても、町会・自治会への支援では、加入促進にとどまらず、町会・自治会の活動に関わる人材をどのように増やすかという観点での支援策の強化が課題であると認識しております。そのため、地域の多様な団体が従来の枠組みを超えまして、町連各支部を中心とする地域連携を強化するためのネットワークの構築、これも一つの解決策として捉えているところでございますが、全地域に定着させるには時間を要するというふうに、課題として認識しているところでもございます。区では、今後も町会連合会と連携を密にしながら、引き続き、効果的な方策について検討を進めるとともに、好事例などの情報収集を進めまして、支援や情報提供を継続して強化してまいりたいと考えております。
◆大野治彦
町会・自治会は、地域コミュニティーの核をなす団体であると思います。私自身もこれといった具体策は現在ありませんけれども、このままの状況が続きますと、町会・自治会の存続が難しくなるのではないかと思います。板橋区にとっての最大のパートナー、板橋区行政が手の届かないところを担っていただいている町会・自治会への新たな対応支援に取り組んでいただきたく、質問をさせていただきました。次に、シニアクラブとの連携支援について伺います。こちらも板橋区のホームページには、シニアクラブの活動は地域ごとのシニアクラブの活動とそのクラブが会員である連合会の活動があり、高齢者の生きがいと健康づくりのため、健康、友愛、奉仕の全国3大運動を主として多種多様な活動が行われています。クラブ活動を通じて社会活動に積極的に参画し、共に様々な活動を楽しむ中での周りとのつながりを持つことにより、高齢者が孤立することなく、生き生きと暮らせる明るい長寿社会づくりと、保健福祉の向上を目指しています。現在の高齢者は、板橋区老人クラブ連合会が創立した65年前とは異なり、若々しく活躍する世代であることから、板橋区シニアクラブ連合会、旧老人クラブ連合会及び板橋区では、老人クラブではなくシニアクラブの名称使用を促進していますと掲載をされています。板橋区とシニアクラブの関係性について伺います。
◎健康生きがい部長
シニアクラブにつきましては、先ほどご紹介いただきましたが、仲間づくりを通じて、生きがいと健康づくり、地域を豊かにする社会活動、保健福祉の向上などのため、地域内の高齢者が自主的に組織している団体で、単位クラブの連合組織である板橋区老人クラブ連合会が昭和33年9月に発足したところでございます。老人福祉法第13条第2項におきまして、地方公共団体は、老人クラブその他当該事業を行う者に対して、適当な援助をするよう努めなければならないと規定されているところでございます。このことから、各シニアクラブには、教養向上、健康増進レクリエーション活動等に加え、友愛活動や清掃奉仕活動に対し、区から補助金を交付しているところでございます。また、シニアクラブ連合会には、各シニアクラブへの育成・指導、仲間づくりの促進、他世代との交流促進等に対し、補助金を交付するとともに各種行事などへの人的支援を行っているところでございます。
◆大野治彦
名称を変えた理由と併せてお聞きします。加入状況について伺います。
◎健康生きがい部長
まず、名称変更についてでございますけれども、令和5年5月17日に開催されました板橋区老人クラブ連合会定期総会におきまして、板橋区シニアクラブ連合会への名称変更議案が上程されまして、特別議決をもって原案のとおり可決されたところでございます。シニアクラブ連合会への名称変更は、現代の60歳以上の高齢者は、連合会が設立した60年以上前とは異なり、若々しく活躍する世代であるため、時代に合わせた名称に変更し、会員増強を図ることが議案の提案理由となってございます。老人クラブという名称が60歳代の会員の新規加入につながっておらず、クラブ会員数が減少しているとの背景から、名称変更が行われたものと認識しているところでございます。それから、もう一つのシニアクラブへの加入状況についてでございますけれども、今年度のシニアクラブの現況は、令和5年4月1日時点で125団体、会員数は9,561人でありました。8月1日現在では、これが123団体、9,487人となっておりまして、2つのクラブが解散している状況にございます。なお、平成24年当時では143団体、会員数は1万4,432人となっていましたが、令和4年度には128団体、会員数が初めて1万人を割り込みまして、現在に至っており、会員数の減少が継続しているところでございます。
◆大野治彦
ある地域では、クラブを解散してしまう状況が発生しています。今まさに高齢化が加速する中、このような状況が発生しています。新たな連携支援が必要なのではないでしょうか。現状と今後の対応について伺います。
◎健康生きがい部長
シニアクラブの解散の大きな要因としましては、クラブへの新規加入者が少ない中、会員全体の高齢化が進むことによりまして運営が困難になり、クラブの解散に至っている状況にあるというふうに捉えているところでございます。また、クラブ運営に当たり、区から交付される補助金の申請書類や実績報告書類の作成がクラブの会計担当者の負担になっているとの意見が出されていることも事実でございます。この現状を踏まえまして、令和5年度の補助金申請から3か月報告書というのがあるんですが、これの提出の廃止などの簡素化を図るとともに、分かりやすいマニュアルの作成、説明会の開催など、クラブの負担軽減に向け対応してきたところでございます。区からの補助金交付のため、申請書類の簡素化には一定の制限はありますけれども、今後ともシニアクラブの意見を十分に聞きながら会員増強のPRを含め、さらなる支援に努めてまいります。
◆大野治彦
先ほども質問いたしましたけれども、町会・自治会への支援と同様に、このままの状況が続きますと、解散する団体が増えてしまうのではないかと思います。私自身、これといった具体策はありませんが、健康、長寿、友愛の精神で活動いただいているシニアクラブの活動しやすい新たな環境を支援いただきたく、質問をさせていただきました。次に、プラスチックごみの再資源化について伺います。令和4年6月17日に、プラスチックに係る資源環境の促進等に関する法律が施行され、プラスチックごみの排出量の抑制、さらなる資源の有効活用、区民の環境への意識向上を目的とし、プラスチックごみの再資源化の取組が行われる予定になっています。法律には、第6条で、市区町村はその区域内におけるプラスチック使用製品廃棄物の分別収集及び分別収集物の再商品化に必要な措置を講ずるよう努めなければならないとうたわれておりますので、実施に向けての取組と準備状況について質問いたします。令和4年度に試験的に実施されました地域の実施結果について伺います。課題、問題等についても伺います。
◎資源環境部長
令和4年度、無作為により抽出した2千世帯を対象に、新たな分別ルールや回収方法について伺った区民アンケート、事前に承諾を得た約100世帯を対象に、実際に分別収集を行ったモニター調査及びモニターアンケートを実施し、解析・考察を行ったところでございます。アンケートでは、プラスチックを資源として分別し、週1回収集することについての区民アンケート、モニターアンケートとも、8割近くの世帯が肯定的であった一方、モニターアンケートでは、分別排出を面倒だったという意見が8割を超えていたところでございます。このような調査結果により、分別の変更や洗浄の方法などについて十分な周知が必要であるということに整理いたしまして、現在に至ったところでございます。
◆大野治彦
今後行われる各地区での住民説明会の対応について伺います。説明会だけでは特定の方しか来られませんので、さらなる周知徹底を図ることが難しいのではないかと思います。今後の住民説明会の対応、それ以外の対応について、考えをお聞かせいただきたいと思います。
◎資源環境部長
周知に当たりましては、住民説明会の回数や実施方法を工夫するとともに、様々な機会を捉えて積極的に発信する予定でございます。具体的には住民説明会、10月から12月にかけまして、地域センターを中心に、区内全域45回を超える平日、夜間、土曜日を組み合せて、より多くの区民の方の参加ができるようにするほか、周知の機会として区民まつりなどのイベントも予定しているところでございます。その他ハンドブックの全戸配布、広報いたばし、区設掲示板へのポスター掲示、チラシの全町会・自治会回覧など、さらに動画配信を含めた区公式サイトでの発信やSNS、公式LINEを活用することとしており、徹底した周知を進めてまいりたいと考えてございます。
◆大野治彦
現在、協力をいただいている資源ごみ回収場所へのプラスチックごみの出し方について伺います。
◎資源環境部長
資源として回収するプラスチックは、透明または半透明の中身の見える袋に入れていただきまして、週1回、資源の回収日に集積所に排出していただくこととしております。集積所では、他の資源である瓶や缶と異なりまして、袋のまま排出していただくということになってございます。大規模なマンションにつきましては、区から保管用の回収ネットを貸与するというものも考えてございます。また、それ以外の集積所について、風などによる飛散のおそれがある場合には、お申出により防鳥ネットを貸与する予定でございます。
◆大野治彦
資源ごみの分別回収に今も理解のない方がいらっしゃるように見受けられます。よほど注意を払った対応しなければならないのではないかと考えます。缶の回収ボックスの中にスプレー缶、ペットボトルの回収網の中に油のボトルなどが入れられているときがありますが、プラスチックごみの回収については、品種が多く、積み残しが発生した場合、集積所を管理する方の負担、管理する方がいない集積所などでは、環境の悪化が危ぶまれるのではないかと思います。見解をお聞かせいただきたいと思います。
◎資源環境部長
プラスチックの資源化に当たりましては、瓶や缶など現在も資源として回収しているものと同様、回収したものの中に不純物が含まれている場合、その後の資源化の工程において支障となります。そのため、不純物が含まれる場合には回収せず、警告シールを貼り、注意喚起を行うこととしております。一方集積所が良好な状況で管理・運営されていることの重要性は認識しておりまして、プラスチックを含めた資源、また、ごみの適切な排出については、様々な媒体や機会を活用し、清掃事務所、ふれあい指導班での対応も含め、継続的に区民への周知を行っていく予定でございます。
◆大野治彦
現在の清掃工場の炉は、焼却炉をはじめとした各種設備の向上が図られています。プラスチックごみの燃焼についても向上が図られていますが、プラスチックごみを燃焼しなくなることにより、炉の温度が低下することが予測されます。ダイオキシン追加燃料の必要性について伺います。
◎資源環境部長
板橋区が燃えるごみを搬入している板橋清掃工場や、23区内の清掃工場では、ごみの焼却を開始する際に、ガスバーナーを使用してございます。ガスバーナーを使用した以降は、ごみそのものの燃える力を利用して、点検日を除いて24時間365日、燃やし続けているという状況でございます。燃焼中は、ダイオキシンの発生原因となる炉の温度の低下を抑制し、常時800度以上で燃焼させるため、焼却炉に入れる前にごみをよく攪拌しまして乾燥させるほか、焼却炉内にファンで風を吹き込むなどの対策を行っているところでございます。そのため、プラスチックの資源化が始まっても、ダイオキシン対策は従前と変わらず、また基本的に、助燃剤、燃やすために助ける材料でございますけれども、そういったものの対応は不要と考えてございます。
◆大野治彦
次に減災・防災、防犯対策について伺います。水害時における地域防災力の向上や、河川敷の利活用による健康増進策に関するかわまちづくり計画を国に申請し、その必要性、実現性が高いと判断され、令和3年8月20日に国の制度に登録されることになり、現在、実現に向けて取組が行われています。板橋区かわまちづくり計画について質問いたします。本計画は、危機管理部だけでなく、区民文化部、産業経済部、資源環境部、都市整備部、土木部と部を横断しての取組とお聞きしています。どのような連携が図られているのか、また、誰もが親しめるスポーツ環境の整備、にぎわい創出への取組も行われているとお聞きしています。関係各課の取組について伺います。
◎
危機管理部長
かわまちづくり計画につきましては、防災面に関するハード整備だけではなく、にぎわい創出の仕組みづくりを進める計画となっておりまして、ご紹介いただきました関係6部で組織横断的に連携し検討しているところでございます。広大な荒川河川敷の計画でありますので、長期にわたる計画になるとともに、規制の多い敷地であるため困難な課題も多くありますが、関係6部によるプロジェクトチームの会議を月1回程度開催し、スポーツ環境の充実、にぎわい創出などを目指して、計画の検討を行っているところでございます。
◆大野治彦
国土交通省との連携、折衝については現在どのように行われているのか、そして東京都も連携支援の強化を図っていくとの発言をお聞きしております。伺います。
◎
危機管理部長
かわまちづくり計画は、国土交通省荒川下流河川事務所との共同事業となっておりまして、施設の設計、工事に当たり綿密な連携が必要となっております。現在、荒川下流河川事務所とは適宜打合せを行っておりまして、連絡通路につきましては、設計作業が進行中でありまして、今年度末までには工事の発注を行う予定でございます。なお、東京都の補助制度も一部活用できる見込みでございます。また、板橋区の関係6部で構成するかわまちづくり計画のにぎわいづくりプロジェクトチームの会議には、今年の8月から荒川下流河川事務所の職員も参加し、共同で検討を進めているところでございます。
◆大野治彦
プロジェクトの達成に向けて、若手の職員による会議も開催されているとお聞きしています。現在の状況について伺います。
◎
危機管理部長
板橋区及び荒川下流河川事務所の様々な部署の若手職員、合計で21名集まりまして、かわまちづくり計画のにぎわい創出につながるアイデア出しを目的とした、板橋区かわまちづくり未来の板橋発想会議を開催いたしました。4つのグループに分かれ、4回の会議を開催し、その成果につきましては、令和5年1月に区長及び荒川下流河川事務所長に報告をしたところでございます。様々な提案内容につきましては、にぎわいづくりプロジェクトチーム会議などで検討いたしまして、今後、実現できるものにつきましては実現していきたいと考えているところでございます。
◆大野治彦
先ほどの職員提案の質問でも述べさせていただきましたが、様々な意見があると思います。各部での連携をいただき、若手職員の皆様の意見を受け止めて政策に反映させていただきたいと思い、伺いました。次に、いたばし防災プラスプロジェクトについて伺います。YouTubeで動画配信されている防災動画について質問いたします。攻めている防災動画、板橋区職員が体張って制作配信、新聞テレビでも取り上げられ、放映されるなど、高評価を得ています。現在の配信状況、環境、今後の予定について伺います。
◎
危機管理部長
いたばし防災プラスプロジェクトの一環としまして、資生堂美容技術専門学校と共同で製作した防災×美容ですとか、ハザードマップの見方、D級ポンプの使い方などをテーマに現在30本ほどの動画を公開しております。最も多く視聴されている動画は、視聴回数が2万6千回を超えているとともに、職員がストーリーを考え、手作りで撮影、編集した動画が分かりやすく面白いと、NHKをはじめ多くのメディアでも取り上げられ、好評をいただいているところでございます。防災に関心が高くない方に対しても、防災に親しんでもらうことで、防災に関心を持ってもらえる方の裾野を広げることができるよう、インスタグラムなどで新たな動画の製作を継続してまいります。
◆大野治彦
本年11月18日土曜日に行われる、ハイブリッド型防災関連イベント、いたばし防災プラスフェアについての取組とコンセプトについて伺います。
◎
危機管理部長
いたばし防災プラスフェアにつきましては、11月18日に荒川河川敷で、リアルイベントと併せまして、オンラインツールを活用した防災イベントを行うことで、より多くの区民が参加しやすい環境を整えていきたいと考えております。リアルイベントでは初期消火や応急救護などを体験できるほか、VRやARなどの最新デジタル技術を活用した火災・煙体験、避難所体験を実施し、また、オンラインイベントでは、ゲーム形式などで楽しみながら防災知識が身につくコンテンツを用意しております。楽しんで参加できるコンテンツを豊富に用意することで、防災に対する意識が低くなりがちな若年層などをはじめとした幅広い層への働きかけを行い、防災知識の向上及び地域防災力の底上げにつなげていきたいと考えております。
◆大野治彦
次に町会・自治会が設置する防犯カメラについて伺います。板橋区議会は、平成30年度から現在に至るまで、町会・自治会が設置する防犯カメラの設置費、維持管理費の全額東京都負担を求める要望について、特別区議会議長会を通じて東京都に求めています。特別区長会、東京都町会連合会の会からも同様の要望が行われています。毎年少しずつではありますが、対応が図られているようですが、いまだ実現には至っておりません。犯罪や事故が発生したときに、映像を警察が確認します。遠隔操作で確認ができるそうです。その際、その都度、町会・自治会の担当者が立ち会います。利用するのは警察であるのに、設置費、維持管理費を町会・自治会が負担するのには違和感を持ちます。現在の補助状況について伺います。
◎
危機管理部長
現在の防犯カメラの補助率でございますけれども、町会・自治会に対しましては、東京都が2分の1、板橋区が3分の1ということで、町会・自治会の負担が6分の1残っているという状況でございます。
◆大野治彦
実現するまで東京都の全額負担を求めていただきますよう、お願いしたいと思います。見解をお聞かせください。
◎
危機管理部長
防犯カメラの設置・維持管理経費につきましては、これまでも継続的に、特別区長会から東京都に対し、全額負担の要望を行ってきたところでございます。しかし、東京都からの回答は従前と変化がなく、現時点では要望を受け入れられていない状況でございます。防犯カメラの設置経費につきましては、東京都が行うべきとの考えにつきましては、委員と同様で区としても変更はないところでございますので、今後も粘り強く、東京都の全額負担を要望してまいります。
◆大野治彦
事故や事件で使うのは、警察、警視庁であるのに、なぜ町会・自治会の会費で設置や維持管理を行わなければならないのか、甚だ疑問に思います。議長を務めさせていただきました2年間、東京都に伺い、副知事、都議会では議長各会派に伺い、直接要望しています。いまだ東京都の全額負担ではありません。要望がかなうまで求めていきたいと思い、質問をさせていただきました。次に、都市農政と板橋区の農業について伺います。本年7月より、坂本区長の推薦、議会の承認をいただいて、農業委員会委員を3年間務めさせていただくことになりました。毎月行われる定例総会、農業委員研修、先日は公益財団法人東京都農林水産振興財団、東京農業アカデミー八王子研修農場で研修をいたしました。それぞれの研修で都市農業の現状を知ることができました。定例総会では、農地法第4条、第5条の案件について承認することなど、大事な案件について審議を重ねています。初めに、改めて板橋区の農業の現状について伺います。
◎産業経済部長
区内の農地や農家数は減少傾向にありまして、平成25年度から令和4年度までの10年間で農地面積は約25%、生産農家数は約20%減少しております。しかしながら、農業者の皆様のご尽力によりまして、直売所や学校給食への出荷による新鮮な農産物の提供をはじめ、区民農園や収穫体験を通じた安らぎの機会の提供など、これまでと変わらずに行っていただいております。そのほかにも、都市農業は、都市に緑を供給し、景観形成や生物多様性の維持など、豊かな都市生活の実現に大きく寄与しているものと認識しております。
◆大野治彦
令和4年度の農業振興施策の実績について伺います。
◎産業経済部長
区が令和4年度中に行った主な農業振興施策としましては、農機具の購入や農地の整備に対する補助金の交付、肥料の現物支給といった農業者への直接的な支援をはじめ、赤塚五丁目の農業体験農園を活用した収穫体験を行いました。また、コロナ禍で中止となっていた板橋農業まつりを3年ぶりに実施するなど、様々な施策を行いました。さらに、農業の担い手の育成にも新たに着手しておりまして、区内の農業者の全面的な協力の下、農業スキル育成講習を開講し、過去に成増農業体験学校を修了した4名が全25回の講習を受講し、全員がよりレベルの高い農業技術を習得し、農のサポーターとして今年度から本格的に活動しております。
◆大野治彦
令和4年度の区民農園の利用実績と利用者の相談体制と指導の状況、今後の方向性について伺います。どのような方々が利用しているのかも、併せてお願いいたします。
◎産業経済部長
区民農園事業は、土地所有者から無償でお借りした農地を活用し、個人用で15平方メートル、団体用で30平方メートルの区画を5,500円の使用料で区民の皆様に利用していただいておりまして、令和4年度は個人用1,700区画に対しまして、2,673人のお申込みをいただく大変人気の事業となっております。年代別の利用者の割合は30歳代までが10%、40、50歳代が35%、60歳代以上が55%となっております。運営は、ベテラン農業者で組織された農芸指導員の会の皆様に月1回農園を巡回していただき、利用者への指導を行っているほか、地元協力者であります管理人に月1回の巡回点検をお願いしてございます。今年度から、指導員や管理人の高齢化に対応するため、一部の農園の管理を事業者に委託しているほか、指導員が巡回できない一部の農園の利用者を対象に、講習会を実施するなど指導員などの負担軽減に努めております。また、維持することが難しくなった農地を積極的にお借りするよう、働きかけを行うことで、区民農園の確保に努めてまいります。
◆大野治彦
令和4年度の学校給食への運用状況、学校給食の食育への活用、本年の猛暑続きの影響を伺います。
◎産業経済部長
学校給食への食材提供につきましては、板橋ふれあい農園会に加入している9戸の農家がジャガイモ、大根、ニンジン、長ネギの4種類の野菜をそれぞれ年1回、区立小・中学校全73校に納入しているほか、農家と学校が個別に契約し、納入する例もございます。食育の例といたしましては、ふれあい農園会給食だよりを活用しまして、生産者の紹介や、野菜の育成過程を写真で分かりやすく紹介しておりまして、また、一部の学校には生産者が直接訪問し、野菜づくりの大切さや、地産地消の大切さなどを教える取組を行っております。猛暑の影響につきましては、夏野菜や葉物野菜を中心に枯れてしまったり、実が焼けてしまったりといった、例年にない被害が発生している事例はありましたが、11月下旬に各校に納入する大根については、現在のところ順調に育成していると聞いております。
◆大野治彦
農業体験学校の趣旨と受講状況、卒業生のその後について伺います。
◎産業経済部長
成増農業体験農園は、農業の技術の継承を行いつつ、区内農業者の援農活動が担える人材の育成を目的としまして、土地所有者から無償でお借りいたしました1,200平方メートルの土地に、農地やパイプハウス等を整備して、平成30年に開校いたしました。4月から翌年2月の期間で、30回程度の実技や座学を通じて、技術、知識を習得する通年型の講習会には、開講から5年間で80名が受講し、このうち40名が全日程の8割以上出席した修了生となっております。80名の受講者のうち、23名は、援農ボランティアとして、区内農業者の農作業や農業イベントのサポートを行っていただいております。また、このうち4名は、昨年、農業スキル育成講習を受講していただきまして、今年度から農のサポーターとして、収穫体験で活用する農産物の育成などを行っております。
◆大野治彦
農業振興の今後の課題について伺います。
◎産業経済部長
農業振興における課題は、農地の減少と農業の担い手の不足であると認識しております。これらの課題に対応するため農業者が管理しきれなくなった農地を積極的に借り入れ、区民農園として活用する取組を維持するほか、プランターを活用した農法や、屋上を農地として活用するなど新たな手法についても研究してまいります。担い手の確保に関しましては、農業スキル育成講習を今後も継続し、農のサポーターを増員するなど担い手の確保に努めてまいります。
◆大野治彦
11月の11・12日に行われる農業まつりのコンセプト、考え方、構想について伺います。
