板橋区議会 2020-09-24
令和2年第3回定例会-09月24日-02号
令和2年第3回定例会-09月24日-02号令和2年第3回定例会
令和2年第3回東京都板橋区議会定例会本会議第2日議事日程
令和2年9月24日(木曜日)
日程第 1 議案第67号 令和2年度東京都板橋区
一般会計補正予算(第5号)
〃 第 2 〃 第68号 令和2年度東京都板橋区
国民健康保険事業特別会計補正予算(第3号)
〃 第 3 〃 第69号 令和2年度東京都板橋区
介護保険事業特別会計補正予算(第1号)
〃 第 4 〃 第70号 職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例
〃 第 5 〃 第71号 東京都板橋区手数料条例の一部を改正する条例
〃 第 6 〃 第72号 東京都
板橋区立住宅条例を廃止する条例
〃 第 7 〃 第73号 東京都
板橋区立高齢者住宅条例の一部を改正する条例
〃 第 8 〃 第74号 東京都
板橋区立公園条例の一部を改正する条例
〃 第 9 〃 第75号 自転車等の駐車場の整備及び放置の防止に関する条例の一部を改正する条例
〃 第10 〃 第76号 土地の交換について
〃 第11 〃 第77号 東京都板橋区
都市づくり推進条例
午前10時00分開議
出席議員 46名
1番 小野田 み か議員 2番
内田けんいちろう議員
3番 高 山 しんご議員 8番 石 川 すみえ議員
9番 山 田 ひでき議員 10番 山 田 貴 之議員
11番 中 村とらあき議員 12番 間 中りんぺい議員
13番 しのだ つよし議員 15番 こんどう秀 人議員
16番 山 内 え り議員 17番 吉 田 豊 明議員
18番 田中しゅんすけ議員 19番 安 井 一 郎議員
20番 寺 田 ひろし議員 21番 さかまき常 行議員
22番 しいな ひろみ議員 23番 井 上 温 子議員
24番 荒 川 な お議員 25番 いわい 桐 子議員
26番 坂 本あずまお議員 27番 田
中やすのり議員
28番 いしだ 圭一郎議員 29番 成 島 ゆかり議員
31番 南 雲 由 子議員 32番 竹 内 愛議員
33番 小 林 おとみ議員 34番 元 山 芳 行議員
35番 大 野 治 彦議員 36番 鈴 木こうすけ議員
37番 し ば 佳代子議員 38番 五十嵐 やす子議員
39番 長 瀬 達 也議員 41番 かなざき文 子議員
43番 杉 田 ひろし議員 44番 茂 野 善 之議員
45番 田 中 いさお議員 46番 かいべ とも子議員
47番 渡 辺よしてる議員 48番 おばた 健太郎議員
51番 川 口 雅 敏議員 52番 佐々木としたか議員
53番 なんば 英 一議員 54番 大 田 ひろし議員
55番 高 沢 一 基議員 56番 中 妻じょうた議員
職務のため議場に出席した事務局職員の職氏名
区議会事務局長 太野垣 孝 範君
区議会事務局次長 森 康 琢君
〃 議事係長 龍 野 慎 治君 〃 調査係長 鑓 水 貴 博君
〃 書記 戸 田 光 紀君 〃 書記 平 山 直 人君
〃 書記 田 中 彩 乃君 〃 書記 飯 野 義 隆君
〃 書記 高 橋 佳 太君 〃 書記 岩 渕 真理絵君
〃 書記 木 村 欣 司君 〃 書記 坂 本 悠 里君
〃 書記 細 田 夏 樹君
地方自治法第121条の規定に基づく説明のための出席者
区長 坂 本 健君 副区長 橋 本 正 彦君
教育長 中 川 修 一君 代表・
常勤監査委員菊 地 裕 之君
政策経営部長 有 馬 潤君 総務部長 尾 科 善 彦君
法務専門監 辻 崇 成君 危機管理室長 林 栄 喜君
区民文化部長 森 弘君 産業経済部長 堺 由 隆君
健康生きがい部長 五十嵐 登君 保健所長 鈴 木 眞 美君
福祉部長 椹 木 恭 子君
子ども家庭部長 久保田 義 幸君
資源環境部長 渡 邊 茂君 都市整備部長 松 本 香 澄君
土木部長 糸 久 英 則君 会計管理者 松 田 玲 子君
教育委員会事務局次長
藤 田 浩二郎君
地域教育力担当部長湯 本 隆君
政策企画課長 吉 田 有君 財政課長 杉 山 達 史君
総務課長 篠 田 聡君
△開議の宣告
◎事務局長(太野垣孝範君) ただいまの出席議員数は46名でございます。
○議長(元山芳行議員) おはようございます。これより本日の会議を開きます。
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△
会議録署名議員の指名
○議長(元山芳行議員) 本日の
会議録署名議員をご指名申し上げます。
山 内 え り 議員
佐々木としたか 議員
以上、お2人の方にお願いいたします。
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△区政一般質問(続き)
○議長(元山芳行議員) これより区政に関する一般質問を行います。
本日は、9月23日に引き続き、公明党が行います。
成島ゆかり議員。
◆成島ゆかり 議員 議長。
○議長(元山芳行議員)
成島ゆかり議員。
〔
成島ゆかり議員登壇〕(拍手する人あり)
◆成島ゆかり 議員 おはようございます。昨日に引き続き、公明党の一般質問を行います。
コロナ禍が長期化し、先の見えない不安と、感染リスクへの緊張と、毎日戦いながら、昼夜を分かたず、現場の第一線で献身的な尽力を重ねてくださっている医療・介護従事者をはじめとする
エッセンシャルワーカーの皆様に、心からの敬意と感謝を申し上げます。
政府は、秋冬に向けた今後の対策として、2021年前半までに、国民全員分のワクチン確保を目指すと表明、
季節性インフルエンザ流行にも備えた検査体制の拡充や医療機関への経営支援強化などを打ち出しています。コロナ禍との長期戦を見据えて、国や都の支援を待たずして、区としてできることを全庁的に取り組んでいただきたいと考えます。
以下、
新型コロナウイルス感染症対策に関する施策について質問をいたします。
初めに、介護関連についてです。
1点目に、コロナに関する介護事業所への情報提供についてです。
介護事業所では、感染すると重症化のリスクが高いとされている高齢者の方が利用しています。3密を避けられないケアが多い現場では、スタッフ自らが感染しないよう、うつさないようにと日々緊張と不安の中、高齢者の方々の生活を維持しようと奮闘してくださっています。区内の事業所より、国や都、区からの各種通達・通知、衛生材料支援のスケジュールや各種助成金の要綱など、一目で分かるよう、ホームページのトップページに介護関連の情報を集約し、掲載してほしいとの声があります。多忙を極める業務の中、コロナに関する通知・通達が多数届きます。また、今回の慰労金についても、制度の趣旨が十分に伝わっておらず、申請していない事業所もあると聞いています。
介護現場の負担軽減のためにも、早急にコロナ関連の支援や情報が的確に介護事業所に届くよう、情報提供の改善を求めます。
2点目に、相談窓口についてです。
区は、
新型コロナウイルス感染症に係る事業所の対応Q&Aを各事業所に通知しています。その中には、サービスの必要性を
介護支援専門員と再検討した上で提供を継続するとあります。
ケアマネジャーは、ケアプラン上、生活の観点からサービスの継続の可否は判断できますが、医学的な判断は持ち合わせていないため、大変に困っているとの事業所からの声があります。介護事業所の中には、社会福祉法人などの施設と併設している事業所ばかりではありません。このような専門的意見が必要な場合の専門相談窓口は、必要不可欠ではないでしょうか。感染者が確認された場合は、保健所への報告とともに指導があります。
平時の感染対策や対応等の助言については、逼迫している保健所ではなく、介護事業者用の専門相談窓口を設置し、的確な情報発信と専門的助言・指導ができるサポート体制を構築すべきと考えますが、いかがでしょうか。
以上、私どもの重点要望でもあります。区長の答弁を求めます。
第二に、子ども関連についてです。
国は、令和2年度第2次補正予算において、介護・障がい施設等に勤務する全職員への慰労金の支給を予算化した一方で、保育所勤務の職員は対象外となりました。保育所は、緊急事態宣言の期間中も、
エッセンシャルワーカーをはじめとして仕事の休めない保護者のお子さんを預かる必要性から、規模を縮小しながらも保育が継続されました。一方で、在宅で保育が可能なご家庭には、登園自粛をお願いし、規模を縮小して運営が行われたことで、区内の保育園では、平均登園率が2割程度まで低下し、それに伴い、職員の方々も
一定期間出勤抑制や在宅勤務などにより、感染リスクやストレスの低減が図れたことは評価しています。また、このように登園自粛が呼びかけられていた期間の保育所運営費も、全ての在籍児童が登園しているとみなして支給されたことで、保育園の運営の安定化、職員の給与等の保障という意味でも非常に意義のあったものと考えます。ところが、保育所運営費が100%支給されているにもかかわらず、一部の保育園では、職員の給与がカットされたり、本人の意に沿わず、出勤抑制期間を年次有給休暇に振り替えられた方がいたと聞いております。
運営費が全額支給されている以上、職員の給与についても全額が保障されるべきと考えますが、このようなことが区内の保育所でも本当にあったのか、きちんと調査すべきと考えますが、区の見解を伺います。
また、そのような実態が発見された場合、是正を強く指導するよう求めますが、併せて区長の答弁を求めます。
この項の最後に、自宅療養者への生活支援について伺います。
新型コロナ感染症の無
症状病原体保有者及び軽症者の宿泊療養及び自宅療養については、軽症者等が外出しないことを前提に、自宅での安静・療養を行うとされています。区民の方より相談がありました。体調不良を感じ、37度台の微熱や頭痛、筋肉の痛み、下痢、軽めのせき等の症状があったため、最寄りの医療機関に受診、PCR検査の予約、検査という運びに。一人暮らしの方で、車も所有しておらず、板橋区の
PCR検査センターでの検査はできず、連携検査外来での検査となりましたが、自宅から病院までは2駅離れた場所にあり、移動手段に課題がありました。
PCR検査待機となった状態では、移動手段も公共交通機関の利用はやめるように案内され、徒歩40分かけて連携検査外来のある病院まで赴いたとのことです。体力が落ちている中での徒歩の往復移動は困難です。
また、自宅待機中の食料品や日常品の調達手段についてです。PCR検査結果が判明するまで、自宅での待機期間中は、検査会場に行く以外、基本外出の禁止を指示され、PCR検査の予約を取った病院からは、検査結果が出るまでの間、自宅で療養できるよう、食料の確保を要請され、近所のスーパーで買い出しをしたとのことです。このように、陽性の可能性があり、感染拡大のリスクがある中、買い出しを余儀なくされる一人暮らしの自宅療養者の方への生活支援は急務ではないでしょうか。
足立区は、いち早く療養に関する東京都の対応の変更を受け、4月から食料品を含めた生活必需品等の
自宅療養セットの支給を始めました。墨田区では、外出できない自宅療養者への一助となるよう、8月から
支援物資セットの配送を始めています。板橋区においても、自宅療養者の方が安心して療養に専念していただけるよう、食料品を含めた生活必需品の支給が必要です。また、的確な施策を講じるためには、実態把握は必要不可欠です。
そこで、伺います。
1点目に、区内には、
コロナ感染症関連で陽性となった方で、何らかの理由により1度も入院やホテル療養をされなかった方は何人いらっしゃいますでしょうか。
2点目に、コロナ感染での自宅療養者について、移動手段を含め、生活支援を求めます。今後は、感染防止と社会経済活動を両立しながら、コロナに備えた対策の強化が求められています。
以上、
新型コロナウイルス感染症対策について、区長の見解をお聞かせください。
次に、健康施策について伺います。
初めに、
糖尿病重症化予防の取組についてです。
収束の糸口が見えないコロナ禍において、糖尿病の方の重症化リスクが注目されています。そもそも糖尿病の方は、免疫に関わる細胞の働きが弱いため、新型コロナに限らず、様々な感染症にかかりやすいとの報告があります。一方、
米国糖尿病学会では、糖尿病であっても
血糖コントロールが良好であれば、
新型コロナウイルス感染による危険性は、糖尿病でない人と同等であるという見解を示しており、
新型コロナウイルス感染症から命を守るためにも、糖尿病の方は、今まで以上に
血糖コントロールに気を配る必要があります。
国は、平成28年4月に日本医師会・
日本糖尿病対策推進会議・厚生労働省の3者で、
糖尿病性腎症重症化予防プログラムを策定しました。このプログラムは、糖尿病が重症化するリスクの高い医療機関の未受診者・受診中断者について、関係機関からの適切な受診勧奨、保健指導を行うことにより、治療に結びつけるとともに、リスクの高い通院患者に対して保健指導を行い、人工透析等への移行を防止することを目的としています。板橋区でも
糖尿病重症化予防対策を強化しているところですが、コロナ禍においてさらなる糖尿病対策の強化が必要です。
厚生労働省の
糖尿病性腎症重症化予防プログラムの改訂、標準化に向けた研究班からの10の提言の中で、透析医療費を削減するためには、区の健診を受診した方たちだけでなく、健診を受けていない方たちにも介入することが必要だとされておりますが、残念ながら全国的に取組が進んでいないようです。
2019年3月に、
厚生労働省保険局国民健康保険課より出された、
糖尿病性腎症重症化予防に関する事業実施の手引きによると、
KDB国保データベースシステムから
レセプトデータを分析すれば、健診を受けていない方たちの中から治療中断者が抽出でき、そこに受診勧奨できるとあります。この健診を受けていない
糖尿病治療中断者の方々を抽出し、受診勧奨をしていただき、診療に結びつけていただくよう要望いたします。
また、
レセプトデータは、過去5年間までのデータが保存されていると聞いていますが、治療中断期間が長くなるほど重症化のリスクは高くなります。過去5年まで遡って治療中断者を抽出し、
治療中断者対策の実施を求めます。健診結果やレセプトからのデータ分析で得られた情報は、地域において、行政と医療関係者が共有し、効果的に活用されてこそ糖尿病の重症化予防の取組が促進され、意義あるものになると考えます。
新型コロナウイルス感染症から区民の命を守る観点からも、糖尿病の治療を放置している方たちを医療につなげる受診勧奨はとても重要な取組と考えますが、区長の見解をお伺いいたします。
第二に、がん対策についてです。
1点目に、肺がん検診についてです。
コロナ禍において、がん検診や手術の休止・延期が相次ぎ、早期発見や治療の遅れが懸念されています。厚労省の通知により、緊急事態宣言の期間は、集団で実施する健診や保健指導については、原則として延期することとされました。板橋区では、肺がん検診は集団検診です。ウィズコロナの時代を見据えて、検診方法を検討する必要があるのではないでしょうか。
我が党は、先日、令和3年度に向けた重点要望を区長に提出し、
肺がん検診受診率向上のために、現状の、板橋区特定健診における胸部X線検査を肺がん・結核検診などへ転換することを要望いたしました。肺がん検診を個別検診として特定健診との同時受診ができれば、利便性が高まり、集団検診による感染リスクも解消され、確実に受診率が向上すると考えます。残念ながら板橋区の
肺がん検診受診率は23区中最下位です。集団検診も定員割れしている現状です。
目黒区では、平成31年度より個別検診方式での肺がん検診を導入。特定健診との同時受診がベースとなっているため、特定健診受診者の多くが、肺がん検診を受診することが予想されます。また、二重読影体制も構築されています。板橋区の特定健診では、ほぼ全ての対象者が胸部X線検査を受けることができる環境が整っており、読影体制を整えることで、肺がん・結核検診に転換することが可能と考えます。
肺がん検診受診率向上のために、肺がん検診を特定健診と同時受診が可能な個別検診方式とし、特定健診の胸部X線検査を肺がん・結核検診に転換するよう求めますが、いかがでしょうか。
2点目に、
子宮頸がんワクチンについてです。
様々なワクチンの定期接種化が進む中、我が党が以前より要望してまいりました
ロタウイルス感染症がA類疾病として追加され、この10月からロタウイルスワクチンの定期接種化が始まります。一方で、
HPVワクチンは、2013年4月から国の定期接種となりましたが、接種後に多様な症状が生じたとする報告により、2013年6月に自治体による積極的勧奨の差し控えを行い、現在もその状況は変わらず、既に7年が経過しています。
日本小児科医会は、
HPVワクチンが定期接種として接種可能なワクチンであるとして、各
自治体首長宛てに、
子宮頸がんワクチン接種通知についてのお願いとして、接種勧奨ではなく、周知のための通知を実施し、対象者へ正確な情報を伝えるよう要望書を提出しています。
港区のホームページには、
積極的接種勧奨の差し控えにより、情報が伝わらず、定期接種期間に接種できなかった区民より、自費で打とうにも高額で諦めることになった、ワクチンで防げる病気なのに、接種していなかったために感染してしまったらやるせないといった声が掲載されたことを受け、令和2年度から、高校1年生相当の年齢の女子及び保護者宛てに
厚生労働省作成のリーフレットを個別郵送しています。
HPVワクチンは、現在においても予防接種法における定期接種A類として位置づけられており、自治体は制度の周知を行う義務があります。板橋区においても、何も知らないまま定期接種の対象期間を過ぎてしまったという区民を出さないためにも、個別通知による正しい確実な情報提供を実施する必要があると考えます。
少なくとも、定期接種の権利がなくなる高校1年生相当の年齢の女子に対して、接種の可否を判断するための最新の正しい情報とともに、
定期接種期間終了のお知らせを通知すべきと考えますが、区長の見解をお示しください。
第三に、フレイル健診についてです。
2020年4月より、75歳以上の後期高齢者を対象にフレイル健診がスタートしました。フレイル健診は、以前から実施されていた
後期高齢者医療制度の健診に含まれる質問票を、40歳から74歳対象の特定健診の項目をベースに、高齢者向けに修正変更したもので、フレイル状態の高齢者を早期発見し、生活改善のサポートを行っていくものです。フレイル健診が導入されれば、かかりつけ医による早期発見・診断も可能であり、必要な支援につなげることができ、介護予防の有効な事業と考えます。令和元年5月に医療保険制度の適正かつ効率的な運営を図るための健康保険法等の一部を改正する法律が公布され、今年度から市区町村において、介護予防と疾病予防、重症化予防を一体的に実施する枠組みの構築が求められています。
板橋区として、フレイル健診をはじめ、高齢者の保険事業と介護予防の一体的な実施についてどのように進めていくのか、また、具体的な事業をお示しください。
次に、介護施策について伺います。
今年度は、板橋区
介護保険事業計画2020の最終年度であり、第8期
介護保険事業計画の策定に向け準備が進められており、先日の
健康福祉委員会において骨子案が示されたところです。第8期の計画においては、第7期計画における目標や具体的な施策を踏まえ、2025年を目指した
地域包括ケアシステムの整備、さらに、現役世代が急減する2040年の双方を念頭に、高齢者人口や介護サービスのニーズを中長期的に見据えることについて、位置づけることが求められています。
初めに、第8期計画策定において重点事業・関連施策として挙げられている、介護人材の確保・育成・定着支援について伺います。
1点目に、潜在介護士への就労支援についてです。
慢性的に人材が不足している介護現場において、何らかの理由で介護業務の資格・経験があるものの、現場を離れている潜在介護士が注目されています。厚労省も、今年の5月に、現場を離れた介護人材の復帰促進策としての再就職準備金を、全国一律40万円に引き上げる方針を発表しました。あくまでも貸与制度ではありますが、2年間の介護職勤務で返済が免除となっています。
世田谷区では、平成19年に、世田谷区福祉人材育成・研修センターを設立し、福祉の仕事をしている方、これから始めたい方を対象に、人材発掘・就労支援や各種研修など、人材の確保・育成に取り組んでいます。また、区内在住、在勤の
福祉サービス従事者に、心や仕事の悩み相談を無料で行っています。
板橋区においても、潜在介護士の就労支援のため、知識や技術を再認識し、再就職の意欲につながる研修と事業所へのマッチングを一体的に行い、確実な就労につながるような伴走型支援が必要と考えます。区長の見解をお聞かせください。
2点目に、
総合事業訪問型サービス従事者研修についてです。
板橋区では、平成30年度より
総合事業訪問型サービス従事者確保対策事業として、
家事援助サービススタッフ研修を実施し、終了後には、受講者と
区内訪問介護事業所との相談会を開催し、就労へつながるよう
マッチング支援を行っています。この研修は年に2回開催されており、平成30年度は定員70名のところ申込者数は143名、令和元年度は定員80名のところ申込者数134名となっており、申込みをされても受講できていない方が多数いらっしゃいます。また、修了者の採用率は、平成30年度28.8%、令和元年度17.7%で推移しています。たくさんの受講希望者がいるにもかかわらず、受講すらできておらず、また、働く意思がある方が受講している現状に対して採用率が低いのは大きな課題です。
その理由の一つに、研修と実際の現場でのギャップがあるのではないでしょうか。座学のみだけでなく、職場体験を含めた研修内容の充実と、受講希望者の全員が受講できるよう、定員の拡充を要望いたします。
また、この資格は板橋区のみ有効となっており、隣接区の事業所での就労を希望する方には壁となります。隣接区と連携し、共通のルールで隣接区でも就労できるように進めていただきたいと考えます。
区のオリジナリティが発揮でき、人材確保の一助となる大切な事業であります。区長の前向きな答弁を求めます。
第二に、板橋区介護者こころの相談事業についてです。
板橋区では、介護者の心理的不安の解消を図り、介護者のうつ予防、高齢者虐待防止に資することを目的として、臨床心理士による板橋区介護者こころの相談事業を実施しています。
現在、ヤングケアラーの存在が注目されています。ヤングケアラーとは、要介護状態の家族のために、大人が担うようなケアの責任を引き受け、家事や家族の世話、感情面のサポートも行っている子どもや若者のことです。
板橋区介護者こころの相談事業の対象者は、おおむね65歳以上の高齢者を介護する家族または支援者となっており、ヤングケアラーも当然対象者です。埼玉県では、ヤングケアラーを支援する全国初の条例が制定されました。板橋区においても、ヤングケアラー支援の具体的な取組を始めていただきたいと考えます。こころの相談室は、臨床心理士の資格を有した相談員です。ヤングケアラーの精神的なケアには専門性も必要です。また、課題とされているヤングケアラーの掌握には、要保護児童対策地域協議会や教育機関との連携が不可欠と考えます。
ヤングケアラーに向けた相談事業のチラシを作成し、関係機関に配付するなど、ヤングケアラーへの視点も含めた相談事業の周知・啓発及び相談機能の拡充が必要と考えますが、いかがでしょうか。
次に、災害対策について伺います。
初めに、避難行動要支援者の個別計画についてです。
現在、避難行動要支援者の個別計画については、在宅人工呼吸器使用者についてのみ、災害時個別計画が策定、更新されています。全国的に多発する自然災害において、犠牲者の多くは高齢者や障がい者の方であり、避難行動要支援者に対する個別計画の策定は喫緊の課題です。個別計画の策定を担当
ケアマネジャーに委託している自治体があります。避難行動要支援者の多くが介護サービス、障がいサービスの利用者です。
西東京市は、居宅介護支援事業者、指定特定相談支援事業者と契約を結び、利用者の中から避難行動要支援者の対象になっている方を抽出し、その個別支援計画を作成する業務委託を行っています。
杉並区は、登録者の個別計画の策定は、民生・児童委員が行っていますが、要介護、障がいの状態により、民生・児童委員単独での策定が難しい場合、地域包括支援センターや障害者地域相談支援センターに訪問の同行を依頼できるようにしており、また、登録者の担当ケアマネも個別計画を策定できるようにしています。
松山市では、要支援者名簿登録申請書が、個別計画の様式を兼ねており、申請と同時に、避難支援時に配慮してほしいことや近隣協力員・緊急連絡先などを記入できるようになっています。
ケアプラン策定時の基本情報は、個別計画に記載する内容と重複している項目も多く、個別計画の様式を工夫し、担当ケアマネに委託することで、ケアプラン策定時に同時に策定が可能となります。また、ケアマネは利用者、ご家族とのコミュニティーがあり、個々の状況を把握しています。ケアプランは定期的にモニタリングが行われますが、その都度避難方法や避難先等を確認することは、意識啓発にもつながると考えます。
板橋区では、要配慮者支援検討委員会が設置されています。検討委員会において、担当ケアマネも個別計画が策定できるよう、また、板橋区避難行動要支援者名簿記載申請書兼外部提供同意確認書を個別計画を兼ねた様式への変更を強く求めます。区長の見解をお聞かせください。
第二に、要配慮者の避難確保計画についてです。
平成29年の水防法の改正により、浸水想定区域などに所在する要配慮者利用施設の所有者、管理者に対し、避難確保計画の作成及び避難訓練の実施が義務化されました。国は来年度までに100%にするとしています。板橋区の避難確保計画の進捗状況は40%弱です。国交省は、避難確保計画の作成について、都道府県及び市区町村の関係部署が連携して積極的に支援を行うことが重要としており、避難確保計画の必要性について丁寧な説明が望まれています。昨年度は、対象施設向けに講習会を実施されていますが、引き続きの周知と作成支援が必要と考えます。100%の策定に向けて今後どのように支援していかれるのか、具体的にお示しください。
第三に、都営住宅の垂直避難についてです。
避難場所まで避難する時間的猶予がない場合や、避難することが危険な場合は、垂直避難が重視されるようになりました。大規模な水害が発生した際、都営住宅の共同部分を緊急避難先とする東京都との覚書の締結が進んでいます。6月には足立区が、8月には新たに八王子市、清瀬市が締結しています。地域の都営住宅は、水害時の垂直避難場所として大変に有効です。板橋区の避難場所強化のために、早急に東京都と都営住宅の空き部屋などが活用できるよう、災害協定を締結していただくよう求めますが、いかがでしょうか。
次に、児童相談所設置に向けての取組についてお伺いいたします。
平成28年の児童福祉法の改正により、家庭養育優先が記され、子どもの権利条約の理念が明記されました。社会的養護の基盤づくりとして、家庭養育優先原則に基づき、家庭での養育が困難または適当でない場合は、養育者の家庭に子どもを迎え入れて養育を行う里親やファミリーホーム、家庭養護を優先するとともに、児童養護施設、乳児院等の施設についても、できる限り小規模かつ地域分散化された家庭的養育環境の形態に変えていくとされており、より家庭に近い環境での養育の推進が求められています。
厚労省は、愛着関係の元で養育され、安心感の中で自己肯定感を育み、基本的信頼感を得られる等の効果が期待できることから、社会的養護では里親委託を優先して検討としています。里親等委託率は自治体間の格差が大きく、全国では20.5%で、最大は新潟市の55.9%です。また、過去10年間でさいたま市は6.2%から40%へと大幅に委託率を伸ばしています。これらの自治体では、児童相談所への専任の里親担当職員の設置や、里親支援機関の充実、体験発表など、様々な努力が行われているとのことです。
板橋区としても、里親委託の推進は大変に重要な取組と考えます。里親委託の推進のために、児童相談所への専任の里親担当職員の設置を含め、本区としてどのように取り組んでいかれるのか、お示しください。
また、養子縁組による家庭・里親家庭と同様に、家庭における養育環境と同様の養育環境であるファミリーホームの設置を進めていただきたいと思います。ファミリーホームは、定員5人から6人で、養育里親の経験者や施設職員の経験者が養育者となり、養育者の住居で養育を行う家庭養育です。里親等委託率の向上とともに、ファミリーホーム設置に向けての取組を推進していただきたいと考えますが、区長の見解をお伺いいたします。
最後に、板橋区老朽建築物等対策計画について伺います。
平成28年、板橋区老朽建築物等対策計画2025が策定され、前期5年の実績を踏まえた見直しが行われています。前期の実績では、危険度Aと判定された207件について、133件、64.3%まで減少されていることは高く評価いたします。しかし、令和元年度に行われた実態調査によると、危険度Bに判定された855件において、71件が危険度Aに進行している結果が出ました。区は、条例に基づき、所有者等に対し、粘り強く啓発・助言・指導などの支援を行っていますが、老朽化は避けられません。
老朽建築物等に関する問題で多い相談事例として、高齢で管理が難しい、相続人が特定できない、相続でもめているといった課題が挙げられており、こうした高齢者に特化した課題が原因で解決や解消に至らないケースが多く見受けられることから、新たに高齢者支援の視点を入れた見直しが進められています。高齢者の皆様のプラットホームであり、アセスメントの最初の入り口となる各地域包括支援センターとの連携は必要不可欠です。また、様々な手続を進めるに当たっては、司法書士等の専門家との連携も重要です。地域包括支援センターや福祉部局、専門家との連携を強化し、老朽化の予防対策を進めていただくよう要望いたします。
