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  1. 荒川区議会 2019-11-01
    11月27日-01号


    取得元: 荒川区議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-12
    令和元年度定例会・11月会議荒川区議会会議録(第一日)=============一、日時 令和元年十一月二十七日 午前十時一、場所 荒川区議会議場一、出席議員(三十一名)  一番 久家 繁君  二番 小坂英二君  三番 夏目亜季君  四番 宮本舜馬君  五番 山田晴美君  六番 相馬ゆうこ君  七番 北村綾子君  八番 小林行男君  十番 斉藤邦子君 十一番 小島和男君 十二番 鎌田理光君 十三番 町田 高君 十四番 中島義夫君 十五番 菅谷元昭君 十六番 明戸真弓美君 十七番 茂木 弘君 十八番 小坂眞三君 十九番 並木一元君 二十番 斎藤泰紀君二十一番 北城貞治君二十二番 志村博司君二十三番 河内ひとみ君二十四番 藤澤志光君二十五番 竹内明浩君二十六番 清水啓史君二十七番 山口幸一郎君二十八番 増田峰子君二十九番 森本達夫君 三十番 菊地秀信君三十一番 松田智子君三十二番 保坂正仁君一、欠席議員(一名)  九番 横山幸次君一、出席説明員区長  西川太一郎君副区長  佐藤安夫君副区長  北川嘉昭君総務企画部長  五味智子君財政担当部長  宮腰 肇君区政広報部長兼全国連携担当部長  米澤貴幸君管理部長  梅原一彦君区民生活部長  阿部忠資君地域文化スポーツ部長  古瀬清美君産業経済部長  石原 久君環境清掃部長  池田洋子君福祉部長  片岡 孝君健康部長  石原 浩君健康推進担当部長  東山忠史君子育て支援部長  青山敏郎君防災都市づくり部長  松土民雄君再開発担当部長都市計画担当部長  松崎保昌君会計管理部長会計管理債権管理担当部長  丹 雅敏君総務企画課長  小林直彦君教育長  高梨博和君教育委員会事務局教育部長  三枝直樹君選挙管理委員会委員長  戸田光昭君代表監査委員  齋藤暢生君一、職務のため出席した事務局職員事務局長  濱島明光庶務係長  小原 実議事係長  伊藤智徳主任主事  染谷沙織主事  堀川光佑主事  山本麻由来主事  松元 翼企画調査係長  細井貴洋議事日程 令和元年十一月二十七日 午前十時開議第一               一般質問について           午前十時開議 ○議長(茂木弘君) ただいまより十一月会議を開きます。 なお、十一月会議の会議期間は、本日から十二月十日までの十四日間といたします。 この際、区長より発言の申し出がありますので、これを許可いたします。   〔区長西川太一郎君登壇〕 ◎区長(西川太一郎君) 令和元年度荒川区議会定例会・十一月会議の開会に当たりまして、一言挨拶を申し上げさせていただきます。 十一月会議には、荒川区子ども家庭総合センター条例など重要な案件を御提案申し上げております。どうぞよろしく御審議を賜りますようお願いを申し上げます。 ○議長(茂木弘君) 出席、欠席議員数を報告いたします。出席三十一名、欠席一名でございます。 十一月会議の会議録署名議員を定めます。本件は、会議規則第百二十条の規定により議長より指名いたします。        八  番 小 林 行 男 議員        二十二番 志 村 博 司 議員        三十二番 保 坂 正 仁 議員 以上、三名の方にお願いいたします。 説明のため理事者の出席を追加して求めました。事務局長より朗読いたします。   〔事務局長朗読〕令和元年十一月十九日                荒川区議会議長  茂 木   弘         説明のため出席を求めることについて 令和元年十一月二十七日午前十時再開の令和元年度荒川区議会定例会に説明のため左記のとおり出席を求めます。                 記        選挙管理委員会委員長   戸 田 光 昭 ○議長(茂木弘君) 日程第一、一般質問について。 ―――――――――――――――◯――――――――――――――― △一般質問について ○議長(茂木弘君) 一般質問の通告がありましたので、順次発言を許可いたします。 十九番並木一元議員。   〔並木一元君登壇〕 ◆十九番(並木一元君) 自民党荒川議会議員団並木でございます。会派を代表して質問させていただきます。 質問に先立ちまして、本年発生した台風十五号及び十九号において犠牲になられた方々の御冥福をお祈りするとともに、被災された皆様に対し、心よりお見舞いを申し上げます。 質問に入らせていただきます。区長をはじめ、関係理事者の皆様におかれましては、積極的な御答弁をお願い申し上げます。 質問の第一は、災害に強いまちづくりについてであります。水害、また、震災についてお伺いいたします。 まず初めに、大規模水害時の自助・共助の推進についてお伺いいたします。 台風や線状降水帯による豪雨が年々巨大化し、想定を超える大規模水害が多発しております。十月中旬に東日本を襲った台風十九号も各地に甚大な被害をもたらしました。 幸い、区内には特段大きな被害はなかったものの、この台風によりさまざまな課題が明らかになりました。特に公助だけで全ての対応をすることの難しさが改めて浮き彫りになったと思います。 これまでは震災・水害ともに行政がハード整備などの対策を行い、避難勧告等を出し、それに基づき住民が避難するという図式で、防災対策は多くの面で公助が中心であったように思います。しかし、昨年の西日本豪雨や今回の台風十九号のような大規模水害では、行政だけで全ての対応を行うことは大変に困難であるということが感じられました。 実際に台風十九号では、区の職員が多数参集し、自主避難場所の開設・運営や区民への広報等を行ったと伺っております。大変に感謝申し上げます。そして、区民からは多くの問い合わせが殺到し、避難場所にも相当な人数が避難したと聞いておりますが、かなりの労力を費やしたものと思われます。しかし、もし仮に荒川が氾濫し、区が浸水するような事態を考えると、千六百人の職員、これも全てが参集できるわけではございません。これで対応することができるでしょうか。 今回の教訓も踏まえ、公助だけの対応に限界があるという前提に立ち、一人一人の区民が自覚して、自助により避難場所や避難方法等を日ごろから十分理解し、いざというときに自分の意思で避難判断をできるようにし、あわせて町会等の地域コミュニティを生かして、共助により助け合える体制を構築していく必要があると思います。自助、共助、公助、この三つのバランスをうまくとりながら乗り切っていくべきだと思っておりますが、この点について、まず区の見解をお伺いいたします。 次に、JR東北本線荒川橋梁周辺の対策工事と河川整備の促進についてお伺いいたします。 台風十九号では、大雨が降ったにもかかわらず、区内では以前のような道路冠水が発生せず、内水氾濫に対する下水道等のハード面の整備が進んでいることを改めて実感いたしました。また、区民にとって身近な隅田川について、本流荒川の水位が一定の高さに達すると、起点である岩淵水門が閉鎖されることが今回も確認されました。水害から荒川区が守られていることについて、私も感動いたしましたが、多くの区民も心強く感じたものと思われます。 荒川の洪水対策としては、数年前、水位が高くなっても堤防が崩れることのないよう、江北橋から千住橋間を中心に補強工事が行われたことを私は記憶しております。それに続き、現在、岩淵水門のすぐ上流にある東北本線鉄道橋の上流、下流それぞれ約五十メートルずつ、深さ三メートルほどになる堤防のへこみ部分の対策工事を実施しております。その対策については、昨年の夏、国土交通省荒川下流河川事務所関係者の方より、対策工事の予定があることを私は直接お伺いしました。その後、決算に関する特別委員会において、当事務所がJR東日本と協定を結んで対策工事に入ることをお伺いいたしました。 国は、この場所で川の水が堤防を越えた場合、すぐ南側を流れる新河岸川の堤防を越え、赤羽方面から王子経由で尾久から荒川区内に侵入し、状況によっては都心部も含めた大規模な被害が発生する可能性があることを想定しています。こうしたことから、対策工事は荒川区ばかりでなく、東京都にとっても大変重要なものであると考えております。 また、今週の月曜日、震災・災害対策調査特別委員会、町田委員長の発案で、委員外議員を含めた議員が荒川下流河川事務所を視察し、担当の方より台風十九号の被害状況や調整池、水門の運用など増水時の対応をお聞きし、さらに東北本線荒川橋梁の工事現場や岩淵水門の状況についても確認してまいりました。 意見交換の中で、工事完了予定時期が令和三年二月、つまり来年の夏をまたぐわけでありますが、台風時期を懸念している旨、伝えたところ、所長からは、堤防は警戒高水位を超える十分な高さがあるが、荒川堤防の安全性をより確保するために、鉄道に近接している部分についても盛り土することにしたとの回答がありました。しかしながら、やはり堤防の一部分が三メートルにわたって、かなり長い範囲に水平を保っているところでえぐれているというのは、我々にとっては不安となるところでございます。堤防の整備に当たっては、関係機関と調整し、さまざまな行程を経て行っていく必要があるため、かなりの時間がかかるということであります。 我々としては、来年の台風時期を見据えて、できるだけ早期の整備を区から国にも強く要請していただきたいと考えております。また、それが難しいのであれば、洪水等の被害予想が出た段階で迅速な土のう設置など、工事期間中における水防活動を並行して実施できるように要望すべきと考えておりますが、この点について、区の御見解をお伺いいたします。 次に、大規模水害時の避難方法についてお伺いいたします。 荒川が決壊する可能性がある場合、国や都の方針では、高台へ避難する広域避難が原則となっております。高台へ広域避難するには、避難場所の確保とともに、避難場所へ行くまでの交通手段の確保も必要となります。これに関し、現在、国や都、関係自治体によるワーキンググループにおいて、具体的な広域避難場所避難方法等について検討していると伺っております。 私は、以前から、高台の区と提携して避難所を確保してどうかと提案しておりましたが、実際は個々の区市町村間で決められる問題ではないようであります。そこで、まず、国や都の主導のもとでしっかりと検討を進め、早期に方針を打ち出していただきたいと考えております。 今回の経験から、現実には広域避難を行うには非常に困難な課題があることを肌で感じました。荒川区を含めた広大な地域の避難人数に比した高台の避難場所をどこまで確保できるのか、避難場所までの移動手段をどう確保するのか、どの程度の規模の台風であれば広域避難の勧告をするのか等、さまざまな課題が考えられます。少なくとも広域避難場所避難方法等に関する方針が決定していない現状においては、やはり区として広域避難の判断を行い、一斉に実施することは無理があると言わざるを得ません。そうであれば、次に建物の上層階に避難する、いわゆる垂直避難が重要となります。しかし、垂直避難にも備蓄物資や避難生活の安定等、多くの課題が残ります。広域避難の方針が決まるまでの間は、当面、区として垂直避難を基本とする方針を採用せざるを得ないのではないかと考えておりますが、この辺について、区の見解をお伺いいたします。 次に、大規模水害時の情報伝達についてお伺いいたします。 水害の発生が予想される場合には、区民に的確な避難行動を促すため、避難場所の開設や避難勧告等の情報をいかに迅速かつ正確に届けるかが極めて重要になります。 台風十九号では、近隣区での防災行政無線が荒川区の一部に聞こえたり、また、近隣区や国土交通省のエリアメールが荒川区内の携帯電話にも配信されたり、テレビ等のメディアからさまざまな情報が錯綜し、混乱した区民もいたと思います。 近隣区で情報が発信され、荒川区内では情報発信がないことに不安を感じた区民がいたのも事実です。今後、このような混乱を避けるためにも、情報発信の基準や方法等を再整理するべきと思います。また、広報、連絡方法に関して、多くの区民より私どもに多くの御意見をいただいております。改めて区民が正確な情報を迅速に入手し、適切な避難行動をとることができるよう、町会等と連携し、体制を整備するべきと考えますが、見解をお伺いいたします。 続きまして、高齢者や障がい者、いわゆる避難行動要支援者への対応についてお伺いいたします。 災害時における避難行動要支援者の避難への対応は、極めて重要な問題であります。そこで、水害時、避難行動要支援者の避難場所の確保の状況を素早く確認し、かつ要支援者が自主避難場所に避難してきた場合にどのように対応するか、改めて区の見解をお伺いいたします。 また、区では、震災時における避難行動要支援者一人一人の避難場所や避難方法を定めた避難行動要支援者個別避難計画を策定中と聞いております。しかし、震災時と水害時とでは、避難の方法や場所にかなりの相違があることから、今回の台風十九号の教訓も踏まえ、水害時における個別の計画も策定すべきと考えますが、いかがでしょうか。これについて見解をお伺いいたします。 次に、視点を変えまして、同じく災害対策ということで、震災に備えた防災まちづくりに関し、お伺いいたします。 荒川区の災害対策としては、水害対策のみならず、震災対策や重要であり、これがやはり区民の生命・財産を守る重要な施策であるというのは忘れてはならないと思います。 我が自民党では、これまで安全・安心なまちづくりに向け、避難路となる道路の整備や公園などの空き地の確保などの取り組みの強化を求めてまいりました。そのような中、特に危険度の高い町屋四丁目を含む町屋地域では、かねてより密集地域の改善に向けた取り組みを推進し、尾久の原防災通りの開通や児童遊園などの空き地も確保し、着実に進展してまいりました。現在は、木造住宅密集地域の一層の改善を図るために、不燃化特区に積極的に取り組んでおり、町屋・尾久地区では、平成二十六年度から特区指定を受け、建て替えや建物除去に対する支援を行っております。 生活道路の拡幅整備や建物の建て替え等により、まちの安全性が高まりつつあることを実感しているところでありますが、不燃領域率七〇パーセントを目指した取り組みについて、機会あるごとにその進捗を確認させていただいております。 現時点において、荒川二・四・七丁目地区は、この目標到達目前とのことですが、町屋・尾久地区は範囲が広いことや事業タイミングが一年遅かったこともあり、道半ばである令和二年度末の事業終了を迎えることになりそうです。 しかし、区内の不燃化の取り組みは、荒川区を災害に強いまちにしていくための最優先課題であります。これからも継続的に取り組んでいくべきと考えております。そのために、不燃化特区制度の延長は何としても必要であると考えます。ぜひ都に強く申し入れていただきたい、お願いをいたすところでございます。 質問の第二は、来年七月に開設が迫る児童相談所、ここでは児童相談所と申させていただきますが、我が自民党では、これまで人材確保や人材育成、地域関係機関との連携強化、里親制度の推進、都からの慎重なケースの引き継ぎなど、さまざまな観点から幅広く意見を申し上げてまいりましたが、それを着実に受け、準備を進めておられます。改めてこれまでの努力に感謝したいと思います。 しかし、これから開設までの期間は、なお一層気を引き締め、できる限りの環境を整えていただきたいと思っております。 そこで、まずは開設目前に迫っている状況の中で、法改正を含め、特別区の児童相談所開設に向けて大変御尽力された西川区長を先頭として荒川区の児童相談所の開設に向けた決意を改めてお伺いいたします。 次に、現段階の進捗状況について、二点ほど確認させていただきます。 児童相談所の設置に伴い、児童相談所の設置、運営以外に保育、障がい、健康など、十六の分野にわたる子どもに関する事務が都から移管されることになりました。今十一月会議には、こうした事務の実施に必要な八本の条例案が提出されておりますが、これにより間違いなく事務量の増加や権限の移譲による責任の増加が発生します。都から十分なノウハウの伝授、事務の引き継ぎなど、連携がさらに必要になるものと思われます。 人口規模が都内でも比較的小ぶりで、また、先行する三区の中でも特に少ない荒川区では、政令指定都市並みの事務を実施していくのは簡単なことではないと思いますが、しっかりと準備を進め、必要な事務体制を整えていってほしいと思っております。改めてこうした総合的な児童福祉行政を担う意義と区民にとってのメリットについて、この機会にお伺いさせていただきます。 また、これまでも我が党では、児童相談所の運営に係る財源がしっかり確保できているか、これをしっかり確保すべきと要望してまいりましたが、都との折り合いについてはいまだついていないと伺っております。開設まで残すところ数カ月、児童相談所の安定的な運営と設置市事務の円滑な実施に必要な財源を確実に確保する必要があると考えております。重ねて早急な対応を都に求めていってほしいと要望いたします。 質問の第三番目は、人材育成・人材活用についてであります。 これまで我が党は、行財政改革の視点から、行政の効率化と区民サービスの向上を強力に推進してまいりました。区民の区に対する要望がますます多様化する中で、少子高齢化は着実に進行し、税収入や働き手の減少、長時間労働の是正など数多く、これまで以上に職員一人一人の働き方が問われる時代となってきております。その対応は急務となっております。 こうした状況の中にあって、仕事のやり方を見直し、これまで以上に効率的な方法で質の高いサービスを提供できるように、全庁的に改善を積み重ねていくことが重要となってくると思います。 こうしたことを考えていく上で、日進月歩で進化しているAI(人工知能)や作業を自動化するRPA(ロボットによる業務自動化)の技術を活用することは非常に有効であると思います。AIは、データを活用して判断する技術、RPAは単純な仕事を人にかわり作業する技術で、それぞれ得意分野があるようです。こうした技術を積極的に取り入れ、単純作業はシステムに任せ、職員は人でなければできない仕事に注力するといったことがこれからの時代は求められてまいります。 こうした取り組みは、民間企業だけではなく、自治体におきましても活用事例がふえているようであります。中には多大な経費をかけて失敗してしまった事例もあるようでございますので、先進事例についてしっかり研究し、成功事例はぜひ積極的に導入して、事務改善につなげていっていただきたいと思います。区におけるAIやRPA導入についての進捗状況と今後の展望についてお伺いいたします。 次に、職員のさらなるレベルアップについてお伺いいたします。 区の仕事のうち、AIで置きかえられる分野には限界があると思います。AIやRPAの得意分野は、定型的な大型作業の処理や音声認識による応答、また、複雑な計算処理などと言われています。先ほども述べましたが、区民の要望、区政の課題はますます多様化・複雑化しており、定型的な行政事務を自動化して効率化を図ったとしても、やはり職員でないとなし得ない業務が数多く存在するのは、先ほども申し上げたように明白なことであります。 これからの時代、職員の皆様には、これまで以上に荒川区の実情を知り、荒川区を愛し、そして個々の能力を磨き、職務に邁進していただきたいと思います。 以上の観点から、区として能力を兼ね備えた職員をどのように育成するのか、育成に関し、質問をさせていただきます。 次に、職員の育成以前の問題として、優秀な人材を確保することも、荒川区の将来をしっかりとしたものにしていくために非常に重要なことだと考えております。近年は、景気回復傾向により完全な売り手市場となっており、少子化の影響も重なり、民間企業や他自治体との人材獲得競争が激化しております。 かつてこのような時代を経験しておりますが、ただ座して待っているだけでは人材は得られません。現在、区では、有能な人材を確保するため、広くさまざまな場所に出向いて、区の特性や仕事内容を説明し、人材確保に一定の成果を上げていると伺っております。しかし、ますます厳しくなると予測される区の採用環境の中で、いかに優秀な人材を確保できるかが、まさに将来にわたる安定した区政運営に直結してくるものに思われます。こうした視点からの優秀な人材確保について、区の見解をお伺いいたします。 次に、質問の第四は、東京オリンピックパラリンピック大会の開催に向けた取り組みについてであります。 ことしも世界的なスポーツ大会が数多く催され、ラグビーワールドカップでのベスト八やWBSCでの十年ぶりの優勝をはじめ、女子ゴルフ、テニス、卓球、フィギュアスケートなどの分野において、有力な選手が日本を代表して戦い、活躍していることが非常に我々の脳裏に焼きついております。 スポーツ観戦において、常々感じていることは、スポーツにはドラマがあり、我々見る側に感動と勇気を与えてくれるということであります。これは何物にもかえがたいスポーツの持つ最大の魅力であると思います。 そして、来年、世界中のトップアスリートたちが競い合う世界最大のスポーツ祭典オリンピックパラリンピック大会が東京で開催されることは、大変喜ばしく、子どもたちをはじめ多くの人たちの記憶に残るすばらしい大会になるものと思われます。 