板橋区議会 2020-10-27
令和2年第3回定例会-10月27日-04号
日程第11 板橋区
選挙管理委員及び同補充員の選挙
〃 第12 板橋区
教育委員会委員任命の同意方について
〃 第13 板橋区
監査委員選任の同意方について
午前10時00分開議
出席議員 45名
1番 小野田 み か議員 2番
内田けんいちろう議員
3番 高 山 しんご議員 8番 石 川
すみえ議員
9番 山 田 ひでき議員 10番 山 田 貴 之議員
11番 中 村とらあき議員 12番 間 中りんぺい議員
13番 しのだ
つよし議員 15番 こんどう秀 人議員
17番 吉 田 豊 明議員 18番 田中しゅんすけ議員
19番 安 井 一 郎議員 20番 寺 田
ひろし議員
21番 さかまき常 行議員 22番 しいな
ひろみ議員
23番 井 上 温 子議員 24番 荒 川 な お議員
25番 いわい 桐 子議員 26番 坂 本あずまお議員
27番 田
中やすのり議員 28番 いしだ
圭一郎議員
29番 成 島
ゆかり議員 31番 南 雲 由 子議員
32番 竹 内 愛議員 33番 小 林 おとみ議員
34番 元 山 芳 行議員 35番 大 野 治 彦議員
36番 鈴 木こうすけ議員 37番 し ば
佳代子議員
38番 五十嵐
やす子議員 39番 長 瀬 達 也議員
41番 かなざき文 子議員 43番 杉 田
ひろし議員
44番 茂 野 善 之議員 45番 田 中 いさお議員
46番 かいべ
とも子議員 47番 渡 辺よしてる議員
48番 おばた
健太郎議員 51番 川 口 雅 敏議員
52番 佐々木としたか議員 53番 なんば 英 一議員
54番 大 田
ひろし議員 55番 高 沢 一 基議員
56番 中 妻じ
ょうた議員
欠席議員 1名
16番 山 内 え り議員
職務のため議場に出席した事務局職員の職氏名
区議会事務局長 太野垣 孝 範君
区議会事務局次長 森 康 琢君
〃 議事係長 龍 野 慎 治君 〃 調査係長 鑓 水 貴 博君
〃 書記 戸 田 光 紀君 〃 書記 平 山 直 人君
〃 書記 田 中 彩 乃君 〃 書記 飯 野 義 隆君
〃 書記 高 橋 佳 太君 〃 書記 岩 渕 真理絵君
〃 書記 木 村 欣 司君 〃 書記 坂 本 悠 里君
〃 書記 細 田 夏 樹君
地方自治法第121条の規定に基づく説明のための出席者
区長 坂 本 健君 副区長 橋 本 正 彦君
教育長 中 川 修 一君 代表・
常勤監査委員菊 地 裕 之君
政策経営部長 有 馬 潤君 総務部長 尾 科 善 彦君
政策企画課長 吉 田 有君 財政課長 杉 山 達 史君
総務課長 篠 田 聡君
△開議の宣告
◎事務局長(太野垣孝範君) ただいまの
出席議員数は45名でございます。
○議長(
元山芳行議員) おはようございます。これより本日の会議を開きます。
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△
会議録署名議員の指名
○議長(
元山芳行議員) 本日の
会議録署名議員をご指名申し上げます。
小野田 み か議員
山 田 ひでき議員
以上、お2人の方にお願いいたします。
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△諸報告
○議長(
元山芳行議員) 次に諸般の報告でありますが、事務局長より朗読いたします。
〔
事務局長朗読〕
2板総総第399号
令和2年10月27日
板橋区議会議長
元 山 芳 行 様
板橋区長 坂 本 健
板橋区
教育委員会委員任命の同意方について(依頼)
板橋区
教育委員会委員として下記の者を任命したいので、
地方教育行政の組織及び運営に関する法律(昭和31年法律第162号)第4条第2項の規定に基づき、同意を願います。
記
高 野 佐紀子
(
経歴書別紙のとおり)
別 紙
経 歴 書
┌────┬──────────────┬────┬──────────────┐
│ │ │ │ │
│ふりがな│ た か の さ き
こ │生年月日│ ──────────── │
│氏 名 │ 高 野 佐 紀 子
│ │ │
├────┼──────────────┴────┴──────────────┤
│ 現住所 │ ──────────────── │
├────┴────────────┬─────────────────────┤
│ 年 月
│ 事 項 │
├─────────────────┼─────────────────────┤
│ ─────── │ ─────────────── │
├─────────────────┼─────────────────────┤
│ ───────~──────── │ ────────────── │
├─────────────────┼─────────────────────┤
│ ──────~─────── │ ──────────────────── │
├─────────────────┼─────────────────────┤
│ ──────~────── │ ────────────── │
├─────────────────┼─────────────────────┤
│ ───────~──────── │ ─────────── │
├─────────────────┼─────────────────────┤
│ ───────~──────── │ ──────────────────── │
├─────────────────┼─────────────────────┤
│ ───────~──────── │ ──────────────────── │
├─────────────────┼─────────────────────┤
│ ───────~──────── │ ──────── │
├─────────────────┼─────────────────────┤
│ ───────~──────── │ ──────────── │
├─────────────────┼─────────────────────┤
│ ───────~──────── │ ──────────────────── │
├─────────────────┼─────────────────────┤
│ ────────~─── │ ────────── │
└─────────────────┴─────────────────────┘
2板総総第398号
令和2年10月27日
板橋区議会議長
元 山 芳 行 様
板橋区長 坂 本 健
板橋区監査委員(識見を有する者のうちから選任する委員)の選任の同意方について(依頼)
板橋区監査委員(識見を有する者のうちから選任する委員)として下記の者を選任したいので、
地方自治法(昭和22年法律第67号)第196条第1項の規定に基づき、同意を願います。
記
菊 地 裕 之
(
経歴書別紙のとおり)
別 紙
経 歴 書
┌────┬──────────────┬────┬──────────────┐
│ │ │ │ │
│ふりがな│ きく ち ひろ ゆき
│生年月日│ ──────────── │
│氏 名 │ 菊 地 裕 之
│ │ │
├────┼──────────────┴────┴──────────────┤
│ 現住所 │ ──────────────── │
├────┴────────────┬─────────────────────┤
│ 年 月
│ 事 項 │
├─────────────────┼─────────────────────┤
│ ─────── │ ───────────────── │
├─────────────────┼─────────────────────┤
│ ─────── │ ──────── │
├─────────────────┼─────────────────────┤
│ ──────~────── │ ─────────────────── │
├─────────────────┼─────────────────────┤
│ ──────~────── │ ─────────────── │
├─────────────────┼─────────────────────┤
│ ──────~────── │ ───────────── │
├─────────────────┼─────────────────────┤
│ ──────~─────── │ ─────────────── │
├─────────────────┼─────────────────────┤
│ ───────~─────── │ ──────────────────── │
├─────────────────┼─────────────────────┤
│ ───────~─────── │ ─────────────── │
├─────────────────┼─────────────────────┤
│ ───────~─────── │ ─────────────── │
├─────────────────┼─────────────────────┤
│ ───────~─────── │ ────────────── │
├─────────────────┼─────────────────────┤
│ ───────~─────── │ ────────────── │
├─────────────────┼─────────────────────┤
│ ───────~─────── │ ──────────────────── │
│ │ ─── │
├─────────────────┼─────────────────────┤
│ ───────~─────── │ ────────── │
├─────────────────┼─────────────────────┤
│ ───────~─────── │ ────────────── │
├─────────────────┼─────────────────────┤
│ ───────~─────── │ ────────────── │
├─────────────────┼─────────────────────┤
│ ───────~──────── │ ────────────── │
├─────────────────┼─────────────────────┤
│ ──────── │ ──────── │
├─────────────────┼─────────────────────┤
│ ────────~─────── │ ──────────── │
├─────────────────┼─────────────────────┤
│ ───────~───── │ ─────────────── │
└─────────────────┴─────────────────────┘
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
△
決算調査特別委員会報告
○議長(
元山芳行議員) これより日程に入ります。
日程第1から第5までを一括して議題といたします。
決算調査特別委員長から提出された報告第1号外4件に対する
調査報告書は、朗読を省略し、委員長から調査の結果について、報告があります。
決算調査特別委員長 荒川なお議員。
◎荒川なお 議員 議長。
○議長(
元山芳行議員)
荒川なお議員。
〔参 照〕
決 算 調 査 特 別 委 員 会 調 査 報 告 書
本委員会に付託の事件は、調査の結果、下記のとおり決定したので、会議規則第72条の規定により報告します。
記
┌──────┬──────────────────────────┬──────┐
│ 事件の番号
│ 件 名 │ 議決の結果 │
├──────┼──────────────────────────┼──────┤
│報告第 1号│令和元年度(平成31年度)東京都板橋区
一般会計歳入歳│ 認 定 │
│ │出決算 │ │
├──────┼──────────────────────────┼──────┤
│〃 第 2号│令和元年度(平成31年度)東京都板橋区
国民健康保険事│ 認 定 │
│ │業特別会計歳入歳出決算 │ │
├──────┼──────────────────────────┼──────┤
│報告第 3号│令和元年度(平成31年度)東京都板橋区
介護保険事業特│ 認 定 │
│ │別会計歳入歳出決算 │ │
├──────┼──────────────────────────┼──────┤
│〃 第 4号│令和元年度(平成31年度)東京都板橋区
後期高齢者医療│ 認 定 │
│ │事業特別会計歳入歳出決算 │ │
├──────┼──────────────────────────┼──────┤
│〃 第 5号│令和元年度(平成31年度)東京都板橋区
東武東上線連続│ 認 定 │
│ │立体化事業特別会計歳入歳出決算 │ │
└──────┴──────────────────────────┴──────┘
令和2年10月23日
決算調査特別委員長 荒 川 な お
議 長 元 山 芳 行 様
──────────────────────────────────────
〔
荒川なお議員登壇〕(拍手する人あり)
◎荒川なお 議員 ただいまから、
決算調査特別委員会の調査結果について、ご報告申し上げます。
本委員会は、10月13日の本会議において、議員全員をもって設置され、本会議終了後、直ちに
委員会条例第7条第1項の規定による議長招集の委員会が開会されました。
最初に、正副委員長の互選を行いましたところ、委員長には私が、副委員長には鈴木こうすけ委員が、それぞれ選任されました。
次に、本委員会に付託されました案件を、
委員会条例第2条で規定する
常任委員会の名称、委員定数及び所管と同様の5分科会を設置して調査することとし、それぞれの分科会に所管の事項を付託いたしました。
また、
分科会委員は、各
常任委員会の構成員が同一所管の
分科会委員となることとし、その分科会の正副主査には、それぞれの
常任委員会の正副委員長が選任されました。
次に、委員会の円滑・適切な運営を図るために、
委員会条例第4条第4項の規定により、理事会を設けることとし、
内田けんいちろう委員、
山田貴之委員、
安井一郎委員、
田中いさお委員、いわい桐子委員、おばた
健太郎委員、以上6名の方々に、理事委員として就任をお願いいたしました。
引き続き、10月14日及び15日は、分科会において調査を行いました。
14日は、企画総務、区民環境、健康福祉の3分科会が開かれ、
企画総務分科会では、所管の
一般会計決算及び所管の
東武東上線連続立体化事業特別会計決算を、
区民環境分科会では、所管の
一般会計決算を、