◎産業経済部長
農業まつりの今年度のテーマは、緑と文化を育むSDGs未来都市いたばしとし、農業とSDGsが密接な関係にあることを来場者に再認識してもらえるようなお祭りにしたいと考えております。今年は昨年実施できなかったおみこしも、4年ぶりに実施するプログラムとなっておりまして、コロナ禍前とほぼ同様の規模で実施する予定でございます。
◆大野治彦
それでは、最後の項目です。都立城北中央公園の再編整備について伺います。都立城北中央公園内陸上競技場の整備と一体的な公園の改修につきましては、これまで何度も要望させていただき、一般質問、総括質問などで取り上げてまいりました。当該公園の陸上競技場を含む公園全体の整備と、現在行われている公園隣接の石神井川調節池の上部の有効利用を東京都が行うことにより、子ども、高齢者や障がいを持たれている方々などがスポーツに親しむ環境の整備、スポーツ施設としての再生、また東京都が推し進めているカフェ事業やバーベキュー場の設置など、総合的な整備を求めてまいりました。板橋区が中心となり、実現に向けての一層の取組を求めてまいりました。坂本区長におかれましては、昨年10月7日に開催されました都知事と区長との意見交換会において、改めて本要望を取り上げていただきました。今回は、小池都知事からは、陸上競技場の第三種公認化には、拡張に伴う施設の再整備などが課題であるが、引き続き、板橋区と意見交換を進めていく。再整備計画のエリア設定を踏まえて、引き続き板橋区と連携しながら、スポーツレクリエーションを一層楽しめるような場になるよう取り組んでいきたい。板橋区の取組とも連携しながら、誰もがスポーツを楽しんでオリンピック・パラリンピックのレガシーを生かして、健康増進、人とのつながりなどスポーツの力をみんなで享受できるようなスポーツフィールド東京の実現につなげていくように、一緒に連携をしていくようお願いするといった趣旨の発言がありました。昨年10月7日に行われました知事と区長、区市町村との意見交換会、YouTubeの配信動画で確認しています。私が昨年行いました決算総括質問の都立城北中央公園再編整備の質問に対する坂本区長の答弁は、区民の皆様との連携を十分に図りながら、将来のまちづくり、広域的なまちづくりも踏まえて、この計画を着実に進めるために、特に関係区との連携、またこれまで進めてまいりました都知事との協議をいかに成し遂げるか、これが大変重要な課題ではないかと思っております。若干時間はかかりますけれども、この大きな問題につきましては、これからも責任を持ちながら、区議会の皆さんとともに、協力をいただきながら進めていきたいと思う。大変重要な課題と考えておりますと答弁をいただきました。現在の東京都との交渉状況について伺います。
◎
区民文化部長
都立城北中央公園の再編整備につきましては、昨年行われました都知事と区長との意見交換会での都知事の発言内容を踏まえ、今年度に入ってからも、複数回東京都に出向きまして、協議を行っているところでございます。今後も、これまで連携してきました城北5区をリードしながら、東京都との協議に取り組んでまいり、またスポーツや憩いの場として、区民にとってより魅力的な都立公園としていただくことを求めてまいりたいと考えております。
◆大野治彦
本案件は、区民文化部ではスポーツ振興、危機管理部では防災公園にも指定されています。産業経済部では、フェスティバルなどのイベントの開催、福祉部では障がい者スポーツ振興、都市整備部ではまちづくり、土木部では調節池の上部利用、バーベキュー場、カフェの設置、駐車場の設置、教育委員会では小・中学校の陸上競技大会の開催など、庁内連携、取組が必要になると思います。庁内での連携、取組を行っていただきたい、そしてぜひとも板橋区の政策として位置づけていただきたいと思いますが、見解をお聞かせください。
◎
区民文化部長
都立城北中央公園内には、私どもの施設、上板橋体育館が設置されているほか、周辺にはご指摘の部署が関連した事業も展開されるところでございまして、連携を図るため、情報共有を行っているところでもございました。公園の再編整備につきましては、東京都が実施主体ではあるものの、スポーツ振興だけでなく、誰もが使いやすく居心地のよい都立公園として、整備を求めていくことが一番重要だと考えております。今後も、地域住民からの意見を踏まえながら、公園の再編整備に向けまして、庁内関係部局と連携を図りつつ、東京都との協議に臨んでいきたいと考えております。
◆大野治彦
資源のある公園だと思います。現在、事業認可による拡張工事が進められ、立ち退きが発生している地域でもあります。今後物騒な地域になります。防災公園にも指定されています。利用目的別にゾーニングすることにより、魅力のある施設に必ずなります。この施設が拠点となることにより今後行われる予定の上板橋南口駅前の再開発事業、再開発については丁寧に進めていただき、よりよい方向でまちの活性を行うことができれば、都立城北中央公園の再整備との相乗効果が生まれ、ひいては、公園が拠点となることにより、小竹向原駅と上板橋駅南口の南北の交通ルートの結節点が生まれ、バス事業者が独自に運行することにより、区民の皆様、そして利用者の利便性の向上にもつながり、定住化の促進をはじめ、板橋区の発展に寄与するものでないかと考えます。実現していくためには、東京都と協議を重ね、課題を一つひとつ解決していかなくてはなりません。東京都の計画変更なくして実現はありません。本年度が勝負であると思います。昨年の小池都知事の発言を無駄にすることがないよう、板橋区から積極的に提案、協議の場の回数を増やしていただきたいと思います。板橋区から強いアクションを示さなければ、東京都は絶対に動きません。ぜひとも、坂本区長のリーダーシップの下、実現することをお願いし、質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
○委員長
以上で、
大野治彦委員の総括質問は終了いたしました。
次に、
内田けんいちろう委員にお願いをいたします。(拍手)
◆
内田けんいちろう
通告に従い、令和4年度決算に関する総括質問をさせていただきます。初めに、日々の業務で区民のために尽力される坂本区長と、職員の皆様に心からの感謝を述べたいと思います。令和4年度は、コロナが5類となり、新たな日常が始まった中、行政としての取組がさらに求められました。この難局においても、坂本区長と職員の皆様が一丸となって取り組んでくださったことに改めて感謝いたします。昨年から続く急速な円安の進行や資源価格の高騰という外部環境の変動は、我々にとっての課題となっています。ポストコロナの新しい経済情勢への対応として、より計画的かつ効率的な予算の執行や財政運営が求められていると感じています。総括質問を通じて、区の職員の皆様とともに、区民のためのよりよいサービスの実現を目指し、議論を深めていきたいと思います。最初の質問として、板橋区の産業振興についてお尋ねします。令和4年度に実施された区民事業者様向けの経済喚起策についての詳細をお聞きしたく存じます。具体的に、どのような措置や支援が行われたのか、また、その際の主な目的や狙いについても教えていただけると幸いです。特に、区として特別に力を入れた部分や特定の目標に向けた取組があれば、それについても詳しく知りたいと思っております。
◎産業経済部長
令和3年度から引き続きまして、令和4年度につきましても、コロナ禍による売上げ減少などの業績悪化が見込まれる事業者に対しまして、経営安定化特別融資を実施いたしました。7月からは、原油や原材料の高騰に関する資金調達に対しても支援できるよう、要件の見直しを行っております。また、地域経済の活性化と新しい生活様式に対応したキャッシュレス決済の推進を目的として、商店街振興組合連合会の協力の下、いたばしPayを開始いたしました。加えまして原油価格の高騰や長引く円安により厳しい経営状態にあった区内事業者を支援するため、補正予算を編成し、エネルギー価格高騰対策支援事業を実施し、事業継続の支援と消費活動の喚起を行った次第でございます。
◆
内田けんいちろう
板橋区内には、幾つかの情報源によりますと、約2万8千企業の法人が存在していると伺っております。この中で、経済喚起策の対象として設定された事業者の数は、具体的には幾つでしょうか。また、個人事業主の方々についての把握は難しいとは思いますが、全体的な対象範囲として、区内の事業者さんたちにどれくらいアプローチできたのか。その規模や範囲について教えていただけますでしょうか。さらに、この範囲を設定するに当たり、事業設計としての意図や、その範囲が適切であったと考える理由も併せてお知らせいただけると助かります。
◎産業経済部長
令和3年の経済センサスの結果から、産業経済部では、区内の中小企業数は約1万7千企業、個人事業主の数は約4千と把握しております。事業によって対象とする事業者の範囲が異なるため、各事業に関してどの程度事業者にアプローチができたかどうか、算定するのは大変難しいことですが、例えば、経営安定化特別融資や、エネルギー価格高騰対策支援事業につきましては、区内の全事業者を対象として実施をいたしました。区が行う事業者支援は、中小企業を中心とした全ての事業者を対象とするものが多いですが、一方では、産業振興公社や企業活性化センターなどでは個々の事業者に寄り添った支援を行っておりまして、バランスの取れた支援ができているものと自負しております。
◆
内田けんいちろう
経済喚起策の実施結果に基づき、その事業の評価はいかがでしょうか。事業結果をどのように捉え、評価しているのかを教えていただけますでしょうか。また、この評価を基に、今後の政策や取組にどのような影響や変化が考えられるのでしょうか。
◎産業経済部長
昨年度行いました経済対策などの事業者支援は、多くの事業者の方にご利用いただいておりまして、事業の継続や区内での消費喚起に少なからず寄与したものと認識しております。今年度になって、経済状況は回復傾向にあるとの分析がございますが、今後も区内事業者の皆様がさらなる設備投資や事業拡大を行い、区内経済の活性化につなげることができるよう、施策を展開していく考えでございます。
◆
内田けんいちろう
私の考えとしましても、板橋区には、現在の社会情勢を考慮に入れ、財源を適切に活用してほしいと思っております。給付型から支援型へ移行されていること、ここには賛同いたしますが、企業が今も苦しんでいる実態を踏まえますと、今後の支援策として、設備投資の促進、チャレンジ融資の拡大、そして区が所有する資産の有効活用を検討していただきたいと思います。また、区が持っているビッグデータを個人情報保護を確保しつつ、区内の事業の活性化に活用する取組も期待しております。具体的な個別の対応と、全体的な方針の両方をバランスよく進めてほしいと考えております。続いて、いたばしPayについてです。いたばしPay事業のもともとの目的と、その狙いについて教えていただけますでしょうか。また、現在の段階での事業の評価はどのようになっているのでしょうか。その評価を踏まえて、板橋区としての今後の見通しや計画、展開についても教えていただけると助かります。
◎産業経済部長
ご紹介ありましたいたばしPayにつきましては、区内の消費活動、経済循環を促進させるとともに、キャッシュレス決済及び行政ポイントの活用、アプリによる情報配信などにより地域住民と事業者のつながりを創出することを目的に開始いたしました。現在、目標を大きく上回り、7万人を超える方々にご利用いただき、加盟店舗数も千店を超えることができ、大変好評をいただいております。いたばしPayは、板橋区商店街振興組合連合会が事務局となって運営しておりまして、来年度までは区からの補助金が予定されておりますが、区の補助金がなくなった後も自主的な運営ができるよう、支援を行ってまいります。
◆
内田けんいちろう
いたばしPayアプリでの支払いに制限や条件は設けられていますでしょうか。また、店舗側がこのサービスに参加する際の条件や基準についても教えてください。さらに、消費者と事業者へのキャッシュバックが実施されておりますが、具体的な実施方法と、その際の予算の出所や配分についてもお知らせいただけると幸いです。
◎産業経済部長
いたばしPayのチャージ金額の限度額は10万円で、使用期限は翌年度末となっておりますが、区民はもちろん区外の方も、アプリを用いて決済が可能でございます。ただし、税金や病院での治療費の支払いなど、利用できないものもございますので、いたばしPayのホームページで確認していただきたいというふうに思います。なお、いたばしPayの加盟店には、原則として全ての区内店舗の参加が可能でございます。利用者への還元といたしまして昨年度はプレミアム率30%で、約4億5千万ポイントを利用者に還元しておりまして、今年度は利用額に応じて1%から30%のポイント還元を行っております。店舗への還元は決済額に応じて、昨年度は商連加盟店には8%、非加盟店には5%、それぞれ1店舗当たり上限10万円まで還元しておりまして、還元の総額は約3千万円となったものでございます。
◆
内田けんいちろう
関連する質問として、10月1日から始まったしょうれん「いたペイ」まつり30%還元キャンペーンについて質問させていただきます。事例としまして、私の下に届いた小売店のオーナーからの事例を1つ紹介したいと思います。その店は、以前は現金取引が主でしたが、板橋区が推進するいたばしPayが導入されると聞き、キャンペーンを行うことから店舗にいたばしPayを導入し、お客様にその利用をお勧めしておりました。9月中旬頃から10月に、新たな30%キャッシュバックキャンペーンが始まることについて、お店に問合せが増えたのですが、そのお店が商店街連合会の非加盟店であるため、キャッシュバックの対象外であることを伝えなくてはなりませんでした。お店は板橋区の事業に協力していたのですが、結果的にお客様に10月の取引をお断りすることとなり、売上げの機会を他店舗に譲る形となり、機会損失を被ることになりました。オーナーとしてはこんなことが起こるべきではないと感じておられました。このキャンペーンでは、板橋区商店街連合会及び板橋区商店街振興組合連合会以外の店舗での買物は還元対象外となっていましたが、なぜこのような対象範囲とされたのでしょうか。特に、非加盟店の商店街への加盟促進が狙いであったのか。それともほかの目的があったのか、教えていただけますでしょうか。一般の消費者から見れば、全店舗で還元が受けられるほうが利便性が高いと感じるのですが、あえて対象を限定した背景や理由を教えてください。
◎産業経済部長
ポイント還元に使用する補助金、これは区からの補助金ですが、こちらについては通常のポイント還元に使用する補助金と、商店街連合会が独自にキャンペーンを行うための補助金を区別して支出してございます。今回、商店街連合会が選択したキャンペーンの内容は、商連加盟店に限定した30%の還元となったものでありまして、区としては商連のキャンペーン分の使途まで決めているわけではございません。商店街連合会が、自らのキャンペーンで商連加盟店に限定したのは、商連への加盟促進を促すためのものであると理解しておりますが、原資が税金であることを鑑みると、今後の同様のキャンペーンが行われる際には、よく相談したいと考えております。
◆
内田けんいちろう
今回、商店街振興組合に限ったイベントを実施した背景や目的については、理解いたしました。商連・振連に、非加盟の商店街や商店街に属していない個人の店舗が商連・振連に加入希望した場合、即座に加盟できるのでしょうか。具体的に商連・振連の加入条件や手続について、教えていただけますでしょうか。また、個人店舗が直接商連・振連に加入希望する場合、その申込みは可能なのでしょうか。商連・振連への加入の難易度が高い場合、公共性を重視する本事業の運営方法についての再考が必要と考えますが、いかがでしょうか。
◎産業経済部長
現在、加盟していない商店街や商店街連合会や商店街振興組合連合会に加盟したい場合は、一定の加入条件を確認した上で、すぐに加盟することが可能でございます。ただし、商連・振連は制度上商店街で構成する団体でありますので、個人店舗が同連合会に直接加盟することは、現在のところ難しいところでございます。今回、先ほど委員がご紹介いただきました店舗に関しましては、商連のキャンペーンには残念ながら参加することができませんでしたが、いたばしPay自体は商連に加盟していない店舗も参加できるため、公共性の観点に関しましても、直ちに反しているとは言えないと考えております。
◆
内田けんいちろう
しょうれん「いたペイ」まつり30%還元キャンペーン実施に向け、商連・振連への加入の呼びかけは、具体的に何回実施されたのでしょうか。また、このキャンペーンで対象店舗を商連・振連に限定するというルールの決定プロセスを教えていただきたいのですが、このキャンペーンを通じて、いたばしPayの成功や効果をどのように評価し、今後どのような展開を考えているのでしょうか。特に、商連・振連の加入を促す意図があるのであれば、平等性を考慮し、その呼びかけは十分に行われていたのかを知りたいです。
◎産業経済部長
毎年行われます商店街連合会からの区への要望では、商店街への加盟促進に対して、区も協力するよう要望が出されております。今回のキャンペーンは、商連への加盟を促進することで、商店街のにぎわい創出や地域の活性化を促進するものであり、その活動を強化するためにも、対象店舗を限定してキャンペーンを実施することは許容の範囲内であると思っております。また、6月発行の商連ニュースにおきまして、令和5年度に実施するキャンペーンの概要を掲載し、対象店舗が限定されることを伝えておりましたが、加盟に関する周知は特に行っていなかったと聞いております。今後、商連とキャンペーンの方法を含めて商店街への加盟促進策を検討する必要がございますが、そのツールとして高評価を得ておりますいたばしPayを活用すべきであると考えております。
◆
内田けんいちろう
商店街の形態は、地域の発展や中小企業や個人店の活力を引き出す上で、非常に有効だと感じております。ただし公共の資金である税金の使用に関しては、全ての区民に対して平等であるべきです。商連・振連への加盟を促進するという方針自体は賛同いたしますが、そのための具体的な呼びかけが不足していると感じる点には疑問を感じます。今後は、より透明性の高い情報提供や区民全員が納得できる形の改善を呼びかけていただきたいと要望いたします。続いて、経済支援として相談体制を強化していると伺いました。この相談体制の目的と現実の状況、特にどのような背景の方々が相談に訪れているのか教えてください。相談利用が低いとの声も聞きますが、その背景や実情は何でしょうか。私としては、事業の拡大を考える方々へのサポートも非常に重要と考えております。事業の拡大や成長を望む方々へのサポートや支援はどのように行われているのでしょうか。
◎産業経済部長
委員ご指摘のとおり、相談件数が多いか少ないかにつきましては、時々の経済状況によって違ってくると思いますが、相談に来ていただいた事業者に対しましては、適切に対応しているところでございます。区では、複数の経営相談窓口で多様な企業の相談を受けておりまして、融資の窓口では中小企業診断士が常駐し、融資に関する相談はもちろん、開業や経営改善に関する相談にも応じております。また、企業活性化センターでは、経営改善チームと事業承継チームを設置し、経営者に寄り添った支援方法である板橋モデルによる支援を行っております。ほかにも、個別の課題に応じた専門家に相談を実施しておりまして、新製品の開発や受発注先の拡大、販路開拓などさらなる発展を目指す企業にも適切なアドバイスを実施しております。
◆
内田けんいちろう
相談から様々な施策につながることもあるかと思います。板橋区内の産業発展を支えるため様々な施策が考えられておりますが、具体的な要望として、区内の体育館を展示場等の目的での貸出しを検討してはどうかという相談が私の下に寄せられました。私も、区の体育施設条例において営利を目的とする利用が原則として許可されていないことは理解しております。しかしながら、実際の状況としては、板橋区に駐車場を備えた広々とした展示場のようなスペースが不足しているため、事業者が他区へと足を運んでいるとのことです。このような背景を踏まえ、体育館の空き時間等を利用して、試験的な貸出しを実施することは検討の余地があるのではないでしょうか。
◎
区民文化部長
区立体育館は、区民の心身の健全な発達に寄与することを目的として設置されておりまして、その利用についても、スポーツやレクリエーションなど設置目的に即していることを原則としてございます。例外としまして、産業見本市などの区の主催事業であること、もう1点は、区と協定締結団体の事業のうち、区民福祉の向上に資すると認められる事業については、利用を承認した例もございました。現在、体育館のアリーナの利用率は93%に達しておりまして、この利用率などを踏まえると空き時間も限定的なものとなっており、展示会などのまとまった日数が必要な事業での貸出しをすることは、他の利用されている区民スポーツ団体に影響が大きいと考えており、現状としては要望に応えられることは難しい状況であると認識してございます。
◆
内田けんいちろう
ほかの自治体では、区が所有する不動産の空き時間を有効に利用しているとのことです。一方、利用目的を固定的に定めると、その活用を阻害する可能性があるため、柔軟な取扱いが求められます。板橋区内の業者の中には、適切な展示場所が区内にないため、他区に場所を求めているケースがあると聞きます。特に体育館が貸出し可能であれば、駐車場も利用できるので非常に助かるとの声が上がっています。区の経済発展のため、今後これらの施設の貸出しを検討していただきたいと思います。また、現状、経営が厳しい方からの相談を受けることが多く、現状に満足している方は相談を持ちかけること自体が少ないかと思います。これでは、前向きな支援や新たな発展につながりにくい体制となってしまいます。そこで、待機的な相談体制ではなく、積極的な相談体制を整えていただきたいと思います。以前、グリーンホールは産業と文化を目的にした板橋産業文化会館として、また、板橋グリーンカレッジは、勤労者の文化や福祉向上を目的にした板橋区立勤労福祉会館として存在しておりました。かつてのこうした産業関連施設が減少していると感じております。こういった施設を経済振興の場として、再び盛り上げていただくことを要望いたしまして、ここで午前の質問を終えたいと思います。
○委員長
内田けんいちろう委員の総括質問の途中でありますが、議事運営の都合上、暫時休憩いたします。
なお、委員会の再開時刻は午後1時といたします。
休憩時刻 午後零時01分
再開時刻 午後零時58分
○委員長
休憩前に引き続き、
決算調査特別委員会を再開いたします。
それでは、
内田けんいちろう委員の総括質問を続けます。
◆
内田けんいちろう
午前に引き続き質問させていただきます。項目2つ目、生成AIを取り入れた業務改善についてです。生成AIを導入検討する際の具体的な目的と、その導入で得られる主な利点には何が考えられますでしょうか、教えてください。
◎
政策経営部長
生成AIのうち、最近の技術革新によって特に普及が進んでおります文章生成AIにつきましては、その特徴を理解して利用することは、区業務の効率化に資するものと認識しておりまして、導入の検討を進めているところでございます。文章生成AIの代表格でありますChatGPTは、大量のデータを学習することで自然な文章生成を実現しておりまして、人間が入力した質問の文脈をある程度捉えた上での回答も可能となっております。区においては、議事録や計画書といった長文となる資料の要約など定型的ではございますけれども、ある程度の時間を要する業務や課題解決に向けたアイデア出し、事例調査などの補助に利点があるものと考えております。
◆
内田けんいちろう
生成AIの導入に関して効果検証が行われたとのことを耳にしました。まず、その効果検証の具体的な結果を教えていただけますでしょうか。そして、その結果を受けて所管の部署として、現在の生成AIに対する考えや見解があればお伺いしてもよろしいでしょうか。
◎
政策経営部長
