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  1. 杉並区議会 2016-02-10
    平成28年第1回定例会-02月10日-01号


    取得元: 杉並区議会公式サイト
    最終取得日: 2021-09-29
    平成28年第1回定例会-02月10日-01号平成28年第1回定例会   平成28年第1回定例会             杉並区議会会議録(第1号) 平成28年2月10日 午後1時03分開議 出席議員48名 1 番  奥  田  雅  子      25番  安  斉  あ き ら 2 番  川  野  たかあき      26番  北     明  範 3 番  小  林  ゆ  み      27番  川 原 口  宏  之 4 番  田  中 ゆうたろう      28番  大  槻  城  一 5 番  堀  部  や す し      29番  今  井  ひ ろ し 6 番  松  尾  ゆ  り      30番  浅  井  く に お 7 番  上  保  まさたけ      31番  脇  坂  た つ や 8 番  市  来  と も 子      32番  吉  田  あ  い 9 番  木  村  よ う こ      33番  金  子 けんたろう 10番  藤  本  な お や      34番  原  田  あ き ら 11番  上  野  エ リ カ      35番  くすやま  美  紀 12番  山  本  あ け み      36番  け し ば  誠  一
    13番  木  梨  もりよし      37番  新  城  せ つ こ 14番  山  本  ひ ろ こ      38番  佐 々 木     浩 15番  中  村  康  弘      39番  河  津  利 恵 子 16番  大  泉  やすまさ      40番  太  田  哲  二 17番  井  原  太  一      41番  渡  辺  富 士 雄 18番  大 和 田     伸      42番  島  田  敏  光 19番  山  田  耕  平      43番  横  山  え  み 20番  富  田  た  く      44番  大  熊  昌  巳 21番  そ  ね  文  子      45番  は な し  俊  郎 22番  岩  田  い く ま      46番  井  口  か づ 子 23番  松  浦  芳  子      47番  富  本     卓 24番  増  田  裕  一      48番  小  泉  や す お 出席説明員       区長             田 中   良       副区長            宇賀神 雅 彦       政策経営部長         白 垣   学       施設再編・整備担当部長    吉 田 順 之       情報・法務担当部長      牧 島 精 一       総務部長           関 谷   隆       危機管理室長         北 風   進       区民生活部長         井 口 順 司       地域活性化担当部長      有 坂 幹 朗       産業振興センター所長     内 藤 友 行       保健福祉部長         森   仁 司       高齢者担当部長        田 中   哲       子ども家庭担当部長      田部井 伸 子       医療・介護・福祉・保健連携担当部長                      長 田   斎       杉並保健所長         西 田 みちよ       都市整備部長         渡 辺 幸 一       まちづくり担当部長      松 平 健 輔       土木担当部長事務代理都市整備部副参事                      浅 井 文 彦       環境部長           森   雅 之       会計管理室長(会計管理者)   南 雲 芳 幸       政策経営部企画課長      松 沢   智       政策経営部財政課長      齊 藤 俊 朗       総務部総務課長        都 筑 公 嗣       教育長            井 出 隆 安       教育委員会事務局次長     徳 嵩 淳 一       学校整備担当部長       大 竹 直 樹       生涯学習スポーツ担当部長       オリンピック・パラリンピック連携推進担当部長                      和久井 義 久       中央図書館長         井 山 利 秋       選挙管理委員会委員長     伊 田 明 行       代表監査委員         上 原 和 義       監査委員事務局長       佐 野 宗 昭         平成28年第1回杉並区議会定例会議事日程第1号                               平成28年2月10日                                午後1時03分開議 第1 会期について 第2 陳情の付託について 第3 特別委員会の活動経過の報告について 第4 平成28年度予算の編成方針とその概要 第5 代表質問 ○議長(はなし俊郎議員) これより平成28年第1回杉並区議会定例会を開会いたします。  本日の会議を開きます。  区長から挨拶があります。  区長。       〔区長(田中 良)登壇〕 ◎区長(田中良) 本日は、平成28年第1回区議会定例会を招集いたしましたところ、御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。  定例会の開催に先立ちまして、一言述べさせていただきたいと存じます。  今月6日に台湾南部で発生いたしました地震で被災された方々に心からお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方々に対しまして心より御冥福をお祈り申し上げます。  さて、本定例会で御審議いただきます提案案件でございますが、現在のところ、条例案件が22件、契約案件が1件、規約の変更が1件、財産の交換が1件、平成27年度の補正予算が5件、平成28年度の当初予算が5件、損害の賠償が1件、人権擁護委員候補者の推薦が1件、専決処分の報告が1件の合計38件でございます。  何とぞ慎重な御審議の上、原案どおり御決定くださいますようお願い申し上げまして、御挨拶といたします。どうぞよろしくお願いいたします。 ○議長(はなし俊郎議員) 説明員は、御配付してあります説明員一覧のとおりであります。  会議録署名議員を御指名いたします。  10番藤本なおや議員、36番けしば誠一議員、以上2名の方にお願いいたします。   ──────────────────◇────────────────── ○議長(はなし俊郎議員) これより日程に入ります。  日程第1、会期についてであります。  議会運営委員会の報告を求めます。  議会運営委員会委員長、46番井口かづ子議員。       〔46番(井口かづ子議員)登壇〕 ◆46番(井口かづ子議員) 平成28年第1回杉並区議会定例会の会期につきましては、当委員会の審査において特段の質疑及び意見もなく、採決の結果、委員全員の賛成をもって、本日から3月16日までの36日間とすべきものと決定をしております。  本会議におかれましても、当委員会の決定どおり御議決くださいますようお願い申し上げまして、報告を終わります。 ○議長(はなし俊郎議員) お諮りいたします。  本定例会の会期は、議会運営委員会の決定どおり、本日から3月16日までの36日間とすることに異議ありませんか。       〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(はなし俊郎議員) 異議ないものと認めます。よって、本定例会の会期は、本日から3月16日までの36日間とすることに決定をいたしました。   ──────────────────◇──────────────────                               平成28年2月10日                  陳情付託事項表 保健福祉委員会  28陳情第1号 軽度外傷性脳損傷・脳しんとうの周知と予防、その危険性や予後の相談の出来る窓口などの設置を求める意見書の提出に関する陳情 議会運営委員会  28陳情第2号 区議会議員の報酬に関する陳情  28陳情第3号 杉並区議会議員の月極駐車場料金について、政務活動費から支払うことの廃止を求めることに関する陳情  28陳情第4号 「杉並区議会の会派及び議員に対する政務活動費の交付に関する条例」に照らし、自宅(自身が代表を務める会社を含む)兼用議員事務所の光熱水費を政務活動費から支出することは、条例違反にあたるので廃止を求めることに関する陳情
    ○議長(はなし俊郎議員) 日程第2、陳情の付託についてであります。  御配付してあります陳情付託事項表のとおり常任委員会及び議会運営委員会に付託をいたしましたので、御了承願います。  以上で日程第2を終了いたします。   ──────────────────◇──────────────────                               平成28年2月10日 杉並区議会議長   はなし 俊郎 様                            災害対策特別委員会                             委員長 金子 けんたろう              災害対策特別委員会活動経過報告書  災害対策特別委員会の活動経過について、下記のとおり報告します。                    記 1 活動年月日 (1) 平成27年11月29日 委員の派遣 (2) 平成27年12月 2日 報告聴取 2 活動経過 (1)11月29日    委員の派遣     平成27年度杉並区総合震災訓練を視察するため、以下の場所に委員を派遣した。     立正佼成会法輪閣駐車場及びその周辺(杉並区和田二丁目8番ほか)   以上のとおり、委員の派遣を行いました。 (2)12月2日   1 ICTを活用した災害情報の収集と発信について     大規模災害の発生時、迅速にソーシャル・ネットワーキング・サービスなどから情報を取得、区民に対し、災害対策本部で整理した情報を防災地図アプリ「すぎナビ」で配信し、情報共有などを図っていくとのこと。  アプリの内容として平常時は各種地図情報を見ることができたり、災害時には公開した危険個所を回避した安全な避難経路の案内などの機能がある。災害情報は、すぎナビと連携可能なサービス提供が既に行われているものを利用し、収集するとのこと。  11月の総合震災訓練デモンストレーションを行い、職員向け説明会は12月より順次開催とのこと。   2 平成27年度杉並区総合震災訓練等の実施結果について     震災救援所訓練は12月1日末現在、65校中55校で実施。未実施校のうち7校は12月中に、残りは28年の1月から3月の間に実施とのこと。  総合震災訓練では、1,450名が参加。そのうち、区民としての参加が741名、関係機関の職員等が414名であるとのこと。  震災救援所訓練では立ち上げ訓練や避難訓練などを行い、関係機関との合同訓練では、救出救助訓練や医療救護訓練などを行った。そのほか、広報・体験コーナーを実施したとのこと。   3 災害時等における民間団体との協力協定の締結について     災害時等の対策強化のため、民間団体との協定を新たに2件、平成27年11月12日付で締結したとのこと。    ア 災害時における公共土木施設被災状況把握に関する協定について      被災した公共土木施設の復旧及び国に対する災害復旧に係る費用の申請を迅速に行うため、都市再生調査事業協同組合と災害時における公共土木施設被災状況把握に関する協定を締結した。被災した河川や道路などの、陥没や隆起などの測量調査及び写真撮影を依頼する内容とのこと。    イ 除雪及び路面凍結防止業務に関する協定について      除雪や路面凍結防止業務については、これまでも区内の土木建設事業者に協力を依頼し実施してきた。今回新たに杉並土木災害防止協力会と除雪及び路面凍結防止業務 に関する協定を結ぶことで、さらなる連携の強化と、安定的な運営を図っていくとのこと。   4 道路等の除雪について     積雪が10センチ以上で実施するという基準を設けているが、これに満たない場合でも、必要があると判断する場合には除雪作業を行っていく。対象路線をあらかじめ指定して、危険個所から順次優先的に行っていくとのこと。  対象路線は総延長で約39キロメートル、123路線を指定。この中で通学路や駅周辺の道路等、合計263カ所を危険個所として選定している。作業については、杉並土木事務所等の職員と、協定に基づいて、杉並土木災害防止協力会の業者とで協力して行っていくとのこと。   以上のとおり、4件の報告を聴取し、質疑応答を行いました。                                      以上                               平成28年2月10日 杉並区議会議長  はなし 俊郎 様                            道路交通対策特別委員会                               委員長 浅井 くにお            道路交通対策特別委員会活動経過報告書  道路交通対策特別委員会の活動経過について、下記のとおり報告します。                    記 1 活動年月日 (1) 平成27年12月3日 報告聴取 (2) 平成27年12月15日 委員の派遣 2 活動経過 (1) 平成27年12月3日  1 外環の2の「話し合いの会」について   第14回話し合いの会が、10月27日に西荻地域区民センターで開催され、13名の構成員の出席と33名の傍聴者があり、主な内容としては、構成員からの意見発表や質疑、東京都から今後の話し合いの会の進め方について、準備会の開催の提案があったとのこと。  構成員から出された主な意見としては、過去の経緯の話を議論しても堂々巡りになってしまうので、もっと地域の現状や将来のことを考えて議論すべきとの意見や、議論が堂々めぐりになるのは、都が住民に対し納得のいく回答がされていないからなどの意見があり、準備会の開催の提案については、肯定的な意見や否定的な意見がそれぞれ出されているとのこと。  2 第32回駅前放置自転車クリーンキャンペーンの実施結果について    実施期間は、平成27年10月22日から31日まで。天候にも恵まれ、予定されていた7駅すべての駅で実施され、駅頭及び商店街において、地元商店会、杉並区自転車放置防止協力員、小中学校の児童生徒、教員、保護者及び所管警察署や鉄道事業者など関係機関、合計463人の参加があり、のぼり旗を掲げ、自転車の放置防止を呼び掛けるとともに、自転車駐車場案内チラシポケットティッシュに添えて合計1万4,500個配布したとのこと。  以上のとおり、2件の報告を聴取し、質疑応答を行いました。 (2) 平成27年12月15日   東京外かく環状道路の立坑工事現場、遺跡調査等の視察及び、放射第5号線の街渠、緑道、岩崎橋工事状況確認のため、以下の場所に委員を派遣しました。   1 東京外かく環状道路東名JCT本線シールドトンネル立坑工事現場(世田谷区)   2 放射第5号線(久我山区間)工事現場(杉並区久我山)    各工事現場を視察しながら説明を受け、質疑応答を行いました。                                      以上                               平成28年2月10日 杉並区議会議長  はなし 俊郎 様                     文化芸術・スポーツに関する特別委員会                                委員長 中村 康弘        文化芸術・スポーツに関する特別委員会活動経過報告書  文化芸術・スポーツに関する特別委員会の活動経過について、下記のとおり報告します。                    記 1 活動年月日 (1)平成27年12月4日  報告聴取
    (2)平成28年1月26日  委員の派遣 2 活動経過 (1)平成27年12月4日   報告聴取   1 協働提案制度を活用した協働事業の実施について    杉並区協働提案制度を活用し、「地域の民間施設等を活用した展示など、文化・芸術を育むための環境づくり」をテーマに、協働事業「杉並戦略的アートプロジェクト」を実施しているとのこと。  協働事業の相手方は、特定非営利活動法人 チューニング・フォー・ザ・フューチャーで、主な活動として、プロジェクトの愛称・ロゴの募集及び決定、ギャラリーとして活用可能なスペースの発掘及び登録(「まちなかギャラリー」の登録)、ウェブサイトの構築、アートマップの作成、区内のアートスポットやイベントを知ってもらうための「すぎなみアートさんぽ」の実施、アート関係者間のネットワーク構築(アートファンミーティングの開催等)を行ったとのこと。  今後の活動として、「まちなかギャラリー」の登録数拡大及び活用、アートウォークイベントの実施、アート関係者(ギャラリー・アーティスト・産業、商業関係者)のマッチング、すぎなみアート年鑑の作成、サポーターの育成、アートマップの外国語表記、を予定しているとのこと。   2 「チャレンジ・アスリート」及び「すぎなみスポーツアカデミー」の実施について    子どもたちがスポーツに親しみ、スポーツから得られる可能性に気づく機会の提供を目的として、小学5・6年生及び中学生を対象に「チャレンジ・アスリート」を実施し、四つのプログラム(1オリンピアンとのスポーツ体験、2専門スポーツ施設見学、3パラリンピック種目の体験、4スポーツ関連の仕事見学)を行うとのこと。昨年度の実施結果を踏まえ、チラシの内容、チラシの配布・周知方法、申込方法を改善し、募集しているとのこと。  また、スポーツ分野の人材育成を目的として「すぎなみスポーツアカデミー」を実施しているとのこと。Aコース(指導者養成講習会)、Bコース(コーディネーター養成講習会)、Cコース(スーパーキッズ講座)、Dコース(障害者サポーター講座)の4コースがあり、スポーツ指導の正しい知識・技術の習得やスポーツを学ぶ機会を提供している。A、Bコースについては、全日程の参加ができない受講希望者もいることから、希望の講座のみ受講できるよう、新たに「1コマ受講」の受け付けを行っているとのこと。また、前年度の受講者を対象に、フォロー研修も実施予定とのこと。  以上のとおり2件の報告を聴取し、質疑応答を行いました。 (2)平成28年1月26日    スポーツに関する調査の一環として、障害者のスポーツへの関わり方及び支援の状況について調査するため、東京都障害者総合スポーツセンター(東京都北区)に委員を派遣し、施設の概要、事業実績等について説明を受けた後、センター内各設備の視察を行いました。                                      以上                               平成28年2月10日 杉並区議会議長  はなし 俊郎 様                              議会改革特別委員会                               委員長 脇坂 たつや             議会改革特別委員会活動経過報告書  議会改革特別委員会の活動経過について、下記のとおり報告します。                    記 1 活動年月日 (1) 平成27年12月7日 所管事項調査 (2) 平成27年12月10日 委員の派遣 2 活動経過 (1) 平成27年12月7日  1 議会基本条例について   10月1日、10月23日及び11月9日に開催した議会基本条例に関する部会において検討した章建てと条建ての大枠について及び1条「目的」の議論経過を委員長から資料をもとに報告をした。 部会の報告を受け、1条「目的」の条文を検討したところ、1議会として独立した立場であること、2区民のために働く、3区民の声をよく聞く、4区民に議会を身近に感じてもらう、5理念の宣言、6情報公開、⑦そのための基本事項(ルール)を定める、以上の7点のキーワードを入れ込んだシンプルなものとすることが決定した。 しかし、細かい言い回しについては意見の相違があったため、各会派で条文(案)を作成し、それをもとに、今後の部会の中で検討することとした。  2 議会のICT化について ここ1、2年のうちにタブレット端末を導入した豊島区議会ほか4議会に対して行った「タブレットPCの議員配布に関する調査結果」について、議会事務局次長から説明があった。 その後、今後の進め方等について議会改革特別委員会で検討部会を作って検討をするよりは、議会運営委員会もしくは議長のもとに検討委員会を作り、検討を進めていくよう議長に要望を出した方がよいのではないかという意見や実際に、業者を呼んで、タブレット端末の使い勝手についてデモンストレーションをしてもらった方が議論が深まるのではないかという意見等が出された。  以上のとおり、2件の調査・検討を行いました。 (2) 平成27年12月10日  タブレット端末を導入した経緯、端末のシステム及び操作性等を調査するため、豊島区議会に委員を派遣しました。   実際にタブレット端末を操作しながら説明を受けた後に、質疑応答を行いました。                                       以上 ○議長(はなし俊郎議員) 日程第3、特別委員会の活動経過の報告についてであります。  災害対策特別委員会委員長、33番金子けんたろう議員、道路交通対策特別委員会委員長、30番浅井くにお議員、文化芸術・スポーツに関する特別委員会委員長、15番中村康弘議員、議会改革特別委員会委員長、31番脇坂たつや議員から、御配付してありますとおり特別委員会活動経過報告書が提出されております。  各特別委員会におかれましては、引き続き調査活動を継続されるようお願いいたします。  以上で日程第3を終了いたします。   ──────────────────◇────────────────── ○議長(はなし俊郎議員) 日程第4、平成28年度予算の編成方針とその概要の説明を聴取いたします。  理事者の説明を求めます。  区長。       