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令和 2年第3回定例会−09月11日-22号

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  1. 杉並区議会 2020-09-11
    令和 2年第3回定例会−09月11日-22号


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    最終取得日: 2021-09-29
    令和 2年第3回定例会−09月11日-22号令和 2年第3回定例会             令和2年第3回定例会            杉並区議会会議録(第22号) 令和2年9月11日 午前10時開議 出席議員46名 欠席議員2名 1 番  佐 々 木  千  夏      25番  中  村  康  弘 2 番  ほらぐち  と も こ      26番  北     明  範 3 番  田  中 ゆうたろう      27番  川 原 口  宏  之 4 番  堀  部  や す し      28番  大  泉  やすまさ 5 番  松  尾  ゆ  り      29番  井  原  太  一 6 番  奥  山  た え こ      30番  大 和 田     伸 7 番  野  垣  あ き こ      31番  今  井  ひ ろ し 8 番  奥  田  雅  子      32番  浅  井  く に お 9 番  松  本  みつひろ      33番  金  子 けんたろう 10番  木  梨  もりよし      34番  富  田  た  く 11番  ひ わ き     岳      35番  くすやま  美  紀 12番  関  口  健 太 郎      36番  け し ば  誠  一
    13番  川  野  たかあき      37番  新  城  せ つ こ 14番  山  本  ひ ろ 子      38番  岩  田  い く ま 15番  わたなべ  友  貴      39番  太  田  哲  二 16番  國  崎  た か し      40番  大  槻  城  一 17番  矢  口  やすゆき(欠席)  41番  渡  辺  富 士 雄 18番  松  浦  威  明      42番  島  田  敏  光 19番  酒  井  ま さ え      43番  安  斉  あ き ら 20番  山  田  耕  平      44番  脇  坂  た つ や 21番  そ  ね  文  子      45番  吉  田  あ  い 22番  小  林  ゆ  み(欠席)  46番  大  熊  昌  巳 23番  藤  本  な お や      47番  小  川  宗 次 郎 24番  山  本  あ け み      48番  井  口  か づ 子 出席説明員       区長             田 中   良       副区長            宇賀神 雅 彦       副区長            吉 田 順 之       政策経営部長         関 谷   隆       総務部長           白 垣   学       危機管理室長         井 上 純 良       区民生活部長         徳 嵩 淳 一       地域活性化担当部長オリンピックパラリンピック連携推進担当部長                      岡 本 勝 実       保健福祉部長         齊 藤 俊 朗       高齢者担当部長保健福祉部参事(新型コロナウイルス対策担当)                      野 田 幸 裕       健康担当部長杉並保健所長   増 田 和 貴       子ども家庭部長        武 井 浩 司       都市整備部長         有 坂 幹 朗       環境部長           伊 藤 宗 敏       政策経営部企画課長      山 田 隆 史       総務部総務課長        寺 井 茂 樹       教育長            白 石 高 士       教育委員会事務局次長     田 中   哲       教育政策担当部長       大 島   晃       代表監査委員         上 原 和 義         令和2年第3回杉並区議会定例会議事日程第3号                               令和2年9月11日                                 午前10時開議 第1 一般質問 ○副議長(島田敏光議員) 議長の職務を代行いたします。  これより本日の会議を開きます。  会議録署名議員を御指名いたします。  18番松浦威明議員、41番渡辺富士雄議員、以上2名の方にお願いいたします。  これより日程に入ります。  日程第1、一般質問に入ります。  2番ほらぐちともこ議員。       〔2番(ほらぐちともこ議員)登壇〕 ◆2番(ほらぐちともこ議員) 一般質問いたします。今回は、区長の政治姿勢についてと、新型コロナウイルス感染症対策とその区の対応について伺います。  まず初めに、8月28日、安倍晋三首相は、持病の潰瘍性大腸炎が再発したとして辞任を表明しました。コロナ禍での政権担当者の辞任は、世界的に見ても初めてのことです。森友、加計疑惑や黒川検事長定年延長問題、桜を見る会などの安倍首相自身が関与した国家犯罪、権力犯罪が次々と明るみになり、さらに、アベノマスクに代表されるようなコロナ感染対策への怒りに基づく支持率急落で、安倍政権が悲願としてきた2020年の新憲法施行のもくろみは打ち砕かれました。  しかし、第2次安倍政権の7年8か月を振り返れば、アベノミクスなる新自由主義的政策の徹底で、株価上昇、経済成長の虚構をつくり出し、大企業、資本を最優先で救済する一方、労働者民衆の生活は徹底的に破壊されました。安倍首相は辞任会見で、雇用は改善したと述べましたが、全くの噴飯物です。実質賃金指数を見ればそれは明らかです。2012年平均が104.5、15年が100、そして今年前半期が93.4と、一貫して労働者の平均賃金は下がり続けているのです。これは、安倍政権下での非正規労働者比率が、2012年の35.2%から今年前半期には37.2%に上昇していることに示されており、正規労働者数が減らされ、非正規労働者が増大し、その結果、賃金は押し下げられてきました。  他方で、法人は減らされ、企業内部留保額は、12年7−9月期の約273兆円から20年1−3月期には約471兆円に激増しました。つまり、資本のための優遇政策を集中的に行い、貧富の格差を拡大させたのがアベノミクスです。その上で安倍政権は、2014年と2019年に2度の消費増税を強行しました。そして、コロナ禍での医療崩壊危機に端的に示されたように、医療、介護、保育、教育、水道などの生きていく上で必須不可欠な公的部門の全面的な民営化、外注化、非正規職化が進みました。  安倍政治の継承を掲げる次期政権がたとえどんなに耳触りのよい政策を掲げようとも、労働者民衆の生活をこれまで以上に悪化させ、自己責任だと切り捨てていくことは間違いなく、そこに未来はありません。社会の在り方が根底から問われる時代に入りました。今回は、様々な観点から区長の政治姿勢について伺います。  まず1つ目に、都立病院の独立行政法人化についてです。  小池百合子都知事は、3月31日、都の公立・公社病院を2022年度内をめどに地方独立行政法人化する新たな病院運営改革ビジョンを発表しました。対象は都立8病院と都保健医療公社6病院で、都立、公社14病院と東京都がん検診センターを統合して、地方独立行政法人東京都病院機構(仮称)を設立するとしています。これには、コロナ感染者を受け入れて必死の治療行為を続けている病院も含まれています。杉並区には都立、公立の病院はありませんが、都立病院独法化は決して他人事、無関係なことではありません。  米ジョンズ・ホプキンス大学の集計によると、新型コロナウイルスの感染者数は全世界で3,000万人に迫り、現在も拡大し続けています。この状況での小池都知事の独法化方針は、新型コロナを含む感染症対策をはじめとした公的医療を破壊する暴挙です。既に独法化された国立病院機構では、国からの交付金が大幅に削られ、不採算部門であるとして、結核、小児救急、精神、救命救急、周産期母子などが廃止されました。感染症や災害対策では空きベッドを用意しておく必要がありますが、それも営利を優先させた病院では切り捨てられます。  東京都に限らず、公立・公的病院はその地域にとって絶対に必要な施設です。都立病院は、都民の命を守るために、僻地医療や高度救急、周産期医療、小児救急や精神科救急、感染症対策など、あらゆる公的医療を担っています。  独法化の狙いは、医療で金もうけをするための合理化と労組破壊です。都立病院では、医療労働者の賃金をはじめ労働条件は条例で定められていますが、独法化によって、理事会、経営者の決定で人員や賃金を減らすことが可能となり、労働条件の悪化がさらなる医療崩壊をもたらすことは明らかです。  さらに、病床不足が深刻化する中で、安倍政権は今年度予算に、病床を1割以上削減する病院に出す補助金として総額84億円を組み込みました。21年度以降は、消費を財源にして、25年までに全国で20万床を削減するとしています。  そこでお尋ねします。安倍政権が進めてきた公立440病院の再編、統廃合や、さらに小池都知事による都立病院の独法化の決定は、コロナ感染症とぎりぎりのところで立ち向かってきた公的医療を破壊するものだと考えます。医療の民営化や統廃合について、直ちにストップすべきと考えますが、区長の見解はいかがでしょうか。  2つ目に、働き方改革と非正規雇用の拡大についてです。  9月1日に総務省が発表した労働力調査によると、コロナ禍の下で、派遣労働者がこの7月、前年同月から16万人も減少していたことが分かりました。比較可能な2014年以降、過去最大の落ち込みです。3か月ごとの派遣契約の更新時期と重なる6月末は、雇い止めが急増するのではとの懸念の声がありましたが、まさにそれが現実に進行しています。  つい先日には、2020年4−6月期のGDPが実質年率換算で28.1%も減少。1955年の統計開始以来最悪を記録したと報道されています。日本経済の景気後退は、消費増税の影響で2019年10−12月期から始まっており、主要国の中では唯一、3四半期連続のマイナス成長となりました。この中で辛うじて持ちこたえていた中小零細企業が倒産や廃業に追い込まれています。大企業でも希望退職という名の首切りが始まっています。既にあった格差が、コロナの影響を受けて、今後将来にわたって広がっていくことに漠然とした不安が社会を覆っています。  この4月からは、1年雇用、試用期間1か月、毎年試験か評価で振り落とす会計年度任用職員制度が導入されました。さらに保健所などで、コロナ禍でのすさまじい人員不足に対し、非常事態だからという口実で、派遣労働者への切替え、任期付短時間職員の拡大などが進められています。コロナ危機で官民比較が困難として、人事院、人事委員会勧告が出されるのは例年よりはるかに遅く、10月末から11月以降にずれ込むと言われています。  コロナ禍で労働者の大量解雇、雇い止め、リストラと賃下げが日を追うごとに進む中で、公務員労働者に対する賃金引下げ、団結破壊は、全労働者への賃金破壊、雇用破壊の一層の水路になります。このコロナ禍で労働組合活動が制約を受ける中でも、東京23区職労で構成される特区連、4万人を組織していますが、この特区連の賃上げ要求署名は、昨年を500筆以上上回って集まっています。  働き方改革の下で進められた非正規職化によって、コロナ禍でその矛盾が女性、青年をはじめ膨大な非正規労働者に襲いかかっている現実について、区長の見解を伺います。  3つに、東京オリンピックについてです。  新型コロナウイルスの感染拡大により、来年7月23日開幕に延期された2020年東京オリンピックパラリンピックですが、コロナによる死者は全世界で既に80万人を超え、中南米では、感染者100万人を突破したブラジルをはじめ、メキシコ、ペルー、チリなどでも感染が急拡大しており、貧困や衛生環境の悪さが事態に拍車をかけています。今や来年の開催など問題外であると思いますが、政府と組織委員会はあくまでも開催を主張しています。  国際オリンピック委員会のジョン・コーツ副会長は、9月7日、海外メディアの電話インタビューで、「来年に延期された東京五輪は新型コロナウイルス感染症のパンデミックに関係なく開催され、同感染症を『克服した大会』になるだろう」、「東京五輪はコロナウイルス感染症を克服した大会となり、トンネルの終わりに見える一筋の明かりになるだろう」と述べたと報じられています。  しかし、最近の世論調査を見れば、国内で来年のオリンピック開催を望んでいる人は4人に1人しかおらず、多くの人が、さらなる延期か中止かのどちらかを支持しているという状況です。にもかかわらず、開催強行に固執する理由は、オリンピックが実際には選手やスポーツを愛する人々のためのものではなく、それがIOCと大企業に巨大な利権をもたらす世界最大の商業イベントだからです。  この間IOCの収入は増え続け、年間平均は1,500億円超にも上ります。一方で選手は、IOCから受け取る資金は1円もなく、4年に1度の五輪から逆算した人生設計を求められ、国の代表として強烈なプレッシャーの下でのプレーを余儀なくされます。オリンピックが選手たちを商品にし、そして政治の道具にして踏みにじっているのです。そもそも、コロナ禍で多くの選手は十分な練習もままならない状況にあります。これの一体どこがアスリートファーストなのでしょうか。  そもそも東京オリンピックは、2011年の福島第一原発事故による環境汚染、放射能被害と今日まで続く被災地の人々の苦しみを覆い隠し、復興を演出するために、安倍政権が先頭に立って招致したものです。これまでにつぎ込まれた予算は3兆円を超え、延期に伴う追加予算は数千億円規模と推測されています。東京オリンピックは今すぐ中止し、金、物、人、全てを医療体制の充実と労働者への補償に充填させるべきです。  オリンピックをめぐっては、2024年の開催予定地のパリでも、コロナ禍において、五輪予算を医療や教育、住宅や公共部門に振り向けるよう求める五輪反対署名運動が始まっています。新型コロナウイルスの感染拡大の影響により延期された東京オリンピックパラリンピックの開催について、区長の見解をお答えください。  4つ目に、敵基地攻撃能力の保有についてです。  8月14日、米国務省のビリングスリー大統領特使が日本経済新聞のインタビューに答え、新型中距離ミサイルの日本への配備を考えていることを公式に認めました。日本が敵基地攻撃能力を保有することについても、「価値のあるものだ」と支持しました。沖縄をはじめとする日本全土を核ミサイルの貯蔵庫に、そしてによる先制攻撃の出撃拠点にするということであり、日本全土が米中軍事衝突の最前線に位置づけられることを意味します。絶対に反対です。  安倍首相は、辞任までの間に国家安全保障会議を開き、敵基地攻撃能力の保有を推進することを公言していますが、敵基地攻撃能力の保有に対して区長はどのような見解をお持ちでしょうか、お尋ねします。  5つ目に、議会でのヘイトスピーチ発言についてです。  1923年の関東大震災から97年を迎えた9月1日、軍隊、警察、自警団ら日本人によって虐殺された朝鮮人犠牲者を追悼する式典が開かれました。追悼式典で主催者は、大震災の際、流言飛語を信じた自警団や軍隊、警察により朝鮮人や中国人が虐殺された。この消しようのない事実を忘れさせようという動きがあるが、同じ過ちを繰り返させないためにも、過去の事実から目を背けてはいけないと述べました。  小池都知事は、就任の翌年から、歴代の都知事が送ってきた朝鮮人犠牲者追悼式典への追悼文送付を拒否しています。このような排外主義をあおる政治の動きは、杉並区議会でも起きています。佐々木千夏区議が議会内で、日本は侵略戦争をしていない、従軍慰安婦や創氏改名も強制していないと発言。歴史のねじ曲げは絶対に許すことができません。佐々木区議の度重なるヘイトスピーチ発言が地域の在日韓国・朝鮮人を傷つけ、恐怖を与えています。発言を取り消したとしても、決して消えることはありません。とりわけ杉並には、75年の歴史を持つ東京朝鮮第九初級学校があります。  佐々木区議の議会でのヘイトスピーチ発言について、区内外から発言の取消しや謝罪などを求める陳情が多数提出されています。このような状況について区長はどのようにお考えなのか、見解をお答えください。  最後に、新型コロナウイルス感染症対策についてです。  経験したことのないコロナ感染症の蔓延とそれによる経済危機から区民の生活と命を守るのが、区政の最優先課題だと考えます。温暖化の中で、マスクを手放せない生活を強いられていますが、阿佐谷けやき屋敷の緑は、地域の人たちの救いの場となっています。貴重な緑は守るべきであり、自然破壊、生活破壊の公共事業は見直し、そのための経費をコロナ対策に充てるべきという立場で、以下、区内の感染状況と医療体制についてお尋ねします。  まず第1に、陽性者の累計人数をお答えください。そして、それは23区で何番目に多いかも伺います。  第2に、区として分析している感染状況の傾向はいかがでしょうか。年齢や感染経路など、分かっている範囲でお答えください。  第3に、PCR検査について、現在の1日当たりの実施可能数とこれまでの検査実施合計数はいかがでしょうか。  第4に、陽性者の療養先について、入院、ホテル療養、自宅療養の割合はそれぞれどうでしょうか。  第5に、区内基幹4病院合計の入院患者数と病床利用率の推移はいかがでしょうか。  最後に、田中区長がおよそ23億円の区費を投入して減収補填を行った区内基幹4病院の1つである河北総合病院で、職員のボーナスが削減されたという報道がありました。これに関しては、さきの第4回臨時会でも述べましたが、実際には、前年は1.9か月分だったボーナスが1.6か月分に減額されたそうです。  私は第2回定例会の一般質問で、病院資本に幾ら金をつぎ込んでも、それがイコール医療従事者の支援につながるわけではないと言いました。区長は答弁で、「民間病院が経営危機に陥って経営破綻するような状況になったら、医療従事者を守ることはできない」、「基幹4病院を経営的に支援するということ、これが医療従事者を守ることにもなる」と述べましたが、河北のボーナスカットの報道についてはいかがお考えでしょうか。  また、荻窪、衛生、佼成病院はボーナスカットなどの動きがあるのかについて、現在区は把握していないとのことですが、23億円もの区費を投入しておいて、民間だから把握しないというのはおかしいと思います。区長の見解を伺って、私の質問を終わります。 ○副議長(島田敏光議員) 理事者の答弁を求めます。  杉並保健所長。       〔杉並保健所長(増田和貴)登壇〕