区では、8月初旬にChatGPTに関する職員向け研修を行いまして、その上で、他の自治体でも導入が検討されているサービスを試行的に利用して、効果の検証を8月下旬から9月末にかけて実施したところでございます。効果検証にはおよそ30名の職員が主に文章要約、仕事におけるアイデア出し、エクセルの関数入力補助など日常的に行っている業務を、ChatGPTが利用できるサービスに合わせてその効果を検証したところでございます。現在、検証結果を取りまとめているところでございますけれども、回答精度を高めるためにChatGPTへの質問に工夫が要るなど課題がありますので、検証参加者へヒアリングを行いながら、好事例や活用のポイントを整理して利用を図ることで業務の効率化に資する有用なツールであるという認識を得たところでございます。
◆
内田けんいちろう
30名もの方がご参加いただいた効果検証ということでしたけれども、この生成AIの導入に関して効果検証にご協力いただいた方や、他部署の皆さんからの意見や感想を教えていただけますでしょうか。また、生成AIを導入する上で想定されるリスクや障壁は何でございますか。そのようなリスクに対してどのような解決策、対応策を考えていらっしゃるのかあわせてお伺いします。
◎
政策経営部長
効果検証に参加した職員からは、具体的な業務時間の削減効果を実感できたという声とか、自分になかった発想や視点が得られたというような声が報告されておりまして、また継続的に利用したいという意見もいただいているところでございます。一方で、生成AIには利用者の入力内容を学習することでシステムの改善を図っていくという一面がございまして、個人情報や秘匿するべき情報などが扱われた場合に、情報漏えいのセキュリティリスクが指摘されているところでございます。生成された成果物には誤った情報が含まれる可能性が否定できないということもありますし、著作権侵害のリスクも指摘されているところでございます。区としましては、こうしたセキュリティリスクについては、システム構成、サービス導入に当たっての事業者と取り交わす規約というか契約によって一定程度回避ができるものと考えておりますけれども、生成された成果物に対しましては、人による内容精査と適切な是正が必ず必要であると考えております。区業務への導入に当たりましては、こうしたセキュリティリスクを踏まえたサービスの選定と生成AIの特性を理解した上での利用が必要ということの周知徹底が必要と考えております。
◆
内田けんいちろう
私自身、生成AIの取組は大変重要だと考えており、積極的に予算を確保し進めていくべきだと思っています。そこで、板橋区として現在、生成AIに関する調査や研究にどの程度の予算が割り当てられているのか教えていただけますでしょうか。また、その予算を使ってどのような調査研究が行われているのか、さらには、最新の生成AIの動向や技術についてどの程度情報を把握しているのかお知らせください。
◎
政策経営部長
生成AIの代表格でありますChatGPTは、急速な技術革新と誰もが利用可能であるということで世界的な注目を集めておりますけれども、行政での業務利用が本格的に議論されたのは今年度に入ってからかなというふうに思っております。そのため、現状において生成AIの調査研究に関する直接的な予算措置はしておりませんけれども、昨年度から導入いたしましたCIO補佐業務事業者、それから人事課予算による国・民間等派遣研修ということで先進事例や最新の動向の把握に今努めているところでございます。そのほかICT関連事業者へのヒアリングなどを行いながら、ChatGPTからの回答精度に大きく影響するプロンプトと呼ばれる質問文の作成方法の検討を独自に進めておりまして、8月に実施した職員研修において、エクセルを用いた作成補助ツールを配布するというような形で事業展開につなげているところでございます。
◆
内田けんいちろう
生成AIの利用に関して、プライバシーやセキュリティ、倫理的、法的な課題といった多岐にわたる問題が浮上してきます。私も生成AIは多くの人々が気軽に接触できる状態にあり、国の指針を待っているだけでは遅いと感じています。早急なルール整備が必要と考えておりますが、区としてはこのような課題に対処するためのルール整備の現状はいかがでしょうか。
◎
政策経営部長
生成AIの業務利用を開始しております東京都や神戸市では、質問文への入力を禁止する項目、それから著作権の保護、生成された成果物を利用する際の内容精査などを明示しましたガイドラインを策定していると聞いております。区が生成AIを業務に導入する際にも、統一的なルールが必要だと認識しておりまして、先行事例を収集するとともに、区で実施した効果検証の結果を整理しながら、職員向けガイドライン作成に向けてその内容の検討を今進めているところでございます。
◆
内田けんいちろう
ぜひ積極的に進めていただきたいと思っております。IT推進課が持つ専門的な知識やスキルは、庁内の他の部署や業務にも大変役立つと考えています。また、そのような価値や知識やスキルが使われるべき場面で埋もれてしまっているのは非常にもったいないと感じております。限られた人材ですから、適材適所に配置して生かすべきだと考えます。IT推進課が整備したツールや知識を、能力や興味を持つ人材がさらに活用し、庁内で拡散するような取組は行われていますでしょうか。
◎
政策経営部長
IT推進課では、生成AIに限らずDXに向けた取組状況や業務改善に向けた情報を庁内に周知するということで、DX通信という形で昨年12月末から発行して、既に15号を数えている状況でございます。また、区民サービスを最前線で提供する各部署の業務改善について、デジタルツールに知見を持つIT推進課、それから先ほども申しましたけれども、CIO補佐事業者と伴走型で支援する、よろず相談DXという取組を始めております。DX通信をきっかけとして、よろず相談DXを利用して業務改善につながった例というのもございますので、今後とも主にこれらの活動を通じて庁内のDXをサポートしてまいりたいというふうに考えております。
◆
内田けんいちろう
知識や能力は非常に区にとっての独自の財産にもなり得るものだと思います。ぜひ積極的に横に広げていただきたいと思います。続いて、教育分野での生成AI対応状況についてお尋ねいたします。公立学校での生成AIの取り入れについての現状や計画に関して教えていただけますでしょうか。特に教師が授業などで使用する場合と、生徒が学習の一環として利用する場合の双方の検討状況や導入予定のタイミングなどを詳しく知りたいです。
◎
教育委員会事務局次長
生成AIの学校での活用につきましては、令和5年7月に文部科学省が初等中等教育段階における生成AIの利用に関する暫定的なガイドラインというものを作成したところでございます。その中では、保護者の十分な理解が得られること、また生成AIを取り巻く懸念、リスクに十分な対策を講じることができるパイロット校を文部科学省が指定して、生成AIの利用が効果的か否かを検証・判断するとされているところでございます。現在は本区において、生成AI導入についての詳細な計画はございませんが、全国のパイロット校の実践を参考にしまして児童・生徒の学習、教員の研修、また校務での活用に向けた知見を蓄積して導入に向けて検討してまいりたいと思います。
◆
内田けんいちろう
導入について分かりました。では、学校内での生成AIの利用に関して、具体的なルールやガイドラインの策定を考えていますでしょうか。特に先生方が授業での活用や生徒さんたちが学習ツールとして使用する際、それぞれのルールづくりの進捗や概要など詳しく情報を知りたいと思います。
◎
教育委員会事務局次長
板橋区教育委員会では、生成AIの利用のためのルールは必要だと考えておりまして、教育活動や教職員の校務における活用につきまして、ガイドラインを作成する予定でございます。東京都教育委員会が都立学校向けに示す方針、また文部科学省がパイロット校における実践を通して得る知見を参考にしまして、板橋区立学校に適したガイドラインを作成してまいりたいと思います。
◆
内田けんいちろう
教職員や児童・生徒の皆様に向けて、生成AIを含むAIの正しい利用方法について、これまで学びの機会が設けられたことはあるでしょうか。また、今後新しく生成AIを学ぶための取組や機会が予定されているのか教えていただけますでしょうか。
◎
教育委員会事務局次長
生成AIに関しましては、これまで文部科学省のガイドライン、また東京都が作成しております資料、「ChatGPTと生成AIの取り扱いについて」を各学校に通知しまして、教職員への理解啓発を図ったところでございます。教職員の生成AIへの理解を基盤にいたしまして、現在行っている児童・生徒の発達段階に応じた情報モラル、またメディアリテラシーに関する教育の充実を図って、AIに適切に対応できる力を育んでまいりたいと思います。
◆
内田けんいちろう
生成AIは、誰もがアクセスしやすいため、教師や児童・生徒がこれを使って不適切なコンテンツを作成する可能性が考えられます。もしもそのような事態が生じた場合の具体的な対応策や報告の手順について、既に決まっているガイドラインや方針はありますでしょうか。もしまだ明確には決まっていないのであれば、今後そのような対応策を検討する予定はございますでしょうか。ご教示いただけますと幸いです。
◎
教育委員会事務局次長
板橋区立学校では、東京都が作成しました情報モラル教材を活用しまして、個人情報の取扱い、また著作権に十分留意すること、不適切な利用の未然防止と情報リテラシーの向上に努めているところでございます。仮に生成AIの不適切な利用があった場合は、児童・生徒、また保護者から聴き取りを行いまして、学校において指導を行うことになりますけれども、必要に応じて教育委員会、他校との情報共有、再発防止策を講じることも想定されます。
◆
内田けんいちろう
現在、板橋区の公立学校の児童・生徒たちが生成AIを独自に利用する場面が想定されますが、この際に個人情報の適切な取扱いや保護が十分に行われているかを心配しております。またAIの正しい活用方法についての教育やガイダンスが不足していると、学習の効果も十分に引き出せないのではないかと感じております。そういった背景を考慮し、生成AIの取扱いルールや教育方法を独自に研究し、早急な対策を検討することは可能でしょうか。ご意見やお考えをお伺いします。
◎
教育委員会事務局次長
板橋区立学校には、文部科学省が作成しましたガイドライン、また東京都の作成しました資料を配布しまして、生成AIの仕組み、授業及び校務における活用の留意点などを周知しているところでございます。また、令和5年度につきましては、板橋区教育委員会が実施しますICT機器活用アンケートで生成AIに関する質問を新たに設けまして、児童・生徒の生成AI利活用の実態を把握する予定でございます。児童・生徒が適切に生成AIを利活用するための指導方法、またルール等につきましては、区立学校の教員で構成しておりますGIGAスマートスクール推進委員会で既に取り上げておりまして、知見を集めながら検討してまいりたいと思います。
◆
内田けんいちろう
国や都の動きを見ながらということもございますが、積極的に前へ進めていただきたいと思います。続いての質問、防災対策としての情報通信についてまいります。災害時における通信の安定性は非常に重要だと考えます。そこで、現在の防災通信網強化策の進捗状況について詳しく教えてください。特に通信のトラブルを減少させるための具体的な取組や通信設備のアップグレード、耐震性の向上などの方針や実施状況を知りたいです。
◎
危機管理部長
防災行政無線につきましては、平成24年度から27年度にかけましてデジタル化を図り全165か所に増設した上、毎年の定期点検時に音量やスピーカーの向きの微調整を行い、万全な対策をしております。また、移動系防災行政無線や衛生携帯電話を主要施設に配備しておりまして、令和2年度からは地域BWAを活用したタブレット型端末機を全避難所に配備し、避難所の開設状況や地域の被害状況について、防災支援システムに反映できる仕組みを構築してきました。さらに、災害時の司令局となる防災センターにつきましては、本庁舎南館の免震棟に配置しておりまして、2つの広域エリアから供給を受ける電源経路を構築し、広域停電の影響を受けにくい機能に加え、停電時には約40秒で自家発電装置が活動し、おおむね72時間の稼働が可能な仕様となっているところでございます。
◆
内田けんいちろう
災害時に迅速かつ正確な情報伝達は非常に重要だと考えております。そこで、板橋区側での災害発生時の情報伝達体制について具体的に教えていただけるとうれしいです。情報伝達のプロトコルやその体制、またどのような連絡手段が用意されているかなど詳しい内容を知りたく思います。これにより情報の迅速な共有や効果的な伝達ができる体制が整っているのかを確認させてください。
◎
危機管理部長
区では、公式ホームページや防災メール、緊急速報メール、防災行政無線、旧ツイッターであるX、Yahoo!防災速報アプリ、LINEなど様々なツールを活用しております。防災行政無線は、情報発信ツールの大きな柱の一つでありまして、防災行政無線の放送が聞き取れなかった場合には、電話で内容を確認できる電話応答サービスも行っております。特に放送内容の聞き直しができます電話応答サービスにつきましては、運用開始時点の16回線を、令和2年度から32回線に拡充しています。今後も継続的に災害情報の新たな伝達方法につきまして、他自治体の事例も参考にしつつ、十分検討してまいります。
◆
内田けんいちろう
避難所での通信手段は、避難してきた方々にとって非常に大切なものです。そこで、避難所における通信手段や設備の整備状況について詳しく教えていただけると助かります。具体的にはどのような通信設備が用意されているのか、また、その設備が避難された方々にどのように提供されるのか、その詳細な対策について知りたいと思います。
◎
危機管理部長
避難所の通信環境につきましては、地域BWA事業を活用しWi-Fi環境を整備しておりまして、避難者のスマートフォン等のデジタル機器を活用した情報伝達・収集をサポートしております。地域BWAは、地域WiMAXとして情報格差の解消や地域の公共サービスの向上に寄与することを目的として導入された電気通信の無線システムでございます。区では、各避難所に職員が使用するタブレット型端末機を配備しているほか、区民用として活用できるルーター回線がありまして、災害時におけるネットワーク環境を整えているところでございます。
◆
内田けんいちろう
災害時の情報発信と広報活動について詳しくお伺いしたいのですけれども、現在、板橋区がどのようにして情報を提供し広報活動を行っているのか教えていただけますでしょうか。また、情報提供の効果や住民への情報伝達の具体的な方法についても知りたく思います。さらに、現行の情報発信手段は独自のものではなく、他のサービスを利用しているものもありますが、板橋区独自のシステムでより安定した情報発信手段を検討することは可能でしょうか。独自のシステムがあれば、情報伝達の安定性や迅速性がさらに向上するのではないかと考えております。導入をご検討いただけないでしょうか。
◎
危機管理部長
災害発生時につきましては、先ほどご紹介しました様々なツールを活用し、多重的な手段によりまして適時的確に情報発信及び広報活動を行うこととしております。区独自で導入しているシステムにつきましては、防災支援システムの更新を令和6年度に予定しております。新たなシステムは、機能拡張したGISシステムを想定しておりまして、被害状況や避難者の情報、交通やライフラインの状況などを的確に把握するとともに、区民にも地図情報などを活用し、分かりやすい情報発信ができるようシステム更新の準備を進めているところでございます。
◆
内田けんいちろう
災害時のデジタル無線通信に関して、幾つかお聞きいたします。まず、現在のデジタル無線通信の状況、具体的には通信の信頼性やカバレッジ範囲、主要技術などを教えていただけますでしょうか。また、この通信手段を災害時にどのように活用するための訓練や運用体制が整っているのかお示しください。職員の皆様などが適切に訓練を受け、通信設備を最適に運用できているのか、その詳細を確認したいと思います。さらに、万が一、デジタル無線通信に障害が発生した際の復旧計画や、そのような状況での代替手段などの対応策についてもお伺いしたいと思います。
◎
危機管理部長
災害時の通信手段としまして、区民への緊急情報等を一斉周知するためのデジタル同報通信システム、また、現地情報収集や各拠点間の非常通信として活用されるデジタルMCA無線システム及びデジタル移動通信システムの3種の無線を備えております。同報無線は、区内全域に音声が到達するよう、耐震化済みの学校や公園を中心に165か所に設置しております。また、MCA無線は民間のアンテナ基地局を使用し、移動無線は個々の施設に独自アンテナを設置することで、非常通信として区内全域を網羅できるよう多重的に通信網を整えているところでございます。なお、無線を配備している施設では、定期的に通信訓練を実施しているところでございます。それぞれの無線が持つ利点を生かしまして、短所を補完できるよう通信網を整備しており、通信障害が発生しないよう情報伝達に関する安定性と実効性を担保していると考えておりますけれども、不測の事態に備え、さらなる通信手段の研究は必要であると認識するところでございます。
◆
内田けんいちろう
東京23区では文京区、墨田区、世田谷区、豊島区、政令指定都市では横浜市、熊本市、北九州市、静岡市、浜松市などがアマチュア無線を災害情報収集の一環として活用する協定が結ばれています。災害時にデジタル無線網にトラブルが生じた場合、アマチュア無線が非常に役立つと思われます。そこで、板橋区も総合防災訓練においてアマチュア無線を利用した訓練を実施してはいかがでしょうか。ほかの区や都市での成功例を参考に、我々の地域でもアマチュア無線家との連携を強化し、より安全な対策を模索したいと考えていますが、いかがでしょうか。
◎
危機管理部長
現在の地域防災計画では、一般財団法人日本アマチュア無線連盟を経由して情報収集を行う計画となっております。一方で、日本アマチュア無線連盟が令和3年9月にアマチュア無線の社会貢献活動での活用についてを公表し、一定のガイドラインによりまして、災害ボランティア活動や地域イベントにおいてアマチュア無線の活用が広がりを見せている状況は認識しております。今後は、アマチュア無線を活用した災害情報収集協定の締結や訓練などの実施につきまして、総合的に研究してまいりたいと考えております。
◆
内田けんいちろう
前向きにご検討していただきたいと思います。次の質問です。職員の皆様が日頃から服務の宣誓を通じて、職務上の行動や態度に誇りを持っておられることを存じております。しかし、突如として災害が発生した場合、その瞬間瞬間の判断が非常に重要となります。このような緊急時のために、事前に災害対応に関する意識や考え方を備えておくことは、有効な防災対策だと私は考えております。実際の取組状況をお聞かせください。
◎
危機管理部長
服務の宣誓につきましては、地方公務員法第31条及び板橋区の条例により定められておりますけれども、条例のただし書で、地震、火災、水害またはこれらに類する緊急の事態に際し、必要な場合においては、宣誓を行う前においても、職員にその職務を行わせることができると明記されております。災害等の対応は、通常業務を超えて最優先となる職務でありまして、職員は、自身や家族の安全が確保できた後は、災害対応に全力を挙げて取り組んでいただきたいと考えております。毎年、災害対応につきましては、新任職員合同研修の一部といたしまして、年度当初に実施するカリキュラムに組み込まれておりまして、新任職員に対して防災知識の向上とともに意識の醸成を図っているところでございます。
◆
内田けんいちろう
区民の皆様の安全と効果的な対応を目指すため、実態をしっかりとつかむことの重要性を感じております。職員の皆さんの実際の意識や考え方、特に災害時の対応についての現状を定期的に把握し、それを基にさらなる対策や研修の検討を進める取組はあるでしょうか。
◎
危機管理部長
災害発生時に被害を最小限に抑えるためには、平時からの職員の防災意識を高めていくことが重要でありまして、防災に関する研修時のアンケートなどを通しまして、職員意識の実態把握に努めているところでございます。また、職員の訓練につきましては、全職員への一斉メールによる安否参集確認訓練や自身を守るシェイクアウト訓練のほか、年2回本部運営訓練を実施し、被害状況等の把握の情報統制訓練に加えまして本部会議訓練を行い、災害対応力の向上に努めております。今後は、本部会議訓練については、より実践的な内容にしていくとともに、災害に関する各種マニュアルの改定時など、あらゆる機会を通じて職員の防災意識の向上に資する取組を強化しております。
◆
内田けんいちろう
続いて、AEDの設置と周知についてです。現在、板橋区内に設置されているAEDの数は、具体的にはどれくらいなのでしょうか。また、板橋区内の公共施設におけるAEDの設置割合はどのくらいでしょうか。
◎健康生きがい部長
日本救急医療財団全国AEDマップによりますと、令和5年10月現在の板橋区内のAEDの設置件数は1,001件となってございます。そのうち区立施設では243か所254台のAEDを設置しておりまして、区の保有する公共施設が426施設あることから、区の保有する公共施設におけるAEDの設置の割合は57%となっているところでございます。
◆
内田けんいちろう
それではお尋ねします。板橋区の施設において設置されているAEDが実際に使用される際の事例数は、年間でおよそどれくらいになるのでしょうか。現在の状況をお示しください。
◎健康生きがい部長
令和4年度におきまして、意識喪失等により区が設置したAEDが使用された事例は7件ございまして、そのうち電気ショックが作動した事例につきましては1件報告されているところでございます。また、令和5年度につきましては、10月1日時点でございますけれども、3件の使用事例があり、そのうち電気ショックが作動した事例はゼロ件となっているところでございます。なお、使用事例の件数と電気ショックの作動件数に差があるのは、AEDの解析によりまして、電気ショックが不要と判断されるケースがあるためでございます。
◆
内田けんいちろう
板橋区内の学校や公共施設、公共機関においてAEDの設置が法的に義務づけられているのでしょうか。
◎健康生きがい部長
AEDの設置につきましては、法令等による設置の義務づけはなされていないところでございます。一方、義務づけではございませんが、一般財団法人日本救急医療財団が取りまとめたAEDの適正配置に関するガイドラインでは、設置が推奨される具体例として、駅やスポーツ関連施設、規模の大きな公共施設、学校などが挙げられているところでございます。
◆
内田けんいちろう
板橋区では、AEDの使用方法について、実際に緊急時に使えるだけの知識や情報が住民の方々に周知されているのでしょうか。また、板橋区では、AEDの設置場所や使用方法に関する情報に容易にアクセスすることができる仕組みはありますでしょうか。
◎
危機管理部長
AEDの周知につきましては、いたばし防災プラスチャンネルにおきまして、りんりんちゃん、AED使ってみたという動画を配信しておりまして、動画を視聴していただければ、すぐにAEDが使える内容となっているところでございます。また、中学生応急手当講習や区民防災大学の応急手当普及員講習のほか、地域の防災訓練でもAEDの周知を図っているところでございます。
◎健康生きがい部長
AEDにつきましては、区のホームページで使用方法や設置施設一覧を公表するとともに、外部リンクによりまして日本救急医療財団全国AEDマップにアクセスできるよう周知を図っているところでございます。また、AEDを設置している区の施設につきましては、入口付近にAEDを設置していることが一目で分かるようなステッカーを貼り付けておりまして、緊急事態で駆け込んできた人がすぐ使えるように配慮しているところでございます。
◆
内田けんいちろう
これに関しまして2つほど私からも提案させていただきたいと思います。まず1つ目ですけれども、緊急の際にAEDを探しに走る場所として、公共施設はもちろん多くの方が病院や薬局などの医療機関を思い浮かべるのではないでしょうか。大きな病院には、AEDは無論その他の設備が整っていると思いますが、小さな病院ではまだAEDが整備されていないところもあるかと思います。脳細胞は、酸素不足の状態で約4分から5分後に永続的な損傷のリスクが高まるため、AEDの迅速な使用は極めて重要です。最初の1から2分以内のCPRと3分から5分以内のAEDの適用が命を救う鍵となることを考えると、こういった施設へのAED設置の支援は考慮されていますでしょうか。このような取組でより多くの命を救える可能性が高まると考えますがいかがでしょうか。
