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平成30年第1回定例会(第2号 2月20日)

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  1. 豊島区議会 2018-02-20
    平成30年第1回定例会(第2号 2月20日)


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    最終取得日: 2023-03-30
    平成30年第1回定例会(第2号 2月20日)         平成30年豊島区議会会議録第2号(第1回定例会)   平成30年2月20日(火曜日)  議員定数 36名  出席議員 35名       1  番    ふるぼう知 生       2  番    石 川 大 我       3  番    小 林 弘 明       4  番    池 田 裕 一       5  番    藤 澤 愛 子       6  番    有 里 真 穂       7  番    松 下 創一郎       8  番    村 上 典 子       9  番    森   とおる       10  番    清 水 みちこ       11  番    ふ ま ミ チ       12  番    根 岸 光 洋       13  番    西 山 陽 介       14  番    辻     薫
          15  番    星   京 子       16  番    細 川 正 博       17  番    芳 賀 竜 朗       18  番    磯   一 昭       19  番    永 野 裕 子       20  番    藤 本 きんじ       21  番    儀 武 さとる       22  番    小 林 ひろみ       23  番    島 村 高 彦       24  番    高 橋 佳代子       25  番    中 島 義 春       26  番    木 下   広       27  番    河 原 弘 明       28  番    里 中 郁 男       30  番    竹 下 ひろみ       31  番    村 上 宇 一       32  番    吉 村 辰 明       33  番    大 谷 洋 子       34  番    山 口 菊 子       35  番    渡 辺 くみ子       36  番    垣 内 信 行  欠席議員 なし ────────────────────────────────────────  説明のため出席した者の職氏名       区  長    高 野 之 夫       副区長     水 島 正 彦       副区長     宿 本 尚 吾       政策経営部長  城 山 佳 胤       総務部長    齊 藤 雅 人       危機管理監   今 浦 勇 紀       区民部長    佐 藤 和 彦       文化商工部長  小 澤 弘 一       環境清掃部長  齋 藤   明       保健福祉部長  石 橋 秀 男       健康担当部長  常 松 洋 介       池袋保健所長  佐 藤 壽志子       子ども家庭部長 金 子 智 雄       都市整備部長  奥 島 正 信       地域まちづくり担当部長               宮 川 勝 之       土木担当部長  石 井   昇       会計管理室長  佐 野   功       ──────────────────       教育長     三 田 一 則       教育部長    天 貝 勝 己 ────────────────────────────────────────  職務のため議場に出席した事務局職員の職氏名       事務局長    栗 原   章       議会総務課長  渡 辺 克 己       議会担当係長  七 尾   弘       議会担当係長  関 谷 修 弘 ────────────────────────────────────────   議事日程 ・会議録署名議員の指名 ・一般質問 ────────────────────────────────────────   会議に付した事件 ・会議録署名議員の指名 ・一般質問   吉村辰明議員「気概をもって『区民のいのち・絆』を大切に」   島村高彦議員「協働と連携で創る豊島の未来」   森 とおる議員「池袋周辺に集中した開発優先の予算から、区民の命と暮らしを守る     予算に再編成を」   永野裕子議員「未来へと花咲く豊島のために」 ・会議時間の延長 ────────────────────────────────────────   午前10時開議 ○議長(木下 広) これより本日の会議を開きます。 ───────────────────◇──────────────────── ○議長(木下 広) 会議録署名議員を御指名申し上げます。34番山口菊子さん、35番渡辺くみ子さん、36番垣内信行さん、以上の方にお願いいたします。 ───────────────────◇──────────────────── ○議長(木下 広) これより一般質問を行います。  発言通告に基づき、順次これを許可します。  まず、32番議員より、「気概をもって『区民のいのち・絆』を大切に」の発言がございます。   〔吉村辰明議員登壇〕(拍手) ○32番(吉村辰明) 私は、自由民主党豊島区議団を代表し、「気概をもって『区民のいのち・絆』を大切に」と題して一般質問を行います。  本年、平成30年は、明治維新150年に当たります。江戸幕府の廃止と新政府の樹立宣言である王政復古の大号令が行われたのは慶応3年、西暦では1868年の1月3日。つまり、今年は節目の年であります。昨年から明治維新の意義を考えるシンポジウムが開かれるなど、西欧帝国主義の外圧が迫る中、日本を守った明治の精神を後世に伝えたいとの動きは既に始まっているが、維新ブームはこれからもさらに盛り上がると思います。特に維新の原動力となった薩長土肥、鹿児島、山口、高知、佐賀の4県は、偉人にまつわる観光地PRに力を入れるなど、お祝いムードが高まっています。維新立役者の1人、西郷隆盛を主人公にしたNHK大河ドラマ「西郷どん」も始まっています。一方で、戊辰戦争で敗北し、辛酸をなめた会津、福島県には、長州に対するわだかまりから、このブームを冷ややかに見ている人が少なからずいます。  歴史には二面性があります。その評価は立場の違いだけではなく、社会状況によって変わってきます。維新100年だった昭和43年と現在を比較すると、それがわかりやすいです。50年前と言えば、日本は高度経済成長期の真っただ中で、それが文明開化路線への礼賛につながっていました。  しかし、時代は大きく変わりました。今は脱温暖化や自然保護が重要課題となるに伴い、自然征服型の西洋文明と近代合理主義への反省、そして、自然との共生を進めた江戸文化への再評価が生まれています。江戸も明治も今に多くの遺産を残していますが、日本の未来を考える場合、最も目を向けるべきは、幕末から明治の指導者が国家存続の危機に武士の魂と私心なき志を持って向き合ったということではないでしょうか。  さて、いよいよ新年度の予算を審議する定例会を迎えました。第一に、平成30年度当初予算について質問いたします。  一般会計当初予算は1,246億4,900万円で、過去最大。一般会計と3特別会計を合わせた予算規模でも、1,833億8,000万円は過去2番目に大きい財政規模であります。平成バブル経済がはじけた後、失われた15年、あるいは20年などと言われ、長期にわたるデフレ経済の影響を受けながらも、豊島区は改革に次ぐ改革で行政サービスの水準を維持してまいりました。日本経済は、リーマンショックによる金融危機の後遺症もある中、東日本大震災によるマイナス成長を乗り越え、そこから回復基調のまま今日に至っております。これら回復には、経済成長率、失業率の改善が雄弁に物語るように、アベノミクスが大きく寄与したと言わなければなりません。  さて、私は、昨年のこの定例会においても、財政運営のあり方を質問しております。「入るを量りて出ずるを制す」を財政運営の基本とするべきとして、質問させていただきました。その入りのうちの特別区民税でありますが、当初予算案の説明においては、ここ数年にわたる納税義務者数の増加により、大きく伸びているとのことであります。本区の今後の財政運営のあり方を論ずるに当たり、区税収入がどれほど伸びていくのかの予測は最も肝心な論点と言わなくてはなりません。本区の納税義務者数の増は、まことに喜ばしい状況でありますが、納税義務者数の増による増収分はどれほどになるのか、お示しください。人口の転入増による分と収入増による分に分けてお知らせいただければ幸いです。  さらに、区の説明では、今後の特別区民税は、31年度は2億円増、32年度は3億円増とさらに伸び続けると見ているようでありますが、これらの増加予測は、納税義務者数の増、あるいは景気の回復による所得の増、それぞれどれぐらいを見込んでいるのでしょうか。また、納税義務者数の増は今後、何年にわたり続くと見ておられるのでしょうか。今後の特別区民税の収入の増減について、現時点での予測をお示しください。  一方、特別区民税の増には大きな障害があります。ふるさと納税による税の流出問題であります。人口の増加により納税義務者数の大幅な増を見込む一方で、ふるさと納税による寄附金控除額の減収は、29年度6億5,000万円から30年度8億1,000万円に拡大するとのことであります。ふるさと納税制度は、東京や愛知などの地方交付税の不交付団体を狙い撃ちにするような制度であり、区に与える打撃の大きさは、もはや看過できない状況に達しているとも言えます。ふるさと納税なかりせば、30年度は18億円もの税収増となっているとのことですが、そこで伺います。  ふるさと納税による減収が8億1,000万円とさらりと言ってしまえば、それまでではありますが、これが仮に税収が減少に転じた局面においての打撃であれば、大変なことになるのではないでしょうか。そうでなくても、8億円もの減収は、それだけで、既に一大事であるはずではないでしょうか。特別区長会がふるさと納税に対し、再三抗議の声を上げてきたわけではありますが、各特別区も何もしないで、ふるさと納税により税収が流出するのをただ見ているというわけには、もはやいかないのではないでしょうか。  そこで伺います。来年度は、ふるさと納税による流出が今年度より1億6,000万円も増加すると見込む根拠は何でしょうか。また、特別区におけるふるさと納税の流出状況はどのようになっているのでしょうか。特に平成29年度において、ふるさと納税により1億円以上収入のあった区はあるのでしょうか。特別区において、積極的にふるさと納税キャンペーンを行っている区があるのかどうか、お答えください。  その上で、伺います。本区は、平成30年度ふるさと納税キャンペーンを積極的に行う予定はあるのでしょうか。また、積極的にキャンペーンは打たないまでも、杉並区のように他団体へのふるさと納税により区が税収減となる状況を説明するなど、区民の皆様に向け、「ふるさと納税を思いとどまる」などのキャンペーンを張ることは考えておられないでしょうか。  次に、予算規模最大の要因について伺います。  30年度予算が過去最大の予算規模となった要因は、前年比73億円の増が示すように、投資的経費212億円にあるということになりそうです。確かに前年度予算対比で事業費が7億円増、人件費は1億円減ということであれば、投資的経費73億円増が突出して多いようにも見えます。しかしながら、投資的経費の増がそれほど多いと言えるかどうかはよく考えてみる必要があるのではないでしょうか。ここで私たちは、平成バブル経済と言われた時代の財政を思い出す必要があります。バブル経済がまだはじける前の平成3年度の投資的経費は341億円、平成4年度のそれは330億円でした。投資的経費212億円というのは、バブル時を比べれば、それほど大きな数字でもありません。バブル崩壊以来、人件費が長期にわたり抑制されている中の財政規模が過去最大級となったのは、事業費が増大化したこと、つまり、人件費以外の義務的経費や一般行政経費の増大化こそが財政規模増大の要因であると言うべきではないでしょうか。ともすれば、投資的経費の増大が問題とされがちですが、むしろ義務的経費と一般行政経費の増大化の要因こそが分析され、説明されるべきと考えます。平成17年度と比較いたしますと、扶助費は151億円であったものが30年度は362億円と211億円の増、一般行政経費では、同じく17年度が317億円であったものが416億円と99億円の増、これら合わせて310億円も増えています。  そこで伺います。過去最大の予算規模となったとする予算でありますが、平成17年度以降、事業費が270億円も増大化した要因をお聞かせください。  次に、基金残高と起債残高についてお伺いいたします。  事業費が増大化してきた財政構造の変化の中で、今後、投資的経費がどれぐらい増えていくのか、投資の必要性と将来負担のあり方について考え方が示されなければならないと考えます。投資額は、30年度より31年度のほうがはるかに大規模になっています。また、32年度以降の投資需要についても注意が必要になってきます。そこで、基金残高と起債残高の推移を見ますと、平成27年度に起債残高208億円と底を打ちましたが、平成30年度には310億円となる見込みで、平成25年度以降、基金残高が起債残高を上回る状況から、31年度には基金残高が起債残高を下回る状況になります。基金残高を増やすことは、今後の財政運営を行っていく上で安心材料であることは確かですが、必要なときには財源として活用しなくてはなりません。基金、とりわけ財政調整基金、公共施設再構築基金、義務教育施設整備基金の3つの基金の合計額は平成29年度で342億円との説明を受けました。  そこで伺います。今後5年の間で見れば、これら3基金の合計額ではどのように増減があるのか、お示しください。また、今後も基金を増やしていくとすれば、何を原資に積み増し、また、その積み増す目標額の考え方をあわせてお答えください。  次に、起債について伺います。  来年度に控える大規模な投資的経費に対しては、基金投入と起債による対応により賄われるものと想定されます。起債はバブル経済のころのような金利とは比べることもできないほどの低金利となっている現在、その活用により公共財を大規模に調達する、あるいは将来世代と現世代との負担をより公平なものとする意味において、ある意味、好機であると見ることが可能です。より端的に言えば、ゼロ金利時代の財政経営という視点からは積極的に起債すべきときとも言えます。そこで、起債について、今後どのように活用していくのかの方針をこの際、明らかにしてほしいと思います。  第二に、ワークスタイル変革について質問いたします。  昨年も、超過勤務の縮減に関連して、ワークスタイル変革の中身を題材とした質問をいたしました。平成28年中から取り組んだワークスタイル変革は、超過勤務手当の縮減で8,000万円余の財政効果があったとの報告が白書によりなされました。増え続けていた職員の超過勤務の状況を転換させたことは画期的なことと思われます。そればかりか、29年度には、ずれ勤務制度を導入し、個々の職員の通勤や勤務内容、家庭の事情に寄り添うことが可能となる柔軟な勤務時間制度の導入を実現しました。これらにより、さらに超過勤務の縮小に取り組んだことは、公務員の働き方を変え、公務労働における生産性をさらに高めることに大いに貢献したと言えるでしょう。  安倍内閣は一億総活躍社会を目指してワークスタイル変革を唱えています。いまだワークスタイル変革にも係る法制度の中身は見えてきませんが、誰もが社会参加して、職を得て、自己実現できる機会を充実させることのできる制度的保障を目指すものであることだけは、確かではないかと思われます。  そこで伺います。区の目指すワークスタイル変革は、豊島区という地域で率先垂範し、職員の働き方を変えつつあるわけですが、その先において何を目指そうとするのか、お答えください。  さらに、区は新庁舎移転後、全職員にパソコンを配付し、コールセンターを導入し、窓口の多くを民間委託化するなど、組織の効率化を図る意味においてもワークスタイルの変革に取り組まれてきました。しかし、せっかく超過勤務を減らし、組織の効率化を図ろうとも、平成31年から始まる東アジア文化都市事業や平成32年の東京オリンピックパラリンピック関連事業により、多種多様な事業の企画や実施、評価や検査など事務量が大幅に増えるものではないかとも想定いたします。数多くのイベント開催により、職員は大変な繁忙になるのではないかと心配いたします。
     現行の体制でこのような国際交流、文化の祭典に積極的に取り組んでいくためには、どのような方策を講じていかなければならないか、お考えをお聞かせください。特に東アジア文化都市では、立教大学の吉岡総長がディレクターに就任されたとのことですが、どのような組織により準備をし、実施されていくのか、その基本的な組織体制と組織運営に係る経費など、現時点での予定をお聞かせください。  ワークスタイル変革により、ようやく職員一人一人に無駄なことをしない発想、最短距離で走る精神が根づきつつあるようにお見受けいたします。しかし、これから始まる大イベントに向け、ワークスタイル変革が後退することのないよう、組織の労働生産性の向上を維持する仕組みを堅持していただきたいと願うばかりですが、お考えをお聞かせください。  また、組織人員のスリム化についてでありますが、今後、どの程度のスリム化をどのような早さで実現していこうとしているのか、見通しをお聞かせください。職員数の30年4月と31年4月の予定数をお示しいただいた上で、今後の定員管理計画の見通しをお聞かせください。  次に、危機管理についてお伺いいたします。  北朝鮮は国際社会からの強い批判を受けながらも、核兵器、弾道ミサイルの開発を強硬に進めており、日本を初めとする周辺国だけではなく、国際社会全体の脅威となっています。日本では、昨年8月29日と9月15日の北朝鮮による弾道ミサイルが北海道上空を通過し、北海道から北関東一円にかけて、二度、J−ALERTが発信させられるなど、国民の不安が高まっています。このような情勢において、日米韓の3カ国が連携して、国連安全理事会の開催を要請し、北朝鮮の制裁決議を全会一致で採択し、国際社会が一丸となって北朝鮮の核兵器、弾道ミサイルの開発中止に関して断固とした意思を表明しました。弾道ミサイルの対応などは国が対処すべき事項でもあるが、基礎自治体である区においても、国・東京都からの指示に基づき、住民の避難誘導などに対応しなければならないと思います。そこで、国民保護計画に基づく国・東京都との連携体制についてお答えください。  また、区民の取組みも大切であると考えます。万が一の事態にあっても、区民一人一人が冷静に状況を判断し、身を守る避難行動がとれるよう、日ごろから取り組むべき対策があれば、伺いたいと思います。  また、災害時の断水対策についてお聞きします。  先日、私は、1月30日から31日までの日程で、防災・震災対策調査特別委員会の視察で新潟県糸魚川市消防本部と新潟県庁を訪問させていただきました。視察当日は、糸魚川市内は晴れ間も見えて、気温は低かったものの、比較的穏やかな天候でありました。しかしながら、移動を始めたところ、途中から雪が降り出し、新潟市内に到着するころには、かなり強い雪が断続的に降る状況となっており、記録的とも言われる大寒波が依然として日本海側に大きな影響を及ぼしていることを痛感いたしました。そうした寒波の影響で、今回の視察の直前の1月28日から新潟県の佐渡市で断水が発生し、翌日の29日には佐渡市内で1万を超える世帯が断水していることが判明し、佐渡市の要請に基づき、新潟県が1月29日午前9時15分に自衛隊に災害派遣要請が行われております。  我々が訪問した1月31日にも、引き続き新潟県はその対応に追われておりました。我々が視察に伺った同時刻に新潟県知事の記者会見が開かれており、その中で、今回の断水の原因が凍結により破断した水道管からの漏水による水圧の低下であると米山知事は述べられております。振り返って、豊島区の場合、最も懸念されるのは、首都直下型地震による広域での断水であります。現在の豊島区地域防災計画においては、首都直下地震発生時の区内の約4分の1の地域で断水が発生する想定となっております。豊島区としては、区内の断水率については既に平成24年4月に東京都が現在の被害想定を発表した時点で把握しており、従来から災害時の給水体制を地域防災計画に定めていたと了解しています。その上で、給水体制をさらに強化するため、既に発表されている豊島区の30年度予算案重点事業の中に、断水時の対応のためとして給排水コンテナセット購入費として予算が計上されています。  そこで、区の災害時の給水体制についてお伺いいたします。給水体制強化の具体的理由と、新たな給水体制の概要をお示しいただきたいと思っています。  次に、断水時の給水体制については、避難生活に直結する区民にとって重要な事項であり、不安要因の一つであります。  そこで、お伺いいたします。これまで区民に対し、災害時の給水体制についてどのように周知してきたのか。さらには、災害時にどのように対象世帯へ必要な情報を適切に提供していくのかについて、区の具体的な方策についてお答えください。  次に、池袋駅周辺のまちづくりのうち、副都心線の東池袋駅新設についてお聞きします。先月の副都心開発調査特別委員会で、我が会派の竹下ひろみ議員からも東池袋駅新駅について豊島区の考え方を聞いたところでありますが、大変重要かつ必要な案件でありますので、再度、確認も含めて、質問させていただきます。  池袋副都心の名が全国に知れ渡ったきっかけとなったサンシャインシティの開業から、今年で40年を迎えます。サンシャインシティ年間来場者数は開業当時から年間3,000万人で、現在でもそれをキープしています。しかし、この40年を振り返ってみても、西口では東京芸術劇場やメトロポリタンプラザなどの開発があったものの、池袋駅を出た来街者の多くはサンシャイン60通りやサンシャイン通りを経由してサンシャインシティに向かっている状況となっています。そのような中で、2015年には、この新区庁舎一体型の再開発事業が完成するとともに、次いで、庁舎跡地周辺をハレザ池袋と命名し、多くの人が集まるにぎわい拠点として整備することも決定し、着々と工事が進んでいます。それに加え、池袋駅周辺には特定都市再生緊急整備地域の指定を受け、いよいよまちを変える大きなまちづくりが始まった感が見えてきました。  2019年には豊島区では東アジア文化都市の開催、2020年には東京オリンピックパラリンピックが開催されることとなり、その開催に焦点を当てたまちづくりが高野区長のリーダーシップの下、急ピッチで進められています。高野区長は区長就任後すぐに、池袋副都心の価値を上げる起爆剤として、路面電車、LRT構想を掲げたが、実際には、まだ相当の時間がかかるということで、東アジア文化都市が開催される2019年までに副都心内の移動システムとして電気バスを導入することとしました。これは、今後大きく増加することが予想される池袋の地理に不慣れな外国人や地方からの観光客が迷うことなく、そして、安全に、快適に池袋副都心を回遊していただく大変優れた乗り物になると確信しています。このように、池袋駅周辺では今後多くのまちづくりが進み、それらを水戸岡先生がデザインする魅力的なバスでつなぐことにより、サンシャインシティのみならず、まち全体に面的な広がりが生まれ、来街者が増加し、まちが活性化していきます。こうして池袋のまちが魅力を高めていくにつれて、東池袋新駅の実現性が高まっていくのではないかと大いに期待を寄せています。この副都心線の東池袋新駅は、当初の鉄道計画では存在していたものの、実現しませんでした。今後も南池袋二丁目の再開発や造幣局の跡地に東京国際大学が移転してくるなど、東池袋新駅の実現に必要となる駅の乗降者数はさらに増大することで、まず、副都心線東池袋新駅が当初整備されなかった点について、区の認識をお答えください。副都心線は現在、東急東横線との相互乗り入れにより、横浜、西武池袋線、東武東上線とも相互乗り入れし、神奈川県や埼玉県の住居圏域を結ぶ広域的な路線であるとともに、新宿や渋谷も通過するなど、23区の大動脈の一つになっています。こうした重要な路線の駅が東池袋にできることは池袋のさらなる発展に不可欠とも考えるが、区は、新駅の必要性についてどのように考えているのでしょうか。  高野区長が描いている多くの来街者が安全に気持ちよく、そして、快適に過ごせるまちの実現には、多くの公共交通が整備され、来街者にとって選択肢の広がるまちが重要であります。また、有楽町線東池袋駅は、大塚、巣鴨、雑司が谷、高田を結ぶ都電との主要な結節点ともなっており、副都心線東池袋新駅の実現とも相まって、池袋のみならず、大塚、巣鴨、雑司が谷、高田などの活性化にも大きく貢献することとなります。そのような中で、東池袋駅周辺では、ここ10年で3カ所の再開発事業が完成し、今後、南池袋二丁目の開発や東京国際大学の進出など、東池袋駅の利用者数は確実に増加することとなります。この機を逸することなく、高野区長のリーダーシップの下、東池袋新駅の実現に向けて関係各所との協議を進めてもらいたいと思いますが、いかがでしょうか。  今、多くの開発計画が進もうとしている中で、高野区長が思い描いているまちの姿が確実に実現しようとしています。この時期だからこそ、東池袋駅の周辺のまちづくりに合わせ、遅れることなく東池袋新駅の実現に向けて進めてもらうことを切にお願いいたします。  次に、豊島区アフター・ザ・シアターについてお伺いいたします。  区長の所信表明にもございましたが、観光庁は、訪日外国人数の増加に伴い、これらを機に、観光消費額のさらなる増収のために「夜間における娯楽需要の対応」に着目して、昨年10月より「楽しい国日本」の実現に向けた観光資源活性化に関する検討会議での議論が重ねられております。来年度は体験型の観光資源開発に向けた調査の全国実施も予定され、さらに東京都も、来年度予算案に夜間観光の振興を目指す調査費用が計上されるとのことです。まさにナイトタイムエコノミーは、インバウンド対応とともに、今後のまちの新たな魅力を創出するものとして、全国でその動きが活発になってくるものと思われます。そのような中で、先日発表された本区の平成30年度予算案でも、目玉プロジェクトとして豊島区アフター・ザ・シアターが大きく取り上げられております。この豊島区は東アジア文化都市を初め、東京オリンピックパラリンピック文化プログラム、東京芸術祭、フェスティバル/トーキョー、アートオリンピア、東京アニメアワードフェスティバル、ジャパン・コンテンツ・ショーケース、ラ・フォル・ジュルネTOKYOなど、国際アート・カルチャー都市構想を打ち出してからおよそ3年というわずかな期間に、数々の国際的なイベントを開催する国際的な舞台として選ばれるまちになってきております。  さらに、今後の予定として、ハレザ池袋や池袋西口公園を初めとする4つの特色ある公園など国際アート・カルチャー都市の舞台が整備され、昨今、開発が本格化する大塚では、星野リゾートによる新たな都市型観光ホテルの宿泊施設がオープンし、さきに述べた電気バスが運行されるなど、区民にとっても来訪者にとっても、まちの新たな魅力を感じられる舞台が生まれつつあります。本区でも、このような動きに合わせて豊島区アフター・ザ・シアターの取組みを始められたとのことですが、その意義や狙いについて、区長のお考えをお伺いいたします。また、この取組みを進めるに当たり、懇談会を開催しているそうですが、どのような方がメンバーに入っているのかもあわせてお尋ねいたします。  さて、本区は平成24年、安全・安心のまちづくりの国際認証セーフコミュニティを都内で最初に取得しました。夜の取組みと聞くと、少し御心配になる方もいらっしゃると思います。現時点で構いませんので、今後の展開や展望などをお聞かせいただきたいと思います。  私は、この豊島区アフター・ザ・シアターの取組みが豊島区の魅力を十分に引き出し、より一層磨き上げられることで、日本だけではなく、世界中からも選ばれるまち、区民の方々に誇りを持っていただけるまちとなるべく、今後も支援してまいりたいと考えております。  いよいよ教育です。昨年3月に文部科学省から告示された新しい学習指導要領は、小学校では東京オリンピックパラリンピック競技大会が開催される2020年から、中学校は2021年から全面実施となることから、いくつかの観点から所見を申し上げます。  この学習指導要領は、10年後の社会のあり方を見据えながら、新しい時代を生きる子どもたちに学校教育は何を準備しなければならないのか、子どもたちが現在と未来に向けて自らの人生を切り開いていくために必要な生き抜く力を身につけるための資質・能力を示しています。今に生きる子どもたちやこれから生まれてくる子どもたちが成人して、社会で活躍するころには、人口減少社会の中でグローバル化の進展、絶え間ない技術革新、社会構造の変化により、雇用環境も今とは大幅な様変わりの様相を呈していると予想されます。「子どもたちの65%は将来、今は存在していない職業に就く」、これはキャシー・デビッドソン、ニューヨーク市立大学の先生の言葉でございます。や、「今後10年〜20年程度で半数近くの仕事が自動化される可能性が高い」、これはマイケル・オズボーン氏、オックスフォード大学准教授の言葉でございますが、と予測をしております。とりわけ最近では、第4次産業革命とも言われる進化した人工知能が様々な判断を行ったり、身近なものの働きがインターネット経由で最適化されたりする時代の到来が社会や生活を大きく変えていくとの予測がされています。人工知能の急速な進化が人間の職業を奪うのではないか。今、学校で教えていることは、時代が変化したら、通用しなくなるのではないかといった声もあります。今後、将来、人工知能がどれだけ進化し、思考できるようになったとしても、人工知能が行っているのは人間から与えられた目的の中での処理です。その人工知能に思考の目的を与えたり、目的のよさ・正しさ・美しさを判断したりできるのは人間であり、感性を豊かに働かせながら、どのような未来をつくるのか、社会や人生をよりよいものにしていくのかを考え出すことができるのは人間であり、強みだと思います。