健康福祉分科会では、所管の
一般会計決算及び
国民健康保険事業、
介護保険事業、
後期高齢者医療事業の3
特別会計決算をそれぞれ調査いたしました。
15日は、都市建設、文教児童の2分科会が開かれ、
都市建設分科会では、所管の
一般会計決算及び所管の
介護保険事業、
東武東上線連続立体化事業の2
特別会計決算を、
文教児童分科会では、所管の
一般会計決算をそれぞれ調査いたしました。
次に、10月21日、22日及び23日の委員会では総括質問を行いました。
10月21日は、自民党の
田中やすのり委員、
間中りんぺい委員、中村とらあき委員、10月22日には、公明党のさかまき常行委員、
しば佳代子委員、共産党の
吉田豊明委員、小林おとみ委員、10月23日には、22日に引き続き共産党の小林おとみ委員、民主クラブのおばた
健太郎委員、中妻じ
ょうた委員、市民の
五十嵐やす子委員、無所属の会のしいな
ひろみ委員、
無所属議員のこんどう秀人委員、高山しんご委員の順番で行いました。
以上の日程を経て調査を終了し、引き続き表決に入りました。
初めに、報告第1号「令和元年度(平成31年度)東京都板橋区
一般会計歳入歳出決算」、報告第3号「令和元年度(平成31年度)東京都板橋区
介護保険事業特別会計歳入歳出決算」、報告第4号「令和元年度(平成31年度)東京都板橋区
後期高齢者医療事業特別会計歳入歳出決算」及び報告第5号「令和元年度(平成31年度)東京都板橋区
東武東上線連続立体化事業特別会計歳入歳出決算」以上4件について、一括して表決を行ったところ、賛成多数をもちまして、認定すべきものと決定いたしました。
次に、報告第2号「令和元年度(平成31年度)東京都板橋区
国民健康保険事業特別会計歳入歳出決算」について、表決を行ったところ、賛成多数をもちまして、認定すべきものと決定いたしました。
以上、本委員会の調査結果について、ご報告申し上げましたが、理事者各位におかれましては、各委員から調査の過程で示された提案、要望、指摘などを十分に検討され、区民の福祉のさらなる向上を目指し、今後の区政運営に生かされるようお願い申し上げまして、本委員会の報告を終わります。(拍手する人あり)
───────────────────────────────────────
△
決算調査特別委員会報告に対する討論、採決の動議
○議長(
元山芳行議員) これより質疑に入ります。
ただいまの報告に質疑がありましたら、ご発言願います。
◆
間中りんぺい 議員 議長。
○議長(
元山芳行議員)
間中りんぺい議員。
◆
間中りんぺい 議員
決算調査特別委員会報告に対する質疑を省略し、討論の上、直ちに表決するよう、動議を提出いたします。
○議長(
元山芳行議員)
間中りんぺい議員の動議のとおり決することにご異議ございませんか。
〔「異議なし」と言う人あり〕
○議長(
元山芳行議員) ご異議がないものと認めます。
よって、
決算調査特別委員会報告に対する質疑を省略し、討論の上、直ちに表決を行うことに決定いたしました。
───────────────────────────────────────
△報告第1号~第5号に対する討論
○議長(
元山芳行議員) これより報告第1号「令和元年度(平成31年度)東京都板橋区
一般会計歳入歳出決算」、報告第2号「令和元年度(平成31年度)東京都板橋区
国民健康保険事業特別会計歳入歳出決算」、報告第3号「令和元年度(平成31年度)東京都板橋区
介護保険事業特別会計歳入歳出決算」、報告第4号「令和元年度(平成31年度)東京都板橋区
後期高齢者医療事業特別会計歳入歳出決算」及び報告第5号「令和元年度(平成31年度)東京都板橋区
東武東上線連続立体化事業特別会計歳入歳出決算」に対する討論を一括して行います。
通告がありますので、順次発言を許します。
初めに、竹内 愛議員。
◆竹内愛 議員 議長。
○議長(
元山芳行議員) 竹内 愛議員。
〔竹内 愛議員登壇〕(拍手する人あり)
◆竹内愛 議員 ただいまより、日本共産党板橋区議会議員団を代表し、報告第1号「2019年度東京都板橋区
一般会計歳入歳出決算」、報告第2号「同
国民健康保険事業特別会計歳入歳出決算」、報告第3号「同
介護保険事業特別会計歳入歳出決算」、報告第4号「同
後期高齢者医療事業特別会計歳入歳出決算」及び報告第5号「同
東武東上線連続立体化事業特別会計歳入歳出決算」の認定に、反対する立場から討論を行います。
2019年度決算の一般会計は、実質収支で55億5,700万円の黒字、単年度収支でも9億5,000万円の黒字となりました。また、基金は120億円が積み増しされ、過去最大規模の812億円です。4特別会計も全て黒字となりました。地方公共団体の財政の健全化に関する法律に基づく健全化判断比率でも区財政は健全と示されています。
反対する第一の理由は、区の行財政運営の在り方に
問題があるからです。
2019年度は、区の実施計画である№1実現プラン2021の初年度です。本計画では、人口減少社会を前提とし、将来の行政需要の減少を見込み、公共サービスの縮小を進めるものとなっています。区は、目指す方向性として量より質を掲げていますが、量でも質でも住民の福祉向上が図られるよう追求すべきです。
2021計画では、弥生保育園と板橋保育園の民営化が発表されましたが、弥生保育園での保護者説明会で、4年間での民営化に反発する意見が上がり、民営化時期を延期することとなりました。また、同計画では、区立福祉園及び特養ホームの民営化も示されています。区として、民営化しても現行水準を守るという具体的な方策が示されておらず、不安の声が上がっています。区の責任を放棄する民営化はやめるべきです。
加えて、官製ワーキングプアを生み出していることも認識すべきです。委託費には人件費も含まれていますが、決算上でもその内訳は不明です。公務労働にふさわしい処遇になるよう、公契約条例の制定が必要です。
契約差金や不用額の年度途中での流用を原則禁止とし、生じた額は基金に積み立てるとしていることや、新たな現金給付事業は実施しないとの方針に縛られ、区民に必要な施策を行うことができていない状況となっています。コロナ禍では、生活支援としての現金給付事業が実施されています。また、児童養護施設卒園者への家賃助成制度は、クラウドファンディングで行われています。区自らがその必要性を認めているなら、現金給付事業を実施しないとの方針を撤回し、区の事業として実施すべきです。
収入確保として、公有地の有効活用や徴収強化が進められています。学校施設における地域開放事業は、2016年度から有料化が行われていますが、2019年度は780万円の赤字。何と4年間で2,300万円ものマイナスです。有料化により、登録団体が41件減少し、使用件数は1万115件も減りました。収入確保にも有効活用にもなっていません。有料化をやめるべきです。
また、徴収強化では、生活再建に向けた対応についての手順や連携するための組織化が行われていません。納税者の命と暮らしを守り、生活再建に結びつける対応こそ行うべきです。
公共施設等ベースプランは、施設の総量抑制・耐用年数の延伸・区有財産の有効活用との基本方針に沿って、公共施設のマネジメントを行うものです。コロナ禍で一部の計画が繰延べとなりましたが、期間だけでなく、総量抑制方針や施設の在り方など、区民との協働の場をつくり、再検討すべきです。
区が実施しているパブリックコメントの実績はさんざんたるものです。区民参加の機会を保障するためにも、せめてパブリックコメントの期間を30日間に延長することや、説明会の開催方法などを見直し、区民参画を保障すべきです。
第2の理由は、区として区民生活の実態を正しく認識できていないからです。
納税義務者のうち、新たに増えた5,454人の62.9%が標準課税額300万円以下です。納税義務者全体では59.6%、約6割が標準課税額200万円以下の低所得者です。収入状況から見れば多くが非正規雇用であることがうかがえます。コロナ禍で多くの非正規労働者が仕事を失うと言われており、非正規雇用の増加は決して安定的な税収につながるとは言えません。こうした実態を踏まえれば、雇用や所得が改善しているとの見方は撤回すべきです。
また、当年は、多くの国民の反対の声を押し切り、10月から消費税10%増税が強行されました。増税以前から景気は後退しており、10%増税はさらに追い討ちをかけたことは言うまでもありません。
加えてこの10月には、生活保護基準の2回目の改定が行われています。消費税増税分として扶助額が引き上げられたものの、改定の影響で多くの世帯の基準額が引き下がっているはずです。区として実態把握を行うべきです。
東京商工リサーチの調査では、2020年1月から8月までの休廃業件数が3万5,800件を超えています。板橋区内の事業者に当てはめると178件、廃業を考えている事業者8.8%で見ると1,500件に上ります。区は、様々な相談事業を通じ把握していると言いますが、今年2月の相談件数は315件です。多くの事業者が相談窓口にさえ届いていません。
区は、区財政への影響には触れるものの、このような区民生活への影響については、全く関知していません。区民生活を正しく認識することなしに適切な支援を行うことはできません。まず、区民の暮らしの実態を把握し、具体的な支援策を講ずるべきです。
第3の理由は、区が進める政策が区民の実態に即していないからです。
高齢化の進行にもかかわらず、区はその居場所を奪い続けています。いこいの家での入浴事業が廃止となり、利用者が激減しています。加えて、2019年の6月には、利用者が多かった大谷口いこいの家が廃止されました。代替先として民間の施設の利用が案内されましたが、一般的な交流スペースであり、いこいの家に代わる場所とはなっていません。ふれあい館でも入浴事業の有料化で利用者が減り続けています。自宅にひきこもりがちな高齢者の外出のきっかけをつくり、他者との交流は、介護予防や疾病予防の点からもこうした施設が重要であることを認識すべきです。
2019年度は、台風15号・19号の到来など、広範囲での水害が発生しました。区内では、命に関わる被害は報告されていないものの、改めて避難所の職員配置や、要支援者避難計画の策定が進んでいないなどの課題が浮き彫りになりました。このことは、区が自助・共助を強調し、公助の役割を果たしてこなかったことを示しています。区民の命や財産を守るために、より具体的な想定を基にした防災計画に改めるべきです。
幼保無償化がスタートしましたが、無償化の対象が3歳児から5歳児までであることで、2歳児以下の保育料の負担との格差が生じたことや、一部の私立幼稚園では保育料の引上げが行われるなどの課題が露呈しました。
2019年度は481名の保育定員の増となりましたが、区が目標とした2020年度末までに保育園待機児童ゼロについては、達成困難な状況です。
また、保育の質の確保も問われています。区は、死亡事故検証委員会による報告書に基づき、保育の質を引き上げるとし、午睡中の見守り強化のための器具の導入などを行いました。しかし、重要なことは、保育士がゆとりを持って子どもたちと向き合うことができる体制や、働き続けることができる環境づくりであり、保育職員を増やし、抜本的な処遇改善を図るべきです。
いたばし 子ども 夢つむぐプロジェクトは、総事業数83事業、決算額は85億5,294万5,000円となりました。一方で、ひとり親家庭へのホームヘルパー派遣事業の利用世帯は僅か15世帯です。以前は中学生のいる世帯も対象としていましたが、小学生以下の子どもがいる世帯に縮小されました。子どもたちが自分のための時間を持てず、自らの未来を描くことができない社会でいいのでしょうか。目の前の貧困を解決するための具体的な支援策を含め、実効性のある事業にすべきです。
魅力ある学校づくりプランによって学校の統廃合が推し進められています。少人数学級を前提とした学校づくりに転換すべきです。
義務教育に係る不用額を見ますと、小学校で2億136万円、中学校で1億1,359万円です。主な理由として、学校施設の光熱水費等の実績減や施設改修経費の契約差金、給食回数の減による就学援助費の減額です。こうした残額を基金に積みながら、今年度は新たに購入する教員用のデジタル教科書の費用を学校令達予算から差し引くという予算を執行しました。また、学校施設の外壁工事が適切な時期に実施されず、あちこちで雨漏りが発生しています。こうした状況を生みながら、義務教育施設整備基金に49億1,933万円もの積立てを行ったことは
問題です。今の子どもたちの教育環境を置き去りにするべきではありません。
新型コロナ感染拡大により、保健所では当初、電話が通じない状況となり、時間外勤務も急増しました。今年度に入り、体制強化として、医師や看護師の雇用や他部署からの応援などが行われたものの、通常の保健所体制が緊急事態に対応できないことが明らかになりました。区は、今後も検査の民間委託等を進めていくとしていますが、緊急時に保健所としての専門的役割を果たせるよう、検査技師をはじめ医師・看護師・保健師などの専門職を増員すべきです。
2019年度は、介護分も含めると、国民健康保険料の均等割で1,200円の増、所得割では1.66%の増です。区の試算では、夫35歳で年収300万円、妻と子ども2人の4人世帯で、2009年度16万1,678円が、2019年度31万7,931円と、この10年間で2倍にも膨れ上がっています。保険料だけで収入の1割以上を占める異常な高負担です。徴収強化や延滞金の徴収開始により歳入増及び収入未済額の減が図られたと言いますが、高額の保険料をそのままにして徴収を強化することは、生活困窮を生み出す要因となりかねず、減額や負担軽減こそ図るべきです。
また、後期高齢者医療保険事業では、消費税増税とセットで実施された10月からの国の特例軽減措置見直しの影響で、均等割軽減9割の方が8割軽減へと引き下げられました。これにより、1万1,193人の加入者の保険料額が4,300円から8,600円と2倍にも膨れ上がりました。医療が必要となる高齢者の負担を増やすべきではありません。
介護保険については、保険あって介護なしの実態が広がっています。2019年度における未利用者のうち、利用者が2割から3割の所得階層で増加しています。また、保険料の滞納状況を見ると、第5、第6、第7段階でも増加しており、制度開始以来引き上げられ続けている保険料及び利用料の軽減こそ実施すべきです。
産業経済費の構成比は1%となりました。しかし、プレミアム商品券事業経費を除くと0.7%です。消費者や小売業・商店への支援だけでなく、製造業を含めた対策として、後継者不足や事業の転換などの課題、経常経費への支援など、現状に即した対策を講ずるべきです。また、農機具購入のための補助金は、予算を使い切り、順番待ちの状況となっています。年度途中に予算の増額を図るべきでした。
資源環境費には、公衆喫煙所設置による工事費が計上されましたが、計画時点での説明が不十分であったことから、設置場所への理解が得られず、結果的に別の場所へ移転することとなりました。移転のための追加費用を発生させたことは重大な
問題です。
都市整備費は、再開発関係及び
