板橋区議会 2018-10-30
平成30年第3回定例会−10月30日-04号
〃 第10 〃 第180号 陳情等の
区議会HP上での公開を求める陳情
(
継続審査分)
〃 第11 本会議等の運営方法の検討について
午前10時00分開議
出席議員 46名
1番 山 田 貴 之議員 2番 中 村とらあき議員
3番 間 中りんぺい議員 9番 松 崎 いたる議員
10番 田中しゅんすけ議員 11番 安 井 一 郎議員
13番 成 島
ゆかり議員 15番 井 上 温 子議員
18番 坂 本あずまお議員 19番 田
中やすのり議員
20番 鈴 木こうすけ議員 21番 し ば
佳代子議員
22番 高 沢 一 基議員 23番 中 妻じ
ょうた議員
24番 山 内 え り議員 25番 吉 田 豊 明議員
26番 元 山 芳 行議員 27番 大 野はるひこ議員
28番 田 中 いさお議員 29番 かいべ
とも子議員
30番 佐 藤としのぶ議員 31番 おなだか 勝議員
32番 荒 川 な お議員 33番 いわい 桐 子議員
34番 杉 田
ひろし議員 35番 茂 野 善 之議員
36番 なんば 英 一議員 37番 大 田
ひろし議員
38番 南 雲 由 子議員 39番 五十嵐
やす子議員
40番 竹 内 愛議員 41番 小 林 おとみ議員
43番 石 井 勉議員 44番 川 口 雅 敏議員
45番 小 林 公 彦議員 46番 中 野くにひこ議員
47番 長 瀬 達 也議員 48番 松 島 道 昌議員
49番
かなざき文 子議員 50番 大 田 伸 一議員
51番 菊 田 順 一議員 52番 佐々木としたか議員
53番 松
岡しげゆき議員 54番 はぎわら洋 一議員
55番 高 橋 正 憲議員 56番 橋 本 祐 幸議員
職務のため議場に出席した
事務局職員の職氏名
区議会事務局長 太野垣 孝 範君
区議会事務局次長 丸 山 博 史君
〃 議事係長 浅 子 隆 史君 〃 調査係長 安 井 聖津子君
〃 書記 森 下 慎 吾君 〃 書記 戸 田 光 紀君
〃 書記 平 山 直 人君 〃 書記 角 地 渉君
〃 書記 田 中 彩 乃君 〃 書記 飯 野 義 隆君
〃 書記 久 郷 直 人君 〃 書記 山 川 信 也君
〃 書記 木 村 欣 司君
地方自治法第121条の規定に基づく説明のための出席者
区長 坂 本 健君 副区長 橋 本 正 彦君
教育長 中 川 修 一君 代表・
常勤監査委員菊 地 裕 之君
政策経営部長 堺 由 隆君 総務部長 森 弘君
危機管理室長 糸 久 英 則君
区民文化部長 有 馬 潤君
産業経済部長 尾 科 善 彦君
健康生きがい部長 渡 邊 茂君
保健所長 鈴 木 眞 美君 福祉部長 七 島 晴 仁君
子ども家庭部長 久保田 義 幸君
資源環境部長 五十嵐 登君
都市整備部長 安 田 智君 土木部長 老 月 勝 弘君
会計管理者 平 岩 俊 二君
教育委員会事務局次長
矢 嶋 吉 雄君
地域教育力担当部長松 田 玲 子君
政策企画課長 篠 田 聡君
財政課長 小 林 緑君 総務課長 林 栄 喜君
△開議の宣告
◎事務局長(
太野垣孝範君) ただいまの
出席議員数は46名でございます。
○議長(大野はるひこ議員) これより本日の会議を開きます。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
△
会議録署名議員の指名
○議長(大野はるひこ議員) 本日の
会議録署名議員を指名いたします。
茂 野 善 之議員
五十嵐
やす子議員
以上、お2人の方にお願いいたします。
──────────────────────────────────────
△
健康福祉委員会報告
○議長(大野はるひこ議員) これより日程に入ります。
日程第1を議題といたします。
健康福祉委員長から提出された議案第80号に対する
審査報告書は、朗読を省略し、委員長から審査の結果について、報告があります。
健康福祉委員長 松島道昌議員。
◎松島道昌 議員 議長。
○議長(大野はるひこ議員)
松島道昌議員。
〔参 照〕
健 康 福 祉 委 員 会 審 査 報 告 書
本委員会に付託の事件は、審査の結果、下記のとおり決定したので、会議規則第72条の規定により報告します。
記
┌──────┬──────────────────────────┬──────┐
│事件の
番号 │ 件 名
│議決の結果 │
├──────┼──────────────────────────┼──────┤
│議案第80号│東京都板橋区
旅館業法施行条例の一部を改正する
条例 │ 原案可決 │
└──────┴──────────────────────────┴──────┘
平成30年10月17日
健康福祉委員長 松 島 道 昌
議 長 大 野 はるひこ 様
──────────────────────────────────────
〔
松島道昌議員登壇〕
◎松島道昌 議員 ただいまから、10月17日に開催いたしました
健康福祉委員会における審査の結果につきまして、ご報告申し上げます。
議案第80号「東京都板橋区
旅館業法施行条例の一部を改正する条例」につきましては、全員異議なく、全会一致をもちまして、原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。
以上をもちまして、本委員会の報告を終わります。
──────────────────────────────────────
△
健康福祉委員会報告に対する採決の動議
○議長(大野はるひこ議員) これより質疑に入ります。
ただいまの報告に質疑がありましたら、ご発言願います。
◆
間中りんぺい 議員 議長。
○議長(大野はるひこ議員)
間中りんぺい議員。
◆
間中りんぺい 議員
健康福祉委員会報告に対する質疑、討論を省略し、直ちに表決するよう、動議を提出いたします。
○議長(大野はるひこ議員)
間中りんぺい議員の動議のとおり決することに、ご異議ございませんか。
〔「異議なし」と言う人あり〕
○議長(大野はるひこ議員) ご異議がないものと認めます。
よって、
健康福祉委員会報告に対する質疑、討論を省略し、直ちに表決を行うことに決定いたしました。
──────────────────────────────────────
△議案第80号の採決
○議長(大野はるひこ議員) これより表決を行います。
お諮りいたします。
議案第80号「東京都板橋区
旅館業法施行条例の一部を改正する条例」については、
委員会報告のとおり決することにご異議ございませんか。
〔「異議なし」と言う人あり〕
○議長(大野はるひこ議員) ご異議がないものと認めます。
よって、議案第80号については、
委員会報告のとおり、原案可決と決定いたしました。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
△
決算調査特別委員会報告
○議長(大野はるひこ議員) 次に、日程第2から第5までを一括して議題といたします。
決算調査特別委員長から提出された報告第1号ほか3件に対する
調査報告書は、朗読を省略し、委員長から調査の結果について、報告があります。
決算調査特別委員長 小林おとみ議員。
◎小林おとみ 議員 議長。
○議長(大野はるひこ議員) 小林おとみ議員。
〔参 照〕
決 算 調 査 特 別 委 員 会 調 査 報 告 書
本委員会に付託の事件は、調査の結果、下記のとおり決定したので、会議規則第72条の規定により報告します。
記
┌──────┬──────────────────────────┬──────┐
│事件の
番号 │ 件 名
│議決の結果 │
├──────┼──────────────────────────┼──────┤
│報告第 1
号│平成29年度東京都板橋区
一般会計歳入歳出決算 │認 定│
├──────┼──────────────────────────┼──────┤
│〃 第 2
号│平成29年度東京都板橋区
国民健康保険事業特別会計歳入│認 定│
│ │歳出決算 │ │
├──────┼──────────────────────────┼──────┤
│〃 第 3
号│平成29年度東京都板橋区
介護保険事業特別会計歳入歳出│認 定│
│ │決算 │ │
├──────┼──────────────────────────┼──────┤
│〃 第 4
号│平成29年度東京都板橋区
後期高齢者医療事業特別会計歳│認 定│
│ │入
歳出決算 │ │
└──────┴──────────────────────────┴──────┘
平成30年10月26日
決算調査特別委員長 小 林 おとみ
議 長 大 野 はるひこ 様
──────────────────────────────────────
〔小林おとみ議員登壇〕(拍手する人あり)
◎小林おとみ 議員 ただいまから、
決算調査特別委員会の調査結果についてご報告を申し上げます。
本委員会は、去る10月16日の本会議において、議員全員をもって設置され、本会議終了後、ただちに
委員会条例第7条第1項の規定による、議長招集の委員会が開会されました。
最初に、正副委員長の互選を行いましたところ、委員長には私が、副委員長には、
小林公彦委員が、それぞれ選任されました。
次に、本委員会に付託されました案件を、
委員会条例第2条で規定する
常任委員会の名称、委員定数及び所管と同様の5分科会を設置して調査することとし、それぞれの分科会に、所管の事項を付託いたしました。
また、
分科会委員は、各
常任委員会の構成員が同一所管の
分科会委員となることとし、その分科会の正副主査には、それぞれの
常任委員会の正副委員長が選任されました。
次に、委員会の円滑・適切な運営を図るために、
委員会条例第4条第4項の規定により、理事会を設けることとし、
間中りんぺい委員、
安井一郎委員、
杉田ひろし委員、
田中いさお委員、
大田伸一委員、
南雲由子委員、おなだか勝委員、以上7名の方々に理事委員として、就任をお願いいたしました。
引き続き、10月17日及び18日は、分科会において調査を行いました。
17日は、企画総務、区民環境、健康福祉の3分科会が開かれ、企画総務及び
区民環境分科会では、所管の
一般会計決算を、
健康福祉分科会では、所管の
一般会計決算、
国民健康保険事業、
介護保険事業、
後期高齢者医療事業の各
特別会計決算を、それぞれ調査いたしました。
18日は、都市建設、文教児童の2分科会が開かれ、所管の
一般会計決算をそれぞれ調査いたしました。
次に、10月24日、25日及び26日の委員会では、総括質問を行いました。
10月24日は、自民党の
杉田ひろし委員、
茂野善之委員、佐々木としたか委員、公明党の
成島ゆかり委員。
10月25日は、24日に引き続き、公明党の
成島ゆかり委員、鈴木こうすけ委員、
しば佳代子委員、共産党の
山内えり委員、いわい
桐子委員。
10月26日は、25日に引き続き、共産党のいわい
桐子委員、市民の
五十嵐やす子委員、
長瀬達也委員、
民主クラブの
高沢一基委員、佐藤としのぶ委員、無所属の
井上温子委員、無会派の松崎いたる委員の順で行いました。
以上の日程を経て調査を終了し、引き続き表決に入りました。
報告第1号「平成29年度東京都板橋区
一般会計歳入歳出決算」、報告第2号「平成29年度東京都板橋区
国民健康保険事業特別会計歳入歳出決算」、報告第3号「平成29年度東京都板橋区
介護保険事業特別会計歳入歳出決算」及び報告第4号「平成29年度東京都板橋区
後期高齢者医療事業特別会計歳入歳出決算」以上4件について、一括して表決を行ったところ、賛成多数をもちまして、認定すべきものと決定いたしました。
以上、本委員会の調査結果について、ご報告を申し上げましたが、
理事者各位におかれましては、各委員から調査の過程で示された提案、要望、指摘などを十分に検討され、区民の福祉のさらなる向上を目指し、今後の区政運営に生かされるようお願い申し上げまして、本委員会の報告を終わります。(拍手する人あり)
──────────────────────────────────────
△
決算調査特別委員会報告に対する討論、採決の動議
○議長(大野はるひこ議員) これより質疑に入ります。
