• 辞職勧告決議(/)
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  1. 荒川区議会 2016-06-01
    06月21日-01号


    取得元: 荒川区議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-12
    平成28年度定例会・6月会議荒川区議会会議録(第一日目)==============一、日  時   平成二十八年六月二十一日 午前十時一、場  所   荒川区議会議場一、出席議員(三十二名) 一番 小坂英二君 二番 小林行男君 三番 安部キヨ子君 四番 横山幸次君 五番 斉藤邦子君 六番 相馬堅一君 七番 小島和男君 八番 町田 高君 九番 中島義夫君 十番 菅谷元昭君 十一番 明戸真弓美君 十二番 茂木 弘君 十三番 若林清子君 十四番 小坂眞三君 十五番 服部敏夫君 十六番 並木一元君 十七番 斎藤泰紀君 十八番 北城貞治君 十九番 守屋 誠君 二十番 鳥飼秀夫君 二十一番 志村博司君 二十二番 斉藤裕子君 二十三番 藤澤志光君 二十四番 竹内明浩君 二十五番 清水啓史君 二十六番 瀬野喜代君 二十七番 森本達夫君 二十八番 菊地秀信君 二十九番 松田智子君 三十番 吉田詠子君 三十一番 保坂正仁君 三十二番 中村尚郎君一、欠席議員(なし)一、出席説明員 区長 西川太一郎君 副区長 佐藤安夫君 副区長 北川嘉昭君 総務企画部長 猪狩廣美君 総務担当部長 梅原一彦君 秘書担当部長兼  全国連携担当部長 米澤貴幸君 財政担当部長 宮腰 肇君 管理部長 五味智子君 経理担当部長 三枝直樹君 区民生活部長 正木良一君 地域文化スポーツ部長 池田洋子君 産業経済部長 石原 久君 環境清掃部長 古瀬清美君 福祉部長 片岡 孝君 健康部長 倉橋俊至君 子育て支援部長 青山敏郎君 防災都市づくり部長 松土民雄君 再開発担当部長 松崎保昌君 会計管理部長兼  債権管理担当部長 石澤 宏君 教育長 高梨博和君 教育委員会事務局  教育部長 阿部忠資君 選挙管理委員会委員長 小林清三郎君 代表監査委員 中里 稔君一、職務のため出席した事務局職員 事務局長 濱島明光 庶務係長 野口正紀 議事係長 幸野佳紀 主任主事 染谷沙織 主任主事 早坂利春 主事 土屋諒介 主事 肥塚喜史 企画調査係長 西 智行議事日程 平成二十八年六月二十一日 午前十時開議第一            一般質問について   午前十時開議 ○議長(並木一元君) ただいまより六月会議を開きます。 なお、六月会議の会議期間は、本日から七月六日までの十六日間といたします。 この際、区長より発言の申し出がありますので、これを許可いたします。   〔区長西川太一郎君登壇〕 ◎区長(西川太一郎君) 平成二十八年度荒川区議会定例会・六月会議には、荒川区立ゆいの森あらかわ条例など重要な案件を多数提案申し上げま  す。よろしく御審議を賜りますよう、そして、御可決を賜りますようお願い申し上げます。 この機会に一言つけ加えさせていただきます。 御案内のとおり、東京都知事が本日付で辞職し、東京都知事選挙が行われることになりましたが、十六日の特別区長会において知事不在等、東京都を取り巻く問題がいろいろございますが、そういうときこそ九百三十万、二十三区区民の皆様のために、二十三区が一体となって歩みを進め、そして、御心配をかけないようにしていこうという決意を共有いたしましたことをこの機会に御報告をさせていただきます。 本日からの本会議、どうぞよろしくお願いを申し上げます。 ○議長(並木一元君) 出席、欠席議員数を報告いたします。出席三十二名、欠席者はおりません。 六月会議の会議録署名議員を定めます。本件は、会議規則第百二十条の規定により、議長より御指名いたします。        七  番 小 島 和 男 議員        十  番 菅 谷 元 昭 議員        二十九番 松 田 智 子 議員 以上三名の方にお願いいたします。 ○議長(並木一元君) 日程第一、一般質問について。───────────────○─────────────── △一般質問について ○議長(並木一元君) 一般質問の通告がありましたので、順次発言を許可いたします。 十八番北城貞治議員。   〔北城貞治君登壇〕 ◆十八番(北城貞治君) 質問に先立ちまして申し上げます。 震源域を九州の南西部から北東部にかけまして拡大をした大地震によりまして亡くなられた方々に心より哀悼の意を表します。また、いまだ余震が続き、そして大雨の中で被災された方々に対しまして、心からお見舞いを申し上げます。また同時に、一日も早い復興と復旧を願うものであります。 そのような中、東京都政におきましては、舛添知事の政治資金私的流用問題で東京都政の信頼が失墜し、本日辞職をしたわけであります。二年前に支援をした一人としまして、じくじたるものがあり、また、ざんきの念にたえません。 そして、一人の父親として最も心配をすることは、連日報道されます子どもたちがそのニュースを見て、政治、また大人社会への信頼を失うことであります。例えば、政治、大人社会はずるい、そしてまた、正直者がばかを見る、そんな考え方が子どもたちの片隅に根づくことであります。だからこそ、政治に携わる者に課せられた責任は極めて重たいものがあると自戒の念を込めまして痛切に感じるところであります。 我が自由民主党荒川議会議員団は、費用弁償の廃止、そして政務活動費の大幅削減、さらには二十三区最初に通年議会導入を主導した会派として、三百六十五日、区民の方々の声を直接肌で感じることに自覚と誇りを持ち、今後もさまざまな分野で政策提言を行ってまいります。 そのような行動理念に基づきまして、私は自由民主党荒川議会議員団を代表しまして、八点にわたり質問を申し上げます。 まず最初にお伺いしますのは、極めて率直な質問でございますけれども、区長四期目への出馬に対する御決意をお聞かせ願いたいと思っております。 私は、平成十九年に荒川区議会に復帰し、この九年間、微力ではありますが、自由民主党荒川議会議員団の一員として、行政と緊張関係を保ちながら荒川区政を支えてきたと自負しております。この九年間、第一には、健全な財政運営が果たされているか否か、第二には、将来を見据えた施策が展開されているか否か、第三には、弱い立場の方々に可能な限り行政の光を与えているか否か、これらについて検証し、提言を行ってまいりました。 まず、健全な財政運営についてであります。この点につきましては、前回区長選において、我が自由民主党荒川総支部と西川区長で政策協定を結び、この中で、財政運営においては、さまざまな財政指標を用いながら財政の健全性を確認し、積極的に財政運営を行っていくこととし、一つ、起債の活用に当たっては、実質公債費比率は五パーセント程度を維持すること、二つ、起債残高の歳出に占める割合を三〇パーセント台で維持すること、三つ、財政調整基金の残高は標準財政規模の一〇パーセント以上を確保すること、四つ、経常収支比率は九五パーセント程度を上限とすることとし、政策協定を結んだわけであります。 以下、さまざまな財政指標について検証させていただきます。 人件費の推移を見てみますると、清掃事業が区に移管された平成十二年度には二百三億円でしたが、平成二十六年度には百六十二億円と四十一億円の減、歳出に占める人件費の割合は平成十二年度が二五・七パーセント、平成二十六年度が一八・六パーセントですので、これも七・一ポイントの減、人件費に係る経常収支比率でも平成十二年度の三六・八パーセントに対し、平成二十六年度は二七・〇パーセントと九・八ポイント下がっております。 公債費では、平成十一年度の起債残高が最も大きく、四百六十一億円でしたが、平成二十六年度は二百七億円と半分以下に減少し、歳出規模に対する割合も五九・〇パーセントから二三・七パーセントに低下しております。公債費比率も一〇・四パーセントから四・三パーセントに、公債費に係る経常収支比率も一〇・四パーセントから四・二パーセントに減少し、実質公債費比率はマイナス〇・一パーセントで、早期健全化基準である二五パーセントを大きく下回る状況となっております。 経常収支比率全体でも、社会保障関係経費の増大に伴う扶助費の増加や財政調整交付金の減少等により率が押し上げられる傾向でありながら、平成二十六年度で八五・五パーセントにとどまっております。 さらに、財政調整基金の残高は、平成二十六年度末の百四十三億円でも標準財政規模に対して二六パーセント以上確保できております。これらの数字を総合的に勘案すれば、本区の財政状況は我が党が主導してきた行政改革の結果として、健全性が一層高まっていると評価できます。 次に、荒川区において、将来を見据えた政策が展開されているか否かでございますが、この点につきましては、児童相談所の特別区移管、待機児童対策宮前公園周辺地域の公共施設の更新の質問の際に述べさせていただきます。 次に、三つ目の弱い立場の方々に可能な限り行政の光が与えられているか否かについてであります。時間の関係上、ごく一部だけ申し述べます。 他の自治体に先駆けて取り組んでいる子どもの貧困対策は、昨年度から地域の方々による子どもの居場所づくりを展開しており、さらに拡大の努力をされております。障がい者の方々に対しましては、就労支援の充実、親なき後の支援事業として、重度障がい者グループホーム支援の充実、ライフプラン作成など積極的に取り組まれ、まさに西川区政の真骨頂であります。 しかし、これからの荒川区政は、一人の犠牲者も出さないための震災対策や保育の待機児童解消、高齢化の進展への対応等、解決をしなければならない課題が山積しております。さらには、児童相談所の特別区移管や全国連携など、二十三区として全国の自治体の先頭に立って進めていく課題もあります。 これらの多くの課題を解決し、課題解決の福利を荒川区民のみならず、多くの地域の方々が享受し、幸福実感都市あらかわ実現をより確実にでき得るのは西川区長しかいないと確信をしております。 十月三十日告示、十一月六日投票の区長選挙への出馬の決意を荒川区議会第一党である自由民主党荒川議会議員団十四名の総意においてお尋ねいたします。 次に、児童相談所の特別区移管についてお伺いします。 児童虐待は依然深刻な状態にあり、平成二十六年度に全国の児童相談所が対応した児童虐待対応件数は約八万九千件で、平成十二年度の約一万八千件から約五倍にふえております。一方、児童相談所の数は、同じ時期に一・二倍にしかふえておらず、急増する通告や相談に対応が追いついていないのが現状であります。 こうした中、西川区長は、これまでの児童相談所の特別区への早期移管を強く求め、東京都との交渉に当たるとともに、厚生労働省にも直接、児童相談所の移管要請を行ってまいりました。その結果、さきの国会において、改正児童福祉法が可決、成立し、特別区における児童相談所の設置が可能となったわけであります。 法改正を受け、西川区長は特別区長会会長としてコメントを発表し、今回の改正を子どもと家庭を取り巻く深刻な状況を踏まえた意義あるものとし、改正法の施行後、準備が整った区から順次児童相談所の設置を目指していくとの考えを示されました。 一方で、児童相談所は、虐待のみならず、非行や障がいなど子どもに関するあらゆる相談に対応し、虐待対応も相談、一時保護、施設入所や家庭復帰後のケアなど、その業務は広範かつ多岐にわたっております。加えて、児童相談所設置区においては、児童相談所の相談業務のみならず、児童福祉施設の設置認可、虐待防止などのために養子縁組のあっせんや相談、実親の同意、里親の認定、療育手帳に係る判定事務など関連事務を担うことになります。児童相談所の区移管を目指していくためには、これらの課題を漏れなく明らかにし、その解決を図っていく視点が極めて重要であることは論を待ちません。 課題として例を申し上げるならば、人材の確保・育成の課題がまず挙げられると思っております。児童相談所の業務には、保護者の同意が得られない場合に法的権限に基づいて行う施設入所等の措置や二十四時間体制となる一時保護所の運営など、現在区がノウハウを持たない業務も含まれております。したがいまして、これらの業務を的確に担うことのできる福祉職や心理職、保健師、保育士等の専門職を計画的に確保し、育成していく必要があるわけであります。 このほかにも、里親などの社会的擁護の拡充の問題や財政面等の課題もあります。今後、児童相談所の移管に向けてさまざまな課題を解決し、どのように取り組んでいくのか、区の決意をお伺いいたします。 次に、待機児童対策についてお伺いします。 荒川区は、平成十六年の西川区長就任以来、子育て支援の充実に力を入れ、さまざまな子育て施策を積極的に展開してきたところであります。とりわけ保育においては、増大する保育需要に迅速に対応するため、保育定員の拡大を進め、西川区長が就任当時、三千七十六人であった保育定員が本年四月には五千三百五人と、十二年で二千二百二十九人ふやしたところであります。これは、西川区長が強いリーダーシップを発揮し、あらゆる手法を講じ、なし遂げられたものと自民党としても高く評価をしているところであります。 その成果は、数値的にもあらわれております。ゼロ歳から五歳までの就学前児童人口は、平成二十三年四月の九千五百二十六人から平成二十八年四月には一万六百八十四人と七百五十八人増加しております。また、認可保育園や認証保育所、保育ママなどの保育サービスを利用されている方は、平成二十三年四月の三千八百七十七人から平成二十八年四月には四千九百九十七人と千百二十人も増加をしております。就学前児童人口に対する保育サービス利用者の割合、いわゆる保育利用率を見ると、平成二十三年度は三九・一パーセントであったものが平成二十八年四月では四六・八パーセントと七・七ポイント上昇しています。この保育利用率について、平成二十七年度の数値の比較ですが、二十三区トップとなっております。さらには就学前児童人口に対する保育定員数の割合を見ても、二十三区で二位であります。 このように、就学前児童人口がふえると同時に、それ以上に保育サービスを利用する方がふえる中で、平成二十七年四月時点の待機児童数は四十八人と就学前児童人口に占める待機児童数の少なさを見ても、二十三区中四番目となっておりましたが、平成二十八年四月の待機児童数は百六十四人とふえてしまいました。 待機児童数がふえた理由としましては、昨年、日経DUALで「子育てしやすいまち」で全国一位となり、荒川区の子育て施策が全国的にも高く評価されましたが、こうした評価によって荒川区の子育て施策が充実し、保育園に入りやすい区として認知され、荒川区への転入世帯がふえたところが大きな要因ではないかと思っております。 こうした待機児童の増加に対して、区では、平成二十八年度中に小規模保育施設一カ所や認可保育園一カ所の開設、さらには平成二十九年四月には認可保育園三園、十月には一園を開設し、三百四十六人の定員拡大を行い、対策を実施すると聞いているところであります。 しかし、今後も共働き世帯の増加やマンションの建設などにより、さらに保育需要は高まっていくと思われ、この対策だけでは決して十分とは言えません。 さらに、待機児童解消に向けて、新たに保育園を整備して量を確保していくことは当然ながら大事なことでありますが、それとあわせて、保育サービスの質の確保とそれらの前提となる保育人材の確保・定着もしっかりと対応していく必要があります。区として、今後、この待機児童の問題に対し、保育施設の整備はもちろんですが、総合的にどのように取り組んでいくのか、御所見をお伺いいたします。 次に、認知症施策の充実についてお伺いします。 私は、昨年の九月会議において、認知症は早期発見、早期診断が重要であるという視点から、区内八カ所の地域包括支援センター認知症地域支援員を配置すること、さらに、特定健診等を活用し、「認知症チェックリスト」を配布することを提案させていただきました。 本年四月、認知症地域支援推進員が配置され、「認知症チェックリスト」を特定健診等の受診券に同封し、約七万人の区民に送付するとのことです。高く評価をいたします。もちろん、これらの施策の大前提は、荒川区医師会や医療機関と連携を図ることです。 そこで提案ですが、さらに実効性を上げるために、地域包括支援センターへの相談を専門の医師にすばやくつなげられるよう、センターごとに担当医を置いてもらうことも必要ではないでしょうか。御見解をお伺いいたします。 私は、こうした認知症施策を通じた医師会との連携を契機として、地域包括ケアシステムの構築を見据えた医療と介護のさらなる連携を図っていくべきと考えますが、区の御見解をお伺いします。 次に、宮前公園周辺地域における公共施設の更新についてお伺いします。 私と我が党の中島義夫議員は、昨年の九月会議において、自民党を代表し、日暮里地域及び宮前公園周辺地域老朽化施設の順次移転建て替えによる更新について質問いたしました。その中で、区有地や区有施設を活用しながら老朽化施設の移転・建て替えを行い、空いたところに他の老朽化施設を移転・建て替えし、複数の老朽化施設の更新を行う、いわゆる玉突き型の施設更新を提案したところであります。 その後、区から、新たに設置する宮前公園の整備に合わせて、国家戦略特区制度も活用し、老朽化している公共施設を順次更新し、また、有効活用していく計画について報告をいただいたところであります。 宮前公園の早期の整備や老朽化が著しい旧小台橋小学校を利用している現行の保育園を民設民営で建て替えること、さらには尾久図書館の建て替え等については、我が自民党がこれまで強く要望してきたところであり、こうした要望や提案した老朽化施設の順次移転建て替えの実現に向けて、区として基本的な考え方が示されたことは、高く評価できるものであります。 区民サービスの低下につながることなく、トータルコストを抑えながら公共施設の老朽化対策を行っていくことに加え、同時に保育園の民営化も進めていくことは、行政改革の推進という視点からも評価したいと考えております。 今後、この計画を進めていくに当たり、困難な課題が出てくることも想定されます。また、関係団体との調整や地元町会等への丁寧な説明と対応も重要になってくるものと思われます。 