杉並区議会 > 2019-11-21 >
令和 元年第4回定例会−11月21日-25号

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  1. 杉並区議会 2019-11-21
    令和 元年第4回定例会−11月21日-25号


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    令和 元年第4回定例会−11月21日-25号令和 元年第4回定例会             令和元年第4回定例会            杉並区議会会議録(第25号) 令和元年11月21日 午前10時開議 出席議員47名 欠席議員1名 1 番  佐 々 木  千  夏      25番  中  村  康  弘 2 番  ほらぐち  と も こ      26番  北     明  範 3 番  田  中 ゆうたろう      27番  川 原 口  宏  之 4 番  堀  部  や す し      28番  大  泉  やすまさ 5 番  松  尾  ゆ  り      29番  井  原  太  一 6 番  奥  山  た え こ      30番  大 和 田     伸 7 番  野  垣  あ き こ      31番  今  井  ひ ろ し 8 番  奥  田  雅  子      32番  浅  井  く に お 9 番  松  本  みつひろ      33番  金  子 けんたろう 10番  木  梨  もりよし      34番  富  田  た  く 11番  ひ わ き     岳      35番  くすやま  美  紀 12番  関  口  健 太 郎      36番  け し ば  誠  一
    13番  川  野  たかあき      37番  新  城  せ つ こ 14番  山  本  ひ ろ 子      38番  岩  田  い く ま 15番  わたなべ  友  貴      39番  太  田  哲  二 16番  國    た か し      40番  大  槻  城  一 17番  矢  口  やすゆき      41番  渡  辺  富 士 雄 18番  松  浦  威  明      42番  島  田  敏  光 19番  酒  井  ま さ え      43番  安  斉  あ き ら 20番  山  田  耕  平      44番  脇  坂  た つ や 21番  そ  ね  文  子      45番  吉  田  あ  い 22番  小  林  ゆ  み      46番  大  熊  昌  巳 23番  藤  本  な お や      47番  小  川  宗 次 郎 24番  山  本  あ け み      48番  井  口  か づ 子(欠席) 出席説明員       区長             田 中   良       副区長            宇賀神 雅 彦       副区長            吉 田 順 之       政策経営部長         関 谷   隆       施設再編・整備担当部長事業調整担当部長情報・行革担当部長                      喜多川 和 美       総務部長           白 垣   学       危機管理室長         寺 嶋   実       区民生活部長         渡 辺 幸 一       地域活性化担当部長オリンピックパラリンピック連携推進担当部長                      岡 本 勝 実       産業振興センター所長     齋 木 雅 之       保健福祉部長         森   雅 之       高齢者担当部長        田部井 伸 子       健康担当部長杉並保健所長   増 田 和 貴       子ども家庭部長        徳 嵩 淳 一       都市整備部長         有 坂 幹 朗       まちづくり担当部長      茶 谷 晋太郎       土木担当部長         友 金 幸 浩       環境部長           齊 藤 俊 朗       会計管理室長(会計管理者)   南 雲 芳 幸       政策経営部企画課長事務取扱政策経営部参事                      伊 藤 宗 敏       総務部総務課長        寺 井 茂 樹       教育長            井 出 隆 安       教育委員会事務局次長     田 中   哲       教育企画担当部長       白 石 高 士       学校整備担当部長       中 村 一 郎       生涯学習担当部長       安 藤 利 貞       選挙管理委員会委員長     織 田 宏 子       代表監査委員         上 原 和 義       監査委員事務局長       手 島 広 士         令和元年第4回杉並区議会定例会議事日程第3号                                令和元年11月21日                                午前10時開議 第1 一般質問 ○副議長(島田敏光議員) 議長の職務を代行いたします。  これより本日の会議を開きます。  会議録署名議員は、前回の会議と同様であります。  これより日程に入ります。  日程第1、一般質問に入ります。  34番富田たく議員。       〔34番(富田たく議員)登壇〕 ◆34番(富田たく議員) 日本共産党杉並区議団の富田たくです。区議団を代表して、風水害対策について一般質問いたします。  冒頭に、ことしの台風15号、19号、その後の豪雨など、一連の風水害の被害により亡くなられた方にお悔やみを申し上げるとともに、被災された方にお見舞いを申し上げます。  それでは、質問に入らせていただきます。  地震災害については、阪神・淡路大震災、東日本大震災の経験から、想定震度の上方修正が行われ、それに対する被害を想定しつつ、都心部での首都直下型震災に対する防災・減災に対する取り組みが進められています。  一方、水害については、近年多発している短時間豪雨、いわゆるゲリラ豪雨への対策が急がれるとともに、今まで経験したことのない大規模な降雨による浸水被害への備えが求められています。杉並区では、大規模な地下調節池などの設置が進められているものの、想定を超える雨量による浸水被害に対する備えとしては、行政、民間ともに、これから進めていくという段階ではないでしょうか。  今回は、そうした観点のもと、近年の全国で発生している大規模な風水害を通して、杉並区の水害ハザードマップ地域防災計画風水害編などについて確認をしていきたいと思います。  昨年は、200名以上の死者、行方不明者を出した平成30年7月豪雨、ことしは、台風15号、19号、そしてその後の豪雨によって、日本全国で甚大な被害が発生しました。台風19号では東京23区に大雨特別警報が発表されましたが、平成25年に特別警報が設定されてから初めてのことです。  区内では、台風19号より15号の暴風被害のほうが大きかったと受けとめています。強風による家屋の被害などの発生で、私のもとにも、屋根が剥がれたという相談や連絡が3件ありました。  まず、改めて確認ですが、ことしの台風15号及び19号などによる区内の被害状況をお示しください。  また、全国で甚大な被害を発生させた一連の暴風雨災害から、杉並区としてどのような教訓を導き、どのような対策を行っていくのか、区の認識を伺います。  現在の杉並区の水害対策については、東京都の豪雨対策基本方針における、河川改修での時間50ミリ対応、調節池等整備での15ミリ対応、雨水浸透施設等の設置などの流域対策での時間10ミリ対応、合わせて時間75ミリ降雨対応の目標が立てられており、早期実現が求められています。区として早期に実現するためにどのような努力を行っているのか、区の認識を伺います。  平成25年に出された東京豪雨対策下水道緊急プランによって、善福寺地域など、区内でも小規模緊急対策地区が指定され、バイパス管の設置や雨水ますの増設、グレーチングますへの取りかえなど、現場状況に応じた対策が行われており、これらの地域では一連の効果があらわれています。  こうした対策を区内の他の地域でも実施するよう東京都と協議すべきと考えますが、区の見解はいかがでしょうか。また、都との連携が難しい場合は、杉並区独自で対策を行っていく必要があると考えますが、区の見解を求めます。  さて、杉並区水害ハザードマップについて、少々細かい部分も掘り下げて確認をしていきたいと思います。  台風や大雨、豪雨などによる水害は、地震災害と違って、地形や想定雨量からある程度の浸水被害を予測することができます。水害による被害を軽減するためには、自分たちの住む地域の浸水予測を事前に把握することが大前提であり、そのための水害ハザードマップの位置づけは大変重要です。  昨年の平成30年7月豪雨では、倉敷市で大規模な洪水が発生しましたが、その浸水地域は、事前に作成されていた倉敷市の水害ハザードマップ浸水想定地域とほとんど一致していたとの報告があります。浸水の範囲や深さが事前に予測されていたのにもかかわらず、倉敷市では、洪水によって家屋内で亡くなった方は40名以上と、大きな人的被害が発生しました。私たちは、こうした事例からさまざまなことを考えていかなければいけないと思います。  平成29年、近年の大規模水害の発生を受けて水防法が改定され、想定される最大規模降雨量が上方修正されました。杉並区では、時間最大雨量を153ミリ、総雨量を690ミリと想定し、さらに、この想定を超える雨量や、想定を超える洪水の発生もあり得るという考え方に変わりました。  この方針に基づき、新たに作成された杉並区の水害ハザードマップには、最大規模降雨による河川の溢水で浸水が想定される洪水浸水想定区域が赤線で示されるとともに、区内の地表面の高低差をもとにした浸水シミュレーションによって、最大規模降雨の内水氾濫による浸水地域とその深さが、黄色から緑、青、紫と色別に示されています。  この洪水浸水想定区域と想定浸水深シミュレーションの関係性についてですが、水害ハザードマップ上での説明が不足している印象を受けます。というのも、河川の周りに描かれた洪水浸水想定区域の外側にも浸水シミュレーションの範囲が広がっており、どちらの情報をもとに水害による被害を想定すればよいのかがわからないのです。さまざまな想定やシミュレーションを載せても、その内容がわかりやすく区民に伝わらなければ、ハザードマップの活用はできません。  改めて、洪水浸水想定区域と想定浸水深シミュレーションについての区の説明を求めるとともに、今後のハザードマップの改定時に、それぞれの関係性についてわかりやすい説明を追記することを求めますが、区の見解を伺います。  また、想定浸水深シミュレーションで予想される浸水の深さごとの面積及び浸水想定地域全体の面積合計はどれぐらいなのか、浸水想定地域内に居住する住民はおおむね何世帯なのか、改めて答弁を求めます。水害ハザードマップでは、土砂災害警戒区域及び土砂災害特別警戒区域も記載されましたので、あわせてその区域内の世帯数についてもお示しください。  水害ハザードマップで示されている想定浸水深シミュレーションでは、浸水0.1メートルから0.5メートル未満と予測される地域が区内全体に満遍なく広がっています。通常の家屋であれば、この程度の浸水では大きな被害が出ないと考えられますが、地下設備のある建物については、この程度の浸水でも大きな被害が予想されます。  台風19号では、高層マンションの地下設備に浸水し、設置されていた電気設備や水道ポンプ設備等が被害を受け、マンション内の停電、エレベーター停止、断水などの被害が発生しました。高層階に住む方々はエレベーターが使えず、給水所に行くのにも長い階段の上り下りが必要で、大変な思いをされていました。  水害ハザードマップで予想されている浸水危険地域において、地下に電気室、ポンプ室などが設置され、浸水時に建物内のライフラインが停止する可能性が高いマンションなどの共同住宅の実態把握を行うとともに、抜本的な浸水対策や、最大降雨に近い雨量に対応した浸水対策が行えるよう、相談体制、支援体制が必要であると考えますが、区の見解を求めます。  さて、水害ハザードマップを見ると、洪水浸水想定区域、また想定浸水深シミュレーション浸水想定地域、さらには土砂災害警戒区域など、危険とされる地域またその近くに、降雨量計、河川水位計、防災無線などの計測器が設置されております。想定最大規模の雨量が発生し、甚大な浸水被害が発生した場合、どのような降雨だったのか、河川水位がどのように変化したのかなどの記録がとられていることが、今後の対策にとって重要です。  所管への事前ヒアリングでは、計測機器の格納ボックスは完全防水がなされておらず、通常の降雨では影響ないが、浸水した場合は計測器に被害が出る可能性があるとのことでした。私も、神田川、善福寺川に設置された計測器を確認してまいりましたが、場所によっては、コンクリートによって50センチ程度の底上げをしている箇所もありましたが、底上げなどの対策もされていないものもありました。また、土砂災害警戒区域付近にある防災無線については、現地を確認して感じたのですが、災害の規模によっては、土砂に巻き込まれ、使用不能になってしまう可能性もあると感じました。降雨量計、河川水位計、防災無線などの設備についての浸水被害、土砂災害などの対策強化が必要と指摘しますが、区の見解はいかがでしょうか。  水害ハザードマップは、浸水想定地域の周辺に約13万8,000部の配布が行われたと聞いています。浸水想定地域全域に配布することは大変重要です。ただし、区民が必要と思ったときに手に入れられることも重要だと考えます。現在、区立施設での窓口配布は区役所と地域区民センターのみと、限られた施設でしか行われていません。区民が手にとれる場所をふやすことが必要と感じました。浸水想定地域土砂災害警戒区域内に設置されている区立施設等の公共施設及びコンビニや商店街など、区民が日常的に利用する商業施設や、私立保育園など、保護者が日常的に送り迎えで来園する保育施設などでも区民が手にとれるよう、水害ハザードマップを置いてもらうよう検討、交渉すべきと考えますが、区の見解はいかがでしょうか。  次に、杉並区地域防災計画風水害編について確認していきます。  水防法の改定により、洪水浸水想定区域及び土砂災害警戒区域内の災害時要配慮者利用施設に対する避難確保計画の作成と避難訓練の実施が義務化されました。ここでいう災害時要配慮者利用施設は、地域防災計画で、医療機関6施設、高齢者施設84施設、教育施設35施設、児童福祉施設が90施設、障害者施設が22施設、合計で237施設の指定がなされています。  義務づけとなった避難確保計画の作成について、どのような内容のものをいつまでに作成することになるのか、また、現状の作成状況は何件で、全体の何割が作成済みなのか、答弁を求めます。  ここでいう避難訓練の実施については、いわゆる震災訓練とは別の訓練方法で行う必要があると考えますが、区の見解を求めます。また、各施設の避難訓練実施状況についても答弁を求めます。  地域防災計画では、浸水被害時の避難所及び土砂災害時の避難所として、区立小中学校など22施設が指定されています。そのうち土砂災害時の避難所は4施設で、久我山会館、高井戸東小学校、大宮中学校、そして方南小学校です。  実は、この4施設のうち方南小学校だけは洪水浸水想定区域内にあり、災害時要配慮者利用施設に指定されています。土砂災害の危険性がある場合、長時間の大雨というケースが考えられ、浸水想定区域では浸水被害も発生することが考えられます。現状のままだと、土砂災害の危険があるから方南小学校に避難したのに、学校が浸水し、逆に被災してしまうという状況が考えられます。土砂災害指定の避難所としては、洪水浸水想定区域内の方南小学校ではなく、浸水想定区域外の別の施設を確保する必要があると考えます。この点について区の見解はいかがでしょうか。  22の避難所のうち19施設が浸水時の指定避難所となっていますが、水害ハザードマップ上で位置を確認すると、地域によって設置場所に偏りが見られます。特に善福寺川の松見橋から天王橋、相生橋にかけては、右岸に荻窪地域区民センターと杉並第二小学校があるものの、河川北側の左岸側には避難所がありません。また、方南・和泉の地域では、神田川の南側に方南小学校や和泉学園があるものの、両校とも洪水浸水想定区域内のため、水害時の避難所として指定されていません。そのため、この地域では、神田川以南の指定避難所が1カ所もない状況です。  区としては、河川の溢水が予想される場合は早目の避難をしてほしいと考えるわけですが、実際には、溢水の危険が迫ったときに避難を開始する方もいらっしゃるでしょう。そうなると、溢水するかもしれない河川を渡って対岸の避難所に避難するのは、かえって危険です。水害時の避難所は河川の両岸で確保できるよう、指定避難所の増設を検討することが必要と考えますが、区の見解はいかがでしょうか。  地域防災計画では、避難所が不足した場合、必要に応じて震災救援所に準じた場所に避難所を増設するとされておりますが、全ての震災救援所が水害時の避難所に使えるかというと、そうではないと思います。地域防災計画に記載されている区立小中学校の震災救援所は合計65カ所で、収容可能人数は全体で9万3,000人弱。そのうち、浸水想定地域に存在する小中学校は18校あり、その収容人数は合計で2万5,000人。差し引きすると、水害時に避難所として活用できる小中学校の収容人数は6万7,000人余りとなります。浸水想定地域ハザードマップを13万8,000部配布したということは、最大規模降雨で浸水被害に遭う世帯は13万8,000世帯と予想されます。その全員が避難所を利用するとは限りませんが、水害時の避難所の収容人数約6万7,000人で対応できるのか不安になります。  そこで確認しますが、想定最大規模降雨が杉並区全域に降った場合、ピーク時の避難者の人数はどれぐらいを想定しているのか、また水害時の避難所の収容人員はどれくらいか、答弁を求めます。
     いわゆる震災救援所を水害時の避難所として開設していく際の判断は、誰がどのようなタイミングで行うのか、またどのような人員体制で、どのような手順で行うのかも確認いたします。  さらに、避難所として機能するためにも、水害時の備蓄品、設備など、水害避難所以外の震災救援所にも配備する必要があると考えますが、区の見解を求めます。  さて、台風15号では、暴風による被害が区内でも多発しました。私も区内の見回りを行った際、個人商店などで看板の落下被害が少なくない数ありました。地域防災計画では、「広告塔、看板等の屋外広告物は、災害時に脱落し、被害を与えることも予想される。(中略)設置者に対し、設置の許可申請及び設置後の維持管理に際し、災害対策の観点からの指導を強化していく。」とあります。この指導について、どのような強化を行うのか確認いたします。  また、老朽化した看板等の補修費用の助成などの制度の検討も求めますが、区の見解はいかがでしょうか。  浸水被害の軽減に向けて、大規模な地下調節池などの設備も必要ですが、雨水を地中へ浸透させることも重要です。地域防災計画では、「既往の支援制度を拡充することによって、住宅、店舗、事務所に雨水浸透・貯留、再利用施設の構築を図る。」とあります。私も支援制度の拡充は必要であると考えますが、拡充の検討状況はいかがか、確認いたします。  水防法13条2の雨水出水に係る水位情報の通知という項目では、排水施設等で雨水出水により相当な損害を生ずるおそれのあるものとして指定された施設について、自治体が特別警戒水位を定め、近隣住民に広報するよう定めがあります。簡単に言うと、環7通りの地下調節池などの排水施設の水位についても、河川水位のように警戒水位を設定し、それを超えたら地域住民に知らせるということです。貯留管、地下調節池など排水施設等の水位について、河川と同様に推移状況を区が把握し、危険水位、警戒水位などを区民に知らせる取り組みが必要と考えますが、区の見解を求めます。  さきの台風15号では、屋根を飛ばされた住宅の後片づけを私も手伝いました。屋根のトタンだけでなく、屋根内部の合板材など細かい廃材が被害家屋周辺に大量に散乱していましたので、家主の方だけでなく、御近所総出で後片づけとなりました。  その中でも大変だったのはやはり剥がれた巨大なトタンの処理で、折り畳んでも長さ六、七メートルと大きく、交通の妨げにならないようにと、大人が五、六人で引きずりながら移動させました。さすがにこのトタンの処理は個人ではできないので、区清掃事務所に回収の相談をしましたが、大き過ぎて清掃事務所のトラックに載り切らないこと、屋根部材を切断するすべが清掃事務所にないことから、清掃事務所での回収を行うことができませんでした。結果的に、屋根の修理をお願いした業者に回収をお願いすることとなりましたが、こうした災害廃棄物について、避難者負担とならないよう行政で対応できるスキームが必要と考えるが、区の見解はいかがでしょうか。  屋根が剥がれてしまった世帯では、雨水が家屋内に入ってきてしまい、翌日の気温が高かったことも相まって、家中がカビだらけになってしまいました。屋根の修理だけでなく、畳、壁紙などの取りかえで、補修費がどのくらいになるのかいまだにわからないとおっしゃっておりました。  こうした家屋被害への支援として被災者生活再建支援制度がありますが、この制度が適用されると、住宅が全壊、大半壊した場合は一定の支援が受けられる仕組みです。しかし、自治体で10棟以上の全壊が発生した場合など、制度が適用されるのに一定の条件があり、現状で杉並区は適用されておりません。今回、住宅の屋根などが飛ばされ半壊とされた住宅にも、被災者生活再建支援制度による支援金の支給が受けられるよう、柔軟な対応をとるよう東京都との協議を行うべきと考えますが、区の見解はいかがでしょうか。  また、こうした被災者生活再建支援制度など、国や都の制度が受けられない場合、住宅に被害を受けた住民の生活再建は大変困難となります。そうした場合、区の独自制度として生活再建に向けた支援の取り組みが必要だと考えますが、区の見解はいかがでしょうか。  最後に、気候非常事態宣言について述べたいと思います。  昨今の水害の大規模化は、杉並区のような宅地化が進んだ地域での雨水浸透能力の低下とともに、太平洋の海面温度の上昇による台風等の大規模化などが原因と言われています。河川の護岸工事による排水能力の向上や雨水浸透能力の向上が必要であるとともに、気候変動を食いとめる対策の強化も必要です。  近年、国際的には、気候変動問題について、自治体レベルで非常事態宣言を行い、自身の役割を明確にし、気候変動対策への取り組みを強化する動きがあります。国内でも、長崎県壱岐市など2カ所で、自治体での宣言、議会での決議が行われています。杉並区でも、こうした取り組みを参考にし、気候非常事態宣言を行い、区の気候変動対策の抜本的な拡充を行うよう求めますが、区の見解をお聞きし、私の一般質問を終わります。 ○副議長(島田敏光議員) 理事者の答弁を求めます。  危機管理室長。       〔危機管理室長(寺嶋 実)登壇〕 ◎危機管理室長(寺嶋実) 私からは、風水害対策に関するお尋ねのうち、所管する部分についてお答えいたします。  まず、台風15号、19号による区内の被害状況でございますが、台風15号では、浸水、人的被害の報告はなく、住居半壊1件、住居一部損壊38件の被害がございました。台風19号では、住家の床上浸水7件、床下浸水2件、家屋の一部損壊34件などの被害がございました。  次に、台風15号、19号からの教訓と対策ですが、停電時の対応や交通機関の計画運休に対応した防災体制、避難所の運営方法などにおいて課題が明らかになったことが教訓として挙げられると考えてございます。  対策としては、台風での停電時のオペレーション想定、計画運休及び避難所拡大を踏まえた水防体制の整備、ペットの受け入れなどを含めた避難所運営方法の再確認などがあると考えており、今後具体的に検討し、風水害対策の充実につなげてまいります。  次に、土砂災害警戒区域内の世帯数のお尋ねですが、土砂災害警戒区域内の設定時点での対象世帯数は116世帯でございます。  次に、要配慮者利用施設避難確保計画に関するお尋ねですが、避難確保計画は、水害や土砂災害が発生するおそれがある場合に、施設の管理者が利用者の円滑かつ迅速な避難を確保するために、必要な事項を定めるものでございます。当該施設の防災体制や避難誘導に関する事項、施設の整備や防災教育及び訓練の実施などを定めることとなってございます。  なお、いつまでにといった期限はございませんが、全ての対象施設が速やかに作成できるよう、相談、助言などの支援を行ってまいります。  次に、避難訓練に関するお尋ねですが、まず、震災訓練とは別の方法で行う必要があるとの御指摘ですが、避難訓練は、ハザードマップを活用するなどして、水害や土砂災害に対し安全な場所に速やかに避難するなど、浸水想定区域土砂災害警戒区域などの地域の実情に応じて実施することが重要であり、必ずしも震災訓練と別の方法で行わなければならないものではないと考えております。  なお、訓練実施状況ですが、各民間施設には今年度末までの実施状況の報告を求めておりますので、全体の状況が把握できるのは次年度となります。  次に、土砂災害の避難所指定に関するお尋ねにお答えします。  方南小学校は、和泉4丁目の土砂災害警戒区域に最も近く、また、神田川を渡らずに避難が可能な場所であり、想定される浸水深も浅いことから、避難所としての指定には問題がないものと考えております。また、開設に当たりましては、職員により周囲の状況等の安全確認を十分に行うこととしておりますので、他所の指定は考えてございません。  次に、水害時の避難所を河川の両岸に確保できるよう増設を検討したらどうかとのお尋ねでございますが、本年度、水害ハザードマップを改定し、想定し得る最大規模の降雨に基づき、浸水害及び土砂災害指定の避難所を22カ所指定したものでございます。直ちに拡大の検討を行う必要はないと考えてございます。  次に、想定最大規模の降雨が区全域に降った場合の避難者数の想定や、指定避難所収容可能人員のお尋ねですが、区内で約2万人の避難者が発生すると想定しております。また、避難所の受け入れ人数としては、最大約2万2,000人の収容スペースを確保しております。  なお、指定外の他の学校等で避難所を開設する必要がある場合は、水防非常配備態勢や全庁態勢での対応とし、各震災救援所運営連絡会とも協力を得ながら対策を講じてまいります。  私からは以上です。 ○副議長(島田敏光議員) 土木担当部長。       〔土木担当部長(友金幸浩)登壇〕 ◎土木担当部長(友金幸浩) 私からは、風水害対策に関する御質問のうち、所管事項についてお答えいたします。  初めに、水害対策の時間75ミリ対応についてのお尋ねですが、東京都豪雨対策基本方針では、おおむね30年間で、時間75ミリの降雨に対応する具体的な対策を示しております。  区では、近年の台風や集中豪雨を踏まえ、方針に沿って雨水流出抑制対策を積極的に進めております。また、東京都に対しても河川や下水道の整備促進を働きかけており、今後も都との連携を図りながら取り組んでまいります。  次に、下水道の豪雨対策についてのお尋ねですが、下水道緊急プランでは、桃園川幹線流域における浸水被害の軽減を目的に第二桃園川幹線整備事業を、荻窪2丁目地区では貯留管施設の整備を進めているところですが、近年の豪雨を考えると、さらに、大宮前幹線の増強や第二桃園川幹線の下流側整備を早期に進める必要があると考えております。  また、区の取り組みとしては、浸水被害が多発する地域の実態に応じて、雨水ますの新設や横断U字溝の設置などによる雨水排水能力の強化や雨水浸透・貯留能力の強化に力を入れて進めています。  次に、水害ハザードマップに関する一連のお尋ねにお答えいたします。  ハザードマップに赤線で示した洪水浸水想定区域は、河川からの氾濫のみによる浸水が想定される区域を示しております。浸水の深さごとに色分けし、着色した区域につきましては、河川からの氾濫に加え、内水氾濫と呼ばれる下水道による浸水もあわせて予想したもので、これらを重ねて表記しております。  浸水予想地域につきましては、面積が約9.7平方キロメートル、世帯数は約12万5,000世帯となっております。  ハザードマップの周知につきましては、浸水が予想される区域内の全世帯及び高齢者施設や障害者施設など、要配慮者利用施設にも水害ハザードマップを配布いたしました。そのほかに、公式ホームページや区報などの掲載に加え、町会・自治会への案内や、各種イベントの機会を捉え、区民へ直接説明を行っているところです。引き続き、さまざまな機会を捉え周知を図ってまいります。  次に、水防情報システムについてお答えいたします。  現在、区内には22カ所の観測局を設け、当該地の雨量や河川水位を観測し、区民への情報提供を行っております。  