第二に、空き家の利活用についてです。
空き家を居場所として活用する方法が全国的に広がっているようです。空き家を地域の社会的資源と捉え、地域社会で利用する発想で、住宅という枠内で活用を図るのではなく、地域の拠点としての活用をしようとするものです。富山市で始められた高齢者・障がい者・乳児院を同時にサポートする共生型サービスは民家を活用しています。子ども、高齢者、障がい者の方々の多様な居場所づくりに空き家を利活用していただきたいと思いますが、区としては、空き家についてどのような利活用を考えておられるのか、お示しください。区長の答弁を求めます。
以上で、私の一般質問を終わります。ご清聴、ありがとうございました。(拍手する人あり)
〔議長交代、副議長(大田ひろし議員)議長席に着く〕
◎区長(坂本健君) 議長、区長。
○副議長(大田ひろし議員) 区長。
〔区長(坂本 健君)登壇〕
◎区長(坂本健君) 皆様、おはようございます。早速、
成島ゆかり議員の一般質問にお答えいたします。
最初は、介護事業所への情報提供体制についてのご質問であります。
介護事業所における
新型コロナウイルス感染症への対応や、感染予防物品等の配付につきましては、これまでも区ホームページに掲載をし、情報提供をしてきたところであります。今般、介護事業者が必要とする
新型コロナウイルス感染症に関する情報を入手しやすくなるよう、区ホームページの構成を一部改善いたしました。今後も引き続き、介護事業者に分かりやすい情報発信に努めてまいりたいと考えています。
次に、相談窓口についてのご質問であります。
新型コロナウイルス感染症に係る介護事業所等における対応につきましては、集団指導や区ホームページなどを活用し、情報を提供しております。また、
新型コロナウイルス感染症に関するものも含めた介護事業者からの様々な相談につきましては、これまでも介護保険課のほうで対応してまいりました。新型コロナウイルスに関する情報につきましては、日々、更新・発出されておりますので、より正確で新しい情報を提供できるよう、引き続き、介護事業者をサポートしていきたいと考えています。
次は、子ども関連についてのご質問であります。
保育園が登園自粛等の措置をとった際にも運営費は全額支給し、保育士等の職員にも、給与カットすることなく賃金を支払うようこれまでも指導してまいりました。現在まで、区内の保育所で、ご指摘のような給与カットや年次有給休暇の振替取得等の事例は確認をしていないところであります。今後につきましても、機会を捉えて調査・確認するとともに、そのような事例が確認された場合においては、是正を強く指導していきたいと考えています。
次は、自宅療養者への生活支援についてのご質問であります。
新型コロナウイルス感染症の検査結果が陽性と判明し、1度も入院あるいはホテル療養することがなく療養期間を終えた方につきましては、累計で174名、これは9月15日現在の数字となっております。現在、板橋区では、陽性者は、入院あるいはホテル療養を原則としておりまして、陽性者の理解、協力が得られているところであります。自宅療養者への生活必需品等の支援につきましては、他区や東京都及び国の動向を見据え、費用対効果も踏まえて検討していきたいと考えています。
次は、
糖尿病重症化予防についてのご質問であります。
区では、レセプト情報を含む国保データベースシステム、KDBシステムにより、糖尿病のハイリスク者を抽出し、医療機関への受診勧奨を行っているところであります。さらに、糖尿病性腎症疑いのハイリスク者に対しましては、面接及び電話による保健指導を実施し、少しでも症状が悪化しないように努めているところであります。
新型コロナウイルス感染症は、基礎疾患のある方の重症化リスクが高く、糖尿病対策は重要となるため、過去5年間のデータを踏まえて対象者の抽出を行うことを検討していきたいと考えています。
次は、肺がん検診についてのご質問であります。
がん検診の受診率向上には、個別健診が効果的であることは認識しています。肺がん検診の個別健診の実施に当たっては、医療機関等との協議も必要であることから、費用対効果も含めて、今後研究をしていきたいと考えています。
次は、
子宮頸がんワクチンについてのご質問であります。
子宮頸がんワクチンは、予防接種法A類ではありますが、積極的勧奨の差し控えによりまして、区では個別通知は行っていないところであります。接種対象者に向けましては、区のホームページにおいて、定期接種期間や予防接種の効果・副反応などをお知らせし、希望者には予防接種票をお渡ししております。今後、定期接種期間の周知方法につきましては、国の指針等を踏まえて検討をしていきたいと考えています。
次は、フレイル健診についてのご質問です。
区では、フレイル健診をはじめ、高齢者の保健事業と介護予防の一体的な実施について検討を行っているところであります。具体的には、後期高齢者の健康診査にフレイル予防の問診票を導入するほか、栄養状況を把握するため、血液検査にアルブミン値を追加することを検討しております。今後、さらに、国民健康保険特定健診で実施をしております
糖尿病重症化予防事業を後期高齢者に対しましても継続的に行うなど、一体的な実施につなげていくことを検討していきたいと考えています。
次は、潜在介護士への就労支援についてのご質問であります。
区では、元気高齢者や主婦層を対象に研修を実施し、家事援助の訪問型サービスの介護人材の掘り起こしを図る
総合事業訪問型サービス従事者確保対策事業を実施しております。また、介護事業所から、事業所での人材育成に対する支援要望も寄せられていることから、今年度より、介護職員初任者研修課程受講料助成事業を開始しております。介護現場を1度離職した潜在介護士を含めた就労支援につきましては、介護事業者に対する人材育成支援事業の中において検討していきたいと考えています。
次は、
総合事業訪問型サービス従事者研修に関連いたしまして、定員の拡充についてのご質問であります。
研修内容の充実につきましては、これまでの座学に加え、ご提案の職場体験も含め、介護現場とのギャップを解消するメニューについて、今後検討したいと考えています。また、定員の拡充につきましては、これまでの応募状況を勘案した定員設定のほか、これまで受講につながらなかった希望者に対する救済策も併せて検討していきたいと考えています。
次は、隣接区と連携した資格の共通ルール化についてのご質問であります。
本研修は、区が実施主体であります総合事業の従事者養成を目的に実施をし、区内の訪問型サービスに従事する場合のみ有効としておりますが、他区においても同趣旨で研修を実施しております。来年度以降、この研修の時間及び内容の充実を図り、介護未経験者を対象に、国が定めた介護に関する入門的研修の実施に向けた検討をしているところであります。この入門的研修修了者は、初任者研修や実務者研修の一部免除のほか、区内にとどまらない介護サービス従事者としてのステップアップへの期待もあることから、資格の共通ルール化につながる可能性があるものと考えています。
次は、介護者こころの相談事業についてのご質問であります。
この事業につきましては、各おとしより相談センターが窓口となり、臨床心理士が高齢者を介護する家族の心理的負担の軽減に資する助言や、適切な支援機関への紹介などを行っているものであります。ヤングケアラーにつきましては、実態が見えづらいため、子ども家庭支援や教育関係など、子どもと接する機会の多い機関に事業の案内を配布するなど、事業の周知を強化していきたいと考えています。また、ヤングケアラーが介護により孤立したり、教育の機会の確保が阻害されることがないように、相談機能の充実を図っていきたいとも考えています。
次は、避難行動要支援者の個別支援計画についてのご質問であります。
日頃から要支援者と関わる
ケアマネジャーとの連携は、個別支援計画の作成においては有効な方策でありますが、避難支援者とのマッチングに課題が残るものと認識しています。また、名簿登録の申請書兼同意書は、要支援者が自分で作成できるよう記入項目を精査しておりまして、個別支援計画に必要となる項目を含めると、作成の協力者も必要となると考えています。現状の課題を解決し、個別支援計画作成の支援体制を速やかに構築すべく、要配慮者支援検討委員会での検討のほか、介護福祉事業者や地域の支援団体との協議を進めていきたいと考えています。
次は、要配慮者施設の避難確保計画についてのご質問であります。
要配慮者施設の避難確保計画につきましては、該当施設の代表者による検討会を設置し、啓発シンポジウムの開催や板橋区版のひな型を作成するなど、早い段階から様々な支援に取り組んでまいりました。本年3月には、荒川下流河川事務所と連携の上、避難確保計画の策定支援動画を制作し、ネット上で公開をし、コロナ禍で講習会が実施できない状況での支援策も整えてまいりました。今年度におきましても、引き続き、策定義務化の周知や講習会の実施など、様々な手法を組み合わせ、計画策定率の100%達成に向けて継続的な支援を実施していきたいと考えています。
次は、都営住宅を活用した垂直避難についてのご質問であります。
荒川が氾濫した場合の浸水想定は各自治体で大きく異なり、例えば、足立区においては、ほぼ全域が浸水するものの、3日未満において水が引き、板橋区では、総面積の約3割の浸水にとどまるものの、浸水継続時間が2週間以上の地域が多いという特性を持っております。浸水が継続する中においての垂直避難をされた方々の救助は、困難を極めるものとされておりまして、区南部に高台がある板橋区においては、浸水区域外への水平避難を原則とする必要があると考えています。一方、新河岸・舟渡地区においては、垂直避難しか選択肢のない切迫した状況に陥ることも想定されるため、現在、国や東京都と連携をして検討中であります、大規模水害時の垂直避難の在り方の方向性を踏まえ、東京都との協定締結についても検討をしていきたいと考えています。
次は、里親委託の推進についてのご質問であります。
東京都の児童相談所や先行の3区においては、里親業務を専任する組織を設置し、里親の普及活動や育成・支援に取り組んでいるところであります。本区におきましても、令和4年度に開設する(仮称)子ども家庭総合支援センターに、里親業務を専任する係を設置する予定であります。また、民間のフォスタリング機関とも連携をし、里親の普及啓発活動や育成・支援を行い、里親委託を推進する予定であります。
次は、ファミリーホームの設置に向けての取組についてのご質問であります。
ファミリーホームは、保護者がいない、または保護者に監護させることが適当でない児童に対して、養育者の住居において児童の養育を行う制度であります。設置には、里親の普及・育成とともに、養育するための居住環境や人員の確保、関連施設との連携など、様々な課題がございます。ファミリーホームは、家庭養護の推進に有効な施策であると認識をしておりまして、里親委託の推進を図る中において、現行の課題を含めて検討を進めていきたいと考えています。
次は、老朽建築物等対策計画の見直しに関連いたしまして、対策の実績を踏まえた今後の方向性についてのご質問であります。
平成28年に策定しました板橋区老朽建築物等対策計画2025に基づき、所有者への指導や支援を行い、一定の成果を上げてまいりましたが、様々な課題により改善されない場合もあると認識をしております。所有者には高齢者が多く、本人による対応が困難な場合は、身近なつながりを有する福祉部門や、司法書士等の専門家団体と連携して対応することによって解決につなげてまいりました。今後とも、これら団体等との相談体制を充実させるなど、さらに連携を強化しながら課題解決を推進していくとともに、その視点を盛り込んだ対策計画の見直しを進めていきたいと考えています。
最後のご質問になります。空き家の利活用についてのご質問です。
板橋区住まいの未来ビジョン2025におきましては、空き家の適切な維持・管理・利活用を推進し、新たな住まい方を展開をすることとしておりまして、平成30年度に住宅対策審議会において諮問をしております。現在、審議会において、昨年度実施した空き家利活用実態調査の結果等を踏まえて審議をしておりまして、年内に答申を頂く予定となっております。区といたしましては、審議会の答申を受けて、施策の具体化をする中において、建物の経年劣化による状態や所有者のご意向などを考慮し、空き家の利活用を検討していきたいと考えています。
頂戴しました質問に対する答弁は以上となります。
○副議長(大田ひろし議員) 以上で、9月23日の寺田ひろし議員、本日の
成島ゆかり議員の一般質問を終了いたします。
次は、共産党が行います。
初めに、石川すみえ議員。
◆石川すみえ 議員 議長。
○副議長(大田ひろし議員) 石川すみえ議員。
〔石川すみえ議員登壇〕(拍手する人あり)
◆石川すみえ 議員 ただいまから、日本共産党板橋区議会議員団を代表して、一般質問を行います。
初めに、
新型コロナウイルス感染症対策と、子どもたちへの支援についてです。
最初に、安心安全の保育を求めて質問します。
区内のある女性は、今年の4月に1歳のお子さんが保育園に入所し、4月11日から育休明けで仕事復帰の予定でした。しかし、新型コロナの感染拡大により、保育園から登園自粛の要請があり、育休を延長しました。そして、在宅子育てをしている間に体調を崩してしまい、職場から戻るところはないと言われ、退職を余儀なくされました。その後、仕事は10か所以上断られ、何とか探した仕事は体力勝負で続けられるか自信がないと言います。子どもは保育園に慣れ、楽しく遊んでいる、退園になるかもしれないと考えたら不安とショックで夜も眠れなかったと話しています。
板橋区において、今年の4月に保護者が仕事を探すために保育園に入所し、8月末時点で保護者の就労が決まっていない児童は108名です。区の就労開始期限は8月末までのため、仕事が見つからなければ保育は打ち切られてしまいます。しかし、コロナ禍の就職難は深刻です。区は、待機している児童がいるので、公平性を保つために退園調整期間は変えないとしていますが、そもそも待機児童ゼロになっていないことが問題なのです。そのことをもって、既に保育園に通っている子どもから保育を取り上げることは、まさに保育政策のしわ寄せが子ども自身に及んでいると言うほかありません。
江東区では、求職中で入園した人の勤務証明書の提出が令和3年4月まで延長になりました。現在の労働環境を見たら当然のことと思います。板橋区でも同様の対応が必要です。また、育休中の方の復職期間も同様に延ばすべきです。見解を伺います。
この間、日本共産党板橋区議団は、コロナ禍の保育現場の現状の聞き取りを行ってきました。現場が一番心配しているのは、保育士自身が感染していないか、子どもたちにうつしてはいないか、うつされてはいないかということです。コロナ感染が急速に広がる中でも、保育士はPCR検査を受けることもできないまま保育を継続してきました。子どもと接触することが避けられない職場で日々の保育が行われてきたのです。まず、日々の保育の安心のためにも、保育士に対する定期的なPCR検査を実施することが必要だと考えますが、いかがでしょうか。
練馬区では、保育施設は屋内かつ互いの距離が近く、マスク等の着用の徹底も難しい環境であるとして、常勤職員1名につき2万円を給付しました。区議団の聞き取りでは、消毒の業務が増えたのに人員の補助はない。クラスニュースを作ったり、保育に必要な材料をそろえたりする時間で消毒作業を行っている。感染リスクが高まるので、大人の水分補給は保育室の外で行っています。タイミングを計って飲まないといけないので神経を使うという声が上がっています。水分補給もままならない状況は、保育士自身の健康にも影響します。保育を安定的に継続するためにも、板橋区でも保育士に対する慰労金の支給を求めます。
区内保育所では、6月30日に陽性反応者が判明してから、現在まで13園で確認されています。臨時休園を行わなかった園もありますが、休園期間は1日のところから11日間までと様々です。陽性反応者が園で出た場合、当該園であっても、どのクラスで出たのかさえ分からず、濃厚接触者になって初めて伝えられる状況です。該当のクラスではないとしても、保育は密が避けられません。自分の子どもはPCR検査を受けられるのか、受ける必要がないとしても心配が残ります。不安を取り除くためにも情報は公開されるべきです。
そこで伺います。陽性反応者が出た当該園以外の家庭にも、PCR検査数とその結果を公開するよう求めます。また、陽性者が出た園では、職員も含めて希望する人全員をPCR検査の対象とすることを求めます。
日本保育学会の汐見稔幸会長は、日本の保育は国際的に見ても、1人でたくさんの子どもを見なくてはいけない、部屋も狭いという過剰に3密になりやすい条件があると指摘しています。このような条件の下でも、2018年の国際幼児教育・保育従事者調査では、日本の保育者は子どもに対する共感的・受容的な関わりを特に大切にしているという結果が出ています。コロナ禍でも保育園では、様々な制限のある中、現場の努力によって保育が行われています。このような中で、人員や施設環境を含めた望ましい保育の質とは何かを考えざるを得ません。
厚労省の保育所等における保育の質の確保・向上に関する検討会は、今年の6月26日に議論の取りまとめを提出しました。この中で、保育の質とは、多層的で多様な要素によって成り立つとし、さらに、子どもにとってどうかという視点を中心とすることを求めています。従来の国が定めた保育士の配置基準、園庭なども含めた施設の設置基準などを見直して、これからの板橋区の保育は子どもにとってどうかという視点を中心とすることを求めます。保育定員の弾力化で詰め込むことはやめるべきです。
次に、子どもも先生も安心して学べる学校について伺います。
2月27日に、安倍首相は
新型コロナウイルス感染症対策として、全国全ての小・中学校を含む教育機関について春休み明けまで臨時休校すると発言し、文部科学省は臨時休校するようお願いする異例の事務次官通知を発出しました。文科省通知はあくまでお願いであって、各学校における休業日等の設定は、地域や児童・生徒の実態を踏まえ、板橋区教育委員会が行うものです。板橋区も3月2日の午後から休校となり、6月に分散
登校が始まるまで、子どもたちはどのように日々を過ごしたのでしょうか。生活リズムが乱れ、朝起きられなくなった、マスクをして数人で外で勉強していたら、コロナなのに集まるなと怒られる、休校が明ける直前に家庭学習がたくさん出され困惑する、そんな状況でした。さらに、コロナを恐れ、学校に行くことのできない児童・生徒が、6月23日時点で小学校で39名、中学校で3名にも上っています。区は、このような休校の影響をどう考えているのでしょうか。こうした事態を把握しているのでしょうか。
教育委員会は、授業時数の確保などを理由に、今年の夏休みを1週間ほど短縮しました。専門家の中には、学校再開後も授業の進み方が早くなったり、音楽や体育が少なくなるなどストレスがたまる日々が続いている。夏休みを子どもがやりたいことをたっぷりやらせてあげる時間にしてほしいという意見や、夏休みの本質は、ぼんやりすること、ほうけることだと思う。ふだんとは違うことをやって、ぼーっとすることも大切という意見があります。教育委員会は、夏休みの在り方について、子どもの休息という視点を持って検討したのでしょうか。夏休みは子どもの余暇の権利を十分保障するものでなければならないと考えます。教育長の見解を伺います。
文部科学省は、小6、中3は学習の遅れを取り戻すとしつつも、その他の学年は二、三年間を見通した教育課程編成も検討するよう通知しています。区教委もガイドラインで、学習状況により年間指導計画を見直して、次年度での指導を行うことも考慮するとしています。しかし、2学期になっても、授業時間は45分から40分への短縮、7時間目授業、土曜授業を3時間から4時間にするなどして授業時数を確保している学校もあります。また、運動会や音楽会といった行事がなくなりました。ある小学生は、授業ばっかりで楽しみがなくなった。給食は前を向いておしゃべり禁止、グループで食べられないので楽しくない。修学旅行がなくなって寂しい、卒業でバラバラになってしまうのに楽しい思い出がないと言います。子どもに寄り添った対応がどの学校でも行われるべきです。ガイドラインにあるように、授業時数を詰め込まない指導計画が作成されているのでしょうか。お答えください。
学校での感染者が引き続き発生しています。教職員の皆さんは、学校を安全な場所として、子どもたちみんなに安心して通ってもらえるよう、職員室のソーシャルディスタンスを保つことすらままならない状況で学校内の消毒に追われています。コロナ禍で公教育の在り方が大きく問われ、変化をしている中、自らの感染の恐怖と闘いながら教鞭を執る先生方が安心して子どもたちと向き合えるよう、教職員に定期的なPCR検査を実施することを求めます。保護者、そして子ども自身も感染の心配と闘っています。陽性反応が出たクラスでも、クラス全員が検査対象とならない実態もあります。7月10日に陽性者が出た学校の集団PCR検査を例外にしてはなりません。学校で陽性反応が出た場合、教職員も含めて、クラス全員検査対象にすること、また、希望する人全員にPCR検査を受けられるようにしてください。併せて、学校等の施設で感染が確認された場合には、全員陰性だったとしてもPCR検査の数と結果を公開するよう求めます。
次に、子どもの居場所確保と在宅子育て支援の拡充を求めて質問します。
児童館は、9月から、年齢別プログラムを徐々に再開しています。各部屋に定員を設け、利用者の滞在時間を制限し、徹底した消毒をこれまでと変わらない人員体制の中で行っています。利用者からは、人の多く集まる都心に行くのは怖いけど、児童館なら安心と、平日だけでなく土日の利用も助かるとの声があります。コロナ禍で家族が一緒にいる時間が増えましたが、これまでぎりぎりでやり過ごしてきた葛藤や亀裂が爆発し、子どもを管理する、叱責するとなった家庭もあります。さらに、暴力を振るう、放置するといった行為になっていくリスクは容易に想像できます。支援が必要な親子ほど支援を求めることが困難であることからも、親子で気軽に参加できるような居場所が地域にたくさんあることが大切です。
区が2016年に児童館を12館、親子ひろばを2か所減らしたことで、区内の在宅子育てを支える場所が減り、地域によっては遠くまで行かなくてはなりません。区内のどこに暮らしていても、ベビーカーを押して行ける距離の居場所が必要です。児童館の土日利用を充実させるよう体制を強化し、さらに親子ひろば等の親子の居場所を拡充することを求めます。
次に、在宅子育て支援の拡充を求めて質問します。
出産後、母親はホルモンの劇的な低下により精神的に不安定な状況になります。母親自身の体の疲労も加わり、虐待等のリスクが高まるため、支援が必要な時期です。区では昨年度から宿泊型産後ケア事業がスタートしていますが、対象者は、初めてのお産で産後120日以下の方です。第2子以降の出産でも、コロナ禍で里帰り出産が難しくなり困っているという声があります。宿泊型産後ケア事業の対象者を第2子以降にも広げ、ホームページ等で明記してください。
また、コロナ禍で在宅子育て時間が増え、居住空間の衛生を保つことがより重要になってきています。区では、ダニ等のアレルゲンを把握してもらうための健康快適居住環境推進事業を行っています。対象はゼロ歳児から2歳児の乳幼児がいる世帯です。昨年度は4件だった実績が、今年度は既に63件の申込みがあり、3月まで予約でいっぱいという状況です。もともとはぜんそく児の居住改善が目的ということですが、全ての子の保護者にとっても関心の高いものです。そこで、空気環境・訪問検査の周知を広く行い、対象を現在の2歳児までから未就学児のいる世帯まで広げてください。
次に、すくすくカードについて伺います。
すくすくカードの利用率は平成28年で46.4%、平成30年は15.8%と大幅に下がっていますが、その理由は、フォトスタジオのメニューがなくなったことと区は説明しています。すくすくカード事業は、保護者の育児不安・負担を軽減すること、外出を契機として、保護者が子と共に交流できる機会の提供などを目的としています。これからのすくすくカード事業には、コロナ禍での在宅育児を支援するという視点が必要です。利用者の声を聞くと、双子や年子の場合にはカードが残ってしまったという方もいました。また、移動に不安を伴う乳幼児連れの保護者から、タクシーチケットを求める声が多く上がっています。23区でも、タクシーチケットや交通系ICカードを支給している区があります。板橋区でも、すくすくカードのメニューの内容に、コロナ禍の在宅子育てを応援するためにタクシーチケットや交通系ICカードといった移動支援のメニューを加えてください。さらに、利用率を上げるためにも、兄弟間でシェアして利用できるようにしてください。
次に、貧困の連鎖を断ち切るために質問をします。
まずは、手厚い実親支援を求めて伺います。2020年2月6日、区立母子生活支援施設の一室から乳児の遺体が発見されるという事件が報道されました。報道によると、入居者が行方不明だと区を通じて警視庁に連絡があり、駆けつけた高島平署員が室内に置かれたかばんの中から乳児を発見、その場で死亡が確認されたとのことです。区はこの事件を受けて、どのように対応したのか、どういう教訓を引き出したのか伺います。さらに、この痛ましい事件について検証し、報告書を公開する必要性があると考えます。検証報告を公開することを求めますが、いかがでしょうか。
区立母子生活支援施設は、18歳未満の子どもがいる母子家庭で生活上の様々な問題を抱え、子どもの養育が十分にできない場合に母子で入所できる唯一の児童福祉施設です。母子共に生活しながら、24時間体制で母子の見守りと双方への支援を行うことができます。かつては2か所あった区立母子生活支援施設は、現在は1か所です。さらに今年度より特別区広域利用が始まり、より入所待機者が出るのではと懸念されています。施設の入所期間は2年間で、自立ができた方は退所となります。退所時には自立ができたとしても、その生活を維持することは、コロナ禍ではより困難を伴います、引き続き支援が必要です。2度目以降の入所希望が全て可能となるような体制を整えるべきではないでしょうか。区立母子生活支援施設において再度受入れをすべきと考えますが、いかがでしょうか。
板橋区は、令和4年度に児童相談所開設を目指していますが、乳児院の計画はありません。乳児院は原則2歳までの子どもが入所し、ショートステイ、一時保護、家族への養育支援、母子の自立した生活を支援する施設です。国の新しい社会的養育ビジョンでは、施設への入所ではなく、特別養子縁組か里親委託率を上げていく方向性が示されています。しかし、まずは乳児院に子どもを入所させ、実親への自立支援、養育支援を行うことが必要です。ただ委託率を上げることを目指すのでは、複数の里親をたらい回しにされる事態にもつながります。区は、乳児院の必要性をどう考えますか。令和4年度の児童相談所開設に向けて乳児院の誘致を検討すべきと考えますが、いかがでしょうか。
次に、貧困から抜けられない若年単身世帯への支援についてです。
収入が不安定、低賃金の若者にとって、賃貸住宅を自分で契約することは難しくなっています。そうした若者は、親の家にとどまる定住と社員寮やシェアハウス、ネットカフェを転々とする漂流の2つのタイプが見られます。親の傘ありきの政策では、実家がない若者は生きていくことができません。漂流になる手前の状況で支援にたどり着くことが重要ですが、若い世代には特に、仕事が続かない、正社員になれないのは自分のせいといった自己責任論がはびこっています。こうした若者の暮らしを支援するために、コロナ禍でアルバイト等の収入が減った単身世帯に対し、区として住居を失うことがないよう、住み続けるための支援を行うことを求めます。また、支援しやすいよう、LINEをはじめとするSNSでの相談も受け付けるべきと考えますが、いかがでしょうか。
児童養護施設は、原則として18歳で施設を出なければならず、その進学率は、一般家庭と比較して著しく低く、厳しい経済状況が指摘されてきました。区は、児童養護施設卒園者の就学及び自立を支援するため、大学等に進学する児童養護施設卒園者の家賃の一部助成をクラウドファンディングを活用して進めてきました。利用者からは、アルバイトを詰め込もうとした時間に授業の予習復習ができるようになったなど声が寄せられ、学生生活のセーフティーネットとしての役割に期待が寄せられています。しかし、本来、このようなセーフティーネット的役割は寄附金で行うのではなく、必要な事業として予算を組んで実施すべきと考えます。見解を伺います。
次に、小中一貫教育と少人数学級について質問します。
区教育委員会が2018年度に取りまとめた小中一貫教育に関する検討会報告書では、学校施設整備について、学校の建て替え時期を捉えて整備するのを基本とし、施設隣接型もしくは、施設分離型を核として実施するとしています。現在、建設から50年以上経過した志村小学校は改築の対象です。昨年11月から、志村小学校に関係する町会やPTAなどで構成する協議会において検討が行われてきました。その中で区教委は、志村小学校の敷地内に仮校舎を設置して建て替える場合は、工事が複雑なため工事期間が6年かかり、子どもへの負担が高いことを理由に、現在の志村小に建て替えることは難しいと説明しています。仮校舎の代替地などの協議の結果、志村第四中学校敷地に、志村小学校との施設一体型の小中一貫校を設置する方向で、既に志村第四中学校の関係者も含めた協議が進められています。しかし、教育委員会における施設一体型の小中一貫校の教育的な課題や、子どもたちへの影響などについての検証や検討は、この8月にようやくスタートしたばかりであり、子どもたちにとって必要な教育と、そのための学校施設の在り方は置き去りと言わざるを得ません。区教委としての方針を取りまとめるまで協議会における検討は凍結すべきと考えますが、いかがでしょうか。
