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平成16年第4回定例会(第17号12月 1日)

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  1. 豊島区議会 2004-12-01
    平成16年第4回定例会(第17号12月 1日)


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    平成16年第4回定例会(第17号12月 1日)   平成十六年豊島区議会会議録第十七号(第四回定例会)   平成十六年十二月一日(水曜日) 議員定数 三十八名 出席議員 三十八名       一 番   中 島 義 春       二 番   島 村 高 彦       三 番   五十嵐 みのる       四 番   水 谷   泉       五 番   日 野 克 彰       六 番   中 田 兵 衛       七 番   永 野 裕 子       八 番   竹 下 ひろみ       九 番   高 橋 佳代子       十 番   水 間 和 子       十一番   堀   宏 道       十二番   村 上 宇 一       十三番   本 橋 弘 隆       十四番   里 中 郁 男
          十五番   藤 本 きんじ       十六番   小 林 俊 史       十七番   泉 谷 つよし       十八番   山 口 菊 子       十九番   木 下   広       二十番   此 島 澄 子      二十一番   池 田 尚 弘      二十二番   吉 村 辰 明      二十三番   戸 塚 由 雄      二十四番   小 峰   博      二十五番   福 原 保 子      二十六番   大 谷 洋 子      二十七番   小 林 ひろみ      二十八番   森   とおる      二十九番   池 内 晋三郎      三十 番   小 倉 秀 雄      三十一番   遠 竹 よしこ      三十二番   吉 田 明 三      三十三番   篠   敞 一      三十四番   副 島   健      三十五番   原 田 太 吉      三十六番   吉 田   敬      三十七番   垣 内 信 行      三十八番   河 野 たえ子 欠席議員 なし ―――――――――――――――――――――――――――――――― 職務のため議場に出席した事務局職員の職氏名      事務局長     大 門 一 幸      次    長   町 田   剛      議事担当係長   熊 谷 雅 夫      議事担当係長   竹 村 俊 明      調査係長     小 林 弘 和      書    記   星   弘 一 ―――――――――――――――――――――――――――――――― 説明のため出席した者の職氏名      区    長   高 野 之 夫      助    役   水 島 正 彦      収入役      今 村 勝 行      政策経営部長   大 沼 映 雄      総務部長     山 木   仁      区民部長(文化担当部長)               小 野 温 代      商工部長     齋 藤 賢 司      清掃環境部長   河 原 勝 広      保健福祉部長   川 向 良 和      子ども家庭部長  郡 司 信 興      都市整備部長   上 村 彰 雄      土木部長     増 田 良 勝      ―――――――――――――――――――――      教育長      二ノ宮 富 枝      次   長    松 﨑 充 彦      ―――――――――――――――――――――      選挙管理委員会事務局長               森   茂 雄      ―――――――――――――――――――――      監査委員事務局長 島 本   清 ――――――――――――――――――――――――――――――――    議 事 日 程 一、会議録署名議員の指名 一、一般質問 ――――――――――――――――――――――――――――――――    会議に付した事件 一、会議録署名議員の指名 一、一般質問    垣内信行議員「区民犠牲の行革計画を撤回し、区民のくらし、福祉を守る区政に切      り換えよ」    中田兵衛議員「区政の課題について」    五十嵐みのる議員「1.政務調査費領収書非公開に関わる区民の声 2.後藤昭夫、      高野陽昌「絵画二人展」について」    藤本きんじ議員「公金の収納率向上のためにクレジットカード決済の導入を。」    日野克彰議員「今後の学校施設のあり方について」    水谷 泉議員「誰もが 元気なまちで 自分らしく 暮らすために」 ――――――――――――――――――――――――――――――――     午後一時三分開議 ○議長(戸塚由雄) これより本日の会議を開きます。 ――――――――――――――――◇――――――――――――――― ○議長(戸塚由雄) 会議録署名議員を議長からご指名申し上げます。二十七番小林ひろみさん、二十八番森とおるさん、二十九番池内晋三郎さん、以上のお三方にお願いいたします。 ――――――――――――――――◇――――――――――――――― ○議長(戸塚由雄) これより昨日の本会議に引き続き一般質問に入ります。  発言通告に基づき、順次これを許可いたします。  まず、三十七番議員より「区民犠牲の行革計画を撤回し、区民のくらし、福祉を守る区政に切り換えよ」の発言がございます。       〔垣内信行議員登壇〕(拍手) ○三十七番(垣内信行) 私は、日本共産党豊島区議団を代表して、「区民犠牲の行革計画を撤回し、区民のくらし、福祉を守る区政に切り換えよ」と題し、大きく次の三点について一般質問を行います。第一に、行財政改革プラン二〇〇四素案の撤回と今後の区政運営について、第二に、介護保険制度の見直しに当たって、第三に、三十人学級の早期実現についてであります。区長の明快な答弁を願います。  私たち日本共産党区議団は、夏以降、予算要望や区政についての意見交換を行うために、区内の各団体、個人など幅広い区民の皆さんと話合いの場をつくってきました。また、区民ひろば構想に伴う児童館やことぶきの家の廃止、そして全児童クラブ構想、公共施設の再構築、行財政改革プラン二〇〇四などの説明会にも参加し、区民の皆さんの声を聞く機会が多くありました。言うまでもなく、区政の主人公は区民であります。区長でもなければ、助役でもありません。しかし、今の区政は、主人公の区民を余りにもないがしろにしています。だから、多くの区民が高野区政に怒りをぶつけてきているのであります。  先日、町会連合会の役員の皆さんと懇談を持つことができました。ある役員は、正直に言いますと述べ、私は高野区長自身に惚れ込んでいた、選挙になれば提灯持ちの役割をしてきた、しかし、もう我慢の限界、仕事をどんどん押し付けられる、四年間、我慢してくれとお金は削られ、その上、今度の改革プランは何だ、区民いじめも甚だしいと、批判を繰り返すのであります。  区は、財政難を理由に、これまでも区民の暮らし、福祉に大きな影響を及ぼす様々な行革計画を実施、区民に犠牲を強いてきました。高野区政になってからも、財政を立て直すと、二〇〇一年から二〇〇四年までの期間で財政健全化計画を実施し、区民サービスの切下げや施策の廃止・縮小をしてきたのであります。その総額は何と二百十九億五千八百万円にも上ります。さらに、「公共施設の再構築・区有財産の活用」本部案を提案、区民の貴重な財産の切売りまで始めたのであります。ところが、それでも見通しが甘く達成できなかったとし、新たに来年度から五年間の期間でさらなるサービスの切下げを区民に押し付ける、これが行財政改革プラン二〇〇四であります。  さて、長引く不況や小泉政権の悪政の下、区民の生活はますます深刻な状況になっています。我々に寄せられる相談も後を絶たず、そのほとんどが暮らしや営業など、今後の生活が立ち行かないとして本当に困り果てている実態を目の当たりにします。何とかその解決に向け、我々も親身になって努力を尽くしますが、次々と制度が改悪されていく中で、施策もなく、その糸口を見出すのも困難になっています。  二、三、例を挙げてみます。  Aさん、五十五歳。バブルの頃には仕事も順調で何人も職人を使っていましたが、景気が悪く、仕事もほとんどなくなりました。一人でこつこつと孫請けの仕事を探して、やっと生活をしていました。五十歳を過ぎた頃、体の不調があったが、それでも生活のために仕事を続け、そしてどうしようもなく病院に行ってみると、即刻入院。重度の糖尿病と診断されました。結局、仕事のできる状況でなくなりました。今は奥さんのパートと蓄えで何とか生活していますが、貯金が底をつけば生活保護を受けるしかありません。もう少し安い住宅に住みたいが、都営住宅も当たらないと嘆いています。  Bさんは、母子家庭です。障害を持つ子供と二人で暮らしています。子供を養護学校まで送り届けた後、パートに出ます。パートで稼いだお金と合わせ不足した生活費については、区の援助を受けています。障害者の子供の将来の不安はいつも付きまとい、夜も眠れないときがあるとこぼします。介護保険への障害者の移行も心配とも言います。このところ母子家庭や障害を持つ家庭に対し、国や都も区も冷たく、手当や制度を削り、今後どうしたらよいかわからないと言います。  また、Cさん、七十二歳。現在、生活保護を受けています。老齢加算が段階的に削られ、今でもぎりぎりの生活。六畳一間のアパートには風呂もなく、ことぶきの家のお風呂に行ったり、銭湯に行くのが唯一の楽しみです。ところが、近くのことぶきの家の入浴サービスがいつの間にかなくなり、今度は入浴券もゼロになると聞き、弱い者いじめはもうやめてほしい、風呂も入れなくなると、涙ながら訴えるのであります。  私は、こうした深刻な声を聞く度に、今の政治のあり方に怒りを覚え、困っている人にこそ光を当てるのが政治の責任であり、本来の自治体の役割と痛感するのであります。区長、あなたはこうした区民の声が聞こえないのでしょうか。  そこで質問です。今の区民の置かれている状況を区長はどう認識しているのでしょうか。区民の暮らし、福祉を守る立場を踏まえ、逃げたりごまかしたりしないで、深刻な実態を真正面から受け止め区政運営をすべきと考えますが、どうなのか、まず明快に答弁いただきたいのであります。  次に、区の目指すべき行政水準について質問いたします。  行財政改革プラン二〇〇四、施設の再構築実施案を見てみますと、区民に必要な施策を軒並み削ったり、負担増を押し付けたり、施設を減らすばかりの内容になっていますが、区民サービスとの関係で、一体どういう行政水準にするのかは全く明らかにされていないのであります。お金がない、仕方がない、だから削るんだというのが区長の言い分ですが、こんなやり方なら誰でもできることであります。  特別養護老人ホームの待機者は、今年九月末で九百九十六名となっています。保険制度なのにランク付けを行うこと自体、不当なことですが、条件を付け必要度の高いAランクとした人数が二百六十七名となっています。こうした状況を見ますと、来年四月開所予定の南池袋の特養ホームの九十二床、二〇〇八年開設予定の癌研跡地にできる施設を百床としても、あと一施設はどうしても必要です。ところが、癌研跡地以降については、計画もしないし誘致もしない、待機者に見合った特養ホームの必要性すら否定し、責任を持って解決することを放棄しているのであります。保育園の待機児童解消策についても同様、区の責任で解決するのでなく、民間委託化を打ち出しているに過ぎません。自転車駐車場の整備にしても、都内でもワーストワン、ワーストツーになっている池袋や大塚などの駅前放置自転車に対し、これを解決するために、いつまで、どうした方策を講じていくのか明確な具体策がありません。追及すると、対策協議会で議論していると逃げてしまいます。公園の増設についても、一人当たりの公園面積が最も狭い、都内でびりという現状に対し、どう増やしていくのか方針もなく、減らす案ばかり。公衆便所は、汚いとか、老朽化しているとか、近くにあるとか、減らすための口実を付け、四十近くも廃止や閉鎖をするというのであります。こうしたように、福祉・介護など、区民サービスの面でも、施設の面でも、将来どのような行政水準にするのか全く明確になっていないのは問題です。  そこで質問です。行き当たりばったりの区政はもう御免です。区民の実情を正確に捉え、必要な区民サービスを、いつまでに、どういう水準まで持っていくのかを明らかにすべきです。行財政改革プラン二〇〇四、施設の再構築実施案のように削るばかりでなく、長期、中期、短期にわたり、区民需要から見てどうするのか、将来を見据えた方針を示すべきではありませんか。区長の見解を求めます。  もう一つが新基本計画についてであります。  今、区は、新基本構想に基づく新基本計画を策定中であります。新基本計画は今年度から実施するとされていましたが、それも一年延期し、来年度から実施することになりました。区長は、現在の財政状況を踏まえ、財源の裏付けのある現実性のある基本計画にしたいと、現基本計画の途中でありながら、新たな基本計画策定を打ち出したのであります。  基本計画というのは、区政を推進する上で、文字どおり基本の基本、柱であることは言うまでもありません。先程から述べているように、最上位の計画だけに、区民の置かれている状況を正確に把握し、それに必要な施策は何か、何を成すべきか、必要な財源とその確保はどうするかなど、あらゆる角度から見て、区民生活向上に向けた行政水準の展望を示す羅針盤となるもののはずです。したがって、これまでも、実施期間を十年として、これを柱に各種の計画を分野別に策定してきました。こうした手法は、内容はともかくとして、行政計画、区政運営を進める上では欠かすことのできないものであります。