    ◎杉並保健所長(増田和貴) 私からは、公立病院に関する御質問にお答えいたします。  厚労省が発した「公立・公的医療機関等の具体的対応方針の再検証等について」は、地域医療構想調整会議における議論の活性化を目指して示されたもので、現在、コロナ対応によって期限が延長されているものの、一定の再検証は必要であると考えております。  また、都立病院の地方独立行政法人化についても、今後の医療環境の変化に迅速かつ柔軟に対応していくための1つの手法であり、都民に対し、高水準で専門性の高い医療を確実に提供できるよう、都の取組を見守ってまいります。  次に、新型コロナ感染症に関する一連の御質問にお答えいたします。  区内の新型コロナウイルス感染症患者数は、9月10日現在、累計902人で、東京都の統計上は、23区中、上から6番目となっております。  年代では20歳代が最も多く、感染経路は、最近1か月において、判明しているものでは家庭内感染が39%と最も多く、次いで、友人からの感染が24%、職場内感染が22%の順となっております。  次に、保健所から医療機関へ紹介可能なPCR検査件数は1日当たり平均128件であり、2月から8月までのPCR検査総件数は1万132件です。  区民の陽性者で杉並保健所が対応したもののうち、入院は55%、ホテル療養は24%、自宅療養のみの者は22%です。  次に、区内4病院合計の入院患者数の平均は、4月26人、5月32人、6月17人、7月31人、8月は47人となっております。また、4病院合計の平均病床利用率は、新型コロナ患者用の病床数の変動はありますが、4月58%、5月42%、6月25%、7月52%、8月は71%となっております。  次に、河北総合病院に関する報道内容への区の見解についてお答えいたします。  当該病院からは、今年度の賞与は例年と同水準で支給しており、減額はしてないと聞き及んでおります。ボーナスは、経営者が法人の業績や個人の能力等に応じて支給を決めるものであり、当該病院においても適切に支給されたものと認識しております。  私からは以上でございます。 ○副議長(島田敏光議員) 総務部長。       〔総務部長(白垣 学)登壇〕 ◎総務部長(白垣学) 私からは、まず、働き方改革と雇用情勢に関する御質問にお答えします。  働き方改革が労働者の非正規化を目的としたものとは認識してございませんが、このたびのコロナ禍により、非正規雇用労働者を含め、雇用環境が悪化していることについては憂慮しております。雇用環境の改善には、新型コロナウイルスとの共存を念頭に置き、科学的エビデンスに基づく適切な感染拡大防止対策を講じた上で社会経済活動を再開していくことが必要であると認識してございます。  次に、敵基地攻撃能力の保有に関する御質問にお答えいたします。  敵基地攻撃能力の保有を含む新たな安全保障戦略の方向性につきましては、報道により、次期政権に判断が委ねられたものと承知しており、引き続き政府内でしっかりと議論を重ねていただきたいと考えております。  私からの最後に、議員の議会での発言に対して複数の陳情が出されている状況についてのお尋ねですが、執行機関である区長は、基本的に議会での議員の個別の発言に対して見解を申し上げる立場にはありませんが、当該議員の一連の発言により心が傷ついた方が数多くいらっしゃったであろうことは想像に難くなく、大変残念なことだと考えております。  私からは以上です。 ○副議長(島田敏光議員) オリンピック・パラリンピック連携推進担当部長。       〔オリンピック・パラリンピック連携推進担当部長(岡本勝実)登壇〕 ◎オリンピック・パラリンピック連携推進担当部長(岡本勝実) 私からは、所管事項の御質問にお答えいたします。  東京オリンピックパラリンピック競技大会の開催につきましては、本年7月、8月に大会組織委員会から延期後の競技日程が示されたところであり、区といたしましては、今後ともこうした動きを踏まえつつ、関連事業について粛々と進めてまいる考えでございます。  私からは以上です。 ○副議長(島田敏光議員) 2番ほらぐちともこ議員。       〔2番(ほらぐちともこ議員)登壇〕 ◆2番(ほらぐちともこ議員) 何点かにわたって再質問します。  まず、都立病院の独法化についてですが、大きくは、見守っていくというスタンスの趣旨の答弁だったと思いますが、2020年度内という非常に期間が迫っている問題ですし、田中区長は一貫して小池都政に対して批判的なスタンスでおられたと思いますが、この都立病院の独法化に関しては、一度も私は見解を聞いたことがないので、区長の見解をぜひ伺いたいと思っています。  2点目に、東京オリンピックパラリンピックについてですが、これも来年7月23日と1年を切っているわけで、実際に杉並区ではイタリアのビーチバレーボールチームと事前キャンプ地という提携を結んでいたり、ウズベキスタン、パキスタンとホストタウン交流宣言を結んでいたり、全世界の感染状況について、そのことについて考えるということはすごく重要なことだと思いますが、粛々と進めるということは断じて許されることではないと思います。その全世界的な影響、そして、イタリア、ウズベキスタン、パキスタンという杉並区が実際に提携している各国の状況についても何ら説明もない状況ですので、区長が一体東京オリンピックパラリンピックをどうすべきだと思っているのかについて、ぜひ言及をしていただきたいと思います。  3つ目に、ヘイトスピーチ発言についてですが、区長が個々人の議員に対して見解を申し上げることはないというような趣旨だったと思いますが、私は一貫して区長から、ほらぐちさんは偏っているとか、さんざん言われてきたわけで、それに対して、このヘイトスピーチ発言に対してなぜ沈黙を守っているのかについて、私は理解ができないというか、区長として、議員の思想や立場に対してコメントすべきではないというのがこれまでのあれなのかもしれませんが、このヘイトスピーチ発言に対して多くの陳情が出されていますので、区長がどのような見解を持っているのかということは、はっきり議会の場で説明すべきだと思います。  最後に、河北のボーナスカットについてですが、減額はしていないと言われていますが、では、東京新聞の報道の内容は誤りという区の認識なのでしょうか。実際に私、病院関係者の方から話を伺って、1.9か月から1.6か月というボーナスカットが実際行われたということは聞いていますが、その辺、区の認識を改めて伺います。  以上です。 ○副議長(島田敏光議員) 理事者の答弁を求めます。  杉並保健所長。       〔杉並保健所長(増田和貴)登壇〕 ◎杉並保健所長(増田和貴) 私からは、ほらぐちともこ議員の再質問にお答えいたします。  最初に、都立病院の地方独立行政法人化についての見解ですが、先ほども答弁させていただいたように、東京都のほうは、都民に対し、高水準で専門性の高い医療を確実に提供できる体制にするために地方独立行政法人化を考えているというふうに聞き及んでおります。議員の御発言にもあったように、地方独立行政法人化することにより、より専門性の高い医療職を雇用するために、柔軟な賃金体系にできるといったメリットもあるというふうに聞き及んでおります。このようなことから、今後も都の取組に関しては推移を見守っていきたいと考えております。  次に、河北総合病院の賞与についての御質問についてですが、区といたしましては、河北総合病院のほうから、昨年度は記念事業における上乗せの賞与を支給したものであり、今年度は通常どおり、同水準の賞与を支給したというふうに聞き及んでおります。  私からは以上でございます。       〔傍聴席にて発言する者あり〕 ○副議長(島田敏光議員) 傍聴人はお静かに願います。  オリンピック・パラリンピック連携推進担当部長。       〔オリンピック・パラリンピック連携推進担当部長(岡本勝実)登壇〕 ◎オリンピック・パラリンピック連携推進担当部長(岡本勝実) 私からは、ほらぐちともこ議員の再度の御質問についてお答えいたします。  先ほど申し上げたとおり、競技大会の開催につきましては、組織委員会から延期後の日程が示されたところでございますので、今後ともこうした動きを踏まえつつ、関連事業について進めてまいる考えでございます。  私からは以上です。 ○副議長(島田敏光議員) 総務部長。       〔総務部長(白垣 学)登壇〕 ◎総務部長(白垣学) ほらぐち議員の再度の質問のうち、議員のヘイトスピーチ発言についての区長の見解に関するお尋ねにお答えをいたします。  当該議員の発言につきましては、直接区の政策、施策に関するものではなく、議員個人の歴史認識に関する発言であり、執行機関である区長がその発言に対して見解を述べる立場には基本的にはないというふうに考えてございます。ただし、先ほど申し上げたとおり、当該議員の発言によって心が傷ついた方が数多くいらっしゃったであろうことは、大変残念に思っているということでございます。  私からは以上です。 ○副議長(島田敏光議員) 以上でほらぐちともこ議員の一般質問を終わります。(傍聴席にて発言する者あり)傍聴人はお静かに願います。  36番けしば誠一議員。       〔36番(けしば誠一議員)登壇〕 ◆36番(けしば誠一議員) いのち・平和クラブのけしば誠一です。新型コロナ対策について、外環道大深度地下トンネル工事について質問をいたします。  まず、新型コロナ対策についてです。  7月から8月にかけて、首都圏、愛知、大阪、福岡、沖縄などで新型コロナの新規感染者数が拡大し、9月になっても高止まりとなっています。家庭内感染や施設での感染が見られ、このまま放置すれば高齢者への感染が広がり、重症者が一気に広がる深刻な瀬戸際にあると言えます。  ところで、政府は、医師会や業界団体から要望されてきたPCR検査の拡大に応えず、その強化を自治体に委ね、感染拡大を抑えるための具体的な方策を何一つ打ち出せません。東京都は、毎日の感染者数を垂れ流すだけで、医療機関や医療従事者が求める支援に応えられず、僅かな補償で飲食店への閉店時間の制限を求めただけで、現場からの厳しい批判に、ようやく規制を解除せざるを得ませんでした。  杉並区が率先して進めてきたPCR検査や医療機関への支援が区内で功を奏しているとはいえ、終息の兆しが見えない中、区民の命と暮らしを守るために一層の取組が求められています。  そこでお聞きします。まず、区内の感染者の直近の状況を確認します。年代別の割合、主な感染原因や経路を把握しているのか。入院者数と、軽症や無症状でホテルなどの宿泊施設利用者数、自宅待機者数はどのくらいあるのでしょうか。  4月から開始した区内4病院の発熱外来のような取組は、その他の自治体にも広がっています。区内の発熱外来での検体採取の利用実績をお聞きします。  重症者、中等症者や配慮が必要な患者が対象ですが、7月から8月にかけた新たな感染拡大の中で、PCR検査は、現在の1日当たりの実施数では不足はないのでしょうか。  軽症者と濃厚接触者で無症状者を対象に7月から開始した区内基幹病院でのPCR検査スポットの実績をお聞きします。7月以降の感染拡大状況で対応できているのでしょうか。移動式バスとかかりつけ医の検査を加え、300件に達するのはいつ頃か、確認いたします。  保健所生活衛生課分室で開始された区独自のPCR検査はインパクトを与え、他自治体でも検査機器を購入する独自の取組が始まりました。検体の検査を実施するための保健所技師の人員増を求めましたが、この間どのように対応してきたのか。今後の検査の拡大に対してどのような体制を取るのか。  コロナの感染状況はいまだピークが見えず、長期化することが予想されます。検査技師を再任用や人材派遣で対応するだけで、今後の他の感染症に対応できるPCR検査のスキルを継承できるのでしょうか。新たな採用で人材育成を図るべきではないのか、区の見解を求めます。  区内の基幹病院に入院している患者数は現在どのくらいでしょうか。第2波、第3波の感染拡大を想定した場合、現在の病床確保数で、都、区内の病床数で対応可能なのか。  4月から6月の新型コロナ患者の受入れで経営が厳しくなった区内基幹病院に対し、区からの財政支援で支えることができました。7月以降の感染者受入れに対して、国や都からの財政支援はなされているのでしょうか。  都から病床増加要求に対して、区内基幹病院から経営の厳しさが訴えられていましたが、国や都はこれに対応できているのでしょうか。  7月の第4回臨時議会で、PCR検査強化策に対し反対意見があり、区から河北病院に7億9,000万円が投じられたが、河北の医療従事者のボーナスはカットされた。河北のように、現在、医療、福祉、介護など、コロナ対策で感染リスクを負いながら多くの人々の命を守ってきた労働者に対し、一時金の大幅減額や支給ゼロの通告が相次いでいるとの意見です。区からの減収補填は医療従事者の支援にならず、病院経営者を利するためとの主張です。  さきに同様の質問に答弁がありましたが、6月議会の後、区民の何人かからこの件で聞かれました。一昨年と比べ減額されたとのことですが、コロナ禍で例年よりボーナスが出せない、カットされる企業がほとんどです。河北病院は例年と比べてボーナスがカットされた事実があるのか、再度確認しておきます。  区からの支援額はどのように決定され、どのように使われたのかなどいつ精算されるのか、お聞きします。  新型コロナの感染拡大が続く中、PCR検査の在り方の転換が求められています。検査拡充への軌道修正の必要性を専門家は指摘しています。国は、症状がある人たちと、感染者と濃厚接触した感染の可能性が高い人を検査対象として、クラスター、感染者集団を中心とした対策を取ってきました。しかしながら、4割以上の感染が無症状の人からの感染だと言われており、それを放置してきた結果が現在の新たな感染拡大をもたらしています。区は無症状の感染者を見つけ出す方策をどのように検討しているのか、お聞きします。  新型コロナウイルスの感染者、特に無症状の感染者が集まる中で、感染が持続的に集積している地域を感染震源地、エピセンターと呼びます。多くの専門家が、現在の感染急拡大は、全国のエピセンターから他の地域へ感染が広がる中で起こっていると指摘しています。  東京都医師会をはじめとする医療団体や専門家は、エピセンター対策のための住民全体を対象としたPCR検査実施を求めています。厚生労働省も8月7日に事務連絡を出し、自治体の判断により、現に感染が発生している店舗等に限らず、地域の関係者を幅広く検査する検討を求めました。  区内でエピセンターが判明した場合、その地域の住民等全体に対してPCR検査などを実施する体制が取られるのか、お聞きします。  世田谷区は、必要とされている方のPCR検査を可能とする大幅な拡大に踏み切り、特にエッセンシャルワーカーへのPCR検査を定期的に行うことの重要性が指摘されています。また、区内の私立保育園の園長からは、日頃児童と濃厚な接触を避けられない保育士のPCR検査の要望がありました。家庭内感染が増えている現状で、区内保育園でも児童の感染が確認されました。  区では今回の補正予算で、陽性者が出た施設の職員を全てPCR検査できる施策を盛り込みました。さらに東京都では、9月3日に、高齢者、障害者の入所施設を対象にPCR検査の費用を30億盛り込む発表をしました。今後は、子供の施設を含めた福祉施設職員に対する定期的なPCR検査を実施する必要があると思いますが、区の見解を求めます。  こうしたPCR検査の拡大要求に対して、PCR検査をすれば患者が増える、PCR検査をすれば医療崩壊するという主張が一部のマスコミで流布されています。感染症専門医、感染症学者が旗振り役となり、PCR検査を抑えてきた国を擁護する感染症村とも言える実態があります。しかし、PCR検査を抑え、検査数が少ないのは日本だけであり、世界の各国でPCR検査は毎日何万件も行われています。米国のニューヨーク市では、医療崩壊の局面から、1日6万件以上のPCR検査を実施し、感染者を見つけ出し、抑え込みに成功し、経済活動との両立を図っています。  国や都のPCR検査の遅れに対し、区が直営でのPCR検査の実施と拡大に率先して取組を行ってきたことについて、区の考えをお聞かせください。  検査によって明らかとなった陽性者を保護、治療する体制を拡充しなければなりません。特に自宅待機者への対策が重要です。その方への注意喚起と支援はどのようにしているのか、お聞きします。自宅待機者に必要な措置を取り、感染拡大がなされないような対策が必要ですが、区の見解と対策を求めます。  次に、外環道大深度地下トンネル工事についてです。  外環工事費の大幅増額の再評価について、まず質問します。  国土交通省関東地方整備局は7月30日に事業評価監視委員会を開催し、東京外環道に関して、事業費をさらに7,600億円積み増す対応方針を提出しました。2016年の再評価時、3,150億円の追加がなされ、今回さらに7,600億円の追加となれば、当初の1兆2,820億円の1.8倍となります。この大幅な増となった理由は何か。新型コロナ対策で多額の予算が組まれ、財政赤字が拡大する中で、このような多額の資金投入に民意を得ることは難しいと考えますが、区の見解を求めます。  この決定は次回の評価委員会とされ、9月3日に第2回評価監視委員会が開かれましたが、どのようになったのでしょうか。  事業費用の増大に伴い、費用便益比が当初2.3であったのが、今回の再評価で1.01まで低下しました。多額の税金が投入される公共事業は、費用便益比が1以上であることが事業化の目安とされています。青梅街道インターチェンジの地中拡幅部のコストを見込むと、費用便益比は1を割り込むことになります。そうなれば外環道事業の必要性は失われると思いますが、どうか。  東京都の人口は、今年5月1日に初めて1,400万人を超えました。ところが、6月1日には3,405人の減少で、そのうち、出生より死亡が多い自然減が1,498人です。これに、他県からの転入より転出が多い社会減が1,181人で、これまでの人口増をもたらしてきた他県からの転入が少なくなったことを示しています。  2030年がピークと言われた東京都の人口は、コロナ状況で減少が早まったと思われます。これに見合った都市計画の見直しが求められます。  コロナ対策で大きな予算が必要な今、費用対効果のない外環道建設をやめることは、将来世代への負の遺産とならないための方策と思いますが、どうか。  外環道の完成は、2016年の再評価では2021年度でしたが、事業施行期間が大幅に延長され、費用便益比算定上、完成年度が2030年度に延長されました。国も、土水圧が高く、地下水脈が豊かな地層に建設するという、これまで誰も試したことのない地中拡幅部を世界最大級の難工事と認めています。大深度地下計画自体の承認・認可申請時にはその自覚がなく、事業期間設定もいかに曖昧であったのかが分かりました。  今回の再評価が目指す2030年度以降の開通の見通しはいつになるのか、お聞きします。  8月7日と8日に、中央ジャンクション付近の地域ではランプトンネル工事の説明会、同時に、東名ジャンクション付近の地域では換気所地下電気室工事の説明会が行われました。コロナ対策を理由に、1回1時間のうち、説明が40分、質疑は20分となり、中央ジャンクションで計8回、東名ジャンクションでは計5回開催されました。当日の各会の参加状況の報告を確認します。  参加は周辺住民のみとされ、1人1回に制限し、時間不足で、質問が残っても排除するなど、当日の対応は説明責任を果たすものとは言えませんでした。今後の杉並区では、コロナ対策に名を借りてこのようなことがないよう、説明会は住民に余裕を持って丁寧に実施するよう区から求めてほしいが、どうか。  質疑では、東名ジャンクションでは、ランプシールドトンネルのマシンの直径や、電気室が扱う電気はどこから来てどこに届くかなど、住民が関心を抱く質問には答えませんでした。中央ジャンクションでは、酸欠漏気の安全性が問われても、問題ないと考えておりますを繰り返し、理由の説明がありません。  地下電気工事の土留め工事は、TRD工法、チェーンソー型のカッターを地中に差し込み、横方向に移動させて溝を掘削し、地中に連続した壁を造る工法を採用しています。今年3月に酸欠空気が漏気した工法であり、住民が不安を抱くのは当然です。国、事業者に反省を求め、区から住民の不安に応える丁寧な対応を求めてほしいが、どうか。  避難通路についてです。  トンネル内で事故が起きた際の緊急時の避難通路は、当初、横連絡坑とされていました。中央環状品川線南品川換気所で、本線から避難路をつなぐための凍結工法を使った工事では、出水事故、実際にはセグメント等に過大な圧力が発生した重大事故が起こりました。今後の横連絡坑をつなぐ工事の危険性が懸念されます。  ところが、この間、横連絡坑に関しては、国、事業者から、その位置や具体的計画の説明がありません。今回の再評価事項からも外されていますが、その理由は区はどのように把握していますか。  避難通路を造るなら、東京湾アクアラインや首都高速道路横浜北線で使われている床版下方式のほうが安全ではないかと思いますが、採用されない理由は何でしょうか。  現状は、床版下方式も含め検討中で、具体的説明がまだできないのか、概要さえも説明できないのか、確認しておきます。
     新横浜トンネル工事の陥没事故についてお聞きします。  今年6月に、環状2号線直下の相鉄・東急直通線の新横浜トンネル工事で、2度にわたる陥没事故が起きました。外径9.7メートルのシールドマシンで土かぶり約20メートルの地下を掘進中、6月12日に、シールド通過6日後に陥没。6月30日に、その事故現場から後方300メートルで、シールド通過2か月後に陥没したものです。土砂の取り込み過ぎが原因と言われていますが、陥没の原因は専門家も検討中です。  住民からは、陥没の3日前に1ミリの沈下を確認し、12日に25ミリの沈下を計測しつつも、トンネル内への地下水、土砂の流入はなかったと聞いています。そうであれば、外環工事で緊急時とされている大量の土砂がトンネル内に入らなくても、シールド工事で陥没事故が起こることがあるということになります。予兆として捉えるべき項目を見直す必要があります。外環の緊急時避難計画の緊急時の定義を拡大することと、この事故の予兆が3日前に起こったことからも、外環工事では地盤沈下などの情報をリアルタイムで住民に開示するよう求めてほしいが、どうか。  漏気についてです。  東名北工事では、今年3月に、谷戸橋脇から気泡シールド工法に切り替えた後に、野川沿いに気泡が次々と噴出しています。谷戸橋では、5か月以上の長期にわたり、日々漏気が確認されています。酸素濃度は、3月13日の事業者の報告では7.35%に対し、住民が測定した結果は1.5%から2.3%と、さらに危険な値でした。しかし、事業者は、5月から6月の漏気を認めようとしていません。  さらに、約800メートル上流の神代団地51号棟の前の野川でも、連続して漏気が観察されています。これは、シールドマシンから数百メートル離れていても漏気が発生するということを示すものです。国、事業者は事実確認を行い、その解明と対策を講ずるべきと思いますが、どうか。  このような酸欠漏気が地下室や半地下室、古井戸などから漏れ出す危険性に、沿線の住民は不安に駆られています。事業者は、酸欠空気は重いから、拡散せず安全、住宅には床下換気口が設置されているから、床下に酸欠空気が滞留することはないと説明しています。実際には、今回のように酸欠空気は大気より軽い場合が多く、空気より軽い気体が建物内部に侵入することは、これまでの事故例からも明らかです。住民の安全・安心を得るための国、事業者の説明と安全対策を求めますが、いかがでしょうか。  大深度地下のシールドトンネル工事に起因する漏気や騒音、振動などの事態によって、大深度地下の工事や道路使用が地上部には影響を与えないとした前提が崩れました。これらの事実は、大深度地下の使用が地上部分の使用に影響を及ぼさないことを理由として、土地所有者や居住者等に無承諾及び無補償で大深度地下に使用権を設定できるものとした大深度法合憲論の大前提を否定するものです。したがって、大深度法は憲法第29条に違反し、本件大深度地下使用認可処分は無効と言わなければなりません。  違法な工事は直ちに中止し、大深度法の適用を見直すことが先決ではないのか。区の見解を求め、質問を終わります。 ○副議長(島田敏光議員) 理事者の答弁を求めます。  区長。       〔区長(田中 良)登壇〕 ◎区長(田中良) 私からは、けしば誠一議員の御質問のうち、自宅待機者への対策についての御質問にお答えを申し上げます。  新型コロナウイルス感染症は、感染症法の二類相当に指定されておりまして、病状の程度にかかわらず、全て入院とされておりました。