観測局の位置につきましては、災害時の被害想定を踏まえ、周辺環境や維持管理を考慮しながら設置しており、降雨などの影響により内部機器への損傷をできる限り与えないよう底上げを行うなど、対応を図っております。  次に、水害対策施設の情報提供に関する御質問にお答えします。  区民が水害に備えるために必要な情報には、気象情報を初め、雨量、河川水位などさまざまな情報がございます。近年多発する内水氾濫による被害が発生している状況を踏まえると、さらにきめ細かい情報の公開が必要であることから、関係機関と連携を図りながら研究してまいります。  次に、屋外広告物の災害対策に関する御質問にお答えします。  東京都屋外広告物条例では、広告主や広告物の所有者、占有者に対し、「広告物等に関し、補修その他必要な管理を行い、良好な状態に保持しなければならない。」との規定がございます。区では、この規定に基づき、広告物等の設置、変更、継続の際には所有者等へ適正な対応を求めており、今後も管理内容の確認に努めてまいります。  また、あわせて、台風時期や強風が予想される際などには、広報やホームページで広告物等の適正な管理についての注意喚起を行ってまいります。  次に、補修費用の助成についてですが、基本的には、広告物等の所有者に適正な管理義務がございますので、補助制度の創設は考えておりません。  私からの最後に、雨水流出抑制対策等の取り組みについてお答えします。  区では、住宅などの建てかえの際、浸水被害を軽減するため、雨水浸透施設の設置助成を行い、積極的に雨水流出抑制対策に取り組んでいるところであり、今後も支援制度の周知に努めてまいります。  私からは以上です。 ○副議長(島田敏光議員) 都市整備部長。       〔都市整備部長(有坂幹朗)登壇〕 ◎都市整備部長(有坂幹朗) 私からは、マンションなど、地下設備のある建築物についての浸水対策に関するお尋ねにお答えします。  区では、地下設備のある建築物の実態は把握してございませんが、地下設備の浸水対策は重要だと認識してございます。現在区では、既存マンションの管理についての無料相談会やセミナー開催等を行っております。今後、こうした機会を捉え、地下設備の浸水対策の重要性について普及啓発をしてまいります。  さらに、改修工事費に対する利子補給や防水板設置の助成の案内を充実させ、地下設備のある建築物の浸水対策を促進してまいります。  私からは以上です。 ○副議長(島田敏光議員) 環境部長。       〔環境部長(齊藤俊朗)登壇〕 ◎環境部長(齊藤俊朗) 私からは、暴風雨災害時の大型廃棄物の処理についてのお尋ねにお答えします。  災害等により生じた災害ごみは、大きさにかかわらず、区で対応する必要があるのではとのことでございますが、災害の規模や災害ごみの形状等、また状況等によって対応が異なります。そのため、全てにおいて区で処理することは難しいことから、所有者においてできる範囲での対応はお願いしたいと考えております。  次に、気候非常事態宣言に関する御質問についてお答えします。  さきに他の議員にもお答えしておりますが、気候非常事態宣言を行うことも区民への意識啓発になるものとは考えておりますが、その宣言を実効性のあるものとするためには、一緒に取り組みを行う区民等の理解を深めていくことが重要と考えております。そのため、まずはさまざまな機会を活用した啓発を行い、区民等が環境対策に積極的に取り組もうとする意識の醸成を図ることに努めてまいります。  私からは以上でございます。 ○副議長(島田敏光議員) 保健福祉部長。       〔保健福祉部長(森 雅之)登壇〕 ◎保健福祉部長(森雅之) 私からは、被災者生活再建支援制度に関する御質問にお答えいたします。  最初に、支援金支給の東京都の対応についてのお尋ねですが、都は、今回の台風15号により住宅に著しい被害を受けた世帯を対象にした、被災者生活再建支援事業実施要綱を制定しております。これを受け、区は、対象となる区民の方に対し、制度の内容を御説明するとともに、支援金の支給希望の有無を個別に把握してきたところでございます。  次に、被災者生活再建支援制度が受けられない場合の対応についてのお尋ねですが、本制度の対象とならない世帯につきましては、区の小災害被災者応急援護措置要綱に基づく災害見舞金を支給し、対応しているところでございます。  私からは以上でございます。 ○副議長(島田敏光議員) 34番富田たく議員。       〔34番(富田たく議員)登壇〕 ◆34番(富田たく議員) それでは、再質問させていただきます。  まず、要配慮者利用施設避難確保計画ですが、内容はお話しいただきましたけれども、現状、提出済みで、約何割の避難確保計画ができ上がっているのかというのが答弁が漏れていましたので、お願いいたします。  それから、避難訓練の実施についてですが、必ずしも震災訓練と別である必要はないというふうにおっしゃっておりましたが、例えば高齢者施設など、移動が大変困難な方がいるときは、その建物の中で上方避難というんですかね、上方の階に逃げるという震災訓練とはまた別の避難訓練が水害時には必要だということも考えます。なので、そういった区分けがきちんとできるかどうかというのが重要だと思うんです。震災訓練を行っているからオーケーですというふうにならないように、どう確認していくかが重要だと思うんですけれども、その部分について確認いたします。  それから、方南小学校の土砂災害時の避難所の指定についてなんですけれども、浸水想定が浅いからというふうにおっしゃっておりましたが、ハザードマップを見ると、方南小学校の敷地内は、1メートル以上から2メートル未満の浸水も想定されている箇所があるんです。2メートルというと私の背よりも上です。そうした浸水の可能性があると想定されている場所が土砂災害の避難所として指定されているのが、私は疑問でしようがないんですね。やはりここは、浸水の危険がない地域での避難所を土砂災害のときにも確保していくことが必要と考えます。その点、改めて検討が必要だと思いますが、区の認識はいかがでしょうか。  あと、水害時の指定避難所の数、現在19カ所の避難所の数については、最大降雨を想定して被害が出たという状況で考えたら問題がない、この数で足りるんだとおっしゃっておりましたが、水防法の改定によって、最大規模の降雨量を超える降雨が発生し、想定を超える洪水が発生することを考えるべきだという考え方に変わっているんです。要するに、想定を超えた規模での被害が発生することを考えて準備しなければいけないんだというふうに水防法は変わりました。そういう意味では、最大規模降雨を想定して、大丈夫ですと言っているようではまだ足りないと思うんですが、その点いかがでしょうか。  あと、被害が発生したとき、想定最大規模降雨が区内全域にあった際にピーク時の避難の人数というのは、済みません、ちょっと僕、聞き取れなかったので、実際に区が想定している水害時の最大の避難者、ピーク時は一体何人なのかというのを改めて確認させてください。  また、地域防災計画震災編のほうでは、首都直下型の震災の想定被害や避難者数を詳細に地震の場合は記載しているんですけれども、風水害編のほうは、そうした被害想定がありませんでした。私が見つけられなかっただけなのかもしれませんけれども。こうした部分、震災編で想定している被害想定と同レベルの被害想定を水害時にも考えていかなければいけないと思います。そうした部分について区の見解はいかがでしょうか。  また、震災編のほうでは、被害想定をした後、減災目標として「死者0(ゼロ)を目指す」というふうにうたっております。風水害編のほうではそういった記述が見られませんでしたので、風水害時の減災目標というのは一体どのように考えているのか。「死者0(ゼロ)を目指す」というふうにきちんとうたっているのかどうなのか、確認させていただきます。  区の水害対策で、75ミリ対応は30年間で行っているんだと言いますけれども、いつから30年でいつまでやるのかというのを、改めて確認します。  あとは、想定浸水深のシミュレーションの面積、どれぐらいかとお聞きしたときに、全体で9.7平方キロメートルとおっしゃっていたんですけれども、全体の数字をもう一度確認させていただきたいのと、深さごと、色分けされている色ごとの面積というのは一体どれぐらいなのかというのも確認させていただきたいと思います。  あとは、河川の水位計や防災無線、降雨量計などについて、できる限り浸水しないようにやっているというふうにおっしゃっていたんですけれども、できる限りなのは聞いていてわかっているんですけれども、実際に大規模な浸水が発生して、河川の溢水や内水氾濫によってそういった計測器が壊れてしまったら、今後の水害対策にとっては、そのときの情報が得られないという意味では大きなダメージとなると思うんです。  実際私、神田川、善福寺川、見て回ったんですけれども、それほど高い位置に存在していないんですよ。高くても、私の膝よりも下あたりのところにコンクリートのブロックをつくって、その上に計測ボックスが置かれているという状況ですので、これは浸水しないように対応していくべきだと思いますが、その点、区の見解を改めて求めます。  あとは、水害ハザードマップの配布についてですけれども、区の広報は、広報スタンドみたいな形で区内各地で手にとれるようになっておりますので、そこに水害ハザードマップなども設置するなど、そういった対応ができるんじゃないかと思います。  ちなみに、スマホ版のすぎナビアプリでも水害ハザードマップが見られるのですけれども、これ実は大変見づらいんですね。浸水シミュレーションについては、細かいドットで表示されているので、通常の色分けと区別がつきづらいですし、避難所も、水害時、災害時の区分けがありません。こういった意味では、すぎナビのハザードマップにも改善が必要と考えますが、区の見解はいかがでしょうか。  あとは、貯留管、地下調節池などの雨水については、関係機関と研究してまいりますというお話がありました。大変重要なことだと思いますので、これについては、ぜひ区民がリアルタイムで見られる状況をつくっていただきたいというふうに要望いたしまして、時間が来ましたので、再質問を終了させていただきます。 ○副議長(島田敏光議員) 理事者の答弁を求めます。  危機管理室長。       〔危機管理室長(寺嶋 実)登壇〕 ◎危機管理室長(寺嶋実) 富田議員の再度の御質問にお答えします。  質問が多岐にわたりますので、順不同で御了承ください。  初めに、要配慮者利用施設避難確保計画の策定数についてのお尋ねでございますが、本計画策定につきましては、緒についたところでございまして、現在、各施設に対して相談、助言等の支援を行っているところでございます。数値の把握はできてございません。  次に、避難方法について、震災訓練と同様のということでお答えしたところ、違いがあるのではないかというふうなお尋ねでございました。  御指摘のとおり、水害の場合、区が設定した避難所への避難だけでなく、堅牢な建物等があれば上のほうへ避難する方法もございますし、また、震災のときも同様でございますけれども、近隣の施設への逃げ込み、避難ということもあると思います。計画策定に当たりましては、そういった在宅といいますか、屋内避難も含めての計画の策定を御案内させていただくところでございますので、計画に基づいた訓練が実施されるよう、確認をしてまいりたいというふうに考えているところでございます。  次に、方南小学校の避難所指定についての再度の御質問がございました。
     御答弁繰り返しになりますが、避難所として指定する場合には、一定のスペースが確保できて、それから近隣の施設、そして、どなたにもあそこの施設ということがわかっていただくようなところから、近隣の小中学校、区立施設等の指定をしているところでございます。  また、洪水ハザードマップによる浸水域に含まれているという御指摘でございますが、開設に当たりましては、職員が周囲の状況、建物の状況等を確認し、安全を確認した上で開設をすることとしてございますので、特に別のところを指定する考えはございません。  次に、水害に係る避難者予測についてのお尋ねがございました。  御答弁申し上げましたが、区として、避難所に避難される方については約2万人と想定し、受け入れ数は2万2,000人のスペースを確保しているところでございます。  この考え方でございますけれども、浸水域の全ての世帯の方ということではなく、浸水深0.5メートル以上の浸水域の方を対象に避難者の算定を行ったものでございます。  私からは以上になります。 ○副議長(島田敏光議員) 減災目標。 ◎危機管理室長(寺嶋実) 失礼しました。地域防災計画の中では、減災目標として、災害による死者ゼロを目指すということでございます。地域防災計画風水害編として、水害対策、策定しているものでございます。災害による死者ゼロを目指すのは変わりございません。  以上でございます。 ○副議長(島田敏光議員) 土木担当部長。       〔土木担当部長(友金幸浩)登壇〕 ◎土木担当部長(友金幸浩) 私からは、再度の御質問のうち、残りの御質問にお答えいたします。  初めに、面積についての再度のお尋ねがございました。全体の浸水予想地域につきましては、先ほど御答弁いたしましたが、約9.7平方キロメートル、世帯数は約12万5,000世帯となっておりまして、浸水深ごとの面積等についても把握しておりますが、今手元にございませんので、後ほどお知らせさせていただきたいと思います。  それから、ハザードマップの配布についてのお尋ねがございましたが、先ほども御答弁したとおり、浸水予想区域の全世帯に配布し、区役所の本庁舎のほか、区民事務所でも配布しておりますので、直ちにコンビニ等での店舗に備えること等は考えてございませんが、今後も効果的な周知に努めてまいりたいと考えてございます。  それから、電子データでの見やすさにつきましては、機器の環境等ありますので、これは改善に努めてまいりたいと考えてございます。  それから、観測機器等の水没の危険という御質問がございましたが、設置場所の環境と管理面を考えて、できる限りそのようなことがないように設置してございますが、機器が浸水するような場合につきましては、近傍の観測局で補完するなど、情報提供の維持に努めてまいります。また、全ての観測局が水没するような状況であれば、気象情報や予測データに基づき早目早目の避難勧告等を発令し、区民の生命を守ることを優先してまいります。  私からは以上でございます。 ○副議長(島田敏光議員) 計画の年数。 ◎土木担当部長(友金幸浩) 30年後というお尋ねでしたが、これは東京都豪雨対策基本方針の策定から30年後で、平成何年だったか、今ちょっと確かなあれが頭にございませんので、こちらについても後ほどお知らせさせていただきます。 ○副議長(島田敏光議員) 以上で富田たく議員の一般質問を終わります。  7番野垣あきこ議員。       〔7番(野垣あきこ議員)登壇〕 ◆7番(野垣あきこ議員) 日本共産党杉並区議団の野垣あきこです。阿佐ヶ谷駅北東地区まちづくり及び西武新宿線について質問いたします。  まず、阿佐ヶ谷駅北東地区まちづくりについて、災害対策の視点から質問します。  10月12日に上陸した台風19号は全国各地で大きな被害をもたらし、国は、大規模災害復興法に基づく非常災害に指定しました。杉並区では、過去最大の防災体制のもと、11カ所の避難所が開設され、杉一小の避難所には115名が避難しています。  区の作成した地震被害シミュレーションによると、マグニチュード7.3の首都圏直下地震が発生した場合の阿佐谷北地区の避難者予測は、阿佐谷北1、2丁目が杉一小を最寄りの震災救援所とし、1,088人が収容可能としていますが、さらに、阿佐ケ谷駅からの帰宅困難者や滞留者も避難をしてくることが予想されます。  総合計画の中でも、帰宅困難者対策の推進は重点とされています。中央線4駅ごとの駅前滞留者対策行動ルールも制定されていますが、災害時には、受け入れ可能な集客施設や事業所が少なく、一時滞在施設の確保が難しい状況とあります。  先日の台風、また東日本大震災のときには、杉一小では、阿佐ケ谷駅からの帰宅困難者に対し、おやじの会が炊き出し等の支援を行うなど、震災救援所として非常に大きな役割を果たしました。帰宅困難者・駅前滞留者対策としても、阿佐ケ谷駅至近である杉一小の役割は重大と考えますが、いかがですか。  阿佐ヶ谷駅北東地区計画において、杉一小は、病院跡地に移転しても震災救援所や水害時の避難所としての役割を果たせるのかと、区民からは不安の声が上がっています。移転後、阿佐ケ谷駅からの距離は、現在の杉一小よりどれくらい離れるのか、帰宅困難者の受け入れについても今までどおり行う予定なのか、お答えください。  移転予定の病院跡地は、区の水害ハザードマップ上ではどのような土地か、浸水の可能性はないのか、伺います。  国立研究開発法人防災科学技術研究所の地震ハザードカルテによると、杉一小の土地は、標高42メートルで、微地形区分ではローム台地、移転用地となる病院の土地は、標高39メートルで谷底低地となっています。谷底低地は地盤が軟弱で揺れやすいため、地震被害が拡大しやすいと言われ、また、周辺は木密地域であることから、火災危険度、災害時活動困難度も高くなるという指摘がありますが、区としてはどう認識し、対策をする予定なのか伺います。  安全な場所にあり、災害時に区民の命を守ってきた杉一小を、不公平な条件で換地し、災害リスクの高い土地にわざわざ移転してしまう区のやり方を、単なる区画整理事業として済ませるわけにはいきません。  また、水害対策の点では、公園や空地の少ないこの阿佐ケ谷駅北東エリアで、けやき屋敷の屋敷林は、洪水浸水時にも大きな役割を果たすと考えます。森林土壌は、雨水を一時的に貯留し、時間をかけて徐々に下流に流すことによって、洪水の発生を防止、軽減させるという特徴があります。けやき屋敷の屋敷林の洪水緩和の機能や浸透について、区はどのように認識していますか。  また、地区計画では樹木の7割を伐採する計画ですが、雨水貯留機能が後退するおそれや、緑被率大幅後退の影響についての調査や考察はされているのか、伺います。特にけやき屋敷のように手入れがされている場合、浸透はさらに高いと言えます。  こうした懸念をするのは、中杉通りの地下には2,400立方メートルの一時貯水施設が整備されたにもかかわらず、昨年8月の豪雨でも雨水があふれ、冠水をしているからです。けやき屋敷の樹木が大量に伐採され、緑地部分も減少すると、こういった局所的短期集中豪雨や台風で、阿佐谷地域での冠水がさらにひどくなるのではないか、区の見解を伺います。  次に、この地区計画の目標に、「阿佐谷の歴史と文化が調和したみどり豊かなまち」というのがあります。けやき屋敷は都指定の旧跡となっており、緑に関する指定文化財の中で区内唯一の旧跡であり、貴重なもので、当然、区はそれを守っていかなければならない立場です。  東京都に問い合わせたところ、樹木が枯れてしまったり建物が消滅をした場合は、区教委と都教委で相談し、旧跡指定を取り消すこともあり得るとのことでした。病院移転でけやき屋敷が解体され、樹木の大半が伐採されれば、都の旧跡指定は解除となる可能性が高いと考えますが、区はどう認識しているのか、旧跡を保存する意思はないのか、伺います。  また、緑の保全に対して区は、できなければ伐採、伐採をしたら新たに創出すればよいという考えがあるようですが、新しい樹木が既存樹木と同じように大地に根を張り、その葉を茂らせるには何年もかかります。新たな緑の創出と言いますが、植えればすぐに豊かになるわけではありません。7割の大径木を伐採すれば、緑豊かなまちとは呼べず、後退だと指摘せざるを得ません。  さきの決算特別委員会では、病院がけやき屋敷に移転すれば、屋敷林とは呼べなくなるとの答弁がありましたが、杉並区緑地保全方針にある杉並らしいみどりの保全地区からは、阿佐谷北1・5丁目地区は外されるのか、伺います。  我が党区議団がネットと返信用はがきで行ってきたアンケートには、392通の返信がありました。引き続き住民の関心は非常に高く、低層建造物が多く広い樹林帯のある希少な駅前環境は保持して地域の魅力とするべきなど、けやき屋敷に対する意見も数多く寄せられています。また、住民団体からは、地方自治法に基づく住民投票を求めたいという話も聞いています。  区は、緑の保全を重点とし、屋敷林を区民共有の資産とした実行計画があるにもかかわらず、地区計画原案の意見書募集の記載を「区域内の土地所有者及び利害関係を有する方」とし、かなり限定していました。この記載に当たっては、私も所管に対し、地権者以外の意見も受け付けるよう要望し、区域外からも受け付けることになりましたが、区域外の住民にも利害関係が生じるのは当然です。区は、地権者以外の住民には利害関係はないという認識なのか、お答えください。  雑誌「建築ジャーナル」9月号では、「ぼくらの再開発」という特集が組まれ、「注目の現場」として、この計画に関する記事が掲載されていますが、その中に、果たしてにぎわい拠点は必要かという記述があります。  我が党区議団のアンケートなどでも、杉一小移転後の跡地構想について、商店や住民からはさまざまな声が寄せられています。阿佐谷は、スーパーなども充実し、個性豊かな商店街が頑張っているまちで、新たに大型商業施設の誘致や60メートルの高層ビルは必要ないという意見が大半です。  地区計画の目標には「にぎわいや利便性が高まり、来訪者が集うまち」とありますが、この来訪者のニーズとは何か。客観的に調査をしたのか。また、それは、公聴会や意見書などで出されている地域住民の意見よりも大事にされるべきものなのか、区の見解をお示しください。  けやき屋敷では、希少な猛禽類であるツミの生息が認められたにもかかわらず、地区計画原案の意見書への回答ではツミの保護には全く触れられておらず、不自然とさえ感じました。  東京都環境局の話では、区との話し合いの中で、調査は専門家とよく相談すること、その際に環境省の「猛禽類保護の進め方」をベースに行うべきということを、区にはかなり前に伝えているとのことです。  環境省の「猛禽類保護の進め方」では、「営巣場所の発見及び少なくとも繁殖が成功した1シーズンを含む2営巣期の調査が望ましい。」「2営巣期を含む1.5年以上の調査期間とする。」とありますが、前回に明快な答弁がなかったので、改めて伺います。今後の追加調査はどのように行うのか、具体的に示してください。  都計審の報告には、スケジュール予定として、来年の3月に都市計画決定とあります。ツミの調査や保護策の策定は進んでいるのか、伺います。  都の返答もないまま、ツミの保護を無視して、病院移転のための樹木伐採など、都市計画の手続を進めることはあってはならないと考えますが、区の見解を伺います。  今後、都との協議次第で計画を大幅に見直さなければならないとしたら、都市計画決定を再度やり直すのか。都市計画決定の予定だけが決まっていて、都との協議の完了は決まっていない、内容も明らかにしないというのはおかしいのではないでしょうか。ツミの保護策について都環境局とはどのような話をしているのか、時系列でその内容を明らかにしてください。  地区計画原案の意見書の区の考え方には、「総合病院跡地の土壌汚染対策については重要な課題と認識しています。」とあります。学校移転や病院移転には賛成という方からも、病院跡地の汚染調査はやるべきだという声が、公聴会でも、住民が行ったシール投票の場でも、我が党区議団アンケートでも上がっています。  第3回定例会では、病院に対し、土地利用履歴や過去の医療廃棄物の取り扱いなどの調査を行うよう申し入れている旨の答弁がありましたが、進捗状況を伺います。  また、動きがなければ、区から確認をする必要があるのではないでしょうか。できない理由があるのか。いつまで待つのか。地歴調査については、病院運営中であっても、可能な限りの公的な届け出資料の確認や聴取調査、現地調査は行うべきです。汚染対策の費用負担は別として、期限を決めて報告をさせる必要があるのではないか、いかがでしょうか。この問題を病院任せにしていては、重要な課題と認識しているとは言えないのではないでしょうか。  原案説明会では、杉一小のPTA会長さんも、本当に教育のことを考えているのか、なぜ教育委員会はここにいないのか、意見書は地権者のみで、杉一小保護者からは受け取ってもらえないのかと意見を述べています。杉一小の病院跡地への移転は、子供たちの教育環境と健康に大きくかかわる問題と考えますが、教育委員会としての見解を伺います。  10月10日の施行者会で決まった土地評価基準及び換地規程について、我が党区議団は情報開示請求を行い、読み解いてみましたが、一般的な土地区画整理事業や換地の常識を覆すような内容でした。土地評価基準を決めるに当たり、評価員の3名中2名が、土壌汚染について、評価に反映しなくてもよい、評価上問題ないとしており、汚染対策を施行者間で確認していれば、法や指針があっても適用されないとの認識で進められているのであれば、問題です。  日本不動産鑑定士協会連合会の不動産鑑定評価基準に関する実務指針では、土壌汚染の除去等の対策が行われたとしても、土地の最有効使用の制約、汚染物質の残存の可能性、また汚染地であったということによる心理的嫌悪感、スティグマなどにより不動産の減価を招くことに注意を促しています。区が言うように、病院が全面的に責任を負うという理由で土壌汚染がない土地と同等とする扱いは誤りではないかと考えますが、区の見解を伺います。  杉並区の交流自治体、静岡県南伊豆町は、町の地方創生事業で、都市部に住む高齢者らの移住、定住を促す日本版CCRC、生涯活躍のまちから撤退すると表明しました。区の所有地とともに拠点と見込んでいた隣接の病院跡地に土壌汚染が見つかり、土地取得費が高騰したことなどから断念をしたと聞いています。  土壌汚染の有無は、土地の換地や取得の際は最も重要な確認事項であり、相手方に任せて情報が全く示されないという事態は異常なことで、区民が疑問に思うのも当然ではないのか、区の見解を伺います。  けやき屋敷跡に移転する病院建てかえ計画について、構想や基本設計などは既に関係機関には示されているのではないですか。我が党区議団が資料請求した自然の保護と回復に関する条例に基づく開発許可申請の事前相談の中で示されているスケジュールでは、病院整備計画の事前調査、相談、設計等は今年度の半ばには終了ということになっています。これに基づけば、構想や基本設計は当然示されているはずで、区が今の段階で知らないということは考えられません。お答えください。  病院移転地であるけやき屋敷の緑の保全と容積率の緩和はイコールではなく、緑を残す部分については建蔽率で制限するもので、緑を守るという観点ではなく、巨大病院建設のための容積率の大幅緩和と指摘せざるを得ませんが、いかがか、区の見解を伺います。  防災や文化財、自然環境保護など、あらゆる視点からも、現行計画については、抜本的に再検討が必要だということは明瞭です。私は、子供たちの教育環境は何よりも大切にしたい、これからもけやき屋敷の緑に癒やされたいと思う多くの住民の願いを聞かずに進められる計画は、あってはならないと思うのです。区は、将来にわたって屋敷林と杉一小という区民の大切な財産を守るという立場に立ち、住民意見や議論を生かした計画に転換させることを強く求めて、次の質問に移ります。  次に、西武新宿線について伺います。  今月18日の夕方に井荻―上井草間で発生した人身事故の影響により、西武新宿線は運転見合わせ、踏切はしばらく不通となりました。一日も早いあかずの踏切対策が求められます。  8月30日に行われた都議会の環境・建設委員会では、西武新宿線の井荻―西武柳沢間の連続立体交差事業に関する陳情の審査が行われ、都は高架化の素案作成に当たって、地下方式では単線シールドの検討しか行っていなかったことが、我が党都議団の質疑によって明らかになりました。  単線シールドというのは、上下線のトンネルを1本ずつ別々のシールドマシンで掘っていくもので、対して複線シールドという工法は、1つのシールドマシンで大き目のトンネルを掘り、その中に上下線のレールを通すというものです。西武新宿線の中井―野方間では単線シールドが採用されていますが、単線シールドですと、横幅は、2本で14から18メートルが必要とされます。一方、複線シールドは10から12メートル程度で済むと言われます。  横浜市では、相模鉄道本線の鶴ヶ峰駅付近で複線シールドを用いた地下化の計画があります。横浜市の担当者の話では、費用面でも、単線シールドより複線シールドのほうが既存の鉄道敷地内で工事がおさまりやすく、用地買収も少なくて済むとのことでした。  そこで、鉄道用地の買収について区の見解を伺います。  2004年に「運輸政策研究」という雑誌に寄稿された「鉄道と道路の立体交差事業における事業評価の課題と改善方策」というタイトルの論文があります。執筆者は、東急電鉄株式会社工事事務所課長補佐で、運輸政策研究機構運輸政策研究所研究員である山本隆昭氏です。論文には、事業評価や費用便益に触れ、「環境面で優れながらも一般的に事業費が高価な地下式に対して評価が十分なされず、結果として事業費が安価であるという理由で高架式が優先される傾向がある。」と指摘しています。  