東武東上線連続立体化事業基金への積立てなどにより、大幅な増額となりました。大山まちづくりに関わって、地権者の了解を得ないまま、駅前広場整備の都市計画を審議する都市計画審議会が開かれました。少なくない委員から異論が噴出したにもかかわらず、採決が強行されたことは許し難いものです。地域を分断するやり方はやめるべきです。
第4の理由は、職員の働き方が抜本的に改善されていないからです。
2019年度の時間外勤務のうち、直ちに改善が必要な年間360時間を超える職員が71名もいました。区は、年間360時間を超える超過勤務を行ってもよいとする他律的業務部署を認定しています。過労死を助長するような働き方を進めることは、到底容認できません。
福祉事務所では、厚労省基準が守られておらず、査察指導員の配置が不足しています。ケースワーカーの担当数も80対1を超えており、特に職員の年齢構成を見ると、20代、30代が7割を占め、経験年数も3年以下が8割にも上っています。一部の職員が過重な負担を負っている状況です。
教職員の働き方改革推進プラン2021では、週当たりの在校時間60時間を超える教員ゼロを掲げていますが、現状の把握が行われていません。また、男性教職員の育児休暇取得は僅か2名です。校務支援システムでも業務改善の効果は低いままです。現行の定数管理を改め、抜本的に職員を増やすべきです。
第5の理由は、国保会計において不適切な流用が行われたからです。
国民健康保険事業特別会計では、予算の定めにない、項を超えての流用が行われていた事実が明らかになりました。昨年度に適正な処理を行うことが可能だったにもかかわらず、
地方自治法第220条第2項に反する決済を行ったことは容認できません。
区は、2019年度も財政が厳しいとの見解を強調し、過去最高となる基金額という結果を生み出しました。言うまでもなく、基金への繰入れは、住民のための様々な施策を講じた上で積み立てることが認められているものです。年度を越えた安定的な財政運営のためとしても、これまで指摘してきたように、区民に寄り添う政策をもっとできたはずです。
区民のための区政運営への転換を強く求め、2019年度決算の認定に反対する討論を終わります(拍手する人あり)
○議長(
元山芳行議員) 次に、山田貴之議員。
◆山田貴之 議員 議長。
○議長(
元山芳行議員) 山田貴之議員。
〔山田貴之議員登壇〕(拍手する人あり)
◆山田貴之 議員 ただいまから、板橋区議会自由民主党議員団を代表して、報告第1号「令和元年度東京都板橋区
一般会計歳入歳出決算」、報告第2号「板橋区
国民健康保険事業特別会計歳入歳出決算」、報告第3号「板橋区
介護保険事業特別会計歳入歳出決算」、報告第4号「板橋区
後期高齢者医療事業特別会計歳入歳出決算」及び報告第5号「板橋区
東武東上線連続立体化事業特別会計歳入歳出決算」を認定することに、賛成の立場から討論を始めます。
令和元年度の世界経済においては、米中の貿易摩擦など、海外の社会経済状況に影響を受けたものの、国内の景気回復はおおむね堅調に推移したと考えられます。
台風15号及び19号によって、区内各地で倒木や建物への被害も発生しました。河川水位の上昇によって荒川河川敷が冠水し、また、区内河川の水位も上昇するなど、区民に不安が広がりました。職員の参集や防災情報の発信についての課題も指摘され、速やかに区の危機管理体制の改善も図られました。区内水害対策や避難所体制の強化について関心が高まり、審議が行われたところであります。
令和元年度一般会計の決算は、歳入が2,270億5,400万円、歳出が2,213億5,700万円となり、56億9,700万円の歳入歳出差引額となりました。
歳入では、特別区税の増収等により、前年度と比べて13億2,500万円の増となっています。地方消費税交付金が前年度比4億2,400万円の減、特別区交付金は62億5,900万円の増、国庫支出金は31億4,200万円の増、都支出金は14億8,900万円の増となり、歳入総額は前年比112億8,200万円、対前年度5.2%の増加率となっている。
歳出では、待機児童対策の一環として、私立保育所保育運営費が11億9,000万円の増、さらに、将来負担を見据えて基金積立てを行い、
東武東上線連続立体化事業基金の設置を行い、積立金額45億円、区営住宅改築のために住宅基金に25億4,200万円の積立てを行いました。また、小豆沢体育館プール棟改築経費が25億2,600万円が皆減となり、都合歳出総額は101億9,200万円、対前年度比4.8%の増加となりました。
このように、区財政は景気回復の継続を受けて、特別区税や特別区交付金が大幅な増収となり、歳入環境の改善が見られました。一方で、歳出は、大規模改築の減と将来に備える手堅い基金積立てを実施し、翌年度繰越金55億5,600万円の決算剰余金となっており、おおむね想定の行財政運営であったと認識しております。
基金と起債の活用方針に基づき、義務教育施設整備基金49億円、公共施設等整備基金36億円を計画的に積み立てるとともに、今後の区政住宅の改築のため25億円を積み立て、いたばし№1実現プランの実施計画に基づく建設事業の着実な推進のための財政基盤づくりに寄与しました。
また、財政調整基金には16億円を積み立て、今後の景気後退に伴う財政不足においても、安定的な区民サービスの提供を行っていくための財政環境を整備することができたと認識しております。
財政調整基金から45億円を繰り入れて
東武東上線連続立体化事業基金の設置をし、関連する事業費の会計の明瞭化、事業推進の安定した財政基盤を構築しました。
収入未済額は40億5,600万円、前年度と比較して336万円の僅かに減でありますが、財政規模が増加傾向にある中で、債権管理条例の定めに従って適正な債権管理業務が進んでいると認められます。不納欠損額は4億5,300万円で、前年度と比較して3,200万円の減となっており、減少傾向にあり評価をするものでありますが、不納欠損額は、税負担の公平性を損なうものであり、適正な納税指導と計画的な徴収のさらなる推進を求めます。
財政指標についても、経常収支比率、人件費比率、公債費負担比率においても特段の
問題はなくて、また、健全化判断比率の各指標は、いずれも早期健全化基準を下回っており、適正なものと認められます。
実質収支額55億5,600万円の黒字となり、前年度比で9億5,000万円の増により、実質収支比率は4.1%となり、前年度の3.6%から0.5ポイント改善し、さらに望ましい適正な状況が継続し、財政の健全化が図られたと考えます。
経常収支比率は78.9%となり、前年度比3.7%を下回りました。リーマンショック以降の毎年70から80%とされる適正水準を上回る推移を脱しました。しかしながら、今後、コロナ禍において、区民の命や生活を守るための行政需要が高まり、義務的な経費が増加していくことは確実と考えています。財政の硬直化についての懸念は、令和元年決算以降顕在化していくものと考えており、引き続き社会情勢の動静を見守りながら、財政の弾力化を求めます。
主要施策については、年間を通して委員会でも審議をしてまいりましたので、各委員会ごとに評価をいたします。
企画総務委員会では、計画については、本庁舎周辺の公共施設の活用、本庁舎北館長寿命化改築、旧高島第七小学校跡地を活用した公共施設の再整備、板橋区駅前B用地一体的活用についてを、また、工事契約内容については、契約議案として中央図書館改築工事、上板橋第二中学校改築冷暖房換気設備工事、板橋第十小学校改築冷暖房設置工事等について説明を求めました。
板橋駅前B用地一体的活用については、計画の延期が伝えられており、詳細の説明を区民も待ち望んでおります。議会としても審議に時間をかけてまいりましたので、計画にできる限り沿うように粘り強い交渉を期待しています。
旧高島第七小学校跡地周辺の再整備については、新たに学校跡地の利活用方針も示されましたが、区民への早期の具体的な説明が実現することを求めます。
ふるさと納税を活用したクラウドファンディング事業では、3つの事業が区民のご協力によって、目標額の資金が確保されました。特に児童養護施設卒園者住まい応援プロジェクトは、施設を巣立つ若者を支援する意義のある事業となったことを評価いたします。
区民環境委員会では、板橋区産業振興事業計画2021の原案、地域温暖化対策(仮称)地球温暖化対策実行計画(区域施策編)2025、板橋区役所駅前公衆喫煙所の開設(高島平地域への移設)、プレミアム付商品券事業、区立美術館のリニューアルオープン、3公益財団法人の経営状況についての説明を求めました。
消費税増税を見据えて、プレミアム付商品券の速やかな発行により、区内消費を下支えしたことを評価します。板橋区商店街振興組合連合会発行のプレミアム付商品券と併せて、国のプレミアム付商品券の制度も活用し、広く区民、特に低所得・子育て世代への商品券販売を行いました。
1年2か月の閉館期間を経て、区立美術館のリニューアルオープンがなされました。地域で過ごす時間が増えている今、区立美術館が果たす役割は大きいと考えます。充実した環境を生かし、コロナ禍で萎縮する文化活動を支え、芸術体験を担うことを求めます。
改正健康増進法及び東京都受動喫煙条例の施行により、施設内での受動喫煙が制限されることを受け、高島平地域へ公衆喫煙所を設置しました。決定過程において様々な課題を指摘申し上げましたが、今後とも受動喫煙に配慮するため、他地域への速やかな設置を期待します。
健康福祉委員会では、手話言語条例の条例案の概要(パブリックコメント)、板橋区地域保健福祉計画 地域でつながるいたばし保健福祉プラン2025(最終案)、AEDの24時間対応、就学前の障がい児の発達支援の無償化に係る区の対応、産後ケア事業の実施について説明を求めました。
産後ケア事業では、既存事業の見直しを図り、訪問型、宿泊型の2種類の産後ケア事業を始めることで、支援を必要とする方の育児不安を解消するような制度設計を行ったことを評価します。
AEDの24時間対応については、区民の要望を受け、各地域センターに電源が不要の24時間稼働・使用が可能なAED18台の設置をしたことを評価します。さらに、土日の地域スポーツの活動拠点である小・中学校など、屋外型AED設置を広げ、区民の安心・安全に資することを求めます。
板橋区発達障がい者センターは、自立と就労支援を目的に今年度竣工しました。令和元年度は、同センターの開設に向け、事業の運営を担う福祉法人との委託契約を進め、着実な準備を行ったことを評価します。
都市建設委員会では、まちづくりの状況については、大山駅周辺地区のまちづくりの状況、大山駅前広場計画等に関する都市計画案の説明会、高島平地域のまちづくりの状況、板橋駅西口周辺地区・上板橋南口地区のまちづくりの状況について説明を求めました。
また、ブロック塀調査結果、板橋区分譲マンション実態調査の調査結果、シェアサイクルの実施、犬の連れ込みができる公園等、こども動物園改修工事等についても説明を求めました。
大山駅前広場の説明会の手法については、コロナ禍でも行政の説明責任を果たしていくために、効果的な説明手法についてさらに検討を進めることを求めます。関係職員が該当する地域を説明に伺い、理解を求める姿勢は大切にされるべきで、評価をいたします。今後とも必要に応じて丁寧な説明を心がけていただきたいと思います。
大阪北部地震の教訓から、ブロック塀の調査を行いました。調査対象4,796件のうち、危険度Dランクは288件でした。有効な調査結果を生かして、引き続き減災対策を進められることを求めます。撤去に関する助成制度の周知を行い、制度活用をもって民間所有の箇所への理解も広げていくことを期待します。
犬の連れ込みができる公園、シェアサイクル、こども動物園改修、板橋区のブランドイメージを構成するような事業へのチャレンジを評価します。一方で、区民ニーズの把握に努める謙虚な姿勢が求められます。今後も、議会との議論や対話を通じ、また、区民参加の機会を生かして、住みやすい板橋の実現を追求していただきたいと考えます。
文教児童委員会では、幼児教育・保育の無償化への区の対応、児童相談所設置に向けた検討状況、史跡陸軍板橋火薬製造所跡保存活用方針、いじめの重大事態に係る調査経過について説明を求めました。
私立認可保育所6か所の新設、既存2園の増改築等により、新たに保育定員枠481名分の増加を図り、待機児童対策を着実に推進したことを評価します。
令和元年10月からは、幼児教育・保育の無償化を実施し、国の制度設計に準じて、区内の子育てニーズに応じてきた点を評価します。現行制度の維持を図りながら、子育てがしやすい板橋区のブランドイメージを確立するため、子育て支援策を効果的に効率的に広く宣伝し、子育て世代の流入、さらに定住化が進むように区の努力を求めます。
区立保育園で使用済みの紙おむつが処分されるようになりました。これまで退園時に保護者が持ち帰り、自宅で処分していましたが、我が会派の要望を受けて、早期に保護者の負担の軽減を図ったことを評価します。
猛暑となることが頻発することを鑑みて、早急に一部学校に屋内運動場に冷暖房設備設置を行ったことを評価します。改築事業を行っていた学校においても、設計変更を経て導入が行われました。設置状況を踏まえて、さらなる拡充を行うことを確認しました。
新中央図書館は、令和元年度から工事が始まり、現在、建物の全体像が把握できるようになっています。我が会派が訴えてきた公園との一体的な整備を行うべく、今後は、ランニングコースの再整備、屋外ベンチ、植栽などの公園整備が予定されています。来館者に心地良い、いわゆる居心地のインフラ整備をすることで、地域経済への効果も上がると期待しています。
(仮称)子ども家庭総合支援センターの設置については、説明を求めるごとに詳細な検討状況が明らかとなっています。計画的に区民説明会を行ってきたこと、計画的に児童福祉司、児童心理司を派遣してきたことを評価します。今後も、計画的な人材育成と関係機関との調整を着実に進めていくことを求めます。
次に、
特別会計決算について申し上げます。
国民健康保険事業特別会計については、歳入は573億5,700万円、歳出は563億6,100万円となり、差額は9億9,500万円となり、一般会計からの繰入額は64億7,100万円となります。
介護保険事業特別会計については、歳入は419億5,400万円、歳出は407億400万円となり、差額は12億4,900万円となり、一般会計からの繰入額は55億7,800万円となります。
後期高齢者医療事業特別会計については、歳入は121億4,300万円、歳出は120億1,600万円となり、差額は1億2,800万円の差額となり、一般会計から61億500万円となります。
東武東上線連続立体化事業特別会計については、歳入2,040万円、歳出1,992万円、差額は48万円となっています。
東武東上線連続立体化事業特別会計を除く3特別会計の収入率については、特別会計全ての保険料収入に若干の改善が見られますが、依然として改善の余地があります。特別区民税と同様に、負担の公平性の観点から、収入未済の解消に向けて、さらなる徴収努力を要望いたします。