ただいまの報告に質疑がありましたら、ご発言願います。
◆
間中りんぺい 議員 議長。
○議長(大野はるひこ議員)
間中りんぺい議員。
◆
間中りんぺい 議員
決算調査特別委員会報告に対する質疑を省略し、討論の上、ただちに表決するよう動議を提出いたします。
○議長(大野はるひこ議員)
間中りんぺい議員の動議のとおり決することにご異議ございませんか。
〔「異議なし」と言う人あり〕
○議長(大野はるひこ議員) ご異議がないものと認めます。
よって、
決算調査特別委員会報告に対する質疑を省略し、討論の上、ただちに表決を行うことに決定いたしました。
──────────────────────────────────────
△報告第1号〜第4号に対する討論
○議長(大野はるひこ議員) これより、報告第1号「平成29年度東京都板橋区
一般会計歳入歳出決算」、報告第2号「平成29年度東京都板橋区
国民健康保険事業特別会計歳入歳出決算」、報告第3号「平成29年度東京都板橋区
介護保険事業特別会計歳入歳出決算」及び報告第4号「平成29年度東京都板橋区
後期高齢者医療事業特別会計歳入歳出決算」に対する討論を一括して行います。
通告がありますので、順次、発言を許します。
初めに、竹内 愛議員。
◆竹内愛 議員 議長。
○議長(大野はるひこ議員) 竹内 愛議員。
〔竹内
愛議員登壇〕(拍手する人あり)
◆竹内愛 議員 ただいまより、
日本共産党板橋区
議会議員団を代表し、報告第1号「2017年度東京都板橋区
一般会計歳入歳出決算」及び報告第2号「同
国民健康保険事業」、報告第3号「同
介護保険事業」、報告第4号「同
後期高齢者医療保険事業」の各
特別会計の
歳入歳出決算の認定について、反対する立場から討論を行います。
2017年度決算は、
歳入歳出差し引き額55億7,800万円で、前年比28.8%の増、実質単年度収支でも12億4,800万円の黒字です。
財政調整基金は当初予算で取り崩したものの、その額を上回る積み立てが行われ、14億3,200万円の増です。
区は、歳入が増加した理由として、海外経済の回復、国内経済においては、雇用・所得環境の改善を挙げています。しかしながら、
納税義務者が増加しているのは、
課税標準額200万円以下の低所得層で、区の
納税義務者の6割を占める状況となっています。
また、所得がふえていると言いますが、1人
当たり所得は月額1,874円ふえたにすぎません。ところが、区は、今後の行政課題や
人口減少社会の到来などを理由に、区財政が厳しくなることを強調する一方、目の前の区民の暮らしの厳しさには目を向けていません。このことが施策や予算執行にもあらわれています。
年度の初日に出された副
区長名通達には、歳入確保として、滞納対策による徴収強化、歳出に当たっては、経費圧縮を追求するよう強調されています。
こうした方針は、区職員の自由な発想を萎縮させ、また区民を善と悪に振り分け、区民のために必要な事業の実施や事業改善に積極的に取り組む意欲をそぐものと言わざるを得ません。
そもそも区の
予算編成方針には、地方自治の基本である住民の福祉の向上を施策の中心に据えるという視点が欠けています。そのため、生活保障の点でも、新たな
経済的負担の軽減策や地域の商店や工場などへの支援策は盛り込まれませんでした。一方で、4つの開発事業に着手するなど、開発優先、
基金積み立て優先の姿勢が示されました。
決算では、当初予算におけるこうした課題が、執行段階でどのように改善、是正されたのかが問われます。以下、具体的に指摘します。
貧困と格差が広がるもとで、負担増を拡大し、徴収強化を進めてきた問題です。
さきに述べたように、区民の暮らしの実態は厳しさを増しています。こうした中で区が行ったのは、
滞納対策強化、
収入確保対策検討会です。いかに徴収するかが目的化し、区民の生活をどのように再建するかという視点はありません。
差し押さえありきの姿勢を改め、個々の暮らしに寄り添い、生活再建を柱に据えた対策にすべきです。
また、直接支援につながる
経済的支援には背を向け続けています。
学校私費負担では、同じ区立学校でありながら、教材費だけでも学校間で2倍から3倍もの金額の差が生じています。区は、なぜそうした差が生じているのか、把握さえしていません。現場任せの姿勢を改め、公費を増額し、保護者の負担を軽減すべきです。
国民健康保険では、実に98.6%の加入世帯が値上げとなりました。
介護保険分を入れた40歳以上、1人当たり、
平均保険料額は12万7,985円と、前年度比で4.4%もの負担増です。
一方で、決算では約46億円もの
歳計剰余金が生じています。区が財源不足として一般会計から繰り入れた約19億円を差し引いても、1人当たり約2万円、保険料額を引き下げることが可能でした。
国民健康保険は、加入世帯の25%が保険料を納められない状況にありますが、そのうち7割以上が、
保険料年額10万円未満の低所得世帯です。こうした世帯も含め、徴収強化が図られ、
差し押さえは過去最高の671件となっています。徴収強化によって暮らしに追い打ちをかけるのではなく、保険料額の引き下げこそ行うべきです。
介護保険では、滞納整理の一元化により、初めて
差し押さえが行われました。
介護給付費準備基金は約17億9,000万円に達しました。これは取り過ぎた保険料であり、約13万人の被保険者に返還すべきです。
また、利用料を2割に引き上げられた影響が2,557人に及んでいます。3割負担の影響も含めると、
階層別所得段階7と8で、
介護サービス利用者に利用抑制が見受けられます。必要な介護が受けられなくなっている状況に対し、区独自の
利用料負担軽減、
保険外サービスの実施などに踏み出すべきです。
後期高齢者医療制度においても、国の
所得軽減策の削減の影響により、約4,300人が負担増となっています。必要な医療が受けられるよう、独自の
医療費助成事業が必要です。
また、公共施設の統廃合を進め、区民の切実な要求に応えていない問題です。
学校統廃合問題では、
過少規模校を理由に、板橋第九小学校、
向原中学校の統廃合が行われました。
小規模ならではの豊かな教育が行われていたことは、区自身も認めていたことです。本当に
子どもたちのよりよい教育環境のためというならば、大規模校の改善こそ行うべきです。
6カ所の
区民集会所の廃止、
ベビールームの統合が行われました。その目的は、
維持管理コストの削減としています。集会所は、災害時の拠点や
地域コミュニティの形成に必要な施設です。また、
ベビールームにおいても、家庭的かつ一定の集団での保育が可能であり、必要とされています。
コスト削減を優先するのではなく、必要な施設として継続すべきです。
保育園待機児童問題では、今年4月1日時点での
待機児童数は837名で、国の基準である
実質待機児童数も185名です。待機児童ゼロに至っていません。そもそも待機児童の定義に実態との乖離があり、希望する園に入園できることを基本とした計画に改めるべきです。
また、
都営母子アパートの1階部分にある
区立仲宿保育園について、建物の老朽化により、平成32年度以降の運営が困難との見方から、閉園を視野に検討していることが報告されました。区は、平成28年に状況を把握しながら、平成29年度も庁内での検討にとどめ、現在も都に対し、
保育園運営の継続や土地の活用について、相談や申し入れを行っていないことが明らかになりました。
待機児童対策として、新規園の拡大を進めながら区立園を閉園することは、区の方針とも矛盾するものです。都に対し、土地の活用を強く求め、園の運営を継続すべきです。
住宅問題では、公営住宅への入居希望が増加していると認識しながら、家賃助成や公営住宅の増設も検討さえ行っていません。仲介だけでは解決できないことは明らかです。
障がい者支援では、障がい者福祉計画(第5期)が策定されましたが、重度・重複障がい者の入所施設、グループホームは盛り込まれていません。緊急課題として検討すべきでした。
また、発達障がい者支援センターは、事業者選定が遅れ、当初の予定より開設が遅れています。障がい者の特性に応じた的確な対応と、当事者や関係者の声が生かされる施設にすることが求められています。開かれた会議体の設置など、緊急に行うべきです。
次に、区民に必要な事業が後退するなど、実態に即していない問題です。
コンビニでのマイナンバーカード利用による各種証明書発行が可能になる一方、いたばし区民カードが利用できる自動交付機が廃止されました。しかし、マイナンバーカードの発行数は伸びず、窓口での対応が増加しています。自動交付機の廃止によって窓口業務の多忙化、住民の利便性低下を招いたことは重大な問題です。自動交付機の利用を再開すべきです。
がけ・よう壁安全対策工事助成は、予算執行率は84%ですが、実績はわずか2件です。相談件数は34件ありますが、制度の利用に至らない状況です。
また、家具転倒防止器具取りつけ費用も、障がい者2件、高齢者44件と、予算を大きく下回る実績にとどまっています。助成額のさらなる増額や手続の簡素化など、利用促進につながる見直しが必要です。
応急福祉資金貸付事業は、実績ゼロで、前年度もわずか1件です。しかし、相談件数は150件に上っています。要件が合わず、実際には借りられないのが実態です。要件緩和を行うなど、実態に即した改善を図るべきです。
高齢者の憩いの場、居場所の問題では、いこいの家・ふれあい館利用者の激減が顕著にあらわれています。いこいの家は、入浴事業の廃止により、すべての施設で利用者が激減し、平均利用者は平成25年度の36%にまで落ち込んでいます。ふれあい館でも、入浴利用は有料化前の54.3%です。高齢者の居場所としてふさわしい内容に改めるべきです。
また、行政運営における透明性の確保と説明責任が果たされていない問題です。
決算要求資料では、指定管理事業者が提出する収入・支出報告書がほとんど黒塗りでした。例えば体育施設の確認書では、情報公開について、必要に応じて所管課等と協議し、指定管理者の責任で全部公開、一部または全部非公開、もしくは文書等の存否を明らかにできないことを決定する、となっています。これでは指定管理者の言うままで、全く透明性のない文書が出てくるはずです。現行でも、特記事項第2条に、情報公開について指導できるとあり、透明性を確保するため指導強化すべきです。
ホタル生態環境館をめぐって、区は委託契約請求事件の報告をもって終了としています。しかし、これまでの報告は、元職員や委託業者が裁判を起こした範囲や資料が残っている範囲にとどまっており、それ以前は適切であったとするものです。また、過去の管理職や区長を含め、調査するとしたことについても、何ら示されず、これで終結することは許されません。累代飼育がいつから行われていなかったのか、委託契約の不履行がいつからだったのか、徹底解明し、区民への説明責任を果たすべきです。
次に、行革についてです。
職員定数の適正化の名のもとに、職員の削減が進められています。このことは公務労働のあり方が問われるものであり、働き方改革とも矛盾するものです。
まず、区職員の人事や配置についてです。
専門性が求められる福祉事務所のケースワーカーは、経験年数1年以下が48%、3年以下が76%です。経験豊かなベテラン職員に深刻なケースが集中するなどの課題が生じており、生活保護行政の質の低下につながりかねません。各職員の専門性を高められるよう、経験年数に応じた職員配置や人員の増など、抜本的な改善が必要です。
また、非常勤のみ職場では、公務としての専門性の構築が保障されていない課題が生じています。
スクールソーシャルワーカーは、非常勤職員からチーフを任命し、地域担当制で取り組んでいるとのことですが、退職もあり、人は入れかわっています。学校現場との連携が重要であり、個人情報も含め、個人や家庭に入り込む仕事です。ところが、担当課には専門性を有する区職員は配置されていません。
消費者センターでも同様です。非常勤職員と正規職員とでは、果たす役割が違います。非正規のみ職場に正規職員の配置を行うべきです。
委託拡大による弊害も生じています。
業務の細分化を図り、委託の拡大が進められています。しかし、業務遂行の過程やその結果に区は責任を負えません。また、誰がどのように作業を行うのか、人材育成にも関与できません。区民に直接かかわる業務において、区が責任を負えない委託化はやめるべきです。