◎健康生きがい部長
AEDの有効性に対する意識の高まりから、区の公共施設だけではなく警察署や交番、消防署とその出張所、区内各駅、救急病院等をはじめ民間事業者など幅広い主体がAEDを設置しており、板橋区内においては、先ほどご紹介しましたとおり、既に千か所以上にAEDが設置されている状況にあります。区民の安心・安全のため、AEDの適正配置に関するガイドラインを参考にしながら、区としても引き続きAEDの設置及び維持に努めるとともに、民間における普及拡大の効果的な方法につきまして、ご提案のあった内容も踏まえ検討してまいります。
◆
内田けんいちろう
ご検討いただけるということで、ありがとうございます。もう一つご提案でございます。現在、いたばしPayを使った健幸ポイント付与が行われていると伺いました。これをさらに活用し、緊急時にAEDの位置の確認や使用方法を広めるための情報発信はいかがでしょうか。具体的には、動画でAED設置場所の確認方法や使用方法を紹介し、その動画を最後まで視聴してクイズに答えたユーザーに対してポイントを付与するような仕組みを考えるのはどうでしょうか。この方法で多くの人にAEDの知識を持ってもらうことができると思いますが、いかがでしょうか。
◎健康生きがい部長
いたPay健幸ポイント事業につきましては、今年9月の事業開始から約1か月半と間もない状況にございますが、委員をはじめ区内外の方々からさらなる活用方法につきまして幾つか、アイデアが寄せられていることで、大変喜んでいるところでございます。今後、今年度の事業の実績等を踏まえまして、いただいたアイデアも参考にしながら、情報発信による連携等も含めまして事業のさらなる発展に向けて検討を行っていくつもりでございます。
◆
内田けんいちろう
それでは、次の項目にまいります。公園および緑道の樹木剪定についてです。コロナ禍に伴う予算の一律削減は、公園や緑道の樹木剪定の頻度や内容にどのような影響を与えたのでしょうか。具体的な変動や変更があった場合、その詳細を教えていただけますでしょうか。
◎土木部長
区立公園及び緑道の樹木剪定につきましては、個別案件に対する移植ですとか伐採工事等とは別に、区内を10エリアに区分しまして、それぞれ委託による年間単価契約によりまして実施することを主としております。年間単価契約と申しますのは、様々な工種それぞれを入札によって単価を決めまして、随時使用していくという契約方法でございます。この樹木剪定委託に係る令和4年度予算は、その前年の9月に当初予算ヒアリングにおきまして3億8千万円弱の要求を行い、当初予算額が少し上回りまして3億9,500万円、その後、公園等管理運営経費内での流用によりまして約3千万円増加し、決算額は約4億3千万円となりました。結果といたしまして、当初予算額と決算額の間の差引きでは約3,500万円の不足を生じたことになっておりますが、これはシーリングの影響によるものではなく、令和4年度に区に寄せられた枯れ枝の除去ですとか剪定、隣地への越境、そういったものに対応するために要したものでございます。なお、当初予算額については、経済対策経費として4,500万円を含んだものでございます。
◆
内田けんいちろう
令和4年度に区民から寄せられた陳情や苦情について、具体的にどのような内容やテーマでの声が多かったのでしょうか。特にこの年度に特有の事象や背景が影響していると感じられるような声や、過去の年度と比較して特別に多かったテーマなどがあれば教えていただきたいと思います。また、それらの声を受けて、区側での取組や改善の方針などがあれば、併せてご説明いただけますでしょうか。
◎土木部長
令和4年度に南北土木サービスセンターに寄せられました公園や緑道に関する苦情やご要望につきましては1,533件ございまして、このうち最も多かったのが樹木に関するもので299件、次いで公園内での迷惑行為が272件、施設に関するものが166件、主なものはこのようになっております。令和3年度から組織改正による新体制に移行したということでございます。また、外出抑制の影響を受けたデータであるため、詳細な分析は行っておりませんが、件数としては、対令和3年度比で約80件の減少となっておりまして、その内訳の件数の順位は、ほぼ同等なものになっております。公園、緑道への苦情、要望につきましては、落ち葉や毛虫、日陰など樹木に関する苦情が多いことが今までも通例になっておりまして、その対策については管理の要諦であるというふうに認識をしております。対策ということでございますが、事象を鋭敏に捉える工夫と努力を具体的に進めますとともに、土木サービスセンター設立の趣旨でもあります対応の迅速化、協働の推進を目指して設計しました態勢をさらに有効に活用しまして職務に邁進していくことであると考えております。
◆
内田けんいちろう
やはり公園や緑道は身近な部分でありますので、皆様方からのご要望がお寄せられるところが多いのではないかなというふうに感じております。樹木の剪定は、落葉を要望するだけではなく、定期的な巡回と確認により、倒木や枝折りのリスクを事前に低減することができると考えております。コロナ禍による予算削減の影響を考慮し、それ以前の水準に戻していただくことは可能でしょうか。
◎土木部長
公園、緑道の樹木剪定関係経費につきましては、年ごとの特徴的な気象、要望、タイミング。タイミングと申しますのは、おおむねですけれども、高木の剪定は3年ごとに、それから低木の刈り込みは2年ごとにパターン化して実施しておりますため、こういったことによる増減が出てまいります。したがいまして、コロナ前の水準という概念は把握がなかなか難しいところではございます。対策の需要をできるだけ正確に把握をしまして、それに応じた必要経費を確保するということで樹木管理のレベル維持・向上に努めてまいりたいと思います。また、気象状況による生育状況の変化ですとか災害、あるいは経済状況の急激な悪化など事前の把握が難しい場合も少なくありませんので、年度途中も含めてよりフレキシブルな財源確保・活用の研究を進めてまいりたいと思います。
◆
内田けんいちろう
続いて、公衆トイレの課題についてです。コロナ禍による予算削減の影響で、公衆トイレの清掃回数に変更や制限があったのでしょうか。具体的な実態や状況をお知らせいただけますでしょうか。
◎土木部長
令和4年度の公園・公衆トイレの清掃の予算につきましては、コロナ禍による一時削減の対象とはなっておりませんでしたため、基本的には清掃回数への影響はなかったと認識しております。
◆
内田けんいちろう
公衆トイレの清掃について、利用頻度に応じて調整しているとの情報を伺いましたが、その利用頻度は具体的にどのような方法や基準で測定しているのでしょうか。実態や手法について教えていただけますでしょうか。
◎土木部長
公園・公衆トイレの利用頻度につきましては、利用者数の具体的な調査や測定は行っておりませんで、利用者数もまたなかなか一定しないという推定をしております。このため、例えば汚れの苦情頻度が高いトイレは清掃回数を増やす、あるいはトイレットペーパーなど消耗品が頻繁に消耗するようなトイレは補充率を多くする、こうした対応をしております。その他、トイレによって設置場所や環境、利用形態、苦情、陳情の状況、清掃委託等を確認しておりますが、特に重要なのが、清掃委託の受託者からの報告などを勘案しまして清掃回数を決定しているという状況でございます。
◆
内田けんいちろう
公衆トイレの利用頻度に基づいた清掃方法について、実際の利用者数を具体的に数えているわけではないとのお話を伺いましたけれども、苦情があってからそれに合わせてやるのか、それより前に対応しているのかというのでは、利用者さんの気持ちのバランスも変わってくるかと思います。現在では、人流データの分析技術が進化しており、人の滞在時間や動きを数値として捉えることができます。このようなデータを活用して、実際の利用状況に基づいた清掃回数を決定することは考えられないでしょうか。事実に基づく清掃計画を立てることで、より清潔な公衆トイレの環境を実現する手助けとなると考えておりますが、いかがでしょうか。
◎土木部長
現在、区では、通信事業者が保有する契約者の属性や位置情報から人の流れを分析するGPSデータ分析ツールを用意しております。この分析ツールは、指定したエリアに一定時間滞在した人の人数を把握することが可能でありますが、その通信事業者と契約している人だけが計測対象になるため、トイレ利用者の全体像を把握することがなかなか難しい性格となっております。また、トイレの汚れというのは、利用者数だけではなくて、利用者のマナーやいたずらの要素が大きいということが分かっておりますので、ご提案のデータの技術につきましては、トイレの改築ですとかリニューアル、令和7年度予定しております配置計画の見直しによりまして、利用者の分布や経路など定性的なデータの活用に有効に使っていきたいと思います。
◆
内田けんいちろう
統計データなので、それはちょっと、私の認識とは異なるかなと思います。某携帯キャリアを利用している方だけの情報ではなく、これは統計データとして活用すべきものですので、少しお考えが私とは違うかなと思いますことをお伝えさせていただきます。公衆トイレの清掃の質について、具体的にどのような基準や方法で測定・評価しているのでしょうか。また、不特定多数の方が利用する公衆トイレは、清掃後すぐに汚れることも考えられます。そのため、清掃を行った事実を利用者にしっかり伝える取組は考えられませんでしょうか。
◎土木部長
汚れの要因については様々ございます。それぞれの清掃方法等は、清掃委託の仕様書で定めておりまして、これにより一定レベルを維持することとしております。清掃の質の評価としましては、評価シート等は設定してございませんが、受託者からの完了報告書に添付されております履行前後の写真ですとか監督職員の目視による現地確認等で、仕様書で定める内容の履行を確認し、清掃水準の維持に努めております。清掃状況につきましては、清掃の日付、時間、点検者を記載した点検表をトイレごとに掲示しておりまして、利用者も確認することができるような状態にしてはございますが、最終的な評価は、利用者が快適に使用していただくということに尽きますので、一つひとつの問題や課題に真摯に取り組んでいく姿勢と具体的な改善をもって利用者にお伝えをしていきたいと思います。
◆
内田けんいちろう
公衆トイレは不特定多数の方が使うので、どこまでやれるか、何ができるか、もう根詰めてとことんやっていくしかないんではないかなと私考えております。日々努力していただいていることには大変感謝しておりますけれども、今後とも検討していただきたい部分ではございます。先日、区民の方々と公衆トイレについての意見交換会を実施しました。すると、子どもを持つ親は、事前にきれいなトイレを探している。緊急時は苦渋の決断を迫られることもある。子どもは暗い、臭い、汚いを嫌がる。親としても、子どもが変なところを触るのが嫌だなど、子育て当事者の声をいただきました。また、そもそも区立のトイレには入らないようにしているというご意見もありました。これらの意見や懸念を受けて、区としての公衆トイレの現状や今後の取組についての考えを教えていただけますでしょうか。
◎土木部長
トイレに対する苦情や要望につきましては、令和3年度から現在までの累計で134件もございまして、器具や水栓などの破損ですとか不具合に関するものが大体7割、次いで汚れや清掃に関するものが2割程度24件ございました。汚損は、靴による床の土汚れですとか公共物であるがゆえのマナー違反、例えば洋式化いたしましても、その上に靴跡が残っているというようなこともございます。また、破損や不具合につきましては、無人の24時間開放という環境条件で発生しやすくなる破壊、放火、あるいは落書きによるものが多くなっておりまして、清掃だけで美観を保つことは難しい状況にございます。また、一部トイレでは、広さ、装備などの条件を定めたバリアフリー新法等の法律上の制約の関係で適法に建て替えることができず、一般的な耐用年数を超えて維持しなければならないことも、老朽化に伴う不具合を起こす原因となっております。そうした中で、一定の利用環境を維持することを目指しまして、例えばいたずらの防止、構造や配置場所の工夫など個々の状況に応じた対策により一層努力を重ねていくことが今のところ必要だと考えております。また、それを進めていきたいと思います。
◆
内田けんいちろう
トイレの数と、それにまつわるコストについて続いて質問させていただきたいんですが、現在、区内には公衆トイレが229か所存在し、年間4か所の改築ペースでは、全てのトイレが1周改築されるまでに約60年を要するとのこと。この長いスパンを考慮すると、使われないトイレに毎年運用コストをかけるのは効率的ではないと感じます。ある自治体のデータによると、公衆トイレの60年間のトータルコストは約1億1千万円にも上るとのこと。1年間の換算で1設置場所当たり約183万円です。このコストを使われるトイレに集中投資することで、より質の高いトイレを提供する方針を検討することは可能かと思いますが、ご見解をお伺いいたします。
◎土木部長
トイレには2種類ほどございまして、公園トイレは、都市公園法に基づく公園施設として、その公園の利用者のために設置し、公衆トイレにつきましては、区の条例に基づいて、公衆の利用に供するために設置しております。そうした性質の違いもございまして、利用者数の多寡で存在価値を評価することが難しいということで、現在のところ、利用需要によらず、公園公衆トイレの1棟当たりの誘致圏域、どのぐらいの広さの方が利用できるかということですが、それを半径250メートルといたしまして配置の目安としております。令和4年度の公園・公衆トイレの清掃回数は計6万回で、その費用は1億2千万円となっておりますが、前述のような事情から、一部トイレの廃止や清掃・消耗品の配置の休止には課題が多くありまして、現在、それと同時に区民や利用者の理解をいただくことが困難な状況にあると認識しております。このため、令和8年度からスタートいたします新たな公園・公衆トイレの適正配置・改修計画、7年度に策定して8年度からスタートいたします予定ですが、利便性などを損なわない範囲でトイレの集約化、管理運営の効率化などを観点に含めまして、そういったことにも重点を置きながら、行政資源の集中投入の考え方も踏まえ、質の高いトイレ行政を目指していきたいと考えております。
◆
内田けんいちろう
年間1か所で183万円、非常に高額なものだと思います。これが使われないのであれば、本当にこれは考え直さなければいけないと私も思っておりますので、ぜひ令和8年からスタートする新たな計画に期待してまいりたいと思います。続いての項目です。高島平のまちづくりについてお尋ねしてまいります。高島平のまちづくりに関して、現在直面している主要な課題は何でしょうか。また、その中で特に難しい点や障壁と感じることは何でしょうか。改善に向けての指針等があれば教えてください。
◎
まちづくり推進室長
高島平地域では、少子高齢化や建物の老朽化あるいは大規模水害等の課題に対応しまして、SDGsを指向しましたまちづくりを進めるため、小学校跡地を活用した連鎖的都市再生によりまして、高島平駅前に交流核を形成する方針でございます。UR都市機構との協働で長期にわたりまして段階的に事業を展開することになるため、取組の具体化に当たっては、将来を見通し、生活様式や人々の価値観あるいは新技術等の変化にしなやかに対応していくことが課題となります。今年度に策定しますまちづくりプランにおきましては、都市再生の第一歩を着実に踏み出すための核となる計画づくりを進めるとともに、段階的な取組となることの利点を生かしまして、柔軟性を持たせた検討を進めてまいりたいと考えております。
◆
内田けんいちろう
今、しなやかにご対応されるというお言葉がありましたけれども、やはり長い時間をかけて取り組む計画となりますので、そういった観点は非常に重要になるかと私も思っております。高島平のまちづくりは、URと共同となりプロジェクトが進んでいくことになります。他の地域と大きく異なるのがこの点で、地権者の同意を得ていく方法も異なるかと存じます。賃貸されている方、分譲所有者の皆様の居住の安定など、特に重要な建造物の建築に関わる部分で板橋区としてどれだけの関与や意見を持てるのでしょうか。また、今後のスケジュールとともに、区の立場や影響力について教えていただけますでしょうか。
◎
まちづくり推進室長
区とURは協働のパートナーとして、望ましい整備の在り方を共通認識とした上で、建物相互の関係性や空間の一体性を考慮しながら、個別の建物計画としていく必要があると感じております。今年度末のまちづくりプランの策定やURとの基本協定の締結によりまして、まちづくりは来年度から実行段階に移行し、URの団地再生につきましても、スケジュールを含む建物の具体的な検討がさらに進むものと考えております。区は、プランの策定後もURとの協議を継続いたしまして、団地再生に向けた検討の状況を把握しながら、URの取組内容が区民の豊かな暮らしや活動を支え、地域の価値向上につながるものとなるよう引き続き求めていきたいというふうに考えております。
◆
内田けんいちろう
パートナーとしてしっかりと意見をするところはしていただきたいというふうに私も考えております。さて、10月27日から板橋区では、板橋区スマートシティプロジェクトとして、高島平でこういったAR謎解きゲームが行われるそうでして、私もチラシを頂きましたけれども、非常に興味深く思っておりますし、自分自身もぜひ試してみたいなというふうに考えておりますが、また、高島平のまちづくりでは、ARを活用した災害リスク可視化ツールを筆頭に、幾つかの実証実験を行っていると伺いました。実際にこの実証実験を開始するに至った経緯と、今のところ得られている成果について教えていただけますでしょうか。
◎
都市整備部長
区では、水害可視化ツールにより3D都市モデルのユースケースといたしまして、舟渡地域、新河岸地域、高島平地域を対象に実証実験を行っているところでございます。導入の経緯といたしましては、令和3年度に行ったサウンディング型市場調査において、事業者から3D都市モデルを活用した災害の可視化、また都市リスクシミュレーションの提案がございまして、これを実施につなげたものでございます。活用状況といたしまして、いたばし防災プラスフェア、高島平緑地活用イベント、リバーサイドフェスティバルあらかわ2023、また、舟渡町会の防災訓練、高島平児童館の防災教室のほか、大東文化大学が新河岸地域で実施いたしました防災教室がございます。参加者からは、二次元より分かりやすいとのことや、発災時に避難経路を見直す必要性を感じたなど好意的な意見をいただいております。区のホームページにおきましても、令和5年6月末から現在まで約500人の方からアクセスがありまして、一定の関心を持たれているというふうに評価したところでございます。
◆
内田けんいちろう
私も実際にARの避難所体験を先日させていただきましたけれども、非常に効果的で分かりやすく、皆様にも使っていただきたいなというふうに感じておりました。まちづくりのDXについてお伺いします。人流データを使った実証実験などを、ほかの分野やエリアにも広げていくべきだと考えております。また、高島平のまちづくりの中で、この技術をどう活用し、さらなる展開を図る予定でしょうか。積極的に新しい取組にチャレンジしていただきたく、ご意見や考えをお伺いします。
◎
都市整備部長
地域を主体とするスマート東京先進事例創出事業に採択され、令和4年度から事業者や大学と連携して、高島平地域の10か所にWi-Fiセンサーを設置し、人流計測を行っているところでございます。令和5年10月27日から、先ほど委員にご紹介していただきました最新デジタル技術を体験しながら地域の魅力認知の向上及び地域内の人流の変化や来街者の増加を図るイベントでございます、少女と絵本とキオクの町を実施いたしてまいります。このように、3D都市モデルなどを活用して、各種シミュレーションだけではなくARを用いた幅広い層の方が楽しめる参加型イベントなどを提供していくことで、デジタルデバイトの解消や区民サービスのDX推進化につなげていくことを検討してまいります。さらには、人流計測につきまして、計測箇所を増加させながら継続的に実施しておりますが、今後、データを分析することで行動特性を把握し、まちづくりに活用するとともに、エビデンスに基づきます政策立案の推進につなげていく手法を得ることができるというふうに考えているところでございます。
◆
内田けんいちろう
高島平地域は、板橋区の9%となる約5万人の人口を抱えています。そして、幼稚園から大学、さらには衣食住や企業といった生活基盤がしっかり整っている点から、まるで板橋区全体の縮図となり得るのではないかと思います。私は、この地域をリトル板橋としてまちづくりのモデルケースと捉えたいと考えています。そのためには、中間まとめに記載されたような都市基盤の基本方針が重要だと考えます。それに加えて、人口動態や人流データの根拠に基づいた具体的な提案が組み込まれることで、さらに説得力のあるまちづくりが進められると思っています。区内にはたくさんの優れた人材がいらっしゃるので、その強みを最大限に活用し、高島平のまちづくりをさらに充実させていくことを強く要望しております。このような取組や方針について、区長はどのようなお考えをお持ちでしょうか。
◎区長
今後の高島平のまちづくりにおける将来に向けた展開あるいは考え方に関連するご質問でございますので、私のほうからご答弁申し上げます。まちづくりにおきましては、都市の強みや、また課題を踏まえながら、人流をはじめとする様々なデータを用いて区民の活動の見える化をし、将来に向けて行動や生活スタイルの促進あるいは変化を促していく視点が重要と考えております。例えば水害時の避難、健康増進につながる行動、またコミュニティー活動への参加など、区民が自ら行動を変容させる、または、さらに行動を活発化させる動機づけとなるような施策を様々な分野から展開していきたいと考えております。高島平では、シェアサイクルや地域SNS・PIAZZAなど区が既に取り組んでいる施策の成果に加えて、Wi-Fiセンサー、AIカメラ、モビリティ等の新たな技術を活用したデータ連携によるまちづくりに取り組んでいきたいと考えています。この先進的な取組が、区政の3つの柱であるSDGs戦略、DX戦略、ブランド戦略のバージョンアップの方向性を体現するものとなるようにチャレンジをしていきたいと考えております。
◆
内田けんいちろう
区長、ありがとうございます。データ連携によるまちづくりに取り組まれるとのこと、大変心強く感じております。令和4年度決算は、令和5年度予算につながる大変重要なものと捉えて質問させていただきました。区民サービスの充実のため、今後も計画的かつ効果的な予算執行と財政運営をお願いいたします。以上で私の令和4年度決算に対する総括質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。
○委員長
以上で
内田けんいちろう委員の総括質問は終了いたしました。
次に、
長瀬達也委員、お願いいたします。
◆長瀬達也