〔区長(田中 良)登壇〕 ◎区長(田中良) 平成28年第1回定例会の開催に際しまして、新年度予算編成の基本的な考え方及び今後取り組むべき重要課題の概要について申し上げたいと存じます。  私が区長に就任いたしまして、早いもので6年を迎えようとしております。就任後、真っ先に取り組もうと考えたことは、区政を取り巻く社会経済状況が大きく変化する中にあっても、区と区民が共有することができる新たな基本構想を策定することでございました。その後、多くの区民の皆さんの御参加をいただき、議会の御議決を経て策定した基本構想及びその道筋となる総合計画が、ことしで計画期間10年の前半最後の年を迎えることになりました。後半に弾みをつけるためにも、この1年は大変重要な年になると考えております。  平成28年度は、実行計画及び区立施設再編整備計画第一次実施プランの改定も予定しておりますので、改めて計画の進捗状況や課題を検証し、基本構想実現に向けた取り組みを加速化してまいりたいと考えております。  昨年は、喫緊の課題である保育の待機児童ゼロに向けた取り組みや、高齢者関連施設の整備、また、狭隘道路の拡幅整備事業、施設再編整備計画に基づく取り組みなどに力を注いでまいりましたが、加えて、地方創生に向けて、まち・ひと・しごと創生総合戦略の策定に取り組んだ1年でもありました。  区は、総合戦略の策定に先立ち、区の人口の現状と将来展望、そして今後目指すべき方向を明らかにするため、人口ビジョンをまとめました。その結果、区の人口は近年増加傾向にあるものの、その主要因は、20代の若年層の転入超過にあること、とりわけ転入超過の傾向が大きい20歳から24歳までについては、約5割が地方からの転入であることが明らかになりました。このことから、今後地方の人口が減少すれば、区の人口に影響が及ぶことは避けられず、現在人口がふえているからといって楽観視するのではなく、地方からの人口流入に頼ることなく、みずから人口を維持・増加させる取り組みを推進していく必要性を痛感いたしました。また、地方以外の東京圏からの転出入については近隣区市間での転出入の割合が大きいことから、流動性の高い若年層を中心に、他区、他市ではなく杉並を選んでもらえるよう、区の魅力を高めることが重要であるとの認識を強くいたしました。  また、国の総合戦略では、東京圏への人口の一極集中を是正するため、「地方への新しいひとの流れをつくる」ことが基本目標として掲げられておりますが、本区におきましては、東日本大震災における南相馬市へのスクラム支援の取り組みを契機に、自治体連携の取り組みの拡大を図ってまいりました。その結果、名寄市への台湾からの修学旅行の実現や南伊豆町における区域外特養ホームの整備など、地方に人の流れや雇用を生み出す成果に結びついてきております。  この南伊豆町における特養ホームの整備につきましては、昨年8月、建設・運営事業者が決定いたしました。いよいよ今後は、平成29年度の開設に向けて、高品位で特色ある施設整備を進めていくこととなります。  この間、制度の壁、行政の壁などさまざまな障壁や課題がありましたが、区、南伊豆町双方にとってメリットのある事業であるとの揺るぎない信念に基づき、一つ一つ課題をクリアし、ここに至ることができました。  私は、国が都市部の財源を吸い上げ地方に配分することでは、東京圏の一極集中も地方の人口減少も改善されず、いたずらに都市と地方の対立をあおることにしかならないと考えております。双方にメリットのある自治体連携の取り組みを都市部の自治体が率先して進めていくことこそ、都市と地方の共存共栄、真の地方創生につながるものと確信いたしております。  このような問題意識に基づき、区は、昨年11月、多くの人が住みたい、住み続けたい、また訪れたいと思える自治体を目指し、他区に先駆け、「若い世代の結婚・出産・子育ての希望をかなえる」、「来街者を増やし、まちのにぎわいを創出する」、「地方との連携により、豊かな暮らしをつくる」という三つの基本目標から成る総合戦略を策定いたしました。  昨年は、企業の経常利益は過去最高水準に達し、賃上げ率も上昇、有効求人倍率も高水準となり、日経平均株価も一時15年ぶりに2万円台に回復するなど、いよいよデフレ脱却までもう一息といった感がありました。しかし一方で、全体的な消費マインドは依然厳しい状況が続いており、個人消費の改善テンポはおくれています。これは、雇用情勢が改善されている中にあっても、多くの人々が、年金、介護など自分の将来への不安を拭い去れない状況となっていることなどが要因になっていると言われております。  加えて、中国経済の減速を初めとした世界経済への不安などによる年始早々の株価の下落など、景気の先行きは依然として不透明な状況が続いております。  区の歳入に大きな影響を与える税制に関しましては、昨年から、消費税率8%への引き上げに合わせた法人住民税の一部国税化の影響が出始めております。平成28年度はその影響が平年度化されることとなり、特別区財政調整交付金にも大きな影響を与えるものと見込んでおります。  繰り返し申し上げていることではありますが、本来、税源偏在は地方交付税で調整されるべきであり、これを地方税である法人住民税の国税化により行うことは、受益と負担に基づく応益課税という地方税の根本原則をゆがめることにほかなりません。また、先ほど申し上げたとおり、このようなやり方では、過去の例を見ても、地方の活性化につながらないことは明らかであります。  平成28年度の税制改正大綱には、企業版ふるさと納税の創設が明記されました。これについても、特別区は寄附の対象外とされており、都市部への税源偏在是正だけを目的とした、応益性の原則に反する改正と言わざるを得ません。地方分権の推進を唱えながら、一方で地方税の根本原則をないがしろにする税制改正には、今後ともはっきりと異を唱えていきたいと考えております。  区民の生活に直接かかわる福祉人材にかかわる分野でも、私たちの将来に不安を与える数字が公表されました。昨年6月には、民間有識者でつくる日本創成会議から、東京圏の後期高齢者人口が今後10年間で175万人ふえ、医療・介護人材については80万から90万人の増員が必要といった推計が示されました。また、保育人材に関しても、2017年度までに、政府が進める40万人分の保育の受け皿をふやすためには、約7万人の保育士が必要という報道がなされました。その後、政府は、目標を上積みし、受け皿を50万人分にふやすと発表しておりまして、これに合わせてさらなる保育士が必要となることとなり、人材の確保が今後の大きな課題となっております。  このように、目先では企業収益の改善やこれに伴う税収の伸びといった明るい話題もあるものの、現在の日本の社会は、多くの人々にとって、将来にわたり豊かさや安心を展望することが難しい時代となっているのではないかと感じております。  私は、こうした先行き不透明な時代だからこそ、区が、住民に最も身近な基礎自治体として、長期的な展望を持ちながら、区民の生活をしっかりと支えていかなければならないと考えております。  スクラム支援や区域外特養ホームの取り組みでもそうであったように、たとえ制度や財政などの課題があったとしても、意欲や創意工夫を持って粘り強く取り組めば、基礎自治体ができることは少なくありません。現場を持つ区が地域の実情、区民ニーズを踏まえて、国や都に先駆けて施策、事業を展開し、その効果を示し、国や都を動かしていく、そうした気概を常に持ちつつ、区政運営に臨んでまいりたいと考えております。  その一つとして、多子世帯支援の取り組みを充実強化していきたいと考えております。国は、昨年3月に閣議決定した少子化社会対策大綱において、多子世帯ヘ一層の配慮を行い、3人以上子供が持てる環境を整備することを掲げ、幼稚園、保育所等の保育料無償化の対象拡大等の検討や保育所等の優先利用を進めるとしておりました。しかし、国の平成28年度予算案で示された保育料の負担軽減策は、第1子の年齢制限を撤廃するものの、年収360万円未満の世帯に対象を限るという内容でございました。  そこで、区としては、昨年策定した総合戦略の取り組み項目に基づき、少子化対策の強化の観点から、国の対策に加えて区の独自の対策を講じ、その効果を検証し、国や都に示してまいりたいと考えております。  また、狭隘道路の拡幅整備に関する取り組みも同様です。建築基準法が昭和25年に施行され、65年以上が経過しておりますので、この間に狭隘道路に面した建物のほとんどは建てかえに伴うセットバックがなされ、道路が拡幅されていてしかるべきであります。しかし現状では、2項道路の整備対象が区内で約664キロあり、そのうち整備が完了したものは、平成26年度末時点で3割に満たない状況でございます。建築基準法の解釈や私有財産への制限に関する問題などにより、なかなか進捗がない中、首都直下地震がいつ起きるかもしれない状況において、取り組みを加速化させ、国や都へも一石を投じるため、平成28年度中に狭あい道路拡幅整備条例を改正し、区民の安全・安心の確保に努めてまいります。  ことしの干支は、戦後2度目の「丙申」となります。「丙」という文字には「明らか」という、「申」という文字には「樹木の果物が熟して固まっていく様子」という意味があります。このことから、「丙申」の年は形が明らかになってくる年と言われております。区政におきましても、まさに、これまで取り組んできた施策の進展とその効果が区民の目に見える形になる年にしたいと考えております。  そこで私は、区民が豊かさと安心を確かなものとして実感し、未来にわたり希望が持てるようにしたいという思いを込めて、平成28年度予算を「豊かさと安心を未来に拡げる予算」と名づけました。  ここで改めて、私の予算編成に当たっての基本的な考え方について申し述べます。  考え方の第1でございますが、総合計画に掲げた施策を着実に推進するため、計画事業を確実に予算に反映させたことでございます。  平成28年度は、基本構想に基づく総合計画のホップ・ステップ・ジャンプとして3段階に分けたステップ期の2年目に当たる年であるとともに、総合計画の計画期間である10年の前半最後の年に当たります。計画期間後半に向けて弾みをつけ、総合計画に掲げた施策を推進するための実行計画や総合戦略を着実に推進するために、これらの計画事業を確実に予算に反映させました。  第2は、長期最適、全体最適の観点を踏まえて必要な予算を計上したことでございます。  少子高齢化が進行する中で持続的に区民福祉の向上を図っていくためには、長期的な展望と杉並区を隅々まで俯瞰する視点が欠かせません。施設再編整備計画に基づく取り組み、要介護高齢者の増加への対応や少子化対策など、長期最適、全体最適の観点から必要な取り組みに対してしっかりと予算に反映させたものでございます。  第3は、財政の健全性を確保し、持続可能な財政運営に努めたことでございます。  政府は、平成28年度の経済見通しについて、雇用・所得環境が引き続き改善し、経済の好循環がさらに進展し、堅調な民需に支えられた景気回復が見込まれるとして、実質GDP成長率は1.7%程度、名目GDP成長率は3.1%程度としております。これを踏まえ、区におきましても、納税義務者の増や所得の伸び等による増収を見込みました。  しかし一方で、保育需要の高まりによる保育関連経費や乳幼児及び義務教育就学児医療費助成など義務的経費の大幅増に加え、法人住民税の一部国税化の影響額が高まるなど、厳しい状況が続くことが見込まれております。  こうした中でも、行財政改革による歳出削減を進めるとともに、計画事業はもとより、新たな課題にも的確に対応するため、基金と区債をバランスよく活用するなど、財政の健全性を確保した予算編成を行いました。  第4は、区民生活の豊かさと安心につなげるために、「減災対策等の充実による地域の安全・安心の拡大」、「多様な連携・交流によるにぎわいの拡大」、「福祉の更なる充実で区民生活の安心を拡大」、「次世代支援・教育の拡充」という四つの視点と、これらの視点により施策を推進するための「区民との双方向コミュニケーションの拡充」に意を用いて予算を編成したことであります。  以下、これら五つの視点に関連する施策について申し上げます。  第1の視点は、「減災対策等の充実による地域の安全・安心の拡大」であります。  東日本大震災から丸5年がたとうとしておりますが、被災地においては、18万人以上の方が仮設住宅などで不自由な生活を余儀なくされており、また、震災関連死とされる方もふえ続けており、復興はまだ道半ばという状況となっております。  こうしたことからも、大災害が発生したときに、いかに被害を抑え、復旧を迅速に行えるかが自治体に課せられた最重要課題であると認識しています。国、都との連携はもちろん、区民の協力を得ながら、スピード感を持って、目に見える形で災害に強いまちづくりを前進させていかなければなりません。  そこで、まずは被害を最小限に抑えるための取り組みとして、区独自の詳細な地震被害シミュレーションを実施します。地域ごとに、現状で地震が発生した場合と、建築物の耐震化、不燃化や狭隘道路拡幅等の減災対策の実施後に発生した場合との被害想定の比較を行い、具体的な効果を見える化することにより、区民の減災対策の重要性への認識や意識を高め、官民一体で災害に強いまちづくりを一層進めてまいります。  次に、その具体策としての狭隘道路の拡幅整備です。先ほど触れましたが、平成26年度に杉並区狭あい道路拡幅整備に関する審議会に対し、道路を拡幅するに当たっての財産権との関係や拡幅を進めるための手法等について諮問を行いました。全国的にも注目を集める中、慎重かつ闊達な議論を行っていただき、昨年11月に答申をいただきました。今後、その内容を踏まえ、狭あい道路拡幅整備条例を改正し、重点路線の拡幅後の効果を具体的にPRすることなどにより、区民の方々の御理解を得ながら、狭隘道路の拡幅を加速化させてまいります。  これに加え、建築物の耐震化、不燃化に関する助成内容を拡充するほか、引き続き杉並第六小学校周辺地区、方南1丁目地区の不燃化特区における木造住宅密集地域の解消に取り組んでまいります。
     また、震災時の被害を拡大させる大きな要因となっている火災の発生予防にも努めます。火災の6割以上が電気に起因する火災と言われていることから、住宅が密集した火災危険度の特に高い地域を対象に、地震時に電源をシャットダウンする感震ブレーカーの設置を支援してまいります。こうした取り組みを連動させて減災対策を総合的に推進してまいります。  次に、災害復旧をより迅速に行えるようにするために、震災後の瓦れき処理や被害状況の把握を早期に行えるよう、航空写真等を活用した道路等の現状調査と、土地の境界を明確にするための公共基準点を事前に選定する対策を講じます。  そのほか、地域の安全・安心を高めていくため、老朽化により周辺に著しい悪影響を及ぼしている空き家を除却するための助成制度を導入いたします。また、防犯対策につきましても、引き続き街角防犯カメラや通学路防犯カメラの増設を行い、地域の安全確保を図ってまいります。  第2の視点は、「多様な連携・交流によるにぎわいの拡大」でございます。  昨年は、都市と地方の共存共栄の観点から、地方創生に向けた自治体連携の取り組みを進めてまいりました。交流自治体との地方創生・交流自治体連携フォーラムを踏まえ11月に策定した総合戦略では、「地方との連携により、豊かな暮らしをつくる」を目標に掲げ、取り組みを進めております。  具体的には、お試し移住支援事業として、南伊豆町との連携により、事業説明会や現地見学会を実施いたします。先月23日に区役所において実施した説明会には、200名を超える参加者があり、この事業への関心の高さがうかがわれました。南伊豆町の地域特性を生かして、より健康で豊かな暮らしができるよう、健康づくりプログラム等の共同調査研究も実施し、希望する区民に対して、将来に向けた住まい方の幅広い選択肢を提供してまいります。その他、交流自治体で地域おこし活動を行うためのすぎなみ地域おこし協力隊を創設し、活動の支援などを実施してまいります。  なお、お試し移住支援事業につきましては、国の交付金を申請するために、平成27年度の最終補正予算案に予算を計上した上で、翌年度に繰り越し、平成28年度の事業として実施いたします。  次に、区への来街者をふやしていくための事業といたしましては、今後の東京オリンピック・パラリンピック開催を見据え、阿波踊りやアニメ、食文化など、外国人が興味、関心を持つ日本文化を体験する仮称杉並体験ツアーを民間事業者等と連携して実施いたします。また、年々外国人の来訪者が増加している杉並アニメーションミュージアムのコンテンツを充実するとともに、展示物等の多言語化により、来館者のさらなる拡大を図ってまいります。  また、ことし60周年記念大会を迎える東京高円寺阿波おどりにつきましても、これまで以上に多くの観光客に訪れてもらえるよう開催の支援を行い、大会を盛り上げてまいります。  そのほか、新・元気を出せ!商店街事業の拡充など、商店街振興にも引き続き力を入れ、にぎわいと商機を創出する商店街づくりを進めてまいります。  さらに、区民同士の交流の場として、区内では初となる、気軽に土と触れ合い、農に親しむことができる成田西ふれあい農業公園を開園いたします。加えて、地産地消を推進するため、区民と区内の農業者が交流するふれあい農業体験やアグリフェスタの開催のほか、生産者、民間事業者、NPO等による地産地消推進連絡会での意見交換を踏まえた、新たな販路の拡大など、杉並産農産物を活用する取り組みを積極的に展開してまいります。  第3の視点は、「福祉の更なる充実で区民生活の安心を拡大」でございます。  区民生活を豊かにし、安心して暮らせるためには、福祉基盤の整備が不可欠です。これまでも、全ての世代の区民にとって安心で暮らしやすいまちとするため、区民福祉の向上を第一に区政を進めてまいりましたが、これをさらに充実します。  まずは、子育て支援です。この間、待機児童対策に重点的に取り組んでまいりましたが、平成28年度も未就学児の増加が見込まれることから、引き続き、認可保育所を核として多様な保育施設の整備を進めてまいります。また、増加する保育施設を支える人材確保に対する支援として、施設従事者の育児休業支援や要配慮児への対応加算などを区独自で実施いたします。多子世帯への支援も強化します。区の合計特殊出生率は、上昇傾向にあるとはいえ、0.99にとどまっております。しかし、総合戦略の策定に先立ち行ったアンケートでは、希望する子供の数は、平均2.27人と二人を超えています。そして、子供を持つ場合の条件として、地域の保育サービスが整うこと、教育に余りお金がかからないことが上位を占めております。区はこれまでも、国による認可保育所等に通う多子世帯への保育料軽減策に加え、認証保育所等に通う世帯に対しても、独自に保育料軽減策を講じてきたところでございますが、先ほども触れたとおり、今回の国の取り組みに対しても上乗せした取り組みを、今後4年間試行的に実施いたします。具体的には、ことし4月2日以降に第3子以降が生まれた世帯については、第3子以降の保育料の無料化の対象となる年収の階層区分を、国の基準の2倍程度に引き上げます。同時に、保育園等の入園を決定する基準を見直し、年収にかかわらず、子供が3人以上いる多子世帯の児童を優先的に入園できるようにいたします。  さらに、妊娠期から子育て期まで、切れ目のない支援をさらに充実いたします。全妊婦を対象としたゆりかご事業について、面接機会の拡充を図るとともに、妊娠期から使用できる子育て応援券「ゆりかご券」を面接時に交付します。さらに、サービス記録を一元化する母子保健システムを構築し、継続的な支援につなげてまいります。  このほか、ひとり親家庭への支援策の一つとして、婚姻歴のないひとり親に寡婦控除をみなし適用することにより、保育料等の負担軽減を図ります。  次に高齢者施策でございます。高まる介護需要に対応して良質なサービスを安定的に提供していくためには、施設の整備とあわせて、介護従事者の確保が喫緊の課題です。そこでまず、介護従事者の負担軽減を図るため、介護ロボットやICTタブレット端末の導入経費の助成により、介護の本来業務や記録等の書類作成作業といった間接的な業務の負担軽減を図るための支援事業を実施してまいります。  また、地域で暮らす高齢者の多様なニーズに応えていくため、介護予防・日常生活支援総合事業を開始するとともに、生活支援サービスの整備や在宅医療と介護の連携強化及び認知症対策に引き続き力を入れて取り組み、地域包括ケアを一層推進してまいります。  障害者施策につきましても、取り組みを拡充します。障害者の高齢化、重度化が進んでいることを踏まえて、障害の種別にかかわらず、また、どんなに障害が重くても、さまざまなサービスを受けながら、いわゆる親亡き後も住みなれた地域で生活できるよう、新たに区有地を活用して、重度障害者のグループホームを中心に、生活介護や就労支援など多様な機能を備えた障害者施設の整備を進めてまいります。また、グループホームへの看護師等の訪問指導、助言等による地域ネットワーク型の支援体制を強化するとともに、自宅等をグループホーム等に転用するための支援の仕組みの構築や、既存のグループホームへの重度障害者の受け入れを促進するための方策を検討してまいります。  保健医療分野においても、新たに胃がん検診に内視鏡検査を導入し、エックス線検査との選択ができるようにするなど、検診の充実を図ります。また、引き続きがん予防の知識の普及啓発にも力を入れてまいります。  さらに、本議会に財産交換の議案を提案しておりますが、その交換対象用地において、区内全域の在宅生活を支える後方支援機能を初め、生活相談や就労・自立支援機能、子育て支援機能等を備えた、区民の福祉と暮らしのサポート拠点となる仮称天沼三丁目複合施設「複合施設棟」の建設にも着手いたします。  第4の視点は、「次世代支援・教育の拡充」でございます。  次代を担う子供たちが健やかに成長していくための環境を整備充実し、将来に夢と希望を抱くことができる社会を継承・発展していくことは、私たちの重要な責務であります。こうした認識に立ち、取り組みの拡充を図ってまいります。  就学前教育では、成田西2丁目用地を活用して、老朽化が著しい成田西子供園の移転改築及びその併設施設として、区内の幼稚園、保育所等の就学前教育施設に対する教育的支援を総合的、一体的に展開する拠点となる仮称就学前教育支援センターの整備に着手いたします。  学校教育については、高円寺地域における小中一貫教育校の整備、杉並第一小学校の改築・複合化及び桃井第二小学校の改築に向けた設計等を実施します。また、小学校における特別支援教室の段階的設置など、特別支援教育の充実に取り組みます。