保健所では、食品衛生検査のさらなる委託化が検討されています。区民の命に直結する分野であり、区として責任を負う体制を維持すべきです。
区職員の働き方についてです。
区議団は、区立保育園では、残業しなければ仕事が終わらない実態を示し、申告していないものも含め調査を求めてきました。ところが、区は、残業を減らすと言いながら実態調査さえ行っていません。こうした状況は、保育園だけで起きているとは思えません。実態をつかまずに改善することはできないのです。全庁的な実態調査を行うべきです。
女性管理職についても、平成29年度は全体の18.1%です。同時に、男性職員の育児休暇取得率も8.3%で、平均期間はわずか1カ月です。目標にほど遠い状況です。
区立小・中学校では、年間を通じ、入れかわり欠員が生じています。その補完体制を整えるため、現場が苦慮しています。教職員の増員や働き方の見直しについて、待ったなしの課題です。人事方針を見直し、定数のあり方、教職員を含む働き方を抜本的に改めるべきです。
最後に、財政運営についてです。
区の
予算編成方針は、施策についてスクラップ・アンド・ビルド、サンセット方式を基本としています。このことで、現場では必要であっても新たな事業を行うことが困難になっています。一方で、基金は、義務教育施設整備基金に29億円、公共施設等整備基金に20億円、
財政調整基金に36億円の新たな積み増しが行われました。将来への備えと言いますが、どれだけのお金が必要なのかという基準はありません。あればあるだけいいということでしょうか。現金給付事業を含め、困難を抱えている人への直接支援、また、教育環境の改善や子育て支援など、
子どもたちの未来を見据えた積極的な支出を検討すべきです。
以上、述べてまいりましたが、改めて区民の暮らしに寄り添う立場を求めて、本決算の認定に反対し、討論を終わります。(拍手する人あり)
○議長(大野はるひこ議員) 次に、田中しゅんすけ議員。
◆田中しゅんすけ 議員 議長。
○議長(大野はるひこ議員) 田中しゅんすけ議員。
〔田中しゅんすけ議員登壇〕(拍手する人あり)
◆田中しゅんすけ 議員 ただいまから、板橋区議会自由民主党議員団を代表して、報告第1号「平成29年度東京都板橋区
一般会計歳入歳出決算」、報告第2号「平成29年度東京都板橋区
国民健康保険事業特別会計歳入歳出決算」ほか2
特別会計決算の認定について、賛成の立場から討論を行います。
平成29年度の我が国の経済を見ると、昨年11月に景気回復局面が高度成長期のいざなぎ景気を超えて、戦後2番目の長さになったことが確定しました。また、平成30年度の年次経済財政報告において、現安倍政権の発足と同じ、平成24年12月に始まった景気拡大が平成31年1月まで続けば、6年2か月となり、これまでの戦後最長記録の6年1カ月を超えることとなります。
さらに、この白書において、「企業収益が過去最高となる中、雇用・所得環境が改善し、所得の増加が消費や投資の拡大につながるという、経済の好循環が着実に回りつつある」と分析しています。
このような経済状況のさらなる発展を狙って、政府は新しい経済政策パッケージに取り組んでいます。この新しい経済政策パッケージでは、第1に、人づくり革命として幼児教育の無償化、待機児童解消、介護人材の処遇改善などに取り組み、もう一つの柱、生産性革命では、中小企業・小規模事業者の投資促進と賃上げの環境の整備に取り組んでいるところであります。まさに、現在の経済拡大の中にあっての課題に対し、正面から対峙するものとなっています。
これらの取り組みの結果として、平成29年度の実質GDP成長率は1.7%、名目GDP成長率は1.5%となり、そろって昨年に引き続き、前年度実績を上回っています。さらに、平成29年度の完全失業率が2.7%となり、平成28年度の3.0%をさらに改善する結果となりました。今後も、経済環境の改善が見込まれています。
政府は、持続的な経済成長の実現に向け、追加的財政需要に対応することにより、雇用・所得環境の改善が続く中、景気は緩やかではありますが改善に向かっています。
さて、板橋区における平成29年度は、板橋区基本計画2025及びいたばしNo.1実現プラン2018の2年目ということもあり、施策・事業遂行に当たって、着実でスピード感を持った取り組みが求められる重要な年でありました。
最初に、平成29年度の決算状況を概観しますと、
財政調整基金からの実質的な繰り入れを行わずに、収支均衡型決算が達成できました。さらには、
財政調整基金に14億3,200万円余りの積み立てを行い、安定した財政運営がうかがえます。これで3年連続の収支均衡がなされたことになります。
また、区の主要な財源である特別区民税が、昨年度と比べ、8億5,000万円余りの増額となり、収入率も、平成28年度が94.9%であったところ、本年度は96.0%となり、1.1ポイントの改善が図られました。しかしながら、昨年度も収入率の改善が図られましたが、23区の平均値に及ばなかったことを考慮すると、平成30年度に関しても危惧されるところです。今後は、23区の徴収状況を念頭に、目標値をしっかりと定め、負担の公平性を追求していただきたいと思います。
一方、区の主要財源である特別区交付金の普通交付金が、一部上場企業の最高益が続く中、法人住民税の一部国税化の影響などにより、普通交付金が8億3,000万円余りの減になり、我が自民党が指摘したことが現実となっています。今後、景気循環が生じた場合を想定し、財政基盤のさらなる強化を求めておきます。
国と東京都からの交付金が増加しています。これは、保育園
待機児童対策や障がい者の自立支援経費の増という歳出に付随するものであり、今後の年度負担に注意する必要があると昨年度も指摘しました。区が発行した板橋区財政白書の中でも、福祉費の突出した伸びについて危惧していることが読み取れます。さらなる分析を進めることを求めます。
それでは、ここで平成29年度の区政を概観します。
区長は、限られた財源の中で、今日的課題に積極的に対応してきました。例えば(仮称)子ども家庭総合支援センターの開設準備や保育所の
待機児童対策、子どもの貧困対策などに取り組み、着実に成果を積み重ねてきました。また、長らくの間、手がつけられなかった小・中学校や公共施設の老朽化対応が挙げられます。ようやくに基金積み立てによる財政基盤が安定したことから、公共施設の更新需要に対応してきたことに対し、評価いたします。
今1つ、JRとの協働によるB用地の活用を図り、29億4,500万円の賃料収益を上げられることは一定程度理解します。が、その後の展開がいまだに見えない、聞こえてこない。
近隣にはハイライフプラザいたばしがあります。この施設をさまざまな用途に転換でき、活用の道を大きく広げることは可能と考えています。新たな施設をこの場所に展開する必要があるのでしょうか。新たな施設を運営するコストをかける余力が区にあるのでしょうか。区が新たな施設に対し経費をかけるのであれば、ハイライフプラザいたばしの廃止を含めた検討も必要でしょう。また、新たな施設を含めた運営に関しては、PFI方式などによって、区の支出をゼロにすることを検討する必要もあります。
このことは、区が発行した財政白書を読んで感じたことなのですが、福祉費が毎年度20億から25億伸び、区の予算の伸びを上回る状況にあります。さらに、義務教育施設や公共施設の更新需要への対応、東武東上線連続立体化事業、まちづくりなど、B用地とあわせて対応していく事業が多数あるからあえて申し添えておきます。
このような財政事情の中においては、区自身が変わらなくてはならず、十分な情報開示と説明をもって事業の選択と集中をさらに進め、さまざまな要求に対して、無理なものは無理という態度を示すことも必要と考えています。
昨年、区においては、基金及び起債活用方針が公表されましたが、各種基金の積立額の適正性を区民の皆様にご理解いただけるよう、さらに財政分析を進め、さらなる説明が必要であることを指摘しました。
本年度は、財政白書の久々の発行があり、区の財政状況を知ることができました。また、23区との比較がさまざまな視点からなされており、板橋区の特殊な財政状況を知ることができました。しかしながら、福祉費に対する分析が不十分であると捉えています。23区の福祉費の平均的な構成比が51.5%であるのに対して、板橋区は60.8%であり、実に9.3%もの開きがあります。
また、特別区債の状況を確認したところ、平成28年度の板橋区の区債残高が333億2,000万円であり、23区平均が223億8,000万円でありました。板橋区の区債残高が、23区と比べ高いことがわかりました。
平成29年度の特別区債残高調書においては、344億7,000万円であり、増加しています。公共施設の更新需要には一定程度の起債発行も必要であると思います。将来世代の負担軽減とあわせ、多世代の負担の公平性の観点を考慮しつつ、適正な特別区債の発行管理に努めていただきたいと思います。この点についても、調査・研究を進め、広く理解が求められるよう、またわかりやすく説明されることを希望します。
ここで
一般会計決算関連数値の内容を概観いたしますと、歳入が2,146億2,000万円余り、歳出が2,090億4,000万円余りとなり、55億8,000万円の決算剰余金が生じました。
財政指標を見ますと、財政構造の柔軟性を図るために用いる経常収支比率が83.8%となり、前年度と比較して0.3ポイント悪化しています。適正範囲である80%のラインを、平成20年度から連続して超えており、平成28年度から2年続けて数値が悪化しています。
この要因は、保育園
待機児童対策や障がい者の自立支援経費の増が主な要因であり、効果的な対策は困難であるとの答弁がありました。であるからこそ、福祉費の分析が必要であると昨年も同じことを言っています。そこから何ができるかの研究を是非に進めていただきたいと思います。
公債費負担比率が3.0%となり、前年度に比べ0.2ポイント悪化しました。これは、減債基金への積み立てを、前年度と比較しておおよそ10億8,000万円増の積み立てを行い、満期一括償還払いへの当面の対応を完了させたとのことであります。
今後も起債返済に対しての将来負担に危惧のないよう対応することを希望するとともに、経済循環に対する対応も、引き続き必要ではないかとの思いもあります。
次に、人件費比率は15.5%となり、昨年度と比較して0.8ポイント低下しています。このことについても、昨年指摘した適正な人件費比率の把握を常に考慮しつつ、職員の労働生産性の向上に努めていただきたい旨を説諭しています。
委託した事務事業を正確に、そして全体を管理できているのでしょうか。職員に質問しても答えられないことが多くなってきていないでしょうか。我が自民党が言う労働生産性の向上には、提供するサービスの向上が含まれていることをつけ加えておきます。
次に、健全化判断比率につきましても、法で求められている4つの指標のいずれにおいても、早期健全化基準を大きく下回っており、この点では問題のない水準であると認識しております。
歳入では、地方消費税交付金が、配分方法の見直しなどの算出基礎の見直しの動きがあり、注視しておく必要があります。
特別区税の堅調な推移があるものの、法人住民税の一部国税化の影響が、ついに数値としてあらわれ、特に財政調整交付金の動きに注視する必要があります。
歳出においては、板橋区財政運営に多大な影響を及ぼす扶助費が39.2%と、昨年度と同数値を示す結果を示していますが、額としては25億円余りの伸びを示しています。
次に、いたばしNo.1実現プラン2018に掲げる3つの目標を達成するための各政策に沿って申し上げます。
第1は、未来をはぐくむあたたかいまちについてであります。
初めに、子育て安心についての取り組みの中から、東京都から児童相談所機能の移管を目指し、(仮称)板橋区子ども家庭総合支援センター基本構想をまとめられました。
区内の保育園、小・中学校などからの多様な情報と児童相談所が直結することにより、虐待などに対し、迅速で正確な対応が期待されるところです。関連機関と連携した切れ目のない一貫した支援体制の構築にも期待しております。
なお、この事業を進めていく上で、施設建設や運営費の、十分で確実な財源確保を求めておきます。財源に応じた事業展開が肝要かと思います。