自由民主党の3番手として総括質問を通告に従いましてさせていただきたいと思います。総括質問の初めに、今回のこの令和4年度決算を作成していただき、大変に厳しい予算編成の中、この令和4年度の決算にまで至ったということで、坂本区長をはじめ理事者の皆様、また職員の皆様方には大変にご苦労が多かったと思います。特に令和4年度は度重なるコロナ禍もあり、そしてまたコロナが明けようとしたときには、ウクライナとロシアの紛争、戦争が始まったというところもありました。こうした中で原油高、物価高、様々な、ある意味の国難が我々に襲ってきたわけです。それにもかかわらず区の業務を前進させ、区民の皆さんのご期待に応える、そうした姿勢で取り組んでいっていただいた。さらには基金についても1,140億円、これも将来の板橋区の継続を担保するための蓄えとして、この基金も積み上げていただいたということでございました。そうしたところも感謝を申し上げつつ、私の質問に入らせていただきたいと思います。続きましては、DX推進についてであります。この新型コロナウイルス感染症の拡大によって、私たちの生活は本当に大きく変わってまいりました。ですけれども、その前から考えると、あんまりデジタルって進んでいなかったんじゃないかなというふうに思いましたけれども、一気にコロナ禍を経てデジタルが大きく進んでまいりました。これらを経験した私たちも、現在の仕事ですとか生活の様式はICTを様々な分野で活用し、定着するまでに現在まで至っております。また、民間でのトレンドでもありますけれども、業務改善に使ったりですとか生産性の向上に使ったりですとか、様々DXは官民問わず取り組まれているところでございます。そうした中で、令和4年度の予算においては、ICT推進・活用計画2025と連携をしながら、デジタルトランスフォーメーションを推進することによって区民サービスの質を高めていくというふうにしておりました。予算規模といたしましては6,600万円ということでございまして、DX全体では1億円の予算編成でありましたけれども、6,600万円ということで若干小振りであるとは思うんですけれども、ただ、IT推進課の予算としてあったものでありますので、必要十分じゃないかなというふうに思っております。また、この予算での効果というのは、予想以上のものがあったんではないかと私は期待をしているところでございます。まず最初にお尋ねいたしますけれども、ICT推進・活用計画2025についてお伺いいたします。本計画は、令和3年度から令和7年度に続く計画となっておりますけれども、現在までの取組の状況と進捗についてお伺いいたします。
◎
政策経営部長
ICT推進・活用計画2025は、業務の改善・効率化、マイナンバーカードの普及・利活用、オンライン化の促進、データの利活用、これらの4つの基本方針の下、25施策を計画化しておりまして、おおむね計画どおりの成果が挙げられたと考えております。定型的な業務をコンピュータで自動化するRPAでは、当初の想定を超える省力化が図られたりオンライン手続の積極的な拡大に取り組んだほか、今年度からは区公式LINEや公共施設窓口でのキャッシュレス決済の導入も実現できたと考えております。現在、計画の名称を板橋区DX推進計画2025へと改めまして、後期2か年の実施計画の策定を進めているところでございます。区のDX戦略の中核として充実した内容となるよう取り組んでまいりたいと思っております。
◆長瀬達也
後期2か年、これから進めるということでもあります。この計画についても進捗をされているということでもありましたので、今後あと2か年もありますから、ぜひこれも進めていっていただきたいと思います。また、ICT関連業務については、かなり変化に富んでいます。各自治体でもそれぞれ競うかのように今改善が行われているところですので、そうした先進事例なども参考にしながら、今後もPDCAを繰り返し行いつつ、継続的な業務改善と計画の実施をお願いしたいというふうに思います。続きまして、今回のこのDXに関する、特に私も注目しているところでありますけれども、DX人材についての質問に移らせていただきます。令和4年度は、高度かつ豊富な知見を有する人材の活用でDXを効果的に推進するとしております。具体的にはCIO補佐・情報システムアドバイザリー業務の実施を重点施策として実施をしてきたということでありました。外部事業者への委託業務としては、システム導入アセスメント支援ですとかICT活用検討支援、これ検討支援ということなんですね。活用を検討させるための支援をするということです。活用を支援するわけではなくて、検討するための支援をする。そしてまたもう一つは、行政手続のオンライン化支援、自治体情報システムの標準化・共通化支援、データ利活用支援ですとかDX人材育成支援というところになっています。特に専門性の高いこうした分野を外部委託を行って業務の効率化、コストの削減、生産性を上げる取組を進めてきたというところは評価をいたしております。殊、この自治体におけるDXに関しては課題が多いというふうに聞いています。民間企業でも大変に課題が多くて大変だというところでもありますけれども、区の場合は組織も大きいですし、業務も広範囲にわたりますので、これを自治体で使っていくということも非常に大変なわけであります。特に一般的な課題ということになりましては、DX人材、デジタル人材が不足しているだとか、既存の業務で手一杯になってしまっている。既存の業務をやっている中で、またDXの分野を各セクションでやろうとすると、また新たな業務が増えますし、負担が増える。嫌だなと思う方も中にはいるかもしれません。あと十分な予算が確保できないということもあります。また、もともと特に区役所の場合、紙で使う文化というのが根強く残っていますので、なかなか紙から離れられないというところもあります。デジタル活用に関する世代間の格差、こういうのも大きいというふうに言われております。こんな課題がありますけれども、そうした背景の中、特に問題点、人材に起因する課題というのを克服するということが非常に重要になってくるというふうに思います。そこで、令和4年度はDX人材の活用をこのDXの目玉にしているんではないかなというふうに私は思っておりました。そこで、次にお尋ねいたしますけれども、令和4年度に行われた、これら業務に関して進捗と成果、そして今後の進め方をどのようにしていくのかをお伺いしたいというふうに思います。
◎
政策経営部長
CIO補佐業務受託事業者を活用いたしまして、IT推進課がDX推進に関してまず協議を行いました。その中で、庁内でDXの必要性を感じている部署が多いというものがありますけれども、実際にそれを形づくっていく仕組みがないということが課題として浮かび上がってきたところでございます。そこで、昨年10月からIT推進課だけではなくCIO補佐業務受託事業者もメンバーに加えまして、外部の専門的知見も取り入れるというような形で、主管課のDX実現をサポートします、よろず相談DXという仕組みを立ち上げたところでございます。昨年度は40件を超える相談が寄せられまして、伴走型の支援を行った結果、大幅な作業時間削減が図られた事例があったりとかクラウドサービスを活用するなど、今後支援できる活用が期待できるノウハウも蓄積できるというようなことが実現されたところでございます。今年度も既に30件近い相談を受けておりまして、引き続きこの仕組みを活用してDXのさらなる推進を図っていくとともに、DXに携わる人材の育成にも努めていきたいというふうに考えているところでございます。
◆長瀬達也
非常にいい取組だと思います。各セクションでは、業務改善にDXを取り入れていこうというような風潮はあったとしても、どこから手をつけていいのかよく分からないというようなところもあると伺ってはおりました。そうした中で、このよろず相談DXですとか、それを庁内で行って、意見を吸い上げて、それをまたフィードバックしていく。これも外部の専門家が指導してやっていっていただけるわけですから、非常に効果があると思います。今後も、今使っているDX人材、そして、これから発掘したり、これから育てる人材を、ぜひ区のある意味のDXの推進役というふうにしていっていただくようにお願いしたいと思います。本当に現場ではデジタルの活用に不慣れだったりする方もいらっしゃいますでしょうし、また、このCIO補佐アドバイザリー委託事業、これも他の自治体でもこうした似たような取組を行っているところもあると聞いております。本区でも、本区に合った形でDXの推進役となり得るように、また今後も力を入れていっていただきたいというふうに思います。
この項の最後に、オンライン申請についてお伺いいたします。区民の皆さんの手続に直結するオンライン申請ですから、早くやってもらいたいというニーズは非常にあるというふうに伺っております。最近は国とか東京都のDXの進展、これも非常に多くありまして、オンライン申請が普及して、自宅とか外出先からでも時間を選ばずにスマホとかパソコンで必要な手続がネット経由で利用できるようになっています。マイナンバーの手続もそうですし、登記の手続もそうですし、年金の手続ですとか、都の入札の申請もそうですし、国ももちろんそうですし、自治体に当たる共同運営もそうですけれども、オンラインでできるようになっています。区や都の申請というのは、多くオンライン化が進んでまいりました。じゃ、本区の取組ということで見てみますと、例えばITA−リザーブで区の施設を取るとか、これもオンライン予約がもちろんできるようになっていますし、あとは東京共同電子申請・届出サービスというので健診の申込みですとか、住民登録だとか、一部のところなんですけれども、もう既にオンライン化は始まっております。そしてまた、本年8月から書かない窓口というのがスタートいたしました。これは本年度予算なのであれなんですが、予算が295万円ということなので小予算なんですけれども、戸籍住民課における住民の異動とか各種申請も必要な手書きの負担だけなんですけれども、手書きの負担が軽減されるとか、あれはそれぞれクリックしていくと最後は書面ができることになるので、書き方が分からないと窓口の方に聞いて、ここを書いてとかという手間がなくなるので、そうしたところで非常に便利だなと私も感じました。そうした非常に簡単に入力ができる、面倒くさくない、どこでも利用できるという便利な仕組みだと思います。また、先ほども申し上げた295万円ですから、人件費1人分ぐらいの予算でできるということなので、コストの削減にもなりますし、業務の効率化、また生産性の向上にもこれはつながるというふうに思います。ただ、書かない窓口も実際には窓口に提出しにいかなければならないわけです。オンラインで完結はしないわけであります。また、さきに述べた東京共同電子申請・届出サービスも、区の行う業務のうちごくわずかしか対応していないということなんです。やはり対応していただきたいというところもありますので、そこでお尋ねいたしますけれども、オンライン申請を増やして区役所に来なくても手続ができるように今後さらにしていくべきだというふうに思います。具体的な現在の取組などで、あるものがあれば教えていただきたいと思います。
◎
政策経営部長
区では、本年9月に入力支援機能が充実しておりまして、実際に申請申込みを利用する方の操作がしやすいというようなこと、それから他自治体が策定しました申請フォームを流用できるということがあります、利用者、自治体職員双方から好評を得ています電子申請システムのLoGoフォームというものの運用を開始したところでございます。既にこの複数の課がLoGoフォームを利用してオンライン申請を開始しておりまして、実際にこのフォームを設計した職員からは、使いやすいとの反応もいただいているところでございますので、今後、電子申請を広めていく手かがりになるのかなというふうに思っております。先ほどもご紹介しましたよろず相談DXで、このLoGoフォームを利用したオンライン申請の拡大を重点的に今取り組んでおりますので、このほかデジタル化に資するツールについても注視しながら、区の行政サービスにいつでも、どこからでもアクセスできる環境整備に努めていきたいと考えております。
◆長瀬達也
今後、このLoGoフォームとよろず相談DXで手続を、こんなのはオンラインでできるんじゃないかというのを集めて、実際に動かしていく。もうそうした流れもできているということですので、ぜひこの流れは止めずに、今後もさらにオンライン化を進めていっていただきたいと思います。特にオンライン申請ができれば、多くの方が喜ぶわけなんです。今は会社を休んで、あるいは子育て中ですとか、ご高齢で大変だという方もいらっしゃって、今わざわざ区役所に来て申請をしていますけれども、そうした手続はなくなりますし、区役所の職員の皆さんの立場で考えれば、受付時間窓口の対応や封筒で何か書類が来て、それが郵便で来た場合、開封して書類を整理したり、あとはデータに入力をしたりだとか、そうした事務も不要になります。業務を中断せずに各職員の都合のいいタイミングで作業ができるというメリットもあります。このように、業務の苦労が大幅に改善をするわけなんです。ですので、オンライン手続で完結できる仕組みをぜひ整えていただきたいというふうに思います。また、このオンライン手続には決済も同じぐらい重要でして、今後、電子決済と連携をすれば、完全にオンラインでこの手続を完了することができるようになるわけで、ITA−リザーブもまだですけれども、こうしたオンラインとオンラインの決済の仕組み、これもぜひつなげていただけるように進めていただきたいと思います。続きましては、次の項目に移らせていただきます。幼稚園の負担軽減についてであります。この質問は先日採択された陳情第17号の認定こども園における私立幼稚園等保護者負担軽減補助金について、支給対象を幼稚園枠のみではなく、保育園枠にも拡大してくださいという陳情がありました。この陳情は、園とか幼稚園に通う保護者の皆さんに対しては、負担の軽減に大いに役立つものとなります。私ども自民党区議団も、幼稚園協会や、あとは多くの保護者の皆様からご要望いただき、区長宛てに要望書も提出させていただいたところであります。この陳情については、幼稚園の現場においては、幼稚園枠、保育枠それぞれが一体的に教育、保育を受けているにもかかわらず、保育枠だけが補助対象から外れているということは不公平だ、幼稚園枠、保育枠にかかわらず両者に同様の補助を実施することが妥当であるというふうに考えられるものです。そうした不公平是正の観点、もともと8,800円あるうちの7千円、これについては区の財源で負担軽減を図ることが前向きに検討されることになったということであります。しかしながら、幼稚園枠の上乗せ保育料に対する補助金について、都補助金は1,800円の部分については、保育枠ではいまだ補助対象になっていないという状況であります。そこでお尋ねいたしますけれども、現在、幼稚園の保護者負担の軽減の補助金について、認定こども園では幼稚園枠と保育枠の保育料に格差が生じて、是正に向けて検討を進めていると思います。この検討を進める中で、都の補助対象外の部分があれば、区が独自に補助をすることにより、幼稚園枠、保育枠、一律に扱うことで、格差是正を図って保護者負担の軽減に取り組んでいただきたい、そのように考えておりますけれども、いかがでしょうか。
◎
教育委員会事務局次長
現在、核家族化や共働き家庭の増加などによりまして子育て環境は変化して、幼稚園、また保育園が果たす役割はますます重要となってございます。加えて、エネルギー価格、物価の高騰が続く中、子育て世帯の経済的負担も増加している状況でございます。保護者の経済的負担につきましては、認定こども園では幼稚園枠と保育園枠の保育料に関わる部分の格差が生じておりまして、保育園枠は都の補助対象外となっているところでございます。経済的負担の軽減に向けては、都の補助対象外の部分の負担軽減を含めまして、幼稚園枠と保育園枠を一律に補助できるように検討してまいります。
◆長瀬達也
やっぱり区もそうやって前向きに検討いただけるということでありがたいんですけれども、やはり不公平があるとかわいそうですし、公平にしてあげたい、ぜひ補助をしてあげていただきたいと思います。お願いいたします。このほか、副食費については、年収360万円未満世帯及び第3子以降の子について、副食費として月4,500円を助成する事業が行われていますけれども、これはこれで非常にありがたいわけなんですけれども、保育園は既に給食の無償化実現はされているわけです。しかし、幼稚園では給食の無償化はまだ実現はできていません。このように、保育園と幼稚園の間には大きな格差がまだあるというところなんですけれども、ただ、幼稚園によっては給食の形態には差がありまして、弁当を持ってきていらっしゃる方、その園で作っているところ、また、お弁当を提供しているところ、いろいろあるわけなんです。その園の指導方針によって様々であります。ただ、不公平是正のために給食費相当額の補助、これもお願いをしたいというふうに考えております。こちらに関しては、まだ今後の検討課題だと思いますので答弁は結構でありますが、今後ぜひ実現をしていただきたいものの一つですので、これからも前向きな検討をぜひしていただきたいと思います。この項に関しては以上でございます。
次に、定住者促進についての質問であります。初めに、今後の人口の推移についてであります。日本の人口は、平成20年の1億2,808万人をピークにして、それ以降減り続けてきています。令和5年は1億2,330万人で約500万人減少しているんです。まさに人口減少社会に入っているという状況であります。人口が減って、特に生産人口が減って高齢者の方々とかの従属人口が増えるということになりますと、社会保障費が増えるわけなんです。ただ、それに対して消費とか貯蓄、投資、これが停滞をしてきます。つまり、こうなりますと、社会が経済的に非常に厳しい方向に向かっていくということになります。本区において、現時点では人口は増えているわけです。今後、いつかのタイミングで減少へと転じていくというふうになると思います。こうなりますと、この板橋区の各地域での消費が減ったり、地域のにぎわいとかコミュニティも減少していってしまうということになります。本来区が目指しているところとは、やはり違うところに行ってしまいます。持続可能な区政を実現していくためにも、定住者を増やす取組を今のうちに行っていく必要があると考えております。首都東京、とりわけこの23区の人口、これは減ってくるのはまだ実際のところは先かもしれません。ただ、定住者を増やす取組というのは、やはりこの10年後、20年後、30年後ですとか中長期的な先を見据えた計画を立ててしっかりと行っていく。本区では、要は、人口ビジョンで将来の見通しというのは作っておりますけれども、人口、定住者増加策のような計画に落とし込んだものというのは、実際のところは多くはないわけなんです。ですので、今後こうしたものを策定するという必要性も私は感じるところでありますけれども、そうした視点に立って人口をどう増やすのかという視点で質問させていただきます。初めに質問させていただきますけれども、今後の人口の推移はどのようになっていくのか、区の見通し、見解をお伺いいたします。
◎
政策経営部長
区の人口ビジョンでは、令和2年の人口を約57万7千人と推計しまして、令和12年をピークとして緩やかに減少していくと予測しております。令和2年の国勢調査による人口が約58万4千人で、推計よりも7千人ほど上振れしております。また、住民基本台帳人口も、令和2年から令和3年にかけて減少したものの、昨年から少しずつ回復し始めて、今年10月1日現在で57万2千人まで増加いたしまして、コロナ禍前の57万1千人よりも多くなった状況でございます。直近の人口動態に鑑みますと、当面は人口の増加が続くと考えられますが、近年における出生数の減少や子育て世帯の転出超過は将来への影響が大きい課題と認識しておりまして、次期基本計画を見据えて、今年度末から人口ビジョンの見直しに着手する予定でございます。
◆長瀬達也
人口は、まだこれから伸びる可能性がありますけれども、その後減少に転じるというところでありまして、今後、人口が減ってきて高齢化率が上がっていく。先ほど申し上げましたけれども、区の経済が停滞していくということがやはり予測されますので、その点、今後どういうふうにしていくのかというところを考えていかなければいけないと思います。また、この定住人口の関係について、それに付随することで外国人の人口、これについては増加をしているというふうに伺っています。本区は、特に外国人の方には東京の中でも比較的安全で割安に住めるということで人気がある地域だというふうにも伺っています。そんなところで本区の外国人の人口については、今後どのように推移していくのか、その見通しについてお伺いしたいと思います。
◎
政策経営部長
外国籍住民数ですけれども、令和元年度に2万8千人、人口比4.9%まで増加しましたけれども、コロナ禍で令和3年度に2万5千人まで減少したものの、今年10月時点では3万1千人ということで、人口比5.5%まで増えている状況でございます。コロナ禍からの回復状況、それから国の政策に鑑みましても、今後は外国籍住民数の増加傾向が継続するものと考えております。
◆長瀬達也
板橋区では5.5%の外国人の人口だということで今ご答弁ありましたけれども、新宿区とか豊島区だとか結構外国人が多いというふうに言われているところ、確か新宿区は1割とかいらっしゃったかと思うんですけれども、今後、板橋区の将来像を考えても、板橋区の外国人の定住者が増えてくるというふうに考えられます。私もこの外国人の定住者が増えるということについては否定的ではなくて、むしろプラスの面が多いんではないかなと思っております。これに関しては、経団連が2030年に向けた外国人政策の在り方というふうに題した提言の中でこんなことを言っています。外国人が日本国内で活躍できる環境を整えることは、人口減少と高齢化が進む日本において、力強い経済成長を実現するために必要不可欠な施策であるというふうに言っています。また加えて、国際的な人材獲得競争は激化の一途をたどり、日本は競争に劣後しつつある。製造業、サービス業、医療、福祉等の現場で働く、いわゆる現場人材の労働力不足が年々深刻化する中、アジア全体の少子高齢化と日本の総体的な魅力低下も相まって人材確保は危機的な状況にある。加えて、人権とダイバーシティは大きな潮流となって、国際社会はビジネスの環境を変革している。受入れ環境の整備は待ったなしだというふうに言っています。経団連としても、外国人の定住者は増やしていくべきだというふうに言っています。日本国内の景気を上振れさせる効果ももちろんですけれども、消費を増やして、また労働人口も増やすということに役立つことになります。また、日本人が減る分、やはり外国人が増えてくれば、もちろん日本国内の秩序ですとかモラルですとか道徳だとか守っていくべきものはありますし、そうしたところ、日本にとって大切な部分はもちろんありますけれども、共存していける道を今後やはり未来では今以上に考えていかなければならないというふうに思うんです。そんなところでお尋ねをしたいと思うんですけれども、外国人の定住者促進について、区として取り組んでいくべきと考えております。多文化共生などの取組が必要となってくるというふうに思いますけれども、区はどのように取り組んでいるのか、その点についてお伺いしたいと思います。
◎
区民文化部長
区では、公益財団法人板橋区文化・国際交流財団と連携し、生活情報や多文化共生事業などを掲載しましたアイシェフ・ボードの発行や日本語教室の開催、外国人が日本の伝統文化に触れる機会の提供などを通じて、外国人が安心して地域で暮らすことができる環境を整えております。また併せまして、海外姉妹友好都市などとの交流や、小・中学校などで外国の文化を紹介する国際理解教育などを通じまして、区民が異なる文化に触れ、その違いを理解し受け入れるための意識啓発も行っております。今後も引き続き多文化共生社会の取組を実施することによりまして、外国人、日本人という違いを超え、区民一人ひとりが暮らしやすいまちを実現していきたいと考えております。
◆長瀬達也
今おっしゃられた中で、小・中学校ですとかでの意識啓発、特に外国人との多文化共生についての意識啓発の話がありました。私もこの意識啓発については非常に重要な要素だというふうに考えています。特に、先ほど申し上げたとおり区には3万人外国人が住んでいて、やはり私もその近所ですとか外国人の方で板橋区内に住む方のお話をいろいろ伺うときもあるんですけれども、例えばごみ出しが悪くて、そこのオーナーさんから文句を言われたというようなお話があります。それは賃貸のところに住んでいて、ごみ出しが悪くて文句を言われたというのがあるんですけれども、本人は文句を言われたのは分かって直すんですけれども、じゃ何でごみ出しが悪かったのかというと、本人がごみ出しの方法を知らなかっただけなんです。そういうところもあるので、要は、もっと周りの人がごみ出しのやり方だとか、ごみ出しは一つの例ですけれども、生活していく上での様々な日本でのルールを、モラルも含めて教えてくれるような、そんな仕組みがあれば、もっと簡単にアクセスできる仕組みがあれば、外国人の方にとっても、また、その周りにいらっしゃる日本人の我々としても共存できるようになっていくというふうに思います。そんなところで、私もこの多文化共生は非常に必要だと考えております。特に、この東京板橋、グローバルな都市ということで、ぜひ今後もこの多文化共生については、区民の皆さんの意識啓発も含めてしっかりと取り組んでいっていただきたいと思います。そして、次にこの項の最後に、外国人定住者を増やすための取組についてお伺いいたします。特に外国人の定住者等を増やすことで消費拡大も期待できると先ほども申し上げました。外国人定住者を増やすための具体策、特に様々な取組がありますけれども、その具体策の一つとして、外国人にルーツを持つ児童・生徒に対する日本語教育、特に日本語初期指導教室を充実させることが重要と考えています。本区でも日本語講師の派遣事業などもやっているということですけれども、今後さらにこうした施策を充実させていただいて、定住者を増やすことにもつながるというふうに考えますけれども、その点のご見解いかがでしょうか。
