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  1. 荒川区議会 2019-06-01
    06月24日-01号


    取得元: 荒川区議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-12
    令和元年度定例会・6月会議荒川区議会会議録(第一日)=============一、日時 令和元年六月二十四日 午前十時一、場所 荒川区議会議場一、出席議員(三十二名)  一番 久家 繁君  二番 小坂英二君  三番 夏目亜季君  四番 宮本舜馬君  五番 山田晴美君  六番 相馬ゆうこ君  七番 北村綾子君  八番 小林行男君  九番 横山幸次君  十番 斉藤邦子君 十一番 小島和男君 十二番 鎌田理光君 十三番 町田 高君 十四番 中島義夫君 十五番 菅谷元昭君 十六番 明戸真弓美君 十七番 茂木 弘君 十八番 小坂眞三君 十九番 並木一元君 二十番 斎藤泰紀君二十一番 北城貞治君二十二番 志村博司君二十三番 河内ひとみ君二十四番 藤澤志光君二十五番 竹内明浩君二十六番 清水啓史君二十七番 山口幸一郎君二十八番 増田峰子君二十九番 森本達夫君 三十番 菊地秀信君三十一番 松田智子君三十二番 保坂正仁君一、欠席議員(なし)一、出席説明員区長  西川太一郎君副区長  佐藤安夫君副区長  北川嘉昭君総務企画部長  五味智子君財政担当部長  宮腰 肇君区政広報部長兼全国連携担当部長  米澤貴幸君管理部長  梅原一彦君区民生活部長  阿部忠資君地域文化スポーツ部長  古瀬清美君産業経済部長  石原 久君環境清掃部長  池田洋子君福祉部長  片岡 孝君健康部長  石原 浩君健康推進担当部長  東山忠史君子育て支援部長  青山敏郎君防災都市づくり部長  松土民雄君再開発担当部長都市計画担当部長  松崎保昌君会計管理部長会計管理債権管理担当部長  丹 雅敏君総務企画課長  小林直彦君教育長  高梨博和君教育委員会事務局教育部長  三枝直樹君選挙管理委員会委員長  小林清三郎君代表監査委員  斎藤暢生君一、職務のため出席した事務局職員事務局長  濱島明光庶務係長  小原 実議事係長  伊藤智徳主任主事  染谷沙織主事  堀川光佑主事  山本麻由来主事  松元 翼企画調査係長  細井貴洋議事日程 令和元年六月二十四日 午前十時開議第一               一般質問について           午前十時開議 ○議長(茂木弘君) ただいまより六月会議を開きます。 六月会議の会議期間は、本日より七月九日までの十六日間といたします。 この際、区長より発言の申し出がありますので、これを許可いたします。   〔区長西川太一郎君登壇〕 ◎区長(西川太一郎君) 令和元年度荒川区議会定例会・六月会議の開会に当たりまして、御挨拶を申し上げたいと存じます。 六月会議には、荒川区特別区税条例の一部を改正する条例など重要な案件を多数御提案申し上げる予定でございます。どうぞよろしく御審議を賜りますようお願いを申し上げます。 ○議長(茂木弘君) 出席、欠席議員数を報告いたします。出席三十一名、欠席一名でございます。 六月会議の会議録署名議員を定めます。本件は、会議規則第百二十条の規定により議長より御指名いたします。        七番   北 村 綾 子 議員        十八番  小 坂 眞 三 議員        二十六番 清 水 啓 史 議員 以上、三名の方にお願いいたします。 日程第一、一般質問について。───────────────○─────────────── △一般質問について ○議長(茂木弘君) 一般質問の通告がありましたので、順次発言を許可いたします。 十六番明戸真弓美議員。   〔明戸真弓美君登壇〕 ◆十六番(明戸真弓美君) 自由民主党の明戸真弓美です。改選後初めての令和最初の一般質問の機会をお与えいただきました同僚議員の皆様に大きく感謝申し上げます。 さて、三十一年続いた平成が終わり、年号が新しく令和に変わりました。技術の進歩が加速し、価値感も大きく変わり、新しい時代の到来がひしひしとは予感されますが、しかとは見えてきません。新しい時代は一体どんな時代になるのでしょうか。 今年の二月に亡くなられた作家・評論家の堺屋太一氏によれば、明治の強い日本、戦後の豊かな日本、それに続くのは楽しい日本だということをおっしゃっていたそうです。また、社会学者の見田宗介氏によれば、既にその兆しはあらわれていますが、シンプル化、ナチュラル化ボーダーレス化、脱商品化といった現象の指し示すものは、選ばれたものから選ぶものへ、価値がある人間から価値を決める人間へ、上流社会から無流社会への変化であり、経済でいえば縮小ですが、人間の幸福でいえば、経済に依存しない幸福の領域の拡大という方向に向かっているのだそうです。 最近の言葉では「リア充」という言葉で表現される感覚で、身近な人たちと喜びを交わし合い、自然に身を委ねることを幸福だとする世界が広がりを始めているということでした。 未来予想の一つではありますが、幸福実感都市を標榜する荒川区としても、こういった変化に敏感であるべきだろうと思います。 もう一つ心に残ったことがありました。 ことし二月にサンパール荒川で谷根千で有名な森まゆみさんの講演会がありました。そのとき、最初におっしゃった言葉が「PR」という言葉でした。PRというと、広告・宣伝と捉えられやすいですが、パブリック・リレーションズの略だということでした。調べてみますと、本来の意味はもっと広く、望ましい関係をつくり出すための考え方及び行動のあり方なのだそうです。一方通行の情報の押しつけではなく、双方向のコミュニケーションであり、正しいと信ずる部分では相手をとことん説得し、自分の側に非や不備が見つかれば、ためらわずに修正する柔軟性も備えていなくてはいけないということでした。 以心伝心でも、あうんでもない新しい時代をつくるには、個人が自分の立場や意見をPRする能力を身につけることが今後一層重要となってきているそうです。 区民の代表として、区民の側に立った区議会議員という立場をはっきりとさせて、今回の質問に臨みたいと思います。 まず初めに、子どもが健やかに育てられるまちづくりについて質問いたします。 区では、現在、令和二年七月の児童相談所設置に向けて準備を進めています。この間、区議会自民党として、万全の体制で開設してほしいと繰り返し要望してきました。 いよいよ開設予定まで一年余りとなりました。昨年の十一月には施設の建設工事に着手したほか、東京都との協議も進めていると聞いており、今後ますます準備が本格化すると思われます。 そのような中、今月五日、札幌で虐待により幼い命が奪われる事件が発生しました。昨年三月の目黒区、ことし一月の野田での事件に続き、またもという思いであります。 報道によると、札幌では、ケースワーカー一人当たりの担当数が百件を超えており、安全確認が十分にできなかった、また、警察との意識共有もうまくいかなかったという事実が明るみに出てきました。 ことし二月の予算に関する特別委員会の総括質疑において、我が党の中島議員からも指摘したように、人手が足りないことを理由に子どもの安全確認を後回しにするようなことがあってはならないと思います。子どもの安全を確認する上で、どう警察と連携するかなど課題は多いと思います。荒川区の準備状況はどのようになっているのか、お伺いいたします。 ことしの十月から消費税を財源とした幼児教育・保育無償化が始まります。保育園が無料になることばかりがクローズアップされていますが、政府の新しい経済政策パッケージの中では、新しい時代に対応した「人づくり革命」として位置づけられています。 幼児期は、能力開発、身体育成、人格の形成、情操と道徳心の涵養にとって極めて大切な時期であり、幼児教育が認知能力だけでなく、根気強さ、注意深さ、意欲などの非認知能力の育成においても重要な役割を果たしています。 新しい時代に必要な問題解決能力コミュニケーション能力を身につけるためにも、幼児教育・保育の質の向上も不可欠なのだということは言われております。質のよい幼児教育を受けることが将来の所得の向上や生活保護受給率の低下等の効果をもたらすことを示す世界レベルの著名な研究結果もあります。 この根拠となる子ども・子育て支援法改正の基本理念として、子ども・子育て支援の内容及び水準について、全ての子どもが健やかに生活するよう支援するものであって、良質かつ適切なものであることに加え、子どもの保護者の経済的負担の軽減に適切に配慮されたものとすることを追加しています。全ての子どもが対象であるということを忘れてはいけないと思います。 荒川区には、幼稚園にも保育園にも通っていない子どもが二百名前後いますが、そういった子どもも取りこぼさないで、幼児教育の確保と教育の質の向上を図っていくことが大切だと思います。 四年ほど前に文教・子育て支援委員会で、京都のNPO法人山科醍醐こどものひろばの方のお話を聞く機会がありました。学校に行く年齢に達していない年の子どもたちや学校に行きたくても行けない子どもたちのための預かり場として事務所を開放している場所ですが、親からのネグレクトを受けて、お風呂の入り方もトイレの仕方も教えられない子どもたちも時としていて、そういった子どもたちへのケアについてお話されていました。 代表の方が最後に、教育費の中でも三歳から五歳の教育投資が一番生み出すものが多いと言っておられたのを印象深く覚えております。 西川区長が以前からおっしゃっている未来社会の守護者である子ども支援をするためにも、これまで保育園やおもちゃ図書館等で行っている十九カ所の子育て交流サロンをはじめ、子どもにかかわる各種事業、各種機関が連携強化し、児童相談所と一緒に子ども家庭支援センター機能もある(仮称)荒川区子ども家庭総合センターの運営において、幼稚園にも保育園にも通っていない子どもへの幼児教育の確保と教育の質の向上について御配慮いただけますようお願いいたします。 また、幼児教育・保育の無償化については、国は平成二十六年から環境整備と財務確保を図りつつ、段階的に取り組み、平成二十九年十二月に消費税率引き上げによる財源を活用して、子育て世代を応援し、社会保障を全世代型へ抜本的に変えるため、幼児教育・保育の無償化を一気に加速することとしたところです。 このたびの無償化では、三歳から五歳の幼稚園、保育園の保育料とゼロ歳から二歳の住民税非課税世帯の保育園等の保育料が無料になるほか、幼稚園の預かり保育や認証保育所等の保育料についても無償の対象となりましたが、具体的に私立幼稚園や認証保育所等の保育料はどうなるのでしょうか。 国の方針も一部には現状とそごが生じていると聞いています。特に給食費については、国はこれまでも実費徴収または保育料の一部として保護者が負担してきたことから、無償化の対象外とする説明をしています。しかし、現実には、保護者にとって、保育料の中に給食費が含まれ、保護者も負担してきたと言われましても、その感覚はなく、このたびの無償化で保育料の負担がなくなるものと理解していると思います。 私は、基本は給食費は実費徴収するものと考えていますが、保育料を無償化するという一連の流れの中で、給食費の実費徴収については、他区の動向や議会、区民等の意見も十分に聞いていただき、慎重な議論を踏まえて対応することが必要と考えます。そうしたことから、幼児教育・保育の無償化が十月から実施されることを踏まえて、区の基本的な対応方針についてお伺いいたします。 次に、安心して住み続けられる地域づくりについて質問いたします。まずは八〇五〇対策を含む引きこもり対策についてお聞きいたします。 本年三月、内閣府が国レベルで初の調査を実施し、四十歳から六十四歳の引きこもり状態の人が六十一万三千人いるとの推計を発表いたしました。これまで、引きこもりは若年層の問題と捉えられてきましたが、長期化に伴い、年齢が上昇してきているとのことでした。そして、そうした五十代の引きこもりの子どもを持つ八十代の親を示すのが八〇五〇問題であり、社会的な問題としてマスコミ等でも多く取り上げられるようになってきました。 そんな中、川崎での殺傷事件や元農林水産事務次官による刺殺事件等が発生し、中高年の引きこもりが一段とクローズアップされています。 内閣府の推計をもとに、日本の総人口約一億二千六百万人で割り返すと、総人口に占める割合は約〇・五パーセントとなります。これを機械的に荒川区の人口二十一万人に当てはめてみますと、約千五十人という数値が推計されます。これはあくまでも単純推計なので、絶対値とは言えませんが、区内にも少なからず引きこもりの状態にある御家族と暮らしている世帯は潜在的にあり、どこにも、あるいはどなたにも相談できず大変困っている状況は既にあると思っています。私自身、そうした御相談を受けた経験もあります。 これまでにも、荒川区内では、荒川たびだちの会という団体が少なくとも平成二十四年のころから、引きこもりや不登校、発達障がいの当事者と家族のためのサロンを開催しており、最近は問い合わせもぽつぽつあるそうです。 引きこもりについては、とてもデリケートな問題ではありますが、秋田県の藤里町の例を見ましても、高齢の親のために入るケアマネジャーがかかわる地域包括支援センターや国の調査の三六パーセントが原因と挙げている退職の後の支援を行うハローワーク、次に二一パーセントが原因と挙げている病気を診てもらう病院や心療内科等の医療機関、さらにはその他関係する団体等を含め、相互に連携できるネットワークをつくり、身近に、そして気軽に、事が大きくなる前に悩みを打ち明けられる環境づくりや、気づいてあげられる仕組みを構築すべきだと思います。 大分県の例では、支援団体のアドバイスに従って、五十代の息子を「市役所に相談を」とのメモを残して親が家を出るといった荒療治で立ち直った人もいるようですが、家から外に出させるための支援のツボは、出ていく先を多様に用意し、単に様子見や状況確認のための家庭訪問ではなく、出ていく先の情報をしっかり伝え、社会経験が足りないだけの人材なのだから弱者として捉えないといったことがあるそうです。 出ていく先の例といたしましては、段階的にまずは在宅ワークやフリーペーパーのポスティングの仕事を紹介したり、過去に子どもが引きこもりだった事業者の協力を得て仕事を紹介する等の活動を行っている愛知県一宮の例があったり、秋田県の藤里町や大阪府の豊中市の例では、生活困窮者支援として、引きこもりの人が自分のペースで有償で働ける居場所、例えば食堂や食料提供の相談、仲介の拠点であるフードパントリーといった場所が将来的に用意できるとよいのではないかと思います。 生活困窮者支援の仕事をしている団体も荒川区には幾つかありますし、昨年から東京都では、フードパントリー事業に助成金を出しているようです。中小企業同友会が引きこもりの人の支援を表明していますが、こういった支援の後に就職にたどりつけるということもあるのだと思います。 荒川区の介護事業者の方々からお伺いしたところによれば、介護離職をしている方も多く自宅にいらっしゃるということでしたので、年齢によらず、外とのかかわりを求めているにもかかわらず、家に縛られた方々についても視野に入れていただければと思います。 区でも引きこもりの方々の相談窓口として、区役所一階に「お一人で悩まず御相談ください」をキャッチフレーズに、ワンストップ相談で関係機関等へつなぐ仕事・生活サポートデスクを開設していますが、これまでの取り組みと現状についての認識、そして今後の展開についてお伺いいたします。 次に、自然に歩きたくなるまちづくりについてお伺いいたします。 荒川区の人口は二十一万人、うち、六十五歳以上は五万人強に上ります。人生も百年時代となれば、まだまだ六十五歳は働き盛りですが、健康で長生きするには、歩く習慣を少しずつでもよいので始めるのがよいのではないかと思います。 ある研究によれば、一日の歩数が二千歩で寝たきり予防、五千歩で認知症予防、七千歩でがんや動脈硬化予防の効果が高まると言われています。 荒川区では、保健所であらかわウオーキングマップを平成二十一年三月から二年ごとに内容を更新しながら発行しており、地域ごとに区内十二コースを紹介しています。 今回御勇退された鳥飼秀夫議員のように、区役所にいたかと思うと、尾久・小台へ、隅田川沿いを歩いて町屋、いつの間にか区役所にいるような健脚な方もいらっしゃいますが、楽しくゆっくり歩く方もいらっしゃると思います。 途中、せせらぎの小径やトレイン・ミュージアムの場所も掲載されていたりしますが、毎日歩く人にとって、歩いてまちに出たいと思えるようなちょっとした情報をウオーキングマップに一枚挟むような形で配付するのはいかがでしょうか。 地域には歩きたくなるようなさまざまな資源があります。荒川区で行っている健康アップステーション介護予防教室、ふれあい粋・活サロン、ころばん体操といったイベントもあれば、薬局が拠点となってポールを貸し出して一緒に歩くウオーキングイベントを開催しているところもあります。 介護予防として、ヨガ教室やエクササイズのできる場所や日時、銭湯あるいは昼カラオケや休憩できる喫茶店の場所と営業時間、休憩のできるベンチの場所もあってもよいかもしれません。お年寄り向けには介護用品を売っているお店の場所や地域包括支援センターの場所、血圧計や体組計のある場所や健康部のパンフレット等が置いてある健康情報提供店もよいと思います。こういった場所を拠点として、健康のためになる情報を一括して見やすく示すことができれば、楽しく自然に歩きたくなる動機づけになると思います。 健康に関する地域資源を情報提供することにより、まちを回遊できる健康の駅のような仕掛けをつくり、介護予防につなげる取り組みを推進すべきと考えますが、いかがでしょうか。 続けて、年々課題の大きくなっている介護分野についてお尋ねいたします。 先ごろ発表された東京都の試算では、二〇二五年度、都内全域で約三万五千人の介護職員が不足すると見込んでいます。また、東京労働局が五月末に発表した都内の介護職員における有効求人倍率は七倍を超えているそうです。 