さらに、区立小中学校副校長の校務遂行を支援する人材を配置し、副校長による教職員の指導・育成、地域との協働連携等を一層推進するとともに、国等に先駆けて実施してきた外部委託等による中学校の部活動活性化事業を本格実施するなど、学校経営を支援する区独自の取り組みを充実強化してまいります。  生涯学習・スポーツの分野では、子供から大人まで世代を超えて科学に親しみ、学ぶことができる次世代型の科学教育事業を引き続き推進します。また、改築中であった妙正寺体育館が10月にリニューアルオープンするほか、永福体育館を旧永福南小学校に移転改修し、あわせて国際試合も可能な屋外ビーチコートを併設する工事に着手するなど、2020年の東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催を視野に、スポーツ振興の基盤づくりを一層進めてまいります。  環境分野では、二酸化炭素を排出せず、環境負荷の少ない、水素で走る燃料電池自動車を導入し、これを環境学習等で活用してまいります。また、電気自動車の充電設備設置助成や、充電設備の少ない地域にある区立施設への急速充電設備の設置を行い、クリーンエネルギーに対する関心を高めてまいります。さらに、小学生に自宅のごみの量を測定してもらい、家族ぐるみでごみの減量に対する意識を高めるための環境学習として、わが家のごみへらし大作戦を実施いたします。  このほか、すぎJOBやすぎトレの利用者を対象に、ふるさと就労体験と銘打って、交流自治体での就労体験や事業所見学を取り入れた宿泊訓練を実施し、就労阻害要因を抱える若者の社会参加を進めてまいります。  最後に、「区民との双方向コミュニケーションの拡充」でございます。  基本構想の実現に向け、参加と協働による地域社会づくりを推進していくためには、区と区民のコミュニケーションの充実が欠かせません。そのためには、区の考えていることが正確にわかりやすく区民に伝わり、同時に、区民が知りたい情報は知りたいときに確実に知ることができる、伝える広報から伝わる広報へ見直していく必要がございます。あわせて、区民の区政に対する関心を高め、区民の意見を具体的な施策に反映させていけるよう、しっかりした広聴を行っていかなければなりません。  そこで、新たな視点で区の広報を全般的に見直していくために、平成28年度から、広報、宣伝の業務に精通した民間人材を広報専門監として採用し、これまでの広報の枠組みにとらわれない発想で、「広報すぎなみ」のデザイン刷新など、新たな取り組みにチャレンジしてまいります。そして、今後を見据えた協働の時代にふさわしい区全体の広報戦略を策定してまいります。  また、日ごろ区との接点の少ない方を含め、幅広い世代から、より多くの御意見や御要望をお聞きし、施策への反映につなげていくために、無作為抽出による区民や、区内の高校、大学等での若者と区長との懇談会を実施いたします。昨年10月にすぎなみちょこっトークと銘打って実施した、無作為抽出による基本構想実現のための区民懇談会の参加者アンケートでは、全員が「区政への関心が高まった」と回答しております。このことから、こうした取り組みは、区民の区政への関心を高め、協働による地域課題の解決にもつながる、波及効果の大きな取り組みであると考えております。  以上、述べてまいりました考え方に基づき編成いたしました平成28年度一般会計の予算規模は、1,719億7,400万円、前年度と比較して70億200万円、4.2%の増となっております。会計規模が増加した理由といたしましては、保育関連経費などの既定事業、また、国の年金生活者等支援臨時福祉給付金の増などが主な要因でございます。  次に、特別会計ですが、国民健康保険事業会計につきましては、保険給付費や共同事業拠出金等の増に伴い、会計規模は、前年度比で2.9%の増を見込んでおります。  次に、介護保険事業会計でございますが、保険給付費等の増に伴い、会計規模は前年度比で4.5%の増を見込んでおります。  次に、後期高齢者医療事業会計でございますが、広域連合納付金等の増により、会計規模は前年度比で0.9%の増を見込んでおります。  最後に、中小企業勤労者福祉事業会計でございますが、福祉事業の減などにより、会計規模は前年度比で9.2%の減を見込んでおります。  最後になりますが、昨年、日本全体を明るくした話題に、イングランドで開催されたラグビーワールドカップでの日本代表の活躍がありました。世紀の番狂わせと言われた南アフリカ戦の勝利を初め、日本代表の躍進が、日本国民はもとより世界中の人々を熱狂させたことは、今なお記憶に新しいところでございます。  専門家によりますと、日本代表の活躍は決して偶然ではなくて、エディー・ジョーンズヘッドコーチのもと、ワールドカップベスト8という明確な目標を設定し、綿密な戦略を立て、メンバー全員がその戦略を共有し、献身的なハードワークを行ったことによる必然であると言われております。  私は、このような取り組みは、ラグビーに限らず他のスポーツにおける成功にも相通ずることであり、さらに、企業はもとより、行政運営にも当てはまる組織のあるべき姿であると、深く共感を覚えるものでございます。  本区におきましても、区と区議会、そして区民が基本構想に掲げる区の将来像をしっかり共有し、その実現のための道筋として策定いたしました総合計画に基づき、それぞれがなすべきこと、できることを行えば、必ず目標を達成することができると確信いたしております。エディー氏は、「すばらしいチームというのは目的が明確です。だから、皆、その一員でありたいと思うのです」とこう述べています。基本構想の実現に向けて区、区議会、区民が一丸となって取り組みを進め、目に見える成果が出れば、多くの区民の皆さんが区民であり続けたいと思い、また、新たに杉並区民になりたいと思う人がふえるという好循環がおのずと生まれるのではないでしょうか。  ぜひ、そのような区政を実現すべく、今後とも全力で区民福祉の向上に尽力してまいります。どうか議員各位、区民の皆様の御理解と御協力をお願い申し上げます。  以上、平成28年度の予算編成方針と施策の概要について御説明申し上げました。よろしく御審議の上、同時に御提案申し上げます関連議案とともに、原案どおり御議決賜りますようお願い申し上げます。 ○議長(はなし俊郎議員) 以上で日程第4を終了いたします。  ここで2時まで休憩いたします。                                午後1時46分休憩                                午後1時59分開議 ○議長(はなし俊郎議員) 休憩前に引き続き会議を開きます。  日程第5、平成28年度予算の編成方針とその概要に対する各会派の代表質問に入ります。  慣例により、多数会派順にこれを許可いたします。  杉並区議会自由民主党代表、46番井口かづ子議員。       〔46番(井口かづ子議員)登壇〕 ◆46番(井口かづ子議員) 私は、杉並区議会自由民主党を代表して、田中区長から提案のありました平成28年度杉並区予算の編成方針及びその概要や、関連する区政の諸課題につきましてお伺いしてまいります。  質問に先立ちまして、杉並区とも友好関係を密にしている台湾におきまして、南部で発生しました地震により被害を受けられた皆様に心からお見舞いを申し上げますとともに、お亡くなりになられた方々に対しまして心よりご冥福をお祈りいたします。  質問に入らせていただきます。  我が国の経済は、政権交代後、アベノミクスによる金融緩和によって緩やかに景気回復に向かう過程の途上であるものと言えます。しかし、昨年の日本経済の好循環は円安をベースにしていましたが、昨今の原油安や中国経済収縮を要因とした円高などにより、先行きには暗雲がかかってきたと言わざるを得ません。2016年を迎えても依然として、政府はデフレ脱却宣言の見通しを先延ばしにしている状況の中、日銀は先日、史上初のマイナス金利を導入し、さらなる異次元の金融緩和策を進めています。本年は景気回復に向けた正念場であり、新たに就任されました石原経済再生担当大臣の手腕には、大いに期待するところであります。  国の税収増の基礎となる景気動向につきましては、昨年までの企業収益は回復基調であると言えます。  東京都におきましても、雇用情勢は、完全失業率が低下し、有効求人倍率は昨年末で1.8倍を超える状況となり、景気はさらに上昇してもおかしくない状況ですが、地域経済への波及効果は実感されておらず、個人消費には結びついておりません。  今後、政府は、世界経済の新しい成長軌道への挑戦を掲げ、加速度的に進む日本全体への人口減少と都市部への人口集中に対する取り組みとして、地方創生や一億総活躍への挑戦などを柱とした政策を展開していくものと認識しております。  杉並区に目を移しますと、昨年4月に区の人口は55万人を突破いたしました。平成11年4月の人口が約50万でしたので、15年ほどで5万人の人がふえたことになります。  今、日本は人口減少社会に直面していますが、東京などの人口がふえている都市部に暮らしておりますと、なかなか実感が湧きません。しかし、危機感を持ちがたい都市部だからこそ、将来の人口減少社会を見据えての備えが重要と考えます。  ことしは、基本構想、総合計画の折り返し前の1年でもあります。その意味から、28年度は、これから杉並区に求められることは何か、区民の求めているものは何かを分析し、考え、時代に合わせ、長期最適、全体最適を規範に行動していかなければなりません。  行政需要が拡大し、刻々と変化する大変な時代にあって、課題に的確に対応していくためにも、平成28年度の実行計画や区立施設再編整備計画第一次実施プランの改定は重要であります。  さらに、今回の平成28年度予算は「豊かさと安心を未来に拡げる予算」と銘打たれています。今年度のフレーズは「少子高齢社会へのチャレンジ」でした。「チャレンジ」から「拡げる」へステップアップしての予算の編成方針と受けとめています。  区長も予算編成方針の中でも述べられておりますが、東日本大震災から5年を迎え、震災意識が薄れていく中、今後、首都直下地震などの大災害を想定し、発災した際の被害を最小限に抑えていくため、まちの安全性を高め、防災・減災に注力し、区民に安心感を持ってもらう必要性を私は強く感じております。区長もこのようなことを念頭に置いて、新年度の予算名をつけられたものと考えます。  まずは、改めて、新年度予算案をこのように名づけた区長の思いを伺わせていただきます。  さて、予算について概要を見ますと、歳入は、おおむね増収傾向であります。一方、歳出は、国と同じく社会保障関連経費がふえ、区も過去最高の予算額と伺っていますが、少子化、超高齢化が進む過程にある現状と地方自治体の分権化により、ますます保健福祉費は増大していく傾向にあると考えます。保健福祉費が大きく予算全体の構成比を占めていくことには、財政的な観点から見て、バランスに課題を持つ必要性も懸念されます。財政の健全性を保ちつつ、将来に向かって必要なサービスを継続的に提供できる持続可能な財政運営が求められるという、非常に難しい時代に突入してきたものと考えております。  そこでお伺いしますが、こうした点を含め、どのようなことを主軸に予算編成に当たり、新年度の予算額に対してどのような評価をしているのか、確認いたします。  また、杉並区人口ビジョンを行政計画策定の基礎とし、保育園や特養の建設に当たり、人口に基づく適正な基準上限を考えていくことが必要なのではないかと考えます。このままでは、幾ら施設整備をしても、周辺自治体からの流入人口増加が続くものと推察されます。この点についてどのように考えていくのかの見解もあわせてお示しください。  また、予算の前提として、前述したとおり、国の景気動向の判断は慎重に検討を要するものと考えますが、区としては、景気の現状と今後の推移、区民の生活実態についてどのように把握しているのでしょうか。貧困層、中間層、富裕層といった階層別の視点、地域別による視点、年代別による視点など細かく捉えることが重要と考えますが、区の見解をお示しください。  財政運営についてもう一つお伺いしたいのが、基金の取り崩しについてであります。企業収益の回復傾向に合わせ、区税収入等も増を見込んでいるとのことでしたので、昨年に引き続き、財政調整基金を取り崩すことなく予算編成ができるのかと思っておりましたが、9億円が取り崩されておりました。このまま財政調整基金が目減りしていくものとは考えておりませんが、より強固で安定した財政基盤を築くには、財政のダムの構築は不可欠と考えるものですが、この財政のダムの構築に向けた今後の見通しについて、改めて確認しておきます。  適切な財政を進める上で、国や東京都などの補助金の活用は、これまで以上に取り組むべきものと考えます。28年度の予算編成においては前年度より拡充しているのか、確認をいたします。  財政に関連してお伺いしますが、法人住民税の一部国税化に対して28年度は平年度化することから、都区財調に大きく影響することになります。当区だけでなく、23区全てが影響を受けることから、特別区が団結し、改めて国に対して強く是正を求めていく必要性を感じています。また、関連して、法人実効税率がことし引き下げられます。そのことによる今後の区への影響はどこまで検討されているのでしょうか、見解をお尋ねします。  そして、新しく28年度税制改正で予定している地方創生応援税制の創設は、企業版ふるさと納税というものです。これについては、三大都市圏にある地方交付税の不交付団体は対象外とされ、また、企業の主たる事務所が立地する地方公共団体に対する寄附は対象外とされており、東京都や杉並区は対象外となる見込みです。これに対しては、国へ強く是正を求めるべきと考えます。  また、従前の個人を対象としたふるさと納税についても、昨年、全国的に大きく膨らんでいるということで、少なからず杉並区への影響も大きくなっていると考えますが、今後、ふるさと納税に対してどのように捉えていくのか、見解をお尋ねします。  区の実行計画は、28年度が改定時期となりますが、その検討状況や計画策定の行程についてお尋ねするとともに、昨年策定した杉並区まち・ひと・しごと創生総合戦略との整合性についてもあわせてお示しください。また、関連して、その総合戦略について改めて、都会である杉並区で策定した理由とその意義についても確認いたします。  政府は本年4月より女性活躍推進法を施行し、2020年までに指導的地位に占める女性の割合を30%に拡大することとし、働く女性をしっかりと応援していくことになりました。  杉並区議会においても、今期、最多となる15名の女性議員が誕生しています。また、NHKの朝ドラの「あさが来た」では、女性起業家の生き方が広く共感され、世間の話題となっております。私自身、小さな会社を経営していますが、事業者側が女性の育成、登用スキルを高めることは、組織に多大なるメリットを与える可能性があると実感しております。  女性の社会進出は、仕事と子育て・介護を二者択一ではなく、同時に実現できる社会環境の整備や社会的支援が何よりも必要であると思います。  そこで、法に基づく支援について確認しますが、本年中に行政や大企業には行動計画を策定する必要性があります。現在、当区での計画策定状況についてお示しください。また、関連する新しい取り組みなどを検討しているかもあわせてお示しください。  豊島区では、新たに、女性にやさしいまちづくり担当課長を新設し、人材も広く公募を実施することとしています。区政の施策に女性の視点や女性ニーズの掘り起こしを行い、女性に向けた情報発信などを行っていくようですが、今後当区でもそのような施策の展開が必要と考えますが、見解をお示しください。  次に、施設再編整備計画について伺います。  新年度予算の内容を確認してまいりますと、施設再編整備計画に基づき、学校改築を初め、統合等に伴う、その跡地の活用や、代替施設をうまく活用しながらの保育施設の整備などは、着実に進められていることを確認することができ、一定の評価をしているところです。新年度は、施設再編整備計画第一次実施プランの改定を予定しているということですが、やはり気になるのは、新年度予算でも取り崩しが予定されている施設整備基金が心もとないのではないかということです。  今後も区民の行政需要に応えていくため、計画に基づき、施設の改築等を進めていくことになろうかと思います。そのためにも、しっかりとした財政計画のもとで、連動した整備を進めていくことが必要と考えますが、今後の実施プランの改定も踏まえ、また基金と区債の活用も含め、施設再編整備計画を進める上での財政運営をどのように行っていくのか、基金や区債のバランスについてはどう検討しているのか、お尋ねします。  施設再編整備計画については、28年度に第一次実施プランの改定が予定されていますが、これまでの大まかな進捗状況と、新年度予算化された具体的な整備計画について確認いたします。また、あわせて、あんさんぶる荻窪の財産交換に伴う複合施設について、現段階での取り組み及び検討状況をお尋ねします。  あんさんぶる荻窪の財産交換には住民の合意形成が重要であり、区としてしっかりと取り組んでいただきたいと考えています。しかし、一方で、特別養護老人ホームなどの必要性は高く、多くの区民が早急に望んでいることも事実であります。難しい課題ですが、時代に合わせてしっかりと取り組んでいただきたいと思います。  次に、駅周辺の多心型まちづくりについて伺います。  区では、基本構想に基づき、JR中央線を初めとする鉄道駅の周辺における、魅力的でにぎわいのある多心型まちづくりを、ハード、ソフト両施策の連携を図りながら取り組んでいます。これらのまちづくりは、地域住民等と将来のまちの絵姿を共有しながら進められており、我が会派としては、こうした区の姿勢に一定の評価をするものです。  まず、荻窪駅周辺まちづくりについて、地元からのまちづくり構想の提案を受け、改めて、荻窪まちづくり会議の活動やまちづくり構想の提案内容などをどのように捉えているのか。また、今後のまちづくりの展開についてどのようにお考えか、区の見解を伺います。  次に、阿佐ケ谷駅周辺のまちづくりについてです。  阿佐谷については、「住みやすさ」がまちをあらわすキーワードの一つであると考えますが、その一方で、建築物の耐震・不燃化、狭隘道路の解消等の防災まちづくりを進める必要があること、南阿佐ケ谷駅周辺の公共公益施設の多くが建物の更新時期を迎えていることなど、ハード、ソフトの両面で喫緊の課題が山積しており、区が策定を進めているまちづくり方針への期待は高まるばかりです。  そこで確認いたしますが、今後、阿佐谷はどのようなまちを目指していくのか、目指すべきまちの将来像や、まちづくりの実現に向けた区のお考えをお示しください。  続きまして、予算編成方針で示されました五つの視点別に、個別施策について、重点施策や喫緊の課題にテーマを絞って、概括的に伺ってまいります。  視点1の「減災対策等の充実による地域の安全・安心の拡大」につきましては、東日本大震災から早くも5年が経過しようとしている今、被災地におきましては、いまだに多くの方が自宅に戻れず、不自由な生活をされている現状でありますが、一方で、5年という歳月の経過により、区民の中でも、その記憶が風化し始めているようにも感じます。しかし、首都直下地震の危険が切迫している中で、何となく他人事のようになり、そのあげく、再びあのような大きな被害が生じてしまうとすれば、お亡くなりになられた方々に本当に申しわけないと思うところです。  そういった意味で、今回、区民の安全・安心対策を第1に挙げられ、国や都、区民とともに、災害に強いまちづくりを強力に進めていこうという区長の思いは、私どもにとりましても、大いに共感し、評価をするところであります。  首都直下地震への対策として、私ども、幹線道路沿道や木密地域の耐震化、不燃化対策が大変重要であると繰り返し申し上げており、区も努力をされていることは認識しているところです。また、阪神・淡路大震災の経験を踏まえ、災害時の安全な避難に欠かすことのできない道路の整備、特に狭隘道路の整備につきましては、区の最重要課題として精力的に取り組んできているものと理解しています。  これまで、狭あい道路拡幅整備に関する審議会における議論につきましては、たびたび新聞報道もされており、私どもも注視をしておりました。憲法上の財産権や建築基準法と条例の関係など、難しい論点がある中で、精力的に審議をされました審議会委員の皆様に、まずは敬意を表したいと思います。  区長も、新年会などの際には、狭隘道路について言及をされておりますので、その強い決意は十分に理解をしているところです。答申を受け、今後、条例改正を行い、狭隘道路の拡幅を加速化させていくとのことですが、我が会派といたしましても、議員全員によるプロジェクトチームをつくり、今後の狭隘道路整備のあり方について、十分に議員間でも議論を進めているところです。  そこでお伺いしますが、審議会答申を踏まえた今後の条例改正のスケジュールや内容について、現時点における状況をお尋ねします。  防災に関連して総括的に確認しますが、木密地域減災対策として、水を使わない消火装置の検討や、区内施設や企業への事業継続計画の策定の促進及び区内水利の拡充などの事業を積極的に検討すべきではないかと考えますが、減災に対しての具体的取り組みを総合的な見地から尋ねます。
