杉並区議会 > 2019-03-15 >
平成31年予算特別委員会−03月15日-10号

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  1. 杉並区議会 2019-03-15
    平成31年予算特別委員会−03月15日-10号


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    平成31年予算特別委員会−03月15日-10号平成31年予算特別委員会  目   次 委員会記録署名委員の指名 ……………………………………………………………… 5 議案審査  議案第7号〜議案第11号、議案第16号〜議案第20号、議案第22号〜議案第23号   各会派の意見開陳   杉並区議会自由民主党代表今井ひろし委員) ………………………………… 5   杉並区議会公明党代表(島田敏光委員) …………………………………………12   いのち・平和クラブ代表(市来とも子委員) ……………………………………18   日本共産党杉並区議団代表(富田たく委員) ……………………………………23   自民・無所属クラブ代表(岩田いくま委員) ……………………………………29   区民フォーラムみらい代表(河津利恵子委員) …………………………………35   立憲民主党杉並区議団代表(山本あけみ委員) …………………………………41   杉並わくわく会議(松尾ゆり委員) ………………………………………………48   美しい杉並(田中ゆうたろう委員) ………………………………………………54   無所属(堀部やすし委員) …………………………………………………………61   日本維新の会(木村ようこ委員) …………………………………………………69   すぎなみ自民(松浦芳子委員) ……………………………………………………72
                予算特別委員会記録第10回  日   時 平成31年3月15日(金) 午前10時 〜 午後2時59分  場   所 議場  出席委員 (47名)  委 員 長  井 口  かづ子     副委員長  大 槻  城 一        委  員  松 浦  芳 子     委  員  木 村  ようこ        委  員  田 中 ゆうたろう     委  員  堀 部  やすし        委  員  松 尾  ゆ り     委  員  関 口  健太郎        委  員  奥 田  雅 子     委  員  市 来  とも子        委  員  小 林  ゆ み     委  員  藤 本  なおや        委  員  上 野  エリカ     委  員  川 野 たかあき        委  員  山 本  あけみ     委  員  太 田  哲 二        委  員  山 本  ひろこ     委  員  大 泉 やすまさ        委  員  井 原  太 一     委  員  小 川  宗次郎        委  員  山 田  耕 平     委  員  上 保 まさたけ        委  員  そ ね  文 子     委  員  岩 田  いくま        委  員  佐々木    浩     委  員  増 田  裕 一        委  員  安 斉  あきら     委  員(副議長)                                 中 村  康 弘        委  員  北    明 範     委  員  川原口  宏 之        委  員  大和田    伸     委  員  今 井  ひろし        委  員  浅 井  くにお     委  員  脇 坂  たつや        委  員  金 子 けんたろう     委  員  富 田  た く        委  員  くすやま 美 紀     委  員  けしば  誠 一        委  員  新 城  せつこ     委  員  河 津  利恵子        委  員  渡 辺  富士雄     委  員  島 田  敏 光        委  員  横 山  え み     委  員  吉 田  あ い        委  員(議 長)           委  員  はなし  俊 郎              大 熊  昌 巳        委  員  富 本    卓  欠席委員  (なし)  出席説明員 区長      田 中   良   副区長     宇賀神 雅 彦        副区長     吉 田 順 之   教育長     井 出 隆 安        代表監査委員  上 原 和 義   政策経営部長  白 垣   学        施設再編・整備担当部長       企画課長    伊 藤 宗 敏        事業調整担当部長                喜多川 和 美        財政課長    中 辻   司   総務部長    関 谷   隆        情報・法務担当部長         総務課長事務取扱総務部参事                牧 島 精 一           原 田 洋 一        危機管理室長  寺 嶋   実   区民生活部長  森   雅 之        地域活性化担当部長        オリンピック・パラリンピック    産業振興センター所長        連携推進担当部長                  齋 木 雅 之                安 藤 利 貞        保健福祉部長  有 坂 幹 朗   特命担当部長子ども家庭担当部長                                  徳 嵩 淳 一        高齢者担当部長 田部井 伸 子   健康担当部長杉並保健所長                                  木 村 博 子        都市整備部長  渡 辺 幸 一   まちづくり担当部長                                  茶 谷 晋太郎        土木担当部長  吉 野   稔   環境部長    齊 藤 俊 朗        会計管理室長  南 雲 芳 幸   教育委員会事務局次長                                  田 中   哲        教育企画担当部長白 石 高 士   学校整備担当部長中 村 一 郎        生涯学習担当部長中央図書館長    選挙管理委員会委員長                鈴 木 雄 一           織 田 宏 子        監査委員    和久井 義 久        事務局長  事務局職員 事務局長    佐 野 宗 昭   事務局次長   植 田 敏 郎        事務局次長代理 杉 本   稔   調査担当係長  久保井 悦 代        議事係長    蓑 輪 悦 男   担当書記    十 亀 倫 行        担当書記    渡 辺 美由紀   担当書記    高 橋 知 久        担当書記    高 野 貢 志   担当書記    三 井 真太郎        担当書記    矢 澤 泉 未 会議に付した事件   議案審査    各会派の意見開陳    議案第7号 杉並区職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例     ………………………………………………………………………………原案可決    議案第8号 杉並区行政財産使用料条例の一部を改正する条例………原案可決    議案第9号 杉並区事務手数料条例の一部を改正する条例……………原案可決    議案第10号 杉並区「特別区道」道路占用料等徴収条例等の一部を改正する条例     ………………………………………………………………………………原案可決    議案第11号 杉並区学校教育職員の給与に関する条例の一部を改正する条例     ………………………………………………………………………………原案可決    議案第16号 平成31年度杉並区一般会計予算……………………………原案可決    議案第17号 平成31年度杉並区国民健康保険事業会計予算……………原案可決    議案第18号 平成31年度杉並区用地会計予算……………………………原案可決    議案第19号 平成31年度杉並区介護保険事業会計予算…………………原案可決    議案第20号 平成31年度杉並区後期高齢者医療事業会計予算…………原案可決    議案第22号 杉並区災害弔慰金の支給等に関する条例の一部を改正する条例     ………………………………………………………………………………原案可決    議案第23号 杉並区国民健康保険条例の一部を改正する条例…………原案可決                           (午前10時    開会) ○井口かづ子 委員長  ただいまから予算特別委員会を開会いたします。  《委員会記録署名委員の指名》 ○井口かづ子 委員長  初めに、本日の委員会記録署名委員を御指名いたします。はなし俊郎委員にお願いをいたします。  《議案審査》
      議案第 7 号 杉並区職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例   議案第 8 号 杉並区行政財産使用料条例の一部を改正する条例   議案第 9 号 杉並区事務手数料条例の一部を改正する条例   議案第10号 杉並区「特別区道」道路占用料等徴収条例等の一部を改正する条例   議案第11号 杉並区学校教育職員の給与に関する条例の一部を改正する条例   議案第16号 平成31年度杉並区一般会計予算   議案第17号 平成31年度杉並区国民健康保険事業会計予算   議案第18号 平成31年度杉並区用地会計予算   議案第19号 平成31年度杉並区介護保険事業会計予算   議案第20号 平成31年度杉並区後期高齢者医療事業会計予算   議案第22号 杉並区災害弔慰金の支給等に関する条例の一部を改正する条例   議案第23号 杉並区国民健康保険条例の一部を改正する条例     各会派の意見開陳 ○井口かづ子 委員長  これより、議案第16号平成31年度杉並区一般会計予算外11議案に対する各会派の意見を聴取いたします。  それでは、多数会派順に意見の開陳をお願いいたします。  杉並区議会自由民主党代表今井ひろし委員。 ◆杉並区議会自由民主党代表今井ひろし委員) 私は、杉並区議会自由民主党を代表いたしまして、議案第16号平成31年度杉並区一般会計予算を初め、各特別会計予算並びに予算特別委員会に付託された予算関連の各議案の全てに賛成の立場から意見を申し述べます。  区が「新たな時代に安全・安心を貫く予算」と命名した今予算については、杉並区基本構想の実現に向け、改定された杉並区総合計画のジャンプの期間に突入する重要な年度の予算であります。  さて、その予算の背景の経済動向を確認しますと、景気の先行指標と言われている株価は、昨年4月終値の2万2,467円から、ことしの2月の終値では2万1,385円と、米中貿易摩擦、欧州のブレグジットなどの世界経済動向の不透明感の影響があらわれているとの印象です。  GDPに関しても、3月8日に発表された平成30年10−12月期第2次速報値では、平成30年の年率換算で実質1.9%、名目1.6%と、微増との状況です。ブレーク・イーブン・インフレ率も0.218と、こちらもぎりぎりプラスを保っているという状況です。  こうした中、1月28日、閣議決定された政府の31年度経済見通しは、人づくり革命と生産性革命を核に、経済の回復基調が持続するようあらゆる措置を講じて、GDP、消費者物価指数ともに緩やかなプラスとなるものとの判断をしています。  また、雇用のほうは、厚生労働省が3月1日発表した1月の有効求人倍率(季節調整値)は前月比横ばいの1.63倍と、企業の人手不足が続く中、1974年1月、1.64倍以来の水準で高どまりしています。  このような背景により、平成31年度は、景気の回復は、外需、内需ともに不透明感が危惧されながら、緩やかに前進が見込まれると予測しています。  こうした政府の経済見通しのもと、区は、基幹収入たる特別区税、特別区財政交付金の増収を見込んでおり、おおむね適正な見通しと考えます。  一般会計予算の規模は、前年度より91億3,800万円、5.1%増の1,890億6,500万円で、特別会計を含めた予算総額は3,023億1,917万円余となり、前年度比は3.8%の増となっています。  今予算案については、1、区民の暮らしの安全と安心を向上させるための事業に必要な予算を計上したこと、2、実行計画並びに協働推進計画及び行財政改革推進計画の取り組みに要する経費を確実に予算に反映させたこと、3、将来にわたり、安定的に区民福祉の向上を図っていけるよう、財政の健全性の確保に努めたこと、以上3点を編成の基本的考えとしています。また、基本構想に掲げる5つの目標別重点事業を打ち出しています。  我が杉並区議会自由民主党は、予算審議に当たり、この3つの基本的考え方に加えて、1、基本構想実現につながる予算内容となっているか、2、区民の課題解消を図ることのできる予算となっているか、3、区民の自助・共助を促す予算となっているか、4、未来を見据えた予算となっているか、5、経済動向を捉えた財政運営の予算となっているかという5つの視点から議案を精査し、慎重に検証を図り、予算特別委員会において質問を行い、専門的見地を持ちつつ審議をいたしました。  その結果、杉並区議会自由民主党は、平成31年度一般会計予算案、各特別会計予算案、関連諸議案の全てに賛成するものであります。  ここからは、私どもの予算案に対する考え方や、個別の施策等も含めた会派の意見、要望を、基本構想の5つの目標に沿って申し述べてまいります。  まず、目標1、「災害に強く安全・安心に暮らせるまち」についてであります。  区は、昨年発災した大阪府北部地震などの被害に基づく防災事業を迅速に補正予算で取り組み、新年度予算でもさらに拡充を図っています。危険ブロック塀等への安全対策や、水害対策としての土のうストッカーの増設、洪水ハザードマップの改定、さらに感震ブレーカーの設置支援対象地域の拡大、初期消火設備の配備促進、帰宅困難者一時滞在施設の確保、特定緊急輸送道路沿道建築物の耐震改修の促進、木造住宅密集地域の解消対策の推進など、引き続き、首都直下地震を見据えた防災対策への取り組みの充実が図られています。  加えて、防犯自主団体への活動支援、振り込め詐欺対策の推進、街角防犯カメラの増設などの防犯に向けた取り組みなど、安心に暮らせるまちへの予算もしっかり計上されていることを確認しました。  そのほか、さらなる防災対策として、福祉救援所の充実や住宅火災警報器の設置助成、飲料水兼用防火水槽の整備などを会派として要望することも申し上げておきます。  次に、目標2、「暮らしやすく快適で魅力あるまち」であります。  これまで精力的に取り組んできた狭隘道路拡幅整備事業を、さらに対象地域を拡大し、戸別訪問の強化を図ることは、災害被害防止につながる取り組みとしても高く評価するものです。  商店街支援は、昨年の地域連携型商店街事業に続き、新たな商店街活性化事業の検討を新規に計画しており、商店街に対する杉並区の姿勢には、大変高く評価するものです。  私たちは、長年日本の経済の一端を担ってきたのは商店街であると考えており、商店主の方々の知識と経験に尊敬と感謝の気持ちを持っております。また、杉並の歴史と文化の一端を担って地域コミュニティーの先頭に立っていただいたことも、商店街の皆様であると考えています。こうしたことから、引き続き商店街支援に邁進することを求めるとともに、商店街の知識と経験をまちづくりに当たっての視点としても取り入れることをあわせて強く要望するものであります。  また、我が会派が従前から提案しております商店街振興としてのプレミアムつきなみすけ商品券事業の復活を要望として述べておきます。  来年に迫った東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会に向けて、普及啓発事業やホームステイ・ホームビジット支援事業の拡充などは、着実に進めていることを確認しました。あわせて、訪日外国人の増加を見据えた、新規事業としての杉並魅力創出事業に期待をするものです。加えて、事前キャンプ誘致の成果が区のオリパラレガシーとなるよう、最大限の活用を求めておきます。  都市農地に関しては、生産緑地法及び関連法の改正が区内の貴重な農地保全の追い風となる中、区は、農業と福祉の連携事業としての、障害者、高齢者、若者等への支援という農地の新しい活用法を事業化しました。これは大変画期的ですばらしい取り組みであると高く評価するものです。今後もさらなる農業振興を強力に推進していくよう要望しておきます。  次に、目標3、「みどり豊かな環境にやさしいまち」であります。  まず、荻外荘公園事業ですが、事業化の表明から4年目となり、昨年解体した移築建物を公園内に保管し、31年度はいよいよ設計に着手する予算が計上されたことを確認しました。また、関連イベントも予定され、機運醸成に取り組むことが計画されています。これまで我が会派では、近代日本の歴史舞台となった荻外荘を、杉並区の大切な財産として保全を行うよう要望してきた経緯から、この取り組みを評価するとともに、大変期待をしております。  そのほか、新規事業として、多世代が利用できる公園づくりは、区民ニーズの多様化など時代の変化に合わせた、誰もが利用できる公園を計画していることは、大変高く評価するものです。さらに、馬橋公園拡張整備、柏の宮公園拡張整備、また向井公園の代替地としての遊び場112番の拡張整備、東原公園の代替地としての遊び場113番と富士見丘北公園の拡張整備などは、我が会派がこれまで恒久的な代替地の確保を要望してきたことから、この点でも評価をするものです。  なお、緑の保全に関して数点述べておきます。  杉並区緑地保全方針に基づき、区内の高木を含む保護樹木等の保全や屋敷林を消失させない取り組みの拡充と、Park−PFI制度を活用した収益力の強化の構築などを積極的に図るよう要望いたします。  次に、目標4、「健康長寿と支えあいのまち」であります。  まずは、昨年の区の肺がん検診における肺がんの疑いの見落とし事故を受けて設置された外部検証等委員会の答申を踏まえ、肺がん検診体制の見直し及び精度管理の向上について、しっかりと取り組むことを確認しました。新年度が信頼回復の第一歩となることから、精検受診率を高め、早期発見・早期治療につながるよう強く求めておきます。  新規事業としての地域福祉コーディネーターは、モデル事業としてのスタートになるとの理解です。地域共生社会の推進に向けた取り組みとして大変期待するものです。コーディネーターと地域との支え合いの活動を広げることは、今後ますます需要が高まる取り組みであると考え、モデル事業の効果を検証し、本格的な事業を行うよう求めておきます。  要介護高齢者に対する施設整備は、新年度に特別養護老人ホーム2所、都市型軽費老人ホーム1所、そのほか小規模介護事業所3所の開設を予定しており、その後の開設予定の施設分も含む建設助成の予算が計上されています。また、介護ロボットの導入支援、介護人材の確保支援も行うこととされており、超高齢社会に対して果敢に挑戦する予算と評価いたします。  障害者の施設整備に関しても、新年度に重度身体障害者通所施設重度知的障害者複合施設の整備、開設を予定しており、さらに、地域移行支援の拡充や医療連携型グループホームの支援、グループホーム体制強化支援などの新しい取り組みも予定されており、多くの施策が拡充されており、こちらも大変高く評価するものです。  高齢者施設も障害者施設も、待機者や利用者の課題に真摯に取り組んでいることを確認しました。今後も要介護高齢者などの対象者が増加することが予想されていますので、先手を打った施策を行うよう求めておきます。  また、あわせて、後期高齢者に対する区による歯科健診の実施とオーラルフレイル、嚥下指導対策の拡充、住宅確保要配慮者への入居支援、障害者の親亡き後の相談及び支援体制の構築や発達障害者への支援、高齢者・障害者虐待対策としての体制構築などを会派の要望として申し述べておきます。  次に、目標5、「人を育み共につながる心豊かなまち」であります。  まずは、区立小中学校体育館等への空調設備ですが、近年の夏の猛暑による熱中症対策として、また災害時の避難環境の改善という面からも、空調設備は大変適切な策として評価するものです。区は、全校の体育館に空調設備を設置することとし、31年度は、大型エアコンを7校に、スポットエアコンを12校に設置することとし、基本的に3年計画で全校に設置を図る考えであることを確認しました。  学童クラブについては、増大する需要に合わせ、31年4月に定員を261名ふやし、拡充を図っています。さらに、将来的な需要を見越して、学校内2カ所ほかの整備予算を計上し、着実に学童クラブの受け入れ数の拡大に向けた取り組みの推進を図っていることの確認をいたしました。  ふえ続ける児童虐待対策としては、新規事業として、子育て支援情報バッグの配布、子育て寄りそい訪問事業の実施、仮称子ども家庭相談システムの構築、要支援家庭を対象とした子どもショートステイ事業の実施と、取り組みが大変充実強化されているものと最大限の評価をするものです。  また、新年度には地域型子ども家庭支援センターとして高円寺にセンターを開設し、今後、荻窪、高井戸にも段階的に地域型センターの開設を計画しており、着実に区立児童相談所開設に向けての準備が進んでいることを確認しました。  保育のほうでは、昨年、待機児童ゼロを達成し、引き続きゼロを維持すべく、手を緩めることなく認可保育所整備を精力的に進めており、新年度は、認可外からの移行も含めて23カ所の開設であり、改築整備は3所と、確実に杉並区の認可保育所の整備拡充を図っていることを確認しました。杉並区の希望する全ての子供が認可保育所に入所できる環境整備を進めていることは、保育の質という点でも高く評価をするものです。  子ども・子育てプラザは、これまで和泉、天沼、成田西と3カ所整備され、どのプラザも大変好評であり、他地域でも渇望されていましたが、新年度には下井草に改修整備され、9月に開設することを確認いたしました。  そのほか、妊娠・出産期の支援、子育てセーフティーネット、就学前における教育・保育、成長発達に応じたきめ細やかな教育、情報教育の推進、スポーツで世代をつなぐ地域づくりなどの施策充実も確認いたしました。  会派からは、杉並区の全ての子供への支援という視点から、保育所、幼稚園それぞれに人材確保を含めた支援の維持及び拡充、病児保育施設の整備、多様化する学校の課題に対応したSSWや学校司書の拡充などを要望として申し述べておきます。  以上、目標1から5までを概括的に網羅して述べてまいりました。  各分野において必要な取り組みの充実が図られていることを確認しましたが、今後の杉並区の将来像を実現する観点から、以下、要望してまいります。  まずは、平成が終わるに当たり、区政全般において大きな視点で申し述べますが、近年、多様化社会のかけ声のもと、区政への需要が限りなく増大しています。何でも区が行うことが大事ではなく、時代に合わせて施策をスクラップ・アンド・ビルドを図り、自助・共助・公助をしっかり見きわめ、公平公正で中立な区政推進に歩んでいただくよう、我が会派からの強い意見、要望として申し述べていきます。  さらに要望として、増大する行政ニーズに対応するため、点ではなく面の視点を持った近隣自治体間の連携の推進、新天皇陛下御即位に際して、区として祝意をあらわす取り組みの実施、区有資産活用のためのPPPプラットホームの構築、インターネットやスマホに対する情報モラル教育の一層の充実など、喫緊の課題として杉並区が真摯に取り組んでいただきますようお願い申し上げます。  次に、財政健全化について申し述べます。  