本来は、競技場に足を運んで大会の雰囲気を味わいながら、生で観戦するのが一番だと思いますが、直近で発表された倍率は、一次販売でチケットの購入倍率二十倍を超えるなど、大変に入手困難な状況にあるようであります。荒川区では、女子レスリング皆川博恵選手パラ陸上走り幅跳び高田千秋選手など、区にゆかりのある選手が出場されると予定されております。 四年に一度のこの機会を捉えて、パブリックビューイングなど区民の身近なところでオリンピックパラリンピックの雰囲気を多くの区民が味わえ、一体となって応援できる場所があってもいいと思います。パブリックビューイング、ぜひ開催していただきたいと思いますが、区の考えをお聞かせください。 次に、区民ボランティアについてお伺いいたします。 私自身も各地のマラソン大会に参加することがございますが、本当に地元の方を含め、多くの方々の支えがあって大会が成り立っているということを肌で感じております。競技者の立場からは、沿道などでのサポートは、つらいときにもう少し頑張ろうという原動力にもなる不思議な力を持っておりますし、ゴールした後に水の一つを届けてくれる小さな子ども、中学生ぐらいでありましょうか、笑顔で届けてくれる、これは本当にありがたいことと、私は必ず大きな声で「ありがとう」とお礼を言っております。 私もボランティアの経験がございますが、選手の付近にいるときは、息づかいが聞こえ、そして、ともに参加している気分になりますし、また、選手から離れた場所にいるときは、自分が大会を支えているという満足感が得られます。そして、長い間、記憶に残るものであります。 荒川リバーサイドマラソン、今年は残念ながら台風の影響で中止となりましたが、毎年百五十人を超えるボランティアの方に支えられております。東京オリンピックパラリンピックの大会では、八万人の大会ボランティアと三万人の都市ボランティアが大会を支えると伺っております。既に荒川区からも幾人かの都市ボランティアが応募されているそうでございます。また、区内でも聖火リレーやセレブレーションなどイベントの開催も予定されております。この開催に当たっても、多くのボランティアの力が欠かせないものと思います。 ボランティアとして参加していただくことで、オリンピックパラリンピックの思い出としてだけではなく、スポーツへの関心を高め、さらには今後、ほかのボランティア活動への足がかりになるものと思われます。荒川区民のボランティア参加によって、オリンピックパラリンピックがなお一層盛り上がることを心から期待しております。区民のボランティアに関して、荒川区のお考えをお伺いいたしたいと思います。 以上で私の第一回目の質問を終了させていただきます。   〔区長西川太一郎君登壇〕 ◎区長(西川太一郎君) 並木一元議員の御質問にお答えを申し上げます。 初めに、大規模水害への対応のうち、自助・共助の推進に関する御質問に答弁を申し上げます。 今年は台風十五号、台風十九号で立て続けに日本列島を直撃することによる各地の被害が甚大であったことを忘れることができません。お亡くなりになられました皆様に心から哀悼のまことをささげ、御冥福をお祈り申し上げたいと存じます。 私は、こうしたことを受け、改めて私が幼稚園児、小学生時代に、私どもの住んでおります旧尾久町十丁目、現在の町屋六丁目がたびたび水害に遭って、腰まで浸かりながら学校に行った経験、そして、中学生のときには、田端からバスに乗って必ず赤土小学校前でおろされ、おへそまで水に浸かりながら、町屋六丁目、当時の尾久町十丁目の家まで帰ってきた経験を今でも夢に見て、がばっとはね起きることがあります。 このたびの台風十九号の対応について、区といたしまして、大規模水害発生時に対しての情報発信の方法の充実や強化、そして、避難所開設の、また、適切な運営についての職員の配置、災害時に的確な対応ができるように、職員諸君の日ごろの訓練や育成などについて、全庁が一丸となって区民の皆様をお守り申し上げることができる公的な区役所の役割について、見直しを累次重ねているところであります。 あわせて、区民の皆様に正しい防災知識をお一人お一人身につけていただきますように、大変僣越な言い方でございますが、区としても、できる限り情報提供を申し上げながら、自助の啓発、そして、充実強化に向けて、努力をしてまいる覚悟でございます。 荒川区の地域的な強みを生かしながら、町会をはじめ、多くの関係団体の皆様とともに、災害対応に自助・共助の力を一体となって発揮していけますように、全力で推進し、災害に強い荒川区をつくってまいりたいと思います。 次に、いわゆる児相の開設についての御質問にお答えを申し上げます。 私は、現場に最も近い荒川区のような自治体が権限と責任を持って、全てのお子様たち、そして、その御家庭の親御様やいろいろな方々を御支援申し上げるべきだという考えは、特別区の児童相談所の設置について、さきにこのことの必要性を説いた区の区長として、今日でもしっかりこれに取り組んでいかなければいけないという思いをいろいろなところで発信してまいりました。 荒川区を児童相談所の設置市に指定し、政令も公布されたことを好機と捉えて、令和二年四月の子ども家庭総合センター開設を端緒として、七月からの児童相談所の業務開始が順調にできますように、このことにしっかりと関係所管に陳情したり、助力を仰いだり、また、荒川区自身が基礎自治体としての責務を果たしていけるように、児童相談所の全国モデルに荒川区がなれるように努力をしてまいりたいと存じているところでございます。 全庁が文字どおり一丸となって、組織・人事体制の構築、そして、地域の関係機関との緊密な連携を図りながら、この問題に一層気を引き締めて準備を進めてまいりたいと存じます。 十月九日には、小池百合子都知事殿と面会をさせていただき、不燃化特区制度の問題、そして、児童相談所の問題、耐震補強の問題、また、荒川区が抱えているいろいろな問題について、財源、人材の御支援をしっかりいただけるように強く協力を求めたところでございまして、大変感度のよい反応をいただきました。 今後はさらに庁内関係部と関係機関との連携を強めますとともに、基礎自治体が設置する児童相談所がすばらしい力を、また、現場に近い強みを生かして、地域の皆様の御協力も仰ぎながら、みんなの子どもをみんなで守っていく。未来社会の守護者であり、成長したあかつきには立派な区民、都民、国民として、温かい地域をおつくりいただくことに全力で取り組んでいただける人材を育てていきたいと強く決意をいたしているところであり、きょうお集いの区議会議員、党派を超えた議員の先生方の御尽力もこの機会にお願いを申し上げておきたいと存じます。どうぞよろしくお願い申し上げます。 これ以外の御質問につきましては、関係理事者から御答弁を申し上げます。ありがとうございました。   〔防災都市づくり部長松土民雄君登壇〕 ◎防災都市づくり部長(松土民雄君) 東北本線荒川橋梁周辺の対策工事と河川整備の促進に関する御質問にお答えいたします。 国では、荒川水系河川整備計画を策定し、荒川の洪水等による災害の発生防止に取り組んでおり、具体的な取り組みとしては、堤防の整備や河道掘削、橋梁部周辺対策及び洪水調整容量確保などの事業を進めております。 議員御質問の東北本線荒川橋梁部の対策工事は、これらの取り組みの一つとして行われているものであり、この場所の堤防につきましては、河川の整備計画を立てる際に基準とする水位以上の高さを確保しているものの、周辺より約三メートル低い状況であることから、さらなる安全の確保のため、堤防のかさ上げ工事を実施しているものでございます。 平成三十年度にJR東日本と国土交通省荒川下流河川事務所が施工に関する協定を締結し、ことし二月に工事契約を行い、現在、完成に向け鋭意工事を進めていると聞いております。 また、荒川の下流域に広がる軟弱地盤において、盛り土による沈下を抑えることや、鉄道橋に隣接した箇所での工事であり、施工時における鉄道への影響に配慮する必要があることから、通常の築堤工事以上に時間もかけた慎重な施工が求められているとも聞いております。 区といたしましても、当該対策工事は、荒川区のみならず、東京東部低地滞における洪水の危険性を取り除く、とても重要なものであると認識していることから、今後も着実かつ早期に工事の進捗が図られますよう、また、区民の皆様が安心できるような水防活動などの対策措置が講じられるよう、国等の所管部署に対し、要望してまいります。 次に、防災まちづくりの継続・強化に関する御質問にお答えいたします。 区では、区内に広く存在する木造住宅密集地域の改善に向け、これまでも安全な避難経路となる都市計画道路の整備や無電柱化の推進、オープンスペースとなる公園や広場等の空地の確保、建築物の不燃化・耐震化への助成など、災害に強いまちづくりを進めてきたところであります。 こうした取り組みに加え、現在実施している不燃化特区では、UR都市機構をはじめとした専門家なども活用して、積極的に事業を推進し、五百棟以上もの老朽建築物の除却や十カ所の防災スポットの整備、百カ所以上の主要生活道路拡幅用地の取得などを進め、まちなかでも成果を感じられるような状況になってきております。 しかし、災害に強いまちづくりをさらに進めていくためには、多くの区民の皆様の理解や協力を得る必要があり、長い時間を要することから、区といたしましても、事業の継続が必要不可欠であると認識しております。 したがいまして、これまでも都に対しましては、さまざまな機会を捉えまして要望してまいりましたが、先ほど区長から申しましたとおり、先日は区長みずから不燃化特区制度の継続を強く要望し、知事から現在進めている防災都市づくり推進計画の改定において検討するとの前向きな回答を得たところであります。 今後も防災まちづくりに資する制度の継続・強化を国や都に対し強く求めるとともに、区民の安全・安心に向けて、災害に強いまちづくりに全力で取り組んでまいります。   〔区民生活部長阿部忠資君登壇〕 ◎区民生活部長(阿部忠資君) まず初めに、大規模水害時における広域避難と垂直避難に関する御質問に御質問にお答えいたします。 国や都の想定では、荒川が決壊した場合、二週間以上水が引かないことから、垂直避難により建物に取り残される人を少しでも減らすため、広域避難を基本とすることが方針として示されております。そして、広域避難の場所や方法につきましては、国や都、関係自治体、鉄道事業者等で構成する首都圏における大規模水害広域避難検討会において、現在検討を進めているところでございます。 しかしながら、台風十九号では、江東五区が広域避難を検討いたしましたが、鉄道の計画運休が決まり、移動手段がなくなったことから、広域避難勧告の発令を断念したように、移動手段の確保や広域避難勧告を発令する基準の整備など、さまざまな課題が改めて浮き彫りとなってございます。 これらの課題を踏まえると、議員御指摘のとおり、広域避難場所が決定していない現状では、広域避難勧告の判断を行うことは非常に難しいものと考えてございます。 区といたしましては、広域避難の方針が決定するまでの当分の間、大規模水害の危険性が高まった場合は、浸水が想定されない地域の親戚や友人宅等への自主的な広域避難を区民に働きかけてまいります。そして、小中学校やふれあい館等を自主避難場所として開設しながら、荒川の水位を確認し、決壊する可能性が高まった時点で自主避難場所を緊急避難場所に切りかえ、垂直避難の勧告・指示を発令することを基本としてまいります。その際には、堅牢な建物の三階以上に住む方に対しましては、自宅にとどまるよう呼びかけてまいります。 今後とも、引き続き、台風十九号で明らかとなった課題も含め、関係機関とも連携しながら、大規模水害時における避難対応について検討を進めてまいります。 次に、情報伝達に関する御質問にお答えいたします。 台風十九号において、区では、西日暮里三丁目・四丁目の一部の土砂災害警戒区域に避難準備・高齢者避難開始を発令いたしました。一方で、荒川区全域に対する避難勧告等につきましては、国土交通省や気象庁、民間の専門機関の情報をもとに、荒川が決壊する可能性は低いと判断し、発令いたしませんでした。 そのような中で、区内にも周辺区や国土交通省からの避難を促すエリアメールが配信されたこと、メディアから「自治体の避難情報を待たずに避難すべき」といった報道があったこと等から、区民の中で不安や混乱が広がった状況がございます。 今後、この教訓を踏まえ、区民が混乱等を招かない避難情報等の発信や伝達の方法について、国や都、近隣自治体等とも協議を行った上で、その内容やタイミングを含めて再整理を行い、確立してまいります。 また、テレビ等のメディアに対しましても、大型台風接近時等における報道につきまして、住民の不安をいたずらにあおるのではなく、自治体が出す避難情報等を確認し、冷静に行動するように働きかける内容とするよう要望してまいります。 さらに、区民が適時正確な情報を収集できるよう、町会とも連携しながら、防災ラジオの配付等も含めて、情報の伝達方法につきまして再構築を図ってまいります。   〔福祉部長片岡孝君登壇〕 ◎福祉部長(片岡孝君) 大規模水害時の避難行動要支援者への対応に関する御質問にお答えいたします。 災害時に避難行動要支援者が避難する場所として、福祉避難所である高齢者施設、障がい者施設がございますが、バリアフリーの対応もあって、一階もしくは二階のスペースとなっているところが多く、水害時に一律に垂直避難することは難しいことから、こうした福祉施設については、大規模水害時の緊急避難場所としては指定してございません。そのため、避難行動要支援者についても、当面の間、大規模水害の危険性が高まった場合には、まずは浸水が想定されない地域への自主的な広域避難を働きかけてまいります。そして、事前の広域避難が困難である方については、堅牢な建物の三階以上に住んでいる方には自宅の上層階にとどまっていただき、それ以外の方には、近隣のふれあい館等の三階以上に避難していただくことを想定しております。 また、避難行動要支援者が避難してきた場合の対応でございますが、避難場所で従事する職員がその施設の設備や他の避難者の状況等を勘案し、できる限りの配慮を行う方針でございます。 次に、個別避難計画でございますが、水害時のことも考慮に入れて更新していきたいと考えておりますが、御指摘のとおり、支援の必要な方々については、個々の事情があることや移動が困難な方も多いことなどから、現実的には事前の個別避難計画において、避難手順等を定めていても、そのとおりに避難していただくことが難しい場合もあると考えております。 今後、水害時の個別避難計画の作成を進めていく際には、より現実的な視点を持って、自助・共助という観点から関係機関や町会等とも連携しながら検討をしてまいります。   〔管理部長梅原一彦君登壇〕 ◎管理部長(梅原一彦君) まず初めに、AI等が進展する中での人材育成に関する御質問にお答えいたします。 民間シンクタンクの研究によりますと、二〇三〇年には労働人口の約四九パーセントはAIやロボットによって代替可能になるとの報告もされております。AI進展等により今後職員に求められる役割や能力は大きく変化していくものと思われます。 これまで、区では、OJTを基本としながら、職務に関する研修だけでなく、政策形成能力を含め、職員が幅広くみずからの能力を伸ばし、成長できる環境を整えてまいりました。今後、区の職員には、AIを理解し、使いこなす力が必要となることはもちろん、AIには不可能な時代の変化に対応した政策立案力、区民に寄り添う対応力等が求められ、それに沿った研修体制にシフトしていく必要があると認識しております。 御質問の趣旨を踏まえ、AI等が進展する中にあって、区民の幸せのために力を発揮できる職員の育成に全力で取り組んでまいります。 次に、人材の確保に関する御質問にお答えいたします。 御指摘のとおり、少子化や民間の雇用増加の影響もあり、特別区職員採用試験の受験者数は伸び悩んでおります。また、優秀な人材ほど国や他の自治体の複数の試験に合格しており、内定を出しても辞退されてしまう場合があるなど、人材確保の厳しさを実感しております。 区では、特別区全体の就職説明会だけでなく、大学や予備校へ出向いて、区独自の説明会を開催しております。また、全庁的な協力を得て、就職を目指す学生を対象とした職場見学会やインターンシップの受け入れを積極的に推進し、区の仕事を理解してもらう取り組みを進めております。 そうした努力の成果として、特別区採用試験の希望区として荒川区を一位に挙げる受験生が増加してきております。受験生が理由として挙げるのは、ドメインを掲げて区民に対する区の役割を明確にしていること、特区申請などに代表される政策力、そして、ABCをはじめとする人材育成の充実です。 厳しい採用環境の中、今後とも区政を担う人材を確保するため、これまでの取り組みをさらに充実してまいります。   〔子育て支援部長青山敏郎君登壇〕 ◎子育て支援部長(青山敏郎君) 児童相談所設置市事務に関する御質問にお答えいたします。 児童相談所を設置する基礎自治体につきましては、政令指定都市並みの総合的な児童福祉行政を担うことになります。このような観点から、児童福祉法等の規定に基づき、都から子育て、障がい福祉、健康などの分野に関する十六事務とその権限が区に移管されることになります。そのため、議員御指摘のとおり、事務量の一定程度の増加が想定される一方で、保育園等の認可や指導検査が区の権限となりますので、区の責任で事業の質を確保することが可能となります。 また、小児慢性特定疾患の医療給付や障がい児入所給付などの各種手続が身近な場所で行われることにより、区民の利便性の向上が図られると考えております。 療育手帳の判定事務などにつきましても、申請者が区民に限定されることにより、手続に要する時間の大幅な短縮が見込まれるなど、いずれの事務も子どもや家庭の福祉の充実に資するものと受けとめてございます。 区といたしましては、来年七月からの円滑な事務執行に向け、必要な組織・人員体制を整備するとともに、関係条例や要綱等の制定、都からの事務の引き継ぎなど、しっかりと準備を進めてまいります。   〔総務企画部長五味智子君登壇〕 ◎総務企画部長(五味智子君) AIの活用と事務改善に関する御質問にお答えいたします。 区では、これまで歳出抑制や財源確保、人員の削減等を中心とした行財政改革に加え、約千の事務事業を対象とした行政評価の実施、さらには、御党御提案のサンセット方式の導入など、区政運営のさらなる効率化に取り組んでいるところでございます。 一方で、昨今の社会情勢の急速な変化に伴い、さらに多様化・高度化した区民ニーズに対応するためには、人員や財源などの行政資源も限られている中で、AIなど先進的な技術の活用が重要であると考えております。 こうした考えのもと、区では、認可保育園の入園審査期間を短縮し、保護者への結果通知の送付を早めるため、AIを活用した保育園の入園審査システムの導入に向け、現在準備を進めております。あわせて、AI技術を活用した読み込み精度の高いAI-OCRなど具体的な検証を重ね、さまざまな業務への活用に向けた検討を行っております。 並木議員の御質問にもございました先進自治体の事例の課題も含めた実態把握は、さまざまなシステムを区に導入するに当たり、非常に重要なポイントであると考えております。今後、早急に先進自治体の現場に訪問し、直接担当者に話を伺い、区の業務につなげてまいります。 区といたしましては、事業の効率化、さらなる区民サービスの向上に向け、AI等の導入を積極的に進めてまいります。   〔地域文化スポーツ部長古瀬清美君登壇〕 ◎地域文化スポーツ部長(古瀬清美君) オリンピック開催に向けた区の取り組みに関する御質問にお答えいたします。 初めに、身近に応援できる場所づくりにつきまして、荒川区スポーツ推進プランでは、スポーツへのかかわりは「する」「見る」「支える」がアプローチの視点と掲げ、競技を観戦する、選手を応援することもスポーツ推進の一つであると捉えております。 多くの区民の皆様が集まって大型画面で観戦し、応援することで大会を盛り上げるパブリックビューイングにつきましては、暑さ対策なども踏まえ、実施可能な区内の施設の活用を検討してまいります。 身近な場所で一緒に応援することにより、オリンピックパラリンピックとのかかわりが生まれ、スポーツへの愛着や関心も高まるものと期待しております。 次に、ボランティアの活用につきましては、スポーツを支えるボランティアの存在は大変重要なものと認識しております。区では、障がい者スポーツサポーターやウオーキング指導員などの養成を行うとともに、荒川リバーサイドマラソンでは、毎年多くの方々にボランティアとして御協力をいただいております。 さらに、オリンピックパラリンピックを迎えるに当たり、東京都の都市ボランティアを募集いたしましたところ、区内から百五十名以上の御応募をいただき、ボランティアに対する区民の関心は高いものと考えてございます。 来年、区内で実施される聖火リレーやパブリックビューイングなどのイベントでは、多くのボランティアの協力が不可欠なものと認識しております。区といたしましては、オリンピックパラリンピックに直接かかわっていただけるボランティアの仕組みを早急に構築し、多くの区民の皆様と一緒に東京二〇二〇大会を盛り上げるとともに、さまざまな場面で活躍できるボランティアの取り組みが、その後のレガシーとしてしっかり根づくよう積極的に取り組んでまいります。 ○議長(茂木弘君) 残り二分ほどです。 ◆十九番(並木一元君) 自席にて発言させていただきます。 全般にわたり、大変に積極的な御答弁をいただき、ありがとうございました。 水害について主に述べさせていただきましたが、震災も私は忘れてはならないものとあわせて思うところであります。震災におきましては、いつ来るかわからない、突然来て、家屋倒壊、火災、そして時には津波まで巻き起こす、これも大変に恐ろしいものであります。それに比べて水害は、洪水等のおそれは主に台風、また、夏場の豪雨から来ると思います。そんなわけで、準備する時間は多分にあるわけですから、ぜひじっくりと対策を練っていただきたいと思います。 しかしながら、昨今の状況を見ますと、地球環境の変化や温暖化、そして、人的な要因にもよりまして、水位が高くなったり、氾濫危険度がどんどん増していくと思います。確かにかつての台風の水位を超えておりませんが、そのときの河川の整備状況と今を比べると、全く差があるものであります。私はこれについても慎重にしていくべきだと思っております。年々増していく災害に立ち向かっていく、この決意を持って進んでいただきたいと思います。ありがとうございました。 ○議長(茂木弘君) 二十九番森本達夫議員。   〔森本達夫君登壇〕   〔議長退席、副議長着席〕 ◆二十九番(森本達夫君) 私は、公明党荒川区議会議員団を代表して、三項目にわたり質問をさせていただきます。西川区長並びに理事者の皆様には積極的な答弁をお願いいたします。 私たち公明党は、十一月十七日、結党五十五周年を迎えました。「大衆とともに」、この結党の原点を胸に、人間主義を貫き、小さな声の中にある大切なものを決して見逃さない、公明党結党以来の伝統である現場第一主義に徹し、暮らしの現場に飛び込み、小さな声に耳を傾ける、そして、その声を大きな改革へと結びつけてまいりました。これからも小さな声を大切に、荒川区民の幸福のため、全力で区政に取り組んでまいります。 初めの項目として、防災・減災について、四点お聞きいたします。 まずは、台風十五号、十九号をはじめ、記録的な大雨による災害で多くの方が犠牲になられました。衷心より御冥福をお祈り申し上げます。また、今なお三千人近い方が避難生活を余儀なくされておられます。一日も早い復旧・復興をお祈りいたします。 一人の生命を守り抜く、私たち公明党は、そのために防災・減災を政治の主流に位置づけ、防災意識を高めることに全力を掲げ、社会の主流に押し上げていくよう訴えてまいりました。そして、あらゆる知恵を総動員し、世界一災害に強い防災大国の構築を目指してまいります。 近年、頻発する大規模災害に国の防災・減災の方針は大きく転換しつつあります。 中央防災会議の作業部会は、「行政が一人一人を助けることはできない」として、行政の力の限界を明確にし、国民に「みずからの命はみずからが守るという意識を」と呼びかけたこともその一つであります。 七月末に決定した「防災の日」などに関する実施要項でも、同会議は、自助・共助の取り組みを公助が支援するところに防災意識社会が構築されると力説し、防災・減災の主体は住民であることを強調しております。実際、二百人以上の方が犠牲となった昨年の西日本豪雨では、愛媛県大洲市の三善地区のように、住民がみずからの判断で早期に自主避難し、全員が助かった地域がありました。東日本大震災でも、過去の津波被害の教訓に基づき、子どもたちが地域のお年寄りたちの手を取って高台に率先避難した岩手県釜石市の小中学生の姿が話題になったことは御存じだと思います。 こうした事例に共通するのは、日ごろから地域社会のコミュニケーションが活発で、住民同士の信頼関係が構築されている点であります。災害対応の面として捉えるなら、自助、共助の精神が地域に文化として根づき、息づいているということだと思います。 十月二十五日、公明党区議団で視察に伺った神戸の阪神・淡路大震災記念人と防災未来センターの河田惠昭センター長は次のようにおっしゃっておられます。「大雨予報やハザードマップなどの情報が住民には提供されているが、避難しないことが問題となっている。人はサイエンスでは動かない証左です。かつて隣近所と助け合う文化があったように、生活に密着した文化を新たに構築する必要があります。一挙に解決する策はないが、できることから積み上げ、防災・減災を生活の中に定着させたい」と。 自助・共助の進んだ防災に強いまちをつくることは、コミュニケーションの強いまちをつくることであり、表裏一体であります。 大災害の時代を生き抜く鍵は、防災・減災を社会の主流に押し上げ、遂には文化にまで高めるという視点ではないでしょうか。この点について、西川区長の御所見を伺います。 二つ目は、大規模風水害に備えたマイ・タイムラインの周知と推進についてであります。 マイ・タイムラインとは、自分のまたは家族の避難行動計画であります。私は、これまでマイ・タイムラインの重要性について訴えさせていただきました。個人の防災行動力が命を守ることになるのは、先ほどの愛媛県大洲市や岩手県釜石市の例でも明らかであります。 気象予報が発達してきている今日、台風の規模や進路が数日前から予測できるようになってきました。事前に避難行動をとることで、被害を小さくすることが可能になってきております。 そこで、私たち公明党は、マイ・タイムラインの導入を政策として提案してまいりました。ことし五月末、気象庁は、大雨で洪水や土砂災害が予想される際に、私たちがとるべき行動を切迫度に応じて五段階で示す警戒レベルの運用を始めました。住民に被害発生の危険性が十分伝わらず、逃げおくれで多数の被害者が出た昨年の西日本豪雨の教訓を踏まえたものです。 西日本豪雨を教訓に、国の中央防災会議は、行政主体から住民主体の防災へ転換する重要性を強調し、避難について最後はあなたの判断ですと国民に呼びかけております。この点、新たに警戒レベルを設け、判断基準をわかりやすくした意義は大きいと思います。 政府の中央防災会議によりますと、死者・行方不明者が二百人を超えた昨年七月の西日本豪雨では、最大八百六十万人に避難勧告などが出されましたが、実際に避難所で確認されたのは約〇・五パーセントの四万二千人ほど。逃げる気持ちがあっても、実際の行動に移す難しさが指摘されました。みずからの避難行動を決めておくマイ・タイムラインをつくることが命を守るために極めて重要であります。 台風十九号では、荒川区の被害は比較的少なかったと思いますが、近年の自然災害は、我々の想定を超えてきます。二百年に一度、四百年に一度の災害は、二百年後、四百年後ではなく、来年起こるかもしれないのです。自分の命を守るため、そして、自助・共助という意識の浸透のためにも、今後、マイ・タイムラインは必要性がさらに増してまいります。区報やホームページでの周知をはじめ、あらBOSAIでも自助・共助の必要性とともに、マイ・タイムラインをアピールしていただきたいと思います。 地域の防災力・減災力を一層高めていくため、改めて大規模風水害に備えたマイ・タイムラインの周知と推進をしていただきたいと思います。区の見解を伺います。 三点目は、災害時における行政の情報発信力向上と周知の推進について二つお聞きいたします。 一つ目は、防災ラジオの普及と配付の推進についてであります。 今、述べましたマイ・タイムラインなどを生かした自助・共助などの地域防災力・減災力を一層高めていくため、ラジオやテレビなどでの災害情報の提供が極めて重要であります。 台風十九号のとき、多くの区民は不安なときを過ごしました。テレビの報道では、各地で川が氾濫や決壊をした様子がリアルタイムで流され、さらにアナウンサーの「命を守る行動をとってください」という切迫した呼びかけに、多くの区民が「ここは大丈夫だろうか」と不安に駆られたことでしょう。 ここから改めて浮かび上がることは、災害時の正しい情報伝達の大切さであります。行政の情報の発信方法は、直接的・間接的とあり、直接的方法の代表が防災無線や広報車での呼びかけであります。しかし、特に大規模風水害のときには、スピーカーからの音はまだまだ課題があると思います。そのため、大型の台風時では、間接的方法であるラジオやテレビが極めて有用であると思います。特に電源を切っている状態でも、防災行政無線や緊急情報の場合には自動的に起動し、音を出せる防災ラジオは既に住民に全戸貸与している自治体もあります。荒川区としても、来年の台風シーズンまでに一台でも多く防災ラジオを普及・配付していただきたいと思いますが、区の見解を伺います。 災害時における行政の情報発信力向上と周知の推進についての二つ目は、テレビのdボタンからの情報収集の周知であります。 台風十九号のときも、荒川区ではさまざまなメディアを使って情報を発信しておりました。ホームページや防災アプリ、ケーブルテレビやテレビのdボタンから荒川区の危険度などの情報が見られるようになっておりました。しかし、多くの区民はこのことを知らなかったようです。もしテレビのdボタンで荒川区の災害情報を見ていれば、不必要な不安に駆られなくて済んだのかもしれません。区報で周知されたことがありましたが、このような情報は平時は忘れられがちになります。改めて定期的に災害時、dボタンからも情報を得られることを周知していくべきだと思います。 今後、確実に災害情報を区民が得られるよう、防災ラジオなどの普及推進とあわせて、テレビのdボタンの周知など、災害時における行政の情報発信力向上と周知の推進をしていだたきたいと思います。区の見解を伺います。 次に、二つ目の項目として、教育・子育て支援についてお聞きします。 一点目は、子どもの命を守る荒川区の取り組みについてであります。 十一月は児童虐待防止月間であります。私たち公明党は、子どもを守り、希望あふれる未来をつくっていくことが政治の役割だと確信しております。乳幼児のお子さんは痛いということも助けてほしいということも話すこともできません。また、まさか自分の親から虐待を受けると思っているお子さんはいません。社会全体で子どもを守る、この視点が重要であります。 公明党が推進している虐待の疑いを相談・通報する番号一八九(いち早く)の周知さらに徹底していかなければならないと考えます。 児童相談所への問い合わせ件数は、昨年でも約十六万件に達しております。死亡事例六十五件の中で、四七・九パーセントが零歳児、中でも零歳ゼロ日の割合は一九・一パーセント、望まない妊娠で誰にも相談できず、子どもに手をかけてしまう。私たち公明党は、児童虐待の防止のみならず、虐待予防を訴え、妊娠期のフォローなどを予算要望書にも入れさせていただきました。 来年開所する荒川区の児童相談所を踏まえ、子どもの命を守れとの思いを区としてどのように受けとめ、取り組まれていくのか、西川区長にお聞きいたします。 二点目は、AIとタブレットを活用した児童虐待防止対策についてであります。 先ほど申し上げましたとおり、児童虐待は増加の一途をたどり、大きな社会問題となっております。その一方で、児童相談所で働く職員、中でも児童福祉司が極端に不足している状況にあり、増加する業務への対応が困難になっている現状が指摘されております。これは荒川区でも予想される事案であります。 限られた児童福祉司によって、ふえ続ける児童相談に対応していく上で、情報管理・共有方法の改善は差し迫っている大きな課題であります。また、虐待通告を受けた時点では、多くの情報が不明であり、保護者が事実とは異なる申告をしたり、子どもが不安から何も話さなかったりすることもあります。そのため、虐待の深刻度や将来的な再発率、一時保護の必要性などを考慮した意思決定を迅速に行うことは、専門家にとっても難しいと言われております。また、人手不足から来る業務の多さから、または経験の浅さから、緊急保護がためらわれるようなことがあってはなりません。その打開策は何か。 先月、私たち公明党荒川区議団は、三重県の児童相談所の担当者と会ってまいりました。三重県では、二〇一二年度に発生した二件の虐待死亡事例をきっかけに、児童の安全にフォーカスする、児童相談所が間違ってはいけないという概念を外す、保護者が加害者であるかどうかに固執しないという虐待対応のポリシーを決め、平成二十六年度からリスクアセスメントシートを活用した情報分析を正式運用しました。そして、ことし六月より、産業技術総合研究所、新エネルギー・産業技術総合開発機構と協力して、AIを活用した児童虐待対応支援システムを導入、実証実験を重ねております。 システムの内容は、AiCANと呼ばれるタブレット端末用アプリとセキュリティが確保された状態でデータを保存・共有できるクラウドデータベースのほかに、産業技術総合研究所で開発した確率モデリングなどのデータ分析をAIによって構成されております。 このシステムでは、三重県児童相談所において紙で扱っていた虐待に関する六年分の情報をデジタル化し、AIでリアルタイムに解析を行うことができます。新規相談を受けた際は、当該事案について、新たに入力された児童のデータに対し、既存データの解析結果に基づき、虐待の重篤度や将来的な再発率などの予測が即座に提示され、過去の知見を活用した児童相談所の迅速な意思決定を支援するというものです。 また、情報の共有の面でも、アプリを通して訪問先などでタブレットを使って記録・更新でき、児童相談所内及び関係機関とのデータ共有や蓄積の迅速化・効率化を実現しております。 児童福祉司の約四割が勤務三年未満という児童相談所の現状を踏まえれば、過去の知見が意思決定に生かせることの意義は、人材育成の点でも大きいと考えられます。むろん、最終的な意思決定は人間が行うという原則での使用を前提とされております。三重県では、このシステムにより、緊急保護をためらわない意識が職員の間で浸透しているそうです。 荒川区の児童相談所の開設に当たり、緊急な保護の意思決定などを支援するAIとタブレットを活用した児童虐待対策の導入を検討するべきと考えますが、区の見解を伺います。 三点目に、児童相談所など障がい児のショートステイ体制の整備についてお聞きします。 荒川区が開設する児童相談所は、総合センターとして、現行の子ども家庭支援センター機能も担うなど、子育ての一貫した支援が行われます。いわば、荒川区の子育ての中心拠点としての役割を持つものと区民は大変期待しております。特に保護者の方に期待されているのは、発達障がい児などの一時預かりであります。 例えば、母子家庭で母親が大病して子どもを預かってもらいたいと思っても、発達障がいで不安定になりやすい場合もあり、友人、知人などに頼むことは難しい。子ども家庭支援センターに相談をすると、定員があるのできょうだいだと難しい、児童相談所に問い合わせると、児童相談所は最終手段なので、子ども家庭支援センターに頼んでくださいと言われる。病気を抱えていて、突然自分に何かあったら子どもはどうしよう。ただでさえ不安を抱えておられる保護者の方からすれば、窓口で断られたときのショックはいかばかりでしょう。 このような不安を抱えながら子育てされている保護者の方が大勢おられます。保護者を守ることは、広い意味で子どもを守ることにつながります。 荒川区では、このようなことがないよう準備を進めていただいているところでありますが、関係機関との連携の窓口として、保護者に寄り添い、希望に沿えるよう、その窓口で最善の策を見つけていただきたいと思います。保護者が緊急時の障がい児のショートステイ体制をさらに整えていただきたいと思います。区の見解を伺います。 三つ目の項目として、住みよいまちづくりについて、三点お聞きします。 一点目は、新たな不燃化特区整備推進事業の制定についてであります。 不燃化特区に指定された荒川二・四・七丁目地区、町屋・尾久地区では、木造住宅が密集している地域の不燃化を促進し、災害に強い、燃えにくいまちづくりを推進するため、荒川区不燃化特区整備推進事業を実施しています。本事業では、木造の老朽化した建物を不燃化建築物へ建て替える際に、その費用の一部を助成するものです。 現在の特区制度は、二〇二〇年度で終了となります。この間、不燃領域率は当初目標七〇パーセントに対し、平成三十年度末で地区面積四十八・五ヘクタールの荒川二・四・七丁目地区が六七・一パーセント、二百四十二・六ヘクタールの町屋・尾久地区が六二・一パーセントの不燃領域率となりました。しかしながら、震災の脅威を考えたとき、まだまだ安心とは言いがたいのが現状であります。特に私の地元町屋は六二・一パーセントと達成率は高いとは言えず、危険度ランキングでも常に上位になるほどで、このランキングの順位が大きく下がるまで不安は尽きません。 そこで、現在の特区制度が終了するのに伴い、災害に強いまちづくりのため、新たな不燃化特区整備促進事業の制定を東京都に要望することを提案いたします。区の見解を伺います。 住みよいまちづくりの二点目として、特色のある公園づくりについて、二つお聞きします。 私たち公明党は、これまで吉田詠子元区議、松田智子区議も常々、まちなかベンチの整備を要望してまいりました。特に高齢化が進み、その必要性は増しております。 私は、ことし、地元の御婦人から公園のベンチを使いやすくしてほしいとの相談をいただきました。それは、公園の入り口近くにベンチを置いてほしいというものでした。現場を確認したところ、その公園では、一番奥にベンチが設置されており、これでは散歩やお買い物帰りなどでちょっとひと休みしたいと思っても、わざわざ公園の奥まで行くのはためらわれると感じました。現状と要望を区に伝えたところ、すぐさま入り口近くに新たなベンチを設置していただき、地域の皆さんが大変に喜んでおられました。すばやい対応に改めて感謝いたします。 その後、他の公園も見てまいりましたが、入り口近くにベンチがない公園が見受けられました。また、公園の中に入らず、公園の周りの縁石に腰をかけて休んでおられる高齢者の方をよくお見かけいたします。 そこで、今後の公園整備の一環として、入り口の近くにベンチを設置して、特に高齢者が使いやすくしていただけないでしょうか。また、公園の周りに外向きのベンチまたは腰がかけられる工夫をされてはどうでしょうか。立ち話ではなく、ゆっくりお話ができるベンチはコミュニケーションづくりにも大事であります。ぜひ荒川区をベンチ・腰かけの多い区にしていただきたいと思います。入り口近くのベンチ、ベンチや腰かけで囲まれている公園を荒川スタイル、荒川の名物としてぜひ推進していただきたいと思います。区の見解を伺います。 次に、公園に健康増進に役立つ遊具の設置についてであります。 今後、整備の計画がある町屋七丁目の町屋公園は、荒川区で四番目に広い面積になる予定です。しかし、場所が地域の奥まったところにあり、利用者が少ない立地でもあります。同じような状況の公園もあるのではないでしょうか。 そこで、公園にわざわざ行きたくなるような、もっと区民に利用していただけるような工夫をしてはいかがでしょうか。例えば、健康増進に役立つ遊具を設置して、健康増進パークはどうでしょうか。特に高齢者の方々に御活用いただければ、健康寿命の増進にもつながります。ほかにもドッグラン、スケボーパーク、グランドゴルフ場などなど、また、川辺のテラスや遊歩道も含め、使いたくなる公園づくりを目指していただきたいと思います。 特色のある公園づくりの一つとして、健康増進遊具の設置などをしていただきたいと思いますが、区の見解を伺います。 住みよいまちづくりの三点目は、町屋八丁目都有地の活用についてであります。 町屋八丁目に、都営住宅の建てかえに伴い都有地の広い空き地があります。現在周りをフェンスで囲まれておりますが、草は生えたまま、手入れもされていない様子で、地域の方からは、虫が出て困る、これだけ広いのに何も使わずもったいないなど、さまざまな声をいただいております。 そこで、都として使い道が決まっていないのであれば、荒川区が買い上げるか借りるかして、町屋八丁目都有地を区民のために使えるよう推進していただきたいと思いますが、区の見解を伺います。 以上で一回目の質問を終わります。   〔区長西川太一郎君登壇〕