いたばし魅力ある学校づくりプランは、公共施設の総量抑制の方針の下、改築の際には、まず近隣校との統合を検討するとしています。その前提である2011年の区立学校適正規模及び適正配置審議会答申では、教育上望ましい規模は、小学校で12から18学級、中学校で12から15学級と示されています。しかし、教育上望ましい学級数を超えている学校は、プラン策定時には小学校では7校だったのが今は10校に、中学校でも1校から2校に増えています。答申では、大規模校の対応として、用地取得による増築や新校設置について教育委員会は努力すべきであるとしています。大規模校の解消に向けた努力こそ行うべきで、学校の統廃合を進めている場合ではありません。統合を前提に学校の規模を大きくするような、現在の魅力ある学校づくりプランの取組は改めるべきではないでしょうか。見解を伺います。
8月19日に、中央教育審議会特別部会が中間のまとめ骨子案を公表しました。そこに、少人数学級を可能とするための指導体制や施設整備を図ることが盛り込まれました。さらに、全国知事会、全国市長会、全国町村会も7月2日、政府に対し、現在の40人学級では、感染症予防のために児童・生徒間の十分な距離を確保することが困難とし、少人数編制を可能とする職員の確保などを求める緊急提言書を提出しています。
新型コロナウイルス感染の教訓の一つは、感染症が発生しても学校を休校せずに、安心して授業を受けられる学校にすることです。コロナ禍で、子どもも保護者も教職員も少人数学級を求めています。今こそ少人数学級が必要です。今年の第2回定例会において、その必要性をお答えいただけませんでしたが、改めて教育長に伺います。少人数学級についての見解をお示しください。
次に、全ての子どもに遊び場を求めて質問します。
板橋区の子ども子育て支援に関するニーズ調査では、子育て施策の中で重点的に取り組むべき事業は、子どもの身近な遊び場の充実という項目が上から2番目に上がっています。令和元年度板橋区区民意識意向調査でも、子育て政策の中で求めるものとして一番多いのが、子どもが安心して遊べる場があるとなっています。区民の子どもの遊び場への関心の高さを表しています。しかし、新型コロナの感染拡大によって外出自粛が求められるようになりました。密を避けるという理由で、公園の遊具は黄色いテープでぐるぐる巻きになりました。遊ぶ場所がなくなった子どもが、自動車の通らない私道で1人で縄跳びをしていたら、こんな時期に何しているんだと怒られ、公園でボール遊びしている子どもがうるさいと苦情が寄せられる。緊急事態宣言中には、保育園のお散歩中に保育士が、なぜこんな時期に外に出るのかと非難された事例もあります。これが板橋区の子どもの遊び場の現状です。
子どもの遊ぶ権利のための国際協会日本支部は、新型コロナパンデミックのような危機的状況の際には、子どもが遊ぶことは、世界で起きている新しい経験や変化を理解すること、困難または恐怖の気持ちとうまく付き合うことにつながるとしています。身近な、密にならないコミュニケーションの場として公園があります。リモートワークが浸透していく中で、子ども連れの男性の姿も見え、お父さんの地域デビューの場ともなりました。近所にこんなに若い世代がいるんだ、と嬉しく頼もしく思ったという声もあります。ふだんは顔の見えない隣の家族が可視化され、地域の公園が公共空間として機能し、地域コミュニティが生まれていくことが期待されます。区は、コロナ禍における公園の重要性についてどのように考えているのでしょうか。見解を伺います。
私は、板橋区でもプレーパーク事業が必要だと求めてきました。広島市ではニーズ調査を受け、子ども施策総合計画の中の重点施策として、子どもの遊び場と居場所づくりの推進を位置づけ、冒険遊び場づくりモデル事業を踏まえて本格実施しています。区は、パークマネジメント計画において、プレーパークの整備に向けて、プレーリーダーの担い手探しを行うと位置づけています。今年度から、東板橋公園、徳丸が原公園の2か所を指定管理者制度とし、事業者にプレーパーク事業を行ってもらうとしていますが、新型コロナの影響を受け、進んでいません。区の計画には、広島市のように子どもの成長・発達に遊び場が必要だという視点がありません。子育て事業として遊び場を位置づけていないので、プレーパーク事業が進まないのではないでしょうか。
そこで伺います。板橋区次世代育成推進行動計画の中に、遊び場の確保、外遊びの重要性を位置づけることを求めます。
板橋交通公園に隣接する旧大山小学校跡地を活用した暫定開放が4月から始まっています。夏の気温が高い時期には、原っぱ状態のこの地で遊ぶ子どもの姿はまばらでしたが、それでもボール遊びや虫取りをする子どもたちがいました。子どもの遊び場の確保は、コロナ禍でますます重要になっています。旧大山小跡地を、子どもの遊び場や地域のコミュニティの場として活用できるよう、住民との意見交換会を行っていただきたいのですが、いかがでしょうか。
区は、新型コロナ対応として、今年の夏のこどもの池の利用を中止としました。23区ではコロナ禍でも、新しい生活様式の中で中止する理由がないとして実施した区もあります。区のこどもの池は管理する大人がいて、無料で水遊びができる事業です。最近では、保育園などの子どもたちも利用している大変貴重な場です。ですが、運営は町会、自治会に任されており、運営協力会の負担は大きくなっています。感染リスクの不安がある中で、運営を町会、自治会に任せるのではなく、区が体制を整えて、1か所でも2か所でもこどもの池事業を実施することはできなかったのでしょうか。あらゆる可能性を追求すべきだったと考えます。
そこで伺います。区は、こどもの池の役割についてどう考えているのでしょうか。
小学生の居場所の確保について伺います。
コロナ禍を受けて、あいキッズのさんさんタイムは、今年度、利用再開の見込みが立っていません。児童館は現在、小学生の受入れを停止しています。現在、小学生の居場所、遊び場といえば、区の事業では学校の校庭開放だけですが、学校改修で使えない小学校が3校、指導員の確保ができず事業ができていない小学校が6校もあります。指導員の処遇の低さが原因の一つと考えられます。
区は、小学生の居場所や遊び場の確保を行うべきです。児童館の小学生の受入れと校庭開放の指導員の条件を改善し、遊び場の確保を進めてください。
次に、羽田空港新ルートの騒音について質問します。
羽田空港の機能強化により、3月29日から、板橋区の上空を旅客機が山手線のダイヤと同じくらいの頻度で飛んでいます。飛行機の轟音が聞こえて、午後3時になったのを知るという住民もいるほどの轟音です。東山町にお住まいの方からは、今までの国交省の説明では、悪天時には好天時と違うルートとなっていたが、その後の問合せに対して、好天、悪天は関係ない、好天、悪天にかかわらず最短ルートを使用することが多いなどの回答があり、話が違う、静かな生活を返してくれといった切実な声が寄せられています。国は、新たな短期測定を9月末から10月上旬まで常盤台小学校の屋上で行いますが、それにとどまらず、まずは板橋区として騒音被害の実態調査を行うべきと考えますが、いかがですか。さらに、羽田空港機能強化に伴う騒音被害の相談窓口を設け、改善策を打ち出してください。見解を伺います。
次に、防災対策について質問します。
昨年の台風19号の際には、避難所が指定されても、石神井川を越えていけないなどの声が上がりました。早めの避難を心がけるとしても、やはりせっぱ詰まった避難というのは想定しておく必要があります。そのためには、大きな川や線路、道路などを越えて避難しなくても済むように、避難所の配置を検討する必要があると考えますが、いかがでしょうか。
また、コロナ禍を受けて、防災計画と備蓄物資の見直しが必要になっています。区は現在、令和2年度板橋区大規模水害避難等対応方針(案)に、避難所での発熱、せき等が出た避難者への専用スペースの確保や感染防止策などの記載を行い、また、各避難所運営マニュアルの改訂、各学校を単位とした学校防災連絡会での対策の検討などを進めているとのことです。しかし、1人1.65平米として避難所の収容可能人数を数えてきたのが、コロナ禍を受けて1人4平米に引き上げられました。収容可能人数は今までの半分以下になっていることは間違いありません。少なくとも今までの収容可能人数を確保するためには、避難所の増設はどうしても必要だと考えますが、見解をお聞きします。
コロナ禍で区も在宅避難を奨励していますし、乳幼児のいる世帯では自宅避難を選択する人も増えるのではないかと予想されます。家の中の安全対策として、家具転倒防止金具の取付けが重要です。経済的な支援として、家具転倒防止金具取付け費用の助成について、子育て世帯へも対象を拡大していただきたいが、いかがでしょうか。
最後に、平和教育について質問します。
コロナ禍の下で迎えた戦後75年目の夏は、SNSを使った取組がありました。実在する3人の広島市民の日記などを基に、広島に原爆が投下される前後の市民の日常や思いを日々ツイートするというNHK広島放送局のひろしまタイムラインという企画です。特に原爆投下された8月6日のツイートには、そっちに行っちゃダメとツイッター経由で声をかけている人たちもいて、私自身も原爆という過去の事実をより身近に感じることができました。しかし、朝鮮人の奴らなどの記述が差別を助長するとして批判を浴びました。朝鮮近代史の研究者は、朝鮮半島を植民地化し、その住民を戦争に動員していたという説明を抜きにツイートしたことは問題だと指摘しています。
私は、8月6日前後の広島になぜ朝鮮人がいたのか、広島の軍需工場にどれだけの朝鮮半島出身者が徴用工や労務者として働いていたのか、朝鮮人被爆者はどれだけいたのか、その人たちに被爆者手帳は交付されたのか、そうしたことを学ぶ機会にこそすべきだと思います。朝鮮半島の人々が日本にいたのは、日本が占領していた事実があるからです。私自身も含めて、日本の戦争に対する加害の歴史をしっかりと学ぶことが、現代において新たな差別を生まないことにつながっていくと思います。
そこで区長に伺います。板橋区の平和事業において、日本の加害の歴史について学ぶ機会をつくっていただきたいが、いかがでしょうか。
以上で私の一般質問を終わります。(拍手する人あり)
〔議長交代、議長(元山芳行議員)議長席に着く〕
◎区長(坂本健君) 議長、区長。
○議長(元山芳行議員) 区長。
〔区長(坂本 健君)登壇〕
◎区長(坂本健君) それでは、石川すみえ議員の一般質問にお答えいたします。
最初は、育児休業、求職中世帯の復職、就職期限の延長についてのご質問であります。
育児休業、求職中の世帯でありましても、その世帯の状況により、在園の継続を希望するか否か、その意向は様々であります。これまでも保護者から数多くの相談を受けてまいりましたが、世帯の状況や意向を詳細に確認をし、世帯ごとに個別の対応を行ってまいりました。今後も、一律に復職、就労期限を延長するのではなく、各世帯の状況や意向を丁寧に聞き取りながら、保護者に寄り添い、対応していきたいと考えています。
次は、保育士に対する定期的なPCR検査についてのご質問であります。
保育士の皆様が感染の不安を抱え仕事をしておられ、PCR検査の希望があることは認識をしております。PCR検査は、精度が7割程度であることや、結果が検査時の状況のみ反映していることなど、現時点においては複数の課題があるものと考えています。また、PCR検査の検査間隔や頻度につきましては定まった基準がなく、定期的な実施について検討できる段階にないと考えています。今後の研究や国の方針が示されることを注視していきたいと考えています。
次は、保育士への慰労金の支給についてのご質問であります。
3密が避けられない保育現場において、日々細心の注意を払いながら保育に当たっている保育士の方々には感謝を申し上げたいと思います。一方において、慰労金の支給に関しましては、一地方自治体で対応すべきものではなく、国において支給の是非を含め検討されるべきものと認識しています。
次は、検査結果の公表についてのご質問であります。
陽性者が出た保育園では、濃厚接触者をはじめ、多くの関係者がPCR検査を受検することとなります。そのため、当該保育園の保護者には臨時休園期間など正しい情報を伝える必要があり、PCR検査の受検者数とその結果をお伝えしているところであります。一方において、他園の保護者には必要以上に不安をあおることがないようにとの観点から、該当者の人権等に配慮しながら、発生事実のみを公表することとしております。
次は、保育園で陽性者が判明した場合のPCR検査の対象者についてのご質問であります。
保育園において陽性者が判明した場合、保健所では聞き取り調査の上、濃厚接触者の範囲を定め、検査を案内しております。保育園児はマスクの装着が難しいため、保育士が感染した場合においては、濃厚接触の範囲が絞りにくく、感染拡大防止のため、当初から、園児、職員全員を検査の対象とすることもあるとしております。陽性者との接触が明らかな場合においては、希望があればPCR検査をご案内しているところでありますが、検査の精度等に課題があるため、状況を確認の上、柔軟に対応してまいりたいと考えています。
次は、施設の設置基準の見直しについてのご質問であります。
国が定めた施設の設置基準は、いわゆる詰め込みには当たらないものと認識しています。基準を上乗せした場合、保育事業者へ厳しい条件を課すこととなり、私立保育所開設への影響が過大となることから、現行の基準の見直しは考えていないところであります。
次は、教職員の定期的なPCR検査についてのご質問であります。
教職員の皆様が、感染の不安を抱え仕事をしておられ、PCR検査の希望があることは認識をしております。PCR検査は精度が7割程度であること、結果が検査時の状況のみ反映していることなど、現時点におきましては複数の課題があると考えています。また、PCR検査の検査間隔や頻度につきましては定まった基準がなく、定期的な実施について検討できる段階にないものと考えています。今後の研究や国の方針が示されることを注視したいと考えています。
次は、学校で陽性者が判明した場合のPCR検査の対象者についてのご質問であります。
学校において陽性者が判明した場合、保健所では聞き取り調査の上、濃厚接触者の範囲を定め、検査をご案内し、検査結果が陰性であった場合も14日間の自宅待機をお願いしております。教職員が感染した場合には、感染拡大防止のため、当初からクラス全員の検査を対象とすることもございます。PCR検査は検査精度に課題があること、陽性の場合は行動制限が求められることなど、2類感染症以上の制約があり、必要な方に検査を受けていただくべきと考えております。
次は、学校などの施設において感染者が判明した場合の情報公開についてのご質問であります。
区では個人情報に留意しながら、ホームページで
新型コロナウイルス感染症の患者数や検査数についてを掲載しております。学校などの施設において感染者が発生した場合には、個人を特定されることがないよう配慮の上、公開・公表しております。現在、学校などの濃厚接触者の検査結果は公表しておりませんが、該当の施設の関係者にはお知らせをする方法を検討したいと考えています。
次は、児童館の体制強化についてのご質問であります。
コロナ禍における児童館の土日開放につきましては、平日利用と同様に、入館管理や衛生管理等を遵守するとともに、平日の開館状況に合わせて段階的に運営を行っております。引き続き、利用者ニーズを把握しながらサービスの提供をしていくとともに、安心・安全に施設を利用していただけるよう努めていきたいと考えています。また、子育てひろば事業につきましては、平成28年から児童館でも新たに展開をしておりまして、今後も東京家政大学森のサロンと児童館の計27か所において、在宅子育て支援を展開していきたいと考えています。
次は、宿泊型産後ケア事業についてのご質問であります。
宿泊型産後ケア事業の対象者につきましては、原則は第1子の方としておりますが、家庭状況などをお聞きし、必要と判断した場合には産後ケアを利用していただいているところであります。今後はホームページ等でも、第2子以降につきましてもご相談に応じていることを周知していきたいと考えています。
次は、健康快適居住環境推進事業の拡大についてのご質問であります。
本事業につきましては、小児ぜんそくの予防を目的に、2歳までの乳幼児のいる世帯を対象として実施をしております。予防のためには早期の介入が効果的であり、対象年齢の拡大は考えていないところであります。今年度は保育園等で周知を行ったところ、保護者の関心が高いことが確認されましたので、来年度からは受診率の高い4か月健診の機会を利用して周知をしていきたいと考えています。
次は、すくすくカードの充実についてのご質問であります。
すくすくカード事業は、子育て世代への支援のため、保護者の外出や子育ての負担軽減を目的として実施をしております。今年度につきましては、オンラインでのベビーマッサージ教室の実施やイオン株式会社との協定によるいたばし子育てWAONをメニューに加えて、好評を得ているところであります。ご提案の趣旨も踏まえ、すくすくカードのメニューの追加や利便性の向上を図り、さらなる利用促進を図っていきたいと考えています。
次は、母子生活支援施設の事故後の対応についてのご質問であります。
今回の事故を踏まえ、特別な支援が必要な母子に対し、個別に支援を行うため、職員1名を増員することといたしました。また、施設の運営につきましては、入所間もない入居者への面談を実施するとともに、乳児の状況を確認するため、毎日、定期的に母親への声がけを実施しております。福祉事務所や健康福祉センター、子ども家庭支援センターなどの関係機関での情報共有、児童相談所との連携など、これまで以上に母子の安心・安全を図っていきたいと考えています。
次は、事故の検証についてのご質問であります。
今回の事故につきましては、本年3月に板橋区要保護児童対策地域協議会の個別ケース会議が行われました。会議の報告書は非公開でありますけれども、当該の事案につきましてアドバイザーから意見を頂戴しております。今後、改めて検証する予定はございませんけれども、いただいた意見を踏まえ、情報の収集と共有、特別な支援が必要な母子への対応や児童相談所との連携など、区としてしっかりと取り組んでいく考えであります。
次は、母子生活支援施設の入所についてのご質問であります。
母子生活支援施設においては、利用者が地域生活を送ることができるよう、入所期間中に本人の能力を発揮できるプランを組み立て、自立に向けた支援を行っております。施設を退所された方に対しましては、アフターフォローとして、適宜、施設の職員が相談などに応じております。再入所の希望があった場合においては、改めて選定会議で入所の可否を判断することとなっております。
次は、乳児院についてのご質問です。
児童相談所の開設において、乳児の保護は最も重要な懸案事項の一つであり、乳児院の設置の必要性については認識をしているところであります。しかしながら、人員の確保や国のビジョンによる家庭養育優先の方針など、課題が少なからずあると認識しています。引き続き、乳児院の誘致に向けた十分な情報収集と検討を進めていきたいと考えています。
次は、金銭面での支援についてのご質問であります。
区では現在、賃貸住宅にお住まいで、収入が減少したために家賃の支払いが難しくなった方に対し、住居確保給付金をはじめ、各種貸付けなどの制度をご案内しております。今後も、ご相談の内容に応じて利用可能な制度をご案内し、住み慣れた住居で安心して住み続けることができるように支援をしていきたいと考えています。
続いて、オンラインでの相談についてのご質問であります。
区では、既にメールによるお問合せに対応できるシステムを導入し、運用を図っております。LINEなどのSNSの活用につきましては、他の自治体の先進事例も参考にしながら検討を進めてまいりたいと考えています。
次は、家賃助成についてのご質問であります。
社会的養護への取組につきましては、国や都道府県が実施主体でありまして、一定の自立支援事業が行われておりますが、より丁寧なケアが必要であると認識しています。今回の家賃助成につきましては、卒園者が抱える課題や支援の必要性を広く発信し、地域全体で子どもたちの未来を支える仕組みにつなげるため、寄附制度を活用いたしました。来年度につきましても、同様の事業を継続すべく、準備を進めているところでありますが、今後も国や東京都の動きを注視しながら、本事業の成果を踏まえ、必要な見直しを図っていきたいと考えています。
次は、コロナ禍における公園の重要性についてのご質問であります。
公園は、コロナ禍においても、室内に比べ飛沫感染や濃厚接触しにくい条件を備えており、室内生活での運動不足解消やストレス発散の場として有用な施設と認識しています。しかし、緊急事態宣言中、利用の集中する施設等が複数確認されたため、区では、感染防止を優先するため、84施設において使用禁止の措置を行ったところであります。現在は、感染防止に対する意識やマナーも普及し、危険の少ない利用が行われつつあることから、区としましても、新しい生活様式としての公園利用を推進していきたいと考えています。
次は、計画への位置づけについてのご質問であります。
子どもたちの居場所として遊び場の存在は大きなものであり、その環境を整備するためには、地域全体が子どもの遊び場の重要性に対する理解を深めていく必要があると考えます。次世代育成推進行動計画改定の際においては、板橋区パークマネジメントガイドラインなど各種計画との整合を図っていく考えであります。また、庁内の検討会議や子ども・子育て会議での議論を踏まえながら検討も進めていきたいと考えています。
次は、旧大山小跡地の活用に関する住民との意見交換会についてのご質問であります。
暫定開放している跡地は区立公園に準じたものとしており、その範囲において、他の公園と同様、ルールを守りながら自由に利用できる施設となっております。暫定的な施設のため、形態の大きさ変更は考えておりませんが、利用方法については、地元の方々や利用者の皆様からご提案があれば相談に応じたいと考えています。
次は、こどもの池の役割についてのご質問であります。
本区のこどもの池につきましては、地域の方々が、地域の子どもたちのために運営する施設として、昭和43年から水遊びやコミュニティの場としての役割を果たしてまいりました。近年、子どもの遊びや夏休みの過ごし方も変化をしてきているため、こどもの池が果たすべき役割につきましても、地域の考え方や施設の状況等も踏まえて検討を続けているところであります。なお、今期の運営中止につきましては、準備期間を差し引いた利用需要、感染の危険性などを総合的に勘案し、運営する地域の方々との合意に基づいて選択をしたものであります。
次は、児童館での受入れについてのご質問であります。
通常、児童館では小学生のみで利用するケースが多く、コロナ禍におきましては、感染拡大防止や安全性の確保を考慮し、当面の間、小学生以上の利用を見合せているところであります。9月以降はプログラムを一部再開するなど、入館管理や衛生管理等を遵守しつつ、段階的な運営をしているところであります。今後も、新しい生活様式における利用者ニーズの把握に努めながら、児童館の活用に向けた検討を進めてまいりたいと考えています。
次は、羽田空港新ルートの騒音に関連いたしまして、区の騒音実態調査についてのご質問であります。
本年3月下旬から運用されております新飛行経路においては、三園から赤塚新町に至る航路直下に当たる赤塚第二中学校に国の固定騒音測定局が設置されておりまして、既に稼働しているところであります。また、小豆沢から向原に至る航路直下の区内には、固定の測定局はございませんが、同一航路の延長線上にある北区と豊島区の施設には、国の固定騒音測定局がそれぞれに設置されております。国が設置したこれら3つの固定騒音測定局の測定値によりまして、区内上空を飛行する航空機の騒音はほぼ捕捉可能であることから、区独自に固定騒音測定局を設置する考えはないところであります。
次は、区の相談窓口の設置と改善策についてのご質問であります。
区ではこれまでも、工場や建築現場から発生する近隣騒音はもとより、航空機等の騒音につきましても、環境政策課が総合的な相談受付窓口として対応してまいりました。また、今般の新飛行経路に係る航空機騒音につきましては、国が新たな相談窓口を設置するとともに、いわゆる航空機騒音防止法が適用される地域における改善対応を行っているところであります。区では、引き続き騒音に係る受付窓口として対応し、区に寄せられた相談内容等について、様々な機会を捉えて、国や東京都との共有化を図るとともに、改善を適宜要望していきたいと考えています。
次は、風水害時の避難所配置についてのご質問であります。
昨年の台風19号対応の経験を踏まえて策定した、令和2年度板橋区大規模水害避難等対応方針において、河川氾濫の危険度に応じて3段階にフェーズを分けて、避難所を開設する方針を定めました。第1段階で開設する避難所は、土砂災害警戒区域や浸水想定区域からの避難経路等も勘案して選定いたしましたが、舟渡、新河岸地域など、河川や幹線道路を越えての避難が余儀なくされる地域においては、早期の避難行動を呼びかけていく考えであります。避難等対応方針に関しましては、今年度の運用を踏まえ、さらなる改善を図る予定でありまして、その中で開設する避難所の配置につきましても、必要があれば検討していきたいと考えています。
次は、コロナ禍における避難所の増設についてのご質問であります。
今出水期においては、一定以上の勢力で東京を直撃することが想定される台風については、昨年の台風19号時を上回る23か所の区施設を開設し、避難スペースの確保を図る予定であります。台風19号レベルの台風が接近した場合には、高台にある安全性の高い避難所を全て開設し、最大で70か所まで増設をする予定であります。併せて、安全な地域における在宅避難や親戚・知人宅などへの縁故避難の呼びかけを重ねて実施し、地震災害時の対応も含めて、区民の分散避難による避難所の混雑低減を図っていく方針であります。
次は、家具転倒防止金具取付費用助成についてのご質問であります。
災害発生時に自宅で難を避ける在宅避難は、コロナ禍における避難所での感染拡大の抑制に大変有効であり、家具の転倒防止策は、発災直後の身の安全や在宅避難を確保する上で重要な対策の一つと認識をしております。現在の助成制度は、金具の取付けが難しい高齢者や障がい者の世帯を対象としておりまして、子育て世帯を含む一般世帯につきましては、自分の身は自分で守るという自助の範疇での取組を想定しております。今後、新型コロナウイルスの感染状況を踏まえつつ、乳幼児の親子が集う児童館での出前講座を拡大するなど、子育て世帯への家具転倒防止策の普及啓発に努めていきたいと考えています。
最後になります。平和教育についてのご質問であります。
平和事業は、戦争の惨禍を後世に伝え、平和の尊さを学ぶ機会としております。この事業においては、起こった事実を正確に伝え、差別意識が生じることがないように配慮しながら、区民の方々の平和意識醸成につなげていきたいと考えています。
残りました教育委員会に関する答弁は、教育長から行います。
◎教育長(中川修一君) 議長、教育長。
○議長(元山芳行議員) 教育長。
〔教育長(中川修一君)登壇〕
◎教育長(中川修一君) それでは、石川すみえ議員の教育委員会に関する一般質問にお答えします。
初めに、
新型コロナウイルス感染症対策と子どもたちへの支援に関しまして、休校の影響及び事態の把握についてのご質問ですが、教育委員会では、
新型コロナウイルス感染症の影響により、様々な活動が制限される中、多くの子どもたちは、通常とは異なる不安やストレスを抱えていると認識しております。そのため、6月の学校再開時には、段階的な分散
登校を行い、学校生活にスムーズに戻れるよう配慮するとともに、児童・生徒の
登校状況を調査し、
登校できない児童・生徒に対しましては個別に学習支援を行うよう指示したところです。
次に、夏休みの短縮についてのご質問ですが、今年度、
新型コロナウイルス感染症による臨時休業が長期にわたったことから、児童・生徒の学びを保障するため、夏休みを短縮いたしました。夏休みは日常では味わえない自然体験をしたり、好きなことに集中して取り組んだりすることができるなど大変貴重な時間であり、児童・生徒の豊かな人間性や学ぶ意欲、主体性を育む上で大変重要であると認識しております。引き続き、子どもたち一人ひとりが成長することができる大切な期間となるよう、適切に夏休みを実施してまいります。
次に、授業時数を詰め込まない指導計画の作成についてのご質問ですが、区立小・中学校では、4月、5月の臨時休業における学びを保障するために、夏季休業期間の短縮や新たな土曜授業の設定等を行い、各教科の年間指導計画の見直しを図りました。教育委員会では、6月以降に臨時休業措置を講じた学校には、第6学年及び第9学年以降以外の学年については、今年度の学習内容の一部を次年度に指導することも可能とし、児童・生徒の実態に即した年間指導計画を作成するよう指示しているところです。
