杉並区議会 2019-09-10
令和 元年第3回定例会−09月10日-17号
令和 元年第3回定例会−09月10日-17号令和 元年第3回定例会
令和元年第3回定例会
杉並区議会会議録(第17号)
令和元年9月10日 午後1時03分開議
出席議員47名 欠席議員1名
1 番 佐 々 木 千 夏 25番 中 村 康 弘
2 番 ほらぐち と も こ 26番 北 明 範
3 番 田 中 ゆうたろう 27番 川 原 口 宏 之
4 番 堀 部 や す し 28番 大 泉 やすまさ
5 番 松 尾 ゆ り 29番 井 原 太 一
6 番 奥 山 た え こ 30番 大 和 田 伸
7 番 野 垣 あ き こ 31番 今 井 ひ ろ し
8 番 奥 田 雅 子(欠席) 32番 浅 井 く に お
9 番 松 本 みつひろ 33番 金 子 けんたろう
10番 木 梨 もりよし 34番 富 田 た く
11番 ひ わ き 岳 35番 くすやま 美 紀
12番 関 口 健 太 郎 36番 け し ば 誠 一
13番 川 野 たかあき 37番 新 城 せ つ こ
14番 山 本 ひ ろ 子 38番 岩 田 い く ま
15番 わたなべ 友 貴 39番 太 田 哲 二
16番 國 崎 た か し 40番 大 槻 城 一
17番 矢 口 やすゆき 41番 渡 辺 富 士 雄
18番 松 浦 威 明 42番 島 田 敏 光
19番 酒 井 ま さ え 43番 安 斉 あ き ら
20番 山 田 耕 平 44番 脇 坂 た つ や
21番 そ ね 文 子 45番 吉 田 あ い
22番 小 林 ゆ み 46番 大 熊 昌 巳
23番 藤 本 な お や 47番 小 川 宗 次 郎
24番 山 本 あ け み 48番 井 口 か づ 子
出席説明員
区長 田 中 良
副区長 宇賀神 雅 彦
副区長 吉 田 順 之
政策経営部長 関 谷 隆
施設再編・
整備担当部長事業調整担当部長情報・
行革担当部長
喜多川 和 美
総務部長 白 垣 学
危機管理室長 寺 嶋 実
区民生活部長 渡 辺 幸 一
地域活性化担当部長オリンピック・
パラリンピック連携推進担当部長
岡 本 勝 実
産業振興センター所長 齋 木 雅 之
保健福祉部長 森 雅 之
高齢者担当部長 田部井 伸 子
健康担当部長杉並保健所長 増 田 和 貴
子ども家庭部長 徳 嵩 淳 一
都市整備部長 有 坂 幹 朗
まちづくり担当部長 茶 谷 晋太郎
土木担当部長 友 金 幸 浩
環境部長 齊 藤 俊 朗
会計管理室長(会計管理者) 南 雲 芳 幸
政策経営部企画課長事務取扱政策経営部参事
伊 藤 宗 敏
総務部総務課長 寺 井 茂 樹
会計管理室会計課長 松 田 由 美
教育長 井 出 隆 安
教育委員会事務局次長 田 中 哲
教育企画担当部長 白 石 高 士
学校整備担当部長 中 村 一 郎
生涯
学習担当部長中央図書館長 安 藤 利 貞
選挙管理委員会委員長 織 田 宏 子
代表監査委員 上 原 和 義
監査委員事務局長 手 島 広 士
令和元年第3回杉並区
議会定例会議事日程第1号
令和元年9月10日
午後1時03分開議
第1 会期について
第2 陳情の付託について
第3 監査結果等の報告について
第4
特別委員会の
活動経過報告について
第5 一般質問
○議長(
井口かづ子議員) これより令和元年第3回杉並区
議会定例会を開会いたします。
本日の会議を開きます。
区長から挨拶があります。
区長。
〔区長(田中 良)登壇〕
◎区長(田中良) 本日は、令和元年第3回区
議会定例会を招集いたしましたところ、御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。
本定例会で御審議をいただきます提案案件ですが、現在のところ、条例案件が7件、土地の取得が1件、補正予算が1件、区道の認定が1件、決算の認定が5件、専決処分の報告が4件、
健全化判断比率の報告が1件、合計20件でございます。
何とぞ慎重な御審議の上、原案どおり御決定くださいますようお願い申し上げまして、御挨拶といたします。どうぞよろしくお願いいたします。
○議長(
井口かづ子議員) 説明員は、電子データにより御配付してあります説明員一覧のとおりであります。
会議録署名議員を御指名いたします。
6番奥山たえこ議員、41番
渡辺富士雄議員、以上2名の方にお願いいたします。
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○議長(
井口かづ子議員) これより日程に入ります。
日程第1、会期についてであります。
議会運営委員会の報告を求めます。
議会運営委員会委員長、30番
大和田伸議員。
〔30番(
大和田伸議員)登壇〕
◆30番(
大和田伸議員) 令和元年第3回杉並区
議会定例会の会期につきましては、当委員会の審査において特段の質疑及び意見もなく、採決の結果、委員全員の賛成をもって、本日から10月15日までの36日間とすべきものと決定しております。
本会議におかれましても、当委員会の決定どおり御議決くださいますようお願い申し上げまして、報告を終わります。
○議長(
井口かづ子議員) お諮りいたします。
本定例会の会期は、
議会運営委員会の決定どおり、本日から10月15日までの36日間とすることに異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(
井口かづ子議員) 異議ないものと認めます。よって、本定例会の会期は、本日から10月15日までの36日間とすることに決定いたしました。
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令和元年9月10日
陳情付託事項表
総務財政委員会
1陳情第26号 選挙活動に伴う騒音の抑制に関する陳情
区民生活委員会
1陳情第28号
ふるさと納税による高額な返礼を求める寄附に反対する区の方針に対して区議会が賛成していることの表明を求める陳情
保健福祉委員会
1陳情第27号 幼稚園・保育園用地の相続税減免の意見書の提出に関する陳情
議会運営委員会
1陳情第29号 「27陳情第22号」
政務活動費収支報告書の支出計上額を交付額の範囲内とすることを定める条例・規則の改正に関する陳情の再審査を求める陳情
1陳情第31号 杉並区議会の解散を求める陳情
道路交通対策特別委員会
1陳情第30号
杉並区立自転車駐車場条例の改正に関する陳情
○議長(
井口かづ子議員) 日程第2、陳情の付託についてであります。
御配付してあります
陳情付託事項表のとおり
常任委員会及び
議会運営委員会に付託いたしましたので、御了承ください。
お諮りいたします。
1陳情第30号につきましては、
陳情付託事項表のとおり
道路交通対策特別委員会に付託することに異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(
井口かづ子議員) 異議ないものと認めます。よって、
陳情付託事項表のとおり
道路交通対策特別委員会に付託することに決定いたしました。
以上で日程第2を終了いたします。
──────────────────◇──────────────────
31杉監査第100号
令和元年5月28日
杉並区議会議長
井 口 かづ子 様
杉並区監査委員 上 原 和 義
同 三 浦 邦 仁
同 内 山 忠 明
同 井 原 太 一
平成31年4月分
例月出納検査の結果について(報告)
地方自治法第235条の2第3項の規定に基づき、
例月出納検査報告書のとおり報告します。
31杉監査第160号
令和元年6月28日
杉並区議会議長
井 口 かづ子 様
杉並区監査委員 上 原 和 義
同 三 浦 邦 仁
同 内 山 忠 明
同 井 原 太 一
令和元年5月分
例月出納検査の結果について(報告)
地方自治法第235条の2第3項の規定に基づき、
例月出納検査報告書のとおり報告します。
31杉監査第198号
令和元年7月29日
杉並区議会議長
井 口 かづ子 様
杉並区監査委員 上 原 和 義
同 三 浦 邦 仁
同 内 山 忠 明
同 井 原 太 一
令和元年6月分
例月出納検査の結果について(報告)
地方自治法第235条の2第3項の規定に基づき、
例月出納検査報告書のとおり報告します。
31杉監査第230号
令和元年8月28日
杉並区議会議長
井 口 かづ子 様
杉並区監査委員 上 原 和 義
同 三 浦 邦 仁
同 内 山 忠 明
同 井 原 太 一
平成31年度 総務部・
会計管理室定期監査結果について(報告)
地方自治法第199条第1項及び第4項の規定に基づき定期監査を実施したので、同条第9項の規定によりその結果を別紙のとおり報告します。
31杉監査第241号
令和元年8月28日
杉並区議会議長
井 口 かづ子 様
杉並区監査委員 上 原 和 義
同 三 浦 邦 仁
同 内 山 忠 明
同 井 原 太 一
令和元年7月分
例月出納検査の結果について(報告)
地方自治法第235条の2第3項の規定に基づき、
例月出納検査報告書のとおり報告します。
31杉監査第242号
令和元年8月28日
杉並区議会議長
井 口 かづ子 様
杉並区監査委員 上 原 和 義
同 三 浦 邦 仁
同 内 山 忠 明
同 井 原 太 一
平成31年度
政策経営部定期監査結果について(報告)
地方自治法第199条第1項及び第4項の規定に基づき定期監査を実施したので、同条第9項の規定によりその結果を別紙のとおり報告します。
○議長(
井口かづ子議員) 日程第3、監査結果等の報告についてであります。
電子データにより御配付してありますとおり監査委員から監査結果等の報告がありましたので、御報告いたします。
以上で日程第3を終了いたします。
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令和元年9月10日
杉並区議会議長
井口 かづ子 様
災害対策・
防犯等特別委員会
委員長 富田 たく
災害対策・
防犯等特別委員会活動経過報告書
災害対策・
防犯等特別委員会の活動経過について、下記のとおり報告します。
記
1 令和元年6月12日
(1)報告聴取
ア 杉並区
避難実施要領の作成について
(ア)目的
武力攻撃事態または
緊急対処事態の発生時に、迅速に避難誘導ができるよう「杉並区
避難実施要領」のパターンを作成する。
(イ)主な内容
・作成の趣旨と位置付け、
国民保護措置の全体の仕組みと区の初動体制
・区が想定した事態例と避難の方法のパターン
・
避難実施要領伝達までの流れ
・
避難実施要領の作成
・NBC攻撃による災害への対処等
・避難誘導の流れと留意事項
・区内、区外の避難所に避難させる必要があるパターン
・不特定多数の区民を警戒区域外に退避させる必要があるパターン
イ 杉並区
地域防災計画(風水害編)の修正結果について
(ア)改定の背景
・平成27年の水防法改正を受け、東京都は「想定し得る最大規模の降雨」を対象降雨として、浸水想定を見直した。
・平成29年の水防法及び
土砂災害防止法改正により、
洪水浸水想定区域及び
土砂災害警戒区域内の災害時要
配慮者利用施設における
避難確保計画の作成及び避難訓練の実施が義務化された。
・その他、国のガイドラインの改正等を受け、最新の情報等を踏まえた修正をする必要が生じた。
(イ)主な修正項目
・浸水対策の強化
・
土砂災害対策の強化
・
避難者対策の強化
・情報収集と連絡体制の強化
ウ 杉並区
業務継続計画(震災編)の改定について
(ア)改定の背景
区では、平成22年3月に杉並区
業務継続計画(震災編)を策定し、平成26年5月には、
東日本大震災時の対応状況等を踏まえ、追補版を策定した。
その後、平成28年4月の熊本地震において、庁舎が被災し、行政機能が麻痺状態となり、迅速な初動対応や持続可能な体制整備、
応援受け入れの重要性が浮き彫りになった。都では、平成29年12月に
業務継続計画の改定を行った。
その他、
東日本大震災の検証を踏まえて、平成28年2月に、内閣府の「大
規模災害発生時における
地方公共団体の業務継続の手引き」が改定されたことから、最新の検討結果等を踏まえて、本計画を改定することとした。
(イ)主な修正事項
・非常時における業務継続のための体制確立
・
職員参集想定
・杉並区における
非常時優先業務
・業務資源の確保等に係る今後の取組
エ
耐震改修促進法に基づく建築物の耐震診断の結果の公表について
(ア)公表対象(区内)
・要
緊急安全確認大
規模建築物(48件)
店舗3件、
高井戸地域区民センター併設施設1件、小中学校44件
・要
安全確認計画記載建築物(297件)
青梅街道132件、甲州街道22件、新青梅街道11件、井の頭通り47件、環状七号線29件、環状八号線56件、首都高速四号線0件
(イ)公表内容
・建築物の概要(建築物の名称、位置、用途)、耐震診断の結果、耐震改修、建替え、除却の予定
(ウ)公表件数の内訳
・要
緊急安全確認大
規模建築物(48件)
安全性の評価I:0件、安全性の評価II:1件、安全性の
評価III:47件
・要
安全確認計画記載建築物(297件)
安全性の評価I:102件、安全性の評価II:80件、安全性の
評価III:81件耐震改修中:3件、未報告:17件、診断未実施:14件
※安全性の評価I:地震の震動及び衝撃に対して倒壊し、又は崩壊する危険性が高い。
安全性の評価II:地震の震動及び衝撃に対して倒壊し、又は崩壊する危険性がある。
安全性の
評価III:地震の震動及び衝撃に対して倒壊し、又は崩壊する危険性が低い。
(地震に対して安全な構造であると判断できる。)
オ
危険ブロック塀等対策事業の実施状況について
(ア)経緯
平成30年6月18日の大阪府北部地震による
ブロック塀倒壊事故を踏まえ、通学路及び避難路に面する
危険ブロック塀等を改善するための緊急措置として、助成制度を創設し、
危険ブロック塀等の早期解消に努めてきた。
(イ)助成制度の内容
幅員4m以上の通学路及び避難路に面する倒壊の恐れがある
ブロック塀等を対象とし、撤去費については全額、フェンス等を新設する場合には、設置費の2分の1、若しくは85,000円/mで算出した額のいずれか低い額とし、50万円を上限とする。
また
危険ブロック塀等の早急な改善を図るため、助成制度は令和元年度末までの時限措置とする。
(ウ)平成30年度助成実績
・
事前相談件数:47件、助成件数:14件、改善された距離:約172m
2 令和元年6月15日
(1)委員の派遣
令和元年度杉並区
合同水防訓練を視察するため、以下の場所に委員を派遣した。
・
区立桃井原っぱ公園(杉並区桃井3丁目8番)
3 令和元年8月7日
(1)委員の派遣
第57回
東京河川改修促進連盟総会及び促進大会に参加するため、以下の場所に委員を派遣した。
・
練馬区立練馬文化センター(練馬区練馬1丁目17番37号)
令和元年9月10日
杉並区議会議長
井口 かづ子 様
道路交通対策特別委員会
委員長 吉田 あい
道路交通対策特別委員会活動経過報告書
道路交通対策特別委員会の活動経過について、下記のとおり報告します。
記
1 令和元年6月13日
(1)報告聴取
ア 放射第5号線について
(ア)路線概要
交通開放区間は、杉並区下高井戸五丁目から三鷹
市牟礼二丁目間の約3.6キロメートル。開放日時は令和元年6月8日15時。
事業認可期間は、
高井戸西区間は平成17年12月20日から令和4年3月31日まで、
久我山区間は平成17年12月20日から令和3年3月31日まで。延長は杉並区高井戸西一丁目から久我山三丁目間の約2,300メートル。幅員は、
高井戸西区間で50メートル、