国民健康保険事業特別会計処理においては、自治法に違反した不適切な流用が発覚し、令和元年度の最終補正予算において増額繰戻しが行われました。議会、区民との信頼関係が著しく損なわれる事態でありました。
この件に関し、我が会派では、令和元年度の最終補正予算時と令和元年度決算時において、
問題の指摘と再発防止を求めてきました。区から示された発生状況の説明と再発防止案や人為的なミスによる点については、システムの変更を行う等説明を受けました。再発防止策として示された紙面による複数回のチェック体制の徹底、不適切な予算流用防止のための職場内研修の継続的な実施、加えて、我が会派としては、項の流用は原則行わない、OJTを通じた業務経験知の底上げ、内部統制の強化を強く要望し、再発防止の徹底を求めます。
以上の指摘を申し上げた上で、4特別会計全体としては、おおむね妥当な決算内容であると判断に至りました。
最後になりますが、3点申し添えます。
1つ目に、会派所属議員の提案・指摘を十分に検討され、区政に反映していただくことを申し添えます。
2つ目に、緊急財政対策の実施により、今後の予算見通しの厳しさは、議会とも既に共有をされました。令和元年度以降、コロナの影響を受ける数年間は、事業そのものの意義が問われる機会が増えるのではないかと考えます。安易な事業の自粛や中止や縮小は、その意義を見失った行為となりかねません。誰のために、何のために行うのか、そのことを踏まえて、事業についての十分な検討をお願いします。
3つ目に、コロナによって世界情勢は予断を許さない中、日本は景気回復と感染防止に取り組んでおります。しかし、いまだ多くのリスクを含んだ困難な状況にあることは変わりません。区民の安心・安全、生命と財産を守るという使命感と緊張感を持って業務に取り組まれることをお願いいたします。
以上、令和元年度の予算執行は、坂本区政の掲げる3つの基本目標である、未来をはぐくむあたたかいまち、いきいきかがやく元気なまち、安心・安全で快適な緑のまちに見合った政策の推進に資するものであり、適正かつ着実に行われたと認定します。
したがいまして、令和元年度板橋区
一般会計歳入歳出決算外4
特別会計決算認定に賛意を示し、私の賛成討論を終わります。(拍手する人あり)
○議長(
元山芳行議員) 次に、井上温子議員。
◆井上温子 議員 議長。
○議長(
元山芳行議員) 井上温子議員。
〔井上温子議員登壇〕(拍手する人あり)
◆井上温子 議員 報告第1号「令和元年度東京都板橋区
一般会計歳入歳出決算」、報告第2号「同
国民健康保険事業特別会計歳入歳出決算」、報告第3号「同
介護保険事業特別会計歳入歳出決算」、報告第4号「同
後期高齢者医療事業特別会計歳入歳出決算」及び報告第5号「同
東武東上線連続立体化事業特別会計歳入歳出決算」に対する反対討論を無所属の会を代表し、行います。
板橋区の令和元年度決算は、歳入2,270億5,500万円、歳出2,213億5,700万円、実質単年度収支は22億220万7,800円の赤字となりました。平成29年度は約26.8億円の黒字、平成30年度は約49.6億円の黒字で推移してきましたが、実質単年度収支が赤字に転じています。これは、
東武東上線連続立体化事業基金へ45億400万円を積み立てた結果です。
万が一のときに備えて貯めてきた財政調整基金を、東武東上線立体化事業基金に充て、実質単年度収支を赤字にしてしまったことに納得することはできません。ハードのための財政調整基金ではなく、まさしく今のような危機的な状況のためにとっておく、区民のための財政調整基金であってほしいと願うからです。
また、板橋区の歳出総額に占める扶助費は、令和元年度835億円の37.7%、平成30年度817億円の38.7%、平成29年度の819億円の39.2%で、年々割合は減ってきています。しかし、新型コロナウイルスの影響により、今後は、生活保護費等が来年、再来年で増えていくことが予測されます。
行政は、富の再分配が最大の役割です。生活保護が必要な人にきちんと届くように、また、その他の事業においても、しっかりと区民の生活を守ることができるよう、再開発事業への投資から福祉への予算拡充へかじを切ることが求められていくでしょう。
さて、2019年度の決算をチェックするに当たりまして、5年前の2015年の国勢調査のデータを改めて確認しました。現在、2020年の国勢調査が行われていますが、世帯の現状と区政で行われている事業が整合しているのか否かをチェックするためです。
2015年の時点において、板橋区の世帯数は29万1,149世帯で、そのうち1人世帯は14万9,236世帯、51.2%となっています。男親と子どもから成る世帯、女親と子どもから成る世帯は2万2,255世帯で7.6%となっています。夫婦と子ども2人の4人で構成される世帯で、世帯主1人だけが働く世帯を標準世帯と考えた考え方は、遠い昔の話になっています。
標準世帯を軸とした政策決定は、板橋区でも当然されていないことと思いますが、単身世帯がますます増え、世帯当たりの人数が減っていく中、家庭内で行われてきたことをいかに社会で担い合い、孤立させない暮らしづくりができているのでしょうか。
今回の討論では、反対する視点を5点取り上げます。
1、1人でも孤立せずに生きられる社会づくり。
単身世帯が増えていく中で、孤立しない地域社会づくりが必要です。どれだけ社会状況が変化しても、人と人との交流は生きていく中で欠かせないものです。市場が拡大するにつれて、地域の支え合い・助け合いは減り、交流する機会が減ってきました。世代や国籍、障がいの有無を超えて様々な人たちが地域で交流することは、昔なら自然だったと思いますが、現在は、その当たり前のことを、地域共生社会として目指し、交流を生み出していかなければならない時代となっています。
地域共生社会をリアルに表現する場としては、多様な人たちが接点を持てる共生型の地域交流拠点の設置が必要です。地域活動の現場で起きていることは、子ども食堂、介護予防、認知症カフェ、障がい者の余暇活動等と、縦割りで全てが対象別に分断されているということです。子ども食堂だけれども、担い手の高齢者の介護予防になっていて、障がい者も一緒に参加している。1つの事業には、多面的な役割があるにもかかわらず、1面的な評価しかしないのはもったいないと考えます。現在の縦割り制度を見直し、共生型の補助制度の創設や、多角的視点で包括的に地域活動と協働できるような体制づくりを求めます。
生活体制整備事業では、協議体が設置され、1層、2層と生活支援コーディネーターが配置されていますが、地域活動の現場、住民主体の交流拠点や、早期実現が求められている住民主体の訪問事業にも第3層のコーディネーターが必要です。本来は、3層、2層、1層と立ち上げていけば、ボトムアップの地域づくりが実現できましたが、現状、板橋区での立ち上げは逆になっています。今後、3層に力点を置いた予算化、事業実施をすることで、1人でも孤立しない地域づくりができると考えます。
また、在宅の高齢者を支える制度が不十分です。一人暮らしでも自宅で暮らし続けられるようにするためには、介護人材の確保や訪問介護の拡充、訪問型サービスBの制度化は待ったなしです。自宅で生活支援や介護・看護・医療を受けながら暮らしたいと願っている人は数多くいるにもかかわらず、施設入所に比べ、制度が不十分です。
家族介護ありきになってしまっており、家族に負担がかかってしまうから施設に入所するという方、一人暮らしだから在宅は無理と諦める方も多数いらっしゃいます。施設入所と在宅での暮らし、1人当たりの経費の分析を進め、自宅でも十分な生活支援や介護・看護・医療を受けながら暮らせるよう予算を確保し、在宅での暮らしの支援策を充実させていくことが重要です。
特に介護人材の不足は深刻で、育成は急務です。令和2年度より200万円の予算をつけ、介護職員初任者研修の資格取得のための助成金制度が始まりましたが、介護福祉士実務者研修の資格取得の助成金も併せて実施している区が17区あります。国家資格である介護福祉士を取得できる要件となる介護福祉士実務者研修の受講者にも助成金を出していただくなど、介護人材の育成に重点を置くよう要望いたします。
障がいがあっても、板橋区で暮らし続ける地域社会づくりには、さらに力を入れていく必要があります。医療的ケアが必要な方を含めて、障がい児を預かれる保育所や通える学校、障がい者の相談支援やグループホーム、日中一時支援等の拡充を行い、家庭ありきではなく、地域で共に暮らし続けられるよう実現を求めます。
2、子どもたちの計画は子どもたちに。
子どもたちが放課後を過ごす場所の環境は変化をし続け、現在、板橋区では、子どもの放課後の居場所はあいキッズを中心とせざるを得ない状況にあります。児童館は、利用者は0歳から18歳未満までですが、現在は乳幼児親子が中心となっています。その結果、平成25年度には43万人利用していた小学生は、令和元年度2万人にまで減少し、5年前と比較すると、年間約41万人減少、昨年と比べても6,000人減少しています。逆に、乳幼児の利用が伸びているかというと、平成29、30年度は33万4,000人だったのが、令和元年度は27万5,000人へと減少しており、3月の新型コロナウイルスの影響を考慮しても、減少幅が大きく、児童館の有効利用の観点からも
問題があると考えます。
昨年11月から、幾つかの児童館で時間帯別利用者調査を行いましたが、いずれも放課後の16時以降の乳幼児親子の利用は少なく、夕方以降を小学生の遊び場とするなど、共存できる可能性が見えています。児童館は、以前、夏は6時まで開いていましたし、児童館の在り方の再考を強く求めます。
一方、あいキッズは学校の延長上にあり、様々な理由で行けない、行きたくない、楽しくないという子どもたちがいます。あいキッズがあるからと児童館を締め出され、放課後の居場所を狭められている子どもたちの状況を懸念しています。
30年度から、小学校を通じて、全児童を対象にあいキッズについてのアンケートを実施していますが、回答率は30年度11.9%、令和元年度は10.5%と大変低いままです。特に令和元年度、5年生が全体の回答者のうち6.1%、6年生は4.3%となっています。また、回答者が少な過ぎて参考としてよいのか分かりませんが、30年度のアンケートの聞き方では、あいキッズが楽しくないと答えた児童は6.6%でしたが、令和元年度は、聞き方を変えたところ14.8%に上昇しています。
さらに、気になるのは、あいキッズにもっと欲しいものは何ですかという問いへの答えに関しては、思い切り遊べる場所との答えが17%で1位だった平成29年度のアンケート結果がありますが、30年度からは、自由に遊べる場所という表記に変わりました。設問が変わった結果、30年度12.2%、令和元年度11.9%と下がっています。思い切り遊べる場所が欲しいと答えた子どもたちの声は、どこに行ってしまったのでしょうか。
逆に落ち着いて過ごせる場所が欲しいという声もあります。利用人数が多い北野小学校のあいキッズに無所属の会で視察に行ったところ、児童100人を超える利用があり、音の測定器を持参したところ、91デシベル以上の数値が出ました。勉強は、地べたに教科書やノートを広げていて、健康上も衛生上もよくありません。あいキッズ事業については、小学生の安心・安全な居場所として機能しているという評価が強調されていますが、課題についての調査や分析が不十分です。
全児童対策なのであれば、回答率はもっと高くなければ参考になりませんし、アンケートの内容をどのように事業に反映させていくのか、子どもたちの声は結局届いていないのではないかと疑問でなりません。
また、公園に行っても禁止事項が多く、やりたい遊びができる環境にないという声も聞きます。子どもの遊び場について、昔と今、どのように違っているのでしょうか。今どのような環境で子どもたちは育っているのでしょうか。子どもの遊び場について計画が策定されていないのはおかしくないでしょうか。あいキッズや児童館、公園、校庭開放、土手など、行政として子どもの遊び場についての現状を調査し、乳幼児、小学生、中学生、高校生と年代別に子どもたちの遊び場がどのような状況になっているのか、何を充実させるべきなのか、子どもたちにも主体として参画をしてもらいながら検討し、子ども遊び場計画を策定し、改善していくことを求めます。
3、未来に希望を持てる支援を。
養育費は、子どもたちのための当然の権利の1つです。離婚後、養育費を受け取ったことがない人は板橋区で約7割。ひとり親で子ども育てている方の多くは養育費をもらっていません。不払いを解消するために、先行自治体を参考に、東京都でも支援制度を開始し、港区や豊島区で、保証会社を利用した養育費の受取り支援が始まっています。
板橋区においては、直接支援をする考えはないと時代の流れに逆行した答弁でしたが、子育て世帯が安心して暮らせるまちと認識してもらうためには、支援に乗り出していく必要があるのではないでしょうか。
事業実施をしている豊島区は、以前、消滅可能性都市と言われましたが、それ以来、目覚ましい変化を遂げていると感じます。板橋区は、子育て世代の流出が顕著ですが、豊島区のような危機感がなく、歯止めをかけようとする施策に乏しいのではないでしょうか。
親が生活保護を受給している家庭の子どもは、アルバイトをしていても、稼いだお金の一部が収入認定されてしまいます。部活や、学業や、将来の進路など、認定除外してもらえる部分もありますが、令和元年度、15歳から18歳の子どもたちのアルバイト代から収入認定された額は3,392万3,466円です。昨年度は2,959万5,703円で、収入認定された額は増えています。区長は、国に制度改正を求める考えはないが、高校生世代の生活保護受給者が、自立更生に資する費用を家計に頼ることなく捻出する努力をしていくことについては応援をしていきたいと答弁していましたが、どう応援をしているのでしょうか。できる限り自分の将来に投資できるよう、十分なアドバイスをできているのでしょうか。本来なら、将来の投資に限らず、自分で稼いだお金ぐらい好きなことに使ってほしいと思いますし、生まれながらにして不公平となっているこの制度の改善を区として要望していってほしいと考えますが、アドバイスも十分にできていないのではと懸念します。
生活保護世帯の子どもたちのサポートを含め、生活にお困りの方たちへ十分にサポートしていこうと考えると、板橋区の福祉事務所のケースワーカーの数を増やしたり、福祉事務所の数自体を増やしていく必要があると考えます。
住まいを失ってしまった方、仕事を失ってしまった方、人生自体に諦めを感じてしまっている方、いろいろな人が福祉事務所に助けを求めてくると思います。相談しても解決策がなく、つなぐところもなく、帰ることになる人もいると思いますが、どこにもつながらなかった人が1人でも少なくなるよう、地域資源の活用も含めて対応をお願いします。また、丁寧に対応するためには、ケースワーカーの増員だけでなく、精神面のサポートや研修、理念の共有も必要です。新型コロナウイルスの影響で、今後さらに困窮者が増えていくことが予想されますが、未来に希望を持てる事業の実施、体制の強化を求めます。
4、虐待、体罰の早期発見と被害者を守る視点を。