次に、小・中一貫教育と少人数学級に関しまして、小・中一貫型学校の方針決定までの協議の凍結についてのご質問ですが、平成29年度小中一貫教育に関する検討会検討報告書では、改築のタイミングを捉えて、小・中一貫型の学校の整備を検討していくことなどを示しております。志村小学校の協議会では、現在地での建て替えを検討しましたが、難易度が高く工事が長期化することや、区の小・中一貫教育の取組を踏まえ、志村第四中学校関係者を加えた協議会で小・中一貫型の学校整備の方向で検討を進めているところです。区として、協議会の方向性を踏まえ、小・中一貫型の学校が備えるべき具体的なイメージの検討をスタートしており、学校改築に関する基本構想、基本計画を策定するまでに、区議会にもご報告の上、まとめていくため、協議会を凍結する必要はないと考えております。
次に、統合前提の魅力ある学校づくりプランの見直しについてのご質問ですが、いたばし魅力ある学校づくりプランは、施設整備のタイミングを契機とし、将来にわたる適正な規模の維持や適正な配置を検討していく取組であり、統合を前提としているものではありません。板橋区が置かれている現状は、老朽化による学校施設が相当数控えており、施設更新需要は増大していくことは明らかです。将来的な人口減少社会におきまして、現在の公共施設数を将来世代が維持していくことを考えると、学校の統合を選択肢の一つとして、学校施設の改築、改修を進めていくことは、現在世代の要求に応えながら将来世代の要求に応える能力を損なわないようにするために必要な手法であり、現在のプランの方向性は維持していく所存です。
次に、少人数学級の見解についてのご質問ですが、教員の人数を増やし、一人ひとりの児童・生徒に向き合う時間を確保することや、きめ細やかな学習指導を実施することができる、少人数学級の重要性は十分認識しております。一方、教職員の確保や教室数の確保等、対応困難な課題が山積しており、国の教育再生実行会議でも議論が継続していることから、その動向を注視していきたいと思います。
最後に、子どもの遊び場の確保についてのご質問ですが、子どもの遊び場事業は、土曜日、日曜日、祝日に区立小学校の校庭を開放し、子どもたちが安全に楽しく遊べる場所を提供するものであります。子どもの遊び場指導員は、この事業に有償ボランティアとして協力いただいており、従事日数に応じて謝礼金を支払っているところです。昨年度、子どもの遊び場事業を実施できなかった学校は8校でありましたが、今年度は6校と、少しずつではありますが、指導員の確保を図っているところです。有償ボランティア活動の条件は良いにこしたことはございませんが、今後も子どもたちのためにご協力いただける方へのお願いなど、区としてできる努力を続けていきたいと思っております。
いただきました教育に関する質問の答弁は以上でございます。
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△休憩の宣告
○議長(元山芳行議員) 一般質問の途中でありますが、議事運営の都合により、この際、暫時休憩いたします。
なお、再開時刻は午後1時といたします。
正午休憩
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午後0時59分開議
出席議員 46名
1番 小野田 み か議員 2番
内田けんいちろう議員
3番 高 山 しんご議員 8番 石 川 すみえ議員
9番 山 田 ひでき議員 10番 山 田 貴 之議員
11番 中 村とらあき議員 12番 間 中りんぺい議員
13番 しのだ つよし議員 15番 こんどう秀 人議員
16番 山 内 え り議員 17番 吉 田 豊 明議員
18番 田中しゅんすけ議員 19番 安 井 一 郎議員
20番 寺 田 ひろし議員 21番 さかまき常 行議員
22番 しいな ひろみ議員 23番 井 上 温 子議員
24番 荒 川 な お議員 25番 いわい 桐 子議員
26番 坂 本あずまお議員 27番 田
中やすのり議員
28番 いしだ 圭一郎議員 29番 成 島 ゆかり議員
31番 南 雲 由 子議員 32番 竹 内 愛議員
33番 小 林 おとみ議員 34番 元 山 芳 行議員
35番 大 野 治 彦議員 36番 鈴 木こうすけ議員
37番 し ば 佳代子議員 38番 五十嵐 やす子議員
39番 長 瀬 達 也議員 41番 かなざき文 子議員
43番 杉 田 ひろし議員 44番 茂 野 善 之議員
45番 田 中 いさお議員 46番 かいべ とも子議員
47番 渡 辺よしてる議員 48番 おばた 健太郎議員
51番 川 口 雅 敏議員 52番 佐々木としたか議員
53番 なんば 英 一議員 54番 大 田 ひろし議員
55番 高 沢 一 基議員 56番 中 妻じょうた議員
職務のため議場に出席した事務局職員の職氏名
区議会事務局長 太野垣 孝 範君
区議会事務局次長 森 康 琢君
〃 議事係長 龍 野 慎 治君 〃 調査係長 鑓 水 貴 博君
〃 書記 戸 田 光 紀君 〃 書記 平 山 直 人君
〃 書記 田 中 彩 乃君 〃 書記 飯 野 義 隆君
〃 書記 高 橋 佳 太君 〃 書記 岩 渕 真理絵君
〃 書記 木 村 欣 司君 〃 書記 坂 本 悠 里君
〃 書記 細 田 夏 樹君
地方自治法第121条の規定に基づく説明のための出席者
区長 坂 本 健君 副区長 橋 本 正 彦君
教育長 中 川 修 一君 代表・
常勤監査委員菊 地 裕 之君
政策経営部長 有 馬 潤君 総務部長 尾 科 善 彦君
法務専門監 辻 崇 成君 危機管理室長 林 栄 喜君
区民文化部長 森 弘君 産業経済部長 堺 由 隆君
健康生きがい部長 五十嵐 登君 保健所長 鈴 木 眞 美君
福祉部長 椹 木 恭 子君
子ども家庭部長 久保田 義 幸君
資源環境部長 渡 邊 茂君 都市整備部長 松 本 香 澄君
土木部長 糸 久 英 則君 会計管理者 松 田 玲 子君
教育委員会事務局次長 地域教育力担当部長湯 本 隆君
藤 田 浩二郎君
政策企画課長 吉 田 有君 財政課長 杉 山 達 史君
総務課長 篠 田 聡君
△再開の宣告
◎事務局長(太野垣孝範君) ただいまの出席議員数は46名でございます。
○議長(元山芳行議員) 休憩前に引き続き、会議を再開いたします。
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△区政一般質問(続き)
○議長(元山芳行議員) 一般質問を続けます。
次に、かなざき文子議員。
◆かなざき文子 議員 議長。
○議長(元山芳行議員) かなざき文子議員。
〔かなざき文子議員登壇〕(拍手する人あり)
◆かなざき文子 議員 石川議員に引き続き、日本共産党板橋区議会議員団の一般質問を行います。
まず初めに、区財政の今後についてです。
内閣府が発表した今年4月から6月期のGDPが、前期に比べ3割近くも落ち込んだことが大きな衝撃を広げています。家計の消費支出や、働く人の給与も減少しました。内閣府は、2012年12月から始まった景気拡大局面が2018年10月で終了し、景気は後退に転じたと既に認定しています。そのような景気後退局面にあった昨年10月に、安倍政治が消費税10%への引上げを強行した責任は重大です。このように、日本経済は以前から既に深刻な状態だったことに加え、コロナという重大な危機が重なりました。
今、コロナ危機を打開し、経済を再生するためには、消費税減税を含め、傷めつけられている家計を温める思い切った対策へ大きな転換を図ることが必要です。しかし、区が報告した「緊急財政対策の実施について」には、その背景となる経済状況に消費税増税の影響は全く触れられていません。
そこで、まず初めに、昨年のGDPが増税後、大きく引き下がったことから、消費税増税による景気後退の影響は明らかと考えます。しかし、区長は、10%への引上げに対する認識の質問に対して「消費税率の引き上げは、健全な国家財政を築くため、また適正な社会保障の確立のため、避けて通れない課題」と容認する答弁を行ってきました。改めて、日本経済の落ち込みの原因は、コロナだけでなく、消費税増税の影響があることを認めるかどうか、区長の見解をお聞きいたします。
区が示した緊急財政対策の実施では、新年度の見通しとして、区は、歳入が前年度比5%の減、歳出は景気減速等に伴う扶助費の増ほか、GIGAスクール構想の実現に伴う学校運営経費や、まちづくり事業の進捗に伴う再開発事業経費等の増を見込み、前年度比3.3%の増と、合わせて約183億円の財源不足が見込まれるとしています。これを踏まえ、新年度予算に対して財源の確保、既存事業の歳出削減を図ること、実施計画事業については、令和3年度から5年度までの3か年は特に歳出抑制を徹底すること、公共施設の整備・更新は原則先送りとし、また、新規事業については、区民生活に必要を欠くことができない事業を優先、
不急な事業については実施を見合わせるとしています。
コロナ禍の下、区民の収入は減り、経済状況が悪化しているのですから、区の収入が減ることは当然のことです。一方、財源不足の額については、さらなる精査が必要です。巨額の財源不足を示すことが本来、区が行うべき事業、公務としての責任の放棄につながりかねないと危惧します。同時に、区の保有する基金を活用することが大事だと考えます。この間、財政調整基金は取り崩しつつも、積み立ててきました。今こそ、こういった基金の活用こそ積極的に行うべきです。
そこで、基金についての活用方針について、改めて見直しをするのか、目標額を再設定することになるのかお答えください。
区は不足する財源の確保として起債の活用を打ち出しました。これまで起債の目的を、学校の建築だとか、施設建設に充ててきた範囲をまちづくりの事業へ拡大すると説明しています。しかし、区財政は大変だから公共施設の改築等は3年間先送りすると示し、一方、再開発事業は起債をしてでも進めるというのは、区民からすると到底理解、納得できるものではありません。大規模開発、再開発事業など、まちづくりのためには起債をしてでも進めるが、区民の大切な公共施設については先送りするというのでしょうか。区長の見解をお聞きいたします。
次に、シーリングによる予算削減が示されています。削減目標額は、部自主編成経費の10%である30億円を全体目標額として設定するとなっています。さらに、イベント事業、各種展示及び事務諸経費については、一律20%削減を示しています。例えば学校教育だとGIGAスクールもあり、各部自主編成予算10%の削減になると、学校の補修工事や、各学校ごとの令達予算に影響が行くのではないでしょうか。区は、区民の暮らしへの影響を最小限にするというならば、福祉や教育、中小業者支援などの予算に一律シーリングカットすべきではないと考えます。区長の見解をお聞きいたします。
さらに、区は人件費の抑制として、定数削減及び定数増の圧縮、会計年度任用職員の活用が示されています。また、時間外勤務手当の縮減のため、例年過去1年間の90%を上限とするものを80%にするとしています。仕事が減るわけではなく、これではサービス残業につながりかねません。また、足りない部署への会計年度任用職員の活用は、本来、正規職員が行うべき職務を会計年度任用職員に任せるということで、そのチェック体制が必要にもなります。公的責任の所在はどうなるのか、無責任な状態になりはしないのか危惧されます。改めて正規職員の配置を必要な部署に増配置を実施することを強く求めます。いかがでしょうか。
財政の最後に、学校教育予算についてです。
各学校ごとに出されている令達予算は、教育活動に充てる学校裁量予算と維持管理に充てる予算とに分かれています。今年度、その学校裁量予算が小学校で50万円削減されています。ある学校では、国語辞典、漢和辞典の買換えができなくなり、近隣の地域住民へ、家にある辞典の寄附をお願いしていました。また、ほかの学校では、予定していた教材購入を削り、先生たちの自己負担で何とかやりくりしているという話も出されていました。このような事態を区長、教育長は知っているのでしょうか。
50万円削減の理由は、小学校でのデジタル教科書の購入のためということでした。小学校での教科書が変わったため、デジタル教科書も買い換えざるを得なかったため、それを令達予算で振り替えたとのことです。課によると、デジタル教科書を前回購入した平成27年度は課の予算で購入していたのを、今回は、各学校の裁量予算から差し引くという財政措置をしたとのことです。デジタル教科書は、本来各学校への裁量予算ではなく、全体の教育予算で購入すべきだったと考えます。なぜ裁量予算からその分を差し引くということをしたのか、その理由についてお聞きいたします。
裁量予算が減額されたため、今年度は小学校児童1人当たりの裁量予算額は2万5,105円となりました。しかし、その積算根拠について聞くと、教育委員会からは、積算根拠といえるものはなく、例年の額に今年度は消費税分を加味したとし、もともとは約30年ほど前に出された都立学校の令達予算の標準単価表を準用していたようですが、最近は東京都の標準単価表もないということでした。令達予算は保護者の私費負担にも連動します。本来は、現場の実態を把握の上、子どもたちの教育に必要な予算を各学校に補償すべきです。学校裁量予算の児童・生徒一人当たりの基準額を引き上げることを、また、維持管理費は、築年数の多い学校はどうしても老朽化で経費がかかります。築年数の多い学校などへは維持管理費を増額することを求めます。
次に、コロナ禍から区民の暮らし応援を強める施策を求めて質問いたします。
まず初めに、中小業者支援です。区は家賃助成事業に踏み切りました。しかし、自宅で商売をしている中小零細業者にとっては、家賃はかかりませんが、収入が激減しても、コピー機やファクス、車、機械などのリース代の支払いが固定費として容赦なくやってきます。コロナの影響で仕事が激減し、ある製造業の方は、親会社が休んでしまい仕事が来ない、しかし機械のリース代はかかってくる、家賃助成だけでなく、リース代補助もしてほしい。このままだとわれわれ下請けの下請けはつぶれるしかなくなると訴えています。
そこで、区として、家賃助成だけでなく、中小零細業者へリース代などの固定費について助成を求めます。いかがでしょうか。
次に、パート、アルバイト、派遣労働など、不安定雇用の方々を支援する家賃助成です。
ある73歳の方は、国民年金に加え、パートで清掃業をしていましたが、コロナ感染拡大により働いていた施設が閉鎖となって仕事を失ってしまいました。パート収入がなくなり、家賃が払えない事態になりました。住居確保給付金の手続や生活保護の相談を進めましたが、こうした相談は決して少なくありません。総務省の労働力調査でも、パートやアルバイトなど非正規雇用者は、4月には97万人減少、5月も61万人減少、そのうち7割を超えて女性だと発表されていました。社会的に弱い立場にある方がさらに困難になっています。
既に板橋区では住居確保給付金は、8月下旬で相談件数790件、給付件数726件とのことです。今後こうした9か月で切れる住居確保給付金に代わる助成も必要になります。
そこで、ぜひ区として、高齢者、障がい者、低所得者、ひとり親家庭に対して家賃助成を実施することを求めますが、いかがでしょうか。
次、文化芸術関係への支援です。
コロナ禍で多くの文化イベントが中止・延期となりました。その損失は2月からの1年間で6,900億円、観客の延べ人数は2億人を超えると推計されています。この間、文化芸術関係者の運動で500億円の補正予算がついたとはいえ、緊急支援に全くなっていないと言われています。申請手続が煩雑で、おまけに損失補〓ではなく、新たな事業を始めなければ支援対象にもならないという、実態と合わない支援に対する改善が急務となっています。
私たちがこの間、お話を聞いた板橋区内の文化芸術関係の方々も、公共施設が使えない、使えるようになったけど定員は半分までという状況を受けて、赤字覚悟で演奏会を、演劇をやらざるを得ない実情を話されていました。文化会館の小ホールも大ホールも、コロナ禍の下、定員を半分に設定され、チケットの販売自体半分に減らしたために、会場費や人件費など、必要経費を差し引くと完全に赤字になっているということでした。この間、この19日から、ようやくコンサートや演劇など、100%の観客収容が認められましたが、直近の催物は100%に合わせた準備が間に合いません。区内文化団体を支援し、文化のともしびを絶やさないためには、対応が間に合わない、定員を半分のままで間に合わない場合などは、使用料を半額、あるいは減額することを求めます。いかがでしょうか。
次に、医療現場、介護現場への支援についてです。
この間、視察も行ってきましたが、コロナ感染拡大は医療現場を、介護現場にも様々な問題を広げ続けています。多くの現場では、今回のコロナ禍は想定外だったことを、特に訪問介護は、感染拡大の中でどれほどの緊張感の中、仕事をしているか、かなりの重装備で対応を迫られていました。報酬改定のたびに訪問介護の位置づけを引き下げておきながら、今回、コロナでデイサービスが休止したら、訪問介護で代替するようにと簡単に言ってくる厚労省への疑問、怒りが広がっていました。
現在も、高齢者・障がい者の福祉現場は、利用者の減などによる減収、また、新たに人を増やさなければ対応できないので出費は増えるなど、経営の厳しさを訴えています。
医療機関の減収も深刻となっています。医師会でも、外来患者が2割から3割、診療科目によっては約半分にまで減っており、そのために医療崩壊になりそうだと話していました。
そこで、コロナの影響で大きく減収となった区内の医療機関、高齢者、障がい者の介護現場に対し、区として減収補〓を実施することを求めますが、いかがでしょうか。
先日、区内の障がい者施設へ通っている方のお母さんから、「ちょっと見て! うちの子のお給料、こんなに減ったのよ!」と施設からの給料表を見せてもらいました。特に夏と冬のいわゆるボーナスは、昨年の冬が2万5,000円ぐらいだったのが、この間もらった夏のボーナスでは僅か3,000円少々だったことに驚きました。月々の収入は大体2割から3割減でしたが、平均して月1万3,000円ほどもらえていた工賃は、緊急事態宣言が解除後も1万円にも届かない月が続いていました。
区内の福祉園や作業所などに通い、働いている障がい者の工賃等収入への影響と、その影響に対する区としての何らかの補償を求めます。いかがでしょうか。
新型コロナウイルス対策に最前線で取り組む医療・介護従事者向けの慰労金など、その支給が6月中旬に成立した今年度第2次補正予算にようやく盛り込まれました。介護職員の賃金は全職種の平均よりも約9万円低く、この差を解消しなければ、人手不足は解消しないと言われています。障がい者・高齢者が利用する介護現場や医療現場、また、障がい者施設等で働く人に対して、国の制度に上乗せして、区としての慰労金・手当を実施することを求めます。いかがでしょうか。
次に、寿大学など、高齢者の生涯学習を区としてどう守り支えるのかについてです。
コロナ感染拡大は、緊急事態宣言の後、公共施設が利用できなくなり、老人クラブの様々な活動に影響を広げました。高齢者はリスクが高くて外へ出にくくなったこともあり、ひきこもり状態となった高齢者が増えています。また、解除後も区の施設が一部使用できなかったり、定員を半分にするなどのコロナ対策で、いまだに改善ができていません。高齢者の生涯学習や、社会参加の機会を保障することは、介護予防の観点からも重要です。区として老人クラブなどの高齢者の活動をどう支えていくのか、改めて対応をお聞きいたします。
寿大学は区内3か所で行われています。しかし、施設の定員が半分までということで、仲宿いこいの家では、月2回を1回へ減らして半分ずつに、徳丸ふれあい館では、9月になっても、いまだ使用できない状態です。代替の施設を保障するなど、何らかの区としての対応を求めますが、いかがでしょうか。
コロナ鬱、ひきこもり、認知症、コロナは高齢者に対して様々な影響を来しています。区は公共施設のあり方の中で、いこいの家については、区内全て廃止になるという方向を示しています。高齢者が様々な機会に社会参加、学び続ける場を持てるように整理することが自治体としての責務です。この間、区が行った説明会では、参加者からは高齢者の楽しみにしている場をなくすというのか、囲碁・将棋はどこでやれるのか、ふれあい館まで行けなんて遠くて行けないなど、様々な意見が出されていました。改めて抜本的に見直しをし、高齢者の憩いの場としての存続を強く求めますが、いかがでしょうか。
次に、感染症等に対応できる保健所の体制と、PCR検査等の拡充を求めて質問いたします。
まず、板橋区におけるこの間のPCR検査をめぐる状況です。
区内医療機関と区
PCR検査センターを合わせて、検査数は、5月が1,877件、6月が2,864件、7月が5,718件、そして、8月は9,489件と、検査できる医療機関等が増えたこともあり、特に7月、8月と一気に検査数が増えてきました。陽性率は、7月が6.9%、8月の3.93%と発表されています。一方、この間、様々な自治体独自の検査拡充の取組も広がっています。例えば世田谷モデルと言われているのが、いつでも、どこでも、だれでも検査ができるようにする取組、あるいは千代田区のように、リスクの高い高齢者などの通う介護施設などで職員全員を対象にした検査を実施できるようにするなどです。
板橋区においても、世田谷や千代田のように、何らかの検査強化拡充施策を実施することを求めますが、いかがでしょうか。
また、感染震源地を明らかにし、居住者、在勤者、事業所などで働く人に対して、PCR検査を実施することが、感染者を拡大させないことにつながります。改めて国、東京都へその財政措置を求めていただきたいが、いかがでしょうか。
当初、
新型コロナウイルス感染症をめぐって、日本のPCR検査の異常な少なさは、1980年代以降、特に1990年代になってから、保健所の設置主体変更、保健所の統廃合、保健所機能の後退に原因があると指摘もされています。
保健所は戦後、憲法第25条に基づいて1947年に改正された保健所法によって設置され、都道府県事務として、人口10万人に1か所の保健所の設置基準に基づき、板橋区では昭和19年4月1日、都立板橋保健所へと改称され、保健所が東京都から板橋区へ移管された昭和50年4月時点には、区内3か所の保健所が設置されていました。
ところが、昭和55年以降、臨調行革路線に基づく社会保障制度の全面的再編が行われ、保健所法が廃止となり、新たに地域保健法が平成6年に成立をし、保健所の統廃合など、公衆衛生全般の見直しが始まりました。その下で平成9年度から、この板橋区でも3か所あった保健所が1か所へと減らされてきました。このように、保健所機能の後退が、この間の新型コロナに対する日本政府の不十分な対応につながっていると思います。住民の健康権を守るべき保健所が公衆衛生4原則に基づく本来の機能を果たしていたなら、当初からPCR検査も数多くできていたと思います。
区は、この間のコロナ感染拡大により、4月は非常に逼迫した状況だったと振り返り、平時からの体制が大事であると議会で答弁をしています。感染症が出てからの対応ではなく、平時から緊急事態に対応できる体制を維持することが重要だということを示唆しています。そのためには、国や東京都の予算も大幅に増やすことが大前提です。改めて感染症対策として、国と東京都に財政支出割合を大幅に増やすことを求めていただきたいのですが、いかがでしょうか。
せっかく保健所にあるPCR検査機器が、今回のコロナ感染症の分析で活用できていません。その大きな原因は、検査技師、特に臨床検査技師が1人もいないなど、体制の弱体化にあります。世田谷区では保健所での検査を実施しています。改めて、板橋区においても検査技師の配置を行い、保健所におけるPCR検査の分析ができるよう求めますが、いかがでしょうか。
今回、平時からの体制の重要性を顕著に示しているのが、4月時点の予防対策課の職員の超過勤務状態でした。区の資料によると、非常に厳しかった4月は、予防対策課のある事務職員は154時間もの超過勤務時間となっていました。月80時間という過労死ラインをはるかに超えた苛酷な働き方です。保健師も117時間、113時間でした。現在のように兼務での職員体制になって、ようやく落ち着いたとはいえ、このことは平時からの体制を強化することの必要性を明らかにしました。
新年度に向け、保健所等における医師の配置、保健師・検査技師・事務職員、全ての増配置で体制の強化を平時から取ることを求めますが、いかがでしょうか。
現在、保健所は、コロナ対応により、7階の検査室が半分となり、生活衛生課の食品衛生グループ以外が移るという大きな移動が行われました。このことにより、区民に対する窓口業務が、会計は3階のために、7階と3階、どちらにも行かなければいけないなどの不便をかけることになっています。本来、区民の窓口については、低層階でまとめて、迷惑をかけないようにすべきです。改善が求められていますが、大本の保健所のスペースが狭いという問題も指摘されます。
私どもとしては、2か所目の保健所を検討していただきたいと思いますが、せめて区民、職員の目線に立った保健所への施設の環境改善を求めます。いかがでしょうか。
次に、コロナ禍を受けて、今後の公共施設の在り方について、お聞きいたします。
コロナ禍は、改めて公共施設の在り方について、様々なことを教えてくれたと思います。平成25年に出されてきた公共施設等の整備に関するマスタープランの3つの基本方針は、総量抑制、耐用年数の延伸、区有財産の有効活用でした。耐用年数の延伸を否定するものではありませんが、総量抑制は、コロナ禍を受けた今、改めて見直すことが大事ではないでしょうか。
公共施設は、地方自治法第244条に規定され、私たち一人ひとりが人間として発達していくための全面的支援を担っています。その公共施設が廃止や再編となることは、住民の生涯を通じた発達や向上が阻害されかねない問題を持っています。そして、私たちが暮らす地域やコミュニティの問題に密接に関係をし、さらに地域の活性化から公共施設の役割はとても大きなものがあると言えます。
区は、少子高齢化を迎えるに当たり、公共施設の統合・縮小に取り組むべきと、マスタープランを発表して進めてきました。高齢者が増えていることは事実ですが、それは平日、公共施設を借りて様々な活動をする年齢層が増えているということにもなります。つまり、公共施設の必要性は少子高齢化の下、強まっているという分析こそすべきと考えます。
コロナ禍を受けて、こうした区民の活動拠点を減らすのではなく、高齢者の介護予防の観点からも、地域にコミュニケーションを図れる、低廉な料金で利用できる身近な居場所こそ求められています。元気高齢者の活動拠点があるから、医療費抑制にも、介護経費の抑制にもつながっていくのではないでしょうか。拠点を縮小して奪うことは、逆に医療や介護を必要とする高齢者を増やすだけではないでしょうか。一体どちらがかかる経費2割カットになるのでしょうか。改めて、この基本方針、総量抑制を見直すことを求めますが、いかがでしょうか。
次に、福祉事務所の強化拡充を求めて質問いたします。
福祉事務所は、社会福祉法第14条に規定される福祉に関する地方公共団体の事務所です。福祉事務所は、自治体において、憲法第25条国民の福祉の向上について不断の努力をしなければならない、政治的ないし道義的責任を担う代表的な機関といえます。今年の7月時点で、区内の生活保護を受けている区民は1万8,151人、世帯数は1万4,395世帯です。1951年の社会福祉事業法の施行に関する通知によって、ケースワーカー7人につき査察指導員1人が標準数となっていますが、現在、板橋区にある3福祉事務所では、1人の査察指導員に8名から9名のケースワーカーとなっています。以前は、厚労省の通知を守っていましたが、今は増え続ける状況です。現在、生活保護を受けている被保護者は、高齢者が増え、発達障がい者、精神障がい者が増え、豊かな知識と経験を必要とする案件も増えて、複雑化しているのが実態になっています。こうした実態を見るならば、7人という基準は最低限と考えます。改善を求めますが、いかがでしょうか。
ご承知のとおり、板橋福祉事務所は現在、グリーンホール2階、3階に分かれ、さらに障がい者支援係は庁舎2階と、3か所に分かれています。そして、相談室も足りないことが多く、相談者が受付窓口のところで相談せざるを得ないという個人情報を守ることもできない実態となっています。職員の執務スペースも、通路も取れないほどひしめき合っています。志村福祉事務所も、職員の執務スペースは、既に椅子と椅子がぶつかり合う状況です。非常に密な環境となっています。せめて相談スペースはきちんと取ることができて、個人情報が筒抜けにならない状況にしてほしいと思います。そして、職員の職場環境も、通路を確保でき、立ち上がるときに隣とぶつかることのないだけのスペースを保障していただきたいと思います。
生活保護世帯は、この間、増えることはあっても減ることはありません。コロナ感染拡大を受け、一層増えることも想定され、今でも限界を超えている福祉事務所の環境改善は待ったなしと考えます。福祉事務所を増設置するしかないと考えます。いかがでしょうか。
次に、国民健康保険事業についてお聞きいたします。
国保は自営業者、無職、アルバイトやパートなどの不安定雇用の人、そして、フリーランスが加入しており、今回のコロナ感染拡大で営業自粛や施設閉鎖などの影響を一番受けている人が多いと言われています。今回の事態を受けて、保険料の減免手続を申請して、減免が決定した件数は、8月末で902件に達しているとのことです。申請しても対象とならなかった方の相談で、次の2点について改善を求めます。