久我山区間で60メートル、車線数は4車線とのこと。
(イ)放射第5号線、三鷹3・2・2号線
施設見学会
6月1日に開催。区間は、杉並区久我山二丁目から三鷹
市牟礼一丁目間の約1.8キロメートル。来場者は約980名。イベントでは、該当区間の歩道・車道等を通行できるほか、
事業パネル展、
ミニアーチェリー体験等が行われた。
(ウ)
開通記念式典
6月8日に、久我山一丁目付近の式典会場を中心に開催。主な出席者は、東京都知事、国会議員、杉並区長、三鷹市長、
都区市議会関係者等。
(エ)今後の予定
高井戸西、
久我山区間で、歩道舗装や電線類の地中化等の工事を予定。
イ 外環道の進捗状況について
(ア)
工事進捗状況
・大泉JCT
本線トンネルの
シールドマシンが発進するための立坑(竪穴)の工事及び本体との連結路の橋梁工と函渠を施工中。また、氷川橋の撤去が完成したため、舗装の復旧等の施工を進めている。
・中央JCT
中央道と連結する
橋梁下部工事や、地下連絡路の工事を進めている。
・東名JCT
本線トンネルの
シールドマシンが発進。掘削のための施工基地の整備等、準備工事を進めている。
(イ)用地取得及び
埋蔵文化財調査状況
全体で用地買収部は93%、
区分地上権取得部は79%。
埋蔵文化財調査対象地のうち、着工可能な面積割合は全体で87%(いずれも平成31年1月末時点)。
ウ 西武新宿線の
連続立体交差化計画と上井草駅周辺の
まちづくりについて
(ア)上井草駅周辺道路・
交通施設整備計画(案)について
・背景・目的
西武新宿線(井荻駅〜西武柳沢駅間)の
連続立体交差化計画について、本年1月に東京都から高架方式を最適案とする
都市計画素案が示され、2月に地域に向けた
素案説明会を開催。上井草駅周辺の今後の
まちづくりの推進に当たり、鉄道の
連続立体交差化計画と一体で進めることが効果的であることから、「上井草駅周辺道路・
交通施設整備計画(案)」を策定し、駅周辺の基盤整備の取組を進める。
・整備計画(案)の概要
駅周辺の利便性、安全性及び回遊性の向上を図るため、駅北側の駅前広場の整備や、千川通りから上井草駅付近のバス通りの拡幅、側道等の整備等を行う。
・今後の予定
令和元年6月にオープンハウスの開催、区民意見募集を行う。本ニュースは、6月14日から地域の約9,000戸へ配布予定。7月以降に整備計画の策定、
都市計画素案の公表及び説明会の開催を予定。
(イ)西武新宿線(西武新宿駅〜上石神井駅間)の複々線化計画(平成5年都市計画決定)を廃止する
都市計画素案に関する説明会について
5月29日から6月1日の4日間、区立八成小学校体育館ほか3会場で開催。区内では、5月30日に八成小学校で239名の来場者があった。主な質疑は、複々線都市計画の廃止理由、鉄道の運賃値上げ、連立事業の状況について等。
エ 杉並区の交通対策について(平成30年度実績)
(ア)自転車放置防止対策について
自転車駐車場の整備や放置自転車の撤去活動、クリーンキャンペーン等の啓発活動により、放置自転車は年々減少している。昨年度の民営自転車駐車場の建設費補助件数は3件。放置防止協力員は現在395名がボランティアとして活動しており、クリーンキャンペーンは延べ315名が参加した。
(イ)南北交通について
3路線の1日あたりの利用者数は、微増ではあるが、年々増加している。
(ウ)区内の交通事故件数の推移
事故件数は減少傾向だが、自転車関与事故が都内平均を上回る状況。
(エ)交通安全の啓発活動
・小学校4年生を対象に、警察と協力した自転車安全利用実技講習を実施し、41回、3,411人が参加。また、中学校と一般向けに、スタントマンによる交通事故再現型の講習会を実施し、中学校では、2,801人が参加。
・一般世代向け講習会として、ゆうゆう館、保護者、町会等からの開催依頼を受け、職員が講師として出向く出前型と、平日の夜や週末に警察署とともに開催する講座型を実施。
・その他、地元町会や警察署等と協力し、ストップ・ザ・マナー違反自転車キャンペーン(高円寺の庚申通りと天沼の教会通り)を3回、職員による自転車模範走行(中杉通り)を1回実施し、自転車の安全走行や駐車場利用促進の呼びかけを行った。
オ 「西武鉄道新宿線(井荻駅〜西武柳沢駅間)連続立体交差事業」に係る環境影響
評価調査計画書に対する区長意見の提出及び審査意見書について
(ア)環境影響評価手続きに係る主な経過
本年2月に、事業者が都知事宛に環境影響評価調査計画書を提出。3月に都と区において縦覧、閲覧を行い、これに対して、杉並区の環境清掃審議会の意見を踏まえた区長意見を都知事宛に提出。都知事は、東京都環境影響評価審議会から、都民や杉並区、その他関係自治体等の意見を踏まえた答申を受け、5月20日に区長宛に審査意見書の写しを送付。
(イ)区長意見
・全体的な意見
住民への分かりやすい説明に加え、公害等の防止に向けた法令等規制値への対応として、具体的に最新技術の設備、機器等の使用や、最新工法の採用等によって公害対策に万前を期すこと、またアスベストに関する適切な調査や処理等を求める。
・評価項目に関する意見
騒音・振動について、中高層住宅等、周辺の建物の立地状況に応じて、高さ方向も加味した予測・評価を行うこと等を求める。
・調査等の手法に関する意見
騒音について、中高層住宅のある地域においては、高さ方向を考慮した調査を行うこと等を求める。
(ウ)環境影響評価調査計画書に関する都からの審査意見書
騒音・振動について、中高層住宅等が存在するため、必要に応じて高さ方向を含めた予測・評価を行うこと。また、環境影響評価の項目及び調査等の手法選定では、都民や周辺自治体等の意見等を踏まえ検討することを示した。
(エ)今後の予定
年度内に、事業者から審査意見書を踏まえた環境影響評価書案が提出予定。
その後、都と区による評価書案の縦覧、閲覧を行うとともに、事業者による説明会を開催予定。
令和元年9月10日
杉並区議会議長
井口 かづ子 様
文化芸術・スポーツに関する
特別委員会
委員長 小林 ゆみ
文化芸術・スポーツに関する
特別委員会活動経過報告書
文化芸術・スポーツに関する
特別委員会の活動経過について、下記のとおり報告します。
記
1 令和元年6月14日
(1)報告聴取
ア 令和元年度南相馬
市との文化・芸術交流について
(ア)日本フィル被災地支援活動への応援(通年)
・区と友好提携を結んでいる日本フィルハーモニー交響楽団は、
東日本大震災以降、南相馬
市などの東北地方を訪れ、音楽を通じた被災地支援活動「被災地に音楽を」を継続して行い、今年4月までに延べ263回実施
・区では、一昨年からこの活動を
ふるさと納税制度を通じて応援
(イ)「武者絵展」の実施(5月・12月)
・伝統行事「相馬野馬追」の応援企画で、プロのマンガ家やイラストレーターなど総勢100名が思い思いの武者の絵を描く「武者絵展」を、武者絵展実行委員会と共催で、年2回、区役所区民ギャラリーで実施
・東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会のテーマの1つである「復興」の公認プログラムとして認定
(ウ)南相馬写真展の巡回展示(6月〜7月)
・区とNPO法人が協働で展開している「まちなかギャラリー」にて、相馬野馬追フォトコンテストの巡回展示を実施
(エ)南相馬
市子ども文化芸術交流事業への参加(8月)
・南相馬
市が交流している自治体と南相馬
市の小中学生との共同により芸術作品を制作
・区立中学校の生徒と、講師として女子美術大学の教授・生徒が参加する予定
イ 永福体育館を活用した事前キャンプ実施に伴う協定の締結について
(ア)経過
・東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会を契機に、区内のスポーツ振興、地域の活性化につなげる取り組みとして、事前キャンプ誘致を実施
・イタリアオリンピック委員会から、永福体育館に整備したビーチコートを活用して事前キャンプを実施したい旨の申し出があり、協定を締結
(イ)協定の概要
・永福体育館の利用期間は、令和2年7月14日(火)〜22日(水)
【杉並区】
1永福体育館の全館を占有利用させる
2イタリアビーチバレーボールチームの移動の調整
3施設利用のためのボランティアによるサポート
4トレーニングパートナーの調整
5医療機関の紹介
【イタリアオリンピック委員会】
1ウエルカムパーティへの参加
2杉並区民への練習の公開
3東京2020大会以後の継続した交流
4ワールドツアー東京大会における事前キャンプ地としての活用
5可能な範囲でホームステイプログラムへ参加
(ウ)事業にかかる経費
・イタリアビーチバレーボールチームが交流事業等に参加することを条件に事前キャンプに係る経費の一部を区が負担
・区が負担する経費は、都の補助制度を活用
(エ)調印式及びレセプションの実施
・日時は、令和元年5月9日(木)午後4時〜6時30分
・参加者は、CONI事前合宿統括責任者、イタリア大使館文化・広報部
(オ)今後の予定
令和元年6月 永福体育館にて区主催のプレ事前キャンプイベントの開催
令和2年6月 大会出場者が最終確定
令和2年7月 事前キャンプの実施
ウ 東京2020オリンピック聖火リレーの実施日等について
(ア)全国及び東京都における聖火リレーの日程
・全国 令和2年3月26日(木)〜7月24日(金)
・東京都 令和2年7月10日(金)〜7月24日(金)
(イ)杉並区における聖火リレーの実施日
令和2年7月18日(土)の1番目(午前10時頃にスタート)
(ウ)東京都における走行日程
・7月10日に世田谷の駒沢オリンピック公園をスタートし、多摩地域、島嶼部を経て、18日から区部を巡回
・7月18日は、杉並・中野・練馬の3区を走行
(エ)聖火ランナーの募集概要
・走行希望の都道府県にゆかりがある方
・火を扱うため、年齢の制約がある(平成20年4月1日以前に生まれた方)
・応募先は、4つの聖火リレーのパートナー企業、各都道府県の聖火リレー実行委員会
・各応募先で選考し、東京2020組織委員会に推薦した後、同委員会が決定し、令和元年12月以降に発表
令和元年9月10日
杉並区議会議長
井口 かづ子 様
議会改革
特別委員会
委員長 大槻 城一
議会改革
特別委員会活動経過報告書
議会改革
特別委員会の活動経過について、下記のとおり報告します。
記
1 令和元年6月17日
(1)所管事項調査
ア 議会基本条例について
平成23年以降の議会改革
特別委員会活動状況及び議会基本条例検討経過について事務局次長から報告があり、検討の進行状況について確認を行った。前期区議会からの申し送りを受け、引き続き議会基本条例の検討を進めること、検討体制として「議会基本条例に関する部会」を設置して条文案作成作業を行うこと、部会での検討結果を次の委員会で報告、承認して進めていくことを決定した。部会員は、皆が条文の検討経過を把握できるよう、委員全員を部会員とすることを決定した。
条例制定までのスケジュール案について委員長から説明を行い、意見交換を行ったところ、検討時間を増やし丁寧な議論を行った方が良い、パブリックコメントから原案決定までの時間が短い、新人議員も含め、条例について全議員の理解を深めることが必要、等の意見があった。討議の結果、部会での検討の進行状況も踏まえ、改めて議題にすることとした。
イ 個別の検討課題について
議会基本条例以外の検討課題について意見を求めたところ、
議会運営委員会との調整を経て課題を洗い出した方が良い、議会基本条例の検討を行う中で洗い出された問題点を課題としていく方法が良いと思う、等の意見があった。
今後、
議会運営委員会と連携したうえで、条例検討の中から洗い出された課題も含め、検討事項を精査していくことを確認した。
○議長(
井口かづ子議員) 日程第4、
特別委員会の
活動経過報告についてであります。
災害対策・
防犯等特別委員会委員長、34番富田たく議員、
道路交通対策特別委員会委員長、45番吉田あい議員、文化芸術・スポーツに関する
特別委員会委員長、22番小林ゆみ議員、議会改革
特別委員会委員長、40番大槻城一議員から、御配付してありますとおり
特別委員会活動経過報告書が提出されております。
各
特別委員会におかれましては、引き続き調査活動を継続されるようお願いいたします。
以上で日程第4を終了いたします。
──────────────────◇──────────────────
○議長(
井口かづ子議員) 日程第5、一般質問に入ります。
通告順にこれを許可いたします。
16番國崎たかし議員。
〔16番(國崎たかし議員)登壇〕
◆16番(國崎たかし議員) 私は、杉並区議会自由民主党の國崎たかしです。会派の一員として、通告に従い、区政一般について質問をいたします。
本日は、1に、杉並区の防犯施策について、2に、災害時における駅前滞留者対策について、3に、公共施設について、以上3項目について質問をさせていただきます。
なお、今回は、私にとりまして本会議場における初めての質問でありますので、ふなれなことがあるかもしれませんが、御了承いただき、理事者の皆様には明快な御答弁をいただきますよう、よろしくお願いを申し上げます。
質問に入る前に、この間の台風などによる風水害により被害に遭われた全ての皆様にお見舞いを申し上げます。
それでは、質問に移らせていただきます。
最初に、杉並区の防犯施策について質問をさせていただきます。
本年4月に行われた杉並区議会議員選挙において、私は、安心・安全なまちをつくる防犯を第一の政策に掲げて当選させていただき、現在議員として活動をさせていただいております。言うまでもなく防犯は警察の専門分野であり、警察官の皆様の日夜の御尽力によってまちの安心と安全は守られています。
私の祖父、そして父は、福岡県警で警察官として働いていました。私は幼いころから、警察官舎に住み、日々犯罪に立ち向かう親族の姿を間近で見ながら、警察官の存在、そしてその活動がいかにまちの安心・安全につながっているかを目の当たりにしてきました。
しかし、警察がいれば絶対に安心かというと、残念ながらそうではないのが現実です。そこで必要になってくるのが、地域住民の皆様が、自分たちの地域は自分たちで守り、お互いを助け合う自助・共助の力、そして行政の力で地域の皆さんの活動の手助けをする公助の力であると私は考えます。
犯罪抑止、防犯という面で考えると、地域や行政にできることがたくさんある、そう考えています。例えば区内の町会・自治会では、組織の中に防犯部会をつくり、月に数回、町内のパトロールを行っていただいております。「パトロール」と書かれたベストを着て、1時間程度町内をパトロールいたします。地域の目を光らせることにより、犯罪を抑止するという意味合いで大変有効な活動であると考えます。
私も幾つかの町会の防犯パトロールに参加をさせていただいています。その中で課題となるのが、パトロール参加者の高齢化問題です。積極的に防犯パトロールに参加してくださる若い方々がおらず、町会の役員である御高齢の方々が毎回参加されているのが現状です。ことしは梅雨が過ぎてから非常に暑い日が続きました。この酷暑の中で1時間弱外を歩くと、若い私でさえ頭がくらくらします。若い人たちが参加するためにはどうすればよいのか、町会の方々は日々頭を悩ませています。
現在、杉並区内には、町会とは別に147もの防犯自主団体が杉並区の支援を受けて防犯パトロール活動を行っております。しかし、やはりどの団体も高齢者の方々が多いと伺っています。
先日、私は、防犯部会の有志で防犯ボランティアフォーラムに出席してきました。各地域の方々が特色のある防犯活動を発表されていましたが、その中から私の興味深かった活動を御紹介したいと思います。