代表質問でも指摘しましたが、法人住民税の一部国税化やふるさと納税制度などによる将来の財政運営に対する不透明感は否めないものと認識しており、新年度からの新たな財政運営ルールをしっかりと遵守し、財政の健全性を保持していくよう求めておきます。  新年度予算における基金と区債の活用枠については、バランスのとれたものと評価いたします。ただし、基金残高については、今後とも足元の行政需要とのバランスを考慮しつつ、積極的な積み増しに努める必要があると考えます。  行財政改革については、歳入確保の一環としてさらなる確保策を検討し、拡充を行っていくことを求めておきます。  また、施設再編整備計画(第一期)・第二次実施プランについては、計画の確実な進捗管理、地域住民への区による丁寧な説明、歳入確保の検討、特定財源の積極的活用など、あらゆる視点を活用して財源確保策の創出に努めるよう、あわせて要望いたします。  次に、各特別会計予算について申し述べます。  杉並区国民健康保険事業会計予算ですが、歳入では、被保険者数の減により保険料、都支出金が減となり、前年度比2.3%減の540億4,924万円余となり、歳出では、保険給付費や国民健康保険事業費納付金の減などにより41億3,471万円余のマイナスとなりました。理由は被保険者の減という点から、適正なものと認識いたします。  杉並区用地会計予算は、起債の利子分としての予算であり、歳入は一般会計繰入金を2,841万円余計上して、適正なものと認めます。  介護保険事業会計は、高齢化に伴う介護認定者の増加を見込んで、7.1%増の453億748万円余となり、歳入歳出とも適正なものと認めます。  後期高齢者医療事業会計は、同じく後期高齢者の自然増により、歳入は1.9%の増となり、歳出も広域連合納付金の増を見込んでおり、適正なものと認めます。  最後に、予算特別委員会に付託された議案について意見を申し述べます。  議案第7号杉並区職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例、議案第8号杉並区行政財産使用料条例の一部を改正する条例、議案第9号杉並区事務手数料条例の一部を改正する条例、議案第10号杉並区「特別区道」道路占用料等徴収条例等の一部を改正する条例、議案第11号杉並区学校教育職員の給与に関する条例の一部を改正する条例、議案第22号杉並区災害弔慰金の支給等に関する条例の一部を改正する条例、議案第23号杉並区国民健康保険条例の一部を改正する条例について、我が会派は全ての議案について質問し、改正の理由、根拠などを質疑を通じて確認いたしました。7本の議案、いずれも適切であると認めます。  以上、るる申し述べてまいりました事柄を賛成理由といたします。  なお、我が会派による予算要望並びに予算特別委員会で我が会派所属議員からの多岐にわたる質問や要望は、区民の生の声と捉え、今後の区政運営への反映に向け、前向きに検討していただきたく、再度強く要望するものであります。  さて、私どもの議員の任期の最後に、もう一言申し上げます。  4年間の任期中に、同じ杉並区議会自由民主党会派としてともに活動してまいりました故小泉やすお先輩が、任期半ばに御逝去されました。小泉先輩には、生前大変お世話になりましたこと、改めて感謝を申し上げるとともに、心から御冥福をお祈り申し上げます。  結びに当たり、予算特別委員会の審議に際し、誠意を持って御答弁いただきました田中区長を初め理事者の皆様、資料の作成や調製に当たられた職員の皆様、円滑な委員会運営に御尽力された井口委員長並びに大槻副委員長に感謝を申し上げますとともに、意見開陳を通じて、十分とは言えませんが、みずからの思いを述べる場を与えてくれました会派の皆様に深く感謝を申し上げ、杉並区議会自由民主党の意見開陳を終わります。  ありがとうございました。 ○井口かづ子 委員長  杉並区議会公明党代表、島田敏光委員。 ◆杉並区議会公明党代表(島田敏光委員) 杉並区議会公明党を代表して、予算特別委員会に付託されました議案第16号平成31年度杉並区一般会計予算、各特別会計予算並びに関連諸議案について、賛成の立場から意見を申し述べます。  世界経済は、アメリカの失業率の低下や賃金上昇による旺盛な消費に支えられ、表向き堅調を保っておりますが、米中貿易摩擦やEU離脱をめぐるイギリス経済の混迷、今後の日米貿易交渉の行方など、不透明要因が多く存在いたします。また、FRBや日銀の金融政策にも微妙な変化が見られます。  直近の経済指標では、米中貿易摩擦のあおりを受けて、日本からの中国への輸出の減少が明らかになりました。長く続いてきた景気拡大局面での踊り場なのか、景気後退への入り口なのか、定かではありませんが、まさしく先行き不透明であります。  また、国の税制改革においても、東京富裕論が幅をきかせ、是正とは言えない税源偏在是正措置を拡大し、再来年度以降の特別区財政交付金の減収が見込まれております。区政を取り巻く環境は、ことしもまた「予断を許さない」という言葉を使わざるを得ません。  平成の時代は、経済面では、バブルの崩壊に始まり、リーマンショック、BRICs、とりわけ中国の台頭、社会面では、少子高齢化の進展と人口減少、ICTに代表される技術革新、経済のグローバル化、また大規模な自然災害に見舞われた30年余でした。  天皇皇后両陛下におかれましては、慈愛のまなざしで国民に寄り添ってくださいました。深い敬愛と感謝の念でいっぱいでございます。  新たな時代は、これまで以上に大きな変化も想定されます。区民が希望を持って、安心して暮らしていける地域社会の構築に向けて取り組んでいかなければなりません。  そのスタートである来年度予算を、区長は「新たな時代に安全・安心を貫く予算」と命名されました。区民意向調査の結果を尊重しつつ、区政運営の柱に区民福祉の向上を掲げる姿勢を貫く決意のうかがえる命名であると考えます。  では、その中身はいかがか。基本構想実現に向けての最終段階の取り組みが示されたものか、実行計画が着実に反映された予算であるか、喫緊の課題に果敢に挑む予算であるか、健全かつ持続可能な財政運営であるかの観点から、我が会派は真摯に吟味させていただきました。  杉並区基本構想の実現に向けて、昨年末、総合計画、実行計画の改定が行われました。基本構想実現のための総合計画は、保育の待機児解消や特別養護老人ホームの1,000床増床にめどがつくなど、着実にその成果を上げてまいりました。基本構想実現のためには、より具体的な施策である改定された実行計画の予算化にかかっている状況となりました。  実行計画228億円余に対し予算化201億円余と、約12%、27億円余が未計上となっております。阿佐谷地域区民センター及びけやき公園の整備、認知症グループホームや都市型軽費老人ホーム、保育施設、子ども・子育てプラザの整備に関する経費など、主に6項目にわたります。審議の結果、未計上の理由も明らかとなり、確実に補正対応されることが確認されました。  以下、基本構想に掲げる5つの目標に沿って、会派の意見に要望を添えて申し述べます。  目標1、「災害に強く安全・安心に暮らせるまち」。  区は、地震被害シミュレーションを公表いたしました。まずは、これらの周知に努め、区民の防災意識の向上を図ることが重要です。首都直下地震対策は、基本的に、倒れない、燃えない、燃え広がらないことが重要です。シミュレーションによれば、初期消火率の向上で被害が大幅に削減される結果が出ています。  我が会派が提案してきた簡易水道消火器具の配備促進と操作訓練の積極的な実施が盛り込まれました。投てき型消火剤の配備も御検討ください。  また、通電火災の防止には感震ブレーカーが有効です。設置支援区域の拡大とともに、設置率の向上にも努めていただくようお願いいたします。
     総社市への豪雨災害支援での教訓の1つに、受援体制の重要性が指摘されました。なかなかの炯眼だと思います。検討をお願いいたします。  被害額が増加している振り込め詐欺対策も、自動通話録音機の設置拡充など、目配りがきいております。安全パトロール隊も日々、空き巣や連れ去り、自転車盗難などの防止に活躍中ですが、振り込め詐欺への注意喚起や自転車の乗り方指導など、幅を広げた活動をお願いできないでしょうか。  目標2、「暮らしやすく快適で魅力あるまち」。  狭隘道路の拡幅は、日常生活においても非常時においても大変意味のある事業です。事業拡大方針は重要です。根気よく努めていただきたいと思います。  農福連携事業は新たな取り組みです。農地保全とともに、多面的な効果が期待できそうです。その先にある新たな事業が見えてくる予感がいたします。  予算審議中に、イタリアのビーチバレーチームの誘致が決まったとのうれしいニュースが飛び込んできました。東京オリンピック・パラリンピックまで500日となった時期、機運の盛り上がりに大いに貢献するものです。ビーチコートの地元である永福町を中心として、まちのにぎわい施策に期待したいと思います。  目標3、「みどり豊かな環境にやさしいまち」。  馬橋公園の拡張は、防災機能強化が図れるなど、大変貴重です。補助金等の活用により、区債利息分のみの負担で取得できるのはすばらしい。整備をよろしくお願いいたします。  食品ロス削減は、我が党挙げて推進してきた施策であります。フードドライブの受付窓口の拡大や食べ残し等の削減に向けた意識啓発、食べきりレシピ等の紹介など、重層的に施策の展開がなされています。  目標4、「健康長寿と支えあいのまち」。  介護保険事業会計は増加の一途をたどっています。当初予算額で見ると、平成29年度は対前年度比5%増、30年度は3%増、来年度は7%増となっています。さらなる健康施策の展開が必要です。  区はいち早くフレイル予防に取り組んできました。しっかりかんで、しっかり食べ、しっかり動き、そしてしっかり社会性を高く保つという原点をわかりやすく見える化し、区民による区民のためのフレイルチェックの拡充と、さらなるフレイルサポーターの養成に支援をお願いいたします。  地域包括支援体制については、これまでの施策の拡充や新規事業などで強化されていると判断できます。在宅医療・生活支援センターに持ち込まれた高度困難事例の調査分析による支援の質の向上、新たな支援策が期待されるところです。  特別養護老人ホーム、認知症高齢者グループホーム、都市型軽費老人ホーム、また障害者入所・通所施設、障害者グループホーム等建設助成、整備促進により、多様な住まいの選択肢の提供が図られております。  目標5、「人を育み共につながる心豊かなまち」。  区立小中学校体育館へのエアコン設置については、いち早く計画を立てていただきました。円滑に設置が進むよう、区長部局と区教委がしっかり連携して取り組んでいただきますようお願いいたします。  9月に開設される就学前教育支援センターに期待いたします。発達障害児等に対する巡回支援の開始や就学前教育研修の拡充と相まって、さらなる質の向上をお願いいたします。  特別支援教室の小学校全校配置に続き、来年度当初には中学校も全校設置となります。情緒障害通級指導学級の待機児解消ができました。児童生徒一人一人の成長発達に応じた質の高い教育をお願いするものです。  3館整備していただいた子ども・子育てプラザは大変な人気です。遠方からの利用者も多いと聞いております。今後、下井草、高円寺地域での整備は明記してありますが、西荻、高井戸地域への整備はいつになるのか。スピーディーな設置を望みます。また、利用者の声をよく聞き、設備等の進化もお願いしておきます。  保育園待機児童ゼロは、2年連続で達成する模様です。区は、ニーズの高い認可保育園の増設を図りながら、保育の質の向上にも力を入れております。大いに賛成であります。  保育人材確保、定着のために、現在行っている処遇支援をしっかり継続するとともに、保育現場での超過勤務、過重労働を防ぐために、モニタリング等、目を光らせていただくよう要望いたします。  次に、喫緊の課題対応について申し上げます。  まず、危険ブロック塀等の改善促進であります。  昨年6月、大阪府北部地震で、ブロック塀の倒壊による痛ましい事故が起きました。区はいち早く緊急安全対策として調査、改善に取り組みました。いまだ危険と思われるブロック塀が散見されます。早期改善をお願いいたします。  次に、学童クラブの待機児についてであります。  保育需要と相まって、学童クラブの需要も急増しています。大幅な受け入れ人数の増加を図っていただいておりますが、いまだに待機児は相当数存在します。新たな土地の取得等も視野に入れた、思い切った待機解消を図っていただきたい。  児童虐待対策について申し上げます。  昨年3月の目黒区での事件を受け、区は、国の対応よりも早く、未就園児等の実態調査を行いました。素早い対応に拍手を送ります。  新たに子育て支援情報バッグの配布や子育て寄りそい訪問など、未然防止の視点に立った取り組みは大いに評価したいと思います。  また、今ある子ども家庭支援センターに加えて、地域型センター3所の整備も打ち出しました。これら各センターがその機能を発揮するには、人材育成・確保が欠かせません。まずは基盤整備を可能な限り早急に進めていただくよう要望いたします。  次に、財政運営について意見を申し述べます。  区は、新たな財政健全化と持続可能な財政運営を確保するためのルールを設定いたしました。この5つのルールは、従前我が会派が主張してきた考えとおおむね合致するものです。  ルール1、2は、積立基金の性格、使途を明確にしたもので、区立施設再編整備計画を着実に推進する根拠ともなります。ルール4、5は、行政コスト対税収等比率100%以内、債務償還可能年数3年以内と、弾力性、健全性の維持に資するものです。  ただし、ルール3の後半部分、区債の繰り上げ償還については、以前にも指摘しましたが、現今の超低金利状況から金利上昇局面に移り、さらに金利の低下局面になって初めて意味をなすルールであり、今後、相当の期間、ルール適用の状況にはならないことを申し添えておきます。  また、基金残高や区債残高等、財政状況の他区との比較においては、意味のあるわかりやすい指標を提示すること。行政評価と連動した財政運営や、新たな公会計制度に基づく各種指標の効果的な活用等についても進化を遂げていただきたく、要望しておきます。  さて、新たな財政ルールに基づいた初めての予算となりますが、財政調整基金、施設整備基金からの取り崩しによる使途及び基金への積み立てについては、ルールにのっとり、了といたします。  建設債については、起債適格性を吟味し、国や都の補助金等の活用、負担の公平性等、十分検討した上での起債であることが確認できました。  以上により、杉並区議会公明党は、平成31年度一般会計予算外11議案全てに賛成いたします。  ここで要望を幾つか追加させていただきます。  政府が進めている働き方改革の趣旨にのっとり、区職員の働き方について、生産性向上の観点からしっかりと改革を進めていただきたいと思います。その上で、業務量に見合った人員配置と、区民満足度向上に配慮した職員教育を進めていただくようお願いいたします。  また、区民が地方に住む親を引き取るというケースが今後ふえていくことが予想されます。転入手続の際の窓口業務が配慮の行き届いたものとなるよう、もう一段の業務改善をお願いするとともに、システム改修も視野に、区民にとっても職員にとっても、効率性が向上するような仕組みづくりの検討を要望いたします。  若者がなれ親しんでいるSNSを活用した広報を積極的に進めていただきたく思います。特に若者向けの行政サービスであるすぎJOB等について、広く周知できるよう創意工夫をお願いいたします。  幼児教育の無償化が10月より実施されます。周到な準備をお願いいたします。  一連の児童虐待事件の背景にDVがあり、母親が子供を守ることができない状況に、DVの深刻さが浮き彫りになりました。  今回の質疑に関して、子ども家庭支援担当だけの答弁で、DV担当者からの声はありませんでした。当区のDV対策の脆弱さを感じました。面前DVだということで、自分の担当ではないと思うことが問題であるということを指摘させていただきます。DVは庁内挙げて取り組む内容であることを改めて提言いたします。  不育症は、子供を望む多くの家庭が悩み続けてきました。今回の都の対策は、長年訴え続け、待ち望んだ施策となります。31年度の施策となることを期待いたします。  DVと不育症の要望は、20年間区民の声を届けてきた横山えみの遺言です。心して取り組んでくださるよう、重ねてお願い申し上げます。  以上、主な施策についての意見を、要望を付して述べてまいりましたが、このほかにも、委員会審議において我が会派から出されました意見、提案、要望につきましては、今後の区政運営に当たり、検討、反映していただくよう、重ねて要望いたします。  「労苦と使命の中にのみ人生の価値(たから)は生まれる」、これは我が母校のモットーの1つです。「たから」は「価値」という漢字に振られたルビです。「労苦と使命の中にのみ人生の価値(たから)は生まれる」。何かを感じ取っていただけたら幸いです。  結びに、本委員会の審議に当たり、誠意を持って御答弁いただきました区長初め理事者の皆様、資料の作成に当たられた職員の皆様に感謝申し上げますとともに、円滑な委員会運営に御尽力いただきました正副委員長に感謝申し上げ、杉並区議会公明党を代表しての意見開陳を終わります。  御清聴ありがとうございました。 ○井口かづ子 委員長  いのち・平和クラブ代表、市来とも子委員。 ◆いのち・平和クラブ代表(市来とも子委員) いのち・平和クラブを代表いたしまして、議案第16号、2019年度杉並区一般会計予算並びに各特別会計予算及び関連諸議案について意見を述べます。  亥年である本年当初から、国を揺るがす問題が起こっています。ことし1月、厚労省が作成する毎月勤労統計調査の不正が明らかとなりました。  本来、従業員500人以上の事業所は全数調査とすべきところ、都内では約3分の1しか調べられておらず、統計賃金が実際より低く計算され、約2,000万人が雇用保険や労災保険を低く支給されていたことがわかりました。さらに、厚労省内部で不正が把握されながら隠され、統計を補正するための措置を講じていたことも明らかになりました。  GDPを左右する基幹統計で組織的な不正が長年にわたり行われていたことに、驚きを禁じ得ません。ほかにも、働き方改革関連法のデータ不備、防衛省の日報隠蔽等の問題がありましたけれども、統計の不正、隠蔽は国を揺るがすものであり、到底許されるものではありません。  2月、沖縄では、辺野古新基地の是非を問う県民投票が行われ、地方自治と民主主義が改めて問われています。反対票は71.74%にまで上りました。しかし、政府は、県民投票告示後も、結果が出た翌日からもなお辺野古の埋立工事を強行し、批判が集まっています。  今国会で、軟弱地盤が新たに発見され、改良だけでも3年8カ月も要することが明らかとなりました。全体的な工期も予算も示されず、説明責任が果たされないまま、民主主義からほど遠い政治が行われています。  今後の経済に目を移しますと、米中貿易摩擦は短期間での決着は望めず、貿易面では日本経済にも影を落としています。  10月には消費税率が10%に引き上げられますが、増税対策は高額所得者中心のものであり、格差拡大や小売業の廃業等、景気の悪化が懸念されています。東京オリンピック・パラリンピックに向けて、一時的には消費が上向くことは予想されますが、オリンピック終了後に、その反動や消費税対策効果の剥落などにより、景気の落ち込みが懸念されます。  暮らしに目を向けますと、種子法の廃止、水道事業の民営化など、食と命にかかわる重要法案が強行的に採決され、食や水の分野で外資の参入が懸念されています。  働く人の環境を見ると、実質賃金は下落傾向を続けており、本年のベアも上昇が見込めません。働き方改革関連法の改正では、働き方改革に逆行するような、時間外労働の制限がない高度プロフェッショナル制度が導入され、過労死を誘発するのではと警告されています。  年々増加する非正規雇用は全体の約4割であり、そのうち約7割が女性と言われ、不安定な雇用環境が、子供の貧困やひとり親家庭、若者世代の貧困問題を生み出しています。  また、超高齢社会が加速する中、国保料値上げや介護サービスの切り下げがとまらず、介護人材の不足も深刻です。団塊の世代が後期高齢者となるいわゆる2025年問題、高齢者人口がピークを迎える2040年ごろに向け、より一層の地域包括ケアシステムの推進、地域共生社会の実現が求められています。  このような厳しい政治経済状況の中、私どもいのち・平和クラブは、住民に一番近い地方自治体の役割である区民福祉をいかに支え、向上させるのか、区民の安心と安全を守り、子供たちが将来に希望を持ち、緊急を要する課題に応える予算となっているかを検討いたしました。  以下、予算特別委員会での質疑の内容を踏まえ、主な賛成理由、評価する点と、要望を付して意見を述べます。  第1は、財政運営の姿勢についてです。  一般会計予算は、前年度比5.1%増の1,890億6,500万円で過去最大となりました。財政健全化と持続可能な財政運営を確保する新たなルールについては、大規模災害等への備えと将来にわたって必要となる施設整備にかかわるものであり、妥当なものであると判断します。  区長は、自治体の役割は福祉の増進にあり、財政健全化の指標や数字の達成が目的ではないと答弁しており、その姿勢を評価しております。区債と基金のバランスをとり、緊急を要する課題や必要な待機児童対策、特養建設など、区民の喫緊のニーズに対応しているものです。引き続き堅実な財政運営に取り組むよう求めます。  第2は、待機児童ゼロを継続していくため、認可保育所の整備をさらに進める取り組みです。  昨年に引き続き、ことしも待機児童ゼロが見込まれることがわかりました。新年度も認可保育園を拡充し、希望する全ての子供が認可保育所に入所できる環境整備を目標に掲げ、保育の質向上のため、会派として要望してまいりました中核園の取り組みに向けた準備を評価しております。そのためにも区立保育園の維持を求めるところです。  さらに、すぎなみ保育緊急事態宣言によって、公園の一部利用に際し、代替となる公園用地の保証を求めてきたところ、このたび用地確保が実現されたことを高く評価するものです。  第3は、児童館事業の拡充により、乳幼児親子の居場所事業の拡大、学童クラブの待機児童の解消、放課後の居場所の拡大です。  児童館の需要の高まりに、補助金がない児童館を新たにふやすことは困難なため、子ども・子育てプラザへの建てかえ、学童クラブと放課後の居場所の学校への移設で利用を大幅にふやしてまいりました。今後は学童クラブ専用館などで対応する方向も出され、学童クラブの質を維持するためには、直営館の維持を求めます。  第4は、子供の命を守る取り組みです。  昨年の目黒区での児童虐待事件、ことしに入って起きた野田市の児童虐待事件に世論の注目が集まっています。  新たに開始する子育て支援情報バッグの配布や子育て寄りそい訪問事業、子ども家庭相談システムの構築、要支援家庭を対象としたショートステイの実施など、子育て支援の拡充を図る取り組みは重要なものです。  地域型センターとなる高円寺子ども家庭支援センターを開設し、今後3年間で人員体制を、常勤福祉職7人から26人、3.7倍に強化することも確認できました。将来の児童相談所の設置に向け、人材育成と支援内容の充実をさらに進めるよう、改めて要望いたします。  第5は、特別養護老人ホームを初めとする介護施設の整備に取り組む姿勢です。  区は特養待機者を着実に減少させており、新年度は新たに173人分の定員増となることが示されました。また、認知証グループホームや都市型軽費老人ホーム等についても定員増に努めており、評価いたします。  介護施設で働く介護士などの人材確保や処遇改善に向けた拡充策を確認し、また、今後の区の取り組みと認識を確認いたしました。増加する外国人介護士の支援策については、会派として要望してまいりました。新年度の新たな取り組みである外国人を対象とした介護初任者研修の支援については、日本語教育のノウハウを持つ民間団体と連携しながら取り組むよう求めておきます。  第6に、障害者支援の拡充についてです。  医療連携型グループホームなどへの支援は、重度化し、医療的ケアを必要とする障害者の喫緊のニーズに応え、質の向上を図るものであり、評価しています。また、通所が困難な障害児の送迎、医療的ケアが必要な子供への支援の拡充についても期待いたします。障害者の移動支援に関する総合的な見直しに当たっては、改めて柔軟な対応を行うよう求めておきます。  第7は、防災・減災への取り組みを継続、強化している点です。  区民の防災・減災意識の向上は重要であり、感震ブレーカーの設置を、65歳以上世帯や障害者世帯は区内全域に拡充することについて評価いたします。感震ブレーカー設置業者については、区内の幅広い業者に依頼するよう求めます。  また、通学路のブロック塀対策、撤去費用などの助成の拡充がなされました。区民の防災意識の向上に向けた取り組みをさらに進めるよう求めます。  第8は、農業と福祉の連携についてです。  農地を活用し、さまざまな区民が参加する農業体験や交流、学びの場は貴重なものです。農地と地域、学校、福祉施設等をつなげ、障害者、高齢者、若者まで幅広い世代が参加することで、生きがいや就労支援に結びつき、地域の交流の場となることを期待いたします。先進事例を参考としつつ、今後の基本方針策定では、関係所管はもとより、当事者や支援団体等の意見を聞きながら進めていただくよう、改めて求めておきます。  第9は、ごみの減量と資源化において、区民1人1日当たりのごみ排出量が7年連続で23区最少を継続していることです。  また、会派で要望してまいりました使用済み油の資源化に新たに取り組み、拠点回収を始めることを評価いたします。  プラスチックごみ削減については、社会問題としての認識が広がったこの機を捉え、レジ袋削減のさらなる推進と、ペットボトルを減らすことにも取り組まれるよう要望いたします。  第10は、区立施設の電力について、新電力(PPS)からの購入を拡大し、財政削減効果は、これまで総計で約4億7,000万円に達していることです。  区立施設の改築に当たっては、建築物の省エネ性能を高めるとともに、太陽光発電機器の導入をさらに進め、原発に頼らない社会に向けた取り組みを求めます。  第11は、性的少数者施策の拡充についてです。  区内当事者の動きから拡充が行われ、新年度は、リーフレットを作成し、啓発活動を推進していくことを確認できました。理解促進と差別解消に向け、当事者団体と積極的に意見交換しながら進めていただくよう、改めて要望いたします。  第12は、児童生徒が安心して学べるための教育環境整備を拡充する姿勢です。  その1つは、いじめ対策について、会派からも具体的事例を挙げ、いじめ対策委員会の専門的見地を生かすことを求めたところ、委員会を活用した教育相談体制の充実で、いじめ・不登校対策の強化が打ち出されたことは評価できます。  2点目は、小学校入学準備金を前倒しし、3月支給を実施することで、より保護者の経済的支援が強まったことです。  3点目は、施設一体型ありきではなく、各学校の歴史、文化を大切にし、保護者や地域の意見を取り入れ、富士見丘小中の一体的整備に踏み出したことを評価するものです。  以上、主な賛成理由について述べてまいりました。