このため、3月、4月の、仮にこれを第1波とするならば、そのときには新型コロナウイルス感染症の病床は埋まってしまいまして、東京都による軽症者のホテル療養が開始となった後も、自宅待機者が生じたということでございます。  そのような状況の中、区では、区内基幹病院の病床増のための支援を行うとともに、自宅にいる患者さんに対しては、血液中の酸素濃度を計るためのパルスオキシメーターというものや体温計を貸し出すなど、体調の確認を徹底して、保健所として行ってまいりました。加えて、家族内感染を防ぐために、自宅療養の注意点を記載したチラシや、マスク、消毒薬などの衛生材料、希望者に対する日常生活用品や食品などを配布いたしました。  その後、新型コロナウイルス感染症は、他者への感染可能期間が発症前2日間から発症後8日間程度であるということや、若年者は感染しても重症になることはまれであるということなどが次第に明らかになってまいりました。このことは統計にも表れておりまして、若年者の割合が多い7月以降は、陽性者全体の人数が増えているにもかかわらず、重症者や亡くなられた方が少なくなっているということに表れております。  こうしたことを踏まえますと、過剰に経済活動、社会活動を制限していくということは、地域社会にとっても国全体にとってもマイナスなのではないかというふうにも考えられまして、今まで述べてきたような判明されてきた事実、実態に合わせて、指定感染症としての位置づけを含めてその取扱いも変えていくべき、そういうことを考えて検討していくべき時期に来ているのではないかと私は思います。その際の自治体とのより直接的な関わりでいえば、従来の隔離政策や疫学調査というものを継続させるのか否か。たとえ継続させるとするならば、新たな法的根拠をつくる必要が出てくるのではないかということもございます。そういった議論を深めていくという必要性が出ているのではないかというふうに思います。  また現実的にも、無症状や軽症の方を全てホテルで療養するということは、こうした陽性者がさらに多くなれば、ホテルでの療養が不可能となって、自宅にて療養することを容認せざるを得なくなる時期が早々に訪れるということも考える必要があるのではないかと思います。  新型コロナ感染症というのは、感染拡大のスピード、足がとても速いというふうに思います。そのために、一人一人の感染者の感染に至る経緯というものを毎日毎日私のところまで報告を上げてもらっていますけれども、それを見ていきますと、人によって少しばらつきがあるんですけれども、発症してからすぐに医者に行って、検体を取って検査に回すという人だと、発症してから陽性という判定が出るまでに、大体早くて四、五日という感覚ですね。  ところが、かなり多くの方は、発症して、つまり38度以上とか39度の熱が出ている、そのさなかでは、新型コロナウイルスでなくても、やっぱり動きたくないという状態だと思うので、それは同じだと思うんですね。ですから、医者に行くのが少し、2日後とか3日後とかになるんですね。その際に、ちゃんと電話をしていただいて、それで保健所から、例えば基幹4病院の検査を受ける前提でそういうところに行くというケースと、自分で医療機関に行って、医療機関ではほとんどの場合、診断がつきません。あるいはついたとしても、結果的に誤診になる。非常に分かりにくい。コロナであるかないかというのは分かりにくいというのがコロナの特徴であるような気がしますが、そうしますと、発症してから陽性判定が出るまでに7日とか9日とかかかってしまっている、こういう方も大変多くいます。  したがって、判定が出たときには、大体若い方は容体が落ち着いて、療養期間があと1日とか2日とかとなると、ほとんどホテルへ行くというようなことにはなかなかならなくて、自宅療養ということになっていく。そういう方が増えれば、どんどんホテルつくったって、ホテルは埋まらないということになっているわけでございまして、そういうことも実際に見ていると、発症してから判定が出るまでの期間をいかに短縮できるかどうかというのも、これからの課題の1つだというふうに思います。  自宅療養中の他者へ感染可能な方が、自宅から外出して、他者への感染防止策もせずにたくさんの人々と接してしまうということになりますと、急激な感染拡大を引き起こす一因にもなり得ます。そういった行為を抑制するためには、例えば、ITを活用した自宅療養者の位置情報の把握と管理を導入するなどの措置の創設を求めるとともに、これまでの自宅待機者に対して実施してきた経験を生かして、感染拡大の防止に努めてまいりたいと考えています。  私からは以上です。残りの御質問につきましては、関係部長より御答弁いたさせます。 ○副議長(島田敏光議員) 杉並保健所長。       〔杉並保健所長(増田和貴)登壇〕 ◎杉並保健所長(増田和貴) 私からは、新型コロナウイルス感染症に関する一連の御質問にお答えいたします。  まず、区内感染者の直近の年代別割合は、8月31日から9月6日までの週で、19歳以下4.2%、20代16.7%、30代29.2%、40代37.5%、50代4.2%、60代以上8.3%であり、感染経路は、最近1か月において、判明しているものでは家庭内感染が39%と最も多く、次いで、友人からの感染が24%、職場内感染が22%となっております。  9月2日時点の区民の入院患者は42人、うち重症者はゼロ人。ホテル療養者は13人、自宅待機者はゼロ人です。また、区内基幹病院の9月2日時点の入院患者は35人となっております。  次に、今後感染が拡大したときの対応としては、東京都がさらなる病床の確保を計画しております。また、その際には、区内だけではなく、都内全域の病院をもって入院調整を行うとともに、軽症者や無症状者はホテル療養に誘導するなど、適切に療養できるよう努めてまいります。  次に、検体採取の数に関するお尋ねにお答えいたします。  区内4病院の発熱外来とPCR検査スポットの実績については、発熱外来が設置された4月8日から8月31日までの間、発熱外来とPCR検査スポットを合わせて8,396件を実施いたしました。また、陽性患者や濃厚接触者が多く発生した7月中旬から8月中旬には、医療機関で1日に最大218件を実施し、さらに、保健所が直接検体採取や唾液を回収して、多くの方が速やかに検査を受けられる対応を図ってまいりました。現在は、各医療機関において、当日または翌日には検査を受けられる体制を整備しております。  また、季節性インフルエンザの流行に備えて、PCR検査を実施するかかりつけ医が当初の見込みより増えているため、年内には、PCR検査バスでの検査数と合わせて300件に達すると見込んでおります。  次に、生活衛生課分室でPCR検査を実施するための人員についての御質問にお答えいたします。  PCR検査の開始に当たっては、検査経験が豊富な現行職員を中心に対応してまいりました。検査拡大への対応としては、既に課内応援として常勤職員を1名増員しております。さらに、今月中旬には会計年度任用職員を1名増員する上、必要に応じて、さらなる課内応援や人材派遣の活用等も視野に対応してまいります。  生活衛生課分室においては、今までもジョブローテーションを活用して検査スキルの継承に努めているところですが、今後も職員体制を充実し、スキルの継承を含めた人材育成に取り組んでまいります。  次に、区内基幹病院に対する国や都の財政支援についてのお尋ねにお答えいたします。  7月以降の財政支援については、都が国の予算を受けて実施する医療提供体制緊急整備事業として、外来診療と検査に係る経費補助のほか、病床の確保に係る経費補助に空床を含めて金額を増額し、対象期間も6月30日までを9月30日までに延期を実施しております。また施設・設備整備費補助事業についても、今年度末までを対象期間としております。  このように、国や都は病床確保の対応に合わせて病院支援を継続しているところであるため、区といたしましては、区内基幹病院の経営状況についても、今後も見守ってまいります。  次に、区からの病院支援についてのお尋ねにお答えいたします。  区内基幹病院における賞与削減の事実については、河北総合病院に関する新聞報道がありましたが、当該病院での賞与は例年と同水準で支給され、減額はされていないと伺っております。  なお、昨年は、記念事業に伴い、賞与の上乗せ支給を行ったとのことです。  また、区からの補助金額については、4月から6月の入院・外来診療収益の過去3年の平均と今年度の見込額の差額、及び入院・外来体制整備に要した経費を見込んで、概算で支払っております。今後、国や都の補助支給額が決定した段階で区からの補助金の活用状況を確認し、今年度末を収支の基準日として、外部有識者の審査または検査を受けた上で精算を行います。  次に、無症状の感染者を見つけ出す方策についての御質問にお答えいたします。  区は、濃厚接触者などの感染している可能性が高い人に対しては、症状の有無にかかわらずPCR検査を行うことで、無症状の感染者の発見に努めているところでございます。また、国が推奨する接触アプリ、COCOAの登録を勧奨するとともに、接触通知があった者に対しては、迅速なPCR検査の実施に努めてまいります。  次に、一定の地域で感染者が持続的に発生、増加した場合の検査についてですが、感染源と判明した施設やそれに付随する関係者全員に対してPCR検査を行うことが重要であり、住民全体に対してPCR検査をすることは予定しておりません。  なお、今後、感染者や接触者が増加した場合に備えて、かかりつけ医でのPCR検査を充実するとともに、バスを導入するなど、PCR検査体制の整備を図ってまいります。  次に、私からの最後になりますが、区直営でのPCR検査の実施と拡大についての御質問にお答えいたします。  区は、区民の命を守るといった健康危機管理の一環として、感染しているか否かの早期の判定が感染拡大防止に有効であると考え、区直営でのPCR検査体制の拡充に努めているところです。これにより、医療機関につなげる必要のある方へ迅速かつ正確な検査結果が提示できることが可能となります。さらには、今後の感染拡大に備えることができると考えております。  私からは以上でございます。 ○副議長(島田敏光議員) 保健福祉部長。       〔保健福祉部長(齊藤俊朗)登壇〕 ◎保健福祉部長(齊藤俊朗) 私からは、福祉施設職員へのPCR検査に関する御質問にお答えします。  高齢者、障害者、子供の分野における福祉施設などは業務継続の必要性が高い施設であることから、感染者が発生した場合でも職員が安心して業務に従事できるよう、対象を拡大してのPCR検査を実施する予算を提案してございます。  これに加えての定期的な検査の実施につきましては、さきに他の議員にも御答弁いたしましたとおり、現行の検査体制を圧迫するおそれが高いことなどから、現時点での実施は予定してございません。  今後都では、高齢者、障害者の入所施設を対象に、実施内容や頻度を施設に委ねる形での補助を行うとしてございますので、区としても、施設等の業務継続が図られるよう、都の事業と併せて、より効果的なPCR検査の実施に努めてまいります。  私からは以上です。 ○副議長(島田敏光議員) 都市整備部長。       〔都市整備部長(有坂幹朗)登壇〕 ◎都市整備部長(有坂幹朗) 私からは、外環道に関する一連の御質問にお答えいたします。  最初に、外環道の事業費の増大や、9月3日に開催されました第2回事業評価監視委員会に関するお尋ねですが、事業費の増大につきましては、国などの事業者から、中央ジャンクションにおける地中拡幅部の断面形状や工法の変更、大泉、中央各ジャンクションにおける地質調査結果に伴うジャンクション構造やトンネル構造の変更、東名ジャンクションにおける本線シールドトンネルの掘進方法やヤード構造の変更などにより、約7,600億円の増額となったと聞いております。  区といたしましては、外環道は、東京から放射状に延びる高速道路を結び、都心に流入する通過交通を分散させて交通渋滞を解消する効果や、災害時の緊急輸送や救援・復興活動に大きな役割を果たすことが期待されるなど、必要な道路と考えておりますが、昨今のコロナ禍の折に多額の予算を投入することに対しましては、今まで以上に外環道事業の効果など、国などの事業者はより丁寧な説明が重要と考えております。  また、第2回事業評価監視委員会におきましては、開通の見通し、3環状全体のネットワークの整備効果や厳格なコスト管理などの意見が出され、そして、早期の完成と供用、事業進捗について定期的に関係自治体と共有することや、事業の分かりやすい情報発信を行うなどの附帯意見をもって、事業継続として了承されたと聞いております。  次に、費用便益比と外環道事業の必要性に関するお尋ねですが、事業評価は、事業をめぐる社会情勢等の変化や事業の投資効果、進捗状況など複数の視点から評価されるものであり、費用便益比はその1つであると聞いております。  昨今のコロナ対策で、費用対効果がない外環道建設をやめるべきとの御指摘でございますが、先ほども御答弁したとおり、外環道は、首都圏3環状道路を形成して、首都圏の都心方向に集中する交通を適切に分散導入するとともに、交通渋滞の解消、沿道環境の改善等を図る上で必要な道路と認識しております。  次に、外環道の開通時期に関するお尋ねですが、現時点で見通すことは困難であると聞いております。引き続き、国などの事業者において専門家の意見を伺いつつ、最新の技術力を結集し、施工中の安全性と確実性を確保した上で、コスト及び工期縮減の観点も含めて検討していくと聞いております。  次に、外環道に関する説明会の開催に関するお尋ねですが、東名ジャンクション及び中央ジャンクション付近での説明会の参加状況は、それぞれ約50名が参加と聞いております。また、杉並区におきましては、余裕のある説明会の開催を求めてまいります。  説明会における丁寧な対応を求めることにつきましても、区といたしましては、国などの事業者に対し、今後とも真摯かつ丁寧に情報提供や説明を行い、また、地域住民の方からの質問に対しても適切に回答することを強く求めてまいります。  次に、避難通路に関するお尋ねですが、国からは、現在検討中であると聞いております。議員御指摘の床版下方式については、その概要などにつきましては、いまだ知らされておりません。引き続き国などの事業者に情報提供を求めてまいります。  次に、新横浜トンネル工事の陥没事故についてのお尋ねですが、神奈川東部方面線新横浜トンネルに係る地盤変状検討委員会によりますと、加圧泥水シールド工法によるトンネル掘削において、土砂を過剰に取り込み、空隙が形成されたことが原因と推定されております。加圧の泥水、水を注入しながら泥を軟らかくして、土砂を過剰に取り込み過ぎてしまった、そういったことだそうです。  外環のシールド工事は泥土圧シールド工法であり、新横浜トンネル工事の加圧泥水シールド工法とはシールド工法が異なると認識しておりますが、それでも土砂を取り過ぎてしまうこともあるのかなといったところも懸念されますので、新横浜トンネル工事の事象が外環の緊急時避難計画の緊急時の定義変更となるか、国などの事業者に引き続き説明を求めてまいります。  地盤変位につきましては、シールドトンネル工事による地表面への影響を確認することを目的として、掘進前後の地表面傾斜角を用いて確認しているところであり、掘進に伴う周辺環境に影響を及ぼすような地盤変位の有無について、有識者に確認した上でお知らせしていくと聞いております。  今後も外環道工事に関しましては、安全の確保を第一とし、住民の不安を解消するため、丁寧な対応を行うよう国などの事業者に求めてまいります。  次に、野川における漏気に関するお尋ねですが、シールドマシンから離れた位置において確認された漏気は極めて微量であり、シールド工事による影響であるか、また自然現象であるかの原因の特定は難しく、漏気状況のモニタリングを継続していくと聞いております。  次に、地下室などの漏気につきましては、漏出した空気は大気と比して微量であり、水質調査や井戸、地下室での酸素濃度調査等の結果、環境基準等を満足していることから、周辺環境へ影響を及ぼすものではないと聞いております。引き続き安心確保のため、周辺住民からの情報提供等により井戸や地下室の情報収集に努め、モニタリングを行っていくと聞いております。  最後に、大深度法に関するお尋ねですが、大深度法が原則として地権者に対する事前の損失補償を不要としているのは、大深度地下が、地権者による通常の利用に供されることが想定されない空間であることから、使用の認可により地権者の私権行使が制限されても損失を生じることが通常ないと見込まれるためであり、御指摘の点は当たらないと聞いております。区といたしましては、引き続き、大深度法の適用、法令解釈について詳しい説明を求めてまいります。  いずれにいたしましても、外環道工事に関しましては、安全の確保を第一とし、住民の不安を解消するよう丁寧な対応を行うなど、国などの事業者に強く求めてまいります。  私からは以上です。 ○副議長(島田敏光議員) 36番けしば誠一議員。       〔36番(けしば誠一議員)登壇〕 ◆36番(けしば誠一議員) 何点か再質問いたします。  まず第1に、新型コロナ対策ですが、これまでの答弁で、PCR検査の実績、また現状で重症者ゼロ、自宅待機者ゼロなど、これまでの取組の効果が確認できました。1点再質問します。  区は、PCR検査のエッセンシャルワーカーなどへの拡大には、検査をしても翌日感染することもあり、費用対効果とか、それから、今日は検査体制の逼迫などを理由に、消極的姿勢を示しています。私が求めたエッセンシャルワーカーへのPCR検査の拡大の目的は、無症状の感染者をあぶり出し、感染拡大を防ぐ必要な方策で、中国、韓国、ニューヨーク市などで感染を抑えた実績が確認されています。東京都が今回の補正予算で、介護施設などから検査を始めるとされており、今後さらに拡大する方向になるでしょう。区がそれに対応できるよう準備を求めますが、いかがでしょうか。  次に、外環道について、3点再質問させていただきます。  まず第1に、今回、事業費が1.8倍に膨れ上がり、費用便益比が1.01に低下したことで、外環道の必要性はなくなったのではないかと私が質問したことに、区は、これまでどおり必要な道路と認識しているとの答えでした。首都圏の道路交通の骨格として、3環状9放射のネットワークが計画されたのは1963年。都心に用のない車が都心環状線に集中し、慢性的な渋滞を発生していたことは確かです。しかし、その後、中央環状、圏央道が完成し交通量も減ったことで、環境は大きく変わりました。しかも首都圏の人口が予想より早く減少し始め、一極集中の状況も変わり始めました。外環の完成が10年先に延びても、その後の見通しや事業費の増大の幅もつかめない状況です。しかもコロナ禍で財政は逼迫し、これまでどおり公共事業に多額の予算を投入できるかどうか、検討しなければなりません。改めて、必要性があるのかどうか、納得できる理由を示すよう見直すことが行政の責任ではないのでしょうか。その点、お答え願います。  2つ目に、外環シールド工事に伴い、800メートル上流の神代団地で発生した漏気が外環工事によるものか、自然現象によるものか、調査中ですが、因果関係が確かに判明したわけではありません。しかし、問題なのは、この間、質問でも指摘したように、事業者が、住民が測定した事実を認めず、住民のように丁寧な調査をしていないことです。これで因果関係が分からないと言われても、住民は納得できません。国は、住民の調査結果やそれに対する不安に真摯に向き合い、再調査を行って、安心できる対策を講ずるべきではないのか。その点、区の考えを求めます。  最後に、大深度法の適用を見直すことの質問に、大深度の工事においては、住民の損失が見込まれないことを前提にしているとの答弁でした。実際にこの間、漏気や出水、騒音、振動が生じ、住民の暮らしが脅かされている事実です。家屋への被害のおそれも生じています。求められている大深度法の適用を見直すことが難しいというなら、大深度でのシールド工事によって起こった被害に対する補償に住民が安心できる対策を示すべきだと考えますが、この点、区の見解を求めて、再質問とします。 ○副議長(島田敏光議員) 理事者の答弁を求めます。  保健福祉部長。       〔保健福祉部長(齊藤俊朗)登壇〕 ◎保健福祉部長(齊藤俊朗) PCR検査につきましては、エッセンシャルワーカーをすることによりまして他の国でも実績があるということから、そちらの検討をという再度の御質問にお答えさせていただきます。  確かに、スクリーニング検査をすることによりまして、感染している方をあぶり出すということはできると思います。ただ、昨日もお話しさせていただいておりますけれども、今区内で働いている福祉関係の職員の方、2万人を超える状況の中で、仮に6月の東京都の抗体保持率0.1%となりますと、2万人に対して20人。しかもそれは過去に感染した可能性がある人で、実際に感染力を持った方というのはかなり低い状況になっております。そうした中ではかなり実効性の低いものと考えております。それよりは、先ほど区長も御答弁させていただいておりますが、採取するまでの時間、検査するまでの時間、また判明するまでの時間を短くして、それをいかに短くするか、そして陽性者が判明した場合速やかに対応していく、そういうことが必要だと思っております。  現在、区と医師会や基幹病院等で、夜に医療崩壊防止連絡会というのを定期的に設けておりますけれども、実際に病院の方から、最近、民間の自主検査というのが増えていて、日にちがちょっと延びているというようなお話も伺っております。そうしたことを考えますと、現状の中では、区としましては、まずは速やかに検査できる体制、そうしたことから、生活衛生課の分室のほうにすぐに判明できる機械を設置したり、そちらのほうに注力をしているものでございます。  ただ、昨日もお話しさせていただきましたけれども、検査の手法は様々出てきております。また、検査の体制も物すごく拡充する可能性もあります。そういうことを見ながら今後は検討していきたいと思っておりますので、現時点では、そちらの対応につきましては様子を見させていただいているということでございます。  私からは以上です。 ○副議長(島田敏光議員) 都市整備部長。       〔都市整備部長(有坂幹朗)登壇〕 ◎都市整備部長(有坂幹朗) 私からは、けしば議員からの再度の御質問にお答えいたします。  コロナ禍など社会状況の変化がある中で、外環道事業の見直しについてのお尋ねでございます。  先ほどの答弁の繰り返しになりますけれども、東京外環につきましては、都心に流入する通過交通を分散させることによる交通渋滞の解消、災害時の緊急輸送や救援・復興活動など、多様な役割を担っている道路と認識してございます。区といたしましては、社会状況の変化がある中でこそ、外環道の効果、必要性について、しっかりと国など事業者のほうで説明をしていただきたいというふうに考えてございます。それを強く求めてまいります。  次に、神代団地前の野川の御質問がございました。