保育所の
待機児童対策に関しては、認可保育所6園の新設などにより、631名の定員増を行っています。この
待機児童対策を継続して拡充していくためには、事業執行方法の再点検、再構築が必要と考えています。
次に、魅力ある学び支援についてです。
今年度中に新中央図書館の実施設計が終了するとのことです。ボローニャ市から寄贈された絵本は、全国に誇れる図書数を持ち、これを公開するとのことです。この点を前面に掲げ、ふるさと納税による寄附金を募ってはいかがでしょうか。
また、桜井徳太郎氏から寄贈された多くの図書・資料も、民俗学を学ぶ方々からすれば大変魅力的なものとなります。
さらに、平和公園という緑に囲まれたロケーションを生かし、一体的整備による魅力的な図書館の完成を期待するものです。質の高い社会教育施設が愛され、文化の中心を担うことを望みます。
次に、安心の福祉・介護の中から、板橋区版AIPについて、大きな進展があったものと理解しています。助け合い・支え合いの地域づくり会議は、地域の独立した互助による活動を支援するための生活支援コーディネーターの配置は、地域の要望に応えるものとなっています。
さらに、医療・介護・障がい福祉連携MAPシステムの構築は、利用者にとって最新の情報が得られ、格段のサービス向上に寄与したものと評価します。
第2は、いきいきかがやく元気なまちについて述べていきます。
心躍るスポーツ・文化の中から、小豆沢体育館プール棟に関し、本年12月に竣工とのことですが、発注の方法や進行管理に問題があったものと捉えています。また、小豆沢公園の改修に関しても、設計に関しての無駄や過度な設備投資がないか疑問が多くあります。今後、丁寧な説明があることを期待しておきます。
また、東板橋公園の改修についてですが、草屋根やヤギの高所展示など、珍しいものとなり、大変話題になるものと感じます。今まで利用していた区内の
子どもたちが楽しく過ごせる施設改修を進めていただきたい。
さらに、東板橋体育館改修基本計画が策定されました。植村冒険館との複合施設として、スポーツ、健康、冒険、緑が融合する施設が整備される予定です。昨年の植村財団25周年事業は、新たな施設のPRに絶好のタイミングではありましたが、周知・広報には課題があったものと捉えています。今後の対策を求めておきます。
第3に、安心・安全で快適な緑のまちのうち、万全な備えの安心・安全の中から、防災対策について申し述べます。
福祉避難所における、実際に震災が起こったことを想定した訓練に基づき、福祉避難所運営マニュアルの策定にあわせ、備蓄物資の拡充が図られています。
消防困難地域にスタンドパイプを設置し、訓練用機器をあわせて導入したことは、実際の災害を念頭に入れたものとして理解しています。
老朽建築物対策に関しては、実生活上の衛生面や危険に対し消極的であった区が、一転して積極的に対応したことは評価できます。
快適で魅力あるまちの中では、大山のまちづくりに触れておきたいと思います。
大山町クロスポイント周辺地区市街地再開発事業にかかる都市計画決定、また東武東上線立体化に関し、国土交通省の着工準備が採択されました。さらに、熊野・大山・氷川トライアングル【KOH−T】ビジョンの策定など、まちづくりに向けた取り組みが大きく進展しました。特に東武東上線の立体化は、長年区民が待ち望んだものであり、大山駅にとどまらず、区内全域の連続立体化に期待するものであります。
最後の項として、計画を推進する区政運営について述べていきます。
財務会計システムの再構築が終了し、新公会計制度による財務情報の公開、活用が図られるとの報告がありました。このシステムの稼働によって大きく変わる点は、資産台帳の整備によって、資産の償却費に対する経費試算からの対応が容易になること。そしてほかの自治体との事業投資コスト比較が可能となることが挙げられると思います。区としても、この点を重点的に活用するよう、検討することを期待します。
また、このほか、区政運営や政策形成、資産、債務管理など、区政に活用するだけでなく、議会、区民に対する明確な説明がなされることに期待するものです。
以上、平成29年度の重立った成果について述べてまいりましたが、さらなる施策の充実に向けて、今後とも取り組まれることをお願いいたします。
平成29年度の事務事業全体の進捗状況については、実施計画事業をはじめ、おおむね着実に実施されているものと評価いたします。
昨年度は、基金及び起債活用方針を策定し、今年度は財政白書を発行するなど、一定程度の財政分析を行っていることは理解しますが、いま一つスピード感を感じることはできません。さらに深みのある検討を行い、積み重ねた資料のもと、説明責任を果たし、行財政改革による健全な財政基盤の確立に向けて取り組んでいただきたいと思います。
今後も、収支均衡型の財政基盤を確立し、基本構想が身近に感じられ、また板橋区基本計画2025並びに、いたばしNo.1実現プラン2018の実現に向けて、着実に推進できるよう要望いたします。
次に、3つの
特別会計に関してですが、3
特別会計の収入率について、昨年も指摘しました。
特別会計全体の保険料収入率に若干の改善が見られますが、まだまだ改善の余地があると思っています。一層の努力を期待します。
特に
国民健康保険事業特別会計については、平成28年度の
国民健康保険料の収入率が72.4%であり、平成29年度が73.2%で、あまりにも低い収入率と言わざるを得ません。また、45億9,000万円余りの決算剰余金が生じています。これまでも区一般会計からの繰出金に関して、たびたび指摘がありました。今後、都が財政運営の責任主体となる制度改正に伴い、改善されていくとのことですが、早急に今回生じた課題の調査を望みます。
特別区民税と同様に、負担の公平性の観点から、収入未済の解消に向けてさらなる徴収努力を要望し、3
特別会計全体としては、おおむね妥当な決算内容であると判断いたします。
こうした中、坂本区長におかれましては、区民の思いを十分にしんしゃくされ、区民が安全で安心な生活が送れることを第一に、そして板橋区が今後も伸張発展できるよう、限られた財源を効果的・効率的に活用し、より多くの成果をおさめられるように切にお願いを申し上げ、平成29年度一般会計及び3
特別会計の
歳入歳出決算を認定することに賛意を表し、自由民主党の討論を終わります。(拍手する人あり)
○議長(大野はるひこ議員) 次に、井上温子議員。
◆井上温子 議員 議長。
○議長(大野はるひこ議員) 井上温子議員。
〔井上温子議員登壇〕(拍手する人あり)
◆井上温子 議員 報告第1号「平成29年度東京都板橋区
一般会計歳入歳出決算」、報告第2号「同
国民健康保険事業特別会計歳入歳出決算」、報告第3号「同
介護保険事業特別会計歳入歳出決算」、報告第4号「同
後期高齢者医療事業特別会計歳入歳出決算」に対する反対討論を行います。
板橋区の平成29年度一般会計は、歳入は、前年度に比べ約77億円増の2,146億円、歳出は、前年度に比べ約64億円増の2,090億円となっています。
歳出総額に占める扶助費は、平成29年度819億円で、構成比は39.2%で、前年度より25億円増加したものの、前年度と同じ構成比となっています。しかしながら、平成25年度と比較すると、構成比としては0.2%減少しているものの、約702億円から117億円増加しているため、景気などの影響で歳入が大きく減少した際には、不安が残ると考えます。
また、財政の弾力性をあらわす経常収支比率は83.8%、前年度と比べ0.3%、平成27年度と比べると0.6%上昇しています。適正化水準の80%を上回ってしまっていますが、民間の役割が拡大し、行政の役割が福祉に集中していく中では健全な数値と言えるかもしれません。
財政調整基金は、平成30年度末目標の210億円に対して、年度末残高は205億円となり、順調であると言えます。
平成30年1月22日の閣議決定において、日本経済は、「雇用・所得環境の改善が続く中で、緩やかに回復している。個人消費や民間設備投資が持ち直すなど、民需が改善し、経済の好循環が実現しつつある」としています。しかし、厚生労働省が発表した平成29年度毎月勤労統計調査によると、名目賃金は前年度0.7%増ですが、実質賃金は前年度比0.2%減となっています。
また、非正規雇用は、平成29年度は37.3%となっており、不安定雇用が広がっています。その影響か、39歳までの若者の消費が特に落ち込んでいます。
現在の日本社会について、格差社会、階級社会と表現される方もおり、貧困問題が深刻な課題となっています。このような社会状況の中、今回の討論では、反対する視点を3点取り上げます。
1点目です。貧困問題の解決に向けて適切な事業運営ができているかです。
日本で貧困問題について取り上げるとき、餓死する人がいるわけではないとおっしゃる方がいます。日本の貧困は相対的貧困を指すので、確かに食べ物がなくて死んでしまう人はほぼいないでしょう。しかしながら、ある程度のお金がないと今の日本社会はさまざまなものを奪っていきます。教育の機会、進学の機会、社会参加の機会、就職や葬儀まですべてです。これは大変深刻なことです。
例えば3人家族で、可処分所得、月20万円以下で暮らすとなると、何かしようにも、頭で最初に考えることは、幾らかかるか、から可否を判断せざるを得ません。子どもの貧困は、
子どもたちの可能性、チャンスを奪うことになってしまっています。
板橋区でも、子どもの貧困対策として、いたばし子ども夢つむぐプロジェクトを開始しました。76事業78億円となっています。しかし、現状では既存事業を寄せ集めただけではないかと言われても仕方ありません。あいキッズや保育、コミュニティ・スクールなども関連事業として76事業に含まれ、掲げられていましたが、掲げただけになっているからです。
確かに
子どもたちがかかわるものは貧困対策に関連していますので、そこは否定しませんし、全庁を挙げて取り組んでいただきたいと思います。しかし、76事業それぞれにおいて、貧困問題の解決に向けて何を見直したり工夫をしたのでしょうか。どのようなアウトプット、アウトカムがあったのでしょうか。そして、今後の課題、目標は何かを説明できる体制にしなければプロジェクトとは言えません。
子どもたちに接している現場の人たちは、きっとよいアイデアがあるはずだと思いますし、そういった声を生かせたらとてもよいものになるはずです。また、よい事例、成果ばかりが説明されがちですが、必ずしも成果だけでなくてもいいと思います。できなかった課題は何よりも貴重な財産です。なぜならば、できなかった、こうしてあげたらよかったのではないかといった仮説が学びとなり、新しい取り組みにつながるからです。私はそれにこそ価値があると思っていますし、現場の課題をきちんと報告として届けられる行政になっていただきたいと思います。
1人の子ども、1人の人から学ぶことはたくさんあります。一人ひとりの背景にある課題や表になかなかあらわせていない声に光を当て、社会へとつなげていき、そしてその声から施策に生かしていき、その人たちが生きやすい社会へと変えていくことをミッションと据えていただきたいと思います。
また、子ども食堂や学習支援の場など、財政支援が進んでいないことも課題として挙げさせていただきます。
2件目の視点です。共生社会に向けて改革ができているかです。
「組織横断的な取り組みを戦略的に展開することが求められる」と、毎年のように決算書に書かれていると思いますが、どう変わってきていますでしょうか。行政の縦割りの施策で地域まで縦割りになっていることを感じ取られているでしょうか。
地域共生社会へと大きく社会が転換していこうとしています。国からの指示待ちだけではなく、抜本的な窓口体制の見直し、福祉サービスの一体化などを進めてください。現場だからこそ、今何が必要か、動き出せるのではないでしょうか。
先日、高知県のあったかふれあいセンターを視察してきましたが、制度外サービスの集約拠点として独自に運営され、48拠点まで広がっています。多世代交流・多機能型福祉拠点としてのモデルとしても取り上げられています。こういった活動ができているのは、急速な人口減少や少子高齢化に真剣に向き合ってきたからこそと思います。
板橋区も、具体的な方針待ちよりも、自ら新しい社会における新しい地域社会のあり方を考え、生み出し、先行して進める自治体であってほしいと願っています。