この壮大なプロジェクトをできる限りスピード感を持って、しっかりと進めてもらいたいと思いますが、区の決意をお伺いしておきます。 次に、空き家対策にかかわってお伺いします。 最初に、荒川区空き家対策条例の早期制定についてであります。 昨年五月に全面施行された「空家等対策の推進に関する特別措置法」に基づき、空き家実態調査が実施され、区内全域に九百七十一棟の空き家が存在していることが判明いたしました。この調査結果から得られた区の実情を踏まえ、特定空き家に該当する可能性の高い空き家、予防保全を講じるべき空き家、利活用が考えられる空き家等の対策を総合的・計画的に実施していくための計画の策定や、空き家対策に関する区独自の条例の制定に向けて検討を進めていると伺っております。 そこで、条例制定に当たっては、現在、区が抱えている空き家対策に関する課題を解決していく上で必要な措置あるいは特措法の規定だけでは足りない部分をぜひ盛り込んでいただきたいと思います。 例えば、一つ、特措法では、実際に管理不全な状態にならないと特定空き家として自主的な対応ができず、予防的な対応は困難。二つ、実際に勧告や命令等を行うとする場合にのみ、空き家等への立ち入り等の調査権限が与えられており、予防的段階では実態把握が困難。三つ、台風や強風時に屋根や壁等の飛散や崩落のおそれがある場合に所有者の同意がなければ対応できず、緊急的な対応が困難。四つ、所有者が空き家等の管理者としての意識が低い。五つ、借家の場合、動産が残置されたまま等の理由により、所有者等による対応が進められないなどなど、荒川区の空き家対策の課題と対応策を抽出の上、特措法だけでは足りない部分を補い、より柔軟かつ実効性のある取り組みが着実に進めることができるよう、条例をできるだけ早期に制定すべきと考えますが、区の御所見をお伺いいたします。 次に、不燃化特区区域外の除却制度についてであります。 実態調査によれば、不燃化特区以外にも百棟を超える除却すべき危険な空き家が存在しているとの結果が示されました。その結果、不燃化特区以外にも存在をしている速やかに除去すべき危険性が著しく高い空き家への対策の一つとして、不燃化特区と同様、除却費用の全額を助成する制度が他の区に先駆けて設置されました。高く評価をしたいと思います。 この制度は、建物所有者の金銭的な負担がほとんどなく、かつ除去した後の跡地利用に当たっても、例えば広場といった公的な利用に一定期間提供しなければならないといった制度を設けていないため、土地所有者にとってもメリットが大きいわけであります。他の区への空き家対策のよき事例として、その波及効果が十二分に期待できることから、「荒川モデル」と言っても過言ではありません。 そこで、新たな除却制度が創設されたことを受けて、不燃化特区以外にも存在している危険な老朽空き家の除去を今後着実に推進していくために、どう具体的に周知して展開していくのか、区の御見解をお伺いします。 関連しまして、旧真土小学校の早期解体についてお伺いします。 昨年の決算に関する特別委員会において、閉鎖管理の御努力を評価しつつ、権利変換計画認定の前に解体すると区に財政上不利益を及ぼすということも承知をしている上で、再開発の工事着工までにはまだ時間がかかる現実を踏まえると、周辺の環境と安全を守るためには、早期の解体工事を行うべきと指摘をさせていただきました。区からは、解体も含めて検討していくとの御答弁をいただいたわけであります。区の老朽空き家ともいうべき旧真土小学校について、その後の検討状況も含め、いつの時期に解体をするのか、具体的な御答弁をお願いいたします。 次に、ゆいの森あらかわについてお伺いします。 この質問は、これまで私が主張してまいりました縦割り行政の廃止に通ずるものであります。管理職はもちろんでありますが、全ての職員が区民の生活を総合的に把握し、対応する視点、言いかえるならば、区政の課題は全て自分たちの課題であるという気概を持つことが重要であるという視点からの質問であります。 私は、ゆいの森あらかわが荒川区のシンボル的な施設となるためには、基本構想に掲げる区の将来像、幸福実感都市を支える六つの都市像の全てにおいて、高い価値のある施設でなくてはならないと考えます。そのためには、庁内全ての部が、ゆいの森あらかわで行う事業を主体的に考え、実施していくことが重要なポイントとなります。 例えば、産業経済部でのビジネス支援子育て支援部では、子どもの貧困対策や託児での子育て家庭の支援、教育委員会では、学力向上策をはじめ、ワークショップ等を活用した「理科読」と言われる科学実験、健康部では、保健師による相談事業、防災都市づくり部では、荒川自然公園のフィールドワークとのコラボレーション、環境清掃部では、水再生センターとの連携事業などなど、ほかにもさまざまな事業が考えられると思います。 ゆいの森あらかわを舞台として多様な仕掛けがあり、魅力あふれる事業を常に行っている。すなわち、全ての部が、ゆいの森あらかわを活用することにより、全ての区民が誇りとする施設になるのではないでしょうか。早急に全庁挙げての事業企画を取りまとめ、開館後の事業展開につなげるべきと考えますが、区の御見解をお伺いいたします。 最後に、芸術文化振興基金の活用についてお伺いします。 我が党の要望を踏まえ、本年度、芸術文化振興基金を創設したことを高く評価いたします。オリンピック・パラリンピックもいよいよ四年後に迫り、日本文化を継承・発展させる文化庁の「文化プログラム」も始動いたします。同時に、東京都は、「東京文化プログラム助成」を新設し、この秋からさまざまな分野に対して助成を行うとしております。 区では、この機を捉えて、教育委員会と連携した子どもたちに対する芸術文化振興基金の活用や、荒川区文化団体連盟をはじめ、関係団体との十分な意見交換を踏まえた基金の活用策を早急に決め、積極的かつ迅速に基金の活用を図るべきと考えますが、区の御見解をお伺いします。 以上で一回目の質問を終わります。   〔区長西川太一郎君登壇〕 ◎区長(西川太一郎君) 北城議員の御質問にお答え申し上げます。 初めに、区長選挙に関するお尋ねにお答えを申し上げます。 ただいま北城議員より、これまでの私の区政運営の実績を御評価いただきまして、引き続き区政のかじ取りを行うべしという大変力強いお言葉を頂戴いたしましたことに、まず心から感謝を申し上げます。 私は、区長就任以来、区民の幸福実感向上を第一に考え、前例にとらわれることなく、区政の各分野において大胆かつきめ細やかな施策を実施することに努め、十二年の間に千二百を超える施策の立案と充実を図ってまいりましたし、続けて残りの期間も頑張りたいと思います。 例えば、災害で一人の犠牲者も出さないという強い決意のもと、木造住宅密集地域の解消や永久水利施設の整備等を進め、安全・安心のまちづくりに尽力してまいりました。 また、安心して子育てを行えるよう、スクール安全ステーション等による見守り体制の充実や全国に先駆けて実施した子どもの貧困対策、さらに、国家戦略特別区域法を活用した全国初の都市公園内における保育所の建設等により、二千二百人を超える保育定員の拡大に努めるなど、地域で子どもたちを見守って育てていく環境をつくることに力を尽くしてまいりました。さらには、全小中学校において、タブレットパソコンを配備し、未来を担う子どもたちの等しく充実した学習環境を確保いたしました。 高齢者福祉の分野では、特別養護老人ホームを二百四十床増加、区内各地域で八カ所の包括支援センターの開設、障がいのある方の親なき後を支援する取り組み等、きめ細かいサービスの提供に努めてまいりました。 加えて、荒川区職員ビジネスカレッジや全国百に及ぶ自治体との幸せリーグの結成等によって、行政サービスの一層のレベルアップと職員の意識改革、政策形成能力の向上を図ってまいりました。 私は、区民サービスを向上させることはもとより、日本全体を牽引する気概を持って区政運営に邁進してきたところであります。こうした取り組みが実を結び、平成十六年には約十八万人であった荒川区の人口は、今、二十一万人を超えるに至ったものと思っております。さらに、この間、厳しい財政環境下ではございましたが、これまでのたゆまぬ行財政改革の成果もあり、議員御明察のとおり、区の財政状況は高い健全性を実現しております。 御質問にございました支援が必要な方々に光を当て、また、将来を見据えた計画的で持続可能な、かつ健全な財政を確保した区政運営が実現できていることは、北城議員をはじめ、区議会の皆様の御支援と御協力のおかげと考えております。 一方で、日本全体で少子高齢化が進行している中、区においても、現状のままでは老年人口を支える生産年齢人口は減少の一途をたどり、地域経済のコミュニティの衰退が危ぶまれていることは御指摘のとおりであります。 このため、待機児童の解消をはじめとするさらなる子育て環境の整備や介護予防等の日常生活支援の充実、区内企業や商店のさらなる活性化等に加えて、若年無業者やひとり親家庭等を中心とした方々に対する就労支援、拡大する経済格差や子どもの貧困問題の解消等、さまざまな施策に心を砕いていかなければなりません。また、首都直下型地震等への対策に加えて、水害対策の強化や老朽化が進む公共施設の更新等の課題もしっかりと対応していく必要がございます。 このように、深刻なかつ多岐にわたる課題に対して、区議会の皆様の御理解並びに町会をはじめとした区民の皆様の地域力なくしては、対策を講じ得ないものと考えております。加えて、私が都政や国政の場で培った経験と人脈についても、最大限に活用してまいる所存であります。 こうした考えのもと、区職員の先頭に立ち、これまで以上に区民の皆様が真に幸福を実感し、笑顔があふれる荒川区を実現するために、引き続き区長としての責務を果たしてまいりたいと考えております。 次の区長選挙に改めて区民の皆様の真を問う出馬をこの機会にお尋ねに対して申し上げさせていただきます。 次に、児童相談所の特別区への移管に向けて、今後どのように取り組んでいくのかというお尋ねであります。 児童相談所は、戦後の社会の混乱と窮乏の中に全ての子どもの幸せを願い、その理想を実現するために、児童福祉法において都道府県に設置が義務づけられたことは御案内のとおりであります。 この行政機関を私どもは発足当時にさかのぼって見てまいりましたが、児童相談所では、戦災孤児への対応に大きな役割を果たし、そして、それが七十年たった現在では、虐待や非行、障がい児への援助など、子どもに関するあらゆる問題への対応に取り組んでおりますが、相談件数は年々急増し、問題も複雑化する中で、現行の体制では限界があるものと認識をいたしているところでございます。 そのため、私は、これまで住民に最も身近な政府としての特別区こそが児童相談行政を担い、子どもの幸せを実現できると考え、児童相談所の早期区移管を東京都にも国にも強く求めてまいりました。特に国には、児童相談所の設置自治体に特別区を加えるよう、あらゆる機会を通じて働きかけてきたところであります。 私は、昨年、思いを同じくする特別区長会の多くの区長とともに、都内の児童相談所や児童養護施設の大変な現場を改めて目の当たりにさせていただきました。区の児童相談所への移管の必要性をさらに強く認識したところでございました。都や国に対する要請活動も一層力を注いでまいったところでございます。 特別区長会の長年の悲願でございました児童相談所の区移管、区設置に対する思いは遂に国を動かし、本年五月二十七日、特別区が児童相談所を設置できることとする児童福祉法等の一部改正が国会を通過し、御可決いただき、成立をいたしました。私は、この間、深い御理解と強いリーダーシップを発揮されました塩崎厚生労働大臣の名を特に挙げて感謝を申し上げたいと思います。また、関係者の皆様の御尽力に対しても、心から敬意を表したいと存じます。 特別区に対する国の期待であると受けとめ、準備が整った区から順次、児童相談所の設置を目指すことを特別区長会会長として表明したところであります。 区が児童相談所を設置することによって、相談先が一元化され、区民にわかりやすくなることはもちろん、地域の町会をはじめ警察、保健所、学校、保育園、児童委員など地域の関係機関との顔の見える連携により、虐待等の未然防止から児童の保護、家族関係の再構築まで一貫した支援体制を構築することが可能となります。 今後、児童相談所の移管に向けて、人材の確保、育成など多くの重要な課題があり、これらを解決していかなければなりません。北城議員から御指摘のとおりであります。 これまで都の児童相談所への職員派遣や子ども家庭支援センターの人員強化など、積極的に人材育成に取り組んでまいりましたが、移管の方向に向け準備をさらに進めるべく、全庁的な推進体制へと強化し、組織横断的な子どもに関する相談窓口を早期に設置できるよう指示をいたしているところであります。 私は、あすの荒川区を支える宝である子どもたちの輝かしい未来のために、児童相談行政のさらなる充実・強化に向けて歩みを進め、全ての子どもの命と権利を地域全体で守ってまいる所存であります。 次に、待機児童解消に向けての御質問にお答えを申し上げます。 私は、常々申し上げておりますとおり、未来社会の守護者である子どもたちが明るく健やかに育っていけることが地域社会を築いていくための区長就任以来の子育て支援、区の最重要課題の一つと心得て努力を続けてまいったつもりであります。 子どもの環境整備にこれからももちろん積極的に取り組んでまいりますが、特に待機児童の解消に向けては、区有施設の活用のほか、区が借り上げた民有地の転貸または都市公園内の保育所新設等の規制緩和など、さまざまな手法を駆使して、二千二百人を超える保育定員を拡大して、保育設備の充実に努めてまいりましたが、平成二十六年四月には、待機児の実質ゼロを達成いたしましたが、共働き世帯の増加や荒川区の子育て施策の充実が広く認知された結果でございましょうか。子育て世代の皆様の転入増加等によりまして、本年四月の待機児童数は百六十四人となってしまいました。このため、今後、新たな保育所を設置いたしますとともに、三百四十六人の定員拡大を行うことといたしました。今後も議員御指摘のとおり、保育需要の増加が予想されることから、区といたしましても、さらなる保育施設の整備を進めてまいりますことが必要だと考えております。 国有地などの施設用地の取得や借り上げ、民間ビルの空きスペースの活用など知恵を絞りながら、議会の御協力も賜りながら、精力的に進めてまいりたいと思います。 今般、日暮里地域にある荒川税務署の敷地一部について、二年間にわたり財務省と協議を進めてまいりました結果、今年度中には用地を確保できる見込みとなりました。認可保育園の早期開設に向けて鋭意取り組んでまいります。 また、こうした施設整備による量の拡大のみならず、保育の質をいかに確保していくかということも大変重要であると認識をいたしております。区といたしましても、認可保育園の保育室の面積や保育士の配置割合、区独自の基準を維持することにいたしまして、園長経験者等による保育園の巡回、指導、保育人材の確保の定着を図ってまいります。 保育士等の処遇改善事業や宿舎借り上げ支援など、さまざまな取り組みによりまして、保育の質の向上に努めてまいります。一方、待機児童解消という大きな課題の解決には、働く人が希望どおりに安心して保育休業を取得できるよう、育休制度の抜本的な改革も必要であると考えております。そのような問題意識を持って、特別区長会等を通じて、今後、厚生労働省に申し入れることにいたしております。 私は、子どもたちが安全で快適な環境の中で健やかに成長し、子育て世代が安心して子育てができるまちの実現を目指し、保育環境のさらなる充実を図ってまいります。 これ以外の御質問につきましては、関係理事者から御答弁を申し上げます。   〔福祉部長片岡孝君登壇〕 ◎福祉部長(片岡孝君) 認知症施策に関する御質問にお答えいたします。 御提案をいただきました地域包括支援センターへの担当医の配置につきましては、認知症の早期発見、早期診断のための体制強化にとって有効なものと考えます。 現在、区では、新オレンジプランに位置づけられた認知症初期集中支援チームの設置につきまして準備を進めておりますので、この中で具体的に検討を進めてまいります。 認知症施策を効果的に実施していくためには、医師会をはじめ、地域の医療機関との連携が不可欠と考えておりますので、これまで以上に医療と介護の連携強化に努めてまいります。   〔総務企画部長猪狩廣美君登壇〕 ◎総務企画部長(猪狩廣美君) 宮前公園周辺地域における公共施設の更新に関する御質問にお答えをいたします。 今回の計画につきましては、新たな土地取得が難しい荒川区ならではの方式と捉え、実現に向けて鋭意取り組んでいるところでございます。 まず、平成三十三年度開園を目指す宮前公園の一部を本年度中に先行整備いたします。その後、国家戦略特区を活用した小台橋保育園の早期移転を実現いたします。さらに、新尾久図書館の宮前公園内への早期開設を目指し、プロポーザルを現在実施しているところであり、新尾久図書館完成後は現尾久図書館を改修し、小台橋あさがお作業所及び多文化共生センターの移転を予定してございます。 委員御指摘のとおり、住民や地元町会等に対して丁寧に御説明することは大変重要であると認識いたしてございます。今後も行政サービスを途切れなくさせること、必要最小限の経費でできるだけ早期に公共施設の順次更新が進むよう、スピード感を持って取り組んでまいる所存でございます。 次に、旧真土小学校校舎に関する御質問にお答えいたします。 区は、これまで周辺の安全のために万年塀を撤去して外壁の防護ネットと人の立ち入りを防止するためのフェンスを設置するとともに、防犯対策として、機械警備の導入とシルバー人材センターによる清掃、見守りを行うなど、適切に閉鎖管理を行ってまいりました。しかしながら、未成年者による敷地内への不法侵入が発生するなど、使用していない老朽建物を残しておくことは、防犯上、防災上の課題があることは、議員御指摘のとおりでございます。区民の財産の保持と地域の安全という相反する課題を整理しなければならない大変難しい問題でございますが、解体スケジュールや解体後の利用方針等についても検討を行ってまいりました。 区といたしましては、周辺の環境と安全を守ることを喫緊の課題と捉え、議会はもとより、区民の皆様からも御意見をお聞きしながら、今年度中の着工を目指し、取り組んでまいりたいと存じます。   