    ◎区長(西川太一郎君) 森本達夫議員の御質問にお答えを申し上げます。 初めに、地域防災力の向上に関する御質問に答弁を申し上げます。 阪神・淡路大震災、そして、東日本大震災、これらの災害について、極めて大規模であり、大変多くの方々が困難に直面せられたわけであります。こうした国がこうむった災害について、私ども荒川区も、日ごろから地域のきずなで住民の皆様のお命を守っていくことが、非常に大きな役割を区政が担っているということで、常日ごろ努力を重ねているところでございます。 こうしたことから、災害時には、住民お一人お一人の自助によりまして適切な行動をしていただきますことを基本といたしまして、住民同士が互いに信頼し合って、助け合って、こういう困難から身を守っていただく、まさに共助ということが大変重要な行動基準になるだろうと考えているところでございます。 このたびの台風十九号では、荒川区では幸いにも大きな被害はございませんでしたが、国の想定では、大雨などによって荒川の堤防が決壊した場合、区内で甚大な被害が発生するとされております。 私は、このような大規模大災害に立ち向かっていくことができるようにしていかなければいけない、自助の精神を区民の皆様にもしっかりお持ちいただいておるわけでございますから、こうしたことの理解をさらに強めて、共助に向けて地域力を最大限に取り組んでいかなければいけないというふうに思います。 地域全体で防災・減災に取り組んでいく、極めて防災力の高い、誰もが安心して暮らしていただける荒川区をつくっていかなければならないというふうに思います。 森本議員と私は、歩いて五分のところにお互い住んでいて、森本家のおじいちゃまおばあちゃまにも、私が子どものころ、かわいがっていただきました。今度は私がそのお孫さんである森本議員のためにも区長としてしっかりやっていかなきゃいけないというふうに思っております。 次に、子どもの命を守っていく取り組みに関する御質問にお答えを申し上げます。 常々申し上げておりますが、子どもは、大人になって私たちがいなくなった後も地域をしっかり守ってくださる、まさに未来社会の守護者であるわけでございまして、こうした方々が安心して御家庭をお持ちになり、御家族を荒川区内でお育てになり、地域のために貢献をしていただける、これは大変大事なことだというふうに思います。 児童虐待ということを防いでいくのは、人間として当たり前のことであります。私どもは児童相談所をつくっていこうという主張を区長会でもたび重ねて主張してまいり、先行三区の中に本区が入ったことは、大変よいことだというふうに思っておりますが、何よりよいことは、児童虐待のない地域をつくっていくことでございます。このためには、きょう、ここにおいでの区議会議員の党派を超えた皆様のお力をおかりしながら、しっかりと取り組んでまいりたいというふうに思います。 どうかこれからも、こうした荒川区の子どもを守っていく取り組みにぜひぜひお力をおかしいただき、令和二年四月の子ども家庭総合センターの開設に向けて、さらに学校教育や保育または障がい者の方々の福祉などを進めていく庁内関係部署と区議会の先生方が党派を超えて御教示をいただき、御指導いただき、また、地域関係者の方々にもしっかりと区政をお支えいただくようにお願いをしてまいりたいというふうに存じます。 私は、未来社会の守護者であり、必ず大きくなって私たちにかわって荒川区を、東京、日本、世界をしっかり安定させていただき、快適な暮らしを保障し、健やかなお子様たちをお育てくださるであろう未来の主役の方々に対して、しっかりと今から序奏を私どもが重ねてバトンを受けとめていただくように、全力を傾注していかなければいけないと、ただいまの御質問を伺いながら、さらに意を強めたところでございます。 これ以外のお尋ねにつきましては、関係理事者から答弁を申し上げたいと思います。どうもありがとうございました。   〔区民生活部長阿部忠資君登壇〕 ◎区民生活部長(阿部忠資君) まず初めに、マイ・タイムラインに関する御質問にお答えいたします。 マイ・タイムラインは、いざというときに適切な行動がとれるよう、避難に備えた行動を一人一人があらかじめ決めておくものでございます。 本年、東京都が各区市町村に配付いたしました東京マイ・タイムラインは、家族で話し合って、マイ・タイムラインシートを作成することにより、風水害からの避難に必要な知識を習得しながら、適切な避難行動を時系列的に整理できるようになっております。 荒川区では、この東京マイ・タイムライン作成方法や水害版の荒川区防災地図、荒川区土砂災害ハザードマップを添付することで、より有用性が高くなるよう工夫し、小中学校や防災課窓口を通じて配付してございます。 マイ・タイムラインを作成するに当たりましては、作成者がみずから避難場所を記載することになっておりますが、荒川が氾濫し、洪水が発生した場合の広域避難の場所や方法につきましては、現在、国や都、関係自治体等で構成する首都圏における大規模水害広域避難検討会において検討を進めている段階であり、より実効性のあるマイ・タイムラインを作成する上で課題となってございます。 区といたしましては、今回の台風十九号の教訓を踏まえ、大規模水害時における避難方法について、浸水が想定されていない親戚や友人宅等への自主的な広域避難や、近隣の堅牢な建物の三階以上への垂直避難を基本として、東京マイ・タイムラインを十分に活用しながら、区民に啓発をしてまいります。 次に、災害時における情報発信等に関する御質問にお答えいたします。 このたびの台風十九号では、東京都の災害情報システムを通して、テレビ等によりリアルタイムで避難情報等を発信したほか、ケーブルテレビやホームページ、また、ツイッターやフェイスブックなどのSNS、安全・安心パトロールカーによる巡回広報等を組み合わせて、区民への情報の発信・伝達に努めたところでございます。 また、テレビのdボタンにつきましては、その活用について、あらかわ区報で周知を図るとともに、台風の際には区民からの問い合わせに対しまして、個別に説明を行ったところでございます。 しかしながら、周辺区や国土交通省からの避難を促すエリアメールが配信されたこと、メディアから自治体の避難情報を待たずに避難すべきといった報道があったこと等から、区民の中で不安や混乱が広がった状況でございます。 今後は、この教訓を踏まえ、混乱等を招かない避難情報等の発信方法について、国や都、近隣自治体等と協議の上、再整理を行ってまいります。 また、テレビ等のメディアに対しましても、大型台風接近時等における報道について、自治体が出す避難情報等を確認し、冷静に行動するように働きかける内容とするよう要望してまいります。 さらに、区の防災行政無線の更新とあわせて、早期に防災ラジオの普及を推進するとともに、利便性が高く、リアルタイムで幅広い情報収集が可能なテレビのdボタンの活用など、より確実性の高い情報の伝達方法について、さらなる周知に努めてまいります。   〔子育て支援部長青山敏郎君登壇〕 ◎子育て支援部長(青山敏郎君) AIとタブレットを活用した児童虐待防止対策に関する御質問にお答えいたします。 議員御指摘のとおり、児童虐待相談対応件数は年々増加の一途をたどっており、重篤な児童虐待事件も後を絶たないなど、依然として深刻な社会問題でございます。 こうした状況の中、国においても児童福祉司の増員を図るなど児童相談体制を強化する方針を打ち出しているところですが、専門人材の確保・育成には一定期間を要するため、専門性を補完するため、ICTツールの活用という視点は非常に重要と考えております。 現在、東京都と都内区市町村で実施されている児童相談体制検討会において、AIを活用した虐待リスクの自動判定の検討が進められており、アプリを活用したリスク判定ツール導入に向けた試行検証も行われているところでございます。 このアプリは、各事例における児童の性別や年齢、親子のメンタル面における行動特性などの条件を入力することで、虐待リスクを数値化し、さらに事例の特徴に応じた対処法についてのアドバイスも表示されるなど、効率的な児童相談業務に資するものとして期待されております。 区といたしましては、来年の子ども家庭総合センターの開設に向け、組織・人員の体制整備に万全を期すとともに、このような先駆的取り組みの検証結果も注視しつつ、ICTツールの効果的な活用について検討を進め、児童虐待の迅速かつ的確な対応に努めてまいります。 次に、児童相談所など障がい児のショートステイ体制の強化に関する御質問にお答えいたします。 区では、全ての子どもと家庭に対し一貫した支援を行うため、従来より実施している子ども家庭センターの機能に児童相談所機能を備えた区ならではの新しい児童相談所として、子ども家庭総合センターを設置いたします。 新たなセンターでは、区民の皆様からいただいた子どもに関するあらゆる相談を受けとめ、組織として方針を判断した上で、専門的な支援とともに、他の専門機関や専門部門につなげることも含め、必要な援助・支援を行うこととしております。 また、区の多様な子育て支援サービスの充実と関係機関との連携強化により、虐待の予防的対応について、さらなる充実に努める必要があり、議員御指摘のショートステイにつきましては、そのような対応策の一つとして認識してございます。 区といたしましては、庁内関係部門との緊密な連携のもと、都とも協力しながら、必要なときに利用できる体制の整備に努めるとともに、区民に親しまれ、困ったときに真に頼られる児童相談所となるよう、一人一人の気持ちに寄り添い、丁寧に対応していくことを徹底してまいります。   〔防災都市づくり部長松土民雄君登壇〕 ◎防災都市づくり部長(松土民雄君) 新たな不燃化特区整備促進事業の制定に関する御質問にお答えいたします。 区内には、地域危険度が高く、かつ特に老朽化した木造建築物が集積するなど震災時に大きな被害が想定される地域があることから、現在、令和二年度末までの重点的・集中的な取り組みである不燃化特区制度を活用し、建て替えや除却の支援などに積極的に取り組んでいるところでございます。 これまでに延べ一万棟以上のお宅への各戸訪問や八百名以上の方に御参加いただいている住まいの相談会、町会や防災訓練などでの不燃化特区制度の周知などにより、建て替えや除却を促進させるとともに、安全で安心して住み続けられるまちの実現を目指した地区計画区域の拡大などを行ってまいりました。 こうした取り組みにより、まちの改善は徐々に進んでいるものの、まちづくりには時間を要することから、現在の不燃領域率を考えますと、議員同様、まだまだ事業は必要であると区も認識しております。 したがいまして、区といたしましても、不燃化特区のような充実をした制度の継続を求めており、区長みずから都知事に対し、制度の継続を強く要望したところでございます。 今後も御質問の趣旨を踏まえ、さまざまな機会を通じて、危険度の高い地域の改善に資する制度を都に強く求めるとともに、安全で住みよい街づくりに全力で取り組んでまいります。 次に、特色ある公園づくりに関する御質問のうち、公園のベンチや腰かけの配置に関する御質問にお答えいたします。 区では、これまで、公園や児童遊園の整備に当たりましては、公園利用者の休養施設としてベンチを設置してきたところでございます。 議員御提案のベンチを公園等の入り口付近に設置することにつきましては、散歩途中の一休みに利用することもできると考えておりますので、今後、既存の公園等の改修や新しく公園を整備する際には、接道部分や入り口付近へのベンチや腰かけの設置について検討してまいります。 次に、健康増進に役立つ遊具の設置に関する御質問にお答えいたします。 区では、これまでも幾つかの公園等において健康遊具を設置してきており、最近では、JR三河島駅北口に整備した真土小思い出広場において、懸垂器具や背伸ばしベンチ、腹筋ベンチ等の健康遊具を設置したところでございます。 今般、高齢化が進む中、こうした遊具を働き盛りの世代や高齢者の方に日常的に御利用いただくことにより、健康寿命の延伸につながるものと考えております。 したがいまして、今後は町屋公園をはじめ、公園等の整備に当たりましては、御質問の趣旨を踏まえ、議会や地域の皆様の御意見をお聞きしながら、使いたくなる公園づくりについて鋭意取り組んでまいります。   〔総務企画部長五味智子君登壇〕 ◎総務企画部長(五味智子君) 町屋八丁目都有地に関する御質問にお答えいたします。 木造建築物が密集する既成市街地が多くを占める荒川区におきましては、公共施設の改修や建て替え、新たな施設の整備に伴い必要となる一定規模の用地を確保することは非常に難しい状況にございます。 このようなことから、区では、国有地や都有地、民有地に関する情報を積極的に収集するとともに、全庁的に用地に対するニーズを集約し、時期を逃がさず用地取得ができるよう努めてまいりました。 御質問の町屋八丁目都有地につきましては、土地の形もよく、約二千平米のまとまった貴重な土地であることから、区でぜひとも取得したいと考えております。 区では、当該用地を管轄する東京都都市整備局に対し、施設用地等で活用するために取得したい旨の要望を行ってきたところでございますが、引き続き当該用地の取得に向けて、最大限努めてまいります。 ○副議長(菊地秀信君) 残一分半です。 ◆二十九番(森本達夫君) 自席にて失礼いたします。 おおむね前向きな答弁をいただけたと思っております。 また、個々の事案については、しっかり掘り下げながら進めてまいりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 鉄は熱いうちに打てと申します。さきの台風においても、さまざまな課題が浮き彫りになりました。これをしっかり検証し、来年の台風シーズンに間に合うよう対策をとっていただきたいと重ねて要望いたしまして、質問を終わります。 ○副議長(菊地秀信君) この際、議事の都合により休憩をいたします。           午前十一時五十二分休憩   午後一時開議 ○議長(茂木弘君) 休憩前に引き続きまして、会議を開きます。 十一番小島和男議員。   〔小島和男君登壇〕 ◆十一番(小島和男君) 私は、日本共産党区議会議員団を代表して、四項目の質問を行います。 第一の質問は、荒川区の来年度予算編成に当たっての基本姿勢についてであります。 消費税が導入され、三十一年、この間、消費税増税を繰り返し、社会保障も連続改悪を実施、景気は悪くなるばかりです。しかも、安倍内閣は、十月から消費税一〇パーセントに増税され、区民の暮らしと営業を脅かしています。 政府が経済対策と銘打った非課税高齢者へのプレミアムつき商品券の申請は二三パーセントですが、購入のためには現金が必要で、実際の購入はこれよりも少なくなるのではないでしょうか。 区内の商店を回ってみました。飲食店では一〇パーセントになって、帰りがけのサラリーマンが来なくなり、平日のお客が減った、カード手数料が高く、その分値上げが必要になるので、カード導入はしていない、導入したが、カード利用料は一割程度でお客はふえていない、居酒屋は景気が悪く、お客も減ったので店をやめようと思っている、とにかく景気が悪い、小さな商店はやっていけない、多くの店はつぶれることになるなどの意見が寄せられました。 また、国民に消費税増税を押しつけておきながら、安倍首相主催の桜を見る会で税金で地元の後援会員を飲ませ食わせしていることは許せないなどの声も出されています。 さらに、安倍内閣は、全世代型社会保障制度の実現を掲げ、医療では、後期高齢者医療制度の窓口二割負担、風邪薬や湿布薬などの保険外し、介護保険では、介護利用料二割負担と要介護一・二、生活援助サービスの保険外しなどを実施しようとしています。わずかな年金生活の高齢者など、現在でも医療や介護の負担が大きくて大変なのに、高齢者へのさらなる福祉切り捨ては、区民の暮らしを直撃します。 荒川区として、政府が計画する福祉切り捨てをやめるよう政府に働きかけること、答弁を求めます。 こうしたときだからこそ、区民の命と暮らしを守る荒川区としての役割は大きなものがあります。 日本共産党区議団は、十一月十五日に区民の暮らしと営業を守るために四百五十八項目の予算要望書を提出しました。区民の暮らしに寄り添い、区民の苦難解消、災害で犠牲者を出さないことなど、来年度予算は区民の暮らし応援と災害対策を最優先にすること、答弁を求めます。 次に、水害対策についてであります。 台風十九号は、広範囲の暴風域で各地に記録的な豪雨をもたらし、七十一河川、百四十カ所で堤防が決壊、住宅の浸水被害は八万七千棟となりました。都内でも浸水被害は大田区五百九十、世田谷区三百十二、停電が世田谷区で四千七百に及ぶなど大きな被害となりました。 第二次安倍内閣になって、公共土木工事拡大の国土強靱化を進める一方で、地方自治体が求める防災・減災対策、河川改修工事も怠ってきた結果です。 ジャーナリストの木村太郎氏は、台風十五号について、アメリカ海軍は九月五日の木曜日に台風の規模を正確に捉えていたが、気象庁は九月八日の日曜日にやっと発表。休日で台風の備えができていなかった。五日木曜日に発表していれば、大きな被害にならなかったと批判しています。 その気象庁は、職員を大幅に削減、国土交通省の防災最前線である地方整備局は十二年間で四千人以上削減し、いざというときの出張所の体制がとれない状況になっているのです。 二日前に岩淵水門を視察しましたが、担当職員の皆さん、もっと河川改修などに予算をふやしてほしい、議会から意見を上げてほしいとの要望も出されています。 地球温暖化で自然災害が多発、巨大化している中で、改めて国も都も区も、災害対策を一丁目一番地の最優先の課題にすることが求められています。 台風十九号の影響で、区内で五十六カ所の避難所を開設し、千四百六十一名の方が避難されました。区内全域でたくさんの避難を受け入れたのは荒川区で初めてです。対応した区の管理職の皆さん、職員の皆さん、本当にお疲れさまでした。 今回の台風十九号の対応について、区で改善すべきことが多く出てきました。第一は、情報提供についてです。荒川が氾濫危険水位に達したと報道され、テレビでは、第一に身を守る行動をしてくださいと盛んに報道され、携帯には足立区の避難などの災害メールも届く中、区民の不安が増大しました。ホームページにアクセスが集中してつながらず、荒川区は一体どうなるのかなど区役所に千二百本もの電話が殺到しました。 今後、正確な情報提供をすることが何よりも大事であり、災害情報の改善が必要です。テレビのdボタンで地域災害情報が見られるようにすること、ホームページへのアクセス集中を検討し、サーバの機能の強化をすること、また、防災ラジオを一日も早く区民に配付できるようにすべきです。答弁を求めます。 第二は、ハザードマップなどの改善です。江戸川区のハザードマップは冊子で配付され、万一のときにどうなるのか住民にわかりやすい。しかも冊子には、視覚障害者向けのデイジー版や外国語版もあります。他の自治体のマップを研究し、改定も必要です。 荒川区のホームページを開くと、国土交通省の作成した荒川の氾濫を予想した映像が見られますが、地下鉄町屋駅に大量の濁流が流れる映像に驚いてしまいます。 慌てることはよくありません。水害時に家は大丈夫か、危険なのか、落ちついて対処できるようにするために、水害ハザードマップの改善を行い、家庭用防災マニュアルの改定を行い、全戸配付をして住民説明会を行うようにすべきです。答弁を求めます。 第三に、水害時の避難についてであります。水害などに備えて、避難の際に確認すべき災害情報などを把握して記載する災害避難者カードを内閣府が作成、活用した愛媛県大洲市三善地区では、昨年の西日本豪雨で肱川が氾濫、浸水したが、避難行動が敏速にでき、犠牲者は出ませんでした。区としても、災害避難者カードの作成は役に立つはずです。 しかし、区内の避難所がどこかわからない、避難者が多くて帰るように言われた、また、ひとり暮らしの視覚障害者の方が問い合わせたら、自宅にいてくださいと言われ、心配な夜を過ごした、在宅療養のお子さんと二人で避難できるかなどさまざまな声が出されています。また、全国では、避難所に寝たきりの年老いた母を連れていくことを躊躇し、一階で亡くなったケースもありました。 台風など水害に対する避難誘導の改善が求められています。地震などと違って、水害は早目の避難が可能です。高齢者、障害者、乳幼児の家庭などの避難するために車を出すなど具体的な対策が必要なのではないでしょうか。 台風のピーク時での野外にいることは危険を伴います。浸水土砂災害の想定に基づく情報指示の出し方と対処の必要もあります。 また、避難所運営は内閣府の通達「避難所の生活環境の整備等について」の中で、福祉避難所について、おおむね十人に一人の相談等に当たる介護員を配置することなどを明記し、また、「男女共同参加の視点からの取り組み指針」の視点から、避難所チェックシートなどを参考に国際基準のスフィア基準に近づけるようにすることが大切です。 支援が必要な人の避難の具体化と避難所運営の改善を図ること、答弁を求めます。 次に、西日暮里駅前地区再開発についてです。 日本共産党は、繰り返し西日暮里駅前再開発の見直しを求めてきましたが、来年度の予算編成を控えて改めて質問します。 立ち退きなどが生じるまちづくりは、区民の暮らしの土台であり、区民の今後の生活設計に大きくかかわるだけに慎重な対応が必要です。そのために関係者の合意が大前提です。 区は、地権者の八割が賛成しているとして、都市計画決定を進めると言いますが、地権者とは、区域内で土地・借地所有している方は七十八名だけです。六十三世帯が居住する分譲マンションは一棟とありますが、地権者としてのカウントは一つだけです。 私は、有権者名簿で再開発地区内に何世帯あるのか調べましたが、二百十六世帯の方が暮らしています。地権者七十八名の三倍近くです。 本来、まちづくりはそこに住む人の全ての意見を把握することが大事ですが、再開発の意見聴取はありません。現計画の見直しを求める陳情は七件も出ている中で、計画推進すべきではありません。 再開発計画では、四十七階建てのうち、マンション一千戸、商業床三万平米としていますが、二〇二五年には団塊の世代がピークを超え、人口減少が進み、住宅需要は減少します。タワーマンションも将来の修繕など課題が指摘をされています。 また、商業施設もインターネット通販などで老舗デパートが閉店に追い込まれるケースがふえており、商業床の需要が見込めないのではないでしょうか。しかも、日暮里駅前、三河島駅前の再開発は、地域の活性化にはなりませんでした。西日暮里の再開発を推進する大手ゼネコンがもうけても、地域の活性化にならなかったでは取り返しがつきません。