また、JR東日本の宮野義康氏は、「鉄道と道路の連続立体交差事業による周辺市街地への影響について」という論文で、「地下化のメリットである環境改善効果が適切に評価されず、」とし、高架化と地下化の便益に差がなくなるもとで、一般的に事業費の小さい高架化ばかりが選択されてしまっていると考えられると指摘。JR東日本の中央線の三鷹―立川間連続立体交差事業で地下化を選択した場合、便益の増大分は約1,200億円程度という試算を示し、地下化による便益が地下化による費用の増大を上回るケースがあることも指摘しています。  連続立体交差事業について学識者からの指摘、特に環境面での効果、環境改善効果について区はどう考えますか。  西武新宿線の西武新宿―上石神井間の複々線化計画は、ことしに入り、都市計画が変更、廃止となりましたが、この計画ではどのシールド工法が採用されていたのか伺います。また、地上の用地買収への影響はどうだったのか伺います。  先ほど紹介した横浜市の相模鉄道は、高架式のほうが大幅に工期が長くなるという比較だったそうです。側道の用地買収にかなり時間がかかるというのが理由だそうで、実際、今でも西武線の線路際にはどんどん新しい建物が建っているわけです。  住民から地下化を求める声が上がっているのは、立ち退きについての不安もありますが、50年後、100年後のまちの姿や、税金を使う公共事業は必要なことに効果的に。例えば下井草地域の住民の方からは、八成区民集会所は区立施設再編整備計画にはひっかからなかったのに、西武線の立体交差事業で立ち退きかという意見も聞いています。  また、地下シールドトンネルから地上までの連絡通路についても、掘削面を大幅に縮小する技術も開発されています。  野方―井荻間については、平成26年に中野区議会の建設委員会で、鉄道立体交差化の構造形式案の比較表というのが出されています。概算事業費、事業期間などありますが、平成25年度委託調査結果として示されており、これも単線シールドで計算をされているということです。概算でも1,500億円規模の事業です。  区としては、今紹介してきたようなさまざまなシールドの工法や住民の声を都に届け、西武新宿線の立体交差事業計画の構造形式の再考を都に求めるべきと考えますが、いかがでしょうか、見解を伺います。やり方によっては地下方式のほうが工期や費用も抑えられ、住民の悲願であるあかずの踏切対策についても早く実現する可能性があります。  西武新宿線沿線のまちづくりにおいては、今回寄せられた住民の声をしっかりと反映したインフラ整備を行いながら、鉄道連続立体交差事業の事業者である都に対して、その工法などの検討を尽くすよう地元自治体として強く働きかけていただくことを重ねて求めまして、私からの質問を終わります。 ○副議長(島田敏光議員) 理事者の答弁を求めます。  危機管理室長。       〔危機管理室長(寺嶋 実)登壇〕 ◎危機管理室長(寺嶋実) 私からは、阿佐ヶ谷駅北東地区まちづくりの御質問のうち、所管にかかわる部分についてお答えいたします。  まず、杉並第一小学校の帰宅困難者対策、駅前滞留者対策との関係でございますが、杉並第一小学校は震災救援所として開設をいたしますので、帰宅困難者対策、駅前滞留者対策の一時滞在施設としては、別に阿佐谷地域区民センターを指定しております。これは、学校が移転した後も変更はございません。  次に、移転後の杉並第一小学校の阿佐ケ谷駅からの距離についてのお尋ねでございますが、駅からの距離は現在より約150メートル延びることとなります。  私からは以上です。 ○副議長(島田敏光議員) 土木担当部長。       〔土木担当部長(友金幸浩)登壇〕 ◎土木担当部長(友金幸浩) 私からは、初めに、阿佐谷北東地区における水害に関する御質問にお答えします。  杉一小移転用地の浸水予想についてのお尋ねですが、水害ハザードマップでは、一部が浸水予想区域内に位置しております。浸水深につきましては、想定し得る最大規模の降雨を条件下に、0.1メートル以上から2メートル未満となっております。  次に、屋敷林の洪水緩和の機能についてですが、樹木が減少すれば、雨水の浸透能力が低下することは認識してございます。しかし、新たな総合病院の建設の際には、区の定める基準対策量に応じた雨水の貯留・浸透施設の設置を求めてまいります。さらに、杉一小の移転建設により、公共施設としての対策を実施することで、雨水流出抑制対策は前進するものと考えています。  次に、杉並らしいみどりの保全地区に関する御質問にお答えします。  杉並区緑地保全方針における杉並らしいみどりの保全地区は、緑の保全に取り組んでいく地区を丁目単位で選定したものであり、いわゆるけやき屋敷に総合病院が移転改築された場合においても、阿佐谷北1丁目、5丁目地区をみどりの保全地区から外す考えはございません。  なお、本方針では、屋敷林を、戸建て住宅と一体となった屋敷内の樹林と定義していることから、けやき屋敷が総合病院へ土地利用転換がなされた場合、その樹林は屋敷林とは呼べなくなります。今後、当該地の樹林をできる限り保全するよう、地区計画制度の活用や、事業者などとも連携しつつ取り組んでまいります。  私からは以上です。 ○副議長(島田敏光議員) まちづくり担当部長。       〔まちづくり担当部長(茶谷晋太郎)登壇〕 ◎まちづくり担当部長(茶谷晋太郎) 私からは、まず、阿佐ヶ谷駅北東地区まちづくりに関する一連のお尋ねのうち、所管事項についてお答えいたします。  まず、現在の総合病院の敷地が軟弱地盤で揺れやすく、地震被害が拡大しやすいとの御指摘ですが、小学校の整備に当たっては、地盤調査に基づき、必要な地盤対策に取り組むことで地震に対する万全の方策を講じてまいります。  また、総合病院周辺が木密地域であり、火災危険度や災害時活動困難度が高いとの御指摘ですが、今回の事業により、一時避難場所となる馬橋公園へと続く杉一馬橋公園通りの拡幅などを行うことにより、避難・救護活動が円滑になるとともに、総合病院周辺に広がる消防活動困難区域の解消が図られるなど、地域の防災性、安全性が大幅に向上するものと考えてございます。  次に、地区計画原案の意見提出に関するお尋ねにお答えいたします。  地区計画原案に対する意見提出の手続は、地区計画が具体的な権利制限を伴うものであることから、その案を作成するに当たり、都市計画法及び杉並区まちづくり条例に基づき、制限を受けることとなる北東地区内の土地所有者及び利害関係を有する方の御意見を求めることを目的に、実施したものでございます。
     なお、対象の方以外から提出された御意見につきましても、同様にお受けするとともに、参考意見として整理の上、杉並区都市計画審議会に御報告してございます。  次に、地区計画の目標に関するお尋ねにお答えします。  地区計画原案の目標の1つである「にぎわいや利便性が高まり、来訪者が集うまち」は、まちづくり方針やまちづくり計画などを踏まえた記述であり、御指摘の客観的な調査によるものではございません。  地区計画制度の活用により、建てかえ等の際に、建物の壁面後退などのまちづくりルールを定め、魅力的な町並みの形成や歩行空間の改善などを図ることで、来訪者だけではなく、地域の方々にとっても安全で快適な歩行空間の創出につなげてまいります。  次に、地区計画の決定と自然環境の保全に関する東京都との協議に関するお尋ねにお答えいたします。  地区計画は都市計画法に定める手続を経て決定されるものであり、土地区画整理事業において行われている都の条例に基づく東京都との協議は、その要件ではございません。このため、土地区画整理事業の施行者による東京都との協議完了前に地区計画を決定することは制度上問題はなく、また、協議結果によって、決定した地区計画に変更を加えることは想定してございません。  最後に、容積率の緩和に関するお尋ねにお答えいたします。  現在のいわゆるけやき屋敷に相当する医療施設地区につきましては、区の都市計画マスタープランを踏まえ、屋敷林の保全などに配慮した総合病院の移転改築を誘導するため、計画的な高度利用を図ることとしてございます。そのため、地区計画による地区施設の設定や緑化率などの制限とあわせ、第一種中高層住居専用地域に指定された容積率を、現在の200%から300%に変更することを想定しており、御指摘のように巨大病院の建築を目的とするものではございません。  次に、西武新宿線連続立体交差事業に関する一連のお尋ねについてお答えいたします。  初めに、用地買収につきましては、地下方式では、地形や埋設物、ホームの形状や追い越し線などのさまざまな条件を考慮し、最適な工法が選択されることとなり、その結果として用地の買収が発生するものと考えてございます。  次に、地下方式による環境面での効果、影響につきましては、環境影響評価条例に基づき、事業主体である東京都において、騒音・振動、水循環や景観などの評価項目を選定の上、調査、評価を行い、適切な保全措置が講じられるものと認識してございます。  次に、西武新宿駅から上石神井駅間の複々線化計画につきましては、複線シールド工法で計画された急行線による運行のための事業であり、当区内の計画区域においては、追い越し線や駅部分の用地が不要となることから、地上部は西武鉄道用地におさまっているものと承知してございます。  私からの最後ですが、立体交差事業における構造形式につきましては、事業主体である東京都において、鉄道周辺の地理的条件、除却する踏切の数などの計画的条件、事業費や事業区間などの事業的条件の3条件を総合的に比較検討した上で選定することとなります。区では、構造形式にかかわらず、連立事業により安全で快適なまちづくりにつなげていくことが重要であると認識してございます。  私からは以上です。 ○副議長(島田敏光議員) 事業調整担当部長。       〔事業調整担当部長(喜多川和美)登壇〕 ◎事業調整担当部長(喜多川和美) 私からは、阿佐ヶ谷駅北東地区まちづくりに関する一連のお尋ねのうち、所管する事項についてお答えいたします。  初めに、ツミに関する御質問にお答えします。  これまで東京都環境局へは、本年5月及び9月に、ツミの生息や営巣等について伝えております。  現在、緑やツミの保全策を検討中であり、今後、専門家の意見聴取を踏まえ、保全策を検討し、都と協議を進めてまいります。  また、ツミに関する追加の調査の方法や期間等については、保全策を策定する中で検討してまいります。  次に、土地利用履歴調査に関する御質問にお答えします。  病院運営法人が行っている土地利用の履歴や過去の医療廃棄物の取り扱い等に関する調査は、法定された土壌調査に着手する際の参考となる任意の調査と認識しており、現在、調査結果の報告は受けておりません。  都の環境確保条例では、土地の改変時に地歴等調査結果の届け出を行った後、必要に応じ、法令等に基づき土壌対策を実施することとなっております。したがって、条例に則した調査を行い、その調査結果が判明した段階で、病院運営法人に対し報告を求めてまいります。  次に、土地の評価に関する御質問にお答えします。  本件土地評価基準の策定に当たっては、不動産鑑定士等の専門的な知識や知見のある評価員からの意見聴取において、土壌汚染対策を現土地利用者が法に基づき適切に行うのであれば、評価に反映しなくてよいとする意見報告を受けておりますので、土壌汚染がない土地と同等に扱うことに問題はないと考えております。  また、土壌汚染の有無は、土地の換地等に当たり重要な確認事項であるとの御質問ですが、本事業において、病院跡地に土壌汚染があった場合は、病院運営法人から土地の引き渡しを受けるまでに土壌汚染対策を確実に実施することとしているため、御指摘は当たらないものと考えております。  私からの最後に、病院整備計画に関する御質問にお答えします。  平成30年7月に、自然の保護と回復に関する条例に基づき都へ事前相談を行った際の予定スケジュールとしては、病院整備計画について御指摘の内容が記載されております。しかし、このスケジュールについてはあくまでも予定であり、現時点においても具体的な病院整備計画は示されておりません。  私からは以上です。 ○副議長(島田敏光議員) 生涯学習担当部長。       〔生涯学習担当部長(安藤利貞)登壇〕 ◎生涯学習担当部長(安藤利貞) 私からは、けやき屋敷に関するお尋ねにお答えいたします。  けやき屋敷は東京都指定旧跡として指定されているため、現状の変更に当たりましては、所有者が、区教育委員会を経由して都教育委員会に対し許可申請を提出することとなっております。  都指定旧跡の取り扱いにつきましては、所有者から許可申請が提出された後、区教育委員会との協議を経て、都教育委員会が判断するものと考えております。  私からは以上でございます。 ○副議長(島田敏光議員) 学校整備担当部長。       〔学校整備担当部長(中村一郎)登壇〕 ◎学校整備担当部長(中村一郎) 最後になりますが、私からは、杉一小の病院跡地への移転と子供たちとのかかわりについての御質問にお答えします。  病院跡地の土壌汚染については、周辺の住環境や小学校用地に利用することに十分配慮し、病院運営法人が法令に基づき調査を行うとともに、必要な対策を実施するものと認識しています。教育委員会としても、杉一小の移転先について、これらの対応が着実に行われ、子供たちが安全・安心に通ってもらえる学校となるよう、今後も区長部局と連携して取り組んでまいります。  私からは以上です。 ○副議長(島田敏光議員) 7番野垣あきこ議員。       〔7番(野垣あきこ議員)登壇〕 ◆7番(野垣あきこ議員) 阿佐ヶ谷駅北東地区まちづくりについて、何点か再質問いたします。  まず、水害の危険性のある病院敷地に杉一小を移転しても、震災救援所や水害時の避難所に指定されるとのことでしたが、その役割を果たせるのかどうなのかを確認します。  また、避難場所は当然、安全区域にあり、浸水想定区域は除外されて、避難所も災害対策基本法施行令などで基準がありますので、答弁どおり高さ2メートル、最高水位が上がった場合、どうやって区民が避難所にたどり着けるのか、お答えください。  次に、区内で唯一の旧跡指定が継続されるのかどうかの問題です。  大径木の7割が伐採されれば、旧跡指定は解除されかねないと思っています。答弁では、手続ですが、区教委との協議を経て都教委が判断とのことですが、区のスケジュールでは、平成28年度に東京都の文化財担当と調整と記載されています。その調整の結果はどうだったのか。区教委は、旧跡継続の立場から計画の見直しを求めるのか、それとも、旧跡廃止もやむを得ないという判断でしょうか、伺います。  次に、ツミの保護策検討のための調査について質問しましたが、具体的な答弁がなかったので確認します。  1つ目は、調査は環境省の「猛禽類保護の進め方」に基づいて行うのか否か。  2つ目が、「猛禽類保護の進め方」では、保護策の策定には、調査による生息実態の把握が前提としているんですが、区はこうした立場で調査が求められていると思うが、いかがか。  3つ目が、保護策の策定はいつをめどにしているのか。それぞれお答えください。  関連して、地区計画との関係ですが、地区計画原案は、ツミの保護は考慮せずに策定していると見受けられますが、いかがでしょうか、確認します。  それと、都条例に基づく保護策についての協議も始まっていない段階で地区計画決定をすることは、ツミの保護を無視しているという態度ではありませんか、お答えください。  次に、区民が危惧している土壌汚染の問題です。  第3回定例会の私の質問に、病院側に調査を申し入れ、調査が済み次第、報告を求めると答弁されたので、その進捗について質問したんですけれども、それが今回、調査は任意というのはどういうことか。なぜ報告を受けていないのか。なぜ今までの答弁を変えたのでしょうか、お答えください。  調査の申し入れあるいは問い合わせ、実際に行ったのでしょうか。我が党が行った開示請求では、こういった問い合わせの文書は作成していないと非開示であり、私への答弁を受けて区民の方が行った開示請求は、不存在だったと聞いています。なぜ文書や記録がないのか、また、議会に問い合わせ中と答弁ができる根拠は何かを伺います。  それから、さきの都計審では、地歴調査について、住宅地図、国土地理院の地図などを集めて、病院があった、小学校に使われていたなどを確認していると答弁がありましたが、それ以外は行っていないのでしょうか。一般的に地歴調査とは、地図や登記簿等を調べて汚染の可能性の有無を評価するもので、このような対応で地歴調査と呼べるのでしょうか、区の見解を伺います。  それから、病院建設計画のスケジュールは予定だったと答弁がありましたけれども、当時からの想定の予定がおくれているのには何か理由があるのか、お答えください。 ○副議長(島田敏光議員) 理事者の答弁を求めます。  危機管理室長。       〔危機管理室長(寺嶋 実)登壇〕 ◎危機管理室長(寺嶋実) 再度の御質問にお答えいたします。  浸水域内での震災救援所指定について、避難所としての安全性が確保されるのかという御質問をいただきました。  他の議員の御質問にもお答えいたしましたが、震災救援所等を開設するに当たりましては、職員により周辺の状況等の安全確認を十分に行った上で開設をすることといたしてございますので、利用される区民の皆さんの安全性が確保された上で開設をいたしてまいります。  私からは以上です。 ○副議長(島田敏光議員) 事業調整担当部長。       〔事業調整担当部長(喜多川和美)登壇〕 ◎事業調整担当部長(喜多川和美) 野垣議員の再度の御質問にお答えします。  ツミに関する再度の御質問がありましたが、保護策の策定ですけれども、環境省の「猛禽類保護の進め方」、これはイヌワシ、クマタカ、オオタカについて書かれておりますけれども、ただ、それらを考慮してツミも行うということは、東京都との協議の中でも、当然私ども当初から把握しております。これを当然に考慮しつつ、今後、専門家の指導と助言を踏まえて保全策を検討し、それから、東京都との相談も協議も継続して行って、今後の事業スケジュールの予定に照らしまして、一番最初に土地の改変に着手する前、このときまでに保全策を策定いたします。  この保全策には、再度御指摘があった調査方法や調査期間、モニタリングのようなものだとも思いますけれども、こういったものも盛り込むということにしてございます。  それから、土壌汚染に関する再度の御質問ですが、任意調査という話は、これまでも私、答弁しております。病院運営法人に行うよう申し入れているのは任意のものであって、これは土地の調査の一連の流れではありますけれども、法令等に基づくものではございませんで、今後の土地の改変時に法令で規定されている調査を実施する際の参考となるものと認識しているということです。先ほど御答弁したとおり、法令、都の条例に則しまして調査を行って、その調査結果が判明した場合には報告を求めて、区としてしっかり確認をしていくということでございます。  それから、地歴調査って何だ、違うじゃないかというふうなお話があったと思いますが、過去の委員会や本会議で答弁しているものとして想定するものは、例えば住宅地図などを集めるということは、先ほど申し上げていますように、今後、法令に基づく調査を行うに当たっての参考とするもので、土地区画整理事業の施行者が事前に行ったものであります。  土地の改変に当たって実施する法令に基づく調査というのは、住宅地図や登記簿等による施設の設置状況の調査に加えて、法令に規定されております対策が必要となる特定有害物質の使用状況、目的、どんな設備がそこにあったのか、その使用状況、そしてその使用期間、また、病院であれば廃液などの使用量、こうした詳細な調査を行うものでありまして、任意の事前調査とは異なってまいります。  私から最後ですが、病院計画について区は本当に知らないのかというお話がございましたが、本当に知りません。本当に病院計画が全く届いておりません。ただ、なぜ届いていないのかというのは、それは病院の事情でございまして、詳しいところまでは把握しておりません。  私からは以上です。 ○副議長(島田敏光議員) まちづくり担当部長。       〔まちづくり担当部長(茶谷晋太郎)登壇〕 ◎まちづくり担当部長(茶谷晋太郎) 私からは、地区計画とツミの関係に関する再度の御質問にお答えします。  地区計画につきましては、都市計画法に基づき、地区内の建築物のルールを定めるものでございます。ツミの保全に関しましては、先ほど事業調整担当部長から答弁しましたとおり、土地区画整理事業の共同施行者において、都条例に基づき適切に対応されるものと認識してございます。  私からは以上です。 ○副議長(島田敏光議員) 生涯学習担当部長。       〔生涯学習担当部長(安藤利貞)登壇〕 ◎生涯学習担当部長(安藤利貞) 私からは、けやき屋敷の旧跡に関する再度の御質問にお答えいたします。  先ほど御答弁いたしましたとおり、旧跡につきましては、形状変更の申請が出た段階で区教委と都と協議するものと認識してございます。  私からは以上でございます。 ○副議長(島田敏光議員) 以上で野垣あきこ議員の一般質問を終わります。  35番くすやま美紀議員。       〔35番(くすやま美紀議員)登壇〕 ◆35番(くすやま美紀議員) 日本共産党杉並区議団を代表し、商店会の補助金不正問題の検証委員会調査結果について質問いたします。  西荻窪の複数の商店会による補助金不正問題は、領収書を偽造し、都民、区民の税金が不正に請求され、それが飲食などにも使われたという点で、商店会の責任は重大であり、厳しく問われなければならないことは明白です。  同時に、協賛金未計上の水増し請求については、区が、平成25年度分について都から協賛金未計上の是正指導を受けながら、翌年から5年間にもわたって協賛金未計上の実績報告を提出し、結果的に税金の不正受給を招いたものであり、その経過と責任の明確化は避けて通れない問題です。この点で、私は第3回定例会一般質問で、区の職員や担当管理職の責任にかかわることであっても、区として、厳正にかつ公平公正な真相解明を行うことを求めました。  区はこれまでの我が党の質問に対し、検証委員会で明らかにしていく旨の答弁を繰り返し、我が党はその検証結果を注目してきました。検証委員会は、過去に例のないほど、聞き取り調査や資料の点検を行う努力をしたと思われます。しかしながら、私は、報告書を読んで疑問を感じる点が多々ありました。検証結果と区の提案の是非を検討する前提となる事実経過であり、曖昧にすることはできません。そうした立場から質問します。  まず、検証の仕方、報告書のまとめ方についてです。  報告書は、区の職員、商店会、杉商連の証言の抜粋を順不同に並べているだけで、入手した資料などの分析の報告はありません。本来、検証というからには、協賛金の認識についてなど、課題、テーマごとに、区職員の証言、商店会側の証言、さらに、その証言を裏づける客観的な記録や資料によって真実を究明し、検証結果を示すべきだったと考えますが、区はどういう考えで報告書をまとめたのでしょうか、伺います。  最大の解明点の1つは、区の職員は、商店会がイベントのために協賛金を集めていたことを5年間にわたって知らなかったのか、逆に見れば、商店会側はこの事実を隠し続けていたということなのかということです。  私の第3回定例会一般質問では、区職員は協賛金自体の存在を知り得なかったと答弁しました。報告書では、職員の証言として、趣意書の存在は知らなかったとは記載されていますが、協賛金自体について知っていたのか否かがわかりません。この点について、11月5日の区民生活委員会の我が党金子委員への答弁では、職員は協賛金は知っていたと答弁しましたが、これも条件つきで、イベントに使わない協賛金については本体会計に入れればいいということを言っていますので、知っていたというものでした。  そこで伺いますが、担当職員は、協賛金の存在自体を知っていたのか否かについてどう証言したのでしょうか。証言そのものをお答えください。さらに、その証言はいつ行われたのか。いつから知っていたのか。また、西商連の会計に入っていることをどのように確認したのかについてもお答えください。  次に確認したいのは、協賛金の存在を区の担当者が知っていたのか否かについて、商店会関係者がどう認識していたのか、また、その根拠が何であったかということです。報告書では、商店会側の証言として記載されているのは、趣意書の作成は報告していなかったというものです。  協賛金を集めていたことの認識をはっきりさせる上で重要なことは、区の職員が花かけを見ていなかったのかどうかという問題です。
     9月17日に発表された検証委員会の進捗状況という報告書では、職員は花かけの存在については把握していなかったと記載されています。さきの区民生活委員会での答弁は、職員全員に聞いた結果として、記憶にないという形で、そうした発言しか出てこなかったというものでした。  そこで、再度確認しますが、関係職員何人に聞き取り、その全員が判で押したように記憶にないと答えたのでしょうか。  また、区民生活委員会では、協賛金と花かけの関連性については、当時その思いに至ることがないので、それも含めて記憶がないという証言を得ているという答弁もありました。これはどういう意味なのでしょうか、説明してください。誰が考えても、5年間にわたり、ハロー西荻の場合、駅の南北に大きく掲示した花かけを記憶にないということは、不可解だと思わざるを得ません。  花かけについての職員の認識についても、商店会側の証言がどうだったのかが示されていません。私たちは商店会幹部から、区職員が花かけを指さして、花かけの掲示をやめるよう言われたとの話を聞き、その件は、8月末に検証委員会に呼ばれた際に話したと聞いています。報告書には記載されていませんが、そうした証言があったのではありませんか、いかがですか。  さらに、報告書では、花かけに関して、写真は撮らないようにと区職員に言われたという商店会関係者の証言について、「伝聞であることの証言が多かった。」などと、不確かなことであるかの印象を与える記述になっています。しかし、実際に区の職員から花かけの写真は撮らないように指示があったという証言を得ているのではありませんか。どのような場面で、区職員からどのように言われたと証言したのか、具体的に答えてください。  検証を行う上で重要なことは、証言とともに、客観的な資料や記録などによる検証です。しかし、報告書では、入手した資料等の分析の報告はありません。  商店会は、実績報告を区に提出する際、事業の現金出納帳の写しを添付して提出することが義務づけられています。決算特別委員会及び区民生活委員会でも示しましたが、商店会の会計担当者が区に送った平成27年度のハロー西荻の出納帳には、協賛金収入として75万5,000円が記入されていました。この点からも、イベントに協賛金が使われていたことを知らないということは成り立たないと思いますが、説明してください。  ところが、不可解なことに、商店会から区に出された形になっている平成27年度のハロー西荻の実績報告に添付された出納帳には、協賛金収入が計上されていないことを、私たちは開示請求した資料によって確認しました。これは、区民生活委員会の答弁では、期日に間に合わすために区の職員が作成したとの答弁だったと思いますが、なぜ計上されていなかったのか、改めて確認します。  また、商店会からの出納帳提出が間に合わなかったとしたら、出納帳なしでどうやって実績報告書を作成したのですか。また、商店会から出納帳が提出された後、なぜ訂正しなかったのかも伺います。  さらに重大なことは、ハロー西荻のイベントのために集めた協賛金を、本体会計という西荻窪商店会連合会の会計に入れるよう、区の職員が指導していたと思われる記録があることです。それは、さきの区民生活委員会で紹介しましたが、平成28年2月23日の西商連役員会の記録で、区より説明と指導をいただくとして、ハロー西荻とおわら風の舞の協賛金は西商連の運営費として計上すると記載されていることです。これは極めて重大な記録です。区の職員が、イベント協賛金を、イベントの収入に計上するのではなく、西商連の運営費に計上するよう指導したことになるのではありませんか。  以上、指摘してきた経過を見れば、商店会がイベント協賛金を集め、イベントに使っていたことを区の担当職員が知らなかったとは考えられません。私の第3回定例会での質問に区は、そもそも協賛金があったという事実自体を職員は認識していなかったと答弁しましたが、本会議での答弁であり、この本会議の場で訂正を求めるものですが、いかがですか。  解明すべきもう一つの問題は、都から是正指導を受けていながら、協賛金未計上の実績報告がなぜ5年間にもわたって都に提出されたのかということについてです。この問題は、検証委員会設置の目的と所掌事項の中で、「これまでの所管の調査では、十分に明らかにならなかった点を、必要に応じてヒアリングの対象範囲を広げるなどして、深掘りした調査を行うこととした。」としていることからも、区の責任が問われる重大問題です。しかし、この点でも、決裁者である管理職がどう対応したのか、報告書では明確に記載されておりません。  私は、第3回定例会一般質問で、都が平成25年度分の是正指導をした翌年、つまり26年度分について、区が協賛金未計上の実績報告書を出してきたために都が点検の電話を入れ、区の担当者が協賛金なしと対応したことについて、開示文書も示して質問しましたが、区は、都からの指摘はなかったと答弁しました。  