神奈川県の田奈地区では、防犯活動として、犬の散歩時に防犯グッズを身につけて歩く新たなパトロールを始めています。
続いて、静岡県の
浜松市にある常葉大学では、「大学の学びを地域の防犯に生かす」を合い言葉に、学内のボランティアセンターと学生及び教職員が連携して、地域の防犯活動に参加をしております。具体的には、大学近隣にある小学校の下校時間に、大学生が児童と一緒に下校する「まもろーる」という活動や、また、防犯ベストを着て自転車で地域をパトロールする「まもちゃり」などの防犯活動を行っています。また、この地域では、静岡県警と静岡新聞、静岡放送が企画した、市民ランナーに防犯Tシャツを着てもらい、走りながら地域の安心・安全の見守り役になってもらうランパトを行っているとのことです。
このほかにも、大学の部活動と連携をしてランニングパトロール活動を行っている自治体もあると聞きます。
以上の例のように、若者の防犯活動への参加を促すために、区内の大学の協力を得て、同様のランニングパトロール活動や防犯イベントなどへの参加を求めることは、非常に効果的であると考えます。今後、若者の防犯活動への積極的な参加を杉並区でも推進していただきたいと考えますが、区はどのように取り組み、検討をしているのか、お伺いをいたします。
続きまして、振り込め詐欺についてです。
区の発表によると、区内における振り込め詐欺の本年1月から8月末時点での認知件数、発生件数は100件あったと伺っております。詐欺の手段も日に日に変わってきており、最近では、都の職員を名乗った還付金詐欺の被害が広がっているとのことです。
私がふだんおつき合いをしている町会の役員の方がおりますが、その方は、警察の指導のもと、高齢者が振り込め詐欺にだまされないように、自分の町会の高齢者の方々の家を回って、そのような詐欺電話があったらすぐに警察に電話するように伝えて回っていました。しかし、その役員の家にも詐欺電話がかかってきて、何とその役員の方もだまされそうになったとのことです。電話を切った後にちょうど御子息が家に帰ってきて相談したところ、詐欺だと判明したとのことです。このように、ふだんから十分に注意をしていてもやはりだまされるのが、振り込め詐欺の恐ろしさだと思います。
さて、区でも、振り込め詐欺対策として、自動通話録音機を65歳以上の方がいる世帯に無償で貸し出しを行っております。警察関係者に聞くと、自動通話録音機は、振り込め詐欺対策として最も効果的な防犯機能を持つものの1つだということです。この自動通話録音機を家庭の電話につけるだけで、振り込め詐欺発生件数は減少するというデータもあると聞いております。このような振り込め詐欺という犯罪を未然に防ぐためにも、自動通話録音機のさらなる普及が必要であると考えます。
そこで確認いたしますが、自動通話録音機の1台当たりの価格は幾らなのかお尋ねをいたします。
また、自動通話録音機の現在までの貸し出し台数をあわせてお尋ねいたします。
杉並区は、本年6月3日から1,000台の自動通話録音機貸与について予約受け付けを開始されました。現在までの予約受け付け、そして配付状況をお尋ねいたします。
昨年の区内での振り込め詐欺被害件数は160件で、その被害額は3億4,900万円に上るとのことですが、被害件数、被害額ともに近年高どまりの状態が見られます。そこで、区における振り込め詐欺被害防止対策とその取り組みに対する決意をお伺いして、次の質問に移りたいと思います。
2点目は、災害時における駅前滞留者対策について質問をさせていただきます。
東日本大震災から8年半が過ぎました。大地震と津波でたくさんのとうとい命が犠牲となりました。我々はこの悲惨な現実をしっかりと受けとめ、風化させることなく、今後の教訓としなければなりません。首都直下型地震は今後30年以内に70%の確率で起こると予想されており、いつ起こってもおかしくない状況にあり、大変危惧されています。
東日本大震災発災時、首都東京ではさまざまな混乱が起こりました。その混乱の1つが帰宅困難者であります。内閣府の推計では、
東日本大震災が起こった際の首都圏での帰宅困難者の数は約515万人、東京都では352万人となっています。また、東京都防災会議は、冬の平日の18時に地震が発生した場合、都内で約517万人の帰宅困難者が発生すると想定しています。杉並区においても、最大で9万2,357人の帰宅困難者が発生すると想定されるなど、首都直下型地震が発生すると、以前より増して甚大な被害が想定されます。
また、地震発生直後は、救助や消火活動、救急輸送活動等を優先しなければならず、帰宅困難者による救急活動の妨げを防ぐために、むやみに移動しないことの原則が確認されました。
さて、そのような中で、杉並区ではこれまで、帰宅困難者が駅前滞留する場合を想定し、その対策についてさまざま準備に取り組んでいます。現在の区の施策の進捗状況について伺います。
また、区は、区内JR4駅に駅前滞留者対策連絡会を設置いたしました。地震発災時における混乱を防ぐことに効果的な対策であると考えていますが、実際発災時において、現時点で協力をいただいている方々に対して具体的にどのような協力を検討しているかお示しください。
先日、荻窪駅前滞留者対策訓練に参加をさせていただきました。発災時に混乱を防ぐために情報ステーションを設置し、駅前滞留者への情報提供や、また、荻窪周辺がわからない方々には、時間を指定した上で一時滞留施設へ誘導するなど、とても有意義な訓練でありました。
しかし、災害時での優先順位は、まず自分や家族の安全が第一であり、ボランティア活動は二の次になろうかと思います。事前に協力をお願いした方々が集まらないこともあると思います。今後の対策として、多くの方々に訓練に参加していただければ、発災時に御協力いただける方もふえていくと考えます。訓練に参加していただける方の対象を拡大し、より多くの方に協力いただけるよう、手だてを講じてみてはいかがでしょうか。
また、駅前滞留者問題について広く区民に認知していただく必要があると考えています。区は、区民に対しどのような手段で周知を行っているのかをお尋ねいたします。
最後に、滞留者の一時滞在施設についてです。
震災発災時は多くの滞留者が発生することが想定されますので、多くの滞在施設が必要となります。計画では、区有施設に加えて、民間でも受け入れを容認いただいた施設を使用させていただくこととなっています。今後も駅周辺の民間施設に広く御協力をいただく必要がありますが、例えば見ず知らずの人を一時的に大量に受け入れることに対する抵抗感や、受け入れ後に施設が被災し、受け入れ者に被害が出た場合に対する責任問題などで、一時滞在施設として協力することに二の足を踏む施設もあると聞いています。特に後者は、帰宅困難者の受け入れには前向きな姿勢をとっているにもかかわらず、責任問題が明確でないがために受け入れをためらわれている施設です。そのため、今後は、具体的な施策の推進とあわせて、責任問題等の明確なルールづくりや、より多くの区民の理解促進のための周知と啓発を求め、これを意見といたします。
最後に、3点目は、公共施設に関しての質問をさせていただきます。
区は、区立施設再編整備計画第二次実施プランを策定し、区民集会所、区民会館、ゆうゆう館、児童館といった施設の再編整備を進めていく方針を示されました。施設を再編、集約することで、使用率から見た施設の有効利用が可能となることや、幼児からお年寄りまでの世代間を超えたつながりが生まれるなど、今後の社会情勢に沿った、期待のできる施策であると考えます。
そこで、地域コミュニティー施設整備の進捗状況や、今後どのくらいの施設を配置していくのかをお尋ねいたします。
また、これまでの区の施設は、地域偏在といった問題点がありました。例えば松庵の地域では、地域区民センターや区民会館、町会会館が近くになく、町会の方々は長年会議をする場もない状況にありました。第二次実施プランでは、この偏在問題は検討されているのでしょうか。プランでは、既存の施設を再編し統合する旨が書かれていますが、そもそも施設がない地域についてどのように対処していくのかをお示しください。
町会の皆様が活動しやすい環境づくりに資するべく、この偏在問題解消に向けた前向きな施策を進めていただくよう強くお願いをいたしまして、私の一般質問とさせていただきます。
御清聴ありがとうございました。
○議長(
井口かづ子議員) 理事者の答弁を求めます。
区長。
〔区長(田中 良)登壇〕
◎区長(田中良) 私からは、國崎たかし議員の振り込め詐欺被害防止に関する区の取り組みと決意についての御質問にお答えを申し上げます。
昨年の区内の振り込め詐欺被害件数は160件で、前年比マイナス14件でありましたが、被害額のほうは3億4,900万円と、前年比プラス7,300万円ということで、非常に厳しい状況でございました。ことしも既に100件の被害が発生している状況でございます。
こうした状況を受けて、区では、今年度、自動通話録音機の貸与台数を昨年度の2倍の1,000台にふやしたんですが、既に申し込みが約900台となっていることから、さらに450台を追加購入して対応しております。
また、各種イベントや広報などにより、被害防止に関する啓発を進めております。
その他、昨年には、職員が24時間365日電話で振り込め詐欺に関する相談を受け付ける振り込め詐欺被害ゼロダイヤルを23区で初めて開設をしたわけですが、開設から1年間で実に800件を超える相談を受けております。中には、ATM操作の直前で被害を防げたという事案もございまして、効果を上げていると思います。今後も、関係機関との連携や区民の皆様に対する啓発にも努めながら、引き続き、振り込め詐欺被害ゼロの決意を持って取り組んでまいりたいと存じます。
最近の特徴として報告を受けておりますのは、区の職員をかたった事案がふえているようでございまして、相談の電話もそれを反映した面もあるのかなというふうに思います。いずれにしても、皆さんと連携をとりながらしっかり取り組んでいきたいと思います。
私からは以上です。残りの御質問につきましては、関係部長より御答弁申し上げます。
○議長(
井口かづ子議員)
危機管理室長。
〔
危機管理室長(寺嶋 実)登壇〕
◎
危機管理室長(寺嶋実) 初めに、防犯についての御質問のうち、若者の防犯活動への参加促進についての御質問にお答えいたします。
区では、平成25年から、学生ボランティア活動実施要綱を制定して、区内の大学など5校に対し学生ボランティアを募集し、防犯活動への参加を推進してまいりました。今年度も56名の登録があり、防犯イベントや防犯パトロールなど、各種活動に積極的に参加していただいております。
ランニングパトロールなど、他の自治体の取り組みも参考にして、今後も若者の熱意を生かした活動に取り組むとともに、SNSを利用するなど、工夫を凝らした募集を行ってまいります。
次に、自動通話録音機についての一連の御質問にお答えいたします。
自動通話録音機は、これまで設置した家庭での電話による被害が発生していないなど、効果を発揮しております。今年度は規模を拡充して1,000台を購入いたしましたが、その単価は税込み4,125円で、2分の1は東京都補助を活用しております。
平成27年度の事業開始から昨年度までに1,845台を貸与済みで、今年度は予約数889台あり、既に531台を貸与いたしております。
次に、駅前滞留者に関する御質問にお答えいたします。
まず、駅前滞留者対策に関する進捗の状況ですが、現在、JR中央線4駅周辺の地域ごとに、区民、警察、消防、交通機関、商店街関係者、地元企業の協力を得て駅前滞留者対策連絡会を設置し、各駅周辺の特徴を踏まえた行動ルールを検討、策定するとともに、周囲の一時滞在施設の場所等を含む災害時帰宅支援マップを作成しております。あわせて、一時滞在施設への避難訓練なども実施してございます。
次に、連絡会参加者に対し、区が協力を依頼している内容に関するお尋ねですが、駅前滞留者対策では、いかに滞留者の安全を確保するかが課題であります。災害時には、従業員や顧客の帰宅抑制に努めていただくとともに、駅前広場等に設置する情報ステーションへの従事や使用物資の保管場所の提供、避難誘導、案内、休憩場所の提供など、可能な範囲での御協力をお願いしているところでございます。
次に、駅前滞留者対策の協力者拡大に関するお尋ねですが、御指摘のとおり、災害時には、さまざまな理由から、全ての協力者が参集できるとは限りません。そのため、協力者の拡大を図り重層的に体制を整えることは、大変重要なことと認識しております。区ではこれまでも、さまざまな地域の主体に対し、駅前滞留者対策連絡会への参加を呼びかけてまいりましたが、さらなる協力者の拡大を目指し、連絡会への参加呼びかけを行ってまいります。
また、駅前滞留者対策に関する区民への周知に関するお尋ねですが、これまでも訓練実施の際に、チラシやホームページなどを通じ周知を行ってまいりましたが、今後も、それに加えまして、事業者等に対する連絡会参加の呼びかけなどを通じ、周知の拡大を図ってまいります。
私からは以上です。
○議長(
井口かづ子議員)
区民生活部長。
〔
区民生活部長(渡辺幸一)登壇〕
◎
区民生活部長(渡辺幸一) 私からは、地域コミュニティー施設に関する御質問にお答えをいたします。
まず、地域コミュニティー施設の整備に向けた進捗状況についてのお尋ねでございますが、区立施設再編整備計画(第一期)・第二次実施プランにおきましては、6つの地域コミュニティー施設を今後新たに整備することとしておりまして、現在、それぞれの施設の開設に向けた準備を進めているところでございます。
次に、地域コミュニティー施設の配置についてのお尋ねでございますが、地域コミュニティー施設は、おおむね徒歩10分程度の、歩いて行くことができる範囲に1カ所を目安として、最終的には区内全体で30から40施設程度開設することを想定してございまして、区立施設再編整備計画に基づき順次整備してまいります。
最後に、周辺に集会施設などが存在しない地域への対応に関する御質問にお答えいたします。
地域コミュニティー施設は、既存の区民集会所、区民会館、ゆうゆう館及び機能移転後の児童館を対象に再編整備していくことを基本としてございますが、再編整備の対象となる施設が存在しない地域などにつきましては、周辺の地域コミュニティー施設の再編整備の状況を踏まえ、再編整備などで生み出された用地の活用のほか、他施設の改築時に合わせて複合化を図るなど、さまざまな手法を用いて施設を整備してまいります。
以上でございます。
○議長(
井口かづ子議員) 以上で國崎たかし議員の一般質問を終わります。
15番わたなべ友貴議員。
〔15番(わたなべ友貴議員)登壇〕
◆15番(わたなべ友貴議員) 私は、杉並区議会自由民主党のわたなべ友貴です。会派の一員として、通告に従い、区政一般について質問をさせていただきます。
質問項目は大きく2点、杉並の防災対策について、荻窪駅周辺の
まちづくりについてです。これまでの区の取り組みを確認しながらも、これから先を見据えた、発展的で実りある議論になることを期待し、質問に移らせていただきます。よろしくお願いいたします。
まずは、杉並の防災対策について伺います。
区内の都立高校は災害時に3つの役割を担います。それは、震災救援所補助代替施設、一時滞在施設、災害時帰宅支援ステーションの3つです。きょうは、災害時における杉並区と都立高校の連携について、それぞれの役割ごとに伺ってまいります。
初めに、震災救援所補助代替施設について伺います。