     ところで、区は、この新基本計画を策定中にもかかわらず、公共施設の再構築案や新たな事業展開、そして行革計画と、次々と基本計画ないがしろにする内容を打ち出しています。区長の言い分はいつも同じで、未曾有の財政難を克服する上で、今、区が抱えている課題を解決する方向と濁し、いつの間にか基本計画はなきに等しくなっています。こんなことだから、区民から出る言葉は、行き当たりばったり区政とか、その場凌ぎ区長とか、朝令暮改区長と、痛烈な批判であります。  さて、先日開かれた区長から諮問を受けている基本構想審議会で、助役が異例の発言をしたそうです。「新たな基本計画策定の考え方について、方針を変更したい。財政の収支見通しから、施策ごとの財源の裏付けは困難。したがって、基本計画は方向だけにするのか、絞込みをするのか、論議してほしい」と。委員からは、お金がないのは初めからわかっていたこと、こんなに変わるのはおかしいと、批判の声が上がったそうであります。我が党からはこの審議会に小林ひろみ議員が参加していますが、私はこの報告を聞いて耳を疑いたくなりました。区政の最高幹部が、基本計画について、どうしたらよいかわからないとも取れる態度であるからであります。  そこで質問です。今の基本計画を強引に切り換えると進めておきながら、今になって策定の方向すら見出せない。このことについて、区長はどう認識しているのか。そして、その責任をどうとるのか。また、今後どうしようとしているのか。責任ある答弁を求めるものであります。  質問の三つ目は、財政の立直しと確保についてであります。  行財政改革プラン二〇〇四の財政効果を見ると、削減が一番大きいのは保健福祉部に関連したもので、来年度で全体の三九・一%を占めています。五年間で見てみますと、全体の四七・七%、約半分が福祉・保健の削減・縮小であります。区政で最も力を入れるべき区民の福祉・保健分野をこれ程軽視している区長は、歴代の中でもいません。まさに高野区政になって豊島の福祉は真冬の時代になろうとしています。こんなに多くの犠牲を区民に背負わせ、区民サービスを削りに削っても、五年後の財政再建の見通しはないというのですから、区民に納得されるわけがありません。この計画は、五年間確実にやったとしても、まだ百七十三億円も不足することになっています。さらに、今国が進めている三位一体改革による補助金、交付金の削減の影響は入っていません。その影響を考えれば、さらに不足金額が増えることになるのであります。  前定例会の決算審議でも我々が分析し指摘してきたように、区の負担増の主たる原因は、第一に、老人保健法など国の制度改悪による負担増です。第二に、超過負担によるもので、例えば就学援助は、法では国が五〇%、つまり二分の一負担すべきところを、区には僅か一〇・六%しかきていないのであります。二〇〇三年度の超過負担、即ち区の持出し総額は四十四億五千二百万円にも及びます。三つ目は、東京都が都市再生の名によって大型開発には大盤振舞いする一方で、福祉・保健などは制度・事業名を変え、次々と補助金を削減していることです。また、都・区の財政調整協議は、二〇〇〇年の都区制度移管時、区側は五七%は最低限必要としたにもかかわらず、結局五二%で妥協してしまいました。今でもこれが尾を引き、財調協議を難航させていることは承知のとおりであります。さらに、財政難を理由に区民の福祉や暮らし、教育などの事業を削り、必要にもかかわらず、財政需要から外され、その隙間にどんどん大型開発など不要不急なものが需要として押し込まれています。四つ目には、国の尻拭いを負わされていることであります。区債残高の合計五百六十三億円のうち、百三十七億円は減税補填てん債によるものであります。国の減税政策を実施したツケを区が肩代わりして、借金返済を余儀なくされているのであります。  私たち日本共産党区議団は、財政健全化計画とか、今回の行財政改革プラン二〇〇四のように、区民に犠牲を強いる手法は根本的に間違っており、これでは、暮らし、福祉を守ることもできない、財政の立直しもできないと機会あるごとに指摘してきました。しかし、区長は、方向は間違っていない、やり方が不十分と、その舵取りを改めようとしません。  そこで区長に質問いたします。区長は、身の丈に合った財政構造と言っていますが、国や都の財源圧迫を是認し、区民には、金がない、仕方がないと言い続けています。これまで指摘してきたように、区長の財政運営・再建の方向は間違っています。今こそその誤った舵取りを正さねば、豊島区の未来はないと言っても過言ではありません。区長の見解を求めるものであります。  次に、今後の財政圧迫の攻撃をはね返すことについて述べます。  先程来述べてきたように、区財政逼迫の要因は、国や東京都の不当な財政圧迫や制度改悪による削減が主たる要因になっています。これと正面から対決しはね返すことなしには、明るい展望は持てません。まず、今、政府が進めている三位一体改革であります。内容については今さら繰り返す必要はないと思いますが、地方への税源移譲を口実にしての大幅な補助金・交付金の削減は、本区にも大きな影響を与えることになります。こうした地方財政悪化を懸念し、多くの自治体の長が怒りの声を上げています。ところが、小泉内閣は、与党自民党とすり合わせを始め、国民健康保険や生活保護、また義務教育の国庫負担金削減など、各地方自治体に押付けを強行する態度であります。さらに、石原都政においては、東京都の第二次財政再建推進プランで都民施策の切捨ての実施計画案を打ち出し、これまた都民に犠牲を強いようとしています。こうした流れは今に始まったことではありませんが、結局、被害を受けるのは区民であります。  こうした国や都からの攻撃に、これまで区長の態度は、はね返すどころか、これを容認し受け入れてきたのであります。今、全国各地でこうした自治体への攻撃に対し、真剣にこの流れに立ち向かおうとする首長が現れています。東京では、狛江市がいい例です。狛江市も、当然、国や都の影響をもろに受け、大変な財政難を余儀なくされています。しかし、こうした財政圧迫に対し、どこに問題があるのかを分析し、そして、これを市民に知らせ、市民とともに、限りある財源を少しでも市民要望に応える方向にと転換する努力をしています。その姿勢が高野豊島区長には全くないのであります。今こそ、財政を立て直しながら、区民生活を守る立場に立ち、国や都の不当な締付けを区民にも知らせ、区民と共同の闘いを起こすべきです。区長にその決断を求めます。答弁をお願いします。  四つ目には、行財政改革プラン二〇〇四について、撤回すべき立場から質問をいたします。  行財政改革プラン二〇〇四は、①人件費の抑制、②事業の休廃止三十二事業、③事業の見直し七十事業、④受益者負担の強化十三事業、⑤施設・業務の委託化・民営化など二十五事業、⑥施設の再構築・活用十一項目と、ありとあらゆる区民サービスを切り下げるとともに、区民負担を増やす内容となっています。十六日に行われた勤労福祉会館での説明会は、こうした区民にとって大変な内容にもかかわらず、僅か二十名そこそこの参加しかありませんでした。参加者からは、一番初めに、この参加の少なさを危惧する声が上がりました。僅か二回、それも虫眼鏡で見ないとわからない程の小さな文字で、広報紙にプランの内容を載せました。説明会の日程はたった一回載せただけです。その内容は一体どういうものなのかは、区民はほとんどわかっていません。町会長にはお知らせしたと言っていますが、これで区民に説明したとはならないはずです。これ程重大な内容は、二十五万区民に大きな影響を及ぼすことになるのですから、説明会をもっときめ細かにやるべきです。そして、区民の意見をよく聞くべきです。この点について、まずお答えいただきたいのであります。  次に、行財政改革プラン二〇〇四に示された内容についてであります。区長も言うように、区民にとってどれも欠かせない事業であります。時間もありませんからすべての事業を例に挙げるわけにはいきませんが、どうしてこんな必要不可欠なものまで減らすのか、削られたら本当に困るという区民の切実な声が寄せられています。  まず、入浴券を初め、法外援護の全廃についてであります。これまでも、生活保護者への法外援護について、区は次々と切下げを行ってきました。夏期や歳末見舞金の削減や廃止、入浴券の支給枚数の切下げなどなど、その度に生活保護者という立場の弱い人たちにどうしてこんなひどいことをするのかと、私もこうした削減案が出る度に区長の姿勢を追及してきたものです。ある時は、もうこれ以上削りません、また財政がよくなったら元に戻すとも言い、法外援護の必要性は最低限認めていたではありませんか。それを全廃するとは血も涙もないではありませんか。いくら財政難といっても、これは手を付けてはならないものです。特に冒頭に区民の実情例で述べたように、入浴券の全廃はひどいにも程があります。風呂に入れない区民の気持ちになって考えていただきたいのであります。  心身障害者等福祉タクシー事業の縮小もひどいものです。障害者に手を差し伸べることは、言うまでもなく、政治の中でも、私は拡充こそあれ後退は許されないと思います。このタクシー券を使って病院へ行くとか、障害者がやむを得ずに外に出るときの足として欠かせないもののはずです。また、小学校四年生の秩父移動教室は、長い間続けられてきた特色ある教育の一つであり、父母からも一定の評価を得ている事業です。この廃止案の撤回を求める声も大きく広がっています。さらに、身近にある長崎、巣鴨の二カ所の休日診療所の休止は、医師会から撤回を求める陳情が区議会にも出されました。子供を持つ区民から、急な病気になったときに診てもらえて助かっていたのになぜなくすのか、残してほしいと切実な意見が出ています。  そこで質問いたします。こうした事例だけでなく、プランは、子供からお年寄りまで、区民にとって必要不可欠なものまで容赦なく切り下げる内容になっています。行財政改革プラン二〇〇四については、まず白紙撤回し、区民の声や我々議会の意見も踏まえ、全面的に見直すべきであります。そして、来年度に実施を予定しているものであっても、予算編成に当たっては、弱い者いじめをやめ、区民サービスを切り下げないように強く要求するものであります。いかがか、区長の答弁を求めるものであります。  次に、第二の質問、介護保険制度の見直しに当たってに入ります。  介護保険制度が実施されて四年半が経過しました。政府は、自らサービスが選べ選択が豊かになる、家族介護から社会全体の介護へなどと宣伝し制度をスタートさせたことは、まだ記憶に新しいところであります。この間、老老介護に疲れた夫が妻を道連れに心中を図った痛ましい事件や、最近では介護を受ける高齢者の虐待の実態調査の結果が公表されるなど、介護に潜む深刻な問題が我々の前に次々と明らかにされています。同時に、介護問題が様々なメディアにも取り上げられるようになり、人間の尊厳に相応しい介護とは何か、老いとは何かと、社会に積極的に問題が投げかけられるようになってきています。まさに社会的な介護保障体制を安心できるものに整備することは、ますます重要課題になっているのであります。  さて、介護保険制度は、来年度、即ち二〇〇五年度に大きな制度見直しが行われることになっています。これを受け、厚生労働省は、昨年五月、社会保障審議会に介護保険部会を設置し、今年一月からは介護制度改革本部を設置し検討を進め、先月末には見直し案を提案いたしました。政府は、この見直しの改正案をまとめた上、来年の通常国会に介護保険法改正法案を提出する予定になっています。来年度の見直しは、ただ介護のことだけでなく、社会保障全体の中で介護保険の位置付けを明確にしていくことが求められています。そもそも政府は、介護保険の導入を社会福祉構造改革の突破口と位置付けてきました。こうした流れによって、福祉も措置制度から契約制度に変えられ、公的責任の縮小、応能負担から受益者負担への転換へと、福祉の変質が図られてきました。小泉政権の構造改革は、様々な分野で公的責任を投げ捨て、福祉分野も民間企業の儲けの場にしてきたのであります。介護保険もこうしたレールに乗って進んできたものです。来年の見直しで何を狙っているのでしょうか。  その第一は、利用料の引上げであります。財政制度審議会が、保険料はどんどん上がり、要介護者は増え続ける、このままでは保険制度がもたないと烙印を押したことから、現在の一割の利用料を二割から三割にするというものであります。さらに、財政制度審議会は、コスト意識を喚起するとも述べており、二〇〇三年度から始まっている新型特養ホームの家賃や光熱費などのホテルコストの徴収をすべての特養入居者に拡大して、食費を含めて保険給付外の利用者負担にするということも提言しています。今でも既にサービス抑制が起きているのに、利用料がさらに高くなれば、低所得者には絶望的な制度に変わってしまいます。  第二は、保険料の二十歳からの徴収であります。もともと厚生労働省は、介護保険制度を発足させるときに、二十歳から保険料を徴収する案を出していましたが、それでは若者には理解が得られないと、親の介護が身近になる四十歳からの徴収になった経過があります。現在、第二号被保険者でサービスを受けている利用者は、特定の疾病・難病によって介護認定されている人だけですが、若年障害者も含めた利用拡大で保険料徴収について若者と企業の理解を得ようというのです。しかし、土台無理な話であります。青年を中心に、今、四百十七万人余りがフリーターと呼ばれる正規に職を持たない人たちで、日々の生活も困難な低賃金を強いられています。仮に介護保険料の徴収が強行されても、払えない人が続出することは火を見るよりも明らかであります。空洞化が進む国民年金制度の二の舞となることは明白であります。  第三は、要支援、要介護度一の軽度の高齢者をサービスから締め出そうとしていることであります。制度発足以来、軽度の要介護者が最も増えていることを理由にしています。具体的には、これまで介護保険の一割負担で借りられた介護ベッドや車椅子を、要支援の人には原則として全額自己負担にするとか、介護予防を義務付け、要介護度一の人までホームヘルプサービスを受けさせないなどであります。理由として挙げているのは、ホームヘルパーに料理や掃除などのいわゆる家事援助を依頼するだけの人が多いので、高齢者が体を動かす機会が減り、要介護度が進行して給付が増えるというものであります。そこで、介護が必要となった原因を三つに分けて、加齢が原因だと判断された人には筋力トレーニングなどの予防を義務付けるというものです。パワーリハビリを行うことや一般の高齢者に健康教室などを開くことは、私も大切なことだと思います。しかし、介護が必要と認定された高齢者に、一律に家事援助を受けさせないで筋力トレーニングを義務付けるのはいかがかと専門家からも疑問視されています。  そこで区長に質問です。政府の今回の見直し案は、高齢者の生活の質をどう高めるかという視点からの見直しでなく、専らコストを削減し、国民の負担をさらに増やす方向でしか検討されていないことは明らかです。これでは国民の不安を広げるだけです。当初から言っていた、自ら選べる、選択の自由な介護保険制度の理念からも全く外れた見直しであります。保険者である区長として、政府の見直しについて再検討を求めるべきであります。いかがか、区長の見解をお答えください。  次に、介護保険に関し具体的な問題について質問いたします。  その第一は、基盤整備の拡充についてであります。  介護保険が実施されて以降、サービス不足や重い利用料のために、在宅では生活できない、急に夜中に容体が変化しても、誰かがいてくれる施設の方が安心だということになって、施設志向が強まっているのもこの間の特徴であります。全国で特養ホームの待機者が約二十三万人を超えていることでも明らかであります。それにもかかわらず、政府は施設建設を抑制しています。政府は、自治体に、介護老人福祉施設、介護老人保健施設、介護療養型医療施設の三施設合わせて高齢者人口の三・二%という事実上の上限である参酌標準、即ち利用者数や在宅介護者などの利用に関する意向を勘案して量の見込みを定めるというものでありますが、これを示して施設建設に圧力をかけています。さらに、今年度は国が特養ホームへの補助金を前年度の三分の二に削減したため、地方自治体では建設の見送りを余儀なくされるなど、大きな混乱をもたらしました。  さて、本区の特別養護老人ホームについて見てみると、先程も述べたように、待機者は九百九十六名となっております。しかし、今触れた国の方針から、第二期東京都介護保険事業支援計画による整備目標では、高齢者人口比整備率なる数字を挙げ、これが一・五一%、本区では癌研跡地に施設ができれば数字上これを超えるのでもう必要ない、誘致しようとしても、国も都も建設補助金を出さないというのであります。特養の建設・誘致についての区長の態度は、国や都が決めればあとは仕方ないといって、改善を求める姿勢がない。ここに問題があるのであります。本区の実情、待機者の実態から見れば、仕方ないでは済まされないではありませんか。基盤整備は、保険者である区長の責任のはずです。区長がこれを是としていること自体、区民に背を向けている証拠であります。  家庭で介護してあげたくても種々の理由でできない家族の思いを受け止め解決するのが区の仕事です。在宅で介護するときに、介護する家族が倒れないためには、ショートやミドルステイも必要不可欠ですが、特養ホームや老人保健施設が少ないと、ショートステイのベッドの確保が難しく、利用したいときに使えないのであります。  そこで質問です。特養ホームについては、待機者の状況から見ても、新たな計画を早急に立て、区の責任で計画、建設、誘致することであります。そのために必要な財源を国や都に求めることであります。区長の答弁を求めます。  次に、保険料、利用料についての質問です。  昨年の見直しで全国の自治体の介護保険料は、平均して一三・一%の値上げになりました。