雑所得は減免対象から除外されています。しかし、持続化給付金はこの間、雑所得も対象とする改善が行われました。国民健康保険料も改善すべきです。国に改善を求めると同時に、区として独自で対象とすることを求めますが、いかがでしょうか。
コロナの影響による保険料の減免対象から、所得ゼロの均等割減額世帯は対象外となっています。均等割のみ世帯は、保険料は減免となるのに、所得ゼロの均等割額が減額となっている世帯は減免にならないのはおかしいと思います。対象となるよう求めますが、いかがでしょうか。
国民健康保険制度の運営方針は3年ないし6年を単位としています。その都度、見直し作業も進められています。現在、東京都において見直し作業が進められていると聞いていますが、見直し作業の現状について、どのような部分について見直しをしようとしているのか、具体的にお聞きいたします。また、見直すべきは、高過ぎる保険料こそと考えます。改めて、子どもの均等割保険料の廃止を行うなど、高い保険料を新年度に向けて引き下げることを求めますが、いかがでしょうか。
次に、医療的ケア児が通うことのできる保育・学校教育における条件整備を求めて質問いたします。
医療的ケア児とは、たんの吸引及び経管栄養、人工呼吸器を必要とする子どもなど、日常生活に欠かすことのできない医療的行為を必要とする子どもたちのことです。医療技術の進歩によって救われる命が増えたこともあり、医療的ケア児は年々増加し、現在、1万8,000人いると言われ、その子どもたち一人ひとりの発達・成長を保障する各自治体の対応が強く求められています。しかし、まだまだ医療的ケア児は、保育及び教育の場から排除され、また、合理的配慮や、必要な支援を受けられない事態が残されています。いわゆる医療的なケアを必要とする子どもたちが、この板橋で保育も教育も当然受けられ、どの子も発達・成長が保障されることを願って具体的に質問いたします。
まず、保育園の新年度の入所申込みが間もなく始まりますが、基準の改善はどうするのでしょうか。新年度の入園に準備が間に合うのかどうか、お聞きいたします。
文部科学省では、平成23年の特別支援学校等における医療的ケアの今後の対応についての通知により、実施体制の整備を促すとともに、学校への看護師等の配置に係る経費の一部補助など、その支援を進めてきました。そして、平成31年3月20日、最終のまとめを受けて文部省から通知が出され、改めて、今後の特定行為以外の医療的ケアを含め、小・中学校等を含む全ての学校における医療的ケアの基本的な考え方や、医療的ケアを実際に実施する際に留意すべき点等について整理されました。現在は、特別支援学校だけでなく、各小・中学校の医療的ケア児は年々増えてきていると言われています。
しかし、板橋区では条件整備が整っておらず、入学したくともできないのが実態です。平成23年の通知が出されてかなり経ちます。なぜ文部科学省の通知に基づき、検討体制の設置もないまま、準備を進めてこなかったのか、その理由についてお聞きいたします。
ようやく板橋区重症心身障がい・医療的ケア児等会議が設置されましたが、具体的に学校教育を受けられる条件整備について、準備を進める組織とはなっていません。直ちに、学校教育現場における準備を進めることができるよう、庁内の検討チームを設置することを求めます。いかがでしょうか。
質問の最後は、アスベスト問題への区の対応についてです。
現在、区内の様々なところで解体工事が行われています。その中でも、前代未聞の規模で解体工事が一斉に行われていこうとしているのが大山クロスポイント再開発地区です。この間、近隣への解体工事のお知らせを各戸へ投函するだけで進めようとした事業に対して、説明会を強く求め、7月21日、グリーンホールにて説明会が行われました。その説明会では、アスベストについては、31の建物のうち、アスベストが含まれる建物は7棟という説明でした。板橋区には、板橋区における建築物等の解体等工事に伴うアスベスト等飛散防止対策とその周知に係る指針が制定されています。その第8条には、アスベスト使用の有無、建築物等の規模・構造等の概要だけでなく、解体等工事の方法や作業内容、安全対策や公害防止対策などを説明することになっていますが、21日の説明会では、そのような詳しい説明を聞くことができませんでした。
6月17日に閉幕した今年の通常国会で、大気汚染防止法が改正されました。これまで先送りされてきたレベル3の石綿含有建材が使われた石綿飛散防止対策を盛り込んだことが大きな改正と言えるかと思います。静かな時限爆弾と言われた石綿は、深刻な健康被害を引き起こしてきました。石綿粉じんは微細なため、解体工事等で飛散した石綿粉じんを吸い込むことでばく露し、その後、数十年から40年程度で中皮腫や胸膜プラーク、肺がんなど、命に関わる重大な疾患を発症させます。石綿による健康被害は戦前から知られていましたが、日本で石綿粉じんに対する本格的な規制が行われたのは、1971年の特定化学物質等障害予防規則からでした。規制が遅れたために、日本での石綿による被害は欧米と比べて拡大したと指摘されており、人命と引換えに経済性を優先し、石綿の使用を続けてきた政府やメーカーの責任は極めて重大なものがあります。環境省は、違法な工事が相次ぐのは、事前調査が不十分で、見落としがあるからとしていますが、調査は誰がやってもいいことになっているため、請負業者やその仲間うちの調査で、石綿がないものとしてきたことにあると言われています。こうした違法工事を防ぐためには、専門的な知識を有するとともに、請負業者や発注者と利害関係のない第三者による調査を行うべきと思います。
この間、クロスポイント地区の解体する31棟は、説明された7棟どころか、全てにアスベストが含まれていることが明らかになり、ずさんな調査だったこと、いいかげんな説明だったことが明らかになりました。改めて、区の指針に基づき、厳しく指導が行われてしかるべきと考えますが、区は民民の事業だからと、説明会の実施までは工事中止をという要望に対してお伝えいたしますを繰り返すばかりでした。クロスポイント地区の再開発事業は、特定整備路線補助第26号線との一体工事であり、公費が3分の2以上投入されている、言わば公共事業に類する事業として抑えるべきものです。私はこの間、国、東京都に対して、アスベスト問題について国や東京都が改善するよう指導ができないのかどうか要望してきましたが、そのたびに、東京23区は基本、区が監理監督であると言われるばかりでした。
そこで、なぜ区の指針に反していることに対してきちんと指導できないのか、まず、その理由についてお聞きいたします。
今回、大気汚染防止法の改正は十分なものとは言えませんが、それでも石綿に対する対策は、これまでよりは強化することができたと言えます。今後は、各自治体における取組も一層強化することが求められています。お隣の練馬区では既に条例になっています。横須賀市では、条例が制定されたこともあって、アスベストに対する業者対応が不十分だったことが指摘され、解体工事が一旦差止めになり、きちんとした対応を行われたと聞いています。
そこで、区の指針だけではどうしても指導が徹底できません。条例化し、アスベストに対する指導が強化できるよう求めますが、いかがでしょうか。
以上で、私の一般質問を終わります。ありがとうございました。(拍手する人あり)
◎区長(坂本健君) 議長、区長。
○議長(元山芳行議員) 区長。
〔区長(坂本 健君)登壇〕
◎区長(坂本健君) それでは、かなざき文子議員の一般質問にお答えいたします。
最初は、消費税増税の影響についてのご質問であります。
令和2年1月から3月期の板橋区の景況では、消費税増税の影響に、新型コロナウイルス拡大による社会・経済への打撃の影響が、業況の悪化に追い打ちをかけているとの認識が示されております。消費税率の引上げは、健全な国家財政の構築や、適正な社会保障の確立を目的としたものと考えております。今後も、区民生活や区政に及ぼす影響の度合いと、国の動向等に関しまして、引き続き十分注視をしていきたいと考えています。
次は、基金活用方針についてのご質問であります。
基金及び起債活用方針は、№1プラン2021に掲げる建設事業の推進と、財源を明らかにし、併せて今後の適正な活用方針を定めているものであります。一方、
新型コロナウイルス感染拡大の影響による厳しい財政状況が見込まれることから、起債や基金のさらなる活用を緊急財政対策の取組項目に位置づけたところであります。この状況を受け、基金活用方針の見直しを含め、方針の在り方に関しまして、№1プラン2021の改訂に併せて検討を進めていきたいと考えています。
次は、まちづくりの推進と施設整備の延伸についてのご質問であります。
まちづくり推進に当たりましては、財源の確保はもとより、地域をはじめ、多くの方々と積み上げてきました、これまでの努力と事業の継続性を大切にしなければならないと考えています。厳しい財政状況にありましても、時代の変化を踏まえながら、住みたい、訪れたくなる魅力あるまちづくりを着実に進めることによって、にぎわいや新たな価値を創出し、経済を活性化させ、都市の持続的な発展につなげていく考えであります。
一方、公共施設の更新につきましては、財政調整基金の枯渇が危惧される中、緊急財政対策として、安全面など緊急性に配慮した上で、計画の延伸や経費の平準化を検討しているところであります。
次は、予算の一律シーリングカットについてのご質問であります。
令和3年度予算編成に当たりましては、巨額の財源不足が見込まれることから、全庁を挙げた対応が必要であり、緊急財政対策方針の一環として、部別シーリングによる10%の予算削減を行う方針であります。各部におきまして、区民生活の影響を最小限にとどめる視点を優先しつつ、事務事業の見直し、補助金、負担金及び講座等の開催回数の見直し、新たな歳入確保などによりまして、シーリング目標額の達成に向けて総合的に取り組む考えであります。
次は、正規職員の増員配置についてのご質問であります。
職員定数につきましては、事業の休廃止や新規事業等による業務量の増減に対し、全庁的な人員の再配分を行うことによりまして、職員定数の適正化を図っていく考えであります。併せて、本年5月に策定いたしました板橋区働き方改革基本方針に基づき、働き方改革や業務の不断の見直しによって、スピード感を持って効率的な業務遂行の実現に取り組んでいく考えであります。
次は、中小零細業者の固定費への助成についてのご質問であります。
区では、コロナ禍において経済的に影響を受けている区内の小規模事業者等に対しまして、固定費の中でもより負担の大きい家賃に着目をした緊急家賃助成を実施しております。また、産業融資については、令和2年8月末現在、430件余、53億5,000万円余の緊急特別融資のほか、金融機関で別枠の信用保証付融資が受けられるセーフティーネット保証を3,500件余、認定をしております。国でも、持続化給付金や雇用調整助成金による企業等の事業継続支援も行っておりまして、現時点においては、新たな固定費への助成は考えていないところであります。
次は、家賃助成についてのご質問であります。
個人に対する家賃助成等経済的な支援は、具体的な事情の把握が困難でありまして、実効性のある施策の実現は厳しいのが実情であります。区は、これまで行政改革の公共性の観点から、原則として現金給付は行わないとする考え方を維持してきたところであります。今後も引き続き、国や東京都等の支援策の状況を注視してまいりたいと考えています。
次は、文化会館の使用料についてのご質問であります。
文化会館をはじめとする区施設の使用料につきましては、維持管理費、職員人件費、減価償却費等の経費を基に、貸出施設の面積に応じて算定をしております。施設使用料の算定には定員を加味していないため、利用人数制限に応じた使用料の変更は行っていないところであります。なお、9月14日付で東京都が発信した11月末までの催物の開催制限の通知を受け、文化会館におきましても、ホールの収容率の見直しに向けて準備を進めているところであります。
次は、医療機関への支援についてのご質問であります。
区では、
新型コロナウイルス感染症への対応に日夜努力いただいております医療機関に対しまして、独自の経済的な支援策を講じてきたところであります。減収の影響が大きいと言われる救急医療機関に対しましては、感染予防を行いながら、患者を受け入れる病床を備えるための支援事業を設け、支援金につきましては、8月20日に支給を既にしております。そのほかの病院につきましては、感染防止に必要な物品の配布を行っております。PCR検査の実施協力医療機関には、検査数に応じた支援金や感染防止に必要な物品の配布も行ってまいりました。さらなる支援につきましては、国や東京都、他自治体の動向を注視しながら、必要な検討を行っていきたいと考えています。
次は、介護現場への支援についてのご質問であります。
今般のコロナ禍に伴う事業収入の減に対しましては、国による持続化給付金のほか、区として、産業融資の利子補給に優遇加算する緊急経済対策、さらには、小規模事業者・個人事業主に対して、事業所等の賃借費用の一部を助成しております。また、国と東京都は介護サービス事業所等に対し、サービス継続支援として、介護サービス事業所等におけるかかり増し経費支援事業によりまして、割増賃金・手当や、衛生用消耗品の購入費を補助しております。区としましても、国、東京都の支援施策の動向を注視し、活用できるスキームを検討していきたいと考えています。
次は、施設に通う障がい者の収入への影響と補償についてのご質問です。
新型コロナウイルス感染症の感染拡大による経済活動の停滞の影響によって、作業の受注が減少し、作業を行う障がい者の収入が減少している施設が多いものと認識をしております。区では、収入減少の補償は難しいところではありますが、国の取扱いを踏まえ、在宅支援の実施を認め、施設の運営継続を支援し、障がい者の作業機会の確保に取り組んだところであります。今後も、障がい者の作業を取り巻く動向を把握しながら、必要な支援について検討していきたいと考えています。
次は、介護・医療現場や障がい者施設で働く者への手当の実施についてのご質問であります。
新型コロナウイルス感染症の拡大防止に向けて、医療機関や介護・障がい福祉施設の従事者には大きな心身の負担がかかっている状況にあると認識しています。こうした従事者に対しまして、東京都では、国の補正予算の成立を受けて、1人当たり5万円から20万円の従事者慰労金を支給することといたしました。区が手当の上乗せを行うことは難しいところでありますが、国や東京都との役割分担の下、物資の支給を含め現場の支援に当たっていきたいと考えています。
次は、寿大学の活動場所についてのご質問であります。
老人クラブ連合会が主催している寿大学は、囲碁・将棋や水墨画など、多くの高齢者の方々が活動していると聞いております。現在の活動場所となっております、いこいの家や集会所は、コロナ禍の影響による休館や、再開後も感染予防策を講じながら、一定の条件の下、ご利用を頂いております。また、ふれあい館につきましては、安全面から、3月より部屋の貸出しを行っていなかったところでありますが、10月から再開する予定でありまして、活動場所としてご利用いただきたいと考えています。今後とも、安全策を講じた上で、高齢者の皆さんの活動場所の確保や支援を行っていきたいと考えています。
次は、いこいの家についてのご質問です。
いこいの家は、昭和49年から、小規模ながら地域の憩いの場となる施設として運営をしてまいりました。近年、利用率が減少していることから、№1プラン2021経営革新計画に基づきまして、いこいの家の在り方について検討を進めております。今後も、住民説明会や区議会で頂きましたご意見を参酌しながら、中長期的な将来を見据え、方向性を定めていきたいと考えています。
次は、検査強化拡充施策についてのご質問であります。
重症化しやすい高齢者に関わる仕事をしていらっしゃる方への検査は課題であると認識をしております。国は、保険適用の検査対象者の拡大を進めておりまして、高齢者施設関係者も、保健所を介さずに、保険適用医療機関で検査が可能となっております。区では、引き続き保険適用において検査をできる医療機関の充実に努めていきたいと考えています。さらなる強化策につきましては、費用対効果も含めて研究をしていきたいと考えています。
次は、検査拡充に関する国・東京都からの財政支援についてのご質問であります。
PCR検査を担う新型コロナ外来設置医療機関に対し、東京都からは継続的に感染防止に必要な防護具などの物品の支援が実施されております。また、今月、国からPCR検査実施医療機関への支援策が示されたところでもございます。国の新たな支援策の効果を注視し、検査に対する財政支援を求めることについては検討してまいりたいと考えています。
次は、感染症対策全般に対する国・東京都からの財政支援についてのご質問であります。
既存の感染症に加え、今後の
新型コロナウイルス感染症の状況が不透明であるため、機会を捉えて国や東京都へ必要な財政支援を要望してまいりたいと考えています。
次は、検査技師の配置についてのご質問です。
保健所には、検査技師が2名配置されておりますが、本年度末において1名退職をするため、来年度は1名のみとなります。板橋区は民間検査会社が充実をし、直営でなくても必要な検査が可能であるため、区では外部委託化を進めており、今後、新たに検査技師を採用する予定はないところであります。なお、PCR検査は、国の検査拡充の方針によって、既に民間検査会社が主として実施をしておりまして、医療機関からの依頼には十分対応できているものと考えています。
次は、職員の増員配置についてのご質問です。
保健所、健康福祉センターの職員体制につきましては、今後の感染症対応の見込みや、来年度の平常事業の業務量を厳格に査定した上、職員定数を決定する予定であります。人員査定においては、平時の人員配置のみならず、今回の感染症拡大による緊急時の人員体制についても振り返り、臨機応変な応援体制や、兼務の在り方についても含め検討していく考えであります。なお、医師につきましては、東京都において採用、配置を決定するため、増員配置を継続的に要望してまいりたいと考えています。
次は、保健所の環境改善についてのご質問であります。
生活衛生課の一部は現在、3階から7階へ移転をしているところでありますが、これはコロナ対応のため予防対策課の職員が急増し、3階が手狭になったためでございます。移転によりまして、執務環境は改善されておりますが、来庁者や移転した職員に不便をかけているのも事実であります。今後は、保健所内の各課で協力、協議をしながら、区民と職員の双方にとって環境改善を図っていきたいと考えています。
次は、コロナ禍を受けて、今後の公共施設の在り方についてのご質問であります。
公共施設の総量抑制につきましては、全ての施設を更新することが財政的に困難である以上、次世代へ継承していく観点から、必要な基本方針の1つであると考えています。コロナ禍の時代の要請を踏まえ、老朽化している施設を中心に在り方を見直し、更新する施設のサービス向上を図りながら、安心・安全で魅力ある公共施設へ再編成してまいりたいと思います。したがいまして、基本計画2025に定める公共施設等の整備に関する基本方針の見直しは予定をしていないところであります。
次は、福祉事務所職員の定数改善についてのご質問であります。
区では、平成11年に、社会福祉法で福祉事務所の業務としております保育園入園事務及び保育料徴収事務を、当時の保育課へ事務移管をしたため、改めて事務量を勘案し、現行の基準としているものであります。さらに、資産調査専門員や就労支援相談員など、専門職の任用を進め、職員の負担・負荷軽減に努めているところであります。今後も、業務量や事務内容の精査を行い、実態を踏まえた適正な人員配置に努めていきたいと考えています。
次は、福祉事務所の増設置についてのご質問であります。
現在、
新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、各種相談や生活保護の申請など、福祉事務所の取扱件数は増加をしております。一方で、福祉事務所の増設や拡大につきましては、適正な規模や機能、福祉事務所の在り方を含め、先を見据えた長期的視野で考えなければならないものと考えています。今後も事務改善を推進し、迅速かつ適切な対応ができる体制の構築と職場環境の改善に努めてまいりたいと考えています。
次は、コロナの減免対象の所得についてのご質問であります。
本区におきましては、国の財政支援の対象となる場合に、減免を実施することとしておりまして、対象となる収入は事業収入、不動産収入、山林収入、給与収入の4種類となっております。減免の対象を区独自で拡大することは、新たに一般会計からの法定外繰入金の増につながり、国保被保険者以外の区民の負担を増やすものであり、困難なものと考えています。国のコロナ減免に関する補助金対象の拡大につきましては、今後、機会を捉えて国に要望を行ってまいりたいと考えています。
次は、コロナ減免対象の所得ゼロ円の減免についてのご質問であります。
コロナ減免は、コロナの影響により前年に比べ収入が3割以上減少した方を対象に、保険料の減免を行うものであります。しかし、前年に比べ収入が3割以上減った場合でも、前年の収入が必要経費額よりも少なく、所得がゼロ円とされた方は、減免がされないことは認識をしているところであります。本区では国の財政支援の対象となる場合に減免を実施することとしておりまして、対象の拡大につきましては、国の動向を注視するとともに、機会を捉えて国に要望を行っていきたいと考えています。
次は、東京都の新しい国保運営方針についてのご質問であります。
次期東京都国民健康保険運営方針の案においては、被保険者の構成や医療費の状況、財政状況など、様々な数値が更新され、それに伴い文言の修正もされております。また、新たに高齢者の保健事業と介護予防の一体的実施の取組や、がん検診、歯科検診など他検診と連携した取組について、東京都の取組、区市町村の役割などが記載されております。収納率の目標値につきましては、今まで被保険者数によって一律としていた目標値を、各区市町村の現状からの伸び率としているところであります。
次は、保険料についてのご質問であります。
国民健康保険法においては、所得によって均等割額、2割、5割、7割を軽減する規定があり、本区では既に49%以上の世代が対象となっております。さらに、区独自で保険料を軽減するためには、減収を補うための法定外繰入金の増額が必要となり、法定外繰入金の解消を目指す区の方向性とは相反するものであります。保険料の軽減に係る財源につきましては、国が責任を持って財政措置を講じるべきと考えており、区では特別区長会を通じて、昨年度に引き続き、今年度も国に対し要望を行っているところであります。
次は、保育園での医療的ケア児の受入れについてのご質問であります。
医療的ケア児の入所選考に当たり、これまではなかなか入園につながっていなかったのが状況でございました。この課題を解決し、医療的ケア児に対しましても、真に必要な保育を提供できるよう、来年度に向けて入所選考方法の改善を検討しているところであります。併せて、受入れ拡大に向け、施設の整備や、必要となる資機材などの環境整備、関係機関との連携など、具体的な準備を進めていく予定であります。
次は、区のアスベスト等飛散防止対策と、その周知に係る指針に基づく指導についてのご質問であります。
平成19年に策定した板橋区における建築物等の解体等工事に伴うアスベスト等飛散防止対策とその周知に係る指針については、アスベスト対策とその事前周知を目的とするものであります。この指針の第4条におきましては、区長の責務として、建築物等の解体等工事が適正に行われるよう、発注者等に必要な措置を講じるように指導することが規定されております。指針が規定する内容について実施されていないと区が判断する場合においては、関係法令等に照らし、適正に指導を行っていきたいと考えています。
最後のご質問であります。区の指針の条例化についてのご質問です。
区の指針は、建築物等の解体等工事に伴うアスベストの飛散防止対策を図るとともに、近隣住民の不安を解消するため、近隣への事前周知を推進することを目的としております。また、来年4月には改正大気汚染防止法が施行され、これまで対象外でありました成形板も対象となり、都道府県等への事前調査結果の報告が義務化されるなど、規則が強化されるものであります。これらを踏まえるとともに、他の自治体の条例化の動向等を注視しながら、アスベスト対策と近隣の不安解消に向けて、より適切で実効性のある方策について研究を進めていきたいと考えています。
残りました教育委員会に関する答弁は、教育長から行います。
◎教育長(中川修一君) 議長、教育長。
○議長(元山芳行議員) 教育長。
〔教育長(中川修一君)登壇〕
◎教育長(中川修一君) それでは、かなざき文子議員の教育委員会に関する一般質問にお答えします。
初めに、学校教育予算に関しまして、デジタル教科書購入に伴う令達予算の減少についてのご質問ですが、デジタル教科書の購入につきましては、小学校の算数と英語の2教科で全校一括購入する想定でありましたが、その後、国語、社会、理科を加えた5教科で導入する方針とし、必要な予算を計上することにいたしました。予算編成過程におきまして、これらデジタル教科書の予算も含め、各予算項目の調整を行い、最終的に予算計上額を決定したものであります。
次に、学校裁量予算の増額についてのご質問ですが、各学校へ配当している令達予算は、執行段階で学校により過不足が生じることから、学校間の調整を行い、余剰分を不足分へ充当しており、相互に補足することができている現状です。近年は令達予算全体で執行率が約97%、二千数百万円の執行残が出ており、また、今年度の当初予算では、児童・生徒数の増加や新たな需要を考慮し、令達予算全体で約1億4,500万円の増額をしているところです。今後の令達予算につきましても、財政事情や予算編成方針を踏まえ、必要性、有益性を十分に吟味しながら、的確な予算措置を講じてまいります。
次に、医療的ケア児が通うことのできる保育・学校教育における条件整備に関しまして、文部科学省通知への対応についてのご質問ですが、平成23年12月に文部科学省から発出されている通知は、特別支援学校が医療的ケアを実施する上での基本的な考え方や体制整備を図るための留意点と、特別支援学校以外で医療的ケアを実施する際に留意すべき点について整理したものであります。区教育委員会では、これまで医療的ケアを必要とし、区立の小・中学校に入学を希望する児童・生徒については、個々の事案に即して、検討、対応してきたところであります。
最後に、医療的ケア児が通うことのできる保育・学校教育における条件整備に関しまして、学校現場における庁内検討チームについてのご質問ですが、平成31年3月20日付文部科学省通知、学校における医療的ケアの今後の対応についてにおきまして、医療的ケア児の受入れに備え、各教育委員会において総括的な体制整備が示されております。この中で、教育だけでなく、福祉、医療等関係部局、機関から構成される医療的ケア運営協議会が示されており、今後、設置について、区長部局とも調整してまいりたいと思います。
頂きました教育に関する質問の答弁は以上でございます。
○議長(元山芳行議員) 以上で、石川すみえ議員、かなざき文子議員の一般質問を終了いたします。
次は、民主クラブが行います。初めに、渡辺よしてる議員。
◆渡辺よしてる 議員 議長。
○議長(元山芳行議員) 渡辺よしてる議員。
〔渡辺よしてる議員登壇〕(拍手する人あり)
◆渡辺よしてる 議員 民主クラブを代表して、一般質問を行います。
初めに、(仮称)板橋区子ども家庭総合支援センター、児童相談所開設について伺います。
2016年、平成28年6月に公布された児童福祉法等の一部を改正する法律の施行により、特別区も政令による指定を受け、児童相談所の設置が可能となりました。設置を希望する特別区は本区も含めて準備を進めており、世田谷、荒川、江戸川、先行3区は、本年度、令和2年度に開設されました。
本区では、これまで区が担ってきた子ども家庭支援センターにおける身近な子育て相談の機能と、東京都が担ってきた児童相談所の機能を併せ持つ(仮称)板橋区子ども家庭総合支援センターを設置することとし、令和4年度の開設に向けて、現在、準備を進めていると認識をしております。
児童相談所は虐待のニュースなどで注目されることがありますが、虐待対応のほか、子どもに関するあらゆる問題の解決のために設置される専門的な相談機関とされています。大人は自身が子どもであったときの気持ちを忘れてしまいます。なぜ反抗的な態度なのか、泣いているのか、難しく捉えてしまいがちです。当然、相談者は子ども本人に限らず、子どもに関することであれば、家族、学校の先生、地域の住民等など、様々な立場の方が相談可能です。
相談内容は、保健相談や育成相談、育児、しつけの相談、継続的な支援によって状況の回復が見込まれる場合は在宅支援などがあります。子どもの立場を優先して解決することが非常に重要となっております。
子どもの相談や解決手段やニーズ、子どもの置かれた環境等を把握して、子どもや家庭に最も効果的な支援を行い、子どもの福祉の向上と権利を守ることが重要な役割です。近年でも心を痛める虐待のニュースは後を絶たず、発生予防、早期発見、早期対応が児童相談所には求められます。