2013年8月30日、定例校長会において、当時の教育長が板橋区立学校から体罰をゼロにすることを宣言しています。しかし、板橋区の小学校の特別支援教室で、2019年度から暴言などの不適切な指導が行われていたことが匿名の方の通報により明らかになりました。不適切な指導についての改善を求めていくに当たって、4つの
問題点が明らかになったと考えています。
1点目は、不適切な指導が発覚した後の初動の遅さ、2点目は、子ども第一に考えて動く第三者機関の不在、3点目は、対応マニュアルの不在、4点目は、特別支援教育に当たる教員が特別支援の免許を持っていないことが多く、専門性が低い場合があるということです。
体罰ゼロを宣言し、体罰が起きることを想定していないのか、体罰が起きた際のマニュアルがなく、大変不透明です。改善を求めます。
また、障がい者施設で起きた虐待についての対応でも、被害者を守ることを第一にした対応ができていない現状が明らかになりました。被害が報告されても加害者側が施設に残り、被害者は施設を後にせざるを得ない状況を作ってしまっているのです。初動の遅さと被害者を第一に考えて守ることができないということは、教育委員会と共通の課題であり、早急な改善を求めます。
5点目、ボトムアップを生かした行政運営を。
子ども食堂の支援については、ふれあい農園会の野菜を板橋区が買い取り、子ども食堂へ提供していること、補助額の拡大などについては評価をしていますが、いずれも単年度の計画となっているため、継続的な支援を進め、地域団体が安心して活動を継続できるよう進めていただきたいと思います。
子どもの居場所の普及にさらに力を入れることで、板橋区であれば、ひとり親でも、共働きでも圧倒的に暮らしやすい、そんな地域を目指していただきたいと思います。
空き店舗ルネッサンス事業については、家賃と人件費を補助していますが、月40万円、3年間で1,440万円の補助をしてきて、3年たった瞬間、廃業しているところもあります。きちんと公募を行い、将来の事業継続性を見た上で支援を行うなど、事業実施の見直しを図る必要があると考えます。
現在、社会福祉協議会が、いたばし総合ボランティアセンターの事務局を担っています。将来の在り方については、区や社協が指導することなく、住民やNPOが中心となり、総合ボランティアセンターの今後の在り方について検討していくことを改めて求めます。
生活体制整備事業の協議体についても、市民活動への理解が必要との記述があります。さらに、少子高齢化が進む地域社会においては、地縁組織だけでなく、市民活動・NPOや各種ボランティア団体の力も生かし、ボトムアップでの地域づくりをしていただきたいと思います。
次に、特別会計についてです。
国民健康保険については、保険料が高過ぎるため、抜本的な改革が必要です。
後期高齢者医療事業については、後期高齢者だけを抜き出し、医療制度をつくる必要があるのか疑問です。制度の一元化を進めていく必要があると考えます。
介護保険事業についてです。年々介護保険料が高くなっていくのが当然のことのようになってしまっていますが、介護保険料を上げないと決めて、制度設計をし直す必要があるのではないでしょうか。また、介護人材の不足は深刻です。担い手の確保、育成に力を入れなければなりません。施設が足らず、死に場所難民も出ると言われ、在宅での老後を支える仕組みへの予算化を拡充すべきです。
次に、
東武東上線連続立体化事業についてです。なぜ東上線の立体化について特別会計を作るのかが不明です。基金は特別会計がなくても作れますし、例えば、高島平のまちづくりについても、将来特別会計を作っていくというのでしょうか。新型コロナウイルスで財源不足が続いていくことが予測されます。都市開発などのハード優先の事業実施ではなく、福祉優先の板橋へ転換するためには、実質単年度収支を赤字にしてしまった45.4億円を基金に積み立てた判断は反省すべきと考えます。
最後に、昨年、愛知県長久手市のゴジカラ村を会派で視察させていただきました。そこでは、高齢者施設や子どもの施設が複合的に設置されています。アフターファイブの5時からは、みんなごちゃまぜで一緒だよという共生の理念がありました。
孤立させない暮らしづくりを目指し、保育や障がい、高齢者福祉の専門的な事業を充実させていきながらも、地域社会においては、共生や交流事業の推進や、当事者主体でのボトムアップの事業運営を進めていくことを改めて求めまして、令和元年度決算に対する討論を終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手する人あり)
○議長(
元山芳行議員) 次に、田中いさお議員。
◆田中いさお 議員 議長。
○議長(
元山芳行議員) 田中いさお議員。
〔田中いさお議員登壇〕(拍手する人あり)
◆田中いさお 議員 板橋区議会公明党を代表いたしまして、令和元年度
一般会計歳入歳出決算、
東武東上線連続立体化事業特別会計決算並びに3
特別会計決算の認定に対して、賛成の立場から討論を行います。
令和元年度の日本経済について、年度前半は、雇用・所得環境の改善や、企業の良好な収益環境を背景に緩やかな回復基調が続きましたが、年度後半におきましては、消費増税後の個人消費の減少傾向、海外経済における通商
問題の影響や、新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大から、急激な後退局面となりました。
令和元年度予算は、東京で一番住みたくなるまちの実現に向けた新たな実施計画、いたばし№1実現プラン2021の初年度で、東京2020大会の施策展開と、SDGsを取り入れた区政のステップアップを図っていくため、各部局の連携で、組織の横断的な取組を推進し、区政課題の解決に向けた施策を戦略的に展開、事業のさらなる見直し、再構築、編成をしたものと考えます。
一般会計の決算状況を見てみますと、歳入が2,270億5,000万円、歳出が2,213億5,000万円となり、翌年度への繰り越す財源を除き、55億5,000万円の決算剰余金が生じています。
財政指標につきましては、経常収支比率は78.9%となり、経常経費の伸びを上回る特別区税や特別区交付金等の増収などにより3.7ポイント改善いたしました。
人件費比率は14.6%となり、0.6ポイント減少し、公債費負担比率は2.7%となり0.3ポイント増加いたしました。
なお、健全化判断比率につきましては、実質赤字比率、連結実質赤字比率、実質公債費比率、将来負担比率の4つの指標のいずれも早期健全化基準を大きく下回る適正な数値を示しており、評価いたします。
新型コロナ感染症の拡大により、感染防止などの危機管理の対応や経済支援等の行政運営において、ICTの活用・充実で情報共有化を進めるとともに、縦割り行政の打破と克服は、区民サービスの質と量の充実を図ることにおいて、最重要の行政課題となりました。
坂本区長におかれましては、これまで以上にリーダーシップを発揮していただき、具体的にこの縦割り克服の行政課題に取り組み、スピード感を持って、きめの細かな区政運営をなされるようお願い申し上げます。
それでは、令和元年度の主要事業の成果について、基本計画における3つの基本目標に沿って意見と要望を述べさせていただきます。
まず、第1の柱は、未来をはぐくむあたたかいまちについてであります。
初めに、子育て安心の実現に向けましては、産後間もない母子を対象に、助産師が家庭を尋ねる訪問型と、助産所と医療機関等に宿泊して支援を受ける宿泊型による産後ケア事業を実施したことについて、大変評価いたします。
今年度、東京都は、妊娠・出産・子育ての切れ目のない支援体制の整備を進めるため、とうきょうママパパ応援事業を始めております。補助率10分の10という財政的に力強い支援策で、この事業には多胎児家庭支援が含まれています。区議会公明党は、令和3年度予算重点要望に多胎児支援事業の導入を盛り込みました。移動支援やレスパイト事業、さらには産後ドゥーラの導入等、多胎児世帯に早急の支援策を講じるよう求め、要望いたします。
子育て世代の負担軽減を図るため、国の制度に対応し、令和元年10月から、幼児教育・保育の無償化を実施するとともに、私立認可保育所6園の新設、既存2園の増改築及び大山西町保育園の民営化により、481名の定員増を図り、待機児童対策に引き続き注力をしたこと、また、区立保育園において、これまで保護者が持ち帰り処分をしていた使用済みの紙おむつを区が処分することとし、保護者負担の軽減を図ったことについて、高く評価いたします。
また、小規模保育所、家庭福祉員の園児が認可保育所の3歳児枠に先行利用調整できるよう制度を改善したことも評価します。
さらに、全国的に子どもの居場所としても注目される子ども食堂につきましては、運営する民間団体等に対しまして、食堂を安定的に運営できるよう支援したことについても評価し、今後の展開に期待いたします。
次に、安心の福祉・介護におきましては、子どもたちの一人ひとりの進学や学力向上の意欲を引き出し、将来に向けた希望や方向性を見いだすことができる環境整備をするため、学習支援、居場所の提供、保護者への助言などを行う拠点まなぶーすを新たに1か所増設したことについて評価いたします。
区立福祉園民営化についてですが、重度重複障がい者、医療的ケアの必要な障がい者が利用できる通所保障及び事業者が安定した運営となるよう、現在と同様に、区としてセーフティネットとしての役割を継続して支援を行うよう要望いたします。
福祉避難所について、高齢者や障がい者の方で、配慮を必要とする要配慮者を受け入れるための避難所施設ですが、直接避難できるよう改善を求めます。
板橋キャンパスには、高齢者施設と障がい者施設が隣接して整備されます。この施設に障がい者団体の方から、重度の知的障がい者の方も入所できるよう強く要望いたします。
また、おおむね16歳以上の発達障がい者等の相談に応じ、自立と就労支援に向けた取組を進めるための発達障がい者支援センターについて、本年の秋の開設に向け、事業を運営する社会福祉法人と委託契約を締結し、開設に向けた準備を進めたことについても高く評価いたします。
今後は、今まで取り組んできた精神障がい支援などを活用するため、健康福祉センターとの連携が必要と考えます。健康福祉センターは、区内に5か所あることから、各地域の声を聞くことができ、双方のセンターが連携することで、発達障がいの特性に合った専門的な支援が可能となります。現在策定中の障がい福祉計画等骨子案では、発達障がい者支援の充実が重点項目の中で位置づけられ、発達障がい者支援センターと健康福祉センターの連携の強化、組織の横断的な対応の方向性が示されています。
具体的には、健康福祉センターが受けた、ひきこもりなど無支援の発達障がいの疑いのある方は、発達障がい者支援センターと情報を共有し、支援を行うこと。また、発達障がいの出張相談を健康福祉センター相談室で実施すること。さらに、発達障がいに関する講演会、支援者研修、福祉施設への巡回相談などの周知を健康福祉センターや区役所で行うことを求めます。
さらに、支援に結びつかない方の掘り起こしなどのため、健康福祉センターのみでなく、いたばし若者サポートステーションとの連携も積極的に行い、発達障がい者支援センターへつなげるよう要望いたします。
以上のことを具現化するために、地域共生社会実現のための包括支援体制・整備に早急に取り組むことを要望いたします。
次に、5つの区立中学校の体育館に冷暖房設備を設置し、今後、全ての区立小・中学校への計画的な設置を進めることについて評価いたします。
関連して、大変に財政の厳しい状況ではありますが、本年の予算措置が見送られた給食室の冷房化が早急に着工できるように、創意工夫した段階的な計画を含めた予算措置を強く要望いたします。
第2の柱は、いきいきかがやく元気なまちについてであります。
豊かな健康長寿社会の実現に向けましては、フレイルの進行抑制や、健常に戻すための行動変容、社会活動への参加を促すとともに、シニア世代の活躍の場を創出・拡大するため、50歳以上の区民の方々を対象に、フレイル予防事業を開始したことについて高く評価いたします。
心躍るスポーツ・文化におきましては、来年へ延期となりました東京2020大会に向け、区内全域において一層の機運醸成を図り、世代を超えて楽しめるイベントの実施、フェアプレー精神、スポーツの楽しさを伝え、オリンピックに向けたムーブメントを推進するため、JOCと連携し、オリンピックデーランを開催したことについて評価いたします。
高島平少年サッカー場は、グラウンドを人工芝化し、乳幼児でも安心して遊ぶことができる場所にするとともに、スポーツ教育にも活用できる多目的な運動場として再整備したことについて評価いたします。
現在、小豆沢・城北・徳丸ヶ原野球場について、野球の利用がなく、全面空いている場合、老人クラブなど、無料で利用いただいております。今後も高齢者の健康維持のためにも、事業の継続を強く求めます。
光り輝く板橋ブランド・産業活力につきましては、昨年10月の消費税率引上げに際しまして、国が実施する低所得者、子育て世代を対象とした商品券の販売を行うとともに、景気下支え策にとどまらない年間を通じた消費喚起と、商店街活性化を目的とした区独自の取組として、10%プレミアムつきの板橋区内共通プレミアム商品券を発行したことについて評価いたします。
第3の柱は、安心・安全で快適な緑のまちであります。
緑と環境共生の実現に向けましては、老朽化が進んでいる熱帯環境植物館の改修に着手したこと、併せて、赤塚植物園について、子どもたちの農業体験の場となる農業園の新設に合わせ、管理棟の改築に着手するとともに、二次元コードを利用して、多くの植物に興味を持ってもらえるよう工夫したことについて評価いたします。
万全な備えの安心・安全におきましては、防犯・防災に関するものといたしまして、地域団体や商店街等に対し、防犯カメラの維持管理に要する費用の助成を開始したことについて大変に評価いたします。
コミュニティバスりんりんGOにつきましては、車両の更新に合わせて小型バスから中型バスとし、利便性の向上を図りましたが、依然交通不便地域が存在します。解消に向けて区の取組を求めます。
新型コロナウイルス感染症対策として、区立小学校の臨時休業に伴う、あいキッズの運営時間の延長や、保育施設における保健衛生用品及び感染防止用備品の購入助成等についても、予備費や既定予算の活用により、的確に対応したことについて大変に評価いたします。
以下、新型ウイルス感染症対策の支援について要望いたします。
1つ目には、東京都で高齢者・障がい者施設の入居者と職員へのPCR検査の費用を助成する補正予算を可決しました。その際、当初、補助の対象から外していた小規模な特養、グループホーム、通所施設についても、区市町村と共同で実施し、都が必要な経費を全額補助するとのことですので、積極的な事業展開を求めます。
2つ目には、新型コロナ感染症予防対策において、PCR検査だけを大規模に、一律行政検査することは、人員体制のみならず財政的にも現実的ではないと考えます。都と国が示すとおり、民間の医療機関において、迅速にPCR検査が受けられる体制を確保し、濃厚接触者をはじめ、感染リスクが高い人、感染したら重症化するリスクの高い人とその関係者というように、段階を踏んで、幅広くPCR検査が受けられるよう、戦略的な検査体制の構築を求めます。