     外環道の整備に当たりましては、国などの事業者が必要な情報を開示しながら、様々な課題に責任を持って対処すべきものと認識しております。引き続き、住民が安心できる真摯かつ丁寧な説明を行うよう国などの事業者に求めてまいります。  私からの最後に、大深度地下工事における影響、被害が起きたときの補償に関するお尋ねでございます。  まずは、そういったことが起きないことに最大限努力をしていただき、その上で万が一、建物や工作物に損害等が発生し、工事に起因するものと確認された場合には、損害等に対して、その原状回復に要する費用を負担するなど、適切に対応すると認識しておりますが、区としましては、住民の安心・安全が第一と認識しておりますので、引き続き国などの事業者に対し、場面、状況に応じて真摯かつ丁寧な説明を強く求めてまいります。  私からは以上です。 ○副議長(島田敏光議員) 以上でけしば誠一議員の一般質問を終わります。  37番新城せつこ議員。       〔37番(新城せつこ議員)登壇〕 ◆37番(新城せつこ議員) いのち・平和クラブの新城せつこです。通告に基づき一般質問を行います。  まずは、マイナンバーカードについてです。  特別定額給付金のオンライン申請について確認をします。  新型コロナ感染状況下でステイホームが呼びかけられた中、1人10万円の特別定額給付金の申請で全国の市町村の窓口が大混雑となった状況について、我が会派は6月の一般質問で確認をしました。  その原因は、政府がマイナンバーカードを普及させるために、短期間で無理にオンライン申請を始めたことでした。オンライン申請に必要なマイナンバーカードのICチップに内蔵されている電子証明書を利用しようとした際にトラブルが起きたのです。これは、マイナンバーカードや電子証明書を管理する地方公共団体情報システム機構、J−LISのシステムトラブルで、暗証番号の解除や設定などの増加に対応できず、度々システムが止まったのでした。5月12日にJ−LISは、マイナンバーカードの電子証明書関係手続の混雑と処理の遅延についてのおわびを発表するに至っています。  こうしたJ−LISのシステムトラブルは今回だけではなく、2016年のマイナンバーカード交付開始時に、申請しても半年以上マイナンバーカードを受け取れないという事態が起こり、また2019年11月には、電子証明書の更新受付が始まった際も、更新ができないシステム障害が各地で発生しました。新しいことを行うたびにトラブルを起こす機関がマイナンバーカードを管理しているというのが実情であり、今後も危ぶまれます。  区もいち早くオンライン申請を中止し、8月24日で特定給付金の申請が終了しました。  まず、特定給付金のオンライン申請での給付金申請及び郵送申請のそれぞれの件数と支給額はどのようになっているのか、お示しください。  未申請の数はどのくらいだったのでしょうか。また、希望しないとの意思表示があったのはどのくらいだったのでしょうか。  申請支援の対策として、高齢者や障害者を対象に、行政書士会の協力による相談も実施をしましたが、その実績はどうだったのでしょうか。  未申請には様々な理由が考えられます。未申請がある中では、期間をさらに延長することも必要だと考えますが、いかがでしょうか。  特定給付金をきっかけにしたマイナンバーカード申請件数を確認します。また、マイナンバーカードには有効期限があり、更新もあったと思いますが、その件数もお示しください。  オンライン申請は区の業務の効率化につながったのか、改めてお聞きします。  オンライン申請については、100を超える自治体が6月の段階で中止、停止したことが分かりました。自治体職員に負担を強い、電子証明書の管理に不備のある申請について、国は今後しっかりと総括を行うべきと考えます。  7月8日に石川県能登町で、マイナンバーカードを使い、同姓同名を利用した特定給付金のなりすまし事件が起こり、同様の事態が北海道でも起きていたことが分かりました。この事態に対する認識と、これを受けて杉並区としてはどのような対策を講じたのか、確認をしておきます。  マイナンバーカードと保険証の一体化についてお聞きします。  来年3月には、マイナンバーカードの健康保険証利用が開始されます。既に実施までに半年を切る状況の中で、これに対応するための準備とスケジュールはどのようになっているのでしょうか。  マイナンバーカードの保険証利用では、医療機関の対応が必要となります。8月7日には、厚労省は、医療機関に対して顔認証つきカードリーダーの申込み受付を開始し、マイナポータルを使った健康保険証利用の事前登録のPRも始めました。オンライン申請の失敗の反省もなく、ただマイナンバーカードを拡大するためのあの手この手の手法にはあきれるばかりです。  1人当たり上限5,000円分のポイントがもらえるというマイナポイントが始まった中で、区内でのマイナンバーカードの直近の発行数はどのようになっているでしょうか。コロナ禍で自治体の税収が激減するとも言われる中で、カードの保険証利用の準備は二重三重の負担となるとも言われ、気になるところです。  健康保険証利用は、医療機関等を受診するときに、窓口に健康保険証(被保険者証)の代わりにマイナンバーカードを示せば保険資格確認ができるというオンライン資格確認の制度です。来年3月に運用を開始する予定ですが、一方で、マイナンバーカードがなくても、従来どおり健康保険証でも受診できることになっています。  2年ごとに保険証は切り替わりますが、自治体はマイナンバーカード取得者にも保険証を送付するのでしょうか。仮にマイナンバーカードを健康保険証として利用する場合には、具体的にはどのような手続が必要となるのでしょうか、確認をします。  マイナンバーカードを利用する場合には、区民は事前にマイナポータルを使って初期設定を行い、受診の際に、医療機関が保険資格情報等を社会保険診療報酬支払基金と国民健康保険中央会が共同で管理するオンライン資格確認等システムに問い合わせるという仕組みです。オンライン資格確認等システムへの問合せには、マイナンバーカードに内蔵されている公的個人認証サービスの電子証明書を使います。  この電子証明書の有効期間は5年間で、カード交付期間の2016年1月から今年が5年目となりました。そのために、特定給付金では、オンライン申請しようとしても、期限切れに気づいたり、住所、氏名、性別の変更で無効になっているなど、更新手続でも市町村の窓口に押し寄せたと聞いています。マイナンバーカードの保険証利用は、利用者が初期設定を忘れても医療機関でできるとされていますが、無効になった電子証明書は、区市町村の窓口でしか手続はできません。  国は2023年度中におおむね全ての医療機関等での導入を目指していますが、医療機関は導入しなくてもよいことにもなっています。医療機関が導入していなければ、マイナンバーカードを持っていっても使えません。国からはどのような説明が行われているのか、また、医療機関にはどのような形で整備が行われるのか、区内の医療機関の状況はどうなのかを確認します。  マイナンバーカードの健康保険証利用は、利用者の使いやすさや便利さではなく、まずカードを拡大する意図が先行しています。しかも国は、1台10万円する顔認証つきカードリーダーを医療機関と薬局に無償提供し、その端末費用も、上限を決め補助するとしています。このため、オンライン資格確認と電子カルテの普及のための基金をつくり、2019年度300億円、2020年度768億円の予算を組み、その財源を消費としています。消費増税を社会保障向上のためとしながら、カード普及のために使うなど許されません。コロナ禍で自治体や医療機関の財政難、人々の生活の厳しさが一層心配される中で、国は、費用対効果が判明しないままの保険証利用は見送るべきと考えます。  新型コロナ感染症と介護事業所について確認をします。コロナ禍の通所介護についてです。  新型コロナウイルス感染症状況下で、介護施設の中で最も影響を受けているのが通所介護サービスと言われています。全国介護事業者連盟が1,800余りの介護サービス事業所に行った調査では、デイサービス事業所の90%余りが影響を受けていると回答しています。  3月に名古屋市で通所介護事業所のクラスターが発生し、利用者や家族、職員など60人が感染し、死亡者まで出た事態の中で、感染拡大の早期から緊張が及んだと言われています。  今年1月と4月を比較した場合の、区内の通所介護事業所の減収状況はどのようになっているのでしょうか。5月の緊急事態宣言解除からサービス再開で利用者が増え始めた中で、また7月には感染が拡大し、気になるところです。  コロナ対策では、各施設で様々な工夫を凝らした取組が行われていると考えますが、感染症対策に関して、事業者からは区にどのような要請がされているのでしょうか。国や都、区の支援なども確認をしておきます。  コロナ禍で厳しく影響を受けている介護事業所に対する国や都による支援策には、補助金、慰労金、基準緩和などがあるとも聞きますが、内容はどのようなものかを確認します。  今最も影響がある通所施設は、利用者の身体機能の維持や改善において重要です。その必要性について区の認識を確認します。  6月1日、厚労省は、通所系サービスの介護報酬を上位区分の報酬で算定できるとした通知を出しています。厚労省はどのような審議を経てこれを決定したのでしょうか。区は承知しているでしょうか。また、区への通知はいつあったのでしょうか。  この通知では、事業所に通えない利用者に職員が電話で安否確認を行った場合に、最短時間の報酬区分、2時間以上3時間未満の介護報酬を算定することができるということや、また、コロナ禍で打撃を受けている事業所が、本来算定すべき基本報酬の2区分上の報酬を月に最大4回算定できるようにするとなっています。  この特例について、区は事業者への周知はどのようにしたのでしょうか。区民利用者にはどのように説明をしたのでしょうか。  この特例措置に対して、区民からはどのような声が寄せられているのでしょうか。事業者からの問合せ状況も確認をしておきます。  この特例措置は、全て利用者の利用料に反映することにもなっています。利用もしていないのに利用料を請求されたり、2区分上の利用料が請求されるのは納得が得られません。事業者や利用者に混乱を招くことにもなっているとの声があります。8月の朝日新聞の「声」の欄には、通所をしていない家族から、事業所から負担を求められ、断ると通所できなくなる不安があり、断ることができなかったというものや、一方、事業者の側では、利用もしていない方に負担を求めることはできないとの声も寄せられています。既に国に対して事業所などから要請も行われていますが、区は把握しているでしょうか。  厚労省は、特例措置の報酬算定に当たっては、利用者の同意が必要だとしています。同意については、署名捺印つきの書面による、同意確認するかどうかは保険者の判断だとしていますが、区ではどのようにしたのでしょうか。同意が得られなければ、同じサービス利用者に対して不公平になる事態が出ますが、いかがでしょうか。  国は僅かな金額だとしていますが、回数や区分によっては数千円の額にもなります。新聞の「声」の欄にあるように、通所できなくなるから断れないと、圧力として受け止められてしまいます。サービスを利用していないのに請求され、2区分上の請求が行われているということは、この法を脱法しています。  現在、利用料は、一定の所得がある方に対し、2割、3割の負担が実施をされています。今回のコロナ禍に乗じて、国が求めている利用料、原則2割負担の布石とならないよう願うものです。  新型コロナウイルス感染拡大の第2波の状況にもあると言われ、今後も第3波が懸念される中、せめて特例措置の利用者負担を国費で補償するよう国に求めていただきたいが、見解を求めておきます。  生活保護についてです。  まずは、生活保護の職員の対応についてです。  2018年度から生活保護費が段階的に引き下げられ、今年が最終年度となりました。影響があった独り親家庭、高齢者単身などの対象ではどのような変化となったのかを確認しておきます。  9月2日、厚労省は、6月の生活保護申請が1万7,190件だったと発表しました。新型コロナ拡大に伴う申請では、4月が急増したのに比較して、5、6月は連続して減少し、前年度と比べても減少していると報道されています。6月の利用者数は205万5,531人、前年度比1.0%の減、利用世帯数はほぼ横ばいとのことです。区ではどのような状況となっているのか、その理由をどのように分析しているのかを確認します。  一方で、生活保護の申請受付や相談に応じる自治体の窓口で不適切な対応が相次いでいるとして、生活困窮者を支援する団体が、23区の各福祉事務所に対して改善を求める文書を提出したと報道されています。杉並区には届いているのでしょうか、確認をします。  30団体が参加する新型コロナ災害緊急アクションは、私も支援をする議員の1人ですが、当事者を傷つけるような職員の対応があることを指摘しています。この間、私が同行したケースでも、不適切な対応だと感じるものがありました。相談には、当事者と支援団体の方と私が同席をしました。区のある福祉事務所では、団体が管理する福祉施設に既に入居しているという事実を訴え、生活保護申請の意思を伝えました。しかしながら、一旦施設に入所する必要性を教えられ、生活保護を申請したいと告げても、定額給付金が受け取れるのではないかと諭すなど、違和感を覚えました。この日、区の別の福祉事務所にも行きましたが、当事者の意思と現状を確認し、同日申請ができることもありました。  この対応の違いは何か。相談員の姿勢によるのか、福祉事務所の姿勢によるものなのか。同じ制度でありながら疑問でなりません。同行した私が感じたということは、当事者であれば一層強く感じたことでしょう。このようなことは絶対にあってはならないと思いますが、区の見解を求めておきます。  福祉事務所の相談員、ケースワーカーの研修はどのようになっているのでしょうか。新規採用職員や現業員の研修は、コロナ禍でどのようにされているのか。職員には当時者に寄り添う姿勢が一層求められますが、改めて区の見解を確認します。  生活保護のケースワーカーの民間委託についてです。  ケースワーク業務の民間委託方針が昨年12月に閣議決定されました。その内容は、1、現行法で委託が可能な業務については2020年度中に措置をする、2、委託困難な業務は、委託を可能にすることを検討し、21年度中に結論を得るというものです。地方自治体からの要望を踏まえた対応だともされていますが、現場からそのような要望を出しているのでしょうか。区長会や市長会などから要求したことはあるのか、確認をします。  ケースワーク業務の訪問調査は、生活保護法では、利用者の家庭を訪問して、面接、相談を行い、支援をすることとなります。これは、福祉事務所長の指揮監督を受けるよう定められています。本来、保護の決定、実施のために必要な訪問調査を民間委託で代わりに行わせることは、違法、脱法になるおそれがあると思いますが、見解を求めます。  生活保護の増大に、ケースワーカーの保護世帯担当数は80世帯とされながら、どこも100世帯を超えている実態があります。委託化はケースワーカーの負担軽減のためとも言われていますが、委託化が進めば、常勤ケースワーカーの数は減らされ、管理、事務作業が増え、結果としてケースワーク業務が手薄になるおそれがあります。自治体からは安易な委託化をやめるよう求めてほしいが、いかがでしょうか、お答えください。 ○副議長(島田敏光議員) 理事者の答弁は休憩後とし、ここで午後1時まで休憩いたします。                               午前11時49分休憩                                   午後1時開議 ○議長(井口かづ子議員) 休憩前に引き続き会議を開きます。  新城せつこ議員の一般質問に対する理事者の答弁を求めます。  区民生活部長。       〔区民生活部長(徳嵩淳一)登壇〕 ◎区民生活部長(徳嵩淳一) 私からは、特別定額給付金とマイナンバーカードに関する一連の御質問にお答えします。  まず、特別定額給付金の8月31日現在における申請、給付実績は、オンライン申請では、全ての申請世帯となる1万7,995世帯に対し36億3,700万円を給付、また郵送申請では、申請された30万7,236世帯の99.2%となる30万4,866世帯に対し534億4,320万円を給付しております。また、未申請となっておりますのは3,824世帯で、給付を希望しないとしたのは239名でございます。  なお、本区における8月24日という申請期限につきましては、郵送申請の受付開始日から3か月以内とする国の方針を踏まえて設定したものであり、必要な周知を図ってきたことからも、延長する考えはございません。  次に、6月8日から11日までの4日間に、行政書士会杉並支部の御協力により開設した臨時相談窓口には、障害者や高齢者の方々を含め、延べ92名の方々が御利用され、円滑な申請につなげることができたのではないかと考えてございます。  次に、この間のマイナンバーカードの申請、更新件数でありますが、特別定額給付金に係る閣議決定がされた4月20日から8月31日までで、新規申請は3万4,261件、更新申請は405件でした。  なお、8月31日現在の交付数は、前年同時期の11万9,339枚と比べて27%増となる15万1,119枚となってございます。  次に、オンライン申請は当区の業務効率化につながったのかとのお尋ねですが、オンライン申請では、申請者が入力した情報と住民基本台帳の情報との照合に加えまして、郵送申請との重複による二重給付を防止するための確認も必要となりますので、非効率な側面があることは否めないと認識しております。このため、本区では5月31日をもってオンライン申請を終了し、以降は郵送申請に一本化して、より迅速な給付を図ることとしたものです。  私からの最後に、議員から御指摘ありました特別定額給付金に係る詐欺事件につきまして、本区としては、当初から厳重な申請内容の審査を行っておりましたが、この報道に触れ、改めて審査手順等の徹底を図ったということでございます。  私からは以上です。 ○議長(井口かづ子議員) 保健福祉部長。       〔保健福祉部長(齊藤俊朗)登壇〕 ◎保健福祉部長(齊藤俊朗) 私からは、健康保険証に関する一連の御質問にお答えします。  まず、マイナンバーカードの健康保険証の利用開始に係る今後の取組のスケジュールについてのお尋ねにお答えします。  区をはじめ医療保険者は、オンライン資格確認のため、被保険者番号の個人単位化とオンライン資格確認データの初期登録を、また保険医療機関、薬局は、顔認証つきカードリーダーの設置やシステム改修を利用開始までに行う必要があります。そのため、区では、1月の新たな住民情報系システムの稼働を待って必要な準備を行い、3月の健康保険証利用の運用開始に備えることとしてございます。  次に、健康保険証の交付についてのお尋ねにお答えします。  被保険者証につきましては、国民健康保険法施行規則第6条により、世帯主に対し、様式第一号による被保険者証を交付しなければならないとされております。区では、これに基づき、今後も2年ごとの更新時には、全ての世帯主に対して被保険者証を交付してまいります。  次に、マイナンバーカードを健康保険証として利用する際の手続についてのお尋ねにお答えします。  マイナンバーカードの健康保険証利用については、まず、マイナンバーカードに搭載されているICカードに利用者証明用電子証明書を記録いただきます。その上で、パソコンやスマートフォンを利用してマイナポータルの利用者登録を行うことにより、健康保険証として利用することとなっております。  次に、マイナンバーカードの健康保険証利用導入に係るお尋ねにお答えします。  マイナンバーカードの健康保険証利用につきましては、令和元年5月に国による医療保険者向けの説明会が開催され、オンライン資格確認の概要をはじめ、導入に伴う運用面の変更点やシステム改修についての説明が行われたところです。  次に、医療機関及び薬局に対する整備につきましては、国は、顔認証つきカードリーダーの無償提供を行うとともに、システム改修等の初期導入経費についても、医療情報化支援基金による補助金を活用して行うこととしております。  なお、区内の医療機関の状況についてですが、まだ機器等の具体的な設置はこれからというところが多いと聞いてございます。  次に、生活保護に関する一連のお尋ねにお答えします。  まずは、高齢者単身世帯などの変化についてでございますが、生活扶助や加算等を合計した減額の幅を5%以内にとどめるよう国が調整した結果、減額の影響が最も大きいとされておりました多人数世帯、また都市部の単身高齢者におきましても、平成30年4月1日時点と比較し、5%以内の減額幅に抑えられております。  次に、新型コロナ拡大に伴う生活保護の申請状況ですが、区におきましては、前年度に比較して、4月、5月、6月とも減少いたしましたが、これは緊急小口資金などの様々な支援策の提供や特別定額給付金の支給により、当面の生活が維持された結果ではないかと分析しております。  また、福祉事務所に対する生活保護の申請受付や相談の不適切な対応を改善するよう求める文書については、杉並区には届いておりません。  次に、生活保護申請の相談時の対応に係るお尋ねにお答えします。  区といたしましても、福祉事務所によって対応が異なることはあってはならないものであると認識しております。そのため、相談員やケースワーカー、特に新規採用者に対しましては、年度当初に生活保護制度の概要や実務に関する研修を実施しているほか、日常的に査察指導員が個々の対応の在り方について職員とともに振り返りを行うなど、きめ細かな指導に努めているところでございます。  今年のコロナ禍におきましても、3密状況を避けながら、少人数編成で複数回にわたる講習を行ってまいりました。これからも個々の相談者の気持ちに寄り添いながら、相手の人格を尊重しつつ、適切な支援を行っていくことができる職員の育成に向け、より一層指導に努めてまいります。  私からの最後となりますが、ケースワーク業務の民間委託に係る一連の御質問にお答えします。  議員御指摘のとおり、ケースワーカーの保護世帯の担当数は80世帯を超える状況となっておりますが、現場の職員からは、ケースワーク業務について、積極的に民間委託を望む声は聞こえておらず、また、区長会から国への要求も行っておりません。  訪問調査による生活実態の把握は、ケースワーカーにとって、保護の決定や今後の援助方針を定めるための重要な業務であることから、民間委託にはなじまないものと考えており、現状においては、訪問調査を委託化する予定はございません。  私からは以上です。