〔防災都市づくり部長松土民雄君登壇〕 ◎防災都市づくり部長(松土民雄君) 空き家対策条例の早期制定に関する御質問にお答えいたします。 区では、これまでも危険な老朽空き家の除却に向けたさまざまな支援事業を精力的に取り組んでまいりましたが、私有財産であるがゆえの問題が障害となり、区といたしましても、その対応に苦慮してきたことが数多くございました。 特措法の施行によりまして、区の権限による立ち入り調査や改善命令、さらには行政代執行等による空き家対策が可能となったものの、議員が例示された問題は、まさに今、区が直面しているものであり、特措法の規定だけでは解決できないさまざまな課題が山積をしております。 このため、区が抱える課題を一つでも多く解決できるよう、その解決に向けた空き家対策を総合的かつ計画的に進めていくための条例が必要であると改めて認識したところでございます。 区といたしましては、管理不全となっている空き家によって、区民の生命や財産に危害が及ぶことがないよう、独自の規定を盛り込んだ条例のできるだけ早期の制定に向け、鋭意検討を進めてまいります。 次に、不燃化特区区域外の除却制度に関する御質問にお答えいたします。 昨年度実施した空き家実態調査の結果を見ますと、御質問にもあるとおり、不燃化特区区域外におきましても、速やかに除却すべき著しく危険な空き家が二十棟以上存在することが判明いたしました。このため、不燃化特区区域外に存在する特定空き家に該当する可能性が高い著しく危険な空き家の除却に対する支援といたしまして、不燃化特区と同様に除却費用の全額を助成する制度を新たに創設したところであります。 今後は、従来の区報やホームページによる広報活動だけではなく、いち早く除却制度の対象となる空き家の所有者を把握した上で、電話や郵送等によるアプローチに加えて、区外にお住まいの方にも職員による個別訪問をあわせて行ってまいります。 区といたしましては、待ちから攻めの姿勢による周知活動を展開していくことにより、不燃化特区区域外における危険な老朽空き家の除却につきましても、着実に推進をしてまいります。   〔地域文化スポーツ部長池田洋子君登壇〕 ◎地域文化スポーツ部長(池田洋子君) ゆいの森あらかわにおける事業に関する御質問にお答えいたします。 ゆいの森あらかわは、学習の場の提供のほか、ビジネスや健康、子育て、防災など区民の皆様の関心あるテーマを掘り下げ、最新情報の提供により問題解決を支援するとともに、文化やコミュニティを醸成する施設となることを目指しています。そのため、議員御指摘のとおり、各部署がまさに当事者となり、全庁挙げてゆいの森あらかわを活用した事業を展開することが大変重要であると考え、現在、各所管の事業提案等を取りまとめているところです。 御提示いただいたほかにも、地球と宇宙を学ぶ星空学習や環境学習、さらには老朽建物の相談会など具体的な事業について検討を進めております。また、庁内だけでなく、関係団体等と広く連携した事業を展開するなど、より多くの区民の皆様に利用され、区のシンボル的な施設となるようしっかりと準備を進めてまいります。 次に、芸術文化振興基金の活用に関する御質問にお答えいたします。 オリンピック憲章が掲げるオリンピックの基本原則第一項には、スポーツと文化教育との融合がうたわれています。四年後の東京オリンピック・パラリンピックはスポーツだけでなく、文化の祭典でもあります。国や東京都においても、さまざまな文化プログラムがスタートすることから、区もこの機を捉え、芸術文化のさらなる振興を図ることが大変重要であると認識しております。 こうした中、今年度新たに区における芸術文化振興を着実に推進する財政的な裏づけとなる基金を創設できましたことは、御党をはじめとする議会の皆様の御支援によるものと感謝いたしております。 現在、教育委員会との連携をはじめ、荒川区文化団体連盟や関係団体の御意見を十分に伺いながら、未来を担う子どもたちへの良質な芸術文化の提供並びに区の芸術文化の発展、継承を支援する事業を柱に、基金の具体的な活用策をまとめております。 芸術文化振興基金の有効かつ積極的な活用により、荒川区が区民の皆様の幸福実感を支える文化創造都市としてさらに輝くまちとなるよう、引き続き努力してまいります。 ○議長(並木一元君) 残余五分三十秒です。   〔北城貞治君登壇〕 ◆十八番(北城貞治君) 今、区長より四選出馬の決意表明がされたわけであります。 今月の十四日に自由民主党荒川総支部役員会が開会しました。その折に議題としまして、きょうの四選出馬質問に対する区長の決意表明によって、自由民主党荒川総支部と区長の間に政策協定を結び、磐石な支援体制を確立するような機関決定をされましたことをここに御報告を申し上げます。 自由民主党荒川総支部幹事長としまして、四選に向けまして、磐石な支援体制を構築しますることを、ここに強く明示をしておきます。 そして、この数年、強く思うことがあります。それは、行政にはおのずと仕事の量には限界があるということであります。大勢の方々が自分の権利ばかりを主張し、多くのことを行政にお願いし、委ねたとしたならば、行政はいつしか崩壊をするでありましょう。また、いざというときには機能不全に陥ってしまうことは自明の理であります。だからこそ、これからの公の概念というのは、公イコール行政ではなく、地域社会を支えることに積極的な喜びを感じ、そしてまた公に尽くすことに使命感を感じる、そのような人々を総称して公の概念にすべきであると思っております。そのような公の輪が広がれば広がるほど、幸福実感都市あらかわの実現に向けましてつながっていくと確信しております。そして、その大前提となるのは、区民の区政に対しまする信頼であります。 私は、西川区長が引き続き区政を担うことにより、区民の区政に対する信頼が増幅されると確信しております。そしてまた、私ども自由民主党荒川議会議員団に課せられた責任も極めて重いものがあります。その責任を果たす上で一番大切なことは、区議会与党第一党であるとはいえ、絶えず執行機関と緊張関係を保つことであろうと思います。 自由民主党荒川議会議員団は、冒頭申し上げましたように、三百六十五日区民の方々の声を直接肌で感じながら政策形成ができ、政策提言ができるのは我々の会派であるという自覚と誇りの中で、さまざまな分野で政策提言を行ってまいります。 また、同時に、現在ある施策に対しましても、絶えず「行政改革」という四文字を忘れずに、最少の経費で最大の効果という地方自治の理念に基づきまして、時には厳しく、時には励ましながら、さまざまな指摘をしていきたいと思っております。 今後も自由民主党荒川議会議員団、緊張関係を保ちながら、力強く西川区政を支えていきますことをここに披瀝をしまして、私の質問を終わります。 御清聴、まことにありがとうございました。(拍手) ○議長(並木一元君) 四番横山幸次議員。   〔横山幸次君登壇〕 ◆四番(横山幸次君) 私は、日本共産党荒川区議会議員団を代表いたしまして質問をいたします。 まず、質問に先立ちまして、熊本地震によって亡くなられた多くの方々に哀悼の意を表し、全ての被災された皆さんに心よりお見舞いを申し上げます。 あすから参議院選挙が始まりますが、その矢先、政治資金の不正支出、豪華海外出張などに都民の大きな怒りの広がりの中、本日、舛添都知事が辞職をいたしました。猪瀬元知事に続き、二度にわたり自民党、公明党が全面支援した知事が任期途中で政治と金でやめていくという異常事態であります。その責任も厳しく問われます。我が党は、真相の徹底究明に引き続き取り組み、都民の声に応えていくことを申し上げておきます。 安倍政権は、立憲主義を壊す憲法違反の集団的自衛権行使容認の閣議決定、安保法制、戦争法を強行いたしました。あすから始まる参議院選挙は文字どおり区政にとっても、区民にとっても、憲法をどうしていくのか、問われる事態だと思います。安保法制や戦争法の廃止、憲法明文改定を許さない、立憲主義を取り戻すということが大きな争点になってまいります。 アベノミクスと消費税大増税路線の破綻も明白です。世論調査でも二〇一三年の参議院選挙のとき、「経済政策に期待」が六割でしたが、直近の調査では、「アベノミクスは見直すべき」が六一パーセント、「続けるべき」二三パーセントを大きく上回りました。これが国民、区民の実感です。実質賃金五年連続マイナスで五パーセントの下落、戦後初めて国内経済の六割を占める個人消費が二年連続マイナス、引き金は消費税八パーセント大増税です。安倍首相の消費税増税先送りは、みずからの経済政策の大失敗の表明にほかなりません。 社会保障のためという消費税大増税の口実を区も容認してきましたが、結果は格差と貧困の拡大です。一方、アベノミクスは巨額な利益を大企業と大株主にもたらしましたが、設備投資や賃金、下請けの中小企業には回らず、三百兆円を超える内部留保とタックスヘイブン、租税回避地などに回っています。貯蓄ゼロ世帯は三年間で四百七十万人にふえ、全世帯の三五パーセントとなっています。税金は応能負担こそ原則です。大企業と富裕層への優遇税制やタックスヘイブンという税金逃れをただすなど、消費税に頼らない別の道への転換こそ求められていると思います。 雇用も非正規雇用が四割に達し、年収二百万円以下の働く貧困層もいよいよ千百三十九万人に達しています。今、消費の落ち込みの要因として、正規雇用の三分の一以下の賃金しかない非正規雇用の拡大という構造的問題が指摘をされています。人間らしく働けるルールを確立すべきです。税金の使い方も社会保障や若者などに優先して使う転換が必要です。 世界の地震の一〇パーセントは日本列島で起こり、現在活動期に入っていると言われており、発生確率が低いとされた熊本でも大地震が発生いたしました。 福島原発事故は、五年経過しても収束せず、いまだに九万人が避難生活です。にもかかわらず、安倍政権は、原発再稼働に突き進んでいます。国民の命、安全より原発でもうける巨大企業の利益を優先する政治を変えなければいけません。 今、区民生活のあらゆる分野で国の政策の破綻による犠牲が強いられているもとで、区政においても憲法を生かし、暮らしと命最優先の運営こそが求められていると確信をしています。 まず、熊本地震の教訓から、荒川区の震災対策を見直す問題です。 熊本市には震度七を二回記録、有感地震も千七百回を超え、いまだに多くの方が避難生活、住宅被害十一万棟を超えるなど甚大な被害がもたらされました。震災からの復興、住宅や生業など生活再建を中心にした支援は、さらに強めなければいけません。ここでも政治の迅速な対応が求められています。既に我が党など野党四党は、被災者生活再建支援法改正案を提出、支援金を三百万円から五百万円に引き上げることを求めています。 今後三十年で七〇パーセントの確率と言われる首都直下地震への対応は待ったなしであります。熊本地震をきちんと教訓にして、今後に生かすことも大変大事になっていると思います。 まず、震度七が二回起こったことによる建物被害の大きさです。建物被害が甚大で、益城町では耐震補強された庁舎も使えなくなりました。避難所の体育館なども非構造部材が落下するなどして機能しなかったところもあるようであります。また、病院、特別養護老人ホームなどでも建物や設備が破損、職員も被災して機能、対応できない問題が生じました。改めて、この熊本地震も踏まえ、避難所となる公共施設や医療機関の安全性の確保やバリアフリー化や災害時の運用など、地域防災計画の見直しを行うよう求めたいと思います。 熊本地震の被災地では、福祉避難所の確保や受け入れのおくれなど、障がい者の皆さんや介護を必要とする高齢者の方々の状況は大変深刻だったと報じられています。 熊本市では、福祉避難所が機能したのが事実上発災後一週間、二週間経過をしたようであります。ライフラインの寸断や職員の被災、建物被害などによって機能麻痺に陥ったところも少なくありません。また、高齢者施設など、もともと満床のため、スタッフの疲弊で受け入れができない例もあったやに報道されています。また、福祉サービスにつながっていない障がい者の方々が約九千人いたが、そこには手が届かなかった。さまざまな問題が熊本地震で浮き彫りになってまいりました。 こうした教訓も踏まえて、福祉サービスにつながっていない障がい者や高齢者の皆さんなど日常的な把握を進めるとともに、災害時の福祉避難所の建物再点検と災害時の運用について再検証し、必要な改善を図ることが必要です。お答えください。 当初避難者は八万人に上り、屋内に入ることが怖くて駐車場などで車中泊、また、テントでの避難生活を送る方が多かったのも特徴です。車中泊などによるエコノミークラス症候群でお亡くなりになられた方など痛ましい事態も起こりました。また、発達障がいなどを持った方が避難所での生活に入ることができなかったことも報告されています。新耐震基準の家も崩壊し、熊本にある八百五十のマンション管理組合のほとんどが被害が出ているようであります。熊本地方の人口と人口密度でこれほどの避難者が出ているのです。荒川区だとどれだけの被害が出るのか、これははかり知れません。やはり避難しなくてもよい住宅とまちづくりがどうしても必要です。 そのため、個人が行う住宅耐震化や建て替えへの支援はもちろん大事でありますが、やはり公的住宅での対応を急ぐことが解決の鍵です。強く国や都に求めることをお願いしたいと思います。お答えください。 また、やるべきことを全て行うという姿勢が大事です。家具の転倒防止はやはり制度設計が不十分であったと思います。実績が上がっておりませんし、結局予算を削減して、事実上収束に向かうような状況になっている。本当にこれでよいのか、そう思います。家具転倒防止など、ちょっとした対応をするだけで命を守ることができる場合も少なくありません。 今回、感震ブレーカーの設置支援を決めましたが、その制度設計に当たっては、家具転倒防止の轍を踏まない対応が必要です。家具転倒防止補助は、実効性が上がるように引き続き事業内容を改善すること、同時に、感震ブレーカー補助事業は、全地域・全区民を対象にして実効性の上がる制度として一刻も早く実施することを求めます。 次は、高齢者の暮らしにかかわって、介護保険の運用、認知症対策などを伺います。 二〇一四年度から始まった介護予防・日常生活支援総合事業も三年目を迎えます。その後、要支援一、二の方や非該当でも運動能力低下が見られる方のサービス利用状況はどうなっているのか見てみる必要があります。改めて三年目に当たって、利用者の声も十分聞いた上での検証が必要ではないでしょうか。 新総合事業では、要支援一、二の方は、二〇一四年度から二〇一五年度にかけて三・五パーセント全体で増加をしています。訪問・通所介護利用者は六月から翌三月までの十カ月で平均しますと、利用者数はほぼ同じであります。しかし、要支援者がふえているのにサービス利用が同じでは、利用率が下がったことになってしまいます。また、訪問介護は、約一年で二割減少して、通所介護のほうがふえている、それでバランスがとれている。これはどういう原因なのかも解明が必要です。 一方、おうちでリハビリなど新規事業もあまり利用が進んでいないようであります。私たちは、制度移行に当たり、行政もかかわって介護サービスからの「卒業」へ誘導する事態が起きないかなど懸念をしてまいりました。この要因について、新規利用者数やサービス利用をやめた方の理由、多職種による地域ケア会議の内容など、分析と検証が必要です。 荒川区は、新総合事業に移行する前と同じ訪問・通所介護基準である国基準で出発し、これまでと変わらないサービス提供だとしてきました。大事なことは、高齢者の皆さんの身体状況や家庭状況など実態をきちんと踏まえて、必要なサービスが提供されているかどうかが基準であります。 そこで、新総合事業につきまして、現状と問題点の検証を行うとともに、引き続き制度移行前と同じ訪問・通所介護サービスの水準を維持することを強く求めたいと思います。 また、政府に対して、今後計画している要介護一、二の訪問介護の生活援助の取り上げや福祉用品レンタルの全額自己負担など一層の軽度者外しをやめるよう区としても強く求めるべきだと思います。お答えください。 日本における認知症は、二〇一二年で四百五十二万人で七人に一人、二〇二五年には七百万人、五人に一人出現すると推計をされています。徘徊して線路内に侵入し、列車と衝突して亡くなったが、その後、鉄道会社から介護していた御遺族に多額の損害賠償が請求されたり、介護を苦にした自殺など大きな社会問題ともなっています。 認知症は早期発見と適切なケアで、住みなれた家と地域で住み続けることができます。住民参加の認知症ケアが必要ですが、まだまだ理解が進んでいません。そのための区民の理解促進と人的体制、必要な支援施策が求められています。 軽度の認知症の方が認知症の人と家族、地域住民、専門職等の誰もが参加でき、集う場としてのオレンジカフェ、これが全国でさまざまに取り組まれています。荒川区は、新オレンジプランに基づく計画でオレンジカフェの実施を挙げていますが、現状ではまだ実施はされておりません。関係者の方々にお話をお聞きしますと、キャラバンメイトや場所の確保が困難であること、区の支援も毎週開催でないと受けることができない。実際は毎週開催してから出発することは困難だというのが実態のようであります。しかも、補助金は半額で上限十万円と、これも実態に合わないと言われています。全額補助している区もあるようであります。 そこで、認知症対策として、グループホームや地域の人と触れ合うオレンジカフェなどの場をつくるための支援強化など、認知症の人が地域で暮らすことのできる基盤整備を進めるとともに、区民の理解を促進するため、認知症サポーターやキャラバンメイトの養成目標をさらに引き上げることを求めたいと思います。お答えください。 次に、子どもの貧困問題です。 貧困と格差の拡大で、子どもの貧困は改善どころか一層悪化をしています。 日本は高過ぎる大学授業料の一方、奨学金も学生に多額の借金をさせる「学生ローン」が実態であります。卒業時に三百万、四百万の借金、大学院に行くと一千万円台の借金を負うことになります。しかも、非正規の仕事で収入は少ないなど、返済できずに厳しい取り立てで自己破産するケースも累計一万人の方に及んでおり、保証人になった家族にまで被害が及んでいます。 