◎
教育委員会事務局次長
日本語を話せない児童・生徒への日本語指導を行うために、令和5年度から在籍校に日本語指導員を派遣する日本語学習初期支援事業を、児童・生徒の編入時期に合わせて通年で実施してございます。また、教育委員会では、小学校3校、中学校2校に日本語学級を設置しておりまして、児童・生徒が学校生活を送り、授業等を理解する上で必要な日本語の指導にも取り組んでいるところでございます。これらの取組を中心に、在籍校、また学級担任と連携を図りながら、引き続き外国にルーツを持つ児童・生徒への日本語教育に関する支援に取り組んでまいりたいと思います。
◆長瀬達也
この外国人に対する日本語講師の派遣については、以前は年に2回やったものを、ちょっとそれでは足りないかなというか、現場の実態に即していないかなということで通年でやるようになったというふうに聞いております。ただ、サポートをする勉強の時間が若干短いという話は聞いておりますので、そうしたところを今後長くしていったり、加配をしていただいて、受けたい方がいれば、すぐに対応をしていただけるような配慮もぜひ今後していただいて拡充をしていただければというふうに思っております。また、この多文化共生については、総務省も地域における多文化共生推進プランの一つとして、コミュニケーション支援ですとか日本語教育の推進・体制整備、生活支援としての日本語を含む教育機会の確保ですとか進路指導、キャリア教育なんかというのも挙げていて、こうしたものも各自治体で進めていっていただきたいというような提案も出されております。本区でも、こうした日本語に慣れない児童・生徒の指導を密にしていただいて、日本語に定着してもらうことによって、外国人からの板橋区の評価が高まって、特に外国人の方は口コミが多いので、口コミで、板橋がそれだけ教育が充実しているんだったら、板橋に住もうかという方も多くなってくると思いますので、ぜひそうした政策を進めていっていただきたいと思います。以上で今の項目は終わりにさせていただきます。
○委員長
長瀬委員、質問をちゃんとしていただかないと。要望事項が続いていますので、気をつけていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
◆長瀬達也
分かりました。続きまして、物価高克服及び地域経済活性化対策についてであります。こちらについては、令和4年度予算については、コロナ禍がいまだ収まらない状況において予算編成がされたものでありました。長くコロナウイルスの蔓延による景気の低迷、原油高、ウクライナ情勢ですとか円安、これらによる価格高騰ですとか資材等の供給不足で区内経済も大きく厳しいものとなってまいりました。その点で、今まで以上に区民生活を支える経済対策が求められた年でもございます。多くの産業支援を行った年でもありましたけれども、例年1%ちょっとだった産業経済費が1.5%に増えたという決算額となってまいりました。その点は例年よりも手厚かったんではないかなというふうに思います。そこでお尋ねいたしますけれども、物価高克服及び地域経済活性化対策事業については成果はどうだったのか、この点について見解を伺います。
◎産業経済部長
令和4年度は、令和3年度に開始し大変好評でありました経営安定化特別融資を継続しまして、その後、第2号補正でいたばしPayの増額とプレミアム付商品券を発行し、さらに、第5号補正でエネルギー価格高騰対策設備更新助成金事業を実施いたしました。経営安定化特別融資のあっせん件数は2,183件、いたばしPayの発行総額は19億5千万円、プレミアム付商品券の販売総額は6億5千万円、エネルギー価格高騰対策設備更新助成金事業は2,714件、約7億1千万円を交付しまして、多くの区民や事業者に対して地域経済対策を実施した次第でございます。
◆長瀬達也
様々な取組をされたということでありました。今おっしゃられた取組につきましては、非常に区民の方も利用して効果もありましたし、また、喜んでいる方も非常に多かったということで評価をいたしております。また、本区では令和4年度、区内主要産業現況調査を実施したというふうに聞いております。こちらは、新型コロナウイルス感染症拡大や原油価格の高騰など様々な要因による企業活動への影響や区内産業の実態を把握し、今後の区の産業支援策の基礎資料とするために、板橋区内の主要な産業に属する中小企業に対して、現況の調査を実施したというところです。四半期ごとにやっている調査というのは景況調査でありまして、これとは違いまして、今回の調査というのは、コロナですとか物価高の影響を正確に把握するためにアンケートを取ったというところだそうです。区内事業者が今大変に厳しいと言っている中で、事業者の実態把握を行うというのは非常に効果があるというふうに思いますし、今後予算編成をする上でも非常に有益だと感じております。そこでお尋ねいたしますけれども、この現況調査を令和5
年度事業にどのように反映させたのか、その点についてお伺いいたします。
◎産業経済部長
令和4年度に実施いたしました区内主要産業現況調査では、融資制度の充実、人材確保に関する支援、デジタル化に関する支援を求める声が多いことが分かりました。そこで、令和5年度は経営安定化特別融資を継続して実施し、また人材確保の強化を図り、さらに、産業振興公社で実施するデジタル環境構築補助金を増額するなど、現況調査で得られた企業の声を反映した支援を行ってございます。
◆長瀬達也
今おっしゃられたデジタル支援ですとか経営安定化特別融資の延長も非常によかったと思います。特にITデジタルツールを活用した新たな取組の事業経費についての一部を助成するというものなんですけれども、これは500万円と250万円ということで金額が多くなっていたんです。以前、設備の更新の助成金の場合は50万円と20万円だったので、会社の規模によっては、いいところもあれば、20万円は個人ですけれども、50万円じゃ少ないというところもありました。特にIT関連のツールを自社で導入するとなる金額も高いわけですので、非常にこの金額設定というのもよかったんではないかなと思っています。また、これ令和5年の決算について出てきた宅配ボックスもありまして、これも2分の1、3分の2の補助、こうしたものも非常にいい政策になったんじゃないかなと思います。区内の事業者が継続できるための仕組み、これもぜひ今後も継続していって追求をしていっていただきたいと思います。現況調査が今後の区の施策の充実に効果があるということが分かりました。現況調査をやって、いろいろなことが分かったわけです。区内事業者の実態を把握して、それぞれのニーズを的確に捉えることで、区の施策を充実させ、区内事業者の現在の窮状を打開する施策へとつなげていっていただきたいというふうに思っております。そこでお尋ねいたしますけれども、このように有益な現況調査については今後も続けていっていただきたいというふうに思います。特に経済の変化が激しい中、的確に企業を支援するためには、再度現況調査を実施していただきまして、事業者の状況を把握した上で支援策を検討、実施してほしいというふうに考えますが、いかがでしょうか。
◎産業経済部長
令和4年度に実施いたしました区内主要産業現況調査は、先ほど委員のほうからもご紹介がありましたけれども、こちらは新型コロナウイルス感染症拡大や原油価格の高騰など不測の事態かつ大きな社会状況の変化による企業活動への影響を把握するために実施したものでございます。令和6年度には、次期産業振興事業計画策定のために現況調査を実施する予定となっておりまして、調査結果を事業計画に反映させるとともに、事業者の要望に沿った産業振興策を実施したいと考えております。
◆長瀬達也
次に、今後の事業者の支援の方向性についてをお伺いしたいと思います。現在は、ウクライナ問題に加えてイスラエルとパレスチナの間でも戦闘が激化しております。中東での紛争が進むことでさらなる原油高、物価高の懸念も起きつつあります。こうした世の中の大きな動きが企業活動に与える影響は非常に大きいものになると思いますし、その大きさも、内容も様々であると考えられます。また企業側も、実態や規模などが異なるために受ける影響も異なってまいります。経営安定化特別融資やいたばしPayなどにより、令和4年度から今も地域経済活性化を推進してまいりましたけれども、多様な区内企業のため、今後どのように社会情勢の変化に迅速に対応した支援を進めていくのか、区としての見解をお伺いいたします。
◎産業経済部長
今委員のほうから、経営安定化融資やいたばしPayのお話がありましたけれども、それだけではなくて、板橋区の強みとして、企業活性化センターにおきまして中小企業の経営課題や資金繰りなどに関する総合的な支援に対応するため、300人を超える登録専門員を有する経営改善チームを設置し、経営者に寄り添った支援を行っているところでございます。また、区の窓口では、中小企業診断士をはじめとする専門家による経営相談を実施しております。今後も企業における多様な課題を把握し、解決に向けて寄り添うなど社会情勢の変化に合わせた個別支援についても積極的に実施していく所存でございます。
◆長瀬達也
特にこれからやっていく中で重要だとおっしゃられたのが、個別支援ですとか経営相談というところと伺いました。私もこの個別相談だとか経営支援、これが今後非常に鍵になると思いますし、重要になってくるんではないかなというふうに感じています。特に今までやってきた支援、現金給付的なもの、また形を変えた現金給付みたいなものですかね。そうしたものがありましたけれども、それももちろん重要ではあると思いますし、事業者については非常にそれで助かったという声もありますので、今後も検討はすべきだとは思いますけれども、一旦50万円、20万円をもらって、それを使い果たした後はどうするのかというころもあります。一番重要なのは、区内の事業者が区の施策によって売上げが上がった。今月は先月よりも上がった、来年度の見込みは1.5倍だ、売上げが上がってくる。そして、社員も増えてきた、仕事も増えてきたというふうになるのがやはり理想だと思います。そんなところで、私は、むしろ今後、区がサポートしていく部分というのは、ソフト面の今おっしゃられた相談ですとか、企業に対する以前は訪問とかもやっていましたけれども、そうした訪問を充実するところもぜひお願いできればと思います。そして、特に事業者のお話を聞いていると、相談についてはやはりハードルが高い。事業者は、何か会社にトラブルがあれば、それは区とか企業活性化センターで相談はするんですけれども、会社の売上げが普通のときとか、売上げが上がっているときはあんまり相談に行かないんです。ただ、そういうときでも利用ができるというところは、むしろ区が周知していくべきところなのではないかなと思いますので、そうしたところもお話をさせていただきました。今の項目については終了させていただきます。
続きまして、空き家対策と耐震化支援についてであります。これは最後の項目でございますけれども、国土交通省が昨年10月に発表した空き家政策の現状と課題及び検討の方向性という資料があります。これによると、我が国の住宅ストックは6,240万戸ありまして、総世帯については5,400万世帯ある。量的には充足している。これ大小あるのであれですけれども、量的には充足しているんだという調査結果でありました。そして、この中で空き家について見てみると、空き家は相当数ありまして、2025年で420万戸、2030年で470万戸程度あるのではないか。国としても、これを令和12年、2030年には400万戸程度に抑えよう、つまり70万戸減らそう、2割程度削減しようというのが今の国の政策であります。こんなところの国の空き家対策が具体的に法令にも示されることになっています。全国的に空き家の数が増えてきて、今後もさらに増加が見込まれるということになるわけですから、国は空き家対策の強化を図るために、今年6月に空家等対策の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律というのを公布いたしました。これまでは、どちらかというと危険な空き家の除去というところに焦点が置かれていましたけれども、危険な空き家になる前にしっかりと手を打って、これを活用していくという方針が示されたと認識しております。こうした法律の改正や、空き家問題をメディア等が改めて放送してクローズアップしてきたということもあって、関心を持つ区民の方が増えているというふうに私も感じております。実際、私も管理が不十分な空き家によって被害を受けられている方からいろいろ相談を受けたこともあります。例えば空き家の樋とか非構造部材のプラスチックの部分とかいろいろな部分が風で飛ばされて危険だったとか、樹木の剪定ができていないので、近隣住民の敷地内に入り込んだりですとか、道路にせり出してきて通行の邪魔になっているとか、電柱に引っかかったりだとかして区役所に連絡をしたということもありました。管理が不十分なことによって、近隣の方だけではなくて行政にも迷惑をかけたりだとか通行する方、いろいろな方に迷惑をかけるような結果にもなっています。区としては、この空き家の現状をしっかりと把握して、いかに解決していくか、その方策を示すべきというふうに考えております。そこで、区の空き家対策について幾つか伺いたいと思います。初めに伺いますけれども、区が周囲の生活環境に悪影響を及ぼしていると認定した特定空家等の件数と、その解消件数はどのようになっているのか伺います。
◎
都市整備部長
区では、平成27年度に板橋区老朽建築物等対策計画2025を策定し、翌年度にはこの対策計画を確実に実行するため、板橋区老朽建築物等対策条例を施行しております。空き家等が周囲の日常生活に重大な悪影響を与えている状況が認められると、板橋区老朽建築物等対策計画協議会等の意見を聴取し、特定空家等に認定しております。認定した特定空家等の件数とその解消件数でございますが、令和4年度末時点での累計で116件を認定し、そのうち78件が解消されたところでございます。
○委員長
総括質問の途中でありますが、議事運営の都合上、暫時休憩いたします。
なお、再開は3時30分といたします。
休憩時刻 午後2時59分
再開時刻 午後3時27分
○委員長
休憩前に引き続き、
決算調査特別委員会を再開いたします。
それでは、
長瀬達也委員の総括質問を続けます。
◆長瀬達也
先ほどの続きでありますけれども、質問からさせていただきます。空き家が活用されずに適切に管理されていない空き家が増加するということになっておりますけれども、その要因について、まずはお伺いしたいと思います。
◎都市整備部長
国土交通省の資料によりますと、住宅・土地統計調査に基づきます全国の居住目的のない空き家は、この20年間で約1.9倍に増加しており、今後も増加する見込みでございます。賃貸用の住宅以外の空き家の所有者の多くは高齢者であり、核家族化の進行もあり、所有者の死亡や介護施設等への入所によるなど、そのまま空き家となることが主な原因でございます。また、相続人等には適切な維持管理を行う義務がございますが、相続協議中で所有者が決まっていない場合や遠方に居住しているなどの理由により適切に管理されてない空き家の増加につながっていると考えてございます。
◆長瀬達也
様々な要因があるというお話をいただきました。所有者は、今おっしゃられたとおりで様々な問題を抱えているわけです。この点、世田谷区では官民連携によって空き家をお持ちの方やその関係者の方が無料で相談できるせたがや空き家活用ナビを設置をしたというふうに伺っております。空き家の活用を推進していく場合、所有者等からの多様なニーズに適切に対応するためには、世田谷区のように民間事業者等との連携が解決の糸口になるものとも考えますけれども、区として空き家対策における官民連携の考え方についてお伺いいたします。
◎都市整備部長
空き家対策における官民連携の考え方についてでございますが、世田谷区では民間事業者との連携を行い、空き家の所有者やその関係者が無料で相談できる窓口、せたがや空き家活用ナビを設置していることは認識してございます。空き家対策の一例といたしまして、利活用が管理不全空き家にさせないための有効な予防対策にもつながると考えてございます。売却、賃貸等による不動産の流通については、個人の財産に関わり自治体は関与することができないため、民間事業者等との連携が重要なこととなっております。本区では、民間事業者等との連携において、その必要性を含め、他の自治体の動向も併せ、慎重に調査研究を行ってまいります。
◆長瀬達也
ぜひよろしくお願いしたいと思います。次に、空き家対策のための法整備等の区民に与える影響についてお伺いをさせていただきたいと思います。この空き家の社会的な問題を解決するために現在法整備がもろもろ進められてきているところなんですけれども、そこでお尋ねいたしますけれども、民事基本法、すなわち民法や不動産登記法などが改正され、越境した樹木の取扱いや相続登記の義務化等があると伺っています。これは区の空き家対策にどういった影響があるのか、その点について伺います。
◎都市整備部長
越境した樹木の枝先につきましては、所有者に切除の請求ができるだけでございましたが、民事基本法の改正によりまして、所有者等はまず催告し、相当期間経過しても切除されない場合は、越境部分を利害関係者が切ることが可能となる等、区が介入せずに被害を軽減できる選択肢が増えたことでございます。また、区が建築物等の管理不全に係る具体の事案を把握した場合、所有者を特定する調査が大きなウエートを占めておりました。これにつきましても、所有者調査につきましては、主に不動産登記情報を活用し、行いますが、記載された住所に居住していない場合や既に死亡している場合等があり、今回の不動産登記法の改正により現状に合った相続登記や住所変更登記がされることになり、所有者の特定に要する時間の負担軽減にもつながると期待しているところでございます。
◆長瀬達也
こうした法改正については、一般の方もまだ知らない方も多いというところかと思います。区にも様々な相談体制、特に全宅、全日、行政書士会、司法書士会、様々な専門家を紹介するというところもありますし、区の相談窓口もありますので、ぜひそうしたところも活用しながら、この法改正について、現状で困っている方の相談にぜひ応じていただきたいというふうに思います。続きまして、次の耐震化支援についてお伺いをさせていただきます。耐震化についてですけれども、現在は、この耐震化についても区でいろいろな支援、特に耐震化の助成だとかも行っておりますけれども、まずお尋ねいたしますが、地震による建物倒壊を防いで居住継続できるように対策が急務となっています。区の取組についてお伺いをさせていただきます。
◎
都市整備部長
木造建築物等の耐震化の助成でございますが、法改正が建築基準法の耐震構造につきましての法律が西暦2000年に改正されております。それまでの法律に対応した部分と2000年基準という形で、今2種類の対象とするものがございます。今回は2000年基準についての部分でございます。地震による建築物の倒壊を防ぎ居住の継続性を確保することは、在宅避難を行う上で有効な対策でございます。そのために、東京都は令和5年3月改定の東京都耐震改修促進計画におきまして、2000年基準を満たしていない木造住宅を令和12年度末までに半減することを目標に掲げております。本区といたしましても、2000年基準を満たしていない建築物への対応方策につきまして、東京都や他区からの情報を収集し、連携を図りながら早期実現に向けた検討を進めてまいるところでございます。
◆長瀬達也
2000年基準を満たしていない住宅がありますので、こうしたところに今後支援を広げていくという、東京都と同様にするというところかと思いますので、ぜひお願いしたいと思います。次に、今は木造だったんですが、今度は非木造の建物についてです。こちらについては、災害時において救急救命活動ですとか緊急支援物資の輸送など、緊急輸送道路の通行確保が求められております。災害発生時に建物倒壊などにより緊急輸送道路が機能しなくなることがないように、沿道建物の耐震化が急務であります。一方、耐震化率は特定緊急輸送道路の沿道建物で約91%にとどまっておりまして、十分な数値とは言えないと考えております。このように耐震化が進まない要因としては、建物所有者への耐震改修費用の負担が大きくのしかかっているところというところが挙げられますし、耐震改修費用には建物の耐震補強工事だけではなく、工事を行う際の居住者などの占有者が仮住まいに移転する費用などもかかり、それらの費用が増大することが課題になっております。緊急輸送道路の確保は災害対策を行う上でも極めて重要な施策であり、これを確保することは区民の生命、財産を守ることに直結をいたします。このため行政が費用を負担することで所有者の負担軽減を図り、地震でも倒壊しない建物を造ることはまさに必要不可欠であると考えております。そこでお尋ねいたしますけれども、都は令和2年度から費用負担軽減を目的に、建物の賃借人を対象として助成制度を開始いたしました。区もこのような制度拡充が必要であると考えますけれども、区の取組を伺います。
◎
都市整備部長
占有者が存することにより生じる追加的費用を対象とした助成は、既に他区で実施しているところでございます。また、建物所有者からは具体的な要望も上がってきているところでございます。非木造建物の耐震改修の費用負担が耐震化が進まない要因の一つであることは区も認識しておりまして、費用負担軽減を図るための方策に関しまして検討を進めているところでございます。
◆長瀬達也
よろしくお願いいたします。最後に、耐震化についての意識啓発について質問させていただきます。建物の耐震化を進めるためには、所有者自らが主体的に取り組むべき問題であるという意識を持つことが不可欠というふうに考えます。また、区としては様々な助成制度を設けていますけれども、これらを積極的に活用して耐震化を進めるのも所有者等が動かなければ進まないということになります。そこで、最後にお尋ねいたしますけれども、所有者等が緊急輸送道路の役割や耐震化の重要性などをしっかりと認識する必要があると考えます。また、このために普及啓発に力を入れるとともに相談体制や情報提供の充実を図る必要があると考えますけれども、区の取組をお伺いをいたします。
◎
都市整備部長
建築物の耐震化促進のため、普及啓発、相談体制の充実は、区も大切なことと認識してございます。普及啓発は、広報いたばし、区ホームページ、町会の回覧、また掲示板を活用して、耐震化制度の周知を行っているところでございます。また、相談体制といたしまして、職員が区の窓口や戸別訪問により相談を受けるとともに、無料相談会を9月と3月の年2回実施しているところでございます。また、非木造建物を対象とした耐震化の相談に対応するため、耐震アドバイザーを派遣しております。さらに、今後は耐震化助成制度の拡充などを契機に、制度の案内の周知を徹底していきたいと思っています。
◆長瀬達也
区民の皆さんも、必要な区のそうした支援制度にアクセスができるように、様々な窓口ですとかアクセスできるその方法を区でも用意をしてくださっているというところでもあります。ただ、やはり区民の皆さんからしてみたら、ホームページに書いてあるから、広報に載っているからというだけで分かるわけでもないというところが実態だと思います。ぜひそうしたところは、いろいろ今後も工夫をしながら区民の声に寄り添っていっていただいて、何か要望があればすぐに提案ができる、そんなような体制を、ぜひ取っていっていただきたいと思います。以上で、私の総括質問を終わります。どうもありがとうございました。(拍手)
○委員長
以上で、
長瀬達也委員の総括質問は終了いたしました。
次に、
元山芳行委員にお願いをいたします。(拍手)
◆元山芳行