大規模災害時、区民は、家屋の倒壊などで自宅避難が困難な場合、近くの区立小中学校に開設される震災救援所で避難生活を送ることになります。さらに、杉並区は、震災救援所が使えない場合や避難者があふれたときに備えて、区内の都立高校、さらには大学、私立高校等と災害協定を結び、震災救援所補助代替施設に指定しています。補助施設とは、被災者が拡大し、震災救援所の救援機能、救援能力では対応し切れなくなった場合に、被災者の収容、宿泊を行う施設。代替施設とは、そもそも震災によって救援所が深刻な被害を受けて使用できなくなった場合に、その機能の全てを担う施設をいいます。備えに備えを重ねることは、命を守るという防災の命題に真正面から向き合っており、とてもすばらしいことです。
近隣の区立小中学校が震災救援所になるということは、区の広報の成果により、区民の認知が着実に進んでいると思います。しかし、予定の震災救援所に入ることができない場合、どこで避難生活を送ればいいのか、ここまで把握している区民はどれだけいるでしょうか。杉並区
地域防災計画に記載はありますが、震災救援所補助代替施設の仕組みを理解している区民は、決して多くはないと私は思います。せっかく協定を結んでいるのですから、より広く区民に周知をしなくてはもったいない。
そこで、まず、区内の都立高校を含めた、大学、高校等が震災救援所の補助代替施設に指定されておりますが、区は、実際に利用する可能性のある区民へどのように周知を行っているのか伺います。
では、いざ発災し、震災救援所補助代替施設を開設することになったとします。ここで1つ疑問が浮かびます。それは、補助代替施設の都立高校では、誰が震災救援所を運営するのかということです。5月に開かれた杉並区議会第2回定例会において申し上げましたが、震災救援所の運営は、地域住民、区職員、学校関係者という人の連携が肝です。しかし、震災救援所の運営に携わる地域の方々に補助代替施設の話をしても、そもそもその存在自体を知らない方が大半です。これでは人の連携は機能不全に陥ります。杉並区は、この震災救援所補助代替施設においても、通常の震災救援所を運営する地域の方々がスライドして運営をすると考えているのか。そうでないならば、別の誰かが運営をするのか。震災救援所補助代替施設の運営主体はどうなっているのか伺います。
通常の震災救援所では、年1回の震災救援所訓練、さらに地域住民、区職員、学校関係者による打ち合わせを重ねて震災に備えています。しかし、区内の補助代替施設においてこのような震災救援所訓練や打ち合わせが行われているということを私は聞いたことがありません。補助代替施設である都立高校でも、本来の震災救援所同様に、地域住民、区職員、そして学校関係者で訓練を行っていくべきと考えます。
また、その際には、せっかくですから、同じ補助代替施設をともに使う可能性のある近隣震災救援所の皆様と御一緒に合同で行ってみてはどうでしょうか。こうすることで震災救援所同士の横のつながりも生まれ、それぞれの取り組みを共有することもできるのではないでしょうか。もっとも、地域の皆様には本来の震災救援所の運営と並行して準備をお願いするため、負担がふえてしまいます。そこで、まずは顔合わせは打ち合わせから始めてもいいかもしれません。毎年行う小中学校での震災救援所訓練に、補助代替施設の都立学校関係者に参加してもらうことでもいいでしょう。これまでは地域住民と都立高校の連携が不十分でした。杉並区においてはぜひとも、これまで接点のなかった地域住民と都立高校との仲人としての役割を果たしていただきたいと思います。
そこで、今後、近隣震災救援所と連携した合同での補助代替施設における震災救援所訓練の開催について、区の見解を伺います。
次に、一時滞在施設について伺います。
区内には、特別支援学校を除く7校の都立高校があり、そのうち、杉並高校、豊多摩高校、農芸高校の3校は、一時滞在施設に指定されています。東京都は、東京都帰宅困難者対策条例において、帰宅困難者や企業に3日間程度の帰宅抑制を促しています。それは、帰宅中の余震や火災、群衆なだれによる二次災害を防いだり、一斉帰宅による道路渋滞を防ぎ、警察、消防の人命救助を妨げたりしないようにするためです。その帰宅抑制した方たちの受け入れ先が一時滞在施設です。そこでは、帰宅の際に通行可能な交通情報の掲示、トイレやブランケット、食料、水の提供が行われます。
では、その提供品についての備えは果たして十分なのでしょうか。もともと都立高校には生徒用の備蓄品があります。しかし、ふだんから一時滞在施設用、いわばゲスト用の備えまでしているのでしょうか。一時滞在施設の機能を果たすには、収容予定人数掛ける3日分の備蓄が必要ですし、倉庫内の場所も必要です。そこで、都立高校における一時滞在施設用の備蓄についてどのように備えをしているのか、現状を伺います。
区内の都立高校7校のうち3校が一時滞在施設と指定されています。では、残りの4校はどうでしょうか。
先ほど話に上がりましたが、区にはJR沿線4駅にそれぞれ駅前滞留者連絡会があり、帰宅困難者対策を行っています。私の地元荻窪にも荻窪駅前滞留者連絡会があります。区外の取り組みを視察に行かれるなど、熱心に活動されており、私も毎年訓練に参加させていただいております。訓練では、毎年交互に荻窪駅の北口と南口から指定の近隣一時滞在施設へ向かうのですが、きょうの本題はここです。
荻窪駅の北口では、駅から徒歩10分程度、天沼陸橋の先にある宗教施設が一時滞在施設に指定されています。一方、荻窪駅南口では、駅から約徒歩15分の荻窪地域区民センターが指定されています。問題は、ここに向かう道中で、駅から徒歩5分の都立荻窪高校の横を素通りしていくことです。どうしてここに高校があるのに使うことができないのか、訓練のたびに必ず参加者からブーイングが出るわけです。荻窪高校に限らず、未指定の都立高校が一時滞在施設となれば、帰宅困難者対策において、区は大きなアドバンテージを得ることになります。
そこで、区は今後、残りの4都立高校の一時滞在施設指定に向けてどのように取り組んでいくのか伺います。
最後に、3つ目の役割である災害時帰宅支援ステーションについて伺います。
災害時帰宅支援ステーションとは、発災後、徒歩帰宅中の方や一時滞在施設から帰宅をする方の道中で休憩場所となり、情報や水を提供する場所です。コンビニやガソリンスタンドが主ですが、さらに全都立高校がこのステーションに指定されています。都立高校がステーションに指定されていることの周知は、本来東京都が行うべきものです。しかし、区としても、都立高校を徹底的に活用するべきだと私は考えます。
例えば、区が独自に開発した地図アプリすぎナビへの反映や、地域防災マップに災害時帰宅支援ステーションに特化した地図を記載するなど、方法はさまざま考えられます。
また、いざ発災時には、帰宅中の方が都立高校の前を通ったときに、直感的に災害時帰宅支援ステーションとわかるような視覚効果も必要です。そうでなくては、ステーションとなっている都立高校が素通りされ、全く利用されないということにもなりかねません。ですから、区が災害時帰宅支援ステーションの立て看板やのぼりを作成し、都立高校に事前に配付していくことも有効だと思います。
そこで、区は、今後、災害時帰宅支援ステーション指定の周知についてどのように取り組んでいくのか伺います。
以上のように、区は、都立高校に災害時、最大で3つの役割を担ってもらうことになります。もっとも都立高校がその全てを、生徒がいる状況で完璧にこなすことができるとは私も思ってはおりません。区として、都立高校との連携について改めて精査し、実効性のある関係を構築していくことを要望し、次の質問に移ります。
次に、女性の防災について伺います。
区は、杉並区男女共同参画行動計画において、防災分野における男女共同参画の推進を課題に挙げています。課題解決のために具体的な取り組みも始めています。
その一例として、私も聴講しましたが、区の防災課職員が地域住民に向けて行っている女性の防災についての講演があります。区職員が被災地に派遣されたときに現実に直面した避難所での女性の被害事例を挙げての講演は、大変熱のこもったものでした。さまざまな防災講演に参加してきましたが、女性の防災について、避難所での女性を取り巻く環境という視点で講演する方は珍しく、大変勉強になったのを覚えております。
さらに、区は、女性が人の目を気にせずに授乳や着がえをすることのできる屋内テントの研究も独自に進めております。ですから、私は、区は女性の防災について大変熱心に取り組もうとしていると感じております。
そこで、まず、杉並区は、女性の防災分野への参画についてどのようなテーマを持って取り組んでいるのか、具体的な取り組みを伺います。
以前、民間が行った女性の防災を考える講演会に参加したとき、講師の方が、女性は男性と違いパンティーストッキングをはきます、これは三角巾がわりとなります、これこそ女性の防災ですと胸を張っておっしゃっておりました。見当違いも甚だしい、それが私の意見です。私が考える女性の防災とは、女性が当事者として防災を進めていくことです。そのための環境をつくっていくことこそが行政の役割だと私は思います。
震災救援所の運営を例に考えてみます。従来の震災救援所の運営は、地域の方がその中心を担っており、その多くは男性です。ここに女性のメンバーの数がふえ、女性だけの活動班を立ち上げたり、そこで上がった意見を運営マニュアルに取り入れたりするなど、意思決定の段階から女性が当事者としてかかわることができれば、私は女性の防災が劇的に前に進んでいくものだと考えています。そのために、運営の中心を担っている男性役員の方に、女性役員をふやしていくことの必要性を理解していただくことや、そもそも役員を務めてくださる女性人材を発掘するなど、困難な課題が山積しています。
そこで、杉並区にはぜひとも、各震災救援所運営会議などで、折に触れて、防災の現場へ女性が当事者としてかかわっていくことの必要性を十分に説明していただきたいと思います。そして防災分野への女性参画のコーディネーターとしての役割を期待します。今後の取り組みについて見解を伺いまして、荻窪の
まちづくりの質問に移らせていただきます。
荻窪駅周辺は区内商業の中心地で、商業施設や飲食店が多く集まり、にぎわいのある町並みを形成しています。区は、杉並区景観計画において、荻窪駅周辺の景観づくりの方向性を、駅周辺の商業地の特性を生かした景観づくりを進める、そして商業地域として周辺の町並みとの調和を図り、看板や広告物の集約に努め、落ちついたデザインを基調とするとしています。屋外広告物はまちを歩けば必ず区民の目に入り、無秩序に設置されれば、まちの品格を損ねることにもなりかねません。
そこで、まず、駅周辺の商業地域において、事業者と杉並区では、まちの品格に合うように、例えば大看板などの設置の前において、事業者と個別のやりとりがなされるものなのかどうか伺います。
荻窪というまちは、文化芸術とにぎわいと住環境が調和する品格のあるまちです。そして、駅の北側商業地域には、荻窪というまちの活気に満ちた文化芸術の拠点である杉並公会堂があります。この杉並公会堂と荻窪駅の動線上、青梅街道に面した、長く空き店舗だった場所に、ことしの8月、新規店舗がオープンしました。どんなお店が入るのか楽しみにしておりましたが、その気持ちはオープンの日に落胆に変わりました。青梅街道に面した店舗の入り口には、歩行者の目線の高さに巨大電子パネルの屋外広告が設置され、早朝から深夜までぎらぎらと映像が流され続けているではありませんか。荻窪のまちで、この屋外広告は悪い意味で異彩を放っています。店舗のある町会にお住まいの方から、この地域には多くの店舗があるが、ここまで地域になじまない広告は初めて、荻窪のまちとして許容していいのですかという怒りの声を何件も伺いました。
ここが私がよく遊びに行く新宿歌舞伎町のような繁華街でしたら、私は何も言いません。この屋外広告が著しく荻窪のまちの品格をおとしめていると考えているからこそ、議会で取り上げているのです。もちろん店舗も商売です。少しでも目立つようにという気持ちもわかります。お金もかけているでしょう。しかし、今回のように無秩序に屋外広告の設置を許せば、今後、ここに負けるなと一層派手な看板を設置する店舗があらわれ、いずれ収拾がつかなくなることは目に見えています。そうしてまちの品格が失われてしまうのです。
屋外広告は一度設置してしまえば、幾ら区民が声を上げても容易に取り外しや交換ができるようなものではありません。今回は、大人だけでなく、合唱コンクールなどで子供も多く利用する、区内屈指の文化拠点である杉並公会堂と荻窪駅の動線上での話です。朝から夜中まで大きなネオン看板が目線上に光っているこの光景が、荻窪のまちとして許容されてもいいのでしょうか。
そこで、これを契機に、屋外広告の設置には一定の制限を設けていくべきと考えますが、区の見解を伺います。
次に、空きビルの利活用について伺います。
荻窪には駅の南側にアメリカン・エキスプレスの日本支社があります。ここが来年区外へ完全移転することが発表されました。アメックスのような有名企業が荻窪にあることは、まちの魅力でもありましたし、連日800名近い社員の皆さんが荻窪の商店を利用してくださっていたので、本当に残念です。昨今、政府の掲げる働き方改革のもと、都心に本社を置く大企業は、都心から離れた、交通の便がよく、立地のいい場所に続々とリモートオフィスを開設しています。当然、荻窪の当該オフィスにも白羽の矢が立つと思います。荻窪のまちとともに歩んでいけるすばらしい企業が来てくださることを期待してやみません。
では、区として、このような好立地のビルが1フロアでもあいた場合に、何かに利用することはできないでしょうか。杉並区は、新産業分野の創業を支援するために、阿佐谷キック・オフ/オフィスを阿佐谷地域区民センター内に開設しています。新産業に取り組むような新進気鋭の創業者は、オフィス選びの際に、確かに家賃の安さも考慮します。しかし、今は、それに加えてSNSの時代です。インスタ映えとも言われるように、職場が絵になるということにも意識があり、それを自社のPR、またみずからのモチベーションアップにも存分に活用します。
現在のキック・オフ/オフィスは、駅からのアクセスもとてもよく、賃料も格安です。しかし、老朽化した区民センターの一部をパーティションで仕切っただけの簡易空間を部屋と称しているだけで、残念ながらオフィス自体の魅力は弱いと言わざるを得ません。心が躍らないのです。アメックスの入っていたような立派なビルのワンフロアに入って創業できるとなれば、利用したいと手を挙げる創業者は、今よりもますますふえると私は思います。また、このキック・オフ/オフィスは、阿佐谷地域区民センターの移転によって、次の行き先が決まっていないと聞いています。
そこで、今回のアメックスに限らず、こうした好立地の空きフロアを阿佐谷キック・オフ/オフィスの移転先として検討してみてはどうか、見解を伺います。
今回のような駅周辺ビルのまとまったフロアがあくというような情報は、荻窪の
まちづくりを長年考えてきた人たちにとっては、真っ先に知りたい情報だと私は思います。アメックスのあった場所は、平成29年に策定された荻窪駅周辺
まちづくり方針の対象区域内にあります。地域の
まちづくり関係者が、その区域の情報を知らずに
まちづくりを語ることはできません。しかし、荻窪で長年
まちづくりに携わってきた方々や地元の町会、商店街の皆さんは、この移転について、私がお伝えするまで知らない方がほとんどでした。
そもそも荻窪駅周辺の
まちづくりは、杉並区基本構想を受けて、平成24年にその第一歩として、区主催の「これからの荻窪駅周辺
まちづくりを考えるアイデアコンペ」からスタートしました。このコンペの金賞をとった作品は、「Ogikubo Sharing−共有する文化が未来を描く−」。その中には、シェアオフィス、コワーキングスペースというキーワードがありました。今回のアメックスの跡は、このアイデアを形にするのに最適な場所だと思いますから、本来でしたら、