3点目の視点です。新しい公共、協働の板橋を目指した事業ができているかです。
板橋区は、さまざまな地域の仕事について、地域団体にお願いすることが多く、受け身の区民をふやしがちです。逆に、自ら動く市民活動の芽をつぶしているとも思います。住民の力を生かした地域づくりについて考え直してください。
ここで東洋経済オンラインに掲載されている木下さんの言葉を紹介します。「地域で成果をおさめた事業は、思いのある数名の有志でお金を出し合い、小さく始めたものが多くあります。しかし、地域で成果をおさめると、行政や組合などが横から入り、行政補助や事業組合の予算を用いて類似する事業の立ち上げを支援することがあります。」
板橋区でも、市民が既に始めている活動は軽く見ていたり、サポートをあまりせずによい部分だけを抜き出して予算化して、別団体が事業を担ったり拡大したりといった展開が見受けられます。しかし、これは財政的に大変非効率です。福祉を担うような非営利活動であれば、既に活動している人をサポートすることで、小さな団体が力をつけていけるような取り組みが必要です。
規模は違いますが、高島平地域グランドデザインも同じことが言えます。高島平は何もないところから保育園や新聞やさまざまなものをつくってきた人たちの積み重ねの歴史があります。その上だからこそグランドデザインも注目されるのです。
私はまだ12年足らずではありますが、高島平のまちのあり方も、たくさんの住民が議論を重ねてきたのを見てきました。団地ができた当初のことも、たくさんの人からお話を伺いました。高島平はイノベーターがたくさんいるまちです。予算がなくても自らまちの将来の姿を検討してきた人たちがいる中で、アーバンデザインセンター高島平が設置されたのです。
今後の展開に期待をしたいと思いますが、気持ちのよいところだけ、上澄みだけをとるのではなくて、泥臭いところから入り込まなければ中身のあるものにはならないと思います。住んでいる当事者の人たちとの会話から対話へ、そして対話から徹底的な議論へ、協働によるまちづくりを進めていただきたいと思います。
また、先日の
決算調査特別委員会総括質問の、いたばし総合ボランティアセンターに関する将来の姿についての質問に対して、適切な答弁がありませんでしたが、総合ボランティアセンターの基本構想では、当面は板橋区及び社会福祉協議会の信頼性や実績を生かした運営とし、区民、NPO法人と社協、区の四者で設置を行うが、将来的にボランティアやNPOの自主的な運営とするよう見直すとあります。将来、ボランティアやNPOの自主的な運営とするよう見直すとなっていることをわかっていらっしゃらないようです。最初はボランティアやNPOの自主的な運営は難しいので、区と社協の信頼や実績を生かして四者で設置を行いましたが、将来、ボランティアやNPOの自主的な運営とするよう見直すとしていたため、運営法人としてNPOを公募した背景があるはずです。
板橋区と社協は、将来、ボランティアやNPOの自主的な運営となるよう、応援する立場にある基本原則をお忘れになっているのではありませんでしょうか。これはたくさんの人がかかわった基本構想ですから、一部の人で勝手に変更することはあってはなりません。一般質問でも質問する予定ですので、きちんとした答弁を準備しておいていただきたいと思います。
社会福祉協議会についての認識についても、一民間団体という認識なので、公募参加は問題ないとしたり、社協を業者選定する際には、特別な団体であるという説明をしたり、矛盾が生じています。社協に限らず、仲間うちで事業を回す体制は改めるべきです。天下りについても解消を求めます。
次に、区と町会・自治会との関係性について疑問があります。私自身も町会に入っていますし、地道な活動やお祭りなどの行事はとても大切だと思っています。しかし、区が加入率向上にかかわる必要があるのでしょうか。
マンション建設時の加入率向上の取り組みも、確かに加入率自体は上がりそうですが、その人たちは活動するのだろうか、担い手になるのだろうかと疑問があります。
区がかかわってまでやる加入率向上策は、そのチャンスを逸することにもつながってしまうのではないでしょうか。また、無理に加入率を向上させるより、最近は多様な地域活動が広がってきていますので、それぞれが希望したときに自分に合った何かしらの活動に属せたらいいのではと思います。
一般に何かが衰退してきたり、なくなるからこそ新たな取り組み・活動が始まるのは自然なことですし、時代が変われば地域で求められている活動も変わるはずです。町会・自治会を最大のパートナーと考えていると何度も聞き続けていると違和感があるのですが、新たな取り組みを始めようとしている若者の活動にも光を当てて、パートナーシップを築いていっていただきたいと思います。
高齢者がつくった枠組みの中で活動しなくても、地域に関心を持って活動する人たちもいます。若い人たちの発想がつぶされない地域づくりが必要です。地域のためにと走り出したはいいけれど、弊害がたくさんあって住み続けたくなくなってしまったら、その損害は大きいのではないでしょうか。
一般会計についてまとめますと、多様な団体との協働による共生型事業で地域社会のベースをつくることで、今までの福祉という視点だけではなく、地域経済活性化の視点を取り入れながら進めていただきたいと思います。行政ができないことをNPOや地域がやるのではなくて、地域やNPOでできないことを行政が担う形になっているのか、点検をする必要があるでしょう。そのためには地域活動への予算化が必要です。
次に、平成29年度東京都板橋区
国民健康保険事業特別会計歳入歳出決算についてです。
平成29年度の
国民健康保険の滞納率は25%です。平成28年度の24%に比べ、1%ふえています。滞納している世帯は調定額が少ないほど多く、10万円未満では29%が滞納しています。年代別で見ると、若い世代の滞納率は30%から40%台と高い傾向にあります。多子世帯の軽減など、見直しが必要なのは明らかではないでしょうか。
次に、平成29年度東京都板橋区
介護保険事業特別会計歳入歳出決算についてです。
高齢者の人口は、平成29年10月、12万9,165人、高齢化率は23%となっています。平成37年には、65歳以上を13万2,451人と見込んでいます。
介護保険事業計画2020の中間まとめによると、要支援1から要介護5の人数は、平成24年、2万1,361人から平成29年度、2万4,374人となっており、3,013人ふえています。
事業該当者は、平成27年、1万5,080人から平成29年度、1万8,384人で3,304人ふえています。
今後の高齢化を見据えると、事業該当者や要支援者を地域住民主体で支える取り組みへの予算化にもっと重点を置くべきです。そうしていかなければ、今後の介護保険料の増加は果てしないものとなってしまいますし、介護を担う担い手不足も深刻です。早急な方向転換を求めます。
最後に、平成29年度東京都板橋区
後期高齢者医療事業特別会計歳入歳出決算についてです。
毎年同じ説明ですが、特段に後期高齢者を抜き出して医療制度をつくる必要があるのかが大変疑問です。高齢になればなるほど医療費がかかるのは当たり前のことですし、分けずに一体的な運用でよいと考えます。
以上で反対討論を終わります。(拍手する人あり)
○議長(大野はるひこ議員) 次に、松
岡しげゆき議員。
◆松岡しげゆき 議員 議長。
○議長(大野はるひこ議員) 松
岡しげゆき議員。
〔松
岡しげゆき議員登壇〕(拍手する人あり)
◆松岡しげゆき 議員 ただいまより、板橋区議会公明党を代表して、「平成29年度東京都板橋区
一般会計歳入歳出決算」、「
国民健康保険事業特別会計歳入歳出決算」、「
介護保険事業特別会計歳入歳出決算」及び「
後期高齢者医療事業特別会計歳入歳出決算」について、認定に賛成の立場から討論を行います。
内閣府の年次経済財政報告には、平成29年度の我が国の経済は、企業収益が過去最高水準となる中で、雇用・所得改善が改善し、所得の増加が消費や投資の拡大につながるという、経済の好循環が着実に回り始めていると記載されています。
本区の財政においては、特別区交付金が12億8,600万円の減額となった一方で、雇用・所得環境の改善による
納税義務者の増により、特別区民税6億8,200万円の増額と、自立支援費負担金及び私立保育所運営費負担金等の増に伴う国庫支出金6億3,400万円、都支出金12億500万円の増額等により、歳入は前年度に対して3.7%の増となっております。しかし、当初予算案においては、
財政調整基金から21億9,100万円の繰り入れを行い、決算においては、36億2,300万円の積み立てにより、結果的には差し引き14億3,200万円の積み立てとなったものの、目標としている収支均衡型財政構造への道のりはまだまだ厳しいものがあると言わざるを得ません。
さらに、ふるさと納税による特別区民税への影響額が、平成29年度は6億9,400万円となりましたが、平成30年度には9億4,600万円にも拡大すると予想されており、早急な対応策を実施すべきことを強く要望いたします。
自治体財政の弾力性を示す指標となる経常収支比率は83.8%と、前年より0.3ポイント上昇し、障がい者自立支援給付経費や私立保育所運営費等の扶助費の増加等により、やむを得ない面も少なからずありますが、今後も財政構造の弾力化に向けて、適正水準とされる80%以下に抑える努力が望まれます。
それでは、以下、主要事業について、意見と要望を申し上げます。
まず最初に、未来をはぐくむあたたかいまちの施策の1つ、子育て安心の実現においては、児童虐待相談にきめ細かく対応する児童相談所設置のための(仮称)板橋区子ども家庭総合支援センター基本構想の策定、児童館における、発達が気になる乳幼児とその保護者向けの支援事業ほっとプログラム3館の整備、スマートフォンを活用した、いたばし子育てナビアプリの構築、待機児童解消のための認可保育所6園の新設等による631名の定員増、まなぶーすや中高生勉強会実施場所の増設などの施策は、高く評価いたします。
今後、児童相談所の整備にあたっては、乳児院の整備も行い、また愛知方式を参考とした特別養子縁組事業を実施していただきたい。
子育て世代包括支援センターの整備にあたっては、児童館を拠点として、いたばし版ネウボラを拡充していただきたい。
子育て世代からの要望が強い、おたふくかぜ、ロタウイルス胃腸炎の予防接種助成、待機児童解消施策では、保育士や看護師の処遇改善及び保育所入所指数の加点、キャリアアップ研修の実施等を検討していただきたい。
魅力ある学び支援については、小学校5年生から中学2年生を対象に実施した、外国生活を疑似体験できる英語村事業の実施、マレーシアにおいて実施された中学生海外派遣事業の展開、区立中学校全学年への英語デジタル教科書の導入等の施策については、高く評価いたします。
不登校対策として、我が会派は、八王子の高尾山学園や調布市の分教室方式を視察して、さまざまな対策を提案してきました。
また、平成28年度から、教育の機会確保法により、不登校児童生徒に対する教育機会の確保や民間等、学校以外の機関との連携や夜間授業など、多様な対策を実施できるようになりましたので、引き続き不登校対策の強化を要望いたします。
さらに、学習支援事業まなぶーすやまなぽーとの拡充、小中一貫校の整備促進、また放課後無料塾については、児童館の夜の時間帯を活用して、地域別の学習指導を行うことを検討していただきたい。
安心の福祉・介護においては、計13地区に対する生活支援コーディネーターの配置による生活支援体制の整備、医療・介護・障がい福祉連携MAPシステムの構築による医療・介護サービス提供の環境整備、地域密着型サービス拠点5カ所及び特別養護老人ホーム1カ所の整備等、地域の福祉・介護事業の拡充については、高く評価いたします。
しかし、後期高齢者が急増する2025年を控えて、介護・福祉人材の確保及び高齢者の心身機能が低下するフレイル(虚弱)に対する予防対策やフレイル予防サポーターの養成によるまちぐるみでのフレイル予防活動に取り組んでいただきたい。
さらに、医療的ケアを必要とする障がい児も利用できる短期入所施設や緊急一時保護施設の整備にも努力していただきたい。