このような時代を迎えるからこそ、学校教育には、子どもたちが様々な変化に積極的に向き合い、他者と協働して課題を解決していくことや、様々な情報を見極め、新たな価値につなぐ力の育成が求められるのではないでしょうか。教育長のお考えをお聞かせください。  このことは、これまでの学校教育で育まれてきたものとは異なる全く新しい力を求められているのではなく、これまで長年、学校教育がその育成を目指してきた変化の激しい社会を生きるために必要な力である生きる力を子どもたちに育むことや、これまでも重視されてきた「知・徳・体」の調和のとれた教育を加速度的に変化する社会の中で改めて捉え直し、しっかりと発揮できるようにしていくことであります。時代の変化という流れの中で、未来を切り開いていくための力の基盤は、学校教育における不易たるものの中で育まれると私は考えております。  学校教育が一人一人子どもの可能性を引き出し、豊かな人生を実現し、個々のキャリアの形成、社会の活力につなげていくのは、これからの時代にあってこそ、ますます重要であります。子どもたちが自信を持って自分の人生を切り開き、よりよい社会をつくり出すために必要な力を確実に育んでいくことをますます期待するものであります。子どもたちを取り巻く環境の変化により、社会状況や家庭環境も変わり、学校が抱える課題も複雑化・困難化する中で、教育の将来像を描くに当たって一つの目標であり、2030年の社会のあり方を見据えながら、初等中等教育のあり方を示した今回の学習指導要領の改訂は、まさに学校と社会とが認識を共有し、子どもの教育について、相互に連携することができる絶好の機会であると考えています。  こうした中、教える側の教員の育成が極めて重要になってきています。近年、大量退職や大量採用の影響などにより、全国的に地域や学校によっては経験豊富な教員の数が極端に少なくなり、学校内における年齢構成の不均衡を生じ、初任者等の若手教員への指導技術の伝承が難しくなっているとの指摘がありますが、本区ではいかがでしょうか。これまでの学習指導要領は「教員が何を教えられるか」ということを中心に組み立てられていて、「何ができるようになるか」という観点が足りていないと指摘されていました。今回の学習指導要領は、そこが改善され、「教員が何を教えるか」だけではなく、学習する側の子どもたちの視点に立ち、「何ができるようになるのか」という観点で育成を目指し、「子ども一人一人の発達をどのように支援するか」を重視していると伺っております。  とりわけ、最近、アクティブラーニングという言葉を教育関係者からよく聞く言葉でありますが、質の高い学びを実現し、生涯にわたって能動的アクティブに学び続けられるようにすることができるように、授業の工夫・改善を重ねていくことが重要であり、新学習指導要領では、主体的・対話的で深い学びの実現が示されています。20歳代の若手教員が約4割に近い本区において、新学習指導要領の示す授業、指導改善は喫緊の課題であると考えており、秋田県能代市との教育連携が目指す教育の授業力の向上は、新学習指導要領に沿ったものと私は捉えています。  次に、新学習指導要領の全面実施を先行して、小学校では平成30年度、中学校では平成31年度から全面実施となる「特別の教科道徳」についてであります。  我が国の教育は、教育基本法第1条に示されるとおり、人格の完成を目指し、平和で民主的な国家及び社会の形成者として必要な資質を備えた心身ともに健康な国民の育成を期して行われるものであります。人格の完成及び国民の育成の基盤となるのが道徳性であり、その道徳性を養うことが道徳教育の使命であります。道徳教育をめぐっては、歴史的経緯に影響され、これまで道徳教育そのものを忌避しがちな風潮があったことや、他教科等に比べて軽んじられていた時代もありました。学校の教室では読み物の登場人物の心情理解のみに偏った形式的な指導が行われている指摘があることなど、これまで多くの課題が指摘されてきました。  また、いじめの問題に起因して子どもの心身の発達に重大な支障が生じる事案や、尊い命が絶たれているといった痛ましい事案まで生じており、いじめを早い段階の中で発見し、その芽を摘み取り、全ての子どもを救うことが学校教育の喫緊の課題となっています。このように、いじめの問題が深刻な状況にある今こそ、心と体の調和のとれた人間の育成の観点から道徳教育の重要性を改めて認識し、その抜本的な充実を図るとともに、新たな枠組みによって教科化されることになりました。いじめの問題への対応の充実や発達の段階をより一層踏まえた体系的なものとする観点からの内容の改善、問題解決的な学習を取り入れるなど、指導方法の工夫を図ることなど、いよいよ道徳が教科として学習が行われることとなります。  特別の教科道徳の時間で、教員が特定の価値観を押しつけたり、主体性を持たず、言われるままに行動するよう指導したりすることは、道徳教育が目指す方向に逆行することであります。また、多様な価値観の、時に対立がある場合を含めて、誠実にそれらの価値に向き合い、道徳として問題を考え続ける姿勢こそ、道徳教育で養うべき基本的な資質であります。答えが一つではない道徳的な課題を一人一人の児童が自分自身の問題と捉え、向き合う、「考える道徳」「議論する道徳」へと転換が図られるものであると受けとめていますが、教育長のお考えをお聞かせいただきたいと思います。  以上をもちまして質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)   〔高野之夫区長登壇〕 ○区長(高野之夫) ただいまの吉村辰明議員の御質問に対しましてお答えを申し上げます。  平成30年度当初予算についての御質問のうち、まず、納税義務者数の増による特別区民税の増収分についての御質問にお答えをいたします。  平成30年度予算におきましては、特別区民税は対前年度比約10.3億円の増収を見込んでおります。この増収分の内訳といたしましては、増要因と減要因がございます。増要因といたしましては、納税義務者の増により約9.1億円と、1人当たりの課税額の増による約1.5億円の計10.6億円の増を見込んでおります。お尋ねの人口の転入増による分と収入増により新たに課税対象者となる分とにつきましては、予算案作成の段階では分けて算出しておりませんが、これまでの決算値では2対1の割合となっておりますので、転入増による増収額が約6億円、新規課税者による増収額が約3億円と見込んだことになるわけであります。  次に、減要因についてでございますが、今年度より約1万5,000事業者が普通徴収から特別徴収に切り替えることと収納率が上がることを見込んでおりましたが、予想よりも切替えが進まなかったことから、今年度の収納率の実績で見直すことにより約0.3億円の減を見込むことといたしました。したがいまして、10.6億円の増要因から0.3億円の減要因を減じた10.3億円を増収額といたしたわけでございます。  次に、平成31年度、32年度の特別区民税増加の予測の内訳についての御質問にお答えをいたします。  特別区民税の今後の見通しについてでございますが、平成31年度は約1.9億円の増、平成32年度はさらに2.8億円の増を見込んでおります。その増加予測の要因につきましては、納税義務者の増によるものを見込み、景気の回復による所得の増については見込んでございません。近年、人口の増加率以上に伸びております納税義務者の増加率を年1%程度に見込むことで、毎年3億円近くの伸びを見込んでおりますが、配偶者特別控除の上限額引上げなど税制改正による減額分を差し引きましても、先ほどお示しをいたしました区税収入の増となるものと推計をしております。  次に、今後の特別区民税納税義務者数の見込みと収入増減予測についての御質問にお答えをいたします。  平成28年3月末に本区が策定をいたしました豊島区人口ビジョンによりますと、最も現実的なパターンで推移をした場合、平成39年、2027年まで人口が増加していくと推計をされております。この人口推計に基づいて予測をいたしますと、東京オリンピックパラリンピック後も数年先までは特別区民税は増加していくものと考えております。しかしながら、海外経済の不確実性や不安定な個人消費、雇用情勢の変化、急激な為替変動による企業業績の悪化等に留意し、税収の先行きにつきましては、慎重に見極めていく必要があると思っております。  次に、ふるさと納税による税収の流出増加の根拠についての御質問にお答えをいたします。  平成30年度予算におきましては、ふるさと納税による減収は約8億1,000万円と見込んでおりますが、これは、総務省やふるさと納税の中間事業者などの発表資料を基に前年度と比較をいたしまして、寄附者数・寄附金額・控除額ともに25%程度増加すると想定をして推計をしたものでございます。  次に、特別区におけるふるさと納税による税収の流出状況及び1億円以上の収入があった区についての御質問にお答えをいたします。  各区の平成29年度決算見込みの状況を踏まえますと、特別区全体では210億円から232億円もの税収が減少する見込みとなっております。  なお、1億円以上収入のあった区につきましては、平成28年度の実績で申し上げますと、墨田区が2億3,000万円以上の寄附受け入れ金額の実績がございます。これは、すみだ北斎美術館に対する寄附が大きく影響をしているのではないかと思います。  次に、積極的にふるさと納税キャンペーンを行っている区についての御質問にお答えをいたします。  先ほど、2億3,000万円以上の受け入れがあったとお伝えした墨田区は、ふるさと納税の中間事業者と契約を結び、積極的なキャンペーンを打ちました。また、新宿区では夏目漱石記念施設整備基金を創設いたしまして、大手新聞社に大々的に広告を掲載するなどのキャンペーンを行い、平成25年度から累計で1億2,000万円以上の寄附を集めたと聞いております。  昨年11月の調査によりますと、当区を含め15区がホームページで寄附を呼びかけておりまして、うち10区が返礼品を渡しているという状況であります。中野区では連携する自治体の名産品を、品川区では区立の水族館の招待券を返礼品として活用するなど、特色ある取組みが報告をされております。  次に、本区の積極的なふるさと納税キャンペーンや「ふるさと納税を思いとどまる」等のキャンペーンの実施についての御質問にお答えをいたします。  ふるさと納税制度の根本的な問題は、地方交付税が交付されている団体は寄附金控除による住民税の減収分が国から補填をされているにもかかわらず、東京のような不交付団体はその補填がないという点でございます。地方と大都会との税収格差は国の責任で埋めるべきであり、東京の住民税を、言葉がちょっと適切であるかどうかわかりませんけど、むしり取ってしまうということで、地方へ配るという制度は地方同士のまさに対立を生むだけでございます。そのため、2月16日の特別区長会として、税源遍在是正措置に対する特別区緊急共同声明を発表いたしました。  さて、まず、ふるさと納税キャンペーンの予定があるかとの御質問でございますけど、地方産品の販売促進の観点から、牛肉やお米などの返礼品をつけて寄附を促すような典型的なふるさと納税から、新宿区のように夏目漱石記念館整備のため返礼品なしで純粋に寄附を集めるものまで、自治体によってやり方も様々でございます。いずれも法的に自治体への寄附であり、ふるさと納税扱いとなるわけであります。私は、返礼品で寄附を釣るような寄附本来の姿から逸脱したふるさと納税は実施をしたくないと思っております。かといって、このままふるさと納税による税収減を見過ごすわけにもまいらないわけでありまして、そこで、招集あいさつでも述べさせていただきましたが、ふるさと納税の一環としてトキワ荘復元施設整備のための寄附キャンペーンを大々的に実施をしたいと考えております。これこそ豊島区しかできないマンガ文化を育てる最大の効果ではないかと思っております。2月17日、18日に実施をいたしました「としまマンガ・アニメフェスタ」では、早速、キャンペーンのチラシを配布させていただきました。現在、各方面の方々に、第一段階として、地元を中心に発起人を呼びかけ、さらにその輪を大きく、二段、三段と広げてまいりたいと思います。発起人になっていただく呼びかけをこれからもしてまいりたいと思います。30年度をスタートに、積極的にトキワ荘復元施設整備のための寄附金キャンペーンを展開してまいりたいと思います。  次に、「ふるさと納税を思いとどまる」などのキャンペーンを張ることは考えていないのかとの質問でございますが、寄附をする、しないは個人の自由でありまして、区民の皆さんに対して、「ふるさと納税をするな」とは言えないのではないかと思います。ただ、御指摘のとおり、ふるさと納税により8億円もの減収があることは、区民の皆さんにお知らせをしていく必要があると考えております。8億円あれば、保育園6園分の年間運営費が賄えますので、その影響は決して軽くはございません。以前、「としまのお財布」と題して豊島区の財政状況をわかりやすく解説したリーフレットを作成いたしましたが、このリーフレットを改正する際に、ふるさと納税が区財政に与える影響について解説するページも設けて、区民の皆様に機会あるごとにふるさと納税による税収減の状況をお知らせしてまいりたいと思います。  次に、平成17年度以降、事業費が270億円増大した要因についての御質問にお答えをいたします。  御質問にもあるとおり、事業費につきましては、平成17年度の539億円から、平成30年度では807億円に増大をしております。その主な要因は、扶助費にあります。繰出金を含めた社会保障費は年々伸びており、近年では特に待機児童対策を積極的に進めておりますことから、扶助費の増大につながっております。  また、事業費のうち、扶助費や公債費を除いた一般行政経費につきましても、増えております。手厚い行政サービスを行うために、いわゆる物件費が年々増えていることが要因でもありますが、近年では、今後の投資的経費に対するための基金への積増しも事業費増大化への要因と考えております。  次に、今後5年間の3基金の合計金額の増減についてと、基金を増やす場合の原資及び目標額の考え方についての御質問にあわせてお答えをいたします。  財政調整基金、公共施設再構築基金、義務教育施設整備基金の3基金のうち、財政調整基金については、条例で決算剰余金を全部編入することから、毎年20億円程度積み立てることになると想定をしております。公共施設再構築基金と義務教育施設整備基金につきましては、今後の改築、改修需要を考慮し、毎年度6億円程度を計画的に積み立ててまいりましたし、今後もそのようにしてまいりたいと思います。その積立ての原資については、その年の一般財源収入を見込んでおりますが、財政調整基金からの積替えにより対応することも想定をしております。いずれにいたしましても、施設の老朽化が進み、改修・改築の需要が多くなるため、3基金の残高は一定程度確保できるように努めていかなければならないと思います。  次に、起債の活用方針についての御質問にお答えをいたします。  バブル期では年率7%近くの金利でありましたけど、現在は0.02%程度と、当時からは考えられないくらい低金利であります。吉村辰明議員もよく御存じだと思いますけど、豊島区は過去に隠れ借金と言われる、いわゆる起債ができない借金を200億円運用いたしたわけでありまして、全額返済には何と利息を100億円支払ったということでありまして、合計で300億円を返済したわけであります。この苦い経験を思い出しますけど、このようなことを避けていかなければいけないのではないかと思っております。御質問にもございますが、現在の低金利の下では、起債を積極的に活用することも大変重要と考えます。しかしながら、低金利とはいえ、後年度、元金返還が出てまいりますので、公債費比率10%以下を堅持しながら、健全な財政運営を行ってまいりたいと思います。  次に、アフター・ザ・シアターについての御質問のうち、まず、取組みの意義や狙いについての御質問にお答えをいたします。  ナイトタイムエコノミーに関する国の動きといたしましては、観光庁が設置をいたしました世界に誇れる広域観光周遊ルート検討委員会の中で、2015年3月にナイトライフの不足が触れられておりました。また、本年1月、田村明比古観光庁長官は、「ナイトタイムエコノミーについて、欧米に比べて日本は普及が進んでいないと以前から言われている」と記者会見で発言をし、観光立国を目指す上で、その必要性を示唆しております。  一方、豊島区では、2016年に策定をいたしました国際アート・カルチャー都市構想実現戦略の中で、アート・カルチャー観賞後にゆっくりと余韻を楽しめる空間づくりとして「サードプレイスの実現」を掲げておりまして、当時から大変重要な課題となることを深く認識をしておりました。池袋は演劇、映画、コンサートなど多様な文化・芸術を鑑賞、観劇ができる場であるとともに、2020年に向けてハレザ池袋のグランドオープンや特色ある4つの公園の誕生により、これから訪れる方々もますます増えてまいるわけであります。そこで、そこの方々に豊島区の強みである安全・安心を生かしながら、観劇・鑑賞の余韻を楽しめる場として新たなまちの魅力を創出するアフター・ザ・シアターの検討に入りました。このたび、他区に先駆けて懇談会を設置いたしましたが、産業構造における観光分野の比重が増す中で、事業者と区民の皆さんと行政とがスクラム組んで行うこの取組みには、豊島区だからこそ実現可能なものであると考えております。  次に、懇談会のメンバー構成についての御質問にお答えをいたします。  懇談会は、国際アート・カルチャー都市懇話会の部会として、昨年12月とこの2月に開催を2回しております。国の有識者会議にも名を連ねている専門の方々を集まっていただき、その中で経営やクールジャパン分野にでも各省の委員を歴任されております、ビジネスサテライトのレギュラーでもありまして、A.T.カーニー日本法人会長の梅澤高明さんに座長をお願いするとともに、タイムアウト東京の代表である伏谷博之さん、あるいはタレントであります篠原ともえさん、あるいはモーリー・ロバートソンさん等々、そして、オブザーバーといたしまして、観光庁の所管課長にも御参加をいただいております。また、国際アート・カルチャー特命大使の幹事代表の齊木勝好さんや国際アート・カルチャー都市プロデューサーの前田三郎さんなど豊島区をよく御存じの方々にもメンバーに加わっていただき、女性や外国人、弁護士やまちづくり・観光の専門家など16名によるそうそうたる多彩なメンバーで構成をされ、この会合には区の幹部も傍聴をいたしまして、大変大勢の参加をいただきました。それによって、新しい考え方、その対応に対しても大いに勉強になったのではないかと思っております。  次に、今後の展開や展望等についての御質問にお答えをいたします。  このアフター・ザ・シアターを初めとしたナイトタイムエコノミーの取組みは、渋谷や神戸市などの都市でも検討に入っていると伺っております。吉村辰明議員の御指摘のとおり、今、豊島区が国家的かつ国際的なビッグプロジェクトの開催地として国内外から注目され、認知されつつある国際的な舞台となることを願い、文化を基調とするまちづくりに注力をしております。その中で、私は、このアフター・ザ・シアターの取組みが国際都市東京の一翼を担う自治体に向けての大切な第一歩になると確信をしております。来年度はアフター・ザ・シアターの検討をさらに進め、池袋だけではなく、古くから夜も楽しめる多様な飲食店がそろい、懐かしい情緒が漂う大塚‥‥、この大塚というまちは、私はまさにアフター・ザ・シアターにふさわしい、また、池袋のすぐお隣という地の利を生かして、大塚が今、新たなまちづくりが進もうとしているわけでありまして、まさにこの取組みのファーストランナーとして国内外に向けて国際アート・カルチャー都市としまを大きく発信をしてまいりたいと思います。  私からの答弁は以上でございますが、そのほかの質問につきましては、両副区長並びに危機管理監から、教育委員会の所管に属する事項につきましては、教育長から答弁申し上げます。   〔水島正彦副区長登壇〕 ○副区長(水島正彦) ワークスタイル変革についての御質問のうち、まず、区のワークスタイル変革の目指すものについての御質問にお答えいたします。  国を挙げて働き方改革が注目される中、本区は、長時間労働を是正するための職員の意識改革やスマートな働き方に向けた諸制度改革に先駆的に取り組んでまいりました。例えば昨年1月に導入した19時消灯は、NHKを初め、イギリス、オランダ、ドイツなど海外メディアの取材に取り上げられております。また、10月から導入した時差勤務は、官公庁で唯一となる時差BIZ推進賞も受賞し、その取組みは高く評価されました。そのほか、職員ワークショップによる現場目線での事務改善の取組みを進めておりまして、28年度には超過勤務は対前年度比で約2万5,000時間、約8,500万円の縮減となっております。  ワークスタイル変革とは、長時間労働の是正にとどまらず、将来にわたって安定的に区民サービスを提供する持続可能な行政を実現していくために取り組まねばならない課題であると認識しております。職員一人一人のワーク・ライフ・バランスを実現し、仕事の生産性を上げ、より創造性を発揮することで、区民サービスを向上させる好循環を生み出す組織文化を醸成することが本区のワークスタイル変革が目指す姿であると考えております。  次に、現行体制で国際交流、文化の祭典に積極的に取り組んでいくための方策についての御質問にお答えをいたします。  国際アート・カルチャー都市を標榜する豊島区にとりまして、2019年の東アジア文化都市、そして、2020年のオリンピック・パラリンピック東京大会の開催は、願ってもないひのき舞台が訪れると考えているところであります。しかしながら、御指摘のように、当区がかつて経験したことがない国家的イベントを迎えるわけでありまして、現行の体制で十分に対応することは大変困難であります。オリンピック・パラリンピックについて申し上げても、大学との連携によるボランティアの育成、障害者スポーツの普及、参加国との友好支援を行うホストタウンの招致、スポーツ参加者の拡大などの機運醸成など、多くの課題がございます。そのため、これまで兼務で対応してまいりましたオリンピック・パラリンピック連携担当部長と東アジア文化都市推進担当部長を統合し、国際文化プロジェクト推進担当部長を設置し、専任させることにいたしました。また、東アジア文化都市推進担当部局を組織拡充するとともに、全ての部局から兼務発令をいたしまして全庁体制でサポートする体制を整備いたします。これにより、国際交流、文化の祭典に積極的に取り組んでいけるものと考えているところであります。  次に、東アジア文化都市を推進するための組織体制及び組織運営に係る経費についての御質問にお答えをいたします。  ヒアリングを行ったところ、事業の開催年には自治体の固有職員を増員して対応に当たったものの、ノウハウが乏しく、結果として膨大な超過勤務が発生してしまったということを反省点として過去の都市は挙げております。豊島区では、東アジア文化都市事業を推進していくために準備委員会を立ち上げ、事務局を設置しております。これまで開催してきた政令指定都市などとは異なり、規模の小さい豊島区において、区の職員だけで必要な人員を確保することは困難であります。そこで、としま未来文化財団、アート系NPO法人とともに事務局を構成することとしておりますが、このことによりまして、逆に大規模な文化事業の運営経験を豊富に持つスタッフの専門性やノウハウを最大限に生かすことができるものと考えております。財団やアートNPOなどの外部スタッフの人件費を初めとする事務局の運営費は、平成30年度予算で約3,670万円を想定いたしております。これは委託等によって人員を確保しようとすることによりますが、役割を分担しながら、スタッフの超過勤務とそれに伴う経費の抑制に努めてまいります。  次に、組織の労働生産性向上を維持する仕組みの堅持についての御質問にお答えいたします。  バブル経済崩壊後、区は行財政改革に徹底して取り組んでまいりました。その中核をなす職員数の適正化は、平成5年度当時と平成29年度の職員数を比較いたしますと1,128人の減、この24年間で約3分の2まで減少いたしております。また、外部化による行政の効率化とサービスの向上にも積極的に取り組み、平成28年度決算ベースでは業務の外部委託で約19億円、指定管理者制度で約4億6,000万円の財政効果をもたらせておりますが、この間、地方分権の流れ等もあり、1人当たりの労働量は増える傾向にありました。その意味でも、各職員の生産性向上なくしては、職員数の適正化も成し得なかったものと考えております。引き続き業務改善など行政改革に取り組み、職員の生産性の向上に努めてまいります。  次に、今後の定員管理計画の見通しについての御質問にお答えいたします。  平成28年4月に策定した第7次定員管理計画は、10年後の平成38年に171人の減となる1,800人体制を目指しております。計画のこの間の進捗状況は、平成29年度の職員数は1,970人、平成30年度は1,969人と想定しており、平成31年度は1,925人を計画の目標といたしております。今後は、技能系職員の退職不補充や保育園の民営化、業務の簡素化・省力化などによりまして、職員1,800人体制は実現可能と考えております。引き続き業務量を精査しながら、適正な人員配置を確保しつつ、中長期的な視点のもと、定員の適正化に取り組んでまいる予定であります。  私からの答弁は以上でございます。   〔宿本尚吾副区長登壇〕 ○副区長(宿本尚吾) 地下鉄東池袋新駅についての御質問のうち、まず、副都心線東池袋新駅が当初整備されなかったことに関する区の認識についての御質問にお答えをいたします。  副都心線は、池袋、新宿、渋谷を結び、さらには神奈川県、埼玉県へとつながる重要な広域交通網の一つであります。現在の東京メトロ、東京地下鉄株式会社の前身となります帝都高速度交通営団は、昭和50年に池袋、新宿、渋谷間の鉄道事業に関する免許申請をいたしましたが実現せず、昭和60年になりまして、ようやく国の総合的な運輸体系の方向性を示す運輸政策審議会の答申第7号でこの路線が整備路線として位置づけられたことから、事業化へ向けて動き出しました。答申においては、池袋駅と雑司が谷駅の間に東池袋新駅が位置づけられておりました。しかしながら、平成10年12月に営団が鉄道事業免許の変更申請を行った際には東池袋新駅の記載はなく、そのまま平成15年に工事着手をし、平成20年に運行開始となったものでございます。  平成10年の変更申請の際に東池袋新駅の記載がないことを把握した豊島区は、直ちに国、東京都、営団との協議を重ね、平成11年4月に豊島区と営団の間で将来的には東池袋新駅を設置するものとして確認書を取り交わしました。その内容は三点あります。一点目は、営団は相当の利用客が見込めるようになった時期に新駅設置のための工事を行う。二点目は、営団はトンネル構造について新駅設置が可能となるよう、事前の措置を施しておく。三点目は、豊島区は出入り口用地の確保、交通弱者対策施設の整備に協力するというものでございます。  新駅設置に向けては、何よりも一点目の利用客増が必要条件であり、区といたしましては、周辺の木造密集地域の解消と一体的にまちづくりを進め、現在の有楽町線東池袋駅の利用客数を増加させることが必要と認識をしておりました。  次に、池袋発展のための新駅の必要性についての御質問にお答えをいたします。  現在、パブリックコメントを実施しております池袋駅周辺地域基盤整備方針(案)では、池袋駅の周辺とともに、東池袋駅周辺につきましても、それぞれ駅のコア・ゾーンと位置づけております。この2つのコアの都市機能をさらに高めていくことが、池袋の発展には不可欠と考えております。平成27年7月に国から指定を受けました特定都市再生緊急整備地域の区域は、従来の池袋副都心の区域を東に広げ、東池袋の木造密集地域と新庁舎周辺エリアを含んでおり、東池袋駅コア・ゾーンのさらなる発展に向けた事業展開が可能となっております。こうした中で、有楽町線東池袋駅とともに、副都心線の新駅ができれば、それぞれの鉄道路線の広域ネットワークを結節する新たな拠点として東池袋駅コア・ゾーンの位置づけがさらに高まってまいります。  また、周辺の都市開発が具体化し、利用客増が見込まれることが新駅設置の実現性を高めることとなりますが、新駅の実現性が高まれば、新たな都市開発がつくり出されるという好循環が生まれてまいります。こうしたことから、巨大ターミナルである池袋と対になり、有楽町線東池袋駅とともに池袋の発展を支える東池袋新駅を早期に実現していく必要があると考えております。  次に、東池袋駅新駅の実現に向けた関係各所との協議の推進についての御質問にお答えをいたします。  副都心線開業の翌年であります平成21年には、商工会議所など区内各種団体と豊島区が構成員となりまして、副都心線東池袋新駅設置促進連絡会を発足いたしまして、関係各所への要請活動などを行ってまいりました。有楽町線東池袋駅の乗降客数は年々増加傾向にございます。確認書を取り交わしました平成11年当時、1日当たり2万5,000人であったものが、平成28年には4万3,000人と大幅に増加をしております。さらに今後、造幣局跡地に東京国際大学が移転してくるとともに、東池袋四丁目、五丁目地区において、それぞれ住宅系の再開発事業が進められ、また、南池袋二丁目C地区においても再開発事業の都市計画決定に向けた動きがあるなど、有楽町線東池袋駅の乗降客数は右肩上がりに増加することが確実と見込まれております。  なお、昨年末、高野区長とともに東京メトロの山村社長と面会をし、こうした池袋駅周辺の開発動向について御説明をいたしましたところ、東池袋駅周辺の開発の現状のみならず、東池袋新駅についても話題に上るなど、先方も大変関心を示されておりました。東アジア文化都市の開催、東京オリンピックパラリンピックの開催を契機に、池袋エリアの都市再生をさらに進めていこうとする区のまちづくりの戦略が東京メトロにも大いに評価をされたわけで、区といたしましても、大きなチャンスが到来したと考えております。  いよいよ東池袋新駅の建設を現実のものとして推進するに当たり、平成30年度には、従来の副都心線東池袋新駅設置促進連絡会の構成を拡大し、豊島区を挙げて活動する体制としてまいりたいと考えております。また、副都心線は神奈川県と埼玉県を結ぶ広域的な圏域を有する路線であることから、この活動を沿線自治体にも広げながら連携し、東京メトロや東京都、国など新駅実現に関係する方々に対しまして、まちづくりの将来像を示しながら協議を進めてまいります。  私からの答弁は以上でございます。   〔今浦勇紀危機管理監登壇〕 ○危機管理監(今浦勇紀) 危機管理についての御質問のうち、まず、国民保護計画に基づく国や東京都との連携体制についての御質問にお答えいたします。  区は、平成19年に策定しました国民保護計画に基づき、武力攻撃事態等により国の対策本部から国民保護対策本部の設置自治体に指定された場合、速やかに区長を対策本部長とする国民保護対策本部を設置し、国・東京都の指示による措置を講じることになります。また、今年度末に変更予定の豊島区の国民保護計画案では、国の現地対策本部長が開催する合同対策協議会に区が参加し、国民保護に関する情報交換や対策実施の相互協力など、国・東京都との連携体制の強化を加えております。  次に、国民の皆様一人一人が身を守る退避行動をとるために、日ごろから取り組むべき対策についての御質問にお答えいたします。  国は、北朝鮮による弾道ミサイルの発射を受け、昨年4月に「弾道ミサイル落下時の行動について」を作成し、国民に速やかな退避行動と正確かつ迅速な情報収集を呼びかけています。この中で、J−ALERTによりミサイル落下の可能性が発信された場合、屋外では「できる限り頑丈な建物や地下に退避する」、建物がなければ、「物陰に身を隠すか、地面に伏せて頭部を守る」などの基本的な退避行動が示されています。J−ALERTの第一報からミサイルの着弾までに退避する時間の余裕は十分に確保できます。慌てず、確実に身の安全を確保し、被害を最小限にとどめることが重要です。また、日ごろから頑丈な建物や地下の退避場所を確認しておくとともに、北朝鮮が90%以上の確率で早朝にミサイルを発射していることから、その時間帯に自分がどこで何をしているのかを基準にして退避行動をイメージしておくことにより、万が一の事態においても冷静な行動をとることができます。今後も、地域の防災訓練などの機会を通じて、区民の皆様への正確な情報提供と速やかな退避行動の周知に取り組んでまいります。