子どもは未来を担う宝であり、区民が安心して子どもを産み育て、健やかに成長する環境を整備することは責務です。2001年、平成13年に子ども家庭支援センターが設置されてから、子どもや家庭を取り巻く環境は大きく変化をしてきております。本区は、区民に身近な区が児童相談業務を行うことで、妊娠・出産期から育成歴の把握、成長の段階に応じた関係機関との連携の強化や支援、サービスの提供など一貫した支援を行うとしておりますが、縦割り行政ではなく、多くの分野や業務を担い、横断的な組織が必要であると考えます。児童相談所は、子どもの問題対応の中核的役割を担うことは間違いありません。基本的な取組方針について質問いたします。
基礎自治体である板橋区が(仮称)子ども家庭総合支援センターを設置することで、どのような効果が期待できるのでしょうか。また、子どもの成長を切れ目なく支援する取組として、基本方針、目標とする姿や視点、施設整備の考え方についてお聞かせください。
子どもたちの最善の利益を保障するためには、東京都と連携、協力し、増加傾向にある児童虐待をなくしていかなければなりません。児童相談所の設置・運営では、東京都から人的支援や財政支援が必要であると考えますが、現状における課題があればお聞かせください。児相関連の最後の質問となりますが、(仮称)子ども家庭総合支援センター設置に向けて、現在の準備状況や進歩についてお聞かせください。
続いて、保育園民営化についてお聞きいたします。
共働き世帯の増加や働き方の変化などにより、子育て環境の維持や向上はより需要が高まってきています。行政として、安心して子育てができる環境を整えることは重要な役割です。子ども支援など、生き方やライフスタイルの多様化に伴い複雑化し、地域社会との連帯が必要不可欠になっております。児童虐待や子どもの貧困は社会全体として解決すべき課題であり、公的機関である公立保育所として、地域・社会と協働・連携を強化する取組を進めていかなければなりません。
重要な役割を持つ公立保育所ですが、建物施設の老朽化が進んでいるのも事実です。公立の保育所は1961年、昭和36年から2001年、平成13年までにその多くが建設され、築30年以上の施設が36園中34園、築40年以上が30園、築50年以上が8園あり、全体的に建物の老朽化が進んでおり、計画的に改築及び長寿命化は必要不可欠となっております。
一方では、本区の財政状況は社会保障経費や老朽化した公共施設の更新などにかかる費用が増大すると見られ、大きな財政負担が本区全体の課題であることは間違いありません。このような中で保育環境再整備を行うために、計画的に改修・長寿命化を進めることはもとより、民間活力の活用として、公立保育所の民営化を推進し、保育の環境整備を図ることを本区は打ち出しました。ほかの自治体でも民営化の実施、または今後実施する計画を進めており、他区に限らず、本区においても民営化の意義や進め方など、保護者の皆さんの関心事があることは間違いありません。
デメリットやメリットを自らお調べになり、民営化に関してご意見を持つ保護者の方も少なくありません。一般論としての民営化のデメリットは、環境変化による在園児や保護者への不安感、保育士の大幅な入替えで子どもに負担がかかることや入替えに伴う大きな業務負担、働き手側の保育士としては異動、臨時職員などは、場合によっては雇い止めになる可能性が挙げられます。
同じく一般論としての民営化のメリットは、自治体の運営費負担の軽減、早朝保育や延長保育など、保護者の保育ニーズに対応したサービス向上や受入れ児童数の増加などが挙げられます。
世の中でもデメリットやメリットが論じられていますが、保護者の中でも、在園児の卒業まで民営化は待ってほしい、転園での申込み時の優遇措置、引継ぎ保育の期間や内容など、民営化について、いろいろな声が挙げられています。
現在、様々な自治体が財政難に苦しみ、施設の老朽化や改修など、費用の増大で、民間の力を活用し、民営化を進める流れは、より多くなると見込まれています。しかし、子どもたちや保護者、働く保育士や臨時職員の負担が最小限となるよう、行政は支援を行っていくべきです。
ニーズでは、延長保育、一時保育、病後児保育、待機児童の解消、食物アレルギーへの対応、障がい児保育の拡充、児童虐待の予防、地域における育児相談・支援など、様々な保育需要が存在しています。本区では古くから私立保育園とともに保育行政を進め、就学前児童の育成と働く保護者の支援に取り組んできたことは承知しております。
子ども未来応援宣言2025では、「安心して妊娠・出産、子育てできるまち いたばし」として、教育・保育事業の推進、教育保育の質の向上とありますが、保育園の民営化に対し、質の低下など不安を覚える保護者がいるのも事実です。そこで以下、質問いたします。
本区での保育園の掲げる民営化の意義をお聞かせください。また、今後の公立園の民営化で在園児が卒園を迎える前に民営化が決まり転園を余儀なくされることはあるか。最後に、民営化の進め方について、保育の質の担保など、どのようなことに留意して進めていくのか、本区の見解をお聞かせください。
最後に、オンライン申請に関して、行政のLINE活用についてお聞きいたします。
本年の第1回定例会にて、デジタル手続、マイナンバーカードの普及等について質問させていただきました。本区としては、法令整備の状況や他自治体の動向を踏まえながら、可能な手続からオンライン化を進め、区民の利便性向上や業務の効率化につなげたいと、前向きなご答弁をいただきました。
LINE株式会社は、2019年、令和元年5月から、LINE公式アカウントを無償で利用できる地方公共団体プランの提供を開始しました。昨年の時点で地方公共団体のLINE公式アカウントは累計で600件以上の開設がされ、各地域の特徴や課題に合わせて活用されています。
例えば、熊本県熊本市では、アカウント上で取得したい情報の種別や居住地を設定することができる特色を生かし、地域、復興、イベント、健康、子育て、高齢、しごと等の情報から、利用者である住民が自身で必要な情報を選択して受け取ることができます。さらに、有事の際には、登録された居住地域ごとに被災状況や避難所等の非常に重要な情報を迅速かつ効果的に配信することができ、地域力・防災力強化につながっています。
ほかにもアカウントトーク画面でキーワード応答機能を活用したごみの出し方や分別方法を検索できる、ごみ分別検索機能は、ペットボトルなど名称を入力することで、出し方、分別方法が検索できます。検索機能は漢字、平仮名、片仮名など約3,300ワードに対応しており、利便性は非常に高いです。
また、居住地を細かく設定し、アンケートなどを実施することも可能で、従来は難しかった細かい地域でのお祭りなどのイベント情報も配信可能となりました。より細かく住民にLINEを通じて適切な情報を届けることを実現しております。
また、秋田県横手市では、LINEのトーク画面下部に固定で表示されるメニュー、リッチメニューやMessaging APIを活用し、LINE内でトークをしながら、横手市の最新情報が検索できるようになっています。さらに、災害等の緊急時には、位置情報の送信で、現在地周辺の避難所やハザードマップが表示される機能もあります。ほかにも福島県郡山市や宮城県都城市も同様のツールを導入しております。
首都圏では、2016年、平成28年にLINE株式会社とシブヤ・ソーシャル・アクション・パートナー協定を締結した渋谷区では、AIチャットボットなど、約1か月で6,000件の利用実績があり、区民の利便性向上につながっています。電話のみで受付予約していたものをLINEでも予約可能にしたところ、3割以上がLINEを占めるようになり、電話対応業務の大幅削減につながりました。さらに、お隣の埼玉県和光市でも、持ち運べる市役所の実現に向けて、本年6月からLINEアカウントを導入し、今月は足立区もアカウントを開設しました。
LINEの日本での利用人数は8,400万人を超え、LINEアカウントを利用した手続やアンケート調査などは、民間企業をはじめ、今般の新型コロナウイルス関連の調査などで厚生労働省もLINEアカウントを活用した調査を行っており、LINEは生活ツールの一つとして多くの皆さんに認識されています。
ここで質問いたします。可能な限りオンライン化を進めていくと、以前、区長からご答弁いただきましたが、持ち運べる区役所を目指し、LINEなどを活用したオンライン申請について、どこまで検討しているか。また、オンライン申請の手続は開始から終了までスマホで可能とするなど、申請はどのような範囲を想定しているか。
最後に、LINEアカウントについて伺います。
前述したとおりに、多くの自治体がLINE公式アカウントを活用した行政サービスを行っております。AIチャットボットを活用したごみの分別やイベント情報など、平時における発信、有事の災害等緊急時での情報発信なども効果的に行えるようにしております。本区でもLINE公式アカウントを開設し、より利便性の高い行政サービスを提供すべきと考えますが、区の見解をお示しください。
以上で私の一般質問を終了いたします。ご清聴ありがとうございました。(拍手する人あり)
◎区長(坂本健君) 議長、区長。
○議長(元山芳行議員) 区長。
〔区長(坂本 健君)登壇〕
◎区長(坂本健君) それでは、渡辺よしてる議員の一般質問にお答えいたします。
最初は、(仮称)板橋区子ども家庭総合支援センター、児童相談所開設に関連いたしまして、区が設置することによる効果についてのご質問であります。
これまで区は、児童相談所や関係機関と連携をしながら、子ども家庭支援センターを中心に、児童虐待対応をはじめ、地域全体で子どもと家庭を支援する取組を進めてまいりました。この経験と実績を基に、区が児童相談所を設置し、児童相談体制を一元的かつ総合的に担うことの意義は大きいものと考えています。身近な地域で子育て支援、虐待対応、非行児童対応、障がい児支援などに、切れ目のない一貫した迅速かつ丁寧な対応を行うことが可能となるものと考えています。
次は、基本方針や目標とする姿などについてのご質問であります。
平成29年度に策定した基本構想で掲げた基本方針は、全ての子どもの健やかな成育を切れ目なく支援する子ども、家庭、地域の子育て機能の総合支援拠点であると示しております。この方針の下に大きな柱として、子育てしやすく安心な環境の提供、特別な支援が必要な家庭への支援、地域の子育て支援の推進の3点を掲げております。また、施設整備の考え方は、子どもや来所者の安心・安全への配慮、明るく温かみのある環境の整備、ユニバーサルデザイン、環境や周辺地域への配慮などであります。
次に、東京都との連携、準備に関連いたしまして、人的支援についてのご質問です。
これまで区は、高度な相談対応に関する技術的支援や児童相談所の立ち上げ当初の人的支援などを東京都に対し求めてまいりました。これに対し東京都から、高度な相談対応に関する技術的支援は行うが、人的支援は行わない方向であるとの回答が示されました。現在、引継ぎの相手方である東京都北児童相談所と、令和3年度以降にどのような職員体制で業務を引き継いでいくか協議を始めたところであります。
次は、財政支援についてのご質問であります。
特別区は、かねてから児童相談所の事務を担うことは都区の事務配分の大幅な変更に当たり、財政調整交付金の配分割合の変更を東京都に求めてまいりました。当初、東京都は児童相談所の開設予定である22区の半数の決算数値が出た時点において、配分割合を見直すとの考え方でありましたが、その後、配分割合を0.1%引き上げ、55.1%とするとの見解を示してきました。東京都が特別区の主張に沿って配分割合の変更に踏み込んだことは前進であると考えておりまして、令和4年度の再協議の際には改めて適正な配分割合への引上げを強く求めていきたいと考えています。
次は、現在の準備状況についてのご質問であります。
7月より、(仮称)子ども家庭総合支援センターの建設工事に着手しておりまして、令和4年4月に子ども家庭支援センターの機能を、7月に児童相談所の機能を開始する予定であります。正規職員は120名程度になる見込みであり、これまで44名の職員を東京都や近隣自治体の児童相談所などに派遣し、開設に向けて知見を深めているところであります。引き続き、人材の確保・育成に努めながら、今後予定されている東京都との確認作業に向けて、組織・人員体制や業務運営方法などの詳細について検討していく考えであります。
次は、保育園民営化について、その意義についてのご質問であります。
民営化の意義は、民間活力を生かした施設の建替えと独自のノウハウによる保育運営により、快適でより良い保育環境の確保を目指すことにあると考えています。また、施設の建設費及び運営費等、区の財政負担の軽減を図りながら、保育施策を推進できることが挙げられていると考えています。
次は、在園児の転園についてのご質問であります。
個別計画の公表から、原則として4年目に民営化することとしているため、個別計画公表時にゼロ歳または1歳の在園児は卒園前に民営化される計算であります。民営化に当たりましては、区が近隣の代替地を確保すること等により、在園児の保育環境が急激に変更されることのないように配慮して進めていきたいと考えています。在園児が民営化後も引き続き通園できることが望ましいところでありますが、保護者が転園を希望する場合においては、可能な限り意向に沿って配慮してまいりたいと考えています。
続いて、その進め方についてのご質問です。
保護者が委員として参加する選定組織を設置し、公立保育所の保育水準を満たす運営事業者をプロポーザル方式によって選定するものであります。事業者決定後、民営化までに2年間にわたる引継ぎ期間を確保し、移管前4か月間の合同保育を実施して、移管先事業者へ保育の実務を継承する考えであります。移管後も2年間にわたって保護者、事業者、区の3者協議会を開催するとともに、問題が生じた場合においては、区が解決のために努力をするなど、円滑な移管に努めているところであります。
次は、オンライン申請の検討についてのご質問であります。
現在、検討を進めている№1プラン2025において、重点戦略の一つとしてデジタルトランスフォーメーションを掲げておりまして、オンライン申請による区民の利便性の向上を目指すものであります。現在は窓口対応件数が年間2,000件以上の手続について、優先的にオンライン申請の検討を進め、課題を整理している段階にございます。オンライン申請については、マイナンバーカードを使用した仕組みを中心に検討を進めておりますが、LINEの活用についても、他自治体の事例を研究し、検討を深めてまいりたいと考えています。
次は、LINE公式アカウント開設についてのご質問であります。
区では、公式ホームページをはじめ、各種アプリ、ツイッター、フェイスブック等、多種多様な情報媒体により利便性を考慮した効果的な情報発信に努めているところであります。LINEにつきましては、情報発信ツールのみならず、双方向通信機能を生かした行政手続や相談等と併せて活用することが有効であると認識しています。ご提案のLINE公式アカウント開設につきましては、行政手続等のデジタル化の仕組みの構築とともに、費用対効果や事務量などを検証し、検討を進めていきたいと考えています。
頂戴いたしました質問の答弁は以上となります。
○議長(元山芳行議員) 次に、高沢一基議員。
◆高沢一基 議員 議長。
○議長(元山芳行議員) 高沢一基議員。
〔高沢一基議員登壇〕(拍手する人あり)
◆高沢一基 議員 まず初めに、
新型コロナウイルス感染症の見通しが立たない中、医療・介護など福祉、教育や保育、流通・運輸、そして社会機能を維持するために働いてくださっているあらゆる方々に対して敬意を表するとともに、心より感謝申し上げます。
それでは、区政に関する一般質問を行います。
初めに、介護崩壊をさせないために!との観点から、4点質問いたします。
板橋区内における
新型コロナウイルス感染症の新規陽性者数は、9月以降、1日数名から10名ほどで推移していますが、ワクチンや特効薬の出現を待たなければ落ち着いた日常を取り戻すことはできません。
現在、板橋区では感染防止対策に鋭意取り組んでおられますが、区議会でも様々な議論がなされ、今までに4たびにわたる補正予算を可決、成立させました。これらの補正予算では、低所得世帯への各種経済的支援や、売上げが大幅に減収している飲食店や小売店、そして中小企業への支援が行われています。また、新型コロナと戦う最前線の医療現場を支えるために、補正予算第1号では、PCR検査実施医療機関への支援約2億4,000万円、陽性患者入院医療機関支援3億円、補正予算第4号では、入院病床整備支援9,000万円など、区内医療機関への支援がなされています。
その一方、介護現場への支援はフェイスシールドとマスクの配布がなされていますが、板橋区独自の財政的支援は行われていません。医療崩壊を防ぐことはもちろん大切なことですが、区民の生活を守るためには介護崩壊も防がなければなりません。
介護現場では、以前から人手不足が続いていますが、
新型コロナウイルス感染症の拡大により、さらに人材の確保が厳しくなるとともに、事業者の経営も圧迫されています。板橋区内では、新型コロナの影響と思われる事業所閉鎖は今のところ見られていませんが、第4ブロックと呼ばれる板橋区、練馬区、豊島区、中野区、杉並区では、数事業所が影響を受けて、閉鎖されたとのことです。
このような状況の中、介護事業所へ業務継続支援金や緊急支援給付金などとして支給している区は、大田区の約2億4,000万円をはじめ13区、備品購入や事業所家賃への支援金を含めると、23区中16区で独自の財政的支援を実施しています。
そこで、お伺いします。入所、通所、居宅の介護事業者が新型コロナの影響を受けても事業を継続させ、介護を必要とする人々に応えられるよう、支援金などの財政的支援を求めますが、ご見解をお聞かせください。
第二は、新型コロナの影響下でも介護の現場で働いている人々を支援することについてです。
国では第2次補正予算で介護・障がい分野の慰労金として、感染者や濃厚接触者と接した職員に最大20万円の慰労金を支給する事業を都道府県を通じて実施しています。また、荒川区では独自施策として、濃厚接触者などに接した介護・障がい福祉の現場で働く人に1人日額5,000円の特別給付金を支給しています。さらに練馬区では、緊急事態宣言下で事業を継続した介護・障がい・子ども分野の従事者に1人2万円を支給しました。板橋区においても、介護従事者の離職を防ぎ、区内の介護を守るために、現場で働く人々へ独自の支援金を給付するべきと考えますが、ご見解をお聞かせください。
第三は、介護現場の感染防止に対する支援についてです。北区では、特別養護老人ホームなどに結核研究所から派遣を受けている医師などを巡回させ、施設の実情に即した個別の感染防止対策の相談を受けています。介護事業所は、入所や通所の施設だけでなく、利用者の自宅で身の回りの世話をする居宅の生活援助もあります。施設に対するだけでなく、生活援助の事業所に対しても、感染症の専門的知識を有している医師などによる助言は、感染防止だけではなく、介護従事者の不安軽減に大きな効果があると考えます。幅広い介護現場へ感染防止の相談や指導ができる医師などの派遣を求めますが、ご見解をお聞かせください。
第四は、マスクやフェイスシールドなど、衛生用品の備蓄についてです。
さきの非常事態宣言下では、医療機関でもマスクやフェイスシールド、さらにガウンなどが不足し、それらを再利用したり、手作りの品が届けられたりしました。秋篠宮皇嗣殿下をはじめ、宮家の皇族方がガウンを手作りされ、医療機関へご寄附されたこともありがたく、記憶に新しいところです。また、介護現場でも、マスクなどの調達が思うようにならず、不足する事態が出現しました。現在は、こうした衛生用品の流通は確保されていますが、さらなる感染拡大の波が押し寄せた場合に不安が残ります。衛生用品の備蓄は、国の予算で東京都も行っていますが、もしも区内の医療、介護、保育、障がい者などの福祉機関で不足した場合に速やかに支給するために、板橋区として、マスクなどの衛生用品の備蓄を進めるべきと考えます。
また、世田谷区では、高齢者や障がい者などの社会福祉施設に対して、感染防護物品備蓄のための支援金を給付しています。区としての備蓄場所で課題がある場合は、福祉機関での備蓄を促すのも一つの方法と言えます。
そこで、伺います。区内福祉機関のための衛生用品備蓄を進めることを求めますが、ご見解をお聞かせください。
続いては、自殺者をなくすために!という観点から、5点質問いたします。
板橋区では、自殺対策基本法の改正を受けて、地域自殺対策計画として、板橋区いのちを支える地域づくり計画2022を本年3月に策定しました。本計画では、特に生活困難者・無職者・失業者、地域とつながりが持ちづらい中高年男性を重点対象者として支援に取り組むことが示されています。自殺の原因は様々なことが絡み合っていると考えますが、健康や経済に関する問題が多いと警察では分析しています。
本年4月7日から5月にかけて、
新型コロナウイルス感染症に関する緊急事態宣言が発令され、現在においても、健康面・経済面の不安が広がっています。本年8月の自殺者数の速報値は、全国で1,849名に上り、昨年同月比で246名も増加しています。さらに、自殺者は男性が多いですが、女性の比率が急増しています。また、昨年1年間では2万169名、今年は8月までで既に1万3,112名もの方々が自殺しています。
新型コロナウイルス感染症という新たな不安定要因が発生している今日、さらなる自殺対策が必要であると考えます。
そこで、第一として、区の計画に示された複数窓口間の情報共有カードについてお伺いします。これは相談者が複数の窓口で相談をする場合、つらい悩みを繰り返し話さなくて済み、必要な窓口に確実につながり、さらに紹介者がつながったことを確認するために、相談者の同意を得た上で利用できるものと計画に記されています。相談者の心情に寄り添うだけでなく、窓口横断的な取組が期待されます。現在は、まだ検討段階ということですが、その検討状況をお示しいただくとともに、早期の実施を求めますが、ご見解をお聞かせください。
第二は、区役所全職員への自殺防止対策に関する研修についてです。
板橋区では、平成25年から区職員に対する自殺防止対策のゲートキーパー研修を実施しているとのことですが、福祉事務所や本庁舎の窓口職員に対する研修は8回、延べ680名に対して実施されています。また、過去3年の実績として、新任研修で計417名、係長研修で計188名に対してゲートキーパー研修を実施したとのことです。
一方、自殺対策に先進的に取り組む足立区では、庁内全職員のゲートキーパー研修受講を目指して積極的に取り組んでいます。昨年度の実績では、初級向け研修が155名、中級が174名、上級が225名と多くの職員が研修を受講しており、平成24年度からは、入庁3年目の職員全員が初級研修、係長昇任者は中級を全員受講し、今までに延べ約4,000名以上もの職員がゲートキーパー研修を受講しているとのことです。
悩みを持ち、相談に訪れる区民の変化にいち早く気づき、自殺を防止するためには、職員一丸となって危機意識を共有する必要があると考えます。そこで、板橋区においても全職員のゲートキーパー研修受講を目指して積極的に推進するべきと考えますが、ご見解と今後の方針をお聞かせください。
第三に、事務局機能の強化と専門部署の設置についてお伺いします。
自殺を防ぎ自殺者をなくしていくことは一朝一夕にできることではありません。しかし、防止対策をしっかりと実施していけば自殺者を減らせることは、平成18年に議員立法で自殺対策基本法を制定した以降の自殺者数の減少、先進的取組を行っている自治体の状況を見れば理解できます。先ほども申し述べたように、自殺の原因は多様であり、それらを察知して支援していくためには、区のあらゆる部署の連携が不可欠です。例えば、経済的な不安については、福祉事務所だけではなく、多重債務などの相談に乗る消費者センターや、現在は、健康面などを除くコロナ対策案内電話センターなどがありますが、これらの窓口に自殺防止対策を所管する予防対策課の積極的な関与は見られません。こうした様々な窓口や部署の組織横断的な取組を進めるためには、所管課の機能強化が必要です。区の自殺対策計画にも事務局機能の強化がうたわれていますが、その検討状況と今後の方針についてお示しください。
また、私は平成27年第2回定例会以降、度々自殺防止対策に関する専門部署の設置を要望していますが、残念ながら実現に至っていません。足立区では平成22年からこころといのち支援係を保健予防課内に設置し、現在もこころとからだの健康づくり課にこころといのち支援係を置いています。その結果、足立区の自殺者は減少しており、専門部署設置の効果は明白です。新型コロナの影響も考え、自殺防止対策の専門部署の設置を改めて求めますが、区長のご決断をお伺いいたします。
また、第四として、自殺のない社会づくり市区町村会について質問いたします。
この市区町村会は、自治体間で自殺防止対策に関する情報交換や他機関との連携、国への要望活動などを行っています。私は平成27年第2回定例会の一般質問で、同会への参加を提案しました。当時は287の自治体が参加していましたが、本年8月では332の自治体に増えました。特別区では足立区や練馬区など13区が参加していますが、板橋区はいまだ参加していません。この市区町村会に参加することは、先進事例の情報交換などだけではなく、板橋区が自殺対策に力を入れて取り組んでいることを区民へ広く伝えることにもなり、大きな効果があると考えます。平成27年の質問に対しては、参加している自治体の情報なども収集しながら、今後の研究課題とさせていただきたいと答弁されています。現在の研究状況をお示しいただくとともに、再度、同会への参加を求めますが、ご見解をお聞かせください。
最後に、区立小・中学校における自殺防止対策について質問します。
板橋区では、児童・生徒の自殺防止対策として、命の尊さを教える教育に様々な場面で取り組んでおられます。また、悩みを1人だけのものにさせないため、スクールカウンセラーによる全員面接やいじめアンケートの実施、また、電話やメール、SNSのLINEなどで相談できるよう、それらの連絡先をまとめたチラシを配布しており、こうした取組を評価いたします。
そのような中、本年は
新型コロナウイルス感染症の影響で、3月から5月にかけて学校休業となり、子どもたちの環境も著しく変化いたしました。休校中の児童・生徒は自宅学習が増えただけでなく、クラブ活動や友達との交友も制限され、感染症への不安とともに、大きな影響を受けました。また、授業再開後は、授業時間を確保するために、各小・中学校では1日の時限数や土曜授業を増やしているとのことで、子どもたちの負担が増えているとも聞いています。また、修学旅行などの宿泊行事や運動会、学芸会などの学校行事も中止され、子どもたちの楽しみも減少しています。
そこで、伺います。
新型コロナウイルス感染症による区立小・中学校の児童・生徒の変化に対して、教育長はどのようなご認識をお持ちでしょうか。また、子どもたちの不安や負担を軽減させるための取組についてお聞かせください。さらに、令和元年度からSOSの出し方に関する教育を小・中学校で実施し、卒業までに1回は全員受講する計画が進められているとのことですが、この教育も含め、子どもの自殺を防ぐために、教育委員会の一層の取組を求めますが、ご所見をお聞かせください。
以上をもちまして、私の区政に関する一般質問を終わります。坂本区長及び中川教育長の前向きなご答弁に期待するとともに、議員各位のご清聴に心より感謝を申し上げます。ありがとうございました。(拍手する人あり)
◎区長(坂本健君) 議長、区長。
○議長(元山芳行議員) 区長。
〔区長(坂本 健君)登壇〕
◎区長(坂本健君) それでは、高沢一基議員の一般質問にお答えいたします。
最初に、医療だけでなく介護事業者へも支援金給付を!とのご質問であります。
コロナ禍でも区内事業者の事業継続に資するよう、区では、小規模企業者・個人事業主に対して、事業所等の賃借費用の一部助成などにより事業者を支援しているところであります。引き続き、他区の取組状況の把握に努めるとともに、国・東京都の支援策の動向を注視しながら、活用できるスキームを検討していきたいと考えています。
次は、人手不足の介護現場で働く人に支援金給付を!とのご質問であります。
通所や居宅の介護サービス事業所で働く従事者は、濃厚接触による感染への不安が高いことから、フェイスシールドを配布するなどリスク低減を支援してきたところであります。ウィズコロナの中においても、介護サービスを継続していただけるよう、現場のニーズ把握に努め、他区の状況、国・東京都の動向を踏まえ、引き続き、支援策を検討していきたいと考えています。
次は、介護現場へ医師等を派遣して感染防止対策を!とのご質問であります。
介護サービスの継続提供に当たりましては、日々の感染防止対策が極めて重要であることから、国や東京都と連携をしながら、関連情報の発信、周知に努めているところであります。介護現場における効果的な感染防止対策や介護従事者の不安軽減に向けて、専門家による助言・指導の方策など、現場のニーズも踏まえて検討していきたいと考えています。
次に、福祉の現場を守るために、マスク等の備蓄を!とのご質問であります。
現在、厚生労働省から東京都を介して、社会福祉施設等での活用を目的として、板橋区に
不織布マスクが22万6,000枚配布される予定となっております。また、令和3年3月まで、毎月一定数が都内市区町村に配布される予定であり、この事業によりまして、区内の介護・保育・障がい者等の施設においての備蓄が進むものとものと考えております。今後も、社会福祉施設等において