第2のいきいきかがやく元気なまちの施策、豊かな健康長寿社会の実現に向けたWORK’S高島平の開設による高齢者の雇用・就業機会の拡大、簡単な手順で調理できるレシピ本「おいしい 板めしレシピ」の作成、心躍るスポーツ・文化施策における小豆沢体育館プール棟の改築、加賀地区における板橋区史跡公園(仮称)基本構想の策定、また、光輝く板橋ブランド・産業活力施策の農業体験学校開設計画の策定、観光ガイドブック「板橋マニア」の発刊等、坂本区政を特徴づける施策と評価いたします。
今後、ふえ続ける高齢者世帯のためにも、買い物支援や宅配サービスの推進、拡充を行っていただきたい。
区内の中小企業に対しては、ITC活用支援及び事業承継、事業再生支援を積極的に行っていただきたい。
第3の安心・安全で快適な緑のまちの施策、緑と環境共生の実現に向け、こども動物園を含めた東板橋公園の再整備、上赤塚公園、前野公園の改修は、地域や新たな時代の要請を反映した公園づくりとして高く評価いたします。万全な備えの安心・安全においては、避難所設置の際の紙の簡易間仕切りシステムの供給協定の締結、街頭設置型スタンドパイプの配備など、快適な魅力あるまちの実現に向けては、JR板橋駅板橋口駅前用地とJR用地との一体的活用の推進、大山駅周辺地区まちづくりや東武東上線立体化の推進、高島平まちづくりの推進については、評価いたします。
今後の課題として、地域の実情に合った切れ目のない防災教育と訓練を早急に実施することが最重要であると思います。
また、あらかじめ時系列で整理した自分自身の防災行動計画であるマイタイムラインの導入、避難所における電気自動車や太陽光発電を活用した電源確保の強化及び設置基準や男女別の必要数を定めたスフィア基準によるトイレ整備などが大変重要となります。
9月26日、都議会本会議での学校体育館の空調設備を急ぐべきとの公明党の代表質問に対し、小池都知事が、「補正予算を編成するなど、緊急的な対応を行って、区市町村を支援する」と答弁したのを受けて、板橋区議会公明党は、10月10日、坂本区長に対して緊急要望を行いました。さらに、都議会公明党が、10月19日に直接、小池都知事に同様の緊急要望を行い、都知事は、「来夏に間に合うよう補正予算に盛り込み、急いでできるようにしたい」と回答いたしました。
そこで、この補正予算を活用して、本区の学校体育館の冷暖房設備の計画的な整備を求めます。
さらに、荒川流域で想定される洪水時の浸水予想表示を、公共施設に設置していただきたい。がけ・よう壁安全対策工事助成の拡充、災害拠点病院を結ぶ緊急輸送道路の電線地中化の促進、危険な交差点への交通監視カメラの設置、自転車保険への加入促進などとともに、大山駅周辺地区や高島平、上板橋駅南口などのまちづくりには、地域住民の声を最大限に酌み取る努力を要望いたします。
最後に、
国民健康保険事業特別会計ほか2
特別会計については、収入率の向上が課題とされています。納付環境を充実させる方策はもちろん必要ですが、ふえ続ける保険料の抑制に対しても、最大限の努力をお願いしたい。それが区民の切実な願いであります。
特に
国民健康保険事業特別会計に関しては、広域化して保険者となった東京都と協議を継続して抑制を図るとともに、35億8,600万円にも達した一般会計からの法定外繰出金の解消にも努力していただくことを強く要望いたします。
以上をもちまして、公明党の賛成討論を終了いたします。ご清聴ありがとうございました。(拍手する人あり)
○議長(大野はるひこ議員) 次に、長瀬達也議員。
◆長瀬達也 議員 議長。
○議長(大野はるひこ議員) 長瀬達也議員。
〔長瀬達也議員登壇〕(拍手する人あり)
◆長瀬達也 議員 ただいまより、市民クラブを代表して、「平成29年度東京都板橋区一般会計」及び3
特別会計の
歳入歳出決算の認定につき、意見を述べつつも、賛成の立場から討論を行います。
区の決算を見るにあたって、そもそも平成29年度の我が国はどんな経済状況だったのか、政府の考え方をおさらいしてみたところ、すばらしい言葉が並んでおりました。例えば、「アベノミクスの推進により、雇用・所得環境の改善が続く中で、緩やかに回復している。海外経済が回復するもとで、輸出や生産の持ち直しが続くとともに、個人消費や民間設備投資が持ち直すなど、民需が改善し、経済の好循環が実現しつつある」とか、「平成29年度の実質国内総生産(実質GDP)成長率は1.5%、名目国内総生産(名目GDP)成長率は2.5%だった。また、消費者物価(総合)は1.1%の上昇であった」などといった具合であります。
さらに、今年8月の年次経済財政報告では、「2012年末から緩やかな回復基調が続き、回復期間は戦後最長」とか、「2012年12月からの今回の景気回復期は、名目GDPの伸びが2.1%で実質GDPの伸びは1.3%、名目GDPと実質GDPの差であるGDPギャップはプラスに転じている」などと、あたかも安倍政権のお手柄でデフレ脱却も進んだかのような書きぶりです。
ところが、戦後最長の景気回復の実感など一向に実態としては感じられておりません。実態としては、一部の大企業を除いて、給与所得は上がらず、会社勤めの方からは、負担がふえて手取りが減ったとのため息ばかりであります。求人倍率が改善したという政府の発表も、慢性的な人手不足業種の求人や非正規雇用の増加で見かけ上、かさ上げされているだけで、可処分所得の増加にはつながらないのが現状ではないでしょうか。
さらに、本当はデフレ脱却できていないにもかかわらず、2014年から消費税を増税したために、可処分所得が減って消費はさらに冷え込んでしまい、今日に至るまで一向に回復をしておりません。区内でご商売をされている皆さんからは、厳しいという言葉以外は聞こえてきません。
税や社会保障費の負担増で、可処分所得がさらに削られて、庶民の生活実態は厳しさを増しているというのが現状と言うべきであります。
また、
国民健康保険においては、多子世帯への負担は重く、何らかの支援が急務と言えると思います。
国政の政策運営は、本来、国民が主で政府が従たる姿勢であるべきと考えます。近年の政策は、まるで逆の方向を向いて、言葉のすりかえや都合のいいことだけを公表するまやかしにあふれているように思えてなりません。しかし、基礎自治体として、住民に直接向き合う区政において、まやかしは許されません。区民を主とする正しい姿勢が求められているという視点から、厳しく決算を評価してまいります。
まず、本区の財政指標から見た財政状況について述べます。
実質収支比率は4.5%で、前年度と比較し1.1ポイント上昇しています。実質収支比率は一般的に望ましいとされている3から5%の範囲内ですが、今後も収支均衡に努めていかなければなりません。経常収支比率は83.8%で、前年度と比較して0.3ポイント上昇しています。これは一般的に70から80%が適正水準とされており、80%を超えると財政構造が硬直化傾向にあるとされます。平成28年度から連続して経常収支比率が上昇傾向にあるのは、多様化する行政需要に対応するため、経常的経費が増となったことによるものと考えられますが、財政構造の弾力性を確保する意味においても、義務的経費の抑制を図り、改善に向け、なお一層努力をいただきますようお願いいたします。
続きまして、一般会計についてです。
初めに、歳入決算についてです。
本決算においては、収入済額は2,146億2,003万円となり、昨年と比較して76億5,958万円の歳入増となりました。これは
納税義務者の増による特別区民税等の増、障がい者自立支援、私立保育所運営費等に対する国庫及び都支出金の増額によるものです。
しかし、
待機児童対策等による扶助費の増などにより、今後も経費負担の増加が見込まれます。景気は回復基調であるとの国の報告はありますが、可処分所得が伸びていない現状に鑑み、楽観せずに事務事業の精査と聖域なき行財政改革を今後も進めるよう求めます。
収入未済額については、42億8,398万円で、前年度と比較し7%、3億2,370万円の減となったことは評価できます。しかし、経済状況により収入未済がふえる可能性を踏まえ、現年徴収を徹底し、適正な債権管理を行っていただきますようお願いをいたします。
不納欠損につきましては、4億4,332万円で、前年度と比較し5.3%、2,506万円減少しております。不納欠損は負担の公平を損なうものであり、安易に不納欠損とすることのないように努めなければなりません。
収入未済、不納欠損の減少への取り組みは必要不可欠でありますが、同時に未納者の現状把握と適切な手当ても必要となります。未納には理由があり、その人の問題を解決せずして収入確保には至りません。区として未納者に寄り添うセーフティーネットとなれるような対応も同時に求められます。
次に、
歳出決算についてです。
初めに、総務費についてです。
加賀の史跡公園の土地売買については、大変わかりづらいものとなっておりました。これに使われた国や都からの補助金も、もとは区民の税金であります。もっとわかりやすい報告もできたのではないかと考えますので、情報公開の仕方に課題があったということを指摘いたしておきます。
JR板橋駅の板橋駅板橋口駅前用地活用経費につきましては、40億9,253万円を使い、B用地とJR東日本との一体的活用事業に関する協定を結びました。また、JR東日本と共同事業者の募集も開始をいたしました。しかし、区が示した活用プランは、不動産会社に丸投げしたにすぎず、住民の意見が反映されてはおらない、また住民不在の開発と言わざるを得ません。
また、駅舎、駅前ロータリー、西口再開発、駅前周辺街区の再開発と統一的に進めていくことで、一体的で調和のある駅前開発を進めていくべきと考えます。
まだ設計変更は可能と考えますので、区民の要望に耳を傾け、再度施設設計を行って、板橋区の玄関にふさわしい開発に改めるよう、要望いたします。
大山駅前広場については、住民の理解を得たとは言えないまま計画が発表され、住民が不安を抱いております。区民の意見に耳を傾け、寄り添うまちづくり、再開発を要望いたします。
次に、福祉費についてです。
板橋区版AIPの構築として、高齢者の生活を取り巻く、住まい、医療、介護、予防、生活支援が一体的に提供される地域包括ケアシステムの構築を進めることは評価いたします。しかし、見守りの体制や相談機能については、さらに機能を充実する必要があります。
また、協議体には個人や団体が参加しやすいように環境整備をするとともに、各主体がその特徴を生かしてともに高齢者を支えることができるような支援体制を、区として構築するよう求めます。
待機児童解消に向けた保育所の整備につきましては、民間保育所の整備として増改修大規模修繕を3園で、認可保育所の新設を6園、小規模保育所の新設を3カ所行い、合計で約590名の定員増を行いました。しかし、認可保育所等の開設は予定どおり終えたものの、小規模保育園は、当初予定の6施設から3施設にとどまり、平成30年度当初の
待機児童数は185名と、依然として多く、仕事と育児を両立できない状況が続いています。
その反面、認証保育所の定員割れや認証保育所の閉所が問題となっております。2021年4月1日には、待機児童がゼロになると計画しておりますけれども、現実としてできるかどうか疑問であります。名古屋市など、待機児をゼロにした実績を参考に、もっと大胆に認可保育所、小規模保育所を増設するとともに、認証保育所の活用で保育園に必ず入れる区を早期につくり上げるよう、計画の見直しを求めます。
次に、産業経済費についてです。
板橋区の産業経済費の支出済額は15億2,810万円であり、歳出総額の0.7%であります。これは、板橋区と同じものづくりのまちである大田区の1.32%の約半分しかない歳出割合です。本区は都内屈指の工業集積地のはずでありますが、この差はいかがなものでしょうか。工業集積地の強さをもっと生かし育てていくべきです。産業経済費を倍増し、区内企業の育成と発展に力を入れるよう要望いたします。
にぎわい創出イベントや魅力ある個店セミナーを開催するなど、区の斬新な商業支援については評価いたします。しかし、ものづくりだけではない板橋区の産業のPRと支援を行うため、板橋のいっぴん事業をさらに展開させ、飲食や物販、サービス業などを含めた企業活性化支援をさらに充実させるよう求めます。
また、産業融資制度における融資期間は、現状では満期の半分だけが利子補給期間となり、他区と比べ十分とは言えません。経営者を支援し、区内産業の育成を図るためにも満期の利子補給を実現するよう求めます。