しかし、区がこの点について、平成26年度事業分実績報告書について、鉛筆書きで加筆した部分について、誰が、いつ記載したのか、また、その裏づけとなる根拠があれば示してほしいと質問状でただしていることが検証委員会報告書でわかりました。質問に対する都の回答を紹介してください。その回答によれば、3定での私に対する区の答弁は訂正するよう求めるものですが、いかがですか。  平成26年度、27年度分の都への実績報告書の決裁者は、25年度分の是正指導を受けた決裁者であり、是正指導が継承されなかったかのような区の言いわけは通用しないと思います。26年度分の協賛金未計上の実績報告を受けた管理職はどういう対応をしたのですか。区民生活委員会の答弁では、内容まで見ることができなかったとの説明でした。  また、報告書では、「事情があったにせよ、適切ではなかった。」としていますが、是正指導がありながらチェックしなかったことは、責任が問われる事態です。経過と責任について区はどう認識しているのでしょうか、お答えください。  以上、補助金不正をめぐる経過と責任を明確にする立場から質問してきましたが、率直に言って、報告書は肝心な点が不透明という印象を否めません。また、我が党は議員としての責任を果たす立場から、独自に開示請求による関係文書の入手や商店会への聞き取りを行い、そこでわかったことや参考となる資料は、真相究明に協力する立場から区に提出してきました。そうした努力に対し、商店会の尻馬に乗ってなどと誹謗する発言があったことは極めて残念です。  なお、検証結果に基づく商店会への請求及び区の責任に関しては、答弁及び区民生活・総務財政委員会連合審査の質疑を通じてただしていきたいと思います。  明確な答弁を求め、再質問を留保し、質問を終わります。 ○副議長(島田敏光議員) 理事者の答弁は休憩後とし、ここで午後1時まで休憩いたします。                                午前11時53分休憩                                午後1時開議 ○副議長(島田敏光議員) 休憩前に引き続き会議を開きます。  くすやま美紀議員の一般質問に対する理事者の答弁を求めます。  区民生活部長。       〔区民生活部長(渡辺幸一)登壇〕 ◎区民生活部長(渡辺幸一) 私からは、一連の御質問のうち、報告書の取りまとめ方の考え方についてお答えをいたします。  なぜ平成26年度以降協賛金の収入が未計上となったかなど、事案の全容解明と不正の責任を明確にする目的のため、関係者からのヒアリング等及び関係帳簿類の検査を行い、可能な限り証言を深掘りし精査するなど、全容解明に向けて努力をした結果について取りまとめさせていただいたものでございます。  私からは以上です。 ○副議長(島田敏光議員) 産業振興センター所長。       〔産業振興センター所長(齋木雅之)登壇〕 ◎産業振興センター所長(齋木雅之) 私からは、まず、担当職員の協賛金に関する証言についての御質問にお答えいたします。  担当職員からは、ことし10月のヒアリングで、西商連の振興のための協賛金を本体会計に入れていたことは、当初から知っていたとの証言を得ています。  なお、イベントに使用しない協賛金は西商連の会計に入れるようには話したが、西商連の会計書類までは確認していなかったとのことでございます。  次に、花かけの存在についての職員の認識についての御質問にお答えいたします。  花かけの存在について、目に入っていたかもしれないが、花かけを見に行った認識がなかったなど、職員10人全員が、存在を知らない、認識がない、記憶にないとヒアリングで証言しています。  また、区民生活委員会での答弁は、花かけと協賛金の関連性まで考えが及んでいなかったため、イベント会場での視察の際に、補助事業とされている事業の実施状況、対象経費とされている景品の状況、売り上げの予定されている屋台や出店料に関する状況を確認しており、これに関連しないものとして、花かけを意識して認識していないという職員の証言に基づいたものです。  次に、職員から花かけに関して指示を受けたという商店会関係者の証言についての御質問にお答えいたします。  商店会役員から、平成26年か27年ごろ、ハロー西荻の南口本部に来た職員から、花かけ場をつくるのはちょっとまずいのでやめてくださいと言われたとの証言がありました。  また、写真の補助は1万円以内の限度額の中で、補助対象経費として使途が明示できる証拠写真のみを写すように説明しているが、西商連関係者からは、ハローイベント当日、本部で、あわあわしている中で写真を撮らないでとか言われて、一々ただそうとは思わない、ただ言われたことだけは覚えていますとの証言がありました。  なお、職員からは、そのような発言は記憶していない、もし似たような発言をしたのであるなら、写真の補助は1万円以内の限度額の中で、補助対象外のものは写さないようにという意味で発言したとは考えられるとの証言がございました。  次に、平成27年度のハロー西荻の出納帳への協賛金の記載に関する御質問にお答えいたします。  区職員及び西商連関係者への調査、ヒアリングを通して、協賛金を計上した出納帳を商店会から区が受領したことを確認できたのは、9月下旬の西商連関係者のメールの発信履歴のみでした。実績報告書は8月中旬に東京都に提出しているので、当該メールは実績報告書の提出後に受け取ったこととなり、この事実を踏まえ、職員からの証言をあわせて考えると、都に提出した実績報告書に添付されていた出納帳は、提出期限に間に合わせるために、職員が収入明細等に基づき作成した可能性があると考えられます。  また、後日商店会から提出された出納帳に基づき実績報告書を訂正しなかった理由ですが、職員は、協賛金は西商連の商店街振興のための協賛金であるとの認識で、収入計上しなくてよいとの考えから訂正しなかったものと聞いております。  次に、職員が協賛金を西商連の運営費に計上するよう指導したことについての御質問にお答えします。  平成27年度当時、職員は、西商連は西荻窪の商店街振興のために協賛金を集めていると認識していたため、協賛金を西商連の運営費の収入にするよう指導したとの証言を得ております。  また、あわせて、イベントに使った協賛金は、補助事業の実績報告の際、収入計上するように指導したと聞いております。  次に、第3回区議会定例会本会議での協賛金の認識についての答弁に関する御質問にお答えします。  本会議での答弁は、西商連がイベントのための協賛金を集めているとの認識がなかったという職員からの証言を踏まえて答弁したものでございます。職員は、商店街振興のための協賛金があることについては知っていたとのことでございます。  次に、平成26年度実績報告に関する都の指摘の有無についての御質問にお答えします。  区の質問に対して、都からは、鉛筆書きの記載は、区からの実績報告書受領時に、都の担当者が区の担当者に協賛金の有無を確認したものであるとの回答でした。一方、当時の区の職員からは、都からの確認はなかったと聞いており、証言が食い違っている以上、いずれかに断定できないものと考えております。  私からの最後です。26年度及び27年度実績報告の決裁者の責任等についての御質問にお答えします。  当時の管理職のヒアリングでは、繁忙の中で、実績報告に記載のない協賛金について指摘することができなかったとの証言がありましたが、御指摘のとおり、26年度に都から指摘を受け、返還金が生じている事例なので、改めて職員や関係者に確認すべきであったと認識しております。  私からは以上です。 ○副議長(島田敏光議員) 35番くすやま美紀議員。       〔35番(くすやま美紀議員)登壇〕 ◆35番(くすやま美紀議員) 再質問いたします。  検証委員会の結論は、都負担分について、全額を当該商店会に請求することが妥当というものですが、この結論を出すならば、協賛金でいえば、区は、5年間にわたって協賛金を集めてイベントに使っていたことは知らなかった、また、チェックしても知ることが困難であるということが、証言とともに客観的資料等によって確認されなければならないと思います。さらに、協賛金の扱いについて区がどう指導したかも重要なポイントで、この点でも証言の断片ではなく、区職員と商店会側の証言全体から何が確認されるのか、さらに記録や資料等の検証ではどうかなど、明確にされる必要があると思います。しかし、報告書でも今の御答弁でも不透明な点がありますので、何点か質問いたします。  まず、最大のポイントである協賛金の存在を区職員は知っていたのかどうかということについてですが、検証は一方の証言だけでなく、双方の証言を突き合わせて、かつ、その裏づけとなる資料を検証する必要があります。  この点について、まず1点目ですけれども、区の担当者は協賛金の存在を当初から知っていたという証言があったという答弁でしたけれども、商店会関係者からは、区の職員は、商店会が協賛金を集め、イベントに使っていたことは知らなかったという証言はあったのか。あったとすれば、どのような証言だったのか。また、知っているはずだという証言はなかったのか。あったとすれば、報告書に記載せず無視した理由を明らかにしてください。  2点目です。花かけのことですけれども、花かけは、協賛金の認識が浮き彫りになる問題であります。商店会関係者から、花かけの掲示をやめるようにという証言と、花かけの写真を撮るのはやめるようにという証言について、先ほど御答弁して紹介していただきましたけれども、この証言からすると、職員は花かけを見て、やめてくださいと言ったことになりますよね。記憶にないという説明は成り立たないですよね。いかがでしょうか、お答えいただきたいと思います。  3点目です。区の担当者が商店会から受け取った平成27年度の現金出納帳に計上されていた協賛金75万5,000円についてです。答弁では、職員はこの協賛金について、西商連の商店街振興のための協賛金であるという認識で、収入計上しなくていいと考えたというように証言したという御答弁だったと思うんですけれども、この出納帳は、ハロー西荻の事業そのものの出納帳です。その職員は、商店街振興のための協賛金だということを商店会のほうに確認したんでしょうか、それとも自分だけで判断したんでしょうか。どうでしょうか。そしてその証言を聞いて、検証委員会としては、この証言が妥当だというふうに判断しているのでしょうか、お答えください。  もう一つのポイントである協賛金の扱いについてどう指導していたかということについてです。  これについて、まず1点目ですけれども、平成29年2月23日の役員会での区職員の発言、協賛金について、ハロー西荻とおわら風の舞の協賛金は西商連の運営費として計上するというものです。これは、イベントに当たって協賛金を集めていたことを知っていたことを示すものですよね。どうでしょうか、お答えください。  2点目は、役員会記録では、区の担当職員から、西商連の運営費として計上するよう説明と指導をいただくというふうにされています。運営費として計上するという発言、これは大変重大だと思います。単に受け取り先を示したというものではないでしょう。再度この点、明確にお答えください。  この点についての3点目、報告書では、区職員が、イベントを対象とした協賛金について、事業に直接充当したとしても収入計上しなくていいとは指導していないというようなことを強調しています。しかし、商店会関係者の証言で多いのは、事業でない形で入っていれば報告する必要はないと指導されたとか、領収書もハロー西荻とは書かないなどといったものです。役員会の記録は、こうした証言とも重なるものだと思います。本体会計に入れるように指導したんですね。具体的に確認しますが、なぜ領収書はハロー西荻とは書かないなどと指導したのでしょうか。それは職員に確認したんでしょうか。この点についてお答えください。  以上、全部で6点、再質問いたしましたので、明確な答弁を求めまして終わります。 ○副議長(島田敏光議員) 理事者の答弁を求めます。  産業振興センター所長。       〔産業振興センター所長(齋木雅之)登壇〕 ◎産業振興センター所長(齋木雅之) くすやま議員の再度の御質問にお答えいたします。  まず、商店会関係者の証言の御質問がございました。  区の職員が協賛金をイベントに充当していたか知らなかったという商店会関係者からの証言はございません。協賛金をイベントに充当していたことを知らなかったという証言はございません。商店会関係者からは、協賛金として受けたものでも広告費については収入として扱われるというのは、何度も職員のほうから言われたという証言もございました。  また、記録によりますと、1名から、知っていると思ったという証言はあったということでございますけれども、それも思ったということのようでございますので、想像の域を出ないということで、報告書のほうには記載しなかったということでございます。  それから、花かけに関する御質問がございました。2点目でございます。  おわら、ハローにつきまして、花かけの記憶がないということで、これは区の職員の証言でございます。パンフレットに、昨年の協力ということで、花かけのような形で協力のお礼を書いたような事例もございました。これもやめるようにということで区のほうは指導してございますが、パンフレットに補助経費が使われていましたので、イベントに関係しない記載は対象外だということで指導したというようなこともありました。  写真についても、対象経費とされるイベントの状況や景品を撮るための写真で、補助上限が1万円以内におさめるようにというふうに指導しておりましたので、対象外のものの写真を撮らないようにということで指導したというふうに職員のほうは証言をしております。  それから、27年度の現金出納帳の御質問がございました。  職員は、基本的に、協賛金の記載がございましても、補助様式の台帳上の記載のない場合には確認をしているということについて証言があったということでございます。しかし、27年度については、この案件について明確に商店会の会計担当者に確認をしたかというのは、職員の記憶は明らかではございませんでしたということでございます。  現金出納簿については以上でございます。  それから、6つございましたので、後半、あと3つございました。役員会に関して御質問がございました。  29年度当時の職員は、イベントを実施することで、円滑にやるために、西商連に加盟している個々の商店会が全体調整をやるのはなかなか難しいというふうに思いまして、会計処理の能力のある西商連が協賛金を収入しているということで、各商店会の運営に活用できると判断していたということで、西荻のことを考えて指導していたというふうに伺っています。ハロー西荻に協賛金があるということは、先ほど御答弁したとおり、あるという認識がございましたが、一方で職員は、広告費などのイベントに使用した協賛金は必ず収入計上してくださいということで、そういう前提で商店会に御説明をしていたということでございますので、役員会での一連の御質問につきましては、3点につきまして、御答弁は以上のとおりでございます。(くすやま議員「現金出納帳の証言、妥当だと判断したのかということについて」と呼ぶ)  出納帳、妥当というか、職員自体はそのように証言をしておりますので、私どもはそれを、職員としての証言として、正直なことということで信じたいと思います。  以上でございます。 ○副議長(島田敏光議員) 以上でくすやま美紀議員の一般質問を終わります。  36番けしば誠一議員。       〔36番(けしば誠一議員)登壇〕 ◆36番(けしば誠一議員) いのち・平和クラブのけしば誠一です。会派の一員として、第1に、ヘイトスピーチに対する自治体の取り組みについて、第2に、外環道について質問いたします。  まず、ヘイトスピーチに対する自治体の取り組みです。  杉並区議会第3回定例会の一般質問の中で、在日韓国人、朝鮮人を特定したヘイトスピーチが繰り返される異常な事態が起きました。傷つけられた当該の団体を初め市民団体など、区内外から厳しい批判が届き、マスコミも注目し、韓国でも取り上げられる重大問題になりました。  議会としては直ちに、議長を先頭にこれに対する対応を検討し、臨時議会を開催し、質問した当人の了解も得て、明らかにヘイトスピーチに当たる部分を議事録から、また録画から削除しました。これを機に、ヘイトスピーチを許さない取り組みを杉並から強めたいと願い、以下、質問いたします。  2013年10月、学校法人京都朝鮮学園は、在日特権を許さない市民の会、いわゆる在特会が京都朝鮮学園の周辺で街宣活動をし、ヘイトスピーチとなる差別的な発言を繰り返して授業を妨害したとして裁判に訴えました。京都地裁は判決で、原告の主張を認め、被告行為に厳しい判断と、損害に対する賠償を命じました。裁判長は、街宣や一連の行動を録画で撮影し、インターネットで公開した行為について、日本も批准する人種差別撤廃条約で禁止した人種差別に当たり、違法だと判断しました。原告弁護団によると、特定の人種や民族への差別や憎しみをあおり立てるヘイトスピーチをめぐる損害賠償や差しとめ訴訟の判決は初めてで、画期的なものでした。  その後、在特会側は控訴、上告し争いましたが、12月に最高裁第三小法廷は上告を退け、一、二審判決は確定しました。この判決内容と区の見解をお聞きします。  ヘイトスピーチ問題の顕在化に対して、国に先行して地方自治体から動きが始まりました。多くの地方議会が国にヘイトスピーチ対策を求める意見書を採択し、在日韓国人、朝鮮人が多く暮らす大阪市では、市議会が2015年6月にヘイトスピーチの根絶に向けた法整備を求める意見書を可決、2016年1月には、全国で初めてヘイトスピーチ抑止策をまとめた大阪市の条例案が市議会で可決、成立、大阪市ヘイトスピーチへの対処に関する条例を公布しました。その主な内容、ヘイトスピーチを規制する取り組みをお示しください。  2016年5月、民族差別などを街頭であおるヘイトスピーチの対策法、ヘイトスピーチ解消法案が、衆院本会議で自民、民進などの賛成多数で可決、成立しました。正式名称を本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律と名づけ、不当な差別的言動は許さないことを宣言し、人権教育や啓発活動を通じて解消に取り組むと定めた理念法です。法律では、差別的言動の解消に向け、国や地域社会が、教育や啓発活動、相談窓口の設置など、地域の実情に応じた施策を講ずるよう定めています。しかし、罰則はなく、実効性が乏しいことから、その後もヘイトスピーチは後を絶たず、国に対して実効性ある対策が要望されています。  現状で法を実効性あるものにするためには、自治体での取り組みが必要となりました。そのため、お聞きします。ヘイトスピーチとは何か、法の求める地域の実情に応じた施策として、区はどのような取り組みを行っているのか、お示しください。  こうした中で注目されるのが、地方自治体が設置管理する公の施設について、ヘイトスピーチを伴うおそれのある集会のための利用を制限しようとする動きです。  2014年5月に大阪の門真市は、在特会による市民文化会館の使用申請を取り消しました。その根拠は、市民文化会館条例の公の秩序又は善良な風俗を害するおそれがあると認めるとき及び会館の管理運営上支障があると認めるときに該当するとしたものです。門真市の職員が研修を行い、ヘイトスピーチの画像を見て、そのひどい実態を認識したことが、この判断につながりました。  さらに2016年5月、川崎市は、在特会が在日韓国人、朝鮮人が居住する地域で企画した「川崎発!日本浄化デモ第三弾」の起点となる公園の利用申請に対して、不許可としました。川崎市が、都市公園条例第3条4項、「都市公園の利用に支障を及ぼさないと認める場合に限り、……許可を与えることができる。」に基づき判断したものです。福田市長はコメントで、「今般、『本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律』の成立により、国の意思が明確に示されたことを受け、」と述べており、解消法の成立が不許可判断の後押しとなったことがうかがえます。  杉並区でも明確にヘイトスピーチを目的とする団体の公園や施設使用については、法の趣旨に基づき厳しく判断するよう求めますが、区の見解を求めます。
     川崎市の在日韓国人、朝鮮人居住地では、在特会などのヘイトスピーチデモが繰り返されるなど、深刻な被害を受けてきました。ヘイトスピーチ法が成立しても後を絶たない違法行為に対し、川崎市はことし6月、ヘイトスピーチ等の民族差別的な言動に対する罰則規定を設けた条例の素案をまとめ、市議会に条例案を提出し、現在パブコメ実施中です。川崎市の条例の内容と特徴について、区の認識をお聞きします。  これを受け、相模原市の本村市長は、ヘイトスピーチは差別意識を助長させ、人々に不安感を与える行為で、決して許してはならず、川崎市の動きは評価したい、相模原市も条例制定に向け、川崎市を見習い、罰則規定なども設けて、引けをとらない厳しい形をとりたいと述べ、川崎市に続いて、罰則つきの条例制定を目指す考えを示しました。今年度中に検討に入り、来年度以降の条例制定を目指しています。  こうした先進的取り組みのやさきに起きたのが、冒頭述べた杉並区議会第3回定例会でのヘイトスピーチでした。これに対して、区議会に対する厳しい批判とともに、在日当事者、朝鮮第九初級学校保護者などからも訴えがありました。これに対して区はどのように受けとめられたのか、お聞きします。  今回の事態は、NHKから国民を守る党として4月に初当選した新人議員によるもので、今はN国党を離れたと聞いています。9月にNHKから国民を守る党の立花孝志党首が、ある対談で、発展途上国の人に対して、無計画に産むから人口がふえている、この人たちを減らそうというのが戦争だ、とにかく下等な人類に対しては潰してしまうなどと、人種・民族差別に加え、虐殺、戦争をあおる発言を連発し、ユーチューブで流されました。  今回の事態やNHKから国民を守る党党首の言動から、この団体の目的、構成員の思想が明らかになりました。NHK料金不払い運動の1点で支持を集め、4月選挙では地方議員が13名から39名に拡大、参院比例では1名を当選させた団体の目的は、議会をヘイトスピーチの宣伝の場に利用しようとするものです。これを機に議会の側が、ヘイトスピーチを許さない毅然とした対応が求められています。  さきの一般質問の中で、朝鮮を植民地にしたいという誤った教育の結果、朝鮮の子供に日本の子供がいじめを受けているとの発言があり、阿佐谷の朝鮮第九初級学校の生徒や学校関係者を傷つけたことは断じて許せません。区民の方から聞いたというので、根拠をただしたところ、電話で聞いたものと、根拠を示せません。区内小学校でいじめの事例はあっても、第九初級学校など朝鮮の子供に杉並の児童がいじめを受けた事実は聞いたことがありませんが、教育委員会は把握しているのでしょうか。むしろ区内では、第九初級学校と杉並の小学校が交流を行っているほどです。その実績を確認しておきます。  以上の発言を含め、ヘイトスピーチ部分3カ所の削除がなされたものの、歴史認識にかかわる発言部分にも民族の尊厳を否定する事実無根の主張があり、議事録や録画に残されたままです。その結果、誤った歴史認識が繰り返し流されることで、国際関係にも影響が及ぶおそれがあります。  今回の主張に関連し、日ごろ教科書を通じて教えている歴史事実を確認しておきます。  朝鮮通信使について、人殺しを行うやくざのような集団だったと主張されていますが、朝鮮通信使に関し、教科書などを通じて歴史的役割をどのように教えているのか、確認します。  我が国による朝鮮の植民地化は、朝鮮に望まれて嫌々行ったものであると主張されましたが、侵略戦争によって朝鮮や台湾を植民地にした歴史をどのように教えているのか、お聞きします。  ヘイトスピーチ解消法に実効性がないことから、ヘイトスピーチを地域で許さず、共生社会を育むためには、自治体における条例制定は重要な方策の1つです。区内に住む在日外国人は1万7,000人を超えており、朝鮮第九初級学校やネパール学校もあります。こうした方たちの暮らしを支え、人権を守り、在日外国人を排斥するような言動を規制するためには、今回の事態を踏まえ、条例制定も視野に入れた新たな取り組みが必要だと考えます。ヘイトスピーチを許さないための区民への啓発や職員の研修など、区の積極的な取り組みに向けた姿勢をお聞きします。  次に、外環道についてです。  東京外かく環状道路の大泉ジャンクションから東名ジャンクションを結ぶ16キロメートル区間のトンネル工事が進んでいます。しかし、沿線住宅地への影響がないという理由で選ばれた地下40メートルより下の大深度地下トンネル工事は、シールド発進直後から酸欠空気や漏気が発生し、地上に影響がないとする国の説明が実態と異なることが明らかになりました。  10月24日、道路交通対策特別委員会は大泉ジャンクションの工事現場を視察し、現状を確認しました。その後、国、事業者から新たな事実が示されました。そこで、この間の経過と現状を改めて確認しておきます。  昨年5月、外環道の東名ジャンクションからスタートしたシールドトンネル工事の影響で、付近を流れる野川から大量の気泡が発生。気泡は酸素濃度が異常に低く、人が吸い込むと即死するほどの酸欠空気であることがわかりました。気泡シールド工法を使用したことによる気泡が、人孔的な穴を通して地上へ噴出するまでに地下の物質と反応し、酸素濃度1.5%から6.4%という致死量に当たる低濃度の酸欠空気になったと思われます。  1970年代にはトンネル工事などで酸欠空気による死亡事故も起きて、国は酸素欠乏症等防止規則を制定しています。国、事業者は、東名側の世田谷区付近の地層は掘進時に空気を使用しない方法に切りかえて、それ以外の地層では添加剤や圧力を調整し、安全な方法を確認しながら掘進するなどの対策を示していました。  さらに、マシンが再び動き出したことし1月から、工事現場に近い住宅街で振動の苦情が目立ち始めました。深夜、2階で振動を感じ、仏壇や扉がばたばたした、震度3くらいの揺れがあった、風呂の水も揺れていたなど、落ちついて眠れないとの訴えがありました。国交省によるヒアリングで、事業者に、本線掘進、土砂ピット作業など11件の問い合わせがあったことが確認され、大深度地下のシールドトンネル工事に伴う作業が原因であることを国交省も認めました。  こうした状況下で、今度は練馬区の大泉ジャンクションからスタートしたシールド地下掘進工事で、周辺を流れる白子川で、8月19日から漏気が発生しました。国、事業者は、シールド工事で用いる空気が漏出したと考えられると、工事との関係を認めながら、漏気は微少で周辺環境には影響がないと、その後も掘進を続けています。10月24日、視察した時点では白子川の漏気はとまり、グリルドという愛称がつく南行きシールドは、工事ヤード内を南に向かって掘進作業中でした。  そこでお聞きします。その後、11月8日公表された外環プロジェクトニュースに、「10月31日より、既存ボーリング孔において微少な漏気が見られております。これは、シールド工事で用いる空気のごく一部が地中から漏出しているものと考えられます。」と書かれています。この新たな漏気の発生は、国と事業者の漏気対策の破綻を示すものです。この漏気の発生は、気泡シールド工法が使われていることによって起こったのか、確認します。  11月8日と9日に、外環本線トンネル大泉南工事に係る本線トンネル掘進工事の説明会が開かれました。今回の説明会はどの地域の住民を対象にしたものか、説明会のお知らせはどの地域に何枚配布されたのか、お聞きします。  今後、シールドが動く先に住む住民には、その地域に入る前に説明会が行われるのか、国に確認してほしいがどうか。  8日と9日の説明会のお知らせでは、大泉ジャンクション工事ヤード内の掘進工事の掘進状況及び今後の掘進についての説明を行うと書かれていました。10月31日に見られた漏気については、原因、漏気の成分など、どのような説明があったのでしょうか。漏気が確認されたボーリング孔はどういうものなのか、お聞きします。また、10月31日時点におけるシールドとボーリング孔との距離をお聞きします。  国は、この間発生した漏気が酸欠空気であることは認めながら、有識者の意見を紹介し、次のように述べています。有識者へ報告したところ、次の意見をいただきました。漏気の可能性はある、漏気が発生したとしても周辺環境に影響はないと考えられると断定し、引き続き、気泡を用いた掘進を進めることとしています。新たな漏気発生後も、何事もなかったようにシールドは掘進を進めています。周辺環境に影響はないという意見は、トンネル施工等検討委員会の見解なのか。有識者はどのような方で、周辺環境に影響はないと断定できる根拠は何か、区の認識を求めます。  外環プロジェクトの公表資料によれば、簡易測定7.3%から20.9%の酸素濃度が示されていますが、7.3%の酸欠空気そのものは人体にどのような影響があるか、区の認識をお聞きします。  古井戸や民家の地下室などで漏れ出した場合、また善福寺池で遊ぶ子供たちに、酸欠空気が安全であるという保証はあるのか、区の見解を求めます。  