総事業費一千億円、二百五十億円の税金投入をする現計画は中止し、計画を見直すこと、答弁を求めます。 次に、再開発ビルの区民大ホール設置についてであります。 千五百席の新しいホールが必要なのか、多方面からよく検討すべきです。 荒川区の近くには王子駅側の北とぴあ、上野駅前の東京文化会館など文化施設が多くあります。西日暮里開発へのホールの建設は誰のためでしょうか。駅前の設置で区外から有名なオーケストラ、劇団、歌手を呼び込むことで地域が活性化するのでしょうか。 財政は大変と基金をもっと積み立てるべきとする一方で、区単独で百九十億円もの税金投入をするのです。ゆいの森の整備費は、土地代を含め八十一億円、尾久八幡中学校建設費四十七億円などと比較しても、百九十億円はあまりにも巨額です。 今、駅前に大型施設を新たにつくることではありません。学校の教室が足りない、特養ホームが欲しい、重度障害者の施設ができないのはなぜかなど、切実な区民要望に応えるべきではないでしょうか。 また、文化のためというのなら、今ある施設をもっと使いやすく、区民の地域文化を高めることに力を尽くすべきです。百九十億円もの税金投入は、区民ホール建設ではなく、切実な区民施設建設と事業に振り向けること、答弁を求めます。 最後に、西日暮里四丁目地域の都市計画道路補助九十二号線についてであります。 昨年八月、国土交通省は改めて都市計画道路見直しの手引きを示し、地方自治体において、都市計画道路の必要性を見きわめて、廃止や幅員変更など都市計画変更を行うこと、特に都市計画決定から長期間経過している道路計画は、再検証に積極的に取り組むことなどを提起しています。 この方針を受けて、全国で都市計画道路の廃止、見直しが進んでいますが、都は廃止、見直しをほとんど行ってきませんでした。その中でも、谷根千の歴史と文化を守ろうと地域ぐるみの強い反対を運動を続けてきた都市計画道路補助九十二号線の西日暮里三丁目から上野までの区間二千五百二十メートル、計画全体の五二パーセントについては、都は廃止の方針を打ち出し、ことし八月から十月にかけて意見募集や地元説明会を開催、いよいよ道路拡幅計画の廃止手続に入ろうとしています。 隣接している西日暮里四丁目地域は、戦前、渡辺町と呼ばれ、小説家野上弥生子など多くの文化人が住む高級住宅地として田園調布より前に開発された地域です。開発後には、開成学園が移転し、隣接する向陵稲荷神社は江戸時代の佐竹家の屋敷でまつられていたお稲荷さんで、渡辺町の鎮守になっているなど歴史と文化のまちです。その地域に住む住民の皆さんが歴史と文化のまちを守り、閑静な住宅を維持したいと立ち上がり、都市計画道路九十二号線道路拡幅に七割の方が反対しています。 ことし四月、地元住民が都建設局の担当者と交渉した席上、都の建設局の担当課長は、道路拡幅は困難と表明しました。荒川区として第五次都市計画整備計画に際し、西日暮里四丁目地域を見直して廃止路線にするよう東京都に働きかけることを求めます。 以上で第一回目の質問を終わります。(拍手)   〔区長西川太一郎君登壇〕 ◎区長(西川太一郎君) 小島和男議員の御質問にお答えをいたします。 まず私からは、予算編成に関するお尋ねにお答えをいたします。 私は、区長就任当初から、区役所を区民の皆様の暮らしを支える安心のとりでとして位置づけ、基本構想を掲げるなど、幸福実感都市あらかわの実現のために具体化をするという一貫した考え方と姿勢で予算編成を行ってまいりました。とりわけ、区政の各分野における最重要の課題や、区民ニーズに積極的に対応する施策、こういうものに限られた財源を効果的・重点的に振り向け、そして、区民の皆様にとっての成果が上がっていくように努めてきたところであります。 例えば、子育て支援の推進または介護予防の強化など、少子高齢化対応のための充実した、かつ切迫性を増していることに十分に配慮しながら、首都直下地震でありますとか、風水害を見据えた災害防災対策を減災の考え方を中心に推進してきたところであります。 地域における防犯または安全・安心ということにも意を用い、また、区内の産業の活性化、生活環境の整備、芸術・文化やスポーツの振興にも配意した、いずれも区民の皆様の御要望やお暮らしの観点からの御注文に区議会議員の皆様、党派を超えたいろいろなことに私ども執行部挙げて、安全で安心で潤いのある荒川区をつくっていくために意を用いてきたと考えております。 区では、こうした着実な動きをさらに推進をして、幸福が実感できる荒川区を目指すことをこれからもしっかりやっていくために、毎年度の予算編成方針にこうしたことを十分に盛り込んで行ってきたところであります。 御質問の令和二年度予算につきましては、これまでと同様に、区民のお幸せを最優先にして編成をしているところでございます。 お尋ねがございましたこれ以外の御質問につきましては、関係の理事者から答弁を申し上げます。   〔福祉部長片岡孝君登壇〕 ◎福祉部長(片岡孝君) 来年度予算編成に関する御質問のうち、福祉に関する御質問にお答えいたします。 このたびの消費税の増税分は、国において幼児教育や保育の無償化、介護職員の処遇改善など社会保障の幅広い分野に要する経費に当てられているものと認識してございます。 その一方、少子高齢化のさらなる進展に対応するため、国では社会保障制度の持続可能性の確保に向けて多岐にわたる議論を進めているところでございます。 区といたしましては、社会保障審議会をはじめとした国の動向について注視するとともに、必要な事項につきましては、国や都へ要望をしてまいりたいと考えております。 次に、水害時における支援が必要な方への対応に関する御質問にお答えいたします。 災害時の避難行動に支援が必要な高齢者、障がい者につきましては、水害時のことも考慮に入れ、自助・共助という観点から、関係機関や町会等とも連携した計画の作成を進めていきたいと考えております。 また、保育施設等を含む要配慮者利用施設の管理者が利用者を適切に避難させるための計画の策定支援も進めているところでございます。 現時点における避難の基本想定としては、まずは自主的な広域避難を働きかけ、水害時には区内の九割が浸水する想定のため、長期間避難生活を送るための避難所は開設せず、事前に広域避難が困難な方のうち、お住まいの状況により避難が必要な方については自主的または緊急的に避難するための避難場所として開設する近隣のふれあい館等の三階以上に避難していただくことになります。 避難場所には、障がいのある方だけではなく、配慮や支援が必要な方が避難してくることが考えられますので、従事する職員が施設におきましてできる限りの配慮を行っていく方針でございます。   〔区民生活部長阿部忠資君登壇〕 ◎区民生活部長(阿部忠資君) まず初めに、災害時における情報発信に関する御質問にお答えいたします。 このたびの台風十九号では、東京都の災害情報システムを通してテレビ等により避難情報等を発信したほか、ケーブルテレビやホームページ、安全・安心パトロールカーによる巡回広報とを組み合わせて、区民への情報の発信・伝達に努めたところでございます。 また、テレビのdボタンにつきましては、区報で周知を図るとともに、台風の際には区民からの問い合わせに対し個別に説明を行ったところでございます。 区といたしましては、今後、防災行政無線の交信とあわせて防災ラジオを配付するとともに、改めてテレビのdボタンをはじめ、避難情報等の収集方法について区民に周知してまいります。 また、ホームページにつきましても、サーバ機能の強化等も含めた対応を検討し、区民が適時正確な情報を収集できるよう努めてまいります。 次に、水害ハザードマップの改善等に関する御質問にお答えいたします。 区では、平成二十八年に水防法の改正に伴い、現行の水害版の荒川区防災地図を作成し、区内全戸に配付いたしました。また、家庭用防災マニュアルにつきましても、平成二十二年の作成以来、防災課の窓口等において配付を行ってまいりました。 一方、東京都では、平成二十八年に「東京防災」を作成し、都内全戸に配付するとともに、平成三十年には女性向けの「東京くらし防災」を作成し、配付しており、これらには水害対策に関する内容も含まれております。 区といたしましては、「東京防災」や「東京くらし防災」も活用しながら、水害に関して啓発を進めるとともに、このたびの台風十九号の教訓を踏まえ、水害ハザードマップの見直し等を含めた水害対策の対応方針を示し、区民への周知を図ってまいります。   〔再開発担当部長都市計画担当部長松崎保昌君登壇〕 ◎再開発担当部長都市計画担当部長(松崎保昌君) 西日暮里駅前地区の再開発に関する御質問にお答えいたします。 西日暮里駅前地区は、三つの鉄道路線の交通結節点でありますが、駅前広場が未整備であり、交通の安全性や利便性の面で課題がございます。また、にぎわいなどの面でも課題があるものと認識しております。 区では、再開発事業により交通結節機能の強化を図り、あわせて複合施設を整備するなど、周辺地域を含めたにぎわいの創出と生活利便性の向上を目指しております。 現在計画している新ホールにつきましては、文化交流拠点の中心となる施設であり、店舗との相乗効果による集客力の強化や地域のイメージ向上に寄与すること、著名なアーティストの公演等、さまざまな需要が見込まれることから、整備の必要性は高いものと考えております。 このような駅前の都市基盤整備と地域の活性化をあわせて実現していくには、市街地再開発事業が最も有効な手法であり、西日暮里駅周辺地域におけるまちづくりには不可欠なものであります。 本事業は、区内では最大規模の再開発事業となっており、ホールを整備する計画であることから、区の財政負担が大きくなることが見込まれており、議会からも御指摘をいただいているところでございます。 現在、歳出縮減についてさまざまな手法で検討を行っておりますが、引き続き準備組合と十分に連携・協議しながら、早期の事業化に向けて取り組んでまいります。 次に、都市計画道路補助九十二号線に関する御質問にお答えいたします。 補助九十二号線につきましては、第四次事業化計画で優先整備路線に位置づけられております。この路線の施行主体である東京都は、本路線を整備する必要性として、広域的な都市計画道路ネットワークの形成による交通の円滑化や災害発生時の防災性の向上等の理由を挙げております。 事業化計画につきましては、これまでおおむね十年程度の間隔で策定してまいりましたが、第五次事業計画につきましては、現時点で策定の動きがあるものではございません。 また、区では、本路線の状況について、東京都と適宜意見交換を行うとともに、事業の影響を受ける区民の皆様に対して丁寧な説明を行うよう申し入れております。 したがいまして、現段階では第五次事業化計画策定の際に東京都に対して働きかけを実施することにつきましては考えておりません。 ○議長(茂木弘君) 五番山田晴美議員。   〔山田晴美君登壇〕 ◆五番(山田晴美君) 私は、維新・あたらしい党を代表して、三点にわたり質問させていただきます。理事者の皆様方には、積極的な御答弁をお願いいたします。 まず最初に、少し私自身についてお話をさせてください。 私が社会人デビューをした三十三年前、その舞台は永田町でした。衆議院議員秘書という仕事です。その後はファッション業界や飲食業界、証券会社などさまざまな業界で働いてきましたが、三十代のときに出会った仕事が生命保険会社の営業という仕事でした。しかし、入社に伴い、営業という仕事が私に向いているのか迷っていたときに、当時面接官であった支社長はこうおっしゃいました。「山田さん、営業のスキルなんて要らない。あなたの生きてきた人生経験こそがキャリアなんだよ」と。そう言われて私は入社を決めました。 荒川区において議員となった私のやるべきこと、私がお役に立てること、それを考えたときに、その支社長の言葉が頭をよぎりました。そうです。私の生きてきた人生経験でお役に立つことから始めよう、そう思ったのです。 では、質問をさせていただきます。 一つ目の質問は、今後開設される児童相談所の開設準備についてです。 現在、荒川区では、来年七月の児童相談所開設に向け、精力的に準備を進めていると思います。荒川区の児童相談所は、児童相談所としての専門性を備えるとともに、そもそも虐待などを起こさないよう、いわゆる予防的な対応に力を入れていかれる方針と伺っております。 子どもや親が困難を抱える原因はさまざまですが、その多くは孤立と言われています。相談する相手もなく、友人などのネットワークもなく、もしくは自分の心の内をうまく表現できないなど、孤独に何か別の要素が加わって、さらに負のスパイラルは大きくなっていきます。 当事者にとって、そのとき隣にいる誰かに「助けて」と言える環境があるのか、もしくは言う勇気が持てるのかが重要なのだと思います。 荒川区では、困難を抱える方が助けてと気軽に言える環境の整備に向けてどのように取り組んでいるでしょうか。御答弁をお願いいたします。 また、荒川区は、町会や民生・児童委員の方々をはじめとした地域のつながり、人と人とのつながりが色濃く残っているとても温かい地域であります。そうした中、荒川区の強みである地域力を生かし、子どもと家庭に寄り添った児童相談所を目指していくべきだと考えます。 そんな中で御提案したいのがシニアサポーターの採用です。児童相談所に駆け込んできた子どもたちや悩みを抱える親御さんたちへ親心を持って接し、母性あるいは父性でアドバイスができる人生経験を積んだシニアサポーターの存在は、きっと問題の解決に大きな貢献をもたらすと考えています。 これは私の経験ですが、私は高齢出産をして生後四カ月で仕事に復帰しています。周りのママたちとの交流も持てず、職場と保育園と自宅を往復する毎日でしたが、そのとき、私の勤めていた職場はおばあちゃんの宝庫でした。さまざまな人生経験を持つ先輩たちが私の育児の相談も仕事の相談も悩みも聞いてくれました。また、営業職でしたので、社会とのつながりも絶えることなく、育児と仕事の両立、さらには社会人としてのキャリアも積むことができたわけです。それは本当に恵まれた環境であったと、とても深く感謝をしています。 そうです。私自身がシニアサポーターに救われたのです。育児に正解はありません。だから、お母さんが育児で悩むのは当たり前なんです。 荒川区に「児童相談所」という箱が用意されます。その箱から例えば文字だらけの紙や書類がたくさん出てきたとしたら、子どもたちは笑顔になんてなりません。では、クリスマスプレゼントを開けたときのような笑顔を子どもたちにもたらすためには何が出てきたらいいと思いますか。 先日、東京都の児童相談所で働いていたソーシャルワーカーの方からお話をお聞きする機会がありました。児童相談所に来る子どもたちのさまざまな環境を解決する専門家は必要です。現場の職員の人員確保も必要です。しかし、そこを整備しても、児童相談所に来る案件は減らないというのが現状だということでした。今までと同じではなく、荒川区独自の切り口で取り組みをしてほしい、現状を変えてほしいという御意見をいただきました。 私はこの荒川区独自の切り口こそ、先ほど申し上げた荒川区の強みである地域力を生かしていくことだと思うのです。昔に比べて三世代で同居している家族は少ないです。たとえ血縁の家族でなくても、三世代の役割として児童相談所を位置づけることができたら、きっと未来が変わるのではないか、私はそう思えるのです。 シニアサポーターも含め、地域のつながりを生かした取り組みを進めていくべきだと考えますが、御答弁をお願いします。 これは一つ余談ですが、グランドシッターという資格を御存じでしょうか。これは協会が主催する民間資格で、保育の現場にて保育士のサポートを行う人及び資格のことです。定年を迎え、何か新しいことを始めたい、社会を支えるサポートがしたい、このようなアクティブシニアのニーズを受けて、新しいスキルを身につけたいという高齢者向けの資格の一つですが、保育士不足の打開策として注目されているようです。 現在、区内では、荒川区社会福祉協議会が実施しているファミリーサポート制度等、地域の力を子育て支援に活用する取り組みが行われていることは認識しています。こうした取り組みに加え、さまざまな選択肢を組み合わせることで、より多くの地域の力を確保し、さらに子育てしやすい環境を整備していただきたいと要望いたします。 次に、二つ目の質問です。 子どもにとって外遊びとは何でしょう。昔から子どもは遊ぶのが仕事だと言いますが、まさにそのとおりで、いかにたくさん遊んで成長するかが重要です。荒川区では、子どもの外遊びに対してどのような取り組みをされているのでしょうか。 現代の子どもが外遊びをしなくなった影響というのが年々深刻になってきています。文部科学省でも幼児期運動指針についてガイドラインを出しています。少しそのさわりをお伝えいたします。 一、幼児を取り巻く社会の現状と課題、意義について。現代の社会は、科学技術の飛躍的な発展などにより生活が便利になっている。生活全体が便利になったことは、歩くことをはじめとした体を動かす機会を減少させ、さらに一般的な生活をするためであれば、必ずしも高い体力や多くの運動量を必要としなくなっており、そうした大人の意識は、子どもが体を動かす遊びをはじめとする身体活動の軽視につながっている。都市化や少子化が進展したことは、子どもにとって遊ぶ場所、遊ぶ仲間、遊ぶ時間の減少、そして、交通事故や犯罪への懸念などが体を動かして遊ぶ機会の減少を招いています。 幼児にとって体を動かして遊ぶ機会が減少することは、児童期、青年期への運動やスポーツに楽しむ資質や能力の育成の阻害にとどまらず、意欲や気力の減弱、対人関係などコミュニケーションをうまく構築できないなど、子どもの心の発達にも重大な影響を及ぼすことにもなりかねません。 このような状況を踏まえると、主体的に体を動かす遊びを中心とした身体活動を幼児の生活全体の中に確保していくことは、大きな課題である。幼児は心身全体を働かせてさまざまな活動を行うので、心身のさまざまな側面の発達にとって必要な経験が相互に関連し合い、積み重ねられていく。このため、幼児期において遊びを中心とする身体活動を十分に行うことは、多様な動きを身につけるだけでなく、心肺機能や骨形成にも寄与するなど、生涯にわたって健康を維持したり、何事にも積極的に取り組む意欲を育んだりするなど、豊かな人生を送るためにさまざまな効果が期待できるとしています。 この運動能力低下の影響は、運動器症候群。これは将来要介護の可能性が高まることを言います。また、非認知能力の低下。これは意欲、協調性、自制心、コミュニケーション能力、創造性などの低下のことを言います。また、他者とのかかわりが苦手。例えば引きこもりなどで社会生活が困難になるなど、社会に出て自立するために必要なスキルが及ぼされるということです。 そこで、早急に考えなければならない対策として、一、子どもが外で体を動かして遊ぶ環境整備、学校の校庭なども含む公共施設や空き地の利用活動など、二、組織の充実、保育園、幼稚園、小学校、学童、スポーツクラブなどの整備、三、人的環境の充実、保育士、教員、学童保育指導員、少年スポーツ指導者などへの周知やカリキュラム研修など、四、保護者の子育てへの意識改革、遊びやスポーツをすることの重要性、また、生活習慣を整えることの重要性を理解してもらうなどが必要です。 また、最近では、四十代の引きこもりが問題になっていますが、臨床心理士の方からお聞きしたお話だと、心の闇をひもといていくと、そのほとんどが五歳にさかのぼるそうです。運動することが脳への刺激となり、脳が活性化することで自律神経も整ってきます。自律神経が整うと生活習慣も整ってくるのです。 子どもがなかなか寝ない、夕食を食べない、反抗的であるなどの悩みを持つお母さんは多いはずです。それは体を動かして発散するということが足りていないのです。十分に発散できているときの子どもの笑顔は輝いています。満足げなその表情こそ、心の成長には大切なのです。 お母さんならみんな感じたことがあると思います。幼児期からの外遊び、運動に関し、荒川区での現状の取り組みと今後の対策について御答弁をお願いします。 最後に、インフルエンザ対策について御質問いたします。 報道等にもあるように、ことしは例年より早く予防接種ワクチンが出回る前から流行が始まっています。東京都では、例年より二カ月ほど早い九月中旬に流行が始まりました。これは新型インフルエンザが流行した二〇〇九年を除き、最も早い流行の入りであるとのことです。 荒川区内に目を向けてみますと、十一月当初の状況では、東京都全体の一医療機関当たりの患者数よりも、荒川区の一医療機関当たりの患者数のほうが二倍以上多い状況のようです。区立小学校でも学級閉鎖を行った学校が出ているとも聞いています。区内では既に流行していると言えるのではないでしょうか。 感染症の流行を予防するには、各家庭での免疫力アップを図るために、快食、快便、快眠を心がけ、一人一人が感染しないような行動をとることが非常に重要であると思います。 また、子どもたちが教室の中で長時間一緒に過ごし、集団生活を送る学校においては、ひとたび感染が発生すると、規模が大きくなるおそれがあることから、感染の予防と拡大防止が何よりも大切であると思います。 水道やトイレも一緒に使う学校という環境の中で、最も多い感染源は口腔です。手からまたは呼吸によりウイルスが侵入します。予防には手洗いやせきエチケットを習慣化することが最も有効と言われています。