     また、これまで何度も会派所属議員が申し上げてまいりましたが、区民の防災意識が風化する中、首都直下地震に備えた防災危機意識のさらなる醸成が必要と考えます。区民の防災に対する自助意識をどのように向上していくのかもあわせて確認いたします。  空き家対策につきましても一言お伺いしておきます。  昨年の代表質問でもお伺いしたところ、空家対策特別措置法に基づき積極的に取り組んでいくとの御答弁をいただいたところですが、その後、どのような具体的な取り組みがなされ、空家対策協議会ではどのような内容で検討されるのか、また今年度の具体的な取り組みやスケジュールもあわせてお尋ねいたします。  次に、視点2、「多様な連携・交流によるにぎわいの拡大」についてお伺いします。  先月23日、交流自治体の静岡県南伊豆町が来年度から開始するお試し移住について、区と南伊豆町が区民向け説明会を開いたところ、当初の予想を大幅に超える200人以上の方々が見えられました。このことは、地方移住について、区民の中に関心が高いことが裏づけられた出来事と認識しておりますが、区はこれをどのように受けとめられているのでしょうか。また今後、杉並区版総合戦略に基づき、どのような参加支援を検討しているのか、来年度の具体的取り組みなど、お試し移住事業の実現に向けた見解をお示しください。  交流やにぎわいの中から、杉並区の観光事業についてお伺いします。  我が国への外国人旅行者は、この数年右肩上がりでふえ続け、昨年は1,973万人と、2,000万人近くに膨れ上がりました。また、大阪で万博が開かれた昭和45年以来、45年ぶりに訪日外客数が出国日本人数を上回るなど、訪日旅行の需要は大きく拡大しています。都心のホテルやデパートを歩いていても、外国人の姿や外国語の会話を多く耳にするようになりました。  このことは、区内においても同様な傾向があるようにもうかがえます。区は、今後、当区において外国人旅行者の動向や推移などをどのように捉えているのでしょうか、お尋ねします。  住宅地が中心の本区は、残念ながら観光資源がそれほど多くありません。その中で区はどのように観光事業を推進していこうとされているのか、今後の見通しも含めて見解をお示しください。  観光といえば、政府が進める施策の中に民泊があります。本区においても、昨年策定したまち・ひと・しごと創生総合戦略の中で、訪日外国人旅行者の誘引策の一つとして、国家戦略特区制度を用いて、アパートやマンション等を外国人の滞在型宿泊施設として整備・運営する事業者に対して、助言等の支援を行うことに触れています。しかし、民泊については、治安や住居環境の問題などを不安に思う声も少なくありません。良好な住宅都市である杉並区で民泊を実施するためには、慎重な検討が必要と考えます。また、国は、国家戦略特区の事業とは異なるエアビーアンドビーのような一般住宅の空き室を提供する宿泊事業についても、検討会を設置し、解禁も含めた方向で検討しています。  杉並区としては、民泊事業について、28年度どのように進めていくのか、具体的な内容も含めて見解をお示しください。  国の経済対策の一環として昨年実施されましたプレミアムつき商品券ですが、本区では販売額20億円に対して15%のプレミアムをつけ、総額23億円発行しました。最初は販売状況に伸び悩みもあったようですが、7月中には完売し、使用期限までにはそのほとんどが使い切られたものと理解しております。  そこで確認します。このプレミアムつき商品券の発行効果を区はどのように捉えているのでしょうか。また、今回の取り組みは、国の補助を受けての1回限りのものですが、私ども会派としては、プレミアムつきなみすけ商品券の復活を従来から強く求めているところであります。こうした点を踏まえ、今後の商店街の活性化に向けた取り組みについて区はどのように考えているのか、お尋ねします。  次に、視点3の「福祉の更なる充実で区民生活の安心を拡大」について伺います。  子育て支援に関しては、これまで杉並区は保育園の待機児童対策に向けて精力的に進めてきた経緯は評価するとともに、敬意を表するものであります。  27年度から始まった子ども・子育て支援新制度を踏まえて、これまでの待機児童対策の取り組み状況はいかがか、ことし4月での待機児童解消が厳しい上で、来年度に向けて、現時点ではどのような対応を考えているのか、お示しください。また、保育人材の確保等、事業運営に当たっての課題について、区はどのように対策を講じていくのか、具体的な方策についてあわせてお示しください。  現在、高齢者の福祉は待ったなしの状況であり、その視点から地域包括ケアの制度が創設されたわけですが、制度がスタートして以降、当区では緩やかにしか進んでいないように見受けられます。施設整備に関しては、特養を中心に積極的に整備を進めているようにも思えますが、在宅医療や在宅ケアも含め、今後は多種多様な施設整備をリミックスした積極的な検討を行うべきではないかと考えますが、見解をお尋ねします。また、認知症対策も急ぐべき課題です。あわせて、28年度拡充した点をお示しください。  一方で、今後の高齢者福祉は、寝たきりにならない健康寿命の維持促進の充実こそあるべき方向であり、財政圧縮の近道とも言われます。高齢者の健康増進策や、介護予防・日常生活支援総合事業を活用した介護予防の推進を求めますが、区は、これまで以上の施策展開をどのように検討しているのか、見解をお尋ねします。  次に、関連して、総合的な住まいのあり方に関する審議会の答申について伺います。  まずは答申の概要と、今回の予算に反映するなど、具体化に向けて着手した内容についてお尋ねします。  また、答申の内容のうち、障害者の住まいについては、特に気になる点であります。障害者の介護者が、高齢化が進み、障害者の将来に不安が増大しています。今後、障害者の住まいについて、区はしっかりと検討を行っていく必要があると考えます。  そこで、障害者施策についてお伺いしますが、グループホームの整備促進等、いわゆる親亡き後を見据えた住まいの支援について、28年度の具体的な取り組みについてお伺いし、あわせて障害者差別解消法に伴う区の取り組みについて、あわせて確認いたします。  次に、視点4、「次世代支援・教育の拡充」についてお伺いします。  2020年東京オリンピック・パラリンピックまで4年余りを控え、また本年はリオオリンピック・パラリンピックの年でもあります。東京都も、オリンピック・パラリンピックに向けた施策の拡充を宣言しております。杉並区もさまざまな関連施策を展開する時期と思われますが、区としての体制の再構築や外国選手の合宿地招致活動など、今どのように検討しているのか、見解をお尋ねします。  関連して、29年度、永福体育館に整備するビーチコートが完成いたしますが、公立では23区初のこの施設を杉並区の魅力として発信し、どのように利用を促進するのか、確認いたします。  教育について伺いますが、杉並区は昨年、区内初の小中一貫校として和泉学園を開校したわけですが、開校してからの評価と区民や関係者の反応について確認をいたします。また、それらの評価を今後の小中一貫校にどう生かしていくのか含めてお示しください。  小中一貫校は、政府も義務教育校として後押ししていくものと認識していますが、今後の小中一貫校について、杉並区を俯瞰した観点からどう進めていくのか、見解をお示しください。  予算の編成方針に書かれていた学校運営支援の充実強化について尋ねますが、中学校部活動について、従来の顧問による部活動指導が限界を迎えつつある中、スポーツ振興議連の意見を踏まえて、区独自で外部委託等を拡大する方向が示されましたが、改めて、今後の部活動活性化に向けた区教委の考えと、部活動活性化事業の概要、そしてポイントについてお伺いします。  関連で、新たに副校長の校務支援員を配置するとのことですが、これの背景と狙いについて、総括的にお尋ねします。  視点5の「区民との双方向コミュニケーションの拡充」についてお伺いします。  区と区民のコミュニケーション充実は、確かに今の時代に必要な取り組みであると言えます。ただし、具体的な取り組みはもっと拡充すべきものと考えます。  すぎなみちょこっトークの定例化やSNSへの挑戦など、まださまざまに取り組む余地は広がっていると考えますが、今後の展開についてお示しください。また、今年改定されたホームページは、改定に当たり、どのようなことを課題とし、具体的な重点改善項目や区民からの評価や反応について、あわせてお伺いします。  そのほか、予算の視点以外の個別の重点項目について、幾つか質問いたします。  まずは都市農業についてであります。  区内でとれた野菜を区民の皆さんに食べていただくことを主眼に、事業所への販路拡大を区は進めているところであり、我が会派も従前から強力に推進を提唱してきた経緯もあり、さらなる拡充を求めるものであります。事業所などでは、輸入物等の安い農産物が選ばれてしまうのではないかと心配しています。値段に左右されず地元の新鮮な野菜を選んでもらうには、何らかの付加価値をつけるなど工夫が必要と考えますが、区の見解をお示しください。  また、販路拡大を進めるには、安定供給につながるような取り組みが大事だと思います。区内農業者にどのような支援を行っていくのか、またあわせて、農家の供給量をふやすような取り組みについてどう検討しているのか、お示しください。  最後に、環境分野についてお伺いします。  昨年末にフランスのパリで開催された気候変動枠組み条約第21回締約国会議で、パリ協定が締結されました。これは、先進国や発展途上国の垣根を越えた歴史的な協定と捉えることができる一方で、国内でもより具体的な取り組みが求められることになります。総務省では、温暖化ガスの排出削減に対し、バイオマス発電等の積極的な取り組みを行う自治体を支援すると聞いております。世田谷区では、新年度にも、交流自治体である群馬県の川場村が昨年4月から官民共同で進めている木質バイオマス発電について、区内企業による投資を可能にし、また区民にも当該電力の購入を可能とする仕組みを講じています。  このように、電力の最大消費地である首都圏の住民が、再生可能エネルギーを供給する地方から購入する仕組みが広がれば、新たな産業の創出につながるだけでなく、地方創生にも寄与するものと考えます。当区では新年度の電力自由化をどのように捉え、臨んでいくのでしょうか、見解をお伺いします。  予算編成方針の概要で、昨年のラグビーワールドカップにおける日本チームの活躍について触れられていますが、これまで勝てなかった日本チームが奇跡の勝利をおさめることができたのは、エディーヘッドコーチによる、精神的に高い目標への個別の理論性を説き、新しい練習方法や指導に取り組み、信頼されるリーダーであったことが要因と言われています。  一つのチームをまとめていくリーダーに求められるのは、目的意識の高さと、人を認め、人の才能を発掘し、人を育て、評価し、励まし、勇気を奮い立たせていくことであると思います。これからもそのような区長であり続けていただきたいと思います。  日蓮大聖人の御遺文に、「一人の心なれども二つの心あれば其の心たがいて成ずる事なし、百人千人なれども一つ心なれば必ず事を成ず、」とあります。  まさに区長も述べられたとおり、杉並区と杉並区議会、そして55万区民が心を一つにして一丸となり、スクラムを組んで、共通の目的である区民福祉の向上に向けて邁進してまいりましょう。  以上で質問を終わります。 ○議長(はなし俊郎議員) 理事者の答弁を求めます。  区長。       〔区長(田中 良)登壇〕 ◎区長(田中良) 井口かづ子議員の御質問に御答弁申し上げます。  まず、平成28年度予算を「豊かさと安心を未来に拡げる予算」としたことへの私の思いでありますが、平成26年11月に、まち・ひと・しごと創生法が制定され、これを受け、翌12月に、国のまち・ひと・しごと創生総合戦略の策定がなされました。以後、全国の自治体で地方創生の取り組みが始まったわけですが、その背景には、急速な少子高齢化の進展がありまして、このままでは人口減少が進んで、これに伴い地域経済も縮小し、そのことがさらに人口減少を加速化させるという悪循環に陥ってしまうという危機感がありました。かねてから申し上げているように、当然、地方からの人口流入により現在人口がふえている本区においても、この状況は無縁ではいられないという認識でございます。  また、社会情勢に目を向けますと、雇用や企業収益は改善されてきておりますが、個人消費の改善テンポがおくれまして、それに加えて、世界経済の減速不安などから、景気の先行きは不透明な状況が続いているわけであります。さらに、都市部では今後、集中した人口が急激に高齢化をしていく、高齢者の絶対数が飛躍的に増加していくことに伴う医療・介護施設の不足や、また保育需要の高まりに伴う保育所の不足、そしてそれらの担い手の確保などの都市部特有の問題も抱えております。  そこで、私は、このように豊かさや安心を展望しにくい時代だからこそ、基礎自治体である区が、国や都に先駆けて施策、事業を展開していくという気概を持って区政運営に臨み、区民が豊かさと安心を確かなものと実感することができ、未来に希望が持てるようにしていくとの決意を込めまして、「豊かさと安心を未来に拡げる予算」としたものでございます。  次に、予算編成に対する視点と予算額に関するお尋ねにお答えいたします。  先行き不透明な時代においては、将来にわたって持続可能な財政運営のためには、強固な財政基盤が不可欠であることは言うまでもありません。一方で、少子化対策や減災対策など喫緊の課題にも、将来を見据えてしっかりと対応する必要があります。  平成28年度予算は、財政規模としては、平成27年度比で一般会計で4.2%増、特別会計を含めた全体では3.8%増となりましたが、将来に向けた財政の健全性の確保にも十分に配慮しつつ、喫緊の課題に対しても的確に対応した予算であると考えております。  次に、保育園や特養の建設に当たり、推計人口に基づく適正な基準上限を設定すべきとのお尋ねにお答えいたします。  保育園につきましては、どこまでつくり続ければいいのかという声があるのも承知をしております。しかし、就学前人口は、少なくとも向こう5年間は増加すると見ておりまして、女性の社会進出の本格化とも相まって、今後も保育需要が高まることは必至であり、当面、施設整備を進めていく必要があると考えております。特に保護者のニーズが高い認可保育園につきましては、私が区長に就任以降、精力的に整備を続けてまいりましたが、就学前人口比の整備率は、他区に比べて決して高くはありません。というよりも、私が就任当初は、23区の中でも最も低いぐらいの数しかない、定員しかないというのが当時の現実でありまして、今日、ふやしてはきておりますけれども、それでも23区の下位であることには変わりはありません。今後とも認可保育園を中心とした整備を進めてまいります。  また、今後、高齢化がさらに進展し、高齢者の絶対数が増加していくことに伴い、認知症を含め、要介護高齢者が大幅にふえることが予測されております。現在、区では、増加する介護需要に対応するために地域包括ケアを推進しておりますが、一方で、特養ホームを初めとした介護施設についても、将来を見据え、整備を進めていく必要があると考えております。  なお、整備に当たりましては、人口推計に基づく施設の需要予測を踏まえるとともに、国公有地や区立施設の再編により生み出された用地等の有効活用を図るなど、できる限り効率的な整備に努めてまいります。  次に、景気の現状認識等に関するお尋ねにお答えいたします。  日本経済に関し、政府は、雇用・所得環境が改善し、経済の好循環がさらに進展し、景気回復が見込まれるとの見通しを示しております。財務省が公表した都内での1月の経済情勢においても、一部弱い動きがあるものの、回復しているとしているとおり、景気は回復傾向にあるものと認識をしております。しかし、消費マインドの冷え込みによりまして、個人消費の改善テンポはおくれ、これに中国経済の減速を契機とした不安が重なるなど、景気の先行きは今後も不透明な状況が続くものと考えております。  このような状況の中、区民の生活実態は、所得、年齢、家族構成などによってさまざまであると認識しておりますが、そうした実態の把握に努め、きめ細かいサービスの提供に努めていくことこそ、住民に最も身近な基礎自治体の責務と考えております。  次に、財政のダムの構築に関するお尋ねでございます。  持続可能な財政運営に努めていくためには、より強固で安定した財政基盤の構築は不可欠でありまして、そのための財政のダムが必要であるとの認識に変わりはございません。  平成28年度は、喫緊の課題であります保育サービスの充実に加え、将来の施設再編を踏まえた用地の確保や施設整備の実施などに必要な予算を計上するため、財政調整基金を一部取り崩すことになったものであります。今後も、不断の行財政改革の取り組みや事務事業の効率的、効果的な運用等により、財政調整基金を核に積み立てを行い、財政のダムの構築に努めてまいります。  次に、国等の補助金の活用に関するお尋ねです。  行政需要の高まりに合わせて、財政の健全性を確保しつつ必要なサービスを適切に提供していくためには、より多くの歳入確保に努めることが重要であることは言うまでもありません。そのため、予算編成に当たっては、国や都の動きを注視し、活用できる補助金等は全て活用するという姿勢で臨んでおり、その結果、事業の改廃等による影響もございますが、当初予算での比較で、前年度比29億3,160万円余の増額となる補助金等を見込んでおります。  次に、法人実効税率の引き下げに関するお尋ねにお答えをいたします。  特別区長会事務局が昨年行った試算では、代替財源措置を行わずに、国税をもとに実効税率を1%下げた場合の特別区全体の影響額を約91億円の減といたしております。平成28年度の税制改正大綱では、法人税の税率を段階的に引き下げるとしておりまして、平成28年4月以降に開始する事業年度における税率は23.9%から23.4%に、0.5ポイント引き下げることとしております。このことにより、仮に代替財源措置がないものとすると、特別区全体での影響額は91億円の半分の45億5,000万円となりまして、特別区財政調整交付金の杉並区のシェアをもとに計算をいたしますと、本区においては、約1億8,000万円の減になるものと考えております。  次に、ふるさと納税に関するお尋ねでございます。  ふるさと納税については、生まれ育った自治体や応援したい自治体へ寄附できる仕組みとして、平成20年に創設されましたが、今日の実態は、寄附を建前としながらも、税源偏在是正の目的があることがかいま見え、さらに、各自治体が用意した返礼品目当ての寄附がふえるものとなっているのではないでしょうか。  また、これに加えて、国が実施しようとしている企業版ふるさと納税は、都や特別区などの不交付団体を対象外とする、都市部への税源偏在是正だけを目的とした制度でありまして、受益と負担に基づく応益課税という地方税の根本原則に反する改正と言わざるを得ません。こうした地方税制をめぐる国の動きに対しては、これまでも特別区長会等を通じ是正を求めてまいりましたが、今後ともはっきりと異を唱えていく所存でございます。  次に、実行計画及び総合戦略に関するお尋ねでございます。  まず、実行計画の改定についてですが、区政を取り巻く環境の変化を踏まえまして、平成29年度から31年度までの3年を計画期間とした改定を予定しておりまして、議会や区民等の御意見をお聞きした上で、29年度当初予算編成にその内容を反映できるよう改定作業を進めてまいります。  また、昨年策定した総合戦略で計画した新規・拡充事業につきましても、総合計画の施策目標への寄与度の高い事業は、改定予定の実行計画に反映させてまいります。  最後に、総合戦略を都市部の自治体である杉並区において策定した理由とその意義についてでございますが、区の合計特殊出生率は0.99と、全国的に見て非常に低いわけでございます。加えまして、日本全体の人口減少が既に始まっておりまして、転入者が転出者を上回ることにより人口が増加している現在の杉並区におきましても、その影響を受けることは、将来は避けられないだろうと考えております。  地方創生について、現在人口が減少している地方の問題として、あるいは都市と地方の二項対立として捉える風潮がありますけれども、人口減少に歯どめをかけて、活力ある日本社会を維持していくためには、現在人口が減少していない自治体も、日本全体の問題だという認識を持って、ともに取り組んでいくという視点が欠かせないと考えております。こうした認識のもとに、特別区で最初に総合戦略を策定したものでございます。  次に、女性活躍推進法に基づく行動計画の策定状況等についてのお尋ねでございます。  私は、少子高齢化社会が進む中、社会の活力を高めていくためには、女性の力を最大限に引き出していくことが不可欠であると認識いたしております。女性活躍推進法は、こうした認識のもと、昨年8月に成立したわけでございますが、同法に基づいて今年度中に策定する行動計画は、男女を問わず、意欲と能力のある職員が力を発揮できる、より働きやすい職場づくりの一歩にしたいと考えております。  計画の策定に向けまして、この間、女性の活躍を一層促進するため、子育てをしながら管理職を務めるモデルケースを示しながら、女性職員からのキャリア形成についての声を聞く機会を設けてきたところでございます。その場で示された職員の声も踏まえ、職員がステップアップできる環境を整備しながら、女性職員の管理職登用の数値目標を設定していく予定でございます。特に女性職員の管理職登用に当たっては、例えば政策部門など、女性職員が比較的配置されていない職場にも積極的に配置を行ったり、キャリア形成に結びつく特色ある研修の充実を図りながら、女性職員の計画的な育成に努めてまいります。  私は、区政の課題を解決していく上で、女性を積極的に登用し、人材の層を厚くしていくことが不可欠であると認識しておりまして、この行動計画の策定を通し、女性職員の育成と活躍を支える環境整備に努めてまいりたいと存じます。  また同時に、この行動計画と並行してというか、私はかねてから、管理職試験、管理職選考のあり方、これをやはり検討するべきじゃないかということで、区長会においても、随分この間発言もしてまいりました。一概には言えないかもしれませんけれども、ともすると、例えば一つの現象というか状況として、区役所という職場での社内結婚というのが非常に多い気がいたします。数値を全部私が精査しているわけではない、あくまで印象ということでございますけれども。そうしますと、御主人が管理職であれば、奥さんのほうは何となく管理職試験を受けないかなと。逆に御主人のほうが管理職試験を受けないと、奥さんのほうも、御主人も管理職試験を受けないのだから私も受けないでいいかなみたいな、そういう空気が、全体とは言いません、やっぱりないわけではないんじゃないかなというふうに思います。  私だけの印象かどうかわかりませんけれども、これは若手の登用と女性の登用のあり方を変えていく時期に来ているんじゃないかということ。かねてから、この試験制度について検討する必要があるということは、あらゆる場で述べておりますので、そういった議論も通じて、能力のある女性や若い人たちがどんどん職場の最前線に立って働けるような、そういう組織の活性化を進めていきたい、こう考えております。  次に、女性の視点や女性ニーズの掘り起こしによる施策の展開についてのお尋ねにお答えをいたします。  本区では男女共同参画行動計画を策定しておりますが、計画策定に当たっては、女性の視点や女性ニーズを把握するため、男女共同参画に関する意識や生活実態の調査、区民意向調査などの調査等を行い、女性の視点を踏まえた防災対策の推進、配偶者暴力相談支援センター機能の整備、男女共同参画に関する啓発講座などを区の施策に反映させております。今後もさまざまな女性のニーズに応えた施策を推進するとともに、適切な情報を積極的に提供してまいります。  次に、施設再編整備計画を進める上での財政運営に関するお尋ねにお答えします。  施設再編の目的は、時代の変化に応じた区民ニーズへの対応と、施設の複合化、多機能化等による効率化にありますが、再編整備には初期投資が伴います。そのため、平成28年度に予定しております施設再編整備計画の第一次実施プランの改定に当たりましては、整備する施設の優先順位の精査を行い、施設整備が一度に重ならないよう、財政負担の平準化を図った計画としてまいります。