9月2日12時50分に白子川で採取した漏気の濃度は、7.3%の危険な値が観測されています。この時期は、シールドは約10メートルの地下で、白子川の底から3メートルの浅いところを動いているときでしたが、酸欠空気が出たのは気泡シールドが使われていたためなのか、確認します。  この場合の酸欠空気の発生するメカニズムは、空気の通る途中の地層に還元層があって酸欠になったのか、お聞きします。  このエリアではベントナイトが使われていたとも聞くが、その際にも漏気があったのか、確認願います。  白子川の視察の際に、水面より高い位置にある水抜き孔も確認しました。水抜き孔から出ていたという気体は収集されているのか、その成分は確認されているのか、お聞きします。  白子川旧護岸のくいや、地中に埋設されている旧下水管などがある区間を掘進する場合、シールドのカッタービットの温度上昇を冷却するために、ベントナイトが使われたことを視察で確認しました。ベントナイトとは、高い粘着性、吸水性や吸着性などの性質から、掘進用泥水に使われる粘土性の物質です。大泉のヤード内ではどの地域に使われたのか。  野川では、気泡シールドが使われた直後に漏気が発生しました。大泉では8月19日に漏気が見つかったが、南行きのシールド、グリルドが大泉の発進台からスタートしたときは気泡シールドが使われたのか。ベントナイトに切りかえたのはいつか。  一方の北行きのカラッキィーが白子川に到達しますが、どんな工法で掘進しているのか。気泡シールドが使われているのか、確認願います。  野川の漏気が出た段階では、一旦シールドをとめ、そのメカニズムや安全性を確認するための調査、説明会などが行われました。また、漏気が発生した粘性土質の地層を過ぎるまでは気泡シールドは使わず、その層を越えてから気泡シールドを採用すると説明されていました。その理由として、その後の砂質、砂れき土質の地層は空気を通しやすく、空気が拡散して、酸欠空気が発生することは余りないことから、添加剤や圧力を調整しながら気泡シールドを使うと説明してきました。  しかし、この間の大泉の例からは、どんな地層でも気泡シールドを使えば漏気が起きることが示されたのです。説明不足のままシールド工事が進められています。しかも杉並区の隣にまで近づきつつある段階で、国、事業者は、善福寺、松庵、久我山地域の外環沿線住民に納得できる説明の場を持つべきと思うが、どうか。  国と事業者は、今では漏気は起こることを前提に、しかも酸欠空気は薄くなり、危険はないと強調し始めています。過去にも閉鎖空間では酸欠事故が起き、その危険性は明らかです。野川や白子川だけではなく、今後掘進が進む地域の川や古井戸、地下室、埋め戻されて住民が知らないものも中にはあります。それらをどのように調べるのでしょうか。家屋調査を行い、お知らせで住民に呼びかけても、全部を拾い切ることは不可能です。  沿線住民は、9月20日と11月1日付で、こうした事態がありながらシールド機を動かし続けていることは認められないと、国交大臣、都知事、中日本と東日本高速道路株式会社社長宛てに申し入れを行い、シールドの停止と住民に対する説明を求めています。危険が想定される以上、気泡シールド工法はやめるべきと思いますが、区の見解を求めて、質問を終わります。 ○副議長(島田敏光議員) 理事者の答弁を求めます。  総務部長。       〔総務部長(白垣 学)登壇〕 ◎総務部長(白垣学) 私からは、ヘイトスピーチに関する一連の御質問にお答えいたします。  まず、平成25年に学校法人京都朝鮮学園が起こした訴訟の判決についてですが、京都地裁は、示威活動によって平穏な教育事業を行う環境を損ない、名誉を棄損したとして、街宣活動を行った団体に対して、学校の半径200メートル内での街宣禁止と約1,200万円の賠償を命じました。判決では、当該団体の活動がヘイトスピーチであるかどうかについては触れられていなかったものの、その後の各自治体の取り組みにつながったものと考えてございます。  次に、ヘイトスピーチを規制するための他自治体における取り組みに関する御質問にお答えします。  まず、大阪市ヘイトスピーチへの対処に関する条例についてですが、同条例は平成28年に施行され、人権の擁護とヘイトスピーチの抑止を図ることを目的としており、ヘイトスピーチの拡散防止措置の規定、ヘイトスピーチ該当性などを審議するヘイトスピーチ審査会の設置などを主な内容としております。市は、審査会がヘイトスピーチであると判断した場合には、表現内容の拡散防止措置をとるとともに、表現活動の内容、表現活動を行った者の氏名をホームページなどで公表できることとしております。  また、川崎市の仮称川崎市差別のない人権尊重のまちづくり条例(素案)につきましては、ヘイトスピーチに特化したものではなく、ヘイトスピーチにつながっていく土壌に直接対処する幅広い条例となっております。そのため、人権全般を見据え、不当な差別のない人権尊重のまちづくりを推進することとし、特に一定の要件に該当するヘイトスピーチに対しては、罰則等をもって規制する条例となっている点が特徴であると認識しております。  次に、いわゆるヘイトスピーチ解消法と法を踏まえた区の取り組みに関するお尋ねにお答えします。  同法では、ヘイトスピーチを、特定の国などの出身者であること、またその子孫であることのみを理由に地域社会から追い出すことを目的に危害を加えることを告知したり、著しく侮辱したりする不当な差別的な言動と定義しております。法においては、地方公共団体の地域の実情に応じた施策を講ずるよう努めるものとされており、本区では、ホームページ、広報紙による啓発のほか、法務省が作成した啓発チラシを配布するなどの周知啓発活動を行っております。  また、ヘイトスピーチを目的とする団体の公園や施設の使用につきましては、それぞれの施設の管理条例、規則等で、他の利用者や近隣住民に対する迷惑行為を禁じており、今後ともそのような行為をさせないよう適切に対応してまいります。  ヘイトスピーチを許さない新たな取り組みについてのお尋ねもございましたが、ヘイトスピーチは本来、そのような言動を生み出す意識に問題があり、外国籍の方を含め、人間一人一人の人権が尊重されるべきものだという社会的な人権意識の醸成が肝要だと考えております。そのため、今後とも、ヘイトスピーチを生まない地域の土壌づくりに向けて、さまざまな機会、媒体を活用して、区民の関心を高めるような工夫を考えながら区民の意識啓発を行うとともに、職員の意識向上にも積極的に取り組んでまいります。  次に、第3回区議会定例会における議員の発言に対して寄せられた東京朝鮮第九初級学校の関係団体等からの意見をどのように受けとめたのかというお尋ねですが、同校の子供たちが地域の方々に見守られ、元気に挨拶する様子は、国籍を超えた交流活動のたまものであり、とうといものだと感じております。  区といたしましては、外国人を含む全ての人々の人権が尊重されるべきものと考えており、当該議員の一連の発言により多くの在日外国人や支援者の方々の心が傷つけられたであろうことは、まことに遺憾なことと考えております。  私からは以上です。 ○副議長(島田敏光議員) 都市整備部長。       〔都市整備部長(有坂幹朗)登壇〕 ◎都市整備部長(有坂幹朗) 私からは、外環道における10月31日に発生した漏気などに関する一連の御質問にお答えいたします。  まず、10月31日の漏気発生時の掘進状況につきましては、気泡を用いたものと国などの事業者から聞いております。  また、11月8日と9日に行われた外環本線トンネル大泉南工事に関する説明会につきましては、練馬区事業ヤード周辺地域の住民を対象に、練馬区事業ヤードの設計線からおおむね100メートル以内の範囲にお住まいの方に約8,000枚のポスティングを行い、また今後の説明会につきましては、必要に応じて説明していくと国などの事業者から聞いております。  なお、この説明会におきましては、漏気の原因や成分などの説明は今までの公表資料で行われ、また、10月31日時点で漏気が確認された既存ボーリング孔は、シールドマシン先端から約50メートルの距離に位置し、穴は直径50ミリ、深さ約20メートルと聞いております。  次に、有権者の意見につきましては、漏気確認後、国などの事業者が河川水質調査などを行い、漏気による周辺環境への影響はなく、環境基準値等を満足していることを確認した上で、これらを有識者に報告し、それを受けてのものと聞いております。  なお、有識者がどのような方かの御質問がございましたが、区は承知しておりません。  次に、酸欠空気に関する御質問ですが、厚生労働省によると、酸素欠乏症について、酸素濃度7.3%の症状等は示されておりませんが、濃度6%で瞬時に昏倒、呼吸停止、死亡、8%で失神、昏倒、その後七、八分以内に死亡するとなっております。  酸欠空気のメカニズムなどにつきましては、工事で用いる空気は通常の空気ですが、地中での酸化還元反応により酸素が消費され、地中を通過した空気の酸素濃度が低くなってくるものと推察されており、また、地上へ漏出した空気量は大気と比して微量であり、希釈されるため、周辺環境に影響ないことを確認していると国などの事業者から聞いております。  9月2日に採取した漏気などについてですが、シールド工事で用いる空気のごく一部が地中から漏出したものと考えられ、また、白子川護岸の水抜き孔の確認につきましては、水面直上及び1.5メートル上の空気を調査していると聞いております。  次に、カッタービットの温度上昇を冷却するため、掘削時に用いる添加剤であるベントナイトを使用した工法などについてですが、南行きのシールドマシンは、7月6日から気泡を用いた掘進を行っており、白子川旧護岸のくいを切削するに当たり、8月31日に添加剤を気泡剤からベントナイトへ変更し、北行きのシールドマシンもベントナイトを用いていると聞いております。  また、使用している区間は、地中に埋設されている旧下水道管や白子川旧護岸のくいが干渉する区間及び地盤改良区間などの特殊区間と聞いております。  なお、8月19日に発生した南行きシールドマシンの漏気は、9月4日まで見られたと聞いております。  最後に、説明会の開催を求める声があることは区も認識しております。こうした御要望につきましては、今後も事業者にしっかり伝えてまいります。いずれにいたしましても、外環道工事に関しましては、安全の確保を第一とし、住民の不安を解消するため、丁寧な対応を行うよう国などの事業者に求めてまいります。  私からは以上です。 ○副議長(島田敏光議員) 教育企画担当部長。       〔教育企画担当部長(白石高士)登壇〕 ◎教育企画担当部長(白石高士) 私からは、初めに、東京朝鮮第九初級学校に関する御質問にお答えいたします。  まず、いじめについてですが、杉並区の児童が東京朝鮮第九初級学校の児童からいじめを受けたという報告は、学校から聞いておりません。また、このことについて、保護者等から教育委員会への相談もございません。  次に、東京朝鮮第九初級学校と区立小学校との交流ですが、平成9年ごろから両校の保護者間で始まり、現在でも杉並第一小学校のおやじの会主催の餅つき大会に児童や保護者を招待したり、東京朝鮮第九初級学校で行われる夏祭りなどに杉並第一小学校のおやじの会がボランティアで参加したりするなどの交流が続いております。また、両校の児童が学校紹介や昔遊び等の相互交流をしたり、東京朝鮮第九初級学校での学芸発表会で杉並第一小学校のビデオレターを上映したりする等、継続的に交流が積み重ねられ、深まってきております。  次に、歴史に関する指導についてお答えいたします。  朝鮮通信使につきましては、社会科の教科書では、将軍がかわったときに、お祝いと友好を目的に訪れた朝鮮からの使節団と示されており、児童が当時の世の中の様子などに着目して、我が国の歴史の展開を考える1つの事柄として指導しております。  日中戦争や第二次世界大戦につきましては、我が国が戦時体制に移行したこと、アジア太平洋地域において連合国と戦って敗れたことや、これらの戦争において我が国が多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に対して多大な損害を与えたことにも触れて指導をしております。  私からは以上でございます。 ○副議長(島田敏光議員) 36番けしば誠一議員。       〔36番(けしば誠一議員)登壇〕 ◆36番(けしば誠一議員) 外環道について、何点か再質問いたします。  まず、酸欠空気が希釈されるから安全だという国の説明が有識者の意見として示されており、どのような有識者なのかということに対して、区は認識していないとの答えでしたが、国がわざわざ有識者として、安全だということを示す理由に挙げているわけですから、どのような専門家なのか。トンネル施工等検討委員会という組織がありますが、そうした方なのか。それが示されないということは納得できません。恐らく国からこの点が知らされていないことによって、区は認識していないという答弁だったと私は確認しますが、結局、沿線住民の不安はこれでは全く解消されません。国からこのように、どのような専門家なのか、わざわざ専門家の意見を挙げながら示せないということは全く理解できず、国に対して、具体的な名前まではともかく、どのような専門家なのか、トンネル施工等検討委員会のメンバーであるのかどうか、こうしたことについてしっかりと報告するよう、区から改めて確認を願いますが、その点、再度見解を求めます。  有識者の意見では、川やボーリング孔で出てきた空気のことが言われていても、私が挙げた民家の古井戸あるいは地下室、また善福寺の池の水辺で遊ぶ子供たち、こうしたときの安全性については、専門家の意見の中でも全く触れられていません。どうしてこれが危険がないのか、この点での区の見解を求めておきます。  質問で述べたとおり、国の昨年の野川の気泡に対する説明では、空気を通しにくい粘性土質、ちょうど野川から世田谷の途中までこういった土質、地層があるから、ここは空気が漏れないので、残った空気がボーリング孔とか穴を通じて地上に出てくるという説明でした。その後は、砂質や砂れき土質の地層に変化する。この地層は空気を通しにくい。だから、シールドで漏れた空気も分散して、漏れる可能性が少なく、添加剤や圧力を調整しながら気泡シールドは動かすと言って、この間動かしてきたわけです。今回の大泉で起きた漏気は、結局国が説明していたのとは違って、どんな土質であっても地層であっても酸欠空気が発生するということが示されました。  そうであれば、安全を確保するためには気泡シールドは使うべきではないと思いますが、他の工法は採用できないのか、区の見解をお聞きします。  最後に、住民への説明不足についてです。  この間実施された説明会やオープンハウスでは、時間の制約もあり、住民の疑問点には納得できる回答は得られていません。ましてや、国がこれまで説明してきたことと、先ほど述べたように全く違う事態が起こっていながら、これに対する国の明確な説明がないまま、むしろ安全だと強弁して、気泡シールド工法が次々と進んで、いずれこの杉並にも到達します。今回の説明も限られた地域でした。今後、説明の場についても、先ほど回答はありましたが、杉並でも説明の場を設けるべきだと思いますが、区の見解を求めて、再質問といたします。 ○副議長(島田敏光議員) 理事者の答弁を求めます。  都市整備部長。       〔都市整備部長(有坂幹朗)登壇〕 ◎都市整備部長(有坂幹朗) 私からは、けしば議員からの再度の御質問にお答えいたします。  有識者について明らかになっていないという、この件に関しましては、どのような知見をお持ちの方なのか、また確かに、御質問でいただいたように、検討委員会に入っているメンバーなのか、個人が特定されない範囲で明らかにしないと、区民の方々の御不安が解消できないというふうに考えていますので、こちらのほうは国に強く求めてまいりたいと思います。  また、これから杉並区のほうにシールドマシンが進む中で、子供が遊ぶ善福寺池、そして古井戸等のお話もございましたが、この事例が、もちろんこういったことに対する対策を含めて、どのような対策で、そして御質問にもありましたように、杉並区での説明会、そのことについてもしっかりと、事前に説明ができるように私どものほうから求めていきたいと思います。  幾つか御質問いただいた中で十分にお答えできていないかもしれませんけれども、先ほど御答弁したとおり、いずれにしましても、私ども杉並区のほうも、区民の方たちが安心できるような形でこの工事が進むこと、安全が確保できることをしっかりと念頭に置いて国など事業者に働きかけて、強く求めてまいります。  私からは以上です。 ○副議長(島田敏光議員) 他の工法について。 ◎都市整備部長(有坂幹朗) 今、他の工法ということでしたので。  私も全て専門的な知見はございませんけれども、ベントナイトを使った形ですと今のところ気泡が発生していないというところもありますので、そういったことも含めて、国にしっかりとした対応を求めてまいりたいと思います。  私からは以上です。 ○副議長(島田敏光議員) 以上でけしば誠一議員の一般質問を終わります。  8番奥田雅子議員。       〔8番(奥田雅子議員)登壇〕
    ◆8番(奥田雅子議員) いのち・平和クラブの一員として、子供の放課後の居場所について一般質問します。  児童館については、杉並区は全国に誇る1小学校区1児童館の体制づくりに力を入れ、職員体制も一定時期までは、児童館などの児童厚生施設において子供の遊びを指導する児童厚生員という福祉の専門職を配置し、学童クラブを設置するなど、大変充実した施策を進めてきました。しかし、建物の多くが更新時期を迎えた今日、これまで児童館で行われてきた個々の事業に対するニーズの高まりもあり、これまでと同じ形態では事業を継続させることが難しくなってきたことから、それぞれの機能を分けて拡充させていくことは必要なことと理解しています。しかし今、再編した後の新しい施設を子供たちの豊かな育ちに資するような施設にしていくため、ハード、ソフト面から検証していくことが必要だと考えます。  これまでの実績を評価し、新しい施設再編計画のもとで、いかに子供の成長にとって貴重な遊びの場や地域での子供の成長を応援する仕組みをつくっていけるかが問われているものと考えます。その立場から子供たちの居場所の現状を確認し、今後の取り組みに生かしていっていただきたく質問してまいります。  これまでの児童館の利用対象者はゼロ歳から18歳、つまり乳幼児親子から高校生までであり、小学生保護者や地域住民も児童館ボランティアなどの活動を担い、子供の育ちを支えてきました。そのうちの乳幼児親子を対象とする事業については、新たな形態として、子ども・子育てプラザが既に4カ所で開設され、一日中自由に使える居場所として、多くの乳幼児親子の利用でにぎわっています。また中高生については、ゆう杉並に加えて、2カ所において新たな居場所が計画されています。  特に今回取り上げたいのは、一番の遊び盛りの小学生の放課後の居場所です。  子供の居場所は地域の中に多様な形で存在することが望ましいということを前提にしつつ、これまでの児童館にかわる一般児童の行き先という点では、多くの場合、放課後等居場所事業となります。放課後等居場所事業は、区の児童館機能の一部である小学生の一般来館の機能を継承するものとして、小学校施設を活用した小学生の放課後の居場所づくりを行うものであり、これまでに4校で実施されています。この間、先行して始まった和泉学園や杉並第二小学校においては、それまでの児童館の利用者数を上回る実績を確認してきたところですが、最初に和泉学園で導入されて2年半が経過し、単なる利用者数の増加だけでなく、もう一歩踏み込んだ内容における成果や課題についても見えてくるころであることから、放課後等居場所事業について確認をしていきます。  そこで、まず、児童館の施設再編を進めるに当たっては、これまでの長きにわたって培われてきた児童館の取り組みをどのように評価し、何を残し、何を変えたのか、確認します。  先日、和泉学園や桃井第二小学校の様子を見学してきました。放課後等居場所事業は学校のランチルームや多目的室を活用しているため、運営事業者は用具の出し入れや保管などの不便さもあるのではないかと感じました。  そこで、学校との関係について伺いますが、放課後等居場所事業は小学校施設の放課後使用しないスペースを活用して行われており、基本的に専用の場所がありません。専用のスペースにしなかった経緯について確認します。また、今後も専用スペースを設ける考えはないのか伺います。  この事業の機能は、学校の中に入ることで、教育分野と福祉分野がともに手を携えて、子供の遊びを通して健全な育ちを応援することが重要だと考えますが、実際学校との連携はどのようになされているのか、人的体制や連携内容を具体的にお聞きします。また、現時点での課題があればお示しください。  学校内に設置した以上、そのメリットを追求すべきと考えます。学校内に設置したことで安全面のメリットは確保されたと言われていますが、子供の成長の過程に貢献するような視点で得られたメリットはあるのか、お聞きします。  子ども家庭部子どもの居場所づくり担当課長が教育委員会の子どもの居場所づくり担当副参事を兼務していますが、学校との連携においてどのような役割を果たしているのか伺います。  次に、委託事業者について伺います。  既存の放課後等居場所事業の委託事業者については、これまでも多くの学童クラブを受託してきた法人が担っていると認識しています。同じ小学校内に学童クラブと放課後等居場所事業が併設されていることから、1つの事業者に一体的に委託しています。学童クラブについては、杉並区学童クラブの民間委託ガイドラインが策定されていますが、放課後等居場所事業については、そのようなものはあるのか伺います。  また、2020年4月に開設される高円寺学園、杉並第九小学校では、委託先として初の株式会社が採用されました。これまで株式会社を参入の対象としてこなかった理由は何か。また、今回株式会社にも門戸を広げた経緯について確認します。  2014年度5月に、国は、学校施設の徹底活用や放課後子ども教室と放課後児童クラブを一体型で進めることを柱とした放課後子ども総合プランを発表しました。これを受けて、学童クラブと放課後子ども教室を一体的に行う自治体もあります。杉並区はそうはせず、学童クラブと放課後等居場所事業それぞれを別の事業として取り組んでいるのはなぜか、区の見解をお聞きします。  視察の際の説明で、学童クラブ登録者は放課後等居場所事業にも登録することはできるが、1日の間に両方を行ったり来たりして過ごすことはないと伺いました。学年が上になるほど両方に登録する子供がふえるようで、子供もうまく使い分けているようでした。  学童クラブと放課後等居場所事業は、子供の放課後の時間を見守るという点では同じですが、それぞれの事業に対して区が委託先に求める内容、例えば委託条件、職員の資格、職員の配置基準などに違いはあるのか、確認します。  事業の内容の質をよりよいものにしていくには、スタッフのスキルアップのための定期的な研修講座も必要です。研修の義務づけなど、仕様書に明記すべきと考えますが、実態はどのようになっているか。また、目的に照らして事業の到達度を確認していく場が必要と考えますが、区の考えをお聞きします。  次に、子供の利用の様子について伺います。  既存4校の放課後等居場所事業の直近の登録人数は何人か。また、1日の利用数は平均どのような状況か。再編前の児童館と比べ、和泉学園では2.2倍、杉二小では1.4倍に増加していると聞いていますが、今もその傾向は続いているか、あわせてお聞きします。  参加する子供がふえたことは、そのような場が求められていたとも受けとめていますが、子供が放課後の自由な時間を思い思いに過ごすことができることが重要だと考えます。スタッフはどのような点を重視して子供たちに接しているのか伺います。  機能として、困難を抱える子供や家庭などを支援することや、問題の未然防止や早期対応を図るためには、虐待やいじめなどを見逃さないスタッフの感度も重要だと考えます。例えば障害児等の利用はどのように対応しているのか、お聞きします。  また、学校になじめない子は、学校内で行われる放課後等居場所事業の利用が厳しいため、子ども・子育てプラザにおいて受け入れることができることを、この間も確認してきましたが、そのような子の受け入れ実態はあるのか伺います。  配慮が必要な子供への対応には、時には専門的な知見が必要なこともあります。作業療法士などの専門的職員の配置、あるいは巡回指導のような取り組みをぜひ検討していただくよう要望しておきます。  私立や国立学校に通う児童も対象となっていると思いますが、利用実態はあるか。あれば、その登録人数も伺います。  次に、地域住民との関係についてお聞きします。  居場所の機能として、地域の多様な大人の積極的な参画を得て、学校を核とした子供の育ちと子育てを支える地域社会をつくることは重要です。保護者との関係づくりやボランティア参加、地域の子育て支援団体等の協力などはどのような状況か伺います。  今回は、小学校内にこれまでの児童館機能が移行した放課後等居場所事業について質問してきました。冒頭述べたように、子供は、地域のさまざまな社会資源を活用して、多様な人や物とのかかわりの中で放課後を過ごすことが望ましく、地域の大人も一緒に、どんな子供の居場所をつくるのかを子供の側に立って考えることが必要ではないかと考えています。  居場所事業の質の問題にも直結することから、これまで活動してきた保護者を含む児童館関係者の中に、児童館再編は地域との丁寧な話し合いの場を持ってほしいという声があり、それはもっともだと思います。子供たちの意見を聞く場も不可欠です。そのため、今後の児童館再編により放課後等居場所事業を進めていく際には、計画を出す前に、どのような居場所にしていくのか、運営等について、児童館利用者等の地域との話し合いを持ち、一緒になって考えていく場が必要だと考えますが、区の見解をお聞きします。  子供は、家庭、学校、地域で育ちます。保護者の安全志向の中にあって、1日のほとんどを学校内で過ごすことになり、子供の育つ環境として不自然さを感じるところではありますが、その制約の中で、その場なりのメリットを知恵と工夫で最大化することはできるのではないかと思います。  先日、区も後援した冒険あそびの会の連続講座に参加した際に、この十数年で子供の育ちに関する国内外での学術的な研究が進み、新しい価値観が生まれているということを知りました。その1つにプレイワークという専門分野があり、子供の遊びの環境設定や子供とのかかわり、危険管理、地域との関係調整等を整理したものだということです。子供の主体的な意欲がより育まれるためには、それぞれの子供がみずからやりたいことをして遊べる環境を整えることが必要だという考え方であり、その結果として、子供は創造性に富み、身体や知性、情緒、社会性をみずから育てていくようになるというものです。私もこの考え方に共感します。  大人の指導のもとで、大人が決めた方向やゴールへと子供を向かわせるのではなく、地域での遊びや学び、子供同士や大人も含めての交流を通して、子供みずからが自分のやりたいことを見つけ、自立に向けて進んでいけるように、その子らしい育ちが保障されるように親以外の大人が支え、応援する、そのような環境づくりが新しい居場所事業には求められているのだと思います。区においては、今後、放課後等居場所事業の実施に当たって、その視点を持ちながら進めていただきたいと考えますが、最後に区のお考えをお聞きして、質問を終わります。 ○副議長(島田敏光議員) 理事者の答弁を求めます。  区長。       〔区長(田中 良)登壇〕 ◎区長(田中良) 私から、奥田雅子議員の児童館再編整備についての御質問に御答弁申し上げます。  これまで児童館は、ゼロ歳から18歳までの児童の健全育成に資する施設として大きな役割を果たしてきたと評価しております。しかしながら、現在の限られた施設、スペースでは、増加している乳幼児親子や小学生の学童クラブのニーズ等に対応することは困難であります。このため、区は、区立施設再編整備計画に基づき、児童館の機能のうち、小学生の学童クラブや放課後等の居場所は区立小学校施設に移転するとともに、機能移転後の児童館施設を改修し、乳幼児親子を主たる利用対象とする子ども・子育てプラザを整備するなど、児童館再編の取り組みを丁寧かつ段階的に進めているところでございます。  こうした取り組みによりまして、従来の児童館のときと比較して学童クラブの受け入れ数が拡大したことに加えて、全体として小学生の放課後等居場所事業を利用する児童や子ども・子育てプラザにおける乳幼児の利用もふえているなど、多くの区民の期待に応えることができております。今後、児童館再編におきましても、これらの実績を踏まえて、引き続き、時代の変化を的確に捉え、児童館の機能を継承・発展させるよう着実に取り組んでまいりたいと存じます。  私からは以上です。残りの御質問につきましては、関係部長より御答弁いたさせます。 ○副議長(島田敏光議員) 子ども家庭部長。       〔子ども家庭部長(徳嵩淳一)登壇〕 ◎子ども家庭部長(徳嵩淳一) 私から、残りの御質問にお答えします。  