不織布マスクなどの衛生・防護用品が不足しないよう、国や東京都の動向と併せて状況を注視していきたいと考えています。
次は、自殺者をなくすために!、情報共有カードの早期活用を!とのご質問であります。
複数の困り事を抱えた相談者を適切な窓口に確実につなぐため、情報共有カードは有効であると考えています。しかし、
新型コロナウイルス感染症の流行拡大により保健所業務が急増し、現時点においては情報共有カードの検討は進んでいない状況であります。今後、早急に情報共有カードの作成と運用につきましても、関係部署と検討を進めていきたいと考えています。
次は、全職員への自殺対策研修を!とのご質問であります。
自殺防止対策としてゲートキーパー研修は重要であるため、できるだけ多くの職員に受講させたいと考えています。ゲートキーパー研修は、現在、新任職員研修や昇任時の必修研修で行っておりますが、より多くの職員を対象とするよう検討していきたいと考えています。
次に、組織横断的な取組のために事務局強化と専門部署設置を!とのご質問であります。
自殺防止対策は重要であるため、区として計画を策定したところであります。自殺には多くの要因が関連するため、今後の取組の最初にネットワークを位置づけ、事務局機能の強化を検討することとしております。これまでの経緯から、保健所内に事務局機能を付加する方法でありますが、専門部署の設置にとらわれず、体制も含め、今後検討していきたいと考えています。
次は、自殺のない社会づくり市区町村会への参加を!とのご質問であります。
自殺のない社会づくり市区町村会は自治体間の情報共有の場であり、都内で幾つかの自治体が参加していることは承知をしております。今年度の総会においては、会の役割や活動について議論がなされたと聞いておりまして、板橋区としましては、引き続き、情報収集に努め、参加する意義や必要性等を研究していきたいと考えています。
残りました教育委員会に関する答弁は教育長から行います。
◎教育長(中川修一君) 議長、教育長。
○議長(元山芳行議員) 教育長。
〔教育長(中川修一君)登壇〕
◎教育長(中川修一君) それでは、高沢一基議員の教育委員会に関する一般質問にお答えします。
コロナ禍での児童・生徒の見守りと一層の自殺防止対策を!とのご質問ですが、教育委員会としましては、
新型コロナウイルス感染症の影響により、様々な活動が制限される中、多くの子どもたちは通常とは異なる不安やストレスを抱えていると認識しております。
区立小・中学校では、学校再開時に子どもたちの不安や負担を軽減するため、授業時間を短縮するとともに、放課後の悩み相談や相談先一覧の配布等、子どもたちに寄り添った取組を実施してまいりました。また、2学期を開始するに当たりましては、全ての小・中学校の児童・生徒にアンケート調査を実施し、一人一人のきめ細やかな支援につなげるとともに、校長が命の大切さについて、直接、児童・生徒に伝えるなど、子どもの命を守る取組の徹底を図っているところです。
頂きました教育に関する質問の答弁は以上でございます。
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△休憩の宣告
○議長(元山芳行議員) 以上で、渡辺よしてる議員、高沢一基議員の一般質問を終了いたします。
一般質問の途中でありますが、議事運営の都合により、この際、暫時休憩をいたします。
なお、再開時刻は午後3時25分といたします。
午後2時51分休憩
午後3時24分開議
出席議員 46名
1番 小野田 み か議員 2番
内田けんいちろう議員
3番 高 山 しんご議員 8番 石 川 すみえ議員
9番 山 田 ひでき議員 10番 山 田 貴 之議員
11番 中 村とらあき議員 12番 間 中りんぺい議員
13番 しのだ つよし議員 15番 こんどう秀 人議員
16番 山 内 え り議員 17番 吉 田 豊 明議員
18番 田中しゅんすけ議員 19番 安 井 一 郎議員
20番 寺 田 ひろし議員 21番 さかまき常 行議員
22番 しいな ひろみ議員 23番 井 上 温 子議員
24番 荒 川 な お議員 25番 いわい 桐 子議員
26番 坂 本あずまお議員 27番 田
中やすのり議員
28番 いしだ 圭一郎議員 29番 成 島 ゆかり議員
31番 南 雲 由 子議員 32番 竹 内 愛議員
33番 小 林 おとみ議員 34番 元 山 芳 行議員
35番 大 野 治 彦議員 36番 鈴 木こうすけ議員
37番 し ば 佳代子議員 38番 五十嵐 やす子議員
39番 長 瀬 達 也議員 41番 かなざき文 子議員
43番 杉 田 ひろし議員 44番 茂 野 善 之議員
45番 田 中 いさお議員 46番 かいべ とも子議員
47番 渡 辺よしてる議員 48番 おばた 健太郎議員
51番 川 口 雅 敏議員 52番 佐々木としたか議員
53番 なんば 英 一議員 54番 大 田 ひろし議員
55番 高 沢 一 基議員 56番 中 妻じょうた議員
職務のため議場に出席した事務局職員の職氏名
区議会事務局長 太野垣 孝 範君
区議会事務局次長 森 康 琢君
〃 議事係長 龍 野 慎 治君 〃 調査係長 鑓 水 貴 博君
〃 書記 戸 田 光 紀君 〃 書記 平 山 直 人君
〃 書記 田 中 彩 乃君 〃 書記 飯 野 義 隆君
〃 書記 高 橋 佳 太君 〃 書記 岩 渕 真理絵君
〃 書記 木 村 欣 司君 〃 書記 坂 本 悠 里君
〃 書記 細 田 夏 樹君
地方自治法第121条の規定に基づく説明のための出席者
区長 坂 本 健君 副区長 橋 本 正 彦君
教育長 中 川 修 一君 代表・
常勤監査委員菊 地 裕 之君
政策経営部長 有 馬 潤君 総務部長 尾 科 善 彦君
法務専門監 辻 崇 成君 危機管理室長 林 栄 喜君
区民文化部長 森 弘君 産業経済部長 堺 由 隆君
健康生きがい部長 五十嵐 登君 保健所長 鈴 木 眞 美君
福祉部長 椹 木 恭 子君
子ども家庭部長 久保田 義 幸君
資源環境部長 渡 邊 茂君 都市整備部長 松 本 香 澄君
土木部長 糸 久 英 則君 会計管理者 松 田 玲 子君
教育委員会事務局次長
藤 田 浩二郎君
地域教育力担当部長湯 本 隆君
政策企画課長 吉 田 有君 財政課長 杉 山 達 史君
総務課長 篠 田 聡君
△再開の宣告
◎事務局長(太野垣孝範君) ただいまの出席議員数は46名でございます。
○議長(元山芳行議員) 休憩前に引き続き、会議を再開いたします。
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△区政一般質問(続き)
○議長(元山芳行議員) 一般質問を続けます。
次は、市民が行います。
南雲由子議員。
◆南雲由子 議員 議長。
○議長(元山芳行議員) 南雲由子議員。
〔南雲由子議員登壇〕(拍手する人あり)
◆南雲由子 議員 通告に従いまして、市民クラブの一般質問をさせていただきます。
初めに、ウィズコロナ・アフターコロナでも未来へ続く板橋をつくると題して、生活様式や働き方など、区民生活が大きく変わる中で、今後の板橋区がどのような方向性で進んでいくか、その芯となる、区長のビジョンを改めて指し示すべきと考え、質問します。
1つ目に、板橋区の戦略についてです。
コロナ禍で大きく変化したことの一つが、働き方です。
長年、板橋区は、都心に近く通勤が便利な23区内にありながら、自然は豊かで住みやすいベッドタウンとして発展してきました。しかし、今、テレワークの広がりとともに通勤の概念は大きく変わり、住む場所の意味も変わってきています。
不動産・住宅情報サイトを運営するライフルが、9月8日に発表した「コロナ禍での借りて住みたい街ランキング」では、住みたいまちが郊外に移る傾向が見られます。
1位は小田急小田原線の本厚木で、これまで都心近郊の人気エリアだった三軒茶屋、荻窪、北千住などが大幅に後退。一方で、八王子、津田沼、立川、八潮、平塚などの郊外エリアが上位に入る結果となっています。
また、8月28日の東京新聞では、アルバイト求人サイト運営会社の調査で、首都圏でアルバイトや契約社員で働く人の6割が、地方移住に興味があると答えたと報じられています。
実際に私の身近でも、オンラインでの仕事が可能な職種の方を中心に、コロナ禍で都内から海の見える地域に住み替えた友人や、地方と都内の2拠点生活を本格化した友人もいます。
区長はこれまでも、東京で一番住みたくなるまちを掲げて区政を進めてこられましたが、23区に住む意味が変わりつつある今、板橋区の価値がどこにあるのかを一度本質的に見直し、改めて示す必要があるのではないでしょうか。
また、近年、人口が少ない地方自治体で、だからこそ身軽に、先進的なイノベーションを遂げている事例も多く見受けられます。板橋区は人口57万人、区職員数約3,600人と規模が大きい分、変化しにくいとも言え、23区の中で22番目に手を挙げるという姿勢では、日本の中で一番、まちとしての競争力を失い、変化の中で取り残されるのではという強い危機感を私は感じています。
そこで伺います。いたばし№1プラン2025の中で、板橋区の魅力をどこに置いて計画を立てているか、改めて区長の方針をお聞かせください。
私自身は、これまでも総括質問等で申し上げてきましたが、板橋区は、仕事も生活も丁寧に暮らすライフスタイルを求める人にとって大きな魅力があると考えています。
近年、特に若者の間では、住まいや車を共同で使うシェアハウスやシェアカー、自然の多い田舎で仕事をするワーケーションなどが広まり、バブル以前の、周りと競争してできるだけ良いものを所有しようとした時代とは違うニーズや価値観が見られます。また、日頃、区内でいろいろな方と話す中で、私は、板橋区が仕事も生活も丁寧に暮らすまちとして選ばれ、住み続けたくなる鍵になるのは、文化だと考えます。私がここで言う文化とは、単に表層的に美しい、見ることで心が潤うという部分ではなく、社会に本質や多様性を投げかける存在としての文化やアートについてです。
近年、大企業や、特に新たな時代に合わせた変革を求められるビジネス分野では、アートの価値が注目され、ビジネス向けにアート思考の可能性を説く書籍やセミナーなども多く開催されています。
フランス人アーティストのクリスチャン・ボルタンスキーは、アートは答えではなく、問いであると言います。
今、ビジネスの分野でアートの価値が見直されているのは、従来の、見たり聴いたりして美しいという側面よりも、物事の本質を問い直す見方、考え方としての部分です。
AIなどが台頭し、人間にしかできない仕事が問われる時代に、多様性やクリエイティビティは、経済面でも重要と言えます。
アメリカの経済学者リチャード・フロリダは、著書クリエイティブ資本論で、ゼロを1にする職業の人が多い地域では、経済的な伸び率が高いという研究結果を示し、クリエイティビティは、究極の経済資源であると述べています。また、地図を重ねると同時にその地域は、移民やLGBTQなど多様性を受け入れる傾向が強いそうです。
板橋区では、区内に住むアーティストに登録してもらうアーティストバンクいたばしがスタートしました。コロナ禍での文化支援として、映像作品に10万円を支援する事業でも活用されたことも、非常によい取組だと感じます。
板橋区では、区内での目に見える発表や公演などの活動だけでなく、ここに住むアーティストやミュージシャンも多くいることに着目すべきです。アーティストバンクいたばしによって、社会的資源とも言える、文化に関わる区民が見える化することは、大変意義深く、今後を楽しみにしています。
そこで伺います。板橋区政の中で、文化をどう捉えて振興していくのか、区長の見解を伺います。
もう1点、福祉の在り方について質問させていただきます。
行政の担うべき最も重要な使命の一つは福祉です。区民の方とお話をする中で、板橋区は特に障がい者福祉が充実しているため、移り住む人も多いと伺いますが、福祉の分野についても、今後の区長のビジョンを伺います。
話題の分野は変わりますが、先日、ひとり親支援を民間で行う一般社団法人日本シングルマザー支援協会代表の方のお話を伺いました。そのお話の中で印象的だったのが未来の福祉という言葉です。これまでのひとり親への行政の支援は、児童扶養手当や児童育成手当など、福祉事務所などからお金を助成するというものでした。しかし、子どもが独立して、その親が40、50代になったときに自立して生活していけるのか。同協会は、ひとり親が世帯主として生活できるレベルまで収入を上げる具体的な就労支援を主な活動として行っています。
既に千葉市や相模原市などでは、同協会と行政が協定を結んで対処療法ではなく、ひとり親の本質的な自立を支援するため、連携を始めています。
財政的にも大きな割合を占める福祉の分野で、どこを行政が担い、どこを民間のより専門的な支援と連携するのか。財政コストを下げるためだけの民営化ならすべきではありません。その役割についてのビジョンを区政として持った上で、持続可能な未来の福祉が求められるのではないでしょうか。
そこで、今後の福祉施策のビジョンを、区長に伺います。
続けて、デジタル変革について伺います。
コロナ禍では、臨時福祉給付金や持続化給付金などオンライン申請が行われ、デジタルトランスフォーメーション、DXと呼ばれるデジタル変革は、今後、行政に区民から強く求められる分野ですが、板橋区の現状は、民間に比べ大きく遅れています。
この夏は現地に伺っての様々な視察も難しい状況でしたが、デジタル変革で先進的な取組を行っている福島県磐梯町では、オンラインで視察の受入れをしていると伺い、先日、板橋区議会から超党派でオンライン視察をさせていただきました。磐梯町にとっても視察の受入れは栄えある第1号とのことでしたが、大変勉強になりました。
そこで、特に次の2点について提案し、今後の方針を伺います。
1点目は、職員全員の意識改革と環境整備、2点目は、全体の業務改善と併せて進めることです。
まず1点目は、職員全員の意識改革と環境整備です。板橋区の業務では、連絡や申込みがいまだにファクスで行われている部分があります。しかし、職員の多くは、プライベートではスマートフォンを持ち、LINEやSNSなどを使っていて、3,600人の職員がいれば、例えばその中にYouTuberもいるかもしれません。職員個人はデジタル技術を使えるのに、業務では使えない環境やルールの壁を取り除く必要があります。また、デジタル変革とは、IT推進課だけが考えればよい問題ではなく、職員全員が意識を変える、区役所全体のイノベーションであるという視点で進める必要があるのではないでしょうか。
磐梯町のお話を聞いてまず印象的だったのは、デジタル変革、DXの目的は住民本位の行政を行うことで、その手段としてデジタル技術を活用するものだという言葉です。職員の間でも難しい片仮名語を使うのではなく、会津藩の規範になぞらえた磐梯町DX戦略の什の掟として、「一、誰一人取り残してはなりませぬ」、「一、できない理由を並べてはなりませぬ」などDXの心構えを共有しています。
また、磐梯町でデジタル変革が大きく前進したターニングポイントは、今年、最高デジタル責任者CDOを副町長直轄の役職として、町外から起用した点にあります。同時にデジタル変革戦略室を部署として位置づけ、会議は福島と横浜や東京をオンラインでつないで進めたそうです。専門的な知識を得ることに加えて、組織内にイノベーションを起こすにはよそ者の存在が有効ではないでしょうか。
そこで伺います。デジタル変革を進めるために、アドバイザーとして専門家を民間から登用すべきと考えますが、見解を伺います。
2点目は、全体の業務改善と併せて進め、ICT化すべきものとそうでないものを仕分けることです。全てをデジタル変革、ICT化することが正解とは私は思いません。例えば、長寿社会推進課において利用する区民に向けた業務は、高齢者にとって使いやすい従来の電話やファクス、窓口などを充実させるべきですが、福祉施設の職員の事務作業など、デジタル化することによって効率化し、負担が軽減する分野があれば取り組むべきです。
民間企業において、企業の目標を達成するために、企業活動や組織構造、業務を根本的に再構築することをビジネスプロセス・リエンジニアリング、BPRといいます。磐梯町でも、最初に民間企業との包括連携協定でBPRを行い、まず業務把握を行い、業務の整理、見直しを行ったそうです。
板橋区でも、まず区の全ての業務を可視化し、どれをデジタル化すべきか、どれは既存のやり方でよいか、仕分をすべきではないでしょうか。BPRを行い、区役所全体をデジタル変革することは、今後の区政を時代に合ったものにする畑の土を耕すような部分です。
そこで伺います。デジタル変革を進める上で、区全体の業務改善と併せて、まず業務の可視化を行い、デジタル化するものかどうか優先順位をつける仕分作業をすべきと考えます。現状と今後の取組を伺います。
続けて、子育てについて、保育とあいキッズのビジョンについて伺います。
板橋区は待機児童ゼロへ取組を進め、今年4月の実質待機児童は80名となっています。今後も希望の園に入れていない子どもや保護者とのマッチングは課題ですが、待機児童はおおむね改善傾向にあります。
働き方が多様になる中、待機児童ゼロの次の段階として、これまでのゼロか100か、フルタイムで働いて保育園に預けるか、もしくは自宅で母親が育児をするか、以外の選択肢や、保育の質など板橋区はどんな子育てを提案できるでしょうか。特にコロナ禍では、既存の子育て支援ではうまく当てはまらないケースのご相談を私もSNSやZoomで何件も伺いました。例えば、フリーランスでデザイナーをしているが、コロナ感染防止のため幼稚園を休ませるか迷っているというご相談。また、父親が育休を取得したが、男性には、母親に寄り添ってサポートをというメッセージ以外の子育て情報がなく、育児で不安を感じるというご意見。家庭によって状況や悩みは様々で、条件は親の就労だけではなく、多様な子育てを家族以外で支える仕組みの必要性を感じます。
そこで伺います。待機児童解消のその先に、板橋区が目指す保育のビジョンについて、区長の所見を伺います。
続けて同様に、子育てが多様化する中での全児童型放課後事業、あいキッズの在り方について伺います。
文教児童委員会でも議論していますが、子どもたちからはルールが厳しい、狭いなどの声や保護者からも様々な要望が聞かれ、特にコロナ禍では現場の職員の処遇改善の必要性も明らかになっています。一方、あいキッズの事業費は年間20億円以上、そのうち国や都からの財源は6億、全体の30%程度です。利用者からの保育料で賄われるのは全体の7%で、区の財政支出は年間12億円超に上ります。これまでの成果と課題を検証しつつ、在り方を見直すべきです。
そこで伺います。平成27年度から全校で実施してきて、あいキッズ事業で達成できたと思うこと、また課題として見えてきたことなど、教育長のこれまでのあいキッズ事業への評価を伺います。
そして、今後のあいキッズの在り方を考える前提として、放課後の子どもの遊び場や居場所をどう考え、地域でどう支えていくのか。特に、子どもの目線であいキッズはどんな場所なのか。
この項の最後に、子どもの目線で見て、あいキッズを今後どのような場所にしていくか、教育長の方針を伺います。
ウィズコロナ・アフターコロナでも未来へ続く板橋をつくると題して大きな戦略とビジョンについて伺ってきましたが、以上で、この項の質問を終わります。
◎区長(坂本健君) 議長、区長。
○議長(元山芳行議員) 区長。
〔区長(坂本 健君)登壇〕
◎区長(坂本健君) 南雲由子議員の一般質問、1項目めについてお答えいたします。
まず初めに、ウィズコロナ・アフターコロナでも未来へ続く板橋をつくるに関連いたしまして、№1プラン2025における区の魅力についてのご質問であります。
コロナ禍において、新しい日常の構築・定着が求められている中、板橋区では、№1プラン2025の策定を進める中において、ブランド戦略を重点戦略の一つとして位置づけております。絵本のまちの展開、加賀エリアの魅力向上、駅周辺のまちづくりなど、区の独自性や先駆性を前面に打ち出し、ポストコロナ時代における新たな板橋ブランドを構築していきたいと考えています。
次は、板橋区の文化振興についてのご質問であります。
文化芸術基本法において、文化芸術は、人々の心のつながりや相互に理解し合う土壌を提供し、多様性を受け入れることができる心豊かな社会を形成するものと位置づけられております。区も、文化芸術が多文化共生に通ずるものとして、両者を一体的に推進する新たな計画、いたばし文化芸術・多文化共生ビジョン2025の策定を進めております。文化芸術の振興は、豊かな心や創造性が育まれると同時に、相互理解が浸透し、多様性を受け入れることができる共生社会の実現につながるものと考えています。
次は、今後の福祉施策のビジョンについてのご質問であります。
今後の様々な福祉課題に対応するためには、公的な支援体制の整備に加え、社会福祉法人、NPO等の多様な主体が取り組む共助と、地域が互いに支え合う互助の力が重要になるものと考えています。共助と互助の主体であります関係機関や地域住民との連絡調整を行う支援体制づくりを進めるとともに、その担い手となる人材の在り方の検討と育成を進めていく必要があると考えます。区民と多様な主体をつなげ、身近な地域から支え合いを始めることによって、区民一人ひとりの暮らしと生きがいを高めた、誰もが活躍できる地域共生社会を実現していきたいと考えています。
次は、民間の専門家のアドバイザー登用についてのご質問であります。
区におけるデジタルトランスフォーメーションを推進するためには、ICTに関する専門性の高い人材が、今後ますます求められてくると認識しています。そうした人材は、最新の技術的知見を有するだけではなく、自治体行政の在り方を理解し、ICTの導入による住民サービスや業務効率への影響を適切に評価することとなると考えます。区としましては、職員の育成はもとより、民間経験豊富な人材をアドバイザーとして登用することも含め、デジタルトランスフォーメーションの推進体制について検討を進めていきたいと考えています。
次は、業務の可視化についてのご質問であります。
区民等の来庁を要する手続について、オンライン申請の拡充を検討するに当たり、本年5月に、年間100件以上発生する手続に関する全庁調査を実施いたしました。その結果、194件の手続が可視化できましたところでありますけれども、まずは、年間2,000件以上の手続について、優先的にオンライン申請の検討を進めていこうと考えています。現在、オンライン申請に関する課題等を整理している段階ではありますが、他の自治体の事例なども参考にしながら、段階的にオンライン申請を拡充していく方針でございます。
最後になります。子育てに関連いたしまして、区が目指す保育の方向性についてのご質問であります。
人口減少社会を迎え、都市化・少子化の進展に加え、保育ニーズが変化する中、計画的な施設整備を進めてきたことによって、待機児童は着実に減少しているものと捉えています。今後、10年後、20年後の社会情勢や区民の生活様式、保育ニーズ等を総合的に展望した子育てに関するビジョンを策定する必要があると認識をしております。
残りました教育委員会に関する答弁は、教育長から行います。
◎教育長(中川修一君) 議長、教育長。
○議長(元山芳行議員) 教育長。
〔教育長(中川修一君)登壇〕
◎教育長(中川修一君) それでは、南雲由子議員の教育委員会に関する一般質問、1項目めにお答えいたします。
初めに、子育てに関しまして、あいキッズ事業の評価についてのご質問ですが、板橋区のあいキッズ事業は、学童保育の待機児童が社会的に課題となる中で、全国に先駆けて、希望する全児童の受入れを実現したところに大きな成果があると考えます。あいキッズ事業の実施当初に比べ、現在は子どもたちの居場所が多様化してきていることや、
新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、さんさん登録のみの児童の受入れを停止していることは、課題と捉えております。
次に、あいキッズの今後の方針についてのご質問ですが、子どもにとってのあいキッズ事業は、安心・安全な居場所であることを前提に、遊びや体験活動、交流活動、学習活動等をして過ごしてもらうところであります。異年齢との交流機会が少ない現在の子どもたちが、年上や年下の子どもと触れ合うことができる環境での様々な活動を通じて、社会性や協調性、自己有用感の獲得を図れる場にしていきたいと考えております。
1項目めの質問の答弁は、以上でございます。
◆南雲由子 議員 議長。
○議長(元山芳行議員) 南雲由子議員。
〔南雲由子議員登壇〕
◆南雲由子 議員 次に、GIGAスクールについて伺います。
国や都の動きを受け、板橋区でも来年春までに全小・中学生に1人1台タブレットが配付されます。今の子どもたちは、オンラインと対面の間を行ったり来たりしながら、仕事や人間関係を生き抜いていかなければなりません。今、公教育の中で文房具としてタブレットを使った教育が始まることは大きな転機であり、財政的にも厳しい中で、板橋区でもGIGAスクール整備を決めたことは高く評価しています。
まずはタブレットが子どもたちの手に、使える形で届くよう導入前の課題をクリアする必要があります。
6月の文教児童委員会で、私は導入前の課題として以下の2点を指摘しました。
1点目は、クラウド環境の整備と自宅学習の可能性について、2点目は、GIGAスクールを進めるための人員体制についてです。
まず、1つ目のクラウド環境の導入と自宅学習の可能性については、議論の中で、今のままでは登録費用や区の個人情報保護の方針のため、本当はタブレット端末とセットで使えるようにすべきクラウド環境が使えないという課題が明らかになりました。
教育におけるクラウド環境とは、G Suite for EducationやClassroomというインターネット上で資料を配布したり提出物を出したりする仕組みのことで、タブレットを導入してもクラウドが使えなければ文科省の方針ともずれて、板橋区の子どもたちが取り残されてしまうため、必ず解決すべき課題です。
もう1点は、導入を進めるための区の人員体制です。
短期間で3万6,480台のタブレットを配備しなければならない急な大仕事に、担当する職員を追加でつけるべきという点を、2年半前から導入した渋谷区の体制と比較して指摘してきました。
そこで伺います。クラウド環境の利用に向けて、進捗状況をお聞かせください。また、教育支援センターの人員の増員について、現在の状況を伺います。
そうした課題をクリアした上で、導入後、子どもたちや先生が使いこなすために、以下2点、家庭学習について、また教員の研修について質問します。
保護者の関心が特に高いのは、自宅でタブレットを使えるのか、どのように使ったらよいかという点です。また、今後も新型コロナの影響が見えない中、自宅でのオンライン学習が可能か。そして、
不登校や、様々な病気や障がいを持つ子どもたちへのオンライン学習の可能性も期待されます。
そこで伺います。板橋区における自宅でのタブレット活用について、教育委員会の方針を伺います。また、教員が授業で活用するための研修等に教育委員会としてどう取り組むか、教育委員会の方針を伺います。
先日、区内の教員に向けた勉強会板橋アカデミーでGIGAスクールに関する回をオンラインで拝聴しました。その冒頭、教育長から、デジタルトランスフォーメーション、DXについてお話があったり、Google社の担当者から使わないという選択も含めた授業での活用についてお話があり、GIGAスクールの手段だけでなく目的を伝える充実した内容でした。板橋アカデミーを聞いて、このタブレット導入が本質的に板橋区の教育を変える転機であることを強く感じました。
導入後も区の教育の中で、社会状況やデジタル技術の変化を捉えながら、ICT教育の可能性を模索するためには、思い切った組織改編も必要ではないでしょうか。
日野市では、平成18年に教育委員会事務局内にICT活用教育推進室を設けました。室長1名と、ICTの専門知識を持った者1名、メディアコーディネーター4名を配置し、それぞれ学校に出向いて直接支援する部署で、文科省や総務省とのプロジェクトや産学官の連携などを行ってきました。
今後のICT教育のさらなる展開に備えて、組織改編を行う自治体、教育委員会はほかにも見られます。広島県では、令和2年3月に学校教育情報化推進課を設置し、ICT環境整備と指導力の向上に関する事務を集約し、ハードとソフトの両面から学校教育のICT化を進めるとしています。また、福岡県久留米市でも、学習用コンピューターの導入事務と、教育センターの学校情報化の総括事務などを集約し、教育ICT推進課を令和2年4月に新設しました。
そこで伺います。日野市等の実践にあるように、ICT教育を推進するためには、抜本的な組織改正が必要と考えます。教育長の見解を伺います。
この項の最後に、直接会う教育の場について伺います。
この夏、私は大学生の男女1名ずつと高校生1名、合計3名のインターンの受入れをしました。大学1年生の彼らになぜインターンをしたいか志望理由を聞くと、大学が始まってから半年、授業は全てオンラインで受けているものの、様々な経験をしたい、大学に入ってからの友人は1人もいないと聞き私は愕然としました。
インターン活動を通して2か月彼らと過ごしてみると、彼らは雑談が下手です。グループワークで仕事をする際に、苦手な人や相手との考えの違いを何となく適当にやり過ごすのが苦手です。目に見えない、うまく言葉にできない影響が、大学に行っていない大学生に出ているのを感じます。