     加えて、今後の区政運営について特に留意していただきたい点について、以下つけ加えます。  第1に、学童クラブ民営化についてです。  子供の人口増、女性就業率の増により、今後もさらに学童クラブの拡充は必要だと考えます。一方で、学童クラブの民間委託ガイドラインが策定され、委託先の要件に法人形態が問われないこととなり、営利事業者の参入も可能となります。子供の最善の利益が保障されるよう慎重な事業者選定に取り組まれるよう、改めて要望いたします。  第2に、外国人の生活環境整備について要望いたします。  入管法の改正により、今後外国人の人口がさらに急増することが想定されます。区立小中学校において、外国人の子供が学びやすい環境をつくり、保護者への支援を行うよう求めます。さまざまな分野で多言語化を進め、誰もが暮らしやすい共生社会をつくるよう要望いたします。  第3に、非正規雇用と会計年度任用職員制度についてです。  会計年度任用職員制度の実施が2020年4月となっております。既に組合との協議が始まっており、希望するパート、嘱託員全ての人が雇用され、処遇改善がなされるよう要望いたします。また、雇用年限制度の撤廃についても改めて求めます。  第4に、公契約条例についてです。  条例制定に向けた準備が着実に始まっていることを確認いたしました。公契約条例の制度設計に当たっては、区内の事業者はもちろん、さまざまな区民から丁寧に意見を聞き、合意形成に努めるよう要望いたします。対象範囲については、幅広い業種に広げ、実効性のある設計を行い、女性や障害者などの視点も取り入れるよう要望いたします。  第5に、さまざまな生活課題が山積する時代だからこそ、ともに課題を解決するまちづくりのパートナーとして、真摯に区民の声を受けとめ、区民の参加と協働を一層推進するよう強く求めます。  以上、意見、要望を述べてまいりました。  私ども会派の予算要望並びに予算特別委員会における質疑を通して述べてきたことを今後の区政運営に生かしていただくよう、改めて要望いたします。  自治体の責務は福祉の向上にあるとする区長の姿勢を今後も堅持し、区民の声を聞きながら、誰もが安心して住み続けられる杉並区となるよう期待いたします。  以上の理由から、議案第16号杉並区一般会計予算、議案第17号、議案第18号、議案第19号、議案第20号、各特別会計予算に賛成をいたします。  議案第23号、国民健康保険の一部改定について。  今回も保険料の値上げとなっています。国保加入者の減とともに滞納者数が減っている中、滞納世帯が、20歳から39歳の世帯が55%を占めていることを確認いたしました。短期証や資格証の発行数は2,500人を超え、依然として厳しさが伝わってきます。しかし、最も低い所得層や年金暮らしの高齢者が多く構成する国保制度は、国の財政措置など、抜本的な対策がとられなければなりません。今後も引き続き区長会等を通して国への要望等を不断に行い、必ず実現するよう強く求めておきます。  なお、議案第7号、議案第8号、議案第9号、議案第10号、議案第11号については賛成といたします。  最後に、予算特別委員会の審議に当たり、御答弁いただきました区長初め理事者の皆様、資料作成に御尽力いただいた職員の皆様、公正公平な委員会運営に努められた正副委員長に感謝を申し上げ、いのち・平和クラブの意見開陳といたします。  8年間を通してお世話になりました全ての皆様に心から感謝を申し上げまして、杉並区議会で学ばせていただいたことを糧に、次に進んでまいる所存です。  本当にありがとうございました。 ○井口かづ子 委員長  日本共産党杉並区議団代表、富田たく委員。 ◆日本共産党杉並区議団代表(富田たく委員) 日本共産党杉並区議団を代表しまして、平成31年度杉並区各会計予算と関連議案に対する意見を申し述べます。  予算のあり方で第一に問われることは、区民の暮らしを守ることです。この点で、国民健康保険料を来年度も値上げすることは許されません。  国民健康保険の被保険者は低所得で支払いが困難な世帯が多く、そこに構造的問題があることは、区長会も繰り返し認めてきました。にもかかわらず、提案された国保条例は、所得割はわずかに減額したものの、介護分を含めた均等割は1,200円の値上げで、1人当たり6万7,800円とするものです。これで均等割は17年連続で値上げです。この結果、年収400万円、子供1人の3人世帯では、来年度の国保料が45万円となり、2010年度に比べ20万円もふえることになります。  今回の値上げでは、区も認めましたが、多子世帯や所得の低い世帯に重い負担を課すものです。質疑でも明らかになったように、医療給付に応じて都に納入する来年度の納付金は、今年度に比べ8億円も減額になっています。それでもなぜ値上げを押しつけるのか。それは、法定外繰り入れの縮小・廃止に向け、段階的削減を行うからです。質疑でも、法定外繰り入れは法的に何ら問題もなく、また、国保以外の区民から繰り入れに批判が上がっていないことは明らかです。値上げを抑えるための必要額は4億4,000万円であり、区の来年度予算の歳入増額のわずか4.8%です。区の努力で値上げを抑えることは十分可能です。にもかかわらず値上げをすることは許されません。  区民の暮らしと営業にかかわる来年度最大の問題は、安倍政権による消費税10%増税の強行です。  我が党区議団は、区内商店を訪問し、300店を超える商店主にアンケート調査を行いました。その結果、増税反対ないし延期を求める声は8割に上ります。増税による影響の重大性は、5%増税以降、区内商店数が半減し、売り上げも大幅に減少していることであり、商業統計でも浮き彫りになっています。それだけに、区民の暮らしと営業を守る区長として、安倍政権の増税にどう対応するのかが問われています。しかし、区長は、増税を懸念する中小業者の声を聞いていると言いながら、あくまでも国の判断に委ねると答弁しました。それでは、区民の暮らし、営業は守れません。重ねて、安倍政権に10月の増税、引き上げ中止を迫るよう区長に求めるものです。  関連して、区の商工予算についても述べておきます。  さきに紹介したように、多くの商店では売り上げが減少し、後継者問題もあり、営業を継続できるのかという困難に直面しています。それだけに区の役割は重要です。  我が党は、23区決算比較で、予算総額に占める商工費比率が杉並区は低いことを指摘してきました。来年度予算では、商工費は2年連続で減額、その額は2年間で約6,500万円です。商工費を増額し、商店街への支援を強化するとともに、代表質問でも提案しました個々の商店への支援に踏み出すべきです。積極的な検討と早期実現を求めるものです。  次に、施設再編整備計画について述べます。  区は、児童館を廃止しても、小学校内での放課後等居場所事業で小学生の居場所としての児童館機能は継承し、拡充できると言ってきました。しかし、施設の面では、学校の体育館や図書室、音楽室などは、学校と調整の上、適宜活用と答弁したように、制約があり、自由に使えません。運用面でも、事前登録が必要で、未就学児は受け入れないため、きょうだいで遊ぶことができず、おやつの持ち込み禁止、ビブス着用の義務づけ、日曜日は休業など、児童館の機能継承とは到底言えないことが代表質問、一般質問で浮き彫りになっています。  さらに、放課後等居場所事業は国のガイドラインや要綱に沿うものではなく、児童福祉法に基づく児童厚生施設でないことは区も認めています。国のガイドラインで、「児童館は、子どもが、その置かれている環境や状況に関わりなく、自由に来館して過ごすことができる児童福祉施設」であり、「子どもが自らの意思でひとりでも利用することができる。」「地域における子どものための拠点(館)である。」と定められています。子供たちの遊ぶ権利や文化芸術活動に参加する権利を保障するために、児童館を設置することは区の責務です。区民の声を聞かずに、その責務を放棄する区の姿勢は許されません。  また、学童クラブの需要がふえて、現在の児童館だけで対応できないという状況が、児童館を全館廃止する理由にはなりません。小学生の居場所を拡充するためには、児童館は廃止ではなく維持存続させ、小学校の学校開放など、居場所事業の拡充をセットで進めるべきだと指摘しておきます。  ゆうゆう館、区民集会所、区民会館、区民事務所会議室などを廃止してつくられる地域コミュニティー施設の設置によって、大幅な区立施設の削減が進められます。地域コミュニティー施設では、タイムシェアを行い、高齢者の優先枠を確保するとしていますが、日中に利用したい現役世代が排除される可能性が強く懸念されます。また、ゆうゆう館の特色でもあった充実した個人利用や三療サービスについては、その質を維持した継続ができるかもわからない状況です。ゆうゆう館の廃止と他施設の統廃合による大幅な施設削減についても撤回するよう求めるものです。  次に、施設使用料についてです。  2015年から、施設使用料の見直しと登録団体半額制度の廃止によって施設使用料が大幅値上げとなった結果、各地域の区民センターの集会室利用数が減少していることが質疑で明らかとなりました。値上げのために活動を継続できず、利用団体が解散してしまう事態が発生しているにもかかわらず、区は、高齢者の団体が高齢化で活動できなくなったとの認識を示したことは問題です。区民の活動実態から目を背ける姿勢を改め、安心して施設を利用できるよう、登録団体の半額制度の復活と使用料の引き下げを求めるものです。  次に、保育分野についてです。  認可保育所整備について、入所を希望する全ての児童に対応するべく整備が進められていることは重要です。一方、杉並区は、区保育室や認証保育所等が他自治体と比較しても非常に多く、いわゆる隠れ待機児童の多い自治体となっています。今後も認可保育所の増設による待機児解消を堅持するとともに、区の施策として進められてきた認可外保育所については、認可移行に向けて適切な支援を行うことを求めておきます。  認可保育所の大規模増設が進む中で、民間の運営事業者の割合も高まり、保育の質に格差が生じています。適切な指導監督、営業上の支援や保育士確保支援など、これまで以上に進めるべきです。  区内保育所の民間比率が高まる中で、安定的に保育の質を確保する上で、公立保育園の果たす役割はますます重要になっています。区立保育所の民営化をやめ、公立として維持存続することを強く求めておきます。  今年度の学童クラブ待機児童は255人と、近年では最高となりました。我が党区議団の試算では、申し込み児童に対する待機児割合は、2015年度で2.23%でしたが、今年度は5.57%と、3年間で2倍以上に急増しています。今年度の東京都平均が3.7%と報道されていることからも、杉並区の待機児割合は極めて高い値です。  区が小学校内などに別棟を建てるなど対応を行い、260名規模の定員増を進めたことは一定評価するものですが、学童クラブは通学区ごとに対策を講じなければ、待機児解消とはなりません。そのため、来年度の待機児解消見込みは、今年度待機児255名を少しだけ下回る程度となっています。待機児解消に向け、今年度行った別棟の増設などの対応を各通学区で行うことを求めるとともに、廃止した児童館の一部を学童クラブ専用館に転用する再編整備計画では待機児解消の決定打にならず、早期の待機児解消にもならないことを指摘しておきます。  続いて、高齢者施策についてです。  高齢者分野の予算は当然増額となっていますが、詳細を分析すると、高齢者のきめ細やかな支援などは廃止や後退があり、また他区と比較すると、同じ事業でも対象メニューが少ないなどの問題があることが浮き彫りとなりました。  減額事業を挙げると、ふれあい入浴、住宅改修助成、緊急ショートステイなどで、見守り配食サービス事業は廃止です。高齢者、とりわけ独居高齢者へのきめ細やかな支援の強化を求めるものです。  さらに、都の補助制度を使い、高齢者の会食サービスの実施、シルバーカーや補聴器の支給などが他区では行われております。都の補助金が利用できるわけですから、区としても検討実施を求めるものです。  次に、障害者分野についてです。  親亡き後の生活の場の確保は喫緊の課題です。グループホーム等の整備をさらに促進するよう求めます。  移動支援事業について、障害者団体や当事者から運用の見直しを求める声が寄せられ、我が党は繰り返し改善を求めてきました。区は、事業のあり方を見直すとしていますが、具体的な課題の解決は遅々として進んでいません。障害者の社会参加の保障と移動の権利は障害者権利条約にも示されており、基礎自治体として、その趣旨に基づいた対応を堅持すべきです。  質疑の中で、福祉分野の補助制度を積極的に活用すること、とりわけ、都が重視し、来年度に新規に補助を設けた事業について、区としても積極的に活用することを求めました。区は、都の補助要綱などを精査し、検討する旨の答弁でしたが、ぜひ積極的な実施を求めます。  中でも、新生児の聴覚検査体制の強化は重要です。ぜひ都補助を活用し、支援体制を図っていただきたいと思います。あわせて、聴覚検査費用に対し、3,000円の助成を来年度から開始すると答弁されたことは重要です。ぜひ周知徹底、円滑な実施を求めます。  続いて、教育分野についてです。  区立小中学校体育館へのエアコン設置について、都の補助を活用し、3年かけて全校に整備する計画を示したことは重要です。一方、学校トイレの洋式化については、従来のペースにとどまっており、23区中20位とおくれているのが現状です。今年度と来年度に整備予定の学校を除くと、洋式化率がいまだに30%台の学校が7校、40%台が15校と、全体の3分の1を占めています。保護者からも洋式化促進を求める声が上がっているにもかかわらず、財政負担を理由にした消極的な姿勢は容認できません。学校体育館へのエアコン設置と同様に、計画性を持ち、洋式化率80%に向けて整備を促進するよう求めます。  次に、就学援助についてです。  安倍政権が強行した昨年10月の生活保護基準の引き下げに就学援助を連動させず、認定基準を引き下げなかったことは重要です。しかし、5年前の生活保護基準引き下げでは、杉並区は国の悪政に追随し、就学援助の認定基準を引き下げ、その目安額は、23区の中で下から7番目となってしまいました。この点を質疑で指摘しましたが、区は認定基準を引き上げる姿勢を見せていません。生活困窮世帯に対する支援を拡充するためにも、就学援助の認定基準は、少なくとも2013年の生活保護基準引き下げ前の時点に戻すこと、今後は、生活保護基準の1.2倍から基準を引き上げ、1.5倍に近づけていくことを強く求めるものです。  続きまして、まちづくりについてです。  現在区が進めている阿佐ヶ谷駅北東地区まちづくりは、阿佐谷地域はもちろん、区全体のまちづくり、緑の保全にとって重大課題です。この間の質疑でも強調しましたが、問題の第1は、駅前で利便性の高い杉並第一小学校跡地につくる施設が、区民要望に応えた公共性のある施設となるのか、それとも商業施設の誘致などで周辺商店に影響を及ぼす施設になるのかです。  区長は、商業施設誘致は決まっていない旨の答弁を繰り返してきましたが、13日の質疑を通じて、方針決定文書でも、ことし発表された計画案でも、区の基本方針は、商業施設の誘致、商業・業務の集積を図ると明記されていたことが確認されました。さらに、近隣商店街が合意できない大型商業施設の誘致はしない旨の明言を求めましたが、明言はしませんでした。あくまでも公共性を守り、近隣商店街から顧客を奪うようなことがあってはならないことを改めて求めておきます。  第2の問題は、駅前でありながら、区の緑地保全方針における保全地区であり、みどりの顕彰表彰屋敷林に選定された樹林が守られるのか、また、貴重な植生が守られるのかという問題です。  13日の質疑でも明らかになりましたが、区画整理事業としたことで、都条例による許可対象ではなく、協議対象となりました。しかも、区民が不安に思うのは、区の文書ではあくまでも、可能な限り守るという曖昧な表現となっていることです。条例が開発者に求めていることは、既存樹林を保全する、または域内に移植することです。「可能な限り」などの表現はありません。現在調査を実施中と思いますが、その結果を直ちに公表するとともに、計画書についても、都に提出する前に区民と区議会に示すよう求めておきます。  都市計画道路の整備方針(第四次事業化計画)をめぐり、地元住民から計画見直しを求める声が広がっています。数十年前の計画が、地元住民との協議も尽くさず動き出し、強行されることは重大な問題です。地域の町並みを壊し、住民のコミュニティーを壊すことにつながる都市計画道路整備はきっぱりと中止するよう求めます。  あわせて、外環道、外環の2についても、自然環境や住環境の破壊につながるものであり、この間の酸欠ガスや地下水の地上への噴出という事故発生も踏まえ、速やかに計画を中止することを求めます。  最後に、我が党の調査と質疑で明らかになった大手造園業者による学校芝生維持管理支援委託をめぐる不正事件について述べます。  不正行為は、仕様書、契約の不履行であり、刑法159条に抵触する可能性があり、しかも長期にわたり不正を繰り返すという極めて重大で悪質な行為であることが、質疑を通じて浮き彫りとなりました。にもかかわらず、問題は、不正を行った事業者に対する区の対応が、まるで事業者を擁護するような姿勢に終始してきたことです。  第1に、明らかに仕様書、契約の不履行だったにもかかわらず、いまだに契約を継続していること。第2に、明らかに刑法159条、有印私文書偽造の可能性がありながら、これを否定していること。第3に重大なことは、指名停止に関する要綱では、区が対象とする要件の指名停止期間は、標準でも3月、最大で5月であるにもかかわらず、過去6年の履行成績が良好だったという理由で2月に軽減したことです。過去3年間も悪質な不正を行いながら、それを不問にするかのような判断は、不正事業者擁護と批判されても仕方がない状況です。改善を強く求めるものです。  次に、今回の事件を通じて、事前の調整が行われたのではないかと思われる不自然、不可解な入札結果が浮き彫りとなりました。学校芝生の維持管理委託では、ブロックで分割して発注し、競争入札を行っていますが、各ブロックの1位をとる事業者が毎回同じという不自然な事態が数年にわたって続いています。入札には15事業者が応札していますが、大手の5社だけが全ブロックを独占する結果です。しかも、他のブロック別に発注、入札した事業でも同様の結果が発見されました。  公正取引委員会の手引書では、こうした落札回数が均等で落札結果に規則性があるケースは、公正取引委員会に通報する事案に当たると示しています。しかし、区は、何ら不自然ではないという答弁を繰り返し、公正取引委員会への通報を拒否する態度でした。こうした区の姿勢は、疑惑にふたをする態度であり、公正公平な入札を堅持しようとする態度ではありません。改めて、関係する入札結果について全面的に調査し、かつ公正取引委員会への問い合わせを行うよう求めるものです。  以上、述べてまいりました理由により、予算関係については、議案第16号平成31年度杉並区一般会計予算、17号、国民健康保険事業会計予算、19号、介護保険事業会計予算、20号、後期高齢者医療事業会計予算には反対、18号、用地会計には賛成いたします。関連議案については、議案第23号杉並区国民健康保険条例の一部を改正する条例については反対、議案第7号、8号、9号、10号、11号、22号には賛成といたします。  最後になりましたが、多くの資料を調製していただいた職員の皆様に厚くお礼を申し上げまして、意見の開陳を終わります。  ありがとうございました。 ○井口かづ子 委員長  自民・無所属クラブ代表、岩田いくま委員。 ◆自民・無所属クラブ代表(岩田いくま委員) 自民・無所属クラブを代表して、議案第16号平成31年度杉並区一般会計予算外、当委員会に付託されている各議案につきまして意見を申し述べます。  平成の時代も残すところあと1カ月半ほどとなり、平成31年度予算は、平成最後の当初予算となります。こうした機会であることを踏まえ、まずは、平成の30年余における杉並区財政の大きな流れについて振り返ってみたいと思います。  平成最初となる平成元年度の一般会計当初予算において、その財政規模は1,050億1,592万円でした。この予算規模については、10年後の平成11年度には1,310億3,000万円、さらに10年後の平成21年度には1,427億1,200万円と、増加の一途をたどっております。そして、今回の平成31年度一般会計当初予算においては1,890億6,500万円と、過去最高となりました。  自治体における予算規模については、制度の変更や国、都の政策、またインフレ率等、社会経済状況に左右される面があるとはいえ、いわば大きな自治体への歩みが、よくも悪くも進んできた30年であったと言えるのではないでしょうか。  また、杉並区の基金残高及び区債残高の推移を振り返ってみますと、平成元年度において、主要基金残高は236億円、区債残高は276億円となっており、差し引きマイナス40億円となっておりました。