初めに、小学生の放課後等居場所事業についての一連の御質問ですが、同事業を小学校内で実施するに当たり、放課後等に児童が集まる拠点のスペースは多目的室等を活用し、その児童が運動したり遊んだりするスペースは、あらかじめ学校と調整の上、校庭や体育館、学校図書室、特別教室などを適宜活用しております。このように、同事業のみの専用スペースを設けるのではなく、今後とも各学校の実情に応じて、学校施設全体を教育活動に支障のない範囲で有効活用していくという基本的な考え方により実施してまいる考えです。  なお、議員から御指摘のあった倉庫等の件につきましては、その点について今後、状況を見て必要な対応を図ってまいりたい、かように考えます。  次に、同事業を実施する上での学校との連携につきましては、教育委員会事務局副参事を兼務する子どもの居場所づくり担当課長の指揮のもと、本事業を統括管理する子ども・子育てプラザ職員が核となって、当該校の管理職及び運営委託事業者と定期的な打ち合わせを行い、活用するスペースの利用調整のほか、事業の実施状況等に係る情報共有に努めております。これらの連携につきましては、引き続き、より充実していく必要があると考えてございます。  次に、同事業に従事する委託事業者スタッフへの研修は、委託仕様書に基づき、法人が実施する研修、これが毎年平均で9回程度行われているとともに、区が主催する児童館職員等を対象とした各種研修への参加者数もふえている状況にございます。今後ともこうした状況把握に加え、委託契約に基づく年2回のモニタリングなどを適切に実施し、事業の改善充実を図ってまいりたいと存じます。  次に、同事業の登録児童数についてのお尋ねがありました。  現在、同事業は4校で実施しておりますが、本年度の登録児童数は、杉並和泉学園で575名、杉並第二小学校で432名、桃井第二小学校で352名、桃井第五小学校で386名となっておりまして、その中には、国立、私立等の他の学校に通う児童が合計58名含まれております。また、これら4校では、従来の児童館のときと比較して、平均で1.5倍となる多くの児童に利用いただいている状況です。  そうした中で、障害のある児童の利用につきましては、児童の安全面を考慮し、保護者の御理解、御協力を得て、適宜御参加いただいております。  また、学校になじめない児童につきましては、これまでもお答えしているとおり、必要に応じて子ども・子育てプラザ等で受けている実績がございます。  次に、同事業に係る保護者との関係づくりにつきましては、児童の送迎をする保護者に対する個別の声かけのほか、毎月発行する放課後等居場所事業のお便りを通して実施状況などをお知らせするとともに、ボランティア参加の協力依頼をしております。同事業の中で実施している本の読み聞かせや運動プログラム、またお祭り等のイベントにおきましては、保護者によるボランティア参加のほか、地域の子育て支援団体などの協力を得て実施するよう進めているところでございます。  次に、今後の同事業の新たな実施に当たりましては、計画策定前に、児童館利用者を初めとする地域の方々とともに運営内容等を考えていくべきとの御質問がありました。  これまでも計画案の公表段階で地域説明会等を行っておりますが、今後も当該校のPTAや学校支援本部など関係者の皆様の意見をお聞きしながら、円滑かつ適切な事業の実施に向けて、丁寧に取り組んでまいりたいと存じます。  次に、学童クラブと小学生の放課後等居場所事業の民間委託に関連した御質問にお答えします。  まず、区が本年2月に策定した学童クラブの民間委託ガイドラインですけれども、これは今後の学童クラブの民間委託を円滑かつ適切に推進するための基本指針として定めるとともに、これまで本区が参加を認めていた特定非営利活動法人、NPO法人ですね、これと社会福祉法人及び学校法人以外にも、他区における委託法人の種別が大きく広がっている実態などを考慮し、より多くの事業者から多様な提案を受けることができるよう、公募要領に盛り込む参加資格を、一定の実績を有する法人格のある団体としたものです。  小学生の放課後等居場所事業につきましては、現在、これまでの実施状況などを踏まえまして、事業実施マニュアルの作成に向けて検討しているところです。今後はこのマニュアルをもとに、学校及び委託事業者等との情報共有及び連携の促進を図ってまいります。  また、学童クラブでは、国の基準に基づき、区の条例等で定める職員の資格及び配置基準等を公募要領に明記しておりますが、放課後等居場所事業には国の基準等がないため、公募要領には、これまでの児童館における実績等をもとにした職員配置基準を設定する一方、責任者を除き、職員の資格基準は設けていない状況です。  これらの両事業につきまして、区では、これまでの経緯等を踏まえ、別々の事業として実施しておりますが、より効率的、効果的な運営となるよう、同一の事業者に委託することとしているものでございます。  私からの最後に、小学生の放課後等居場所事業を実施していくに当たり、児童の自立性や主体性を尊重した育成環境が必要ではないかといった趣旨の御質問にお答えします。  御指摘の点は、区としても同様の認識にありまして、現在、同事業を委託している事業者のスタッフともそうした考えを共有し、日々の運営の中で児童が思い思いに過ごすことができるように配慮するほか、例えば高学年に、集団で遊ぶ際のリーダー的な役割を担ってもらうなど、運営上の工夫などに努めているところです。今後につきましても、児童一人一人の状況や思いを可能な限り受けとめながら、本事業を通して児童の自主性や主体性を育成することに資することができますように取り組んでまいりたいと考えます。  私からは以上です。 ○副議長(島田敏光議員) 8番奥田雅子議員。       〔8番(奥田雅子議員)登壇〕 ◆8番(奥田雅子議員) 幾つか答弁がいただけていない部分があるやに思いますので、改めて確認なんですが、学校内に設置した放課後等居場所事業ですけれども、人数的にはたくさん来るようになって、そういった効果もありましたけれども、子供の成長の過程に貢献するような視点でということで私質問したんですが、その辺での得られたメリットがあれば、少し具体的にお示しいただければと思います。  それと、国が、学童クラブや放課後等居場所、杉並区でいえばそういった事業になるかと思いますけれども、一緒にというような方向性の中にあって、杉並区はそれぞれ別々に取り組んできた、その辺の経緯について、改めて確認をしたいと思います。  それと、最後の私の指摘についても同じ認識だということで安心はいたしましたけれども、参加する子供がふえていった中でも、やはり子供たちが自由にその場、児童館のときは本当に自由な時間を思い思いに過ごしていたかと思うんですけれども、放課後等居場所事業になったとしてもそれがきちんとできているのか、スタッフはそういった視点をきちんと認識しながら子供に接しているのかどうか、その辺をもう一度確認させていただきたいと思います。  以上です。 ○副議長(島田敏光議員) 理事者の答弁を求めます。  子ども家庭部長。       〔子ども家庭部長(徳嵩淳一)登壇〕 ◎子ども家庭部長(徳嵩淳一) 再度の御質問にお答えします。  まず1つ目に、この間の放課後等居場所事業を通して、子供たちの成長支援、その辺のリアルなお話をということですけれども、その点については、個々にそれぞれの学校内で行っていて、それぞれのスタッフが個々の子供たちの日々の成長、そのあたりは実感しているところかと思います。今現在、そうした現実の具体的な資料の持ち合わせはありませんけれども、今後そういった点もよく整理して共有していきたいかなと、こんなふうに思います。  2点目に、学童クラブと放課後等居場所事業、別々にというふうに考えた経緯というか、その点の確認のお話がありました。  これについては、従来から私ども、児童館の中で学童クラブ事業というものがあり、それとは別に、学童クラブを利用しない子供たちが一般来館という形で、その施設を有効に活用してきた。今回児童館の再編で、地域にあまねく存在する区立学校の施設を有効に活用するといったときに、これまでの児童館で行っていた環境、そこのそれぞれの事業の環境、そういったものをうまく継承していくという考え方から、現在のように事業としては別々に、しかし、基本的に同じ小学校の子供たちが集まって交流する、そして遊ぶ、そういった取り組みですから、そこは効率的、効果的に行うという観点から、同一の事業者で一体的な運営ということをやっているというのが率直なところでございます。  それと3点目で、最後の、子供たちの自立性あるいは主体性、そういった観点でということでしたけれども、先ほども御答弁で触れましたけれども、こういった認識については、私ども区と委託事業者、共有してこの間も取り組んでまいりましたし、このことについては、区が主催する研修などでもテーマに設定して、ともに考え合うなど努めているということです。今後も、議員御指摘のこういった自主性、自立性を育んでいくというのは重要なことだというふうに考えますので、そのときそのときの子供たちの状況に敏感でありながら、そういったことに努めてまいりたい、かように考えます。  以上です。 ○副議長(島田敏光議員) 以上で奥田雅子議員の一般質問を終わります。  40番大槻城一議員。       〔40番(大槻城一議員)登壇〕 ◆40番(大槻城一議員) 杉並区議会公明党の大槻城一です。本日は、本年第1回定例会で一般質問した人と動物の共生についてに続き、このたび改正された動物愛護法を通し、今後の杉並区の動物施策について一般質問をさせていただきます。  2019年6月12日、改正動物の愛護及び管理に関する法律(以後、改正動物愛護法)が成立しました。前回の改正時、5年をめどに改正する予定だったのが、さまざまな課題もあり、6年目にしてやっと成立の運びとなりました。  主な改正点として、1つ目は、マイクロチップ装着を犬や猫など販売事業者に義務化し、一般の飼い主には努力義務が課されました。  2つ目は、動物虐待罪の厳罰化です。ペットの殺傷に対する罰則は、2年以下の懲役または200万円以下の罰金から、5年以下の懲役または500万円以下の罰金に。  これまで動物愛護団体からは、日本では、物を壊した場合の器物損壊罪は3年以下の懲役だが、動物を虐待し、何頭死に至らしめても2年以下の懲役のため、罰金か執行猶予で実刑にはならない、欧米では、動物虐待と人への暴力事件との関連性の研究が進んでいる、との強い抗議の声が上がっていました。今回の厳罰化に対し、法曹界からは、懲役2年から5年への変更は余り例がない、これで動物虐待に対し実刑への道筋ができたとの声が表明されています。  改正案成立直後の6月、私は、動物愛護団体が衆議院第一議員会館で開催した集会に参加しました。この法案は超党派の議員による議員立法であったため、各会派の議員が参加し発言。その中、主催者の愛護団体代表から、今回、5年以下の懲役という大変困難であった厳罰化が実現したのは、公明党によるところが大きいとの評価をいただくことができました。生命尊重を党是とする公明党の一員として、動物施策のさらなる進展のため働いてまいる決意です。  3つ目は、天然記念物に指定されている日本犬以外、生後56日(8週)を経過しない犬猫の販売が禁止となりました。例えば犬は、母犬の初乳に由来する抗体が生後7週ごろからなくなり始めます。ワクチンを打ち、販売するまでには一定期間が必要になり、最近の獣医療では56日規制が妥当とされています。この規制により、子犬、子猫がより長く母親や兄弟と触れ合い、より適切に社会になじむことで、成長後の問題行動を予防する効果が高まります。また、免疫力を高めてからの動物販売は、感染症リスクの減少につながると期待されています。  ほかには、犬猫の販売場所は販売事業者の事業所に限定され、実質的にインターネット販売が禁止へ。多頭飼育などにより適正飼育が困難になった場合、繁殖防止、つまり避妊・去勢が義務化され、これまでの多頭飼育以外での立入検査も可能になりました。また、獣医師による虐待の通報が義務化されています。そして保健所等における殺処分の方法について、国際的動向の考慮が記載されました。  今回の改正で、欧米の動物先進国の動物福祉、いわゆるアニマルウエルフェアの視点にのっとった施策に、日本の動物愛護法も、少しずつではあるが近づいた感があります。アニマルウエルフェアとは、人間が動物に対して与える痛みやストレスを最小限に抑え、動物の健康的な生活を目指すことです。  今回の改正動物愛護法を契機に、区の動物施策の全体像を区民が理解しやすいものにしてほしいとの声が私のもとに届いています。特に動物の衛生的な施策と動物の福祉的な施策の立て分けをしてほしいとの声も。また、動物情報として、当区の子育てサイトのように、区のホームページにペット専用のポータルサイトを民間と協働して構築することも考えられます。そして、災害で言われる自助・共助・公助のように、動物施策も、個人や家族で取り組むもの、身近な地域で取り組むもの、そして行政と取り組むものなど、ステージごとにテーマや目標設定を掲げ、共有し、成果を確認しやすくしてほしいとの要望もあります。  当区の動物施策は、これまで保健福祉計画の1項目とされてきましたが、施策の具体的な内容について余りはっきりと書き込まれていないと感じるところもあります。次期保健福祉計画の中にわかりやすく提示するのか。例えば杉並区自転車ネットワーク計画などのように独立させ、1冊で施策全体がわかるものにするのか。所管には、区民にわかりやすい内容にしていただきたいと大いに期待するところです。  そこで質問です。本年6月に成立した改正動物愛護法の成立を当区はどのように捉えているのか。また、この機会を動物施策推進のチャンスと考え、全体観に立った計画策定を検討していくことについて、区の見解を伺います。  平成30年全国犬猫飼育実態調査では、調査動物の半数以上が7歳以上のシニア犬と報告されており、人間とともに犬の高齢化も進み、人と動物との老老介護もふえる状況です。同調査によると、2018年の平均寿命では、犬が14.29歳、猫が15.32歳。飼育理由の1位は生活の癒やし、安心、2位は過去の飼育経験、3位は家族間のコミュニケーションと、3つの理由が全体の4分の3を占めています。1カ月当たりの医療費を含んだ世帯当たりの支出は、犬が1万円余、猫が6,000円余とのこと。飼育世帯率で見ると、犬が12.6%、猫が9.78%となっており、重複部分もありますが、およそ5世帯に1世帯ぐらいが動物を飼育していることになります。  動物は家族の一員との認識が進み、社会の中で人と動物の共生がクローズアップされ、今、アニマルウエルフェア、いわゆる動物福祉の進展を期待する声が高まっています。国際的な動物福祉基準とされ、諸外国の動物福祉法にも大きな影響を与えている5つの自由という動物福祉基準があります。1、飢えと渇きからの自由、2、不快からの自由、3、痛み、けが、病気からの自由、4、正常な行動をとることができる自由、5、不安とストレスからの自由です。  今後、当区の動物施策にも、5つの自由の視点を取り入れ施策を推進することは重要と考えますが、区の見解を伺います。  これまで動物施策は、狂犬病注射やふん尿処理など衛生的側面の施策が多く求められてきました。また、日本の行政には動物福祉専門の部署がないとの指摘があります。改正動物愛護法では、動物行政を担う地方公共団体において、獣医師など動物の専門家である動物愛護管理担当職員の拡充を掲げ、都道府県等では担当職員を必ず設置し、区市町村は、置くよう努めるものとされています。当区もこの機会を捉え、衛生的な視点とともに福祉的な視点にも重きを置いた動物福祉関連部署を創設するよう要望いたします。  杉並区は、飼い主のいない猫への施策として、登録された民間ボランティアグループとともに、年間約200頭の避妊・去勢手術を行い、急激な繁殖を抑えています。手術費用は、雌が3万円前後、雄は2万円前後です。しかし、予算枠を超えた動物には、民間ボランティアグループの皆さんの自己資金で手術が行われている現状もあります。  当区の動物施策は区民との協働によるところが大きく、区民のボランティア活動やNPO活動を安定的に推進する上で、区の動物関連予算の充足は課題の1つです。そこで、区の寄附窓口に動物施策を設定することは課題解決に有効と考えますが、見解を伺います。  地球温暖化の影響とも指摘される近年の集中豪雨や台風などによる自然災害は、日本全国各地に多大な被害状況を発生しています。動物の防災対策として環境省では、災害時の飼い主の役割に、同行避難と災害避難時における飼育管理を挙げています。ペットが迷子になると、けがや死亡する危険性も高く、捕獲するにも多大な労力が必要となります。また、東日本大震災では、野生化した犬の繁殖による野犬の群れが報告されています。今回のマイクロチップの義務化が進むことで状況が改善することが期待されています。  本年の台風19号で区内11カ所の避難所が開設された際の同行避難した動物の状況について、所管に伺います。
     災害時、家族の一員として避難してくる動物たちへの対応も行政は求められます。その際、飼育者は、避難することで精いっぱいで、自宅から動物用の災害備蓄品を持ち出せないことも想定されます。そのような場合に備えて、避難所に長期保存が可能で標準的なペットフード等を備蓄し、災害避難訓練などの際、動物のための備蓄品を確認することは、区内に数多くある動物所有世帯にとって安心につながります。  そこで、人と動物がより安心・安全に避難所生活を送るため、全ての避難所、備蓄倉庫にペットフードなど動物の備蓄品を用意することについて見解を伺います。  1995年の阪神・淡路大震災の教訓を経て、多くの動物支援関係者はそれぞれにさまざまな対策を進めてきました。しかし、東日本大震災では、各支援団体をつなぐネットワークが不足し、現場では発災直後から混乱が起きていたとのこと。動物支援関係者の声には、緊急時の総合的な物事の進め方が確立しておらず、互いに協働して対応した経験もない場所では、資金、ネットワーク両面において総力を結集できなかったとの総括もありました。  災害時の動物支援関係者の連携強化に向け、災害時の動物支援タイムライン作成は、関係者の行動を見える化し共有していく上で重要と考えますが、見解を伺います。  改正動物愛護法で装着することになったマイクロチップは、長さが10ミリ程度、直径2ミリ前後の円筒形の器具。15桁の番号が記録され、注射器のような器具で犬や猫の皮下に埋め込み、専用機器で番号を読み取ることで飼い主の連絡先など登録情報がわかるというもの。獣医師によって装着され、装着時の痛みはワクチン接種程度とのこと。耐久年数は約30年で、犬、猫の寿命を大きく上回ります。飼い主の責任を明確にし、動物遺棄対策にも有効。盗難や迷子になったときに役立つため、欧米では定着しているとのことです。  装着費用は獣医師によって異なり、最近では3,000円から1万円程度かかり、登録費用が別途1,000円の見込みとのこと。災害時、平常時とも動物のマイクロチップ装着は大変に有効ですが、一定の費用がかかります。  横浜市や京都市、名古屋市など、助成金を支給している自治体もありますが、当区において、まずは低所得世帯への助成検討について、区の見解を伺います。  当区では、緊急時や災害時に、高齢者や障害者など自力で避難行動が困難な方のために、必要な支援内容等の情報を保管する救急情報キットを配布しています。また、その情報があることを救援者に知らせるため、玄関扉にステッカーを張り、告知をしています。同様に、飼い主の不在時に災害が発生した場合に備え、玄関扉などにペット情報(ペットの種類、数、連絡先、かかりつけ医など)をステッカーとして張り、救援隊にペットがいることを知らせることは有効と考えますが、見解を伺います。  2020年東京オリンピック・パラリンピックを契機に、これまで以上に外国人との交流機会がふえ、国際基準による動物とのかかわり方が求められることも想定されます。例えばドイツでは、動物の店頭販売が禁止されており、動物が1歳になるまでは屋内飼育が義務づけられ、屋外飼育の場合でも、囲いの大きさや犬小屋の広さまで細かく規定され、保護されているとのこと。また、カナダでは、動物虐待に対し罰則が厳しく、買い物途中の車内への放置や外につなぎっ放しにしているだけで逮捕案件になるとのことです。  欧米など動物先進国の外国人にとって、動物を手に入れる方法はペットショップではなく、関係者からの譲渡が一般的と言われています。当区在住の外国人向け広報に、区内で開催されている譲渡会情報などや区の動物施策にかかわる情報を掲載することは有効と考えますが、見解を伺います。  現在、動物への意図的虐待や飼育放棄が大きな問題となっています。50年前、イギリスから来日、大阪北部の能勢町でアニマルシェルターを開設し、動物保護施設ARK(アーク)を運営してきたエリザベス・オリバー氏は、今の日本に必要なのは人々と行政の意識改革と訴えています。同氏は、日本では今なお、犬なんか鎖につないでおいて、餌と散歩だけ面倒見れば大丈夫と気軽に考えている人がいるが、実は、犬は人間との交流や対話、遊びなど触れ合いを必要とする社会的動物であることを知らないと指摘しています。動物との共生を目指すに当たり、飼育する覚悟と責任が私たちに問われていることを改めて確認し、質問を終わります。  ありがとうございました。 ○副議長(島田敏光議員) 理事者の答弁を求めます。  区長。       〔区長(田中 良)登壇〕 ◎区長(田中良) 私からは、大槻城一議員の御質問のうち、改正動物愛護法の成立と国際的な動物福祉基準を踏まえた区の動物施策についてのお尋ねにお答えをいたします。  ペットなど動物との共生は、いわゆる癒やしの効果を生み、人の心身の健康によい影響を与えるとされ、多くの区民が動物を飼養しております。一方で、飼養放棄や蚕糸の森公園で発見された矢ガモなど、動物に対する虐待行為の事例も起きております。そうした中、今回の法改正では、動物虐待に対する罰則の引き上げなどの動物の不適切な取り扱いへの対応の強化やマイクロチップ装着の義務化等、区の動物施策を推進していく上でも重要な改定がなされたものと受けとめております。  区では、法の施行に合わせて、区政モニターを対象とした動物施策に関するアンケート調査を実施するとともに、現在、東京都獣医師会杉並支部員、東京都動物愛護推進員等で構成する杉並区動物対策連絡会において、これまでの区における動物施策の検証等を行っております。こうした取り組みをもとに、法改正を踏まえた今後の区の動物施策について検討しているところでございます。  また、飼い主のいない猫の世話・杉並ルールについても、適正飼養等を促進する観点から改正してまいります。  次に、国際的な動物福祉基準とされる5つの自由につきましては、平成25年の法改正時に国が出した通知の中で、全ての動物の取り扱いにおいて基本的な理念であると示されております。このため、区では、本年9月の動物愛護週間において、5つの自由を盛り込んだ講演会を開催するなど、事業の中でその視点を取り入れているところでございます。  私は、動物は人間にとってさまざまな形で生活を豊かにしてくれる、かけがえのない存在と考えております。こうしたことから、今後とも人と動物が共生できる地域社会の実現を目指して、動物愛護と適正飼養の普及啓発などの動物施策に注力してまいりたいと存じます。  私からは以上です。残りの御質問につきましては、関係部長より御答弁いたさせます。 ○副議長(島田敏光議員) 杉並保健所長。       〔杉並保健所長(増田和貴)登壇〕 ◎杉並保健所長(増田和貴) 私からは、最初に、動物施策の区民との協働についてのお尋ねにお答えいたします。  現在、区の動物施策の多くは、東京都獣医師会杉並支部のほか、杉並どうぶつ相談員、飼い主のいない猫を増やさない活動登録グループ、東京都動物愛護推進員などのボランティアや区民との協働によって進められております。また、地域において、区内の個人や団体が自主的に、飼い主のいない猫の適正管理や動物の譲渡会などの取り組みを行っていることも承知しております。動物愛護に関心を持つ区民や団体などの活動は、区が動物施策を進めていく上で大きな力になるものでございます。  こうした活動をさらに発展させていくためには、議員御指摘のように、活動資金の充実も大切なことと考えております。このため、区では現在、法改正に合わせて今後の区の動物施策を検討しておりますが、その中で、区民との協働を進めていくためのさまざまな課題についても研究してまいりたいと存じます。  次に、災害時等の動物対策に関する一連の御質問にお答えいたします。  まず、災害発生時に備えるためのタイムライン作成については、議員御指摘のとおり、災害時の動物支援関係者の連携強化に向けて有効なものと考えております。区といたしましては、今後、東京都獣医師会杉並支部や杉並どうぶつ相談員、区の関係機関等と検討の上、災害時のタイムラインを作成したいと存じます。  次に、マイクロチップ装着の義務化につきましては、法改正に伴い、令和4年6月の施行が見込まれております。  なお、装着費用に対する助成については、法の施行開始時期を見据えて、杉並区動物対策連絡会の御意見や他自治体の動向なども踏まえ、検討してまいります。  次に、ペット情報等のステッカーについてですが、犬のステッカーは区で作成し、畜犬登録時に配布しておりますが、その配布目的は、来訪者に対して注意を促すことでございます。御提案のあったステッカーについては、新たな取り組みとなるため、動物対策連絡会での御意見等も踏まえながら、必要性や費用対効果の観点等も含め、慎重に検討していく考えでございます。  次に、区内在住の外国人向けに区の動物施策に関する情報などを広報することについてのお尋ねですが、区では、英語版広報紙「Hello!SUGINAMI」を隔月で発行し、また杉並区交流協会では、外国人を含む登録会員に対して「すぎなみ交流ニュース」などを定期的に発行しております。こうした機会を活用し、外国人の方に対して区の動物施策に関する情報を届けることは必要なことであり、今般の法改正の概要等も含め、情報提供に努めてまいりたいと存じます。  なお、民間団体等が区内で開催する譲渡会の情報等を英語版広報紙に掲載するなどの取り扱いにつきましては、あらかじめ杉並区後援名義等の使用承認事務取扱要綱に基づく承認手続が必要となります。現在具体的な相談は受けておりませんが、御相談があった場合には、職員が譲渡会に伺って運営を確認させていただくなど、丁寧に対応してまいります。  私からは以上でございます。 ○副議長(島田敏光議員) 危機管理室長。       〔危機管理室長(寺嶋 実)登壇〕 ◎危機管理室長(寺嶋実) 私からは、防災に関連するお尋ねのうち、所管する部分についてお答えします。  まず、台風19号のペット同行避難の状況ですが、10カ所の避難所で、犬、猫、インコ、ウサギといったペットの同行避難があり、受け入れを行いました。  次に、ペットフードなどの備蓄に関する御質問ですが、同行避難の際は、さまざまな種類のペットとの同行避難が想定される一方で、備蓄スペースは不足していることから、ペットフードの備蓄は難しい状況となっております。そのため、区といたしましては、同行避難される飼い主の方に杉並保健所発行の「ペットと飼い主の防災リーフレット」などを通じて、避難所は餌や水、用品の備えはない旨周知しており、同行避難される飼い主の方には、5日分のペットフードの御持参をお願いしているところでございます。  私からは以上です。 ○副議長(島田敏光議員) 以上で大槻城一議員の一般質問を終わります。  ここで午後3時20分まで休憩いたします。                                午後3時01分休憩                                午後3時20分開議 ○副議長(島田敏光議員) 休憩前に引き続き会議を開きます。  37番新城せつこ議員。       〔37番(新城せつこ議員)登壇〕 ◆37番(新城せつこ議員) いのち・平和クラブの新城せつこです。通告に従いまして一般質問を行います。まず、介護保険について、そして、障害がありながら支援につながっていない方への対応について、2つの項目についてです。  まず初めに、介護保険についてですが、制度改定の今後について確認をさせていただきます。  介護保険制度は3年ごとに改定が行われ、昨年の制度見直しの後、既にことしから、2021年の制度改定や介護報酬改定に向けた厚生労働省社会保障審議会介護保険部会などでの議論が始まっています。  財政削減のために2006年に創設された介護予防サービスは、2015年の改定で、予防給付の訪問介護、通所介護が地域支援事業に移行されました。2021年の改定では、さらに要介護1、要介護2の生活援助中心型の訪問介護や通所介護が総合事業に段階的に移行するとされています。また、原則1割自己負担を原則2割負担に、現在利用者負担が無料となっている居宅支援のケアプランに自己負担を導入する方向です。さらには、訪問介護や通所介護の総量規制となる方向も報じられています。  介護保険制度の改悪に続く改悪で、年金暮らしで収入の少ない高齢者や、高齢者のいる世帯は、ますます厳しい状況に置かれることになります。