まちづくり関係者にも共有してしかるべき情報です。もっともこのコンペ自体は、平成29年に荻窪駅周辺
まちづくり方針の策定の中で存在感を失いましたので、シェアオフィス導入に向けた取り組みをしないこと自体を、ここで問題視するわけではありません。
私が申し上げたいのは、このような
まちづくり会議の方々を含めた地域の方から発信されたアイデアを、区にはより重く受けとめていただきたいということです。そして、スピード感を持って、そのアイデアの活用も含めて
まちづくりを考えていくべきだと考えますが、区の見解を伺います。
第2回定例会でも申し上げましたが、南北の往来自由化を含めて、荻窪駅周辺の
まちづくりは地域の方々の悲願です。区は、地域の方と定期的に勉強会を開いてくださっていると聞いています。今後はさらに一歩進んで、地域の皆様と御一緒にまちの情報を共有しながら、荻窪のまちの大きな未来を描いていってくださることを要望し、私の質問を終わらせていただきます。
ありがとうございました。
○議長(
井口かづ子議員) 理事者の答弁を求めます。
区長。
〔区長(田中 良)登壇〕
◎区長(田中良) 私からは、わたなべ友貴議員の御質問のうち、防災分野における女性の参画、女性目線の対策に関する御質問にお答えいたします。
東日本大震災や熊本地震などを踏まえれば、大規模な地震災害の発災時には、救援所での避難生活の長期化が予想されて、避難生活の質の向上が求められます。救援所においては、限られたスペースで暮らすために、衛生面やプライバシーへの配慮が必要となるとともに、性別、年齢、国籍、障害の有無などの違いに応じたきめ細かい対応が求められます。そうした中、お尋ねの、女性の視点を防災対策に取り入れ推進していくためには、行政による公助の取り組みに加え、対策の決定や活動の場に多くの女性が参画していただく仕組みづくりが不可欠であると考えております。
区は、震災救援所運営管理標準マニュアルを改定して、救援所本部会議への女性委員の参画の推進や、女性の視点に立った部屋割り、トイレ、更衣室のあり方などについて具体的に明示しているほか、防災会議委員への女性の積極的な登用、備蓄品の充実などにも取り組んでおります。
今後も、防災市民組織の会議や地域防災コーディネーターの連絡会等の場を通じ、女性の意見に積極的に耳を傾け、女性の視点を重視したきめ細かい防災対策の充実に努めてまいります。
私からは以上です。残りの御質問につきましては、関係部長より御答弁いたさせます。
○議長(
井口かづ子議員)
危機管理室長。
〔
危機管理室長(寺嶋 実)登壇〕
◎
危機管理室長(寺嶋実) 私からは、防災対策に関連する御質問にお答えいたします。
まず、震災救援所補助代替施設として区内の大学や高校が指定されていることに関する区民の認知状況についてですが、補助代替施設は、発災後に震災救援所となる建物等が被災し使用できない場合や、避難者を収容し切れない場合などに限って開設するものであるため、あらかじめ広く区民への周知は行っておりません。
一方、震災救援所運営連絡会会員等関係者へは、区が提供する震災救援所運営管理標準マニュアルで、当該管轄の震災救援所補助代替施設を確認、記載することとしておりまして、これにより周知、確認をいただいているところでございます。
次に、震災救援所補助代替施設を開設するときの当該震災救援所の運営主体についてのお尋ねですが、補助代替施設は、区立小中学校に開設する震災救援所と同様に、震災救援所運営連絡会が、補助代替施設の管理者である学校の協力を得て、連携して運営することとしております。
次に、震災救援所補助代替施設の訓練に関するお尋ねにお答えいたします。
現在、一部の都立高校とは震災救援所と合同で防災訓練を行っておりますが、補助代替施設の運営に関する合同訓練は行っておりません。今後、補助代替施設と震災救援所との連携をより深め、救援所の運営に関する合同訓練の実施につながるよう、区が主催する補助代替施設の意見交換会を定期的に開催するなど、日ごろから顏の見える関係づくりを進めてまいります。
次に、都内都立高校の帰宅困難者一時滞在施設の指定に関するお尋ねにお答えいたします。
まず、一時滞在施設として指定されている杉並、豊多摩、農芸の都立高校3校の備蓄品については、東京都において993人分が用意されております。
また、都立高校の一時滞在施設の指定を行っている東京都からは、段階的に指定校を拡大する方針であり、残りの4校につきましても、学校と調整を行っている状況と聞いております。
なお、先日開催しました補助代替施設との意見交換会に東京都にもオブザーバーで参加していただき、その場で区からも、一時滞在施設の拡大指定について協力を要請しております。
次に、都立高校が行う帰宅支援ステーションに関する区民への周知に関するお尋ねですが、帰宅支援ステーションは、帰宅困難者が帰宅する際の支援を行うために、原則、発災後4日目から設置されます。帰宅支援ステーションの指定は東京都が行っており、現在、東京都の防災ホームページに掲載されている東京都防災マップで周知が図られておりますが、今後は東京都と区が情報を共有し、区の防災アプリすぎナビなどでの周知も検討してまいります。
私からは以上です。
○議長(
井口かづ子議員)
土木担当部長。
〔
土木担当部長(友金幸浩)登壇〕
◎
土木担当部長(友金幸浩) 私からは、荻窪の
まちづくりに関する御質問のうち、商業地域に見られる大きな看板などの屋外広告物についての御質問にお答えします。
区では、東京都屋外広告物条例に基づき、看板など広告物の掲出の許可をしております。審査の基準としましては、禁止区域、許可区域における掲出物件の形状、規模等により審査をしているところでございます。
荻窪駅周辺は、区内で最も大きな駅勢圏を背景とした、区を代表する伝統とまとまりのある商業・業務地及び交通結節点です。そのため、駅周辺等の商業地域の特性を生かした景観づくりを進める必要があると認識してございます。特に屋外広告物は町並みの個性や魅力、そしてまちのにぎわい創出にも影響してまいります。
このことから、土地・建物、工作物等の所有者、使用者等の理解が必要となりますが、地域での屋外広告物に関するルールづくりも効果的であると考えているところでございます。
私からは以上でございます。
○議長(
井口かづ子議員)
産業振興センター所長。
〔
産業振興センター所長(齋木雅之)登壇〕
◎
産業振興センター所長(齋木雅之) 私からは、阿佐谷キック・オフ/オフィスに関する御質問にお答えいたします。
阿佐谷キック・オフ/オフィスは、住環境と調和した新産業分野での創業を支援し、区内産業の活性化につなげることを目的に運営しており、これまで50を超える事業者に利用していただいております。
オフィスの今後につきましては、これまでの成果や実績を検証するとともに、ビジネス環境の変化を踏まえ、時代に即した創業支援を行えるように、立地を含め、そのあり方を総合的に検討しているところでございます。
私からは以上です。
○議長(
井口かづ子議員)
まちづくり担当部長。
〔
まちづくり担当部長(茶谷晋太郎)登壇〕
◎
まちづくり担当部長(茶谷晋太郎) 私からは、地域の御意見を踏まえた
まちづくりについてお答えいたします。
荻窪駅周辺の
まちづくりについては、機運醸成の一環として開催した
まちづくりコンペでいただいた多様な御意見や、荻窪
まちづくり会議から御提案いただきました
まちづくり構想等を踏まえ、荻窪駅周辺
まちづくり方針を策定しており、今後も同方針に基づき、時代の変化に対応しながらスピード感を持って進めてまいります。
私からは以上です。
○議長(
井口かづ子議員) 以上でわたなべ友貴議員の一般質問を終わります。
46番大熊昌巳議員。
〔46番(大熊昌巳議員)登壇〕
◆46番(大熊昌巳議員) 杉並区議会自由民主党の大熊昌巳です。通告に従い、防犯カメラについて、国が示す総合型地域スポーツクラブの施策と杉並区の今後のスポーツ施策について、以上2点について一般質問をいたします。
初めに、防犯カメラについて質問をいたします。
日々の区民生活における暮らしの安全・安心を考えるとき、穏やかな区民生活を過ごすことができるように、犯罪や事故、そして災害から区民一人一人の生命、財産を守るための安全・安心の構築が第一であると考えます。町会や自治会の方々が、地域の子供たちのために、下校時、安全パトロールを日々行っていただいている地域があります。心から感謝を申し上げる次第です。また、区内各地域では、空き巣などの犯罪から地域を守るべく、区内3警察署とともに防犯協会の活動が進められております。交通事故に備えては、防犯活動と同様に、区内3警察署を中心とした交通安全協会の活動があります。いつ何どき発生するかわからない震災災害などに向けては、消防団、地域防災リーダー、町会・自治会が震災救援所の立ち上げを行うなど、警察、消防、杉並区と区民との協力のもと、地域の安心・安全を構築する取り組みが幾重にも重なるようにして、地域の力、地域力を醸成しております。
昨今、社会では、私たちの安全・安心対策を無視するかのように、身勝手と言える凶悪、凶暴な犯罪と事故が社会を震撼させています。しかし、そのような中にあって、地域に配置されていた防犯カメラのデータをいち早く時系列的に解析し、犯罪や事故の早期解決、犯人検挙につながっています。
杉並区では、平成16年、防犯カメラに関する条例が全国自治体に先駆け施行され、直ちに区内3警察署と防犯協会が協力し防犯カメラを設置し、続いて区が独自に街角防犯カメラを設置しました。そのほか、商店街が東京都の補助金を活用し防犯カメラを設置し、さらに、教育委員会も通学路に防犯カメラを設置しました。その後、区内民間団体が区や警察署と協力し設置をした防犯カメラがあります。区民が私的に設置したカメラもあり、区内では、条例上の届け出台数の防犯カメラは3,200台を超えております。
まず初めに、杉並区が今日まで進めてきた防犯カメラの取り組みについて大枠をお示しください。
これら防犯カメラの設置は、犯罪などに対する大きな抑止力と考えます。以前は民間警備会社の「防犯カメラ設置」とのステッカーを玄関先に張るだけで空き巣対策になるとの話があった時代を懐かしく思います。今申し述べた防犯カメラの抑止力という点を、区はこれまでの取り組みの中でどのように捉えてこられたのか、区の御所見をお示しください。
防犯カメラの設置については、プライバシーの尊重、個人の特定という面で、条例制定の折に慎重な議論がなされたと理解をいたしております。この間、区民が心配する個人の特定につながるようなプライバシー保護に関する問題が生じておりますでしょうか、区の見解をお示しください。
区内には、先ほど申し述べたように、複数の取り組みにより防犯カメラが設置されてまいりました。ここに来て、メンテナンスなどの諸事情により、防犯協会が設置したカメラの撤去が行われ、それらにかわり通学路の防犯カメラの台数がふやされると理解をいたしております。
そこでお尋ねをいたしますが、防犯カメラの設置場所が変わることによって、今まで築いてきた地域の安全・安心の目が引き続き保たれるのかという区民の不安がありますが、区の御所見をお示しください。
区民は日々の暮らしの安全・安心を防犯カメラに頼り切っているということではなく、地域の目、その地域に暮らす人々の日ごろのつながりの中で生まれる地域の目が、地域に安心感を醸成しているわけですが、昨今の犯罪や事故が地域の目で守れる状況でもなくなりました。この点について区はどのような御所見をお持ちか、お示しください。
さて、我が会派は、この7月、兵庫県伊丹
市に防犯カメラの施策に関する視察を行いました。伊丹
市は、安全・安心見守りネットワーク事業として防犯カメラの設置を進めるために、市長みずからが直接市民と対話集会を開き、97%に上る市民の賛意を得る中で事業に着手したとのことです。
伊丹
市では、防犯カメラを設置するポールを活用したカメラ設置とともに、ビーコン小型発信機の中継地点として利用し、子供たちの居場所を保護者がアプリを通して確認できる取り組みを進めています。伊丹
市は、小学校に入学する新1年生にこのビーコン小型発信機を無償で貸し出し、子供たちの安全・安心対策を進めています。2年生以上には、年間800円程度の費用でビーコン小型発信機の貸し出しを行っています。また、認知症の進んだお年寄りの居場所の確認にも、このシステムを活用しています。
伊丹
市は、一行政内の安全・安心対策だけではなく、行政間の広域的な取り組みを目指し、一例として、自転車の盗難対策にビーコン小型発信機を活用し、自転車の車体に取りつけ、広域的に追跡ができるようにしているとのことでもありました。
全国の自治体が防犯カメラの設置を積極的に進め、犯罪の件数が激減したとの結果が示されている中、最近の凶悪事件の捜査に防犯カメラのデータが重要な役割を果たし、犯人の特定が早い段階で行われ、事件の解決に結びついている状況があり、多くの方々が安心を得るとともに、防犯カメラの働きに期待や理解を示されていることと思います。杉並区におきましても、防犯カメラの設置は重要かつ不可欠な取り組みと考えます。そこで、何点かお尋ねをいたします。
区の安全・安心の構築に向け、区は、防犯カメラの理想的な設置台数、防犯カメラの効率的な配置をどのようにお考えかお示しください。
先ほど申し述べましたように、現在区が条例のもとに設置する防犯カメラは、複数の所管の施策のもとにあると理解をいたしますが、現在設置されているカメラの機種や機能は統一化されているのでしょうか。警察や消防に協力し、データを提出するときに、機種の違いなどによってふぐあいは生じないのでしょうか、区の御所見をお示しください。
伊丹
市の取り組みを申し述べましたが、伊丹
市では、防犯カメラ本来の見守りに付加価値を見出し、子供やお年寄りの居場所の確認をできるようにして、市民の安心を築いています。杉並区におきましても、現在の防犯カメラの取り組みにプラスワンを見出すことが可能ではと考えます。何か方策をと考えますので、区の御所見をお示しください。
防犯カメラの設置は、区民要望にいち早く対応すべきとの判断と、都の補助金の活用、予算の枠組みなどに考慮し、複数の所管を介して取り組みを進めている点に区の努力があると理解をいたすところです。社会では想像を絶する凶悪な犯罪が繰り返されています。何が起こるのか想像しがたい社会でもあります。そのような中、防犯カメラの施策は、今後半永久的に続くものと考えます。区内の防犯カメラの設置台数は、今後もふえてまいると考えられます。区民の防犯カメラへの関心はさらに高まると考えられます。
条例が施行され15年が過ぎております。防犯カメラの取り組みが拡充される中、区民からの意見が所管課や区政相談課などに届いておりますでしょうか、区の御所見をお示しください。
今後、防犯カメラの施策は、凶悪化する犯罪や重大事故に向け、警察や消防などとのスピーディーかつ高度な情報のやりとりが必要になると考えます。従来のように複数の所管課が行う防犯カメラの施策を、さらなる犯罪の撲滅に向け、所管を一元化し、防犯カメラの取り組みが区民にわかりやすくしてはいかがかと考えます。防犯カメラの所管課の一元化について、区の御所見をお示しください。
地域の安全・安心をどのように築くかとの質問に、警察官のパトロールが第1に挙げられるとのことです。第2に防犯カメラの設置が挙げられるとのことです。杉並区では、警察官のパトロールとあわせ、区安全パトロール隊の活動があり、犯罪や事故への抑止力として区民から高い評価を受けている。いわゆるプロの目と、区民皆の見守りによる安全・安心対策が何より大切であると考えます。しかし、昨今のような凶悪事件を未然に防ぐためには、人的な見守りだけに頼るわけにはいかないように思います。