その上で、これまでと同様に、基金と区債をバランスよく活用していく必要があるものと考えております。  御指摘のように、現在、施設整備基金の額は決して十分とは言えません。そこで、今議会に御提案申し上げております平成27年度一般会計補正予算(第4号)におきまして、20億円余の積み立てを予定しておりますが、今後も、財政状況を踏まえつつ、計画に合わせた基金への積み立てに努めていくとともに、建設債の発行につきましても、財政状況に応じ、利率、充当率、必要性など十分に検討を行った上、引き続き、一方だけに過度に依存することのないような、バランスのとれた財政運営に努めてまいりたいと思います。  次に、施設再編整備計画に関するお尋ねにお答えいたします。  まず、平成26年3月に策定をいたしました第一次実施プランに基づくこれまでの主な取り組みといたしまして、高齢者分野では、旧永福南小学校と旧新泉小学校の跡地活用によります特別養護老人ホームの整備を決定し、整備・運営する事業者の選定を行いました。また、ゆうゆう阿佐谷館を旧阿佐谷区民事務所及び阿佐谷会議室跡地に移転しまして、ゆうゆう館事業の運営を継続しながら、多世代が利用できる地域コミュニティー施設のモデルとなる取り組みを実施しています。  子供分野では、新たな地域子育て支援拠点となる子どもセンターを保健センターに整備したほか、和泉児童館を活用した子ども・子育てプラザ和泉の改修設計に着手をしております。  教育分野では、不登校児童生徒の増加を踏まえ、旧高井戸駅前事務所宮前分室及び宮前会議室跡地を、区内で3カ所目となる中学生対象の適応指導教室に転用しました。  産業商工会館の減築改修や中央図書館改修の延期など、一部計画の見直しを行った項目もございますが、今御説明したとおり、おおむね計画どおり進んでおります。  28年度は、国有地を活用した仮称成田東保育園の整備や杉並保育園の移転整備、杉並第一小学校改築・複合化の基本設計、桃井第二小学校の実施設計に関する予算などを計上しております。  次に、あんさんぶる荻窪との財産交換による複合施設棟整備の現段階での取り組みと検討状況でございますが、施設の実施設計と並行して、併設する特別養護老人ホーム棟との連携も視野に入れた施設機能の詳細検討を行うとともに、条例に基づく住民説明会の開催など必要な手続を進めてまいりました。  また、交換価格について、今年度区で行った不動産鑑定評価に基づき、財産価格審議会に諮問したところ、適切な価格である旨の答申を受け、国の了解も得られましたので、今議会に財産の交換について議案を提案させていただいたところでございます。  次に、荻窪駅周辺まちづくりについての御質問です。  昨年12月に荻窪まちづくり会議から、荻窪駅周辺地区まちづくり構想を区に提案していただきました。これは、地域の方々が約2年半にわたりまして活発な議論を交わして、南北連携や安全・安心など幅広いまちの課題を明らかにして、まちの将来像を共有されたものでありまして、まちづくりの実現に向けた重要な第一歩と認識をいたしております。これまでの会員の方々の御努力には、改めて敬意を表するものでございます。  今後は、当該構想の提案等を踏まえまして、まちの変化に機敏に対応し、具体的な事業手法の検討につなげていくため、次のステップとして、荻窪駅周辺のグランドデザインの役割を担うまちづくり方針の策定を進めてまいります。  次に、阿佐ケ谷駅周辺まちづくりについてでございます。  阿佐ケ谷駅周辺は、中杉通り、パールセンターを経て、南阿佐ケ谷駅周辺までを含む一体的な生活拠点として、イベントや商店街のにぎわい、利便性の高いサービス機能、風格のあるケヤキ並木の景観等の多くのよさがある一方で、木造密集地域や狭隘道路を多く抱えておりまして、お住まいの方にとって防災上の課題もある地域でございます。
     また、区役所等の公共公益施設が多く立地しておりまして、一たび首都直下地震等の災害が発生すれば、この地域だけでなく、杉並区全体の安全を守る防災拠点となるべき地域でありますが、それに見合った都市基盤は十分に整備されているとは言えない状況にございます。さらに、多くの公共公益施設の建物が更新時期を迎えていることや、都市計画道路の優先的な整備が検討されていることなどの動きもございます。  このような状況を踏まえ、現在策定を進めておりますまちづくり方針を地域の方々と共有し、まちづくりの契機を的確に捉え、課題解決に取り組むことで、杉並区の安全を支える防災拠点としての充実と、阿佐谷地域の魅力の創出や活力の向上を目指してまいります。  次に、狭隘道路拡幅整備に関するお尋ねにお答えいたします。  狭隘道路の拡幅整備は、区民の生命、財産を守り、減災対策の中心となる喫緊の課題であります。私は、災害時の円滑な避難や救助活動を行うためには、道路の側溝、いわゆるL形溝のことでございますが、これを移設する拡幅整備を行って、道路の機能を最大限確保していくことが不可欠であると考えております。しかし、狭隘道路の後退用地は私有地でありまして、従来から、強制力をもって整備することは財産権の制約にかかわるのではないかという懸念もありまして、なかなか進捗しないという状況が長期間にわたり続いているわけでございます。  本来は、法改正によってそういった判断が明確に示される、定められるということが望ましいことであろうかとも思います。しかし、災害は待ったなしでやってくるものでありまして、狭隘道路の拡幅整備は、区民の生命、財産にかかわる切迫した課題でありまして、基礎自治体として、国の動きを待つことなく、早急に取り組まなければならないと考えております。  そこで、区は、拡幅整備に際する課題について、狭あい道路拡幅整備に関する審議会に諮問し、慎重かつ闊達な議論を重ねていただきまして、審議会からは、後退用地は道路空間として確保されることは自明であり、通行に支障となる物件の設置を禁止することは公共の福祉に適合する、当たり前だと思いますけれども、こういった答申を受けました。しかしながら、後退用地の拡幅整備を義務化することについては、先ほども申し上げましたけれども、財産権との関係において、積極論と慎重論の二つの考え方が示されました。  区は、災害時を考えれば、全ての狭隘道路は、側溝を移設した道路状に整備するべきと考えておりますが、区民の皆さんの御理解と御協力のもと、丁寧に進めていくことも大事なことだと考えております。  そこで、まずは、道路空間上で支障となる物件の設置禁止、これを第1の課題として取り組むこととし、災害時等における道路機能を確保してまいりたいと考えているところであります。その先の取り組みについては、さらに事業の実施状況などを見ながら議論を重ねてまいりたいと考えております。  このような考えのもと、所定の手続を経て、第2回定例会に条例改正案を提案してまいりたいと考えております。あわせて、今後も狭隘道路拡幅整備の効果や必要性のPRに努め、区民が安全・安心を実感できる災害に強いまちづくりを進めてまいります。  次に、防災に関する一連の御質問にお答えをいたします。  まず、減災に対する具体的取り組みに関するお尋ねでありますが、首都直下地震などの大規模災害に備えるために、建築物の不燃化促進や耐震改修に対する助成の拡充を行うなど、当該年度はさらに防災まちづくりを加速化してまいります。また、震災時の主たる火災原因である通電火災を予防するため、火災危険度が高い地域を対象に簡易型感震ブレーカーの設置支援を行うことで、震災時における大規模火災の抑止を図ってまいります。  次に、区内施設や企業の事業継続計画の策定と、水を使わない消火装置や消防水利についてでございますが、企業等の帰宅困難者対策とあわせてその必要性を周知するとともに、東京消防庁との情報交換を積極的に行うなど、連携を密にしてまいります。  次に、防災意識の醸成に関するお尋ねでありますが、まずは、過去の大震災から得た経験を引き継いでいくことが大切だと考えております。3月11日に開催を予定しております「3.11を忘れない」式典など、大震災の記憶を風化させない取り組みを進めるとともに、震災救援所運営訓練と防災教育の連携や、HUG訓練など実践的な取り組みにより多くの区民が参加できるよう支援を続けることで、区民一人一人の防災意識を高めてまいりたいと考えております。  次に、空き家対策についてのお尋ねでございます。  区では、特措法に基づく杉並区空家等対策協議会を昨年11月に設置して、これまで協議会を2回、部会を1回開催いたしております。この間、杉並区の空き家対策を総合的かつ計画的に推進するための空家等対策計画と、地域に深刻な影響を与える特定空家の判断等に関する審議を行っていただいているところでございます。  空家等対策計画につきましては、協議会の中で、杉並区らしい計画は何か、区民に計画で何をアピールしていくのかなどを論点に活発な議論が行われておりまして、今年度中に答申をいただいた後、所要の手続を経て、来年度中には計画を策定していきたいと思います。  次に、特定空家等の判断につきましては、協議会の答申に基づき、区として初めて、2軒、特定空家に当たるとの判断を行ったところでございます。今後は、特措法に基づき、この2軒の特定空家等への指導助言を強化するなど、特定空家等への対応を着実に進めてまいります。  次に、お試し移住に関する一連の御質問にお答えします。  まず、地方移住への区民の関心が高いことについての御質問ですが、御指摘のとおり、当初の説明会への参加見込み人数を大きく上回りまして、さらに3月に予定しています南伊豆町での現地見学会につきましても、申込日の2日目の早朝に定員をオーバーいたしました。私も正直、お試し移住に対する区民の皆様の関心の高さに驚いているところでございます。  次に、今後のお試し移住事業の参加支援につきましては、区民の住まいに対する多様なニーズに応えるため、国の地方創生加速化交付金を活用し、弓ヶ浜クラブの短期宿泊用の改修工事や移住相談窓口の設置などを予定しております。また、南伊豆町の豊かな自然や温泉などの地域特性を生かし、認知症予防や健康寿命の延伸につながるような質の高い生きがいづくり、健康プログラムを日常的にお試し移住者に提供できるよう、町とともに準備を進めるなど、参加者の現地での豊かな暮らしを支援してまいりたいと存じます。  次に、外国人旅行者の動向でありますが、国の観光立国政策によるビザ要件の緩和や円安等を背景にしまして、昨年は予想を大きく上回る2,000万人近い外国人旅行者が来日し、東京にも多くの外国人旅行者が訪れました。私も、区を訪れる外国人旅行者は以前よりは大分多くなっているんじゃないかなという感覚を持っておりますけれども、東京にいらっしゃるという訪都外国人旅行者の多くは、都心にある観光名所や大型電器店等を訪れておりまして、杉並区が外国人旅行者でにぎわうという状況にはまだまだ至ってはおりません。  元来、杉並区は住宅都市でありまして、御指摘のとおり、著名な観光名所や観光資源もそれほど多くはなく、観光地としての知名度は低い状況だろうと思います。このような中、本区が観光事業を推進していくためには、まず、外国人を含む多くの方に杉並のよさ、らしさを知っていただき、訪れてもらい、満足してもらうということが、知名度向上や来街者増にとって何よりも重要であると考えております。外国人旅行者の増加が予想される2020年の東京オリンピック・パラリンピックは、地域経済活性化の好機と捉えておりまして、住宅都市杉並の中で生まれてきたイベントや文化などの観光資源を積極的に生かしながら、来街者の増に取り組んでまいります。  次に、民泊事業に関する御質問でございます。  この民泊事業については、区内に宿泊施設が少ないという状況を踏まえまして、旅行者が区内に滞在することで地元に経済効果をもたらし、それが地域経済の活性化や雇用の創出につながることから、国家戦略特区法に基づく外国人滞在施設経営事業として着手したところでございます。  民泊事業につきましては、議員が御指摘の治安や住居環境の問題のほかに、消防法や建築基準法への対応など、実はさまざまな課題がございます。現在、庁内の関係部署や消防署、事業者、東京都などとの意見交換や情報収集を行っておりまして、法的根拠を持たない民泊への対応も含めて、解決すべき課題を整理しながら、住宅都市杉並での事業実施に向け、準備を進めております。  次に、プレミアムつき商品券に関する御質問でございます。  今回のプレミアムつき商品券については、停滞している区内消費の拡大を図り、消費喚起の刺激剤になるものと判断し、国の補助金を活用し発行支援を行いました。昨年末までの換金額では、商品券発行による直接的な消費総額は約24億6,000万円、商品券の発行に伴う新たな消費喚起効果は約7億5,000万円となっておりますが、今後さらに効果検証の詳細な分析を行ってまいります。  現在の商店街支援につきましては、商店街がある地域の特性や商店街の現状はさまざまでありますことから、全地域を画一的に捉えて支援する制度から、それぞれの商店街が抱えている課題解決に向け、多面的に支援するチャレンジ商店街支援プログラムを展開中でありまして、なみすけ商品券の発行支援は休止いたしているところであります。  今後の商店街活性化策については、今回のプレミアム商品券の効果や景気の動向を踏まえるとともに、7ブロックの商店街に出向き、商店街関係者と膝を交えての意見交換を始めておりますので、これらを含めて総合的に考えてまいります。  次に、待機児童対策に関するお尋ねにお答えをいたします。  私が区長就任以来、認可保育所を核に、3,400人を超える保育定員の確保を精力的に進めてまいりましたが、保育ニーズの高まりに追いつかず、平成28年4月段階では、待機児解消には至らない状況となっております。このため、29年、来年4月に向けて確実に待機児童解消を実現する道筋を、組織体制の強化を含めて、ことし3月末までに明らかにするよう、所管部署に対して私から強く指示したところであります。  次に、保育の事業運営に関するお尋ねに対してお答えいたします。  民営保育所の運営に当たりましては、都市部を中心として待機児童の解消に向けた保育施設の整備が進む中、保育人材の不足がより深刻化するとの認識を持っております。そのため、民営保育所に対し、新たに職員の育児休業取得に対する休業給付や、保育士の就労継続や再就職のための研修への支援など、いわゆる潜在保育士の活用も含め、保育人材確保のための施策を充実いたします。また、保育所での集団生活に特に配慮を必要とする児童を受け入れるための職員配置に運営費加算を行うなど、民営保育所の事業運営にきめ細かい支援を行ってまいります。  次に、今後の特養等の施設整備と認知症対策に関する質問にお答え申し上げます。  今後も急速な高齢化の進展に伴いまして要介護高齢者の増加が見込まれる中、地域包括ケアを進める観点から、介護が必要になっても、高齢者ができる限り在宅生活を続けていかれるよう、医療、介護等のサービス充実に取り組むことが基本であると考えております。そうしたことから、平成28年度には、区内初の看護小規模多機能型居宅介護施設の開設を予定するなど、在宅生活を支える施設整備も進めていきたいと考えております。  一方で、介護度が上がるなど在宅生活が困難な方に対しては、その身体状況や所得状況等に応じて、さまざまな住まいや施設が整っていることが大変重要であります。次年度には、総合的な住まいのあり方に関する審議会の答申も踏まえ、区有地を活用したサービス付き高齢者向け住宅の整備に取り組むとともに、認知症高齢者グループホームや、在宅介護を支援する機能をあわせ持った特養整備などについても検討し、地域福祉の向上にも貢献するような施設づくりに向け取り組んでまいります。  次に、認知症対策に関する御質問ですが、平成37年、2025年には、東京都全体で高齢者人口の2割近く、約60万人が何らかの認知症の症状を持つようになると推計をされておりまして、その対策が急務であることは御指摘のとおりであります。そのため、認知症の早期発見に向けた医療機関の連携や、認知症への理解の促進に取り組んでまいりましたが、次年度からは、これに加えて、初期の段階から認知症の方を訪問し、その人に合った医療や介護のサービスにつなげる認知症初期集中支援チームを本格的に稼働させてまいります。認知症の方や介護する家族に寄り添う適切なケアによりまして、認知症になっても安心して在宅生活が続けられる地域を目指し、しっかりと取り組んでまいります。  次に、高齢者の健康増進及び介護予防の推進策に関する御質問でございます。  区はこれまで、加齢に伴う身体的な能力低下をできる限りおくらせるとともに、社会参加につながることを支援するため、健康づくりや介護予防の施策を展開してまいりました。私も、日ごろから、高齢者の方々が地域の中心となってあらゆる場面で御活躍をされている姿を大変多く拝見しておりますが、特に生き生きとした表情をされていると、そういった方々からは感じるところでございます。改めて、高齢になっても、家庭はもとより、地域、職場に自分の役割を発揮できる場があるということは、高齢期の健康に最も効果があるものと考えております。  本年4月から開始します介護予防・日常生活支援総合事業では、介護予防の取り組みを通して、高齢者の社会参加につなげていくということが重要と考えております。今年度は、そうした事業目的を踏まえまして、試行的に短期集中予防サービスや介護予防ケアマネジメント支援会議を実施してまいります。そこには、区内医療機関や介護事業所に勤務しているリハビリテーションの専門職の方々の参画により、心身機能の改善にとどまらず、高齢者を取り巻く生活環境を含め、生活上のさまざまな課題を解決していくことに重点を置いた検討を進めているところでございます。そうしたことも踏まえ、次年度以降もさらなる取り組みの充実を通して、高齢者の方々の健康増進を支援してまいりたいと存じます。  次に、総合的な住まいのあり方に関する審議会の答申についてでございます。  まず、答申の概要についてでありますが、誰もが安心して生活を継続できる多様な住環境を今後実現していくために、三つの柱立てにより、総合的な住まいのあり方について提言が出されております。  最初に、「多様な暮らしに応じた住まいを提供していくために」では、障害者の方々の親亡き後の不安に応えるために、地域で障害者を受け入れるグループホーム等の住まいの確保が必要であると提言をされました。そのための方策として、民間事業者のみでは整備が困難である重度障害者向けの住まいについて、区有地を提供するなどの事業支援が必要であるとしております。また、区有地等を活用したモデル事業として、サービス付き高齢者向け住宅と子育て世帯用住宅の併設など、地域や時代のニーズに合わせた機能、役割を持たせた施設づくりなどが挙げられております。  次の「暮らしを支える仕組みづくりのために」では、総合的なまちづくりの推進や、住みかえの一つの選択肢として地方へのお試し移住などが挙げられております。  最後の「人と住まいをつなぐために」では、空き家所有者と利活用事業者等との適切な引き合わせのためのマッチングシステムの構築や、居住支援協議会設置に向けた検討の推進など、多角的な面から御提言をいただいているところでございます。  次に、具体化に向けて着手した内容についてでございますが、住宅施策の推進事業として、居宅支援協議会の設置に要する経費や、区有地等を活用したモデル事業として、交流スペースなどを併設した多世代・地域交流型住宅整備に要する経費を28年度当初予算に計上しているところでございます。  次に、障害者施策における親亡き後を見据えた住まいの支援に関するお尋ねにお答えを申し上げます。  先ほど御答弁申し上げました住まいに関する審議会の答申を受けまして、障害者の親亡き後の不安に応えるために、下高井戸1丁目の区有地を活用し、重度知的障害者グループホームを核として、障害者の生活介護、就労支援施設等、さまざまな機能をあわせ持った障害者施設を整備いたします。また、多様な住まいの確保の観点から、自宅等を活用してグループホームやシェアハウスなどに転用するための新たな支援の仕組みを検討してまいります。さらに、既存のグループホームを相互にネットワーク化し、看護師等が訪問相談をすることによりまして支援体制の強化も図ってまいる考えでございます。  次に、障害者差別解消法に伴う区の取り組みについてのお尋ねですが、本年4月に法律が施行されることを受けまして、区では障害者の権利擁護を一層推進するために、職員対応要領を作成するとともに、積極的に普及啓発に努めてまいります。こうした取り組みを通して障害者への理解を深め、障害がある方もない方も、地域の中でともに交流し支え合う共生社会の実現を目指してまいりたいと存じます。  次に、東京オリンピック・パラリンピックとビーチコートに関するお尋ねでございます。  ことし開催されるリオデジャネイロオリンピック・パラリンピックの競技大会終了後には、次の2020年東京大会に向けた機運の高まりと各種事業の取り組みが一層加速されると考えております。それに合わせまして、区といたしましても、スポーツ振興や国際理解などの教育分野における事業にとどまらず、区の地域性を生かした観光交流事業の推進、外国人に対する多言語化への対応、まちのバリアフリー化の促進、健康増進など、多岐にわたって取り組みを展開する必要があると考えております。そのため、総合的な調整機能を強化し、区長部局と教育委員会の緊密な連携を図りながら事業を進めるため、来年度から、区民生活部にオリンピック・パラリンピック連携推進担当部長、同担当課長を移行するとともに、教育委員会にオリンピック・パラリンピック教育事業推進担当課長を新設いたそうと考えております。  次に、移転改修後の永福体育館に併設する屋外ビーチコートの設計に当たりましては、教育委員会を通して、日本バレーボール協会から、国際規格に適合するかどうかなどの具体的な助言を受けておりまして、その際に、このビーチコートであれば、日本代表チームの練習会場としても利用可能である旨の評価をいただいております。  23区初のビーチコートを積極的に活用する意味でも、ビーチコートの完成後は、ビーチバレーボール選手による試合やデモンストレーションなどを開催するほか、多くの人に実際に各種ビーチスポーツになれ親しんでいただき、その楽しさ、魅力を発信してまいります。また、ビーチコート内をはだしで歩く健康ウオーキング教室の開催など、子供から高齢者まで幅広い方々にさまざまな形で活用していただきたいと考えております。  また、外国チームの練習会場招致活動につきましても、本ビーチコートを活用して、今後、オリンピック・パラリンピック組織委員会へのビーチバレーボールキャンプ地の事前登録手続を進めるとともに、区内の他施設の活用可能性につきましても、多面的に検討をしてまいりたいと思います。  次に、区民との双方向コミュニケーションの拡充に関するお尋ねでございます。  