このように介護事業者にとって介護職員の確保は重要な課題となっています。介護職員の不足理由はさまざまですが、その一つに給与水準の低さが課題として考えられます。その解決に向けて、国は新たな処遇改善加算特定処遇改善加算をことし十月に開始いたします。この特定処遇改善加算においては、例えば介護福祉士で十年以上の勤務経験のある方には、月額八万円の給与上乗せが行われる等といったことが期待されており、このような新たな処遇改善は介護職員の確保に向けた一つのきっかけになると思います。 そこで、介護人材の確保や定着を含めて、国の対策に合わせて、区においても介護事業者を支援する取り組みを行っていただければ、相乗効果も高まるのではないかと考えますが、いかがでしょうか。 また、介護職員というと、給与水準だけでなく、夜勤の大変さや事務の多さなどといったイメージが先行し、サービスの仕事の魅力が十分に伝わってない可能性もあると考えます。 本来、魅力を伝えるようなPR活動は、主に国や都が行う分野かもしれません。しかし、折しも今年度は介護保険制度が開始されてから二十年目の年に当たります。このような機会を捉えて、介護業界全体のイメージアップを区としても行い、介護分野に興味、関心を高めてもらうような取り組みが必要と考えます。 先日、介護現場の見学にぜひ小中学生を受け入れたいという業者の声も聞きましたので、こういったことも検討できると思います。介護分野に興味、関心を高めてもらうような取り組みについてお伺いいたします。 次に、創業支援につながる拠点づくりでの地域活性化について質問いたします。 先日、町屋一丁目に城北信用金庫インキュベーション施設COSA ONをオープンさせました。一階にはコミュニティの核となるカフェがあり、二階はインキュベーションオフィスです。この施設では、起業における悩み事の相談や事業へのアドバイスを専門家から受けられるだけでなく、一階のカフェでは交流会やイベント等を開催し、テストマーケティングやプレゼンテーションなど、ビジネスや地域の課題解決に向けて活用できる環境づくりにも取り組んでいます。 荒川区では、平成二十四年度まで西日暮里スタートアップオフィスを運営していました。閉鎖後は、事務所等家賃補助や創業相談、創業融資などの施策により区内での創業を支援してきたと認識しています。 しかし、これからは、先ほどのCOSA ONや荒川区中小企業経営協会が町屋で開催しているあらかわ創業伴走サロン等、地域のコミュニティや商店街等と連携して創業のすそ野を広げ、潜在的な起業希望者を掘り起こすことも重要なのではないでしょうか。 ことしの三月に表彰式のあった荒川区新製品・新技術大賞区長賞を受賞された旭モールディング株式会社の社長さんのお話を聞く機会がありました。 積層整形ブロックL-CUBE」という新製品の開発に対しての受賞でした。数百種類以上と言われているプラスチック材料の配合を量産製品と同じ配合で試作品がつくれる切り出しブロックの開発は、当初接着がうまくいかず、五年以上の年月がかかり、途中で諦めそうになったときに、産業経済部の方々の知恵と励ましで、これまでにない画期的な製品がやっとのことで完成したんだとおっしゃっていました。商品開発でさえそうなのですから、起業する人にとっては、自分の起業に伴走してくれる常設の場所があることは一層力強いのではないかと思います。 区もこうした地域とのコミュニケーションの輪を広げ、連携することで、創業支援や地域産業の活性化につながる拠点づくりを進める必要があると考えますが、今後の創業振興施策の方向性をお伺いいたします。 次に、オリンピックパラリンピックを契機とした地域の活性化と機運醸成についてお伺いいたします。 いよいよ一年後には東京二〇二〇オリンピックパラリンピック競技大会を迎えます。現在、大会で使用する会場整備が進んでおり、各競技においても、本番に向けてテストイベントが実施されるなど、国じゅうが大会に向けて盛り上がってきているところだと感じます。 荒川区においても、来年七月二十日には聖火リレーが走ることや、パラリンピック競技であるシッティングバレー公式練習会場荒川総合スポーツセンターが選ばれているなど、関連する事業が予定されています。さらに区民が集まって競技を観戦し、一緒に応援するパブリックビューイングなども実施してもらえれば、一層盛り上がるものとなると思います。 また、大会で得られる感動を未来につなげていくためにも、多くの区民、特に子どもたちを含めて大会に参画できるように取り組んでほしいと考えます。 本区はシッティングバレーの公式練習場となっていることから、練習に訪れる各国の代表選手と区民の交流も図ることができればとも考えます。区民もパラリンピック競技への関心や理解が高まり、記憶に残るものになるではないかと思います。 スポーツだけに限らず、NN36直通で東京の玄関口となる日暮里などで観光や文化などのさまざまな面でおもてなしをする環境整備も必要と考えます。その際は、ボランティアを含めて、区民も協働で取り組むべきだと思います。 このように今から来年の東京二〇二〇大会の本番まで荒川区全体で盛り上がり、区民の記憶に残る取り組みを実施すべきと考えますが、いかがでしょうか。 次に、DMO機能によるインバウンド対応についてお聞きいたします。 DMOとは、観光物件、自然、食、芸術・芸能、風習、風俗など当該地域にある観光資源に精通し、地域と協同して観光地域づくりを行う法人、Destination Management Organizationの略で、昨年十月に財政援助団体調査特別委員会で視察いたしました一般社団法人田辺熊野ツーリズムビューローでは、熊野エリアの海外プロモーションや案内所、宿泊施設の紹介をはじめ、着地型観光でインバウンドの取り組みに成功しています。 従来の観光協会の発展系であり、区で導入する場合は、短期的な視点というよりは中長期的な視点で取り組んでいくべきものであろうと思います。DMOの取り組みの軸となる地域資源を有機的に結びつけていく取り組みは、地場観光の種が至るところにある荒川区においても、すぐにでも取り組むことができると思います。 日暮里繊維街にも外国人の姿を多く見かけるようになり、オリンピックパラリンピックを機にインバウンドがますます増加していくことが想定されていることから、DMO機能を整備することで積極的に取り組んでいくべきと考えますが、いかがお考えでしょうか。 最後に、区民参加型の空き地・空き家を活用したまちづくりについて質問いたします。 区役所にほど近く、荒川四丁目の不燃化促進用地を活用した「ご近所ファーミング」と名づけられた畑がことしの春にできました。最近もこの近くを自転車で通りましたが、ジャガイモ、ニンジンなどぐんぐんと成長して緑の葉を茂らせています。 こういった取り組みは、防災まちづくり、空地の活用、環境配慮、区民参画、都市型農業等さまざまな観点から有効な取り組みだと思います。防災まちづくりの観点から、老朽建築物の除却を促進し、その後一定期間は空地となる空間を有効活用しない手はありません。 土地の賃料や日々の適切な管理をする担い手をどうするか、課題は多いと思いますが、御近所で手を携えて取り組んでいけば解決できるのではないでしょうか。最近は多くなった区内の空き地にこうした取り組みをさらに拡充していくべきと考えますが、いかがお考えでしょうか。 次に、空き家の利活用についてお伺いいたします。 全国で空き家問題が深刻化しています。 荒川区においては、空き家問題の解決に向け、実態調査を実施し、空き家の状況を把握した上で、空き家等対策の推進に関する条例を制定し、危険な老朽空き家の除却に積極的に取り組んでいることは高く評価しています。 空き家対策をさらに前進させるためには、老朽化した空き家の除却をすることとあわせ、利活用を促進することが重要だと考えます。 空き家は放置すると老朽化の進行が早まると言われています。老朽化の進行を抑えることに加え、空き家をまち中の有効な資源として捉えて利活用することで、地域の活性化などさまざまな効用が得られるものと考えます。こういった手法はリノベーションと呼ばれており、リノベーションまちづくりは遊休不動産をリノベーションの手法を用いて再生することで、産業振興、雇用創出、コミュニティ再生、エリア価値の向上などを図るものです。 リノベーションまちづくりの推進ではトップを走っていると思われる北九州の例を御紹介いたします。 平成二十二年度に小倉山家守構想を策定し、平成二十三年度から小倉魚町地区を中心にリノベーションまちづくりを進めているそうです。 縮退する社会の中で、まちににぎわいを取り戻すため、現代版の家守の思想を用いて、遊休不動産を再生し、都市型産業の集積を行う新しいまちづくりの手法で、取り組みに当たっては、行政と民間が連携し、それぞれの役割を分担いたします。 家守とは、江戸時代における長屋の大家の呼称だそうで、現代版の家守では、行政、地域住民等と連携し、空き家等をスモールオフィスなどに転用し、その地域に起業家や個人事業者を入れ、地域を支える新しい産業やにぎわいを起こそうと試みる人のことになります。 役割分担としては、行政は建築物の用途変更、消防法の適用確認など行政手続の相談窓口を一本化して開設するとともに、広報PRや不動産オーナーへの啓発などに取り組みます。 民間事業者は、建物のリノベーションを通じて仕事を生み出し、エリアに新しいコンテンツを集めます。リノベーション事業は、リスクを抑えた小さな投資を積み重ね、エリアの価値向上につながる、おおむね五年以内で初期投資を回収する事業計画をまず組み立てます。そして、担い手として、DIYやまちづくりに興味がある市民の参加するリノベーションスクールを通じて、チームで実際の空き家を題材としたさまざまな提案を出し合い、専門家も入れて、最終的にブラッシュアップされた計画を事業化していくそうです。 パンフレットには、飲食店やシェアオフィス、一時託児とママたちの憩いの場、総菜販売もするデイサービス等々、多彩な二十五の実践がありました。 地方は人口減少がより深刻であるがゆえに、地域の活性化が急がれていますが、これらの実践から学ぶところも多いと思います。 荒川区内にもリノベーションですてきな建物に生まれ変わり、カフェになっているところがあります。先ほどの町屋のCOSA ONも倉庫でしたし、熊野前商店街のこひきやさんも八百屋さんだった建物を改装したものです。西尾久のアッシュカフェも町工場だった建物でした。 区役所の近所の住宅もリノベーションでDIYのお手伝いを募集していたので、私も壁にパテを塗りに行ったりしたことがあります。荒川区内にも興味を持つ人はたくさんおり、こういった区内の先行事例の情報を収集し、PRしていくこともできると思います。 先日、建築業界の団体からも、建物の除却をするのはよいが、その後のメニューを示しながらでないと不安になる土地所有者もいるという御指摘がありました。今後は、危険な老朽空き家の除却とあわせ、空き地や空き家の利活用の面からも、環境清掃部や経済産業部の協力を得ながら積極的に取り組むべきと考えますが、いかがでしょうか。 以上、一回目の質問を終わります。理事者の皆様には積極的な御答弁をお願いいたします。ありがとうございます。   〔区長西川太一郎君登壇〕 ◎区長(西川太一郎君) 明戸議員の御質問にお答えを申し上げます。 初めに、子どもたちを健やかに育てられるまちづくりに関する御質問に答弁申し上げます。 私は、若いころに出会ったアメリカのすぐれた歴史学者、親子二代、ハーバード大学で御勤務になり、その御令息は後にニューヨーク市立大学で教鞭をとっておられ、私はその際に「子どもは未来社会の守護者である」という大変すばらしい教えに接したことが今日まで、私の考え方の中心にあるものであります。 未来社会を守ってもらうためには、現在、荒川区の中でいろいろ勉強しておられたり経験を積んでおられる若い皆さんに貴重な体験を日々重ねていただくということは大変重要なことだというふうに思っております。まさに子育て環境の充実というのは、こうしたことに積極的に取り組んでいくことだと存じております。 待機児童の解消につきましては、国家戦略特区制度を活用して、全国初の都市公園内への保育所の整備や鉄道敷地の活用などさまざまな手法を用いて、区長に就任以来、この十五年の間に三千人の方々を超す保育定員を拡大し、保育利用率では二十三区トップの水準となっておりますことは、議員もよく御承知のことだと存じます。 在宅で育児を行う御家庭の孤立感や不安感の解消を図るために、子育て交流サロンを十九カ所に拡大いたしますとともに、本年四月から開始いたしましたゆりかご・あらかわ事業では、全ての妊婦と面接を行わせていただき、支援プランを作成申し上げ、お子様たちが生まれる前から子育て期までの切れ目のない御支援を実施しております。 このような取り組みが暮らしやすいまち、子育てしやすいまち等の高い御評価をいただいており、人口も二十一万人から二十一万六千人を数えるまでになったことは、議員も御案内のとおりだと存じます。 本年十月から幼児教育・保育の無償化が実施されます。区では、国の施策や都の施策、制度を基本として、地域の実績に合わせて、子育て家庭の経済的御負担の軽減を図りますとともに、待機児童の方々が保育をしっかり受けられる、まさにその隘路を解消していきたい。在宅家庭を含めた子育て支援策の一層の充実のために、幼児教育・保育の基盤整備に全力を挙げて取り組んでまいります。 次に、創業支援につながる拠点づくりについてのお尋ねに答弁を申し上げます。 区では、これまで地域経済の活性化に向け、ビジネスプランコンテストの開催や専門相談窓口の設置、事務所等を開設する場合の賃料補助、近隣自治体とも連携した起業家交流会の開催など、総合的な創業支援を展開してまいりました。 一方、厳しい経営環境の後継者の不足の問題によって区内事業者が減少している中で、これまでの経営基盤の強化や事業承継への御支援に加えて、潜在的に起業を希望していただいている方々を掘り起こし、さらなる創業支援を求められておる方々にしっかりお応えをしていきたいと、先日、開所式を行っていただきましたCOSA ONで、私はインキュベーターの方々にさらにこうした施設を御利用いただき、インキュベーションの活性化を図っていく、カフェを利用する方々が交流することから生まれる化学反応とも言えるような、そういう潜在的に起業を希望していらっしゃる方々を掘り起こしていくということが大事であるということを所管と相談をしながら、これをさらに実施してまいりたいと存じております。 私は、どなたも気軽に立ち寄れる、新たなビジネスのアイデアや地域課題を活発に議論できる、そうした場所づくりを進めることによって、地域ぐるみでの起業の機運醸成や地域のにぎわい創出に有効であると考えておることは、区として積極的にやってまいりたいというふうに思います。 (仮称)日暮里地域活性化施設内に整備するインキュベーション施設とともに、民間が運営されるあらかわ創業伴走サロンや商店街等との連携を視野に入れながら、志ある方々の創業や新たなビジネス創出につながる拠点づくりのために、積極的に努力をしてまいる所存であります。 これ以外の御質問につきましては、関係理事者から答弁をさせていただきます。   〔子育て支援部長青山敏郎君登壇〕 ◎子育て支援部長(青山敏郎君) 児童相談所に関する御質問にお答えいたします。 区では、区ならではの児童相談所として、令和二年度に荒川区子ども家庭総合センターを開設することを目指しており、本年四月には国に政令指定の申請を行い、児童相談所を設置する自治体として新たに付与される権限の行使に向けた取り組みを進めるなど、全庁挙げて準備を加速させております。 中でも、虐待通告を受けた後の子どもの安全確認は大変重要であり、地域全体で子どもを守る観点から、母子保健、教育、福祉などの関係部署や地域の関係機関と連携協力に当たっての具体的な意見交換を行っているところです。 児童相談所に配置する職員につきましては、かねてより御党から御指摘のありますとおり、国基準を遵守することはもとより、子どもを第一に考えた対応に必要な人材を確保するため、関係部署と検討を行っております。 また、区内の警察署とは、本年三月、子ども家庭支援センターとの情報共有や連携に関する協定書を締結し、児童相談所開設に向け、さらなる内容の充実を図ることとしております。 区といたしましては、全ての子どもと家庭を支援できるよう、引き続き全力で取り組んでおります。 次に、幼児教育・保育の無償化に関する御質問にお答えいたします。 国は、本年十月から全ての子どもに質の高い幼児教育を保障することを目指し、消費税率の引き上げに合わせて、幼児教育・保育の無償化を実施することとしております。具体的には、三歳から五歳までの幼稚園、保育園等の保育料とゼロ歳から二歳までの住民税非課税世帯の保育園等の保育料を無料にするほか、子ども・子育て支援新制度の対象とならない私立幼稚園等の保育料について、新たに創設される施設等利用費を給付することで保育料の無償化を図ります。 幼稚園の預かり教育・保育や認証保育所の保育料につきましても、保育の必要性が認められる場合に無償化の対象となるものです。 また、三歳から五歳までの保育園や幼稚園の給食費は、このたびの無償化後も保護者負担とし、施設で実費徴収することとなります。その際、給食費がこれまでの保育料を上回ることがないよう、年収三百六十万円未満相当及び全ての第三子以降の世帯等から徴収を免除するというものです。 このような国の制度を受け、現在、保育園や幼稚園などの施設側からさまざまな意見が寄せられており、国の制度の一部には区内の現状とのそごがある認識しているところです。 区といたしましては、議員御質問の趣旨を踏まえ、国による無償化の実施に当たりましては、これまでの保護者負担軽減の水準を維持しつつ、国及び都の制度を基本に対応したいと考えております。 その上で、御質問にもありましたように、例えば三歳から五歳までの給食費については、御指摘のとおり、これまでの保育料の徴収等に係る経過等も踏まえ、今後、他自治体の動向等を見ながら、区としての対応を検討してまいります。 