この7月に京都アニメーションを襲った痛ましい事件がありました。犠牲者の方々の御冥福をお祈りいたすとともに、現在も治療を続けておられる方々の一刻も早い回復をお祈り申し上げる次第です。
さて、事件現場周辺の防犯カメラが犯人の行動を録画しており、犯行前に犯人が白昼、犯行現場周辺を歩き、下見をした様子が事件後報道されました。私はがっかりというのか、わかっていたことがあったのにとの思いを強くいたしました。防犯カメラの活用次第では事件を未然に防ぐ方法があったのではと考えるのは、私一人ではないと思います。
限られた予算での取り組みではありますが、将来的には、防犯カメラのデータを、最先端技術のAIを駆使し、データを常時解析する管理体制もあるのではと考えるところです。「この行動危険」とのサインをAIが発信するような技術開発が必ず実現すると思います。凶悪犯罪を未然に防ぐ情報が実は身近にあるわけですから、瞬時の情報の活用を考えるのは私一人ではないと思います。
区は、防犯カメラの活用を進めてまいりましたが、将来的に防犯カメラがどのように進化すべきとお考えか、御所見をお示しください。
本年5月28日の朝、川崎
市登戸で、スクールバスに乗ろうと集まっていた児童や先生方、通勤途中の歩行者を、刃物を持った男が無差別に襲撃する事件がありました。大勢の同級生に慕われていた女子小学生と将来を大変に嘱望されていた外務省の男性職員が命を奪われました。お二人の余りにも理不尽な死に対し、御冥福をお祈り申し上げる次第です。
この事件も地域の防犯カメラに録画されていましたが、川崎
市は、この8月21日であったと思います。新聞報道に、この事件を受け、地域に配置されていた交通指導員を増員するために3倍に上る予算化を行い、人的な見守りを強化し、安全・安心の取り組みを進めると発表をいたしました。自治体の安全・安心の構築に向けた覚悟を感じる判断と思い、この質問の折にお伝えできればと思いました。
それでは、次に、国が示す総合型地域スポーツクラブの施策と杉並区の今後のスポーツ施策についてお尋ねをいたします。質問の部分が後段になりますので、何とぞ御容赦賜りますようお願い申し上げます。
区は、杉並区スポーツ推進計画のもと、健康スポーツライフ杉並プランの施策に取り組んでまいりました。私はこれまで、スポーツを通して人づくり、地域づくり、
まちづくりを進めることが大切であると、杉並区スポーツ推進計画を肯定的に捉え、区民スポーツはどうあるべきかを問うてまいりました。
さて、日本のスポーツ文化は、端的に申し上げれば、スポーツ科学を基本にした指導とは少し違い、猛練習なくして勝利はないとの方程式です。その結果、中学校の部活では、体調不良や学業の不振などが起こり、ブラック部活なる社会的な批判が生まれ、教員の働き方改革と相まって部活のあり方が議論され、国は、中学校の部活に対する指針を示しました。
区は、国の部活指針が示される以前から部活改革に取り組み、学校支援本部との連携、地域との連携を重視した地域指導者の導入、部活コーディネーターの活用、合同部活を検討、実施してきた経緯があります。区は全国の自治体に先駆け、外部指導員と部活活性化事業、2つの部活支援の取り組みを進め、高い評価を得ております。今後は、国が示す部活指導員制度も取り入れ、新たな部活の形が示されてまいると期待をいたしております。
この夏甲子園を制した履正社のチームに、常勝桐蔭高校との違いを尋ねた新聞記者がおります。履正社の選手たち皆が、合宿所のないチームづくりと練習時間の短縮を挙げたそうです。日本のスポーツ文化によい意味での変化が生じているように思います。部活を含め、日本のスポーツのあり方が少しずつ変化していくように思います。
長きにわたり日本のスポーツ文化の礎として活動してきた部活の改革が進む中、本日一般質問に取り上げた総合型地域スポーツクラブの取り組みが区民に理解され、地域に根づくには、決して大げさではなく、50年、いや、100年をかけて取り組む情熱や意気込みが必要であり、時間をかけ地域の人のつながり方を変えていくものであると考えます。
私は、区議会に総合型地域スポーツクラブの取り組みについて声を届けようとするとき、施策の重さに押しつぶされそうになるときがあります。総合型地域スポーツクラブはドイツのスポーツクラブに学び、老若男女を問わず、地域の子供たちから大人、お年寄りの方々、幅広い世代で組織し、障害者スポーツとともに、スポーツを通して地域社会づくりを進め、地域間でのさまざまなスポーツゲームを通して、友好、交流の場をつくります。スポーツだけにとらわれず、文化、芸術、伝統を学び、地域の力を醸成する杉並版のクラブをつくることであると私は考えております。
私自身が経験してきたスポーツ人生を顧みるとき、総合型クラブのあり方が理想的な形であり、仲間を身近に日々の生活を送ることができると私は考えています。この取り組みを区に任せ、さあ、やってくださいと望んでいるわけではなく、区の立ち上げ支援のもと、クラブの立ち上げを願う団体、取り組みに理解を示す区民、まさに三位一体の取り組みであり、新しい地域の力の醸成は本当に時間のかかる取り組みであり、私自身が何か役に立てればと、もどかしい思いをいたしております。
さて、現在、区内各地域で活動を続ける町会や自治会、地域の商店街を構成する商店会があります。戦後七十余年を迎える今、組織が疲弊し始めています。最たる原因は、組織の高齢化と後継者不足であり、世代交代がスムーズに進んでいない状況があります。それは地域の人口が減少しているということではなく、地域の組織に参画をする区民が減少していることであると思います。これまで地域を支えてきた地域力に新たな風を通し、新たな力の発見が必要です。新たな力とは、総合型地域スポーツクラブであると私は考えております。
国は、部活改革の中で、将来的に地域で部活にかわり得る質の高い活動の機会の確保を求めています。総合型地域スポーツクラブへの移行が有力な方策の1つと理解をいたすところです。
ドイツには確固たるクラブチーム方式があり、地域や社会の推進役を果たしています。今、杉並区は、地域を築き、地域の推進役を果たしてきた町会・自治会、商店会など、地域の組織がこれまでと同様に地域における役割を果たしていくには、先ほど申し述べましたように、多くの課題があります。それら団体に新たな地域の力、地域力として加わることができるのが総合型地域スポーツクラブであると私は考えております。
総合型地域スポーツクラブの立ち上げを私は地域活性化の起爆剤と考えますが、取り組みへの確たる信念がなければ、このまま時が過ぎてしまうように思います。国や地方自治体、杉並区も同じく取り組みを進めている総合型地域スポーツクラブの施策が、果たして皆が同じゴールを目指しているのか不安になるときがあります。総合型地域スポーツクラブの運営は、会員から集める会費で自主財源をつくらなくてはなりません。区民皆で知恵を出し合い、考え、取り組むべき壮大な施策であると私は考えております。ここにいらっしゃる皆様も私も、この施策を見届けることができないような気もいたしますが、取り組みへの魂を残すことはできます。
るる申し述べさせていただきました。最後に1点お尋ねをいたします。
私は、区が進める各施策の優先順位を考えるときがあります。杉並区に限らず、他の自治体においても、どこもが地域の活性化に行き詰まる状況である中、新たな地域力として総合型地域スポーツクラブを位置づけ、地域を活性化していくことが重要です。このことについて区はどこまで前向きに捉え、その実現に向け取り組んでいかれるのか。国も、総合型地域スポーツクラブの取り組みを進める中で、目に見える成果が乏しいと実感しているように思えます。総合型地域スポーツクラブの立ち上げ支援を実行計画に示している区には、今後、区の威信をかけ、この取り組みを進めていただきたく願うところであります。区の御所見をお示しいただき、本日の質問を終わります。
○議長(
井口かづ子議員) 理事者の答弁を求めます。
区長。
〔区長(田中 良)登壇〕
◎区長(田中良) 私からは、大熊昌巳議員の防犯カメラの設置効果と今後の活用に関する御質問にお答え申し上げます。
私は、これまでも再三申し上げているとおり、区民の暮らしの安全・安心を確保することは、区民福祉の向上を図る上での礎となることであると認識しております。そのような認識に基づき、この間さまざまな取り組みを進めてまいりました。
防犯カメラは24時間365日作動しており、その映像を端緒とした捜査や犯人の検挙等の実績からも明らかなように、犯罪発生の抑制に非常に有効な手段となっております。本区におきましても、防犯カメラの設置開始後、刑法犯認知件数は年々減少し、特に空き巣被害については、平成18年には1,200件を超えていましたが、昨年は85件と大幅に減少しております。
その一方で、昨今、痛ましい殺傷事件が相次いで発生しており、防犯カメラの抑止効果にもおのずと限界がございます。そのため、防犯カメラの設置に加えて、地域の方々の協力による防犯パトロール、子供の見守り、落書き消去活動などをあわせた総合的な対策を講じることが大変重要であると考えておりまして、今後も警察との連携を密に図りながら、官民一体となって取り組みを推進してまいります。
最後に、今後の防犯カメラの進化と活用についてでありますが、近年、カメラ本体の性能の向上やネットワーク及びセキュリティー対策の技術は急速に進展しております。先進事例を参考にして、コストや個人情報の保護などの課題も踏まえつつ、効果的な活用を図り、区民の皆様とともに犯罪の少ない安全・安心の地域社会づくりを全力で進めてまいります。
私からは以上です。残りの御質問につきましては、関係部長より御答弁申し上げます。
○議長(
井口かづ子議員)
危機管理室長。
〔
危機管理室長(寺嶋 実)登壇〕
◎
危機管理室長(寺嶋実) 初めに、区の防犯カメラ設置の取り組み状況についてお答えいたします。
区は、杉並区防犯カメラの設置及び利用に関する条例施行後、防犯協会の協力を得て防犯カメラの設置を始めました。その後、区独自の取り組みとして、街角防犯カメラを現在まで294台設置しております。また、東京都の補助を利用して、平成26年度から4年間で通学路防犯カメラを205台設置しているほか、区立施設についても1,361台の防犯カメラを設置しております。
次に、プライバシーの保護に関する御質問にお答えいたします。
防犯カメラの設置に際し、個人宅が映り込んでしまうような場合には、角度を変更したりマスキング処理をしてプライバシー保護を徹底しており、現在まで問題になったことはございません。今後もプライバシー保護に十分注意しながら、防犯カメラの設置、運用を図ってまいります。
次に、防犯協会のカメラの廃止に関する御質問にお答えいたします。
防犯協会のカメラは、耐用年数の経過に伴い、平成27年度から5年間で段階的に廃止をしておりますが、同時期から通学路防犯カメラの設置を進めておりますので、総体として地域におけるカメラの設置台数は減少しておりません。新たに防犯カメラを設置する場合には、警察の意見も取り入れながら、通学路防犯カメラと街角防犯カメラを効果的に配置することにより、地域の安全向上に努めております。
次に、理想的な防犯カメラの設置台数と効率的な配置に関する御質問にお答えいたします。
防犯カメラの設置については、設置台数を定めるものではなく、犯罪の発生状況を踏まえるとともに、地域的な空白を生じさせないように、警察や地域のさまざまな意見を取り入れながら、効果的な場所を選定して進めてまいります。
次に、設置している防犯カメラの機種や、画像提供する際の問題と所管課の一元化についての御質問にお答えいたします。
区で管理する防犯カメラについては、設置する年度の契約ごとに入札等が行われるため、機種等の統一はされておりません。しかし、データの提供について、街角防犯カメラと通学路防犯カメラについては、危機管理対策課が窓口となって保守契約業者に依頼しており、現在までふぐあいはございません。また、区立施設の防犯カメラは所管課ごとに異なりますが、これまで特に問題は生じておりません。
施設の管理の関係から、防犯カメラの管理を一元化することは難しいと存じますが、区民からの問い合わせについては、基本的に危機管理対策課においてお受けしており、所管課と連携しながら、わかりやすい対応に努めてまいります。
次に、防犯カメラに何らかの機能を付加することができないかとの御質問にお答えいたします。
伊丹
市では、防犯カメラとビーコンを組み合わせた機器を1,000カ所に設置することにより、子供や高齢者の発信機所持者の居場所の確認を行っております。位置情報を確認するシステムについては、民間事業者のサービスも実施されているほか、LED街路灯と防犯カメラが一体化した製品も開発されております。今後、こうしたことを踏まえつつ、他の自治体の取り組みを参考に研究をしてまいりたいと存じます。
私からの最後になりますが、防犯カメラに関する区民からの意見についての御質問にお答えいたします。
区民の方からは、新たな設置の要望や移設の要望などが区政相談課を通して寄せられているほか、所管課においても直接同様の相談がございます。設置場所の選定に際しては、こうした要望等についても参考にしながら、効果的な設置に努めております。
私からは以上です。
○議長(
井口かづ子議員) 地域活性化担当部長。
〔地域活性化担当部長(岡本勝実)登壇〕
◎地域活性化担当部長(岡本勝実) 私からは、総合型地域スポーツクラブについての御質問にお答えいたします。
区では、区民が主体的に運営する総合型地域スポーツクラブが、町会や商店街、学校などの、これまでも地域を支えてきた団体等と協力連携し、ともに地域を支えていくことは、地域の活力を持続、発展させるために大変重要であると認識しております。
区では、このような認識のもと、研修の開催やすぎなみフェスタ等での活動紹介など、既存の区内総合型地域スポーツクラブの運営支援を行うとともに、スポーツ推進委員やスポーツアカデミー出身者を対象とした活動の充実や立ち上げに関する勉強会を実施するなど、新たな総合型地域スポーツクラブの立ち上げに向け、機運醸成に努めているところでございます。
現在、国では、総合型地域スポーツクラブの充実を図るため、登録認証制度などの検討を進めているところであり、区といたしましては、こうした国等の動向を注視しながら、引き続き総合型地域スポーツクラブの設立・運営支援を行ってまいります。
私からは以上でございます。
○議長(
井口かづ子議員) 以上で大熊昌巳議員の一般質問を終わります。
31番今井ひろし議員。
〔31番(今井ひろし議員)登壇〕
◆31番(今井ひろし議員) 杉並区議会自由民主党の今井ひろしです。会派の一員として、通告に従い、区政一般についての質問をいたします。理事者の方々におかれましては、明快かつ前向きな答弁をいただきますようよろしくお願い申し上げます。
本日は、1、子どもの貧困対策推進法改正について、2、高齢者の貧困について、3、ひきこもりについて、4、児童虐待防止法改正について、以上、大きく4つの項目について質問をさせていただきます。
それでは、子どもの貧困対策推進法改正について伺います。
最初に、子供の貧困の定義について説明をいたします。子供の貧困とは、必要最低限の生活水準が満たされておらず、心身の維持が困難である絶対的貧困と言われるものと、国の貧困線と言われる等価可処分所得の中央値の50%以下の世帯所得で暮らす、相対的貧困にある17歳以下の子供の存在及び生活状況をいいます。