区民との双方向コミュニケーションを拡充することは、区民との協働による区政を進展させる上で欠くことのできない視点であると考えております。中でも、私は、区政に対してふだん発言する機会が少ない区民の声を幅広く受けとめていくような取り組みが重要であると考えているところでございます。そうした意味で、基本構想実現のための区民懇談会、ちょこっトークを含め、幅広い区民の声を直接伺うための手法として、無作為抽出による区民との懇談の場が有効ではないかと考えております。  そこで、新年度は、無作為抽出による区民と私とが直接意見交換する機会を設けることに加えまして、区内の高校生、大学生との懇談の場をつくることで、さまざまな層、多様な世代の御意見を区政運営に生かしてまいりたいと考えております。  また、SNSを用いた区民とのコミュニケーションは、特に若者世代からの意見を吸い上げるために、その重要性が今後増大していくものと考えております。区では、既に策定済みのソーシャルメディア活用ガイドラインに基づき、各所管部署において、その具体的活用に向けた検討が行われておりますが、新年度からは、区の情報発信の底上げを図っていくために、新たに登用する広報専門監の助言も受けながら、SNS活用の強化を含め、区民との双方向コミュニケーションのさらなる充実に向けて取り組んでまいります。  次に、ホームページに関するお尋ねでございます。  区公式ホームページは、今般、約16年ぶりに全面リニューアルいたしました。今回のリニューアルに当たりましては、これまで課題であったサイト内検索機能の強化、スマートフォン専用ページの開設、ウエブアクセシビリティーの確保といった点につきまして、それぞれ改善、改良を図ったところでございます。また、レイアウトの共通化を図ったことで、サイトの運用に要する経費が縮減をされ、今後、財政面での効果もあらわれてくるものと考えております。  新サイトにつきましては、区民の皆様からはほぼ好意的な評価をいただいておりますが、とりわけ、スマートフォンに対応したことにより、閲覧者のおおよそ半数近くがスマートフォンからホームページをごらんいただいているなど、区民の情報入手方法の変化に即応した対処が図られたものと受けとめております。今後とも、引き続きわかりやすいホームページの運営に向けて力を尽くしてまいります。  次に、杉並産農産物の販路拡大と安定供給についての御質問です。  区内の農業の多くは、小規模な農地で生産されている多品種少量生産方式のために、軒先販売が主流でありまして、価格や供給面で、地方や海外の農産物にはなかなか太刀打ちできない状況であります。それゆえに、野菜等を仕入れる事業所が値段だけに左右されてしまわないように、安全・安心で新鮮な地元野菜という付加価値を際立たせて供給する仕組みが必要でありまして、例えば、杉並産の新鮮な野菜を使ったなみすけサラダのようなメニューを創作し、そのアイデアとともに野菜を提供するといったことが考えられます。また、農産物には、野菜だけでなく、花や植木も含まれますので、農協と協力して、値段にふさわしい高品質の農産物を厳選して供給することで、杉並産農産物は品質がよいというブランドイメージを発信したり、東京都の中央農業改良普及センターと協力して、杉並区の特産品の研究を行うなど、付加価値を高める取り組みを進めてまいります。  こうした取り組みを通じて着実に安定的な供給先をふやすことによりまして、供給元である農業者が生産力の拡大に踏み切る意欲が生まれ、意欲ある農業者が生産力をさらに高めていけるよう、支援策を検討してまいります。  最後に、電力自由化に関するお尋ねでございますが、電気の小売業への参入が全面自由化されることによりまして、家庭や商店も含む全ての消費者が電力会社や料金メニューを自由に選択できるようになりまして、ライフスタイルや価値観に合わせ、電気の売り手やサービスを自由に選べるようになるものと認識しております。こうした電力自由化によって、御指摘の再生可能エネルギーで発電した地方の電力の購入や、電力の地産地消などのビジネスモデルが生まれることが期待されますので、区におきましても、他団体の構想なども参考にしつつ、電力の自由化を生かした取り組みについて、さまざまな角度から検討してまいりたいと存じます。  一方で、電力自由化は、小売事業者が電気の使用量の多い購入者を選ぶといったことや、制度がわかりにくい部分もございますので、区民に対しましては、適切な情報提供を環境部門と消費者部門との連携のもとに行ってまいりたいと存じます。  私からは以上です。残りの御質問につきましては、教育長より御答弁申し上げます。 ○議長(はなし俊郎議員) 教育長。       〔教育長(井出隆安)登壇〕 ◎教育長(井出隆安) 私からは、教育委員会所管の御質問にお答えをいたします。  まず、杉並和泉学園に対する評価についてのお尋ねでございますが、学園歌「今生きている私たちは」、この合唱をお聞きになったこと、覚えておりますでしょうか。全児童生徒による大合唱があのアリーナに響き渡った開校式から1年がたとうとしております。御出席いただいた議員の皆様には、あのときの子供たちの期待に満ちた顔や、児童生徒代表の力強い言葉がいまだ記憶に新しいことと存じます。  私は、この1年、区内初の小中一貫教育校として教育活動に取り組んできた杉並和泉学園の最大の成果は、学校全体が活性化したことであると受けとめております。12月に行われました中学校対抗駅伝では、昨年度まで人数不足により出場を見合わせていた女子チームが今年度は出場して健闘し、男子チームも、久々に8位入賞を果たしました。  また、小学部の学芸会において、中学部の生徒による合唱を聞いた小学部の保護者から、こうした機会を通して、小学生が近い将来の自分を思い描くことができる環境はすばらしい、和泉中に進学しようと思う児童がふえ、中学部の盛り上がりが期待できるなど、小中一貫教育校であることを評価する多くの御意見をいただいております。  このほか、最高学年である中学部3年生、学園では9年生と呼んでおりますが、この9年生からは、小学生と一緒の学園生活はにぎやかでいい、最上級生としての自覚がより高まったなどの感想が寄せられており、子供たちも保護者の方々も総じて、小中一貫教育校のよさや、児童生徒が相互に刺激し合いながらともに成長することへの期待が高まってきているものと存じます。  しかしながら、まだ1年目という中で、児童生徒の多様な交流機会の拡充、小学部と中学部の教職員同士の一層の連携促進など、さらなる学校の活性化を図るために取り組むべき課題があることも事実であり、今後とも学校の主体的な取り組みを促すとともに、教育委員会としても必要な支援を行ってまいる考えであります。  こうした杉並和泉学園におけるさまざまな取り組みと、それに至るプロセスを通して得られた成果や反省点等につきましては、2校目の小中一貫教育校となる高円寺地域の新しい学校づくりに十分生かしてまいります。  なお、今後の小中一貫教育校につきましては、杉並和泉学園や高円寺地域の新しい学校づくりと同様に、杉並区立小中学校新しい学校づくり推進基本方針に基づき、検討対象校及び周辺校の保護者、学校関係者、地域の方々との意見交換を重ねる中で、学校用地や地域特性等の諸条件を総合的に考慮しつつ検討していくべきものと考えてございます。  次に、部活動活性化事業に関する御質問にお答えをいたします。  中学校の部活動は、生徒の健康な体や豊かな心を育む上で重要な学校教育活動でありますが、近年の教員数の減少、教員の意識、実態の変化等を踏まえれば、かねてから申し上げておりますとおり、従来の顧問教員を中心とした部活動指導を将来にわたって実施していくことは困難であると考えております。こうした認識から、これまで本区では、外部指導員の拡充や部活動活性化モデル事業など、外部の力を活用した区独自の部活動支援を先駆的に進めてまいりました。一方、国は、昨年12月の中央教育審議会答申において、外部人材による仮称部活動指導員の導入が提言されたことを受け、本区の取り組みと軌を一にした部活動支援策の検討に着手したところでございます。  こうした中で、教育委員会といたしましては、これまでの取り組みをさらに拡充するため、平成28年度から部活動活性化事業を本格実施し、従来の土・日曜、祝日等の練習指導に加え、新たに平日の練習指導や対外試合における指導にも適用を拡大してまいります。加えて、複数校による合同部活動に積極的な活用を図るなど、各学校の実情に応じて、より多面的で総合的な仕組みとして運用し、部活動の一層の活性化を図ってまいる考えでございます。  最後に、副校長校務支援員の配置に関する御質問にお答えをいたします。  副校長の業務は、児童生徒に対する教育指導、教職員の指導、育成、学校施設の管理、各種の文書処理や保護者、地域との連絡調整など、学校運営及び教育活動全般にわたります。近年では、学校に対する保護者の要望も増大、多様化しており、副校長は、これらの事案に対して学級担任等の教職員を指導、支援し、適切な対応を図ることが求められます。また、放課後等の校庭開放や地域行事の会場提供など、教育委員会や区長部局と必要な連絡調整等を行うことも重要な役割となっております。  こうした副校長の業務は、大規模校や校舎改築等の重要課題を有する学校では、より増大することとなります。このため、それらの学校を対象として、新たに区独自の副校長校務支援員を配置して業務の軽減を図り、それによって生み出された副校長の時間と労力を教職員の指導、育成や地域との連携協働等の推進に充てることにより、より一層円滑な学校運営及び教育活動の活性化につなげてまいる考えでございます。  私からは以上です。 ○議長(はなし俊郎議員) 以上で杉並区議会自由民主党の代表質問を終わります。  ここで3時55分まで休憩いたします。                                午後3時38分休憩                                午後3時54分開議 ○議長(はなし俊郎議員) 休憩前に引き続き会議を開きます。  杉並区議会公明党代表、41番渡辺富士雄議員。       〔41番(渡辺富士雄議員)登壇〕 ◆41番(渡辺富士雄議員) 杉並区議会公明党の渡辺富士雄です。会派を代表して、区長の平成28年度予算の編成方針とその概要及び当面する区政の諸課題について質問いたします。  質問に入る前に、6日未明に発生したマグニチュード6.4の地震により、台湾南部に甚大な被害が出ています。東日本大震災では、200億円を超える真心の義援金が台湾から届けられました。今、全国から続々と、恩返しがしたいとの支援の声が上がっており、当区でも、これまでの国際交流によって親交を深めてきた台湾の地震災害に対し、杉並区、そして私たち議員でも支援をさせていただくことになりました。  被災された皆様に心よりお見舞いを申し上げますとともに、亡くなられた方に対しまして追悼の意を表したいと思います。一日も早い震災からの復興をお祈りいたします。  それでは、質問に入ります。  まず初めに、経済情勢に対する認識について伺います。  高齢化と人口減少の同時進行、そして国際情勢の激変という、内外ともに極めて困難な時代において、自民党と公明党の連立与党による安定した政権基盤のもと、経済再生は着実に成果を上げ、デフレ脱却まであと一歩のところまで来ています。今、最も重要なことは、企業の収益を雇用の改善や賃金の上昇につなげ、内需を拡大することで消費と投資を呼び起こし、再び企業の収益が上がるという、経済の好循環を確実なものとすることであります。  現在国が進めている経済政策の方向性について、区長の認識及び評価について伺います。  昨年10月、環太平洋連携協定(TPP)が大筋合意されました。TPP参加国のGDPは世界全体の約4割、貿易額の3分の1を占め、協定が発効すれば、巨大な自由貿易圏が誕生することになります。そのメリットを最大限に生かすことができるなら、日本経済全体の活性化へつなげる好機となる可能性があります。家電などとインターネットを結びつけたIoT技術、人工知能、ロボットなど先進的分野のイノベーションを促し、日本経済全体の生産性向上につなげるべきであると考えます。TPPについて区の考え、及び東京の経済に対する想定され得る影響について区の考えを伺います。  次に、区を取り巻く環境について伺います。
     まず、さきに述べた経済情勢を受けて、区を取り巻く今後の経済情勢の変化について、区長の認識を伺います。  基本構想、総合戦略の実現に向け重要な要素となる人口構成の変化と中長期的な課題についてはどのように捉えるのか、伺います。  区政運営については、国の財政健全化の動向も少なからず影響を受けることとなります。公明党が一貫して推進してきた軽減税率の導入は、税制改正案が今国会で提出される運びとなりました。  そもそも消費税率の引き上げについては、将来ふえ続ける社会保障給付費を賄うための財源であり、本区においても、地方消費税の税収増分は全額そのために使われることとなります。これまで我が会派として、そのことを区民に対してもわかりやすく説明するよう要望してきたところでありますが、改めて、地方消費税収の見通しとそれに伴う施策の展開について、概要を伺います。  こうした大きな流れの中で、区長就任直後に策定した現在の区の基本構想は折り返し地点を迎えることになりますが、これまでの成果と反省あるいは課題等について、前半戦の総括をお聞かせ願います。  次に、地方創生について伺います。  国が提唱している一億総活躍社会とは、国民1人1人が自分らしく輝き、自己実現できる社会とも言いかえられます。そのためには、安心で持続可能な社会保障制度の推進など、必要な社会基盤の整備を着実に進める必要があります。  その新たなチャレンジの軸の一つが地方創生であります。東京杉並区としても、将来を見据えて、地方創生をみずからの問題として正面から受けとめ、少子高齢化や急激な人口減少に歯どめをかけるために、地方と一体となって進める取り組みが必要です。  昨年、区は総合戦略を策定しましたが、改めて、地方創生における今後の区の施策展開についてお伺いします。  区長も懸念している法人住民税の一部国税化等の都市部への税源偏在是正化問題といった、都市部と地方の対立の構造ではなく、ウイン・ウインの関係を築くことこそが地方創生の成功と言えます。区長がこれまでも取り組まれてきたとおり、これからも国に対して、地方自治体の現場目線でしっかりと問題提起し、意見を申していただきたいと思います。改めて区長の所見を伺います。  地方創生に関して、別の角度からの視点で、これまでの自治体運営は、財政健全化を含むマネジメントに主眼が置かれてきたと思いますが、地方、全国、あるいはインバウンドに象徴されるように世界の動向をも見据えた上で、地域活性化や雇用創出、経済発展を進めるイノベーターとしての役割も求められている時代であると考えます。改めて、これからの自治体運営のあり方について、区長の認識を伺います。  イノベーターとしての役割を果たしてきたと言える象徴的な取り組みとして、地方との自治体連携の取り組みが挙げられます。中でも南伊豆町との関係では、全国初の自治体間連携による特養ホームの整備に見通しを立て、さらに、お試し移住事業にも連携して取り組みを始めているところです。南伊豆町では、国が力を入れている生涯活躍のまち、CCRC構想の検討を始めたと聞いており、特養ホームの整備から始まった新たな連携の取り組みが大きく広がってきています。こうした都市と地方の連携事業を広く全国に波及させることこそ、真の地方創生につながるものと考えますが、改めて区長の見解を伺います。  次に、まちづくりについて伺います。  杉並区まちづくり基本方針において、八つの分野別方針と七つの地域別の方針が示され、現在、地域ごとの課題に応じて、荻窪駅や阿佐ケ谷駅を初め、駅周辺のまちづくり方針の策定を進めています。まちづくり方針を絵に描いた餅に終わらせず、具体的な取り組みにつなげていくためには、方針の策定に当たって、それぞれの地区ごとの拠点としての役割や個性を明らかにし、地域住民はもとより、区全体や来街者を意識した広域的な視点に立ってまちづくりを進めることが重要と考えますが、今後の方向性について伺います。  次に、インバウンド、文化政策、民泊、地域情報化について伺います。  昨年の訪日客は、過去最高の1,973万7,400人を記録しました。これから2020年までは、東京オリンピック・パラリンピックが訪日客増の牽引力となることは間違いありません。本区としてもぜひ地域振興に組み入れていきたいところでありますが、目先の誘引ではなく、中長期的、継続的な取り組みが重要であり、リピーターや滞在型の観光客を区にいかに呼び込めるかが鍵になると思います。区の独自性のあらわれた観光施策の充実が望まれますが、区の取り組みについて伺います。  東京オリンピック・パラリンピック競技大会を契機とした文化芸術立国の実現のために、今年度からおおむね6年間を対象期間とした文化芸術の振興に関する基本的な方針が閣議決定されました。本基本方針では、文化芸術資源で未来をつくることを目指し、我が国が目指すべき文化芸術立国の姿として、1、あらゆる人々が鑑賞や創作に参加できる機会がある、2、2020年東京大会を契機とする文化プログラムが全国展開されている、3、被災地の復興の姿を初め、全国津々浦々から地域の文化芸術の魅力を発信している、4、文化芸術関係の新たな雇用や産業が現在よりも大幅に創出されているの四つを挙げています。  東京オリンピック・パラリンピック文化プログラムについての区の認識と方向性について伺います。  昨年、大田区では、都内で初めて民泊を認める条例が制定され、注目が集まっています。本区でも民泊について検討している旨の報道が昨年ありましたが、民泊の実施に当たっては、多くの課題も残されています。この民泊の課題について、区の認識を伺います。  訪日客の増加によって、今後ますます公衆無線LAN等の新たな通信インフラに対するニーズが高まってくると思われます。区はこれまでも、災害対策という観点から積極的に公衆無線LANの設置を区施設に進めてきましたが、今後の展開について伺います。  また、これを機に、地域情報化への一層の取り組みを期待しますが、区の考えをお伺いします。  次に、子育て支援について伺います。  安心して子供を産み育てる環境をつくることが少子化対策のかなめであり、待機児童対策を初め、子供の成長段階や家庭の状況に応じた切れ目のない支援の総合的な展開が重要であります。  昨年4月に、身近な場所で情報提供と相談支援を行う子どもセンターを保健センター内に開設し、切れ目のない子育て支援を、フェース・ツー・フェースの関係で個別の事情を酌み取り、必要な支援につなげる体制ができました。同事業のこれまでの実績について伺います。  また、昨年、国は、妊娠初期から子育て期にわたるまでの総合的相談支援を提供するワンストップ拠点として、子育て世代包括支援センターの整備構想を示していますが、子どもセンターとの関係はどのように考えているのか、区の認識を伺います。  一億総活躍の観点からも、働く女性の支援としての待機児童対策は重要です。ことし4月入園については、1歳児を中心に希望者が増加しており、多くの方々に御心配をおかけしているところですが、区は当然ですが、国を挙げて取り組まなければならない課題であります。改めて待機児童解消策の加速化を求めますが、現状の課題と今後の展開について伺います。  また、多子世帯支援策として、区独自の保育事業が示されました。我が党としても、多子世帯支援の充実は重要課題として捉えていることから、国の先を行く事業に評価はできます。しかしながら、28年度4月時点で待機児童の解消が難しい状況が見込まれ、多子世帯以外の子育て世帯との公平性にも一定の配慮が必要であります。そのためには、保育施設の整備を一層加速させる必要があると考えますが、区の見解を伺います。  貧困の連鎖を断ち切り、子供の将来が生まれ育った環境に左右されることのない社会をつくるということは、一億総活躍社会を実現する上で大切な視点です。2013年に子どもの貧困対策推進法が制定され、翌年には子供の貧困対策大綱が策定され、教育支援、生活支援、保護者の就労支援、経済支援の四つの柱に沿って着実に対策が進みつつあります。今後は、収入の低い家庭の割合が高いひとり親世帯などへの対応を含め、貧困状態からの脱却に向けたさらなる取り組みが重要であると考えますが、区の所見を伺います。  次に、高齢者施策、健康増進について伺います。  2025年を見据えた地域包括ケアシステムの構築は、今後の高齢者福祉、地域福祉の観点から、かなめとなる取り組みであります。これまでの取り組み状況を改めて伺うとともに、成果についての評価と今後の課題について伺います。  区長の、介護イノベーションの支援という視点から、慢性的な人材不足等で閉塞感のある介護現場に一石を投じようとする姿勢は評価いたします。介護ロボットやICTタブレットの端末の導入は、まずは手始めだと考えますが、高齢者人口の増加に伴い、さらに厳しい時代を迎えるに当たり、イノベーションの今後の展開をどのように考えているのか、伺います。  特別養護老人ホームの待機者解消について、南伊豆町への開設を含め、区の考え方と中長期的な計画について、改めて確認させていただきます。  高齢者の社会参画、活躍の場を広げるため、高齢になっても、意欲に応じて働き続けられる環境を整備することは、時代の要請でもあります。シルバー人材センターの機能強化について、国レベルにおいても検討されていますが、同センターの充実策及び高齢者の就労支援策について、区の考えを伺います。  昨年、健康づくり推進条例に基づく健康寿命の増進目標が示されました。現状、区民の健康寿命は、東京保健所長会方式によると、男性82.7歳、女性85.7歳とのことであり、これを平成33年度までにそれぞれ84歳、87歳へと引き上げることを目指しています。実現に向けての具体的な取り組み、計画をお示しください。  がん対策については、これまで我が会派が一貫して推進してきました。今や、がんになっても約6割の人が治る時代ですが、課題も多くあります。区はこれまで、がん対策推進計画に基づく取り組みを積極的に推進し、受診率の向上も着実に進めていることは高く評価するところであります。今後も一層の対策の推進を行い、がんと闘う区民を支援していただきたいと思います。また、そのことが健康寿命の延伸にも直結するものと考えます。区のがん対策の今後の展開について伺います。  次に、障害者施策について伺います。  例年行っている障害者団体連合会との懇談会の中で毎回のように上がるのが、高齢化の問題であります。それは障害者本人のみならず、家族も高齢化し、いつまで自分たちで介護できるのかと、将来に対する深刻な不安を訴えられています。今回、区は、高齢化への対応を含めた施策の拡充を打ち出しました。