杉並区議会 > 2012-09-26 >
平成24年第3回定例会−09月26日-17号
平成24年決算特別委員会−09月26日-05号

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  1. 杉並区議会 2012-09-26
    平成24年決算特別委員会−09月26日-05号


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    平成24年決算特別委員会−09月26日-05号平成24年決算特別委員会  目   次 委員会記録署名委員の指名 ……………………………………………………………… 7 決算審査  認定第1号〜認定第4号   一般会計歳出第1款〜第3款・第8款に対する質疑応答   共に生きる杉並    木梨もりよし委員 ………………………………………………………………… 7   杉並区議会自由民主党    大和田 伸委員 ……………………………………………………………………11    大泉時男委員 ………………………………………………………………………22    富本 卓委員 ………………………………………………………………………29    田中ゆうたろう委員 ………………………………………………………………36    斉藤常男委員 ………………………………………………………………………41    浅井くにお委員 ……………………………………………………………………49   一般会計歳出第4款・第6款、国民健康保険事業会計、介護保険事業会計、後期高齢者医療事業会計に対する質疑応答   民主・社民クラブ
       山本あけみ委員 ……………………………………………………………………53    市来とも子委員 ……………………………………………………………………59    河津利恵子委員 ……………………………………………………………………63   日本共産党杉並区議団    くすやま美紀委員 …………………………………………………………………75    原田あきら委員 ……………………………………………………………………82    山田耕平委員 ………………………………………………………………………87              決算特別委員会記録第5回  日   時 平成24年9月26日(水) 午前10時 〜 午後4時42分  場   所 第3・4委員会室  出席委員  委 員 長  大 槻  城 一     副委員長  大 熊  昌 巳  (47名) 委  員  松 浦  芳 子     委  員  新 城  せつこ        委  員  堀 部  やすし     委  員  すぐろ  奈 緒        委  員  そ ね  文 子     委  員  横 田  政 直        委  員  山 田  耕 平     委  員  市 来  とも子        委  員  木 梨 もりよし     委  員  佐々木    浩        委  員  けしば  誠 一     委  員  山 本  ひろこ        委  員  奥 山  たえこ     委  員  小 松  久 子        委  員  藤 本  なおや     委  員  岩 田  いくま        委  員  大和田    伸     委  員  田 中 ゆうたろう        委  員  富 田  た く     委  員  金 子 けんたろう        委  員  山 本  あけみ     委  員  山 下 かずあき        委  員  増 田  裕 一     委  員  中 村  康 弘        委  員  北    明 範     委  員  川原口  宏 之        委  員  市 橋  綾 子     委  員  今 井  ひろし        委  員  浅 井  くにお     委  員  脇 坂  たつや        委  員  吉 田  あ い     委  員  原 田  あきら        委  員  くすやま 美 紀     委  員  鈴 木  信 男        委  員  安 斉  あきら     委  員  小 川  宗次郎        委  員  河 津  利恵子     委  員  渡 辺  富士雄        委  員(副議長)           委  員  横 山  え み              島 田  敏 光        委  員(議 長)           委  員  富 本    卓              井 口  かづ子        委  員  大 泉  時 男     委  員  斉 藤  常 男        委  員  小 泉  やすお  欠席委員   (なし)        一般会計歳出第1款・第2款・第3款・第8款に対する質疑応答  出席説明員 区長      田 中   良   副区長     松 沼 信 夫        副区長     菊 池   律   教育長     井 出 隆 安        代表監査委員  小 林 英 雄   政策経営部長  牧 島 精 一        情報・法務担当部長         企画課長    白 垣   学                関 谷   隆        行政管理担当課長朝比奈 愛 郎   政策経営部副参事(特命事項担当)                                  伊 藤 慈 生        財政課長事務取扱政策経営部参事   情報政策課長  本 橋 宏 己                森   雅 之        政策法務担当課長齊 藤 俊 朗   情報システム課長松 川   泉        営繕課長施設整備担当課長      総務部長    宇賀神 雅 彦        事務取扱政策経営部参事                大 竹 直 樹        総務課長    有 坂 幹 朗   秘書課長    松 沢   智        職員課長    手 島 広 士   定数・組織担当課長                                  後 藤 行 雄        人材育成課長  阿 部 吉 成   経理課長    和久井 伸 男        広報課長    都 筑 公 嗣   区政相談課長  馬 場 誠 一        危機管理室長  井 山 利 秋   危機管理対策課長寺 嶋   実        地域安全担当課長小知和 信 康   防災課長    高 山   靖        区民生活部長  森   仁 司   区民生活部管理課長男女共同参画                          担当課長事務取扱区民生活部参事                                  中 村 一 郎        区民課長    大 井   進   地域課長    井 上 純 良        区民生活部副参事(西荻地域担当)   区民生活部副参事(荻窪地域担当)                天 海 和 彦           安 藤 利 貞        区民生活部副参事(阿佐谷地域担当)  区民生活部副参事(高円寺地域担当)                岡 本 幸 子           諸 角 純 子        区民生活部副参事(永福和泉地域担当) 協働推進課長  畦 元 智惠子                河 合 義 人        課税課長    大 林 俊 博   納税課長    阿出川   潔        文化・交流課長 幸 内 正 治   産業振興センター所長                                  佐 藤 博 継        産業振興センター次長        電子地域通貨担当課長                安 尾 幸 治           岡 本 勝 実        保健福祉部長  長 田   斎   高齢者担当部長 渡 辺   均        子ども家庭担当部長         健康担当部長杉並保健所長                徳 嵩 淳 一           深 澤 啓 治        保健福祉部管理課長         児童青少年課長 伊 藤 宗 敏                高 橋 幸 生        地域保健課長  大 澤 章 彦   都市整備部長  小 町   登        まちづくり担当部長         都市再生担当部長岩 下 泰 善                大 塚 敏 之        土木担当部長  加 藤   真   都市計画課長事務取扱都市整備部参事                                  渡 辺 幸 一        環境部長    井 口 順 司   環境課長    内 藤 友 行        会計管理室長  上 原 和 義   会計課長事務取扱会計管理室参事                                  南 雲 芳 幸        教育委員会事務局次長        学校教育担当部長玉 山 雅 夫                吉 田 順 之        生涯学習スポーツ担当部長      庶務課長    北 風   進                本 橋 正 敏        学校支援課長  青 木 則 昭   中央図書館長  武 笠   茂        選挙管理委員会委員長        選挙管理委員会事務局長                河 野 庄次郎   事務取扱選挙管理委員会事務局参事                                  根 本 信 司        監査委員事務局長佐 野 宗 昭   監査委員事務局次長                                  片 山 康 文
           一般会計歳出第4款・第6款、国民健康保険事業会計介護保険事業会計後期高齢者医療事業会計に対する質疑応答  出席説明員 区長      田 中   良   副区長     松 沼 信 夫        副区長     菊 池   律   教育長     井 出 隆 安        代表監査委員  小 林 英 雄   政策経営部長  牧 島 精 一        情報・法務担当部長         企画課長    白 垣   学                関 谷   隆        行政管理担当課長朝比奈 愛 郎   財政課長事務取扱政策経営部参事                                  森   雅 之        政策法務担当課長齊 藤 俊 朗   営繕課長事務取扱政策経営部参事                                  大 竹 直 樹        総務部長    宇賀神 雅 彦   総務課長    有 坂 幹 朗        職員課長    手 島 広 士   定数・組織担当課長                                  後 藤 行 雄        経理課長    和久井 伸 男   危機管理室長  井 山 利 秋        区民生活部長  森   仁 司   区民生活部管理課長                          事務取扱区民生活部参事                                  中 村 一 郎        産業振興センター所長        保健福祉部長  長 田   斎                佐 藤 博 継        高齢者担当部長 渡 辺   均   子ども家庭担当部長                                  徳 嵩 淳 一        健康担当部長杉並保健所長      保健福祉部管理課長                深 澤 啓 治           高 橋 幸 生        国保年金課長  末 木   栄   障害者施策課長 武 井 浩 司        障害者生活支援課長         高齢者施策課長 田部井 伸 子                塩 畑 まどか        高齢者施設整備担当課長       高齢者在宅支援課長        事務取扱保健福祉部参事               植 田 敏 郎                田 中   哲        介護保険課長  伴   裕 和   子育て支援課長 原 田 洋 一        子ども家庭支援担当課長                小 松 由美子   保育課長    出 保 裕 次        子供園担当課長教育委員会      保健福祉部副参事(子供園担当)        事務局副参事(特命事項担当)     教育委員会事務局副参事                正 田 智枝子   (特命事項担当)                                  寺 井 茂 樹        児童青少年課長 伊 藤 宗 敏   杉並福祉事務所長事務取扱保健                          福祉部参事                                  加 藤 貴 幸        高円寺事務所担当課長        高井戸事務所担当課長                小 峰   孝           山 崎 佳 子        地域保健課長  大 澤 章 彦   健康推進課長  田 村 道 子        生活衛生課長  神 保 哲 也   保健予防課長荻窪保健センター所長                                  坂 野 晶 司        高井戸保健センター所長       高円寺保健センター所長        和泉保健センター所長        上井草保健センター所長                宮 本 謙 一           水 口 千 寿        都市整備部長  小 町   登   まちづくり担当部長                                  大 塚 敏 之        都市再生担当部長岩 下 泰 善   土木担当部長  加 藤   真        都市計画課長事務取扱都市      環境部長    井 口 順 司        整備部参事                渡 辺 幸 一        環境課長    内 藤 友 行   地域エネルギー対策担当課長                                  木 浪 るり子        放射能対策担当課長         ごみ減量対策課長鈴 木 雄 一                森 田 師 郎        杉並清掃事務所長武 田   護   杉並清掃事務所方南支所担当課長                                  山 本 昌 弘        会計管理室長  上 原 和 義   会計課長事務取扱会計管理室参事                                  南 雲 芳 幸        教育委員会事務局次長        学校教育担当部長                吉 田 順 之           玉 山 雅 夫        生涯学習スポーツ担当部長      庶務課長    北 風   進                本 橋 正 敏        特別支援教育課長          中央図書館長  武 笠   茂                末 久 秀 子        監査委員事務局長佐 野 宗 昭   監査委員事務局次長                                  片 山 康 文  事務局職員 事務局長    与 島 正 彦   事務局次長事務取扱区議会事務局参事                                  和久井 義 久        議事係長    野 澤 雅 己   担当書記    上 野 和 貴        担当書記    森 田 龍 一   担当書記    小 野 謙 二        担当書記    浅 野   純   担当書記    岸 本   彩        担当書記    奥 原 悠 太 会議に付した事件  付託事項審査   決算審査    認定第1号 平成23年度杉並区一般会計歳入歳出決算    認定第2号 平成23年度杉並区国民健康保険事業会計歳入歳出決算    認定第3号 平成23年度杉並区介護保険事業会計歳入歳出決算    認定第4号 平成23年度杉並区後期高齢者医療事業会計歳入歳出決算   (1) 一般会計歳出第1款・第2款・第3款・第8款………………………質疑応答   (2) 一般会計歳出第4款・第6款、国民健康保険事業会計、介護保険事業会計、後期高齢者医療事業会計      ……………………………………………………………………………質疑応答                             (午前10時    開会) ○大槻城一 委員長  ただいまから決算特別委員会を開会いたします。  《委員会記録署名委員の指名》 ○大槻城一 委員長  初めに、本日の委員会記録署名委員をご指名いたします。脇坂たつや委員にお願いいたします。  《決算審査》   認定第1号 平成23年度杉並区一般会計歳入歳出決算   認定第2号 平成23年度杉並区国民健康保険事業会計歳入歳出決算   認定第3号 平成23年度杉並区介護保険事業会計歳入歳出決算   認定第4号 平成23年度杉並区後期高齢者医療事業会計歳入歳出決算
        一般会計歳出第1款・第2款・第3款・第8款に対する質疑応答 ○大槻城一 委員長  前回に引き続き、一般会計歳出第1款議会費、第2款総務費、第3款生活経済費、第8款職員費に対する質疑を続行いたします。  共に生きる杉並の質疑に入ります。  それでは、木梨もりよし委員、質問項目をお知らせください。 ◆木梨もりよし 委員  基金と区債の発行、東北地方太平洋沖地震等の被災者支援、民営化宿泊施設維持管理、公会堂PFI事業、プレミアム商品券事業、区内の給与所得者と区職員の給与の比較等。どこまで行けるか、1問で終わっちゃうかもしれないけれども。  時間に制限がありますので、余り余計な話は抜きにしまして、よろしくお願いします。  まず、基金と区債の発行についてでございますけれども、これも大分議論がありましたけれども、借金も金利がなければいいんだけれども、金利がかさむとだんだんいろいろ圧迫してくるということで、これまで借金を繰り上げ返済等してきたんじゃないかなと。福沢諭吉先生も世の中に借金ほど怖いものはないということで、昔、借金で女房子どもを取られちゃったとか、どこかそういうような時代もあったやに思いますけれども。  いずれにしても、基金については預けるわけですから利息がつくわけでして、これまで繰り上げ返済で、基金に積んでいての金利よりも繰り上げ返済の金利、借りていた分の金利のほうが安かったのはあるのかどうか。逆ざやというんでしょうか、そういうものがこれまであったのかどうか、ちょっとお聞かせいただきたいと思います。 ◎財政課長 基金に積んでいる金利よりも借りているのが低い場合があったか、過去にはそういう例もございました。 ◆木梨もりよし 委員  これは私は問題だと思うんですね。金利の高いものを基金を取り崩して繰り上げ返済するということはいいんですけれども、安ければ、借りていればそっちのほうがいいわけで、基金にそのまま積んでおいたほうがいいわけでございまして、これはどうしてそうなったんでしょうか。 ◎政策経営部長 これまでの間の起債の償還、特に繰り上げ償還を加速していったということなんですが、それは金利に応じて高い金利からとか低い金利からということではなくて、起債の種類ですね、減税補てん債という赤字債からできるだけ償還していく、そういうかつての方針に基づいて償還してきたという経過はございます。 ◆木梨もりよし 委員  借金に色か何かついているわけじゃありませんので、普通考えると、金利の安い、貯金していたほうが、取り崩さないほうが区にとって有利であるということを、何でそんなことをしたんでしょうか。 ◎政策経営部長 確かに委員ご指摘のとおり、当時、起債繰り上げ償還をしたその区債よりも金利の高いものがございました。ですから、そちらのほうを仮に償還していれば、それはそれだけの財政効果といいますか、それはあったはずでございますけれども、先ほど申し上げましたように、赤字債から繰り上げ償還をする、そういう政策方針があったということで行った結果でございます。 ◆木梨もりよし 委員  その政策方針は正しかったんでしょうか。 ◎副区長(松沼) かつて木梨委員から、いろいろ議論をしていたときに、同じような趣旨の質問を受けた記憶が今でも残っています。その当時、確かに借金に色はないということはそうなんですが、あえてそれは政治的というか、借金の趣旨、目的といいますか、それからいうと、減税補てん債、赤字債は本来立てるべきでないものであり、早期に返すべきものだというような考え方で返したということで、それが今委員がおっしゃっているように、どちらが本当に財政的、経済的なメリットがあったのかどうかという議論ではなくて、そういう考え方でお答えをしていた。それが誤っていたのかどうかというご質問ですが、以上の答弁の趣旨をお酌み取りいただきたいと思います。 ◆木梨もりよし 委員  今、副区長からお話がありまして、その趣旨を酌み取ってということで、何か合点がいきませんので、今後そういうことのないように、区民に不利益を与えるようなことは絶対にしないように、ひとつよろしくお願いしたいと思います。  せんだってから、基金をどれだけ積み立てたらいいのかという議論もありましたけれども、私が一般の家庭に例えると、家庭に例えていいのかとか悪いのかとかいろいろ議論がありましたけれども、私は一般の家庭に例えていいんじゃないかなと思うんですよね。例えば500万で1年間生活している家庭が、どれだけの貯金があったらいいかというと、私は1年分ぐらいあってもいいんじゃないかなというふうに思うので、500万ぐらいの貯金があってもいいんじゃないかなというふうに思います、普通常識的に。私の常識が間違っているかどうか、私の感覚でございますので。  ですから、杉並区で一般会計でいきますと、大体1,500億円ぐらい前後して一般会計の予算規模があるわけでございますので、大体1,500億ぐらいの貯金はあってもいいのかなと。これが戦争のときだとか災害で直下型地震が起きちゃった後とか、非常事態の場合は別ですけれども、尖閣の問題とか非常時だとか言っているけれども、それは大したことじゃないけれども、要するに戦争や直下地震よりはまだ被害が少ないわけでございまして、そういうことを考えていきますと、やはり平常時においては1年分ぐらいの基金が必要ではないかなというふうに思いますけれども、その辺のお考えはどうでしょうか。 ◎区長 一般論として、そういう考え方であれば、お金はたくさんためていたほうが安心だと、それはそうだというふうに思うんですね。ただ、私、常々バランスということを申し上げているのは、ちょっとこういう例を引くと適切ではないかもしれないけれども、例えば──ちょっとその例はやめましょう。(笑声)  やはり行政需要との見合いというのはあると思うんですよ。どういう行政需要があるのか、将来出てくるのか。今の行政需要、それから将来の行政需要、これをどういうふうに把握するかということをまずやらなきゃいけない。  それから、私は、幾らためておけばいいのかということについて、公式というのはないと思っているんですよ。過去の経験というものを踏まえながら、ある程度この程度でというところで広範な合意が形成できるようなところが、結局バランスということになるのかなと思うんですが、そういうことを申し上げた上で、過去のことを言うと、例えば、先日答弁をいたしましたけれども、都財政でいえば、バブルのピークから落ち込みまで、かなり短期間に1兆円の税収の格差というものが生じました。杉並は、最近、私区長になってこの十数年を見ると、区税収入も60億とか70億ダウンする。それから、当然リーマンショックが都財政にも影響する。そうすれば、特別区の財調交付金も反映されるということですから、それも50億前後少なくなっていく。だから、大体100億ぐらいは波が現に起こっているんですね、この10年ぐらいの間で。ということは、景気は右肩下がりがずっと続いている。今後、将来もずっと続くかどうか、それは神のみぞ知るですが、極端に落ちるとしても、100億ぐらいは3年から5年ぐらいの間でぐっと税収が落ちるということは、十分これは将来もあり得るわけです。ですから、そういうことと、現にある行政需要と見合いながら財政を考えていかなきゃいけない。  もう1つは、厳しい財政のときに行政に求められる役割というのは一体何なんだろうか。世の中が厳しい、つまりここでいえばデフレですよね。要するにあした値上がりするかもしれないからきょうのうち買おう、これがインフレですよね。あしたを待てばもっと安くなるかもしれないからきょうは買い控えておこう、これがデフレですよね。そういうデフレ不況がずっと続いているという状況の中において行政に求められること、つまり民需が出てこないということになった場合には、どうしても、例えば公共事業を前倒しせよとか緊急経済対策をやれとか、既存の施設の建て替え計画なり何なりをきちっとやっていけということは、経済対策としても求められるし、行政としてもそれにこたえていかなきゃならない。かつ、景気が落ち込めば社会保障の部分で支出が増えていく。つまり、世の中の動きが停滞すればするだけ行政需要が一定程度増えていく、必要になってくるという現実もあるわけです。その中で厳しい、締めなきゃいけないところは締めなきゃ、締められる部分は締めなきゃいけない。しかし、行政として責任を果たして、世の中が活性化する方策を打っていかなきゃならないという現実もある。  ですから、そういうことが我々の役割としてあるんだということで、そういうことができるだけいろいろな幅でやることができるような財政構造というものを常にキープしていくということが大事で、その1つの方法として基金があるんだということです。ですから、極端に、起債は絶対だめだというのも間違い。起債をいっぱい何でもすればいいというのも間違い。基金についても、極端に何でも何でもためておけばいいんだというのも、現実にそうはならないと思いますけれども、そういう発想もちょっと行き過ぎだけれども、基金を全部取り崩して、何でもかんでも使ってしまえというのも間違い。だから、そういう今申し上げたようなバランスの中で財政を運営していくということが大事なんだ。  それを過去数年振り返ってみると、そのバランスを極端に欠いたという時期があった。それは減税という構想をぶち上げる。そのために、ある意味で普通のノーマルな、オーソドックスな財政運営の手法というものを放棄したというか、そのツケが基金の今の枯渇という状況に反映している。そこはこれから立て直していかなきゃならない。そういう考え方のもとに、大体の目安として五、六百億ぐらいは基金があったほうがいいなということで、ルールとして定めているというのが今の状況だということでご理解ください。 ◆木梨もりよし 委員  確かに区長がおっしゃるように、厳しい時代のやりくりでございますからと思いますけれども、結局、平常時基金にどれだけあったらいいかということは、私の言っていることも、そういう判断もあるんじゃないかなと思います。ただ、私は、今の行政需要の中で、今区長がおっしゃったように、行政需要が非常に喫緊の課題もあるということで、よく答弁の中にも、命にかかわるものはやっていくんだと。例えば高齢者の介護にしても、それから子育て支援でも、働かなきゃ食っていけないし生きていけないんですから、保育園をどんどんどんどん、そちらに重点を置くとか、命にかかわるものを、施策もある程度取捨選択をしていかないと、これから非常に厳しくなるんじゃないか。区長のおっしゃることもよくわかり、バランスを考えながら、喫緊の課題にもぜひこたえ、基金のほうもひとつよろしく、バランスよくやっていただければと思います。 ◎区長 せっかく短い時間の中でご質問なので、できるだけ丁寧に、先輩にはご答弁をさせていただきたい、こう思っているんです。  今のご指摘は非常に大事で、人の一生というのは、こっちの都合で引き延ばしたりできないわけですね。運命というものはそれぞれの人にあるかもしれないけれども、現にそこで生きている、生活をしている人たち、ここをどうやってきちっと守っていくかということが一番大事なことだと思います。  その中でも、社会的な弱者、障害を持っていらっしゃる方とか、あるいは母子家庭とかそういう家庭環境もあるし、それから何といっても、今の時代は4人に1人は高齢者ということですから、高齢者の対策、介護とか医療も含めて受け皿、そういう部分については、物すごく行政需要が固まって出てきている、これはもう間違いないことなんです。ですから、幾らいろいろなことを言って、選択できる福祉だとかと理想を書いても、選択する施設もメニューも現に足りてない、まだまだ足りてないというのが私の思いでは実感です。それから若年層の保育園のことだと思いますけれども、それも現に足りてない。つくればつくるほど、まだ潜在的に需要がある。そこはどこまで頑張れるか。どこまで頑張れるかというのは、ある意味で我々の基礎自治体の一番大事なところで、それを頑張れるような財政構造をキープしていくということを常に念頭に置いてやっていかなきゃならないというふうに思っています。 ○大槻城一 委員長  以上で共に生きる杉並の質疑は終了いたしました。  杉並区議会自由民主党の質疑に入ります。  それでは、大和田伸委員、質問項目をお知らせください。 ◆大和田伸 委員  まず1つ目が、災害時相互援助協定を含めた自治体間交流、関連して阿波踊りをお聞きします。資料ナンバーは397、403を使います。2つ目が、電子地域通貨事業についてお伺いをいたします。  まず、阿波踊りを絡めて、自治体間交流についてお伺いをいたします。  まず、ことしで56回目を迎えました東京高円寺阿波踊りに関しまして、区長も踊り手として参加をしていらっしゃいましたけれども、各種データを踏まえ、区の総括をお伺いいたします。 ◎産業振興センター次長 今年度の阿波踊りの総括というお話ですが、来場者数は約100万人、参加連数は153連、踊り手数が9,952人という、区内最大の規模のイベントでございました。これは振興協会が主催してございますけれども、振興協会を初めとして、警察、消防、関係団体の連携協力のもとに、混乱もなく、かつ安全・安心が確保された中で成功裏に開催できたものと考えております。 ◆大和田伸 委員  ことしも開催時間を従来よりも1時間前倒しをして開催がされました。その1時間前倒しした背景には、節電のほか、主催者側としてどのような思いというか、目的というか、ねらいというか、どういったものがあると区はとらえているのか。  また、共催でもある杉並区も、この主催者側と同様の思いを共有しているということでよろしいでしょうか。 ◎産業振興センター次長 1時間前倒しで、従来6時−9時だったものを、ことし5時−8時にいたしました。このねらいは、100万人という来場者の方がおりますので、できる限り多くの来場者の方に、阿波踊りを見るだけではなくて、地元商店街を利用していただきたい、そういった思いであると聞いております。  区といたしましても、節電効果であるとか、それから帰路にJRあるいは地下鉄に向かう来場者の分散も図られておりますし、交通混雑の解消にもつながっているというところから、非常に賛同しているところでございます。 ◆大和田伸 委員  確かに前倒しをして、来場者の数は多少減少はしているということなんですけれども、今おっしゃった産業振興の部分ですとかで、地元の評判というのはそこそこだということは私もとらえております。  次に、ここ数年、阿波踊りを通じて、高円寺と阿波踊りの本場であります徳島市との交流が非常に盛んになっているというふうなことを聞いております。区はそのあたりをつかんでいらっしゃるのでしょうか。 ◎文化・交流課長 徳島市と高円寺の交流の状況でございますが、現在では高円寺と本場徳島の連との間で姉妹連、それから友好連を結んでおりまして、その数が10組を超えているというふうに聞いております。また、ここ数年では、高円寺の飲食店が徳島産のスダチの提供を受けたり、徳島市議団の訪問や、昨年は徳島市長が杉並区に来られ、またことしも訪問されていると聞いております。 ◆大和田伸 委員  まさに今おっしゃったことは、これまで徳島あるいは高円寺、双方の踊り子同士の交流のたまものであると言えます。近年では徳島出身の在京の大学生との連携も行っているというふうに聞きます。  今、徳島市議団の方のお話が少し出ましたけれども、これまで徳島県あるいは徳島市とは、行政レベルで杉並区と何か接点等はあったのかお示しください。 ◎文化・交流課長 杉並区と徳島市の行政レベルでのこれまでの接点というのはございません。 ◆大和田伸 委員  ここで視点を変えまして、区の災害時相互援助協定並びに文化交流と絡めてお伺いをさせていただきます。  区は、さきの予算特別委員会の答弁におきまして、災害時相互援助協定の締結先を今後もさらに増やしていきたい、スクラム支援をさらに充実をさせたい、そういった明言をされています。ゆえに区は、今後も必然的に文化交流と他の自治体との結びつきというものを強くしていく方針ということで、まず確認をさせてください。 ◎文化・交流課長 これまで災害時相互援助協定を締結した自治体とは、協定締結以前から、子どもたちの交流でありましたり、また物産販売、あるいは校外施設が所在するなどの交流が行われておりました。そうした交流の上に協定締結がされていたということでございまして、協定締結後はこうした交流の結びつきがより一層強くなっておりますし、また、強めていく必要があるというふうに考えております。 ◆大和田伸 委員  杉並区は今現在国内9つの自治体と提携を、防災協定ですけれども、結んでおります。この9つの数に関してなんですけれども、ほかの区と比べて多いから、少ないからという議論もまた乱暴だと思うんですけれども、杉並区が国内の自治体9つと結んでいるその数というのは、ほかの23区と比べてどうなんでしょう。逆に、23区で一番多く協定を結んでいる自治体というのは、幾つぐらいの自治体なんでしょうか。 ◎防災課長 23区、数はまちまちですけれども、一番多く結んでいるのが墨田区で、35自治体ぐらい結んでいる自治体もあります。(区長「どこだよ」と呼ぶ)墨田区です。 ◆大和田伸 委員  今墨田区の話が出ました。区長もどこだよという話なんですけれども、それは杉並区の9という数は、23区的に、順位というのは変ですけれども、数はどうなんですか。 ◎防災課長 もっと少ないところもありますし、数的には平均というぐらいな感じだと思います。 ◆大和田伸 委員  次に、これは以前からお聞きしてみたかったんですけれども、今9つの自治体と協定を結んでいますけれども、それは杉並区からアプローチをしているのか、それとも締結先から杉並区に対してアプローチがあったのか、そこら辺どうでしょう。 ◎防災課長 この2年間、昨年度3自治体、ことしは忍野村、南伊豆町というところに関しては、今お話もありましたけれども、日ごろの交流等を含めたこともありましたので、こちらのほうから働きかけを行ったところで締結に至ったということであります。 ◆大和田伸 委員  実際、協定を締結しても、いざというときの実効性というのが重要なんですけれども、そういったことを考えると、締結後の交流というものが必要不可欠であります。  そこで、確認のためにお伺いいたしますが、これら協定を締結した自治体とは日ごろどのように交流を行っているのか、お示しください。 ◎文化・交流課長 災害時の相互援助協定を締結している自治体との日ごろの交流内容でございますけれども、夏休みを利用した子どもたちの相互の交流事業、また、区民への農産物の紹介、物産展の開催、それから野球などのスポーツ交流、観光、学校給食への食材のあっせん、また、高円寺の阿波踊りへの交流自治体代表団の招待なども行っているところでございます。 ◆大和田伸 委員  おおむね、協定を結んでも交流は定期的に行っている、そういった認識でよろしいですね。  ただ、幾ら交流等の経緯があり、いわゆる防災協定締結に至ったとしても、これも当然のことながら、戦略なくしてただ数だけを増やしていけばよいというものでもまたないと思います。そこで、現時点における当区の防災協定締結先に関しまして、戦略的な視点から見ると、課題としてはどのようなことが挙げられるのか、改めてお伺いいたします。 ◎防災課長 東日本大震災でも、国や県を通じた垂直的な支援というのが十分に機能しない中で、基礎自治体の横のつながりによる水平的な支援というのが大きな力を発揮したところです。災害時の相互援助協定の締結というのも、そういった水平的な支援を広げるという意味で非常に大切なことであり、今、基礎自治体がちゅうちょなくそういった支援を行うための災害救助法の改正への取り組みなんかも含めて、区としては戦略的な課題だというふうに認識しております。 ◆大和田伸 委員  今るる質疑をさせていただきましたが、以上のことを踏まえて、私は、今、杉並区が正式に徳島市と自治体間で友好協定の締結を検討する時期が来ているのではないかというふうに考えております。区もさきの一般質問の答弁におきまして、自らのまちを自らの手で盛り上げる取り組みは、基本構想の実現にも見合うすばらしい取り組みであると、たしか久我山のホタル祭りを例に挙げて、こういった答弁をされていると思うんですけれども、すなわち、高円寺が阿波踊りを通じてこれまで深めてきた徳島市との関係を行政同士の関係にも深化、つまり深めて、結果、両自治体間でする協定締結となれば、文化、農産品、観光を通じての人的交流等、高円寺だけではなく杉並区全体にとっても大きなメリットを生む。さらにはそれが災害時相互援助協定にまで発展をすれば、先ほど指摘をした区の戦略にもかなう。まさに一石二鳥だと思うんですが、区の見解をお伺いいたします。 ◎区長 自治体間の交流ということにつきましては、今大和田委員がいろいろご指摘をいただきましたけれども、日ごろの交流の積み重ねというのがベースにありまして、そのたまものとして実を結ぶというものだと考えております。現在、高円寺と徳島市は阿波踊りを通して、区民と市民の阿波踊り交流とでもいいましょうか、そういった交流が進んでおりまして、また、食材の提供とか農産物関連のイベントの開催とか観光キャンペーンということも、民間ベースで盛んに交流が進んでいるというふうに聞いております。  今後は、高円寺の皆さんの声などもよく聞いてみたいと思いますが、相手のあることでもありますし、徳島市がどういう思いを持っているのかということも、あれば伺う必要があるのかなというふうに思っています。  いずれにしても、いろいろな形で交流が進んでいくことで地域が活性化するということは、大変うれしいことだというふうに思っています。 ◆大和田伸 委員  今区長から本当に前向きなご答弁をいただきました。ありがとうございます。  徳島市は、言うまでもなく県庁所在地であることはもちろんですが、伝統あるいは文化にも、歴史もそうです、非常にこういったものにあふれる自治体であります。ゆえに、これまでの自治体交流とはまた別の違った一面でプラスになると思いますし、実は阿波踊りにかかわる踊り子さんのレベルの話なんですけれども、既に踊り子さん同士では内々にこういったことで非常に盛り上がっていると。もちろんその先に行政があるんですけれども、そういった話も阿波踊り関係の方から耳に入っております。今のご答弁にありましたけれども、ぜひこういったことを後押しに前向きな検討を要望し、次の質問に移らせていただきます。  電子地域通貨事業に関してであります。  冒頭、単刀直入にお伺いをいたします。電子地域通貨事業は、区内商店街の活性化を目的の1つとして区が導入を進めている重要施策であります。しかし、その担い手となる商連側が、新しいことを実施したいと不参加を表明したこともあり、今日いまだ導入には至っておりません。このような状況の中、区としては導入への思いに変化は、まずないのでしょうか。 ◎電子地域通貨担当課長 非常に難しい事業だなということは感じておりますが、現在、この事業の実施に向けて職員一丸となって取り組んでおりまして、あらゆる可能性を模索しているところでございます。 ◆大和田伸 委員  では、現在の商連の検討内容を区は把握しているのでしょうか。また同時に、現在の区の検討状況はいかがなのでしょうか、お示しください。 ◎電子地域通貨担当課長 昨年の夏ですが、商連から、事業への参加を見合わせるという提言があってから、私が直接商連の推進組織の責任者や関係者に検討状況をお尋ねしているところですが、これまでいただいているお返事は、検討期限は設けていない、それから検討内容も決まっていないということですので、正直、商連で検討しているのかどうかわからないというところです。  また、もう1つの区の検討状況ですが、商店街の活性化に取り組もうとしている意欲ある商店街から、この事業について説明を聞きたいという申し出がありましたので、現在定期的に協議を行っているところです。 ◆大和田伸 委員  先月、東京商工会議所、いわゆる東商杉並支部から電子地域通貨事業に関する提言が出されたと聞いておりますが、内容も含め詳細をお伺いします。 ◎電子地域通貨担当課長 東商の商業分科会で3月から7月までの間、地域通貨の理念ですとか実例、それから電子マネーの現状と課題、またFeliCaのシステムを含めて、それ以外のシステムのメリット、デメリットなどについて検討を重ねたというふうに聞いています。その検討の結果、東商からは、地域産業の発展にこの電子地域通貨事業が役立つという内容で、事業の推進を希望するという提言を8月6日にいただいたところでございます。 ◆大和田伸 委員  反面、今東商からそういった提言が出されたということなんですが、商連の一部ではやはり根強く反対の声が大きくなってきている、そういったものも事実であります。このように商連の態度が不明確の中で、区は、導入に向けて今後どのように取り組みを進めていくのでしょうか。 ◎産業振興センター所長 非常に残念なことでございますけれども、私どもにとっても寝耳に水、そう言ったほうがいいかと思いますが、すぐに信じられないような誤った情報、そういったものがまことしやかに流されている、そういう状況などもございます。その結果としてどういう状況が生まれているかということで申しますと、商連内部で事業に対する誤解、そういったものが生まれているというように考えております。  ただ、こうした中ではございますけれども、先ほど課長のほうからも答弁申し上げましたが、やる気のある商店街ということで、現在、久我山の商店会と具体的な協議を続けている、そういう状況がございます。 ◆大和田伸 委員  今、やる気のある商店街ということで具体的な久我山商店街の名前を挙げていただきました。では、なぜ久我山商店街と話し合いを行うことになったのか。また、その検討課題についても詳細をお示しください。 ◎電子地域通貨担当課長 まず、久我山と協議を行うようになった経緯でございますが、この間、いろいろな商店街の関係者の方とお話をする中で、多くの商店街で、例えば商店の会費を上げたいんだけれども、なかなか上げることができない、そういった実情ですとか、また、イベントを実施しても、人はたくさん来るんだけれども、お客さんが集まらないといった悩みを抱えているということを聞いております。  しかし、こうした中にあって、久我山の商店街では、商店同士の日ごろの交流ですとかイベントを通じて、商店街の皆さんで、まちづくりといった大きな目標を持って商店街の活性化に取り組んでいるということがわかりました。そこでは、この電子地域通貨を導入したら必ずもうかるのかとか、FeliCaじゃないシステムがいいとか、そういった入り口の議論ではなくて、商店街活性化のツールとしてこの事業をどう役立てていくかという非常に前向きな議論をしていただいているので、我々にとっても非常に貴重な体験となっているところです。  それからもう1つ、検討課題ですが、これは今までと共通している部分がありますが、どうしても現場レベルでは商店の費用負担についてが課題となっています。ただし、費用負担をゼロにするとかいう話ではなくて、新しいことにチャレンジするんだから一定の費用負担も必要だ、少ないにこしたことがないというご意見をいただいているところです。  久我山に限らず、事業の意義を理解していただける商店街や商店があれば、地域や規模にかかわらず、ぜひ事業に参加してほしいというふうに考えております。 ◆大和田伸 委員  私は個人的に、電子地域通貨の導入の突破口として、久我山の成功例というものがキーワードの1つになると考えています。先行実施の際には、当然区も考えていると思うんですけれども、マーケティングデータ等はしっかりと分析をされて、今後に生かしていただきたいというふうに思います。  次に、来年2月に策定されます産業振興計画の改定についてお伺いをいたします。  これまでどのような議題について検討し、またどのような意見が出されたのか、構成員も含め、産業振興審議会についても、その詳細をお示しください。 ◎産業振興センター次長 まず、1点目の構成員でございますけれども、区内各産業団体、産業関係者、学識経験者等、20人の委員で構成しております。  議題につきましては、これまで4回開催いたしましたけれども、中小企業支援策の現状と課題、杉並区の商業における課題や活性化の方策、農業施策の現状あるいは都市農業の課題、アニメ施策や観光施策の取り組み、こういったものを議題として取り上げまして議論いたしました。  委員の皆様方からは、既存の商業、農業、中小企業、そういった農業の分類にとらわれないで、農業と商業であるとか、商店街とアニメ、そういった既存の産業のコラボレーションによって区内産業の振興を図るといった新しい視点が必要ではないかというようなご意見をいただいております。 ◆大和田伸 委員  改定に当たり、区民が望む商店街の姿と商店街に関しての区民への意向調査を行ったというふうにも聞いております。その結果を審議会ではおおむねどのように総括をされているのでしょうか。 ◎産業振興センター次長 産業実態調査の中では、商店街活性化の必要な取り組みといたしまして、空き店舗の解消であるとか、不足している業務を補うであるとか、駐車・駐輪場の拡張整備、こういった回答が、商店側それから区民、ともに上位を占めておりまして、大体ご意見は一緒だった。しかし、イベント等の活動の活性化という回答につきましては、商店側は3位でございましたけれども、区民は6位というところで、この点で意見の食い違いがございます。  委員の皆様方からは、イベントが一過性ではなくて、区民の生活あるいは利便性の向上につながるような取り組みが必要なのではないかといったご意見が出されております。 ◆大和田伸 委員  今の区民からの要望というものも踏まえてなんでしょう、商連からは区に対して予算要望、どのようなものが届いているのでしょうか。また、それら予算要望に対しまして、区はどのように対応するおつもりなのか、ご所見をお伺いします。 ◎産業振興センター次長 商連からいただいています25年度要望の主な内容は、緊急対策といたしまして何点かございます。主な内容は、なみすけ商品券の発行支援、緊急経済対策融資制度の拡充、継続、装飾灯電気料の全額助成、商店会事務所の設置と管理費の助成などでございます。  これまでも商連からの要望については真摯に対応してきたところでございますけれども、次年度の要望につきましても、きちんと受けとめて検討していきたいと思っております。 ◆大和田伸 委員  その中で、今事務所の設置に関しての要望というふうにお聞きしました。現在、区内には大体140ぐらいの商店街なんですかね、その中で商店街事務所を持っているのは、どのくらい数としてあるんですかね。 ◎産業振興センター次長 正確にはちょっと把握してございませんけれども、数少ないというふうに聞いております。 ◆大和田伸 委員  予算要望を区としても前向きにどうにかやっていこうという方針であるのであれば、まずそういった実態調査もしっかり把握をされたいというふうに思います。  話を戻します。これまで審議会の中で、電子地域通貨事業に関する意見等はあったのでしょうか。 ◎電子地域通貨担当課長 商店街関係者の方を講師にお招きした際に、ございました。内容は、電子地域通貨事業の発展には、商店街のイベントなどとこの事業を上手に結びつけるなど、事業に対する地域の高まり、地域住民の意識の高まり、商店街の意識の高まり、そういったものが必要だという趣旨のお話をいただいたところでございます。 ◆大和田伸 委員  この通貨事業は、区の総合計画におきましても、重点施策に位置づけられておりますが、今後審議会の中で議論される予定というのはあるのでしょうか。
    産業振興センター次長 電子地域通貨事業につきましては、次回、来月の審議会の中で、学識経験者や産業団体の皆様方から意見を幅広くいただきたいというふうに考えております。また、東京商工会議所あるいは商連の検討状況についても、その中でお話を伺う予定でございます。  それから、先ほどの商店街事務所の設置状況でございますけれども、商連加盟の商店会の中では、10商店街でございます。 ◆大和田伸 委員  地域経済の活性化というものは区が取り組むべき最重要課題、これは冒頭申し上げましたとおりであります。そうした中、電子地域通貨事業への歩みは、あくまで、今申し上げました地域経済活性化のためのツールの1つであり、東商の提言どおり、この事業は、その重要課題の解決の可能性も秘めているというふうに思っております。  しかしながら、商連側には、果たして導入をして成功するのか、ここがポイントだと思うんですが、この懸念が根深いことも事実でありまして、結局は堂々めぐりで今日に至っております。そこで私は、FeliCa選定から間もなく3年が経過をしようとしている今、そろそろ決着をつけるときではないかというふうに強く思っております。  つまり、導入時期をこのままなし崩し的に先延ばしの連続ですと、商連にとっても区にとってもお互いが不幸ではないか。さらに言えば、このまま経費あるいは職員をどんどん注入、投入し続けても、もしかすると、よい結果にならない可能性も一部ではあるのではないかなと思います。もちろん、これまで議論を積み重ねてきている事実はあるんですが、このような見方をする方も、正直いらっしゃるのではないかなというふうに思うわけです。  そこで、先ほどの産業振興審議会等の議論も踏まえ、やるかやらないかはっきりとさせるためにも、そろそろ、区長の強いリーダーシップのもと、一定の判断をする必要があると考えるのですが、最後にご所見をお伺いいたします。 ◎区長 まず、この事業は、私が旗を振ってスタートした事業ではないわけです。前区長時代に骨格がもう既に決まっていまして、私が就任をして、これをそのまま継続して事業化へ向けて進めていくかどうかということについて、せっかく商連も積極的に新たなことにチャレンジをしようということでいろいろな事業者も意欲を持っているということならば、それならそれをそのまま継続してやったらどうだということの判断は、私はしました。それで今日に来ているということです。したがって、私のその判断の大前提は、事業者も区の商連もこれを積極的に進めたい、実現したいという基本的な確認、合意を前提として判断をしたんです。  ところが、先ほどもやりとりの中でありましたように、当初推進を主張した団体、特に商連の中に不統一があるということがだんだん顕在化してきたということですね。そのことによって、スケジュールが先延ばしになってきたということなんです。私としては、これまであらゆる可能性を探れということで所管には指示をしまして、関係者と協議をしてまいりましたけれども、確かに大和田委員がおっしゃるように、一定の判断をすべき時期が近づいているなということを私も思っております。  そもそもこれは区の委託事業じゃないんですよ。区の何かの事業をお願いして、受けてくださいという話じゃなくて、杉並区の商店街が置かれた状況、区内の経済状況を考えて、区内でもっと経済、お金の循環が活性化する、そういうツールとして、電子地域通貨というものはどうだと。大手のいろいろな事業者も意欲を持って協力してくれる。それぞれのもちろん思惑は、経済活動ですから、あるのは当然。だけれども、そういう機運があって、では、それを行政として区がサポートしていきましょうということなので、別に委託事業じゃないので、当事者がやらない、やる気がないということであれば、何のためにやっているのということになるわけですね。だから、そこのところはきちっと確認をしていかなきゃならない。  これまでいろいろな勉強会をやり、私も現場を視察に行ったりしました。規模とかまちの状況とか歴史とか、いろいろ違いがありますが、1つ印象に残っているのは、高松のめぐりんという事業がありまして、これはうまくいっている例だということで、何度も話を当事者から聞きましたけれども、要は、最初新しいことをやるときにはいろいろな疑心暗鬼というか、不安ということがある。そこを突破する方法として、行政側じゃなくて、商店街の当事者の意欲、情熱、それから人というものが、要するに、既存の商店街とかそういう枠組みで、やるとかやらないとかと縛るのではなくて、やりたい人がみんなで力を合わせてやっていこうじゃないかということで、既存の枠組みを乗り越えてレールを敷いて前進できたということなんですね。  だから、例えば、杉並の例でいえば、こういう事業は嫌だよと言う方がいるとする。だけれども、嫌だよと言う方が嫌なのは、それは別に文句があるわけじゃない。やりたくないと言う人がいて当然なんですね。だけれども、自分はやりたくないから人にもやらせたくない、これは私は違うと思うんですね。やりたい人がやればいいんですね。やりたい人がやって、事業が前進をすれば基本的にいいことなんですね。だけれども、私は反対だから商店街全体としてやらないという方向で行くべきだとか、そういう枠組みのつくり方そのものがもしあるとすれば、これは私はあらゆる発展の阻害になるんじゃないかというふうに思っていて、やりたくない人はやらなきゃいいんですね。やりたい人がやればいい。やってうまくいくのを見ていて、やりたくなったら自分もやればいいんですよね、基本的には。やらないという人に、やる人がいるからといって何か損があるわけじゃないんですよね。損だな、やったほうが得だなと思えば、得なほうに自分はシフトすればいいだけで。だけれども、自分はやらないから人がやるのも反対だ、こういう発想でその組織がもし運営されているとすれば、それは非常に困ったことだなと。そうであるかどうか、私もしっかりと見きわめなきゃならない、そういうことを含めて。  だから、要は、いずれにしても当事者の、最初やろうという皆さんが、いや、やる気はないんだと、今申し上げたようなことも含めて、そういうチャレンジは今できないんだということであれば、我々としては、それをどうするこうするということは、意味が逆になくなってしまうということなんですね。  ただ、この間、私が非常に大事に思っているのは、こういう新たなことが実を結ぶかどうかは別です。実を結ぶかどうかは別ですが、実を結ばなかったにせよ、所管の担当課長なり、それを一緒にやっている現場の職員は、24時間365日、電子地域通貨事業、電子地域通貨事業ということでやっているわけです。彼らはいろいろな勉強をしながら、いろいろな知識をノウハウとして蓄積している。だから、この事業化を仮にやるにせよ、やめたということにせよ、ここで培ったものをどこかこれから商店街の活性化、区内の経済の活性化につながるような知識のストックとして、資産として、それはある程度頑張ったんじゃないかなというふうに思っています。  話が戻りますけれども、産業審議会での議論ということもありますので、そういう議論も踏まえて、区として、また私としても近いうちに一定の判断を下さなきゃならないかなと。ただ、その際は、私もじっくりきちっと向き合って真意を確認していきたいというふうに思っております。 ◆大和田伸 委員  ありがとうございます。私が先ほど、このままなし崩し的だと、区も、また商連にとっても、お互いにとって不幸だという投げかけをさせていただいたところ、今最後、力強くリーダーシップで決断を下すというふうなご答弁をいただいたことは、私も商連の皆さんからいろいろお話を聞いている立場としてありがたかったですし、本当に率直に評価をするものであります。  今、やりたくなったらやればいいというお言葉をいただいたんですけれども、そこで私すごく思うことがあったので、最後そのことだけ言わせていただきます。  私も高校野球をやっていたので、ちょっとその関係の話なんです。大リーグの松井選手がいますけれども、松井選手が高校時代、石川県の星稜高校というところで野球をやっていて、甲子園も行ったんですけれども、そのときの名監督で、富本幹事長なんかよくご存じだと思うんですけれども、山下監督という方がいらっしゃって、その山下監督が、超高校級の何するにもすぐれた、打つにもすぐれた松井選手に対して、冒頭一番初めに投げかけた言葉というのが、「花よりも花を咲かせる土となれ」、こういったことを言ったと。この言葉の意味は、ただ松井が頑張って打てばそれこそ自然に勝てる、ただ、それでは全く意味がないんだ、チームの底上げにはならないんだ、松井が打つこと、つまりリーダーシップを発揮することによって、ほかの選手が、松井任せではなくて、よし、おれらも頑張ろう、こういった、まさに「花よりも花を咲かせる土となれ」、これはいい言葉だなと思って、自分も高校時代に心に置いて野球をやっておりました。  この電子地域通貨事業、これから難しい局面、クライマックスを迎えると思いますけれども、ぜひとも、今私、生意気にも申し上げましたその精神を片隅に置いて、取り組んでいただきたい。  以上です。 ○大槻城一 委員長  それでは、大泉時男委員、質問項目をお知らせください。 ◆大泉時男 委員  行政改革についてと、商店街の装飾灯について。  最初に、行政改革について質問させていただきます。  杉並区はこれまで、スマートすぎなみ計画と題して行革をやってまいりましたけれども、23年度においては行われておりません。行革に休みはないと考えておりましたけれども、23年度はどのような行革が行われたのか。そしてその成果についてはどのように総括しているのか、まずお伺いいたします。 ◎行政管理担当課長 23年度の行革でございますけれども、23年度はいわゆる計画と計画のはざまということでございまして、この年の行革につきましては、行財政改革推進本部における23年度の推進方針のもと、取り組みを明らかにしながら実施をしてまいりました。  中身でございますけれども、まず、22年度に引き続き事務事業の外部評価を実施したこと。また、大震災がございまして、この影響に対する対応といたしまして、節電などによる経費節減、一部事務事業の予算執行停止なども、この方針の中に位置づけて対応したところでございます。  また、具体的な取り組み項目といたしましては、これまでの課題でございました民間委託の推進ですとか、あるいは現業系職員の退職不補充、こんなことに引き続き取り組んでいく。それとともに、24年度からの新しい行革の計画化を検討しながら、24年度以降の取り組みにつながる、例えば24年度早々の実施を目指しました高井戸地域区民センター等への指定管理者の導入、選定ですとか、24年度につながる事業の取り組みを準備、検討して、また新たな取り組みを推進することができたと思ってございます。  このように23年度におきまして、推進方針のもと、継続すべき取り組み、新たに着手すべき取り組み、ともども着実に推進することができたのかなと、かように思ってございます。 ◆大泉時男 委員  23年は24年度に対する準備だという考えのようでございますけれども、24年度以降は新しい基本構想、そして総合計画が策定されたわけですが、行財政改革への取り組みをどのように位置づけて対応したのか。  そしてまた、24年度については計画初年度ということもあって、検討という記述が非常に多く出ているわけですけれども、半年過ぎて、現在、その取り組み状況はどのようになっているのか、それをお伺いします。 ◎行政管理担当課長 区といたしましては、新たな基本構想を実現するための具体的道筋ということで5つの目標に沿った施策、それと、その施策展開を支えます行財政改革基本方針などをもって構成する総合計画を作成したところでございます。この行財政改革基本方針の中では、また5つの方針を掲げてございまして、この基本方針に基づく具体的な取り組みを実行計画の中で明らかにし、3年間の取り組みをこの4月に開始したところでございまして、まずはこの基本方針、取り組み項目に着実に取り組む。総合計画、実行計画の中で明らかにしている項目を確実に取り組んでいくことが必要であるというふうに考えてございます。また、引き続き聖域なく全事務事業を全庁挙げて不断に見直していく、こういったことにもちゃんと取り組んでいく、そういう所存でございます。  また、検討という項目が多いということのご指摘でございますけれども、確かに初年度ということで多いことは確かでございますが、また一方で、以前から継続して取り組んでございます例えば税の収納率の向上でございますとか、先ほどもちょっと申し上げましたが、現業系職員の退職不補充、こういったことについては、新たな計画におきましても計画化をいたしまして、着実に取り組んでいるところでございます。  いずれも各所管におきましては、24年度の到達目標、こういったものを明らかにし、職場内で共有しながら、スケジュール化をもちまして取り組みを開始したところでございます。  検討されている項目につきましても、25年度以降の実施につながっていくものとご理解いただければと存じます。 ○大槻城一 委員長  理事者の答弁は迅速かつ簡潔にお願いをいたします。 ◆大泉時男 委員  今25年度に向けて一生懸命やっているということですが、半年過ぎている状況の中では、24年の計画については順調に来ているというふうに理解してよろしいですか。 ◎行政管理担当課長 そのようにご理解いただければありがたい、そう思ってございます。 ◆大泉時男 委員  わかりました。それでは、また来年期待しておりますので、よろしくお願いします。  それから、これまで杉並区はスマートすぎなみ計画のもとで、10年間で1,000人の職員削減などを行革として取り組んでまいりました。これに対し、新たな実行計画では3年間で200人削減の目標にとどまっております。確かに、関連行革を進めた後でさらに大幅な人員削減をすることは、大変難しいことだろうというふうに理解はしておりますけれども、保育園や児童館などの福祉職場において、職員の定数適正化についてはどのように取り組んできたのか、他区の取り組み状況との比較なども含めてお伺いいたします。 ◎定数・組織担当課長 スマートすぎなみ計画におきます福祉分野における削減でございますけれども、指定管理の導入、民営・委託化などによりまして削減数144名でございましたけれども、延長保育ですとか障害児保育のために、実質削減は70名程度というふうになってございます。今後につきましても、指定管理、民営・委託化などを含めまして、丁寧な形で迅速に削減を行ってまいりたいと考えております。 ◆大泉時男 委員  そうすると、この中で出ている3年間で200人を職員削減するんだということは、難しいというふうなことですか。 ◎定数・組織担当課長 これもご答弁させていただきましたが、今、実行計画に計画されております事務の見直し等によりまして積み上げた数字が200名の削減でございます。その中には、福祉分野におきましても、60名程度の削減数は盛り込まれてございます。 ◆大泉時男 委員  わかりました。今後の人口構成の変化や財政負担等を考えると、区立施設の大胆な再編は避けられないだろうと私は思っております。中でも、これを解決していくためには、福祉分野についての、保育園、児童館、ゆうゆう館などの施設が我が区では大変多いというふうに私は考えておるんですが、現在の規模で施設の改修・改築が行われるとすれば、またこれから先多額な費用が必要になってくるだろう、このように考えます。また、施設を運営するための人件費も含む多大なランニングコストにも注目すべきだろうというふうに考えております。  そこでお伺いいたしますが、当該年度の区立施設のうち福祉分野の運営にかかった人件費を含む維持管理コストは幾らだったでしょうか。概算で結構ですので、お知らせいただきたいと思います。  また、施設を再編成することができれば、おのずと運営に携わる人員の削減を図ることができ、光熱水費や清掃、警備などの委託経費も削減することができることから、大きな行革効果が期待できると思います。そして、民間委託や民営化の推進とあわせてぜひとも実行していかなければならない行政改革だと私は考えておりますが、このことについてご意見をお伺いしたいと思います。 ◎企画課長 まず、前段の福祉分野の施設にかかった当該年度のランニングコスト、維持管理経費でございますけれども、約150億円というふうになってございます。  それから、今後の行革ということでございますけれども、先ほど委員のほうからもお話ございましたけれども、この間、区としても本当にかなりの努力をして行革を進めてまいりました。そういった意味では、これからの行革というのは、いわばかなり乾いたぞうきんを絞るような作業になってくるかというふうには思ってございます。ですので、今までと同じような方法でぞうきんの全体に一様に力を入れて絞ってもなかなか水は出てこない、そんな状況だというふうに認識してございます。ですので、絞るポイントとか絞り方というものを工夫していかなければいけないというふうに思ってございます。  では、どこがそのポイント、重点かと申しますれば、今委員もお話ございましたけれども、やはり福祉分野におけるさらなる民営化の推進、それから施設の再編整備ということだろうというふうに思ってございます。いずれも言うは易し行うは難しで、なかなか難しい課題ではございますけれども、区民の皆様のご理解が得られるように丁寧に説明に努めながら、確実にこれは推進していかなければいけないというふうに思ってございます。 ◆大泉時男 委員  今の答弁の中で、1つは、福祉施設の中で、特に、今お話ししましたけれども、保育園だとか児童館とかゆうゆう館、これは本当に数が多いんですよ。これだけの数が本当に必要なんだろうか。この辺のところがもう少し何とかできないのかなと。そしてまた、それに対する施設の改修費というだけではなくて、そこにはそれだけの人員が張りついているわけですから、その職員というか、働いている方々の効率的な動きができるような、もっと少なくしてもできるのではないか、そういうことは考えているのか考えられないのか、その辺はどうですか。 ◎企画課長 私どもも同じような認識は持ってございます。先ほど委員のほうからご質問のございました施設の維持管理経費、ランニングコストにつきましても、私は150億というふうにお答えしましたけれども、これは学校を除く全施設の7割を占めているんですね。これをサービスの低下を招かないような形で、地域の活性化とか区民の利便性ということにも配慮しつつ、もし統廃合することができれば、ご指摘のように、おのずとそこにかかっている委託経費やら、また直営の場合は職員の人件費というものも削減することができるわけですから、その辺は重きを置いて、一方で利用している区民の方もいらっしゃるわけなので、その辺に配慮しつつも、そういう視点を持って今後具体的な検討を進めてまいりたい、このように考えてございます。 ◆大泉時男 委員  私は、何でもかんでも施設を減らせばいいとか、あるいは職員を減らせばいいとか、そういうふうに考えているわけではないんですけれども、そこにいろいろ努力することによって、そういう仕事を片寄せていくとかということではなくて、何かいい方法がないのか、その辺は知恵だと思いますので、その辺を十分に考えてやっていってもらいたい、このことをお願いしておきたいと思います。  次に、商店街の装飾灯の助成についてお伺いいたします。  先日、ちょうど私の知り合いで高円寺商店街の役員をしている人と会っていろいろ話をする機会があったんですけれども、そのときに尋ねられたことがいろいろありました。その中でまず、杉並区の装飾灯補助金は現在はどういう状況になっているのか、内容になっているのかお知らせください。 ◎産業振興センター次長 商店街装飾灯に関する補助金の内容でございますけれども、立てかえと灯具交換、まずこの2つがございます。この2つは、経年劣化によって危険を回避するための助成金ということで、昭和後半に制度化されております。  それから、近年、環境配慮の観点から、ランプ交換といいまして、LEDにかえるというような助成制度も充実を図っております。そのほかに、電気代などの管理経費に関する助成も行っております。 ◆大泉時男 委員  今LED化というのも出ましたけれども、私も大分その件については耳にはしております。それで、商店街の装飾灯は、いろいろ補助されてずっと立てかえが進められてきておりますけれども、このことについては、商店街の皆さんは、区が補助してくれているということに対しての評価というのはどういうふうに考えておりますか。 ◎産業振興センター次長 立てかえ、灯具交換、ランプ交換の助成制度でございますけれども、補助割合がおおむね9割を超えております。そのため、商店街にとっては負担が非常に少ない制度でございます。  また、装飾灯を整備することによって商店街の安全・安心が確保されたり、それから買い物環境にふさわしい明るい雰囲気が演出されたり、また、電気代も削減が図れるといったことで、非常に喜ばれているというふうに思っております。 ◆大泉時男 委員  そのLED化なんですけれども、この節電効果というのはどの程度あるんですか。 ◎産業振興センター次長 LED化に伴いまして、おおむね消費電力は約2割削減されるものと試算してございます。ちなみに、昨年LED化を図りましたある商店街の方から聞きましたけれども、試算といたしましては、年間250万円の電気料金がゼロになる見込みだということでございます。 ◆大泉時男 委員  LED化によって20%の削減、その程度のものなんですか。それで250万少なくなったということは、大変な金額なんですね。その辺はどうですか。 ◎産業振興センター次長 この商店街は昨年、ランプ交換だけではなくて新設もございまして、全体で101基ということで非常に数が多いところですので、数の多さにもよろうかと思います。 ◆大泉時男 委員  ただ、LEDというのは高いんでしょう。普通の電灯を交換するのとは違って、新しい柱もつくらなきゃならないだろうし、そういうことでも結構かなりの効果はあるんですか。建設費も含めて、それで節電の金額で賄った場合に。 ◎産業振興センター次長 建設費用につきまして、立てかえの場合にはそれなりに柱も全部新しくしますので、金額はかかります。ただ、ランプ交換といって、今までのランプをLEDにするだけならば、それはそれなりの効果が高いということでございます。 ◆大泉時男 委員  実は、私が聞いた方は、高円寺純情商店街というところの役員をやっている方なんですけれども、電気料金が実質かなり軽減されるということで喜んでおりました。その分、商店街活性化の事業費にそれを新たに繰り入れることができるので、これからの商店街活動もできやすくなるだろうというようなことで言っておりましたけれども、ちょっと聞きますと、その上に温室効果ガス抑制の取り組みができるということで、炭酸ガス排出量の削減にも対応して排出権取引にも応ずるということをその商店街では考えているみたいですけれども、このことについては区はどのように考えていますか。 ◎産業振興センター次長 排出権取引として売買できるということでございますけれども、国内クレジット認証委員会におきまして排出量減量の認証を受ければ、売買が可能になるというふうに聞いております。売買相場は日々変動しているということで、金額はちょっと今わかりませんけれども、純情商店街では、このクレジットを高円寺地域のために活動する団体に無償譲渡していきたいというふうに伺っております。つまり全体の流れからいきますと、装飾灯を立てかえるなり、あるいはLED化するということによって電気代の負担が減る、商店街の負担も減る。それから省電力も達成されるし、CO2の排出量も減る。排出量が減ることによって排出権を獲得できて、その権利を売買譲渡することによって、その売買益で団体が地域の活性化事業に取り組むことができる。こういうように、商店街活性化、地域の活性化、また環境課題にまで大きく広がりを見せているというところで、非常に評価しているところでございます。 ◆大泉時男 委員  本当にすばらしい、何でもいいなという感じがするんですが、これからほかの商店街でも、そういういいことであればどんどん取り入れていくことが大切だなというふうに私は思いますので、ぜひ頑張っていただきたいと思います。  それでもう1点、高円寺純情商店街では、今年度、東京都が選定した新しい公共の場づくりのためのモデル事業に、高円寺の地域未来づくりネットワーク構築事業で参画しているということも聞いたんですけれども、これはどういう事業なんでしょうか。 ◎学校支援課長 地域未来づくりネットワーク構築事業でございますけれども、高円寺地域を1つの公共の場としてとらえ、地域の課題を自分たち自身の課題として考え、検討していきます。その検討過程を通して、商店会や町会、それから青少年育成委員会などさまざまな団体をネットワーク化いたしまして、高円寺を次世代の子どもたちに託せるまちにしていこうというものでございます。お尋ねの高円寺純情商店街を初めとして、約15の商店会組織にもご参加いただいております。 ◆大泉時男 委員  何か難しい、私にはあれですけれども、いいことですから、ぜひどんどんと進めてやっていただきたいなというふうに思います。  それでは、最後になりますけれども、今回、高円寺純情商店街の役員の皆さんといろいろ話をして、商店街と地域を思う気持ちが非常に強い。そしてそれが地域にしっかりと根を張って商店街を盛り上げ、生活環境の向上のために汗していこうという姿勢がすごく私には感じられました。また、このようなすばらしい商店街と地域を築き上げようと頑張っている産業振興センターの職員の皆さんを中心に、地域エネルギー対策担当、そして協働推進課の皆さんの熱い努力に私は敬意を表するわけでありますが、最後に、杉並区の新しいシンボルとなった産業振興センターの佐藤所長の思いをお伺いいたします。 ◎産業振興センター所長 産業振興センターということで、荻窪でいろいろな団体と一緒になって今活動をしているわけですけれども、これからの産業振興、特に商店街振興という点で考えていきますと、商店会だけの活動ではなくて、むしろ商店街を取り囲むいろいろな人たち、そういった人たちとどうやってまちづくりを進めていくのか、そういった観点から進めていくということが非常に大切だと思っておりますし、特に高円寺純情商店街の取り組みというのは、きのうも選管のほうからも答弁がありましたけれども、いろいろな地域の課題を商店街の人たちと一緒になって解決していこう、そういう機運というか、そういうのが非常に盛り上がってきておりますので、そういった事柄について杉並全部に浸透させていけたらなと、そんなふうに思っております。 ◆大泉時男 委員  私も商店街の役員と会って強くそういう考えを持ちました。杉並区のほとんどの商店街がそういう気持ちになれば、また違う杉並区ができ上がってくるのではないかなというふうに考えておりますので、ぜひ頑張っていただきたい、こうお願いしまして終わります。 ○大槻城一 委員長  それでは、富本卓委員、質問項目をお知らせください。 ◆富本卓 委員  住居表示、それから受益者負担のこと、関連して区民農園。あと時間があれば、杉並PRビデオはどうなったのかということ、それから80周年はなぜクロちゃんなのかということ、そのあたりです。  まず、住居表示について伺います。関連して、杉並は昔から社宅が多いところだと思いますけれども、現在、業績不振で社宅を手放されているケースも多いと思いますが、そのあたりのデータがあれば。 ◎区民課長 社宅等の売却に関するデータでございますが、住居表示の新築届に関連しては、新築届があった際、従前の住居表示台帳を確認する中で、従前の敷地が社宅であったというようなことは認識できるところでございますが、それをデータとしては今管理しているところではございません。 ◆富本卓 委員  最近よく私もまちで見かけるのは、社宅とか、あと相続で大きい土地が手放されて、一遍に30軒、40軒、同じような家がばあっと建つことがあるんですよ。そうすると、仮定の話として私の家の住所を出しますけれども、西荻北4−8−8。社宅ならそこにA−1だとかB−2だとかついていたんですけれども、そこで30軒来ると、その残りの人が全部4−8−8になっちゃうわけね。そうなると、例えば私なんか富本だから郵便も届きやすいですけれども、佐藤さんとか田中さんとかじゃ同じ名字の人がわあっと30軒、40軒同じ場所に一遍に同じ番地に出ちゃうということがあるわけですよ。私もそういうことをちょっとこの間地元の人から聞いて、これは何とかしていかなきゃいけないなと。昔は地域でそこに地図つくって、ここはだれさん、ここはだれさんと、同じ番地の人も路地になっているところはやっていたりしていたんですけれども、今はそういうのも個人情報でいろいろあると思いますけれども、そういうことで困っているような声は区に届いているのか。 ◎区民課長 今委員ご指摘の、いわゆる社宅等が売却された後に、複数といいますか、多数戸建ての住宅ができるケースが生じてございます。このような状況の中で新たに入居された方、また近隣に従前からお住まいの方、ひいては不動産業者のそういう方々からも、同一の番号になるということについて何か改善の方法はないかというご意見は、区としてもいただいておるところでございます。 ◆富本卓 委員  そうですか。やはり届いていますか。結構最近私も地元の人のそういう声を聞いたので、何とかならんのかなと思って、改善策としてはその下に枝番をつける。例えば4−8−8−1とか4−8−8−2とかというやり方と、あとはもう1個は、例えば4−8−8が15で終わっていれば、新しく入ったところは16から始めるとか、そんな方法が考えられると思いますけれども、後の番号をつけるのはちょっと郵便局のほうが嫌がるかと思いますが、そこでこういう問題が出てきていると思うので、区としてもこの辺は具体的な内容として検討しているのか。また、他区なんかも含めて、そういうことはどういうふうな解決法があるのか、その辺をお示しいただきたい。 ◎区民課長 同一番号の中で複数の建物が発生してしまうということでございますけれども、今現在の住居表示の番号の振り方というものが、1つの街区を15メーター間隔で付番をしていく。そういう中でこういった問題も生じているわけでございます。  そのことに関しましては、23区の中でも、まだ数区でございますけれども、住居番号の号数について枝番をつけていくとか、いわゆる肩書き的な表示の中で補助番号的な番号をつけてさらに詳細を明らかにしていく、そういった方法をとっているところも数区ございますので、区としても、そういった方向で改善をしていく必要があるであろうというふうに認識してございます。 ◆富本卓 委員  今出た補助番号というのは具体的にはどういうことか、ちょっとイメージがわかないので、教えていただければ。 ◎区民課長 補助番号につきましては、法律等で定まった方式ではございませんが、先行している数区の中でそういった実例があるということでございますが、何丁目何番何号の後に肩書き、何々マンション、何々アパート、そういった肩書きの中でさらに番号を付して、枝番と同じような意味合いを持つような、そういう表示をするというものでございます。 ◆富本卓 委員  私もまちを歩いていると、ばんと30軒か40軒建っている例が結構あるので、残念ながら地域力も今は下がっている中で、特に新住民と旧住民という形になるから、その辺地域で解決してくれということはなかなか難しいと思うんですよ。だから、ちょっとこれは区としても早急に積極的に検討していって具体化していく必要があると思いますが、改めて決意を伺っておきます。 ◎区民課長 住居番号が複数できてしまうということにつきましては、郵便物等の配布の問題、それから建物の特定というところもございますので、区としましても、まだ数区でございますが、23区のそういった他区の状況等も勘案しながら、何らかの改善策を今後考えてまいりたいというふうに思っております。 ◆富本卓 委員  ありがとうございました。  では、次の項目で、区民農園に関連してちょっと、受益者負担の話、総括のところでやりましたけれども、区としては広く受益者負担を見直したのはいつだったのか、それを改めて伺います。 ◎財政課長 平成9年に見直してございます。それ以降は個別の案件で必要に応じて改定等を行ってきたところでございます。 ◆富本卓 委員  9年となると、もう15年ぐらいたっていて、何となく前区政下ではばあっとやっているようなイメージがあるんですが、やってなかったわけですね。なぜこの間見直しをしなかったのか。  また、平成9年の見直しのときはどういう見直しの視点で行ったのか。何か例もあれば教えていただきたい。 ◎財政課長 平成9年のときの見直しの内容でございますが、前回、平成4年の改定のときの算定基準に準じてもう一度必要な経費等を算出して、使用料を出したというところでございます。  このとき、1つの例としましては、例えば荻窪区民センターの第一集会室については、当時2,100円だったのが2,500円に改定されました。ただ、使用料の前の料金から1.2倍を限界とする激変緩和措置もあわせてとられてきたところでございます。  また、この間の経過でございますが、この間何もしてこなかったというわけではなくて、11年、12年、16年、近いところでは21年と、内部では見直しの検討を行いましたが、その都度、その当時の経済状況、直近では21年、非常に厳しい経済状況等があるということで、区民にご負担をおかけする状況ではないというようなことから見送ってきた経過がございます。 ◆富本卓 委員  わかりました。ここからちょっと具体的な例として区民農園について伺っておきますけれども、まず、区民農園の設置目的、数、広さ、利用期間、応募倍率など、簡単で結構です、お示しください。 ◎産業振興センター次長 まず、目的でございますけれども、区民の方が野菜や花などを栽培することによって自然に触れ合うということが1点と、農業に対する理解を深めていただくという、この2点が目的でございます。  数につきましては、現在13農園ございます。広さは1,770区画、全体で2万6,000平米でございます。それから利用期間は2年。応募倍率は、直近の応募倍率2.46倍でございます。 ◆富本卓 委員  最近、自然ブームもあって倍率は増えているのか、その辺いかがですか、傾向。 ◎産業振興センター次長 応募者数も増加傾向にございます。 ◆富本卓 委員  どのぐらい。 ◎産業振興センター次長 数でございますが、平成18年が3,300、平成20年は4,000余、平成22年は4,300でございます。
    ◆富本卓 委員  あと、以前、私も区民農園の利用者同士でいろいろなトラブルがあるという話を聞いたことがありますし、また、世の中の権利主張の拡大もありまして、近隣、区民農園の周りに住んでいる人とのトラブルもあるのかなと思う。その辺についてはどうですか。 ◎産業振興センター次長 農地でございますので、風が強い日に土ぼこりが舞い上がったり、泥であるとか騒音、におい、雑草、それから車で来てはいけないんですけれども、車で来られる方がいますので、違法駐車あるいは飲酒、そういった苦情がございます。  また、1人で複数区画を利用されたり、あとは不耕作といいまして、雑草が生えっぱなしであったり、あるいは盗難といいまして、ほかの区画の方の果実を取っていってしまう、そういった利用者同士のトラブルもございます。 ◆富本卓 委員  結構情けないやつもいるんですが、そのあたり、区として対策はどのようなものをとっているのか。 ◎産業振興センター次長 対策といたしましては、区の職員や委託業者による巡回をしたり、注意喚起を図る掲示物を掲示したりしてございます。それから、対象者が確定できれば利用の取り消し、そういったことも行っておりますけれども、なかなか問題の解決に至っているわけではございません。 ◆富本卓 委員  そういう状況もあって、本題の利用料なんですけれども、たしか今、年間3,000円だと思いますけれども、この金額が間違いないのか。あと、推移、根拠、このあたりもお示しください。 ◎産業振興センター次長 先ほど来話が出ておりますけれども、平成9年に3,000円を定めてございまして、それ以降上げてございません。  3,000円算出の根拠でございますが、区民農園利用者に直接かかる水道料であるとか樹木管理の委託料であるとか、そういった経費を区画数で割り返して算出してございます。 ◆富本卓 委員  9年の見直しということですから、15年ぐらいたちます。私も今回これをちょっと質問しようと思って、近くの自治体を調べてみました。1区画の広さが違うので、一応15平方メートルを単位で見ると、杉並は月額250円、練馬が266円、中野が300円、武蔵野市が458円、世田谷区が533円、三鷹市が600円で、杉並が一番安いわけですね。  そこで伺いますけれども、維持経費は区としてどのぐらいかかっているのか、この辺はどうなんでしょうか。  あと、区民からどのぐらいもらえばある意味とんとんになるのか、その辺はいかがですか。 ◎産業振興センター次長 区民農園の運営総額でございますけれども、平成24年、今年度、約2,300万でございます。  それから、幾らでとんとんかというお話でございますけれども、算出根拠といたしまして、平成9年は工事費も含めて算出してございますけれども、工事費は年によって増減がございますので、それを除きますと、7,400円強でございます。 ◆富本卓 委員  7,400円、そうなると、今利用料は半額以下ですよね。少し安過ぎるように思いますけれども、この辺、見直し改定はする気はないのか。 ◎産業振興センター次長 今現在、見直しを検討してございます。 ◆富本卓 委員  具体的に幾らになるとか、いつごろまでに出すとか、その辺はいかがですか。 ◎産業振興センター次長 利用期間が来年2月までですので、来年3月からの利用の方につきまして、見直した金額を提供していければなというふうに思っております。  それから金額につきましては、今申し上げましたように、利用者負担ということでございますので、7,000円。すぐに来年7,000円にするかどうかというのはまだ検討の余地がございますけれども、段階的に上げるかどうかということも考えていきたいと思っております。 ◆富本卓 委員  3,000円が7,000円では、ちょっと急に倍額以上で、いろいろあると思います。ただ、こういう区民農園というのは、絶対的サービスというか、ある意味やりたい人がやるサービス、趣味と実益みたいなところがあるので、この辺は私はきちっと見直して、それなりのものはいただいていかなきゃいけないと思います。例えば住民票の交付とか、そういうものとはサービスの質が違うので、その辺はしっかりやっていただきたいと思います。ただ、今お話もあったように、とはいうものの、いきなり3,000円が7,000円になるといろいろ苦情もあると思うので、激変緩和、このあたりはしっかりやっていただきたいと思いますけれども、改めて伺っておきます。 ◎産業振興センター次長 利用料の問題もそうですし、利用期間の問題もございますので、これから早急に利用者の方からアンケート調査など実施いたしまして、区民の声も聞きながら進めていきたいというふうに思っております。 ◆富本卓 委員  それで今も話しましたけれども、区の利用料と使用料でもいろいろな質があると思うんですよね。今みたいに趣味と実益でやってもやらなくてもいいようなものと、どうしてもやらなきゃいけない、住民票とかそういうのがそうですけれども、そういうものがある。これはある程度きちっと切り分けてしっかりと見直していくということも必要だと思いますけれども、15年たっていますよね。今後、ある程度見直しをしていく時期ではないのか。区としても今財政が厳しい状況なので、数少ない歳入確保のでもあるわけですけれども、この辺について、今全庁的にどういうふうな受益者負担の見直しを行おうとしているのか、伺っておきたい。 ◎政策経営部長 先ほど財政課長のほうからもご答弁申し上げましたけれども、平成9年に改定をしてから15年ということで、その間も内部では全般的な見直しについて幾度か検討をした経過がございます。社会経済状況等を勘案しまして見送ったという経過でございますけれども、このたび、15年を経過して施設を取り巻く環境も大きく変わっておりますので、そういうことを踏まえまして、適正な受益者負担を求めていく、そして負担の公平性を確保していく、そういった観点から改めて見直しをしていきたいというふうに考えてございます。 ◆富本卓 委員  項目で言い忘れたけれども、防災訓練。  時間もあれなので、簡単に行きますけれども、防災対策がいろいろ出ておりまして、防災訓練は私ずっと言っているんです。たしか前回のときも松沼副区長から前向きな答弁をいただいたと思います。少々期待しながら、震災救援所ですけれども、この間9月2日、地元の桃三小も行きました。たしか雨でしたが、内容もメンバーも毎年と全く同じで、あと、ほかの地域のことも聞きたくて会派の議員などに聞いてみましたけれども、ほかもほとんど変化がないということです。正直がっくりしました。また、大して多くない私のブログの読者も、地元の人が3人ぐらい、富本さんの言うとおりだということを言われておりましたけれども、見解を伺っておきます。 ◎防災課長 今、震災救援所に参加された中で、期待にこたえていないという点の思いについては、率直に受けとめさせていただきたいと思います。 ◆富本卓 委員  受けとめて改善をしていきたいと思うんですけれども。きのうもいろいろ意見が出ていましたけれども、私も1つ感じるのは、テーマ性がないんですよね。ただやっているだけ。だから、ことしは何やるんだとか、ことしはこういうことをやろう。例えば要援護者のことをやろうとか、ことしは発災してすぐのことをやるとか、3日目のことをやるとか、そういうテーマ性を持つ必要があると思うんですよ。  そこでもう1つは、震災救援所にちょっと任せ過ぎ。自治を信じるのもいいんだけれども、危機管理だから、ある程度平準化する必要があるわけですよ。ここはできている、ここはできてない。震災救援所で、ここはこういうことが強いけれども、こういうことが弱いとか、そういうことは区が知る必要があると私は思うんですけれども、この辺について対策というか、今後の見解。 ◎防災課長 震災救援所によってはユニークな取り組みを行っているところもあったりとか、手本になるようなところもあります。そういったよいところを伝えていくだとかいうことで、私たちも震災救援所の中に入っていって、積極的にかかわっていくことが大切かと思います。さらに、訓練のテーマ性だとか、そういったところも含めて、また引き続き検討してまいりたいと思います。 ◆富本卓 委員  フィギュアスケートでいえば、規定演技と自由演技があるじゃないですか。その規定演技のところはきちっと区が面倒を見て、こういうことをやるんだということを決めて、それをみんなにわかってもらって、やる。自由演技のところは自由で生かしてもらえばいいんですよ。そういうふうなちょっと頭を使ったことをやったほうがいいと思います。  それで関連して伺いたいんですけれども、その際いろいろ聞いたときに、西荻南児童館の方が、高四が今度やるんですけれども、高四の会議に参加して、そこには桃三のお子さんもいるわけです。とりあえず児童館の中では全員、桃三の子も含めて高四に避難をすることを決めたということがあって、その旨保護者にも伝えたということです。ただ、今回決めるまではそのような取り決めもなかったそうですが、例えば夕方なんかに地震が起きた場合には、児童館に子どもがいるわけです。こういうふうな対策は、今どうなっているんでしょうか。 ◎児童青少年課長 まず、児童館に関しましては、それぞれ所在地に対応した震災救援所があらかじめ決まってございます。今回改めて決まったとかそういうことではなく、過去から決まってございます。今ご指摘のありました西荻南児童館につきましては、過去から高井戸第四小学校ということで決まってございます。  先般の震災を受けまして、児童館向けの危機管理マニュアルを改定いたしました。また、今回、安全連絡網なども始まったこともありますので、そういったところを踏まえてのご説明の中で、少々誤解を生むような発言をしてしまったかなというふうには思いますが、過去から決まっているものでございます。 ◆富本卓 委員  わかりました。本当に防災対策はいろいろ言われておりますけれども、私は、住民のパワーをどれだけ生かせるかということが、何でも区にやってもらうというのは限界があるし、この間もいろいろ出ていたけれども、お金も限界があるので、その辺は住民パワーをしっかり生かしていくというようなことをしっかりやっていただきたいと思います。これは効率性も上がるし、自治意識も高まると思いますけれども、改めて来年の訓練は胸張って参加できるぐらいの、富本さんが褒めていたよというぐらいのことを言っていただけるような訓練にしていただきたいと思います。副区長も何度も答弁されているんだが、この場限りをごまかすのではなくて、しっかりやっていただきたいと思います。いかがですか。(笑声) ◎副区長(松沼) いろいろご期待にこたえられなくて、ちょっと肩身の狭い思いをしてお話を伺っておりました。決意としては、来年じゃなくて、ことしの防災訓練に向けて頑張っていきたいというふうに思っております。 ○大槻城一 委員長  それでは、田中ゆうたろう委員、質問項目をお知らせください。 ◆田中ゆうたろう 委員  私からは、座・高円寺、それと時間がありましたら、地域の活性化についてお尋ねをいたします。  まずは座・高円寺についてであります。  昨年の決算特別委員会におきまして、私はこの問題を取り上げさせていただきました際、私自身も演劇をやっている身として、どんな劇場なのか、使い心地はどのようなものか、まだここでやったことがないので楽しみにしているという旨を申し上げたかと思います。そこで実際に私、この劇場を演劇目的で使ってみました。といいましても、地下の座・高円寺2のことでございまして、1階の座・高円寺1のことではありません。  劇場というのは、使ってみないとわからないこと、使ってみて初めてわかることというのがたくさんあります。とてもきれいでぜいたくな劇場だというふうに感じました。私などはあちこちの小さな劇場、いわゆる小劇場を点々と渡り歩いてまいりましたので、そのような経験から言わせていただくと、とても豪勢で、正直言って、この維持費はどこから出ているのかとひしひしと考えさせられるような劇場でした。2億3,000万もかかっているわけですね。区民の一般利用を視野におさめた座・高円寺2でさえ、このような潤沢なつくりなのですから、ましてや専門の劇場としてつくられた座・高円寺1で演劇が行える演劇人というのは、その喜び、その幸せをかみしめていいところだ、杉並区に感謝しながら公演を打たなければならないところだと、これは演劇人の端くれとして率直に感じたところであります。  