次に、土木費についてです。
区内駅前の放置自転車対策が急務です。自転車が点字ブロック上に置かれたり、歩道を狭めたりして、目の不自由な方や車椅子利用者の通行の妨げになっております。また、放置自転車に占拠される道路では、車両が通行できず、万が一火災が起きたときには消防車の運行の妨げになります。撤去回数をふやすとともに、駅前至近距離の駐車場、駐輪場のさらなる増設をお願いいたします。
また、近年は大雨やゲリラ豪雨が頻発し、区内で被害が多発しております。対策が急務です。雨水桝の増設や土のうステーションの増設など、水害対策の充実も求めます。そして、危険な壁、ブロック塀の撤去と生け垣化の推進、老朽建築物の対策のさらなる推進もお願いいたします。
次に、教育費についてです。
いたばし子ども夢つむぐプロジェクトとして、子どもの生まれ育った環境に左右されず、貧困の連鎖を断ち、切れ目のない子どもの支援を行う取り組みは評価いたします。しかし、英語村については、まだ不十分であると考えます。東京都の英語村TOKYO GLOBAL GATEWAYを参考にするなど、参加人数、開催日を拡充し、カリキュラムの充実を図り、
子どもたちに英語になれ親しむ環境をもっと多く提供できるよう求めます。
また、ひとり親家庭等生活実態調査を踏まえ、子どもの就学にかかる費用の低減、
経済的支援を行い、本当の意味で、育った環境に左右されない育ちの支援を、区を挙げて実行していただきますよう、お願いをいたします。
国民健康保険事業特別会計、
介護保険事業特別会計、
後期高齢者医療事業特別会計では、依然として収入未済、不納欠損が課題となっております。滞納者へ早期に督促を行うことで、現年徴収率向上を図り、収入未済と不納欠損の減少に向けたさらなる取り組みを求めると同時に、現状把握に努め、区として滞納者に対するセーフティーネットの役割をしっかりと果たしていただきますよう求めます。
以上、平成29年度決算において、各分野における所見と要望を述べてまいりました。区の決算は、まさに国民の皆様へ何に幾ら使われたかをお示しすることです。その意味で、区民の皆様の意見がどれだけ反映されたかが、評価の指標となります。
この観点から、本決算の中身を見てまいりましたけれども、区の施策の方向性はおおむねよいと評価でき、反対には至らないと考えております。したがって、平成29年度一般会計及び3
特別会計歳入歳出決算には、いずれも認定することに賛意を表します。
しかしながら、前述のように、こうすればもっとよくなるという点も非常に多く、実にはがゆい思いがあることも否めません。今後も区民第一の板橋区をつくっていくために、区民から寄せられたご意見やニーズを踏まえて、提案や要望を行ってまいります。
区民を主とする行政とは、その施策はいかにあるべきか、区政に携わる者すべての共通の課題として、たゆまなく模索をしてまいりましょう。最後に、強く呼びかけまして討論を終わります。(拍手する人あり)
○議長(大野はるひこ議員) 次に、おなだか勝議員。
◆おなだか勝 議員 議長。
○議長(大野はるひこ議員) おなだか勝議員。
〔おなだか勝議員登壇〕(拍手する人あり)
◆おなだか勝 議員 ただいまから、板橋区議会
民主クラブを代表し、「平成29年度東京都板橋区
一般会計歳入歳出決算」、「
国民健康保険事業特別会計歳入歳出決算」、「
介護保険事業特別会計歳入歳出決算」及び「
後期高齢者医療事業特別会計歳入歳出決算」を認定することに賛成の立場から討論を行います。
平成30年1月の閣議決定によると、「平成29年度の日本経済は、雇用・所得環境の改善が続く中で、緩やかに回復している。また、海外経済が回復するもとで、輸出や生産の持ち直しが続くとともに、個人消費や民間設備投資が持ち直すなど民需が改善し、経済の好循環が実現しつつある」としています。
この政府の見解のみならず、さまざまな指標が好転しているのに、なぜ家計も企業もため込むのでしょう。この10年の家計の預金・現金残高は18%の増加、金額では147兆円もの増額です。預金をため込み、大きな消費につなげないのはなぜなのでしょうか。その理由は、バブル時のような給与アップは望めませんし、将来への不安が拭えないのが現実だからと言われております。
地震、かつて経験したことのない豪雨、原発汚染、年金、医療、介護、そして戦争、この不安を払拭して、安心・安全な社会を提供することが政府や自治体の責務であります。今、いの一番にやることは、決して憲法改正ではないと思いますし、消費税増税のさまざまなインセンティブを選挙目当てに考えることでもないはずです。そんな背景を考えながら、平成29年度
歳入歳出決算について述べたいと思います。
一般会計における歳入の根幹は、もちろん板橋区の皆さんからいただく特別区税でありますが、これはありがたいことに、
納税義務者の増加により、昨年比6億8,200万円増の456億5,500万円と、6年連続の伸びとなり、30年度も引き続き増加の見込みとなっています。
しかし、割合として最も大きな特別区交付金は、法人住民税の一部国税化の影響もあり、12億8,600万円減の664億4,300万円となりました。30年度予算は、固定資産税と市町村民税法人分の増を見込んで増加を見込んでおりますが、アメリカ合衆国と中国の貿易戦争の影響がいつ何どき、リーマン・ショックのような世界規模の激震をもたらすのかは不透明であり、行財政改革は不断の見直しと努力が必要です。
次に、私が危惧をしているのがたばこ税の落ち込みです。平成27年度は37億6,800万円、28年度は36億4,100万円、29年度は34億6,000万円と減少し、30年度予算では、33億8,900万円と続けての減を見込んでいます。
今後、受動喫煙防止条例の行方いかんでは、ますます愛煙家にとっては大変なことになっていきます。たばこの値上げが行なわれて、普通は一旦、たばこ税は増収になるのがそうもいかなくなっています。板橋区では今後、公共施設内での禁煙に踏み切ると伺っていますが、では、愛煙家は一体どこで喫煙をするのでしょうか。路上喫煙者が増加し、ポイ捨てが増加、受動喫煙や子どものやけどなども心配されます。
東京都からの補助金を利用しつつ、まだある財源を使って、完全なる屋内喫煙場所を区内の公共施設に一定程度設置する一方、歩きたばこ全面禁止を目指すなど、考えるべきと提言します。
また、もう一つ心配なのは、ふるさと納税による税収減です。ふるさとチョイスや、さとふるなどの宣伝もあり、特産品でも何でもないものによる返礼品競争がまだまだ続いております。これ以上、返礼品目当てに寄附が流出していくのは看過できません。
板橋区でも、世田谷区や港区などのように、30億円規模に膨らむ可能性がないわけではありません。30億円と言えば、学校1つ改築、あるいは大規模改修できてしまう額となります。現在、政府による明確な規制は示されておりません。
荒川の花火大会の指定席券や区民まつりや農業まつりでの観光大使とのツーショット撮影権利とか、板橋のいっぴんによる返礼とか、板橋区が税収を確保するための各会派からの提案も続いております。早急な対応を求めます。
続いて、歳出について申し上げます。
まず、各会派から要望の大きかった小・中学校の体育館の冷房化についてです。ほぼ全会派の要望であることが、
決算調査特別委員会等で明らかになりましたが、板橋区は、まずは普通教室の冷房の更新から行うということを繰り返し答弁しております。しかし、ことしの天気がたまたま異常であったわけでもなく、今後、普通に毎年繰り返される可能性が大なのです。
子どもたちの健康と大きな災害時の避難所としての機能をも勘案したら、やらない選択肢はないはずです。幸い、東京都からの大きな補助も見込めるようです。しかもその補助金は普通教室の冷房の更新には転用できないはずです。板橋区は乗り遅れてもいいのでしょうか。ため込むだけが将来にわたる安心・安全施策ではないはずです。板橋区民の将来不安に応えることにもなるはずです。
答弁の中にありましたが、小・中学校の令達予算に求めるのはあまりにも酷です。ないよりはましかもしれませんが、1台1万円前後の工業用扇風機4台を買っても、暑い空気をかき回すだけであります。しかし、体育館や工場などの専用の大型冷風扇になりますと、9年レンタルで月に4万円ほどになり、令達予算とはいかないのです。是非、計画的に小・中学校の体育館の冷房化を検討していただきたいと強く要望しいたします。
次に、要望の大きかったのは、ゲリラ豪雨や西日本豪雨災害規模の豪雨に対する防災施策についてであります。板橋区では50ミリ対応ができておりますが、このところの降雨は1時間に50ミリではなく、30分で50ミリなのです。つまり、時間換算100ミリにも及ぶということです。
東京都下水道局に対して75ミリ対応を求めていることは伺っておりますが、これからも強く強く東京都に要望を上げていただきたいと思います。
また、道路冠水が頻繁に起こる地域には、貯留管や調整池などの設置を検討していただき、土のうステーションの拡充や高齢者世帯、障がい者世帯などへの土のう運搬サービスの強化と止水板がより設置しやすくなるように、補助金の拡充と止水板設置補助の広報・宣伝をしていただきたいと思います。
次に、大きなまちの再開発事業についてです。
まずは、JR板橋駅のJR東日本と板橋区有地の一体化活用再開発事業についてです。板橋区は、あくまで土地を70年間、29億4,500万円で貸すだけというスタンスなのでしょうか、事業主体ではないからでしょうか、インターフォーラム構想によって借りるフロアで行う公共的な事業が全く見えてきません。提案された事業を、家賃を支払って黙々とこなすというわけではないでしょうから、区民のために地元のために何をしたらよいのか、採算性を追求するのか、区民福祉の向上を目指すのか、もっと積極的にかかわっていただきたいと思います。
また、その眼前に予定されている西地区の再開発事業ですが、前述の再開発ビルとウイン・ウインの関係になるように、商業施設のコンセプトなど、かぶることなくともに栄えるよう、板橋区の積極的関与を求めます。
そしてその間に再整備される駅前広場でありますが、単にバスやタクシーなどの乗降場としての機能だけでなく、2つの再開発事業をつなぎ、区民や利用客の憩いの場、さらにイベントスペースとしての機能をも有するように求めます。
次は、高島平グランドデザインです。
残念ながら、板橋区が地域住民と年月をかけて考えてきたはずの高島平の絵が見えません。旧高島第七小学校跡地、高島平区民館、図書館はどうするのか、UR都市機構との話し合いはどうなっているのか、総括質問での答弁を聞いていてもさっぱりわかりません。今年度中にどういう方向でどうしたいのかを明確にしていただき、地元の皆さんの理解を得る作業に入れなければなりません。
区民館と図書館を単独で建て替えするだけでは金がかかるだけですから、そんなことはしないと思いますが、板橋区は再開発事業がお上手ではないという悪評があります。板橋区が主体となって、箱だけ立派な再開発ではなく、なるほどこれならというすばらしい再開発事業を発表されますことを期待しております。
次は、大山のまちづくりです。
総括質問の答弁によって、補助第26号線の延伸のための土地の買収に応じた箇所がまだわずか4件とのことでした。このままの状況では、平成32年度中の完成は危ういのではないでしょうか。
その要因となっているのが、クロスポイントの再開開発事業と東武東上線高架化にかかわる問題ではないでしょうか。クロスポイントでは、当初は26号線の延伸によって立ち退きになった店舗の皆さんは、その開発によってできる商業ビルの1、2階に、住宅を立ち退かれた方はクロスポイントのビルの上層階、または大山町ピッコロ・スクエアにできる集合住宅に入居するという、いわゆる身の丈に合った再開発のはずでした。しかしながら、クロスポイントとピッコロ・スクエアの再開発は、今では全く別ものとして独立した形で進んでしまい、ピッコロ・スクエアの計画は大きく遅れています。
そして、クロスポイント再開発では、もともとの計画以上にマンションが高層化して、当初はアーケードを100メートル外すというはずが、いつのまにか140メートル、さらには今では170メートル外すとも言われています。これでは当初から言われていた商店街の分断になるのではないかという地域の不安は払拭されません。