本区の場合、基準額となる第三段階の保険料は、実額で月二千九百八十一円から三千三百七円になりました。このままでいきますと、厚生労働省は、八年後の二〇一二年度には全国的に月額五千円から六千円になると試算しています。介護サービスの量を増やしたり、サービスの質の確保のために介護報酬を充実すると、保険料や利用料も引き上がるという深刻な制度欠陥に問題があるからであります。そのために、ただでさえ遅れている基盤整備をためらう自治体も少なくありません。  介護保険導入後、全国で四分の一を超える自治体に保険料や利用料の減免制度が生まれました。これは、住民運動の成果であるとともに、国の制度として低所得者への減免制度がないことが大きな欠陥となっていることの表れであります。そもそも保険料、利用料が高い最大の原因は、介護保険が導入されたときに、政府が介護施策に対する国庫負担の割合を五〇%から二五%へと大幅に引き下げたことであり、その責任は重大であります。保険料や利用料のあり方は、応能負担の方向で見直すことが必要です。現在の六十五歳以上の第一号被保険者の介護保険料は、五段階の定額制と定められており、所得の少ない人ほど負担割合が重くなるという逆進性が所得税・住民税や国保料などと比べても著しくなっています。  そこで質問です。負担は能力に応じて、給付は平等にということは、社会保障制度の原則であります。そのために、介護保険料については、定率制や多段階制など、所得に応じてきめ細かく設定できるように、介護保険法と関係政省令の改正を求めるべきです。施設利用料についても同様です。介護保険以外の福祉施設では、保育所でも障害者施設でも、利用者は所得に応じて負担しています。生活の場である特養ホームの利用料が所得にかかわらず一律というのでは安心して暮らせません。ホテルコストの名目ですべての人の利用料を値上げするのではなく、利用料を所得に応じた額に改めるよう求めるべきです。また、介護保険制度の最大のネックともいうべき国の負担割合を大幅に引き上げることを強く求めるべきですが、いかがかお答えください。さらに、区の独自の保険料・利用料の減額制度については、さらに拡充すべきであります。区長の明快な答弁を求めるものであります。  最後に、第三の質問、三十人学級の早期実現について質問いたします。  第一の質問で触れた行財政改革プラン二〇〇四で、区教育委員会は、少人数教育モデル事業を休止するとしています。その理由として、緊急地域雇用創出特別補助金が今年度から交付されなくなり、一般財源のみで行っていることを挙げています。この事業は、小学校一年生を対象に、指導充実のため、三十人を超える学級に臨時指導員を派遣し、補助業務に当たらせているものであります。学校現場からも大変喜ばれており、校長会からはぜひ二年生まで拡大をと要望されています。今、子供たちの不登校やいじめ、学級崩壊、学力問題が憂慮され、どの子にも行き届いた教育が切望されている下で、東京都でも三十人学級に向かって踏み出すことが緊急の課題となっているだけに、この事業の休止は逆行しています。区は、今後の対応としては、類似事業である学級経営補助員派遣事業を活用し、経営困難な一年生学級には臨時指導員の派遣を検討するとしていますが、この実施に当たっても区が独自財源として一般会計から持ち出すことになります。  さて、三十人学級を含む少人数学級は、既に四十二道府県で実施されており、未実施は東京など五都県だけです。そのうち二県は、来年度からの実施を決めています。それでも石原都政は、少人数学級を頑に拒んでおります。しかし、少人数学級とこれに準じた少人数教育の事業の拡充は区民の願いであり、PTAからもこれを望む声が寄せられています。  こうした中、文部科学省は、本年九月三日の事務連絡で、国が都道府県に対して少人数指導のために加配した教員を少人数学級にも完全に自由に使えるようにするとの新しい方針を示しました。これを受け、我が党都議会議員団は、東京都教育委員会に対して、文科省が示した新しい条件を活用し都として三十人学級に踏み出すこと、また少人数学級を希望する区市町村の意向を尊重することを強く申し入れました。今、豊島区は、児童・生徒数が減少したとはいえ、学校選択制や統合によって、三十一人以上の学級が、小学校では二百三十八学級中九十三学級で、三九%になっています。中学校では八十二学級のうち六十学級と、実に七三%を占めています。特に入学後しばらくは学級が落ち着かない小一プロブレムが問題となっている中、小学校一年生の少人数学級の実施は特に急がれています。  そこで質問です。教育長として、三十人学級を含む少人数学級実施について、本区の実情から見て、どう認識されているのか。また、文部科学省の新たな通達を受け、東京都がこの実施に踏み出すように強く要求すべきですが、いかがかお答えください。さらに、行財政改革プラン二〇〇四では、少人数教育モデル事業を休止する計画ですが、これを撤回し、来年度も三十人を超える学級には援助を続けるべきです。合わせて答弁を求めるものであります。  以上をもちまして私の一般質問を終わります。ご清聴、誠にありがとうございました。(拍手)       〔高野之夫区長登壇〕 ○区長(高野之夫) ただいまの垣内信行議員のご質問に対しまして、順次お答え申し上げます。  まず、行財政改革プラン二〇〇四素案の撤回と今後の区政運営についてのご質問における区民の置かれている状況に対する認識についてお答え申し上げます。  長引く不況は、区民生活の中に大なり小なりその影を落としていると感じております。特別区民税の課税額が減少傾向にあることを見ても、区民の所得水準の低下がおわかりになると思います。今回の改革プランにおける事務事業の休廃止や見直しについては、私自身、区民や各種団体の皆様から大変厳しいご指摘をいただいており、今までにかつてない反動に直面しており、それぞれの状況につきましては十分承知しております。こうした声を真摯に受け止め、改革を進める中においても、限られた財源を有効に活用し、区民生活の根幹を守っていきたいと考えております。  次に、区が目指す行政サービス水準を明らかにすべきとのご質問にお答え申し上げます。  計画的な行財政運営を進める上で行政サービスの水準や数値目標を掲げることは、成果指向の行政経営を進める上で重要なことであると認識しております。こうしたことから、高齢者支援としまプラン21、住宅マスタープラン、みどりと広場の基本計画、そして子どもプラン素案など、計画の策定に当たっては、可能な範囲内において目指す行政サービスの水準を示すよう努めてきたところであります。また、平成十四年度に実施いたしました政策評価の中でも、短期的な目標ではありますが、個々の施策目標の達成度を確認する成果指標を設定しております。現下の財政状況では、特に長期的な目標として行政サービスの水準や事業量を設定することは困難な状況でありますが、区が目指すサービスの方向と水準を示すことは、改革プランに対する区民の皆様のご理解をいただくためにも必要であると考えております。したがいまして、現在検討を進めております新たな基本計画では、できる限り中長期的な形で行政水準をお示しできるよう努力してまいりたいと考えております。  次に、新基本計画についてのご質問にお答え申し上げます。  先日の基本構想審議会におきまして助役から申し上げましたのは、新たな基本計画では、計画事業を絞り込むか、あるいは財政の収支見通しが好転するまでは予算編成段階において基本計画の施策の方向に沿った予算付けを行い、収支見通しが好転した際に改めて計画事業を選択し、計画期間内の事業費を計上したいという考え方であります。この背景といたしましては、行財政改革プラン二〇〇四でお示ししておりますように、あらゆる施策の見直しを実施いたしましても、平成十七年度から五カ年間で約百七十億円の財源不足が生じるという厳しい財政状況があります。  今回の方針変更の意図は、区の最上位の計画である基本計画であるからこそ、実現性のない計画をつくるわけにはいかないのではないか、また厳しい財政状況の下であるからこそ、計画的に行わなければならないものもあるという強い信念に基づくものであります。厳しい財政状況に加え、国の三位一体改革や都区財政調整制度の見直しなど、不確定要素が大変多い状況の中で、すべての施策について、その行政水準を示し、財源の裏付けを持つことは、絵に描いた餅になりかねないとの判断から、策定方針の変更をご提案したものであります。高度成長期における増分主義の計画は過去のものであります。限られた行政資源を選択、集中していくことが、今まさに求められていることではないかと思います。ぜひご理解をいただきたいと思います。  責任をどうとるのかとのお尋ねでございますが、基本計画が区の最上位の計画であるとの認識から、今回、状況の変化に対応するため、策定方針の変更をすることこそが私の責任であると強く認識しております。今後、審議会におきまして、基本計画の策定方針につきまして慎重にご審議をいただいた上で、分野別施策につきましては、基幹的な施策に絞り込み、その行政水準と事業量等を示していきたいと考えております。  次に、財政の立直しと確保についてのご質問にお答えいたします。  まず、区の財政運営と再建の方向は間違っているとのご指摘でございますけれども、私は決して間違っているとは思っておりません。現在の区財政の逼迫の背景には様々な要因があり、国の制度改正や超過負担などもその一つであることは否定いたしません。しかしながら、バブル経済の崩壊や世界経済全体の影響等による国家全体の経済活動の低迷なども否定できない大きな要因であると考えております。今、我が国の財政状況は、国や地方を問わず最大の危機的状況にあり、申し上げるまでもなく本区もその例外ではありません。今、国民も含め、国、地方を問わず、それぞれの立場でこの経済危機、財政危機を乗り越えなければならない状況にあります。したがいまして、制度的不合理なことに対しましては、これまで同様、国や都にその改善を強く働きかけてまいりますが、片や本区も基礎的自治体としての役割と責任の下、自主・自立の行財政運営をしていくことが極めて重要なことであると考えております。右肩上がりの経済成長の終焉により、古い価値観に立脚した行財政制度を再構築し、新しい時代に相応しい行政を確立することが必要であります。その一つが財政健全化計画でありましたし、この度の行財政改革プラン二〇〇四でありますので、これを着実に推進してまいります。  次に、今後の財政圧迫の攻撃をはね返すことについてお答えいたします。ただいまも申し上げましたが、制度的不合理なことや自治体への理由のない財政圧迫に対しましては、これまで同様、最も効果的な方法で毅然と行動してまいりたいと思います。今、区長会は、戦う区長会として、区議会のご協力を得ながら積極的に行動しております。ご指摘にありますような大変大きな問題につきましては、住民の皆さんとともに一自治体の長として行動する効果、二十三区が一体となって行動する効果、さらには全国三千の自治体が一丸となって行動する効果など、それぞれの場面によって発揮できる力が違うことはご理解いただけるものと思います。この度の三位一体改革における地方六団体の力が国を動かしたわけであります。地方自治にとって歴史的な出来事であると思います。私は、今後も、国や都に対しましては、主張すべきことはしっかりと主張していかなければならないと思います。  次に、区民への説明会をきめ細かに実施すべきとのご質問にお答え申し上げます。  ご指摘の区民全体の説明会への参加者が大変少なかったことは誠に残念でありますが、区では、改革プラン二〇〇四素案の発表以降、特に事務事業の見直しにつきましては、十分な説明を実施すべく、関係する区民や団体等に対し個別に説明の場を設定してまいりました。これまでに大小合わせまして三百十七の団体等に説明を行い、その参加者は延べ二千三百人となっております。決してこれで十分だとは思っておりません。区民全体を対象とする説明会も必要でございますが、限られた時間でより丁寧な説明を行うべく、今後とも見直し項目に関係する区民・団体を対象とした説明の場をより多く設けていきたいと考えております。  次に、改革プラン二〇〇四素案を白紙撤回し、全面的に見直すべきとのご質問にお答え申し上げます。  安定した歳入の増加が見込めない以上、これからの少子高齢・低成長社会における行財政運営は、限られた財源の中で施策を選択することを基本とせざるを得ないと考えております。今回の改革プラン二〇〇四は、右肩上がりの時代の行財政運営を大きく転換し、区民との協働を基本とする区政の構築に向けて重要な役割を担うものであると認識しておりますので、これを白紙撤回する考えはございません。  次に、介護保険の見直しについてのご質問にお答えいたします。  ご案内のように、介護保険制度については、施行後五年を目途として制度の全般に関して見直しを行うこととされております。その見直しに当たっては、これまで一保険者として全国市長会を通じて国に必要な要望をしてきております。加えて、大都市部の保険者としての意見・要望も、東京都からの見直し提案に反映させて改善に向けて努力してきたところでございます。今回、厚生労働省の介護保険制度改革本部が発表いたしました「介護保険制度の見直し」には、従前から主張してまいりました内容が盛り込まれております。具体的には、予防重視型システムへの転換、ケアマネジメント体制の強化、給付における低所得者対策等でございます。本区といたしましても、介護予防対策の充実等、重要な課題が反映されていると一定の評価をしておりますので、現在のところ再検討を求める考えはありません。今後、詳細が明らかになりました時点で、国に対する要望の有無について改めて検討し直したいと考えております。  次に、介護保険に関し具体的な問題についてのご質問にお答えいたします。  基盤整備の拡充についてでございます。  区といたしましては、特養ホームの待機者をすべて解消するための基盤整備を行うことは極めて困難でありますが、必要度の高い方から順次入所していただけるよう、これまで最大限の努力をしてまいりました。ご指摘のとおり、第二期東京都介護保険事業支援計画の目標は、高齢者人口の一・五一%を整備目標として掲げております。決してこれに満足するわけではございませんが、本区ではあと百床でその目標に達しますので、同規模の特養ホームを一カ所誘致し、その目標を達成したいと考えております。  このため、平成十四年十一月以来、都市再生機構との間で、癌研跡地への特養ホーム誘致を、平成二十年度開設に向けて協議してまいりました。しかし、この度、都市再生機構から最終案が示される中で、区の補助要綱に定める補助額に上乗せする形でさらに四億円の追加補助を求められ、この補助の上乗せを公募案内として、進出したい社会福祉法人を募集したいとの提案がありました。しかしながら、現下の財政状況ではとても応じられる話ではございません。その後も都市再生機構と再三にわたり粘り強く協議をしてまいりましたが、折合いが付かず、癌研跡地への特養ホーム誘致は断念せざるを得ないと考えたところでございます。したがいまして、今後、特養ホームの誘致を行う場所の検討を新たに進めてまいりたいと考えております。  なお、今回の介護保険制度の見直し案では、特養ホーム等へのホテルコストの導入や小規模多機能型居宅介護等の地域密着型サービスの導入が示されておりますが、これによって施設利用者の入所意向にも変化が生じると想定されます。また、国や都の補助制度も先行き不透明な状況にございます。区といたしましては、こうした国の制度改正の動向や利用者の意向を踏まえるとともに、今後とも補助制度の維持・存続を区長会等を通じ国や東京都に要望しつつ、基盤整備を図ってまいりたいと考えております。  なお、その他の質問につきましては助役から、教育委員会の所管に属する事項につきましては教育長から答弁いたします。       〔水島正彦助役登壇〕 ○助役(水島正彦) 次に、保険料と利用料についてのご質問にお答えいたします。  まず、保険料についてでございますが、現在、第一号保険料は、負担能力に応じた負担を求めるという観点から、五段階の所得段階別保険料となっております。