     次に、給水体制強化の具体的理由と新たな給水体制の概要、及び災害時の給水体制の周知と災害時の情報提供の具体的な方策についての御質問にお答えいたします。  首都直下地震発生時の断水被害想定は、区の4分の1の地域に及び、約7万人に影響が及ぶと想定されています。このため、区では給水タンクを設置するなどの対策を講じてまいりましたが、断水地域への給水活動に不可欠な給水車がないことが大きな課題となっていました。そこで、本年度の総合防災訓練の図上訓練において、断水時における具体的な対象人数、給水量、輸送時間、給排水時間などに基づいた詳細なシミュレーションを行い、必要な資機材やトラックの所要台数などを算出いたしました。このシミュレーションの結果に基づき、給水計画を作成するとともに、1トンの簡易給水コンテナ40基分の予算を計上いたしました。  新たな給水体制の概要ですが、2トントラックに簡易給水コンテナ2基を積んだ2トンの給水車を20台つくります。各給水車が1日5回給水を実施し、合計200トンを断水地域に1人3リットルを基準として給水します。平成30年度は新たに給水訓練を計画して、運用要領を検証し、給水体制を確立してまいります。この新たな給水体制については、区の広報やホームページなどに掲載するとともに、地域の防災訓練において区民の皆様への周知・浸透を図ってまいります。  また、首都直下地震などの大規模災害発生時には、区の給水活動等に関する情報をホームページに加え、防災無線やSNS、安全・安心メール、区の広報車など複数の手段を活用し、繰り返し情報提供を行うよう計画しております。  私からの答弁は以上でございます。   〔三田一則教育長登壇〕 ○教育長(三田一則) 引き続きまして、教育委員会の所管に属する事項に関する御質問に対しましてお答え申し上げます。  教育についての御質問のうち、まず、人工知能が進化する時代において、学校教育に求められる子どもたちの資質・能力の育成についての御質問にお答えいたします。  新学習指導要領は、子どもたちに、高度情報化やグローバル化など急激な社会変化の中でも、未来のつくり手として必要な資質・能力を確実に体得できる学校教育の実現を目指しております。さらに、「よりよい学校教育を通じて、よりよい社会をつくる」ことを学校と社会の共通の目標として、子どもたちが身につけるべき資質・能力や学習内容などを3つの柱から成る「学びの地図」に示しております。柱の第一は、どのような社会や世界とかかわり、よりよい人生を送るのかの「学びに向かう力、人間性」、第二に、何を理解しているか、何ができるかという「知識・技能」、第三に、理解したことやできることをどう使うかという「思考力・判断力・表現力」などを正三角形のトライアングルになぞらえて表現しております。つまり、成熟社会へと移行する時代、人間に求められるのは、定められた手続を効率的にこなしていくだけでなく、感性を豊かにどのような未来をつくっていくのか。どのように社会や人生をよりよくしようと考えるのか。主体的に学び続ける能力、試行錯誤しながら他者と協働して新たな価値を生み出していく、生きて働く知恵とも言うべき資質・能力であると私は認識しております。したがいまして、今後、学校教育は、正解主義を求めるジグソーパズル型の学力から、イマジネーション、クリエーションを求めるレゴ型の学力へとたゆまず発展させていくことであると私は受けとめております。  次に、学校内における年齢構成の不均衡とその影響の本区の状況についての御質問にお答えいたします。  御指摘のとおり、全国の例にたがわず、本区も大量退職・大量採用の影響を受け、区内小中学校教員の約4割が20代、30代で占めており、教育者としての指導技術や豊かな実践力を伝承させていく上で大きな課題となっております。私は、時代がいかに変わろうと、教師には人間的、社会的な成熟、教育的関係を築く、教科指導がうまい、学級をまとめる力がある、教養ある知識人として学び続けるという教師力が必要不可欠だと考えております。また、「知っていること」から「できること」へと自らを磨く若手教員の不動の姿勢が、豊かな経験値を重ねていく上で必要であります。  豊島区教育委員会といたしましては、「あの先生に教わったら、子どもの成長変化が目に見えて感じられる」という教師力の向上を喫緊の課題と受けとめ、伝承を促すため、重層的な施策を展開してまいります。まず、鉄は熱いうちに鍛えよであります。初任者など若手教員育成プログラムを最重要課題に位置づけ、学校と教育委員会が一体となって、今後も着実な授業改善につながる成果を上げてまいります。さらに、中堅教諭等資質向上研修や職層に応じた研修も徹底し、年齢構成の不均衡を補うように努めてまいります。さらに、学力調査や心理検査ハイパーQUを継続的かつ有効に活用して、幼児、児童生徒が落ちついて学びに向かう学習環境を整えてまいります。また、全ての幼稚園、小中学校は3年に一回は全校園挙げて、研究推進校・奨励校として、授業改善や幼児、児童生徒の学習力の向上に努めております。ここでは、全国的な教育課題はもちろん、豊島ふるさと学習やインターナショナルセーフスクール、がん教育、歯と口腔衛生に関する教育など、本区が抱える教育課題に全教職員が向かい合って指導力・実践力を磨いております。その結果、小中学校の学力向上と教員間、学校間の格差が次第に是正されてきていると受けとめております。  次に、「考える道徳」「議論する道徳」へと転換が図られる道徳教育についての御質問にお答えいたします。  本区における道徳教育は、これまで全小中学校において年間35時間を基準に完全実施してまいりました。また、いじめや問題行動が発生するたびに身近な問題として取り上げ、いじめる側、いじめられる側、傍観者の側からの議論を深め、行動規範としての道徳性を養うように努めてまいりました。  しかし、一方で、御指摘のとおり、道徳の授業が読み物教材が中心で、登場人物の心理理解にとどまるなど、一定の限界があったと捉えております。これらの実態を改善すべく、豊島区におきましては、平成27年度より「特別の教科道徳」の先行実施に踏みきり、道徳授業の改善を進めてまいりました。「特別の教科道徳」は、道徳的諸価値についての理解を基に自己を見詰める、物事を広い視野から多面的・多角的に考え、自己の人間としての生き方を深める学習であります。道徳教育で養いたい人間としてのあり方につきましては、小学校では自己の生き方、中学校では人間としての生き方について考えを深めるという発達課題が示されております。小学校を例にしますと、道徳的価値にかかわる事象を自分自身の問題として受けとめられるようにする。他者とのかかわりや身近な集団の中で自分の特徴などを知り、伸ばしたい自己について深く見詰める。これからの生き方の課題を考え、それを自己の生き方として表現していこうとする思いや願いを深めるという学習課題が示されており、「考える道徳」「議論する道徳」への転換が明確になっていると考えております。  私は教育長として、「特別の教科道徳」の推進に当たって、2つの点に留意したいと強い思いを抱いております。まず、子どもたちの道徳性が養われたか否かは容易に判断できるものではなく、どれだけ道徳的価値を理解したかなどの基準を設定することは不適切であります。教員と子どもたちとの人格的な触合いによる共感的な理解こそ大切であり、子ども自身の考えの深まりを積極的に受けとめ、認め、励ますことが評価の視点として極めて重要です。また、子どもたちの自尊感情や相手意識を高め、規範意識や人間関係を形成する力の基となる道徳性を培うことによって、多様な価値観や生き方の中にある協働して自らの個性や能力を存分に発揮できる心と体の調和のとれた人間として、芯のある心の芽生えを促し、応援していく必要があると考えております。  以上をもちまして、吉村辰明議員の御質問に対する答弁を終わります。 ──────────────────────────────────────── ○議長(木下 広) 次に、23番議員より、「協働と連携で創る豊島の未来」の発言がございます。   〔島村高彦議員登壇〕(拍手) ○23番(島村高彦) 私は、公明党豊島区議団を代表して、「協働と連携で創る豊島の未来」と題し、第一に、平成30年度予算について、第二に、地域共生のまちづくりについて、第三に、ひきこもり対策について、第四に、住宅確保要配慮者対策と今後の住宅施策について、第五に、防災対策について、最後に、児童遊園の活用について、一般質問を行います。  最初に、平成30年度予算についてお尋ねします。  平成30年度予算は、課税人口の伸びにより、過去最高の区民税の収入が見込めることとなり、共働きと子育てしやすい街ナンバーワンに指名されるなど、高野区長のこれまでの様々な対策が大きく功を奏したものと実感するものです。そうした中で、今後、気にかかることは、ほかの議員からも指摘があるように、投資的経費の増による起債残高の増加であります。平成26年、27年の一般質問で、私は2年連続、今後の起債残高のピークについてお尋ねいたしました。2回とも、300億円台に抑えていきたいとの答弁でありました。しかしながら、予算の概要を見ますと、既に平成31年度の起債残高は433億円とあり、32年度は438億円になっております。これまでの計画変更の内容についてお聞かせいただくとともに、改めて今後の起債残高のピーク額をお示しください。また、あわせて、今後、歳入環境が何らかの事情で悪化した場合でも、財政運営上の懸念はないのかについてもお答えをください。  次に、今回、投資的経費の高まりにあわせて、従来の財政規模に加え、新たにオルタナティブルールなるものを作成いたしました。この中に、公債費比率を10%以下に抑えるとあります。標準財政規模を同じとした場合、単純計算で比率10%における起債残高は約659億円となります。今後、ここまで起債残高が高まる予定があるのでしょうか。もしそうでないなら、10%の目標値は高過ぎの設定であり、適切な財政規律となるよう、もっと低目に設定をすべきと考えますが、いかがでしょうか。また、的確な財政運営が将来にわたって継続されるよう、今回定めた3つの目標値を将来も遵守すべき明確な規律としていくべきと考えますが、御見解をお聞かせください。  次に、予算内示会でも大きな議論となった不合理な税制改正への対抗策です。まず、こうした東京狙い撃ちの国の施策について、区民の方がどこまで認識しているかが問題であります。既に東京都においてもパンフを作成し、地方交付税によって既に税収の地方格差は調整済みなのに、国がいかに不合理に都民の税金を奪っているかをアピールしております。本区においても区民に実情を認識していただくよう最大の周知に取り組むべきと考えますが、いかがでしょうか。また、これまでも区長会等において抗議を重ねてきたことは承知しておりますが、今後、この不合理な税源遍在是正措置を改めさせるため、区長会と東京都が完全に団結し、徹底抗戦すべきと考えます。そして、そのリーダーシップを発揮できるのは、並みいる区長の中でもひときわ光彩を放つ高野区長以外にないと確信するものです。区長の御決意をお聞かせください。  第二番目に、地域共生のまちづくりです。  全ての年齢層の人たちの課題解決に向けて、問題が深刻化する前の段階で手を打つべきであると訴えてまいりました。本区では現状、様々な困り事に対応すべく、数多くの相談窓口を設置しております。自ら適切な相談先に向かえる人、あるいは、ほかの人の困り事に気づき、これを解決しようとする人にとっては、とりあえずは十分な体制を整備しております。しかしながら、これだけ相談窓口を用意をしても、どこに相談すればいいのかわからない区民はいまだ多く存在してるのであります。高齢者にかかわる相談事は高齢者総合相談センターにとアピールを重ねておりますが、介護認定非該当者の場合、5割弱の方がその存在を知らないという区民意識・意向調査の結果が示すとおりであります。また、相談窓口の存在を知っても、自身の課題について対応してくれない、できないと感ずる人や、そもそも自分に発生している問題に気がついていない人など、いずれも放置すれば、深刻化し、周辺にも多大な悪影響を及ぼすことになります。そこで、こうした問題に気づき、連絡、あるいは相談をしてくださる身近な第三者の存在が求められてくるのであります。しかし、この第三者は当事者ではないため、共助の意識が高い人以外は通常では機能をしません。すなわち、困っている人に気づき、何とかしてあげたいと思っても、多忙のためにできない。また、時間はあるけれども、かかわりを持ちたくない。さらには、そもそも自分には何の関係もないと決め込んでる人も地域にはおります。このような人たちがわざわざ区役所の代表番号を調べて、連絡をしてくることはないのであります。児童虐待には通報義務はありますが、罰則はなく、たとえ子どもの命が失われても、気がつきませんでしたで終わるのです。しかしながら、こうした第三者こそ、これからの地域共生社会創造のネックとしていかねばならないと考えるものです。  本区が長年取り組む見守りと支え合いネットワーク事業は、登録世帯数、協力員数の双方が高齢者人口の増加と反比例して、年々減少していることは何度も指摘をしてきました。また、身近な地域で不安や悩みを抱えた人たちに気づきや声かけなどの活動を行う地域福祉サポーターも非常に重要な取組みであり、さらに推進をしていくべきではありますが、もともと共助意識のある人たちでもあり、応募後の活動についても多くの負担を負わせるわけにもいかないことから、その効果は結果として限定的なものとなってしまいます。将来的には、人口減少・高齢社会の中で、やがて財源的にも行政の担う力量は減少していきます。したがって、CSWや民生委員、地域福祉サポーターなど限られた専門家や意識のある人に加えて、さらに広く、浅く、軽く機能する地域の人的資源を少しでも多く育成をし、地域の見守り力を底から向上させることが必要不可欠ではないでしょうか。その第一歩として、相談先に迷う当事者や第三者が問題の種別を考えずに、何の負担もなく、いつでもどこでも気軽に通報・連絡・相談ができ、なおかつ、周知しやすい窓口・連絡先をアピールすることがこれまでの要望でございました。しかしながら、この訴えは見事に却下をされました。その上で、あえてお尋ねしますが、もしこれまでの御見解と違うものがあれば、お示しください。  次に、訴えが却下されても、地域の見守り力は育てていかねばなりません。文教大学と埼玉県草加市が共同で開発した福祉SOSゲームは、カードに書かれた福祉に関する多彩な相談をどの機関に連絡すればいいかを少人数のグループ単位で考え、議論するものです。地域包括ケアシステムは、認知症の高齢者を地域で支えるまちづくりを提唱しておりますが、実際に認知症の高齢者やその家族に助力を求められたとき、即座に適切な行動がとれる人は数少ないと言われます。そこで、今回は認知症をテーマに、福祉の現場に身を置く民生委員のグループに参加者となってもらい、「親が認知症で夜遅く徘回するようになり、近所でたびたびトラブルを起こす」というカードを提示をいたしました。すると、福祉の専門家たちの回答は一様ではなく、人それぞれ違う意見でありました。終了後、感想を聞かれた民生委員たちは「自分が手がけたことのない相談事例だと、どこにつなげばいいのか、即座にはわからない」とのことです。結果、ゲーム開発を主導した同大学の准教授の結論は「様々な相談先が市民に一目でわかる資料が必要」というものでありました。もちろん個別の案内資料やパンフが草加市にないわけはないのでありますが、福祉の専門家ですら的確な対応が困難な中、あらゆる年齢層の様々な課題解決のための相談先について、一般市民が見れば、すぐにわかるという資料は希少なものでありましょう。専門的な見地から作成した現存の行政の資料はとかくわかりづらいものであることから、福祉に何の関係も関心もない一般住民の視点から、連絡先がすぐわかる案内パンフを作成し、あまねく配布をしてはいかがでしょうか。御見解をお聞かせください。  次に、東京大学は、練馬区内の介護事業所と共同し、コンビニの経営者や店員に認知症の高齢者にどう対応すべきかを考えてもらうカードゲームを開発しました。店員に渡されたカードの内容は、「認知症の兄が今から弁当を買いに行くので、対応よろしくと電話で依頼をされる。その後、間もなくそれらしき人が来店したが、見かけでは該当者かどうか確信が持てない。その人が新聞をレジに持ってきた。あなたは、その人にお弁当を買わなくていいか確かめますか」というものです。実際にこの店員はこれまでも認知症と思われる客が同じものを何回も買う場面に直面しており、相手のプライドもあるので、「さっきも買いましたよ」とは言えないという中、このカードの内容は極めて対応が難しいと頭を抱え、ほかの参加者も一様に同様の反応でありました。  しかしながら、この悩む、考えるということが見守り力育成の第一歩であると考えます。全国5万店以上あるコンビニから300メートル以内に高齢者の約4割が居住している中、地元の高齢者と日常的に接しているコンビニの見守り力を育てるのがゲーム開発のきっかけでありました。本区の高齢者はさらにコンビニの至近距離に居住しているわけでありますが、1枚のカードが投げかけたものは、日ごろ、福祉を念頭に置いていないであろうコンビニの店員にとって、意図せず、新たな地域共生の参画の糸口となったと考えます。こうした簡単なクイズ方式でも見守り力を育成することが可能であることから、本区としても事業者や町会等、様々な団体に呼びかけ、実施をすべきと考えますが、いかがでしょうか。  第三番目に、ひきこもり対策です。  ひきこもりが社会問題となって、長い年月が経過をしております。国や自治体の具体的な対策の遅れもあり、最近ではひきこもったままの子が40代、50代となり、親は高齢化して80代となり、長期間支援につながらないまま孤立し、困窮をしていく、いわゆる8050問題については、早急な対策が求められていると考えます。厚生労働省の調査では、社会的参加を回避し、原則的に6カ月以上にわたって家庭内にとどまり続けている状態と定義をした場合、それが約26万世帯に上ると推計し、用のあるときだけ外出して、就労はしていない広義のひきこもりを含めると、69万6,000人にも上るという内閣府の調査もあります。ひきこもりの長期化、高年齢化が深刻となる中、内閣府では平成30年度、40歳から59歳を対象にした初の実態調査を行うことが決定をしております。本区としても、今後、区内の実態を掌握するため、全ての年齢層のひきこもり実態調査を行うべきと考えますが、方針をお聞かせください。  厚生労働省では平成21年より、各地域にひきこもりに特化した専門的な第1次相談窓口としての機能を有するひきこもり地域支援センターを設置をし、専門職であるひきこもり支援コーディネーターによる自立支援の取組みやひきこもりサポーターの派遣による早期発見や継続的な支援を行ってきました。また、平成27年度からは、生活困窮者自立支援法の施行により、各自治体の自立相談支援機関、本区では、くらし・しごと相談支援センターがひきこもり地域支援センターと協力・連携をして、ひきこもりの状態にある本人、家族の支援に当たることとなりました。これは、自立相談支援事業では生活困窮者を包括的に受けとめることとしており、相談者の中にはひきこもりの問題を抱える人も含まれることから、取り組むべき事項となったものです。そこで、これまでのひきこもり者に対する自立支援の取組みと実績について、また、ひきこもり地域支援センターとの連携状況等、具体的な事例も含め、お聞かせください。  次に、本区では30年度新規事業として、子ども若者総合相談事業を開始します。しかしながら、その対象者は39歳までの若者であります。早い時期に適切な支援を行い、問題が重篤化する前に手を打つのは全くそのとおりでありますが、40歳以上のひきこもり対策はどのようにされるのか。自立相談支援事業のみで対応していくのか。それとも、何らかの連携・対策を図っていくのか、お聞かせください。  また、この中で、子ども若者支援ワーカー2名がアウトリーチにより、相談に出向けない対象者を適切な公的支援につなぐとのことですが、その具体的な取組み内容についてもお示しください。  次に、今後の具体的な対策についてお尋ねします。  早くからひきこもり対策に取り組んでいる秋田県藤里町では、平成23年に独自のひきこもり実態調査を行いました。結果、15歳から55歳の町民1,293人のうち、8.74%もの113人が長期不就労でひきこもってることが判明し、そのうちの半数以上が40歳以上でありました。早速、社協の担当者は彼らのカウンセリングから開始しようと訪問を重ねますが、会うことすらできず、ならば、外に連れ出そうと、卓球やカラオケ大会を企画したものの、参加者はありません。完全に行き詰まったときに、自分の職場である社協の採用試験にひきこもりの若者が突如現れました。その面談で気づかされたことは、ひきこもりしている人の多くは働く場を求めているのではないかということです。そこで、元からあった失業者のための支援事業である研修案内チラシをひきこもっている全ての家に投函をした結果、ひきこもっていた人たちが次々に姿を見せたのです。次に、町の協力を得て、ひきこもり者を対象にした「こみっと」と呼ばれる福祉の拠点を開設、そこに手打ちそばとうどんのお店を開き、低賃金で職を提供、本格的に働くまでの中間就労支援施設を開設したのであります。また、高齢化が進んでいる同町の高齢者たちも参加をし、共同作業を行う中で、外出が困難な高齢者のための買い物代行サービスも新たに開始、さらには、商店街も支援の輪に加わり、店主からそれぞれの仕事についての講義を受けることとなります。こうした粘り強い取組みと地域の力を結集した結果、113人のひきこもり者のうち50人が家を出て、そのうち36人が就労を果たしております。  また、埼玉県所沢市では、看護師、作業療法士、精神保健福祉士、精神科医でチームを編成、協働でサポートに当たり、これまで20人以上を支援の輪につなげております。8年間、統合失調症でひきこもっている男性の場合、最初に看護師が訪問するも、医療関係者に対する不信感が強く、面会拒絶。次に精神福祉士がやっとドア越しに会話をする中で少しずつ心を開き始めたところ、すかさず作業療法士が具体的なアドバイスを行うといった具合に専門家同士が同じ目的で重層的に連携をし、成果を上げております。現役世代の不就労者・ひきこもりの増加は家庭の負担となるだけでなく、地域の活性化にとっても著しい妨げとなります。固く心を閉ざし、生きづらさを抱えているひきこもりの人たちへの今後の本区の具体的な対策についてお示し願います。  第四番目に、住宅確保要配慮者対策と今後の住宅施策についてのお尋ねです。  空き室が増える中で、住まいの確保に困難を来してる人が増加をしている状況は、一刻も早く解消しなければならない重要課題の一つと考えます。昨年の改正住宅セーフティネット法の施行に伴い、国は、要配慮者の入居を拒まない賃貸住宅の登録数を2020年度末時点で全国17万5,000戸とする目標値を掲げております。昨年、第3回定例会の我が会派の高橋議員の一般質問の答弁では、「豊島区の供給促進計画は、東京都が今後策定予定の計画に基づいて策定をしたいと考えております」とのことですが、23区の中で最も多くの民間賃貸住宅の空き室を抱えている本区としては、速やかに登録目標値ぐらいは定めるべきと考えますが、いかがでしょうか。  次に、低所得者の入居負担軽減のための支援措置である家賃低廉化対策として、国は2分の1を補助することを決定をしております。東京都も30年度新規事業で4分の1、上限月1万円を補助することを決定いたしました。当然これを受けて、本区としても残り4分の1の補助を行い、高齢者世帯等住み替え家賃助成事業を上回る支援策を打ち出すべきと考えます。国の方針が定かでないともお聞きはしておりますが、今後の方針についてお聞かせください。  次に、今回の法改正による住宅確保要配慮者対策の様々な支援が登録を要件としてることについてお尋ねいたします。  例えば、登録に当たり、耐震化やバリアフリー化に向けた改修費補助がありますが、昨年3月の空き家等発生メカニズム分析調査業務によれば、賃貸住宅を「改修して経営を続ける」との回答は2割にとどまり、古い建物も古いとは思わず、逆に愛着があってリフォームに応じないオーナーが多いとの調査結果が出ております。また、本区では、平成24年7月より居住支援協議会を設立し、空き家バンクへの登録を推進してきましたが、物件情報マップの高齢者向けをクリックしても、「ただいま情報はありません」と表示されます。こうした実態の中、いくら登録を後押ししても、また、改修費を助成しても、発生する自己負担分を負担し、なおかつ、800円の登録手数料を支払って東京都に登録手続をする賃貸オーナーがどれほどいるのであろうかという疑問も生じますが、このことをどのようにお考えになっているか、お聞かせください。  また、同時に、今後、登録が思うように進まないことも考慮して、登録にこだわらない住宅確保要配慮者対策が求められるのではないでしょうか。今現在も、高齢を理由に入居を拒まれている人は数多くいるのであります。したがって、京都市のように入居契約と同時に社会福祉法人による入居者への見守りサービスをオーナーに提示をするか、もしくは、契約前に不動産業者から連絡を受けた福祉関係者がオーナーに説明をし、理解を得る取組みを開始すべきと考えます。また、京都市では年4回、高齢期の住まいの相談会を不動産業者、行政、福祉関係者が同時に参加を開催しておりますが、本区においては、高齢を理由に入居を拒んでいる賃貸オーナーの下にこの三者が同時に訪問をして、オーナーの不安を払拭する活動に取り組むべきと考えます。このことに関する御見解と、今後の取組み方針についてお聞かせください。  次に、要配慮者の入居を促進するために必要なことは、賃貸オーナーの理解に加え、地域の不動産業者の方々の協力であることは論をまちません。本区では、高齢者や障害者、ひとり親家庭等の入居に協力してくださる不動産店を指定しております。そのうち、高齢者協力不動産店は宅建協会所属の不動産店で45店舗、全日本不動産協会ではわずか2店舗であります。区内全ての不動産賃貸業者の数からすれば、ごく一部であり、高齢社会の中で要配慮者入居促進のためにもっと多くの不動産店に協力を仰ぐべきと考えますが、御見解をお聞かせください。  また、高齢者協力不動産店についての入居希望高齢者における認知度ですが、現状、区の住宅相談を受けない限り、その存在を知ることが難しい状況にもございます。入居希望者にあらかじめ周知をさせる取組みも必要だと考えますが、御見解をお示しください。  また、保証人がいない方のための家賃等債務保証制度、身元保証制度の利用については、これが円滑に機能していないと考えられ、いまだ私どものところに「保証人がいないので貸してもらえない」との声が届きます。保証料の助成は別の問題としても、全ての不動産店で速やかに利用できる体制を整備すべきと考えますが、いかがでしょうか。  同様に、高齢等の理由で独力では住まい探しが困難な方も増加をしていることから、現状、賃貸保証機構が行っている同行サービスも入居希望者に周知をし、全ての不動産店の窓口で利用できるようにすることが求められますが、御見解をお聞かせください。  次に、今後の住宅施策について伺います。  これは首都圏全体に言えることですが、本区においても、人口増加、区民税増収の大きな要因となっている大規模集合住宅の建築が増加をしており、一方で、老朽化して管理が困難となっていく分譲マンションも増加傾向にあります。今後、こうした分譲マンションの所有者の相続人が途絶えてしまったり、あるいは、うまく相続できなければ、これが管理者不在の空き家となります。本区の人口構成は年々ファミリー世帯が減少し、単独世帯が増加をしている傾向であり、現状ではファミリー世帯を増加させる対策も必要でありますが、一方で、本区の人口ビジョンでは2025年を人口増加の一つのピークとしており、いずれにしても、本区の人口減少もやがて避けることはできません。そして、そのさらなる遠い将来、これからも建築される大規模高層マンションは、そのとき、どのように管理をされているのか。これが新たな空き家となることはないのか。今後、こうした集合住宅の建設を何らかの形で抑制する施策は不要であるのか、お聞かせください。  入居開始時には応募が殺到したあの高島平団地も、今は高齢化が進み、空き室も目立ってきております。その高島平地区の40年前と、今も人気のあるお台場、すなわち臨海副都心地区の現在の人口構成がほぼ完全に合致をしているというデータもあります。