私は、板橋区でオンラインでの教育環境を整備すべきと考えますが、同時に、オンラインでは伝わらない、学校で、人と人が会ってできることの意味も大切にする必要があると考えます。
そこで伺います。教育の一つの手段としてオンライン化を進めながら、対面での教育やコミュニケーションの意義をどう捉えているか。教育長の方針を伺います。
以上で私の一般質問を終わります。(拍手する人あり)
◎教育長(中川修一君) 議長、教育長。
○議長(元山芳行議員) 教育長。
〔教育長(中川修一君)登壇〕
◎教育長(中川修一君) それでは、南雲由子議員の2項目めについてお答えします。
初めに、GIGAスクール構想に関しまして、クラウドの活用についてのご質問ですが、クラウドを活用することによって、安全な環境にデータが保存され、セキュリティも高く、端末にデータを残すことなく利用できるので、端末をなくしたり壊したりしても、データが失われないようになります。また、共有機能を活用することで、一人ひとりの考えをリアルタイムで共有できるなど、主体的・対話的で深い学びの視点からの授業改善を行うことができると考えます。そして、いつでもどこでも学んだり、コミュニケーションを深めたりすることができ、家で書いた作文の続きを学校で仕上げるなど、シームレスな学びを実現することができると考えております。
次に、人員配置についてのご質問ですが、GIGAスクール構想の推進体制につきましては、多くの方々からご心配をいただいているところですが、教育委員会事務局内部での調整の結果、8月から2名の職員が兼務発令により、担当課である教育支援センターに加わり、体制強化を図ることができました。来年度につきましては、新ネットワークの構築、2学期からの本格運用と、さらなる事業拡大が予定されており、その後の管理・運用も現在に比べ膨大な業務となることが予想されるため、運用等に支障を来すことのないよう、組織・人員体制を再構築する必要があると考えております。
次に、自宅活用についてのご質問ですが、本区のGIGAスクール構想におきましては、学校における端末の活用はもちろんのこと、家庭を中心とした学校外での活動においても活用していく予定です。平時においては、家庭ではインターネットによる調べ学習やドリル等による学習を行い、特に算数・数学においては、AIを搭載したアプリを活用するなど、一人ひとりの習熟度に合わせた個別最適な学習を実施してまいります。また、臨時休業等の有事におきましては、オンライン会議システムを活用して、家庭においても学校との双方向のオンライン授業を実施し、学びを止めない学習保障を進めてまいります。
次に、教員研修についてのご質問ですが、GIGAスクール構想における1人1台端末は、令和時代における学校のスタンダードとして、我が国の初等中等教育の大きな転換を図るものであり、教員のタブレットの利活用能力の向上は喫緊の課題であると考えます。区では、教員の利活用能力の向上のため、集合研修だけではなく、各学校にて全教員に対しキャラバン研修を実施し、向上が見られない教員には個別にフォローアップ研修も実施するなど、その徹底を図ってまいりたいと思います。
次に、抜本的組織改正についてのご質問ですが、今回のGIGAスクール構想では、本区においては、児童・生徒及び教員に対し1人1台、計4万台近いタブレット端末を導入し、今後の板橋区の学校教育の大きな改革を図るものであると認識しております。今後、端末における保守・管理に加え、教育用ソフトの選定、教員研修の充実及び授業のメソッド開発や家庭学習での活用等、対応すべき課題が山積しており、教育委員会事務局内の組織の抜本的な再構築が必要であると考えております。
最後に、対面授業についてのご質問ですが、子どもたちが多様な他者と協働しながら豊かな人生を切り開いていくためには、コミュニケーション能力の向上は必須であり、オンライン授業だけでは培うことはできないものです。その点から、対面授業の重要性を踏まえ、対面授業とオンライン授業とをバランスよく使いこなすハイブリッド化を推進し、ICTを活用しつつ、社会とつながる協働的な学びを展開していくことが重要であると認識しております。
いただきました教育に関する2項目めの質問の答弁は、以上でございます。
○議長(元山芳行議員) 以上で、南雲由子議員の一般質問を終了いたします。
次に、無所属議員、こんどう秀人議員。
◆こんどう秀人 議員 議長。
○議長(元山芳行議員) こんどう秀人議員。
〔こんどう秀人議員登壇〕(拍手する人あり)
◆こんどう秀人 議員 通告に従い質問を始めさせていただきます。
私が住んでいます高島平地区はもとより、板橋区内には数多くの桜の木が植樹されています。季節が来ると一斉に桜が咲き、春を楽しませてくれます。ただ、今年は昨年より花の数が少ないように感じ、夏の時期であっても葉の数は少なく、色合いの悪い葉を多く見受けていました。
そうした中、緑道の街灯が腐食による老朽化で取替交換工事を早急に対処していただいたことや、同じく腐食した藤棚の脚の土台付近も早々に補修工事をしていただき、大変うれしく感謝しております。憩いの場である公園の緑道をきれいに整備しておくことで、安心して住み良い地域だと感じるようになるのではないかと思います。
話を少し戻しますが、先月中頃、緑道の桜の枝が折れて落下しておりました。大きさは太さ8センチ、長さ70センチです。その場に隣接して保育園もあり、かなり気になります。また、それをきっかけに緑道の桜の木を観察していると、剪定された部分から菌が入り込み、枝が枯れている木を多く見かけ、そういった木は漏れなく幹の下の方から胴吹き枝が多数生えておりました。台風など自然災害による影響もあったかと思いますが、多くは剪定により枝を落としたものです。一般に桜の木は病気に弱く、できるだけ切らない方が良いと言われています。
そこでお伺いします。事情により仕方なく切る場合でも、切る時期や切り方など十分に配慮が必要であり、その配慮はどの程度考慮されているのでしょうか。また、剪定された部分が病気にかかりにくくするために、癒合剤やつぎロウを塗ることが望ましいのですが、そういった作業は行われているのでしょうか。区民が桜を眺められる楽しみが長く安全に続くよう、維持し続けていただきたいと考えます。
2点目に、学校からの事故などの緊急時の連絡と報告に関してお伺いします。
子どもは多くのことを学び成長していきます。その過程とは逆に、経験したことがないから予測できない面もあります。それによるリスクを下げるためにルール・規則があり、それが100%守られているとしても、想定外のけがや事故が起きているのが実情と思われます。
板橋区内のことではありませんが、想定外のけがの話では、テニスコートがある中庭で転んだ拍子にテニスネットの支柱に顔を打ちつけ前歯が折れたという話や、想定外のタイミングという点では、おととしの2018年6月18日、ブロック塀の総点検のきっかけとなった大阪府北部地震の場合、中核市である高槻市、枚方市、寝屋川市の真ん中のあたりで、通勤通学の最も込み合う時間帯の午前7時58分に発生しました。
その当時、私立であっても携帯電話やスマートフォンの持込みを禁止している学校がほとんどで、電話が混雑でつながらず、子どもの安否確認が取れないという事案が多数発生しました。その後、公立の中学校でも持込み禁止から校内での使用禁止に規則が改善され、取扱いに関する指針の検討が始まりました。
このように学校へ安心して通えることはもちろん、親が安心して送り出せる状況は重要なことです。
お伺いします。校内で起きたけがや事故に対して、連絡や報告はどのようにルール化されていますでしょうか。万が一の場合の、児童から親への連絡手段はもとより、学校から親への連絡、教育委員会への報告のルールはどこまで明文化されているのでしょうか。また、構内で起きた事故やけがに対しての補償や保険はどのように組まれているのでしょうか。ご答弁お願いいたします。
3点目の質問になります。第三者請求による住民情報の開示について質問させていただきます。
平成26年9月5日、最高裁判所は、NHK放送受信料債権は旧民法第169条の定期給付債権であり消滅時効は5年だとする判決を下しました。
受信料債権に旧民法第169条が適用された理由は、特別法である放送法等に消滅時効の規定が存在しないため、一般法である民法が適用されています。また、令和2年4月1日より施行された改正後の民法において、新民法第166条により一般債権の消滅時効は原則として主観的起算点で5年と定められました。
ただし、国税や市税など公債権とは違い、その援用を要せず、また、その利益を放棄することができないものとすると明文化されていないため、民法上の時効は債務者が裁判所に対し、時効の援用をしなければ5年という時効の利益を受けることができない状態です。そのため、NHKは今も5年分以上の請求書を当たり前のように送り続けています。そういった場合でお困りのときには、援用手続の方法のご相談などを私も受け付けております。
そして、受信料契約者が亡くなられていても契約は自動解約にならず、何年もたった後、遺族や親族の家へ突然請求書を送りつけてきたり、訪問員がやってきたりしています。どのように調査して遺族、親族の住所や連絡先を特定しているのかは分かりません。しかし、債務が残った状態で転居した場合では、住民基本台帳法でしかるべき理由がある場合には、債権者は債務者の転居先を区役所や市役所へ開示請求することにより、居住地を知り得ることができます。そういった事情により区外へ転居した方より、これは違法ではないのかという問合せがまれに入っております。
お伺いします。債権者が法人の場合は、その会社に所属している社員が業務として行う場合や士業による申請であれば問題ないと思われますが、請求の申請者が、何の資格も認可も受けていない、ただの業務を請け負っただけの個人事業主である地域スタッフである場合、区が請求に応じていたときは、法的に問題はないのでしょうか。
第三者請求によるしかるべき理由という具体的な例をお答えいただきたいところなのですが、悪用されるおそれがあるのでここでの質問は控えさせていただいて、代わりにNHK関係者と思われる第三者による請求はこの3年で何件ほどありましたでしょうか。お答え願います。
最後に、この板橋区内でもNHKと名のり、押し込み強盗まがいの事件を2件聞いております。
先月末から今月にかけ、川崎市や横浜市、鎌倉市で、ガス器具の点検ですと訪問してきて扉を開けると押し込み強盗であったという事件も発生しております。防犯のためにも、突然の訪問で会社名が分からない制服を着用している人などへの対応は行わないようお願いいたします。
こういった問題の広がりは、一時期からNHKが受託業者による制服などの統一性のない訪問契約を始めたことにより広まった社会不安です。私は、こういった社会不安を少しでも減らすために活動をし、コロナにより訪問活動ができなかったこの半年間は被害は激減していますが、理解を得られない説明で契約するまで帰らない活動を続けるNHKをぶっ壊す。
ご清聴ありがとうございました。(拍手する人あり)
◎区長(坂本健君) 議長、区長。
○議長(元山芳行議員) 区長。
〔区長(坂本 健君)登壇〕
◎区長(坂本健君) こんどう秀人議員の一般質問にお答えいたします。
最初に、桜の剪定作業の時期についてのご質問であります。
区で管理しております桜は、道路や公園などの公共の場にあり、法的制約や、枝の伸び過ぎが原因で発生する倒木、枝の落下などを防止するために、剪定は必須の作業であると考えています。桜など落葉樹に適した剪定時期につきましては、厳寒期を除く落葉期間で、関東では11月から2月頃が目安となっております。区におきましても、原則としてこの時期に委託をしておりますが、害虫の大量発生や緊急の要望など、時期を待てない場合には、樹勢に注意を払いながら、その都度実施しているところであります。
次は、桜を剪定した切り口の処理についてのご質問であります。
区が管理する桜の多くは、桜の中でも、特に腐りを生じさせる原因となる腐朽菌に弱いソメイヨシノであります。このため、区が実施している桜の剪定作業委託においては、剪定した太枝の切り口に、腐朽菌の侵入を防ぐため、殺菌効果のある癒合剤を塗ることとしております。
次は、NHKからの住民票の写しの交付申請件数についてのご質問であります。
NHKからの住民票の写しにつきましては、郵便で交付申請がされております。日本放送協会池袋営業センターより交付申請がされまして、平成29年度514件、平成30年度689件、令和元年度162件の実績がございました。
最後になります。住民基本台帳法との整合性についてのご質問であります。
NHKからの住民票の写しの交付申請は、地域スタッフではなく、池袋営業センターよりなされております。代表者印のある申請書、担当者の本人確認資料、契約関係が分かる疎明資料等の添付をいただき、住民基本台帳法にのっとって適切に処理をしているものであります。
残りました教育委員会に関する答弁は、教育長から行います。
◎教育長(中川修一君) 議長、教育長。
○議長(元山芳行議員) 教育長。
〔教育長(中川修一君)登壇〕
◎教育長(中川修一君) それでは、こんどう秀人議員の教育委員会に関する一般質問にお答えします。
小・中学校から教育委員会への報告義務に関しまして、校内で起きたけがの連絡・報告についてのご質問ですが、学校は、歯の損傷やアレルギー食物の誤食など、学校生活に大きな支障が生じるおそれがある場合や、管理外の交通事故等につきましても、速やかに教育委員会に第一報を入れることになっております。その後、事故の種類や事故の発生の状況、対応措置を確認・検討し、事故報告書にまとめ、速やかに教育委員会に提出するというルールを確立しております。
次に、事故やけがに対する補償についてのご質問ですが、区教育委員会では、校内も含め、学校管理下における児童・生徒、園児の負傷・疾病・障がいまたは死亡に関し、必要な給付を行うことを目的に、日本スポーツ振興センターの災害共済給付制度を活用し、補償を行っております。
いただきました教育に関する質問の答弁は、以上でございます。
○議長(元山芳行議員) 以上で、こんどう秀人議員の一般質問を終了いたします。
これをもって今期定例会の一般質問を終わります。
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△日程第1 議案第67号 ~ 日程第11 議案第77号の一括上程
○議長(元山芳行議員) これより日程に入ります。
この際、日程についてご報告いたします。
区長から提出された案件のうち、令和元年度(平成31年度)決算報告5件は議事運営の都合により次の会議の日程にいたしたいと存じますので、あらかじめご了承願います。
それでは、日程第1から第11までを一括して議題といたします。
〔事務局長朗読〕
議案第67号 令和2年度東京都板橋区
一般会計補正予算(第5号)
議案第68号 令和2年度東京都板橋区
国民健康保険事業特別会計補正予算(第3号)
議案第69号 令和2年度東京都板橋区
介護保険事業特別会計補正予算(第1号)
議案第70号 職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例
議案第71号 東京都板橋区手数料条例の一部を改正する条例
議案第72号 東京都
板橋区立住宅条例を廃止する条例
議案第73号 東京都
板橋区立高齢者住宅条例の一部を改正する条例
議案第74号 東京都
板橋区立公園条例の一部を改正する条例
議案第75号 自転車等の駐車場の整備及び放置の防止に関する条例の一部を改正する条例
議案第76号 土地の交換について
議案第77号 東京都板橋区
都市づくり推進条例
〔参 照〕(議案の部)
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△提案理由の説明
○議長(元山芳行議員) 本案に関し、提案理由の説明を求めます。
副区長。
◎副区長(橋本正彦君) 議長、副区長。
○議長(元山芳行議員) 副区長。
〔副区長(橋本正彦君)登壇〕
◎副区長(橋本正彦君) ただいま一括上程に相なりました議案第67号外10件につきまして、提案理由の説明を申し上げます。
初めに、議案第67号「令和2年度東京都板橋区
一般会計補正予算(第5号)」につきましては、今回の補正予算は、
新型コロナウイルス感染症に関する所要の対応のほか、緊急かつ必要性の極めて高い事業に要する経費、国・都支出金の返還金及び基金への積立て等を主たる内容としております。補正規模は歳入歳出それぞれ55億7,400万円を増額し、補正後の額は2,927億8,900万円と相なるものでございます。
歳入予算におきましては、国・都支出金、繰越金及び特別区債等を増額補正するものでございます。
一方、歳出予算におきましては、
新型コロナウイルス感染症の拡大を背景として必要となる生活保護法施行扶助費、生活困窮者自立支援事業経費及び保健衛生用品の購入に要する経費を増額するほか、財政調整基金への積立て等について、補正を行うものでございます。
次に、議案第68号「令和2年度東京都板橋区
国民健康保険事業特別会計補正予算(第3号)」につきまして申し上げます。
補正規模は歳入歳出それぞれ1億203万円を増額し、補正後の額は550億9,006万4,000円と相なるものでございます。今回の補正予算は、国の
新型コロナウイルス感染症緊急経済対策に基づき、収入が減少した被保険者等に対し、国民健康保険料の減免等を行うため、補正を行うものでございます。
次に、議案第69号「令和2年度東京都板橋区
介護保険事業特別会計補正予算(第1号)」について申し上げます。
補正規模は歳入歳出それぞれ4億5万1,000円を増額し、補正後の額は442億2,005万1,000円と相なるものでございます。今回の補正予算は、国の
新型コロナウイルス感染症緊急経済対策に基づき、収入が減少した被保険者等に対し、介護保険第1号保険料の減免を行うほか、前年度の国・都支出金等に係る返還金を計上するため、補正を行うものでございます。
続きまして、条例案等について申し上げます。
議案第70号「職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例」は、
新型コロナウイルス感染症に係る防疫等業務手当の特例について規定するほか、所要の規定整備をするものでございます。
議案第71号「東京都板橋区手数料条例の一部を改正する条例」は、行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律の改正による通知カードの廃止に伴い、通知カードの交付手数料等に係る規定を削減するほか、所要の規定整備をするものでございます。
議案第72号「東京都
板橋区立住宅条例を廃止する条例」は、区立住宅を廃止するほか、所要の規定整備をするものでございます。
議案第73号「東京都
板橋区立高齢者住宅条例の一部を改正する条例」は、中丸けやき苑を廃止するものでございます。
議案第74号「東京都
板橋区立公園条例の一部を改正する条例」は、公園内における行為の制限に係る事項を加えるほか、所要の規定整備をするものでございます。
議案第75号「自転車等の駐車場の整備及び放置の防止に関する条例の一部を改正する条例」は、有料自転車駐車場1か所を新設するものでございます。
議案第76号「土地の交換について」は、区が所有する土地と東京信用金庫が所有する土地を交換するものでございます。
議案第77号「東京都板橋区
都市づくり推進条例」は、区民等の都市づくりへの参画の手続及び都市づくりに関し必要な事項を定めることにより、区が策定する都市計画の基本的な方針の実現に寄与するため、条例を制定するものでございます。
以上、一括ご説明を申し上げましたが、よろしくご審議の上、ご決定賜りますようお願い申し上げます。
○議長(元山芳行議員) 以上をもって、提案理由の説明を終わります。
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△特別区人事委員会意見回答報告
○議長(元山芳行議員) なお、議案第70号については、地方公務員法第5条第2項の規定により、あらかじめ特別区人事委員会に意見を聴取しておきましたので、事務局長より朗読いたします。
〔事務局長朗読〕
02特人委給第428号
令和2年9月11日
板橋区議会議長
元 山 芳 行 様
特別区人事委員会委員長
中 山 弘 子
職員に関する条例に対する人事委員会の意見聴取について(回答)
令和2年9月11日付2板議第124号により意見聴取のあった下記条例案については、異議ありません。
記
議案第70号 職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例
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△議案の各委員会付託
○議長(元山芳行議員) ただいま議題となっております日程第1から第11までは、お手元に配付してあります議案付託事項表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に審査を付託いたします。
〔参 照〕
議 案 付 託 事 項 表
令和2年第3回板橋区議会定例会
┌─────┬──────┬──────────────────────────┐
│付託委員会│ 議案番号 │ 件 名 │
├─────┼──────┼──────────────────────────┤
│企画総務 │議案第67号│令和2年度東京都板橋区
一般会計補正予算(第5号) │
│委員会 │〃 第68号│令和2年度東京都板橋区国民健康保険事業特別会計補正予│
│ │ │算(第3号) │
│ │〃 第69号│令和2年度東京都板橋区
介護保険事業特別会計補正予算 │
│ │ │(第1号) │
│ │〃 第70号│職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例 │
│ │〃 第76号│土地の交換について │
├─────┼──────┼──────────────────────────┤
│区民環境 │議案第71号│東京都板橋区手数料条例の一部を改正する条例 │
│委員会 │ │ │
├─────┼──────┼──────────────────────────┤
│都市建設 │議案第72号│東京都
板橋区立住宅条例を廃止する条例 │
│委員会 │〃 第73号│東京都
板橋区立高齢者住宅条例の一部を改正する条例 │
│ │〃 第74号│東京都
板橋区立公園条例の一部を改正する条例 │
│ │〃 第75号│自転車等の駐車場の整備及び放置の防止に関する条例の一│
│ │ │部を改正する条例 │
│ │〃 第77号│東京都板橋区
都市づくり推進条例 │
└─────┴──────┴──────────────────────────┘
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△陳情の各委員会付託
○議長(元山芳行議員) 次に、今期定例会において受理した陳情は、お手元に配付しております陳情文書表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に審査を付託いたします。
〔参 照〕
陳 情 文 書 表
令和2年第3回板橋区議会定例会
受理年月日 令和2年9月23日
┌────┬─────┬──┬───────────┬───────────────┐
│付 託│ │受理│ │ │
│ │受付年月日│ │ 陳情の要旨 │ 提 出 者 │
│委 員 会│ │番号│ │ │
├────┼─────┼──┼───────────┼───────────────┤
│企画総務│2・7・30│ 105│対外的情報省を設立し、│───────────────│
│ │ │ │アメリカの占領政策の残│───────── │
│ │ │ │滓である、東京都下米軍│─────────── │
│ │ │ │横田基地の全面返還の意│─────── │
│ │ │ │見書を国に提出する事に│────────── │
│ │ │ │関する陳情 │ │
├────┼─────┼──┼───────────┼───────────────┤
│企画総務│2・8・18│ 106│固定資産税及び都市計画│──────────── │
│ │ │ │税の軽減措置の継続につ│───────────── │
│ │ │ │いて意見書の提出に関す│────────── │
│ │ │ │る陳情 │ │
├────┼─────┼──┼───────────┼───────────────┤
│企画総務│2・9・10│ 112│公選法の戸別訪問禁止規│───────────────│
│ │ │ │定等の撤廃を求める意見│─────── │
│ │ │ │書の提出を求める陳情 │ │
└────┴─────┴──┴───────────┴───────────────┘
┌────┬─────┬──┬───────────┬───────────────┐
│健康福祉│2・9・4│ 107│区立福祉園の民営化に関│───────────────│
│ │ │ │する考え方に関する陳情│──── │
│ │ │ │ │────────────── │
│ │ │ │ │────────────── │
├────┼─────┼──┼───────────┼───────────────┤
│健康福祉│2・9・8│ 108│新型コロナ対応にかかわ│───────────── │
│ │ │ │る保健所・医療機関の機│─────────── │
│ │ │ │能充実についての陳情 │─────────── │
├────┼─────┼──┼───────────┼───────────────┤
│健康福祉│2・9・8│ 109│指定難病の対象疾患拡大│───────────────│
│ │ │ │の検討対象となることを│──── │
│ │ │ │求める陳情 │────────── │
│ │ │ │ │────────── │
└────┴─────┴──┴───────────┴───────────────┘
┌────┬─────┬──┬───────────┬───────────────┐
│付 託│ │受理│ │ │
│ │受付年月日│ │ 陳情の要旨 │ 提 出 者 │
│委 員 会│ │番号│ │ │
├────┼─────┼──┼───────────┼───────────────┤
│健康福祉│2・9・9│ 110│介護保険料を引き上げな│───────────── │
│ │ │ │いことを求める陳情 │─────────── │
│ │ │ │ │────────── │
│ │ │ │ │ ─────── │
├────┼─────┼──┼───────────┼───────────────┤
│健康福祉│2・9・10│ 113│「舟渡いこいの家利活用│────────────── │
│ │ │ │(中間案)」についての│──── │
│ │ │ │陳情 │────────────── │
│ │ │ │ │────────── │
│ │ │ │ │ ─────│
└────┴─────┴──┴───────────┴───────────────┘
┌────┬─────┬──┬───────────┬───────────────┐
│文教児童│2・9・10│ 111│小中学校の30人以下少│───────────── │
│ │ │ │人数学級を求める陳情 │─────────── │
│ │ │ │ │─────────── │
├────┼─────┼──┼───────────┼───────────────┤
│文教児童│2・9・10│ 114│障害児の就学前集団生活│────────────── │
│ │ │ │に関する陳情 │──── │
│ │ │ │ │─────── │
├────┼─────┼──┼───────────┼───────────────┤
│文教児童│2・9・10│ 115│小中学校給食におけるア│───────────────│
│ │ │ │レルギー対応改善につい│────────── │
│ │ │ │ての陳情 │─────── │
└────┴─────┴──┴───────────┴───────────────┘
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△次回日程の報告
○議長(元山芳行議員) 以上をもって、本日の日程を全て終了いたしました。
この際、お諮りいたします。
明9月25日から10月12日までの18日間は、委員会審査のため休会いたしたいと存じますが、これにご異議ございませんか。
〔「異議なし」と言う人あり〕
○議長(元山芳行議員) ご異議がないものと認めます。
よって、9月25日から10月12日までの18日間は休会と決定いたしました。
次の会議は、10月13日、午前10時に開会いたします。
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△散会の宣告
○議長(元山芳行議員) 本日は、これをもって散会いたします。
午後4時22分散会
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以上相違なきを認めここに署名する
会 議 録 署 名 議 員
議 長 元 山 芳 行
16番 山 内 え り
52番 佐々木としたか...