3つ目には、新しい生活様式を踏まえた防災事業、板橋防災プログラムの案として、携帯キャリア各社と連携したスマホ・携帯電話の操作講座が検討されています。スマホを使った災害情報の入手方法とともに、スマホ時代の基本操作も学べるとお聞きしています。今後、区が実施していく様々なデジタル・オンラインを使った事業・サービスを展開する際にも、この事業・サービスの操作方法とともに、スマホなどデジタル機器の基本操作も含めた講座を開催することを要望いたします。
4つ目には、近年発生した災害の教訓から、他自治体等からの支援を円滑に受け入れるための受援計画を策定し、板橋区業務継続計画の改定について評価いたしますが、今後の新型コロナウイルス対応の避難所運営について、さらなる改定を行い、感染症流行時における避難所体制マニュアルを早急に構築することを要望いたします。
災害時の避難場所について、分散避難として車中泊避難のための公共用地を選定し、区民に周知すること、水害のおそれがある特養、病院、障がい者施設における高齢者、障がい者らの避難確保計画の策定と、避難訓練を実施することを求めます。
5つ目には、総務省で新たに自治体版マイナポイントモデル事業を募集するなど、マイナポイントを活用した事業で、消費の活性化、マイナンバーカードの普及促進が図られています。しかしながら、選択したキャッシュレス決済が区内で使えなければ、地域経済活性化・消費喚起にはつながりません。がんばろう板橋!区内の店応援キャンペーンではPayPayが使われています。電子決済について、個人商店、経営者の高齢化の理由により、導入方法の周知・理解が進んでいない状況があります。区が積極的にサポートを行うよう要望します。
さらに、事業支援の1つである家賃補助については大変に好評です。一方で、資金繰りなど事業の相談が多数寄せられています。コロナ関連の経済対策は、どちらかといえば事業継続のための資金繰り支援が主で、事業の廃業を支援する名目のものはありません。事業継続の支援について、事業継承やM&Aなど、様々な選択肢がありますので、区のさらなる積極的なサポートを求めます。
6つ目には、アーティストバンクの登録を前提とした緊急支援、10万円の動画配信の事業も大変に好評です。既に本年度の分の予算は終了しています。アーティストバンクの創設は、公明党が長年要望してきた事業であり、新年度から継続的に支援するためにも、補正の増額並びに新事業の実施を強く要望いたします。
次に、特別会計について申し上げます。
国民健康保険事業特別会計、
介護保険事業特別会計、
後期高齢者医療事業特別会計につきましては、3会計共に一般会計からの繰入金が拡大しています。2025・2040
問題と課題は山積です。区民に直結する社会保障制度です。また、新型コロナウイルスの影響も、今後、顕著に現れると考えられます。区におかれましては、負担の公平性を担保しながら、最大限の努力を求め、
一般会計決算・
東武東上線連続立体化事業特別会計決算並びに3
特別会計決算の認定に賛意を表し、討論を終わります。(拍手する人あり)
○議長(
元山芳行議員) 次に、おばた
健太郎議員。
◆おばた健太郎 議員 議長。
○議長(
元山芳行議員) おばた
健太郎議員。
〔おばた
健太郎議員登壇〕(拍手する人あり)
◆おばた健太郎 議員 ただいまから、民主クラブを代表し、「令和元年度(平成31年度)東京都板橋区
一般会計歳入歳出決算」、「
国民健康保険事業特別会計歳入歳出決算」、「
介護保険事業特別会計歳入歳出決算」、「
後期高齢者医療事業特別会計歳入歳出決算」及び「
東武東上線連続立体化事業特別会計歳入歳出決算」を認定することに、賛成の立場から討論を行います。
令和元年度の板橋区の財政状況を見ますと、歳入では、特別区債が16億7,700万円、繰越額が9億7,100万円、分担金及び負担金が7億4,700万円、地方消費税交付金が4億2,500万円の減額となった一方で、特別区交付金が62億6,000万円、国庫支出金が31億4,300万円、繰入金20億8,400万円、都支出金が14億8,900万円、特別区税が13億2,500万円の増額となった結果、平成30年度に対して5.2%の増、歳入は2,270億5,500万円となりました。
また、歳出では、諸支出金が19億8,700万円、総務費が6億1,300万円の減額となった一方で、土木費が62億5,300万円、福祉費が27億4,200万円、教育費が25億2,200万円の増額となった結果、平成30年度に対して4.8%の増、歳出は2,213億5,700万円となりました。歳入歳出差引額は56億9,700万円で、前年度比10億9,100万円の増となっております。
財政調整基金については、16億6,800万円の積立てに対し、
東武東上線連続立体化事業基金への取崩し額が45億4,000万円となり、年度末残高は234億7,300万円となっております。新型コロナウイルス感染症対策等、未曽有の事態に備え、基金の弾力的な活用を望みます。
令和元年度板橋区普通会計決算の財政指標は、実質単年度収支は20億2,200万円の赤字となり、実質収支比率は前年度比0.5ポイント増の4.1%で、一般的に望ましいとされる3%から5%の範囲内となっております。特別区平均が5%から6%で推移していることから、収支の均衡は図られておりますが、今後も留意が必要であると考えます。
経常収支比率は、前年度から3.7ポイント低下し、78.9%となり、平成19年以来12年ぶりに適正水準とされる70%から80%の範囲内に入りました。これは、経常経費充当一般財源額が14億3,845万円増となり、また、歳入経常一般財源額も81億5,176万円の増となったことによるものです。ようやく適正水準になったとはいえ、昨今の新型コロナウイルス感染症の影響により、予断を許さない状況であることからも、今後も財政構造の弾力化に向け、取組を継続することが求められます。
公債費負担比率は、分母である一般財源総額、分子である公債費充当一般財源等が共に増加した結果、前年度から0.3ポイント増の2.7%となりました。比率は増加いたしましたが、年度末起債残高は年々減少しており、引き続き、計画的かつ効率的な起債の活用を図られるよう望みます。
人件費比率は、前年度から0.6ポイント減の14.6%となりました。民間のマンパワーも活用し、効率的かつ効果的に人的資源を配置することを求めます。
今後の財政展望についてですが、歳入面では、地方法人課税の一部国税化による特別区交付金の恒常的な減収が危惧されております。また、ふるさと納税による特別区民税への影響額は、年を追うごとに増加し、令和2年度には13億3,100万円の減収が見込まれております。区はクラウドファンディングを活用した寄附制度の取組を行っておりますが、その額は、ふるさと納税の減収額の1%にも満たない状態であり、抜本的な対策が必要であると考えます。
歳出面では、幼児教育・保育の無償化、障がい者の自立支援、公共施設・社会資本の再構築、会計年度任用職員制度の導入等に多大な経費負担が見込まれ、引き続き、計画的かつ効率的な財政運営を行う必要があります。
次に、特別会計について申し上げます。
まずは、
国民健康保険事業特別会計についてです。歳入は673億5,700万円、歳出は563億6,200万円で、前年度と比較して、歳入が43億1,000万円、歳出が43億4,900万円の減となり、形式収支及び実質収支は共に9億9,500万円の黒字となっております。保険料等の収入未済額は32億9,800万円、不納欠損額は8億7,700万円です。国民健康保険料の調定額に対する収入率は76.8%で、前年度と比較して2.3ポイントの上昇となっておりますが、負担の公平を損なう収入未済額を引き続き縮減することを求めるのに加え、制度の理解をより深め、納得して納付いただけるよう、引き続き、実情に合わせた対応を望みます。
歳出面では、不要額が9億7,300万円で、予算規模に対する執行率は98.3%でした。今後も、医療費の動向の的確な把握に努め、不用額の一層の縮減を図ることを求めます。
また、今回、東京都への納付金の支出に関し、予算の定めがない項の間での予算流用が行われたことに対しては、
地方自治法第220条第2項に反しており、大変遺憾であります。法にのっとった運営が行われないことは、区民の行政に対する信頼を損ないかねない重大な
問題であると指摘せざるを得ません。徹底的な原因究明と、今後、二度とこのような事態が発生しないよう、再発防止策を策定し、職員のコンプライアンスの徹底を要望いたします。
次に、
介護保険事業特別会計についてです。
決算は、歳入が419億5,500万円、歳出が407億500万円で、前年度と比較して、歳入が16億1,800万、歳出が11億9,400万円の増となり、形式収支及び実質収支は共に12億5,000万円の黒字となりました。
保険料等の収入未済額は4億7,600万円、不納欠損額は1億7,200万円、介護保険料の調定額に対する収入率は93.7%で、前年度と比較して0.1%の上昇となりました。
次に、
後期高齢者医療事業特別会計についてです。
決算は、歳入が121億4,400万円、歳出が120億1,600万円で、前年度と比較して、歳入が3億1,100万円、歳出が3億200万円の増となっております。形式収支及び実質収支は共に1億2,800万円の黒字であり、保険料の収入未済額は1億1,200万円、不納欠損額は2,700万円となっております。
後期高齢者医療事業保険料の調定額に対する収入率は97.7%で、前年度と比較して0.1ポイント上昇しております。
3特別会計共に制度への説明と周知に努め、収入率の向上を図り、滞納が生じたときには、原因の把握、実情に合わせた丁寧な対応を求めます。
また、令和元年度に新設された東武東上線立体化事業特別会計については、歳入が2,040万円、歳出が1,992万円であり、形式収支及び実質収支は共に48万円の黒字となっております。
東武東上線連続立体化事業の運営に係る会計を適切に管理するため、特別会計として明確化することが望ましいと認められます。今後も適正な運用を望みます。
以上、一般会計及び4特別会計について現況と意見を述べましたが、加えて会派の要望を申し上げます。
新型コロナウイルス感染症の影響は、あらゆる業種、あらゆる分野に大きな打撃を与えています。感染症対策に加え、区内事業者や区民への様々な支援について必要な対策を取っていることは評価いたします。しかし、感染の終息が見えていない中、客足が戻らず、給付金や助成金で何とか維持できていた事業者が、今後、倒産に追い込まれることも懸念されます。引き続き、区内生活者や区内事業者に向けての経済対策を求めます。
続いて、大山まちづくりに関しての要望です。
都市計画審議会の結論を得て都市計画決定され、いよいよ大山のまちづくりが進もうとしておりますが、いまだ多くの疑問点や不安の声が上げられております。最近では、大山クロスポイント周辺地区整備に係る解体工事で、アスベスト含有建材の調査や、その掲示方法についても不安の声が上げられました。地域住民の協力なくしてまちづくりは行えません。時系列に沿った状況の説明、しっかりとした掲示、法にのっとったアスベスト除去作業など、区として建設組合に対し、地域住民の不安や疑問を解消できるよう、住民の方々が納得いただける対応を取るよう指導することを強く求めます。
また、開発途中のまちのにぎわい維持の方策を積極的にとっていただきたいと要望いたします。
板橋駅板橋口地区における市街地再開発事業については、工事着工の遅れと3年程度の計画遅延が懸念されております。板橋の玄関口として再開発を進めているJR板橋駅西口再開発が、いつまでも白い工事板に囲まれていては、にぎわいの創出どころではありません。可能な限りの工期短縮を要望することを求めます。
また、駅前広場については、道路線形や駐輪場、トイレ、公衆喫煙所などの設置物について、地域住民の声を可能な限り取り入れることとともに、検討過程を逐次報告することを要望いたします。
シェアサイクル事業の実施など、自転車を活用したまちづくりが進んでおります。一方、自動車と自転車、自転車と歩行者の事故が多発しております。マナー講習の実施や保険加入の促進を進めるほか、自転車専用道路の整備を一層進めることを要望いたします。
子どもたちの遊び場がまだまだ足りません。未来を担う子どもたちが思い切り遊べる公園や校庭の環境整備をお願いいたします。
高島平地域再開発については、まずは四丁目、五丁目の買物不便地域の解消など、できることから機動的に着手するよう求めます。
また、今定例会の質疑を通じて、高島平まちづくりの具体的計画は、高島平地域都市再生実施計画として令和3年度に示される旨が再三答弁されました。地域の公共施設の老朽化は待ったなしであり、具体的計画の確実な提示を求めます。
自殺者対策について申し上げます。様々なことに思い悩み、結果自ら命を絶ってしまう方は、様々な要因が複雑に絡み合っており、多くの課をまたいだサポートが必要となります。専門部署を設置した上で、全庁的な対応を行うことを要望いたします。また、情報共有カードの活用も含めて検討を進めていただくことを求めます。
次に、教育政策に関して申し上げます。
2020年度から小学校で、2021年度から中学校で、アクティブラーニングによる授業が開始されます。生きる力を育むために、知識偏重の教育から、自己肯定感を高め、一人ひとりが自ら学び、行動する、主体的かつ対話的で深い学びの転換を深化、加速させることを望みます。
また、ICT教育の一環として、区内全小・中学校に1人1台のタブレットが配布されることとなりましたが、これまでの教育が大きく変わる大転換であるという認識と自覚を持ち、ICTを積極的に活用した授業を行い、21世紀の社会に立ち向かう人材の育成に努めることを望みます。また、ICT機器のランニングコストが年間20億円にも上るという事実をしっかり認識し、4月から5か月間もの間、タブレットを家庭学習にのみ使用するといった限定的な運用を改めるよう要望いたします。
続いて、災害対策です。
令和元年度は、台風15号、19号など日本全国に多くの被害をもたらしました。幸いにも、本区においては被害を最小限に抑えられましたが、水害対策に多くの課題があることが明らかになりました。災害に関する周知方法や避難所への移動手段、特に高齢者や障がいをお持ちの方の避難の在り方、マイタイムラインの策定推進、各所との連携などの対策を求めます。
また、区長を常に補佐する危機管理監の設置など、危機管理室の強化、指揮・統制の在り方の見直しも含めた災害対応の体制強化を求めます。また、発災時の危機管理能力を高めるために、常勤の部課長への退職幹部自衛官を採用することを要望いたします。
庁内のオープンデータについて、公表するデータがまだまだ足りません。また、東京都のオープンデータカタログサイトへの登録数は、他区と比較して件数が少ない状態です。積極的にデータの公表を要望するとともに、公表の方法もPDFを