また、このたびの無償化を具体化する上での課題につきましては、必要に応じて国や都に制度の改善を要望してまいります。   〔福祉部長片岡孝君登壇〕 ◎福祉部長(片岡孝君) 引きこもり状態にある方等に対する支援についての御質問にお答えいたします。 これまで、区では、引きこもりに関する御相談につきましては、福祉部、子育て支援部、健康部など各部署の業務とのかかわりの中でそれぞれが支援をしてまいりました。 その後、平成二十七年四月の生活困窮者自立支援法の施行に合わせ、仕事・生活サポートデスクを設置し、引きこもりをはじめ、生活を取り巻くさまざまな相談への体制強化を図っております。 具体的には、専門の資格を持つ相談員を配置するとともに、庁内関係部課の連携により、お一人お一人に寄り添った支援を行ってきたところでございます。同時に、こうした適切な支援がいち早く受けられるよう、関係する方々の会合等に積極的に出向き、支援制度の説明や相談窓口のPRを行っております。 しかし、引きこもりは潜在化しやすいという性質がございます。御質問の八〇五〇問題を含め、関係機関に御協力をいただきながら、相談窓口の利用がさらに促進されるよう努めてまいります。 また、東京都では、引きこもり対策を福祉保健行政の一環と位置づけ、支援体制の強化、充実を進めております。 区といたしましては、今後とも庁内組織の連携はもとより、区内関係団体、東京都との連携も図り、支援が必要でありながらも届かない声なき声に適切に支援ができるよう、継続的に取り組みを推進してまいります。 次に、介護保険事業者に対する支援や普及啓発活動に関する御質問にお答えいたします。 区では、これまで事業者及び職能団体との会合を毎月行うなど、課題の把握やその解決に努めてまいりました。また、今年度からは職員採用の支援として、区が管理する介護事業者の検索サイトに求人情報を掲載できる機能を追加するほか、事業者向けの研修についても、団体と協議を通じて、柔軟、きめ細やかに対応しております。また引き続き事業者との連携をしながら支援を続けてまいります。 介護の普及や啓発に関しましては、令和二年度には介護保険制度が始まって二十年目という節目の年を迎えますので、御質問の趣旨を踏まえ、より多くの方が制度を身近に感じていただけるよう工夫しながら事業を進めてまいります。   〔健康部長石原浩君登壇〕 ◎健康部長(石原浩君) 自然に歩きたくなるまちづくりについての御質問にお答えいたします。 区では、ウオーキング推進に早くから取り組み、平成二十年度からあらかわウオーキングマップを作成して普及に努めております。保健所のほか、健康情報提供店二十六カ所や関連事業などで配付し、広く利用していただいております。 また、地図上には、区の施設のほか、公園や広場、トイレ、ベンチの表示を行い、観光資源も掲載して内容の充実に努めてまいりました。 今後は、さらに楽しんで区内を歩いていただけるよう、新たな区の魅力の発見と健康情報提供の強化を目指して取り組んでまいります。   〔地域文化スポーツ部長古瀬清美君登壇〕 ◎地域文化スポーツ部長(古瀬清美君) オリンピックパラリンピックを契機とした地域の活性化、機運醸成に関する御質問にお答えいたします。 聖火リレーにつきましては、来年七月二十日には区内を走り、当日の最後に聖火の到着を祝うセレブレーションの式典が南千住野球場で実施されることから、大会のスタートにふさわしく、荒川区らしい式典となるよう、東京二〇二〇組織委員会と連携を図ってまいります。 また、荒川総合スポーツセンターシッティングバレーボールの公式練習会場となることから、区民の方々のパラリンピック競技への関心の高まりにつなげていきたいと考えております。 区内小中学校では、従前からパラリンピアンの講演や体験事業など各校でオリンピックパラリンピック教育を実施しているほか、本番の大会にも子どもたちに競技観戦の機会を設けるなど、記憶に残るような取り組みを教育委員会と連携して、行ってまいります。 区といたしましては、東京二〇二〇大会を好機と捉え、スポーツ、文化、教育、観光、産業、環境など幅広く事業を展開し、地域の活性化を図りながら、多くの区民の皆様の心に残る大会となるよう、開催機運の醸成に努めてまいります。   〔産業経済部長石原久君登壇〕 ◎産業経済部長(石原久君) DMOの発想を活用したインバウンド対策についてお答えいたします。 日本政府観光局の発表によれば、二〇一八年の訪日外国人数は三千百十九万一千人で、十年前と比較しますと約三・八倍まで増加いたしました。区内におきましても、多くの外国人観光客が訪れるようになっております。 議員御提案のDMO(Destination Management Oganization)の機能は商工業、交通事業者、宿泊施設、飲食店、地域住民、行政など多様な関係者と連携し、戦略的に地域一体の魅力的な観光地域づくりを行い、観光による地域、地方創生を行うものでございます。 このため、これまでの行政主体の観光振興だけではなく、民間団体等が主体で行うことが重要となります。 区では、民間団体が主体となって地域ににぎわいをもたらすイベント等について、補助金を設け支援を行うとともに、観光振興懇談会において民間団体等から意見を伺うなど連携を図っております。 区といたしましても、議員御提案のDMOの機能を参考にしながら、観光振興政策のさらなる展開を図ってまいります。   〔防災都市づくり部長松土民雄君登壇〕 ◎防災都市づくり部長(松土民雄君) 空き地の有効活用に関する御質問にお答えいたします。 御質問の荒川四丁目のご近所ファーミングにつきましては、UR都市機構が所有する不燃化促進用地の一つを今後の活用方法が決まるまでの間、地域の方々が活動できるミニ農園として活用し、地域に与える影響や効果など、空き地の新たな使い方について検証するため開始したものでございます。 議員御指摘のとおり、空き地を活用した取り組みは、遊休地の活用や区民参画、にぎわいの創出など、さまざまな観点から有効であるものと考えます。したがいまして、当面は令和二年度までの予定でミニ農園としての活用を続け、これにより得られた成果を踏まえ、空き地の活用方法について検討を進めてまいりたいと考えております。 次に、空き家の利活用に関する御質問にお答えいたします。 区では、空き家問題を重要な課題の一つとして捉え、これまでも除却と利活用の両面から対策に取り組んでまいりました。 これまでに空き家を含む老朽建築物は、平成二十四年度からの七年間で五百九十九棟が除却されております。利活用の取り組みにつきましても、空き家バンクや空き家利活用事業補助制度を創設したほか、現在空き家を子育て施設等の公共施設として利用するための調査も進めているところでございます。さらに、利活用の可能性がある空き家のピックアップと所有者の調査を進め、事業者とのマッチングを図るための取り組みもスタートさせております。 今後も、議員御提案の趣旨を踏まえながら、利活用の取り組み、そして除却の両面から空き家対策をこれまで以上に積極的に進めてまいります。 ○議長(茂木弘君) 三十一番松田智子議員。   〔松田智子君登壇〕   〔議長退席、副議長着席〕 ◆三十一番(松田智子君) 私は、令和元年度定例会・六月会議におきまして、公明党区議会議員団を代表して、大きく四項目にわたり質問をさせていただきます。西川区長をはじめ理事者の皆様には、積極的かつ前向きな御答弁をお願いいたします。 さきの区議会議員選挙におきまして、私ども公明党荒川区議会議員団は、大変多くの温かな御支援を賜り、六名全員の当選を果たさせていただきました。貴重なる四年の任期を与えていただいたことに感謝し、公明党の原点、「小さな声を、聴く力。」を発揮し、区民お一人お一人の悩みに寄り添いながら、住んでいてよかったと言われる荒川区構築のために全力を尽くしてまいる決意です。 それでは、質問に入らせていただきます。 初めに、切れ目ない子育て支援策として、六点お伺いいたします。 一点目は、子どもが授かる前の支援として、不妊・不育症支援策についてお伺いいたします。 私は、二〇一一年九月、区議会議員となって初めての一般質問で不妊・不育症の区独自の支援策を提案して、今日までさまざまな場面で訴えてまいりました。 結婚をして子どもを望んでいても、なかなか妊娠できない。検査や治療を幾度となく挑戦してもかなわず、心身ともに疲弊してしまう。治療をあきらめてしまう大きな理由として第一に挙げられるのが経済面です。高額な医療費がかかる上に、心と体に大きな負担がかかってきます。その上に、女性の社会進出により、不妊治療を受けながら仕事をすることが難しいということが生じてまいります。 国の調査では、働きながら不妊治療を受ける人の二割近くが退職していることが明らかになりました。治療に取り組む女性の多くは、責任ある仕事を任される三十代から四十代。そもそも職場や上司に不妊を伝えにくいという課題もありますが、貴重な人材が離職するのは損失と言えます。治療と仕事の両立を支援しようと、企業側としても環境を整える動きもあるそうです。 今から八年前の平成二十三年第三回定例会におきまして、私は不妊治療費の経済的負担に対する区独自の助成策を要望、そのときの答弁は、特定不妊治療の助成について国や都に要望すると同時に、区として慎重に検討するとのことでした。 三年後の平成二十六年第一回定例会においては、不妊治療対策としての助成策を要望、答弁は、区独自の助成制度の創設については、国の動向を注視しつつ検討してまいりますとのこと。 平成二十七年度十一月会議においては、夫婦の不妊治療費及び男性不妊検査費の区独自の助成策を要望、答弁は、平成二十七年三月に子ども・子育て支援計画と一体のものとして策定した母子保健計画において、特定不妊治療に対する区独自の助成制度について位置づけているとし、国の動向、都の動向、各区の状況調査等を進め、さらなる検討を行ってまいりますとのことでした。 母子保健計画に区独自の助成制度を位置づけているとの答弁に前向きな回答と感じておりました。しかし、いまだ区独自の対策は行われていません。 令和元年という新しい時代を迎えた今、少子化対策として一日も早く、不妊・不育症治療に伴う高額医療費や長期にわたる治療による離職や転職に伴う精神的・経済的支援として、さまざまな角度からの区独自の対策を行っていただきたいと思いますが、区の御見解をお伺いいたします。 次に、二点目として、令和元年五月十日成立しました教育における法律、幼児教育・保育の無償化について、区の取り組みをお伺いいたします。 私たち公明党は党の前身であります公明政治連盟の時代より、子育て対策に関しさまざまな提案をし、実現してまいりました。その一つが一九六六年度に成立した義務教育の教科書の無償配付です。半世紀以上前より取り組んできた教育負担の軽減策は、今や子育てから高齢者福祉までを支援する全世代型社会保障として、国の重要政策の柱と位置づけられております。 政府は、幼児教育・保育の無償化とともに、待機児童解消への施策も強力に推進するとし、二〇二〇年度までの三年間で新たに約三十二万人の受け皿を拡大する方針を掲げております。しかし、今回の幼児教育・保育の無償化法に関しては、自民党、公明党以外の野党も賛成する中、共産党と立憲民主党は反対しました。待機児童解消のほうが先だとの理由です。 私たちは決して待機児童対策を先送りにしているわけではなく、不安をあおる広報は絶対に許されるものではないと考えます。 公明党は、幼児教育・保育の無償化について、二〇〇六年に発表した「少子社会トータルプラン」に掲げ、長年主張してきたものです。幼児教育・保育の無償化法の内容は施設、園によって異なります。認可保育所に通っている三歳から五歳児は全世帯、ゼロ歳から二歳児は住民税非課税世帯が対象となり、無償となります。東京都では、無償化の対象外となる課税世帯のゼロ歳から二歳児で第二子については半額とする補助制度が都議会公明党の提案で成立いたしました。 また、認可外保育施設や幼稚園の預かり保育など、その施設、園によって補助額に限度があります。 乳幼児をお持ちの保護者の方にとっては大変関心のある制度です。一方で、社会経済的に不利な家庭や発達や健康の問題を抱えているなど、その原因はさまざまですが、保育園や幼稚園のどちらにも行っていない、いわゆる無園児が荒川区にも三割弱いると聞いております。 この幼児教育・保育の無償化によって新たに幼児教育が受けられる救われる子どもがいることも明らかです。制度としては十月から始まりますが、今から保護者やその対象の家族へ丁寧な周知徹底をするべきと思います。対象園によっては少し説明が必要な場合もあると思います。一定の期間だけでも相談窓口を設置し、対応していただきたいと思いますが、区の御見解をお伺いいたします。 続きまして、三点目に、発達障がい特性のある子どもを育てている養育者への支援についてお伺いいたします。 近年、社会的にも認知が進んでいます発達障がい、養育者の方々はなれない子育てに戸惑いながらも、その課題を打ち明けられる場所を見つけられず悩んでいる場合が少なくありません。 十年ほど前から国では、発達障がい領域の家族の支援の一つとして、ペアレントメンター事業が実施され、全国に広がっています。この事業は、同じように戸惑いを感じながら子育てをしてきた経験者が集い、お話を聞いたり、その経験を伝える場をつくったり、お役立ち情報を集め提供するなど、ペアレントメンター活動を根づかせる仕組みを行っています。 隣の足立区では、平成二十八年度にこの事業を始めております。区は、二十三区先駆けとして、児童相談所並びに子ども家庭支援センターの設置のため、明年度に向けて建設が進められております。 そこで、児童相談所、子ども家庭支援センターと連携をしながら、療育園たんぽぽセンターなどで、ペアレントメンター事業を取り入れ、発達障がい特性のある子どもとその養育者への支援をさらに充実していくべきと思います。 また、そのほか、区内には乳幼児のショートステイ、児童発達支援や放課後デイサービスがあります。区と民間の事業所と連携をしながら、相談体制の強化や学びの場などについてもネットワークを結びながら、障がいのあるなしにかかわらず、子どもや養育者の方々にとって安心・安全な居場所となるよう、さらなる充実を図っていくべきと思いますが、区の御見解をお伺いいたします。 次に、四点目として、障がい児のきょうだいへの支援策についてお伺いいたします。 病気を持つ子どものきょうだいたちは、子どものうちからいろんな気持ちを抱え、感じながら大きくなっていきます。親や家族を見て、何が起こったの、怖いという不安感や恐怖、妹ばかりずるいという怒りや嫉妬、誰も私のことは見てくれない寂しさや孤立感、僕は病気じゃないからもっと頑張らないとというプレッシャー、私は要らない子なんだと自己肯定感の低下など、子ども時代に抱えた経験や複雑な気持ちは、兄弟・姉妹の病気が治っても、大人になっても帳消しになるわけではなく、大人になってもしんどい気持ちを抱え続けるそうです。 保護者の方々も、きょうだいのことを心配し、だけど、治療や病気のケアに追われ、思うようにきょうだいと過ごせず悩み、自身を責めてしまうということが起こっています。 区民の方から次のような話を聞きました。その方は一歳になる次男が入院したとき、両親ともにつきっきりで看病することになりました。少したったあるとき、四歳になる長男が一時的ではありますが、次男に手をかけることがあったそうです。そんなとき、病院のいろいろなところに張り出されていた「もう一人の子どもさんは大丈夫ですか」のポスターに長男のことに気づかされたそうです。 そのとき知ったのが、NPO法人しぶたねです。病気を持つ子どもの保護者の悩みを受けとめ、きょうだいたちに何をしてあげられるのかとその声を聞き、もっと社会のたくさんの人でかかわっていけることがあるのではないかと活動を行っている団体です。 「しぶたね」の意味は、英語のSibling、兄、弟の兄弟と姉、妹の姉妹という男女の別をつけないきょうだいの意味です。今回の通告文を出したときにも、私も平仮名できょうだいと併記しました。 このNPO法人しぶたねの活動内容は、小学生きょうだいさん向けのイベントやそこを卒業した中学生からのきょうだいの日を開催、出前きょうだいの日、雑誌寄稿、講演会、施設での面会中の保護者のきょうだいと遊ぶ活動、きょうだいさんのための小冊子の作成、配付など、病気を持つ子どものきょうだいたちの支援を行っています。 このような活動をヒントにしながら、区として対象となるきょうだいがどのくらいいるのか調査し、病気の子どものきょうだいに対する支援を始めるべきと思いますが、区の御見解をお伺いいたします。 五点目として、液体ミルクの備蓄品整備と試飲会開催についてお伺いいたします。 平成二十八年度の決算に関する特別委員会において、我が党の菊地議員が、災害時の備蓄品として、哺乳瓶の消毒やお湯で粉ミルクを溶いてから人肌に冷ますというプロセスがなく、また、災害時に水や煮沸する器具など必要としない液体ミルクの必要性、利便性を紹介、避難所へ備蓄品として置くことを提案いたしました。その後、国でもこの重要性を認め、国内での製造が決定、現在では市場で販売が開始されています。災害用に備蓄する自治体も出ており、東京都文京区、群馬県渋川、大阪府箕面が二〇一九年度予算案に盛り込んでいます。 乳幼児にとって命にかかわることです。荒川区として一日も早く、各避難所や保育園などに液体ミルクを備蓄品として整備していただくよう再度要望いたします。 また、どんなに便利で安全なものであっても、認知されていなかったら何もなりません。昨年発生した倉敷の大水害のとき、この液体ミルクを東京都が避難所に届けたそうですが、認知されていなかったため、ほとんど手がつけられず利用されなかったということです。 日々の子育てにおいて、夜間や外出時の授乳など持ち物としても重宝する液体ミルクです。安心して利用してもらうためにも、ゆいの森あらかわや各地域のふれあい館などで液体ミルク試飲会を行い、普及啓発するべきと思いますが、区の御見解をお伺いいたします。 子育て支援策、最後の六点目として、区の全ての児童遊園の危険箇所、遊具の老朽化などの総点検についてお伺いいたします。 