前置きが長くなりましたが、まずは杉並区は芸術というもの、あるいは文化芸術というもの、これをどのようにとらえておられますか、まずお尋ねしておきます。 ◎文化・交流課長 文化芸術というのは、そのものが皆さんの暮らしを豊かにしていく、そういったものであろうというふうに思っております。 ◆田中ゆうたろう 委員  豊かにということなんですが、一昔前に芸術は爆発だと定義したこの道の大先達がおられます。例えばですけれども、この言葉はどのような意味合いなのでしょうか。文化芸術を奨励していく杉並区として、その文化芸術の世界に住む人々の言葉を特殊なものと片づけてしまうのではなく、自らの言葉として解釈したり、そしゃくして人に説明できたりする必要があると思いますので、あえてお尋ねいたします。 ◎文化・交流課長 その方の美術といいますか、芸術に対する思いを表現されたものだというふうに考えております。 ◆田中ゆうたろう 委員  私はこう思うんですね。人間は日常生きているだけではあきたらない、そういう非日常的な生命力の躍動する瞬間、例えばお祭りですとか、そういうときがある。そういうときにほとばしり出る人間の営み、そういうものを岡本太郎は一言で爆発と表現されたのではないかというふうに思うんですね。  先日もこの決算特別委員会におきまして、区の仕事はまずもって区民の生命を守ることだといったご指摘がございました。といたしますと、差し当たり劇場運営などというもの、文化芸術の保護、奨励などというもの、そんなことは区の仕事として果たしてさほどの重きをなすのか否か、そういったことをまず確認しておかなければならないと私は思うんですけれども、そのあたり、区のご認識をお聞かせください。 ◎文化・交流課長 芸術文化が、先ほど言いましたように、非常に人々の暮らしを豊かにしていくというところからして、区がやっていく業務として妥当性があるというふうに考えております。 ◆田中ゆうたろう 委員  豊かにするということなんですけれども、芸術に触れるですとか、かかわるですとかということは、具体的には、芸術をつくる、表現する、創作するという立場と、芸術を鑑賞するという立場と、その2つがあるわけですけれども、いずれにしても、芸術にかかわっていないと死んでしまう、豊かになるとかそういうどころではなくて、本当におかしくなっちゃう、そういうタイプの人々が確実にいるんだということの認識からすべての認識が始まるのではないかと私は考えているんです。もっと言えば、すべての人々にとって必要なもの、それが本来の意味での芸術ではないでしょうか。だからこそ公共の劇場といったものが必要とされているのではないかと感じますので、そのような視点から伺いますけれども、ことし6月、国の劇場法が制定されました。まずはこの法律の経緯、内容についてお伺いいたします。 ◎文化・交流課長 最初に、経緯でございますが、平成23年に決定をされました国の文化芸術に関する第3次基本方針で、法的基盤のない劇場、音楽堂がすぐれた文化芸術の創造、発信に係る機能を十分に発揮していくため、法的基盤の整備について早急に具体的検討を進めるとの方針が出されて、ことし6月に制定されたというものでございます。  次に、内容でございますが、劇場、音楽堂等の機能を十分に発揮させ、多彩な実演芸術をつくり続けていくこと、また、事業を行うための必要な人材の養成の強化をしていく必要性など、そういったことが盛り込まれた内容となっているものでございます。 ◆田中ゆうたろう 委員  わかりました。杉並公会堂や座・高円寺では、この劇場法をどのように受けとめ、運営に反映していかれるおつもりでしょうか。 ◎文化・交流課長 杉並公会堂は、ご存じのように、PFIでの建設、運営・維持管理をお願いしている施設でございますので、今後、劇場法の趣旨にのっとって運営についても話し合いを続けてまいりたいというふうに考えてございます。  また、座・高円寺は今般の劇場法の制定前、また今後の国の指針の作成に当たって、進んだ劇場の1つとして、文化庁から芸術監督などがヒアリングを受けており、その運営が評価されているものと考えておりますので、今後も、区の文化芸術の発信の拠点場所として運営を維持していければというふうに考えているところでございます。 ◆田中ゆうたろう 委員  そこで、さかのぼってお尋ねします。音楽は公会堂、演劇は座・高円寺というすみ分けがあるやに聞き及んでおりますけれども、このすみ分けはどのように決められたのでしょうか。 ◎文化・交流課長 杉並公会堂は旧施設のときから、音響にすぐれたホールとして名声を得ておりました。建て替えに当たりましても、その伝統を継承して、施設を基本的な考え方の1つとしてPFIの要求水準に盛り込んで、音楽をメーンにしたホールということになっております。  座・高円寺につきましては、高円寺に活動拠点のある演劇団体や演劇人が多いということも言われており、また、狭あいな施設でも演劇の拠点にふさわしい施設なら建設が可能であろうと。また、演劇を発信する劇場、旧高円寺会館を継承する区民ホール、阿波踊りの練習場所、そういった考え方を取り入れて建設に当たったものでございます。 ◆田中ゆうたろう 委員  今るるお伺いいたしましたけれども、経緯はともあれ、音楽と演劇というそのすみ分けは、結果的に非常にある意味では西洋的な考え方だというふうに思いまして、私はちょっと賛成しかねる部分もございます。  といいますのも、大ざっぱに演劇と申しましても、実はいろいろなジャンルがあるわけですね。昨年も申し上げましたけれども、特に能狂言、文楽、歌舞伎、日本舞踊などなど、日本の伝統芸能では、演劇的要素、舞踊的要素、音楽的要素が混然一体となっており、はっきりといずれかの領域に分けられないからであります。一例として、座・高円寺に建て替わる前には日本舞踊の発表会ができたのに、座・高円寺になってからはできづらくなってしまったというような声も聞き及んでおります。公共の劇場なんだから、いわゆる狭義の現代演劇だけではなくて、伝統を含めた多様なジャンル、多様な出し物が上演できる小屋を目指すべきではないのか、そういった声も聞こえているわけであります。  そこで、座・高円寺には、施設の運営に対して意見を述べる運営評価委員会が設けられ、その委員として2人の区議会議員も入っておりますけれども、この運営評価委員会の設置の目的、意義とは何でしょうか。 ◎文化・交流課長 座・高円寺の運営評価委員会の設置目的でございますが、芸術文化普及振興事業の充実と施設の適正な運営及び管理を図るために設置をしているものでございます。 ◆田中ゆうたろう 委員  この評価委員会では各評価委員が運営に対してさまざまな意見を述べておりますが、そうした声が座・高円寺の施設運営にどのように生かされているのか伺います。 ◎文化・交流課長 座・高円寺の評価委員会では、毎年度の芸術文化振興事業、施設運営管理業務に対する評価、各委員さんからの意見をいただいているところでございます。そうした意見につきましては、次年度以降の主催、提携事業の演目の選定、また、施設利用での工夫、改善に生かしているところでございます。 ◆田中ゆうたろう 委員  ぜひ積極的にそうした声が酌み取られることを期待いたします。日本の伝統芸能もパフォーマンスアート、広義の演劇に十分含まれるわけですから、所作台ですとか松羽目ですとか、そういった配置など、従来どおり、日本舞踊の発表会、それにセシオンで行われているような能楽の実演なども行えるような配慮を目指していただきたいというふうに、これはお願いをしておきたいと思います。  端的に言って、座・高円寺でいうところの演劇はリアリズムに立脚するいわゆる狭義の現代演劇に重きが置かれる余り、日本の伝統芸能は視野におさめられていないというふうに私は強く感じております。人形遣いの顔が見えるので理解ができないというようなことを言った、それで地場の郷土芸能を卑しめたほかの自治体の首長の不見識などは、他山の石とせねばならないところと私は思っております。  次に、けいこ場ですけれども、これは現在どのように利用されているんでしょうか。 ◎文化・交流課長 けいこ場の使用につきましては、主催、提携事業をするけいこ、それからアカデミーといいまして、人材育成をするけいこ場として使用しているところでございます。 ◆田中ゆうたろう 委員  先ほど申し上げましたけれども、舞台の上に立っていないと死んじゃうというような人たちもたくさんいるんですね、私もそうなんですけれども。ですので、そういった方たちに広く、特に区民の演劇人に開放してはいかがかと私は思いますので、これも要望しておきたいというふうに思います。  先ほど来お話ししていますように、演劇というのは、プロフェッショナルですとかセミプロですとかアマチュアですとか、そういう境界線が引きづらいという部分があると思います。プロと呼ばれる人たちであっても、何かしら副業を持っているという場合もたくさんございます。  そこで、昨年のご答弁の中にもあったんですけれども、座・高円寺1は質の高い演劇を供する、座2のほうは広く区民利用に供する、その中にアマチュアも含まれるというような言葉があったかと思うんですけれども、これはある種誤解を与えかねない表現であるというふうに私、思っております。区はどのようにとらえていらっしゃいますでしょうか。 ◎文化・交流課長 座・高円寺1の利用目的の1つでございますが、演劇や舞踏等のすぐれた舞台芸術の発信のため、芸術監督の方針のもとに、主催、提携等の演目を実演するための施設として運営することを基本としております。  また、座・高円寺2につきましては、旧高円寺会館の貸し館機能を引き継いで、一般区民や演劇等を自ら行うさまざまな文化芸術活動や集会、発表会、講演会など、幅広くご利用いただいているところから、そのようなイメージでとらえられているものというふうに考えております。 ◆田中ゆうたろう 委員  私、実際この間2を使わせてもらって、1とは違って、2の場合はチラシに座・高円寺のロゴを使えない。それと置きチラシも1と違ってお金がかかる。劇場の表に立っている宣伝のポスターを張る板も使わせてもらえないという、さまざまな区別があるなというふうに感じたのが率直なところなんですね。  最後に、この座・高円寺1の施設利用につきまして、主催、提携公演でしか実演は今のところは余りできませんけれども、他の劇団の上演にも枠を設けるなど、もっと門戸を広く広げていくべきではないかというふうに感じますけれども、伺って、おしまいにいたします。 ◎文化・交流課長 座・高円寺1の使用につきましては、芸術監督のもと、年間の公演スケジュールを立てて、杉並区の文化芸術の発信に貢献をしていただいております。ご指摘を踏まえまして、一般利用枠につきましても、広報等、利用可能期間をお知らせし、ホールの機構や機材などガイダンスの受講を条件にしまして、一般の方々にもご利用いただけるような枠を増やしていけるように検討はしていきたいというふうに考えております。 ○大槻城一 委員長  杉並区議会自由民主党の質疑の途中ですが、ここで午後1時まで休憩いたします。                             (午前11時59分 休憩)                             (午後 1時    開議) ○大槻城一 委員長  休憩前に引き続き委員会を開きます。  なお、理事者の答弁は迅速かつ簡潔にお願いをいたします。  杉並区議会自由民主党の質疑を続行いたします。  斉藤常男委員、質問項目をお知らせください。 ◆斉藤常男 委員  産業振興、防災、減災、人材育成、地方公務員の雇用と年金の接続問題、議会費。  青い空、白い雲、区民がつくり出すみどりの都市杉並の建設に向かって伺ってまいります。  産業振興についてまず伺います。産業とはどういうことですか、定義づけをお知らせください。 ◎産業振興センター次長 漢字のとおり、業を産むということでございます。 ◆斉藤常男 委員  大変人を軽んじるような答弁で、遺憾の意を表しておきます。(笑声)産業というからには何と何が入っているのか、その範囲はどうなのかというのが質問の趣旨であります。 ◎産業振興センター次長 大変失礼いたしました。国の産業分類によりますと、工業、林業、農業、商業、さまざまな分野がございます。 ◆斉藤常男 委員  そういう学問的な位置づけじゃなくて、地方自治体としての位置づけとして、商店街が1つ、中小企業が1つ、農業が1つと、こういうふうなことをお聞きしたいんですが、いかがですか。 ◎産業振興センター次長 区内産業といいますと、委員ご指摘のとおり、中小企業、商業、農業、それから情報関連の産業というところでございます。 ◆斉藤常男 委員  したがって、その範囲内で振興策を決めていると思うんですが、振興策には何と何があるんですか。 ◎産業振興センター次長 振興策でございますけれども、今現在は、商店街関係は補助金を主に行っておりますし、農業関係は農業振興ということで、都市農業の位置づけであるとか意義であるとか、そういったもののPRに努めているところでございます。 ◆斉藤常男 委員  時代と経済情勢が変化してきていますけれども、5年前の振興策と今日の振興策との違いはありますか。 ◎産業振興センター次長 5年前との比較というご質問でございますけれども、産業分類というか形態が、区内の場合には保健福祉、教育、そういった分野が増えてございますので、あと中小企業関係も少し力を入れていきたいというふうに思っております。 ◎産業振興センター所長 5年前との大きな違いでいいますと、どちらかというと、5年前というのは、杉並区全体というふうな考え方が基本にあったと思います。これらは当然、商店街もそうですし中小企業もそうでしたけれども、最近の動きとしては、例えば商店街でいきますと、地域特性に応じてどういうように事業展開していくか、そういうところで地域特性という部分が非常に変わってきている、そんなふうに考えておりますし、施策そのものも事業そのものも、そういう形に少しずつ比重が移っている、そういうふうに考えています。 ◆斉藤常男 委員  商店街の位置づけと評価について見解をお伺いします。 ◎産業振興センター次長 商店街につきましては、物品を提供するというだけではなくて、にぎわいの創出であるとかコミュニティの機能を果たすとか、それから安全・安心機能も果たしているというふうに考えております。 ◆斉藤常男 委員  同時に、防火、防犯、防災等の中心的な役割を担っていると思うんですよ。高齢化が進んで、町会の役員の方も一生懸命やっていただいていますけれども、非常に高齢の方が多い。その中で元気な中心部隊は、地域では商店街ではなかろうかと思うんですが、いかがですか。 ◎産業振興センター次長 防犯・防災機能も非常に大きい意味を持っているというふうに考えております。 ◆斉藤常男 委員  そこで、私ども、議員立法ということで商店街活性化条例を成立させましたけれども、この条例についての効果と評価はどうなっていますか。 ◎産業振興センター次長 商店街活性化条例の内容は余り具体的な策が講じられてございませんで、成果といたしましては、なかなか厳しいものがあろうかというふうに思っております。 ◎産業振興センター所長 当時、条例ができたという時代の中では、非常に画期的な条例だったと思いますし、初めての議員提案でできた条例、そんなふうに思っています。
     その後の経過でございますが、現実的な、例えばあの中でも、商店会は何をするのか、あるいは行政は何をするのか、そういった責務などについても書いてありますが、どちらかというと、当時でも一番大きな問題だった商店会の未加入問題というのが、やはりなかなか解決されていない。そういう意味では、今審議会の中でも議論がされておりますが、例えば未加入問題について新たな視点から違う策を考えていくべきじゃないか、そういったような議論もなされております。そうした意味では、これまで議員立法ということでできた条例そのものが、長い年月を経ながら、当然条例としての成果というのはあったと思いますが、審議会の中ではそういったような議論もなされているということで、もう一歩踏み込んだことがこれから必要になってくるのかなと、そんなことも考えています。 ◆斉藤常男 委員  ありがとうございます。そこで、商店街が不振の原因はどこにあるとお考えですか。 ◎産業振興センター次長 産業実態調査によりますと、商店街の強みと弱みというところの質問項目で、商店自身の弱みの認識としましては、立地であるとか長時間営業、年中無休、地域に密着した事業活動、こういったところが不足しているという認識です。一方、区民が感じている不満としては、欲しい商品がない、品ぞろえが少ない、商店が少ない、駐車・駐輪スペースが少ない、こういったところでございます。 ◎産業振興センター所長 今、次長が話をしたのも一理あるかと思いますけれども、一番大きな問題というのは、やはり高齢化してきているという問題、後継ぎが少なくなってきている、そういう問題が1つ大きな要素としてあるかなというように思っています。  それからもう1つが、今回実態調査をやって初めてわかったわけですけれども、商店会の意識と消費者の意識、区民の意識といいましょうか、そういったところで乖離がある。そういう乖離の問題をどう埋めていくかということを、これまでなかなか手がつけられてこなかった。そういったところに要因があるかというふうに思っています。 ◆斉藤常男 委員  いろいろ要因があると思うんですけれども、結局、端的に言えば、売り上げ不振で利益が上がらない、お金が入ってこない、お金がない。したがって、商店街の陳情を見ると、みんなお金に絡む陳情です。また、区のほうでも、先ほど答弁で補助金という言葉がありましたけれども、しかしながら、あくまでも区は商店街の環境、条件整備であって、やはり中心は商店街の人々なんですね。いかに意欲を持って取り組んでいただけるか、そこに施策の中心を置かないと、補助金出しても空回りするのではなかろうか、こう思うんですが、いわゆる商店街のやる気に対してどうやって火をつけてきたんですか、また火をつけようとしていますか。 ◎産業振興センター所長 最近、産業振興センターができてから、以前からでありますが、職員がいかに現場を見て、現場の状況をどうつかむかということがまず1つあるかと思いますし、その辺について力を入れてまいりました。  それから、さまざまなイベントをそれぞれの商店会で行っておりますけれども、当然そういったところにも出向いていって、商店会の人たちと話をしてくる。そういった中から、例えばですけれども、商店会の中で、ああ、こういうような意見を持っている人がいると。割と若手の人で、商店会全体を考えたり、そのほかのまちづくりなんかも相当関心を持って、商店会を活発にしていこう、そんなような人たちもおりますので、そういった人たちをつかみながら、そういった人たちと話をしながら進めてきている、そんなこともこの間やってまいりました。 ◆斉藤常男 委員  当区には異動基準がありますけれども、やはりなじんでもらう。なじむ中で情報を発信して、知恵を出し、共に創意工夫して進んでいく、こういう姿勢が大事じゃないかと思うんですよね。ですから、異動を短期間で行わずちょっと期間延ばしていただいて、各商店街の方々と知り合いになって心の中に飛び込んでいく、こんなことをお願いしておきたいと思います。  そこで、条件、環境整備ということで、商店街に滞留時間を長くする、そして会話のできる場所をつくる、あるいはイベント広場をつくる、ポケットパークという考え方はもう長い間提唱していますけれども、こういう空き店舗があるときこそ絶好のチャンスだと思うんですが、いかがですか。 ◎産業振興センター所長 商店街の中で集ったり語らいができる、そういった場所というのは当然必要だと思いますし、何よりもそういった場所を、人が集まる、魅力がある、そういったものにしていく。そういう意味ではいろいろな工夫をしていかなければいけないというように考えています。 ◆斉藤常男 委員  最近、地方都市へ行きますと、商店街の中に高齢者のたまり場を提供して、そこで買い物し、あるいは地域の人々と話しながら健康や精神面の強化を図っていくというふうな動きがあるんですが、その辺の考え方はどうですか。 ◎産業振興センター所長 杉並には今、街の駅というのが2つしかありませんが、その街の駅をつくったときにも、そういったことを目的の1つとして進んできたというふうに思っています。今委員のおっしゃった、高齢者がたまりやすいというか、集まりやすい場所、そういったことについても話は伺っております。 ◆斉藤常男 委員  商店街の方、頑張っていますけれども、買いたい品物がないという声が結構強いんですよ。そういうことで仕入れの方法なんかまでアドバイスする専門家の派遣というのはどうなっていますか。 ◎産業振興センター次長 今ご指摘のアドバイザーということでございますけれども、中小企業診断士を含めて、アドバイザーを派遣する制度がございます。 ◆斉藤常男 委員  飛騨高山とか隣の古川市等は、目的は違いますけれども、外装に対して補助金を出しているんですよね。まちの美観を高め、気持ちよく買い物するには、外装に対する補助というようなことも当然一考に値すると思うんですが、いかがですか。 ◎産業振興センター次長 外装といいますか、1店舗1店舗の外装、プラスまちなみといいますか、全体の景観、そういう視点も必要かというところもございまして、まちづくりと商店街振興を少し連携させながらやっていく必要があろうかというふうに考えております。 ◆斉藤常男 委員  次に、区が発注する事業、物品購入等の区内業者優先についてはどうですか。 ◎経理課長 緊急的な要綱を作成いたしまして、21年1月から実施をしているところでございます。 ◆斉藤常男 委員  我々がつくった活性化条例の中では、加入促進という意味があったわけですが、未加入のところと加入したところに渋谷区では融資条件で金利に差をつけていますけれども、こういうふうな策は当区としてはどう考えていますか。 ◎産業振興センター次長 渋谷の場合は条例に融資に関する文言が入ってございますので、そのとおりでございます。当区といたしましては、今現在、産業振興審議会で検討しておりますけれども、条例でそういう文言を入れるのが正しいのか、あるいはもう少しやわらか目にして、ただ、実際にそういう仕組みを設ける必要もあるのではないかという議論もしてございます。 ◆斉藤常男 委員  これは利益追求行為だから正しいとか正しくないじゃなくて、効果があるのかないのか、実効性の問題じゃありませんか。 ◎産業振興センター次長 そのとおりでございまして、実効性があるかどうかというところで、渋谷が実効性があったかどうかということはちょっと確認してございませんけれども、推測でいけば、あるものではないかというふうに思います。 ◆斉藤常男 委員  けさからの議論を聞いていると、情報を発信しなきゃいけないんだけれども、よくわからないとかつかんでいないとかという答弁があるんですが、こういう情報は正確につかんで、当区の施策として生きるか生きないかというようなことを検討していただきたい、こう要望しておくんですが、そこで、情勢の変化に伴って新条例の制定についてはどういう見解をお持ちですか。 ◎産業振興センター次長 新しい条例を今検討を始めたところでございまして、従来、他区の例を見ますと、先ほど冒頭のご質問でございますけれども、産業別に条建てしていたり、それから事業者の責務、区の責務、国民の責務、そういうふうな流れでございますけれども、当区といたしましては、産業関係のコラボレーションとか横ぐしを入れるとか、そういった新しい試みをしていきたいというふうに考えております。 ◎産業振興センター所長 区長が審議会のほうに諮問をしたわけですけれども、その中では、中小企業基本条例の制定についてというような諮問を行いました。審議会の中でいろいろ議論がされまして、むしろ産業振興という大きな枠組みの中で、今次長がご答弁申し上げましたが、いろいろな分野を横ぐしにしながらつくっていく条例、そういったものが必要ではないのか、そういったような議論が出されまして、今この条例については、部会を設けまして部会の中で議論をしているところです。  先ほど、渋谷区の融資条例といいますか、融資の規定のある条例の件が話題になりましたが、当然そのことについても議論がなされておりまして、特に商店会の加入率の中で、今加入してきてないのはどの辺かというと、チェーン店であったり大型店であったりで、そういったところと融資というのはすぐには結びつかないだろう、そういう問題とか、そういったことも議論されておりまして、もろもろ議論しながら、杉並区にふさわしい条例の原案をつくっていきたいなというふうに考えています。 ◆斉藤常男 委員  るる申し上げてきましたけれども、現下、事業者の意欲が低下していますから、知恵を出して意欲向上策というものについてひとつ検討願いたいと思います。  次に、農業振興策について伺います。  農業振興策はどういうふうになっていますか。 ◎産業振興センター次長 農業振興策につきましては、まず、先ほど午前中もお話がありましたように、区民農園とか、区民の方に農業に触れてもらい理解を深めていただくというようなところと、それから区内農業のPRということで農業祭を実施したりしております。それから、地産地消という角度から、学校給食に区内産農産物を提供したり、それから即売会であるとか直売所、そういったところで区内農産物を提供しているところでございます。 ◆斉藤常男 委員  いろいろご苦労願っておりますが、地元業者と競合しない範囲で直売所の場所を提供してもらえないか、こういう要望が出ておりますけれども、その辺の見解はいかがでしょうか。 ◎産業振興センター次長 直売所の増設につきましても、私ども耳に入ってございます。ただ、委員ご指摘のとおり、既存の八百屋さんと競合しない形でいかに進めていくかというところで、今検討しているところでございます。 ◆斉藤常男 委員  競合しない区の施設たくさんありますので、ぜひご検討願っておきます。  次に、区内の農産物のブランド化の推進についてはどうなっていますか。 ◎産業振興センター次長 古くは高井戸の節成キュウリであるとか豊多摩早生、井荻ウドなどブランドがございました。ただ、都市化の進展によりまして、こういったブランドがすたれてきたというところはございますけれども、近年、多年草のホドイモに似たアピオスなどにも挑戦しましたけれども、生産量や需要の問題もあってなかなか思うように成果が出ていないということでございます。 ◆斉藤常男 委員  この辺もお互い議論しながら知恵をかしてあげればと、こう思っていますので、ひとつ今後とも促進をお願いしておきたいと思います。  次に、農業公園の建設について伺っていきたいと思います。  毎年、生産緑地はどのくらいの平米数と何カ所ぐらい生産緑地が解除されていますか。 ◎産業振興センター次長 生産緑地につきましては、毎年大体10ヘクタールぐらいずつ減ってございます。それから、農家数につきましても、大体10農家ぐらいずつ減っております。 ◆斉藤常男 委員  よく都市計画審議会で議論になるんですが、年々生産緑地が解除されていく。みどりの場がなくなるのではないかということで、みんな懸念しております。したがって、適切な生産緑地を買収して、農業公園、区民の方が土に親しむと同時に農業振興等を兼ねてこういう公園づくり、あるいは子どもの情操教育の面からも大切なことだと思うんですが、いかがでしょう。 ◎産業振興センター次長 生産緑地の買い取り申請につきましては、都市整備部のほうで、都市計画化できるかどうかとかさまざまな角度から検討しているところでございます。農業公園につきましては、みどりの基本計画にも載ってございますし、産業振興センターとみどり公園課で調整しているというところでございます。 ◆斉藤常男 委員  二十七、八年前、神戸市に視察に行きました。そのとき、神戸市で農業公園がありました。こんな大都市に何で農業公園があるのかとびっくりした記憶がございます。  それで、今の答弁は間違いないんですか。 ◎都市整備部長 農業公園等の設置につきましては、みどりの基本計画の中にも記載されてございます。都市のみどりとか農地を残す有効な手法の1つかというふうに考えてございます。 ◆斉藤常男 委員  ありがとうございます。ぜひ、検討でよき結論が出ることをお祈りしておきます。  次に、防災・減災対策について伺います。  区は、どういう理由、根拠で防災対策を行うようになったんでしょうか。 ◎防災課長 区民の生命、財産を守ることは区の責務であり、平成7年の阪神・淡路大震災をきっかけにしまして、杉並区防災対策条例を設置しまして、区の防災対策を進めているところであります。 ◆斉藤常男 委員  違うんですよね。関東大震災以降70年間たてば東京に大きな地震が来るという学者の説が有力説と認定されて、そのために一斉に準備態勢に入ってきたんですよ。そういうことは引き継ぎなかったんですか。 ◎防災課長 ちょっと認識不足のところがあったかと思います。 ◆斉藤常男 委員  ごめんなさい。あなたは一生懸命やっているから、感謝しています。  それで、これまでどのくらいのお金を投入してきたんでしょうか。 ◎財政課長 防災経費、これまでというお話なんですが、とりあえず今決算年度、23年度につきましては、東日本大震災の対応ということで、関連経費も含めて約60億ございました。そのうち、防災会が執行していたり、災害の要援護者だとか耐震改修などの福祉やまちづくり部門で出したものも加えると、おおむね7億程度という形になります。この水準で過去やってきた。  今後は、実行計画の新しい3カ年の計画の中で3カ年で37億という形で、かなり充実してきているということでございます。 ◆斉藤常男 委員  私はざっと勘で申し上げて申しわけないけれども、膨大な金額を投入して区民の命を守ろうとしてきたと思います。ということは、議会にも災害対策特別委員会というものを設置して、鋭意区民の要望をお伝えして準備に入ってきた、こういう経過があります。  また、発災から期間たちますと、風化してだんだんだんだん記憶が薄れて真剣な取り組みがなされなくなる、こういう傾向はあるわけですね。ですから、寺田寅彦博士が「災害は忘れたころにやってくる」、こういうふうに警鐘を鳴らしたわけです。  そこで、備蓄倉庫はどこにあり、どのくらいの数があるのかお知らせください。 ◎防災課長 備蓄倉庫は区内全域に28カ所、それと別に学校防災倉庫として66カ所ございます。 ◆斉藤常男 委員  管理状態はどうですか。 ◎防災課長 食料品とか消費期限切れのそういったものもありますので、職員が定期的に巡回をして管理をしているところでございます。 ◆斉藤常男 委員  それで、管理は、わかりやすく出しやすく、しかも手にとりやすくという簡便さが要求されるわけですね。  監査委員にお尋ねします。学校に行って監査なさって、備蓄倉庫の状態はいかがですか。 ◎監査委員事務局長 学校の定期監査のときに、学校の防災倉庫につきましても状況を見てございます。現場で説明聴取を受けまして、目視をしているという状況でございますけれども、おおむね整理整頓されておりまして、発災時の物資の出し入れといったようなものについては、特段の支障はないというふうに受けております。 ◆斉藤常男 委員  今、おおむねという監査用語をお使いになりましたけれども、私の見る限りは、いいところと悪いところがある。ですから、きちっと徹底して管理をお願いしておきたいと思います。  次に、発災時の被害状況の把握ということが一番大切になってきますけれども、その辺の把握の仕方というのはどうなっていますか。 ◎防災課長 区は、警察だとか消防だとかの関係機関から情報収集に努めるとともに、震災救援所との連絡をやりとりをするだとか、さらには区は昨年度バイク隊ですか、そういったものを導入していますので、そんなところから情報収集に努めておるところです。 ◆斉藤常男 委員  時間になりました。頑張ってください。ありがとうございます。 ○大槻城一 委員長  それでは、浅井くにお委員、質問項目をお知らせください。 ◆浅井くにお 委員  生活用水井戸について、農地について。使います資料は、決算書、区政経営報告書、地域防災計画、環境白書とその資料編、ちょっと古いんですけれども、農業振興ビジョン、それからいただきました資料のNo.208と211を使わせてもらいます。  それでは、私から初めに、防災の関係ですけれども、生活用水井戸について質問させていただきます。  防災対策はこの間さまざま言われていますけれども、今後の区政運営の中で大変重要な課題というふうに思います。区では、災害、特に震災に備えて3日分の食料、飲み水を家族の人数分備蓄するように呼びかけていらっしゃると思います。確かに飲み水確保は大変重要だというふうに思いますけれども、ただ、私は、忘れてならないのは生活用の水で、時間の経過とともにトイレや洗い物、それから場合によってはおふろという、飲み水と同じぐらい避難生活には欠かせない水だというふうに思っています。この生活用水を確実に確保できるようにしておくことが、震災対策上大変重要だと私は考えています。  そこでお伺いします。生活用水井戸に指定されているものは、その井戸に対しての制約というのは何かあるんでしょうか。 ◎防災課長 震災時に使うということで、井戸を常に良好な状態で使用できるように維持管理をするとともに、震災時には希望する区民に対して井戸の提供をするというようなことがあります。 ◆浅井くにお 委員  次に、いただきました資料201を見ますと、区内には公有が98基、私有が850基の生活用水井戸が指定されていると思います。その中で、手押しのものではなくて、くみ上げポンプ式の井戸は何基ぐらい指定されているんでしょうか。 ◎防災課長 私有のものについては、申しわけございませんが、詳細はちょっと把握してないんですけれども、公有のものはほとんどが手押しポンプという形になってございます。 ◆浅井くにお 委員  区内で私の知っているおうち、結構ポンプで吸い上げている井戸をお持ちの方がいっぱいいらっしゃるんですね。そういう意味でちょっと聞かせていただきました。  今言いましたけれども、私の知る家庭で、ポンプを利用している井戸をお持ちなんですけれども、生活用水の防災井戸としての指定申請をしているかと聞きましたら、停電時には使えないからそういうことはしてないよと、そういう話でした。小型の発電機を例えば区が貸与するとか、それから購入助成をするとかということをして、積極的に指定拡大をしたらどうかというふうに思うんですが。 ◎防災課長 区のほうで今、生活用水の井戸の登録する要件として、手押しポンプだとか、自家発電を備えたポンプについて区は助成をしているということなので、自家発電装置を備えた電気ポンプを設置していただければ、そういった助成の対象になるということでご理解いただけたらと思います。 ◆浅井くにお 委員  自家発ですね。普通の家も自家発をということはなかなか難しいので、自分で発電機を用意しろと、そういう話かと思いますけれども、もっと積極的にという話でいえば、助成とかというのもあってもいいのかなというふうに思って質問させてもらいました。検討してもらえるといいなというふうに思います。  大きな震災が発生したときに、上水道というのはほぼ使えなくなるというふうに私は思っています。生活用水はそういう意味ではかなり不足するだろうと。そのときに、先ほども言いましたように、区内に指定している井戸が98と私有が850で、区内の生活用水の確保というのは、防災上十分というふうにお考えでしょうか。 ◎防災課長 生活用水の井戸の確保だけではなく、ほかの水利等を使って、そういったところを確保していければというふうに考えております。 ◆浅井くにお 委員  また、指定井戸は区内で偏りなく分布をしているのかお聞きしたいんですが。 ◎防災課長 区内で均等というか、多少偏りがあるということは認識しております。 ◆浅井くにお 委員  防災の指定井戸は、多分看板がつくと思うんですけれども、私の地域はほぼそういう看板がついたところは見えないんですけれども、井戸はお持ちの方はいっぱいいらっしゃいます。そういう意味で、区内で生活用井戸をバランスよく計画的に確保していくということが大変重要と思いますけれども、改めて区のお考えをお聞きして、次の質問に移ろうと思っております。 ◎防災課長 生活用水の確保というのは大切なことなので、区は引き続きそういったところの確保に向けて、助成制度を含めた取り組みに努めてまいりたいと考えます。 ◆浅井くにお 委員  次に、農地についてお聞きをいたします。  区民農園は、かねてから私は、都市景観の観点から雑然として見えるというふうに思っております。その理由をいろいろ考えていたんですけれども、利用している区民が作物のつくり方を十分身につけていないからなのかなというふうに考えています。  現在、区内には区民農園が13カ所あると思いますけれども、利用者へは、土や植物と触れ合う場の提供だけでなくて、作物づくりを学ぶ場や機会を提供することが必要というふうに思っています。こうしたことから、常々私は作物づくりを学べる、先ほどもちょっと出ましたけれども、農業公園や宅地化農地などを活用したふれあい農園、また、生産緑地を活用したいわゆる体験型農園を都市農地保全策の1つとして区内に増やしていくべきだというふうにも思っています。  区内に長年、1カ所だけ、市民農園整備促進法に基づく体験型農園が開設をされていたと思います。同様な農園が増えることを私、願っていたんですけれども、私の地元で2カ所目が開設に向けて準備をしていると農家から聞きました。  そこで伺います。先ほど話した制度による体験型農園を計画的に増やしていくお考えはおありでしょうか。 ◎産業振興センター次長 計画的ではございませんけれども、増やしていきたいというふうに考えてございます。 ◆浅井くにお 委員  私、質問で計画的とお話をしたのは、相手があっての話というのはわかるんですけれども、計画的に区のほうでも増やしていこうとすることによって、その仕事にこれまで以上に力が入ると私は思っているんですよ。ですから、ぜひ計画的に増やしてもらいたいなと、そういうふうに思っております。  次の質問です。体験型の農園が区内に長年増えなかった理由というのはどういうふうにお考えになっていますか。 ◎産業振興センター次長 体験型農園といいますのは、園主の方が作付計画をすべて立て、そして種、肥料、くわ、すき等農機具、すべて用意をして、そして園主の方が利用者の方に指導していくという、園主の方にとっては非常に責任の重い仕事でございまして、ちょっと園主のご年齢が高いと体力的にも精神的にも厳しいというような状況でございます。 ◆浅井くにお 委員  今、増えないわけといいますか、そういうことを担当の課長さんからお話を聞かせてもらいましたけれども、私のほうも、農家は利用者の方々に教えるということはさまざまなご苦労があると思います。その助けの1つが、先ほど言ったように人手といいますか、農業ボランティアとかということも主管課ではやられていると思っていますけれども、そのボランティアの育成が重要で、これまで以上に力を入れることを要望しておきます。  次に、農地は環境保全機能の側面も大きいわけで、杉並区の環境白書を見ると、特に資料編に区民農園を初め農地に関する情報が掲載されていません。環境白書をまとめるに当たり、農地の情報は不可欠というふうに考えますが、いかがでしょうか。 ◎環境課長 今、新しい基本計画を策定中でございますので、農地につきましては、資料編ではなくて、本編のほうに体験型農園の整備ということで資料が載せてございますので、そちらを参照していただければと思います。 ◆浅井くにお 委員  それ、私はわかって聞いたんですけれども、資料編というのはデータ集ですので、どこのところにどういう農園があるというのがしっかりわかるということで、そういうところにも載せたほうがいいだろうということです。  最後になりますけれども、農地を初めとしたみどりに関する仕事というのは、関係する仕組みを熟知していることが大変重要だと思います。その分野に対して情熱を持ったスペシャリストの職員の配置が重要というふうに思っています。区はしっかり農業者と向き合って一緒に汗をかくという、これまで以上の支援をして、現在の農地を減らさない、その努力をしていっていただきたいと思いますけれども、区のお考えをお聞きして、私の質問を終わります。
    ◎職員課長 そういったスペシャリストといいますか、専門家につきましては、所管課のほうと調整をしながら適切な職員の配置に努めてまいりたいというふうに思ってございます。 ◎産業振興センター次長 お言葉ではございますけれども、うちの職員も非常に熱意を持って農業振興に取り組んでいるところでございます。ちなみに、きょうは職員4人、農業委員会の委員と区内全域50農地をパトロールしているところでございまして、日々汗をかいているところでございます。 ○大槻城一 委員長  以上で杉並区議会自由民主党の質疑は終了いたしました。  これをもちまして、一般会計歳出第1款議会費、第2款総務費、第3款生活経済費、第8款職員費に対する質疑はすべて終了いたしました。  ここで、説明員の入れかえのため、午後1時55分まで休憩いたします。                             (午後 1時42分 休憩)                             (午後 1時55分 開議) ○大槻城一 委員長  休憩前に引き続き委員会を開きます。  先ほどの斉藤委員の質疑に対する答弁につきまして、答弁を訂正したい旨の申し出がありましたので、これを受けます。 ◎産業振興センター次長 先ほど、斉藤委員のご質問の中で、農地面積の減少数について、私、大体毎年10ヘクタールと申し上げましたが、この10年間で平均1.5ヘクタールの減少でございます。失礼いたしました。     一般会計歳出第4款・第6款、国民健康保険事業会計、介護保険事業会計、後期高齢者医療事業会計に対する質疑応答 ○大槻城一 委員長  これより、一般会計歳出第4款保健福祉費、第6款環境清掃費、国民健康保険事業会計、介護保険事業会計、後期高齢者医療事業会計に対する質疑に入ります。  なお、理事者の答弁は迅速かつ簡潔にお願いいたします。  民主・社民クラブの質疑からお願いいたします。  それでは、山本あけみ委員、質問項目をお知らせください。 ◆山本あけみ 委員  発達障害の相談窓口について、不妊治療支援策について、ごみ減量について、地域エネルギービジョンについてです。使います資料は、資料No.416です。  発達障害の窓口相談についてお尋ねをいたします。こちらが資料No.416です。  以前に一般質問でも取り上げました発達障害のライフステージごとの支援策というものが当区においてどのようになっているのかという観点で、今回は相談窓口という切り口で質問をさせていただきます。  まず、相談窓口はどのような形で用意をされているのでしょうか。 ◎障害者施策課長 就学前の児童につきましては、保育園とか子供園等に在園している子どもの場合は、基本的にまずその園のほうで相談に応じますが、その中で気になる点があるような場合には、こども発達センターのほうを紹介しております。その他の児童の場合には、主としてこども発達センターのほうで相談を受けてございます。 ◎特別支援教育課長 学齢の相談につきましては、主に特別支援教育課の教育相談、それから小中学校に派遣しておりますスクールカウンセラーが相談に対応しております。 ◎障害者生活支援課長 成人の場合におきましては、何に対する相談なのかによって窓口が異なってくると思っております。東京都発達障害者支援センターのほか、医療関係、保健関係、雇用関係、それから区の相談支援事業所というようなところがございます。 ◆山本あけみ 委員  いただいた資料416の相談窓口ごとの内容一覧という表を拝見いたしますと、発達障害と思われる事例で相談先を探したときに、特別支援教育課に来所で教育相談の予約を電話でしたほうがよいものか、それとも子どもの相談ということでこども発達センターに電話をするのか、この区政相談の一覧表を見ても、区役所内での仕事の内容や役割を熟知していない区民にとっては判断がしづらいものになっていると思われます。  そして、相談事というのは困ったときに電話をしてくるもので、悩み事だとか困っているときというのは的確な判断などがしづらい状態だと想像します。例えば違った窓口にコンタクトをとってしまって、結果的にうまく現状を伝えることができずに、窓口の間をたらい回しと感ずるような状況をつくってしまうおそれもあると思います。  そこで質問ですが、委員長、よろしいでしょうか。 ○大槻城一 委員長  はい。 ◆山本あけみ 委員  この「広報すぎなみ」に「区民相談」という一覧表が載っていました。こういったものを見て、悩み事を抱えた相談者が窓口を選ぶときに迷ってしまうのではないかという懸念があるのですが、どう思われますでしょうか。 ◎障害者施策課長 「広報すぎなみ」のその一覧表は、相談内容ごとに分類されていますので、多少細かくなっているという部分はありますが、それぞれ相談を受けたところがその内容をきちんとお聞きして、適切な相談先をご紹介するように対応してございます。 ◆山本あけみ 委員  今のご説明では、迷って違うところに電話をかけてしまっても、その次のところへはきちっと引き継ぎをしてくださるということでしょうか。 ◎障害者施策課長 そのとおりでございます。 ◆山本あけみ 委員  少し安心をしました。  それで、発達障害なんですが、発達障害というと、一般的には知的な遅れを伴わない学習障害や、人とうまくやりとりがしづらいアスペルガー症候群などの方、さまざまな症状があります。先ほどの416の表を見たときに、相談内容の分類の中で、例えば発達障害という分類があったり、不登校の相談や集団不適応という相談の内容に数えられたりするものもあります。これらの中には、発達障害かもしれない、そういう可能性もあるというようなものもかなり含まれていると思います。実は、発達障害というのは本人も自覚がないものであったり、親も見過ごしてしまったり、そういう中での相談になっていると思います。  先ほどの416でいただいている資料の、区民からいただいた相談内容の集積ですとか分析ですとか、また相談窓口ごとの横の連携ですとか、あとは、それを生かす形での区政への反映などは今どのようにされているか、お尋ねいたします。 ◎障害者施策課長 先ほど申し上げましたように、最初に相談を受けた機関から最も適切な相談機関をご紹介していくようなことも数多くあります。そういう中で、必要に応じてきちんと情報の引き継ぎ、提供を行っていくものでございます。  また、そうした相談内容につきましては、集積し分析したものを、必要によってはそれをまた予算に反映させていくとか、そういった形をとって相談対応の充実に努めているところでございます。 ◆山本あけみ 委員  私も今回内部の資料を見せていただくまでは、どういった相談がどこに行っているのかとか、それが的確なものかどうか、そういうところまではつかめなかったのが現状です。ましてや区民の方にはとてもわかりづらいものであると思いますので、そういった集積、分析をぜひ続けて、この区民相談のところに反映していただければと思います。  また、相談者の方々はスキルアップをどのようにされているか、お尋ねいたします。 ◎障害者施策課長 発達障害の相談に携わる者のスキルアップというのは、非常に重要な課題というふうに認識してございます。相談担当の中で定期的なミーティングを行って、職場内のOJTにより研さんを重ねたり、カウンセリングなどの専門的な研修に参加する、こういったことを通じて相談者のスキルアップを図っております。 ◆山本あけみ 委員  最後に、「広報すぎなみ」の区民相談の中を私なりに探してみたんですが、大人になってから発達障害と思われるような悩み事が発生したときに、相談窓口というのがなかなか判別がつきません。どこで受けていらっしゃるのか、また、区民にとってわかりづらくないか、今後の対応を含めてお尋ねいたします。 ◎障害者生活支援課長 先ほどもご説明いたしましたとおり、成人の場合には、何に対する相談なのかということによりまして窓口は異なってくるという状況でございます。それぞれの事業をいろいろな部署で行ってございますので、各事業の情報の共有ですとか連携を図るということで、適切に支援につなげられればなというふうに思っているところでございます。  今後、各分野の役割分担ですとか、それから連携のあり方というのは検討していく必要があるかなと存じます。今年度につきましては、関係機関の情報交換会を実施してございます。 ◆山本あけみ 委員  今後、わかりやすい形でご案内できるようにお願いいたします。  次、不妊治療支援策についてです。  この施策に関しましては、当区において既に助成制度を始めていること、取り組んでこられた部局の方々、それを後押しした改選前の議会の方々に対して、まず敬意を表したいと思います。次のステップとしては、より一層の支援策に取り組んでいってもらいたいと思い、質問いたします。  まず、区内の不妊治療をしている人数などの最近の傾向を把握していらっしゃいますでしょうか。 ◎健康推進課長 杉並区内の不妊治療をしている方の人数は、数字を把握できておりません。  全国調査で、結婚と出産に関する全国調査によりますと、不妊の検査や治療の経験がある者の割合が、平成14年12%に比べて平成22年17%であり、増加傾向にあるということです。 ◆山本あけみ 委員  区内でも悩んでいらっしゃる方がたくさんいると思います。現在の区の不妊治療に関する取り組み状況と利用者の感想などをあわせてお尋ねいたします。 ◎健康推進課長 不妊治療に関する取り組みでございますが、まず、平成23年6月から、経済負担の大きい特定不妊治療費の一部を負担してございます。平成23年度実績は250件、24年度は8月末現在で182件でございます。  また、あわせて不妊に関する悩みなどを気軽に相談できるよう、随時、保健センターにおいて相談を受け付けてございます。  また、杉並保健所において、子どもを望んでいる夫婦や不妊に悩む夫婦に向けて基礎講座や専門相談を実施しております。利用者の感想でございますが、基礎講座や専門相談について、多数の利用者からは満足しているという感想をいただいております。また、受講するまでは1人で不安であったが、参加してみてよかったといった声もいただいております。 ◆山本あけみ 委員  次のステップとして、ぜひ不妊治療の最初のハードルである、夫婦共に不妊の検査、こういったものが一番大きなハードルになってくると思います。このあたりへの助成を含めて、何か支援策ができないものか検討をお願いしたいんですが、いかがでしょうか。 ◎健康推進課長 確かに不妊治療の第一歩である不妊検査を受けることは、なかなかハードルが高いことと理解してございます。実施しております基礎講座において、不妊治療について周知する中で、不妊検査についてもご案内しているところでございます。不妊検査が受診しやすくなるための方法については、検査の助成も含めまして研究してまいりたいと思います。 ◆山本あけみ 委員  ぜひ利用者の方の声を聞いていただいて、私もそうだったんですが、仕事に没頭して30代を過ごしまして、気がつくとちょっと難しくなっているんじゃないかみたいな経験のもとにお話ししているんですが、そういう適齢みたいなものというのは、結婚には今ないと思うんですが、妊娠に対しては厳然とあるので、そのあたりを周知することも含めてお願いをしたいと思います。  次の質問に移ります。ごみ減量についてなんですが、現在のごみ集積所の数の推移と背景をお知らせください。  増えている場合には、その分の収集業者さんへの加算金などはケアをされているんでしょうか。 ◎杉並清掃事務所長 23年度末で3万800カ所ございます。ここ数年、毎年1,000カ所ずつ増加している傾向でございます。  その原因といたしましては、共働きによる生活実態の変化や、または相隣関係の困難性により、小世帯による集積所の増加が考えられてございます。  契約につきましては、車種別の走行距離の区分等により契約してございますので、加算金についてはございません。 ◆山本あけみ 委員  そのあたりの、今、手間が増えた分は車両の運行の経路によって、メーター数によって把握していらっしゃるということなんですが、業者さんとの細かい打ち合わせをしていただいて、戸別収集ですとか有料化はこの間見送ってきたという経緯があるとは思うんですが、利用者の要望で戸別収集に近いような形でしているところがあるという情報をいただいております。ぜひ細かい打ち合わせをお願いいたします。  次に、一般会計に占めるごみ処理費の推移と区の見解をお尋ねいたします。 ◎杉並清掃事務所長 ここ数年でございますが、大体五、六%の割合を占めているところでございます。ただ、可不燃のごみの量の減量に比例いたしまして、純粋な経費については微減しているところでございます。  ただ、今杉並清掃工場が建て替え期間中でございますので、車両経費については増加することが予想されていまして、今後なお一層のごみの減量化、資源化の推進、そしてごみ収集の効率化について図っていくことが必要かというふうに考えてございます。 ◆山本あけみ 委員  ごみは本当にできるだけ少ないほうがいいというのはわかっているんですが、毎年毎年五、六%の予算が取られていってしまう。家庭であれば、見える形でもっと奮起して頑張ろうということになるんですが、区ではなかなか把握しづらい部分ではあると思います。杉並区ではこれまでかなり取り組みをしていただいていて、23区内でも成績がいいということを聞いています。これから先新しく建て替えが終わるということですので、ぜひ──実は今、可燃のごみの中には生ごみですとか生木なんかも入っているんですよね。我が家なんかもそうなんですが、土日に庭の木を切って、それを我が家では月曜日のごみの収集の燃えるごみに出しているんですが、例えば生木なんかは一たんちょっと乾燥してから出してくださいであるとか、生ごみに関しても、ほとんどが水分というふうに聞いています。そのあたりの対処方法などはどういうふうにお考えでしょうか。 ◎杉並清掃事務所長 ごみの重量を減らすために、今委員がおっしゃったとおり、乾燥して出していくことが1つ重要かと思っていますので、今後、「広報すぎなみ」または区公式ホームページ、そして清掃情報誌やごみ・資源のカレンダー、それ以外にもこういった各種媒体を活用するとか、また清掃研修会、懇談会を通して継続的に周知してまいりたいと思っております。 ◆山本あけみ 委員  もう1点、プラスチック資源ごみの収集状況の問題点などは把握していらっしゃいますでしょうか。 ◎杉並清掃事務所長 本年4月から、回収業務につきましては業者委託したところでございます。初年度でございますので、確実に回収することに力点を置いてございます。それで、分別してないものも回収しているところでございますが、おおむね順調に回収しているのではないかと思っております。 ◆山本あけみ 委員  よろしくお願いいたします。  最後に、今年度、新しい地域エネルギービジョンが検討課題で進んでいるようなんですが、今般のエネルギー需給システムの変動が激しい中でまとめていくのは、また区としても大変な道のりだと思っております。私が区議になりましてから、その前もそうなんですが、推進してきております省エネ住宅の促進を含めて、今後どのような形で新しい地域エネルギービジョンの取りまとめが進められていくのか、意気込みを含めてお尋ねをいたします。 ◎地域エネルギー対策担当課長 ご指摘の地域エネルギービジョンの検討に当たりましては、環境政策だけではなく、防災やまちづくり、福祉といった視点を含めて検討を行って、区民の暮らしの安全・安心を守って、地域分散型エネルギー社会の構築を行っていこうというふうに考えているところです。  今後、住宅都市杉並の特性を踏まえた再生可能エネルギーの普及や家庭用燃料電池などの自家発電によるエネルギーの創出、先ほど委員ご指摘の住宅の省エネを含めた省エネルギーの展開、それから蓄電池の備蓄等、いろいろエネルギー対策を行いまして、将来的にはスマートコミュニティを構築していきたいというふうなことを想定しております。 ◆山本あけみ 委員  大変期待しておりますので、よろしくお願いいたします。 ○大槻城一 委員長  それでは、市来とも子委員、質問項目をお知らせください。 ◆市来とも子 委員  児童虐待について、自殺対策についてです。  児童虐待について伺います。  児童虐待は深刻な事件が後を絶たず、依然として社会全体で取り組むべき課題であると考えています。区における昨年度の虐待件数は162件ということなんですが、過去の推移と比較していかがか、また、ここ数年の傾向をお示しください。 ◎子ども家庭支援担当課長 過去の推移と比較ということでございますが、22年度、21年度とも、その前も約百三、四十件程度で推移しておりまして、ほぼ横ばいの傾向にございます。 ◆市来とも子 委員  横ばいの傾向ということで、逆にちょっと増加しているというような状況なんでしょうか。そういう状況の中、虐待の通報者の内訳について、不明瞭な部分は除きまして、上位5位程度ご説明いただければと思います。 ◎子ども家庭支援担当課長 23年度の内訳では、多い順に、近隣住民、杉並児童相談所、区立小中学校、保健センター、保育園、医療機関などとなってございます。 ◆市来とも子 委員  通報者に近隣住民が多いということでございます。虐待についての認知度が広がっており、地域の見守り態勢がある程度機能しているのではないかなというふうに思うんですが、学校は次に多くて、次は医療機関ということなんですが、学校はもちろんのこと、医療機関とのさらなる連携も必要だと思います。そういった取り組みについて、どのような方針で取り組んでいくのかお伺いします。 ◎子ども家庭支援担当課長 現在も児童福祉法に基づく要保護児童対策地域協議会において、今年度は要綱改正を行いながら、子ども家庭支援センター、保健センターとの役割分担を明確にして、連携をとりながら、また、医療機関や児童相談所、教育委員会など、さまざまな関係機関と連携を図りながら、個別事例等に対応しているところでございます。今後ともより一層の連携を深めながら、未然防止を含めた虐待対策に取り組んでまいります。 ◆市来とも子 委員  虐待の原因、特に母親からの虐待というのは、望まない出産、育児不安、パートナーとの問題など多々あるかと思います。昨年度、全国において虐待された子どもの死亡数が39名、そのうち10人が零歳児という数字も明らかになっています。まずは、生まれた時点での対応に注視する必要があると思います。  零歳児からの対応という点で伺いますが、区では、昨年度より訪問育児サポーター事業を行っておりますけれども、その内容と現在の状況について伺います。 ◎子ども家庭支援担当課長 訪問育児サポーター事業の内容等でございますが、1歳未満の子育てに不安感や負担感を感じている家庭をサポーターが3回まで無料で訪問いたし、相談の傾聴や育児技術等の支援を行ってございます。こちらの事業は23年の10月から開始しておりまして、23年度半年間で28軒のご家庭に37回ほどサポーターが訪問させていただきました。 ◆市来とも子 委員  23年の10月からということなので、これからますます取り組みを強めていただきたいというふうに思います。  また、妊婦健診のときに──委員長、よろしいでしょうか。 ○大槻城一 委員長  はい、どうぞ。 ◆市来とも子 委員  こういうアンケートを保健センターのほうで必ずお配りしているということなんですが、こういうアンケートなんですが、ここで虐待の疑いを発見したという場合は、どういった手続で対処されるんでしょうか。 ◎高井戸保健センター所長 昨年11月から実施しております妊娠届時のアンケートについて説明いたします。  妊娠届は区役所や区民事務所、保健センター等で受理しておりますが、各窓口で母子健康手帳などをお渡しする際に、妊婦の心身の健康状態であるとか家庭の状況、妊娠・出産・子育てへの不安の有無などを確認するために、先ほどのアンケートをお渡しし、その場で回答をいただくか後ほど郵送をいただいております。  昨年11月からことし3月までの妊娠届け出受理数が約1,600件で、アンケートの回収率は、そのうち約50%でした。子育て全般や経済的な悩みがある、心身の疾患がある、育児の協力者がいないなどの妊婦に対しまして、保健センターの保健師が電話等で連絡をとりまして、相談に乗ったり、また、必要に応じて医療機関であるとか福祉事務所、子ども家庭支援センター等の関係機関と連携しながら、妊娠・出産・子育てにおける継続的な支援を行いまして、児童虐待の未然防止に努めております。 ◆市来とも子 委員  また、虐待対策では他部署との横断的な取り組みが必要であると思います。先日他の委員からも出ましたけれども、都区間の連携、特に都区移管の問題ですけれども、児童相談所のあり方等児童相談行政に関する検討会の現状の検討項目と今後のスケジュールをお知らせください。 ◎子ども家庭支援担当課長 本年2月に立ち上がりました検討会の検討項目には、現行の役割分担のもとでの課題と対応策及び児童相談行政の体制のあり方、こちらの項目について検討するとなってございます。  今後のスケジュールといたしましては、本年12月をめどに検討会を開催し、それまでの検討内容を確認することとしてございます。 ◆市来とも子 委員  一昨年、2010年8月に里親が3歳児を虐待死させるという痛ましい事件がありました。都と区の連携にも問題があったのではという指摘もありますけれども、今後、児相を区へ移管することで虐待対策は大いに前進してほしいと期待をしたいと思います。もし移管が決まった場合、区としてはこれに対応する体制について課題はあるのか、また、その意気込みをお伺いいたします。 ◎子ども家庭支援担当課長 児童相談所の移管に関しましては、まず、児童虐待対策への迅速できめ細やかな総合的な取り組みが必要だと考えておりますので、移管に関して、ぜひ必要なことだと考えてございます。  移管が決まりました場合には、専門職員の人員確保ですとか人材育成、そして現在児童相談所が管轄しています2市2区の地域など、さまざまな課題はございますけれども、関係部署と連携を図りながら、体制を整え、適切な管理運営を行うよう取り組んでまいります。 ◆市来とも子 委員  ぜひ取り組んでいただきたいというふうに思います。  時間がないので、次の自殺対策に行きます。