これに対する反対の声が現場から上がり、保険者である自治体としても見過ごすことのできない問題となっています。  利用料の原則2割やケアプランの自己負担導入が議論されることに対し、区は国のこうした方向性をどのように受けとめているのでしょうか。原則2割負担など利用者の負担の増大は、介護サービスの利用を控えることにもつながり、軽減策も一層求められます。改定に関し、国に対して意見を上げるべきと考えますが、いかがでしょうか。  これまでも制度や報酬改定により、全国で介護事業者の倒産が100件を超える状況であることが報じられています。訪問介護、通所介護事業所の倒産は、右肩上がりから横ばいの減少に転じているとの厚労省のデータもありますが、区内においては、廃止など、どのような状況でしょうか。  2017年の介護事業所の指定取り消しや効力停止処分は全国で257件、居宅介護支援は27件となっています。5月29日、厚労省は、介護保険施設等に対する実地指導の標準化・効率化等の運用指針を示し、2018年4月から居宅介護支援事業所の指定権限が都から市区町村に移管されたことに伴い、実地指導を区が行うことになりました。実地指導によって指定取り消しや効力停止処分となったケースはあるのでしょうか。  3年ごとの制度の改定が行われ、区職員の事務作業が繁雑になっていると思われます。現場はどのような状況であるか、確認をします。  介護人材の確保と区の取り組みについてです。  国は、介護人材の確保策として、これまでに処遇改善策を打ち出してきました。2009年に実施した介護職員処遇改善交付金、2010年にはこれにキャリアパス要件を設け、さらに2012年の介護報酬改定で、介護職員処遇改善加算として報酬本体に組み込み、2015年、2017年の改定でさらに拡充されています。  ことし10月には、新たに介護職員等特定処遇改善加算で、他の産業の平均年収440万円を介護職にも保障するよう収入上限を上げていく施策が始まっています。しかしながら、改善策が図られながらも、人材確保の現状は厳しいままです。区内事業所における介護職の処遇改善の状況について確認をします。また、人材の確保につながっているのかどうか、お答えください。  この間、杉並区は特別養護老人ホーム建設に力を投入し、待機者が減り、緊急を要する待機者をゼロにする見通しが立ちました。特養で働く職員からは、これ以上特養をふやせば人材の取り合いになり、確保が困難になるとの話を聞きます。また、介護事業者からも、特養入所を依頼した際、部屋はあいていても、職員不足で入所が難しいとのお話を聞いています。  介護人材確保の重要性は区も認識をされ、さまざまな取り組みがなされてまいりました。今後、天沼3丁目の複合施設に併設する大規模特養ホームの建設が進む中で、人材確保には、国や東京都にも、介護に従事する全ての労働者に及ぶ処遇改善策の対策を求めるとともに、区の一層の創意工夫ある取り組みを願うものです。  こうした中で、2018年、厚労省は、1万112人を対象として、介護現場における身体的暴力や精神的暴力、セクシュアルハラスメントなどの調査を行い、ことし4月には、介護現場におけるハラスメント対策マニュアルを作成しました。  調査によれば、コップを投げつける、首を絞める、蹴られるなどの身体的暴力や、威圧的態度で文句を言い続けられる、刃物を胸元からちらつかされる、家族から自分の食事もつくれと強要される、利用料金を手渡しにせず、お金を横に並べてそれを拾うように求めるなどの精神的暴力、さらには、必要もなく手や腕をさわられる、女性のヌード写真を見せられる、卑わいな言動を繰り返すなどのセクシュアルハラスメントなどの実態が明らかになっています。そうしたハラスメントをこれまで利用者やその家族から受けたことがある職員の割合は、訪問介護では50%、地域密着型通所介護では43%、介護老人福祉施設では71%、居宅介護支援では46%などの状況で、深刻さが伝わります。  これまで高齢者虐待の事件は取り上げられても、介護職員への虐待が焦点となったことはありませんでした。職員による虐待事件に至るケースの原因の1つに、こうしたハラスメントが存在していたことも、事件後の調査によって明らかになる事例もあります。私自身も現場の方々から聞くことがありますが、介護従事者へのこのような扱いが人材確保の困難さの要因の1つではないかとも感じています。これでは、どんなに給与が改善をされても長く働ける職場とはなりません。  今、他の自治体では、訪問介護の場合に、2人体制で行くための補助金が事業所に出されているところもあります。人材確保のためにも、働く職員の安全を確保することは重要な施策だと思いますが、区の見解を求めておきます。  介護保険制度の住宅改修費及び福祉用具の購入における費用負担の改善策について確認をします。  福祉用具などについて、厚生労働省の資料では、要介護者等の日常生活の便宜を図るための用具及び要介護者等の機能訓練のための用具であり、利用者が居宅で自立した日常生活を営むことができるよう助けるために給付されるものとされています。福祉用具には、貸し付けと購入するものがあります。貸し付けの対象には、車椅子や特殊寝台、床ずれ防止用具、体位変換器、手すりやスロープ、歩行器などがあります。一方で、肌に直接触れるもので、貸すことには向かない腰かけ便座や入浴用椅子、浴槽用手すり、浴槽内椅子、入浴台は購入することになります。  2016年の厚労省のデータによれば、住宅改修や福祉用具の貸与、購入の給付件数は、要介護2以下の方が7割を占めているとされていますが、杉並区の利用実績はどのような状況となっているでしょうか。  また、住宅改修費では、要介護、要支援認定者だけではなく、非該当とされた方も、介護予防の観点から区独自の給付制度も行われていますが、この間の実績はどのような状況でしょうか。  ところが、この住宅改修費や福祉用具購入費は、介護保険では利用者が一旦費用の全額を支払い、その後に区役所に申請をして、1割から3割となる自己負担分を除く保険給付分の支給を受ける、いわゆる償還払いが原則とされています。しかし、そのために利用者は一時的に高額の費用が必要となり、低所得者にとっては、住宅改修や福祉用具の購入が困難になる場合がありました。このため、多くの自治体が、利用者の一時的な負担を軽減し、住宅改修や福祉用具の購入をより利用しやすくするために、償還払いのほかに、受領委任払い制度を行っていることがわかりました。  この受領委任払い制度とは、利用者が1割から3割の自己負担のみを事業者に支払い、保険給付となる9割から7割部分は、自治体が利用者から受領の委任を受けた事業所に直接支払うことで、利用者の一時的な費用負担を回避するという方法です。  今回、福祉用具を必要とする方や事業所から、他区では受領委任払いを実施しているのに、なぜ杉並区ではこの受領委任払いができないのかとの相談がありました。そこで、担当課に調査をしてもらったところ、23区では杉並以外の22区が既に実施をしていることが判明いたしました。  高齢者の中には、訪問介護を受け、介護保険サービスを利用し、ぎりぎりの財政状況で、さまざまなサービスを頼りに自宅で生活をされる方が少なくありません。支払いが困難である場合には、便座等を諦め、おむつにせざるを得ない状況があると聞きます。おむつでは、ヘルパーさんが取りかえるまでは放置されることになります。排せつは個人の尊厳にかかわる課題です。可能な限りトイレを使い、自力でできるよう支えることは、重度化の予防にもつながります。ポータブルトイレなどの福祉用具は、高齢者の自立支援策として不可欠であると考えますが、改めて区の見解を確認します。  住宅改修費や福祉用具購入費には資金貸付制度があります。償還払いでは、負担した利用者に給付部分が戻るのは2カ月から3カ月かかることになることから、低所得者で支払いが困難な場合には、保険給付見込み額の範囲で資金の貸し付けを無利子で行うものです。受領委任払いが行われていない状況では重要な制度だと思います。  この間の実績を見ますと、福祉用具が2015年度ではゼロ件、2016年は2件、17年はゼロ件、また住宅改修費では2015年が4件、16年が4件、17年が3件の、わずかな件数、実績しかありません。この貸付制度が十分に利用されていない現状について、区はどのような課題があると考えているのか、見解を求めます。  10月の決算特別委員会で、受領委任払いを求める要望について区に質問をしたところ、区には利用者や事業者から電話や窓口などで直接要望が出されているとのことでした。区は貸付制度もあるとしていますが、ほとんど利用されていない状況から、利用者や事業者の要望には応えられていないものと判断をしました。  また、受領委任払いについては、今後のシステム改修に合わせ、受領委任払いに取り組むという答弁もありました。しかしながら、その後確認したところ、システム改修は2021年であり、利用者は1年半待たなければならないことがわかりました。他区が既に実施している状況で、区の立ちおくれを取り戻すためにも早急な対策が必要だと考えますが、今後の方針を確認します。  また、他区の受領委任払いでは、事業者への支払いが2カ月後になっていることが少なくありません。たび重なる制度の改定で深刻な厳しさを強いられている、とりわけ小規模事業者には、少しでも期間を短縮して支払うことは重要な課題です。事務作業を円滑に行い、せめて1カ月後には事業者に払われるよう求めますが、いかがでしょうか、お答えください。  高齢障害者の規則の改善もその1つでしたが、利用者や介護従事者が疑問に感じ、改善を求めることには根拠があるのだという立場で向き合っていただきたいと思います。今回の受領委任払い制度も、この姿勢があれば、他区におくれをとることなく実施が行われ、利用者や事業者を悩ませることにはならなかったものと考えます。今後も事業者やケアマネとの情報共有や連携などの一層の強化と、利用者の立場に立った対応を区に求めておきます。  障害がありながら支援につながっていない方への対応について伺います。  区の第5期障害福祉計画、第1期障害児福祉計画の策定に向けた障害者の地域生活に関する調査報告書が公表されています。これを拝見し、当事者へのアンケート調査は大変重要だと改めて感じました。  地域には、その対象にされず、障害がありながら支援につながっていない方が見受けられます。障害認定をとらない理由には、幼いころであれば、保護者が気づかずに済ませたことや、また障害を認めたくないという無理解な思いに左右されたケースが少なくありません。当事者は、学校では他の子供との違いからいじめを受けていながらも対応されず、苦しい学校生活となったケースがあります。今回は、親世代が高齢期となる状況のもとで、親亡き後の当事者の生活や支援のあり方が課題とされている事例について確認したいと思います。  私の身近には、成人になり、障害の判定を受け取って、やっと障害年金がもらえるようになった方や、他の福祉サービスを利用することができるようになった方があります。その一方で、いまだ支援につながらず、対応の難しさを感じるセンシティブな事例に直面しており、その立場から、以下お尋ねをします。  現在区では就労支援センターで、すぎトレなどの事業を行い、課題を持つ方々の支援を行っていますが、就労だけでは十分な支援策とはならないことがあると思います。就労やトレーニング以外に福祉的支援が必要なケースもあると思いますが、どのような取り組みを行っているのか、お答えください。  区の第5期障害福祉計画では、障害を持つ方々の増加の状況が記載をされています。手帳を所持する障害者は、身体障害者手帳が1万3,467人、愛の手帳では2,404人、精神障害者保健福祉手帳では3,536人で、合計1万9,407人となっています。こうした手帳を取得することで受けられるサービスについて確認をします。  一例には、NHK料金や高速道路や有料道路などの通行料の免除がありますが、こうしたサービスがあることを知っているかどうかは、生活の安定性を保障することにもつながります。これらの制度の周知について区はどのように行っているのか、確認をします。  本来は、障害の判定や手帳がなくても支援が受けられるようにすることが必要だと考えます。しかしながら、制度上、障害者手帳がなければさまざまな支援やサービスを受けられないことが多くあります。手帳を持つということは、自分が障害者であることを受け入れなければなりません。障害を受け入れるためには、時間や障害理解などさまざまな過程が必要にもなります。中には、障害者であるという現実を受け入れたくない状態で、サービスなどの支援を受けるメリットから、仕方なく生活のため障害者手帳を所持するケースもあります。その場合の当事者は、さまざまな葛藤によるストレスを抱えることにもなります。  かつて、写真の添付が義務ではなかった精神障害者保健福祉手帳に、法律が変わり、写真の添付が義務づけられた際、私も当事者のさまざまな思いを見聞きしてきました。必要な人が必要なサービスを受けられるようにするためには、手帳の必要性を本人や家族にも理解していただきたいが、区としてどのような取り組みが考えられるでしょうか。  障害の判定や手帳の取得について、家族や自分一人で悩みを抱えることがないように、相談やアドバイスをする機関が必要となりますが、区の窓口はどこになるのでしょうか。  相談の事例からも、障害者で手帳を所持している方々はその一部です。無理なく手帳を取得し、支援が受けられるようにするためにも、区民が障害を理解し、広くサービスや支援制度の存在を知ることが重要だと認識をします。区民への周知や啓発に取り組んでいただきたいがどうか、確認をします。  障害者が誰一人として支援から取り残されることがないよう、区の一層の取り組みを求めるものです。そのためには、偏見や差別のない地域社会をつくるための行政や私たちの一歩一歩の取り組みや努力が必要であることを確認しつつ、私の一般質問を終わります。 ○副議長(島田敏光議員) 理事者の答弁を求めます。  高齢者担当部長。       〔高齢者担当部長(田部井伸子)登壇〕 ◎高齢者担当部長(田部井伸子) 私からは、介護保険についての御質問にお答えいたします。  まず、介護保険制度改正に係る国における検討状況に関して御質問がございました。  国は次期の介護保険事業計画の策定に向け、今後の超少子高齢社会を見据え、介護保険制度の持続可能性について検討しているものと認識しております。現在、社会保障審議会の介護保険部会で議論されている段階であり、今後の国の動向を注視してまいります。  次に、介護サービス事業者の廃止に関する御質問にお答えいたします。  区内の訪問介護、通所介護事業所の廃止件数は、平成29年度19件、平成30年度31件、今年度は10月末現在で2件という状況です。このうち、昨年度に都指定の通所介護事業所1件が倒産を事由としていることを把握しております。
     次に、居宅支援事業所の実地指導に関する御質問にお答えします。  居宅介護支援事業所に対する実地指導につきましては、指定権限移行前の平成17年度から保険者として実施しているところですが、平成30年度の指定権限移行後に事業者の指定取り消し等の処分を行った実績はございません。  次に、制度改正に伴う職員の事務作業に関する御質問にお答えします。  介護保険法等の改正が行われた際には、国からの通知文等を読み込んだ上で、関係する条例や規則等の改正を行っています。さらに、システムの改修や利用者ガイドブックなどの各種案内の改定、区公式ホームページへの掲載、事業者説明会の開催による周知等々の作業を行っております。  次に、介護人材の確保に関する質問にお答えいたします。  まず、介護職員等の処遇改善の状況ですが、区内地域密着型サービス事業所の平成30年度の処遇改善加算の届け出実績では、月額3万7,000円相当の加算となる加算Iが142事業所、2万7,000円相当の加算IIが14事業所となっておりまして、全体の95.7%を占めております。処遇改善加算は介護職員等の給与等へ反映しておりますので、人材確保、定着に寄与しているものと考えております。  また、セクハラや暴力などのハラスメント問題は、現場で働く方の労働環境にかかわるものであり、介護人材の確保、定着にも影響する深刻な問題であると認識しております。働く職員の安全を確保し、安心して働き続けられるよう、サービス事業者集団指導において、国が作成した対策マニュアルを参考に取り組んだ成功事例を紹介することによりまして、個々の事業者での対策を働きかけてまいります。  次に、住宅改修や福祉用具の給付に関する一連の御質問にお答えいたします。  区における住宅改修等の給付に占める要介護2以下の利用者の割合は65.9%となっております。また、区独自の住宅改修の件数につきましては、年々減少傾向にありますが、住宅のバリアフリー化が進んでいることがその要因と考えております。  ポータブルトイレなどの福祉用具は、日常生活の自立支援や介護予防に資するものとして、区としても重要であると認識しております。区では、今年度実施している高齢者実態調査により利用者ニーズを把握し、費用対効果なども考慮の上、福祉用具全般の再構築を検討する予定でございます。  私からの最後になりますが、住宅改修、福祉用具の償還払いに関する一連の御質問にお答えいたします。  まず、貸付制度の利用件数が少ない要因につきましては、申請手続の煩雑さとともに、制度の認知度の低さも少なからずあるものと考えております。したがいまして、新システムが稼働し受領委任払いに対応するまでの間、貸付制度を必要とする方に利用していただけるよう、窓口等での相談の際に、手続の案内を丁寧に行ってまいります。  また現在、システム再構築に伴い、介護保険の事務処理手順全般の見直しを行っているところですが、受領委任払いの支払い期間の短縮につきましても、その中できちんと検討してまいります。  私からは以上です。 ○副議長(島田敏光議員) 産業振興センター所長。       〔産業振興センター所長(齋木雅之)登壇〕 ◎産業振興センター所長(齋木雅之) 私からは、就労支援センターと福祉的支援に関する御質問にお答えいたします。  就労支援センターでは、求職者一人一人の希望や事情などを丁寧に聞き取り、就労への支援を行っておりますが、求職者の中には、障害をお持ちの方など、他の福祉的支援が必要な方もいらっしゃいます。そのような方については、就労支援センターの臨床心理士や精神保健福祉士等の専門相談員が、適切な支援やサービスが受けられるように、本人や家族の理解を得ながら、ワークサポート杉並や保健所、医療機関など関係機関につなげる取り組みを行っております。  私からは以上です。 ○副議長(島田敏光議員) 保健福祉部長。       〔保健福祉部長(森 雅之)登壇〕 ◎保健福祉部長(森雅之) 私からは、障害者に関する残りの御質問にお答えいたします。  最初に、身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳で受けられるサービスや制度についてのお尋ねですが、受けられるサービスや制度は、手帳の種類や障害の等級などによる適用の基準がございますが、主なものといたしましては、心身障害者福祉手当などの各種手当の支給、医療費の助成、税金の控除や減免、非課税措置、また交通機関の割引、放送受信料の減免、さらに各種施設の入場料の免除や減免などがございます。  次に、こうしたサービスや制度の周知についてですが、障害者に関する制度を取りまとめた冊子「障害者のてびき」や障害者生活支援サイト「の〜まらいふ杉並」でわかりやすく紹介しております。また、手帳の交付時のほか、窓口や電話等で問い合わせや相談が寄せられた際には丁寧に御説明するなど、適切に対応しているところでございます。  次に、手帳の必要性を理解していただくための取り組みに関するお尋ねにお答えいたします。  区では、保健センターや福祉事務所でのさまざまな相談の中で、手帳を取得可能な対象者を把握した際には、制度内容と必要性を説明し、申請につなげております。また、医療機関で身体や知的の障害に関する診断を受けた際に、対象となる方には、医師から本人や御家族に手帳の取得などの相談窓口を御案内していただくようお願いしております。さらに、家族の障害受容などにより難しい側面はございますが、児童発達支援事業を御利用の際に、手帳の取得に関する御案内や受けられるサービスの説明を行っております。区といたしましては、引き続き、さまざまな機会を捉え、手帳の必要性を理解していただくよう努めてまいりたいと存じます。  次に、手帳の取得等に関する相談やアドバイスを行う窓口に関するお尋ねにお答えいたします。  区では、障害者やその家族等の生活全般に関するさまざまな相談をお受けしている障害者地域相談支援センター「すまいる」がございます。また、福祉事務所や障害者施策課、保健センターにおきましても、手帳に関する相談やアドバイスを適切に行っているところでございます。  次に、手帳の取得に関する周知や啓発についてのお尋ねにお答えいたします。  議員の御指摘にもございましたが、手帳が取得できるにもかかわらず申請しないのは、本人や家族が障害を受容できないことや、障害者として支援を受けることをちゅうちょすることなどが要因と考えられます。その背景としては、社会の障害者に対する偏見や誤解が十分に解消されていないことなどが影響しているものと考えております。こうしたことから、区では、本人や家族から関係機関に相談が寄せられた際には丁寧な説明や助言などを行うとともに、広く区民に対しては、障害理解や差別解消をテーマとした講演会の実施や、すぎなみフェスタ等の身近なイベントの機会を捉えた啓発活動なども行っております。このような共生社会の実現に向けた各種の取り組みを進めていくことで、手帳を取得することの理解につなげていきたいと考えているところでございます。  私からは以上でございます。 ○副議長(島田敏光議員) 37番新城せつこ議員。       〔37番(新城せつこ議員)登壇〕 ◆37番(新城せつこ議員) 資金の貸付制度について、この1点だけ確認をさせていただきたいと思います。  先ほどの部長の答弁では、区の貸付資金の利用実績の少なさについて、手続の煩雑さや、それから認知が低いというか少ないという答弁だったと思います。  まず、この貸付制度のシステムについて、ぜひこの場で御説明をいただきたいと思います。資金貸付制度について。私の理解でいきますと、当初、貸し付けという文言が非常にイメージが悪くて、結局、利用者が一旦借りて、分割でも一括でも、そのためにまた支払いをするという、そういう困難性があるというふうに私は認識をしていました。ただ、担当課に聞きましたら、実はこの貸付制度というのは、利用者は一旦自分が負担する自己負担分だけ用意をし、保険から給付される額を区が貸し付けるという制度。利用者は全く煩雑さや手を加えることがなくて、結局、受領委任払いと同じように、事業者ではなく区長が決裁役となって相殺されるというふうに私も聞きました。その点で、私の理解が正しいのかどうか。  こうした認知の低さって、本当に私は課題だと思いました。ほかの人にも聞いてみたら、やはり私と同じような、貸付制度に対するこういう認知の問題でした。ですから、区としては、ケアマネジャーや事業所に対して、貸付制度というのはこういう中身なんですと、しっかりと詳しく説明をすることが重要だと思いました。  これまで区は、多分ケアマネには情報は行っていますよというふうな言葉も耳にしたことがありますが、実はどんどん新しいケアマネジャーも杉並区には出てきています。介護保険は市区町村の保険者裁量が強いことから、ローカルルールが非常に大きくて、その対処に苦慮するケアマネが多いという話も聞きます。そのためにも、あらかじめ情報は行っているからということではなくて、その都度情報提供が必要だということを改めて私は感じました。今後、答弁にもありましたが、福祉用具の全般的な見直しも行われるということでもありますので、ぜひ情報提供をその都度しっかりと行っていくように対策をとっていただきたい。その点についてまず見解を求めます。  それから、もっと重要なのは、事業者やケアマネが知らない場合には、利用者である当事者やその家族がこの制度を知っているかどうかということが重要になると思います。大切だと思います。その周知をするためにも、区のホームページをぜひ抜本的に変えていただきたいというふうに思いました。私は今回の貸付制度を調べるために区のホームページを検索しましたが、貸付制度に対する説明は一切出てきません。ましてや、この制度の流れ、システムについても全く出てきません。ですから、利用者が困って、結局福祉用具が借りられなくて、おむつに変えざるを得ないような状況、これはやはり区が生み出している問題や課題でもあると認識をしています。冊子には無利子であることは書かれていても、まだまだ不十分な点もありますので、ぜひその点をホームページ、冊子等でしっかりと説明が行えるよう改善を求めていきたいと思います。その点についての区の見解を確認いたします。  その点では、私は、の〜まらいふ杉並のホームページ、このサイトが本当によくできているというふうに感じました。検索が本当に簡単で、いろんな情報が盛り込まれていることがわかりました。その点では、ぜひ高齢者のこうした生活ガイドみたいなものも、これを参考にしながら改善を図っていただきたい。  その2点について区の見解を求めて、再質問を終わります。 ○副議長(島田敏光議員) 理事者の答弁を求めます。  高齢者担当部長。       〔高齢者担当部長(田部井伸子)登壇〕 ◎高齢者担当部長(田部井伸子) 再度の御質問にお答えいたします。  償還払いの際の貸付制度の仕組みにつきましては、先ほど議員のおっしゃるとおりの制度でございます。  貸付制度についてなんですが、現在、ガイドブックに簡単な記載がございますけれども、積極的な紹介という点につきましては課題があるというふうに存じております。ケアマネの研修の際、きちんと周知すること、また、利用者や家族向けによりわかりやすく、ホームページやガイドブック等、わかりやすい紹介に努めてまいります。  以上でございます。 ○副議長(島田敏光議員) 以上で新城せつこ議員の一般質問を終わります。  11番ひわき岳議員。       〔11番(ひわき岳議員)登壇〕 ◆11番(ひわき岳議員) 立憲民主党杉並区議団のひわき岳です。会派の一員として、表現の自由について、そして動物施策について、それぞれ質問いたします。  初めに、表現の自由についてです。  行政における文化芸術振興の一環として、愛知県で本年8月1日から10月14日にかけて、国際芸術祭、あいちトリエンナーレ2019が開催されました。主催はあいちトリエンナーレ実行委員会で、大村秀章愛知県知事がその会長を務めています。また、愛知県名古屋市による財政支出のほか、文化庁からも交付金が支出される事業となっています。  同芸術祭では、企画の一部として展示されていた「表現の不自由展・その後」が脅迫にさらされ、公開後わずか3日で中止されるという出来事がありました。当区における文化芸術振興施策においては、同様のことが起きないようにしなければならないという観点から質問を行います。  まず、区に伺います。行政が文化芸術振興を行う意義をどのように考えているのでしょうか。また、当区における文化芸術振興事業についてですが、主にどういった取り組みがあるのか、概要を教えてください。  関連して伺います。区が実施している主な振興事業の来場者の推移はどのようになっているのでしょうか。  区民が多様な文化や芸術に親しむ機会がふえていくことを望む立場として、今後もぜひ当区における振興施策を推進していただきたいところです。ですが、そのためには、表現行為を通して多様な意見や考えに触れることのできる展示の場において一体今何が起きているのかを、あいちトリエンナーレを振り返りながら考える必要があると思います。  「表現の不自由展・その後」に対しては、河村たかし名古屋市長を初めとした一部の自治体首長や国会議員が、その展示内容に言及した上で中止を働きかけました。同時に、脅迫めいた電話やファクスが殺到し、安全を保てないとして、同企画は中止に追い込まれました。その中には、ガソリンによる放火を示唆するものも含まれていました。  また、菅義偉官房長官も、展示内容に触れる形で、補助金交付について再検討すると発言し、実際文化庁は、既に交付が決まっていた補助金約7,800万円の不交付を決定いたしました。理由は申請手続上の不備とされていましたが、その経緯を考えれば、実際には、これは行政による表現行為への圧力です。  「表現の不自由展・その後」は、この国において言論の自由や表現の自由が脅かされているのではないかという問題意識のもと、過去にさまざまな理由から展示が不許可になった作品を展示する企画でした。今回、それらの作品が改めて展示中止に追い込まれたことで、表現の自由が脅威にさらされている日本社会の実態が再度浮き彫りになりました。  私は、最終日の10月14日、あいちトリエンナーレに行きました。残念ながら抽せんに外れ、表現の不自由展を鑑賞することはできませんでしたが、従軍慰安婦問題を扱う作品のほか、憲法9条、天皇、戦争、米軍基地、原発、人種差別などのテーマ性を含む作品が並んでいたということです。