    ○議長(井口かづ子議員) 高齢者担当部長。       〔高齢者担当部長(野田幸裕)登壇〕 ◎高齢者担当部長(野田幸裕) 私からは、まず、区内通所介護事業所の減収状況と、感染症対策に係る事業者要望とその支援策等に関する御質問にお答えします。  まず、通所介護事業所の減収状況についてですが、通所介護サービスを提供する事業所は、区内に140事業所あります。今年1月と4月の通所介護サービスの収益を比較すると、121事業所で通所介護サービスの減収がありました。  次に、感染症対策についての事業者からの要望ですが、特にマスク等の衛生用品の配布を望む声が多くありました。これまでに東京都からの配布分を含め、50万枚を超えるマスクを事業所へ配布しており、今後はエプロンや手袋、ゴーグルも配布を予定しています。  これまでの国や都の支援策としましては、人員基準の臨時的な取扱いにより柔軟なサービス提供を認めることや、通常では想定されない感染防止のための経費等への補助、介護職員への慰労金の支給などがあります。  次に、通所介護の必要性に関するお尋ねにお答えします。  通所介護は、食事や入浴などの日常生活上の支援や、生活機能向上のための機能訓練などのサービスを提供しており、高齢者同士の交流もあることから、自宅に籠もりきりの利用者の孤立感の解消や心身機能の維持改善に重要な役割を果たすサービスであると認識しております。  次に、6月1日付、国の「新型コロナウイルス感染症に係る介護サービス事業所の人員基準等の臨時的な取扱いについて(第12報)」に関する一連の御質問にお答えします。  この通知にある特例措置について、国においてどのような審議を経たのかについては承知しておりませんが、通知日は6月1日でございます。この特例措置に関しては、利用者団体から国に対して、特例措置を撤回し、介護事業所の減収や感染対策に係る経費について公費を補填するよう要請があったことや、国の社会保障審議会介護給付費分科会において同様の意見が出されたことは承知しております。  区は、公式ホームページを通じて、特例措置の事業者への周知を図るとともに、留意事項や具体的取扱いについて、別途事業者宛てに通知を出しております。その通知では、利用者へ特例措置の自己負担額について説明し、同意を書面で得ることを事業者にお願いしています。  この特例措置に関しては、事業者から算定方法の確認など具体的な内容についての問合せが多く寄せられ、区民からは、同意しないといけないのか、同意しないことで不利益な扱いを受けるのではないかなどの問合せが数件ほどございました。  最後に、特例措置の利用者負担を国費で補償するよう国に求めることに関しては、国の動向を注視しつつ、必要に応じて対応してまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○議長(井口かづ子議員) 37番新城せつこ議員。       〔37番(新城せつこ議員)登壇〕 ◆37番(新城せつこ議員) 答弁をありがとうございました。私から何点か質問をさせていただきます。  まずは、マイナンバーカードについてなんですが、交付枚数が非常に増えている状況が分かりました。ただ、先ほどの担当部長の答弁にもありましたように、今回のオンライン申請では、マイナンバーカードは完全に非効率な状況だったということも分かりました。これまでの窓口の混雑、それから職員への負担は相当なものだったというふうに伺っています。今回の給付金の申請の状況からも、電子証明書の不備から、カードの拡大については、ぜひ慎重に行っていただきたいというふうに思います。  区のホームページを見ていますと、出張申請の受付もあります。要請があって団地に訪問するということも、これまで伺ってまいりました。ただ、人によっては、団地や自治会などの人のお付き合いでやる方も少なくないという現状も知っています。そういう場合でも、任意であることをしっかりと確認をしていただきたい、その点について確認をします。  それから、健康保険証の利用についてなんですが、区内の医療機関の状況は今後ということでの答弁だったかと思います。医療機関では、この通知は情報としては知っているけれども、まだまだそこには着手できない現状があるという声も直接伺っています。マイナンバーカードを作ってもなかなか利用できないという事情をちゃんと区民に周知することも私は必要だというふうに思います。急いで作ることがないように、そして医療機関の整備状況はこうであるということも、ぜひ区民への周知として行っていただきたい。その対策について確認をさせていただきます。  最後に、ケースワーカーの民間委託についてです。区の答弁を聞きまして、本当に安心をしました。ただ、国は、実際に自治体の意見を踏まえて、これをどうするかということを今後検討するというふうに言っていますので、訪問調査については、生活保護の根幹をなすので、民間委託はそぐわないという意見をぜひ上げていただきたいというふうに思います。これは要望として引き取っていただきたいと思います。  以上です。 ○議長(井口かづ子議員) 理事者の答弁を求めます。  区民生活部長。       〔区民生活部長(徳嵩淳一)登壇〕 ◎区民生活部長(徳嵩淳一) 私から、マイナンバーカードに係る再度の御質問にお答えします。  これまでも御答弁しておりますとおり、この申請自体が任意であることについては、これまでもそういったことは丁寧に対応してきております。今後ともそうした姿勢で、窓口で丁寧に対応してまいりたい、かように考えてございます。  以上です。 ○議長(井口かづ子議員) 保健福祉部長。       〔保健福祉部長(齊藤俊朗)登壇〕 ◎保健福祉部長(齊藤俊朗) 医療機関に対する、こちらの作成が間に合わないかもしれないですとかそういったことに対する周知に関する再度の御質問にお答えします。  今現在、医師会のほうに確認しましたところ、医療機関への慰労金ですとか、そちらの支出が手いっぱいで、なかなかカードリーダーのほうまで手が回っていないというようなお話は聞いております。3月までには一応間に合わせるというお話ではございますけれども、当然、場合によっては、医療機関、薬局によっては備えられないこともあり得ますので、そういった場合に、行った方が混乱をしないよう、その状況を踏まえながら、きっちり区民の方へ周知するよう工夫しながらやっていきたいと思っております。  私からは以上です。 ○議長(井口かづ子議員) 以上で新城せつこ議員の一般質問を終わります。  8番奥田雅子議員。       〔8番(奥田雅子議員)登壇〕 ◆8番(奥田雅子議員) いのち・平和クラブの一員として、1、災害時の授乳支援について、2、ハラスメントを許さない職場、地域の実現に向けて、一般質問いたします。  まず、災害時の授乳支援について。  乳児の栄養については、母乳育児や人工乳との混合、人工乳のみと、母親の希望や事情、考え方により人それぞれであり、その選択が尊重されることは大事ではありますが、子供を主体として見た場合、栄養の確保、免疫力の獲得、情緒の安定、さらに災害時における状況などの視点からどのような栄養法を選択するのかは、妊娠期から知識として持っておくことが重要だと考えます。  乳幼児栄養については、現在、広い視野から国内外でも一定のガイドラインがつくられており、国際的な基準としては、ミルクのマーケティングについて、WHOが既に1981年に採択した母乳代用品のマーケティングに関する国際規準があります。乳児用ミルクや哺乳瓶の宣伝や販売促進、妊娠中の女性や母親、その家族にむやみやたらと試供品の提供をしてはならないことや、保健医療システムは製品の販売促進に利用されてはならないなど、偏った情報とならないように、製品を宣伝することを規制し、政府や企業、保健医療システムが守る基準として定められています。日本はこのWHOの国際規準に賛成していますが、国内法制化をしていないため、国際規準の内容を正しく理解している人が少なくないと言われています。  一方、災害対策の観点では、国連機関や緊急援助活動に取り組むNGOや専門家から構成されるIFE(災害時の乳幼児栄養)コアグループが2017年に発行した「災害時における乳幼児の栄養 災害救援スタッフと管理者のための活動の手引き」第3版の日本語訳が2019年3月1日に発行されています。このような世界の動きを受けて、日本国内ではNPO法人日本ラクテーション・コンサルタント協会と母と子の育児支援ネットワークが共同で、2019年3月11日に、災害時の乳幼児栄養支援に関して、「国際ガイドラインに沿った防災対策を」という声明を出しています。  そして今年5月に、内閣府男女共同参画局から「災害対応力を強化する女性の視点〜男女共同参画の視点からの防災・復興ガイドライン〜」、以下、内閣府ガイドラインと言います、が発行されました。その中にも、今回取り上げたい、妊産婦や母子に対する目配りや栄養支援によって災害関連死を予防することなどについて明記されています。  このように、この間、災害時における乳幼児の栄養支援に注目が集まっている中で、杉並区ではどのような対策が進められているのか、確認していきたいと思います。  私は先日、乳幼児の栄養の在り方についてのセミナーを受講する機会がありましたが、講師の母と子の育児支援ネットワーク代表の本郷寛子さんによれば、災害時のように極度のストレスがかかると母乳が止まるというのは間違いで、一時的に母乳の出が悪くなることはあっても、吸わせ続けることで再開するようにお母さんの体はできているのだといいます。授乳回数を減らしたり人工乳の量を増やすと、その分、母乳の生産が減ってしまうということです。  母乳に含まれる免疫物質は、災害時に心配な感染症から赤ちゃんを守ってもくれることや、調乳の衛生管理や手間もないため、母乳育児をしている場合はできるだけ継続できるように、その気持ちを尊重し、寄り添い、励ますサポートが必要で、安心して授乳できる環境を用意することがとても重要になってきます。そうすることで、人工乳がどうしても必要な人に継続的に十分な量が行き渡ることにもなります。  杉並区の震災救援所管理標準マニュアルには女性の視点が盛り込まれるようになり、救援所での妊産婦への対応も体制が整ってきたことは、昨年の一般質問でも確認しています。しかしながら、赤ちゃんのいるお母さんの現在の栄養法を聞き取ったり、不安な気持ちを聞いたり、母乳の分泌を増やしたい意思があるのかどうかなどの希望に耳を傾け、お母さんに必要な支援につなげていくこと、そのためのアセスメントを丁寧に行うことの意義が救援所運営連絡会メンバーに十分理解されているかといえば、いまだ不十分だと考えます。  昨年の第1回定例会一般質問でも、災害時における授乳支援について取り上げました。そのときは、日本栄養士会災害支援チームが、災害時の乳児の命を守ることを目的にした「災害時における乳幼児の栄養支援の手引き」を紹介し、区は有益だとの認識を示されましたが、その後、区の施策において、災害時の乳幼児栄養支援について検討がされたのか、救援所では授乳スペースは必須となったか伺います。  また、授乳を支援するという観点から、この間の国内外の動きを参考にしながら、震災救援所運営連絡会メンバーの研修や訓練、マニュアルの見直しなどが必要だと考えますが、乳幼児栄養支援の実現に向けて、区はどのように取り組んでいくのか、見解を伺います。  授乳中のお母さんは、母乳をつくるためには、いつもより1日に350キロカロリー多くエネルギーが必要とされています。母親が元気でいるためには食事が大事です。ビタミンやミネラルの摂取も重要で、妊婦の場合、流早産のリスク、胎児の成長に必要な神経系の発達にも影響が出る場合があり、食品からの摂取が困難な場合は、過剰にならない範囲で栄養機能食品等の利用も必要とあります。災害時の妊産婦の栄養摂取について区はどのように考えているか、確認します。  災害時の乳幼児親子の支援には、助産師との連携が欠かせません。そのため、平時からの地域の助産師との連携がとても重要と考えますが、区ではどのような連携があるのか。また、災害対策の母子支援の検討をする際、助産師や保健師からの情報提供や意見聴取の機会を設けることは可能か伺います。  この間、液体ミルクの活用についても取り上げてきましたが、国内でも生産が可能となり、災害時における活用も前進したと考えます。備蓄の仕方については、今後検討との答弁を得ていました。杉並区では液体ミルクの活用についてどのようにしていくのか、確認します。  また、粉ミルクや液体ミルクの備蓄の消費期限が近づいたものを保育園やパパママ学級などで一律配布することは、WHOの国際基準に照らせば違反となると思います。区はどのような対応をしているのか伺います。  内閣府ガイドラインの第3部、「便利帳」のページには、授乳アセスメントシートやリーフレット、関連情報が紹介されています。液体ミルクの注意点チェックリストや、「災害時の赤ちゃんの栄養」として、ミルク編と母乳編が両面になっているリーフレット、紙コップでの授乳方法や、「どうする?災害時の赤ちゃんの栄養」漫画編など、平時にも災害時にも役立つツールが具体的に紹介されており、積極的に活用をしていくべきと考えます。  また、母と子の育児ネットワークが今年7月に立ち上げた無料の「災害時の乳幼児の栄養・授乳支援 オンライン相談」があります。お母さん向けと支援者向けの2種類があり、赤ちゃんを持つお母さんからのLINEによる相談と、乳幼児の栄養・授乳支援に関するオンライン相談となっています。このような仕組みも積極的に活用していくべきと考えます。  これらについて、子育て中のお母さんの意見を聞くなどして、災害時に必要となるだろう情報や対応について区としてもまとめて、準備が必要ではないか。区では、妊娠中の方、乳幼児がいる家族向けに、「知っておきたい!『災害への備え』」という冊子を作成していますが、今申し上げたツール類を冊子に反映し、1冊に全てが収まっているというものにして普及させてはどうか、区の見解をお聞きします。  新型コロナウイルスという新たな感染症の問題もある中で、震災救援所のみならず、自宅避難なども視野に入れた対策が求められています。弱い立場にある乳幼児親子の支援の在り方について、議論を深めてほしいと考えます。  内閣府のガイドラインの「はじめに」には、「地域防災計画や避難所運営マニュアル等の作成や見直し、庁内の防災・危機管理担当部局と男女共同参画担当部局・福祉部局等との連携、地域の防災リーダーの育成等において、女性の視点からの取組を進め、地域の災害対応力を強化」するようにと記載されています。防災はあらゆる区民の事情に対応していかなくてはならない分野だと思いますが、杉並区では防災分野における庁内横断的な連携をどのようにイメージし取り組んでいくのか、最後に確認し、次のテーマに移ります。  次に、ハラスメントを許さない職場、地域の実現に向けて。  東京・生活者ネットワークでは、これまでもジェンダー問題を政策の柱に据え、学習会や調査活動、政策提言などに取り組んできました。2018年にはジェンダー問題プロジェクトを立ち上げ、東京に暮らす女性たちの置かれた実態調査を行ったことに続き、昨年2019年には、女性が暮らしやすいまち、安全安心プロジェクトを立ち上げ、セクシュアルハラスメント、ドメスティックバイオレンス、性暴力の3つのテーマで調査研究を行いました。学習会や視察、当事者や支援者からの聞き取りなどを重ねた上で調査項目を作成し、防止対策、相談支援、被害者支援、予防教育、研修などの自治体施策の調査を今年2月に行いました。全32問にわたるアンケートに23区25市から回答を得、杉並区も回答を寄せてくださり、感謝申し上げます。  この間、セクハラや性暴力を許さない声は、ミートゥー運動として世界的にも広まり、国内でも、官僚や首長によるセクハラ問題や、性暴力被害に対する司法判断に抗議するフラワーデモなどによって、これまであまり表面化しなかった問題が見えるようになってきました。また、このコロナ禍でのDV被害の増加や子供の虐待との関連など、女性への暴力について、個人の問題から社会の問題へと意識が変わりつつあります。とはいえ、これまでの性差別や慣習としての性別役割分業の問題は根強いものがあり、2019年12月に発表された世界経済フォーラムによる日本のジェンダーギャップ指数は153か国中121位で、前年の110位からさらに下げた結果がその実態を表しています。  今回の調査では、生活者ネットワークが施策に期待する値を100とし、点数化した結果、最高でも54点、平均で33.93点となり、まだまだ課題があると考えます。杉並区は、点数としては7番目の40点、地区ランキングでは11位でした。  調査から見えてきた課題について、今回は主にセクハラと学校におけるDV予防教育に対する取組について質問していきます。  区はこの調査結果をどのように受け止めたか伺います。  自治体のセクハラ対策は、指針をつくり、職員に周知することが求められています。杉並区では、セクハラ等の防止等に関する規程や、具体的なハラスメントの内容を示した取扱基準がありますが、それらを職員全体にどのように浸透させているのか伺います。  職員の相談窓口では、セクハラ被害当事者の立場の視点がなければ相談しやすくはなりません。相談窓口や受付以降の調査、救済のいずれにも、誤ったジェンダー観や、セクハラをコミュニケーションとしか捉えられず、矮小化するような価値観が入らない対応が必要です。客観的判断と同時に、相談しやすい窓口となるよう、ハラスメントについて、人権意識を伴う専門性が求められていると考えますが、区の見解と実際の取組の工夫について確認します。  セクハラ防止の研修について、対象や頻度、内容について伺います。  調査では、大田区、国立市、西東京市が首長などへの研修を行っていることが分かりました。職員を管理監督する立場から職員に向けて行っている研修内容を把握する意味でも、区長も研修に参加されることをぜひ検討していただきたいと思います。  ここ3年間の職場内でのセクハラの相談件数についてお聞きします。  当区は、セクハラについての職員への実態調査を実施していないとの回答でした。一般的に、セクハラの相談ができずに我慢している人が圧倒的に多いという現実がある中で、セクハラのない、働きやすい職場環境づくりのためにも、周辺の人の証言も含めて実態調査が必要だと考えます。相談がないこと、イコール、セクハラがないわけではないため、既に実施している自治体の例などを参考にアンケート調査を行ってはいかがか、区の見解をお聞きします。  雇用主として職員に向けた自治体や国家公務員のセクハラ対策はありますが、全ての人を対象とした禁止規定や救済策の根拠となる法律が日本にはありません。深刻な人権侵害となるセクハラについて自治体が対策していることを区民に示すことは、地域社会の意識を変える意味でも重要なことです。セクハラはいけないこととして、区民に向けた啓発冊子の作成や配布、講座の開催や区民向け相談などが必要と思われますが、区では具体的にどのような施策を行っているか伺います。  今年の6月のパワハラ防止法スタートと合わせて、男女雇用機会均等法のセクハラ防止対策も強化がされました。事業主は、パワハラ対策の義務化とともに、セクハラやマタハラ対策の強化も求められています。中小企業には、2022年4月1日以降の義務化まで猶予期間があるものの、事業者に対して区が働きかけをしているようなことはあるのか、お聞きします。  次に、学校におけるDV予防教育について3点伺います。  区は、デートDV啓発のためのカードやミニリーフレットを作成しています。リーフはコンパクトにまとまっていて、よくできていると思いましたが、このリーフやカードはどのように周知、配布しているのか、お聞きします。  デートDVの出前講座の実施は、特に中学校での開催に期待したいところですが、この間は高校への出前講座がされていると認識しています。講座の内容、受講した生徒の反応はどうだったか、お聞きします。  デートDVはいけないことと生徒の意識の中にきちんと落とし込むことが重要です。今後は教育活動の中にも生かしてほしいが、教育委員会は生徒にどのように浸透していけばよいと考えるか、見解を伺います。  