また、せきやくしゃみなどの自覚症状がある子どもがいる場合は、マスクの着用を徹底することが感染の拡大防止に効果的と言われています。 こうしたことを徹底するには、学校現場における教職員一人一人がインフルエンザに対する正しい知識を持ち、流行の状況など情報も把握しておく必要があると思います。そして、学校全体で子どもの健康チェックや家庭に向けた啓発、マスク等の常備などの対策も必要になってくると思います。特に感染の状況に応じ、教職員の判断でスピーディに子どもたちへマスクを着用させることはとても効果的と考えます。そのためには、各学校に防災用とは別にマスクを常備することや、教職員への指導の徹底をお願いいたします。 これは学校だけでなく、保育園など子どもに関する施設に共通して言えることです。また、既に予防に対する周知は各方面へ徹底されていると思いますが、今後の大流行を引き起こさないためにも、本格的なインフルエンザシーズンへ突入するという危機意識を持って、各家庭とともに子どもたちの体を守り、安心して集団生活を送ることができるよう、区には万全の対策を講じてほしいと考えています。この点について区の御答弁をお願いいたします。 以上で質問は終わりますが、最後に、未来は今の積み重ねでできています。子どもたちの「未来」を変えるには、子どもたちの「今」を変えてあげる必要があります。それができるのは「今、大人である」私たちです。 御清聴ありがとうございました。(拍手)   〔区長西川太一郎君登壇〕 ◎区長(西川太一郎君) 山田議員の御質問にお答えを申し上げます。 私からは、児童相談所に関するお尋ねに答弁をさせていただきます。 住民の皆様に最も身近な自治体こそが児童相談行政を担うべきであると常々考え、場所を選び、主張してまいりました。令和二年四月の子ども家庭総合センターの開設と、これに続く七月から始めます児童相談所業務の開始、これは全庁を挙げて準備を進めているものでございまして、昨年度からはその開設準備の一つといたしまして、区内の登録家庭が一定期間子どもさんたちを預かる協力家庭ショートステイ事業を開始し、地域の皆様との協力関係の中で、個々の御家庭の状況に合わせたきめ細やかな御支援ができるようにしていかなければいけないということで、関係の職員の諸君にも、このことについて督励をいたしているところであります。 荒川区といたしましては、区内に大変充実した形で活動をしていただいております町会や民生委員、児童委員。また、保護司などをはじめとして、子どもさんたちのために、例えば子ども食堂のボランティアとして、ファミリーサポート会員となっていただいたり、さまざまな人生経験を積まれた区民の方々が積極的に活動しておられること、こうした地域の強みを私どもは、今、議員が御提案いただきましたようなシニアサポーターとして、ぜひ御協力をいただき、また、そうしたお立場に位置づけさせていただくことを御了承いただきながら、連携や協力を強めていき、困難を抱えていらっしゃる御家庭に対して効果的な御支援が行えますように、喜んでいただけるような結果が出ますように、考えをまとめてまいりたいと存じております。 私は、荒川区の強みでございます地域力、そして、町会活動など地域の皆様が密接につながっていらっしゃるこの力をさらに強めて、区として地域の御関係の皆様が全ての未来社会の担い手であり、守護者になっていただける資格がある子どもさんたちを見守って、安全に安心に充実して育てていく環境の整備こそ、とても大事なことだというふうに考えているものでございます。 これまで以上に、大事に考えていらっしゃる未来の担い手であるお子様たちに対して、私たちが一生懸命お支え申し上げていく区政をしっかりやっていきたいというふうに思います。 議員の具体的かつ正鵠を射た御質問に触発されて、答弁を重ねさせていただきましたが、これからも荒川区政のためにも、また、未来社会の守護者であるお子様たちのためにも、いろいろと御指導を賜りたくお願いを申し上げ、私の答弁とさせていただきます。 ありがとうございました。   〔子育て支援部長青山敏郎君登壇〕 ◎子育て支援部長(青山敏郎君) 虐待を未然に防ぐ環境の整備に関する御質問にお答えいたします。 子どもや家庭を取り巻く状況が変化している中、孤立感や不安感を抱える保護者が増加するなど、子育て環境は厳しさを増しております。このため、区では、妊娠期から出産、子育て期まで切れ目ない支援を行うため、児童相談所の開設を来年に控えた本年、健康部と子育て支援部が連携する子育て世代包括支援センター機能を整備したところでございます。これにより、妊娠期においては、母子健康手帳の交付にあわせ、全ての妊婦と面談を行い、一人一人の状況に応じた個別の支援内容をゆりかごプランとして案内し、出産後、乳幼児の定期健診や産後の家事支援ボランティア派遣、産後ケア事業などさまざまなサービスの利用につなげ、多くの人がかかわれるようにしております。 そして、子育て期においては、待機児童の解消に向けて、多様な手法で新たな保育園を整備し、保育定員を拡大するとともに、放課後子ども教室や学童クラブの整備、拡充など、児童の遊びと生活の場に努め、保護者の子育てを支援しております。 とりわけ、在宅で育児をする家庭には、妊娠期から気軽に訪れることができ、出産後には同世代の親子同士が交流できる子育て交流サロンを区内に十九カ所開設するなど、子育てに関する相談しやすい環境の充実により保護者の育児不安や孤立感の解消を図ってきたところでございます。 議員御質問のように、保護者に寄り添いながら身近な場所で支援できる環境の整備は、虐待の未然防止を図る上で大変重要な課題であると認識しております。 区といたしましては、全ての子どもと家庭が安心して育児ができる環境の整備に向け、これまで以上に施策の充実に取り組んでまいります。   〔教育委員会事務局教育部長三枝直樹君登壇〕 ◎教育委員会事務局教育部長(三枝直樹君) 初めに、子どもの外遊びに対する取り組みに関する御質問にお答えいたします。 幼稚園教育要領の健康分野におきましては、いろいろな遊びの中で十分に体を動かすことや、進んで戸外で遊ぶことが指導内容となっております。また、文部科学省の調査研究では、より多くの友達と活発に遊びを楽しむ幼児ほど運動能力が高い傾向にあることが示されております。 教育委員会といたしましても、議員より御指摘いただきました幼児期から運動能力の向上を図ることが、子どもたちにとって社会に出て自立するために必要なスキルを身につけるという視点からも重要であると認識しております。 このため、区立幼稚園におきましては、国の方針に基づき、各園の実態を踏まえ、幼児が楽しみながら多様な動きを経験できるよう工夫を重ねた教育内容を実践しているところでございます。例えば、ごっこ遊びをすることで忍者や動物などになりきり、動きをまねながら、走る、跳ぶ、投げる、はうなどさまざまな動きを経験することができます。さらに、専門家を講師として招き、体力向上の視点から遊びを見直し、保育の質の向上に努める園や区の学校パワーアップ事業を活用して遊具をふやし、遊びの種類を豊かにした園などがあり、それぞれの特色ある教育づくりに努力を重ねているところでございます。 また、同様に保育園におきましても、体操の専門家による教室をはじめ、園庭や公園を活用して、タイヤ基地づくりやヒーローごっこ、ままごとや砂遊びなど、子どもたちが遊びを自由に選択し、イメージを広げ、充実感や満足感を得られる取り組みを各園で進めております。 区及び教育委員会といたしましては、御質問の趣旨も十分に踏まえ、今後も楽しく体を動かす遊びを通して幼児の体力向上を図るべく、なお一層の取り組みに努めてまいります。 続きまして、インフルエンザ対策に関する御質問にお答えいたします。 学校におけるインフルエンザによる感染拡大は、児童・生徒の健康はもとより、学級閉鎖等による学校教育活動にも大きな影響があると認識しております。 教育委員会といたしましては、感染拡大防止に当たっては、まず発生に備えた事前の準備、正確な情報の周知及び関係者の共通認識、行動が大切だと考えております。特に学校において本格的に流行する前の段階での対策情報の周知徹底と環境整備が重要であり、荒川区医師会、荒川区薬剤師会等とも協議しながら、手洗い、うがい、マスクの着用をはじめとしたせきエチケットの徹底など、効果的な対策を実施するよう学校に注意喚起を促しております。これを受けて各学校では、現在、児童・生徒に感染症対策に関する保健指導を行うだけではなく、保護者に対しても保健だより等で情報を伝え、御家庭における生活意識の向上も図っております。 また、教職員は各クラスにおいて、毎朝の健康観察を欠かさず行い、せきをしている児童・生徒にはマスクの着用を促すなど、インフルエンザに関する共通理解を図りながら、組織的に感染拡大防止に努めております。 今後も御質問の趣旨を十分に踏まえ、関連部署、学校、保護者等と連携をとりながら、子どもたちが安心して学校で学ぶことができるよう、感染拡大防止に向けて適時適切な対策を講じてまいります。 ○議長(茂木弘君) 二十六番清水啓史議員。   〔清水啓史君登壇〕 ◆二十六番(清水啓史君) 民主ゆいの会、国民民主党の清水啓史です。 早いもので、ことしも残すところあとひと月ほどとなりました。先月の十月二十二日、国連難民高等弁務官を務めた緒方貞子さんが九十二歳で亡くなりました。六年前に放送された緒方貞子さんを特集した「NHKスペシャル」、既に書籍にもなっていますが、その番組が今でも強く脳裏に焼きついております。 インタビュアーから「いろいろなことを判断する基準として最も大切にされていたものは何ですか」との問いに対して、「ある程度はいろんな条件とか情報を頭の中で整理した上で」と言った後、間を置いて、「最後は勘ですね」と答えたシーンです。重い言葉だなと思いました。 緒方さんのことについては、産経新聞に連載されている「話の肖像画」において、国連事務次長を現在務めている中満泉さんもことし九月、次のように触れています。 これまでこうだったから前例どおりにこうしましょうというのはよくない。問題を解決するためには何をしなければならないか根本的なところで考えること。法律の文言を見るのではなく、法律ができた理由や精神を実際に実現するために何をするかを考えること、こういったことを貫いた方であったと。 「歴史に学び、他者に学び、常に先を考える」、緒方さんの言葉ですが、死を悼み、私も改めて区民のために何をなすべきなのか、大事なこと、目的は何なのかを考えて、そしてそのために判断する際の勘をしっかりと養うために努力していくことをこれからも常に肝に銘じてまいりたいと思います。 さて、令和元年度荒川区議会定例会・十一月会議に当たり、三項目四点にわたり、質問をいたします。 まず、台風被害を踏まえた今後の対応について二点お聞きいたします。 一点目は、マンションの水害対策支援についてです。この秋に発生した台風十五号、十九号は各地に大きな被害をもたらしました。亡くなられた方々に衷心よりお悔やみを申し上げますとともに、被災された皆様にお見舞いを申し上げます。そして、被災地の復旧をこれからも応援してまいりたいと思います。 首都圏も被害を受け、武蔵小杉のタワーマンションの居住者は、電気設備等が浸水したことによって在宅被災者という状況になりました。地震が発生して停電をし、エレベーターが動かなくなる可能性があることについては、マンションの居住者も認識をしていたと思いますが、今回のことは電気の設備等が浸水することによって、電気、水道、トイレが使用できなくなるというマンション特有の課題、都市防災の死角を改めて浮き彫りにしたと言えます。 では、既存のマンションの建物について考えたとき、まずどの設備を守らなければならないのか、そのためには、外水氾濫あるいは内水氾濫に対し、どこからの浸水に備えて対策をしなければならないのか。一棟一棟建物の構造が異なるため、対策を講じる場所は違ってきます。 区はこれまでもマンション理事会や居住者に対して、セミナーの開催や講師派遣を行っていますが、その内容は管理や修繕計画といったものです。今回のことを契機に、区内でも一般的な居住形態であるマンションが抱える災害・水害対策について、各建物の実情に応じた、個別にも相談できる体制を整えていくことが必要ではないでしょうか。 あわせて、区が既に取りまとめをしているマンションで進める防災対策の手引というものについても、現在掲載されている震災対策だけではなく、風水害対策についても今回の被害等を調査した上で追記をしていくことが必要だと考えます。マンション問題について、区の見解を伺います。 二点目は、台風接近時等の保育園、学童クラブの対応についてです。 台風十九号が発生時、土曜授業を予定していた学校は休校となりました。一方、保育園と学童クラブはどのような対応をとったのでしょうか。 学校は、学校教育法施行規則六十三条により休校にすることができます。しかしながら、保育園及び学童クラブについては規定がありません。 そこで、今後こういった際の対応をもちろん状況に応じて臨機応変に対応しなければならないことは出てくるとは思いますが、まず基本を整備していくことが必要だと考えます。 まずは児童の安全を一番に考え、職員の安全も確保する。さらには鉄道事業者の計画運休が一般化してくるなど、社会全体の動きも踏まえ、事前に関係者、保護者に示せる規定を持っておくことが大事ではないでしょうか。 以上、台風被害を踏まえた今後の対応について二点、マンションの水害対策支援についてと保育園、学童クラブの対応について見解を伺います。 次に、来年四月の改正法・都条例施行以降の喫煙対応についてお聞きいたします。 来年四月から改正健康増進法、東京都受動喫煙防止条例が施行されます。これに伴い、喫煙ができるのは公衆喫煙所、ビルや飲食店での喫煙専用室、そして屋外ということになります。屋外といっても、荒川区においては、区内六カ所の駅周辺は路上喫煙禁止となっています。例えば飲食店で今まで喫煙できたお店も専用室がなければ禁煙となります。では、喫煙客はどこでたばこを吸うのか、店の外や道路ということになるのではないでしょうか。 現在でも路上喫煙禁止区域においてたばこを吸う人たち、道路上に吸い殻がたくさん落ちている場所を見かけます。そういった中、四月以降さらに屋外での喫煙者がふえるということになっては、歩行者やお店の近隣からすると、受動喫煙対策が進んだとは言えないのではないでしょうか。 今、指摘をしたような状況に四月以降ならないよう、区としてもさらなる対応を求めます。あわせて、受動喫煙の視点からも、公衆喫煙所は箱型、密閉型にしなければなりません。そういった形態の公衆喫煙所の設置予定状況はどのようになっているのか、あわせてお聞きいたします。 来年四月の改正法・都条例施行以降の喫煙の対応について見解を伺います。 最後に、プレミアムつき商品券についてお聞きいたします。 今年度補正予算にも計上されたプレミアムつき商品券は、十月からの消費税率引き上げに伴う低所得者、子育て世帯への影響緩和策として政府の事業として実施されました。 区議会に説明をいただいた当初から、最大でも二億五千万円の配付をするために三億円の経費をかけることの問題が指摘をされてきました。二万五千円を購入するにはまず二万円を払わなければならないことや、申請するなどの煩わしさがあることなどの意見もありました。この間、区の職員の皆さんは制度についての説明の対応であったり、取扱店をふやすなどの御労苦があったと思います。 七月下旬から申請が始まりましたが、報道によると、申請者数は伸びていないようです。政府はそれを受けて、未申請者に対して再度の案内をするよう通知を出しました。申請の締め切りは今月末、あと三日です。そこで、荒川区の状況についてお聞きいたします。 対象者に対し申請者数は何人か。一冊五千円の商品券つづりを何冊刷り、実際の販売冊数はどれだけなのか。その比率は。そして三億円の経費に対し、結果として給付されたプレミアム金額は幾らなのか。そして、本来予定のなかった再通知には幾らの経費がかかったのか。その上で、今回のこの事業について区としての認識を伺います。 あわせて、これまでもさまざまな国の給付金事業がありましたが、実務を行う現場としての考えを上げていくことも大事ではないでしょうか。 プレミアム商品券について区の見解を伺います。 以上三項目四点について答弁を求めて、質問を終わります。   〔防災都市づくり部長松土民雄君登壇〕 ◎防災都市づくり部長(松土民雄君) マンションの水害対策に関する御質問にお答えいたします。 近年、海水温度の上昇に伴い台風の大型化が進んでいると言われております。先ごろ発生した二つの台風もその影響から大型化し、勢力を維持したまま東日本を横断したため、各地に甚大な被害が発生いたしました。特に十九号による水害は深刻で、七十一の河川で百四十カ所が決壊し、九十人以上の尊い命が奪われるなど、その傷は未だに癒えておりません。 この台風十九号の影響によりまして、多摩川近くのタワーマンションでは、地下の電気設備が浸水したため、エレベーターやトイレ、水道も使えない状態が長期間続き、そこに住まわれている住民は大変不便な生活を強いられることとなりました。 本区におきましても、荒川流域において複数箇所の堤防が決壊した場合、大規模な水害が発生し、このタワーマンションと同様の被害が起こることが想定されます。 このため、マンションにおきましては、水害が発生しても、お住まいの方の生活が継続できるよう、地下電気室等の浸水対策や高層階での備蓄倉庫の設置といった対策を実施することが重要となります。 区といたしましては、住環境条例に基づき、新たに建築するマンションの建築主に対し、これまでも十階以上のマンションには五階ごとに一カ所を目安として備蓄倉庫を設置し、そこに飲料水や食料等を保管することで、中高層階の住民に配慮した施設計画とするなど、防災対策について指導を行ってきておりますが、今後は水害対策の視点も取り入れた指導を行うことも検討してまいります。 また、既存のマンションにつきましては、マンションで進める防災対策の手引への水害対策に関する内容を追加することのほか、水害対策をテーマとした分譲マンションセミナーを開催することや、設置場所、形状、構造など条件の異なる電気設備の浸水対策等についてアドバイスできる専門家を建物ごとに派遣することなど、新たな支援につきましても検討してまいります。   〔子育て支援部長青山敏郎君登壇〕 ◎子育て支援部長(青山敏郎君) 台風被害を踏まえた今後の対応に関する御質問のうち、台風接近時等の保育園、学童クラブの対応についてのお尋ねにお答えいたします。 保育園や学童クラブは、保護者の共働き等により保育を必要とする児童がいる場合には、災害時においても開園・開室の上、児童を受け入れ、保育を行ってまいりました。 このたびの台風十九号への対応については、保育園では降園時間に最大の風雨となることの予報や交通機関の計画運休が発表されたことを踏まえて、保護者が警察、消防、医療等の災害対応に従事するなどの理由により保育が必要な児童を受け入れることとし、各園に保護者への対応をお願いいたしました。 その結果、台風当日には開園した四園で五名の児童が利用し、最終のお迎え時間は午後一時前でしたので、首都圏へ台風が本格上陸する前には、区内の全ての保育園が臨時休園となっております。 また、学童クラブにおきましても、保育園と同様の方針のもと、事前に保護者に利用児童の確認を行い、その際、安全確保策について注意喚起を徹底したことから、台風当日の午後四時前には全ての学童クラブが臨時休室となったものでございます。 警察、消防、医療など災害対応に必要な社会体制を維持する観点からは、そうした業務に従事する子育て家庭に配慮する必要がある一方、保育施設で従事する職員の安全面にも十分考慮する必要があると認識しているところでございます。 国は、こうした大型の台風が襲う場合等を鑑み、保育園における児童や従事職員の安全性にも考慮した上で、保育所等を臨時休園するケースを想定し、そのための具体的でわかりやすい基準の策定に向けて、各自治体に対して実態調査を始めるなど検討を進めていると聞いてございます。 区といたしましては、国におけるこのような検討状況を注視しながら、区として、災害時における保育所等の臨時休園の判断基準について鋭意検討を進めてまいりたいと考えてございます。   〔健康部長石原浩君登壇〕 ◎健康部長(石原浩君) 喫煙に関する御質問にお答えいたします。 昨年度に成立いたしました改正健康増進法及び都条例は、段階的な施行を経て、来年四月に全面的に施行されます。 これらの法令の目的は、みずからの意思で受動喫煙を避けることができる環境の整備を促進することにより、受動喫煙による健康への悪影響を未然に防止することです。 特に都条例では、健康影響を受けやすい二十歳未満の子どもや受動喫煙を防ぎにくい立場である従業員を受動喫煙から守る観点から、独自のルールが定められています。 法令では、屋内は基本的に禁煙ですが、学校は敷地内禁煙であるなど施設の類型により、規制の内容が異なっております。 来年四月からは飲食店や宿泊施設等における規制が強化され、屋内に喫煙専用室等を設置しなければ、店内禁煙となるのに加え、違反した場合には罰則が適用されることもあります。一方、喫煙者には、喫煙をする際は周りの状況に配慮しなければならない義務、いわゆる配慮義務が課されてはおりますが、義務に反した場合の罰則はありません。 