子どもの貧困対策としても、我が党が提案してきた学校給食の無償化や給付制奨学金の検討が急がれます。とりわけ奨学金は子どもの将来に直結をします。もちろん第一義的には政府の責任ですが、安倍政権ではまだ実施される見込みはありませんし、先送りのようであります。 日本共産党や民進党など野党四党が国会に給付型奨学金創設の法案提出を行っており、実現に向けてさらに一層力を尽くしてまいりたいと思います。 最近、お二人の母子家庭の方のお話をお聞きしました。いずれも必死に働いているが、足らない分を生活保護で補っている方であります。問題は、子どもの進路、教育の機会確保です。お一人は、大変な苦労をして母子福祉資金をお借りして、世帯分離して何とか進学、もうお一人は、子どものほうから母親の大変さを日常見ており、強く希望していた進学をみずから断念された話を聞きました。 生活保護世帯では、子どもが大学など進学する場合、奨学金もアルバイトも含めて全て収入認定され、世帯の収入とみなされ、生活保護費から差し引かれることになり、場合によっては保護廃止になるケースもあります。そのため、進学に当たってほとんどが世帯分離して保護から外れることになります。 今回、国は、生活保護世帯で奨学金やアルバイトで得たお金を入学金と授業料に使った場合、収入認定しないと一定の改善を行いました。しかし、奨学金やアルバイトで支払う授業料は、引き続き収入認定をされてしまいます。そもそも将来返済する奨学金を収入認定すること自体、理不尽な制度そのものであります。生活保護を受給していない低所得者とのバランスを口実にしているようでありますが、今や十八歳以上で大学と専門学校には八割が進学をしております。旧態依然とした生活保護の運用、国の政策によってさらに子どもの貧困、貧困の連鎖がつくり出され、制度的にそれが推進される、こんなことを許してはいけません。生活保護世帯の子どもたちが大学、専門学校に進学した際、奨学金、アルバイトで支払う授業料など教育経費について収入認定しないよう国に求める、区としての強いメッセージを発していただきたいと思います。 また、当面、区として国に対して給付型奨学金の早期創設を強く求めるとともに、生活保護世帯やそれに準ずる世帯の子どもが高卒後、進学の機会を保障するための給付制奨学金など、区独自の経済的支援を真剣に具体化することを求めたいと思います。お答えください。 また、緊急に改善が必要なことが多くあります。その一つに児童扶養手当の支給方法であります。現在は支給月が年三回、四カ月まとめてですが、収入の増減に大きなむらができ、低所得の方の生活設計が困難になることがこの間指摘もされてまいりました。 ちなみに、年金は一九九〇年から年四回を年六回に支払い回数をふやしていますが、その理由について、厚生労働大臣も受給者サービスの改善のためとお答えになっています。児童扶養手当の支給を四カ月まとめてでなく、毎月支給に改めるよう国に求めるとともに、区としても独自に毎月支給するための検討を行うべきです。お答えください。 また、入学時の費用負担は大変です。繰り返し求めてまいりましたが、小中学校への入学時の就学援助の準備金の支給方法の改善がどうしても必要です。母子世帯の場合だと、児童扶養手当も四月に支給、就学援助も三月には間に合わず、七月の支給になります。一番家計が厳しいときに入学準備の経費が必要になるのです。この仕組みの改善をして、実態に合わせることはできるはずであります。入学時の負担軽減するため、当面中学校については、小学校で就学援助を受けている世帯に対して、入学援助の三月支給を実施することなど、実態に合わせた改善を求めます。お答えください。 このままでは、先ほどもありましたが、来年も待機児童の増加が心配されます。また、国は、待機児童対策として、国基準以上の保育体制をとっている自治体へ、国基準にそろえるよう求めています。今でも保育所での痛ましい死亡事故が後を絶ちません。待機児童対策を規制緩和による保育士配置基準切り下げで詰め込もうとするなど、子どもを大切にしない国そのものであります。 荒川区として、年度途中も含め、待機児童解消のための認可保育園増設計画を明らかにするとともに、政府の国基準への引き下げの要求に対して、現行の保育士配置基準を維持し、質を確保することを求めたいと思います。 この問題の最後に、子どもの居場所づくりです。 最近、全国で子ども食堂の取り組みが広がっています。どこでもそうですが、やりたいと思っても、やはり場所の確保が一番困難と言われています。以前から求めてまいりましたが、ふれあい館など福祉施設を提供した子どもの居場所づくりの検討状況はどうでしょうか。早急に具体化し、実施をすべきであります。 次に、障がい者が安心して暮らせるための支援強化について伺います。 ことし四月に施行された障害者差別解消法は、障がい者の社会参加を促し、障がいの有無で分け隔てされず、ともに生きることのできる社会の実現を目指す土台の一つとなる法律であります。「差別」の定義が明確でないなど不十分さはありますが、障がい者差別をなくす法律が施行されたのは重要な一歩です。区としても率先して具体化し、区民との協働で取り組みを進めることが求められています。 先日、障がい者の方から、自転車の危険運転で危ない目に何度も遭った、自転車運転ルール、マナーを徹底してほしいという訴えがありました。自転車運転のルールやマナーも、やはり合理的配慮の一つではないかと私は思いました。また、視力障害の方の白杖を邪魔だといって蹴ったり、盲導犬の入店を断るなど心ない行為が問題になりましたが、明らかに不当な差別的取扱に当たるものです。 法律では、国、自治体には法的に義務づけられていますが、民間は努力義務です。これでは問題は解決いたしません。区は、この法律を受けて、対応要領を策定いたしました。不当な差別的扱い、合理的配慮の具体例を挙げています。これらはあくまでも区役所の職員の対応要領です。もっと民間レベルでの事例についても、関係者の意見をよく聞いて具体例を示していくべきです。 障害者差別解消法を受け、区として差別の定義、合理的配慮の内容を広く明らかにし、民間へも協力を積極的に働きかけるとともに、区内の課題の総点検を求めたいと思います。 また、今回の法律では、紛争解決の専門機関がないことも指摘されています。障害者差別解消法に基づく障害者福祉課の相談窓口では、関係機関との連携や調整を行い、相談から返済、救済までの機能が果たせるようにすることを求めたいと思います。 障害者総合支援法改定では、障害者自立支援法違憲訴訟原告団と国との基本合意とそれを反映した骨格提言に反して、応益負担を残すなど大きな問題が含まれています。また、軽度者のグループホームからの追い出しや介護保険優先の原則は、一部負担軽減はあるものの、そのままであり、影響が懸念をされます。 全国では、グループホームに重度者を優先入居させるために、軽度の方に退所を迫る例も生まれているようであります。これまでなれ親しんできた生活の場から出ていくことは大変です。また、介護が必要な障がい者の方が六十五歳過ぎると、介護保険優先で一割の負担が生じる仕組みが全く理不尽であります。そもそも障がい者の収入は、ある調査では平均二百万円以下、家族に依存しての生活で新たな負担は大変です。当面、介護保険優先の原則を直ちにやめるよう国に求めるとともに、区としてもこの負担軽減など支援を実施すべきだと考えますが、お答えください。 次に、区の住宅政策推進の体制強化を伺います。 現在、荒川区では、住宅についての窓口がさまざまに分散しています。高齢者住宅が福祉部、空き家対策といっても、老朽化した取り壊した対象物件対策や不燃化特区や密集市街地対策などが防災まちづくり推進課、区民住宅が施設管理課、さらに再開発での住宅建設は都市計画課などであります。 今の日本は、全ての国民に安心できる居住環境が保障されている状況ではありません。特に若年層や高齢者の住宅問題は深刻です。若い方々は収入が少なく、アパートを借りることができない。また、障がい者、高齢者、外国人の入居は困難で、それが脱法ハウスなど貧困ビジネスを横行させる要因になっています。住まいは人権という立場を貫いていくこと、民間任せでは問題解決いたしません。住宅をどう保障していくのか、安心して住み続けるためにどうしていくのか、住宅政策を実施する部署が必要だと考えます。まず、若年層から高齢者まで、深刻な住宅問題に対応するため、住宅政策を専門に所管する課を設置することを求めます。 また、この間、区が行った空き家実態調査は、どう見ても除却対象家屋の調査と言えるものです。今、全国で問題になっているのは、空き家を地域で生かし、大切な資源とする視点で、活用を進めるための調査です。防災まちづくり推進課が行ったのでは無理もありませんが、やはり方向性が違います。 この間、防災まちづくり推進課が行ってきた除却空き家探しの空き家実態調査でなくて、空き家を地域で生かしていくための調査を実施することを求めます。 また、誰もが安心して住み続けるための緊急的住宅対策は必要です。当面、高齢者のサービスつき住宅の誘致や若年層も含めた家賃助成制度なども総合的に検討することを求めます。 最後に、産業振興について伺います。 小規模事業者経営力強化支援事業は、昨年度実績で百九件、約四千万円の補助で二億七千万円程度の仕事が生まれ、大変に喜ばれています。そのうち区内の事業者が受注した仕事は二十件、補助金七百四十万円で六千万円を超える仕事が動き、八倍近い経済効果が生まれています。しかし、それでも予算の半分というのが実態であります。 以前、予算委員会でも求めましたが、区内事業者を使った場合、補助率に上乗せすべきです。この事業で二次創業や承継などへは三分の一へと補助が拡大いたしました。経営力強化と区内事業者の仕事起こしと育成の視点を入れた事業にさらに制度を拡充すべきです。別の事業でありますが、エコ助成のうち、高断熱窓の取りつけで区内業者を使ったら五〇パーセント補助がかさ上げをされています。この際、小規模事業者経営力強化支援事業について、区内事業者を使った場合には、区内仕事おこしの観点から、補助率を三分の一に拡充することを求めたいと思います。 以上で、第一回目の質問を終わります。(拍手)   〔区長西川太一郎君登壇〕
    ◎区長(西川太一郎君) 日本共産党荒川区議会議員団の横山議員の御質問にお答えを申し上げます。 障害者差別解消法に関する御質問に私からお答えを申し上げます。 これまで障がいのある方や弱いお立場の方に心を寄せる施策に力を入れてまいったつもりでございますが、特例子会社の誘致などの就労支援やグループホームの開設、親なき後の支援事業など、障がい者が安心して暮らせる社会の形成に向けて努力をしてまいりますことは、首長の当然の職務であります。このような中、障害者差別解消法の制定は、昭和四十五年、共生社会の実現に向けて制定された障害者基本法に始まった流れがようやく結実したものと私は感じております。 障がい者への差別の解消は、自治体の力だけで実現できるものではないとは思いますが、民間事業者、地域の皆様のお力をおかりして実現できないものではないと思いますので、そのようにしていきたいと思います。 区では、障がい者団体等へのアンケートで収集した御意見や御要望を反映し、職員対応要領を策定いたしまして、全職員が思いやりのある合理的な配慮ができる環境を整備いたしたところであると思っております。この取り組みを広めて、区民の皆様と御一緒に、障がいによる差別のない荒川区を実現するため、再度申し上げますが、民間事業者の皆様にも当然参考としていただけるよう、職員対応要領をホームページに公開いたしますとともに、今年の障害者週間には講演会を開催することにいたしております。 私は、今後も障がいの特性に合わせた適切な配慮がより一層区全体に広がって、障がいのある方々に荒川区にこれからもお住まいくださるように、住みたいと感じていただけるような温かい地域社会の実現に全力で取り組んでまいります。 これ以外の横山議員の御質問につきましては、関係理事者から答弁をさせていただきます。   〔区民生活部長正木良一君登壇〕 ◎区民生活部長(正木良一君) まず、避難所の安全性確保及びバリアフリー化に関する御質問についてお答えいたします。 報道等によりますと、熊本では大地震発生が切迫しているという認識が必ずしも強くなかったことから、避難所内部の安全確保が十分行われていなかったのではないかとのことでございます。 荒川区におきましては、区内の一時避難所等につきましては、非構造部材を含めまして耐震改修を完了しており、バリアフリー化につきましても工事を進めているところでございます。 また、医療機関につきましても、おおむね耐震化が完了しており、バリアフリー化も進んでいるものと認識してございます。 地域防災計画におきましては、避難所となる公共施設が使用できなくなった場合、サンパール荒川などを代替施設として活用していくことを含め、災害時の運用について規定しております。 区といたしましては、今後とも公共施設の安全性の確保に努めるとともに、地域防災計画の検証を進め、災害時の運用体制のさらなる強化に取り組んでまいります。 次に、震災対策の抜本的強化に関する御質問にお答えいたします。 荒川区では、防災対策用品のあっせんや家具類の転倒防止の助成事業などを行ってまいりましたが、今年度新たに感震ブレーカーの設置補助を加える予定でございます。現在、より多くの方が利用でき、実効性の上がる手法につきまして、防災担当部署や高齢者福祉の担当部署などが協働してさまざまな角度から検討しているところでございます。実施案ができ上がり次第、議会の皆様に御報告させていただきますので、御理解をよろしくお願いいたします。   〔福祉部長片岡孝君登壇〕 ◎福祉部長(片岡孝君) 障がい者や高齢者に係る震災対策についての御質問にお答えいたします。 福祉サービス等を利用していなくても、災害時には不安を感じる方々のために、これまで区では、おんぶ作戦の展開や障がい者の皆様との意思疎通が円滑に行われるよう、コミュニケーション支援ボートを配布しているほか、障がい者緊急時要援護者名簿や高齢者見守りネットワーク事業への登録を働きかけるなど、さまざまな支援策を実施してまいりました。 区といたしましては、これらの事業を通じて、区との接点を確保し、高齢者や障がい者が災害時に必要な支援を適切に受けられるよう、体制を強化してまいります。 次に、福祉避難所につきましては、現在、区立特養など区内二十八カ所を指定しており、各施設とも耐震基準等を十分に満たし、安全性は担保されていると認識しております。 一方、運用につきましては、流動食の備蓄や足踏み式吸引器の配備などに努めるほか、開設運営マニュアルを作成し、順次指定管理者と共同で訓練を実施しております。 さらに、今般の熊本地震の教訓を踏まえ、改めて同マニュアルの見直しをはじめ、さまざまな検証を進めているところでございます。 次に、介護予防・日常生活支援総合事業に関する御質問にお答えいたします。 区では、国のモデル事業を経て、平成二十六年度からまるごと元気アップ教室等に取り組み、昨年四月から新たな総合事業を開始したところでございます。 区といたしましても、地域包括支援センターや介護事業者等、関係機関から現場の声をお伺いし、課題等の把握を進めております。 また、総合事業のうち、国基準で実施しております第一号通所介護及び訪問介護のサービスにつきましては、今後の法改正や他自治体の状況等を踏まえ、検討してまいります。 次に、介護保険制度の見直しに関する御質問にお答えいたします。 要介護一、二の軽度者に係る介護給付の見直しにつきましては、区としても今後さらなる高齢化が見込まれる中にあって、介護保険制度の持続性の確保と地域包括ケアシステムの構築という視点から、国の動向を注視していくとともに、必要な事項につきましては、国や都へ要望してまいりたいと考えてございます。 次に、認知症施策についての御質問にお答えいたします。 区では、グループホームにつきましては、第六期高齢者プランに掲げたとおり、計画的な整備を進めているところでございます。また、オレンジカフェにつきましては、現在、三つの地域においてキャラバンメイトによるオレンジカフェが月一回から二カ月に一回程度開催されております。今後もこの活動が広がっていけるよう、必要な支援をしてまいります。 また、現在までに認知症サポーターは約九千人を養成し、メイトの数は三百五十七人となっており、いずれも第六期高齢者プランの目標値を達成しております。今後もさらにサポーターの養成等、認知症への理解を深めるための普及啓発を推進してまいります。 次に、生活保護世帯の大学進学後の取り扱いに関する御質問にお答えいたします。 生活保護法では、その利用し得る資産、能力その他あらゆるものを最低限度の生活の維持のために活用することを要件として行われるものと定められております。一方、生活保護の目的である自立助長の観点から、保護を受けながら高等学校等への進学が認められ、アルバイト収入や奨学金等について、授業料や参考書代、学習塾の経費など、収入認定の対象から除外されております。 また、本年七月からは、大学の入学金も同様の取り扱いとなることが決まっており、今後の国における検討の動向を注視してまいりたいと考えてございます。 次に、障害者差別法における相談窓口に関する御質問にお答えいたします。 本年四月に施行された障害者差別解消法を受け、区では、障害者福祉課に相談窓口を設置するとともに、夜間・休日も相談できるコールセンターを設け、差別の事例があった場合は速やかに対応可能な体制をとっております。この窓口では、差別を受け、つらい思いをされている方に寄り添った対応をしており、先日も産業経済部、区の顧問弁護士、じょぶ・あらかわ、東京労働局、さらには法テラスとも連携し、問題の解決を図ったケースもございます。 今後も、障害を理由とした差別を防止できるよう対応の状況や課題の把握に努め、住みなれた地域で安心して生活できるよう真摯に対応してまいります。 次に、障がい福祉サービスと介護保険制度の関係についての御質問にお答えいたします。 介護保険制度の創設時、障がい福祉サービスと介護サービスに関しては、双方で共通するサービスについて、介護保険優先が原則とされました。