園内にある遊具や砂場、ベンチ、植栽などの整備は定期的に、また、老朽化が著しい遊具などをその都度改善を図っていただいていることと思います。 私は、よく区民の方から児童遊園の遊具の老朽化や植栽の根上がりなど危険な箇所の相談をいただきます。そこで、昨今多発している子どもたちを巻き込んだ事故や事件、異常気象による水害や首都直下型地震が予測されている荒川区です。全ての児童遊園の総点検をしていただき、安心・安全な子どもたちの居場所を確保していただきたいと思いますが、区の御見解をお伺いいたします。 次に、二項目目といたしまして、人に優しいまちづくりについて二点お伺いいたします。 一点目として、障がい者や子ども、高齢者に優しい誘導表示についてお伺いいたします。 車椅子を利用している障がい者や子どもさん、高齢者のための防災・防犯に関する誘導表示を目線に合った高さに設置していただきたいと思います。 電動車椅子を巧みに操作し、区内を移動している光景を見受けます。例えば大震災や異常気象による突然の水害や事件、事故などが発生したときに備え、車椅子を使用して生活している方や比較的身長が低い子どもたちのための安全な場所を特定する誘導表示や、地域の避難所となっている学校の表示、避難経路、警察署、交番、消防署等、また、AEDの設置場所などを見える高さや位置でわかりやすく表示し、障がい者や子どもたち、高齢者にとって安心・安全な生活が送れるまちづくりをしていただきたいと思いますが、区の御見解をお伺いいたします。 二点目に、車道と歩道の段差を解消することについてお伺いいたします。 車椅子を利用している方、押し車で歩行している高齢者の方、また、車道を走っている自転車が駐停車中の車を避けるため、車道から歩道に移るときなど、段差がある縁石は大変危険で歩きづらい場所となっています。平成十四年に策定された道路の移動円滑化整備ガイドラインには、ポイントとして、車道に対する歩道の高さは標準五センチとすることにより、いわゆる波打ち歩道を解消。歩車道境界部の段差は標準二センチとするが、視覚障がい者の識別性を確保すること等の条件が満たされれば、二センチ未満の段差を整備することも可能とするなどが記載されております。 視覚に障がいがある人にとっては、歩道と車道の段差は必要です。しかし、いろいろと調べてみると、段差を識別させる工夫を用いて段差を解消している地域があります。 埼玉県戸田では、ゼロセンチ段差の縁石にギザギザの突起をつけたり、バリアフリーブロックという横線を入れて、白状で歩道と車道の境界が識別できるようになっています。 また、小平では、車椅子の車輪が通れるように、縁石の一部を切りかえてスムーズに通れるようにしています。 先月、東京都建設局と第六建設事務所の方六名と公明党荒川区議団、台東区区議団で懇談する機会がありました。そこで、台東区は荒川区と比べて、多くの場所で歩車道の段差がゼロになっていることについてお聞きしたところ、地域での要望があればゼロ段差に整備することができると回答していただきました。 区民にとっては、区道も都道も国道も生活道路に変わりはありません。これらの事例を参考に、今後整備していく区内の道路、特に横断歩道部について、視覚障がい者や車椅子を利用されている方々の御意見をいただきながら、国や東京都に対し段差の解消を呼びかけ、進めていくべきと思いますが、区の御見解をお伺いいたします。 続きまして三項目目として、区民サービス向上策についてお伺いいたします。 第一点目として、難病支援策について二つお伺いいたします。 一つ目に、難病相談窓口の設置について伺います。 平成二十九年二月、森本議員が、そして、昨年、平成三十年六月には私が難病支援策について提案いたしました。その後、区の対応はどのようになっているでしょうか。 荒川区には難病指定された方が昨年度二千三百九十八人いると聞いております。指定までは至らないが、治療に通い、生活に支障を抱えている方がたくさんいます。また、自分自身の症状が難病であるかどうかわからない方もいます。難病を患っている方から、自分が病気になったときにまずどこに相談したらいいのかわかりませんでした、制度も全くわからなくて困りましたとの相談がありました。 まれで治療方法も確立していない病のことを難病と言われています。荒川区の難病患者の方々の生の声に耳を傾け、寄り添いながら、今よりも生きやすい、住みやすい荒川区にしていっていただきたいと思います。 区が今後整備する予定の基幹型障がい者相談支援センターがあります。ぜひその中に難病相談窓口を設置し、難病を抱えている方やその家族の方々の不安を解消していっていただきたいと思いますが、区の御見解をお伺いいたします。 また、荒川区では、認知症の方やその家族、介護者、御近所の方、専門職等、看護師やケアマネジャーの方々が集うオレンジカフェ・認知症カフェを十三カ所で展開。講演を聞いたり、関係者と情報交換したりとひとときを過ごします。このことを参考に、(仮称)難病カフェを開き、当事者やその家族の方々などと気軽にお茶を飲みながら交流ができる支援の場をつくるべきと思いますが、区の御見解をお伺いいたします。 次に、二点目として、区庁舎の窓口に身内の方が亡くなられたときなど、御遺族が行う手続をワンストップで案内する「おくやみ案内コーナー」の設置についてお伺いいたします。 親族が亡くなった際、死亡届を役所に提出すると、戸籍や住民票に反映され、その後、国民健康保険、年金、税金、上下水道などさまざまな手続が必要となってきます。区民の方から亡くなった後の提出する書類は複雑で、葬儀後の手続を正確に把握することは難しく、何度も区役所を行き来し、必要のない課を幾つも訪れることになってしまうこともある。一カ所の窓口で全ての手続がわかるように一覧表などで示してもらえるようにできないでしょうかとの声をいただきました。 そこで、区として「おくやみ案内コーナー」を設置し、個人に必要な手続が一目でわかる一覧表を作成し、死亡届を受け付けた後、手続に関係する課が亡くなった人の情報を共有できる仕組みにしてはどうでしょうか。一覧表をもとに担当する課をスムーズに回れ、迅速に手続が済ませられるようになります。必要な手続を漏れなく案内できることに加え、行政側の説明も簡単になるなど効率が上がると感じます。 福岡県糸島では、独自のお悔やみ案内システムを構築、市役所を訪れた遺族は迅速に手続が済ませられると喜ばれているそうです。また、同市では、「おくやみ早わかりガイド」を作成、死亡に伴う各種の手続、葬儀社の案内や死亡届等の手続をわかりやすく説明しています。 そこで、区として、遺族が行う手続を支援するため、ワンストップ窓口、「おくやみ案内コーナー」を設置し、お悔やみ専門のコンシェルジュなどを置くなどし、遺族に寄り添う対応するべきと思いますが、区の御見解をお伺いいたします。 最後に、四項目目として、食品ロス削減対策について二点お伺いいたします。 まだ食べられるのに捨てられる食品ロスを減らすための食品ロス削減推進法案、議員立法が令和元年五月十六日、衆院本会議で全会一致で可決・成立いたしました。 私たち公明党は、食品ロス問題にいち早く着目し、二〇一五年に竹谷とし子参議院議員を座長とし、食品ロス削減推進プロジェクトを党内に設置、二〇一八年四月には法案を作成、その後設置された与野党の超党派議員連              盟で合意形成をリードするなど、食品ロス削減に向けた取り組みを強力に                                                                                 推進してまいりました。 国としても、まだ食べられることができる食品が日常的に廃棄され、大量の食品ロスが発生している問題について、二〇一五年、国際連合総会において採択された持続可能な開発目標・SDGsとして言及されました。この法案の主な内容に都道府県と市町村が基本方針を踏まえ、推進計画を策定となっております。 そこで、荒川区として、法案成立に伴う推進計画の策定はどのように進めていくのか、区の御見解をお伺いいたします。 最後に、食品ロス削減の推進に関する法律案の概要に、食品ロス削減に関する理解と関心を深めるために、食品ロス削減月間十月を設けるとあります。区として令和元年十月を区民運動の月と位置づけ、食品ロス削減対策を展開する月として展開していくべきと提案いたします。 私は、今まで食品ロス削減対策の取り組みを学ぶ中、平成二十七年度十一月会議の一般質問におきまして、荒川区のごみ削減対策として、ごみ削減の働きかけや食品ロス対策の周知徹底、リサイクル事業の取り組み等について質問、提案をいたしました。そして、翌平成二十八年度から、区は「あらかわもったいない大作戦」と題し、食品ロス削減対策に取り組んできたことを高く評価いたします。 そこで、次の大作戦として、拠点をつくってはどうでしょうか。空き家や商店街の空き店舗を利用してフードドライブセンターを設置し、いつでも食品の回収と、持ち帰りの受付の場とするなどしてはどうでしょうか。 十月の食品ロス削減月間にフードドライブとして食品を持ち込んでいただいた方や、飲食店でハーフサイズメニューを注文したらポイントをつけてもらい、ある程度たまったらお買い物券などに交換し、子どもから大人までが参加できるあらかわもったいない大作戦で楽しい企画を行ってはどうでしょうか。また、食品ロス削減で顕著な功績を残した人や団体を表彰するなどしてはどうでしょうか。 食品ロス削減月間の十月を区民運動とすることについて、区の御見解をお伺いいたします。 以上で一回目の質問を終わります。   〔区長西川太一郎君登壇〕 ◎区長(西川太一郎君) 松田議員の御質問に答弁を申し上げます。 初めに、切れ目ない子育て支援策のうち、障がいのあるお子様方に対する支援策に関する御質問に答弁させていただきます。 区では、これまで、多様な子育て施策を展開してまいりました。全ての御家庭が地域で安心してお子様を育てていただける、そういう支援体制を構築することに力を注いでまいりました。中でも日常生活の自立や集団生活への適用支援が必要なお子様方への対応が重要なものだと認識をいたしております。 そのために、お一人お一人の発達段階に合わせた療育方法をはじめ、日々暮らしの中で起きた葛藤や、また、御家族、御本人も含めてお悩みなど、多岐にわたる御不安を抱える御家族に対して、きめ細やかな、寄り添いを中心にした支援策を行ってまいったと承知をいたしておりますが、具体的には、未就学児の方々を対象としたたんぽぽセンターにおける子どもの日常生活能力や集団生活への適応能力の向上を目的といたしました親子療育や少人数でのグループ療育等を実施しておるわけでございますが、またあわせて、学齢児の坊ちゃんやお嬢さんを対象といたしました取り組みといたしましては、長期休暇を活用したセラピープログラムを開催するほか、特別支援学級等に通学していらっしゃる学齢児の方々のために理学療法訓練を実施するなど、お一人お一人の発達段階に支援を行っておることは、議員も御承知していただいていると存じております。 区といたしましては、区立の児童相談所の開設を契機といたしまして、より機動的に、そして効果的に施策展開が図れますように関係部署を緊密に連携させ、さらに強固なものにそれらの結束をしてまいり、効果を上げていきたいというふうに存じております。 切れ目のないさまざまな子育て支援策を講じることによって、障がいのあるお子様、また、その御家族も含めて、誰もが幸せを実感していただける温かい地域社会の実現を目指してまいります。 次に、食品ロス削減に関する御質問にお答えさせていただきます。 世界には飢餓で苦しんでいる人々がいる一方、日本の食品ロスは年間六百四十三万トンにも上り、大切な資源が無駄になるということが心配されております。 環境負荷を増大させて、経済の損失にもつながりかねない深刻な問題であることは、議員御指摘のとおりであると思います。そのために、区といたしましては、平成二十八年度に見直しました荒川区一般廃棄物処理基本計画におきましても、食品ロス削減に重点的に取り組む工程を掲げており、「もったいない大作戦」と銘打ったさまざまな事業を展開してまいりました。 一方、昨年、区が環境省と連携して実施いたしました実態調査によりますと、区民お一人一日当たりの食品ロス廃棄量は約四十八グラムでございました。国民平均の半分以下ではございますが、しかし、食品ロス削減の先進自治体としてさらに取り組みを加速、強化をしていくことを十分視野に入れてまいりたいと思います。 先月成立をいたしました食品ロス削減推進法は、法が定める基本方針等を踏まえ、地方自治体として食品ロスの削減に関する推進計画を定めるよう促しておることは御案内のとおりであります。 区といたしましては、今後も引き続きまして、国や東京都とも連携を強め、法の趣旨に沿った現行計画の改定を行うなど、さらなる充実と成果を上げるように、食品ロス削減に向けて積極的に強化をしてまいりたいと存じます。 これ以外の御質問につきましては、関係理事者から答弁を申し上げます。   〔健康部長石原浩君登壇〕 ◎健康部長(石原浩君) 切れ目ない子育て支援策に係る御質問のうち、不妊・不育症治療に伴う経済的支援に関する御質問にお答えいたします。 区では、平成二十七年三月に荒川区子ども・子育て支援計画において、特定不妊治療に対する区独自の助成制度を検討項目と位置づけ、国や都の動向を把握しながら検討を行ってまいりました。 東京都においては、平成十六年度から国の助成制度に基づいて助成を開始して以降、順次内容を拡充しております。 一方、不育症につきましては、国の見解においては、医学的な定義がまだ定まらないなど、診断、治療についてさらなる研究が必要な状況であります。 これらを受けて全国衛生部長会では、国に対する平成三十一年度の要望事項として、不妊治療の助成額の引き上げと保険適用、不育症治療の保険適用の拡充と助成制度の創設等の負担軽減策について要望しているところです。 このような状況を踏まえ、区の支援策といたしましては、妊娠前の相談支援体制の整備を図っていく必要があると考えております。 今後も、子どもが授かる前の支援を含めた切れ目のない子育て支援を一層推進するため、全力を尽くしてまいります。   〔子育て支援部長青山敏郎君登壇〕 ◎子育て支援部長(青山敏郎君) 幼児教育・保育の無償化に関する御質問にお答えいたします。 幼児教育・保育の無償化は、生涯にわたる人格形成の基礎を培う幼児教育の重要性や幼児教育の負担軽減を図る少子化対策の観点などから取り組まれるもので、消費税率の引き上げに合わせて本年十月から実施されます。 その対象は、幼稚園、保育園、認定こども園、さらには認証保育所、家庭福祉員を利用する子どもなど多くの家庭にわたっており、制度の周知は非常に重要と考えております。 先週からは、根拠法の成立を受けて、十月の制度実施に向け、全国各新聞において政府公告が開始されたところです。 区といたしましても、議員御質問の趣旨を踏まえ、保育園や幼稚園等を利用する保護者に園を通して個別にお知らせするとともに、区報、ホームページ、子育てアプリを活用して周知を図るほか、入園相談や子育て交流サロンなどの相談窓口等において、それぞれの家庭の状況に応じた利用がなされるよう、丁寧な制度説明を行ってまいります。   〔福祉部長片岡孝君登壇〕 ◎福祉部長(片岡孝君) 発達障がい特性のある子どもの養育者への支援策に関する御質問にお答えいたします。 現在、たんぽぽセンターでは、養育者を対象として子どもの持つ特性を理解し、具体的な対応を学ぶペアレントトレーニングを実施するなど、保護者の不安を少しでも和らげるための取り組みを進めております。 御提案のペアレントメンター事業につきましては、東京都がペアレントメンターの養成・派遣事業を行っておりますので、児童相談所、子ども家庭支援センターとの連携を図りながら、たんぽぽセンター等での活用の検討を進めてまいります。 また、民間の児童発達支援事業所等とは連絡会等での情報共有を通して、相談支援の質の向上を目指しているところでございますが、今後さらに連携を強め、誰もが暮らしやすい地域社会づくりに取り組んでまいります。 次に、障がい児のきょうだいへの支援策に関する御質問にお答えいたします。 区では、たんぽぽセンターにおいて、発達障がい児等の保護者向けに障がい児のきょうだいをテーマとした家族支援講座を開催した際には、参加者から子どもの気持ちがわかるようでわかっていないことに気がついたなどさまざまな声をお寄せいただいております。 区といたしましては、障がい児を取り巻くさまざまな視点からの多様な支援策を研究していく必要性が高いと考えており、きょうだい支援につきましても、対象者の把握方法や継続的な支援方法について検討してまいります。 次に、難病支援策に関する御質問にお答えいたします。 現在、区では、障がい者総合プランで掲げた実効性の高い基幹相談支援センター設置を目指して検討を進めるとともに、あわせてセンターにおいて、難病患者の方がより多くの情報が得られる形にしていきたいと考えております。 区といたしましては、難病患者の皆様のお声を聞きながら、このセンターの設置により、難病患者の皆様が少しでも地域で安心して療養生活を送ることができる環境整備に努めてまいります。 また、難病カフェにつきましても、難病患者の皆様がお互いの気持ちを分かち合うことで療養生活の不安を和らげる場となるものと考えておりますので、開催方法等について研究を進めてまいります。   〔区民生活部長阿部忠資君登壇〕