10年後の平成11年度には、主要基金残高87億円、区債残高872億円となり、差し引きマイナス785億円となっております。さらに10年後の平成21年度には、主要基金残高359億円、区債残高179億円となり、差し引きプラス180億円となっております。そして現在、決算が確定した平成29年度で見れば、主要基金残高は465億円、区債残高は301億円となり、差し引き164億円となっております。  この視点で平成の杉並区政を振り返ってみた場合、平成最初の10年間は、バブル崩壊を受け、残念ながら大きく財政が悪化した時期、次なる平成10年代の10年間は、大きく悪化していた財政を健全化していった時期、そして最後の平成20年代の10年間は、財政悪化こそしていないものの、将来に対する積み立ては行っていない時期であったと振り返ることができようかと思います。  参考ながら、平成20年代の杉並区における年齢別人口構成比率を日本全体と比較してみると、例えば平成27年10月現在のデータをもとにしたものでは、30歳人口の比率は、日本全体では1.12%のところ、杉並区では1.81%というように、20代から50代前半の人口は、杉並区は多く、一方で、10歳人口の比率は、日本全体では0.84%のところ、杉並区では0.61%、65歳人口の比率は、日本全体では1.59%のところ、杉並区では1.14%というように、未成年及び50代後半以降の人口は、杉並区は少ないという、財政面で見れば非常に恵まれた環境にあったことを申し添えておきます。  続いて、今後の区政を取り巻く状況について展望いたします。  長期的な区政の状況を判断する材料としては、やはり人口動態の推計と区立施設の老朽化がその中心的な視点となります。  人口動態の推計については、昨年、杉並区まち・ひと・しごと創生総合戦略を改定し、それに合わせて杉並区人口ビジョンの改定が行われました。将来人口推計として最も蓋然性が高いと思われるCASE1、これは、合計特殊出生率を平成29年の区内実績値である1.01、人口移動の仮定を平成30年推計と同様としたものですが、このCASE1によれば、5年刻みで見た場合ですが、杉並区における生産年齢人口数のピークは2030年、全人口数のピークは2035年となります。  そうした中、高齢者人口比率は、2018年の21.0%から2065年の30.9%まで、今後約50年間、右肩上がりで上昇し続けることになります。また、高齢者人口の絶対値で見ても、2018年において11万8,784人のところ、ピークの2055年の16万5,945人まで右肩上がりで増加を続けます。日本全体では2042年が高齢者人口のピークと言われておりますので、杉並区では十数年ピークが後ろにずれることとなります。  財政需要という側面から見た場合、いわば人口オーナス期、すなわち、人口構成の変化が経済にとってマイナスに作用する時期であることは明らかであり、さきに見た現在の杉並区における年齢別人口構成の優位性との比較からも、楽観できるものではないと言えます。  区立施設の老朽化に関しては、これも昨年策定した杉並区区立施設再編整備計画(第一期)・第二次実施プランにおいて、施設の改築等に係るコスト試算がなされております。あくまでも現在の施設を同規模で維持し続けた場合ではありますが、30年間の改築改修等の経費は約3,452.8億円、年平均115.1億円となっております。一方で、施設白書2018によれば、直近10年間に支出した改築改修経費は年平均68.7億円と示されており、今後は毎年50億円ほど上積みが必要となります。  さらに、再編整備計画の試算にあるとおり、機械的に判断した場合、2025年の改築改修コストが200億円超となっていること、また、2023年から2031年にかけては、ほぼ毎年150億円前後の改築改修コストが必要であることが示されており、さきの人口ビジョンとあわせると、人口動態の影響がまだ比較的少ない近未来において、施設の老朽化対応には大きな財政需要が存在することが見てとれます。  以上、平成の時代約30年間における杉並区財政の大きな推移と、既に資料として公表をされている今後の杉並区政を経営、運営する上でしっかり考慮すべき事項について見てまいりました。  こうした大きな時間軸を前提とした上で、改めて平成31年度杉並区一般会計予算を見てまいりたいと思います。  昨年12月に示された平成31年度から3年間の財政計画との差異について、委員会質疑の中でお尋ねしました。  財政計画の提示からほんの2カ月しかたっていない中、税をベースとした歳入である特別区税は、予算案においては666億7,900万円と、財政計画より8億7,300万円上振れをしており、また、特別区財政交付金は441億円と、財政計画より22億5,000万円上振れをしております。合わせて31億2,300万円もの上振れという恵まれた状況にもかかわらず、財政調整基金からの繰入金の圧縮は、財政計画から10億5,000万円にとどまり、施設整備基金からの繰入金の圧縮も10億1,600万円と、合わせて20億6,600万円の圧縮にとどまりました。堅実な財政運営を心がけるのであれば、あと10億円余は基金からの繰り入れを圧縮できたはずです。  また、前年度当初予算との比較でも、特別区税は20億2,900万円、特別区財政交付金は25億円の増と、合わせて45億2,900万円の大幅増となっております。にもかかわらず、財政調整基金からの繰り入れが5,000万円の増、施設整備基金からの繰り入れも7億300万円の増となっており、参考ながら、区債発行額から公債費を差し引いた額も15億7,600万円の増となっております。  この結果、当初予算ベースで、区債残高が35億円以上増加し、かつ、財政調整基金と施設整備基金からの取り崩し額は50億円を超えております。決算剰余金や年度末整理で基金への積み戻しがあるとはいえ、実質的な貯金ができるかは極めて怪しい予算となっております。  あわせて、近年の23区平均との差異についても確認をいたしました。  資料でいただいた23区平均と比較すると、これは平成29年度と平成22年度の普通会計ベースの基金残高マイナス区債残高ですが、23区平均ではこの期間に約320億円ふえている中、杉並区は約8億円の減となっております。  参考ながら、この間、平成30年度と平成22年度の杉並区一般会計当初予算ベースでは、特別区税は約60億円ふえており、特別区財政交付金は91億円ふえております。  平成20年代において、杉並区では、単年度の税をベースとした歳入は大きくふえているにもかかわらず、実質的な貯金が全くできていない状況となっております。そしてこれは、先ほど見たとおり、平成31年度当初予算においても同様となっております。  質疑の中では、こうした状況についてるる確認したところ、足元の行政需要への対応との答弁でありました。しかし、歳入が好調なときこそ、長期的な行政需要と財政見通しを勘案し、何に税金を投入すべきかについて、長期最適となるよう、しっかり立ちどまって考えるべきではないでしょうか。  20世紀末に財政再建に取り組んだカナダでは、その具体的方法であるプログラムレビューにおいて、6つの基準をもとに全ての政策の見直しを行ったと聞いております。その1つに、厳しい財政状況においてもあえて支出する意味があるかというものがありますが、目先の増収をここぞとばかりに使う姿勢からは、将来の厳しい財政状況に対する認識が不十分であると指摘せざるを得ません。私たちの世代の責任として、現在の福祉向上だけでなく、将来世代の福祉も十分に考慮した上で区政に当たる必要があります。  なお、区債発行については、馬橋公園拡張用地取得のように、特定財源による後年度の補填により実質的な負担は非常に少ないというものもありますが、こうした補助が見込めず、また、引受先として市中銀行しか見込めない区民センター等の整備については、安易に起債に頼るべきではありません。  また、区が抱える債務という点では、債務負担行為の規模も非常に大きくなっておりますので、その状況についても十分留意するよう求めておきます。
     行財政改革についても触れておきます。  さきに述べたように、一般会計当初予算の規模が過去最大となっておりながら、行財政改革による財政効果見込み額は近10年で最少となっております。  昨年の決算特別委員会での会派意見開陳において導入を強く求めたRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)について、行財政改革推進計画や情報化アクションプラン改定案、さらには予算の編成方針とその概要にまで盛り込まれたことは素直に評価いたしますが、平成31年度における行革による財政効果見込み額の少なさによる危機感の裏返しとも言えます。  行革が停滞ぎみであることについて危機感を持って平成31年度の予算執行に当たっていただき、決算時には十分な財政効果額が得られるよう努めていただきたく思います。  以上、平成31年度一般会計予算について、長期的な時間軸の中で、主に財政の視点から適切な予算案となっているかについて見てまいりました。  個々の施策や取り組みでは評価できるものももちろんございますが、お金があればその分使うと言わんばかりの財政運営からは、将来の課題に正面から向き合っているとは残念ながら認められないこと、あわせて、足元の行政需要への対応、すなわち現在の区民福祉の向上に重心が置かれ過ぎており、長期最適の視点、将来の区民福祉の向上に対する姿勢が不十分であることから、議案第16号平成31年度杉並区一般会計予算には反対をいたします。  なお、先ほどカナダのプログラムレビューについて触れましたが、厳しい財政状況においてもあえて支出する意味があるかは、5つ目の基準となっております。また、6つ目の基準である、実施においていかに効率を高めるかについては、今後、AIやRPAを適切に導入すれば、一定の成果を見込めると言えます。  他の基準をここに列挙すると、公共の利益にかなっているか、政府がやるべき事業か、地方政府に任せられないか、民間やボランタリーセクターと協力できないかとなります。地方政府を国、都や他自治体と読みかえれば、区政運営においても全て当てはまることですが、現在の杉並区政においては、福祉の向上を錦の御旗として、こうした視点での検討が不十分となってはいないでしょうか。  そもそも福祉の向上は、地方自治法第1条の2に「地方公共団体は、住民の福祉の増進を図ることを基本として、」とあるように、至極当たり前のことです。大切なのは、この福祉を時間軸の中でどう捉えるか、また、区民の自立を支援する福祉なのか、それとも区民の依存を助長する福祉なのかといった視点ではないでしょうか。  「区民福祉の向上」の一言で思考停止や知的怠惰に陥ることなく、福祉のあり方自体について、改めて真摯に向き合っていただきたいと申し添えておきます。  次に、各特別会計予算並びに予算関連議案について簡潔に申し上げます。  国民健康保険事業会計については、平成30年度に制度改革が実施され、都道府県が財政運営の責任主体となりました。平成31年度はその2年目となります。また、介護保険事業会計については、平成30年度に第7期介護保険事業計画が始まり、その2年目となります。平成31年度は節目の年というわけではなく、特段の問題はないと判断し、議案第17号平成31年度杉並区国民健康保険事業会計予算外各特別会計予算について、全て賛成いたします。  また、議案第7号杉並区職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例外各関連議案につきましても、全て賛成いたします。  以上、各議案に対し、会派としての賛否及びその理由を述べてまいりました。  我が会派より、当委員会の質疑で指摘または要望した事項については、この場で改めて全てを申し上げることはいたしませんので、十分検討され、今後の区政運営に反映されるよう求めます。  さて、今定例議会が始まる直前、作家で、経済企画庁長官も務められた堺屋太一氏が御逝去されました。心から御冥福を祈念いたします。  氏が著わされた書籍は多数ございますが、そうした中で、いわゆる組織論についても見解を示されております。堺屋氏によれば、組織には死に至る3つの病があり、それは、1、機能組織の共同体化、2、環境への過剰適応、3、成功体験への埋没とのことです。最近の杉並区役所や杉並区議会を振り返るとき、非常に示唆に富んだ指摘だと感じます。  組織論における共同体組織と機能体組織については、ゲマインシャフトとゲゼルシャフトとして、ドイツの社会学者テンニースが対概念として提示をしておりますが、本来、機能組織であるはずの区役所や区議会が共同体化をしてしまってはいないでしょうか。また、職員が行政のプロとしての責任よりも、また、議会・議員は議事機関としての責任や二元代表制に求められている本来の役割よりも、区長の一挙手一投足に過剰適応してしまってはいないでしょうか。杉並区役所や杉並区議会という組織が死に至らないためにも、任期満了を控えたこの機会に申し添えておきます。  以上、議案第16号平成31年度杉並区一般会計予算を中心に意見を申し述べてまいりました。  結びに当たりまして、予算審議に対し真摯に御答弁をいただきました理事者の皆様、資料作成に御協力いただきました職員の皆様に感謝を申し上げ、会派を代表しての意見の開陳を終わります。 ○井口かづ子 委員長  区民フォーラムみらい代表、河津利恵子委員。 ◆区民フォーラムみらい代表(河津利恵子委員) 区民フォーラムみらいを代表して、平成31年度杉並区一般会計予算、各特別会計予算及び予算特別委員会に付託された議案に対して、賛成の立場から意見の開陳をいたします。  平成31年度予算は、杉並区基本構想(10年ビジョン)の実現に向けて、総合計画の最終段階のジャンプの期間の最初の年として、区民の暮らしの安全・安心の向上を、時代を超えて不断に貫いていく思いを込め、「新たな時代に安全・安心を貫く予算」とされました。  予算編成の基本的な考え方として、区民の暮らしの安全と安心を向上させるための事業に予算化、実行計画、協働推進計画及び行財政改革推進計画の取り組みを確実にするための予算、財政の健全性の確保と示されています。そして、社会状況や経済状況の分析をされていますが、平成の時代を、少子高齢化の進展と人口減少社会の到来、経済のグローバル化やICT分野を初めとする技術革新などを背景に、先行き不透明な変化の激しい時代だった。そして、変化への対応が後手に回ってしまったことで、新たな時代に課題を持ち越すことになったとされています。  社会保障制度や保育の問題、加えて、根本的な少子化対策など、国が抜本的な解決を主導すべき問題でもあります。その上で、時代の先を見据え、区政の課題に積極果敢に取り組んでいくと示されていることは、真摯に分析され、新しい時代に向けての揺るがない決意とも受け取れます。区民の日々の生活に密着した基礎自治体だからこそできること、現時点で考え得る有効な施策に着実に取り組むことが求められています。  目玉事業とされる区立小中学校体育館への空調設備設置、農福連携農園、がん検診の精度管理強化、保育の待機児童ゼロの継続と認可保育所の整備率向上、介護施設等の整備と介護現場の負担軽減などの事業は、いずれも着実に進めていただきたいと思います。  さらに、平成の時代に起きた多くの自然災害を教訓に、防災・減災に力を入れていくこと、子供の虐待の問題を受けて、子供支援の取り組みに積極的に取り組むことなども、区民の暮らしに直結したもので、時宜を得たものと捉えています。  平成の時代から新しい時代を迎えようとしていますが、基礎自治体の使命は区民福祉の向上にこそあると日ごろから述べられている区長の強い意思を、今後の区政においても貫き通していただきたいと思っております。  来年度予算の一般会計予算規模は1,890億円と、2,000億円に達しようとしています。新たな財政ルールに基づき、健全な財政運営に努めるとされていますが、緩やかな景気回復基調が続くとされてきた日本経済は、つい先ごろ、実は数カ月前に景気の山は越え、既に景気後退局面に入っている可能性が高いとの報道がなされました。アメリカと中国の貿易摩擦や、中国の消費と投資の鈍化の動きが、世界的な景気の悪化を招いている状況にあるとのこと。また、国による税源偏在是正による特別区財政交付金の減収、10月の消費増税や、来年開催される東京オリンピック・パラリンピック後の消費の冷え込み等々、多くの不安要因があり、予断を許さない状況にあるから慎重な財政運営をと申し上げるより、厳しくなることを想定して、より引き締めていくことと強く要請しておきたいと思います。  私たち区民フォーラムみらいは、生活者、納税者、消費者、働く者、さらに子供たちの立場に立って、区民の声を集約し、議論を尽くし、未来への責任を果たすため、未来志向の政策提言を行うこと、そして、広く区民との協働による政策の決定と実行を目指すことを掲げています。このたび示された予算の配分が、これらの趣旨に沿って予算化されているか、政策提言したものが反映されているか等を精査し、妥当なものと判断し、賛成といたします。  本委員会は全員参加の委員会ですので、質疑との重複を避けて、大枠で区政に対する意見を付しておきます。  杉並区の人口はこの数年増加し続け、来年度も納税義務者の増加による特別区税の増収が見込まれます。子育て家庭の転入や外国人の在住者がふえるなど、今後もしばらくは増加傾向が予想されます。待機児童解消やさまざまな子育て支援策の効果も出ているのでしょう。子育てしやすいまちとか、住みたいまちなどと評価が上がってきているようです。杉並のまちの魅力を一層高め、内外に発信し、今後も人口規模を維持する施策を展開することを要望いたします。そして、いずれ訪れる人口減少や人口構成の変化を把握し、機敏に対応できるように備えておいていただきたいと思います。  保健福祉分野の子供・子育て関連について申し上げます。  来年度から子供に特化した部局を新設されるとのことで、子供政策に力を入れる姿勢に期待したいと思います。  保育分野では、昨年に続き、本年も待機児童ゼロを実現する見通しになったことは、御努力に敬意を表したいと思います。  10月には幼児教育の無償化が予定されていますが、今後も増大する保育財政をいかに抑えるか、保育ニーズと施設整備の兼ね合い、地域偏在の是正、保育人材の確保、保育の質の確保等々、難しいかじ取りとなりますので、継続して尽力いただきたいと思います。  さらに、これまでも、保育所延長保育、学童クラブの時間延長など、鋭意努力されてきていますが、女性の多様な働き方を応援するため、トワイライト保育や土日休日の受け入れなど、多様な保育サービスについても充実させていただくことを要望しておきます。  委員会では、児童虐待の対応にも議論が集中しました。  近年、子供が虐待で命を落とす事件の増加には心が痛むばかりで、区立児童相談所設置も視野に入れ、先駆けて地域型子ども家庭支援センターが開設されることや、人的体制も大幅に強化されることには、とても大きな評価をしているところです。  虐待に気づき、早期に対応できる体制づくりと、虐待をしてしまう親へのカウンセリングがとても重要です。私は、子供を叱ると激高し、暴力がエスカレートする、悪いと思いながらもとめられないと悩む母親から相談を受けた経験があります。結構私たちの身近に、このような事例は多くあるのではないかと思います。重篤な事態に陥る前に、悩みを打ち明け、サポートしてくれる体制も必要と考えます。子ども家庭支援センターの事業の区民への周知と、関係機関、地域への協力を強力に呼びかけていただきたいと思います。  地域では、子供、高齢者、障害者を問わず、社会福祉協議会やNPOを初めとする諸団体、多くの区民による地域福祉の活動が豊かに展開されております。来年度からモデル的に実施される地域福祉コーディネーターの設置は歓迎するものです。人と人をつなぎ、必要があれば医療や行政のサービスにつなぐ、その意味では、くらしのサポートステーション、子ども家庭支援センター、就学前教育支援センターなどの相談機能もさらに期待が高まりますが、入り口はどこでもよいのです。問題解決のために、民間も含めた関係機関が柔軟に連携できる体制を構築していただきたいと考えています。  次に、障害者施策について要請しておきます。  来年度秋の開設に向け、重度身体障害者通所施設重度知的障害者複合施設が整備されます。障害者の施設整備においては、区有地の活用において、障害者のための施設を御検討いただいたこと、建設に当たっては、周辺住民との調整など御苦労いただいているものと、その御努力に敬意を表します。  また、来年度は、医療連携型グループホームへの支援やサテライト型グループホーム、シェアハウスの検討など、多角的にさまざまな手法を使って多様な仕組みを整備していこうとされていること、障害児のための支援についても、重度の子供と家庭を支えるきめ細かな仕組みが予算化されていることを大いに歓迎するものです。  他区に住むママ友との会話の中で、サービスを利用したくても、放課後デイの取り組みがないのよと嘆いていました。杉並区は障害者福祉が充実されているとの高い評価も幾度も耳にしています。一方で、事業所の皆さんからは、障害者の暮らしが社会的にも多様化している現状だが、杉並区は手がたく厳しいので、新しいサービスの導入で慎重であったり、新規事業者の参入が難しいとの意見も聞きます。住まい、日中活動の場、フリータイムを過ごす多様な居場所など、日々の生活に彩りを添えることができるよう、今後も鋭意努力されることを要望しておきます。  教育分野について述べます。  今委員会では、主に就学前教育、いじめ、部活、教員の働き方などのテーマについて議論されました。いずれもしっかりやっていただきたいとエールを送るものです。  また、私は特別支援教育について取り上げ、幾つもの要請をしてまいりましたが、杉並区の教育は、特別支援教育も含め、総じて教育水準、教育環境は高いものと認識していますし、誇れるものと捉えています。英語教育やプログラミング教育等、新分野の取り組みに関しては、苦手意識のある先生方も多くいらっしゃるのではないかと思います。手厚い研修をお願いしておきます。  今の子供たちは、本当に学ばなければならないことが多く、ゆとりがなくてかわいそうなんじゃないだろうかと私は個人的に思いもするのですが、次世代を担う子供たちは大きな可能性を秘めていますし、グローバルに活躍できるよう準備をしなければなりません。教育委員会として、多くの学習の機会や経験が提供できるよう頑張っていただきたいと、力を込めてお願いしておきます。  情報化社会への対応について申し述べます。  情報化の流れは、それこそ日進月歩で、目覚ましい発展を遂げています。当会派は代表質問において、AIの活用なども取り上げました。他自治体の事例も参考にしながら、導入に向けて検討されるとのことでしたが、劇的に変化するIT社会の到来を迎え、遅きに失することのないよう、活用できる事業の選択、費用対効果などを十分に検討した上で積極的に推進していただきたいと考えます。  永福南小学校跡地にビーチコートが整備され、つい最近、イタリアのオリンピック委員会からキャンプ地として正式なオファーがあり、5月のゴールデンウイーク明けに協定の調印を行うと伺っています。当会派の委員も、整備するために少なからずかかわってきましたので、安堵しています。さまざまな視点から効果的に情報を発信し、杉並のブランド力を広くアピールしていただきたいと考えます。そして、オリンピック・パラリンピック開催後も、競技やレジャー、広く区民の健康増進に利用できる施設としていくための工夫を要望しておきます。  15年ほど前になるでしょうか、私は予算特別委員会で、右肩上がりの経済は望めない時代になるだろう、今後は持続可能な循環型、環境、福祉優先の政策へ転換すべきではないかと申し上げたことがあります。  本委員会では、SDGs、持続可能な循環型社会の構築に向けた世界的な提言が議論できたことは、とても有意義なことだったと認識しています。多様性、持続可能性、共生社会は、区政運営における重要なキーワードだと区長の答弁をいただきました。ぜひとも区政の底流に据えて、各事業をこれらの切り口で検討することも求めておきたいと考えます。  