     先月の8月28日、自殺総合対策大綱が閣議決定をされました。この大綱は2006年6月に初めて策定され、今回が初めての全体的な見直しとなりました。ことし1月の内閣府の調査では、国民の20人に1人が1年以内に自殺を考えたことがあると回答するという衝撃的なデータが明らかになっています。この新しく改定された大綱について、内容については、自殺率が増加傾向にある学生や生徒、若年層の自殺対策が強化されたということが注目をされています。  それと並んで今回私が注目するのは、性的マイノリティーに関する記述が初めて入ったことです。今月の9月15日「AERA」の記事によれば、電通総研の日本人7万人に対する調査で、5.2%の人が、レズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダーと言われるLGBTという性的マイノリティーに属しているというデータが明らかになっています。この統計からいうと、杉並区においては約2万8,000人がLGBTということになりますが、区では性的マイノリティーについてどのような認識をされているでしょうか。性的マイノリティーについて、人権上配慮が必要である存在だととらえられているでしょうか。 ◎地域保健課長 性的マイノリティーについてのお尋ねですが、一昔前から比較しますと、認知度というのは進んできていると思います。ただ、まだ社会的に周囲の方の理解不足あるいは偏見といったものがあって、自殺総合対策大綱に定められている「一人ひとりがかけがえのない個人として尊重され、」というような状態にはまだほど遠い状態だというふうに感じております。 ◆市来とも子 委員  性的マイノリティーの方々について、自殺念慮率というデータがあります。自殺念慮率というのは自殺をしたいと思う率ですけれども、例えば性同一性障害学会というところでは、ジェンダークリニックにかかる受診者の58.6%の人が自殺を考えており、また、28.4%が自殺未遂を行ったという調査結果があります。また、大学の研究機関によると、ゲイ、バイセクシャルの男性の自殺念慮率は、そうでない男性よりも6倍高いというデータも出ております。このような自殺念慮率や自殺率の高さのデータがあるわけですけれども、これについて区はどのように考えられるでしょうか。 ◎地域保健課長 私ども数値をはっきり持っているわけではございませんけれども、性的マイノリティーの方の場合ですと、例えば第二次性徴とか、社会に出る、そういう時期に、日ごろから抱えているそういう葛藤が増大されて、心の不安というものが増幅されて、うつ病の状態あるいはうつ的な状態になって、自殺念慮や自殺企図をしてしまうというようなことがあるというふうに考えられます。 ◆市来とも子 委員  こうした調査やデータがあり、今回の自殺総合対策大綱では、性的マイノリティーの自殺対策が必要と認識されたわけですけれども、本区では、性的マイノリティーについて自殺のハイリスクグループとして認識をされているでしょうか。 ◎地域保健課長 性的マイノリティーの方がイコール自殺のハイリスクグループというふうな認識というのは、まだまだ薄かったというふうに感じておりますけれども、ただ、保健センターあるいはゆうライン等で心の健康相談とか思春相談とか行っておりますので、そういったフォローはこれまでもしてきたところでございます。 ◆市来とも子 委員  自殺対策というのは身近な人がまず気づき、支援につなげることが大切だと思います。ゲートキーパー養成講座のテキストや窓口職員向けの研修資料などに、性的マイノリティーの正しい理解や抱える課題、支援の窓口などを記載し、理解の普及に努めることが有効だと考えますが、いかがでしょうか。 ◎地域保健課長 これまで窓口相談のガイドブック等を職員に配付して、そういった自殺のリスクの高い人への対応ということを図ってまいりました。今回、自殺総合対策大綱の中に性的マイノリティーという、自殺リスクが高いということで掲載されておりますので、今後改定のときに、そういう部分も含めて配付していきたいというふうに考えてございます。 ◆市来とも子 委員  豊島区ではいち早く、窓口職員向けの自殺対策マニュアルで、性的マイノリティーについて触れる記載をするということです。具体的な数値などにも触れながら、わかりやすい記述をしていただきたいというふうに思います。  その改定の時期ですけれども、いつぐらいになりますでしょうか。 ◎地域保健課長 今考えているのは、来年度ぐらいにちょうど今ある在庫がなくなりそうなので、改定するというような予定にしております。 ◆市来とも子 委員  ぜひ国のこういった新しいテーマについて区でも積極的に取り入れていただきまして、自殺総合対策に取り組んでいただきたいというふうに思います。  私の質問を終わります。 ○大槻城一 委員長  それでは、河津利恵子委員、質問項目をお知らせください。 ◆河津利恵子 委員  歯科健診について、関連して歯科医療センター、骨粗鬆症について、ひとり暮らし高齢者対策、認知症対策。それから障害者の分野で、放課後デイのこと、学童クラブ、こども発達センター、時間があれば、ガイドヘルパーの養成と孤立死問題についてです。  最初に、歯科健診について伺います。  法定の健診を充実されていますが、どのように、また特徴的な取り組みも伺います。 ◎健康推進課長 杉並区においては、健康増進法に基づく歯疾患検診の対象年齢を区独自に順次拡大するとともに、ほかの自治体に先駆けて、歯のクリーニングや1年後の再評価調査を実施してきたところでございます。 ◆河津利恵子 委員  受診の状況や成果はどうですか。 ◎健康推進課長 受診率でございますが、平成23年度14%であります。法定対象年齢においては16%でございまして、区部の他地域に比べると高い数値となってございます。このことから、特徴的な取り組みや歯科医師会のご協力の結果、住民が受診しやすい健診体制になっていると考えられます。 ◆河津利恵子 委員  確かに今虫歯は、小学生のお子さんも虫歯のある子が随分少ないという話で驚いています。そういった意味では周知がされてきたのかなというふうに思いますが、歯病に関しては結構若いころからのケアが必要というふうなことも言われていまして、特に30代からの検診などをさらに頻度を上げることも重要というふうなご要望があるんですが、この点についてはいかがでしょうか。 ◎健康推進課長 おっしゃるとおり、30代において、検診の結果要治療と診断される者が4割近くおります。歯疾患検診を通じて早期に受診勧奨を行うことが重要と認識してございます。平成23年度からより若い、20歳、25歳にも対象を拡大して実施してございます。30歳代の検診体制については、受診率や検診結果を踏まえて今後研究してまいりたいと思います。 ◆河津利恵子 委員  医療センターなんですが、下井草から荻窪へと中央移転されて、実績はどうでしょう。受診者数や利用者の声などをお聞かせください。 ◎地域保健課長 昨年の10月から荻窪5丁目の杉並保健所の5階に開設いたしました。まだ9月30日でちょうど1年ということですので、1年間の実数は出ておりませんが、前年同月に比べますと、平均して受診者数は3割ぐらい増えているというような状況でございます。  また、利用者の声としましては、特に私どものほうに苦情、クレーム等上がってきておりませんし、歯科医師会を通じてのそういった苦情、クレーム等も上がってきてないということで、良好に事業が実施できているものというふうに考えております。 ◆河津利恵子 委員  当初非常に不安の声もありましたけれども、非常に明るい施設になりましたし、受診の状況とか環境、あるいは治療の雰囲気とかはそんなに前と変わらなくて、いい雰囲気になったなと思います。  訪問歯科診療なんですが、取り組み状況、それから周知などはどのようにされていますか。 ◎地域保健課長 昨年10月の開始当初は14件というふうに低かったですけれども、ことしの2月には70件近くになっております。大体今は月平均50件から60件の訪問実績がございます。  また、周知につきましては、区としては「広報すぎなみ」、ホームページ等で周知しておりますし、歯科医師会独自でもチラシ、ポスターを配布したり、それから昨日お示しいただきました新聞折り込み、あれも歯科医師会の独自の折り込みで周知をしてございます。 ◆河津利恵子 委員  おっしゃったように自主事業とされていますけれども、さらに充実させていくための課題は何でしょうか。 ◎地域保健課長 まだ1年ということで、今後さらに、まず周知をしていかなければいけないかなということが1点と、2点目は、その先に、高齢者がどんどん増えておりまして、訪問歯科の需要も増えていくと思いますので、そういったことに対応できる、歯科医師会としての体制の強化が課題になるというふうに考えております。 ◆河津利恵子 委員  もう1つ、私の要望でもあるんですけれども、口腔ケアは非常に重要でして、今診療時間も長くなりましたし、とても通いやすくなっているとは思いますけれども、虫歯の治療とか問題がなくても、障害者の皆さん、高齢者の皆さんが定期的に口腔ケア、クリーニングが受けられる、そういったことももう少し機会を多くできればなと思っていますので、ぜひご検討ください。  それから、骨粗鬆症についてなんですけれども、この検査はどのようにされていますか。  実は、私の母が7月に骨粗鬆症が原因の腰椎圧迫骨折で5週間入院していまして、今もようやく家の中を歩けるかなという状態で、全く外には出られなくなりました。それで、骨粗鬆症というのは女性が男性に対して3倍ほどということで、国内でもほぼ1,000万人前後いるのではないかというふうに推計されています。原因としては、40代くらいから始まる閉経による女性ホルモンの変化のアンバランス、栄養のアンバランス、運動不足などが挙げられているようですけれども、検診の必要性も含めて、検査ができる機会を増やすべきではというふうに思っています。今現在、検査はどのようにされていて、また、どういったところで周知がされているのか。 ◎健康推進課長 加齢に伴って骨密度が低下するということ、また、特に女性において多く認められるという報告があることは認識してございます。こうしたことを受けて、骨粗鬆症の予防の意識を向上するきっかけとなるように、予防効果の高い若年世代のうちから対策を行うことが重要と考えまして、保健センターでの母親学級のプログラムにおきまして、骨密度の測定や栄養指導を健康教育とともに実施してございます。  また、周知についてでございますが、各種イベントでもあらゆる年齢層を対象に骨密度測定を普及啓発の一環として活用してございまして、周知については、広報、チラシ等で行ってございます。 ◆河津利恵子 委員  私も入院して介護をしている中でよくわかったんですけれども、1度圧迫骨折を起こすと、2度、3度と繰り返す方が多くて、そしてそういった方はほぼ寝たきりになる原因なんですけれども、まずもとの生活に復帰することができないんですね。1度本当にすかすかになってしまったら、画期的な薬というのまだありませんから、カルシウムをとること、ビタミンDをとること、そして運動することとお日様に当たること、この4つは非常に大事なことなんですね。高齢者に対しても今転倒予防教室などが行われていますけれども、転ばなくても骨折してしまうので、高齢者に対してはそういった可能性があること。40代からの女性に対しては、食を含めた生活習慣などの予防対策の周知を、もっといろいろな機会をとらえて充実させていくべきではというふうに考えていますが、いかがでしょうか。 ◎健康推進課長 特に40代からの女性に対しての対策でございますが、保健センターにおいては、女性の健康教室を実施してございまして、こちらで40代の女性を対象に、骨密度測定とともに、栄養士による食事に関する講話ですとか運動などについての指導も同時に行いまして、骨粗鬆症予防のための生活習慣を普及啓発してございます。  今後も、こうした健康増進教室やイベントなど、さまざまな機会において骨粗鬆症予防について周知していく予定でございます。 ◆河津利恵子 委員  定期健診の中にも含めていただければというふうに要望しておきます。  それから、ひとり暮らしの高齢者の対策についてなんですけれども、ひとり暮らし高齢者や高齢者のみの世帯の調査はこれまでにも行われていますが、手法や対象者、アンケートの内容はどんなものだったのか。 ◎高齢者施策課長 年度でいいますと、平成20年度になりますけれども、75歳以上のひとり暮らし高齢者1,500名を住基台帳で無作為で抽出をいたしまして、訪問面接調査を行いました。実際には同居していたり、病気ですとか健康状態の関係で、実際に訪問面接ができたのは441ということでございましたが、調査を行いました。調査項目としては54項目にわたりまして、収入の関係ですとか健康のこと、それから支えてくれる人がいるとかいないとか、そういったことを細かく調査を行いました。 ◆河津利恵子 委員  私の母が港区なものですから、港区のことをちょっと調べたんですね。自治体の人口規模も、それから財政状況も全く違いますので、当然のことながら比較はできませんけれども、ただ、2010年の国勢調査の結果が報告書の中で示されています。杉並区は23区内で新宿に次いで2番目で、44.6%、3万5,300人余りでした。同じように高位にある自治体は比較的人口が少ない中心部の区なので、人口の割合からいうと44%と、大体40%くらいなんですが、人口でいうと圧倒的に、倍以上の方がおひとり暮らしという数になるんです。ある意味、住宅都市という土地柄でもあるんだろうなというふうに思います。  港区は3回目の調査か何かで、ずっと追っかけで、最初にアンケート用紙の調査と、そして2次調査として、その中から抽出して70軒の方に訪問調査をしています。  私、おたっしゃ訪問は、待ちの姿勢ではなくて出ていく、そして福祉ニーズの掘り起こし、そして生活実態を把握するという意味では、非常に有効なサービスというか、事業でありますし、ここの結果とクロスさせるというか、そういったことというのはできますか。それともやっていらっしゃいますか。おたっしゃ訪問の結果をひとり暮らしの方のところの調査とちょっとクロスさせたりとか。 ◎高齢者在宅支援課長 おたっしゃ訪問の調査結果に関しまして、今、専門家の方々の力もかりて集計をしているところでございますので、それらも含めて、今後の高齢者施策の方向性等を考えていく大きな材料にはなると思っております。 ◆河津利恵子 委員  港区は今5つの総合支所に分けて、その支所ごとに、例えば性別だとか、あるいはどういったことに困っているのかとかということを分析しながら、サービスを研究しているというふうなことをやっています。まちづくりという意味では、ハード面のまちづくりだけではなくて、そこにどういった人たちがどういうことに困っているのかとか、そういう分析をしながら、各地域ごとのサービス、ニーズにこたえていくというふうなやり方をしているんですね。行政の体系が違うわけですから、ちょっとここではおいておきますけれども、ひとり暮らしの高齢者の生活実感をとらえた分析が必要だと思っています。  困り事、例えば買い物難民の質問などもありましたけれども、1日3回の食事、それから電球をかえるなどの高い場所の作業、重いものを持つ、ごみを出す、それから庭の草むしりとか、そんなことなど、介護サービスでは行き渡らない問題の解決のための対応策が必要だと思いますけれども、いかがでしょうか。 ◎高齢者施策課長 その前に、調査の結果、ひとり暮らしの方がどういう生活をされているかということですが、多くの方が自立した健康的な生活を保っておりまして、子どもさんですとか兄弟姉妹、親族などと接触を持って、入院したときには世話をしてくれるというような支援提供者がいる、近隣とは距離を置いた生活をしている、そういった実態があるということがわかりました。一方で、経済的な問題、健康上の問題、それから支援者がいないといった問題、あわせて問題を抱えている人が4.1%程度いるということがわかったということがあります。  それを前提にしてということでございますが、さまざま困り事というのはあろうかと思います。区のほうでも、介護保険以外に、認定を受けていない方を対象にした生活支援サービスもございますし、また、社会福祉協議会のほうでもホームヘルプサービスというのがございます。そこで家事援助、介護援助、これは有料でございますけれども、行われております。また、シルバー人材センターが1月から、電球をかえるとかクリーニングをとってくるとか、そういったちょこっとしたサービスをする、それはボランティアでするというようなことも検討しておりますので、そういったことを区としても側面から支援をしていきたいというふうに考えています。 ◆河津利恵子 委員  きちんととらえていただいて、そしてきめ細かな対応も配慮していこうという姿勢がよくわかりましたので、期待しています。  それから、認知症対策なんですけれども、保健福祉計画では重点施策としてとらえられていますが、これまでの区の取り組み、また、今後何をしていこうとされているのかお知らせください。 ◎高齢者施策課長 これまでも認知症ですとか認知症予防に関する普及啓発、保健センターですとか地域包括支援センターでの相談、グループホームの整備、介護者向けのサービスなどを多岐にわたって行ってまいりました。  今後ですけれども、認知症の理解から診断、相談、生活の支援、介護者の支援、権利擁護など、いろいろな場面で、区民の方が安心して生活ができるように、各サービスを提供している高齢者部門、保健センター、それから地域包括支援センターなどがより連携を強化いたしまして、サービスを提供していきたいというふうに思っております。  また、7月に国の5カ年計画というのも出されておりますので、その方向性も見ながら、医療と介護の連携等も強化していきたいというふうに考えております。 ◆河津利恵子 委員  認知症の高齢者は200万人を超えている。そして2030年には353万人というふうに想定されています。先ほどもご紹介いただきましたけれども、厚労省は新方針を打ち出しています。早期対策を重視しているということが新たな視点ということなんですけれども、これに伴って自治体として整備していかなければならないことというのは、今の段階では何かお考えあるんですか。 ◎高齢者施策課長 この前出されたものは、まだ具体的な部分をこれから国が検討する、モデル事業を実施するなど、それを経て実施するということになっているので、詳細がまだ不明なところはあるんですけれども、標準的な認知症ケアの流れの作成、普及ですとか、地域包括支援センターでの地域ケア会議運営マニュアルを使った地域ケア会議ですとか、そういったものは市区町村の仕事というか、役割ということで挙げられております。 ◆河津利恵子 委員  都が整備しています認知症医療センターの役割は何でしょうか。 ◎高齢者在宅支援課長 大きく4点ございまして、認知症に関する専門的な医療、また専門相談、医療と介護の連携、そして最後は人材の育成ということになっております。 ◆河津利恵子 委員  認知症の研究研修センターが浴風会にありますけれども、これがあることでのメリット、そしてまた、これから連携を密にして、地域内で支える体制を強化していくべきですが、協力体制はできていますか。 ◎高齢者在宅支援課長 研究研修センターにつきましては、国のほうの委託研究でございまして、全国3カ所あるうちの1つでございまして、杉並区にあるということで、さまざまな研究の材料といいますか、舞台として杉並区を使った研究が行われております。  また、研究発表に関しましても、杉並の施設等を使って行っているということで、杉並の従事者の参加が非常にしやすいということが挙げられます。 ◆河津利恵子 委員  地域で支える仕組みと、認知症への理解を深める取り組み、それと早期発見と治療ということでは、今後区としても精力的に取り組んでいかれるんだろうと思うんですけれども、認知症サポーターという方がいらっしゃいますよね。今何人くらいいらして、そして活動の内容を教えてください。 ◎高齢者在宅支援課長 8月末現在で5,097人の方がサポーターとして養成を終えております。  活動内容としましては、地域の理解者として、認知症の方の声かけ、見守り、また、介護経験のある方が多くいらっしゃいますので、経験をもとにした相談等を行っていただいているところでございます。 ◆河津利恵子 委員  さらにその活動の場というのかな、増やしていく工夫も必要だと思いますけれども、そんなことをお考えですか。 ◎高齢者在宅支援課長 委員ご指摘のように、組織的な取り組みも今後つくっていく必要があると思います。例えば接客を必要とする企業の方にサポーターを受けていただいて、実際の必要とする場面で使っていただく、理解をしていただくというようなことも考えているところでございます。 ◆河津利恵子 委員  つい先日、大牟田市の認知症対策のフォーラムを報道していたんですね。認知症予備群と言われる軽度認知障害の方々に働きかけて、グループワーク、グループを編成して仲間づくりをする。そして日常的に楽しく頭を使うゲームなどをしてもらって、そして冷蔵庫に張るんですけれども、支援マークといって、これからどんどんわからなくなるかもしれないという不安を抱えていらっしゃいますので、支援してくれる家族、親族、かかりつけの医者、包括支援センターで担当していらっしゃる方、あるいは民生委員などなど、自分の周辺の人や機関を書いて張っておくようなものだとか、それから、これまで自分が行ってきたこと、自分史、生活史みたいなものをつくるとか、好きだったものはこんなことですとか、学生時代はどんなことをしていましたとか、そんなことを書くようなことをプログラムとして取り組んでいるんだそうです。  もう1つは、若い世代に理解者を増やすということで、小中学生に、認知症になってだんだんと機能が低下していく、そういった流れを絵本にしたものがあって、それを読み聞かせをして、そして地域のサポーターになってもらう。中学生の子は、民生委員さんと一緒に承諾をいただいた高齢者のお宅をお訪ねして、一緒に話をしたりする機会を持つらしいんですね。この担当者の方が、子どもたちと進めるまちづくりは必ず結果がついてきますと迷いなくおっしゃっていたのが私はとても印象的でした。子どもが今は勉強しなきゃならないことがいっぱいあってかわいそうだなと思うんですけれども、こういった絵本なども参考にして、どこかしらの授業で取り入れていくなんてことも私は有効かなというふうに思いました。感想があれば聞かせてください。 ◎高齢者在宅支援課長 小中学生を対象にした事業というのは、ほかの自治体のほうでも数多く行われて、すばらしい成果を上げているというふうに情報が伝わってきておりますので、ぜひ関係の所管とも調整しながら、小中学生対象の認知症の理解の講座というのは、今年度中にでも検討を進めてまいりたいというふうに思っております。 ○大槻城一 委員長  河津委員の質疑の途中ですが、ここで午後3時10分まで休憩いたします。                             (午後 2時54分 休憩)                             (午後 3時10分 開議) ○大槻城一 委員長  休憩前に引き続き委員会を開きます。  河津委員の質疑を続行いたします。 ◆河津利恵子 委員  それでは、障害者部門のほうに移りたいと思います。  最初に、保健福祉委員会でも報告がありましたけれども、確認させてください。サービス利用計画作成の今後のスケジュール、それから相談支援事業の部分が縮小してしまうのではないかというふうな不安がありますけれども、そこの部分をどのようにとらえておいでか。 ◎障害者施策課長 サービス等利用計画作成のスケジュールでございますけれども、現在障害福祉サービスを利用している約2,500名の方に対して、今後3年間で作成してまいります。今年度300件を予定しておりますが、来年度以降のスケジュールにつきましては、現在作成しているところでございます。  それから、相談支援事業でございますけれども、今回新たな相談支援体制を再構築していくということで、今申し上げましたサービス等利用計画作成の拡大に伴い、そうしたサービスの利用にかかわる相談を担っていただく部分が非常に役割が大きくなりまして、その部分を民間の特定相談支援事業所の方々に担っていただきます。こうしたことでケアマネジメントの強化を図っていきたいと考えております。  それとは別に、障害者の地域生活を支えていくということで、一般的な相談の部分を、さらに地域移行支援などの専門的な部分もあわせて、3カ所、障害者地域相談支援センターというものを設置して実施していく体制を考えてございます。この障害者地域相談支援センターは、従来の委託の相談支援事業所よりもさらに体制を充実して、3障害すべてに対応して、そして担当地域も設けて、すき間のない支援を行っていくものでございます。  さらに、行政のほうの役割も明確化しまして、区のほうに基幹型相談支援機能を持つ係を設置いたしまして、こうした相談支援事業所を具体的にコーディネートを行ったり、あるいは個別的なケースのかかわりも含めて総合的に支援し、相談支援体制全体の充実を福祉事務所や保健センターもあわせて行っていくものでございます。 ○大槻城一 委員長  理事者の答弁は迅速かつ簡潔にお願いをいたします。 ◆河津利恵子 委員  大きな移行でもありますので、区の司令塔としての役割は非常に重要だと思います。頑張ってやってください。  それから、放課後デイについて聞いてまいります。  ことし4月から、児童福祉法に基づいて放課後等デイサービスが創設されました。これが制度化されたということで私は本当にうれしいことなんですけれども、これまで当区では、独自の補助事業として地域デイサービスが継続されてきました。各団体ごと異なった問題や課題があるということで、非常にきめ細かく説明会なども行って対応していただいていることは重々承知しています。ただ、やはり事業者からも利用者からも、移行していかなくてはならないという前提のもとで、非常に不安の声が寄せられていますので、改めて確認をしていきたいと思います。  補助事業である地域デイに関して、これまでの杉並区での取り組み、現状、活動に対する評価をお聞かせください。 ◎障害者施策課長 この地域デイサービス事業は、親の会とか地域のNPO法人などが障害児の放課後の預かりとか集団生活への適応訓練などを行ってきたものでございます。これは区の補助事業として実施してまいりました。現在、7つの団体が10カ所で実施しております。  これは法整備がこれまでなかった分野で、杉並区の中で先駆的に取り組んでいただいたということで、特に放課後の障害児の預かり、居場所の確保という意味で大きな役割を果たしていただいたと評価しております。 ◆河津利恵子 委員  放課後デイサービスへの移行に向けてどのように働きかけをしているか。  また、東京都の資料なんですが、これ見せていただくと、株式会社、いわゆる営利団体も参入している自治体がありますね。杉並区では手厚く、そして手づくりで制度をつくってきていますので、そこが1つ壁になっているのかとも思いますけれども、他の自治体の状況はどうとらえていますか。 ◎障害者施策課長 まず、区内のこれまでの団体への働きかけでございますけれども、それぞれ事業の内容が異なっていたり、法人格があるところ、ないところとかいったように、課題が個別に異なりますので、それぞれの団体の方々と個別に何度も話し合いの場を設けて、丁寧にご説明を行っているところでございます。  それから、他の自治体でございますけれども、基本的に、前年度から児童デイサービスII型という形で実施していたものがみなしで移行しているものが非常に多いわけですけれども、杉並区としましては、そういった事業所が、これまで手づくりのところが多かったというところで、なかったことから、現状杉並区のほうが少ない状況ではありますが、今そうした他自治体の状況なども調査に回って、いろいろ実情をつかんでいるところでございます。 ◆河津利恵子 委員  重度の子どもの受け入れに関してなんですが、これまで独自加算してきています。これは非常に評価できるもので、当面の間継続することを望みますが、いかがでしょうか。 ◎障害者施策課長 放課後等デイサービスに移行した場合は、その項内の個別給付で運営していただくことを基本と考えておりますけれども、こうした区でこれまでやってきた独自加算の部分については、そうした団体の方々との話し合いの中で、必要性を今後判断してまいりたいというふうに考えてございます。 ◆河津利恵子 委員  関連して、ちょっと学童クラブのほうでも聞きたいと思います。  現在、高円寺北学童クラブで重度のお子さんを受け入れていますが、状況を伺います。また、他のクラブでの障害児の受け入れ状況と傾向もあわせて伺います。 ◎児童青少年課長 高円寺北学童クラブに関しましては、現在5名の重度重複の障害のお子さんをお預かりしてございます。  他のクラブも含めて全学童クラブでは、4月1日現在では110名で、9月1日では117名という状態でございます。  傾向としましては、例年大体このぐらいの人数で推移してございまして、ほぼ横ばいの状況かというふうに存じます。