自己負担に関しては、国としても介護保険施行後の五年間は障がい者施策からの移行者に対し、利用者負担を一〇パーセントから三パーセントに軽減し、区ではこの利用者負担を現在も継続しているところでございます。 区といたしましては、今後も引き続き国の動向を注視しながら対応を検討してまいります。   〔防災都市づくり部長松土民雄君登壇〕 ◎防災都市づくり部長(松土民雄君) 公的住宅に関する御質問にお答えいたします。 国におきましては、平成二十八年三月に新たな住生活基本計画を策定し、安全で質の高い住宅ストックへの更新や公的賃貸住宅の建て替えを目標に掲げております。また、東京都では、区内の公的住宅について、耐震化や建て替えを進めており、東京都住宅マスタープランにおきましても、既存の公的住宅について、建て替え等を計画的に実施し、さらなる防災機能の向上を図っていくとしております。 区といたしましては、こうした国や都の施策を確実に推進していくよう働きかけてまいります。 次に、住宅政策を専門に所管する課を設置すべきとの御質問にお答えいたします。 住宅政策につきましては、課題は多岐にわたり、その対応は所管がまたがるものと認識しているところであります。このため、今後も関係部署と連携し、全庁的に対応してまいりたいと考えております。 次に、空き家の利活用に関する御質問にお答えいたします。 区では、区全域を対象に空き家の実態調査を実施いたしました。その結果、区内にある空き家の中には、耐震改修工事やリフォーム工事を実施することにより新たに活用できる空き家も存在していることが判明をいたしました。区といたしましては、区内にある空き家も地域の貴重な資源であると考えていることから、総合的な空き家対策計画の策定に合わせまして、利活用に向けた取り組みにつきましても、関係部署とも協議をしながら検討してまいります。 次に、住宅対策に関する御質問にお答えいたします。 サービスつき高齢者向け住宅の整備につきましては、国及び都において、住宅整備に対して助成を行っております。区といたしましては、国や都の動向を注視しつつ、同住宅の課題を踏まえ、誘致の必要性を見きわめてまいります。また、若年層も含めた住みやすい住宅を確保する施策につきましては、既存ストックの活用も含めまして、今後どのような施策に結びつけられるかを考えてまいりたいと思ってございます。 以上でございます。   〔子育て支援部長青山敏郎君登壇〕 ◎子育て支援部長(青山敏郎君) 初めに、給付制奨学金に関する御質問にお答えいたします。 意欲と能力のある子どもが家庭の経済状況にかかわらず、安心して学業に専念できる環境をつくることは重要なことと考えております。本年三月、子どもの貧困対策で先駆的な取り組みを推進している自治体の長として、西川区長が自民党教育再生実行本部の格差克服のための教育部会に招かれ、その際、国において返済義務のない給付型奨学金を創設するよう強く要望した結果、政策提言に盛り込まれることとなり、四月四日、安倍総理宛申し入れが行われております。 そして、本年六月に閣議決定された「ニッポン一億総活躍プラン」では、給付型奨学金の創設に向けて検討を進め、本当に厳しい状況にある子どもたちへの給付型支援の拡充を図ることとされております。 現在、文部科学省に設置されたプロジェクトチームにおきまして、制度導入に向けた検討が進められており、区といたしましては、このような国の検討状況を注視するとともに、他区の動向についても把握してまいりたいと考えてございます。 続いて、児童扶養手当の支給方法に関する御質問にお答えいたします。 区から支給される児童扶養手当は、法律に基づき年三回、すなわち四月、八月、十二月にそれぞれ前月まで四カ月分の手当を受給者にまとめて支給する制度となっております。また、制度の児童育成手当を児童扶養手当の支給月と異なる月に支給しているため、御質問のような収入の増減による困難は緩和されているものと認識しております。 さきの国会におきまして、児童扶養手当の第二子以降の加算額を倍増する法案審議の際、手当の支給回数等に関する議論が行われ、附帯決議の項目に各月支給を含む検討を行うことが盛り込まれたところでございます。 区といたしましては、児童扶養手当の受給者にはその世帯の生活状況を踏まえ、これまで同様、生活面で適切なアドバイスに努めるとともに、国における検討の経過を注視してまいりたいと考えております。 次に、待機児童解消に関する御質問にお答えいたします。 区では、増大する保育需要に対応するため、二千二百人を超える保育定員の拡大に努めてまいりました。本年四月の待機児童数が百六十四人となったことから、本年度中に小規模保育施設一カ所と認可保育園一カ所を開設するほか、平成二十九年度には認可保育園四カ所を開設する計画となっております。 今後も、保育需要の増大が見込まれることから、荒川税務署の未利用地部分の取得など用地の確保を積極的に進め、さらなる保育施設の整備に努めてまいります。区といたしましては、区独自の保育室の面積基準や保育室の配置割合を堅持しながら、引き続き質の高い保育サービスの実施に努めてまいります。 次に、子どもの居場所づくり事業に関する御質問にお答えいたします。 区では、貧困などにより支援を必要とする子どもたちに食事の提供や学習支援を行う居場所づくりを実施している区内の団体に対し、昨年度から助成を実施しております。この間、区内の関係団体等への啓発活動に努めたところ、複数の団体から子どもの居場所づくりに協力したい旨の御提案をいただき、区が支援する子どもの居場所は昨年度の二カ所から、本年四月には四カ所に拡大し、さらに七月から五カ所目が開始される予定となっております。 子どもの居場所づくりは、地域の理解と協力を得ながら、団体、グループ、ボランティアなど区民主体の取り組みを促進していくことが地域力の醸成や持続可能な運営に資するものと認識しております。 区といたしましては、今後、子どもの居場所が区内全域へ広がるよう、居場所づくりを検討する団体等に、例えば空き店舗の活用可能な空き家を含めた民間の施設情報を提供するなど、当該団体の要望をお聞きしながら、適切な支援に努めてまいります。   〔教育委員会事務局教育部長阿部忠資君登壇〕 ◎教育委員会事務局教育部長(阿部忠資君) 就学援助に関する御質問にお答えいたします。 就学援助は、学校教育法の規定に基づき実施しているもので、経済的に就学が困難な御家庭に対し、就学に必要な費用の一部を援助することにより、教育の機会均等を図るものでございます。 手続につきましては、毎年四月に申請を受け付け、書類審査を進めるとともに、六月に確定する税務情報により、各世帯の前年所得額を確認し、七月に入学準備金を含む就学援助費を支給しております。このため、小学校で就学援助を受けている世帯に対して、中学校の入学準備金の支給時期を早めて三月に支給する場合には、前年の所得額の確認ができないことから、現行の支給時期を早めることは難しいと考えております。   〔産業経済部長石原久君登壇〕 ◎産業経済部長(石原久君) 小規模事業者経営力強化支援事業についての御質問にお答えいたします。 本事業は、区内の小規模事業者が経営力の強化を図り、今後の成長につなげるため、事業に必要な設備投資等に要する経費を対象に、原則として補助率四分の一、限度額百万円とした補助金を交付するものであります。議会等からの御要望を踏まえ、二度にわたり制度の拡充を行ってきたところです。これまで累計で百九十五件、八千八百二十万円の補助金の交付決定に至り、補助金額に対して約五・八倍の設備投資等が行われております。 議員御提案の件につきましては、趣旨は理解できるところでございますが、設備投資等は民間事業者間の契約に係るものであり、さらにこれまでの実績を踏まえますと、区内に受注可能な事業者が存在しない場合も多く、また、申請事業者がおのおのの経営判断により契約先を選定していることから、区内事業者を活用した場合の補助率の拡充は、現状では難しいものであると考えております。 一方、区といたしましては、大規模展示会への荒川区ブースの出展や産業展の開催、国内外の展示会への出展料の補助、制限つき一般競争入札等を通じて区内事業者の受注機会の拡大について支援をしているところであります。 ○議長(並木一元君) この際、議事の都合により休憩いたします。   午前十一時五十二分休憩   午後一時開議 ○副議長(中村尚郎君) 休憩前に引き続きまして会議を開きます。 三十一番保坂正仁議員。   〔保坂正仁君登壇〕 ◆三十一番(保坂正仁君) 私は、公明党荒川区議会議員団を代表して、当面する諸課題について、以下五項目にわたり質問をさせていただきます。西川区長並びに理事者の皆様の積極的な御答弁をよろしくお願いいたします。 久しぶりでございますので、大変緊張しておりますが、どうぞ会場の皆様、よろしくお願いいたします。 質問に先立ち、ことし四月十四日二十一時二十六分に発生した熊本地震において被災された方々に対し、衷心よりお見舞い申し上げますとともに、特別区長会会長として、また、荒川区長として、災害に対して迅速な対応をされておりますことに心から感謝申し上げます。政府には、一日も早い復旧・復興をお願いいたします。 私たち公明党荒川総支部として、微力ではありますが、募金活動を行い、百十万円余の義援金を届けさせていただきました。もちろん義援金は被災地支援活動以外に使われることはありません。 さて、質問の第一は、西川区長三期十二年の実績と今後の区政運営と人材育成について伺います。 西川区長は一貫して「区政は区民を幸せにするシステムである」とのドメインのもと、ぶれることなく、区民の幸せの向上に努めてまいりました。この四年間の実績だけでも、子育てしやすいまちランキングで全国一位や、全国に先駆けて中学校全校に防災部を設置するなど枚挙にいとまがありません。 荒川区議会にも連日、全国の地方自治体から議会の行政視察団の一行が見えるようになりました。視察内容を見てみますと、学校図書の充実やタブレット授業等の教育問題、保育園の都立公園内への建設等による子育て施策の充実、高齢者の見守りネットワーク事業やオレンジカフェ等の高齢者対策、そして今後の課題としての子どもの貧困対策など、全国に先駆けた西川区政の施策が地方自治体の手本になっていることの証左であると実感をいたします。 特にゆいの森あらかわは、来年三月にオープンする前から全国の注目の的となっております。私も楽しみにしている議員の一人です。 西川区長は就任早々、荒川区民に多くの夢を与え、実現をしてまいりました。当然、これらの施策の実現は職員の皆様の努力・協力なくしてなかったものと思います。西川区長を先頭に、荒川区の職員の皆様の御努力に改めて御苦労さまですと感謝申し上げます。これからも荒川区職員ビジネスカレッジ等、職員の人材育成に努め、優秀な職員の陣容を整えていただきますよう、よろしくお願い申し上げます。 しかし、東日本大地震や熊本地震等の大規模災害を経験した私たちは、議員はもちろんのこと、さらなる職員の資質の向上に努めなければならないと実感をいたしました。特に技術系職員の確保と育成が急務と考えます。 ことし十一月に西川区長の三期目の任期が終了しますが、西川区長の将来にわたる荒川区の区政運営と人材育成の展望を伺います。 質問の第二は、小中学校の環境整備について伺います。 現在、荒川区の小中学校は、児童・生徒の学びの場であることは当然として、スポーツの拠点として、また、災害時の一時避難場所の役割を担う等、地域のコミュニティの中心的役割を担っております。そこで、区民の多様なニーズに応えるために何点か伺います。 東京都水道局は、公立小中学校を対象に平成十九年度から、また、私立小中学校では平成二十二年度から「水飲栓直結給水化モデル事業」として、工事費用の一部を負担し、「学校フレッシュ水道事業」を展開しております。 この事業は、トイレ等を除く児童・生徒が直接飲料水として使う水道の蛇口や給食室に対し、水道本管から直結給水するものです。これまでの屋上のタンクに水をためる貯水槽水道方式では、週明けになると蛇口から一定時間放水しないと鉄の味が気になったり、長期休暇の際は水筒の持参を呼びかけたりしていました。 水道局のアンケート調査によると、直結給水工事後、学校の水道水を飲む児童・生徒の割合が工事前の七三パーセントから八四パーセントへ増加、水筒の持参率も二四パーセントから一一パーセントになる等、一定の成果が出ているようです。 荒川区でも既に大規模改修工事に合わせ、四校が直結給水工事を実施していると伺っていますが、東京都水道局の工事費用の一部負担を延長した今、荒川区として早急に未実施の残り三十校に対し、水飲栓直結給水化事業を展開すべきと考えますが、区の見解を伺います。 次に、児童・生徒の熱中症対策として、初めに冷水機の全校実施を提案いたします。 急激な気温や湿度の上昇により、早くもことし五月二十三日に大田区で中学二年生の生徒七人が熱中症で病院に搬送されました。また、五月二十五日の日本経済新聞には、部活中の熱中症で後遺症が残ったとして、東大阪市立中学校に対し、大阪地検が「熱中症予防のための運動方針」に沿った対策をとる義務があると指摘、市側の注意義務違反を認め、四百十一万円の損害賠償命令を認める等、児童・生徒のための熱中症対策が急務とされています。 熱中症予防には、室温・温度管理や体調管理はもちろんのこと、こまめな水分補給が大事とされています。荒川区の冷水機の設置状況を見ますと、小学校に十一台、中学校に七台設置されていますが、PTAや卒業生からの寄贈の冷水機がほとんどで、型式が古かったり、故障していても修理されないものも見られます。 しかし、新設校には既に常設として冷水機を教育委員会が設置していますし、新しいふれあい館等にも荒川区として設置されております。 気象庁では、ことしの夏は暑くなると予想されております。教育委員会の責任のもとで、早急に区内全小中学校に冷水機の設置をすべきと考えますが、御所見を伺います。あわせて、我が党の吉田議員からの提案で、既に保育園に設置されているミストシャワーも全校に設置すべきと考えますが、御見解を伺います。 次に、災害時の避難所となる小中学校では、さまざまな方々が地元小中学校に避難してまいります。避難所生活の困難さの一つとして、トイレの使用問題が挙げられます。既にハートビル法、交通バリアフリー法等の整備やユニバーサルデザインの普及により地域福祉の重要性が高まり、世界情勢の変化を受けて多目的トイレの設置が広がっております。北海道教育委員会では、平成十五年からオストメイト対応トイレの整備を行っております。 荒川区でも、本庁舎やさきの大改修を行ったサンパール荒川にもオストメイト対応トイレの設置を行っていただきました。教育委員会は、議会からの強い要望により学校トイレの改修をこの三年で行うと伺っております。オストメイト、排泄障害等のトイレ使用にハンデを持った方々の避難所生活は大変な苦痛が伴うことが想定されています。学校トイレ改修工事の際にはぜひオストメイト対応トイレの設置を検討していただきたいと考えます。 また、狭いスペースもドアの開閉の工夫をしたり、既存のトイレの便座だけを変えることにより、オストメイト対応トイレになるものなどが開発されております。 荒川区では、児童・生徒にはオストメイト対応トイレは特別のものではなく、ふだんから使用することにより学校教育の一環ともなると考えますが、教育委員会の見解を伺います。 第三として、空き家対策について伺います。 私は、この空き家対策は平成二十二年十月の決算に関する特別委員会で初めて取り上げ、平成二十六年の十一月の本会議において、七点にわたり具体的提案をさせていただきました。これらの要望を受け、また平成二十七年に全面施行された特別措置法に基づき、荒川区では平成二十八年三月に「荒川区空き家実態調査報告書」をまとめ上げ、九百七十一棟の空き家の実態が詳細に報告されました。区の御努力に心から感謝申し上げます。 調査の結果を見ますと、不燃化特区区域内四百三十七棟、区域外五百三十四棟と区内全域に空き家が点在し、特に速やかに除去すべき危険な空き家が四十二棟、除去すべき空き家が百三十七棟、しかも表札がない空き家が六百三十七棟で全体の六五・六パーセントもあり、近隣住民の心配が懸念されるところであります。 そこで、既に実行されていると思いますが、東京都や地方と連携し、土地・建物の所有者の掌握を速やかにすべきと考えますが、あえて、いつまでに全体の掌握をされるのか、区の御決意を伺います。 次に、荒川区では、空き家等に関する対策を総合的かつ計画的に実施していくために、(仮称)荒川区空き家等対策計画を策定し、実効性のあるものにしていくとの報告がなされました。 荒川区では、これまでも危険な空き家、除去すべき空き家に対し、粘り強く説得に当たってこられたと伺っておりますが、除去費用の補助がなされているにもかかわらず、近隣の迷惑も省みず、取り壊されていない危険な空き家の持ち主は既に悪質と言わなければなりません。そこで、一日も早く(仮称)空き家等の適正管理に関する条例を策定し、行政代執行の期間短縮に努めるべきと考えますが、区の見解を伺います。 次に、老朽化した空き家を除去する場合には、区内事業者の活用をすべきと考えます。解体の際にはネズミやムカデ等の害虫が近隣に御迷惑をかけるおそれがあります。 そこで、区として、これらの事業者に協力をいただき、「(仮称)老朽化建物除去チーム」を立ち上げ、建物の持ち主に紹介するシステムを構築すべきと考えますが、区の御所見を伺います。 次に、以前にも提案をいたしましたが、四百棟もある利活用の空き家対策については、(仮称)空き家バンクを創設し、区内の宅建業界、不動産業界等の民間事業者の協力を仰ぎ、若い子育て世代への貸し出しや保育士や介護士等の区内勤労者への貸し出し、認知症対策でのオレンジカフェの開設など、さまざまな事業展開をすべきと考えますけれども、区の御所見を伺います。 第四の質問として、西日暮里駅前地域再開発事業について伺います。 西日暮里駅前地域再開発事業は、荒川区として最後の大規模再開発事業であります。再開発地域の総面積は二・三ヘクタールあり、その内容は、区の土地が五千五百平米、都道、区道が七千四百平米と全体の五六パーセントに達しております。荒川区として、この土地をどのように活用されるのでしょうか。 