厚生労働省の国民生活基礎調査によると、直近の平成27年の等価可処分所得値は122万円で、この世帯収入以下の子供の貧困率は、前回調査より2ポイント改善したものの、13.9%でありました。また、ひとり親世帯の貧困率は50.8%と、ひとり親世帯では半数が貧困であるとの報告です。そのうち、母子家庭だけで見ますと、母子家庭の6割が相対的貧困となっています。これは日本の子供の7人に1人が相対的貧困にあるわけで、これは、先進国と言われるOECD加盟35カ国中、子供の貧困率ではワースト2位、ひとり親の貧困率ではワースト1位と、世界的に恥ずべき位置にあります。GDPが約550兆円で世界第3位の国でありながら、子供に社会がお金をかけていない実態が非常に問題であると考えています。
2015年に国連サミットで採択された持続可能な開発のための2030アジェンダ、いわゆるSDGsですが、このSDGsの目標のトップにも貧困の解消が挙げられています。日本も、総理を本部長とするSDGs推進本部を設置して、取り組みを加速する方向であります。
平成25年に制定された子どもの貧困対策推進法は、本年6月12日に改正が成立し、目的、基本理念の充実、大綱の記載事項の拡充、貧困対策計画の策定の努力義務、具体的施策の明確さ等が見直しされました。
まず初めに、今回の改正の概要とポイントについてお示しください。
この法律が平成25年に策定された際に私は一般質問を行い、子供の貧困についてしっかりと取り組むよう提唱いたしました。その後、本区ではどのように取り組んできたのか、主な取り組みの成果についてお示しください。
今回の改正により、市町村の子供の貧困対策にかかわる計画策定が努力義務とされたわけですが、当区では法改正前から杉並区保健福祉計画に包含しています。この内容を見ますと、教育支援、生活支援、就労支援、経済的支援、基盤の強化等々、法改正にある具体的施策の明確化をしっかりと計画に位置づけております。ただ、調査研究などには課題もあるのかなというふうに考えますが、区としては今後の課題をどう捉えているのか、お示しください。
関連して、杉並区では5年ごとにひとり親家庭の実態調査を行っていますが、次回の調査はいつ実施し、その際には、子供の貧困対策の視点から調査内容をより一層工夫、改善すべきと考えますが、区の見解をお示しください。
国は、地域子供の未来応援交付金という事業を行っており、貧困対策担当機関に対する研修や実態調査、支援事業の整備に際しての補助金事業を行っていますが、当区ではその交付金を活用している事業はあるのか、お示しください。
子供の貧困は親の非正規雇用などが根本的な原因と考えられており、子供の貧困対策とは、対処でしかない現状があります。ただ、社会支援をしっかり充実することが、貧困の連鎖を抑え、児童虐待の未然防止につながり、経済的な損失の回避による自治体への財政効果も期待されます。日本財団が2015年に行った試算では、子供の貧困を放置した場合、現在15歳の子供約120万人のうち、生活保護世帯、児童養護施設、ひとり親家庭の子供約18万人の試算で、経済損失は約2.9兆円に達し、政府の財政負担は1.1兆円増加するという推計結果が得られたとしています。しっかりと今の子供たちを支援することが、将来の社会資本の損失を抑え、財政効果につながるということです。
子どもの貧困対策推進法の理念の1つとして、子供の年齢に応じて意見が尊重され、その最善の利益が優先考慮され、健やかに育成されることとあり、子供の現在と将来を考慮する対策の必要性をうたっています。これは、子育て支援や自立支援分野に限らず、教育委員会も含めて全庁を挙げて取り組む必要性があります。この項の最後に、改めて貧困対策に資する子供への支援に取り組む意気込みをお示しください。
次に、高齢者の貧困について伺います。
現在65歳以上の方は3,558万人で、人口に占める割合は28.1%です。平成30年1月の杉並区人口は56万4,489人で、65歳以上は11万8,784人となっており、5人に1人が65歳以上であります。平成29年に行った杉並区高齢者実態調査によると、収入がない方が15%、100万円未満が4.6%、100万円から200万円未満が14.7%と、相対的貧困に該当の可能性の層は、全体の30%近いものと見てとれます。また、調査世帯の19.7%がひとり暮らしでありました。この調査は抽出調査なので、推計として3万人程度の高齢者に収入の不安があり、2万人程度の単身高齢者世帯が区内に存在することがわかります。
国は、10月に消費税の税率を引き上げる予定であり、今月下旬には、医療や年金など社会保障制度の改革を検討する会議を創設することを決定しました。団塊世代が75歳以上になり、公費支出が急増する2025年を見据え、公的年金の受給開始年齢の上限を引き上げることや、年金対象者の適用の拡大、医療費の自己負担率の引き上げ、医薬品の保険適用の見直しなどで、国の財政改革の改善を視野に、保険や年金者に対して経済的な負担を高めることを検討することとしています。ただし、あわせて、生活習慣病の早期治療などや予防医療に積極的に取り組む企業を補助金などで支援し、介護予防にも抜本的に取り組む方向であると発表しています。今後数年以内に高齢者に対する経済的負担の上昇が見込まれ、相対的貧困にある高齢者にとっては、大きな負担になることが予想されます。
さて、高齢者の相対的貧困支援に対しては、特に高齢者に対する制度としてはありませんが、法律としては生活保護法と生活困窮者自立支援法があります。今回は生活困窮者自立支援法について伺います。
この法律は昨年の10月に改正され、自治体に相談支援制度推進の努力義務と支援会議の設置が新たに定められました。当区のくらしのサポートステーションにおいて、年金受給者世帯などで生活保護に該当しない方への就労相談の状況と支援プランの状況をお示しください。
10月の消費税率引き上げに合わせて、年金生活者支援給付金が始まります。この給付金は、年金を受給している低所得の高齢者や障害者を対象に、月額5,000円で年額6万円を恒久的に支給するものです。これは日本年金機構が通知等を行うものと認識していますが、区としては、周知等も含めてどのような対応を行うのかお示しください。
社会との接点のない独居高齢者は、生きがいの喪失、認知症の進行や孤独死などの問題点があります。地域や介護サービスにつなげるコーディネーターの役割は区の責務だと考えます。相談の端緒を幅広く捉えて、所管を超えた取り組みが必要と考えますが、区はどのように考えているのかお示しください。
区は、区民福祉の向上を目的として、高齢者にも多くの施策を行っています。高齢者住宅改修給付事業やシルバーパス、家族介護継続支援事業、介護用品支給事業、寝具洗濯乾燥サービス事業、訪問理美容サービス事業などが挙げられますが、いずれも介護認定の結果が必要となっています。
また、健康診断を受けている方は、セルフメディケーション税制も利用可能です。スイッチOTC医薬品購入による税額控除がされます。厚生年金に加入していた方は、けがや病気による後遺症が出た場合に、障害手当金が支給されます。また、65歳の定年で新たな仕事を探す場合は、高年齢求職者給付金が支払われるように、2017年1月より雇用保険の加入ができるようになりました。65歳以上で失業し、求職を希望する場合に給付金が支払われます。これは老齢年金を受給していてももらえます。妻が介護状態になり、仕事を休む場合は、介護休業給付金もあります。これは雇用保険から支給されます。
高齢者でも受給申請できる一部を紹介しましたが、これらは余り周知されておらず、かつわかりにくいものです。杉並区の高齢者の相談において、当区の施策だけでなく、多様な制度やサービスをしっかりと周知、啓発するよう意見として求めておきます。
高齢者の社会的孤立の解消には、認知症予防や介護予防の観点から、体操やスポーツ体験が有効であると考えます。そこで、関連して区立施設の使用料の見直しについて幾つか伺います。
まず、使用料見直しについて、区民意見の聴取は既に行ったのかどうか。行ったとすれば、主な意見はどうだったのかお示しください。
次に、区立施設使用料見直しのポイントについてお示しください。また、パブリックコメントを含めた今後の状況についてもあわせてお示しください。
区立施設の維持や運営には一定の費用がかかり、施設利用者に負担がかかるのは、利用しない方との負担の公平性の観点から、適切な使用料を設定することは理解いたします。基本的なところで、区は使用料のあり方についてどのように考えているのか、お示しください。
高齢者には、これまで述べてきたとおり、社会的孤立の解消や健康寿命を延ばすことを目途として、一層スポーツ施設等の利用を促進するべきと考えます。現状、高齢者の区立施設使用料について、温水プールには一部減額制度がありますが、他のスポーツ施設にはありません。今回の見直しに合わせて、高齢者に対する減額制度の拡充を検討すべきと考えますが、区の見解をお示しください。
次に、ひきこもりについて伺います。
私は、昨年、第4回定例会において、ひきこもりについて確認し、提唱をいたしました。その際には、ひきこもりを放置しておくと、社会に大きな問題が発生することを示唆したわけですが、その後、本年5月の川崎
市における殺傷死亡事件、6月の父親による息子の刺殺事件と、ひきこもりと思われる方に関連する事件があり、事件後には、当区でもひきこもりに関する相談件数が急増したと聞いています。
現在、区のくらしのサポートステーションにおけるひきこもりの相談状況についてお示しください。
国の子供・若者白書の2019年版によると、15歳から49歳のひきこもりの推計数は、狭義で17万6,000人、広義で54万1,000人いると発表されています。また、内閣府は、2018年に40歳から64歳までの抽出調査を行い、全国で推計61万3,000人いるとの調査結果を本年3月に発表しています。合わせますと、日本のひきこもり者は推計で100万人を超えているとのことです。
山梨県で行われたひきこもり実態調査では、最も多い年代は40歳代の結果も出ております。1980年代にひきこもりが社会問題として取りざたされ、当時10代や20代の若者のひきこもりが長期化し、30年以上たった現在、親も高齢化となり、収入源の多くが年金のみ、生活は困窮し、社会から孤立する傾向がふえています。このような問題のことを、80代の親と50代の子を意味する8050問題と呼ばれています。昨年改正された生活困窮者自立支援法では、世帯収入から本人収入の有無が追加され、8050問題も法で課題とされました。
今後、当区においてもひきこもりの実態把握の検討が求められてくると思います。しかし、大変微妙な問題なので、難しい課題だとも考えています。区は、相談支援の一環として、アウトリーチなどに関しどのように検討していくのかお示しください。
ひきこもりの高齢化は、さまざまな問題と直結すると言われています。生活困窮、健康問題、認知症、虐待、孤独死、そして犯罪です。また、生活保護に陥る可能性がとても高いことも課題です。早いうちに積極的な解消の道を模索することが、社会にとっても、自治体にとっても最善の利益をもたらすことから、早期に改善に向けた取り組みを強く求めるものです。当区でも年々小中学生の不登校がふえていることは、大変憂慮すべきものと考えます。
ひきこもりに関しては民間の団体も多く存在し、杉並区にはひきこもりの地域家族会連絡協議会(東京)に加盟しているフリーランス杉並家族会という団体があります。区も民間の団体と横の連携としてネットワークを構築していくことが求められていると考えますが、区の見解をお示しください。
次に、児童虐待防止法改正について伺います。
8月に厚生労働省は、全国210カ所の児童相談所が平成30年度に対応した児童虐待の件数は15万9,850件と、28年連続の増加の過去最多を更新したと発表しました。また、警察庁も、平成30年に虐待の疑いで通告した子供の数が8万252人で、児童虐待により検挙した事件は1,380件と発表し、こちらも統計以来の最多を更新しています。今月の9月に入っても、目黒虐待死事件の公判や鹿児島の事件の検証などについての報道がなされ、虐待に関するニュースは頻繁にされている状況です。
私は、毎年、厚生労働省の統計発表を受けて、第3回定例会において虐待防止関連の一般質問を行っています。その目的としては、児童虐待件数の毎年の最多更新に伴い、国の法律や東京都の制度も年々拡充強化されていることと、児童相談所の補完機能として、また未然予防の根幹として、虐待防止の最前線機能の一部として杉並区の子ども家庭支援センターを応援し、施策に取り組み、大きく推進することを主眼に、毎年提唱するものであります。
本年6月には児童虐待防止法や児童福祉法の改正が成立し、令和2年4月より施行されます。改正された主な内容としては、親がしつけに際して体罰を加えることを禁止すること、子供を戒めることを認めた民法上の懲戒権も、施行後2年をめどにあり方の検討をすること、子供の一時保護をする職員と親への支援を行う職員を分けること、児童相談所に医師と保健師を配置すること、学校や教育委員会、児童福祉施設に対して守秘義務を課すこと、都道府県や児相に虐待した親への再発防止の指導を努力義務と定めること、引っ越しした場合に児相間で速やかに情報共有することを規定しました。
以上、大きく7つの改正点がポイントとなります。主に児童相談所が対応すべき内容ですが、体罰禁止の啓発や守秘義務などは区にも関係があるかと考えます。区として、普及啓発などにどのような検討を図るのかお示しください。
この改正で、介入的対応と保護者支援を分けて対応することとされましたが、本区では区立の児童相談所設置を視野に、3カ所の地域型子ども家庭支援センターを段階的に整備することとしており、法改正の方向性とも合致していると考えますが、見解をお示しください。
当区の虐待の状況について確認します。
昨年の一般質問では、平成29年は、子ども家庭支援センターの対応件数が1,849件、杉並児童相談所の新規受理件数が449件とありました。昨年度に当区が対応した要支援、要保護児童数の新規受理件数と杉並児童相談所新規受理件数をお示しください。
昨年の国の緊急対策に、児童虐待の早期発見・早期対応の項目があり、都道府県には対応が求められたわけですが、いち早く杉並区も、区長の強い意向により、独自の対応を図ることにしたと聞いています。これから今年度内に子育て寄りそい訪問、通称ハロー!なみすけ訪問事業を開始することとしていますが、この事業の概要と現在の取り組み状況を伺います。
また、今年度には子ども家庭相談システムを構築し、来年度から運用を開始すると聞いておりますが、現在のそのシステムの状況、それから効果についてお示しください。
児童虐待の関連でお話ししますが、ことしの6月7日に民法等の一部を改正する法律が成立し、特別養子縁組の成立要件の緩和がなされました。今回の改正では、特別養子縁組制度の利用を促進するために、養子となる者の年齢の上限を原則6歳未満から原則15歳未満に引き上げるとともに、特別養子縁組の成立の手続を2段階に分けて、養親となる者の負担を軽減するなどの改正をしています。これは、保護者のいない子供や虐待などにより児童養護施設に入所中の子供たちを家庭において養育することができることを拡大する法律であります。
現在、東京都の児童養護施設等に入所している子供たちは約4,000人で、養子縁組ではない養育家庭制度や短期条件付養育家庭、レスパイト限定養育家庭、親族養育家庭、精神里親などがありましたが、養子縁組にも法律により緩和がなされて、虐待された子供たちに新たな家庭での養育の機会が拡充されたわけです。