    ◆河津利恵子 委員  1カ所しかありませんから、区内にもう1カ所、西のほうにもう1つあるといいなというふうにかねてから思っています。  放課後デイなんですけれども、安定的な活動を保障するために当面の家賃補助が必要であるとともに、今後もっと広げていくためにも活動拠点の確保が求められます。ちょっと余計なお世話かもしれませんけれども、空き店舗あるいは街の駅をしばらくの間、午後、放課後の間貸していただくとか、あるいは区の施設、そして一定のルールを決めた上での学校施設あるいは学校の跡地利用など。例えば午前中アンテナショップにするとか、そして配食や会食、作業所みたいなことをして、午後は放課後デイというふうな抱き合わせみたいなことも、いろいろなことが私は考えられるのではないかなというふうに夢は広がるんですけれども、各施設、大きな問題や課題があることは重々承知ですが、全庁的にぜひとらえて、こういった場所の確保を考えていただきたいと思います。  そしてもう1つ、行政として戦略的な展開をしていただきたいということなんです。スタートしたばかりですけれども、障害ある子ども、そして親の放課後活動の場を、そしてまた社会参加をより拡充するために、方向性を定めて全体像を描き、計画的に取り組んでいっていただきたいと思いますが、お考えを伺います。 ◎障害者施策課長 まず、拠点の確保でございますけれども、例えば隣の練馬区などでは、空き店舗を活用してかなりの事業が行われております。学校は非常に有力な選択肢で、継続的な場所を確保していくというような形でルールを定めて実施していくことが必要かと思いますので、そうした形でこの拠点確保の検討を進めてまいりたいと考えております。  この事業は総合計画、実行計画に基づき実施してまいりますけれども、さらに具体的な方向性を早急にまとめてまいりたいと考えてございます。 ◆河津利恵子 委員  こども発達センターについて伺います。  最初の手続というか、相談ですね、今現在二、三カ月かかるということですけれども、現状はいかがでしょうか。 ◎障害者施策課長 相談希望者が増加して、2カ月ぐらいの待ちになっているという状況がございました。せんだって、併設施設の公園緑地事務所の一画をお借りして、今、相談の待ち時間の縮小に努めているところでございます。 ◆河津利恵子 委員  相談したい方にとって、2カ月、3カ月ってじりじりする思いだと思うんですね。相談が始まってからでも、これまでの生育歴だとか、それからお子さんが2時間くらい遊んでいるところを観察したりとか、とても時間のかかる作業ですが、丁寧にやっていただいていると思います。そういう障害児の待機児童が出ないように、ぜひ配慮をしていただきたいと思います。  それと、Leafジュニアが高円寺にできましたけれども、今後も連携を深めるべきと思いますが、どのような対策を講じていますか。 ◎障害者施策課長 7月にオープンしましたLeafジュニアとは、既に5回打ち合わせを行っておりまして、こども発達センターとの役割分担の方向性なども含めて、今検討を進めてございます。 ◆河津利恵子 委員  たんぽぽ園の登録者も、登録者を増やすということで利用者が増えてきています。今後、3歳児が4歳児になるということは、週3日から5日の利用に増えるわけで、スペース的な問題が生ずることは本当に明らかなことだと思うんですが、対策は何かお考えですか。 ◎障害者施策課長 今年度の3歳児が例年に比べて非常に多いということが課題となってございます。その年齢に適した療育の量を確保するということが非常に重要でございますので、民間事業者との役割分担なども含めて幾つか方策が考えられますので、早急に対応策をまとめてまいりたいと考えてございます。 ◆河津利恵子 委員  よろしくお願いします。ガイドヘルパーについてもお尋ねいたします。  ガイドヘルパーは、移動支援で非常に重要な役割を担っていらっしゃるわけですけれども、地域大学で今養成しているんですかね。養成後、登録されて実際に活動につかれる方が少ないというふうに聞いていますが、現状どうでしょうか。 ◎障害者施策課長 確かにご指摘のようなところがあり、今やっている講座については、ちょっと座学中心で実践的でないというようなご意見もいただいておりますので、来年度以降実習の部分を増やし、より実践的な内容に改善してまいりたいと考えてございます。 ◆河津利恵子 委員  ほかのヘルパーさんと比べると、比較的、ただついていくだけじゃなくて、いろいろ把握しなくちゃならないことがあって、しかも、連れていく時間と帰る時間などもあって、非常に重労働だと思うんです。制度自体のヘルパーさんの待遇なども、これからちょっと課題というふうにとらえていただければなと思います。  最後に、孤立死問題の解決に向けて対策を講じていただきたいということで質問します。  重度障害者の親の会が独自に、高齢化が進んでいて気になるこもりっきりの家族を訪ねるという活動をされていて、せめて交通費の助成をというふうなことを質問したことがあるんですね。こういった重度障害者の家族の問題に限らず、ひとり暮らし高齢者、低所得者層など、孤立死を防ぐための対策を考えていくべきではないかというふうに思います。さまざまな角度から調査研究を進めて検討していってもらいたいと思いますが、いかがでしょうか、お尋ねして、私の質問を終わります。 ◎区長 孤立死対策についてお尋ねでありました。  孤立死につきましては、全国各地で大変痛ましい事件が相次いで起こっているということを受けまして、国のほうでもいろいろと対策を考えていると思いますけれども、基礎的自治体、私たちの役割というのは、区民福祉の向上、区民の暮らしと命を守るということにあるわけでございまして、区としても、しっかりとこういった事態を受けとめて対策を考えていく必要があるというふうに思っています。  私の就任直後には、113歳の高齢者の所在不明事件というものがありました。この事件は、大変いろいろなことを私自身も考えるきっかけになりました。その中で、高齢者の人たちの暮らしぶりということで、ひとり暮らしというと、大丈夫かなという周囲の目もあり、社会的関心もあって、いろいろとケアをする、フォローするということが行われていますけれども、盲点となっているのはふたり暮らしということであろうかというふうに思います。113歳の場合も、形の上ではふたり暮らしということになっていたわけですね。この間、先ほどからお話あった痛ましい全国的ないろいろな事件というのも、障害者あるいは障害児の方と親御さんとか、そういうふたり暮らしというような暮らしぶりであったということです。  そういう意味で、今後、ふたり暮らしに対する関心というのをしっかり持っていかなきゃならない。特に老老介護と言われるような、2人とも高齢者だという世帯がどんどん増えていくのではないかと思いますので、そういった視点をきちっと持って、どういう対策が必要か、やるべきかということをしっかりと所管のほうでも調査研究をするように、私のほうからも指示をしたいと思います。  いずれにしても、区としてこういった今の社会の状況というものをきちっととらえて、先手を打って対策を講じていくということが求められていると思っておりますので、そういうことで考えていきたいと思っております。 ○大槻城一 委員長  以上で民主・社民クラブの質疑は終了いたしました。  日本共産党杉並区議団の質疑に入ります。  それでは、くすやま美紀委員、質問項目をお知らせください。 ◆くすやま美紀 委員  国民健康保険についてお伺いします。  当該年度、東京23区では、国保料の算定方式が住民税方式から旧ただし書き方式に変更されました。改めて、住民税方式と旧ただし書きの違い、それから変更した理由をお伺いします。 ◎国保年金課長 まず、住民税方式ですけれども、所得から扶養控除等諸控除を差し引いて保険料の賦課計算を行うものです。旧ただし書き方式につきましては、所得から33万円の基礎控除を差し引いて賦課する方式で、これは全国の市町村が一般的に採用しているものでございます。  移行した理由につきましてですけれども、まず、所得割算定方式の原則であるということ、それから税制改正の影響を受けにくい、加入者が所得に応じて広く負担する制度である、医療保険制度の広域化等の方向に合致した制度であるというような理由でございます。 ◆くすやま美紀 委員  算定方式の変更によって、どのような世帯が引き上げの影響を受けたのか。国保加入世帯に占める割合もあわせてお伺いします。 ◎国保年金課長 影響を受けた世帯ですけれども、扶養家族が多い世帯、障害者や高齢者を扶養している世帯、高額の医療費控除などがあるというような形で所得控除の多い世帯がございます。また、議会でも質問がありましたけれども、極端に増えた例といたしましては、今まで区民税に反映されていなかった特別徴収の株式の配当等があった方などが、大きく増えた例になってございます。  前年度の所得とまるきり同じということで仮定した場合、23年度の保険料の試算の中で、増額世帯が31.6%、減額世帯が21.1%というような割合になってございます。 ◆くすやま美紀 委員  多数の問い合わせなどあったと思うんですけれども、何件ぐらいあったのか、またどのような内容だったかお聞きします。 ◎国保年金課長 23年度は実は正確な数字をとっておりませんでしたが、通知書を発送してから1週間ぐらいの間で、電話の問い合わせが2,800件程度、窓口への相談件数が800件ほどございました。  問い合わせの内容としましては、新しい保険料の賦課制度に変わったということで、それの説明、それから保険料の金額の確認、支払い回数や支払い方法の確認などがございました。やはり新しい賦課方式に変わったための説明のために、1件当たりの対応時間というのは、ふだんの年に比べて長くなってございます。 ◆くすやま美紀 委員  それでは、一体どのくらい引き上げになったかということについてお伺いしたいんですが、資料の125番をいただいております。給与所得者、年収300万円、65歳未満、3人世帯の場合の保険料について、22年度住民税方式だったときと当該年度旧ただし書き方式になった場合の年額の保険料額を示していただけますか。 ◎国保年金課長 年収300万円の3人の世帯で、22年度の保険料につきましては16万76円、23年度は20万7,981円となります。 ◆くすやま美紀 委員  1年で4万7,000円以上、4万8,000円に近い大変大幅な引き上げとなりました。さらに今年度も引き上がっていますよね。今年度でそこからさらに2万3,000円以上引き上がって、年額23万1,399円というふうになっております。それもそれぞれ激変緩和のための経過措置を実施してもという数字になっています。そして来年度はいよいよこの経過措置がなくなるわけですけれども、その場合の保険料額は幾らになりますか。 ◎国保年金課長 25年度、経過措置がもしなくなった場合、年収が変わらない場合は、25万5,909円となります。 ◆くすやま美紀 委員  大変な数字だと思います。22年度と比較して9万5,000円以上値上がりです。3年間で10万近い負担増ということで、これ、実際に本当に実施されたらどうなってしまうのかと怖ろしくなります。経過措置の継続をするなど、何らか手だてをとるべきだと思いますけれども、23区区長会ではどのような議論がされているのか、お伺いします。 ◎国保年金課長 23区の中での議論の内容ですけれども、経過措置の目的が達成されたので、条例どおり2年で終了することが妥当であるというような意見もございますが、反面、本則適用により一部の階層において保険料の大幅な上昇が生じるというようなことや、激変緩和が2年だけでは十分ではない階層も存在するというような意見も出されてございます。 ◆くすやま美紀 委員  杉並区田中区長はどのように主張されているんでしょうか。 ◎国保年金課長 杉並区としましては、旧ただし書き方式への移行に伴う経過措置というのは目的をおおむね達成したということで、24年度で終了したいと。ただし、一部の階層では大幅な保険料の増額となる状況があるということで、一定の緩和策が必要ではないかというふうにも考えてございます。この辺につきましては、23区共通の理解のもとで、協調して対応していくことが必要というふうに考えてございます。 ◆くすやま美紀 委員  これはいつごろ方向性が出てくるんでしょうか。 ◎国保年金課長 経過措置の取り扱いを含んだ25年度の国民健康保険料につきましては、12月に国の予算の内示がございます。1月中旬、特別区長会で方針を決定し、国保運営協議会に諮問した後、平成25年の第1回区議会定例会でご審議をいただく予定になってございます。 ◆くすやま美紀 委員  私、住民税のところでも、負担増が区民を襲っているという状況を取り上げました。この上さらなるこのような痛みを押しつけられたら、区民の暮らしや営業は立ち行かなくなってしまうのではというふうに本当に心配です。区長には、区長会でぜひとも区民負担軽減のために頑張るという姿勢が求められていると思いますけれども、区長の姿勢をお伺いします。 ◎保健福祉部長 国保の保険料につきましては、既に4割近くの方が何らかの負担軽減措置を受けているわけですけれども、国では、今回の一体改革の一環として、さらにこの負担軽減の対象者を拡大するという方針を決定しております。  また、特別区においては、今お尋ねの経過措置の取り扱いについて、今まさに議論をしているところでございますので、こうした中で、区独自に負担軽減措置を講じるということは適切ではないというふうに考えております。区としては、保険料の支払いが困難な方に対しては、1人1人事情をお伺いして分割納付をご案内するなど、丁寧な対応に努めてまいりたいというふうに考えております。 ◆くすやま美紀 委員  私は、こんなに引き上げがされたら、保険料を払いたくても払えない世帯が本当に増加するのではないか。それが資格証の発行ということで、病院にかかれないような状況につながってしまうということが引き起こされるのではないかと本当に危惧しておりますので、今部長がおっしゃった答弁はちょっと認められませんけれども、しっかりとした区長会での田中区長の対応、また、区としての対応をとっていただかなければならないというふうに主張しておきます。  ちなみに、先ほど、年収300万円の夫婦2人、子ども1人世帯の年額保険料を示していただいたんですけれども、同じような年収の社会保険の加入者の保険料額というのは一体どのぐらいになっているんでしょうか。 ◎国保年金課長 社会保険の場合、年収300万円で、東京都の協会健保にもし加入していたらということで計算をさせていただきました。12月標準報酬月額を割り返しますと、本人の保険料の負担額は、年額で15万5,532円というふうになります。 ◆くすやま美紀 委員  ということは、今年度23万1,399円という国保加入者ですね。ですから、単純に比べて、8万円近く国保に加入している方のほうが負担が多い。こうした比較を見ても、私は国民健康保険料は高いんじゃないかというふうに思っています。国保の運営協議会でも述べたことなんですけれども、例えば年収200万円の人の保険料なんですが、いただいた資料を見ますと、年額約11万2,000円になっています。年収200万円だと月給17万円弱かなと思うんですが、そこから税金を払って、家賃を払って、また年金が1万5,000円ぐらいですよね。そういうのを払って、またそこからさらに国保料が1万円弱ということは、本当に厳しいと思いますね。  区のほうは、こうした国保料の金額について、高いというような認識、どのような認識を持っておられるのか、お伺いします。 ◎国保年金課長 他の健康保険に比べますと、構成されている方がどうしてもご高齢の方が多かったりする関係もありまして、医療費等も多くなります関係で、若干、他の健康保険に比べれば保険料が高いというふうには感じております。 ◆くすやま美紀 委員  次に、国保の現状、今後の動向について伺います。  当該年度、保険料の収納率は若干上がったということですけれども、ここ数年の収納率の推移についてお伺いします。 ◎国保年金課長 保険料の収納率の推移ですけれども、現年分の収納率で、平成20年度が83.60%、21年度が82.86%、22年度が81.89%、当該年度、23年度は82.98%となってございます。 ◆くすやま美紀 委員  私もちょっと古い資料を見ました。そうしたら、1998年ぐらいでしたかね、そのころは現年分で90%近かった収納率が、ここ数年で80%近くまで落ち込んでいるということです。  次に、国保の加入世帯の職業構成とか所得の変化、杉並区内はどのようになっているかというのはわかるんでしょうか。 ◎国保年金課長 正確な職業の構成というのは把握をしてございませんが、平成22年度、厚生労働省で実施いたしました国民健康保険の実態調査というのがございまして、これは東京都の国保の世帯主の職業別の割合ですけれども、自営業の方が12.5%、被用者が36.5%、無職が30.6%というような割合になってございます。  また、所得状況の変化につきましては、これも特別な資料がございませんが、区民税等の動向を考えますと、区民所得は減少しているというふうに考えております。 ◆くすやま美紀 委員  私も厚労省の資料を見てみました。国民皆保険制度スタート当時の1965年は、自営業者とか農林水産業の方が多数だったんですけれども、現在は非正規の労働者ですとか無職の方が7割以上を占めているということです。  また、所得についても、バブル崩壊直前の1990年度は平均所得年240万円程度でしたけれども、2010年度は145万円にまで落ち込んでいるという数字が出てきました。不況ですとか、自営業者、農家の経営難、あるいは雇用が壊されて本当に低賃金の非正規労働者が大量に国保に流入しているということで、低所得の方、高齢者が多数を占めるようになっています。こうしたことからも、国保の財政基盤が脆弱であって、適切な国庫負担なしには成り立たない医療保険だということを常々私ども言ってきたんです。しかし、歴代政権が国庫負担を削減し続けてきたということが問題だということを主張してきました。  23年度、当該年度の杉並区の国保会計の総収入に占める国庫支出の割合、何%になっているでしょうか。 ◎国保年金課長 23年度の決算の中での国庫の負担金の歳入に占める割合は、22.8%というふうになってございますが、これ以外に、健康保険組合などから支援金として供出される療養給付費交付金や前期高齢者の交付金などを合わせると、42.2%というような割合になってございます。 ◆くすやま美紀 委員  国民健康保険会計の歳入の科目にたくさんいろいろありまして、それもどんどん複雑になっています。いろいろやりくりがあるのかもしれませんけれども、厚労省の資料を見ても、1980年代前半には国庫支出金が50%ありました。私も実際、杉並区の1980年前半の予算書を見てみましたら、国保会計歳入の半分以上が国庫支出金ということになっておりました。それが今は、先ほど課長の答弁では22.8%ということでいいますと、本当に国庫支出金がどんどん下がっているというのが、この数字を見てもわかります。  国保世帯が貧困化しております。そういうもとで、保険料を値上げして滞納世帯が増えている、そういう悪循環を断ち切るためには、国庫からの支出を大幅に増やすことが不可欠だと思いますけれども、国庫支出金を大幅に増やすよう国に求めるべきではないかと再三言っておりますけれども、どのようになっているでしょうか。 ◎国保年金課長 先ほど部長のほうでも答弁いたしましたが、低所得者対策、それから国保財政の安定的な運営のために必要な財政負担につきましては、全国市長会などを通じて国に要望を出しているところでございます。 ◆くすやま美紀 委員  それで、監査委員の意見書で、特別会計について、一般会計からの繰出金の動向には留意が必要という記述がありました。これは一体どういうことを言っているのか伺います。 ◎監査委員事務局長 国保、介護、後期高齢者の3つの特別会計につきましては、その一定割合を税で支えるような社会保険事業でございます。その事業規模の増大に伴いまして一般会計からの繰出金も増えている、そういう状況でございまして、23年度の決算で申し上げますと、約150億円というふうな大きな規模になってございます。このように区の財政に与える影響少なからぬものがございますので、その増の要因等を分析しながら、動向に留意をしていただきたいという趣旨でございます。 ◆くすやま美紀 委員  余り一般会計から繰出金を繰り入れるのはよくないというように受けとめてしまいそうなんですけれども、そういうことではないということでしょうか。 ◎代表監査委員 国保は制度的に非常に難しい問題を抱えている医療保険だというふうに思っています。したがって、今、そういう中で一般会計からの繰り出しが増えていってしまうというのが、ある種やむを得ない側面というのはあるというふうに認識していますけれども、しかし、その要因をよく分析していく中で、例えば保険料の収納率が繰出金の増減に影響しますし、また、診療報酬の不正受給というふうな問題も全くないわけではないとかということ、あるいはまた今後制度をどうしていくかというようなことについて、一般会計からの繰出金というものを1つの視点にしながら、いろいろ要因を分析する中で検討していくというのが必要だ、そういう趣旨です。 ◆くすやま美紀 委員  そういう趣旨ということでありますけれども、国民健康保険は社会保障制度です。命と健康を守るために必要な財源を自治体が出すのは当然だと思っておりますので、その辺をしっかり認識していただきたいと思います。  次に、国保の今後の動きなんですけれども、民主党政権が国保の広域化というのを推進しておりますけれども、この広域化とは何か、なぜ進めようとしているのかお伺いします。 ◎国保年金課長 市町村間で保険料や医療費についてはやはり格差があるというような状況、それから財政基盤についても不安定になるようなリスクの高い小規模の保険者が存在するなどということ、そういうような国保の構造的な問題への対応策の1つとして、事業運営や財政運営の都道府県単位化等の検討が行われております。国民健康保険を将来にわたって持続可能な制度にするためにも、このような検討が必要なものというふうに考えてございます。 ◆くすやま美紀 委員  広域化しますと、区の国保会計は何がどのように変わるんでしょうか。 ◎国保年金課長 広域化で具体的な制度や仕組み等はまだ国のほうから提示されているわけではございませんので、今、後期高齢者医療の広域連合のケースでお話ししますと、保険基盤、財政基盤というのはさらなる安定化が図れるということ。それから、事務費や人件費などの負担軽減も見込まれます。ただ、区独自にやっていた保険事業とか給付事業については制約が出るというようなことも考えられます。 ◆くすやま美紀 委員  後期高齢者医療制度のことが出されましたけれども、後期高齢者医療制度は区の一般会計からの繰り入れがされていない、できないということで、そういうふうな方向になってしまったら、もっと保険料が引き上がるというふうになりかねないと思うんですけれども、そういった懸念はないのかどうかお伺いします。 ◎国保年金課長 保険料につきましては、東京都の場合、都全部で申し上げますと、多摩地区のほうで、年齢構成、それから医療機関の充実度みたいなもので、保険料についても23区に比べると若干安いような状況もございます。これは試算をしてみないと、なかなか難しいものになると思ってございます。 ◎副区長(松沼) 国保の広域化というのはかなり前から議論がありまして、ちょうど都区制度改革を行っているころにも議論がありました。民主党政権というお話もありましたけれども、そのはるかそれ以前から議論がされてきておりまして、都区制度改革のときも、広域化の問題も念頭に置きつつも、23区が統一保険料方式でやるのか、それとも各区保険料でやるのかというような議論もありました。  その中で、当時の区側として選択したのが統一保険料方式。これは財政調整交付金が、都区制度改革以前は国保会計の中にかなり投入されていたということもあって、それをどう扱うのかという議論も保険料方式とあわせて議論があって、そこで結果として統一保険料方式を選択した。ただ、その経過措置以降、法の平等というもとでは、特別区だけ特別に算定するというわけにいかないというようなことで、いろいろな経緯があって現在に至っているわけです。  これは今まで議論が出ておりましたけれども、国保の問題というのは、単に国保会計だけの問題ではなくて、社会保障全体の構造的な問題がかかわっていると思います。そういった構造的な問題をあわせて議論していかないと、なかなか本当にきれいな解決策が見つからないというところがあって、それについて腐心はしておりますけれども、区としてこれまで行ってきたさまざまな施策、それについていろいろご意見聞きながら、できる限りのことはしていきたいというふうに思っております。 ◆くすやま美紀 委員  いろいろお話しいただきましたけれども、区の責務は、区長が再三おっしゃっておりますように、区民の命と健康を守るということですので、そうした立場で国保の改善、拡充を図っていっていただきたいということを申し上げて、質問を終わります。 ○大槻城一 委員長  それでは、原田あきら委員、質問項目をお知らせください。 ◆原田あきら 委員  飼い主のいない猫について、資料は382、それから持ってきた資料ですけれども、「どうぶつ会議」2011、2010と使います。  昨年の決特でも質問したのですが、飼い主のいない猫問題、復習じゃないんですけれども、猫の繁殖力について区の認識をお聞かせください。 ◎生活衛生課長 猫の繁殖力ですけれども、一概にはなかなか難しいところはありますが、一般に年二、三回、1回に4匹から6匹出産すると言われております。 ◆原田あきら 委員  多いときでは数十匹、年間に産んでいくということが言われています。  殺処分について区民からの訴えがあった場合、その猫はどのような経緯をたどるのかも教えてください。 ◎生活衛生課長 猫の引き取り、殺処分でございますけれども、基本的に猫の引き取りは東京都の動物愛護相談センターで行っております。対象は目のあいてない猫に限られております。 ◆原田あきら 委員  何でもかんでも殺処分にするわけではないんですよね。 ◎生活衛生課長 そのとおりでございます。 ◆原田あきら 委員  そうはいっても、お隣の世田谷区の動物愛護相談センターで殺処分されるのが2,000匹ぐらいとか、相当の数が殺処分になっている。殺処分にならずに、飼い主のいない猫、ホームレス猫になっている状態の猫は我々もよく見受けるわけですよね。猫エイズでやせ衰え、がりがりの猫、目がつぶれていたり、ノミ、ダニに全身をかまれてさわることもできないぐらいぐちゃぐちゃになっちゃっている飼い主のいない猫、多くは子猫です。幾ら動物とはいえ、1つの命がこうまで悲惨な末路をたどる。こうした事態が放置されてしまうかどうかは、言い方はきついようですけれども、その自治体の、そこに住む人たちの人間としてのレベルがはかられると言っても過言ではない問題だと私は思っています。海外からの渡航者が都心のホテルに泊まったときなど、ビルの間でぼろぼろになった猫を見て驚くんだと聞きます、日本では都市部でこういう対策はとっていないのかと。  こういう事態に立ち上がってくれている人たちが杉並にもいるわけです。前回の質問時、そうしたグループが150あると所管が言っていたんですけれども、その人たちはみんな活動実績があるのでしょうか。どうやってその数を調べたのでしょうか。 ◎生活衛生課長 150の数ですが、飼い主のいない猫の世話・杉並ルールについて、地域猫として猫を飼われている方、こちらのグループの数ということと認識しております。 ◆原田あきら 委員  そうですね。地域猫の状態になって、その地域でやっている方々と。私の認識する限り、まさにどこかで子猫が大量に捨てられているとか、そういうところに駆けつけていって助けてくれるような団体というのは、多くが活動しているとは私は認識していません。かなり少数です。しかも、活発に活動を展開されているその数少ないボランティアの方が、今危機感を強めています。  そこで、「どうぶつ会議2011」という冊子があるので、私もこの間知ったんですけれども、これを見ますと、自然と動物を考える市民会議というのがあって、それが創立31周年記念というのになって、それを特集していたんですよ。これ見ますと、谷博之・民主党動物愛護議連の参議院議員、公明党動物愛護管理推進PT座長・高木美智代衆院議員とか、メッセージで河野太郎氏とか、さらには我が杉並区議会からも小松久子議員、奥山たえこ議員など、そうそうたるメンバーがこの会議に、31周年に参加をされていた。私も驚きました。  そこのそうそうたるメンバーの前で、杉並どうぶつネットという団体の代表者が、最近非常に事態が悪いと感じているとあいさつをしました。この状態では猫が捨てられる数は増えるばかりだと大変な危機感を表明していました。杉並は他区と比べて施策が劣っているのでしょうか。
     そこで、資料382から、杉並区のほか、先進地区として名高い千代田区、新宿区、それぞれの去勢手術の補助額を教えてください。 ◎生活衛生課長 猫の避妊・去勢手術の補助額ですけれども、一番高いところが千代田区、中央区、オスで1万7,000円、メスで2万5,000円です。杉並区ではオスが1万3,000円、メスが2万5,000円となっております。 ◆原田あきら 委員  新宿区は。 ◎生活衛生課長 失礼しました。新宿区は、飼い主のいない猫のオスが5,000円、メスが9,000円となっております。 ◆原田あきら 委員  新宿区が5,000円、9,000円、これは飼い主のいない猫対策の先進地区です。ところが、杉並区はオス1万3,000円、メス2万5,000円出していますから、補助額は決して実は安いわけじゃないんですよね。では、なぜ捨て猫が増えるという危機感がボランティアに生まれるんでしょうか。実は、補助する回数に大きな違いがあります。例えば杉並は毎年何匹分の補助をしていますか。 ◎生活衛生課長 オス、メス合わせて160匹でございます。 ◆原田あきら 委員  新宿区、千代田区の例は知っていますか。 ◎生活衛生課長 助成の回数上限なしと聞いてございます。 ◆原田あきら 委員  そうなんですね。助成の回数の上限はないんです。年に、多いと、まさに記録として残っているじゃないんですけれども、70匹も産んでしまう猫を前に、160匹の補助数というのは、ちょっと焼け石に水と言ってもいい状態だと言わざるを得ないと思うんですね。  例えば、新宿区は例としては2010年の記録では、1年にオス258匹、メス616匹、さらには飼い猫にも新宿は助成を数千円なんですけれども出していまして、そういうこともやって、相当の数、1,000匹近い数が助成の対象になっている。それに比べて160匹の助成というのは、焼け石に水と言われても仕方ないんじゃないかと思うんですが、所管どうでしょう。 ◎生活衛生課長 飼い主のいない猫を地域でグループで世話をしていくということになりますと、いたずらに手術をしても世話ができなくなる。世話をする頭数というのはグループの数との関係になりますので、こちらのほうは現在で十分な数と考えております。 ◆原田あきら 委員  新宿は別にいたずらに増やしたとかそういうわけではなくて、ボランティアの人たちが、こちらが門戸を開けば、そうやって、私もこのかわいそうな状態、何とか悲惨な子猫の状態を助けてあげようという人たちがわんさか出てくるというのが実は実態だというのが千代田や新宿の例だと思うんです。これがもう杉並区の限界だと見るのは、ちょっと住宅都市杉並としては区民を信頼する姿勢に立ってないと思うんですけれども、どうでしょう。 ◎生活衛生課長 繰り返しのご答弁になりますけれども、地域で世話をしていくグループと現在の助成の数というのは適当かと考えております。 ◆原田あきら 委員  補助する期間が決まっているという杉並独特のルールも問題として挙げられています。千代田や新宿が通年で、1年間いつでも申請期間オーケーだよと、申請期間をほぼ定めていないのに対し、杉並区はどうしていますか。 ◎生活衛生課長 杉並区の場合、まず、年度当初、今年度ですと2回に分けて申請を受け付けておりますけれども、申請をいただいて、グループに対して何匹手術をやっていただくという頭数の承認をいたします。その後、前期ですと7月から10月、4カ月の間に捕獲して、獣医師の先生のところに連れていって手術をしていただくというような形になっております。 ◆原田あきら 委員  子猫が大量に生まれるのは主に3から4月と言われています。その後に捕まえて申請するというのは、まさに焼け石に水になっていくんですよね。せめて12月から4月の間連続して、期間を定めるならせめてその時期にしてもらいたいという声が上がっていますが、どうでしょう。 ◎生活衛生課長 先ほどご答弁漏れてしまいましたが、後半が、現在受け付けておりますけれども、10月10日まで受け付けまして、11月から1月、3カ月間に手術をするというのを行っております。 ◆原田あきら 委員  いや、12月から4月までと言ったんですけれども。 ◎生活衛生課長 現在の期間で十分かと考えております。 ◆原田あきら 委員  あと、補助の受けやすさというのも1つ問題になっています。新宿、千代田はどの動物病院でも施術を受けられるそうですが、杉並区は獣医師会会員の病院に限られているんですが、それはどうしてですか。メリットは。 ◎生活衛生課長 飼い主のいない猫の世話・杉並ルールでございますけれども、こちらは地域のボランティアの方、獣医師会、行政が協議してつくり上げたものです。この3者において、地域で猫をちゃんと世話ができるように、避妊あるいはえさやり等も含めてやっていくということでつくられているものですので、獣医師会の協力病院にお願いしているということでございます。 ◆原田あきら 委員  その制度設計にかかわった獣医師会への配慮は大事です。しかしながら、これは個人差があるんですよね。あるボランティアの方は、獣医師会の先生でも、いつ行っても施術してくれるし、施術後預かってくれたりする親切な先生がいるんだけれども、その一方で、持ってきたら手術が終わったらすぐに持っていってくれとか、それから今は無理だと断ってしまう人もいるといいますが、そういう実態はつかんでいますか。 ◎生活衛生課長 漏れ聞こえてはおりますけれども、その辺は、こちらからもできるだけ使いやすいというふうにお願いしたいと考えております。 ◆原田あきら 委員  ちょっとわかりにくい今の答弁でしたが、ボランティアが一度捕獲に行くと何匹くらい捕まえるか知っていますか。 ◎生活衛生課長 基本的には1回1匹というふうに考えておりますが。 ◆原田あきら 委員  そんなわけはなくて、5匹は最低でも捕まえるんだそうです。一番すごかったときは20匹捕まえたそうなんですよね。これを一度に受けてくれる病院というのが中にはあるんです。どうしてもそういう病院にボランティアの人たちは連れていかざるを得ない。施術を引き受けてくれて、しかも、受け取りに来るまで預かってくれる病院を20匹分も探して回るというのは、ほぼ不可能です。受けてくれる病院というのは、2日くらいは預かってくれるんだそうですね。ですから、ボランティアの人たちは、猫の命にはかえられないということで、自腹切って病院に連れていったりしているんですが、そういう実態は知っていますか。 ◎生活衛生課長 一部に自費で手術されているというお話は聞いてございます。 ◆原田あきら 委員  杉並は住宅都市ですから、猫をペットにしている人はたくさんいるんです。うちなんかも人からもらったヒマラヤンの猫がいて、放し飼いにしているんですが、まだ子猫だと思っていたら、ある日突然子どもを5匹産みまして、その後去勢したんですが、べらぼうなお金がかかりました。  私も含めてみんな、猫の生態というのを余り知らないわけで、私事ではありますけれども、実は7月末に女の子が生まれまして、ところが、その助産院の前にそのときに猫が2匹、へその緒がついたまま捨てられていた。気づいたのは午前9時だったんですけれども、でも猛烈に暑い日でしたから、既に脱水症状が激しかった。助産師さんたちも慌てまして、ちょうどそこにいた私に、原田さん、どうすればいいのかしらと言うんですよ。