杉並区男女共同参画行動計画の基本理念に、「わたしらしく あなたらしく だれもが共に認め支えあい いきいきと輝けるまち すぎなみ」を掲げ、杉並区男女共同参画都市宣言に込められた理念を集約、発展させ、全ての人が性別にかかわらずひとしく認められ、かけがえのない存在として互いに尊重し合い、自分らしさを発揮して存分に活躍することができる社会づくりを目指すとあります。私も全く同感です。男女平等政策を進めるためには、ジェンダー主流化が重要なポイントだと考えますが、区の見解を最後に確認し、私の一般質問を終わります。 ○議長(井口かづ子議員) 理事者の答弁を求めます。  危機管理室長。       〔危機管理室長(井上純良)登壇〕 ◎危機管理室長(井上純良) 私からは、災害時の授乳支援の御質問のうち、所管事項についてお答えいたします。  まず、「災害時における乳幼児の栄養支援の手引き」に関する検討状況と震災救援所の授乳スペースに関するお尋ねですが、手引の記載事項の中で紹介している液体ミルクにつきまして、9月から備蓄を開始したところでございます。  また、震災救援所の授乳スペースに関しましては、新たに要配慮者テントやワンタッチ式テントの配備を進めるなど、環境を整えたところでございます。  次に、震災救援所での授乳支援に関するお尋ねですが、震災救援所運営標準マニュアルでは、物資等配給時での女性への配慮については記載しておりますが、授乳を支援するとの表記はございませんので、今後、液体ミルクの取扱いや要配慮者テントの設置等と併せてマニュアルの見直しを行います。  また、昨年度、各震災救援所には、要配慮者対策や授乳スペース確保のための施設の区割りを重点項目として依頼しておりますが、見直し後のマニュアルを踏まえた研修や訓練の実施につきましても、震災救援所会長・所長会などで働きかけてまいります。  次に、液体ミルクの配布に関するお尋ねですが、液体ミルクは、温度管理が可能な防災課サーバー室のほか、高井戸災害備蓄倉庫及び井草災害備蓄倉庫に大型の冷蔵庫を設置して備蓄いたしますが、今後、備蓄場所は増やす計画でございます。  配布方法につきましては、液体ミルクを必要とする乳幼児が避難している震災救援所に対して、その震災救援所を管轄する救援隊本隊が備蓄倉庫等から搬送し配布することを想定しております。  次に、備蓄している粉ミルクや液体ミルクの消費期限が近づいたものに関するお尋ねですが、賞味期限が近づいた粉ミルクにつきましては、区内の保育園で有効活用しており、このことがWHOの国際基準違反には当たらないことは確認しております。  また、液体ミルクにつきましては、今後賞味期限が近づいたものが出てまいりますが、納入方法を年5回程度に分けて行うことで、期限の近づく備蓄を常に少量に抑えるとともに、乳児院への寄贈のほか、有効活用策を検討してまいります。  私からの最後に、防災分野における女性の視点での庁内横断的な連携に関するお尋ねにお答えいたします。  防災分野における女性の視点につきましては、防災会議委員への女性の登用を促進したり、地域防災計画や震災救援所運営標準マニュアルへ女性への配慮を記載したりするなど、これまでも震災での課題を踏まえ取り組んでまいりました。  御指摘のとおり、女性の視点につきましては、要配慮者支援などと同様、防災部門だけでの対応は困難であり、男女共同参画部門や福祉部門との連携は必要不可欠なものであると認識しております。そのため、組織横断的な課題に対しましては、関係所管との連携をより一層深め、協議、検討を重ねて取り組んでまいります。  私からは以上でございます。 ○議長(井口かづ子議員) 子ども家庭部長。       〔子ども家庭部長(武井浩司)登壇〕 ◎子ども家庭部長(武井浩司) 私からは、まず、災害時の妊産婦の栄養摂取に関するお尋ねにお答えします。  妊産婦については、妊娠経過に伴う心身の変化に応じた栄養や水分が必要であり、議員の御指摘のとおり、多くのエネルギーのほか、ビタミン、ミネラル等の摂取も重要であると認識してございます。区としましては、妊産婦と乳幼児が災害時要配慮者であり、きめ細やかな配慮が必要であるという考えの下、震災救援所運営標準マニュアルに記載し、その状況やニーズに応じて支援しております。  次に、乳幼児親子の支援における助産師との連携に関するお尋ねにお答えします。  平時には、区が実施している産後ケア事業において、妊産婦と乳幼児へのきめ細やかな支援に御尽力いただいているほか、ゆりかご面接、すこやか赤ちゃん訪問などで、出産に向けての準備や乳幼児の発育発達の相談や授乳指導など、その専門性を生かした支援を連携しながら行っているところでございます。  また、区では現在、妊産婦、乳幼児の避難所について、杉並区災害時要配慮者対策連絡協議会の意見を聞きながら検討を行っております。今後の検討に当たっては、助産師等からの意見聴取の機会を設けることについても考えていきたいというふうに考えてございます。  私からの最後でございますが、乳幼児の栄養、授乳に関する情報提供についてのお尋ねにお答えします。
     災害時に安心して授乳できるようにするためには、妊産婦や乳幼児の心身の状況やニーズに合った栄養支援や、衛生面に十分配慮した環境整備に加えて、平時からの情報提供が重要だと認識しております。そういった観点から、区で作成している「災害への備え」という冊子に、議員から御提案のありました内閣府ガイドラインで示されたリーフレットや乳幼児支援団体のオンライン相談等のアクセス先を掲載して配布するなど、積極的な情報提供に努めていきたいと考えてございます。  私からは以上です。 ○議長(井口かづ子議員) 区民生活部長。       〔区民生活部長(徳嵩淳一)登壇〕 ◎区民生活部長(徳嵩淳一) 私からは、所管事項のうち、初めに、女性の安全安心自治体調査結果に関する御質問に御答弁いたします。  本年6月に公表された調査結果は、事前学習会や視察、ヒアリングなどを経て、都内23区25市の合計48自治体からの回答を様々な角度から分析、評価しているものと存じます。その中で杉並区は総合ランキングで11位ということで、比較的高い評価をいただいたのではないかと受け止めています。その一方で、項目別の調査結果では、セクシュアルハラスメントやDV対策の評価とは異なり、性暴力対策の取組への評価が低いとされておりまして、今後、関係所管とともに詳細な分析等が必要と考えてございます。  次に、区民や事業者に対するセクシュアルハラスメント防止に向けた取組についてのお尋ねがありました。  まず、区民に対する啓発につきましては、国が設定している男女共同参画週間及び女性に対する暴力をなくす運動期間に合わせ、毎年6月と11月に区役所1階ロビーで、関連するパネル展や図書類の紹介などを行っております。また、男女平等推進センターや区の広報、ホームページを通した啓発活動を適宜実施しているところです。  また、事業者への対応としましては、御指摘の男女雇用機会均等法等の改正を見据え、昨年8月に、東京都労働相談情報センターと連携して、区内中小事業者等を対象としたハラスメント対策及び労働時間管理などに関するセミナーを開催したほか、本年度には、産業振興センターの相談窓口において、国が作成した法改正に関連するチラシやパンフレットの配布などを行ってございます。  次に、デートDVに関連した御質問にお答えします。  内閣府の調査結果では、主に10代、20代の若者が被害経験者となっているため、区が作成している啓発用のカードやリーフレットを、中学校や高校、大学など区内全ての教育機関のほか、児童青少年センター及び体育施設等に広く配布し、多くの若者に対する啓発につながるよう取り組んでいるところです。  また、区のデートDVに関する出前講座は、区内の高等学校を対象に年2校程度実施しており、内容としましては、デートDVに関する座学のほか、生徒自身がデートDVを体験するロールプレイなどを行っているところです。この出前講座を受講した生徒からは、デートDVの理解が深まった、相手を尊重する大切さを痛感した、デートDVをしない、されないように気をつけたいなどの意見や感想が寄せられてございます。  私からの最後に、男女共同参画の推進にはジェンダー主流化が重要なポイントではないかとのお尋ねにお答えします。  議員から御指摘のあったジェンダー主流化は、1997年の国連経済社会理事会において定義づけられたもので、全ての政策的課題において、1つ、男女間の格差を明らかにする、2つ、その格差を縮める、もしくは解消するための戦略を策定する、3つ、戦略を実行するための資源を投入する、4つ、戦略の実施状況をモニタリングし、必要な見直し等を行うという4つのステップで取り組むことと理解しております。  本区における今後の男女共同参画の取組方針などにつきましては、こうした考えのほか、来年度以降に男女共同参画行動計画の次期改定を図る中で、各方面からの様々な御意見を伺いながら、十分検討してまいりたいと存じます。  私からは以上です。 ○議長(井口かづ子議員) 総務部長。       〔総務部長(白垣 学)登壇〕 ◎総務部長(白垣学) 私からは、セクハラ防止対策に関する所管事項についてお答えをいたします。  まず、セクハラ防止のための職員研修につきましては、平成30年度には管理職、31年度には係長、セクハラ等防止担当者を対象に1回ずつ実施しており、専門家を講師に招き、ハラスメント全般の知識や具体的な事例を通した解決方法等を学んでおります。そのほか、メンタルヘルスや管理職昇任前研修などのカリキュラムにも組み込み、セクハラ防止の意識づけを行っております。また、区のセクハラ防止等に関する指針となる規程や基準の周知につきましては、各職場に配置した防止担当者が中心となって行っておりますが、今後とも研修などの機会を通じて周知徹底を図り、職員全体により深く浸透させてまいりたいと考えております。  次に、職員のセクハラ相談窓口についての御質問にお答えいたします。  区では身近な相談先として、各職場にセクハラ等防止担当者を配置しているほか、必要に応じてより専門的な対応を行うために、産業医4名と、人事や男女共同参画担当の職員で構成する11名のセクハラ等相談員を配置しております。職員からの相談を受けた際には、各職場の防止担当者と相談員が連携して対応しており、相談者の意向を尊重し、当事者双方に加え、必要に応じて関係者からの聞き取りを行い、解決に向けて取り組んでおります。  次に、職場のセクハラ相談件数とセクハラに関するアンケート調査に関連するお尋ねですが、各職場の防止担当者から相談員に上がってきた相談件数は、平成29年度3件、平成30年度1件、令和元年度2件となっております。  セクハラの防止や適切な対応を図るためには、その実態を把握することが必要だと認識しておりますので、今後、他自治体の取組なども参考に実態把握を行ってまいりたいと考えております。  私からは以上です。 ○議長(井口かづ子議員) 教育政策担当部長。       〔教育政策担当部長(大島 晃)登壇〕 ◎教育政策担当部長(大島晃) 私からは、デートDVに関わる御質問にお答えいたします。  これまでも学校では、自分の大切さとともに他の人の大切さを認めるという人権尊重の理念に基づき、保健体育や家庭科、道徳科等において、男女相互の理解や、共に協力し尊重し合うことの大切さ等について指導してきました。さらに、次年度から使用する保健体育の教科書においては、DVという言葉が示され、一層指導内容が明確になりました。  また、今年度は、出前講座を実施する中学校もありますので、取組状況を中学校間で共有し、様々な教育活動の機会を捉えて、生徒を被害者にも加害者にもしないという視点で取組を広げ、生徒の心を育んでまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○議長(井口かづ子議員) 以上で奥田雅子議員の一般質問を終わります。  21番そね文子議員。       〔21番(そね文子議員)登壇〕 ◆21番(そね文子議員) 私は、いのち・平和クラブの一員として、杉並区の気候危機対策について、2、香害対策について一般質問します。  まずは、杉並区の気候危機対策についてです。  今年7月、豪雨により九州地方が大きな被害を受けたばかりのところ、9月には台風9号、10号が再び九州地方を襲いました。海水温のこれまでにない上昇により、巨大化した台風が常態化しています。  世界的な気候変動の影響によって、これまで経験したことのない猛暑や豪雨、台風の強大化、それに伴う自然災害の発生、熱中症の増加や農作物への被害など、気候変動による影響は誰の目にも明らかです。  2015年にパリで開かれた国連気候変動枠組条約締約国会議(COP21)において、2020年以降の温室効果ガス排出削減などのための新たな国際枠組みであるパリ協定が採択されました。パリ協定は、世界の平均気温上昇を産業革命前と比較して1.5度から2度未満に抑制することを目的とし、1.5度に抑えるためには、2050年に温室効果ガス排出を実質ゼロにすることが必要とされています。しかし、現在既に地球の平均気温は、産業革命前と比べて約1度上がってしまっています。  日本はというと、2016年に出した温室効果ガス削減目標、2030年までに2013年度比で26%削減が不十分と指摘を受けていたのにもかかわらず、それを据え置いたまま、今年3月末に国連に日本の目標として再提出し、さらに非難を受けました。  昨年9月、アントニオ・グテーレス国連事務総長は、1.5度を目指して2030年までに温室効果ガスを45%削減、2050年には実質ゼロに、2020年までに新規の石炭火力発電を中止することを各国に呼びかけました。  今日本に求められる具体的な取組は、温室効果ガス削減目標の強化と、化石燃料、特に石炭依存から再生可能エネルギー100%の社会への転換です。  そこでまず、パリ協定採択から5年、このような世界の動き、そして国の動きに対して、杉並区はどのような認識を持たれているか伺います。  ここから杉並区の環境基本計画について伺います。  環境基本計画の基本目標Iは「低炭素・循環型のまちをつくる」とされ、地球温暖化防止の取組が示されています。現在の目標値は、杉並区全体のエネルギー消費量を2010年度比で12%削減する、区内の電力消費量に対する再生可能エネルギー及び家庭用燃料電池による発電量の割合を2%に増やすとされています。  一方、2013年6月に策定された杉並区地域エネルギービジョンの目標では、2021年度までに2010年度比でエネルギー消費量を10%削減する、再生可能エネルギーの割合を2%にするという目標が掲げられていました。このエネルギー消費量の目標値は2016年に達成され、目標を12%に上方修正されたことは評価すべきことです。現在の目標値に対する進捗状況はどうなっているのか伺います。  来年度は環境基本計画の改定作業の年に当たります。今年の東京の8月の平均気温は観測史上最も高く、2.1度高かったと報道がありました。そのような状況で、東京23区では、8月に熱中症で死亡した人は、統計がある2007年以降で最多の195人との報道があり、2度の上昇がどのように大変なことか、私たちは身をもって体験しました。  環境基本計画の目標値をパリ協定の2050年の長期目標と整合させること、長期目標達成のための中間目標なども定める必要があると思いますが、区の考えを伺います。  この10年が最も大事だとの認識を持って、できる限り早く手を打つための目標を設定する必要があると考えますが、区の考えを伺います。  現在は環境基本計画の中に入れ込まれている地域エネルギービジョンは、当区が他の自治体に先駆けて、東日本大震災後の2013年に策定したものです。今後、CO2削減を強化していくために、長期的な目標、ビジョンを明確にして取り組んでいく必要があると考えます。基本計画の外に出して、中長期のエネルギービジョンや温室効果ガス削減計画を策定して取り組むことが求められていると思いますが、区の見解を伺います。  東京都は、2019年12月、気候危機行動宣言を行い、2050年までの気温上昇を1.5度に抑えること、2050年にCO2排出実質ゼロを実現するための具体的取組とロードマップ、ゼロエミッション東京戦略を策定しています。都内の自治体として、杉並区もこのゼロエミッション東京戦略と整合を図り、目標を定め、環境基本計画改定の際には表記してほしいと考えますが、いかがでしょうか、伺います。  次に、環境基本計画の目標実現に向けた主な取組として示されている次世代自動車の普及促進について、2点伺います。  杉並区の部門別エネルギー消費量では、運輸部門の自動車からCO2排出は約16%と大きな割合を占めることから、区は、庁用車に電気自動車など次世代自動車の導入を検討するとしてきましたが、現在の進捗状況について伺います。  電気自動車普及のためには、充電設備を増やすことが必要です。区は設備設置に助成を行い、普及に努めてきましたが、区が助成を行って設置された充電設備の種類と数についても伺います。  太陽光パネルを設置している人は、電気自動車のバッテリーに充電すれば、充電器代わりにも使え、CO2削減に貢献し、災害時の停電対策にもなります。今後も普及啓発に努めていただきたく要望いたします。  次に、小さな項目の2番目、区立施設の電力調達について質問いたします。  温室効果ガスの排出源を見ると、発電部門が39%、産業部門が27%、運輸部門が16%と大きなシェアを占めており、特に発電部門は最大のCO2排出源です。今求められるのは、原発、火力より再生可能エネルギーの制度設計であり、いかに再生可能エネルギーに変換していくかが重要だと考えます。  地域で最大の事業所であり、気候危機の最前線にいる自治体の役割と可能性は大きいところから、生活者ネットワークは、FoE Japan、グリーンピース・ジャパンとともに、都内62自治体に対して電力調達の状況に関する調査を行い、杉並区からも回答をいただきました。その調査結果を踏まえ、以下質問いたします。  2011年の原発事故以降、あるいは電力自由化以降、新電力会社と契約する自治体が増えてきている中、当区の本庁舎では東京電力、2016年からは東京エナジーパートナーに社名が変わりましたが、東京電力と随意契約で電気を調達しているこの理由について伺います。  当区では電力調達に係る環境配慮方針を定めて、区立施設の電力契約を行っています。その評価基準に、二酸化炭素排出係数、未利用エネルギーの活用状況、再生可能エネルギー導入状況を挙げていますが、再生可能エネルギーの導入状況の最高基準が5%以上までしかありません。世田谷区ではこの再生可能エネルギーの導入状況の最高基準を20%以上、江戸川区は50%以上まで引き上げ、それぞれ配点を高く設定し、再生可能エネルギーの導入を図っています。当区の環境基本計画には、区立施設における再生可能エネルギーの利用拡大が掲げられています。今後10年間でCO2を半減させていくために、当区でもこの基準を引き上げるよう見直すべきと考えますが、区の見解をお聞きします。  再生可能エネルギー調達の取組を進めるために、つながりのある他自治体との連携も視野に入れる必要があります。例えば港区や目黒区、世田谷区では、交流自治体との地域連携で、その交流自治体で生産される再生可能エネルギーを購入しています。杉並区の交流自治体の南相馬市は、電力自給100%を目指し、再生可能エネルギー導入プロジェクトで、メガソーラーや風力発電の導入が進められています。杉並区でも購入を検討できないのか、区の見解を伺います。  温室効果ガスの削減のため、事業運営で消費する電力を100%再生可能エネルギーで賄うことを目標とするRE100に取り組む企業が増えています。  東京都は、2019年12月、ゼロエミッション東京戦略の策定、気候危機に立ち向かう行動宣言を打ち出し、再生可能エネルギーの基幹エネルギー化を掲げ、RE100を目指しています。世田谷区では本庁舎でRE100を達成、品川区でも区有施設がRE100を達成しています。自治体こそ主体的に温暖化対策、エネルギーシフトに取り組むべきと考えます。電力調達は、自治体のエネルギー政策や気候変動対策と密接に関わるものであり、環境政策の一環として取り組む必要があると考えます。環境担当部署が連携、関与していくことが望ましいと考えますが、区の見解を伺います。  今、気温上昇による危機に対策を打たなければ、私たちの暮らしは成り立たなくなるという非常事態にあると考えています。これを区の最重要課題と認識し、区全体で取り組んでいただくよう強く要望し、次の項の質問に移ります。  大きな項目の2番目、区の香害対策について伺います。ここで取り上げるコウガイとは、香りの害と書く「香害」です。  2018年10月の決算特別委員会で、奥田雅子議員がこの問題を取り上げましたが、私たちの生活環境には多くの化学物質があふれ、化学物質過敏症を発症する人が増え続けており、2009年には厚生労働省が、カルテやレセプトに記載する病名リストに化学物質過敏症を登録しています。最近では、柔軟仕上げ剤や消臭除菌剤の香料による健康被害の訴えが相次ぎ、新たな化学物質過敏症として問題になっています。  2018年7月に杉並・生活者ネットワークが行ったアンケート調査には、電車、バス、タクシー、公共施設、飲食店、エレベーター、子供の持ち帰る給食着など、様々な場所で洗剤や柔軟剤などの匂いが気になる、その匂いによって鼻詰まり、頭痛が起こる、目まいがする、大変困っていて病院を受診しようと考えているなどの様々な声が寄せられました。  柔軟剤には、香料を徐々に放出して香りを長持ちさせるためにマイクロカプセルが使用されていますが、カプセルに添加されているイソシアネートは非常に毒性が強く、欧米では規制対象の物質です。衣類に付着したマイクロカプセルは空中に飛散し、それを吸い込むことで、化学物質過敏症の症状であるアレルギー反応を起こすと言われています。