ホームページに載せるだけではなく、APIによる提供を求めます。
最後に、出産・子育て・育児支援について要望いたします。
昨年も要望いたしましたが、待機児童対策、安心して出産・子育てがしやすいまち板橋区を目指し、いたばし版ネウボラ事業の切れ目のない子育て支援や、各家庭及び妊婦さんへの寄り添った支援、産後メンタルケアなどの強化を求めます。
今後とも、まちづくりや防災対策、子育て支援など、区民の要望に対して最善を尽くすよう求めます。
意見と要望を申し上げましたが、各会計の決算収支、財政構造及び予算の執行及び財政運営状況は、おおむね適正なものと考え、令和元年度東京都板橋区
一般会計歳入歳出決算外4特別会計歳入歳出決算を認定することに、賛意を表して討論を終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手する人あり)
○議長(
元山芳行議員) 次に、長瀬達也議員。
◆長瀬達也 議員 議長。
○議長(
元山芳行議員) 長瀬達也議員。
〔長瀬達也議員登壇〕(拍手する人あり)
◆長瀬達也 議員 ただいまから、市民クラブを代表し、令和元年度東京都板橋区一般会計及び4
特別会計決算について、
国民健康保険事業特別会計決算には反対をし、その他については賛成の立場から討論を行います。
元号が平成から令和に代わって最初の決算となります。新しい御代にふさわしい安寧な1年を祈っておりましたが、消費税は10%に増税され、台風による災害なども発生をいたした年でありました。そして、年始からは、新型コロナウイルス感染症のパンデミックが日本のみならず世界を襲った厳しい年となりました。また、感染症の影響により、経済は大幅に落ち込んで、日経平均株価も2万3,300円から1万6,500円まで急激に下落をいたしました。現在、株価だけは持ち直しておりますが、実体経済は、消費が冷え込んで、廃業も激増するなど、庶民の生活は危機的状況にあります。こうした背景を踏まえて、板橋区の決算について、以下のとおり申し述べます。
本年度決算の財政状況を見ると、歳入は、特別区債や地方消費税交付金の減はあったものの、特別区交付金や国庫支出金等の増加により、前年度より5.2%の増となりました。歳出は、諸支出及び総務費の減額はあったものの、土木費、福祉費、教育費の増により前年度より4.8%の増となっています。
私も心配をしていました財政指標を見ると、今年度の経常収支比率は前年度を3.7ポイント下回る78.9%で、適正と言われている70から80%の範囲に収まって一安心をしております。実質単年度収支や公債費負担比率などの他の指標も適正ではありますが、新型コロナウイルス感染症による経済の冷え込みから、今後の税収減による影響が懸念をされます。今まで以上に徹底した事務事業の見直しを図るとともに、財政構造の弾力化を進めるよう、取り組んでいただきますようお願いいたします。
財政面では、ほかにもふるさと納税の影響による減収や、歳出面における幼児教育・保育の無償化による歳出の増、更新すべき公共施設等の再構築など、多くの経費負担が見込まれます。現状に安住せず、次年度以降を楽観することなく、持続可能な区政運営をしていただきますようお願いをいたします。
初めに申し上げましたとおり、本年度決算については賛成ながら、幾つか意見を述べておきます。
最初に監査についてです。
令和元年度決算審査意見書では、当初4つの誤りがあり、10月5日に訂正が出されました。その後、今月26日にも再度訂正が出される事態が起きました。区の経理状況及び運用を審査し、適否を判断する重要な役割を担う監査で、こうも立て続けに訂正とは、緊張感を欠く仕事ぶりと言わざるを得ません。内容の確認の徹底とともに、働き方の在り方も見直し、再発防止を強く求めます。
大山地域再開発においては、再開発街区における既存建物の解体工事について、アスベスト対策が十分ではないのではないかという住民の疑念が払拭できるだけの材料が提示されておりません。住民説明会においても、区からは適切な説明はございませんでした。アスベストは、肺がんや中皮腫の原因物質であり、一度体内に入ると長い年月をかけて体をむしばみます。住民の生命と健康を守るためにも、万全なアスベスト飛散防止対策を施すこと、また、住民への説明責任を全うすること、この2点を強くお願いしたいと存じます。
次に、高島平のまちづくりについてです。
平成27年に高島平グランドデザインが策定され、翌28年11月にアーバンデザインセンター高島平(UDCTak)が設立されました。民学公の連携として華々しく立ち上げられたこのUDCTakですが、残念ながら全く期待に応えられておりません。投下された予算に見合う結果どころか、ほとんど全く実績を出せていないと言っていいほどの惨状だと思います。そして、この原因は、紛れもなく板橋区自身にあり、地域のせいではないのです。大山やJR板橋駅前、上板橋の再開発などにも共通することですが、まちづくりの主役は地域住民です。トップダウンで区が描いたまちの未来予想図を住民に押しつけるのではなく、住民が住民同士、納得を得て描いた未来予想図をまちづくりの中心に据えてほしいのです。住民不在と言われないよう、住民によるまちづくりの後押しに、区の姿勢を変えていくようお願いをいたします。
次に、産業経済費についてです。
本区は、23区において大田区と並ぶ工業集積地です。にもかかわらず、産業経済費の予算規模は、例年総予算の0.7%ほど、令和元年度は1%となりましたが、これはプレミアム付商品券事業経費として約4.2億円が計上されているためで、実質的予算割合は例年と全く変わりありません。これは大田区の2%と比べて半分以下の数値です。感染症の影響により区内経済は窮地です。企業の倒産、廃業が増え、経営者も、またそこで働く就労者も苦境にさらされている厳しい現実を直視すべきです。
本年は、国や都からの経済支援に充てられる予算も交付されましたが、場当たり的な経済対策ではなく、ウィズコロナを生き抜くための、企業の潜在能力を高めるための企業支援や、倒産を未然に防ぐための相談支援機能の強化が必要です。区としてさらに区内産業に寄り添う対応を求めます。
次に、4特別会計についてです。
まず、
国民健康保険事業特別会計についてです。
国民健康保険事業特別会計補正予算(第2号)では、3款
国民健康保険事業納付金において、項を超えて流用していたことが発覚をいたしました。項を超えた流用は、不適切を超えて違法です。
地方自治法第220条第2項が、歳出予算の経費の金額は、各款の間または各項の間において相互にこれを流用することができない、そして、流用する場合には、予算によることを要すると定めた規定に違反をしています。
区民の納めた税金を基にする地方自治体の予算は、議会の議決を経て成立し、ルールにのっとって使われるべきものだからこそ、予算の流用など原則としてあり得ません。
地方自治法が流用を制限する趣旨は、議会の議決権を経ない流用を例外中の例外としなければ、地方自治における財政民主主義は守れないからです。本来は補正予算を成立させ、適法に処理すべき事項であります。
さらに、今回の違法な流用が行われた
国民健康保険事業費納付金は、区内の医療費等を基に、東京都が本区の納付額を算定して、事前に通知してくるものを受けて本区が納付するものなので、予算の不足は予見不可能ではない。都からの通知が来た昨年の2月の段階で、財政課と協議していれば、予算の不足に対応すべき補正等はできたはずなのに、その協議すら怠って不適切・違法な処理を行った。おまけに、この流用については、会計処理上、繰戻しを行って数字合わせをして、予算書上は適正に見せかけておりました。しかし、幾ら数字合わせで取り繕ったとしても、
地方自治法に反する違法な行政執行、そして、議会による財政の民主的統制を無視する行政執行は、見過ごすわけにはいかないのです。このように、重大な違反を犯している
国民健康保険事業特別会計に賛成はできません。
このほか、ほかの3特別会計については賛成いたしますが、若干の注文を申し上げます。
介護保険事業特別会計、
後期高齢者医療事業特別会計については、収入率が共に0.1%増加していますが、収入未済と不納欠損の増加が毎年の課題となっています。負担の公平を損なう収入未済については、迅速な督促を行うなどの対応で、現状の滞納者を減らす努力をお願いいたします。ただし、新型コロナウイルス感染症による影響により、仕事を失っている方も多いのが実情と思われます。滞納者の滞納原因の把握と生活支援などで寄り添った対応を行い、セーフティネットとしての役割も果たしていただきますよう要望いたします。
東武東上線立体化事業特別会計については、開かずの踏切による地域の交通課題解消のための事業費等として活用されるものでありますが、さきにも述べたとおり、アスベスト
問題と同様、地域住民の声に耳を傾けることを忘れずにお願いをしたいと思います。
以上、申し上げましたが、令和元年度市民クラブの討論を終わります。ありがとうございました。(拍手する人あり)
○議長(
元山芳行議員) 以上をもって、討論を終わります。
───────────────────────────────────────
△報告第1号、第3号、第4号及び第5号の採決
○議長(
元山芳行議員) これより表決を行います。
はじめに、報告第1号「令和元年度(平成31年度)東京都板橋区
一般会計歳入歳出決算」、報告第3号「令和元年度(平成31年度)東京都板橋区
介護保険事業特別会計歳入歳出決算」、報告第4号「令和元年度(平成31年度)東京都板橋区
後期高齢者医療事業特別会計歳入歳出決算」及び報告第5号「令和元年度(平成31年度)東京都板橋区
東武東上線連続立体化事業特別会計歳入歳出決算」について、一括して起立表決を行います。
報告第1号、第3号、第4号及び第5号に対する委員会報告はいずれも認定であります。委員会報告のとおり決することに賛成の方はご起立願います。
〔起立者多数〕
○議長(
元山芳行議員) ご着席願います。
起立多数と認めます。
よって、報告第1号、第3号、第4号及び第5号は、委員会報告のとおり認定することに決定いたしました。
───────────────────────────────────────
△報告第2号の採決
○議長(
元山芳行議員) 次に、報告第2号「令和元年度(平成31年度)東京都板橋区
国民健康保険事業特別会計歳入歳出決算」について起立表決を行います。
報告第2号に対する委員会報告は認定であります。委員会報告のとおり決することに賛成の方はご起立願います。
〔起立者多数〕
○議長(
元山芳行議員) ご着席願います。
起立多数と認めます。
よって、報告第2号は、委員会報告のとおり認定することに決定いたしました。
───────────────────────────────────────
△
議会運営委員会報告
○議長(
元山芳行議員) 次に、日程第6から第10までを一括して議題といたします。
議会運営委員長から提出された陳情4件及び調査事件に対する審査報告書等は、朗読を省略し、委員長から審査の結果と調査の経過について、報告があります。
議会運営委員長 田中しゅんすけ議員。
◎田中しゅんすけ 議員 議長。
○議長(
元山芳行議員) 田中しゅんすけ議員。
〔参 照〕
議 会 運 営 委 員 会 審 査 報 告 書
本委員会に付託の陳情は、審査の結果、下記のとおり決定したので、会議規則第72条の規定により報告します。
記
┌──────┬──────────────────┬───────┬──────┐
│ 事件の番号 │ 件 名 │ 議決の結果 │ 意見・理由 │
├──────┼──────────────────┼───────┼──────┤
│陳情第11号│陳情等の
区議会ホームページ上での公開│不採択とすべき│趣旨に沿いが│
│ │を求める陳情 (
継続審査分)│ものと決定 │たい │
├──────┼──────────────────┼───────┼──────┤
│〃 第32号│委員会の
インターネット中継を求める陳│不採択とすべき│趣旨に沿いが│
│ │情 (
継続審査分)│ものと決定 │たい │
├──────┼──────────────────┼───────┼──────┤
│陳情第33号│板橋区議会議員の政務活動費の収支報告│不採択とすべき│趣旨に沿いが│
│ │書に加え、「会計帳簿」および「領収書│ものと決定 │たい │
│ │その他の証拠書類」を板橋区議会のホー
│ │ │
│ │ムページで公開することを求める陳情
│ │ │
│ │(
継続審査分)
│ │ │
├──────┼──────────────────┼───────┼──────┤
│〃 第43号│陳情等の
区議会HP上での公開を求める│不採択とすべき│趣旨に沿いが│
│ │陳情 (
継続審査分)│ものと決定 │たい │
└──────┴──────────────────┴───────┴──────┘
令和2年9月30日
議会運営委員長 田中 しゅんすけ
議 長 元 山 芳 行 様
───────────────────────────────────────
少 数 意 見 報 告 書
2020年9月30日の議会運営委員会において留保した少数意見を、会議規則第71条第2項の規定により、下記のとおり報告します。
記
1 事 件
陳情第11号 陳情等の
区議会ホームページ上での公開を求める陳情
〃第43号 陳情等の
区議会HP上での公開を求める陳情
2 意見の要旨
本陳情は、11号及び43号いずれも、審査対象となった陳情及び請願について、個人情報を伏した上で、
区議会ホームページで公開することを求めるものである。
議会では『議会のICT化及び情報公開検討部会』を設置し、本陳情の主旨を踏まえ、公開する上での課題整理やその是非を検討してきた。その部会の答申は『請願書の公開を先行して実施する』『陳情の公開については付託除外規定の見直しの是非を含め引き続き協議が必要』という内容である。議会運営委員会としても、この答申を受け、『請願書の公開及び陳情については引き続き協議検討』との結論で合意に至ったところである。よって、本陳情についても引き続き継続し審査すべきと考え継続を主張したが採決となったため以下賛成理由とする。
不採択を主張した委員からは、議論の継続については否定しないものの、本陳情にある内容での個人情報の範囲等への懸念や意見の相違が示され、陳情の出し直しや議会運営委員会の中で協議するとの意見が述べられた。
区議会に提出される請願・陳情については、提出者の住所・氏名等を被覆した上で、委員会の傍聴者の閲覧に供されているが、かかる取扱いについては、「慣行として公にされる情報」として、区の情報公開条例の適用を受けていないことを確認することができた。このため、請願・陳情の
ホームページ公開にあたっては、区条例に準じた取扱いを講ずることにより、個人情報がみだりに漏えいするリスクを排除できるものと考える。
これまでの請願・陳情における個人情報の取扱いを改め、区条例に準じた取扱いを講じ、個人情報を適切に被覆した上で公開すべきとの判断から、本陳情の採択を求めるものである。
2020年9月30日