    区民生活部長(阿部忠資君) まず初めに、液体ミルクの備蓄整備と試飲会に関する御質問にお答えいたします。 乳児用液体ミルクは、断水や停電が発生した場合などにおいて、粉ミルクのようにお湯で溶かさず、温めずに乳児に飲ませることができるため、大変有効であると認識してございます。 一方で、保存年限が半年から一年程度と短いことや、真夏の猛暑時には品質管理に問題が生ずる場合があるなどの課題もございます。加えて、商品に哺乳用の乳首がついておらず、哺乳瓶を煮沸し、液体ミルクを移しかえて使用する必要がございます。また、御指摘のとおり、これまで乳児用液体ミルクが周知されておらず、有効性や取り扱いについて十分に区民に理解促進を図る必要がございます。 区といたしましては、これらの諸課題を踏まえた上で、液体ミルクの効果的な備蓄方法を研究するとともに、試飲会の開催などを含めた普及啓発について検討を進めてまいります。 次に、誘導表示設置に関する御質問にお答えいたします。 車椅子を利用している障がい者や高齢者、また、子どもの目線に配慮した避難誘導標識等を設置することは、こうした方々に有事の際の適切な行動を促す上で、議員同様大変重要と認識してございます。 区では、これまで区民の皆様が有事の際に適切な行動をとることができるよう、避難所や一時集合場所となる施設の前に標識を設置するとともに、道路上に避難誘導標識を設置しております。中でも一次避難所となる小中学校には、車いすを利用している方や子どもにも見やすい高さに標識を設置し、また、地中埋設型電線の地上キャビネットの一部には、同様に広域避難場所の方向と距離を示したシールを張りつけております。 区といたしましては、より一層これらの取り組みを推進していくことにより、障がい者や高齢者、また、子どもたちが安心・安全な生活を送ることができるよう、人に優しいまちづくりを進めてまいります。 最後に、お悔やみ案内コーナーの設置に関する御質問にお答えいたします。 区では、死亡届が提出された場合、死亡届を提出された後の諸手続についてのパンフレットをお渡ししております。このパンフレットにつきましては、お亡くなりになられた後に必要となる諸手続について、子ども手当や医療費助成などをわかりやすく一覧形式で記載してございます。 御遺族が手続をする際にはこのパンフレットを活用しながら、丁寧に御案内をしているところでございます。 区といたしましては、御質問の趣旨を踏まえ、今後さらに御遺族の方に寄り添った対応ができるよう、御紹介いただいた他自治体も参考にいたしながら、関係部署と連携を図り、検討してまいります。   〔防災都市づくり部長松土民雄君登壇〕 ◎防災都市づくり部長(松土民雄君) 全ての児童遊園の危険箇所、老朽化等の総点検に関する御質問にお答えいたします。 児童遊園につきましては、園内の施設の劣化などによるけがや大きな事故が起こらないよう、子どもたちが予期できない危険を排除することが必要であると認識をしております。 そこで、日ごろから職員による日常点検を実施し、施設や植栽などの安全性を確認する取り組みを進めております。 また、委託事業者による児童の帰宅時間に合わせた見回りや公園等連絡員による巡回、そして、区民などの情報提供などもいただきながら、さまざまな視点から総合的に児童遊園を点検するよう努めているところでございます。 特に遊具につきましては、日常点検だけでなく、専門技術者による年一回の定期点検を実施し、その結果を踏まえながら、必要な改善を図っているところでございます。 今後も御提案の趣旨を踏まえ、点検の充実を図ってまいりたいと考えております。 次に、車道と歩道の段差解消策に関する御質問にお答えいたします。 区では、都市計画道路の整備や歩道設置路線の改良工事を実施する際に、いわゆる波打ち歩道を解消し、段差を小さくしたセミフラット型の整備を進めているところでございます。全ての利用者が安心して通行できる道路づくりを進めているところでございます。 歩道と車道の段差につきましても、段差解消ブロック等を使用することで段差が実質ゼロとなるようにし、あわせて点字ブロックを設置することで全ての方々が安全に通行できるよう整備を進めております。 また、平成二十四年度から平成二十六年度にかけましては、よりバリアフリーに即した改修工事を集中的に実施した経緯もございます。 今後につきましても、歩行者や車椅子利用者、視覚障がい者等、誰もが安全に安心して通行できるバリアフリー化の道路整備を進めるとともに、国や東京都に対し、横断歩道部等の段差を解消するよう要望してまいります。   〔環境清掃部長池田洋子君登壇〕 ◎環境清掃部長(池田洋子君) 食品ロス削減月間に関する御質問にお答えいたします。 食品ロス削減推進法では、十月を食品ロス削減月間と位置づけ、国や地方自治体は、その趣旨にふさわしい事業を実施することが求められています。これは食品ロス削減の機運を醸成する上で大変効果的であると考えております。 区では、これまでも、もったいない協力店事業をはじめ、御家庭で未使用の食品を御提供いただくフードドライブなど食品ロス削減に関する取り組みを推進してまいりました。 区といたしましては、このたびの食品ロス削減推進法成立を好機と捉え、例えば料理での食品ロス削減をプロの講師から学ぶ講座など新たな事業も加えて、法に定められた十月の削減月間において、イベントや啓発を集中的に行い、区民運動につながる機運の醸成を図りたいと考えております。 今後も、ただいま議員より御提案いただきました内容やアイデアなども参考にさせていただき、食品ロス削減に向け、積極的に取り組んでまいります。 ○副議長(菊地秀信君) この際、議事の都合により休憩をいたします。   午前十一時五十二分休憩   午後一時開議 ○議長(茂木弘君) 休憩前に引き続きまして会議を開きます。 八番小林行男議員。   〔小林行男君登壇〕 ◆八番(小林行男君) 私は、日本共産党荒川区議会議員団を代表して質問をいたします。 消費税増税が行われた二〇一四年から五年間、貧困と格差が広がり、区民の暮らし、地域経済が深刻な打撃を受けました。 区民の総所得金額を世帯別に見ますと、年所得二百万円以下の低所得者層が引き続き全体の約五割に及んでいます。一方、年所得一千万円以上の階層は、この数年間増加をしております。 こうした所得格差の広がりに加えて、消費税八パーセント増税で年収入二百万円の場合、八・九パーセントの負担率、ところが、年収二千万円以上の場合、負担率は一・五パーセントであります。可処分所得でも大きな格差が生まれてきた五年間と言えます。 また、区が昨年、一昨年と実施した調査では、この四年間に区内製造業は三分の二まで減少しており、商業を含めた事業所の減少が続いております。 消費税の負担は、日本生協連の調査では、四人家族の場合、三パーセントで約十二万円、五パーセントで約十八万円、八パーセントで約二十四万円の負担となっており、所得税より消費税の負担が大きくなってきている家庭もふえてきていると言われています。五年前の八パーセントの増税が家計消費を年間二十五万円も冷え込ませ、地域経済の悪化をいまだに引きずっているのではないでしょうか。 最近の朝日新聞の世論調査では、一〇パーセント増税反対が六五パーセント、賛成が二七パーセントと半年で大きく変化をしております。また、政府、金融庁の老後を安心して暮らすには公的年金以外に二千万円必要だという報告とその対応に国民の怒りが沸騰しています。 年金月額二十万円の世帯でも大変だが、国民年金をはじめ、低水準の受給者が多いわけで、公的年金が老後の生活に十分かどうか、医療や介護の負担増大などで生活の不安は増すばかりであります。 実際、民間生命保険会社が行った六十歳の預貯金の調査では、百万円未満が前年度から四ポイントふえて二四・七パーセント、四人に一人がこういう状況に置かれています。五百万円未満で四二パーセントにも及びます。その一方で、一億円以上が八・七パーセントと増加しております。格差が拡大されているのではないでしょうか。 つけ焼刃的な低所得者対策は、まさに一時しのぎで貧困と格差がさらに広がることは明らかであります。貧困と格差の広がりの認識がなければ、政策判断を間違えてしまいます。 このように、消費税増税や国民の所得と年金を減らしたアベノミクスの破綻によって、区内の貧困と格差がかつてなく広がっていますが、区の認識を伺います。 第二に、暮らし応援についての施策について具体的にお伺いいたします。 非正規労働者の全体の四〇パーセントを占め、その七五パーセントが年収二百万円以下のワーキングプアと言われています。厚生労働省の就業構造基本調査によれば、三十代後半の男性労働者のうち、年収が五百万円以上の割合は一九九七年には五五パーセントだったものが、二〇一七年には三九パーセントに下がりました。物価も加味すれば、その割合はさらに下がるのではないでしょうか。 最低賃金法九条二項は、地域における労働者の生計費及び賃金並びに通常の企業の賃金支払い能力を考慮して定めなければならないとしています。しかし、生計費についてまともに考慮されていないのが実態であります。 実際、東京都の標準生計費は月二十七万九千三百円です。これを東京都の最低賃金九百八十五円で割ると、二百八十三時間分です。月に百時間以上の残業が必要となります。残業しないとすると、時給は千八百六十円が必要となってきます。 全国労働組合総連合の調査では、生活に必要な物やサービスを一つ一つ積み上げて割り出すやり方で、二十五歳単身者が賃貸ワンルームマンションに居住するという条件で、札幌、福島、さいたま、福岡では二十二万二千円から二十四万五千円となっており、都市部では居住費が高く、地方では交通費が高い傾向がありますが、総額では大差がありませんでした。例えば、最低賃金を一気に千五百円に引き上げたとしても、週五日八時間労働で月額面で二十四万円、手取りで二十万円弱です。これでも生活することは大変ではないでしょうか。だから、非正規雇用の皆さんがダブルワーク、トリプルワークが恒常化しているのではないでしょうか。 荒川区の直接雇用関係を見ていますと、正規職員千六百二十四人、非常勤職員七百二十三人、再任用六十七人、再雇用九十二人の合計二千五百六人です。これに加えて、アルバイト、臨時職員が多数存在をしています。一般非常勤、報酬月額は十七万二千七百円、臨時職員、時間単価千円、特例パートとして、保育士は千四百円、障がい児補助員は千六十二円などがあります。非常勤の中には図書館司書や公立幼稚園の担任の先生なども含まれています。 本来、正規職員として安定的な保障のもとで働いてもらうことが、御本人はもとより、区民の福祉の増進、区民サービスにつながっていくのではないでしょうか。 臨時職員、アルバイトを見ても、保育園の早番、遅番などの対応のため、保育士の確保は大変になっていると言われています。交通費の支給なども含め待遇の改善がないと、安定した公務労働の確保はできません。まずここから改善をすることを求めたいと思います。 そのため、第一に、長期反復雇用や専門的な図書館司書、区立幼稚園の担任など正規雇用にすること、第二に、官製ワーキングプアをつくらないために、非常勤、臨時職員の交通費支給をはじめ、処遇改善を行うこと、答弁を求めます。 また、事業・業務の民間委託、指定管理制度の広がりや公務労働での非正規の拡大、公共事業の競争入札の拡大の中で、労働者の賃金、労働条件の低下や雇用不安などが危惧され、暮らせる賃金を保障することが求められます。 こうしたことを背景に、公契約条例は、公契約の建設工事に従事する労働者の適正な労働条件を確保することにより、当該業務の質の確保及び公契約の社会的な価値の向上を図り、地域経済の活性化と住民の福祉の向上に寄与するものとして、二〇〇九年、千葉県野田で制定、これを皮切りに都内でも足立区、千代田区、世田谷区、渋谷区、目黒区と全国で五十一の自治体まで広がりを見せています。 荒川区は、荒川区が発注する契約にかかわる労働環境に確認をする要綱で最低賃金を遵守するなど法令遵守や労働環境報告書などの提出を求めてきましたが、建設業界の重層構造の中でも末端の労働者に至るまで徹底されているでしょうか。とりわけ公共工事設計労務単価は、この間、毎年増額改定をされていますが、残念ながら強制力がありませんし、しっかりと実効力のあるものにしなければなりません。 そこで、区の工事等契約で労働者の適正賃金、福利厚生の確保は要綱で本当にできるのか検証するとともに、公契約条例で確実に確保できるように検討を始めること、答弁を求めます。 次に、昨年度、シルバー人材センターの配分金については、最低賃金の改定と合わせて賃金が下がらないように、区からの発注の仕事は改善をさせていただきました。あわせて民間事業者への協力も求めましたが、民間事業者への協力要請の現状についてお伺いいたします。 次に、高過ぎる国民健康保険料についてであります。 加入者は、無職の人や高齢者、非正規の労働者が加入、収入も低く、暮らしの基盤が脆弱な人に最も高い保険料を課しているのが国保であります。全国知事会も一兆円の公費負担を要求しています。また、国保だけにある均等割、世帯人数などが多いほど保険料が高くなります。赤ちゃんが一人生まれたら、年間五万二千二百円保険料が発生します。多子世帯となれば、本当に大変であります。 全国市長会は、国民健康保険制度等に関する重点提言での国保の安定的かつ持続的運営ができるよう、国庫負担割合の引き上げなど、国保財政基盤強化を国の責任において講ずること、特に低所得者に対する負担軽減策を拡大強化するとともに、保険者への支援を強化すること、また、子育て世帯の負担軽減を図るため、子どもにかかわる均等割保険料を軽減する支援制度を創設することなどを求めております。既に東京都の昭島、東大和、清瀬、武蔵村山をはじめ、いろいろな形で減免制度が全国で二十五自治体にも広がってきています。 荒川区は二十三区統一国保ですので、特別会計での減免は制度上難しいと思いますが、均等割の部分を子育て応援手当として工夫をして実施することなど、求められているのではないでしょうか。 そこで、高過ぎる国民健康保険料の引き下げに努めるとともに、せめて子どもの均等割の保険料については、実質的に減額免除をする支援制度を創設すること、求めたいと思います。答弁をお願いします。 第三に、八〇五〇問題の対応についてであります。 川崎、練馬区の事件後、引きこもりの方が犯罪予備軍であるかのような報道や、なぜここまで放置したのか、家族を責めるバッシングが当事者や家族に不安を大きくしております。 ことし、内閣府が三月に公表した四十歳から六十四歳の引きこもり中高年の数は推計六十一万人に上るという調査結果を発表しました。前回の調査では、十五歳から三十九歳までの推計は五十四万人、中高年の引きこもりが若者層より多いという衝撃的な数字でした。 厚生労働省が「新しい社会問題だ」との見解を示しましたが、引きこもる人たちの中核層が長期高齢化している実態については、多くの引きこもる当事者や家族、実態を知る専門家たちが以前から指摘し、各地の自治体で調査結果もあり、我が党も繰り返し質問をしてきました。 今回の調査でも、引きこもりになった期間を見ると、三年から五年がおよそ二一パーセントと最も多かった一方、五年以上と答えた人が半数を超え、中には三十年以上といった長期化の傾向も見られています。また、どんな年代であっても、ある日突然引きこもりになることがうかがえます。 今の四十代を中心に就職氷河期時代を体験し、不本意な就職をして、不安定な雇用状態のまま過ごしてきた方も多く、社会的に孤立するきっかけを多く持っている。また、引きこもりのきっかけは、学校や就職だけでなく、何十年も働いてきた中で途中でつまずいてしまったり、親の介護のために仕事をやめてしまった人など、いろいろな人が含まれていると言われています。四十歳を超える引きこもりの子どもを抱える親たちは、子どもたちの今後を考えると不安だらけ、夜も眠れないと深刻な状況を抱え、親があせって接することで子どもも敏感に感じ、余計不安定な状況がつくられています。 引きこもりを抱える親たちのケア、支援がまず大事ではないでしょうか。専門的に相談できる場所を広く周知し、気楽に相談できる体制、同じ悩みを持つ家族会での交流などが大切になっていると思います。地域包括支援センターをはじめ介護の現場からも、どういう支援が必要なのか、どうすればいいのか、多く報告されていると言います。地域包括支援センターケアマネジャーや民生委員などへの周知徹底が大切になっていると思います。 荒川区では、家族が毎月開く集まりに保健師さんが参加をして参加者を励ましています。また、社会福祉協議会も場所の提供などの支援を行っているそうです。こうした支援が大切だと思います。 こうした中で、就労につなげたケースもあるそうです。一人一人が違った状況、環境がさまざまなケースがあり、専門の相談員がメールや電話、地道な訪問を重ねていくことなども必要でしょう。 こうした自治体としてのきめ細やかな取り組みが必要だと思います。地域の住民が引きこもりについて学ぶことや、家族同士が話し合うことで引きこもりは誰にでも起こり得るといったことを感じてもらうことで、少しずつ偏見が減っていくのではないでしょうか。 そこで、第一に、専門家を配置した引きこもり相談、支援専門窓口を設け、広く周知し、相談に乗ること、第二に、保健、医療、福祉、教育、親の会をはじめ各種NPO団体などのお互いに顔の見える連携できる体制、ネットワークをつくることを求めたいと思います。答弁をお願いします。 第四に、命を守る防災対策についてであります。 十八日、新潟、山形地域で震度六強の地震が発生いたしました。甚大な被害をもたらす地震が日本のどこでいつ発生してもおかしくない状況が続いています。 阪神・淡路大震災以来、この二十四年間で震度七の東日本大震災をはじめ、五回発生、震度六以上が三十回以上を数え、現在日本列島はほぼ全域で大地震への活動期に入りつつあるとほとんどの地震学者は共通に考えています。 木造密集地域を多く抱える荒川区で、肝心の木造住宅耐震化は喫緊の課題であります。現状は借地や借家、個人所有でも高齢者世帯が多く、区の耐震補強助成でも多額な自己負担が生じます。自力では建て替えや耐震改修ができない経済状況の方も取り残されています。さらに補助は新築並み、評点一が必要、厳しい接道要件が要求されるなど、耐震化に結びつきません。その結果、荒川区の耐震補強制度は一昨年十三棟、昨年二十七棟に過ぎません。これでは本格的な改善にはほど遠い状況だと思います。ここでも貧困と格差社会のツケが回っているのではないでしょうか。 平田直東京大学地震研究所教授は、首都直下型地震に備えて、優先すべき第一は命を守ることとし、住宅の耐震化、住宅を倒さないこと、とりわけ木密地域の改善が不可欠と指摘しています。