しかし、第二段階におきまして、被保険者の保険料負担能力に大きな開きが生じ、所得水準の低い方にとって負担が重いという意見が多く出され、負担軽減策を検討するように要望してきたところでございます。その結果、今回の見直しでは、第二段階におきまして、被保険者の負担能力を反映できるような見直しになっております。しかし、問題がないわけではございません。さらなる細分化は、定率性と同様に、新たな事務負担を発生させる恐れもございますので、今後の検討状況を見極めていきたいと考えております。  次に、サービスの利用料については、利用する方としない方との負担の公平を図り、また利用についてのコスト意識を喚起する等の観点から、定率一割の利用者負担が設けられております。施設におけるホテルコストについては、今回、保険対象外となり一定の利用者負担が生じることとなりますが、同時に、低所得者対策として新たな補足的給付の創設を明確に位置付けていく方針が示されており、一定の成果があったものと考えております。  次に、国の負担割合の引上げについては、国の法定負担分二五%のうち、五%相当に当たる調整交付金が第一号保険料の負担率に影響することもあり、特別区長会においては別枠で措置するようこれまで国に要望してきたところでございまして、引き続き要望するよう本区としても意見を上げていく考えでございます。  次に、区独自の保険料・利用料の減額制度については、現在、特に生計が困難と認められる低所得者に対し、保険料の特例減額措置や利用者負担額の軽減措置を実施しております。ご提言のような減額制度の拡充については、法で定められた負担割合を超えて一般財源を大幅に投入することになりますとともに、制度の根幹に触れる重要な事項でございますので、実施は難しいと考えております。今後も制度に係る改善要望については、東京都とも密接に連携しながら、必要な事項について、特別区長会から全国市長会に意見を上げて、国に働きかけていきたいと考えております。  私からの答弁は以上でございます。       〔二ノ宮富枝教育長登壇〕 ○教育長(二ノ宮富枝) 引き続きまして、教育委員会の所管に属する事項に関するご質問に対しましてお答え申し上げます。  三十人学級の早期実現についてのご質問にお答え申し上げます。  初めに、三十人学級を含む少人数学級の実施について、本区の実情から見てどう認識しているかについてでございます。豊島区では、四十人学級の編成基準の下、五月一日現在で一学級三十人以下の学級は、小学校六一%、中学校二七%となっております。また、三十五人以下の学級として見てみますと、小学校では七三%、中学校では七四%となっております。学校教育では、個に応じた学習指導を通して児童・生徒一人一人に確かな学力を身に付けさせるとともに、集団生活を通して豊かな人間関係を育み、社会性を身に付けさせることを両立させることが重要です。仮に学級編成基準を三十人とした場合、例えば三十一人の学年では十五人と十六人の二学級となり、一人一人に目が届くという反面、各教科での話合いの活動や体育での集団競技をする場合、また社会性等を養う上では、集団としての規模が小さなものになってしまいます。そのため、学級編成基準として三十人学級などの少人数学級が望ましいというよりは、少人数指導やチームティーチング指導を充実することが現時点では大切であると考えております。  次に、文部科学省の新たな通達を受け、東京都教育委員会がこの実施に踏み出すよう強く要求すべきとのご質問にお答え申し上げます。文部科学省では、少人数指導等の加配定数を少人数学級に活用できるよう、弾力的な取扱いをすることになりましたが、これによって少人数学級を実施するための教員定数が増やされるものではありません。東京都教育委員会としては引き続き四十人学級を維持していくという方針ですので、現段階では、東京都教育委員会に直接要望する予定はございません。なお、これは都内二十三区、市全体の問題でもありますので、特別区の教育長会におきまして十分話し合った上で対処してまいりたいと考えております。  次に、少人数教育モデル事業を休止する計画についてのご質問にお答え申し上げます。本区では、小学校一年生に一学級三十一人以上の児童が在籍する場合、学年に一名の指導員を一律に派遣してまいりました。今後は一律には派遣いたしませんが、一年生も含めて、学級経営上のサポートが必要な学級に対しましては、学級単位で指導員を派遣し、指導の充実とともに、子供たちが安定した学校生活を送れるようにしてまいります。なお、こうした変更内容につきましては、保護者、学校に対して十分説明をしてまいります。  以上をもちまして、垣内信行議員のご質問に対する答弁を終わります。 ○三十七番(垣内信行) 自席から再質問させていただきます。いろいろあるのですけれども、一つだけ、特養に関してです。  特別養護老人ホームの問題で、今、待機者の実態から、やはり責任を持って誘致や、あるいはその増設を図るべきだという質問をしたら、結局、癌研の跡地を区はこれまで見込んできたと、これが百床だから、これを何とかしたいということでずっと言っていたでしょう。しかし、今の区長答弁では、この癌研跡地はもうだめになったのだと、こういうご答弁ですよ。だからこれまで私たちは、こういう民間誘致をしたり、相手があることだから、区が責任を持ってやらなければこういう事態が起きるのだということを再三再四言ってきたわけですよ。これまでも雑小跡地の保育所の問題でも、そういう民間を誘致するなんていうことをすれば、結局、今までそういうことで大火傷を負ってきたこともあったわけですよ。だから民間を誘致するなんて、そういう相手があることに対して、区民の実態からしたらそれはおかしいのではないか、だから区が責任を持ってやりなさいと言ったことに対して、民間が進出するだとか、あるいは大丈夫なんだということを繰り返し繰り返し、私たちの指摘に対してそれは大丈夫なんだと言ってきたことが、またもや今回の癌研跡地の問題がだめになってしまったなんていうことを言っているわけですよ。これで二〇一〇年までに特別養護老人ホームができないということになれば、さらにこの区民の今の待機者の実態からしたって、これはもう見過ごすことはできないでしょう。だから、この癌研跡地の問題についてはだめになってしまったなんて言っていますけれども、これまでこういうようなことをやってきた考え方、これを改めないと私まずいと思うんですよ。これについて、今回の件に、相手の都市再生機構は、特養ホームの仕組み上、もっと金出さなければだめだと言っているわけでしょう。だけど、そういうふうに言われるのは、私たちもそういうこと懸念されていた問題なんですよ。これについてどう認識されているのか、まずこれが一点目。今までのこういう事例に関して、私たちは繰り返しこういうことを、問題点を指摘してきたのだけれども、それについての区長の考え方、この見解をまずお答えいただきたい。  それから、もう一つ探しているなんて言っていますけれども、そんな悠長なことを言っている事態ではないのですよ。実際にもう計画の上ではそういう形で、それでも私たちは足りないと思っていますよ、それでも足りないと思っていますけれども、今回だめになってしまったら、これから適地を探していくなんて、そんな悠長なことは言っていられませんよ。実際に今、もう一つ場所を探すとかという話、具体的な区の計画もありましたよね、特養ホームに関して。それは一体、場所はどこなのでしょうか。  その二点についてお答えください。 ○区長(高野之夫) すみません。また私の方も自席から、失礼でございますけれども、答弁をさせていただきます。  第一点目の民間がそれなりに担っていただきながら進めていくということでいろいろと課題に突き当たるという形の中で、今、大変厳しい財政の中で、新しい公設公営といいますか、税金を投入するというのはなかなか難しいことでありますので、まさにこういうときこそ知恵を出して、そして区民要望にいかに応えていくかというようなことではないかと思っております。確かに難しいことも、壁もありますけれども、やはりこれを乗り越えていかなければいけない、そんな思いをしております。財政的な裏付けというと全く何もできなくなってしまうというような状況の中で、何としてもやはり区民の要望に少しでも応えていきたいというような一つの表れであることもご理解いただきたいと思っております。  それからもう一つ、癌研、先程の答弁の中で、どうしても四億円の追加補助を求められた、これは全く財源の裏付けがございませんので、丸々四億円をさらに加えていかないといけないというような形になりますので、財政状況を見て断念せざるを得ないという形。そして、これからの特養をどう展望していくかという形の中では、前々から候補地でもありましたけれども、西巣鴨体育場を候補地として検討していきたいと思っております。現に西巣鴨体育場でのシミュレーション等は行っておりまして、敷地面積も癌研の跡地より一千平米広いわけでありますので、西巣鴨体育場に絞ってこれから特養に向けてのいろいろな計画を進めていかなければいけないのではないか、そんな思いもしております。  以上です。 ―――――――――――――――――――――――――――――――― ○議長(戸塚由雄) 次に、六番議員より「区政の課題について」の発言がございます。       〔中田兵衛議員登壇〕(拍手) ○六番(中田兵衛) 私は、無所属の中田兵衛でございます。本日は、「区政の課題について」と題して、児童の安全をいかに守るかということに主眼を置いて、順次質問をさせていただきます。  まず第一点目として、学校における児童の安全確保についてお伺いいたします。  去る十一月五日、豊島区民センターにおいて、私は、私の友人たちと主催する勉強会に本郷紀宏という方を講師にお招きして勉強する機会を持ちました。この本郷氏は、平成十三年六月八日に発生した大阪池田市の池田小学校事件において、最愛のお嬢さんである優希ちゃん(当時小学校二年生、七歳)の命を、犯人である宅間守に奪われたお父様であります。事件後初めての講演であり、「もうあのような悲劇的な事件を起こしてはならない。しかしながら、いまだに事件から得た教訓が生かされていない。この東京有数の大繁華街池袋を抱える豊島区で事件の教訓を役立ててほしい」との思いから、わざわざ足を運んでくださったのであります。本郷氏は、冒頭でこうおっしゃっていました。「どんなに我が子を愛していようが、気にかけていようが、子供の命は守れない。それだけに、学校は幼い命を預かっている責任を自覚してもらいたい」。当たり前の言葉かもしれませんが、私は、幼い子を持つ同じ一人の親として、この言葉の重みを噛み締めました。ここに、犯人と被害者の遺族との間に締結された事件の合意書、事件の顛末の一部があります。その中に犯人宅間守が「学校の門が閉まっていたら、乗り越えてまで中に入りはしなかった」との供述をしているのが私の目を引きました。  昨年、平成十五年に発生した学校への侵入事件は、全国で二十二件。うち、門が開放されていたものは半数に上っています。危機感があるのか、教訓は生かしているのか、甚だ疑問であります。私も豊島区内の小中学校に様々な所用で出かけますが、現在でもほとんどの学校で門が開放されております。しかも、何のチェックも受けずに学校内に入ることができ、おまけに教室まで行けてしまうことに大変驚いております。それも平日の授業中でございます。私がもし殺意を抱いた犯罪者だとしたら、事件はいとも簡単に起こってしまうでしょう。  そこで、第一の質問です。教育長、豊島区ではなぜいまだに学校の門を開放しているのでしょうか。さらに、学校内に入る場合のチェック体制について、どうお考えなのでしょうか。また、改善されるお考えはあるのかお聞かせください。確かに「開かれた学校」というその意味はわかりますが、門を閉めていても地域に開かれた学校をつくり上げるというのは十分可能だと思います。現在の危機的な区財政の中で予算を割くのは難しいとは存じますが、学校周辺のフェンスの設置、感知センサーや監視カメラの導入等についてのお考えも合わせてお聞かせください。  池田小学校の事件では、担任の先生が動揺してしまい、そのための不手際から警察への通報が遅れ、被害が拡大しました。その後、もちろん文部科学省は危機管理マニュアルを作成して全国に配布をしておりますが、本区では教育現場においてそのマニュアルをどのように活用して訓練されているのか、現状をお聞かせください。  警察への通報についてですが、池田小学校では警察への通報が職員室から行われました。通信手段は職員室にしかないためにやむを得ないのですが、つまり先生は事件の発生した教室から廊下を走って職員室まで行って、そして警察に通報したのであります。その間の時間のロスが被害を拡大させました。このことを教訓として、無線機や各教室と職員室の間に病院のナースコールのような機器を取り付けて、通報までの時間のロスを防ぐ対応が各地で取り組まれております。お隣の練馬区でも導入のための予算が組まれたと聞いております。一校当たり百万円程度の金額とのことですが、本区では、教室で事件が発生した場合、警察への通報まで、現状はどのようになっているのかお聞かせください。そして、このナースコールのような機器、その他の導入についてどのようにお考えなのかをお聞かせください。  第二点目は、セーフティ教室についてであります。  本年二月の第一回定例会において、この件について質問をさせていただきました。本区でのセーフティ教室にも参加させていただきましたが、私自身、少々がっかりしております。なぜならば、本来の目的がきちんと達成されていないからであります。児童に対してはいざというときの対処方法をきちんと指導されており、そのことは評価しております。しかし、児童に対しての事件は、街ぐるみ、地域ごとに問題意識を共有して事件の発生を未然に防ぐことが最も大事なことだと思われます。そのため、本来のセーフティ教室では、その点をカバーするため、児童に対する指導終了後、地域の大人の方々に対して意見交換と予防指導の場がプログラムされているはずです。しかしながら、本区主催のものでは、数人大人の方はいるにはいたのですが、十分も経たないうちに終了してしまいました。この件についてなのですが、あまり重要性を認識していらっしゃらないのではないでしょうか。お考えをお聞かせください。今後、セーフティ教室では、そのように開催され、改善はなされないのでしょうか。合わせてお聞かせください。  また、関連した質問なのですが、私が第一回定例会にて質問・提案した件で、新聞配達の方、郵便外務員の方、ごみの収集・清掃に携わる方などでの不審者・不審物を見かけたら直ちに警察に通報するといった協力体制づくりはできないものかとの問いかけに対して、当時、検討するとご答弁をいただきました。地域パトロールは、各町会や各学校、PTAを主体として活発に行われていることは承知をしており、大変頼もしく思っておりますが、やはりすべてをカバーできるわけではありません。そのため、このような協力体制が必要だと考えます。現に関西では、郵便局、タクシー等が安全監視・通報システムに協力しています。その後、本区ではいかがでしょうか、ご検討いただけましたでしょうか。お聞かせください。