来年度予算では、性的少数者に関する正しい認識と理解の促進についても拡充されています。  他会派の委員も述べられていましたが、今定例会の区民生活委員会でLGBTの議論ができたことは、画期的なことであったと受けとめています。どのような状況であっても、他から侵害されることなく、その人らしく安心に暮らせることは、LGBTに限らず、誰にとっても当たり前の社会になってきました。今後、具体的な支援のための議論を深めていっていただきたいと思います。  最後に、2つ苦言を呈しておきたいと思います。  阿佐谷北東部のまちづくりを初めとして、今後も、区民にとって身近な施設の再編や付随する事業の組みかえが行われます。議論のためには一定の計画図を描かなければなりませんし、合理的かつ効率的な計画案を作成されているものと認識しています。しかし、パブリックコメントや区民への説明会ではやはり、説明した、意見は聞いた、アリバイづくりでしかない、何を言っても何一つ変わらないといった感想を耳にします。政策プロセスにより一層の区民との協働と参画の手法を講じられるよう、一層の御努力を要望いたします。  もう1点、今後の10年、20年後の社会状況を、先見の明を持ってどう読むのか。超がつく少子高齢社会が抱える問題は一層深刻になるでしょう。また、さらに区民ニーズが多様化、変化していくことに機敏に対応することも重要になってきます。職員の力量を高め、知恵を生かすことができる組織を望みます。そして、何度も申し上げましたが、この事業が持続可能か否かの視点で事務事業の評価を厳しく行い、スクラップ・アンド・ビルドを行うべきときを見きわめ、果敢に臨んでいかれることを要望しておきます。  私は、10年後、20年後の日本社会を思うとき、幅広くじわじわと貧困層が広がっているのではないか、また単身高齢者がさらに増加し、社会全体に活力がなくなるのではと、とても心配しています。活力のあるまちを維持するために何が必要かと問われても、明快な回答はできませんが、多様性を認め合う地域社会と、それを構成する人こそが活力の源ではないかと考えます。杉並区が、活力あり、よい意味で競争力のあるまち、世代を超えて、いろいろな価値観を持つ人を引き寄せる力を持つ自治体であってほしいと思います。  本委員会で私たち会派の委員が取り上げました各款ごとの意見や要望については、今後の区政に反映させていただくことを要望いたします。  予算審議に当たり、区長初め理事者の皆様、資料作成に御尽力いただいた職員の皆様、円滑かつ公平公正な委員会運営に努められた正副委員長に感謝を申し上げます。  最後に、私ごとで恐縮ですが、御挨拶の時間をいただきたいと思います。  私は、今期をもって議員の活動に終止符を打つことにしました。本当に長い間ありがとうございました。  1999年の統一地方選挙の当選以来、5期20年にわたり、杉並区議会議員として仕事をさせていただきました。当選当時は、2000年の地方分権一括法と介護保険制度の始動、東京都からの清掃移管を控え、大きく転換するときでした。また、私の人生にとっても、第3子を出産後の選挙ということもあり、大きな節目でありました。  20年という歳月、本当に長距離ランナーのように力いっぱい走り続けてきた感があります。今、平成の終わりのときを迎え、これもまた新たな時代への節目であり、感慨深いものがあります。振り返りますと、よい思い出も苦い思い出もたくさんありますが、政策決定の場で活動できたことは、やりがいも持てましたし、一女性の生き方として、すばらしい経験をさせていただきました。  今後は、これまで仲間たちと続けてきました子供、障害者、高齢者の地域活動に軸足を置きつつ、これまでとは違う立場と視点で区政を応援していきます。そして、新しい風に吹かれ、私らしくゆっくりとしたペースで新たなやりがいを探そうと思っております。  月並みですが、私たちのまち杉並区がますます魅力的なまちとして発展することを期待するとともに、来期を目指される皆様方の御健闘と御活躍をお祈りしております。  最後に感謝の意を表しまして、私の意見開陳を終わります。  ありがとうございました。 ○井口かづ子 委員長  各会派による意見開陳の途中ですが、ここで午後1時5分まで休憩いたします。                           (午後 0時03分 休憩)                           (午後 1時05分 開議) ○井口かづ子 委員長  休憩前に引き続き委員会を開きます。  各会派による意見の開陳を続行いたします。  立憲民主党杉並区議団代表、山本あけみ委員。 ◆立憲民主党杉並区議団代表(山本あけみ委員) 立憲民主党杉並区議団を代表して、平成31年度一般会計予算並びに各特別会計予算案、そして関連議案に対しまして、賛成の立場から意見を申し述べます。  アベノミクスの成果が一部の国民のみに恩恵を与え、誰もが安心して暮らせる社会のビジョンが見えない状況が、多くの国民の心の安定を奪っています。社会保障と税のあり方、そして国の財政状況を踏まえて、国は将来的な国民負担を議論することが必要です。  政府は、本年10月にいよいよ消費税率を10%へ引き上げるとしていますが、立憲民主党は、消費不況の状況から脱却できていない中、消費税を上げれば経済に大変大きな打撃を与えるとし、撤回を求めています。足元の生活の現場からの暮らしを立て直さなければ、私たち国民の心の安定は築けません。  日本は既に高度成長を経験した成熟社会ですが、大量生産型の社会モデルから脱却できず、残念ながら、かえって全体主義による画一的な社会像を押しつけられ、国民は抑圧を感じながら生活をしているのではと感じることがあります。このことが子供たちの健全な成長に与える悪影響を心配しています。一人一人の個性や独創性を生かし、人種や性などによる違いを認め、お互いを尊重し合い、多様性を認め合う、ともに支え合う社会の実現こそが、この社会に暮らす私たちの幸せを下支えしてくれるのだと考えています。  最も生活者に近い行政である地方自治体の運営は、そのままそこに暮らす人々の幸せに直結しています。「いつ桜が咲いたのか覚えていない」、この言葉は、東日本大震災による大混乱の中、区長を初め、必死に私たち区民の安全を願い、闘ってくれた当区の前副区長の言葉であり、大変印象深く心に残っています。災害時であっても、また平時においても、真摯に区民の安全を確保し、区民とともによりよい方策を探りながら、常にチャレンジ精神を失わず、より一層着実な区政の運営が求められてくるのではないでしょうか。  本予算は、新たなルールのもとに組まれた最初の予算です。これまでの財政健全化指標の数字の達成を目的にはしないという姿勢を理解するところですが、今後も公共施設建てかえや福祉需要の増大により予算規模の増大が予測される中、単年度の収支の均衡にとどまらず、中長期の財政の健全化を展望し、常にコスト意識を持って取り組みを進めていただけますよう要望するところです。  以下、予算特別委員会での質疑の内容を踏まえ、基本構想の目標別に、主な賛成理由、評価する点に要望を付して意見を申し述べます。  目標1、「災害に強く安全・安心に暮らせるまち」について。  危険ブロック塀等の改善促進による地域の安全性の向上に関して。  昨年9月の大阪北部地震で、安全であるはずの学校のブロック塀が基準を満たさず倒壊し、大変痛ましいことに、登校中だった4年生の女児の命を奪いました。各会派からの要望もあり、当区ではいち早く学校のブロック塀の安全点検を行い、危険性の除去に向けて動きました。  本予算にも改修費助成に関して予算がとられたことは、まちの安全性向上に大きく貢献すると考えます。助成件数をブロック塀50件、擁壁2件としていますが、これにとどまらず、危険と思われるといった通報があった場合には、積極的に所有者の御理解を得ながら改善に努めるよう要望をいたします。  また、区内で初めて高いブロック塀の設置防止を盛り込んだ玉川上水・放射5号線周辺地区地区計画の策定後を実地検証し、成果を今後の区政に生かしていただきたいと考えています。  水害に備えたまちづくりの推進に関して。  被害予測が難しい地震災害に比べて、近年多発するゲリラ豪雨による水害の危険性は、降雨量によってある程度の被害想定ができる災害です。どれくらいの雨が降ればどれくらいの被害を受けるのかを把握しやすいハザードマップ作成の取り組みは、被害軽減に大きく寄与すると考え、今後はより多くの区民に周知と活用が進むことを願っています。  目標2、「暮らしやすく快適で魅力あるまち」について。  戸別訪問強化等による狭隘道路拡幅の加速化に関して。  当区では、狭隘道路拡幅のために重点整備路線を決め、取り組みを進めてきましたが、このたび、さらに加速するための予算が盛り込まれました。日本の歩行者交通事故死者の全交通事故死者との比率は、データのあるOECD加盟26カ国中25位という大変ひどい結果であるという報告があります。震災時の避難路や緊急車両の通行を妨げるのを避けるためにも必要な事業ですが、平常時においても車と通行人の安全を守るため、本事業の推進は必要です。  先日、雨が降る朝、保育園に登園途中の親子を見かけました。女の子はまだ3歳に満たないくらいの小さなお子さんで、自分のすぐ脇を通る車が怖いらしく、傘を差しながら前に進めない様子でした。いつもなら自転車の後ろに乗って送ってもらう同じ道であっても、歩くのが困難であるのだと思いました。  戸別訪問による区民への積極的な周知に関しては、職員の方々には大変な御苦労があると思いますが、地道な御努力が実を結んでいくことを願っています。  富士見ヶ丘駅周辺まちづくりに関して。  詳細に関しては本委員会でも申し述べましたが、かねてより要望していた、都道や都立公園整備を契機とした大きな視点でのまちづくりに当区が着手をされたことを大変評価するとともに、富士見ヶ丘駅周辺を限定的に捉えるのではなく、人の流れの関係性の強い久我山駅周辺に関しても、大きく杉並区南西部という視点でまちづくりに臨まれるよう、改めて要望をするところです。  目標3、「みどり豊かな環境にやさしいまち」について。  地域の公園整備に関して。  区内緑被率が平成24年度の22.17%から平成29年度は21.77%と、若干ですが下がる中、平成33年度の目標値25%達成の道のりが見えていないことを危惧しています。そのような中、今般の既存の公園等の整備やリニューアルの取り組みを、緑被率向上にも資するよう期待をしているところです。今ある緑の財産を大切に、公園が区民の憩いの場としてより一層認識され、利用が進むよう要望します。
     関連して、環境に関して。  区立施設再編を契機として、緑や環境に優しいまちに関しても取り組みが進んでいくものと考えています。今後建てかえが進む公共施設では、建物だけではなく、緑をふやし、周辺環境を向上させ、整え直すチャンスであると考えます。一つ一つの敷地条件を生かしたよりよい施設整備をどうすればつくり出せるかといった検討を丁寧に進めていくことを要望いたします。  目標4、「健康長寿と支えあいのまち」について。  障害者への支援の充実に関して。  医療の進歩により、大変ありがたいことに、助かる命がふえてきました。障害者の支援策が図られることを大いに歓迎し、医療的ケアが必要な方々の障害特性に合った、安心して暮らせる環境に力を入れていただくとともに、医療的ケア児の、区内の支援が必要な方々の需要の把握に努めていただけるよう要望します。また、民間の放課後デイサービスの充実に向けた支援にも取り組んでいただきたい。  高齢者の施設介護と在宅介護の需要を見据えた整備を目指すことに関して。  本委員会の中で、今後の特養整備に関しての質疑がありました。施設整備が求められる一方で、在宅介護を望む区民が多いという状況もあります。在宅介護支援策もあわせて需要の把握に努め、限られた予算の中でのベストミックスを目指してほしいと訴えてきましたが、答弁の中でも、そういったことを勘案し、平成34年度以降の方針を検討していくとありました。このことを評価し、今後の取り組みを注視してまいります。  目標5、「人を育み共につながる心豊かなまち」について。  オリンピック・パラリンピック教育の推進に関して。  いよいよ来年は東京オリンピック・パラリンピック開催の予定です。当区では、オリンピック・パラリンピック教育を推進し、共生社会形成の担い手として必要な資質の育成に取り組むとあります。この貴重な機会を捉えて、そもそもオリンピック・パラリンピックとは何を目標としているのかといった、オリンピック憲章の正しい理解を進めていくことが重要だと考えています。一部の商業主義の部分ばかりに目が行くようであれば、子供たちに間違ったメッセージが伝わることにもなるのではと危惧するところです。取り組みを求めておきます。  児童虐待対策の強化に関して。  本委員会でも多くの議論がされ、喫緊の課題であることを含めて皆が再認識をいたしました。当区では、子育て寄りそい訪問に着手し、未然防止から取り組みの充実強化に迅速に取り組むことを大変大きく評価し、心強く感じています。  以上、主な賛成理由に関して申し述べました。  これに加えて、今後の区政運営について、区民の声を聞くことを第一にして、私ども会派から、特に留意をしていただきたい主に8点について、以下申し述べます。  第1に、住民協議会について。  今後は、区立施設再編整備計画の跡地利用やサウンディング調査、また震災時の事前復興など、区民の間でも賛否が分かれる重要な判断をしていくことになります。区民の周知が届かず、協議の場を用意されていない状況のまま進めていけば、反対運動へとつながっていくのではと危惧しています。住民協議会では、無作為抽出により行政課題を協議するための委員が選出されることで、前向きにテーマに取り組んでいく雰囲気のもと、建設的な議論の場をつくることができます。区による前向きな取り組みを強く要望いたします。  第2に、LGBTの方たちを含むパートナーシップ制度について。  本議会では、LGBT施策の推進に関する陳情が3件同時に審議され、議会として推進の立場が明らかになってきました。議論の中で話にも上ったパートナーシップ制度は、LGBTの方々のみならず、夫婦別姓を望む区民からも要望が寄せられています。諸課題を検討の上、今後は制度創設に向けての検討に着手されますよう要望いたします。  第3に、事前復興とまちづくりについて。  毎年、東日本大震災が発生した3月11日を予算特別委員会の間で迎え、あの日を忘れないという思いを新たにし続けることができることに、大変大きな意義を感じています。事前復興の必要性は、都の取り組みを見ても明らかです。総論賛成各論反対、利害が拮抗するであろう取り組みであり、まず最初にその必要性の認識が区民に広がるよう、周知の工夫を求めておきます。  第4に、公共施設のゼロ・エネルギー・ビル化検討への取り組みについて。  地球温暖化防止策として夢の取り組みだったゼロ・エネルギー・ビルは、大手ゼネコンや研究者などの御努力によって、今や実証段階が確実に近づいてきました。機を同じくして、全国では公共施設の建てかえが進みます。長寿命化を目指し、80年近く使い続ける想定の公共建築物の省エネ化は、今までよりも増して取り組みが必要となり、敷地条件を最大限に生かし、ゼロ・エネルギー・ビル化への検討が必要になっていくと考えています。  現在、公共施設の改築や改修は、担当部署がメーンとなって検討を進めていますが、地球温暖化防止を最大限考慮していくのであれば、担当部署任せにせずに、環境部による取り組みを進めていくべき施策の大きな柱として捉え、積極的に関与していってほしいと考え、強く要望するところです。  第5に、森林環境譲与税について。  森林環境譲与税が初めて予算計上されましたが、これは数年前、地方税たる住民税均等割に国税たる森林環境税が上乗せされて課税されるということが決定されました。杉並区民は約3億円を納税して、杉並区へ約6,000万円が森林環境譲与税として譲与され、約2億4,000万円は地方へ分配されます。  そもそも国税を地方税に上乗せすることは不合理な制度であり、国税と地方税を融合してその境を曖昧にするものと考え、違和感を覚えます。当区では、機会を捉えて、国に対して、税のあり方やすみ分けを明確にしない制度への抗議をしていただきたいと考え、要望といたします。  第6に、ロストジェネレーションへの対応について。  生まれてくる世代を選ぶことはできないことは承知をしながらも、学生時代を終えたときが就職氷河期に当たり、幾ら努力をしても自分の望む仕事に恵まれなかった方が多い世代が、今や30代後半を迎えています。通常なら働き盛りの年代ですが、正社員の経験がなく、非正規雇用という不安定な雇用形態でしか仕事をしたことがないままでは、体調を崩せば収入が絶たれるという不安感、結婚や子供を持つことを経済的な理由で望むことができないといった看過できない状況が生まれます。当区にもそういった区民が一定数いらっしゃるのだと思います。  本委員会で、就労相談の窓口に来られる区民の中に、こういった世代特有の問題を感じることがあるといった区からの答弁がありました。区民と直接接する窓口での実務から、取り組むべき課題を感じ取っていることはすばらしいと思いました。  このロストジェネレーション世代と呼ばれる世代から次の子供世代への人口再生産率は7割以下にとどまっているという報告もあります。少子化対策としても取り組みが必要と考えますが、何より、自分は社会の大切な一員であるという意識を持ち、生き生きと暮らしていける区民をふやしていくよう、何かしらの支援策が必要と考え、取り組みを要望いたします。  第7に、児童相談所について。  都心の一等地で児童相談所開設の反対をする大人の姿がニュースに流れる一方で、児童相談所の支援にたどり着くことができず、親による虐待で幼い命が無残にも奪われるというニュースがあり、詳細が伝えられるにつれ、無力感にさいなまれています。  当区では児童相談所設置の検討が進み、施設をつくるためには、同時によい人材の確保が必須であるとして、課題を整理中の段階であると考えております。手がたい進め方に心強さを感じる一方で、必要としている子供へ一日も早く支援の手を差し伸べることができるよう、スピード感を持った取り組みを要望します。  第8として、最後に、子供の権利に関する条例について。  本議会では、児童虐待に関する議論が多くなされました。子供の権利は、決して何か義務の対価として得られるものではなく、全ての子供が生まれながらに無条件に有する権利です。さきに申し上げたとおり、私ども会派は、区の児童虐待対策の強化を理解し、評価するものですが、これからその対策強化を行うこと。そして、今後児童相談所を設置することを鑑みれば、区がどういった覚悟で児童を虐待から守っていくのか、その指針となるものをまずはしっかりと定める必要があります。現在行っている区の施策をさらに推進するためにも、今こそまさに子どもの権利条約に基づいた子供の権利に関する条例を区でも制定するべきと考え、まずは検討に着手されることを要望いたします。  議案第23号に関して意見を申し述べます。  国民健康保険制度は構造的な不良の改善が進まないまま、区民への負担の増大をお願いしなければならない状況が続き、大変心苦しいと考えています。一方で、生活が著しく困難な場合には利用できるはずの国民健康保険料所得割の減免制度が、周知がされていないため利用が進まない現状があり、会派として改善が必要であると訴えてきました。  当区におかれましては、解決すべき大きな課題として捉え、必要な人に必要な支援策が届いていくよう、積極的な取り組みを要望します。また、構造的な不良に関しては、国に対して改善を強く求めていくよう、重ねて要望をいたします。  ほか関連議案に関しましては、会派として賛成といたします。  間もなく元号が変わり、新たな時代となりますが、杉並区におかれましては、あらゆる区民の幸せのために、今後とも不断の御努力を続けていかれますようお願いを申し上げます。  最後に、予算特別委員会の審議に当たり、御答弁いただきました区長を初めとして理事者の皆様、資料作成に御尽力いただいた職員の皆様に感謝を申し上げます。議員席からは、整然とまとめられたファイルや、そこから即座に必要なものを選び、御答弁をされる姿を拝見し、日ごろの真摯に業務に当たられる様子の一端を感じることができ、一区民としても大変心強く感じました。  当会派により申し述べました要望に関しましては、今後の区政運営において特段の配慮をいただけますよう、よろしくお願い申し上げます。  また、公平公正な委員会運営に努められました正副委員長に感謝を申し上げ、立憲民主党杉並区議団の意見開陳を終わります。  ありがとうございました。 ○井口かづ子 委員長  以上で各会派による意見開陳は終了いたしました。  ほかに意見はありませんか。──ただいま、松尾ゆり委員、田中ゆうたろう委員、堀部やすし委員、木村ようこ委員、松浦芳子委員から意見の申し出がありました。  それでは、意見の申し出がありました委員を順に御指名いたします。  松尾ゆり委員。 ◆杉並わくわく会議(松尾ゆり委員) 杉並わくわく会議として、来年度予算についての意見を述べます。  第1に、阿佐ヶ谷駅北東地区のまちづくりについて述べます。  阿佐谷北部地域に育ち、暮らしてきた者として、この計画で地域が全く変わってしまうことは許容できません。  質疑の中では、主に土壌汚染問題、換地の価格の問題、自然環境の保全についてただしました。  まず、河北病院は土壌汚染対策法上の特定施設であり、東京都環境確保条例の指定作業場です。すなわち、有害物質を取り扱っている、土壌汚染があることが前提となる施設です。  指定作業場であることが本件でどう問題になってくるかというと、第1に、土地の権利交換に当たっての評価額です。第2に、病院の廃止とその後の工事に際しての土壌汚染対策の責任の所在です。第3に、学校が現実に開校して以降の環境汚染の心配です。  まず、交換価値について、区は一貫して、土壌汚染については河北病院が全面的に責任を負うので、換地の評価には汚染を勘案しないとの態度です。しかし、土壌汚染調査は、あくまでも河北病院がけやき屋敷用地に移転した後に行うとのことであり、その実態は今のところ全くわかりません。病院が指定作業場であることを前提すれば、汚染があることを前提として評価する必要があります。  何度も言いますが、この時点で既に照応原則に反するので、そもそも換地が成り立たない土地だということです。区役所、区議会の皆さん、法の求める公正さを守らなくていいという立場に少なくとも私は立てませんが、皆さんはいかがでしょうか。  不動産鑑定において、土壌汚染に対して、浄化費用分及び心理的減価(スティグマ)分を差し引く必要があるというのが常識です。  また、本件に関しては、土壌汚染の有無が今のところ不明ではありますが、その場合には土壌汚染がないものとしてはならないというルールがあります。日本不動産鑑定士協会連合会の「不動産鑑定評価基準に関する実務指針」では、「土壌汚染の存在の可能性が認められたときに、それが価格形成に重大な影響を与えないと判断できる場合以外は、土壌汚染の影響を考慮しなければならない。」、また、「汚染の除去等の措置が行われたとしても、措置方法次第ではそれによる最有効使用の制約に加えて、汚染物質は存在し続ける場合もあり、また汚染物質を除去した場合でも汚染地であったということが心理的な嫌悪感を招来し、対象不動産の減価の要因となる場合がある。」とされています。  すなわち、汚染地は、汚染の可能性があるというだけでも、また見つかった汚染が除去されたとしても、その価格を低く見積もられるのが常識なのです。本件病院跡地は、加えて浸水地でもあり、地権者からすれば、売却には極めて不利な土地ということになります。これを区が駅前の一等地と交換してくれるとは、天の助けのような話です。  逆に、区は、不当に高い代価を払うことになり、地権者及び病院に対する不当な利益供与ということになります。公共財産の処分としては許されません。  汚染地を汚染のないものとして扱うこの手法は、豊洲市場用地の土地交換で使われたものであり、田中区長はその経験から、ここでも同じ手法を使おうとしているのだと思いますが、区民の財産を毀損する不当な手法であり、正当な価格算定を要求します。  