また、同じ東大の目黒教授は、家屋はつぶれるとすぐ燃える、つぶれていなければ消せる、延焼火元数は倒壊でふえる、耐震性を高めると火事が減ると言っています。 国の中央防災会議の被害想定では、建築物耐震化を図ることで建物倒壊が首都直下型地震で最大九五パーセントも軽減できるとされています。簡易な耐震補強の補助制度は最低限住宅の倒壊を防ぐことで、火災の発生、延焼を防止し、避難路を確保するにも有効であり、一人の犠牲者も出さないために必要なのではないでしょうか。 阪神・淡路大震災では、震災後の対策で仮設住宅に千四百億円、復興住宅に四千六百億円が投じられたと言われています。予防対策に思い切った支援に振り向けるべきです。 また、屋内対策も大切です。昨年の大阪北部地震において、建物が大丈夫でも家の中で家具の転倒によって亡くなる方がいらっしゃいました。通電火災を防ぐ感震ブレーカーの設置も大事です。 現在、荒川区の屋内安全対策の取り組み状況は、家具転倒防止設置四八・一パーセント、必要なしを含めて六八・六パーセントです。感震ブレーカー設置は昨年度、特例世帯を対象に三千世帯を目標にしましたけれども、千九十二世帯にとどまっています。本気の対策が必要です。 そこで、第一に、一人の犠牲者も出さないための予防原則に立脚し、最低限倒れないようにするため、住宅簡易耐震工事にも助成を実施すること、第二に、家具転倒防止、感震ブレーカーなど屋内安全対策の一〇〇パーセント実施へ取り組みを抜本的に行うこと、求めたいと思います。答弁をお願いします。 第五に、日暮里・舎人ライナー赤土小学校前に時間借りの自転車の駐輪場の設置を求めたいと思います。 二〇〇八年開通した日暮里・舎人ライナーは十年が経過し、利用乗客者数が伸び続け、通学・通勤時には熊野前、赤土小学校前など大変な混雑で、乗車すら躊躇するぐらいの満員であります。開設当時から駅前には自転車置き場を設置していただきました。混雑の状況からも、赤土小の駐輪場の利用よりも西日暮里などを利用する方が多くなっていると思います。そのために、あまり大きくない自転車置き場そのものにも余裕がある状態が今も続いています。 昼間時間に通院やお買い物で出かけるには大変便利な乗り物です。こうしたときに一時的に駐輪できる場所を確保する要望も少なからずあります。 小学校の目の前という立地条件も考えれば、放置自転車は許されません。日暮里・舎人ライナー赤土小学校前に自動車の一時置き場を設置すること、お答えください。 最後に、アメリカがことし二月十三日にネバダ州の施設で未臨界核実験をしたことが五月下旬にわかりました。アメリカの未臨界核実験は一九九七年に始まって以来、二十九回目であります。未臨界核実験は、核爆発を伴わないものの、核兵器を使える兵器として維持、強化するためのものです。核不拡散条約違反とともに、核兵器禁止条約の早期発効を求める国際社会の大きな流れに対する重大な挑戦であります。 また、北朝鮮に核兵器と核放棄を求めながら、自身は核兵器の近代化と強化を公然と進めることは、朝鮮半島の非核化への悪影響を及ぼすことは許されません。 こうしたもとで、唯一戦争被爆国として断固抗議するのは当たり前のことです。広島、長崎の市長をはじめ、平和首長会議の参加市長の港区長、三鷹市長、川崎市長などトランプ大統領に抗議文を送付いたしました。安倍首相は直接会談を持っているにもかかわらず、抗議すらしませんでした。 荒川区でも、北朝鮮の核実験をめぐっては、これまで何回となく機敏に抗議声明をしておりましたが、今回はありませんでした。そこで、平和都市宣言をしている自治体として、あらゆる核実験に反対の表明をすること、平和都市宣言をしている自治体として核実験に反対の表明を求めます。 また、前回もお聞きしましたが、今、核兵器禁止条約の批准行動が世界で広がっています。ことし四月十一日現在、七十カ国が調印、二十三カ国が批准しています。条約は五十カ国批准で九十日後に発効されます。改めて核兵器禁止条約への批准を日本政府に求めること、要望いたします。答弁をお願いします。 これで一回目の質問を終わります。(拍手)   〔区長西川太一郎君登壇〕 ◎区長(西川太一郎君) 小林議員の御質問に答弁を申し上げます。 まず私からは、震災対策に関する御質問にお答えをさせていただきます。 首都直下型地震の切迫性が叫ばれる中、私は、災害で一人の犠牲者も出さないという強い決意のもと、震災から区民の皆様のお命と財産を守る、そのためには、ハードとソフトの両面から全力で防災対策に取り組んでまいりました。 ハード面におきましては、喫緊の課題でございます木密地域の改善に向けた不燃化特区における不燃化建築物への建て替えなど、老朽家屋を除却しながら、ハードな強いものに変えていくための御支援、また、公園等におけるオープンスペースの整備、道路の拡幅整備、さらに木造建築物の耐震化推進事業やブロック塀の撤去費用の助成を実施し、安全・安心なまちづくりを推進してまいりました。 また、ソフト面におきましては、町会・自治会が主体となっていただいております避難所開設・運営訓練の実施のほか、荒川区災害時の給水方針の策定、また、荒川区災害時受援・応援ガイドラインの策定、全区立中学校への防災部の設置等の取り組みを行ってまいりました。 さらに昨年八月には、防災対策を計画的かつ着実に推進していくために、地域力をさらに強める地域防災計画に定める事業を計画的に推進する地域防災計画の実施推進計画を策定いたし、全庁が一丸となって防災対策に取り組んでまいったところでございます。 各地で震災が発生する中、区民の皆様のお命や財産を守るために、これまでにも増して対策を充実、強化し、誰もが安全・安心に生活できる荒川区の実現に全力で取り組んでまいりたいと存じます。 これ以外の御質問に対しての答弁は関係理事者から申し上げさせていただきます。   〔総務企画部長五味智子君登壇〕 ◎総務企画部長(五味智子君) 消費税や国の経済政策の影響に関する御質問にお答えいたします。 消費税は、特定の世代に負担が偏ることなく、将来にわたり社会保障制度を支えていくための安定的な財源とすることを目的とするものでございます。 消費税の税率改正は、少子高齢化が進行する中で社会保障の持続のために必要な措置であり、所得にかかわらず課税される消費税の性質を踏まえ、低所得者への影響も考慮しながら実施されております。 今回の消費税の税率改正に当たっても、この点を考慮し、幼児教育・保育の無償化を含めた教育の無償化やプレミアム付商品券の配付、飲食料品等に対する軽減税率の導入は、低所得者対策として一定の効果があるものと認識しております。 区におきましても、これまで福祉、子育て、産業の分野を中心に、区民の皆様の日常生活を支援するための各種取り組みを行ってまいりました。生活にお困りの方が身近に相談できる窓口である仕事・生活サポートデスクの開設をはじめ、区民の皆様と接点を有するあらゆる機会を通じて、区民お一人お一人の置かれている状況を的確に把握し、必要な支援につなげる取り組みを行っております。 今後もこうした取り組みを通じて、消費税の影響を含めて区民の生活実態の把握に努め、誰もが安心して暮らすことができる地域となるよう、引き続ききめの細かい対応を行ってまいります。 次に、核兵器の廃絶に向けた取り組みに関する御質問にお答えいたします。 区は、平成七年十月二十四日に平和な世界を願い、平和は育むものとの決意をあらわした平和都市宣言を行うとともに、平成二十六年五月には、核兵器廃絶と世界恒久平和の実現に寄与することを目的とした平和首長会議に加盟いたしました。平和首長会議では、加盟都市やその市民、NGO等と連携しながら、核兵器廃絶に向けたさまざまな活動を展開しており、これまで実施が明らかになった核実験に対して抗議を行っております。 また、平成二十九年七月に核兵器禁止条約が採択された以降、平成二十九年八月及び平成三十年十一月の二度にわたり、平和首長会議国内加盟都市会議総会の決議に基づき、国に対し核兵器禁止条約の締結など、核兵器廃絶に向けた取り組みの推進を求める要請文を提出しております。 区といたしましては、引き続き平和首長会議及び他自治体との連携を図ってまいります。   〔管理部長梅原一彦君登壇〕 ◎管理部長(梅原一彦君) 初めに、非常勤職員等に関する御質問にお答えいたします。 区では、これまで、複雑・多様化する区民ニーズに的確に応えていくため、常勤職員はもとより非常勤職員や民間事業者等の多様な人的資源を積極的に活用し、それぞれの強みを生かして、質の高い行政サービスの提供に努めてまいりました。 中でも、図書館の司書やふるさと文化館、吉村昭記念文学館の学芸員、防災・防犯分野における警察、消防経験者、その他各種専門相談員など、区民サービスの向上を図る上で専門的な知識や資格が必要とされる分野においては、各分野における高い専門性や柔軟な勤務形態等の特性を生かし、非常勤職員の適切な配置を図ってまいりました。 また、一定の勤務年数を経た非常勤職員等の貴重な知識、経験を確実に区政へ還元してもらうことを視野に、区の働きかけにより特別区職員経験者採用選考における業務従事歴に非常勤職員としての期間を含めることが可能になるなど、非常勤職員から常勤職員への道を開くための取り組みも進めてまいりました。 一方、処遇面においても、同一労働同一賃金の考え方を踏まえ、非常勤職員の能力、責任に応じて、六階層に及ぶ職層制の導入や報酬体系の見直し、育児・介護休業をはじめ、子の看護のための休暇、災害休暇、夏季休暇等、各種休暇制度の充実にも取り組んでまいりました。 こうした中、地方公務員法等が改正され、来年四月に会計年度任用職員制度が創設されます。これにより、現在の臨時職員のほか、これまで特別職として任用されてきた区の非常勤職員の大部分が一般職である会計年度任用職員へと移行することとなり、これまで支給できなかった期末手当の支給が可能となるなど、より一層の処遇改善が図られる予定となっております。 現在、区では、これまで積み上げてまいりました制度を基本としつつ、一定の条件を満たした職員に対する期末手当、通勤手当等の支給や、常勤職員と同等も含む身分の取り扱いなど、法の趣旨を踏まえ、鋭意制度設計を進めているところでございます。 区といたしましては、全ての職員が意欲を持って職務に励むことができるよう、引き続き、非常勤職員等の処遇改善に努めてまいります。 次に、公契約条例等に関する御質問にお答えいたします。 区が発注する契約におきまして、その業務が適切な労働環境のもとに行われ、従業員の賃金や福利厚生などが適正に担保されることは極めて大切なことであると認識しております。 区では、これまでも区内事業者に対して適切な労働環境の確保等についての要請を行いつつ、雇用に関する法令違反等が明らかになった場合に、契約解除の措置や労働者の雇用条件等の調査を実施できるよう、契約条項の見直しを行ってまいりました。 また、平成二十二年度に荒川区が発注する契約に係る労働環境の確認に関する要綱を定め、最低制限価格付近やくじ引きで決まった案件などを中心に、受注者から労働環境確認に関する報告書の提出を受け、法令遵守や賃金、保険の加入状況等について確認をしております。 さらに、平成二十五年度からは社会保険労務士による実地調査を実施し、指摘のあった事項については改善の要請を行うなど、適正な労働環境を担保するためのチェック体制の強化に努めております。 今年度からは、事業者向けに労務管理の適正化に向けた意識の醸成を図るために、社会保険労務士によるセミナーを実施することを予定しており、より一層適正な労働環境の確保に向け、取り組みを進めてまいります。 今後も、御質問いただきましたような公契約条例という形式にこだわらず、その内容を実質的に担保する取り組みを行うことによって対応を図りつつ、他の自治体の動向や公契約条例による具体的な成果を見きわめながら、真に実効性のある方策の実現に向け、引き続き幅広く検討を行ってまいります。   〔福祉部長片岡孝君登壇〕 ◎福祉部長(片岡孝君) シルバー人材センターの配分金に関する御質問にお答えいたします。 シルバー人材センターでは、会員はシルバー人材センターや発注者と雇用関係にないことから、会員に支払われる配分金には最低賃金法が適用されません。しかしながら、会員の皆様にとって、シルバー人材センターでの活動は生きがいづくりと同時に、年金以外の大きな収入源と捉えている方も多くいらっしゃいます。 区といたしましては、こうした皆様の状況に加え、区民に欠かせない仕事をしていただいているということを勘案し、最低賃金を下回らない金額で契約を結んでおり、最低賃金が改定された際には契約変更を行うという対応をいたしているところでございます。 御質問の民間事業者に関しましては、最低賃金が改定された場合、シルバー人材センターが交渉を行い、年度の途中での契約変更は難しいものの、次の年度の四月には全ての契約において最低賃金を上回った形で契約を行っております。 区といたしましては、引き続きシルバー人材センターが高齢者の生活支援の一端を担っていけるよう支援を行ってまいります。 次に、国民健康保険料に関する御質問にお答えいたします。 国民健康保険制度は、医療費を加入者全員で負担し合う相互扶助の仕組みで成り立っておりますが、特別区では特に保険料負担の均衡を図るため、特別区長会において決定された基準保険料率をもとに保険料の算定を行っております。 一方、近年、医療の高度化や加入者の高齢化等により一人当たり医療費が増加しております。区といたしましては、これまでも被保険者の負担を軽減するため、公費負担分の拡充等の必要な対応をとるように国や都に強く求めてきたところであり、今後も引き続き要望してまいります。 次に、国民健康保険料の均等割につきましては、法律に基づく賦課項目であり、被保険者の所得の多寡にかかわらず一律の額として賦課額に算定されております。 そこで、国民健康保険法では、低所得者の保険料の負担軽減を図るため、所得が一定基準以下の場合は減額基準が設けられております。また、子どもがいる世帯に対する均等割額の減額免除制度につきましても、全国で画一的に行うべきものであり、区で独自に実施するものとは考えておりません。 なお、子どもに係る均等割保険料の軽減措置をはじめとした制度の見直しにつきましては、これまでも特別区長会から国に対して要望を行ってきたところであり、区といたしましても、引き続きそうした動向を注視してまいります。 次に、引きこもり相談支援専門窓口の設置と関係団体等との顔の見えるネットワークづくりに関する御質問にお答えいたします。 午前中の明戸議員の御質問にも答弁いたしましたとおり、区では、仕事・生活サポートデスクを設置し、社会福祉士、産業カウンセラーなど専門の資格を持つ専門相談員が引きこもりを含めた生活相談全般をお受けし、一人一人に寄り添い、支援を行っております。そして、こうした窓口での相談を通して、必要なときに必要な人にしっかりと支援が届くよう、町会、民生委員、地域包括支援センター、居宅サービス事業者などの会合等に積極的に出向き、支援制度の内容や相談窓口の周知を図るとともに、相互の関係性を高め、引きこもり等の情報がより入りやすくなるよう努めております。また、関係機関とは、さまざまな情報提供をこまめに行うなど連携の強化に努め、まさに顔の見える関係を構築しております。 これまで東京都では、引きこもり対策は十五歳から三十四歳の若者を対象とした所管局が担っておりました。しかし、高齢化等も進んでいることから、幅広い年齢を対象とする福祉保健行政の一環と位置づけ、所管局の変更を行うなど、支援体制の強化充実を進めております。 区といたしましては、今後とも、区内関係団体や東京都と連携を図りながら、誰もが安心して相談できる窓口としてその充実に一層努めてまいります。   〔都市計画担当部長松崎保昌君登壇〕 ◎都市計画担当部長(松崎保昌君) 住宅簡易耐震工事の助成に関する御質問にお答えいたします。 区民の皆様の生命を守る上で建物の耐震性の向上を図ることは、大変重要な課題であると認識しております。このため、区では、二十三区の中でもトップクラスの充実した助成制度を用意し、各戸訪問や住まいの相談会などを通じて、耐震工事や建て替え、除却等の安全対策の実施を呼びかけてまいりました。その結果、これまでに木造建築物の耐震建て替え工事にかかわる助成件数が二百八十二件に上るなど、一定の成果が上がっております。 また、あわせて屋内安全対策として、IH調理器具や感震ブレーカー、家具の転倒防止器具等を設置していただけるよう、各部署が連携し、積極的にPRを行ってまいりました。 さらに本年度は、防災ベッド設置支援制度につきまして、手続の簡略化や補助金の支出方法の改善などを行い、一時的に全額負担することなく防災ベッドを設置できる利用しやすい制度に改め、その普及に取り組んでおります。 御提案の住宅簡易耐震工事の助成につきましては、安全基準を満たさず、結果として建物の倒壊を防ぐことができない可能性があることから、実施については考えておりません。 次に、赤土小学校前駅周辺における自転車の一時置き場の設置に関する御質問にお答えいたします。 区では、自転車利用者の利便性の向上や放置防止を図るため、区内の駅周辺に自転車置き場を整備し、管理してまいりました。現在、自転車の一時置き場につきましては、熊野前に一時置き場を設置しているほか、さらなる利便性の向上のため、本年四月から西日暮里駅前に有料のコインパーキング式の一時置き場を設置したところでございます。 御指摘の赤土小学校前駅周辺につきましては、区が管理する定期利用の自転車置き場がありますが、民間の駐輪場も含めて一時利用のための自転車置き場はございません。 こうしたことから、区といたしましても、赤土小学校前駅周辺に西日暮里駅前と同様の一時置き場の設置について既に検討を始めております。今後は、この地域の自転車の利用状況や区民ニーズを検証するとともに、民間駐輪場設置の働きかけも含め、さらに検討を進めてまいります。   〔区民生活部長阿部忠資君登壇〕 ◎区民生活部長(阿部忠資君) 屋内安全対策に関する御質問にお答えいたします。 