現段階でこうしたことを見据えた住宅施策やまちづくり、あるいは都市計画について検討していく必要はないのか、本区のお考えをお示しください。  第五番目に、防災対策です。  本区においては、いまだ避難所で長期生活を強いられるような災害は発生しておりませんが、今後、想定し得る全ての備えが必要なことは言うまでもありません。現状、避難生活に必要な飲料水、食料、生活必需品等は計画的に備蓄をしており、災害の規模にもよりますが、公的支援としては、当面、十分な対応が図られていると感ずるものです。その中で最も重要な飲料水についても、備蓄や招集あいさつでも述べられたような給水体制整備に加えて、飲料メーカーとの災害時における飲料水等の供給に関する協定も締結をしております。しかしながら、過去の大災害後の避難生活の多くで必要とされたのがお湯であります。炊出しや調理のとき以外のちょっとした生活の中で必要となり、手に入れにくかったのがお湯だとのことです。例えば避難生活のストレスから母乳が出なくなり、配付された粉ミルクを与えたくとも、溶かすお湯がなく、支援物資のカップラーメンを食べようとしても、お湯を手に入れるのに苦労した事例があるとのことです。特に冬場の避難生活では、温かいスープや飲み物が健康を維持するにも必需品となります。そこで、過去の多くの避難生活の中で効果が検証されているのが、災害対応型紙カップ式自販機であります。2015年、鬼怒川決壊による1カ月に及んだ避難生活では延べ8,000杯が無料提供され、熊本地震では災害協定先の医療機関において1日最大500杯の無料提供。多くの関係者から喜ばれました。発災時、スイッチ一つで通常の販売機から災害用に切り替えられ、無料でお湯が提供されます。販売機の画面には紙カップで授乳する方法も表示をされ、使捨てであることから、衛生面にも優れ、容器の洗浄が不要であることから、生活利便性も高いものとなります。無論、電源確保は必要ですが、これまで多くは電気が開通後の避難生活であり、本庁舎のように非常用電源が配備されている場所であれば、発災後すぐにでも稼働可能です。平常時は通常のコーヒー販売機でもあり、現状、災害協定を締結した自治体の避難所や災害医療センター等で全国340台以上が設置をされております。本区においても、主要救援センター等を中心に災害対応型紙カップ式自販機の設置を検討すべく、災害協定を締結していくべきと考えますが、御見解をお示しください。  次に、火災や地震等による生活再建のうち、家屋の復旧の課題についてお尋ねです。  私は、昨年8月末と先月、2回にわたって新潟県糸魚川火災の視察を行わせていただきました。行政側の問題ではないことから、全く課題にも上がってはおりませんでしたが、実際に多くの被災者が自身の加入をしていた火災保険の内容を知らず、被災家屋の再建が困難になっているとの報道を耳にしました。1998年に損害保険料率の自由化が行われる前と後では火災保険の内容に大きな違いがあり、自由化前は建物が古くなるほど保険金が減少する時価契約となり、それ以降は同等の住宅を建て直すのに必要な金額が補償される再調達価格契約となります。すなわち、糸魚川では多くの人が契約中の火災保険を20年以上にわたって見直すことをせず、保険金が少額のため、家を再建することができないケースが多いとのことです。本区においても、築20年以上の家屋を所有する人たちがこのことを承知しているか気にかかるところですが、将来の被害も想定し、保険料等の問題等もありますが、各種加入保険の契約内容の確認や見直しを呼びかけることも広い意味での防災対策と考えますが、今後の対応をお聞かせください。  最後に、児童遊園の活用についてお尋ねします。  本区は、主要公園については、4つの公園に見られるように、パーク・PFI等の先進的な手法で活用に取り組んでおり、中型公園についても、保育園増設の影響もあり、利用度が徐々に高まっている状況です。しかしながら、区内60カ所を超える児童遊園については、場所にもよりますが、全体的に樹木や構造物が鬱蒼とした中、いつ利用されているのかわからない、金網で囲われた砂場や寂れた遊具がたたずんでいる状態であります。すなわち、利用率が極めて低く、維持管理費だけが失われていく状況であることから、これまでたびたび事例も挙げながら、有効活用を訴えてまいりました。ここ最近は、トイレがきれいになった以外は、実に長年にわたってそのままの状態であったことをどのように認識をされているのか、まずは、お聞かせください。  次に、子どもの遊び場という観点から見たとき、必ずしも現状設置されている遊具である必要性はなく、利用されないのであれば、別の整理も検討すべきと考えます。大切なのは、子どものけがなどに対する管理者責任や遊具等の製造物責任だけに意識が置かれ、子どもの遊び環境を過度に制約してはならないということです。子どもは様々な遊びを通して自主性を伸ばし、危険を回避する知恵を身につけて成長していくのであり、遊び場における安全や危険に対する認識をもう一度見直し、今後、子どもたちの意見も集約をしながら、彼らにとって魅力的な遊び場を整備すべきと考えます。御見解をお聞かせください。  次に、高齢者の介護予防につながる健康遊具設置については、10数年前、我が会派から提案したときには、利用者のけがを恐れての例の管理者責任により実現しなかったものの、現状、3つの児童遊園に設置をされているとのことです。前回、我が会派のふま議員の一般質問の答弁では、「気軽に楽しく健康づくりを行っていただけるよう、公園改修などの機会をとらまえて、さらに整備を進めていく」とのことですが、身近にある児童遊園に利用しやすい状態で設置をしてこそ、利用度が高まると考えます。安全で効果的な利用方法を掲示するなどして、さらに設置を推進すべきと考えますが、いかがでしょうか。  次に、平成27年度の予算委員会では、地域住民の自主管理により公園を農園として利用している事例も取り上げましたが、「畑だと土ぼこりの問題がある」とか、また、そこでは現に農作物を販売して活動資金や公園の維持管理経費等に充当していることも御紹介をいたしましたが、「公平性の担保にも問題がある」との答弁でした。しかし、利用されずに放置されたままの状態であるより、わずかでも収益を生み出し、しかも、それが地域コミュニティの向上につながるのであれば、極めて有効な取組みであると考えますが、改めて御見解をお聞かせください。  本区では、新たに小規模公園活用プロジェクトを開始するとのことですが、今後は地域住民とともに、全国の取組みも参考にしながら、児童遊園の効果的な活用方法を追求していくべきと考えます。今後の取組み方針についてお示しください。  以上で私の一般質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)   〔高野之夫区長登壇〕 ○区長(高野之夫) ただいまの島村高彦議員の御質問に対しまして、お答えを申し上げます。  平成30年度予算についての御質問のうち、まず、起債の計画変更の内容及び今後の起債残高のピーク時の額についての御質問にお答えをいたしたいと思います。  本区では、貯金と借金のバランスを考えた財政運営を行い、その残高は基金・起債ともに300億円台に抑えたいと説明をしてまいったわけであります。しかしながら、現時点における起債計画では、予算の概要でもお示ししたとおり、30年度の残高は300億円台、31年・32年度では400億円台となり、貯金と借金のバランスも失われております。しかしながら、借金もするが、貯金もするという財政運営をすることが大切ではないかと思っております。400億円台になってもよいとは申し上げられませんが、これまで申し上げてまいりましたように、チャンスには思い切って投資を行い、地域活性化の好循環を促すことも大変重要であるとは思っております。いずれにいたしましても、今後の事業の進捗状況や歳入状況等をにらみつつ、当該年度の予算編成時点では300億円台を維持し、バランスもとれるように努めてまいりたいと思います。そのためにも基金の積増しなどにも努め、さらに健全な財政運営を行ってまいりたいと思います。  次に、歳入環境が悪化した場合の財政運営上の懸念についての御質問にお答えをいたします。  歳入環境の悪化に対しましては、財政調整基金の活用により年度間の調整を図ってまいりました。しかしながら、急激な歳入環境の悪化により財源不足に陥った場合には、歳出を圧縮するということで、対応をせざるを得ないと考えております。過去の例から財政調整基金には、標準財政規模の2倍程度残高が必要であると申し上げてまいりましたが、今回の予算編成時における新たな財政規律のルール、もう一つのルールという意味でオルタナティブルールを掲げさせていただきました。標準財政規模に見合う身の丈の歳出構造を維持し、収入環境の悪化に耐え得る財政を保ち続けていく覚悟でございます。  次に、公債費比率の目標値の設定についての御質問にお答えをいたします。  30年度当初予算上の公債費比率は4.7%であり、特段問題がある数字ではございませんけれど、新たなルールの上限である10%の半分以下の水準となっております。  バブル期以降、本区の財政が相当に厳しかったときには、その公債費比率は9%から10%で推移をしてまいりました。また、公債費比率が大きく10%を下回ったのは、26年度以降、ここ5年ほどのことでございますことから、公債費比率を予算編成時において10%以下の目標とすることは、現時点の本区の状況に応じた健全な水準であると考えております。  次に、今回定めました3つの目標値、いわゆる一つには身の丈の運営、二つ目には財政調整基金の残高、三つ目には公債費比率、この3つの目標を将来も遵守すべき明確な規律にすることについての御質問にお答えをいたします。  今回、予算編成時の新たな財政規律を設けましたが、持続可能な財政運営を堅持するため、今申し上げた3つの目標について将来も予算編成時の規律として遵守をしてまいりたいと思います。  次に、不合理な税制改正に関し、区民の皆さんに実情を認識していただくための本区の取組みについて、不合理な税源偏在是正措置を改めさせるための私の決意についての御質問にあわせてお答えをいたしたいと思います。  この不合理な措置に対しましては、以前からホームページなど、強く主張をしてきたところでございますが、今後は紙面を工夫して、手にとって理解していただけるようなわかりやすい冊子などを作成し、区民の皆さんに国の不合理な措置について理解いただけるよう説明をしてまいりたいと思います。  また、先週、2月16日に特別区長会ではこの不合理な税制改正について、断固反対することを表すため、税源偏在是正措置に対する特別区緊急共同声明を発表いたしまして、区長会として緊急に行動を起こしていくことを確認をいたしました。共同声明の内容は、特別区が大都市特有の膨大な行政需要を抱えていること、地域間の税収格差の是正は地方交付税で調整すべきで、東京都を狙い撃ちした、自治体間に不要な対立を生むような制度は認められないことでございます。  区は、首都直下型地震への備え、超高齢化への対応、子育て支援策や社会インフラ老朽化対策などの行政需要を抱えておりまして、また、東京オリンピックパラリンピックの開催を控えて、取り組むべき喫緊の課題が山積をしているわけでございまして、決して財源に余裕があるわけではございません。今後も断固として、反対の姿勢をとってまいりますが、この件については毎回、区長会で大変な議論をしているわけでございまして、これらの取りまとめ等は役員区長から、さらには税財政部会でこれについて徹底的に分析をするとともに、強い姿勢で臨んでいこうというような、区長会としての確認をいただいたわけでありまして、私も税財政部会の副座長というような形でおりますので、いろいろな形の中で発言の機会もたくさんございますので、これらについては、本当に言うべきことはしっかりと言っていくように努力をしてまいりたいと思います。  次に、最後の質問になります児童遊園の活用についての御質問のうち、まず、児童遊園が長年にわたり利用率が極めて低い状態であることについての御質問にお答えをいたします。  区内には児童遊園が66カ所ございます。日本一の高密都市の中で新たに公園を整備していくことが難しく、公園を補完する目的もございまして、昭和40年代から50年代にかけて多くの児童遊園を整備してまいりました。しかしながら、児童数の減少や施設、遊具の老朽化等により、近年では児童のみならず、一般の区民の皆様にもあまり利用されていない実態があることは十分に認識をしております。このため、区といたしましては、児童遊園のみならず、公園も含めて、これまでの概念にとらわれず、新たなあり方を区民の皆さんに提案したいと考えております。  まずは一番要望が多い、公園、児童遊園のトイレ改修に取り組むことといたし、区内133カ所の公園等のトイレのうち、建替え、改修が必要となる85カ所について、今年度から3カ年で改修することといたしております。また、トイレを改修するだけではなくて、トイレアート・プロジェクトと称し、地域の若手デザイナーを起用して、これまでの公園トイレの概念を変える、鮮やかな明るいデザインのトイレとし、女性や子どもさんにも安心して利用していただけるようにしてまいりたいと思います。  小規模な公園や児童遊園は、地域のコミュニティの場であり、特に近年では保育園の園庭として、その役割は引き続き重要であると認識をしております。当初の設置目的にはこだわらず、高密都市の中でいわば区民の皆さんの庭として活用されるよう、地域の実情を踏まえ、柔軟な発想で豊島区ならではの小規模公園・児童遊園の活用方策を検討してまいりたいと思います。  次に、子どもたちの意見を集約した、遊具も含め、魅力的な遊び場の整備についての御質問にお答えをいたします。  公園や児童遊園を管理する上では、定められた基準に従って、常に安全な施設であることが前提でございます。その上で子どもたちの声が絶えない公園や児童遊園となるよう、魅力的な施設整備を検討してまいりたいと思います。  次に、利用しやすい状態で健康器具設置の推進についての御質問にお答えをいたします。  健康器具は現在、18の公園と3つの児童遊園に設置しており、地域の方々が気軽に健康づくりに利用をしております。今後は児童遊園の中にも健康器具を増やすことについて、地域の方々の御意見をお聴きしながら柔軟に対応してまいりたいと考えております。  次に、地域住民の自主管理により公園や児童遊園を農園として利用する取組みについての御質問にお答えをいたします。  御提案いただきました公園における農園利用は、地域コミュニティの醸成につながります。また、施設の有効利用としての意義もある取組みであるとは思います。しかしながら、豊島区の1人当たりの公園面積は23区で一番少なく、このことは、大変貴重なものとなっているわけであります。そのため、公園の一部を農園とすることについては、管理上のルール等を決めた上で、地域ごとの理解はもとより、公園に近接してお住まいの方々の御理解も不可欠であるわけであります。今後、個別の事案に応じて、関係する方々と御相談をさせていただきながら、検討を進めてまいりたいと思います。  豊島区は本当に日本一高密都市であり、空き地も畑もないというような区でございます。そういう中で、つい最近の事例でありますけど、これは公園ではございませんけど、区民ひろばの一部を使って畑部会という形で地域の方々、大変楽しんで、まさに農園、ひろば農園といいますか、本当に小さな面積でありますけど、そのような楽しみ方をしていたわけでありますけど、この件について近隣の方から強い、やはりクレームがございまして、今トラブル中でありまして、担当は現在、大変な苦労をしております。なかなか、誰でも農園あるいは土いじりというのは非常に望むものであるけど、当区がこのような状況の中では、改めて、確かに農園等々はつくりたい思いもございますけど、本当にいろいろやはり近隣とのトラブルを十分に考えていかなきゃいけないなと。これはもちろん公園ではありませんけど、区民ひろばの一部でございますが、こういうような豊島区の現状ではないかと思っております。  次に、地域住民との児童遊園の効果的な活用方法を追求する、今後の取組みの方針についての御質問にお答えをいたします。  今年度より実施をしております公園・児童遊園のトイレ改修は、トイレの改修だけが目的ではございません。御指摘のとおり、利用率が低下している小規模公園や児童遊園を再生し、有効に活用することを最終的な目標としております。日本一の、先ほど申し上げた高密都市であるわけでありますけど、豊島区ならではの公園・児童遊園の活用方策を模索する中でトイレアート・プロジェクトの実施あるいは公園の全面禁煙化等に取り組むこととしたわけでございます。こうした取組みは共働き子育てしやすい街、また住みたい・住み続けたい街といった各種ランキングで評価されることを通して、持続発展都市につながっていくものと確信をしております。そのため、30年度の新規事業として小規模公園活用プロジェクトをスタートさせます。現在の施設の利用状況を調査した上で、地域の実情や区民の皆さんのニーズに合った新たな活用方法を検討してまいりたいと思います。  なお、池袋駅周辺では、4つの公園を国際アート・カルチャー都市実現のための拠点として整備をし、公園からまちを大きく変える取組みを進めております。  小規模な公園や児童遊園はこれら4つの公園とは規模や役割が異なりますが、地域の拠点として、今後の豊島区のまちづくりにとっては大変重要な役割を担っていくものと考えます。区民1人当たりの公園面積が東京23区で最も小さい豊島区でありますが、23区で、いや、全国で最も新しい公園活用を促進し、公園からまちを変える取組みを豊島区全域に広げていきたいと考えております。  そのためにも、これまでの概念にとらわれず、柔軟な発想を持って、それぞれの施設の新たなポテンシャルを引き出していきたいと考えております。  私からの答弁は以上でございますが、そのほかの質問につきましては両副区長並びに危機管理監から答弁申し上げます。   〔水島正彦副区長登壇〕 ○副区長(水島正彦) 地域共生のまちづくりについての御質問のうち、まず、広く浅く軽く機能する地域の人的資源を育成し、地域の見守り力を向上させることについての御質問にお答えいたします。  本区ではこれまでも、より幅広い区民の皆様に協力をいただく見守り力の向上が必要であると考え、認知症サポーターや介護予防サポーター等の新たな担い手の養成を進めるとともに、地域住民の自発的な支え合い活動等を支援し、現時点で120カ所もの区民主体の地域支え合い活動場所も生まれてきております。現在策定中の地域保健福祉計画においても、重点的取組みとして、民間企業や大学、大規模集合住宅等に働きかけて、支え合い活動の裾野をさらに広げることや、多様な手段による福祉教育を推進していくことなどを掲げております。また、CSWの配置を平成30年度からは段階的に12カ所まで増やすことにより、地域の草の根の支え合い活動をさらに活性化させたいと考えております。今後も積極的に新たな担い手を発掘・育成し、地域の見守り力の強化に努めてまいります。  次に、気軽に連絡でき、周知しやすい窓口をアピールすることを却下した、これまでの区の見解との相違についての御質問にお答えをいたします。  国においては、地方での人口減等を見据え、1カ所の拠点で何でも対応できる体制の構築を目指しております。一方、人口増加が続いている本区では、国が提唱する1カ所で全てを完結させるような拠点の設置は決して効果的なものではないと考えております。そこで本区においては、従来の分野ごとの窓口の充実を図りつつも、さらに相談窓口間の連携を強化し、分野を問わず、どこかに相談すれば必要な支援先につながるような体制を構築しようと考えております。これについては、電話による相談も同じでありまして、区民の皆様にとって一番わかりやすい区役所の代表電話番号の周知を図りつつ、職員のさらなるスキルアップが必要となりますが、どこに電話が入っても必要な支援先につながるように努めてまいります。
     次に、一般住民の視点からの連絡先がすぐわかる案内パンフレットを作成・配布することについての御質問にお答えいたします。  福祉の窓口は大変数が多く、広報課で発行しております豊島区案内図の裏面に掲載されております関係施設の窓口だけでも200カ所以上ありまして、それ以外にも区の関係各課の窓口や民間事業所の福祉窓口などがあり、その数が100カ所以上でございます。加えて、対象者によっては必要とする情報も異なることから、全ての窓口の情報を一つにまとめてしまうと、結果としてわかりにくくなってしまうのではないかと考えております。そこで、全てを一つにまとめるよりも、対象者別や状況別等のパンフレットをさらにわかりやすく、使いやすいものとなるよう努めていきたいと考えております。その上で、特によく使われる窓口等の情報をまとめたパンフレット等についても、有効性について検討してまいります。  次に、新たな手法を事業所や町会等の様々な団体に呼びかける、見守り力を育成することについての御質問にお答えいたします。  認知症の高齢者がますます増加すると予想されている中、このような方々にかかわると面倒なことになりそうだとか、サポートしたくてもどう接していいかわからないと考えている方がいることは事実であります。現在、本区が精力的に取り組んでおります認知症サポーター養成講座の中でも、ただの講義だけでなく、認知症と物忘れとの違いをクイズ形式で出題するなどの工夫をしておりますが、御質問にありますカード方式やゲーム方式も認知症に対する理解を深めていただくために効果的な取組みと考えられます。  さらに高齢者総合相談センターの中には、地域の民生委員や町会、事業者などが参加する地区懇談会の中で、飲食店等の店員向けに「高齢者への対応Q&A」を作成したところがございます。作成のきっかけは、飲食店等を対象に高齢者への対応に関するインタビューを実施したところ、接し方がわからないという声が多数あったからだと聞いております。Q&Aの中では、高齢者に対応する際には、優しく、ゆっくり、笑顔で接するよう心がけることがポイントとして記載されており、このQ&Aをセンターの職員が直接、飲食店等を訪問し、内容を説明した上で配付したということであります。その結果、認知症の方も含めて高齢者と接することに自信が持てるようになったなどの声があったそうであります。  しかし、これらの取組みは、まだまだ全ての高齢者総合相談センターやサポート講座の講師が実施しているわけではありません。こうした効果的な取組みが区内全域の高齢者総合相談センターで実施できるよう、今後も関係者による定期連絡会等で好事例を紹介し、同様の取組みの実施を促してまいります。  次に、ひきこもり対策についての御質問のうち、全ての年齢層のひきこもり実態調査の実施についての御質問にお答えいたします。  国においては、平成22年と平成27年に15歳以上39歳以下を対象に5,000人規模の抽出調査を行い、平成30年度には40歳以上59歳以下について調査を実施するとのことであります。国の平成22年調査によりますと、調査対象者のひきこもりの出現率は6カ月以上にわたって家から出ない等の狭い意味のひきこもりが0.61%、趣味の用事のときのみ外出する人を含めた広い意味のひきこもりが1.79%ということで、これを本区に当てはめますと、それぞれ675人、1,981人になると推計をいたしております。しかし、ひきこもりは出現率が低いため、正確に実態を把握するためには、ある程度の規模で独自の調査をしなければならず、さらに国よりも年齢の幅を広げて調査をする必要があり、少なくとも数千万円の調査経費が必要となります。  また、国は全体の傾向を把握して政策に反映することを役割としておりますが、基礎自治体である本区の場合には、個々の対象者に対して直接支援していくことが役割でありますので、このような国の抽出調査からは、全体の傾向はわかりましても、個々の実態まではなかなかつかむことができません。実態調査の必要性を否定するものではございませんが、国の調査で傾向そのものはつかめますので、本区独自の調査を行うことはせずに、アウトリーチ等によって把握したひきこもり者の支援にまずは力を入れていきたいと考えております。  次に、これまでのひきこもり者に対する自立支援の取組みと実績及びひきこもり地域支援センターとの連携状況等についての御質問にお答えいたします。  本区のくらし・しごと相談支援センターでは、平成28年度実績で29人のひきこもりをされている方々の支援を行っております。センターには家族等からの相談のほか、保健所やCSW、民生・児童委員、通信制や定時性の高校、また民間NPO法人、さらには都のひきこもり地域支援センターである東京都ひきこもりサポートネット等、大変多くの機関等から情報提供や連携依頼がございます。例えばCSWから情報提供のあった20代男性の事例では、家族の中で介護が必要な方がいるなど複合的な課題を抱えていたことから、関係機関と連携しつつ、家族丸ごとの支援を行ってまいりました。本人に対しては、支援者がサポートしながら、本人のペースで体験就労や地域参加などを行い、徐々に自信回復を図ることにより、最終的に就労につなぐことができました。本区では、CSWを地域の区民ひろばに配置し、地域の情報や早期に把握できる体制を整えたり、地域関係者との連携を推進してきておりますので、他自治体と比べて、自立支援の実績がかなり上がっているものと考えております。  次に、40歳以上のひきこもり対策についての御質問にお答えいたします。  平成30年7月より開始いたします子ども若者総合相談事業は、主な対象者を義務教育終了後から30代の方までとしておりますが、40歳以上の方のひきこもりに関する相談も寄せられることが想定されます。このような場合には、本業務を委託するNPO法人の専門員がコーディネートを行い、生活困窮者自立支援事業の専門員や関係課職員とともにカンファレンスを開催するなど、強力な連携の下で適切な援助方針を立て、支援を図ってまいります。また、東京都のひきこもり専門の相談窓口をこれまで以上に活用しながら、区民の皆様に寄り添った対応を図ってまいります。  次に、相談に出向けない対象者を公的機関につなぐ具体的な取組み内容についての御質問にお答えいたします。  子ども若者総合相談事業は窓口を設置し、子どもや若者が抱える様々な課題に対応してまいりますが、ひきこもりに対する相談については、家族や関係者の方が相談に見えるため、状況の事実確認や適切なタイミングを見極めた上で訪問し、本人と接触を図っていくことも必要になります。そのため、本事業では、窓口相談支援を行う専門員が自宅等に出向いてアウトリーチを行い、公的支援や社会とのつながりが持てるよう対応してまいります。もう一方で、相談に出向けない対象者としては、子どもが想定されます。そのため、地域に出向く行政の相談窓口として子ども若者支援ワーカーを2名配置をいたします。育成委員会など地域主催のイベントや子ども食堂などの場で直接に子どもや若者とかかわりながら状況を把握すること、また、ボランティアの方々からの相談を受け、様々な情報を得ることでアウトリーチ機能の充実を図るとともに、早期のかかわりによりまして、問題の重篤化を防いでまいります。  次に、固く心を閉ざし、生きづらさを抱えているひきこもりの方々への今後の具体的な対策についての御質問にお答えいたします。  様々な自治体で特色ある取組みを行っておりますが、本区におきましては、子ども若者総合相談事業の開始により、ひきこもり問題の対応強化につながるものと考えております。生活困窮者自立支援事業の実績と各専門員や保健師など関係職員による強力な連携の下で重層的な対応をすることができ、当事者の方々に適したアプローチが可能になります。また、就労に困難を抱えている方々に対する就労支援である就労準備事業が大きな成果を上げており、ひきこもりの方々に対しても十分に対応が可能であると考えております。いずれにいたしましても、ひきこもりの方に対する支援は専門性が必要であり、決して容易なことではありませんが、当事者と家族の方々をひきこもりの苦悩から解放できるよう、精いっぱい努力をしてまいる覚悟でございます。  私からの答弁は以上でございます。   〔宿本尚吾副区長登壇〕 ○副区長(宿本尚吾) 住宅確保要配慮者対策と今後の住宅施策についての御質問のうち、まず、要配慮者の入居を拒まない賃貸住宅の登録目標値の速やかな設定についての御質問にお答えをいたします。  供給促進計画で定める登録住宅の供給の目標につきましては、地域の実情を丁寧に踏まえた上で慎重に設定する必要があると考えております。国の手引きにおきましても、既に実施をされている統計調査のほか、住宅確保要配慮者へのニーズ調査、空き家の実態調査、不動産事業者へのヒアリングなどを通じて作成することとされております。本区の登録住宅の供給の目標につきましては、今年度末に策定される東京都の供給促進計画を踏まえ、来年度から本格化する新たな住宅マスタープラン策定作業の中で丁寧に議論を尽くしてまいります。  次に、高齢者世帯等住み替え家賃助成事業を上回る支援策の今後の方針についての御質問にお答えをいたします。  東京都が平成30年度から家賃低廉化対策として、月額1万円を上限に4分の1補助を行うことが決定をしておりますので、区が月額1万円を負担すれば、都の補助1万円、国の補助2万円を活用して月額4万円の家賃低廉化が実施できるようになっております。現在、区で行っております高齢者世帯等住み替え家賃助成事業は、月額1万5,000円の助成となっておりますので、区の負担額だけで見ますれば財政負担は少なく実施できることとなります。しかしながら、一般論として家賃助成の水準につきましては、居住の実態や一般世帯における住居費負担とのバランスなどを考慮して、丁寧かつ慎重に議論をしていく必要があると考えます。したがいまして、高齢者世帯等住み替え家賃助成事業の金額の拡充につきましては、新たな住宅マスタープラン策定に向けた議論の中で家賃水準や後年度負担など公平性の観点のみならず、費用対効果の面からも総合的に検討してまいります。  次に、改修の自己負担分や登録手数料を負担してまで都に登録するかどうかについての御質問にお答えをいたします。  現時点での全国の登録状況は48件270戸、東京都においてはゼロ件と非常に低迷をしております。これは、御指摘のような改修費の自己負担や登録手数料の影響もあるものと思われます。また、登録するための面積基準が25平方メートル以上と定められていることも要件の一つと考えられます。東京都の供給促進計画(案)では、既存住宅の面積基準を着工年数に応じて15平方メートル以上にまで緩和する予定となっております。