この特別養子縁組は東京都の管轄になるので、質問はしませんが、区としても児童虐待の対処に追われるだけでなく、一定の解決の方法の1つとして周知啓発を推進することを意見として申し述べておきます。
児童虐待対策は、未然防止の観点から、虐待のおそれのある家庭などを対象としていますが、今回の児童虐待防止法改正による体罰の禁止等を踏まえ、子育てにおける虐待は、全ての区民を対象に、子育ての意義、本質を継承、啓発し、子供たちの未来を全ての区民が守り育てていくことが必要な時代であると考えています。
質問の最後に、児童虐待防止だけではなく、杉並区の子育て支援について大きな視点で決意を伺い、質問を終わります。
ありがとうございました。
○議長(
井口かづ子議員) 理事者の答弁を求めます。
区長。
〔区長(田中 良)登壇〕
◎区長(田中良) 私からは、今井ひろし議員の質問のうち、施設使用料の考え方等についてお答え申し上げます。
6月に実施いたしました使用料をテーマにした区民懇談会、ちょこっトークと銘打ってやりましたけれども、その様子を私も拝見いたしましたが、施設使用料についてはさまざまな御意見があると、改めて理解することができました。
議員からも御指摘がございましたし、このちょこっトークの場でもそうした意見が多かったと記憶しておりますが、私も、適正な受益者負担を利用者に求めていくということは、当然必要だと考えております。施設を利用されている方からすれば、安ければ安いほうがいいということになるわけですが、一方で、安くするということは、その分を税金、税負担で補うということでもございます。そのため、使用料については、施設を利用する人だけではなくて、利用しない人にも御理解をいただける設定でなければならないと考えております。
具体的な金額の設定については、単に歳入確保という面からだけではなくて、行政課題など、区政を取り巻く環境や維持管理等の経費、施設の利用状況、周辺区の状況等を踏まえて決定していく必要があると考えております。
また、そうであるからこそ、社会経済環境等により、求められるサービスの内容や経費の変化等を考慮しながら、定期的に見直しを図っていくことも必要であると受けとめております。
また、今回の見直しの方向性といたしましては、対象経費の見直しに加えて、施設の性質に応じて利用者の負担割合を設けることとしておりますが、議員から高齢者に対する減額制度についての御指摘もいただいたわけでございます。高齢者のスポーツ施設の利用促進は、高齢者の健康の維持増進や生きがいの創出につながるということから、大切な視点であると受けとめております。そうしたことから、今回の見直しの中で、高齢者のスポーツ施設の減額制度の拡充についても検討してまいります。
私からは以上です。残りの御質問につきましては、関係部長より御答弁いたさせます。
○議長(
井口かづ子議員)
保健福祉部長。
〔
保健福祉部長(森 雅之)登壇〕
◎
保健福祉部長(森雅之) 私からは、所管に係る御質問についてお答えいたします。
初めに、子どもの貧困対策推進法に係る一連の御質問にお答えいたします。
まず最初に、今回の法改正の概要とポイントについてのお尋ねですが、法の基本理念では、子供の将来だけでなく、現在の生活に向けた貧困対策の推進や、貧困の背景に社会的要因があることを踏まえた対策の必要性などが明記されました。また、大綱では、ひとり親世帯の貧困率や大学等の進学率など、新たな指標も設定しております。さらには、都道府県に加えて、市町村においても貧困対策計画の策定が努力義務とされたところでございます。
次に、この間の取り組みと成果についてのお尋ねですが、区では、子供に対する学習支援、居場所事業を開始し、参加者の拡大を図ってまいりました。また、国保や納税など、区の相談窓口に来所した保護者等のうち、支援が必要と思われる区民に対し、くらしのサポートステーションへつなぐなど、組織内の連携を強化し、子供の貧困の要因となる課題の支援に努めたところでございます。
次に、法改正を踏まえた今後の課題についてのお尋ねですが、新たに大綱で示された指標をもとに、施策や事業の効果を検証するとともに、国が示す具体的施策例に区の施策や事業が合致するよう取り組みを進めていくことだと考えております。
次に、国の地域子供の未来応援交付金事業についてのお尋ねにお答えいたします。
区では、この間、交付金を活用した事業はございませんが、今年度から補助の要件が緩和されたこともあり、今後、交付金対象事業の実施に当たりましては、その活用を図ってまいります。
次に、子供の貧困対策に取り組む区の姿勢についてお答えいたします。
子供の貧困対策につきましては、経済的な困窮だけでなく、家族、社会との関係の希薄さなどから生じる孤立、不健康な生活習慣への対応など、多岐にわたるものでございます。
こうしたことから、この間、区では関係所管から成る子どもの貧困対策推進会議を設け、各分野の連携を深めつつ取り組んでまいりました。区といたしましては、今後も改正法の基本理念にある、子供の健やかな育成のため、社会のあらゆる分野で子供の年齢及び発達の程度に応じて意見が尊重され、利益が優先されるよう、子供の貧困対策について全庁挙げて取り組んでまいります。
次に、くらしのサポートステーションにおける高齢者の相談についての御質問にお答えいたします。
区では、ウェルファーム杉並に生活自立支援相談窓口、くらしのサポートステーションを設け、生活相談支援に取り組んでおります。平成30年度に新規相談を受けた約1,400件のうち、65歳以上の方の相談は111件で、そのうち就労相談は7件となっております。主な相談内容は、収入、生活費に関する相談や就労に関するものとなっております。
また、支援プランにつきましては、生活費に関するものでは、家計の改善や負債の整理の支援を、就労に関するものでは、ハローワークの就労支援窓口を案内するなど、継続的な支援を行っております。
次に、年金生活者支援給付金に関する御質問にお答えいたします。
この給付金は、本年10月の消費税率引き上げ分を活用して、公的年金制度等の収入や所得額が一定基準以下となる低所得の年金受給者の生活を支援するために、年金に上乗せして支給されるものでございます。給付金の支払い事務や対象者への案内などは日本年金機構が行いますが、区といたしましても、広報紙による周知や窓口での相談対応など、対象となる方が円滑に手続を行えるよう努めてまいりたいと存じます。
次に、ひきこもりに関する一連の御質問にお答えいたします。
最初に、生活自立支援相談窓口、くらしのサポートステーションの相談状況のお尋ねですが、ひきこもりの相談件数は、平成30年度は29件、令和元年度は7月末現在で30件となっており、御指摘の事件以降、相談件数は増加傾向にございます。
こうしたひきこもりの相談では、まずは家族への支援が重要であり、将来不安などの御家族が抱える問題を少しでも解消できるよう、伴走型の支援に取り組んでおります。
次に、アウトリーチ支援のお尋ねですが、本人が窓口に出向くことができないものの、相談の意思がある場合には、家族とも十分に相談の上、出張相談によるアウトリーチ支援を行うものでございます。
最後に、民間団体との連携についてのお尋ねですが、議員御指摘のとおり、民間団体との連携、ネットワークの構築は重要なことと考えております。区内には現在1つの団体が活動しておりますが、適切に相談者を御案内するなど、必要な連携を図っているところでございます。
私からは以上でございます。
○議長(
井口かづ子議員)
子ども家庭部長。
〔
子ども家庭部長(徳嵩淳一)登壇〕
◎
子ども家庭部長(徳嵩淳一) 私からは、所管事項のうち、初めに、ひとり親家庭の実態調査についての御質問にお答えします。
本調査は、区内のひとり親家庭の実態を把握、分析し、今後の支援の充実に役立てるため5年ごとに行っており、次回は、来年度の上半期を目途として調査を実施するとともに、報告書をまとめる予定です。
調査内容につきましては、これまでも、住まいや仕事、経済状況、子育てや日常生活の困り事など、多角的な内容としておりますが、御指摘の子どもの貧困対策推進法の改正なども踏まえ、今後、庁内関係部門と連携を図りながら、より効果的な調査結果が得られるよう、調査内容及び分析方法を検討、具体化してまいりたいと存じます。
次に、本年6月の児童虐待防止法の改正に関する一連の御質問にお答えします。
まず、子供に対する体罰は、肉体的、精神的苦痛を与えるものであることに加えまして、その子供の脳の発達に深刻な影響を及ぼすこともあるとされております。このため、今般、法によって体罰の禁止規定が設けられたことは、体罰等によらない子育てを推進する上で大きな意義があると受けとめています。区といたしましては、今後、児童虐待防止月間における講演会などを通じて、東京都とも連携しながら、体罰禁止の普及啓発に力を入れていく考えです。
学校や児童福祉施設などにおける守秘義務につきましても、個別ケースの支援に当たって、その都度情報管理を徹底するほか、要保護児童対策地域協議会の会議や研修の場を活用し、徹底を図ってまいりたいと存じます。
また、児童相談所における一時保護等の介入的対応を行う職員と保護者支援を行う職員を分離することにつきましては、本区では、これまで、児童相談所と連携しつつさまざまな支援ケースの対応を行ってきた経験から、かねてより介入的対応と保護者支援の担当を分けるべきと考えておりました。このため、御指摘のとおり、将来の区立児童相談所を設置した段階におきましても、子ども家庭支援センターを存置する方針としているものでございます。
次に、平成30年度における区の要保護及び要支援児童の対応件数につきましては、目黒区や野田
市などでのたび重なる重篤な事件の発生などを背景として、児童虐待の通告、相談が増加していることに伴い、前年度比約1.3倍の2,469件となっております。このうち、要保護児童の新規受理件数は前年度比約2倍の795件、また、杉並児童相談所における新規受理件数は前年度比約1.3倍の578件と、いずれも増加してございます。
次に、子育て寄りそい訪問事業、通称ハロー!なみすけ訪問に関する御質問にお答えします。
本年度から区の事業として開始するハロー!なみすけ訪問は、児童虐待の未然防止の視点から、保健福祉サービス等を利用していない乳幼児健康診査未受診者、未就園児及び不就学児等について、家庭訪問等による安全確認に加えまして、その状況に応じた子育て支援サービスの情報提供や相談支援を行うものです。既に対象児童の抽出作業と並行して、抽出済みの児童に対し、子ども家庭支援センターの支援担当職員による家庭訪問などを順次実施しているところです。この家庭訪問の際には、各種の子育て支援事業を案内する資料を入れたハロー!なみすけ訪問バッグを持参し、必要な情報提供及び相談支援を丁寧に行っております。
なお、家庭訪問等による対象児童の安全確認は、昨年同様、11月末までに完了させていく予定でございます。
次に、子ども家庭相談システムに関する御質問がございました。
本システムは、特定妊婦及び要保護児童等に関する相談対応記録などの情報を一元管理し、これらの支援ケースの進行管理を担う子ども家庭支援センターと保健センターの情報連携をより強化し、支援の充実につなげるために構築するものであります。
本年5月に行ったシステム構築業務受託事業者の公募では、参加申し込みのあった2事業者のうち、1事業者から企画提案書の提出がありましたので、当該1事業者について、選定委員会による審査を実施し、23区における同種のシステム構築実績が豊富で、安定的なシステム運用が期待できることなどを確認の上、選定してございます。
今後は、来年1月ごろまでにシステムの設計構築、また2月からは担当職員に対する事前研修などを実施し、来年4月からの稼働に万全を期してまいりたいと存じます。
私からの最後に、今後の子育て支援の充実に向けた決意についての御質問にお答えします。
これまでも申し上げているとおり、子供は社会の希望であり、未来をつくる大切な存在です。その意味で、区が、児童虐待対策を含め子育て支援に力を入れることは、未来への投資とも言えると考えます。こうした認識に立って、今後とも杉並区実行計画等に基づき、妊娠・出産期から子育て期までの切れ目のない支援の充実を図り、子供の育ちを社会全体でしっかりと支えていくことができるよう取り組んでまいりたいと存じます。
以上です。
○議長(
井口かづ子議員)
高齢者担当部長。
〔
高齢者担当部長(田部井伸子)登壇〕
◎
高齢者担当部長(田部井伸子) 私からは、独居高齢者の区の対応に関する御質問にお答えいたします。
区では、安心おたっしゃ訪問や日々の相談業務を通じまして、独居高齢者の状況を把握し、介護保険のほか、見守りや日常生活を支援する区独自の高齢者サービスにつなげたり、福祉事務所や社会福祉協議会等への申請手続を支援するなど、個々の状況に合わせた対応を行っております。
また、医療が必要な場合には、医療機関等の受診を勧奨し、認知症が疑われる場合には、必要に応じ、認知症初期集中支援チームを派遣するなどの対応を行っております。
さらに、介護保険等のサービスに該当しない高齢者に対しては、地域とのつながりを持ちながら生きがい活動や介護予防に取り組めるよう、シルバー人材センターやゆうゆう館の活動を紹介したり、保健センターの介護予防事業の案内などを行っております。
今後も、高齢者が地域の中で孤立することなく、安心して生き生きと暮らしていけるよう、見守り、サービスの提供、生きがいづくり、介護予防等、さまざまな視点から所管を超えた取り組みを引き続き行ってまいります。
私からは以上です。
○議長(
井口かづ子議員)
政策経営部長。
〔
政策経営部長(関谷 隆)登壇〕
◎
政策経営部長(関谷隆) 私からは、施設使用料の見直しに関する残りの御質問にお答えします。
初めに、区民意見の聴取についての御質問がございましたが、5月に、無作為抽出の区民2,000人を対象にアンケート調査を実施し、約400名の方から御回答いただいております。また、区民の方の生の声をお伺いする場として、6月と7月には、アンケートに御回答いただいた区民のうち、延べ52名の方に御参加いただきまして、区民懇談会、ちょこっトークを実施いたしました。2日間にわたり、使用料について区民同士が自由に話し合い、グループごとにさまざまな考えをまとめていただきました。加えまして、各施設の利用者を対象としたアンケートも実施したところでございます。
寄せられた意見といたしましては、使用料はできる限り安くするべきとの意見がある一方で、施設利用者が受益に応じた適切な経費を負担すべきであるとの御意見もいただいてございます。また、使用料の設定に当たっては、施設の性質に応じた負担割合の設定は合理性があるとの御意見も多くいただいたところでございます。
次に、今回の見直しのポイントでございますが、大きく3点ございまして、1点目は使用料算定の対象経費の見直し、2点目は必需性と選択性、公共性と市場性といった施設の性質に応じた負担割合の導入、3つ目に目的外使用施設の使用料の見直しでございます。
現在、具体的な見直し案について検討を進めており、今定例会の
総務財政委員会において御報告した後、10月1日からパブリックコメントを実施する予定でございます。
その後、来年の第1回定例会で条例改正議案を御提案し、令和2年11月から新しい使用料による運用を開始してまいりたいと考えてございます。
以上でございます。
○議長(
井口かづ子議員) 以上で今井ひろし議員の一般質問を終わります。
以上で日程第5を終了いたします。
議事日程第1号は全て終了いたしました。
議事日程第2号につきましては、明日午前10時から一般質問を行います。
本日はこれにて散会いたします。
午後3時25分散会...