化学物質過敏症は一旦発症すると、建物の建材に使われる化学物質、無香料の制汗剤や消臭剤、インクや印刷物、殺虫剤や農薬など様々なごく微量の化学物質に反応するようになり、公共交通機関を使えない、学校や職場にいられないなど、その人の人生に深刻な被害をもたらすことになります。  そこでまず、香害による健康への影響を区はどのように認識しているか伺います。  香害については、報道でも取り上げられるようになりましたが、まだ多くの人が認識するには至っていません。柔軟剤によって命の危険を感じ、外出できない人がいることを広く社会に知らせることが必要と考えます。人の多く集まる区役所をはじめ、地域区民センターなど区立施設へのポスター掲示、パンフレットを作成し、周知してほしいと考えますが、区の見解を伺います。  体の小さな子供は、大人以上に化学物質の影響を強く受けます。子供を化学物質から守るため、東京都では子供基準を設定し、使用規制のガイドラインを設けていますが、区においては、保育園や幼稚園、児童館や子ども・子育てプラザなど子供の居場所でのポスターの掲示、パンフレットの配布を行っていただきたいと思います。区の見解を伺います。  生活者ネットワークでは、区立施設で使用する洗剤については、水質汚染の視点からも無添加の石けんを使用するよう求めてきましたが、改めて、様々な香りが添加された合成洗剤ではなく、無添加の石けんを使用することを運営事業者に対して区からも求めるよう要望いたします。  生活者ネットワークでは、都内自治体の教育委員会に対し、2019年9月から12月にかけて、柔軟剤などによる香りの害について学校がどれだけ認識を持ち、対策が取られているかを調べるために、アンケートを実施しました。杉並区でも全小中学校から回答をいただきました。ありがとうございます。  アンケートの結果から、子供が持ち帰る給食着の匂いで具合が悪くなる保護者がいる、もう卒業したが化学物質過敏症で香りに強く反応が出る生徒がいた、インクや柔軟剤のあるところに行くと具合が悪くなるのでPTAには関われないと申出があったなど、学校には様々な声が寄せられていることが分かりました。  また、先日は、子供が化学物質過敏症を発症し、学校に通いたくても、柔軟剤やシャンプーなど強い匂いが充満する教室にいると具合が悪くなり、教室にいるのは1日2時間が限度という生徒の保護者から相談を受けました。保護者は、子供が在籍する中学校で相談をし、具体的な支援について相談中です。  そこでまず、教育委員会の香害への認識について伺います。  教育委員会には、区と連携して、子供に分かりやすいパンフレットを作り、学校で配布し、授業でも取り上げていただきたいと思いますが、いかがでしょうか、伺います。  相談があった生徒は、教科書や印刷物のインク、油性ペン、絵の具、殺虫剤、除草剤、排気ガスなど様々な化学物質に反応しますが、教室の柔軟剤やシャンプーの匂いがなければ、もう少し長い時間、教室にいられると話しているそうです。教室や学校に充満する匂いで学校に来られないというのは、その子の教育を受ける権利が侵されているということです。学校には、生徒や保護者への化学物質過敏症の正しい知識の啓発と、香りがついたものの使用の自粛を要請してほしいと依頼しています。  学校でも真摯に受け止め、使用するワックスや洗剤、手洗い石けんの見直しなどを行ってくれています。しかし、化学物質過敏症が出てから対応するのではなく、今から全ての学校で同じ対応を取っておくことは、学校に関わる全ての人の化学物質過敏症の予防になりますし、学校がより安全な環境になるということです。現在起こっていることについては、早急な対応が必要なため、個別の学校の対応にならざるを得ませんが、教育委員会でもこのような事例があることを他の学校に周知し、杉並区の学校全体で化学物質過敏症の予防対策を行うための指針をつくってほしいと考えます。区教委の見解を伺います。  化学物質過敏症は、花粉症と同じように、これまで何ともなかった人が、その人の許容量を超えた化学物質に暴露することによって突然発症する病気です。誰もが発症し得るものということを徹底して周知し、既に化学物質過敏症を発症している生徒が責められたり、いじめに遭わないような教育的配慮を十分に行うことが必要ですが、区教委の考えを伺います。  杉並区には化学物質過敏症に実績のあるクリニックがあります。そのような医療の専門家と連携し、取組を進めることも考えていただきたいと要望します。  以上で一般質問を終わります。 ○議長(井口かづ子議員) 理事者の答弁を求めます。  区長。       〔区長(田中 良)登壇〕 ◎区長(田中良) 私からは、そね文子議員の御質問のうち、環境基本計画についての一連の御質問にお答え申し上げます。  地球温暖化が進展すると気象災害のリスクが高まると予想されております。しかし、社会経済の進展は人間活動の増大につながるものであり、結果として地球環境に大きな負荷をかけ、気候変動等の環境問題として顕在化して、私たちの生活にも影響を及ぼしております。この間、世界各地において気象災害が発生しておりまして、我が国でも平成30年の西日本豪雨や昨年の台風15号、19号など、気候変動の影響が否定できないと言われる深刻な気象災害が発生していることから、パリ協定が掲げる気候変動に対する世界的な取組の必要性が今私たちに突きつけられていると感じております。  このような気候変動という課題に対して、私は、次世代が豊かに暮らしていける社会を実現するためにも、基礎自治体である杉並区として、しっかりと取り組むことが重要であると考えております。  こうした考えの下、この間、区立学校等への太陽光発電機器や蓄電池の設置、低炭素化推進機器等の導入助成等、温暖化対策を進めてまいりました。これらの取組等により、区内の電力消費量に対する再生可能エネルギー及び家庭燃料電池の発電量の割合は、平成22年度の0.2%から令和元年度は1.6%と着実に上昇するとともに、エネルギー消費量においては、平成22年度比12%削減の目標に対し、令和元年度で約15%削減となり、既に目標を達成している状況でございます。  これらの取組の基盤となる環境基本計画につきましては、令和3年度が終期となることから、新たな基本構想策定に向けた議論を踏まえながら、令和4年度を始期とする新たな計画として策定する予定であります。気温上昇を2度より十分下方に抑えるというパリ協定の長期目標から考えれば、今後10年間の取組は重要と存じます。そのため、計画策定に当たりましては、これまでの取組を評価、検証するとともに、パリ協定が目指す長期的な目標にも十分留意して、今後のおおむね10年を見据えて、区として目指すべき目標の設定や新たな取組について検討してまいります。  私からは以上です。残りの御質問につきましては、関係部長より御答弁いたさせます。 ○議長(井口かづ子議員) 環境部長。       〔環境部長(伊藤宗敏)登壇〕 ◎環境部長(伊藤宗敏) 私からは、所管に係る残りの御質問にお答えをさせていただきます。  まず、地域エネルギービジョンについての御質問がございました。  区のエネルギー政策につきましては、現在の環境基本計画におきまして、環境保全や地球温暖化対策と密接な関係があることから、今後は環境基本計画の一部に位置づけて取り組むこととしてございます。  エネルギー政策につきましては、新たな環境基本計画においても重要な要素であると存じます。どのように整理していくかなどにつきましては、策定に向けた作業を進める中で検討してまいりたいと存じます。  次に、環境基本計画策定におきまして、ゼロエミッション東京戦略との整合性についての御質問です。  区の計画策定に当たりましては、国や都の計画等と一定の整合性を図る必要があると考えております。ただ、都のゼロエミッション東京戦略につきましては、市部を含んだ都全体の取組ということでもございますので、表記などにつきましては、これを踏まえた上で検討してまいりたいと存じます。  次に、電気自動車充電設備の助成についての御質問でございます。
     平成28年度から実施しております電気自動車充電設備導入助成ですが、本年9月10日時点までの申請件数は、累計で29件となってございます。いずれも急速充電機器はございませんが、3件は車から家庭への給電が可能なV2H機器となってございます。  最後に、電力調達に関する御質問にお答えをいたします。  区としましては、温暖化対策の取組を推進する上で、環境に配慮した電力を調達することは重要と考えております。そのため、区では、区立施設の電力につきましては、施設の規模や用途、災害対応等を勘案し、総合的な視点から検討を行った上で、電力の調達に係る環境配慮方針に基づき調達を行っているところでございます。  この方針の中で定めている電力調達契約評価基準の引上げについてお尋ねがございましたが、国は、再生可能エネルギーの主力電源化を目指してございます。こうしたことから、二酸化炭素排出係数、また環境への負荷の低減に関する取組の状況に関する条件例、これの得点例等につきましても、これを踏まえた見直しをしているものと認識しております。そのため、基準の改定に当たりましては、当面は国が示す例を参考にしてまいりますが、他自治体の実態なども注視して、適切な基準の設定については研究してまいりたいと存じます。  また、再生可能エネルギーを調達するには手法が幾つかある中で、他自治体が実施している交流自治体からの再生可能エネルギーの購入事例につきましては、承知しているところですが、しかしながら、この実施に向けては、相手方自治体のエネルギー政策を踏まえた交渉ですとか、それから調達コスト等の課題もございますので、今後研究してまいりたいと存じます。  こうした区立施設の電力調達に当たりましては、区のエネルギー政策や気候変動対策とも関連することでございますので、この間も環境部署としては所管と連携をしてまいりましたが、今後、より一層連携を深めてまいりたいと存じます。  私からは以上です。 ○議長(井口かづ子議員) 総務部長。       〔総務部長(白垣 学)登壇〕 ◎総務部長(白垣学) 私からは、まず、公用車への次世代自動車導入の進捗状況についてのお尋ねにお答えいたします。  次世代自動車導入につきましては、公用車の入替えの際に、次世代自動車の車種と価格を踏まえて導入の検討を行っておりまして、これまでに職員用貸出車や地域安全パトロール車の一部をハイブリッド車といたしました。また今後は、CO2排出量が少ないクリーンディーゼル車や、急速充電が可能で災害時に非常電源として利用できる電気自動車の導入についても検討してまいります。  一方、現在保有している天然ガス車につきましては、燃料の補給場所が少ないなどの課題があることから、入替え後の導入は見送っているところでございます。  次に、本庁舎の電力調達の契約形態に関するお尋ねにお答えいたします。  区は、災害等により本庁舎が停電した場合に備え、非常用発電機器を設置しておりますが、発電所やケーブル線そのものにトラブルが生じる場合にも備えておく必要があります。そのため、本庁舎の電力供給は、東京電力と2系統の異なる回線で受電できる契約を締結し、本線が故障した場合には、予備線に切り替えることにより、停電時間を極力短時間にとどめられるようにしております。  一方、平時においては、東京ガスと契約し、都市ガスをエネルギー源とするガスコージェネレーションシステムにより自家発電を行い、本庁舎の使用電力の約2割を供給するとともに、発電時の排熱を冷暖房利用することにより、エネルギーの省力化を図っているところでございます。これらにつきましては、専門的な知識、技術が求められることから、いずれも随意契約としているものでございます。  私からは以上です。 ○議長(井口かづ子議員) 杉並保健所長。       〔杉並保健所長(増田和貴)登壇〕 ◎杉並保健所長(増田和貴) 私からは、柔軟剤の香りなどによる健康への影響についての御質問にお答えいたします。  柔軟剤や洗剤などの香りで体調が悪くなり、つらい思いをされている方がおられ、こうした方が近年増加傾向にあると、国民生活センターの相談内容などから認識しております。  次に、香りによる健康被害の周知についてのお尋ねにお答えいたします。  香りや匂いの感じ方には個人差があり、強い匂いへの不快感、化学物質への反応などによる体調不良の病態や発症の仕組みなど、未解明な部分が多いのが現状です。こうしたことから、ポスターやパンフレットなどで一様に説明することが難しく、保健センターでは、相談の中で、個々の状況に応じた対処方法などの理解促進に努めているところです。  また、消費者センターのホームページでは、商品トラブルで寄せられた柔軟仕上げ剤などの香りに関する相談事例等をお知らせしております。今後、関係所管で情報共有と連携を図りながら、区民や子育てに関わる方への効果的な周知方法について研究してまいりたいと考えております。  私からは以上でございます。 ○議長(井口かづ子議員) 教育委員会事務局次長。       〔教育委員会事務局次長(田中 哲)登壇〕 ◎教育委員会事務局次長(田中哲) 私からは、香害に関する一連の御質問にお答えいたします。  まず、いわゆる香害への認識ですが、柔軟剤や消臭除菌剤等の人工的な香りに含まれる化学物質により、目まいや吐き気、頭痛などの症状を誘発するものと言われており、その反応には個人差が大きいものと認識しております。  次に、学校での取組ですが、学校医や学校薬剤師から受ける医学的見地に基づいた助言等を踏まえまして、各学校において、必要に応じて個別の適切な対応をしているところでございます。  御指摘のありました香りによる健康上の問題や、化学物質過敏症の予防となる指針の策定につきましては、今後も国などから示される情報を収集するとともに、学校現場からの報告などを踏まえて対応を研究してまいります。  私からは以上です。 ○議長(井口かづ子議員) 教育政策担当部長。       〔教育政策担当部長(大島 晃)登壇〕 ◎教育政策担当部長(大島晃) 私からは、化学物質過敏症に対する教育的配慮についての御質問にお答えいたします。  化学物質過敏症に悩む児童生徒をはじめ、様々な病気を抱える児童生徒が偏見やいじめに遭わないよう、病気への理解や配慮、いじめ防止等の指導が必要だと認識しております。各学校では、引き続き、児童生徒の状況に応じた対応と、安全・安心な学校生活が送れるような配慮を進めてまいります。  以上でございます。 ○議長(井口かづ子議員) 以上でそね文子議員の一般質問を終わります。  6番奥山たえこ議員。       〔6番(奥山たえこ議員)登壇〕 ◆6番(奥山たえこ議員) 杉並を耕す会の奥山たえこです。今回私は、3つの質問、1番、特別定額給付金の支給について、2番、更生施設等の在り方について、3番、住居確保給付金延長申請者へのフォローについてお伺いいたします。  まず、特別定額給付金であります。  全国民に一律10万円を給付するという大変な施策が施行されたわけでございます。報道によりますと、初めは、新型コロナウイルスの蔓延により、休業するなどにより収入が減収した、そういう家庭に対して30万円支給しようという案がありました。もちろん、要件はいろいろと厳しくあるわけです。それに対して、新聞報道によりますと、公明党の山口那津男代表が安倍首相に直談判をしたと。そして強く迫って、1家庭30万円じゃなくて、もっと広く配るべきだと言ったんですかね、結果的に一律10万円という施策が実現したわけであります。  この施策について、どういう内容であったのかということをちょっと閣議決定から引用いたします。新型コロナウイルス感染症緊急経済対策、令和2年4月20日閣議決定において、「新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく緊急事態宣言の下、生活の維持に必要な場合を除き、外出を自粛し、人と人との接触を最大限削減する必要がある。医療現場をはじめとして全国各地のあらゆる現場で取り組んでおられる方々への敬意と感謝の気持ちを持ち、人々が連帯して、一致団結し、見えざる敵との闘いという国難を克服しなければならない。」と示されました。ということなんですね。一致団結する、それから人々が連帯するということであります。  さて、これは法律をつくったのではなくて予算措置であります。給付事業費の全体でいいますと12兆7,300億円余であります。昨今、日本政府の予算はどんどんどんどん増えており、一般会計で100兆円ほどになっておりますから、それに比べても、この12兆円を超えるという金額がいかに大きな規模であるかということが見てとれると思います。  さて、先ほど説明した目的の中にある「迅速かつ的確に」ということでありますけれども、この目的は本当に達成されたのかどうか、それについて若干考察してみたいと思っております。  まず、先ほど予算措置であると言いました。つまり、誰に支給するかといったことは法的根拠ではない。そして、何で示されたかといいますと、総務省が出しました支給の要綱であります。その中にこう書いてありますね。給付対象者は、基準日、これは令和2年、今年ですけれども、4月27日において、住民基本台帳に記載されている者、そして受給権者は、その者の属する世帯の世帯主ということであります。  この住民基本台帳という縛りをかけたことで、スムーズにもらえない方がたくさんいたわけです。つまり、通常であればすいすいともらえる、住民登録があり、本人確認証があり、そして銀行口座がある、そういう人は、区役所から届いた申請書にさっさとそのコピーをつけて送り返せばもらえる、振り込まれる、そういうスキームでありました。しかし、それから外れる人がたくさんいたわけですが、例えば、ホームレスはもらえないじゃないかということは、私は前回も言いましたし、委員会でもかなりわめき散らしていました。  住民登録地に人は必ずしも住んでいるとは限らないということは、総務省もある程度は理解していたので、幾つか、こういう人はこういうふうに扱っていいですよというふうなこともいろいろ書いておりました。例えば国会議員、住民登録のあるところに住んでいるんですかね。首相はどうなんですかね。山口県下関が御出身地ですけれども、住民票はどこにあるのかなと思いますけれども。それからあと、住民登録ということを言うならば、天皇や皇族はどうなっているんでしょうかね。あの方たちは戸籍がありませんから、住民票を作ることができない。私は宮内庁に問い合わせてはいませんけれども、もらえたのかな、もらえないんじゃないかなと思います。そのような、日本国憲法にも書かれているような方を排除するような制度でよかったのかなと私は思っております。  それから、今回どういうスキームで支給したかというと、申請書が区役所から送られてくる、そしてその申請書には全て住所などが記入されているわけです、世帯主などが。その申請書をまたさらに返すことでしか申請ができない。つまり、真っ白な申請書をもらって、そこに自分で記入する、そういうスキームにはなっていないわけです。そこで、郵便を受け取れない方は申請ができないということになります。  まず伺います。特別定額給付金の支給対象者は誰なのか、改めて伺います。また、申請書の返戻率や給付金の支給率はどうなっているのでしょうか。つまり、申請書が届かない人がいるだろう、そういう制度であるということであります。  次です。総務省は、先ほども述べたように、住民票のあるところに住んでいない人がいるということをそもそも想定しておりましたので、例えばDV避難者、必ずしも住民票のところにいなくて、逃げているけれども住民票は移さない。なぜならば、そこを移すと、それを夫に――ごめんなさい、DVの加害者が男性とは限りませんが、家族に知られてしまう、加害者に知られてしまうということから住民票を移さないという方がいる。それからあと、児童養護施設に入所している児童、親の住民票に入っている場合には、基本的に世帯主である親に給付金が行くわけですが、そうではなくて御本人に直接支給することができるように、そういったことも考えております。そのような方への対処はどのようになさったのか、杉並区はどうだったのか、お伺いいたします。  あと、住民票がないということが分かっている、その人に対してどうするかというのでいうと、例えば民法772条、いわゆる嫡出推定ですね、離婚後300日以内に生まれた子供は、戸籍上の夫の子供であると推定するという嫡出推定でありますけれども、それを逃れるために、戸籍を出さない、提出しないという方が、少ないですがおります。戸籍が提出されないから住民票も作られないというわけです。そのような方が存在することをそもそもこの制度は織り込んであって、そういう方には、事前に法務省に相談するなどしていれば、そのことをもって、この方にも支給できますよと、そういう配慮はしているんです。  ところが、何度も言いますけれども、ホームレスには住民登録はないということで支給しない。これはずっと最後まで総務省は譲りませんでした。この間、私は、そういう方に何とか支給してもらいたい、お金を受け取ってもらいたいと思いまして、ふだんはなかなか出かけない、区内でも遠いところとか、それから夜なども回るなどしてホームレスの方に声をかけました。そもそも知っている人は、あっ、そうですかと話は聞いてくれるんだけれども、初めて会ったホームレスというのは大体いぶかるんですね。まず笑って、はははは、私が10万円もらったら、じゃ、あなたに5万円やるよと。つまり、だます、もしくは何か変なことを言ってきている人だなというふうに受け止められることが多かったです。そういう方には、何度も会うことができなかったので、結局支給まで至りませんでした。それからあと、この杉並で10年以上、15年ぐらい私も知り合っているホームレスの方でも、支給にはやっぱり2か月以上かかりました。  これはちょっと今回、私も認識を新たにしたんですが、10万円もらえるよと言われて、あっ、そう、じゃやろうかなというふうにはなかなか動かない。路上で生活しているとか生活が厳しい方というのは、何か新しいことをするよりは、今いるところにとどまっていれば、そして何か新しいことをしなければ、これ以上ひどくはならないだろうと思っているのかなと思いますけれども、非常に動きが、全然迅速ではなくて、随分日にちがかかってしまいました。  