こうした緩和は登録件数が増える方向に作用するものと考えております。  次に、賃貸住宅のオーナーの不安を払拭し、理解を得る活動の取組みに関する見解と今後の方針についての御質問にお答えをいたします。  本区の居住支援協議会には、行政、不動産関係団体、社会福祉協議会などが参加しておりますが、相互に連携した活動をさらに発展・充実させていく必要があると認識をしております。御指摘のような不動産業者、行政、福祉関係者がオーナーに対して直接、理解を求める方法も含め、効果的なスキームを検討してまいります。なお、先日、空家活用条例の制定を機に、空き家活用の推進に向けて不動産団体、建築士や行政書士などの各種士業団体と協定を締結いたしました。空き家活用を行政の力だけで進めていくことは極めて難しく、これら関係団体と協力をしながら取り組んでいく必要があります。かねてより豊島区では、こうした関係団体との連携が積極的に行われておりますが、今後さらにこうした取組みに力を注いでまいります。  次に、要配慮者入居促進のための、より多くの不動産店への協力依頼についての御質問にお答えをいたします。  高齢者等入居支援事業協力店の名簿は、宅建協会豊島区支部と全日本不動産協会豊島文京支部とそれぞれ平成14年・平成16年に協定を締結し、選定された協会会員のリストを提供していただいております。それぞれの協会では、新規加入の会員に対し、名簿登載の意思を確認し、名簿の更新を行っていただいております。当初の名簿作成から随分と時間が経過していることもございますので、これを機にそれぞれの協会の御協力を得ながら、全ての会員に対しまして、改めて名簿登載を促してまいりたいと考えております。  次に、入居希望者への高齢者協力不動産店の周知についての御質問にお答えをいたします。  高齢者等入居支援事業協力店の名簿は、生活福祉課、西部生活福祉課、子育て支援課、豊島区民社会福祉協議会で共有をしているほか、現在は区のホームページでも公開をしております。しかしながら、高齢者の方々がその存在を知ることが困難な状況もあると考えますので、そもそも協力点数を増やす努力を行うとともに、広報としまによるお知らせなど御指摘を踏まえ、さらに周知に努めてまいります。  次に、家賃等債務保証制度及び身元保証制度を全ての不動産店で速やかに利用できる体制の整備についての御質問にお答えをいたします。  家賃等債務保証制度としては、高齢者住宅財団、東京都防災・建築まちづくりセンター、区が協定を締結した保証会社がそれぞれ行うもののほか、賃貸保証機構の同行サービスを利用した際の家賃債務保証制度があり、身元保証制度としては、東京都防災・建築まちづくりセンターが行っているものがございます。区では、これらの制度につきまして宅建協会及び全日本不動産協会を通じて不動産店へ周知をしているところでございます。これらの制度は、不動産店や物件自体に指定保証会社などがついていない場合であっても、全ての不動産店で利用できることとなっております。今後、こうした制度の内容をよりわかりやすくお示しするチラシを作成するなど、それぞれの協会の協力を得ながら、より一層の周知に努めてまいります。  次に、入居希望者へ賃貸保証機構の同行サービスを周知し、全ての不動産店の窓口で利用できるようにすることについての御質問にお答えをいたします。先ほどの高齢者等入居支援事業協力店の名簿と同様、広報としまによるお知らせなど御指摘を踏まえ、さらなる周知に努めてまいります。  次に、将来の大規模マンションの管理状況についての御質問にお答えをいたします。  将来の大規模高層マンションの管理につきましては、少子高齢・人口減少社会を迎え、区分所有者の高齢化や外部居住、空室問題など、既に生じているマンション問題がさらに顕在化していくことが見込まれます。こうしたマンション管理の新たな課題に対しては随時、標準管理規約が改正をされております。区といたしましては、こうした内容の周知を含め、マンションの適正管理に向けた支援を引き続き行ってまいります。  次に、高齢化や空き家の増加を見据えて大規模高層マンションの建設抑制を含めた住宅施策やまちづくり、都市計画の検討の必要性についての御質問にお答えをいたします。  一昨年に策定いたしました豊島区人口ビジョンでは、戦略的な子育て施策や定住施策を加味した場合の2060年に、豊島区が目指すべき将来人口を約30万人と設定をしております。人口減少社会において、高齢化によるまちのにぎわいや活力の低下を抑止するためには、新しい住民を呼び込み、まちの新陳代謝を活発化させることも重要であり、その意味でファミリー世帯を主なターゲットとしたマンションの供給は、豊島区にとってプラスになるものと考えております。また、豊島区のように交通利便性が高いエリアでは、ライフステージ、ライフスタイルなどに応じた職住近接、都心居住の需要もあるところでございます。人口減少や高齢社会に対応した住宅施策につきましては、現在作業中の住宅マスタープランの改定の中でも議論をされております。さらに、新たに大量の住宅が供給されることとなる大規模高層マンションなどの開発につきましては、規制や誘導のあり方も含め、区だけではなく、東京都、国も含めて幅広い視点で議論を行っていく必要があると考えております。いずれにいたしましても、住宅施策とあわせて子どもや女性にやさしいまちづくりなどの諸施策を総合的に進めることで、将来人口30万人を目指し、住み続けることができるまちづくりを展開してまいります。  私からの答弁は以上でございます。   〔今浦勇紀危機管理監登壇〕 ○危機管理監(今浦勇紀) 防災対策についての御質問のうち、まず、災害対応型紙カップ式自販機設置のための災害協定の締結についての御質問にお答えいたします。  まず、御案内のとおり、災害時の備蓄物資として、食料や飲料水などの備蓄は現在、計画的に進めており、3日分の備蓄目標を達成するために、新たに建設を予定している備蓄倉庫の完成とともに、紙おむつ、粉ミルク、使捨ての哺乳瓶など、備蓄の質・量ともの充実を図ってまいります。御質問にございました災害時のお湯の供給については、御指摘のとおり、避難所での生活で乳児を抱えた被災者にとっては、大変切実な問題であると認識しております。  そこで区といたしましては、昨年、建設機器レンタル業者2社と災害時における資機材等の優先的提供に関する協定を結びました。この協定により大規模災害発災時には、トラックや建設重機はもとより、工事現場で日常使用される様々な物品の調達が可能になっており、避難所で生活を送る被災者が必要とする魔法瓶や電気ポットなどの機器を調達し、お湯などの特定の需要に対応していくこととしております。  御提案のありました自販機については災害時の利用の実例もあり、有用なものであると認識しておりますが、豊島区が救援センターに指定しているのは、主に区立小中学校であることも考慮し、設置の可否を判断すべきであると考えております。今後も区としてはレンタル機器の調達などにより、簡易に避難生活の様々なニーズに応えられる手段を追求してまいります。御提案をいただきました自販機の設置のための災害協定については、他自治体の例なども参考に、今後の研究課題とさせていただきます。  次に、防災対策における加入保険の契約内容の確認や見直しの呼びかけの今後の対応についての御質問にお答えいたします。  阪神・淡路大震災の教訓から、被災地の復興を円滑に進めるため、被災者生活再建支援制度による支援金など、被災者の生活再建を側面から支援する制度が整備されてきました。そうした中でも、公的支援のみでは十分な給付額ではなく、被災者の生活再建には限界があります。区としては、自助としての個人の保険加入は、被災後の生活再建という視点から大変重要であるとともに、公助とあわせ、被災地の円滑な復興に大いに寄与するものと考えております。今後、区の広報やホームページにおいても、自助の徹底とともに、保険加入や保険内容の見直し、確認などについて注意喚起を行うとともに、日本損害保険協会などの専門の相談窓口についてもあわせて紹介してまいります。  以上をもちまして、島村高彦議員の御質問に対する答弁を終わります。 ───────────────────◇──────────────────── ○議長(木下 広) この際申し上げます。  議事の都合により、暫時休憩いたします。   午後0時57分休憩 ───────────────────◇────────────────────   午後2時20分再開 ○副議長(大谷洋子) 休憩前に引き続き会議を開きます。  議長の都合により副議長の私が議長職を務めますので、よろしくお願いいたします。  なお、申し上げます。本日の会議時間は、議事の都合により、あらかじめこれを延長いたします。 ───────────────────◇──────────────────── ○副議長(大谷洋子) 一般質問を続けます。  次に、9番議員より、「池袋周辺に集中した開発優先の予算から、区民の命と暮らしを守る予算に再編成を」の発言がございます。   〔森 とおる議員登壇〕(拍手) ○9番(森 とおる) 私は日本共産党豊島区議団を代表して、「池袋周辺に集中した開発優先の予算から、区民の命と暮らしを守る予算に再編成を」と題し、次の三点について、一般質問を行います。第一に2018年度予算について、第二に民泊について、第三に羽田空港の増便に伴う都心飛行ルート計画についてです。区長の明快な答弁を求めます。  第一の質問、2018年度予算についてです。  2018年度当初予算規模は、一般会計が1,246億4,900万円、対前年度比79億4,800万円の増で過去最大規模の予算。特別会計を含めた総財政規模は1,833億8,000万円、対前年度比18億7,200万円の増で、過去2番目の規模が示されました。その主な要因については、投資的経費が対前年度より73億円多い、212億円という高い金額になったからであります。歳入では、人口の増加により納税義務者数が大幅に増加することが見込めるとして、特別区税が対前年度比8億4,100万円の増、319億7,200万円と過去最大となり、特別区財政調整交付金も法人住民税や固定資産税が増加するとして、対前年度比16億円増、307億円を見込んでいます。ふるさと納税制度による区民税の流出増加、法人住民税の一部国税化や消費税交付金の清算基準見直しについては39億円もの減収になり、東京を狙い撃ちにした不合理な税制改正としているものの、財政調整基金を取り崩すことなく予算編成したとしています。しかしながら、公共施設再構築基金21億円、義務教育施設整備基金12億円を初めとした特定目的基金は合計65億円もの取崩しが予定されており、決算剰余金20億円全額を財調基金に積むが、基金合計では31億円減額、374億円を見込んでいるのです。  まず、区民の深刻な暮らしの実態について区長の認識を質問します。  私は当初予算案の資料に目を通して一番感じたことは、区民の深刻な暮らしの実態について、全くと言っていいほど触れられていないということです。歳入が増加したことは、第2次安倍政権の5年で大企業の当期純利益は2.5倍となり、内部留保は80兆円積み増しされて400兆円を突破したことが影響しています。しかしながら、その一方で、我が党区議団が調査したアンケート結果においても、多くの区民は景気回復の実感どころか、暮らしが厳しくなったことを切実に訴えているのです。ところが、区長は昨年の第3回定例会、第4回定例会の一般質問で、我が党区議団のデータは対象や数が異なるとして、区民1人当たり所得、池袋ハローワークにおける求人倍率が公的なデータだと取り上げ、「横ばいもしくは緩やかな改善傾向にある」「区民の生活にゆとりと潤いが生まれ、生活の質が向上、改善してきた」と答弁したのであります。  そこで最初の質問です。公的データということですから、その角度で改めて取り上げます。区民1人当たりの課税額の推移を見ると、10年前の2008年度は17万7,650円、2015年度は17万5,421円、2016年度は17万4,109円と下がってきています。また、ハローワークに行ったが、年齢条件が合わないとか、希望は正社員だが、なくて賃金が安いので、どうにもならないという社会問題が深刻になっていますが、これらの状況において、なぜ横ばいもしくは緩やかな改善傾向で、区民の生活にゆとりと潤いが生まれたなどと言えるのでしょうか。区長の認識はずれているのではありませんか。  豊島区では、課税標準額200万円以下の層においては、2014年度の7万9,420人から2016年度の8万3,621人へと、わずか2年間で4,000人以上も増えています。老齢年金給付受給権者数については、2012年度末8万9,475人から2016年度末9万4,620人へと5,000人以上も増加しています。年金受給者を含めた非課税者に対する見解が抜け落ちています。生活保護受給者が2008年度1,068人から2016年度6,237人に激増しています。昨年の決算特別委員会において、我が党の質疑で理事者から「二極化が進んでいる」とありましたが、そのとおりです。区長は認識の誤りを是正すべきではありませんか。  全国では、第2次安倍政権発足前に比べて労働者の実質賃金は年収換算で15万円も低下し、実質消費支出は20万円減りました。金融資産を持たない世帯が400万世帯も増加し、全世帯の35%になりました。これこそアベノミクスによって格差と貧困が拡大し、区民の暮らしが厳しくなった証です。改めて公的データに基づく認識をお答えください。  次に、基金と起債、すなわち貯金と借金について伺います。  2018年度の特別区債発行額は対前年度比10億円増加の60億円となり、起債依存度は上がります。残高は32億円の増加で310億円と、2015年以降3年連続で右肩上がりです。また、財調基金は5年連続で取り崩さずに予算編成することができたとしていますが、今年度においては補正予算で27億円を取り崩しており、一般財源収入とあわせて東アジア文化都市や池袋西口公園整備の文化振興基金、義務教育施設整備基金、公共施設再構築基金等に24億円を積み、2018年度に一気に65億円を取り崩すものです。  そこで質問します。財調基金を取り崩さないと言いますが、今定例会の補正予算で財調基金を取り崩し、文化振興基金に6億円を積んでいます。予算案で取り崩してもよかったのではありませんか。なぜ補正予算でやる必要があったのか、同じことではありませんか。お答えください。  しかも、池袋西口公園を文化振興基金に積まなければならないのでしょうか。答弁を求めます。  今後、学校改築などの社会基盤施設が更新期を迎え、ハレザ池袋やオリンピック開催を見据えた都市基盤再整備の投資を加速させることから、起債の上昇傾向と基金の取崩しは続くことが想定されます。区はこれまで、その年度の経常的な歳入で経常的な歳出を賄うこと、いわゆる身の丈に合った財政運営こそが健全財政の基本と言い続けてきました。2015年度決算を振り返ると、旧庁舎跡地一括前払い地代収入191億円を原資にして財調基金に157億円、公共施設再構築基金に26億円を積み立てました。その結果、貯金が借金を146億円上回ったとしていました。それが2018年度予算では、上回った額が64億円に減少しているのです。現時点において、旧庁舎跡地76年分の一括前払い地代収入から新庁舎整備費用を差し引いた額はいくらで、どのようになったのでしょうか。その金額を差し引くと、上回ったと言っている64億円はいくらになっているのでしょうか。お答えください。  しかも、2019年はマイナス136億円、2020年度はマイナス133億円の債務超過が予定されています。さらに2021年度以降について、貯金と借金のバランスはどうなっていくのでしょうか。お答えください。今後の区財政に多大な影響が及ぶことになりますが、どのように考えているのでしょうか。  区は財政の健全性を維持・両立するために基本計画、未来戦略推進プランにおいて、3つの財政規律を立てましたが、今回オルタナティブルールというものを持ち出しました。これはなぜ必要なのか、どういう意味があるのか、答弁を求めます。  次に、過去最大規模になった予算の中身について伺います。  新規・拡充事業や重点事業の資料でもわかるとおり、国際アート・カルチャー都市の推進、にぎわい事業が満載です。子ども、高齢者、女性のための施策は確かにあることにはありますが、特に金額では比べようがないほど、膨大な差があることは間違いありません。一般会計が対前年度比79億円の増加となった要因は、先ほども述べたように投資的経費が対前年度比73億4,400万円の増となったことにほかなりません。総額212億600万円は過去3番目に高い水準としていますが、これはハレザ池袋関連15億円、4公園整備事業27億円、市街地再開発事業24億円、池袋駅東西デッキ等、すなわち国際アート・カルチャー都市の推進、にぎわい事業であります。しかもこれらは2019年度以降に金額が一層膨らむものばかりです。  それでは、幾つか具体的に事業を取り上げて質問します。  まず、池袋周辺4公園の整備のうち、池袋西口公園整備についてです。  老朽化した施設整備を行うことを否定するものではありませんが、概算工事費26億8,000万円です。これまで行ってきた公園整備工事費と比較すると、面積が倍以上の南池袋公園3億9,446万円、南長崎スポーツ公園3億6,768万円、新宿区の大久保公園シアターパークは西口公園と同程度の面積で1億4,683万円。これまで区民からデザインが奇抜であること、さらに事業費があまりにも巨額であること、特に単なるリング上のモニュメントに8億7,000万円もかけることについて理解できないと疑問の声が上がっています。  そこで質問します。当初から事業費も財源も決めないまま、設計を進めた手法に誤りがあった典型的なパターンです。先月の副都心開発調査特別委員会で高野区長自らが私に対し、「大変巨額な投入だと思っている。詰められるだけ詰めてもらいたい、そんな検討もしていく」と発言がありましたが、何をどう検討したのでしょうか。私は、モニュメントをやめることこそが費用削減の第一歩だと考えますが、いかがでしょうか。答弁を求めます。  次に、中池袋公園整備についてです。  昨年の決算委員会で事業費が増えていることを質問しましたが、区は説明に立つことさえしませんでした。改めて1月の副都心開発調査特別委員会で質疑をして驚きました。計画・設計を含めた概算工事費は4億900万円です。区の整備する理由は新ホール棟など旧庁舎跡地整備、ハレザ池袋の前庭空間などでデザインを統一するためというものであり、老朽化したわけでもなく、利用者から使いにくいという声もありません。しかも基本計画から設計を公園では前例のない随意契約で、鹿島建設に4,072万円も支払っているのです。しかも周辺道路基本設計についても、鹿島道路に793万円の随意契約をしていたのであります。  そこで質問します。随意契約という前例のない手法を2年前から進めていながら、なぜ基本計画の段階から説明をしてこなかったのでしょうか。随意契約は競争の働いていない契約金額及び地元企業に対する受注機会の損失ですが、どのように考えていますか。こうした手法は議会軽視です。今でも十分、利用価値が高い公園を新たにリニューアルする必要性はどこにもありません。事業は白紙撤回すべきです。答弁を求めます。  次に、造幣局跡地公園整備についてです。  造幣局跡地を防災公園にすることについては、我が党区議団も長年求めてきたことであり、異論はありません。しかしながら、設計から工事、管理運営を一体的に進める事業者コンソーシアムという、これまで行ってこなかった手法で、今回パーク・PFIという公民連携制度を用いて、最大20年もの長期にわたり設置許可しようとしている点に問題があると考えます。  そこで質問します。これも、パーク・PFIという公民連携制度の具体的な中身を説明せずに進めてきたことは問題です。説明責任を果たし、議会の意見を聴くべきです。一方的に事業者を決定したことは問題だと考えますが、いかがでしょうか。  区内の公園の中で、なぜここだけパーク・PFIにしなければならないのか。契約期間中に事業採算性や経営状態が悪化するなど、長期契約であればあるほど不安材料が考えられます。期待どおりの運営ができなくなった際に契約を解除するなど、あらゆる手だては尽くされているのでしょうか。防災公園としての位置づけを揺るがせることなく、改めて明確にすることが大事です。パーク・PFIという手法は改めるべきです。答弁を求めます。  次に、池袋副都心移動システム推進事業、電気バスについてです。  区も説明しているとおり、国内外からの来街者のための観光バスであり、区民の日常の公共交通コミュニティバスではありません。これまで私は、最高速度19キロに対する保安基準しか備わっていないことによる安全性、窓にガラスがない快適性等に問題があると指摘してきました。  そこで質問します。昨年、決まってもいない車両を再三にわたり広報に掲載し、試乗会にマスコミを呼ぶなどしましたが、区民から決定事項かという問合せがありました。こうしたやり方は問題だと考えますが、いかがでしょうか。1台2,000万円程度の車両に対し、トータルデザイン料という名目で有名デザイナーと3,000万円を随意契約で決めたことは問題です。しかもデザイナーの言い値だということを区は認めました。税金を預かる自治体のあり方を逸脱しています。区長と親交があり、知り合いだったということで勝手に決めてしまっていいはずがありません。3億円もかけて自治体が行う事業ではありません。区政の私物化です。改めるべきです。答弁を求めます。  次に、池袋PRアニメを株式会社アニメイトと共同制作することについてです。  区は、アニメイトと池袋PRアニメの共同制作を決定しました。これは世界中の女性アニメファンをターゲットにするとして、2020年に向けて世界に発信することで国内外から豊島区が注目され、人々が訪れるきっかけにする事業とのことです。事の発端は、アニメイトが30周年記念事業としてCM制作を企画し、豊島区に共同事業にしないかと持ちかけてきたことがきっかけで始まったと伺っています。区は今年度補正予算でメインキャラクター公募費430万円を計上し、アニメ制作費3,000万円についてはアニメイトと折半しようとしています。  そこで質問します。株式会社アニメイトは大企業だという認識はありますか。まず、お答えください。  本事業はアニメイトが自らの費用で独自にやるべきです。なぜ区が毅然とした態度で、そういうことはできないときっぱり断らないのでしょうか。これは公民連携を逸脱した行為です。自治体の本分を見失ってはならないのであります。答弁を求めます。  次に、池袋周辺地域まちづくりについてです。  都市開発、再開発事業がめじろ押しです。アベノミクス区政を公言してはばからない高野区政の下で行われている安倍政権と一体となった計画で、大規模な開発投資先の確保が目的です。全国的に高齢化、人口が減少しているにもかかわらず、都市間競争をあおりながら、豊島区は人口が増えるというシナリオをつくり、国家戦略特区を用いて手続を簡略化し、一気にスケジュール短縮を進め、特定都市再生緊急整備地域で大幅な規制緩和を行うことで、再開発にかかわる大企業は大きな収益を得ることができます。大手建設業、不動産業、製鉄業、デベロッパーなどの収益を保障し、奉仕しようというアベノミクス開発行為は、住民犠牲、住民無視の強圧的なやり方が一層露骨になってきています。それに対し、住民の不安や憤りは日増しに強まり、至るところで事業の問題点が浮上しつつあります。川崎市や武蔵小杉駅周辺の再開発では住民が激しく反発し、東京駅前の八重洲再開発事業では、地権者が八重洲の街並みを守る会をつくり、賛同者は7割に満たない状況であることが報じられました。本区においても、庁舎の上のマンション等に本当に住んでいるのか。投機目的で売買され、バブルがはじけたらどうなるのか。南池袋二丁目C地区、造幣局南地区まちづくりにおいても反対の声が上がっています。いずれも「生まれ育った土地です、今のままの生活環境を変えないでほしい」「これからの生活の保障が不透明」「マンション管理費、固定資産税が払えない」など、今のまま住み続けたい、追い出さないでという声が上がっているのです。  そこで質問します。こうした住民の声をまず聴くべきです。答弁ください。  予算では、既に南池袋二丁目C地区市街地再開発事業は都市計画決定もしていない、反対者が多数いる状況にもかかわらず、3億2,000万円も計上しています。まさに住民無視です。やめるべきです。そもそもまちづくりとは住民合意で進めるものです。法律では3分の2の合意で再開発事業が進められるとしていますが、100%の合意がなければやらないという自治体もあります。これこそ住民本位のまちづくりではありませんか。考えをお示しください。
     区は、特定都市再生緊急整備地域で、現在6カ所の再開発事業を進めるとしています。この間、進めてきた再開発事業では6割前後の住民が転出しています。昨年、第2回定例会一般質問で私が、「人口減少していく中で超高層ビル・マンションの乱立は負の遺産になるが」と質問したところ、「ほかの地区と比べても過剰な供給とは考えていない」と答弁がありましたが、私は負の遺産とならない根拠を示すように質問しているのです。改めてお答えください。  再開発事業は、多額の税金がかかります。区は、「国庫補助や財調が来る」と言って、「区財政の負担にならない」と言いますが、区民負担に絶対にならないという保証がどこにあるのでしょうか。答弁を求めます。  ここまで2018年度予算について取り上げてきましたが、高野区長が進めるハレザ池袋を初めとした国際アート・カルチャー都市の推進、にぎわい事業の多くが過去最大の予算として重くのしかかり、次年度以降の区財政にも多大な影響を及ぼすことは間違いありません。保育所増設等による待機児童対策を進めてきたことは承知しています。我が党の要望がいくつか入っています。福祉費や社会保障費の問題は明日、小林ひろみ議員が一般質問で取り上げますが、いくつか取り上げ、質問します。  アベノミクスによる税・保険料の値上げ、社会保障の切捨て、給与、年金収入の削減が相次ぎ、区民の暮らしはますます深刻です。我が党区議団が切実な区民要求に応えるため、再三にわたり提案してきました。70歳から74歳の医療費自己負担2割を1割に減額するのに1億8,000万円、子どもの医療費助成制度を18歳まで拡充するのに1億4,000万円、生活保護世帯の風呂券60枚支給復活に約2,000万円、学校給食を第3子以降無料にするのにわずか440万円です。支援が必要な区民に光を当て、救済することが今こそ大事です。なぜやらないのでしょうか。お答えください。  次に、民泊について質問します。  昨年6月、政府は住宅宿泊事業法を成立しました。これは戸建て住宅やマンション、アパート等の住宅を活用し、有料で宿泊サービスを提供する民泊を解禁するものです。この新法は、国内外からの観光客の宿泊需要に対応し、経済の発展に寄与するためなどとして、現行の旅館業法では違法とされている民泊を合法化し、従前は宿泊業を営むには、消防設備や衛生基準など最低限の基準を満たすなど許可が必要でしたが、これらの基準を満たさない住宅でも届け出だけで認められるなどの問題を抱えながら、本年6月15日に施行されます。  民泊は全国の大都市、観光地で急増しています。これは、インターネットを通じて、貸したい人と旅行者をマッチングする民泊仲介サイトビジネスが世界各国で展開されたことによるものです。民泊仲介業者のAirbnb社はニューヨークで発祥した世界最大手です。昨年10月、公正取引委員会が不公正な取引方法の疑いで立入調査したと報道されました。また、Airb社等の仲介業者が展開してきた民泊の多くは違法民泊です。こうした中、各国の流れは民泊規制です。ニューヨークでは、知事が民泊禁止法に署名したと伝えられています。ベルリン市でも規制条例が制定され、パリでも対応するなど、住民への被害が顕著になっていることから規制に乗り出しているのです。我が党は、これまで違法だった民泊にお墨つきを与えてはならず、住民の生活環境を悪化させないために旅館業法に則したルールの適用が必要と考えます。  豊島区の調査では、寄せられた苦情・相談が昨年度74件、今年度は10月末時点で59件、池袋駅周辺のみならず全区的に広がっています。私にも地域から多数の心配や不安、憤りの意見が寄せられます。「夜中に騒がしく、注意しようにも言葉が通じず、時に警察を呼ぶが、入れ代わり立ち代わりでどうしようもない」とか、「管理人不在だし、火事になったら消防車は入れない狭い路地、どうなるのか」とか、「外国人の家族がポストに入っている鍵を取り出せずに困っていたので、出してあげた。ところが、部屋に入ると別の外国人客が入っていたので、仕方なく別のホテルを探しに行った。セキュリティもどうかと思うが、せっかく家族旅行で日本に来たのに嫌な思いをしたと思うと、やりきれない」など、様々です。  新法は、周辺の悪化を防ぐ目的であれば、条例を定めて制限することを認めています。ほかの自治体はそれぞれ独自ルールを条例に盛り込み、学校などがある地域では認めないであるとか住居専用地域では禁止、あるいは月曜から金曜までの平日は禁止するなどの準備を進めています。6月15日の法施行を前に豊島区独自ルールを作成し、区民生活、宿泊客を守るために規制するのは当然です。それと同時に闇民泊、違法民泊を根絶する手だての構築が不可欠です。ところが、高野区長は今定例会の招集あいさつ、所信表明で豊島区を訪れる方々の宿泊場所確保が必要と発言しましたが、区民は生活を守る条例を求めているのであります。  そこで民泊について認識を伺います。区長は民泊について、ほかの都市や観光地における問題点や、区内における状況等、どのような認識を持っているのでしょうか。  また、住宅宿泊事業法について施行の時期やこれまでの経緯等にどのような評価、見解をお持ちでしょうか。お答えください。  順次、いくつか具体的に質問します。一つ目は、民泊の営業規制についてです。  条例案では、現行の旅館業法によってホテル・旅館を開設することのできない区内面積の45.6%を占める住居専用地域において営業規制はありません。また、学校や保育所等周辺での営業規制もありません。法第18条には明確に区域や期間を指定できるとあります。これにのっとり、住居専用地域においては全面禁止区域にすることが求められています。住居専用地域以外においても営業する曜日を制限するなど、一定の日数制限が必要だと考えます。特に学校や保育所等周辺では禁止区域の設定が必要ですが、いかがでしょうか。  また、ホテル、旅館同様に、宿泊客と近隣住民の安全のために常時管理者の配備は当然必要です。