かつて日暮里駅前再開発事業の際には、行政側から「ウエルカムタウン・日暮里~東京のコンシェルジュを目指して~」との基本的コンセプトが示され、日暮里-成田間がわずか三十六分で結ばれ、東京全体の観光開発や日暮里・舎人ライナーの開業により東京城東地区の拠点となる等、各議員が真剣に議論を重ね、将来の日暮里のまちのイメージを膨らませ、夢を乗せた質疑を盛んにさせていただきました。私も、平成十五年の第一回定例会、平成十六年の第三回定例会と質疑をしたことを鮮明に覚えております。 しかし、結果はごらんのとおり、高層マンション三棟のみで、私たちが夢見たにぎわいなどどこへやら。情報発信などする機能さえありません。多額の税金の投入をしたにもかかわらず、区民に対して申しわけなさを痛感いたします。だからこそ、今回の西日暮里駅前再開発事業に対し、悔いの残らないよう、区民の期待に応えるよう努力していかなければならないと決意をするものでございます。 そこで、荒川区として、この西日暮里駅前地域再開発事業のまちづくり全体の一貫したコンセプトをどのように考えているのか、お示しいただきたいと思います。区の御所見を伺います。 次に、誤解のないように申し上げれば、再開発そのものを反対と言っているのではありません。賛成しようにも反対しようにも、議論すべき情報があまり議会に報告されていないのであります。三河島駅前や日暮里駅前再開発のような高層住宅を建てるだけの再開発は反対であります。 再開発工事の着工までに、現在の景気動向や社会情勢を考えれば、工事の人員確保や建設資材の高騰、オリンピック開催後の景気低迷等、早くても五、六年以降にならざるを得ないと思います。その間、議会でも大いに西日暮里地域のまちづくりの議論を重ねていくべきと考えます。 来年の三月開設予定のゆいの森あらかわは、平成十八年の図書館あり方検討委員会の答申から十年の歳月を費やしました。この答申を示すまでには、有識者や議員、さらには区民の一般公募の委員と平成十三年九月から平成十五年三月、平成十七年八月から平成十八年九月まで、二期三年間の間に十四回の議論を積み上げてきた実績があります。 そこで、荒川区の再開発のコンセプトがまだ決まっていないのであれば、再開発協力事業者や地権者の要望はもちろんでありますが、ゆいの森あらかわをつくったときのように、荒川区として(仮称)西日暮里駅前地域再開発検討委員会を立ち上げ、有識者や区議会、区民の声等もじっくりと聞き、西日暮里地域のまちづくりを検討していくべきと考えますが、区の見解を伺います。 次に、再開発協力事業者の選定基準について伺います。 さきの予算に関する特別委員会でも申し述べましたが、西日暮里の再開発協力事業者は、プロポーザルにより三菱地所と野村不動産の二社が選定されました。 荒川区では、都市計画マスタープランに基づいて荒川区のまちづくりを進めてまいりました。しかし、野村不動産が建設中の日暮里資生堂跡地のマンションは、商店街を分断し、日暮里のまちづくりにそぐわない建物と言わざるを得ません。 私は、今回のように、民間のマンション建設を許してしまえば、荒川区都市計画マスタープランそのものが机上の空論になってしまうことを懸念しております。 そこで、荒川区の大型公共施設建設や再開発事業に対しては、事業に参入を希望している企業に対し、荒川区都市計画マスタープランをしっかりと学んでいただき、荒川区のまちづくりを理解していただいた上で、協力事業者になっていただく新たなルールをつくるべきと考えますが、区の見解を伺います。 次に、昨年の九月一日の総務企画委員会に西日暮里駅前再開発事業にホールを中心とした公共公益施設の整備方針が報告されました。いわゆるサンパール荒川の機能移転を考えているとのことです。この施設は、平成四十二年あたりに利用開始を想定した計画とも承っております。 しかし、果たして新たな公共公益施設は本当に必要なのでしょうか。公共公益施設の移転先は、西日暮里駅前に決定されたのでしょうか。再開発事業との関係はどのようになるのでしょうか。 地元ではうわさが先行し、賛否両論であります。昨年、二十数億円をかけて二回目の大規模改修が行われましたが、なぜ今、改修工事中に移転の話なのでしょうか。疑問に思うのは私だけでしょうか。 九月一日の報告で、あたかも西日暮里駅前地域に公共公益施設をつくることを既成事実のように行う議論は少し乱暴過ぎると思います。もう少し丁寧に議会に報告すべきと考えます。 サンパール荒川は、荒川区議会史によれば、大先輩の議員の皆様が区民会館の建設に当たり特別委員会を設置し、協議を重ね、今のサンパール荒川をつくり上げてきました。今回の公共公益施設に対しましても、(仮称)区民会館あり方検討委員会を立ち上げ、利用者である区民の声をしっかりと聞き、誰からも愛され、親しまれる施設にすべきと考えますが、区の見解を伺います。 最後に、日暮里のまちづくりについて伺います。 日暮里地域には、茂木議員の自宅前のかんかん森通りや正庭通り、七五三通りや日暮里駅前等、桜の名所がたくさんあります。桜の時期になれば、道路を封鎖し、町会ごとにお花見を楽しんでおります。 町田議員のお父さんが区長のときに植えた木と伺っております。既に三十年から四十年以上経過し、大分古木となってまいりました。そこで、各町会の了解をいただきながら、計画的に桜の木の植えかえをしていくべきと考えますが、御所見を伺います。 また、歩道には桜の木の根が張り出し、インターロッキング等が浮き出ており、御高齢者の皆様が歩きづらくなっている箇所も見受けられます。インターロッキングにこだわることなく、アスファルト舗装工事でもよいのではないでしょうか。 歩道整備においても、年次計画を立て、町会の皆様の御理解を得ながら、しっかりと整備をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。 このことは、日暮里地域のみの問題ではなく、荒川区全体の問題でもあるようです。区の木は桜でありますので、このことを契機に桜の古木と歩道の総点検をしてほしいと思いますが、いかがでしょうか。 さらに、三河島の駅横のせせらぎ公園においては、東日本大震災以来、水がせせらいでおりません。五年たった今、せせらぎ公園の改修をしていただきたいと思います。もしポンプ等の故障で水を流されないのであれば、水路に土を入れ、バラの植栽などをし、手入れを希望する地域の皆様に協力していただき、新たな公園づくりをしてはいかがでしょうか。区の見解をお伺いし、以上で第一回目の質問を終わります。   〔区長西川太一郎君登壇〕 ◎区長(西川太一郎君) 保坂議員の御質問にお答えを申し上げます。 初めに、これまでの実績と今後の区政運営、そして人材育成に関する御質問にお答えを申し上げます。 私は、平成十六年の区長就任以来、「区政は区民を幸せにするシステムである」というドメインを掲げ、区民の悩みや願いを真摯に受けとめ、千二百を超える施策の立案と充実を図ってまいりました。そして多くの区民の皆様の御支持を賜った三期目においても、木造住宅密集地域の解消、危険老朽家屋の除却推進、永久水利施設の整備、中学校防災部の全校設置、児童・生徒に一人一台体制のタブレットパソコンの配備、二千二百人を超える保育定員の拡大、就労支援専門組織の設置、専門ハローワークとの連携等、さまざまな分野において施策のさらなる充実を実現してまいりました。 また、住民に最も身近な自治体でございます区ならではの発想も生かし、国や都に対しても積極的な働きかけを行ってまいりました。その結果、国家戦略特別区域法の改正がなされ、これまで認められていなかった都市公園内への保育園の設置が可能となったことは御案内のとおりであります。 加えて、先般、国において、児童福祉法等の一部を改正する法律が全会一致で可決・公布されたことによりまして、これまで率先して進めてまいりました特別区における児童相談所の設置が可能となりました。 区では、子どもの命と権利を守るため、これまでの取り組みをさらに加速させ、全庁挙げて一日も早い児童相談所の開設を実現いたします。 こうした成果は、荒川区議会の御理解、御支援と町会をはじめ多くの区民の皆様の御協力があってのことと、この場をおかりして心から感謝を申し上げる次第でございます。 また、議員御指摘のとおり、こうしたさまざまな取り組みは、区職員の能力と努力によって実現してきたものであり、区民の幸福実感をさらに向上させていくために、人材の発掘と育成が最も重要な課題の一つであると考えております。一人一人の職員がこれまでにも増して区民の皆様に寄り添い、その期待に応えるために、幅広い視野と専門的な知識を兼ね備え、公務コンサルタントとも言えるような、そういう機能を持った立派な職員として区民に奉仕を続けられるよう、環境を整えてまいります。 加えて、区政の中核を担う部長級職員が最先端の知見を習得することにより、厳しい時代の変化の中でも区政の課題に果敢に立ち向かい、それぞれの持ち場でより的確にリーダーシップを発揮することを目指す新たな学び直しの取り組みも開始いたします。 今後も、職員とともに成長を重ね、区民の皆様、とりわけお子さんたちや高齢者、障がいのある方の声にしっかりと応えていくために、子育て・教育環境の整備や高齢者・障がい者サービスの一層の充実、介護予防、健康増進や安全・安心のまちづくり、地域力の一層の強化、産業や文化・芸術の振興など、区政のあらゆる分野におけるさらなる施策の充実を図ってまいります。 私は、一人でも多くの方が幸せを実感できるまちを実現するため、この約十二年間の経験を土台に、さらに強い決意を持って仕事を続けてまいりたいと思っております。 次に、空き家対策について御答弁を申し上げます。 人口減少や高齢化の進展に伴い、適切に管理されていない空き家は全国的に年々増加傾向にあり、大きな社会問題となっており、中でも特に老朽化が進んでいる空き家は、地震時における空き家の倒壊の危険性といった防災上の問題に加え、ごみの不法投棄、ネズミ等の発生による衛生上の問題、雑草の繁茂による環境上の問題、放火や不法侵入による治安・防犯上の問題など、その周辺にお住まいの方々に不安と悪影響を及ぼしておりますし、今後もその不安はふえる可能性もあります。 こうしたことから、区では空き家問題にいち早く対処するために、平成二十四年度から危険な老朽空き家住宅の除去費用の一部を助成する独自の制度を開始いたしました。昨年度から不燃化特区の区域におきまして、区外にお住まいの方々を含めた建物所有者への積極的アプローチを行うとともに、区が解体工事を行う寄附除却や費用負担がない全額助成、賃貸住宅への住みかえ家賃助成など、これまでよりも踏み込んだ除却支援事業に取り組んでまいります。 加えて、除却後の小規模な土地についても、区が取得または借地することによりまして、地域の初期消火や救助活動に寄与する防災スポットとして整備するなど、木造密集地域におけるオープンスペースの確保にも努めております。 さらに、私は平成二十四年五月の自由民主党国土強靱化総合調査会における講演や平成二十五年十一月の衆議院防災対策特別委員会における国土強靱化に係る立法のための参考人招致など、さまざまな機会を通じて、国に対して要望してまいりました危険な空き家に対する立ち入り調査をはじめ、建物所有者への改善命令や行政代執行などの強い権限を自治体に与える規定が盛り込まれた空家等対策の推進に関する特別措置法が昨年五月に全面施行され、除却の阻害要因でございました固定資産税の課税方法についても一定の見直しが行われたところでございます。 これを受けて、区では、空き家問題の解決に向けた総合的かつ計画的な空き家対策を実施していく上での基礎資料とするため、区内全域を対象とした空き家の実態調査を実施した結果、区内には約九百七十棟もの空き家が存在していることが確認されました。この実態調査の結果を踏まえ、周辺の生活環境に深刻な影響を及ぼしている除却すべき危険な空き家に対処するだけでなく、空き家そのものの増加を抑制する予防保全を講じるべき空き家への取り組みや民間事業者とも連携した利活用が考えられる空き家への取り組みなど、多岐にわたる空き家問題に対する区の基本的な方針を示す空き家対策計画の策定を進めております。 今後、議会はもとより、町会をはじめ区民の皆様、建築・法律等の専門家や不動産団体からの御意見をいただきながら、特別措置法を補完する区独自の条例の制定とあわせて検討を進めてまいります。 私は、これらの空き家対策を区の重要かつ喫緊の課題として取り組むべき、また、防災対策の重要な柱であると捉え、災害に強い安全・安心のまちをつくり、今後とも区長として全力で次の任期ももしお認めいただけるならば、そのことを真剣にやってまいる覚悟であります。 これ以外の御質問につきましては、関係理事者から御答弁を申し上げます。   〔教育長高梨博和君登壇〕 ◎教育長(高梨博和君) 小中学校の環境整備に関する御質問のうち、まず初めに、水飲栓の直結給水化についてお答えいたします。 高架水槽などを使用せず、水道本管から直接給水することができれば、児童・生徒に新鮮な水が提供できると考えており、その効果については、議員と同様に認識いたしているところでございます。 しかしながら、直結化に当たりましては、一定の水量・水圧を確保する必要があるため、水道管の取り出し口径を太くするなど新たな配管工事が必要となってございます。 今後、荒川区公共建築物中長期改修計画に基づく給排水設備の改修に合わせ、東京都の補助金も活用しながら、計画的かつ着実に直結給水化の促進を図ってまいります。 次に、冷水機等の設置に関する御質問につきましては、冷水機やミストシャワーはいずれも熱中症対策の一つとして有効であると考えてございます。設置した際の使用頻度や使用方法など、それぞれの幼稚園や学校の事情を考慮するため、幼稚園園長会や小中学校校長会の意見をお聞きしながら鋭意検討してまいりたいと存じます。 最後に、オストメイト対応トイレに関する御質問にお答えいたします。 災害時に避難所となる学校において、障がい者の方々も何不自由なく快適にトイレを利用していただくことは大変重要なことと考えてございます。 オストメイト対応トイレにつきましては、シンクタンクの場合については広いスペースが必要となるため、大規模改修の際に誰でもトイレの整備に合わせて設置してございます。 御質問いただいた便座交換タイプにつきましては、御利用になる障がい者の方々の御意見などもお伺いしながら、今後導入に向けて検討してまいります。 教育委員会といたしましては、御質問の趣旨を踏まえ、今後とも学校施設の整備を促進することにより、子どもたちの学びの環境整備と災害時の避難所環境の改善に努めてまいる所存でございます。   〔防災都市づくり部長松土民雄君登壇〕 ◎防災都市づくり部長(松土民雄君) 空き家の所有者に関する御質問にお答えいたします。 空き家につきましては、これまで不動産の登記あるいは住民票や戸籍謄本等による登記名義人の確認、近隣住民への聞き取り調査などを行ってまいりました。さらに、特別措置法に基づき、固定資産税の課税情報の提供などを受け、所有者の把握に努めてまいりました。しかしながら、相続による移転登記が長い間放置されたままになっている場合や固定資産税が課税されていない場合など、空き家の所有者を把握することができないことが少なくありません。また、所有者を把握できたとしても、借地・借家や相続に伴うふくそうした権利関係を整理するためには、法律の専門家である司法書士等との協力・連携が欠かせません。 区といたしましては、こうした専門家とも協力・連携をしながら、空き家対策の第一歩である所有者のできるだけ早期の把握に努めてまいります。 次に、空き家対策条例の制定と行政代執行に関する御質問にお答えいたします。 特別措置法におきましては、所有者の財産権を阻害することがないよう、必ず順を追って相当の猶予期間を持って行うことが規定されております。しかしながら、議員御質問のとおり、行政との対話に一切応じない、著しく危険な空き家につきましては、地域の安全性を確保するためにも、法令上の期間を短縮することは難しいものの、速やかに行政代執行への手続を進めることができるよう、他自治体の事例などを参考に検討し、空き家対策条例の早期制定を目指してまいります。 次に、(仮称)老朽化建物除却チームの立ち上げに関する御質問にお答えいたします。 管理不全に陥っている空き家には、議員御質問のとおり、既に多数のネズミ等が発生し、住みついていることが十分に考えられます。このため、区といたしましては、危険な空き家の解体工事を実施する場合には、周辺にお住まいの方々に悪影響を及ぼすことがないよう、ネズミ等の駆除を担う関係部署と密接に連携し、事業者の紹介も含めたその対処方法を検討してまいります。 次に、空き家の利活用に関する御質問にお答えいたします。 御提案の空き家バンク制度は、高齢者などの住まいの確保だけではなく、保育士などの勤労者の確保や社会的弱者への拠点づくりなどへと空き家の利活用の可能性を拡大する策の一つとして大変有用な方法であると考えております。 区といたしましては、他自治体の先行事例や東京都の動向などを参考として、誰もが住みなれた地域で安心して暮らし続けられるように、空き家の利活用による居住支援の仕組みづくりについて、地元の不動産関連団体とも連携しながら、実効性のあるシステムを構築できるよう、総合的な空き家対策計画の策定に合わせ、鋭意検討を進めてまいります。 次に、JR常磐線三河島駅南側のせせらぎの小径の改修に関する御質問にお答えいたします。 せせらぎの小径につきましては、平成三年度に整備したものであり、駅に隣接した区内でも貴重なウオータースポットとして、区民の皆様に親しまれてきました。しかしながら、せせらぎの部分につきましては、供用開始から二十年以上が経過し、施設の破損やひび割れが発生し、全体的に老朽化が進行しております。また、東日本大震災の電力危機による節電対策の一環として、水の流れの運転を停止している状況にございます。 議員の御提案の新たな公園づくりにつきましては、今後、地域の御意見を頂戴しながら、地域の憩いの場や地域コミュニティを形成できる場として有効に機能する公園となるよう鋭意検討してまいります。 次に、桜の木に関する御質問にお答えいたします。 区では、昭和五十四年に桜を区の木として定め、それ以来、積極的に桜を植えてまいりました。街路樹として桜が植えられている歩道設置路線は、現在十九路線でございます。