67分ほどありますけれども、お付き合いのほどお願いします。4番手ですから大分待ちまして、通告内容を共有しておりますけども、やっぱりここまで待つと大分かすってくるのでぼろぼろですけども、さっき聞いたよと言われないような切り口で質問させていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。冒頭から重なってまいりますが、DX戦略でございます。令和4年からDX戦略を掲げて区政運営を展開しているところであります。その成果としては、DXというワードについての理解度が深まったかといった感じかというふうに思っておりまして、デジタルトランスフォーメーションは、現在、私の肌感覚ですとかなり遠いところにあるんではないかなというふうに思っております。DXというのは、そもそもデジタルガバメント、そしてデータ駆動型経営を進めるということであります。それでは、デジタルトランスフォーメーションに行き着く過程はどういう過程を歩んでいくかということでありますけれども、デジタイゼーション、そしてその先にデジタライゼーションと歩んでまいります。このデジタイゼーションというのは、既存のビジネスプロセスにデジタル技術を取り入れて業務の効率化を図るということであります。いわゆるデジタル化がこのあたりに当たるんではないかなと思っております。次、デジタライゼーション、これはデジタル技術を活用してビジネスプロセス自体を変革をして、新たなモデルを生み出していくということであります。現在、板橋区はデジタイゼーションからデジタライゼーションにいけるのかなという位置にいるんだというふうな感触を私は持っております。その取っかかりとして、分かりやすい例としてはペーパーレスへの取組が先ほどからも一部議論されておりますけれども、あるというふうに思います。そんな中、各課を全部じゃありませんけれども、一部ヒアリングさせていただきましたが、環境部門についてはそれなりの理解度があって取組もいろいろあるようでありますけれども、全体としては非常にばらつきが大きくて、環境部門が先を走っていますが、なかなかそのほかの部署ですとペーパーレスっていうワードは出てきますけれども、その先の業務に落とし込んだ場合のDXというところは聞こえてこないわけであります。これは、なぜそういうふうになっているのかということをまずお聞きいたします。
◎
政策経営部長
各課の業務内容につきましては、様々ありまして、デジタルデータを扱うことが多い環境のような場合、また、ICTの活用が図られているところでは比較的DXに対する意識が高い傾向にあるのかなというふうに思っております。委員がおっしゃるとおり、DXは業務の変革を目的としているものでありますので、ICTの知識と業務知識の双方が必要になりまして、特定の職員が業務の合間に行うというものというよりは、課内あるいは関係課と綿密な連携の下、取り組む内容かと思っております。そのため組織的対応として明確に位置づけて取り組む必要があるというふうに考えておりまして、DXにおける管理職の役割が大きいというふうに思っておりまして、部署によって差が見られるとすれば、DXに対する各管理職の意識や行動の差が現れているのかなというふうに認識しております。
◆元山芳行
今、組織というお話出ましたけれども、まさにDXが進んでいない組織ですと、この古いシステムの維持管理や管理人材の確保に多大なコストが発生するというわけであります。コストがこうしてこの問題には絡んでいますので、しっかりと進めていかないと納税者に対する責任を果たしていけないということになるんではないかと考えております。そうなると、行財政改革とも関係してまいりますので、後ほどこの部分については触れていきたいと思います。次の質問でありますが、デジタルトランスフォーメーションをそもそもどう捉えているのかということを確認いたします。
◎
政策経営部長
区におけるDXとは、最終的には区民サービスの質の向上を目的とするものと認識しておりまして、単なるデジタル化ではなく、業務フローの見直しを併せて図ることで効率性を高め、より付加価値のある変革を業務にもたらすものと考えております。区政の各種課題に対応できる組織、経営改革につながる営みになるというふうにも思っております。また、働き方改革にも資する一面があるというふうにも思っておりまして、区民サービスの維持、質の向上を担う職員を持続的に確保していくためためにも、DXの推進は重要であると捉えております。
◆元山芳行
先ほど言ったペーパーレス化、これとオンライン会議とかいろいろあるわけでありますけども、組織全体を意識して進めていくのが、今、答弁にもありましたようにDXであろうかというふうに思います。ITを活用して、効率化が進んで余ったお金とか時間、こういうもので何をしていくのかということが問われているわけであります。経営課題としてしっかりと捉えて、そしてデジタル活用をして、経営、その課題に対する解決、その先には新しい価値というものが出ていく、こういう流れがDXで非常に重要だと思います。つまりDXというのは、デジタルを活用した経営戦略だと思います。なので、本区ではDXをDX戦略と掲げているんではないかという理解でございます。ペーパーレス化やオンライン会議というのは経営戦略の一つの鎖であって、それを一つひとつ組み合せたその鎖構造がDXへ最終的に至っていくということだろうと思います。今後どうやって進めていくのか、そのDXまでの途中で歩んでいるわけでありますから、どうやって進めていくのか、改めてDXに向けたスケジュールを示していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
◎
政策経営部長
区では、現在令和8年度以降の次期基本計画を見据えたいたばしNO.1実現プラン2025の改定を進めておりまして、そこではDX戦略を含めた重点戦略のバージョンアップを図るというふうにしております。同時に、今年度は令和6年、令和7年を計画期間とします板橋区DX推進計画の後期計画の策定を進めておりまして、ICTによる働き方改革や業務改善、それから区民サービスの向上をさらに強力に進めていきたいと思っております。DXが及ぶ範囲は、教育、まちづくり、行政手続など多岐にわたっておりますが、その実現には管理職をはじめとする職員の意識、行動の変容が欠かせないと考えておりまして、DX人材の育成・活用に係る取組も併せて強化していきたいと思っております。
◆元山芳行
答弁にもありましたように、何のためにDXをやるのかというところで働き方改革にもつながりますし、合理化を図ってコスト削減、これをしっかり押さえていっていただきたいと思います。これからの経営戦略に非常にポイントとなるDX戦略でございます。これもあまり、もたもたしているとテクノロジーのほうが先に進んでしまいますので、どんどんその差を追いつくっていうのがより難しくなっていくので、しっかりテクノロジーと同じような歩みをしていかなきゃいけないと思ってございます。ぜひ、しっかりと対応して責任を果たしていただきたいです。次、区民本位の住民サービスの提供の在り方について質問をさせていただきます。この行政サービスの提供者としての板橋区、まさに選ばれる自治体となるべきと先ほどから同じような質問もありますけれども、選ばれるためにはどうしますかということであります。しっかりビジョンを示して、この指止まれという形でまちの価値観を共有した方が集まってくる、こういう流れが健全な流れではないかなというふうに思っているところであります。そうすると、人口動態がどうなっているのか、流入、流出の状況はどうなっているのかということでありますが、先ほど長瀬議員の質問の中で流入のほうが多いと、全体の人口は上昇トレンドでまだ維持されているということであります。では、どんな方が住んでいるのか、板橋で生まれ育った方がどれぐらいいるのか、また他地区から来た方、このあたりの構成等というのも、もしつかんでいればお聞かせいただければと思います。
◎
政策経営部長
まず、人口の流入状況ですけれども、全体としては流入超過なんですけれども、10代から20代の方が多い傾向がありますけれども、30歳から49歳の人口については実数及び総人口に占める割合が5年前の25歳から44歳の人口と比較しますと、いずれも減少傾向、転出超過が続いているということで、ちょっと年齢層によっては転出超過という現象も見られているというところでございます。また、人口のうち板橋区で生まれ育った人とか、あるいはほかの地域から来た人の割合を示す正確なデータっていうものは持ち合わせていないんですけれども、令和3年度に実施しました区民意識意向調査でのデータですけれども、生まれたときから住んでいると回答した人が14.7%、20年以上住んでいるという人が41.5%という結果でありまして、これは平成29年度の同じ調査でいきますと、生まれたときから住んでいる人の割合が1.8ポイント微減、それから20年以上住んでいる人の割合が2.7ポイント微増しているというようなことを数値として把握している状況でございます。
◆元山芳行
このように、年齢でばらつきがあるというわけでありますので、こういうところの動態の原因をしっかり調査して施策に生かしていくということが必要かと思います。今の年齢でご答弁いただきましたけれども、次の質問は、年齢ではなくて世代構成で分析したらいかがかなという質問でありまして、世代というのはどういうことかというと、例えばベビーブーム世代というのがありますよね。1946年から64年生まれの方たちがいわゆるベビーブーム世代、それからその次、X世代、1965年から80年に生まれた方、Y世代は1981年から96年、よく最近出てきますZ世代は1997年から2009年に生まれた方、さらにもうα世代という方が、それ以降に生まれた方たちということで、こういう世代にそれぞれその特徴というか、価値観の特徴というものがあるので、よくマーケティングではこの世代に当てたマーケティングというのが使われているわけであります。そして、これらの世代構成を知った上でビジョンというものをつくっていくといいのかなと思うんですが、そういった切り口でビジョンはつくられているのかということを確認いたします。
◎
政策経営部長
いわゆるZ世代や団塊の世代といった明確な定義はないというふうに言われておりますけれども、同じ世代で、経験した環境が同じということで、行動や意識意向に特徴が見られるということから、そうしたターゲットを明確にした戦略が重要だと認識しております。こうした時代、X、Y、Z、α等、世代ごとにはっきりした分析をしているわけではございませんけれども、人口動態の推計に当たっては、5歳単位あるいは10歳単位での年齢層は把握しておりますので、その中で今であればZ世代はおおむね10代半ばから20代、それから団塊の世代であれば70代の動向に当たるものとして分析ができるのかなというふうに思っております。現に、ブランド戦略では30歳から44歳の女性、健康長寿のまちづくりでは団塊の世代が全て後期高齢者となる2025年をターゲットとして戦略展開をしているということから、こうした年齢層の人口動態に注視しながら計画策定に努めているところでございます。
◆元山芳行
では、ビジョンそのものについてでありますが、現在、内外に示している板橋のビジョンというものは、誰が示して、どういうところから出てきているものなのかということをお聞かせください。
◎
政策経営部長
人口ビジョンは、区が策定して公表しているもので、平成28年に初めて策定したときは基本構想と整合を図るために長期基本計画審議会の報告の上、基本計画とともにパブリックコメントを実施しながら、適宜、区議会の皆さんにご報告の上、公表しているものでございます。現在の改定版の人口ビジョンについても、平成30年度におきましてベースとなる国勢調査の結果を基に区議会の皆さんに報告の上、策定して公表しているものでございます。
◆元山芳行
ビジョンというのは、私は本来はLWC指標のようなものを並べながら、区民目線での政策立案、しつこいですけどもEBPMです。そういったものを積み上げていかなければならないというふうに思っております。こうしてつくっていけば、各事業の取組やKPIをしっかりすり合わせることが可能になってまいります。そうすることによって、事業間の連携もスムーズに進んでいくわけです。主観指標と客観指標、これを見える化することで住民の共感を生むわけでありまして、このビジョンというのは、そういった視点、今、ご答弁を聞いていて、どこまであるのかなというところでありますが、現在、お示しいただいているビジョン、どんな根拠でつくったのか、改めてお聞かせください。
◎
政策経営部長
平成26年に施行されましたまち・ひと・しごと創生法に基づきまして、国がまち・ひと・しごと創生長期ビジョンを策定するとともに、そのときに地方公共団体においても地方版の人口ビジョンの策定が努力義務ということになされたということを踏まえまして、板橋区でもつくったというところでございます。当時、長期基本計画審議会を設置しておりましたので、基本計画を策定していく中で、人口減少が地方だけの問題ではなく、都市部にも大きな影響を与えるということを重く受け止めて、これに的確に対処するために板橋区も人口ビジョンを策定することとしたところでございます。
◆元山芳行
となると、それは現在の基本計画としっかり連動しているということでよろしいでしょうか。
◎
政策経営部長
改定前の人口ビジョンは、先ほどから答弁させていただいているとおり、基本計画と同時に策定しておりますので、施策の効果が現れた場合の目標とすべき人口として推計をさせていただいております。改定版につきましては、外国人人口の増加等を踏まえまして、その後の人口動態を踏まえて推計を見直しておりますが、基本計画のアクションプログラムであるNO.1プランにおいて対応するという形で、連動しているものと認識しております。
◆元山芳行
このビジョンというのは非常に今後の区政にとっても重要でありまして、ここを間違えると、区民はよく見ていますから、区民に共感されないということになります。スマートシティを掲げている板橋区、今日はスマートシティの話はしませんけれども、スマートシティのロジックモデルに不可欠なやり方であるので、しっかり押さえていただきたいというふうに思っております。その上で、今後策定されます基本構想、基本計画をつくっていかないと、これもまた住民に支持されなくなっていくというわけであります。なので、今後この先、もし流入過多に振れてきたとしたら、もしかしたら区民から支持されていない方向に進んでいるのかもしれないと捉えることがよいかと思います。では、居住環境についてはどうなのかということでありますが、特に、今日も日中話題に出ておりますけれども、今後再開発、大型のものが控えておりまして、となるとこの居住環境としては供給過多という形になっていくわけであります。それがいわゆる人口の推移、それから区民にしっかりと板橋のまちづくりをはじめとした施策が支持されていかないと、このバランスが崩れてきてしまうんではないかなというところを、長瀬委員も空き家対策について質問ありましたけれども、このあたりの懸念がありまして、もしかすると大きな負担になってくるかもしれない。その上で、ビジョンと人口推計、今後どのように予測されているのか、そしてまたその根拠についてお伺いいたします。
◎
政策経営部長
人口ビジョンにおける人口推計では、出生と死亡によるいわゆる自然増減、それから今お話があったような転入、転出によります社会増減に関する将来予測の条件設定というのが大切になるかなというふうに思っております。自然増減につきましては、死亡について国の生存率を用いながら、出生ではゼロ歳から4歳の人口、15歳から49歳の女性人口に対する子ども女性比率というものを見ながら、今後の推計をしております。また、社会増減につきましても、一定期間の転入、転出が人口に占める割合であります純移動率というものを用いて推計しているというところでございます。実際の人口推計の根拠としましては、まず子ども女性比率について、子育て世代になっても住み続けたくなるようにということで、子育て、教育環境の充実やブランドの創造、シティプロモーションを強化することで、国の設定よりも高い、子ども女性比を維持できると考えて推計を行っていく考えでございます。生存率につきましては、これまでと同様に、着実に健康寿命の延伸に取り組むことで、国の設定と同様に推移をしていくものということで推計することを考えております。社会増減のほうですけれども、震災のような大災害による人の移動、それから先ほどの空き家もありますけれども、マンション建設のような一時的、地域的な影響がございますので、一定平準化ということも考えまして、直近の人口動態を少し長めに見て、10年程度を見まして、将来に向けての交流人口の増加と定住化へつなげていく政策を実行していくということで、全国よりも高い純移動率を維持できるというものを仮定して、人口推計をしていきたいと思っております。コロナ禍によって人の移動に変化が見られましたので、出生数の減少傾向が、今、顕著になっていることも踏まえまして、新たに国から示される推計というのも踏まえながら、次期基本計画の策定の過程において、新たな人口推計に基づく政策を検討していきたいと思っております。
◆元山芳行
このあたりは、本当に非常に難しいところだと思いますが、ぜひ乗り越えて、精度の高い施策を実現していただきたいと思います。このビジョンというのは、いわゆるこういうまちにしますよということでありますから、夢の実現であります。夢実現のためには投資が必要でありますね。そうすると、減債基金計画はどうなっているかということであります。例えば30年後に老後の資金1千万円準備するということを考えたときに、利回り3%で30年間の減債基金係数というのは0.0210、毎年の積立金は1千万円掛ける0.0210で21万円、月の額だと1.75万円ということになります。このような夢の実現に向けてのしっかりとしたその根拠となる財政措置というものも不可欠なわけであります。各年度の起債については、活用方針に基づいて学校改築そして長寿命化改修工事、道路整備事業など、こういった事業に対して行うものということとなっておりまして、起債借入額は財政状況やその後の負担を考慮して決定するということであります。また、発行利率そして償還年数などの期間とかについては、より有利な借入れを基本としていくということもご答弁でいただいているところであります。そこで、令和5年度のいたばしNO.1実現プラン2025の改定に併せてこの活用方針を見直す予定とされていると聞いております。どのあたりをどう見直すのか、お聞かせください。
◎
政策経営部長
現行の起債の活用方針でございますけれども、いたばしNO.1実現プラン2021に掲げる建設事業の着実な推進と財源を明らかにするために、基金の活用方針と併せて令和2年2月に策定したものでございます。この方針では、起債の上限額が60億円、充当率は対象事業ごとに地方債の同意基準に定められた上限率で、例えば学校改築では75%、道路整備事業については90%に合わせて方針を定めたところでございます。今回改定しますいたばしNO.1実現プラン2025の着実な推進のためには起債と基金の活用は必須でございまして、起債の上限額、充当率については
公債費負担比率に留意しながら柔軟な財政運営ができるように基金の活用方針と併せて見直していく考えでございます。
◆元山芳行
したがって、このビジョンを進めていく上で、基本計画そして基金運用が経営の根幹であって、区民の理解が必要な部分だというふうに思います。最後に、ビジョンの実現のために必要な職員像ということでお聞きをしたいと思います。どういう職員像をお持ちになられていて、どんな能力が必要だとお考えなのかお聞かせください。
◎総務部長
現在の社会の大きな転換点を乗り越えるためには、区政を担う自覚と未来への責任や新たな価値を生み出す力を持ち、高い使命感の下、何事も最後までやり遂げる職員が求められております。併せまして、職域ごとの専門性やDXに関連する高度な専門知識、技術の習得は必要不可欠であることから、人事制度や研修制度などを効果的に活用し、自ら学び続ける意識を持って職務に取り組む職員が理想であると考えております。ビジョンの実現のためには、最も重要な経営資源である職員の能力向上を図る必要がございます。その能力を存分に発揮できる仕組みをつくり、その環境の整備を行うことで職員の意欲や自律性をさらに引き出せるように取り組んでまいりたいと思います。
◆元山芳行
簡単に言うと、エンゲージメントを高めていくということだと思います。役所と職員とが相互に影響し合って、必要な存在として絆を深めながら共に成長できるような関係を築いていくということ、同じベクトルを向いて進んでいくということが、より事業の実現性だとか効果、こういうものをより引き出していくものだと思っております。ただ、いずれも役所本位じゃなくて、押さえなきゃいけないのはあくまで区民本位に置いておかなきゃいけないというふうに思っております。次、コミュニケーションの最適化について質問させていただきます。住民に対するコミュニケーション最適化を図ることは重要であります。先ほど触れたように、世代ごとに区民を見ているかという視点から話を進めていきたいと思います。マーケティング的に見ると、現在マーケティングリーダーと言われているような人たちはX世代もしくはY世代に当たる人たちが多いようであります。X世代は経験値として近代の進化の流れをよく知っているというわけであります。一方でマーケットの中で影響を与える存在としては、今後そこから当然年をとってきますから、Z世代そしてα世代へと移っていくというわけです。世代間ギャップを分かりやすく話をするとするとZ世代について触れるといいかなと思います。このZ世代というのは生まれたときからインターネットが当たり前のようにあった、そういう世代でありまして、我々、我々と言っても私ですね、私とは大分価値観が違う世代だなということで、消費行動だとか価値観、こういうものが異なってくるわけであります。よく何か調べるときに手繰るという言葉を聞くかと思いますけれども、これは検索エンジンで調べていくわけでありますが、これがもう手繰るじゃなくて、その世代はググるというらしいんです。もう調べ方が違っていて、SNSの使い方なんかも、もうそれぞれX、旧Twitterだったり、Instagram、TikTok、その他のいろんな動画配信サービスの利用方法も異なっているわけであります。こうして板橋区でも活用しているSNS、各種使っていろんな情報発信をしているんです、公式LINEもできて積極的に展開をしているというふうに思いますが、この世代間の特徴を考えると一律の発信でいいのかということになります。旧TwitterのXでいくと、一番多く利用している世代、世代というか、ちょっと言っていることが違っちゃいますけども、年代でいくと20代が一番多く活用していて、20代からだんだん使用頻度が下がっていくらしいです。Instagramも同じようなトレンドを示しておりますが、Facebookになると、30代、40代が多く活用しているらしいです。若い10代、20代の方は、そんなにもうFacebookを使っていないということです。LINEになると40代、50代が多く活用しているらしいので、もう若い方は、あまりLINEで発信されても響かないという特徴があるようです。ついでに、TikTokを言いますと、もう断然10代が使っていて、我々、我々って言っても、皆さん、私なんかはなかなかどうやって使ったらいいか分かんないという、そんなレベルであります。Instagramとか、こういうTikTokについて特に若い層に偏っているということが、こういうデータからも分かるかと思います。このように、それぞれ時代背景とともにいろんな価値観が違ってくるわけでありまして、特に、私なんかバブル期と崩壊期、両方経験していて、自分では、そのときは民間にいましたから、貴重な経験をしているんだというふうに思っておりまして、何とかこの経験を生かしていけたらなというふうに思っているところであります。このように年代の特徴を見て、いろんな板橋区から情報発信をするわけでありますが、この特徴を捉えてコミュニケーションを最適化するためには、どういうふうにしていったらいいのかということで、まずサービスのユーザー、ターゲットになる方を、しっかりその事業だとか施策ごとにイメージができているのかなというところで、ここを押さえて会議の中で議論していかなきゃいかんということです。ちょっと例を出しますと、iPodの開発のエピソードがあって、1千曲をポケットにという開発コンセプトを持っていたらしいんです。そういう使い方をしている方を想像しながら、逆算して商品をつくっていくと、こういうやり方、これは板橋区の事業をつくっていくやり方の中でも参考になるんじゃないかなと思ったエピソードであります。このようにして、一つひとつの事業、サービスをつくっていく上で、生活者中心の視点、そして特性に応じたサービスの提供が必要であります。アウトカムを明確にした計画立案と事業の見直しが必要と考えます。そうすると、評価もしやすくなってくるわけであります。こういった視点で、ぜひ仕事の仕方を変えてみませんかという、今日は提案なんですが、いかがでしょうか。