こうした豊島区ルールづくりが必要不可欠ですが、いかがでしょうか。答弁を求めます。  二つ目は、分譲マンションにおける対応策についてです。  昨年末、国土交通省からマンション管理組合あてに、「新法の施行前に管理規約の改正が必要」というお知らせが届いています。3月15日から届け出の受付が開始されることになりますが、現場は大変混乱し、「各所有者に連絡が行き届かない」とか、「急に総会は開けない」など、「規約改正はとても間に合わない」という声が多数上がっています。最悪なのは、通知が宛先不明で戻っているケースで、お知らせを見てさえもいない管理組合もあるのです。国は慌ててガイドラインで、管理規約改正ができなかったとしても、禁止であることが総会及び理事会の議事録で確認されればいいなどとしていますが、南大塚にあるマンション管理組合の理事は、「これでは十分な対応策とは言えない、民泊を営む側から権利侵害を主張されるなどして係争事案に持ち込まれたらどうするのか」と憔悴しています。このように国の対策は不十分です。区はこうした状況について、どのように考えているのでしょうか。これならば絶対に大丈夫といった万全の対策を講じるとともに、国に対しても強く改善を求めるべきですが、いかがでしょうか。  三つ目は、職員体制の強化についてです。  今でも不足している実態調査の実施や相談窓口開設、何よりも違法民泊を根絶するためにも通報を受けて、迅速に対応できる職員体制の強化は欠かせません。国や都に対し、必要な財源を求め、職員を大幅に増やすべきです。また、事業を開始した民泊の所在地等の情報については、警察、消防、関係機関と共有し、違法が判明した場合は即時、是正できる体制が必要ですが、いかがでしょうか。答弁を求めます。  次に、羽田空港の増便に伴う都心飛行ルート計画について質問します。  私がこの問題について取り上げるのは3回目となります。改めて申し上げますが、羽田空港の現在の発着処理は海から入って海から出る、すなわち東京湾上空での経路設定で、一定の生活環境を守ることが前提です。航空機事故の発生は離陸後3分、着陸前8分の魔の11分と呼ばれる離着陸時に集中しているとされます。南風時の到着便では、高度を下げながら豊島区西部上空を通過することになります。1時間に30機、2分に1機が着陸するとしており、このルートの運用は15時から19時までの4時間とされますが、あくまで当面の航空需要に対応するものとされ、将来的に拡大しないと約束されたものではありません。こうした政府の計画は、これまでの生活環境を守るといった約束を反故にし、国際競争力に名を借りた経済利益最優先で、住民に犠牲を強いるものであり、住民合意なく強行する姿勢は断じて許されません。昨年、我が党区議団が行ったアンケート調査でも賛成者133名、わずか6%に対し、反対者は1,488名、71%と圧倒的多数です。  国交省によれば全国で確認されている部品脱落は2009年度からの8年間で451件に上ります。ただし、この数は報告義務のある国内の航空会社に限ったもので、外国の航空会社を合わせれば、さらに増える上、把握もされていません。  ここへ来て、航空機からの落下事故が後を絶ちません。昨年9月、関西空港を離陸したKLMオランダ航空機から約4.3キロのパネルが落下し、大阪市内を走っていた乗用車を直撃し、屋根や窓を破損しました。同じく成田空港に向かっていた全日空機から約3キロのパネルが2日続けて同一箇所から脱落し、一度目のパネルが茨城県の工場内で発見されました。今年1月にも定期整備を終えたばかりの政府専用機が羽田空港から新千歳空港に飛行した際、500グラムのパネルが落下した事件がありました。国は、「東京湾上空は大変混雑しています」として、都心上空ルートの必要性を主張し続けているわけですが、既に混雑した状況を都心上空に広げるなどしたら、住民の危険と負担は計り知れないことになるのです。  昨年の私の一般質問に対して区の答弁は、「国に対し情報開示、安全対策、騒音対策、それぞれの徹底を強く要請する」「区が直接受けた御意見や区議会への請願、陳情、さらには一般質問などを通じての御意見、御要望などについても、国に対し、しっかりと伝えていく」とありました。  そこで質問します。区は、これまでに国に対し、どのような要請や働きかけ等の対応を行ってきたのでしょうか。また、その対応については、区民に対し、どのように報告してきたのでしょうか。  区民は教室型説明会開催を強く求めています。早急に実施すべきですが、いかがでしょうか。  国土交通省は3月末までに落下物防止対策基準案を策定すると言いますが、実効性を担保する裏づけはありません。落下物の事故が多発している中で、多くの便が豊島区上空を飛行することに対し、区はどのように考え、どのように対策をとるつもりでしょうか。  区民の合意・理解なしに進めるなどあってはなりません。反対の声は高まっています。区は区民の合意・理解についてはどのように考えているのでしょうか。  増便ありきで進める都心飛行ルート計画は、住民を犠牲にして大企業の利益拡大に奉仕するものです。改めて伺いますが、区として明確に反対の態度を表明すべきと考えますが、いかがでしょうか。答弁を求めます。  以上で、私の一般質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)   〔高野之夫区長登壇〕 ○区長(高野之夫) ただいまの森とおる議員の御質問に対しましてお答えを申し上げます。  初めに、お断りをさせていただきます。森とおる議員のこのたびの一般質問、たくさんの項目をいただきました。この中でこれまでお答えしたものもございますけど、答えの中で私の区政を推進するに当たって議員とは見解の相違もありますけど、この機会にできるだけ詳細に答弁をいたしたいと思いますので、ちょっと時間が長くなるかもしれませんが、御了承願いたいと思います。  それでは、2018年度予算についての御質問のうち、まず、区民の深刻な暮らしの実態についての認識について、御質問についてお答えをいたします。公的データに基づく認識をとのことでございますので、この質問の内容について順次お答えをいたします。  まず、区民1人当たりの課税額が下がっているとの御指摘については、そのとおりの状況でございます。これは総人口の伸び以上に納税義務者が増加し、2008年度当時では収入が低く課税されていなかった層が課税されるようになったこと、そのほか、近年のふるさと納税による多額の寄附金の控除やベトナムなど、東南アジアからの留学生の急増などの要因が納税義務者1人当たりの課税額を押し下げているものと分析をしております。しかし、総課税額を、非課税者も含めた区全体の人口で割った人口1人当たりの課税額で見ますと、2008年度が9万7,366円、8年後の2016年度が9万8,370円と約1%の上昇となっております。また、単純に給与所得課税者の給与収入の平均額を比較いたしますと、同じように2008年は525万円でしたが、8年後の2016年には532万円と、同様に1%の改善傾向にあることがうかがえます。  次に、課税標準額200万円以下の層の住民が増えているとの御指摘でございますが、絶対値として200万円以下の層の人数そのものは増えておりますが、豊島区全体の住民数も増えており、割合にいたしますと10年前からほとんど変わっておりません。非課税者の見解が抜け落ちているとの御指摘でございますが、課税人口が人口の伸び以上に増加している状態が続いておりますので、無所得者を含めた非課税者の割合が減っているのは紛れもない事実でございます。このことからも豊島区全体の豊島区全体として緩やかな改善傾向にあることは間違いございません。  次に、老齢年金受給者が増加しているとの御指摘でございますが、受給資格の発生する65歳以上の人口は、2013年と2017年の1月現在で比較をいたしますと、約4,000人増加をしております。これ以外にも年金の繰上げ受給者も相当数はおりますので、森とおる議員の御指摘は単に老齢人口の増加とほぼ同数と考えられます。ちなみに厚労省の資料では、東京都の75歳以上の平均所得は、平成26年度、約147万円から平成28年度は157万円と増加傾向にございます。  次に、生活保護受給者が急増しているとの御指摘でございますが、これは税務概要の数値と思われます。税務概要の数値は、住民税申告があった人のうち、生活保護受給者をカウントしているもので、生活保護受給者の実数とは異なります。2008年度と比較しいたしまして、2016年度の生活保護の受給者が4,970人から7,002人に増加しているのは事実ですが、これはリーマンショックに端を発した景気の悪化の影響と考えられ、保護率は2010年度をピークにやや減少傾向、被保護者の人数は2016年度と2015年度を比較いたしますと75人減少をしております。  いずれにいたしましても、豊島区の全体的な傾向といたしましては、横ばいもしくは緩やかな改善傾向にあるという認識には変わりはございません。だからこそ、納税人口が28年度決算ベースで年間5,000人、過去5年間では約1万6,000人も増えているわけでございます。繰り返しになりますけども、このような景気回復基調にあっても、決して生活に困窮する方が存在しないなどと申し上げたつもりは一度もございません。暮らしの厳しい方々に対して親身になって相談に乗るのが私ども区行政の使命と思っておりますし、これからも福祉を軽んずることは全くございません。  次に、補正予算による財調基金取崩し及び池袋西口公園整備経費の文化振興基金への積立ての必要性についての御質問にお答えをいたします。  豊島区では、地方財政法の第7条にある、いわゆる決算剰余金の2分の1積立てルールを厳格化し、条例で決算剰余金を全額、財政調整基金に編入することにしております。そのため、年度間の財政調整に必要な額以外についても、ひとまず財政調整基金に積むようになっております。よって、財政計画が決まり次第、必要に応じて財政調整基金から取り崩し、積み替えることにしております。毎年行っております最終補正予算における将来を見据えた基金の積替えは、年度間の調整を図るための財政調整基金の取崩しとは、その性格が違うものと御理解をいただきたいと思います。また、池袋西口公園については、公共施設再構築基金から充当することも考えられますが、その整備目的から、文化振興基金から充当するほうがふさわしいものと考え、当該基金に必要額の積立てを行うものでございます。  次に、現時点における旧庁舎一括前払い地代収入から新庁舎整備費用を差し引いた金額及び64億円からの差引顎についての御質問にお答えをいたします。  平成27年度末に収入した旧庁舎跡地一括前払い地代191億円のうち、解体費用を除いた183億円について基金に積立てを行いました。それ以前の26年度に新庁舎保留床等の購入に基金を136億円取り崩しておりますので、新庁舎整備、旧庁舎活用によって差し引き47億円がプラスになったと考えることができます。30年度末の基金と起債の残高の差は64億円の基金残高の超過となっておりますので、そのプラスになった分は、まだ維持をしているものと考えております。  次に、2021年度以降の貯金と借金のバランス及び区財政への影響についてオルタナティブルールの必要性と意味についての御質問にお答えをいたします。  御質問にもあるとおり、基金と起債残高の見込みは31年度で136億円、32年度では133億円、起債残高が基金残高を上回る見込みであり、以降33年度138億円、34年度147億円と推移をしていくものと見込んでおります。これは現時点での、起債の充当率を最大限見込んだ一番厳しい数値でありますので、実際にはこれよりも借金残高が少なくなりますが、財政計画上で借金が貯金の残高を超過する見込みである以上は、いくら低金利時代とはいえ、区財政に全く影響がないわけではございません。今までよりもさらに厳しく健全な財政運営を行っていくことは必要でございます。  そのために、より厳しい財政規律としての新たなルール、オルタナティブルールと申し上げておりますが、これをお示しさせていただいたわけでございます。このルールはこれまでの財政指標を分析して、予算編成時における財政規律として設定することに大きな意味があるわけでございます。国でも基礎的財政収支の均衡、いわゆるプライマリーバランスが大きな財政規律となっておりますが、本区では一つ目に身の丈に合った財政運営、二つ目にはより厳しい財政調整基金残高の確保、三つ目には公債費比率の上限を設定するというものでございます。このルールを将来にわたって厳守し続けることで、持続可能な財政運営が構築できるものと考えております。  次に、池袋西口、中池袋公園、造幣局地区防災公園、池袋副都心移動システムの御質問をいただいておりますので、まず、池袋駅周辺地区における都市再生と4つの公園構想についての考えを改めて述べさせていただきます。  豊島区は、消滅可能性都市の指摘を契機として重点的に取り組んできた各種の施策が功を奏し、共働き子育てしやすいナンバーワンの都市として評価をされました。平成30年度予算は、福祉や教育など基礎自治体として、その責務を果たしながら、国際アート・カルチャー都市の実現に向けて文化と都市再生による施策を力強く打ち出しております。折しも2019年に開催する東アジア文化都市に続いて、2020年には東京オリンピックパラリンピックが開催をされます。このことから平成30年度予算では、豊島区は東アジア地域で注目を集め、全世界へ向けて羽ばたく準備をしていかなければなりません。  そこで、ハレザ池袋のプレオープンまでに池袋副都心移動システムの導入と中池袋公園及び池袋西口公園の再整備を完了し、東京オリンピックパラリンピックの開催前には造幣局地区防災公園をオープンいたします。4つの公園構想が実現し、公園周辺のハレザ池袋や東京芸術劇場などと一体的な機能連携を図ることで、文化・芸術の交流、発信の拠点を形成し、この拠点を電気バスがネットワークすることで、アート・カルチャー都市の都市機能を池袋全域に広げてまいります。このことは、現在、パブリックコメントを実施しております池袋駅周辺地域基盤整備方針(案)で示されるとおり、アート・カルチャー・ハブという都市構造の新たな考え方につながってまいります。こうした都市の基盤となるハード整備を区が先行することで、民間開発によるアート・カルチャー機能を誘発し、東京オリンピックパラリンピックの後のレガシーとして、池袋の都市再生が大きく進んでいくものと確信をしております。  それでは、まず、池袋西口公園整備経費節減の検討及びモニュメント整備の中止についての御質問にお答えをいたします。  池袋西口公園は、まさに国際アート・カルチャー都市を体現する池袋の顔となり、そして豊島区の象徴ともなる劇場公園化を計画しております。したがいまして、御指摘のような一般的な公園の整備や改修とは狙いや手法がそもそも異なるものであり、それゆえ一概に比較できないものと考えます。デザインの中心となるのが、直径35メートルのグローバルリングであります。夜間のにぎわいを生む照明が配置されるほか、イベント時には音響機材や照明機材を設置することも可能となります。しかしながら、何よりもこのグローバルリングによりもたらされる空間はアフター・ザ・シアターにも資する他に類を見ないものであり、そこに価値があるものと考えます。私は、このグローバルリングの提案を見て大変感動して、そして、これこそが池袋のイメージを大きく変えてくれるものと確信をしております。  池袋西口エリアでは今後、大規模な再開発が予定をされております。今回の公園整備、すなわち劇場公園化は、その再開発事業の先導的な役割を担っていると考えております。これまでのにぎわいを絶やさずに継承し、そして新たな池袋の魅力、豊島区の魅力を全世界に発信していくための劇場公園に生まれ変わることを大いに期待をしております。グローバルリングを含めた総事業費については、現在、取り組んでいる基本設計、実施設計の作業を通じてさらに精査をしてまいりたいと思います。また、国庫補助の確保など、区の負担ができる限り軽減されるように努めてまいりたいと思います。  次に、中池袋公園整備の基本計画、設計に関する随意契約の説明についての御質問にお答えをいたします。  平成25年度に策定をいたしました現庁舎周辺まちづくりビジョンでは、中池袋公園についても現在のハレザ池袋の一角として新ホール、新区民センターの整備に合わせて一体的に整備することを示しております。さらに平成26年度に実施をいたしました現庁舎地活用事業のプロポーザルでも、中池袋公園との一体性を生かした提案を求めております。このように中池袋公園のリニューアルについては、これまでも新ホール・新区民センターと一体に整備する前提で事業を進めてきており、このことは区民の皆様に対する説明会はもとより、事業費を含めて適宜、議会の皆様もお示しをしているところでございます。中池袋公園の整備やコンセプトからデザイン、さらに施設の配置、使用材料など、様々な点において、新ホール・新区民センターの整備と整合をさせながら進めていく必要があり、新ホールの設計者に公園の設計についても随意契約を行い、事業を進めているところでございます。作業の効率性、正確性、期待する成果等、どの点をとっても新ホールの設計者以外の事業者と進めることは困難であると認識をしております。  次に、今でも利用価値が高い公園をリニューアルする事業の白紙撤回についての御質問にお答えをいたします。  中池袋公園のリニューアルについては、先ほども述べましたように、既に平成25年度の現庁舎周辺まちづくりビジョンにおいて新ホール・新区民センターと一体的に整備をしていくこととしております。新ホール・新区民センターが整備されますと、このエリアには毎日、約3万人もの方々が訪れることとなります。中池袋公園はハレザ池袋の前庭空間として、それにふさわしいリニューアルを行うことは当然のことと考えております。現在のように水たまりのできる砂地舗装などではハレザ池袋そのものの価値を下げてしまいますし、公園内でイベントを開催するにも電気、給排水などの設備が整っておらず、アート・カルチャーの発信拠点として、期待されるにぎわいを生み出すことができません。このようなことから、中池袋公園の整備については、既に5年もの時間をかけながら一体的に整備していくための準備をしてきてまいりました。現時点で公園の整備を白紙撤回することは全く考えておりません。  次に、随意契約によって契約金額に競争性が働かないとする点及び地元企業への発注機会の損失とする点についての御質問にお答えをいたします。  まず、随意契約によって契約金額に競争性が働かないとする点につきまして、お答えをいたします。契約者を決定するに当たり、競争性の確保が原則となることは、当然、認識をしておりますが、事業の性質・内容等によりやむを得ず随意契約を選択することは法令で定める正当な手続でございます。中池袋公園整備に関する契約につきましては、価格競争では、旧庁舎周辺施設との一体性を確保するという、事業の核心となる目的を達成できないため、特定の事業者との随意契約としたものでございまして、法令に照らして何ら問題はございません。なお、御指摘の契約におきましては、特別区で共通する公共工事の積算基準によりまして算出した予定価格と事業者による見積金額の比較によって契約金額を決定しており、正当な手続で契約を締結しております。  また、区では一貫して、地元企業の受注機会の確保に配慮して発注しておりますが、本件は事業の性格・規模等から履行可能な区外事業者に発注するものであり、地元企業の受注の機会を損失という御指摘は当たらないものと考えております。  次に、パーク・PFIという公民連携制度の説明責任及びその事業者の決定についての御質問にお答えをいたします。  御質問のあったパーク・PFIは、昨年6月の都市公園法の改正によって創設されました新たな制度でございます。できたてのほやほやの制度と言ってもいいのではないかと思います。パーク・PFIは、公園内に民間が整備するようなカフェやレストラン等を対象として、通常は10年の設置許可を20年に延伸するものであり、PFIとは称しておりますけど、PFI事業とは異なるものでございます。設置許可の期間が延伸されることで、民間事業者からの積極的な投資が生まれ、より魅力的な施設運営が期待をされるものでございます。  造幣局跡地の防災公園では、設計、施工、将来管理を一括したコンソーシアムによる手法で事業を進めております。コンソーシアムの応募に先立って実施をいたしました事業者ヒアリングにおきまして、多くの事業者から施設の設置許可期間が10年では短く、事業に参入しづらいといった意見をいただきました。そのため、民間施設の設置許可を最大20年とすることができるパーク・PFI手法を活用することとしたものでございます。これにより、民間事業者にとっては、長期的視野での投資や経営が可能となるわけでありまして、区にとっては財政負担が軽減され、公園利用者にとっても充実したサービスを受けられることにつながるものと考えております。  なお、一方的に事業者を決定したとの御指摘でございますが、事業者の選定に当たりましては、昨年の第1回定例議会で条例改正を行い設置した造幣局地区防災公園事業者審査委員会において、プロポーザル要綱に基づいて、事業者の選定をしております。また、公募に当たっては、昨年5月の副都心委員会で状況報告を行った上で公募を開始をしております。  次に、契約期間中、事業者との契約解除及びパーク・PFIという手法を改めることについての御質問にお答えをいたします。  先ほど述べましたとおり、パークPFI制度では、公園内に民間事業者が整備するカフェやレストランなど施設の設置許可が20年に延伸をされます。この期間が長く、事業者の経営状況が悪化した場合の対応といった御心配については、事業者との協定書に「協定の解除」といった条文を入れております。事業者が破産した場合など事業の継続が不可能と判断した場合には、事業期間内であっても契約を解除することができるとしております。このような契約解除の取扱いについては、通常の10年の契約期間としている施設、例えば、今、大変若い人に人気のある南池袋公園のラシーヌにおきましても同様でございます。万が一、事業者が不測の事態になろうとも、利用される区民の皆さんにとって影響のないよう、適正な公園の維持管理に努めてまいりたいと思います。  次に、決定していない車両の広報への掲載等の事業の進め方についての御質問にお答えをいたします。  池袋副都心移動システムの検討を始めるに当たって、環境に優しく池袋の各拠点を回遊するにふさわしい車両を調査する中で、「eCOM−8」の存在を知りました。この電気バスは、最高速度が時速20キロメートル未満に制限され、池袋のような都市部で運行実績がないことから、構想段階から多くの方々に知ってもらい、意見を聴くために報道機関へもお知らせした上で試乗会を行ったものでございます。試乗会には、区民の皆さんを初め、3警察署の署長、交通機関関係者、国、東京都なども御参加をいただき、当然に議員の皆さんにもお声がけをして、車両や乗車時の御意見をいただくとともに、交通環境への影響も確認をしていただきました。こうした構造、構想段階から広く区民の皆さんへ情報提供を行うことにより、都心部での運行における問題点や課題を抽出した上で事業実施の可能性について検討を行ってきたものであり、このような進め方に問題はないと考えております。  なお、車両の購入代金などを盛り込んだ平成30年度の予算審議を経て、事業実施の最終的な決定がなされるものと考えております。  なお、つけ加えて、この電気バスは、全て電池で動く車両であるとともに、四季を感じるためにも、冷暖房なしの全く環境都市にふさわしいものでございまして、また、現在東京都の補助金が大きく活用されるように対応してまいりたいと思っております。  次に、このバスのデザインの随意契約についての御質問にお答えをいたします。  池袋副都心移動システムの導入は、単に人を輸送するだけのものではなくて、ハレザ池袋や庁舎、サンシャインシティ、造幣局跡地、東京芸術劇場など、池袋の東西のにぎわいの拠点をつなぐ、さらに区内各所で開催される東アジア文化イベントの会場などをめぐる中で、バスやバス停が池袋の個性を際立たせ景色となり、まちの魅力を向上させることを目指しております。さらには、臨時便として、大塚や巣鴨、南長崎、トキワ荘へのルートを視野に入れております。  こうしたまちのイメージを左右する総合的なデザインを受注できる事業者は、デザイン分業化が進んでいる我が国では限られております。今回、総合的なデザインをお願いいたしました水戸岡鋭治先生は、JR九州のななつ星を初め、バス、LRTなどの車両のデザインのみならず、駅舎、乗務員の制服、路線マップ、チケットに至るまで多くのデザイン実績を有し、日本国内はもとより海外までも多くの水戸岡ファンがいるほどの著名なデザイナーでございます。水戸岡先生が有する広範なデザインの能力、これを裏打ちする幾多の実績により、豊島区随意契約ガイドラインに基づきまして、金額を含めて適切な手続を経て契約をしたものでございます。したがいまして、決して私物化との御指摘はいただきましたけど、当たらないものと考えております。  次に、株式会社アニメイトが大企業であるとの認識についての御質問にお答えをいたします。  株式会社アニメイトは東池袋に本社を置き、国内におよそ120店舗を持ち、海外にも韓国・中国・タイなどには8店舗を展開をしております。古くからアニメ関連グッズなど様々なコンテンツを取り扱い、アニメというこの分野では大企業として申し上げてもよいと考えております。  次に、株式会社アニメイトとの共同事業の費用負担についての御質問にお答えをいたします。  私は以前から豊島区の個性あるイメージ映像を制作したいと考えておりました。しかし、行政主導で映像の制作会社に委託したのでは、なかなか魅力的な作品ができないと考え、どうしたら豊島区の魅力を存分に発揮できるのか、ずっと検討してきたわけであります。そのようなときに、株式会社アニメイトからアニメによる映像制作の御提案をいただき、いろいろとお話を伺っていく中で、豊島区の魅力や個性を訴える作品ができると確信をいたしたわけでございます。豊島区といっても、アニメは池袋が中心であります。池袋の宣伝となるわけでございますが、このような区と関係団体が一体となってPRアニメを制作していくことは、まさに公民連携の取組みではないかと思っております。したがいまして、株式会社アニメイトと区がこの費用を折半することについては大変意義あると考えておりますので、お断りすることなく進めてまいりたいと思います。この制作によって、アニメ池袋が聖地として、まさに世界に発信する大きな宣伝効果が得られることは間違いございません。  次に、再開発に反対する住民の方々の声を聴くことによっての御質問にお答えをいたします。  南池袋二丁目C地区では、平成16年10月の東京都による街並み再生地区の指定を契機といたしまして、地区内の権利者を中心としたまちづくりの活動が始まりました。これまで13年にわたる検討の積重ねを経て、昨年10月に再開発準備組合から豊島区に市街地再開発事業を前提とした都市計画提案が行われました。この提案には、約75%の権利者が同意をしております。  提案の内容は、防災性、安全性への課題や広場や公園などの空き地が未整備であることなどの地区の課題を再開発事業で解決するものとなっており、区としても推進すべき事業であると考えております。そのため、区で提案を踏まえた都市計画原案を作成いたしまして、昨年12月に、地区内の権利者を対象にいたしました説明会を開催し、都市計画手続を開始をいたしました。  地区内の権利者の合意形成については、再開発準備組合において、説明会や個別対応などを実施、事業への理解を深めるとともに、合意形成を図ってまいりましたが、現段階では全権利者の合意までに至っておりません。都市計画原案の説明会や都市計画原案に対する意見書におきましては、計画推進の御意見の一方で、計画に反対する御意見もございます。反対の御意見の多くは、再開発事業の内容がよくわからない、もっと丁寧な説明をしてほしいとの理由も多く寄せられております。こうした意見を踏まえて、今月6日に区主催の説明会を再度開催するとともに、あわせて個別相談会を実施、権利者に対してより丁寧な説明を行いました。また、準備組合におきましても、準備組合主催の説明会の開催や個別対応などにより、権利者に丁寧に説明するように指導をしております。今後もより丁寧な説明を行い、権利者の御意見を伺ってまいりたいと思います。  次に、再開発事業を進めるための住民合意についての質問にお答えをいたします。  都市再開発法では、再開発事業の組合設立の段階で、地区内の権利者の3分の2以上の同意があること、同意した権利者が有する地区内の宅地及び借地の面積が全体の3分の2以上であることを認可の要件としております。また、準備組合から都知事に組合設立の認可の申請があった場合において、認可の要件に合致していると認められるときは、「認可をしなければならない」とされております。現在の同意率の状況を見ますと、既に準備組合では法定されている認可要件を満たしておりますが、今後、事業計画を作成し、再開発組合を設立する過程でより具体的な事業の内容をお示しすることなどにより、さらに多くの権利者の理解をいただけるよう、深めるよう、準備組合を指導してまいります。  次に、超高層ビル・マンション乱立が負の遺産にならない根拠についての御質問にお答えをいたします。  昨年第2回定例会で森とおる議員の「人口減少に向かう中での大型開発について」の御質問中、「大型開発」との御指摘に対して、「都心エリアや臨海副都心など、他の地区における都市再生の状況と比較をしても、過剰な供給とは考えておりません」との認識を申し上げました。  「超高層ビル・マンションの乱立の負の遺産にならないか」との御指摘に対して、「人口減少社会におけるまちづくりの発想は従来のものとは異なってしかるべきと考えております」として、「国際アート・カルチャー都市の構想の推進、住み続けることができるまちづくり、子どもや女性にやさしいまちづくりなどの諸施策を進める」と、「今後の開発が負の遺産にならないよう、様々な取組みを行っていく」と御答弁申し上げました。  こうした観点から、平成30年度には、待機児童ゼロ対策を初めとする子育て支援の施策や、選択的介護モデルの事業の実施を初めとする高齢になっても住み続けることができる施策などを積極的に展開をしてまいりたいと思います。  次に、再開発事業が区民負担にならない保証についての御質問にお答えをいたします。  市街地再開発事業では、区は、市街地再開発組合に対して、共同施設の整備経費や土地の整備経費について補助金を支出しております。この補助金は、共同化による空地の確保や建物の不燃化など公共的な利益があることに伴うものでございます。区から組合に対して支出する補助金について、現在の制度では国庫補助金、東京都からの都市計画交付金及び財政調整交付金を活用することで、実質的な区の負担はほとんどないものとなっております。  次に、支援が必要な区民に光を当てる、救済することについての御質問にお答えをいたします。  御提案の内容につきましては、全てこれまでに御答弁申し上げておりますとおり、繰り返しとなりますが、まず、国民健康保険の70代前半の一部被保険者のみ多額の費用を投入することは、他の保険者との負担の公平性を損なうため、実施する考えはございません。子どもの医療費を18歳まで拡充することにつきましては、乳幼児や小中学生に比べ、高校生の医療費の負担は少ないため、全国的に実施例が少ないという実態を踏まえ、実施しないという判断でございます。  学校給食の第3子無料化につきましては、就学援助制度もございますし、所得の多い多子世帯への補助は公平性の観点から問題があることから導入は難しいと考えます。  生活保護世帯の入浴券の支給枚数復活につきましては、使用実態を調査の上、必要が高ければ検討してまいりたいとお答えをしております。  そもそも区として事業を実施するか否かは、必要性、有効性、費用対効果、他自治体のバランス、区民ニーズ、さらに区の重点施策か否かなど様々な観点から総合的に判断するものでありまして、決して、事業費の多寡、高いか安いかで決めるものではございません。例えば、新年度事業の紙おむつ処理は、公立・私立を問わず実行するのは本区だけでありますが、共働き子育てしやすい街ナンバーワンの豊島区として、保育の質の向上のために、ぜひ実施すべきと考え、これを決断したわけでございます。保育現場からは、保護者からは、さらに区民の皆さんからはメールを初め、多くの好評の声が寄せられております。したがいまして、御指摘のように、「わずかな金額なのになぜやらないのか」という御批判には当たらず、今後も様々な観点を踏まえて総合的な判断で、事業の実施の可否の判断をしてまいりたいと思います。  大変長くなりました。私からの答弁は以上でございますが、他の質問につきましては両副区長からお答えをいたします。   〔水島正彦副区長登壇〕 ○副区長(水島正彦) 民泊についての御質問のうち、まず、他都市や観光地における問題点及び区内における現状等についての御質問にお答えいたします。  まず、他都市、観光地における住宅宿泊事業の状況でありますが、京都市では、閑散期の1月から2月に限定して認める、軽井沢では、本来県の保健所の所管事務でありますが、独自に町内全域で通年規制をかけるなどの方針とのことであります。また、新宿区では、住居専用地域で月曜日から金曜日を制限、大田区では、特区民泊と歩調を合わせ、住居専用地域では通年でゼロ日規制となっており、現時点では、23区中18区が条例で何らかの区域、期間規制をかけるとのことであります。  このような規制をかけることについて、国は、昨年末に示したガイドラインの中で、区域・期間制限について、「過度な制限となっていないか等について、特に十分な検証を行い、本法の目的や法第18条の規定に反することのないようにする必要がある」としております。特にゼロ日規制は、「本法の目的を逸脱するものであり適切ではない」と明言しております。また、「家主居住型と家主不在型とを区分して、住宅宿泊事業の制限を行うことは適切でない」とも述べております。法が付与した住宅宿泊事業を営む権利は営業権と考えられ、合理的な理由のない過度な制限は訴訟リスクを負うものと考えられます。  本区では、昨年度74件の苦情が寄せられておりますが、その内訳は、違法民泊ではないかという通報が約半数、外国人の出入りに対する不安が約2割、騒音・ごみ出しが合わせて約2割となっております。また、苦情の3分の2は商業地のものであります。このような現状に鑑み、本区では、区域・期間制限はせず、適正運営の観点を重視した条例内容となっております。これにより、住宅地・商業地の区別をせず、区内全域に条例の網をかけ、安全・安心な住宅宿泊事業の実施を目指してまいります。  国は、システムで物件ごとに宿泊日数を厳守させ、コールセンターをつくり、民泊仲介業者に違法民泊の掲載をやめさせるという強い態度で臨んでおります。東京消防庁も、不在型民泊は旅館と同様の防火設備を守らせると言っております。