     私が子供の安全に対してなぜ繰り返しお尋ねするのかというと、池袋の特殊性があるからであります。新宿、渋谷と並ぶ大繁華街、確かにそうです。しかし、他の街と違うのは、池袋では少女、それも中学生以下の年端もいかない少女の売春が行われているとの話がまことしやかに噂されているのです。事実、私の周りにも、街を歩いていて声を掛けられた人間は多数おりますし、私自身も何度か、明らかに中学生と思われる少女から声を掛けられたことがあります。取締り、指導しなければならないことは言うまでもありません。しかし、それ以上に、このような噂が流れていれば、当然そのことを目的とした異常な大人がこの街に集まります。そんなことはないとおっしゃるかもしれませんが、警察もその状況を認めております。異常な大人と一般の児童の接点が近い、それだけに池袋を抱える本区では児童に対するリスクが高いのです。財政の危機的状況は十分承知しております。しかしながら、安全・安心の街、ファミリー世帯が安心して住める街をつくるには、それでもやらなければならないことがあるのです。子供たちの安全を守る取組みをぜひ最優先で考えていただきたいと強く申し上げます。  その他の部分として、第三点目、閉鎖された区有施設活用について、提案を含めた質問をさせていただきます。  私の手元に厚生労働省からの資料があります。内容は、介護保険制度の見直しに合わせて介護従事者の質の向上を図る、近い将来、介護職員はホームヘルパーから国家資格である介護福祉士を基本とすべきである、現実的には現在のホームヘルパーが仕事に就きながら研修の強化によって質の向上を図り、専門職としてキャリアアップできるように環境整備を図るものである、となっております。  現在、ホームヘルパーについては、実働者数約二十六万人のうち、介護福祉士資格を有する者は一割程度であり、大半は二級ヘルパーです。それだけに、介護サービスの質のばらつきが生じ、多数のクレームが存在するのが現状です。具体的には、来年度中にカリキュラムを策定して、二〇〇六年度を目処に研修を実施する考えと聞いております。このことを受けて、本区内外の社会福祉法人やNPO法人等が研修施設の確保に動き始めています。  そこで質問です。現在、本区では、閉鎖された小中学校跡地を初めとして様々な休止施設がございます。その中の一、二カ所を本件のような研修施設として、一定の期間、これははっきりしませんが、五年ぐらいでしょうか、もっと短いかもしれませんが、有償で貸与するお考えはありますでしょうか。休止した施設を遊ばせていても、維持費だけでもばかになりません。かといって、安易に売却してしまうことはいかがなものかと思います。このような活用の仕方をすれば、一定の財政効果が期待できることは言うまでもありません。さらに言えば、本区にヘルパー再研修施設が存在すれば、二次的な効果として、本区でのヘルパーを初めとした介護現場でのサービスの質も相対的に向上すると考えられますが、いかがでしょうか。お考えをお聞かせください。  最後に、職員の給与についてお伺いいたします。  先般の行財政改革プランを見ると、区全体の事業の見直しが行われており、区民に直接の犠牲を強いるような事務事業の見直しが含まれております。ここまでくると、豊島区が非常事態であることを改めて痛感せざるを得ません。私は、このような区民への負担を伴う改革を行うには、内部の改革が前提にならなければ区民の理解を得ることができないと思っております。区民、職員、そして我々議員が、三方一両損ではないですけれども、痛みを分かち合ってこそ、初めてこの改革は実現できるのではないかと考えております。  そこで、まず職員の給与についてですが、今回の定例会では区長及び三役の給料減額の条例が提案されております。しかしながら、今回の定例会や行財政改革プラン二〇〇四では、五年間の不足額のうち、約百七十億円の対策が明らかになっておりません。私も民間で働いた経験がありますが、会社の業績が悪くなれば、まず最初に役員の給与に手を付け、次に手を付けるのが社員の給料などであり、人員整理です。しかるに、今般の改革プランは、その辺が曖昧になっております。私は、本来、職員の給料の引下げを安易に行うことには反対の立場であります。しかし、現状を考えると、区の一般職員の給料にも踏み込まざるを得ないと思いますが、いかがでしょうか。お考えをお聞かせください。  また、改革プランにも掲載されておりますが、職員の昇給制度についてお尋ねいたします。民間の企業では、ほとんどの業種で能力給が導入されております。これは、基本給といわれる固定的な給料の割合が小さく、能力や実績を反映した能力の部分の割合が大きいシステムのことであります。これにより、能力や実績がそのまま給料に反映され、ある意味、非常にわかりやすい公平な制度であるといえます。公務員制度の中に民間企業と同じような能力給の制度をそのまま導入することができるとは思いませんが、年功序列的な昇給制度では、改革プランにあるような少数精鋭体制は実現できないと思います。そこで、能力・実績を反映した給料や昇給のあり方について、どのようにお考えかお伺いいたします。  また、改革プランには定期昇給の見直しとありますが、現在、定期昇給を含めた昇給について、どの程度の割合で昇給しているのでしょうか。成績不振等の職員とはどのような職員なのでしょうか。お聞かせください。この際、思い切って定期昇給を廃止もしくは休止、あるいは制限し、一定割合のやる気・実績のある職員に振り向けるということも考えられるのか、お考えをお聞かせください。  そして、議員報酬についてですが、この部分は質問ということではなく、私の心情・考え方として受け止めていただきたいと思います。先程申しましたとおり、この難局を乗り切るためには、まず議会、職員、区民が痛みを共有していくことが必要と考えます。その表れとして、私は、正副幹事長会では二〇%程度のカットと申しましたが、議員の報酬についても、一定の期間、大幅な見直しを行うべきであると考えております。  改革を達成するためには、その覚悟・決意の程を区民そして区の組織全体に示すことが重要だということを強く申し上げて、以上をもちまして私の一般質問を終わります。区長を初め関係者の皆様の明快なるご答弁をお願いいたします。ご清聴、誠にありがとうございました。(拍手)       〔高野之夫区長登壇〕 ○区長(高野之夫) ただいまの中田兵衛議員のご質問に対しまして、順次お答え申し上げます。  まず、区有施設活用についてのご質問にお答えいたします。  ご指摘のように、今後、介護の質の向上を目指し、介護職員の資格は、ホームヘルパー資格を有する者から、国家資格であります介護福祉士へとシフトしていくものと想定されております。現在、区内にはホームヘルパーの等の養成校は十二校ありますが、この養成校にあっても、ホームヘルパー研修を拡充して介護福祉士の養成や現任研修に力を注いでいきたいと考えております。  ご提案にあります区有施設の有償貸与でございますけれども、現在、社会福祉法人を初め様々な団体から施設の借用要望やご提案を受けております。建物の施設規模や構造的な制約、あるいは期間の課題はございますけれども、施設の有償貸付は、維持管理費の削減と貸付収入が得られることから、大変に有効な活用手法の一つであると認識しております。今後、介護福祉士養成機関などから要請があれば、区有施設の貸付けも積極的に検討していきたいと考えております。  次に、職員の給与についてのご質問にお答え申し上げます。  まず、一般職員の給料等の引下げについてでございます。ご指摘のとおり、行財政改革の成否は、まさに区内部の改革の如何にかかっていると認識しております。職員の給料等の引下げにつきましても、特別区人事委員会の前年度水準を維持することが適当との報告や、特別区共通基準の範囲となっていることなど、課題もございますが、区民の皆様の声を真摯に受け止め、来年度予算編成を見据えつつ、現在のかつてない厳しい財政状況を考え、検討していかなければならないと考えております。  次に、能力・実績を反映した給料や昇給のあり方についてのご質問にお答えいたします。改革プラン二〇〇四素案で掲げましたとおり、区政全体が成果主義に転換しつつある中、職員の人事・給与制度についても、能力や実績を的確に反映するよう改革していく必要があると考えております。人事・給与制度については、ほとんどが特別区共通基準となっておりまして、本区のみの考えでは改革が困難な状況となっておりますが、区の自主性や独自性を最大限発揮できるようにすべきと考えている区とも連携し、特別区全体に働きかけをしていきたいと考えております。また、能力・実績を反映した人事・給与制度の前提となる業績評価につきましても、現在、本区において係長級以上に導入しております目標による組織運営制度を全職員に実施するよう努めてまいりたいと思っております。  次に、昇給の割合についてのご質問にお答えいたします。現行制度では、昇給には、一定期間を良好な成績で勤務した場合に行うことのできる普通昇給、いわゆる定期昇給と、勤務成績が特に良好である場合に行うことのできる特別昇給がございます。定期昇給につきましては、特別区人事委員会の承認を得て定める基準により、昇給の延伸または停止が行われる事由が定められており、処分を受けた場合、欠勤等の日数が基準日数を超えた場合、休職中等の場合、これらに該当する者以外は昇給をしているのが実態でございます。また、特別昇給につきましては、平成十五年度は全職員の二九・一%の者が三カ月から十二カ月の昇給期間の短縮を受けております。  次に、改革プラン二〇〇四素案の昇給制度の見直しに記載した成績不振等の職員でございますけれども、現在、東京都が実施している普通昇給への業績評価の反映の方法と同様、五段階評価で総合判定が二以下の者を検討の対象にしてまいりたいと考えております。  次に、定期昇給の廃止等についてのご質問にお答えいたします。定期昇給の見直しにつきましては、本年八月の人事院勧告でも、来年の勧告に向けた検討項目として提示されたところでございます。具体的には、普通昇給と特別昇給を廃止し、毎年の職員の勤務実績の評価に基づいて昇給額を決定する査定昇給を導入するものでございます。本区におきましても、能力や実績を反映した人事・給与制度の帰結として、同様の制度を導入することを検討してまいりたいと考えております。いずれにいたしましても、さきに述べましたとおり、本区のみの考えでは導入が難しい状況にございますが、どうしても乗り越えなければならないものと認識しておりますので、特別区全体に働きかけ、早期の導入を目指してまいりたいと考えております。  なお、その他の質問につきましては総務部長から、教育委員会の所管に属する事項につきましては教育長から答弁申し上げます。       〔山木 仁総務部長登壇〕 ○総務部長(山木 仁) 安全監視・通報への協力システムについてのご質問にお答えいたします。  ご指摘のように、安全・安心の街をつくること、ファミリー世帯の安心感の向上は、ぜひともやらねばならないことでございます。このため、本区では平成十六・十七年度の二カ年を、安全・安心の中でも、特に治安の向上に重点を置くこととしております。お尋ねの協力体制についてのその後の検討状況でございますが、六月一日に開催いたしました官公庁等連絡協議会におきまして、治安対策の向上に向けた協力を要請いたしたところでございます。区におきましては、既に清掃事務所所有の清掃車を初めとする各種公用車及び自転車に表示し、実施しているところでございます。まずは本区職員が範を示し、成果をご理解いただき、実際に街に出ていく各機関の職員の方々の機運の醸成を図っていくことが大事だと思ってございます。こうした中、郵便局におかれましては、年内からご協力をいただけることになっております。その他の各機関につきましては具体的な協議を急ぎまして、また民間の方々にも働きかけを行い、できるだけ多くのご協力をいただき、体制強化に努めてまいりたいと考えてございます。  私からの答弁は以上でございます。       〔二ノ宮富枝教育長登壇〕 ○教育長(二ノ宮富枝) 引き続きまして、教育委員会の所管に属する事項に関するご質問に対しましてお答え申し上げます。  まず、学校における児童の安全確保についてのご質問ですが、初めに、学校の門の開放・チェック体制についてお答え申し上げます。  学校の門については、原則として、登下校時以外は校門を閉め、施錠をすることとしております。しかし、備品や給食関係の物品の搬入、施設・設備の点検のためなど、外部からの出入りが頻繁に行われる時間もあることから、特定の門については、施錠を行っていない時間もあります。また、チェック体制につきましては、各学校の体制として、来訪の方には、受付に専任の職員はおりませんので、ご自分でお名前の記帳やバッジの着用をお願いしている状況でございます。ご指摘のとおり、学校の安全管理体制について、現状でよしとしているわけではございません。今後は、安全確保を徹底するため、来訪の方には、インターホンを使用し、学校内に連絡をしていただいた上でお入りいただく体制を整えてまいります。開かれた学校づくりは、議員同様、直接門の開閉と関わるわけではないことと認識しておりますので、門の開閉やチェック体制について、安全管理の観点から、さらに徹底を図ってまいります。  次に、学校周辺のフェンスの設置、感知センサーや監視カメラの導入等についてのご質問にお答え申し上げます。  フェンスの設置や感知センサー及び監視カメラの設置につきましては、システムの運用体制や財政的な課題もあると考えております。危機管理に関わる設備につきましては、様々なものが出ておりますので、本区の学校施設に合った設備について、費用対効果等、様々な観点から検討し、安全管理を進めてまいりたいと考えております。  次に、区立小中学校における危機管理マニュアルを活用した訓練の現状についてのご質問にお答え申し上げます。  ご指摘の文部科学省が作成した危機管理マニュアルに基づいて、平成十五年度に不審者の侵入等を想定した危機管理マニュアルを区立小中学校及び幼稚園において作成を終了いたしました。このマニュアルを活用し、各学校においては、不審者の侵入を想定した訓練を避難訓練の年間計画に位置付け、毎年必ず実施をしていくこととしております。中には、警察署員が不審者役をし、教職員の対応と子供たちの避難を行う訓練を実施している学校もあります。また、非常通報装置「学校一一〇番」を使用して、警察署員が到着し不審者を確保するまでの教職員の対応についての訓練を行っている学校もあります。  次に、教室で事件が発生した場合の警察への通報についてのご質問にお答え申し上げます。  各学校では、教室で事件が発生した場合の連絡体制について、危機管理マニュアルに位置付け、教職員への徹底を図っています。具体的な連絡方法は、異常に気付いた場合に、防犯ブザーを鳴らし廊下に投げる、火災報知機を鳴らす、校庭に物を投げるなどし、異常事態の発生を周囲に知らせることとしています。そして、それに気付いた者が、職員室に連絡し、非常通報装置「学校一一〇番」を発報させ、警察に連絡をすることとしています。  次に、ナースコールのような機器の導入についてのご質問にお答え申し上げます。  教育委員会といたしましては、教室での緊急事態を他に知らせる手段を講じることは、素早い警察への通報を可能にし、被害を出さない視点からも重要であると考えております。通報システムにつきましても、様々なものがありますので、今後、財政状況も勘案しながら、どのようなシステムがよりよいのか検討をしてまいります。当面は、防犯ブザーを全教室に配置するなど、防犯ブザーを中心に活用して緊急時に対応してまいります。  次に、セーフティ教室についてのご質問にお答え申し上げます。  子供の安全確保につきましては、学校ばかりでなく、保護者、地域関係者とともに取り組むことが重要であることを認識しておりますので、内容は、第一部を警察署員による児童・生徒への指導、第二部を保護者や地域の方々との意見交換の場として構成しました。しかし、ご指摘のとおり、セーフティ教室の実施初年度ということもあり、先進の事例が少なかったため、充実した内容とはならない場合もございました。また、子供への指導にのみ重点を置いたことから、保護者や地域関係者への周知につきましても、十分ではないこともありました。今後、教育委員会といたしましては、警察との連携を深め、来年度の実施に向けて各学校の実施内容の充実を図ってまいります。また、保護者や地域関係者に対してさらに周知し、話合いが活発に行われるよう取り組んでまいります。  以上をもちまして、中田兵衛議員のご質問に対する答弁を終わります。 ――――――――――――――――◇――――――――――――――― ○議長(戸塚由雄) この際申し上げます。  議事の都合により暫時休憩いたします。     