また、東上線の高架化が発表されて以降、駅前のアーケードをも外さなくてはならないということが明るみに出たことで、商店街としては、話が違うではないかという不満の声が上がっているのです。是非とも東京都と協力してというより、東京都を牽引するような馬力を持ってこの事業に当たっていただきたいと思います。
そして、追い打ちをかけるように駅前広場の問題が浮上しています。その広場計画案にかかり、立ち退きを余儀なくされる皆さんにとっては寝耳に水のことでしょう。どこに広場を設置するかによって、どのような皆さんが立ち退きに応じられるか、あるいはできないかの調査も、独自に個別にしてからでなくてはならなかったのではないでしょうか。代替地、転居地をクロスポイントやピッコロ・スクエアを含めた大山の別の地に求めるとか、大山東町側にもっと大きくエリアを広げて再開発ビルをつくるとか、逆にハッピーロード大山商店街側に拡大して大山東町側は縮小するとか、さまざまな方策を考え抜いて、是非とも多くの皆さんのご理解を得て、誰からも愛される駅前広場ができることを願っております。
次に、幾つかの要望事項を申し上げます。
まず、発達障がい者支援センターは、当事者、関係者の意見を取り入れ、障がい特性に配慮した施設とし、専門性が高く、地域に精通したセンター長を選任するよう求めます。
次に、MR、麻疹、風疹、おたふく風邪、ロタウイルス、高齢者用肺炎球菌の予防接種については、住民税非課税世帯の自己負担をゼロにするよう求めます。
次に、保育施設については、ゼロ・1・2歳児の定員増を要望するとともに、来年の保育料無償化の対象外となる認証保育所や認可外保育所入所者への負担軽減策を実施していただきたいと思います。
次に、児童虐待防止の啓発と児童相談所の区移管に向けて、優秀な人材を確保し育成することを求めます。
次に、小・中学校の不登校対策、いじめ対策、学級崩壊対策などに加え、教員への暴行に対しては、教育委員会として全面的にバックアップ体制を講じ、また、教員の多忙化軽減に努めていただきたいと思います。
最後に、旧大山小学校の跡地の私有地部分の集合住宅がほぼ完成しました。残った区有地部分については、事業者が集合住宅周囲の道路拡幅工事を終えた後、境界道路のつけかえ工事、さらに区有地と現板橋交通公園との一体化公園改修工事を予定しているはずです。
地域の声を生かした新しい公園づくりと管理棟の建てかえ、移築等は大きな予算を伴うものですから、すぐに行えとは申しません。地域と議会に対して密な報告を怠らず、計画的に実行していただくよう要望いたします。
最後に、3
特別会計について申し上げます。
国民健康保険事業特別会計については、一般会計からの繰入金が35億8,600万円となっている一方で、不用額34億900万円、予算執行率95%、
歳計剰余金45億9,600万円という数字は、いささか予算執行上問題があるのではないでしょうか。
また、国民保険料の収入率は73.2%と、この10年で最も高い数値は残したものの、収入未済額41億6,000万円という数字は褒められたものではありません。しかしながら、保険料が大幅に上がってきていることも1つの要因であります。何らかの保険料の値上げ抑止策や低所得者対策も講ずる必要もご検討いただきたいと思います。
いずれにしても3
特別会計ともに、収入率の向上に努め、滞納が生じたときには、原因の把握に努め、実情にあわせた対応策を求めます。
以上、意見と要望を述べてまいりましたが、区民の安心安全を大前提にして、未来を背負って立つ
子どもたちの保育や教育に、将来の安心のための社会保障制度の維持に、公共施設の維持管理と補修や改築に、ためるばかりではなく、貴重な財源をどうやって割り振って使っていくのかを改めて考えていかなくてはなりません。
また、将来世代との負担の公平性も考えて、必要な事業では起債を恐れることなく、区民福祉向上のために最善を尽くすよう求めまして、平成29年度東京都板橋区
一般会計歳入歳出決算ほか3
特別会計歳入歳出決算を認定することに賛意を表して討論を終わります。(拍手する人あり)
○議長(大野はるひこ議員) 以上をもって討論を終わります。
──────────────────────────────────────
△報告第1号〜第4号の採決
○議長(大野はるひこ議員) これより表決を行います。
報告第1号「平成29年度東京都板橋区
一般会計歳入歳出決算」、報告第2号「平成29年度東京都板橋区
国民健康保険事業特別会計歳入歳出決算」、報告第3号「平成29年度東京都板橋区
介護保険事業特別会計歳入歳出決算」及び報告第4号「平成29年度東京都板橋区
後期高齢者医療事業特別会計歳入歳出決算」について一括して起立表決を行います。
報告第1号、第2号、第3号及び第4号に対する
委員会報告はいずれも認定であります。
委員会報告のとおり決することに賛成の方はご起立願います。
〔起立者多数〕
○議長(大野はるひこ議員) ご着席願います。
起立多数と認めます。
よって、報告第1号、第2号、第3号及び第4号は
委員会報告のとおり認定することに決定いたしました。
──────────────────────────────────────
△
議会運営委員会報告
○議長(大野はるひこ議員) 次に、日程第6から第11までを一括して議題といたします。
議会運営委員長から提出された、陳情5件及び調査事件に対する継続審査申出書等は、朗読を省略し、委員長から審査の結果と調査の経過について報告があります。
議会運営委員長 田
中やすのり議員。
◎田中やすのり 議員 議長。
○議長(大野はるひこ議員) 田
中やすのり議員。
〔参 照〕
閉 会 中 継 続 審 査 申 出 書
本委員会は、審査中の事件について、下記により閉会中もなお継続審査を要するものと決定したので、会議規則第70条の規定により申し出ます。
記
┌───────┬────────────────────────────────┐
│ 事件の
番号 │ 件 名 │
├───────┼────────────────────────────────┤
│陳情第 34号│板橋区
議会議員の費用弁償(一律3,000円)の廃止を求める陳情 │
│ │ (
継続審査分)│
├───────┼────────────────────────────────┤
│〃 第 87号│純粋に板橋区議会における区旗及び国旗の掲揚並びにこれに対する敬礼│
│ │を求める陳情 (
継続審査分)│
│ │ 第1項 区旗及び国旗掲揚の件 │
├───────┼────────────────────────────────┤
│〃 第 90号│費用弁償に関する陳情 (
継続審査分)│
├───────┼────────────────────────────────┤
│〃 第110号│板橋区
議会議員の
政務活動費の
収支報告書に加え、「会計帳簿」および│
│ │「領収書その他の証拠書類」を板橋区のホームページで公開することを│
│ │求める陳情 (
継続審査分)│
├───────┼────────────────────────────────┤
│〃 第180号│陳情等の
区議会HP上での公開を求める陳情 (
継続審査分)│
└───────┴────────────────────────────────┘
理 由 今会期中に審査を終了することが困難であるため。
平成30年10月3日
議会運営委員長 田 中 やすのり
議 長 大 野 はるひこ 様
──────────────────────────────────────
閉 会 中 継 続 調 査 申 出 書
本委員会は、調査中の事件について、下記により閉会中もなお継続調査を要するものと決定したので、会議規則第70条の規定により申し出ます。
記
1 事 件 本会議等の運営方法の検討について
2 理 由 今会期中に調査を結了することが困難であるため。
平成30年10月29日
議会運営委員長 田 中 やすのり
議 長 大 野 はるひこ 様
──────────────────────────────────────
〔田
中やすのり議員登壇〕(拍手する人あり)
◎田中やすのり 議員 ただいまから、9月13日、10月3日、15日及び29日に開催いたしました議会運営委員会における審査概要につきまして、報告申し上げます。
初めに、
決算調査特別委員会の運営につきましては、理事会案のとおり、全会一致をもちまして決定いたしました。
次に、諮問事項につきましては、「請願・陳情の情報公開の推進について」の諮問事項を取り下げ、新たに「請願・陳情の区議会ホームページ上での公開について」を、本委員会の諮問事項とすることに決定いたしました。
次に、陳情の審査結果についてご報告いたします。
最初に、費用弁償に関連し、一括して審査いたしました陳情第34号「板橋区
議会議員の費用弁償(一律3,000円)の廃止を求める陳情」及び陳情第90号「費用弁償に関する陳情」につきましては、いずれも不採択との意見も出されましたが、大方の委員からは、なお継続して審査すべきとの発言があり、継続審査について諮ったところ、いずれも賛成多数をもちまして、継続審査と決定いたしました。
次に、陳情第87号「純粋に板橋区議会における区旗及び国旗の掲揚並びにこれに対する敬礼を求める陳情」第1項「区旗及び国旗掲揚の件」及び陳情第110号「板橋区
議会議員の
政務活動費の
収支報告書に加え、『会計帳簿』および『領収書その他の証拠書類』を板橋区のホームページで公開することを求める陳情」につきましては、いずれも採択との意見も出されましたが、大方の委員からは、なお継続して審査すべきとの発言があり、継続審査について諮ったところ、いずれも賛成多数をもちまして、継続審査と決定いたしました。
次に、陳情第180号「陳情等の
区議会HP上での公開を求める陳情」につきましては、全員異議なく、全会一致をもちまして、継続審査と決定いたしました。
最後に、調査事件につきましては、全会一致をもちまして、別途議長あて、継続調査の申し出を行うことに決定いたしました。
以上をもちまして、本委員会の報告を終わります。
──────────────────────────────────────
△
議会運営委員会報告に対する採決の動議
○議長(大野はるひこ議員) これより質疑に入ります。
ただいまの報告に質疑がありましたらご発言願います。
◆
間中りんぺい 議員 議長。
○議長(大野はるひこ議員)
間中りんぺい議員。
◆
間中りんぺい 議員
議会運営委員会報告に対する質疑・討論を省略し、ただちに表決するよう動議を提出いたします。
○議長(大野はるひこ議員)
間中りんぺい議員の動議のとおり決することにご異議ございませんか。
〔「異議なし」と言う人あり〕
○議長(大野はるひこ議員) ご異議がないものと認めます。
よって、
議会運営委員会報告に対する質疑・討論を省略し、ただちに表決を行うことに決定いたしました。
──────────────────────────────────────
△陳情第34号、第87号第1項、第90号、第110号、第180号及び調査事件の採決
○議長(大野はるひこ議員) これより表決を行います。
お諮りいたします。
委員会からの申し出のとおり、陳情第34号、第87号第1項、第90号、第110号及び第180号を継続審査とし、あわせて調査事件を継続調査に付することにご異議ございませんか。
〔「異議なし」と言う人あり〕
○議長(大野はるひこ議員) ご異議がないものと認めます。
よって、申し出のとおり、陳情第34号ほか4件を継続審査とし、調査事件を継続調査に付することに決定いたしました。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
△閉会の宣告
○議長(大野はるひこ議員) 以上をもって、本日の日程はすべて終了いたしました。
これをもちまして、平成30年第3回東京都板橋区
議会定例会を閉会いたします。
午前11時55分閉会
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
以上相違なきを認めここに署名する
会 議 録 署 名 議 員
議 長 大 野はるひこ
35番 茂 野 善 之
39番 五十嵐 やす子...