     区といたしましても、届け出に際し、事前準備説明書の提出、近隣・地元町会への周知、ポスト等への民泊表示なども徹底させてまいります。また、事業者に周辺の案内図を作成させるなどにより、宿泊者に対し地元商店街や医療機関等を知らせるとともに、地元の祭礼や観光スポット等を紹介することにより、単に宿泊するだけでなく、宿泊者と周辺地域との交流を図り、地域に開かれた民泊を目指してまいります。このような対策をとっても苦情が激増するなど、今後特段の事情が生じた場合には、3年後、条例・規則の見直しを図ってまいります。  次に、住宅宿泊事業法の施行時期やこれまでの経緯等の評価、見解についての御質問にお答えいたします。  法の施行時期につきましては、今年6月15日施行、届け出受付が3月15日からと、非常に準備期間が短く、正直申し上げまして、もっと早く国のガイドラインが出なかったものかと思っております。しかし、法律が成立し、これが施行される以上は、自治体として法を遵守し、区民の皆様の不安が解消できるよう万全で準備を進め、安全・安心、健全で地域に開かれた住宅宿泊事業の運営を図ってまいりたいと考えております。  次に、民泊営業禁止区域の設定や期間制限の実施についての御質問にお答えをいたします。  さきに述べましたように、法第18条により、自治体の条例で区域、期間制限をかけるには、過度な制限にならないよう、特に十分な検証を行う必要があるとされております。そもそも法が全国一律に住宅で宿泊事業を行うことを認めているからであります。その大原則を制限するには、住宅宿泊事業をすると当該区域の生活環境の悪化を招くという合理的な理由が必要となります。  本区の場合、苦情の3分の2は商業地からのものでありまして、住居専用地域だけを制限すべき合理的な理由は認められません。また、商業地も含め区内全域について、日数制限をすることも合理的理由を欠くものと考えます。他自治体では、例えば月曜日から金曜日を制限するという条例も見受けられますが、月曜日から金曜日の宿泊料を無料とし、土日で1週間分の宿泊料を取ってしまえば、実質曜日による日数制限は、有名無実なものとなってしまいます。また、禁止された曜日に宿泊している事実を行政側が立証するのは大変な困難を伴うものであります。合理的な理由もなく、単なる危惧感で区域、期間制限をすれば、営業権の侵害の可能性もあります。パブリックコメントの際、そのような意見書も本区に寄せられているところであります。  また、学校や保育園等周辺を禁止せよとの御提案でありますが、国のガイドラインでは、「学校・保育所等の運営に支障を来すほどに環境が悪化するおそれが必要」との解釈が示されております。豊島区の現状では、学校、保育園等の周辺で苦情が集中している事実は認められませんので、これも合理的理由がありません。  したがいまして、本区では、住居専用地域について全面的に住宅宿泊事業を禁止したり、学校・保育園等の周辺だからという理由でこれを禁止したりすることは法的に困難と考えます。もちろん、区民の皆様の不安なお気持ちは十分に理解しておりますので、その不安を解消すべく、徹底した準備と周辺への配慮を事業者に求めてまいります。また、届け出があった民泊については、町会や教育委員会に情報提供するなど、地域の皆様、学校・保護者の皆様の不安の解消に向け、誠心誠意、努力をしてまいります。  次に、常時管理者の配備等の豊島区ルールづくりについての御質問にお答えいたします。  家主居住型と家主不在型を区分した制限が法の趣旨に反することは、さきに述べたとおりであります。不在型の場合、必ず管理業者を置くことで適正な運営をすることになっております。国のガイドラインでは「苦情があってから現地へ赴くまでに時間は30分以内を目安とする」とされておりますので、本区においても同様のルール化を図り、指導を徹底してまいります。  不在型民泊において近隣の皆様の不安が最も大きいのは火災であると思います。これについても、繰り返しになりますが、東京消防庁は、不在型民泊は旅館と同様の防火設備が必要としており、自動火災報知機、消火器、避難誘導灯が義務づけられます。  また、騒音やごみ出しなどの苦情に対応するため、管理業者の連絡先電話番号を必ず民泊標識に書くことになりました。6月15日からは、御近所の方々も民泊を行っている建物や部屋であることが標識でわかることになります。区のホームページでも公開をいたします。  当初、国からは、ドアなどにある大きな標識の様式案しか示されませんでしたが、本区が東京都を通じて、国に強く要望し、マンションの場合、ポストにも貼れる小さな標識を認める内容のガイドラインとなりました。したがいまして、不在型民泊は、防火面で旅館と同様となりますし、ドアやポストなどの民泊標識に記載の管理者に電話をすれば、30分以内に管理者が駆けつける体制となります。駆けつけ体制が不十分であるときなどは、区は、法第15条に基づき、業務改善命令を出すことも可能であります。標識を貼らずに民泊を行っているとすれば無届け民泊であり、旅館業法違反として、警察とも連携をとり、指導、取締りを強化してまいります。  次に、国や都に対し必要な財源を求め、職員体制を強化することについての御質問にお答えいたします。  住宅宿泊事業法の施行に伴い、新たに発生する業務量については、予測が困難な面もありますが、事業を所管する生活衛生課においては、届け出の受理や指導監督などへの対応を行うため、正規職員1名及び臨時職員3名の合計4名を増員し、職員体制を強化いたします。今後も事業の推進に当たり、必要に応じて国や都と協議を行うとともに、民間事業者との連携も視野に入れ、柔軟で効率的な体制を検討してまいります。  なお、法の施行に伴う対応は、区の事務であることから、国や都に対し財源を求める考えはありませんが、まずは業務の実態を踏まえ、各区と情報交換を密にしてまいります。  次に、所在地情報の共有及び違法が判明した場合の体制についての御質問にお答えいたします。  昨年8月から実施していた豊島区民泊サービスのあり方検討会には、今後の連携強化のため、警察署・消防署の幹部職員にも参加をしていただいております。既に警察署には、旅館業法違反への対応を協議するため、28年度から情報連絡会議を実施しておりまして、消防署とは、民泊施設の消防法令適用状況の確認方法について、実務的な詰めを行っております。したがいまして、既に警察、消防署との連携体制はできておりますし、観光庁が構築する民泊運営システムが稼働すれば、観光庁など国の機関と各自治体、警察・消防署、さらには違法民泊では脱税が多いことから、税務署とも情報共有ができるようになると伺っております。これらの連携・協力体制により、無届け等の事業者に対しては指導監督を強化し、現場対応における警察・消防との同行など、さらなる連携強化を図り厳正に対応してまいります。  私からの答弁は以上でございます。   〔宿本尚吾副区長登壇〕 ○副区長(宿本尚吾) 民泊についての御質問のうち、区が万全の体制を講じるとともに、不十分な国の対策に改善を求めるべきについての御質問にお答えをいたします。  民泊に関する区内の分譲マンションへの対応につきましては、国がマンション標準管理規約の改正案について、パブリックコメントを実施いたしました昨年6月の段階で、区からそれぞれの管理組合に対し改正案の内容を周知しております。その後、10月と本年2月にマンション管理セミナーを開催した際には、民泊に関する管理規約の改正などの資料を開催通知に同封して、それぞれの管理組合にお知らせをしております。  なお、セミナーでは、民泊に関する管理規約の改正が間に合わない場合には、少なくとも総会または理事会で決議をし、その証を議事録に残すことが必要である旨、説明をしてございます。  さらにセミナー開催通知が届かず、郵便物が戻ってきたマンションが約70棟ほどございます。こうしたマンションには、現在、個別訪問を実施し、民泊に関する管理規約改正などの資料をお届けし、情報漏れないように対応を図っております。  なお、区内の分譲マンションで実際に住宅宿泊事業を営もうとする事業者が区に届け出をする際には、管理規約または総会や理事会で決議した議事録、これはすなわち、管理組合が民泊実施を認めている旨の資料となりますが、それの提出を求めることとしており、これができない場合には誓約書、これはすなわち、民泊を禁止する意思がないことを管理組合に確認した旨の誓約書となりますが、これの提出を求める予定となっております。このことはすなわち、管理組合におきまして規約改正が間に合っていなかったとしても、民泊を禁止する意思がある場合には、区としては届け出を留保するということを意味いたします。誓約書が提出された場合には、区は管理組合に事実確認の問合せを行い、トラブルの未然防止に努めることとしております。  国の対応に改善を求めるべきとのことですが、本区といたしましては、管理組合が民泊に関してトラブルがないように管理規約を改正することが本来、望ましいと考えております。引き続き周知に努めてまいります。  次に、羽田空港の増便に伴う都心飛行ルート計画についての御質問のうち、まず、国に対する要請や働きかけなどの対応及びその対応の区民の皆様への報告についての御質問にお答えをいたします。  国に対する働きかけにつきましては、担当者間で随時連絡をとり合い、意見交換・情報共有を行っております。さらに昨年の8月に国土交通省航空局の2名の担当室長に来庁していただき、私から直接、安全対策、騒音対策、さらに区民の皆様に対する丁寧な情報提供と教室型説明会の開催を求めました。またその際、これまで区議会に寄せられた陳情や一般質問に関する議事録を手渡しいたしまして、区議会での議論の内容をお伝えをしております。9月26日にはKLMオランダ航空のパネル落下事故の発生に際し、高野区長名で原因究明、再発防止策の徹底、これらに関する情報公開の徹底について、国土交通省航空局長宛てに要請文を送っております。またその際、私から航空局担当部長に対し、要請の内容について直接説明を行っております。  なお、要請文につきましては、区のホームページ、広報としまで区民の皆様にも周知をしております。  次に、教室型説明会の開催についての御質問にお答えをいたします。  現在行われておりますオープンハウス型の説明会は、参加者一人一人の疑問、質問に対し、きめ細やかに情報提供できるというメリットはございますが、一方で、参加された方々全員が同時に同じ情報を共有できないというデメリットがございます。先ほど申し上げましたとおり、昨年8月に国土交通省の担当者にこうしたデメリットを解消する教室型説明会の開催について要請をしております。また、9月の区長会の席上、高野区長より国土交通省航空局長に対しても直接要請をしております。今後も機会を捉まえて、教室型説明会の開催の要請を行ってまいります。  次に、多くの便が豊島区上空を飛行することに対する区の考え及び対策についての御質問にお答えをいたします。  区といたしましては、羽田空港機能強化の必要性は理解をしているところでございますが、同時に、区民の皆様の安全をないがしろにするものであってはならないと認識をしております。区が直接、安全対策を講じることはできませんが、航空機からの落下物事故はあってはならないものであり、現在示されている落下物防止対策の徹底は、機能強化の大前提であると考えております。  次に、計画を進めるための区民の皆様の合意・理解についての御質問にお答えをいたします。  昨年11月にとしまセンタースクエアにおいて、新飛行経路のパネル展示、飛行映像やサウンドシミュレーターによる飛行機音の体験ができる移動型の情報発信ブースを3日間設置し、351名の方々に御来場いただきました。今後も国と連携をして、適切な情報提供を行えますよう、説明会の会場の確保、ホームページ、区広報を活用した広報活動などにつきまして協力をしてまいります。  次に、本計画に対する区の反対表明についての御質問にお答えをいたします。  先ほども述べましたとおり、羽田空港の機能強化は2020年の東京オリンピックパラリンピック、その先の日本の成長を見据え、東京の国際競争力強化、急増する訪日外国人観光客、ビジネスパーソン受け入れのために必要であると認識をしております。羽田空港の機能強化の利益は多くの国民が享受するものであって、大企業の利益拡大との認識はございません。今後とも区といたしましては、羽田空港の機能強化に当たり、その前提として、安全対策の徹底と騒音対策の徹底、そして様々な機会を通じた区民の皆様への丁寧な情報提供を国に求めてまいります。  以上をもちまして、森とおる議員の御質問に対する答弁を終わります。 ──────────────────────────────────────── ○副議長(大谷洋子) 次に、19番議員より、「未来へと花咲く豊島区のために」の発言がございます。   〔永野裕子議員登壇〕(拍手) ○19番(永野裕子) 民主ネット豊島区議団の永野裕子です。私は「未来へと花咲く豊島区のために」にと題し、1、文化施策について、2、子育て支援施策について、3、職務環境向上のための対応について、4、感染症対策について、5、手話言語条例について伺います。  まず初めに、文化施策について伺います。  本区の文化施策は、2002年9月に高野区長からの諮問を受けて発足した豊島区文化政策懇話会で検討が始まりました。私が議員として議席をいただく前のことですので、改めて議事録や資料に目を通し、経緯を確認してみました。  同懇話会から同年12月に示された提案文書の内容には、「1998年にストックホルムで開催されたユネスコの『文化と発展委員会』においても、文化政策は、持続可能な発展にとって中心的な戦略であると位置づけられています」。中略します。「豊島区における21世紀初頭の新しい基本構想を定めるにあたりましては、文化政策を個別分野の施策として捉えるだけでなく、都市政策あるいは都市デザイン全体に関わる総合的な政策として、基本構想の全体を示す理念の中に位置づけられるよう提案いたします」とあります。この提案を受けての、基本構想の策定が高野区政の文化政策の幕開けであり、その理念を着実に具現化してきた高野区政5期の歩みであると改めて感じています。  区長の招集あいさつにもありましたが、これまでの取組みに輪をかけて、昨年は文化政策を具現化した挑戦目まぐるしい年であったと思います。8月には東アジア文化都市の国内候補地に決定し、区長の並々ならぬ決意も感じるところです。これをただのイベントと捉えるのではなく、まちづくり、区政全般に生かしていこうという戦略は、高野区長ならではの挑戦であると感じ、議会としてもこの戦略をどのように区民に還元できるかという観点からアイデアを出し、ともに区政を形づくっていきたいと、私は考えます。  かねてより文化政策に関して申し上げてきたことですが、行政が行う文化事業は福祉・教育効果を目指してこそ意義があるのではないかと考えます。新年度以降、高野区政の文化政策の集大成とも言える重要事業がいくつも予定されている中で、特に3つの文化事業の福祉・教育効果について伺います。  一つ目に、東アジア文化都市について伺います。  新年度は、本区が進める国際アート・カルチャー都市の幕開けとして、東アジア文化都市の各種事業の具体的準備が行われます。誰もが主役の国際アート・カルチャー都市を具現化するに当たり、その主役の中には当然に障害者や子どもたちも含まれ、行政の事業らしく、福祉・教育的効果目標が据えられるべきと考えます。東アジア文化都市によるレガシーは、形あるものではなく、視野を広げた出会いと文化事業をツールとしたコミュニケーションにより、それぞれがエンパワーメントされて、内側からエネルギーが湧き出る状態がもたらされることではないかと考えます。東アジア文化都市開催に当たっての福祉・教育効果をどのように目指していこうとお考えでしょうか。  二つ目に、東京アニメアワードフェスティバルについて伺います。  世界有数の国際的アニメ映画祭、東京アニメアワードフェスティバル2017が昨年、本区においては第1回目として開催されました。前年までは日本橋で開催されていたものですが、豊島区での開催に当たり、新たな試みとして、子どもたちや地域を巻き込んだ企画も実施されました。区民ひろば南池袋、区民ひろば朋有での親子映画館、生活産業プラザでの子どもワークショップ、WACCA池袋での人形アニメーション制作ライブステージなどです。これは本当に意義深い事業になったと思います。東京アニメアワードは、世界にクールジャパンの魅力を発信する大イベントですが、その中で、地域の身近なところで子どもたちがクオリティの高い作品や本物の技術に触れることができたのです。  私は先日、国際アート・カルチャー懇話会で紹介された、昨年のダイジェスト映像を拝見し、子どもたちが映画を熱中して見ている姿や目を輝かせてワークショップに参加している姿を見て感無量でした。これらの事業は、区は場所を確保して告知に協力したのみで、別予算を確保する必要もなく、民間のノウハウで実施されたと伺っています。官民共同事業のあり方としても大変よいモデルではなかったかと思います。来月開催予定の東京アニメアワードフェスティバル2018の開催内容と民間開催の文化事業に行政がかかわり、子どもたちに提供する意義をどう捉え、今後の展開をどのようにお考えでしょうか。  三つ目に、2020年の東京パラリンピックに合わせて日本財団とユネスコ(国際連合教育科学文化機関)が共同で開催予定の障害者芸術祭についてです。  これは、2015年末に日本財団とユネスコがパリで調印式を行った報道を受けて、すぐに担当部署と区長に提案をさせていただき、昨年の第1回定例会でも提案させていただいているものです。その際、区長からも大変前向きなお考えを示され、区としても積極的に日本財団との話を進めていただいていると伺っております。  先日、私は日本財団・笹川陽平会長との面談の機会を得ましたが、会長御本人が豊島区での開催を前提に意欲を示されておりました。昨年の一般質問でも触れましたが、2014年のミャンマーでの開催では、地元の若い障害者が運営に携わり、芸術祭開催の実績が自信となり、さらなる活動につながっていったとのことです。2020年の東京開催においても、地域の障害者が文化の祭典で能力や個性を発揮できる開催を望みますが、現在の準備取組み状況はいかがでしょうか。  障害者の文化芸術事業は、障害者が十分に力を発揮し、文化芸術作品としてのクオリティがしっかりと評価されるあり方となるように実施すべきであると考えます。障害があることが作品の豊かな感性や個性につながっているものも多く、その特性が十分に評価されるような事業となることを望みます。福祉部局が担当することもあるようですが、福祉の範疇と捉えず、文化・政策部局等との連携の上で意義ある事業となるようにお考えいただきたく要望いたします。  福祉部局と文化・政策部局ほか関係各位との連携を密にし、障害者による文化芸術活動の可能性を引き出し、すばらしさを伝えることに尽力されることを望みます。  次に、子育て支援施策について伺います。  一つ目として、多様な保育サービスの提供について伺います。  本区においては、今年度初め、目標から1年前倒しで待機児童ゼロを達成しました。これは2008年に待機児童が50人を超え、児童福祉法に基づく保育計画を策定して以来の不断の努力と、特に前年度の取組みが成果を上げたものと高く評価します。本区の保育施策は、従来型の固定観念にとらわれず、既存ストックを活用したり、小規模保育や訪問型等を柔軟に用意したことが功を奏したと考えます。  現在若い世代の働き方も多様化しており、働き方と子育て、保育のあり方への考え方も柔軟になっています。現状の保育サービスは、従来主流であった9時から5時のフルタイムの正社員の働き方を標準としたあり方が中心となっていますが、子育て世帯の就労は柔軟に捉えられたほうが満足度が高いという見方もあります。自宅やコワーキングスペースを活用した起業、テレワーク等の働き方を選択する人も増えています。世田谷区では、昨年10月に世田谷区働き方改革の推進と子育て・介護と仕事の両立に向けた多様な働き方に関する調査報告書をまとめ、テレワークの現状や子育て世帯の仕事と子育てに関するバランス等について分析を行っています。その結果、子育て中の区民の理想とする働く場所として、「小学校低学年までは自宅近くのサテライトオフィスや在宅勤務により、子どもとの時間に比重をおきながら働きたいという結果が一定数存在し‥‥一定の利用料を払っても、子どもの見守り付ワークスペースを利用したいという意向は高かった」とのことです。また「現在就労していない方の理想の働き方として、テレワークを望む方の数も多かった」とのこと。そこで、世田谷区では、そのような柔軟な就労意向に対応する保育のあり方を検討し、テレワークに対する保育サービスの提供と地域ひろばで子どもと一緒にいる空間で仕事ができる環境整備について、新年度予算に計上したとのことです。  私の昨年の第1回定例会での一般質問では、若い世代の起業支援に触れ、女性の起業に際しては、家庭、家族の課題が不可分であり、保育等のニーズも高いものの、一般的な就労と比較して入園に不利になりかねない状況があること、共同でベビーシッターを雇ったり、起業家同士でフレキシブルに保育するあり方を模索している事例や、シェアードオフィス内に保育スペースを設けている例もあり、そういった保育を柔軟に支援する等も必要と投げかけました。従来型の保育サービス類型に合わせて希望よりも復職を早めて子どもを集団保育に預けたという事例も少なくないように思います。ほどほどの就労とちょっとした保育サービスで、親も子どもも満足度が上がるケースもあるのではないでしょうか。また、行政経営的視点でも、従来型保育サービスの箱物を増やすよりも、柔軟にソフト面でのサービス提供によって過剰投資を防ぐことができるのではないでしょうか。多様な働き方に合わせた多様な保育サービス提供についての検討を求めますが、お考えをお示しください。  二つ目に、産後ケア事業について伺います。  新年度予算には新規事業として、支援が必要な産婦等が助産院に宿泊してケアを受ける産後ケア事業への助成が計上されています。まず、この事業の目的・対象・事業費内訳についての御説明をお願いいたします。  私は2期目の2008年に第1子を出産しましたが、同年の一般質問で、産後ケアの必要性と当時オープンして間もなかった世田谷区の日本で初めての産後ケア専門施設、産後ケアセンター桜新町について取り上げました。その後、2010年第2子を出産した際には、助産院と産後ケアセンター桜新町を利用し、産後約10日間、そこで過ごしました。その経験を踏まえて、同年出産2カ月後の一般質問で、再度、産後ケアの必要性について述べました。  お産に関する言葉として、昔から「床上げ3週」と言われ、産後3週間までは、できるだけ床に休んで過ごすことの大切さが伝えられています。約10カ月にわたって過重な負担がかかってきた子宮や骨盤、ホルモン等の心身のバランスを回復させるために必要な期間として、科学的にも理にかなった言葉です。医学的にも、労働基準法で規定される産後8週くらいまでは、経過がよくても十分に静養することが必要とされ、この時期に心身を休めることができたか否かが、その後の母子の健康や次の妊娠、女性の一生の健康に大きく関係してくるとも言われています。産後は神経の状態が多少興奮状態になっており、心身ともに疲労していても動くことが可能なため、待ったなしの赤ちゃんの世話等、産婦が無理をしてしまう傾向にもあるようです。  しかし、産後の静養が不十分なことで、産後うつや児童虐待につながる深刻なケースもあり、いわゆるマタニティブルーズ症候群を経験する人は、程度の差はあれ、50%を超え、産後うつの罹患者は10〜20%とのデータもあり、産後3カ月から半年の間に発症することが多いと言われています。産後ケアは全ての産婦に必要であると言っても過言ではないのです。渋谷区では、新年度から産後ケア事業を拡大し、現在行われている新庁舎建設に伴った施設の再構築にあわせて、宿泊型産後ケア施設の建設計画があるとのことです。  私は過去の提案の際、本区への事業の実現性を検証しましたが、当時は、施設建設には場所の確保や事業費負担が現実的ではなく、既存助産院との連携を検討しました。豊島区内の助産院は1カ所のみで、その助産院の院長や助産師の方とも一緒に検討を行いましたが、規模が小さく、お産と産褥ケアの両方を行うことは難しいようでした。豊島区近郊の区外の助産院についても、同様の事情はありましたが、いくつかの助産院では受入れの可能性がありました。新年度事業実施に当たっては、助産院との連携構築はどのような状況でしょうか。  また、利用料についても課題でした。産後ケアセンター桜新、各種助産院いずれも1日3万円前後、1泊2日で6万円前後という費用がかかります。産後ケアセンター桜新町で標準的な6泊プランですと23万300円となります。高額な印象を受けますが、24時間体制で母子のケアをすることになるので、しかるべき費用がかかります。本区の新年度事業では、費用負担、財源についてはどのようになっているのでしょうか。  産後サポート事業としては産後サポーター、育児支援家庭訪問等行われてきましたが、産後の母親の状態や本区の住宅事情等を考慮すると、施設型による24時間体制でのサポート需要は大きいと考えます。必要な人が利用しやすい事業として展開していただきたいと要望します。  諸外国を見渡すと、我が国の公的産後ケアは遅れをとっていると感じます。韓国・台湾では、産後養生院に約1カ月滞在するのが常識で、公的支援が行われており、インドや中国でも、産後数週間から40日程度ケアされる習慣があります。ヨーロッパの多くの国は妻の出産後、夫が最低でも3カ月以上の有給休暇が保障され、中でもイギリスでは、退院後2週間、毎日保健師の訪問があり、オランダでは、自宅分娩の場合、看護師が10日間滞在し身の回りの世話をしてくれるサービスが公的に行われているとのこと。少子化対策が成功している国と言われるフランスでは、産後の体調回復のためにリハビリを受けるのが常識で、それには社会保険が適用されるそうです。産後ケアが必要なことは世界的な常識であり、日本においても、古くからその認識の下に産婦へのサポートが行われてきました。