災害時における屋内安全対策につきましては、家具類の転倒、落下防止器具については平成二十三年度から、感震ブレーカーについては平成二十八年度からそれぞれ器具の購入、設置工事に係る費用を助成することにより普及促進を図ってまいりました。昨年度からは新たに発災時に自力でブレーカーを落とすことが困難な高齢者や障がい者等の世帯を対象に、感震ブレーカー及び自動点灯ライトの無料配付事業を実施し、屋内安全対策をより一層充実強化し、推進しているところでございます。 さらに、より多くの方々にこれらの制度を利用していただけるよう、区内の六十五歳以上のみの全世帯を対象として、家具転倒防止器具や感震ブレーカーの購入、設置への助成をはじめ、IH調理器具等の購入費の助成、木造住宅の耐震診断への支援、高齢者住宅の改修支援など、区の各所管が実施している在宅高齢者の安全・安心を守るための各種助成事業をまとめたパンフレットを作成し、配付いたしました。 このパンフレットにつきましては、対象者に郵送するだけでなく、各所管が対象者を訪問する際などに配付し、説明することにより、徹底した普及促進を図っているところでございます。 区といたしましては、今後とも引き続き関係部署と緊密に連携しながら、家具転倒防止器具や感震ブレーカー等の屋内の安全・安心対策を強力に推進してまいります。 ○議長(茂木弘君) 三番夏目亜季議員。   〔夏目亜季君登壇〕 ◆三番(夏目亜季君) 維新・あたらしい党の夏目亜季と申します。ことしの統一地方選挙で最年少で初当選させていただきました。 これまでの私の取り組みといたしましては、タレント活動をしながら、自身の経験をもとに、ヘルプマーク、がん検診の普及など予防医療の講演活動をしてまいりました。そういった活動が政治家を志すきっかけとなりました。 その中で、本日、荒川区に質問させていただきたいことがあります。 まず一つ目、ヘルプマークについてです。この件において五点お尋ねしていきたいと思います。 まず、ヘルプマークとは、義足や人工関節を使用している方、内部障がいや難病の方または妊娠初期の方など外見からわからなくても援助や配慮を必要としている方々が周囲の方に配慮を必要としていることを知らせることで援助を得やすくなるよう作成したマークです。 ヘルプマークを身につけた方を見かけた場合は、電車、バスで席を譲る、困っているようであれば声をかけるなど、思いやりのある行動をお願いしますという意味合いを持ったマークとなります。 まず一点目の質問です。 荒川区では、ヘルプマーク配付場所は都電荒川線荒川電車営業所、都営バス南千住営業所、舎人ライナーの日暮里駅、西日暮里駅となっておりますが、荒川区で走っている東京メトロ、山手線など主要な駅では配付が行われておらず、なかなか受け取りに行きづらいので、区民の乗降者の多い駅でも配付するよう区からも勧めていただきたいと思っておりますが、そのあたりはどのようになっていますでしょうか。区として何か取り組めることはありますでしょうか。 二点目の質問です。ヘルプマークは多様な場所で使用できる仕組みとしていくことが効果的であると考えます。荒川区では、援助が必要な方が日常的に援助が得られることについて、今まで何をどう取り組んできましたか。どのような方が対象で、どのような効果を今まで上げてきたか、教えてください。 三点目の質問です。平成二十九年七月、オリンピックパラリンピックに向け、わかりやすい案内記号とするため、JISが改正され、ヘルプマークも全国共通のマークとなりました。この荒川区でヘルプマーク所持者への気づきや思いやりのある行動ができるように、今まで何かやられていたことがありますか。また、区の施設、民間施設問わず、より多くの施設でポスターなどを掲示し、普及啓発に努めるべきと考えます。 四点目の質問です。ヘルプマークに限らず、荒川区ではあらかわ安心カードが配付されておりますが、最初に言いましたとおり、ヘルプマークでは、義足や人工関節を使用している方、内部障がいや難病の方または妊娠初期の方になど、外見からわからなくても援助や配慮が必要な方のためのマークであるにもかかわらず、類似のデザインであるあらかわ安心カードの対象者が身体障害者手帳をお持ちの方、愛の手帳をお持ちの方、精神保健福祉手帳をお持ちの方に配付と記載があります。配付するに当たり対象者を設けるのであれば、特定疾患受給者証を持っている方も対象にしていただきたいと考えております。都の説明では、難病患者も対象となっていますが、そこのところ、どうお考えでしょうか。 私自身、国の指定難病である全身性エリテマトーデス(SLE)の患者であり、特定疾患受給者証を持っています。ヘルプマークの所持者でもあります。こういった難病を抱えている方は、荒川区でも私だけではないと思います。 私の持病である全身性エリテマトーデスが再燃し、退院した後、インターネットでヘルプマークの情報を受け、駅まで取りに行きましたが、難病患者の方で毎年区へ特定疾患の申請をする際にそういった説明やその場での配付があれば、そもそも電車やバスに乗ったり、現在も闘病中や退院したばかりで外出が困難な難病患者の助けになるのではないかと思っています。 最後の質問です。今後、東京都が主体となって、徐々にですが、ヘルプマークが民間も含めて普及し始めている中で、この荒川区では何か普及の後押しのようなものをお考えであれば教えてください。また、きょうの質問で何かを感じていただいているならば、どのような取り組みができそうか、答弁、お願いします。 続きまして、二つ目の質問となりますが、子宮頸がんについてお聞きしたいと思います。その中で三点お尋ねさせていただきます。 子宮頸がんとは一体どういった病気かといいますと、子宮頸がんはヒトパピローマウイルス、HPVというウイルスの感染が原因で起こることが知られています。とてもありふれたウイルスで、性的接触のある女性の八割以上が五十歳までに感染を経験すると言われています。特に若い年代の感染率は非常に高いと言われています。 しかし、HPVに感染しても、九割の人においては、免疫の力でウイルスが自然に排除されますが、一割の人は、HPVが長期間持続感染しています。 子宮頸がんは、子宮がんのうち約七割程度を占め、以前は発症のピークが四十代から五十代でしたが、最近は二十代から三十代の若い女性にふえてきており、三十代後半がピークとなっております。国内では毎年約一万人の女性が子宮頸がんにかかり、約三千人が死亡しております。また、近年におきましては、患者数も死亡率も増加しています。 子宮頸がんは、がんの中でも予防できるがんであり、早期発見ができれば、死亡することや子どもを産めなくなるような事態にも発展いたしません。 まず一点目の質問となりますが、子宮頸がんは、先ほど申し上げたとおり、若い世代の方が罹患しやすく、結婚や出産など女性の一大イベントとも言われるような問題に大変影響のあるがんですが、予防すると防ぐことができます。がん教育のくくりで教育するのではなく、もう少し子宮頸がんに焦点を当てて普及啓発したほうが、若い世代に命をつなぐためにもいいかと思っています。荒川区の学校などにおける普及啓発はどのように実施されていますでしょうか。 ワクチンの問題に関しましても、テレビなどの影響もあり、子宮頸がんワクチン副反応における被害が大きく報道されましたが、WHOによると、実際は副反応による因果関係はなく、安全性は確認されております。 そういった報道の名残から、日本婦人科腫瘍学会が推奨する十一歳から十四歳までのお子さんを持つ親世代に正しい知識が行き渡っていない、子宮頸がんワクチンと聞いただけで嫌悪感を示す方がいるのも事実です。 ここで、三点目の質問となりますが、荒川区では当事者の少女たちだけではなく、そういった娘を持つ親世代への普及啓発はどうなっていますでしょうか。 最後にもう一点質問させてください。 子を授かったときに産院や公共施設で行われる母親学級などで我が子の将来につながる話としての周知の事実として、ワクチン接種による正しい知識、メリット・デメリットなどの普及啓発をしていただくよう、同じ婦人科病のくくりとして、産婦人科医師や助産師などの妊娠や出産に関するプロの方に荒川区からも働きかけていただきたく思いますが、どうお考えでしょうか。 HPVの感染を予防してがんになる前の段階の高度異形成など前がん病変や頸がんを発生させないようにするのがHPVワクチンであり、現在使用可能なHPVワクチンは、頸がんの約六割から七割を予防できると考えられています。 頸がんや前がん病変の方が検診で陽性を示す割合は五〇パーセントから七〇パーセントと十分に高いとは言えず、がんや前がん病変がある方でも一定の割合で検診では異常なしと判定されてしまう危険性があるので、HPVワクチンと子宮頸がん検診の両方による予防が最も効果的ですというふうにも言われており、これらのことから、親世代にもそういったことが当たり前の知識となってくると、何となく嫌悪感を示す現状から親子間で正しい知識を持った上できちんと選択肢ができ、子宮頸がん撲滅に一歩近づけるのではないかと思い、まずは荒川区からHPV検診、ワクチンに対して正しい周知の徹底を子宮頸がん撲滅の先駆者としてやっていただきたいと考えております。 最後に、三つ目の質問をさせていただきたいと思います。 特殊詐欺対策、悪質訪問販売についてです。三点質問します。 まず一点目、近年ではおれおれ詐欺が社会問題となっており、先日六月七日に行われました健康・危機管理対策調査特別委員会でも取り上げていたとおり、荒川区では振り込め詐欺の被害に遭いやすい六十五歳以上の方がお住まいの世帯に対策として、電話自動通話録音機を無料で御提供しておられることを存じ上げております。 おれおれ詐欺などの社会問題は、被害者の息子、娘、孫などを装った方からの電話でだまされるケースが最も多く、家族でのコミュニケーション不足、寂しさが要因として挙げられていると思います。表面的な対策のみならず、そういった精神的な問題のケアもやっていけることが望ましいと考えますが、荒川区では被害ゼロを目指し、今まで何をどのように取り組んでおられますか。そして、今後どういった取り組みを考えられていますでしょうか。 二点目の質問ですが、NHKの集金人が認知症のお年寄りや両親のいない間に強引な契約をさせられる未成年者がいたり、ひとり暮らしの女性や高齢者を狙って詐欺まがいな契約をし、解約ができないという事例が荒川区民のほうから挙がっております。 その一つとして、NHKの集計人が夜間遅くにドアに足を挟んで帰らない、物事の判別がつかず、施設に行くおばあちゃんにまで契約し、介護している娘さんでは解約ができなかったことなど、実際、委託業者による訪問で強引な徴収員もいたことはインターネットでも視聴できるほど周知の事実です。委託業者が契約書の偽造を行ったこともあり、NHKが謝罪したこともありました。 それらのことから、NHK問題に限らず、直接訪問に対する対策について、どのように荒川区では取り組んでおられますか。お聞かせください。 ここで、三点目の質問です。荒川区の区民からも、私が所属している政党でありますNHKから国民を守る党にまで被害の相談があり、全国からの相談としては、一日平均して七百件ほどの被害通告があります。そういったことから、NHK問題に限らず、荒川区の方でも被害に遭われている方へのわかりやすい相談窓口を設けてほしいと考えておりますが、いかがでしょうか。 現在、NHK受信料の訪問時間に法的な決まりはございません。また、集金人の訪問時間に関しても、NHK相談窓口のあいている朝の八時から夜八時までなど、常識的な範囲での訪問時間の規定を荒川区で定めたりすることが望ましいと考えています。 最後の質問です。NHKに対する訪問被害だけでなく、訪問販売、詐欺業者に狙われにくくなる方法や撃退方法である猛犬注意や訪問撃退ステッカーを張ること、そして、訪問販売員が来たら名刺をもらい、録音・録画を徹底し撃退するなどの方法を、荒川区からも区民の方にそういった方法があるということを御教授いただくなど、私たち区民の不安や不満が現在より解消されることを希望するに当たり、荒川区として何か御対応できることはありますでしょうか。 ヘルプマークの件もそうですが、弱者に優しい、誰しもが住みやすいまち、幸福実感都市荒川区でありたいと私も心から願っております。これらを踏まえ、御答弁をお願いします。 これで一回目の質問は終わります。   〔福祉部長片岡孝君登壇〕 ◎福祉部長(片岡孝君) まずヘルプマークに関する御質問に総括してお答えをいたします。 まず、ヘルプマークの配付場所に関する御質問にお答えいたします。 御提案のありましたJR等の主要駅での配付につきましては、荒川区内だけでの配付は効果も限定的でありますので、区といたしましては、東京都に対して、広域での配付について働きかけていきたいと考えております。あわせて、区内における他の効果的な配付場所についても検討をしてまいります。 次に、ヘルプマークの理解促進のための取り組みに関する御質問にお答えいたします。 区では、広く区民を対象として、ホームページでの案内や窓口でのパンフレットの配付、事業者向けの障害者差別解消法を解説する冊子へのヘルプマークをはじめとした障がい者に関するマークの掲載などを通して、援助や配慮が必要な方への理解が深まるよう取り組んでおり、ヘルプマークの趣旨や障がいへの理解が進んできたものと認識をしております。 また、御質問のポスターによる普及啓発につきましては、ヘルプマークがさまざまな場所に表示されることで区民の皆様の理解促進に資するものと認識をしております。そのため、ポスターの掲示という手法だけではなく、より多くの方の目にとまるPR方法を検討してまいりたいと考えております。 次に、区で配付しておりますあらかわ安心カードに関する御質問にお答えいたします。 このカードにつきましては、障害者手帳には緊急連絡先などを記載する欄がないため、障がい者団体等から緊急時に必要な医療情報等を確認できる身分証明書的なものを携帯したい旨の要望があって、団体と検討を重ねて平成二十年につくったものでございます。 その後、都がヘルプマークを普及させたことに合わせて、平成二十六年度にヘルプマークを加える形でデザインを変え、現状に至っております。そのため、現在のカードは手帳所持者を対象とした内容となっておりますので、今後、難病患者の方につきましても、御要望等をお聞きしながら、カードの記載事項の変更を含めて配付対象の拡大について検討してまいります。 最後に、ヘルプマークのさらなる普及への後押しに関する御質問にお答えいたします。 現在、区では、他の自治体の取り組み事例について情報を収集し、これまで御答弁してきましたとおり、ヘルプマークの認知度の向上や理解の促進、効果的な配付方法等について検討を進めているところでございます。 今後も引き続きヘルプマークを必要とされる方への御支援だけでなく、ヘルプマークを目にし、困っている方がいれば積極的に声をかけるなど、一人でも多くの区民が思いやりのある行動をとれるような温かい地域社会の実現を目指してまいります。   〔健康部長石原浩君登壇〕 ◎健康部長(石原浩君) 子宮頸がんの撲滅に向けた取り組みについて、まとめてお答えいたします。 まず初めに、学校における啓発に関する御質問にお答えします。 区では、健康増進計画の一つにがん対策を掲げ、「子どもから大人までみんなで取り組むがん予防」をスローガンに、平成二十二年度から、がん出前授業として、児童・生徒及び保護者の方々を対象に、がん検診に従事している職員が各学校を訪問し、がん予防に関する正しい知識の啓発を行っております。 実施内容についても、各学校の要望を踏まえ、保護者や教員も交えたグループディスカッションや生徒による寸劇、がん体験者や専門医の講演等工夫を重ねてきたところです。平成三十年度はがん出前授業を十三校で述べ十四回実施いたしました。 なお、この事業は、がん全般に関する知識の普及啓発を目的として行っているものであり、子宮頸がんに焦点を当てた内容での実施には困難さも伴うため、慎重な対応が必要であると考えますが、今回の御質問を踏まえ、他区の取り組み事例を参考とし、関係部署とも連携を図りながら研究してまいります。 次に、接種対象のお子さんを持つ親世代への子宮頸がんに焦点を当てた知識の啓発に関する御質問にお答えいたします。 子宮頸がんは女性特有のがんの一つであり、幅広い年代で罹患するものであることから、女性の生涯の健康にとって大きな課題となる疾患であると認識しております。 これまで、区においては、特に子育て世代や働き盛り世代を対象に、女性の健康づくり事業を通じて、子宮頸がんに限らず、一生涯で直面するがんや骨粗しょう症などの予防や正しい知識の普及に努めてまいりました。具体的には、がん検診の際の保健指導や区内二十六カ所に設置している健康づくり提供店などで情報提供を行ってまいりました。 議員御指摘の親世代への正しい知識の啓発につきましては、引き続きこれらの事業の中で啓発に努めてまいります。 最後に、子宮頸がんワクチンに関する御質問にお答えいたします。 ワクチン接種は個別性が高い問題であることから、身近で信頼できる医師へ相談し、接種の有効性や安全性等について十分に説明を受ける必要があると考えます。 子宮頸がんワクチンについては、現在、国において接種の積極的な勧奨を差し控えている状況にあることから、区といたしましては、医療機関に対して接種に当たっての注意事項などを周知しながら、今後も国の動向等を注視してまいります。   〔区民生活部長阿部忠資君登壇〕 ◎区民生活部長(阿部忠資君) 特殊詐欺対策の現状と今後に関する御質問にお答えいたします。 特殊詐欺につきましては、次々と新たな手口が発生しており、都内では昨年、被害が大幅に増加した状況でございます。 こうした中で、区ではこれまで、詐欺の手口や対策を紹介したチラシやポスター等を作成し、情報発信や注意喚起を実施してまいりました。 また、区内三警察署をはじめ、町会や地域の皆様と連携してさまざまな取り組みを進め、特殊詐欺の被害防止に努めてまいりました。