まだまだ十分とは言えませんが、これまでいただいた障害者の皆様からの要望が反映したものと大いに評価するところです。  これから東京パラリンピックを契機に、障害者の社会参画の促進などが一層図られることと期待しておりますけれども、この点を含め、今後の障害者施策の区の方向性を伺います。  次に、被災地支援、防災・減災について伺います。  冒頭、台湾で発生した地震に触れましたが、ここ数日、震度3を超える首都圏直下型の地震が発生しており、区民の皆様からも不安の声が上がっています。いやが応でも震災に対する意識が高まってきます。  さて、本会議中に東日本大震災の発災から丸5年を迎え、4月から新たな復興・創生期間が始まります。被災地では、道路や鉄道などインフラ整備、災害公営住宅の建設、住宅再建に向けた高台移転など、復興は着実に進んでいるように思えます。しかし、いまだに18万人を超える方々が避難所生活を強いられている現実があります。残念ながら、私の家族もその中に含まれています。また、原発事故による風評被害や、震災の記憶の風化も懸念されるところです。この復興を阻む風化と風評という二つの風と闘い、復興の取り組みを一段と加速させていかなければなりません。  区は、南相馬市を中心とした被災地復興にも取り組みを進めてきましたが、改めて区の復興支援策について、今後の展開を伺います。  また、自然災害の脅威から区民の生活や社会を守る防災・減災対策は、区政の重要課題であります。来る首都圏直下型大地震への対策強化は手を緩めることができません。効果的な防災対策を進めるためには、さまざまな分析を行う必要があると考え、さきに提案した地震被害シミュレーションについての方向性が示されたことは、大いに評価するものです。改めて、考え方と概要について伺います。  災害に強いまちづくりは、地域住民の理解と協力が不可欠であり、時間との闘いでもあります。区は狭隘道路拡幅事業を進めているところですが、火災危険度の高い木造密集地域の安全性を高めるためには、拡幅事業を初めとしたハード面だけではなく、個々の家庭の防災力を高めていくことも重要だと考えます。今後さまざまな角度から防災力を高めていくべきと考えますが、区の見解を伺います。  昨年も、9月に宮城県や栃木、茨城の両県が記録的な豪雨に見舞われるなど、近年の降雨は局地化、激甚化が進んでいます。ハード、ソフト両面にわたる防災・減災対策の強化が求められていると考えますが、区内の集中豪雨対策について、今後の展開を伺います。  次に、環境、清掃について伺います。  清掃事業について、来年10月に、地域住民の理解と協力により建てかえ工事を進めてきた新杉並清掃工場が本格稼働を迎えますが、新工場の特色と今後の清掃事業の展開を伺います。  次に、次世代支援、教育について伺います。  文部科学省は本年1月、「次世代の学校・地域」創生プランを発表し、今後、この5カ年計画に基づき、チーム学校を推進する方針を打ち出しました。本区はこれまで、井出教育長のもとで、おやじの会を育て、全校に学校支援本部を設置し、さらには地域運営学校の計画的な設置を進めるなど、学校外の人材活用、そして地域との連携協働する学校づくりを精力的に推進してきました。こうした先駆的な取り組みにようやく国が重い腰を上げた感がありますが、改めて、これまでの本区の一連の取り組みに対する評価と、このたびの区の方針に対する見解を伺います。  仮称就学前教育支援センターについては、これまで我が会派の議員からさまざま提案等をさせていただいた経過があり、今般、区が新たなセンター整備に着手することは、大いに評価するものであります。改めて、就学前教育支援センターを整備する意義と、この新センターを拠点としてどのように幼児教育の質の向上を図っていこうとしているのか、見解を伺います。  学校施設の整備に関連して、高円寺地域における小中一貫教育の整備、杉並第一小学校の改築・複合化、さらには桃井第二小学校の改築といった計画が鋭意進められています。これらの施設整備は、いずれも区の計画に基づいて実施されているとはいえ、それぞれの地域の生活環境に少なからず影響を与えることから、引き続き粘り強く地元の理解、協力を得る努力が欠かせないと考えますが、区の所見を伺います。  区は、昨年、特別支援教育推進計画を改定し、障害のあるなしにかかわらず、誰もが相互に人格と個性を尊重し、支え合い、人々の多様なあり方を相互に認め合う共生社会の実現に向け、特別支援教育をより一層推進することとしました。この計画に基づき、新年度から3カ年で全小学校における特別支援教室の段階的設置を進めることとしていますが、改めて、この特別支援教室の概要と、段階的に設置する意義について、区の見解を伺います。  平成27年度末をもって科学館を廃止することを視野に、この間、区は、学校現場のみならず、身近な地域施設等において、出前型の科学教育事業を積極的に展開してきました。これら取り組みをどのように評価しているのか、伺います。あわせて、こうした次世代型の科学教育について、今後いかに展開し、その充実を図っていく考えか、区の所見を伺います。  2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会を、多くの可能性を見出す千載一遇の機会であると捉え、スポーツ推進計画、健康スポーツライフ杉並プランを大きく前進させるなど、単に待ち焦がれるのではなく、楽しみを喜びに変えていけるような積極的な取り組みに知恵を振り絞っていただきたいと願うものです。  こうしたことを念頭に置きつつ、東京オリンピック・パラリンピックの開催を視野に入れ、今後ともスポーツ振興の基盤づくりを精力的かつ着実に進める必要があると考えますが、区の所見を伺います。  最後の質問となりますが、区政に対する理解と関心を高める上で、伝える広報から伝わる広報へとは、重要な視点であると考えます。ホームページのリニューアルもその考え方が生かされているものと思います。今回、新たな視点で、広報宣伝に精通した民間人材を広報専門監として採用し、区全体の広報戦略を策定するとのことですが、その今後の取り組みについて伺います。  また、区はこれまで、学校、資金管理、情報政策等にこういった専門性を持つ民間人を採用してきましたが、その評価についても伺います。  今だけにとらわれることなく、未来志向の施策を遂行していくことは、船が進む際に波が立つように、必ず困難を伴うことでしょう。しかし、大変重要なことであります。英知を結集し、力を合わせ、その困難を乗り越えて得た成果は、必ず未来につながっていくものと信じます。また、私たちが目の前の一人を徹して大切にすることで、区民の皆様が豊かさと安心を確かなものとして実感し、未来にわたって希望を持てるようになるものと思います。  今回、「豊かさと安心を未来に拡げる予算」と名づけられた平成28年度予算が着実に執行されることを期待して、代表質問を終わります。 ○議長(はなし俊郎議員) この際、5時を過ぎましても会議を続行いたします。御了承願います。  理事者の答弁を求めます。  区長。       〔区長(田中 良)登壇〕 ◎区長(田中良) 杉並区議会公明党を代表しての渡辺富士雄議員の御質問にお答え申し上げます。  まず、国の進める経済対策に対する認識についてですが、安倍内閣のいわゆるアベノミクスによる3本の矢により、その期待感から、円安や株価の上昇といった現象が起きました。しかし、企業の経常収益は上昇しているものの、長きにわたるデフレの影響から、個人の消費マインドの冷え込みが続いておりまして、現状においては、景気回復まであと一歩というところと認識してございます。  国はこうした状況を踏まえ、企業収益を設備投資拡充に振り向けるとともに、雇用の改善や賃金の上昇につなげ、デフレ脱却を図ろうと、法人税改革や、投資を阻む規制緩和等に取り組んでいるところでありまして、こうした政策が効果を発揮し、日本経済の力強い回復が図られることを期待するものでございます。  次に、TPPについてのお尋ねでございます。  TPPにつきましては、農業や食の安全などの分野で課題もありますが、総体的に申し上げれば、世界の経済活動の約4割を占める経済圏が生まれることから、企業のビジネスチャンスが拡大し、消費者の選択が広がるなど、経済のさらなる活性化を生み出すきっかけとなるもので、日本経済の中心である東京には相当の経済効果をもたらすものと考えております。  2月4日の12カ国の協定への署名を機に、今後、国会での承認に向けていよいよ議論が深まっていくと思いますが、メリット、デメリットについて国民にしっかりと説明し、議論を尽くすことを期待しております。  次に、区を取り巻く今後の経済情勢の変化についてのお尋ねでございます。  政府の経済政策も新たなステージに入り、投資の促進や賃金増、雇用の質改善等が進められ、またTPPによる物の関税のみならず、サービス、投資の自由化が進むことは当然のことながら、杉並区の経済に与える影響も大きいものと考えております。  さらには、産業の先進的分野も日々進化し続けておりまして、企業も、これまでのリストラ等によって業績の回復を図るのではなく、イノベーションによる企業を発展させていくという方向に変わりつつあり、この流れは区内の事業者にも徐々に波及していくものと考えております。こうした新たな流れによる効果が現実のものとなり、持続的な回復が図られることを期待するものでございます。  次に、人口構成の変化等、中長期的な課題についてのお尋ねにお答えをいたします。  昨年策定した人口ビジョンでは、人口推計について、人口移動及び出生率の設定を変えて複数のシミュレーションを行いましたが、いずれのケースでも総人口が減少する一方、高齢者人口については、平成62年までは増加していくという結果となりました。この結果を踏まえますと、人口の減少に伴い、余剰となった土地や住宅をどのように活用するか、都市構造や土地利用のあり方の見直しが求められるほか、高齢者人口の増加に伴い、介護、医療、福祉などのサービスの需要が増加し、それに対応するマンパワーや財源の確保などが求められると考えております。  区といたしましては、極端な人口減少と高齢化に歯どめをかけるために、これまで以上に少子化対策に力を注ぐとともに、将来を見据え、空き家対策の推進、地域包括ケアの推進や必要な施設整備、介護の担い手の確保などに努めてまいります。  次に、地方消費税収の見通しと、それに伴う施策展開に関するお尋ねでございます。  地方消費税に基づく地方消費税交付金につきましては、消費税率8%での地方消費税率1.7%で約112億円を、軽減税率を導入しない10%時点での2.2%で約150億円と見込んでおりました。これが軽減税率の導入によりどの程度の額となるか、現時点でお示しすることはできませんが、いずれにしましても、地方消費税率の1%を超える部分につきましては、全額、社会保障関連施策の充実、安定財源として活用することとなるものです。  区は、この増収分につきましては、これまで、保育需要の高まりに伴う施設整備費や介護施設の整備等、喫緊の課題の解決に向けて充当してまいりましたが、今後も、区民ニーズが高く、かつ喫緊の課題へ重点的に充ててまいりたいと考えております。  次に、総合計画の10年間の前半最後の年に当たっての、これまでの取り組みの総括についてのお尋ねがございました。  区ではこの間、建築物の耐震化、不燃化を初めとした防災・減災対策の強化、認可保育園の整備を核とした保育園待機児童ゼロに向けた取り組み、高齢者関連施設の整備、また狭隘道路の拡幅整備事業、施設再編整備計画に基づく取り組みなどを精力的に進めてきておりまして、着実に成果を上げているものと考えております。  しかし、例えば建築物の耐震化率、不燃化率や特別養護老人ホームの定員確保など、成果を上げてきてはいるものの、現時点では、成果指標とした目標値を下回っている施策もございます。こうした状況を踏まえまして、総合計画の前半最後の年となる平成28年度の予算編成に当たっては、これまで取り組んできた施策の進展と効果を区民の目に見える形にし、後半に向けて弾みをつけるために、計画事業を確実に予算計上いたしました。  平成28年度は実行計画の改定も予定しておりますので、改定を通し、事業の見直しのほか、新規事業の計画化なども検討を行い、基本構想実現に向けた取り組みを加速化させてまいります。  次に、総合戦略やこれからの自治体運営等についてお尋ねがございました。  これからの区政運営に当たりましては、人口減少に歯どめをかけ、活力ある日本社会を維持していくために、地方と連携し、ウイン・ウインの関係を築いていくという視点が欠かせないと考えております。  急激な少子高齢化の進展によりまして、このままでは人口減少が進み、これに伴い地域経済も縮小、そのことがさらに人口減少を加速化させるという悪循環に陥ってしまうという危機感がございます。当然、地方からの流入により人口がふえている本区においても、無縁ではいられないと認識をいたしております。  こうした認識のもとに、昨年策定した総合戦略に、「若い世代の結婚・出産・子育ての希望をかなえる」、「来街者を増やし、まちのにぎわいを創出する」、「地方との連携により、豊かな暮らしをつくる」という三つの基本目標を設定し、目標達成に寄与する取り組みを推進していくこととしました。  議員御指摘のとおり、南伊豆町との関係におきましては、全国初の自治体連携による特養ホーム整備に向け準備を進めているほか、お試し移住事業でも連携していくこととしております。これら連携事業により、区におきましては、特養ホームの待機者の解消、区民への豊かな暮らしの選択肢の提供など、区民福祉の向上が図られる一方、南伊豆町においても、特養整備による雇用の創出、地元食材の消費増、移住者による地域の活性化が期待をされております。  また、平成26年、特別区長会において、都市と地方の連携により課題解決を行うための仕組みの創設を提唱いたしました。これを受け、特別区長会は、特別区全国連携プロジェクトを立ち上げ、特別区と全国の各地域が連携・交流事業を行う取り組みを進めているところでございます。今後も、本区や特別区全体の取り組みと成果を国に示すとともに、都市部の財源を吸い上げ地方に配分するといった税制改正が真の地方創生にはつながらないことを訴えてまいります。  次に、駅周辺のまちづくりの実現に向けた今後の進め方についての御質問にお答え申し上げます。  まちづくりは一朝一夕に実現できるものではなく、手順を踏んで丁寧に進める必要がございます。まずは、まちづくり協議会の活動や区民意見交換会等を通じて、まちづくりの機運を醸成し、地域の方々とまちの将来像を共有するということが何よりも重要だと考えております。その上で、駅周辺のまちづくりについては、それぞれの拠点としての特性に応じて、来街者をふやし、にぎわいを創出したり、区全域の防災力を向上させるなど、その地域にとどまらない効果を生むことから、広域的な視点も含め、区としてのまちづくり方針を策定し、個別地区の事業等につなげたいと考えております。このような取り組みを進めることで、地域はもとより、区全体の福祉や魅力の向上につながる総合的なまちづくりを展開していきたいと思います。  次に、区の観光施策についてです。  国のビジット・ジャパン事業の取り組みや円安等を背景に、近年、訪日外国人旅行者数は急増しておりますが、観光に対するニーズは、個人旅行やリピーターの割合が高まるにつれて、これまでのような大型観光施設や名所旧跡を団体で見る観光から、日本独特の文化を楽しみ、そこに住む地域の人と触れ合う観光へと変化してきているようでございます。加えて、旅行者を呼び込んでいくためには、旅行先での地域の人々との交流が地域の印象を左右すると言われておりまして、いわゆるおもてなしの心も重要であります。  本区には、銀座や浅草といった有名な観光資源はございませんが、これまでの区民の生活の中で培われてきた、外国人旅行者が興味、関心を抱く、他自治体に誇れるさまざまな文化があり、商店街や地域住民と連携しながら、都心部にはない杉並のよさ、らしさを外国人旅行者に味わってもらうことが第一に必要となる取り組みと考えております。  多くの外国人旅行者を誘引する観光施策の推進は簡単なものではないと認識はしておりますが、東京オリンピック・パラリンピックの開催は、地域経済の活性化の一大チャンスでありまして、官民共同で知恵を出し合って、力を出し合って、住んでよし、訪れてよしの杉並区を合い言葉に、ハード、ソフト両面を充実させた観光まちづくりに取り組み、地域のにぎわいと商機の創出に結びつけていきたいと考えております。  次に、東京オリンピック・パラリンピック文化プログラムについてのお尋ねでございます。  オリンピックの文化プログラムは、オリンピック憲章の根本原則第1に、スポーツを文化、教育と融合させ、生き方の創造を探求すると明記され、文化的な幾つかのイベントから成るプログラムを作成しなければならないとされております。東京オリンピック・パラリンピックの文化プログラムは、五輪の組織委員会が主体となって策定し、ことし夏に開催されるリオオリンピック・パラリンピック大会終了後に、国や東京都、民間などにより実施されることとなっております。  区におきましては、今後策定される文化プログラムの基本方針などを踏まえ、区の文化芸術の拠点であり、全国的にも知名度の高い杉並芸術会館や杉並公会堂のすぐれた舞台芸術等を有効活用した文化プログラムを展開していくなど、杉並の文化芸術の魅力を国内外に発信してまいりたいと考えております。  次に、民泊に関する課題認識についてでございます。  本区が実施を計画しております国家戦略特区法に基づく事業の実施に当たりましては、まず、治安の確保と近隣住民の不安の除去が大きな課題であると認識をしております。いわゆる民泊については、主に空き室や空き家の活用を想定した事業であることから、オーナーなどがいない建物での苦情対応や、言葉や慣習がわからない外国人旅行者と近隣住民とのさまざまなトラブル、消防法や建築基準法への対応など、さまざまな課題がございます。また、現状においても、法的根拠を持たない無秩序な民泊が、都市部を中心に既に広く実施されているようでありますが、ここへの対応も考えていかなければならないと思います。  こうした課題の中には、本来国が考えるべきものも含まれておりますが、区としてどのような対応が可能なのか、現在、関係所管課でさまざまな検討を進めております。宿泊施設が少ない本区にとって、民泊事業は、外国人旅行者を呼び込む有効な施策ではありますが、良好な住環境と調和した事業を実施すべく、その点は慎重に進めてまいりたいと思います。
     次に、公衆無線LAN等、新たな通信インフラの今後の展開及び地域情報化に向けた取り組みについてのお尋ねでございますが、区ではこれまで、民間事業者の協力も得て、災害時の通信手段の確保を中心に、震災救援所となる学校等にWi-Fi環境の整備を進めてまいりました。今後は、東京でのオリンピック開催も踏まえ、国内外から訪れる方々の利便性向上を勘案して、国や都、民間による普及状況を踏まえつつ、Wi-Fi環境の整備を一層推進していく必要があると考えております。そうしたインフラを活用しながら、今回改定する情報化アクションプランに基づき、GISを活用したすぎナビの普及など、区民等が必要なときに必要な情報が届く情報発信、交流を目指し、地域の情報化を着実に進めてまいります。  次に、子どもセンターについてのお尋ねでございます。  昨年4月に5カ所の保健センター内に開設した子どもセンターは、この10カ月間で、子育て相談や保育を初めとする各種サービスの申請などで、延べ1万人の方が利用しておりまして、子育て世代に対する身近な地域の相談拠点としての役割を果たしているとの認識を持っております。  また、国が全国展開を目指している子育て世代包括支援センターは、妊娠期から子育て期までの相談支援をワンストップで行う拠点であるという点で、現在、母子保健事業と連携して子育ての相談支援を行っている子どもセンターと軌を一にするものと捉えておりまして、今後、国の動向を見ながら、子どもセンターの位置づけを整理していく考えでございます。  次に、待機児童対策に係る一連の御質問にお答え申し上げます。  区におきましては、一億総活躍社会の実現に向けた国の緊急対策に先駆け、私が区長就任以来、総合計画、実行計画等において区政の重要課題として位置づけ、認可保育園を核とした保育施設整備に全力で取り組んでまいりました。しかしながら、出生数の増加や保育所入所を希望する方の割合の高まりに施設整備が追いついていないというのが現状でありまして、今後さらに、定員構成にも配慮しつつ、施設の量的拡大を加速化してまいる考えでございます。  次に、杉並区まち・ひと・しごと創生総合戦略に基づき、少子化対策として行う多子世帯への支援についてでありますが、これは、総合戦略策定に向けて行った区民アンケート結果などをもとに、第3子を希望している方の背中を押すことを意図して行うものであります。平成28年4月の待機児解消が難しい状況での実施には、議員が指摘されたような懸念があることは十分に承知をしておりまして、そのため、来年4月の待機児童ゼロの実現に向けて、地域や歳児バランスにも考慮して、区を挙げて全力で取り組んでまいる考えでございます。  次に、子供の貧困についてのお尋ねにお答えをいたします。  私は、子供の将来がその生まれ育った環境によって左右されたり、貧困が世代を超えて連鎖することは、決してあってはならないことで、子供の貧困対策は、区にとって大きな課題であると認識をいたしております。  国においては、子どもの貧困対策推進法に基づく大綱で定めた貧困対策に加え、一億総活躍社会の実現に向けたアベノミクスの第2の矢、「夢をつむぐ子育て支援」の中で、「子育てが困難な状況にある家族・子供等への配慮・対策等の強化」として、子供の貧困対策とひとり親家庭対策の推進に取り組むこととしております。  区では、国、都の取り組み状況等も踏まえ、福祉部門と教育や就労等の部門から成る新たな庁内連携組織を立ち上げ、子供の貧困対策に関連する施策、事業を一体的かつ効果的に推進するため、取り組んでいるところでございます。  また、今後に向けた取り組みとして、食事の提供や学習支援等ができる子供の居場所の充実の検討にも着手したところでございます。  なお、ひとり親家庭などに対する支援としては、国による負担軽減に加えまして、認可外保育施設に通う世帯への独自の保育料軽減や、婚姻歴のないひとり親家庭への寡婦控除のみなし適用など、経済的支援の拡充を図ってまいります。  次に、地域包括ケアシステム構築の取り組み状況でございます。  団塊の世代が全て後期高齢者となる平成37年、2025年という年ですが、これを見据え、高齢者が住みなれた地域でいつまでも暮らせるよう、区では、認知症施策の推進、在宅医療・介護連携の推進、生活支援サービスの体制整備、これらの三つを柱に、地域包括ケアシステムの構築に向け、取り組みを始めているところでございます。  