かつては、その担い手は出産施設であり、産婦の実家であり、近所のコミュニティでした。その仕組みが崩れている現代において、公的支援は不可欠であると考えます。産後ケアに目を向けて公的支援を行うことは、個人に対する福祉にとどまらず、少子化が加速する今、国策として考える必要があり、行政を挙げて積極的に取り組むべきものとの認識をもって行っていただきたいと要望します。  次に、職務環境向上のための対応についてです。  昨年1月16日から本区では、区役所執務室の照明の19時消灯を実施しています。これは働く個々の意識と社会、組織の考え方を改め、ワーク・ライフ・バランスを進めていく取組みの一つとして導入されました。仕事と生活の調和のとれた働き方を実現するため、長時間労働の是正や年次有給休暇等の取得促進など、これまでの働き方を見直し、全庁的にワークスタイルを見直すことが目的とされています。一昨年5月には、管理職によるワークスタイル検討プロジェクトチームを設置、同7月には、係長や主任主事等によるワークスタイル・ワークショップを設置して、業務改善、仕事の進め方、制度の見直しなど、長時間労働を是正する方策やワークスタイルを変革するための検討を進めてきたとのこと。「会議の新ルール(ワークスタイル変革)」「20時間以上超過勤務を行った職員の報告の徹底」「超過勤務縮減のための新ルール」などに取り組み、職員の超過勤務時間については、前年度比較で約8%減の効果は上げているとの報告があります。一斉消灯はインパクトがあるものの、ワークスタイルの合理化・効率化が重要であり、手段が目的化することのないよう、取組みの有効性の継続的な検証が必要であると考えます。  システムとしての取組みとともに、1、職員自身をエンパワーメントする研修、2、業務効率を上げ、モチベーションを損なわないような人間関係、職場環境の構築も重要であると考えます。以上の二点の観点でそれぞれ実施していることがありますでしょうか伺います。  1については、職層や担当部署による内容の違いもあると思いますが、それぞれ適した研修が行われているのでしょうか。また、その効果測定は行われているのでしょうか。  2については、あらゆるハラスメントの防止も重要な課題となり、厚生労働省のほうからも指針や勧告が出されています。2017年1月、男女雇用機会均等法が改正され、主な改正点として、セクハラ指針にLGBT、性的マイノリティも対象ということが明記され、マタハラ防止措置について事業主に義務化がされています。防止措置事項としては、事業主のマタハラ防止に対する「方針」の明確化及び周知、啓発が求められています。その他ハラスメントの類型としては、「パワーハラスメント」「パタニティハラスメント」、これはイクメン、イクパパに対するハラスメントのことですが、「アルコールハラスメント」などについても課題とされるケースが増えています。庁内ではあらゆるハラスメント防止にどのような施策を行っているのでしょうか、伺います。  次に、感染症対策について伺います。  新年度予算にはロタウイルスワクチン接種費用助成が予算計上されました。ロタウイルスワクチンについては、2011年に国内認可となって以来、費用助成の要望を行ってきましたが、一部助成とはいえ7年越しで成就し、本区の予防接種施策は他自治体をリードしている状況となり、関係各位の御尽力に敬意を表します。また、できるだけ接種漏れ者の出ないような施策の実施のあり方を望みます。  オリンピック・パラリンピックを2年後に控え、本区においては、来年東アジア文化都市開催を控え、国際アート・カルチャー都市として、世界中の人を呼び寄せる都市を標榜しています。国際都市を標榜するにはVPD、ワクチンで防げる病気の予防接種をより積極的に促し、予防接種行政を国際標準に引き上げる必要があるのではないでしょうか。  我が国では予防接種制度が世界に大きく遅れをとってきました。その結果、先進各国では撲滅や罹患率が非常に低い感染症が、我が国では高い罹患率となっているものが少なくない状況です。麻疹の流行が問題視されたことは記憶に新しいですが、行政を挙げての麻疹対策が功を奏し、2015年3月27日、WHO(世界保健機関)が「排除状態」と認定しました。しかし、その後、若干報告数が上がっており、新たな感染を生まないための対策は引き続き重要です。  風疹・結核についても、先進諸国より高い罹患率となっており、国民を守るのみならず、日本から感染症を持ち出さないようにする対応も必要と考えます。また、海外から持ち込まれる感染症リスクへの対応も必要です。過去の質問でも触れている蚊を媒介とするデング熱等や髄膜炎菌等です。国、都との連携の下、実効性のある対応が求められると考えますが、お考えをお示しください。  昨年末からインフルエンザが猛威を振るっており、区役所内・議会内でも流行しました。昨年12月には青森県大間町議会で、インフルエンザと診断して欠席した議員数が定数の半分を超え、流会となったことが報道されました。本会議を開けなかったため、会期延長もできないまま閉会日を迎え、提出されていた一般会計補正予算など11議案はそのまま廃案となったそうです。インフルエンザ流行の社会的リスクを改めて認識します。  WHOは毎年、1、妊娠周期を問わずすべての妊娠女性、2、6カ月〜5歳の小児、3、65歳以上の高齢者、4、慢性に治療状態にある人、5、医療従事者(ヘルスケアワーカー)、以上の五者を対象に予防接種を積極勧奨しています。小児は、高齢者ほど死亡例はないものの、脳症等の重篤な合併症のリスクが高いと言われています。  社会的防御の観点では、我が国では、1986年まで学校等でのインフルエンザ予防接種の集団接種が行われていました。しかし、必ずしも因果関係が明確でない訴訟や群馬県前橋市医師会による「前橋リポート」をきっかけに、報道等の影響も相まって、集団接種への一般的評価が揺らぎました。こうした社会情勢を背景に、1987年には、保護者の同意を得た希望者に接種する方式に変更、1994年には任意接種に変わっています。  ところが、厚生省研究班による前橋リポートに関する最終報告は、「厳密に検討すると不確実な点があり、全面的に採用しがたい」とし、インフルエンザワクチンについては、「学級閉鎖が減るなど、学校保健上の成果はある」「中止したとき、流行が増加する可能性も否定できない」としています。前橋リポートについては、その後も数々の研究者から分析対象のとり方に問題があることや基本となるデータ解析が誤っている等の指摘が相次いでいます。一方で、菅谷憲夫慶應義塾大学医学部客員教授と米国の研究者によるデータ解析では、日本におけるインフルエンザ死亡数が1994年を境に上昇しており、乳幼児がインフルエンザで入院する例が1990年代以降に増えたことも指摘されています。杜撰なデータが基になった正確でないワクチンへの評価がいまだに蔓延していることは大変残念なことで、より洗練された近年の数々の研究では、ワクチンの有効性は専門家の間で常識となっています。  本区では、インフルエンザ予防接種費用助成は、65歳以上を対象にのみ行われていますが、小児への助成を行い、社会的防御とより重篤化しやすい対象を守るための施策を望みます。特に6カ月から5歳までの小児については、WHOが接種推奨するハイリスク対象であり、ゼロ歳からの集団保育利用者が増えている状況に鑑みても、助成対象として積極的に検討すべきと考えます。正しい知識に基づくインフルエンザ予防接種の推奨と、小児へのワクチン接種費用助成を求めます。  データ解析が杜撰な前橋リポートの主張が世論や国の対応を揺るがし、我が国のインフルエンザの社会的防御を後退させた事例を述べましたが、予防接種への評価はしばしばこのような事象が起こっています。ワクチンや接種方法等による評価が、エビデンスではなくエモーションやエピソードを基に語られていることが意思決定の場でもしばしばあることに大きな懸念を抱きます。世界標準のオープンデータが容易に入手できる現在、ワクチン等に対するデータや分析手法も精度を増しています。立場によって、誘導的な主張に染まるリスクはどこにでもあることですが、議会や行政といった意思決定の場にかかわる人間が、統計情報や論文等の正確な理解に基づかず、副反応の定義や数字の見方も理解せずにリスクをあおるなど、感情や感性で発言するというのは社会に与える影響に鑑みても、愚の骨頂であると思います。予防接種行政全般に関して正確なデータと理論に基づく対策が進むよう、保健所としても尽力されるよう望みます。  最後に、手話言語条例についてです。  手話を取り巻く社会の機運が高まりを見せており、2016年3月3日には、全国全ての都道府県と市区町村の1,788議会で手話言語法制定を求める意見書が採択され、国に提出されました。豊島区では、2013年12月6日に、東京では最初に意見書を採択し、国へ届けています。手話言語条例を制定した自治体は、全日本ろうあ連盟によると、本年2月8日現在では、127自治体となっています。しかし、国においては、法整備等の動きが遅々として進んでいません。  聾教育の現場では、1920年代以降、手話は日本語の習得を妨げるものと誤解され、多くの学校等で意図的に排除されてきた歴史があります。その結果、手話の獲得は聾教育において後回しにされ、聴覚障害者は長い間、手話を使うことに引け目を感じさせられてきた経緯があります。コミュニケーション手段と情報の保障は、基本的な人権の一つとして守られるべきことであり、司法、立法、行政、医療、教育等のあらゆる分野で手話によるコミュニケーションと情報提供が保障されるには、手話は言語であることを広く明確に地域で認識されることが必要であると考えます。  全日本ろうあ連盟によると、手話を言語として保障することは、5つの権利を保障することが大切だということです。1、手話を獲得する、2、手話で学ぶ、3、手話を学ぶ、4、手話を使う、5、手話を守る、以上の5つの権利保障です。障害者基本法第3条では、手話が言語として定義されていますが、現状は手話が言語として認知され、聴覚障害者の手話による情報取得やコミュニケーションが保障されているとは言いがたい状況があります。残念ながら、国の法整備の動きが鈍い状況にある中で、障害者基本法から踏み込み、特に生活に密着した行政である基礎自治体において手話言語条例を制定する意義は重要と考えます。  手話をコミュニケーションの手段とする聴覚障害者にとって、手話は社会とつながる命綱です。日々の生活に一番身近な行政であり、災害時に直接かかわりを持つ基礎自治体である豊島区において、手話を言語と明確に位置づけ、情報やコミュニケーションの手段を保障することは大変重要です。国の法整備を、整備を求めると同時に、豊島区で地域社会における手話推進へ取り組む必要があると考えます。当事者の意見を反映した手話言語条例制定と手話の普及、手話を使いやすい環境整備に積極的に努めることを求めます。  以上で私、永野裕子の一般質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)   〔高野之夫区長登壇〕 ○区長(高野之夫) ただいまの永野裕子議員の御質問に対しまして、お答えを申し上げます。  冒頭に、私が区長に就任した当時から、文化政策に取り組んだことを御紹介いただきました。改めて、そのときを思い出しながら、大変感無量であります。これも長く長く区長を務めさせていただいたおかげであると感謝をいたします。  また、先ほどは、恐らくこの議場では初めてでしょうけど、手話でずっと質問をなされて、申しわけありませんが、手話では返せないもんですから、いや、なかなか感心をいたしました。ありがとうございます。  それでは、文化施策についての御質問のうち、まず、東アジア文化都市開催の福祉・教育への効果についての御質問にお答えをいたしたいと思います。  2017年に京都市で開催された東アジア文化都市サミットでは、共同宣言として、「若い世代の交流に継続して取り組む」ことが採択をされました。また、昨年10月3日に行いました区民報告会では、東アジア文化都市の生み親でございます近藤誠一元文化庁長官から、「若い世代、青少年の交流は重要である」とのお話をいただいたところでもございます。
     過去の開催都市では、青少年の交流として高校生、専門学校生、大学生を日中韓の開催都市に相互に派遣をいたしまして、各都市の文化体験を行い、交流会により親睦を深める交流事業を行っております。また、この交流は開催年以降も継続をして行っておりまして、新潟市では、年々希望者が増加をしているとのことでございます。豊島区においては、これらの交流に加えて、区内にお住まいの多くの外国人の子どもたちとの交流を積極的に行うことで次の世代、さらに次の次の世代にわたり文化による交流の礎となる人材を育成する機会としてまいりたいと思います。  本年には、東アジアの舞台芸術部門ディレクターであります宮城聰さんの直轄事業の演目を通じて、区立小中学校の児童・生徒、さらには保育園も対象としたアウトリーチ事業の展開を予定しております。2019年もこうした事業を継続、発展してまいりたいと考えております。  また、今まで開催をしてまいりましたときめき創造展やパラアート展等とも連携して、今まで以上に障害者芸術が持つ文化力を国内外へ発信をしていきたいと考えております。さらに区民ひろばを重要な拠点として位置づけ、子どもや障害者、お年寄りを含め幅広い方が参加し、交流していただける事業を区内全域で展開をしてまいりたいと考えております。東アジア文化都市を通じて文化のみならず、産業、福祉、まちづくり、子育て、教育等各種施策を横断する、これまでの開催都市にはない事業展開のモデルにすることを目標に掲げてまいりたいと考えております。  次に、東京アニメアワード第2回目の開催内容及び行政がかかわり子どもたちに提供する意義と今後の展開についての御質問にお答えをいたします。  本区で2回目の開催となる東京アニメアワードフェスティバル2018は、3月9日から12日までの4日間行われます。本年もコンペティション部門、アニメ功労部門、アニメ オブ ザ イヤー部門、そして子どもを対象としたプログラムを展開するこどもアニメーション部門で構成されると伺っております。  既に昨年の夏には、昆虫を観察してアニメーションをつくるワークショップが、第2回のプレイベントとして、自由学園明日館で開催され、約50名の親子が参加し、子どもたちの生き生きとした笑顔が見られました。このワークショップは3月にもアニメ水族館として開催され、サンシャインシティの噴水広場の大型ビジョンでお披露目をされる予定と伺っております。  また、今年も区民ひろばで展開される親子映画館では、スペインの作品や若手アニメーター育成プロジェクトなどで制作された日本の作品が上映され、親子で気軽に映画鑑賞を楽しむことができます。さらに昨年も大変大好評でございました、世界的に有名なアニメーターによる子どもたちのためのワークショップを同時開催される予定となっております。この東京アニメアワードフェスティバルは、第1回から3回までは、日本橋コレド室町で開催をされておりましたが、永野議員も注目して、この事業の将来性を考え、ぜひ豊島区の池袋でと誘致にも大変一役も二役も担っていただいたことを感謝します。このような取組みが、今、まさにアニメの聖地として、日本動画協会が主催をし、東京都が共催する国際的なアニメーション芸術祭でございます。国内外から集まったアニメーションを愛する人々との交流やまち全体を使った祝祭感あふれるフェスティバルを展開している点は、国際アート・カルチャー都市構想と合致しており、豊島区にとりましても、まちの魅力を広く発信する機会を得たことに、大きな意義があると考えております。  今やアニメーションは国際的な交流を生み、人の心を育む文化芸術として、世界中で親しまれております。子どもたちが質の高い、本物の作品を目にすることは、アニメーションが世界の共通言語であることを知り、海外の文化理解にもつながる絶好の機会でございます。さらにアニメーションのワークショップは、子どもたちにとって事物をじっくり観察し、発見し、それを表現する貴重な体験の場となっております。区といたしましては、今後もアニメーションの持つ芸術性や意義を次世代に伝える東京アニメアワードフェスティバルを支援することにより、世界のアニメーション芸術祭の場を広げながら、アニメの聖地として区民の皆さんの誇れるまちを目指してまいりたいと思います。  次に、2020年障害者芸術祭開催に向けての地域活動参加等の考え及び取組み状況についての御質問にお答えをいたしたいと思います。  御指摘のとおり、2020年に新ホールを会場として、障害のある方の優れた舞台芸術を国内外に発信する芸術祭を開催するお話をいただいております。区といたしましても、ぜひともお迎えしたいと考えております。主催団体からは、まだ具体的な事業プランをお示しいただいておりませんけど、全面的に協力をしてまいりたいと思います。障害者アートの考え方については、永野裕子議員と同様、私も障害のある方が優れた芸術性や表現力を発揮し、その芸術文化作品のクオリティをしっかり評価をされなければならないとの強い思いがございます。バリアフリーやユニバーサルデザインに配慮した新ホールが会場となることは、必ずや作品の価値を最大限に引き出し、舞台を鑑賞する全ての人々を魅了する絶好の機会になるものと確信をしております。また、過去の開催国では、障害のある方々がイベントの運営に携わり、そこでの経験が自信となって、その後の積極的な地域の社会貢献活動へとつながったことが報じられました。このように事業運営に障害のある方の活躍の場を拡大していくためには、専門チームを編成して取り組む必要がございます。  御質問にあるように、日本財団のトップの方からお話を頂戴しております。今後、主催団体と協議をしながら、区のかかわり方について検討してまいりたいと思います。  区では、これまでも、例えば東京芸術祭のプログラムに障害のある方の作品を取り入れたり、障害者アートの国際交流展の作品展示をノウハウのある文化部局が請け負ったといった、福祉部局との連携によるものでございます。私が文化行政に取り組み、文化をここまで進めてきた最初のスタート、原点は、まさに文化と福祉の融合というスタートでございます。2020年本芸術祭の開催に向けて、障害のある方々が表現者としてだけではなく、様々な芸術活動に参画できる環境づくりを構築していけるよう、より一層、緊密な連携を図ってまいりたいと思います。  次に、子育て支援施策についての御質問のうち、まず、多様な働き方に沿った多様な保育サービスの提供についての御質問にお答えをいたします。  御指摘のとおり、現代社会では自宅やコワーキングスペース、別名にシェアオフィス、「共同で仕事する場」という意味でありますが‥‥、を活用した起業、テレワーク等社会経済状況の変化に応じた多様な働き方を選択する世帯が少しずつ増えている印象がございます。また、できるだけ子どもの近くで仕事をしていたいという子育て世帯の声も聞きます。実際に区内にもキッズスペースのある民間のコワーキングオフィスが存在することは承知をしております。区としても、こうした多様な働き方を望む世帯を支援する環境づくりは、起業支援の視点からも意味があるものと考えております。したがいまして、こうした多様な働き方ニーズが区内にどの程度あるのか、その際、何らかの保育サービスは必要と考える世帯がどの程度存在するのかなどを調査した上で、先行して実施している自治体の状況や実績を参考としながら、多様な働き方に沿った多様な保育サービスの提供の可否を検討してまいります。  次に、産後ケア事業の目的・対象・事業費内訳についての御質問にお答えをいたします。  本事業の目的は、産後において家族等の援助を受けられず支援を必要とする産婦及び乳児に対し、助産師等による心身のケア、育児の支援そのほか母子の健康の維持及び増進に必要な支援を行おうというものでございます。対象者は、産後において家族等から十分な家事、育児等の援助が受けられず、主に心身の不調、育児の不安等が認められる、産後4カ月未満の母子を想定しております。事業費の内訳は、助産院や産後ケア施設への委託料が908万3,000円、事務費が1万5,000円、合計909万8,000円でございます。  次に、産後ケア事業における助産院との連携構築の状況についての御質問にお答えをいたします。  本事業の実施に当たりましては、宿泊型の産後ケアを実施している助産院や産後ケア施設に本事業の趣旨を御理解いただき、特に継続的に支援が必要な方について、情報共有など、本区と協力体制を構築できる事業者に委託をする予定でございます。現時点では、区外4カ所の施設に御協力をいただける見込みでございます。  次に、母子のケアに係る費用負担や財源についての御質問にお答えをいたします。  利用者は、1泊2日から通算して7日まで利用可能とし、自己負担額は1泊2日で6,000円、1日増えるごとに3,000円を加算する予定であります。助産院等への委託料は、1泊2日で6万円、1日増えるごとに3万円を加算することとし、本年度は合計275日の利用を見込み、事業費909万8,000円を計上いたしております。財源につきましては、国庫補助(母子保健医療対策総合支援事業費)から事業費の2分の1を、残りの2分の1は都補助金(出産・子育て応援事業費)の利用を見込んでおります。本区としては、産後ケアを含め、出産前から子育てのときまで切れ目のない支援の充実に今後も積極的に取り組んでまいりたいと思います。  私からの答弁は以上でございますが、そのほかの質問につきましては水島副区長から答弁を申し上げます。   〔水島正彦副区長登壇〕 ○副区長(水島正彦) 職務環境向上のための対応についての御質問のうち、まず、職員自身をエンパワーメントする研修と効果測定の実施についての御質問にお答えいたします。  エンパワーメントとは、職員一人一人が主体的な行動により能力を発揮し、その力を組織のパフォーマンスに変えていくことであると理解しておりますが、人材育成の上では非常に重要だと認識いたしております。  職員自身をエンパワーメントする研修を実施するためには主体的な行動、柔軟な発想、明確な目標を重視するとともに、採用や昇任という職員自身のモチベーションが高いときに実施することが効果的であると考え、研修計画を組んでいるところであります。  新規採用職員については、区の職員としての意識や意欲を高めるプログラムを中心といたしまして、また採用3年目から10年目の若い職員については、業務リーダーとしてのタイムマネジメントや問題解決に重きを置いて研修を実施いたしております。さらに若手職員に対しては、豊島区が目指す姿やまちづくりへの思いを区長が直接伝える区長講話を実施することで、モチベーションのアップを図っております。そして係長昇任時については、職責や役割が大きく変わることから、自らがリーダーとなり、チームを運営する能力を高める研修を実施いたしております。こうしたことから、これらの研修を通じて、それぞれの職員が置かれた状況を変えていくことで、能力を発揮し、その力を組織のパフォーマンスに変えていくことができると考えております。  また、研修の効果測定については、研修の中でアンケートを実施し、満足度や意識の変化を確認いたしておりますが、今後は研修後の職場における行動変化を効果として、確認するための新たな取組みを進めたいと考えております。  次に、あらゆるハラスメント防止のための施策についての御質問にお答えいたします。  職場におけるハラスメントは、働く職員の尊厳を傷つけるだけでなく、職場環境を悪化させ、組織の秩序を乱すなど、決して許されない行為であります。本年2月、セクシュアルハラスメントや妊娠、出産、育児、介護等に起因するハラスメント、またパワーハラスメント等の防止に関する基本方針を新たに策定し、改めてハラスメントの定義や職員と管理監督者の責務を明確化するとともに、防止対策、相談体制についても充実を図ることといたしたところであります。今後ハラスメントを許さない職場づくりに向け、全職員を対象として、基本方針に沿ったOJTや集合研修をさらに積極的に実施してまいります。  次に、感染症対策についての御質問のうち、まず、VPDワクチン接種をより積極的に促し、予防接種行政を国際標準に引き上げる必要性についての御質問にお答えいたします。  御指摘のとおり、ワクチンで予防できる病気、いわゆるVPDに対して、ワクチン接種により積極的に予防すべきという考え方は、区としても同様に認識をいたしております。また、WHOが推奨し、多くの国で公的予防接種となっているワクチンの中でおたふく風邪ワクチンやロタウイルスワクチンが、日本では任意接種にとどまっている現状であることは御案内のとおりであります。  本区では、定期接種で接種できなかった方への麻疹・風疹混合ワクチンを初め、おたふく風邪ワクチンや定期接種になる以前のB型肝炎ワクチンの接種費用を助成してまいりました。さらに御案内のとおり、新年度の予算にロタウイルスワクチン接種費用の助成を計上したところであります。その他のワクチンの接種費用の助成につきましては、個々にその有効性や副反応の程度、国や他自治体の動向、他の施策とのバランスなどを見極めながら慎重に検討してまいりたいと考えております。  次に、感染症対策における国や都との連携による実効性のある対応についての御質問にお答えいたします。  先ほど述べました各種任意接種の助成の一部は、東京都の医療保健政策区市町村包括補助事業補助金包括補助事業補助金を活用いたしております。結核につきましては、国の感染症対策特別促進事業費補助金を活用し、区内の日本語学校の外国人学生を対象に、年間約4,000名の胸部レントゲン検査を実施いたしております。デング熱やジカウイルス感染症など、蚊が媒介する感染症につきましては、東京都のキャンペーンに合わせた啓発活動を初め、区内2カ所の公園における蚊のウイルス保有調査を東京都と連携して実施いたしております。  また、海外から持ち込まれることが多い髄膜炎菌や麻疹につきましても、患者が発生した際、保健所で検体の回収手続を実施し、東京都や国の疫学調査に協力いたしております。今後、東アジア文化都市事業やオリンピック・パラリンピックなど、国際色豊かな事業が種々開催されることを見据え、国や東京都とどのような連携をとっていくか、さらに協議を重ねていきたいと考えております。  次に、正しい知識に基づくインフルエンザ予防接種の推奨と小児へのワクチン接種費用助成についての御質問にお答えいたします。  インフルエンザの予防接種に小児の発病や重症化に対する予防効果があるとする調査報告がなされており、厚生労働省もそれらのデータを支持いたしております。保健所におきましても、感染拡大防止対策の一環として、インフルエンザの予防接種を初め、手洗いや咳エチケットの実施を啓発しております。  小児へのインフルエンザ予防接種の費用助成につきましては、他区では6区で実施しており、対象者の年齢や助成額につきましては様々であります。永野裕子議員の提示されました生後6カ月から5歳までを対象とした場合、1回当たりの助成額を1,000円、接種回数を2回、接種率60%として試算をいたしますと、年間1,250万円程度となります。小児へのインフルエンザ予防接種の費用助成につきましては、先ほどのVPDワクチンのところでも述べましたとおり、特に子ども施策全体のバランスを見ながら慎重に検討をしてまいりたいと思っております。また、保健所といたしましても、客観性のあるデータを基に、国や東京都の動向等を踏まえ、予防接種行政施策を実施してまいります。  次に、手話言語条例についての御質問のうち、まず、当事者の意見を反映した手話言語条例の制定についての御質問にお答えをいたします。  手話言語法につきましては、本区を初め、全国全ての自治体で制定を求める意見書が採択されておりますが、国においてはいまだに制定の動きはございません。このような状況の下で、本区では、昨年全国手話言語市区長会に入会し、手話言語法の早期制定に向けた働きかけを行っております。  一方、手話言語条例については、昨年までに127団体で制定されております。都内で条例を制定した自治体はいまだございませんが、江戸川区が現在開会中の定例議会に江戸川区手話言語条例を提案しております。また手話言語条例とは異なりますが、千代田区は、平成28年に千代田区障害者の意思疎通に関する条例を制定し、手話の言語としての位置づけ、障害のある方が円滑に意思疎通できる環境整備を行うことなどを定めております。本区でも手話言語条例制定に向けて検討を続けておりますが、手話言語条例には理念的なものにとどまっていて、必ずしも当事者の意見を反映していないものもあるという意見があること、東京都が第2回定例会への提案を予定しております、仮称でありますが、東京都障害者への理解促進及び差別解消の推進に関する条例や、本年行われる障害者差別解消法施行3年後の見直しの議論も踏まえる必要があると考えております。  今後の検討においても当事者の意見を反映していくことは、大変重要でありますので、当事者や支援者、その団体等との意見交換の機会を十分に持ち、他自治体での取組みについての勉強会も開催してまいります。もうしばらくお時間をいただくことになりますが、手話言語条例の制定に向けた検討を進めてまいります。  次に、手話の普及・使用がされやすい環境整備についての御質問にお答えをいたします。  本区が実施しております事業として、まず、40年以上続けております手話講習会があります。参加者数自体はわずかですが微増の傾向にあります。区が認定する登録通訳者数はここ数年、横ばいで推移し、新たな派遣の需要や普及活動の拡大対応が困難になっております。このため、今年度から新たに上級者向けの養成講習を開設し、登録通訳者の増加を図っております。  このほかに、ミニ手話講座が大変好評をいただいておりますので、手話講習会への参加は難しいけども、手話に興味がある方を対象に、より身近で気軽に、簡単な手話を学べる仕組みが構築できないかを検討してまいります。  また、手話通訳派遣センターを庁舎4階の福祉フロア内に設置し、土日も開設するなど、手話環境の整備を行っておりますが、今後はICTを活用した意思疎通機器の調査なども進め、さらなる環境整備に努めてまいります。  以上をもちまして、永野裕子議員の御質問に対する答弁を終わります。 ○副議長(大谷洋子) 本日の一般質問を終わります。 ───────────────────◇──────────────────── ○副議長(大谷洋子) 以上で、本日の日程全部を終了いたしました。  本日は、これをもって散会といたします。   午後5時4分散会...