ちなみに、換地にかかわる鑑定の情報などは、請求しても黒塗りで出てくる状況です。これでは区議会、区民は正しい判断ができません。仮換地指定以前に、換地計画とその根拠となる情報を区民に公開することが求められます。  第2に、土壌汚染処理の責任についてです。  協定では、土壌汚染拡散防止措置、掘削除去を病院の負担で行うとなっています。ところで、掘削除去といったところで、発見することのできた汚染土壌の除去、入れかえであって、敷地全体の土壌の入れかえではないことに注意が必要です。土壌汚染調査はサンプリングで行われるので、発見できた以外にも汚染が残っている可能性は否定できません。  病院側が対策を行った後にも隠れた瑕疵が見つかった場合のために、病院の瑕疵担保責任を明記した契約を結ぶ必要があることは指摘しました。  他の委員の質問に対して、吉田副区長が、馬橋公園拡張用地では国の責任でちゃんとやっているとおっしゃいましたが、その用地の国との契約において瑕疵担保責任がうたわれているからのことであって、まして民間との取引においては当然のことと考えます。  第3に、学校用地としての利用と汚染の可能性の問題です。  今述べたように、病院側が汚染対策をしたとしても、後々汚染が見つかる可能性がないとは言えません。それは、学校が建設され、運営が始まった後に発見される可能性もあります。  それを避けるためには、やはり土壌の全面入れかえが必要と考えます。小学校用地として使われる前提で話が進んでいるのですから、病院の責任において、土壌の全面入れかえを行うことを求めるべきです。先ほどの土地評価の話に戻ると、そこまでの保証があって初めて汚染のない土地としての評価ができるものです。  ところが、区が民間に委託した阿佐ヶ谷駅北東地区大規模敷地活用に関する調査業務委託報告書では、杉一小の改築費用の算定に土壌入れかえ費用7億3,000万円が計上されています。河北の土壌汚染対策とは別に、区の負担で土壌全面入れかえを実施するのかと問うたところ、それは今後の調整ということでした。今後の調整とは、すなわち、土地区画整理事業全体の事業費の中に紛れ込ませてしまおうということなのか、そうして病院は負担を逃れて、実質区の負担になるのではないかと危惧しております。  個人施行の土地区画整理事業という形をとっていることが、あらゆる情報の隠れみのとなっています。区の財産処分をチェックするはずの財産価格審議会も口出しできません。  なお、吉田副区長は日産跡地の話もされましたが、ここでつけ足すと、この土地は、URが購入後も地下水の汚染が見つかり、日産が薬剤処理したが、その後、1年間のモニタリングが行われています。河北病院跡地も、汚染の状況によってはモニタリング期間を必要とし、結果として、杉一小移転はさらに1年、2年延びる可能性も出てきます。これも調査業務委託報告書で指摘されていたことです。  次に、環境保護の問題です。  現在の計画では、阿佐谷のシンボルであるケヤキの森がほとんど消滅してしまいます。意見交換会でのコンサルの説明では、緑化率を25%とするとの案も示されていますが、その大部分は新たな沿道緑化であり、森は南西の一部が形だけ残るだけです。  東京都のレッドリストで絶滅危惧種IAに指定されているツミの話をしました。IA類とは、近い将来の絶滅の可能性が非常に高いという分類です。  ツミは、2013年の杉並区自然環境調査において、延べ12羽が目撃され、区内で新たに繁殖が確認されました。先日、本会議でお示しした写真は阿佐ケ谷駅近くの商店街で撮影されたものですが、けやき屋敷や神明宮でも目撃されています。  環境省の「猛禽類保護の進め方」では、猛禽類は行動圏が広く、調査によって得られる情報は断片的なものでしかない。したがって、専門家の知見を得て、不足している部分を補うことが重要とされています。  営巣地だけを守ればよいわけではなく、個体が視認されなかったから終わりではありません。当該地は、よそにすんでいるツミなど猛禽の餌場になっている可能性も高いのです。  猛禽は生態系の頂点です。猛禽がいるということは、下位の生態系も健全なのであり、森がなくなることは、猛禽を頂点とするそこにある生態系が根こそぎ失われることになります。低木でも芝生でも何でもいいから緑を植えれば緑化だという考え方では守れません。他の委員から玉川上水周辺の生物多様性の保全という発言がありましたが、他方、これほど都市化が進んだ阿佐谷における残された生物多様性は一層貴重で、壊れやすいものです。区長が主張するように、区が関与したから緑が守れるというのであれば、この森を守るために、病院配置、学校配置をいま一度見直す必要があると指摘いたします。  次に、地区計画等における公聴会の開催についてです。  本会議では、私の質問に対し、公聴会は例示の1つとの答弁でしたが、これは国交省の見解とは異なるものです。  「都市計画運用指針」では、「特に、法第16条第1項において公聴会の開催を例示しているのは、住民の意見を反映させるための措置として、住民の公開の場での意見陳述の機会を確保するべきという趣旨であることに留意する必要がある。」と述べています。ここには、公聴会は1つの例示とする言葉はなく、あえて公聴会と書かれているその意義について注意を促しています。  続いて、「説明会は、都道府県又は市町村が作成した都市計画の原案について住民に説明する場と考えられ、公聴会は、都道府県又は市町村が作成した都市計画の原案について住民が公開の下で意見陳述を行う場と考えられる。(中略)今後は、都市計画の名称の変更その他特に必要がないと認められる場合を除き、公聴会を開催するべきである。」と述べています。  説明会と公聴会を明確に区別し、その上で公聴会の開催を求めているものです。説明会ではだめなのです。本会議で答弁された意見陳述の機会を、国交省の指針の趣旨を忠実に反映して行うように求めます。  次に、消費税について述べます。  ことし10月の消費税率引き上げは、実行されれば区民の生活と営業に大きな打撃となるだろうことは想像にかたくありません。質疑への答弁では、その辺の関心が余り高くないらしいので、残念に思いました。もう少し事業者に寄り添った対応が必要だと思います。  ところで、あんさんぶる荻窪の財産交換を調べているうちに、大変な問題にぶつかりました。あんさんぶるの価額見積もりに消費税が転嫁されていなかった問題です。この金額は約1億2,000万円に上り、この取引で区長はこれだけの損害を区に与えたことになります。転嫁しなかった理由は、区が消費税を納税していないから、請求しなかったということでした。もし本当だとすると、これは大変な誤りです。  質疑でも指摘したことですが、よく益税といって、消費税は預かり金であり、免税事業者が消費税を徴収するのはおかしいという論が見られますが、これは誤りです。事業者は消費税を徴税しているのではなく、みずからが払った消費税を商品価格に転嫁することができるという仕組みです。私たちがまちで買い物をして払う消費税は、正確には税ではなく、消費税が転嫁された価格の一部にすぎません。  杉並区はこの誤った益税の考え方にとらわれ、消費税を払わない者が消費税を取ってはいけないと間違えてしまったのではないでしょうか。もちろん、価格に転嫁するしないは事業者の自由とも言えます。しかし、区の場合は、転嫁しなければそれはそのまま区民負担となってしまいます。あんさんぶるの財産交換では1億2,000万円もの区民負担となってしまいました。しかも、他の資産売却でも、これまで同様に処理されてきたというのだから深刻です。  同時にまた、消費税に対する誤った認識は、区民、事業者に対する区の政策にも影響を与えるおそれがあります。特に事業者の皆さんの経営と消費税の関係を誤って解釈するおそれがありますので、認識を正していただくようお願いいたします。  既に売却されたあんさんぶる等の資産について、この消費税分の取り扱いについては、今後適切な形で是正を求めていきたいと考えております。  そうでなくても、あんさんぶるの財産交換には、財産鑑定が行われず、価格調査という形で交換が行われたこと、またその内容にも疑義があることは、昨年の予算特別委員会で指摘をしたところです。田中区長が、区有地及び区施設を、土地転がしのように国や民間の土地と交換し、そのたびに区の財産が毀損されていくのは見ていられません。  このたびの阿佐谷の再開発においても、駅前一等地の貴重な区有地である杉一小敷地を手放し、駅前の一体開発に供するのは、区民のためではなく、不動産ディベロッパーや金融機関、ゼネコンなどの利益のためでしかないと厳しく指摘するものです。  他区でも、中野区の東中野小跡地のマンション開発、港区の田町駅前の土地区画整理事業による公共用地を利用した高層ビル街建設など、公共用地を食い物にする開発が今都内で相次いでいます。このような手法を杉並区に、阿佐谷に持ち込むのはやめていただきたいと思います。  都市整備では、このほか、西荻窪の132号線を初めとして、高円寺227号線、この阿佐谷の133号線、相互通行問題がくすぶり続ける荻窪131号線、外環道、外環の2など多くの道路問題、動き始めた西武新宿線連続立体交差事業もあります。大型公共事業が住民の生活に及ぼす影響ははかり知れません。地域住民が主人公となるまちづくりに転換する必要があると指摘します。  次に、児童館、学童クラブ、保育園等、子供政策について述べます。  委員会質疑では、最近の事件を受けて、児童虐待への対応を求める多くの発言がありました。どの御意見ももっともと思われるものでしたし、区が対応を急いでいるということもわかりました。  しかし、虐待の発見とその後の対処は、いわば対症療法です。もちろん、緊急に対処が必要なケースもありますが、行政が行うべき本質的な責務は、もっと深いところにあるのではないでしょうか。  虐待行為やいじめなどが起こらないような親子関係、子供相互の関係づくり、そして、子供が安心して自分らしく成長していける社会と家庭の豊かな環境づくり、いわば対症療法以前の基礎体力づくりのところで親子を支えていくことは、基本的な行政の役割です。  杉並区の児童館は、職員はもちろん、地域の子育てネットワーク事業で、地域の人々や学校、行政機関と連携しながら子供たちを守っています。一例として、昨夜、説明会に参加するため訪れた堀ノ内南児童館で、私は、町会の方の発言として、特別支援学級の子供たちの送迎を、町会の方がサポートを行っていること、またそのため、そういったことも含めて、地域の力で子供たちが守られていることなどをお聞きし、感銘を受けました。
     これこそが杉並の子供を守るセーフティーネットであると思います。児童福祉事業ではないという放課後等居場所事業では、ここまではカバーできないところではないでしょうか。しかし、新年度も児童館の廃止がスピードアップして進められます。  保育園も同様に、単なる子供の預かり所ではなく、親も子もともに成長していく場としてこれまで保障されてきました。しかし、昨今は、その能力のない保育園がふえてきました。区立保育園の民営化及び新しい民間園の質の問題です。区は認可保育園を今後もふやしていくと言い、それ自体は必要なことと思いますが、残念ながら、最近の新しい園の多くは、認可とは名ばかり、ビルの一室だったり、園庭がないのは当たり前、驚くほど狭い敷地に、子供をぎっしり詰め込むような園が多くなってきました。数ばかり追いかけて、保育の質が置き去りになっています。  児童館の廃止及び保育園、学童クラブの民営化に歯どめをかけ、いま一度、杉並区のすぐれた子供政策、児童館、保育園のあり方に立ち戻ることが必要と改めて指摘をいたします。  以上、区政の主な問題点について述べてまいりました。  杉並わくわく会議として、平成31年度杉並区一般会計予算外4予算には反対とし、関連議案のうち、第23号議案については反対、他の議案については賛成といたします。  終わりに当たり、職員の皆様には、この間、資料の調製に多くの労力を割いていただき、また、さまざまな問題につきまして丁寧に御教示いただきましたことに心より感謝申し上げます。  ありがとうございました。 ○井口かづ子 委員長  田中ゆうたろう委員。 ◆美しい杉並(田中ゆうたろう委員) 美しい杉並の田中ゆうたろうです。平成31年度杉並区一般会計予算外各会計予算及び関連諸議案について意見を申し述べます。  私は、この予算特別委員会において、性的少数者について質問いたしました。性的少数者は人口の約8.9%存在するともされているそうです。私は、委員会で述べたとおり、この数字の信憑性自体については懐疑的でありますが、それは今はおくことといたします。  また、平成30年2月から3月に港区が実施した性的少数者へのアンケート調査によると、地域に暮らすことで困っていることが「特にない」と答えた当事者が約7割に上る一方、同性愛者の中で、同性パートナーシップ制度等を利用したくないと答える人も7割近く存在し、その理由のトップは、「そっとしておいてほしい」だったそうです。また、当事者の中には、性的少数者の政治利用を批判する人々もおられるそうです。  私は、上記を踏まえ、今この理事者の中で、自分はそれに該当すると自認しておられる方はどれくらいおられるか、手を挙げてみてくださいと発言したところ、挙手する方は、数十名おられる理事者の中で皆無でありました。人口の約8.9%存在するともされているにもかかわらずであります。少なくとも数名は該当者が存在していると考えるのが自然ではないでしょうか。察するに、やはりそっとしておいてほしい、これに尽きるのではないでしょうか。  ところが、私の質問に対して、理事者が、やはり今の質問には答えられない、あくまでも個人的なものだし、この予算特別委員会には適さない質問と認識していると答弁されました。さらには、ほかのある委員より、理事者個人の思想信条に触れる発言は今後控えるようにとの御意見を頂戴したところです。もしかしたら、私、本当は性的少数者ですと正直に答えたいと願っている方も中にはおられるかもしれないのです。理事者の答弁は、そうした可能性を顧みない、極めて同調圧力的な内容ではないでしょうか。表現の自由を無視するものと解釈せざるを得ません。  まして、さきの委員の御意見は、失礼ながら理解に苦しみます。性的指向や性自認は、思想信条とは全く異なります。性的指向や性自認は、思想信条のようにそう簡単に変えられるものではありません。そのことを悩みとしている当事者が多いということは、もはや常識に属するのではないでしょうか。  今までに述べたような同調圧力や無理解こそ、実は性的少数者への社会的偏見や差別を根深く助長するものと、厳重に抗議しなければならないと感じます。そして、この性的少数者の問題をめぐっては、やはりそっとしておいてほしいという当事者の声なき声にこそ耳を傾けるべきではないかと私は思います。議論は慎重かつ静ひつに行われるべきで、政治の具にするなどもってのほか。まして、一部の自治体のように同性パートナーシップ制度を軽々に云々してはならないというのが私の結論であります。  そもそも私には、同性パートナーシップ制度など、一部の人々が、自身の政治的イデオロギーのために性的少数者を利用しているように思われてなりません。来年度の区の予算には、性的少数者に関する正しい認識と理解の促進が拡充事業として盛り込まれておりますが、その予算をつくる役人や審議する政治家がこの程度の認識で果たして大丈夫かと、大いに不安を感じたところです。  次に、私は、この予算特別委員会において、幼児教育の質の数値化について取り上げました。  さきの一般質問、また予算特別委員会で、赤林英夫慶応大学教授や内田伸子お茶の水女子大学名誉教授の研究を紹介いたしました。  再度、要点のみ確認しておきますが、赤林氏の研究からは、親の学歴や所得などの社会経済的地位を統制しても、保育所出身の子供よりも幼稚園出身の子供のほうが、小学6年生、中学3年生時点での学力スコアが高いこと、つまり、同程度の学歴、収入を持つ保護者の子供を比較した場合、幼稚園出身の子供のほうが、保育所出身の子供よりも学力が高い傾向があるということが明らかにされました。  また、内田氏の研究からは、幼稚園、保育所の別を問わず、子供の主体性を尊重する子供中心の保育を受けた子供のほうが、学力との相関性が高いとされるリテラシー、すなわち読み書き能力と語彙力が高い傾向があることが示されました。  さらに、海外に目を転じると、ノーベル経済学賞を受賞したシカゴ大学のヘックマン教授によるペリー幼稚園プログラムと呼ばれる研究が非常に有名です。ヘックマン教授については、先日の私の質疑に対する理事者の答弁の中でも触れられておりましたが、非認知能力に関する教授の説を都合よく引用しておられ、私は大変遺憾に思いました。  教授の研究では、ランダムに選んだ貧困家庭の子供を、質の高い幼児教育を受けるグループと受けないグループに分け、その子供たちを40年にわたって追跡調査したものです。本調査により、質の高い幼児教育を受けたグループは、6歳時点のIQは高く、19歳時点での高校卒業率は高く、27歳時点での持ち家率は高く、40歳時点での所得は高く、40歳時点での逮捕率は低いという結果が出ました。つまり、質の高い幼児教育を受けた子供は、就学期に学力が高いことはもちろんのこと、40歳の大人になっても貧困や犯罪から縁遠い人生を送れるようになったのです。  ペリー幼稚園プログラムでの幼児教育の期間は2年ほどだったといいます。大人から見れば、たった2年、どんな幼稚園や保育園に行っていたって人生変わらないと思うかもしれません。しかし、幼児期の数年間の過ごし方によってその後の人生が大きく変わるという真実は、既に紹介した赤林、内田両氏も含め、多くの研究者により証明されているのです。  今議会中にも理事者からたびたび聞かれた区民の保育ニーズという言葉に、子供の姿はどこにも見えません。親のニーズにばかり応えていては、便利でコストパフォーマンスのよい施設がふえるのは避けられません。営利団体であれば、消費者のニーズに応えるという姿勢は正しいでしょう。しかし、行政が民間と同じ方向を向いていて、本来の児童福祉の担い手という真の役割が果たせるのでしょうか。  現在、杉並区を含め首都圏では保育所の乱造が続いています。園庭のない保育所がふえているのはもちろんですが、保育士の奪い合いの状態で人数が足りず、クラス担任を派遣保育士で賄っている園もあると聞き及んでいます。また、ある保育士養成校の先生から伺った話では、20歳で学校を卒業した学生が保育の現場に出て、3年もすると新設園の園長となり、現場の指揮をとらされるケースもふえているそうです。先生の言葉をかりると、現在の保育の現場はカオスだそうです。  幼稚園教諭や保育士は、クラス担任になると、1年後に子供たちがどのような姿に育ってほしいかイメージして、年間指導計画を作成します。そして、日々の子供たちの様子を見ながら、月案、週案、日案とさらに細かく教育、保育の計画を立て、子供たちの指導に当たります。果たして、経験の浅い保育士が園長をし、短期雇用が前提の派遣保育士がクラス担任をするカオス状態の保育園で、質の高い幼児教育は実現できるのでしょうか。杉並区には実際に杉並区立の子供園や保育園で働く現役の保育教諭、保育士という同僚がいるのですから、区長や部課長は、現在の保育行政に対する彼らの率直な意見を聞いてみてはいかがでしょうか。  先ほど述べたように、就学前教育、保育の質は、子供の将来性に非常に大きな影響を与え、特に不利な環境に置かれている子供をすくい上げ、格差是正につながることは、各種調査研究によって証拠が示され、明らかになっています。そこから目をそらし、目先の保育ニーズ、つまり、親の希望を満たすことだけを目標にする現在の杉並区の保育政策は、10年、20年、そしてさらに数十年の長きにわたって子供の人生に大きな傷を残すことは、想像にかたくありません。  先日、千葉県野田市で、10歳の女の子が両親から壮絶な虐待を受け、死亡しました。このときの学校や児童相談所など、行政の対応が大きく非難されました。保護者の威圧的な態度に負け、学校は、女の子が書いた虐待を訴える内容のアンケートを親に見せ、児相は、女の子が父親に書かされた、「お父さんにたたかれたのはうそです」という手紙を真に受けて女の子を親元に帰してしまい、結果、女の子は命を落とし、行政は取り返しのつかない失態を犯しました。  親の声だけを聞いていては子供が不幸になることは、あの女の子が教えてくれたではありませんか。親のニーズにばかり耳を傾けた結果が保育の質の低下を招いているとするならば、一度踏みとどまって、子供自身の幸せを第一に、本当に質のよい幼児教育、保育とは何かを追求するのが行政の役割ではないでしょうか。本予算に盛り込まれた仮称就学前教育支援センターに期待される真の使命は、まさにそこにあると私は考えております。  さらに私は、本予算委員会上、また、さきの平成30年第3回、第4回定例会に引き続き、育休延長を望む保護者が、その条件となる不承諾通知が欲しいために申し込みをすることについて取り上げました。昨年11月12日放送のテレビ朝日「グッド!モーニング」で、区内在住の、当時生後7カ月の赤ちゃんを持つ女性が、御自分の顔と名前を出して、育児休業給付金の受給条件である保育所入所の不承諾通知が欲しいから、希望園を1園だけ書いて申し込みをしたとおっしゃる姿が放映されました。いわゆる保育園に落ちたい親、落ちてもいい親です。  落選希望の入所申し込みは、保育施設の現場や利用者双方に混乱をもたらすため、全国の自治体でも問題になっています。しかし、これは、他自治体では、保育所に落選した場合は育休を延長することができると備考欄に記載してもらうなど、対策をとっているところもあります。  私が本件を取り上げたさきの平成30年第3回定例会では、申込書に第1希望園しか書かなかった方が約150名いたとの答弁がありました。さらに、平成30年第4回定例会の一般質問において、落選通知期待層に対する杉並区の姿勢をただしたところ、落選通知を欲しいという保護者を把握するつもりはないという趣旨の答弁がありました。  しかし、杉並区は、希望園を1園しか書いていない申込者が落選した場合は、待機児童にカウントしないことになっています。つまり、区自体が、このような層を保育の緊急性は低いとみなし、仮に保育園に落ちても特段の対策は必要ないと見ているのです。  そして、今回の平成31年第1回定例会では、平成31年4月入所の申込者数約4,000名中、第1希望の園しか書いていない方が616名もおられたということが判明いたしました。これは申込者総数の約15%に当たる数字で、少数派として切り捨てることはできない割合です。この方々は、書類の上では認可保育園に入りたいと言っておりますが、その本心は、不承諾通知を得て育休を延長し、より長く我が子と過ごしたいというものではないでしょうか。そんな、せめて赤ちゃんのうちだけでも子供と一緒にいたいと願う親たちの声なき声を全く無視し、希望する全ての人が認可保育所に入れるようにするという区の現在の保育施策を推し進めれば、愛する人との子を自分の手で育てたいという、本来、人間、いいえ、哺乳類が本能的に感じる欲求を踏みにじることになるのではないでしょうか。この数字を真摯に受けとめ、なぜ1園しか書かなかったのかを検証し、落選通知が欲しい、また、そこまで強い思いはなくとも、落ちてもいいと思っている保護者の気持ちに寄り添う必要があります。  なお、ここで一言、杉並区による虚偽答弁の疑いについて申し上げます。  さきに述べたとおり、平成30年決算特別委員会において、私は、杉並区で希望保育園を1つしか書いていない、そういう方がどのくらいいるのかと質問いたしました。その質問に対し保育課長が、ことしの4月に向けて、4,000名を超える方が入所の申し込みをされたが、その中で、第1希望のみ書かれていて、そういう可能性があるという方が150名程度はいると答弁をされました。  しかし、このたびの予算質疑終了後、釈然としないものを感じた私は、改めて平成29年から31年度の入園申し込み状況を保育課に確認いたしました。その結果、単願申請、すなわち1園しか書かなかった申込者数は、平成29年度が484名、平成30年度が607名、平成31年度が、昨日現在の段階で650名おられることが判明しております。