それらの多くは植樹から三十年以上が経過しており、老朽化してございます。 今後につきましては、区内全域を対象に調査を行った上で、地元の皆様に丁寧に説明し、御理解を得られたところから、寿命を迎えつつある桜の更新を図るため、時間をかけて段階的に植えかえの整備を行ってまいりたいと考えております。 また、植えかえると同時に、歩道舗装につきましても、バリアフリーの観点から、安全に安心して通行できるよう、歩道整備を行ってまいります。   〔総務企画部長猪狩廣美君登壇〕 ◎総務企画部長(猪狩廣美君) 西日暮里駅前地域再開発事業のコンセプトに関する御質問にお答えいたします。 西日暮里駅は、多くの鉄道が乗り入れる交通結節点であり、高いポテンシャルを有する場所であると考えてございます。再開発事業を進めるに当たりまして、さまざまな思いを持った数多くの地権者がいる中で、再開発の方向性を集約するため、区としての基本的な考え方をお示しすることは大変重要であると認識いたしてございます。 区といたしましては、これまで各常任委員会で御報告してまいりました西日暮里駅前周辺地域まちづくり構想や区民会館建設可能性調査結果、公共公益施設の整備方針などを踏まえ、再開発事業全体に関する区としての思いや基本的考え方につきましても、早期にお示しできるよう検討を進めてまいります。   〔再開発担当部長松崎保昌君登壇〕 ◎再開発担当部長(松崎保昌君) 再開発検討委員会の設置に関する御質問にお答えいたします。 西日暮里駅前においては、平成二十六年六月に市街地再開発準備組合が設立され、区も権利者の一人として準備組合に加入しており、今後、荒川区全体の発展への寄与ということも見据えながら、具体的な事業計画等について準備組合とともに検討を進める予定でございます。 本再開発は区の施設だけでなく、その他さまざまな施設が複合した計画になると考えられます。検討に当たりましては、各施設の需要の有無、計画の実現可能性などとあわせて、再開発全体の事業採算性も考えながら検討を進めていく必要がございます。 このような事情から、今後新たな組織として再開発検討委員会を設置することは大変難しいものと考えております。再開発に対する議会の皆様の御意見につきましては、常任委員会をはじめ、さまざまな機会を通じて頂戴し、区としての考えをまとめた上で、準備組合とともに検討する体制をとってまいりたいと考えております。 次に、協力事業者の選定基準の策定に関する御質問にお答えいたします。 再開発は、準備組合が主体となって進める事業であり、事業協力者等の選定も準備組合が行っております。西日暮里駅前の再開発においては、区と準備組合とが協力して検討した結果、より透明性を高める進め方をとることとし、事業協力者の選定に当たって、区内では初めて公募型プロポーザルを実施したものでございます。 今後の再開発におきましては、御質問の趣旨を踏まえ、提案の中で、例えばいかに地域に貢献したまちづくりを行う意思があるかを示してもらい、それを評価するといったやり方など、さらによい事業者を選定するための基準について、準備組合とともに鋭意検討してまいります。   〔区民生活部長正木良一君登壇〕 ◎区民生活部長(正木良一君) 西日暮里駅前地域再開発におけるサンパール荒川の機能移転についての御質問にお答えいたします。 サンパール荒川の機能移転につきましては、昨年、西日暮里駅前再開発地区における区民会館建設可能性調査を実施し、同年七月二十二日の福祉・区民生活委員会におきまして調査結果として、駅からのアクセスがよい施設は高い稼働率が見込める点、民間興行の採算性や大規模イベント等の実施等を勘案した場合、大ホールは千五百席程度が必要との報告をさせていただきました。今後より具体的な検討を行ってまいりますが、その過程では、議会報告を丁寧に行い、議会の皆さんの御意見も十分取り入れながら進めるとともに、幅広い層の区民の皆様、さらには専門家等の意見等も聴取させていただく機会を設けるなどして、誰からも愛され、親しまれる施設になるように努めてまいります。 ○副議長(中村尚郎君) 二十四番竹内明浩議員。   〔竹内明浩君登壇〕   〔副議長退席、議長着席〕 ◆二十四番(竹内明浩君) 民進党・市民の会の竹内明浩です。 本日は、会派を代表し、大きく三項目にわたり質問をいたします。 まず初めに、認知症施策について伺います。 高齢者の四人に一人は認知症または予備軍と言われている現在、二〇二五年には認知症患者が約七百万人、五人に一人まで増加すると言われており、今後ますますふえる認知症への対応は国家レベルの重要課題であります。 認知症施策の取り組みに当たっては、行政だけではなく、民間事業者や地域住民らさまざまな主体がそれぞれの役割を果たしていくことが求められており、認知症の人やその家族を支える地域づくりは最重要かつ喫緊の課題であると考えます。 厚生労働省の新オレンジプランでは、認知症高齢者等に優しい地域づくりに向けて、七つの柱のもと、現在取り組みが推進されております。そうした中で、まず第一に力を入れていくべきことは、認知症の人やその家族を地域で支える仕組みをつくること、これが優しい地域づくりにつながっていくと考えます。 荒川区は住民同士のつながりも強く、下町人情の生きる心温かなまちであり、そこの強みを生かしていくべきだと思います。区においても、議会からの意見もあり、全ての地域包括支援センターへコーディネーターとしての役割を担う認知症地域支援推進員の配置等、さまざまな施策が打ち出され、実施されております。これからさらに認知症高齢者に優しい地域を構築するため、より一層の施策の充実が求められると考えますが、区の見解を伺います。 次に、新オレンジプランの第一の柱が「認知症への理解を深めるための普及啓発の推進」であります。その中で、認知症サポーターの養成と活動の支援が打ち出されており、具体的には、二〇一七年までに全国で八百万人とする目標が掲げられております。認知症の人やその家族を支える地域社会づくりには、まず認知症について正しく理解し、認知症の人やその家族を温かく見守り、支援する応援者である認知症サポーターをふやすということは言うまでもありません。荒川区においても、重要課題として取り組むべきと考えますが、現在の認知症サポーター養成の進捗状況はどうなっているのか、また、今後どう推進していくのか伺います。 最後に、認知症カフェ(オレンジカフェ)について伺います。 同じく新オレンジプランの柱の一つには、認知症の人の介護者への支援として、認知症カフェ等の設置が掲げられ、地域の実情に応じた事業が推進されております。認知症になっても住みなれた地域でその人らしい生活を継続できるよう、また、家族の介護負担の軽減を図るため、認知症の本人とその家族、地域住民の誰もが参加できる集いの場が各地域にあるということは必要でございます。 区では、既に地域のキャラバンメイトによって幾つかの認知症カフェが実施され、昨年度には、認知症カフェの実施を支援する補助制度ができたと聞いております。しかし、運営団体からは、補助金を受けるための要件が厳しく、この要件を満たすことが非常に困難であるという声をいただいており、残念なことに、補助制度の条件を満たす活動には育っておらず、実績が上がっていないとのことです。 こうした活動は、実際、ボランティアによって支えられており、認知症カフェを立ち上げること自体大変であり、なおかつ資金面をはじめとするスタッフ集めなど非常に苦労の多い活動でございます。また、立ち上げたとしても、すぐに人が集まるとも限らず、地道に活動を継続し、広報し、徐々に認知されるようになり、そうすることで人々が集い、参加者はもちろんのこと、認知症カフェを運営する側のボランティアも徐々に生まれてくるものと考えます。 やはり軌道に乗るまでは行政の支援が必要となります。そのような実情を踏まえ、区も昨年度より補助金制度をつくったものと理解しておりますので、成果が出始めている今の認知症カフェ活動を支援するためにも、実情に合わせた制度にしていただき、ぜひとも補助金制度を利用しやすいものにし、現在、行われている認知症カフェの支援から始めていくべきだと考えますが、区の御見解を伺います。 次に、二項目めとして、空き家の利活用について伺います。 空き家対策というと、危険な空き家を撤去するという方向性と、まだ使える空き家については利活用を促進していくという二つの方向性がございます。 荒川区は、防災上、防犯上の観点から、空家等対策の推進に関する特別措置法に基づき、区内全域の空き家実態調査を行いました。その結果、空き家棟数九百七十一棟、そのうち利活用が考えられる老朽度ゼロの空き家が全体の二四・四パーセントに当たる二百三十七件との調査結果が報告されました。 この調査結果を踏まえ、近隣住民に被害をもたらす問題空き家ではなく、老朽度ゼロの空き家の利活用について伺います。 空き家の利活用は、平成に入ってからは地域活性やにぎわい創出の観点から、若手のアーティストや飲食店経営者などが歴史的な建造物をリノベーションし、アートギャラリーや飲食店に改装するという取り組みが見られるようになり、自治体によっては近年、空き家をグループホームやケア施設、シェアハウスに改装したりと自治体が抱える課題解決に向け、また、公的スペースとして地域交流の場などとして空き家を利活用する自治体の事例が多数報告されております。 今後、荒川区として、この老朽度ゼロの空き家を利活用するに当たり、区が空き家を直接借り上げてリフォーム等を実施した上で、NPOやボランティア団体等への活動拠点としての場の提供も考えられます。 そこで、提案ですが、区政の課題でもある子どもの貧困対策や高齢者対策への対応として、例えば子ども食堂をはじめとする子どもの居場所やオレンジカフェの拠点とするなど、老朽度ゼロの空き家を活用してはいかがでしょうか。特に子どもの居場所づくりには、拠点の安定的な確保が課題となっております。今後策定する対策計画の中に利活用の選択肢の一つとして、ぜひとも盛り込んでいただきたいと思いますが、御所見を伺います。 最後の質問として、災害時の区内備蓄量について伺います。 このたびの熊本、大分を中心に起きた大地震によって亡くなられた方、被災された方々には、心からの追悼とお見舞いを申し上げるとともに、一日も早い復興をお祈り申し上げます。 二十一年前の阪神・淡路大震災、五年前の東日本大震災と、地震の型や規模は違うものの、私たちは大規模災害を経験いたしました。そこから見えてきた諸課題や経験を教訓とし、今回の熊本・大分地震に生かされました。例を挙げると、それは緊急時の支援物資の供給方法と輸送体制でございます。従来は被災地のニーズに応じて物資を供給するプル型を基本としていました。東日本大震災では、その方法では支援物資が届かないといった事態や遅配が起こりました。その教訓から、災害対策基本法が見直され、備蓄する物資や資材が不足し、支援対策が迅速に行えないほどの緊急を要する場合には、被災地からの要請がなくてもニーズを予測して物資を供給するプッシュ型が取り入れられたこと、また、物資の輸送体制においては、いかに作業効率を上げられるかという視点から、被災地に集積拠点を置くのではなく、被災地の外に置き、仕分けは民間業者に頼むなど、過去の教訓が生かされました。しかし、その一方で、行政側の課題も見えてきたと思います。 今回の熊本地震直後において、多くの避難所で食料不足が問題化いたしました。食料不足に陥った避難所を抱える自治体は、事前に協定を結んだ業者から災害時に物資を調達する流通備蓄を採用していたため、交通網の寸断で物資の入手が困難になり、結果的には避難所が深刻な食料不足に陥ってしまったという状況があり、やはり最悪な状況も想定し、流通備蓄に頼るだけではなく、現物備蓄の備えも必要であるとの考えから、政府の防災基本計画は各家庭での備蓄を促すとともに、地方自治体に対しては、大規模災害発生時の初期の対応に十分な量の物資の備蓄を要請しております。 外部から支援が受けられるような時期や孤立のおそれなど地理的条件も踏まえて、必要とされる食料などについて、あらかじめ備蓄、調達、輸送体制を整備し、物資供給計画を定めておくとしております。 もちろん大規模な災害に備えて、各家庭でも最低でも三日分の水や食料を備蓄しておく自助努力は必要であると考えます。確かに行政側も、限られた財源の中で予算上の優先順位や備蓄倉庫の広さといった問題があることは重々承知をしておりますが、物資をダブルに備えておくことは言うまでもありません。 そこで伺います。 荒川区においては、年々人口が増加しております。東日本大震災が発災した五年前に比べ、約六千人以上増加しております。人口増加に伴い、それに合わせた備蓄量もふやしていることとは思いますが、現在の荒川区の備蓄量は具体的にはどのようになっているのか伺います。 以上、三点にわたり質問いたします。どうぞよろくお願い申し上げます。   〔区長西川太一郎君登壇〕 ◎区長(西川太一郎君) 竹内議員の御質問にお答えを申し上げます。 まず、私からは、認知症の方やその家族を支える地域づくりに関する御質問にお答えを申し上げます。 国の推計によりますと、我が国の認知症高齢者の数は、平成三十七年には約七百万人、六十五歳以上の高齢者の五人に一人に達すると見込まれております。今や認知症は誰もがかかる可能性のある身近な問題であり、国は昨年一月に認知症施策推進総合戦略、新オレンジプランを掲げ、認知症の方の意思が尊重され、できる限り住みなれた地域で暮らし続けることができる社会の実現を目指して実施を推進しております。 私が区長に就任したばかりのある夜、サンパール荒川の前で高齢の女性に道を尋ねられ、お答えしていたところ、御自宅がわからず、迷われていることに気づきました。寒い時期でもあり、これは何としても御自宅にお送りしなければという思いで、急遽関係機関に連絡をとり、無事に御家族のもとにお届けすることができました。この経験は、いまだに忘れることができません。 昨今、御高齢の方が行方不明になるなどの報道に接するたびに、御本人の不安感、そして御家族の御心配など、察するに余りあるものであり、家族だけの介護には限界があることから、公的なサービス、さらには地域社会全体で支えることが不可欠な時代に入っていると実感しております。 このため、私は、これまで議会から御提案や御意見がございましたが、それらを踏まえて、認知症への理解を深めるための普及啓発の推進や発症予防の推進、早期発見、早期診断のための体制整備等、認知症の様態に応じた医療、介護等が提供されるよう、施策の充実を図ってまいりました。 荒川区は、下町の人情味あふれる心温かいまちであります。道で行き合えば挨拶を交わし、困った人がいれば声をかける、そのような人と人とのつながりがまだ生きている地域であります。 今後とも、議会はもとより地域を構成する町会をはじめとした関係機関や団体、そして区民の皆様の御理解、御協力を推進力として地域力を高め、認知症の方やその御家族が住みなれた地域で安心して暮らせる生涯健康都市の実現を目指して取り組んでまいりたいと存じます。 竹内議員の御質問のこの答弁以外のことにつきましては、関係理事者から答弁を申し上げます。   〔福祉部長片岡孝君登壇〕 ◎福祉部長(片岡孝君) 認知症施策に関する御質問のうち、認知症サポーター及び認知症カフェに関してお答え申し上げます。 認知症サポーターにつきましては、平成十九年度から養成講座を開始し、平成二十七年度の実績で申しますと、開催回数五十七回、千八百六十三人の方が受講されております。これまでの累計受講者数は約九千人となっているところでございます。 区といたしましても、認知症サポーターの養成は、認知症の方やその家族を地域で支えるために重要であると考えており、引き続き力を入れて取り組んでまいります。 本年十一月には、認知症疾患医療センターであるあべクリニックとの共催で「荒川認知症サポーター一万人プロジェクト」と銘打ち、サンパール荒川の大ホールで養成講座を開催する予定でございます。 また、本年四月、各地域包括支援センターに配置いたしました認知症地域支援推進員が中心となり、地域の団体等に呼びかけを行っておりまして、講座の開催を希望する声が現在ふえている状況にございます。 あらかわケーブルテレビでは、「あらみぃの知って安心認知症」というミニ番組も開始するなど、今後もさまざまな場面で認知症サポーターの認知度を上げるとともに、その養成を行ってまいります。 認知症カフェの補助制度につきましては、現在、区といたしましても、補助の対象や内容について、キャラバンメイトの方々の御意見も踏まえ、見直しを進めているところでございます。区民の方々の自主的な活動をより効果的に支援できるよう整備してまいります。   〔防災都市づくり部長松土民雄君登壇〕 ◎防災都市づくり部長(松土民雄君) 空き家の利活用に関する御質問にお答えいたします。 区では昨年度、区内全域を対象とした空き家実態調査を実施し、約九百七十棟の空き家の存在を確認いたしました。その中で、議員御質問のとおり、約二百四十棟につきましては、耐震改修やリフォーム工事を行うことにより、十分活用できる空き家もあると考えてございます。 現在、この調査結果を受けまして、老朽度の高い空き家につきましては、地域の安全性を確保する観点から、除却の促進を図っていくこととし、老朽度が低い空き家につきましても、予防保全に資する施策や利活用に向けた施策を検討していくものとして、これらの施策を含めた空き家等対策計画の策定を進めているところでございます。 区といたしましては、議員からの御提案がありました空き家の利活用による子どもや高齢者、認知症の方の居場所づくりにつきましても、この対策計画を策定する段階において、関係部署とも協議をしながら検討してまいります。   〔区民生活部長正木良一君登壇〕 ◎区民生活部長(正木良一君) 荒川区の備蓄状況に関する御質問についてお答えいたします。 荒川区の備蓄物資につきましては、東京都の申し合わせに基づき、区が一日分、東京都が二日分の備蓄を行うこととなっております。現在区では、想定避難者数十一万六千五百人に対し、アルファ化米、乾パン、クラッカー等を一日三食分で計算し、約三十五万食確保してございます。 