これまで区では、法令が一部施行された本年一月から区報やチラシによる周知のほか、区内飲食店全てにダイレクトメールを送付し、飲食店に係る表示義務や店内禁煙の義務等を詳細にお伝えするなど、法令の周知活動を行ってまいりました。 また、区民からの苦情相談等に対して、現場に出向いて状況を把握し、配慮義務について関係者の理解を求めるなどのきめ細やかな対応に努めるとともに、たばこの健康被害について正しい知識を広める健康教育や講演会、禁煙外来治療の一部を助成する禁煙チャレンジ応援プラン事業を実施しております。 法令の全面施行後も引き続き区民の健康を守るため、法令の周知や苦情相談、健康教育等に取り組んでまいります。   〔環境清掃部長池田洋子君登壇〕 ◎環境清掃部長(池田洋子君) 喫煙に関する御質問のうち、分煙環境の整備等に関する御質問にお答えいたします。 荒川区では、たばこを吸う人も吸わない人もともに快適に過ごせる地域づくりを目指し、環境美化条例に基づき、喫煙マナーの向上に努めております。これまでも歩きたばこやポイ捨ての防止対策として、路面表示ステッカーや看板の設置、さらには駅周辺でのマナーアップキャンペーンなど、さまざまな啓発活動を進めてまいりました。これらの取り組みにより、毎年実施している駅前での歩行喫煙実態調査において、歩行喫煙率は減少傾向にあります。 しかしながら、区内では歩きたばこ等への苦情がいまだ寄せられている状況にあることから、さらなるマナー向上を目指し、啓発ポスターの掲示場所の拡大や巡回指導員によるパトロールの強化等にも取り組んでいるところでございます。 加えて、本年八月に指定喫煙場所の設置に要する費用の助成制度を創設し、鉄道駅周辺を中心に、民間事業者との協働による喫煙場所の整備に向けた取り組みも進めております。 喫煙場所については、御指摘のとおり、屋内閉鎖型を基本として、駅前の商業施設をはじめ、ホテル、コンビニエンスストアなどに直接出向き、設置を働きかけており、現在三カ所ほどから相談を受けているところですが、新たな設置にはいまだ至っておりません。 区といたしましては、引き続き、区報やホームページ等による広報に加え、区民事業者の皆様との協働による喫煙マナー向上への取り組みを進めるとともに、喫煙場所の設置など分煙環境の整備を一層推進してまいります。   〔産業経済部長石原久君登壇〕 ◎産業経済部長(石原久君) プレミアムつき商品券に関する御質問にお答えいたします。 本事業は、本年十月の消費税率引き上げに伴う対策の一環として、国の財政支援のもと、今年度限りとして、全国の市区町村において実施しているものでございます。 所得の少ない方や子育て世帯を対象としておりまして、消費税率引き上げ直後に生じる負担増などの影響を緩和するとともに、地域における消費を喚起し、地域経済を下支えすることを目的としております。 また、現金給付では、その多くが貯蓄に回り、消費喚起にならないとの判断から、国の方針として全国一律で商品券方式となったものでございます。 区では、この商品券の名称を「あら坊商品券」とし、荒川区商店街連合会発行の区内共通お買い物券と混同しないよう、あら坊のデザインを採用いたしました。また、対象者が購入しやすく、かつ詐欺等の犯罪を防ぐために、購入場所を区内に十九局ある郵便局といたしました。 御質問にございます区の状況ですが、まず区内対象者は約四万九千人おります。その内訳といたしまして、非課税者が約四万三千人、そのうちの申請者は約一万人であります。その他、申請が不要である子育て世帯は約六千人おります。 また、商品券の販売状況ですが、一冊五千円の商品券を二十五万冊作成し、現在約四万冊が購入されており、その比率は約一六パーセントであります。このことから、購入及び使用期間はそれぞれ来年一月末、二月末とまだ時間はありますが、一冊当たり千円のプレミアム分として計算いたしますと、現在のところのプレミアム分の合計給付額は四千万円となります。 なお、国からの要望に基づき、十月三十一日には非課税者に対して約三万三千通の再勧奨通知を送付しており、その経費に約四百万円を要しました。 本事業につきましては、商品券のプレミアム分である二五パーセントの上乗せ率はインセンティブではありますが、まず家計から支出して商品券を購入することや、対象者によっては申請が必要になることなど制度の複雑さなどもありました。 報道では、全国的に約三割の申請率となっており、本区が近隣と比べて著しく低いわけではありませんが、来年の二月末まで使用期間があることからも、区といたしましては、引き続き本事業を必要とされる方に利用していただけるよう事業の周知に努めてまいります。 なお、本事業終了後には、国による効果検証があるものと思われますので、その際には課題等をフィードバックしていきたいと思っております。 ○議長(茂木弘君) 二番小坂英二議員。   〔小坂英二君登壇〕 ◆二番(小坂英二君) 区議会議員として、五期目に選んでいただき、初めての本会議質問をさせていただきます。 先ず正常化への問題提起として、西日暮里駅前再開発の見直しを求めます。 現在計画されている一千戸の新規住宅を再開発ビルに組み込むことは、日本の千七百以上ある自治体の中で三番目の人口密度の現状による過密に更に拍車をかけ、現在、荒川区に住む区民の住みづらさを増やすことに繋がると確信をいたします。 再開発地域の大地主であり、公の役割として、過密を脱却する方向性の街づくりを主導せねばならないにも関わらず、地域にマイナスを及ぼす新規大規模住宅の大量建設は止めるべきであります。 人口の見通しの誤りによって、日暮里地域の中学校を四校から一校にしてしまい、日暮里地域の中学校は過密状態になっています。そうした状況に対し、新たな中学校を開校する土地の確保すら不可能な中、何ら十分な手を打てないにも関わらず、新たに当該地域に児童・生徒を増加させることは、街づくりとして極めて無責任であります。 再開発予定地域において、今も反対の姿勢を示す権利者も多数いる中で、公の為にならない再開発は、敷地面積の縮小、高さの制限など規模を縮小し、住宅の戸数も減らし、多世代の互助住宅や特養ホームなど公の役割が大きな施設をより整備する形に変えては如何でしょうか。そのためには今よりも多くの公金を投入しても良いと思います。街づくりにプラスの要素を増やし、幸せを増やすために公のお金はあるのですから。見解を求めます。 次に、子供が健やかに育つ環境整備をとの大項目二つ目の中で、三つの点についてお聞きいたします。 繰り返し廃絶を求めてきたタブレットパソコンを一人一台ばらまく学校教育に毎年六億円を投入してきたことについて、改めて聞きます。 五年間の実行の後、教育効果の検証を行っても、教育委員会の報告書の通り、目に見えた学力向上には繋がらなかった事実があります。基礎学力の底上げに有為な数字は見られず、情報を収集して学ぶ能力が上がったなど、わずかな評価項目でのみ向上が見られたという内容の報告書でありました。 タブレットパソコンを日々使っていれば、情報収集をすることが得意になるのは、ある意味当たり前の話ですが、その程度のこと位しかプラスが見られない事業だと言えます。 こうした事業を全国で先んじて行った荒川区が行うべきことは、多額の公金と時間を使っても効果が出ず、無駄であったというまごうことのない事実を社会に周知し、タブレットパソコン信仰とも言える社会の異常な雰囲気に待ったをかける、そうした教育の現場に警鐘を鳴らすということではないでしょうか。その上で、本来の教育のあり方、読み、書き、そろばん、基礎を徹底して学ぶということを進めるということが必要だと思います。タブレットパソコンばらまきの廃止をすべきと、繰り返しになりますが、この機会にも申し上げておきます。 次に、様々な情報が飛び交い混乱が生じている子宮頸癌ワクチンの定期接種推奨に向けて、政府にも意見具申をし、区も情報の整理と周知をすべきと確信をしております。 定期接種として位置づけられているにも関わらず、積極的推奨しないという中途半端な位置づけにされているため、接種率が極めて低くなっています。それは子宮頸癌による子宮摘出で子供が産めない体になったり、命を落とすという悲劇を減らせず、増やすことに繋がっています。 接種を積極的に勧めなくなってしまったのは、ワクチン接種後に重大な副反応が出たとされる女子生徒の辛い現状が生々しい映像とともにテレビやネットで拡散されたことが大きく影響されていると認識しています。とても気の毒な事案ですが、この事案も含めて二千四百七十五件の副反応の厚生労働省の副反応部会が詳細に四年以上にわたって検証しましたが、ワクチンの成分との因果関係は認められませんでした。 思春期の少女は感受性が高く、精神面での動揺や注射の痛みで出るショックから強い副反応が出るということは知られています。それはワクチンの内容にかかわらず出るものであります。しかし、センセーショナルな映像と相まって、あたかも因果関係が明確であるような誤った風潮が広がり、科学的事実よりも政治的配慮が優先され、必要なワクチンの接種が行われなくなり今に至ります。その結果、毎年一万人が子宮頸癌を発症し、三千人が亡くなっています。 癌検診を推進するということと車の両輪でありますが、このワクチンの接種を勧めることが必要であります。現状を打破し、必要な接種を推奨する決意を荒川区が持ち、正しい情報を区民に様々な場で周知しながら、同時に政府に対しても積極的勧奨をするように求めていくべきではないでしょうか。 この大項目の最後にお聞きいたします。 全ての学びの基礎は国語であるという認識に基づき、幼児教育段階からの素読の実施をはじめ、国語教育を今よりも拡大・充実すべきではないでしょうか。 世田谷区で行っているような日本語について特化した授業を国語の授業とは別に行ってはどうでしょうか。 素読を活用した国語教育を全国で進めておられる松田雄一氏の言葉を借りれば、「国語はパソコンで言えば、ウインドウズのようなOSである。そのOSがしっかりしていないと、その上で稼働するソフトウェアはきちんと動かない」ということであります。ソフトウェアに当たる算数や社会を理解するには、国語がしっかりしていなければなりません。今の国語の授業時間ではそのOSの重要性に比して少ないと考えます。 国語を学ぶ授業時間をふやし、古典の素読など国語の本質を繰り返し反復し学ぶ取り組みを進めてはどうでしょうか。認識を伺います。 質問の三つ目の大項目の様々な危険性に更なる備えをというところでは、先ず、富士山、箱根の山等の噴火による首都圏への甚大な影響に対しての基礎的自治体としての備え、区民への周知を進めるべきと申し上げます。 東京都から離れた地域の火山の話など多くの方は他人事のように感じられるかもしれません。しかし、富士山や箱根の山の過去の噴火の際には大量の火山灰が東京に降り、甚大な被害を生み出しました。細かい火山灰による電気系統のショートや積み重なった重みでの電線の断裂による停電、多くの機械類の故障、スリップ多発で道路の通行の麻痺が頻発します。屋根に積み重なり、雨などで湿った火山灰はその重みで簡単に古い木造住宅を押しつぶします。取水口の目詰まりで水道は機能せず、発電機も火山灰を吸い込み、停電をする。そして、人体に対して恐ろしいのが、細長く尖った形でガラス質の火山灰が肺や気管支に入ると、呼吸器に甚大かつ不可逆な損傷を長期間与えるという健康被害であります。 専門家が繰り返し指摘をしているそうした危険性への対策として、マスクの備蓄やカセットコンロ式調理器具、暖房器具の備蓄、屋根の清掃を迅速に行える準備などをはじめとして、具体的な取り組みを進めるべきではないでしょうか。行政としても行い、同時に区民個人へも備蓄を推奨するという同時平行で。新型インフルエンザ対策や地震対策も兼ねた対策となり、複数の側面で備えを危機管理を強化することに繋がります。 地震や水害はいつ来るか分からないのと同じく、噴火もいつ来るか分かりません。その前兆が明らかになった時、また、噴火が始まった段階で必要なものを買おうとしても、備えようとしても、店頭や在庫は即座に売り切れ、手に入れることはごく一部の人にしかできません。行政も個人も、普段から危機感を共有し、備えておくことが必要と考えますが、如何でしょうか。 また、台風、震災、噴火等の対応の違いについて区民への周知を徹底し、防災部を中心に中学校でも整理して学べるようにしてはどうでしょうか。 水害と震災では、避難場所の位置づけや実際の場所も異なりますが、そうした理解が区民に広がっていないのが現状です。火山の噴火も加え、それぞれの対策について整理して理解できるように、地域での防災訓練や学校の授業でしっかりと知っていただく取り組みを進めてはどうでしょうか。 次に、外国人人口が増え続けている荒川区において、外国人の母国の特性、所属組織の危険性について区職員が認識を共有しておくべきと申し上げます。 在日朝鮮人が作る朝鮮総連は、破壊活動防止法の監視対象団体であり、日本人拉致に大きく関わってきたとの証言が多数寄せられている危険な組織だという事実を共有せねばなりません。その支配下にあるのが朝鮮学校であるという事実も忘れてはなりません。外国人学校保護者補助金もこの観点を中心にしっかり議論すべき課題であります。 また、中国人は、日本に滞在していても、母国の法律の支配下にあり、国防動員法により本国の指令があれば、国防のためという名のもとに、反日活動やスパイ活動をする義務が有る事実が有ります。普段はにこやかな中国人でも、本国から指令が出れば、良識の有無に関わらず従わざるを得ません。生活の拠点が母国に有る、また、母国に残した家族や親戚が実質的な人質というわけですから、そうなるわけです。 江東区の深川地域に中国大使館の第二別館があります。そこは在日の中国人を日々呼び出し、そして、にわかスパイ行為を指示するということが日常的に行われているということが、内部の方、そして研究者の方から指摘をされています。留学生でしたら、その留学生が学ぶ教授のもとで、パソコンの中から情報を抜いてこいと、そのような指示を出すにわかスパイです。そうしたことをやらせるということが日々行われていると指摘をされています。 そして、中国共産党は、人の命を虫けら以下に扱うことを何とも思わない血塗られた恐ろしい全体主義組織であり、その支配下にある国の人たちは、その影響下のまま、日本に、荒川区にいるという事実を共有せねばなりません。 行政はとかくどの国の人でも心を開いて向き合えば仲良くなれるという幼稚な認識に基づいて政策を考えますが、このような甘い考えでは、地域社会、区民を守れません。事実と向き合い、空疎な建前を捨て、真に必要な対策を立てる勇気を持つよう求め、見解を問います。 質問の最後に、公共施設の建物内の防犯カメラ設置状況の件数等をお聞きします。その上で、防犯カメラによって犯罪抑制、犯人逮捕につながった事案が多数あることも踏まえ、建物内部でも今までよりさらに密に台数を増やして設置することを求めます。 今までの設置事例も薄い学校校舎の廊下、教室内など新たな設置場所として考えるべきであります。いじめや様々なトラブルの現状把握や防止に繋がると考えます。設置推進でより密に状況把握を進め、防犯、摘発、トラブル防止や対策に活用していただきたいと思いますが、如何でしょうか。 以上の指摘について、認識と対策をお聞きします。区民の尊厳を守り、幸せを増やす観点からのお答えをよろしくお願い致します。   〔再開発担当部長松崎保昌君登壇〕 ◎再開発担当部長(松崎保昌君) 西日暮里駅前地区再開発に関する御質問にお答えいたします。 西日暮里駅前地区は駅前広場などの交通処理機能や店舗などにぎわいや生活基盤に課題があると考えております。そのため、区では、再開発事業による駅前広場やペデストリアンデッキ等の整備により交通結節機能を強化し、大規模な商業やホール等の複合施設もあわせて整備することで、周辺地域を含めた広域拠点としてのまちづくりを目指しております。 本地区において、こうした計画を実現していくためには、市街地再開発事業が有効であるとの考えのもと、準備組合の検討では、商業や業務、公益施設のほか、事業成立性の観点から、住宅の設置が必要不可欠なものとなっております。 区では、住宅整備について、駅前という利便性の高い立地であることを生かし、幅広い年齢層、多様なライフスタイルに対応できる良質な都市型住宅の供給を実現するよう求めております。また、住宅の整備による小中学校等の行政需要の増加につきましては、既に庁内で横断的に対応を検討しております。 区といたしましては、再開発事業により、駅前にふさわしい複合市街地を形成し、都市基盤の整備とにぎわいを創出することが地域にとって必要であると考えており、これを推進すべく、引き続き準備組合と連携し、早期の事業化に向けて取り組んでまいります。   〔教育委員会事務局教育部長三枝直樹君登壇〕 ◎教育委員会事務局教育部長(三枝直樹君) 初めに、タブレットパソコンに関する御質問にお答えいたします。 教育委員会では、平成二十五年度に小学校三校、中学校一校のモデル校にタブレットパソコンを導入し、その検証結果を踏まえ、平成二十六年度には全小中学校に導入いたしました。 導入後の児童・生徒への調査では、小学校では八割以上、中学校では七割以上の児童・生徒がタブレットパソコンを活用した授業はわかりやすいと感じていることが明らかになりました。 また、令和二年度から全面実施される小学校の新学習指導要領において、各学校でコンピュータや情報通信ネットワークなどの環境整備が求められております。さらに国においては、全国の小中学校の児童・生徒に対し一人一台の学習用パソコンかタブレット型端末を配備する方針を打ち出したとも聞いております。 したがいまして、教育委員会といたしましては、現行制度を廃止することは考えておりません。 次に、国語教育の充実に関する御質問にお答えいたします。 議員御指摘のとおり、国語は学校教育のあらゆる教科や学問の基盤であることにつきましては、教育委員会といたしましても十分認識しているところでございます。 幼稚園、こども園では、みずから絵本を見ることや読み聞かせを通して物語の世界を楽しみ、さまざまな思いを巡らし、その思いなどを教師や友達と言葉を使って共有するよう指導を行っております。 小学校では、詩や物語などを読み、内容を説明したり考えたことなどを伝え合ったりするなど言語活動を充実させております。また、学校図書館などを利用し、複数の本や新聞などを活用して調べたり考えたりしたことを報告し、児童の表現する力を育んでおります。 中学校では、国語の授業の中で詩歌や小説などの文章を読み、引用して解説したり、考えたことなどを伝え合ったりすることで、言語感覚や感性を高めております。 教育委員会といたしましては、幼児教育段階からの素読実施については、現時点で行う予定はございませんが、国語の四つの能力である聞く、話す、読む、書くの基礎力の定着を着実に図るとともに、今後も子どもたちが読み聞かせや読書を通じて美しい表現や響きに触れ、各学校の教育活動として、音読や素読を楽しみながら日本語の魅力を感じつつ、日本語を大切にする心を育んでいくことができるよう、国語教育のより一層の充実に努めてまいります。   〔健康部長石原浩君登壇〕 ◎健康部長(石原浩君) 子どもが健やかに育つ環境整備に関する御質問のうち、子宮頸がんワクチンの接種推奨に関する御質問にお答えいたします。 御質問のとおり、子宮頸がんワクチンにつきましては、平成二十五年四月に定期接種化された後、同年六月十四日に積極的接種勧奨の一時差し控えの通知が出されました。それ以降、現在まで定期接種として接種することはできますが、子宮頸がんワクチン接種について、自治体が積極的に勧奨することは差し控えている状況が続いております。 このような中、今年度、国は審議会の専門部会において、HPVワクチンの情報提供に関する評価を実施いたしました。この評価では、接種対象者やその保護者に対し、より確実に情報を届ける方法を検討する必要があり、国の既存のリーフレットをよりわかりやすくするために記載内容を改定してはどうかとの意見が出されております。これを受けて、現在国において検討が進められている状況でございます。 このため、区といたしましては、子宮頸がんワクチンの定期接種における対象者等への対応につきましては、こうした国の動向を注視してまいりたいと考えております。   〔区民生活部長阿部忠資君登壇〕 ◎区民生活部長(阿部忠資君) まず初めに、噴火に対しての備え、周知に関する御質問にお答えいたします。 富士山や箱根山等が噴火した際には、都内全域において、降灰に起因する健康被害や交通の混乱、ライフラインへの影響などが発生することが想定されております。 都の地域防災計画では、噴火が予想される場合には、気象庁が発表する降灰予報の情報を迅速かつ的確に収集して住民へ周知するとともに、火山灰の除去等の対応を行うこととなっております。 区といたしましては、今後、国や都とも連携しながら、火山灰の危険性をはじめ、火山噴火に関する備えや知識などについて、必要に応じて区民に周知してまいります。 次に、台風、震災、噴火等の周知等に関する御質問にお答えいたします。 このたびの台風十九号では、区に対して多くの区民から問い合わせが寄せられておりましたが、その中には、震災時に長期間にわたって生活するための避難所と大規模水害時に自主的または緊急的に避難する避難場所を混同している方なども見受けられました。