そして今回、ホームレスの方何人かに支給ができました。それについて若干私のほうでも御報告をしておきたいと思います。  まず、住所がないこともさることながら、本人確認証がないということで大変苦しめられました。というのは、申請書を発行してもらうところまでこぎ着けたとしても、その申請をするときには、本人確認証を添えないと駄目なんです。銀行口座については、口座ありませんということで、現金で支給することも依頼できるんですけれども、本人確認証。私は何で本人確認証を持っているのかなあと思いました。私は免許証を持っていないので、健康保険証とあと年金手帳なんですね。写真のないものは、2つで1つの本人確認証として有効になる。例えばホームレスの人はほとんど持っていないので、じゃ何かをもらおうと思っても、住所がないと健康保険証はもらえない。住所を設定したら健康保険証もらえるんだけれども、2点目が手に入らない。  それから、マイナンバーカードですけれども、私はこれ反対ですが、これは写真がついているので、これ1枚あると本人確認証として使えるんです。ところが、今2か月ぐらいかかるというのと、それから、マイナンバーカードをもらうためにも本人確認証が必要なんです。堂々巡りです。本人確認証がなくて大変苦労をいたしました。  しかし、詳細は置きますけれども、今回、杉並区の区民課の方などには大変心ある対応をしていただいたと思っております。もちろん、法令の中できちんとやらなければならないんですが、例えばホームレスの人は転入届がない。前のところを出た後、新しいところに移るためには転入届というものを持ってこなきゃいけないんですけれども、それを持っていないんですが、それを補うものとして、住民基本台帳法22条、それから同法施行令、これも同じく22条を使って、聴聞をし、そして、なるほど、この人が本人であるなということを確認することで転入届が受けられる、なくても転入することができる、そういったような御配慮を受けました。  実はこのことは、ほかの自治体で説明をしてもなかなか通じない、大変イレギュラーな手続なので。だから、ほかの自治体に登録している人が申請するときには、支援者、私だったりとか、ほかの人がついていって説明をする、そういったことをせざるを得ませんでした。そうでないと、本人確認証がないと申請できないんですと言われて終わりなんですよ。そこを打ち破るのが大変でした。お手紙も書いたりして、何とかいけましたけれども。  そう考えると、今回数人の人ぐらいしかできませんでしたが、もっともっとホームレスの人でももらえる人がいっぱいいるんです。それから、もっと簡単にもらえる人も実はいたんです。家を出てから、路上に出てから数か月ぐらいの人は結構もらえる確率が高いし、それからあと、銀行口座を持っているとかキャッシュカードを持っているとかという人はかなり手続がスムーズにいくんです。でも、そういう人に出会うことはなかなかできなかった。そういう意味では本当に今回期間を延ばしてほしいと思うし、結局見切り発車といいますか、そういう方を打ち捨てて、排除して進んでしまった今回の特別定額給付金。冒頭に目的を私、るる述べましたけれども、本当に政策の目的に合った運営がなされたのかどうか、いまだに私は疑問に思っておりますが、杉並区の職員に対しては、本当にありがとうございましたと思います。  次、大きな2つ目です。更生施設等の在り方についてお尋ねします。  「更生」という言葉なんですが、これは辞書で引くと、元のよい状態に戻ることとあります。つまり、あるべき姿を行政が定めて、そしてそこに戻るようにとする。そういう考え方がいいのかどうかと思いますけれども、そういう更生施設というのは、生活保護法に基づいて定められております。  私は議員になって結構長いんですけれども、十五、六年ぐらいやっていますけれども、よく知らなかったですね。自立支援センターというホームレス向けの収容施設があるんですけれども、そういったところは私、存在も知っていたし、それからあと実際に自分で見学に行ったこともありますけれども、生活保護法に基づく更生施設というのは知りませんでした。  今回いろいろ調べてみたところ、本来の目的とはちょっと違っている、もしくは、違ってはいないんだけれども、結果的に長期入所しているという方がたくさんいるということが分かりました。例えば、御自分では1人では生活できない、そういう方が更生施設に入る。そしてそこで少しいて、その後、次のアパートとかに移るというのが本来の在り方なんですけれども、そうはならずに更生施設に何年間もいる。そして中には、年を取って、病気などになって病院に入って、そして亡くなってしまう。施設の中で亡くなるということはないそうですけれども、亡くなる方もいるということです。言ってみれば長期の福祉入所施設化しているという傾向があります。こういった実態について把握しているのか、お伺いします。  なお、こういった更生施設を担当しているのは特別区人事・厚生事務組合でありまして、そこは厚生事務組合社会福祉事業団という社会福祉法人をつくって運営しておりますが、平成30年にはその在り方検討をして、区長会にいろんな提言をしております。そしてそれに基づいて加配などもされているんですが、実態を聞いてみるとなかなか大変です。  例えば女性専門の施設があるんですけれども、そこなどは精神的に苦しい人たちがいて、なかなか抜けられない。抜けるという言い方もよくないですけれども、あるべき姿を押しつけていることになりますけれども、そういう実態があるということを聞いて、私も本当に認識を新たにしました。  では、どうすればいいかということでいうならば、在り方報告書の中を読むことになりますし、また、できるだけ職員を加配して、そしてその職員の苦労が少ないようにしてもらいたいというふうに思います。  次です。無料低額宿泊所、いわゆる無低ですね。無低は、貧困ビジネスという言い方でかなり批判されておりますけれども、しかし、よく考えたら、無低の収入というのは、生活保護を受けている人になるわけですね。そうすると、生活保護費の中から住居費が出る。その分から人件費を集めてきて寮長さんを定めるということになるわけで、そうすると運営がなかなか回らないので、それが結果として、入居者には、手元に残るのはせいぜい月2万円だけということになるわけです。それが貧困ビジネスというふうに称されるゆえんではあるんですけれども、それではいかぬということで国も改正に乗り出しています。そして今年の4月1日から社会福祉法が改正されて、それで無料低額宿泊所の在り方を見直すことにもなりました。  具体的には、居室の定員を原則1人とする。今までは1部屋を、ひどいときにはカーテンで仕切ったりとかという形で何人も押し込めていて、しかも家賃は上限額、23区でいうと5万3,700円取るといったようなこともやっていたんですけれども、そういうことはしないようにするとか、それから御本人たちにいろんなケアをするということです。例えば就労の支援をするとか、そんなふうなことをやったところには助成金を出すというふうな形で無料低額宿泊所の改正が行われています。  しかし、これは考え方によると、本来は、止まり木といいますか、身支度、短期滞在をする予定だったところを、結局そこをついの住みかにするのではないか、そういう見方もできるわけです。本来は居宅保護をしなければいけないのに、無料低額宿泊所の居住要件をよくすることによって、そこにずっと押し込めてしまうという、これは言ってみれば1つの責任放棄である、そういう見方もできますので、もろ手を挙げて賛成はできませんが、無料低額宿泊所については、そのように改正がなされてきているところであります。  当区においては、いろんなところの無料低額宿泊所を利用しているんですが、職員はせいぜい年に1回か2回、これは生活保護の基準の中で、ケースワークについては年に2回訪問するということになっておりますから、その範囲内で行っているというぐらいでありまして、あんまり実態を把握していないんです。それをしっかりやれと私は言いたいんですが、ケースワーカーの人数が限られていて、そしてケースワークが、例えば規定の80件以上、かなり負担させられているわけですけれども、そのような中で何か私も言いにくい。いや、しかし、ケースワーカーをもっと増やせというふうに要望しておきますけれども、そういうことを踏まえた上で質問いたします。  無料低額宿泊所への区の職員の関与はどのようであるか、そして居住環境など定期的に把握しているのか、お伺いします。  次、3番目です。住居確保給付金。  これが先般NHKで報道されて、前年比で90倍の申請数になったというふうに言われているそうです。杉並区においても、この前の補正予算で3,000世帯向けの増額をいたしました。  この3,000世帯というのはどれほどの衝撃かといいますと、杉並区の生活保護世帯が6,500ほどです。つまり、その半分近い人たちが住居確保給付金を得ている。なぜこういうふうに言うかというと、住居確保給付金をもらえる人というのは、手持ちのお金が50万円まで、上限でですよ。そして家賃が払えない。いろんな条件があるわけです。つまり、生活保護の水際対策ならぬ沖合作戦です。生活保護に近づけないための制度であるというふうに言ってもいいです。そこに届いている人が3,000世帯にもなろうかというわけです。  50万円の手持ち金というのはどういうお金かというのは、ちょっとリアリティーないかもしれませんが、私、杉並に大体40年ぐらい住んでいますけれども、安い家賃のところで、クーラーの電気代も要らないようなところに住んでいるんですが、一月の生活費が程々で19万円くらいですね。20万円切るくらいだと何とか生きていけます。ということは、50万円というのは、家賃も含めて払うならば、2.5か月分ぐらいしかない。今回、家賃が補給されますので、3か月ちょっとぐらいは生きられるという、そのぐらいの金額です。  今回、既に4月の末から住居確保給付金が始まりまして、それでもお金が増えていないという人は、最初に3か月もらった後、また延長申請をすることができます。その延長申請をした人たちが、この後数字でも伺いますけれども、大体4割ぐらいだったと聞いています。報道によると、ほかの自治体では大体5割、6割ぐらい行っているそうなので、杉並はそんなに多くはないんだけれども、でも、やっぱり400人近くの方が延長申請をしているということです。この人たちに対して何らかの手当てをしなければいけないんじゃないかというのが、私のこの質問の目的です。  まずお伺いします。申請数の月別状況です。これを前年比でその推移と、あと今後の予想、そして支給期間の延長申請状況はいかがか、お尋ねいたします。  さて、この住居確保給付金ですが、制度がこの間かなり変えられてきました。法律上変えたのではないんですけれども、運用を変えました。この給付金をもらうためには、先ほど50万円の手持ち金とかという話もしましたが、それだけではなくて、ハローワークに登録をして、そして毎月きちんと行き、そしてそこでどういう求職活動をしたかということを全部杉並区の窓口にフィードバックをしなければいけない、そういうかなり厳しいものではあったんです。ところが、4月末頃からハローワークも閉じているということもあって、国のほうはハローワークの求職という要件を外しました。  お尋ねしますけれども、現在それは免除されているわけですが、ハローワークの求職について今後の見通しはどうでしょうか、お伺いします。  次です。先ほど生活保護申請についての御質問がありましたけれども、杉並区は増えていないと。でも、水際作戦やってないよということでありました。私もそんなに悪いことは聞いていないので、窓口に来た人を追い返すというようなことはしていないと思います。でも、ほかの自治体も状況は同じわけですよ。10万円の定額給付金をもらったりとか、それから小口資金貸付を受けられるというのはほかのところも同じなのに、なぜ杉並区は生活保護申請が増えていないのか、不思議です。理由は何でしょうか、お伺いします。  最後です。先ほど、3か月受けた後、それをさらに3か月延長することができる、最大9か月までという仕組みになっているんですが、この延長申請をするには、紙1枚記入して、申請お願いします、延長してくださいという旨を出せばもらえるんです。手続は簡便でいいと思います。そして、私ももちろん、その人たちをお尻たたいて、ほらほら、早く就職して、金を自分で稼がんかいというふうに言うようなことはすべきではないと思っています。ただ、一方考えると、紙1枚で済む、そして区に来ることもない、担当者、職員と会うこともない、そういうふうな状況であったとすると、区との関係が希薄で、本人は孤立しているのではないかと私は懸念します。  家賃が払えない状況というのはなかなか想像できないと思います。その不安たるや、この後どうなるんだろうと。それから、最近はアルバイトでさえもなかなか働くことができない。それから、「タウンワーク」というのがありますけれども、アルバイトの求人誌ですけれども、それも友達に聞いたら、何かページが少なくなっているということなんです。だから、本当に働く先がなくなっている。  それから、言い方、気をつけながら言わなきゃいけないんですけれども、これまで働いていた人がどっと、仕事がなくなってきたので、働き手、求職者が増えてきたので、みんなに仕事が回らなくなっているというふうにも聞いております。そのような中で、家賃は払えない、それから仕事は探しても、アルバイトでさえもできない、そういう状況にある人がどんな心理状態にあるのか。私は今、言葉で偉そうなことを言っていますけれども、想像できないですね。  30年ぐらい前に私も仕事をなくして、悪いときは悪いことが続くもので、なかなか仕事が決まらないというときに、本当に絶望的な気持ちになることがありましたけれども、それも随分昔のことだし、今は、はっきり言って高給取りですから、いろいろ私も偉そうに、ホームレスがとかって言っていますけれども、自分自身は収入たくさんあるわけで、家賃が払えない、それから生活費がない、少ないお金の中でどうやって食料を買おうというふうな人の気持ちがなかなか分からないです。  今回、住居確保給付金、3か月もらったけれども、まだ生活が持ち直せないという人が、どんなに孤独な中で、そしてつらい気持ちでいるかと考えたときに、私は区にお願いしたいんです。ハローワークに行けと尻をたたくのではなくて、そういった叱咤激励ではなくて、励ますことで就労に導くことが必要だと考えます。仕事にすぐには就けないかもしれないけれども、こんなことがありますよとか、もしくはこういった講習会を受けてみませんかとか、いろんなことができると思います。そして、そういう御本人は多分友達にもなかなか相談しにくいと思います。そういう意味では、区の職員がそうやって声をかけることで励ますことができるのではないか。優しく伴走してあげてほしいと思います。  人数でいうならば、400人近くの人が既にいるわけです、延長を申請した人が。そうなると、専任者を置いてもいいんじゃないでしょうか。住居確保給付金については、この間、担当者を増やす補正予算を組んでいただきました。私も賛成しました。そういった意味では、今回、本当に孤立無縁、しかももともとのスキームから今外れているので、手当てが全くないんですよ。ハローワークとの接触もない。そういう方に対して、区の担当者を置いてフォローすべきと考えます。いかがでしょうか。ぜひぜひ考えてほしい、やっていただきたいと思います。  以上です。 ○議長(井口かづ子議員) 理事者の答弁を求めます。  区民生活部長。       〔区民生活部長(徳嵩淳一)登壇〕 ◎区民生活部長(徳嵩淳一) 私から、特別定額給付金に関する御質問にお答えします。  まず、本給付金の給付対象者は、基準日である本年4月27日現在、住民基本台帳に記録されている者となっております。ただし、基準日以前に住民票が消除された方や、基準日以前に出生したものの同日時点で戸籍を有していない方などは、審査の上、対象となる場合があるということでございます。  次に、区が送付した郵送申請書類が返戻されたケース、これは8月31日現在で、郵送申請書類の発送件数の0.15%に当たる498件です。また給付実績は、同じく8月31日現在で、給付対象世帯に対して98.1%、給付対象人数に対して98.8%となっております。  なお、議員からは、ホームレスの方に対する担当職員の対応についてお褒めの言葉をいただきましたけれども、担当職員は、そのほかにも、例えば、DV避難者に対しては個々の状況に応じてきめ細やかな申請手続の支援を行いましたし、また児童養護施設等の児童に対しても、区内の全施設を訪問して代理申請の依頼を行ったり、申請書の作成を支援したりするなど、丁寧な対応に努めております。  以上です。 ○議長(井口かづ子議員) 保健福祉部長。       〔保健福祉部長(齊藤俊朗)登壇〕 ◎保健福祉部長(齊藤俊朗) 私からは、まず、生活保護法に基づく更生施設に関する御質問にお答えします。  更生施設等の入所者につきましては、施設への定期的な訪問による面接や、指導員から適宜の聞き取りなどにより生活実態を把握し、自立に向けた支援を行っております。ただ、御指摘いただいたとおり、入所者の中には、心身の状況に課題があり、早急な自立に向けた対応が困難なため、入所期間が長期化している者もあると認識はしてございます。
     次に、無料低額宿泊所に関するお尋ねですが、ケースワーカーによる定期的な訪問によりまして入所者の生活実態や健康状況の把握に努めており、その際、施設内の環境等も確認しております。  次に、住居確保給付金の申請状況についてのお尋ねですが、本年4月から7月の申請件数は、100件、923件、627件、226件となっております。昨年の4月から7月では、申請件数が2件、6件、3件、5件でございます。  また、今後の予想といたしましては、今後、緊急事態宣言時のような休業要請、また支給要件のさらなる緩和などの制度改正が行われなければ、休業等に伴う減収に伴う申請数は減少していくものと見込んでおります。ただ、一方で完全失業率なども上昇しており、今後の景気回復が遅れた場合には、申請がさらに増加することもあり得るものと考えてございます。  次に、支給期間延長の申請状況ですけれども、7月は47件で、延長割合は47%、8月につきましては352件で、延長割合は38%となっております。  次に、支給要件である求職活動の今後の取扱いについてのお尋ねでございますが、現在、改正された生活困窮者自立支援法施行規則に基づきまして支給要件の緩和を行っているところでございます。そのため、現在のコロナ禍の状況では、再度省令が改正されるまで、当分の間はこの緩和措置が続くものと認識してございます。  次に、生活保護の申請件数が増加していない理由につきましては、他の議員にもお答えしておりますが、緊急小口資金などの様々な支援策の提供や、特別定額給付金の支給により当面の生活が維持されていることによるもの、それ以外についてはなかなか分からないということで考えてございます。  次に、給付金の延長申請のフォローについてのお尋ねですが、くらしのサポートステーションの相談員は、申請者に対しまして個別に連絡を取りまして、就労に向けての相談や情報提供などを行っております。また、同じ建物内にある就労支援センターなどとの連携を図りながら、就労に関するフォローも行っているところです。  区としましては、さきに御議決いただきました補正予算によりまして、相談員、さらに2名の増員を図っておりまして、相談体制を強化しておりますので、さらなる専門担当者の配置については、現在考えてございません。  私からは以上です。 ○議長(井口かづ子議員) 6番奥山たえこ議員。       〔6番(奥山たえこ議員)登壇〕 ◆6番(奥山たえこ議員) 御答弁ありがとうございます。特別定額給付金についても非常に丁寧にフォローしていただいたというふうに分かりました。大変よかったと思います。  それからあと、無料低額宿泊所とか、それから更生施設、定期的に行っていますという話なんですけれども、いいんですけれども、ちょっと足りないんじゃないかなと、ちょっと言い方が難しいんですけれども。そんなに日常的に接触しているわけではないですよね。どうなんでしょうか。行くだけだったりとか、もしくはそこで顔を見るだけだったりとか。もっとフォローしなきゃいけないんじゃないかと思っています。  ただ、ケースワーカーの職分の中で、できることも限られているし、それから、やっぱり忙しいだろうからと思いますけれども、訪問しているぐらいでいいんですかね。確認しているというぐらいですけれども、もうちょっとできることはないでしょうかということをお伺いしたいと思います。  以上です。 ○議長(井口かづ子議員) 理事者の答弁を求めます。  保健福祉部長。       〔保健福祉部長(齊藤俊朗)登壇〕 ◎保健福祉部長(齊藤俊朗) 私からは、無料低額宿泊所に関します再度の御質問にお答えします。  確かに実際上は、年に何回かといいましても、現実には2度か3度、現地に行ってお話しするという状況がなきにしもあらずということでございますが、そういった中でも、さらに今後の生活についてきちんとお話をして指導しながら、自立していくためには、場合によりましては区役所の窓口のほうに来て相談するような、そういうことも状況に応じてはなるべくお願いするように担当のほうにも伝えてまいりますので、なるべく接触する機会を多くして、把握しながら、自立に向けられるように取り組んでまいりたいと思います。  私からは以上です。 ○議長(井口かづ子議員) 以上で奥山たえこ議員の一般質問を終わります。  以上で日程第1を終了いたします。  議事日程第3号は全て終了いたしました。  本日はこれにて散会いたします。                                午後3時01分散会...