午後二時五十二分休憩 ――――――――――――――――◇―――――――――――――――     午後三時二十三分再開 ○副議長(泉谷つよし) 休憩前に引き続き会議を開きます。  議長の都合により副議長の私が議長職を務めますので、よろしくお願いいたします。 ――――――――――――――――◇――――――――――――――― ○副議長(泉谷つよし) 一般質問を続けます。  三番議員より「1.政務調査費領収書非公開に関わる区民の声 2.後藤昭夫、高野陽昌「絵画二人展」について」の発言がございます。       〔五十嵐みのる議員登壇〕(拍手) ○三番(五十嵐みのる) 豊島行革一一〇番の五十嵐みのるです。本題に入る前に、冒頭に一言言わせていただきます。  財政再建についてですが、豊島行革一一〇番はこのように考えます。議会の体質の是正がなければ、財政再建は不可能だと思います。なぜならば、議会は行政の無駄遣いのチェック機関です。しかし、議会には年九千万円余の無駄遣いの聖域が存在しております。一つは費用弁償、二つは附属機関の出席議員に対する報酬、三つ目は領収書非公開の政務調査費です。まず、議会は自らの襟を正し、それから多言を行うべきだと思います。  では本題に入ります。  まず、政務調査費領収書非公開に関わる区民の声を行います。  平成十五年十月十四日、決算特別委員会の政務調査費の質疑応答の議事録のチラシをご覧になった区民の方々から、率直な意見が多数寄せられました。ついては、その一部を要点のみご報告させていただきます。  全部で十点あります。一、区民の血税から捻出した政務調査費をどのように使ったかをきちんと区民に対して報告しようと思う気持ちがあるならば、領収書の添付は常識中の常識だと思います。二、最近の世の中、領収書自体が偽りのないものかどうか疑わしい時世なのに、領収書も添付せず、「七千二十万円はこの部分にいくら、この部分にいくら使いました。以上」というように、項目別に、あるいは表なりにして説明をして、それが一体何の報告になるのでしょうか。三、七千二十万円はどういったものに使われたのですか。収支報告書に領収書を添付できない理由でもあるのですか。この疑問は私だけではなく、区民全体の声と考えておかしくないと思います。四、このチラシは、昨年の十月十四日の決算特別委員会の会議録ですが、もしいまだに昨年と同じ状態のままなら、一区民として私は一円たりとも税金など払いたくはありません。心底そう思います。五、領収書を付けない収支報告書で一体何がわかるというのですか。税金を大切に扱ってください。税金が泣いています。六、領収書を区民に見せられないのなら、政務調査費の制度は当然廃止すべきです。七、政務調査費を使っておきながら、過去五年間、一枚の領収書も提出されていないとは驚いた。民間では考えられないこと。区長及び議長はこのことをどう考えているのか。八、このような政務調査費の扱い方を知り、なぜ豊島区が赤字財政なのかがよくわかりました。こんなことではいくらお金があっても足らないと思います。赤字財政は根本的なところに原因があると思います。九、時習小学校跡地は税金の無駄遣いの犠牲になったということがよくわかった。時習小学校跡地は売却すべきではなかった。十、政務調査費の領収書を区民に見せられないのは、見られると困ることが記載されているからだと思う。議会と行政は癒着していると思う。以上が区民の声の大要です。  次に、二点目です。後藤昭夫・高野陽昌、これは高野区長のことです、絵画二人展について質問させていただきます。  この二人展は、西武デパートにおいてレセプションを含めて十一月九日から十一月十二日まで行われております。そして、二人展の費用は、二人展が私的な催しであるから、民間組織の文化交流協議会なるものが全額負担するというものでした。言い換えれば、経費面では区に一切負担をかけないということです。そして、これにかかった経費は約百二十万円と伺っております。ところが、他方、区はこの間、観光課の職員五名を職務命令をもって二人展の対応に赴かせております。そして、当然のことですが、この職務命令に従事した職員には超勤手当が支払われております。  そこでお尋ねします。三点です。一、絵画二人展は、行政の範囲内の行為、即ち公的行為なのか、あるいは行政の範囲外の行為、即ち私的行為なのか、あるいはそれ以外の行為であるのか。二、文化交流協議会なるものはどういう性質の組織なのか。三、文化交流協議会なるものに対し、区から補助金等が出ているのか、いないのか。以上をお答えください。  終わります。       〔高野之夫区長登壇〕 ○区長(高野之夫) ただいまの五十嵐みのる議員のご質問に対しましては、総務部長から答弁をいたさせます。       〔山木 仁総務部長登壇〕 ○総務部長(山木 仁) まず、政務調査費についてお答えいたします。  ご質問がありませんでしたので、お答えはできません。  次に、絵画二人展についてのご質問にお答えいたします。  一点目の公的行為であるかどうかということでございますけれども、区が行ったものは職務命令を出しているわけですので、公的行為でございます。それから、協議会の性格でございますけれども、これは民間団体でございます。それから、三点目に公費の支出、補助金の支出でございますけれども、一切出してございません。  以上でございます。 ○三番(五十嵐みのる) それでは確認します。今、山木総務部長が公的行為であるとはっきりと明言されました。しかし、これが公的行為であるならば、私は大変問題だと思います。なぜなら、このような私的行為とも思われる絵画二人展が公費で行われていたとなるならば、今、生活保護受給者の区民の方々の六十枚のチケット入浴券が来年からは廃止されようとしています。これは人間のぎりぎりの生活、いやそれ以下の生活を強いる行政ではないかと思います。今、まさに一円たりとも無駄にできない状況下にあるわけです。ところが、区長は、先程もはっきり言われました、職務命令をもってこれはやっているわけです。突き詰めていえば、職務命令とは区長自らの命令です。一方では区民に苦しい生活を強いておきながら、いいですか、六十枚というのは一週間に一回の入浴ですよ。私たちは毎日お風呂に入るのが当たり前だと思っています。それをゼロにしてしまう。風呂には入るなと言っているのです。こんなふざけた話はどこにあるのですか。区長、それで区長は絵画二人展を一方ではやっているわけです。一体この政治的感覚はどこから出ているのでしょうか。私は、もう豊島区はむちゃくちゃだと思います。道義も何も地に落ちている、そう言わざるを得ません。私はもう、どうするかといえば、もう豊島区の区議会からまずしっかりしなければいけない、こういうことはどんどんはっきり言わなければならない。しかも……(「質問じゃないじゃないか」と呼ぶ者あり)いや、ちょっと待ってくださいよ。(「時間、時間」と呼ぶ者あり)だったら、黙っていてくれよ。(「注意してんだよ」と呼ぶ者あり)いいよ、しなくて。ですから区長、もう一度一から、誰のために政治をやっているのか、区政をやっているのか考え直していただきたい。  以上、終わります。(「質問じゃないじゃないかよ」「進行、進行」と呼ぶ者あり)質問に関連して言っているんだよ。 ―――――――――――――――――――――――――――――――― ○副議長(泉谷つよし) 次に、十五番議員より「公金の収納率向上のためにクレジットカード決済の導入を。」の発言がございます。       〔藤本きんじ議員登壇〕(拍手) ○十五番(藤本きんじ) 民主区民豊島区議団の藤本きんじです。本日の一般質問では、「公金の収納率向上のためにクレジットカード決済の導入を。」と題し、特別区民税や軽自動車税、国民健康保険料や保育料など、各種公金類の支払方法の一つにクレジットカード決済を追加することで、収納率の改善と区民サービスの一層の向上を目指し、その必要性について提案をさせていただきます。また、その他として、C型肝炎対策について伺います。  先日、クレジットカード会社が行ったアンケート調査の結果を見る機会がありました。二十歳から五十九歳までの首都圏在住の男女個人を対象にしたものですが、その中で特に興味深い質問がありました。それは、「税金など各種公金の支払いに最も利用したい方法は何ですか」という質問でした。一番多かった回答がクレジットカード払いで、全体の二七・二%という結果でした。以下、二位、口座振替、二三・二%、三位、コンビニエンスストアでの支払い、二一・四%、四位、銀行振込、一一・〇%と続き、以下、ペイジー、特になし、その他となっていました。  ここで特に着目すべき点があります。それは、年代別での集計によると、二十代男性のニーズが最も高く三八・六%、同じく二十代女性のニーズも三四・六%あるということです。三十代男性も三七・五%のニーズがあり、四十代、五十代と年齢が上がるほどニーズは下がりますが、二十歳代、三十歳代の約四割がクレジットカードでの納税や公金の支払いを希望しているという結果が得られます。これだけのニーズがあるにもかかわらず、いくら調べてみても、各種の公金をクレジットカードで収納している自治体は全国に一つもありません。今までできなかった理由と現在の企業側の取組状況について、大手クレジット会社に何度かヒアリングを行い、その可能性と有効性について検証してみました。  一点目は、法律面です。  法的には問題ないのでしょうか。結論は、税金は問題なし、国民健康保険料や保育料、各種使用料など、料については検討課題ということです。本年六月の構造改革特区第五次提案で、大手クレジット会社が税及び料についてクレジットカードによる収納を提案した際、総務省は、一定の収入については私人にその徴収または収納の事務を委託することが認められており、クレジット会社がその集金を地方公共団体に代行して行うことは現行制度においても可能である、と見解を示しました。つまり、地方税に関しては地方税法上に第三者弁済できるとの記載があり、本人に代わりクレジット会社が立替払いを実施しても、法的にも問題はないということです。しかし、料に関して、地方自治法に第三者弁済の規定がなく、納入義務者本人から収納することが前提と、カードによる立替払いは認められないとの見解でした。しかし、窓口や金融機関で納付の際、本人かどうかを確認することはなく、実態にそぐわないものであり、総務省も早急に検討するとコメントしています。以上のことから、若干の検討項目はありますが、法的には十分対応が可能だということになります。  二点目は、必要性です。  ライフスタイルの変化や住民サービス向上の観点からも、多様なニーズに対応できる収納方法を講じることが必要です。本年四月の独立行政法人化により、多数の国立病院及び国立大学附属病院においてカード決済方式が導入され、先月十月からは東京ガスのガス料金もカードで決済ができるようになりました。早いところでは、関西電力が平成十四年九月から、顧客の強い要望に応える形で導入しています。効果の程を直接伺ったところ、口座振替でも約四%程度ある未収率が、カード決済ではほぼ一〇〇%の収納率で推移しているとのことでした。また、他方では、マルチペイメントネットワーク、通称ペイジーの拡充が図られています。数年後を目途に進む税金、国庫金を含む公金全体をパソコンや携帯電話、コンビニエンスストアや銀行のATMで支払いが可能となるペイジーの導入に多くの自治体が期待を寄せています。  豊島区も例外ではありません。昨年九月に報告されたコンビニ収納対策プロジェクトチーム報告書においても、ペイジーが早期に導入された場合、コンビニ収納は費用対効果や利用期間の点でリスクの検証が必要と、コンビニ収納の導入を見送っています。しかし、コンビニ収納及びペイジーとクレジットカード決済には決定的な違いがあります。いくらいつでもどこでも支払えるといっても、現金または現預金をベースにした支払いの構図に特段の変化はなく、ない袖は振れないという部分では、利便性や収納対策の質的な向上は図られていません。信用で払うということに大きな意義があり、必要性があります。納付者は義務をしっかり果たすことで利便性やメリットを享受します。義務が果たせなければペナルティーを科されることになります。つまり、公金の納付に関しては、役所のペナルティーが甘いため、収納率がなかなか上がりません。しかし、民間企業のペナルティーは厳しく、信用という大事なものを失うことになります。ここが大きなポイントです。レンタカーなど、カードを持っていないと貸してもらえないところもあり、海外へ行くときにもカードは必需品です。今の時代、もしカード決済を踏み倒し、カードが持てなくなるということになれば、社会生活を営む上で大変大きなハンデを負うことになります。  三点目は、メリットについてです。  納付者、つまり区民の皆さんにはどのようなメリットがあるのでしょうか。まず第一に、後払いによる資金の融通性があること、つまり手元に現金がなくとも、信用でいつでも支払えるということ。第二に、多彩な支払方法が選択できること。一括払いはもとより、分割払い、リボ払い、ボーナス払いなど、私も感じていますが、特に自動車税などはたしか五月末が支払期限ですが、ボーナスで七月頃に払えれば楽なのになと感じています。カード払いならそれが可能になります。第三に、手間がかからない。月次料金登録型カード決済を利用すれば、口座振替同様の利用もできます。第四に、支払いの集約で口座管理がしやすくなる。科目によって違っている支払日がカード決済日一日に集約でき、支払明細が事前に来ることにより、科目と金額が正確に把握できます。第五に、ポイントがたまる、カード会社の各種のサービスが受けられるなど、利用額に応じた特典が享受でき、辛い公金の支払いでも少しばかりの喜びを感じることができます。これが一番のメリットです。  次に、区側のメリットです。第一は手元に現金がなくとも収納ができること、第二は確実に収納できること、第三は現金出納業務の軽減、第四は未収金の回収はカード会社が独自に行うため、管理リスクが減少すること、第五はカード会社のサービス活用による区民サービスの向上、第六は設備やインフラコストが安いことなどが挙げられます。  四点目は、問題点についてです。  問題点もあります。カード決済の上限金額は通常三百万円程に設定されており、高額納税者には現状のカードでは対応ができません。また、当然、カードを持っている人しか利用できません。さらに、カード会社が得る加盟店手数料と収納率、収納額の関係も一定の試算はありますが、経験上得られたものではなく、あくまでも想定の域を脱しません。実際、導入しなければわからないという点もいくつか残されています。  最後に、具体的な導入について、質問及び提案をさせていただきます。  一、特に二十代、三十代からのニーズが高いカード決済方式の導入は、将来の幅広い収納対策を講じるためにも、区民サービス向上の観点からも必要と考えますが、導入についての可能性及びご見解を伺います。  二、導入へのステップとして検討いたします。現状考えられる自治体側の問題点をすべて挙げてください。  三、検証するデータ不足も考慮し、段階的な導入を提案いたします。例年、収納率の現年度分が九〇%前後で推移し、滞納繰越分も含めると七一%前後まで低下する、特に収納率の低い二輪車を含む軽自動車税について、まず導入を検討してはいかがでしょうか。現状、五月末の一括払いのみで、比較的カード払いにも馴染みやすい金額でもあります。将来のペイジーとの両立も考えられます。ご見解を伺います。  また、これは余談で真意の程はわかりませんが、全国の自治体で初めての導入を決めた場合、その貢献についても評価し、導入条件その他、特別な配慮も考えていますと担当者は話していました。区側の前向きな検討を希望いたします。  次に、C型肝炎対策について伺います。  旧ミドリ十字が製造販売し、薬害肝炎の原因となった血液製剤フィブリノゲンは、一九六四年から一九八八年まで、血友病患者だけではなく、出産時の出血の際や消化器系の病気や手術時の骨折部分の接着など、止血剤等としても使用され、全国七千四カ所の医療機関に納入されていました。自分自身に心当たりがなくとも、医療機関によって投与され、気が付かない間に進行性の疾患であるC型肝炎に罹患、悪化している可能性があります。この度、一刻も早くと望まれていた七千四カ所の納入医療機関名が、ようやく今月、十二月に具体的に公表されることとなりました。これを機に、フィブリノゲンの使用を疑い、治療に思い至る方々も多いのではないかと推測いたします。  そこで伺います。  一、十二月に実施されます医療機関名の公表を受けて、豊島区として、どのような周知を考えているのでしょうか。広報やホームページ等で広くお知らせをするべきと考えますが、いかがでしょうか。