その後どうしたかはおいておいて、まず、こういう区民の認識の甘さについて、何がしか啓発活動がちょっと必要じゃないかなと、私も含めてね。新宿や千代田がすぐれているのは、シンポジウムの開催や、区長がひざ詰めでボランティアとの月1会議とかやっている。こういうことを区は行動をやっていけないものでしょうか。 ◎生活衛生課長 確かに啓発活動は重要かと認識しております。他区、新宿等でシンポジウムを開催しているということは承知してございますけれども、杉並区においては、杉並区が委嘱しておりますどうぶつ相談員が、現在、センターまつりのほうで飼養相談というものを行っておりますので、そちらのほうを含めて啓発に努めてまいりたいと存じております。 ◆原田あきら 委員  ソフト面についてじっくりやりたいんですけれども、ソフト面についてはよしておきます、次回にしますが、さっきの子猫ですけれども、どうしたかというと、まさに先ほど紹介した杉並どうぶつネットの方に助けてもらったんです。すぐ持っていらっしゃいと言ってくれまして、その後しっかりしたケースなどで2匹をガードして、和泉にあるひがしやま動物病院というところに連れていけと言われて、そこの先生も納得ずくで受けてくれました。  私は、まず、こういうネットワークを民間レベルで用意してくれているボランティアの人たちに、きょうの質問をこうしたボランティアにかかわる人たちも見てくれているということですから、区長、ひとつまずは区を代表してこの方たちへの感謝の言葉などいただけたらと思うんですけれども、どうでしょう。 ◎生活衛生課長 ボランティアの方が飼い主のいない猫あるいは捨てられた猫の譲渡等、いろいろ活動していただいているということは十分承知しておりますし、大変ありがたいと考えております。区といたしましても、今後とも動物愛護の精神を普及してまいりたいと存じております。 ◆原田あきら 委員  好きでやっている人たちみたいな位置づけではいけない。ぜひとも区とボランティアの人たちと獣医師会と、それぞれにとって利用しやすい、効果的な施策というものをつくっていっていただきたいと思いますが、最後にお聞きして、終わります。 ◎生活衛生課長 いろいろなご意見を承りまして、検討してまいりたいと思います。 ○大槻城一 委員長  それでは、山田耕平委員、質問項目をお知らせください。 ◆山田耕平 委員  高齢者施策、介護保険制度、生活保護、保育、障害者、時間がある限りやります。使う資料は、78、87、102、135、144、154、378です。  猫についてかなり白熱した質疑があったので、今度は人間についてです。現在の特養ホームの待機者数、また、緊急度を示すランク別の人数を伺います。 ◎高齢者在宅支援課長 平成24年8月末で待機者数が1,855人でございます。ランク別で申し上げますと、Aが999人、Bが659人、Cが197人でございます。 ◆山田耕平 委員  過去数年間で見た場合、特養ホーム待機者と緊急度Aランクの待機者はどのような変化をしているのか、伺います。 ◎高齢者在宅支援課長 平成19年と平成23年度を比較いたしますと、平成19年が全体の46%がAランクの方、23年度になりますと54%をAランクが占めておりますので、増加しているという見方をしております。 ◆山田耕平 委員  特養ホームの待機者、また、特に緊急性の高いAランクの方が着々と増加し続けているということがわかると思います。  平成19年度から現在まで特養の施設増設の推進状況、また定員数、どのように増えてきたのか伺います。  また、平成25年から26年で何施設何床の定員増を図るつもりか、特養ホームの施設整備の計画についても確認しておきます。 ◎高齢者施設整備担当課長 まず、特養の数でございますけれども、19年度末の時点では、区内10カ所974人ほどの数がございました。その後現在までの間、1カ所130人の増がございまして、現在1,104床ということになってございます。  計画のほうでございますけれども、現在、26年度までの間に3カ年で計画上300人の定員増を図るというふうに考えてございます。 ◆山田耕平 委員  入所待機者が増え続けている中で、平成19年から5年間での整備状況を見た場合は、1施設130床しか増えてないんですね。これではニーズに対してきめ細かな整備がされていないというふうに言えると思います。この5年間での特養の整備不足が、待機者増に歯止めがかけられていないという状況を生んでしまっていると思います。  平成22年度から25年度まで安全・安心プランというものがつくられました。この間、300床の増設を図るとしています。その結果、優先度Aランクの入所待機者が、23年度末をピークに24年度末には減少し始める、そういった見通しが書かれているんですね。しかし、現状では減るどころか、Aランクの待機者が増えてしまっている。これについての区の認識を伺います。 ◎高齢者施設整備担当課長 ご指摘ございましたけれども、現時点では、計画数300と先ほど申し上げましたけれども、4施設231床ほどの計画が着実に進んでいるところでございます。300床という計画には満たないものでございますけれども、現在、区は引き続き、公有地等の活用であったり、あるいは民間計画の支援等を通じて、この目標数を確保していきたいというふうに努めているところでございます。 ◆山田耕平 委員  この安全・安心プランというものは、田中区長の前の前区長のものだったわけですね。それ自体が全然不十分なままで終わってしまった。田中区長になり、特養ホームの整備がしっかりと位置づけられたということは本当に重要なことなんですけれども、平成25年度までに300床増やすということが、そもそも遅れているわけですよね。そういったところで、例えば実行計画で300床つくるといっていても、スタートラインがそもそも遅れているという現状を考えると、これでは不十分じゃないのかなと思うんですが、どうでしょうか。 ◎高齢者施設整備担当課長 安全・安心プランの数は確かに300という数字がございますけれども、私ども、この300の数字が不足しているという認識は決して持ってございません。当時つくった計画の数字は、入所希望の非常に優先度の高い方については相当程度こたえた数字であって、計画数そのものが不足しているということでは考えてございません。  特養整備につきましては、もちろんそれも進めていくんですけれども、それと同時に、介護老人保健施設であったりとか、あるいは地域密着型といっていますけれども、認知症の高齢者グループホームであったりとか小規模多機能、これらをあわせて総合的に対応していきたいというふうに現在考えてございます。 ◆山田耕平 委員  いろいろと安全・安心プランにも書いてあるんですけれども、その時点で私たちはまだ不足しているというふうに思っているわけです。  整備の遅れの要因の1つとして、荻窪団地の建て替えに伴う100床程度の特養増設計画が進んでいないという問題があります。現在、URとの交渉が難航しているということですけれども、現在の進捗状況を伺います。 ◎高齢者施設整備担当課長 荻窪団地についてのことでございますが、ご存じのように、全体の工期が遅れてきたといった現状、事実がございます。現在、北側の公益施設用地がほぼ整地が終わりつつあるといったような状況でございますので、現在引き続きUR側と公募関連の協議などを進めながら、なるべく早期に整備計画を明らかにしていきたいというふうに考えてございます。 ◆山田耕平 委員  大まかな見通しで結構ですので、どのくらいの時期にできそうなのかお伺いします。 ◎高齢者施設整備担当課長 まだこれは確約はできないものでございますけれども、そろそろ整地がされているということでございますので、そう遅くない時期に私どももそこに向けて努力していきたいというふうに考えてございます。 ◆山田耕平 委員  100床程度の整備が実現すれば大変影響も大きいので、ぜひ実現してほしいと思います。  また、先ほど平成26年度までの整備計画が示されましたけれども、10年間で定員1,000人増ということです。3年間で300床の増と。現時点で4施設で263名の整備ということが示されていますけれども、計画の300名に足りてない状況なんですね。その300名を満たすための増設計画、現時点での検討などがあれば、お示しください。 ◎高齢者施設整備担当課長 ご指摘のとおり、現在具体化しているのは4施設230床ほどでございます。これはまず着実に進めていくということでございます。現在引き続き、公有地の活用であったりとかあるいは民間計画、こういったもののご照会等もございますので、それらについて積極的な支援を行っていくということで、この数値を実現していきたいというふうに検討してございます。 ◆山田耕平 委員  その300床もぜひ実現してほしい。ただ、我が会派としては、3年間で300床という計画では不足しているというふうに思っているんですね。現在999名のAランクの待機者がいることを考えると、やはり不足ではないかなと。また改めて区の見解を伺っておきます。どうでしょうか。 ◎高齢者施設整備担当課長 先ほどもご答弁申し上げましたけれども、現在、300床という数は、私どもとしましては、優先度の高い方々を想定した計画としては妥当なものだと考えてございます。ただ特養一辺倒だけではなくて、先ほど申し上げたような他の施設をあわせて総合的に進めていくことで、この問題を解決していきたいというふうに考えております。 ◆山田耕平 委員  そのAランクの待機者1,000名をどう見るかというのは、すごく大事なことだと思うんですね。住宅で直ちに入所を望んでいる方というのを3割程度と見込んだと、いろいろな計画に書いてあるんですけれども、例えば現在グループホームに入っていたとしても、その入っている方の認知が進んでいるとか介護度が上がった、そういった理由もあると思うんですね。また、老人保健施設であっても、今回は法改定がされたわけですが、在宅の復帰率とベッド回転率の低い施設の報酬が下がるという制度になっているわけですよ。そうすると、追い出しが促進されるわけですね。老健めぐりといった実態がさらに広がるような可能性もあるわけですよ。そういったことも考えたときに、Aランクの待機者のうち3割程度が入れるという整備計画では、やはり不足しているのではないかなと。そういった実態を踏まえた上で、区の見解はどうでしょうか。 ◎高齢者施設整備担当課長 先ほどの繰り返しに近い答弁になりますけれども、かなり優先度の高い、今、老健めぐりという話もありましたが、そういった状況も踏まえながら、Aランクの中でも特に優先度の高い方々をまずは優先して入れていくという考え方で、区は整備を進めていきたいというふうに考えてございます。 ◆山田耕平 委員  私たち区議会議員もAランクの方からいろいろな相談を受けるわけですよ。そのAランクの方の深刻な実態を見れば、今すぐに特養に入らなければならないということがすぐわかるんですね。区としてもAランクの待機者の実態をつかんでほしいと思いますけれども、どうでしょうか。 ◎高齢者在宅支援課長 区のほうでも、第1次評価ということでAランクということでやっております。そのとき個々にいろいろ事情を伺いながら評価をしている中で、その実態のほうをつかんでおります。また、本当に緊急的に対応の必要なところは、区のほうでも施設等と協議をして対応しているというところでございます。 ◆山田耕平 委員  南伊豆健康学園の跡地について、保養地型の特養ホームを増設するなどという検討もされているようですが、進捗状況を確認します。  また、決まってないと思いますけれども、いつごろ、どの程度の規模なのかもお示しください。 ◎高齢者施設整備担当課長 健康学園の跡地活用につきましては、これまで長い間南伊豆町にお世話になったわけですので、そういった長年の関係を維持発展させていくということで、町と区の双方にとってメリットのある施設を検討したいということで、現在特養の建設を目指して協議、検討しております。  現在ですけれども、関係自治体、静岡県あるいは町、それから東京都等と引き続き協議を進めている段階でございまして、まだいつごろ、あるいはどの程度の規模といったところまでは、具体の数字は出せない状況でございます。 ◆山田耕平 委員  特養ホームの増設計画で課題となるのが用地確保ですね。都市部には用地がないということが言われて、南伊豆健康学園などの整備が検討されているというわけですけれども、用地がないというふうにいいながら、区内にある一定規模の国有地が次々に売却されているという実態があります。直近では方南町住宅跡地も売却されるということが決まりました。例えばこのような土地について、特養ホームの整備など、活用方法の検討をどのようにされているのか、区の見解を伺います。 ◎企画課長 未利用国有地については、関東財務局のほうから区に利用の照会が来るわけでございまして、これは特養に限ったことではございませんけれども、区の計画事業の実現のために寄与する土地であるかどうかということを、その用地の場所、規模、接道条件等を総合的に勘案して取得等の判断をしてございます。 ◆山田耕平 委員  会議でどのような議論がなされているのかというのが非常に疑問があるんですね。今回取り寄せた区内国有地の資料154番というのがあるんですけれども、多くの土地について、売却状況を把握していないということが書かれているんですよ。なぜ把握されてないのか。また、活用についての協議がされていれば、そういったことがわかるんじゃないのかなと思うんですけれども、どうでしょうか。 ◎企画課長 まず、公共団体優先の原則がございますので、区のほうに活用の照会が参ります。その結果、区は、先ほど申し上げたような観点から検討して、活用しないという判断をした後には、民間の競争原理にゆだねて、国のほうはより効果的な売却を図るということでございまして、そこがどこに売却をどういう形でされるかというところまでは、基本的には区は押さえてないということでございます。 ◆山田耕平 委員  例えば保育園のことでも取り上げたんですけれども、社会福祉法人が設置なんかをするときには、土地がないと増設計画が進まないんですよね。だから、そういった観点から見たら、用地を確保するというのは区がしっかりと責任を持たなければならないのかなというふうに思います。この状況だと、10年後に1,000床という目標値を決めていても、実現に向けての用地確保が進んでいくのか、大きな懸念があるんですが、どうでしょうか。 ◎企画課長 施設の整備の仕方というのはさまざまな可能性がございますので、計画事業として総合計画、実行計画に数値を出しているわけですから、そういったあらゆる可能性を追求してまいりたいというふうに考えてございます。 ◆山田耕平 委員  国有地がある一方で、今後、施設再編整備の名のもとに、区立施設の再編整備とか小中学校を統廃合するというようなことが出てきて、そこに用地を確保するというふうに考えているんだとしたら、それは大きな問題だと思うんですけれども、区の見解はどうでしょうか。 ◎企画課長 先ほど申し上げたように、あらゆる方法を追求して計画の数値の実現を図ってまいりたいというふうに考えてございます。 ◆山田耕平 委員  次に、地域包括ケアについてお伺いします。  特養ホームの入所待機者の増加にも示されていますけれども、在宅介護を必要とする高齢者が増加しています。資料78の65歳以上のひとり暮らし世帯数と高齢者のみの世帯数の推移をお示しください。平成20年度と24年度だけで結構です。 ◎高齢者施策課長 平成20年度、ひとり暮らし世帯が1万7,000強、24年度に1万8,000強。高齢者のみの世帯といたしましては、20年度が1万3,800強、24年度には1万4,700強という数字でございます。 ◆山田耕平 委員  他の委員からも出されましたけれども、高齢者のみの世帯が増加しているんですね。施設整備とともに、在宅介護の基盤整備が欠かせない状況になっています。高齢化が進展していく中で地域包括ケアの実現が打ち出されていますが、区の見解、また取り組み状況を伺います。 ◎高齢者在宅支援課長 まさに、先ほどお話ありましたように特養が不足している中で、施設オンリーではない、区民が住みなれた地域で安心した在宅生活ができるように、医療、介護、また住まい、介護予防、生活支援というものが複合的に連携して、より安心した生活ができるようにというふうに認識しております。  また、区といたしまして、昨年度から、区民が在宅生活で一番不安が大きい医療に関しまして、在宅医療推進協議会を設置いたしまして、よりいろいろな各方面間の連携でそれらの取り組みを進めていく。また、今年度に関しましては、地域包括ケアのかなめでありますケア24に対して、地域づくりの研修を強力に推進しているところでございます。 ◆山田耕平 委員  地域包括ケアの考え方を実践するには、やはり介護基盤の整備が欠かせないと思うんですね。例えば最期は住みなれた自宅で生活したいというのは、だれもが願うことだと思うんですけれども、その願いを逆手にとって、在宅があるから施設は要らないんだというふうな安上がり体制になっていったら、本末転倒だと思うんですね。  地域包括ケアを支える基礎的サービスの1つとして、さきの法改正の目玉とされた定期巡回・随時対応型訪問介護看護、これについて簡単な説明と普及見込み数、実施状況、課題などについて伺います。 ◎介護保険課長 定期巡回・随時対応型訪問介護看護のサービスでございますけれども、これは日中、夜間を通じまして、訪問介護と訪問看護が密接に連携をしながら、短時間の定期巡回訪問と随時の対応を行うというサービスでございます。現在、区内に2カ所事業所がございまして、そのほかにも開設の相談をしている事業所があるという状況でございます。  課題といたしましては、新しいサービスということで、まだ利用者の方への周知が図られていないということで、まだ利用者数のほうが伸びていないということが課題でございます。 ◆山田耕平 委員  区としてもこの制度を積極的に使おうとするのはわかるんですけれども、このサービスについて全国の自治体の例を見てみると、全国の自治体で極めて低調な普及見込みなんですね。2014年度の予測値を見ても、全国の8割の自治体で利用者がゼロになっている。計画見込み数を挙げている329自治体すべて合わせても、全国で1.7万人とわずかな数なんですね。  この施策、目玉とされている割には、何かいろいろと問題があるかなというふうにも思っています。その実施をどういうふうにしていくのかというのも、いまだに不透明な状況だと思うんですね。例えば1日複数回とか、1回20分以内の訪問看護どこまでできるのか。また、ほかのサービスとの併用の課題とか、利用回数が増えると、経済的に余裕がある人しか利用できないなんていう問題もあるわけです。  現場の状況はどのようになっているのか、今の区の認識を伺います。 ◎介護保険課長 現在まだサービスが始まって間もないということで、9月現在、利用者数は13人ということになってございますけれども、また、その実例というのがこれから増えていく中で、新たなそのサービスの使い方というものを研究していきたいというふうに考えてございます。まずは周知を図って、サービスの促進のほうを図っていきたいというふうに考えてございます。 ◆山田耕平 委員  状況についてしっかりと注視していってほしいと思います。  夜間の対応を行う点で、夜間対応型訪問介護事業について、区の整備状況と実績をお示しください。  また、整備を進めるに当たっての課題などがあればお伺いします。 ◎介護保険課長 夜間対応型訪問介護につきましては、現在区内で2カ所の事業所が設置されてございます。  利用者数といたしましては、7月現在で159人の登録がございます。  整備の課題といたしましては、このたび新しい24時間の定期巡回のサービスが始まりましたので、一部重なるところもございますので、そのすみ分け、そういうのをどういうふうに考えていくか、そういうところが課題になるというふうに考えてございます。 ◆山田耕平 委員  これについては、実績もあり、ニーズも高い施策だと思うんですね。ただ、事業所としては、夜間の対応による人材の確保なんかに課題がある。支給限度額によって、柔軟にサービスを使えないケースなんかも発生しているということです。このような事業運営の現状について、区の見解を伺っておきます。 ◎介護保険課長 事業運営につきましては、夜間の対応、オペレーター、また随時の職員の人員確保というところが大きな課題というふうに考えてございます。
    ◆山田耕平 委員  夜間対応ということで、この対応自体は、日常生活上、生きる上で欠かすことができないサービスだと思うんですね。これが支給限度基準額によって受給制限されている事例なんかも生まれている。支給限度額について、これは国に対してなんですけれども、撤廃することを求めてほしいと思いますが、区の見解はどうでしょうか。 ◎介護保険課長 制度の運営に当たりましては、やはり一定の枠を設けるということは必要なことであるというふうに考えてございますので、その枠の中で適切なサービスが提供できるように制度の運営を行っていきたいというふうに考えてございます。 ◆山田耕平 委員  その枠の設定がきつ過ぎるために、なかなかサービスが広く普及していかないという実例が多々あるわけですよね、ここでは挙げませんけれども。そうした問題が今の介護保険制度には山積している状況だと思うんですね。介護基盤整備を進めて在宅介護の限界点を高めるためには、やはりこういった支給限度額をなくしていくということも必要不可欠の課題ではないのかなというふうに思っています。  高齢者のみの世帯が増え続けている中で、区内の在宅介護の基盤整備は、今の現状だと不足しているというふうに考えます。この点に関して区独自に、杉並区に関していうと、さまざまな施策が展開されている点ですごく重要だと思うんですけれども、まだまだ介護基盤整備が足りないと考えます。夜間ケアなどの物理的な支援の拡充がさらに必要だと思いますが、区の見解を伺います。 ◎介護保険課長 介護基盤の整備というのは、在宅生活を支えていく上で重要なことというふうに認識してございます。夜間ケアにつきましては、新しいサービスである定期巡回・随時対応型訪問介護看護を普及していくこと、また小規模多機能型につきましても、基盤の整備をして進めていくというふうに考えてございます。 ◆山田耕平 委員  施設だけに頼らず、在宅介護の体制を強化するということも重要な施策ですので、ぜひしっかりと進めていってほしいと思います。現状のままでは、要介護高齢者の安心を保障するにはまだほど遠い状態だと思うんですね。基盤整備を早急に進めることを改めて求めておきます。  次に、介護職員、看護職員の確保についてお伺いします。  先ほどもいろいろと述べてきましたけれども、多様なサービス提供については、職員の確保が欠かせない課題になっていると思うんですね。現状は、低い介護報酬の中で人件費が低く抑えられて、人材確保が極めて難しいという状況になっています。この点についての区の見解を伺っておきます。 ◎介護保険課長 このたびの介護報酬の改定に当たりましては、物価の変動がないというところでマイナス改定も予想されていたところ、国のほうで1.2%報酬のアップがされておりますので、こういう現状を見ながら、今後考えてまいりたいというふうに考えてございます。 ◆山田耕平 委員  その介護報酬改定なんですけれども、実質で見たら0.8%減額になっていると思うんですね。国庫予算で払われる額も減っているという状態だと思うんです。ちょっと後で取り上げますけれども、地域包括ケアの取り組みにとって、その柱となるのが訪問看護師と介護職員の確保だというふうに感じます。職員確保に向けて区として何らかの取り組みを行う考えがあるのか、お伺いします。 ◎介護保険課長 介護職員の就労に関しましては、毎年ハローワークと協働して職業相談会、おしごとフェアというのを実施してございます。また、定着した後にも、離職が高いということがございますので、職員の定着を図るために、スキルアップ研修について区の施策としても力を入れていく。また、小規模の事業所に関して、健康診断の助成等も行っているところでございます。 ◆山田耕平 委員  離職率が高いということなんですけれども、なかなか大変な仕事なのでやめてしまう人が多いというふうに思うんですが、例えば潜在介護士の再就労を支援するというようなことに補助をつけるというようなことも進めることが必要ではないのかなと思うんですが、どうでしょうか。 ◎介護保険課長 介護職員の就労につきましては、事業所のほうで確保していくということが主体となると考えておりますので、その定着を図るための施策を行っていきたいというふうに考えてございます。 ◆山田耕平 委員  次に、介護職員の医療行為、たんの吸引、経管栄養などの医療行為について、介護職の業務として容認されたというわけです。区での実施状況、研修などの状況について伺います。 ◎介護保険課長 介護職員のたんの吸引の研修につきましては、都道府県が行うことということになっておりますので、募集、また実施については、今東京都のほうで行っているというふうに聞いてございます。 ◆山田耕平 委員  区で把握している状況で構わないので、教えてください。 ◎介護保険課長 施設系研修としまして、現在240名、また在宅系研修として1,200組。在宅系研修は第2回を1,200組、計3回研修を行うという予定になってございます。 ◆山田耕平 委員  介護職員の医療行為というもの自体は、家族などから強いニーズがある一方で、危険性や責任の所在など、事業所、介護従事者から不安の声も上がっています。本来は医療従事者である看護師が医療行為を行うべきであって、看護師不足を解消するためには、やはり看護師を増やすことが必要だと思うんですね。介護職の医療行為を解禁したとしても、今のところ、いろいろな事業者に話を聞くと、研修が長過ぎてなかなか職員を送り出せないというような声も多くあります。ニーズは高まっていますが、そういったところでは大きな課題がある。今後の取り組みについて区の見解を伺っておきます。 ◎介護保険課長 研修につきましては、繰り返しになりますが、東京都のほうで行うということですので、参加をしやすい環境としては、研修を増やすということが必要だということで、特別区課長会を通じて研修の増を申し入れているというところでございます。 ◆山田耕平 委員  介護保険の改定について伺います。  現場では、この改定によって混乱が広がっているんですね。特にヘルパーの生活援助の見直しをめぐって、利用者側からも事業者側からも、悲惨な状況が寄せられています。生活援助サービスがどのように見直されたのか、簡単に説明してください。 ◎介護保険課長 生活援助につきましては、今まで60分以上、90分以上という2つの区分でしたが、これが今回の改定に伴いまして、20分以上45分以下、45分以上という2つの区分に見直しをされたというところでございます。 ◆山田耕平 委員  1回60分未満だったものが45分未満となり、それに伴って介護報酬も下げられたんですね。利用者にとってはサービスの提供時間が減らされて、時間短縮を回避しようとする事業者は介護報酬が下がる。利用者、事業者、双方が困難を抱えるという状況になっています。  生活援助サービスの区分変更について、区にはどのような声が寄せられているのか、また、区としての見解を伺います。 ◎介護保険課長 生活援助の区分変更につきまして、今まで1時間だったものが45分になったという問い合わせがございましたけれども、それは制度の改正だということで説明をしてございます。  また、現場におきましては、利用者にとって必要なサービスを、ケアマネジャーなりがプランをつくって提供される、そういうのが適切な形というふうに考えてございます。  また、45分以上というのは、45分を上限ということではございませんので、それに合わせて事業所のほうで適切なサービスが行われているものと考えてございます。 ◆山田耕平 委員  その45分以上というところが際限がないというところが、また大きな問題だろうと思うんですけれども、現場では今回の事態を受けて、時間を45分に抑えるためにふろの掃除を週1回に減らしたとか、余裕がなくなって時間不足で洗濯が間に合わないとか、またヘルパーにとっては、今までどおりの家事援助を行うために、無賃労働でカバーしているというような実態が生まれているということなんですね。今、一部の事業所によっては、一律の時間短縮とか、利用者の意向を踏まえない45分化などが問題になっています。区内での実態について把握しているか確認します。 ◎介護保険課長 一律のサービスの切り下げというような話は聞いておりませんけれども、今回時間が変わりましたので、それに伴いまして適切なサービスの見直しが必要だということで、一律の削減ではなく、ちゃんと利用者のほうにも説明をするようにという指導をしているところでございます。 ◆山田耕平 委員  利用者の声によると、納得していないけれども45分になってしまったというような声もあるんですね。だから、そういったことについては、しっかりと区がいろいろと調べたり指導したりする必要があると思います。  今回の事態に対して厚労省が、利用者の意向を踏まえない時間短縮は不適切、これまでどおりの時間提供を可能とするという見解を示しています。厚労省の見解を踏まえた上での区の対応を伺っておきます。これについて、先進自治体なんかではしっかりとした指導体制なんかも組まれているんですけれども、区ではどうでしょうか。 ◎介護保険課長 実地指導等で現場に行きましたときに、ケアプランのほうも見ておりますので、先ほど申し上げましたように、45分というのは上限ではございませんので、また、45分を2回入れる、また2日入っていたところを1日に合わせる、そういう柔軟なサービスというものを今回の見直しでつくられているというので、それは現場を回ったときに点検をしているというところでございます。 ◆山田耕平 委員  これは事業者にとっても大変なんですけれども、適切な指導がされるべきではないかなというふうに思います。時間短縮の原因となっているのは、そもそも介護報酬の時間区分の切り下げなので、本当はそこが問題なんですけれども、今できることはしっかりと自治体としてもやってほしいというふうに思います。  では、認知症対応についてお伺いします。  他の委員からも取り上げられていましたが、高齢者の認知症対策について、区としても認知症対策に力を入れていますが、早期の予防と発見という観点では、高齢者の健診などの項目に認知症発見の項目などが加えられているほうがいいかなと思うんですが、それについてどうでしょうか、確認します。 ◎地域保健課長 現在、区民健診の項目の中には加えられておりませんが、75歳以上の方については、生活機能評価を同時に実施しております。そのチェック項目の中には物忘れといった項目もございます。 ◆山田耕平 委員  これについて鳥取大学医学部の浦上教授などの研究によると、最新の医療的な視点から見ると、早期の薬の服用が進行を遅らせるということに非常に効果があるということです。そのために認知症の検診なんかの必要も高まっているそうなんですね。持ち運びもできる便利な検診機械というものも製品化されていまして、簡単なタッチパネルで検診や予防教室が行えるそうなんですが、区としてもこういった取り組みについて積極的に取り入れることも必要と考えますが、どうでしょうか。 ◎地域保健課長 持ち運びができるタッチパネル形式のものというのは、保健所でも保有しておりまして、保健所、保健センターで実施するイベント、あるいは医師会等と協働して実施するイベント等で、物忘れ相談のコーナー、そういったところで活用しているところでございます。 ◆山田耕平 委員  認知症になる一歩手前で予防を図ることが極めて重要ですので、引き続き取り組みの強化を求めて質問を終わります。 ○大槻城一 委員長  以上で日本共産党杉並区議団の質疑は終了いたしました。  本日の委員会はこれで閉じ、明日午前10時に委員会を開会いたします。  本日の委員会を閉じます。                             (午後 4時42分 閉会)...