なお、給水については、五百ミリリットルボトルで換算し、七万七千本のペットボトルがございますが、これとは別に、全区民の皆様が一日三リットルで三日分で計算した必要量の飲料水を南千住給水所と日暮里南公園応急給水槽で十分確保することができております。これに加え、民間企業等との災害時の協力業務に関する協定等により、食料等の確保策も講じておりますので、避難者の皆様に十分な食料等を提供できる体制が整備されているものと考えてございます。 なお、区民の皆様にも三日間の食料や水につきまして日常備蓄を行うなど、自助により対応するよう日ごろからの備えにつきまして、区報等で呼びかけているところでございます。 今回の熊本地震では、救援物資が全国各地から届けられたものの、各避難所に広く行き渡らなかった事案があったとの報告等もなされております。区といたしましては、これらの教訓を生かし、各避難所に必要な物資を速やかに搬送できるよう、災害時における救援物資の受け入れ体制及び各避難所への搬送体制等の構築にも努めてまいります。 ○議長(並木一元君) 二十三番藤澤志光議員。   〔藤澤志光君登壇〕二十三番(藤澤志光 君) 二十三番藤澤志光です。 平成二十五年十二月に国家戦略特別区域法が成立いたしました。まもなく三年目を迎えるような形になるわけですが、国家戦略特区の取り組みについて、まず第一に質問させていただきます。 都のこれまでの認定実績は四十五件であります。内訳は、都市再生二十一件、創業二件、外国人材一件、観光一件、医療十五件、保育四件、雇用一件であります。 保育については、都市公園内の保育所設置特例ということで、荒川区の都立汐入公園内に百六十二人の認可保育所を皮切りに、世田谷区には都立祖師谷公園内に八十人の認可保育所と都立蘆花恒春園内に九十六人の認可保育所を、品川区では、区立西大井広場公園内に百人の認可保育所と、いずれも平成二十九年四月一日開設を目指して進められております。 荒川区では、今後、区立宮前公園内にも保育園の建設を計画しており、用地難解消のために、荒川区のみならず、二十三区の保育園建設促進に西川荒川区政が進めた保育所設置特例は、東京都でも大きな評価がされております。 都市再生の中では、都市計画法等の特例で認定されたものは十三件、エリアマネジメントに関する道路法の特例で認定されたものが七件、自然由来特例区域における土壌汚染に係る認定調査の特例で認定されたものが一件であります。 都市計画法の特例は、プロジェクトの関連都市計画の策定主体を区域会議に一元化、国・都・区間の法定協議との手続の省略化を行い、関係者間の意思決定のスピードアップ化を図る法的スキームを実現しております。 そのスキームのものと、全てのプロジェクトについて、あらかじめ都市計画決定の目標時期を区域会議において設定を行い、プロジェクト関係者に時間軸を示すことにより、目標達成に向けたスケジュール管理、調整のスピードアップ化を促しております。 新駅、バスターミナル等の交通結節機能、MICE機能、ビジネス交流機能等の強化に資する国際競争力強化プロジェクトをスピーディーに実現することを図っております。 現在、特区対象プロジェクトは東京都で二十八あり、東京駅・有楽町駅周辺で十二、虎ノ門地区で七、浜松町駅周辺で三、田町・品川駅周辺で二、その他臨海副都心有明、西新宿二丁目、豊島区庁舎跡地、羽田空港跡地であります。これら全体で約十兆円経済波及効果が見込まれております。 そのほとんどが国際金融、ライフサイエンス、バスターミナル、MICE関係、新駅、ビジネス環境改善関係等であり、また今後追加される都市再生プロジェクトの対象地域は、池袋駅、新宿駅、渋谷駅周辺で進むのではないかと思います。 しかしながら、国は全国で百カ所を目標としている中、東京都では最低でも五十カ所は目指さなくてはならないとの決意を持っておるようであり、荒川区でもこの機会に一つでも特区対象の都市再生プロジェクトを目指すべきと思います。 先般、バスタ新宿が開業いたしました。東京駅周辺の八重洲一丁目六、八重洲二丁目一、八重洲二丁目中、八重洲二丁目南、また、虎ノ門一丁目の開発はいずれもバスターミナル関係のあるプロジェクトであります。特に八重洲のターミナルは、国際空港や地方都市を結ぶ大規模バスターミナルであり、観光バスの発着所で銀座への玄関口、整備を目的としたものであることを考えると、荒川区でも日暮里駅前のバスターミナルを下町、浅草、スカイツリーの玄関口、東北道、常磐道への観光バスの発着を考えて、駅前広場と放射十一号線間の一体開発を行い、大規模な地下バスターミナルを備えた都市再生プロジェクトを考えるべきと思います。 この地域は、かねて建蔽率八〇パーセント、容積率七〇〇パーセントであり、既に堅固な高層ビルが一部建っております。もちろん事業採算性がなくてはいけません。大きなプロジェクトを立ち上げ、交通の結節点である日暮里を、より価値を高め、荒川区発展の起爆剤にすべきと思います。 また、二十八の都市再生プロジェクトの中で、バスターミナル関係の事業主体は、三井不動産、東京建物、鹿島建設、ヒューリック、住友不動産が事業主体として単体もしくは複数で進めております。もしプロジェクトを立ち上げようとすると、立派にやり遂げる業者を事業主体にしなくてはなりません。もちろん、経済産業副大臣を務めた西川区長だからこのような提案をしておりますが、区は今後検討する用意はあるのかどうか、伺います。 次に、エリアマネジメントに係る道路法の特例による都市型MICE・観光の推進について伺います。 これまで都内では七地区において地域特性を生かした国際イベント等が展開されております。まず最初に、平成二十七年三月十九日認定の丸の内中通り・行幸通りです。昨年九月二十五日に開催された「JAPAN NIGHT二〇一五」においては、一日二時間程度で経済波及効果は約五億円あったとされています。実施主体は大手町・丸の内・有楽町地区街づくり協議会等でありますが、概要は観光庁、社団法人日本政府観光局、公社の日本観光振興協会、一般社団法人日本旅行業協会が展開する「ジャパン・トラベル・ウイーク」の開会セレモニーであり、ねぶたとステージ等が設置されたもので、来場者数は約五千人でありました。 次に、平成二十七年六月二十九日に認定されたものは三カ所あり、都庁前の新宿副都心街路、大崎駅周辺街路(夢さん橋)、蒲田駅周辺街路(さかさ川通り)であります。 新宿副都心街路では、昨年十月二十二日から三十日まで、実施主体、新宿副都心エリア環境改善委員会で歩道空間でのキッチンカーによる飲食販売、各ビルでのイベント実施等が行われ、露店、ベンチ等が設置されました。来場者約一万五千人。 大崎駅周辺街路では、「しながわ夢さん橋二〇一五」として、十月十日から十二日まで、実施主体、大崎エリアマネジメント等で、青空バザール、手づくりフェスタ等が行われ、設置したものは露店、ベンチ等でありました。来場者は約七万人。 蒲田駅周辺街路では、「おいしい収穫祭二〇一五」として、十一月十六日から十八日まで、実施主体、「さかさ川通り-おいしい道計画-」が行ったが、概要は地域飲食店有志による特設店舗、マルシェであり、設置したものは露店、ベンチ等でありました。 平成二十七年十一月二十七日に認定された自由が丘駅周辺街路については、実施主体は自由が丘商店街振興組合で、ことしのゴールデンウイークに実施され、約一万二千人の来場者がありました。 平成二十八年四月十三日に認定されたイベントとして、一般社団法人日本橋室町エリアマネジメントが実施主体となり、日本橋仲通り・江戸桜通りが、また、実施主体、グリーン大通りエリアマネジメント協議会で池袋駅東口グリーン大通りがエリアマネジメントに係る道路法の特例として認定されました。 荒川区でも、都立汐入公園での川の手荒川まつりで、ことしは強風があって途中から中止しても五万五千人、一昨年は七万二千人と区民の参加がありました。さらに、道路整備ができているこの地域を生かして、荒川区民だけでなく、広域から人の集まる戦略特区のエリアマネジメントに係る道路法の特例で認定されるイベントの拡大を図るべきと思います。 また、汐入公園を含むこの地域で、新たに民間で広域的なイベントが提案されたら、区として支援すべきだと思いますが、区はどう考えておりますか。 ちなみに、エリアマネジメントに係る道路法の特例では、道路管理者と警視庁との調整が必要であります。また、その調整を通じ、民間事業者に自由度をなるべく与えてやることが重要であるということが言われております。 次に、永久水利深井戸の利用についてお尋ねいたします。 昨年七月に区立荒川公園内に、本年四月に日暮里公園内に深井戸の永久水利施設を開設しました。平成二十八年、平成二十九年の夏休みを利用して赤土小学校にも設置されることになっています。 これら永久水利施設は、環境確保条例第百三十四条第三項六号による「非常災害用等公益上必要と知事が認める揚水施設」となっており、しかも、この条文の扱いは、事務処理特例で区の事務となっております。 そこで、お尋ねいたします。非常災害用等、公益上必要と知事が認める状態とはどのような状況を言うのですか。 近隣の区民は、この施設設置によって安心を抱くと同時に、その利用についても多くの期待を抱いております。大震災時に火災が発生し、他の水利が使えないときにこの施設が使われるのは当然だが、川の水と違い、震災時に水道が断水しても、飲料水、生活用水として使えるね、また、平時にこれら施設の近くで火災が発生したときも使えるんじゃないか、また、渇水がひどく、プールの水の使用制限や植物への水やりや道路への散水が制限されても、深井戸があれば水は安心だとの声も区民から聞こえてきます。 ことしは群馬県の七つのダムと渡良瀬遊水池の貯水量は、冬場の降雪量が少なく、梅雨時には異例の六月十六日から一〇パーセントの取水制限が始まっており、今後二〇パーセント以上の取水制限が始まると、農業用水に大きな影響が出ることが伝えられています。 渇水期に異常な水不足になり、生活用水に事欠くようになった場合に使用を許可するのかしないのか、区の事務として区民に明示しておくことが必要と思います。 ちなみに、東京都は、利根川水系の群馬県の七つのダムのうち、矢木沢ダム、下久保ダム、草木ダム、奈良俣ダム、渡良瀬遊水池に水利権を持っておりますが、藤原ダム、相俣ダム、薗原ダムには全く水利権がありません。また、荒川水系では、埼玉県の浦山ダム、滝沢ダムに水利権を持ち、その他暫定水利権など不安定な水源を利用させてもらい、利根川水系から約八〇パーセント、荒川水系から約二〇パーセントの取水をしておるわけであります。そのほかに相模川の水を日量二十万トン、神奈川県と川崎市に年間何と十七億八千万円も支払って買っています。 これらの源水は、相手の事情でいつでも打ち切られることになります。異常気象が続くと、都の独自水源とも言える四つの利根川水系の水と多摩川水系の小河内ダム、山口貯水池への依存度が一〇〇パーセントになり、異常気象による長期間の渇水が続けば、制限給水により生活用水の利用に事欠く事態も全くなくはないと思います。 そのときになってからの対応ではなく、今から原案を策定し、区議会で諮り、条例をつくり、区民のコンセンサスを得るべきだと思います。せっかくいい施設をつくっても、いざというとき、それ以前にその機器を最高に機能させるために、平時でも試験運転などをすることを考えてみますと、そうしたものを見て、区民が誤った判断をするような、そういう誤解を与えるようなことを避けるべきだというふうに思い、このことを質問いたした次第でございます。 以上で第一回目の質問を終わります。   〔再開発担当部長松崎保昌君登壇〕 ◎再開発担当部長(松崎保昌君) 日暮里駅前の地下バスターミナル整備に関する御質問にお答えいたします。 日暮里駅前においては、平成十四年度から平成十五年度にかけて、日暮里駅交通結節点調査検討会を設置し、日暮里駅周辺を広域的な複合拠点にふさわしいまちとして再編整備するための方向性や実現のための方策などに関する検討を行っておりました。その中で、駅前の地上部にバスターミナルを導入することについても検討した経過がございます。当時、事業性の問題など、さまざまな事情から実現に至らなかったものであります。 議員お尋ねの駅前に地下バスターミナルを整備することにつきましては、地下への車路をどのように確保するかや、地下のインフラ等の障害物の問題など、さらに多くの課題があると考えております。 都内の大規模なバスターミナルといたしましては、御質問にもありましたとおり、平成二十五年十二月、東京駅八重洲南口にJR高速バスターミナルが開業いたしました。また、平成二十八年四月、新宿駅南口に新宿南口交通ターミナル、通称バスタ新宿が開業するなど、新たなバスターミナルの拠点が整備されたところでございます。 さらに、東京駅八重洲口前に数年後の開業を目指して大規模なバスターミナルも計画されております。区といたしましては、今後、このようなバスターミナルの運用動向を注視してまいりたいと考えております。   〔総務企画部長猪狩廣美君登壇〕 ◎総務企画部長(猪狩廣美君) 国家戦略特区に関する御質問のうち、エリアマネジメントについてのお尋ねにお答えいたします。 従来、道路の占用は、道路の敷地以外にスペースがないなど、やむを得ない場合にのみ許可されておりましたが、国家戦略特区制度を活用することにより、その要件を除外することができるようになりました。その結果、国際的なイベントの実施やオープンカフェの設置など広く道路空間の利用が進んでございます。 現在、東京圏において、丸の内仲通りや池袋東口グリーン大通り、新宿副都心四号線など、主に都心ターミナル駅など人が多く集まる七区域が特区認定を受け、歩道空間でのキッチンカーによる飲食販売や音楽イベントなどの開催により、まちのにぎわい創出につなげていることにつきましては、認識しているところでございます。 御質問の汐入地域の道路を利用したイベント開催につきましては、通勤・通学者などの往来も多く、路線バスの定期的な運行があるなどの課題もあることから、区といたしましては、地元町会等の御意見も踏まえつつ、特区制度の活用について研究を行ってまいりたいと考えてございます。   〔区民生活部長正木良一君登壇〕 ◎区民生活部長(正木良一君) 地下水を活用した永久水利施設、いわゆる深井戸の利用についての御質問についてお答えいたします。 深井戸は、御質問のとおり、区が非常災害用の揚水施設として整備し、運用、管理しているものでございます。御質問の公益上の必要性を満たす状態でございますが、これは地震等により上水道が不通になった際、永久水利施設を利用して、多くの区民の生命を守るという公益上の必要でございます。 運用に当たりましては、東京都環境確保条例に基づき、非常災害用であることから、非常災害時以外の利用は基本的には制限されるものであると考えてございます。 永久水利施設の活用につきましては、上水道に頼らない防火水槽への継続的な流水手段の確保として、消防署、消防団及び防災区民組織が連携し、遠距離送水活動等に当たることになっております。また、通常の火災時への活用につきましては、消防署との協定に基づき、消防隊が水利として使用できるものとなってございます。 区といたしましては、今後の永久水利施設の適正な運営を行うに当たりましては、現行の都条例や協定等の範囲内で十分運用できるものと考えてございますので、御理解のほどをよろしくお願いいたします。 ○議長(並木一元君) 残余三分三十秒です。二十三番(藤澤志光 君) 大変申しわけないんですが、自席で質問をさせていただきます。 永久水利の問題につきましては、先ほど質問をさせていただきましたけれど、要するに、管理運営については、もう事務移管されているわけですから、区がやればいいことなんですけれど、しかし、平時において、例えば非常時に使えるようにならし運転やなんかをやって水を流したりいろいろしている。だけど、実際に水に困ってかなり制限されているというような状況の中で、あのとき水を流したのに今、使えないのかと、もう植物が枯れちゃうよなんていう話が出てきたときに、せっかくつくっても区民に承知してもらえるという、非常災害用にのみ使えるんだということをきちんと承知してもらうという意味合いでの、それは条例じゃなくても結構だけれど、区民に対してきちんと理解を求めておくということは必要なんじゃないかなと。その水がきれいであればあるほど、いざというときには使えるんだよという気持ちがある中では、そういうような配慮も必要じゃないかということで質問させていただきます。もう一度この件についてどのように考えるのか。そんなことは無視して、適切に区がやるべきときにはやるんだからそれでいいじゃないかというのだったら、それはそれで結構だと思いますけど、御答弁を一応お願いしたいと思います。 それから、あと、日暮里駅交通結節点調査検討会、これは運輸省と建設省が合体して、直後につくったやつなんですけれど、両省出身の国土交通省の方の参加、それから、東京都からは都市計画局の都市計画課長だったですか。現在の辺見都市整備局長やなんか、またはJR等が参加してやったところでありますけれど、その当時と比べて、東京スカイツリーができたとか、あるいは日暮里・舎人ライナーが入ってきちゃったとか、いろんな条件が変わってきてはおりますけれど、やっぱり検討すべき課題ではないかなというふうに思っているものですから、再質問をさせていただきます。   〔区民生活部長正木良一君登壇〕 ◎区民生活部長(正木良一君) 永久水利施設は基本的には災害時のみに利用していただくということにつきましては、防災区民組織の皆様等にも日ごろから御説明を申し上げていることでございます。 議員おっしゃいましたように、これにつきましては、区に一定程度の裁量権があり、使用方法につきましては、今後も検討を重ねてまいりますが、基本的には災害時の利用ということを今後も引き続き周知を図ってまいりたいと考えてございます。 ○議長(並木一元君) 以上で本日の質問は終わります。 以上をもちまして本日の日程は全部終了いたします。 お諮りいたします。 本日はこれをもって散会いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(並木一元君) 異議ないものと認め、そのように決定いたします。 次回の本会議は、明日午前十時から再開いたします。 本日はこれをもって散会いたします。まことにお疲れさまでした。   午後二時三十九分散会...