そのため、震災時や水害時において避難する場所や避難方法について十分に周知を行っていく必要があると認識してございます。 区といたしましては、今後、火山噴火時における行動の違い等についても、必要に応じて区民に周知するとともに、教育委員会とも連携しながら、中学校防災部等が学習する機会も設けてまいりたいと考えてございます。 最後に、防犯カメラに関する御質問にお答えいたします。 防犯カメラは、安全・安心のまちづくりを進めていく上で欠かせないものになっており、区では、これまで公共施設内の防犯カメラの設置を積極的に進めてまいりました。 平成三十一年三月末現在では、合計九百七台のカメラが保育園や幼稚園、小中学校、高齢者施設、ふれあい館、図書館、公園や児童遊園など多くの公共施設に設置されており、安全・安心な施設運営の効果を上げております。 各施設の設置状況につきましては、荒川区防犯カメラの設置及び運用に関する条例施行規則に基づき、毎年管理責任者が区長に報告することとしており、的確に状況把握を行っております。 また、警察からの事件・事故等の捜査における法令に基づくカメラ画像データの照会には速やかに応じており、事件解決にも寄与しております。 区といたしましては、今後も各施設の防犯カメラの設置や運用状況について的確な把握に努めるとともに、必要に応じて新たな設置について検討してまいります。   〔管理部長梅原一彦君登壇〕 ◎管理部長(梅原一彦君) 在日外国人やその関連団体に関する御質問にお答えいたします。 区といたしましては、国際情勢は十分に踏まえた上で、手続や支援を求めて区役所にいらっしゃる方などがどのような立場にあるかにかかわらず、法令等に基づき公平・公正に業務を行い、また、住民同士の交流の対象として対応しており、現状の中でこの考えを変更する予定はございません。 ○議長(茂木弘君) 残り三十秒ほどですが、よろしいですか。 ◆二番(小坂英二君) 答弁ありがとうございました。非常に危機感が足りない答弁もありましたが、火山の関連については、しっかりこれからやっていただけるものだというふうに期待をしております。 子宮頸癌のワクチンについては、国の動向ということで、国も今、大きく動きつつあるところですので、区の現場からもぜひ働きかけをしていただきたいというふうに重ねて申し上げ、終わります。 ○議長(茂木弘君) 二十四番藤澤志光議員。   〔藤澤志光君登壇〕 ◆二十四番(藤澤志光君) 自由民主の会、藤澤志光です。 西日暮里駅前再開発についてお伺いいたします。 先般、中野区で昭和四十八年に開業した中野サンプラザが、令和六年度から解体を始め、跡地に新施設を建設して、令和十年度末の完成を目指すとの報道がなされました。 中野サンプラザは築五十年足らずで耐震補強もされており、私も視察に行ってきましたが、立派で、取り壊すのはもったいない施設です。 中野駅前でホール定員二千二百二十二人、レストラン、ホテル、結婚式場、宴会場、研修室等を含む地上二十階、地下三階の施設であります。 改築後はホール定員を五千人にふやすとのことです。また、同時に区役所も解体し、現在の所在地に近い場所で令和六年度に新築します。 渋谷区では、先般、新公会堂が約二千名のホールで、地上六階、地下二階が開業しました。延べ面積約一万平方メートルであります。同時に、昨年、渋谷区役所が地上十五階、地下二階、延べ面積三万一千万四百平米が事業者から引き渡されて、本年一月に開庁しております。 新公会堂と新庁舎建設の費用は、公募で選ばれたデベロッパー二社と設計会社の都合三社によるグループが区役所と渋谷公会堂の敷地の一部、ほぼサンパール荒川の敷地の広さに近い四千五百平米に七十年の定期借地権を設定。渋谷区に支払うべき定期借地権の権利金二百十一億円により区の建築費負担ゼロで整備されました。 三社によるグループは住宅棟等を建設分譲し、七十年後に渋谷区に更地返還することになっています。 住宅棟はパークコート渋谷ザ・タワーとし、総戸数五百五戸、定期借地権、二〇九三年九月三十日まで約七十年、地上三十九階、地下四階、延べ床面積六万一千五百平米で、来年度竣工・入居予定になっております。両区とも区有地だからこのような利用ができるのです。 西日暮里駅前地区市街地再開発事業は、区内の再開発事業では初めて荒川区が最大の地権者として参加する事業であります。区の所有土地面積は道灌山中学の敷地面積とひぐらし保育園、西日暮里在宅高齢者通所サービスセンターの合計約五千五百平米、サンパール荒川の敷地面積四千三百平米よりも広い敷地を有しております。 過去の荒川区保有地で五日小跡地はホテルラングウッドになっておりますが、荒川区が土地と日暮里サニーホールホール等文化スポーツ施設を所有しており、連合等から地代・家賃を受け取り、使用させているものです。 また、国鉄の清算事業団から購入した南千住駅前の土地は、三井不動産にLaLaテラスとして、年間三千万円の地代で二十年間、六億円の定期借地権で貸しており、間もなく更地返却の時期を迎えようとしています。区が土地を所有しているからこそ、永年にわたりこのような活用もできるのです。 今度の再開発のスキームでは、国、都から二百五十億円の補助金をもらうほか、区有地五千五百平米の土地と区の単費百六十億円を支出して、区は専有床面積として一万三千平米を取得するもので、大規模修繕や建て替えについて、単独ではできなくなります。 西日暮里駅近くの二度と得がたい区有地を失い、一千人を超える権利者と土地を区分所有し、大規模修繕のときも、五十年から七十年後に施設が老朽化しても区が単独で建て替えができないので心配です。 荒川区は、将来の建て替えをどのように考えているのか、また、どのような条件が整えば建て替えができるのか伺います。 次に、都市計画手続推進依頼書の提出に瑕疵があるとの陳情書が出されておりますが、調査することなく、区は急ぎ、施設建築物の基本計画案が決定を見たとのことで、都市計画決定を本年度末までに進めようとしております。 都市計画決定が行われたら、再開発組合の定款と事業計画を取りまとめ、組合設立の準備活動を行い、二〇二〇年度末までに再開発組合の設立申請、認可を取得しようとの計画でありますが、その際、権利者からは、改めて組合設立・事業計画の同意書を実印でもらうことになっています。三分の二以上の賛成で認可されますが、荒川区も権利者の一員として再開発組合員になるのでありますが、その際、区民代表である議会の同意を求めずに進めるのかお伺いいたします。 次に、教育についてお尋ねいたします。 令和の時代に求められる教育について、昭和の時代には、町工場からソニー、ホンダといった世界企業が生まれましたが、平成の時代には残念ながら育っておりません。 それに反し、アメリカでは、この三〇年間でアマゾンやグーグルといった企業が生まれ育ち、中国ではアリババやテンセントが生まれております。令和の時代には新しい技術を用いて、大きなうねりを起こす力を育てていかなくてはなりません。 日本は既にAIの分野では後進国であると言われております。IT企業では、OECD三十六カ国の中でも最も低いレベルに置かれております。 ビジネス社会では、IT、AI、IoT技術を自在に使いこなせる人材が求められており、新しいバリューを創造できる人材であります。すなわち、クリエイティビティ、パッション、コラボレーションが備わっている人材であります。 令和二年間からは小学校でプログラミング学習が始まります。荒川区では対策を進め、準備をしてきたことと思いますが。タブレットを導入して進めた今までの教育とどこが違うのか、また、プログラミング教育の目標をどこに置くのか伺います。 戦後日本の義務教育は、一貫して天才、秀才の子どもを押しつぶす教育システムでありました。しかしながら、一時は日本の高度経済成長を支えた工業化に必要な平均的な労働力を供給するのにすぐれており、日本の躍進につながりました。高度福祉社会を迎え、同時に人口減少社会を迎えている今日は、多くの優秀な人材を育てて福祉社会を支えていけるようにしなくてはなりません。 多くの親は、幼少期から塾や習い事に我が子を行かせ、持てる能力の開花を望んでおります。しかしながら、一旦義務教育に身を移すと、平均的な授業を押しけられ、残念ながらすぐれた芽も摘み取られてしまいます。 荒川区では、例年行っている教育委員会の褒賞は、個人の持っているすぐれた能力を引き出す一助になっているのではないかと思われます。プロ野球広島カープの鈴木誠也選手も、中学時代、スポーツ選手の片鱗をうかがわせ、表彰されております。令和の時代は一芸に秀でた人間を育てることが重要になるので、モチベーションアップにつながるように、さらに多くの分野で表彰制度を拡充すべきと思いますが、いかが考えているのか、お伺いをいたします。 平成三〇年には高卒の五五パーセントが四年制の大学に進学いたします。教育再生実行会議では、一九九〇年内から大学生の学力低下対策を進めてきました。中央教育審議会答申を受けて、高大接続改革を進めようとしております。 二〇二〇年度から高校の学習指導要領の改訂を反映して、二〇二一年一月から大学入学共通テストになり、センター試験で実施されていた全面的択一式マークシート方式から思考力・表現力を見る記述式など多様な設問方式に変わります。 共通試験は、新学習指導要領で学んだ子どもたちが大学入試に臨む時期の二〇二四年度にもう一度大きく変化します。 文部科学省の大学入試室によれば、共通テストは二〇二一年度に検証して、その後、有識者会議を経て実施大綱を定め、二〇二四年度の要領改訂に伴い、記述式のぶれを防ぐため、CBT化する可能性があると言います。既にビジネス社会では必要不可欠でありますが、受験でも今後の子供たちにはタイピング力の向上が必須になります。 国でも情報活用能力検査を七年前に実施しておりますが、それによると、文字入力検査の結果は、小学五年生は一分間当たり五・九文字、中学二年生は一七・四文字、ところが、小学五年生は五・九文字と言いながら、五文字以下の子が半数以上いるというのが実態です。 大学入試のみならず、ICTとともに生きる令和の時代は、昭和、平成の勉強モデルから変えて、知識の活用能力と文字入力能力と表裏一体にしなくてはいけません。 IT先進国を目指す荒川区では、タブレットを全員に配備して、この間、全国の平均よりもタイピングの速さも向上しているものと思われますが、さらなる向上を目指して、今後コンテスト等を実施すべきと思いますが、どう考えるか、お伺いいたします。 小中学校における働き方改革についてお伺いいたします。 ことし九月に荒川区内小中学校にタイムレコーダーが設置されました。今までは労務管理なき長時間労働で、たとえ過労死しても公務災害の申請ができない状態がやっとこれで改善されたわけです。 学校関連で生徒の事故やけが、健康状態にかかわる危険は、交通事故死、水泳中の事故死、宿泊等の校外で学習中の事故死、その他校舎内から校外に出てからの事故死と数多く発生しており、対処する教員は、有限で聖職者として制度設計のない教育活動が求められてきました。その都度、安全対策を充実させてきた区教委ではございますが、いまだ学校の責任として教員の負担増になってる部分が残っています。同時に、ここ十年間では学習指導要領のこまがふえ、また、中学校の土日の部活動が増加しています。卒業式、周年記念行事、運動会、学芸会等々でいずれの小中学校も規律がとれてすばらしく感じますが、反面、準備のために授業時間をかなり割いているのではないかと心配にもなります。 荒川区のすぐれた特徴である強固な地域コミュニティに支えられている反面、地域行事とのかかわりも学校管理者にとっても重荷になっているのではないかと思われます。 この際、教育委員会では、学校の伝統行事を含めて思い切った業務の仕分けを行い、教員が本来の業務に集中して取り組めるようにすべきと思いますが、区教委はどのように考えているのか、お伺いいたします。 以上で一回目の質問を終わります。   〔再開発担当部長松崎保昌君登壇〕 ◎再開発担当部長(松崎保昌君) 西日暮里駅前地区の再開発に関する御質問のうち、新ホールの独自建て替えに関する御質問にお答えいたします。 西日暮里駅前地区は、JR山手線・京浜東北線、東京メトロ千代田線及び日暮里・舎人ライナーの三路線の駅を有する区内最大級の交通結節点であります。 しかしながら、現在、駅前広場が未整備であり、交通の安全性や利便性の面で課題を抱えている状況にあります。また、大規模な商業施設がなく、にぎわいや生活の基盤づくりにおきましても、さまざまな課題があるものと考えております。 このことから、区では、西日暮里駅前地区再開発において、駅周辺の道路、駅前広場及びペデストリアンデッキ等の都市基盤を整備することにより、現在不足している交通結節機能の強化及び地域のにぎわいと生活基盤施設づくりを目指し、地域の皆様方と連携しながら、平成二十六年に再開発準備組合を設立して検討を進めてまいりました。 施設建築物につきましては、準備組合設立以降、配置検討の中でホールを単独棟とする案もございましたが、平面計画上困難であることや、駅に近接する商業施設棟の上階に配することで、駅前の顔づくりによる地域のイメージアップと店舗との相乗効果による集客力の向上の観点から、現在の複合建築物の計画となったものでございます。 この建築物は一棟の建物として検討を進めており、所有権につきましては、区分所有を想定しております。そのことから、将来、ホールの建て替えを行う際には、区分所有者全体で協議し、合意形成を図りながら進めていくものであると認識しております。 次に、再開発組合設立同意書提出時の議会同意に関する御質問にお答えいたします。 都市計画決定の手続に関しましては、平成三十一年三月に準備組合より荒川区に対して、地権者の推進依頼書の写しを添え、進めることについて依頼がございました。この推進依頼書の取得について瑕疵がある旨の陳情が提出されていることにつきましては、区も認識しております。 先日、区が行った説明会におきましても、同様の意見が述べられた一方で、準備組合理事ではない出席者の方々から、決してそのようなことはなく、明確な説明がなされ、同意したとの発言もございました。 そのような状況に鑑み、現在、準備組合では、一部地権者に対し推進依頼書に関する意向の再確認を行っているところでございます。市街地再開発事業では、財産を取得する際には議決をいただくことになります。しかしながら、再開発組合設立の認可を申請しようとする際には、区も地権者として同意書に捺印し、提出することとなりますが、地方自治法、条例に照らして議決しなければならない事案には当たりません。 いずれにいたしましても、議会に対しましては、事業の進捗に合わせ、機会を捉えて報告を行ってまいります。   〔教育委員会事務局教育部長三枝直樹君登壇〕 ◎教育委員会事務局教育部長(三枝直樹君) 初めに、プログラミング教育に関する御質問にお答えいたします。 小学校学習指導要領では、コンピュータに意図した処理を行わせるために必要な論理的思考力であるプログラム的思考を育むことがプログラミング教育の目標とされております。 また、プログラムの働きや優位性、情報社会がコンピュータ等の情報技術によって支えられていることなどに気づくことができるようにするとともに、コンピュータ等を上手に活用して身近な問題を解決したり、よりよい社会を築いたりしようとする態度を育むことも目標としてございます。 教育委員会といたしましては、タブレットパソコンなどのICT環境を活用した授業づくりを実践し、来年度より小学校教育で全面実施となりますプログラミング教育の円滑な実施に向けて取り組んでいるところでございます。 今後も、各学校におけるプログラミング教育の推進が着実に図られるよう、研修会等を通して小学校段階におけるプログラミング教育についての基本的な考え方やモデル事業を提示するなど、教員の指導力の向上にも努めながら、プログラミング教育の一層の充実を図ってまいります。 次に、表彰制度の拡充に関する御質問にお答えいたします。 教育委員会では、学校の課外活動、生涯学習、スポーツ等の分野で優秀な研究、活動または優秀な成績をおさめた個人または団体を対象に、荒川区教育委員会褒賞を贈り、その功績をたたえております。教育委員会褒賞は、これまで教育文化に関する行事や大会において優秀な成績をおさめたことにより、荒川区の名を高め、教育に大きな影響を与えた児童・生徒、学校教育・社会教育関係者等に対し、教育委員会が褒賞することにより、日々の諸活動に対するより一層の励みとなることを目的として実施してまいりました。平成三十年度は三百十四名の個人、団体が受賞されております。 教育委員会といたしましては、今後も児童・生徒をはじめ、より多くの区民の皆さんのすぐれた能力や活躍に光を当て、表彰するよう積極的に取り組んでまいります。 次に、タイピングの向上に関する御質問にお答えいたします。 荒川区では、子どもたちに二十一世紀型能力を身につけさせ、これからのグローバル社会をたくましく生き抜くことができるよう、活用時一人一台体制でタブレットパソコンを導入いたしました。 各学校では、読み・書き・計算を学習活動の基本とし、タブレットパソコンを授業ツールとして効果的な場面で活用しながら、子どもたちが確かな学力を身につけることができるよう努めてございます。 御質問にあるタイピングと言われるキーボード入力につきましては、タブレット導入当初より必要なスキルであると認識しており、導入したタブレットパソコンもキーボードつきのものとし、アプリを活用した入力練習なども行っております。 また、小中学校における情報活用能力を育む九年間のICT学習モデルを各学校に示し、小学校三、四年生でキーボードを使った文字入力、中学校一年生ではワープロソフトウェアの基本操作の習得を一定の目安として、キーボード入力の習得に取り組んでいるところであり、タイピングを競うコンテストの実施につきましては、現段階で検討をしてございません。 続きまして、教員の働き方改革に関する御質問にお答えいたします。 学校を取り巻く環境は、近年ますます複雑化・多様化し、求められる役割も拡大しております。 学校現場において、教員は日々子どもたちと向き合い、献身的な努力を重ねているところでございますが、その一方で、教員の長時間労働による負担が問題視されているところでございます。 教員が心身ともに健康で生き生きと働ける学校をつくり上げていくことは、子どもと教員の関係をよりよいものにしていくことに直結するものであり、学校における教育環境の向上に大いに寄与するものであると考えてございます。 国においては、平成二十九年十二月に中央教育審議会が学校の働き方改革に関する総合的な方策についての中間まとめを示し、これを受け、文部科学省は、学校における働き方改革に関する緊急提言をまとめました。 また、平成三十一年一月には、中央教育審議会が新しい時代の教育に向けた持続可能な学校指導、運営体制の構築のための学校における働き方改革に関する総合的な方策についての方針を示しました。 東京都では、教育委員会が教員の長時間労働の改善に早急に取り組み、学校教育の質の維持向上を図ることを目的に、平成三十年二月に学校における働き方改革推進プランを策定してございます。 これらの国や都の動向を踏まえ、荒川区におきましても、区立小中学校教員の働く時間や意識等を把握した上で、本年二月に荒川区立小中学校における働き方改革プランを策定し、これまでも教材作成など教員の授業準備をサポートするスクールサポートスタッフのモデル導入や部活動外部指導員の配置など、教員の負担軽減に向けた取り組みを実施してきたところでございます。 今後も、この荒川区立小中学校における働き方改革プランに基づきまして、教員の業務内容やそのバランスにつきまして十分に精査いたしますとともに、改善点を明らかにし、課題の見直しを図ることによりまして、学校がさらに働きやすい職場となるよう全力で各学校を支援してまいります。 ○議長(茂木弘君) 残り一分ほどですが。 ◆二十四番(藤澤志光君) 建て替えは区分所有者全体と協議してやるということでありますけれど、千人を超えるような区分所有者が存在するような形になります。 後世、お荷物になっても、自分たちではかかわりがないので知らないよと言っているようにも聞こえるんですが、一体誰がそうした問題に対して責任がとれるような形で事業を進めていくのでしょうか。お答えを願いたいと思います。   〔再開発担当部長松崎保昌君登壇〕 ◎再開発担当部長(松崎保昌君) 区といたしましては、将来、区分所有となった場合には、区分所有者と協議をしながら、その建物をどうしていくかということを考えていかなければならないと認識してございます。 ○議長(茂木弘君) あと二秒ぐらいです。 ◆二十四番(藤澤志光君) 認識しても、皆さんはもうタッチできないわけです。 ○議長(茂木弘君) 時間でございます。 以上で本日の質問は終わります。 以上をもちまして本日の日程は全部終了いたします。 お諮りいたします。本日はこれをもって散会いたしたいと思いますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(茂木弘君) 異議ないものと認め、そのように決定いたします。 次回の本会議は十一月二十九日午前十時から再開いたします。 本日はこれをもって散会いたします。まことにお疲れさまでした。   午後三時十六分散会...