平成30年決算特別委員会における150名程度との答弁は虚偽の疑いがあり、ここに厳重に抗議する次第です。  さらには、申し込み取り消し、内定辞退の人数は、平成29年が313名、平成30年は383名、ことしも300名から400名はいると予想されます。ちなみに、昨日現在の段階で332名とのことであります。辞退者の中には、落ちたかったのに受かってしまったという方もおられることでしょう。また、子供がかわいくて、手元で育てたいという思いを我慢できなくなった親御さんもいるかもしれません。  ちなみに、世田谷区では、平成30年に約500名の入所辞退者が出て、区がその内容を調査したところ、推計で190名が、最初から落ちたい親であった可能性が高いことが判明したそうです。杉並区でも、保育所の申し込みをする保護者のうち、落ちたい、または落ちてもよいと考えている方は、申込者のうち相当数はおられると考えるのが妥当です。  くしくも本委員会開催中に、国から、育休延長希望を保育所入所申請書で確認する欄をつくってよい、また、育休延長希望者の選考時の指数は減点してもよいという通達があったと保育課長から報告がありました。しかしながら、区は、今後も保育所入所の選考は今までどおりに行うとのこと。区は、今までさんざん国の制度設計を批判していたではありませんか。やっと国が、就労する親が育休を延長したいという声をすくい上げてよいと言うようになったというのに、杉並区はなぜそれほどかたくなに、人間が生まれながらに持つ母性、父性を無視しようとするのでしょうか。  平成28年に田中良区長が、すぎなみ保育緊急事態宣言と称し、保育園を急増する政策を開始しました。しかし、保育所の申込者数は、平成29年度は4,457名、平成30年度は4,080名、平成31年度は約4,000名です。当時は、女性の社会進出とともに、保育需要が増加の一途をたどっているなどと喧伝したものの、結局、人口減少で出産適齢期の女性の人口そのものが減る流れの中で、杉並区の保育需要はそれほど増加していないと見るべきです。また、相変わらず杉並区の合計特殊出生率は東京23区での最下位争いをしており、この保育施策が、若い世代が子供を産みたいと思える環境につながっている証拠はどこにもありません。  まずは、保育需要を計算する時点で、育休延長を希望している方の人数を把握すること、また、ことし、コンスタントに出る申請の取り下げと内定辞退の数をあらかじめ差し引くことが必要と考えます。  平成30年第4回定例会一般質問において、私は、以下のように質問いたしました。保育園に落ちたい親の申し込みも含めて、保育需要を見込んできた以上、保育園を過剰につくり過ぎてきた杉並区の施策の誤りは明らかと考える。この誤りを認め、保育施設整備の方針転換を行うよう求めるものであるが、区の御所見を尋ねる、以上のように質問したところ、子ども家庭担当部長の答弁は、以下のとおりでした。本区の認可保育所を核とした施設整備は、これまでの実績等を踏まえ、一定数の育児休業取得者が存在することを前提に、各年度の保育需要を見込んでおり、その保育需要には、いわゆる落選狙いの分は含まれていないので、区が目指す、希望する全ての子供が認可保育所に入所できる環境整備に係る議員の御指摘は当たらないと考える、以上のように答弁を受けました。  そこで、私は、以下のように再質問しました。保育需要で、落ちたい親は含まれていないという答弁があったが、そう考える根拠を尋ねる、以上のように再質問したところ、子ども家庭担当部長の答弁は、以下のとおりでした。本区の、これまでそしてこれからの保育施設整備につきましては、いわゆる就学前人口に対する保育を具体的に認定し、利用したい、そういった希望を、需要率、そして需要数として押さえているので、そういった観点から必要な整備数を計画的に整備していく、こういう考え方なので、先ほど議員がるる指摘した無駄とか過剰とか、そういうことには当たらない、以上のように答弁を受けました。  保育需要には、いわゆる落選狙いの分は含まれていないと考える、その舌の根も乾かぬうちに、保育を利用したい、そういった希望を、需要率、そして需要数として押さえている、そう答える。これを、役人や政治家でない普通の区民は何と言うか御存じですか。うそ、二枚舌、ごまかしと言うんですよ。なるほど、さきにも述べたとおり、杉並区は、第1希望園しか書かず、落選した方を待機児童にはカウントしておりません。しかし、その一方で、需要率、需要数として押さえているなどと言うわけです。この矛盾は一体どこから来ているのでしょうか。  それは、1つには、田中区長が、高い保育ニーズの中で待機児童ゼロを達成したと、みずからの手柄を誇張したいためでもあるでしょう。しかし、私が最も大きな理由と考えているのは、すぎなみ保育緊急事態宣言なるものの淵源と思われる田中区長の政治的イデオロギーであります。  実は、保育園に落ちたい、落ちてもよい親、田中区長はその存在を正視できないようです。旧民主党出身の区長が、子供は社会で育てるものだと考えていることは、いかに弁舌をもてあそび、人前を取り繕おうとも、その行ってきた政策の現実から明らかであると言わなければなりません。平成28年に、「保育園落ちた日本死ね!!!」というインターネット上の匿名の書き込みをふれ回り、待機児童問題を隠れみのに、ある偏狭な政治思想を拡散し、一部の母親たちを扇動しようと図った勢力と田中区長とは、結局のところ軌を一にすると判断せざるを得ないのです。  事実、私が昨年の第1回定例会で、この書き込みを取り上げた山尾志桜里衆議院議員の国会質疑に対する区長の見解をお尋ねしたところ、なかなか進まない待機児童解消を早く進めてほしいという保護者の声であったと認識しているとの答弁を受けました。また、この議会で区長の保育施策を推進、評価してきた会派の中にも、その根拠として、さきの書き込みを肯定的に紹介する声が見受けられました。平成28年予算特別委員会における区民フォーラムみらいや日本共産党杉並区議団の意見開陳がそれであります。  必要なことは、保育、そして幼児教育の質の向上であります。しかし、向上どころか、現状維持さえままならぬというのが今現在の当区の現実であります。保育の量ばかりを追い求めてきた結果と言わなければなりません。当面、保育施設整備については、一旦立ちどまり、今後の方向性を考え直すべきであります。  しかるに、この期に及んでなお、アクセルを緩めようという気配も見えません。それどころか、近年では、他自治体の子供まで区内施設で預かり始めていることを引き合いに出し、近隣の区の待機児童問題にも確実に貢献しているとまで強弁する始末であります。当区の公園を潰し、当区の財政を圧迫させ、当区の内外で保育士の奪い合いを招いているにもかかわらずであります。現区政の保育施策に潜む狂気と、それを繕い、区民の目を欺く詐術、これを改めない限り、私が現区政の予決算を是とすることはありません。  もともと私は、田中区長の保育政策に疑義があり、杉並区議会議員の道を志しました。そして、1期目の平成25年予算特別委員会で、「そもそも区の予算は限られており、保育問題にかけられる金額にもおのずから限度がある、区の面積にも限りがある」とはっきり申し上げました。しかしながら、私の発した警告は一顧だにされず、むしろ逆の方向を突き進むばかり。大変やりがいのある仕事をさせていただいていると天に常々感謝しております。  2期目の最後に、次の一言を杉並区に贈ります。これ以上、杉並区の子供たちを区長の政治思想の犠牲にしないでください。  以上の理由から、平成31年度杉並区一般会計予算は反対といたします。  ほか各会計予算及び関連諸議案については、特段の異議なく、賛成といたします。  結びに、委員長、副委員長、委員各位、また理事者、職員各位に感謝申し上げ、美しい杉並の意見とさせていただきます。 ○井口かづ子 委員長  堀部やすし委員。 ◆無所属(堀部やすし委員) 予算審議の締めくくりに当たりまして、本委員会に付託された12議案のうち、議案第16号、第17号及び第23号に反対し、意見を申し上げます。  第1に、将来の財政見通しを踏まえるとき、現在の区立施設再編整備計画(第一期)・第二次実施プランなどに盛り込まれた箱物投資事業の多くには同意しがたく、その資金調達の前提となる金利上昇リスクについても十分に踏まえられているとは判断できないことから、これに基づく一般会計予算には賛成しかねます。  施設再編は、新年度より第二次実施プランの段階に入ります。人口の増加や経済成長を背景として、昭和の高度成長期を中心に数多く整備された区立施設の老朽化が進んでいることに対応するものです。  計画の遂行に当たっては、改めて施設の改築等に係るコスト試算が行われました。これによれば、現在の施設を同規模で維持し続けた場合、今後30年間の改築改修等の経費は約3,452億円、年平均115億円となることが示されました。施設白書が明らかにした過去10年の実績値は年平均68億円ですが、このままなら、ほぼ倍額が必要ということになります。近年の実績値をはるかに超える負担が必要となるわけですが、その最初のピークは2025年となっており、ここでは年200億円を超える見込みが示されているところです。この年は、いわゆる団塊の世代が全員75歳を超える年でもあります。  この想定は、2014年における想定よりはるかに深刻です。平成26年度版の第一次実施プランで示されていた見通しは、30年間に2,779億円、年平均93億円でした。たった4年で、見込み額は総額で670億円もふえる厳しい数値が出ています。  その試算条件については、新耐震基準の建物を築80年で改築するとの仮定に変わっているなど、その前提が以前とは全く異なっていることにも注意が必要です。築80年まで長く使用する前提を置いてなお負担は全く軽くならないこと、それどころか、さらに負担が重くなっている現状を我々は真摯に受けとめなければなりません。  ところが、実際には、あんさんぶる荻窪を築14年で手放し、旧永福南小学校の教室棟を築29年で解体し、さらに検討されている富士見丘中学校の改築においても、築30年程度にすぎない新館を含めて解体し、改築する方針なども打ち出されているところです。  各地域区民センター、勤労福祉会館の改修や改築を初めとする複合施設建設においても、十分に効率化が図られているとは言いがたく、例えば移転改築となる阿佐谷地域区民センターのように、むしろ光熱水費がふえる見込みがあることが懸念されている施設さえあります。かつて鳴り物入りでエコスクールと称した学校を導入したにもかかわらず、実際にはむしろ電気代がふえた過去を思い起こさずにはいられないことです。なぜ施設を再編する必要があるのか、その趣旨や目的を改めてよく問い直さなければなりません。  阿佐ヶ谷駅北東地区まちづくり計画により、当該地区で容積率の緩和が見込まれる中、かつ駅前高層ビルに産業商工会館を入れる予定もある中で、後背地に移転する地域区民センターの規模が従前とそのまま同じ発想で考えられているなど、疑問が拭えないものです。将来世代が抱える負担に対する危機感の乏しさを指摘せざるを得ません。  最も重要で、忘れてはならないことがあります。それは、この第二次実施プランに示された試算が、あくまで現在価値に基づく単純計算にすぎないということです。すなわち、これは金利上昇リスクなどが完全に無視された試算だということです。あたかも異次元の金融緩和が永遠に続くかのような想定で積算されていますが、中長期的に見れば、そのようなことはあり得ないことです。長期金利は、昔のように中央銀行が決めるわけではなく、あくまで市場が決めることだからであります。いわゆる日銀による黒田バズーカが炸裂した際、長期金利は急低下しましたが、今度はその逆に、金利が急上昇する可能性も考えておかなければなりません。  異次元の金融緩和は7年目を迎えます。そもそも長く続けることのできない政策が長く続いていることによる悪影響も顕在化しています。地銀は経営危機にあえいでおり、スルガ銀行で発生したような事件も明るみに出ております。他の地銀、第二地銀、信金にも類似のケースがあると見るのが自然であります。  杉並区の区債発行額は近年増加傾向です。田中区長就任後、決算数値が明確になっている平成29年度末まで8年間の区債発行額約307億円に対し、必要となる利払いの総額は約24億円で済む計算となっています。異次元の金融緩和のおかげです。もし発行利率が正常金利水準4%程度であったとしたら、償還までに約123億円の利払いが必要となっていたことが明らかとなっています。  今後いつまでも、これまでと同じような水準の低金利で資金調達できると考えるべきではありません。異次元の金融緩和は永遠に続けられるような政策ではないことから、後年度負担を踏まえ、大規模な投資事業は、今後より慎重にその是非を判断していくとともに、その規模についても抑制が必要というべきです。  第2に、入札・契約における臨時的措置を11年にわたって継続し、本来あるべき入札制度が骨抜きになっていることは、到底肯定できません。もはや、入札・契約の競争性、公正性を意図的に阻害していると判断するほかない対応です。  2008年9月に発生したリーマン・ブラザーズの経営破綻に続く世界的な金融危機の影響を受け、区の入札・契約制度において臨時的緊急措置が導入されました。あれから11年、臨時的措置と名称を変えながらも、現在もそのまま特別な措置が続いています。こうした臨時的な措置は、リーマンショック当時の急激な変化を思えば、やむを得ない措置であったとは言えるかもしれないものの、さすがに11年も続けるようなものではなく、現在なお特例が継続されていることに正当性はありません。  単年度に限り臨時に適用されるはずであった措置要綱が、なぜか、リーマンショックから脱した後も、毎年毎年繰り返し定める単年度要綱としての体裁で延長され続けており、しかもそれが正規の要綱集に記載されることなく適用されてきました。本則である入札実施要綱に屋上屋を架すものです。  副区長はこれを、租税特別措置法を例に正当化していましたが、特措法は、内閣の独善で成立させるようなものではなく、国会の議決を得て成立しているものです。区長が好き勝手に決めている臨時的措置要綱の存在と同じにされても困ります。副区長がまず尊重すべきは地方自治法であって、区長へのそんたくがその前に来るようでは、コンプライアンスは永遠に徹底されないというべきです。  単年度限りの臨時的な措置要綱が11年にもわたって、時に内容を追加させながら毎年設定され、生き残っている姿は、およそ臨時的な措置とは判断できません。このように屋上屋を架す臨時的な措置要綱は、緊急時以外設けるべきものではないことを改めて強く指摘いたします。  もし長期にわたって対応が必要であれば、本則である入札実施要綱を変えるべきですが、それができないのは、本則化となると法令違反の疑いが濃厚となってしまうためです。例えば、特別区クラスで、予定価格1億5,000万円近くの高額の発注を一律に区内業者限定にするといったような極端な参入規制など、地方自治法違反で、本則にできるわけがありません。それがわかっているからこそ、11年にもわたって繰り返し、臨時的緊急措置、臨時的措置といった名称で、単年度限りの要綱を毎年毎年つくってきたわけです。  このように入札・契約の競争性、公正性が意図的に阻害されてきた結果として、数年前には解体業で不自然な入札・契約が相次いでいたことを指摘したばかりですが、今回また、造園業において入札の実質が問われる事態となっています。より大きな問題は、実質的に競争性が働いていないことにより、業務遂行にまるで緊張感がなくなっていることです。  去る1月25日、箱根植木の文書偽造が長きにわたり繰り返され、常態化していたことにより、当該業者が2カ月の指名停止となったことが明らかとなりました。その数や140回にも及んでいたとは、驚くほかありません。区においても、遅まきながら指名停止情報がネット公表されるようになったことから、このような情報も把握できるようになりましたが、そうでなければ闇に葬り去られていた可能性さえある問題です。  田中区長の有力後援者が経営する企業であり、公園管理など数多くの区の仕事を担っている企業の業務実態がこのような状態であったことには、考えさせられることが多々あります。区内業者への配慮は必ずしも間違った姿勢ではありませんが、区内業者優遇を打ち出すにしても、一定の競争性を確保することは当然の前提であり、それこそが競争力のある区内業者の育成に資する正しい姿勢というべきです。我が国は鎖国のような閉鎖経済を採用していないのであって、単なる保護政策で区内業者の経営体力がつくなど、あり得ません。  過去の臨時的緊急措置要綱を引き継ぎ、さらにそれを拡大した現在の臨時的措置要綱については、廃止を基本とし、必要があれば、本則である入札実施要綱を改正することにより対応しなければなりません。最高裁平成18年10月26日判決などを踏まえ、法の原理原則に立ち戻った見直しを行うことを要請するものです。  第3に、繰越明許費及び債務負担行為の設定について改善が必要であるほか、実行計画に盛り込まれていなかった多額の財政負担を伴う計画外事業が唐突に予算化されている現状も、先行き不透明さが増している中では肯定することができない点です。  債務負担行為は、地方自治法214条に定められているとおり、予算において明確にすることが必要です。地方自治体が抱えている債務は区債だけではありません。区による債務負担行為の限度額を予算段階において把握し、明らかにすることは区の義務です。この点、過去さまざま指摘し、次々に改善が進められてきたことは評価しますが、今後金利上昇リスクが次第に高まっていく中においては、残る課題についても早期の改善が必要です。  具体的には、利子補給に係る債務負担行為の設定についてです。例えば中小企業資金融資に伴う利子補給については、現在、「杉並区のあっせんにより融資を受けた者が取扱金融機関に対して負担する利子年7.0%以内の相当額」との記載があるのみで、具体的な限度額については全く記載がありません。このような現在の債務負担行為の設定は、事実上、債務の上限がないものと指摘せざるを得ないものです。  しかし、景況の悪化により融資件数はふえ、金利上昇により利子負担は膨らむと考えるのが自然であり、異次元の金融緩和が限界に近づきつつある今、これを放置できる段階にはありません。地方自治法施行規則14条が定める予算の調製の様式によれば、債務負担行為については、事項、期間及び限度額を定めることを要請しています。利子補給について具体的な上限を明確にしない債務負担行為の設定は認められません。  かつて予算外義務負担と称されていた債務負担行為が予算の一内容として法定化されたのは、将来の財政負担の限度を議決時に把握できるようにする、いわば発生主義の考え方の反映であり、かつ、地方自治体が負う債務の内容及び限度額を一覧できるようにするための工夫でもあります。速やかに適正化を図り、その上限を明確にした設定に改めなければなりません。  繰越明許費についても適正化が必要です。本年度は、統一地方選挙の期日が決定された段階で、年度当初に計上していた区議会議員選挙費の多くに繰り越しが必要となることが確実となっていました。したがって、本来は、最終補正の段階である平成30年度一般会計補正予算(第4号)において、繰越明許費の補正が必要であります。  なぜこのようなことを言うかといえば、本年より、予算書及び予算説明書の全文がネット公表されるようになっているためです。我々議員は職業柄、たまたま選挙に精通しており、諸法令の定めもあることから、勘違いすることはないかもしれませんが、そうでない方が、本年度の当初予算、補正予算及び新年度当初予算と順に丹念に読み込むと、単純に倍以上の区議会議員選挙費がかかるように読めてしまいます。それが正しい予算の読み取り方でもあります。  今回のように、本年度予算からの繰り越しが確実で、しかも新年度予算にも計上されている場合は、地方自治法213条に基づく繰越明許費として、時期を逸することなく議会の議決を受けなければなりません。改善を求めるものです。  新年度は唐突に、農福連携事業を実施すると区長記者会見で発表がありました。補正予算で井草3丁目用地を13億4,000万円で取得した上で、当初予算の新規事業として農福連携農園をつくり、事業をスタートさせるというもので、区長記者会見資料においては、新年度の目玉事業と位置づけられていました。パブリックコメント手続を終えて改定されたばかりの実行計画(3年プログラム)に具体的に盛り込まれていなかった計画外事業が唐突に入り込んできたわけです。しかし、一般財源から13億円もの支出が必要となる投資事業を無計画に予算化することは妥当ではありません。  しかも、政策調整会議の記録によれば、これは昨年11月に買収の意思決定が行われていたことがわかりました。相手方からの買い取り申し出を受けた公拡法に基づく買い取りですので、この時点で土地買収は既定方針となっていたものです。12月4日の全員協議会の場において、大規模な計画外事業として考えられるものは存在しない旨の答弁、具体的には、「今後どういう事業が出てくるのかというものは、なかなか具体的に見えておりません。」との答弁は全くのうそで、水面下でこのような大規模な費用を要する事業が進行していたのであります。あたかも息を吐くようにうそをつく姿勢は看過できません。  単年度主義の弊害を乗り越えるだけでなく、トップダウンにより思いつきで大規模事業が予算化されないように、杉並区にも中期経営計画に当たる実行計画などが存在しているのであって、その際にパブリックコメント手続が行われているはずなのです。これを無視し、多額の費用を要する計画外事業をいきなり予算化することは、財政規律が緩む原因となりかねず、かねてより慎むよう繰り返し指摘してきました。  農福連携基本計画の策定は6月になるとのことです。またもこのように無計画に予算化し、後づけで計画を確定させるやり方は、その規模の大きさから見て、全く納得のできるものではありません。  以上のほか、第4に、荻外荘の復原・整備など、数少ない公園整備事業についても、ここのところ不可解な進行が多く、追認できないこと。  第5に、国民健康保険についても、働き方改革とともに少子化対策を進めている区政全体の方針から見て、子育て世帯、中でも多子世帯の均等割には配慮が必要であることなどの理由により、本委員会に付託された12議案のうち、議案第16号、17号及び23号に反対するものです。  続いて、新年度に特段の対応が不可欠なテーマでありながら、具体的な対応が明確になっていない課題について指摘します。  まず、受動喫煙防止対策です。  2020年オリンピックを踏まえた受動喫煙防止対策の必要性は、招致当時よりわかっていた課題ですが、いまだに区長が公然と不満を漏らしているなど言語道断です。オリンピックも楽しみたいが、たばこも楽しみたいなどというのは、五輪開催都市ではそもそも認められないことであって、当初からそれはわかっていたはずです。不満を言い出すなら、なぜあれほど五輪招致に血道を上げていたのか、全く理解に苦しみます。このような区長を持っていることは本当に恥ずかしいと言わねばなりません。  杉並区生活安全及び環境美化に関する条例についても、改正または新たな形での指定などが必要というべきです。例えば、各種施設の出入り口付近での喫煙は不特定多数の受動喫煙が避けられないことから、保育施設、学校などの出入り口周辺の公道を禁煙とするなど、区が対応していかなければならないテーマです。  五輪開催都市である東京は、主催者であるIOCとWHOの合意に従って、たばこのないオリンピックを実現する責務があります。しかも、杉並区はビーチバレーボールの事前キャンプ地となる見込みであって、オリンピックを利用して来街者をふやし、活性化を図るとする目標も掲げております。受動喫煙防止対策も、区長を先頭に、もっと熱心に取り組まなければなりません。  次に、新年度は議会改革も重要なテーマになります。2011年3月11日、つまり東日本大震災が発生した日、杉並区議会は議会改革の推進に関する決議を行い、「議員定数、議員報酬、通年議会、二元代表制のあり方や仮称議決条例等、今後検討を要するさまざまな課題があるが、特に仮称議会基本条例については、改選後の新生議会において直ちに議論すべき課題」と位置づけていました。  あれから8年。途中で区長などの妨害もあり、無作為抽出区民による意見交換会は実現に至らず、作業は一進一退を続けることとなりました。ようやく曲がりなりにも素案がまとまりましたので、そろそろ次に進まなければなりません。