     二、相談窓口の開設も必要と考えますが、いかがでしょうか。また、一部には病気に対する偏見もいまだに残ると伺っています。電話相談など人権に配慮した相談業務も必要と考えますが、いかがでしょうか。  三、さらに、区の相談業務も重要ですが、専門知識を有する区内の民間団体との連携も必要と考えます。豊島地区肝臓友の会などと協力体制をつくり、早期検査、早期発見、早期治療の道筋を探り、区民の生命、健康を守っていただきたいと強く希望いたします。ご見解を伺います。  以上で一般質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。       〔高野之夫区長登壇〕 ○区長(高野之夫) ただいまの藤本きんじ議員のご質問に対しまして、順次お答え申し上げます。  公金の収納率向上のためのクレジットカード決済の導入に関するご質問にお答え申し上げます。  まず、クレジットカードによる決済方法の導入の可能性とその見解についてお答えいたします。  現代の社会生活では、コンビニ収納を初め、デビットカードやクレジットカードなど、民間の多彩な決済手段が普及する一方で、高度情報通信ネットワークの構築によって、将来の電子決済を可能とする共通基盤の整備が進められております。このような状況の中で、地方自治体の公金について、より一層利便性の高い新たな収納方法が求められていることは、ご指摘のとおりであると認識しております。しかしながら、現在の地方自治体の公金収納に関する法制度では、コンビニ収納のような徴収の民間委託は、使用料及び手数料のほか、保育料、国民健康保険料、地方税について可能となっておりますが、クレジットカード決済のような第三者による立替払いは、今のところ地方税のみが対応可能となっております。ちなみに、介護保険料については、そのいずれにも対応できず、平成十八年四月の制度見直しまでの検討課題となっている状況でございます。  公金の新たな収納方法を導入する場合、第一に利用者の負担軽減と利便性の向上の観点、第二に収納の確実性の観点、第三に行政の負担増の抑制といった三つの観点から、慎重かつ詳細に検討していかなければならないと考えております。クレジットカード決済の導入は、全国的にも例がなく、また本区においても今まで検討したことのない全く新たな手法でございまして、まさに時代の流れを見据えた先進的なご提案として受け止めております。本区といたしましても、限られた時間の中で検討した結果、導入の可能性について、現時点における見解は、利便性が高く、ある程度の利用も見込める収納方法であるとは思われますが、以下に述べるようないくつかの問題もありますので、今後、ガス料金におけるカード決済の実績にも注目しつつ、慎重に検討すべき課題と考えます。  それでは、現時点で考えられる問題点についてお答えいたします。  第一に、現在普及しているクレジットカードには、銀行系、信販系、クレジット系など、数十種類のものがございますが、公金取扱指定金融機関とのデータ送信が技術的に可能であるなど、公金収納の諸条件に適応するクレジット会社は数社に限定されるのが現実でございまして、現にガス料金の場合は、今のところ五社のカード会社との契約にとどまっているわけであります。したがって、この収納方法は、すべてのカード利用者にとって有効な手段であるとは言い切れない面があるように思われます。今後は、クレジット業界の提携が進み、統一契約であらゆるカードの決済が可能となるような総合化が望まれます。  第二に、最大の問題点として、高額な手数料の問題が挙げられます。現在、一般的なクレジットカード決済では、債権回収のリスクをカード会社が負うため、通常、決済額の三%から五%の高額な手数料がかかります。公金の場合の手数料率が幾分割り引かれるとしても、上限が七千二百円までの比較的税額の低い軽自動車税でさえ百円単位の手数料となり、十万円を超えるような区民税では数千円の負担にもなるわけであります。コンビニ収納の手数料が一件六十円弱であることを参考にいたしますと、比較にならない程の高額な手数料となってしまうわけであります。これは単に負担増の問題にとどまらず、限られたカード利用者の利便性とメリットのためにこれだけ高額な負担を行政が負うことは、取りも直さず現金で支払う納税者がカード利用者の手数料を肩代わりする不公平を生むことにもなり、受益者負担の原則からみて問題があると思われます。  次に、軽自動車税への導入に関するご提案にお答えいたします。  軽自動車税につきましては、手数料の問題のほかに、軽自動車に特有の新たな問題が生じます。即ち、現在登録している二万六千台の軽自動車の中で車検手続の必要な軽四輪と自動二輪が約九千台以上ありまして、現行の納付書による納付では、領収書とともに車検手続に必要な納税証明書が本人の手元に残る仕組みとなっております。クレジットカードによる決済の場合には、カード会社からの明細書が本人の手元に届くだけですので、別途、郵送料をかけてこの証明書を送付しなければならないといった新たな負担が生じてしまいます。したがって、導入には、このような経費負担の問題が最大の課題ではないかと考えております。  本区の今後の方向性につきましては、区民生活の利便性の向上を図るために、現在、全国共通の高度情報通信ネットワークとして構築が進められている、いわゆるマルチペイメント・ネットワークが現在実証実験の段階に入っておりますので、これに接続するための基盤整備に取り組んでまいりたいと考えております。これは全国の金融機関と公的機関等を一つの共通の高度情報ネットワークで結び、これを利用することでいつでもどこでも必要なサービスをリアルタイムで享受することができ、収納につきましても、銀行のATM、家庭のパソコン、携帯電話などで電子的に決済を済ませることが可能となります。これが本格稼働いたしますと、当然のことながら、コンビニやクレジットカード会社などの民間企業の参入も促進されますので、将来的には、全国共通の総合的な収納基盤が構築され、区民生活の中で多様な収納方法の選択が可能となります。そのためにも、本区の情報システムの高度化を改めて認識をしており、より一層推進していかなければならないと考えております。  なお、その他の質問につきましては、保健福祉部長から答弁いたさせます。      〔川向良和保健福祉部長登壇〕 ○保健福祉部長(川向良和) C型肝炎対策についてのご質問にお答えいたします。  まず、周知方法についてでございますが、広報やホームページを活用するほか、豊島区医師会の協力を得て周知を図りたいと考えております。  次に、相談窓口についてでありますが、区では既に平成十四年度からB型及びC型肝炎ウイルス検診を実施しておりまして、合わせて面接相談、電話相談を行っております。なお、これら相談体制につきましては、ご指摘のとおり、人権には十分配慮した対応が必要と考えております。  次に、民間団体との連携でございますが、今後とも豊島地区肝臓友の会や豊島区医師会との連携を強化し、ウイルス性肝炎患者の早期発見、早期治療に資するよう努めてまいります。  以上をもちまして、藤本きんじ議員のご質問に対する答弁を終わります。 ○十五番(藤本きんじ) 二点目のC型肝炎対策について伺います。  先程、広報やホームページでの周知ということと医師会の協力を得てということですが、医師会とはどのような協力体制を敷いて広報していただけるのか伺います。 ○保健福祉部長(川向良和) 医師会は、当然のごとく医院・診療所をお持ちでございます。医師会との話合いの中で、そういった周知ポスター等を病院・診療所等に掲げていただく、また医師会もホームページを持っていらっしゃいますので、そういったホームページに掲載していただく等を考えてございます。 ○十五番(藤本きんじ) このC型肝炎、先程質問の中にもありましたけれども、やはり放っておくとどんどん悪くなっていってしまう病気です。ですから、少しでも早く、自分がもしキャリアであるということを知らない方は、一刻も早く知ることがその方の本当に寿命をも変えてしまうようなことになります。やはり今までは、どうしても相談にこられた方への対応ということで、待ちの姿勢、待つというふうな姿勢での対応だったと思いますが、この度、今月公表されることを受けて、本当にこれも期間が過ぎてしまえばまた状況は同じようになってしまいますので、やはりその意識の高いうちに、積極的に攻めの姿勢でそういう方々に対する対策をとっていただきたいと思います。その辺、積極的なというふうなお考えとしては、どのようにお考えなのか伺います。 ○保健福祉部長(川向良和) ご指摘のとおり、ウイルス性肝炎は、そのまま放置しておきますと肝硬変、また放置しておきますと肝がん等に進行するという危険な病気ですので、早期発見と早期治療がぜひ必要なものと考えております。私どもとしては、厚生労働省の方から発表があった場合に、積極的にこれを周知し、その早期発見と治療に結び付けたいと考えております。 ―――――――――――――――――――――――――――――――― ○副議長(泉谷つよし) 次に、五番議員より「今後の学校施設のあり方について」の発言がございます。       〔日野克彰議員登壇〕(拍手) ○五番(日野克彰) 私は、「今後の学校施設のあり方について」というタイトルで一般質問を行います。  先日、NHKの番組で、学校改築のコストをできるだけ圧縮することを目的として構造改革特区に取り組む埼玉県草加市の試みが紹介されておりました。草加市の姿勢もそうですが、できるだけ合理的にコストを削減するためには、これまで常識とされてきた物の見方や慣例等を一旦ゼロベースで見直し、その上でよりよい形を考え出していくのが望ましい方向であり、また、財政状況の厳しい中での喫緊の課題と考えます。今回の質問は、このような視点から行うものであります。  それでは、最初に質問の要点を申し上げます。  現行の文部科学省の小中学校設置基準からしますと、例外なく必ず学校に備えるべきとされる施設は、普通教室を主とする教室、図書室、保健室、職員室の四つです。そこで、今後の区立小中学校の新設・改築に当たっては、極力この四つの要素に絞り込んでスリムな姿とし、他の施設・設備については、一般区民も使用可能な設備を複数の学校が共通に使用することとするよう、今から方針を検討するよう提案いたします。これは、後で述べますように、財政上の理由、一般区民の施設ニーズの充足だけでなく、学校教育の面からも意味のある施策と考えます。  それでは、以下順に、一番目として、今回の提案の考え方の概略、二番目として、この考え方の必要性・メリット、三番目として、実現に向けての課題や実現可能性について述べてまいります。  まず一番目として、今回の提案の考え方の概略について申し上げます。学校のハード・ソフトの面と、一般区民の各種施設ニーズへの対応の二つの観点から申し上げます。  まず、学校のハード・ソフトの面については、次の三点程がポイントになります。第一に、学校施設については、原則として、基準上必ず設置すべきとされる普通教室、図書室、保健室、職員室に加え、運動場を置くこと。第二に、音楽室・家庭科室・コンピュータ室等の特別教室、スポーツに関する体育館等の施設は、複数の学校が共通に使用できる区営の一般施設、あるいは他の学校の施設を活用するものとすること。第三に、各学校の授業形態は、この施設使用に合わせたものとなるよう、運用を工夫すること。  また、次に、一般区民の施設ニーズへの対応についてですが、現行の学校の特別教室等に当たる施設及び体育施設については、一般区民と学校とによる共通の使用を原則として、その度合いを現在よりも拡大し、一つの施設において、学校の授業のないときは一般区民のニーズを、一般区民のニーズが小さいときは学校のニーズを満たしていくものとします。これによって、施設建設の合理化・効率化だけでなく、建設後の活用効率も上がることになります。  以上が考え方の概略です。  次に、二番目として、この考え方の必要性・メリットについて申し上げます。学校、一般区民の施設ニーズ、財政事情の三つの観点から述べます。  第一に、学校側から見た必要性・メリットですが、まず現在の小中学校の運動場面積の事情が挙げられます。現在、区内の小中学校において、文部科学省の学校設置基準の示す面積に満たないものは、小学校二十四校中十四校、中学校十校中六校と、半数を優に超えています。したがって、校舎の占める部分をできるだけ圧縮して、運動場の面積を確保する必要性が大いにあるものといえます。また、近年の財政状況では、一校ごとに充実した施設・設備を備えるのは難しいと考えられるため、建設する施設の絞込みによって使用できる設備を充実させることは、学校教育にとってもメリットがあるものといえます。  第二に、一般区民の施設ニーズの観点では、学校側と同様、充実した施設・設備の使用が拡大することが期待できます。  第三に、財政事情の観点ですが、言うまでもなく、施設建設の合理化・効率化は、建設費・維持費の削減の面で大きなメリットがあります。  最後に、実現に向けての課題や実現可能性について申し上げます。法的・制度的な制約の面、教育上の支障の有無、全国の自治体の現状から考えられる今後の動向の三つの観点から述べます。  第一に、法的・制度的な制約の面ですが、現行の学校設置基準によれば、特別の事情があり、教育上及び安全上支障がない場合において、必ず設置すべきとされるのは、普通教室、特別教室、図書室、保健室、職員室のみです。特別教室についての具体的な義務規定はありませんので、解釈上、圧縮が可能になるものと考えます。また、学校設置基準の解釈のために出された文部科学省事務次官通知によれば、学校外で恒常的に使用できる施設として、同一設置者が設置する他の学校の施設や地方公共団体等の施設が挙げられており、さきに述べた私の趣旨と齟齬はありません。したがって、解釈上の問題、運用の問題はありますが、法的・制度的には十分可能と考えられます。  第二に、教育上の支障の有無についてです。学校外の施設を利用するため、移動の困難等が想定されることは確かです。しかし、地方と異なり、学校間の距離、他の施設への距離が小さい豊島区のような都市部では、不可能といえる程の支障はないものと考えます。それよりも、充実した施設・設備を活用できる点で、教育上のメリットが大きいものと考えます。  第三に、全国の自治体の現状から考えられる今後の動向ですが、財政上等の理由で施設整備の合理化ニーズの大きい自治体は全国に数多くあるはずで、この考え方は、共通の課題への対応策として、今後、多くの自治体で受容されるのではないかと考えます。また、豊島区のような都市部だけでなく地方の自治体においても、学校近くにある自治体施設の活用等の観点から、この考え方を取り入れていく可能性が大いにあるものと考えられます。  以上、今後の学校施設のあり方について質問をいたしました。  これをもちまして私の一般質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手)       〔高野之夫区長登壇〕 ○区長(高野之夫) ただいまの日野克彰議員のご質問に対しましては、すべて教育委員会の所管事項でございますので、教育長から答弁申し上げます。       〔二ノ宮富枝教育長登壇〕 ○教育長(二ノ宮富枝) 今後の学校施設のあり方についてのご質問に対しましてお答え申し上げます。  