今年度はその1年目として、全ての地域包括支援センター(ケア24)に配置した地域包括ケア推進員を中心に、地域の方々と一緒になって認知症高齢者への支援を検討したり、在宅医療地域ケア会議を初めとする地域ケア会議の活用により、在宅医療の課題を初め、高齢者の生活を支援するニーズの把握や、地域での顔の見える関係づくりに努めてまいりました。これらの取り組みによりまして、徐々にではありますが、地域の関係者に、多職種によるネットワークの重要性が浸透しつつあるものと評価しております。こうした流れを確実なものにしていくことが、高齢者福祉、地域福祉の今後の重要な課題でありまして、次年度も、各施策の充実や地域包括ケア推進員へのさらなる支援などに努めてまいります。  次に、介護イノベーションの今後の展開についてでございます。  平成37年、2025年に向け、中重度の要介護高齢者がふえることが想定をされておりまして、介護サービスのさらなる充実が必要になります。そうした状況に対応するために、介護人材の確保及び育成を図るということが求められておるわけですが、東京都では、平成37年に都全体で約3万6,000人の介護人材が不足するものと想定をしております。  次年度実施予定の介護ロボットやICTタブレット端末の導入助成によりまして、介護現場の効率化や介護従事者の負担軽減などをどのように図ることができるか、その効果を検証した上で、新たな技術開発の推移なども見ながら、本区としての介護イノベーションのさらなる充実に努めてまいりたいと存じます。  次に、特養の待機者解消に関する御質問でございます。  特養は、常時介護が必要で在宅生活が困難な高齢者にとりまして最も安心できる施設でありまして、私も区長就任以来、区有地や民有地等を活用することで積極的な整備に取り組んでまいりました。昨年度には3カ所の増・開設を行い、1,538床まで整備が進み、入所希望者数は減少したものの、現在も約1,260人の方々が入所を希望されているという状況でございます。  御指摘のありました南伊豆町との自治体間連携による特養整備につきましては、現在、実施設計や静岡県との補助協議を進めておりまして、28年度に着工、29年度の竣工、開設に向け、鋭意取り組んでいるところでございます。  特養整備に関しては、土地の確保が大きな課題であるわけですが、区立施設再編整備計画で生み出した学校跡地などの区有地活用や、国家公務員宿舎や都営住宅の跡地など国、都の公有地を有効活用することによりまして、総合計画に掲げる平成33年度末の目標数値であります2,307床を着実に達成できるよう、スピード感を持って取り組んでまいる所存です。  いずれにいたしましても、こうした施設整備とあわせて、地域包括ケアの推進を加速化させることで、高齢者の在宅生活の限界点を上げ、ハード、ソフト両面から特養の待機者解消を図ってまいります。  次に、シルバー人材センターの充実策及び高齢者の就労支援策についてのお尋ねにお答えをいたします。  シルバー人材センターの機能強化に関しては、御指摘のとおり、昨年末、厚生労働省において機能強化の方向が打ち出され、今国会に関連法案が提出されておりまして、都の次年度予算においても、労働者派遣事業の導入、拡充や地域課題解決、地域活性化事業の導入、拡充が新設される予定でございます。  区といたしましても、センターが、地域のニーズが高い育児支援や家事援助サービス等の担い手として、就業の機会をこれまで以上にふやしていけるよう、事業運営を支援していく考えでございます。  また、シルバー人材センターだけではなくて、区では高齢者の方の働く意欲に応えるために、求人企業等の開拓及び就業情報の提供、就職相談会、個別カウンセリングを行っているほか、就労支援センターを通じた就労支援に努めているところでございます。  私も、この人口減少社会の中では、社会の活力の維持と持続的な成長の実現に向けて、働く意欲のある高齢者が年齢にかかわりなく生涯現役で活躍し続けられるよう、高齢者の就労支援策を充実させていく考えでございます。  次に、健康寿命の延伸に向けた取り組みについてのお尋ねでございます。  健康寿命の延伸とは、長く生きることから、心身の自立度を加味した、より高い生活の質をもってより長く生きることを目指すものでございます。区の健康づくり推進条例では、この考えに基づき、全ての区民が社会とのつながりを生かし、生涯にわたり健やかで生き生きと暮らせる健康長寿社会の実現を目標に掲げております。  こうした目標の達成に向けて、27年3月には、健康づくり推進の分野ごとの達成すべき指標等を設定し、具体的な取り組みを進めております。  個人に対しては、がん検診電算システムを活用した受診データに基づく個別受診勧奨等を進める一方、今年度から健康づくり表彰を創設し、健康づくりの推進に積極的に取り組む事業者、団体の表彰を行っているところでございます。また、検診データ等を活用した教室等の案内や、重症化予防の個別指導の実施など、庁内での組織横断的な取り組みを進めております。  さらに、運動習慣のない区民に対するスポーツ、運動への参加促進を図るため、区内の民間運動施設とは、協働提案制度をきっかけに、協働連携に向けた連絡会も設置したところであります。加えて、南伊豆町で行うお試し移住事業の健康プログラムを通して、区民の健康寿命の延伸の取り組みも進めてまいります。  私は、こうした取り組みを着実に進め、加速していくことが、健康長寿社会の実現に結びつくものと考えておりまして、今後も健康寿命の延伸に向けてさまざまな連携の輪を広げてまいる考えでございます。  次に、がん対策の今後の展開についてであります。  我が国の死因の第1位は、依然としてがんであります。避けられるがんを防いで死亡者数を減少させるとともに、たとえがんになっても安心して暮らせる社会を構築することが重要であります。このため、区では、がん対策推進計画を独自に策定し、がんの予防、がん検診の推進及びがん患者の療養生活支援を方針に掲げ、総合的ながん対策に取り組んでおります。特にがん検診については、この間、受診勧奨や精度管理を工夫し、大いに成果を上げているところでございます。  今後は、他に先駆けて、胃がん検診に内視鏡検査を導入し、がん検診を充実するとともに、がん患者の体験を踏まえた緩和ケアの普及を図るなどして、がん対策を一層推進してまいります。  次に、今後の区の障害者施策の方向性についてでございます。  東京で開催予定のパラリンピックに向けて、障害者スポーツへの機運が高まり、障害者が競技に取り組む姿を目にする機会がふえることとなり、障害者の社会参加や障害に対する理解が進むものと考えます。このため、障害者スポーツ、レクリエーションの普及振興や、移動、コミュニケーション支援に取り組み、障害者が積極的に社会参加を図れる施策を行ってまいります。  また、障害当事者やその介護者の高齢化などが進む中で、障害者の住まいと安全・安心な地域生活の確保、就労支援や障害児支援の充実などが求められております。私は、本年4月施行の障害者差別解消法を踏まえまして、障害者の権利擁護をこれまで以上に具体的かつ積極的に推進しながら、今後も、障害者が人間としての尊厳を持って地域で安心して自立した生活を送ることができるよう、障害者福祉の一層の充実に向けた施策を展開してまいりたいと存じます。  次に、区の復興支援策に関するお尋ねでございますが、東日本大震災の発災以降、区は、災害時相互援助協定を締結している南相馬市に対して、被災地の立場に立った人的、物的支援を続けてまいりました。今なお、早期の復興に向け、8名の応援職員を派遣しておりまして、さまざまな分野で彼らは活躍をしております。  復興状況につきましては、高台移転を初めとして、道路、上下水道などの生活インフラの復旧工事はおおむね完了していると伺っております。現在は避難指示区域の解除目標に向けて、除染などの取り組みが進められ、本格的な復興の局面に入ったと考えられますが、今もなお約1万1,000人の市民が市外に避難をしておりまして、特に若い世代の帰還が進んでいないという状況があるなど、南相馬市の復興はいまだに道半ばであると認識をいたしております。  今後につきましては、復興の進展状況や市の要請等を踏まえ、職員の派遣を継続していくとともに、自治体スクラム支援会議を通じて連携している自治体とも協力をしながら、南相馬市が早期に復興できるよう、引き続き支援を展開してまいります。  次に、地震被害シミュレーションに関するお尋ねでございます。  私は、首都直下地震などの大規模災害から区民の生命と財産を守ることは基礎自治体の使命であると考え、特定緊急輸送道路沿道建築物の耐震化や木造住宅密集地域の不燃化、狭隘道路の拡幅整備などの減災対策を重点的かつ着実に進めてまいりました。しかし、これらの取り組みの必要性を区民一人一人がみずからのことと受けとめていただくことが、やはり何よりも重要であると考えております。  そこで、区の現状で地震が発生した場合の被害想定や、建物の耐震化や狭隘道路の拡幅等を進めた場合の減災対策の見える化を図るため、50メートルメッシュの詳細なシミュレーションを実施してまいります。具体的には、洪水ハザードマップのように、我が家の被害予測が一目でわかるようなマップを作成して、地震による被害を身近なものとして感じていただいて、災害に強いまちづくりを考えるきっかけにしていただきたいと考えております。  このような見える化によりまして、区民の皆様の御理解と御協力のもと、建物の耐震化、不燃化や狭隘道路の拡幅整備に弾みをつけ、木造住宅密集地域や狭隘道路の解消につなげてまいりたいと考えております。  次に、各家庭での防災力の強化に関するお尋ねでございます。  首都直下地震などの大規模災害が起きた際は、まず自分と家族の命を守ることが大切であると、過去の震災の経験を踏まえて、改めて感じているところでございます。みずからの命があって初めて、地域での助け合いなど共助の取り組みにつながるものと存じます。  火災危険度の高い木造住宅密集地域においては、各家庭で火災を発生させないことが、大規模災害の抑止に欠かせないものと考えております。したがいまして、区では、このような地域を対象として、震度5強以上を感知した場合にブレーカーを遮断する簡易型感震ブレーカーの設置を支援することといたしました。これは区議会の公明党の皆さんからの御提案でもございます。みずからの家から火を出さないことが、結果として地域が火災に強いまちになるという意識を高め、各家庭での防災力の強化につなげてまいりたいと存じます。今後もあらゆる手段を駆使して、木造住宅密集地域の安全性を高めていく所存であります。  次に、集中豪雨対策に関する御質問でございます。  豪雨による浸水被害から区民の暮らしを守るために、豪雨対策は一刻も早く進めなければならない喫緊の課題であります。これまでに河川や下水道整備の促進を東京都に要請してきた結果、善福寺川、神田川では、環状7号線地下調節池の完成以後、上流に向けて河川整備が行われるなど、大きく前進してまいりました。さらに、時間雨量75ミリへの対応も視野に入れて、善福寺川上流域での調節池の整備や、下水道幹線の増強を東京都に求めているところであります。  また、近年の集中豪雨では、局所的に浸水被害が発生しておりまして、地域の実態に応じた水害多発地域対策も講じてまいりました。想定を超える豪雨は必ず起こるとの考えのもとで、洪水ハザードマップなどを活用した事前準備の周知を図るとともに、速やかな避難行動を促すための適切な避難勧告等の発令を行うなど、ハード、ソフト両面から、浸水被害の軽減に向け、全力で取り組んでまいります。  次に、新杉並清掃工場と今後の清掃事業についての御質問でございます。  杉並清掃工場は、東京の清掃事業のあり方を根本的に問い直す契機となった和解条項のもと、昭和58年の操業以来、正用記念財団を初めとする地域住民の理解と御協力によりまして、約30年間、安定的に稼働してまいりました。老朽化により建てかえ工事に入りまして、来年秋に竣工する予定となっております。  新工場は、最新技術を取り入れた焼却炉と、旧工場の4倍の能力を持つ発電機などが設置されるとともに、屋上や壁面の緑化、太陽光発電設備など、環境にも十分配慮されております。また、ウオーキングロードや工場建設の歴史を伝える資料室、さらに足湯の設置など、地域に溶け込み、地域に信頼される清掃工場として生まれ変わる予定となっております。  また、新工場稼働後は、他区の工場へのごみの搬入がなくなることから、経費を削減し、収集作業の効率化を図り、区民サービスの向上に一層努めてまいります。  区といたしましては、今後とも、新杉並清掃工場が地域住民の理解を得ながら安定的な稼働ができるよう最善を尽くすとともに、区民生活を下支えする、環境に優しい清掃事業を推進してまいります。  最後に、広報に関するお尋ねにお答えいたします。  私は、区政の情報発信の強化は、区民と区が課題を共有しながら区政を推進していくという協働の基盤づくりの観点から、極めて重要な課題であると認識をいたしております。私は、従来の広報は、情報量は多いものの、その内容がわかりづらく、区民に対して、区のメッセージが必ずしも十分に伝わっていなかったのではないかと率直に感じております。これからは、情報の受け手である区民に響く情報発信に十分意を尽くさねばなりません。そのためにも、専門家の知見を取り入れることで、区の広報活動を大胆に見直していく必要があると考えております。  そこで、広報専門監を民間から登用し、広報紙の見直しを初め、区公式ホームページ、SNS等の多様な広報媒体の効果的な活用、さらには今後の広報活動の指針ともなる広報戦略の策定等に取り組んでいただき、区政の情報発信のさらなる強化を図ってまいります。  次に、専門性を持つ民間人を採用してきたことへの評価についてでありますが、私は、高度化する行政課題に的確に対応していくためには、専門家の力を活用することが必要であると考えております。今般の広報専門監の登用は、まさにそうした考え方に基づくものでありますし、この間御指摘のあった各分野においても専門家を登用し、例えば資金運用の面では、基金管理監の関与のもと、着実に成果を上げてきたところでございます。  今後とも、必要に応じ、専門家の力をおかりしながら、区政の課題解決に向けて力を尽くしてまいりたいと考えております。  私からは以上です。残りの御質問につきましては、教育長より御答弁申し上げます。 ○議長(はなし俊郎議員) 教育長。       〔教育長(井出隆安)登壇〕 ◎教育長(井出隆安) 教育委員会所管のお尋ねにお答えをいたします。  まず、地域と連携協働する学校づくりに関する御質問にお答えをいたします。  私は、教育長に就任して以来約10年にわたり、「いいまちはいい学校を育てる~学校づくりはまちづくり」という考えのもと、地域運営学校の指定、学校支援本部の全校設置など、計画的に進め、これらの取り組みを核として、地域と連携協働する学校づくりを着実に進めてまいりました。  こうした地域と学校のあり方については、昨年4月に国の中央教育審議会の議題に取り上げられることになり、私も、同審議会のもとに設置された学校地域協働部会の委員として参画をいたしました。  御指摘の「次世代の学校・地域」創生プランは、同審議会が9カ月にわたる審議の結果、去る12月に提出した答申を具体化するための計画であり、その方向性は、本区がこの10年間取り組んできた流れに沿って、今後全国的に展開を図っていくというものになっております。  教育委員会といたしましては、こうした本区の取り組みに対する評価を踏まえ、今後とも地域運営学校の全小中学校への指定拡大や、学校支援本部に対する活動支援の充実等を一層進め、「共に学び共に支え共に創る杉並の教育」の実現に向け、地域と連携協働する学校づくりに邁進してまいりたいと考えております。  次に、仮称就学前教育センターに関する御質問にお答えをいたします。  幼児期は、生涯にわたる人格形成の基礎を培う上で極めて重要な時期であり、全ての幼稚園、保育所等での就学前教育施設において、質の高い幼児教育を展開することが求められております。そのためには、何よりも保育者の力量を高めていくことが不可欠であり、私立幼稚園連合会や私立保育園連盟等の関係者の意見を聞きながら、区立、私立の実態に応じて、より効果的で体系的な研修体系等を整備していくことが必要です。  また、近年では、区立、私立を問わず、発達障害を有する児童が増加をしている中で、集団教育を通して在園児の成長、発達を促すための、より効果的な教育をいかに提供していくかが大きな課題となっております。  このため、区といたしましては、仮称就学前教育支援センターを整備し、新たに若年保育者に対する研修及び出前指導を実施するなど、区立、私立の保育者に対する幼児教育研修をより充実するとともに、増加している発達障害等を有する幼児等への適切な対応を図るため、教育相談体制や専門職による各施設への巡回指導を充実してまいる考えでございます。  このほか、幼児教育に関する調査研究や家庭教育の支援など、新たなセンターを拠点として、総合的かつ一体的な教育的支援を展開し、区全体の幼児教育の質を一層高めていく考えでございます。  次に、高円寺地域の小中一貫教育校など、学校施設整備についてのお尋ねにお答えをいたします。  学校は、子供たちにとって大切な教育の場でありますが、それと同時に、地域のまちづくりやコミュニティーの核となる重要な公共施設であると考えております。こうした認識から、これまで校舎改築等を進めるに当たっては、計画策定前の段階から保護者や学校関係者、地域の方々との意見交換を重ねるとともに、計画案のパブリックコメントや地元説明会の実施等を通して合意形成を図りながら計画化しているものでございます。さらに、計画策定後におきましても、関係者等で構成する検討懇談会を開催しつつ基本設計を進めるなど、丁寧に進めてきております。  しかしながら、大規模な建物である学校施設は、周辺への日影や圧迫感など、地域の生活環境に一定の影響を与えることから、計画の推進に関してはさまざまな意見、要望があることは、御指摘のとおりでございます。そのため、教育委員会といたしましては、今後とも寄せられた意見、要望の一つ一つを真摯に受けとめ、実施設計や工事に際して、可能な限りきめ細やかな配慮を行い、改築等の後も引き続き地域に愛され親しまれる学校となるよう、適切な対応に努めてまいりたいと存じます。  次に、小学校における特別支援教室の設置に関する御質問にお答えをいたします。  特別支援教室は、現在の情緒障害通級指導学級にかえて、全小学校に特別支援のための教室を設置し、巡回指導の拠点校から教員が複数校に出向いて対象児童を指導するシステムです。これによるメリットとしましては、通級指導学級待機児童の解消と潜在的な需要への対応が見込めることに加え、巡回指導教員と学級担任との一層の連携による指導の充実や、通級指導学級への移動に伴う負担がなくなる等がございます。  教育委員会では、この特別支援教室の設置に当たり、何よりも大切なことは、これまでの通級指導学級における指導をいかに継承・発展させるかということと捉えております。このため、拠点校及び複数校による巡回指導エリアは、従来の5カ所の通級指導学級のエリアと同様に設定することとし、指導に当たる教員と児童との信頼関係や指導内容を基本的に引き継いでいける環境を確保いたします。また、初年度となる平成28年度は1カ所のエリアで実施し、以降3年間をかけて、各年度の実施状況等を踏まえた必要な改善を図りながら、順次、5カ所全てのエリアで実施を図ることとしてございます。  このように、特別支援教室の設置を丁寧かつ段階的に進め、通級指導学級で培ってきた特別支援教育を一層発展させてまいりたいと存じます。  次に、次世代型科学教育事業に関する質問にお答えをいたします。  近年のICTやデジタル技術の発達により、区民に身近な場所で科学教育事業を行う環境が整ってきております。これらの状況を踏まえて、区では、常に最先端の科学を提供し、子供から大人まで世代を超えて、身近な学校や施設等で科学に親しみ、学ぶことができる次世代型科学教育を一層推進することといたしました。  今年度から実施している出前型、ネットワーク型の科学教育事業は、小中学校への理科出前授業のほか、区内のイベント等とタイアップした移動式プラネタリウムや、企業等との連携によるフューチャーサイエンスクラブなど、区民に身近な施設等において、これまで以上に充実した内容で実施いたしました。これらの事業に参加された方々からは、総じて好評を得ているところでございます。  今後の次世代型科学教育の展開につきましては、これまでの実績等を踏まえながら、小中学校理科出前授業のさらなる充実を図ることに加え、サイエンスフェスタやワークショップなど、区民に身近な場所で科学に関する多様な体験や、参加者同士が交流できる機会を一層充実してまいります。  また、こうした事業展開の核となる新たな科学教育の拠点づくりにつきましても、昨年、専門事業者に委託して取りまとめた調査研究業務報告書を土台として、科学教育関係団体等との意見交換を積極的に行いつつ、区としてのさらなる検討を進め、来年度に改定を予定している実行計画等の中で計画化を図ってまいりたいと考えております。  最後に、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会を視野に入れたスポーツ振興の基盤づくりに関する御質問にお答えいたします。  区では現在、ハード面の取り組みとして、より多種多様なスポーツに活用できるよう、新たに小体育室を設けた妙正寺体育館の改築や、23区で初となる国際規格のビーチコートを併設した永福体育館の移転改修を進めています。また、ソフト面の取り組みでは、日ごろスポーツを行っていない人や、近い将来始めようと思っている人を対象とするスポーツ始めキャンペーンを開始したり、各体育施設の指定管理者による運営を通して、スポーツ事業の充実等に取り組んできております。  今後とも、ハード、ソフトの両面によるスポーツ振興の基盤づくりを積極的かつ着実に推進してまいりたいと存じます。あわせて、御指摘にありました東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた、より一層積極的な取り組みにつきましても、今後、区長部局と十分連携しながら検討してまいります。  私からは以上です。 ○議長(はなし俊郎議員) 以上で杉並区議会公明党の代表質問を終わります。  以上で日程第5を終了いたします。  議事日程第1号は全て終了いたしました。  本日はこれにて散会いたします。                                午後5時11分散会...