     特別区の統計によれば、杉並区議会は、常任委員会の開催日数が東京23区で一番少ないことが明らかとなっています。実際に私が初当選したころと比べても、公式の開催日数は明らかに激減し、2分の1以下になっています。  かつて区民生活委員会で、委員長不信任の解任決議案の可決がありました。当日、委員長は出席できなくなり、副委員長が議事を担ったといったことがありました。平成14年のことです。委員会の議決によって実施決定されていた公聴会が開催できなくなった不始末が原因で、委員の怒りは頂点に達していましたが、それでも大人の対応により、長く委員会が開催されないといったことは発生しませんでした。  今日では、常任委員会自体がなかなか開催されません。ある委員会では、議案とは別にため込んだ16件もの報告案件を一括で上程するなど、常軌を逸した会議運営まで行われていました。委員長たる者が、報告案件や請願・陳情を長くため込んだり、1日では到底処理できないような日程を立てておいて、各委員に対し発言の抑制を求めるような不見識な委員会も見られます。  報告案件をため込むなどは、委員長の職務怠慢であります。平成14年に不信任で解任決議を受けた委員長でさえ、さすがにここまでではありませんでした。区民の信託に応えるためにも、議会運営の活性化が必要であることを強く指摘いたします。  さて、平成はいよいよ残すところあと45日となりました。平成の時代は、昭和の価値観を引きずったまま変化への対応が後手に回っただけでなく、バブルに酔ったまま政府の規模が拡大し、政府債務が激増するなど、まさに失われた30年となりました。  30年前、日本企業は、企業価値評価ランキング50位の中に32社が入っていました。しかし、現在ではトヨタ1社が入っているのみとなっています。成長産業から日本企業の名はすっかり消え去りました。  この間、主要先進国のGDPはおおむね3倍前後に拡大しましたが、日本のGDPは余り変わることなく、ほぼ横ばい状態が続きました。相対的に見て貧しくなったことは明らかで、今やリーズナブルに旅行ができる国であるということから、外国から観光客が押し寄せています。客観的にはもはや経済大国とは言えません。このことは、日銀が国債とETFを次々に買い入れている現状の中で覆い隠されていますが、メッキが剥がれるのは時間の問題というべきです。  株価指数で30年前と比較しても、アメリカのダウ平均が9倍に、イギリスのFTSE(フッツィー)が3倍になる中で、日経平均は2分の1になっています。1人当たりGDPはシンガポールや香港に抜かれて久しく、もしこのままのペースで凋落が続けば、台湾や韓国と肩を並べる日も遠くないかもしれません。  ポスト平成を生き抜くのは生易しいことではありませんが、常に時代の先を見据え、課題に積極果敢に取り組むことにより、何とか風通しのよい時代にしていきたいものです。来る区議選もまた、そのための選択の機会となることを祈念いたします。  以上、審査に当たりましては、多くの職員の皆さんより資料を御提供いただきました。この場をおかりいたしまして感謝申し上げます。  ありがとうございました。 ○井口かづ子 委員長  木村ようこ委員。 ◆日本維新の会(木村ようこ委員) 日本維新の会の木村ようこです。平成31年度杉並区各会計予算外関連議案に対する意見を申し述べます。  平成31年度の予算は、「新たな時代に安全・安心を貫く予算」と名づけられました。平成に続く新たな元号の発表も、目前に迫っております。新たな時代が果たしてどのような時代になっていくか、まだ私たちにはわかりません。しかし、来年度、新時代の始まりの年は、我が国の政治情勢の変化、米中の対立を初めとした世界経済の先行き、そして年々苛酷さを増す自然環境、災害と、我が国にとって、そして区にとって、再び激動の1年になるのではないかと感じております。こうした激動の年、区として区民の安全・安心に心を砕くことには、私としても大いに賛成するところです。  しかし、区民の安全・安心ということを考える際、私たちは、平成の次の時代の杉並区、その未来の安全・安心まで含めて考えていく責任があります。これから生まれてくる世代も含めた杉並の子供たちに、平成の次の時代を貫いてなお続く安全・安心を引き継ぐこと。そのためには、区政経営計画書などで区も述べておられるとおり、将来にわたっての安定的な区民福祉の向上、そしてそれを支える財政の健全性がどうしても必要です。  区の財政がさまざまなリスクの中にあることは、区も御認識のとおりです。年初のアップルショックの引き金となった中国経済の減速、反動減対策の実効性に疑問を残したまま断行される消費税率の引き上げと、景気の先行きは不透明感を増しています。首都圏が大規模災害にさらされ、大きな財政出動が必要となる事態にも、区として常に備えなければなりません。こうしたリスクが拭えない中、法人住民税、法人事業税の偏在是正措置で、区の歳入にも確実に下押しの圧力がかかります。こうしたことを考えますと、区の財政の健全性には、昨年度までに比べてもより一段厳しい、そしてきめ細やかな目配りが必要であると考えます。  1年前を振り返りますと、平成29年度の2,974億円から2,912億円へ、平成30年度の当初予算は総額としては縮小しておりました。一般会計だけで比べても、1,781億円から1,799億円へ、ほぼ横ばいの歳出規模を維持できていました。保育、介護と年々高まる歳出圧力の中、財政の健全性維持に向けて最大限の努力がなされたものと言えるのではないでしょうか。  しかしながら、現在審議されております平成31年度予算は、一転して3,000億円の大台を超える巨額予算となりました。一般会計は1,891億円と、今年度のそれに比べ91億円余り、プラス5.1%の急拡大となっております。そして、90億円を超える歳出の伸びをカバーするかのように、53億円の建設債発行、施設整備、財政調整を合わせ50億円余りの基金取り崩しと、バランスシートに新たに100億円を超える負荷がかかっております。  もちろん、歳出の拡大がすべからく悪というわけではありません。しかし、基金残高は23区平均を下回り、区債残高が23区平均を超えた、貯金は少なく、借金は多い杉並区を前にして、これまでどおりの財政運営を続けることが本当に妥当なのか、私たちはいま一度立ちどまり、考えるべきではないでしょうか。  その上で、個別の議案について意見を述べます。  まず、議案第8号杉並区行政財産使用料条例の一部を改正する条例及び議案第10号杉並区「特別区道」道路占用料等徴収条例等の一部を改正する条例について意見を述べます。  以前から私が訴えてきました自動販売機への入札制度導入は、経理課を初めとした区役所職員の皆様の御努力の結果、区でも実現されることとなりました。ここに至るまでの職員の皆様の取り組みには、改めて敬意を表したいと思います。今回の条例改正案でも、都市公園の目的外使用で公募による提示額の採用を可能とするなど、前進が見られる点は大いに評価したいと思います。  しかしながら、現状では、入札が行われる自動販売機はあくまで一部にとどまり、多くの自動販売機は、売り上げ、利益に比べて割安な使用料で済むという従来どおりの枠組みにとどまっています。この問題の根本は、使用料条例で自動販売機の使用料を具体的に規定するという、他の特別区では例のない区独特の条例体系に潜んでいるというのが私の見解です。行政財産への自動販売機の設置について、そもそも目的外使用許可ではなく貸し付けを原則とする、または目的外使用許可であっても公募による提示額を原則とするなど、法規の面からも区の姿勢を明確にすべきです。この点、今回の条例改正案は、こうした抜本的な見直しを避けた踏み込み不足なものとなっており、反対せざるを得ません。  次に、議案第11号杉並区学校教育職員の給与に関する条例の一部を改正する条例について意見を述べます。  今回の給与改定のもととなった都の人事委員会勧告を見ますと、民間従業員との給与比較の結果、その差はごくわずかであったにもかかわらず、有為な人材確保のためとして初任給を引き上げております。従来から指摘しておりますとおり、都の人事委員会勧告は、企業規模50人以上かつ事業所規模50人以上の事業所を比較対象としており、本当に経営に苦しむ中小企業の実態が十分に反映されたものではありません。こうした本来的に役所に甘い調査をもってしても、官民の給与較差は確認できなかった。であれば、それを無視して給与の引き上げを強行するには、よほどの理由が必要です。初任給をたった1,000円引き上げただけで、本当に優秀な人材が集まるのでしょうか。それが、官民の給与の不均衡を許容してまで引き上げを断行する理由になるのでしょうか。私は首をかしげざるを得ません。  こうした不合理な都の人事委員会勧告に、区として無批判に追従すべきではありません。しかも、杉並区はここ数年にわたり区費教員を採用しておらず、若手教員を中心とした今回の条例改正により実際に給与が上がる教員はいません。このことを考えても、改正を急ぐ必要はないはずです。したがって、議案第11号については反対いたします。  次に、議案第16号平成31年度杉並区一般会計予算について意見を述べます。  先ほど述べましたとおり、来年度の一般会計は、今年度のそれに比べ91億円余り、5.1%の規模拡大となっております。そしてこの歳出拡大の要因の1つとなっているのが、46億円以上、前年度から30%以上という急激な伸びを示した投資事業費です。  中でも高円寺の小中一貫校の施設整備は、小学校費の施設整備費で19億円、中学校費の学校施設整備費で20億円、学童クラブなど全てを含めると41億円以上と、非常に大きな投資となっています。この小中一貫校は、以前指摘しましたとおり、開校時600名程度、最大1,080名程度を想定する大規模校です。学区も広がり、低学年の足では最大30分ほどかかり、交通量の多い道路も通ります。以前にも申し上げましたが、施設や学区に無理がある統廃合を強引に進めるのではなく、地域住民の理解を得ながら、学校のあり方を検討し直すべきであると考えます。こうした問題を多々抱えたまま、区の財政に大きな負担をかけてまで巨額の投資に踏み切る必要はありません。したがって、本議案には反対いたします。  なお、一般会計予算については、永福体育館の維持管理費、天沼区民集会所の維持管理費など、ビーチコート及びウェルファーム杉並に関する予算も計上されています。地域の声を無視し、区民、そして議会との真摯な対話を欠いた区の姿勢が正されたわけではありませんが、施設が完成し、運営が始まった以上、そこを出発点として、施設の運営をどう改善し、地域住民の暮らしをどう向上するかを考えることが議員としての責務であると考えますので、来年度予算については、これら関連経費を反対の理由とはいたしません。  以上のことから、議案第8号、第10号、第11号、第16号の4議案には反対いたします。そのほかの議案については賛成いたします。  最後に、理事者の皆様には真摯に御答弁いただき、ありがとうございました。また、たくさんの資料の作成に当たられた職員の皆様にも深く感謝申し上げます。さらに、公平な運営に当たられた正副委員長にも心より感謝申し上げまして、私の意見とさせていただきます。  ありがとうございました。 ○井口かづ子 委員長  松浦芳子委員。 ◆すぎなみ自民(松浦芳子委員) すぎなみ自民の松浦芳子です。平成31年度一般会計予算案、各特別会計予算案、また関連諸議案について意見を申し述べます。  杉並区は、新たな財政健全化と持続可能な財政運営を確保するためのルールを定めており、ルールの3には、区債についても、「金利動向等を見据え繰上償還を行い、公債費の軽減に努めます。」とのことですが、23区の区債状況を見ますと、起債ゼロの区が4区あり、起債額が償還額を上回るのは13区で、その中に杉並区も入っています。これは、小中一貫の施設設備や中央図書館ほか公園などの整備や保育園関連経費などの8事業の経費に充てるため、長期的な行政運営を考えると、世代間の負担の公平につながる分野での活用を前提としており、納得できる部分もあります。しかし、区債残高の推移が毎年高くなっていることが気になるところです。  平成31年度の杉並区一般会計は、前年度と比べて91億3,800万円、5.1%の増で、平成30年度に引き続き過去最大規模となる1,890億6,500万円となっています。平成31年度税制改正大綱において、法人事業税の一部国税化により地方に再配分されることが決定したことにより、平成32年度以降、特別区財政交付金の減収が見込まれることとなりますと、これまで以上の行政改革をしなければならなくなります。  今後も区民サービスの向上を図りつつ、行財政改革に努め、区債の発行精査や基金への計画的な積み立てを行い、財政の健全性を確保し、持続可能な財政運営に努めるとのことですが、区債と基金のバランスについて、今は問題がなくても、今後どのような状況になるか見通せない社会情勢の中で、引き締めるところは引き締めておかなければ、次の世代、またその次の世代にツケを残すことになります。今がよければよいということではなく、孫やひ孫の時代も見据えた行政改革をよろしくお願いいたします。  総合計画の施策については、目標が5点掲げられています。5つの目標はそれぞれ幅広く、多くの施策が計画されており、区の努力が感じられます。  予算特別委員会では、いじめや虐待についての質問が多くありましたが、昨日もニュースで、児童虐待被害が過去最高であると報道されておりました。原因はさまざまあるとは思いますが、原因の1つとして、自己肯定感の欠如が挙げられると考えています。自分を認めて、自分を愛している人は自己肯定感が高く、いじめや虐待にはならないはずです。内閣府の意識調査では、日本の若者の自己肯定感は、残念ながら世界でも最低レベルであるとの結果が出ています。  私自身は、福祉も経済も安心・安全なまちづくりも、まず教育からとの思いで、教育問題を中心に質問してまいりましたが、決まり切ったように、いつも、学習指導要領にのっとって指導してまいりますとの答弁しかいただけませんでした。学習指導要領にのっとって指導するのは当たり前のことで、子供たちの心の成長のために具体的にどのように取り組むのかについて、前向きな力強い答弁がいただきたかったと思っています。  公立の学校にはいろいろな考えの保護者のお子様がおられますので、いわゆるお役所答弁となってしまうこと、理解できないわけではありません。しかし、御代がわりについての質問は、ことしのこの時期であるからこそ、子供たちに日本という国柄を指導する最高の機会であるという趣旨から質問したものでしたが、やはり学習指導要領にのっとってという答弁しかなく、大変残念でした。  3月12日には、テレビニュースでも、天皇陛下が4月30日に譲位されることを皇居・宮中三殿に報告する祭祀、奉告の儀がとり行われたと報道がありましたし、ことし行われる126代目の天皇の即位について学校の先生が語ることは普通のことだと思っています。日本人だったら当然知っておくことではないでしょうか。むしろ、日本人としての基軸を心に刻む最高の教育ができる時期であり、義務教育で学ぶことによって、若者の自己肯定感にもつながるのではないでしょうか。  大人は、子供たちがきちんと自立できるよう、また国際社会でも堂々と渡っていけるように、自己肯定感を高める教育を施し、日本人としての軸を教えるべきだと思っています。国際時代であるからこそ、他国の方々と仲よくやっていくためにも、日本人として知っておかねばならないことを教えることも大人の役目です。  海外に留学すると、外国の方から日本はどのような国かと聞かれて答えられず、そこから日本について勉強し、改めて日本が類いまれな国であることを感じて、自分が生まれた国に誇りを持てるようになったという声をよくお聞きします。古事記や日本書紀がどのようなものなのか、三種の神器が125代も継承されている事実、即位とはどんなことなのか、今回の譲位の機会に、子供たちに伝えてもよいのではないかとの思いで質問しましたが、時間切れで残念でした。  とはいいましても、予算特別委員会全体を見ますと、各委員からの多岐にわたる質問により、区の意気込みや御苦労も感じましたので、今後の区民のために御尽力をお願いして、平成31年度一般会計予算案、各特別会計予算案、また関連諸議案について賛成といたします。  私ごとではございますが、今回は体調不良のため、皆様には大変御心配、御迷惑をおかけしてしまいました。特に議会事務局の方々には大変お世話になってしまいました。私の控室は会議の音声も全く聞こえないため、困っておりましたら、音声の出る和室を準備してくださり、委員会室で座っているのもつらかったものですから、少し横になりながら予算特別委員会の様子を見ることもできました。議会の開催中に警備をされている皆様にも、荷物を持っていただいたり、控室の鍵をとりに行っていただいたりと心配りしていただき、温かい心遣いに感謝申し上げます。皆さんのおかげで委員会で質問することもできました。心から感謝申し上げます。  4月の任期満了で引退となりますが、16年間、区長、理事者初め職員の皆様には大変お世話になりました。優秀な職員の皆様に助けられてここまで来られたこと、改めて感謝申し上げます。今後も、次代の杉並区を担う子供たちをどうかよろしくお願いいたします。  最後に、理事者の皆様には真摯に御答弁いただき、ありがとうございました。また、公平公正な運営に当たられた正副委員長に心より感謝申し上げまして、私の意見とさせていただきます。  ありがとうございました。 ○井口かづ子 委員長  これをもちまして意見の開陳を終了いたします。  これより付託議案ごとに採決をいたします。  議案第7号杉並区職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例について、原案を可決すべきものと決定して異議ありませんか。       〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○井口かづ子 委員長  異議ないものと認めます。よって、原案を可決すべきものと決定をいたしました。  議案第8号杉並区行政財産使用料条例の一部を改正する条例について、原案に賛成の方の起立を求めます。       〔賛成者起立〕 ○井口かづ子 委員長  起立多数であります。よって、原案を可決すべきものと決定をいたしました。  議案第9号杉並区事務手数料条例の一部を改正する条例について、原案を可決すべきものと決定して異議ありませんか。       〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○井口かづ子 委員長  異議ないものと認めます。よって、原案を可決すべきものと決定いたしました。  議案第10号杉並区「特別区道」道路占用料等徴収条例等の一部を改正する条例について、原案に賛成の方の起立を求めます。       〔賛成者起立〕 ○井口かづ子 委員長  起立多数であります。よって、原案を可決すべきものと決定いたしました。  議案第11号杉並区学校教育職員の給与に関する条例の一部を改正する条例について、原案に賛成の方の起立を求めます。       〔賛成者起立〕 ○井口かづ子 委員長  起立多数であります。よって、原案を可決すべきものと決定いたしました。  議案第22号杉並区災害弔慰金の支給等に関する条例の一部を改正する条例について、原案を可決すべきものと決定して異議ありませんか。       〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○井口かづ子 委員長  異議ないものと認めます。よって、原案を可決すべきものと決定いたしました。  議案第23号杉並区国民健康保険条例の一部を改正する条例について、原案に賛成の方の起立を求めます。       〔賛成者起立〕 ○井口かづ子 委員長  起立多数であります。よって、原案を可決すべきものと決定いたしました。  議案第16号平成31年度杉並区一般会計予算について、原案に賛成の方の起立を求めます。       〔賛成者起立〕 ○井口かづ子 委員長  起立多数であります。よって、原案を可決すべきものと決定いたしました。       〔「少数意見留保」と呼ぶ者あり〕 ○井口かづ子 委員長  ただいま富田たく委員から少数意見の留保を求める発言がありましたので、これに賛成される方を確認いたします。  それでは、富田たく委員の少数意見の留保に賛成される方は挙手願います。       〔賛成者挙手〕 ○井口かづ子 委員長  賛成者がありますので、少数意見の留保を認めます。  議案第17号平成31年度杉並区国民健康保険事業会計予算について、原案に賛成の方の起立を求めます。       〔賛成者起立〕 ○井口かづ子 委員長  起立多数であります。よって、原案を可決すべきものと決定いたしました。       〔「少数意見留保」と呼ぶ者あり〕 ○井口かづ子 委員長  ただいま富田たく委員から少数意見の留保を求める発言がありましたので、これに賛成される方を確認いたします。  それでは、富田たく委員の少数意見の留保に賛成される方は挙手願います。       〔賛成者挙手〕 ○井口かづ子 委員長  賛成者がありますので、少数意見の留保を認めます。  議案第18号平成31年度杉並区用地会計予算について、原案に賛成の方の起立を求めます。       〔賛成者起立〕 ○井口かづ子 委員長  起立多数であります。よって、原案を可決すべきものと決定いたしました。  議案第19号平成31年度杉並区介護保険事業会計予算について、原案に賛成の方の起立を求めます。       〔賛成者起立〕 ○井口かづ子 委員長  起立多数であります。よって、原案を可決すべきものと決定いたしました。       〔「少数意見留保」と呼ぶ者あり〕 ○井口かづ子 委員長  ただいま富田たく委員から少数意見の留保を求める発言がありましたので、これに賛成される方を確認いたします。  それでは、富田たく委員の少数意見の留保に賛成される方は挙手願います。       〔賛成者挙手〕 ○井口かづ子 委員長  賛成者がありますので、少数意見の留保を認めます。
     議案第20号平成31年度杉並区後期高齢者医療事業会計予算について、原案に賛成の方の起立を求めます。       〔賛成者起立〕 ○井口かづ子 委員長  起立多数であります。よって、原案を可決すべきものと決定いたしました。       〔「少数意見留保」と呼ぶ者あり〕 ○井口かづ子 委員長  ただいま富田たく委員から少数意見の留保を求める発言がありましたので、これに賛成される方を確認いたします。  それでは、富田たく委員の少数意見の留保に賛成される方は挙手願います。       〔賛成者挙手〕 ○井口かづ子 委員長  賛成者がありますので、少数意見の留保を認めます。  ただいまの採決の中で留保を認められた意見については、18日午前10時までに文書により委員長まで提出してください。  それでは、委員会終了に当たりまして、御挨拶申し上げます。  今回の予算は、「新たな時代に安全・安心を貫く予算」と銘打って、田中区政3期目の最初の重要な審議であったかと認識しております。  区長初め理事者の皆様からは真摯な御答弁をいただき、事務局の皆様には多くの資料を丁寧に作成していただき、感謝するところでございます。また、委員の皆様お一人お一人に御協力をいただき、円滑に予算審議ができましたことを、大槻副委員長ともども感謝申し上げます。  本委員会の審議が今後の区政運営に反映されますことを願って、御挨拶とさせていただきます。  ありがとうございました。(拍手)  本日の委員会を閉じます。                           (午後 2時59分 閉会)...