区立小中学校の施設は、一部では改築が行われておりますが、全体としては老朽化が進行し、着実に改築を進めていかなければならない状況となっております。また、学校における授業の形態も大きく変化し、児童・生徒一人一人に応じたきめ細やかな指導や体験学習、問題解決型学習などで行われる少人数の授業やグループに分かれての活動等、多様なものとなっております。このような状況から、今後の学校施設のあり方につきましては、ご質問にもありますように、これまでの慣例等にとらわれることなく、ゼロベースで見直す必要があると考えております。  まず、必置の学校施設を極力小中学校設置基準にある普通教室・特別教室等の教室、図書室、保健室、職員室の四種類に絞り込み、さらに特別教室を圧縮するというご提案についてお答えいたします。  現在、教室の類型は多岐に及んでおり、改築に当たってこれらをそのまま維持することは、校地の規模からもコストの面からも無理があると考えております。また、現在の特別教室は、多くの場合、児童・生徒数の減少に伴って普通教室から転用されたものであり、必ずしも機能的とはいえず、また現在の授業の形態に適合しているとはいえない状況にあります。したがって、学校施設においては、これまでの教室の類型にとらわれることなく、コスト面や機能面をより重視し、教室の兼用や関連する特別教室等の統合等を進めて可能な限り効率化していく必要があると考えておりまして、最近の例においても、千登世橋中学校においては木工室と金工室を統合し、南池袋小学校においては家庭科室とランチルームを兼用させ、図書室・コンピュータ室・学習室を一体化して効率化を図っているところでございます。  次に、音楽室・家庭科室・コンピュータ室等の特別教室や体育館等の施設については、施設・設備を充実させて複数の学校が使用できる区営の一般施設とするか、あるいは他の学校の施設を活用するとのご提案についてお答えいたします。  学校施設の一部を区営の一般施設とすることについては道和中学校に隣接する西池袋温水プールの例がありますが、プールは、学校で使用する頻度が低いため一般との共用が可能であり、また、ご指摘のように、充実した施設・設備を活用できるという点や管理者がいるという点で教育上のメリットも大きいものと考えております。しかしながら、プール以外の施設も区営の一般施設とすることにつきましては、ご指摘のように、学校設置基準が規定する運動場の最低面積も確保できない学校が多い中で、その校地から敷地を分割して学校とは別個の出入口を設ける等、構造上独立して管理運営できるような一般施設を設けることが果たして可能なのかどうか、良好な教育環境を確保できるのかどうかなどの課題がございます。また、ご指摘の特別教室や体育館等の施設については、プールと異なり、学校で日常的に使用しており、またその関係で児童・生徒の安全管理等にも配慮しなければなりません。したがって、学校施設の一部を区営の一般施設とすることについては、慎重に検討してまいりたいと存じます。次に、他の学校に設けられた一般施設または他の学校の施設を活用することについては、比較的近距離にある学校間においても、行き帰りに時間を取られて授業に支障が出るだけではなく、行き帰りの交通安全上の問題等があることから、無理があると考えております。  最後に、今から今後の学校施設のあり方についての方針を検討するようにとのご提案についてお答えいたします。  現下の財政状況の下では、直ちに新たな学校改築に着手することはできませんが、今後、着実に改築を進めていくためには、ご提案のように、今からPFI方式等の改築の方法も含めて検討する必要があると考えております。したがって、ご提案の趣旨や教育改革の動向を踏まえながら検討してまいりたいと存じます。  以上をもちまして、日野克彰議員のご質問に対する答弁を終わります。 ○五番(日野克彰) それでは、再質問をさせていただきます。  今、教育長にお答えいただきましたが、私の質問の中では、財政上の面及び一般区民の施設ニーズという観点からも申し上げました。よって、教育委員会の見解だけではなく、区長部局としての見解あるいは評価ということでお願いしたいと思いますが。 ○区長(高野之夫) 先程教育長が答弁したように、区長部局としても、区民のニーズをしっかり捉えながら進めていきたいと思っております。 ―――――――――――――――――――――――――――――――― ○副議長(泉谷つよし) 最後に、四番議員より「誰もが 元気なまちで 自分らしく 暮らすために」の発言がございます。       〔水谷 泉議員登壇〕(拍手) ○四番(水谷 泉) 水谷泉です。「誰もが 元気なまちで 自分らしく 暮らすために」として、今回は、DV、ドメスティック・バイオレンスの観点から質問させていただきます。  日本では長年、家庭内のこととして表には出にくかった問題について、二〇〇一年にDV防止法、配偶者からの暴力防止及び被害者の保護に関する法律が制定され、今年の六月には改正DV法が公布、明日、十二月二日より施行されることになりました。  そこでお聞きします。  豊島区でのDV被害の相談件数は、防止法が成立してからこれまでにどのような数で推移しているのでしょうか。統計資料がありますが、それは電話やファックスなどでの相談も含まれているのでしょうか。そして、その内訳として、年代や加害者の職業などにはどんな傾向が見られるのでしょうか。以前は貧困、アルコール依存などが根底にあるともいわれていましたが、最近では、加害者の職業で一番多いのは医者や自営業、二番目は公務員とも聞きます。本区の場合はいかがでしょうか。差し支えのない範囲でお答えいただきたいと思います。  次に、相談体制についてですが、何人くらいで、どんな時間帯で対応しておられるのでしょうか。DV被害者がやっとの思いで駆け込んできても、相談員の無神経な対応のために二次的な被害を被る場合もあると聞きますが、当区では対応についてのマニュアルや研修はあるのでしょうか。また、担当者の異動の際の引継ぎはスムーズに行われているのでしょうか。教えてください。相談を受けた行政担当者側が加害者の逆恨みを買い、身の危険が生じることもあると聞き及びます。区として担当者の安全に関してどのように捉え、対応しているのかも具体的に教えてください。  被害者を逃がす場合ですが、女性センターなどでの一時保護の期間が過ぎた後にはどう対応されているのでしょうか。他の自治体では、DV被害者の自立支援策として、市営住宅の一部を提供することを決めたということを聞きました。豊島区でも、現在、空いている区営住宅があります。被害者が区内にいたのでは加害者に発見されるリスクが大きいですから、ここのところを他の自治体や東京都などと広域的に連携を進め、被害者たちに安定した生活の場を提供し合うことが必要かつ自立支援策として有効だと考えますが、いかがでしょうか。ぜひ前向きなお答えをお願いします。  また、別の場所に保護された被害者について、加害者が執拗に追ってくることはよくあります。住民基本台帳事務において、加害者や第三者による閲覧をどうしたら阻止できると考えておられるのか、その方法について具体的に教えてください。たとえ住民票を移していなくても、保護先で子供が通う学校などから居場所が知れることもあります。元いた学校なりに加害者が押しかけて脅迫めいたことをすることもあるでしょう。この場合に備えて、元の学校の先生方には転校先を知らせないなど、教育委員会としての指導も必要だと考えますが、現実にはどう対応されているのかお答え願います。  被害者が安心して暮らすことももちろん大事なことですが、これから先、新しい加害者、被害者をつくらないためには、教育が最も大切だと思います。DVは犯罪であるという認識を、もっと広げ、確立する必要があると考えます。男女間に限ったことではなく、相手を大事にすることは、ひいては自分を大事にすることにつながると考えますが、学校などでの人権教育のカリキュラムはどのように進められているのでしょうか。教えてください。  DV被害者は、多くの場合、長年にわたって心身ともに傷付いています。それを間近で見ている子供もどれ程の心の傷を負うことかと憂慮します。被害者は新しい生活を始められれば、直接の生命の危険からは回避できます。でも、それまでの住居はもちろん、職業や、場合によっては名前までも変えることを余儀なくされるということは、余りにも不条理です。この不幸な思いをする人たちを少しでも増やさない、減らしていくために、区としてできる限りの支援をお願いして、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)       〔高野之夫区長登壇〕 ○区長(高野之夫) ただいまの水谷泉議員のご質問に対しましては、専門的分野が多岐にわたっておりますので子ども家庭部長から、また教育委員会の所管に属する事項につきましては教育長から答弁申し上げます。      〔郡司信興子ども家庭部長登壇〕 ○子ども家庭部長(郡司信興) DV、ドメスティック・バイオレンスについてのご質問に対しましてお答え申し上げます。  まず、相談件数の推移、内容についてのご質問にお答えいたします。本区におけるDV被害の相談は、平成十三年十月から、配偶者からの暴力防止及び被害者保護に関する法律の施行により、被害者に対する法的な救済措置が設けられたこともあり、来所や電話による相談も含め、平成十三年度百六十三件、十四年度二百十七件、十五年度三百二十三件と、毎年増加しているのが現状でございます。そのうち、緊急性が高く一時的に保護となったケースは、三十件、五十八件、六十五件と、これも年を追うごとに増えてきております。加害者につきましては、平成十六年度の相談ケースに関する調査結果では、三十代から四十代や自営業が目立ったとはいえ、年齢・職業ともに多岐に及んでおります。  次に、相談体制についてのご質問にお答えいたします。子育て支援課子ども家庭・女性相談係では、常勤の相談員五名体制で、通常の開庁時間帯で相談を受け付けておりますが、時間外や長時間に及ぶ相談により、勤務終了時刻を過ぎての対応が日常化している状況でございます。また、男女平等推進センターにおきましては、非常勤の相談員三名体制で月曜日から土曜日までの開所時間帯において相談を受けるとともに、毎月第四金曜日の午後には専門の相談員によるDV相談を実施しております。  相談に際しては、東京都の配偶者暴力相談支援マニュアルを活用するとともに、東京都女性相談センター・ウイメンズプラザが主催する研修会への参加や、関連の深い生活福祉課等の担当者との勉強会の開催により、相談員のスキルアップを図っております。常勤の相談員は、高度で専門的な対人交渉能力が求められる職という理由に基づき、原則三年よりも長い四年から六年という異動基準が適用されております。各相談員は長期にわたって関わっているケースを抱えており、異動に際しては、前任の担当者が後任を相談者に紹介するなど、引継ぎに十分に配慮しているところでございます。  次に、相談担当者の安全確保についてのご質問にお答えいたします。ご指摘のように、夫等が有力者を使うなどの手段で執拗に問合せを繰り返したり、職員に対して脅迫的言辞を弄したりする場合がございます。このため、平成十四年五月には独自の危機管理マニュアルを作成するとともに、困難ケースについては、危機管理担当との連携の下に対応を図っております。去る十月末には、実際のケースをシミュレーションして研修を行ったところでございます。今後も、職員のみならず、区民の皆様の身体・生命に危険の及ぶことのないよう、万全を期してまいりたいと考えております。  次に、一時保護の期間が過ぎた被害者の対応についてのご質問にお答えいたします。一時保護後は、生活保護などの下に母子、単身等、ケースに応じて婦人保護施設、母子生活支援施設や母子アパート等を生活の拠点としていくことになります。  次に、他の自治体、東京都などとの連携による生活の場の提供についてのご質問にお答えいたします。現在、区内には二十世帯が入所可能な民間の母子生活支援施設があり、入所を希望する被害者の利用に供しております。区民である被害者を区内で保護する場合には配偶者から発見される危険があるため、本区でも他の自治体の施設に利用枠を確保し対応を図っていますが、二世帯分に限られているのが現状でございます。現在、関東ブロックの都県では、婦人相談所一時保護所の広域相互利用を行っているという事例もございますので、ご指摘のとおり、今後は、二十三区内、都下のみならず、他府県を含めた施設の相互利用を積極的に進めてまいりたいと考えております。  次に、住民基本台帳の閲覧についてのご質問にお答えいたします。住民基本台帳事務におきましては、本年七月一日付で制定された豊島区ドメスティック・バイオレンス及びストーカー行為等の被害者の支援に関する住民基本台帳事務取扱要綱により、被害者の支援を図っております。この要綱に基づき、警察または東京都女性相談センター等に相談をしている被害者から、住民基本台帳に関する支援の申し出があった場合、加害者からの閲覧の請求については不当な目的であるものとして拒否するとともに、請求者に対しては、より厳格な本人確認の措置を講じるなどの対応を図っているところでございます。  本区におきましては、DV及び児童虐待対策について先駆的な取組みを進めてまいりました。配偶者間の暴力は、相手方だけでなく子供に対しても深刻な被害をもたらすことから、今後も、発生防止に向け、可能な限りの支援を行ってまいりたいと考えております。  私からの答弁は以上でございます。       〔二ノ宮富枝教育長登壇〕 ○教育長(二ノ宮富枝) 引き続きまして、教育委員会の所管に属する事項に関するご質問に対しましてお答えいたします。  まず、DV、ドメスティック・バイオレンスにおける加害者からの問合せに対する学校での対応でございます。被害者の子供の転出先を知りたいとか、在籍しているかどうか教えてほしいといった問合せにつきましては、たとえ脅迫めいた問合せがあっても、公務員の守秘義務から、教職員が教えることは絶対にございません。DV被害等の特別な事情のある子供の情報につきましては、各学校の校長が一元的に管理し、必要最小限の教職員間で情報を共有するなどしております。仮に担任や他の教職員に、ご指摘のような問合せがあった場合でも、すぐに校長に連絡をし、対応は校長が行うこととしております。教育委員会といたしましては、情報管理の徹底について、定例校長会等を通じ適宜学校を指導しております。  次に、学校におけるDV防止のための人権教育のカリキュラムについてお答えいたします。DVは、一般的には配偶者等である女性に対して男性が暴力を振るう行為であり、犯罪であると同時に、被害者である女性の人権を著しく侵害する行為であります。また、子供がそのような行為を見て精神的に深い傷を負うことも多く、その場合は児童虐待ともみなされます。したがいまして、学校においては、将来、DVや児童虐待等の不幸な状況を引き起こすようなことにならないように、児童・生徒に、いじめや仲間外れをしないこと、男女が互いを尊重すること、暴力を否定することなどを教えていく必要があり、学校生活の全般を通じて指導をしております。週一回の道徳の時間を中心に、人権教育として、思いやりの心を持ち、自他の権利を重んじ、義務を果たす心情や態度を育てる学習を進めております。例えば、国語ではコミュニケーションの力を育て、体育では協力する態度を育てるというように、各教科の学習の中でも指導をしております。このように、各学校では、教育活動全般を通じて人権教育に取り組んでおります。DVを根絶するためには、学校における人権教育が大切であることはご指摘のとおりと考えており、今後とも、DV被害者の子供の心情にも十分配慮しながら、人権教育の推進を図ってまいります。  以上をもちまして、水谷泉議員のご質問に対する答弁を終わります。 ○副議長(泉谷つよし) 一般質問を終わります。 ――――――――――――――――◇――――――――――――――― ○副議長(泉谷つよし) 以上で本日の日程全部を終了いたしました。  本日はこれをもって散会といたします。     午後四時三十二分散会...