◎
政策経営部長
事務事業に取り組む際には、事業の目的、対象を明確にして、その事業の成果となるアウトカムを適切に定めることが重要だと認識しております。現行の行政評価におきましても、施策や事務事業が目指すアウトカムイメージ、あるいは
アウトカム指標を可能な限り設定しまして、事業の成果や効果を確かめながら事業を進めるように努めております。しかしながら、毎年度、行政評価委員から指摘もございますが、
アウトカム指標が抽象的であれば事業との関連性が分かりづらくなるとか、具体的過ぎるとアウトプット指標にとどまってしまうというようなことになりまして、適切な
アウトカム指標の設定は容易ではないというところでございますけれども、改善、工夫を重ねていく状況にあるのかなと思っております。今後も、計画立案の段階から評価を意識しまして、誰に、どのような成果を上げるのかを明確にした上で事業が実施されるよう、行政評価制度の見直しを図っていきたいと思っております。
◆元山芳行
このコミュニケーションの最適化、話しかけ方も重要だという話をしてまいりました。併せて、SNSの活用についても工夫が必要であるわけであります。過日の健康福祉委員会、私が所属している委員会でも、他の委員から同様の指摘がなされておりましたので、そのとおりだなというふうに思いました。発信していますよとか、届けましたよといった現在のコミュニケーションの取り方では、果たして区民にしっかり必要な方に情報が行っているのか。そして受け取ってもらえるのかという、ちょっと疑問もあるところでありまして、このコミュニケーションの取り方についても、先ほどお話ししたような特性を考えながら、発信をぜひしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
◎
政策経営部長
事業効果を高めていくためには、ご指摘のとおり、誰に、どのような効果を上げたいのかということをしっかり仮定した上で、そのターゲットに合った手段、手法を用いて事業を行っていくことが重要であると思っています。中でも事業を周知したり、参加を促したりする場合は、どんなコミュニケーション手法を利用するかというものが大変重要な要素になろうかと思っております。そのためターゲットがどのようなコミュニケーション手法を得意、日常的に使っているかということも分析して、的確な手法を選択していくことが大切でありまして、併せて発信するコンテンツの感性もターゲットに響く内容にすることが求められているのかなと思っております。区が持つホームページや広報いたばし、SNSをはじめとしました様々な媒体を活用しつつ、今後も適切なコミュニケーション手法を探りながら、的を得た発信に努めていきたいと思っております。
◆元山芳行
ぜひ、的を得た発信、これを意識して少し全体を見ていただきたいと思います。続いて、今日はもうこういう切り口でお話ししてまいりましたけれども、前期はEBPMの話をさんざんしてまいりました。そこをまたしつこくやってもいいんですが、ちょっと言い方を変えていかないとつまんないかなと思って、少し変えていったわけでありますが、今回決算でありますので、令和4年に行った事業の点検、こういう視点で行っているわけでありますが、現在の行政評価でいいのかなと思うんです。そこのあたりはしっかり研究をしてもらいたいと思います。行政評価は、各事業が滞りなく、特にミスもなく、事業そのものが間違いなく行われたかどうかという視点が行政評価なんだというふうに思うんですが、それだと行政評価の小冊子を見ていただいても、結局滞りなく行われれば継続になっていくんですよね。なんですけども、私が先ほどから言っているアウトカムの設定というのが実は重要で、その事業を行った先、その事業を行うときに、どういう効果、成果があるのかというところをしっかり押さえて、そちらの成果のほうをきちっと評価することが重要だなと思っております。事業のスクラップ・アンド・ビルド、そういうところを行っていかないとかなわないんじゃないかなと思うんです。併せて、監査もやっておりますので、監査も同様にその事業が間違いなく、不正もなく行われているかというところを見ているわけで、ここは二重に行われて、さらに議会が入ってくるわけでありますが、視点としてはそう変わらないので、これからはアウトカムをしっかりお話しいただいて、そこを評価できるようなことが必要なんじゃないかなと思っております。となるとデータ駆動型のデータドリブンマーケティングというわけでありますが、これ勘とか経験に頼るんじゃなくて、数字に基づいて施策を進めることで潜在ニーズの訴求やマーケティング施策の最適化を可能にするものであります。住民ニーズの多様化が進んだ結果、大衆受けするマーケティングではなくて、データを生かして、個にフォーカスしたマーケティングが必要になってくるわけであります。板橋区には、民間では到底つかめない質の高い住民データを保有しているわけでありますから、このマーケティング手法を取り入れることによって、さらに事業の質の向上につながっていくんではないかなと思っております。本当に、ここのマーケティングはもうまさに投資と一体だと思っておりまして、効果的な施策はこういうところから実は決まっていくんではないかなと思います。そうしないと、これがスクラップ・アンド・ビルド、しっかり進んでいかないと古いパラダイムに縛られてしまって、そういう事業が実は視点を変えて決算評価していくとたくさんあるんじゃないかなと私は思っております。通告してありますんでどんどん行きたいところなんですが、通告しちゃったんでデータドリブンマーケティングのところについて、いかがでしょうか。
◎
政策経営部長
区としましても、目的をしっかり持って、データや数値を根拠に施策や事務事業の立案、方向性を定めることを心がけてはおりますが、近年EBPMの手法の動向も踏まえまして、そういった手法も積極的に取り組んでいく必要があるというふうに思っております。そこで、EBPMツールでありますロジックモデルを参考にして
施策展開シートというものをつくりまして、当初予算事前協議、サマカンですけれども、に活用しておりまして、事業立案、予算編成時における試みを始めているところでございます。デジタル化の進展によりまして、利用可能なデータ、使えるデータが拡大しているという、こういった追い風がある中、今後ともデータを起点とするエビデンスに基づく政策の構築に取り組んでいきたいと思っております。
◆元山芳行
この間の健康福祉分科会で、フレイル予防と介護予防の違いはという質問がありましたけれども、聞いていてもよく分かんなかったです。一般会計と特別会計の違いでしょう程度で理解したところでありますが、これは、さっきから言っているアウトカムが設定されていないから不明確であるんではないかなというふうに思います。これでは事業の修正どころか、事業を実施すればするほど区民ニーズとかけ離れた事業が出てくるというわけであります。そして、こうしたものを、スピード感を持ってぜひ対応していただきたいというふうに思います。そして、今度話を進めるのは、最終的には区民との接点ということになりますが、窓口対応とかもこういう話が先ほどから出ておりますので、包括的な話ではなくて、私の体験談からピンポイントの話をさせていただきたいと思います。窓口対応についてでありますが、職員が区民と接するときの姿勢について、どのような教育をされているのか、お聞きをいたします。
◎総務部長
区では、全職員の共通理念といたしまして、「私たちは、もてなしの心と高い使命感を持ったプロフェッショナルとして区政経営を推進します」というクレドを掲げております。職員一人ひとりが区を代表して対応しているということを常に自覚するとともに、相手の立場に立ち、寄り添う接遇を心がけ、区と関わる、全ての方々が気持ちよくご利用いただけるように努めていかなければなりません。コロナ禍を経まして、人々の生活様式や価値観も大きく変わっております。区民ニーズも多様化、複雑化しておる状況で、窓口では確かな傾聴の下、求められている本質を捉え、より丁寧な対応を進めてまいります。
◆元山芳行
板橋の近年の取組は、これまでいろんな窓口を、言い方悪いですけども、区民目線で言うとたらい回しに遭っているような、そういう部分をしっかりワンストップで捉えていこうということを努力されているというふうに思いますが、私も庁内を回っていて、必ずしもそういう対応ができない方と出会うことがあります。せっかくワンストップでやっているのに、たらい回しじゃなくて門前払いするような方も中にはいますから、ここはしっかり浸透させていただきたいと思います。では、部長がおっしゃったような方針で対応できない職員はどうなっているのかということであります。再教育っていうのはやるんでしょうか。
◎総務部長
まず、窓口対応という視点で申し上げますと、窓口対応の研修制度といたしましては、当然ながら新規採用職員に対します接遇研修のほか、本庁舎の低層階を中心といたしました窓口職場に配属された職員向けに窓口力向上研修を実施してございます。この窓口力向上研修につきましては、受講を希望する職員を対象とした研修ではございますけれども、希望者以外にも所属長による受講勧奨や、あるいは指示、さらに特定の職員に受講させることによって再教育というか再勉強、そういった意識づけをさせることも可能となってございます。適切な職務遂行に課題のある職員に対しましては、豊富な経験を有する職員によるOJTや、上司からの助言や注意、指導を行いつつ、最終的には必要に応じて所属長による教育、育成を実施しているところでございます。
◆元山芳行
所属長にお願いするということもあるかと思いますが、私は各課の課長さんは、総務、人事から送られてきた戦力で仕事をするわけでありますから、磨いた戦力をしっかり配置するという視点でいうと、総務、人事に一定の責任があるというふうに思いますので、そちらでしっかりやっていただきたいと思います。次に、外の施設に目を向けますと、いろんな貸し施設がたくさんあると思いますが、もう時間前なんで簡潔で結構なんですが、どういう貸し施設があって、その貸し施設について、もうずっと職員がついているわけにはいかないので、夜間、休日とか、違う方とか、委託していたりというケースがあったり、体育施設のような丸ごと委託しているとか、そういういろいろあると思います。お貸ししている施設にどういうものがあるのかということと、その委託の状況について簡単にお願いします。
◎
区民文化部長
板橋区の貸出施設には、当区民文化部が所管している施設としては地域センター、集会場、成増アクトホール、高島平区民館、文化会館、グリーンホール、またご指摘のあった体育施設等ございます。他部ではエコポリスセンターとかハイライフプラザいたばしはあるかなというふうに思ってございます。その運営形態につきましてですけれども、管理の委託の施設と指定管理の施設があるところではございますけれども、我が当区民文化部では、まず地域センター、集会場、成増アクトホール等につきましては、原則職員のいる平日の時間帯を除きまして夜間や土日などの休日には委託事業者の職員が利用者への対応を行っております。また、文化会館、グリーンホール、体育施設については指定管理施設ということでご指摘のとおり、24時間指定管理の職員が管理を行っているところでございます。
◆元山芳行
そういう出先の、本庁舎もそうでありますけれども、借りていただく利用者について、どう見ているのかということをお聞きしたいと思います。それから、接客指導についても併せてお伺いしますが、私は利用していただいている方は、もうお客様として見るべきだなというふうに思っておりますがいかがでしょうか。
◎
区民文化部長
特に、地域センターの関係でございますけれども、委託仕様書の中に遵守事項として接遇に関する記述を箇条書の中で示しておりまして、一般的な事項でありますが、指導的な要素としてはちょっと含まれていないという状況もございました。受託先から地域センターに配属される従事者は、当たり前のことではございますけれども、施設利用者をお客様として認識しているものと考えております。また、接客指導の関係でございますけれども、窓口に気を配り利用者に対して適切な接遇を行うよう仕様書に定めてございますけれども、適切な接遇ができていない従事者がいても、区の職員ではないことから、直ちに地域センターの職員が指揮、命令をすることはできない状況でございます。現在、地域センターは、夜間、土日の運営については、板橋区シルバー人材センターに管理委託しておりますけれども、事業者として接遇研修、職種別研修などを定期的に複数回実施し、接遇の向上に努めていると聞いております。しかしながら、今後ともお客様の立場に立ちまして、もてなしを基本とする窓口業務に適した人材育成をするよう、私どもからも要望してまいりたいと思っております。
◆元山芳行
委託先については、なかなか指揮命令で問題があるかというふうに思いますけれども、利用者にとっては区の正規職員だろうが委託先だろうが、もう全く関係ないので、そのあたりはきちっと一定のサービスレベルを展開できるようにしていただきたいと思います。次に、申請更新手続について、先ほども長瀬委員からオンライン化等々ありましたけれども、ちょっと似たようなことでありますが、特に障がいをお持ちの方向けの支援策で、補助金とか助成金があったり、あとは指定難病を受けている方の補助金や助成金の手続があるというふうに思います。これは、私も家族に難病者がいるもんですから、毎年、更新手続を私が代理で行っているわけでありますが、これも毎年更新作業が必要で、その添付書類もいろいろたくさんあって、ちょっとそれに手間がかかる、取得しなきゃいけない書類があったりそういうものがあって、保健所で並んでいると当事者ご本人が直接手続されている方とかもお見受けすることがあります。毎年毎年同じ作業で必要書類もたくさんあってという中で、ご負担は非常に大きなものがあるんではないかな。ここをもう少しテクノロジーを使って利便性の向上に努めていただきたいという思いがありますので、このあたりの質問でありますが、私が所属している健康福祉委員会でも、過日どこに住んでいても適切なサービスが受けられるようにとした要望が出ておりました。もうこの時代の流れで一々役所に行かなくても用が済むというようなサービスの提供の仕方も非常に重要かと思っております。このあたりの改善策について、自動更新ですとかオンライン化について対応していただきたいと思いますがいかがでしょうか。
◎保健所長
難病の更新申請については、大変な思いをされているということは承知をしております。東京都に予防対策課から取りまとめて進達を行っている業務でございます。区としても、指定難病に係る手続がオンラインで行われるようになることを望んでいるところでございますが、進達業務であることから、求められる形で業務を行わざるを得ず、単独で運用を変更することは難しい状況にございます。ただ、国では今オンライン申請に向けてシステムの導入の検討を進めていると聞いております。国の動きを注視し、変更があれば対応してまいりたいと考えております。
◆元山芳行
ぜひ、区からも要望をしていただき、国のほうで整備された事業について、サービスについてはしっかり早くから手を出していただいて、利便性の向上を図っていただきたいと思います。オンラインにかかわらず、この自動更新を、ぜひやってもらいたいなというふうに実感として思っております。まとめますと、窓口対応についてはもうまさに接客でありまして、窓口の対応をするそれぞれの職員の方、身分にかかわらず、その担当する方は板橋区役所を代表してその区民の方に接しているわけでありますから、区役所のその方の対応によって区役所のイメージが、もうこういうちょっとストレスが残るような対応をされると、板橋区ってこんな冷たいねとかそういうふうに思われてしまうので、区長が長年お話ししていますように、おもてなしの心をぜひ隅々まで浸透させていただきたいと思います。できない職員の方は、総務、人事のほうでしっかりと対応いただければと思います。次に、自治体窓口DXSaaSの関係でありますが、ぱんぱんぱんと、ぱんぱんと行かなくていいか、これまでの課題というのはたらい回し、先ほどから話しているように、こういうものに対して区がもっとサービスの向上に向けて今現在努力しているところであります。区民がサービスを受ける際にどこに相談したらいいか。区民からの陳情でよく聞く話です。どこに行ったらいいか分からないと。現在、板橋区はワンストップに対応して努力しているところでありますが、DXSaaSが想定している自治体の窓口の姿として、住民に対して書かない、待たない、回らない、職員に対して窓口、バックヤード、経験の浅い職員も窓口対応が可能になる、こういうものを示しているところです。板橋区では書かない窓口も始まりましたので、いよいよだというふうに思っております。これからの窓口は住民の負担を減らす、職員の業務負担も減らしていく、そしてオンライン化で行かないで済むような窓口、デジタルの力を最大限に活用して自治体のいろんな準備とか運営を楽にしていく、こういうものが必要であると。デジタル3原則としては、デジタルファースト、ワンスオンリー、ワンストップが実現する社会の実現ということを掲げております。板橋の書かない窓口が始まりましたけれども、これはデジタル庁で言うDXSaaSなのかどうか、そのあたりを確認させてください。
◎
政策経営部長
デジタル庁による窓口DXSaaSですけれども、本年6月にサービス提供事業者の採択が公表されましたが、各自治体によるサービス利用開始は最短で本年末から、あるいは来年当初となる見込みということなので、区が導入しました書かない窓口は窓口DXSaaSによらず区が独自に調達したものでございます。
◆元山芳行
別物だということであります。そうすると、ガバメントクラウドの接続とかデジタル田園都市国家構想交付金、これはもう入っていないという理解でよろしいのか、お聞きいたします。
◎
政策経営部長
委員おっしゃるとおり、現状の書かない窓口はDXSaaSによるサービスではございませんので、ガバメントクラウドには接続しておりませんし、またデジタル田園都市国家構想交付金の交付は受けていないところでございます。
◆元山芳行
国でも、これから整備していくところでありますので、先に板橋独自で進みながら、国で用意されたサービスとどういう接続をしていくかということを注視しながら、しっかりやっていただきたいと思います。それで、次は最後に行政改革についてお伺いをさせていただきます。板橋区経営刷新会議から答申を受けて、経営刷新計画ができて16年が経過をいたしました。今日は、その経営刷新会議の答申を持ってきたんですが、こんなに焼けちゃって、私より期の上の先輩はこれよく覚えているかなというふうに思いますけれども、よく決算や予算の質問でも答弁として事業の見直しは、この経営刷新計画に基づいてという答弁をいただくところであります。ここは、平成16年1月16日に答申をしているものでありますが、時代は平成から令和へ進んで、技術革新もかなり大きく進んでまいりました。そんな中でもいまだに板橋区経営刷新計画っていう言葉が出てくるわけであります。この間、実は私、一般区民時代、この会議に委員として活動させていただきまして、それ以来、議会に入ってからは、今日の質疑にもありますように経営改革を訴えてまいりました。ただ、その後の経営刷新計画実施後の大きな変化というものは、私の肌感覚としてあまり感じないところであります。住民の生活に大きな変化が起きて、そして働き方改革も進んできた時代、変化に対応するために、まさにこの議会も改選されまして、今日はその最初の決算総括でありますが、この際、私はいま一度事業の総点検が必要ではないかなというふうに思っております。令和版の板橋区経営刷新会議、この会議は民間の方で構成されている会議でありますので、民間の方々に入っていただいて総点検を実施することを提案いたしますが、いかがでしょうか。
◎
政策経営部長
経営刷新会議ですけれども、長引く経済不況の影響による歳入の落ち込み、それから新たな行政課題による歳出の増による厳しい財政状況を背景に平成15年に設置されまして、広い知見、視点での行財政の基本的方針について議論をいただいたというふうに思っております。経営刷新会議からは、当時の危機的状況に的確に対応していくために、公共施設サービスの民間開放、内部努力の徹底、情報公開と区民の協力、国、都に対する働きかけによる見直しが必要であるという答申をいただいたところでございます。これらの考え方は、持続可能な区政経営の骨格として変わらぬものであるという認識でございますので、改めて有識者による会議体の設置は現時点では予定しておりませんけれども、来年度から次期基本構想あるいは基本計画の検討を開始していく中におきまして、方針を大きく変更するような必要性が生じるようなことがあれば、外部委員の方のご意見を伺う機会を設けていきたいと思っております。
◆元山芳行
このあたりは、区長さんにもお聞きしたいところでありますが、ちょっと時間が、ブザーが鳴っちゃったので先に進みたいと思います。ちょっと時間がなくて残念です。この経営刷新会議には、実は議会も対象で、当時の石塚区長さんも聖域なくやってくれということで、お話を伺いながら対応したわけでありますが、特に佐々木先輩なんか毎回傍聴に来ていただいて、民間の私としては、うわ、怖いなんて思いながら会議をやっていたわけであります。そこで、ちょっと議会のことについても触れたいと思いますが、私は16年間、議会で仕事をしてきて感じているのが、視察の時の移動時間であります。視察時間と移動時間のバランスが悪いケースもあって、これどうにかなんないのかなと常々思っていたところでありますが、いやどうにもなんないんですよというのが何となく条例から読み取れるわけでありまして、我々の移動の根拠となるのは、東京都板橋区議会議員の議員報酬及び費用弁償等に関する条例第7条の第4項に記載されておりまして、区の一般職員に対して支給する旅費の例によるというふうにされております。その例を挙げていただきたいと思います。
◎総務部長
区の一般職の職員に対して支給する旅費の例につきましては、職員の旅行に対して支給する旅費について定めております職員の旅費に関する条例第7条の最も経済的かつ合理的な経路及び移動の方法により計算する旨のことになります。公務上の必要または天災その他やむを得ない事情がある場合には、他の経路や移動手段を認めております。もう少し具体的な特急列車や航空機の利用など、そういったものにつきましては、別途マニュアルで詳細を定めているところでございます。
◆元山芳行
一つの考え方として、タイムイズマネーで考えられないかということで、合理的な、要は運用で構わないというふうに伺ったので、やっぱり議会でもそうした運用を進めていったらいいのかなと、時間を損失することは利益を損失することにもつながりますので、単に経済的な視点だけじゃなくて変えていく必要があるんではないかなというふうに思います。これは、本当は議会改革として質問したいなという部分があったんでありますけれども、議会改革の一つとして私は捉えられるんではないかなというふうに思います。この議会改革についてでありますけれども、令和3年5月の全国市議会議長会総会で、様々な議会改革について、ここにその決議した内容がありますけれども、示されておりまして、中では多様な人材の市議会への参画を促すこととか、選挙制度の見直しとか、議長に対する議会招集権の付与とか、いろいろあと、委員会のオンライン開催、こういうものが示されておりまして、最後に特段の措置を講じられるよう強く要望しますということで、全会一致で決まっているんです。今日は正副議長さんがいますので、併せて、改めて議会改革の必要性も訴えながら、いよいよ時間になりました。ありがとうございました。(拍手)
○委員長
以上で、
元山芳行委員の総括質問は終了いたしました。
────────────────────────────────────────
○委員長
これをもちまして自民党の総括質問を終了し、本日の委員会を終了いたします。
なお、次の委員会は明日10月19日午前10時から開会いたしますので、よろしくお願いいたします。...