とりわけ本区が二十三区に先駆けて実施している電話自動通話録音機の設置や防災行政無線による受け子撃退作戦、行政とかかわりの少ない高齢者への戸別訪問は、被害の削減に大きな効果を上げております。昨年は二十三区で最も少ない被害額となりました。 区といたしましては、引き続きこれらの対策を中心に、区内三警察署との連携をより一層強化しながら、被害撲滅に努めてまいります。   〔産業経済部長石原久君登壇〕 ◎産業経済部長(石原久君) 悪質な訪問販売業者への区の対応に関する御質問にお答えいたします。 区役所本庁舎六階にあります区の消費生活センターでは、区民からの消費生活にかかわる相談対応や消費トラブル防止のための講座などを行っております。 御質問にもありますとおり、悪質な訪問販売に対する相談事例も少なからずあり、そうしたケースの場合、四名おります専門相談員が区民と事業者の間に入ることで、問題の解決を図るとともに、的確な対処方法などをアドバイスしております。 また、相談者の玄関先等に張れる区が作成しました訪問販売お断りのステッカーや注意喚起パンフレットを地域包括支援センターや民生委員等と連携するなどして配付しております。 さらに、専門相談員がまちなかで開催されている粋・活サロンなどで直接お話しさせていただく出前講座も年間八十回以上実施しております。 区といたしましては、引き続き関係所管と連携し、悪質な訪問販売等の撲滅に向けて広く区民に注意喚起を行ってまいります。 ○議長(茂木弘君) 二十三番河内ひとみ議員。   〔河内ひとみ君登壇〕 ◆二十三番(河内ひとみ君) あらかわ元気クラブの河内ひとみです。 故斉藤裕子さんが昨年の六月会議で松葉づえをつきながら最後の一般質問となったこの場所に立つことは感慨深い気持ちです。区長をはじめ、区議会議員の皆様、理事者の皆様、大変お世話になりました。感謝申し上げます。 では、質問に入ります。 まず、医療ニーズの高い療養生活者の後方支援病院についてお伺いいたします。 今や人生九十年、百年と言われる中、高度医療技術の進歩により在宅で中心静脈栄養や人工呼吸器をつけ、吸引したり、在宅酸素をしたり、また、腹膜透析もできるようになりました。この高度医療技術の進歩は同時に在宅での要支援、要介護者の増加を伴うことになります。 今、荒川区の高齢化率は、五月一日時点で二三・二パーセント、要支援、要介護者は五月三十一日時点で九千五百一人となっております。 病院は、長期入院患者を多く抱えると赤字になるため、入院患者の病状が安定すると、二週間から三カ月以内に転院させるか、在宅での療養に切りかえる、あるいは施設に入所させるということになります。 問題は、在宅療養者を介護している介護者の負担についてです。在宅介護の介護する側の環境は、単身世帯であったり、高齢者世帯であったり、また、働きながら介護をするという状況があります。このような多様なニーズの中で、医療行為を伴う区民の在宅療養を支えるための支援体制が重要です。 この秋から医療ニーズの高い療養生活者の後方支援病院の募集が開始されます。その後方支援病院は、ベッドのあきを利用してのものと聞いております。果たして、あきベッドを利用しての後方支援で間に合うものなのか、どうなのでしょうか。募集する病院は何カ所予定されているのか、教えてください。 私の訪問看護やケアマネの仕事の経験の中でも、介護をする側が突然体調を崩したりあるいは入院をしたり、最悪の場合、家の中で亡くなっていたということもありました。このようなことばかりとは限りませんが、介護する側の事情も相まって、今後も医療ニーズの高い療養生活者がふえてくるものと予想されます。荒川区内の病院だけで賄えるのか、心配です。 二〇二一年度の東京女子医科大学東医療センターが移転した後の新病院は社会医療法人社団正志会に決まりました。整備、運営に関する覚書を三月二十九日に締結いたしました。 そして、この正志会の新病院が東京女子医科大学東医療センターの機能を引き継ぐ災害拠点病院の指定となり、二百二十床が予定されました。また、新病院のほうの提案では、療養型が百床含まれております。これには区がこの跡地や建物を買収し、改修工事の整備費用もその内容により一部を区が負担すると聞いております。せっかく区民の税金を使うわけですから、災害拠点病院としてだけではなく、区民のための在宅療養の後方支援病院として医療ショートステイができる機能も協定の中身につけ加えるべきと考えます。区の御意見、お聞かせください。 二番目に、居宅介護支援専門員、通称ケアマネの処遇改善についてです。 私はNPO法人で居宅介護支援事業と訪問介護事業をやっていましたが、実際のところ、訪問介護事業は黒字でも、居宅介護支援事業は黒字にはなりません。 居宅介護事業のための特定事業所加算という制度がありますが、それには最低三人のケアマネを雇わなければなりません。仮に一人当たり基本給二十万円、ケアマネ手当五万円とすると、月給二十五万円、さらに時間外手当を出し、ボーナス年間二・〇カ月出すと、居宅介護支援事業は赤字になります。ケアマネは処遇改善加算の対象ではないため、結局、事業を黒字にするためには、ケアマネの人件費を削るということになり、その結果、ケアマネになってスキルアップしたのに、訪問看護よりも給料が安くなるという逆転現象が起こるようになりました。 私の周りでも、ケアマネの看護師が訪問看護だけのほうが給料がよいので、ケアマネ業務から訪問看護業務に戻るというケースが起こっております。本来であれば、経験を生かし、専門的知識のある熟練したケアマネの役割は大きいものです。 しかし、昨年の東京都のケアマネ受験者は激減し、三千六百四十四人でした。一昨年から七千百七人減少しました。こうした現象には、ケアマネのほうが給料が安いというようなことが原因の一つにあるのではないでしょうか。 第七期荒川区高齢者プランでは、平成三十一年度のケアプラン利用者件数は九千八百十一件の見込みです。三年前の実績からは七百件以上ふえると予想されます。一人当たりのケアプラン件数はふえ、ケアマネにその負担が重くのしかかってくると予測されます。ケアプラン料金を利用者に一部負担とすることが検討されていたようですが、それでは介護保険サービスの利用の抑制になりかねません。 ケアマネの処遇を改善し、人材を確保し、それが利用者への負担とならないように、区としても何らかの対策が必要ではないでしょうか。あわせて、東京都や国への処遇改善について意見書など出すような働きかけも必要と思いますが、いかがでしょうか。 次に、会計年度任用制度の開始についてお伺いいたします。 来年四月よりスタートする会計年度任用制度施行によって不安になっている非常勤職員の話を聞きました。新制度では、対象者がパートタイム勤務、フルタイム勤務となっていますが、改正法においては、会計年度任用職員について、フルタイムでの任用が可能ということでよろしいでしょうか。 荒川区としては、隣の区がやったから同じように足並みそろえるということではなく、よりよい区民のための区政をあずかる区職員のためにしっかりした条例をつくるようお願いいたします。 職員労働組合がありますので、しっかり職員と意見交流をして、人材確保という観点からも、質の高いベテランの職員が長く働けるような職場環境づくりが必要ですが、区の取り組みはどのようなものなのか、御意見、お聞きしたいと思います。 荒川区の非常勤職員の中には、フルタイムで働く非常勤職員はいませんが、七時間四十五分で打ち切っていると説明を受けました。勤務実態に応じ、希望する人には積極的にフルタイムで任用するという計画はあるのでしょうか。 現在働いている非常勤職員の雇用については、国は一年ごとの更新と言っていますが、東京都では公募を伴わない再任用について、四回までは免除のようです。しかし、荒川区はこれまで培った雇用の安定の面で、雇用契約の回数制限を六十五歳までは設けていません。今後も民間同様に期間の定めのない無期転換ということでよろしいのでしょうか。 本来の目的である雇用の安定と処遇改善によって、非常勤でも安心して働き、暮らせる雇用環境づくりとなるように切に望みます。 時間給のベースアップについてお聞きいたします。 十月から始まる消費税一〇パーセント増税によって実質的に物価は上がり、実質賃金は下がります。何年働いても同じ賃金では、モチベーションが上がりません。 荒川区で雇用している非常勤職員の賃金、一時金がどのようになっているのか、また、新会計年度任用制度になっても、時間給のベースアップは検討する予定があるのでしょうか。不安になっている非常勤職員のために、早期に具体的な雇用契約等のスケジュールについても説明会を開いてください。区職員労働組合との十分な協議をよろしくお願いいたします。 最後の質問になります。十月に予定されている消費税増税一〇パーセントの区民経済に及ぼす影響について、どのように認識しているのかお尋ねいたします。 実感なき景気回復と言われて久しい中で、この間、荒川区の商工業者は苦境に立たされております。 国政調査によれば、二〇〇五年から二〇一五年の十年間で、工場も商店も半減しています。また、ことし四月の荒川区の景況速報を見ても、全業種で悪化していることが示されています。そんな中での十月の消費税増税はその苦境に追い打ちをかけるものにほかなりません。 八パーセントから一〇パーセント、二パーセントの増税とはいえ、事業者の税負担は深刻です。既にこの間の経営不振に加えて、仕入れの金額の二十万円を支払うのが大変なので店を閉めようと考えていると連絡がありました。また、ほかの経営者は自営業の後、掃除のお仕事を抱え、二重労働をしていましたが、増税でさらに売上が落ちると頭を抱えて、この六月でお店を閉めることにしました。 ちなみに、五パーセントから八パーセントに消費税が引き上げられたときに、一年前の水準を回復するまでに何と三年七カ月かかったという統計資料があります。それくらい消費税増税は経営に大きな影響を与えます。 また、低所得者の負担を軽減するために、標準税率よりも低く抑えた軽減税率を導入すると言いますが、その対象が生活に最低必要な生活必需品ということで、食料品が中心です。軽減税率の効果は、政府の試算でも一人当たり年間四千三百円でしかありません。そもそも消費税自体が低所得者には厳しい税制ですから、このような軽減税率は低所得者には意味がありません。 十月予定の消費税の増税は、区民の生活と営業に大きな影響を与えるものです。中小商工業に対する具体的な対策と、荒川区として区民の経済に及ぼす影響をどのように考えているのか、お伺いいたします。 以上です。よろしくお願いいたします。   〔福祉部長片岡孝君登壇〕 ◎福祉部長(片岡孝君) 後方支援病床に関する御質問にお答えいたします。 区では、医療ニーズの高い在宅療養中の高齢者が地域で安心して生活できる体制づくりのため、在宅療養連携推進会議等において、医師をはじめとする関係多職種が連携を図れるよう、まさに顔の見える関係づくりの構築に努めており、後方支援病床につきましても、その一環として検討を行ってまいりました。 この後方支援病床は、これまでも議会において質疑をいただいており、医師会など関係機関の皆様の御意見を伺いながら検討を重ねた結果として、この秋には事業を開始する予定でございます。具体的には、区が契約をした区内の病院を対象として、区に事前登録をいただいたかかりつけ医が入院の調整を行い、計画的に入院を行う事業となっております。 お尋ねの後方支援病床として契約する病院数につきましては、医師会に御協力をいただきながら、区内の病院を対象に公募を行うというような運びになっておりますので、予定の数ということではなく、こうした公募の中で区としてできる限り多くの病院に御参加をいただきたいと考えております。 区といたしましては、高齢者が医療や介護が必要になっても、住みなれた地域でいつまでも暮らせるよう、今後もかかりつけ医を中心とした在宅療養体制の構築に努めてまいります。 次に、介護支援専門員の処遇改善に関する御質問にお答えいたします。 介護支援専門員は、介護が必要な状態となっても、住みなれた地域で自分らしい自立した生活をしていくために重要な役割を担っております。 区内の居宅介護支援事業所に勤務する介護支援専門員の人数は微増傾向にはございます。しかし、今後さらに要介護や要支援の方が大幅にふえていく中で、介護支援専門員の確保は、介護現場の人材不足とあわせて重要な課題と認識しております。 この課題の解決に向けて、区では、これまでも区内の多くの介護支援専門員等が加入する団体であるケアマネットあらかわや主任介護支援専門員協議会といった職能団体との定期的な打ち合わせ等を通じて、状況や意見の把握に努めており、これらを踏まえ、国や東京都に対して要望を伝えているところでございます。 令和三年四月に予定されている法改正に関する国の議論におきましても、居宅介護支援事業の分野ではさらなる見直しが検討されており、その影響が大きくなる可能性もございますので、引き続き区でも情報収集や事業者の皆様の声を聞きながら、必要に応じ、国に対して現場の声を伝えるなど、適切に対応してまいります。   〔健康推進担当部長東山忠史君登壇〕 ◎健康推進担当部長(東山忠史君) 医療ニーズの高い療養生活者の在宅療養後方支援病院に関する御質問のうち、東京女子医科大学東医療センター移転後に開設する病院との協定に関する御質問にお答えいたします。 東京女子医科大学東医療センター移転後に開設する新たな病院につきましては、公募により運営事業者を選定し、本年三月、基本協定の締結に向け協議を行う基本的事項を定める覚書を締結したところでございます。 この病院は、災害時の医療拠点、地域の医療拠点、健康づくりの拠点となる荒川区の医療・健康づくりにとりまして極めて重要な役割を果たすものであり、区民の皆様からも多くの期待が寄せられているものと認識しております。 今後、覚書に基づき、診療科目や医師の配置等の医療体制、災害応急時体制の整備、大学病院との連携体制等をはじめとする病院の医療機能や、費用負担に関する具体的な協議を行うに当たり、議員御質問の点も含め、広く議会や区民の御意見をいただきながら、検討を進めてまいりたいと考えております。 区といたしましては、地域における良質な医療を確保し、区民の皆様に安心して御利用いただける病院となるよう、新病院の事業者等との協議にしっかりと臨んでまいります。   〔管理部長梅原一彦君登壇〕 ◎管理部長(梅原一彦君) 会計年度任用職員制度に関する御質問にお答えいたします。 本制度は、地方公務員法等の改正により来年四月から新たに導入されるもので、現在の非常勤職員の大部分が会計年度任用職員へ移行し、特別職から一般職となることで、身分保障の充実や期末手当の支給等の処遇改善が図られるものでございます。 区では、これまで、区民サービスのさらなる向上と効率的な行政運営を図るため、業務委託や指定管理者制度等、民間活力を積極的に導入するとともに、専門的な知識、技能等を有する非常勤職員の活用を図ってまいりました。 こうした中、それぞれの非常勤職員がこれまで培った経験や能力を発揮し、意欲を持って質の高い区民サービスを提供できるよう、他の自治体に先駆けて処遇改善に取り組んでまいりました。具体的には、平成十九年度に非常勤職員の能力や職責に応じた職層制を導入し、選考を経て能力等が認められれば、職責に見合った上位の職層に任用されるなど、同一労働同一賃金の考え方を踏まえた仕組みを実現いたしました。 また、研修制度の充実や育児休業をはじめとした休暇制度の拡充等、勤務環境の整備を図り、こうした区の取り組みは全国多くの自治体からも注目されてきたところでございます。 さらに、本区の働きかけにより特別区職員経験者採用選考において、非常勤職員として勤務した期間も従事歴に算定されることになり、非常勤職員から常勤職員への道が開かれたところでございます。 区では、今回の法改正を受け、御質問の事項も含めて、現在、制度設計について鋭意検討を進めており、制度案については早期に取りまとめ、これまでと同様、職員団体と十分に協議を行ってまいります。また、その後、関係条例の提案を予定しております。 区といたしましては、これまで他に先んじて運用してきた独自の現行制度を基本としながら、法改正の趣旨を踏まえて、今後も非常勤職員が高い職務意欲を持って生き生きと働ける制度としてまいりたいと思います。あわせまして、御質問にありました対象の職員に対しまして丁寧な説明を行ってまいりたいと思います。   〔産業経済部長石原久君登壇〕 ◎産業経済部長(石原久君) 消費税に関する御質問にお答えいたします。 消費税は、少子高齢化で毎年ふえ続ける社会保障に対する安定的な財源であり、特定の世代に負担が偏ることなく、将来にわたって社会保障を支えていくことを目的としております。 したがいまして、消費税による負担の増加は、将来の国民の生活の安定に資するものであり、結果として地域経済の安定にもつながっていくものと理解しております。 一方で、中小企業が多数を占める地域におきましては、消費税の転嫁が困難となり、地域の経済活動にマイナスとなるという御指摘があることは承知しております。 このため、区独自の景況調査により、区内企業を取り巻く経営環境を把握するとともに、企業相談員による事業所への日常的な巡回を通じて、区内中小企業の経営者との対話により、事業者ごとの経営状況をきめ細かく把握してまいります。 区といたしましては、専門家による経営相談、きめ細やかな融資制度、そして、経営力強化のための補助金等により、区内中小企業、小規模事業者の経営基盤のさらなる強化に向けて、国が実施していく中小企業、小規模事業者への支援策とも歩調を合わせながら、引き続き支援をしてまいります。 ○議長(茂木弘君) 以上で本日の質問は終わります。 以上をもちまして本日の日程は全部終了いたします。 お諮りいたします。本日はこれをもって散会いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(茂木弘君) 異議ないものと認め、そのように決定いたします。 次回の本会議はあす午前十時より再開いたします。 本日はこれをもって散会いたします。お疲れさまでございました。   午後二時四十一分散会...