議会運営委員 小 林 おとみ
議会運営委員 竹 内 愛
議 長 元 山 芳 行 様
───────────────────────────────────────
少 数 意 見 報 告 書
2020年9月30日の議会運営委員会において留保した少数意見を、会議規則第71条第2項の規定により、下記のとおり報告します。
記
1 事 件
陳情第32号 委員会の
インターネット中継を求める陳情
2 意見の要旨
本陳情は、各
常任委員会及び議会運営委員会について、
インターネット中継の実施を求めるものである。
現在板橋区議会においては、本会議場及び予算・決算特別委員会における総括質疑を
インターネット中継で配信している。他自治体においても議会の
インターネット中継などが急速に広がり、委員会を含め公開となっているすべての審議を中継しているところも出てきている。また、23区内でも実施している自治体もある。
本陳情を踏まえ検討してきた『議会のICT化及び情報公開検討部会』では、
常任委員会における
インターネット中継は行うべきとの認識は共有しているものの、現在の
インターネット中継と同レベルの配備を前提とした場合、実施は困難とのことから見送るとの結論に至っている。議会運営委員会として、部会の答申を尊重することとなった。
一方、陳情においては、どのように実施をするかは限定しておらず、本会議場や総括質疑で用いている中継方法とは違う配信方法も否定していない。また、コロナ禍で議会への傍聴を控えるよう呼び掛けていることからも、区民が議会を知る機会を保障すべきであると考えることから本陳情の採択を主張するものである。
2020年9月30日
議会運営委員 小 林 おとみ
議会運営委員 竹 内 愛
議 長 元 山 芳 行 様
───────────────────────────────────────
少 数 意 見 報 告 書
2020年9月30日の議会運営委員会において留保した少数意見を、会議規則第71条第2項の規定により、下記のとおり報告します。
記
1 事 件
陳情第33号 板橋区議会議員の政務活動費の
収支報告書に加え、「会計帳簿」および「領収書その他の証拠書類」を板橋区議会の
ホームページで公開することを求める陳情
2 意見の要旨
本陳情は、区議会議員が議員活動に必要な経費の一部について、支払いを求めることができる政務活動費について、『会計帳簿』や『領収書その他の証拠書類』を
ホームページで公開を求めるものである。
議会運営委員会から諮問した『議会のICT化及び情報公開検討部会』では、『その他証拠書類』の公開については、現状のままでは膨大な作業が必要となることから、先行して『会計帳簿』を統一化した上で、公開することとし、マスキング等具体的な作業や公開するための課題などについて、『政務活動費あり方検討会』で検討すべきとの答申が示された。これを受け、議会運営委員会としても答申の通りとすることとなった。
更なる情報公開については、共有しているが、具体的な作業についてはさらなる課題整理や検討が必要との結論である。つまり、『その他の証拠書類』の公開について、引き続き検討していくということである。
『会計帳簿』及び『領収書その他の証拠書類』を
ホームページで公開することについて、着実に前進しており、この段階で本陳情を不採択にする理由はない。政務活動費については、更なる情報公開を進めることは当然のことであることから、本陳情の採択を主張するものである。
2020年9月30日
議会運営委員 小 林 おとみ
議会運営委員 竹 内 愛
議 長 元 山 芳 行 様
───────────────────────────────────────
閉 会 中 継 続 調 査 申 出 書
本委員会は、調査中の事件について、下記により閉会中もなお継続調査を要するものと決定したので、会議規則第70条の規定により申し出ます。
記
1 事 件 本会議等の運営方法の検討について
2 理 由 今会期中に調査を結了することが困難であるため。
令和2年10月26日
議会運営委員長 田中 しゅんすけ
議 長 元 山 芳 行 様
───────────────────────────────────────
〔田中しゅんすけ議員登壇〕(拍手する人あり)
◎田中しゅんすけ 議員 ただいまから、9月11日、30日、10月12日及び26日に開催いたしました議会運営委員会における審査の結果と調査の経過につきまして、ご報告申し上げます。
初めに、
決算調査特別委員会の運営につきましては、理事会案のとおり、全会一致をもちまして決定いたしました。
次に、諮問事項について報告いたします。
今定例会におきましては、議会のICT化及び情報公開検討部会において検討が進められていた「ペーパーレス化について」、「議場及び委員会室等にノートPC・タブレット端末等の持ち込みについて」、「議会放送について」、「請願・陳情の
区議会ホームページ上での公開について」、「政務活動費について、証拠書類を
ホームページで公開することについて」、「各
常任委員会・特別委員会でのネット中継実施及び本会議・予算決算特別委員会のネット中継の見直しについて」、「議会情報のオープンデータ化について」、以上7つの諮問事項について部会からの答申があり、項目ごとに議論いたしました。
初めに、一括して議論いたしました「ペーパーレス化について」及び「議場及び委員会室等にノートPC・タブレット端末等の持ち込みについて」は、「財源の確保策を図り、実施すべき」との意見と、「実施の時期を先送りにすべき」との意見に分かれましたが、最終的には、実施時期を先送りすることとし、諮問事項としての検討を終了することに決定いたしました。
次に、「議会放送について」は、部会からの答申のとおり、「導入により一定の効果は見込まれるものの、現段階での必要性は低いため、実施を見送ること」とし、諮問事項としての検討を終了することに決定いたしました。
次に、「請願・陳情の
区議会ホームページ上での公開について」は、「実施に伴う課題の解決に向け、付託除外基準の検討を含め、本委員会で継続して議論していくこととし、請願については、先行して
ホームページで公開すること」に決定いたしました。
次に、「政務活動費について、証拠書類を
ホームページで公開することについて」は、部会からの答申のとおり、「まずは、会計帳簿を公開することとし、政務活動費あり方検討会において、事務作業の効率化等の検討を行ってもらうことについて申し添えること」とし、諮問事項としての検討を終了することに決定いたしました。
次に、「各
常任委員会・特別委員会でのネット中継実施及び本会議・予算決算特別委員会のネット中継の見直しについて」は、「他自治体の手法を参考にするなどして、委員会のネット中継について進めていくべき」との意見もありましたが、費用対効果やニーズ等に課題があることから、現段階での実施は見送ることとし、諮問事項としての検討を終了することに決定いたしました。
次に、「議会情報のオープンデータ化について」は、部会からの答申のとおり、「執行機関が作成する区政情報については、議会内部で公開等の決定をできるものではないため、区の計画の策定状況に合わせ、所管の委員会において必要な政策提言を行っていくこと」とし、諮問事項としての検討を終了することに決定いたしました。
部会から答申を受けた7項目の検討結果につきましては、以上のとおりです。
次に、「各種計画について、関係する各
常任委員会においても報告及び質疑を可能とすること」の諮問事項を議題とし、現状について説明を受けた後、議論をいたしました。委員より、「各委員会で議論する内容の線引きなど、運用面について議論を深める必要がある」という意見や「各委員会において、計画の策定段階で個別事業についての議論を深めることが可能となるため、ルールづくりを進めていきたい」などの意見がありましたが、合意に至らなかったため、これらの意見を踏まえ、継続して議論を深めていくことに決定いたしました。
次に、「意見書等の提出に関する陳情の取扱いについて」の諮問事項を議題とし、現状についての説明を受けた後、議論いたしました。委員より、「全会一致での意見書の提出について、現在のルールの中で実施するための運営方法について」の意見や、「採択しているのに、意見書を提出しないという不作為が生じてしまう仕組みを是正するために、議論を深めていきたい」などの意見がありましたが、合意に至らなかったため、これらの意見を踏まえ、継続して議論を深めていくことに決定いたしました。
次に、陳情の審査結果についてご報告いたします。
最初に、陳情等の
ホームページ公開に関連し、一括して審査をいたしました。陳情第11号「陳情等の
区議会ホームページ上での公開を求める陳情」及び陳情第43号「陳情等の
区議会HP上での公開を求める陳情」につきましては、「個人情報のみを消して公開しても、様々な弊害が生じる可能性があるため、本陳情には賛同できない」として、不採択との意見と、なお継続して審査すべきとの発言があり、初めに、継続審査について諮ったところ、賛成少数で継続審査とすることは否決されました。改めて、継続審査を主張した委員に意見を求めたところ、「区の情報公開条例に準じた取扱いを講ずることにより、個人情報がみだりに漏えいするリスクを排除できる」として、採択との意見があり、採択について諮ったところ、賛成少数で否決され不採択とすべきものと決定いたしました。
なお、2委員より少数意見が留保されたことを申し添えます。
次に、陳情第32号「委員会の
インターネット中継を求める陳情」につきましては、「利用者のニーズや費用対効果などの面で課題があることから、現状での実施は困難である」として、不採択との意見と、なお継続して審査すべきとの発言があり、初めに、継続審査について諮ったところ、賛成少数で継続審査とすることは否決されました。改めて、継続審査を主張した委員に意見を求めたところ、「情報公開を進める中で、ネット中継の積極的な活用が必要であり、実現可能な手法から実施すべき」として、採択との意見があり、採択について諮ったところ、賛成少数で否決され不採択とすべきものと決定いたしました。
なお、2委員より少数意見が留保されたことを申し添えます。
次に、陳情第33号「板橋区議会議員の政務活動費の
収支報告書に加え、『会計帳簿』および『領収書その他の証拠書類』を板橋区議会の
ホームページで公開することを求める陳情」につきましては、「領収書その他の証拠書類の公開には課題があり、現時点では賛同できない」として、不採択との意見と、なお継続して審査すべきとの発言があり、初めに、継続審査について諮ったところ、賛成少数で継続審査とすることは否決されました。改めて、継続審査を主張した委員に意見を求めたところ、「課題の解決に向けて着実に前進しており、政務活動費の情報公開を引き続き進めていくべき」として、採択との意見と、「部会からの答申を尊重し、政務活動費のあり方検討会において議論を深めてもらいたい」として、不採択との意見があり、採択について諮ったところ、賛成少数で否決され不採択とすべきものと決定いたしました。
なお、2委員より少数意見が留保されたことを申し添えます。
最後に、調査事件につきましては、全会一致をもちまして、別途議長宛て、継続調査の申出を行うことに決定いたしました。
以上をもちまして、本委員会の報告を終わります。(拍手する人あり)
○議長(
元山芳行議員) 次に、少数意見の報告は、報告書を配付してありますので、省略いたします。
───────────────────────────────────────
△
議会運営委員会報告に対する採決の動議
○議長(
元山芳行議員) これより質疑に入ります。
ただいまの報告に質疑がありましたら、ご発言願います。
◆
間中りんぺい 議員 議長。
○議長(
元山芳行議員)
間中りんぺい議員。
◆
間中りんぺい 議員
議会運営委員会報告に対する質疑、討論を省略し、直ちに表決するよう、動議を提出いたします。
○議長(
元山芳行議員)
間中りんぺい議員の動議のとおり決することにご異議ございませんか。
〔「異議なし」と言う人あり〕
○議長(
元山芳行議員) ご異議がないものと認めます。
よって、
議会運営委員会報告に対する質疑、討論を省略し、直ちに表決を行うことに決定いたしました。
───────────────────────────────────────
△陳情第11号及び第43号の採決
○議長(
元山芳行議員) これより表決を行います。
陳情第11号「陳情等の
区議会ホームページ上での公開を求める陳情」及び陳情第43号「陳情等の
区議会HP上での公開を求める陳情」について、一括して起立表決を行います。
陳情第11号及び第43号に対する委員会報告は不採択であります。委員会報告のとおり決することに賛成の方はご起立願います。
〔起立者多数〕
○議長(
元山芳行議員) ご着席願います。
起立多数と認めます。
よって、陳情第11号及び第43号は委員会報告のとおり不採択と決定いたしました。
───────────────────────────────────────
△陳情第32号の採決
○議長(
元山芳行議員) 次に、お諮りいたします。
陳情第32号「委員会の
インターネット中継を求める陳情」について、起立表決を行います。
陳情第32号に対する委員会報告は不採択であります。委員会報告のとおり決することに賛成の方はご起立願います。
〔起立者多数〕
○議長(
元山芳行議員) ご着席願います。
起立多数と認めます。
よって、陳情第32号は委員会報告のとおり不採択と決定いたしました。
───────────────────────────────────────
△陳情第33号の採決
○議長(
元山芳行議員) 次に、お諮りいたします。
陳情第33号「板橋区議会議員の政務活動費の
収支報告書に加え、『会計帳簿』および『領収書その他の証拠書類』を板橋区議会の
ホームページで公開することを求める陳情」について、起立表決を行います。
陳情第33号に対する委員会報告は不採択であります。委員会報告のとおり決することに賛成の方はご起立願います。
〔起立者多数〕
○議長(
元山芳行議員) ご着席願います。
起立多数と認めます。
よって、陳情第33号は委員会報告のとおり不採択と決定いたしました。
───────────────────────────────────────
△調査事件の採決
○議長(
元山芳行議員) 次に、お諮りいたします。
委員会の申出のとおり、調査事件を継続調査に付することにご異議ございませんか。
〔「異議なし」と言う人あり〕
○議長(
元山芳行議員) ご異議がないものと認めます。
よって、委員会の申出のとおり、調査事件を継続調査に付することに決定いたしました。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
△板橋区
選挙管理委員及び同補充員の選挙
○議長(
元山芳行議員) 次に、日程第11を議題といたします。
これより、「板橋区
選挙管理委員及び同補充員の選挙」を行います。
選挙の方法は、いかがいたしましょうか。ご意見がありましたら、ご発言願います。