名古屋市長を初め一部の政治家たちが特に不快感を示し問題視したのは、従軍慰安婦問題を扱った平和の少女像や、天皇の写真が使用された映像作品でした。  日本国憲法21条は、表現の自由、言論の自由を保障しています。ヘイトスピーチのように他者の人権を侵害するような表現は、この範囲に含まれているものではありませんが、表現の自由は最大限尊重されなければならず、行政による検閲も21条によって禁止されています。  21世紀初頭のストラビンスキーの音楽やニジンスキーのバレーなど、芸術表現の中には、発表当時は騒動が起きるほど不快だとみなされたものの、現在では高い価値を認められているものも数多くあります。  本来、行政は、内容に立ち入らない立場から芸術表現を守り、表現の自由を侵害する脅迫や暴力に対して毅然と立ちはだかるべき立場です。今回の例でも、脅迫については犯罪行為として捜査を行い、脅威を取り除き、会場の警備体制を整備した上で、表現者や企画者、鑑賞者を守りながら展示継続に尽力することが求められます。  一旦中止の判断をしたものの、愛知県知事がその後、体制の整備を経て同企画を再開させたことには一定の評価はできますが、名古屋市長の言動や国による補助金不交付の決定は、脅迫行為を助長するものであり、憲法の定める行政のあり方にも逆行するものです。今回の名古屋市長の言動及び国による一方的な補助金の不交付について、区の見解を伺います。  また、税金を投入しているのだから、行政の意見にそぐわない表現は展示にふさわしくないという趣旨の意見も見受けられましたが、これに関しても、表現の自由への理解を欠いたものだと指摘いたします。  芸術は展示場所の確保などに多大な費用がかかることもあり、国や自治体が積極的な支援を行うことが多いわけですが、行政による芸術活動への支援の根拠となるのが文化芸術基本法になります。同法第1条には、その目的として、「文化芸術に関する活動を行う者の自主的な活動の促進を旨として、文化芸術に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図り、もって心豊かな国民生活及び活力ある社会の実現に寄与すること」と定めています。第2条にも、基本理念として、「文化芸術に関する施策の推進に当たっては、文化芸術活動を行う者の自主性が十分に尊重されなければならない。」と記されています。また前文にも、「文化芸術の礎たる表現の自由の重要性を深く認識し、文化芸術活動を行う者の自主性を尊重する」といった文言があります。政府の意見にそぐわない芸術活動、表現活動には税金を投入しないという判断は、同法の趣旨に反しています。  文化芸術振興施策については、場所にも予算にも制約がある以上、支援する対象に何らかの選別をしていくことは避けられないものではありますが、展示する作品の選定の場面では芸術的な価値判断が必要となってくるため、芸術の専門家を信頼して任せるといった考え方が定着してきています。公的な資金を投入するからといって、行政の意向に沿わなくてはならないということにはなりません。  当区では文化芸術振興施策において、こういった芸術分野の専門家に選別を任せるといったような取り組みは行われているのでしょうか、確認いたします。  そして、あいちトリエンナーレをめぐる問題は、芸術表現を発信する側だけにとっての問題ではありません。例えば表現の不自由展のように、過去の戦争加害や人権侵害についての表現活動が失われるということは、現代の私たちが戦争について考える機会が奪われてしまうということを意味します。  民主主義社会の前提として、人々が自発的に考えや言論を発信し、それを情報として共有しながら、誰もが自由に意見交換できる場が必要になります。表現を鑑賞する側にとっても、公権力が正しいとする考えにしか触れられなければ、幅の広い議論を行うことができず、単一の価値観によって公権力に統制されることを余儀なくされます。かつての日本もそうした統制の中、自由な議論もなく、政府の行為に対して何ら検証が行われることのない社会状況が生まれ、戦争に突入し、多くの犠牲者を生み出しました。だからこそ、戦後できた日本国憲法は、表現の自由を最大限に保障しています。  今回のような国の政治的な主張に従わなければ補助金を出さないというような風潮や、気に入らない芸術、表現活動には暴力を示唆すれば中止に追い込むことができるというような、そういった事例が広がっていくことには大きな懸念を感じています。また、そうした脅迫がもし起こったらとの不安が広がることで、表現行為への萎縮につながることも考えられます。  実際、先日行われたしんゆり映画祭の上演ラインナップに入っていた「主戦場」という従軍慰安婦を取り扱った作品について、映画祭を共催する川崎市が懸念を示したことから、一度上映中止になるといったことが起きています。あいちトリエンナーレと異なり、こちらは抗議などが何もない段階で上映が取り下げられています。中立公平を理由にして、その実は、苦情や抗議を恐れて自粛判断があったという指摘がなされています。  当区においてこのような表現活動への萎縮が広がらないように、区には、憲法21条にのっとって、区民の表現の自由、言論の自由をしっかりと守る立場を貫いていただけるよう要望いたします。  10月に行われた就学前教育支援センターの内覧会の際、区長からは、教育に関して、お金は出して口は出さずといったような御発言がありましたが、文化芸術振興に関しても同様のスタンスが求められる面があります。改めて文化芸術振興施策における区のスタンスを確認したいと思います。  あいちトリエンナーレと同様なことがこの杉並区で起きないようにするために、具体的に行政にはどんなことが求められるのか、同芸術祭から学ばなければなりません。  先日のように、「表現の不自由展・その後」の一時的な中止判断について主な理由となったのは、脅迫的な電話やファクスの殺到による安全上の配慮です。関係者に伺ったところ、行政の職員を中心に電話対応していたそうですが、まず名前を名乗るよう要求した上で、さらに家族を巻き込んで危害を加えることを示唆する脅迫を行うなどの事例があったそうです。若い女性担当者が身の危険を感じ、心理的なストレスにさいなまれ、自殺の危険すらあるような例もあったということです。表現の不自由展の関係者は、経験上こうしたことが起こることを予想していたため、企画の段階で、芸術祭の実行委員会に対して体制を整えるよう提言をしていたそうですが、電話オペレーターとしてのトレーニングも満足に行われず、また、そのほか必要な準備体制も構築されぬまま開催に至り、わずか3日で中止せざるを得ない状況に陥ってしまったということでした。  区で行う文化芸術振興施策において、作品内容に関する抗議あるいは脅迫が来るといったような事例はこれまでにあったのか、お尋ねいたします。  こうした電話対応においては、内容によって、経験のある担当者に電話をかわることや、録音する、一定の基準を超えたら電話を切るなどの対策を事前に検討するなど、職員の方々の尊厳や安全を守るための体制を準備することがまずは重要です。それが、ひいては表現の自由を守ることにもつながっていきます。  基本的には、個別の案件によって対応を検討、準備することになるのだとは思いますが、当区においても愛知県の例を検証し参考にしながら、しっかりと体制を整備していっていただくことを要望しておきます。  ここまで、あいちトリエンナーレを題材にして質問してまいりましたが、当区においても、表現の自由、言論の自由が行政によって侵害される出来事があったという話を区民から伺いました。杉並区男女共同参画関連団体活動記録「すぎなみの女性」という冊子に関して、区議会の場で議員から内容について指摘があり、昨年度終わりに区が突然廃刊を決めたという経緯があったということです。  「すぎなみの女性」は、杉並区と杉並女性団体連絡会が編集を行い、区が年1回発行していた冊子ですが、問題とされたのは、男女共同参画関連団体のそれぞれの活動を紹介、報告する部分に、現政権に批判的な記述がされた部分でした。区としてどのような考えで廃刊という判断に至ったのか、説明を求めます。  当時の区の答弁の中には、活動団体による編集を尊重する趣旨の答弁もありました。実際の冊子を私も読んでみましたが、同様の趣旨で、この団体の活動内容記事は各団体の責任において作成されていますという注意書きもされておりました。文化芸術振興施策ではないにしても、行政とともに協働で行う区民の活動の場とみなすことのできる同冊子においては、他者の人権を侵害するような例を除けば、その内容にかかわらず、行政は表現の自由、言論の自由を守るべきものだと考えます。政治的な主張を排除するのではなく、どのような政治的主張があっても干渉しないというのが、政治的中立というものではないでしょうか。  杉並区は平成9年に男女共同参画都市宣言を行っていますが、この「すぎなみの女性」の歴史はそれよりも古く、これまで40年という長い間出版されてきました。国や他の地域に先駆けて、区民と行政の協働で取り組まれてきた当区の男女共同参画の推進にも寄与してきた出版物です。杉並の女性運動の歴史は、当区で始まった原水爆禁止署名で多くの女性が運動に立ち上がったことに端を発し、その後、女性が活動する市民グループが区内に多数生まれ、今日に至っております。そうした方々が区とともに男女共同参画の取り組みを牽引してきました。杉並の市民運動の誇りや伝統、精神がそこに受け継がれています。政治的な圧力とその結果としての行政による廃刊という措置には、杉並の市民の歴史を否定された思いだと、ある方はおっしゃっていました。  ここで男女共同参画の取り組みの意義と当区の女性運動の歴史について、改めて区の見解をお聞きいたします。  私たち立憲民主党は、基本的人権の中でも特に重要な権利であるという認識のもと、表現の自由が守られる社会を目指しています。これは私たち一人一人にかかわる重大な問題です。憲法の理念を生かし、誰もが自由に表現でき、民主的な議論がしっかりと確保される社会を確立していかなければなりません。行政においては、市民活動の自主性を尊重し、支えていくことが求められます。区の発刊物や施設利用においても、市民の言論や表現の自由を脅かすような行政による干渉や検閲が今後当区において発生することのないよう、改めて要望いたします。区の考えをお聞きして、次の質問に移ります。  動物施策について、特に動物の適正飼養ルールの啓発事業と飼い主のいない猫を増やさない活動支援事業について、動物愛護の観点から質問をいたします。  これらの事業は、もともと人間社会の衛生面を主題にして当区で行われてきた事業が、動物愛護の精神の広がり、そして区民の方々や行政の取り組みの成果によって、人間と動物との共生社会を目指すものへと変化し、今日の事業へと発展してきたのだと理解をしております。  東京都は殺処分ゼロを掲げ、予定を前倒しして昨年度に達成したとの発表を行いました。動物が幸せに暮らすことのできる社会は、人間にとっても心豊かに暮らせる社会だという考えも以前より広まっています。ただ、その一方で、動物が苦手な方もいらっしゃいます。動物との共生社会をつくっていくためには、動物愛護や動物飼養の正しい知識の普及啓発が欠かせないものとなります。  9月の動物愛護週間に杉並保健所で主催した杉並区動物愛護週間講演会には、私も参加させていただきました。誰でも気軽に参加したくなるようなバラエティーに富んだ企画で、内容も大変勉強になるイベントでした。今後もぜひこういった普及イベントを継続していただければと思います。  講演会では、正しい知識を知らないことが原因で、ペットのためにと思っていながら、実は気づかずに虐待してしまっているケースなども取り上げられながら、動物ごとの適正な飼養の重要性が語られていました。  適切な飼養を周知するために、当区では、動物適正飼養普及員、いわゆるどうぶつ相談員との協働による活動に取り組まれています。区民がどうぶつ相談員になることを希望する場合、複数回にわたる講座を受講して適切な知識を身につけることが求められています。  先月、本年度のどうぶつ相談員講座の第1回目が公開で行われましたが、私も受講させていただきました。ペットのための災害対策について学ぶ内容でしたが、会場が満員になるほど多くの方が参加されていました。私はどうぶつ相談員の方から直接お話を聞く機会がたびたびあるのですが、どうぶつ相談員になる前だけでなく、なった後でも研修等でさらなる知識や経験を身につける機会が得られるようにしてほしいとの声も聞きました。こうしたことについてはいかがお考えでしょうか。  また、飼い主のいない猫を増やさない活動支援事業についても伺います。  登録された区民グループなどが飼い主のいない野良猫を捕獲した際には、不妊・去勢手術に加えて、ワクチン接種や駆虫、そしてマイクロチップ装着に区からの助成が受けられます。こうした登録グループの方たちは、野良猫をふやさないよう、区内で定期的に保護活動をしていらっしゃる方たちだと思いますが、現在区内にはどれくらいの登録グループが存在するのでしょうか。増減も含めて教えてください。  登録グループ以外で、個人でも助成制度を利用される場合もありますが、どれくらいの利用者が存在するのでしょうか。また、助成が利用された件数は、この3年でどのような推移があったのかもあわせて伺います。  野良猫というのは数えるのが困難なので、事業の有効性の指標としては、トラブルの相談数ということになってくるのだと思いますが、野良猫や飼い猫に関するトラブル件数は、平成28年度からの3年間で、366件、239件、204件と減ってきているとのことでした。区や獣医師会、そして動物愛護ボランティアの方々を初めとした区民との協働の取り組みが成果を上げていることだと思いますが、不妊・去勢は、一時期に集中して行うことでさらに効果も上がります。また、全国的にも殺処分で最も割合が多いのは子猫となっています。こうした観点からも、今後もぜひ力を入れていただきたいと要望をいたします。  飼い主のいない猫は、不妊・去勢手術の後、耳を一部カットし、もとの場所に戻し、地域猫として一定の範囲の住民が協力して、野外で飼養していく場合もあります。ただ、猫にとって野外での生活は病気や事故のリスクも高く、室内飼養に比べて寿命も格段に短くなると言われています。そこで、手術後の猫を室内で一時飼養し、里親を探して譲渡する活動に取り組まれるボランティアの方々もたくさんいます。生活衛生課で発行している飼い主のいない猫の世話・杉並ルールの中でも、できるだけ里親を探すよう推奨されていますが、地域でのトラブルをなくすという面でも効果があります。  ボランティアの方にとっては、捕獲と手術が入り口であるとすると、里親譲渡会は出口の部分に当たると言えます。現在区では、この入り口の部分への支援をしていただいていますが、その一方、出口に対する支援が足りていないという現状もあります。里親譲渡を行っているボランティアの方々は、一時飼養や医療などに費用もかかる中、熱意を持って動物たちとの共生社会の実現のために活動してくださっています。なかなか行政の手の届かない部分を区民がかわりに担ってくださっているという見方もできるのではないでしょうか。
     ただ、そうした中で、個々のボランティアへの負担が大きくなっている側面もあると聞きます。他区のケースでは、保護猫の頭数が過剰になり、スペースの問題から、猫が身動きとれないほど狭いケージを積み重ねて一時飼養するケースや、衛生管理が悪化し、病気が蔓延するケースなどもあるようです。区内ではこうした事例があるか、把握されているのでしょうか、伺います。  譲渡会などの出口の部分への支援を考えていくことも必要なのではないでしょうか。ボランティアの方にお会いして、実際にどんなことに困っているか伺ったところ、譲渡会を開くのに適した場所の確保や広報面で苦労されているということでした。集客に向いた立地で、空調が整い、動物を扱うことへの理解がある民間のスペースを定期的に借りる必要があり、金銭面でもなかなか負担も大きいそうです。また、SNSやチラシによる告知でも、なかなか参加者が集まらない場合もあるということです。  他区では、こうしたスペース確保の面でサポートをする取り組みの例があると聞いています。千代田区では、区役所のホールを利用して、ボランティアグループと協働で譲渡会を定期的に開催しているとのことです。区が長年信頼関係を築いてきたボランティアグループとの共催で、ボランティアには施設利用料の負担はないとのことでした。  そのほか、ボランティア主催の譲渡会に、自治体が公共施設を会場として提供する中央区のような例もあります。中央区では、動物愛護対策をボランティアに委嘱する中央区動物との共生推進員という独自の制度があり、この動物との共生推進員が主催する譲渡会に月島特別出張所の会議室を提供しているということです。区がかかわることで、広報面でもメリットがあるそうです。こうした取り組みについて当区で検討していくことはできないでしょうか。  譲渡会を行っているボランティアの方々との関係づくりも含めて、難しい面もさまざまあるのかもしれませんが、区が譲渡会に支援を行うことは、動物愛護の普及啓発にも大きな効果があります。何とか知恵を絞っていただきたいところです。後援という形で区からも広報を行うとか、パネル展示やインターネットを利用して、動物を実際に展示しない形での里親マッチングなど、できることから検討していただき、始めていくのはいかがでしょうか。  町を歩いていて、猫がのんびりしている姿を見て心がほっとすることがある、そういう気持ちになるのも理解はできますが、ただ、猫は野生動物ではありません。もともと人間が飼っていた猫が捨てられた結果、野外の過酷な環境の中を懸命に生き抜いているのが野良猫です。殺処分の問題も含めて、私たち人間社会の倫理観が問われています。  動物愛護管理法に基づき、環境省は、動物の愛護及び管理に関する施策を総合的に推進するための基本的な指針を定めています。そこには、「動物の愛護の基本は、人においてその命が大切なように、動物の命についてもその尊厳を守るということにある。」とされています。そして、「人と動物とが共生する社会を形成するためには、動物の命を尊重する考え方及び態度を確立することと併せて、」「動物が人の生命、身体又は財産を侵害することのないよう適切に管理される必要がある。」とも示されています。  当区の保健福祉施策の中には、さまざまなニーズのもと、多岐にわたる事業がある中で、動物の適正飼養ルールの啓発事業と飼い主のいない猫を増やさない活動支援事業の2つの事業を初めとした動物に関する事業にも継続して力を入れてくださり、感謝をしています。今後ともぜひ推進していただきたいということを要望いたしまして、質問を終わります。 ○副議長(島田敏光議員) 理事者の答弁を求めます。  地域活性化担当部長。       〔地域活性化担当部長(岡本勝実)登壇〕 ◎地域活性化担当部長(岡本勝実) 私からは、表現の自由についてのうち、所管にかかわるものについてお答えいたします。  初めに、区の文化芸術振興に関するお尋ねですが、区が文化芸術振興を行う意義とスタンスについては、国の文化芸術基本法では、「文化芸術は、人々の創造性をはぐくみ、その表現力を高めるとともに、人々の心のつながりや相互に理解し尊重し合う土壌を提供し、多様性を受け入れることができる心豊かな社会を形成するもの」と意義づけております。また、地方自治体の責務は、「文化芸術に関し、国との連携を図りつつ、自主的かつ主体的に、その地域の特性に応じた施策を策定し、及び実施する」と定めており、区ではこうした基本法の趣旨を踏まえ、区民の多様な文化活動や創造的な芸術活動の支援と環境整備に努めてまいります。  次に、区における文化芸術振興事業の主な取り組みと来場者の推移ですが、杉並公会堂を拠点に活動する日本フィルハーモニー交響楽団との友好提携事業では、区役所ロビーでのコンサートや、区立小中学校児童生徒を対象としたフルオーケストラによる音楽鑑賞教室、区立施設への出張コンサートなど多彩な事業を実施し、年間参加者数は過去3年間、1万2,000から3,000人で推移しております。  また、区の文化芸術の拠点である座・高円寺では、すぐれた舞台芸術の公演を初め、地域の芸術文化活動への支援や地域との交流の促進を図っており、過去3年間の年間来場者は19万人前後と、多くの方に来館していただいております。  続いて、あいちトリエンナーレに関する一連のお尋ねにお答えいたします。  初めに、あいちトリエンナーレ2019の企画展「表現の不自由展・その後」への名古屋市長の言動に対し、報道では、名古屋市長は、少女像などの展示の再開について疑問を呈するため、愛知県庁前で抗議活動をしたものと承知してございます。  また、国による補助金の不交付に対して、文化庁は、愛知県が展示会の開催に当たり、来場者を含め、展示会場の安全や事業の円滑な運営を脅かすような重大な事実を認識していたにもかかわらず、それらのことを申告することなく補助金交付申請を提出し、その後審査段階でも、文化庁の問い合わせを受けるまでそれらの事実を申告しなかったことにより適正な審査を行うことができなかったことを理由として、補助金適正化法第6条等に基づき、全額不交付としたものと承知してございます。  次に、当区の芸術分野での専門家による補助金選考の取り組みですが、区では、区民の文化芸術活動への参加や鑑賞機会の拡充を進めるため、区内で行われる文化芸術活動事業に対し助成金を交付する事業を行っており、区長の附属機関である文化・芸術振興審議会がその審査を行っております。  最後に、区で行う文化芸術振興施策において、作品内容に関する抗議、脅迫などの事例があったかとのお尋ねですが、今回のあいちトリエンナーレ2019の企画展「表現の不自由展・その後」のような抗議、脅迫といった事例は、これまでございません。  私からは以上でございます。 ○副議長(島田敏光議員) 区民生活部長。       〔区民生活部長(渡辺幸一)登壇〕 ◎区民生活部長(渡辺幸一) 私からは、男女共同参画に関する御質問にお答えいたします。  まず、杉並区男女共同参画関連団体活動記録についてのお尋ねですが、昭和54年から変遷を重ね、発行してまいりましたが、これまでも区民の方から冊子のあり方等について意見、要望が寄せられていたことから、平成31年、予算特別委員会での質疑等を踏まえ、改めて見直しを行い、これまでの形態での活動記録の発行を終了したところです。  今後は、区内の男女共同参画関連団体の活動を広く紹介する場の提供について、団体の皆様と意見交換をしながら検討してまいります。  次に、男女共同参画の取り組みの意義と当区の女性運動についてのお尋ねですが、男女共同参画社会基本法が定める男女共同参画社会の形成に関する基本理念にのっとり、男女が互いにその人権を尊重しつつ責任も分かち合い、性別にかかわりなく、個性と能力を十分に発揮できる男女共同参画社会の実現を目指す取り組みは重要であると認識しております。  また、杉並区の女性運動の歴史について、男女共同参画関連で申し上げますと、平成7年に区行動計画を策定し、平成9年に区立男女平等推進センターの開設と、23区で初めてとなる男女共同参画都市宣言を行うなど、区民の皆様と議会と行政とが連携して取り組んだ成果でございまして、男女共同参画社会を目指す区の貴重な礎になっているものと考えております。  私からは以上です。 ○副議長(島田敏光議員) 総務部長。       〔総務部長(白垣 学)登壇〕 ◎総務部長(白垣学) 私からは、区の発行物や施設利用において、行政からの干渉や検閲が発生することのないようにとの御要望についてお答えいたします。  住民の言論や表現の自由が不当に脅かされるべきでないことは言うまでもございませんが、区が発行する刊行物である以上、政治や宗教、暴力などに関する表現は差し控えるべきであり、一定の制限は必要であると考えております。  同様に公共施設の使用においても、近隣や他の利用者の迷惑になる行為を行わないなど、それぞれの施設において一定の制限を設けることは必要であると考えております。  私からは以上です。 ○副議長(島田敏光議員) 杉並保健所長。       〔杉並保健所長(増田和貴)登壇〕 ◎杉並保健所長(増田和貴) 私からは、杉並どうぶつ相談員についてのお尋ねにお答えいたします。  杉並どうぶつ相談員は、すぎなみ地域大学において相談員としての動物に関する基本的な知識、技術を学び、相談員になってからは、既に活動されている相談員などから実際の活動を通して具体的な技術等を学んでおります。また昨年度は、相談員の希望によるテーマ及び講師を設定し、区民の方も対象とした講演会を実施いたしました。さらに今年度は、東京都獣医師会杉並支部との協働により、相談員を対象としたウサギの講座を実施したところであり、今後も相談員に対する知識の習得の機会をつくってまいります。  次に、飼い主のいない猫を増やさない活動支援事業についての一連の御質問にお答えいたします。  まず、登録グループについてですが、登録制度が始まった平成29年度末は24グループ、30年度末は34グループ、今年度は現在40グループとなり、年々増加しております。  次に、登録グループ以外の個人での申し込みは、平成29年度は49件、30年度は52件、今年度は現在38件でございます。  次に、飼い主のいない猫を増やさない活動支援事業としての不妊・去勢手術の実績ですが、手術済みの頭数も含め、平成28年度は134匹、29年度は198匹、30年度は201匹となっております。  次に、猫の里親譲渡等に関する一連の御質問にお答えいたします。  まず、猫の里親譲渡に関連して、飼養の頭数過剰や衛生管理の悪化などの事例が区内で発生しているとの情報は、現在のところ区には入っておりません。  次に、ボランティアグループとの協働による区役所等での譲渡会の開催についてですが、事業の共催、後援等につきましては、杉並区後援名義等の使用承認事務取扱要綱に基づき、承認の可否を審査することになります。  なお、区役所庁舎や公共施設を譲渡会の会場として提供することについては、さまざまな方が利用する施設であり、ほかの利用者にも御理解いただく必要があるものと考えております。  今後、広報やパネル展示などを含め、区が譲渡会に対して行う支援方法などについては、東京都獣医師会杉並支部員、東京都動物愛護推進員などで構成する杉並区動物対策連絡会において検討してまいります。  私からは以上でございます。 ○副議長(島田敏光議員) 11番ひわき岳議員。       〔11番(ひわき岳議員)登壇〕 ◆11番(ひわき岳議員) 1点、再質問させてください。  杉並区男女共同参画関連団体活動記録の廃刊について、私は質問の中で、区はどのような考えでこの判断に至ったのか、そういった聞き方をさせていただきました。経緯についてはお話しいただいたんですが、そこにどういった判断があったのか、もう一度伺わせてください。 ○副議長(島田敏光議員) 理事者の答弁を求めます。  区民生活部長。       〔区民生活部長(渡辺幸一)登壇〕 ◎区民生活部長(渡辺幸一) 再度の御質問にお答えいたします。  まず、御質問の前提といたしまして、日ごろ熱心に活動していらっしゃいます関係団体の皆様の御活動、これに改めてこの場で敬意を表したいと思います。これからもさまざまな形で支援をさせていただきたいと考えてございます。  そうしたことを前提とした上で、御質問の趣旨に若干申し上げますと、これは申し上げるまでもないことなんですが、行政として守らなければならないイロハのイといいますか、公平公正性であるとか、あるいは政治的中立性、あるいは政教分離等々、基本中の基本がございます。そうしたことを前提とした上で、御指摘いただいた冊子につきましては、男女共同参画の推進という行政目標の普及啓発の1つとして、区が公費で発行しているものでございます。御指摘いただいたように、その中の各団体の皆様の活動紹介、これは各団体の皆様が原稿をみずから作成していただいたということでございますが、そこに若干政治的な活動の紹介が載っていたと、御指摘のとおりでございまして、これはそれこそ私どもとして検閲をすることなく、そのまま載せていたという経過でございます。  ただ、そうした経過がございましたが、いろいろ御指摘もいただきまして、確かにそういった誤解を与える可能性があるということであれば、区の、先ほど冒頭申しました政治的中立性ということにいささかの疑念というか誤解を与えることは、区民の皆様が持たれることは不本意であるというふうに考えまして、協議の上、同冊子の現在の形での刊行というのは終了いたしまして、違う形での普及啓発の検討をぜひさせていただきたいということで、今の担当者のほうで相談していると聞いてございます。  そもそも、あえて申しますと、そういったことでございますので、これは愛知の事例だとか検閲だとか、そういったことと同列に論じていただくというのはいささか違和感がございまして、あくまでもそういった行政の基本的な理念といいますか、区民の皆様の信頼をしっかり維持する、そういう考え方でございます。  私からは以上です。 ○副議長(島田敏光議員) 以上でひわき岳議員の一般質問を終わります。  以上で日程第1を終了いたします。  議事日程第3号は全て終了いたしました。  本日はこれにて散会いたします。                                午後4時40分散会...